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「んははははははははははは。まべ・・じゃなかった。その名前はここではご法度だったな。ルビイよ。元気そうでなによりだ。ウムウム」 吟遊パソコン長七郎、いや、現時点では真紅の父親、実装寺健一郎にハッキングされたソニーのノートパソコンVAIOは、空中にふわふわと浮かびながら、スピーカー音量最大で、高らかに叫んだ。 氷の魔女ゲルダは、ぱっかーんと口を開けてそれを見ている。 「コホン。えーと、少しばかり発言を許していただけるかな、ゲルダよ。紹介しておこう。彼こそわれらが旅の仲間にしてルビイ・サーガの記録者、吟遊パソコン松平長七郎殿じゃ。しかし、今はどうやらルビイの父君に意識を乗っ取られておるようじゃがな」ガフンダルは、ゲルダに長七郎を紹介する。 「あいや我が君、パソコンとはなんじゃ?」 「このルビイが住まいしておった世界ではポピュラーな造り物でな。人間の代わりに複雑な計算をしてくれるものじゃ。本来無機物の集合体であるゆえ、このように自ら喋ったり、ましてや宙に浮いたりはせぬが、これもビャーネ神の偉大かつ深遠なる所業なのか、こうして人格を持つようになっておる」 「ふーん。こりゃまた面妖なる代物じゃのう。して、小娘の父親はその異世界からこのようにして通信してきておるのか?その父親も魔道を能くするのかえ?」ゲルダは興味津々でガフンダルにたずねる。 「うーむ。さすがのワシにも何がどうなっているのかよくわからぬゆえ、魔道といってもよいかもしれん。よし。これ、ルビイよ。父君の名前はなんと申すのだ?」 「えーっと。健一郎、実装寺健一郎だけど・・・」 「おおそうか」何を思ったか、ガフンダルは玉虫色のコートの襟を正し、背筋をぴんと伸ばして、なにやら口上を述べ始めた。 「異界の魔道師、実装寺健一郎殿よ。よくぞこのノルゴリズムにおいでなされた。心より歓迎いたしますぞ。吟遊パソコン長七郎殿の意識を乗っ取って、この世界に出現なされたところを見ると、貴殿も相当なる魔力の持ち主とお見受けいたしますぞ。畏怖と敬意の心をもて、この『玉虫色のガフンダル』より、『群青色のケンイチロー』というふたつなをお贈りいたしましょうぞ」 「ちょっとぉ。ガフンダルってば。ヘンなあだ名プレゼントしないでよ。それでなくてもノリ易いタイプなんだからさ。パパは」 VAIOは、つーっと空中を滑るようにガフンダルの目の前まで移動し、そこでぴたりと静止する。 「玉虫色のガフンダルよ。そのふたつな、喜んでお受けいたしましょうぞ」 「ほーら。始まっちゃったわよ」 「ガフンダル殿には、我が娘ルビイがいつもお世話になっているようだ。この通り謹んでお礼申し上げる。また、どうかわが妻にして、娘の新しい母親、洋子の魂救出のその日まで、なにとぞよしなにお願いいたしますぞ」 「しかと承りました」 ― なあに芝居がかったことやってんだろ。馬鹿じゃないの?なんか、あっという間に意気投合しちゃってさ。そもそもお義母さんがあんなことになっちゃったのはパパのせいじゃない。仕事中心のパパがいけないんだわ。それに、この世界にワタシを引きずり込んだ張本人はガフンダルかもしれないのよ。さすがは玉虫色と群青色ね。いろんな色が混ざり合わさっちゃって、両方とも怪しさ爆発だわ。その点ワタシなんでルビイだから、真っ赤よ、真っ赤。混ざり物のない原色なんだからね ― 色のことなどという、あらぬ方向へ考えがさまよいだしてしまった真紅であるが、口に出しては言わなかった。どうやら今回の冒険で、思ったことをすぐ口に出すと、ろくな結果を招かないということを徐々に学習しつつあるようであった。 真紅がそんなことを考えていると、父親の乗り移ったVAIOは、またつつーっと空中を移動し、キャプテン・ハックの前に静止した。 「お初におめにかかる。キャプテン・ハック殿。私はルビイの父親にして、玉虫色のガフンダルが盟友、群青色のケンイチローと申すもの。以後お見知りおき願いたい」 ― いきなり自分で名乗ってるわ、群青色なんて。ほんと馬鹿だわ。自分の父親ながら ― 「こちらこそよろしく頼むぜ。群青色さんよ」キャプテン・ハックが、面倒くさそうに返答を返す。 「時にキャプテン・ハック殿。まさかとは思うが、貴殿はうちのルビイに対して、ヨコシマな劣情を抱いておらんだろうな。あれはまだまだ子供だから、くれぐれも間違いのないようお願いしたい」 「な。なにい。ま、まあ将来はどうかしらねえが、今はそんな気を起こすことはねえだろな。俺はどっちかっていうと、成熟したオンナが好みだからよ。例えばあのゲルダさんみたいによぉ」 「そうか。それなら安心だ」 ― あ。傷つくぅー。もう子供だって産めるんだからね!ワタシ。くっそー。今に見てらっしゃい。 ― 何をどう、今に見てもらえばいいのか皆目見当がつかなかったが、とにかく真紅はそう決意した。 「あのう。えーっと。お取り込み中申し訳ないが、ええーっと。わらわのクイズのほうはその、どうなっておるのかえ?」ゲルダが心配げな様子で、誰に言うでもなく、ポツっと呟いた。 「おうそうだ。まべ・・じゃなかったルビイ、一緒にあの柱の影へ行こう。作戦会議をする。キャプテン・ハックも来てくれ。ガフンダル殿は、我々がいんちきしていると思われるとまずいので、ここに残っていてもらおうか」 そういって、VAIOは、また空中を滑るように、部屋の隅の柱に向かって移動しだした。 「ささ。はやく」と二人を促す。 真紅とキャプテン・ハックは、お互い顔を見合わせて怪訝な表情をしつつも、VAIOの後を追って歩き出す。 三人(一台と二人)が、柱の陰に集まると、群青色パソコン健一郎が、やおら話し始めた。 「年齢当てクイズを攻略するために、百五減算のアルゴリズムを使ってみたいと思う」 「ひゃ、ひゃ・・あるごるご」あわあわしている真紅を制して、健一郎は話を続ける。 「百五減算とは、未知の数を3、5、7でそれぞれ除算した余りから求めるという、江戸時代より伝わる和算法のひとつなのだ。いいか。百五演算だぞ。大工の源さんではないので注意が必要だ」 「ごめんなさいパパ。今、ギャグをぶちかましたみたいなんだけど、よくわからないの」 「コホン。えーっと。説明するより実際にやってみたほうが話は簡単だ」 健一郎がそういうと、液晶モニタ部に、なにやらウインドウが出現した。 「これは、私が突貫工事にてでっち上げた年齢当てアプリケーションだ。当然Rubyでできているぞ。ルビイの年齢は私も知っているので、キャプテン・ハックよ。君に質問しよう。まず君の年齢を3で割った余りはいくつだ?」 「えーっと。2だな」 「では、5で割った余りは?」 「3」 「では最後に7で割った余りはいくつかな?」 「同じく3だな」 キャプテン・ハックの答えた数が、テキストボックスにぽつぽつっと現れる。 「よおし。ではルビイ、そこの【推理】ボタンを押してみてくれたまえ」 「なんか、馬鹿馬鹿しいような気もするけど・・・。はい」真紅が推理ボタンを押すと、ダイアログボックスがぽよんと飛び出してきた。 「えーっと。なになに。『あなたの年齢は38歳ですね。そうでしょう?隠してもわかりますよ』ええぇー!?ハックって38歳なの?うそ」 「残念だがズバリ的中だね」ハックはなんとなく照れくさそうに頭を掻いている。 「なあんだ。どこに出しても恥ずかしくないおっさんじゃん、ハックったら。馬鹿みたい」 「馬鹿みたいって言い草はねえだろ!38歳っていってもまだまだ現役だぜ。若い奴らにゃあ負けねえ」キャプテン。ハックは、顔を真っ赤にして叫ぶ。 「なにが現役なんだか。でもすごい。当たるのねこれ。えーっと。私の場合は、13歳だから、3で割ると余りは1、5で割ると余りは3、7で割ると6でしょ。じゃあ、【推理】っと。んきああー。13歳。当たったわぁー!」ものすごいはしゃぎようの真紅。 「ルビイ。どうやらプログラムの威力にひれ伏した様子だな。ではソースコードを見てみようか」 001 | html 002 | head 003 | meta http-equiv="Content-Style-Type" content="text/css" / 004 | link rel="stylesheet" type="text/css" href="style.css" / 005 | title Ruby・イン・ワンダーランド【百五減算 年齢当てプログラム】 /title 006 | script language="RubyScript" 007 | ############################## 008 | # 105減算アルゴリズム 009 | # By 実装者 2008/11 010 | ############################## 011 | def init() 012 | #Rubyのヴァージョンを初期表示します。 013 | @window.document.getElementById ("version").innerHTML = RUBY_VERSION 014 | end 015 | def main() 016 | #メイン処理です。 017 | begin 018 | #入力された値の検証を行いつつ、 変数に格納していきます。 019 | a = Integer(@window.div3.value) 020 | b = Integer(@window.div5.value) 021 | c = Integer(@window.div7.value) 022 | if a 0 || b 0 || c 0 then 023 | rize #マイナス値が存在すればエラー 024 | end 025 | #これが、105減算のメインロジックです。 たった1行! 026 | solv = (70 * a + 21 * b + 15 * c) % 105 027 | # 結果発表 028 | @window.alert "アナタの年齢は" + solv.to_s + "歳ですね。\nそうでしょう? 隠してもわかりますよ" 029 | rescue 030 | # Integer()で数値変換できない場合、 TypeErrorまたはArgumentErrorが発生する。 031 | @window.alert "数字を正しく入れてね" 032 | end 033 | end 034 | /script 035 | /head 036 | body class="body" onload="init" language="RubyScript" 037 | center 038 | h1 Ruby百五減算 /h1 039 | hr 040 | h2 Rubyが貴方の年齢を当ててごらんにいれます /h2 041 | アナタの年齢を3で割った余りは? input type="text" id=div3 name=div3 br / br / 042 | アナタの年齢を5で割った余りは? input type="text" id=div5 name=div5 br / br / 043 | アナタの年齢を7で割った余りは? input type="text" id=div7 name=div7 br / br / 044 | input type="button" value="推理" id=start name=start onclick="main" language="RubyScript" 045 | /center 046 | hr 047 | span style="margin-left 90%" Ruby span id="version"/ /span 048 | /body 049 | /html 「さよなら」奇しくも声をそろえてそういいながら、慌ててその場を立ち去ろうとする真紅とキャプテンハックである。 「これこれ。どこへ行こうというのかね。頼むよ。解説させておくれよ。もう独白形式でRubyの解説をするのはやめたので、この場をお借りするしかないのだよ。今回だけだから。ね、ね。今後はプログラムも大きくなってくるので、この場で全部ソースコードを載せるのは無理と思うし。ね、ね」 「何わけのわからないこといってんの、誰に何を訴えてるわけ?パパ。まあ好きにすれば」 「群青色健ちゃんの、Ruby解説こぉなぁー!」 勝手にコーナーを立ち上げないでくれ、実装寺健一郎よ。 ソースコードを一瞥していただくとお分かりであろう。これは世間一般的にいうと、HTML形式というカテゴリに属するものだ。 このコードがWebサーバから送信されてくると、Webブラウザが『ははん。これはどうやらHTML形式で記述されているぞと判断し、文字の色や大きさを変えたり、別の場所から絵を持ってきたり、飾りつけしたりなどして画面に表示するのである。 だが、このコードは、ただのHTMLコードとはわけが違うのだ。どこがどう違うのかというと、一般的にHTMLは静的なもので、ユーザはそれをただぼんやりと閲覧するだけのものなのだが、これは、ユーザの操作に反応するのである。 このようなインタラクティブ(対話式) Webページを構築する方法には二通りある。ひとつはサーバー側にその仕掛けを設置するもので、これをCGI、JSP、ASPなどと呼ぶ。 もうひとつは、クライアントのブラウザにスクリプトエンジンを持ち、それをHTMLコード内から操作するもので、このHTMLを特に、ダイナミックHTMLと呼ぶのである。 ダイナミックHTMLについては、以前『実装寺健一郎の独白2』で解説させていただいたので、ここでは割愛するが、多くの書籍が出版されているし(現在では、クライアントサイドのスクリプトと、 Webサービスを連動させるAjaxが主流となっているので、クライアントサイドだけで完結するダイナミックHTMLの解説本は少数派になっていきているのだが)、インターネットでは、気のいい兄さん達が、「もうわかったから」と許しを乞いたくなるほど解説してくれているから、情報を収集するのに困ることは絶対にあるまい。 ただし、それらの解説で使用されているのは、残念ながらJavaScriptであって、Rubyのものは皆無なわけであるが、実はそう悲観したものでもない。 JavaScript自体、そんなに難しい言語ではない。なぜなら、そもそも機能が、ブラウザ上でなにやら芸をするということだけに特化されているからなのである。 であるから、まずRubyの基本的な書法を覚えて、何万何十万のオーダーでネットに転がっているダイナミックHTMLサンプルのJavaScriptの部分をRubyで書き換えてみるのだ。 最初はあちらこちらでゴツンゴツンと頭を打つかもしれないが、慣れてくると、次第に成すべき事がわかってくるようになる。そうすれば、ダイナミックHTMLも、Rubyも、そしておまけにJavaScriptも習得できるという、一石三鳥こりゃたまりませんわ状態となるのだ。 もし貴方が調子乗り、もとい向上心に富んだ技術者であるならば、余勢をかって、PerlScriptに挑戦するのも一興かもしれない。PerlScriptとは、ご想像の通り、JavaScriptをPerlにて置き換えるものだ。 さて、話を前出のコードに戻そう。 このコードのまず一番のキモは、なんといっても6行目のScriptタグ、 script language="RubyScript" だろう。 ブラウザのHTML解析担当者に『ここからスクリプトが始まるのだが、そのスクリプトエンジンはRubyScriptだよ。どうぞよろしく』と教えているのである。 先ほど申し上げた、JavaScriptからRubyへの置き換えは、まず、 script language="JavaSctipt" から、 script language="RubyScript" へと書き換えるところから始まると心得ていただきたい。 Rubyのコードの中身に眼をやってみると、二つのメソッドが定義されているのがわかると思う。init()とmain()だ。それぞれ11行目と15行目から定義されている。 これらのメソッドは、いきなり勝手に動き出すわけではない。このHTMLコードによって構築されるページ上で、なにかイベントが発生し、それと連動して呼び出されるのである。 init()は、36行目のBodyタグで呼び出されている。 body class="body" onload="init" language="RubyScript" bodyのonload時、即ち表示される前に必ず呼び出されるのである。 initメソッドの中身を見てみると、47行目で定義されているspanに、Rubyインタプリタのバージョン番号を表示しているのである。RUBY_VERSIONというのは、『組み込み定数』と呼ばれるもので、Rubyインタプリタのバージョンを文字列として持っている。定数だから、勝手に書き換えることはできない。 init()メソッドは、たったの一行(コメントを入れると二行だが)のチンケなものなのだが、RubyScriptにとって、非常に重要なポイントが隠されているのである。 @window.document.getElementById("version").innerHTML = RUBY_VERSION それは他でもない、先頭の@windowなのだ。これは明らかに変数なのだが、コードのどこを見ても、@windowという変数など定義されていないのだ。 Rubyでは、変数は必ず初期化されていなければ使えないはずだから、このプログラムは実行できないのかというと、そんなことはない。 ではこの@windowというのは何者なのかというと、『Webブラウザが保持するオブジェクト』なのである。JavaScriptも、VBSCriptも、PerlScriptも、そしてRubyScriptも、 Webブラウザが保持するオブジェクトにアクセスできなければ、まったくなにもできないのである。 ダイナミックHTML上のスクリプトエンジンである第一条件は、まず『 Webブラウザが保持するオブジェクトに自由にアクセスできること』であるわけだ。 従ってRubyScriptも、これらオブジェクトにアクセスする機能を持っているというわけである。 main()が、実際の百五減算を実行する、まさにメイン部分となるわけだが、これは、46行目で、推理ボタンをぷちっとクリックしたときのハンドラとして定義されているのである。 input type="button" value="推理" id=start name=start onclick="main" language="RubyScript" main()の中では、まず3で除算した余り、5で除算した余り、7で除算した余りを入力するテキストボックスからそれぞれ値を取得してきて数値に変換し、百五減算処理を行って結果をダイアログに設定してぽこんと表示するということをやっている。 ここで注目していただきたいことがひとつある。それは、制御構造のパートでは解説しなかったのだが、制御構造の立派な一員である、『例外処理』が組み込まれているのである。 このプログラムは、三つの入力域を持っているわけだが、全てに正の整数を入れてもらうことを想定しているのだ。 ところが世の中にはひねくれ者がいるわけで、明らかに数値を入れなければならないところへ『にょほほーん』などという文字列をいれてプログラムを虐待するのである。 もしそれを見過ごしてしまったら、このプログラムはコケてしまう。そうならないようにしっかりと入力された値をチェックして、都合の悪い値ならば、その旨意思表示をし、態度を改めてもらわなくてはならないのである。 この百五減算プログラムでは、その仕組みに例外処理を採用した。 例外処理の構造は簡単に言うと次のようになっている。 begin # 例外が発生する可能性のある処理 rescue # 例外が発生したときの処理 end beginとrescueで挟まれたステートメントで例外が発生すると、その場からいきなりrescue以降へ制御が移る。そして、endまでの処理が実行されるという構造になっているのだ。 このプログラムでは、例外が発生する可能性が高いのが、19、20、21行目の、 Integer組み込みメソッドで各テキストボックスの入力値を数値変換しているところだ。 もし数字以外の変な文字が入っていた場合、この Integerメソッドは例外を発生させるのである。さらに、整数に正しく変換されたとしても、マイナス値だと、ちょっと具合の悪い計算結果になる。そこで、三つの数値のどれかひとつでもマイナス値であった場合、無理やり例外を発生させて処理を中止するのである。それが、23行目のrizeなのだ。 この例外処理は、後々も出てくるので、しっかり記憶しておいていただきたい。 今回のプログラムは、以下のURLで動作を確認できるぞ。 ここ 但し、貴方のマシンにActiveScriptRubyがインストールされていないと動かないので、よろしくご了承願いたい。 コードの解説を退屈そうに聞いていた真紅は、終わりと見るや否や「よし。これでゲルダの年齢をびしっと当てるのよ。そして氷の水晶をゲットするんだ」と叫びざま、VAIOをむんずとつかみ、鼻息も荒くゲルダのところへ突進していった。 「これこれ。なんという馬鹿力なんだルビイ。父さん痛いよ」真紅は、哀願する父親の声など完璧に無視する。 「待たせたわねゲルダ。これから貴女の年齢をぴたっと当てて見せるからね。今から質問をみっつするから、正直に答えなさいよ」真紅は、ピンと背筋を伸ばして胸を張り、ゲルダをまっすぐ見つめて高らかに宣言した。 「いいとも。なんなと訪ねるがよいわ」ゲルダも同じように背筋を伸ばしてそう答える。 「じゃあいくわよ。ゲルダ、貴女の年齢を3で割った余りは?」 「わらわの年齢を3で割るのか?それの余り?えーっと。0じゃな」 「じゃあ、5で割った余りは?」 「3じゃな」 「これで最後よ。7で割った余りはいくつ?」 「4じゃ」 「わーっははははは」真紅は勝ち誇ったように高笑いする。「これでワタシの勝ちよゲルダ。覚悟しなさい!」 「なんだ?そんな質問でわらわの年齢がわかると申すのか?」 「申す申す。申しまくりよ。さあ、炸裂するがいい!【推理】ぼたぁぁぁーん。ぽちっとな。ん?げぇぇぇぇぇぇぇぇー!」 「どうしたんだよルビイ。どんな答えが出たんだい?」と、VAIOの画面を覗き込むキャプテン・ハック。だが彼には真紅の世界の文字など読めない。真紅は顔を高潮させて、キャプテン・ハックの腕を掴み、先ほどの柱の陰までダッシュで戻る。 「おい。ちょっと。痛てえってんだよ。もっと丁寧に扱ってくれねえか!?」キャプテン・ハックは、真紅のものすごい力にずるずると引きずられながら叫ぶ。 柱の陰に戻ると、真紅は小さな声で言った。 「ちょっとパパ。このプログラムおかしいんじゃないの?」 「失敬な。私のプログラム、というか、日本民族伝統の叡智を否定するのかね!キミは」 「そういうわけじゃないけど。あまりにあんまりな結果が出ちゃったからさあ。ちょっとパパのトシで試してみていい?」父親の年齢で試してみたが、これも正解であった。 「おっかしいわねぇ」しきりに首をひねる真紅。 「一体全体、ゲルダは何歳と出たのだ?ルビイよ」 「えーとね。18歳なの」真紅がぽつんと答える。 「じゅじゅじゅじゅ、じゅうはっさーい!??さーいさーいさーいさーいさーいさーいさーいさーぃ」 図らずも、キャプテン・ハックと実装寺健一郎二人の、いい具合にハモった魂の叫びが、氷の洞窟中にこだましたのであった。 旅立ち(7)へ続く
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未来人で宇宙人で超能力者で幽霊で夢なのかな? 383 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 06 11 51.57 ID hg/SU95M0 はよっすー。 9時間寝たらある程度回復w なお、どうでもいいことだが私はスレオチで終了させた前科ありwww 384 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 06 18 56.80 ID nEEgME04O 383 乙です どこまで保守できるかは判らないけどゆっくり休んで下さいませー その落ちたスレ、多分見てたorz 386 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 06 26 01.80 ID hg/SU95M0 384 それが本当なら吹くw 387 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 06 45 23.59 ID nEEgME04O 386 とないぬ関連じゃないのも結構書いてるから、見落としてるかもしれん まぁ、落ちたスレをどうこう言ってもしょうがないと思う だからこのスレだけは・・・ 388 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 06 48 08.99 ID hg/SU95M0 387 とりあえず、しばらくしたら夜にやろうと思った分を書き始めるよーw 389 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 07 07 17.77 ID nEEgME04O 388 嬉しいけど・・・ 大丈夫なの?体とか身体とか躯とか肉体とか 390 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 07 16 54.71 ID hg/SU95M0 389 さあ? 前々回の日曜から8日連続更新は成功したが、昨日はしょぼしょぼでばたんきゅ~。 やっぱり、週休四日は必須だね♪ 391 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 07 24 48.77 ID nEEgME04O 390 さぁってww 休める時には存分に休んで下さいorz 392 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 07 29 28.31 ID hg/SU95M0 391 はっはっは ……いやホントは『とないぬ』のシナリオやらなくちゃいけないわけだから、こうやってこのスレにいること自体休んでるというかサボってるというかスタッフに申し訳なかったりするんだよねorz ああもう、急がなきゃって思ってもまだまだ終わりそうにないってどういうことだーwww 393 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 07 35 52.50 ID nEEgME04O ええと なんか色々と乙 394 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 07 48 35.22 ID SZadJEI60 まあまた~りいきませう 395 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 08 01 10.41 ID hg/SU95M0 ~再開~ 397 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 08 08 07.12 ID hg/SU95M0 そのまますることもなくじーっとしていると、徐々に眠気がやってきた。 どうやらなぞの公式を聞くと眠くなる生理現象はこの世界でも健在のようで、ラクたちがせわしなく働く中で寝てはまずい、と必死に目を開けるも次第にまぶたが重くなる。 自分でも分かるくらいにうつらうつらと揺れ始め、ぶるぶると首を振っても効果薄。 眠い。 眠いー。 すこぶる眠いー! 399 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 08 12 52.71 ID hg/SU95M0 そうして睡魔と闘うこと数分。 「ね、ね、おにーちゃん。手伝ってくれるー?」 にまにまと喜色満面の笑みを携えて、ラクがやってきた。 その笑い顔に何処となく邪悪なものを感じたが、この際眠気が飛ぶのなら連帯保証人でも悪魔の契約でもなんでもいいや、とあっさり首を縦に振る。 400 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 08 22 39.32 ID hg/SU95M0 ……いや、待ってごめん連帯保証人も悪魔の契約も取り消し取り消しクーリングオフをクーリングオフを求めます! 「あの、ラクさん……?」 「なーに?」 にまにま 「この、いかにもなごっつい機械はなんでございましょうか?」 でん、と部屋の中央に置かれた身の丈三メートルはあるかという大きな金属の塊。 「新開発の測定機だよー」 にまにま 「そこから伸びる、この座席らしきものはなんでございましょうか?」 その下部分には背もたれ手すりのついた大振りな、これまたかちかちの金属のイス。 「測定者に座ってもらうイスだよー」 にまにま 「そのイスについている、手かせやら足かせらしきものはなんでございましょうか?」 イスの手首と足首の位置には口を開いた、ここだけは優しさだろうかなめした革の手かせ。 「測定者を動かないようにさせる手かせと足かせだよー」 にまにま 「……測定者ってだーれ?」 ずびしっと指差された。 にまにま 402 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 08 32 58.85 ID hg/SU95M0 > 「じゃ、行くぞー?」 「いつでもいいよー!」 まあ、測定機械なわけだ。 にまにまくふふふ、とこらえるつもりがあるのかツッコみたくなる笑みを浮かべていたラクへ、チョップ一発聞き出したところ、危ないものではないのだそうだ。 簡単に説明されたこの装置の仕組みは、 1.『魔法』を発動してもらう 2.発動した『魔法』によって引き起こされた物理現象を測定する 3.その物理現象の大きさから『魔力』を求める というシンプルなもの。 大仰な外見に似合わず、行うことは案外小さなことであった。 403 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 08 43 54.09 ID hg/SU95M0 むしろ物理現象を測定するための器具の開発に時間がかかったというそれは、なおも脆弱な測定能力をごまかすために多少規模の大きい『魔法』が発動するよう『魔法陣』が組み込まれているらしく、安全のためにこのようなゴツイ外見になってしまったのだという。 「ぽちっとな」 手元に用意された、基点となる『魔法陣』に指先を合わせた。 ぐいんぐいんぐいん…… 「おー!」 「回ってる回ってるー!」 座席上部に見える回転盤が少しずつ少しずつ加速を始めた。 404 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 08 50 42.38 ID hg/SU95M0 きゅいんきゅいんきゅいん…… 「実験は成功ですね、所長!」 「これを応用すれば様々なことが期待できますよ!」 熱っぽく語る研究員たちひとりひとりに、うれしそうにラクはうなづいてみせた。 きぃいんきぃいんきぃいん…… 「これを動力として用いれば、燃焼機関を必要とせずに地球の蒸気機関などを超える設計が――」 「でもその前に、動力として用いるにはその分の材料となる硬質な――」 いや、あのその……熱っぽく熱っぽく語るのはいいのだが、 いぃいいんいぃいいんいぃいいん…… 「なんか、回転数が、エライコトに、なっているような、気が、するのは、ぼく、だけで、しょうかー!?」 「はっ、おにーちゃん!? ……総員退避ー!」 「助けろー!!!」 爆発は、しなかった。 405 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 08 55 33.37 ID gSTkzPo8O …優の魔力ってどのくらいなのかがわかるのか 407 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 08 59 36.94 ID hg/SU95M0 「怖かったー怖かったーすんげぇ怖かったー!」 「ごめんね、おにーちゃん……」 爆発はしなかった。しなかったが―― 「イスの真後ろボンっていったとき、死ぬかと思ったー!」 いろいろ変形していた。 408 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 09 06 43.47 ID hg/SU95M0 「この安全性は今後の課題になりそうですね……」 「だねー……」 「いやいや、ここは力の発散方向を変えていっそ爆発してしまっても大丈夫なように――」 「でも、そうなると使い捨てのようになってコストが――」 「そこは、実験ですから無視をして――」 早々に心配を切り上げて話は改良へと向かう技術者陣。ある意味えらい。 409 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 09 08 13.31 ID gSTkzPo8O つか、これ魔法でエンジンみたいな内燃機関作る気なのか…? 410 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 09 13 33.50 ID hg/SU95M0 「というか、最初っから発動しても安全な『魔法』にすればいいんじゃ……?」 ……いやその、その手があったか、みたいなリアクションはやめてください。というか、朝方も見たぞこの動き。 「キョウコとアヤは暴走原因の解明、他は発動する『魔法』について――」 早速指示を飛ばし、自らも作業にかかるラク。 ううむ……。 411 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 09 24 43.75 ID hg/SU95M0 この生命の危機を感じる実験とその後のアイディアから気に入られたのか、ラク以外の所員たちも時々話しかけてくれるようになり、あまり退屈はしなくなった。 長からの紹介があって以降も、アルとラクの他には遠巻きに眺められるだけだったのだが、話してみるとやはり『人間』と大差なく楽しくしゃべることができた。 色々と気遣ってくれて、周囲を簡単に片付けてくれたり飲み物をくれたりと快適であった。 412 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 09 29 39.75 ID hg/SU95M0 ☆休むー 415 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 09 37 08.30 ID hg/SU95M0 ☆魔法の呪文ってかっこいいよねー ……扱わないけれどorz 417 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 09 40 08.57 ID gSTkzPo8O …クローって胸どんだけだっけ。 いや、だからどうしたって話だが。 山登りの後のアルとの会話で聞いた筈だが携帯じゃログ見れね。 418 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 09 41 24.72 ID hg/SU95M0 417 C 419 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 09 41 29.59 ID gSTkzPo8O 415 音声ってか波紋で魔法陣の代替を作ると考えるんだ! 420 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 09 42 28.25 ID hg/SU95M0 419 ☆この世界設定だとむりぽ(´・ω・`) 421 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 09 42 30.77 ID gSTkzPo8O 418 でかいな!全体的にでかいと聞いたがちびっこのクセにでかいな! 422 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 09 43 56.48 ID hg/SU95M0 421 wwwwww 423 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 09 44 14.55 ID gSTkzPo8O 420 (´・ω・`)厨くさい詠唱スキーとしては悲しい。 さて、前スレに絵師様こなかったし描いてみるか 424 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 09 44 54.39 ID hg/SU95M0 423 wktkいたしましょう 429 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 10 37 43.51 ID gSTkzPo8O 俺しか居ない予感!(゚д゚≡゚д゚) 430 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 10 38 24.60 ID hg/SU95M0 429 |゚д゚ ) 440 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 12 09 51.72 ID CGcuI6eUO やっと追いついたぜ ユウが新たな能力に目覚めるのか? 441 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 12 16 53.67 ID SVlH9f/g0 どーだろうなー。 そんな兆候は今のところ・・・あるのか?(´・ω・`) 443 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 12 25 45.64 ID CGcuI6eUO 俺的にはフェイクマジックとかいいかもな 中身と外見を瞬間的に入れ替えるって感じで 444 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 12 30 48.82 ID nEEgME04O 443 つまり、一瞬で全裸になれr(ry 456 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 14 00 46.03 ID hg/SU95M0 ~再開~ 457 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 14 03 27.58 ID hg/SU95M0 『エルフ』には『いいひと』が多いように感じられた。 悪くいえば単純、良くいえば純粋。 他人の顔や立場をうかがって反応を決めるような複雑さがなく、素のままに応対をしてくれる。 そのせいか自分と相手の関係が決まりきっていない相手への対応は苦手のようで、自分なりの結論が出るまでは保守的に行動をするようだった。 458 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 14 04 40.67 ID hg/SU95M0 ただ、それは必ずしも『善良』という意味ではないのだが……。 462 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 14 16 52.78 ID hg/SU95M0 > 面白いことに、ここでは『魔法研究所』なのに『魔法』を使わない技術についても研究がなされていた。 簡単な蓄電池やモーターなどが置かれ、改良が加えられていた。 とはいえど、それは極々初歩の電池で二種類の金属と電解溶液を使う――高校の化学の教科書で見かけるような――電池だったり、コイルと磁石に電流を与えるようなモーターだった。 464 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 14 22 58.29 ID hg/SU95M0 昔の『巫女』が残した知恵なのだという。 実用はまだまだ『魔法』に遠く及ばないが、この『ひといらずの動力』という単純な物理現象は、個々人での差も出にくいしよほど使い勝手が良い。 何十年という研究か、あるいは現れるだろう次以降の『巫女』によって、いつかこれらは実用に届くのだろう……。 ……一介の高校生程度でしかないぼくには、これらを発展させうる知識はないのだが。 465 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 14 24 51.33 ID hg/SU95M0 「ふっふっふ……これが完成すれば電気ショック攻撃が可能に……」 「平和的に使えよぉ……」 ラクは楽しそうだった。 470 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 14 42 34.78 ID hg/SU95M0 >> ガランドウには吸血鬼が出る。 夜中にすぅっと音もなく舞い降りて、血の色の瞳で獲物を見定め、真っ黒な翼で隕石よりも早く追う。 気が付いて逃げようとしても無駄。岩砕き鉄ひしゃげる腕力を前には抵抗など何の意味もない。 手首をねじられ、ひじ折られ、太腿から骨を露出させられて、動きを止められる。 そうして、怯えと恐れ、怒りと悲しみ、無力感と絶望のみを発することを許されたノドに――ノドもとに――がぶり、と。 首筋から噴出する紅をごきゅりごきゅりとがぶがぶと飲み干されて、だのに幸福と悦楽の中で恍惚とした表情で、逝ってしまう。 だが、それだけでは済まない。 済むならばまだ幸運。死ねたならばまだまだ幸運。生き返ってしまったら――そこにある苦痛はそれまでの非ではない。 彼らの使途となってしまった生ける屍は、そのままの崩れた肉体を背負って生き続ける。 どんなにどんなにどんなに不幸を嘆いても赦されることはなく、生き続ける。 肉体の苦痛に、精神の苦痛に、魂の苦痛。 しかし、そうなってしまった彼らにはもはや救済の手など差し伸べられはしない。 なぜならば、彼らは『ひと』であることを終えてしまったから。 ゆえに苦痛に苦痛に苦痛を重ねて、それでなお悠久の刻を怨嗟でもって懺悔しなければならないのだ……。 471 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 14 49 04.36 ID hg/SU95M0 「――だから、寝なさい」 と、レディウムの第一公用語で女性は言った。 そして、その言葉に対して、従わない意思のジェスチャー――日本でいえば「あっかんべー」という感じの――をしてみせる少年。 「だってさ、まだこの本読み終わんないんだもん!」 と、やはりレディウムの第一公用語で書かれた本をひらひらとさせ、少年は言った。 472 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 14 52 44.09 ID hg/SU95M0 「いいえ、ダメです。夜は寝るものでしょう? 身体に悪いわよ?」 腰に手を当て、女性は諭す。 「……てか、ロウソク代がもったいないんでしょ?」 ジト目に薄笑いで少年は返す。 「ぐっ……いいから寝なさいッ!」 「おおこわぁ……やっぱり人間歳をとると怒りっぽくな――」 そこまで口にしたところで、鉄拳制裁が行われた。 473 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 14 58 01.62 ID QPojobjD0 姉と弟かメイドとあるじか 474 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 14 59 06.10 ID hg/SU95M0 「だ、大体さぁ、昔話で子供寝かしつけようなんて古いんだよ!」 「あら、夜中に目が覚めて、トイレに行くのが怖いからってあたしを起こしたのは誰だったかしら~?」 ぐっ、と今度は少年がうめく。 「これだから古いひとはイヤなん――」 ごづん 「寝ろッ!」 レディウム教国の首都、ガランドウの外れにある、地価が上がり始めている地域でのとある家庭の出来事であった。 476 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 15 01 04.96 ID hg/SU95M0 473 ☆いやまあ、親子なんだけどねw とりあえず休みー 477 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 15 01 54.44 ID hg/SU95M0 476 ひょっとして姉弟にしておいた方が正解だったか……?w 478 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 15 02 08.95 ID QPojobjD0 476 もちょい近しい歳関係にみえた 萌える 乙 479 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 15 03 30.83 ID SVlH9f/g0 親子か。 そうか。人妻か。 ……そうか! 481 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 15 04 12.78 ID hg/SU95M0 頭の中では若い母親と子供だったりー 482 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 15 07 26.78 ID nEEgME04O 479 納得すんなww 481 大丈夫始めからそんな感じで妄想して読んでた 484 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 2007/06/19(火) 15 08 34.23 ID QPojobjD0 479 ちょっとまてそのリアクションw 486 ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw 2007/06/19(火) 15 09 57.16 ID hg/SU95M0 479の人気に吹いたw PREV 新ジャンル「未来人で宇宙人で超能力者で幽霊」05_vol01 NEXT 新ジャンル「未来人で宇宙人で超能力者で幽霊」05_vol03
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ラウンジ板のタイピング56、 849に突如として登場。 数箇所の打鍵トレーナーで500を超え、自分が中堅でないことを誇示。 他のラウンジ住人が600を超える記録で対抗するも、全て不正扱い。 本人によるとTWJR基XA、カXC、漢XE、慣XC。 13 15から授業なのにもかかわらず13 29にレス 849 名前:名無しさん?[sage] 投稿日:2005/06/08(水) 11 00 01 ID ??? 漏れ打鍵トレーナで500出したぜ!!!!!! もはや中堅を越えた 867 名前:849ぽち[sage] 投稿日:2005/06/08(水) 11 56 59 ID ??? 861 はやく854出てこいよプゲラwwwwww いま愚弄ランドで余裕の500越え 875 名前:849ぽち[sage] 投稿日:2005/06/08(水) 12 09 16 ID ??? 871 不正乙wwwwwwwwwwwwww おいおい他の奴らはどうした??? ビビって登録もできないようなカスばっかだったのかよプゲラwwwww 933 名前:849 ◆2LEFd5iAoc [sage] 投稿日:2005/06/08(水) 12 50 57 ID ??? おいおい今ここは10人くらいいるんだろ?? 他の奴らはどうしたwwwwwwwww 855/900は漏れと数打の紙一重だな。そこだけは認めてやるぜwwwwwwwww 938 名前:849 ◆2LEFd5iAoc [sage] 投稿日:2005/06/08(水) 12 55 02 ID ??? 13:15から授業はじまっちまうじゃねーかよ 速くしろよおまいらプゲラ 990 名前:849 ◆2LEFd5iAoc [sage] 投稿日:2005/06/08(水) 13 29 30 ID ??? 987 実は最近常用後がXXになったんだよなwwwwwwwwwwwwwww 少し誇大表現しすぎたがまあいいだろプゲラwwwwwwwww GROWLAND打トレより抜粋 4 872@ラウンジ 655 30 95.6% ユト乙 2005/6/8 13 4 55 5 855@ラウンジ 649 36 94.7% ラウンジなめんなwwwwwwww 2005/6/8 12 3 10 11 872 594 13 97.8% 1発取り。 2005/6/8 12 10 54 17 ぽち@ラウンジ 535 54 90.8% 2005/6/8 12 10 57 SHADOWROOM打トレより抜粋 1 855@ラウンジ 587 31 94.9% ラウンジなめんなwwwwwww 2005/6/8 12 32 2 2 900@ラウンジ 580 21 96.5% で? 2005/6/8 12 38 3 6 ぽち849 509 36 93.3% 2005/6/8 12 27 24
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スリッピー「フォックス、アーウィンに新機能つけておいたんで使ってみてよ」 フォックス「くっ、ピンチだ……そうだ、新機能って奴を ぽちっ…… ヴィンヴィンヴィン、ヴヴヴヴヴ…… って、ぅあ!なんだこれ……ひ…や、アーウィンに……犯されるぅっ……!」 オイッコニー「あんどるふおじさぁぁぁぁん!」 ファルコ「な……何が起きたんだ?」 スリッピー「まあ、一種の自動自己防衛システムかな 搭乗者の脳波をどーのこーの(ニヤソ 」 スリッピー「……ナウス、今のコクピットカメラの映像、コピーしとけ」 ナウス 「リョォカィシマシタ」
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【INDEX】 「お」で始まる曲名 コメント 「お」で始まる曲名 ありとあらゆる曲をみんなで発掘しましょう! 誰でも知ってるような曲はもちろんのこと、「誰も知らないかもな~」というマイナーな曲こそ歓迎! この表はリクエストも兼ねてます。「この曲をウクレレで弾いてほしい!」ってのがあったらぽちってみてね。 順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 ALL OF ME 2 (22%) 2 おさびし山(スナフキンの) 2 (22%) 3 およげたいやきくん 2 (22%) 4 おもいで酒 1 (11%) 5 オーバー・ザ・レインボウ 1 (11%) 6 大阪ラプソディー / 海原千里、万里 1 (11%) 7 曲名 / アーティスト名 0 (0%) その他 投票総数 9 コメント 名前 コメント
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このページはこちらに移転しました ちょっとこい 作詞/143スレ182 作曲/ame 作曲できる奴ちょっとこい 作詞ができる奴もついてこい 動画だって構いやしねえ そんな俺たちゃアマチュア集団 なんでもござれだどんと来い 音源 ちょっとこい MP3直link(オケ再うp頼みます) 保管庫 ちょっとこい(歌:244スレ13)
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【INDEX】 「わ」で始まる曲名 コメント 「わ」で始まる曲名 ありとあらゆる曲をみんなで発掘しましょう! 誰でも知ってるような曲はもちろんのこと、「誰も知らないかもな~」というマイナーな曲こそ歓迎! この表はリクエストも兼ねてます。「この曲をウクレレで弾いてほしい!」ってのがあったらぽちってみてね。 順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 One more time One more chance / 山崎まさよし 2 (40%) 2 One Note Samba / Antonio Carlos Jobim 1 (20%) 3 私がおばさんになっても / 森高千里 1 (20%) 4 私の城下町 / 小柳ルミ子 1 (20%) 5 曲名 / アーティスト名 0 (0%) その他 投票総数 5 コメント 名前 コメント
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【INDEX】 「か」で始まる曲名 コメント 「か」で始まる曲名 ありとあらゆる曲をみんなで発掘しましょう! 誰でも知ってるような曲はもちろんのこと、「誰も知らないかもな~」というマイナーな曲こそ歓迎! この表はリクエストも兼ねてます。「この曲をウクレレで弾いてほしい!」ってのがあったらぽちってみてね。 順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 家族の風景 / ハナレグミ 2 (29%) 2 川の流れのように / 美空ひばり 2 (29%) 3 Kaimana Hila / Charles E King 1 (14%) 4 カレーだヒッホッホ 1 (14%) 5 風になる / つじあやの 1 (14%) 6 曲名 / アーティスト名 0 (0%) その他 投票総数 7 コメント 名前 コメント
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#blognavi ナイスたいみんぐだよ、雪ちゃんっ!!感想うってから、ぽちってやったらまたあったよっ!!わほーっ☆ 椎名も、早く愛しのゆっきーっのお返事がほしいため、何回もここきちゃってまっす!! 双子ちんやっぱ扱いやすいッスかっ!!結構書きやすいキャラたちだと思う=わかりやすいバカかと(笑 幼馴染の存在知って、キレかけの柚羅にナツがびくびくしながら機嫌とってるといいよ!っていっても、ナツの場合すぐバレそうw 「何それ、機嫌でもとろうとしてるわけ?そんなのじゃ足りるわけないでしょ。ちょっとこっちきなよ(むっすー」 「え、あ、あの?」 「早く。」「は、はいっ」 とかって、柚羅ちんの足の上にのってぇ!!真正面から見詰め合うんだよ!! 「ナツキからディープしてみなよ」 とかってやってるといい!!笑 ナツ君はもういっつもかんじちゃってるね!!(ぇ んで、「ゃぁっ、やめてください」とかいいつつ、嫌よ嫌よも好きのうちってやっちゃぁですね!!(古い 「その割にはここぬれてるけど」とかってすぐバレちゃうよ☆ 惺兄っぽい声の人は、企画始まる前から知ってたんかっ!!うちも、この人の声ハマるかも笑 うちも、けっこー前から石田さんとほっしー(保志さん)が好きだよっ。結構、アニメみてたらどこでも聞くような声だ!!笑 ひぐらしの主人公の声も、ほっしーだよっ!!朴さんも素敵声だよね!あんな、素晴らしい声(特徴ある声)な人になりたいよっ!!(もう無理だろ ではーっ! カテゴリ [暴走文] - trackback- 2006年04月10日 18 22 36 名前 コメント #blognavi
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【INDEX】 「し」で始まる曲名 コメント 「し」で始まる曲名 ありとあらゆる曲をみんなで発掘しましょう! 誰でも知ってるような曲はもちろんのこと、「誰も知らないかもな~」というマイナーな曲こそ歓迎! この表はリクエストも兼ねてます。「この曲をウクレレで弾いてほしい!」ってのがあったらぽちってみてね。 順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 12番街のラグ 4 (44%) 2 じょいふる / いきものがかり 1 (11%) 3 ジャングル大帝 / 冨田勲 1 (11%) 4 人生いろいろ 1 (11%) 5 十九の春 / 沖縄民謡 1 (11%) 6 知床旅情/加藤登紀子 1 (11%) 7 曲名 / アーティスト名 0 (0%) その他 投票総数 9 コメント 名前 コメント