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魔法――それは、どんな夢でも叶えてくれる力。 物理学や化学、どの観点から考えたとしても、そこにあらゆる物理法則は存在しないし、 凝り固まったありがちな固定概念に縛られる必要だってない。 欲しいものとか、叶えたい夢とか……何だっていいのだ。ただ望めば、それだけでどん な願い事だって叶えてくれる。それこそが「魔法の力」というものだ。 長い人生、誰だって一度くらいは、そんな力を夢見た事があるのではなかろうか。 例えば、どうあってでも叶えたい夢を持ってはいるものの、それを叶えるためにはあら ゆる障害―「現実」という名の壁―に阻まれて、不可能だったり。 例えば、どうしても救いたいと思える人がいたとして、しかし、金銭的な理由や、或い は現代医学の限界といった障害に阻まれた結果、物理的にそれが不可能だったり。 力の使い道は、自分の為でも、人の為でも、何の為にだっていい。 魔法の力は如何なる理由の為にだって働いてくれるし、そこに叶えられない夢なんても のも存在しない。ただ思いゆくままに、叶えたいと思う願い事の為にその力を使う事が出 来るのだから、素晴らしい。 ただし「魔法の力」には、ちょっとしたルールがある。 まず第一に、魔法の力を使って願いを叶える事が出来るのはたったの一度だけという事。 そして第二に、望みを叶えた者は、その願いに相当するだけの代償として、「魔法少女」 となって、この世界の呪いや悪意―魔女―と戦わなければならない……そんな運命を架せ られてしまうのだ。 いかな奇跡の力などと謳った所で、結局の所、人は何かの犠牲なしに何も得る事など出 来はしない。対価のない力など存在し得る訳もなく、世界の真理とも言えるそのルールだ けは、魔法の世界といえども揺るぎの無い法則の一つなのであった。 最初は、代償とか対価とか、そんな事は何も考えてはいなかった。 何もかもを失ってしまった最低最悪の現実の中では、どんな可能性であろうとも奇跡の 一手のように思えてしまうものだ。 この狂った世界を打ち砕き、本来あるべき「明日」をこの手に掴み取る為には、唯一生 き残った自分がやるしかなかった。最早、一刻の猶予すら無かったのだ。 そして、大きすぎる対価を払って手に入れたのは、大きすぎる力。 ただ零れ落ちて行くしかない「時」を反転―或いは停止―させ、その流れを自らの意思 通りに操る事が出来る能力。少しばかりの条件―ルール―は存在するが、例え限定的にで も時間の流れを操作出来るというのは、まさに世界の法則にすら干渉する、神にも等しい 力であった。 別に「時間操作」の力を望んだ訳ではないが、それでも、その力を手に入れたのには理 由がある。ただ単に、大切な人が傷ついてゆく世界をこれ以上見ていたくなかったし、大 切な人が居ない世界を歩いて行くのも嫌だったからだ。 これは、そんな強い想い―願い―の副産物とも言える能力だった。 力を手に入れたからには、もうこれ以上、護られるだけの自分で居続ける必要もない。 今度は大切な人を、自分の力で護り抜けるくらい強い「私」にならなければ、こんな力を 授かったところで意味などないのだ。 だからこそ、こんな結果を認める訳には行かない。こんな未来を認める事も出来ない。 例え他の全てを失ったとしても、大切な人さえ居てくれるなら構わない。逆に言えば、 大切な人が居ない世界など、戦う意味も無ければ生きていく意味もない。 この願いを無駄にしない為には、何としてでも意味のある未来へと繋げなければならな いのだ。 大丈夫。どんなに暗い夜だって、朝を迎えれば必ず太陽が昇るから。 何度繰り返されたか解らない、果てしない後悔の連鎖だけど……いつか絶対に、この血 塗られた後悔の連鎖だって断ち切ってみせるから。 これはその為に手に入れた力。それを成すまでは、何度だって。 * * 「暁美ほむらです。よろしくお願いします」 教室のど真ん中という、この場に居る全生徒の視線が集中する場所で、腰まで伸びたス トレートヘアの黒髪を靡かせた少女は自己紹介を終えた。 教室中の三十余名の生徒達の視線が、一斉に暁美ほむらと名乗った少女を見詰める。 誰も何も言わずにほむらの次の言葉を待つが、そんな事は意にも介さないとばかりに、 暁美ほむらはそれ以上の言葉を発しはしなかった。 まるで目の前の生徒達など見えていない……というよりも、見てすらいないとでも言わ んばかりの態度で、目の光一つ揺らさずに前方を見詰め続ける。 良く言えばクールでかっこいい少女。悪く言えば愛想の悪い、人間不信の少女。……或 いは、転校してきたばかりで、感情を上手く表現出来ない子だと思われているのかも知れ ないが、まあ、何だっていい。 どんな印象を持たれようが構う事はない。思いたいように思ってくれれば、それが皆の 目に移る自分なのだろうし、別にそれを訂正する必要性も感じられなかった。 嗚呼、これは何度目の世界だったかしら、と、不意にとりとめのない事を考える。 暁美ほむらがこの教室の生徒達と一緒に過ごした時間を総計すると、きっと一年以上に なると思う。が、残念な事に、この世界の―正確にはこの時間軸の―生徒達は暁美ほむら の事など露程も知しはしない。 「この時間軸の暁美ほむら」は今し方この教室で自己紹介を終えたばかりなのだから、そ れも当然だ。この時間軸に居る面々が、暁美ほむらなんて人間を知る筈も無いというのは、 当たり前すぎるくらいに普通の反応なのであった。 とは言ったものの、彼らがほむらの事を覚えていないのと同様に、ほむら自身も数人を 除いては名前くらいしか覚えていない。もっと言えば顔すらもきちんと覚えているかどう か危うい生徒だって居るくらいだ。 ほむらにとって大切なのは、この教室に居る「たった一人の少女だけ」なのだから無理 もない。そしてその少女は今、ほむらの目の前に居る。 とりとめのない事を考えるのは一旦止めにして、ほむらは自分自身の最終的な目的とも 言えるその少女に声をかけた。 「鹿目まどかさん。貴女がこのクラスの保健委員よね」 「えっ?」 「ごめんなさい。何だか緊張しすぎたみたいで、ちょっと、気分が。良ければ保健室に連 れて行って貰えるかしら」 「あ、あの、えっと……」 桃色の髪の毛を二つに結った少女―鹿目まどか―が、上ずった声で答えた。 何度時間を繰り返してでも守りたいと誓った少女は、この世界―この時間軸―でも、変 わらない様子で、暁美ほむらは心中でほっとする。 転校生から突然話しかけられたとあっては、驚くのも無理はない。慌てた様子で右往左 往する姿も、既に何度も見慣れた光景だった。 何故ほむらが、鹿目まどかが保健委員である事を知っているのかと問われれば、それは ほむらが未来から来たから、と説明するしかないのだが、当然それを「今この時間を生き る人間」に話したとことで、信じてくれはしない―或いは理解してくれない―という事は 既に何度か確認した事である。 故に、まずは彼女を連れ出してから、最初の警告をする。まどかの人生を狂わす切欠と なる要因――即ち、魔法少女の力を得る事の危険性と、他愛もない日常の尊さを、何とし てでも理解して貰わなければならない。ここまでは今までに何度も繰り返した事のある行 動であった。 されど、今までの時間では、その全てが失敗。結局まどかはどの世界でも何らかの理由 で魔法少女になってしまうし、それでなくても、まどかが魔法少女に至るまでで多くの犠 牲が出てしまう。 そうならない為にも、毎回時間をやり直す度に、何処をどういう風に立ち回れば違う結 果になるのか、という目処も一応は立てているのだが、果たして……。 「あの、このクラスの保健委員は私だけど」 「え」 綿密な計画の上に成り立ったほむらの行動を掣肘したのは、鹿目まどかの斜め後ろの席 に座って居た、一人の少女の声だった。 まどかとよく似た優しい雰囲気の瞳は、翠色の虹彩で以て淡く光を反射して、その顔色 を心配の色に歪めていた。まどかと同じくらいの長さの栗色の髪は、これまたまどかと良 く似た二つ結びに結われていて、小さなツインテールは彼女の動きに合わせて僅かに揺れ ていた。 しかし、ここで疑問が発生する。 今まで幾度となく繰り返した時間軸の中で、暁美ほむらはこんな少女を見た事が無かっ た。ましてや、まどかのポジションである筈の保健委員を務めているなど、それこそ前代 未聞だ。 思わずたじろいだ姿勢のまま、ほむらは眼前の少女を凝視する。 「そんな筈っ……どういう事!?」 「あ、あの……大丈夫? えっと、ほむらちゃん、でいいのかな?」 「え、ええ、それで構わないけど……それよりも、貴女は誰かしら?」 「私の名前は高町なのは。えっと、確かに去年まではまどかちゃんが保健委員だったけど」 高町なのはと名乗った少女は、少なからず困惑を浮かべた表情で、苦笑いする。 今の説明を聞く限りでは、どうやら鹿目まどかは去年まではこのクラスの保健委員であ ったが、今年からはその地位を高町なのはに譲った、という風に取れる。 が、しかしそれはやはり有り得ない。そんな筈はないのだ。名前を聞いて確信を持った が、やはり高町なのはなんて人間は居なかった筈だ。少なくとも今まで幾度となく繰り返 して来た時間の中で、仮に保健委員でなかったとしても、高町なのはなんて生徒を自分の クラスで確認した覚えはない。 何故この世界には、最初から居ない筈の人間が平然と受け入れられているのだろう、と 瞬時に幾つかの仮説を頭の中で組み立てるが、どれも現状では考えた所で埒が明かない事 ばかりだった。 「……ごめんなさい、聞いていた話と違っていたから、少しだけ取り乱してしまったわ」 「そっか、じゃあ保健室に行こっか、ほむらちゃん。私が連れて行くよ」 高町なのはは、真面目で優しそうな微笑みを浮かべてそう言った。 美人の転校生(どうやら今までの時間軸ではそう言われていたらしい)だからとか、そ ういう野次馬根性は一切感じられない。本当に優しい、慈愛すら込められた声でほむらに 手を差し伸べたなのはは、完全なる善意から保健室へ連れて行ってくれると言うのだ。 しかしそれでは何の意味もない。戸惑いを浮かべるほむらを救ったのは、もう一人の声 だった。 「あ、あのっ!」 声の主は、傍らで静観していたまどかだ。 おずおずと言った様子で、ほむらとなのはの視線を一点に集めたまどかは、片手を上げ たまま口を開いた。 「えっと、その……暁美さんは、元々私の知り合いで……だから、保健室には私が連れて 行こうと思うんだけど……」 「そうだったんだ? それならほむらちゃんも、まどかちゃんに連れて行って貰った方が 良さそうだね」 なのははまどかの申し出を、快く了承してくれた。 数えるのも馬鹿馬鹿しくなる程の時間をまどかと共に過ごして来たほむらには、それが まどかにとっての精一杯のささやかな嘘で、しかし、正直者のまどかはそんな小さな嘘で あっても、緊張に声を強張らせているのだと言う事が手に取る様に解った。 まどかは優しいのだ。それこそ、何でなのよと言いたくなるくらいに。 だからこそ、彼女はほむらの只ならぬ雰囲気に何かを感じて、自分が保健室に連れて行 くと申し出てくれたのだろう。 懐かしい優しさを受けて、一瞬微笑みそうになってしまう口元をきゅっと引き締める。 表情一つ崩さずに、先程までの尊厳を守ったまま、ほむらはまどかへと片手を差し出した。 「お願いしていいかしら、鹿目まどかさん」 * * 暁美ほむらにとって、高町なのはの存在は完全なるイレギュラーであった。 そもそも、高町なのはなんて人間はこの時間軸には存在しなかった筈なのに、どういう 訳か、他の生徒達は当然の様に高町なのはの存在を受け入れ、当然の様に共に学校生活を 送っている。 それはつまり、ここ最近で現れたぽっと出などではなく、その存在をきちんと世界に認 められた一人の人間という事になる。だが、だとするなら彼女は尚更イレギュラーだ。 一体どうして今度の時間軸の世界に限って、あんなイレギュラーが居るのだろうと、幾 つもの仮説と疑問が浮かんでは消えてを繰り返し、ほむらは無意識の内に無口になってい た。 保健室へ向かう廊下を歩きながら、ほむらの少し後方を歩くまどかが、一生懸命何事か を話しているのだが、今はそれもあまり頭には入って来ない。 まどかの口から告げられるのは、差し障りのない世間話ばかりだ。それに耳を傾ける意 味もあまりないし、その中にほむらが求める情報が含まれている訳もないのだろうから。 故にほむらも、必要以上の反応は返さなかった。ともすれば、無視を決め込んでいるの ではなかろうかと思われてしまうかも知れないが、別にそんな事は関係ない。 今更まどかの中での「暁美ほむら」という一人の人間の高感度を上げようなどとも思っ ていないし、そんな事をする意味もない。思いたいように思ってくれればいいのだ。 しかしながら、問題は別の場所にある。優しいまどかは、そういった状況でどうしても 自分に非があるのではと思い込んでしまう節があるらしく、あまり長時間無視を続ければ、 いよいよ以てまどかの面持ちもどんよりと沈んだものになって行くのだった。 「あ、あの……暁美さん」 「ほむらでいいわ」 「あ、えっと……ほむらちゃん?」 「ええ、何かしら」 「あの……その、ごめんね」 「何故貴女が謝るの?」 「えっと……もしかして、怒ってるのかなって……なのはちゃんと一緒の方が良かったか なって、思っちゃって……」 「いいえ、そんな事はないわ。私は貴女と一緒に保健室にいくつもりだった」 「つもりだった、って……あの、ほむらちゃんは、一年も前に私が保健委員をやってたっ て、どうして知ってたの?」 まどかからの問いを受けると同時に、歩を止めた靴裏はかつりと音を立てた。 その問いには、答えようがない。時間を巻き戻して来ただなんて言うだけ無意味だし、 そもそもまどかは現在保健委員ではない。 自分の情報が誤っていた時点で、出来る事ならばそれ以上その話を続けて居たくは無い。 これ以上下手な事を口走れば、また自分の「嘘設定」が増えて余計に面倒臭い事になるの が目に見えているからだ。 今はまず、情報を集めるのが先決だった。 この世界が今までの世界とどう違うのか。他に変化はないのか。 また、高町なのはなる人物は一体どういった役割でこの世界に存在しているのか。 存在しない筈の生徒が突然出て来た以上、警戒は必要だ。下手をすると、彼女も「奴ら」 の手の者かもしれないのだから。 「鹿目まどか」 「えっ、な、何?」 「貴女は自分の人生が、貴いと思う? 家族や友達を、大切にしてる?」 「え、えっと……大切、だよ。家族も、友達の皆も。大好きで、とっても大事な人達だよ」 「本当に?」 「本当だよ。嘘なわけないよ」 「そう……」 繰り返した時間の中で、ほむらは何度も見て来た。 まどかが、他の皆が、「どんな願い事でも叶えられる」だなんて甘事に踊らされて魔法 少女になった挙句、何もかもを失って、最後には誰も居なくなるのを。 同じ事を繰り返さない様にと自分が介入したこともあったが、結果はどれも同じだ。特 定の人物が魔法少女にならずに済んだ時間軸も有りはしたが、肝心の鹿目まどかの命が失 われてしまうのなら、その時間軸にも価値はない。 人間、死んでしまえば全てがお終いだ。例え綺麗な生き方があったとしても、綺麗な死 に方なんてものは絶対に存在しない。そう考えれば、彼女らの死に様もある意味ではこの 世界の理に従ったもので、仕方の無い事なのかもしれない……と、そう自分に言い聞かせ ようとした事だって何度かありはしたが、それにしたって彼女らの最期はどれも常軌を逸 していた。 そして、誰かが常軌を逸した死に方をすれば、必然的に鹿目まどかは悲しみ、結局は彼 女も魔法少女になり、最後には散ってしまう。 もうこれ以上、ほむらはそんな光景を見たくは無かった。 だから。 「もしそれが本当なら、今と違う自分になろうだなんて、絶対に思わない事ね。さもなけ れば、全てを失う事になるわ」 冷たい印象すら与える双眸をきっ、と強めて忠告する。 まどかの為にはこれが必要な事だとは思っていても、不安げにほむらを見詰め返すまど かを見れば、心の中では僅かな罪悪感が芽生えるのも確かだった。 こんな意味の解らない忠告をしたところで、彼女はどうしていいのかも解らないだろう し、それどころか恐怖や不安すら感じていると思う。 それ自体は申し訳ないと思うし、心の中では何度だって謝罪はする。 だけど、こうする事で、まどかが死への階段を上って行く事を止める事が出来るのなら、 喜んで嫌われ者にもなろうと思う。 ほむら一人が嫌われ者になる事でまどかを救う事が出来るのならば、寧ろ、それがまど かを救う為の代償とすら思えるのだった。 * * 高町なのはは、普通の人とは少しだけ違う。 数年前、ひょんな事から「魔法の力」を手に入れたなのはは、こことは異なる別の次元 世界が存在している事を知った。 次元世界は無数に存在していて、そのどれもが異なる文化を持って居る事。 また、異なる次元世界を股にかけての警察組織が存在している事も知り、なのはの人生 は、その組織「時空管理局」に所属する事で大きく変わった。 生まれつき魔法の力に恵まれていたなのはは、当初は時空管理局の嘱託魔道師として、 後に正式な時空管理局員として、様々な事件に関わって行くうちに、その類稀なる魔法の 才能を開花させていった。 その魔力量、魔法を用いた戦闘技術、魔法戦に於ける状況把握能力から空間認識能力ま で、あらゆる分野において「異能」と言わざるを得ず、いつしか空のエースなどと呼ばれ るようになっていた。 しかし、魔法の存在しない非管理世界のこの地球では、そんな話をしたところでおかし な人だと思われて笑われてしまうのが関の山だ。 それ故なのはは、信頼のおける親友や家族にだけ「魔法」の事を話し、それ以外の人間 前では極々一般的な人間でいるつもりだ。何も知らない普通な友達だって居れば、世間一 般と何ら違いの無い普通の暮らしだってあるのだから、それは仕方のない事だった。 現在なのはが共に帰路を歩いている少女達は、全員が「普通の友達」に当たる人種であ った。 「っていうかまどか、あの子ほんとに知り合いなの? 思いっきりガン飛ばされてたけど」 なのはの隣で、後頭部で手を組んだ青髪の少女が、そのまた隣を歩く桃色の髪の少女へ と若干不服そうに問うた。 彼女の名は美木さやか。今日転校して来た少女―暁美ほむら―には色々と思う所がある らしく、先程まではクールな美人転校生だとか電波キャラだとか散々な騒ぎ様だった癖に、 現在は少し落ち着いたのか、親友であるまどかを心配している様子だった。 「えっと……ごめんね、さやかちゃん……本当はアレ、嘘なんだ」 「なんでそんな嘘を……はっ! さては美人な転校生といち早く仲良くなり、恋愛事をよ り有利に進めようという思惑かー!?」 「なーに言ってんの、そんな事考えるのはアンタだけよ」 一人で盛り上がるさやかを制したのは、ブロンドの長髪を、リボンでちょこんと二つに 分けた少女。小学生時代からなのはの親友である、アリサ・バニングスであった。 アリサやすずかとは小学生時代からの友達で、まどかやさやか達は中学に入ってからの 友達だ。当然、最初はアリサやすずかを始めとする小学生以来のグループ同士でつるんで いたのだが、ここ一年間で鹿目まどかを中心とする中学生グループとも仲良くなり、今で は二つのグループの混合組で仲良くしている、といった感じであった。 後から出来た友達とはいえ、そこに旧来の親友たちとの差などは皆無だ。 学校内では小学生の時と同じ様にアリサ達と過ごす事もあれば、まどかやさやか達とば かり過ごす事もある。 休みの日には年相応の少女らしく、友達同士で買い物に行ったりと、極々一般的な中学 生の時間の過ごし方を送って居るつもりであった。 「もう、まどかちゃんはそんな不純な事考えないよ」 笑い声だったり、奇声―主にさやかが―だったりを上げながら、楽しそうに談笑する一 同を見たなのははクスリと笑って、アリサに追随するようにさやかに告げる。 「不純って言われた! 年頃の女の子ならそれくらい普通だろー!?」 「だーかーら、アンタと一緒にしないでってば」 「ちくしょー! アリサがいじめるー!」 「ふふ、お二人は本当に仲がよろしいのですね」 ウェーブ掛かった緑色の髪の少女がくすくすと笑う。 彼女の名前は志筑仁美。まどかやさやかと同じく、中学で友達になった少女だった。 一応は仁美もアリサやすずかと同じお嬢様らしいが、彼女に至っては言動までもが本物 のお嬢様。家の大きさもさることながら、彼女は品行方正を地で行き、スケジュール帳は 習い事の数々で埋まった、正真正銘、筋金入りのお嬢様、といった具合なのであった。 「それで、暁美さんはまどかさんに御用があったように見受けられましたけど」 「えっと、それなんだけど……」 「アンタ、もしかしてアイツになんか嫌な事でも言われたんじゃないでしょうね?」 「えっ!? そ、そういう訳じゃないんだよ? ただ、ちょっと……」 「ちょっと……何よ?」 アリサの問いは、まるで尋問の様だった。 半眼でアリサに睨まれれば、まどかも応えざるを得ず。 「えっと、よく分かんないんだけど……今と違う自分になろうだなんて思っちゃいけない、 って……さもなければ、全てを失う事になる、って……言われた、かな」 「はぁ? 何それ、意味わかんないんだけど」 「変わろうとするのが、いけない事だって?」 「うん、どうしてかまでは教えてくれなかったけど」 なのはの問いに、苦笑い気味に返事を返すまどかを見て、なのはは何処か複雑な心境に なった。 そもそもの話、なのはは「変わる事」が悪い事だとは思っていない。 人間は生きて行く以上、多かれ少なかれ、どうしても変わって行くものだ。それが良い 変化か悪い変化かは別として、変わって行くのが「人間」である証なのだと思う。 事実として、なのはもまた、魔法の力と出会った事で大きく変わる事が出来た人間の一 人だ。 本質の部分では何も変わって居ないのだとしても、それでも、今の生き方や在り方は、 あらゆる面で考えても魔法と出会ったお陰だからと、胸を張って言える。 まどかまでもなのはと同じように「魔法の力」に出会う事はまず無いだろうが、それで も人は、何らかの転機さえあれば、変わって行けるものだと思う。 人としての、曲げられない芯さえ通って居るのなら、変わっていく事を恐れてはいけな いし、変わらない物も大事にしたいと、そう考えるのが、高町なのはであった。 「うーん、それってどうなのかなぁ。私はね、変わる事は悪い事ばかりじゃないと思うの」 「なのはちゃん……」 「人は変わって行くものだよ。私だって皆と出会えたお陰で変わった事もあるし……だっ て、世界はこんなに広いんだから、出会いの数だけ変われる可能性だってあると思うんだ」 「そうそう! それに、女ってのは、成長と共にモテるイイ女に変わって行くもんなんだ から、それを恐れて動きを止めるなんつーのは、言語道断! ってもんよ!」 なのはの言葉に、さやかが胸を張って続ける。 確かに間違いではないと思うが……やはり少し違う気がする。 かといって突っ込む気にもなれなかったなのはは、僅かに微笑むだけに留めた。 やがて、彼女らにも別れの時間はやってきた。 アリサと仁美の二人は、習い事があるらしく、そのまま学校の帰りに寄って行くとの事。 一応は二人ともお嬢様という事で、習い事には沢山通っているらしい。アリサも仁美も 揃って親からそういう教育受けているあたり、やはりお嬢様はお嬢様なんだな、と思う。 そんな訳で、ここから暫くは、まどかとさやかの二人と帰路を歩く事になる。 ビルが立ち並ぶこの街並みを抜ければ、そこで三人の帰路も別れて、今日もいつも通り、 お別れの時間がやってくるのだろう。 そうなれば、なのはは「また明日」と告げて、二人と笑顔で別れる。きっと二人は、笑 顔でなのはに手を振って……明日になれば、また学校で今日と同じ様に顔を合わせる。 それがいつも通り、毎日続いて行く「普通の日常」だった。 始まりはいつも突然だ。 誰がいつ、いかなる状況で人生の転機に遭遇するかなど、誰にも解る訳がない。 いずれはこんな日常を懐かしいと思える日がくるのだろうとは思っていたが、少なくと も、この「普通の日常」が終わりを告げるのはまだまだずっと先だと思っていたし、出来 る事なら、まだもう暫くは平和な日常に続いていて欲しいとも思っていた。 如何に天才的な魔道師とは言え、極々平凡な毎日を送るなのはに、その日起こる異変や 未来の出来事についてなど想像し得る筈もないのだから、今日も明日も平和な日常が続い て行くのだろうと考えるのも、至って普通の事なのだが……そんなものは、希望的観測で しかないのだと、なのははこの後知る事になる。 既に彼女らが、何度目になるかも解らない絶望の輪廻の中に放り込まれている事になど、 気付ける訳も無かった。 なのはの肌が、この空間の異質さを本能的に感じ取った時には既に、絶望へと続く物語 も加速を始めていたし、そこから抜け出す事だって、もう誰にも出来はしない。 そう。今回の物語が、完全に終わりを告げるまで――もう、誰も抜けだせはしないのだ。 目次 次話
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魔法少女リリカルなのはStrikerS 第21話【決戦】 ヴィータ「闇の書の守護騎士。あたしたちはたぶん、レリックや空へ上がったゆりかごと同じような、 ただの兵器だったんだと思う。はやてが、あたし達に生きる意味をくれて、 罪を償いながら一緒に過ごしてきて、いつの間にか10年、大切なものはずいぶん増えちまった。 はやてと仲間たちと、教え子たちと。守らなきゃならねぇもんがある。だから、戦うんだ!」 ユーノ「聖王のゆりかごのデータ、さすがにかなり少ないけど、発掘は無事完了。今送るよ」 クロノ「ああ。こちらから艦隊と前線全てに送信する」 リンディ「あの船の危険度は?」 ユーノ「極めて高いです。先史時代の古代ベルカですらすでにロストロギア扱いだった古代兵器。失われた世界、アルハザードからの流出物とも…」 クロノ「…アルハザード」 リンディ「我が家にとっては、あまり思い出したくない名前だけど」 ユーノ「その真偽はともかくとして、最大の危険は軌道上に到達されること。軌道上―二つの月の魔力を受けられる位置を 取ることで、極めて高い防御性能の発揮と地表への精密狙撃や魔力爆撃が可能となるっていうのは、 教会の伝承にあるとおりだけど。こっちの調査では、次元跳躍攻撃や次元空間での戦闘すら可能とある」 クロノ・リンディ「!」 ユーノ「その性能が完全に発揮されれば、時限航行隊の艦隊とも正面から渡りあえるかもしれない」 リンディ「軌道上に上がる前に、止めないといけないのね」 クロノ「対抗策は!?」 ユーノ「鍵となる聖王がそれを命じるか本体内部の駆動炉を止めることができれば」 クロノ「鍵の聖王、ヴィヴィオがスカリエッティの戦闘機人に操作されてる可能性が高い」 リンディ「スカリエッティの逮捕でも、止まる可能性はあるのね」 アルフ「お母さん、クロノ。スカリエッティの逮捕はフェイトがやってくれるよ」 リンディ「アルフ」 アルフ「フェイトがずっと頑張って、今まで追いかけてきたんだ。きっと捕まえてくれる」 ゆりかごのほうでは、はやてを中心に航空魔道師たちが必死にガジェットと応戦中。 はやて『それにしても、大きい。外からやと、魔道師が何人集まろうとどうにもなれへんなぁ』 「ミッド地上の航空魔道師隊。勇気と力の見せ所やで!」 魔道師一同「はいっ!!」 魔道師『高町一尉!奥へと進めそうな突入口が見つかりました!突入隊20名が先行しています!』 なのは「はやてちゃん!」 はやて「外周警戒はあたしが引き受ける!なのはちゃん、ヴィータ。いってくれるか?」 ヴィータ「おう」 なのは「了解」 ヴィータ「AMF!?」 なのは「内部空間、全部に?」 魔道師『別働隊、通路確認。危険物の順次封印を行います』 フェイト「了解!各突入ルートはアコース査察官の指示通りに」 魔道師『はい!』 フェイト「ありがとうございます、シスターシャッハ。お二人の調査のおかげで迷わず進めます」 シャッハ「探査はロッサの専門です。この子達が、頑張ってくれました。このまま奥へ!スカリエッティの居場所まで!」 フェイト「はい」 ティアナ「確認するわよ。あたしたちはミッド中央、市街地方面。敵戦力の迎撃ラインに参加する。 地上部隊と協力して向こうの厄介な戦力、召喚師や戦闘機人たちを最初に叩いて止めるのが、あたし達の仕事」 スバル「他の隊の魔道師たちはAMFや戦闘機人戦の経験がほとんどない。 だからあたしたちがトップでぶつかって、とにかく向こうの戦力を削る!」 キャロ「後は、迎撃ラインが止めてくれる、というわけですね」 ティアナ「そう」 エリオ「でも、何だか。何だかちょっとだけ、エースな気分ですね!」 ティアナ「そうね」 キャロ「ガジェットも戦闘機人も、迎撃ラインを突破されたら、市街地や地上本部までは一直線です」 スバル「市民の、安全と財産を守るのがお仕事の管理局員としては、絶対!行かせるわけにはいかないよね」 ティアナ「後は、ギンガさんが出てきたら」 エリオ「優先的に対処」 キャロ「安全無事に確保」 スバル「うん」 ティアナ「よっし、行くわよ!」 ティアナ『こっちは結界の中。ライトニングもスバルも分断距離と戦力負担はかなり大きい。 背中を見せたら、その瞬間で終わる!』 『ライトニング、スバル!作戦、ちょっと変更。目の前の相手、無理して一人で倒す必要はないわ。 足止めして削りながら、それぞれに対処。それでも充分、市街地と中央本部は守れる』 ノーヴェ「ばっかじゃねぇの!そんなに時間かかんねぇよ!」 ウェンディ「あんたは捕獲対象じゃねぇっすから。殺しても怒られねぇっすからね~」 ティアナ『念話が聞かれてる?』『通信は以上!全員、自分の戦いに集中!!』 シャッハ「これは、人体実験の素体?」 フェイト「だと思います。人の命をもてあそび、ただの実験材料として扱う。あの男がしてきたのは、こういう研究なんです」 シャッハ「一秒でも早く、止めなくてはなりませんね」 フェイト「はい」 フェイト「シスター!」 シャッハ「フェイト執務官。こちらは無事です、大丈夫。戦闘機人を一機、捕捉しました。 この子を確保しだい、すぐにそちらへ合流します」 セイン「……」 フェイト「了解しました」 トーレ「フェイトお嬢様」 フェイト「っ…」 トーレ「こちらにいらしたのは帰還ですか?それとも、反逆ですか?」 フェイト「どっちも違う。犯罪者の逮捕、それだけだ」 なのは「ヴィータちゃん。あんまり飛ばしすぎる」 ヴィータ「はぁ、はぁ、うるせぇよ。センターや後衛の魔力温存も、前衛の仕事のうちなんだよ」 なのは「うん」 管理局員「突入隊、機動六課スターズ分隊へ」 なのは「はい!」 管理局員「駆動炉と玉座の間、詳細ルートが判明しました」 ヴィータ「っ…」 なのは「真逆方向?」 ヴィータ「突入隊のメンバーはまだそろわねぇか?」 管理局員「各地から緊急徴兵していますが、後、40分は」 ヴィータ「仕方ねぇ。スターズ01とスターズ02、別行動で行く」 管理局員「了解しました。急いで応援をそろえます」 なのは「ヴィータちゃん!?」 ヴィータ「駆動炉と玉座のヴィヴィオ。かたっぽとめただけで止まるかもしれねぇし、 かたっぽとめただけじゃ止まらねぇかもしれねぇんだ。こうしてる間にも、外は危なくなってる」 なのは「でも、ヴィータちゃん。ここまでの消耗がっ」 ヴィータ「だからあたしが駆動炉に回る。おまえはさっさとヴィヴィオを助けて来い」 なのは「でも!」 ヴィータ「あたしとアイゼンの一番の得意分野、知ってんだろ? 破壊と粉砕。鉄槌の騎士ヴィータと鉄の伯爵グラーフアイゼン。砕けねぇものなぞ、この世にねぇ。 一瞬でぶっ壊しておまえの援護に行ってやる。さっさと上昇を止めて、表のはやてに合流だ」 なのは「うん。気をつけて!絶対、すぐに合流だよ!?」 ヴィータ「あったりめーだ!」 そしてティアナのほうは一人にナンバーズ二人で悪戦苦闘。 幻影を作るも看破され、ノーヴェに攻撃をもらってしまう。 ティアナ『こんな狭いところで二人相手じゃ、持ちこたえるのが精一杯。 結界破壊スタッフが来るまで、なんとしてでも生き延びなきゃ!』 ウェンディ「ディード!あんたも?」 ディード「オットーの指示。あの幻術使いは確実に仕留めておかないと、面倒だって」 キャロ「あなたはどうして?何でこんなことするの!?」 ルーテシア「…」 エリオ「こんなところで!こんな戦いをする理由はなんなんだ!?」 キャロ「目的があるなら教えて!悪いことじゃないなら、私達、手伝えるかもしれないんだよ!?」 ルーテシア「っ…」 ゼスト「局の騎士か?」 シグナム「本局機動六課、シグナム二尉です。前所属は首都防衛隊。あなたの後輩ということになります」 ゼスト「そうか…」 シグナム「中央本部を、壊しにでも行かれるのですか?」 ゼスト「古い友人に、レジアスに会いにゆくだけだ」 シグナム「それは、復讐のために?」 ゼスト「言葉で語れるものではない。道を、あけてもらおう」 シグナム「言葉にしてもらわねば、譲れる道も譲れません!」 アギト「グダグダ語るなんてな!騎士のやるこっちゃねぇんだよ!」 リイン「騎士とか!そうでないとか!お話をしないで意地をはるから戦うことになっちゃうですよ!」 アギト「うるせぇバッテンチビ!剣精アギト、大儀と友人ゼストがために!この手の炎で!押して参る!」 リィン「祝福の風、リィンフォースツヴァイ。管理局の一員として、あなた方を止めさせて貰います!!」 スバル『ギン姉に怪我させちゃうから、振動はさいは使えない。狙うのは、打撃や破壊じゃなくて、 魔力ダメージでのノックアウト。ギン姉と、本気の勝負なんて生まれて初めてだけど』 「私が絶対!助けるから!」 ヴィータ「ここまでくりゃ、もうちょっとだ。カートリッジもまだある。大丈夫。楽勝だ」 「あんとき、なのはを落としたのは、てめーらの同類か!ざけんなよ。一機残らず、ぶっ壊してやるうぅぅ!」 次回予告 なのは「続く戦い、傷ついてゆく隊員たち。立ち向かう痛みと立ち向かえない痛み。 消せない過去とそれぞれの傷跡。次回、魔法少女リリカルなのはStrikerS第22話、Pain to Pain、Take off!」
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amazonで探す @楽天で #こんな恋のはなし を探す! 木22フジ 1997.07.03~1997.09.18 12.1% wikipedia 前 ミセス・シンデレラ 次 お仕事です! Hulu NETFLIX dTV PrimeVide U-NEXT TVer Paravi GYAO youtube検索 / Pandora検索 / dailymotion検索 / bilibili検索 1 大金持ち、大貧乏人に出会う 1997/07/03 11.5% 2 氷の男、恋を知る 1997/07/10 11.0% 3 プリティウーマン 1997/07/17 11.1% 4 君を幸せにする 1997/07/24 13.0% 5 なぐられた気持ち 1997/07/31 11.6% 6 あと3か月の命 1997/08/07 11.1% 7 二人だけの夜 1997/08/14 10.4% 8 こんなつらい別れ 1997/08/21 11.9% 9 彼の病気を知る 1997/08/28 12.9% 10 あなたを守る 1997/09/04 12.0% 11 あんたは死なない 1997/09/11 13.8% 12 愛と死 1997/09/18 15.4%
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autolink N2/W25-033 カード名:ウキウキなのは カテゴリ:キャラクター 色:赤 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:2500 ソウル:1 特徴:《魔法》?・《武器》? 【自】このカードがアタックした時、クライマックス置き場に「約束の朝」があるなら、あなたは自分の山札の上から3枚を、控え室に置く。それらのカードすべてが《魔法》?のキャラなら、あなたは自分の控え室のキャラを1枚選び、手札に戻す。 『わたしとフェイトちゃんは 半年前の事件で初めて出会って』 レアリティ:R illust.なつめえり 13/04/15 今日のカード。 CXの性能まで込みで意外とお子様 立夏の互換。参照が《魔法》?になっているため、汎用性が高い。 成功率を上げるため、意地っ張りアリサではなくまっすぐな心 なのはを採用するなど、極力《魔法》?限定の構築に努めたい。 また、リリカルなのはには集中が少なく、コストが高いものが多いので、単純なデッキ破壊としても重宝する。 ・対応クライマックス カード名 トリガー 約束の朝 2
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ツェアシュテールングスフォルム グラーフアイゼンのフォルムIV(フィーア)。リミットブレイク状態で稼働する。ヴィータ自身が選択した性能を、本局技術部マリエル・アテンザが完成させたもの。 主に大型対象の破壊を目的として準備された形態であり、特に「建造物破砕」においては六課メンバー中でも最強の破壊効率を叩き出す。 ツェアシュテールングスハンマー ドリル状の尖端を持つヘッド部はヴィータの魔力によってその質量を可変させ、後部の噴射推進機構によって加速することで、その破壊力を高める。 尖端に込められた魔力は回転機構によって一点に集中して捻じり込まれ、防御と装甲を抜けた衝撃と回転を与えられた魔力は対象内部へと拡散、内側から破壊しつくす。 なお、今回の初撃は駆動炉の装甲によって止まっているため、撃ち込んだ威力は装甲の外壁部で爆発を起こしている。 防衛システム 駆動炉に設置された自動防衛システム。キューブ状の自動機械は、侵入者に対して一定の距離を保持しつつ、光学兵器によって攻撃を行う。 チェーンバインド なのはの「魔法の先生」、ユーノ直伝の拘束魔法。鎖状の魔力で対象をその場に拘束する。 セイクリッドクラスター なのはの保有魔法だが、ヴィヴィオは「データ収集」によって獲得している。 ひと塊りの弾丸として撃ち出された後、対象付近で爆散、小型弾殻をばらまく圧縮魔力弾。 聖王化し、ゆりかごと直結しているヴィヴィオの膨大な魔力によって、爆散する小型弾の一発ずつが致命的なダメージ源となる、凶悪な魔法に仕上がっている。 インパクトキャノン こちらもなのはの保有魔法。拳で打ち出す高速大威力射撃で、なのははスバルのような格闘系近代ベルカ式術者への教導のために修得していた魔法。 ブラスタービット なのはとレイジングハートが操作・制御する「遠隔操作機」。 レイジングハートのフレームと同じ素材で作成されており、それぞれの機体から射・砲撃を初めとする魔法発動を行える。 多方向からの空間攻撃を行える他、密着状態でしか使用しえない魔法も、ブラスタービットから直接発動することで遠隔発生させることも可能。 使用については桁外れの魔力を必要とするため、ブラスターモード時のみ使用可能。 クリスタルケージ 対象を閉じこめる「ケージ系」魔法。バインドと併用することで、対象を無力化することが可能なのだが……。 ブラスターシステム クアットロが分析した通り、「ブラスターシステム」は、自身へのオーバーブーストによって成される魔力の増大システム。 絶対的な力と引き替えに、術者の体やリンカーコア・デバイス本体への負荷は著しく、使用状況によっては後遺障害が残る可能性も高い。 召喚獣の暴走 召喚士によって召喚・制御される召喚獣は、通常、召喚士が意識や操作の意志を失えば戦闘の意志を無くす。 ルーテシアの場合は、クアットロのコンシデレーション・コンソールによって、意識を無くしても「破壊と殲滅」の意志が消滅しないため、 白天王や地雷王たち召喚獣は混乱、暴走している。 ガリュー そんな中、唯一ガリューのみが暴走状態とならなかったのは、その知能と自律能力の高さ故か、ルーテシアを守る戦士としての意志か。 いずれにせよ、ガリューはルーテシアを守り、エリオやキャロとの戦闘を続行することを選択しなかった。 そして、ガリューがキャロからルーテシアを奪還しなかった事、エリオがキャロに告げた「僕たち」の言葉。 それらは戦いあった騎士と戦士の間に芽生えた、無言の信頼であるのかもしれない。 紫電一閃 ゼストに向けられた、炎の一閃。それは騎士としての最後を迎えるゼストに、シグナムが手向けられる唯一の答えだった。 駆動炉破壊 ヴィータが自身と愛機の魂を込めた一撃は、駆動炉の装甲を確かに撃ち抜いていた。 その代償は、砕け散ったグラーフアイゼンと、魔力の全てを失い、飛行すらできなくなったヴィータだったが…。 夜天の王・八神はやて かつて守護騎士たちが罪を背負ってでも守ると誓い、初代祝福の風がその身を天に返してでも救いたいと願った少女。 4人の騎士と1人の融合騎が、誰より愛した優しい主。 二代目祝福の風とともに、夜天の王として、八神家の主として、はやてはヴィータを救いに訪れた。命を賭けた鉄槌の騎士の戦いを、悲しい結末にしないため。 W.A.S W.A.Sは「ワイドエリアサーチ」の略。小型サーチャーの散布による「広域遠隔目視観測」である。 発見した対象はロックオンされ、術者との距離を元に正確な位置検出も可能となる。 なのははゆりかご突入後から、「安全な場所に隠れた司令塔」を撃破するためにこの布石を打っており、 レイジングハートは機能の大半をこの捜索に投入し、クアットロを捜索していた。 ブラスター3 ブラスターモードの、事実上の最大解放状態。この状態で、ブラスタービットは4基まで同時操作が可能。 ディバインバスター なのはの砲撃魔法。ブラスター3状態、リロード含めカートリッジ7発消費で放たれた砲撃は、莫大な威力をもってゆりかご内壁を貫通。 クアットロを一撃で昏倒させた。 ガジェット停止 各地のガジェット制御は、オットー・ウーノ・クアットロの三者がそれぞれの地点で担当していたが、オットー捕縛の時点でオットー担当分をウーノが、 ウーノ捕縛時点で、両者の担当分をクアットロが引き継いでいた。最後に残ったクアットロが昏倒したために「自律行動停止」のコードが発行・送信され、 各地のガジェットは停止した。 自動防衛モード 「鍵の聖王」が昏倒・あるいはなんらかの理由によって戦意を喪失した場合、聖王はゆりかご防衛機構の制御下に入り、意識や戦意の有無に関わらず、 自動防衛プログラムに従って行動する。自動防衛プログラムの行動はただ一つ。「聖王が自身で自身の命を守り、侵入者を抹殺すること」である。 それは聖王自身がゆりかごの誇る最大の防衛兵器である事の証でもある。 プラズマスマッシャーVSショートバスター ヴィヴィオが放っているのは、フェイトから獲得した帯電砲撃、プラズマスマッシャー。 (フェイトのものとは発射方法が異なり、ヴィヴィオの方がより早撃ち向きのプロセスになっている) 相殺のためになのはが放っているのはなのはの最速砲撃、ショートバスター。 プラズマアーム フェイトから獲得した格闘戦魔法。腕に電気変換した魔力を纏わせ、接触打撃によってダメージを与える魔法。 数発の打撃で、なのはのバリアを破壊する威力を見せている。 聖王の宿命 戦乱の時代だった古代ベルカ聖王家において、「聖王血統の保有者」は、何よりも自身が「優れた兵器」である事を求められ、 同時に生き残ることが求められた。そのために遺伝子調整を尽くして付与された防衛機能が「聖王の鎧」である。 ヴィヴィオがなのはに懐いたのは「自身を保護し、学習させてくれる人物である」という事だけだったとヴィヴィオは自身を疑い、迷い、涙している。 決意 それでも、なのははヴィヴィオを愛し、育ててゆくことを選択した。 ずっと迷っていた「母親の資格」。ヴィヴィオとの暮らし。ただ愛しい、というだけでは過ごしていけない現実。 悲しみ涙するヴィヴィオを前に、なのはは気付く。ヴィヴィオを救えるのは、守れるのは、他の誰でもなく、自分なのだという事。 過去の現実がどうであろうと、ともに過ごした時間とこれから過ごしてゆく日々。 ただまっすぐに愛してくれたヴィヴィオと、不器用ながらも愛した自分は、決して嘘や幻ではないこと。 そして、悲しみに涙し、助けを求める愛娘を救うため、なのはは決意を固める。 レストリクトロック なのは最大最強の拘束魔法。範囲拘束の魔法であり、密着状態での発動において、その拘束強度は極めて強固。 この魔法は、なのはが少女時代、魔導師として最初に学習した上位魔法でもある。 魔力収束 巨大な魔力を消費する大魔法を扱う魔導師たちにとって、究極ともいえる技法のひとつ。空間に放出した魔力を集め、束ねて再利用する。 その特性故、その空間で使用された魔法が莫大であればあるほど、激戦が行われていればいるほどに、収束で再利用できる魔力量は大きくなる。 ブラスター3状態のなのはと、聖王化したヴィヴィオ。両者が放出した魔力は極めて濃密に玉座の間を埋め尽くしている。 スターライトブレイカーex-fb 収束の形態には様々あるが、なのはの場合は、空間に放出した魔力が空中で結合、収束点へと集まっていく様子が流星のように見えることから、 なのはの収束砲には「星の光」の名が冠されている。 自身と4基のブラスタービット。5か所で収束した魔力は巨大な星となり、一点に向かって焦点照射される巨大な魔力砲となる。 すべてを撃ち抜き打ち砕く、なのはの最大にして最後の一撃は、ヴィヴィオの体内に埋め込まれたレリックコアを破壊した。 魔力封鎖 聖王が「ロスト」(死亡・あるいは存在確認不能)状態となった場合は、ゆりかごは聖王や乗組員ではなく、 「ゆりかご自身」を守るよう、防衛機構の動作を変更する。乗組員が自身の身を守るために使用するための魔力すら使用不可とし、 自動機械と防衛機構によってのみ内外の異物を封鎖・排除しながら、安全空域までの飛行を選択する。 炎の運命 融合騎としての命と運命に迷い、それでも自分を救ってくれた者達のため、懸命に生きようとしていたアギト。 恩人ゼストから託された願いと、自身の命。行く末がまだ見えなくとも、それでもうつむかず、自らの命を燃やして過ごしてゆく道をアギトは選んだ。 自動操縦 ヴァイスの愛機・ストームレイダーは狙撃銃型のデバイスだが、デバイス化した状態でもヘリ管制を継続維持できる。 パイロットシートを離れてヴァイスが狙撃を行う状況のための「自動操縦」もその一環である。 遠距離狙撃 ヴァイスの魔力量は、自身の言うように決して高くはない。 前線魔導師のような優れた移動能力も、攻撃に耐えるバリア展開能力も持たず、射撃型としても「誘導弾」すらほとんど使用できない。 しかし「遠距離狙撃」というただ一点にのみ打ち込んだその技術の練度は高く、直射弾の飛翔速度とその精度・貫通力は驚異的とも言える性能を誇る。 ウイングロード スバルが展開する「空への道」。人間二人とバイク一台を乗せても揺るぎもしない強度を誇り、目標点まで正確に道を生成、維持している。 同時に「高々度上空において、二人乗りのバイクでウイングロードを走行する」という行動を迷わず選択し、艦内まで到達してみせたティアナの勇気と技術。 訓練と実戦を重ねて強く結ばれてきたスターズコンビのコンビネーションは、ここでも間違いなく発揮されている。 ユニゾン シグナム アギト 炎の融合騎と、烈火の騎士。数奇な運命を経て出会った二人。二人の融合(ユニゾン)は完全な形で成し遂げられ、 未調整での初融合にもかかわらず、極めて高い同調率を得ている。 騎士服の上着は、上体……特に背中から発揮される炎熱翼によって弾け飛び、装甲部はアギトの融合変化色である「金色」に変化している。 烈火刃 アギトが発揮する炎熱能力を、融合対象の武装に乗せる魔法。 元来炎熱変換の技能を持つシグナムとレヴァンティンに、さらに上乗せされた炎は高く強く燃え上がり、その刀身を焦熱破壊の刃へと変える。 火龍一閃 シグナム・アギト・レヴァンティンの三者の焦熱攻撃によって、任意空間を「薙ぎ払う」、空間殲滅魔法。 多数の機影を一瞬で破壊する攻撃範囲の広さと破壊力は、シグナム個人では持ち得なかった「中距離範囲攻撃」であり、自身の炎を受け止め、 高めてくれるロードと出会えずにいたアギトが成すことのできなかった「炎の使い道」でもある。 過去と現在 後の……JS事件終結後、アギトと「闇の書」や守護騎士たちとの関係は詳細に調査された。 その調査でも、過去にアギトとシグナムの両者間に何らかの接触や縁故があったのかどうかは判明していない。 しかしそれでも、アギトはシグナムと征く道を選び、シグナムはそれを受け止めた。 それはゼストが守りたかった空を守るためであり、自身の命を精一杯に生きるためでもある。 対AMF活動 魔法が使えない状況下では、魔導師といえどほぼ無力な、ただの人間である。 しかし災害救助隊出身のスバルとティアナにおいては、個人の魔力程度では対処することなどできない災害を相手に戦ってきており、 機動六課においても、苦しい状況を「いま持っている戦力だけ」で切り抜けてきた経験がある。魔力完全封鎖下においても、その意志と思いは変わらない。 なお、「あたしとあんたの二人でなら」は、かつて苦難に見舞われたBランク試験の際、 スバルがティアナを励ました際の「二人でならきっとできる、信じて」という言葉への、現在のティアナなりの返答でもある。 ソニックムーブ エリオがフェイトから直接教わった、瞬間加速による高速機動。 リボルバーシュート 拳から放つ衝撃波攻撃。魔力を使用せず、戦闘機人としての身体能力のみで放っているため、魔力封鎖下でも発射可能。 戦闘機人としての力は、かつてスバルが恐れていた「壊したくないものまで壊してしまうかもしれない力」だが、 スバルは間違うことなく、その力を振るっている。 ダブルナックル 母クイントから受け継ぎ、姉ギンガから受け取った左のナックル。ナックルにはオートパーソナライズの機能が設定されており、 装備者の腕部サイズに合わせたフィッティングを初め、色彩に関しても所有者が設定したものに変化する。 振動拳 スバルの固有技能である「振動破砕」は、振動エネルギーを放出して対象を破砕する技法。 マッハキャリバーの協力により、振動エネルギーを放出せずに拳の周囲に圧縮。 ナックルスピナーの回転で、螺旋動作を与えた振動エネルギーを対象に向かって撃ち込み破壊する、スバル打撃攻撃。 単純放出や接触による「流し込み」と異なり、螺旋動作によって収束された球形の振動エネルギーは、任意の範囲空間のみを破壊することが可能。 自己流ディバインバスターで学び、その後なのはに教わった魔力圧縮の技術を応用。 リボルバーナックルの性能を生かし、マッハキャリバーとの連携によって成し遂げられる、スバルの戦闘機人としての命と、 魔導師として重ねてきた技術研鑽のすべてによって達成される、「絶対破壊」の一撃である。 軌道拘置所 重犯罪者を収容する、惑星衛星軌道上に存在する拘置所。世界規模のテロリストや次元犯罪者。 それらの中でも特に「危険人物」と認定される犯罪者が拘置される施設で、脱走防止のため、事情聴取や一次裁判は通信によって行われる。 スカリエッティと、No.1ウーノ・No.3トーレ・No.4クアットロ・No.7セッテの計5人が、それぞれ別の拘置所に拘置されている。 海上隔離施設 こちらも犯罪者収容施設だが、拘置所や牢獄とは異なり、「更生施設」としての意味合いが強い。 年少・若年者の魔導犯罪者などが主に収容され、彼らに適切な教育の機会を与え、更生と社会復帰を目指すことを目的としている。 なお、収容者は魔力や能力をほぼ完全に封鎖された状態で収容される。 最終模擬試験 隊長陣は各自リミッターなしのフルドライブ状態。機動六課での訓練成果を確かめ、思い出の最後を飾る模擬戦闘。 なお、JS事件終結後もフォワードメンバーへの厳しい教導は続けられており、 卒業時点でスバル・ティアナ・エリオの三人については「陸戦AAランク合格はほぼ確実」というラインまで鍛え上げられている。 (キャロは陸戦ではなく総合ランクでの育成のため方向性は異なるが、後衛として他3人に引けを取らない実力を確保している) この戦闘は約24分間に渡って行われたが、その「決着」について、公式記録は残っていない。 高町ヴィヴィオ 正式になのはの養子となり、聖王教会系列の魔法学校であるSt.ヒルデ魔法学院に入学。勉強に魔法、家事に遊びにと忙しい日々を過ごしている。 ナンバーズ 海上隔離施設に収容された「更生組」は、教育を受け、更生と社会復帰を目指して日々を過ごしている。 スバルやティアナをはじめ、機動六課メンバーも時折施設を訪れ、メンバー一同との交流を行っている。 特別救助隊 災害救助部隊の最先鋒であり、人命救助のライトスタッフである「特別救助隊」。スバルはスカウトを受け、港湾特別救助隊へと転属になった。 戦闘で鍛えた破壊突破の速度と、優れた機動力。魔導師として、戦闘機人としての環対応力・生存能力の高さ。 味方や要救助者を迅速に運搬するための道を造れるウイングロード。命の危機を察知する感覚と、そこに迷わず駆けつけることのできる意志と勇気。 関係者をして「人命救助のために生まれ育った」と言わしめる才覚を発揮し、スバルは今日も、愛機マッハキャリバーとともに、災害現場を駆け続けている。 航空戦技教導隊 古巣の教導隊へと戻ったなのは。空をゆく魔導師たちに力と技を教え、育ててゆく日々は変わらない。 少しづつ変わる世界の中、変わらない思いを胸に、まっすぐに。高町なのはが、選んだ道である。
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魔法少女リリカルなのはStrikerS 第20話【無限の欲望】 フェイト「ジェイル・スカリエッティ。いくつもの世界で指名手配された広域次元犯罪者。 通信映像や音声のデータは数多く残っているものの、未だ、人前に姿を現したことはなく、 逮捕歴もない。多くの命を弄び、生体改造兵器を作り出し、管理局地上本部にテロをしかけ、 とうとう、古代の遺産まで呼び起こしてしまった。空へ上がる聖者の船を前に、私たちは」 シャッハ「騎士カリム。これが、あなたの予言にあった」 カリム「踊る死者たち、死せる王の下。聖地より帰った船。古代ベルカ、聖王時代の究極の質量兵器。 天地を統べる聖者の船。聖王の…ゆりかご」 はやて「一番なって欲しくない状況になってもうたんかな?」 カリム「教会の、ううん、私の不手際だわ。予言の解釈が不十分だった」 はやて「未来なんて、分からへんのが当たり前や。カリムや教会の皆さんのせいとちゃう。さて、どないしよか」 クロノ「はやて、クロノだ。本局は、巨大船を極めて危険度の高いロストロギアと認定した。 次元航行部隊の艦隊は、もう動き出している。地上部隊も協力して、事態にあたる。機動六課、動けるか?」 はやて「うん」 ウーノ「聖王の器とゆりかごは、安定状態に入ったわ。クアットロとディエチはゆりかご内より私と交代。 トーレとセッテ、セインはラボでドクターの警護。ノーヴェは、ディードとウェンディ、13番目と一緒に。 ゆりかごが完全浮上して、主砲を撃てる位置」 クアットロ「二つの月の魔力を受けられて、地上攻撃ができる軌道位置までたどり着ければ、ゆりかごはまさに無敵」 トーレ「ミッドの地上全てが人質だ。その状態なら、本局の主力艦隊とでも渡り合える!」 ウェンディ「そういや、一個疑問があるんッスけど」 トーレ「なんだ?」 ウェンディ「あのゆりかごの中にいる聖王の器とかいう女の子って、ぶっちゃけ何?」 スカリエッティ「ふふふ、私が教えようか?」 トーレ「ドクター」 スカリエッティ「今から、10年ばかり前になるかね。聖王教会にある司祭がいてね。 彼は敬謙な教徒にして、高潔な人格者だった。それゆえに、聖遺物管理という重職についていたんだよ」 ウェンディ「せい、いぶつ?」 クアットロ「聖王教会の信仰の対象。古代ベルカ時代の聖なる王様、聖王陛下の持ち物だったものとか、遺骨とかのことよ」 ウェンディ「へぇ~」 スカリエッティ「だが、司祭といえど人の子だ。彼は、ある女性への愛から、 それに手をつけてしまったんだよ。そして、聖骸布に極わずかに含まれた血液からは、 遺伝子情報が取り出された。古代ベルカを統べた偉大な王。聖王の遺伝子データがね。 そうして、聖王の種は各地に点在する研究機関で極秘裏に複製され、再生を待った」 セイン「はい、ドクター。質問」 スカリエッティ「どうぞ、セイン」 セイン「レジアスのおっちゃんはまぁいいとしてさ。最高評議会だっけ?あっちのほうはいいの? ガジェットの量産とか人造魔道師計画の支援をしてくれたのってあの人たちだよね?」 スカリエッティ「ああ、そうとも」 セイン「ゼスト様とかルーお嬢様も評議会の発注で復活させたんでしょ? 評議会には評議会で何かプランとか思惑とかあったんじゃ」 スカリエッティ「レジアスも最高評議会も希望は一緒さ。地上と次元世界の平和と安全。 そのために、レジアスは計画を頓挫させられた戦闘機人に拘り、 最高評議会はレリックウェポンと人造魔道師計画に拘わった。平和を守り、正義を貫くためなら、 罪もない人々に犠牲を出してもいいと、なかなか傲慢な矛盾を抱えておいでだ」 セイン「ん~、何かよく分かんないなぁ」 ウェンデイ「ッスね~」 セイン「ともかく、スポンサーである評議会のことを無視して、あんなでっかいおもちゃを呼び出したりしたら、 怒られるんじゃないのって私は心配」 スカリエッティ「はははは、ちゃんと怒られないようにしてあるさ。君たちは何も気にせずに楽しく遊んできてくれればいい。 遊び終わったら我らの新しい家に、ゆりかごに帰ろう。そうすれば、世界の全てが我々の遊び場だ」 セイン『へぇ、相変わらずドクターの話はよく分からんねぇ~』 ウェンディ『そうッスね~。ま、あたしら別に夢や希望があるわけでもなし。生みの親の言う通りに動くしかないッスけどね~』 「ジェイルは少々やりすぎだな」 「レジアスとて、我らにとっては重要な駒の一つであるというのに」 「我らが求めた聖王のゆりかごも、奴は自分のおもちゃにしようとしている。止めねばならんな」 「だが、ジェイルは貴重な個体だ。消去するにはまだ惜しい」 「しかし、かの人造魔道師計画もゼストは失敗。 ルーテシアも成功には至らなかったが聖王の器は完全なる成功のようだ。そろそろ、良いのではないか?」 「我らが求むるは優れた指導者によって統べられる世界。我らがその指導者を選び、 その影で我らが世界を導かねばならぬ。そのための生命操作技術。そのためのゆりかご」 「旧暦の時代より世界を見守るために、わが身を捨てて永らえたが、もうさほどは長く持たぬ」 「だが時限の海と管理局は、未だ我らが見守ってゆかねばならぬ。ゼストが五体無事であればな。 ジェイルの監査役として最適だったのだが」 「あれは武人だ。我らには御せぬよ。 戦闘機人事件の追跡情報とルーテシアの安全と引き換えにかろうじて鎖をつけていただけだ。 奴がレジアスにたどり着いてしまえば、そこで終わりよ」 ミゼット「旧暦の時代。バラバラだった世界を平定したのは最高評議会の三人。 現役の場を次の世代、私たちや時空管理局ってシステムに託してからも、 評議会制を作って見守ってくれていた。レジィ坊や…、ジアス中将もやり方が時々乱暴ではあったけど、 地上の平和を守り続けてきた功労者。だから、彼らが今回の事件に関わっているなんて、 信じたくは、ないのだけれど」 クロノ「……」 はやて「理由はどうあれ、レジアス中将や最高評議会は、偉業の天才犯罪者、ジェイル・スカリエッティを利用しようとした。 そやけど、逆に利用されて裏切られた。どこからどこまでが誰の計画で、何が誰の思惑なのか、それはわからへん。 そやけど今、巨大船が空を飛んで町中にガジェットと戦闘機人が現れて、市民の安全を脅かしてる。 これは事実。私たちは、止めなあかん」 フェイト「ゆりかごには、本局の艦隊が向かってるし、地上の戦闘機人たちやガジェットも各部隊が協力して対応にあたる」 なのは「だけど、高レベルなAMF戦をできる魔道師は多くない。 私たちは3グループに分かれて各部署に協力することになる」 フェイト「別グループになっちゃったね。ごめんね、私、いつも大切な時に二人の傍にいられないね」 エリオ「そんな」 キャロ「フェイトさん、一人でスカリエッティのところになんて心配で」 フェイト「緊急事態のためにシグナムには地上に残ってもらいたいし、アコース査察官やシスターシャッハも一緒だよ。 一人じゃない。二人とも頑張って。絶対無茶とかしないんだよ」 キャロ「はい」 エリオ「それは、フェイトさんも同じです」 シグナム「ゼスト・グランガイツと融合器アギトだな」 リイン「え!?」 シグナム「騎士ゼストについては、ナカジマ三佐がご存知だったよ。元管理局員、首都防衛隊のストライカー級魔道師。 八年前に亡くなられたはずの、レジアス中将の、親友だそうだ」 なのは「今回の出動は、今までで一番ハードになると思う」 ヴィータ「それに、あたしもなのはもおまえらがピンチでも、助けにいけねぇ」 なのは「だけど、ちょっと目を瞑って今までの訓練のことを思い出して。ずっと繰り返してきた基礎スキル。 磨きに磨いたそれぞれの得意技。痛い思いをした防御練習。 全身筋肉痛になるまで繰り返したフォーメーション。いつもボロボロになるまで私たちと繰り返した模擬戦」 スバル・ティアナ・エリオ・キャロ「ぐぅ」 なのは「目、あけていいよ。まぁ、私が言うのもなんだけど、きつかったよね」 スバル・ティアナ・エリオ・キャロ「あははは」 ヴィータ「それでも、四人ともここまでよくついてきた」 スバル・ティアナ・エリオ・キャロ「え?」 なのは「四人とも、誰よりも強くなった、とは、まだちょっと言えないけど。だけど、どんな相手がきても、 どんな状況でも絶対に負けないように教えてきた。守るべきものを守れる力。救うべきものを救う力。 絶望的な状況に立ち向かっていける力。ここまで頑張ってきた皆は、それがしっかり身についてる。 夢見て憧れて、必死に積み重ねてきた時間。どんな辛くても止めなかった努力の時間は、絶対に自分を裏切らない。 それだけ、忘れないで」 ヴィータ「きつい状況をビシっとこなしてみせてこそのストライカーだからな」 スバル・ティアナ・エリオ・キャロ「はい!」 なのは「じゃあ、機動六課フォワード隊、出動!」 ヴィータ「いってこい!」 スバル・ティアナ・エリオ・キャロ「はい!!」 なのは「スバル。ギンガのこともあるし、きっと」 スバル「あの!違うんです!」 なのは「っ」 スバル「ギン姉はたぶん、大丈夫です。私が、きっと助けます。今は、なのはさんとヴィヴィオのことが」 なのは「ありがとう、スバル。でも大丈夫だよ。一番怖いのは、現場に行けないことだったんだけど、 八神部隊長がそこをクリアーしてくれた。現場に行って全力全開でやっていいんだったら、 不安なんて何もない。ヴィヴィオも大丈夫。私がきっと助けてみせる。だから、心配ないよ」 スバル「あ」 なのは「スバルが憧れてくれたなのはさんは、誰にも負けない、無敵のエースだから」 スバル「はい」 なのは「スバルだって、うちの自慢のフロントアタッカーなんだからね。相棒と、 マッハキャリバーと一緒に、負けないで頑張ってきて」 スバル「はい!」 ティアナ「出動前に何泣いてんのよ」 スバル「なのはさん、頑張ってって言おうと思ったのに」 ティアナ「逆に励まされて帰ってきた?」 スバル「うん」 ティアナ「馬鹿ね~。あんたがなのはさんを励ますなんて10年早いってことでしょ? なのはさんを励ましたいなら、今よりずっと強くなって立派にならなきゃさ」 スバル「うん」 はやて「ほんなら、隊長陣も出動や!」 なのフェ「うん!」 ヴィータ「おう!」 カリム「機動六課隊長、副隊長一同。能力限定、完全解除。 はやて、シグナム、ヴィータ、なのはさん、フェイトさん、皆さん、どうか」 はやて「しっかりやるよ」 フェイト「迅速に解決します」 なのは「お任せください」 カリム「うん。リミット、リリース!」 フェイト「なのは」 なのは「フェイトちゃん」 フェイト「なのはとレイジングハートのリミットブレイク、ブラスターモード。なのはは言っても聞かないだろうから、 使っちゃ駄目、とは言わないけど。お願いだから、無理だけはしないで」 なのは「私はフェイトちゃんのほうが心配。フェイトちゃんとバルディッシュのリミットブレイクだって、 凄い性能な分危険も負担も大きいんだからね」 フェイト「私は平気。大丈夫」 なのは「んぅ、フェイトちゃんは相変わらず頑固だなぁ」 フェイト「な、なのはだって、いつも危ないことばっかり」 なのは「だって、航空魔道師だよ?危ないのも仕事だもん」 フェイト「だからって、なのは無茶が多すぎるの!」 はやて・ヴィータ「はあぁ」 フェイト「私が、私たちがいつも、どれくらい心配してるか」 なのは「知ってるよ」 フェイト「ん」 なのは「ずっと心配してくれてたこと、よく知ってる。…だから、今日もちゃんと帰ってくる。 ヴィヴィオを連れて、一緒に元気で帰ってくる!」 フェイト「ぁ、うん!」 はやて「あの、フェイトちゃん。そろそろ」 フェイト「あ、ぁ、うん!」 ヴィータ「フェイト隊長も無茶すんなよ。地上と空は、あたしらがきっちり抑えるからな!」 フェイト「うん!大丈夫」 なのは「頑張ろうね」 フェイト「うん。頑張ろう」 なのは『悲しい出来事。理不尽な痛み。どうしようもない運命。そんなのが嫌いで、 認められなくて、撃ち抜く力が欲しくて…私はこの道を選んで、 おんなじ思いを持った子たちに技術と力を伝えていく仕事を選んだ。 この手の魔法は、大切なものを守れる力。思いを貫き通すために、必要な力。待っててね、ヴィヴィオ!』 ドゥーエ「あなたが見つけ出し、生み出し育てた異能の天才児、 失われた世界の知恵と限りない欲望をその身に秘めたアルハザードの遺児。 開発コードネーム。アンリミテッドデザイア、ジェイル・スカリエッティ。 彼を生み出し、力を与えてしまった時点でこの運命は決まっていたんですよ。 どんな首輪をつけようと、いかなる檻に閉じ込めようと、扱いきれるはずもない力は、必ず破滅を呼ぶものです」 ヴィータ「中への突入口を探せ!突入部隊!位置報告!」 なのは「第7密集点撃破!次!!」 隊員「は、はい!」 次回予告 なのは「ゆりかごへ突入する私と、ヴィータ副隊長」 フェイト「スカリエッティのアジトへ突入する、私とシスターシャッハ」 なのは「そして、フォワードたちも…」 フェイト「次回、魔法少女リリカルなのはStrikerS第21話」 なのは「決戦」 なのフェ「Take off!」
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\\「! r、j \rニヽ ト、 \ ヽ \\,. -、 ', \ 「 ァ-ーヘ,.ヘ、Yノス \ ' , _ jイ 'yァ >ァ'ヽ ,>、ヽ ,. ゝ―-、////ニニヽ ,__ jニ-―ty′ \\ _`フ 高町なのは(明智光秀) /ィ''ア´ / // /ハ 、 ̄ヽ、 |\\ / / y′,イ ィ 7!7,イ/ ! l | \ \ \\ ,.へ、【能力値】 統率92 武勇106 知略88 政治85 |/ / /,.〈 l トイfヒ7` ハイ/! ト、',、 ト、. \\ ,.ヘ / / |、 !ク ⌒| | , 代},イ/! / |ト、ヽト、\ \\{ }‐ト-く、【技能】 ヽ\{、_ vト、 {_ア ,イ| | レ′,ト、 \ \\ l! \)) } __ \ \二Z ヾ/> 'ト-‐ ァ' ァリ/ _, " ノ `ー' \\ \ `Y /‐-`、 ', 三日天下:1季1回。任意のタイミングで発動。 \ / 、 Y^Y ∠\'" / ヽ \ `Yi l l | 1ターン(3日)の間、技能:天下人を取得する。 }y L, ヽィァ'" _} ヽ/ } } Lレヘ、_,ノ ,'! / 〈_ ィ ト、 )ヘ, \ ノイ / _ノ // OHANASHI:武勇値で交渉を行える。 / ,イ , .',ゝ┬'=' _ゝ、 // | ーr" /二ニニ ニ、7ーヘ; 'ー‐'' } \ ', 白い悪魔:戦法連鎖率+40%、鉄砲戦法成功率1.5倍、 ヾ、 〈 'ー''ア´ ,. ' \_! 鉄砲戦法威力+50%、鉄砲戦法混乱確率+50% ー-=、 >‐< 戦法:捨て奸、組撃ち、釣瓶撃を取得。 ζ / ,. イ\ 〈 ̄ト、 _,.入,.イ \ SLB 1季1回。敵部隊/拠点に1500/4000ダメージ+動揺付与 / ̄ /,イ_/ \ /丶`ー'" / / \ 天下無双:1季1回。1000人まで撃破可能+混乱付与。 / / / \ ,' , ' / ,. -―‐┴――…- 、【適正】足軽B 騎馬C 弓A 鉄砲S 計略A 兵器D 水軍D 築城A 内政S ,' /' ,' j // i 【固有戦法】捨て奸・・・鉄砲最上級戦法。敵部隊の闘志を-20する。 / /゚_ム-ォ―ォヘ―- 、 0 _,. -ォ 組撃ち・・・鉄砲最上級。敵部隊の士気-15 //7 |/ .|/ \/' ,ー-、__ _ _ ,. -―ト、 | 釣瓶撃ち・・・鉄砲最上級。威力を更に1.2倍する。
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所持魔法技: アクセルシュート ディバインバスター プロテクション とりあえず魔法詠唱の声が聞こえたり、足元にピンクの魔方陣エフェクトが出たらブラスターで潰す。 余裕があれば、ディバインバスターは射線をかわした上で上下に移動して撃つと良い。 アクセルシュートは硬直に間に合わなければガード。 近距離格闘からのディバインバスターはほぼ繋がってしまうが諦めないならば、瞬間移動(裏)を連打しておくと良い。 注意すべきはプロテクションで、こちらの通常弾や溜めショットが弾き返される。 スターライトブレイカーはピュロン全弾+ブラスターで破壊できるのでピュロンを展開できるのであれば、破壊していこう。 基本的に、硬直の大きな技が多いので、溜めショットが有効。 溜めショットは行動妨害効果があるため、ガンガン撃っていく。 魔法の回転率は非常に良いため、どうしてもこちらの魔法が追いつかなくなり結果ダメージ負けすることが多い。 格闘は吹き飛ばしはリーチがあるものの、通常格闘などはあまり伸びない上に速くないので接近戦を狙うのもあり。 ただしプロテクションにだけは要注意。 ダッシュで移動してきて振り向きざまに撃つディバインバスターだけは注意しよう。 瞬間移動(裏)で回避できる。 こちらと同じく通常弾や溜めショットの性能は悪くないので、使いこなす相手は注意。 なお、放置するとアクセルシュート→BDA→ディバインバスターで1.6ゲージくらい体力泥棒していくので注意が必要。 瞬間移動しても背後からアクセルシュートが来るのでアクセルシュート自体を潰すか他の敵をターゲットしてBDA自体をかわしたい。 BDAは空振りした振り終わりになのはの後方に判定が発生するため、非常にかわしにくい。 瞬間移動を連発するか、バックステップなども混ぜていこう。
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果て無く広がる闇の運河に、無限に散らばる光の粒。 天の光は全て星……否! ――激震! 宇宙が衝撃に震える毎に、虚空を彩る星明りが一つずつ消えていく。 ――爆砕! 星の光が潰える度に、幾千幾万幾億もの生命の炎が掻き消される。 無限の虚無を紅蓮の炎が染め上げ、母なる星の海を闘争の嵐が蹂躙していく。 天の光は全て敵……そう、そこは戦場だった。 ――夢を見ていた。 爆音轟き爆炎燃え盛る戦場、血と涙と敵意に染まり混沌と戦闘因果に支配された星の海を、〝彼女〟は鋼の巨人になって駆け抜けていた。 蝙蝠に似た墨染の両翼を羽撃かせ、圧倒的な暴力を以て次々と敵を屠る、禍々しい漆黒の巨人……その姿はさながら、御伽噺から抜き出した悪魔そのもの。 だが、足りない。 無量大数とも言える圧倒的な物量を誇る「敵」はどれだけ破壊しても減少の気配すらも見せず、逆にその苛烈な攻撃の前に〝彼女〟の身体は加速度的に傷ついていく。 それは巨人の頭部コクピットに座る少女、〝彼女〟の「主」も同様だった。 戦闘に次ぐ戦闘で蓄積した疲労は目元の隈に色濃く現れ、ツインテールに結い上げた長い髪は艶を失い色褪せている。 額の汗を拭えば手の甲にこびりついた生乾きの血が白い肌を赤く汚し、純白の装束を汚す無数の赤い染みはどれが誰の血痕であったかも既に判別出来ない。 自らの乗る機体と同じく、少女もまた満身創痍だった。 しかし、それでも少女は諦めない、立ち止まらない。 『報告。左脇腹部破損、鏡面装甲剥離。動力ラインに異常発生、AMF及び対物フィールド出力低下』 「まだ問題ないよ、もうちょっと我慢して」 『イエス、ユアハイネス』 通信ウィンドウに映る少女が淡々と告げる損傷報告に、「主」は躊躇なく戦闘続行を選択した。 両手の操縦桿を固く握り締め、〝第二の自分〟とも言える刃金の巨人を駆り、少女は全力全開で戦い続ける。 その不屈の心に〝彼女〟もまた応える、「主」が諦めない限り〝彼女〟もまた戦い続ける。 この鋼鉄の身が朽ち果てるその時まで、今度こそ「主」を護り続ける。 それが〝彼女〟の誓いだった。 ――そんな、夢を見ていた。 そこはどこまでも荒涼としていた。 砂の海に埋もれかけた街の骸は廃墟というよりも遺跡に近く、ざらついた風からは何の〝臭い〟も感じられない。 ミッドチルダ――宇宙の螺旋構造が解明されるよりも遥か昔、星の海がまだ「次元世界」と呼ばれていた頃、繁栄の絶頂にあったという〝世界〟。 その在りし日の首都、かつてはクラナガンと呼ばれていた大都市……ここはそのなれの果てである。 「……かつて次元世界一と謳われた都も、今では見る影も無いな」 眼下に広がる街の死骸を横目に一瞥し、男は小さく呟いた。 前後左右は廃墟の山、東西南北は朽ちた街……吐息混じりに紡がれた男の独白には、何の感慨も感傷も含まれていない。 当然だ、男はこの〝世界〟とは何の関係も無いのだから。 何の接点も無く、故に何の思い入れも無いただの廃墟に、心が動く筈も無い。 それに――、 (警告。戦闘中の注意力の散漫は致命的、気合いの入れ直しを推奨) 「煩い古本、貴様は少し黙っていろ!」 (訂正を要求、私は古本ではない) 頭の中に響く「声」に苛立ったように舌打ちし、男は操縦桿を押し込んだ。 男の操縦に合わせて、人の頭部に似た飾りを頭頂部につけた純白のカスタムガンメン――エンキの刀が敵を両断する。 ――そもそも戦闘中に、呑気に「戦場に残る面影」に思いを馳せている暇など無い。 破壊された敵が爆破四散し、黒煙が一瞬エンキの視界を覆い隠す。 その隙を衝くように黒煙の霞を切り裂き、新たな敵がエンキに襲い掛かった。 反応の遅れたエンキの腹部に、敵の触手が槍のように突き刺さる。 「がぁっ!?」 シャッターを貫通してコクピットに侵入した触手が男の身体を突ら抜き、飛び散る計器の破片が容赦なく肌に突き刺さる。 人間――否、大抵の生物は即死するであろう致命傷だった。 おびただしい量の鮮血を口から吐き出しながら、男は一瞬身体を大きく痙攣させる……が、 「ふん……俺も随分と平和ボケしたものだな」 自嘲するような呟きと共に、次の瞬間には何事もなかったかのように操縦桿を握り直していた。 エンキの頭頂部を飾る兜、その更に尖端に装着されたリング状の装飾に光が集束する。 「エンキィィィイ、サンッ、アタァァァーーーック!!」 男の咆哮と共にリングに集束していた光が弾け、破壊的な光の奔流が撃ち出された。 撃ち出された破壊光線は触手越しにエンキと繋がる敵を一瞬で蒸発消滅させ、地上の廃墟に巨大なクレーターを作り出す。 『ヴィラルさん!』 『大丈夫ですか!?』 「ギミーにダリーか」 通信機から響く狼狽えた声に、ヴィラルと呼ばれた男は機体を反転させた。 エンキの背中に高速で近づく、頭と胸に一つずつ顔を持つ真紅のガンメン――グレンラガン、ヴィラルにとって色々と因縁の深い機体だった。 通信ウィンドウに映る赤い髪の青年と薄桃色の髪の女性、ギミーとダリーを一瞥し、ヴィラルは鼻を鳴らす。 「俺を誰だと思っている? この程度の傷などどうということはない、シモンの拳の方が余程痛かった」 『そーいう問題じゃないでしょう……』 腹部に突き刺さった触手を平然と引き抜くエンキの姿に、ギミーは顔を引き攣らせ、ダリーは頭痛を堪えるように額に手を当てた。 ヴィラルの頭の中に、再び「声」が響く。 (結論。……馬鹿ばっか?) 「煩いと言っている……リインフォース」 憮然と鼻を鳴らすヴィラルの〝中〟で、リインフォースと呼ばれた少女がくすりと笑った。 ――夢を見ていた。 夢の中で〝彼女〟は一本の杖となり、「主」の手に握られ無限の蒼穹を翔けていた。 轟々と吹きつける凍てついた風が、刃のように肌に突き刺さる。 捲れ返りそうになるスカートを片手で押さえ、乱れ絡まる色素の薄い髪を鬱陶しそうに掻き上げながら、「主」は虚空を踏み締めた。 「ブラスターシステム、リミット1リリース!」 《Blaster set》 (イエス、ユアハイネス。リンカ―コア活性化、出力120%) 凛とした声が大空に響き渡り、翼を広げた鳥のようにも、龍の頭のようにも見える三つの刃金が「主」の周囲に顕現する。 まるで槍のように攻撃的な「主」の杖、その頭部を模した黄金色の刃金の羽根――無線式遠隔操作型移動砲台、ブラスタービット。 自由自在に動く最大四基の移動端末と、手元のデバイス本体の合計五つの砲台を駆使した全方位からの波状砲撃、それがブラスタービットの「正しい使い方」である。 だが、この少女の選択は違った。 右手に握る杖を左手に持ち替え、周囲を飛ぶブラスタービットの一つをプロテクターのように右手首に装着する。 更に残りの二基も「主」の左右の足首へとそれぞれ納まり、足元からは虹色に輝く光の道――かつて憧れた人から受け継いだ魔法、ウィングロードが展開された。 バチリ、と足元から電光が迸らせ、足首に装着したブラスタービットのスラスターから噴射炎の翼を広げながら、「主」は光の道を滑走する。 本来、空戦型の「主」には足場など必要ない、動きを制限されてしまうという意味では寧ろ邪魔だと言っても過言ではない。 しかしこの「技」には、今の少女には鞘が必要なのだ……抜き身の刀を居合という形で最大限に加速させる、滑走路としての鞘が必要なのだ。 帯のような魔法陣が「主」の右手首を円環状に取り巻き、激烈な輝きと共に回転を始める。 右手首に装着されたブラスタービットから一対の光の翼が展開され、機体中央を飾る赤い宝石が鋭く煌めく。 流星のように「主」の拳に集束する光の粒子が、加速度的にその輝きを増していき……そして、それは解き放たれた。 「ディバインバスター!!」 怒号と共に撃ち出された「主」の拳が、巨大な敵を文字通り叩き潰した。 更に少女の勢いは止まることを知らず、次々と敵を屠りながら虚空を突き進んでいく。 その様はまさに、魔弾と呼ぶに相応しい。 撃ち抜かれた敵が次々と爆発し、空を紅蓮色に染める中、「主」の右腕が一瞬痙攣を起こした。 「っ……!」 痛みを堪えるように表情を歪ませ、「主」は反射的に右腕を押さえる。 純白のバリアジャケットの袖口からは、赤い雫が滴り落ちていた。 《Master……》 (警告。右前腕を中心に各所で筋繊維断裂、神経にも異常発生)、 「平気……ブラスター1はこのまま維持、一気に片付けるよ」 心配そうに声を上げる〝彼女〟を一瞥し、頭の中に響く「声」を無視して、「主」は杖を構え直した。 ブラスターシステム――それは限界を超えた力を与える代わりに、術者とデバイスの命を削る諸刃の剣。 しかし「主」は、その禁断の力を使うことに躊躇しない、大切な人達を護る為に、大好きな人達を傷つけないために。 そのために己が傷つくことをこの少女は厭わない、平気で自身を切り売りする。 いつもそうだ、この少女は常に生き急いでいる……それが〝彼女〟には堪らなく歯痒かった。 ――そんな、夢を見ていた。 螺旋族とアンチスパイラルとの永い闘争に終止符が打たれてから十年、銀河の星々は地球を中心に共存の道を歩み始めた。 しかし同じ螺旋族とは言え、星が――種族が違えば考え方も違う。 地球螺旋族代表ロシウ大統領の提案した銀河螺旋会議も調整が難航し、開催の目途すらも立っていない。 全宇宙が一つに纏まるには、未だ多くの時間を必要としている。 だが進展が全く無かった訳ではない……地球の主導する和平政策とは別に、それぞれの種族自体も積極的な交流を独自に行い、それによる新たな発見も数多く存在する。 その一つにロシウ大統領の故郷、アダイ村に伝わる聖典の解析解読が挙げられる。 地球に現存するあらゆる古代言語と比較しても該当する文字はなく、「誰かの悪ふざけ」とロシウに評された謎の古文書。 しかしベルカの民と呼ばれる少数民族と接触した結果、事態は思わぬ方向に転がることとなった。 ベルカの民の信仰する宗教〝聖王教会〟に伝わる古代ベルカ語と聖典に記された文字が合致、文書の解読に成功した。 解読した文書に依ると、この聖典はただの書物ではなく、デバイスと呼ばれる古代の高度演算装置であったらしい。 聖典に記述された情報は旧世代螺旋の戦士とアンチスパイラルとの戦いの記録と、「魔法」と呼ばれるプログラム。 しかし後者の起動にはリンカーコアと呼ばれる特殊な器官を必要とするらしく、その発生は遺伝に左右されず完全なランダムだとのことである。 政府は聖典起動の適正者――つまりリンカ―コアの保有者――を見つけ出すべく、住所不定市民を含む首都カミナシティ全居住者を対象に一斉検査を行った。 しかしその結果は壊滅的……人間・獣人問わずその結果は悉く陰性、確認されたリンカ―コア保有者は皆無だった。 ただ一人、〝人間でも獣人でもないモノ〟を除いて……。 それが――、 「――俺という訳か」 「知人曰く、現実とはいつも〝こんな筈じゃなかった〟ことばかりとのこと。腹を括ることを推奨、または諦めることを提案。私としても甚だ不本意」 事のあらましを思い返し深々と息を吐くヴィラルの肩の上で、少女もまた頬杖をつき吐息を零していた。 それは奇妙な光景だった。 一見すれば、ヴィラルが肩の上に人形を乗せ、まるで人間相手のように話しかけているという不気味な光景に映るだろう。 しかしその「人形」は人間のように喋り、動き、挙句の果てには空まで飛び、更には極めて淡白とはいえ喜怒哀楽の感情表現まで一応可能としている。 かつてヴィラルは螺旋王の遺伝子データを基礎とした生体コンピューター〝ロージェノム・ヘッド〟を目にしたことがある。 しかしあれよりもこの小さな少女の方が――本人達の性格の差異もあるだろうが――ある意味遥かに人間らしい。 管制人格――聖典の起動と同時にヴィラル達の前に現れた少女は、己の存在をそう定義した。 その正体はプログラムによって肉体を構成する仮想生命であり、使用者と融合して聖典起動の補助や魔法の出力調整などが彼女の主な役目だという。 少女曰く、彼女とヴィラルの相性は最悪を通り越して壊滅的らしい。 ヴィラルの保有するヴィラルのリンカ―コアは人工的なものであり、その性質は極めて不安定。 融合――ユニゾンというらしい――自体は可能ではあるものの、聖典に記述された魔法の行使は絶望的であるとのことである。 「しかし他に代替手段が存在しない以上、貴方を仮ユーザーとして登録するしかない。認めたくないものだな、若さ故の過ちというものは」 「……後半は無視するが、それは貴様の都合だろう。古本の妖怪風情が調子に乗るな」 淡白な癖に傲慢な少女の態度に業を煮やしたようにヴィラルは低い声で呻き、瞳孔の縦に裂けた獣の双眸で少女を睨みつけた。 ヴィラルの物言いが気に障ったのか、少女も顔を上げ憮然と言い返す。 「訂正を要求、私は古本ではない。私にだって名前はある……祝福の風リインフォースⅢという、先代から受け継いだ素敵な名前が」 そう言って誇らしそうに小さな胸を張るリインフォースⅢ、その仕草がヴィラルの琴線に触れた。 そして、大舌戦が始まった。 まるで理性のタガが外れたかのように2人は互いに火に油を注ぎ合い、売り言葉と買い言葉の応酬は加速度的に白熱しエスカレートしていく。 完全に二人だけの世界に入り込み、口論に熱中するヴィラルとリインフォースⅢは、周りのブリッジクルーが生温い目で自分達を眺めていることに気付いていない。 月軌道上、超銀河ダイグレン級戦艦型ガンメン〝超銀河ダイグレン〟中央ブリッジ。 ミッドチルダ調査隊出航一時間前の、二人のやりとりだった。 ――夢を見ていた。 夢の中で〝彼女〟は一粒の宝石となり、〝力〟の象徴である金色の『鍵』と共に「主」の胸元を飾っていた。 「アースラが、はやてちゃんが墜ちた……?」 宇宙での戦いに一応の目途が立ち、久方振りに地上に戻った「主」を待っていたのは、そんな非情な現実だった。 第二の我が家とも言える思い出の艦が、大切な友の乗る刃金の方舟が、撃墜された。 飛ぶ、翔ぶ……友の収容された病院を目指して、「主」はひたすら空を駆ける。 飛行許可など取っていない、それが違法であることも十分解っている。 だが罰ならば後で幾らでも受ける、今はただ……友の顔が見たかった。 病院が見えた……減速もそこそこに無理矢理着陸、蹴破るような勢いで自動扉を潜り抜け、バリアジャケットを着たまま玄関を走り横切る。 マナーなど気にしている余裕は無かった、怒られたならば後で謝ろう。 エレベーターを待つ時間すらもじれったく、非常階段を駆け上がる、それすらも歯痒くまた飛行魔法を使う。 すれ違う他の患者や見舞客を撥ねかけながら廊下を駆け抜け、そして「主」は遂に、目的の病室へと辿り着いた。 八神はやて――扉に張られたマグネット式の表札には、友の名前が確かに書かれている。 信じたくなかった、認めたくなかった、だけど現実は残酷に冷酷に目の前に座している。 ごくり……「主」の喉を鳴らす音が聴こえる。 震える指先でドアノブを握り締め、「主」は意を決したように扉を開け放った。 小さな個室だった。 小物棚の上には見舞い品と思われる小さな鉢植えの花が置かれ、窓から吹き込む風が白いカーテンを揺らしている。 食事台の上には書類が山のように積まれ、そしてその向こう、病室中央に置かれたベッドの上には――、 「あー、久し振りやなぁ。おかえり、帰ってたんやね」 身体のあちこちに包帯を巻き、幾つもの点滴に繋がれながらも、〝彼女〟の記録と寸分違わぬ笑顔で「主」を迎える友の姿があった。 「はやてちゃん……!」 泣き出しそうな叫びと共に胸の中に飛び込む「主」を、友は優しく抱き締めた。 「はやてちゃんが、アースラの皆が墜ちたって聞いて……わたし、居ても立ってもいられなくて……でも何も出来なくて、ただここに駆けつけることしか出来なくて……!」 「うん、うん……心配かけてごめんなぁ……」 入院衣を掴みながら幼子のように泣きじゃくる「主」を愛おしそうに見下ろしながら、友は優しくその頭を撫でる。 「シャマルもザフィーラも、シャーリーもグリフィスくんも皆生きとる。皆怪我して、死んでもーた人もおるけど、それも最小限に留められたと自負出来る。 ウチもほら、無事……とは言えへんけど、でもちゃんと二本脚で元気に生きとる。リインが護ってくれたから、命を懸けて護ってくれたから……」 その時になって「主」は漸く、常に友の傍らにいた――友と文字通り一心同体の、小さな小さな友人の姿の見えないことに気付いた。 「ねぇ、はやてちゃん……リインは?」 震える声で尋ねる「主」に友は一瞬哀しそうに目を伏せ、小物棚の引き出しを開けた。 引き出しの中から取り出された友の手の中に握られていたのは、細い鎖に繋がれた金色の……砕けた剣十字型のペンダントだった。 「リインな、お姉ちゃんのところへいってもーた……」 淋しそうに紡がれた友の言葉……その瞬間、「主」は全てを理解した。 大切な人を喪ったことに、もう二度と大好きな人に会えないことに。 真昼の病院の片隅にある、小さな小さな病室に、少女の慟哭が響き渡った。 ――そんな、夢を見ていた。 不死の獣人ヴィラル、生命の理を超えたこの男には幾つもの顔がある。 十七年前――螺旋王が地上に君臨し、人間達がまだ地下で暮らしていた頃、ヴィラルは人類掃討軍極東方面部隊長として地上に出た人間を相手に戦っていた。 十年前――地上が螺旋王の支配から解放され、人間と獣人の共存する新しい社会秩序が構築された時代には、反政府ゲリラとして新政府軍に牙を剥いた。 そしてアンチスパイラルの宣戦布告の後、ヴィラルは何の因果か宿敵グレンラガンのパイロットとなり、人類解放軍大グレン団の一員として銀河の果ての最終決戦に臨んだ。 居場所を変え、立場を換えながらもヴィラルは常に戦い続けてきた、それはこの男の「戦士」としての顔の顕れなのだろう。 しかしヴィラルはもう一つの側面、別の「役目」も背負っている。 それは「語り部」としての使命――十七年前、不死の肉体と共に螺旋王ロージェノムによって与え刻まれた第二の自分。 永遠を生き、人間の行く末を見届ける、それが今のヴィラルの存在意義だった。 故にこれは必然だったのかもしれない……ヴィラルが古の語り部リインフォースⅢと出会い、かつての人間達の足跡を辿る次元の旅に出ることは。 「リーロンを筆頭とした技術科学局の精鋭スタッフ、ベルカから派遣された調査チーム、グラパール一個中隊に、母艦として超銀河ダイグレン。 そして調査隊の旗機として、グレンラガン……全て貴方に預けます、ヴィラル・スクライア」 地球圏最高権力者直々の言葉に、ヴィラルはぴくりと眉を震わせた。 スクライア、それはヴィラルの獣人としての種族名である。 十数年前、当時発足したばかりの新政府は、人口把握のためにその最初の政策として地球上の全人間及び獣人の戸籍登録を義務化した。 その際データベースの系統化のため、人間は出身集落名、獣人は種族名を苗字として適用したのだ。 ヴィラルの場合はリス(スクアーロ)を素体とした獣人であり、種族名の「スクライア」はそのアナグラムだと推察される。 ――閑話休題。 聖典の解読と管制人格リィンフォースⅢの目覚めにより旧螺旋族の興亡を識る手掛かりを掴んだ地球政府は、当時の次元世界の中心地ミッドチルダへの調査隊派遣を決定した。 調査隊の責任者には現在確認されている唯一のリンカ―コア所有者であり、また元人類掃討軍部隊長として豊富な指揮官経験を持つヴィラル・スクライアを抜擢、全権を委ねた。 「グレンラガンも持って行くのか? 超銀河ダイグレンといい、高々旧跡の調査任務に些か大袈裟になり過ぎていないか?」 ロシウの挙げた最後の名前に、ヴィラルは難色を示すように眉を寄せた。 超銀河ダイグレンは地球圏最大最強の戦艦型ガンメン、グレンラガンは地球人類の象徴……軽々しく宇宙に持ち出せる程、これらのガンメンの価値は軽くはない。 もっとも超銀河ダイグレンの方は、ワープ装置を搭載した地球圏唯一の艦という側面もあるため、仕方の無いことではあるかも知れないが。 しかしヴィラルの懸念にロシウは首を振り、「旧跡の調査任務だからこそですよ」と口にした。 ロシウは続ける。 「今この宇宙はバラバラになったパズルのような状態です。しかしかつて全てのピースは一つに組み合い、次元世界という大きな絵を描き出していたんです。 我々は彼らのことを識らなければならない、彼らから多くのことを学ばねばならない。銀河を再び一つに纏め上げ、我々自身の新たな絵を創るために。 そのためにも、グレンラガンは貴方方の旅に同行しなければならない。我々が本気であることを全銀河に知らしめるためにも」 「……政治的措置というやつか」 ロシウの理屈にヴィラルは憮然と鼻を鳴らした。 この男の措置はこの惑星全土を統治する為政者としても、また全銀河の星々と渡り合う地球代表としても当然の行動であるかもしれない。 理解は出来る、しかし納得は到底出来るものではない。 かつて幾度となく刃を交えた宿敵であり、また共に戦った戦友でもあるこの機体を政治の道具にするなど、ヴィラルのガンメン乗りとしての矜持が許容出来るものではなかった。 ヴィラルの瞳が険を帯びる……が、 「その提案の受理を推奨、貸してくれると言うのならば大人しく借りて行くべき」 思わぬ時に思わぬ場所から、ロシウへの援護射撃が入った。 「貴様は黙っていろ、古本」 「訂正を要求、私は古本ではなくリインフォースⅢ」 マフラーの中から顔を出す小さな少女――リインフォースⅢを、ヴィラルは忌々しそうな眼で睨め下ろす。 そもそもこの小娘が出てきたせいで、自分は厄介事を背負わされる羽目になったのだ。 眼光鋭く見下ろすヴィラルの殺気を何食わぬ顔で受け流しながら、リインフォースⅢはロシウを見上げる。 「彼の地に放置された無人兵器の中に、未だ動く機体がしている可能性は極めて高い。 ミッドチルダは元々対アンチスパイラル戦の先鋒、グラパールのみでの対処は困難と予測」 自己完結したように「うむうむ」と一人頷くリインフォースⅢ、その言葉にロシウはふと首を傾げた。 「リインさん、いつグレンラガンやグラパールのスペックをご覧になったんですか?」 ロシウの疑問に虚を衝かれたように目を瞬かせたリインフォースⅢは、しかし次の瞬間、 「私に識らないものはない。ビバノウレッジ」 偉そうに胸を張りながらそうのたまった。 予想外の返答に唖然とする二人を他所リインフォースⅢはふわりと空中に浮き上がり、 「スクライアは次元世界時代、遺跡発掘者の一族が冠した姓、現在を生きながらどこまでも過去を掘り進み続けた者達の名。 彼らと同じ名を持つ貴方が、彼の一族の真似事に駆り出される……これもまた一つの因果だと、リィンフォースⅢは個人的に推測」 そう言って一瞬ヴィラルを振り返った後、そのままどこかへと飛び去った。 置き去りにされた男二人、その片割れロシウが真剣な表情で眉を寄せ……、 「……どうでも良いことかも知れないが、確かビバは古代フランス語で、ノウレッジは古代英国語だったような……?」 「本当にどうでも良い蘊蓄だな」 重箱の隅を突くような大統領のツッコミを、ヴィラルは一言で切り捨てた。 ――夢を見ていた。 夢の中で〝彼女〟は再び巨人となり、「主」の少女と共に戦場を飛んでいた。 「ツインデビルバットブレイズ!!」 蝙蝠に似た背中の黒翼を取り外し、双剣のように左右それぞれの手に握り敵を斬り裂く。 更に柄の先端を連結させ、V字型に合体させた黒翼の双剣を、〝彼女〟はブーメランのように投擲した。 「フルドリルライズ・プラズマスマッシャー!!」 怒号と共に〝彼女〟の全身から無数のドリルが突き出し、撃ち放たれる雷撃の嵐が周囲の敵を焼滅させる。 そして――、 「ギガドリルブレェェェーーーイク!!」 右腕と融合一体化した巨大なドリルが、立ち塞がる敵を片っ端から喰らい尽くしていく。 殺す、戮す、誅す、劉す! 引き裂く、叩き潰す、焼き尽くす、消し飛ばす! 倒す、屠る、そして殺し尽くす! 戦術など関係ない、戦法などどうでも良い……ただこの眼に映る全ての敵を、殺して、戮して、真っ青な空を取り戻す!! 今の〝彼女〟は――そして「主」も――まさに悪魔そのものだった。 荒れ狂う激情のままに戦場を蹂躙し、ただひたすらに殺戮を繰り返す。 人間性の欠片も感じられないその凶悪な戦い方には、理性など一切存在していない……その姿はまるで獣、その様はまさに狂戦士。 だが、そのような無謀がいつまでも続く道理が無い。 ただ我武者羅に暴れるだけの非効率的な攻撃は、無駄弾を生み、雑な動きに繋がり、格好の隙を敵に与える。 雨のように容赦なく降り注ぐ敵の猛攻に〝彼女〟の翼は折れ、腕は千切れ、脚は吹き飛び、まるで蜘蛛の巣を張るように亀裂が全身の装甲を侵食していく。 『右腕及び左脚喪失、背面スラスター機能停止。魔力炉に損傷発生、エネルギー出力30%低下。機体の損傷過多、これ以上の戦闘は危険と判断』 「まだだよ! まだやれる、まだ終われない!!」 通信ウィンドウに映る少女の後ろ向きな提案を一喝し、「主」はモニターを埋め尽くす敵の軍勢を睨みつけた。 「アースラの皆の方がもっと痛かった! はやてちゃんの方がもっと苦しかった! リインの方がもっと辛かった!!」 コクピットに轟く「主」の咆哮に応えるように、コンソール中央にある渦巻き状のゲージが勢い良く回る。 眩い光が〝彼女〟の機体内部から溢れ出し、次の瞬間、満身創痍だった刃金の身体は新品同様の状態にまで修復されていた。 「ほら、ね……まだいける、でしょ……?」 荒い呼吸を繰り返しながら薄い笑みを顔面に貼りつけ、「主」はパイロットシートに深々と背中を預けた。 その顔には疲労の色がありありと浮かび、白い肌には脂汗が浮いている。 「わたしを、誰だと思ってるの……?」 そう言って狂ったように哂いながら、「主」は操縦桿を握り直した。 休憩は終わり……さぁ、蹂躙と殺戮の幕を再び開けよう。 「主」の狂気が伝染したかのように、〝彼女〟の鋼の肢体が不気味に軋む。 その時、 『……マイスター。初めに言っておく、私の拳はかぁなーり痛い』 怒気を孕んだ低い声と共に足元の床に突如風穴が開き、仄かに輝く光の球体が弾丸のように飛び出した。 魔力弾――否、飛び出したのは小さな少女だ、魔導の光を全身に纏い宙に浮く、まるで妖精のように小さな少女だ。 「リ、リイン……?」 狼狽えたような声を上げる「主」にリインと呼ばれた妖精の少女はゆっくりと近寄り、次の瞬間、固く握った拳で「主」の頬を殴り飛ばした。 「敢えて言おう、マイスター。今の貴女はカスであると!」 突然の事態に愕然と目を見開く「主」を正面から睨みつけ、妖精は冷然と口を開いた。 「リインフォースⅡは死んだ、もういない。しかし彼女の遺志はこのリインフォースⅢの魂に、心は貴女達の思い出の中に、今でもしっかりと生き続けている。 泣いても笑っても日はまた昇る。終わる昨日を振り返るのは良い、始まる明日を待ち焦がれるのも構わない。 しかし過去と未来だけに囚われて、今を犠牲にすることは絶対に許さない。貴女は今ここにいる、貴女は今ここで生きている……それを忘れないで」 「リイン……」 淡々と語る小さな少女――リインフォースⅢの言葉を、「主」はただ呆然と聞き入っていた。 激情を抑え込んでいるのか、小さな肩……その向こうに、かつて出会い、全力全開でぶつかり合い、そして憧れた人の背中を「主」は見た。 「うん、そうだね……わたしが間違ってた、また間違えてた」 操縦桿を両手を緩め、「主」は柔らかく微笑んだ。 「頭に血が昇って、わたしが誰なのかわたし自身が忘れてた。ありがとう、リイン……」 そう言って素直に頭を下げる「主」に、妖精は照れたようにそっぽを向く。 「別に……分かれば良い」 頬を赤く染めながらぶっきらぼうに告げる妖精に、「主」は思わず吹き出した。 くすくすと笑う「主」に釣られるように、妖精もまた小さく笑う。 笑い合う「主」と妖精を、〝彼女〟はただ黙って見守っていた。 「主」の過ちを殴って正す肉体と、「主」の捻じれ歪んだ心とぶつかり合う心を持ったあの妖精の少女に、少しだけ嫉妬しながら。 その時、けたたましい警報がコクピットに突如響き渡った。 ロックオンされた……瞠目する「主」と妖精が顔を上げた瞬間、360度全方位から降り注ぐ敵の砲撃の雨がモニターを白く染め上げ――、 ――そこで、夢は途切れた。 天元突破リリカルなのはSpiral 外伝「そんな、優しい夢を見ていた」(続) 目次へ 次へ