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もう1つはサザエさん一家が幸福であったのはテレビアニメに描かれているあの時期だけで、それ以降カツオは非行に走り少年院に入り、ワカメは売春で逮捕、フネは不倫に明け暮れるようになり、心筋梗塞で死んでしまいます。 更にタラちゃんが事故死するに及んでノイローゼになったますおは自殺してしまい、この一家崩壊の現実に耐えられなかったサザエはキッチンドリンカーになってしまうというものです。
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人肉料理店とその契約者 少年 高校一年 160㌢位 都市伝説【白いワニ】に襲われた所をオーナーに救われ、都市伝説【人肉料理店】と契約。その際【白いワニ】に友人及び同級生を殺されている 契約と同時に、解体、保存、調理方法なども覚える。応用で傷の治療も可能。 身体能力は中の上。飲み込まれない限りは。割と感情で動く子 身長がコンプレックスでわざと口調を荒っぽくしているが、いまではそれが素 オーナー 都市伝説【人肉料理店】 “ある飲食店の客、店員が次々と消えていく”“店の排水溝から血のような真っ赤な液体が流れていた”“消えた人達は店で料理として出されている” とゆー噂から発生した都市伝説 ちなみにオーナー自身は一般人を襲った事は無い 能力は“調理器具(大)を呼び出す”“異界にある調理場へ引きずり込み、調理する” の、二つ 生物系統の相手には強いが無機物、及び実体無しの相手にはほぼ無力 見た目は二十代後半 170㌢強 イケメソ 常に冷静。が、食材(汗)を前にすると結構オチャメさん☆ 人としての一面も持っていて(普通の)料理店も経営している ひきこさん 少年の祖母。と同時に都市伝説【ヒキコさん】でもある。 契約者は旦那さんで50年位前に契約。その後夫婦となり、少年の母親を妊娠したのを機に学校町を離れた。 怪力。そして子供好き。しかしその力故に、じゃれつかれた子供はエライ目に遭うとゆー罠。 割と自由人で、変な所で変な知り合いを作ってたりする ページ最上部へ
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「コーク・ロアに支配された人間が、なぁ」 適当に獲物を物色した帰り、マッドガッサーは似非関西弁の女性と合流し、並んで歩いていた 時刻は、そろそろ深夜を回る こんな時刻に、ガスマスクの男が若い女性と並んで歩いていても通報されなこの街は、本当にありがたい 「爆やんも、二回くらい襲われとるやん?相当数が増えとるんちゃう?」 「…支配型で、支配している対象を増やしてるんだよな?だとしたら、あいつが狙われたのは完全に能力目当てだろ。コーク・ロアの能力で支配された状態でも、契約している都市伝説の能力は使えるからな」 …やはり、この街は危険か? いや、だが、同時にここまで動きやすい街はない ここを逃さない手はないのだ ……それに、魔女の一撃の契約者は、この街に住んでいるとある対象に、異様に執着している そっちの目的が叶うまでは、この街にいたいところだが… 「………だとしても、やばいかね?」 「…ヤバイんちゃう?」 …気配が 二人に、ゆっくりと近づいてきていた ざわざわと、何かが近づいてくる感覚 「…走るぞっ!」 「りょーかいっ!」 言うが早いか、二人は駆け出す しゅるしゅると、背後から迫ってきていた気配が、途端に隠す事をやめた 漆黒の闇の中、黒いそれが迫ってくる 「げ、この髪は…………うぉわっ!?」 「んみゃっ!?」 しゅるり 髪は、何時の間にか、二人の真正面からも迫ってきていて あっと言う間に、二人の体を絡めとった 「-------っ!!」 ごがっ!! 「マッドはん!?」 マッドガッサーの体が、塀に叩きつけられる その衝撃で、からんっ、と……被っていたガスマスクが、落ちた 「おや、こりゃまた……随分と、可愛らしい顔してたんだな」 すたん、と 塀の上に降りる影…髪をわさわさと不気味に伸ばす、黒服 「ってめ……」 「よぉ、また会ったな」 ニヤリ、その黒服はマッドガッサーを見下ろして笑った 髪は、完全にマッドガッサーと似非関西弁の女性を束縛し、その動きを封じている 「あー、そんなに睨むなや。殺すんじゃなくて、お持ち帰りするよう言われてんだから……生け捕りとか、そう言う方針で行くならいくで、もっと早く決めとけってのな」 「生け捕りて……マッドはんに何する気や!?」 「さぁ?俺は聞かされてないし、っつか、具体的には聞きたくねぇや」 似非関西弁の女性の言葉に、その黒服は肩をすくめてみせた …生け捕りにしたマッドガッサーを、「組織」はどうするつもりなのか? 正直、考えたくもない 突然変異の個体、その特殊な研究対象を、「組織」がどうするか…考えなくとも、大体想像はつく 「…そう言や、マッドガッサーは生け捕りにしろって言われてっけど、その仲間に付いては指定受けてないな…どうすっかねぇ」 「!」 黒服が何気なく呟いたその言葉に、ぴくり、マッドガッサーが反応したように見えた …そうだ、マッドガッサーの仲間については、何も指示が出されていない つまりは、処分しろと言う事なのだろうな、と黒服は考えた 特に、「13階段」に対しては、そうなのだろう 「組織」の裏切り者で、しかも、あんまりよろしくない…今ではもうなかった事にされている計画の、生き証人のようなものだ 見つけ次第始末しろ、といわれてもおかしくない …個人的に、ちょっと可愛がった事もある対象だから、自分が「13階段」を追う事にはなりたくないものだ、黒服はそう考えていた ついでに……今、捕まえている似非関西弁の女性 そっちも、始末は勿体無いよなぁ さて、どうにかならないものか 考えていて……マッドガッサーが自分を睨みつけている事に、黒服は気づいた 「---っは、いいね、その目。人を殺した事がある奴の、殺意交じりの眼差し、ってか?」 はっきりとした、敵意、殺意 自分の大切なものを護ろうと言う、獣の目 今のマッドガッサーの眼差しは、そう言う目だった 「仲間が大切か?…………都市伝説の癖に、契約者でもない人間と仲良く、とは珍しいもんだ」 「お前だって、都市伝説だろうが」 「あぁ、そうだよ?」 そうだ、自分も、都市伝説だ くっく、と黒服は笑う 「元人間の…都市伝説に飲み込まれて、都市伝説と言う化け物になっちまった存在だよ?」 すたん、と塀から降りて、マッドガッサーに近づく 髪によって動きを束縛され、しかし、マッドガッサーは鋭く黒服を睨み続けていた …かつて、殺戮を行った経験がある者の、殺意の眼差し それを、黒服は真正面から受け止める 「どうせ、都市伝説なんざ、人間から見りゃあ化け物だ。そんな化け物と契約してくれる人間だって希少だってのに……その化け物と、契約もしてないのに、一緒に行動するような人間がいるなんてな。どんな手を使ったんだか」 「…ッマッドはんの事、悪く言わんといてや!」 あぁ、随分と慕われているじゃないか 都市伝説の癖に、化け物の癖に 俺はうまくいかなかったってのに、こいつはうまくいきそうだってかい? ……気に食わないねぇ? 「まぁ、そう言いなさんなや?……今、俺はあんたらの命を握ってる状態なんだぜ?」 「……彼女だけでも、放せ」 黒服を睨みつけたまま、マッドガッサーが低い声で告げてくる 完全に動きを束縛された何もできない状態だと言うのに、それでも護ろうとでも言うのか? 「嫌だ、って言ったら、お前さんはどうする?」 「…そう、だな」 …ぎりっ、と 束縛された腕を、マッドガッサーは無理矢理動かそうとする 無駄なことを 黒服は、マッドガッサーを束縛する力を強めていく 「無理に動かすと、腕が引きちぎれるぜ?」 「…マッドはん!」 ぎり、ぎり……と マッドガッサーが動かそうとするその腕を、束縛し続ける ……しかし 「-------っ、う、ぁ」 「っ!」 ぶちり 束縛していた黒服の髪を、半ば引きちぎるように…その腕に髪を食い込ませ、肉を、骨を切らせ出血しながら…マッドガッサーは、無理矢理に右腕をうごかした その指を、口元まで運んで ぴぃいいいいいいいい…………----------------- 高い、口笛の音が、周囲に響き渡った ひゅうっ、と 風の音が、辺りに響いて 直後、激風が黒服に襲い掛かった 「っく……!?」 立つ事すらままならない、激風 まるで、竜巻が自分の場所にピンポイントで直撃してきたかのようなその風に、黒服は体勢を崩した その拍子に、マッドガッサーと似非関西弁の女性を束縛していた髪の力が、緩む 叫び声のような、何かの鳴き声が、風の音に混じって響く 再び襲い掛かってきた激風に、黒服は体を飛ばされ、塀に体を叩きつけられた 直後、目の前を…何か、巨大な、巨大な 鳥のような生き物が、通り過ぎていったのを、確認する 「ぐ……くそ、何だってんだ…?」 …風が、やんで マッドガッサーの姿も、似非関西弁の女性の姿も、消えていた 残っているのは、引きちぎられた髪の毛と……マッドガッサーが流した血痕だけだ 「…まさか、さっきのが…例の、巨大都市伝説か…?くそ、マジでマッドガッサーの仲間かよ」 舌打ちする 事実を確認できたのはいいが…これは、やっかいだ 今回は逃走に使用したようだが、あれに暴れられては洒落にならない 流石に、報告するしかないだろう 黒服はため息をついて、懐から携帯を取り出した 「怪我はないか?」 「うちは平気や…それより、マッドはん、腕」 「都市伝説だから平気だよ。後でジャッカロープの乳でも分けてもらうさ」 ぶらり、半ば使い物にならなくなった腕をぶら下げつつ、マッドガッサーは似非関西弁の女性にそう答える 彼女に怪我がなかった事実に、酷くほっとしている自身に、マッドガッサーは気づいていた 「なぁ、アレが、ひょっとして前に話とった秘密兵器?」 「あぁ。あいつがいりゃあ、いざとなりゃどこにでも逃げれるぞ」 「って、逃げる専用かいっ!?」 「約束なんだよ、荒事には手を出させないっつぅ」 ばさり 二人を逃がしたその巨大な存在は、翼をはばたかせ、高く、高く飛び上がっていっている それは、軽く見積もっても軽飛行機くらいの、巨大な存在 これがヘタに暴れれば、何がおきるかわかったものではないし…それこそ、本格的にあちこちの組織に目をつけられる 「マッドはん?…考え込むのもええけど、まずは早よ教会に入って治療しよや?」 「ん……あぁ」 …自分は、「組織」には生け捕りにされようとしている だが、仲間は…どうなるか、わからない それこそ、始末でもされかねない それを、改めて自覚する …だからと言って、今更計画を諦めるつもりもなく ……いや、半ば、その計画など、どうでもよくなってきているはずなのだが しかし、それを手放す気にもなれず 「…しばらく、潜むぞ」 「うん?……おおっぴらに動かん、って事?」 「あぁ、多少は動くが……ちまちまやっても、目をつけられていくだけだ…………一気に、やってやる」 それだけの知識を、自分は思い出している …この学校町を全体を、一気にガスで包み込んでやる その準備が、必要だ 「…後で、他の連中にも言うつもりだが………身を引きたくなったら、いつでも引けよ?俺がこれからやろうとしている事は成功するかどうかわからないし、何より…他の都市伝説契約者たちにかぎつけられたら、本格的に戦いになるだろうしな」 「……今更、何言うとるん」 苦笑してくる、似非関西弁の女性 …あぁ、本当に今更だな、と 感覚がなくなってきた右腕の事など忘れながら…マッドガッサーもまた苦笑したのだった to be … ? 前ページ次ページ連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち
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概要 地理 南部にココナド拘置所がある。 歴史 都市 ウォルン 首都。 都市伝説 囚人が描いた絵の共通点〜とある絵画と残る呪い〜
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学校町 それは、ありとあらゆる意味で、特殊すぎる街である あまりにも多すぎる都市伝説 しかし、街の住人達の大半は、精神の防衛本能からか、その存在に気づかない 気づいた、そのほんの一部が都市伝説契約者となる訳だが、それはさておき そのような事情ゆえか、よほどおかしなことがない限り、ガスマスクで歩く人物も狼らしき犬も、通報されたりしない そう、全裸のマッスル兄貴集団レベルにでもならないと、通報されないのである ある意味で、不審者を見逃しやすくて危なさそうなのだが、それでも何とかなっているから困る ……そう、それゆえに 「はぁう、犬耳メイドさんかぁいい………っ、お持ち帰りぃ~~~~~~!!!!!」 ………そんな、どこか至福の叫びが、夜中街中に響いたとしても 誰もが聞かなかったふりをして、気にしてなどいかなかったのだった 「っちょ、まっ!?何これ誰あんた!?」 「お持ち帰りぃいいいいい!!!」 「いやぁあああああああああああああ誘拐魔!?」 一人の犬耳メイドが、お持ち帰りされようとしていた 名前が不明なので、便宜上「犬耳メイド」としか言い表しようのない彼女、本来は男である 様々な不幸とか不幸とか不運とかが重なって、今現在、こんな姿であり……ついでに言うと、うっかりと敵対組織に利用されていると言うかそう言う状態の都市伝説に捕まって、身の回りの世話などをさせられている ありとあらゆる意味で、色んな不幸を背負った犬耳メイドである そんな犬耳メイドの不幸オンパレードに、また一つ、新たなページが刻まれようと言う瞬間であった 「刻まれたくないっ!そんなもの刻まれたくないっ!!」 ナレーションに突っ込みいれるというメタなことをかます犬耳メイド とにかく、この突然の襲撃者に、反応しきれなかったのだ 知り合いと顔を合わせることを避ける為、夜に買出しに出たのが不味かったのだろうか 突如現れたこの女性に、あっさりと抱えあげられてしまった 周囲に人気なし どう見ても、お持ち帰りルート直行です 本当にありがとうございました この女性が何者かは知らないが、このままでは不味い …以前、「首塚」本部に連れて行かれた時の記憶が頭をよぎり、ちょっぴり死にたくなったのは、さておきだ 犬耳メイドを片腕で軽々と抱え上げ、疾走する女性 体格的に、一見すれば犬耳メイドを軽々抱えあげて疾走できるほどの力があるようには見えない それでも、それを軽々とやってのけている…こう見えて、体が鍛えられているのか、それとも、都市伝説契約者なのか 犬耳メイドが判断に迷っていた、その時 女性に向かって、振り下ろされた攻撃 しかし、彼女はそれに、あっさりと反応した 通常の人間ならば、反応するまでもなく叩き伏せられるかのような攻撃 それを、犬耳メイドを抱えているのとは逆の右手でか、それとも、完全に空いている膝か足でか あっさりと、防いでみせた 「…ほぅ?少しはやるようだな」 女性が防いだその武器は……俗に「方天画戟」などと呼ばれる物 巨大なそれを軽々と振り回してみせるその人物は、呂布の契約者だ もっとも、今現在、体の主導権を握っているのは、その呂布なのだが 「はぁう……邪魔するのかな?………かな?」 犬耳メイドを抱えたまま、至福の表情のまま、女性は呂布に首を傾げて見せた 突然の攻撃にも動揺した様子がないのを見ると、やはり、都市伝説契約者だ 「あぁあああ。出来れば顔を合わせたくなんかないけれど、今、この瞬間だけ会いたかった!助けてーーっ!?」 「…ふん、どうやらその女、俺の武を示せるだけの実力はありそうだな」 え、こっちはどうでも良し!? 軽く衝撃を受けたり、まぁ、そうだよなぁとちょっと納得したりと忙しい犬耳メイド 彼女の考えなど、棚に置かれて………今、まさに 呂布と、犬耳メイド抱えた女性……追撃者の戦いが、始まろうとしていた 「邪魔しちゃ駄目ぇ」 たんっ、と 追撃者が、地を蹴った 刹那、人間の限界ギリギリの瞬発力で、呂布に迫る 「っ!!」 がごんっ!と響く鈍い音 追撃者の、目にも止まらぬ攻撃を、呂布は方天画戟で防いだ 小さく、舌打ちする 「速いな。三発目を防ぐのは難しかったぞ?」 ……三発? 少なくとも、犬耳メイドには、一発しか攻撃を放ったように見えなかった 三発? あの一瞬で、三発……だと……? 犬耳メイドの驚きになど、二人とも構っている暇はないのだろう 互いの攻撃が錯綜する 響き渡る、打撃の音 互いに、相手に攻撃を繰り出しながら……しかし、決定的な一撃を与える事は、できていない どちらの攻撃も、相手に届く事なく防がれているのだ …呂布が武器を使っているのに対し、追撃者の方は素手である事を考えると、追撃者の身体能力がケタ違いすぎる 方天画戟の攻撃を素手で防ぎ、痛みなどまるで感じていない様子なのだ えぇい、学校町は化け物の集まりか!? 戦いの中、半ば振り回されながら犬耳メイドは頭を抱えたくなった …実際の所、犬耳メイドは、追撃者の情報を、一切、得ていなかった たまたま、「壁に耳あり」の能力範囲内で、彼女のことを聞く事がなかったのだ そのせいで、彼女という、ある意味で恐ろしい存在を、今の今まで知ることがなかった ……できれば知りたくなかった、と言うか、関わりたくもなかったと思うのは気のせいか 「むぅ…どうして邪魔をするのかな………かな?」 「それを連れて行かれては、俺の身の回りの世話をする者がいなくなる」 「ちょっとお借りして、絵のモデルになってもらうだけよ?」 「やめてーーーっ!?この姿を後世に残さないでマジお願いっ!?」 思わず悲鳴をあげる犬耳メイド 本当、この姿を後世に残すのはやめてっ!? ……実際の所、既に某スパニッシュフライ契約者とか似非関西弁女性とかに姿絵を描かれている事実に、犬耳メイドは気づいていない 「もう、困った人」 どちらが、より困った人なのか、そんな事実は棚に上げて すぅ………と、追撃者の表情が、真面目なものに変わっていく 彼女も、気づいたのだ 呂布が、どれだけの強者であるのかを 「どうしても邪魔するというのなら……おねーさん、ちょっと本気出しちゃうわよ?」 追撃者の纏う雰囲気が……変わっていく その左腕に、犬耳メイドは抱えたまま しかし、どこか決定的に、構えが変わった 「む………」 追撃者の雰囲気が変わったことに、呂布は当然、気づいた 方天画戟を構える手に、力が篭る 追撃者の……肩から露出している、その右腕から、尋常ではない力を、感じて だんっ!と、強く地を蹴り、再び呂布に接近する追撃者 その、力のほとばしる右手が、呂布に迫る 呂布は、方天画戟でその攻撃を受け止めようとして -----ゾクリ 全身に、激しい悪寒を感じた 追撃者の右手が、方天画戟に触れる………その、瞬間に 呂布は、咄嗟に方天画戟から手を放した 直後 甲高い音が響き渡り……………方天画戟が、跡形もなく、破壊された 「…………な」 その光景に、ぞっとする犬耳メイド 今……彼女は「何をした」? 右手が、方天画戟に触れた ただ、それだけだった ただその瞬間……方天画戟は「破壊」された 先ほどまでの攻防で、方天画戟が脆くなっていた? ……違う 方天画戟が脆くなっていたわけでは、ない だと言うのに……彼女の右手が触れた、その瞬間に破壊されてしまった 呂布には、わかる 彼女が、方天画戟に触れる瞬間……彼女は、拳を握り締めてすら、いなかった ただ、その右手の指先が、方天画戟に触れた瞬間に、方天画戟は「破壊」された 恐らくは…都市伝説の、能力 そして、呂布にはわかる 恐らく、方天画戟から手を放していなかったら……その破壊の力は、自分にも届いていた 方天画戟のように、この体は……跡形もなく、破壊されただろう 「いい勘ね。勘のいい人は嫌いじゃないわよ?」 くすり、微笑む追撃者 その追撃者を、呂布はじろり、睨みつける 「…加減したな」 「何の事かしら?」 「今、お前は……その気になれは、俺に触れる事ができたはずだ」 方天画戟を通しての破壊を試みる必要など、なく 直接呂布に触れて、彼を破壊する事が…先ほど、彼女はできたはずなのだ しかし、追撃者はそれをしなかった あら、と追撃者は笑って、告げる 「だって、あなたには、護るべき相手が……助けるべき相手が、いるでしょ?なら、あなたは死んじゃ駄目だもの。ちゃんと、その体の持ち主の大切な人を助けてあげなくちゃ」 追撃者の言葉に、呂布と犬耳メイドが、驚きを表情に浮かべると くすくす、ますます追撃者は笑う 「こう言う事ってね、拳を交えると、大体わかっちゃうのよ?コミュニケーションって大事よね?」 「拳で語り合う、とでも言いたいのかよ」 呆れた声を出す犬耳メイド どこの格闘マンガの主人公とライバルだ、それは 「……ねぇ、だから、教えて?」 犬耳メイドを抱えたまま、追撃者は呂布に尋ねる 「あなたに、戦う事を強制しているのは………………だぁれ?」 「…答えるとでも思っているのか?」 「無理かしらね?」 でも知りたいの、と 追撃者は、少し悪戯っぽく笑った 「大切な人を人質にとるなんて、そんな奴、おねーさんが許さないわ。お仕置きしてあげなくっちゃ」 「突然、そんな事を言われて、信じるとでも?」 「…そうねぇ」 んー、と、犬耳メイドを抱えたまま、考えて見せる追撃者 やがて、呂布の警戒心を解くように笑いながら、言って来る 「そうね、せめて、信用してもらえるように、名前を名乗りましょうか」 左腕に、犬耳メイドを抱えた状態のまま、追撃者は右手で、その大きなスリットの入ったタイトスカートの裾を軽く摘んで、微笑んだ 「私は、追撃者……追撃者、玄宗 エリカよ。よろしくね?」 「----玄宗?」 ……まさか、と 覚えのある、その名前に……犬耳メイドは、ただただ、嫌な予感しかしない 月が、静かに三人を見下ろす中 追撃者は微笑みながら、呂布の次の言葉を待っていた ドクター 47 無双に巻き込まれる犬一匹に続く 前ページ次ページ連載 - 仲介者と追撃者と堕天使と
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【種別】 七不思議ネタ 【元ネタ】 学校の七不思議in禁書スレ 【初出】 鎌池和馬スレッド40「とある魔術の禁書目録」にて 【解説】 一、ツクヨミコモウェなる人物は虚数学区の住人。年をとらない。 二、最も不幸な少年の家には空から大飯食らいの白いシスターが落ちてくる。 三、学園都市最強の能力者はふたなりである。 四、悪者は不幸な少年に必ず負け、今後は正義の道を歩む。 五、とある学校の食堂にはメガネで巨乳の幽霊が出る。 六、清掃用ロボットに乗っているメイドさんにご飯を奢ると幸せになれる。 七、学園都市には同じ顔の人が一万人いた。 そんなありそうなネタ。 ただし、小萌先生は作中本当に七不思議認定されているらしい。 【関連】 学園都市の七フレキシブル 禁書スレの七不思議
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満月の夜 波の音だけが響き渡る人気のない埠頭に、黒尽くめの集団が現れた 彼等は寂れた倉庫へと足を踏み入れると、そこにはまた黒尽くめの男が一人、立っていた 集団の主要人物らしい男女が自らのフードを取り、前に出て男に歩み寄った 男はそれを確認すると、深々と御辞儀をして彼等を歓迎した 「「亞楼覇」の皆様ですね? お待ちしておりました」 「貴方が“売人”ね?」 「然様に御座います。真に失礼ながら、名前は伏せさせて頂きます」 「構わん。例のブツは何処だ?」 「無論、御用意させて頂いております。こちらに」 売人は何処からともなくアタッシュケースを取り出し、 それを開いてリーダー格らしき男に差し出した 男がそれを受け取り中身を見ると、表情に笑みが浮かんだ 何らかの機械のようなものが、2つ その姿形を敢えて形容するならば、“刃の部位が無いチェーンソー”だ 「……これが……これが『エフェクター』なの?」 「御明察に御座います。御使用方法はその見た目で容易に御判断できるようになっております」 「ほう……これだけか?」 「とんでも御座いません。奥にまだ御用意させて頂いております 御案内致しましょう、こちらへ」 天窓から差す月光しか目の頼りがない、暗黒に包まれた倉庫の奥へと、売人は手を招く 男はアタッシュケースを閉じ、女と手下を侍らせて売人について歩き始めた その瞬間、彼等の足元に、すとん、と何かが突き刺さった 各々が下がり、手下達は男女を庇うように前へ出る それは黒い蝙蝠の形をした物体だった が、すぐにそれは闇に溶けるように消えていった 「その先にはもう何もない。『エフェクター』は回収させて貰った」 聞こえたのは若い声 闇の中から靴の音が響き渡る 「っ……誰? いつからいたの!?」 「お前は自分の影に同じ事が訊けるか?」 嘲るようにウヒヒと嗤う声の主は、月光の下に辿りついてようやく判明した 声の通りまだ若い、顔の右半分が髪で隠れた黒尽くめの少年だった 首に提げられた金色の木の枝のペンダントが、きらりと胸で輝いている 「ちっ、ガキか……いや、「組織」か?」 「だったらどうする?」 「分かっているだろう?……殺せ」 男の指示と共に、周りの手下数人の姿が変化する ハイエナのような怪物となったそれは、涎を垂らして低く唸り始めた 「「グール」か…悪趣味な都市伝説だ」 少年が呟くと、「グール」達の姿が忽然と消えた にやっ、と男が薄く笑った 直後、辺りに血飛沫が飛び散った 腹をばっさりと切り裂かれた「グール」が姿を現し、少年の周りにばたばたと倒れる そこに立っていたのは、血に塗れた黄金の大鎌を持った少年だけだった 「っ!? 「グール」の擬態を見破ったってのか!?」 「都市伝説の力を利用する犯罪集団「亞楼覇」… リーダー格である生須 蹄(ナマス テイ)、及び沢 禰香(サワ デイカ)、以下数十人の組員と売人 『エフェクター』の闇取引の容疑により、「組織」R-No.の名において拘束する」 「R-No.……『Rangers』!」 「とんだ邪魔が入ったようで……私は御暇させて頂きますよ。がっひゃっひゃ……」 「逃がすとでも思って――――」 「貴様の相手はこいつらだ」 先程の倍以上の組員が前に出、その姿が「グール」へと変化する その中の2、3体が、先行して少年に襲い掛かった 「……俺の邪魔をするな」 鎌を下ろし、彼は右腕を伸ばし、掌を広げた すると、彼の影から黒い塊が「グール」と同数飛び出し、蝙蝠の形に変化して、少年の右腕の周りを舞う 「『欠片蝙蝠(ブリックバット)』」 蝙蝠は忍者の投げる手裏剣の如く回転し、「グール」へと放たれる 小気味の良い音と共に突き刺さり、体液を噴き出しながら「グール」は次々と倒れていった 「面倒だ……纏めて消えろ」 さらに動きだそうとする「グール」の群れの足元の影が、ゆらりと蠢いた 小さく波打つ影の表面は、徐々に、徐々に大きくなり、激しさを増す 「グール」達は思わず、その場で立ち止まってしまった 「『欠片蝙蝠-災厄箱(パンドラ・ボックス)』」 ぶわっ!!と「グール」の足元から大量の蝙蝠の刃が溢れ出す 逃げようにも、ここは影の中 影から際限なく溢れる刃から、逃れる事は出来ない あっという間に、「グール」達は血塗れになり、次々と倒れ伏した その場に立っていたのは少年と、生須と沢のみとなった 「売人は逃したか……まぁいい、後はお前達だけだ。今なら痛い目を見る事は無いのだが」 「ほう? 我々に勝てると、そう言いたいのか?」 「どちらにせよ、楽にさせるつもりはない」 「随分な自信ね……じゃあ、早速使わせて貰おうかしら?」 沢が取り出したのは、先程売人から受け取った『エフェクター』と呼ばれる代物 にやりと笑って生須もそれに応え、同じく『エフェクター』を取り出した 「なっ……それを使うのか!?」 「見せてやろう、我々の力を……!」 2人は装置についたリングに指をかけ、 「「『エフェクター』、起動!!」」 リコイルスタータを勢い良く引いた 『エフェクター』は激しいエンジン音を轟かせて振動し始める そして、2人に変化が現れた 生須の身体に包帯が何重にも巻かれ、何処からともなく現れた黄金の棺に収納されて、 黒く禍々しいオーラが棺の手足となって立ち上がる 沢の身体を業火が包み込んだかと思えば、炎が『エフェクター』へと集中し、 炎のチェーンソーを作り上げ、五月蠅く火花を散らした 【ほう……力が漲ってくる……】 「これが『エフェクター』の力……!!」 先に動いたのは沢だった チェーンソーを振り上げ、炎の斬撃を飛ばす 少年は軽く舌を打ち、鎌を横薙ぎに振るって相殺させた 今度は生須が高く跳び上がり、少年の頭上から落ちて押し潰そうとしたが、 寸でのところで回避され、その策は無意味に終わった が、落下点には小規模なクレーターが出来ており、その破壊力を物語っていた 【次は貴様がこうなる番だ】 「…都市伝説を歪めて手に入れたような力で…俺は倒せん」 そもそも『エフェクター』とは、原理や製造法が殆ど解明されていない謎の装置であり、 「組織」の間でも、掴んでいるのはその能力くらいのものだ その能力とは主に2つ 一つは“都市伝説の能力の歪曲” 例えば沢の「パイロキネシス」のように、プラズマ流体である炎を実体化させ、斬撃属性を加える力 一つは“都市伝説の存在の歪曲” 例えば生須の「ツタン・カーメンの呪い」のように、本来姿無き物に形を与える、若しくは本来の姿を変える力 噂に忠実な都市伝説が無理矢理その存在意味を捻じ曲げられれば、どのような危険が及ぶか分からない 生須達のような悪しき心の持ち主が使うとなれば尚更だ 「組織」では、まるで這い寄るが如く静かに増えつつある『エフェクター』による事件にも対応している それはR-No.においても例外ではない 「『レイヴァテイン・ブレイド』」 少年は黄金の鎌を身の丈の倍以上はあろう巨大な両刃の剣に変化させ、 再び突進してくる黄金の棺に向けて振るった がきんっ!と火花を散らして、剣と棺がぶつかり合う 棺を纏う邪悪なオーラが無数の腕を形成して少年を捕らえようと伸びてゆく が、少年の影からも同じく夥しい腕が伸び、それを抑えた 「っ……成程、『エフェクター』も伊達では無いという事か」 【やはりな。貴様、多重契約者か】 「一筋縄では行かずとも、お前等程度なら十分だ」 「あらそう……2対1でも同じことが言えるかしら?」 背後から忍び寄る沢 茫々と燃え盛るチェーンソーを振り上げ、口元を歪めた その笑みは狂気に満ちているようにも見えた 「これで終わりよ!」 「それは生存フラグだ」 再び響く甲高い音 次に上がったのは、沢の驚いた声だった 「えへへ、残念でした♪」 驚くのも無理はない 沢の目の前に突然青い髪の少女が現れ、先端に大きなリング状の装飾のある長い杖で炎の刃を防いでいたのだ そのまま少女は刃を弾き、沢はよろめきながら後退した 「なっ……一体何処から!?」 「ご主人様の後ろを奪おうなんてそうは問屋が卸しませんよ!」 「かなり意味が違って聞こえるぞ」 【ごちゃごちゃと……どういう状況か分からないのか?】 「分カッテイナイノハオ前達ノ方ダ」 突如、棺の真下の影から巨大な拳が現れて棺を押し上げる バランスを崩した棺を、少年は飛び上がって大剣をぶつけた 火花を散らし、勢い良く棺は吹き飛んだが、無数の腕で支えてショックを和らげ態勢を整える 少年の傍に寄り添うように、黒いローブを羽織った影が出現した 【っく………使役系の都市伝説が2体……三重契約か】 「悪いがそれは正答じゃあない」 【何?】 「答え合わせの時間だ……『ギャラルフォン』、ロック解除」 少年はスマートフォンを取り出し、指で画面に“R”の字を書くと、 画面が切り替わって7つのボタンが現れる 彼はその中の4つのボタンをタッチした 《LIM》《WILL》《NAYUTA》《BI-O》 「待ちくたびれただろ? 存分に暴れろ」 腰に煌めくベルトの機械的なバックルにスマートフォンを翳すと、《Inform》という音声が流れ、 彼の周囲に、何の前触れも無く4つの影が現れた 鼻の長い白い獣、赤々と燃える人魂、紫のもやを纏う剣、ドリルや機関銃を装備した巨大な蛇型ロボット 「やぁっと俺様の出番か! 肩が凝って仕方ねぇぜ、なぁ!?」 「うおおおおおお!今日は久々に7人勢揃いでい!!」 『全く暑苦しい……子供じゃあるまいし少し静かにしたまえよ』 《動作安定異常皆無,視界良好,弾丸装填完了……戦闘準備,完了》 【ッ!? 七重契約者だと!?】 「まさか、そんなことって……」 「ウヒヒヒヒヒ…そのリアクションは疾うに聞き飽きた」 少年は黄金の剣を頭上に投げると、 黒いローブの影が変化した漆黒の鎌を右手に構え、紫のオーラを放つ剣を左手に掴んだ そして左足を人魂が包み込んで、黄金の剣が変化して出来た鉤爪を右足に装着した 「お前等に“正義”は無い……行くぞ!」 「了解シタ」「はい、ご主人様!」「OKィ!」「がってんでい!」『仰せの儘に』《Yes,Boss》 少女が獣に飛び乗り杖を構えると、獣は沢に向かって走り出す 沢の燃えるチェーンソーと少女の杖が激しい音を立ててぶつかる 「子供だからって手加減しないわよ!」 「こちらから願い下げです! ビオさん!」 少女が沢から距離を取ると、轟音と共に地中から4基のドリルを持った蛇型ロボットが現れ、 各ユニットに配備された機関砲から弾丸を発射する 軽く舌打ちし、沢は周囲に炎を出現させた 空中に浮かぶ炎が壁となり、弾丸を弾き返す 《全弾命中……標的損害,皆無》 「あはははは! 素晴らしいわ、この力!!」 「ちっ、おいミナワ! 厄介な相手になりそうだぜ!?」 「私に考えがあります。理夢さん、ビオさん、援護をお願いします!」 ミナワと呼ばれた少女は、理夢というらしい獣から飛び降りると、 杖を横向きにしてフルートを吹くように構えた 「あら、何を始めるのか知らないけどそんなことは――――――」 「そっから先は俺様達の台詞だぜぇ!!」 理夢が前足を振り上げて爪を叩きつける 沢は燃え盛る刃でそれを防いで見せた さらにビオと呼ばれたロボットも、ドリルで突撃を試みたが、 それもやはり炎のバリアでものの見事に弾かれてしまった そうしている間に、ミナワは演奏を始めた テンポの速い童謡「シャボン玉」を、エンドレスで奏でる すると、杖の穴から無数の小さなシャボン玉が、ぽぅ、ぽぅ、と膨らみ、拡散する まるで音色に合わせて踊るかのように 《突破不能……》 「くっ、邪魔なペットと玩具ね!」 「だからペットじゃねぇっつってんだろ!? テメェこそ暑苦しい上に面倒な妖術使いやがって!」 「『エフェクター』の力で生まれ変わった「パイロキネシス」よ! この力さえあれば…貴方達だって焼き払えるわ!」 「残念でした、科学的に考えて無理です♪ 『リムーバブル』!」 瞬間、周囲のシャボン玉がくるくると円を描いて回り始めたかと思えば、 沢の作り出した炎の勢いが徐々に弱くなっていった と同時に、彼女の表情が歪み、喉を押さえて苦しみ始めた 「っ……こ…れって………」 「流石に酸素がないと火が点く訳ありませんよね?」 ぼごっ、と鈍い音と共に、沢の腹に重い一撃が入った 短い呻き声をあげ、膝から崩れ落ちる そして無邪気に微笑む青い髪の少女を見たのを最後に、彼女の意識は闇に沈んだ 《任務完了,デアリマス》 「ご主人様ー、こっちは終わりましたー♪」 (危なく殺すところじゃねぇか……女って怖ぇ……) 「御仲間がやられたようだな」 【知るものか】 襲い来る黄金の棺を、黒い鎌と紫炎に包まれた剣で防御する 月光のみが届く倉庫内に、閃光が飛び散る 【この『エフェクター』さえあれば、手駒など幾らでも作れる 今度は貴様等「組織」に捻られるような雑魚では無く、もっとマシな奴等を呼んでな】 「自分だけは強者であると言いたげな台詞だが……甘い」 ふわっと一瞬少年の身体が浮いたかと思えば、 そのまま逆上がりの要領で垂直方向に回り、黄金の爪による蹴りをぶつけた 直撃し、棺はまた勢いを失って無防備になる 「吹っ飛べ……『マキュラ』」 鎌を地面に突き立て、柄を軸に回転し、今度は燃え上がる左足による蹴りを命中させる 宣言通り、棺はサッカーボールのように蹴り飛ばされ、砂埃を撒き散らす 撒きあがった埃の中から無数の黒い腕が伸びるが、 少年の目の前に紫の炎が燃え上がり、腕の進行を妨げた 「『トータラージーク』」 紫炎が掻き消えるや否や、一筋の光条が棺へと伸びる 防御行動に移れる筈も無く、棺は大きく抉れ、中身が露出する 【っ……小僧がぁ!!】 黒い腕を巧みに操り、蜘蛛のように這い寄る生須 その大きさからは考えつかない程のスピードだが、 それでさえも、少年のたった一振りの鎌によって抑えられてしまった 【っぐぅ……何故だ……… 貴様のような若造に……『エフェクター』も持たぬ小僧に何故このような力が……!?】 「お前等には一生分からないだろうな 機械で捻じ曲げる事でしか都市伝説の力を引き出せないような連中には…一生なぁ!!」 黄金の右足を振り上げ、踵落としを棺に叩きつける 響く轟音、そしてコンクリートにめり込んだ棺を鎌で抉じ開け、中にいる生須を包む包帯を切り裂いた 裂け目から生須が見たのは、髪で隠れた右目の大きな傷が夜風に見え隠れしている、 満月をバックに不気味に笑う少年の姿だった 「ッ!! 思い出した……七つの都市伝説、右目の大きな傷跡…… 小僧、貴様の名は確か――――」 「ウヒヒヒヒ……俺の名、か」 生須を嘲るように、少年は笑う 彼には幾つもの名前があった “黄金の甲冑”“黒い影”“青の奏者”“白い騎士”“赤き翼”“紫の閃光”“灰元帥” “小さき死神”“モノクローム”“火と水の魔術師”“シグナルマン”“三刀流” “クィンテット・コンダクター”“隻眼”“邪悪な英雄”“千人殺し”“化物”“ビッグ・ディッパー” しかし、彼に与えられた名はただ一つ 彼の真の名も、また一つ 「俺は…「組織」R-No.所属契約者集団『Rangers』が1人、コードネーム“Rainbow”……“七変化”」 ヒヒッ、と彼は鎌を振り上げて、笑った 「………黄昏 裂邪だ」 ...To be Continued 前ページ次ページ連載 - 夢幻泡影Re
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それは、学校町で悪魔の囁き騒動が終結する、少し前のこと 学校町の、隣町で… 「おじょうちゃーん?こんな時間に一人で歩いてちゃ、危ないよぉ?」 「お兄さん達が、安全な場所に連れて行ってあげようかー?」 柄の悪いチンピラたちに囲まれている、少女一人 その名前を、美咲という 七人みさきと言う、何とも物騒な都市伝説と契約してしまっている少女である まぁ、当然、このチンピラたちは、美咲がそんな人間にとって危険極まりない存在になってしまっている事実など、知る訳もなく ただの家出少女だと判断したのだろう、下卑た笑みを向けてきている 「ほら、一緒に行こうか?」 ぽん、とチンピラの手が、美咲の肩に触れる 殺してしまおうかな 美咲はそう考えた 都市伝説契約者ではないようだが、こいつらも、あいつらと同じだ 殺してしまおう、そうしよう 七人みさきの能力を、美咲が解放しようとした……その、直前だった 「その子から、手を離してあげて」 そんな声が、美咲の背後から聞えてきた え?と、思わず美咲は振り返る そこにいたのは、一人の青年だった 青年、と言っても、20代後半くらいだろうか? 黒い髪、黒い瞳……一見、日本人かと思ったが、よく見れば顔立ちは西洋人のそれだ ひょろりと細い体で、背が高い その青年は、駆け寄ってきて…美咲とチンピラの間に、割り込んだ 「あぁ!?何だぁ?兄ちゃん」 「このお嬢ちゃんの知り合いかぁ?」 「違うよ」 そうだ 美咲は、こんな青年知らない もしかしたら、一方的に知られていたのかとも思ったが、そうでもないようだ じゃあ、どうして、ここに割り込んできた? 警戒する美咲 この青年は、そんな美咲の様子を、怯えている、と捕らえたようで 「怖がっているみたいだし、やめてあげてくれないかな」 と、チンピラたちを静かに見据えて、そう告げた あぁん!?とチンピラたちが不機嫌そうな声をあげてくる 「関係ねぇだろ、おらどけや!」 「どかないよ」 はっきりと、青年は言い切る 美咲を庇うように、しっかりと立ち、チンピラ達の殺気すら混じりだした視線を全て受け止めている 「困っている人を見捨てるなんて、できないから」 いや、困ってはいなかったのだが 面倒かな、とは思っていたが 美咲のそんな思考が、伝わるはずもなく 「うっせぇ!どきやがれっ!」 「----っ!!」 チンピラの蹴り上げた脚が、青年に直撃した それでも、青年は引かない 反撃すら、しない じっと、耐えていて 拳が、脚が 何度も、何度も、その体に食い込みながらも 青年は、美咲を守るように、その場を動かず 「…っな、何だこいつ…!」 「く、くそっ、ズラかるぞ!!」 そんな青年の様子に、恐れをなしたのか チンピラ達は、逃げ出していった 「…だ、大丈夫だった?」 「それは、こっちのセリフだよ」 ぼろぼろになった青年の言葉に、思わずそう告げる美咲 …ただ、相当殴られ蹴られしたわりには、青年の傷は浅いように見えた うまく、急所を外していたのだろうか? ひょりとしていて、頼りなく見えるくせに、もしかしたら、強いのかもしれない 「…あぁ、良かった……君は、怪我をしていないんだね」 当たり前だ 何かされる前に、この青年が割り込んできたのだから まぁ、何かされる前に、あんな連中、殺すつもりだったけど 「どうして、助けてくれたんですか?」 何気なく、美咲はそう尋ねた 正義の味方気取りだろうか?そんな事を考えながら しかし 青年は、あっさりと答える 「だって、君が、困っていたようだったから」 だから、別に困ってなどいなかった だが、この青年にはそう見えたのだろうか? 「どうして、殴られて反撃しなかったの?」 もう一度、尋ねてみる すると、また青年は即答する 「だって、殴られたら痛いだろうから」 その、答えに 思わず、美咲はきょとんとする 「あなただって、殴られたでしょう?やり返そうとは思わないのですか?」 「僕は、殴られても平気だけど。でも、普通は痛いものだから」 青年は、極々、当たり前のように、言い切ってくる 「人を傷つける、という事は、悲しいことだから」 酷く、偽善的な言葉 しかし、この青年は、心からそう考えて、そう言っているようだった 偽善とか、そんなものではなく 本当に、心から この青年が、酷く優しい、慈悲深い存在であるのだと、美咲は理解した そして 背筋に、寒いものすら、感じた 底抜けの優しさ 見知らぬ相手のために、平気で自分を犠牲にする そんな青年の優しさに、美咲は逆に恐怖を感じた 多分、あのまま、あのチンピラ達に殺されそうになったとしても この青年は、美咲を守るために、そのまま殺されたのではないか? そんな、ifの光景が、まざまざと頭に浮かぶ 誰かのために、平気で命を投げ出せる それが、理解できない 「…?どうしたの?どこか、痛いの?具合、悪い?」 じ、と 青年が、酷く心配そうに、美咲を見つめてきた その黒い瞳から感じられる感情は、心から、美咲を心配しているもので 「う、ううん、何ともないよ」 慌てて、美咲は後ずさる 駄目だ これ以上、この青年に関わってはいけない これ以上、関わったら 飲み込まれるのではないか そんな、錯覚を覚えた この優しさは、危険すぎる 自身以外をも巻き込み、飲み込むような優しさ 触れただけで飲まれるような……猛毒のようだ、と 美咲は、そう錯覚した 「…助けてくれて、ありがとうございました……それでは…」 「あ……」 逃げるように、美咲は青年の前から立ち去った 関わるな あれと、関わってはいけない もし、これ以上関わったら 自分が、自分でなくなるような 今の自分を構成している存在である「七人みさき」を、根元から否定されてしまうような そんな錯覚と、恐怖を、美咲は抱いてしまったのだった 美咲が立ち去る姿を、青年は困ったように見つめていた …あの年頃の少女が、こんな遅い時間、一人で歩いていたのだ 何か、事情があるのだろう 呼び止めるべきだ 青年は、そう考えたのだが… 「…あぁ、良かった、見つけた……ダレン!」 名前を呼ばれて、振り返る 褐色の肌に黒い髪、黒い瞳の、青年と同じくらいの身長の青年が、慌てて駆け寄ってくる 「ディラン?」 「だ、ダメだよ、ダレン……君は、「組織」に見つかったら、危ないんだから…………あまり、「外」に出ていちゃ、駄目だよ…」 心配そうな褐色肌の青年、ディランの言葉に、青年、ダレンは「御免」、と謝罪した しかし、美咲の事が気になって、立ち去った方向に視線をやる 暗い中、彼女の姿は、もうダレンには見えない 「…?あの女の子が、どうかしたのかい?」 ディランには、まだ、美咲の後姿が見えたようだ 小さく、首を傾げてくる 「…あの女の子、都市伝説の気配がするよ……何だか、飲まれかけているようにも見えるけど…」 「飲まれかけて、いるの?」 「うぅん……少なくとも、僕にはそう見えるけど…」 困ったように言ってくるディラン 都市伝説に、飲まれかけている つまりは、契約者 ダレンは、じっと、美咲が立ち去った方向を見つめ続ける 「…ディラン、誰かに頼んで、彼女の事、見守る事、できるかな?」 「……?えぇと……うん、できる、と思うけど……どうしたの?ダレン。そんなに、あの子の事、気にして」 「………よく、わからないけど…何だか、嫌な予感がして」 それは、予感でしかない 自分を飲み込んだ都市伝説には、予知系の能力などないし、感知系の能力でもない だから、これは、ダレン自身の勘でしかなかった だが、酷く、彼女の事が気になるのだ このままでは、あの少女は破滅への道をたどってしまうような そんな、予感がした チンピラに囲まれていた少女を見つけた、その瞬間から その嫌な予感は、消えなくて 「ほら、ダレン、早く隠れないと…」 「あ……うん」 ディランに手を引かれ、ダレンはそのまま引きずられて行く そうしながら、ぼんやりと考えた …久しぶりに、学校町に戻ろうか あそこには、ジブリルがいるはずだから もしかしたら、力を貸してくれるかもしれない 二人の青年が、路地裏に姿を消していく 袋小路に入ったはずの二人の姿は、闇夜に溶け込むように、消え去っていたのだった to be … ? 前ページ連載 - 赤い靴
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《ベッドの下の男》 たまに思うことがある。 どうして都市伝説は人間と契約するのだろうと。 忘れられないようにするなら脅かすだけで十分なはずだ。 それをわざわざ契約といったある意味で非効率的な手段を用いる理由は―― ま、考えてもわからないんだけどね。 その辺の小難しいことはどっかのお偉いさんに任しておくことにしよう。 ただの一般人であるぼくには全く持って関係のないことだ。 ただ一個だけわかってることがある。 今ぼくの部屋に居る都市伝説は契約云々は一切関係なしにぼくへの嫌がらせのためだけに居る。 ぼくのベッドの下に隠れている『ベッドの下の男』に限っては、ぼくが怯える様を見て楽しんでいる。 いつか襲われるのではないかとびくびくする様を見てほくそえんでいるんだろう。 そしてきっとぼくが油断した時を狙ってその都市伝説通りにぼくを殺す気でいるはずだ。 陰気でいけ好かない野郎だ。 こういう奴は足が臭いに違いない。 この臭いは間違いなく奴の足の臭いだ。水虫野郎め。 だが馬鹿め、それもこれも今日までだ。今日がお前の最後の日となるんだ。 アパートのチャイムが鳴り、家にやって来た業者さんが解体済みのベッドを運んでいく。 ふふふ馬鹿め、思い知ったか。 『ベッドの下の男』はベッドがあるから存在できるのであってベッドが無くなれば消え去る運命なのだ。 都市伝説のような脆弱で矮小で足の臭い存在が人間様に敵うと思うな! とまあ、そんな感じでかる~く都市伝説を撃退したぼくだったが、ひとつだけ予想だにしていなかったことがある。 どうやら足が臭いのはぼくだったらしい。 前ページ次ページ連載 - ぼくの物語
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キラとアンナの戦いの決着がつき、(主にアンナが)戦闘舞台を派手に壊したので修復と言うか次の試合までの準備というその時間 慶次はフリー契約者の情報をタブレットPCで確認していた 郁が望逹に渡した物と同じ情報だ 普段。CNoが管理している情報をここまで自由に見る機会は慶次にはないため、これを機会に試合の合間合間に読み込んでいた 「……「人間にも発情期が存在する」の契約者は、流石に来てねぇか」 「そのようだね。まぁ、いくらでも悪用できる都市伝説と契約しながらも、それを悪用せずに何年も過ごしている人物だ。どこの組織にも加わっていないようだし、今後もそのつもりであるなら、こういう目立つ場には現れないだろうね」 何人か、契約都市伝説の関係や当人の人間性から「要注意」となっている者を主に確認し、この会場に来ているかどうか探してみる 今のところ、その手の人物で目立っていたのは「九十九屋 九十九」くらいだろうか 他も、ちらちらと姿は見かけたが試合にはまだ参加していなかったり、そもそも参加する気がなさそうな者のようであった 「………っと、どうやら、次の試合のようだよ」 「ん?あぁ、そうか………って」 ちょっと待て モニターに映し出される会場の、その中央に立つ人物の姿に、慶次はそのツッコミの言葉を叫びそうになったのを、すんでのところで、押さえ込む事に成功した 「……それでは、次の試合は特別試合。スペシャルマッチとなります!」 実況席にてそのように言いつつ、「大丈夫なのかなぁ」ともちょっぴり思う神子 そう、スペシャルマッチ、である それも、1対多数の モニター越しに映る会場のど真ん中に、全身「白」と言い表したくなるような男の姿があった 「「組織」X-No,0事ザン・ザヴィアー!本来なら色々仕事でこういう場に参加できないはずなのですが、明日で日本に滞在していられる時間が切れるとの事で……」 「日本で発生中の仕事に手を付けると半端になるから、と言う理由で仕事に手を付ける訳にはいかない、と」 「マリー・セレスト号」と「さまよえるオランダ人」の多重契約をしてしまい飲み込まれたザン 能力は強大であるが、欠点として「さまよえるオランダ人」の特性により、一つの場所に長い間とどまる事ができないのだ 今回も「狐」の件やら「怪奇同盟」の盟主暴走の件やら、本来上位Noも仕事は山積みであるはずなのだが、そちらの仕事をさせてもらえないための、今回の試合への特別参加だ ……もっとも、ザンにとっても、これに参加することである程度情報を集めようという意図があるのかもしれないが 「えー、流石に「組織」上位Noとなると、ヘタな人とぶつかっても瞬殺が予想されます。よって、今回は特別ルールとして、ザン・ザヴィアーと他多数の契約者との1対多数の戦いとさせていただきます」 「ザンさんの勝利条件は、参加者全員を気絶、もしくはギブアップさせる事。他の参加者の方々は、誰か一人でもザンさんに一撃を加えられた時点で勝利となります」 他にも、ザンは一部の能力に関しては使用しない、などの制限がある 制限があってちょうどいいくらいなのだ、あの「組織)上位Noは 一時期「組織」を離れていたあの男が「組織」に戻った事は、「組織」にとって大きな利益である事だろう 「…………では、説明終わり!試合開始!!」 神子が試合開始を宣言すると同時 ザンの周辺の空間がぐにゃり、歪んで 「あっ」 「おー、さっそくやったな」 ザンの周辺に出現した大量の海水と巨大な烏賊の姿に、直斗は感心したような声を上げた ビルが立ち並ぶオフィス街のような戦闘フィールド。その地面を海水で満たしていく もしかしたら溺れた奴がいるかもしれないが、多分大丈夫だろう。死にはしない 己の周辺にはクラーケンを出現させ、ザンは海水の上に立ちながら辺りを見回す 自分以外は全員倒せばいい。なんともシンプルな事だ 「さぁて、どこから来る?」 遠距離からの狙撃か、それとも正面から来るか 警戒していると……近づいてくる、気配 水中から迫るそれに気づくと同時、ザンはクラーケンの足へと飛び乗って、高く跳ぶ その瞬間、一瞬前までザンの立っていた位置をがぶりっ、と 巨大な生物の牙が、空振った 「…………でっか!?」 ザンへと襲いかかった巨大生物を見て、思わずそう口にした神子 龍哉は、モニターをじっと見つめて首を傾げる 「ずいぶんと、大きな鮫ですね。どのような都市伝説でしょうか?」 「……「メガロドン」辺りじゃね?UMA系の。確か、それと契約してるフリー契約者の情報あったよな」 直斗がそう口にすると、えっと、と神子はタブレットPCで「組織」から渡されたフリー契約者の情報を見る そうすると、たしかに、いた 「メガロドン」との契約者が メガロドン自体は、約1,800万年前から約150万年前にかけて実在したとされる巨大鮫である その歯の化石は、日本においてはしばらく「天狗の爪」とも呼ばれていたと言う 一時期は最大個体の全長は40メートルはあるだろうとも言われていたが、流石に否定されており、推定値で約13メートルや20メートルと言われている ……が、今現在、ザンへと飛びかかり、再び水中へと潜った巨大鮫の姿は、全長40メートル程であった メガロドンは今現在も生存している、と言う生存説としての都市伝説のメガロドンなのだろう 契約者本体とは別にメガロドンが出現するタイプなのか、契約者自身がメガロドンに変化するタイプなのかは、わからないが………前者であった場合、契約者は海水に飲み込まれずに無事だと言うことだろうか 「しかし、巨大クラーケンと巨大鮫の対決………」 「前にみんなで見た、鮫映画を思い出します」 「うん、ちょっと思い出すけど、流石にあれはハリケーンと一緒に飛んできたり………は………」 …モニターに、ちょっぴり信じられないものが、映る 「おー、すげぇな。メガロドンってビルを泳ぐのか」 「泳ぐわけないでしょ!?いや、たった今、泳いでるけど!?」 そう、そうなのだ メガロドンが、ビルの側面を「泳いでいる」。まるで、ビルの側面を「海面」として認識しているかのように 某国において、何故か鮫系パニック映画は人気があるのかB級C級Z級と低予算っぽい鮫映画は多い その中で、「鮫がこんなとこ泳ぐ訳ねぇだろ!?っつか、こんなところに鮫でるか!?」と言うのがあったりなかったりするが………それの影響でも受けたのだろうか とにかく、ビルの側面を泳いだメガロドンは、そのままビルから飛び出してザンへと襲いかかっている ぐるりっ、とクラーケンの足に捕らえられ、みしみしと潰されそうになってはいるが……海面を、すぅー、すぅー、と巨大な鮫の背びれが横切る どうやら、メガロドンは複数いるようである 「ちなみに、他の参加者は……?」 「あ、溺れている人を回収している方が」 モニターの済を、時折ふっ、ふっ、と船の影がよぎっていたのを、龍哉は見逃していなかった ボロボロの漁船が、契約者以外の人間も救助している最中らしい 今のところ、ザンへ攻撃を加えているのはメガロドンだけだが………まだまだ、攻撃参加者は増えそうだ 海水を出してもらえた事は、彼にとっては幸運だった 「首塚」所属、「良栄丸事件」の契約者である良永 栄(さかえ)は、自らの契約都市伝説で生み出した漁船でもってザンが大量召喚した海面を進んでいた 大地も走れるこの漁船だが、流石にスピードが落ちてしまうのだ だが、こうして海面であれば本来のスピードで移動出来る 自身は船の制御に集中し、船とともに召喚した乗組員のミイラにおぼれている他の契約者を回収させていく ザンへの攻撃も行いたいが、今は他の契約者の回収が優先である 自分以外の契約者に、ザンへの有効な攻撃を行える者がいるかもしれないのだから 「……っと、うわ!?」 が、油断はできないようだ ミイラが回収しようとした相手が契約者ではなく、ザンの能力で呼び出された狂える船員で襲い掛かってくる事もある 慌てて、ミイラ逹に命じて再び海へと突き落としたが、他の回収した契約者も同じように狂える船員に応戦している そう簡単には、終わらせてはくれない、と言うことだ まるで水没した都市のようになった戦闘フィールド そこを舞台に、ただ一人を狙った戦いは、まだ始まったばかりである to be … ? 前ページ次ページ連載 - 次世代の子供達