約 4,451,861 件
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3155.html
『ちぇんにはなぜかわからない』 4KB 愛情 番い 自然界 作、長月 感謝のSS書き第6弾 ※俺設定注意 ※作、長月です 「わからないよー。」 ちぇんは今日もその言葉をつぶやく。最近おかしなことが多すぎる。 「わからない。わからないよー。」 今日もちぇんはわからないと言い続ける。 知らないほうが幸せなこともあるとは知らずに。 知れば壊れてしまう幸せもあるとは知らずに。 ちぇんにはなぜかわからない ちぇんはとある山に住んでいる野生のゆっくりだ。 1週間前、同じ猫系ゆっくりであるゆっくりおりんに「いっしょにゆっくりして。」とプロポーズしてつがいになった新婚ほやほやのゆっくり夫婦である。 しかしこの所どうもおかしいことだらけなのだ。 まず第一に異臭。1週間前、ちょうどおりんと一緒に住むようになってからおうちにゆっくりできない匂いが立ち込めるようになったのだ。 最初はおりんが原因かと思っがどうも違うらしい。家の中や周りを調べてみても異臭の原因が見つからない。 そして次につがいのおりんの様子がおかしいこと。 ちぇんとおりんは新婚ほやほやのつがいである。当然夜はおちびちゃんを作るためすっきりをするのが普通だ。 しかし、おりんはすっきりをしたがらない。 毎夜ちぇんはすっきりするようおりんに迫っているのだが「きょうはつかれたから。」「そんなきぶんじゃないから。」と言っていつもはぐらかされる。 まさかどこかで他のゆっくりと浮気してるんじゃないだろうか。いやしかしおりんに限ってそんなはずは・・・ 他にもおりんの行動におかしい所がある。なぜかちぇんを外へ出したがらないのだ。 元々おりんのほうが狩りがうまい為おりんが狩りをしてその間ちぇんがうちで留守番するよう役割分担ができている。 だが別にちぇんも狩りができないわけではない。 むしろどちらかというと得意なほうだし帽子という収納スペースがある分ちぇんはおりんより狩りに向いていると言ってもいい。 だから今日は一緒に狩りをしようと言っても 「ちぇんはおるすばんしてくれればいいんだよ。おりんは、かりがだいすきだから。それにだれもいないあいだにゲスがやってきておうちせんげんされたりごはんさんぬすまれたらいやでしょ。」 とおりんにやんわり断られた。 おかしな話だ。ゲスがやってきたらどのみちおうちは取られるだろうしご飯さんも根こそぎ持っていかれるのに。ちぇんが留守番したところでケンカの弱いちぇんじゃ簡単にぼこぼこにされて外へ放り出されるのがオチだろう。 それがわからぬ程おりんは馬鹿ではないはずなのに。 それに2人で狩りを行えば取れるご飯も増える。いつ食料がなくなるかもしれない野生の世界ではごはんさんはいくらあっても困るものではない。 それなのにおりんはなぜか2人で狩りをしようとせずちぇんを家に留守番ばかりさせている。 おかしいと言えば昨日巣の前を通ったまりさに「ゆっくりしてってね!!」と挨拶したらなぜか驚いた顔をして逃げられた。 あれはなんだったんだろうか。まるでれみりあかふらんでも見たような顔をしていたが。 1週間前おりんにプロポーズした直後の記憶がないのと何か関係あるのだろうか。 「わからない・・・わからないよー。」 そうつぶやき続けるちぇん。もう今日だけで何百回そう言ってることを忘れて。 知らないほうが幸せだということも知らずに。 ちぇんは知らない。 1週間前、ちぇんはプロポーズの後、あんよを踏み外し崖から落ちて死んだこと。 それを悲しんだおりんが死体を操る程度の能力でちぇんをゾンビとして生き返らせたこと。 今の自分は死ゆんで動く屍饅頭に過ぎないことを。 「わがらないぃいい・・・わがらないよぉおおお・・・」 腐臭を撒き散らし、地獄の底から出てくるようなおぞましい声を出し続けるちぇん。 そこに生前の愛らしさは微塵もない。どうみても腐った饅頭もどきの化け物だ。 そんなちぇんをおりんは悲痛な表情で見ている。おりんにとってもつらいのだろう。愛する者のこんな醜い姿を見るのは。 しかしおりんにとって愛するちぇんを失うのはそれいじょうにつらくゆっくりできないことだった。だからこそゾンビ饅頭にしてでもちぇんを蘇らせたのだ。 「だいじょうぶ・・・だいじょうぶだよ・・・ちぇん・・・ぐすっ・・おりんはずっとちぇんといっしょだから・・・なにがあってもちぇんのみかただから・・・うう・・ぐすっ・・ううっ・・」 泣きじゃくるおりん。ちぇんの命を弄ぶような真似をしたことに対して罪悪感で一杯なのだろう。 「なんでぇええ・・おりんないでるのぉ・・・わがらないぃい・・・わがらないよぉおおお・・・」 おりんの嗚咽とちぇんのわからないという叫びがいつまでも巣の中に響いていた。 後書き ちょうど2月22日、にゃんにゃんにゃんで猫の日と言うことでちぇんの他にもおりんを出してみたんですけどどうしてこうなった。 なんかおりんが鋼の錬金術師で人体錬成やった人みたいになってるし・・・・ ご意見、ご感想、ご要望は感想用掲示板(長月用スレ)でおねがいします。URLは下にある通りです。 ふたば系ゆっくりSS感想用掲示板(長月用スレ) http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1274852907/ 今まで書いた作品はこちらに http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/393.html 面白かった、ゆっくりできた、と言う方は下のゆっくりできたよ!!ボタンを押していただければ幸いです。
https://w.atwiki.jp/utauuuta/pages/2190.html
いまさら、こめすきじゃないなんていえない。【登録タグ い オシャンティーP 曲 穂歌ソラ 鹿音ゾン】 作詞:オシャンティーP 作曲:オシャンティーP 編曲:オシャンティーP 唄:鹿音ゾン コーラス:穂歌ソラ 鹿音「わざわざ米キャラ助長するような投稿してんじゃねーよ!!!!」 穂歌「でも良かったじゃん、ゾンくん今回主役だよ…!」 オシャンティーP、9作目にしてまさかのネタ曲 「林檎肢体」をソラ君と歌って以降、お米キャラ扱いをされるゾン君が本音をぶちまけるようです 歌詞 お米は美味しいなァ!!!!? 何にでも合う!! 白米凄い…!!!!!(感動) たまたまカレーが隣に居ただけで 「お米ちゃん」って!「お米ちゃん」って!呼ばれる身にもなれよ!!!! 別によォ!白米嫌いじゃねェけどさ!! 俺が米って!どうしてそうなった!!!!? 俺だってメインで歌わせてもらっているのに どうして!米って!!どう考えてもオカシイだろ!!? そもそもカレーライスのライスとかよォ!? どんなに頑張ったって主役にゃなれねェしィ!! 今更、白米が好きじゃねェなんて言えないだろ… どうしてくれやがるんだよオイこれ!!!(絶望) いやさァ…?別にさァ…?ユニット考えてくれた奴に 文句が言いたいわけじゃねェぞ…???(勘違いするなよ?) でもなァ!?これじゃっ…このままじゃ俺が米好きという 有りもしない… 「印象が付いちまうだろうが!!不本意な!!!!!」 だけど、色々言わせてもらっておいてなんなんだけど 今更、米好きじゃねェなんて言えねェ…!!(二回目) 「ゾンくんどんまい…?」 「うるせェ…!!!!!!!!」 たまたまカレーが隣に居ただけで 「お米ちゃん」って!「お米ちゃん」って!呼ばれる身にもなれよ!!!! 別によォ!白米嫌いじゃねェけどさ!! 俺が米って!どうしてそうなった!!!!? 俺だってメインで歌わせてもらっているのに どうして!米って!!どう考えてもオカシイだろ!!? そもそもカレーライスのライスとかよォ!? どんなに頑張ったって主役にゃなれねェしィ!! 白米凄ェ…!!!!!(大事なことなので二回) 何にでも合う……!!!(大事なry) 食べなきゃ損だ!損だ!損だぞ!!ホラ!!!! コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2170.html
落語「ちぇんのバッジ」 7KB 虐待-普通 制裁 ギャグ 理不尽 現代 四作目です。 ※人によっては不快になる可能性有り ・四作目です。 ・元ネタは落語「猫の皿」です。 ・元ネタを知らなくても、おそらくお召し上がりになれます。 ・人によってはゆっくりできない可能性もあるんだねー、わかるよー。 ・でも不快にさせるつもりで書いたわけじゃないんだよー。わかってねー。 えー、世の中には、こう、人やら物やらを肩書きで見てしまうってことが、よくありますな。 パッと見て、なんだかよくわからねえ絵だな、と思っても、 「あれはピカソの絵だよ」 って言われるとなるほど、いい絵だなぁ、なんて感心してしまう。 何言ってるのかさっぱりわからねえな、と思っても、 「あれは教祖様のありがたいお言葉であるぞ」 って言われると、なんか含蓄があるのかなって思っちまう。 あたしの落語もそうなってくれるとありがてえんですが…… 適当なこと言ってても、「ああ、おもしれえ」 と勝手に思ってくれりゃあ、こんな楽な商売はないッてんで。 ゆっくりなんて饅頭にも、バッジシステムとやらがある。 金、銀、銅と等級が合って、一等上の金バッジともなると、結構なお値段もする、 だから「こりゃあ、いい饅頭だな」 と見た人間も勝手に思い込んじまう。 まあ、実際中身の方は知れたものってことが多いんですが、そいつをうまいこと使おうってェ、良くないヤツもいたもんで…… 三度の飯よりゆ虐が好きってぇ、人にはあんまり言えねぇ趣味を持ってるお兄さん、 ちょいと商売の帰りに、小腹が空いたもんだからなんか入れてこうかとふらり飯屋に入った。 丼飯をかっ込んでいるってえと、店のガラス戸をドンドンっと叩く音がする、 「きょうもごはんさんをもらいにきたんだよー!」 「なんだ? ありゃ、ちぇんか?」 ガラス戸を空けるとお世辞にも綺麗とはいえない一匹の饅頭が転がり込んできた。 なんとも渋ーい顔をしながら店主が持ってきた飯にむしゃぶりついて、 「むーしゃむーしゃ、おいしいんだねー、わかるよー!」 「……おい店長、なんで飯屋で饅頭がメシ食ってんだよ、なんとかしろよ」 「すいやせん、あたし共もやっかいっちゃあやっかいなんですが、なにせ金バッジなもんで……」 「金バッジだぁ? あんな汚ったねぇのがかい?」 「へい、そうみたいなんでさぁ。毎日この辺の店を回っちゃあ、餌ぁねだるんですよ。 まあ、ゴミまき散らかされたり、店ん中荒らしたりしねぇだけマシなんですがね。 お気に触るようでしたら裏ァやりますんで、どうか一つご勘弁を」 怪訝に思ってちぇんのお帽子についてるバッジをグーっと覗き見ると、これが飼いゆっくりを証明するバッジとは似ても似つかぬ物。 まんまるピカピカの金バッジじゃなくって、少しくすんだ菱形のバッジが付けられていた。 ゆっくりを見慣れてない人間には『金バッジ』といえばそんなもんかな? って騙されるかもしれねえが、 ちょいと目端の利く、その気のある人間ならすぐにわかっちまう。 ムラムラっときたお兄さん、早速、 「そうか、そりゃあ大変だな、 俺が何とかしてやろうか?」 「へ? まあ、何とかしていただけるなら、ありがたいんですが…… やめたほうがよろしいかと」 「大丈夫、大丈夫、なあに、店には迷惑かけねぇよ。ちょいと裏ァかりるぜ!」 饅頭ごときがいい気になって人間様のメシ食うなんて生意気に、 ちょうどいい腹ごなしだってんで、ちぇんの頭ァ鷲掴みにして店の裏ァ回った。 ミチミチっと指ィ食い込ませながら問い詰めることにゃあ、 「なあ、お前は金バッジなんだって?」 「そ、そうだよー、ちぇんはおにいさんにきんばっじさんをもらったんだよー」 「そうかそうか。……金バッジ試験ってのは難しいそうじゃねえか。試験では何を習ったんだい」 「しけんってなんのことかわからないよー、ちぇんはかわいいからきんばっじさんなんだよー! わかるねー?」 「あのなぁ、ちぇん、 お前のバッジ、偽物だぞ」 「わがっ!!」 「大体、こんな汚い飼いゆっくりがあるかってんだ、え? 何いい気になってんの?」 「でも、ちぇんはおにいさんに」 「お店の人にも迷惑だろ? 人の迷惑になることをしちゃいけない、なんて飼いゆっくりの基本だよねぇ」 「きんばっじさんだからいいんだよぉぉぉ!! おにいさんがいってたんだよぉぉぉおぉ!!」 薄汚ねぇなりで、人間様との決まりも知らねぇ、おまけにバッジも偽物だ、 とくると、潰しちまってもかまわねえ泥饅頭だってんで、 懐から紙袋を取り出して 「はいはい、ゆっくりゆっくり。 ちぇんを紙袋に押し込んで~♪ 裏でお兄さんがちぇんを蹴る~♪」 「わ! っが! らにゃ! いぃぃ! やべで! おにいざぁぁぁん!!! だずけでねぇぇぇ!!」 「お兄さんって誰のこと? ねえ? 飼い主さん? 来るわけねえだろ! 騙されてんだよ! クソ野良が! なあ、お前らは目障りなんだよ、そんな偽もん金バッジで餌ァ強請ってたなんて、とんでもないゲスだねぇ」 「お、お、にぃい、ざ…… ら……しゃ……」 「ポンと蹴りゃ~らんと泣く~♪ ポンポンポンポンっと蹴りゃ、にゃんにゃんにゃんと…… なんだい、もうくたばっちまったのか。つまらねぇ。 まあ、偽金馬鹿を成敗したってことで。……ああ、いい善行をした!」 ってすっきりー! したところに、 「ちぇぇぇぇぇぇぇえええええぇえぇぇぇぇえええええん!!!」 どパンチパーマにアルマーニのダブル、首から腕からジャラリジャラリと金鎖を鳴らしながら、 どう見ても堅気じゃないお兄さんが物凄い勢いで駆け込んできた。 スーツが汚れるのもかまわずに、紙袋を抱きしめて、向こう三軒に届こうかってぇくらいの胴間声で泣き叫ぶ。 「痛かったろうになァ!!! 可愛そうになぁ!!!」 「え、あ、あの、それ」 「人間だってこんな!! 袋に詰めて蹴りまわしたりしちゃぁ!!! 死 ん じ ま う よ な ぁ !!!」 「でも、その、バッジが偽物で」 「バッジ!? 偽物ぉぉ!? 家族とも弟分とも思って付けてやった ウ チ の 金バッジにケチ付けようってのかぁぁ!!!」 袋から潰れ饅頭を取り出して、お帽子についてるバッジをグッとお兄さんに突きつける、 これが怖いお兄さんのスーツの襟元についてるバッジと寸分たがわぬ菱の大紋付のバッジだ。 「いや、でも、お店の人に迷惑を……」 「店に迷惑ゥ?! ウチの金バッジが外で腹ァ空かしてたら可哀想だから、このあたりの店にゃぁ、メシぐらい食わしてやってくれって お ね が い してあるんだよ! お前ェが首突っ込む問題か? ああぁん?!」 だぁん! と壁をブッ叩くと同時にお兄さんにグーっと顔ぉ近づける、 すっかりブルっちまった所で、 「……いやぁ兄さん、すまねぇ、ウチの可愛い可愛いちぇんがブチ殺されたんだ、ちょっと取り乱しちまったなァ。 とりあえず、お話をしようか」 「こんな酷いことを平気でする奴ァ、同ンなじ目にあわせてやりてぇと思うんだけど、この国ァ、法治国家だ。 饅頭と人間の価値は一緒じゃねえよな。わかるねー?」 「まあ、警察行こうか。動物じゃないから動物愛護法は適用されねぇとは思うけど、器物破損で間違いなく前科者だな」 「……これはあくまで、訴えれば、の話だ。……俺も愛するちぇんが無残に殺されて深い悲しみに包まれているんだ。 どうすればいいか、わ か る ね ー?」 「きょ、脅迫じゃないのか!」 「脅迫ぅ?! おいおい、人様の物ォ、てめえで勝手にブチ殺しといて脅迫だァ?!」 「……脅迫にはなりませんよ。あたしがちゃんと聞いてますから」 怖いお兄さんの後ろからスッと出て来たのは店の店主。手にゃあICレコーダーがしっかり握られているから驚きだ。 「お客さん、あたしゃ忠告したんですよ? やめたほうがいいって」 「どぼじでごんなごとずるのぉぉぉ!!」 パチリとレコーダーのスイッチを切って店主、 「いやぁ、ちぇんに金バッジを付けとくと、時々お兄さんが高く売れるんです」 お後がよろしいようで。 ――――――――――――――― ~蛇足~ 後日、怖いお兄さんがこの飯屋に顔を出すってえと、ゆっくりを虐め殺したにんげんさんをとっちめたお兄さんだってんで、 野良ゆっくりが群がってきた。 「おにいさんはすごいのぜ! まりさもきんばっじさんがほしいのぜ!」 テッポウダマ 「……ああ、いいだろう。お前も『金バッジ』さんにしてやろう」 これまでの口演 ふたば系ゆっくりいじめ 951 落語「ゆ虐指南」 ふたば系ゆっくりいじめ 971 落語「善行れいむ」 ふたば系ゆっくりいじめ 1015 落語「ぱちぇ烏」 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ・・・法治国家なら、なおさら虐待お兄さんは問題ないのでは? 893のバッチといえど、国から許可が下りた正当なゆっくり用バッチではないから、 飼いゆっくりの証明にはならんだろ。 むしろ店主と結託して「あたかも正当な損害賠償請求」に思わせてるから、 逆に、集団による計画的な詐欺罪で訴えられる。 ※会話からバッジ無しゆっくりへの保護義務は皆無らしいしね。 -- 2018-03-03 08 09 08 ちぇん構成員、お勤めご苦労さまでした -- 2013-06-27 12 49 29 菱形の金バッチでたぶんそうだろうなと。 -- 2012-09-14 17 08 27 ショーモナ! -- 2012-08-13 07 54 48 これはいい新作落語ww -- 2010-11-20 15 49 18 おぉ・・・面白いな -- 2010-08-22 11 08 25
https://w.atwiki.jp/tetuji/pages/60.html
tetsuji@名言>正気の沙汰じゃない 夏休み、荷物の積み込みのために練習が13時からになったときに 「こんな暑い時間から練習なんてマジ正気の沙汰じゃないって」と言う。
https://w.atwiki.jp/retrogamewiki/pages/146.html
今日 - 合計 - GGポートレートばいちぇんの攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月09日 (火) 12時56分34秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2683.html
『らんしゃまとちぇんの楽園(繁栄編)』 36KB 差別・格差 同族殺し 野良ゆ 赤ゆ 子ゆ 希少種 現代 八作目 公餡 前と色々ネタ被っている 「ゆぐ……うぅ……お姉さん……お母さん……お父さん……どうして……」 暗い路地を、一匹のゆっくりがその体をずりずりとアスファルトに這わせていた。 おかざりも髪もボロボロに毟られ、体中は傷だらけの泥だらけで種は判別し難いが、片方だけ残っている動物型の耳や尻部に三、四ほど残っている尻尾の色からして、ゆっくりらんであろう。 らんの通ってきた道のりにてかてかと光る酢がまるでなめくじが這った跡のように残っている。 エアコンの室外機の前まで来て、らんは疲れ果てたようだ。体を止めて荒い呼吸を地面に向けて吐くと、額に生えた茎がつっかえた。 「どうして……どうしてこんなことに……」 ぽろぽろとらんの目から涙が零れ、アスファルトに染みる。 らんは、つい昨日まで飼いゆっくりだった。 生後一ヶ月で金バッジを取得し、娘一人の三人家族に買われて昨日まで何不自由のない幸せでゆっくりした生活を送ってきた。 そのことにらんは米粒一欠けら分ほどの不満も覚えなかったし、自分を可愛がってくれる家族に感謝と愛情を忘れたことはなかった。 なのに、捨てられた。車で見知らぬ遠くの町に連れられて、バッジを毟られて放置された。 ――ありがとうらん。君が良く娘の面倒を見てくれて、本当に助かりました。でも、その役目はこれからさなえっていうゆっくりが引き継いでくれます。ええ、娘は、君に飽きちゃったんです。本当に今までありがとう。それじゃ、達者でね お父さんはそんな言葉だけ残して、さっさと車に乗り込んで行ってしまった。 それかららんは、一晩明けただけでこんな有様になってしまった。 この町に住む野良ゆたちがらんを囲んで徹底的に痛めつけたのだ。毎日生と死の綱渡りをしている野良ゆたちから見て、燃え上がるような黄金の尻尾を揺らして主人の名を泣き叫ぶばかりのらんは、彼らの飼いゆに対する嫉妬と羨望で凝り固まった鬱憤を晴らす、これ以上ない捌け口だった。 らん種は野良ゆが束になっても敵わないほど高い戦闘能力を持つが、産まれてこの方ずっと家の中で花よ蝶よと愛でられていたらんに、命を懸けた殺し合いなどできるはずもなかった。瞬く間に組み伏せられ、いいように嬲られ、痛めつけられ、すっきりー! され、なんとか逃げ出してきたが、既にもう体力が残っていない。 「どぼしで……どぼしで……らんがこんな目に……」 これだけ酷い目に合っても、当たり前のように主人たちは助けに来なかった。それが自分はやはり捨てられたのだという証左として感じられ、らんの中に溜まった悲しみや絶望が、暗い怒りにかわって行く。 自分勝手にらんを愛でて、玩具のように捨てた人間。わけのわからない理由でらんを攻撃してきた野良ゆたち。 みんなゆっくりできないようになって、らんのように惨めに這いつくばって、死ねばいい。 そう思った瞬間、らんは自分はもう助からないのだと悟った。故になおさら怒りの濃さが増し、天を呪うように睨みつける。 すると、その見上げた視界に、室外機の上から垂れ下がる二本の紐状のものが見えた。 「…………ちぇん?」 本能からこみ上げてくるゆっくりできる心から、らんはその尻尾の持ち主の名前を呼んだ。 尻尾がぴくりと反応し、それはそれは愛らしい顔立ちをした一匹のゆっくりが室外機の下を覗き込んでらんと目を合わせた。 「……らんしゃま?」 まりさが嘲け笑いながら体当たりをしてきた。 よろけた所にれいむが何か口汚く罵りながら、毎日お姉さんにブラッシングしてもらっていたらんの髪を涎を引く口で噛み、毟る。 らんが悲鳴を上げるとみょんが下品な言葉を吐きながら口にくわえた枝で、らんの柔肌を切り裂いた。 れいぱーありすが性器を勃起させてらんのまむまむを蹂躙し、溢れ出すほどのカスタードクリームを注ぎ込んだ。 アスファルトに果てたらんを見て、ぱちゅりーが偉そうにらん種の尻尾はとてもゆっくりできるあまあまだと野良ゆたちに教え、おぞましい晩餐が始まる。 「うわああああああああああああ!!!」 「ゆにゃん!?」 らんは目覚め、今まで見ていたものが悪夢だったことを理解した。 ならばここは暖かい我が家で、お姉さんが「どうしたの? そんなに怯えて」と優しく声をかけてくれるはず――そう一瞬だけ期待して、らんは目の前に広がる光景に現実を突きつけられた。 何十年も暗い影の中で佇んできた、限りなく黒色に近い罅割れたコンクリート壁。 傍らで唸りを上げる室外機。 体を包む、ごわごわした新聞紙。 足下は体の芯まで冷えそうな、硬い硬いアスファルト。 らんはまだ、自分が悪夢の中に居続けていることを思い知った。 「う……うぅ……おねーさん……」 「わかるよー、らんしゃま。つらいことがあったんだねー。でも、らんしゃまはちぇんがまもってあげるよー。だからゆっくりしていってね!!!」 「……ゆ?」 ゆっくりした声が隣から聞こえ、らんはそちらを振り向いた。 帽子はどこか湿ってドブ臭く、皮に無数の泥の染みがあるものの、そこにはとてもゆっくりした一匹のちぇんが悠然と立っており、二本の尻尾をらんの体に巻きつかせていた。 そこで、はたとらんは最後の記憶を思い出す。 「ちぇぇぇぇん! まさか、ちぇんがらんのことを助けてくれたのか?」 「そうだよー。らんしゃまはちぇんのことをみたとたんきぜつしちゃったんだねー。すっごくつかれているみたいだったし、けがさんでたいへんそうだったから、ちぇんはできるかぎりのことをしてらんしゃまをたすけようとしたんだよー。 でも、からだをきれいきれいにして、ごはんさんをたべさせることくらいしかできなかったんだよー……らんしゃまのゆっくりしたおかざりさんも、もふもふしっぽさんも、もとにはもどせなかったんだよー……えーん! ごめんね、らんしゃまー!」 「そんな、謝ることはない! ちぇんは精一杯やってくれたじゃないか。らんが今こうして生きていられるのも、全部ちぇんのおかげだ!」 涙ぐむちぇんに、こちらも感極まって鼻がかった声でらんはお礼を言う。 今まで出会ってきた他の野良ゆのせいで、らんはこんなにゆっくりできない体にさせられてしまったのだ。それをこの野良ちぇんはらんを傷つけるどころか、助けてくれた。 らんはちぇんと向き合うために居住まいを正す。そして、頭にぶら下がっていたはずの茎が無くなっていることに気づいた。 視線かららんの意図を悟ったらしいちぇんは、少し目を伏せて説明した。 「らんしゃまのあたまにみのったおちびちゃんたちは、みんなありすだったよー……。このままにんっしんっ、していたららんしゃまはずっとゆっくりしちゃうっておもったから、ちぇんはゆっくりごろしをしたんだよー。わかってねー……」 「そうか、ちぇん。らんのためを思ってやってくれたんだな。ありがとう……」 「わかるよー。らんしゃまはやさしーんだねー。それじゃあ、らんしゃまもおきたことだしちぇんはかりにいくんだねー。らんしゃまはここでおるすば――」 「ゆげっへっへっへ!」 路地裏に、下品な感じの甲高い声が響き渡った。 そちらを見ると、ぱちゅりーにれいぱーありすを後ろに従えたゲスまりさが路地からの出口を塞ぐように立っていた。そのお飾りに見覚えがあることにらんは気づき、先ほど見た悪夢と記憶が結びつく。 「ちぇんがうすのろのらんをかくまったっていうのはほんとうだったのぜ! さあちぇん、らんをこっちにわたすのぜ。きのうたべそこねたあまあまなしっぽさんを、きょうこそぜんぶたべつくしてやるんだぜ!」 「んほおおおおおおおおおお!! かいゆのきつきつなまむまむもさいこうよねえええええええええ!!」 「むきゅ! もしらんのおちびちゃんがうまれたら、そいつをりようしてかいゆになれるわ!」 勝手なことばかり口にするゲスどもに、らんが怒りを表す前にちぇんが激怒して跳ね、三匹の前にたった一匹で立つ。 「わかるよー! おまえらがらんしゃまをいじめたゲスどもなんだねー! ゆっくりしねえええええええべにゃ!?」 「ちぇぇぇぇぇぇぇん!?」 「へっへっへ。ちぇんなんかがまりささまにかてるわけがないのぜ」 ちぇんはゆっくりとしてはとてつもない速度で飛び出し、まりさに体当たりを仕掛けたがみえみえの正面突撃だった。まりさは身を屈めて正面からぶつかってきたちぇんを受け止め、ウェイト差を利用して逆に弾き返し、壁に叩きつけた。 通常種最速の身のこなしを誇るちぇん種だが、体が小さいため単純な力比べでは不利なのだ。 すぐさまちぇんを助けに行こうとすると、まりさは壁にぶつけられて目を回すちぇんの傍に寄り、尻尾をあんよで踏みつける。 「ゆぎにゃ!? わがらないよー!!」 「おおっとらん、うごくななのぜー。らんがにげるとちぇんはぷちっ、なんだぜー?」 「な……卑怯な、このゲスめ!」 「へっへっへ。のらゆはゲスでなんぼなんだぜ! さーおしりをこっちにむけるんだぜ。しっぽさんをたべてやるんだぜー♪」 「んほおおおおお!! そのあとはおたのしみのとかいはなあいのじかんなのねえええ!!」 絶体絶命の危機だった。らんは歯を折れそうなほどに食い縛る。自分さえいなければ、ちぇんをこんな危険な目に合わせずに済んだものを……。 屈辱と悔しさを抱えるらんに、ダメ押しするようにまりさがさらに深くちぇんの尻尾を踏みつけた。「わがらな!?」という叫びに心が痛み、らんは泣く泣くまりさに背中を向ける。 「よーし、それじゃちぇんはありすにやるんだぜ。いっただきまーす!」 「んほおおおお!! ちぇんのまむまむもちっちゃくてきつそうだわああああああ!!」 「わかならないよおおおおおお!!? らんしゃまあああああああ!!」 背後から聞こえてくるそんなゆっくりできない声に、らんの中で死にかけた時に覚えた怒りが甦る。 そうだ、なぜ自分や、あんなにゆっくりしていたちぇんがこんなゲスどもの食い物にならねばいけないのだ。ゆっくりさせられなくされてしまうのだ。 お前らこそ、ゆっくりできなくしてやる。 「ちぇんをいじめるゲスどもは、ゆっくりしね!」 この時、生まれてこの方飼いゆとしてのゆっくりしたゆん生を送ってきたらんの中で、初めて闘争本能に火が点いた。それはらん種の能力を呼び覚ますトリガーだった。 酢飯を中に詰めたらん種の尻尾は、ただの非常食ではない。強い怒りと闘争本能によって圧力が尻尾内部に生じ、先端に空けられたごく小さな穴からエネルギーを逃がそうとすることによって、作動する―― 「あべにゃ!?」 米粒弾発射装置なのだ。 らんの尻尾にかぶりつこうと大口を空けていたまりさは、無防備な口中にBB弾よろしく撃ち出された米粒弾を喰らって仰向けに倒れた。おそらく中枢餡をやられたのだろう。即死だった。 その戦果を確認する間もなく、らんは身を翻してちぇんを組み伏せるれいぱーありすに突撃する。 ちぇんのまむまむに挿入しようとしたぺにぺにに、らんは牙を剥いて思い切り噛みついた。 「あぎゃあああ!? ありすのとかいはなぺにぺにさんがああああ!?」 「どこが都会派だ、日本語喋れ!!」 ぺにぺにを路上に吐き捨て、痛みに悶えるありすの上にらんは飛び乗る。 上から押し付けられたらんの重みによって、ありすはぺにぺにの傷口から大量のカスタードクリームを噴出し、死んだ。 血走った目で、らんは次の標的であるぱちゅりーを睨みつける。しかしわざわざをとどめを刺すまでもなく、ぱちゅりーは既にこの光景と次に殺されるのは自分であるというプレッシャーに負けたのか、勝手にえれえれしてて永遠にゆっくりしていた。 気を取り直し、らんはアスファルトに横たわるちぇんに駆け寄る。 「大丈夫か、ちぇぇぇぇん!」 「だいじょうぶなんだねー! それより、らんしゃまってめちゃくちゃつよかったんだねー! わかるよー!」 「ちぇんのためだからこそ、出せた力だ。らんだって自分がこんなに強かったなんて知らなかった……」 本心かららんはそう言った。事実、らん種は温厚な性格で争いを嫌い、不必要な戦いは避ける傾向にある。そんならん種が秘めたる高い戦闘能力を発揮するのは、正にちぇん種に危険が及んだ時だ。 そもそもらん種の因子は劣性遺伝であり、個体数が少ない。そのためらん種はまずほぼ間違いなくちぇん種を番に選び、ちぇん種の子供を得る。この本能は、自分の遺伝餡子を守るため本能に刻まれたプログラムなのである。 ずっと人間の手によって餌も寝床も与えられ、バッジ試験ですら『人間の協力があってこそ取得できた』と教育されてきたらんにとって、この戦果は初めて自覚した『自分の実力』だった。 ちぇんにひたすら褒めちぎられてもどう対応していいのかわからず、呆然とするらんの腹がぐーと鳴る。 「あ、らんしゃま、おなかがすいたんだねー。わかるよー」 「あはは、そういえばちぇんが狩りに行くって話をしていたんだったな……でも、こんなことがあったばかりじゃちぇんを一人で出歩かせるのは心配だ。らんがボディーガードをしよう」 「わかるよー! らんしゃまとデート! なんだねー!」 そう言って、ちぇんはらんと頬をすり合わせて二本の尻尾の先端をハートマーク型にくっつけ合わせた。 ちぇんに案内された場所は、ゴミ捨て場だった。 すえるような生ゴミの臭いに、その臭いの元を食べなければいけないという事実にらんは気圧されたが、もうあの暮らしには戻れないのだ。 ちぇんは透明なゴミ袋の中身を物色してから、特に食べ物がたくさん入っていそうな袋を噛み切って中身を漁りだす。アスファルトにばら撒かれるゴミを見たらんは、ゴミ収集する人間さんにごめんなさい、と心の中だけで謝った。 「らんしゃま! らんしゃま! みてみてー! おさかなさんのあたまがあったんだねー!」 「そ……そーか。ちぇんはお魚さんが好きだもんな」 「そうなんだよー! おさかなさんはゆっくりできるんだねー! それじゃ、いっただきまー――」 「待て、ちぇん」 魚の頭や骨をはじめとした生ゴミばかりが入れられた、スーパーのゴミ袋を噛み切ろうとしたちぇんをらんは制止した。ちぇんは呆けた顔をする。 「にゃんで? わからないよー?」 「ここで食べていると、人間さんにやってきてゆっくりできなくさせられてしまうかもしれない。それに、他の野良ゆが来てもちぇんは喧嘩では勝てないだろう?」 「そうだよー。だからちぇんはそういうとき、おなかがへっていてもがまんして、にげるんだねー……」 「うん、その判断は間違っていない。でも、今日はらんがいるんだ。このくらいの大きさの袋さんなら、持ち運べる。安全な場所に移ってからゆっくり食べるとしよう」 「わかるよー! おうちにかえるんだねー!」 「いや、だめだ。あの室外機の近くのお家にはもう帰っちゃだめだ」 「にゃんでー!? わからないよー!?」 盲信と言っても良いらん種への信頼感から、ちぇんはらんの言うことを素直に聞いていた。だがさすがにねぐらを捨てろと言われて素直にはいそうですかとまではいかなかったようである。 むしろその事実に安心して、らんは事情を説明した。 「あそこにはあのゲスグズ通常種の死体があるだろう? そろそろ死臭が酷くなってきている頃だろうし、人間さんに見つかってあのあたり一帯が野良ゆを警戒する地域になってしまったかもしれない。……ったく、本当死んでも迷惑しかかけることしかできないな、あのゴミどもは……」 「ゆ、ゆぅー。わかるよー。わかったけど、それじゃちぇんたちはこれからどこでくらせばいいのー? わからないよー!」 「そうだな……ん? まずい、ゆっくりが来た。隠れるぞ、ちぇん」 「わかるよー、ゆっくりかくれるんだねー」 帽子に隠されたらんの大きな耳が、ゆっくりの声を逸早く感知した。らんとちぇんは生ゴミの入った袋を持ってゴミ捨て場の塀の後ろに隠れる。 しばらくすると、一匹のれいむがゴミを漁りに来た。れいむはらんたちが開けたゴミ袋の中身を調べ、牛乳パックやお菓子の袋の中身を舐めたりする。そしてまた他のゴミ袋を破き、めぼしいものを見つけるとがつがつとその場で貪り始めた。 十分ほどれいむは食事を続けていたが、まだ少し残っている生ゴミを全部食べきらず持ち帰ることにしたようだ。その時にれいむが零した独り言を、らんはしっかりと聞き届ける。 「ゆっゆー! これはおちびちゃんのためにとっておくごはんさんだよ! おちびちゃんたち、れいむはゆっくりしないですぐかえるからゆっくりまっててね!」 れいむの食事中にまとめていた算段が、その一言で完全に決定された。らんはちぇんに小声で話しかける。 「ちぇん、あのれいむを追うぞ。けど、気づかれないように、そーろそろとだぞ」 「わかるよー。そーろそろれいむをおいかけるんだねー」 「よし、いい子だぞちぇん」 無防備に背中を見せ、れいむはぽよんぽよんと跳ねて家路についたようだ。その後ろを、らんとちぇんはぴったりつけて後を追う。 れいむのねぐらはゴミ捨て場から少し離れた場所にある、自販機のようだった。ゴミ袋を引きずって歩くれいむを見つけ、自販機の裏から子ゆっくりのれいむが一匹、まりさが一匹現れにこやかな笑顔を浮かべる。 「おかーさん! ゆっくりおかえりなさい!」 「おちびちゃん! ゆっくりただいばぁ!?」 「「おかーさん!?」」 子ゆっくりたちに挨拶し返したれいむを、らんは背後から思い切り体当たりして突き飛ばした。れいむは路上に顔面をぶつけて倒れこむ。 その隙に、らんは猛然と自販機に近づいた。子ゆたちの怯えた表情が近づき、遂に泣き顔がらんの目の前に二つつ並ぶ。 らんは子れいむのリボンをくわえ、地面から浮かしてやった。びくりと驚く子まりさを尻尾で打ち払い、倒れたところに体重を軽くかけてやる。 「ゆぎいいいいい!! ゆっくりできないいいい! やめてえええ!」 「やめてね! やめてね! まりさがゆっくりできなくなるよ! ゆっくりしないでいますぐれいむをはなしてまりさからどいてね!」 「ゆああああ!? れいむのおちびちゃんたちがあああ!!」 地面から親れいむが体を起こすと、ついさっきまでゆっくりしていた子供たちはらんによってその命を危機に晒されていた。その驚愕の顔を堪能したらんは、子れいむのリボンを噛み切って口を自由にすると、親れいむに平坦な口調で話しかけた。 「おい、れいむ。おちびちゃんたちを返してほしいか?」 「かえしてね! れいむのおちびちゃんたちをゆっくりしないですぐかえしてね!」 「それじゃ、そこのごはんさんと、このお家をらんたちに寄越せ」 「なにいってるのおおおお!? そんなことできるわけないでしょおおおお!?」 「なら、おちびちゃんたちがゆっくりできなくなってもいいんだな?」 おかざりが不完全になって泣き喚く子れいむを噛み殺そうするかのように、らんは大口を開けてやる。びくりと震えた親れいむは大きく目を見開き、しかし、すぐに頷いた。 「わかったよ! おうちもごはんさんもらんにあげるよ! だからおちびちゃんたちをかえしてね!」 「バカか!? この程度のごはんさんで返してあげるわけないだろぉ!? もっと持ってこい! 今すぐだ! ゆっくりしないで早く行け! じゃないとおちびちゃんたちが永遠にゆっくりしちゃうぞぉ!?」 らんにそう言われたれいむの顔は、いっそ傑作ですらあった。ぼろぼろと涙を零しながら親れいむは我が子に視線を投げかけると、キッと目を吊り上げて叫ぶ。 「おちびちゃんたち! まっててね! すぐにおかーさんがたくさんごはんさんもってきて、ゆっくりさせてあげるからね!」 走り去って行くれいむの後ろ姿を見送ったらんは、さて、と一息ついて子まりさを解放した。自由になったまりさはれいむの傍に駆け寄ると、らんを睨みつけてぷくーっ、と体を膨らませながら威嚇する。 「このおお! ゲスならんはゆっくりしぬんだぜ!」 「そうだよ! ゲスらんはゆっくりしんでね!」 「うるさいな、お前らはもう用済みだ」 「ああ!? まりしゃのおぼーし!?」 威嚇するばかりで攻撃する気配のない子ゆっくりたちに辟易したらんは、子まりさの帽子を奪い取った。続けてれいむのリボンも髪ごと引きちぎり、泣き叫ぶ子ゆっくり二匹を踏み潰して殺す。 一仕事終えたらんは、ふぅと一息ついて事の成り行きを呆然と見ていたちぇんに笑顔を向けた。 「さ、ちぇん。新しいお家が手に入ったぞ」 「にゃ……にゃ……わからないよおおお!? いくららんしゃまでも、あんまりだよおお!! れいむたちがなにしたっていうのおお!?」 地面に顎をつけんばかりに大声を上げて糾弾するちぇんの言葉にらんはきょとんと目を丸くした。 「さっきのゲスを片付けた時は、あんなに喜んでいたじゃないか、ちぇん。なんで今回はそんなにゆっくりできない顔をするんだい?」 「なんでって、れいむはおちびちゃんとゆっくりしたかっただけなんだねー! わかるよー! ゲスじゃないゆっくりをころすなんて、らんしゃまはゲスだったの!? わからないよー!!」 信じていたのに裏切られた、と言わんばかりにちぇんは目尻に涙を浮かべる。 その姿を見て、らんは納得すると共に未だかつてない感情を――まるで母ゆっくりが赤ゆっくりに抱くような、保護欲をちぇんに対して抱いた。 「そうか……ちぇんは優しいな」 「……ゆ? わからないよ?」 「いいか、ちぇん……通常種のゆっくりというのはな、ゴミなんだ。クズなんだ。この世界にいるだけで永遠にゆっくりしなければいけないくらい、どうしようもなくゆっくりしてない糞饅頭なんだよ。だから、いくら潰したって構わないんだよ」 「……え? え?」 らんの言葉にちぇんは理解が追いつけず、ただただ戸惑うばかりだった。 無理もない。野良ゆにとって通常種だの希少種だのは関係のないことで、生まれた頃から野良ゆっくりである個体は、人間の区分である通常種や希少種などという言葉すら知らないからだ。 今やらんの通常種に対する目線は歪みきっていた。理不尽な理由で捨てられた怨み、捨てられた直後に通常種から受けた仕打ち、ちぇんと自分の命を危険に晒したこと、他ゆんを蹴落とさなければ野良ゆは生きていくのが難しいと直感的に判断したこと、何よりいざ戦えば自分は通常種より何倍も強いという自負が、らんの中の何かを捻じ曲げた。 「でも、ちぇんがそう言うんなら、これから殺すのはできるだけやめよう。クズ通常種どもはみんならんとちぇんの奴隷にして、ご奉仕させてあげるんだ」 「ゆ……?」 「そして、この町をらんとちぇんの楽園にしよう。面倒なことや危険なことは全部クズ通常種どもに押しつけて、らんとちぇんはずっとずっと楽しくゆっくりし続けるんだ」 「……わからないよ……わからないけど……」 野良ゆ生活を生まれてこの方ずっと続けてきたちぇんにとって、らんの言葉はさっぱり何がなんだわからなかった。ただ一つわかったことは、らんはこれからも変わらずちぇんを愛し続けてくれるということだけであった。 そもそも、ちぇん種はらん種の言うことならばほとんど何も考えずに丸呑みして信じてしまう傾向にある。 だからちぇんは、ぴょこんぴょこんと飛び跳ねてらんに近づくと、頬をすりすりとすり合わせた。 「わかるよー! らんしゃまはゆっくりできるんだねー!」 思考停止そのものであった。しかしらんはこれを了承と受け止め、野良ゆたちにとっては恐るべき計画を言い放つ。 「よし、それじゃあこの町のちぇんたちをみんな仲間に引き入れて、クズ種どもをゆ畜にしてやるぞ!」 「わかるよーーー!!」 そして、らんの計画はあまりにもあっさりと順調に進んで行った。 野生と違い、野良ゆというものは基本的に群れない。一箇所に集中し過ぎると人間に駆除されるからだ。また、食糧の確保も狩場争いが野生以上に多発するため、すぐいがみ合いに発展するのだ。 だが、ちぇん種にとってらんの存在はそんなゆっくり同士の不信や人間に対する警戒感をぶっ飛ばすほどの威力を伴っていた。番を見捨ててらんの下に下ったちぇんに、親下から逃げ出してらんについてきた子ちぇん、挙句らんと一緒にいられるという噂だけで飼いゆの身分を捨てて家出してきたちぇんまで現れ、見る見るうちにらんの傘下に集うちぇんたちは数を増やしていった。 個体や家族でばらばらに暮らしている野良ゆたちにとって、らんという強い絆で結ばれたちぇんの群れに対抗する術は絶無であった。子持ちの野良ゆは子供をゆん質に取られ、その子供はおかざりをゆん質の証拠という形に残すだけで、本ゆん自身は殺された。独身のゆっくりは適度に痛みつけられて、奴隷になることを了承すれば命を見逃され、拒めば殺された。 さらに、らんは傘下のちぇんたちと数え切れないくらいのすっきりーを行った。野良ゆたちを搾取しているらんたちにとって子育ては通常の野良ゆより楽で、また、親であるらんの言うことを聞くちぇんばかりが生まれたので教育もまた容易に進んだ。 生まれてくる赤ゆの中には、稀にらん種が混じっていることもあった。そのらん種たちは特別に英才教育を受け、らん一匹では面倒を見切れないほどに数を増やしたちぇんたちを分担して統率する長として育てられた。 こうして、らんが捨てられて一年が経つ頃。 異常に増えた野良ちぇんに対する被害報告と原因究明の要請が、市民から役所へと数多く届けられた。 「被害報告についてですが……まず、もっとも大きい声が騒音です。 ご存知のように、らん種とちぇん種は異常なまでに強固な結びつきが確認されており、その愛情表現のもっとも顕著な発露と言えるものが『ちぇぇぇん』『らんしゃまー』というお互いの名の呼びかけです。 このコミュニケーションはらん種とちぇん種を飼う上でも、近隣での迷惑になることを考慮され厳しく躾けられるものですが、野良のゆっくりにそのようなものは関係ありません。連中の住処の近隣住民は、四六時中、間断的に行われる呼びかけ行為に強いストレスを抱えており、早急な対処を要求しています。 また、糞被害報告も多く届けられています。説明を補足しますが、らん種の構成食物は酢飯であり、当然排泄物も酢飯です。 我々日本人にとって白米は国と同じ歴史を持つソウルフードでありますが、近年では欧米食も広く受け入れられ子供たちにとって米食は過去のものとなりつつあります。 その状況下で、道端に酢飯が糞として落ちるというシチュエーションが発生しているわけです。 この被害報告は、子供たちが米を食べなくなったというものや、粗末に扱うようになったという内容になります。また、成人した市民にとっても気分が良いものではありません。 また、この野良のらん種とちぇん種たちのコミュニティは、お互い以外の種のゆっくりたちについて極めて排他的な姿勢を取っており、野良の通常種はもちろん放し飼いや散歩中の飼いゆっくりたちにすら襲い掛かり、殺害したという報告が届けられております。その逆に、ちぇん種を捕食した飼い犬や飼い猫が食中毒を起こしたという被害報告も次いで多く届いています。 その他、野良ゆ被害では定例の被害報告も当然、多く出ています。それらについての被害内容と件数は各自資料に目を通して確認してください。 以上が、野良のらん種とちぇん種の異常大量発生に伴う特殊な被害状況についての報告になります。質問はありますか」 グラフや被害状況の写真、様々な資料を貼り付けたホワイトボードの前に立ったスーツ姿の男が、会議室に集まった面々の前で居住まいを正した。 公共生活環境部餡子型生物対策課、通称《公餡》。 本日、黒浦市役所で行われている公餡課の会議議題は、最近急激に大量発生した野良のらん種とちぇん種に対する被害状況の確認と、対策方法についてである。 ぎしり、とパイプ椅子を軋ませ、年若い顔立ちの課員が手を挙げた。 「そもそも、なぜこれほどちぇん種とらん種ばかり増えたんですか?」 「語弊がありました。配布した資料をご覧になれば理解していただけるかと思いますが、増えているのは正確にはちぇん種ばかりです。劣性遺伝であるらん種の個体数は、予測数ちぇん種の1/30程度としています」 「それでも、普通らん種の野良などそうそう目にするものではないからな。この資料が正確であるとするならば、この町にはびこる野良らんは100匹を越える計算になる。これほど狭い範囲に野良らんが集まったケースはごく稀だ」 議長席に腰を下ろす課長が説明を補足した。だが、年若い課員は面白くなさそうに眉間に皺を寄せ、ぴんとクリップで止めた資料束を指で弾く。 「だから、説明になってないじゃないですか。異常大量発生の理由は、なぜなんですか」 「根本原因は不明です。ですが、らん種の特性を鑑みれば大量発生に繋がる経緯は推測可能です。 ゆっくりらん。このゆっくりは俗に希少種と呼ばれる、劣性遺伝の因子から産まれるゆっくり種です。 希少種は概ね、ゆっくり特有の《思い込み》による恐るべき超自然現象を起こす能力を保有していますが、らん種はそういった能力は今の所全く確認されていません。 しかし、そのかわり全てのスペックが通常種を大きく上回ります。 つまり――れいむ種より出産成功率も養育能力も高く、まりさ種より狡猾にしてタフ、ありす種より器用で視界が広く、ぱちゅりー種より知能が高く記憶能力に優れ、みょん種より勇敢で戦闘に長け、ちぇん種より素早い。 また、種特有の大きな特徴としてゆっくりの中でも最高クラスの数学学習能力の高さを保有しています。おそらく、野良であろうとも小学生低学年レベルの加減乗除くらいならこなすでしょう。 これらの高い能力と、最大の特徴であるちぇん種との強いコミュニケーションがあれば――通常種の野良ゆなど、ひとたまりもなく駆逐されるでしょう」 「でも、自然環境下ではそういった現象は見られていないんですよね」 「いえ、報告はあります。ですが、最終的に個体数を増やしすぎて自滅するか、どこからともなく現れたゆかり種によって統制されるかという形で、バランスが取られているようです」 「わかりました。続けてください」 年若い課員は納得したように、背もたれに深く腰掛ける。 ホワイトボードの前に立つ課員は、手元の資料をめくり上げた。 「先ほどの説明でも申し上げましたが、らん種は知能が高く、数字に強いという特徴があります。これらの武器が、我々にお鉢が回ってきた原因でもあるのです。 先月、この町で一斉駆除が行われました。しかし被害は一時減ったものの、すぐ持ち直しています。一ヶ月という短い間に、いくらゆっくりであろうと元通りの数に戻るわけがありません。 そう、そもそも一斉駆除は失敗したのです。駆逐できた個体数が、常例より圧倒的に少なかった。完全に、ゆっくりに一斉駆除のタイミングを読まれて対策されたのです。結局、駆除要員の方々は通常種の住処をいくつか潰しただけで、ちぇん種が隠れ潜む場所をほとんど見つけられもできませんでした。 一斉駆除のタイミングを読むことは、らん種にとっては容易でしょう。人間の噂に上りますし、飼いゆっくりの散歩も前後にはぱたりと止む。そしてちぇん種に絶大な信頼を寄せられているらん種が逃亡を指揮すれば、杜撰な一斉駆除などやり過ごすことは容易なのです」 「餡子脳餡子脳とバカにし続け、我々人間のやり口も相当お粗末になっていたというわけだ。だが、らんどもにそれは通用しない」 課長の言葉に大きく頷いた進行役の課員は、ホワイトボードに描かれた図を指示棒で指摘した。 「諜報員がちぇん種の帽子を被り、情報を得たこの群れの構造です。 おおよそ、ちぇん種五十匹に対してらん種一匹。これが連中の基本的な群れ構造です。群れのリーダーはらん種が務めており、カリスマ的な指示力による絶対的な指揮能力を誇ります。反面、ちぇん種一匹一匹の判断能力は通常の野良ゆより劣っており、いわゆる『わからないよー』と口にするようなことが起こると、らん種に判断を任せるという形になっています。 これは一見弱点のように思えますが、知能が低い通常種のゆっくりであるちぇん種にとってはむしろ迅速な逃走に繋がっており、個体の安全を確保する戦略であると判断すべきです。 また、ちぇん種は必ず最低でも二、三匹で連携行動を取り、単独行動はまずありえません。それでも単独行動を取っている個体が確認されたならば、まず間違いなくどこかに他の固体が見張りとして隠れているでしょう。 通常、野良どころか野生であってもこれほど確かな命令遵守の群れはありえません。らん種に絶対の信頼を本能から預け置くちぇん種たちであるからこそ実現し得た生き残り戦略と言えるでしょう。 全ての『規則』を調査したわけではありませんが、諜報員が入手した『規則』は資料に記しています。ゆっくりでも覚えられる単純で少ない内容なので、皆さん必ず頭に叩き込んでおいてください」 紙をめくる音が会議室にがさがさと響き渡り、課員たちは各々に「規則」を確認し始めた。 間が置かれた会議室で、ほぼ全員が「規則」に目を通した様子を確かめると、課長は厳かに口を開く。 「それでは、具体的な対策方法を練るとしよう――とは言っても、もう既に私の案があるのだがな」 「手強そうな群れですけど、何か方法でもあるんですか?」 「簡単だよ。強い結束によってこの群れは形成されている。ならば、その結束を崩壊させれば良い。 内部から攻め落とすのだ。本当の駆除というものを、人間の恐ろしさというものを、ゆっくりに教育してやろうではないか」 マンション脇に建てられた公園に、一匹のゆっくりまりさが忙しげな様子で入っていった。 まりさは一目散に四、五本の桜が植えられた一角へと向かい、木陰の下でげっそりと痩せ細ったありすに声をかける。 「ありす、ただいまなのぜ。いまごはんさんをたべさせてやるのぜ」 「ありがとう……まりさ……」 礼を言うありすの頭には細く心なしか萎れた茎が生えており、その半ばほどには一匹の実ゆがぶら下っている。実ゆの表情も親の栄養が足りていないのか苦しげであった。 まりさはおぼうしを脱ぎ、その中に詰めていた生ゴミを取り出した。そうしてニンジンのヘタをありすの口元に持っていこうとした時、後ろからたどたどしく甲高いゆっくり特有の声がかけられる。 「まりさぁー。ゆっくりしていってねぇー?」 びくりっ、とまりさは体を硬直させた。ニンジンのヘタがぽとりと地面に落ち、砂まみれになる。 まりさが振り返ると、そこには五匹ばかりのちぇんと、一匹のらんが立っていた。ちぇんの内二匹はまだ小さな赤ゆで、一匹ずつ成体ちぇんの頭に乗せてもらっている。もう一匹のちぇんも成体ちぇんより一回り小さい子ちぇんだ。 らんもまた、まだ若い子らんであるのか成体ちぇんと同じ程度のハンドボールサイズしかない。しかしこの場にいるどのゆっくりよりも余裕と自信に満ち溢れた、ゆっくりした表情をしていた。 「ま、まつんだぜちぇん――ゆぶ!?」 おどおどとした様子で話しかけてきたまりさの頬を、成体ちぇんが尻尾ではたく。もう一匹の成体ちぇんが頭上の赤ちぇんにゆっくりした声で話しかけた。 「ちぇんのおちびちゃん、おちびちゃんはこんなゆっくりしてないクズまりさみたいに、ごあいさつされたのにごあいさつしかえすこともできない、ゆっくりしてないゆっくりになっちゃだめなんだねー」 「わきゃりゅよー! ちぇんはちゃーんと、ごあいさちゅできゅりょー!」 「ははは、全くもうちぇんはいつでもどこでも教育熱心だなぁ。らんは鼻が高いぞ」 和やかなようすで語り合うちぇんとらんたちの一挙手一投足に、びくびくとまりさは怯えながらも背後のありすを庇うように立って、口を開いた。 「まってくれなんだぜ! このごはんさんはありすのぶんなんだぜ! もうありすはきのうからなんにもたべてないのぜ! まりさはたべられなくていいから、このごはんさんだけはとっちゃだめなんだぜ!」 「わからないよー? そんなの、まりさのかりがへたなだけだったんだねー。ちぇんのものはらんしゃまのもの、まりさのものもらんしゃまのものなんだねー。わかれよー。ありすにごはんさんをたべさせたいなら、もっともっとたくさんのごはんさんをとってくればいいだけなんだねー。りかいできるー?」 「お、おねがいします! これいじょうありすがなんにもたべないと、まりさとありすのおちびちゃんがえいえんにゆっくりするんだぜ! だから、だからぁ!」 「わかったわかった。ちぇんの前でそんな下品な顔を晒すな。まったく、これだから通常種は品が無い……」 額を地面に何度も当てて頭を下げるまりさの姿に、らんはあからさまに顔をしかめて大きくため息を零した。 しかし路傍の糞でも見るかのような目で見られたまりさは、歓喜に涙を零し、ばっと顔を上げる。 「じゃあ、きょうのぶんの『みつぎもの』はゆるしてくれるんだぜ!?」 「アホか。こうすれば手間が省けるだろ?」 温度の無い声で言うや否やらんはありすの前まで一足飛び、実ゆをくわえて茎から引きちぎった。 力任せにちぎられた実ゆは、断末魔の声を上げる暇もなく体の半ばからちぎられ、微量のカスタードクリームを地面に撒き散らして生まれる前の命を散らした。 まりさとありすの顔色が変わり、絶叫を上げる。 「ゆがああああああああ!!? まりさのおちびちゃんがああああああ!!」 「おちびちゃん! ありすのおちびちゃん! ゆっくりしでえええええ!!」 らんがぷっ、と吹き捨てた実の残骸をありすはぺーろぺろと舐め、まりさは滂沱と涙を流す瞳を憤怒の色に染める。 「このおおお! なんでおちびちゃんをおおおおお!!」 「そんなのがいるから、いつまでたってもちぇんたちのごはんさんが用意できないんだろう。間引きしてやったんだ。感謝しろ」 「そうだよー! まりさとありすはやさしくってあたまのいーらんしゃまにありがとうっていうべきなんだねー! わかるよー!」 「おちびちゃんのかたきだあああ! ゆっくりし――ゆ!?」 まりさは怒りの衝動に身を任せ、らんを押し潰そうと跳ねようとした。しかしその前にらんが尻尾の先端でまりさの腹を一突きする。 顔色を真っ青に変えたまりさは、茶碗一杯分ほどの餡子を吐き出して力なく倒れこんだ。 「都合の悪いことが起きたらすぐ暴力に頼ろうとする……本当にどうしようもないな、通常種というクズどもは。こんなのに付き合っている分だけ時間の無駄だ。さ、ごはんさんを持っていって、さっさと次に行こうか、ちぇん」 「わかるよー、らんしゃま! こんなクズでもころさないなんて、らんしゃまはほんとーにやさしーんだねー!」 ぴくぴくと痙攣し、気を失っているまりさの横から生ゴミの食料を奪い取り、ちぇんたちは意気揚々と公園から引き上げる。 この町ではもうありふれた光景であった。ちぇん種以外の全ての野良ゆは毎日このように食糧や巣作りに必要な物資などを取り上げられ、取るものすら持たない個体は気晴らしのためになぶり殺される。正にこの町はらんとちぇんの天下である。 成体ちぇんの帽子に乗せられた赤ちぇんが、ぶんぶんと尻尾を振って子らんに話しかけた。 「らんちゃま! らんちゃま! しゃっきごみくじゅまりしゃにあんこしゃんをはきゃせちゃわじゃは、なんちぇいうのきゃきになりゅんだねー! ちぇんも、らんちゃまみたいにちゅよくなりちゃいよー!」 「ん? そうかそうか、ちぇんがその志を忘れないでいたら、きっと強くなれるぞ! そうだ、次に行くクズ種どもの所には、ちょうどクズのガキがいたな。あれでさっきの技を練習させてあげよう」 「わーい! くずじゃりをふるぼっこさんにしゅるのは、ゆっくりできりゅんだねー! わきゃりゅよー!」 「うふふ、ちぇんのおちびちゃんはやんちゃさんなんだねー。でもしょーらいたのもしいらんしゃまのしもべになるんだねー。わかるよー!」 にこにこと話し合いながららんとちぇんたちは道路を歩く。すると、その向こうから三匹のちぇんがやってきた。 同じ群れの仲間同士であるので、らんはすかさず挨拶をした。 「ちぇぇぇぇぇぇん! ゆっくりしていってね!」 「ん……らんしゃまー。ゆっくりしていってね」 先頭を歩く向こうのちぇんの挨拶に、らんは心配そうに首を傾げた。 「どうした、ちぇん? ちょっと挨拶に元気が足りないぞ? どこか具合でも悪いのか?」 「ああ……それは多分、この白い粉さんで幸せーな気分になってたせいなんだねー」 「しろいこなさん? わからないよー?」 らんとついていたちぇんたちが、一斉に首を傾げた。らんは訝しげに眉間に皺を寄せ、少し怖い顔つきをして向かい側のちぇんたちに低い声を放った。 「コラッ。なんだかよくわからないものがあったら、まずらんに聞いてから口にするようにって教えただろう?」 「ごめんなさいなんだねー。でも、らんしゃまもきっとこの白い粉さんを吸うと、ゆっくりできるんだねー」 「もう、らんはちぇんのことが心配で叱っているんだぞ。もしその白い粉さんが毒だったりしたら……」 「ふふ……こんなにゆっくりできる粉さんが、毒なわけないんだねー。らんしゃまもそう言わずに吸って見ればいいんだねー」 そう言うと、ちぇんはどこからともなく取り出した包み紙を広げて、らんの口元に押し当てた。 らんはとっさに身を引いたが、ものが粉末なので微量ながらも吸い込んでしまう。途端にらんの表情が緩やかになり、頬の肌がつやつやと潤いを増し、目に強い力が宿った。 「んん……? なんだこれは? すごくゆっくりした気分になるぞ!!」 「ねー、ちぇんの言った通りでしょー? 幸せー、な気分になれるんだねー。ゆっくり理解してねー」 「ああ、らんはゆっくり理解した! こんなにゆっくりできる粉さんが、毒なわけがない! それはそうと、ちぇん。この粉さんは、もっとたくさんないのか?」 輝きを増した瞳で、らんは包み紙を差し出したちぇんに詰め寄った。するとその背後に控えるちぇんたちが子ちぇんほどの丈はありそうなほどの、包み紙の山をざらりと道路に置く。 「これだけ見つけたんだねー。群れのみんなで幸せー、な気分になろうよ、らんしゃまー!」 「そうだな! 幸せー! はみんなでわけるものだ!」 「わかるよー! ちぇんたちもしあわせー! なきぶんになりたいんだねー!」 らんの後ろに控えるちぇんたちも、未知の粉にわくわくとした気分を隠せない様子だった。 合流したちぇんの内、二匹が包み紙の山を持ってらんたちについて行く。残りの一匹は後ろに退いて単独行動に移ってゆくのだが、粉に気を取られたらんたちはそれに気づきもしなかった。 その、単独行動に入ったちぇん――否、ちぇんのおぼうしを被った黒スーツの男は、帽子を脱ぐと入れ替えるように胸ポケットから取り出したサングラスをかけて自販機の向かいに停めた車に乗り込んだ。 運転席に陣取っていたスーツの男が、サングラス男に話しかける。 「上手くいったようですね」 「ああ。だがさすがにらん種は勘が鋭い。あれが毒だと警戒するとは。押し切れたから良かったが、少し冷や汗が出たな。他の班にはもう少し慎重にやるよう、連絡しておかなければいけないね」 公餡の諜報部員を務めるサングラス男は、事前に目を付けていた野良ちぇんたちのグループを襲い、帽子を奪って『変装』することで群れの中に紛れ込んだのだ。ちなみに帽子を奪われた本ゆんたちはまとめてゴミ袋の中に入れられ、致死量の毒ガスを注入されて永遠にゆっくりしている。 そんな様子を見ていた後輩の運転手はサングラス男に好奇心を帯びた瞳で問いかけた。 「ところで、さっきらんたちにやった粉はなんなんですか?」 「なんだ、聞いていなかったのかい? あれは小麦粉だよ」 「小麦粉って……確か、ゆっくりにとっては麻薬と同等の効果を及ぼすんじゃないんでしたっけ」 「その通りさ。小麦粉はアップ系の作用があり、一時的に反射神経が鋭くなり気分も高揚する。だが、長く摂取し続けたり一度に大量摂取すると――」 「ゆっくりの皮の構成物と同じである以上、どんどん皮がぶ厚くなって思考能力と運動能力が低下、やがては身体機能が正常に機能しなくなり、死に至る……でしたよね?」 「正解だ。もっとも、餡子に作用せず皮にだけ取り込まれる分、依存率はゆっくり用麻薬としては低めだがね。ま、初心者向けというヤツさ」 「その言い方、なんかアレな予感がしますね」 「今回の駆除計画の概要は、次の群れのテリトリーに移動しながらするとしよう。まず、先ほどちぇんに扮してらんたちについていった我らが同僚は、各群れのねぐらとしている場所を特定する――」 車のドアがばたんっ、と勢い良く閉められた。 エンジンをかけられた車は排気ガスを撒き散らしながら町を行く。
https://w.atwiki.jp/83452/pages/7081.html
ゆうしょく! 唯「あれ、あずにゃんもうおなかいっぱいなの?」 律「だから小さいまんまなんだぞー」 澪「体調でも悪いのか?」 梓「いえ、ちょっと疲れてしまいまして」 唯「あずにゃんは体力無いね! 私はお夕飯を食べて絶好調だよ!」 紬「それじゃあ唯ちゃんは徹夜でお勉強ね」 唯「うう……持病のしゃくが……」 律「しゃくって何か知ってるか?」 唯「……持病の……持病が!」 澪「いいかげんにしろ」 澪「今年は部屋がみんな別々なのか」 律「寂しいからって夜這いするなよー」 唯「よばいって何?」 律「え!? え、えーっと、その……な、なんでもないんだよ!」 唯「ムギちゃんはどういう意味なのか知ってる?」 紬「夜にねお部屋の中に入る事よ」 唯「澪ちゃん、私に夜這いして良いよ!」 澪「するか!」 梓「それじゃあ部屋で」 唯「うん、それじゃあおやすみー」 紬「ふふふ、唯ちゃんはお勉強ね」 唯「ごまかせなかった!?」 唯「はー、仕方ないからお勉強するかー」 紬「ふふ」 唯「ムギちゃん、大丈夫だよ、お勉強するよ」 紬「だいじょうぶよ」 唯「ううん、ムギちゃん目が怖いんだよ?」 紬「そう?」 唯「うん、なんか、肉食動物さんみたい」 紬「ふふ、夜中に女の子と二人っきりってどきどきしちゃうわね」 唯「ふわふわ時間!?」 紬「うふふ」 … 梓「……」 梓「誰もいない……ですね?」 梓「はぁー」 梓「だいぶ遅くなっちゃいましたけど、お薬飲まないと」 梓「でも、お薬飲まなくても平気そうだな……」 梓「急に倒れちゃったりしたら困るから飲んどこうかな」 梓「相変わらず量が多い……」 梓「うえ、変な味ぃ……」 よくあさ! 唯「……」 澪「唯、クマがすごいぞ」 唯「結局三時間しか眠れなかった」 律「勉強してたのか?」 唯「うん、ギターも練習してた」 紬「うふふ」 澪「ムギは元気そうだな……」 律「梓はまだ起きてこないのか?」 澪「張り切って練習してしな、疲れたんだろ」 唯「私がこんなに眠い中起きてるんだから起こしに行こう!」 紬「唯ちゃんは私と一緒に朝ご飯の準備ね、りっちゃんお願い」 律「あ、うん」 梓の部屋 律「梓ー? 寝てるのか?」 律「ノックしても出ない、それはずばり寝起きドッキリオーケーってことか」 律「うふふー、りっちゃんのラブラブモーニングコールの時間だよー、えへへへ、おっきする時間ですよー」 律「梓ちゃーん、えへへへ、おっきした?」 律「……熟睡してやがる」 律「たく、お……ん? なんだこれ、薬か?」 律「ずいぶん量を飲んでるなー、それにしてもしまい忘れるとか」 律「調子もあんまりよくなさそうだし寝かせておくか」 律「なんて優しい律さん、感謝しろよ梓」 澪「梓は?」 律「よく寝てるみたいだから寝かせておいた」 澪「そうか、まあ、疲れたんだろ」 律「ところでさ澪、薬ってさ、普通どれくらい飲む?」 澪「ん? そりゃ三粒とかそんなもんでしょ」 律「なんか梓がえれー量飲んでるんだよ」 澪「律は大げさだからな」 律「どれくらいかわかんないけど、十粒くらいはあったと思う」 澪「……それは確かに多いな? 見間違いじゃないのか?」 律「でもさー、一回に二十粒くらい飲むおなかの薬もあるし、何とも言えないんだよな」 澪「あー、そういう薬なのかもしれないな、あんまり梓には無理させないようにしよう」 唯「えー、あずにゃんまだ寝てるの?」 紬「……」 澪「まあ、四人で食べるか」 律「だな」 唯「こうなったらあずにゃんの分まで食べる!」 紬「いただきましょうか」 澪「梓もそのうち起きてくる……よな?」 律「……」 唯「何か二人とも暗いよー?」 紬「そうよ、お寝坊さんの事なんてりっちゃんにも澪ちゃんにもあるでしょう?」 律「だな?」 澪「ああ」 おひる! 梓「うわ! 寝坊してしまいました!」 唯「もう、練習開始してるんだよ! しっかりあずにゃん!」 律「寝癖がついてるぞ梓、本当に猫みたいになってるぞー」 紬「ふふ、じゃあ、私が……」 澪「ムギはここにいてくれ、私が梓と一緒にいるから」 紬「う、うん、わ、わかったわ」 澪「ほら、顔を洗いに行こう梓」 梓「え、あ、はい」 廊下 澪「梓が私たちに知らないで欲しいって言うなら、私たちは知らないで良いことだよな」 梓「え?」 澪「いいや、梓にもプライベートはあるよなって話だ、他意はない」 梓「あ、は、はい、そうですね」 澪「疲れたり、きつかったりしたらいつでも言ってくれ」 梓「律先輩や唯先輩に練習してくださいって言って欲しいです」 澪「あはは、そうだったな」 梓「文化祭まであんまり時間無いですから……」 澪「……文化祭まで……なのか?」 梓「え? 何がですか?」 澪「ううん、なんでも」 唯「あ、あずにゃんと澪ちゃん戻ってきた!」 澪「ごめん、ちょっと遅くなったな」 律「ご不浄で何してたんでしゅかー?」 澪「顔を洗いに行ってたって言ってるだろ!」 梓「さ、練習しましょう!」 唯「うえー、昨日から練習してばっかりだよー」 紬「ばっつげーむ♪ ばっつげーむ♪」 唯「あーん、あずにゃんのばかー!」 梓「どうして私が怒られてるんですか!?」 …… 澪「ふう、まともに練習できたな、音がだんだんと揃ってた気がするよ」 律「集中できた気がするな、うん」 唯「魂が……抜けちゃう……」 紬「すーぅ、すーぅ!」 梓「何してるんですか?」 紬「唯ちゃんの魂を吸い込んであげようと思って」 梓「それでどうするんですか」 紬「口移しで……」 唯「元気いっぱい絶好調だよ!」 紬「ふふ、それじゃあお夕飯の準備にしましょうか」 夜 律「そういえば、花火があったな」 澪「ああ、何かたくさんあったな、あれここにあったやつなのか?」 紬「ううん、今日用意したのよ」 律「(いつの間に!?)」 唯「じゃあ、これを食べ終わったら花火大会だね!」 梓「ん、じゃあ私は一度部屋に戻りますね」 唯「いいじゃんいいじゃん、花火しようよ!」 梓「一度戻るだけですって」 澪「そうだぞ唯、少しの間だけじゃないか」 唯「ぶーぶー、あずにゃんが戻ってくるまでに先に始めちゃうからね」 紬「唯ちゃんはお片付けが先ね」 律「頼んだぞー」 唯「罰ゲームが本当に罰になってる!?」 夜・外 唯「結局私が最後に到着しちゃった……」 梓「唯先輩遅いですよ、もう、花火しちゃってますから」 唯「あーん、私も混ぜてよー」 澪「ほら、唯の分だよ」 唯「ありがと澪ちゃーん!」 律「私に感謝の言葉がないな!」 唯「えーい、りっちゃんには花火ーム!」 律「くぉー! やったなー!」 澪「花火を人に向けちゃいけません!」 律「最後の締めは線香花火だな」 澪「ああ」 唯「ねえねえ知ってる? 線香花火が落ちるまでに願い事を三回言うと願いが叶うんだって」 澪「え? そんなのだっけ?」 律「ようし、じゃあやってみようぜ!」 梓「そうですね」 唯「あずにゃんは何をお願いするの?」 梓「……唯先輩がまともに演奏できるようになりますようにって」 唯「酷いよ! 私だって少しは上手になったでしょ!」 梓「少しだけですね、まだまだです」 唯「うえーん、りっちゃーん」 律「唯が上手にならないと困っちゃうー」 唯「りっちゃんは仲間だと信じてたのに!?」 梓「綺麗ですね、線香花火」 澪「……」 唯「澪ちゃん、泣いてる?」 澪「え!?」 律「どうしたー? 怖いのかー?」 澪「いや、な、なんていうかさ、線香花火って儚いだろ、か、感情移入しちゃってさ」 律「分かる分かる」 唯「そうかなー?」 律「唯にもそういう日本人の情緒が早く分かると良いのにな」 唯「さっきからりっちゃんが私に辛辣だよ……」 紬「ふふ、そうね」 梓「でも、受験生で線香花火って縁起悪いですね」 唯「……落ちるの!?」 二学期 唯「ふぁー、ムギちゃんのお菓子が恋しいよー」 紬「唯ちゃんちゃんと練習はしてた?」 唯「どぼじて、ムギちゃんは憂に私を練習させるように言ったのぉ!」 紬「ふふ、唯ちゃんもしっかりしないとね」 律「そうだぞー、ほら見ろ唯!」 唯「わ、りっちゃん手がぼろぼろ!」 律「ドラムの練習しすぎてシャーペンを持つことすらままならない!」 澪「受験勉強もしろ!」 紬「そういう澪ちゃんも目にクマができてるし、ペンだこみたいなのできてるよ」 澪「ああ、実は歌詞をたくさん書いてきてな」 唯「そうだねー、文化祭では最後のライブだもんね、気合いも入るよ!」 唯「そういえば今日あずにゃんはお休みなんだって」 澪「そ、そうか、せっかく部活開始なのにな」 律「あ、そう、だな」 唯「うー、みんなあずにゃんに甘いよー、ここは練習するように言わないと」 律「え? あ、うん、ま、そう、かもな?」 澪「ああ! うん、梓もきっとわ、分かってるって」 紬「合宿の疲れが出たのよ」 唯「せっかく上手になった私を見せられると思ったのに!」 一週間後! 平沢家夕食。 唯「あずにゃんまだお休みなの?」 憂「うん、心配だよ」 唯「人にあんなに練習練習って言ってるのに、もう、怒っちゃうよ!」 憂「身体の調子が悪いんだから仕方ないよ」 唯「よし、じゃあ明日襲撃しちゃう!」 憂「お、お見舞い?」 唯「しゅうげき!」 憂「そ、そう、明日はお休みだからね……」 翌日 日曜日、午前。 唯「じゃあ、行ってくるよ!」 憂「うん、お姉ちゃんだいじょうぶ?」 唯「あずにゃんの家に行ってまず、練習してくださいって言います!」 憂「梓ちゃんによろしくね」 唯「憂のケーキを食べてから帰ります!」 憂「(素直じゃないなあ……)」 唯「ふっふっふ、私の受けた苦しみを倍返しするんだ!」 梓の家 唯「あれ? あずにゃん? どこに行くんだろ?」 唯「あ、タクシーに乗っちゃう!」 唯「……むー」 唯「でもなんだか元気ないっぽい……って事は……」 唯「……わかんないや、帰ろうかなあ……」 唯「その前にムギちゃんに電話してみよう」 唯「……もしもしムギちゃん、緊急事態なんだよ!」 紬『え?』 唯「あずにゃんが大変なの!」 紬『それ、詳しく教えて、唯ちゃん今どこにいるの?』 唯「あずにゃんの家の前!」 紬『わかった、すぐに行くわね!』 唯「……あ、切れちゃった」 唯「わっ!」 紬「唯ちゃん! 梓ちゃんが、梓ちゃんが大変って?」 唯「そ、そうなの! タクシーに乗ってどこかに行っちゃったの!」 紬「……え?」 唯「せっかく私があずにゃんの家に行って、練習しなきゃダメって言おうとしたのに、どこかに行っちゃうなんてずるいよ!」 紬「あ、そ、そう……はぁー」 唯「ムギちゃん?」 紬「今日のところは帰りましょう? 送るわね」 唯「わーい!」 紬「(ん……憂ちゃんにも伝えるべきかしら……でも……)」 3
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/372.html
ちぇんの素晴らしきゆん生 17KB 『ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね』おまけその2。 「D.O先生・・・ちぇんが読みたいです。」と涙ながらのコメントがあったので、 シャブ漬けちぇんの後日談を少々。まあ、単純に後日談と言っていいかはわからないですが。 結構色々考えながらSS書いてるんですよ、一応。 『ちぇんの素晴らしきゆん生』 D.O 暖かな日差しとさわやかな風。 春の心地よい気候に、町のゆっくりも束の間のゆっくりを味わっていた。 多くのゆっくりたちは、おちびちゃんと、つがいと、家族たちと一緒に、 日向ぼっこやむーしゃむーしゃを楽しんでいる。 しかし、ちぇんは一人ぼっちだった。 ちぇんの両親は、長く厳しい冬を乗り越えて、ようやく春ごもりに入ろうと思った矢先、 例年より早く森から大挙押し寄せたレイパーありすによって、殺されてしまったのであった。 ちぇんは、絶命する寸前に母ちぇんが産み落とした唯一匹の赤ゆであった。 両親が残してくれた豊富な食糧によって、体はすくすくと育ったが、 誰からも愛されることなく幼少期を過ごしたちぇんが、 ゲスまりさの甘い囁きに引き寄せられたのもやむを得ないことだろう。 「ゆふーん、ちぇんはなかなかゆっくりしてるのぜぇ。」 「ゆ、そ、そうなのー?」 「そうなんだぜぇ。でも、まだまだゆっくりできるのぜぇ! まりさのいうとおりにしたら、ちぇんはこうえんのにんきものなのぜぇ!」 「わっ!わかるよー!」 「このしろいこなさんなのぜぇ。 こいつをすえば、ちぇんはさいこうにゆっくりしたゆっくりになるのぜぇ。」 「ほ、ほしいよー。」 「はじめてだから、ただであげるのぜぇ。 つぎからはあまあまか、おうちのざいりょうになりそうなものとこうかんなのぜぇ。」 「わっ、わかったよー!」 悪魔のささやきとともに手に入れたのは、葉っぱに包まれた一さじ分の小麦粉だった。 ゆっくりが小麦粉を吸引すると、同じ原料である肌へと急速に吸収されて、肌の厚みがツヤを増す。 それに炭水化物自体がゆっくりにとっては最高のご馳走である。実際ちぇんはゆっくりできた。 それから3日後。 「まりさー。しろいこなさんがほしいんだよー。わかるー?」 「ゆふん。じゃあ、あまあまさんか、おうちのざいりょうをもってきてるんだぜぇ?」 「これだけだよー。わかるねー?」 「ゆへん。これだけじゃあしろいこなさんはあげられないのぜぇ。」 「わからないよー。もうげんかいなんだよー。すこしでいいからすわせてよー。」 「んじゃあ、このこなさんをほかのゆっくりにうってくるのぜ。たくさんうれたらちぇんにもあげるのぜ。」 「わかったよー。」 小麦粉はゆっくり出来る。ただし、量が過ぎれば毒性と依存性が表に顔を出す。 小麦粉は肌の厚みを急激に増大させる。運動に支障をきたすほどに。 また、厚みを増した肌は、体内側では餡子のあるべきスペースを圧迫し、知能とスタミナの低下まで招く。 なぜ、依存性が異常なほどに高いかは不明だが、パスタ料理など食べても平気なところを見ると、 砂糖や小麦粉のような、混じり気の少ない炭水化物が依存性を持つようだ。 確かなことは、もはやちぇんはまりさの言いなりだということ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「みょんー。このしろいこなさんをすうといいよー。」 「・・・その白い粉さんを欲しがってるゆっくりが、たくさんいるとこ知ってるみょん。」 「わっ、わかるよー!」 「ついてくるみょん。」 ビルの間、深い深い路地裏のスペースに彼女たちは居た。 「ここだみょん。」 「わかるよー。みんなもしろいこなさんをすっていいよー。しょかいはただなんだよー。」 「・・・当たりだみょん。でかしたみょん。」 「わ、わかるよー?」 「お前が最近白い粉さんをみんなに配ってるんだな、みょん。」 「?」 「みょんたちは、白い粉さんで、ゆっくりをゆっくりできなくするゆっくりを捕まえてるみょん。」 「わ、わからないよー。」 「いもづるだみょん。くろまくの所まで連れて行ってもらうみょん。」 みょんたちは、最近たちの悪いゆっくりが、白い粉をみんなに吸わせて奴隷のように扱っていることに気づいて 町を守るために立ち上がった、ゆっくりによるゆっくり達のための自警団である。 ゆっくり以外にはほとんど無力だが。 路地の外では轟音と暴風が荒れ狂う中、ちぇんはみょんの拷問にあい、 もともと守る義理も無いこともあり、あっさりと黒幕のゲスまりさのことを話したのだった。 「・・・まりさなんていないみょん。」 「おうちがなくなってるんだよー。わかってねー。」 「さては感づかれたみょん。おうちがあった跡があるみょん。逃がしたみょん。」 「わかるよー。」 「しょうがないからちぇんを痛めつけて終わりにするみょん。」 「わがらにゃいよぉぉおおおおお!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− みょん達は、一応手加減という物を分かっているゆっくりだったようで、 ちぇんは両耳と尻尾を切断され、ボロ雑巾にされながらも、何とか生き延びていた。 「わからないよー・・・。」 「あら?ちぇん、ゆっくりできてないわね。どうしたの?」 「ありすー。たすけてねー。おうちまでつれていってほしいよー。」 「ゆっくりできてないこをゆっくりさせてあげるのは、とかいはのつとめよ!」 「ありすはゆっくりしてるねー。」 それは、都会派のありすとの出会いであった。 ありすは、怪我と小麦粉の禁断症状により、ろくに動けないちぇんを懸命に支えてくれた。 町でわずかに手に入った食料や水を、惜しげもなくちぇんにむーしゃむーしゃさせる。 禁断症状で幻覚を見るちぇんに優しくすーりすーりしてくれる。 悪夢と悪寒に苦しむちぇんの汗ばんだ額をぺーろぺーろしてくれる。 それは、ちぇんが初めて触れた、母の愛情だった。 「ありすはゆっくりしてるよー。おかーさんみたいだよー。」 「うふふ、とかいはならとうぜんのことよ。」 「ありすー、ありがとうだよー。」 結局ちぇんが完全に回復することはなかった。 小麦粉によって内外に厚みを増した肌は、人間さんの外科手術でもない限り元には戻らない。 思考力・記憶力はゆっくりの水準以下。体力はまだしも残っていたが、やはり全盛期には及ばない。 しかし、ちぇんは初めて味わうぬくもりに満ち足りていた。 そして、ちぇんの怪我が治った夏のある日、激しいすっきりーに息も絶え絶えながら、 ちぇんには可愛い4匹のおちびちゃんが出来た。 長女ちぇん。次女ちぇん。三女ありす。四女ちぇん。 ちぇんは、自分が生まれつき得ることのできなかった温かい家庭が、 手の届く所までやってきたことに、深い、深い感動を味わっていた。 そして、とかいはのあいを与え終えたありすは、その日のうちにちぇんのおうちを去っていった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 季節は夏。今年も猛暑は容赦なく、多くのゆっくり達を永遠にゆっくりさせていた。 ちぇん一家も例外ではない。 猛暑、水不足、それは全ての町ゆっくりが直面する問題である。 「おちびちゃんたちー。いっしょにおみずをさがしにいこうねー。」 「「「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!!!」」」」 「ゆーん。かわいいおちびちゃんだよー。おかあさんはがんばるよー。」 「おきゃーしゃん、はやくごーきゅごーきゅしちゃいよー。」 ちょっとわがまま長女ちぇん。 「おにぇーしゃんはゆっくちがまんしちぇよー。」 優等生な次女ちぇん。 「ときゃいはなありしゅがおみじゅしゃんをみちゅけるよ!」 自信家で勝気の三女ありす。 「・・・わきゃるよー。」 やや反応が鈍いが、物分かりの良い四女ちぇん。 みんな、みんな、都会派なありすが授けてくれた、可愛いちぇんのおちびちゃんたち。 ちぇんは、はやくごーくごーくさせてあげて、ゆっくりしたおちびちゃんの表情を堪能したかった。 「「「「しゅーり、しゅーり、ちあわちぇー。」」」」 「ゆーん。おちびちゃん、おみずさんをさがしにいくよー。」 「「「「えい、えい、ゆー!」」」」 「ゆふーん。こっちにおみずさんのにおいがするんだねー。わかるよー。」 「「「わきゃるよー」」」 「わきゃるわー」 ちぇん達が水の匂いを頼りにたどり着いたのは、町中の小さな広場、そこにある公衆便所だった。 広場の入口で、れいむ一家とすれ違う。 れいむ達は、あまりゆっくりしていない感じの目つきで、ちぇん達をちらりと見て、そのまま広場を後にした。 「おみずさんがちかくにあるのにゆっくりしてないれいむだよー。」 「「「「ゆっくち!ゆっくち!」」」」 公衆便所の中。 「おちびちゃんたちもおみずさんをさがしてねー。」 「おきゃーしゃん、あそこでおみずさんがたれてるよー。わかるにぇー。」 「でかしたよー。でもちょっとたかすぎるねー。 おちびちゃんたちはおかーさんのあたまにのってねー。じゃんぷするよー。」 ちぇんは子供を乗せて洗面台へとジャンプする。 誰かが使った直後なのだろう。水が蛇口からわずかにたれていた。 「「「「ぺーりょ、ぺーりょ。ふまんぞくー。」」」」 「おみずさんをもっとだしてねー。わかるー。」 蛇口は無言。 「なんときゃいっちぇね!とかいはじゃないわ!」 そういって、勝ち気の三女ありすは蛇口に体当たりした。 ぐさりっ・・・。 「ぴゃぁぁぁああああああ!!!いじゃぁぁぁぃぃいいいい!!!」 三女ありすの体は、モナカに鉛筆を刺したかのように、簡単に蛇口に突き刺さった。 その痛々しい光景を見て、ちぇんは我を忘れて叫ぶ。 「なにやってるのー!やめてねー!おちびちゃんをはなしてねー!」 自分の命よりも大事なおちびちゃんを守るため、ちぇんは蛇口に噛みついた。 きゅるんっ!ジャァァァァーーー 「ぶぴゅうっっ・・ブシャッッ!ガボッガボッ!!!」 蛇口はちぇん自らの手で、全開となった。 三女ありすを突き刺した蛇口の先端から噴き出した水は、ありすの体を内側からバラバラに粉砕しながら、 さらに、洗面台の中で水滴をなめていた、少々鈍い四女ちぇんに降り注いだ。 「・・・ゆびぃぃぃいいいい!!!わがらにゃ・・・・・ガボォォ。」 ? おちびちゃんたち、どうしたの?そんなに餡子を出しちゃったらゆっくり出来なく・・・ 「おぢびじゃぁぁぁぁあああん!!!わがらにゃいよぉぉおお!!!」 「「ゆあーん。わからにゃいよー。」」 ちぇんは、自分の命以上の、ゆっくりした宝物、おちびちゃん達の半分を失った。 「ゆん、ゆん。おちびちゃんたち。ゆっくりしていってねー。」 「おきゃーしゃん。こんなゆっくちしてないおみずさんのめにゃいよー。わかるー?」 おちびちゃん達は、さすがに野良ゆ、切り替えが早かった。 自分たちは生きている以上ゆっくりする努力をやめるわけにはいかない。 ちぇんも、身を引き裂かれる悲しみの中で、歯を食いしばりながら、これ以上泣くのを耐える。 今生きている二匹のおちびちゃんは、ゆっくりさせてあげよう、 それが、たった今溶けて流れていった二匹のおちびちゃんへの供養と思うしかない。 ともあれ、蛇口から猛烈な勢いで噴き出す水など、とても飲めたものではない。 他に水場を探さなければ。 「おきゃーしゃん!こっちにおみずさんがあったよー。」 そこは洋式便器。 ちぇんが背伸びして中をのぞくと、確かに水がたまっている。 「よかったねー。おりてごーくごーくしてねー。」 「「やっちゃー!」」 ちぇんの体をはしご代わりに、便器の上まで駆け上がるおちびちゃんたち。 そこからそろーりそろーりと水面まで下りて行き、二匹は存分にごーくごーくした。 「おきゃーしゃん・・・。」 「どうしたのー。おちびちゃん。」 「でれにゃいよー・・・。」 「?」 「すべってあがれにゃいんだよー!おきゃーしゃんたすけてねー!」 「・・・おちびちゃんたちー!いまたすけ「やべえ!もれるっもれる!」ゆ!?」 「なんだこいつらっ!便器にはいってんじゃねえ、はやくでろ!こちとら緊急事態なんだよ!」 入ってきたのは人間さん。 普段だったら、声をかけるのも怖い相手だ。しかし、今はそれどころではない。 人間さんなら、おちびちゃんたちを助けてあげることができるよ! 「かわいいおちびちゃんたちがゆっくりでてこれなくなったんだよー。たすけ「もういい!勝手に入っとけ!こっちも勝手にさせてもらう!」ゆゆっ?」 ?何をするの? ブ(記述に耐えない音) ?なんなの、このおと? 「「ゆびゃーーーーー!くしゃいーーー!!ゆっくちできないよーーー!!!」」 !?なにするの、ちぇんのおちびちゃん、ちぇんのかわいい宝物達に!!! 「おにーさん、なにしてるのー!?おちびちゃんたちにへんなこ「うわっ、紙無え!しょうがねえなあ。おいちぇん。帽子よこせ。」ゆゆゆっ?」 !!?おちびちゃん?おぼうし?おちびちゃん!!? 「ごーしごーし、しあわせー。それじゃー流しまーす。流れるかなこれ。」じゃぁぁぁぁぁぁぁ・・・ 「ゆぴいいいぃぃぃぃぃぃぃ・・・」 「・・・おにーさん。ちぇんのかわいいおちびちゃんたちは?ちぇんのおぼうしは?」 「流した。じゃあな。」バタンッ 「・・・おちびちゃん・・・わからないよぉ。」 「・・・おちびちゃん・・・ゆっくり、おちびちゃん・・・」 ちぇんは、おちびちゃん達の声も、水の流れる音も聞こえなくなった、静寂に包まれた便所の中で、 うわごとのように、自分の宝物に語りかけ続ける。 時折、便器の内側をのぞきこむが、当然そこには水面以外何もない。 便器の周りを回り、裏側をのぞき込み、おちびちゃんの姿を求め続ける。 そしてどれくらい経ったか、外が暗くなり始めたころ、 便器の方から声が聞こえてきた。 「・・・おきゃーしゃん・・・」 「・・・・しゅーりしゅーりちてにぇ・・」 「・・とっちぇもときゃいはにぇ・・・」 「・・・・・・わきゃるよー・・・」 「おちびちゃんたち・・・すーり、すーり。・・・しあわせー。」 その晩。ちぇんは、ずっとその洋式便器にすーりすーりし続けた。 自分の頬を押し返す、柔らかな感触を、確かに感じながら・・・。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 季節は秋を迎えた。 ちぇんは、今もあの小さな広場に住んでいる。 食事集めもそこそこに、たとえ雨の日でも毎日必ず公衆便所のあの便器を訪ねる。 かわいい彼女のおちびちゃん達が、すーりすーりしてほしいと、語りかけてくるからだ。 そして、ある台風の日、彼女に出会った。 「ありす?」 「・・・・・・。」 買い物袋をかぶって、公衆便所から出てきたところで、一匹のありすに出会った。 当然だが、ちぇんにおちびちゃんをくれた、あのありすではない。 ありすは、左顔面全体が雨でふやけて、目玉がこぼれおち、 激しく動いた結果であろうが、頬は大きく引き裂けてしまっていた。 カスタードも大量に漏れ出ており、気を失っている。 カチューシャもどこかへ流れて行ってしまったようだ。 このまま放っておけば、すぐにでも永遠にゆっくりすることだろう。 「ありすー。ゆっくりしてよー。」 「・・・・・・。」 ちぇんは思う。 自分もかつて、あの都会派なありすに助けてもらった。 そのときはじめて、ゆっくりと言うものを感じることができたのだ。 ちぇんは、ありすにかつての自分を重ね、 ありすをゆっくりさせることが、自分のゆっくりであると信じた。 「ありすー。おきてねー。」 「・・・おちびちゃん・・・。」 「ありすー。きずはへいきー?ちゃんとふさいだけど、だいじょうぶー。」 「・・・おちびちゃんが・・・」 「ありすー。ゆっくりしてよー。」 ちぇんは、何も聞かなかった。 ありすの表情を、言葉を聞けば何となく事情は分かる。 ありすとちぇんは、台風が過ぎ去りすっかり晴れた広場の、その隅にある公衆便所の方を眺めていた。 その視線は、公衆便所を見ているようでも、その向こうにある何かを見ているようでもある。 どれくらい経ったか、ありすが口を開いた。 「ちぇん・・・ありすはこのひろばにいたくないわ・・・」 「・・・・・・わかったよー。ひとりじゃいけないねー。ちぇんもいっしょにいくよー。」 そうありすに言った時、ちぇんはふと、これまでずっと寄り添っていたおちびちゃん達が、どこにもいないことに気づいた。 しばらくして、おちびちゃんたちが永遠にゆっくりしてしまったことを思い出し、ちぇんの瞳には自然と涙がこぼれた。 その姿を見たありすも、またぽろぽろと涙をこぼし始める。 周囲からは奇異に見えただろう。 飾りを失ったちぇんと、飾りと顔の半分を失ったありすが、どこを見るでもなく、声を上げるでもなく、 静かに涙をこぼし続ける姿は。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 季節は巡る。 ちぇんとありすは、雪の降り積もる季節を迎えながらも、 寄り添うようにして生きていた。 とはいえ、飾りと運動能力の大半を失った二匹が、 たやすく生き続けることが出来るほどには、優しい世界ではない。 彼女たちは、歩道の隅に生えるわずかな雑草などを食べながら、緩やかに命を消費していった。 空を見上げると、人間さんが飾り付けたであろう木々が、 キラキラと光り輝いている。 町には赤白の服を着たおにーさんや、あまあまの入った箱を買って帰る人間さんで一杯だった。 町は、間もなくクリスマスを迎えようとしていた。 「ごはんさんないねー。」 「きっと、もうすぐみつかるわ・・・。」 「さむいねー。」 「そうね・・・。でも、こうするとすこしゆっくりできるわ。」 二匹はさらに寄り添い、互いの温もりを感じあう。 赤ちゃんはいない。 二匹は出会ってから、互いを必要とし合い、徐々に惹かれあいながらも、 結局一度もすっきりーすることはなかった。 どちらも、あの新しい命の温もりを知っていながら・・・ どのくらい歩いただろうか。 すっかり日が暮れ、あたりが街灯に照らされ始めるころ、 歩道に立つ彼女たちの目に、ファミリーレストランから洩れる光が映った。 レストランの中には、人間さんのカップルが座るテーブル上に、 彼らの飼いゆっくりであろう、ちぇんとありすが微笑んでいた。 透明な壁さんの内側は、光に包まれとても温かそう。 光に包まれたちぇんとありすは、つやつやの白い肌の張りもよく、 その頭にある飾りは、それ自体が光を放っているかのように輝いていた。 ちぇんとありすは、ゆっくり用のふわふわワタ入りコートを着せられて、なんだか迷惑そう。 その温かい恰好をしながら食べているのは、色とりどりのシャーベットだ。 そんな二匹の間にいるのは、元気一杯にお菓子をほおばる赤ちぇんと赤ありす。 人間さん達は、そんな彼女たちのゆっくりした頭をなでては優しく微笑んでいる。 赤ゆっくり達は、撫でられるたびにむずがりながらも、すーりすーりして返す。 「あったかいわ・・・。」 「わかるよ・・・。」 ちぇんとありすは、歩道の真ん中で、じっとその姿を見ていた。 その瞳には、羨ましいという感情も、妬ましいという感情も浮かんでいない。 「ちぇんとありすなんだねー・・・。」 「ありすたち・・・、ゆっくりしてるわね・・・。」 ただ、彼女たちは、窓の向こうに見えるちぇんとありすに、自分たちの幸福なゆん生を見ていた。 「ちぇん・・・ありすたちって、とってもとかいはね・・・。」 「ちぇんとありすは、ゆっくりいちしあわせーなんだねー・・・。わかるよ・・・。」 しばらくその、幸福な自分たちを見つめていたありすは、 ちぇんに寄り添うと、そっと静かに、一つだけになった瞳を閉じた。 それを横目に見ながら、ちぇんも、ゆん生最高のゆっくりの中で、瞳を閉じる。 雪は、その夜、いつまでも降り続け、ゆっくりした笑顔で寄り添う二匹の上に、優しく積もっていった。 正直言うと、第一作の『真夏は―』から構想は出来てはいたSSなんですが、 私らしくもなく、少々重い内容なので自重していました。 せっかくなのでさらっと書きあげましたが、どんなもんでしょ。 つい先日書いた『お姉さんの―』が素晴らしい飼い主に出会ったゆっくりまりさの話だったので、 いい感じで中和できるのでは、とか思ってるんですが。 それにしてもSS書いて思うのは、予想外の展開って、考えるの大変な割に面白くならないということ。 でも、定番の展開も面白くならないんですよねー。 誰か面白い展開を考えてはもらえんでしょうか。 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿 『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順) 春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ 春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記 春-2-3. 本作品 夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね 夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ 夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業 夏-2. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね D.Oの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る リア充、妬ましいねー。わかるよー。(パルパル -- 2014-08-03 22 28 33 細かいな、これ漫画になったらかなり面白いだろうな、サブストーリーいっぱいで追っていくのが大変かもしれないが なんか、可哀想な結末でありながらもなぜかゆっくりできている自分が居る -- 2012-12-15 17 28 15 これは……"ゆっくりいじめ"じゃなくて"お兄さんいじめ"よ! -- 2012-11-27 22 32 59 真夏はゆっくりできるねの前か・・ 飾りを失っても愛するのってすごい -- 2011-12-06 20 41 51 なんか、赤ずきんを彷彿とさせるような、嫌われ松子の一生を彷彿とさせるような・・・寂寥感があるね -- 2011-09-01 01 00 29 泣いたwゆっくりごときにw -- 2011-01-19 07 14 30 なんかもの悲しいな・・・ -- 2010-11-17 22 37 05 つまり、レストランの客の視界でゴミが鎮座しているのか。かなり嫌な光景だな -- 2010-10-25 17 40 12 やや反応が鈍いが、物分かりの良い四女ちぇん。 愚鈍に見えて賢い末っ子なんて言う生存フラグが真っ先に洗い流されるのが衝撃でした -- 2010-10-16 16 59 19 とってもゆっくりできたよ!!! いじめSSもいいがこういうのももっと増えて欲しい -- 2010-07-06 16 07 50 ちぇん…ありす…うぅ -- 2010-06-16 04 56 01
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4177.html
『ちぇんのわくわく加工所見学』 11KB 虐待 群れ 野良ゆ 加工場 現代 7作目です ちぇんのわくわく加工所見学 「さあ、ちぇん。これからお前にゆっくり加工所を見学してもらう訳だが、準備はいいな?」 「わ、わかってるよー。ちぇんはいつでもいいんだねー」 ここはゆっくり達にとっての地獄、ゆっくり加工所の入口。窓はどれも閉まっているにもかかわらず ゆっくり達の悲鳴と餡子の甘ったるい匂いがここまで届いてくる。加工所にあんよを踏み入れたゆっくりは 例外なくゆっくりできなくなる。それがゆっくり達の本能に刻まれた共通の認識だ。 そんなゆっくりできない場所に向かおうとしているゆっくりが一つ。人里に近い場所にある群れの 幹部であるちぇんだ。ちぇんの群れのゆっくり達はもともと人間たちとかかわらないようにゆっくりしていた。 そのため人間とのあいだにトラブルは発生していなかったのだが、ゆっくりによる被害の噂をきいた近隣の住民が 住宅への侵入を恐れて加工所に連絡を入れた。 本来ならばここで一斉駆除をして終わりなのだが、予想外なことに、まだ何もしていないゆっくり達を 駆除するのは可哀そうだと言う声が多数上がった。ちなみにこのときの減刑嘆願書もどきには加工所に 通報した住民の名前も書かれている。 こういった経緯をへて加工所職員と町内会長、そして群れの長ぱちゅりーによる話し合いを行った結果、 幹部のちぇんに加工所を見学させて人間の脅威をゆっくりたちに知らしめることになった。 「じゃ、見学を始めるか。まずはあれだな、饅頭製造部門。ゆっくりをたくさん作ってる所だ。」 「わかったよー、ちぇんはかくごできてるよー。はやくつれてってねー」 加工所の門をくぐり中へ入る。まずはゆっくり達の生産を行っている所を見学するようだ。 町の有志の男性に抱えられたちぇんはガラス越しにそれを見せつけられた。 「さ、よく見とけよー。加工所の見学ができるゆっくりなんてたぶんお前が初めてだからな。 あ、分かってると思うけど見なかったらお前の群れは……。」 「ゆ……わかったよー……。みればいいんだねー…って、に゛ゃんに゛ゃのごればああああ!!!」 ちぇんが見たもの。それは横一列に並ばされ、子供を作り続けるゆっくり達の姿だった。 ゆっくり達にはそれぞれ3本ずつ半透明のチューブが取り付けられており、その中をなにかが蠢いているのが 遠目にも分かる。そしてチューブが脈動するたびにゆっくり達の中を通って茎に栄養が送られていく 様子が観察できる。 「あのチューブってさ、一つが精子餡をいれる管で、他のがゆっくりの体の中に餡子を入れたり、逆に古い餡子を 捨てたりしてるんだと。ほら、ここに書いてあるぞ。みえるか?」 男が話しかけるが、ちぇんは答えない。ただ綺麗に整列したゆっくり達を眺めている。 やがてゆっくり達の額に茎が生え、元気なおちびちゃんが生まれたが、皆目に生気が無く、次々生まれてくる 子供たちにあいさつをすることもない。それを見ているうちに、ちぇんには分かってしまった。 彼女らはあいさつをしないのではなく、できないのだ。あそこに並んでいるのはもはやゆっくりではなく、 茎に実った饅頭を成長させるための植木鉢だった。 「れーみゅゆっくちうまれちゃよ!おかーしゃん、ゆっくちちちぇっちぇにぇ!!」 「ゆ゛……ゆぴ……」 「ぢょびょぢでおべんじじでぐりぇにゃいにょぉぉぉぉ!!?ゆ゛!?じめんしゃん、 れーみゅをちゅれてかにゃいでにぇ!!……ぢゅれでがにゃいでっでいっでるでじょぉぉぉ!!? おがーじゃんだじゅげでぇぇぇぇ!!!」 泣き叫びながら運ばれていく赤ゆっくりとうつろな目をしてそれを見送る成体の姿を見て、ちぇんは 想像してしまった。自分があの中に入れられている所を。 自分は一列にならんだゆっくりのひとつで、背中に刺さったチューブから精子餡が送り込まれてくる。 愛のあるすっきりーではなく、機械的に体内に注入されたそれは体の中のチョコレートと混じりあいながら 額まで駆け上がり、茎となっておちびちゃんを実らせる。そのたびにちぇんの大事な思いでの詰まったチョコレートが 抜き取られ、代わりに空っぽのチョコレートを流し込まれる。おちびちゃんは茎でゆっくりすることも許されず 脈打つたびに一回りずつむりやり成長させられ、心をなくしたちぇんは産み落とされたおちびちゃんに ゆっくりしていってね!!!と言ってあげることもできずに運ばれていくのをただ眺め続ける……。 「に゛ゃあ゛あ゛あああああああ!!!わ゛がらない!!ぜんっぜんわ゛がら゛ないよおおおおおおお!!!」 「うるっせ……。おいおい、見学はまだ始まったばっかりだぞ?いまからそんなに騒いでどうすんだよ。」 「うるざいんだよー!!ごんだびどいごどばやぐやめであげでねー!!!」 「無理。んじゃ次行くか。次はー、そうだな。お菓子づくりでも見るか。よかったなちぇん。お前の好きなあまあまだぞ。」 「ゆ!?あまあま!?……わかるよー、はやくつぎにいくんだねー。」 「お前な……。まあいいや。えっと、製菓はあっちか。」 「うがあああああ!!うぐ、がああああ!!!」 美味しいあまあまを期待していたちぇんが部屋に入って見たもの。それはあおむけに固定されたまりさとそれを 見下ろすように立っている加工所職員の姿だった。 職員が暴れるまりさの口を無理やり開き、手に持っているハンドミキサーを口の中につっこみ、慎重に 少しずつ少しずつまりさの中身を削っていく。回転する金属の線に触れるたびにまりさの歯が、舌が、餡子がはじけ飛び、 砕け散りながら混ぜ合わされていく。それに合わせて、あたりに甘ったるい匂いが立ち込める。 職員の手の動きに合わせて悲鳴と匂いが強く、大きくなっていく。 「ががっがが!!!がががっあがっがあああああ!!!」 「に゛ゃに゛これえええええ!!!」 体を内側から破壊される痛みに絶叫するまりさ。ハンドミキサーが体内を一回りするたびに声がかすれていく。 きっとちぇんの想像も及ばないような苦痛を受けているのだろう。それでもまりさが死んでいないのは中枢餡が 破壊されていないのと餡子を口の中からほとんど出していないせいなのだろう。えぐり取られた餡子はまりさの 体内から出ることなく、何度も何度も吸収され、栄養になる。すり潰された舌や歯も、のっぺりとした餡子へと変わって まりさの命をつないでいる。そのため、まりさはひたすら痛みを味わいつつもなかなか死ぬことができない。 「ががっがっかっかひっ…!!かっ……!……ぐげ」 舌がひしゃげ、内側から片目を削り取られたまりさの残った目がぐるりと動く。恐らくようやく永遠にゆっくり することができたのだろう。泡立った餡子が口からもれだし、帽子がぱさりと落ちる。もう死んだはずのまりさが残った片目で ちぇんの方を恨めしげに睨みつけたような気がした。 「加工所の新製品、『ホイップ餡子』です。どうぞお召し上がりください。」 「ほーら、あまあまだ。ちぇん、これ食っていいぞ。」 男と職員が目の前で作られたそれを食べろと言ってきた。どれだけの苦痛を味わったのだろうか。 あまりの匂いに嗅いでいるだけで悪酔いしそうになる。ふつふつと消えていくきめ細やかな泡が、 ちぇんには無数の目のように見えた。 冗談ではない。こんなものを食べてしまったらゆっくりできなくなるに決まっている。 もしかしたらあのまりさに内側から体を乗っ取られてしまうかもしれない。 「だべるわげだいでじょおおぉぉぉ!!ぞれぐらいわがれよぉぉぉ!!!」 「えー、美味いのに……。いらないってんなら次行くけど、本当にいいんだな?」 「あだりまえでじょおおおおお!!?ばやぐぞれをどっがにやっでよおおおおお!!!」 「分かったよ……。じゃあ最後、研究部門な。これが終われば帰れるぞー。」 「ゆ゛ぎ……。ぎぃぃ……。」 「えっぐひぎぎぇっげめぇぇぇえええ???」 「ゆあ゛っ!ゆ゛あ゛っ!?ゆぎゅりゅっぃい゛っ!ゆぎゅりゅんなっぶっ!!んがっががっ!!」 「とかいはなまりむはむっきゅりしてるちーんぽ!!!」 最後、と言われて連れてこられた研究部門は、まさしく地獄というにふさわしい風景だった。死ぬことができた物はまだ幸運な方で、 体内の餡子を限界ぎりぎりまで抜かれてているもの、紫色のどろりとした液体を注射されて体中にまだら模様が浮かび上がるものなど、 およそ同じゆっくりとは思えない状態になっても生き続け、苦悶の表情をうかべているものが大半を占めている。 あまりに凄惨な情景に、ちぇんは言葉を失った。 「にゃ、にゃあ、ああっ・・・」 「うおー、すげえ!おいちぇん、見てみろよ!あのゆっくり5種類の中身を混ぜられてるんだってよ!!おもしれー!」 「ゆわ、ゆわあああ…」 「ん?放心しちゃってるな……。あのー、すいません、なにか一発目が覚めるようなのありませんか?」 「え?あー、それでしたらこれなんかどうでしょうか。実験中のものですが…。」 「ゆっくりしていってね!!!」 あまりの恐怖に放心しているちぇんに暖かい言葉が投げかけられる。ここにきてから一度もかけられていない言葉。 ゆっくりにとって何よりも大切な言葉。その言葉を聞いて思い出した。群れのゆっくり達のこと。毎日声を交わしあった 長ぱちゅりーのこと。ここでちぇんがくじけてしまえば今度は群れの仲間がここに送られてしまう。それを止められるのは 自分だけなのだ。忘れかけていたことを思い出させてくれた目の前のゆっくりに感謝の気持ちを伝えるべく、 ちぇんは自分にできる最高の笑顔で声をかけた。 「ゆっくりしていっ」 しかしちぇんは目の前のゆっくりに感謝の言葉を言うことはできなかった。ちぇんに暖かい言葉をかけてくれたゆっくりは おかざりをみてれいむだと分かったが、彼女はちぇんが顔をあげた瞬間、目の前からいなくなったからだ。 れいむはちぇんの前で一度大きく体を膨張させ、砕け散った。目が飛び出し、皮に小さな切れ目が入る。 切れ目は瞬く間に大きな亀裂へとかわり、大量の餡子を噴出させた。口からまっすぐに飛ばされた舌がべしゃり、と ちぇんの前に落ちる。暖かな餡子の感触を頬に感じて、ようやく気付いた。れいむは、死んだのだ。 「ゆ、ゆ゛ん゛や゛あ゛あ゛あああああああああ!!!」 「あ、だめだこりゃ。仕方ない、帰るか。群れに報告させるんだからしゃべれなくなるまで壊したらしょうがないしな。 職員さん、今日はお世話になりました。また今度改めてお礼に参りますので。」 「いえいえ、お気になさらず。あ、お帰りはあちらからどうぞ。」 「……ゆ?」 「ん?やっと起きたか。ほら、そろそろ群れに着くぞ。ちゃんと群れのやつらに人間の怖さを伝えろよな。 もしお前らがこれから問題を起こしたら、全員加工所送りだからな。」 全員加工所送り。そのセリフを聞いたとたん、ちぇんのチョコレートが冷えて行くのを感じた。群れのだれかが問題を起こしたら 自分もあそこで同じように体を弄りまわされる。それだけは絶対に避けなければならない。 「も、もももももちろんわがっでるよおおおお!!!だからかこうじょにはづれでがないでねえええええ!!!」 「はいはい、そんな叫ばなくても聞こえるって。うし、着いたぞ。じゃ、俺はもう帰るから。じゃあな。」 ちぇんが群れに戻ると、長ぱちゅりーが出迎えに来てくれていた。 「ばぢゅでぃいいいいい!!!やっどがえっでごでだよおおおおお!!わがる、わがるよおおおお!!」 「むきゅ、ちぇん、おつかれさま。たいへんなやくめをおしつけちゃったわね。ごめんなさい。」 「ゆふう……。わがるよー、もうかこうじょはぜっっったいにいやなんだよー!!!」 「ところでちぇん、はなしがあるのだけれど。」 「なにかなー?」 「じつはね、これからにんげんさんのところにせめこもうとおもってるの。」 「に゛ゃ゛!?」 「これまでぱちぇたちはにんげんさんのところにいったことはなかったわ。だってほんきょちのことをぜんぜんしらずにいた んだもの。だけどこんかい、ちぇんがかこうじょにいってくれたおかげでにんげんさんのせんりょくをかくにんできる。 このじょうほうをいかせばにんげんさんをほろぼすことも……」 お粗末な侵攻計画を語るぱちゅりー。ちぇんのチョコ裏に男性の最後の言葉がよみがえる。 ―――問題を起こしたら加工所送りだからな。 「ぶざげるにゃああああ!!!ごのげずがああああああ!!!にんげんざんのごわざをぜんぜんわがっでないげずばぢゅでぃーば ゆっぐぢじねえええええ!!!」 あわててぱちゅりーに飛びかかる。このゲスに任せておいたら群れ全体がゆっくりできなくなってしまう。 ぱちゅりーの上で何度も飛び跳ねる。ぱちゅりーは口から生クリームを吐き、地面に接しているあんよを大きく負傷しながら懇願する。 「むぎゅ!?な、なにずるのぢぇん!!やめなざい!!や、やめでええええ!!!」 「むれを!!ぎげんに!!ざらず!!ばぢゅでぃーば!!ゆっぐり!!じねええええええええええ!!!」 「も……もっど……ゆっぐ……」 長ぱちゅりーを殺したちぇん。ふとあたりを見回すと、自分が群れのゆっくりに囲まれていることに気付いた。 「ち、ちがうんだよー、これは」 あっというまに騒ぎは広がっていく。 「ゆ……ゆっくりごろしだああああああああ!!!」 「ちぇんがぱちゅりーをころしたよ!!!」 「せいっさいだよ!!」 「まってね!!りゆうをきかないといけないよ!!」 「きっとにんげんさんにせんのうされたんだよ!!」 「せんのう!!?」 「にんげんさんがわるいの!?」 「きっとそうだよ!!!」 「にんげんさんをたおすよ!!」「たおすよ!!」「たおすよ!!」「たおすよ!!」 「えいっえいっゆーーーー!!!」 ―――問題を起こしたら…… 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 数日後、この群れは滅亡した。 あとがき 最初はダンテの神曲みたいなのを目標に書いていたのにいつのまにか似ても似つかない代物に。 オチがしょぼいうえに冗長になってしまいました。長いのを書いてみたかったけどやはり向いていないですね。 過去の作品 anko3766 学生寮での会話風景 anko3892 はつめいかぱちゅりー! anko3897 だれも気にしない anko3945 ゆうかとまりさとおはなばたけ anko4125 約束は守ったよ? anko4127 彼らは調子に乗りすぎた
https://w.atwiki.jp/banmon/pages/4.html
バンドじゃないもん!とは!?!?!?!?!? (参考:Wikipediaにあんなちゃんが書いたデータ) バンドじゃないもん!ってどんなグループ? 「みさこが、「女の子と一緒に努力と協力をして、切磋琢磨しながら『売れた』という実感をつかみたい」と切望して始めたグループ」です。 略称は「バンもん」。 キャッチコピーは「カサナルイズム!カナデルリズム!アイドル界のミクストメディア!」。 ファンは「もんスター」と呼ばれます。 バンドじゃないもん!のメンバーは誰? この自己紹介動画で一発だ! https //www.youtube.com/watch?v=F4MmjFRSJGs みさこ(鈴姫みさこ) カラー:ピンクなドラ娘 ファンの総称:みさっコ Twitter https //twitter.com/SKCmisako ごぞんじ神聖かまってちゃんのドラマー。バンドじゃないもん!ではリーダーです。最初期から唯一残るオリジナル・メンバー。ドラムを叩いたり、歌ったり、踊ったり、ステージで忙しい人です。神聖かまってちゃんとの掛け持ちでいろいろ言われがちだけど、強い意志でバンドじゃないもん!を牽引するマザーシップ。 しおりん(恋汐りんご) カラー:恋するりんご色(※赤です) ファンの総称:恋汐ファミリー Twitter https //twitter.com/sioringogo ディアステージからバンドじゃないもん!に加入。「はわー」ばかり言ってるから舐めると、剣道の達人なので痛い目を見ますよ! また、「はわー」に続く顔文字は、感情の揺れ、シーン、温暖差、湿度、デング熱の流行具合でいろいろ変化します。 ぐみ(七星ぐみ) カラー:サディスティックブルー ファンの総称:愚民 Twitter https //twitter.com/gumi_nanase ボーッとしているようで、ライヴ中にファンに向かって「やる気しかねぇよ!」と言い切った、実はやる気しかない頼もしいメンバー。「現状のメンバーで解散まで突っ走る」と明言しているのも彼女です。やる気しかねぇよ! みゆちぃ(望月みゆ) カラー:メルヘングリーン(※メンヘルグリーンではありません!) ファンの総称:みゆチィーズ Twitter https //twitter.com/myc416 熊本生まれ、ニコニコ動画「踊ってみた」育ち、ベースを背負ってバンドじゃないもん!に加入。「雪降る夜にキスして」のPVでベースを弾いているのが本当に自分だと勘違いされて気にしていたものの、「ツナガル!カナデル!MUSIC!」では遂に生演奏に挑戦です! ゆずポン(甘夏ゆず) カラー:コットンイエロー ファンの総称:ゆずポンズ Twitter https //twitter.com/yuzu_amanatsu 謎のマルチプレイヤーとしてバンドじゃないもん!に加入し、初ライヴでいきなり大森靖子やNegiccoとの共演でBouno!の「初恋サイダー」をショルダーキーボードで弾くなど大活躍。「ミスID 2015」ファイナリスト。こちらの審査動画ではアコースティック・ギターを弾いています。 ももちゃん(天照大桃子) カラー:ディープマリンブルー ファンの総称:天照軍団 Twitter https //twitter.com/chanmomochan10 テレビ番組「テラスハウス」ですでに有名だった竹内桃子/ちゃんもも◎が、11万フォロワーを引っ提げてバンドじゃないもん!に加入。メディアからの注目を集めることにもなりましたが、そうした話題性を乗り越えた本気のパフォーマンスをステージでは見せてくれます。 YouTubeを見たら、今いないメンバーがいるんですけど……? いろいろメンバー変遷があるのですが、BiSほどではないので、以下の図を見て覚えてください!