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※ これは投下時に安価を取り紹介するウィッチを指定してもらって書いた即興作です 俺「どうも! またこんな深夜に失礼するよ! 呼ばれなくても勝手に現れる『そっきょうのウィッチ』のコーナーだ! 今回もコーナーをお送りするのは、かわいい女の子を、かわいいウィッチを愛でるのは男の義務だよね? の俺と!」 伯爵「たとえコーナーの間が伸びようとも、ウィッチへの愛を忘れることは一切ないよ。ヴァルトルート・クルピンスキーさ」 俺「よぅし、また来たなこのコーナー」 伯爵「以前はひぃひぃ言ってたくせに、またやるって言うなんて、作者はどうやらドMなのかな?」 俺「どうだろうな。でも、そのおかげで俺たちに出番があるならいいことだ」 伯爵「ふふっ、そうだね。ボクのファンも増えて、かわいこちゃんが一杯になると思えば悪くないね」 俺「こうして、ウィッチに対する愛をぶちまけることができるのは、とても素晴らしいことだと思はないか?」 伯爵「そうだね、平和だよね」 俺「つまり、ウィッチこそ人類を恒久の平和へ導く可能性を秘めているんだ!」 伯爵「って言うことは、ウィッチを紹介しようとする私たちは世界平和への先導者なんだね!」 俺「ああ、そういうことだ!」 伯爵「なら、もっと紹介しなくちゃ。というより、語らせてよ!」 俺「もちろん、語らせてやるよ! さあ、今日紹介するウィッチは、人一倍の頑張り屋さん、だけどドジっ子! ほんわかした雰囲気がたまらない、スオムスのひばりこと、エルマ・レイヴォネン中尉だああああああ!!」 伯爵「おっと、いらん子中隊からは初の登場だね!」 俺「そうだな、ついに登場か、って感じもするけどな」 伯爵「ふふ。でも、もちろんボクはエルマちゃんのことだって知ってるからね、問題ないさ」 俺「伯爵さあ、エルマさんのことちゃん付けにしてるけど、あの人伯爵より年上だぜ?」 伯爵「1939年時に15歳だから確かに年上だね……でも、それが? ボクは綾香ちゃんにだってちゃん付けだよ?」 俺「ああ、言われてみればそうか……」 伯爵「それに! 年上なのにあのぎゅっと守ってあげたい感じが最高じゃないか!! ちゃん付けしなくちゃ失礼だよ逆にね!」 俺「そいつには同意しよう。だが、敢えてさん付で呼ぶのも乙なものだと思わないか?」 伯爵「うーん、確かにそのギャップも捨てがたいね……」 俺「なら、俺がさん付けで伯爵がちゃん付けで行けばバランスがいいよな?」 伯爵「なるほど! やっぱりボクらは名コンビだよね!!」 俺「はっはっは、当たり前だろ!?」 伯爵「よっし、じゃあもっと具体的に語っていこうか!」 俺「まずは恒例……っぽくなってる簡単なまとめからいこう」 伯爵「誕生日は6月4日だね。なんとお誕生日SSが二本も作られたりと、隠れた人気をもってるねぇ」 俺「まあぶっちゃけて言えば、いらん子のあの濃いメンツの中にいる清涼剤って感じだからな」 伯爵「うんうん、あわあわとあの中隊メンバーの間で困ってる系だもんね」 俺「髪の色は白に近い金色、まあ知らない人はエイラのイメージでもいいかもしれない」 伯爵「そういえば彼女、エイラちゃんの上司なんだよね?」 俺「ん? ああ、そうだな。エイラ曰くのエルマ先輩だな」 伯爵「いたずら好きなエイラちゃんだからねー、きっと彼女にもいろいろといたずらをしかけてそうだよ」 俺「はっきり言えば、かっこうの餌食だもんなー」 伯爵「妙に生真面目だけど、天然でドジっ子。苦労性で気が弱い」 俺「いたずらの対象にならないわけがないな」 伯爵「ボクもいたずらしちゃいたいなぁ」 俺「ばれても、ぷんぷんとかわいらしく怒るだけで許してくれそうだしな」 伯爵「ちょこちょこあわあわと走り回る姿とか見てみたいなぁ」 俺「でも、実は意外な事実を知ってるか?」 伯爵「なんだい?」 俺「線の細さと、その気の弱さ、あとは幸薄そうな外見から、小柄なイメージがあるけど、実は身長162cmもあるんだ。エイラの160よりも大きい」 伯爵「ええっ!? そりゃまたびっくりだよ!」 俺「2cmの身長差だけど、後輩より大きいのがうれしくて、さらにお姉さんぶるエルマさんとかどうよ?」 伯爵「だけど、すぐに転んで……」 俺「エイラに助けられる!」 俺&伯爵「なんと素晴らしき王道のドジっ子!!」 俺「いいなぁ。しかも、こういう子はみんなのことを心配するもんなんだよな」 伯爵「確かに、空回りはよくしてるかもしれないけど、仲間や祖国を守りたいって思いはすっごく強いもんね」 俺「ああ、失敗も多いけど、いつもエルマさんは前向きだ。ただ、見ているこっちとしては自分の身をまずは大事にしてほしいものだ」 伯爵「そんな、危なっかしさがまた、彼女の魅力なのかもしれないねぇ」 俺「背中からそっと抱きしめてあげたい」 伯爵「それで、そのままベッドまで抱いて行って慰めてあげたいね」 俺「いや、多分顔真っ赤にして『わ、私は智子中尉とは違います!』とか叫ぶだろうがな」 伯爵「ふふ、もちろん智子ちゃんと違うことくらい知ってるさ。別にレズビアンになれってわけじゃないんだから」 俺「……えっ?」 伯爵「ねえ、俺。かわいい女の子をかわいいって言うのは悪いこと?」 俺「いや、そりゃ悪くはないが……」 伯爵「なら、かわいい女の子をかわいがるのもおかしくないよね?」 俺「まぁ……おかしくは、ないな」 伯爵「三段論法的に言えば ①かわいい女の子はかわいがるべきである ②エルマちゃんはかわいい女の子 ③よってエルマちゃんはかわいがるべき ってなるよね?」 俺「お、おう……?」 伯爵「だったら、そんなレズだとか関係なく、ボクの愛が炸裂してるだけだよね!? 不純どころか純粋だよ!!」 俺「あれ? なんかおかしい気がするけど、正しいような……不純も100%なら純粋だっけ?」 伯爵「ふふっ。いいんだよ、これで」 俺「うーん、まあ……いいか」 伯爵「あとそう、ボクは深く感動してることがあるんだ」 俺「なんだ?」 伯爵「エルマちゃんの名台詞と言えば『みんながんばろうね!』だよね?」 俺「そうだな。きっと、胸の前でぎゅっと手を握って言ってくれるんだろう。最高だ。だけど、深く感動してるってのは?」 伯爵「似たような言葉に『みんながんばってね』みたいなのも作れるけど、これじゃあ全然意味が違うんだ?」 俺「ほう、そりゃいったいなぜ?」 伯爵「『みんながんばろうね』って言うのは『私もがんばるよ。だけど、みんなも一緒にがんばろう』ってことなんだよ」 俺「ふんふん、それで?」 伯爵「前にも言ったけど、仲間をとってもエルマちゃんは大事にするんだ。だからこそこの言葉が似合うし、感動するんだ」 俺「なるほど……仲間全員で、ってことか」 伯爵「彼女は、自分がなんでもできるスーパーウーマンじゃないってことは理解してる。だからこそ、がんばるし、みんな一体になって全員一緒に生きて戦場から帰りたいと願っているんだと、ボクは思う。 いかにもなところからじゃなく、こんなところから彼女の優しさにい触れるのも、また乙じゃないかい?」 俺「ちょっとした言葉からもにじみ出る優しさか……やばいなぁ、やっぱ抱きしめたいぜエルマさん」 伯爵「キュッと……じゃないや、ぎゅっとしてあげたいウィッチランキングだったら絶対上位に入るだろうしね」 俺「しっかし性格は素晴らしいよなぁ、エルマさん。きっと付き合ったら、いろいろ尽くしてくれそうだし、それでいてドジっ子な分、こっちがフォローしてあげなくちゃいけないだろうあたりとか、完璧に男心をくすぐる」 伯爵「ちょっと失敗が込んで、こっちのフォローが多くなったりしたら、しゅんと肩を落として落ち込んだりしそう」 俺「そんな時には、優しくあのおでこにキスを一つ落として慰めてあげたいものだ」 伯爵「そういえば、エルマちゃんのチャームポイントにはおでこがあったね」 俺「ああ、広いおでこだ。前髪を上げてるわけでもないおでこキャラはそんないないかもな」 伯爵「口さがないやからの中には、エルマちゃんはすぐ禿るとかとんでもないこと言うやつがいるけど、悲しいことだね」 俺「ああ、あのおでこの魅力がわからないなんてそいつはサーモンの出ない寿司屋に行くようなものだ」 伯爵「変な例えはいらないからね?」 俺「すまん。だけどよー、あのおでこはいいよなー」 伯爵「いつも一生懸命なエルマちゃんだからこそのよさがあるよね」 俺「ああ、せっせと働いていて、一息ついたエルマさん。その時おでこには少しの光る汗が」 伯爵「健気に頑張ってるがゆえの汗が映えるよねぇ」 俺「タオルでからかうみたいに、おでこをぺしん、と叩いたりして汗をぬぐってあげつつ、一休みさせてあげたいなー」 伯爵「『もー、なにするんですか!』とか言いながら、笑顔でタオルは受け取ってくれるわけだ」 俺「かわいいなぁ……ますます年上には見えないぜ」 伯爵「スオムスって、なんというかエイラちゃん、ラウラちゃん、ハッセ君、二パ君みたいに放っておいても大丈夫っていう感じのたくましいウィッチが多い気がするんだよね。だけど」 俺「その中に燦然と輝くエルマさん! それでいて最年長!」 伯爵「あー、だめだこれはたまらないなぁ」 俺「ルチアナの時とかにも言ったけど、お嫁さんにしたいです。あのほんわりとした雰囲気がいい。柔らかいあの笑顔で『おかえりなさい』とか言われたら、それだけで昇天できる」 伯爵「わかるよ。ボクもお嫁さんに欲しい。というより、一家に一人のエルマちゃんが実現されて欲しいくらいに欲しい」 俺「夜遅くまで頑張ってそうだ。そしたら、温かいココアでもそっと差し入れてあげたいぜ」 伯爵「コーヒーとかじゃなくて、ココアってところがまたいいね」 俺「そしたらきっと、ちょっとすまなそうに、だけど嬉しそうに笑ってお礼を言ってくれるんだろうさ」 伯爵「和むなぁ……」 俺「ほんとほんと、エルマさんは俺たちを和ませてくれるよ」 伯爵「ずっと前で、いらんこ中隊一番の清涼剤とか言ってたけど、あれ撤回しない?」 俺「そうだな……ストライクウィッチーズ世界でも随一の癒し系、と言っておこう!」 伯爵「そういえばさ、エルマちゃんのスオムスでのコールサインって『ひばり』なんだよね?」 俺「ああ、あの小柄な鳥はなかなかエルマさんにぴったりだと思うぜ俺は」 伯爵「ひばりの囀りってとっても綺麗でかわいらしいよね」 俺「ああ、扶桑でも季節には聞けるぞ。穏やかな声だ」 伯爵「でもボクは野生のひばりより、スオムスのひばりちゃんの夜の囀りを聞いてみたいなぁ」 俺「おい、またエロ落ちかよ!」 伯爵「ふふっ……失礼だなぁ、ボクのは愛だよ。下心の恋とは違って真心さ」 俺「しかもネタ古っ!!」 ページ先頭へ
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【作品名】スーパーマリオギャラクシー 【ジャンル】ゲーム 大王星:クッパ曰く新たに宇宙の核となる存在。 作中で太陽と明言されているわけではないが、熱を発し周囲に惑星を持ち、 銀河の中心に存在してて動かないことから少なくとも恒星であることは間違いない(というか見た目がどう見ても太陽)。 実際、この星が爆発すると超新星爆発らしき現象が起きたのでこの星の大きさは恒星以上とする。 【名前】ロゼッタ&チコwithほうき星の天文台 【属性】天文台の主&星の子供with星船 【大きさ】4376232km 【長所】※マリオシリーズのテンプレです 【短所】重量級 【備考】大王星と比較したクッパの大きさからさらに比較してたマリオから比較して算出 参戦 vol.1
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きんいろのかみにあおいおめめ。ほうたいでぐるぐるまきだけどおにんぎょうさんみたいにとってもかわいいかお。 手をつないてくれているアニカおねえちゃんはまるでえほんからとびだした「ふしぎのくにのアリス」みたい。 あこがれていたアリスみたいなおんなのこといっしょのおさんぽはうれしいはずなのに、とってもさびしい。 『リンちゃんはもうだれにもしばられるひつようはない、なににこびるひつようもない、あなたはじゆうよ』 そういってだきしめてくれたチャコおねえちゃん。アニカおねえちゃんとおなじきんいろのかみのきれいなおんなのひと。 チャコおねえちゃんのことをかんがえるとドキドキするのに、アニカおねえちゃんにはそんなきもちにならない。 おなじきんいろのかみなのになんで?っておもってあるいていると、むこうがわからでてきたのは、 「やあ、またあえたね。リンちゃん」 うそつきの、ウノおじさん。 ◆ 「リン、Have a closer look……えいっ」 掛け声と共にハンチング帽が宙に浮き、階段を降りるかのような緩慢な動きでリンの目の前まで移動する。 宙に浮いた帽子はぴょんと飛び跳ね、くるくる回り、ぴょこぴょことステップを踏む。 「ほわぁ、なにこれぇ……」 帽子が踊るという魔法のような不思議な光景。それを前に幼い少女は感嘆の息を漏らす。 しばらく踊り続けると、帽子は動きを止める。そして大きく飛び跳ね、リンの頭に着地する。 驚いて目を丸くしている彼女の頭から帽子を取り、得意げな笑顔を見せるリンと数年ほど年の離れた金髪の少女、天宝寺アニカ。 「どう?これが私のPSI『テレキネシス』よ。どう?すごいでしょ?」 数分前、蹄の音を背後にアニカはリンの歩幅に合わせながらはすみ達の待つ袴田邸へと足を進めていた。 その最中でリンに異能やこれまでの経緯について質問を投げかけていたが、彼女の返答は歯切れの悪いものばかり。 何故かと問い詰めるべくリンの方を向く。彼女は今にも泣きだしそうな怯えた表情を浮かべていた。そこでようやく己の失態を悟った。 現在の同行者は自分より年下の、それも小学校低学年と思わしき幼女。彼女から見ればアニカも十分大人である。 そんな大人に強めの口調で責め立てられたら子供はどう思うか。そんなの怖いに決まっている。 大人としての振る舞いを求められ、同い年の子供達には距離を取られつつあるアニカにとってそれは何よりも辛い。 リンから情報をスムーズに得るため、「怖いお姉ちゃん」というイメージを払拭するためにアニカは彼女に異能によるパフォーマンスを見せることにした。 そして、その目論見は―――。 「すごいすごーーい!もういっかい!もういっかいやって、アニカおねえちゃん!」 大成功。たちまちリンの表情は明るくなり、ぴょんぴょんと飛び跳ねてもう一度と帽子のダンスをせがむ。 「OK、いいわよ。それじゃあ、It's show time!」 愛らしい少女のアンコールに答え、アニカは再び異能を使用し、先程よりも激しく華やかにハンチング帽のダンスを披露する。 演目を終え、リンの表情を伺う。自分に向けられた笑顔は純粋に楽しんてくれたという満点の笑顔。 暗雲が立ち込めつつあったリンとの関係が晴れ渡り、アニカは安堵に胸を撫で下ろした。 屈みこんでリンと視線を合わせる。今度は怖がらせないように優しい言葉で、柔らかな笑顔を見せて問いかける。 「リン、私がMagicを使えるようになったみたいに貴女も特別なMagicが使えるようになっている筈よ」 言葉を選びつつ、リンの異能を聞き出そうとするとリンは再び大きく目を開いた。 「マジック?さっきのっててじななの?リンはてじななんてできないよ」 「ええと、これは手品じゃなくて異能……じゃ分かりにくいか。魔法、魔法よ」 「まほう!?リンもアニカおねえちゃんみたいなまほうつかいになりたい!」 「そこからか……」 リンの今までの挙動から推測すると、彼女はそこかしこにゾンビが闊歩しているという異常事態を正確に把握していないようにも思えた。 同行者であった虎尾茶子が現実を認識させないために動いていたとも考えたが、それはすぐさま却下された。 彼女をよく知る存在――自分のパートナーである八柳哉太曰く虎尾茶子は面倒見の良い自立した大人であることを聞かされている。 言葉通りであるのならば子供であろうとも、否子供であるからこそ現実を認識させるために行動すると考えられる。 現に茶子は肩に重傷を負っている。負傷した現場を間近で見たのであれば、自分を含めた知らない人間には強い警戒心を持つ筈だ。 だが、リンは大人たちの言う「いい子」のまま、このVHで生き延びていた。それも異能という自然の摂理に反した力の存在を理解せずに。 クールダウンした今だからこそリンの様子が「正常」であることに違和感を感じることができる。 ショッキングな出来事に遭遇したため、現実逃避をしているとも考えたが、アニカが見る限り、その様子は見当たらない。 リンの境遇、VH発生後からの経緯など数多の疑問が浮かぶ。それを解消するためには状況証拠だけでは足りず。 リンの口から語られる彼女が認識している現実という証言が必要だ。だがその前に―――。 「リン、怖がらせてしまうかもしれないけど落ち着いて聞いてね。今山折村では―――」 自分たちの置かれている状況を怖がらせないように、それでいて危機感を持ってもらうために言葉を選んで説明をした。 途中、リンは顔を強張らせたが、それでも最後まで「いい子」のまま話を最後まで聞いてくれた。 「―――これが私達が置かれているSituationよ。Sorry、怖がらせてしまったわね」 「………じゃあ、チャコおねえちゃんは、リンたちはこわい人たちにたべられちゃうの?」 「No problem。心配しなくていいわ。リンにも、おそらくMs.チャコにも私のようなSpecial PowerをGetしていると思うわ。 Special Powerを使えるようになれば怖い人達からきっと身を守れるはずよ。使い方を教えるから私の話をしっかりと聞くてね」 ◆ 曰く顕現した異能は突然生えた第三の腕。呼吸と同様に無意識で発動するのもあれば最低限の己の意思決定がなければ発動しないものもある。 天宝寺アニカの異能は後者。己の意志決定により神経回路への働きかけというプロセスが最低限必要となる。 リンはどうか。情欲の沼で淀んだ栄養素を吸い上げ、「愛される」動きを自然体で行える幼き姫君にとって顕現した異能はどちらのタイプに分類されるのか。 その異能に気づき、意識的に使えるようになった彼女の選択は―――。 ◆ 「――――ッ!」 瞬間、アニカの思考と意志を塗りつぶして脳に直接働きかける衝動。目の前で小首を傾げる華奢な少女に感じる強い庇護欲。 自分の命を投げ打ってでもこのか弱い少女を守らなければ。VH解決なぞ無視して、最悪殺人を犯して――――。 「―――はぁッ……!」 探偵としてのプライド。自分にとっての絶対禁忌。それらが異能による思考の浸食を押し留め、「天宝寺アニカ」としての己を取り戻させた。 異能のロジックを理解し、自分の意思を取り戻せれば解除は容易い。何度も己の中で自問自答を繰り返し、庇護の鎖から脱出する。 胸を抑えて荒く呼吸をするアニカの前には心配そうに表情を伺う赤い服の少女、リン。 「ご、ごめんなさい、アニカおねえちゃん!」 「No……problem。ちょっと眩暈がしただけだから心配しないで」 困惑し、駆け寄ろうとするリンの前に片手を突き出して「大丈夫」というサインを出す。一通り呼吸を整えるとアニカはリンに向き合う。 「リン、貴女のPSIは使った人に対して強い愛情を抱かせるPSIだと思うわ」 「リンのことをすきになってくれる……?」 「Yeah。でも気を付けてね。リンのPSIは使い方を間違えると貴女の大切な人を傷つけてしまうものになるから……」 「……うん」 思い当たる節があるのだろうか。アニカの忠告を聞いたリンは元気をなくし、俯いてしまった。 ともかく、これでリンは今の状況が異常であることも、自分の異能についても彼女なりに飲み込めたと思う。 落ち込んでいるリンの手を取り、袴田邸へと足を向ける。しかし、そこでアニカの脳に一つの疑問が浮かぶ。 (リンのPSIがBrainwashingの類だとすると、どうしてあの時、Ms.チャコはあっさりと手を離したのかしら?) あの時の虎尾茶子の様子は焦燥はしていても、異能による影響は受けていないように思えた。 むしろ茶子の手を引いていたリンの方が茶子に依存しているかのようだった。違和感を解消すべく、脳内で映像と音声を巻き戻して再生する。 手を離した時の茶子の安堵の表情。茶子の手を離した時のリンの声色。手をつないでいた時のリンの表現しがたい笑顔。 再生、巻き戻し、ズーム再生、巻き戻し、スロー再生、巻き戻し……。 ほんの僅か、違和感の正体に指を掠めたその時。 「……どうしたの?リン」 目の前の何かから逃れるようにアニカの背後にリンが隠れた。彼女の怯えた様子から危機感を感じた探偵少女は視線を前方に向ける。 「やあ、また会えたね。リンちゃん」 農作業着を着た小太りの男が人の良さそうな笑顔を浮かべて歩いてきた。 ◆ 「リンさま、しょうとうのおじかんですのでベッドにおはいりください」 「はーい」 きょうのねるまえのおべんきょうはいつもごはんをくれるおねえさん。 おまたをふいたあとにパジャマにきがえて、ちょうきょうしのおじさんにするみたいにありがとうのあいさつをする。 「リンをきもちよくしてくれてありがとうございます!」 「はい、リンさま。どうかよいゆめを」 おねえさんはでんきをけして、しろいいたにまほうのカードをかざしてドアをあける。 きもちいいことをしてくれるのはいいけれど、いつもぶーってしているからリンはきらい。 リンをばっちいものをみるめでいつもみてくるからおねえさんのめはだいっきらい。 だから、おねえさんにいたずらしちゃった。 きづかれないようにちかづいてスカートのポケットからまほうのカードをぬきとった。 とってもつかれているみたいだったから、カードをとられたことにおねえさんはきづいていなかった。 リンはもう7さい。あかずきんちゃんやふしぎのくにのアリスだってリンとおんなじとしでぼうけんしている。 いままでずっといい子にしていたから、いちどくらいならいいよね、パパ。 ◆ 「そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ。ほら、子供だけだと今は危ないから一緒に行きましょう、リンちゃん、それと―――」 「天宝寺アニカよ。こんな状況だからこそAdult maleには警戒しているの」 「ああ、君があのアニカちゃんか。僕は宇野和義。山折村で農家をやっているしがない男です。 山折村には観光に来たのかな?安全な場所を知っているから僕と一緒に来て―――」 「No,I'm good。今私達は安全が保障されている場所に行くところなのよ、Mr.ウノ」 にこやかな笑みを湛えて歩み寄る宇野。それに対して一歩後退りながらアニカは対応する。 衣服の裾を掴んで彼から逃れようとするリンの様子からみるに、彼女にとって宇野は強い警戒心を持っているらしい。 改めてアニカは宇野の挙動や視線の動き、声色を確認する。 こちらを安心させるためであろう声色や柔らかな笑みは一見するとこちらを純粋に心配するものと考えてもいいほど穏やかで優しい口調だ。 顎にはガーゼで簡易的な処置が施された裂傷。布に沁みた血の跡から察するに傷を負ってからそこまで時間が立っていないようにも思える。 「農作業中についた」と言い訳が立ちそうな傷だが、下から一直線の傷から見るにその線は薄く、誰かとの諍いがあり、その最中でつけられた傷だと推察できる。 そして自分の背後に隠れているリンに向けられる視線。ねっとりと身体を舐めまわすような不快な視線。 自分が幾度となく晒されてきた視線が、自分より幼い少女に向けられていた。 日常生活であるのならば邪な心を持つ人間は存在しても実行する前に最低限の理性が働き、妄想だけに留めるであろう性癖。 しかし、現在はVHの真っ只中。どうせ長生きできないのならと凶行に及ぶ人間がいてもおかしくはない。 僅かな時間で行った宇野和義の簡易的なプロファイリング。それを以ってアニカは彼を危険人物であると判断した。 「安全とは言ってもねぇ……今の状況じゃ道中で危険人物と鉢合わせするかもしれませんよ。ですからここは男手が必要じゃないんですか?」 「だから土地勘のある貴方が道を案内するってことね。Don't worry。ゾンビの対処法は知っているし、危険人物と鉢合わせても私の異能なら対処できるわ」 「うーん、そっかぁ……それじゃあ僕はどうすればいいのかなぁ……」 「不安なら一緒に私達の拠点まで行きましょうか?」 その言葉に服を掴んでいる手が一層強く握りしめられる。「大丈夫よ」と宇野に聞こえぬような小さな声でリンに語り掛ける。 「それはちょっと厳しいですねぇ…。だって」 宇野の歩幅が大きくなり、アニカ達と距離が狭まっていく。 「それじゃあ」 宇野の右手が背後に回される。 「リンちゃんと」 宇野がアニカ達の数歩前で止まる。 アニカは異能を使用し、背中のショルダーバッグのファスナーを開ける。 「二人っきりに」 宇野の手には手には草刈り鎌。 ショルダーバックから催涙スプレーが転がり、宇野とアニカの間で静止する。 「なれないじゃないですかぁあああああああ!!」 頭上に振り上げられる刃。そのまま振り下ろされれば頭はざっくりと割られ、血の雨を降らせるだろう。 しかし、その惨劇は起こることはない。鎌を振り上げられたと同時に催涙スプレーが彼の眼前まで浮遊。そして勢いよくOCガスが噴射された。 「ぎ……あああああああッ!」 鎌を落としてのたうち回る宇野を尻目に、アニカはリンを背負う。 「アニカおねえちゃん!どうするの!?」 「あのDangerous personから逃げるのよ!」 アニカが向かう先は仲間達の待つ袴田邸ではなく、現在場所と目と鼻の先にある高級住宅街。 無理をして袴田邸へと向かい、ひなた達と協力して対処することも考えたが、男の危険性を考えて却下した。 距離的にも自分が追い付かれる可能性が高い上に、あそこには非戦闘要員が多数存在する。 特に男性恐怖症を患っている恵子には気喪杉禿夫とは別ベクトルの危険人物とは会わせたくない。 故に結論は一つ。自分が宇野和義を最低限の安全が保障された場所で再起不能にしたうえで、リンを連れて袴田邸へと帰還する。 勝算については現在の所持品や「テレキネシス」という己の異能から判断すると、宇野の無力化は可能だと考えた。 瓦礫を避けつつ高級住宅街へと数時間ぶりに足を踏み入れる。 アニカの運動神経は同学年の女子の中では上位に位置するものであるが、疲労とリンを背負いながらの疾走によりスタミナが尽きかけている。 対する狩人の宇野は現役農家。体力や足の速さは小学生女児とは比べるべくもない。 いくら催涙スプレーがクリティカルヒットしたとはいえ、調子が戻ればすぐにアニカ達に追いつく筈だ。 住宅地へ入った直後、己の足に代わる移動手段を探すべく辺りを見渡す。 「―――あった!」 とある一軒家の前に落ちている車輪付きの運動用具。 「アニカおねえちゃん、こののりものはなに?」 「スケートボード!現役小学生探偵のSuper Itemよ!」 足でボードを蹴り起こし、リンを背負ったままボードへと足をかけた。片足である程度の加速をつけた後にボードの上に乗り、疾駆する。 途中、瓦礫やコンクリートの亀裂でバランスを崩しそうになるが、持ち前のバランス感覚や異能によるボードの軌道修正により何とか乗り越えた。 高級住宅街の奥へ、奥へと潜り、宇野和義への対処が可能な家を探す。それなりに大きな家を見つけるとパワースライドでボードを静止させた。 「有磯」と表札が掛かっている家のガレージには軽トラック、庭にはシャベルや噴霧機を始めとした農作業具が置かれている。 宇野の武装になりそうなものが多かったが、追いつかれる可能性を考えると贅沢を言っていられる余裕はない。。 ガレージの横にスケートボードを立てかけて、リンを降ろす。心配そうにこちらを見上げるリンを安心させるために笑顔を見せる。 玄関の引き戸を開けようとすると案の定、鍵が掛かっていた。 武力担当の八柳哉太がいれば非常事態ということでドアを蹴り飛ばして住居へと入ることができたが、今この場にいるのは非力な子供二人。 数時間前にスクーターや乗用車のキーなしで動作させたときと同じように、異能を使用して開錠する。 「ここにかくれるの!?」 「No、ここでAmbushするのよ!」 ◆ おひるごはんをたべているとき、きのうのおねえさんがまっさおになってリンのおへやにはいってきていた。 あかいカーペットをひっくりかえしたり、ベッドのしたをみていたりでおおあわて。 リンのゆすって「カードキーをしりませんか!?」っていってきたけど、しらないっていったらかえるさんみたいなへんなこえをだしてでていった。 とってもいいきみ。リンをばかにするからだ。パパにおうちをおいだされちゃえ。 ピー。ちょうきょうしのおじさんにおやすみなさいをいったあと。つみあげたえほんのうえにのってまほうのカードでドアをあける。 リンがおへやをでるときはいつもパパかちょうきょうしのおじさんといっしょ。きょうはリンひとり。さあ、だいぼうけんにしゅっぱつだ♪ ドアがひらくとでんとうでめがちかちか。リンはとってもわくわく。リンのおうちはどうなっているのかな? おとをたてないようにぬきあしさしあししのびあし。あかいふくをきているからリンはあかずきんちゃん♪ おおかみさんにみつかったらこわいおしおきがまっている。みつからないようにたんけんだ! リンのおへやのとなりにはたくさんのおへや。ドアノブはみつからない。 まほうのカードであけようとしてもリンはちっちゃいからしろいいたにとどかない。あきらめてうえのかいをぼうけんしよっと。 とことこ、とことこ。かいだんをのぼると、まどにはおほしさま。おじさんといっしょのおさんぽでみつけたいちばんぼし。 リンがわるいことをしてるってわかるけど、そんなのわすれちゃうくらいきれいなおほしさま。 おほしさまにみとれながらろうかをあるいていると、「んーー!んーー!」ってへんなこえ。 リンのすぐとなりのおへやからきこえてくる。ちょこっとだけドアがひらいている。こっそりすきまをのぞきこんでみる。 そこにはリンがきらいなおねえさん。すっぽんぽんで×(ばってん)にはりつけにされている。 おくちにはリンのおべんきょうによくつかわれているボールギャグ。スポットライトにてらされていて、おねえさんのまわりにはカメラがたくさん。 リンがびっくりしていると、おへやのおくからおとこのひとがいっぱいでてきた。 おとこのひとはスーツのこわいかおのひと、あたまピカピカのひと、おなかでっぷりのおじさん。なかにはちょうきょうしのおじさんもいた。 おねえさんはくびをふってないていた。おとこのひとたちはたのしそうにわらっている。 きらいなはずなのに、おねえさんがかわいそう。おねえさんのまわりにいるおとこのひとたちがこわい。 おとこのひとたちがなにかはなしている。むずかしいことばばっかりでわからない。 ちょっとするとおしゃべりがおわる。それといっしょにおとこのひとたちのなかからひとり、おねえさんのまえにたつ。 おねえさんがなきやんでかおいろがすごくわるくなる。 ――――パパ?なんでパパがいるの?なんでわらっているの?なんでナイフをもっているの? ◆ 「なん……なのよ……これ……!?」 転倒した家財道具や商品として出荷予定であった野菜や果物が散乱しているフローリングの床。 テーブルの上に置かれた包装された顆粒剤、乾燥茶葉、牛乳瓶に詰められスムージードリンク。それらを前に探偵少女は頭を抱えた。 ゾンビや危険人物がいないかなどの最低限の安全確認を行った後、アニカはリンの手を引いて有磯邸へと侵入した。 そこで宇野を安全かつ確実に行動不能へとするための手段を構築すべくリンと手分けして道具を集めることになった。 距離が取れたとはいえ、地面には靴やローラーの跡が残っており、宇野が自転車などの移動手段を手に入れることを考えると時間はない。 そのことを頭に入れながら有磯邸一階の探索を行っていた矢先に見つけたのが3つのアイテム。 顆粒剤は阿片。乾燥茶葉はマリファナ。毒々しい色彩のスムージーは前述の2つを含む多くのの違法薬物がブレンドされたもの。 「ラリラリドリンク」とラベルが貼られたそれは薬物事件に関わってきたアニカの目から見ても異質。 「山折村にはヤクザがいる」と哉太から聞いてはいたもののここまで大っぴらに薬物の取引がされているとは思ってもいなかった。 (発注書によるとCustomerはMr.アサカゲ、Mr.コロシアイ……不吉な名前ね。それにアサノ雑貨店。村の小売店にも卸されているみたい) 彼らが山折村の住民かつ正常感染者になっていれば危険人物である可能性が高い。 そう考えつつプリントされた発注書の束をペラペラとめくり名前を頭にインプットしていく。 (残りは二人……いえ、二ヶ所ね。山折総合診療所近辺と、確かこの住所は山折村のNortheast……Public square裏手の森林地帯のはずだわ) 最後の二枚に記述されている発注先にどこか違和感を感じる。発注量は個人で使う分には多いと感じるが、販売目的でならば浅野雑貨店のようにおかしな部分は見当たらない。 発注先の住所も別段おかしな部分はない。だというのに、この気持ち悪さはなんだ そもそも「ラリラリドリンク」なる違法薬物の値段がおかしい。違法取引されている薬物の相場と比較して安価すぎる。 疑問がぐるぐる頭の中を駆け巡る。底なし沼の如く思考の深みへと沈んでいく。そして、 「――――ニカおねえちゃん、アニカおねえちゃん」 すぐ傍で聞こえる舌足らずな幼い声。ハッとして声の方へと視線を下げると服を引っ張り不安げな表情を浮かべた幼い同行者の姿。 「アニカおねえちゃん、だいじょうぶ?おかおいたくない?」 「……Sorry、リン。大丈夫よ。ボーッとしてたわ」 頭を撫でてリンを安心させる。そして改めて現状を確認する。 有磯邸にてアニカが集めたものは薬物商品を除くと使えそうなものは泡消火器に殺虫スプレー、バトニング用マチェット。 リンに持たせたエコバッグから二階から集めた物資を出すように促す。 「ごめんなさい、アニカおねえちゃん。つかえそうなもの、あんまりみつからなかった……」 申し訳なさそうに俯いたリンがエコバッグがひっくり返し、集めた物資が床に転がる。 ビニールロープ、農業雑誌、ファッション誌、化粧品の数々、家主のものと思われる女性ものの寝間着など。 リンの自己申告の通り、宇野の撃退にはあまり役に立たないと思われるアイテムが転がる。 「Shake it off。気にしなくていいわ。集めたものをうまく使ってDangerous personを撃退するのは私の仕事だから」 そう。今集めた物資を上手に使うのはアニカの仕事だ。己の異能は自分の近くに物が多ければ多いほど性能を十分に発揮できる異能。 宇野の異能が分からない以上、使用される前に戦闘不能にしなければならない。 二階の探索をリンに指示したのにも理由がある。探索途中に宇野が現れた場合、リンよりも先に自分に注意を向けさせるためだ。 「アニカおねえちゃん、リンにもできることある?」 上目遣いでアニカを見上げるリン。アニカが仕事をしているのに自分は何もしていないということに罪悪感を感じているのだろう。 彼女に異能を使用させて動きを封じるということが一瞬頭を過ぎったが即座に却下した。 護衛対象、それも危険人物のターゲットを危険に晒すなどできるはずもない。 かといって手持ち無沙汰にするのもリンが納得するようには思えない。そこでアニカはマチェットをリンに渡すことにした。 「Trapを作るとき、リンが見つけてくれたビニールロープを使おうと思うの。使う時になったら声をかけるからこれでロープをCutしてくれると助かるわ」 「……うん」 アニカの手助けというにはあまりにも小さな雑務。言外に何もするなといっているようなものだ。 リンは当然納得していないようだが、それ以上できることがないため、渋々といった感じで了承する。 「それじゃあ、早速Trap makingを――――」 じゃり、じゃり……と砂を踏む音が聞こえる。それが少しずつ、少しずつ有磯邸へと近づいてくる アニカの表情が強張る。リンがアニカの後ろへと隠れる。 二階の階段への距離はそう遠くない。だが自分達が階段を上りきるよりも招かれざる招待客と鉢合わせするの方が先であろう。 足音が止まる。一呼吸置いた後に、ガラリと戸が開く。 「逃げちゃア……ダメじゃないですかぁ……リンちゃん?」 ◆ からだがうごかない。 「―――――――。―――――――」 「――――――!――――――!」 おねえさんをとりかこんだおじさんたちがわーわーってはしゃいでる。パパはなにかいってるみたい。 パパがなにをいっているのかわからない。わかりたくない。きみつほじ?いはん?ばっそく?いみがわからないよ。 すなっふ?うらビデオ?ひょうほん?おじさんたちのことば。わからないわかりたくないしりたくないしらない。 からだがうごかない。 そうしてパパがナイフでおねえさんのおなかを あかあかあかあかあかあかあかあかあかあかあかあかひもあかあかあかあかおにくがこぼれあかあかあかあかあかあかあかあかあかあかあか ひめいひめいひめいひめいひめいおへやにもどらなきゃあかひめいあかあかあかあかあかあかわらいごえひめいひめいあかうであしあかあか あかひめいひめいからだがひめいあかひめいあかうごかないあしひめいひめいひめいひめいあかうでひめいあかあかあかあかあかあかひめい みみをふさいでもひめいひめいひめいひめいひめいひめいきこえてくるあかあかあかあかにげなきゃひめいひめいあかあかあかあかあかあか あかひめいひめいあかごめんなさいあかひめいひめいひめいひめいひめいあかひめいひめいゆるしてひめいひめいあかあかあかひめいひめい おねえさんのめが、リンをみた。ボールギャグでふさがれたくちで、リンにいった・ 「う そ つ き」 うごけるようになった。はやく、はやくおへやにもどらなきゃ。ぼうけんなんてしなきゃよかった。まほうのカードをとらなきゃよかった。 ドアをカードであけてベットにとびこむ。アリスのおにんぎょうとあかずきんちゃんのおにんぎょうをだきしめてめをつぶる。 『うそつき』『どろぼう』『おまえのせいだ』『なんでわたしがこんなめに』『おなかをさいてやる』『おなかにいしをつめてやる』 『くびをはねておしまい』『むちでたたいてやる』『おまえもまっかにしてやる』『おまえもばらばらにしてやる』『おしおきしてやる』 あたまのなかでおねえさんのこえがきこえる。パパたちのうれしそうなこえがなんどもきこえる。みみをふさいでもきこえてくるこえ。 なんども、なんども、なんども、なんども、なんども―――――――。 ◆ ミシリ、ミシリとフローリングを踏む音が一歩一歩と居間へと近づいてくる。同時に聞こえる男の荒い息遣い。 背後には男の獲物である幼い少女。彼女の小さな手がアニカの服をぎゅっと握り締める。 幾度となく対峙した凶悪犯罪者達と酷似したプレッシャー。獣の如き嗅覚にて潜伏先を補足した事実に探偵少女は焦りを感じた。 道具は万全とはいかずとも及第点。しかし宇野の異能が分からず、罠の設置もできていないため準備は不十分。 宇野と相対せずに罠によって意識を落とす算段であったが、その目論見は泡沫と化した。であるならば自身が少女を守護する罠になるほかはない。 「いぃ~ま、迎えにいきますかぁ~らねぇ~」 宇野の間延びした声が家内に響く。声の大きさや歩行速度から、居間までの時間は10秒もないだろう。 異能を使用して消火器を宙に浮かせ、ドアの方へと歩みと共に移動させる。足音はすでにドアの一メートル先まで近づいてきている。 宇野がドアを開けるより先にアニカは異能によりノブを回してドアを開けた。 「はァ~~~い、アニカちゃ~ん。リンちゃんはどこに―――」 言葉が終わるより先にホースを宇野の顔面へと向けて泡を噴射させる。 しかしそれは先刻の二番煎じ。予測は容易い買ったであろう、宇野は両腕で顔を覆い、泡で視界が封じられることを防いだ。 宇野とアニカの距離は二歩半ほど。右手には鉈。振り下ろしには宇野は一歩の踏み込みが必要であるが、投擲であれば不要。 しかし、アニカのすぐ後ろには宇野の愛すべきアリスドールたる天使、リンの姿。投擲が誤りリンを穿てば悔やんでも悔やみきれない。 一時撤退は愚策。かの有名な天宝寺アニカであれば更なる手段を用いて己の愛を阻むであろう。 自身の異能はどうか?アニカとリンが密着している上、異能の発動には数秒であるが時間が必要だ。その隙に対処されては困る。 既に檻は、確実に対象を束縛するために罠として設置してある。故に結論は一つ。踏み込んで反応する前に踏み込んで少女の頭蓋を叩き割る。 決断するや否や宇野は視界を防いだまま一歩足を踏み込んで――― 「うわぁぁッ!」 リンが二階で集めてきた化粧品の一つ、化粧水の瓶を踏んで宇野は前のめりに転んだ。 それでも鉈からは手を離さず、丁度アニカの頭上に来るように刃が振り下ろされる。 鉈が振り下ろされることは既に想定済み。消火器を頭上に移動させて脅威から身を守り、リンの手を引いて後ろへ数歩下がった。 ドスンと宇野の巨体がフローリング上へと倒れ込む。5秒も満たない時間で宇野は起き上がるであろう。 行動するための武器は既にある。探偵少女はバッグからスタンガンを取り出す。 痛みに呻きながら立ち上がろうとする宇野。この距離では自分の腕の長さでスタンガンを充てることは不可能。 しかし、アニカの異能である「テレキネシス」はこの時のために存在する。 「あガ……ガガガガガガガガガガガガッ!」 両手をついた状態の宇野の首に充てられる強力な電圧により白目を向いて痙攣する。身体に浴びせられた泡が通電を促進させる。 アニカのスタンガンはワンオフ品。市販のスタンガンとは頑強さも電圧の出力も比べるべくもない。 電流の流れる時間は数秒程度。しかし、宇野の意識を刈り取るのには十分な時間であった。 「……アニカおねえちゃん。もう、だいじょうぶなの?」 5分にも満たない宇野との対決。本当にこれで終わりなのか、というリンの不安が伝わる。 異能で手に持っていた鉈を遠くへ飛ばした後、アニカは残心をとる。 「……Yeah、Mr.ウノは意識を失っているわ。私達の勝ちよ、リン」 その言葉と共にアニカとリン、両者に安堵の息が零れる。時間、準備、手段。ありとあらゆるものが不足している中での綱渡りの戦闘。 映画のように自分が望んでいたスマートな決着とはいかずともリンという託された少女の護衛ができた。 ◆ 「……Mission complete。これでMr.ウノはもう動けないはずよ」 「ほんとうに、もうウノおじさんはリンたちをおいかけてこない?」 「……少なくとも私達が仲間に合流するまでの時間は稼げるはずよ」 アニカ達の目下には手と足をビニールテープで拘束されて転がっている危険人物、宇野和義。 ピクリとも動かないが呼吸が確認できていたため、死んではいないようだ。 「それじゃ、Dangerous personが目を覚ます前に家を出ましょう」 「はーい」 殺虫スプレーを始めとした宇野撃退のために回収した物資をバッグに詰め込んでいく。その最中、瓶詰のスムージーを前に手が止まる。 (ラレラレドリンク……こんなものが、平和そうな村で売られていただなんて……) 「どうしたの?」 「……なんでもないわ。行きましょう」 言葉と共にドリンクをバッグにしまい、リンの手を引いて部屋を後にする。村を闊歩するヤクザ。違法薬物の加工商品。その発注先。 過去、テロが起きた研究施設と同様の脳科学の研究を行っている未来人類発展研究所。極めつけは現在進行形で発生している災害。 闇が闇を招きよせ、ピタゴラスイッチのように連鎖反応を引き起こしている。 断言しよう。八柳哉太の故郷は―――山折村はおかしい。培ってきた経験が、探偵としての直感がそう告げる。 ともかく、事態収束のために自分ができることは情報収集と推理だ。一旦袴田邸へと戻り、聞き込み調査をしなければ。 そう考えつつ、玄関から一歩足を踏み出した瞬間。 「―――――――え?」 視界が闇に染まった。 ゆらゆらと宙に浮く感覚。異能が使用できず、音も触感もありとあらゆる感覚が黒く塗りつぶされている空間に漂う。 唯一動くのは己の頭脳。状況を理解し、打破するために頭を働かせて解を探し出す。 その答え合わせは数秒も経たないうちに訪れた。 「やあ、アニカちゃん」 天窓のように開いた暗闇に浮かぶ人の良さそうな中年男性の笑顔―――宇野の穏やかな笑み。 声を出そうと喉を絞り上げても出てくるのはヒューヒューとした掠れた呼吸音のみ。 その直後、アニカの身体に降り注ぐ火がついて煙を発する淡紅色の花。煙を吸い込んだ瞬間、アニカは咳き込む。喉が焼け、吐き気を催す。 理由を、花の名を悟り、アニカの心に絶望が広がる。 花の名は夾竹桃。「危険な愛」の意味を持つ山折村の象徴花である。 ◆ 天宝寺アニカは持ちうる限りの知識と経験を活かし、できうる限りの最善手を尽くしたのであろう。 しかし、蓄積された疲労や異常事態における幼さゆえの焦りが僅かに彼女の持つ判断力を鈍らせた。 故に、宇野和義がなぜ異能をしようとしなかったのかという違和感には目を向けることはなかった。 結果、宇野が短時間で意識を取り戻し、長袖シャツの中に隠し持っていたカッターナイフの刃を発見できず、脱出を許したのであった。 自分から天使を奪った罪は重い。すぐにでも檻の中に入り、アニカの根を止めるために異能により作られた檻へと入ろうとしたが――――。 「――――――ウノおじさん」 天使が、自分を見つめていた。脳に叩きつけられる感情。艶やかな黒髪にぷっくりとした頬。細く、柔らかな手足。 監禁し、愛してきた少女達には感じたことのない暖かな愛情。父性本能か、母性本能か、性欲かも分からぬ感情。 想いが全て目の前の天使に埋め尽くされる。一秒たりとも彼女から目を離したくない。 もう二度とこの娘を奪われぬためにも邪魔者は消してしまわなければならない。 庭に植えてあるのは山折村の象徴花、夾竹桃。殺害手段はすぐに生まれた。 「リンちゃん……もう大丈夫ですよ。邪魔者がいない場所で、二人で最期まで一緒にねェ……」 「さいごまで?」 庇護者を求める幼く愛らしい少女。手に何かを持っているがそんなことは気にならない。 抱きしめると感じる体温。鼻孔をくすぐるミルクの香り。その姿はさながら芸術品。一挙手一投足、全てが愛おしい。 木更津閻魔達と一緒にいた時とは比べ物にならない思いが胸を駆け巡る。これからこの天使を独占する。誰にも邪魔させるものか。 「はい、さいごまで」 「そっか。ウノおじさん、リンをあいしてくれる?」 「もちろん。僕は最後までリンちゃんと一緒にいます」 「リンをまもってくれる?」 「……リンちゃんはもう誰にも怖がる必要はないよ。誰にも媚びる必要もない。君は僕がずっと守ってあげる」 「そう……」 首に回される細腕。幼い吐息が、小さな口が新たな守護者の口元へと近づいていき―――。 ◆ 「う そ つ き」 刹那、吹き出す血しぶき。 ◆ とことこ、とことこ、もりをあるく。リンはあかずきんちゃん。びょうきのおばあさんにぶどうしゅとチーズをとどけなくちゃ。 いっぱいあるいていくともりをぬけて、きでできたおばあさんのおうちについた。 ドアをあけるとそこにはべっどにねそべったリンのきらいなおねえさん。 おばあさんはどこ?おねえさんにきく。するとおねえさんはすごくこわいかおになった。 『おまえのせいだ』 おねえさんのおなかがぱっくりわれる。なにがなんだかわからない。 こわくなってにげようとしたけれど、ドアのまえにはナイフをもったりょうしさん―――パパがいた。 『おまえはうそつきだ』 こわいかおでパパがいった。パパとおねえさんにはさまれてにげられない。 ベッドのうえにおしたおされて、あかずきんとおようふくをぬがされた。 『うそつきにはおしおきだ』『うそつきおおかみのおなかにはいしをたくさんつめてやる』 じたばたしてもからだがうごかない。やだ……こないで……これからはずっといいこにするからゆるして……やだ……やだ……。 「いやあああああああああああああああああああ!!」 とびおきた。よかった、ゆめだ。きのうのこともきっとゆめ。わるいゆめなんだ。 リンのとなりにはあかずきんちゃんとアリスのおにんぎょう。そしてまくらのそばには―――。 「リン、どうしたんだい、そのカードは?」 びっくりしてとびあがる。びくびくしながらこえのほうをみるとだいすきなパパ。 パパのいうとおり、まくらのそばにはまほうのカード。 「きのうはねるまえにどこにいっていたんだい?しょうじきにいいなさい」 「あ、あのね、パパ。ききたいことがあるんだけど、いつもごはんをだしてくれるおねえさんは―――」 「わたしのしつもんがさきだ。しょうじきにいいなさい」 こわいふんいきでパパがきいてきた。いつものパパとはちがう。なんだがとってもこわい。 しょうじきにいったらどうなるんだろう。きのうおへやをぬけだしておねえさんを―――-。 「――――――ッ!」 ことばが、でない。きのうのはゆめ……じゃない……? 「しょうじきにいいなさい」 おねえさんのめがリンをにらみつける。おじさんたちのわらいごえがなんどもくりかえされる。 「しょうじきにいいなさい」 いつものやさしいパパじゃない。でもしょうじきにいったらどうなるの? 「しょうじきにいいなさい」 うそをついてもパパはとってもあたまがいいからリンのうそなんですぐバレちゃう。 「しょうじきにいいなさい」 だから、リンは「いい子」でいるためにこたえた。 「ごめんなさい、パパ。このカードはおへやにおちていたの。なんだろうってしろいたにくっつけたらドアがひらいちゃった」 「それで、どうしたんだい?」 「すごくびっくりして、おねんねしないでおへやからでたらパパにめってされるっておもったからこわくなっておねんねした」 パパはなにかをかんがえこんでいる。リンのこたえがまちがっていたらどうなるのかわからない。 もし、パパがリンを「わるい子」っていったら……きのうのおねえさんみたいに……。 「――――そうか、リンはいい子だ。しょうじきものでえらいぞ」 リンのこたえにパパはまんぞくしてとってもやさしくわらってくれた。いつものパパにもどってくれた。 「ああ、いつもリンにしょくじをはこんでくれるじょせいだね。かのじょはわるいことをしたからもうこのやしきにはいないよ」 やっぱりっていうきもち。パパにとっていい子じゃないと、リンは―――このおやしきのひとたちはパパにおしおきされる。 「リンがうまれるまえにもね、チャコっていうおんなのこがパパからにげだしたんだ」 「ずっといい子にしていたのににげてしまったからとてもざんねんだったよ」 「うそつきおおかみはわるいこだ。みつけたらパパのこわいおしおきがまっているからしょうじきものでいなさい」 パパはリンがいい子でいたらずっとやさしいパパでいてくれる。 しょうじきのなかのうそも、パパがうれしいってよろこんでくれるのならリンはうそをつく。 だからリンをずっとあいしてね、パパ。 ◆ パパはうそつきだ。いい子にしてたらやさしいパパのままでいてくれるっていったのにリンをたべようとした。 エンマおにいちゃんもうそつきだ。リンといっしょにいくっていったのに、リンをおいてっちゃった。 ウノおじさんもうそつきだ。エンマおにいちゃんとごうりゅうするっていったのに、リンにわるいことをしようとしてる。 だから―――――。 「うそつきおおかみさんのおなかには、いしをつめなきゃ」 くびをおさえているうそつきにぶつかってひっくりかえす。 「な……んで、どうし……て……ぼくは……リンちゃんを……あいして……まもって……」 リンのちからでリンがだいすきになったウノおじさん。チャコおねえちゃんのいうとおり、ウノおじさんはうそつきおおかみさんだ。 おなかにのっかってナイフをふりおろす。ぶたさんみたいななきごえがきこえる。うるさいなぁ。 えいってちからをこめておなかからおへそまでナイフをひっぱっていく。 ぶーぶーびーびー、とってもうるさい。リンのおようふくとおててがまっかっかになっちゃった。ばっちい。 あとはいしをつめなきゃ。でもいしがみつからないなぁ。しかたない、かわりのものでがまんしよう。 りょうてにちからをいれておなかをひらく。そしてまわりにあるものをうそつきおおかみさんのなかにつめこんでいく。 トマト、キャベツ、くつ、なす、きゅうり、スリッパ……わからないものも、いろんなものもいっぱいつめこむ。 「なにを……やっているのよ……」 おんなのこのこえがする。そのこえはリンにいろんなことをおしえてくれたとってもやさしい、とってもいい子のふしぎのくにのアリス。 「アニカおねえちゃん♪」 ◆ 目の前の惨劇に言葉を失う。 唐突に宇野和義の異能が解除され、何事かと玄関から這って移動した先には、宇野の腹部にのしかかり、血濡れになっているリンの姿。 宇野和義は既に絶命している。周囲には彼の臓物と思わしき肉塊が散らばっており、地獄絵図と化していた。 アニカは命に係わるほど煙を吸っていたとは思えぬほど中毒症状が軽い。それでも自立歩行が困難な状況ではあるが。 その種は彼女が顔にミイラのように顔に巻き付けていた包帯に合った。 この包帯は犬山はすみが上限まで異能による強化を施し、再生機能を付与させた代物。 口を覆うまで包帯を巻いていたため、夾竹桃の毒煙による中毒症状を軽減させていた。 これがアニカの命が助かった要因の一つ。もう一つ。これこそが最大の要因。 「アニカおねえちゃん♪もどってきてくれてよかった♪」 手にマチェットを持ち、満面の笑みでアニカに駆け寄るリン。彼女が宇野から退いたことによりその惨状が明らかになる。 宇野の鳩尾から臍部にかけての深い裂傷。切り裂かれた腹部には果物や野菜など、手短にあった物体が詰め込まれている。 それはまるで童話「赤ずきん」の婆騙りの狼が猟師に石を詰め込まれたかのよう。 「な……んで……こんな……ことに……」 自分の目の前で殺人が起きてしまった。それも自分より幼い少女が起こした。しかもその殺人がなければ、自分は死んでいた。 天才美少女探偵としてのプライドがガタガタと崩れる音がする。今まで培ってきた正義感が否定されたかのようだ。 「だって、ウノおじさんはうそつきでチャコおねえちゃんとアニカおねえちゃんをじゃまものあつかいしたんだよ?」 「でも……だからって……」 アニカの嘆きを他所にリンは聖母のような優しい笑顔を今まで守ってきてくれた心優しいアリスへと向ける。 「アニカおねえちゃん、リンにとくべつなちからをおしえてくれてありがとう。まもってくれてありがとう」 くすり。言葉の端で浮かべる妖艶な微笑。それと共に脳に語り掛ける「リンを愛せ」という信号。 一度解除できれば精神がどれだけ弱っていても解除は容易い。瞬きの間に催眠から抜け出す。 「リンのちから、アニカおねえちゃんにはもうきかないんだ……ざんねん……」 ぶーと頬を膨らませるかつての守るべき少女。彼女はいったい何者なのか。その変貌が恐ろしい。 絶句するアニカを尻目にリンはスカートの裾をつまんで、令嬢のように一礼する。 「ばいばい、アニカおねえちゃん。チャコおねえちゃんのつぎにすきだよ」 「まっ―――――――」 その言葉と最後にリンの姿がだんだんと小さくなっていく。そして残されたのは殺人によって命を拾った正義の探偵。 もしリンに異能を教えていなければ。もしリンにマチェットを渡していなければ。もし―――――。 あらゆるIFが脳裏を駆け巡る。そして行き着く先は惨めな自分。自責の念が己を蝕む。 「リンを……追いかけなくちゃ……」 ふらつく身体に鞭を撃ち、天宝寺アニカは立ち上がる。 急いで追いつかなければ。これ以上あの子が惨劇を引き起こす前に。これ以上あの子が危険な目に合わないように。 【宇野 和義 死亡】 【C-4とC-3の境目/有磯邸/一日目・朝】 【天宝寺 アニカ】 [状態]:異能理解済、疲労(特大)、精神疲労(大)、精神的ショック(大)、後悔、夾竹桃による中毒症状(中、回復中) [道具]:殺虫スプレー、スタンガン、八柳哉太のスマートフォン、斜め掛けショルダーバッグ、包帯(異能による最大強化)、スケートボード、ラレラレドリンク、ビニールテープ [方針] 基本.このZombie panicを解決してみせるわ! 1.私がもっとしっかりしていれば……。 2.リンを追いかけなくちゃ。 3.Ms.チャコが地下研究施設について何かを知ってるかもしれないわね。 4.何なのよ、この村は……。 4.私のスマホどこ? [備考] ※他の感染者も異能が目覚めたのではないかと考えています。 ※虎尾茶子が地下研究施設について何らかの情報を持っているのではないかと推理しました ※異能により最大強化された包帯によって、中毒症状が治りつつあります。 ※リンの異能を理解したことにより、彼女の異能による影響を受けなくなりました。 ※浅野雑貨店、山折総合診療所、広場裏の森林地帯に違和感を感じました。 アニカおねえちゃんはとってもいい子だからすき。ふしぎのくにをぼうけんしたアリスみたいでとってもかわいいおんなのこ。 そして、リンをだきしめてくれたとってもきれいでとってもやさしいチャコおねえちゃん。 うそつきおおかみさんからリンをまもってくれたとってもかっこいい、リンのおうじさま。 リンがはじめてだいすきになったおんなのひと。わるいパパからにげてリンをたすけてくれたんだね。 チャコおねえちゃんのことをかんがえるとおむねがキュンってしちゃう。だきしめられたときのことをおもいだすとドキドキしちゃう。 チャコおねえちゃんがどこにいったのかはわからない。チャコおねえちゃんがいないとなきたくなっちゃう。 えほんだとおひめさまはおうじさまとキスをしてしあわせになるんだって。だから――――。 「まっててね、チャコおねえちゃん」 【C-3/高級住宅街/一日目・朝】 【リン】 [状態]:異能理解済、健康、虎尾茶子への依存と庇護欲、血塗れ [道具]:マチェット、エコバッグ、化粧品多数 [方針] 基本.チャコおねえちゃんのそばにいる。 1.チャコおねえちゃんをさがしにいく。 2.うそつきおおかみさんなんてだいっきらい。 3.だいすきだよ、チャコおねえちゃん。 4.リンのじゃまをしないでね、アニカおねえちゃん。 [備考] ※VHが発生していることを理解しました。 ※天宝寺アニカの指導により異能を使えるようになりました。 083.catch and kill 投下順で読む 085.元凶 081.忸怩沈殿槽 時系列順で読む 082.Zombie Corps 風雲急を告げる リン 山折村血風録・窮 天宝寺 アニカ 宇野 和義 GAME OVER
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#blognavi 幸せはあなたへの復讐、読み終えました。 大作でした、今回も。 この物語がウラなのかオモテなのかわからないですね、 正直。 ただ、津坂さんと水零の関係とか、今までの津坂さんの行動などが明らかになって、前々作の「もうじき…」がよりわかりやすいものになりました。 ああ、そうだったのか…ってね。 物語としては何も言うことありません。 楽しめました。 ちょっとサスペンスちっくなところも、次の展開、次の展開、って、興味をそそりましたし。 構成もずっと頭の中で練られていたのでしょう、とても完成されたものでした。 ただ、っていうか、あの、っていうか、 津坂さんが自分の意思で意識不明になっていた、っていう設定(?)・事実がうまく飲み込めない感じがしてます。 だって、現実にはありえないですよね? これは、小説の中だからあり得たんですよね? それと、自殺(意識不明に自分からもっていった)の理由が、 好きだってことを気づいてほしいから、だけなんでしょうか? パソには、「疲れました」のメッセージがありましたが、 気づいてほしい、ってことだけで、ああいう事態にもっていくものなのでしょうか? とすれば、かなり自虐的で特殊な方法だと…。 ふつうは自分ではっきりと気持ちを伝えるでしょうから…。 まあ、そういうことすべてがこの物語なのだとは思います。 普通じゃ話にならないですから。 そういう意味でも、楽しみました。もちろん。 あと、津坂さんの母親の言葉遣いがかなり劇画調だな、と。 ~かしら?とか、殿方、とか、思いませんこと?とか。 今、実際に、こういう話し方する人っているのかなあ?って、ちょっと思ったりしました。まあ、私のまわりにいないってことだけかもしれないですけどね。 とにかく、お疲れ様でした。 そしてありがとうございました。 カテゴリ [カオ] - trackback- 2006年09月30日 11 17 00 #blognavi
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『さいっきょうVS最弱』 25KB 虐待 野良ゆ 虐待人間 独自設定 2010年最後の投稿 良いお年を 注意: 本作に登場する人間は快楽の為だけにゆっくりを殺す酷い人です。 →つまりゆっくりを無慈悲にSATSUGAIするだけのシンプルでひねりのないお話ということ。 独自設定 →「おたべなさい」は本当に自身の体を相手に食べさせてあげたいという慈しみの心がなければ使用できないこととする。 『さいっきょう(さいじゃく)VS最弱(さいきょう)』 まりさは緊張していた。 今対峙している相手が強敵であることを理解しているからだ。 敵をじっと見据え、攻撃の隙をうかがっている。 「ゆぅぅぅ・・・・・・」 動けない。 迂闊に動けば敗北につながる。 「おとーしゃん・・・・・・」 「がんばっちぇ・・・・・・」 そんなまりさを固唾をのんで見守る2匹の子ゆっくり。 まりさの子供、子まりさと子れいむである。 子供の見ている前で無様な姿などさらすわけにはいかない。 そんな思いもまた、まりさを緊張の糸に絡めていく。 「まりさは、まけるわけには、いかないんだぜ・・・・・・っ!」 先に仕掛けたのはまりさだった。 俊足のあんよをもって敵との間合いを一瞬にして詰める。 「くらうのぜ!」 その勢いで敵へ体当たりを仕掛けようとするまりさ。 だが、それを見越していたかのように敵は死神の鎌をまりさへと振りおろす。 「ゆっ!?ゆぅぅぅぅぅ!!」 思わぬ反撃(カウンター)に驚きながらも、まりさは慌てて体をひねりその攻撃を紙一重で回避する。 敵の攻撃は虚しく空を斬り、大きな隙を生じさせた。 「いまなのぜ!」 敵の攻撃をかわしたことにより逆にまりさに攻撃のチャンスが生まれた。 ジャンプ一閃!まりさは大きく飛び上がった。 相手の上空を取ったまりさはそのまま一気に下降する。 「ゆっくり、しんでね!!」 グシャアァァァ!! 流石の敵もこの攻撃をかわすことはできず、なすすべもなくまりさに押し潰された。 あんよの下から踏み潰した敵の感触が伝わってくる。 「か、かったのぜ!」 「「おとーしゃぁぁぁん!」」 駆け寄る子供たち。 その愛くるしい我が子達の姿を確認したことで、まりさはようやく真剣勝負の緊張感から解放された。 「おとーしゃん!だいじょうびゅ!?ゆぅぅぅ!?ぽんぽんしゃんにきずがありゅよぉぉ!?」 言われて、まりさは自分の腹部へと目を落とす。 そこには薄らとだが切りつけられたような傷跡がつけられていた。 敵の反撃をかわした時にできた傷だ。 ギリギリでかわしたと思っていたのだがどうやらカスっていたらしい。 「ゆ、ゆぅ、これくらい、へーきなのぜ・・・・・・っ!」 緊張の糸が切れたことで、今更ながら腹部の痛みが伝わってきたようだ。 それでも子供に心配をかけまいと、まりさは痛みに耐えながらニッコリと笑う。 「しっかりしちぇね!れいみゅがペーりょぺーりょしてあげりゅよ!ぺーりょぺーりょ!」 「まいちゃもー!ぺーりょぺーりょ!」 子供たちの必死の手当によって、傷の痛みが和らいでいく。 「・・・・・・てごわいあいてだったのぜ・・・・・・かまきりさん」 まりさは、かつての強敵へ敬意の念を送りつつ、勝利の余韻にひたるのであった。 本日まりさは子供を連れて狩りに出かけていた。 番のれいむは現在にんっしん中で動けない。そしてお腹の子供の為にも沢山の食料が必要だ。 そのため、まりさは子供を連れて食料調達へ出向いたというわけだ。 「おちびちゃんたちはおとーさんをおてほんにかりのしかたをゆっくりおぼえるのぜ!」 「ゆっち!ゆっち!わきゃったよ!」 「がんばるのじぇ!おかーしゃんにおいちいごはんしゃんをたっくさんもっていくのじぇ!」 子供たちはまだ木の実を拾うくらいの事しかできないが、それでもいち早く一人前になろうと頑張っていた。 もうすぐおねーさんになるのだという思いがそうさせているのだろう。 まりさは、そんな子供達の成長を温かな目で見守っていた。 とその時、一家は一匹のカマキリと遭遇した。 その凶暴な風貌に、子供たちは恐怖し泣き叫んだが、まりさは勇敢にもカマキリに立ち向かい、見事勝利した。 そんなまりさを子供たちは尊敬の眼差しで見つめるのであった。 「それじゃおちびちゃんたち!じゅうぶんごはんさんもとれたからおかーさんのまってるおうちにかえるのぜ!」 「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」 まりさは帽子の中に先ほどのカマキリを含め、大量の食料を詰め込み家へと帰ることにした。 その途中、一匹の蟻がまりさの前を横切った。 「ゆ!?なんなの、このむしけら。かまきりさんをもうちたおしたさいっきょうのまりささまにたいしてしつれいなのぜ!」 言うやいなや、まりさは蟻を踏み潰した。 「しね!しね!いきるかちもないようなさいっじゃくなむしけらはゆっくりしないでしね!」 己の力を誇示するが如く、まりさは何度も何度も蟻を踏み潰し、愉悦の表情を浮かべる。 「やっぱりおとーしゃんはすごいのじぇ!」 「ゆっち!ゆっち!おとーしゃん、かっきょいい!」 子供達は目をキラキラ輝かせ、偉大なる父まりさを褒め称えた。 「ゆふふーん?それほどでもあるのぜー!」 子供に褒められたことでまりさの気分は益々よくなっていった。 もしまりさに鼻が有れば、月まで届くほどのウルトラ☆天狗状態になっていただろう。 こうして、まりさ一家は意気揚々と帰路についたのであった。 一家が巣に到着した時、何やら見慣れぬ生き物が巣穴の前に立っていることに気が付いた。 「あら?帰ってきたみたいね」 それは人間の少女であった。 黒髪の長髪、黒いワンピースに身をつつんだ、どこか不思議な雰囲気の美少女。 こんな森の中にいるには不自然な存在であることは一目瞭然だった。 「ゆゆっ!?にんげんさん?どうしてまりさのおうちににんげんさんがいるのぜ?」 森の中で暮らすまりさは今まで人間という種族には会ったことはなかった。 だが、餡子に刻まれた先祖の記憶が「にんげん」という存在を認識していた。 「こんにちは、まりさ。今日は森のゆっくり達と遊ぶ為にやってきたの。ほら、こーんなふうに、ね」 そういって少女は手にしていたものをまりさに見せてやった。 「ま、まりさぁ・・・・・・!」 それはにんっしん中の為、留守番をしてた番のれいむであった。 「ゆ、ゆぅぅぅ!?れいむぅぅぅぅ!?」 「「おかーしゃん!?」」 「くすくすくす。あなた達が帰ってくるまでの間、このれいむと遊ぼうと思ってたんだけど、丁度いいわ」 「は、はなしてね!はなしてね!れいむのすてきなぴこぴこさんはなしてね!」 少女はれいむの揉み上げを掴んで持ち上げている。 その為れいむはじたばたと暴れているがどうにもならない状態だった。 「おい!くそにんげん!さっさとれいむをはなすのぜぇ!さもないと、さいっきょうのまりささまがせいっさいするのぜぇぇ!」 少女は意外そうな顔をしてまりさを見つめた。 「・・・・・・最強?あなたが?」 その反応にまりさはドヤ顔で語り始める。 「ゆふふん!そうなのぜ!まりささまはさいっきょうなのぜ! さっきもきょうてきとげきっとうをくりひろげてきたばかりなのぜ!」 強敵とは先ほどのカマキリのことである。 そんなまりさの言葉に少女は興味をひかれたようだ。 「へぇ。あなた、そんなに強いの。じゃあ、私と勝負してみない?もし私に勝てたら、このれいむは放してあげる」 少女の思いもよらぬ提案に、まりさは驚きの表情を浮かべた後、ゲラゲラと笑いだした。 「ゆ、ゆっぷぷぷぷ!に、にんげんごときが、このさいっきょうのまりささまとしょうぶしようってのぜ? まったく、むぼうにもほどがあるのぜ!ゆげらげらげらゆげらげら!」 「ゆぷぷ!おとーしゃんにかなうわけにゃいのじぇ!」 「ゆっち!ゆっち!にんげんしゃんはばきゃなの?しにゅの!?ゆぷぷー!」 まりさと子供達は、この人間はなんと恐れ知らずで愚か者なのかと笑い転げた。 所詮は餡子脳。人間という存在は知っていても、それがどれほどの力を持っているかまでは知らなかったようだ。 確かにこの少女、見た目は華奢であり、とても強そうには見えない。実際の力量も見た目通りなのであろう。 だが、それはあくまでも同じ人間同士であればの話だ。 「に、にんげんさん!やめておいたほうがいいよ!れいむのだーりんはほんとうにつよいんだよ!? けがだけじゃすまないかもしれないんだよ!だからおとなしくれいむをはなして、さっさとかえってね! これはにんげんさんのためなんだよ!」 捕まえているれいむにまで安否を気遣かわれた。 このゆっくりたちは本気でまりさが人間に勝てるほど強いと思い込んでいるようだ。 そんなゆっくりたちの言葉は聞き流し、少女は手にしたれいむの腹にパンチを打ちこんだ。 ドゴォ! 「うつ☆」 「ゆぅぅ!?れいむ!!」 突然の凶行に驚くゆっくりたち。 それに構うことなく少女は話を進める。 「これから私はあなた達を順番に殺していくわ。死ぬのが嫌なら私を倒して止めてみなさい。 まずはこのれいむからよ。早く私を倒さないと、お腹の赤ちゃんもろともれいむは死ぬことになるわよ?」 その言葉通り、少女はれいむに腹パンを何度も何度も打ちこみ始めた。 ドゴォ! 「ゆげぇ!」 ドゴォ! 「やべっ!」 ドゴォ! 「お、おなかの!」 ドゴォ! 「あがじゃんがぁ!」 いきなりの展開に呆気にとられたまりさは慌てて少女へ向かって突撃する。 「や、やめろぉぉぉぉぉ!!」 ぽよ~ん。 だが、少女はまりさの体当たりを喰らっても微動だにしなかった。 「・・・・・・何、今の?ひょっとして攻撃したつもりなの?」 「ゆっ!?ゆぅ~!?」 少女は涼しい顔をしていた。 効果はイマイチ、どころか全くダメージを受けていない。 ドスドスドスドス!! 「やべっ!でいぶのっ!おだがっ!やべでぇぇぇぇ!!」 そして、れいむへの攻撃は止まることはなかった。 必殺の一撃を喰らって平気な顔をしている少女に驚きつつも、まりさは何度も体当たりを繰り出した。 ぽよん、ぽよん、ぽよよ~ん 「な、なんでなのぜ!?なんでなのぜ!?なんでしなないのぜぇぇぇ!?」 だが、いくら攻撃しても間の抜けな音がするだけだった。 「ゆ゙!ゆ゙!ゆ゙!」 「あ~あ。あなたがゆっくりしてたから、れいむのあかちゃん潰れちゃったわよ?」 少女はれいむのまむまむをくぱぁと広げると、中から潰れた赤ゆの亡骸がドロリとこぼれおちた。 「ゆわぁぁぁぁぁぁ!ば、ばりざのゆっぐりどじだあがじゃんがぁぁぁぁ!?」 生まれてくるのをあんなにも楽しみにしていた赤ちゃん。 それが無残に潰され、目の前にぶちまけられている。 「もっと頑張らないと次はれいむが死ぬわよ?」 少女は、バケツの水を使った遠心力の実験の様に、もみあげを掴んだままれいむをグルングルンと振り回し始めた。 「ゆ、ゆぅぅぅぅぅぅ!?め、めがまわるぅぅぅぅ!!」 「で、でいぶをはだぜぇぇぇぇぇ!ゆべぇ!?」 まりさは何とかしてれいむを助けようと近寄るが振り回されるれいむに衝突し弾き飛ばされた。 「ぎぼじわるぃぃぃぃぃぃよぉうぅぅぅ!!だずげでぇぇ!ばでぃざぁぁぁぁぁ!!」 「ゆ、ゆぅぅぅぅ!でいぶぅぅぅぅ!」 まりさは起き上がり、再びれいむを助けようとするが、またも弾き飛ばされてしまう。 ビデオテープを巻き戻し再生するように、何度も何度も飛びかかっては弾き飛ばされた。 「おとーしゃん!おとーしゃぁぁん!おかーしゃんをはやくたしゅけてぇぇ!?」 「ゆぅ?ど、どうちて?おとーしゃんは・・・・・・つよいんじゃ、にゃいの?」 子供たちは目の前で起こっている事が理解できなかった。 あんなに強い父がこうも簡単に翻弄されているなど、信じられないことだったのだ。 「・・・・・・はぁ、はぁ、ちょっと疲れてきたわね」 少女もいい加減れいむを振り回すのに疲れてきたようだ。 もみあげを掴んでいた手の力が少し緩くなった。 と、その瞬間。 スポーン! 「あ」 「ゆぅぅぅぅぅぅぅ!?おぞらをぉぉぉぉ!?」 手かられいむがすぽ抜けて、上空へ放り投げてしまう。 「とんでるみたいぃぃぃぃ・・・・・・ゆぐんはっ!?」 ちょうど落下地点に木が生えていた為、その枝にぐさりと突き刺さってしまう。 「ゆべ、べべべべべ・・・・・・」 「あ~あ、ひっかかっちゃった」 百舌鳥のはやにえの如く枝に体を貫かれたれいむは暫くもがき苦しんだ後、息を引き取った。 「もっど・・・・・・ゆっぐり・・・・・・」 「で、でいぶぅぅぅぅぅぅ!!」 「もうちょっと楽しむつもりだったんだけど。ま、仕方ないわね。次はその子達で遊ぼうかしら」 そう言うと、少女は子ゆっくり達をひょいっと拾い上げた。 「ゆんやぁぁぁ!?きょわいよぉぉぉ!!」 「おとーしゃぁぁぁん!たしゅけてぇぇぇぇ!!」 「ゆっ!?おちびちゃん!?やめろぉぉ!おちびちゃんたちにひどいことするなぁぁぁ!」 必死に叫ぶまりさを楽しそうな顔で見つめる少女。 「あなた、強いんでしょ?だったら私を倒してごらんなさいよ。れいむは残念だったけど、この子たちならまだ間に合うわよ?」 「ゆ、ゆぐぬぬぬ・・・・・・っ!!」 だが、まりさは先ほどの攻撃で理解してしまった。 この人間には強い、絶対に敵わないということを。 「た、たしかにまりさはつよいのぜ。でも、にんげんさんは、もっともっと、つよかったのぜ。だから――」 そこで、まりさは流れるような仕草で自身の額を地面にこすりつけた。 ゆっくり流の土下座の姿勢である。 「おねがいします!おちびちゃんたちはたすけてください!!」 「・・・・・・あなた、最強のゆっくりなんでしょ?そんなにあっさり負けを認めていいの?」 「さいっきょうのしょうごうなんかにまりさはきょうみないのぜ! それよりもまりさは、れいむがのこしてくれたおちびちゃんたちのほうがだいじなんだぜ!」 「「お、おとーしゃん・・・・・・」」 子供たちは驚きの表情で父を見つめていた。 「お、おちびちゃんたち。こんなかっこわるいおとーさんでごめんなのぜ。それでもまりさは、まりさは、ゆぅぅぅ!」 泣いている。あの強かった父が、泣いている。 だが、子供たちは理解していた。 父は己のプライドを捨ててでも自分達を助けようとしていることに。 「しょんなことないよ!おとーしゃん!」 「ゆ、ゆぅぅ!?おちびちゃん?」 「そうなのじぇ!おとーしゃんはかっこわるくなんかないのじぇ!むちろかっこいいのじぇ!」 「ゆっち!ゆっち!れいみゅたちはそんなおとーしゃんのことがだーいしゅきだよ!」 あんなにも泣き虫だった子供たちが、こんな状況でも笑っている。 それは、父が必ず助け出してくれるという絶対の信頼。 「ゆぅぅぅぅ!おちびちゃん!おちびちゃぁぁぁん!!」 まりさは再び泣いた。 だがそれは悲しみの涙では無い。子供たちに愛され信頼されているという喜びの涙だった。 「まっててね!おちびちゃんたち!まりさはおちびちゃんたちをぜったいにまもるのぜ! にんげんさん!おねがいなのぜ!おちびちゃんたちを――」 グシャ! 「――たす、けて?」 「そういうの、いいから」 少女は右手に持っていた子まりさを握り潰し、まりさの目の前に投げ捨てた。 「ゆ・・・・・・ゆわぁぁぁぁぁぁぁぁ!おてぃびちゃぁぁぁぁぁぁんん!!どぼじで!?どぼじでぇぇぇ!?」 潰れた子まりさを涙を流しながらぺーろぺーろするまりさ。 「ゆ゙、ゆ゙、おど、じゃ・・・・・・」 下半身が潰され、目玉は飛び出し、目と口から餡子が噴き出している。もはや助かる術はない。 「そんな三文芝居なんかどうでもいいのよ」 まりさが必死にぺろぺろしている子まりさをグシャリと踏み潰す。 「ゆあぁぁ!!ふまないでぇぇぇ!おてぃびちゃんをふまないでぇぇぇ!」 「私はねぇ、あなたを心の底から屈服させて、泣き叫びながらもがき苦しむ様がみたいの。 さぁ、ゲームは続行よ。今からこの子れいむをゆっくりと殺してあげる。この子を助けたければ私を倒して見せなさい。 大丈夫、手加減してあげるから・・・・・・全力でかかってきなさい」 傍に生えていた樹の幹に、手にした子れいむの顔面を押し付ける。 「ゆ?・・・・・・た、たしゅけちぇ、おとーしゃん・・・・・・!」 「ゆぅ!?な、なにするんだぜ!?」 樹の幹に子れいむを押し付け、ゆっくりと上下に擦りつける。 「ガーリ、ガーリ」 「ゆんやぁぁぁぁぁ!?いじゃいぃぃぃぃ!!」 皮がささくれている樹の表面に擦られて、子れいむの顔面がゆっくりと削られていく。 「ゆわぁぁぁぁぁ!?やめろぉぉぉ!やめろぉぉぉぉ!!」 まりさはなりふりかまわず少女に飛びかかった。 だが、結果は先ほどと同じだ。 何度体当たりを喰らわしても、少女はびくともしなかった。 「ガーリガーリ、ガーリガーリ。ほらほら、早くしないとれいむちゃんの顔がなくなるわよ?」 「ゆべぇぇ!ゆびぃぇぇぇ!けずれりゅぅぅ!!げずれりゅぅぅぅ!!」 「じねぇぇぇぇ!じねぇぇぇぇ!おでぃびじゃんをいじめるぐぞにんげんはじねぇぇぇぇ!」 体当たり、踏みつけ、噛みつき、色々ためしてみたが、少女を倒すことができない。 「どぼじでじなないのぉぉぉ!?ばりざはづよいのにぃぃ!かまきりさんにだってかったのにぃぃぃ!」 「ガーリガーリ。あなた、本当に強いの?か弱い女の子一人倒せないなんて、脆弱にも程があるわね」 「ふざげるなぁぁ!おばえみたいなやつがよわいわけないだろぉぉぉ!!」 ここで少女の手がピタリと止まった。 「あら、私はホントにか弱いのよ?むしろ私なんて最弱の部類に入るんじゃないかしら」 「うそだ!うそだうそだうそだ!このばりざがかてないようなやつが、さいっじゃくなわけがないだろぉぉぉ!?」 「失礼ね、それじゃ私が化け物みたいじゃない。私が弱いのは本当よ? 私は見ての通り体格も小柄だし、運動も苦手だし、身体も弱いのよ?そんな私が強いわけないでしょう。 あなたが倒したっていうカマキリだって、わたしには倒せないでしょうね。虫とか苦手だし」 「ぞ、ぞんな・・・・・・じゃ、じゃあ、ばりざは、ばりざはどおじで、にんげんざんにがでないの・・・・・・?」 「あなた、まだ自分が強いなんて思ってるの?くすくす!だったらそんなゲロカスな妄想打ち砕いてあげる。 いい?あなたが私に勝てないのは、私があなたより強いからじゃない。あなたがどうしようもないほど弱いからよ。 そう、あなたは――『最弱』なのよ」 「ゆ、ああ、ああ・・・・・・!ぞ、ぞん、な・・・・・・」 『最弱』という言葉は鋭利なナイフとなってまりさの心を貫いた。 少女の言うように、先ほどの土下座はあくまでもこの少女が自分より強いことを認めただけのもの。 この少女が特別強かっただけで決して自分が弱いなど思ってはいなかった。 だが、現実は非情だった。強いと思っていた自分が、本当は最弱な存在だったのだ。 そして、まりさが自身の実力を思い知ったとたん、腹部に鈍い痛みを感じはじめた。 驚き、自身の腹部に目を落とすと、カマキリにやられた傷から餡子がにじみ出ていることに気が付いた。 「ゆ、ゆぅぅ!?どぼじでぇ!?」 ゆっくりの思い込みの力が悪い方向に働いたのだろう。 自分は強いという思い込みには多少の身体能力を強化する効果はあったが、この少女を倒すまでにはいたらなかった。 だが、自分は弱いという思い込みは自身の体にのみ影響がでる。 実際、大した傷ではなかったのだが、自分を『最弱』であると認識したが為に傷口が広がり始めたのだ。 「ゆひぃぃぃぃ!」 まりさは恐ろしくなり帽子の中のカマキリを食料もろとも地面にぶちまけた。 こんなに弱い自分がカマキリを倒せたわけがない。 帽子の中のカマキリは生きていて、自分を殺そうとしているのではないかという妄想に捕らわれたからだ。 打ち捨てられたカマキリの瞳は自分を睨んでいる。 そうとしかまりさは思うことができず震えが止まらなくなった。 目の前のカマキリの死体が、ムクリと起き上がり、自分よりも何倍もの大きさとなって襲いかかってくる。 そんな幻覚に捕らわれ、まりさはガタガタと震えながら「ごめんなさい」と死んでいる筈の相手に何度も謝った。 「ゆぎぃぇぇぇ!だじゅげじぇ、だじゅげじぇぇぇぇ!おどぉぉじゃぁぁん!!いだいよぉぉ!ゆ゙んや゙ぁぁぁぁぁ!!」 助けを呼ぶ子れいむの声が聞こえ、まりさは正気に戻った。 少女が再び子れいむを削り始めたのだ。 「お、おてぃびちゃんを、たすけ、ないと・・・・・・!」 だがしかし、こんな最も弱い自分がどうやったらおちびちゃんを助けられるというのか。 もはや、恥も外聞もありはしない。プライドなど、既に粉々に砕け散っている。 そんなまりさにできることは、 「ずびばぜん!までぃざはよわいゆっぐりでず!だから、だからおでぃびじゃんをだずげでぇぇぇ!ごろざないでぇ!」 少女の足にすがりつき、ただただ惨めに憐れに懇願するしかなかった。 「ガーリガーリ。さっきから言ってるでしょう?助けたかったら私を倒してみせなさい。それがこの子を助ける唯一の方法よ」 鬱陶しく足にまとわりつくまりさを蹴り飛ばし、少女はひたすら子れいむを削り続ける。 顔を削り始めてからどれほどの時間が経ったのだろう。 わずか数分の間であろうが、もはや子れいむの悲鳴すら聞こえなくなっていた。 まりさは効かぬと分かっていても体当たりを繰り返した。 「ゆぅぅぅ・・・・・・!おでがいじまずぅぅ!じんでぐだざいぃぃぃ!じゃないど、おてぃびじゃんが、おてぃびじゃんがぁ!」 「泣きながら『死んでください』なんて言われたのは初めてだわ。くす、でもなかなか良い声で鳴くようになったじゃない? いいわよ、そのまま無駄な努力を続けなさい。ガーリガーリ、ガーリガーリ」 「ゆわぁぁぁぁぁぁぁ!おてぃびじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんんんん!!!」 まりさの悲痛な叫びが森に響き渡る。 完全になす術を失ったまりさは、絶望し涙を流すしかなかった。 「あら?もうおしまい?せっかく調子がでてきたと思ったのに。ま、いいわ。この子も限界みたいだし。返すわ」 ポイっと、子れいむをまりさの前に放り投げる。 「ゆ、ゆぅぅぅ!?お、おてぃびじゃん!まっでるんだぜぇ!すぐぺーろぺーろしてあげるんだぜぇぇ!」 まりさは、怪我をした顔を舐めてあげようと、うつ伏せに倒れている子れいむを仰向けにしてやった。 そして、その変わり果てた我が子の顔をみて絶叫した。 「ゆ、ゆわぁぁぁぁぁぁ!?お、おがおがぁぁ!おてぃびじゃんのゆっぐりじだ、おがおがないよぉぉぉぉ!!?」 削られ、目も口もなく餡子がむき出しの無貌の面。 口が無いから喋れない、目が無いから涙も流せない。 ビクンビクンと痙攣し、あにゃるからしーしーを垂れ流している。 まだ死んではいないがもはや絶望的な状態だった。 「あぐまやぁぁぁぁ!!あぐまのしわざやぁぁぁぁぁ!!」 その言葉の通り、少女は悪魔のような笑みを浮かべている。 「その子はもう駄目ね。どうせ直ぐに死んじゃうわ」 全てを失ったまりさの心が絶望に染まっていく。 生きる意志すらも放棄したまりさはポツリとつぶやいた。 「ぼう・・・・・・・・・じで、」 「え?なに?何か言った?」 「・・・・・・ごろじでぐだざい。ばりざはよわぐで、でいぶもおてぃびじゃんもいなぐなって、ぼう、ゆっぐりでびまぜん。 ・・・・・・だがら、だがだ!ごろじでぐだざいぃぃぃ!ぞれじが・・・・・・えいっえんにゆっぐりずるじが! ばりざはゆっぐりずるごどがでぎないんでずぅぅぅぅ!ゆわぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁ!!!」 まりさは泣きじゃくり顔をクシャクシャにしながら少女に殺してくれと哀願した。 「くす、くすくす、くくくく・・・・・・きゃはははははぁー!! そうそう!それよ、それ!その顔が見たかったのよ!無様で!惨めで!絶望しきったゆっくりの顔がね!」 まりさの顔がよほどツボにはまったのだろう。 少女は腹を抱えてケタケタと笑いだした。 「ごろじでぇぇぇ!ごろじでよぉぉぉぉ!ゆわぁぁぁぁ!ゆわぁぁぁぁぁぁぁ~~!!」 「くくく!ひぃひぃ、あーおかしい!あなた、私を笑い涙で溺れ殺す気?だったら良い線いってるわ!」 それでもまりさは殺してくれと哀願してくるため、少女はますます笑い転げるのであった。 「おでがいじばずぅぅ、ばでぃざをごろじでぇぇぇ・・・・・・」 「くすくすくす!・・・・・・いいわ。あなたには十分楽しませてもらったから、せめて最期は楽に死なせてあげる」 少女はまりさを背中から踏みつけた。 そして一気に踏み潰そうと足に力を入れる、が―― ぐにゃり 「あら?」 まりさの体が想像以上に柔らかかったためバランスを崩しズルリと足を滑らせた。 そしてそのまま「すてーん!」と尻もちをついてしまう。 「いったぁぁぁい!んもぉ~、何なのよぉ・・・・・・って、あら?」 と、そこで少女はハタと気が付いた。 「ひょっとして私、まりさに『倒され』ちゃったのかしら?」 確かに少女が宣言したまりさの勝利条件は自身を『倒す』ことだ。 別に息の根を止めずとも、転倒させるだけでも条件に該当すると判断したのだろう。 「・・・・・・あらあら。まさか、本当に私を倒しちゃうなんてね。 伊達に『最強』を名乗ってた訳じゃなかったのね。やるじゃない、まりさ。見直したわ」 少女は割と本気でまりさを賞賛していた。 本当に殺す気だったのだが、偶然とはいえこの展開は予想していなかったのだ。 とはいえ、当のまりさはそれどころではなかった。 「ゆぐぅぅぅ!いだいぃぃぃぃ!ばりざのしゅんそくをほこるあんよざんがぁぁぁぁ!」 踏みつける際、バランスを崩してしまった為、中枢餡からズレて下半身の辺りを踏み潰す程度に留まってしまったのだ。 結果、まりさは即死せず、体が半壊した痛みにのた打ち回ることとなった。 「おでがいぃぃぃぃ!はやぐごろじでぇぇぇ!ゆっぐりでぎないぃぃぃぃぃ!!」 「あら、それはダメよ」 「どぼじでぇぇぇぇ!!?」 「だって、あなたは私を倒したのよ?だから私はここであなたを殺すことはやめるわ」 思いもよらず命拾いしたまりさだったが、今のまりさにとってそれは死を宣言されるよりも残酷なことだった。 家族を全て失い、体も半壊し自由に動けない。 そんな状態で生かされても、もはやゆっくりすることなどできないからだ。 「それじゃあ、バイバイまりさ。今日はとても楽しかったわ。ゆっくりしていってね!」 「ま、まっで!ばでぃざを、ばでぃざをごろじで!まっで!まっでよぉぉぉぉ!ばでぃざを、ごろじでよぉぉぉ!!!」 まりさの願いも虚しく、少女はもはや興味は無いとばかりにさっさと帰ってしまった。 翌日。 まりさは昨日から同じ場所に倒れたままだった。 あんよが潰され、動くことができないのだ。 一晩の間で涙は枯れ果てた。痛みも感じなくなってきた。空腹感も一周廻って逆に感じなくなった。 ああ、なんだかまぶたが重い。このまま、まぶたを閉じればゆっくりと死んでいけるだろう。 一晩苦しみ抜いたが、死ぬ間際というのは案外ゆっくりできるものだな、とまりさは思っていた。 とその時、忘れていた痛みの感覚が突如よみがえり、再び苦痛が体を支配した。 「ゆ゙っ!?い、いだい!?いだいいだいいだいぃぃ!な、なんなの、ごれぇぇ!?」 しかも痛みは体の至る箇所で起こっている。 まるで針で体のあちこちを突かれているような、そんな痛み。 必死に体をひねり、自身の体に何が起こっているのかを確認した。 「ゆげぇぇぇぇぇ!なにごれぇぇぇぇぇ!」 まりさは自身の体を見て絶叫した。 体のあちこちに大量の蟻がたかっていたのだ。 まりさの体から漏れた餡子におびき寄せられたのだろう。 蟻たちはまりさの体を少しずつ少しずつ蝕んでいく。 そのたびにまりさの体にチクリチクリと痛みが走るのだった。 「ゆがぁぁぁぁあ!やべろぉぉぉ!このむしげらがぁぁぁぁ!」 まりさは怒鳴るが、蟻たちは一向に引いてはくれない。 「ゆああああ!いだいぃぃぃ!やべでぇぇぇぇ!ゆっぐりできないいぃぃぃ!!」 自分が虫けらと蔑んだ蟻にさえもこうして痛い目にあわされている。 まりさは改めて思い知らされたのだ。 自分がどうしようもなく最弱な存在であるということを。 「ゆあああぁぁぁ!ありざん!ごべんだざい!ごべんだざいぃぃぃぃ! ばでぃざはさいっじゃくでいぎるがちもないゆっぐりでずぅぅ!だがら!もうゆっぐじざぜでぇぇぇっぇぇ!!」 こうしてまりさは死ぬまで体を蝕む痛みに苛まされるのであった。 「ん~~!良い天気だ!これは最高のゆ虐日和だな!」 「センパイ張り切ってるッスね」 「ったりめーよぉ!久しぶりのオフだからな。今日は森のゆっくり共を心ゆくまで甚振ってやるぜぇ!」 「普段から十分虐めてるじゃないッスかー」 「今日は森に生息する野生のゆっくりが相手だからな。街に湧いてる野良とはまた違った楽しみがあるのさ」 「そんなもんッスかねぇ。・・・・・・って、アレ!あそこにいるのゆっくりじゃないッスか!? 第一ゆっくり発見ッス~!さあセンパイ!早く行かないと逃げられちゃうッスよぉ~!」 「そういうお前も十分ノリノリじゃねぇか・・・・・・」 「・・・・・・あ~、なんだ。これ死骸ッスね」 「ふぅむ?どうやらこいつぁ御同業の仕業らしいな」 「そうなんスか?」 「見ろ。この潰れたあんよに靴の跡がある。誰かが踏み潰したんだろうな」 「なるほど。・・・・・・それにしてもこのまりさ、すっごい表情で死んでるッスね」 「ああ、痛みだけじゃない。何か、こう、絶望したような?そんな印象を受けるな。体と心の同時破壊ってところか。 これだけ凄惨なゆっくりの死に顔は俺も初めて見たぜ」 「半殺しにしてそのまま放置。後は蟻にたかられながらゆっくりと死んでいくってところスか。なかなかえげつないッスねぇ」 「ああ、流石の俺もこいつをやった相手にはうす気味悪さを感じるぜ。まさに最強、いや、最凶の虐待人間ってところだな」 「どんなやつなんスかね?」 「この足跡のサイズからすると、子供かな?近所の悪ガキの仕業とか。女の子って可能性もあるが・・・・・・ 正直その可能性は否定したいなぁ。可愛い子がこんなことしてたりなんかしたら、ショック死する自信があるぞ」 「いやぁ~、案外女の方がえげつなかったりしますよぉ」 「えぇー!そういうもんなのー?やだー!」 「ええ、そんなもんス。女は怖いんス」 「はぁー。まあ、いいや。俺達もそいつに負けないくらいゆっくりを可愛がってやろうぜ!ジョワジョワ!」 「ヌワヌワ!了解ッス!」 最弱の生物ゆっくり。 それ故に全ての生物はゆっくりにとって脅威の存在となりえるのである。 特に人間は最凶の存在として、ゆっくりの存在を脅かし続けるのであった。 「ヒャッハー!ゆっくりは虐待だぁ!!」 <了> 前作: anko2627 絶叫バーガー 挿絵:ラブリーぺろんぺろんあき
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※『災いを呼ぶ人形』をクリアし、『賢人を探せ!』を発生していることが条件。 ※『サボテン』発生中は発生しない。 ≪マイホーム≫ ①コロナに話しかける。 ②サボテン君を調べる。 ≪ゴミ山≫ ③掘り出し産地でBOSS グレムリン
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赤 青 黄 緑 白 黒 分類 杖-ワンド-ロッド 主材料 - 副材料 - 備考 杖-ワンド-ロッド 追加アイテム (2011年6月7日)
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作詞:DECO*27 作曲:DECO*27 編曲:DECO*27 歌:初音ミク 翻譯:Fancia.葵 むかしむかしのきょうのぼく/很久很久以前的今天的我 ちょっとだけお付き合い願います/请你空出一些时间听一听 ちょっとだけ(?)後ろ向きなこの歌/这首稍微(?)有些消极的歌曲 鏡に映る昨日の僕は/镜子中映出的昨天的我 今日の僕にとてもよく似ていて/和今天的自己相似得不得了 悲しかった 悔しかった 辛かったよ/我很伤心 我很后悔 我很难受 でも誰も聞いてくれないから/但是没有人来倾听 このひざ小僧が僕のお友達/只有这双膝盖是我的朋友 ポロポロと落ちる涙が/扑簌簌落下的眼泪 どっかの誰かさんに届いた/传达给了某处的某人 "ねえ知ってるかい?"/“呐你知道吗?” "心ってキミ以外の人にしか見えないんだよ"/“心灵是只有别人才看得到的哟” 今、僕は向かう明日へと/现在,我对着即将到来的明天 両手を振って「また明日ね」と/挥动双手说“明天再见” その背中めがけ「頑張れ」と/对着后背说出的“加油啊” 聞いたことある声が聞こえたよ/这声音我好像在哪里听到过 同時に駆け出すアスファルト/同时沿着柏油路开始奔跑 染み込む温かい涙/温暖的泪水渗了下去 だからバイバイ/所以说再见 "むかしむかしのきょうのぼく"/“很久很久以前的今天的我” 引き続きお付き合い願います/还请你继续把歌听下去 ちょっとだけ前向いたこの僕の/你是否能看到稍微有些积极的 心はピカピカ光って見えてるかな/我那闪着光芒的心灵呢 悲しかった? 悔しかった? 辛かったね/曾经悲伤?曾有后悔?很难受吧 でも誰も聞いてくれないとか言わないでね/但是请不要说没人倾听你的话 僕のお友達/我的朋友们 ポロポロと落ちる涙が/扑簌簌落下的眼泪 今日の僕の耳に届いたよ/现在传达到了我的耳边 "ほら、大丈夫!"/“好了,没事的!” "キミの心はちゃんと僕が見てるから"/“因为我有好好地在看着你的心灵” 今、キミは向かう明日へと/现在,你向着即将到来的明天 両手を振って「また明日ね」と/挥动双手说“明天再见” その背中めがけ「頑張れ」と/对着后背的一句“加油啊” 聞いたことある声で叫んだよ/我用似曾相识的声音大声说着 同時に駆け出す/同时我开始奔跑 ピカピカと光る心を乗せて/乘着闪闪发光的这颗心 だからバイバイ/所以说再见 "むかしむかしのきょうのぼく"/“很久很久以前的今天的我” あとちょっとお付き合い願います/请你再稍稍听那么一点 ちょっとだけ泣きそうなこの僕を/对稍微有些想哭的我 支えてくれたみんなのことを/一直以来都还支持着的大家 今度は僕が応援するんだ/这次轮到我来为你们加油 悲しかった 悔しかった 辛かったよ/曾经悲伤 曾有后悔 也很难受 でもちゃんと君が見てくれたよ/但你还是有好好地看着我 聞いてくれたよ/有倾听我的话 今度は僕の番/这次轮到我了 ポロポロと落ちる涙が/为在扑簌簌落下的眼泪 作った海で泳げずに藻掻いてる君に/积攒成的大海中扑腾挣扎着的你 唱えるよ 魔法の呪文/我来咏唱 魔法的咒文 「大丈夫」という心の浮輪/叫做“没关系”的心灵小船 今、君と向かう明日へと/现在,和你向着即将到来的明天 その手を繋いで明日へと/牵着手一起向着明天 この背中で抱き締めてきた/一边听着来拥抱这后背的 たくさんの声を聞きながら/许许多多的声音们 同時に泣き出す君と僕/同时哭出来的你和我 見せ合う温かい笑顔/互相看着彼此温暖的笑脸 だからバイバイ/所以再见了 "むかしむかしのきょうのぼく"/“很久很久以前的今天的我” 幫忙簡轉繁一下 如不妥請刪謝謝!! 【很久很久以前的今天的我】 請你空出一些時間聽一聽 這首稍微(?)有些消極的歌曲 鏡子中映出的昨天的我 和今天的自己相似得不得了 我很傷心 我很後悔 我很難受 但是没有人來傾聽 只有這雙膝蓋是我的朋友 撲簌簌落下的眼淚 傳達给了某處的某人 “呐你知道嗎?” “心靈是只有别人才看得到的哟” 現在,我對著即將到來的明天 揮動雙手說“明天再見” 對著後背說出的“加油啊” 這聲音我好像在哪裡聽到過 同時沿着柏油路開始奔跑 温暖的淚水參了下去 所以說再見 “很久很久以前的今天的我” 還請你繼續把歌聽下去 你是否能看到稍微有些積極的 我那閃着光芒的心靈呢 曾經悲傷?曾有後悔?很難受吧 但是請不要說没人傾聽你的話 我的朋友們 撲簌簌落下的眼淚 現在傳達到了我的耳邊 “好了,没事的!” “因為我有好好地在看著你的心靈” 現在,你向著即將到來的明天 揮動雙手說“明天再見” 對著後背的一句“加油啊” 我用似曾相識的聲音大聲說著 同時我開始奔跑 乘著閃閃發光的這顆心 所以說再見 “很久很久以前的今天的我” 請你再稍稍聽那麼一點 對稍微有些想哭的我 一直以來都還支持著的大家 這次輪到我來為你們加油 曾經悲傷 曾有後悔 也很難受 但你還是有好好地看著我 有傾聽我的话 這次輪到我了 為在撲簌簌落下的眼淚 積讚成的大海中撲騰挣扎着的你 我来詠倡 魔法的咒文 叫做“沒關係”的心靈小船 現在,和你向著即將到來的明天 牽著手一起向著明天 一邊聽著來擁抱這後背的 許許多多的聲音們 同時哭出來的你和我 互相看著彼此温暖的笑臉 所以再見了 “很久很久以前的今天的我”
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きょうちゃん@まとめサイト 現行スレ ***歌手の夢、叶えて*** このサイトは、2ch詩板のスレ (*・ω・*)歌手になりたぃ。デビュ-したぃ。詞見てね♪ より派生したまとめサイトです。 1 :きょうちゃん:05/02/2202 13 36ID awRWWhcJ 只今18歳ょんoファンの人ができたらいぃなぁあ★”▲意地悪禁止▲仲良くしてねっv(=・ω・=)vダブルピース♪ 最初のくだりはこんな感じで始まったこのスレ・・・。 これだけ見る限り、怪しい人にしか思えなく、この「きょうちゃん」の 実態は謎だらけであった。。 当然、得体の知れない存在へのレスは悪い方向へと・・・。 8 :名前はいらない:05/02/2205 53 14 ID QZzxo7vn へたすぎ。市ね 17 :名前はいらない:05/02/2223 56 31 ID sz0X77Uh ファック オフ 1. イフ ユー コンティニュー トゥー プリテンド トゥー ビー アン 18ー イヤー オールド ガール, ディス スレッドシャルビーデリーティドバイデリーター,ミー. 24 :名前はいらない:05/02/2301 12 25 ID A/WoXJaA 詩かく前に、よみにくい文字使うなよ。 おめぇみて~な中途半端なギャル字使う奴が、たいていキモイんだよ。うせろや 34 :名前はいらない:05/02/2302 41 54 ID ozg0M+D4 うざーーーーーい。 詩板とは思えないほど、汚い言葉が飛び交う有様。しかし、きょうちゃんはくじけない。。 5 :名前はいらない:05/02/2202 57 06ID MwfzdFw/釣り堀としてもどうなんだろうな。 ここまでだと魚としてもどう突っ込むべきか困るんじゃないか。 重複表現や意味不明な係り結びはもう少し割合を抑えた方が効果的だったんじゃ。 とりあえずお前さんの発想の古さは良く分った。オッサンがんばったな。 6:きょうちゃん:05/02/2203 06 06ID awRWWhcJありがとうございます。これからもよろしくおねがいします(≧ω≦) 9 :ヒゲルド◆tuIUmOeA..:05/02/2207 55 20ID F/ZKbzMUかんそうです 小中学生にはいがいと受けるかもしれません。 いい大人にはなかゆびをたてられて「ふぁっく」とののしられることでしょう でもしょうじき 大○愛さんよりましだとおもうので がんばればいいとおもいました。 レコードがいしゃはエイベックソが吉ですよ。 釣 ら れ ち ゃ っ た(はあと☆) 10:きょうちゃん:05/02/2210 03 22ID awRWWhcJそんな有名な歌手の方と比べてもらって感激ですっ。(≧∀≦)アドバイスありがとうございます!!また遊びにきてくださいねっ。 そう、このようなやりとりで彼女の天性の素直さが徐々に露に。 初心者であることはわかるとしても、ここまで謙虚になれるのはすごい。 そして、彼女はどんな発言に対しても素直な応対をするのだ。 そんな、彼女を応援したいので、このまとめサイトを作った次第である。 てなわけで初心者なため更新遅れやら味気ないやら何かとボロも 出るだろうが暖かく見守って下さい。 HP製作:58◆mr8qiX2LMU 更新日:3月4日
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《きょうりゅう・らぐーん》 効果モンスター 星4/地属性/恐竜族/攻1900/守 800 このモンスターの攻撃力は変化しない。 part22-597 作者(2007/11/21 ID YdOMBgsZ0)の他の投稿 part22-596 / part22-598 / part22-599 コメント 収縮を受けない点は優秀。 だが攻撃力アップできない点は複雑。 -- 名無しさん (2007-12-10 19 49 45) 攻撃力が下がらないのでトライスやシールが活かせる。 1900のダイレクトアタック・二回攻撃はやはり強烈。 しかし、下がらないといっても下級アタッカーの攻撃力程度の能力なので、 油断するとサイドラ達に狩られるのはお約束。 -- 名無しさん (2007-12-11 09 01 11) 名前 コメント