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▲前のページへ 1 / 7ページ 大塩学からこの三人が得た情報は三つ。 『BEATTY REDS』のボスの名前と自分の『スタンド』の能力、そしてもう一つは… 惟精「口がほぼ聞けない状態でよくあそこまで聞けましたね。新さん」 唯「うんちょっとね。アイツの前でただ「ちょっと」だけ、「刺身包丁」をチラつかせながら生きたまま全身を三枚に下ろすことを仄めかしたら案外すんなり吐いてくれたわ」 惟精「ところで彼は随分と疲弊しているね」 今、彼らは先の『廃ビル』にて『三つ目の情報』を探しながらそんな世にも恐ろしい事をにっこりと笑みを浮かべながら呟いていた。 だが、それ以上に恐ろしいのは、日下武治のすごくげんなりした表情だった。 昼間でも暗い『廃ビル』においては、霊的な何かと間違えてもおかしくないくらいにおどろおどろしく不気味だった。 武治「惟精……お前は「いともたやすく行われたえげつない行為」を目の当たりにしちゃあいねえからンなこと言えんだよ……」 惟精「略して『D4C』? まあわざわざ立ち会い御苦労だったね」 武治「ンの野郎――他人事言いやがってェ……唯に限って襲われる事なんてねえってのに無理矢理立ち会わせられたんだぜ? 「ボディガード(笑)」ってなあ……」 唯「念のためよ。私だってか弱い乙女なのよ」 武治「か弱いだぁ? 愛知辺りで魔王やってそうな奴がか?」 唯「何よ喧嘩売ってんの? 武治のくせに」 武治「だから何だよその武治のくせにってよォ!」 惟精「仲がイイね…………相変わらず」 二人を傍観しながら、そう呟いた惟精の口調はいつも通り紙の如く軽かったが、それでも彼の瞳の中には物憂い気な雰囲気が渦巻いていた。 ―――― 『掠奪集団』:『BEATTY REDS』のリーダーの名は、『土師尊氏』 この名前自体を唯は知っていた。四年前ニュースにもなった『現金輸送車強襲事件』で、逮捕された集団のリーダーだ。 逮捕されて尚、彼らが奪った「1億円」の行方は知れず、土師自身も仲間を見捨てて2年前に脱獄。無論、未だ捕まっていない。 そして、土師の部下である大塩曰く、この『廃ビル』には、自分が管理を任されている、『REDS』が掠奪した「金目のもの」が隠されていると言うのだ。 武治「もっとマシな言い逃れはなかったのか? 明らかに嘘だろ」 惟精「乗ってる僕らも僕らだけどね」 唯「まあそうね。でもよく考えて? これは奴の『ハッタリ』なんだから」 武治「ハ? え? どういうこと?」 唯「今から状況説明するからバカはしっかり聞いててねーん。あと久富君もこれ」 唯が二人に手渡したのは、三つの道具。 「ペン」、「メモ帳」、そして「耳栓」。 2 / 7ページ 唯『確実にアイツの話でボスの名前と『スタンド』の解説以外は『ハッタリ』よ』 暗い『廃ビル』の中、ケータイのライトを頼りに、三人は音のない世界で『筆談』を展開する。 唯『でも改めて思い出して、大塩の能力はそのものずばり『ハッタリ』よ』 唯『例えその場しのぎでも『ハッタリ』に出てくるものを奴が知っていて、頭の中にあれば……』 惟精『言うまでもありませんね』 武治『金目のものがあるってのかい。ここには』 唯『そうよ』 久富惟精は、新唯が金目のものが目当てでここに来たのではないことは分かっていた。 唯『武治。久富君。あれ』 唯はそうメモ帳に書き記し、前の方を指さす。 そこにはたしかに「ブツ」があった。大量に積まれた、『葉っぱ』か『現ナマ』、どっちが入ってるか分からないような「アタッシェケース」、高そうな「絵画」、堆く積まれた「金塊」、札束が零れるくらい入った袋もあった。 先の銃撃によって穿たれたコンクリートから差し込む微々たる光でも、この「ブツ」の艶やかしさを証明するには十分過ぎた。 その光景に、唯と武治は目を輝かせたが、ただ一人、惟精はただただ呆然とするだけ。その目線にこれらの「ブツ」は映っていない。 惟精『あるんですね』 唯『ええ。でもあれがあるかは』 武治『すげえな。これも『ハッタリ』か』 唯『でも能力がどれだけ持続するかは分からないわ。それに』 唯『これを奴も計算してる。アイツは私たちが「金に目がくらんだ浅はかな阿呆」と思い込んでるわ』 惟精『どういうことですか』 唯『アイツはここに私たちを『ハッタリ』で誘い出して私たちを潰す気よ』 武治『簡単にこっちが罠にはまったと思い込んでんのな。どっちが浅はかだよ』 唯『でもこの機に乗じて奴は逃げる。その際に捨て台詞として『ハッタリ』を吐くだけでいいからね』 武治『つかお前ら筆談なのに速いな』 唯『アンタが遅いだけ』 惟精『字も汚いしね』 武治『なぐるぞ』 惟精「アハハハ! それくらい漢字で……」 惟精「!!」 3 / 7ページ 惟精『~~~~~~どうしよう!』 惟精はとても慌てふためいていた。文字も走り書きになり、先ほど武治に向けて行った「汚い」という表現が最も適当なほどの「ミミズの行軍」である。 武治『落ち着け。こんなときはタイムマシンを探すんだ』 唯『アンタが一番落ち着け』 唯『それに久富君。これはこれでGJ』 惟精『?』 半泣きになっていた惟精を、唯のその一言が救う。 唯『さっきあそこから見たけどまだ大塩はいない』 唯が指さした先に合ったのは、ビルの外がよく見え、尚且つ隠れるための柱も半径5m以内にある場所。 唯『それにいたとしてもそれはそれで私たちを「金に目がくらんだ浅はかな阿呆」と思い込んでくれるわ。あれだけの高笑いだし』 武治『「しゃく」だけどな』 惟精『漢字で書きなよ』 唯『はい喧嘩両成敗』 唯『ところで久富君。アナタ確か『読唇術』ちょっとできたわね』 惟精『あんまり複雑なのは読めませんけどね』 武治『え? 何でできんの?』 惟精『言う必要はないよ』 惟精は、さっそく唯が言った例の場所にスタンバイした。 武治『オイ何でアイツ『読唇術』なんてできんだよ』 唯『できたわよ。それが何』 武治『いや、「今作った設定」感がヒシヒシと伝わってくんぞ』 唯『もういいから、金塊にでも座ってじっとしてなさい』 最後の言葉に、武治は無言で従った。 別に金に目がくらんだわけでも、欲しいものがそこにあったわけでもない。ただ、何か引きつけられていた。 それらの者には一切目もくれず、それらの隙間から伸びるある物体に自然と引きつけられていた。 この一本の『矢』に。 唯「やっぱりあったのね…」 唯が静かにそう呟く。 惟精『新さん。来た』 惟精が、唯の肩を叩き、大塩が事務所から出たことを筆談で伝える。 唯『何か言ってる?』 惟精『重要なことは特に』 唯『まあ何を言ってるか想像に難くないわ』 惟精『こっちに向けて何か叫んでますよ。叫んでると分かりやすい』 惟精『ば……く…? だ』 唯『つくづく芸のない男ね。ホントに爆弾なんて』 そう書き記した後、唯が武治の方を向く 唯「…………」 4 / 7ページ 『矢』の先端に触れた瞬間、武治の右手が『矢』に「沈ん」だ。そして、彼の頭の中に、情報が一気に雪崩れ込んでくる。 「今日はとても楽しかったわ。あなたたちの日常もとても楽しいわ」 まず最初に現れたのは、赤髪のポニーテールの少女 夜景をバックに彼女が微笑みかけたと思うと、すぐに場所が変わり、映ったのは先の夜景とは違うかび臭い廃墟。そこで彼女は壁にもたれかかり、両目をくりぬかれた動かぬ姿となっていた。 武治「な…なんだこれ」 「……よかった…………ゆ……勇気を出してよかった……」 次に現れたのは、前髪で顔が隠れた胸の大きい少女 夕陽が淡く照りつける坂道で、顔を真っ赤にし、地面に涙をこぼしながら彼女がそう言ったかと思うと、やはり場所は変わり、次に映るのは洋館の一室。 血だらけのその一室で、クイーンサイズのベッドの中心に、四肢をもがれ、骸と化した彼女の姿があった。 「うん。これなら『岸部露伴賞』も夢じゃないわ。今日はありがとう日下君」 次に現れたのは、美しい黒髪の少女。 広い畳の部屋の中で、壁に洗濯バサミ付きの紐を取り付けて、そこに原稿を干していた。その部屋で少女は大の字に寝ていたのだ。そして彼女は、「日下君」とも言った。 やはり場所が変わる。次に目に映ったのは、急な坂道のようになっている森林地帯。 胸に風穴をあけられ、うつろな目で血だまりに横たわる彼女の姿が武治の眼に映る。 「アンタのことが……ずっと好きだったのよっ! 私はっ!」 まただ、いい加減このヴィジョンから逃れたい。だがそれでも消えない。次に現れたのは眉毛の太い茶髪の少女。 学校の屋上で、その少女に誰かが告白されていた。 オイちょっと待て。何でそこが「学校の屋上」と分かるんだ。ビルの屋上かもしれないし何故学校……? 今の四人。知っているはずなどないのに。 武治には、その答えに辿りつく理由などない。何故そうと分かるんだ? いや、単なる憶測だ。 武治「そうだ。そうに決まってる。そうじゃなきゃあおかしいッ!」 惟精『5分らしいよ。5分後』 唯『計ってて久富君。また『不備』が出たのかも』 惟精『どっちにしても「いったん解除」は必須ですよ』 唯『分かってる。「消え」なければ御の字よ』 唯「武治…」 5 / 7ページ 「武治…」 先の茶髪の少女が、何かにすがるようにして、足下から燃えて尽きてゆく。凄まじい暑さと痛みで、苦痛の表情を浮かべながら、どんどん灰になってゆく。 武治「何だこれ」 武治「お前らなんて知らない」 武治「消えろ……消えろ消えろ消えろ消えろ」 唯「武治」 ―――― 悪夢を見たような不快感も、言い夢を見たようなそう快感もない。ただ静かに目を開けた日下武治は、先のような倦怠感を伴ったものではない、普通の目覚めを普通に迎えた。 武治「どこだここ」 唯「車の中」 そしてひざまくら。車の後部座席で、新唯のひざまくらの上に横になっていた。 惟精「うらやましいねえ。とてもうらやましいのに君は何でそんなノーリアクションなんだい」 そして惟精はこの車を運転しているようだ。 武治「おいどこに向かってんだ」 唯「『BEATTY REDS』の本拠地」 武治「ああ…………それであの……あのあれ…アイツどうなったんだアイツ」 唯「何慌てふためいてんのよアンタ。私の膝に汗たらさないでよね」 惟精「アイツなら逃げてるよ。現在進行形で」 惟精「新さんの車を強奪してねえ」 武治はこの時、惟精が珍しく激昂しているのが分かった。口調は相変わらず神のように軽いが、確固たる怒りと殺意がうちたてられていることが分かった。 6 / 7ページ 唯曰く、自分たちは大塩が仕掛けた二段階の『ハッタリ』で死んだと言うことになってるらしいのだ。 武治「つまり奴が『ハッタリ』で仕掛けた爆弾で、爆死したかのように見せかけて」 武治「それを逆手にとって本拠地に帰還するのを狙い、奇襲をかけるってわけだな」 惟精「説明乙」 唯「そういうこと。あらかじめ『廃ビル』にしかけておいた爆弾を使ってね」 武治「時々お前ら恐ろしいぜ。何で普通に爆弾とか言うんだよ」 唯「知らないの? このSS結構「ご都合主義」なのよ?」 ひざの上でしかめ面をとる武治の顔を覗き込み、唯が微笑んだ。 実際のところ『廃ビル』を爆破したのは――――唯の『スタンド』なのだが。 7 / 7ページ 大塩「ハァ…疲れたぜチクショウめ」 『ハッタリ』により負傷を治し、『ハッタリ』により鍵を作って車を奪い、『ハッタリ』により『廃ビル』を爆破した。 大塩学は自分の完璧な仕事ぶりに酔っていた。そして、もうすぐ『BEATTY REDS』の拠点に到着する。自分の『スタンド』―――『LIV』の持続力は解除しなければ永遠に持続すると言うほど長くはない。今は動けているが再起不能であることには変わらないのだ。 大塩「土師サン。俺だァ! 大塩! いますかァ?!」 「いる」 まだ真昼間だと言うのに暗い。そんな廃墟から男の低い声が響く。 大塩「とりあえず「例のあいつ」の情報通り、俺たちを嗅ぎまわってた鼠どもはブッ殺したぜ。まあ手傷は負っちまったからしばらく闘えねえけど」 土師「テンション下がるなあ……」 土師「ブッ殺したのならテメエこのエンジン音は何だよ」 大塩「はい?」 土師からの声を聞き、大塩は慌てて耳をすませる。 大塩「何にも聞こえませんぜ」 土師「もうチョイ後ろだ。もうチョイ後ろに下がりな」 大塩「は?」 土師「そこからキッカリ4歩」 大塩「何スかホントもう」 土師「いいから下がれよッ!」 大塩「は…はいぃ!」 土師からの怒号を恐れて、大塩は言われた通りに4歩下がる。 そして彼も、ようやく迫るその音に下がる途中で気付く。 大塩「この音って……」 少しだけ振り返ったのがまずかった。そのまま猛スピードで乗り込んできた車に、大塩は轢かれ5m以上吹き飛ばされた。 武治「お前運転荒いぞ惟精ッ!」 惟精「確信犯だよ」 唯「でもこれ私が借りたレンタカーなんだけど」 惟精「大丈夫だよ新さん。親父から修理代ふんだくるから」 土師「…………誰だお前ら」 武治「よう……テメエが親玉か? ちょっくら遊ぼうぜ? 俺たち三人とよ」 to be continued→ ▼次のページへ ★ 使用させていただいたスタンド No.1167 スターズ・アンド・ミッドナイト・ブルー No.1621 マッド・チャリオッツ No.0013 LIV ▼単発SS一覧へ戻る
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アイテム詳細 名称: だんしんぐにゃんこ 説明: 色んな音楽を聴かせると、踊ってくれるネコのぬいぐるみ。中身は小さな機械と針金で、ほとんどが綿だから小さな子供でもあんしん。色はピンク、黒、青、白、茶、オレンジがあるよ。 効果: 見てるだけで楽しくなるから、泣いてる子供でもすぐに泣き止んでくれるよ。でも、楽しくなりすぎて油断しないように気をつけてね。子供系のゾンビをおびきだすのにも使える。ブサイクだなんて言っちゃイヤにゃん。 入手方法: ショッピングモールのおもちゃ屋で買えるよ。でもピンクは大人気だったからもう売り切れ。1台5,000円ぽっきり。 関連群像劇 未
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唯「あずにゃん、なんの用だろ?」 唯「体育館裏に来てくださいって」 唯「あっ!あずにゃんだ」 唯「やっほー、来たよ」 梓「…」 唯「どうしたの?あずにゃん」 梓「い、いえ…その」 梓「唯先輩に大切な話があるんです」 唯「大切な話?」 梓「はい…わ、私、ゆ…」ガヤガヤ 梓「(人が来た!)」 梓「(どうしよう…そうだ!あそこなら)」 梓「唯先輩、ちょっと来てください」グィ 唯「う、うん」 唯「体育館倉庫?」 梓「ここなら誰も来ませんから」 梓「実は私、ゆ、ゆ、唯先輩の…」ガシャーン! 梓「え」 唯「あずにゃん、ちょっと待って」 唯「よいしょ」ガンガン 唯「あずにゃん、どうしよう…鍵が閉まってて開かない」 梓「えっ、本当ですか?」ガンガン 梓「ほんとだ。開かない…」 唯「ケータイを使って誰か呼んで助けて貰おう」 唯「あっ…電池切れてる…」 唯「あずにゃんのケータイでかけてみて」 梓「わ、分かりました」 梓「圏外…」 梓「唯先輩、ここ圏外になってます」 唯「えー、そんな事があるの!?」 梓「ちょうど電波が入らない位置なのかもしれません」 唯「今日、金曜日だよ」 唯「助けが呼べないと月曜日になるまでここにいる事になっちゃうよ」 梓「そうですね」 梓「でも土日に体育館を使う部活などがあればもっと早く助かる可能性があります」 唯「そうだね…」 梓「唯先輩、頑張って二人で乗りきりましょう」 唯「うん」 唯「あずにゃん~暑い~」 梓「小さい窓はついてますが実質密室状態で夏に近いですからね」 梓「我慢するしかありません」 唯「じゃあ上着、脱ぐよ」 梓「唯先輩、凄い汗ですね」 梓「…!」 梓「あ、あの、唯先輩、見えてます//」 唯「何が?」 梓「ぶ、ブラ…下着が//」 唯「ほんとだ。汗がべったりで服がすけちゃってる」 唯「でもあずにゃんになら見られても大丈夫」 梓「えっ//」 梓「な、なぜですか?」 唯「だってあずにゃんだから」 梓「意味がわかりません…」 唯「それに合宿の時だって一緒にお風呂に入った仲だから大丈夫だよ」 梓「そうですけど」チラ 梓「(気になるじゃないですか//)」チラ 唯「脱いでも暑い~」 梓「そういえば暑い時には暑い事をした方が逆に涼しくなるって聞いた事があります」チラ 梓「物などに密着した方が涼しいとか」 唯「密着…」 唯「あず~にゃん~」ダキッ 梓「な、何するんですか」 唯「密着だよ。あずにゃん」 唯「密着した方が涼しいならこうだよ」ギュウ 梓「や、止めてください」 唯「やだー」ギュウ 梓「やだって…(ゆ、唯先輩の感触、前より良くなってる)」 梓「(もしかして大きくなった…)」 唯「さっきより涼しいような気がするよ」 梓「///」プシュー 唯「あずにゃん?」 梓「わ、私は暑いです」 梓「離れてください!」 唯「えー、せっかく涼しい感じがしてたのに」ブーブー 梓「(これ以上ギュっとされたら倒れちゃいますよ//)」 梓「…」ガサガサ 唯「何してるの?」 梓「マットを引こうと思ってるんです」 唯「マット?」 梓「時間を見てください」 梓「もう夜の12時過ぎですよ」 梓「寝ておかないと体力がもちませんよ」 梓「なので地面で寝るのはあれですからマットを引いてここで寝ます」 唯「あずにゃん寝ちゃうの?」 梓「寝ますよ」 梓「唯先輩は寝ないんですか?」 唯「こんな機会めったにないんだから暑い夜を一緒に過ごそうよ」 梓「なっ//」 梓「熱い夜って…」 唯「今夜は寝かさないぞ!子猫ちゃん」 梓「ゆ、唯先輩はこんなところで良いんですか?」 唯「…?こんなところだから過ごそうよ」 梓「わ、分かりました」 梓「唯先輩がそれで良いなら…//」 梓「は、初めてなので優しくしてください//」 唯「え?」 梓「…」 唯「あずにゃん?」 梓「いつでも良いですよ…唯先輩//」 唯「大の字に寝転がってどうしたの?」 梓「どうしたのって熱い夜を過ごそうって言ったじゃないですか」 梓「こんなところでも良いって」 唯「…?」 唯「こんなむし暑いところだから夜も起きて一緒に過ごそうって言ったのに」 梓「え」 唯「初めてなので優しくしてくださいって意味がわからないよ。あずにゃん」 梓「…」 梓「…//」 梓「寝ます。お休みなさい」 唯「あずにゃん!?」 梓「…何でもないですよ」 梓「私の勘違いですから」 唯「勘違い?」 唯「ねぇねぇ、どういう事?」 梓「う、うるさいです!//」 唯「ねぇ、あずにゃん起きてる?」チュンチュン 梓「…はい」 梓「さっきの事は何でもないですよ」 唯「それじゃなくてさ」 梓「じゃあ何ですか?」 唯「何で体育館裏に呼んだの?」 梓「!?」 唯「今になって思い出したけど大切な話があるって言ってたよね?」 梓「はい…」 唯「大切な話って何?」 梓「それは…」 唯「それは?」 梓「言わないと駄目ですか?」 唯「うん、言って欲しいな」 梓「…」 梓「分かりました」 梓「好きです。唯先輩」 唯「えっ?」 梓「好きです」 唯「わ、私もあずにゃんの事が好きだよ」 梓「違います!」 梓「唯先輩の言ってる好きとは違うんです」 梓「私の言ってる好きは愛してるって事何です」 唯「!?」 梓「唯先輩が良ければ私と付き合ってください」 唯「…」 唯「良いの?私何かで」 梓「唯先輩以外は考えられません!!」 唯「…」 梓「…」 唯「そっか…」 唯「良いよ」 梓「本当ですか!?」 唯「うん、だってあずにゃんの事が好きだもん」 唯「種類は違うかもしれないけど好きは好きだもん」 唯「もっとあずにゃんを好きになりたい」 唯「だから付き合って欲しいな」 梓「…はい」 姫子「今日は体育館の室内練習か…」 梓「…」 唯「…」 姫子「準備しておかないと」 梓「唯先輩…」 唯「あずにゃん…」 姫子「鍵を開けて」ガチャ チュー 姫子「えっ」 姫子「ゆ、唯?」 梓「!?」 唯「あっ、姫子ちゃん!」 姫子「何してるの?こんなところで…」 唯「良かった~」 唯「出られるよ」 姫子「出られる?」 唯「うん、間違って鍵かけられて出られなくなっちゃったんだ」 唯「出られて良かったよ」 姫子「そうだったんだ」 姫子「この子は?顔が赤いけど…」 唯「後輩のあずにゃん」 唯「私の恋人だよ」 梓「ちょ、ちょっと//」 姫子「えっ?えっ?」 終わり 良かった! -- (あずにゃんラブ) 2014-01-02 22 49 33 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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私はあずにゃんのことが大好きだ。ただの後輩としてではなく、もっと特別な、恋の対象として。 でも私はその気持ちを打ち明けるつもりはない。なぜなら… 唯「あずにゃ~ん♪」 梓「もう、毎日毎日…よく飽きないですね」 唯「だってあずにゃんかわいいんだもーん♪」 梓「はいはいどうも…」 こんなふうに、先輩後輩のままの、お互いに遠慮のない関係が最善だと思うから。これ以上を望んだら贅沢だ。 それに、仮に告白したとしても今よりいい関係になんてなれないのはわかってる。 そして…今の関係が『特別』じゃないってことも。 澪「梓、そういえば今日新譜の発売日だな」 梓「そうでした!あ、澪先輩、今日一緒にショップ行きませんか?先輩のおすすめとか買いたいです」 澪「そうだな…じゃあ行くか!」 梓「ありがとうございます!楽しみです!」 ――だから、あずにゃんが澪ちゃんと楽しそうに話していたとしても、私には何も言うことはできない。 だって私は、ただの先輩だから。あずにゃんにとっての『特別』な存在なんかじゃ、ないんだから。 律「お二人さん、抜け駆けは許さないぜ!私ももちろん行くからな!」 紬「じゃあ私も行くわ♪」 梓「結局全員で行くんですね…唯先輩も来ますよね?」 唯「あ…わ、私はいいや!憂に買い物頼まれてるんだー!戸締まりはやっとくから、皆先行って!」 梓「そうですか?じゃあ、お先に失礼します」 唯「うん、またね」 バタン 唯「……はぁ」 一人きりになった部室で、こらえていたため息が漏れる。 あずにゃんが澪ちゃんと楽しそうに話していた。 ただそれだけのことなのに、恐ろしいほど胸が痛くなる。痛い、痛い、痛い…どうしてこんなに痛いんだろう。 あずにゃんが私を嫌いだって言ったわけでも、澪ちゃんと付き合ってるってわけでもないのに、どうして…? 唯「あ、そっか…私が弱いから…か」 そうだ。原因は私にあるんだ。 今のままでいいだなんて都合のいいこと考えといて、こういうことに耐えられない、私が悪いんだ… その事を自覚したとたんに、視界が潤んだ。自分の甘えた考え方が情けなくて、溢れる涙をこらえることができなかった。 唯「うっ…うぅ…っ…う…」 泣いたってどうにもならないことはわかってるのに、どうしてもその涙は止められない。 あずにゃんの笑顔とか怒った顔が浮かんで消えない。もう、嫌だ…こんな気持ちになるなら、最初から… 梓「唯先輩…?」 突然後ろから、あずにゃんの怪訝そうな声が聞こえた。私は驚きながらも、なんとか平静を保つ。 唯「ど…どうしたの?皆は?」 梓「帰る途中で憂に会ったんです。そしたら唯先輩に買い物なんて頼んでないって言うから…」 唯「それで…わざわざ戻ってきたの?」 梓「な、なにかあったら困りますから…で、なんで嘘なんかついたんですか?」 唯「あはは、ちょっと勘違いしちゃっただけだよ!」 梓「そうなんですか?もう、唯先輩ったら…」 唯「そうなんだよ~!ごめんごめーん♪」 梓「は、離してください!まったく…」 いつものようにおどけて抱きつくと、あずにゃんはいつもみたいに私に反抗する。 …これでいいんだ。別に恋なんてできなくていい。ずっと今のままでいい。最初から恋なんてしなかったってことにすれば、それで… 梓「先輩、そろそろホントに離してくださいよ。遅くなっちゃいます」 唯「やだ…」 梓「…先輩?」 唯「私…やだよぉ…うええええ…」 梓「ゆ…唯…先輩?」 あずにゃんの胸で、私は思い切り泣いた。ただひたすらに、私は泣いた。 この時あずにゃんがどんな表情をしていたのかは分からない。けど、優しく私を抱き締めて、背中を撫でてくれた。 ――そんなあずにゃんへの想いをなかったことにするなんて、私にはできない。 唯「うぅ…ひっく、あ、あず…」 梓「鼻、噛んでください。ひどい顔ですよ?」 唯「ずずー!…あずにゃん…ごめん…」 梓「別に謝らなくてもいいですけど…なにかあったんですか?」 唯「……」 梓「ま、言いたくないならそれでいいです。何かあったら相談してくださいね」 唯「あっ…あずにゃん!」 梓「はい?」 私が名前を呼ぶと、あずにゃんは不思議そうな顔をして私を見つめた。 やっぱり私は、この子の恋人になりたい。『特別』になりたい… 唯「私…あずにゃんのことが好き」 梓「えっ…?」 唯「ずっと、ずっと大好きだった…だから、私と…付き合って、ください」 梓「そ、そんな冗談よしてくださいよ!さ、早く皆さんのとこに」 唯「冗談じゃないよ。私、本気で言ってるの。本気で、あずにゃんのことが大好きなの」 梓「先輩…」 あずにゃんはしばらく黙り込む。何かを必死で考えているような、そんな表情で。 もし…断られたら…私とあずにゃんの関係は壊れてしまうのだろうか? わからないけど、これだけは言える。もう私たちは、今までのままではいられない。 ――やがて、あずにゃんは静かに口を開いた。 梓「…ごめんなさい」 唯「……」 梓「私…唯先輩のこと、そういう目では見られないっていうか…その…」 唯「…そっか」 梓「ホントに…ごめんなさい」 唯「ううん、いいんだよ。急にこんなこと言う私が悪いんだから」 梓「あ、でも…私も唯先輩のこと好きですよ!先輩として、仲間として!」 唯「…ありがと、あずにゃん」 梓「これからも、よろしくお願いします」 唯「うん、よろしくね」 梓「あ、あの…えっと…」 唯「あずにゃん、もう行っていいよ。皆心配してるから」 梓「え、先輩は?」 唯「いいからいいから!早く行かないと澪ちゃん帰っちゃうよ!!」 梓「でも…」 唯「いーいーかーらー!じゃあ、またね!」 梓「ゆ…」 バタン 半ば無理矢理に部室から出されたあずにゃんは、私のことを待っていたのか、しばらく扉の前に立っていたけど、やがてゆっくりと階段を降りていった。 その音が聞こえなくなると、私はゆっくりと部室の外に出た。 階段を降りて踊り場まで行くと、ふと窓の外に目をやった。 そういえば、1年の頃、軽音部に入部した時も…こんな風に空を見たっけ。 その空はあの日のような青空ではなく、きれいなオレンジに染まった夕焼け空だった。 終わり 続き 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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探索 作戦 ○本国にて戦闘経過を収集している更夜から他国の部隊の成果についてレクチャーを受け,あらかじめどこを調べるべきか,どんなルートがあるかを予習してきています。 ○Chessは猫妖精のアイドレスを着用しており,猫の第六感や,感覚・聴覚・視覚・嗅覚を用いて偵察を行い,人よりも多くの情報を収集することができます。 ○わずかな情報であっても,魔法使い達の知識によってその情報を分析し,偵察結果として意味のある情報に変換することができます。 ○非行動者もその場にいないわけではないので,ARを消費しない範囲で手伝います。 参戦RP Chess「めんどくさいにゃー・・・(パチパチ爪をならす)ぬ?このへん、なんか反響がちがうにゃ・・・」 Chess「ぷーとらさんのしっぽ、なんかいつもとちがうような・・・あ!空気の動きがちがうにゃ!」 テル@るしにゃん王国「むむむ。何かネコリスさんの加護を感じます!」 テル@るしにゃん王国「こっちかなー? こっちかなー?」 Chess「だいたいこのへんがあやしいねんなー」 Chess「きっとここにゃ!」 応援RP 幽@るしにゃん王国「がんばれー。お土産期待してるから~」 たいふーん「そんなもんパッパと見つけちまえー」 ちゃき@るしにゃん王国「見えない何かを見るのが、星見です!!」 S43@るしにゃん王国「よく見て、よく考えろ!それがハンターの本質だろう」 幽@るしにゃん王国「るしにゃん王国の意外な優秀さを見せてあげて!」 たいふーん「そこがあやしいにきまっとるだらー!」 S43@るしにゃん王国「更夜さんが作ってる他国のログを思い出せよー」 たいふーん「そうそう、その調子!やればできるじゃん」 S43@るしにゃん王国「おちついていけー」 ちゃき@るしにゃん王国「暑さに負けないでね」 S43@るしにゃん王国「ココが大事!ちょー大事!」 ゆうみ@るしにゃん王国 「前回敵いたからなー、充分注意していくんだぞー」 ちゃき@るしにゃん王国「熱風に負けるな」 イラスト tansaku.jpg テル@るしにゃん王国 南無@るしにゃん王国 スゥ・アンコ@るしにゃん王国 SS スゥ・アンコ@るしにゃん王国 空気はじめじめと肌に纏わり付くよう。太陽の暖かい熱も届かぬ、ひんやりとした洞窟の中。 るしにゃん王国の探索第二班、である6人はそこにいた。 「先ずは探索からですね。…Chessさん、お願いします。」 丁寧で、穏やかな口調の…けれど、凛とした意思を秘めるような声色の持ち主、今回の指揮官に当たるクレールが、唇を開いた。 オレンジの髪が鮮やかな男性へと軽く頭を下げた。 「了解。任せてください。」 言葉短く、けれど微笑みながら一歩、メンバーよりも前に出て深い深い洞窟の闇を見つめた。 ―――そんな、真剣なやりとりが行われている間、後ろの方で残りのメンバーは、といえば。 「冒険、冒険アルよっ。旅人の血が騒ぐアルな!ちょっとひとっ走りしてきていいアルか?!」 「だ、駄目だよ?!」 「ち、ちゃんと指揮官の言う事を聞いてくださいー。」 「アンコちゃん、暴れるならせめて探索終わってからにしてー…っ。」 間違いなく、一人だけエントリーミスしたとしか思えない能天気な声と、何も考えていない無神経な声が洞窟に響き渡る。 るしにゃん王国内で、一番の問題児、スゥ・アンコは未知への冒険に胸を弾ませすぎて、 普段でもありえない程テンションが高いというのに、それに輪をかけて色々痛かった。 問題児を何とか抑えるべく、残り三人は奮闘するものの――けれど。その程度で収まる少女でなく。 「偵察アルか。探索アルな…ッ! このアンコ様にお任せするヨロシ。少林寺拳法・打兎陣具を利用すればイチコロアル。」 三人の言葉に耳を傾けてはいるものの暴走は止まらず。 その言葉を聴いた途端、とうとう三人の手が出た。 この少女の暴走を止めるべく、少なくても決してChessとクレールの邪魔にならぬようにと、がっし、と三人がかりで羽交い絞めにかかり。 ぎゃーぎゃーと暴れる一人と、押さえる三人と。 そんなやりとりを背後に感じながら、クレールはただ、苦笑いをするしかなく。これからの冒険の苦労の度合いを思えば、かくん、と肩が思わず落ちた。 「……とりあえず、意地でも頑張らなきゃ…マズそうだ。色々。」 つ、と汗を一筋零しながら、偵察に向かうChessが、ぐ、と握り拳を一つ作り、気合を入れなおす。 あの駄目生き物をフォローできるぐらいの結果を出さなければ。そう、言葉に出さず、……決意、するのだった。 SS ノーマ・リー@るしにゃん王国 探索とは、集中力を必要とする作業である。 わずかな差異を見抜く事によって仕掛けられた罠や、或いは隠し通路、構造などを読み解く。 古い遺跡等では、通路の位置や文様に様々な寓意、或いは宗教的な意図をちりばめてある場合が少なくない。そもそも使用されていた頃には出入りする者もそれを理解して、行動しており――つまるところ意図に従わない者、イコール敵対する勢力として、何らかの方策を行っていないとも限らない。 ごくごく大雑把に言えば 「なんか法則があったら、それに従わないとえらい目に遭う(のでそれは理解して行動するべし)!」 「法則を見つける為にじっくり観察しようね!」 という事にでもなるだろうか。 特にるしにゃん王国は、星見の国である。ごく一部の例外を除けば、荒事には向いていない。 詠唱戦という手段はあるものの、これが通じない場合は文字通りダッシュで逃げなければならない。であれば最初から避けて通れるものなら、通っておいた方がよろしい。 そんな次第であるので、彼等は熱心に部屋を調べていた。 じっくり見る。見る。見る…………時々触る。或いは押す。 「ていうか全部見終わってないのに触ったらダメだってば!」 「えー。でも特にそれっぽいのないし、問題なさそうではー?」 「なさそうな所にあったらどうするの! 不意打ちされたら、全滅免れないよ?」 「何かってー?」 「ドラゴンとか」 ひゅるうーり。 一同の間に、冷たい風が流れて消え去った。 「ド……ドはダメ。あれは色々とダメ!」 「あー、あと詠唱効かないのとか出ると恐いよね」 「いやだから、よりにもよってそういうのを事例で出さなくてもー!」 「だって、何が出るか判らないって言うしー」 「そういう訳だから」 こほん、とひとつ咳払いをしてチームリーダー。 「真面目に探索やろうね?」 真剣に一同が頷いたのは言うまでもない。
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割引はあるの? チャットでの割引(3000円) 営業担当での割引(5000円) がある模様
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梓「何が…起こって……?」 ワナ ワナ さわ子「ふう、敵は撃墜したわ! 虫けら風情がこのさわ子の魔の手から逃げようだなんて100万年早いのよ!!」 律「さ、さわちゃんのアホおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」 唯「さわちゃん……なんて事を……」 さわ子「え、えぇ?」 紬「あ、あの…さわ子先生…実は」 G「…」 ピクピク 梓「ゴキにゃん…?どうして……? なんで……?? ペシャンコになってるの…??」 G「…」 … 梓「!? ゴ、ゴキにゃん!?」 G「…」 チーン 梓「嘘でしょ!!? 動いてよ!!ねえ!! ゴキにゃん!!」 ポロ ポロ 梓「ゴキにゃああああああああああああああああああああん!!!!!!!!!!!!!!!!!」 数日後 唯「…」 律「…」 紬「…」 澪「…」 唯「…」 律「…もう3日か…」 紬「…」 澪「…」 唯「…あずにゃん……来ないね…」 律「…」 紬「…」 澪「まあ……あんな事があった後じゃあな…」 紬「梓ちゃん…あんなに大切にしてたんだもの… きっと凄くショックだったんだと思う…」 さわ子「本当シャレにならない事しちゃったと思ってるわ…」 律「そうだよ!さわちゃん!!」 唯「なんであんな事しちゃったの!!!」 さわ子「だ、だって ゴキブリ飼ってるなんて普通思わないじゃない…!」 アセアセ 律「そりゃそうだけどさ……」 澪「梓……大丈夫なのかな……」 紬「大丈夫…って?」 律「ま、まさか後追い自殺とか!?」 唯「ええっ!!あ、あずにゃんが死んじゃうのは嫌だあぁ!」 ウルウル 澪「…」 澪「…皆!」 澪「梓の家に行こう!」 梓の家! 一体どれくらいの間 こうしていただろう あの日 目の前の現実を受け入れられず 先輩たちの制止を振り切り 部室を飛び出した私は 誰もいない 自室へと逃げ帰った あの時の私は それは もう どうかしていた 何も見なかった事にして 何も聞かなかった事にして 外界との接触を拒めば 無残な現実に抗うことができるなどと幸せな事を考えていたのだろう しかし 現実は残酷にも 私に逃げ場を与えてはくれなかった 実際には 自室は3日もの間 あの子との絆を育んだ場所であり そこでともに分かち合った 幸せな思い出を 振り返ることで 結果として 私は あの子はもういないのだ と言う 覆らない現実に 気付かされたのだった 私は 今もこうして 何をするわけでもなく 真っ暗な部屋の中に篭り続けている 何の解決にもならない事はとっくにわかってはいたが だからと言って そうする以外他に 何をどうすればいいのか 全くわからなかった 明かりも無い 時計の音だけがコクコクと響く 空っぽの部屋で 時々思い出したようにもう戻って来ないあの子の名前を呼んでみる 梓「……ゴキにゃん」 空しいだけだった ただひたすら 空しいだけだった 梓「…ゴキにゃん」 梓「どうして……」 梓「どうしてよ……」 ポロ 梓「私を一人にしないで…」 梓「帰ってきてよ… ゴキにゃん…!」 ポロ ポロ ピンポーン 梓「…」 梓「お客さん…?」 ピンポーン 梓「……」 梓「うるさいなあ……放っておいてよ…」 ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン 梓「…」 ガチャ 梓「…!」 梓「先輩たち…」 唯「あずにゃん!」 梓「……」 紬「梓ちゃん…大丈夫?」 梓「……」 澪「部活も学校も来てないからさ、心配で見に来たんだ…」 梓「……」 律「皆待ってるんだぜ… さわちゃんも謝りたいって言ってるし だから…」 梓「……」 梓「もういいんです…」 唯「え…? あずにゃん?」 律「もういいって…」 梓「いいんです…謝罪なんて」 梓「別にさわ子先生の事怒ってるわけじゃないんです…」 梓「ただ……謝ってもらっても…あの子が帰ってくるじゃないですから」 澪「…」 律「…」 紬「…」 梓「軽音部にはもう戻りません…」 唯「えっ」 律「梓、お前何言って!」 梓「……」 律「それって軽音部を辞めるって事かよ!!」 梓「…すみません」 紬「考え直す気は無いの!?」 梓「…」 梓「…さようなら」 澪「おい、梓!」 唯「自分を責めてるの?」 梓「……」 ピタッ 唯「あずにゃん、自分の事責めてるんだよね?」 梓「…」 紬「梓ちゃん…」 澪「そうなのか…?」 梓「…」 律「なあ梓…」 梓「…」 律「私達はそんなに頼りないか?」 梓「えっ…」 律「私にはさ 梓の気持ちはわからないよ 大切な者を失ったことの無い私には… 大切な者を失った奴の気持ちはわからない」 梓「…」 律「でもさ、だったら教えてくれよ!その気持ちを!梓の気持ちを!」 澪「梓は一人で抱え込みすぎだ… もっと私達を頼ってくれたっていいんだよ!」 唯「そうだよ!あずにゃん!! 言ったでしょ!困った時は何時でも言ってねって!」 紬「私も!力になるって言ったわ!」 梓「先輩…」 グスッ 梓「…だって」 梓「だって申し訳ないじゃないですか…!」 梓「ゴキにゃんが死んだのはっ…!!…私のせいなんですよ!!?」 ポロ ポロ 梓「さわ子先生は悪くないですよ…だって叩き潰すのなんて当たり前じゃないですか…」 梓「ゴキブリなんですから… ゴキブリが誰かに飼われてるなんて普通思いませんよ」 梓「『責任を持たなきゃならない』だとか 『不快になる人もいる』だとか 口だけは綺麗事言ったりしても!! 実際は調子に乗ってタッパーの外に出して!!! 誰かが来るかもなんて少しも考えてなかった!! そのせいでゴキにゃんが死ぬかもなんて 少しも考えてなかった!!!!」 梓「だから私のせい!!私のせいなんです!!!」 梓「私があの子を死なせた……も同然です…」 梓「はは 飼い主失格ですよね……」 梓「いや 飼い主どころか人間失格ですよ」 梓「大切にするべき命を守れなかったんですから…」 梓「そんな私が軽音部に戻る???」 梓「抜け抜けと??」 梓「また幸せな生活に戻る??」 梓「自分の罪を忘れて?」 梓「ゴキにゃんを殺した事を忘れて ??」 梓「あはは そんなの許されるわけ無いじゃないですか」 梓「そんなの許されるわけ無いじゃないですかっ!」 ポロ ポロ 唯「あずにゃん…」 紬「…」 律「…」 澪「…梓」 梓「…」 澪「梓が自分を責めて ゴキにゃんはそれで喜ぶのか?」 梓「…それは」 澪「…」 澪「…」 ゴソゴソ 澪「梓、コレ」 梓「…!」 梓「ゴキにゃんのタッパー…」 澪「あの日は梓… 慌てて帰ったからコレ部室に置きっぱなしだったろ? だから今日持ってきたんだよ…」 サッ 梓「…」 スッ 梓「…ゴキにゃん」 唯「…あずにゃんとゴキにゃんのセッションカッコよかったよね!」 梓「…!」 律「ああ、あそこまで出来るようになるまで随分練習したんじゃないか?」 紬「それだけじゃないと思うわ… あれだけ素晴らしかったんですもの 練習量だけじゃ説明できない… きっと二人の間にはそれだけ大きな絆があったと思うの」 紬「…たった数日だったけどゴキにゃんは 梓ちゃんに飼われて幸せだったんじゃないかしら」 梓「…!」 紬「梓ちゃん、きっとゴキにゃんは梓ちゃんの幸せを望んでると思うわ…」 梓「……」 梓「…ゴキにゃん」 梓「…ゴキにゃん…」 ギュッ 梓「ご…ごめんなざいっ…!」 ウルウル 梓「ごめんなざいっ!! ごべんなざいっ!!!!!!! わ、私…あなたの事っ…グズッ …飼い主になって… たっだ…たっだの数時間で 死なぜちゃった……」 律「…」 紬「…」 梓「ごべんなざいっ!!!!!!ごべんなざいっ!!!!!! ごべんなざいっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!」 唯「…」 澪「…」 梓「うわあああああああああああああん!!!!!!!!!」 ……… 梓「……」 唯「落ち着いた?」 梓「……はい」 紬「お台所借りたわ……お茶入れたから、これでも飲んで?」 梓「……ありがとうございます」 梓「……」 ズズーッ 梓「先輩たち 本当に有難うございました」 ペコリ 律「…いいっていいって、私達仲間だろ」 澪「…明日はどうするんだ?」 梓「明日からまた学校に通います」 唯「軽音部は!?」 梓「…こんな私ですけどこれからもよろしくお願いします」 唯「!」 唯「あ…あぁ…」 梓「先輩…?」 唯「あっずにゃーん!」 ガバッ 梓「にゃっ!」 唯「よかったよー!!あずにゃんが辞めなくて!!」 スリ スリ 梓「…やめてくださいー」 ググッ 澪「やれやれ、一時はどうなるかと思ったけど…」 律「梓が辞めなくて良かったな!」 紬「う~ん…」 律「? どうしたんだ、ムギ?」 紬「これ何かしら…?」 澪「? ゴキにゃんのタッパー?」 紬「うん、この中なんだけど…」 律「どれどれ…」 律「茶色いな」 澪「丸いな」 紬「なんでしょう…」 梓「!!」 梓「見せてください!!」 梓「うそ…!」 梓「これ!卵鞘です!!」 律澪紬「えっ!」 唯「らん…しょう?」 数ヵ月後 律「しっかし、ゴキにゃんは雌だったとはなぁ!」 カサカサ 澪「……」 カサカサ 紬「本当あの時は驚いちゃった!」 カサカサ 律「まさか卵が残ってるとはな」 カサカサ 澪「……」 カサカサ 紬「うふふ、ゴキにゃんが梓ちゃんのために残していったのかもね!」 カサカサ 澪「…」 カサカサ 澪「なあ…」 カサカサ 律「…? どうしたんだ、澪?」 カサカサ G14「…」カサカサ G3「…」カサカサ G26「…」カサカサ G22「…」カサカサ G17「…」カサカサ G8「…」カサカサ G16「…」カサカサ G4「…」カサカサ G25「…」カサカサ 澪「なんで部室がこんなことになってるんだ…?」 ゾワゾワッ 澪「おかしいだろお!!一匹ならともかく!こう何十匹もいたら!!!」 ゾワゾワッ 律「仕方ないだろ? ゴキブリは1つの卵鞘から何十匹も産まれるんだし 梓一人じゃ全部育てられないだろ?」 カサカサカサ 澪「だからって軽音部室で飼わなくても!!」 カサカサカサ 紬「まあまあまあまあ」 カサカサカサカサ G5「…」バサバサバサッ G11「…」バサバサバサッ G28「…」バサバサバサッ G21「…」バサバサバサッ G9「…」バサバサバサッ G12「…」バサバサバサッ G19「…」バサバサバサッ G23「…」バサバサバサッ G7「…」バサバサバサッ 澪「ひいいいいいいいいい!!!」 バサバサバサバサッ 澪「そ、そう言えば梓は…?」 ビクビク 紬「唯ちゃんと一緒に出かけたみたいだけど…?」 バサバサバサバサッ 律「ああ、あいつ等なら」 バサバサバサバサバッ 律「墓参りだよ、ゴキにゃんの」 うらにわ! 唯「あずにゃんその子は?」 梓「ゴキにゃんの子供です!」 G2「…」 カサカサ 梓「一番大きくなった子なので、 ゴキにゃんに見せてあげようと思いまして」 唯「そっかー」 ニヘラ 梓「はい!」 ニコニコ 天国のゴキにゃん! あなたの子供達は元気だよ!! 子供達と優しい先輩達に囲まれて私は幸せだよ! きっと あなたの子供達も幸せにするから、天国で見守っててね! 梓「ありがとう、ゴキにゃん!」 梓「…」 唯「…挨拶終わった?」 梓「はい!帰りましょうか」 唯「うん」 ニコッ 梓「…さ、みんなの所戻ろっか」 梓「ゴキにゃん2号!」 G2「♪」 バサバサバサッ カ カサ カサ カサ サ カサ カサ カサ カサ カサカサカサカサ カサ カサカサカサカ カササカサ カサ カサ サ カサ カサカ カサ カサ カサ カカカサカカサカ カサカ カサ カサ カサ カサ カサカ カサ カサカ カサ カサカ カサ カサ サ カサ カサ カサ カサ カサ カサ カ カサ カサ カサ カサ カサカサ サカサ カサ カサ カサ G「♪」 バサバサバサッ . 戻る
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唯「ムギちゃんお待たせ~」ガチャ 紬「おかえり」 律「さて食うか」 唯「いただきま~す」モグモグ 紬「唯ちゃんお弁当のおかずちょっといる?」 唯「ほひ!」モグモグ 唯「ングッ… ほしい!」 紬「はい♪どうぞ~」 唯「ありがとぉお~」 律「…なぁムギ、今朝の写真見覚えがあるって言ってたのホントか?」 紬「えっ?うーん…一瞬そんな気がしたんだけど……」 唯「モグ… 気になるならぶかつの時にあずにゃんに聞いたら~?」 紬「まぁそれが一番早いわね」 律「……」 ―放課後― 唯「いっちばーん!」ガチャッ 唯「ふーお腹すいたぁ~!ムギちゃんおやつぅ~はやくー♪」 律「……」ガタッ 紬「はいはい、ちょっと待っててね~先にお茶の準備しちゃうから…」カチャカチャ 唯「今日のお菓子はなんだろな~♪ねぇりっちゃんなんだろうね~!」 律「……え?ごめん聞いてなかった」 唯「今日のお菓子だよぉ」 律「あぁ……なんだろうなー」 唯「……」 唯「皆早く来ないかなぁ~」 ガチャ 唯「ほっ!」 澪「……おーっす」 唯「あー、澪ちゃんd」 律「澪ぉっ!!」ガタンッ! 唯紬「!?」 澪「な、なんだよ」 律「お前なんで休んだんだよ!この前の部活ッ!!」 澪「え、なんでって……べ、別になんでもいいだろ。気分だよ、悪いか」 律「気分だと…こいつ……」プルプル 澪「いいだろっ、今日はこうして来たんだから。文句無いだろ」 律「何がいいだろだ…今日来てもおせえんだよ……馬鹿澪っ!!」 澪「な、なんだよ。何かあったのか?」 唯「うぅ、わかんなぃ……」 澪「…あれー、梓の奴まだなのか?来いとか言っといて自分が遅いんじゃ世話ないな」 律「! 梓と話したのか!?いつ!!」 澪「金曜の夜に会ったんだよ。外でぼーっとしてたらなんか来てさ」 澪「その時来週から部活行くって約束したんだよ」 唯「そうだったんだー」 律「……」 澪「で、あいつまだなの?」 紬「うん」 律「……来ねーよ…」 唯「え?」 律「梓はもう来ない」 澪「? 何言ってんだ律、梓は」 律「もう居ないんだ……」 紬「りっちゃん…?」 律「…あいつはもうこの町には居ないんだよッ!!!」 唯紬「!?」 澪「はぁ?」 唯「ど…どういうこと?りっちゃん」 律「引越したんだ…親父さんの田舎に」 唯「引っ…うそでしょ……?ねぇ」 律「…色々複雑だったんだ、あいつの家……後でちゃんと説明してやるよ…」 紬「そんな……」 澪「いやちょっと君たち」 律「今朝の写真は多分、引越し先で撮ったやつだよ」 唯「……うそだよ!りっちゃんなんでそんなうそつくの!?ねぇっ!」 律「嘘じゃねーって!私が一番嘘だって思いたいんだよ!!」 澪「なぁー、聞いてるかー?お前らさっきから何言っt」 律「だからもう居ないってそう言ったんだ!!ちゃんと聞いてろ何度も言わすな澪ッ!!」 澪「で、でも今日見たぞ……」 律「」 唯紬「え」 律「……見たって何を」 澪「あずs」 律「てめーでたらめ言ってると本気で殴るぞッ!?」バッ 澪「うわったっ!ま、待てってホントだって!」 唯「どこで会ったの!?」 澪「学校だって!普通に!」 紬「が、学校で?」 澪「私の教室梓と同じ一階だろ。休み時間トイレ行った時に見かけたんだよ」 律「うそだ……澪お前私が今どんな気持ちか分かってんのか!!?」ガッ 澪「いやなんで嘘だよっ、は、離せよ!そんなに言うなら待ってろよ、どうせそのうち…」 ガチャ 梓「おつかれさまでーす」 律唯紬「!!?」 澪「ほら来た。おそいぞ」 梓「あ、ちゃんと来てますねー澪先輩」 紬「梓ちゃん!!」 唯「ああああずにゃん!?あれ?でもりっちゃんが……」 律「あず……」 梓「どうもです唯先輩~」 律「……な…なん……」 梓「あっ、律先輩ちゃんとヅカモードですね! 律先輩の律は律儀の律って感じですねー」 律「梓ぁあッ!!!」ガシッ 梓「わっ、怒るのはなしですよ先輩!暴力反対!ちゃんと説明しますからっ… て…」 律「……」ズル… 梓「あ、あれ…」 律「バカヤロー……もう会えないかもって……ぅう……」グスン 梓「……先輩…」 律「あずさぁああ~……やめてくれよぉこんなのっ……ヒグッ……」 梓「…ごめんなさい、ちょっと悪ふざけしすぎちゃいましたね……」 律「グズ……さ、さいてーだよ…私がどれだけ落ち込んだと思ってんだ…」 梓「ヘケッ」 律「ヘケッじゃねえよ馬鹿……」 梓「まー全部嘘じゃないから許してくださいよー 実際本当にお別れかもしれなかったんですよ」 律「え?な、なんだそれ…どういうこと」 紬「とりあえずお茶でも飲んで落ち着かない?」 律「…ふぅ」カチャ 紬「りっちゃん落ち着いた?」 律「うん…サンキュー」 律「それでだ……梓!!」 梓「は、はいー」 律「今回ばかりはシャレになってないぞ。引っ越すだとか、冗談にも限度があるだろッ!!」 梓「それは嘘じゃないですよ、ちゃんと引っ越しましたよ」 律「はぁーッ!?じゃあなんで学校に来て…」 梓「引っ越すって言っただけで転校するとは言ってませんよ」 律「なっ…」 梓「今は隣町のおばの家から通ってます。バス通学ですよーかっこよくないですか?」 律「……」プルプル 律「…で、でもお別れとかなんとか言ってただろが……あれは…」 梓「あぁ……野良にゃんがお別れだっていう意味です」 律「は…?野良……何?」 梓「家が遠くなってもうこの辺りを遅くまでぶらぶらしたり出来ませんから」 澪「……あ、そういえば私が静かな時間を取り戻す記念とかなんとか」 梓「そうですそうです」 律「ど、どっちにしろ騙す気満々な紛らわしい言い方じゃねーか!!」 梓「違うんですって、その意味もあったんですけど本当にお別れって意味もあったんですよ」 律「どこがだよ!」 梓「あの時点ではまだ分からなかったんです、どっちなのか」 梓「おばの家に置いてもらうかもしれないって話は出てたんですけど、実際にどうなるのかちゃんと聞かされてなかったんです」 律「なんでそんな大事な話ギリギリまで…」 梓「先輩の家とかふらふらしてたから、それで……」 律「」 律「……じゃあ写真はどうなんだよ、あれは何だってんだ!?どうみても田舎の…」 梓「あっ。あれはぁ~……へへ、すいませんおふざけです」 梓「こっちに通えるって分かったのでどうせだったらサプライズしちゃおうって思って」 律「やっぱりかよ!手の込んだ事しやがって…どこで撮ってきたんだあんなもん」 梓「どこって夏合宿の時に撮ったやつですけど。気付きませんでした?」 律「え」 紬「……あっ!思い出した…あの風景どこかで見たと思ったけどあの土地のだったんだ」 梓「しかもあの手は私のじゃなくて実は律先輩のです」 律「は!?」 梓「私が風景撮ろうとしたらいきなりカメラの前に出してきたんですよ」 唯「それでぼけてたのかぁ~」 律「お、覚えてないぞ……そんなの…」 梓「いやまー基本的に誰かが写真撮ろうとする度に割り込んでましたからねー」 律「……」 梓「とまぁ、一応怪しいって気付ける要素も入れといたんですよー」 律「そういう問題じゃないだろ……どんな気持ちでいたか分かってんのか……」プルプル 梓「ごめんなさーい。ヘケッ」 律「」ブチッ 律「少しは反省しろぉお!」ガバァ 梓「うひゃああああ!」 律「このおおお」グリグリグリ 梓「いた!いたたたたたた」 唯「あーっ、りっちゃんに抱きつかれてる!あずにゃんずるい!!」ガバッ 澪「」 律「えッ!?こらっ、違うそういうんじゃ…わぁああああ」 紬「唯ちゃん!わ、私だっt …はっ!?」 澪「……ぅ…」プルプル 紬「み、澪ちゃん!」 律「やべっ、澪吐くな!おい離せお前ら、早く澪ビンタしないとっ」 梓「任せてください!」 澪「んぐっ」 梓「フンッ!」バッ 澪「ちょちょ、待て!止まってるって!」 梓「えっ」ピタ 澪「……」 律「ほ…ほんとだ。吐かないぞ」 唯「凄い!なんで!?澪ちゃんとっくんしたの!?」 澪「い、いやわかんないけど…吐こうとしたら頬にピリッと刺激が走って…」 梓「…もしかしてこの間ビンタされまくったトラウマで逆に吐かなくなったんですかね」 紬「えぇ…そんなことってあるのかしら?」 律「でも現に吐いてないわけだし…」 澪「…はは。なおった!なおったぞー吐きグセ!!やったー!」 梓「おめでとうございます」 澪「いやーありがとう!皆ありがとう!はははは」 唯「じゃあこれでもう澪ちゃんを気にしないでいちゃいちゃできるんだね!」 澪「」 澪「それとこれとはまた別だから。やめろ」 唯「えぇ~……」 梓「……」じいぃ 澪「な、何見てんだよ梓」 梓「…澪先輩。もし私が先輩のこと好きって言ったらどうします?」 澪「えっ」 律唯紬「!!!」 澪「…や、やめろやめろ!そういうシュミないって言ってるだろ!!」 梓「どうします~?」ズイッ 澪「よ、よせッ近寄るなってっ…!//」 唯「あれ!澪ちゃん赤くなってますぞー!?これはもしや…」 澪「何言ってんだ唯、なってない!デタラメこいてンじゃぁーないぞぉ~っ!!」 紬「なってるわよ~♪」 律「いやいやマジか、まさかって感じだけど…意外と合ってんのかもなぁ~」 澪「なわけないだろうがぁああいい加減にしろよお前らぁああ!!」 ガシ 澪「!!」 梓「掴まえましたよ」 澪「うぁ……やめ……」 梓「ヘケッ」 澪「うひゃあああああ!!」 唯「みんな仲良し!やったね~」 終わりです 戻る