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899 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2011/09/14(水) 23 49 24.40 ID 2/qNpGPE0 今日は何かお話しできそうかい? 眠たかったら無理はしないでくれよ? あともし話せるなら高校時代の思い出希望 900 :さなえ ◆Xdous6rwI2[sage]:2011/09/15(木) 00 48 41.10 ID g2I9qEHSO 高校の思い出ね じゃぁ高2編といこうか! 私の学校は2年から文理に分かれる 1年時数学の実力テストで200点満点中、1点を叩き出した私は当たり前のように文系へ 一方、理系の大学を視野に入れていたイカちゃんは理系へと進んだ 当然だけどクラスはバラバラになった でもそれは文理選択の時点で把握済みだったので割りきってた ショックだったのは校舎も別々になったことかな 休み時間も会えない距離wwwwww まさにロミオとジュリエット状態! 嬉しかったのは体育の授業が一緒だったことかな 体育は2クラス合同なんだけど運良くイカちゃんと同じクラスだったwwwwww 901 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2011/09/15(木) 01 09 39.50 ID v2uArN8IO 1点てwwwwwww なにその奇跡wwwwwwwww 901 余弦定理の公式が書けたからオマケに1点あげたと教師に言われた思い出があるwwww このネタは今でもからかわれるwwww 902 :さなえ ◆Xdous6rwI2[sage]:2011/09/15(木) 01 16 07.38 ID g2I9qEHSO そんなこんなで始まった高2 5月の連休に、イカちゃんの所属する吹奏楽部の定期演奏会があった なんとここでソロパートを任されたイカちゃん 私もよく知ってる曲のサビの部分がイカちゃんの担当だった だから、部活中その曲が小さく聞こえてきたらよく耳をすましてたwwwwww 当時のさなえ練習に集中しやがれwwwwww なにがなんでも定期演奏会には行きたかったんだけど、その日は部活の予選があったからどうしても無理だった そんな定期演奏会間近の帰り道、事件は起こった! さ「イカちゃんのソロ聞きたかったなぁ」 イ「さなえも大会なんだもん仕方ないよww」 さ「頑張ってねww」 イ「さなえもね……あのね、さなえにプレゼントがあるのwwww」 さ「なになに?」 イ「はい、これあげるwwww」 ミルキーの袋で折られた10羽くらいの鶴もらいましたwwwwww 昼休み友だちと作ったんだってwwww さ「マジ?私のために?嬉しいwwありがとー!」 イ「別にさなえのためじゃないよwwww暇潰しwwwwww」 照れ隠しかわうぃーwwwwwwって思いたいけど、当時の雰囲気からいってホントに暇潰しの作品だったなwwwwww 暇潰しだろうが穀潰しだろうがイカちゃんからの贈り物ってだけで全て国宝に変わるんだけどね! 903 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2011/09/15(木) 01 28 55.11 ID tlgxa9aIO 国宝wwwwww イカちゃんは世界遺産かラムサール条約に登録だなwwwww 903 むしろ銀河系全体で保護していきたいね!! 904 :さなえ ◆Xdous6rwI2[sage]:2011/09/15(木) 01 29 05.59 ID g2I9qEHSO 定期演奏会は保護者が撮ったビデオを別の吹奏楽部の友人経由で借りて見たwwwwww 舞台挨拶(?)で感極まってイカちゃん泣いてた 部活一生懸命なイカちゃん可愛いね! 夏に入って水泳の授業が始まった プールサイドで鬼ごっこしてたら滑ってこけた イカちゃんびっくりしてた でもあまり同情はしてくれなかったかな…… 切ない思い出 905 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2011/09/15(木) 01 31 10.63 ID d+u0URI3o そんな所で鬼ごっこなんかするからだwww 905 そっくりそのままのことを最近イカちゃんに言われましたww 906 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2011/09/15(木) 01 47 59.51 ID tlgxa9aIO なんというおっちょこちょいwwww イカちゃんに滝に落ちるんじゃないかと心配されて当然だわwwwww 906 まぁそうなるわなww プールサイドで鬼ごっこしてコケるとか小学校で卒業しろって話だよねww 当時は逆バーローを地で行ってたわ 907 :さなえ ◆Xdous6rwI2[sage]:2011/09/15(木) 01 57 18.23 ID DSWOj6U1o パソコソに移動! イカちゃんとはそれなりに絡みがあったはずなんだけど、高2の思い出が抜けちゃってる私の脳みそが憎いww イカちゃん側から聞いたほうがもっと色んな思い出が出てくるんだろうなww そんなわけで季節はぶっ飛び2学期へ 2学期は行事が盛りだくさん 文化祭! 体育祭! 球技大会! 修学旅行! なんだけど、どうしてもイカちゃんとの思い出が蘇ってこない(;_;) 絶対なんかあったハズなんだけどなぁ……。 あれだ、高1の時は細目に日記書いてたからなぁ 2年になって書かなくなったらコレだよwwww 908 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2011/09/15(木) 02 02 28.02 ID 7TtFxD3N0 ふむ、時期は問わない 是非ニヤニヤできる話を一つ頼むwwww 908 ニヤニヤできる話ねぇ じゃぁ嫉妬ネタを1つwwww 高2の終わり頃の話なんですけどね 何故かよく分かんないんだけど私、近くの女子校に通ってた子にイキナリ声かけられたことがあったんだよねww ずっと前から話したいって思ってましたぁとかなんとか言われてww ずっと前っていつだよとか 何で私のこと知ってんのとか ちょっと怖かったwwww 手紙渡されたから、帰りの電車で速攻読んだww こんなの初めての経験だったしねww 部活頑張ってください~とか色々書いてあって、最後にメアドとかも書かれたww そんな手紙もらったら悪い気しないじゃん? まぁ私は浮かれポンチになったわけですよ、一瞬でww 次の日 浮かれポンチ継続中の私は行きの電車ですぐさま報告ww さ「イカちゃぁん昨日私、手紙もらったwwwwww」 イ「手紙?誰から?」 さ「女子校の子からwwwwやっぱこういうのって返事書かなきゃいけないのかなぁwwwwねぇ、どう思うイカちゃ~んwwww」 イ「……」 さ「ずっと前から私のこと声かけたいって思ってたんだってwwwwグフwwww」 イ「……知らない」 さ「えぇ~どうしよかなぁ~グフフwwww」 とまぁ痛いくらい自分本位だったわけで イカちゃんが嫉妬しているのも気づかないくらいでwwww イカちゃんの様子がおかしいと気づいたのは、その日に一緒に帰るのを断られてからww 思い当たるフシは手紙の件のみ なんでイカちゃんが嫉妬するのよwwwwwwなんて思いながらもイカちゃんに嫌われたくなかった私は 手紙をくれた子に対して何も行動しないことをイカちゃんに報告した すっかりイカちゃんの機嫌は直りましたとさwwww 付きあってもないのに嫉妬とかイカちゃんどんだけww 可愛いからいいけどwwww 909 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2011/09/15(木) 02 06 27.65 ID JuyQFm5Zo 日記か~自分も昔日記書いてたけど一ヶ月ももたなかったわwww 909 そうなるよねww 910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2011/09/15(木) 02 10 24.18 ID tlgxa9aIO 記憶を文章にすると、脳に残りやすくなるとかなんとかってエロい人が言ってたな 910 私は中1から高1まで書いてたんだけど日記に書き起こした出来事はそれなりに覚えてるww 大学入ってからもたまにパソコンで書いてたんだけどハードディスクごとデータ飛んで以来もう書いてないww 912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2011/09/15(木) 02 33 38.82 ID JuyQFm5Zo 嫉妬するイカちゃん可愛いwwww 912 嫉妬はイカちゃんの可愛さ真骨頂! 913 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2011/09/15(木) 02 33 57.60 ID d+u0URI3o 声かけられるってすごいな、さなえは女の子に好かれる何かがあるのか?w 913 ねーよwwwwww 後にも先にもそれ1回だけだよww たぶんあの子はとても嗜好が変わった子wwww 元気にしてるかな? 914 :さなえ ◆Xdous6rwI2[sage]:2011/09/15(木) 02 34 25.68 ID DSWOj6U1o もう2時半ww調子に乗りすぎたww 寝るわww ぐっない☆ 915 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2011/09/15(木) 02 35 55.22 ID d+u0URI3o おやすみー、仕事がんばれよーww 915 ありがとよ^^ 先週までのピークは超えたからまったりいくわ 916 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県)[sage]:2011/09/15(木) 02 36 54.54 ID qIHcyrEpo ちゃっかりイカちゃんに報告する辺りが抜け目ないなww 計算じゃなくても結果的に嫉妬させられたし 916 当時の私はとにかく誰かに報告したくてwwww で、手紙もらってから初めて顔を合わせたのがイカちゃんだったんだよねww ごめんねイカちゃんwwww 917 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2011/09/15(木) 02 37 01.43 ID 7TtFxD3N0 おやすみ~ 色々話してくれてありがとうな~ノシ 917 こちらこそ聞いてくれてありがとうだぜ! 土曜日のデートもちゃんと報告できるようにするね^^ 918 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2011/09/15(木) 02 37 40.67 ID JuyQFm5Zo おやすみー 体壊さないよう気を付けてな 918 ありがとよww はい今度こそおやぷみ! 920 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2011/09/16(金) 00 34 39.30 ID 1tlZMXLF0 そういえば、次のスレッドはどうするんだい? 922 :さなえ ◆Xdous6rwI2[sage]:2011/09/17(土) 00 57 16.07 ID 8QWPHgJ3o こんばんわんこwwwwww 次スレね! 私がこんな体たらくだから次スレ立てたところでアレなんじゃぁないかと思ってるww なんでこんなgdgdなのかって私がゴールを決めてないからいけないんだけどさww だからね! ゴールを決めようと思ってwwスレを終わらせるww 普通は告白成功したらだろうが、居心地が良すぎてそのまま居座ってしまったからゴールを逃してしまったwwww てなわけでゴールはイカちゃんをスレに連れてこれたらってことにするww みんなも楽しみにしてくれてるし! 1ヶ月以内にはなんとかするからww 次スレまでにはケリつける! そんなわけでもうちっと付き合ってくださいな^^ 923 :さなえ ◆Xdous6rwI2[sage]:2011/09/17(土) 00 59 20.05 ID 8QWPHgJ3o 駄目だ酔っ払ってるからいつも以上に支離滅裂だ まとめると 次スレは立てたい! イカちゃんを引っ張り出せた時点で終わり! そんな感じです 924 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2011/09/17(土) 01 02 58.39 ID k/fdIedIO お!さなえおけーりー 最初から張り付いてた身としては、スレが終わるのは残念だが、gdgdになるのもねー(´・ω・`) イカちゃん降臨をwktkしながら待つお! 925 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2011/09/17(土) 01 05 25.72 ID k/fdIedIO 923 なんだよwwwwwww じゃあ、次スレ案を書いてやんよ! 【イカ娘】イカちゃんとさなえで百合ん百合ん【スレじゃない】 924 こんなgdgdなスレに最初からお付き合いありがとうだぜ! しかも次スレ案までwwww 百合ん百合んてwwwwww 926 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2011/09/17(土) 01 06 37.53 ID o7uTBzjro わんこ、お疲れさんですよ~ 酔っ払ってるのかよwwwwww ゴールか・・・なんか寂しいな でもイカちゃんと2828してるさなえを見れるなら、次スレでもなんでも付き合ってやんよww 926 だって 花金だぜ^^ 三連休だぜ!!!!!!!!!!! 無敵じゃァああああああああああ!! マリオでスター100個ゲットした気分! 927 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2011/09/17(土) 01 08 15.96 ID nm0ma+ERo こんばんわんこそしてお疲れ様 終わっちゃうのは寂しいけど仕方ないよな イカちゃんがスレに来るの楽しみにしてる! 927 始まりがあれば終わりがあるってどっかの偉い人が言ってたからね イカちゃん来たときはよろしくお願いします^^ 929 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(神奈川県)[sage]:2011/09/17(土) 03 17 27.58 ID 7aZmWuQCo 二人のイチャイチャ報告聞けなくなるなら、 降臨して欲しくない気もしてくるなww複雑だ 929 そんなこと言わないで>< 寂しいやんか>< 930 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2011/09/18(日) 18 09 23.79 ID gNjRKVXIO 今頃はきゃっきゃウフフか… 次スレ案 【さなえは】百合のキッカケはイカちゃんでした!【変態】 930 さなえは変態て! そこは 【さなえは】【淑女】 とかにしなきゃ 嘘ですすいませんねー!! →続き
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「嫌われた代償と招く幸福(前編)」の続きです。 注意事項は前編で記載したものと同じです。 それでは続きをお楽しみください。 ―――――――――――――――――――――――― 一方で、あのむれはどうなったかというとさなえがむれを出た次の日に異変が起きていた。 「どうじてごはんさんがどれないのー!!!??」×狩りゆっくり多数 『嫌われた代償と招く幸福(中編)』 今までゴミ捨て場を荒らして楽に残飯等を手に入れて来た。 何故、手に入れやすかったのは網等の障害物が無かったことが理由で上げられる。 さなえが生まれてからその網が無くなっていたのだ。 もちろんゴミ捨て場にはちゃんと網がしてあったもののゆっくりが狩りをしている時に限って風やマナーの悪い人間によって無い状態が続いたのだ。 そして、住民はゴミ漁り防止のためボックスタイプのゴミ捨て場にしたのだ。これに変えるだけで被害が激変するという結果が出ている。 「むきゅ!だいじょぶよみんな!ぱちぇがちゃんとごはんをよういしているわ!」 「「「さすがおさ!!」」」×むれゆっくり一同 実はぱっちゅりーはこんなこともあろうかと貯蔵庫をいくつか作っていたのだ。 安心した一同は早速貯蔵庫に向かった。最初の貯蔵庫を守っているのむれの実力者で幹部ちぇん率いる「わかるよ~隊」だった。 一同はそれを聞いただけで安心した。なぜなら幹部ちぇんはむれの3匹の実力者のひとりだからだ。 鼻歌交じりでゆっくりたちは前進していった。 最初の貯蔵庫に着くと・・・ゆっくり出来ない臭いが漂っていた。 ゆっくりの死臭である・・・。 この倉庫はちぇん達によって管理されていた。だが、殆どのちぇんたちはずたずたにされ生き絶えていた。 一匹だけ生き残ったちぇんがいた。幹部のちぇんである。耳や尻尾、顔がズタズタであった。 「み・・・んな、そこ・・・にいるの・・・なにも・・・みえなくて・・・わからないよ・・・」 「ちぇん!いったいなにがあったの!!?」 ちぇんがいうには貯蔵庫に異変感じて入ってみると貯めていた食糧はネズミによって食い散らかされていた。 「ねずみごときのぶんざいでちぇんたちのごはんをとるなんてみのほどをしらないね!わかれよ~!」×5 だが、ネズミ達はちぇんたちを無視して餌を食べ続ける。 「ねずみがねこのちぇんにかてるわけないよ~!わかってね~!」×5 激怒したちぇんたちはネズミ達に襲い掛かった。自分達は猫だ、ネズミに負けるはずがないと自信を持っていた。 だが・・・。 「ちゅう―――!!!!」×100 「わがらないよ~!!!??」×5 所詮は猫もどき、大量のネズミに勝てる要素などどこにも無かったのだ。 守護していた「わかるよ~隊」はネズミの大群に抵抗する間もなく敗れ、 貯蔵庫の食糧はネズミによって食べられてしまい崩壊した・・・。 気を取り直し、一行は次の貯蔵庫はむれでも一・二の実力者である幹部みょんが管理していた。 流石に大丈夫だろうと思った。 しかし、ここでも一同の期待は見事に裏切られた。警備にあたっていたみょんの殆どが中身を吸われ引きちぎられていた。 「むぎゃ~!!!?みょんたちが~!!!」 「ゆげぇぇぇぇぇ!!??」×赤ゆっくりたち その壮絶な光景に耐えきれない赤ゆっくりたちは中身を吐き出してしまった。生まれたばかりの赤ゆっくりたちの何匹かは永遠にゆっくりしてしまった。 「お、おちびちゃん!なかみはいちゃだめー!!!!」 こんなことができるのは補食者のれみゅんとふらんしかいない。 ~一同が来る10分前~ 「ちんぽぽぽ~!(ちんぽ~!にんげんをきりたいちんぽ~!)」 幹部みょんは枝を咥えながらぼやいている。 このみょんは公園の中でもかなりの実力者であった。だから、己惚れる。 長の計画が成功したら、人間を試し切りの人形にしようと考えていた。 「はつたいけ~ん♪」 それを想像しただけでみょんはニヤけていた。 ぱさぱさ 「う~!う~!」「しね!しね!!」 「どうていおわり―――!!!!???」×10 基本種の中でも戦闘力は高く、むれの中でも強い分類に入るみょんたちはれいみゅとふらん。しかも、子れいみゅと子ふらんに遊び感覚で殺された。 れいみゅ種とふらん種は春が終わった頃に子達の最終飛行訓練を兼ねて遠出をする。 この訓練に成功した子れみゅんと子ふらんは大人に近い実力を備わっている。 この辺の補食者の被害が無くなっていたは、ただ単に遠くに離れていただけであった。 いくらむれやゆっくりの中で実力者でも力をつけた捕食者に勝てる道理など何処にもない。 しかし、悲劇はまだ終わっていない。 れいみゅとふらんはみょんたちの亡骸を貯蔵していた餌に置いていた。 つまり、貯蔵してある餌にはゆっくりの死臭がた~ぷりと付いている。 これはここの貯蔵庫の餌を食べられないことを意味する・・・。 最後の貯蔵庫は村屈指のまりさ部隊が管理しているところだった。 貯蔵庫は無事だった。 「どうしただぜ、みんな?」 「まりさ、きんきゅうじたいよ!えさがとれなくなったのよ!」 「ゆゆゅ!?それはたいへんなのぜ!!」 「だからちょぞうこのえさをたべることにするわ!」 「りょうかいしたぜ!おい、おまえたち!ちょぞうこからみんなのごはんをとってくるだぜ!」 「「「ゆっくりりかいしたよ!!」」」 幹部まりさに命じられ部下まりさたちが貯蔵庫に食糧を取りにいった。ホッと胸を撫で下ろした。 「ゆふゅ~これでとかいはにゆっくりできるわね」 「むきゅ!ちょぞうこをつくってよかったわ!」 「おさはてんさいだよ~!!」×子ゆっくりたち 「むきゅ!とうぜんのことをいってもなにもでないわよ♪むきゃっきゃっきゃっきゃー「ゆぴょ#$%#&#%%’$%&%#でょういs!!!!!???」むきゃ!?!」 やっとのゆっくりは食糧を取りに行ったまりさたちの悲鳴でぶち壊された。 急いで中に入ってみると餌を取りに行ったまりさたちは中身を大量に吐いて絶命していた。 「むきゅ!!?これどうい・・・くさいわぁぁぁぁぁ!!!!?」 「ぐざい!!!!??」×入ったゆっくりたち 理由は至ってシンプル。食糧が腐っていたのだ。貯蔵していたのは残飯といっても所詮は生ゴミ。しかも、時期を考えると腐るのは当たり前だ。 そもそも貯蔵するのは草やきのみが当り前。生ゴミを貯蔵した時点で失敗なのである。 この日このむれの命の綱は見るも無惨にちぎれたのであった・・・ さなえがが村を出て数日が過ぎた。幹部のれいむが子供に花壇の花を取ってきた。 「ゆ!とてもおいしそうなおはなさんだよ!おちびちゃんたち!ゆっくりたべようね!!」 「ゆわ~い!いちゃじゃきましゅ~しゅ!」 ゆっくりの中に公園の花壇に咲いてる花に食べるゆっくりが出始めた。そういったゆっくりは・・・ 「むちゃむちゃ・・・しわ<グシャ!!>ゆべぃ!!?」 「お、おちびちゃー<グシャ!!>ゆぎょ!!?」 問答無用で潰された。今まで公園に住みついていたことを大目に見ていた住民達は近々駆除をすることを検討し始めた。 「たいへんだよ!!にんげんたちがむれをくじょするって!!」 「むきゅ!?なんですて!!?」「いなかものにもほどあるわ!!」 それが偶然にもぱちゅりーたちの耳に入った。ぱちゅりーたちは焦った。このままでは支配どころの騒ぎではない。 「どうしてさいきんこんなにゆっくりできないの!!?このむれにはちぇんじりんぐのさなえが・・・そういえばさいきんみてないわ!!!?」 ここでさなえがいないことに気付いた。 長ぱっちゅりー達はさなえの両親であるれいむまりさの家を訪れた。 「まりさ!れいむ!おじゃまするわよ!!」 「ゆ!?おさたちゆっくりして・・・「さなえはどこにいったの!?」・・・?」 家を訪れた長たちは問いただす 「あいつならゆっくりしないやつだったからおいだしたぜ!!」 「ほんとうにゆっくりできないやつだったね!!おちびちゃんたちとはおおちがいだよ!!」 「「「「きゃわいくてごめぇんねぇ!!」」」」 「むぎゃああ!!なんですて!!!??」 長達はこの状況がさなえがいなくなってしまったからだと理解した。 「おさたち!まりさたちのゆっくりをじゃまするのはいくらおさたちで「このばかゆっくりが!!!!」ゆげぇ!!?」 「ま、まりさ!!!?」 「「「「おちょうしゃん!!」」」」 フルボコタイムの突入である。 「よくもゆっくりをよぶさなえをおいだしたな!!!」 「むれがさいきんゆっくりできないのはおまえたちのせいだ!!!」 「でていけ!!でていけ!!!このばかども!!!!」 「おさ!!?これはどういうことなんだぜ!!!」 「むきゅ~!!あのさなえはこううんよぶゆっくりなのよ!ゆっくりさせてくれるゆっくりなのよ!!!」 「それをおいだすなんてどいなかものよ!!!」 「「「「「「そ、そうだったの!!?」」」」」」 まりされいむ夫婦が知らないのは無理もない.。話せば、この一家がが調子に乗ると思ったのでぱちゅりーは黙っていた。 言えば、さなえのことを話していればこんな事にならなかった。 「おまえたちはこのむれからえいきゅうついほうよ!!!」 「「「「「「なんでー!!!!!??」」」」」」 さなえを追い出したゆっくり一家はむれをついほうされてしまった。 「おさ・・・これからどうするの?」 「いまからむれのぜんいんをふんすいさんのところにあつめなさい!!」 「ゆ!?どうして?」 「これからあのさくせんをじっこうするわ!!・・・にんげんしはいかけいかくを!!!!」 「「「「ゆうう!!!?」」」」 窮地に立たされたぱちゅりーは作戦の発動を宣言するのであった・・・。 数時間後、噴水の周りにはゆっくりで溢れ返った。 「むきゅ!!これからにんげんをしはいするわ!!ぱちぇたちはえらばれたゆっくりよ!!おそれることはないわ!!!」 「ゆうおおおおおおおお!!!」×むれ一同 「まりささまがいちばんにんげん!?おそらとんでるみたい~!」 後の方にいたまりさは突然浮いた。後を振り向くと人間がいたのだ。 「ゆ!?くそにんげん!!きたないてで「ピッチャー!振りかぶって投げました!!!!」さわあああああ!!!?」 「これはかて(ドゴ!)むげぇぇぇぇぇぇ!!!!!???」 「ナイスコントロールだよ、お兄さん!」 ぱちゅりーの演説は人間によって阻まれた。噴水の周りにいたゆっくりたちは騒然とする。 「よ、よくもおさにひどいことしただぜ!!おまえをさいしょのいけにえにしてやるだぜ!!!!せんえいぶたい!とつげきだぜ!!!」 「「「「「「「「「ゆおおおおおおおおお!!!!!」」」」」」」」」 ピピッ!「お、電話だ。もしもしー?」 先鋭部隊ゆっくりが枝を加え襲い掛かる。しかし、お兄さんは電話をしていて全く気にも止めなかった。 既に勝利を確信する先鋭部隊。だが・・・ 「ゆうかの大切な人に何をする気・・・?」 「「「「「「「「「ゆぎゃああああ!!!いたいい!!!!!???」」」」」」」」」 ゆうかによって止められた。しかも、突撃してきたゆっくりにダメージのおまけ付きで。 両手には小さなスコップが握られている。それはとても鋭利で人間が触れただけでも切れるくらいのものだった。 勿論、ゆっくりが触れたら唯では済まない。 「まりさのぐれーとなあしさんがーーーー!!!!???」 先鋭部隊は足付近を見事に傷つけれている。先鋭部隊は痛みに耐え切れず情けないくらい泣き叫んでいる。 「なにが”せんえいぶたい”よ。ちっとも強くないじゃない・・・。期待はずれにも程あるわ」 ゆうかは心底呆れていた。多少なりとも期待していたゆうかはがっかりしていた。 「ゆうか、お前を相手に出来るやつがこんな馬鹿なむれにいるはずないだろう?」 「そうだね、ならゆうかはお仕事の続きをするよ!」 ゆうかは黙々ゆっくりたちを傷つけていく。 「むむきゅ!まちなさい!ゆうか!!!」 ぱちゅりーは叫んだ。作業を一時止めるゆうかにぱっちゅりーはにやりとした。 「ゆうかをこのむれのいちいんとしてむかいれるわ!もちろん、かなりのゆっくりをあたえるわ!!」 ゆうかの強さに感心したぱちゅりーはゆうかを自分の側近にしようと考えたのだ。 ニコリと頬笑み、ぱっちゅりーに近づくゆうか。 「むきゃきゃっきゅっきゅっきゅ!ただしいせんたくね!まずさいしょのめいれいよ!そのくそじじいをころしなさい!!」 だが、その言葉がいけなかった。ゆうかは片足を上げた。 「何バカなことを言ってるのよ。無能で愚かな長さん・・・。」 ぱっちゅりーの脳天へと足を振りおろした。 「むぎゃあああああ!!!!!???」 「お、おさ~!!!!!??」×むれ一同 むれのゆっくりは枝を咥えた。このゆうかを制裁するために・・・。 「そういえば、あなたたち・・・。」 その声はゆっくりにでも分かった。怒りに満ちてると・・・。 「さっきから何度も何度も私の大切なお兄さんに酷いことを言ったわよね・・・?」 ゆっくりたちは感じ取ってしまった。ゆうかの憤怒のオーラを。 そのオーラを感じ取ったゆっくりたちは全員おそろしいしいを盛大に流した。 「お兄さんを馬鹿にした罪!!地獄で償え!!糞饅頭どもが!!!!」 「ストップだ!ゆうか・・・!」 お兄さんを罵倒したゆっくりたちに飛び掛かろうとするゆうかをお兄さんは止めた。 「お、お兄さん・・・!ごめんなさい、ゆうか我慢できなかった・・・。」 「気にしなくていいさ、もうゆうかは下がってて。」 ゆうかに麦藁帽子を被せた。そして、周りのゆっくりたちに聞こえないように囁いた。 「・・・後で見てな。俺達の新しい家族を傷つけた馬鹿どもの姿をね」 「うん・・・!」 「おーい、馬鹿でアホな長と副長!でてこい~!」 前に出て来たお兄さんが最初に発した言葉は長ぱちゅりーと副ありすに対する馬鹿にした言葉だった。 「むぎゅうううう!!!!ぱちぇはてんさいよ!!!このぐずにんげんが!!!!」 「そのことばとりけせ!!どいなかもの!!!!」 「おお、出てきた、落ちこぼれのぱちゅりーに恩忘れのありす 」 「「!!!?」」 当然、切れるがお兄さんが口にしたキーワードを聞いた途端二匹とも黙り込んでしまったと同時にべとべとの冷や汗を流した。 「ばちゅりー、お前の事は知ってるよ。 優秀なブリーダーに育てられながら銅パッチすら取れない落ちこぼれ中の落ちこぼれだってブリーダーさんとお前の妹の金ぱちゅりーに聞いたよ。 あ、お前以外のゆっくりは全員金パッチ取れてるからブリーダーさんが無能だったて言い訳は無しな」 「むむきゅ!!ゆっくりちがいよ!ぱちぇはれっきとしたきんばっちだったのよ!!」 恐れていた秘密がばれてしまった。むれゆっくりたちは驚きざわめいている。 当然、お兄さんの発言が嘘だとぱちゅりーは否定する。だが、冷静なお兄さんはあるものを見せた。 「そうかー、ゆっくり違いか。なら、落ちこぼれが逃げるときに落としたこの三日月はいらないよね」 それはぱちゅりー種の帽子についている三日月であった。長ぱちゅりーには分かった。あれは自分が逃げ出した時に落としてしまったものだと。 「むきゃあああ!それをぱちぇによこしなさい!」 だが、ここで名乗りをあげれば自分が金バッチだとついた嘘がばれてしまう。 「え、だってゆっくり違いでしょ?それに別のお飾り付けてたら皆に嫌われるでしょ?」 「むぎゅ・・・、それは・・・!?」 「あー、この三日月の持ち主は死んだんだろうな。なら、この三日月可哀相だから壊してゆん国に本当の持ち主の元に送ってあげよう」 お兄さんは三日月を壊そうとする。 「いやぁぁぁ、まって(パキ)むぎゃあああ!ごめ゛ん゛な゛ざい゛!!ぞれ゛ばばぢゅり゛ーの゛だい゛じな゛み゛か゛づぎざん゛でず・・・!!!」 ぱちゅりーは叫んだ、 「え、何?元金ぱちゅりー?」 「ぎん゛ばっぢなんでう゛ぞでず!!どう゛す゛らどれない゛おおばがものでず!おべんぎょうがいや゛でにげだじだんでず!!」 「よく言えました♪(バキ!)」 お兄さんは三日月を握り潰し、駆け寄ったぱちゅりーの前で落とし踏み潰した。ぱちゅりーは叫んだ。 「むぎゃあああ!!?ぱちぇのみがづぎざんが!!!もどっで!もどっで!!」 三日月が砕かれ叫ぶぱちゅりー。だが、すぐに周りの怒りの視線に気付いた。 「み、みんな・・・」 「おっとここで死なれたら困るな」 お兄さんはぱちゅりーを素早く透明な箱に押し込んでゆっくりの真ん中に置いた。すぐに罵倒の嵐が巻き起こった。 「よくもだしたな!!」 「このげすぱちゅりーがー!!」 「しね!いますぐそこでしね!!」 「わかれよー!!」 「ちんぽー!!」 「むぎゃあああああーーーー!!!みんなやべぇて!!!!!!!」 罵倒の嵐の中でぱちゅりーは悲鳴を上げた。 「あのいなかもののおちこぼれのせいでえいえんにゆっくりするところだったわ・・・!」 一方ありすはこの隙に逃げようとする。 「ほんとうはとかいなありすがじきじきにせいさい!したいけどまたにげ・・・ 「どこにいくのかな~?」 だが、ゆうかに阻まれた。 「どぎなさい!このいなかもの!!」 「今あなたがやろうとしてることのほうが田舎者よ?顔なんて特に田舎者丸出しだし」 「だまれ!どかないならこのありすのぺにぺにですっきり!ころしてやる!!」 一か八かありすのぺにぺにでゆうかを犯し殺そうとぺにぺにを起たせるが・・・ 「俺の大切なゆうかに何しようとしてる!!!」 ジョキン!! 「ゆぎゃああああああ!!!!?ぺにぺにが!!!!!????」 お兄さんが持っていたハサミでぺにぺにを切り落とした。この世とは思えない叫び上げた。 「ありす、加工場に勤めてる知り合いから聞いてんだよ。 お前、人間と友好に築いていたむれを駆除してもらうために加工場の職員に嘘言って逃げたんだってな。」 「いや゛あああもど・・・どうじでぞれ゛をじっでるのー!?」 「地元の人が駆け付けたお陰で全滅は避けられたらしいが生き残ったゆっくりに聞いたらすっきりを少し制限しただけだってな。 しかも、そのむれは死にかけたお前を助けてくれたそうじゃないか。たかがすっきりを少し制限しただけで加工所に始末してもらおうと考えるなんて お前田舎者とか已然にあやゆるものの中で最低だよ」 ありすはぺにぺにを失ったショックで聞いてなかった。はぁーとため息を突くお兄さん。 「恩を仇で返すどいなかもののありすにピッタリな地獄へ送ってあげるよ」 ゴミ袋にありすを入れた。 「ぞんな゛のどがいばじゃない゛!!だしで!ごごがらだじで!!」 「暴れるな・・・害虫以外」 「むべぇぇぇ!?」 お兄さんは袋に入っているありすを蹴り黙らせた。 「すいませんでした、加工所のみなさん。それではゆっくりたちを捕獲するの手伝ってください。」 お兄さんの一言で物陰から数人の加工所職員が現れた。加工所の職員に残りのゆっくりの捕獲を手伝ってもらった。 するとぱちゅりーは叫んだ。 「もどわどいばざなえがいなくなるのがわるいんだわ!」 さっきまで罵倒していたゆっくりたちはピタリと止んだ。 「ぞう・・・よ、ぜ・・んぶざなえ・・のぜいよ・・・」 「「「「「「「「「そうだよ!こうふくをよぶくせに」」」」」」」」」 「「「「「「「「かっていなくなったさなえがわるいんだよ!」」」」」」」」 「「「「「「「「「げすさなえはしね!!!」」」」」」」」」 気力を取り戻したぱちゅりーはさなえがいなくなったから悪い。 そうだその通りだと全てさなえのせいだとぱちゅりーの言葉に同調したゆっくりたちが騒ぎ出した。 だが、これがお兄さんの堪忍袋を崩壊させた。 「全くよ・・・テメェらは・・・」 「むほ・・・!?おそらとんでるみたいー!!」 お兄さんはありすの入った袋を持ってぱちゅりーに近づいた。 ぱちゅりーは突然出来た影に気づき、ふと上を見上げた。それと同時にありすの入った袋が・・・ 「関係無い・・・さなえに責任転換してんじゃねぇ!!」 「ゆぎゃあああああ!!!??」 「ゆひっ!?」×むれ一同 直撃した。さなえへの罵声がぴたりと止んだ。 「たく!俺の新しい家族をゲスだと!!!この状況になったのは散々好き勝手していたテメェらが原因だろうが!!!」 ゆっくりたちはお兄さんの姿を見てガタガタ震えているだけであった。 「テメェらが自分達の意志でこの大嘘つきの言葉を真に受けたんだろうが!!それでさなえが悪いだぁ!?ふざけるのも大概にしろ!!」 お兄さんの叫びは加工所の職員達の手を止めるほどであった。 ゆっくり達はここでやっと理解出来た。この人間は決して怒らせてはならない分類に入ると・・・。 「お兄さん、落ち着いて・・・!」 「…すまない、ゆうか。少し自分を忘れかけた・・・」 ゆうかの宥めでお兄さんは冷静さを取り戻した。 「まってね!にんげんさん!?」 「まりさたちはそのげすにだまされたんだぜ!」 「ありすたちはひがいしゃなのよ!!」 「そうだよーわかってねー!」 「びっくまぐなむ!!」 逆らえば殺されると理解したゆっくりたちはぱちゅりーが悪いと騒ぎ出した。 「騙されたか・・・確かにお前等は被害者かもな。だけど、それがどうした?」 「ゆっくり・・・・なんで!?」×むれ一同 これで許してもらえると思い顔をにやけたゆっくりたちは男の発言に再び凍りついた。 「それを抜きにしたってお前等は人間を傷つけようとしたんだろう? いくらゆっくりが弱いといっても子供や年寄りが大勢のゆっくりに襲われたら命にも関わる・・・。」 「「「でも・・・」」」 お兄さんはとても冷たい眼でゆっくりたちを見て宣言した。 「つまり、お前等は害虫じゃなく危険生物にクラスチェンジしちまったんだ。 同情で逃がすなんて出来ねぇ。お前等は自分達で助かる糸口を塞いじまったんだよ」 ゆっくりたちはただ呆然としていた。 「あ、お前らの言うさなえは俺とゆうかがしっかり面倒をみるから安心しろ。だからお前らは・・・。」 再びお兄さんの瞳は冷たく光る。 「自分のした愚かさとさなえを利用していた代償。しっかりこれから行く地獄で償ってきな」 「む・・・む・・きゅ」 「むほ・・むほ」 「ぞ、ぞんなー!!!!??」×むれ一同 この後、ゆっくりたちは抵抗したが逃げられる筈もなく全て生け捕りにされた。 この日、公園のむれは崩壊した・・・。 「ゆっくりの捕獲終わったぞ」 「おう、ありがとう。悪いな、手伝ってもらって」 「気にしなくていいさ。いずれは駆除の要請があったんだ。それに潰すよりも捕獲の方が楽だし」 「そうなのか?」 「ああ、潰すと掃除しなきゃいけないからな」 「隊長、ゆっくりをトラックに入れ終わりました!」 「よし、分かった!では、加工所には送らず予定通りの場所に運んでくれ」 「了解しました!」 お兄さんと話しているこの加工所の職員。実はお兄さんの知り合いで加工所駆除班の隊長を務めている。 今回のむれのゆっくりたちの捕獲はお兄さんだけでは無理だったので協力を要請したのだ。 「タダ働きに近いことさせてごめんな。駆除隊員の人たちにも申し訳ないよ」 「いや、あいつ等のことは気にするな。だって――」 「お兄さん達ー!ゆっくりを捕まえてくれてありがとう!ゆうか助かったよー!」 「うおおおお!気にしないでくれ、ゆうかちゃん!!!」 「君のためならお兄さん達は平気さ!!!」 「ゆうかちゃん!写真いいかな?!」 「うん、いいよ♪」 「「「よっしゃあああああ!!!!」」」 いつの間にかゆうかの撮影会が始まっていた。 「御覧の通り、あいつ等はあれで満足だから」 「そうみたいだね(ピロピロ)お、電話だ。ちょっとごめん。もしもしー」 電話の相手は今回のもう一人の協力者でありお兄さんの知り合いだ。 「ああ、捕獲成功したから加工所の方々が今日中に運ぶって」 「あと二匹程俺が少し改良するから明日には届けるよ。安心しろ、いい見世物になる」 お兄さんの足元には箱と袋が置かれていた。 「そんじゃなー。(ピッ)」 「もう時間的にそろそろ行かないとな。お前達、撤収するぞ!」 「「「どうじでぞんなごどいうの!!!??」」」 突然の撮影会終了に思わずゆっくり口調になる隊員たち。 「やかましいわ!ほら、いくぞ!!」 「お兄さん達~!本当にありがとう!」 隊長に引っ張られる隊員達をゆうかは手を振って見送った。 「ゆうか、お疲れ様」 「う~ん、ゆうかこれ位しかお兄さんの役にたてなかった・・・」 「そんなことないさ。枝を咥えたゆっくりが襲ってきたとき助けてくれたじゃないか。ありがとう、ゆうか」 「お兄さん・・・えへへへ♪」 お兄さんはゆうかの頭を優しく撫でた。ゆうかにとってこのなでなでがあれば他に何もいらない。 「さてと、かなこさまのところで待ってるさなえを迎えに行こうか」 「うん!」 二人はゆっくりたちが住んでいた公園を後にした。 余談だが、あの後住民は公園の野良対策をしっかり行った。 環境が整った公園は、いつしか飼いゆっくりと飼い主の交流スポットとして少し有名になったそうだ。 後編へ 中編です。見ての通り野良達の制裁パートです。さなえが登場しませんでした(汗) せめて脱字が無いよう見ましたがもしかしたらあるかも知れませんがお許しください。 好きな人にはでれでれで、好きな人を馬鹿にした奴には我を忘れてつんつんする(キレる)というゆうかは気にいて頂けたでしょうか? 因みにこの世界では『人間と胴付きとの結婚は認められている』という設定です。 だから、ゆうかはお兄さんのお嫁さんになるため日々努力をしています。そして、暴走もしています(笑) そんなシーンも書きたかったのですが無理に入れると色々と勿体無いと思ったので今回は省きました。 後編は時間が掛かるかもしれませんが投げ出さないのでご安心を。 それでは今回はこの辺で・・・。
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「ゆぅ………ここはどこなの?………」 薄暗い部屋でれいむは目を覚ました。 「ゆゆ!まりさ!まりさ!さっさとめをさましてね!ここはなんだか、ゆっくりできないきがするよ!」 「ゆぅ…なんなんだぜ?…ゆゆ?!ここはどこなんだぜ?」 れいむは隣にまりさが居る事に気がついた。 れいむの呼びかけにより、まりさが目を覚ます。 「ゆ!おちびちゃんはどこなんだぜ?!おちびちゃーん!いるならへんじをするんだぜ!」 まりさは薄暗い部屋を見渡し、自分の子供達に呼びかける。 そう、このまりさには3匹の子ゆっくりが居た。 れいむ種二匹にまりさ種1匹。 だが、部屋を見渡しても何処にも姿は見えなかった。 「ゆぅ…れいむ、おちびちゃんたちをさがすんだぜ!」 「どうしてそんなこと、しなくちゃならないの?れいむはおなかがすいているんだよ!まりさが、がんばってさがしてね!」 「そんなこと、いってるばあいじゃないんだぜ!いっしょにおちびちゃんたちを、さがすんだぜ!」 「ゆぅ…わかったよ!だけどついでに、たべものもさがすよ!」 まりさの説得でようやく重い腰(?)をあげるれいむ。 もっとも、れいむにとっては子供たちは二の次であるが、二匹は自分達の子供を捜すことにした。 だが、それもすぐに終わった。 「ゆんぶぅ?!」 「ゆげべぇ!」 二匹は少し飛び跳ねた所で、透明な壁に思いっきりキスをした。 「ゆぅ…なんなんだぜ、このかべさんは?!」 「いだいぃぃぃ!れいむのきれいなおかおがぁぁぁぁ!」 部屋が薄暗くて気がつかなかった様だが、この二匹は透明な箱に入れられていた。 まりさは壁に必死で体当たりをするが、当然そんなものではビクともしない。 そんなまりさとは対照的に、れいむはしきりに痛がっていた。 「何か五月蝿いと思ったら、やっとお目覚めか…」 部屋の一角から急に差し込む光に、思わず目を細める二匹。 そこには一人の男が立っていた。 「ゆゆ!なにかとおもえば、くそじじいなんだぜ!やい、くそじじい!ここはどこなんだぜ! おちびちゃんはどこなんだぜ!それから、あまあまをよういするんだぜ!」 「れいむはおなかがすいているんだよ!さっさとあまあまをよういしてね!たくさんでいいよ! それから、おちびちゃんをかえしてね!」 二匹は部屋に入ってきた男に向かって罵声を浴びせる。 男はそんな二匹を眺めながら、笑顔で話しかけてきた。 「ははは、流石に元気がいいね。まあ、それくらいじゃないと面白くないけど… それより、君達に聴きたい事があるんだけど………」 「そんなことは、どうでもいいんだぜ!さっさとこっちのようきゅうに、こたえるんだぜ!」 「あたまのかわいそうなじじいだね!れいむのいってることがわからないの?ばかなの?しぬの?」 男に向かってさらに罵声を浴びせる二匹。 だが男は一切表情を変えることなく、自分のペースで二匹に語りかける。 「これに見覚えはあるかい?」 男はそう言うと、二匹の目の前に二本の木の枝をちらつかせる。 「ゆん?ただのきのえだなんだぜ!それがどうかしたんだせ?」 「そんなことはどうでもいいよ!さっさとあまあまをもってきてね!れいむはおなかがぺこぺこだよ!」 男は表情を変えずに、二匹の頭に持っていた木の枝を突き刺した。 「ゆぎゃん!いだいんだぜぇぇぇぇ!!」 「ゆぎゃぁぁぁぁ!いだいぃぃぃぃぃ!!」 「どうだい?少しは思い出してきたかい?この枝について」 枝を頭に生やしながら、泣き叫ぶ二匹。 男はそんな様子を見て、再度問いかける。 「やっぱり分からないのかい?この枝で僕のさなえを傷つけた事も思い出さないのかい?」 少し悲しそうな目をして二匹に問いかける男。 二匹はそんな様子に気がつく事もなく、ただ痛がっているだけだった。 「どぼじでごんなごどするんだぜぇぇぇぇぇ?!」 「ゆるさないよぉぉぉ!このくそじじいぃぃぃぃ!!」 「許して貰わなくてもいいよ、僕も君達を許す気はないしね…」 そう言うと男は二匹に刺さった枝を抜き取ると、 目の前に円筒状の透明なプラスチックの容器を2つ用意した。 「おそらをとん…なにするんだぜぇぇぇ!はなせ!このくそじじぃぃぃぃ!!」 男はまりさを持ち上げると、プラスチックの容器の中にまりさを収めていく。 容器はまりさに丁度良い位のサイズで、殆ど隙間なくぴったりと収まった。 若干高さには余裕があるものの、それでも容器の半分ほどは体で埋まっており、 トレードマークの黒い帽子の先だけが、容器の外に顔を出していた。 「ゆぐむぅ?!せまいんだぜぇぇぇ!はやくここからだすんだぜぇぇぇ!!」 必死に叫び体を動かそうとするまりさであったが、 プラスチックの壁が体に密着して、思うように動けないでいた。 男は同じようにれいむも容器の中に納めていった。 「ゆぎゅぅぅぅぅ?!せまいぃぃぃ!くるじぃぃぃぃぃ!!はやくここからだぜぇぇぇぇぇ! それとあまあまもよこせぇぇぇぇ!!」 れいむは、まりさよりも若干大きく、というか太っていたので、容器の幅が狭く感じるらしい。 実際に2/3ほどの高さまでに、その体が収まっている所をみると、やはりまりさよりは体格が良いらしい。 男は二匹が収まりきると、容器にプラスチックの蓋をした。 この蓋は少々特殊な形をしていた。 円上の蓋の中央に太いネジのような物が飛び出しており、その天頂部はコックの様な形をしていた。 そう、この容器は重しいらずの漬物器だったのだ。 蓋をしっかり閉めた事を確認した男は、まりさの入った容器の蓋のコック部分を回していった。 蓋についた太目のネジに連動して、蓋の内側から圧し蓋がまりさに迫っていく。 「ゆっぐぅ?!なんなんだぜこれはぁぁぁぁ?!あたまがおもいんだぜぇぇぇぇ!! ゆっがぁぁぁ?!どうなっているんだぜ!!」 頭上の異変に気がついたまりさは、頭上の方に目をやると叫びだす。 帽子は圧し蓋に押しつぶされて、まりさを圧迫し始めた所で準備は完了した。 続いてれいむにも同じ処置をする。 れいむは、まりさよりも高さがあったため、さほどコックを回さずとも頭上に圧し蓋が達した。 「ゆんぎゅぅぅぅぅぅ?!なんだかあたまのほうがくるしいよ!はやくこれをどかしてね!」 「そんな事よりこっちを見ておくれよ、これから君達がどうなるかをこれを使って教えてあげるから」 そう言うと男は、二匹の前に同じ容器を置いた。 ただ違う事と言えば、中には一匹の子ゆっくり、子れいむが入っていた。 「ゆんやー!おちょーしゃん!おかーしゃん!はやくれーみゅをたしゅけちぇー!」 「ゆわぁぁぁ!おちびちゃん!やいくそじじい!はやくおちびちゃんを、そこからだすんだぜ! それから、ほかのおちびちゃんは、どこにやったんだぜ?いいかげんにしないと、まりさはおこるんだぜ?!」 「ゆわぁぁぁ!おちびちゃん!それよりも、れいむをここからだしてね!それからあまあまちょうだいね! あまあまをくれたら、おちびちゃんと、まりさをだしてあげてね!」 まりさよりも、れいむの方がゲス度が高いのか、我が子の身を心配するまりさとは異なり、自分が第一優先のれいむ。 そんな様子を特に気にする事もなく、男は淡々と子れいむの蓋のコックを回し始める。 「おちびちゃん!はやくそこからにげるんだぜぇぇぇ!!」 「まりさ!はやくおちびちゃんをたすけてあげてね!それから、このくそじじいをやっつけて、あまあまもってきてね!」 「ゆぅぅ?!おちょーしゃん、おかーしゃん、どうしちゃの?なんでたしゅけちぇくれないにょー?!」 子れいむに向かって無茶な注文をするまりさ。 れいむはそれ以上に無茶な注文をまりさにしていた。 男はさらにコックを回していく。 圧し蓋はどんどん下がっていき、ついに子れいむの頭上に達した。 「ゆぴょ?!ゆぐぐぐぐ…これなんにゃのぉぉぉ?!」 頭に圧し蓋が触れると同時に、身を低くする子れいむ。 だが、それを許さないかのように、男はさらに圧し蓋で子れいむを圧迫する。 少し潰れるような格好で動けなくなった子れいむは、泣きながら親に助けを求めた。 「ゆんやぁぁぁぁ!おちょーしゃ!おかーしゃ!くるちーよぉぉぉぉ!はやくたすけちぇぇぇぇ!! ここはゆっくちできにゃいぉぉぉぉぉ!!」 「ゆっがぁぁぁぁ!なにをしているんだぜ!はやくおちびちゃんを、そこからだすんだぜぇぇぇ!!」 「おちびちゃん!!なにしてるの、くそにんげん!はやくれいむをここからだしてねぇぇぇ!!」 そこで一旦、男は手を止めた。 そして子れいむの顔が良く見える様に、子れいむの容器を二匹の容器に近づける。 「お別れは済んだかい?じゃあ、ここから一気に潰していくから、よく見ていてね」 男は二匹に優しくそう言うと、再び子れいむの圧し蓋を下に下げていった。 「ゆぎぎぃぃぃぃ!いだいぃぃぃぃぃ!くるちぃぃぃぃぃ!れーみゅが…きゃわいいれーみゅが、ちゅぶれるぅぅぅぅ!!」 「ゆわぁぁぁ!おちびちゃん!おちびちゃん!ゆっくりしてね!ゆっくりしてね!やめろ、くそじじい! はやくおちびちゃんを、たすけろぉぉぉぉ!!」 「ゆっがぁぁぁ!どうなってるのぉぉぉぉ?!れいむにの、かわいいおちびちゃんがぁぁぁぁ!!」 少しずつ、確実に潰れていく子れいむ。 ようやく、自分似の子れいむが危ない事を理解したれいむは、あわてて子れいむの身を案じる。 一方、我が子を助ける事が出来ないまりさは、男に向かって必死に罵声を浴びせる。 このまりさは自分の強さに自信があった。 故に罵声を浴びせ続ければ、男は自分に恐怖し、自分の言う事に従うだろうと考えていた。 だがそんな考えも空しく、子れいむは確実に潰されていく。 「ゆっびょぅぅぅぅぅ!このくぞおやがぁぁぁ!どぼじでたしゅけでくれないのぉぉぉぉぉ!! ゆぐぎぎぎぎぎぎっ!………ぎっべぇえぇぇぇぇ?!」 壁際に居たおかげで、目玉は飛び出さなかったが、 あにゃると口から大量の餡を噴出し、子れいむは昇天した。 「ゆっ!……………………ゆっがぁぁぁぁぁぁ!!おちびちゃんがぁぁぁぁぁぁ?!」 「くぞじじいのくぜにぃぃぃぃぃぃぃ!!よくもれいむにの、かわいいおちびちゃんをぉぉぉぉぉ!!」 二匹は目の前で無残に潰された子れいむを見て、その怒りと悲しみを男にぶつけていた。 だが、男は特に気にする様子もなく二匹に話しかける。 「はいはい、ゆっくり、ゆっくり………で、君達がこれからどうなるか、なんとなく解ったかい? 君たち風に言えば、『ゆっくり、りかいできた?』………なんてね」 自分達の子供を殺しておいて、なおも平然としている男にさらに腹を立てる二匹。 男に向かって、半分言葉にもなっていない様な罵声を浴びせ続ける。 そんな様子に流石に五月蝿いと思ったのか、男は一瞬顔をしかめた。 「ちょっと君たちは五月蝿いね、少し静かにしてくれないかな?」 男は優しく笑いかけながらそう言うと、二匹の漬物器を締め上げていった。 「ゆっぎぃぃぃぃ!ぐるじいぃぃぃぃ!やめろぉぉぉぉ!やめてぇぇぇ!やめてくださいぃぃぃぃ!!」 「ゆっぎゃぁぁぁ!たすけでぇぇぇぇ!くるじぃよぉぉぉぉぉ!ゆっくりできないぃぃぃぃ!!」 「苦しいのが嫌だったら、少し静かにしててくれないかな?理解出来る?」 「「ゆっくりりかいじばじだぁぁぁぁぁ!!」」 両目を大きく見開き、歯を食いしばりながら、二匹は声をそろえて叫んだ。 男はそれに満足したように微笑むと、二匹に向かって問い掛けた。 「じゃあ、理解してくれた所で、色々聞くけど良いかな?」 「ゆん!なんなんだぜ、くそにんげん!」 「ちょっと言葉遣いが悪いね…もう少し苦しんでみるかい?」 「ゆっひぃ!ごめんなざい、にんげんさん!な、なんでしょうか?」 あっさりと態度を変えるまりさ。 れいむも苦しいのは嫌なのか、ただ黙ってその様子を見守った。 「君達はどうやって、この家に入って来たんだい?さなえに聞ければ良いんだけれど、 それも出来なくなってしまったからねぇ…」 悲しそうにそう呟く男。 まりさは、拙いながらもこの家にやって来た経緯を話し始めるのだった。 男は根気良くまりさの話に耳を貸した。 まりさの話によれば、まりさ一家はこの家を見つけて、中に進入しようとしたがガラス戸が硬くて割れなかった。 困り果てている所に、家の中にいるさなえに気がついた。 まりさは自分の子供の具合が悪いからと嘘をつき、家の中で休ませて貰える様にさなえに頼んだ。 当然さなえも最初は断ったのだが、野良一家があまりにも可愛そうに見えたため、 つい同情してしまい、ゆっくり用入り口の扉の鍵を開けてしまったようだ。 「………と、いうわけなんですぅぅ!さなえがばかだった…いえ、さなえのせいで、 このおうちに、はいることができたんですぅぅぅ!」 「なるほどね…確かにさなえは少々間抜けなところがあったようだね」 「ゆ!そうなんだぜ!あのさなえは、おおばかだったんだぜ!」 男がまりさの主張に同意すると、途端に調子に乗り出すまりさ。 だが、男はそんなまりさを静かに睨みつける。 「だけど、君達はそれ以上の大馬鹿のようだね。 さなえさえ無事だったら、君達にこんな事はしなかったのに…」 そう言うと男は、まりさの漬物器を締め付け始めた。 「じゃあ、もう一つ聞くけど、なんでさなえを攻撃したんだい?」 「そ、それは…さなえにはわるいけど、まりさたちはすてきなおうちが、ほしかったんだぜ! さなえには、うらみはないけどしかたないのぜ!だからやめてほしびぎぃ! おねがいじまずぅぅぅぅ!!」 「そうか…でも僕には恨みしかないよ…」 男はさらに漬物器を締め付ける。 「ゆっぎぃぃぃ!なんでぇぇ?!どぼじでこんなこどするのぉぉぉぉ?!ゆっぎょぶぅぅぅぅ!!」 「やめてね!まりさがくるしがっているよ!だから、さっさとれいむをたすけてね!おねがいだよ!」 「何言ってるんだい? どうしてだって? それは、君達が先に僕の飼いゆっくりに手を出したのが悪いんじゃないか… それさえなければ、こんな事はしなかったのに……… ……………………こんな感情に目覚めなかったのにね………」 「「ゆっひぃ!!」」 突き刺さる様などす黒い殺意に、二匹は本能的に気が付き、 そして恐怖した。 男はまりさの漬物器を締め上げるのを止めて一旦部屋を出ると、今度は子まりさを連れて戻ってきた。 子まりさは男に乱暴に握られており、痛いのか苦しいのか、泣きながら必死に親に向かって助けを求めていた。 「ゆびぇぇぇぇぇん!こわいのじぇぇぇぇ!おちょーしゃん、おかーしゃん!たすけちぇほしいのじぇぇぇぇぇぇ!!」 強く握られている為に、その体はなすび状に変形しており、 唯一自由が利く底部の方を必死にブリブリと動かしていた。 「にんげんさん!やめてください!おちびちゃんに、ひどいことしないでほしいんだぜ!」 「ゆわぁぁぁ!おちびちゃんがぁぁ!まりさにの、かわいくない、おちびちゃんがぁぁぁぁ!!」 先程とは一転して、すっかり態度が変わってしまったまりさ。 必死に男に呼びかけるが、男は相変わらず優しい顔で微笑んでいた。 だが、その笑顔を見てもまりさは決してゆっくり出来なかった。 男は片手で器用に潰れた子れいむの入った漬物器の蓋をはずすと、 その中に握っていた子まりさを叩き付ける様に投げ入れた。 「ゆっぴぃ!ゆびゃぁぁぁん!おかおがいたいのじぇぇぇぇぇ!ゆっくちできにゃいのじぇぇぇぇぇ!!」 先程よりも一掃大きな声で泣き喚く子まりさ。 叩きつけられたショックか、痛みからか、しーしーも一緒に垂れ流していた。 男は圧し蓋を一番上まで撒き戻すと、子まりさの入った漬物器の蓋を閉めた。 「やめてください、にんげんさん!おちびちゃんに、ひどいことしないでくださいぃぃぃ!」 「やめてね!れいむにひどいことしないでね!おちびちゃんと、まりさはついででいいよ!」 相変わらず、自分優先のれいむ。 男はそんなれいむを冷ややかに見つめながら、優しくまりさに話しかける。 「おちびちゃんを助けてほしいのかい?」 「と、とうぜんだよ!ゆっくりたすけてあげてね!」 「それはいいけど、でも只って訳にはねぇ………」 男は優しく笑いながらまりさを見つめる。 「ゆっ!ゆぅ…そ、それならまりさを、なぐっていいんだぜ!きのすむまで、まりさをなぐっていいんだぜ! それで、ごめんなさいにしてほしいんだぜ!」 まりさは必死に男に訴えた。 男はそんなまりさを興味深そうに見つめる。 「ごめんなさいって、君は悪い事したと思っているのかい?」 「ゆっ!ゆぅ…さ、さなえには、ひどいことをしてしまったんだぜ」 「本当にそう思っているのかい?」 男はまりさの目を見つめながらそう言った。 まりさも、男に悲願する様なまなざしを向ける。 「そうだよ、だからまりさが、おちびちゃんのかわりに、せいさいさせるんだぜ! それで、ゆっくりごめんなさいなんだぜ!」 男はそんなまりさを見て鼻で笑った。 「何か勘違いしていないかい?僕は別に謝罪の言葉が聞きたいんじゃないんだよ。 僕は君達がもっと苦しむ姿が見たくなったんだよ。 もっと泣き叫ぶ姿が見たくなったんだよ。 だからさ……… 親子そろって苦しんでいってくれないか?」 「ゆ?…………」 男はそう言うと、まりさ親子の漬物器を締め付けていった。 「ぎっぎぎぎ…ゆげぼっ…がが…ぎ…げ……げげ…ぼうやべ……げげ…げ………ごべんなざ……ざ…」 「ゆんやー!まりちゃ、ゆっくちはねられないのじぇぇぇぇ!」 先程よりも、大分圧し潰れてきたまりさ。 両目を見開きだらしなく泣いている。 餡を吐きたくても、プラスチックの壁に阻まれて、餡を吐く事が出来ない。 同様に、あにゃるからも餡の放出はされなかった。 それ故に生き長らえてはいるものの、それが更なる苦痛をまりさに与えていた。 一方子まりさの方は、潰れた子れいむを見て驚き逃げ回っていたのだが、 迫り来る蓋のせいで思うように跳ねられず、必死で泣き喚いていた。 そんな様子を見ながら、れいむは必死にブツブツと 「れいむだけはたすけてください」 だの、 「ごめんなさい」 だのと、意味もなく繰り返し呟いていた。 そんな様子に気がついた男は一旦手を止めて、れいむに語りかける。 「君はさっきから自分の事ばかりだね…そんなに自分が可愛いの?」 「ゆ?!………と、とうぜんだよ!れいむはこのよで、いちばんかわいいんだよ!」 れいむは先程の恐怖も忘れたかの様に、自信たっぷりにそう言った。 「そうか…ふーん………で、君は、悪い事したと思ったりしているのかい? それとも、ただ、助けて欲しいだけなのかい?」 「ゆゆ?!なにいってるの?れいむはなんにも、わるいことなんてしてないよ! でも、じじいはれいむをいじめるんだよ!だから、ゆっくりたすけてね!」 まるで何も悪い事をしてないかの様な態度をとるれいむ。 男はそんなれいむを見て、一掃楽しそうに微笑んだ。 「いい根性だね、気に入ったよ……… なんだか、徹底的に苛めてみたくなったよ」 「ゆ?………ゆっひぃぃぃぃぃぃぃ!」 男の笑顔を見て、一掃怯えるれいむだった。 その後、男はれいむを漬物器から無理やり取り出した。 元々が太っていた上に、それを押し込める形で圧縮していたので、取り出すのには苦労を要した。 その際に、多少れいむの皮が破れたりもしたが、男は特に気にもせず、そのままれいむの足を焼いた。 その上で、効果はないだろうと思いつつも、目の前で一匹残っていた子れいむをいびり殺した。 れいむは男の予想通り、自分の身を案じるだけという結果に終わった。 そこで男は、れいむの目の前に大きな鏡を用意した。 れいむは鏡の中の自分を見ると、品定めするかの様に、隅々まで観察し始めた。 「ゆゆ!なんなの、このれいむは?!なんだかゆっくりできないれいむだね!」 自分の姿を見てそう呟くれいむ。 たしかに、鏡に映ったれいむの姿は、お世辞にも「ゆっくりした」れいむとは言えるものではなかった。 少し変形したままの頭部。 押しつぶされて、歪んだままのリボン。 でっぷりと肥った上に、所々傷だらけで、薄汚れた体。 そんな自分の姿を見て鼻で笑っていた。 「いや、ゆっくり出来ないっていってもね…それは君自身なんだよ?」 「ゆゆ?!なにいってるの?れいむは、こんなにきたなくなはいよ!こんなゆっくりできない、ゆっくりじゃないよ!」 男の発言に、少し怒り気味のれいむ。 これまで酷い目に合わされてきたにも拘らず、未だに強気の態度であった。 「いや、だってさ、ほら、よく見てみなよ。あのりぼんは、れいむのリボンじゃないのかい?」 「ゆん?おりぼんさん?」 れいむはそう言われ、改めて鏡の中のれいむのリボンを見つめる。 薄汚れて変形してるものの、そのリボンには見覚えがあった。 確かにそれは自分のリボン、自分の半身であった。 その事に気がつくと、れいむは鏡の自分に向かって怒り出した。 「やい!そこのくそれいむ!どうしておまえが、れいむのこうきな、おりぼんさんをもっているのぉぉぉぉ?!」 男はそんなれいむを見て、堪らず笑い出した。 「はっはっは!君は面白いなぁ、君のリボンはちゃんと頭に付いているだろう?」 男はれいむの頭のリボンを毟り取って、目の前に放った。 「ゆん!なにするくそじじ……い?………」 れいむは目を白黒させながら、目の前のリボンと鏡に映ったリボンを見比べる。 「…ど、どうなっているのぉぉぉぉ?!」 「ふふふ…君は鏡に映った自分の姿を見て、ゆっくり出来ないだの、汚いだのって言ってたんだよ」 男は笑いを堪えながら、なおも続けた。 「どう?少しは自分が見えてきたかい?」 「な、なにいってるの?これはなにかのまちがいだよ!いいかげんにしてね!」 「間違いって言うなら、君の存在が間違いかもね。」 「なにいってるのぉぉぉ!れいむはまちがってなんかないよぉぉぉぉ!じじいが、いじわるしてるだけだよぉぉぉ!!」 男の物言いに、負けじとれいむも応戦する。 だが、男はそんなれいむが可笑しいのか、笑いながらも話を続けた。 「ふふふ…確かに、僕は意地悪かもしれないね…くっくっく…でもね、それは君達がわるいんじゃないか… 君達がこの家にやってきたのが間違いだったんだよ。はっはっは………」 「ゆぅ…なにをいって………」 「こんな目に遭いたくなければ、ここに来なければ良かったじゃないか… こんな思いをしたくなければ、ここに来なければ良かったじゃないか… こんな目に遭いたくなければ、生まれてこなければ良かったんじゃないの? こんな思いをしたくなければ、生まれてこなければ良かったんじゃないの? そうすれば、僕等は出会うことはなかった、僕は目覚める事はなかった。」 「なにいってるのぉぉぉ!れいむはゆっくりしているだけだよ! ゆっくりしたいだけだよ!それをみんなが、じじいがいじめるんだよ! じゃまするんだよぉぉぉぉ!! れいむだっていきているんだよぉぉぉぉぉ!!」 「だからそれが間違いなんじゃないのかい? れいむがれいむとして生まれてきたから、こんな目に合うんだって… それにさ…僕は、元々ゆっくりを苛めたりはしない人間だったんだよ。 それが、君達が僕の家にやってきたから…僕の飼っていたさなえを……… だから、君達に殺意が芽生えたんだよ…苦しめてから殺してやろうってね… でも、君達を苛めているうちに、なんだか楽しくなってきてね」 「ゆ?……ゆ?………?…ゆ??…………」 れいむは己の思考が追いつかなくなったのか、ただ、「ゆ…ゆ…」と繰り返すだけだった。 男はそんなれいむを気にしていないのか、さらに続ける。 「でも、まさか君達みたいなプライドの高いゆっくりを苛めるのが、こんなに楽しいなんて思わなかったよ。 だからお礼を言わせてくれ………」 「ゆ?」 「れいむにまりさ、本当にありがとう」 「……………ゆ!」 「お礼にたっぷり苦しめてから殺してあげるよ…何が良いかな?… もう一度漬物気分を味わってみるかい?それとも、コンポストってやつになってみる? それとも………」 すでにれいむは、男の声が聞こえていなかった。 れいむはゆっくりなりに、足りない頭を絞って考えていた。 なぜ、こんな事になった? なぜ、この人間はれいむを苛める? なぜ、この人間はれいむをゆっくりさせない? なぜ、この人間はれいむにお礼を言った? なぜ、この人間はれいむを苛めるようになった? なぜ? なぜ? なぜ?……… なぜ?…… なぜ?… そして一つの結論にたどり着いた。 「そうだね…せっかくだから、いろいろやってみようか?ね、れいむ?」 れいむは男の問い掛けには答えようとはしなかった。 いや、れいむは聞き取れないほどの声で、何かをブツブツと喋っていた。 「れいむ?どうしたんだい?」 「………………………カッタノ?……キタノガワルカッタノ?…………?」 さすがに男も不審に思い、れいむの様子を見守る。 しばらくすると、れいむは再び鏡に映った自分を見つめる。 そして、狂ったように叫びだした。 「このくそれいむがぁぁぁぁ! れいむがうまれてきたせいで! れいむがうまれてきたせいでぇぇぇぇ!! だかられいむが、こんなひどいめにあうんだよぉぉぉぉ! つらいおもいをしているんだよぉぉぉぉ!! このくそれいむがぁぁぁぁぁ! せいっさいっしてやるよぉぉぉぉぉぉ!!」 それからしばらくの間、れいむは鏡の自分に向かって叫び続けた。 男はそれをしばらく興味深そうに見ていたが、5分もしない内に飽きてしまった。 れいむの叫びは、自問自答の末に辿り着いた結論なのか。 自分に責任がないと思い込みたいがために、鏡の自分に向かって叫んでいるのか。 自己保護のために、仮想敵を作り出して叫んでいるのか。 それはれいむにしか解らない。 ただ、確かなのは、れいむは壊れてしまった。 「いやー色々助かったよ。まさか、さなえも無事復活するとは思わなかったし…いろいろありがとう」 「完全復活って訳でもないだろう?怪我が治ったのは良いけど、反動で『ゆるさなえ』になってしまったみたいだし」 男は友人と話をしていた。 その手の中にはさなえが、いや、ゆるさなえが得意そうな顔をしている。 「でも、俺の知識とか、ゆ虐経験が役に立って良かったよ。 それにしても、昔はあんなに喧嘩したりしてたのになぁ…」 「まったくだよ…」 そう、男と友人は古くからの知り合いであったが、ゆっくり愛で派と虐待派で度々口論になっていた。 ところが、男の家に野良がやってきて、飼いゆっくりのさなえが瀕死にされた事からこの友人を頼より、 結果として、仲良くなってしまったのだ。 「それにしても、お前のおかげで面白い物が見れたよ。 色々話を聞かせてもらったけどさ、あのれいむって『でいぶ』だよな?」 「だったのかな?」 「いや、『でいぶ』だろうあれは…それがさ、特に痛めつける訳でも、お飾りを壊す訳でもないのに あそこまでの廃ゆっくりにしてしまうなんてな………お前、けっこうなSだろう?」 突然、虐待の先輩である友人にそんな事を言われ、少々ムッとする男。 「そうかな?君ほどでもないと思うけど…」 「だってさ、あの一家を飽きちゃったからって俺の所に持ってきた時は本当に驚いたって。 親まりさは変な汁出して、生きながら本物の漬物っぽくなってるし、 子まりさは死ぬほどゆっくりできない顔で、芋虫のように這うことしか出来なかったし。 それに、あの壊れでいぶだろ?お前、最高だよ!才能あるよ!」 「それって褒めてるの?あまり嬉しくないんだけど…」 男は面白くなさそうにそう言う。 それに友人が気が付いたのか、すかさずフォローに入る。 「まあ、気にするなって…でさ『ゆるさなえ』なんだけどな… それって確か、れいむ種を妙に嫌っててな… でさ…その『ゆるさなえ』とれいむを戦わせて見たいとか思わないか?」 「それ本当なのか?面白そうだな…」 「ゆるさなえ!」 そんな友人の言葉に、目を輝かせる男とゆるさなえであった。 些細なきっかけで、一人の鬼と狂戦士を目覚めさせてしまったれいむと野良一家。 やはり男の言う通り、彼女たちは生まれて来るべきではなかったのだろうか? 何はともあれ、楽しそうに語らう男二人とゆっくり一匹であった。 完 作者は実は漬物器を使った事がありません。 実家にあるのを見て、ゆ虐に使えそうなアイテムだと思ったのでやってみました。 故に漬物器の各パーツの名称が違っていたらすみません。
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『サイレントセレナ(前編)3/3』 21KB 不運 差別・格差 群れ 野良ゆ 現代 独自設定 以下:余白 『サイレントセレナ(前編)3/3』 四、 ぱちゅりーとまりさがそれぞれ“りとるれぎおん”のありすを訪問してから既に一週間が経過していた。 まりさは相変わらず塞ぎ込んではいたが、話しかけられればなんとか口を開くぐらいの気持ちは持っている。 ただ、そんなまりさを見て群れのゆっくりたちはどれもが悲しい顔を隠せずにいた。 もともと“ぶらっくまーけっと”に頼らずに生きてきたぱちゅりーの群れ。 助け合いを信条に日々を暮らしていたせいか、お飾りを失ったまりさに対して攻撃するなどの行為は在り得ない。 「ぱちゅりー……。 まりさは、げんきになるのでしょうか……?」 「それは、まりさしだいね……。 “りとるれぎおん”とのとりひきをしなかったのだから……まりさはおかざりがなくてもい きていくことをきめたはずよ……。 あとは、まりさがつよいきもちでみんなといっしょにゆっくりできるかどうか……」 「……“りとるれぎおん”はひどいです……。 さなえは、“りとるれぎおん”をぜったいにゆるしません……!」 「たくさんのゆっくりがそうおもっているわ。 ……でも、“りとるれぎおん”がなくなったら……きっと、いまよりももっと ひどいせいかつになるわよ……」 「そんなこと……そんなことわかっているんです! でも……さなえは、くやしくて……くやしくて……。 まりさ、きょうも “ぶらっくまーけっと”にいきました。 “りとるれぎおん”のありすとおはなしをするんだ、って……」 ぽろぽろと涙を流すさなえ。 ぱちゅりーは少しだけさなえの頬に自分の頬を摺り寄せてから囁くように呟いた。 「……まりさが、すきなのね……」 泣きじゃくりながら無言で頷くさなえ。 好きなまりさがあんなに塞ぎ込んでいる姿を見て心を締め付けられているのだろう。 何を言っても自分の言葉は届かない。 まりさは深い深い闇の底にいる。 さなえは自分の無力さを嘆いていた。 「さなえは……どうしたら……」 「まっててあげなさい」 「……むずかしいです」 「まつことは、とてもゆうきのいることよ。 ……でかけるよりも、ゆうきがいることかもしれないわね。 でも……そのぐら いつよくなければ……きずついたまりさをうけとめてあげることなんて……できやしないわ……」 「きびしいんですね……」 「さなえをしんじているからよ」 また、ゆんゆんと泣き出すさなえ。 ぱちゅりーは、今度は頬擦りをしなかった。 まりさにせよ、さなえにせよ、自分たちで乗り越えるしかないのだ。 慰めるにしても、救うにしても、自分の手の届く場所には既にいない。 悲しみに暮れる二匹を見守ることしかできないことをぱちゅりーは理解していた。 泣き続けて目を真っ赤にしたさなえがのそのそと廃材の奥へと戻っていく。 ぱちゅりーの群れに所属するゆっくりは、“りとるれぎおん”がまりさのお帽子と引き換えに何を要求しているのか知っている。 そして、それをぱちゅりーもまりさも断ったという事も。 群れの仲間もさなえと同じように“りとるれぎおん”を憎んでいた。 なかなか表面上に感情を出さないが、心の中では制裁してやりたいと思っているだろう。 それでも動くことはできない。 “りとるれぎおん”はあらゆる意味で大きな存在である。 それを理解しているからこそ、どうすることもできなかった。 (あるいみでは……“りとるれぎおん”がここまでおおきくなってくれてよかったといえるのかもしれないわね。 ……きっと、 かてるみこみがあるようなあいてだったら……ぱちゅのなかまは、みんな“りとるれぎおん”とたたかおうとしたかもしれない もの……) ぱちゅりーが目を伏せる。 言葉ではさなえにああ言ったものの、ぱちゅりーはまだずっと考えていた。 “りとるれぎおん”からお帽子を取り戻す方法を。 群れの仲間を“りとるれぎおん”に引き渡すのは本末転倒である。 それは何の解決にもならない。 とはいえ、喧嘩をして到底勝てる相手でもない。 ありすはぱちゅりーと同じかそれ以上に賢いゆっくりで、言葉巧みに“りとるれぎおん”を口説き落とすことも難しそうだ。 (まいにちまいにちかんがえてみても……ちっともどうすればいいかわからないわ……。 ほんとうに、こまったわね……) ぱちゅりーが空を見上げる。 今日はいい天気だった。 澄み渡る青がどこまでも広がっている。 空気が乾燥しているせいか、遠くから人間の町の音が聞こえてきた。 「ありすのとっておきの場所からは良く見えるのだろうな」とぱちゅりーが自虐的に口元を緩めた。 そんなとっておきの場所で、ありすは今日も一匹人間の町を眺めている。 ビルの解体工事もだいぶ進んだようでぱちゅりーと一緒に見ていた景色とは少し変わってしまっていた。 (まいにちまいにちかんがえてみても……どうすればいいかわからないものね……。 どうすれば、ぱちゅりーを“りとるれぎ おん”にひきいれることができるのかしら……) ありすは、ぱちゅりーが欲しかった。 自分と同等かそれ以上の知能を持つぱちゅりーは、“りとるれぎおん”にとって大きな財産となる。 まりさのお帽子とぱちゅりーを交換しようと持ちかけようとも考えた。 しかし、それでは意味がないのだ。 ありすが目指すのは完全なる野良社会の統一。 自分と同等の存在が“りとるれぎおん”という組織の中にいてはならない。 野良社会で暮らす分にはそれでよくても、来るべき人間への復讐を実行に移す際、ぱちゅりーは必ず邪魔な存在になる。 “ありすがぱちゅりーを求めた”という図式は存在してはならないのだ。 だからと言って“りとるれぎおん”による武力行使でぱちゅりーの群れを崩壊させるわけにもいかない。 ありすの理想が野良社会の“一枚岩”である以上、他のゆっくりに不信感を抱かせる行為は極力回避せねばならなかった。 ただでさえ“ぶらっくまーけっと”を良く思っていないゆっくりもいるのにわざわざ敵を増やすような真似はしたくない。 (ぱちゅりーはこのまちをみて、なんともおもわないのかしら……。 “あのひ”のできごとは、にんげんさんにも、ゆっくり にもすべてびょうどうだった。 ……たくさんのゆっくりがえいえんにゆっくりしてしまったけれど、たくさんのにんげんさん もえいえんにゆっくりしたわ……) 双葉町を。 瓦礫の山と化した町を見下ろしながらありすが心の中で言葉を紡ぐ。 (ありすたちににんげんさんをえいえんにゆっくりさせることはできない……。 でも、ありすたちがにんげんさんのつくった どうぐをりようすれば……えいえんにゆっくりさせることだってむずかしくないはずよ……。 それができれば……にんげんさ んがこのせかいからひとりもいなくなってしまえば……きっと、“みんな”がしあわせーになれるわ。 そのためにも、ぱちゅ りー……ありすは、ぱちゅりーがほしくてたまらない……。 ありすとふたりでなら……ぜったいに、にんげんさんを……) 「ありすさま」 「!」 思考の糸を解く。 深呼吸して高揚していた心を静めた。 それから涼しげな表情で後ろを振り返る。 「なにかしら?」 「たったいま、はんらんがおきましたみょん」 「まだ“りとるれぎおん”にさからおうとするようなばかなゆっくりがいたのね……。 みょん、すぐににんずうをあつめてそ のゆっくりたちをせいっさいっ!してきなさい。 つかまえたゆっくりは、みんなどれいにしてかまわないわ」 「だから、いま、はんらんのまっさいちゅうなんだみょん」 「?」 みょんがありすに飛び掛かる。 間一髪のところでありすがそれをかわした。 みょんの体当たりは、ありすをここから突き落とそうとするためのものである。 ありすは凍てつくような瞳でみょんを睨み付けた。 それだけでみょんは額から冷や汗を流したが、すぐに歯を食いしばりありすと対峙する。 「どういうつもりかしら? “りとるれぎおん”のおきて……わすれたわけじゃないわよね?」 「“ぶらっくまーけっと”はすでにみょんたちのものになったみょん」 「…………」 ありすが踵を返して建物を駆け下りる。 みょんが凄まじい速度でありすに迫った。 「ゆぐぅッ?!!」 みょんの後方からの体当たりがありすの後頭部を捉える。 突き飛ばされたありすは壁に顔面を強打して階段をごろごろと転げ落ちた。 激痛に顔を歪めるがそれでも体勢を立て直してなおもぴょんぴょんと跳ね続ける。 みょんが舌打ちをして呟く。 「さすがに、“りとるれぎおん”のおさ、だみょんね……」 歪む視界の中をありすは必死に前へ向かって飛び跳ねた。 目指す場所は“ぶらっくまーけっと”。 みょんの冷静さ、口振りからして複数の裏切者がいるに違いない。 “ぶらっくまーけっと”の被害状況が気になる。 そのとき、前方から二匹のゆっくりが跳ねてきた。 反射的にありすが身構える。 「ありすさまーー!!! “ぶらっくまーけっと”が……“りとるれぎおん”のなかまにおそわれてるんだよ!!!」 「わからないんだねー! どうして、こんなことになっちゃったのー?!」 れいむとちぇんの表情。 それを見て即座に二匹が味方であることを判断する。 みょんは単身で乗り込んできたのだろうか。 それはおかしい。 必ず仲間が周囲にいるはずだ。 しかし、それを探し当てることはできない。 “ぶらっくまーけっと”の方角からたくさんのゆっくりたちの悲鳴が聞こえてきた。 ありすが唇を噛み締める。 「ありすさま! けがしてるよ! ぺーろぺーろ……」 「ありがとう、れいむ。 でも、だいじょうぶだから……。 いま、どういうじょうきょうになっているのかを、ありすにおし えてちょうだい」 「わかったよー! “ぶらっくまーけっと”にゆっくりがたくさんあつまりはじめてから……いきなり“りとるれぎおん”のゆ っくりのなんにんかが、おみせをやっているゆっくりをえいえんにゆっくりさせたんだねー」 「それから……とめにはいった“りとるれぎおん”のゆっくりも……なんにんか、えいえんにゆっくりさせられちゃったよ……」 「…………っ!!!」 ありすの目つきが変わった。 「みんな、まだ、“ぶらっくまーけっと”でたたかってるんだよ! でも、ほかのみんなが“ありすさまをよんできて”ってい うから……」 「みんな、ちぇんたちをにがすためにがんばってくれたんだねー! ありすさまー! どうしよう! わからない! わからな いよー……っ!!!」 「おちつきなさい、ふたりとも。 まずは“りとるれぎおん”とかんけいのないゆっくりをにがしてあげることがだいいちよ。 それから、“りとるれぎおん”のめんばーも、なるだけ“ぶらっくまーけっと”からはなれなさい。 いい? けっして、おお きなけんかをしてはだめよ? “りとるれぎおん”どうしでたたかったら……。 みんな、ただではすまないわ」 「でも、ありすさま……」 「ちぇん。 ちぇんがつたえてきなさい。 “ぶらっくまーけっと”まで、いそいで。 つたえたら、すぐにちぇんもにげるの よ?」 「わ、わかったよー!!!」 ちぇんが跳ね出す。 その後姿を見てありすが大きく息をついた。 そのままふらついて倒れかけるありす。 それを慌ててれいむが押し上げた。 ありすが呼吸を荒くしながら一言「ごめんなさい」と呟く。 ただ事ではないありすの様子を見て慌てふためくれいむ。 「ありすさま。 いや、ありす。 ねんぐのおさめどきだみょん」 「ゆわぁぁぁぁっ!!!」 いつの間にかありすとれいむは裏切者の“りとるれぎおん”に囲まれていた。 れいむ、まりさ、ちぇん、みょん、さなえ……。 様々なゆっくりがありすをニヤニヤと笑いながら見つめている。 顔面蒼白のれいむが滝のように涙を流していた。 「ありす。 みょんはかんがえたみょんよ」 「なにをかしら……? むのうなゆっくりがなにをかんがえたのかきかせてもらいたいわね。 きっと、くだらなすぎて、あり すではかんがえつかないはずだもの」 「“りとるれぎおん”とか“ぶらっくまーけっと”とか、そんなものみょんたちはいらないとかんがえたみょん」 「どうして?」 「だって……みょんたちがゆっくりできればそれでいいみょんよ! “ぶらっくまーけっと”でつかっている“しょうひん”を わざわざ、ほかのゆっくりとこうかんしたりなんかしないで……じぶんたちでひとりじめすればいいだけのはなしみょん!!」 「…………」 「ありすのやりかたは、いーらいーらするみょん。 ゆっくりできるのに、ゆっくりさせない、げすなゆっくりのかんがえかた だみょん。 だから……みょんたちは、そんなげすなありすをせいっさいっ!して、ここをみょんたちのゆっくりぷれいすにす るみょんよ!!!」 みょんの自信満々な演説を聞いてありすとれいむを囲むゆっくりたちがゲラゲラと高笑いをした。 れいむはありすの前に立ちふさがりながらもおそろしーしーを漏らしている。 そんな滑稽な“りとるれぎおん”のれいむを見てみょんたちは更に声を上げて笑った。 「……いいたいことはそれだけ?」 「みょん……?」 「れいむをわらったわね。 きにいらないわ。 ……“ごみくず”のぶんざいで……」 「ありすさま……」 「なまいきなありすみょんね!!!! さっさとせいっさいっ!して、ここにいるぜんいんでれいぽぅしてやるみょんよ!!!」 「あらあら……ありすと、すっきりー!したかったの……?」 「……ッ!! そのなまいきなかお……すぐにできないようにしてやるみょんよ!!!」 みょんを筆頭にゆっくりたちが飛び掛かる。 れいむも応戦したがすぐに引きはがされてしまった。 そのまま四匹がかりで組み敷かれるありす。 荒い息遣いのありすにみょんは性的興奮を覚え始めていた。 「…………っ」 「みょん~。 みょんが、おわったら、つぎはさなえにやらせてください」 「わかったみょんよ……」 「ゆっくりしね!!!!!」 “りとるれぎおん”のゆっくりが数匹ありすのもとへと駆けつけた。 その勢いでみょんの顔面に体当たりをかます“りとるれぎおん”のゆっくり。 ありすを組み敷く残りの裏切者に対しても素早い攻撃であっというまに包囲を解く。 両者が睨み合った。 れいむはありすに泣きながら謝り続けていた。 「……いったん、ひくみょんよ……」 そう言って裏切者たちが“ぶらっくまーけっと”とは反対方向へ跳ねて行く。 それを追いかけようとする“りとるれぎおん”のメンバーは一匹もいなかった。 その様子を見てありすがクスリと小さく笑う。 「ありすさま! しっかりしてね!! ぺーろぺーろ……」 「だいじょうぶよ……。 それより、みんな……ありがとう。 おかげでたすかったわ……。 ふよういにあのうらぎりものを おいかけなかったのも、よくできたわね……」 “りとるれぎおん”のメンバーがありすを囲んで涙を流した。 それを見て、ありすが歯を食いしばる。 「……“ぶらっくまーけっと”は……?」 「おみせは……みんな、やられちゃったんだねー……。 もう、“ほうもつこ”もうばわれちゃったみたいだよー……」 「……ふふ。 やってくれたわね……みょん」 そう言ってありすが目を閉じる。 そのまま動かなくなった。 慌ててれいむが駆け寄る。 ありすは静かに寝息を立てていた。 さすがに疲れたのだろう。 “りとるれぎおん”のメンバーも茫然とその場に立ち尽くしていた。 五、 「うそ……ですよね……?」 さなえが愕然とした表情を浮かべてその場にうずくまった。 さなえの目からぽたぽたと涙が零れる。 「“ぶらっくまーけっと”が……こわされた……?」 ぱちゅりーが眉をしかめた。 報告をしてきたのは息を荒げるれいむである。 遠くからたくさんのゆっくりの悲鳴や叫び声が聞こえてきたのはぱちゅりーの群れの誰もが気付いた。 そこでれいむが声のする方へ様子を見に行ったのである。 そして、得られた状況の報告が“ぶらっくまーけっと”の崩壊。 “りとるれぎおん”が他のゆっくりに後れを取るとは思えない。 しかし、それよりも気になることがあった。 お帽子の交渉をするために“ぶらっくまーけっと”へと向かったまりさの安否。 それを思うと眩暈さえしてくる。 さなえは歯をカチカチと鳴らしてその場を動こうとしない。 れいむの話によれば、“ぶらっくまーけっと”の店はことごとく破壊され、たくさんのゆっくりが永遠にゆっくりさせられてい たという。 “りとるれぎおん”も、店のゆっくりも、客のゆっくりも、全て。 それが何を意味しているのか。 「そ、れじゃ……まりさは? まりさは……どうなったんですか……?」 「ごめんね……さなえ。 れいむにも……それはわからなかったよ……」 「ゆ……ゆぅ……ゆぁ……ゆああああああああん!!!!!」 大泣きするさなえ。 無理もない。 れいむの状況報告からすればまりさも永遠にゆっくりしてしまった可能性は極めて高い。 さなえの涙の意味をその場にいたどのゆっくりもが理解している。 泣き続けるさなえを見て、一匹、また一匹とゆっくりが涙を流し始めた。 ぱちゅりーは、そんな仲間たちを見ながら一匹静かに思考を巡らす。 (……“りとるれぎおん”のほんきょちでもある“ぶらっくまーけっと”がこわされるなんて……ありえないわ。 “りとるれ ぎおん”にさからうことがどういうことか……このまちにすんでいるゆっくりはりかいしているはずだもの……。 つよいから、 とかこわいから、とかじゃない……。 “ぶらっくまーけっと”がなければいきていけないゆっくりもたくさんいるはずだから。 ……となると、“ぶらっくまーけっと”をおそったゆっくりは……そういういきかたをしなくてもいいゆっくりにかぎられるわ ね……) それから一呼吸。 (……“りとるれぎおん”のなかから、うらぎりものがでたとしかかんがえられない) 「さなえは、“ぶらっくまーけっと”にいってきます! まりさのことがしんぱいです!!」 「ゆ?! だ、だめだよっ! いま、“ぶらっくまーけっと”はすっごくあぶないんだよっ!? ゆっくりりかいしてね!!!」 「まりさが、どこかでけがをして……さなえたちのたすけをまっていたら、どうするんですかっ!??」 「さなえのきもちはわかるけど、あぶないよー……。 こんどは、さなえがあぶないめにあうかもしれないんだねー!」 「ですが……っ!!!!」 「れいむとちぇんのいうとおりよ」 「ぱちゅりー……」 さなえが悲しそうな目でぱちゅりーを見つめる。 「また、まつこともゆうきだと……いうんですか……?」 「むきゅ。 そうよ」 「それなら……さなえはゆうきのないゆっくりでかまいません!! まりさがしんぱいでこわくてこわくてたまらないんです! とてもじゃないですけど、たえられるきがしません!!!!」 「さなえ、おちついてねっ! おねがいだからおちついてねっ!!!」 「はぁっ、はぁっ……まり……さ…………――」 そのまま気を失って地面に倒れるさなえ。 感情を剥き出しにして声を荒げ続けたせいで中身を必要以上に消費してしまったのだろう。 一時的に体力の限界を迎えたようだ。 他のゆっくりもそれを理解しているのか倒れたさなえを廃材の奥へとそっと運んでいく。 れいむがぱちゅりーの傍へとずりずりあんよを這わせてやってくる。 「ぱちゅりー……。 さなえじゃないけど、れいむもまりさのことがしんぱいだよ……。 ちょっとようすをみにいってくるの も、だめ……?」 「だめよ……と、いいたいところだけど。 ぱちゅもまりさのことがきになるわね……」 「それじゃあ……」 「ぱちゅがいってくるわ」 「あぶないよ! れいむもいっしょにいくよ!!」 「だめよ。 あぶないもの」 「ゆ、ゆぅぅぅぅっ?!」 「さなえにつたえておいてちょうだい。 さなえにはがまんしろ、なんていっておいて、ぱちゅはがまんできなかったわ、って」 ぱちゅりーが小さく笑いながられいむに告げた。 れいむはオロオロしながらぱちゅりーの前に回る。 「ど、どうしてそんなこというのぉぉぉ?!」 「ごめんなさい、れいむ」 ぱちゅりーとれいむのやり取りを見ていた仲間たちが無言で俯く。 それを視界の片隅に入れながらその場を去ろうとするぱちゅりー。 「まちなさい、ぱちゅりー……」 死角から声がした。 聞き覚えのある声だ。 ぱちゅりーが思わず身震いして声のする方向を見る。 そこには、左右をれいむとちぇんに支えられた“りとるれぎおん”の長、ありすがいた。 ぱちゅりーが思わず目を見開く。 ありすはそんなぱちゅりーを見て、苦しそうな表情で口元を緩めた。 ぱちゅりーの群れのゆっくりたちは静まり返って目の前のありすに注目する。 「り……“りとるれぎおん”の……ありす……?」 お飾りのないありす。 圧倒的な存在感を見せつけるありす。 ありすを見たことがないゆっくりでも、思わずそう言わずにはいられなかったのだろう。 或いは傷だらけの姿を見てそう判断したのか。 ぱちゅりーがありすに駆け寄る。 それから無言でありすの目を見つめた。 ありすは情けなさそうに薄笑いを浮かべてぱちゅりーから目を逸らす。 「ありす……なにがあったの?」 「まず、どうしてここがわかったのか、とは……きかないのかしら?」 「ありすがぱちゅりーやまりさをただでかえすわけがないでしょう? ありすが、ぱちゅりーたちのおうちがどこにあるかをは あくしていないほうが、ありえないことよ」 「……ふふ。 そうね」 周囲のゆっくりたちには二匹の会話の意味がまるで理解できなかった。 ただ、ちっぽけな群れに“ぶらっくまーけっと”を牛耳る“女王”、“堕ちた都会派”……“りとるれぎおん”の長である、あ りすが突然現れたという驚きのみ。 それ以外の思考は頭の中に流れない。 「あらためてきくわ。 “りとるれぎおん”のなかからうらぎりものがでたのね?」 その言葉を聞いた瞬間、ありすの左右にいたれいむとちぇんが目を見開いた。 ありすは平然と「ええ、そうよ」とだけ答える。 「うらぎりものたちはどこにいるの?」 「“ぶらっくまーけっと”からすこしはなれた……とてもおおきなたてもののなかにいるみたいね」 「そう……」 「よくしらべたわね、ってほめてはくれないのかしら?」 「しらべたのがありすでなければ、ほめていたわ」 「ふふ。 なるほどね」 「ところで、もうひとつききたいことがあるのだけれど……」 「おかざりのないまりさならぶじよ。 “りとるれぎおん”がほごしているわ」 その言葉を聞いてぱちゅりーの群れのゆっくりたちがありすへと集まってくる。 ありすはそれらゆっくりの顔を一匹一匹見回して、ぱちゅりーに笑みをこぼした。 「みんな、まりさのことをしんぱいしているのね」 「そうよ。 まりさは、ぱちゅたちのたいせつなかぞくだから」 「……“とかいは”ね」 「ええ。 みんな、とかいはなゆっくりたちよ」 ありすがれいむとちぇんから離れてずりずりとあんよを這わせた。 意識が朦朧としているのだろうか、少しあんよの動きがぎこちない。 ぱちゅりーは心配そうにありすを見つめていた。 「ごめんなさい。 あなたたちにも……めいわくをかけてしまったわ……」 「ゆ……? ゆゆ……?」 頭を下げる“りとるれぎおん”の長を前に戸惑うゆっくりたち。 そんなゆっくりたちをよそに、ありすはなおも続けた。 「“りとるれぎおん”のふてぎわで……。 いいえ。 ありすがしっかりと“りとるれぎおん”をまとめることができなかった せいで、あなたたちのなかまをきけんなめにあわせてしまったわ。 ……ほんとうにごめんなさい」 「…………」 呆けるゆっくりたち。 “りとるれぎおん”のありすと言えば。 “ぶらっくまーけっと”のありすと言えば。 まりさのお帽子と自分たち全員を交換しようとしている極悪非道のゆっくりのはずだ。 それが、なぜ今、自分たちに頭を下げているのかが理解できない。 しかし、目の前のゆっくりが心の底から謝罪をしていることだけは理解することができた。 「……“りとるれぎおん”のちからは、ほとんどなくなってしまったわ。 ……みんな、“らくをできるほう”にながされてし まったの」 「そうでしょうね」 「まさか、ぱちゅりーは……こうなることをよそうしていたのかしら……?」 「いいえ。 そうなっても、ありすがとめるとおもっていたわ」 「まいったわね……。 なんだか、ぱちゅりーをがっかりさせてしまったみたいで、すこしだけつらいわ……」 ありすが目を閉じて大きな溜め息を吐いた。 それを遮るかのように“りとるれぎおん”のれいむとちぇんが声を上げる。 「まってね! ありすさまは……どうしていいかわからないみんなをまとめて、ひがいをちょっとでもすくなくしたんだよ!! じぶんもけがをしてつらいおもいをしているのに、みんながどうすればいいかかんがえて……っ」 「いいのよ、れいむ」 「そうだよー! いちどはきをうしなってしまったけど、すぐにおめめをさまして……みんなのためにがんばってくれたんだね ー!! だから、ありすさまを……」 「もうやめて。 それいじょうは、ありすがなさけなくなっちゃうわ」 「ばかね」 “りとるれぎおん”のやり取りにぱちゅりーが割って入った。 ありすがぱちゅりーを見上げる。 「ありすは、すこしでもたくさんのゆっくりたちのいのちをすくってくれた。 ……そして、うらぎりものたちがどこにいるの かもしらべてくれたわ」 「ぱちゅりー……?」 ありすが不思議そうな顔をした。 ゆっくりの命を……特にまりさの無事を確保したことに関しては感謝の言葉を言われても不思議ではない。 しかし、“りとるれぎおん”の裏切者たちに関して感謝される筋合いはないように思う。 ぱちゅりーが力なく唇を動かした。 「ぱちゅりー、まさか……」 ぱちゅりーはありすを静かに見つめて、静かに口を開いた。 「……ありす。 ぱちゅと、“まりさのおぼうし”をかけて……とりひきをしましょう」 『サイレントセレナ(後編)』へつづく
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スコア オープン戦 広島-福岡 MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島(広島1勝) 福 岡 000 000 000-0 広 島 204 000 00X-6 (福)●大代、辻堂、祝部、沓掛、大藤-斉藤、小山内 (広)◯さなえ、豊川-涼宮、成岡 戦評 広島先発はさなえ、福岡先発は大代。 試合は広島がいきなり魅せる。初回、先頭の加藤がフォアボールで出塁するとすかさず盗塁を決め二塁へ進塁。続く涼宮がストレートを弾き返してライト右方向へ長打を放つと、この当たりで加藤がホームイン。打者二人であっという間に先制点を挙げる。さらにこの後ツーアウト三塁として伊集院がライト前へタイムリーヒットを放ち、1点を追加する。 広島は続いて3回、ツーアウトながら一・二塁と追加点のチャンスを作ると、先程タイムリーヒットを放った伊集院が今度はストレートを左中間に弾き返す。この当たりが走者一掃のタイムリーツーベースヒットとなり2点を追加すると、この後二・三塁としてガルシアが一塁線を強襲するツーベースヒットを放つ。このヒットでさらに2点を加え、6-0とリードを広げる。 序盤で大量リードを得た広島は、さなえがあわや完封という好投を見せると、最後を豊川がきっちり締めて試合終了。速攻を見せた広島が快勝した。 責任投手・本塁打 [勝] さなえ 1勝1敗 [S] [敗] 大 代 1敗 [本] 試合詳細 + ... 打撃成績 + ... 守備成績 + ... 投手成績 + ...
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※ちょっとだけグロテスクかもしれないシーンあり とあるゆっくり達がゆっくりと静かに暮らす、ゆっくりの森。 その一角にある、ゆっくりアリスの美容室に、閉店も間際にやってきたのはゆっくりゆかりだった。 律儀に入口から入ってくるわ、特に話しかけてくることもないわ、陰鬱な面持ちで髪を預けてくる。 かえって不安に思いながら注文を聞いた。 「――――”鶯の谷渡り”で」 「………ええっ!!?」 「どうしたの?きこえなかったのかしら? ”鶯の谷渡り”をおねがいね」 しばらく絶句した。 あまりにもらしくない。 ゆかりは確かに奇抜な印象を受ける事はあるが、それは時代に迎合し人口に膾炙し、若年層におもねる 様なセンスとは程遠いと思っていた。 「鶯の谷渡り」など、メジャーぶりを通り越し、そろそろ軟弱者や軽佻浮薄の代名詞となりかけている 最新のスタイル。 実際に、この美容室にもいまだ連日この注文をしに訪れるゆっくりはいるのだが……… 「かしこまりましたー」 しかし仕事は仕事。 驚きながらも、気は進まずとも、注文はこなす。 ややうつむき加減のゆかりの表情を、正確に読み取ることはできなかった。 ―――そして30分後 「こんなところでどう?」 「………ちょっとちがうわね」 「え………」 「ごねんなさいね。今から”獅子舞い絞り”に変更できない?」 声も出なかった。 これはもう、ミーハーだの流行だのの問題ではなく、ゆかりに合わないにも程がある。 安倍川餅に、ココアでも浸すようなものである。 「だから、”獅子舞い絞り”よ! 文句があるなら他のところを…・・・」 「や、やるわよ!!!」 その後も、「雁が首」や「首引恋慕」などにゆかりは注文をつけた。 流石に辟易したが、ありすは怒る気になれなかった。 作業中、うつむき加減のゆかりの目には軽くうるんだものが溜り、結局「こたつかがり」に行き着いた時には、 ポロポロと滴るものがあったのだった。 「どうしたの……」 「これじゃだめね………」 閉店作業を素早く終え、購入したココアを淹れて渡すと、ゆかりは悲しそうに啜った。 人も妖怪も億劫にさせる、寒い夜。しばらく、二人で無言で切り株に座って月を眺めた。 飲み干してやや経ってっから、帽子にしまっていたらしい本を、ゆかりは取り出して見せた。 「ん? どれどれ………」 ――『ゆっくりは見た目が9割』――― 天本裕著(2006.シルバーナイト社) 「古すぎるわ! なんだこんなもん」 バリバリ 「やめて!」 本を破くのには抵抗があったが、そもそも内容自体が薄く、タイトルだけで話題を呼んだにすぎないと悪評ばかりの、 4年も前のベストセラーである。 「結局、見た目が全てなのよ…… イメージだけで、全て判断されるんなら私は何だって……」 「まあ、何に悩んでいたのか大体わかるわね。―――だからって、髪型から下らないブームにおもねるなんて、ぐの骨頂」 「………」 最後にか細く言った。 ―――私より、良い見た目の可愛いゆっくりはたくさんいるだろうに―――と どうにも今日は気弱すぎる。 嘆息しつつ、ぽよぽよと付近を跳ね回りながらありすは言った。 「例えばそう―――れいむが、ゆっくりするばかりで金銭に汚く薄情で周りのゆっくりをゆっくりとも思わず単なる食料 扱いしかしないゆっくりだとしたら、そんな相手とゆっくりしたいと思う?」 「そんなゆっくり相手じゃ、ゆっくりしていられないし、最初から好きにならないわね―――いや、実際れいむはそんな 感じだけど」 「でしょう? 本当に見た目だけで判断してるなら、そんなにれいむの事も気にならないし、テルヨフやもこたん辺りがもっと 圧倒的に人気があってもいいのよ」 「ふむ…」 確かに外見や視覚への訴えは、大きい。 しかし、ゆっくりはそこまで愚かではないのだ。みんな見ていないようで、きちんと見るべきところを見ている 目に見えるものだけがすべてではない。 いや、本当に大切なものは目に見えない 「ありがとう」 「いえいえ。皆悩みは同じね……」 そう言って、ゆかりはありすの店を後にした。 ―――――「こたつかがり」のまま……… 翌日の仕事は順調だった。 相変わらず忙しかったが、てきぱきと片付け、午後9時には早くも帰宅できそうだった。 ゆかりの髪型は「こたつかがり」だったので、相方のれいむも最初は極端にひいていたが、そのうち気にならなくなっていた。 「疲れたわあ……」 「そうだね……」 こてり、と座布団の上で傾いたれいむに、そっとゆかりも寄り添う。 最初は多少驚いて恥ずかしがるれいむだが、抵抗は一切無し。 そして、いつしか全身を預けていた。 「ゆふふ……… ゆかりは何だか暖かくてやわらかくて気持ちがいいね……」 「あらそう。光栄だわ」 何度か言われたことがあったのだ。 こうして、ここまで二人でゆっくりするのは久しぶり。 最後の時は、「おかあさんをおもいだすよ!」と言われたものだ 「何か、匂いもちょっとちがうし………」 「…………この匂いは、嫌い?」 「ううん。いつもよりすきだよ!!! --―何だかおなかまですいてきちゃった」 その言葉だけで、ゆかりは報われた気がした。 そして、改めてありすに心の中で礼を言う。 そして改めて思い出す ――――――外側だけじゃない――― ゆっくりは中身で勝負!!! しかし、その幸せも長くは続かなかった。 「甘い! 甘すぎですよ!! 今からセンター試験でどうにかなると思ってるくらい甘い!」 「何ですって!?」 「結局外側に頼ってるじゃないですか。全く何が中身で勝負ですか。笑ってしまいそうです! あーーーっはっはっはっは!」 戸口に立っていたのは、ゆっくりさなえさんだった。 「わらってるじゃん…………」 「れいむさん、お腹が減ってるって言ってましたね。一口いかがです?」 「え? いいの?」 夕飯はまだ食べていない。 そっと覗き込んださなえさんに、特にためらうことなくれいむはかじりついた。 「どうです?」 「むーしゃ むーしゃ。 ん~…… やっぱり鶯餡はおいしいね!!!」 彩りも美しく、栄養価も高いエメラルドの様な鶯餡。空腹時の甘い物は、多少腹にこたえるが、 何者にも代えがたい満足感を与えてくれる。 さなえさんの中身は、ちょっと珍しい緑の餡子なのだった。 勝ち誇った笑顔で、楽しげなれいむとゆかりを見下すが…… ゆかりは物怖じもしていない。 「れいむ。本当はお仕事が全部終わってからにしようと思っていたけど、私もちょっと食べてみなさい」 「えー」 「あらあらいいんですか? 中身が出ちゃいますよ?」 「いいから。なんならあなたも食べなさいな」 れいむは左側から、さなえさんは右側から、そっとかじりつく。 「むーしゃ むーしゃ…… ゆ…甘い物の後の、辛い物もおいしいよね! ちょっといつもと違う カレーライスだけど…………」 「あら、割とおいしい。納豆……ひき割り納豆ですね! 練梅としらすも入って贅沢な」 「ゆ……ゆゆっ!!?」 「え………?」 別々の中身………? 「そんなはずは……」 もう一口深めに食べて、二人は気が付いた 「こ、これは納豆カレー!!?」 「す、すごい!!!」 「Coco壱番屋でも、店舗によっては不動の一位の人気を誇るという、あの……!」 「ふん。甘いわね。紀州みかんを武器に海軍に戦いを挑むくらい甘いわ。 ちょっと風味と色の違う鶯餡? それだけで一歩先を進んだ気持ちになってるなんてさらさら可笑しいわ 中身が一つだなんて誰が決めたの? カレーか納豆かなんてたいした問題じゃないわ。 結局安直な答えしか出せずに、単純なものに固執して全く何が中身で勝負ですか。笑ってしまいそう! あーーーっはっはっはっは!」 それは勝者の笑顔だった。 しかし、その時 「それは、こちらの中身も試してから言ってもらおうか!!!」 戸口に立っていたのは、ゆっくりれみりあと、ゆっくりふらんだった(なぜか妹は浮かない顔) 「さっきから聞いていれば、鶯餡だの、納豆カレーだのどいつもこいつも単調なことこの上ないな!」 「ど、どういう意味よ!!?」 「肉まん二人が何しにきたの!?」 「うー☆ れいむ、ちょっと食べてみてね!!!」 「むーしゃむーしゃ」 一口かじり、おいしそうなそぶりは見せたが、れいむは首をかしげた。 「おいしいけど……ソフトクリーム?」 「ん?」 「馬鹿な……」 「うぅうー☆ 分からないなら、ふらんも食べてね!!!」 気乗りしないふらんもかじる。 その時、ものすごい音がした! ガリっ! 「「「!!!?」」」 「ゆ……ゆううう! 痛い! 痛いけどおいしい!! かむのってたのしい!!」 「うー そうでしょ!!?」 「こ、これは………」 内部を覗き込むと、そこには…… 「肉まんがをベースに、蓮根・牛蒡・からすみ・金華ハム・ルーチン(鹿のアキレス腱)・押し豆腐……だと!!?」 対して、れみりあも中身は同じ。 なのに、れいむは「ソフトクリーム」と称した 「まさか………」 「そのまさかさ! ふらんは食感をそのままに、わたしはこの千差万別の歯ごたえをもった食材を、全て蒸して 同じ状態にしてある!」 「なんと!」 「どいつもこいつも、ただ食材をちょっと変えて詰め込めばいいと思考停止している愚か者たちよ! さあれいむ! もっとお食べなさい!」 「いや……もうおなかいっぱいになりそう……」 しかし、その時 「ならば私の出番だね!!!」 戸口に立っていたのは、ゆっくりすいか 「鬼せんべいがなにしにきた!」 「緒戦は食材という枠から外れられない連中ばかり。嘆かわしい―――――」 「ど、どういう意味!!?」 「れいむ」 すいかは、齧られることもなく、上下に分離した。そしてそこから出てきたのは……… 「おお、厚手のタオル!」 「いい生地ね………」 「これは………ゆっくりできる……くやしい……」 鬼なら、酒じゃないかと何人かは思ったが、そんなことはこのタオルの心地よさにしてみればどうでもよかった。 れいむが夢中になってタオルと戯れている。 しかし、その時 「即物的ですね……」 戸口に立っていたのは、ゆっくりもみじ 「紅葉饅頭がなにしにきた!」 「それでいいんだったら―――――私だって!!!」 「ど、どういう意味!!?」 もみじは、齧られることもなく、上下に分離した。そしてそこには……… 「おお、なんという精巧な盆栽!」 「盆栽の域じゃないね! これは箱庭…… いや、往年の特撮で見られるミニチュア技術のはるか上を行っている!」 おそらくは、故郷の山の風景なのだろう。 麓の川、森、そして周辺の人家まで、相当緻密な再現がされている事が分かる。 大きさは合わないが、中央にはかわいらしいあしらいの、にとりが将棋盤の前に座っている風景も再現されている 「これは………ゆっくりできる……くやしい……」 「何てことだ……… ゆっくりの中身は無限大……!」 全員もみじの中身から目が離せない。 れいむは、タオルも忘れて夢中になっている。 しかし、その時 「お前らひっこんでいろ!」 戸口に立っていたのは、ゆっくりてんこ 「なにしにきた!」 「―――――おまえらはぬるすぐる」 「ど、どういう意味!!?」 てんこは、齧られることもなく、上下に分離した。そしてそこには……… 「あ、買ったんだ」 「うん」 「すげー BOXで」 「ゲゲゲの女房」のDVDボックスだった。 「見るよね?」 「もー仕事なんてどうでもいいよ」 「冷蔵庫にキリンフリーだけあった」 「あーでも、プレイヤーがないわ」 しかし、その時 「そんなこともあろうかと」 戸口に立っていたのは、ゆっくりらんしゃま 「なにしにきた!」 「DVDだけじゃ、ただの円盤ですよ」 「ど、どういう意味!!?」 もみじは、齧られることもなく、上下に分離した。そしてそこにはポータブルプレイヤーが!!! すいかがまき散らしたタオルをクッション代わりに―――――キリンフリーを飲みながら、西麻布の深夜のオフィスで、 ゆっくり達はのんびりと「ゲゲゲの女房」の鑑賞を楽しみました。 そして、皆確信したのだった。 ――――――― ゆっくりは、中身こそ命!!! ――――――― 一か月後、れいむはらんしゃまと婚約しました。 理由は、しっぽがいろいろいい感じだから 終り 繰り返しギャグにやられましたwどんどんカオスになっていくというか、中身がDVDプレイヤーの饅頭って最早何なんですかー!! そして最後のオチが酷いw -- 名無しさん (2010-11-24 13 13 05) もう饅頭じゃねーよ!なんなのこれ!面白いわ! -- 名無しさん (2010-11-26 19 24 20) 最後のが饅頭と言うより最早ロボットとしか思えない仕様に吹いたwww -- 名無しさん (2010-12-02 01 37 27) 名前 コメント
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『ほんとうのうえ 後篇』 32KB 観察 自業自得 差別・格差 妬み 実験 妊娠 追放 同族殺し 共食い 番い 赤ゆ 希少種 現代 独自設定 続きです 後編です。 先に前編をお読みになるようお願いします 13 「やめでね!? ぼうずっぎりはごべんだぼ!?」 「ゆんゆん! ゆー! ずっぎりー!」 でいぶ達はまりさをどんどんれいぽぉしておちびちゃんを量産していった 当初は二十匹しかいなかったこちら側のゆっくりは 実ゆっくりも含めると倍の四十匹を超え、すし詰め状態になっていた それでもすっきりを続けるのは、食べることでは満足できない心の隙間を埋めるためなのだろうか おちびちゃん達は豊富な餌を食べ続けてどんどん成長し あの、長女まりさと次女れいむも立派にこちら側の仲間入りをしていた 毎日のように与えられる豊富な食事 ゆっくりで身体を満たしてくれる高純度なあまあま これ以上ないくらい恵まれた生活はいつまでも続くものだと思いこみ 危機感など皆無である 破綻は足音を立てずに着々と忍び寄っている 今までは、与えられる餌の量が多すぎたため大抵食べ残しており 部屋は餌で埋め尽くされて、食べても食べてもなくならないという状況が続いていた しかし、おちびちゃんが生まれゆん口が増加したことにより消費量が増え 一日に与えられる餌を上回る量を消費するようになってしまっていた 丁度、向こう側からおちびちゃんが連れてこられた頃には既にその状態に陥っていた にもかかわらずこのことに気付かなかったのは たまりに貯まった餌があまりに多すぎて食うに全く困らなかったからだ 目下、こちらの住人達はその余剰分を順調に食いつぶしている 餌が減って行く様子を砂時計の落ちる砂に例えるにはあまりに滑稽すぎる光景だった 14 「おがじいぼ!? ごはんがぜんぜんだりないぼ!?」 「どぼじでごんごどになっだのおおおおおお!? だれがごだえろおおおおおおお!!」 ある朝、でいぶ達が目を覚ますと沢山あったはずの食料がどこを探しても見当たらない 全く無くなったわけではないのだが、床にわずかに散らばっているばかりである 残った餌をおちびちゃんとにんっしん!中のまりさ達が必死に奪い合っていて 食料が完全に底をつくのは時間の問題だった 「なにやっでるのおおおおおおお!? でいぶのごはんぼたべないでねえええええええ!!」 「までぃざはにんっじん!じゅうなんだぼ! だぐざんだべなぐじゃいげないんだぼ!」 「でいびゅはもっぢょむーじゃむじゃじじゃいびょ! はやぎゅあびゃあびゃもっじぇごい!!」 でいぶ達も争奪戦に加わったことで、消費ペースは加速し 残った餌を一粒残らず食いつくしてしまった 「うぶぅ・・・ゆぶぅ・・・ でいぶの・・・でいぶのごはん・・・あまあま・・・」 「ゆびいいいいい! もうなんにぼのごっでないぼ・・・」 まっさらとなってしまった部屋には、肥えた成体のでいぶとまりさ パンパンに腫れてほとんど身動きとれないおちびちゃん 生まれた時とほとんど大きさが変わっていない末っ子れいむ やり場のない苛立ちと、底の見えない不安が押し寄せ、重苦しい閉そく感が場を支配する 互いににらみ合い、牽制しながら餌を探す しかし、空腹を満たすことのできる物は何一つ見当たらない その空気を打ち破ったのは、与えられた餌だった 餌の時間になり壁の一部が開き、そこからいつもと同じ様に餌が落とされた その瞬間のことである 「ゆぼおおおおおおおおおおお! でいぶの!でいぶのごはんんんんんんんッッッ!」 「までぃざの! までぃざのごはんだぼおおおおおおおお! までぃざのおおおおおおおおお!」 一斉に餌へと群がるでいぶとまりさ 十匹のデブ成体が食らいつくと、二十匹分の食料はものの十秒で消え失せる 勢い余ってまりさの額に生えていた実ゆっくりを茎ごと食べてしまったが、気にする者は皆無だった 「ゆびいいいいいいいいい! までぃじゃにぼぐばぜろおおおおおおおおお!」 「でいびゅのぎょはんぼだべるばあああああああああああああああああああ!」 自分では動くことのできないおちびちゃん達はその様子を黙って見ているしかできなかった 涙を流してでいぶ達に餌を持ってくるように命令するも、虚しく無視されてしまう 「ゆぎいいいい・・・・ ごんなんざぜんぜんだりないぼ・・・・」 「どぼじで・・・ どぼじでごはんがないのおおおおおおおおおお?」 成体のゆっくりが必要とするカロリーをはるかに上回るだけの量を食べたにも関わらず でいぶもまりさもみな飢えていた どんなに食べても満たされず、さらにもっともっとお腹に何かを入れたくなる しかし、もうすでに食べれるようなものは残されていない 残されていないからこそ余計に腹が減る なにか食べたい、なにか食べたい あまあまが食べたい、しあわせーになりたい むーしゃむしゃしたい、むーしゃむーしゃむーしゃ・・・ 今まで食べることだけで心を満たしていた彼女たちは 何もない空間に放り出されて急に不安になりだした 耳障りな騒ぎ声が聞こえる 向こう側の連中がゲームを始めたのだ そんなことはどうでもいい 今は食べる物を探さなければならない とにかく何か口に入れなければ・・・何か・・・ 15 異変はそれからしばらくして起こった 時間にして餌が与えられてから小一時間ほど 部屋のに絶叫が響き渡り 基本種達も希少種達も ゲームを中断して向こう側へと目を向けた 「いぢゃいぼおおおおおおおおおお! までぃじゃぼだべぶなああああああああああ!」 「ハムハム!むしゃむしゃ! うめぇ! これめったうめえ!」 「やべぢぇええええええええ! でいびゅばごはんじゃないぼおおおおおおおおおおお!」 「ハフハフ!ガツガツ! しあばぜええええええええええ! はむう!むーしゃむーしゃ!」 なんということだろうか 食べるものを失った成体達が自分たちの子供を食っているのである 血走った眼で一心不乱に、我が子の身体をくらう成体達 その顔は、形だけはゆっくりした表情を浮かべてはいたが 目が血走り、口から餡子を垂れ流し、狂気に満ちている 誰もが言葉を失い 柵の向こうで行われている凶行に釘付けになった 動くことのできないおちびちゃん達は次々と食べられてゆき あの長女まりさと次女れいむも他のおちびちゃん達と同じように 飢えた成体達の餌食となってしまっていた 「やめちぇええええええ! れいみゅをたべにゃいぢぇえええええええ!」 唯一、おちびちゃんの中で動くことのできる末っ子れいむだけが 肥えた成体のの合間を縫うようにしてなんとか逃げ回っていた しかし、体力の限られた赤ゆがそう長く逃げ回っていられるはずがない ましてやほとんど食事をとっていないとなるとなおさらである 「こっちにきなさい! いますぎによ!」 そう叫んだのはゆうかだった さくやとさなえが信じられないという顔でゆうかの方を向いた ゆうかが叫ぶと、基本種達は今までのことを忘れたかのように おちびちゃんに向かってこっちに来るように呼びかけ始めた 「こっちだぜ! ここまでくればあんっぜん!だぜ!」 「はやく! そんないなかものにつかまっちゃだめよ!」 「こっちにくればゆっくりできるよ! れいむがほしょうするよ!」 「あとちょっとだみょん! あきらめただめだみょん!」 「むきゅう! あぶないわ! きをつけて!」 呼びかけに応えるように、末っ子れいむは成体からの攻撃を避け 少しずつこちら側へと近づいてくる あと三十センチ・・・あと二十センチ・・・あと十センチ・・・あと・・・ 柵までの距離が少ずつ縮まって来て 末っ子の母親であるれいむはホッと胸をなでおろした 次の瞬間、一匹のでいぶが末っ子のリボンに噛みついた 「ゆんやああああああああ! おじびじゃんがああああああああああ!」 「ゆびびびびびび!!! ずっがばえばあああああああああああああ!」 泣き叫ぶ母れいむ、不潔な笑みを浮かべ涎を垂らすでいぶ 基本種達も希少種達も末っ子を捕まえたでいぶも その場にいた誰もが末っ子の死を信じて疑わなかった そして、誰もが予想だにしていなかったことが起こった でいぶの噛みついてたお飾りが真っ二つに千切れたのだ お飾りを失ったものの末っ子れいむはでいぶの魔の手から逃れることができた 「おきゃあしゃあああああああああん!」 柵を越えてこちら側に逃げ伸びることのできた末っ子れいむは一番に母に抱きついた ゆうかも他の基本種達も受け入れてくれたので、母との邂逅を邪魔するものはもういない これでようやく母の愛を受けられることになると信じていた 「おかざりのないくずはゆっくりしね!」 16 「ゆぴいいいいいいいいいいい!? おきゃあしゃん!? なんじぇ!?どうしちぇ!?」 「おかざりがぼろぼろなくずのぶんざいでおかあさんなんてよばないでね! あつかましいにもほどがあるよ!」 母れいむは、お飾りが欠損した末っ子れいむを突き飛ばして、執拗にもみあげでその身体を打ちすえている なぜ怒っているのか理解できていない末っ子れいむは涙を流して許しを乞うた 「おぎゃあじゃああああああああ! ごべんなじゃいいいいいいいいいい!」 「うるさいよ! さっさとしんでゆっくりだまってね!」 止めを刺そうと、あんよを振りあげ我が子を踏みつぶそうとする母れいむ そんな母れいむにゆうかが後ろから襲いかかり、髪に噛みついて引きはがした 「ゆべぇ! ゆっ・・・どぼじ・・・で?」 「ふん。 おかざりがなくなっただけでじぶんのこをころそうとするなんて、みさげたぼせいね」 「あれは・・・おちびちゃんじゃ・・・ないよ・・・ おかざりをなくした・・・・・・くずだよ・・・」 「あなたにはそうみえるのでしょうけどね。 わたしにはあれはかわいいおちびちゃんにみえるわ」 「ゆぎぎぎぎ! でいぶの! でいぶのおじびじゃんをどごえやっだ! でいぶの・・・でいぶのおおおおお!!!」 「なんというかすくいようがないわね・・・ もういいわ、さようなら」 「ゆぎぃ!? なにずるの!? やめでね!? やめ・・・」 ゆうかは大きく口を開くと、れいむの頬を噛みちぎった れいむの顔面に穴が開いて中身がぼろぼろと流れ出した 「ゆぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 「どぼじでごんなごぞずるのおおおおおお!? でいぶうううううううううううううう!!」 「おきゃあ・・・しゃん? どぼちちゃにょ・・・・?」 番のまりさが泣きながらパートナーに身体をすりよせた 末っ子れいむはその傍で目を見開いたまま固まってしまっている 顔を失ったれいむは、もうむーしゃむしゃしても思う存分しあわせーはできないだろう 「ぺっ! くそまずいったらありゃしないわね!」 「ゆうかさん! あなたはいったいなにをしたかわかっているのですか!?」 れいむの顔面だったものを不味そうに吐きだすゆうかに 普段の温厚な顔つきからは想像できないような、怒りの形相を浮かべたさなえが掴みかかった 「なにって? ごみそうじよ」 「ごみそうじ!? いったいどうしたっていうんですかゆうかさん!?」 「どうしたもこうしたも、わたしはいつもどおりよ じぶんのおちびちゃんをさつがいしようとしたげすおやをせいっさい!することがそんなにわるいことかしら」 「たしかに、おちびちゃんをころそうとしたことはわるいことです・・・でも!」 「いためつけてもいいりゆうにはならない・・・ってことかしら?」 「そうですよ!! あなたのそのごうまんなたいどはゆるせません!!」 「ほ~んとにいーらいらするわぁ・・・あなたはへどがでるようなげすやろうね」 17 ゆうかは眉間にしわを寄せさなえを見下すようにふんぞり返り、辛辣な言葉を容赦なくぶつける 「じぶんの“きょえいしん”をみたすために“きほんしゅ”をりようしたくせによくいうわ みんなでたのしくやった“げーむ”も、おちびちゃんのようごも ぜんぶあなたのよくぼうをみたすためのものでしょう? かわいそうなゆっくりたちを、みちびくじゅうだいなしめいをもった“さなえ”・・・ おげえええええええええええええ! きもちわるいったらありゃしないわ! さぞおもしろかったでしょうね! むのうなきほんしゅをひきいてまんぞくできたかしら?」 「とりけしてください! みなさんをむのうなきほんしゅだなんて! よくもそんなことを・・・」 「あら、あなたもそうおもっているんじゃなくて? みんなをみくだして、そのうえにたったつもりでいれば、おもうぞんぶんゆっくりできるものね」 「そんな・・・わたしはそんな・・・」 「ゆうか、いいかげんにしなさい。 いまのあなたはおかしいわ」 さくやが間に割って入る ゆうかは全く相手にしないでさなへを罵り続けた 「こんなせまいせかいでじょうおうさまでもやってるつもりなのかしら? そこのさくやにはこうよんでもらうといいわ! “おじょうさまー”ってね! おじょうさまになって、みんなのことをみくだして、ずーっとゆっくりしてなさい! このすいー『だまれえええええええええええ!』ゆぼお!」 ゆうかを一匹のゆっくりが体当たりをして黙らせた それは、自分のお腹を噛んで空腹を紛らわせていたれいむだった 跳ね飛ばされたゆうかは赤い瞳でれいむを睨みつける 「さなえのことをわるくいうゆうかはゆっくりしないでだまってね! おくちちゃっくまんさんだよ!」 「ゆぎぎぎぎ・・・ これがどういうことなのかわかっているのかしら?」 「そんなのどうだっていいよ! そんなことよりさなえにあやまってね! すぐでいいよ!」 「あやまる? いったいなにをあやまればいいのかしら」 「いまいったことをだよ! さなえはれいむのいのちのおんっじん!なんだよ! れいむがこまってたときはいつもたすけてくれたんだよ! れいむがひとりぼっちのときはいつもはなしかけてくれたんだよ! そんなさなえをわるくいうなんてゆるせないよ! ゆっぐぢしてないでざっざどあやばれええええええええええええええ!!!」 「れいむ・・・さん?」 れいむは涙交じりに熱弁し、恐怖の象徴である筈のゆうかに堂々と反論した 「ざなえはぞんなゆっぐぢをみぐだずようなげずじゃないいいいいいい! はやぐあやばれえええええええ! でいぜいじろおおおおおおお!」 「もういいんです! れいむさんもういいですから! もう!」 「よぐないいいいいいい! ざなえはでいぶのどぼだじなんだあああああ! だっだひどりのだいぜづなどぼだじなんだあああああああああああああ!」 「おねがいですから・・・ れいぶざあああああああああああああああん!」 ゆうかに掴みかかろうとするれいむを抑えるさなえ 二匹の目から涙がぽろぽろとこぼれ落ちる 「さなえ、これでわかったでしょう? あなたはべつにゆうしゅうでもなんでもないのよ ほかのゆっくりがいるから、あなたはあなたでいられる ただそれだけのことなのよ」 ゆうかは表情を穏やかなものに変え、落ち付いて話しはじめた 「どぼいうごどでずがああああああああ?」 「あなたはほかのゆっくりのためにいっしょうけんめいがんばったわ そしてたゆんにつくす“さなえ”というやくわりをかくとくした でもそれは、きほんしゅたちがあなたをうけいれることで はじめてそのかんけいがなりたつのよ そこのれいむがいるから、あなたはあなたのおもいえがく“さなえ”でいられるのよ」 「・・・・・わたしのおもいえがく“さなえ”?」 「そう、あなたはたゆんをたすける“さなえ”というそんざいにこしつしていたわ でもそれはほんとうのあなたではなくて あなたのこころの“うえ”をみたすためのきょぞうだったのよ このごはんもじゅうぶんにたべられない、なにもないくうかんで あなたがゆっくりするためにみいだしたゆっくりするためのほうほう それが、“さなえ”という、たゆんのためにつくすやくわりだったのよ」 「では・・・わたしはどうすればいいのですか? どうすればわたしはほんとうのわたしになれるのですか?」 「ゆふふふふ。 まわりをよくみてみなさい あなたはもう“さなえ”をえんじなくても、ゆっくりすることのできるなかまをてにいれたじゃない」 さなえが振りかえると、基本種達は穏やかな笑みを浮かべていた だれもさなえを非難するような者はいない むしろ、心配して不安そうにしている者もいるくらいだ 「あなたがたおれたとき、だれもあなたをみすてなかったでしょう? それがみんなのだしたこたえよ さなえが“さなえ”でなくても、だれもあなたもなかまはずれになんてしないわ まぁ、ここまであなたがうけいれられたのも、あなたがいっしょうけんめいがんばったからなのだけどね」 「みなざん・・・うわあああああああああああん! ざなえぼ、ざなえぼゆるじでぐだざいいいいいいいいいい! わだじはみなざんのごどぼみぐだじでばじだあああああああ!」 さなえはようやく本種達を見下していたことを認めた それを責めるようなゆっくりはこの場にはいなかった 「ゆーん! なかないでね! これからもれいむとゆっくりしていってね!」 「あやまるひつようはないみょん! さなえはみょんたちのたよれるりーだーだみょん!」 「むきゃきゃきゃ! どうしてないているのかしら! かなしいことなんてなにもおこってないわ!」 「おごっでるよおおおおおおおおお! でいぶがじんじゃうでじょおおおおおおおおお!」 「あら、わすれてたわ。 ごめんなさい」 まりさに言われて、ゆうかはようやく頬を食いちぎったれいむのことを思い出した 18 「ゆぎいいいいいいいい! いじゃいいいいいいいい!」 「でいぶううう! はやぶよぐなっでね!? べーろべろ!ベーろべろ!」 れいむの頬にぽっかりと空いた穴を、なんども舌で舐めまわすまりさ そんなことをしていたら餡子がどんどん失われてしまって余計に死を早めてしまう 「おきゃあしゃあああん! ゆっくちしちぇ! ゆっくちだよ!ゆっくち!」 「うるざいよ! おばえなんがおじびじゃんじゃないよ! あっぢにいっでざっざどじね!」 「だめだよおおお! そんなこといったらゆうかに『なにか?』ゆひぃ!?」 ゆうかが近づくとまりさはぺーろぺろを中断してれいむから離れた 末っ子れいむは母に自分の存在を認めてもらおうとしたが お飾りのない子は死ねとしか答えが返って来ない 「もうよしなさい・・・ そいつはあなたのことをけっしてじぶんのことはみとめないわ」 「しょんにゃこちょにゃいいいいいい! おきゃあしゃんはわかっちぇくれりゅもおおおおおん!」 「いいかげんにじろおおおおお! あっじへいげこのくずううううううううう!」 瀕死のれいむは身体を起こしてまとわりついてくる我が子をもみあげで引っ叩いた 末っ子れいむは勢いよくブッ飛ばされ、数回バウンドしてようやく止まった 「もうだめね、こいつはておくれだわ」 「そうですね・・・なにがなんでもじぶんのこをうけいれようとしないなんて・・・」 ゆうかとさなえは泣きじゃくる末っ子れいむを保護して自分たちで育てることにした れいむとまりさの番は適当に食料を与えてやり、怪我が良くなるまで面倒を見てやることにする そうでもしなければ末っ子が悲しんで余計な体力を使ってしまうからだ 「やれやれ・・・ばかのあつかいにはこまるわね、まったく」 「ですね・・・」 19 さくやは不満だった さなえとゆうかのやり取りはまるで台本でもあるかのように きまりきったセリフを読み上げるだけの下らない茶番に思えた そもそも、基本種達がいないと生きていけないというゆうかの主張が気に食わない なぜあんな無能な連中と我々希少種が同じレベルに立たされなければならないのか 今回の件で決着がついても、また次の問題が浮上する 恐らく別の基本種が新しく子供を作って騒ぎを起こすだろう そうなったとき、偉そうに能書きを垂れていたゆうかがどうなるか見ものだ 基本種達はいつだって自分のことしか考えていない さくやはそう確信していた 「みなさん! たいせつなおはなしがあるのでこちらにあつまってください!」 さなえが全ゆんを部屋の中央へと集めた その隣にはゆうかとお飾りが欠損した末っ子れいむがいる ぞろぞろと全ゆんが集合うするとさなえは信じられないことを言った 「これからあたらしいおちびちゃんをつくるゆっくりをきめようとおもいます! ざんねんですが、ごはんによゆうがあるとはいえ、なんゆんもやしなえるよゆうはありません・・・ そこで、おちびちゃんをつくるつがいをみなさんにえらんでほしいのです!」 「ゆわぁ! いいかんがえだね! れいむはだいさんっせい!だよ」 「まりさもなのぜ! おちびちゃんはゆっくりできるのぜ!」 「とってもとかいはなていあんだわぁ! すてきよさなえ!」 基本種達から歓声が上がり、場の雰囲気が明るくなる その賑やかな様子とは裏腹にさくやの気持ちは冷めきっていた どうせみんな自分のことばかり考えて、誰が新しい子供を作るかなんて決まらないだろう さなえもバカなことを考えたものだ こんなことをしても時間の無駄 「じゃお・・・?」 夫のめーりんは、さくやの冷めた気持ちを察したのか そっと頬をすりよせて来た おちびちゃん・・・ さくやはこの部屋の生活の中で自分のおちびちゃんの事など考えたこともなかった ただ淡々と与えられた役割を果たし、餌の管理を続ける 仕事に没頭すれば余計なことは考えなくてすむ 煩わしい基本種の相手もさなえにまかせっきりで めーりんといちゃいちゃするようなこともない 今思えば自分は孤独なゆっくりだったのかもしれない だが、それがどうした 孤独だって別にいいじゃないか あんな風になるくらいだったら・・・ 基本種と同レベルまで堕ちて、仮初の幸せを手にしたさなえ 彼女周りにはいつも基本種達がいる 以前のような気高さは感じられない アホみたいにじゃれあって笑っているだけだ 「みなさんでいっせいに、おちびちゃんをつくってもらいたいつがいのなまえをよびましょう! いちばんよくきこえたぺあがあたらしくおちびちゃんをつくるつがいということになります!」 何を言っているんださなえは どうせ全ゆんが自分の名前を言うにきまっている こんなことをしても、ひと組の番を選ぶことはできないだろう 彼女は中身まで基本種同様になってしまったのだろうか? まぁいい この後どうなるか見ていてあげよう 基本種達に攻め立てられて涙目になったさなえを眺めるのも悪くない 「それでは、わたしがあいずしたらいっせいにおねがいします! いいですか? いっせーのせ!でいいますからね? いいですか?いっせーのせ!ですよ!」 「「「「「ゆっくりりかいしたよ」」」」」 「それでは・・・いっせーの・・・」 バカバカしいとは思いながら、さくやは事の成り行きをおとなしく見守ることにした 「せぇ!!!」 「「「「「めーりんとさくや!」」」」」 「・・・・・・え?」 20 「おめでとうございます! あたらしくおちびちゃんをつくるつがいはめーりんとさくやさんです!」 「ちょ、ちょっとま・・・」 「おめでとうなんだぜ! がんばってげんきなおちびちゃんをうんでほしいんだぜ!」 「さくやとめーりんのおちびちゃんはきっととかいはなゆっくりになるわ! まちがいない!」 めーりんのライバルまりさとありすが真っ先にさくやにかけよって祝福してくれた 当のさくやは混乱して何が何だか分からず目を白黒させていた 「ちょっと!まちなさい! かってにあたらしいおちびちゃんをつくるなんてきめないで! わたしはおちびちゃんがほしいなんてひとこともいってないでしょ! だいたいなんなのあなたたち! なんでわたしにおちびちゃんをうんでほしいなんていうの!?」 「それは・・・それはさくやがゆうっしゅう!だからなんだぜ」 「は?」 ライバルまりさとありすが少し暗い顔をして話しはじめた 「さくやがいなかったらみんなゆっくりできなかったんだぜ さくやがごはんをびょうどうにわけてくれたからみんなゆっくりできたんだぜ それはまりさやありすにはとてもできないことだったんだぜ・・・」 「しょうじきいって、ありすだっておちびちゃんがほしいわ・・・ でも、じぶんたちよりとかいはなつがいにそのけんりをゆずることはとってもじゅうようなことよ もしありすたちのおちびちゃんがうまれても、さくやみたいなゆっくりがいなくちゃ そのおちびちゃんはいきていけないわ」 「だから、まずはさくやとめーりんにおちびちゃんをつくってほしいのぜ そうすればきっとみんなでゆっくりできるのぜ」 「ふざけないで!! そんなのあなたたちのつごうでしょう!? どうして、あなたためにわたしがおちびちゃんをつくらなきゃいけないの!? おかしいでしょう!? 」 「いやなのかぜ?」 「いやよ! いやにきまってるでしょ!? あんたたちのめんどうをみるためにおちびちゃんをつくるなんてまっぴらごめんよ!」 「ならべつにいいのぜ」 「うるさい!なんていおうとわたしは・・・・・・え?」 「べつにいやならおちびちゃんはつくらなくてもいいっていってるのぜ」 「さくやがことわったら、わたしたちがおちびちゃんをつくってもいいことになってるわ さくやがいやだっていうならしかたないわね」 「ちょ・・・まちなさいよ! どういうことなの!?」 「どういうことって・・・いませつめいしたとうりなのぜ」 さくやはてっきり自分のおちびちゃんを利用するために選んだのだと思い込んでいた しかし、どうも様子がおかしい 「もともとあらかじめはなしあってきめておいたのよ みんな、さくやとめーりんにおちびちゃんをつくってもらいたいっていってたわ あなたたちのなかがいいのはみんなしっていたからね さっきやったのは、そうね・・・みんなのいしをさいかくにんするてすとさんね」 「まりさたちはさくやたちのつぎにおちびちゃんをつくってもいいぺあにえらばれてたのぜ とうぶんがまんするつもりだったけど、そのひつようはなくなったのぜ」 「な、え? ちょっ・・・」 「ありすたちがかわりにとかいはなあかちゃんをうんであげるわ!」 「めーりんはさくやとおちびちゃんをつくりたがってるみたいだけどしかたないのぜ!」 「ちょっとまちなさい! ちょっとおおおお!」 「なんなのぜ?」「なにかしら?」 さくやは何が何だか分からなくなった 頭の中が真っ白になり、何故だかわからないが変にムラムラする 自分はどうしたいのか、何を言うべきなのか 「べ・・・べつに! おちびちゃんをつくらないとは、ひ・・・ひとこともいってないんだからね!」 「ゆぅん? さっきたしかにいやだっていってたんだぜ?」 「ありすもきいたわ。 あんたたちのためにおちびちゃんなんかつくらないっていってたわ」 「そ、それはことばのあやよ! あーや!」 「まりさ、むつかしいことはわからないんだぜ」 「ありすもわかんなーい」 「だ、だから! それは、つまり、その・・・」 「はっきりいうのぜ」「いうのよ」 「わ、わたしは・・・お、お、お・・・」 「「お?」」 「おちびちゃんを・・・」 「「を?」」 「お・・・おちびちゃんをつくるわ!!! これでいいんでしょおおおおおおおおおおおお!?」 「やれやれなのぜ」 「まったく、すなおじゃないのね」 ジョロロロろ~ 「ちょ! さくやがうれしーしーしちゃったのぜ!」 「いくらうれしいからって、いくらなんでもそれは・・・」 「ちがう~! ちがうのよおおおおおおおおおおお!」 「じゃおおおおおおお! じゃおじゃおじゃお!」 さくやは嬉しさのあまり失禁してしまい、顔は真っ赤に染めて涙目になっている そんな彼女をめーりんはそっと引き寄せて頬をさすり付けた 21 「ちょっと!そんなんじゃぜんぜんだめよ! やりなおしなさい!」 「わ、わかってるのぜ! でもそんなにかんたんには・・・」 「やっぱりさくやさんのようにうまくはいきませんね」 床に横たわり楽な姿勢を取りながら、まりさとさなえに指示をだすさくや 彼女のお腹はぽっこりと大きくなっている 「まったく! わたしがおてほんをみせてあげるからみていなさい!」 「だめなのぜ! おなかのおちびちゃんがおどろいちゃうのぜ!」 「なんとかがんばりますから! おねがいですからもうすこしおとなしくしていてください!」 「さなえー! れいむもてつだうよ! なにをすればいいの?」 「れ、れいむさん? れいむさんはむこうでみんなにおうたをきかせてあげてください!」 「えー? れいむもさなえのちからになりたいよ?」 「そうおもうなら、なおさらおうたをうたっていてください!」 「ありがためいわくもいいところなんだぜ! れいむがてをくわえたらめーちゃくちゃになっちゃうのぜ!」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」 手伝いを断られておお泣きするれいむ さなえはそんな彼女を見ると何故か笑いがこみ上げて来て吹き出してしまう 「じゃおおおおおお!じゃおじゃお!」 「ゆわーい! めーりんおねーしゃんはやーい!」 「ちょ! めーりんあぶないわよ! もうちょっとゆっくりしさい!」 「あぶないみょん! そくどちょうかでとりしまるみょん!」 少し離れた場所で、末っ子れいむを頭に乗せためーりんが元気よく飛び跳ねている その後をありすとみょんが追うがとっても追いつけない 「ゆぎぎぎぎ! どぼじででいぶじゃなぐでざぐやがおじびじゃんをにんっじん!じなぐじゃいげないのおおお?」 「そ、そんなこといったらゆうかにおこられるよ!」 「あら、よんだかしら?」 「「ゆひいいいいいいいいいいいいい!?」」 壁際で末っ子れいむの母れいむと父まりさが小声で話している ゆうかが話しかけると二匹は身体を寄せ合って悲鳴を上げた どこを見てもゆっくりしているゆっくりばかり それとは対照的に、柵の向こう側のゆっくり達は全くゆっくりしていない 「ゆぎいいいいいいいい!!! おながずいだあああああああああ!!」 「ごはんんんんんんんん!!! ごはんはまだがああああああああ!!」 餌が投下されるいちに十匹の成体ゆっくりが群れいている ぶくぶくに膨れた肥満体の彼女たちの身体は 常に体液が噴出してぬらぬらと鈍い光沢を出している 「はやぐじろおおおおおおおおおお!! でいぶをまだぜるなああああああああ!!」 「おながずいだああああああああああ! ひもじいいよおおおおおおおおおおおお!」 与えられている食事は決して飢えるような量ではない むしろ十分すぎるくらいである 以前はかなり食べ残して沢山余っていたが、今は全く余らない 「ぎだあああああああああああああ! ごはああああああああああああああああん!」 「でいぶのおおおおおおお! でいぶのむじゃむじゃあああああああああああああ!!」 餌が投下されると一斉に食らいつくでいぶとまりさ と同時に熾烈な奪い合いが始まる 「どげええええええええええええ! ごではまでぃざのだあああああああああ!」 「うるざいいいいいいいいいい! でいぶによごぜよおおおおおおおおおお!!」 『食べる』ということよりも『奪う』ということに執着する彼女たち 彼女たちにとって食事とは、ゆっくりする時間ではなく 他ゆんからゆっくりを少しでも多く奪おうとする戦いの時であった 餌の奪い合いで身体を動かすため、以前よりもスリムアップしたものの やはり食べる量が多いので肥満体形のまま 醜い身体で食料を奪い合う彼女たちの姿はまさに餓鬼そのものだった 「ゆぎいいいいい! ごれはでいぶのだあああああ! はなぜえええええ!」 「だばれえええええええええ!! までぃざがだべるんだああああああああ!」 「ゆがざんはゆっぐぢだべられでね!? べーろべろ!べーろべろ!」 僅かな欠片を奪い合い、床まで舐めて塵一つ残さず食べつくす 何を口に入れてもしあわせは感じない 感じるのは果てしない際限なき焦燥感 全ての餌を食べ終えると、再び元の位置に戻り 壁に張り付いて餌が投下されるのをまつ 毎日、これと同じことをずっと繰り返すようになっていた 彼女たちは決して柵の向こう側を見ようとしない 向こう側を見ると、言いようのない飢えに襲われるのだ 何故だかは分からない 食べても食べても満たされない どんなに甘くておいしい物を口にしても どんない沢山のごはんをお腹に詰め込んでも 満たされることのない飢え おちびちゃんがいた時はそんなもの感じなかった 痩せこけた向こうの連中がゲームをしていても鼻で笑えた だが今は、連中の声を聞くだけで飢えてしまう 誰か助けて 誰か助けろ 誰か・・・誰か・・・ 22 「まぁ・・・こんなもんか・・・」 「こんなものか、はないでしょう? ゆうかはがんばったのよ?」 「ああ、えらいえらい」 「おにいさん? もうちょっとちゃんとほめてくれてもいいんじゃないの?」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 モニターの映像を見ながら、お兄さんは面倒くさそうにゆうかの頭をなでた 一連のゆっくり達のやり取りはお兄さんが仕組んだものだった 仕組んだと言っても、部屋を二分にして人間との接触を一切させず 餌だけを与えてどうなるか観察していただけだが 「あのこたちをちょうきょうするのもつかれたわ・・・ もうちょっとねぎらいのことばがあってもいいともうのだけれど」 「うん? まぁ、結果はよかったよ。 おめー」 「・・・・・ゆうかおこるわよ?」 今回の実験は希少種による基本種への差別意識の矯正を行うというものだ 希少種は頭の良さや、文字通りその希少性から基本種を見下したりする傾向がある その悪癖を矯正してゆっくりできる希少種を作ろうと言うのが今回の試みである 実験の対象にしたのは、特にプライドの高いさくやと、選民意識を持ちやすいと言われるさなえ これらの希少種を基本種と一緒に生活させ、あえて劣悪な環境に置くことで 基本種との協力関係を生み、種族の壁を乗り越えさせる 勿論それだけでうまくいくという保証はなく、基本種のように安価でもないので 保険としてこのゆうかに協力してもらったのだ 希少種の中には、ちぇんを溺愛するゲス化の傾向がみられた、らんを混ぜておい置いた そのせいでちぇん種は巻き添えを食らった形で全滅したが、結果としてはいい方に転んだ 基本種達がゆうかへの見方を変えて、場のコントロールが容易になったからだ 後は基本種達をうまく使うことで、さなえとさくやのマインドコントロールは順調に行えた 「ゆうかおねえさーん!」 「あら“ありす”じゃない? ひさしぶりね」 『ありす』がゆうかに駆け寄ってくる これは見てくれはありすだが中身がまりさという珍しい個体だ 身体のほとんどが餡子でできているが、中枢餡の一部だけがカスタードでできているのだ ゆうかとの関係は『ありす』が幼いころから続いている 「しばらくみないうちにおおきくなったわね」 「ゆうかおねーさんどこにいってたのぉ? ありす、とってもさびしかったわぁ!」 「むきゅん。 あらあら、げんきそうでがっかりだわ」 「あら、むらさきげろまんじゅうまでいたの?」 「むぎゃ! そのひとことはぱちぇをほんきでおこらせてしまったわ・・・」 『ありす』の後からやってきたぱちゅりー ゆうかとは長い付き合いで、所謂腐れ縁という奴だ ぱちゅりーには『ありす』に飼いゆっくりのルールや教養などを教えてもらっている 「ききなさいぱちゅりー! わたしはきしょうしゅのきょうせいにせいっこう!したわ!」 「あら、そんなことたいしたことないわ! ぱちぇはこんどおにーさんのともだちのいもーとさんをたすけるびっぐなしごとをするのよ!」 昔からライバルだった二匹は自分の手柄やこれからする仕事を上げて張り合っている はたから見たらどんぐりの背比べにしか見えないが、そのことは黙っておこう 23 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっぐぢなんがでぎるがああああああああああ!」 「うるざいだばれえええええええええええええええ!」 「すげえ! 挨拶さえ返さないくらい追い詰められたゆっくり何てオラ初めて見たぞ!」 実験終了に伴い、必要なくなった基本種を除いて部屋を一つに改造しなおすことにした 基本種を除くと言っても、ぶくぶくになった肥えた方の基本種だけであって 希少種と一緒に生活している基本種には手は出さない 予め、あちらがわのゆっくりには餌にラムネを混ぜて眠らせているため おにーさんの存在には気付かないだろう ちなみに、ゆうかは彼女たちが眠っている間にこっそり合流させるつもりだ 「ゆぎいいいいいいいい! なにがぐわぜろおおおおおおおお!」 「ごはあああああああああん! ごはんんんんんんんんんんんん!」 「すげえな、食うことしか頭にないのか」 デブ成体を全て回収し終えてから、柵を撤去して部屋を広くしてやる 明日からは餌も十分に与えてやることにしよう 他にも観葉植物やベットなんかもくれてやろう ゆっくりできるゆっくりには最高のゆっくりを それがお兄さんのポリシーだった 「こいつらどうすっかなー? ただ殺すだけじゃもったいないしなー」 「ゆぎいいいいいいい! ゆっぐぢざぜろおおおおおおおおお!」 「ゆぴゃあああああああああああああああああああああああ!」 五月蠅く喚くだけのデブ成体を見てお兄さんは頭を悩ませた このまま潰すのはもったいない でも、利用価値はほとんどない ふと、撤去して使い道の無くなった柵に目をやる 頭の中に面白い考えが勝手に生えた 「これをつかうか・・・」 お兄さんは柵とデブ成体の入ったケースを持って部屋を出た 残されたゆっくり達は安らかに眠っている 本当の飢えを知らない彼女たちは 幸福な夢の中でゆっくりとしているだろう 終 おわりに ここまで読んでくれた方、おつかれさまでした 初の希少種物ということで書いてて結構緊張しました 本作のアイディアは『さくのなかとそと』の感想に付けられた 「中の連中におかざりのないゆっくりがゆっくりしているところをみせればもっとよかった」 という感想がヒントになりました あの作品でも一応そういう展開も考えたんですが、容量の関係と筆者の実力のなさの問題で断念 じゃあ、最初からお互いに見えるような環境にすればいいじゃん ということで今作のシチュエーションの構想が出来上がりました あの感想を書いてくれた方、ありがとうございます それにしても、今回は筆の進みが遅い遅い すぐに書きあがるかなーと思っていましたがそんなこたぁありませんでした 前作の『いのちはたいせつ』を書きあげる前から息抜きに書き始めたSSですが 書いていると次々に矛盾点が浮上し、その度に書きなおす羽目になりました・・・ にしてはあんまり整ってないような気もしますが ということで、本作を最後までお読みいただいてありがとうございました おわび 『いのちはたいせつ』前・中・後において 注意書きが無かったために不快な思いをした方がおられたようです 私の配慮が足りず、ご迷惑をおかけしてしまったことをここにお詫びします 申し訳ありませんでした 今後、人間の言動や行動も考慮したうえで注意書きを書こうと思います では 書いたもの anko2410 さくのなかとそと anko2428 はんせいしてますごめんなさい anko2441 ありすはありす anko2469 にくたいげんご anko2505 いのちはたいせつ 前篇 anko2507 いのちはたいせつ 中篇 anko2508 いのちはたいせつ 後篇
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Sana / 新谷さなえ 【サナ】 Sana / 新谷さなえ 概要 プロフィール 参加楽曲一覧 関連リンク 概要 BEMANIシリーズで活躍していたボーカリスト。本名:新谷早苗。 BEMANIアーティストの中でも抜群の知名度を誇るアーティストである。 プロフィール 兵庫県神戸市出身。12月21日生まれ。生年及びコナミへの具体的な入社時期は非公開。 OLとしてコナミに勤務中、サウンド部門で働いていた知人から仮歌の歌唱を頼まれて制作したデモテープを聞いた初代『batmania』のプロデューサー、 Togo Shef こと藤後浩之に見いだされ、PS版『beatmania』にてボーカリストデビュー。 以来、BEMANIシリーズの各機種のAC版・CS版にボーカリスト・作詞で参加して数多くの楽曲を歌い、『コナミの歌姫』と呼ばれ絶大な人気を誇るアーティストの1人となった。 2013年頃に結婚を報告すると共にコナミを退社。 現在ではフリーランスとして活動しており、歌以外の声の仕事も請け負っている。 参加楽曲一覧 関連リンク 新谷さなえ Togo Sana-mode#? Sanative#? Sana-mode II#? ボクをさがしに#? Sana-molle Collection#? Sana Coffret さなえちゃん Sanaコース(pm6) Sanaコース(pm7) Sanaコース(pm8) Sanaコース(pm9) 《Sanaのトナリ》 スタッフ
https://w.atwiki.jp/gods/pages/6806.html
アリヤマ インド神話の神。 犠牲をかなえさせる神とされる。
https://w.atwiki.jp/asagaolabo/pages/1294.html
ウィンターポップ / WINTER POP 【ウィンターポップ】 しろいゆきのホットなラブソング【GB版】 GB版ポップンの人気曲がバージョンアップして登場!雪の様にキラキラとまぶしいポップソングだよ!【AC版】 寒い季節にぴったりの曲がバージョンアップして登場!雪の様にキラキラとまぶしいポップソングだよ!【CS10版】 ウィンターポップ / WINTER POP ハイライト発生箇所 他のBEMANIシリーズへの収録 初出作品での出現条件 収録作品 ロング版収録 関連リンク ポップンミュージック7 で登場した楽曲。担当キャラクターはさなえちゃん(7-1P)/原曲担当:さなえちゃん(AC1)。 ポップンミュージックGB で登場した楽曲のアレンジ版。 White Lovers / 新谷さなえ BPM 125 5b-【旧】7 ⇒ 【9】5 ⇒ 【10】6 N-12 H-【旧】22 ⇒ 【9】24 ⇒ 【10】25 EX-× 新難易度 5Buttons NORMAL HYPER EXTRA × 18 31 45 ハイライト EASY NORMAL HYPER EXTRA × × × 4 ポップンミュージックGBからの登場で、本家機種への収録に伴って「くちうるさいママ」と同じく、アレンジされる形で隠し曲となった。当時は出現条件が偶然性を意識したものではあったものの、確実に出すために試行錯誤で苦労した人も多い隠し曲で、登場時期に相応しく冬という季節感あふれる、ピアノの旋律で始まりシンセとギターの伴奏がアクセントとなるポップス。一度は別れた昔の恋人への思いを伝えるために会いに、雪の降る街を行く女の子をイメージしており、白には純粋というイメージがあり「純粋な恋」という意味から、ストーリー性のある内容となっている。作詞の「雪村千里」と編曲の「男沢仁」はそれぞれ、新谷さなえとdj TAKAの別名義であったりする。 中盤でずれているオブジェが少々厄介だが、同時押ししてかまわない配置であるのでスコア以外では気にする必要はないだろう。しかしハイパーは表記の割りに乱打や変則階段・変なズレなど、サビ以降から簡単になるとはいえ油断できない配置になっており中盤が結構難しい。むしろ詐称難度といっておかしくない。ゲージを残した量によってクリアできるかどうかが変わってくるだろう。peaceではEXが登場し、開幕のピアノに合わせた高速階段がいきなり登場するが、そこでゲージが残せなくても挽回は可能。ハイパーと同じくズレ絡みのBメロからが本番で、サビから全体的に乱打と同時押しを絡めた配置が目立つ。テンポが遅めなので、GREAT以上で1つ1つを丁寧に拾うことを意識したい。 ハイライト発生箇所 番号 5Buttons / EASY NORMAL HYPER EXTRA 1 2 3 4 他のBEMANIシリーズへの収録 Dance Dance Revolution EXTREMEのみの限定収録。 GBポップンで登場。この曲は、ポップン7でアレンジされて収録された。アレンジ版アーティストは「新谷さなえ」。アレンジも担当キャラは「さなえちゃん」。 曲の雰囲気に合わせ、しろポップ君とダンス(オジャマ)を組み合わせたプレイもある。ハイスピードを下げるほど、降ってくる雪とポップ君が同化しやすく、難易度が上がる。 初出作品での出現条件 ステージ1または2のリザルト画面で、「GREAT」「GOOD」「BAD」「コンボ」「スコア」の5項目の中に「7」が7つ以上含まれている。 収録作品 AC版 ポップンミュージック7~ポップンミュージック うさぎと猫と少年の夢 ハイパー譜面まで。 ポップンミュージック peaceからの全作品 2019/12/19からEX譜面が追加。ポップンタイムトリップのエクストラ編3で獲得できる。 CS版 ポップンミュージック7~ポップンミュージック8 ポップンミュージック10 曲コメントがこの作品のみCS版仕様となっている(他の収録作品はAC版準拠)。 ポップンミュージック ポータブル2 DLCコンテンツの初回生産特典として、無料DL可能な「DLC 01」10曲の内の1曲として収録。 ロング版収録 pop n music Artist Collection 新谷さなえ Sana Coffret / Sana pop n music artists X mas Songs Sana Coffret / Sana 別アレンジ(remix)バージョンを収録。 pop n music Cafe music Espresso Togoによる別アレンジバージョンを収録。大橋藍が歌う。 関連リンク -関連曲 ウィンターダンス 新谷さなえ dj TAKA 楽曲一覧/ポップンミュージック7