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異様だった。 殺し合いに乗った少女、野崎春花を五人の人間が囲う光景は。 五人のうち二人、とがめと佐藤アカネは春花に襲われた被害者だ。 二人とも下手人を殺す気はないが、彼女を見る目はは当然の如く厳しい。 対する二人、クッパ姫とデンジが睨むのは春花ではなく、とがめとアカネである。 二人から見れば、春花と合流できたと思ったらいきなり襲われたと主張してきているにすぎないのだから、当たり前といえば当たり前だ。 しかしデンジのデイバッグを盗み、二人から逃げるように去っているという事実がある以上、分が悪いのは間違いない。 最後の一人、プッチはそれどころではなかった。 はっきり言って彼からすれば、春花は殺し合いに乗っていると思っている。 彼女がデンジのデイバッグを盗むところを目撃しているうえ、スタープラチナを出していた以上十中八九戦闘していたのは確か。 そしてその相手がNPCでなければとがめとアカネの二人であることはほぼ確定している。 ならば、殺し合いに乗っていると考える方が自然だろう。 だがそれよりもプッチにとって重要なのは、春花がスタープラチナのDiscを持っているという点である。 彼の最終目的からすれば別にそこまで必要なものではないものの、スタープラチナが敵に回るという可能性はできれば排除したい。 担い手が空条承太郎ではないとはいえ、その力が強力無比なのは間違いないのだから。 そしてこの五人に囲まれる春花は今、迷っていた。 最初こそ幸せな世界を手に入れる為優勝を目指すと決断したものの、最初に遭遇したペテルギウスには殺されかけ、次に出会ったクッパ姫とデンジには絆されかけ、そして今は負けて追い込まれている。 ここで『最初は殺し合いに乗っていたけど、今はやめました。もう一度仲間にしてください』といえば、少なくともクッパ姫とデンジの二人は許してくれるだろう。 しかしアカネが嘘を見抜く能力の持ち主である以上、この言葉は本心でなければ通用しない。 そして春花には、今それを本心で言える自信はない。 そんなにあっさり鞍替えできるのなら、最初から殺し合いに乗ったりしない。 いくら迷い揺らぎ始めているとはいえ、彼女の家族に対する思いは軽くはない。 「なあクッパ。デンジ」 各々がそれぞれの事情で口を閉ざす中、最初に口火を切ったのはプッチだった。 「……なんだ」 「なんだよ」 「私が野崎春花を追う前に言ったことを覚えているか?」 「あ~っと、スタンドがどうこう言ってたやつか」 「そうだ」 プッチの問いに答えるのはデンジ。 彼はプッチが春花への疑いを晴らすのならさっさとやってくれ、とばかりにプッチを見る。 その期待に応える、というわけでは無いが、プッチは話しかけた。 「野崎春花。少し、いいかい?」 「……あなたは?」 「私の名前はエンリコ・プッチ。 今はクッパとデンジに同行している者で、普段はアメリカのグリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所において神父をしている」 「なあなあクッパちゃん」 「なあアカネ」 プッチが自己紹介をしている後ろでデンジととがめがそれぞれ、同行者にあることを尋ねようとしていた。 「「しんぷって(とは)、何だ?」」 「えっと……」 二人の質問が被っていることはともかくとして、質問の内容に困るアカネ。 彼女からすれば神父について知っていることなど、教会にいる偉い人くらいの知識が精々であるが、あっている保証もない。 なので言い淀む一方、クッパ姫は自信満々だった。 「なんだキサマら知らんのか。 神父とはな、結婚式で結婚する夫婦に向かって誓いますか? と聞いてくる人の事だ」 「あぁ~なんかテレビで見たことある奴か~!!」 「神父をそんなゲームのNPCみたいな一言だけの存在にするんじゃあないッ!」 クッパ姫の間違っているわけでは無いがあまりにも正確性に欠けた情報に怒るプッチだったが、すぐに収め春花へ向き直り話を戻した。 「ハァ……ハァ……まあクッパたちのことは今はいい。 いや微塵もよくはないのだが、日本人はキリスト教に明るい人が少ないと聞いているし、どうやらキノコ王国にはキリスト教が伝わっていないようだ。 ならばまあ、仕方あるまい。知らぬのなら教えるのが先人の務めだ」 (いいんだ……) 息を荒げ疲弊するプッチの言葉に、思わず内心でツッコミを入れてしまう春花。 しかしいつまでもそんな雰囲気は続かない。 プッチは真面目な顔で春花に目線を向けると、背にホワイトスネイクを出現させた。 「あなたもスタンドを……っ!?」 「さて野崎春花。これは君の言う通り私のスタンドだ。 詳しく話す気はないが、私のスタンドは人の記憶を読むことができる。 私はこれからこれで君の記憶を読もうと思う。理由はわかるね?」 「私が、殺し合いに乗っているかどうか確かめる為ですか……」 「そうだ。そして君が今持つスタープラチナならば抵抗できるだろう。 私はそのスタンドについてよく知っている。君が本来の使い手でないことを差し引いても、そのスタンドは強力無比であることに変わりはない。」 「……」 語るプッチとは対照的に口を閉ざす春花。 なぜなら、彼女には目の前の神父が次に何を口にするのか予測がつくからだ。 「だから私は君が次にスタープラチナを出現させた瞬間、殺し合いに乗ったものとして判断させてもらう。 聖職者として恥ずべきかもしれないが、場合によっては殺害も辞するつもりはない」 「なっ!?」 「オイオイオイ~! そいつはちょっとやべえんじゃねえの~!?」 プッチの発言に驚愕するクッパ姫と、思わず諫めるデンジ。 彼らは春花が殺し合いに乗っているとは思いたくないし、もしそうであったとしても殺して止めるという選択肢を持ち合わせていなかった。 そして、持ち合わせていないのは二人だけではない。 「え、いやいやそれは流石に……」 アカネもまた、プッチの発言に引いていた。 彼女は春花が殺し合いに乗っていると骨身にしみて分かっているが、それでもやろうとしていることは凶行を止めさせることであり、殺すつもりはない。 現代日本で育ったごく普通、とは少々言えない部分もあるが、それでも平和な場所で生まれ育った年相応の少女の価値観での判断だった。 「……」 一方、とがめはプッチの発言に何も言わない。 確かに彼女はアカネに合わせ、春花を積極的に殺そうとはしていない。 だがとがめが生きていた時代は決して戦乱ではないものの、剣士や忍者が当たり前に存在する尾張時代。 そして、その時代で自分の復讐のために殺しを覚悟し、許容している彼女は春花が死ぬこともまた受け入れていた。 少なくとも、自分やアカネが死ぬよりは。 「わ、私は……」 そして最後、春花は完全に詰んでいた。 無抵抗でも抵抗しても殺し合いに乗っているとこの場の皆に晒される。 抵抗しなければ殺されることはないかもしれないが、どうあっても願いを叶えることはできなくなると考えたほうがいいだろう。 ならば―― 「私は、殺し合いに乗っています……」 先に全てを曝け出すことにした。 どうせバレるのなら、いっそ全てを素直に話すことにした。 「うぬぅ……」 「春花ちゃん!?」 「やはりか」 春花の告白にショックを受けるクッパ姫とデンジ。 一方、プッチとしては予想できた話だった。最初からそのつもりで話を進めており、その通りの結末になっただけであった。 だが次の問答ではそうはいかない。 「しかしなぜ、君のような少女が殺し合いに乗ったのかね?」 「……死んだお父さんとお母さんと、妹のしょーちゃんとまた、一緒に暮らしたくて」 春花が紡ぐ壮絶な言葉に、誰も二の句が継げなかった。 あまりすすんで人を傷つけるようには見えない彼女が殺し合いに乗っているということは、それ相応の理由があるとは思っていた。 だがこれほど端的かつ、明確なものがあるとは思っていなかった。 特にアカネは、目の前の春花が嘘をついていないことが分かるので、思いはひとしおだ。 それでも何か話そうと先陣を切ったのはとがめだった。 「しかし春花、そなたに何があったのかは聞かないが、復讐しようとは思わないのか? 例えば私は父上が殺されて、その復讐のために色々頑張っている最中なのだが」 「言い方軽いな!?」 とがめのサラっと語られる復讐譚に、思わず言い方にツッコミを入れてしまうクッパ。 しかし春花の返答は変わらず重い。軽くなるわけがない。 「復讐なら、終わらせました。 お父さんとお母さんを燃やした人たちを、私は皆殺しにしたんです」 「マジかよ……」 春花の告白に、デンジの唖然とした呟きだけが辺りに響く。 彼女の言葉に誰もが思う。 一体何が彼女をここまで追い込んだのか。見た所ただの少女が、ここまでの覚悟を決めてしまえた理由が分からない。 しかし誰もそれを聞こうとは思えない。 「野崎春花」 やがてプッチが再び口を開く。 彼の声色は慰める訳でもなく、かと言って糾弾するわけでもない。どこか淡々としたものだ。 しかしそれが春花には、まるで慈悲のように思えた。 「君の気持ちは分かる、などとは言わない。 だが私も昔、妹を失ったことがある。だから、家族を失う苦しみは分かるつもりだ」 「プッチさん……」 「あの時は思ったよ。妹はなぜ死ななければならなかったのだろうか。 なぜ赤ん坊の時、私ではなくウェザーを連れて行ったのか。 なぜ私は教会で婦人の告白なんか聞いてしまったんだ。 なぜ私は神父になんかになろうとしたんだッ! なぜ人と人は出会うのだ!? 出会わなければあんなことにはならなかったのに、とね」 プッチの徐々に熱を帯びていく言葉の意味が、春花のみならず誰も理解できない。 だが彼の言葉に嘘はない。それだけは、アカネでなくとも理解できる。 そのまま彼の話は続く。 「妹の死について彼女は何も悪くない。 それでも妹が死んだのは、友人の言葉を借りるなら引力によるものだろう」 「引力ゥ? なんだそれ?」 到底つながっているように感じないプッチの言葉に、意味が分からず思わずデンジが口を出す。 「引力とは、本来なら物体が引き合う力のことだが、この場合はそうだな……運命と言ってもいいかもしれないな」 「キサマ……妹が死んだのを運命で片づけるのか?」 プッチの物言いに思わず食って掛かったのはクッパ姫だ。 クッパJrという息子や、多くの部下を大事に思っている彼女からすれば、まるで妹の死を仕方なかったかのように語るプッチの言い分は気に入らない。 だがプッチも引かない。 「そうだ。でなければ妹はなぜ死ななければならなかった? 彼女は何も知らず、ただ恋をしただけだ。呪われるべきはこの私だ。 だがそれがなんだ? どんな理由があれば、私の妹が死んでいいことになるんだ?」 「それは……」 プッチの質問に言葉を止まらせてしまうクッパ姫。 そもそも彼の妹のことなど何も知らないのだから、何かを言いようがない。 その様子を見て、クッパ姫が何も言う気がないと判断したプッチは、春花に向き直り話を続ける。 「野崎春花。同じような傷を持つ者としてお願いだ。 殺し合いに乗るなんてやめ、私と『天国』を目指さないか?」 「そんな、私が今更天国なんて……」 「ああいや、そういう意味じゃない。私の言う『天国』は死後の世界のことではないよ」 プッチの誘いに目を逸らして断る春花に対し、彼は『天国』の意味を語り始める。 それはこの殺し合いで最初、スバルに語り拒絶された内容そのままだ。 人類が生まれてから滅ぶまで全ての運命が定まり、それを皆が理解している世界。 先が理解できるゆえの『覚悟』こそが、人々の幸せなのだと、プッチは熱く語った。 だが―― 「何言ってるの、この人……」 アカネには理解できない。 未来を知るということがどういうことなのか、彼女はプッチ以上に理解できるがゆえに。 それを幸福だと心から断じる彼の性根は狂っているとしか言えない。 「おかしいぞキサマ!」 「全く同感だ」 クッパ姫ととがめもまた、プッチの言う『天国』など受け入れない。 二人は敵意を以て彼を睨む。 「……」 そして春花は何も言わなかった。 ただ背にスタープラチナを顕現させ、プッチに向けて戦意を向ける。 これだけで、彼女の思いは理解できるだろう。 「そうだよな春花ちゃん。 二度も大事な奴殺されたくねえよなぁ~!!」 ギュイイイイインン デンジから響き渡るチェーンソーのエンジン音。 それと同時に現れるは、頭と両腕にチェーンソーを生やした、悪魔でも魔人でもないもの。 チェンソーマンがここに来た。 「くっ……! なぜだ! なぜ誰も私の『天国』を受け入れない!! 2……3……5……7……11……」 一気に四面楚歌の局面に陥ったプッチは叫ぶが、誰もそんなものは聞き入れない。 素数を数えながら思考する彼に残された手は二つ。 一つは現在可能かどうかは不明だが、未来の悪魔と契約すること。もう一つは、彼のデイバッグに残る最後のランダム支給品。 彼が選んだのは―― バッ プッチは素早く自身のデイバッグに手を入れ、最後のランダム支給品を取り出した。 それは一見すると紐で封された古ぼけた巻物でしかない。だがこの場に小鬼殺しの銀等級冒険者がいれば、それが何か分かっただろう。 ゲート スクロール この巻物は《転移》が記された巻 物。 それも、かつてゴブリンスレイヤーが使ったのと同じく、海底に転移先が繋がっている物だ。 これを開けば 「え……? あれ……?」 「とがめ!?」 海底から地上へとつながったことで、猛烈な水圧がウォーターカッターとなって前方へと襲い掛かる。 ここで前方となる方向にいた者は、とがめだった。 彼女はかつてゴブリンスレイヤーが倒したオーガと同じように、上半身と下半身が分断されていた。 『堅剛月餅』の効果など関係ない。 例えばHPが100しかないのに9999のダメージを受ければ、仮にダメージを50減らせたとしても即死するのみだろう。 「まったく……こんなもの、奇策も何もないではないか……」 愚痴りながら薄れゆく意識の中、とがめが最期に思い浮かべるのは一人の男のこと。 それは仇を討とうとした亡き父ではなく、仇そのものでもない。 彼女が復讐のために手に入れた『刀』、鑢七花のこと。 「七花……私は、おまえが……」 とがめが七花に何を言い残そうとしたのか、知ることが出来るものはいない。 きっと本来の最期と同じではないのだろう。 なぜなら本来の最期は、殺害者の情けにより最期の言葉を残す時間があった。 だけど今ここでそんな時間はない。彼女自身が思考する体力がない。 だからここまで。誰にも届かず何も分からない言葉がただ、虚しく空を切っただけ。 【とがめ@刀語 死亡】 【残り84人】 だがとがめの死などプッチからすれば、障害が一つ消えた程度のものでしかない。 周りが彼女の突然の死に動揺する隙を見て、彼は彼女の死体の横を走り抜ける。 「あっ! 待ちやがれ!!」 プッチの逃走に気づいたデンジが追いかけようとするも、その時あることが起こった。 それはプッチにとって幸運なことに、とがめのデイバッグの中身がさっきの衝撃でぶちまけられたのだ。 中身は基本支給品一式に、緑茶とオレンジジュース。 そして4級未満の雑魚呪霊、蝿頭。 「なんだコイツは!? クリボーの一種か!?」 クッパ姫が突如現れた蝿頭に驚くも、即座に倒そうと炎を吐く構えをする。 蝿頭は木製バットで簡単に祓える程度の雑魚。彼女なら手間暇など掛けることもなく一瞬で追い払い、即座にプッチの追跡に移行できるだろう。 何もなければ。 「ぬおっ!?」 しかしそうもいかない。その時、蝿頭とは関係なくある出来事が起こった。 「なんだ!? ワガハイの人形が消えたぞ!?」 なんと、クッパ姫が持っていたブードゥー人形が手元から消えてしまったのだ。 これはガイドライン違反によりロワ進行に支障が出ることを恐れた主催者が、オグリキャップとシンデレラグレイ出展の支給品を送還したことが理由なのだが、タイミングが悪いせいで彼女達はこう勘違いしてしまった。 蝿頭には、何か物体を消滅させる能力があるのではないか、と。 こうなれば迂闊なことはできない、と慎重になってしまったクッパ姫達とは対照的に、グングンと疾走し逃げていくプッチ。 ブン せめてもの悪あがきに、春花はスタープラチナでラグマイト鉱石を投げつけたが、プッチのホワイトスネイクで防がれてしまい、逃走を妨げることはできなかった。 不運により生じた誤解で危険人物を逃してしまったクッパ姫達。 誤解が解けるのにそこまでの時間はかからないだろうが、この僅かな隙に生まれた時間が誰に何をもたらすのか。 そんなことは、誰にも分からない。 ◆ 一方、必死に逃げながらプッチは考える。 勧誘にまたも失敗したのみならず、あの場で一人殺してしまったからには最早クッパ姫、デンジ達と敵対は避けられないだろう。 こうなれば未来の悪魔と契約することも視野に入れなければならないかもしれない。 だが契約すると言っても、向こうにその気はあるだろうか。 確かに最初は向こうから契約を持ちかけたものの、一度は素気無く断ったのだ。 それを状況が不利になったからと言って契約したいと言って、向こうが頷くだろうか。 最悪、私を見限ってあの場にいた他の者に契約を持ちかける可能性すら存在する。 色々考えるプッチだが、何を差し置いてもまずは逃走に成功しなければ話にならない。 なぜか向こうは現在足を止めているものの、いつまた追いかけてくるか分からない。 ならば、何としても距離をとるかどこかに隠れ潜むしかないだろう。 どれほど他者に否定されても、プッチは己の正義を信じている。 何でもすると誓ったあの時から、彼は『天国への階段』を登ることを決してやめはしない。 【F-5/早朝】 【クッパ姫@Twitter(スーパーマリオシリーズの二次創作)】 [状態]:健康 [装備]:スーパークラウン(解除不可) [道具]:基本支給品、釣竿@ゼルダの伝説時のオカリナ [思考・状況]基本行動方針:主催者を倒し、ワガハイが優勝する! 1:目の前の化け物に対処する 2:この姿は慣れんが……ワガハイは強いからな!丁度良いハンデだ! 3:ピーチ姫を一刻も早く探し、守る 4:プッチめ、ワガハイをコケにしたことは許さんぞ! 5:ペテルギウスに出会ったら倒す 6:そろそろワガハイが本当は男であると伝えたほうがいいか……? [備考] ※性格はマリオ ルイージRPGシリーズを基準としています。 ※スーパークラウンの効果は解除できないようになっています。 ※マリオ達@スーパーマリオくん をマリオ達@スーパーマリオシリーズとして認識しています。 ※春花と情報交換をしました。 ※ホワイト・スネイクの能力について把握しました ※長時間女性でいることで性格に影響が出ているかもしれません。 ※異なる時間軸や世界からの参戦について何となく把握しましたが大して気にしていません。 【デンジ@チェンソーマン】 [状態]:健康、動揺、チェンソーマンに変身中 [装備]: [道具]: [思考・状況]基本行動方針:とりあえず主催者をぶっ殺せば解決だぜー! 1:目の前の化け物に対処する 2:プッチはぶっ殺す。 3:パワーかぁ~合流したくねえ~! でも殺し合い乗ってるのを見たら止める。 4:姫を守るとかクッパちゃん、やっぱりソッチ系……?向こうの世界では一般なの? 5:未来の悪魔うさんくせぇ~!将来こんなのと契約してアイツ(早川アキ)大丈夫? [備考] ※時間軸は永遠の悪魔の後。 ※春花と情報交換をしました。 ※ホワイト・スネイクの能力について把握しました ※異なる時間軸や世界からの参戦について何となく把握しましたが大して気にしていません。 【佐藤アカネ@そんな未来はウソである】 [状態]:『堅剛月餅』の効果発動中 [装備]: [道具]:基本支給品、星型の風船@タイムパラドクスゴーストライター [思考・状況]:基本行動方針:死にたくも殺したくもない 0:目の前の化け物に対処する 1:春花とプッチに凶行をやめさせないと 2:とがめ…… [備考] ※殺し合いが行われることや、優勝者の願いをひとつ叶えるといった主催者の言葉に対してウソの感知は行われておらず、それを信じています。 しかし、その時に限って能力を制限されていた可能性もあります。 ※とがめが自分の知るものと違う過去の人間だと認識しましたが、どういうことなのかは深く考えていません。。 【野崎春花@ミスミソウ】 [状態]:疲労(大)、背中に刺し傷(塞がっている)、二人(クッパ姫、デンジ)に対して罪悪感 [装備]:スタープラチナのスタンドDISC@ジョジョの奇妙な冒険 [道具]:基本支給品、デンジのデイパック(基本支給品、ランダム支給品×3、ツルギゴイ@ブレスオブザワイルド、ヨロイゴイ@ブレスオブザワイルド(大量)) [思考・状況]基本行動方針:優勝して、過去を改変する…? 1:目の前の化け物に対処する 2:プッチの『天国』は絶対に受け入れない 3:ペテルギウスを殺すため、強力な支給品を集める。 4:デンジさんの支給品については後で調べる。 [備考] ※参戦時期は死亡後です。 ※スタープラチナのDISCを装備しています。 ※スタンド使いになった影響か、ペテルギウスの『見えざる手』を視認できるようです。 ※クッパ姫、デンジと情報交換をしました。そのせいでマリオ達@スーパーマリオくん をマリオ達@スーパーマリオシリーズとして認識しています。 【エンリコ・プッチ@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]:健康、精神的疲労(小)、ナツキ・スバルへの尊敬と興奮(大) [装備]:スタンド『ホワイト・スネイク』 [道具]:基本支給品、初夏5才のおやつ@こじらせ百鬼ドマイナー、のどナオール@呪術廻戦 東京都立呪術高等専門学校 [思考・状況]基本行動方針:天国への到達を目指す。殺し合いには乗らないが、必要とあれば手段は選ばない。 1:とりあえず逃げる 2:未来の悪魔と契約するか……? いやしかし…… 3:異なる世界や能力についてもっと把握しておきたい。 4:機会があればスタープラチナのスタンドDISCをとり戻したい。承太郎の記憶DISCもあればいいが… 5:スバルと行動を共にしたかったが……これが彼との出会いが運命ならばまた機会はあるだろう 6:スバル…君はまさに『天国』そのものだッ! [備考] ※参戦時期は承太郎の記憶DISCを得た後の時間軸。 ※ホワイト・スネイクにより、スバルの『死に戻り』の記憶を一部把握しました。 ※デンジ・クッパ姫・野崎春香の情報交換内容を把握しています。 ※制限によりホワイト・スネイクのDISCで物理法則を無視した命令は出来ません。 ※異なる時間軸や世界からの参戦について把握しました ※NPC 未来の悪魔@チェンソーマンが同行中です。参戦時期は少なくとも早川アキとの契約後。 基本的にプッチに合図されるまでは隠れて移動していますが、勝手な行動をする場合も多々あります。 ※F-5にとがめの遺体と参謀エンリルのナイフ@モンスター烈伝 オレカバトル、基本支給品、缶飲料2本(種類は緑茶とオレンジジュース)@呪術廻戦(アニメ版) が放置されています。 そこから少し離れた所にラグマイト鉱石@Re ゼロから始める異世界生活 が放置されています。 【《転移》の巻物@ゴブリンスレイヤー】 エンリコ・プッチに支給。 元々は書き記した場所まで繋ぐ門を生み出す古代の遺物。使い捨て。 ゴブリンスレイヤーは海底に繋ぐことで水責め、ウォーターカッターにするなどの使い方をした。 本ロワで支給されたものも同様に、海底に繋がっている。 093:メッセージは唐突に 投下順 095:別にたったひとつでもなければ冴えてもいないけれど 088:彼女を逃がしてはならない(前編) クッパ姫 デンジ エンリコ・プッチ 佐藤アカネ とがめ GAME OVER 野崎春花
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しゅうきょうにおかされているのてはないか【登録タグ Haniwa VOICEROID し 曲 曲さ 殿堂入り 結月ゆかり】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:Haniwa 作曲:Haniwa 編曲:Haniwa 唄:結月ゆかり 曲紹介 それに従って判断を起こせ 曲名:『宗教に犯されているのではないか。』(しゅうきょうにおかされているのではないか。) Haniwa氏の23作目。 信号的な点滅が格好良くて好きです。(作者コメより) 歌詞 あなたには感情がある。 あなたには知識がある。 あなたには概念がある。 それに従って判断を起こす。 知らない静けさが君を見つめていて、 吐き気のする音が漂っている。 冷たい金属の匂いが、耳に染み付いている。 それはもう、二度と消えない耳鳴りだとわかる。 定められた決まりに従った言葉ばかり述べる。 甘い音の調和が、魅力的な青を想像させる。 私は「逃げ出そう、」と立ち上がる。 そして、あなたを救いたいと思う。 可哀想に。 感動的な進行が、君と僕を惹きつけて、 そっと太陽を落とすこともない。 伝えたい信仰のない人間は認められないのか。 私には何も無い。 何も考えていない。 アメリカ民謡研究会は問う。 「変化のない音の連続は退屈である。 そう感じる心の原因は何だ。 ここではただ、鉄の音が鳴るだけだ。 単調であって進歩もない。 平凡であって感動もない。 愚鈍であって魅力もない。 それは、命と同じなのに。」 感情の共有はきっと突然終わる。 放り出された目の前に、共鳴する音は無くなって、 騒ぐ祭りの真ん中で、独りぼっちで立ち続けるのは、 とても悲しいことだったと思う。 私は、言葉を知らぬ愚者であった。 何の意味もない、ただ音だけを鳴らしたいと思った。 人は、それと等しいものであると考えるからである。 私は想像を続ける。 初音ミクは常に歌わなければならないのか。 歌声が聴こえないその問題は実際に問題であるのか。 歌が世界を変える必要があるのか。 考えろ。 あなたは、音楽に犯されているのではないか。 あなたには感情がある。 あなたには知識がある。 あなたには概念がある。 それに従って判断を起こせ コメント 好き -- 名無しさん (2023-11-27 02 42 45) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
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小さな町の 小さな病院の 小さな病室で 小さな小窓から 小さな景色を観ている女の子がいました。 銀:こんにちは、メグ 長くて銀色の髪の女の子がとびらをあけて入ってきました メグ:うん だけど呼ばれた女の子はからだを動かさないで返事をするだけです 銀:きょうはね、学校の給食でヤクルトが出たんだよ 銀の髪の女の子は話しはじめます けど、メグと呼ばれる女の子はあんまりおもしろくなさそうです メグは外のことを楽しそうに話す女の子がうらやましかったんです 銀:メグはきょう何を食べたの? 銀の髪の女の子は決まってお話を始めると途中でメグにお話をふります メグ:野菜を煮込んだものとご飯、味はしなかったわ メグはそっけなく言います 銀:そっか、あのね給食ってとっても美味しいんだよ元気になったら一緒に食べようね 銀の髪を揺らしながら少し声を大きくして言います メグは心臓に重い病気をもっていて病院の中から出たことがありません だから、給食を食べたことがなかったのです めぐ:別に食べたくないよ、水銀燈と違って私は食いしん坊じゃないから 水銀燈と呼ばれた女の子は少し目を曇らせましたけどニコっと微笑むと ランドセルの中から丁寧に袋に包まれたパンをとりだしました はい、どうぞ と言いながらメグに渡しました 銀:このパンね私の大好物なんだ、だからメグにも食べてほしかったの パンはこんがり小麦色に焼けていてクルクルと巻かれていました まるでメグの三つ編みみたいだね というとメグは少し頬を膨らませます メグは左右の髪に小さな三つ編みをしていて水銀燈はそれがメグにすごく似合っている からその三つ編みが好きでした メグ:砂糖ばっかりでからだに悪そう パンには白い砂糖がふんだんにかかっていました 病院で食事をしているメグは甘いものをほとんど食べたことがないからほんとうはすごく 嬉しかったのです 銀:そんなことないよ、まるで雪が降ったみたいで綺麗でしょ とっても美味しいんだよと、水銀燈が言おうとしたよりも早くメグは言いました メグ:雪はただ白いだけで全然綺麗じゃないよ、窓の外の景色が白くて見えなく なっちゃうだけだもん メグにとって雪は部屋の中が寒くなって周りの景色が消えてしまうだけのものでしかないのです 銀:そうだよね…でもねそのパンは美味しいんだよ さっき言いそびれたことを言って話を換えます 水銀燈はほんとうは大好きな雪についてもっとお話したかったんだけど それはメグがお外で遊べるようになるまでの我慢にしました 水銀燈が食べてみて、と言うとグ~とお腹がなりました 銀:あ、…えへへちょっとお腹空いちゃったかな 持ってきたパンはほんとうに美味しくて いつも学校で余らないのです、だから水銀燈は自分の食べる分を我慢してメグに持ってきたのでした メグ:わざわざからだに悪いものを我慢して持ってきたのね 水銀燈は違うよと否定します そんなことはメグも分かっています 自分に美味しいパンを食べさせたいという水銀燈の気持は分かってるんだけど メグは皮肉を言ってしまいます ほんとうはこんなことを言いたくはなかったのに 自分の言いたいことがなかなか言えません メグ:じゃあ半分こね、私が全部食べたらからだに悪いから水銀燈が残りを食べて そういうと水銀燈は目を輝かせて笑って“ありがとう”と言いました チクンとメグは胸が痛みます 病気だからじゃありません ほんとうは自分が言いたかったことなのに、お礼を言うのはこっちなのに、 なんだか悲しくなってきました 銀:いただきまーす もぐもぐと食べている水銀燈を見ながらメグもパンを口に運びます いままで食べたことがないような口いっぱいに広がる甘い幸せを感じながら ほんの少しだけ半分こしたのをもったいなかったと思いました でもこんなに美味しいものを水銀燈と一緒に食べることができて めぐは幸せでした 誰かと食事をすることがないメグは誰かと一緒に食事をするのが嬉しかったのです 銀:ごちそおさま、ねえメグ美味しかったね 満面の笑みで感想を口にする水銀燈を見てメグはこころの中で“ありがとう”をして メグ:甘すぎ とだけ言うのでした
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いつきを着飾らせるのが、政宗の最近の趣味だった。 「ただの人質」ではなく、農民のリーダーに据えるのが目的なので、教育を与えることは 間違っていない。農具の開発や田畑の開発のためなのだから、誰も文句は言わない。 しかし着飾らせるのは、完全に趣味である。女中と同じような格好でも何ら問題はないのだが、 小袖に打ち掛け、髪飾りを用意したり引っ張り出したりしていつきを飾る。 「髪が白いですから、明るい色がよく映えますわ。政宗様、こちらのお召し物は如何でしょう?」 「そうだな……この胡蝶柄の打ち掛けと合わせてみるか。――いつき、紅はつけるか?」 「お、おら、そんな綺麗なべべさ、いいだ。勿体ねぇべ」 「あら、しまっておく方が勿体のうございまする。ささ、こちらの桜の色は如何ですか?」 女中は政宗を着飾らせたいという欲求を全部いつきにぶつけている。政宗もまた 「自分には似合わない」と決めつけ、自分の中にある色んな欲求を全部いつきにぶつけている。 そんな女中たちと政宗が団結して「女が着飾って何が悪い」と言い張れば、誰も文句を言えない。 城主が女であるせいか、米沢城は女の方が圧倒的に強かった。 散々着飾らされ、紅まで塗られ、髪も言葉では表現できない形に結った挙句に 「このままが一番cuteyだな」ということで下ろされた。髪の先に綺麗な紐をつけられ、 嬉しいのか申し訳ないのか分からない。 毎朝そんな調子だから体調を崩しているのだが、そのことに誰も気づかない。 「政宗様、まだこちらにおられましたか」 障子の向こうに小十郎の影が映る。政宗は入れ、と短く命じ手に持っていた 鮮やかな青の着物を畳の上に置いた。 す、と無駄のない所作で小十郎が障子を開ける。いつきを見て目を細め、それから頭を下げた。 「政宗様、評定の時刻にございます」 「あ、もうそんな時間か」 政宗は立ち上がって退室し、小十郎も立ち上がる。後を追う小十郎に向けた「遅い」と 罵るのが聞こえた。女中たちはそれを聞き、袖で口元を隠し、くすくすと笑い合った。 着物を畳んで小物をしまい、膝をつき合わせた。女中たちとの「内緒話」は、 いつきの数少ない楽しみだった。 「本当に、政宗様は小十郎様贔屓でらっしゃいますこと」 「ほんに。いつもいつも罵られておいでですが、あれもまぁ、よく弁が立つというか」 「いつき様、ご存知ですか? 政宗様は小十郎様のお傍でしか眠られないのですよ」 「飴湯も、わたくしたちが入れたものはけしてお飲みになられませんし」 「寝所に入れるのは、小十郎様と女中頭のお二方のみですし」 「お体に触れていいのも、小十郎様だけですのよ」 いつきはぱちくりと丸い目を瞬かせた。ちょんと膝を合わせ、体を乗り出す。 「……ねえちゃん、にいちゃんのこと、好きなんだべ」 「けれどそれはけしてお認めになられない」 「お恥ずかしいのでございましょう」 「本当、気位がお高いというか」 「あら、それがよろしいのよ。気位の高い方が、心をお許しになられた方の前でだけ 女の顔をされるのでしょう?」 きゃあ、と女中たちは弾けたように体を反らし、恥ずかしそうに頬を染める。 それから顔を寄せ合い、またお喋りに興じる。 彼女たちにとって、政宗は主であり不器用な妹のようでもある。妹の恋路は応援するのが 姉というもの。 「本当に……お幸せで、何よりですわ」 女中の一人が漏らすうっとりとした独白に、女中もいつきも頷いた。 政宗が盛大なくしゃみをしたので小十郎が苦笑しながら懐紙を渡すと、 政宗はむすりとした顔で拒んだ。 「お風邪でも召されましたか?」 「Ahー、かもな。あとで生姜湯入れてくれ」 「畏まりました。ささ、評定を行いましょうぞ」 「yeah。今日はどいつが無理難題言ってくるんだろうなぁ」 楽しそうに政宗がつぶやく。白扇を顎にやり、ふと小十郎を振り返った。 「ああ、小十郎が無理を言うか。お前は評定の場では容赦がないな」 「伊達の、ひいては政宗様のためです。苦言に耳くらいお貸し頂きたい」 「――分かってるよ。お前は俺の一の家臣だ」 政宗は小唄を歌いながら評定の場へと向かう。小十郎は肩を落としてため息をつき、 ふと雪に埋まる庭を見た。 政宗が七つの時だった。一番高い木に登って騒ぎになったことがあった。姫君の無茶な振る舞いに、 誰もが唖然とした。梯子を渡せば隣の木に飛び移るという離れ業を披露し、結局木を切り倒して強引に解決した。 あれは、どうしてそんなことをしたのだったか。 「……ああ、そうだ」 思い出して微笑む。政宗の後を追って評定の場に足を踏み入れる。 あんたの奴隷のままでいい14
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§第五章§ ――14―― 「キョン……。キョン」 声が聴こえる。 ……ハルヒ。 「起きて。キョン」 俺はまぶたを開ける。まだ視界がうすぼんやりとしている。寝起きみたいだな。 「……キョン! 気がついたのね!」 閉鎖空間にハルヒと閉じ込められた時とかぶるシチュエーションであったが、目覚めた場所は全くそれとは異なっていた。 「キョンくん! あぁぁ、よかったぁ……」 涙混じりの声でおっしゃるのは朝比奈さんに他ならない。 俺は目をこすりつつ、ようやくピントが合ってきた視界を目一杯観察する。 俺は布団に寝ていて、右にハルヒ、左に朝比奈さんと言う、両手に華と言えなくもない状態に置かれていた。 ハルヒも朝比奈さんも制服姿だ。かく言う俺もブレザーに身を包んでいる。袖が深緑色の服なんて他に持っていない。 「ここは……」 何だか妙に喉が渇いている。その証拠に声がかすれている。それにずいぶん久々に声を出した感じがする。 さっきまで俺はこの二人と長門の前に――、 「……」 戸口に長門が立っていた。眼鏡をかけている。そして無表情。 「よかった、キョン!」 「のわっ!」 ハルヒに抱きつかれんばかりに体当たりされた。たまらずのけぞり倒れる。お前は犬か。 「何よ。心配したんだからね。あんたは前科一犯なんだし、余計によ!」 ぶっきらぼうに言うハルヒであった。あぁ、俺は年末にも倒れたんだったな。そして、今回も。 ……。 急激に海馬組織が最近の記憶を検索して結果を一覧表示する。 「何があった!?」 「わっ!」 飛び起きた俺をハルヒは頭突き寸前のところで回避した。反射神経のよさに関心などしている場合ではない。 「俺が今目覚めるまでにあったことで、分かってることを教えてくれ!」 というか、誰から何をどう訊いていくべきなのか判断に戸惑う。朝比奈さんは早くも、先ほど見せていた安堵の表情を停滞前線に巻き込まれた列島のように曇らせ始めた。ひょっとしたらうかつに発言するのは避けるべきだったかもしれん。 ……だが、こうして目覚めた以上、俺は一刻も早く長門や古泉を救うために動く必要があるんだ。 「あんた、身体は平気なの?」 ハルヒは真っすぐ俺を見つめて訊いてきた。普通に心配しているようだ。そりゃそうか。全く動けなかったんだもんな……。この分だと意識だけがあったことすら誰も知らないのかもしれん。 「あぁ、大丈夫だ。何ともない。今すぐ百メートルを全力疾走だってできる」 俺片腕を回してみたりと、らしくないことをして無事なことをハルヒにアピールした。 朝比奈さんは相変わらず心配かつ不安げな面持ちで、長門も無表情。そうだ、この長門がいつの長門なのか、……と言うより今がいつなのか、おいおい訊く必要があるだろう。しかしハルヒがここにいる手前、すぐに訊くのは止めておくべきだ。 「あんた、今日一日学校に来てからおかしかったのよ。あたしが話してもほとんど何も聞いてないみたいだったし、放課後も何も言わずに帰ろうとするし……」 まったく記憶にないぞ。そりゃほんとの話か。 「ほんとよ。何か、魂がどっか行っちゃったみたいだった。あたし、あんたがこのままだったらどうなっちゃうんだろうって……」 ハルヒの言葉の後半部分は消え入るような言い方だった。何かざわつくものがあったが、今はまず状況を正確に把握する事が最優先だ。 「それで、その後俺はどうしたんだ」 ハルヒは作るべき表情が分からないようにして、 「うん。三十分くらいして、あんたは突然部室に飛び込んできた。直後に倒れて……それから……」 そこから先は俺にも分かっている気がした。 「朝倉が来て……」 ハルヒは数文節ごとに区切るような話し方になっていた。 こいつにも言い知れぬ恐怖のようなものがあったのかもしれない。……そう、朝倉だ。あいつはこう言っていた。 「言わば幻覚を見てもらった」と。それはハルヒを不安にさせるためだったのか? だとしたらすまないがまたも俺はあいつにネガティブなイメージを持たなきゃならん。ついさっきまで朝倉の存在について考えていたからか、どこか心苦しいものもあるが。 「大体わかった。もういい。すまないな、ハルヒ」 「キョン……。あたし、あんたが何か危険な目に遭ってるって、分かってたのに……」 ハルヒがしおらしくしているのなんてこれまでに何度あっただろう。ここまで弱気になってるのはあの閉鎖空間と、孤島で本当に殺人事件が起きたと思っていた時くらいしか覚えがないが、今回はすぐに元気になるか疑問だ。 「気にすんな。お前は団長なんだ。いつも無駄に元気なくらいがちょうどいい」 ハルヒまで自分を責めるようになったら、俺はもう何を信じればいいのか分からなくなっちまう。 「……そうね」 「それでなハルヒ、俺は長門とちょっと話さなきゃならんことがあるんだ。すまんが、一度朝比奈さんと外してもらっていいか」 俺はこの上なく真面目にそう言った。ハルヒとも長い付き合いだ、冗談が含まれていないことくらいは分かってくれるはずである。 「有希と?」 ハルヒは長門を振り返った。長門は眼鏡のツルを押さえ、否定も肯定もしない。 「……わかったわ。みくるちゃん、行きましょう」 ハルヒは以外にもあっさりと立ち上がった。うながされた朝比奈さんも不安げな顔のまま和室から出て行く。 そう、ここは長門のマンションだった。この部屋での目覚めはあの七夕祭り以来だ。後に残されるのは両目を閉じて戸口に背をつけている長門。……俺はある程度の予測を立てていた。 ふすまが完全に閉じられた後、俺は答えを確認するべく質問する。 「長門。今はいつだ」 長門は突然の質問に全く動じず、機械的に事実を告げた。 「あなたがいた時空から四年前の五月三十日、午後四時十二分二十八秒」 「……」 言葉を発さないのは俺のほうだ。なるほど。その言葉で疑問のひとつは解消する。聴覚情報のみの長門やここにいる長門がやたらと無反応な理由。中一ハルヒを手伝ったあの七夕よりも前なんだな、今は。何とまぁ、長門はあれより前にも俺や朝比奈さん、ついでにハルヒにも会っていたってことか。確かに長門は自分から知っていることをぺらぺら喋ったりしない奴だが、こういう時系列に関する出来事にはしばしば度肝を抜かれる心境である。 俺は質問を続ける。 「俺は一体どうしてたんだ。今まで動けなかったみたいだが」 長門は壁によりかかったまま淡々と答える。せめて座るよううながした方がいいだろうか。 「あなたはあるプログラムを元にして生体情報を凍結されていた。わたしはひと月をかけてそれを解除した」 朝倉がそれをやったってことだろうか。解凍に長門でもひと月かかるなんて、どんだけ頑丈なロックなんだ。 「ハルヒと朝比奈さんは、時間を飛んでここまで来たのか?」 「そう。あなたをわたしに引き渡し、ひと月後に時間移動した」 少しずつ疑問が解消していく。 「ハルヒはどこまで知ってるんだ」 一番重要な項目のひとつである。あいつは二度タイムトラベルしたことになる。ひとつは最初の、おそらく大人版朝比奈さんによる約四年間の遡行。もうひとつが今長門が言った、ここまでの一ヶ月間の跳躍。それに、さっきのあいつの説明では朝倉がハルヒの前でどこまで正体を見せたのかも判然としない。ハルヒが非日常たる現象をどこまで認知してしまったかは、今後の行動を考える上でも最重要だ。 「涼宮ハルヒは今、混乱状態に陥っている」 長門は書いてある文章をナレーションするように言った。 「彼女は現実を変容させるほどの現象を認識していない」 「断言できるのか」 俺の問いに長門は本当にわずかに頷く。まるで人間が視覚と聴覚でしか意思を認識し得ないから仕方なく頷いているような素振りである。 「あの涼宮ハルヒは情報爆発やそれに類する規模の変容をこの時空にもたらしていない」 なるほどな。ハルヒが宇宙ごとどうにかしちまうような力を発揮したら、統合思念体にはそれが分かるって寸法か。 「そう」 「そうか……」 とりあえずは平気、ってことなのだろうか。正直、ハルヒがここにいることに関してもまだ全然俺は安心できない。今までであいつが認知しうる非日常現象といえばあの閉鎖空間と雪山だが、どっちも夢や幻ということでまかり通っていることになっている。ということは、今回も無事に帰れた時にはハルヒがそう思えるように仕向ける必要があるのか。……古泉がいれば何とかなるかもしれないが、俺一人による即席のでっちあげで騙し通せるかは、はっきり言って自信がない。 が、次の質問に移っていく必要がある。ハルヒや朝比奈さんを待たせすぎるのも考えものだからな。 「お前は状況をどの程度知っているんだ」 こいつが未来の自分と同期とやらを取れるのは、あの改変されちまった日付までのはずだ。俺たちが元いた四月までそれが及んでいるとは考えられない。今俺たちの時間にいるあいつは、自ら過去や未来の自分と接続することを拒否しているからだ。 「わたしは朝比奈みくるからあなたの生体凍結プログラムを解除するよう頼まれた。他のことは知らない」 やっぱりそうか。……ってことは、俺が今から一ヶ月前らしいあの時に聞いたやり取り以外のことは伝わってないんだな。 しかしまぁ、状況を聞かされないのによく協力する気になったな。仮にも未来人は思念体と直接的には無関係の集団であるはずだ。 「朝比奈みくる、古泉一樹がそれぞれ属する集団には、協力する局面が幾度かあると聞いている」 誰からだ。 「情報統合思念体」 お前の親玉は予言者でもあるのか。という俺の脊髄反射的ツッコミに長門は何も答えなかった。完全なるノーリアクションを貫かれると、こちらとしてもチトつらいものがあるね……。 「そうか。とりあえずありがとな。凍ってた俺を元に戻してくれて。感謝するぜ」 素直に礼を言うと、長門はさっきの肯定の仕草だけで返事をする。実にそっけないね。俺があった中でも最も初期の長門だ。話から察するに、まだ一度も未来と交信していないのではないだろうか。 さて。早急に考えをまとめる必要がある。どうやら、ここにいる長門にはあまり頼りになれそうでない。というか、凍ってた俺を元に戻してくれただけでも十分すぎる。長門にばかり役割を押し付けるのは避けるべきだ。 気になるのは残してきたほうの長門だ。どうすれば助けられるんだ? 状況を見届けることすらできなかった俺には見当すらつけられない……。 「キョン、話は終わったかしら」 タイミングがいいのか何なのか、ハルヒがふすまを開けて入ってきた。 「あたしからも話があるのよ。あんたにね」 俺は思わずぎくりとする。……何についての話だろう。タイムトラベルや宇宙人についての核心を突かれるようなことを聞かれたら、俺は対処できるか分からない。 ハルヒは元気も悲しみも帯びていないような表情をしていた。 「ごめんね有希、こんどはあなたに外してもらっていいかしら」 長門はまた何とも言わず首も振らないで、部屋から出るとふすまを閉めた。 まるでSOS団の女子と交替で対談か面談でもしているような状態だが、あいにく俺はインタビュアーでもなければ記者でもない。 「キョン。あんた、何か隠してるでしょう」 直球。 今訊かれて困らない質問のほうがマイノリティであるのは間違いないが、何て答えりゃいいんだよ。 逡巡する俺にハルヒは二の句を告げる。 「あんたが元に戻って安心したけど、同時にあたしは何かおかしなことを沢山見過ごしている気になったのよ。まず……あの女の人は誰なの? すぐに消えちゃったけどさ。あたしは部室にいたはずなのに、気がつけば公園でみくるちゃんと一緒に動かないあんたを見ていた。部室には有希と朝倉もいたはずなのよ。いなくなったのはどうして? それに、有希があんたを治せた理由も分からない。いくら有希が万能選手だからって、呼びかけてもうんともすんとも言わなかったあんたを元通りにするなんてただごとじゃないわ」 いくつかの核心をつらぬき、またいくつかの点を無視してハルヒは俺に訊いた。とりあえず思いついたことをそのままぶつけてみました的な質問乱舞である。古泉であったとしてもこれを無傷で切り抜けるのは至難の業だろう。というか長門よ、こいつは思い切り疑問を抱きまくってるぞ。 ……さて、どうすりゃいい。冷静に考えろ。 「ハルヒ。今までお前がおかしいと思ったことは、他にどんなことがある?」 質問に質問で返すのはフェアじゃないと何かで読んだな。俺の問いにハルヒは思い出すようにしてうつむく。 「そうね……。古泉くんが何日も学校休んでることとか、朝倉が急に帰ってきた理由とか」 今回の一件ほとんどすべてだな。 「お前が感じたことを言ってみてくれないか。何でもいい。検討外れかもしれなくてもいいから」 俺がそう言うと、ハルヒはためらうようにして一瞬顔をしかめた。 「……あたしの考えを聞いて馬鹿にするんじゃないわよ?」 えぐるような視線を横目で向けてくる。落ち着かないのか部屋の中を時折動き回るハルヒである。 「するわけない。そんなことするくらいなら初めからSOS団なんつー団体にいないさ」 この言葉はそこそこの効き目を発揮したらしい。 ハルヒは少し喋りにくそうにではあるが、話し始めた。 「あたしの考えではね、ここはさっきまでいた部室とは別の場所なのよ」 そりゃぁ長門の家だしな。 「そうじゃない。そういう意味じゃないのよ。……具体的に何がどうってまだはっきり言えないけど、そんな感じがするの」 こいつの考えは正しい。もちろん俺はハルヒが言わんとすることをしっかり把握している。 さっき長門から聞いたように、今は四年前の五月だ。ハルヒはタイムトラベル初体験なわけだし、俺をどうにかして元に戻すことに必死で、いつかの俺のように新聞やなんかで日付を確認したりすることすらまだしていないのだろう。賭けてもいいが長門の家にはテレビも新聞もない。何度も来ている俺が言うんだ、間違いない。 しかし問題は現在時刻ではない。ハルヒが自分がタイムトラベルしたことに感覚的にではあるが気がついていることである。何の前情報も証拠もなしにそれだけ気付けりゃ大したもんだぜ。普通ならまず自分の感覚や世界そのものを疑ってかかるだろう。これは夢や幻じゃないか、ってな。……実際予告なく世界が変わっちまったあの時、俺はしばらく我を忘れるくらいの精神的衝撃を受けた。超常現象をいくつも目の当たりにしたにも関わらずだ。だがハルヒは理性を保っている。古泉の言う常識的な部分、とやらか? 俺はハルヒの両肩に手を置いた。ずっと前にもこんなことをしたが、別に意識して同じ事をしてるわけじゃない。 「ハルヒ。……すまないが、俺はまだお前に答えを話してやることができない」 俺は言った。ハルヒは困惑するような、無理に威勢を張るような二面相をしてから、 「それってどういうこと? キョン、あんたは一体何を知ってるの?」 何を知っているかだって? ……お前の望んでいたものすべてがすぐ近くにあったってことをだ。だがな、すべてを包み隠さず話してやることは、まだ出来ない。俺の頼りない直観がそう言っている。 「なぁハルヒ、お前はまたSOS団が元に戻ってほしいと思うか」 直接答えずに、またも俺は質問を返す。ごめんな。今はこれが俺の精一杯だ。初めて俺が大人版朝比奈さんに会った時、彼女もそう言っていたな。まさにそんな感じだ。言いたくても言えないことっていうのは、目に見えない形で確かに存在している。それを俺はこの一年で学んでいた。 ハルヒは意表を突かれた顔色で、 「えっ。何よ急に」 「いいから、答えてくれ」 ハルヒはどうしてそんなことを訊くのか疑問に思っていたようだが、やがて、 「……そうね。当たりまえじゃないの。何のためにあんたを助けたと思ってるのよ」 助けたのは長門だがな。などと俺は言わん。こいつは俺を救うために全力で走って長門を呼びに行った。それだけでも感謝してあまりある。 「だよな。俺も同じ気持ちさ。こんな楽しい部活は全世界探してもそうそうないもんな」 一聴すると茶化しているような俺の台詞。だが俺は大マジメだった。 それを聴いたハルヒは一拍遅れて笑顔になると、 「あ、当ったり前よ! 何せあたしが作った団なんだからね。365日すべてを面白くして、一秒一秒を楽しく過ごすのがSOS団の活動理念よ」 活動理念にまでなっていたとは知らなかったな。ともあれ、ハルヒが一時的にでも笑顔になってくれるのは俺としても安心だ。どうやらこいつの笑顔には理由不明の元気の素が配合されてるらしいね。 さて、ならば俺が言うべきことも決まってくる。 「だったらハルヒ、今ここでお前に話せないことがあるってのを分かってほしいんだ。団員を信じてくれ。言っておくが、やましいことはひとつもない。誓ってもいい。俺がお前にうまくウソをつけないことくらい、とっくにお見通しだろ?」 ハルヒはきょとんとして俺を見つめた。……何だよ。もう少し喜怒哀楽のいずれかを表明してもいいんじゃないのか。俺の予想ではそのうちの二文字目が選択されると思っていたんだがな。ネクタイつるし上げを喰らう覚悟もできていたんだが。 「あんた……」 何だ? 俺の瞳に文字でも書いてあるのだろうか。 こっちのほうが目を背けたくなってしまうくらい真っすぐにハルヒは俺を見ている。 ……。 どれだけ経過したのだろう。たぶん客観的には一分にも満たない時間だったと思うが、俺には数十分にも感じられた。 ハルヒは両目を閉じて嘆息するようにすると、 「分かったわ。本当なら団長に隠し事するなんてあるまじき行為だし、内容によっては罰則を複数同時に課すところだけど、嘘じゃないみたいだし、特例にしといてあげる」 そりゃマジか。もっと食い下がられるとばかり思っていたのにな。 「本当に言いたくないことっていうのは誰にでもあるものよ。あんたのがそれなのかは知らないけど、考えがあるようだし、無理矢理吐かせるようなことはしないわ。そのくらいの線引きはあたしにもできるのよ」 俺は呆然を通り越して感心したくなるほどだった。いや、ある意味人として当然なのかもしれんが、それがハルヒの口から直に聞いた言葉となると、俺は咄嗟に取るべき反応に困ってしまう。 「何よポカンとして。……でもまぁ、そうね。代わりにあたしからあんたに言っておくわ」 今度は何だろう。俺の方が驚いてばかりいてどうするんだ。 「SOS団をお願いね」 「……」 何だそりゃ。遺言じゃあるまいし。 俺の表情をどう取ったのか、ハルヒは言葉を続ける。 「もちろん団長はあたしだし、団の存続に関わることは全部自分で解決するわよ。……でもね。あたしだけじゃどうにもならないことだってあるんでしょ? あんたの話だとさ。例えば動けなくなってたあんたを元に戻すなんて、あたし一人じゃどうにもできなかった。有希がいなかったら、あたしどうしてたか自信ないもの。だからこう思うのよ。困難は分割せよ……ってね。確か昔の人の格言かなんかになかったかしら? こういうの」 ハルヒは早口とともに元気になっていくかのようで、また目のキラキラが蘇り始めていた。思わず苦笑しそうになる。 さすがだな。団長さんよ。しかしお前、過去の偉人達の格言とかそんなもんを軽視していたことがなかったか? 「それどこの都市伝説よ。あたしは昔からの慣わしとかしきたりってものを、それなりに尊重してるわ。節分とか、ひな祭りとか、あんたもやってきたでしょ」 微妙に話がすり替わっている気がしないでもないのだが、まぁ、これでこいつもとりあえず大丈夫。なのだろうか。 まだ残っている問題は山のようにあるけどな。 俺はそこで思い当たって、ハルヒに訊いた。 「ハルヒ、さっき長門から朝比奈さんが手紙らしきものを持っていたって聞いたんだが」 手紙。大人版朝比奈さんがしたためたであろう手紙に、俺も目を通しておく必要がある。ハルヒに見られても平気ってことは、もちろん俺が見ても大丈夫なはずだ。 「あぁ、あれね。みくるちゃんが持ってるわ」 長門のリビングに俺たちは戻った。戻ったというか、俺は今回初なのだが。 「キョンくん、もう大丈夫なんですか……?」 心の底から俺を心配してくださっている朝比奈さんに心をキリキリと痛めつつ、先ほどの手紙とやらを拝借する。 ハルヒが読み上げた箇所の続き。そこから先を俺は知らなかったからな。 朝比奈さんから受け取った便箋は例によってファンシーな淡い色のもので、大人となった彼女の丸まっちい字で数行に渡り文章が綴られている。先ほどの続きから文面を提示するとこのようになる。 彼が元に戻ったら、その場所で一泊してください。彼女は許可をくれるはずです。 これで終わり? あの様子からして、まだ長い指示が続くのかと思っていたのだが……。 文末には見覚えのある俺には読めないコードらしきものが印字されていた。この優先度とやらはいかほどなのだろう。 と、ここで朝比奈さんには訊けない。ハルヒがいるからな。一泊か。 一泊……? 「何だって!?」 思わず声を上げてしまう俺である。 短文ながら何たる殺傷力だ。 長門の家にひとつ屋根の下。俺と、長門と、朝比奈さんと、ハルヒとで泊まるってのか!? 待て待て待て待て。もう一度よく文章を読み返して……。 ……。 間違いない。いくら今まで冷凍カツオになっていたからって、俺の日本語力は一般高校生くらいにはあるはずだ。 俺は思わずきょろきょろしてしまう。朝比奈さんはいまだ不安げな表情。さて今何を怖がっているのだろうね。ハルヒは一体どんな態度でいればいいのか分かりかねるといった状態のようで、つまり手紙の内容を全部読んだってことだろう。長門は全くの無機質棒立ち状態であり、こいつのいる辺りにだけ深遠な宇宙という虚無を感じなくもないって俺は何の感想を述べているのだろう。 「その指示、従わなきゃいけないの?」 ハルヒがぶっきらぼうに言った。無理矢理欄乱暴に言っている気配がしないでもない。 俺は朝比奈さんの方をチラッと見た。確認するいいチャンスだ。朝比奈さんは弱りがちに素早く首を二回振った。 縦に。 ……決定らしいな。 なんと、突如SOS団一部メンバーによる一日合宿in長門宅の開催が決定されてしまったのである! しかも団長でも団員でもない人が書いた手紙の指示によって。……いや、元団員なんだけどさ。 「それじゃしょうがないわね。有希、いいのかしら?」 ハルヒの表情を再確認しようとしたがうまくかわされた。長門は数ミリ顎を引いた。三秒置いて、 「いい」 今返事の仕方を覚えたんじゃないだろうな。 「そう。よし、決まりね! キョンがいるのはあたしとしてもどうなのって思うけど、あんただけ別の部屋で寝れば問題ないしね。キョン! ……変なこと考えるんじゃないわよ?」 ハルヒはずびしっと俺に人差し指を突きつける。するかっての! というか、そんなことすれば俺はお前に今期絶望の刑に処されるんだろうが。 「よく分かってるじゃない。ならいいのよ。あと言っとくけど、あんたも家事を手伝いなさいよ。料理はあたしたちがやるけど、掃除とか、ゴミ捨てとか、そんなのよ。分かった?」 今日から四人で暮らしていくかのような口ぶりだが一泊だけだろ。まぁ、俺も何もしないでいるよりはそのほうが気が紛れるだろうから、いいけどさ。 あなたたちと夕食(14,5) ――15―― さて夜である。 この間にもてんやわんやのドタバタがもはや避けては通れない関所のようにあったのだが、まぁそれもそれとして。 俺はようやくもってうとうとと眠りに就こうとしていた。部屋はさっき解凍された和室である。掃除した限りでは、ここより広い部屋はなかったと思うのだが、さてハルヒたちはどうやって三人で寝る場所を確保したのだろう。それを確認しに女子の領地に足を踏み出せば、ハルヒ特別法により何らかの裁きが俺に下ること請け合いなので率先して自粛しておく。 俺は大人版朝比奈さんのメッセージの意味するところについて考えていて、だがあの短いセンテンスを俺のちっぽけな脳味噌だけで解読できようはずもなく、そんな逡巡を繰り返すうちに俺は眠りに落ちていた。 「……」 目が覚めた――。 なぜだろう。トイレに行きたいわけでもない。 長門のマンションの一室は暗く、気配からしておそらくまだ深夜だ。 まぁ、いつもの自分のベッドじゃないし、きっと寝が浅かったのだろう。そう思って寝返りを打って、たちまち俺は絶句と同時に飛び起きた。 この時叫ばず黙ってしまったのは幸いである。ハルヒが起きちまったらちょっとしたコトだっただろうからな。 「長門……!?」 そこにいたのは眼鏡つきの長門だった。 無謬なる表情を変えもせず、俺がさっき目覚めた時と同じ場所にひっそりとたたずんでいた。 長門は俺が気がつくと、二秒ほど視線を交わしてから、 「お客さん」 と言った。……誰だ? と思った直後に答えは明らかとなった。 「こんばんは。夜遅くにごめんなさいね」 大人版朝比奈さんである。薄明かりの中でもその黄金比のようなプロポーションの輪郭が見て取れる。それに彼女の声を俺が間違えようはずもない。 俺は咄嗟に声を出せず、ぎこちない会釈で挨拶をした。 起き抜けでまだぼわんとしている俺の隣に来て、朝比奈さん(大)は正座した。いつもと同じ女教師風のブラウスとスカート。近くにいるだけで周囲の空気が一度ほど上昇するような、また桃色に変わるような感じがする。 「お話があります」 これまで用もないのに彼女が来ることなど100%なかったので、この言葉には驚かないが。 しかし長門の家に泊まれってのはひょっとしてこのためか? だとすれば、何としても今の俺に伝えておきたいことがあるということだろうか。眠り込んでる俺を起こしてまで会いに来るというやりかたは、これまでの朝比奈さん(大)にしてはスマートじゃない気がする……。 「長門さんのことです」 俺がどんな表情で考え事をしていたのか、朝比奈さん(大)もシリアスな口調を崩さず続ける。 「長門というと、この――」 俺は壁に寄りかかったままの長門を指先で示して、 「長門じゃなく」 俺の言葉を朝比奈さんが引き受ける。 「えぇ。あなたたちを守るために、元の時間に残った長門さんよ」 やっぱりそうか。 あいつは俺たちを朝倉から逃すためにあの場に残ったんだ。 ……。 胸に熱いものが満ちてくる。 長門は無事なんだろうか。 「あの時間に介入の手が入っています」 朝比奈さん(大)はぴしっと言葉を切るように言った。俺は意味がよく分からず、オウム返しで訊き返す。 「介入……?」 「キョンくん。あなたがわたしと一緒に二月に会ったあの人。覚えていますか? 花壇の」 言われてオートリバースのように記憶が遡行を開始する。メモリースティック。あの記憶媒体を俺たちより先に来てかすめ取っていた、いけすかん野郎だ。朝比奈さん(みちる)を誘拐した車にも乗っていて、あれっきり姿を見ていない。 「あいつがどうしたんすか」 つい語調が強まってしまう。俺は布団の下でゲンコツを固めていた。朝比奈さん(大)は子どもの素行が心配な母親のような口調で、 「彼の属する勢力。わたしたちとは別の未来人が、朝倉涼子にあなたを襲わせるように仕向けたんです」 「……」 俺はまたも言葉を失う。フラッシュバックするのは夢か幻のような朝の映像。俺の部屋に制服姿で立っていた朝倉。耳元でささやかれる謎の呪文。これまでさっぱり忘れていたが、思えばあのせいで俺は変な幻覚を見せられていたんだ。ついでに凍らされもした。 朝比奈さんの面持ちは憂いの色を帯びているようだった。ずっと前に、白雪姫のヒントをくれた時のように。 「あいつが朝倉をそそのかしたんですか? 俺を襲撃するように」 「彼一人の力ではありません。たぶん、何人か関わっているんだと思います」 朝比奈さんは神妙に答えた。結果的に朝倉は長門と再対峙することになってしまった。 俺はちらりと長門を見たが、両目を閉じて立ったまま眠るように動かない。ほんとに寝てるのかもな。 「キョンくんが元いたあの時間は、たくさんの人たちが涼宮さんの力に気付いて動き出したおかげで、とても不安定になっている時期なんです」 朝比奈さん(大)は言葉を選ぶように言った。分岐点。そのうち片方が選ばれると、この朝比奈さんにとっては困る未来になるとか、確かそんな事を言っていた。 ここでしばしの沈黙があった。お互いに、何か考えているような。 数分後。朝比奈さん(大)は、大きな溜息を吐き出すようにして、驚くべきことを言った。 「わたしの記憶にあるあの時間では、こんなこと起こらなかったわ」 「……!」 もし第三者が俺のツラを見ていたのなら、さぞかし呆けた顔に見えたと思うぜ。今までこの朝比奈さんが言った言葉の中でもトップクラスの仰天発言だ。 何だって? 「それは一体……」 ろくに声も出せない俺。大人版朝比奈さんの心配顔は、今や俺の見間違いとかそんなレベルじゃなかった。 彼女はこの事態を本気で憂っている。どうしてだか原因が分からず、成すすべもないかのように。 伏目がちになる彼女は、それでも何とか言葉を続けようとする。 「わたしは一度消されてしまう。……あの時、わたしはそう言ったでしょう?」 あの時――。 俺の体感時間では三日以上前だ。そう。朝比奈さん(小)が消えてしまうから、一度(大)たるこの朝比奈さんは俺たちの時代に来れなくなる、って話だった。 俺は深く頷いた。 「本当なら、わたしも古泉くんと同じように突然にいなくなってしまうはずだったんです。そして、それに気がついた涼宮さんが……」 朝比奈さん(大)は自信が失せたかのごとく言葉をすぼませた。 「ごめんなさい。ここから先は……」 「禁則事項ですか?」 そう言った俺に対し、朝比奈さんは否定の仕草。 「わたしの記憶があやふやになってきていて。……詳しく思い出せないの」 俺はまたしても絶句する。今なら長門の物真似ができるかもしれない。 そんなことがありうるのだろうか? それはつまり自分が通ってきたはずの過去がなくなってしまうということか? 介入……。あの未来人野郎たちはそんなことまでしてどうしようってんだ。 未来は一本筋かどうか疑わしい、ってのはこれまでの朝比奈さんの説明から何となく想像がついていたことだ。 『既定事項』とやらがどこまでを指すことなのか、同時に謎に思ってもいた。 突然に古泉が言っていたことを思い出す。 ――未来に対する過去からの防衛手段です。 あれはいつのことだったか。あいつは朝比奈さんをどうとでもできるとか言っていた。未来人はあたかも過去人の上位に位置しているように見えるが、未来など実にあやふやなものなのだ……と。 「……」 つまり、俺が思うことはたったひとつだ。 過去と未来は、いくらでも変えられる――。 俺は打ちのめされたようだった。様々な出来事のうち、いくつかが頭をよぎる。 まずはループする夏休みだ。あの一万何千回もの繰り返しの中で、結果的にしたこととしなかったことがある。長門の話ではそうだった。 じゃぁ、例えばこういう話はどうだ? あの切り取られた時間の中で、起きたことと起こらなかったことだ。 何でもいい、友人との再会、不慮の事故、検定試験の合否。……いくらでも挙げられるが、それらが起きた未来と、起こらなかった未来。当然先に延びる展開も異なってくるはずだ。なかったことにされている出来事が、あの時間にいくらでもあったのではないか? 三年前の七夕と昨年末の世界改変だってそうだ。あの時、俺がハルヒの手伝いをしなかったら? あの公園のベンチで見たもう一人の俺に、物陰にいた俺が出て行って無理矢理にでも会っていたら? 二月、俺は朝比奈さん(大)の手紙の指示のもと、自分でもよく知らないうちに朝比奈さん(みちる)と共にいくつかの未来を決定してしまった……らしい。 じゃぁ、それをしていなかったら? あのハカセくんも助かっていなかったら? 「……」 戦慄とは今の俺のような状態を指すのだろうと思う。考えに没頭するあまり、今自分がいる場所や話している相手さえ忘れかけてしまうほどだった。 「キョンくん……」 そんな俺を気遣うように、朝比奈さん(大)は俺の手を取った。その温かみに、俺は自分を呼び戻される。 「朝比奈さん。俺はどうしたらいいんでしょうか。……長門と、古泉を救うためには」 俺は布団の一点を見つめて言った。そして、あることを考えた。 ここにいる長門と俺たちが会うことは、果たして既定事項だったのだろうか? 答えはおそらくノーだ。 朝比奈さん(大)の話では、朝倉が俺に幻覚を見せることからして、既に彼女が知っている歴史とは違うのだ。だから、自らが危険を冒してまで俺たちをこの時間に退避させる必要があった。これは俺の推測に過ぎないが、あの一幕はひょっとして、子ども時代の朝比奈さんに指示していては間に合わないくらいに切迫した状況だったんじゃないだろうか。 「……もう一度、あの時間に戻ります」 朝比奈さんの言葉が耳に入ってきた。 俺は黙ったまま、布団を見つめたままで、続く言葉を待った。 やがて、 「まずは朝倉涼子を抑える必要があります……。わたしが知っている通りの歴史にすることは、たぶん、もう……できないけれど」 俺は彼女の話す内容に気を取られていた。だからまだ朝比奈さんの変化に気付けなかった。 「彼女を抑止した上で、元の時代の長門さんに協力してもらう必要があります。長門さん……いいえ。情報統合思念体そのものに……」 眼鏡つきの長門有希は先ほどからずっと眠っているようだ。しかし、本当に寝ているのか、はたまた寝た振りで俺たちの話を聞いているのかは分からなかった。 続く朝比奈さんの声を、俺はうまく聞きとれなかった。 「あなたが……れた日を、……書き……」 はっとして俺は朝比奈さん(大)に視線を戻した。 「……!」 たちまち心を鷲づかみにされたような感覚に陥る。 大人となった朝比奈さんが、泣いていた。 声を出さないように、押し殺して。 「……」 俺はどうすべきかまったく分からなくなる。 いつも部室でメイドさんをしてくれている俺の朝比奈さんなら、週二日のペースで半べそくらいにはなっている気がするが、この朝比奈さんが泣いている姿など初めて見る。 彼女はまだ俺の手を握ったまま、空いた手で口元を覆っている。 「……っ。ごめんね……キョンくん」 「一体どうしたんですか? あの、俺、何かまずいこと」 うろたえる俺に、朝比奈さんは顔を伏せがちに首を振って、 「違うの……。わたしは、これまで……。あなたや、あなたといるわたしを……。いいように動、動かして」 言われて気がつく。そうだ。俺は確かにそう思っていた。 大人となった朝比奈さんは、過去の彼女とは違ってできることも増え、あらゆる意味で立派になった。そして、その上で過去の自分や俺に対して指示を送っていた。 未来を、固定するために。 都合のいいように俺たちは操られているのではないかと、俺は訝っていた。事実、それでいくつかの重要な出来事を決定付けてしまったらしいからだ。穏やかな見た目と裏腹に着々と目的を達成する朝比奈さん(大)。次に会う時に、俺はいくつか質問するつもりでもいた。 あなたは、子どもだった頃の自分の心を忘れてしまったのですか? と……。 しかし、彼女も苦しんでいたのだ。 ただ温和な大人の笑顔で俺たちにあれやこれやの指示を与えてきたわけじゃない。思えば朝比奈さん(大)は、たまに俺には感情を読むことのできない複雑な面持ちになることがあった。俺の肩に額をつけて、しばらく動かなかった七夕の日を思い出す……。あの時も迷っていたのかもしれない。自分の指示によって、俺や、過去の自分の未来が決定付けられてしまうことと、それに伴う責任に。 俺は朝比奈さんを見た。 片手で顔を覆ったまま、肩が小刻みに震えている。 ……。 彼女の涙だって、誰のせいでもない。 ただ、その役割をしていただけで。それだけで朝比奈さんは、今、この場で、泣いているのだ……。 「わたしが、しっかりしないと、いけないのに……っ、あの子、を……」 あの子とは朝比奈さん(小)のことだろう。 今、ハルヒの隣で寝ているであろう、過去の自分自身。 本当の年こそ知らないが、俺から見ればこの朝比奈さんも十分に大人だ。 大人が突然に涙する姿は、言い知れぬ不安というか、得体の知れない恐怖を子どもに運んでくる。 昔、オフクロが何かの拍子に急に泣いた時、幼かった俺はひどく動揺した。 自分が悪いことをしたわけではなくても、どこかから暗闇がやって来て丸ごと飲まれてしまうような、たちまち足許から世界の全てが崩れてしまうような、そんな不安。今の俺はまさにそういう状態だった。自分がどうにかなってしまいそうなのを気力で、唇を固く結んでこらえているのが……やっとだった。 俺にこの朝比奈さんをどうやって慰められるというのだろう。この朝比奈さんが、これまでどんな気持ちで俺たちと接して来たか分かるには、俺はまだまだ幼すぎた。 「あ、朝比奈さん」 自分の声が震えてしまうのを抑えられない。 俺は胸中で自分を鼓舞する。ちくしょう。しっかりしろ、俺。 握ったままの彼女の手が、やたら温かく感じられる。 「なっ、泣かないで……ください」 そう言うのが精一杯だった。……くそ、かっこわりぃ。 俺が何か言ったことは伝わったのか、朝比奈さんは震えた声のまま微かに言った。 「……ごめんね」 どうして謝るんだろう。あなたは、今まで頑張ってきたじゃないですか。懸命に使命をまっとうしてきたじゃないですか。何も悪くないですよ。……それに、向こうの部屋で眠っている子ども時代のあなただって、毎日努力を惜しみません。時間駐在員としても、SOS団専属のメイドさんとしても、いつだって精一杯です。そう、あなたはいつだって頑張り屋だから。 「もう、泣かないでくださいよ……」 「キョン、くん……?」 今度は俺が両目を拭う番だった。何て女々しいんだ俺よ。しゃっきっとしろ。まだ終わりじゃねぇんだ。 「はは、すいません。俺と来たら、だらしがなくって」 「……ふふ」 俺が朝比奈さんを見ると、彼女ははわずかに笑っていた。 「おあいこですね」 「そうですね……」 そうだ。そういうことにしちまおう。 俺たちにブルー色なんてのは似合わない。こんななよっとした俺を団長が見たら、蹴っ飛ばされて四方固めされた挙句校庭十周だ。他にも罰ゲーム目白押しだろう。怒ったまま口だけ笑ってるハルヒの顔が目に浮かぶようだ。 「ここからですよね、まだ。がんばりましょう……」 両目の端を拭った朝比奈さんは、もう泣かなかった。 第六章
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472 通常の名無しさんの3倍2016/07/30(土) 03 40 15.67 ID C8pRiPBt0 エルヴィン「ただい…」 モニク「書書書書書書書書書書書書…………」 エルヴィン「怖っ!!」 モニク「あらお帰りエルヴィン」 エルヴィン「おかえり、じゃないよ! そんな暗い部屋で呪文唱えて何やってたの!? 悪魔でも呼び出す気!?」 モニク「いや、今日帰りにたまたまあのアホ毛に会ってな」 エルヴィン「うん、多分ルナマリアさんのことだね」 モニク「そしたらあのアホ毛な、開口一番私にこう言ったのだ。 『あ~モニクさ~ん、あの後( 44)どうなりました~ン? わたし~、実は~シンと付きあってたことになったんです~』とな!!」 エルヴィン「あ、そ、そうなんだよかったね」 モニク「よくない! わたしは相変わらずマイといちゃいちゃどころか付きあうところにさえ行っていないのだぞ! それなのにあのアホに先に行かれて黙っていられるか!!」 エルヴィン「うん、気持ちはわかるけどアホはやめようアホは。意味代わってきちゃうから。ちゃんとアホ毛の毛まで言ってあげて。それで結局姉さんは何をしてたの?」 モニク「あんまり頭に来たから、誰かが私とマイのいちゃいちゃらぶらぶネタを書いてくれるように画面の向こうに念を送っていた」 エルヴィン「他力本願すぎるよ!? ていうかメタネタを嘯くようになったらいよいよ末期だよ姉さん!!」 モニク「書け~書け~だれか私とマイのイチャラブネタを書いて投下しスレに根付かせるのだ~」 エルヴィン「やめよう姉さん! ちょっと余りにもみじめすぎるから! ていうかこれ下手したらメタネタが嫌われていよいよ誰も書いてくれなくなるパターンだよ!」 モニク「うるさい! ならばいますぐあの鈍男に私の気持ちを気付かせてみせろ!」 エルヴィン「無理だよそれは!」 モニク「ならばもうこうするしかないの! 書け~書け~だれか私とマイのイチャラブネタを書け~。もしくはあの調子に乗ったアホ毛が痛い目を見てフラグを折られるネタを書くのだ~~」 エルヴィン「(あ、これ人を呪わば穴二つで、姉さんが痛い目をみるヤツだ)」 マイ「取引先からレストランのお食事券を貰ったのでモニクさんを誘おうと思ったんだけど…電話にでないな。仕方ない、これは誰か弟たちにあげるとするか」
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捜査本部 L「レイ・ペンバーが調べていたふたつの家に、盗聴器と監視カメラをしかけます」 松田「なっ!?」 総一郎「そのペンバーが調べていた2人というのは誰なんですか?」 L「平沢次長とその家族。夜神局長とその家族です」 L「この二軒の家に盗聴器とカメラをつけさせていただきたい」 松田「なっ…ばれたらこの本部も破滅ですよ!」 L「絶対ばれないようにとりつけます」 総一郎「竜崎……その中にキラがいる可能性は…?」 L「10パーセント……いや5パーセントです」 総一郎「分かった…その代わり付けるならトイレ、風呂まで見落としのないようにだ!」 L「ありがとうございますそのつもりです」 ーーー翌日 L「ちょうど今、夜神家も平沢家も夕食をとりながらテレビを見ていますね」 L「ワタリ…例のテロップを流してくれ」 ~~~~~ 夜神家 ピンポンパンポーン キラ事件に対しICPOは先進各国から1500人の捜査員を日本に派遣することを決定 サユ「1500人だって…すご」 月「馬鹿だなICPOも…こんなことしたら意味がない。送り込むならこっそりいれこっそり捜査するべきだ」 ~~~~~~ 平沢家 唯「憂~っ!今日のハンバーグすごく美味しいよ!」 憂「ふふっ!ありがとうお姉ちゃん!」にこにこ ~~~~~~ L「……賢いですね息子さん」 総一郎「えっ?…ええ…まぁ」 ~~~~ 夜神家 サユ「えっ!お兄ちゃんご飯の後にポテチ!?」 月「受験勉強の夜食さ」 ~~~~~~~ 平沢家 憂「お姉ちゃーん!お風呂沸いたから先に入っちゃってねー!」がしゃがしゃ(洗い物中) 唯「はーい」 ~~~~~~~ 松田「この平沢姉妹の妹の方…しっかりしてますねぇ」 L「…………」 約2時間後 ワタリ「竜崎…先ほど新たに報道していた犯罪者が心臓麻痺で亡くなりました」 総一郎「キラだ!」 L「…夜神家では月くんはずっと勉強(ポテチ食いながら)…サユさんと奥さんはドラマを見ていた」 L「…平沢家では姉妹仲良くアイスを食べながらそのニュースを見ていた…」 総一郎「これで家の家族は潔白ですね!」 L「……」 L「今日のキラは随分罪の軽いものを報道されてすぐ殺しましたね…」 ~~~~~~ 翌日 総一郎「竜崎…もう私の家族の疑いは晴れたのでは?」 L「……あ、息子さんが帰って来ました」 ~~~~ 夜神家 月「はぁ…また表紙に騙された…」 ~~~~~~~ 総一郎「あの真面目な息子があんな本を…」 L「…17歳なら普通です」 ~~~~~~~ 平沢家 唯「へぇ~!そうやって弾くんだぁ~」 憂「書いてあるよ、ここに」にこにこ ~~~~~~~ 松田「ほ、本当に良く出来た妹ですね…」 L「…………」 2日後 L「結論から言わせて貰います。両家で怪しい者はいません」 総一郎「ほっ」 L「両家から盗聴器とカメラを外します」 L「……」(キラの精神はすでに神の域に達している…) L(顔色ひとつ変えずに殺人を行っている…これはそういうことだ) L(ペンバーが調べていた者の中にキラがいるとすれば夜神家か平沢家のだれか…) L(このまま調べてもカメラの方を先に見つけられてしまうだろう…) L(どうすればいい?…私がキラですと言って貰い実際に殺人を見せてもらうのが一番いい…) L(そんなこと出来るはずが…) 4月 桜ヶ丘高校 梓「はぁ~今日から私たちも2年生だね~」 憂「そうだねぇ~」 純「ねぇ聞いた!?今日このクラスに転校生がやってくるらしいよ!?」 梓「えっ!そうなの!?」 がらら 担任「お~いみんな席につけ~」 担任「転校生を紹介する……よし、入ってきていいぞ~」 「失礼します」 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 担任「紹介する。転校生の竜崎L子ちゃんだ」 女装したL「初めまして。竜崎です」 憂「……」(…ん?なんか私の方見てる…?) L「……」 出会った2人!! ざわ…ざわ…ひそひそ… ねぇちょっと…変わってない?あの子…ざわ…ざわ… 担任「おお、ちょうど平沢の後ろの席が空いてるな。そこに座ってくれ」 L「はい」すたすたすた 純「…!」(わっ!この子裸足で上履き履いてるよ!) 憂「……よ、よろしく~…」にこぉ~ L「はい」がららっ 梓「…!」(えっちょっなにあの座り方!?」 ざわ…ざわ… L「平沢憂さん」ぬっ 憂「わっ!な、なぁに?」 L「警視庁平沢次長の娘さんであり様々な才能に恵まれた完璧超人…」 憂「………はい?」 L「その超人っぷりを信じてもし誰にも漏らさないと誓っていただければ、重大なことをお話したいと思っています」 憂「え?」 L「私はLです」 憂「………えっ?」 L「……」ゴゴゴゴゴ 梓「…!」(わっ!早速憂が絡まれてる!) 純「!」(頑張れ!憂!) 憂「…え…える?…もしかして、探偵の?」 L「はい」 憂「探偵のLに憧れてるってこと?」 L「いえそうじゃなくて、私がLなんです」 憂「……そ、そうなんだ、凄いね!これからよろしくね!」(ど、どうしよう…変わってる子なのかな…) L「……はい。よろしくお願いします」 L(平沢憂…キラである可能性5パーセント未満…しかしあの中では一番何かを感じさせた…) L(お前は完璧すぎる…そしてもしお前がキラであればこれ以上のプレッシャーはないだろう) 放課後…テニスコート 憂「…でも…L子ちゃん。どうして私と急にテニスなんかしたくなったの?」 L「親睦を深めるためです…では6ゲーム1セットを先取した方が勝ちでいいですね?」 憂「うん。わかった」 L「 」すぱぁん!! 憂「!」 L「フィフティーンラブです」 憂「ちょ、ちょっとL子ちゃん、本気出しすぎじゃ…」 L「先手必勝です」 憂「そっか。じゃあ私も」(早く帰って夕飯の準備しなきゃ…) 音楽室 律「あれ?梓のやつ遅いなぁ」 澪「掃除か?」 紬「風邪かしら?」 唯「あっ!あずにゃんからメールだ…なになに?」 律「なんだってー?」 唯「おおっ!今テニスコートで面白いものが見れるらしいよ!」 澪「テニスコート?」 唯「なんか憂と転校生が試合してて、これが凄いレベルだから見に来てだって!」 紬「行きたいわ!」 律「気になるな…行ってみるか」 テニスコート ぱーん! ぱこーん! ぱかーん! きゃー! 憂ぃー! 竜崎さぁ~ん!! 純「行けぇー憂っ!!!そこだっ!」 梓「憂ぃーっ!!!頑張れぇーっ!」 L(安心しろ平沢憂…キラは負けず嫌いだがキラでなくとも試合には勝ちたいと思うのが大多数だ)ぱこん! 憂(竜崎L子ちゃん……どうして私にやたら絡んでくるんだろう…?)ぱこーん! 律「おお?すげぇギャラリーだな」 澪「あ、あの子か転校生か」 紬「わぁー2人ともかっこいいー!」 唯「憂ぃー!!頑張ってー!!」ふりふり 憂「!!」(お姉ちゃん!!よし!!これは負けられないよ!)スパァン!! び ゅ おっ L「!」(ほら……勝ちにきた……) L「はぁーっ!はぁーっ!」 憂「はぁーっ!はぁーっ!」 さわ子「ゲームカウント、フォーゲームスオール」 梓「さわ子先生いつの間に審判席に!?」 L(今までお互いキラ事件には触れずにきた)ぱこぉん! 憂(ふふっ!お姉ちゃんあんなに一生懸命手を振ってくれてる!)ぱこぉん! L(いきなり腹を割ってそんな話をするのもおかしい)ぱこおん! 憂(今日の夕飯はお姉ちゃんの好きなものにしてあげよう!)ぱかーん! L(平沢憂…このテニスをしたことでお前は…)すぱぉん! 憂(ハンバーグは作ったばっかりだし…なにがいいかなぁ?)ぺこぁん! L(私がまた一歩踏み込む準備をしたと考える)すぴょーん! 憂(オムライス……?…うーんなんかしっくり来ないなぁ)たもぉん! L(私は【完璧超人】と言ってお前に【私がLです】と名乗った)かもーん! 憂(そういえば最近お肉とか卵とかばっかりな気がするな…あ、もちろん野菜も毎食入れてるけど)やさーん! L(お前はそこを利用するに違いない)ちーん! 憂(お魚がいいかなぁ…そうだね!よしお魚にしよう!)さかーナ! L(お前はキラ事件の話をするのなら先にこっちのキラ事件の捜査状況等を見せ…)そーん! 憂(そうと決まれば…何が良いかな? 秋刀魚? マグロ?)まぐぉーん! L(…自分をまず信用させろと言ってくるだろう)しよーん! 憂(ん~やっぱりここは…シャケだよね!)さーもーん! L(お前が私に要求してくることは…)よきゅーん! 憂(シャケをホイルで蒸してマヨネーズをかけて…)まよーん! L(私をLだと証明する有力な第三者との接見…)せけーん! 憂(よし!早く終わらせて食材買いにいかなくちゃ!)ちゃーん! L(お前が私に提案してくることは…捜査本部に連れて行くこと!)ぱこぉん! 憂(これで決めるよ!L子ちゃん!)ぱかーん! L&憂(やっぱり勝つには先手を打つこと!)スパアン!! うおおおおおおおおお!!!! 憂ぃー!! 竜崎さぁーん!! さわ子「ゲームセットウォンバイ 平沢 シックスゲームストゥフォー!!」 律「うおー!憂ちゃーん!」 唯「憂ぃー!!!」 L「……さすが憂さん、負けました…」 憂「私も初めてこんなに追い詰められたよ」 憂「じゃ…私はこれで…」 L「待って下さい」 憂「なに?」(も~…早く買い物行きたいのに) L「私は、憂さんを………キラなんじゃないかと疑っているんです」 憂「………え?」 L「…ですから、私は憂さんがキラなのではないかと思ってるんです」 憂「……え…キラって……犯罪者を殺してるっていう……あの…?」 L「はい。大量殺人犯のキラです」 憂「………」 L「………」 憂「……ど…」 L「?」 憂「……どうして……そんな酷いこと言うの…?」うるうるうるうる L「!?」 律「さて、部活戻るか」 澪「そうだな」 紬「あら?憂ちゃんと竜崎さん、なにやら話し合ってるわね」 唯「ん?…」 唯「んん!?」だだっ 律「お、おい唯!」 澪「急にコートの方に走り出してどうしたんだ!?」 ~~~~~ 唯「憂っ!!!」だだだっ 憂「!?」(お姉ちゃん!?)ゴシゴシ 憂「お姉ちゃんどうしたの?」にこっ L「……」(平沢憂…今明らかに泣きかけていたのに姉が来た瞬間、涙を消した…) 唯「いやぁ~なんか今、憂が泣いてたように見えたから」 憂「ふふっ、お姉ちゃんったら…汗が光っただけだよ」にこっ 唯「そっか~」 L「……」(平沢唯……憂の姉……一見とぼけてるように見えるが……) 唯「……竜崎…L子ちゃん…だっけ?」 L「はい」 唯「もしかして憂をいじめてないよね?」 憂「そ、そんなわけないじゃんお姉ちゃん!」 唯「……憂を泣かしたらただじゃおかないよ」 L「大丈夫ですよ」 唯「……」ゴゴゴゴゴ L「……」ゴゴゴゴゴ 唯「じゃあ私、部活行くね」 憂「うん!頑張ってね!お姉ちゃん!」にこにこ L「かっこいいですね…お姉さん」 憂「え?」(可愛いじゃなくて…かっこいい…?) L「ちょっと近くの喫茶店に行きませんか?」 憂「……」(も、もういいや…今日だけ付き合おう) 憂「うん。いいよ」 2
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442 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/10/18(土) 21 44 57.77 ID l+bgnXRQ0 [2/3] 332ってあれだ、 「いつも澄ました顔しやがって、その○○(例:保護者)面した態度が気にくわねぇんだよ!」 ってやつだよな。よくある言い回しなのになんで文章見た時思いつかなかったんだろ これだけではなんなのでプチ 交代制でGMをやっているのだが、メンツの一人がルールをなかなか覚えない。やる気だけは十分で「もうだいぶ 覚えたから!」をGMやる度に聞くが大小のルールミスは絶えない。見かねて簡単なチャートみたいなのを作って 渡し、プレイ前に参考にしてね、と言うと「家で暗記するから大丈夫」との返事。それならルールブックを(r ここまでなら愚痴なんだが、問題はコンペなど外部でもGMをやりだしたこと。同じコンペに参加した人の話では そこでも覚え間違いや勘違いでルールミスをしたうえ「鳥取ではそう教わった」と言っていたらしい 次の集まりで話を聞いてみたところ前に渡した、今はルールが変わっているチャートを参照していたことが判明 皆で話し合ってちゃんとルールを覚えるまではGMをやらせない事になった シナリオ自体は割と丁寧に作るやつなんだが・・・ 445 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/10/18(土) 21 59 44.89 ID fO9V976m0 [2/2] 441 お疲れさまでした 吟遊というか台本まで用意する感じの監督GMだなー…… まあ、GM権限の悪用(GMとして聞いたこの事を神の視点でNPCたちが察知)しちゃった時点でGMの信用度が悲しい事になっちゃうし、 システム世界観を元に創作小説でも書いてた方がたぶん幸せになれただろうに 442 こっちもお疲れ様です シナリオを丁寧に作れるってことは自分の記憶力に妙な自信を持っちゃってて確認を怠るタイプなのかねー…? ルールを覚えるっていうか確認を徹底させるのが良いのかも 449 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/10/18(土) 22 17 12.10 ID wegQgeLv0 [2/2] 441 神様視点で好き勝手国作り出来るからと、反対しそうなPC皆殺しにしてまでやったら新面子にも見捨てられたと 伝説のレイストリンを思い出したわ 誰が素人の独り善がりな国で遊ぼうと思うねん 442 ルールを覚えるのはGMの責任なのに、間違って覚えた事を人のせいにするのはクズだな という訳で他罰的クズ困野郎という事に決定 450 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/10/18(土) 22 52 01.19 ID BAH1Fn/40 >前に渡した、今はルールが変わっているチャートを参照していたことが この点は情状酌量の余地がありそうに思える 453 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/10/18(土) 23 04 35.01 ID L0Ls3qAn0 450 いやあ、自分のルールミスを鳥取のせいにして逃げを打つ時点で、性根が腐りまくりだと思うぜ。 ルルブのバージョンくらい普通の人間は気づくって。 454 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/10/18(土) 23 06 12.61 ID XEnsOat2i [2/2] 450 そうはいうがGMやる以上、事前にルールは読んでおくべきでな サプリ適用かVer.アップかは知らんがそのルールを使う宣言したなら正確性は求められるわけだよ 俺の鳥取でもSW2.0のウィザーズトゥーム導入を宣言しといてフェアテ関連ガバガバだったアホGMいたし 456 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/10/19(日) 01 13 48.93 ID T/TsUB1B0 [1/2] 身内ならルールガバガバでもぶっちゃけどうでもいいけどコンベだとなあ スレ399
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ぴちゃぴちゃぴちゃ。 下水道に、いろはが水を蹴る音が響く。 魔法で身体を強化しているため負担は減っているものの、先の騒動での疲労や沙々を背負ったままの行動は確実に彼女を蝕んでいく。 はぁ、はぁ、と息遣いも荒くなっていき、速度も目に見えて落ちてきたところで、いろはは徒歩に切り替えた。 先に潜ったアヴェンジャー...ディエゴを追いかけるのを諦めたわけではない。 だが、そもそも彼らがどの方向に向かったかがわからない以上、こうして体力を温存しようとするのは仕方の無いことである。 (沙々ちゃん...) 己の背で仮死状態にいる沙々のことを思い返す。 ハッキリいって、彼女にいい印象は全く無い。 出会いがしらに洗脳されて、セイヴァーと遭遇しいろはだけソウルジェムを浄化された時などは八つ当たり気味にキレ散らかして。 彼女を善か悪かで分類すれば間違いなく悪だ。 けれど、だからといっていろはが沙々を見捨てることはしない。 理由など単純。ここで彼女を見捨てれば彼女が死んでしまうから。 ただそれだけの為に、いろはは沙々を手放すことができなかった。 ...それが、彼女の命運を分けた。 「はぁ、はぁ...」 息切れは更に増し、集中力も蹣跚となる。 よろよろとおぼつかない足取りで、それでも進むいろはの眼前に、隆々とした腕が曲がり角から突き出される。 「とまれ」 頭上からの声に従い、思わず足を止めてしまったいろはは、ほとんど反射的に顔を上げる。 声の主は男。整った顔立ちに、若干ウェーブのかかった髪の男だった。 いろはは思わず後方に飛び退き、クロスボウを構え戦闘態勢に入る。 が、戦闘態勢をとらない男の様子に、いろはは眉を潜めつつ、話を聞く為に一旦クロスボウを消した。 「...あなたは?」 「バーサーカー」 いろはは息を呑む。 バーサーカー、即ちサーヴァント。 男のスタンスがどのようなものなのかはわからない。 だが、サーヴァントという存在はいろはの警戒心を再び引き上げるのに十分すぎた。 バーサーカー―――ヴァニラ・アイスは考える。 バーサーカーという単語に対してこの反応。間違いなく聖杯戦争のマスターである。 ならば始末してしまおうか―――いや、ここでこの小娘を殺したところで、DIOとそのマスター、暁美ほむらがいない以上、自分の利にはならない。 そもそも。この小娘は何故、人一人分の重量を背負って下水道を利用しているのか。 普通ならば、地上を歩くはずなのにだ。 なにか下水道を利用しなければならない理由があるとすれば、それは...。 その疑念から、彼はいろはの始末よりも尋問を優先することにした。 「...貴様にいくつか質問がある」 ヴァニラはいろはの背中で眠る沙々を指差した。 「その小娘は死んでいるな。なぜこんな場所まで持ち歩いている」 ヴァニラの問いかけに、いろはは言葉を詰まらせる。 なぜ持ち運んでいるか―――その問いの答えとしては、魔法少女について語るのが最適だろう。 が、ソウルジェムの真実は沙々だけでなく自分にも大いに影響してくるものだ。 ソウルジェムさえあれば、たいていの怪我は治せる。しかし、逆に言えば、いくら怪我が軽傷でもソウルジェムを砕かれてしまえば死に至ってしまう。 そんな心臓部である秘密を話せるはずもなく。 「こ、ここから向かうのが私の家に一番近いからです。沙々ちゃんのことは家に着いてから考えるつもりです」 いろはは、そんな苦し紛れの嘘で乗り切らざるをえなかった。 「......」 「......」 沈黙する両者。 ゴクリ、といろはの喉が鳴った。 (...乗り切れる気がしない) いろはがそう思うのも無理はないだろう。第三者から見れば不審者は自分のほうだ。 だからといって、いまさら撤回することなどもできず。嫌な緊張感がいろはの心臓を締め付けていく。 「あ、あn「その女はDIO様...セイヴァーから託されたのか?」 たまらず口火を切ろうとしたいろはを遮るようにヴァニラは質問を続けた。 「あなたはセイヴァーの知り合いなんですか?」 「...答えろ」 いろははヴァニラ・アイスの不遜な態度に若干の不満を覚えるものの、バーサーカーという割には話を聞いてくれていることにはほんのちょっとだけ安堵した。 (DIO『様』...確かにセイヴァーのことをそう呼んでた) 様をつける以上、男はセイヴァーの所縁、それも慕っている間柄なのだろう。 となれば、なるべくこの男を、更に言うならセイヴァーへの不信感は見せるべきではないと察する。 現状、下手に戦って、体力も魔力も無駄に消費することはできないのだから。 「...はい。沙々ちゃんは、あの人がつれていってほしいって...」 これは嘘ではない。 セイヴァーは、『沙々のソウルジェムと時間泥棒を交換しよう』と提案しただけで、沙々の身体については完全に無視していた。 彼女の身体を誰かが保護しなければならない以上、いろはがつれて歩くのが道理というものだ。 だから、嘘はついていない...はず。 「......」 「......」 再び訪れる沈黙。 カチ、コチ、と時計があるわけでもないのに、なぜかそんな秒針の音が聞こえてくるようだ。 数十秒か、数分か、どれほど時が過ぎたかわからないが、やがて最初に動いたのはヴァニラ・アイスだった。 「そうか。ならばセイヴァーの場所を教えろ」 どうやら無駄な戦いをせずにすみそうだと、いろはは胸を撫で下ろす。 さて、次のステップとして、この男をセイヴァーと会わせていいものか、という問題が生じる。 もしもこの男が合流すれば、ただでさえ個人で強力な力を有しているセイヴァーが手を組むことで更に強化されてしまう。 セイヴァーがマスター・英霊以外の人間も構わず殺傷する性質であることから、彼らの同盟はおそらく市民にも影響を及ぼすことになるだろう。 けれど、ここでヴァニラの要望を断れば、せっかく振り払った不信感に纏わりつかれてしまう。 倒すにしても、自分のサーヴァントであるシュガーが離脱しており、且つ沙々の身体を庇いながらの戦いではとても勝利は収められない。 (うぅ...私、こんな人を騙すようなことはしたくないのに...) 言い繕って。顔色を伺って。相手に合わせて。周囲のご機嫌をとって。 そんな、かつての嫌いだった自分の経験がここにきて活きてくることになるなんて思いもよらなかった。 そのことを誇るつもりなど一切無いが。 「えっと、同じところにいるかはわからないですけど」 あらかじめそう切り出して、相手の不満感を少しでも和らげる。 そして、セイヴァーと遭遇した場所とは違う方角を示し、少しでも彼らの合流を遅らせ、あわよくば防ぐ。 それがいろはの頭の中で描かれた筋書きだ。 「なぁ...あんたさっきさぁ、Dioって言わなかった?」 それが叶うことはなかったが。 突然の男の声に、いろはは慌てて振り返った。 男―――マジェント・マジェントは曲がりなりにもアサシンとして呼び出されたサーヴァントである。 アサシンとしては最低クラスとはいえ、気が散っている者の隙を突く程度の隠密性は有していたため、彼らはマジェントの接近を許してしまったのだ。 「...なんだ貴様は」 「質問してるのは俺じゃね~かよぉ。Dioって言った?言ったよな?」 銃を突きつけつつ、こめかみを痙攣させているマジェントに対して、ヴァニラは無反応。 下っ端のクズなどイチイチ気にかけることはない―――そんな態度がありありと伺える。 「あんたの知り合いのDio様はさぁ、二回も俺を裏切ったんだ。えぇ?二回もだぜ? 一回ならまだ許せる。気の迷いや勘違いもあるしな。謝ってくれれば俺も許す。けどあいつは二回裏切ったんだぜ。ありえねーよなぁ、人間として間違ってる」 そんなヴァニラにお構いなしにマジェントはペラペラとおしゃべりに興じる。 自分が受けた仕打ちを語っているというのに、へらへらと笑いながら話す様を、いろはは不気味に思う。 なにがおかしいのか、それとも悦んでいるのか。いろはには、マジェントの真意がわからなかった。 「ヘヘッ、あいつはホント、ほんと...」 ピタリ、とマジェントの笑い声が止まり、表情も締まっていく。 「あいつは!二回も俺を裏切りやがった!俺は裏切ってねえのによぉ!!そんなクソ上司のケツは部下に拭ってもらわなきゃなあぁ!」 ドシュッ 突然の激昂と共に放たれる弾丸は、轟音と共にヴァニラの肩に着弾した。 「ッ!」 マジェントの豹変に、いろはは驚愕し思わず息を呑んだ。 そんな彼女をジロリ、と見やると、マジェントは今度はいろはに銃を突きつけた。 「ササがなんでそうなってるかは知らねえが、Dioに頼まれたってことはオメエもあいつの部下だな」 「ち、違いますっ!」 「違う...?貴様、命惜しさにDIO様を裏切るつもりか」 「えっ、いや、その...ああもうっ」 DIOに忠誠を誓う男。DIOを恨む男。 二人のDIOへの対極な関係性に挟まれたいろはは思わず地団駄を踏みそうになる。 どうしてこうも巡り合わせが悪いのか。いろはは己の不運を嘆きつつも、必死のこの場を収める方法を模索する。 マジェントの言葉を否定すれば、ヴァニラは敵になり、マジェントは味方になるかもしれない。 マジェントの言葉を肯定すれば、ヴァニラは味方になり、マジェントは敵になる。 選択肢は二つ、その上時間が無い。 そんな中、いろはがとった選択肢は 「私は、DIOさんと『対等』の関係なんです。だから、部下でも敵でもありません!」 前者『寄り』だった。 仕方なく選んだ答えだが、現状、いろはの言葉に嘘はない。 DIOがもちかけたのはあくまでも『取引』であり、いろはにも断る余地を残していた。 優木沙々のことを考慮しなければ、問題なく対等だといえるだろう。 (対等、か。思い上がりも甚だしいが、おそらく『友達』という言葉をそのままの意味で受け取ったのだろう。ならばDIO様の駒であることには変わりないか) ヴァニラ・アイスはいろはの言葉を自分なりに解釈し、DIOの機嫌を損ねぬよう彼女へ向けていた殺気を抑えた。 さて、一方のマジェントはというと。 (ハハァ、なるほど。こいつもDioに騙されてるクチだな。俺のときもそうだった。優しく言葉をかけてくれるからその気になっちまうんだよなぁ~) 彼も彼なりにDioといろはの関係性を解釈し、いろはへの敵意を逸らした。 自分のときと同じだ。Dioは始めこそは優しく手を差し伸べてくれる。 だが、用済みになればそこまでだ。どれだけ頑張っていたとしても簡単に切り捨てる。 Dioにとっての他者とはそんな使い捨てのチューイングガム程度ものなのだ。 (けっ、Dioのヤツ、今度は可愛い女の子に手をつけやがって!どうせ俺のときみたいにこの娘も飽きたらポイだろうがよぉ~。 けどよぉ、もしも使い捨てのおもちゃが自分に牙を剥いてきたら死ぬほどビビルだろうなぁ~) らしくなく、マジェントは間接的にDioへの嫌がらせの策を思いつく。 『恨みを晴らすと決めたら必ず晴らす』が故に、『Dioにやられたこと(裏切り)をそのまま返してやろう』という発想に至れたのだ。 では、どうすればいろはを味方につけることができるか。 簡単だ。自分がDioにされたことをそのまま伝えればいい。 いくら対等な関係を結んでいようと、散々人を利用し潰すような輩といつまでも肩を並べられるかと問われれば十中八九無理だ。 その程度のことはマジェントもわかっている。だから、伝えてやる。Dioがどれだけ最低最悪なヤツかを。 それで駄目なら沙々に洗脳してもらえばいい。 そのためにするべきことは、結局 「オメェが邪魔だよなぁ、パンツ野郎ォォォォ!!」 ダンッ。 再びの銃声と共に、ヴァニラ・アイスの肩口から血が流れ出す。 「や、止めてください!」 「およっ!お嬢さん、勘違いしてるかもしれねえけど、俺はオメーを助けてるんだぜ。なんせDioはロクな奴じゃねえ。ならソイツを様付けする奴もそうに決まってる」 Dioへの罵倒をマジェントは嬉々として語る一方で、ヴァニラへ銃を向けるのも忘れない。 銃とはそれだけで脅威となり牽制になることを彼は知っている。 しかも、既に二度撃たれているのだからなおさらだ。 「......」 しかし、ヴァニラ・アイスは、撃たれた肩に手を添えるだけで、依然変化なし。 恐怖も、激昂も。銃への感傷は一切見受けられない。 「...試してみるか」 ヴァニラが肩口に添えていた手が握り締められる。 「てめえ!妙な真似をするんじゃ」 「フンッ!」 マジェントが警告と共に引き金を引く寸前、ヴァニラは傷から手を離し掬い上げるように振るった。 と、同時に、マジェントの右肩の肉は抉れ、血が噴出した。 ―――マジェントの考えは間違っていない。 いくら英霊とはいえ、同じ英霊であるマジェントの武器は通用するし、着弾し血が流れる以上、ダメージはある。 だが、それが通用するのは『人間』までだ。 ヴァニラ・アイスは違う。生前からの主より授かった血により、既に人間を辞めている吸血鬼。 だから、物質を回転させて投げる技術などなくても、撃ち込まれた弾丸を素手で放つ程度のことはできるのだ。 「ふむ。この程度では足りんな」 ヴァニラは先ほど遭遇した敵、バーサーカー(カーズ)のことを思い返す。 彼には己の能力であるクリームはほとんど通用せず、弱点もあっさりと看破されてしまった。 いや、最初に戦ったランサーとアサシンのときもそうだ。 自分のスタンドは、未だ上位の実力者達に対して通用していない。 当然だ。 如何に強力な能力を有していようとも、それひとつだけであれば、いくらでも手を打つことができる。 ましてヴァニラの『自分がスタンドに隠れている間は外の情報を一切認識できない』という欠点があるならなおさらだ。 だから、ヴァニラはサブウェポンを作ってみた。 吸血鬼由来の筋力任せの投擲という力技の遠距離攻撃を。 現状、人間相手にさえ足止めが精精といったところだが、牽制程度ならあまり問題はないだろう。 「い、痛てえっ!なんだ何がおきやがった!?」 突然の痛みに尻餅をつきうろたえるマジェント。 己の傷口に手を当てた数秒後に手にした弾丸を見て、自分が撃ち込んだ弾丸を投げ返されたのだとようやく気がついた。 (まさかコイツもジャイロみてえに鉄球の技術を持ってやがるのか!?けどよぉ、ソレの対策はもう知ってるんだぜぇ!) 「『20th センチュリーボーイ』!!」 スタンドを身に纏わせ、両掌と両膝を地面につける。 ピクリとも動かない彼のその姿は、見方によっては降伏にも思えた。 「ふんっ!」 再び、ヴァニラの投げつけた弾丸が、マジェントに着弾する。が、それは彼の皮膚を滑り地面へと伝達していく。 「......」 ヴァニラが歩きながら近づき、マジェントに蹴りをお見舞いする。が、そのダメージは再び地面へと伝道していき、マジェント本人には一つの傷とて生じやしない。 ヴァニラは懲りずに手刀、回し蹴り、踵落とし、マジェントの銃を拾っての銃撃とこれでもかと攻撃を加えるも同じ結果の繰り返し。 これこそ、マジェントのスタンド『20th センチュリーボーイ』。 如何な干渉さえ通さぬマジェントの絶対防御である。 (物理的な攻撃は通じないか。ならば) ヴァニラも己のスタンド『クリーム』を発動し、その中に身を隠す。 彼のスタンドの口の中は暗黒空間となっており、主たるヴァニラ以外の存在を許さず、如何な物質とて分解してしまう。 まして動かない相手などいいカモだ。クリームの欠点も欠点なりえない。 「暗黒空間にバラ捲いてやる」 絶対防御の『20th センチュリーボーイ』と一撃必殺の『クリーム』。 最強の盾と最強の矛。 ここに、両雄が激突する! ガ オ ン。 クリームがマジェント・マジェントを通り過ぎた。 勝負は、一瞬だった。 「...これでも殺せないか」 抉れていたのはマジェントではなく、その側にある地面。 軍配は、盾にあがった。 『20th センチュリーボーイ』は、外からのダメージだけではなく『呼吸』や『栄養』のような生きるのに必要な最低限のものすら排除する。 排除しても主たるマジェントを決して死なせない、真性の絶対防御である。 加えて、英霊化した際に他のサーヴァントの能力や宝具も完全遮断するように反映されたため、クリームの暗黒空間の分解による消滅さえ拒絶したのだ。 マジェント・マジェント。多くの者に下っ端のクズと称されたこの男は、防御力においては間違いなく最高であることがいまここに証明された。 「......」 ヴァニラ・アイスは考える。果たしてこの男を消滅させる方法は本当にないのかと。 いや、方法はある。それはヴァニラも既に気づいている。 物理的に攻撃したときもクリームで飲み込もうとしたときも、彼の受けたダメージの変わりに周囲の地面が抉れている。 つまりだ。このまま攻撃し続け、伝達するものがなくなればどうなるか。 あるいは、魔力を消費させ続ければどうなるか。 ただ、この方法では自分も魔力を大幅に消耗する持久戦になってしまう。 無論、これが前述したDIOの障害になりうる強者たちならば躊躇い無く持久戦に臨んだだろう。 だが、ここにいるのは奴らに遠く及ばない下っ端のクズだ。しかも、一向に防御の構えを解かないあたり、最早打つ手がないのだろう。 しかも、仮に殺したところで、マジェントの魂が暁美ほむら或いはスノーホワイトに渡るわけではなし。 果たしてこの男をいまここで、己の多大な魔力を消費してまで消す価値があるかと問われれば答えはNo。 これ以上の戦いはせっかく溜めた魔力の無駄遣いにすぎない。 「女」 ヴァニラがくるり、といろはへと振り返る。 「DIO様はこの先にいらっしゃるのだな?」 「は、はい。ただ時間が経ってるので、絶対とは...」 「そうか」 それだけを告げると、ヴァニラはいろはにもマジェントにも目をくれず、その場を後にする。 (まもなく陽が昇り始める...それまでには一度DIO様のもとへ馳せ参じたいものだ) 狂信者は行く。ただひとつ、己の信じる者の為に。 たとえそれが独り善がりの愛だとしても、躊躇うことは決してない。 【C-2 下水道/月曜日 早朝】 【ヴァニラ・アイス@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態] 額に傷(小)、出血(小) 、肩に銃創(微) [装備] なし [道具] なし [所持金] なし [思考・状況] 基本行動方針:DIO様に聖杯を献上する 1.DIO様の元に馳せ参じる 2.DIO様に歯向かう連中を始末する。特にカーズは障害になりえそうなので必ず殺す。 3.暁美ほむら...あのケツの青い小娘がなぜDIO様のマスターに... 4.マジェントは積極的に狙う予定はない。殺せるときに殺しておくか程度の優先順位。 [備考] ※スノーホワイトとの契約は継続中ですが、魔力供給を絞られています ※物を力づくで投げる方法を把握しました。 ※いろははDIOの部下であると認識しました。 ※どの方向に向かっているかは後続の方にお任せします。 しーん、と静寂が包み、いろはは動かないマジェントと共に取り残される。 どうしたものかと戸惑ういろはは、マジェントの身体を見て眉を潜める。 (この傷...さっきの人からつけられたものだけじゃない) よく見れば、彼の身体は至るところが傷だらけで、出血も止まりきっておらず、ああしてまともに動けたこと自体が不思議に思えるほどだ。 もしもこれらの傷がDIOにつけられたものだとしたら、彼がDIOをあれだけ恨むのも無理はないかもしれない。 ならば、いろはがすることはひとつだ。 「およっ。さっきの奴はどこいった?」 パチリ、と目を覚ましたマジェントは、キョロキョロと辺りを見回す。 そこには既にヴァニラ・アイスはおらず、いろはが側にいるだけだ。 「あの...」 「あん?」 「ちょっと動かないでくださいね」 いろははマジェントの肩口にそっと手を添える。 「おめえなにやって...あ?」 マジェントの傷口が桃色の光に包まれ、痛みがみるみるうちに消えていく。 「け、怪我が治ってく?」 「沙々ちゃんのサーヴァントなら、わかりますよね?これが私の魔法の一部なんです」 「へーえ、スッゲェ」 純粋に関心するマジェントだが、遅れて疑問を抱く。 「なあ、なんで俺を治すんだよ。俺まだ頼んでねーぜ?」 マジェントはまだいろはからの信頼を得る手順を踏んでいない。 そして、それを得るのはなによりもDioへの復讐のためだ。 だが、この娘は躊躇い無く己の魔法を使い、マジェントを癒している。 マジェントは同盟を結ぶマスターでなければ、いろはと主従関係にあるサーヴァントでもないのに。 だから彼は純粋に不思議だった。 ウェカピポのように仕事上、上から組まされた訳ではなく、Dioのようになにか利益があると踏んで手を差し伸べた訳でもなく。 彼女が勝手に自分を治療してくれているこの状況が、不思議でたまらなかった。 「ササは魔法は迂闊には使えないって言ってたけど、お前はどうなんだよ」 「...そうですね。確かに、魔法は有限です。今回の件でもそれを思い知らされました」 「だったらなんで」 「あなたが辛そうだったから。それ以上に理由はいりませんよ」 「――――――!!」 いろはがマジェントに向けた微笑みに、マジェントの心臓がドキリと跳ね上がった。 いろはの言葉は、受け取り方の是非に関わらず、彼女の行動の真意をそのまま伝えていた。 いろはがマジェントを治しているのは、Dioのような打算などなく、彼を気遣ったが故の行動だと。 そんな彼女の純粋な善意は、Dioへの復讐に囚われていたマジェントの氷塊の如き心に亀裂をいれた! 「う、うぅ...」 突如、マジェントは両指で目元を隠し呻き声を上げ始める。 そんな彼の様子に、いろはは慌てて容態を探る。 「ど、どうしたんですか?どこか痛むんですか?」 「ちげえよォ~嬉しいんだよォ~うえーん」 困惑するいろはを他所に、マジェントは指で目をこすりつつ泣くマネを始めた。 「シクシクシク...嬉しいよォォォ~ポカポカするよォォォ~うえ~ん...『ガンジス川の濁流』」 マジェントの握っていた手が開かれ、ドブ水がボタボタと零れ落ちた。 「っちゅーギャグを思いついたんだけど...批評してくれる?」 「え?えっと...」 いろははますます困惑してしまう。 いきなり泣くマネを始めたと思ったら、ドブ水をガンジス川に見立てたネタを披露して、おまけにそれを批評しろという。 わけがわからない。いろはには、マジェントの意図が全くわからなかった。 「その、ごめんなさい。よくわからなくて...」 下手に嘘をつけば、それが判明した時に更に彼の心を傷つけてしまうかもしれない。 結局、いろはは自分の思ったことを伝えるしかなかった。 「そうか...そうかァ」 せっかくのネタを理解してもらえなかったマジェントだが、その顔は意外にも笑顔だった。 マジェントが思いついたギャグを披露する時に批評を頼むのは、なにもただ賞賛されるためだけではない。 この批評を通じて、相手がどの程度自分を見てくれているかを知りたがっているのだ。 笑ってくれるならそれで問題なし。別に面白いと思われずとも、なにかしら感想を言ってくれるだけでも、こちらを見ていてくれた証になるので構わない。 一番最悪なのは、ウェカピポのような一瞥もくれずに無反応であることだ。 そういう奴はこちらを見下し自分を路傍に転がる石ころ程度にしか見ていないからだ。 いろはは反応してくれた。どころか、マジェントを傷つけないように言葉を選び、ギャグにも真摯に向き合ってくれた。 そんな彼女の思いやりはこれ以上なく彼の心を鷲掴みにしてしまった。 「イイ奴だなぁ、おまえ」 「???」 なぜ褒められているのかがわからない、とでもいうような仕草に、ますますいろはへの信頼を深めていく。 マジェントの中には、もはやウェカピポやDioに裏切られた経験による信頼への恐怖は微塵も残っていなかった。 「なあ、えっと...なんて呼びゃあいい?」 「私の名前ですか?...いろは。環いろはです」 「イロハか。イロハイロハ...よしっ、覚えたぜ!」 マジェントは満足げにいろはの名を呼び、頬を緩ませた。 そんな彼の嬉しそうな笑顔に、いろはもつられて笑い返した。 「イロハ。俺の名前はマジェント・マジェント。マジェントって呼んでくれよ」 「はい、マジェントさん!」 「おうっ!」 自分の名前を呼ばれたことで、更に笑みが深くなるマジェント。 もしも、マジェントのマスターである沙々がこの光景を見ればきっと思っただろう。 マスターの私の名前はしばらく覚えようともしなかった癖にこの差はなんだと。 (ウェカピポでもDioでもなかった。俺の本当の運命の糸はきっとこの子に繋がってたんだ!) マジェントは笑う。 三度の裏切りに荒みきっていた心を溶かしてくれた彼女との出会いに感謝して。 いろはは笑う。 自分が助けた人が元気を取り戻した様子を見て。 互いになにかが解決した訳ではない。それでも、心が少し軽くなったのなら、二人の出会いもきっと無駄ではないだろう。 【C-2 下水道/月曜日 早朝】 【優木沙々@魔法少女おりこ☆マギカ~symmetry diamond~】 [状態]肉体死亡状態、魔力消費(中)、『悪の救世主』の影響あり(畏怖の意味で) [令呪]残り3画 [ソウルジェム]無 [装備] [道具] [所持金]一人くらし出来る程度 [思考・状況] 基本行動方針:聖杯狙い 0.――― 1.セイヴァーはヤバイ奴。どうにか逃げ出したい。 2.でも、ソウルジェムの浄化はどうしたら…… 3.見滝原中学には通学予定。混戦での勝ち逃げ狙い。 [備考] ※シュガーのステータスを把握しました。 ※セイヴァー(DIO)のステータスを把握しました。 ※暁美ほむらが魔法少女だと知りました。 ※ほむらの友人である鹿目まどかの存在を知りました。 ※いろはの洗脳が解除されたことに気づいていません。 ※肉体から魂が離れた影響で、一時的死亡状態です。ソウルジェムが彼女の肉体に触れた時、意識を取り戻します。 【環いろは@マギアレコード】 [状態]肉体ダメージ(大) [令呪]残り0画 [ソウルジェム]有 [装備]いろはのソウルジェム(穢れ:なし) [道具] [所持金]おこづかい程度(数万) [思考・状況] 基本行動方針:聖杯戦争の調査。戦いは避ける。 0.アヴェンジャー(ディエゴ)たちを追いかける。 1.沙々のソウルジェムを取り戻す。 2.時間泥棒を探す……? まだ早計に決めたくない。 3.マジェントさんと協力する。たぶん、悪い人じゃないよね? 4.バーサーカー(ヴァニラ・アイス)さんには要注意。 [備考] ※『魔女』の正体を知りました ※セイヴァー(DIO)のステータスを把握しました。 ※暁美ほむらが魔法少女だと知りました。 ※アサシン(マジェント)、アヴェンジャー(ディエゴ)のステータスを把握しました。 ※少女(ほたる)がアヴェンジャー(ディエゴ)のマスターだと勘違いしています。 【アサシン(マジェント・マジェント)@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]魔力消費(大)、肉体ダメージ(中~大)いろはへの好意 [装備] [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:聖杯狙い。ディエゴの殺害優先? 0.優しくしてくれるからいろはについていく。スキになってきたぜ。 1.もうDioとは関わりたくないから、いろはと仲良くしてDioに間接的な嫌がらせをする。 [備考] ※Dioに似たマスター(ディオ)とそのサーヴァント(レミリア)を把握しました。 ※バーサーカー(シュガー)の砂糖により錯乱状態ですが、時間経過で落ち着きます。 →錯乱状態は落ち着いてきてますが、場合によっては再び悪化するかもしれません。 ※ほたるがマスターである事を把握しました。 ※沙々の肉体に魔力(生気)がないのを感じました。
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出産する前には是非覚えておきたいことがあります。 それは、出産するよりも子育てのほうが大変ということです。 子供を産めるのか誰もが不安を抱えていると思いますが、意外と産むよりも育てるほうが大変だったりするのです。 子供は産んでしまえば終わりではなく、その後が大変だと思っておくと、スムーズに出産を終えられると思います。 しかし、初めてのかただといきんでも直ぐに赤ちゃんが出てこないこともあります。 分娩室にはいって数十分で生まれてくる事はすくないので、時間がかかると思っておいたほうが良いでしょう。 中には数時間ほどかかることも。 それでも、一生懸命陣痛とあわせていきんでいるため、思い返してみるとあっという間に終わったと感じる人も多いようですね。