約 2,010,494 件
https://w.atwiki.jp/ncbgm/pages/24.html
リクエスト一覧 001.「ウタカタ永焔鳥」(初音ミクAppend(dark),巡音ルカ ささくれP) 05分34秒 sm9900322 002.「ロミオとシンデレラ」(初音ミク doriko) 04分40秒 sm6666016 003.「ワロングフル・ディテンション」(初音ミク 般P) 03分51秒 sm10452677 004.「StargazeR」(初音ミク 骨盤P) 03分12秒 sm3718300 005.「from Y to Y」(初音ミク ジミーサムP)05分34秒sm6529016 006.「ココロ」(鏡音リン トラボルタP) 04分50秒 sm2500648 007.「藍と真」(初音ミク 疾風P) 05分00秒 sm8922420 008.「桜ノ雨」(初音ミク halyosy) 06分33秒 sm2406770 009.「天樂」(鏡音リン ゆうゆP) 04分35秒 sm7918983 010.「炉心融解」(鏡音リン なぎみそ。sys) 05分36秒 sm8089993 011.「メルト」(初音ミク ryo) 04分17秒 sm1715919 012.「星空に願いを込めて -Good Night」(初音ミク tomoP) 05分00秒 sm1466832 013.「シザーハンズ」(初音ミク Nem) 04分34秒 sm8901412 014.「RIP=RELEASE」(巡音ルカ 流星P) 04分16秒 sm5992615 015.「m9」(鏡音リン ライブP) 04分42秒 sm10122166 016.「ユラメク」(初音ミク ヘブンズP) 05分14秒 sm5807851 017.「え?あぁ、そう。」(初音ミク 蝶々P) 03分17秒 sm10122021 018.「D a i s y」(巡音ルカ くろゑ) 03分04秒 nm9537862 019.「ダブルラリアット」(巡音ルカ アゴアニキP) 03分26秒 nm6049209 020.「ミヤコワスレ」(鏡音リン 暴走P) 04分46秒 sm7020470 021.「IMITATION BLACK」(神威がくぽ,KAITO,鏡音レン natsuP) 03分43秒 sm7215575 022.「なんだか泣けてきた」(初音ミク 戸愚呂P) 05分16秒 sm10443985 023.「Innocence」(初音ミク KazuP) 03分46秒 sm1826238 024.「Sweetiex2」(初音ミク Dixie Flatline) 04分56秒 sm4408384 025.「心の手紙」(初音ミク くっじー) 04分23秒 sm4538055 026.「夕日坂」(初音ミク doriko) 06分13秒 sm2736134 027.「ggrks-ググれカス-」(巡音ルカ,神威がくぽ あー民P) 03分39秒 sm6085510 028.「切望」(初音ミク TACHE) 05分43秒 sm4072546 029.「Just Be Friends」(巡音ルカ Dixie Flatline) 05分04秒 sm7528841 030.「ファインダー」(初音ミク kz) 05分10秒 sm1952223 031.「magnet」(巡音ルカ,初音ミク 流星P) 03分59秒 sm6909505 032.「Boku-Boku .β」(初音ミク,鏡音リン,鏡音レン AVTechNO) 04分32秒 nm7832283 033.「初音ミクの消失 -DEAD END-」(初音ミク 暴走P) 04分48秒 sm2937784 034.「ハジメテノオト」(初音ミク malo) 05分13秒 sm1274898 035.「逃走ロマンティック」(鏡音リン フェイP) 04分10秒 sm10200907 036.「ARiA」(初音ミク とくP) 05分10秒 sm10544006 037.「Mrs.Pumpkinの滑稽な夢」(初音ミク ハチ) 04分19秒 sm8489562 038.「白ノ娘」(弱音ハク(初音ミク) 悪ノP) 08分00秒 sm9305683 039.「雪華散る頃~樹氷~」(初音ミク おんふぉんふぉん) 05分29秒 sm10378419 040.「ルカルカ★ナイトフィーバー」(巡音ルカ samfree) 03分59秒 sm6119955 041.「そして最後には必ず幸せな結末を」(初音ミク たま~ずP) 03分19秒 sm9956819 042.「生きてゆくために」(初音ミク TACHE) 05分42秒 sm6167082 043.「ワールドイズマイン」(初音ミク ryo) 04分15秒 sm3504435 044.「恋スルVOC@LOID」(初音ミク OSTER_project) 04分56秒 sm1049371 045.「夜明けの空」(初音ミク TACHE) 04分32秒 sm2048241 046.「裏表ラバーズ」(初音ミク 現実逃避P) 03分09秒 sm8082467 047.「春!桜!ニンジャ!」(初音ミク,鏡音リン,鏡音レン はややP) 02分36秒 sm2678744 048.「Melodia」(初音ミク Aether_Eru) 05分09秒 sm7327520 049.「闇色アリス」(初音ミク samfree) 03分56秒 sm6206647 050.「メグメグ☆ファイアーエンドレスナイト」(GUMI samfree) 03分56秒 sm7452616 051.「ミラクルペイント」(初音ミク OSTER_project) 04分18秒 sm1588476 052.「ドラスティックサイクル」(初音ミク 鉄風P) 04分34秒 sm6352409 053.「星屑ユートピア」(巡音ルカ otetsu) 04分23秒 nm5988510 054.「Fire◎Flower」(鏡音レン halyosy) 04分20秒 sm4153727 055.「レインコート」(初音ミク 乙女P) 05分24秒 sm3511905 056.「夢みることり」(鏡音リン,初音ミク はややP) 03分38秒 sm2234368 057.「コンビニ」(初音ミク cokesi_Processor) 04分26秒 sm1908098 058.「サヨナラ・グッバイ」(初音ミク のぼる↑P) 02分55秒 sm8637248 059.「I still love you」(初音ミク U-skeP) 05分35秒 sm6402770 060.「ペテン師が笑う頃に」(初音ミク 梨本P) 03分42秒 sm7021921 061.「いつもより泣き虫な空」(初音ミク 当社比P) 04分10秒 sm8199444 062.「サテライト」(miki ぺぺろんP) 04分03秒 sm9085950 063.「ピアノ×フォルテ×スキャンダル」(MEIKO OSTER_project) 03分52秒 sm5597663 064.「Forgotten Girl」(歌愛ユキ ぺぺろんP) 03分42秒 sm10359559 065.「ラブアトミック・トランスファー」(初音ミク 蝶々P) 04分36秒 sm9092949 066.「twinkle little stars」(初音ミク 岩渕喜仁) 05分52秒 sm10592786 067.「悠久の向こう」(巡音ルカ ヤズキ) 04分12秒 sm8635212 068.「雛逃げ」(初音ミク,GUMI はんにゃG) 03分59秒 sm9901754 069.「ローリンガール」 03分16秒 sm9714351 070.「ぱんつのうた」(鏡音レン 有名Pたち) 03分34秒 sm4217141 071.「Guilty Verse」(氷山キヨテル ぺぺろんP) 04分13秒 sm10037227 072.ビー玉(初音ミク 流星P) 04分30秒 sm1998617 073.「すべてが終わってしまう前に」(初音ミク arata) 03分09秒 sm6437451 074.「ぷろぺら」(鏡音リン ぷろぺらP) 02分26秒 sm2453466 075.「少し楽しくなる時報」(初音ミク スイーツ(笑)P) 02分10秒 sm2149255 076.「Dear」(初音ミク スイーツ(笑)P) 04分22秒 sm2651288 077.「バンバンブー☆」(初音ミク ラブリーP) 05分03秒 sm6061713 078.「歌に形はないけれど」(初音ミク doriko) 05分28秒 sm2085047 079.「Unfragment」(初音ミク 鼻そうめんP) 08分56秒 sm9205429 080.「letter song」(初音ミク doriko) 05分34秒 sm3771514 081.「トウキョウト・ロック・シティ」(初音ミク えこ。) 05分40秒 sm7454296 082.「サウンド」(初音ミク FIFAP) 03分09秒 sm1583280 083.「本当の自分」(初音ミク にいとP) 04分58秒 sm4327767 084.「雨に唄えば」(巡音ルカ 弄乳首P) 03分07秒 sm10587348 085.「来年からがんばる」(初音ミク サイト) 02分40秒 sm9151459 086.「三日月ライダー」(初音ミク 40㍍P) 04分24秒 sm10359628 087.「えれくとりっく・えんじぇぅ」(初音ミク ヤスオP) 03分16秒 sm1249071 088.「ジェンガ」(初音ミク 40㍍P) 04分57秒 sm9558887 089.「Holography」(GUMI ダルビッシュP) 04分18秒 sm10526601 090.「ミキミキ★ロマンティックナイト」(miki samfree) 03分28秒 sm8995619 091.「ミラクルたゆん」(巡音ルカ かたほとりP) 04分18秒 sm9266888 092.「恋色病棟」(初音ミク OSTER_project) 04分06秒 sm7361534 093.「ハト」(初音ミク 秦野P) 03分51秒 sm1817563 094.「くるみ☆ぽんちお」(初音ミク まだ仔) 03分34秒 sm8686165 095.「誰も知らない」(miki 赤い彗星P) 05分54秒 sm9573063 096.「いろは唄」(鏡音リン 銀サク) 04分05秒 sm6115924 097.「トエト」(巡音ルカ トラボルタP) 03分38秒 sm6183148 098.「シアワセキャンバス」(初音ミク YG21) 05分15秒 sm9513035 099.「ちょこれーと☆ぱにっく!」(初音ミク まだ仔) 03分34秒 sm9714377 100.「結ンデ開イテ羅刹ト骸」(初音ミク ハチ) 04分28秒 sm7550182 101.「好き好き好き好き好き好き好き好き好き」(初音ミク ピノキオP) 04分13秒 sm9759869 102.「人柱アリス」(KAITO,MEIKO,初音ミク,鏡音リン,鏡音レン 歪P) 03分09秒 sm3143714 103.「Little Doll」(鏡音リン DanP) 03分37秒 sm3613870 104.「アルビノ」(初音ミク におP) 03分15秒 sm9485673 105.「clock lock works」(初音ミク ハチ) 04分21秒 sm8933166 106.「ぶちぬけ!2008!」(初音ミク doriko) 04分14秒 sm1853135 107.「celluloid」(初音ミク FIFAP) 04分01秒 sm3612709 108.「LOL -lots of laugh-」(初音ミク 4次元P) 03分45秒 sm8033594 109.「リンリンサンタのメリクリ!」(鏡音リン,鏡音レン はむ☆P) 02分50秒 sm5616432 110.「SETSUNA」(初音ミク SHIKI) 03分02秒 sm4183964 111.「Scene zero」(初音ミク SHIKI) 04分11秒 sm8899982 112.「もえもえあきばけ」(初音ミク コーチP) 01分33秒 sm9634356 113.「GO!GO! in the solidio」(miki,氷山キヨテル テラ小室P) 04分33秒 sm10517286 114.「ACUTE」(初音ミク,KAITO,巡音ルカ 黒うさP) 04分41秒 sm7992704 115.「めりー☆せっくすます」(初音ミク まだ仔) 03分45秒 sm9182250 116.「uta girl」(初音ミク ずどどんP) 05分03秒 sm4075853 117.「二息歩行」(初音ミク DECO*27) 03分10秒 sm8061508 118.「みくみくにしてあげる♪」(初音ミク ika) 01分39秒 sm1097445 119.「旧ミクっていうな!」(初音ミク ほぼ日P) 01分47秒 sm10564767 120.「しゅうかつ!~FULLで働きたくないEDIT~」(miki 西沢さんP) 03分31秒 sm9163727 121.「DIVE INTO BLUE」(miki いちたまP) 05分29秒 sm9351056 122.「モノクロ∞ブルースカイ」(初音ミク のぼる↑P) 03分56秒 sm10150980 123.「UNBALANCE」(鏡音リン シグナルP) 04分49秒 sm10037931 124.「Queen Nereid」(巡音ルカ SeikoP) 04分41秒 nm8848650 125.「神の名前に堕ちる者」(初音ミク kaoling) 03分57秒 nm10476697 126.「Last Night, Good Night」(初音ミク kz) 06分23秒 sm4141643 127.「少女の空想庭園」(初音ミク cosMo(暴走P)) 04分17秒 sm5156246 128.「つけるよ。-SuketchP rmx-」(KAITO すけっちP) 06分08秒 sm10584427 129.「1925」(初音ミク ちほP) 03分17秒 sm8430328 130.「STAR CHART」(初音ミク 糞田舎P) 04分21秒 nm8624683 131.「1/6」(初音ミク ぼーかりおどP) 04分27秒 nm6971638 132.「弱虫モンブラン」(GUMI DECO*27) 04分02秒 sm10393864 133.「eight hundred」(初音ミク ピノキオP) 05分46秒 sm6738433 134.「秋空の風」(初音ミク neve) 05分13秒 sm8549714 135.「ブラック★ロックシューター」(初音ミク ryo) 04分52秒 sm3645817 136.「サボテンと蜃気楼」(初音ミク 若干P) 05分11秒 sm9905163 137.「恋は戦争」(初音ミク ryo) 03分57秒 sm2397344 138.「めいめろ」(初音ミク ゆよゆっぺ) 04分25秒 sm10574876 139.「アタフタ」(鏡音リン おぴろげP) 04分15秒 sm10515377 140.「Melody in the sky」(初音ミク 40㍍P) 05分22秒 sm4027018 141.「かくれんぼ」(初音ミク お菓子P) 04分37秒 sm9842049 142.「初音ミクの暴走」(初音ミク cosMo(暴走P)) 04分48秒 sm10385613 143.「Dear... 片想い」(初音ミク めっく) 05分22秒 sm7971945 144.「Alice」(初音ミク 古川P) 04分32秒 nm7869327 145.「SING&SMILE」(初音ミク Re nG) 03分44秒 sm1697854 146.「無限軌道に乗って」(初音ミク DoroicarV) 03分46秒 sm10567908 147.「卑怯戦隊うろたんだー」(KAITO,MEIKO,初音ミク シンP) 04分20秒 sm1639267 148.「Twilight」(miki 腕カバーP) 04分51秒 sm9221007 149.「偽りのKESHIKI」(初音ミク ゆよゆっぺ) 03分50秒 sm5316799 150.「*ハロー、プラネット。」(初音ミク ささくれP) 05分05秒 sm7138245 151.「Packaged」(初音ミク kz) 04分53秒 sm1136355 リク対象外曲 ex.「Survivor」(初音ミク 匿名希望の東京都在住) 02分12秒 nm6879706
https://w.atwiki.jp/ifrozenteacherss/pages/73.html
肝試し続き 組み合わせ 雛苺 巴 男子A(真紅ときの不良Aとは関係なし) 雛苺「肝試しなの! どきどきわくわくなの!」 巴「雛苺先生。一人で先に行かないでくださいね?」 男子A「そうですね、雛苺先生は迷子になりやすいですからね」 部活動で一緒である巴と男子Aは、雛苺にそう言うと 雛苺は、失礼なのー。と、ぷぅと頬を膨らませた。 それを見て苦笑する二人。 雛苺「もういいの! 雛一人でいくもん!」 巴「あ、待ってください」 ふーんだ! と、一人先に行く雛苺を苦笑しながら追いかける二人。 雛苺「雛一人で、うにゅーゲットするもーん!」 どうやら、校長室にある証がうにゅーこと苺大福だと思っている雛苺。 実に、雛苺らしいと二人は苦笑した。 雛苺「うにゅーうにゅー。あまーくておいしー」 真っ暗な校舎がかもし出す怪しい雰囲気を、ぶち壊す自前のうにゅーの歌でぶち壊す雛苺。 巴も男子Aも、そんな雛苺をとめることなく、なにやら二人で話しをしている。 巴「今度の大会だけど」 男子A「たしか、プログラムに珍しく男女混合があったね」 巴「えぇ。こっちからは主将の私と副主将をと思ってるわ」 男子A「こっちも、そうなると思うな」 暗い事も関係なく。三人は、廊下を進んでいく。 実に、マイペースな三人である。 『とぉまぁれぇええぇ』 なんか、ジブ○の顔○しみたいな仮面を被ったソレが三人に対してそう叫ぶ。 しかし…… 雛苺「うにゅ~。うにゅ~。まもむもまもむも~」 巴「明日の女子の練習予定で……」 男子A「わかった、主将に言っておくよ。こっちは、そっちにあわせる事にする」 見事に無視して、すすむ三人。 『とぉおまぁぁれぇええ!』 ちょっと、何処か泣きが入った声でソレは雛苺の前に改めて立つ。 雛苺「邪魔なのー!」 と、ソレの体を押す雛苺だったが、すぐに押すのやめて、ソレをジーッと見た。 『………』 じーっとみられてソレの額に漫画みたいな汗が浮かぶ。 雛苺につられて、巴と男子Aもソレをじぃっと見る。 『……………』 さらに、漫画みたいな汗が無数に出現する。 雛苺「ベリーベルなにしてるの?」 『うぐ?!』 巴「あ、ベリーベルさんでしたか。何処かで見た事あるなって思ったんですよ」 男子A「同意」 『き、肝試しなのにぃー! なんで皆さんそんなマイペースなんですかー!』 うわーん。と、驚かす方が泣いて何処かへ行ってしまった。 雛苺「何がしたかったのかな? ベリーベル」 巴「さぁ……?」 男子A「まぁ、今回のイベントは肝試しだからね……驚いてほしかったんだよ」 雛苺「ふーん」 巴「あぁ、そういえば雛苺先生」 雛苺「なに? ともえ?」 巴「大会までの移動って自腹ですか?」 雛苺「大会? ふぇ?」 初耳だ。と、いった感じの雛苺に、巴と男子Aはため息をついた。 この先生は、自分が私(俺)たちの部活の顧問だって事忘れてる。 二人は、そう思った。 ラプラス教頭もこんな感じであしらい(ベリーベル見たく泣く事はなかったが、ため息をついて去っていった) そして、校長室へ到着した雛苺達。 『よぉく来たなぁー!! おまえたちぃー!!!』 今度こそと、ローゼン扮するソレは気合を入れて演じるのだが。 雛苺「……あれ? うにゅーが無いの」 巴「そういえば、男子R君手首痛めたって本当?」 男子A「あぁ、なんでもひねったらしい」 ゴーイングマイウェイ。 まったく持ってローゼン扮するソレを無視。 『なぁ……おまえら』 雛苺「うにゅーはどこーーー!!」 と、雛苺は大声をあげてスモークを掻き分けて床に落ちてないか探してるし 巴「あぁ、そういえば男子A君ってうちの女子Tさんと付き合ってるって本当?」 男子A「ぶっ!? ど、どこでその情報を!?」 巴「あ、本当だったの」 男子A「しまった?! ちょ、巴さん! 他の皆には秘密にしてくれよ?!」 巴「いいわよー。その代わり、不死屋の苺大福ね」 二人は二人で、やっぱり世間話。 『………………』 一応仮面で顔は、隠しているので見えないが、ローゼンはしみったれた面をしていた。 巴「あ、校長先生。証もらっていきますね?」 男子A「校長先生。お疲れ様です」 雛苺「うにゅーがなぁーい!」 『…………』 泣きたくなってきたローゼンだった。 雛苺組。マイペースにクリアー。 ちなみに、何故か出店で売っていた苺大福を巴が買って雛苺に渡していたりする。
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/2240.html
梓「先輩、免許取りに行きませんか?」 唯「えー、いいよぉ。なんかめんどくさそうだし。それに免許はなくても生きていけるしー」 梓「それはそうですけど……はぁ、まぁ先輩らしいですが」 唯「あずにゃん!あずにゃん!免許取りに行こう!」 梓「は?いきなり何を、というか昨日そう言いだして断られたばかりなんですが、私」 唯「そんな昔のことは忘れたよ!」 梓「何言ってるんですか、もう!というか、手に持ってるそれ、なんですか。教習所のパンフとかですか?」 唯「ふふふ……これを見たらあずにゃんも免許を取りに行きたくなるよ。じゃーん!」 梓「えっと、車の旅100選……なるほど、それを見て車に乗りたくなったってことですね」 唯「うんうん、助手席にあずにゃん乗せて、こんなところに行けたら素敵だなーって」 梓「……ふふっ、確かにそうですね。助手席に唯先輩乗せてこういうところに行くのも、素敵かもです」 唯「むむっ、助手席はあずにゃんだよ~」 梓「いいえ、唯先輩です。これは譲れませんね」 唯「ううっ、あずにゃんは私の運転する車には乗りたくないんだね」 梓「そんなことないですよ?それじゃ、先輩は私の運転する車には乗りたくないですか?」 唯「ううん、乗りたい!あ、でもソレジャあずにゃんを助手席に乗っけられない……?むむむ」 梓「もう、唯先輩ってば。交代で運転すればいいいじゃないですか」 唯「おお、そうだね!それいいよ!さすがあずにゃん!」 梓「ちょっと考えれば分かることですけど。さ、それにしてもまずは免許取得です。頑張りましょう」 唯「うん、あずにゃん!一緒に頑張ろうね!」 梓「車も決めておきましょう。新車は難しいと思いますので、中古で軽自動車で探しましょうか」 唯「ええーもっとこう、どーんと大きくってぱわふるで、ピッカピカの新車がいいよぉ」 梓「何贅沢言ってるんですか。車は維持費も馬鹿にならないんです。諸経費の安い軽が私たちにはちょうどいいです」 唯「あずにゃんの現実的めー」 梓「お褒めいただき光栄です」 唯「じゃああずにゃんの言った範囲で探すよ……あ、これ可愛い!ねえねえ、あずにゃん、これにしない?」 梓「どれですか?あぁ、これですか。ツーシーターのセミオートマですね。ちょっとクセがあるみたいですけど」 唯「でもちっちゃくって可愛いよ!あずにゃんみたいに可愛い車だよ!」 梓「何ですかそれは。まあ、小さくて可愛いには同意ですけど」 唯「どうかなぁ?」 梓「まあ、お値段も手頃ですし……先輩がそこまで気に入っているのなら。はい、私もいいと思います」 唯「やったぁ!あずにゃん、早くこの子に乗ってドライブ行こうね!」 梓「ふふ、気が早いですよ、唯先輩。まずは免許取って、あとはお金貯めるためにバイトです」 唯「うん、私、頑張るよ!」 唯「ついに旅立ちの時!」 梓「あれからちょうど一ヶ月ですか。紅葉が見ごろですね」 唯「うん、じゃあ行こうか、あずにゃん!えへへ、この子も早く行こうってわくわくしてるよ」 梓「ですね……それにしても唯先輩。この子ってずっと言ってますけど、名前付けないんですか?」 唯「え?うんー、私だけのだったらすぐ付けたんだけど、私とあずにゃんのだからね、私だけで勝手に付けられないよ」 梓「なるほど、そういうものですか」 唯「だから、二人で一緒に名前考えよっか。私たちの愛の結晶だし」 梓「何わけわからないこと言ってるんですか。……でも、そうですね。ホテルに着いたら、二人で考えましょう」 唯「うん、いい名前つけてあげようね。じゃあ、行こっか、あずにゃん!」 梓「はい!」 ホテルはまさかあれか…あれなのか!? -- (あずにゃんラブ) 2013-01-07 02 41 53 名前、何になるんだろう… -- (名無しさん) 2014-04-26 08 02 47 ラブホ? -- (名無しさん) 2014-12-13 22 15 55 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/4887.html
ケータイのディスプレイを眺める。 十数秒も経つと暗くなる画面、その都度私は適当なボタンを押してバックライトを灯していた。 「……。」 ディスプレイには私と澪がいて。 このときの私たちはまさかこんなドツボに嵌るなんて想像もしていなかった。 我ながら、屈託のない笑顔だと思う。 今となっては何も知らない馬鹿な女にしか見えないけど。 見ていると苛立すら覚える。 なのに…。 どうしてだろうな、この画面から目が離せないんだ。 「あぁ…なんで…なんでこうなったんだよ…。」 誰が悪い? そう聞かれれば私は自分だと断言するだろう。 誰を裁く? そう聞かれればやはり自分をと即答するだろう。 「……。」 全てを壊したのはきっと私で。 それを許したのは澪だった。 ・・・ ・・・ 数日前、休日 律「おっ、来たか」 澪「あぁ。入っていいか?」 律「もっちろん!おかえりなさいませー」 澪「ば、ばかっ」 律「ははっ冗談だよ。あがれあがれ」 澪「お邪魔します」 律「先に部屋に行っててくれ。適当に飲み物とか持ってくから」 澪「あぁ、悪いな」 この日の私たちは浮かれていた。 律「よっ」ガチャ 澪「早かったな」 律「おう。どっち飲む?」 澪「えっと、じゃあそっち」 律「ほいよ」 二人きりの空間。 澪「えっと、どうしようか」 律「とりあえず、宿題でもするか?」 澪「珍しいな、律から宿題だなんて」 律「そうか?私だってたまにはやる気を出すぜ」 澪「そうか、わかった。じゃあ自力でやろうな」 律「そりゃないぜ!」 両親は帰ってこない。 澪「・・・」 律「・・・くっそー」 澪「律、まだ?」 律「この問題がわかんないんだよ」 澪「えぇ?それこの間やったところじゃないか」 律「気のせい気のせい」 澪「何言ってるんだ」ペシッ 律「あたっ」 言葉にはしなくても、お互いがわかっていた。 澪「全く・・・それじゃいつまで経っても終わらないぞ?」 律「そう思うなら教えてくれよ」 澪「駄目。自分で解くこと」 律「えぇー?あまりこれに時間掛けてると・・・」 澪「な、なんだよ・・・」 律「言わせるのか?」 澪「いや、その、いい・・・わかる」 セックスをするチャンスだってこと。 律「久々に二人きりなんだし・・・な?」 澪「・・・わ、わかったよ」 律「へへ、やった」 澪「ほら、教えてやるから覚えてくれ」 律「はーい」 なし崩し的に始まったこの関係。 澪「・・・だ。わかったか?」 律「あぁ」キリッ 澪「本当か?」 律「うん、マジマジ」 付き合おうだなんて、口約束はしていない。 澪「全く・・・こんなすんなり理解できるなら」 律「公式見ながらなら出来るんだけどなぁ・・・」 澪「 暗 記 し ろ 」 律「はい」 今思えばあの時も衝動が抑えられなくなって、澪を押し倒したのが始まりだった。 澪「いいな?」 律「わ、わかったよ・・・」 澪「よし、それじゃ宿題は終わりだな」 律「おう!さんきゅ!」 もしかしたら私は少し自制心というものが足りないのかも知れない。 澪「・・・」 律「・・・な、なんだよ」 澪「その・・・」 律「なに?」 澪「しない、のか・・・?」 律「・・・それは」 澪「しようよ」 律「・・・!」 お預けを食らって限界だったらしく、この日の澪はいつもよりずっと積極的だった。 澪「っあぁ・・・!りぃ、つ・・・!」 律「・・・」ピタッ 真っ最中に、私はある衝動に駆られたんだ。 澪「なん、だよ・・・って、ちょ・・・!!いったい!りつぅ・・・!!」 律「・・・」 澪「や、りつ・・・!!やめて!」 律「・・・」 澪「ねぇ、律ってば・・・!それ以上噛まないでよ・・・」 律「・・・ご、ごめん」 澪「どうしちゃったんだよ、急に・・・」 律「・・・血が」 澪「りつ・・・?」 律「いや、ごめん・・・忘れてくれ。続き、いい?」 澪「あ、あぁ・・・」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 澪「なぁ、さっきのって・・・」 律「え?何が?」 澪「だから、その・・・血って」 律「・・・」 澪「黙ってたら、わからない」 律「・・・血が、その、少しでもいいから・・・舐めたくて」 澪「・・・!?」 律「おかしいよな・・・私、どうかしてたんだ」 澪「前から、ずっとそう思ってたのか?」 律「・・・」 澪「律、正直に言って」 律「・・・うん」 澪「そっか・・・」 律「引いた?」 澪「引きはしないけど・・・」 律「ずっと、澪の血・・・飲みたいと思ってた」 澪「え・・・?『舐めたい』じゃなくて『飲みたい』のか・・・?」 律「好きな人のなら、当然だろって思ってたんだ」 澪「いや・・・それは・・・」 律「でも違うんだよな、わかってるよ。この間、梓と話しててさ」 澪「うん」 律「怪我したときによくペロってするだろ?」 澪「あぁ、私も律にされたことあるな」 律「そんな話をしてて、あれじゃ足りないって言ったら、その、ビックリされた」 澪「それは、うん・・・」 律「そのときに初めて思ったんだよ。あれ、この感覚っておかしいのかなって」 澪「・・・」 律「澪はさ」 澪「うん」 律「私の血、舐めたい?」 澪「・・・血は、嫌いだ」 律「わかってるよ。でも、好きな人のだぞ?」 澪「・・・舐めてって言うなら、舐めるけど」 律「やっぱ、そういうもんなのか」 澪「あぁ・・・ごめんな、わかってやれなくて」 律「いや、いいんだ。私がおかしいんだろうし」 澪「・・・」 律「とにかく、それから自分のこの欲求について考えるようになったんだ」 澪「そうだったのか・・・全然知らなかったよ」 律「いいんだよ、私が黙ってたんだから。怖がらせたくなかったし」 澪「・・・」 律「でもな、さっき・・・我慢できなくなって」 澪「そっか・・・」 律「嫌いになったか・・・?」 澪「まさか、ならないよ」 律「よかった・・・」 澪「・・・」 律「・・・みお?」 いっそ拒絶してくれればよかったのに。 それができたら、きっと私はもう二度と澪にこんな話を切り出すことはなかった。 なんて、勝手な考えか。 澪「・・・いいよ」 律「え?」 澪「ちょっとなら・・・」 律「・・・」 澪「ちょっとなら、いいよ」 律「・・・!!?」 ここで遠慮すればよかったんだ。 だけど、私は欲望に勝てなかった。 ・・・ ・・・ たった数日前のことなのに、遠い昔のことのようだ。 澪の腕は手首の血管近く、ヤバそうなところを外してカッターを滑らせた。 指にしようかとも思ったけど、演奏に支障が出そうだからと避けた。 加減がわからなくて、最初の一筋はほとんど跡がついただけ。 時間が経つにつれ、少しずつ出血し、結果的に玉のような小さな血の塊がいくつか出来上がって。 それを舌で舐めとったんだ。 「……。」 あのときのことを思い出すと、気分が高揚する。 ケータイの画面を見つめる私はこの頃の私とはもう別人だ。 「汚ねぇな、私…。」 今、澪の腕には二本の傷跡がある。 二本目は一本目のすぐ下。 私の欲望が澪を傷つけたんだ。 澪の腕、血、肌を裂く感触、その時のうめき声、隠すように巻かれた包帯。 自己嫌悪に陥りながらも、私はそれらに興奮した。 この不謹慎でどうしょうもない欲求を、誰か止めてくれ。 ・・・ ・・・ 翌日 唯「ねぇ、りっちゃん」 律「ん?どうした?」 唯「澪ちゃんのことだけど・・・」 律「澪?なんの話?」 唯「腕の包帯だよー」 律「・・・!」 唯「あれって・・・」 律「・・・」ドキドキ 唯「ちゅーにびょう?」 律「」ズルッ 唯「すごいね!私初めてみたよ!」 律「あ、あぁそうか。よかったな」アハハ 唯「うん!・・・で、あれはいつ治るの?」 律「へ?さぁ、それは・・・本人が恥ずかしいこと言ってるって気付くまでじゃないか?」 唯「んー、違くてさぁ」 律「え」 唯「傷の方」 律「・・・!」 唯「あれ、嘘なんでしょ?」 律「なっ・・・!」 唯「澪ちゃんが急にあんなこと言い出すなんて不自然だもんね」 律「・・・そりぁ、確かに、そうだよな」 唯「傷には気付いてないみたいだけど、ムギちゃんもあずにゃんもきっと不審に思ってるよ」 律「・・・唯は、なんで」 ガチャ 梓「お疲れ様です」 唯「あずにゃーん!」 律「・・・」 梓「律先輩、どうしたんですか?」 律「え?」 梓「なんか怖い顔してたんで」 律「そうか?ちょっと考えごとだよ」 梓「へぇ、律先輩でも考えごとなんてするんですね」 律「中野ぉ!」 ・・・ ・・・ 3
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/871.html
「ふ・・・ふふふ・・・これで・・・・キョンは・・・・・あたしだけのもの・・・」 ・・・身体に力が入らない・・・ ・・・・頭の中が真っ白になる・・・ ・・・・・もう・・・そんなに時間はのこされていないだろう・・・ 俺はそんな事を考えつつ、ぼーっと自分の腹に突き刺さった包丁を見ている・・・ なんで、こんな事になっちまったんだろうな・・・・? なぁ、ハルヒ・・・・ 「誤解」 さて、展開がいきなり過ぎて何の事やらさっぱりだろうから少し時間を巻き戻そう。 ・・・・・・ それは、いつもと同じ部活中の事だった。 俺は朝比奈さんの淹れてくれたお茶を飲みつつ、古泉といつもの様にボードゲームで暇を潰していた。 しかし、その日はずっとあるものを目で追っていたのである。 そのあるものとは、我等がSOS団団長涼宮ハルヒだ。 な、なんでハルヒなんかを俺はずっと目で追ってるんだ? ふと、その事に気付いた俺は自分でもワケが分からず頭に?マークを浮かべていた。 「それは恋ではないでしょうか?」 疑問に思っていると向かいに座っていた古泉がいきなりそんな事を言ってきやがった!! 「そ、それは一体何の冗談だ?て、ってか、か、勝手に人の心を読むんじゃありません」 あぁ、動揺してんのバレバレだな・・・ 「すいません、あまりに分かりやすいものでしたから、つい。しかし、あなたが涼宮さんに特別な感情を抱いているのは確かですよ」 「俺ってそんなにバレバレなのか?それは、まぁいい。ちなみに言っとくが俺は恋愛感情とか理解出来ないぞ」 「えぇ、それは見ていれば分かります。さて、どうしたものでしょうか?」 こいつ、楽しんでないか? 「知らん。もう放っておいてくれ。これは一瞬の気の迷いなんだ」 すまん、これは言い訳だな。 確かに、俺はハルヒの事が好きだ。 だが、俺はハルヒとの今の関係のを壊したくないのだ。 「そうはいきません。あなたと涼宮さんが一層仲良くなって頂けると僕としても良い事ばかりなので、今回は強引にお手伝いさせて頂きますよ」 あぁ、そういう魂胆か。 「そうかい、じゃあ好きにしてくれ」 俺がそう言った時「あぁ、つまんない!!今日はこれで解散!!」と言ってハルヒが部室から出て行った。 「さぁ、涼宮さんも帰った事ですし、告白の練習をしましょう」 「いきなり、何なんだ!まさかとは思うが、お前を相手に練習とか言うんじゃないだろうな?」 その事態だけはなんとしても避けたい!いや、避けなくちゃならない!! 「さっき、好きにしていいとおっしゃったじゃないですか。あなたが望むなら僕がお相手してもいいですよ♪」 「断固として断る!!」 「・・・そうですか・・・。非常に残念ですが、ここは朝比奈さんか長門さんに頼むとしましょう」 なんか、本気でがっかりしてるな・・・まさか、こいつは俺の事が・・・ いや、それ以上考えるのはやめよう。 「で、どちらがいいですか?」 「どっちって、告白する相手はあのハルヒだぞ!?どっちも参考にならないと思うが」 って、すっかり古泉にのせられてるな俺・・・ 「ふぇ、キョン君、涼宮さんに告白するんですかぁ?」 声のした方に振り返るとSOS団専属のエンジェルが不思議そうな目を向けていた。 「あ、朝比奈さん、聞いてたんですか?」 「あれだけ大きな声だったら聞こえますよ。そうかぁ、やっと告白するんですねぇ」 「本当にやっとですよね。これで我々のモヤモヤもやっと解消されます」 なんか、ここぞとばかりに好き放題言ってるな。 「何だよ?俺はそんなに鈍感か?」 そう言うと3人の目がこっちに向けられた。 「ひょっとして、気付いてないんですかぁ?」 「まさか、それ本気で言ってますか?だとしたらあなたは鈍感を極めたと言っても過言ではありませんよ」 「・・・・超鈍感・・・・」 3人の言葉が俺の心にクリーンヒットする。 見事に心を砕かれた俺は部屋の隅で体育座りをしてヘコんだ。 いやぁ、その姿は滑稽だったなぁ・・・はっはっは・・・はぁ。 「それは置いておくとして、では、そろそろ練習を始めましょうか」 古泉の一言により遂に「ハルヒに告白」する練習が始まっちまった。 俺の練習相手は無事朝比奈さんに決まった。 「さぁ、どうぞ」 「テイク1」 クソッ、いい気なもんだなお前ら!! こうなりゃヤケだ。 「ハルヒ、好きだ」 ・・・・・・ 「まさか、それだけですか?」 なんだ、その心外っていう顔は? 「あぁ、そうだが」 「これじゃあ無理ですね」 「キョン君は女心が分かってないです!!」 「・・・無知・・・」 揃ってダメ出ししなくてもいいじゃないか・・・ 「じゃあ、どうすりゃいいんだよ!」 「「「はぁ・・・」」」 今度は3人揃って溜息ついてるし・・・ 「ここまでダメだとは・・・分かりました、一肌脱ぎましょう。じゃあ、まず肩を持ってじっと相手を見つめて下さい」 と言って古泉がシチュエーションをつくる。 「テイク2」 長門のその合図で2回目の練習が始まった。 えーい、こうなりゃ勢いのまま行くしかない!! 「俺、ハルヒの事が」 バーッン!! その時、ドアが開いたのには気がついたが勢いが止まらなかった。 「ごっめーん!!忘れ物しちゃってー!!」 「始めて会った時からずっと好きだったんだ!!これからもずっと傍にいてくれ!!」 そう言い終わってドアの方を向くと表情を失ったハルヒが立っていた。 とりあえず今の状況を整理しよう。 俺は、ドアの前で朝比奈さんの肩を持って愛の告白をしていて、古泉と長門はちょうどドアに隠れて見えてない。 つまり、ハルヒから見れば放課後の部室で2人っきりで告白をしているように見える訳だ。 ははは、もう言い逃れできねぇなこりゃ・・・・ 「何・・・・やってるの?」 ハルヒの肩が震えている。 「い、いや、これは・・・・そのな・・・」 あぁ、なんでちゃんと説明できないんだ俺!流石にテンパリ過ぎだろ!! 「みくるちゃん、説明して」 「あの、その、えーっとぉ」 「もう!さっさと説明しなさいって言ってんでしょ!!」 ハルヒは朝比奈さんの胸倉を掴んで怒鳴った。 こいつは何をそんなに怒ってるんだ? 「ひぅ!!」 「おい、ハルヒやめろ!!朝比奈さんは何も悪くないんだ!!」 そう言って朝比奈さんを庇う形で2人の間に入った。 「ふーん、お熱い事で。何よ、見せ付けてくれんじゃない!!」」 今度は俺に掴みかかってきた。 「俺はな、ただ朝比奈さんに告白「嫌!!そんなの聞きたくない!!」 「いいから最後まで聞けって言ってるだろ!!」 「聞きたくないって言ってんでしょ!!バカッ!!もう知らない!!あんたなんかみくるちゃんとヨロシクやってなさいよ!!」 ハルヒは俺の手を払い除けて部室を勢い良く飛びだしていった。 「もう、何やってるんですか?しっかり説明してくれなきゃダメじゃないですか」 「そうは言ったって、あいつ何も聞かなかったじゃないか」 「そこを何とかするのがあなたの仕事ですよ。しっかりして下さい」 「・・・超ヘタレ・・・」 どうでもいいが、今日は長門の一言が厳しいな。 「まぁ、我々も少し調子に乗ってしまいましたね、すいませんでした」 「いや、それはもういい。それより、またあのヘンテコ空間が発生して大変なんじゃないか?」 「えぇ、恐らく発生するでしょうね」 「また、迷惑掛けるな」 「いえいえ。それより、明日にはちゃんと涼宮さんの誤解を解いて下さいね。よろしくお願いします」 「キョン君、ごめんなさい。私がしっかり説明出来ていればこんな事にはならなかったのに・・・」 「朝比奈さん、それはお互い様ですから気にしないで下さい」 「分かりました。では、また明日会いましょうね」 「はい。また明日」 そこで俺たちは解散し、それぞれの帰路に着いた。 家に帰った俺はハルヒになんて言って謝ろうか、そればかりを考えていた。 はぁ、前途多難だな、まったくよぉ。 そして、ハルヒの事が頭から消えないまま俺は眠りに落ちていった・・・ ・・・・・・・・・・ 何か違和感を感じ目を覚ますとそこはいつかの灰色の空間だった。 また、ここか・・・・ という事はあいつもここに居るんだろうな。 さて、ハルヒを捜しに行きますか。 俺は、立ち上がり部室を目指した。 あいつが居るとしたらあそこしかないからな。 俺の読み通り、ハルヒは部室に居た。 「おい、ハルヒ」 「・・・キョン・・・」 「また、こんな所に来る夢を見たのか?」 「あはは、ここは夢じゃないわよ」 ハルヒは何を言ってるんだ? どうしてそれを知ってるんだよ? 「どういう意味だ?」 「あたしね、前にここに来た時に1人で探検したでしょ?その時に転んで膝を擦り剥いたのよ。で、戻った時にその傷が残ってたの。だからあれは夢じゃないってすぐに気付いたわ」 なんて事だ・・・ つまりハルヒはあの時からここが夢じゃないって気付いてたってのか。 「そう分かってるなら、なんでまたここに来たんだよ?」 「あんたのせいよ。あんたがあの時あたしにキスしたからあんたの中にはあたししか居ないって信じてたのに!! あんたはあたしじゃなくてみくるちゃんを選んだ!!あたしはそれが許せない!!だからあんたをここに閉じ込める事にしたの。 そうすればあたし以外の奴があんたに触れる事は出来ない。最高よね!!あははははははははは」 「そんなことしてなんの意味があるんだ?お前だってここから出られないんだぞ」 「あたしはあんただけが居ればいいわ。他にはなにもいらない」 ダメだ、今のハルヒは歪んでしまっている。 今、告白すればハルヒは受け入れてくれるだろう。 だが、俺が好きなのはいつものハルヒだ!! 目の前に居るこいつじゃない!! 「お前は誤解しているぞ!!俺は朝比奈さんに告白した訳じゃ「もう、その話はどうでもいいわ」 ハルヒはゆっくりとこっちに近づいてくる。 「さぁ、キョン。あたしだけを見て。あたしだけを愛して。あたしだけを求めて」 っく、俺の言葉はハルヒの心まで届かない!! なんて無力なんだよ、俺は!! どうすればいいんだ!? もう、ハルヒは俺の目の前まで来ていた。 「ねぇ、早くあたしに触って」 ここで諦めてどうすんだ!! ハルヒをこうしちまったのが俺なら、元に戻すのも俺の役目だ!! 「・・・それは・・・・出来ない」 「え?」 「俺には今のお前を求める事も愛する事も出来ないって言ったんだよ!!」 頼む、もう元に戻ってくれ・・・ こんなお前を見てるのは辛いよ・・・ 「・・・そう・・・だったら」 どうやら俺の願いは届かなかったみたいだな・・・ 「・・・死んで・・・・」 ハルヒがそう言った瞬間、何かが俺の腹に突き刺さった。 な、何がどうなってんだよ!? 俺は、状況を理解する前にその場に倒れこんでいた。 ここでやっと冒頭に戻る。 「ふ・・・ふふふ・・・これで・・・・キョンは・・・・・あたしだけのもの・・・」 ・・・身体に力が入らない・・・ ・・・・頭の中が真っ白になる・・・ ・・・・・もう・・・そんなに時間は残されていないだろう・・・ 俺はそんな事を考えつつ、ぼーっと自分の腹に突き刺さった包丁を見ている・・・ なんで、こんな事になっちまったんだろうな・・・・? なぁ、ハルヒ・・・・ 「あははっ、あははははははははははははははははは」 くそっ、もうどうにもならないのかよ!! そう思った時、ハルヒの異変に気が付いた。 ハルヒはその大きな瞳から大粒の涙を流している。 そうか、ハルヒもコイツと戦っているんだな!! だったら、俺に出来る事はたった一つだ!! それはハルヒが目の前のコイツに勝てるようにしてやる事だけだ!! 「ハ・・ルヒ、ごめん・・・な・・げほっ・・・俺・・・・お前の事・・・・・傷つけちまった・・・な」 「何を今更、そんな事しても無駄よ!!あははははははははは」 てめえは黙ってろ!! 俺は、目の前の奴を思いっきり睨み付けた。 「今日の・・・あれな・・・・お前に・・告白する練・・習をしてた・・・んだ・・・・っく」 俺は意識が遠くなるのを必死に堪えた。 「・・・1度しか・・言わないから・・・ちゃんと・・・・聞いて・・・おけよ」 もう少しなんだ!!だからもう少しだけもってくれよ!! 「む、無駄だって言ってんでしょ!!往生際が悪いわよ!!」 いい加減、黙ってくれ。気が散る。 「俺は・・・涼宮ハルヒが・・・・・大好きだ!!だから・・・・・俺の所に戻ってこい!!ずっと俺の傍に居てくれぇ!!」 っく、俺に出来るのはここまでみたいだ・・・・ お前が戻ってくるのを迎えられなくてごめんな・・・ そこでとうとう限界を迎えた俺は意識を失った・・・・ ・・・・・・・・ 「・・・・ョン・・・ン・・・・・・」 誰かが俺を呼んでいる・・・・・ 疲れてんだから少し休ませてくれよ・・・・・ なんか、さっきから顔にポタポタと垂れてくるな。 なんだこりゃ? 「キョン・・・・キョン・・・・・キョン~」 声がさっきよりはっきり聞こえる。 あぁ、分かったよ!!起きればいいんだろ!? 目を開けるとそこには涙とかその他の液体で顔をめちゃくちゃにしているハルヒの顔があった。 「・・・よぉ、何泣いてんだよ?」 「だって、キョンが死んじゃったと思ったんだもん!!」 「お前が刺したんだろうが」と出かけたがそれは飲み込んだ。 どうやら、俺の大好きなハルヒが戻ってきたみたいだからな。 「無事・・・戻ってきたみたいだな」 「うん。キョン、ごめんね・・・ホントにごめんなさい」 「もう、いい。お前はよくやったさ。そんな事より、もっと聞きたい事があるんだけどな」 「えっ?あ、うん。あたしもキョンが世界で一番大好き!!だから、これからよろしくお願いします!!」 あぁ、良かった。 これからが楽しみだな。って、俺は死に掛けてるんじゃなかったっけ? 腹の辺りを摩って見るとべったり血が付いていた。 痛てて、思い出したら急に痛み出した。 「キョン!?大丈夫なの?死んじゃやだよ!!」 もちろん、そのつもりはない。 「なぁ、ハルヒ。元の世界に帰ろう。その際、俺の怪我が治りますようにって願ってくれると嬉しい」 「そんな事で治るの?擦り剥いたとかじゃないんだよ?」 どうやら、元のハルヒは自分に変な力がある事は知らないみたいだな。 まぁ、そっちの方がいいか。 「治るさ。なんたって俺の女神様の願いなんだからな!そして、ずっとハルヒの傍に居るよ」 「分かったわ。キョンがそう言うなら信じる。約束だからね!!ずっと傍に居なさいよ!!」 「あぁ、約束だ。」 そう言ってハルヒの頭を引き寄せ・・・キスをした。 あの時とは違う。 それは愛おしいキスだった。 あの時も離したくないと思ったが、今はそれ以上に離したくない・・・・ そう思えるキスだった・・・ 翌朝、すっかり傷が消えている事を確認した俺は学校へと登校した。 教室に入るとハルヒが勢い良く抱きついてきた。 「お、おい、ハルヒ!朝っぱらから何してんだ!?」 「キョン、ちゃんと生きてた!!生きててくれた!!約束守ってくれた!!」 「そんなの当たり前だろ?なんたって、これからずっと傍に居るんだからな!!」 「うん!!よろしくね!!大好きだよ、キョン!!」 どうやら、一生離れる事はできないみたいだ。 無論、離れるつもりもない。 俺には眩し過ぎるハルヒのこの笑顔を1番近くでずっと見ていたいからな・・・ THE END
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/668.html
♪本当の自分♪ Part.B ……あれ?痛くない。 恐怖で思わず閉じた瞼をゆっくり開くと……。 「なんだよ!離せよ!!」 警察っぽい制服を着た男の人が、酔っ払いの手を掴んでいた。 「鉄道警察隊です」 「あぁ!?警察が一体何のようだ!」 「先程から一部始終を見ていました。なので、傷害未遂の現行犯で逮捕します」 「な、なんだってー!!」 私達の目の前で、酔っ払いに手錠がかけられた。 あちこちから「あーあ、これだから酔っ払いは……」「怖いわねー」といった声が聞こえる。 ……私達にあんな事をしたんだから、当然の報いってやつだよね! すると、警察官さんは私達にも声をかけてきた。 「すみませんが、お二人も一緒に来ていただけますか?……詳しい事情を聞きたいので」 「え?あ、はい。……梓ちゃん、行けそう?」 「何とか。ゆっくりとなら……」 「あ、無理に急がなくても良いですよ。では、すみませんがお二人を詰め所まで案内していただけますか?」 「あ、はい。わかりました」 警察官さんは駅員さんにそう言うと、酔っ払いを連れて一足先に詰め所に向かっていった。 「大丈夫かい?ゆっくりで良いから僕達も行こうか」 「はい。……梓ちゃん、ちゃんと私に掴まってるんだよ」 「あ……はい、唯先輩」 あずにゃんが私の手に掴まり、ゆっくりと立ち上がって歩きだした。 「どぉ?痛くない?」 「あ、はい。さっきと比べるとほとんど痛みは有りませんね」 そっか~、良かった~。 「でも、無理は禁物だからね。ゆっくりで大丈夫だから、痛くなったらちゃんと私に言うんだよ」 「はい……」 そして、私はあずにゃんをしっかりと支えながら、駅員さんと一緒に詰め所に向かった。 # 「ご協力、ありがとうございました。……本当に送っていかなくても大丈夫かい?」 「あ、はい。ご近所さんに驚かれても困るので……」 「そう?じゃぁ、気をつけてね」 「はーい。……じゃぁ梓ちゃん、行こうか」 ……まただ。 「あ、はい」 「どうだい?一人で歩けそうかな?」 「んー、……何とか……大丈夫な感じですね~。ゆっくりとなら、ですけど」 「まぁ、まだ動きそうにないからね。急ぐ必要もないし」 「まだ動かないんですかぁ?」 唯先輩がため息混じりに時計を見た。 現在時刻は午後十時五十分。 そして乗り換える路線の最終電車は午後十一時二十分発。 それ以降は全て四つ手前の駅止まりになってしまう。 乗り換え駅までは約七分。 階段を二階層分登るのに普通ならば約三分。 つまり……あと少なくとも二十分以内に動かないと間に合わなくなってしまう計算だ。 「終電に、間に合いますかね……」 「まぁ、それは『神のみぞ知る』ってやつだからね。僕達でも予想は全く出来ないし」 「そうですか……」 「早く動いてほしいよねぇ~」 「あ、でも今動き始めたら、君達はラッシュ以上の混み具合の中、『立ったまま』電車に乗車するって事になるけど……」 「あぅ……それだけはご勘弁を……。せめて、梓ちゃんだけでも座らせてあげてつかぁさい……」 ……なんで……。 「でもまぁ、まだ大丈夫だと思うよ。とは言え今までの経験からすると……多分後五分ちょいで運転再開かな?」 「そんなのわかるんですか!?」 「まぁ、確実じゃ無いけどね。的中率は七割ってとこかな?」 「はぁー。駅員さんって、そんな特技を身につけてるんですね」 「特技って……まぁ、そう言われればそうかな?」 そんな事を話している間に、ホームに着いていた。 「お、あそこら辺が空いてそうだよ。……では、本日はご協力ありがとうございました。お気をつけてご帰宅下さい」 それまでのおどけた口調を一変させて、仕事口調で私達にお礼を言った。 「あ、いえ、私達も色々とご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。お陰で梓ちゃんの怪我を酷くせずにすみました。ありがとうございました」 「あ、ありがとうございました」 私も慌ててお礼を言った。 ……唯先輩……どうして……。 車内に入ると、既に殆どの座席が埋まっていた。 ……まぁ、明らかに一人で三人分のスペースを占領している酔っ払いもいるけど……、相手するのも面倒だし……。 「あ、あそこ空いてるよ」 唯先輩が指差す先には詰めて貰えれば座れそうなスペースがあった。 「良かったねぇ~、あずにゃ」 「ちょっと!そこのお二人さん!」 唯先輩が私に微笑みながら話しかけたその時、不意に車輌の少し離れた所から声が聞こえた。 『はいっ!?』 私達は思わず同時に声を上げた。声の先を見ると、ギターを抱えて座っている二人の女性が手招きをしている。 「あれ?あの二人って……」 「唯先輩、お知り合いですか?」 「知り合いって言うか……」 「ほらほら、そんな所に突っ立ってないでこっちに来なよ!」 私達が話していると、痺れを切らしたのか片方の女性がこちらに向かって歩きながらそんな事を言った。 意外に背が高いんだなぁ~。……ん?あれっ!? 「やっぱり……。『claydoll』のSayaさんですよね?」 唯先輩が言う通り、メイクをしていないから多少イメージが違うけれど、Sayaさんだった。 「あ、わかっちゃった?まぁ、とにかくこっち来て座んなよ。話しはそれからって事で」 Sayaさんはそう言って席の方へ歩き始めた。 「……唯先輩、行きましょうか?」 「……うん、そうしよっか……」 唯先輩に掴まりながら、Sayaさん達が座る席の方へと向かった。 ……なんでここにいるんだろう……? 「ほら、ここなら私達が詰めれば二人座れるでしょ」 「はい、ありがとうございます」 「おっと、そっちのお下げの子は間に座んなよ。足を怪我してるんだろ?」 「あ、はい……」 私の右に唯先輩、左にSayaさん、その隣にはMiyuさんが座ってる。 うぅ……なんか、緊張しちゃうなぁ……。 「えっと……、すみません、少し質問しても構いませんか?」 「あぁ、良いよ。んーと、多分最初の質問は『なんでここに居るか』って事かな?」 「あ、それも有るんですけど……、何で私達に声をかけたんですか?」 「Saya、残念だったね~」 「別に良いじゃん。それも有るって言ってんだし。んで……あ、何で声をかけたかって事ね」 私と唯先輩は無言で頷いた。 「さっき二人共私達のライブ見てたでしょ?だからだよ」 「でも、他にも沢山のお客さんが居たのに、何でわかったんですか?」 唯先輩の言う通りだ。今日のライブは超満員と言ってもおかしくないくらいに人が多かったのに。 「最前列で、ギターを背負って、しかも高校の制服着てたら誰だって覚えるよ。実際、さっきの打ち上げでもあんた達の話題で盛り上がってたし」 「はぁ、そうだったんですか」 「女の子二人で、しかもギターを背負ってだから、私達と同じなのかなぁ~って、ずっとSayaと話してたんだよね~」 ……意外に見られてるんだ……気付かなかったなぁ。 「で、次の質問はさっき私が言った事かな?」 「あ、はい」 「あんた達と同じだよ。帰る途中に事故に巻き込まれたってだけ。ついでにもひとつ。何で声をかけたかって言うと、キミ……えっと……」 「あ、中野梓です」 「梓ちゃんか。それと……」 「私は、平沢唯です。桜が丘高校三年です。あ、梓ちゃんは二年生です」 ……。 「そっか。えぇっと……そうそう。唯ちゃんと酔っ払いが喧嘩してたでしょ。その時に色々と聞こえたからね、梓ちゃんが怪我してる事とか」 「はぁ……それで、私が怪我をしているのなら……」 「多分これから沢山の人が乗ってくるだろうから、間に合いそうなら私達で座席を確保しておこうかって、Sayaと話していたのよ」 「そーゆーこと。OK?」 「そうだったんですか……。すみません、梓ちゃんだけでなく私の席も確保して頂けたなんて……、ありがとうございます」 ……なんで……私の事を……。 「そんな、かしこまらなくたって良いって。で?二人はバンドやってんの?」 「あ、はい。軽音部で活動してます。私がリズムギターで、唯先輩がリードギターです」 「あら、私達と同じなのね」 「はい。だから一度見に来たかったんです。今日は最前列で見られてとても幸せでした」 「そっか~。それは、私達にとっても光栄だな~。な、Miyu」 「そうね~。ガールズバンドでツインギターって、メジャーでもインディーズでも珍しい方だものね~」 「んで、実際見てどこら辺が気になった?」 「えっとですね……」 私達が話しに花を咲かせていると、アナウンスが流れてきた。 『お客様にお知らせ致します、先程お客様の救助活動が終了したとの連絡が入りました。間もなく運転再開致しますので、ご乗車になってお待ち下さい。くりかえし、……』 運転再開か……今、何時だろ……。 「十一時二分か……。あんた達、終電大丈夫なの?」 「一応は。……順調に駅まで進めばですけど……」 はぁ……間に合うかなぁ……。 ★ 十一時十四分か……、あと六分……。 運転再開した電車は、多少遅れながらも駅間に停車することなく進み、間もなく乗換駅に到着する。 「さてと……そろそろ降りる準備をしないといけないわね……。じゃぁ、私が荷物を持ってあげるわね」 「んじゃ、私はギターかな?ほら、貸しなよ。持ってあげるから」 「へ?あ、大丈夫ですよ、さっきもちゃんと二人分持って移動していましたから」 「さっきとは違うわよ~。人も多いし、多分ホームも凄い人だからね」 「梓ちゃんが怪我してるんだから、唯ちゃんはきちんと梓ちゃんを支える事!OK?」 「……そうですね、わかりました!」 「じゃぁ、行くわよ~。ちゃんと私の後ろをついて来てね~」 「Miyu……程々に、な」 程々……?何の事だろう? Sayaさんに、その意味を聞こうとしたその時、電車がホームに到着した。 「はーい!降りる人はさっさと降りてねー!降りない人は邪魔にならないように上手く脇に寄ってねー!!」 ……なっ!? 私は思わず唯先輩の顔を見た。予想通り目が点になっている。 「そんなこと言われなくたってそうするよ!当たり前だろ!!」 「はいはい!口を動かす前に足を動かす!!ほらそこ!割り込もうとしない!ちゃんと並んで降りなさい!!」 もし、これが私や唯先輩やSayaさんが言ったのなら、先程みたいに口論になっていたんだと思うんだけど……。 「ほら、怪我してる女の子が通るよ!ちゃんと道を空けなさい!!」 Miyuさんは一見すると『清楚なお嬢様』って感じの格好をしているからなのか、口答えする人も殆どなく、皆言われるままに動いている。 「Sayaさん……Miyuさんって……凄いんですね……」 思わず小声でSayaさんに話しかけた。 「あぁ……テンパってるとな……あんな感じになるんだよ……。全く、程々にって言ったのに……」 「はぁ……、テンパってるんですか……」 ホント……人って見かけによらないんだなぁ……。 ★ 「後二分!!」 Miyuさんの声に、痛む足をかばいつつ早足でホームへと向かう。 あの後、Miyuさんの先導で無事ホームに出る事は出来たけれど、ホーム上も人で溢れかえっていて、流石のMiyuさんでも人の波をコントロールする事は出来なかった。 「全く!!何でみんな自分の事しか考えないんだろうね!!ちゃんと順序よく動けば、もう少し位は混雑しないだろうに!!」 「Miyu……わかったから……取り敢えず落ち着こう。な」 そう言うSayaさんも、私達の荷物を抱えながら早足でMiyuさんを追っている。 「ほら!後は階段上がるだけだよ!!」 Miyuさんは既にホームに続く階段の下に到着していた。 「あずにゃん、もうちょっとだよ」 不意に唯先輩が小声で声をかけてきた。 ……あれ?『梓ちゃん』じゃ……ない? 「ほら!頑張れ!!」 一瞬呆気に取られた私は、Sayaさんの一言で我に返った。 「はい!!」 もうひと踏ん張り、頑張らないと! 「後一分!!大丈夫!間に合うよ!!」 Miyuさんが階段の上で叫んだ。 良かった……何とかなった……。 私が気を抜いたその瞬間だった。 「どけっ!!」 「きゃぁっ!!」 後ろから猛スピードで駆け上がるサラリーマンが、私を突き飛ばした。 瞬間的な衝撃でバランスを崩し、唯先輩を掴んでいた手が緩んだ。 「危ない!」と思った瞬間、私は階段から落ちないように足を思い切り踏ん張った。 たった今持ち上げた左足を、階段に押し付ける形で。 「!!!!!」 声にならない悲鳴を上げて、思わず階段にしゃがみ込んだ。 ……湿布と包帯でカバーしていたとは言え……これは……物凄く……痛いよぉ……。 「おい!こら!!お前ちょっと待てよ!!!」 「ちょっと!!女の子を突き飛ばして知らんぷりするつもりなの!!」 SayaさんとMiyuさんが私を突き飛ばしたサラリーマンを老いかけて捕まえようとしたけれど、その手をサッとかわしてホームへと消えて行った。 「あずにゃん……同じ所?」 唯先輩の問い掛けに、私は無言で頷いた。 少しでも動かそうものなら、頭のてっぺんまで痛みが走る位に酷い状態だ。 「大丈夫か?」 声の方を見上げると、心配そうな顔をしたSayaさんとMiyuさんが居た。 発車のベルが鳴り響いた。 「……間に合いませんでしたね……すみません……私のせいで……」 「……取り敢えず、ホームに上がるぞ。ベンチで怪我の具合を見ないと……」 私の言葉に少し顔をしかめたSayaさんは、そう言って私の体を起こし、ホームへと向かった。 「梓ちゃん、ちゃんと私に掴まっててね~。唯ちゃん、そっち側ちゃんと支えてね」 私は、Miyuさんと唯先輩に挟まれ、左足を下につかないようにして階段を上がった。 「さてと……、ちょっと足を見せてみな」 「はい……ぃっ!」 「自分で靴を脱ぐのも辛いのか……、ちょっと待ってな、今脱がすから……。うわ……こりゃ酷いな……」 靴を脱ぐのが辛いのも当然だ。私の足首はさっきよりも酷く腫れ上がっている。 「えっと……湿布が残ってるんだっけ?」 「あ、はい……これです」 唯先輩が取り出した湿布を受け取ると、Sayaさんは手慣れた手つきで湿布を貼り、包帯を巻き直した。 「……これで大丈夫……だと思う。さっきの包帯がもっとしっかり巻いてあれば、ここまで酷くはならなかったんだけどな」 「あ、それ……さっきの駅で、駅員さんが巻いたんですけど……」 「そうなの?まぁ、慣れてない素人じゃ仕方が無いかな~」 「『慣れてない』って……Sayaさんは慣れてるんですかぁ?」 「唯ちゃん……さっきのステージ見てて思わなかったか?Miyuの動き……」 「……あぁ、なるほど……」 「何でその一言で納得するのよぉ~」 「だって……なぁ」 「うん……」 「そうですよね……」 さっきのライブ……Miyuさん跳ねまくってたし……そりゃあ慣れるのも当然だよね。 「んもぉ……。所で、あなた達はこれからどうするの?」 Miyuさんの一言で、私達は今現在の状況を思い出した。 ……そうだ……終電……終わっちゃったんだ……。 「あ、そっか……。終電行っちゃったんだよね……」 「そうでしたね……。唯先輩、……すみませんでした」 「そんな、謝る必要なんか無いって~」 「でも、私が怪我をしなければ普通に電車に乗れたんですし……」 「こら!梓!」 「はえっ!?」 えっと……今のはSayaさんですか?てか何で呼び捨て?それに何で怒った顔をしてるんですか!? 「唯が『謝らなくていい』っていってんだから、それで良いんだよ」 「え?あ、だけど……」 「あのなぁ……。いいか?梓は何で怪我をしたんだ?事故でバランスを崩したんだろ?じゃぁこれは急停車した電車の責任だよな」 「えと、まぁ、そうですね」 「んで、さっきの電車に乗れなかったのは、アホサラリーマンが梓を突き飛ばしたからだよな。ってことは、これはサラリーマンの責任だよな」 「それで間違いは無いです」 「だったらさ、……怪我の責任は梓に無いんじゃないのか?」 その言葉にハッとなった。 そうか……勝手に自分でそう思ってただけなんだ……。 「そう……でしたね……すみません……変な事を言ってしまって……」 「別に謝らなくても良いって……。もしかして梓ってさ、すぐに自分の責任にしちゃうタイプか?」 「いえ……そんな事は無い……はず……ですけど……。唯先輩はどう思いますか?」 「えっ?んーと……いつもはそんな事無いかなぁ~。今日はたまたまだと思うんですけど……」 「そっか。……もしかしてさ、梓ってMiyuみたいにテンパると性格変わっちゃうとか?唯、いつも見ててそんな感じはない?」 「えっと……あ!それあるかも知れませんね!前にも一度ありました!」 「えっ!ありましたっけ!?」 「ほら、今年の冬にあったじゃん。猫預かった時に」 ……あ、そうか。そういえば……。 「毛玉を吐いた時に電話したことありましたね……。そっか……」 私って、テンパると駄目なんだ……。気をつけないといけないなぁ……。 「そう言ってるSayaだって、思いっ切りテンパっているんじゃない?」 「なっ!そんな事あるわけないだろ。……そんな感じしないよな、唯」 「ほら、呼び捨て」 あぁ、やっぱりそれってテンパってる証拠だったんだ。 「ぐっ……。ま、まぁ、確かにちょっとはテンパってるかなっ。そんな事よりも……あぁっと……そうだ!思い出したぞ!えっと……二人はこれからどうするんだ?」 そんな重要な事を忘れてたんですか……。まぁ、良いんですけど。 「あ、その事なら心配しないで。もう連絡してあるから」 『連絡?』 思わず三人の声がハモった。 「そ。私達の家……というか敷地内の建物なんだけど……そこに泊まってもらうわ」 「Miyu……お前の方がかなりテンパってると思うんだがな……。それもいつも以上に……」 「えぇ~、そうかなぁ~?」 「そうだよ……いつもだったら勝手に泊まる場所決めないだろ」 「あ、そっか~」 「……テンパったMiyuさんは、思った以上に『仕切り屋』なんですね……」 「……言わないで……恥ずかしいから……」 私の言った言葉に、Miyuさんは体をくねらせながら恥ずかしがった。 「Sayaさんは……名前を呼び捨てで言うようになる……」 「それだけじゃなくて、物凄く『お節介さん』になるのよ。ねっ」 MiyuさんがSayaさんにそう言うと、Sayaさんは恥ずかしそうにソッポを向いてしまった。 「私は……マイナス思考になるんですね……初めて知りました。……えっと……唯先輩は……?」 「私?ん~とぉ……なんだろね~」 「唯先輩は……わかりませんね。学祭の時もテンパってたはずなのに、いつもと大して変わりませんでしたし」 ……もしかしたら、表裏があまり無いのかな? 「まぁ、こんな所で話し込むのも何だから、移動しましょう。梓ちゃん、大丈夫そう?」 Miyuさんに聞かれて気が付いた。 「あ、痛く……ない!」 「そりゃそうさ、私がちゃんと巻いたからね。……まぁ、体重をかければまだまだ痛いとは思うけど」 「唯先輩、すみませんけど……」 「うん、支えるよ」 唯先輩に支えられながら、恐る恐る立ち上がり、足の具合を確かめる。 「……確かに……突き飛ばされる前から比べると……やっぱりちょっと痛いですね……。でも、歩くことは出来そうです」 「そっか……、まぁ、仕方が無いかな。その程度の痛みで済んでるって事で勘弁してくれ。じゃぁ、行こうか」 「二駅だけど、混んでると思うから……梓ちゃんを真ん中にして、みんなでガードしながら乗りましょう」 その提案に、Sayaさんと唯先輩が頷き、電車待ちの列に並んだ。 ……二駅か……何とかなるかな? ★ 「ここからちょっと歩くけど……大丈夫かしら?」 「はい、多分大丈夫です」 電車の中はやっぱり混んでいたけれど、三人がガードしてくれたおかげで足を痛める事無く過ごせた。 「歩くって……どのくらいなんですか?」 「普通に歩くと十分位かなぁ……。唯ちゃん、支えるのに疲れたんだったら私が代わるよ」 「あ、大丈夫ですよ~」 唯先輩はそう言っているけど……ちょっと無理してる感じかな……。 私を支えて、歩幅も私に合わせて歩いているんだから、無理も無いよね……。 本当なら、ちょっと休憩したほうが良いんだけど……。あ、そうだ! 「唯先輩、憂に電話ってしました?」 「えっ?あっ!そうだよ!電話しないと……。Sayaさん、Miyuさん、すみません、妹に電話をするのでちょっと待っていただけますか?」 「あぁ、いいよ」 その返事を聞き、唯先輩は鞄から携帯電話を取り出して憂に電話をかけた。 「……あ、憂?あのね……うん、そう……はぁ~そうなんだ~。……うん、でね……そう、終電無くなっちゃってさ……ん?……それなんだけどね……うん、大丈夫だよ」 唯先輩が憂と電話をしている間、私は街路灯に寄り掛かっていた。 「うん……あずにゃんも一緒だよ……うん、うん……」 あずにゃん……梓ちゃん……。 なんで、唯先輩はいきなり『梓ちゃん』なんて言い出したんだろ……。 「うん……じゃぁ、明日の朝に……うん、おやすみ~」 なんで……こんなに……寂しいんだろ……。 「お待たせしました~」 「妹さん、何て言ってた?」 「テレビで中継してたらしくって、ずっと心配してたみたいなんですけど、泊めてもらえる事を伝えたら安心してました」 「そっか」 「あと……梓ちゃんも一緒だよっていったら、じゃぁ心配しないで大丈夫だね……とも……」 「おいおい……しっかりしろよ、『唯先輩』」 「えへへ……はーい。じゃぁ、梓ちゃん、行こう……か?……どしたの?足痛くなってきた?」 「いえ……大丈夫です……」 「そう?なら良いけど……じゃぁ、行こうか」 「はい……」 唯先輩……とても……寂しいです……。 ★ 「さ、着いたぞ」 足をかばいつつ歩くこと約二十分。 目の前には大きなホテルが建っている。 「えと……ここ……ですか?」 ピンク色の外壁、カーテンがかけられた駐車場の入口。 「ふふっ。初めて来る人はみんな驚くのよね~」 建物の入口も、外からは決して見えないようになっている。 「ゆ、唯……先輩……」 隣を見ると、唯先輩は私と同様に目を点にして立ち尽くしていた。 「ね、ねぇ……ここって……やっぱり……」 建物には、青紫色のネオンサインで彩られた看板がかかっている。 「ラブホテル……ですよね……」 そこには『Hotel Love Peace』の文字が妖しく光っていた……。 「あぁ、親が経営してるんだよ。ちなみに自宅はこっちだから。ついて来て」 SayaさんとMiyuさんがホテルの裏手へと歩きだした。私達も慌ててそれに続く。 ……えっと……もしかして……泊まるのって、ここですか!? ★ 『ただいま~』 ホテルの裏手にある玄関を開けて、二人が自宅へと入って行った。 『お邪魔しまーす』 私達も少し遅れて中に入った。 「お帰り~。あら、この子達が電話で言ってた子?部屋なら空いてるわよ」 「そう、ありがと。あ、でもその前にちょっと居間使っても良い?足の具合が気になるからさ」 「構わないわよ。さ、えっと……」 「あ、桜が丘高校二年の中野梓です」 「同じく三年の平沢唯です」 「唯ちゃんに梓ちゃんね。いらっしゃい、大変だったでしょ。さ、上がって」 「失礼します……あ、今脱がしてあげるよ」 「あ、すみません……」 湿布と包帯をしているとはいえ、流石に駅からここまでの時間は長かったみたいで、私の足首はかなり腫れてきていた。 「あらあら、ちょっと痛そうね。清香、すぐに両方の湿布持ってきて!麻由美は先に部屋に行って、お風呂にお湯……ぬるま湯を張っといて!」 『はい!』 「さ、二人はこっちの居間で待っててね」 そう言うと、お母さんもどこかへと消えていった。 「なんか……パワフルですね……」 「そだね……んじゃ、居間で待ってようか……」 「そうですね……」 ★ 「これは、お風呂上がりに張ってね。そのあとにこのサポーターをしておけば問題無いからね。あ、でも締めすぎちゃ駄目よ、血行悪くしちゃうからね」 「ありがとうございます」 お母さんの持って来た氷嚢で足首を冷やし、そのあとに塗るタイプの湿布を塗ってもらったから、足の痛みがかなり良くなってきた。 「それにしても大変だったわねぇ~。そうだ、親御さんには連絡してあるの?」 「あ、私も梓ちゃんも今日は両親が出掛けているので……」 「あら、そうなの?」 「そうなのって……お母さん……さっきの電話で……私……言ったでしょ?」 「あら、麻由美、早かったじゃないの」 「早かったじゃないって……お母さんが……急がせたんでしょ……」 そう言うMiyuさんは息を切らせた上に髪の毛も乱れていて、体全体で『急いだ!』という雰囲気を醸し出していた。 「だって……急いだ方が良いと思ったし……」 「そりゃまぁ……そうなんだけど……さ……」 「じゃぁ良いじゃない。……えーと、そうそう。親御さんへの連絡はしなくてもいいから……じゃぁ、もう夜も遅いから部屋に行って休んだ方が良いわね」 時計を見ると、既に針は日付をまたいでいた。 「麻由美、清香、二人を部屋に案内してあげて」 『はーい』 「あ、これも持って行きなさい」 手渡されたのは、ミネラルウォーターの入ったペットボトルだった。 「これはなんですか?」 「見ての通り、ミネラルウォーターのペットボトルよ。……『休憩』のお客には渡さないんだけど、『宿泊』のお客には必ず渡すようにしてるからね……ふふっ」 「そ、そうですか……じゃぁ、頂きます……」 「もぉ、母さんってば……」 「良いじゃないの、このくらい。さ、早く案内しなさい」 「じゃぁついて来て……っと、そうだ。靴も持ってきて……って支えたまんまじゃ無理か。まゆ~、靴持ってきて~」 「『まゆ』?」 私が小声で呟いた。 「オッケ~、さーやの靴は~?」 「『さーや』?」 唯先輩も同様に呟く。 「あ、私のも頼んだ~。……ん?二人ともどうした?変な顔して……」 「あ……いえ……その……」 「もしかして、今の『まゆ』と『さーや』が不思議だったのかしら?」 背後でいきなり声がしたので、驚いて振り向くと、いつの間にか来ていたMiyuさんがニヤニヤしながら立っていた。 「えと、そうなんですけど……」 「そんなに呼び方が気になるのか?」 私と唯先輩は無言で何度も頷いた。 「そんなに全力で肯定しなくても……まぁいいか。呼び方が違うのは、今居る場所が『自宅』だからだよ」 「『使い分け』ってやつですか」 「そこまで大層な意味は無いけどねー。強いて言ったら『ON・OFF』って感じかな?」 「『ON・OFF』ですか?」 「そ。家に帰っても『claydoll』の『Saya』と『Miyu』じゃ疲れちゃうでしょ。……それ以前に自宅で家族と居るのにそっちで呼び合うのも変だしね」 「それも……そうですね」 『ON・OFF』か……。でも、唯先輩が『梓ちゃん』って言っているのは、それとはちょっと違う気がするなぁ……。 「ほらほら、そんな所で喋って無いで、さっさと部屋に行きなさい」 「はーい。じゃぁ、こっちだよ」 Sayaさんの案内で住居部分を抜け、靴を履き、ホテル部分へと出た。 「……意外に薄暗いんだ……」 唯先輩が思わず小声で呟いた。 確かに、廊下の明かりは必要最低限に抑えられている感じで、所々に見える非常口案内の緑色がやけに目立っていた。 「まぁね~、あまり人に見られたく無い人もいるから。……ほら、こっち来て。エレベーターで上に行くから」 ……そっか……そういった所なんだよね……ここって。 「従業員専用だから少し狭いけど、何とか乗れるから」 「はい……。あの、変な質問なんですけど、なんで……その……ホテルを経営してるんですか?」 すると二人は微笑みながら答えてくれた。 「ふふっ……初めて来た人はみんな聞くのよね、それ」 「あ、すみません……」 「気にしなくていいよ。誰だって不思議に思うんだから」 「……ここはね……『避難所』なの」 ……『避難所』?えっと……。 「まゆ、それだけじゃわからないだろ~。……っと続きは乗ってからにしようか」 エレベーターのドアが静かに開く。 廊下とは違い、目も眩む程の明るさだ。 実際には、廊下の薄暗さに目が慣れていただけなんだろうけど……。 『非現実』の中の『現実』という感じで、今ここに居るのが『現実』なんだと、改めて気付かされた。 「よし、何とか乗れたな」 扉が静かに閉じ、最上階へ向けて動き出した。 「……で、何なんですか?『避難所』って」 「その前に一つ質問があるんだけど……ずばり『ラブホテル』ってどんな場所?」 へっ!?そ……それは……。 「こ、恋人同士が……エ、エッチをする……場所?」 口ごもる私の代わりに唯先輩が答えてくれた。 「まぁ、普通はそうよね~。……でもね、ここはそれだけの場所じゃないの」 それだけの場所じゃ……ない? 「ここはね……所謂『駆け込み寺』の役目も果たしているの。……今は違うけど、以前はここから少し入ったところに地主の家が何軒か建っていたの」 「はぁ」 「それでね、そこに嫁いできた人達が義理の親から虐待……とまでは言わないけれど、陰湿ないじめを受けていたらしいのよ」 「で、それを聞いた母さんの親……つまり私達の婆ちゃんが、このホテルの前身の宿屋を建てたってわけ」 「宿屋……ですか」 「そ。見た目は『連れ込み宿』なんだけどね。実際、そういった事で利用する人も多かったみたいだし」 「だけど、裏に……つまり自宅にやってきた人達には『駆け込み寺』としてやっていたの。……あ、着いたわね」 エレベーターの扉がゆっくりと開いた。 目の前には、薄暗く、静寂に包まれた廊下が奥へと続いている。 「あの一番奥の部屋がそうよ。……ちなみに、さっき言った『駆け込み寺』って、こことこの下のフロアの事なの」 「えっ!?じ、じゃぁ今も?」 「さぁ……どうかしらね。基本的に避難してきた『お客』の事は、聞かない、教えない、だからね。でも最近は少なくなってきたみたいだけどね」 「ホテルに建て直す前は凄かったらしいぞ~。いびられて親子で逃げ込んで来たり、『親が認めてくれないから』って理由で、認めてくれるまで住んでた人も居たみたいだし」 「そうなんですか……」 「ホテルになってからも、最初の頃は凄かったみたいだけどね~。さ、着いたわよ。ちょっと待っててね……。さーや~、鍵開けて~、荷物先に入れちゃうから~」 「はいよ~」 Sayaさんが鍵を開け、Miyuさんが荷物を置きに一足先に入って行った。 ……中って、どうなってるんだろう……。 「んじゃ、私達も入ろっか」 Sayaさんに促され、私達も中へと入った。 『うわぁ……』 短い廊下の先には大きな部屋が一つ。大きなベッドと立派なソファー、そして小さなテーブルが置いてある。 「荷物はここに置いておくからね~」 Miyuさんがソファーの脇に私達の荷物を置いてくれた。 「あ、ありがとうございます」 「それと~、はい。唯ちゃんにプレゼント」 「私にですか?」 「『お泊りセット』よ。さっきの話からすると、梓ちゃんは着替えを持ってるけど、唯ちゃんは持ってないでしょ?まさか、明日も同じ下着を着るつもり?」 「いえ、まぁ、仕方が無いかな~とは思っていたんですけど……」 「駄目よ~そんなんじゃ……。女の子なんだから……」 「はぁ……。そうですか……」 「そうだぞ、身嗜みは下着から始まってるんだからな」 「そうなんですか!?」 「そうよ~。だから、はい、これ」 「あ、ありがとう……ございます……」 『お泊りセット』を受け取った唯先輩は早速中を覗いて……。あれ?なんでそんなに顔を赤らめるんですか!? 「あの……これって……」 「んー、まぁ、ここって一応そういった所だから……。まぁそのくらいのを一つぐらい持ってても良いんじゃない?」 「はぁ……そうですか……」 「嫌だったら着なければ良いし、その時は出るときに返してもらえれば良いから」 「……わかりました……」 唯先輩がそんなにも恥ずかしがる下着って……、一体どんだけのモノなんですか!? 「それじゃ、そろそろ私達は自宅に戻るとするかな。えーっと、荷物は置いたし、鍵は……はいこれ」 「はい、ありがとうございます」 「あとは……。朝食はどうする?時間を決めてもらえれば部屋に運ぶよ。何なら私達と一緒に食べるかい?時間は八時頃になるけど」 「ん~と……。どうしよっか?」 「私はお二人と一緒で構いませんよ」 「そ?じゃぁ、一緒の朝ごはんでお願いしまーす」 「はーい。お母さんにちゃんと伝えておくわね。……あ、そうだ。一応お風呂にぬるま湯を張ってあるけど、入って足が痛くなるようなら直ぐに冷やしてね」 「わかりました」 「それじゃ、お二人さん。また明日……じゃないや、また朝に。おやすみ~」 「おやすみなさい、朝までしっかりと身体を休めてね」 『おやすみなさーい』 Part.Cへ続く!
https://w.atwiki.jp/gs23/pages/472.html
下校会話教会の伝説1 教会の伝説2 教会の伝説3 体育祭 琉夏くんの誕生日 テスト 夏休み 修学旅行 文化祭(演劇以外) 文化祭(演劇) 冬休み 春休み 卒業 下校会話 教会の伝説1 ●●「ねぇ、 学校の教会に 伝説があるって、 知ってる? 琉夏「伝説? あぁ…… ●●「……? 琉夏「知ってる……ような? どんなの? ●●「ステンドグラスがあるでしょ? あそこに描かれてる絵が、 伝説のヒントなんだって。 琉夏「そっちか。 ●●「??? 琉夏「王子様が 迎えに来るってヤツだろ? ●●「そう! それで、 本当に結ばれたカップルが いるんだって。 琉夏「らしいね。 ●●「でも、 あそこのドア、 ずっと閉まったままだよね? 琉夏「鍵が必要なんだ。 ●●「それはそうだけど、 鍵なんてどこにも—— 琉夏「あるよ。 誰でも一生に一度だけ 使えるカギ。 ●●「琉夏くん、 もしかして入ったころあるの? 琉夏「どうだっけな…… 忘れた。 ●●(琉夏くん、 なんか知ってるのかな……) 教会の伝説2 ●●「ねぇ、 学校の教会の伝説、 聞いた? 琉夏「王子様とお姫様のヤツ? ●●「そうなんだけど、 色いろ伝説があって、 もう何が何やら…… 琉夏「あっ、閃いた…… ●●「なに? 琉夏「葉月珪っているじゃん、 モデルでさ、 ウチの卒業生の人。 ●●「うん、有名だよね。 琉夏「王子って呼ばれてたらしい。 ●●「あ、じゃあ、 葉月珪が王子様ってこと? お姫さまは、その恋人? 琉夏「それだ。 案外、最近の話だな。 ●●「でも、あの教会、 ずいぶん古いよね? そんなに最近の話、 伝説になるかな…… 琉夏「そんな伝説忘れて、 自分の伝説を作りゃいい…… そうだろ? ●●「う〜ん…… カッコよく言われてもなぁ…… 琉夏「あれ? ●●(……と、いうようなことを 話しながら下校した) 教会の伝説3 琉夏「そうだ、 教会の新伝説、聞いてきた。 ●●「新伝説!? ……どんなの? 琉夏「秘密結社編。 ●●「……編? 琉夏「ステンドグラスがあるだろ? あれが実は秘密のコードに なってる。 ●●「コードって、暗号とか? 琉夏「そういうこと。 それを秘密結社が 守ってる。 ●●「ずいぶん、 秘密が多いんだね…… 琉夏「そりゃそうだ。 バレたら全米が 震撼するからね。 ●●「映画の宣伝みたいな 話になってきた…… 琉夏「映画? ……ありだな。 ●●「ないと思う。 琉夏「夢がないなぁ…… せっかく考えたのに。 ●●(琉夏くんが 考えたんだ……) 体育祭 ●●「もうすぐ体育祭だね? 琉夏「そうそう。 ●●「………… 琉夏「うん? ●●「ホントにわかってる? 琉夏「わかってる。 体育祭だろ? ●●「うん…… じゃあ、琉夏くん、 どんな競技に出るの? 琉夏「え、俺? ●●「うん。 琉夏「俺は……あれ。 ほら、棒の…… ●●「”棒倒し”なんて無いよ? 琉夏「じゃない方の…… ほら、飛ぶ感じの。 ●●「”棒高跳び”も無いよ? 琉夏「じゃあ、突いちゃえ。 エイ、とか言って。 ●●「もう! ちゃんと 参加しなきゃダメだよ!? 琉夏「はぁい。 ●●(大丈夫かな……) 琉夏くんの誕生日 ●●「そういえば 琉夏くんの誕生日、 もうすぐだっけ? 琉夏「あれ? そうか…… もう夏だもんな。 ●●「あ、琉夏くん、 忘れてたでしょ? 琉夏「まあね。 ●●「もう…… 琉夏「誕生日、覚えてると いいことある? ●●「いいこと? そうだな…… 琉夏「誕生日、覚えてても、 いいことないよ。 ●●「そうかな? どうして? 琉夏「例えば…… まあ、いいや。 ●●「あ、ずるい! 教えて? 琉夏「誕生日って、 一緒に居てくれた人のこと、 思い出すだろ? ●●「うん、そうかも。 琉夏「普通の日は何でもないのに、 その人が側にいないことが、 急に悲しくなる。 琉夏「だから、いつの間にか 終わってた方がいい。 ●●(琉夏くん……) テスト ●●「もうすぐ期末テストだね? 琉夏「そうだね。 ●●「なんか余裕っぽい…… すごいなぁ! 琉夏「まあね。 ●●「琉夏くんて、普段、 ぜんぜん勉強しないでしょ? どうしてそんなに頭がいいの? 琉夏「アタマいい? イカレてるって言われるけど。 ……まぁ、勉強は得意か。 ●●「得意っていうのは、 やっぱり秘訣がある…… とか? 琉夏「そんなとこ。 ●●「教えて! 琉夏「ぜんぜんダメ。 もっとカワユク。 こう、首をかしげて。 ●●「………… 琉夏「どうぞ。 ●●「……教えて#ref error :指定ページの閲覧権限がありません。ログインするか、別のページの画像ファイルを指定してください。 琉夏「いい…… もう一回。 ●●「もう! 琉夏「しょうがない。 授業中って大抵ひまだろ? その時に教科書を全部 読んじゃうんだ。 ●●「全部? 琉夏「そう。 先に全部覚えちゃう。 そうすると、 大体いい点取れるよ? ●●「まあ、それが出来る人は、 そうだろうね…… じゃあ、数学は? 琉夏「数学? あぁ、あれは…… なんとなく出来ちゃう。 ●●「今のところ、 ぜんぜん秘訣じゃないよ…… じゃあ、現国は? 暗記してもダメでしょ? 琉夏「そう。 だから、いつも赤点。 ●●(ちゃんと勉強しよう……) 夏休み ●●「もうすぐ夏休みだね…… 琉夏くんは どうするの? 琉夏「花屋のバイト。 ●●「そっか。 じゃあ、バイト以外の日は? 琉夏「バイト入れた。 生活に夏休みは無いからね。 ●●「なんだか世知辛いね…… もっとこう、 楽しいことは? せっかくの夏休みなのに。 ●●「楽しいか…… あ、そうだ、あれ。 ●●「なに? 琉夏「雨どいの掃除。 ●●「……楽しい? 琉夏「それがさ、超楽しい。 嘘だと思ったら、 手伝ってみる? ●●(絶対ウソだと思う……) 修学旅行 ●●「ねぇ もうすぐ修学旅行だね? 琉夏「俺、 修学旅行はサボんないよ? ●●「当たり前でしょ…… でも、北海道か! どこか行きたいところある? 琉夏「行きたいところ…… ●●「? 琉夏「うん…… やっぱ、行かなきゃな。 ●●「……琉夏くん、 行かなきゃって? 琉夏「え? あぁ、カニのこと。 ●●「カニ? 琉夏「カニ食いに行かなきゃ。 なにしろ北海道だから。 ●●「ふふっ、ヘンなの! 文化祭(演劇以外) ●●「文化祭まであとちょっとだね? 琉夏「まあね。 ●●「琉夏くん達のクラス、 なんかやるの? 琉夏「うち? うちはスゴイよ? ●●「なになに? 琉夏「評論家。 ●●「??? 琉夏「いろんなクラスを回って、 出展に点数をつける。 ●●「それが出展なの? 琉夏「そう。 それで、星三つとか、 シールを貼ってく。 ●●「あ、じゃあ 星が多いと何かもらえるとか? 琉夏「名誉がもらえる。 星三つ、偉い! そんな感じ。 ●●「なんか納得いかないけど…… じゃあ、琉夏くんも 評論家なんだ? 琉夏「俺はやんないよ? ただの発案者。 ●●(みんなまんまと琉夏くん に騙されたんだ……) 文化祭(演劇) ●●「もうすぐ文化祭か…… 今年も学園演劇、 あるみたいだね? 主役の投票が始まったって。 琉夏「あぁ、それか…… ●●「なに? 琉夏「クラスの子に、 一票入れたって言われた。 ●●「琉夏くん、 モテモテだもんね? 琉夏「外側はカッコいいからね。 ●●「ふふっ、 主役に選ばれるといいね? 琉夏「ヤダ。 ●●「えぇっ!? なんで? 琉夏「チューとかさせられるだろ? きっと。 ●●「ふりだけだと思うよ? でも、琉夏くん、 そういうの平気かと思った。 琉夏「あれ、 俺ってそんな? ●●「だって、 よく平気で、ほら…… 琉夏「平気じゃないよ? ●●「……本当かなぁ? 琉夏「××ちゃん。 オマエは、主役やりたい? ●●「まさか、選ばれないよ! でも…… もし選ばれたら、やっぱり、 いい思い出になるし…… 琉夏「そっか…… じゃあ、俺も考え直さなきゃ。 ●●(……?) 冬休み ●●「琉夏くんって、 冬休みはどうしてるの? 琉夏「花屋のバイト。 ●●「そっかそっか。 年末年始は忙しいもんね。 ……えぇと、ところで—— 琥一「実家に帰るか? ●●「……うん。 お正月くらいは、 帰った方がいいよ。 琉夏「大丈夫、帰るよ。 ていうか、 コウに連行される。 ●●「琉夏くん、 やっぱりまだ家に戻らないの? 琉夏「戻らない。 ……べつに、仲が悪いとか、 そういうんじゃない。 ●●「でも、戻らないんだ。 どうして? 琉夏「どうしてだろう。 よく、わかんない。 ただ…… ●●「? 琉夏「その方がいい、きっとね。 コウ達にとっても、 俺にとっても。 ●●「”コウ達”って…… 家族なのにそんな言い方、 おかしいよ。 琉夏「……××ちゃん。 ●●「なに? 琉夏「……いや。 なんでも? ●●「でも、今—— 琉夏「呼んでみただけ! なんちて。 ●●(琉夏くん、本当は 何か悩んでるんだよね……) 春休み ●●「琉夏くん、 春休みはどうする予定? あ、バイト以外で、 っていう意味だけど。 琉夏「バイト以外? ●●「そう。 琉夏「………… ●●(まさか、 何もない、とか……) 琉夏「ちょっと、野暮用。 ●●「野暮用って? 琉夏「野暮用は野暮用。 ●●「教えてくれないの? 琉夏「まあね。 ●●「ふぅん…… そっか。 琉夏「あれ? ●●「………… 琉夏「ねぇってば。 ●●「………… 琉夏「いや、テラスのペンキ塗りと、 キッチンの配線工事を…… 言わない方が ミステリアスだったのに。 ●●(ゴメン……) 卒業 琉夏「あれ? なんか、浮かない顔してる? ●●「もうすぐ卒業なんだなって。 ハァ…… 寂しいな。 琉夏「どうして? ●●「だって、それは…… 琉夏くんは寂しくないの? 琉夏「寂しい。 だから、 なんでだろうって考えてた。 ●●「? 琉夏「俺、中学を卒業する時はさ、 何も感じなかったんだ。 高校も、メンドクセーとしか 思わなかった。 ●●「そうだったんだ…… 琉夏「でも、入学式の前の日、 オマエを見つけて…… あの日から色んなことが 変わり始めた。 ●●「そう。 どんなふうに? 琉夏「少しずつ、いい方に…… ちょうど今、毎日少しずつ 春になってくみたいに。 琉夏「俺さ、 高校生、楽しかったよ。 ●●「琉夏くん…… 琉夏「きっと、寂しいってことは、 確かに自分が幸せだった 証拠だ。 ●●「……そうだね、きっと。 琉夏「だから、笑おう。 ●●「うん! ●●(わたしの三年間、 あともう少し。 大切にしなきゃ……)
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/5131.html
マンコ「正直澪ちゃんの作詞センスにはついていけないところがあるわ」 澪「」 マンコ「マシュマロみたいにふわふわなのは澪ちゃんの脳髄なんじゃないかしら」 澪「」 律「はー、今日の練習もつかれたー!ムギーお茶ー!」 紬「今淹れるわ~♪」 マンコ「てめえのドラムが下手くそなばっかりに練習長引いたんじゃねえか」 律「」 紬「今日はいろいろ持ってきたんだけど何が飲みたい?」ニコッ 律「え、えーっとじゃあアールグレ マンコ「ブスには真水がお似合いだぞ」 律「」 唯「ん~、今日のケーキもおいしいね!」 紬「うふふ、そう言ってもらえると嬉しいわ」 マンコ「ろくに部活に貢献することもなく食べるお菓子はおいしい?」 唯「」 マンコ「お菓子が欲しけりゃ私に体のひとつでも売れよ^ ^作曲者様だぞ、おう?^ ^」 唯「」 梓「あっ、そういえばムギ先輩。この間ギターの練習した時なんですけど」 紬「なになに?」 梓「家に使わないギターが一本あるんで良かったらと思って」 紬「」 マンコ「ハハッ、お古のギター処分してくださーいってか?」 梓「」 マンコ「系列にぃ、楽器店があるからぁ、ギターなんて掃いて捨てるほどあるんですけどぉ」 梓「」 律「……なあ、最近ムギの股下あたりから妙に辛辣な声がしないか?」 澪「するする!私だけじゃなかったのか!」 唯「私なんか体差し出せなんて言われちゃったよ!」 梓「私はなんかもう死にたいです……」 律「はぁ、どうしたもんか……」 紬「なになに?何の話?」 律唯澪梓「」ビクッ マンコ「何の話?とか聞いてみたけど基本全部聞こえてるから。陰口とはいい度胸じゃねえか、うん?」 律唯澪梓「」 このあと私たちは順番にムギちゃんの下のお口にキスをすることで事無きを得たのでしたとさ ちゃんちゃん 2
https://w.atwiki.jp/wakametetactics/pages/271.html
※メモみたいなもん※ 最終日○村村狼になればいいーとかあるじゃないですかー だったら最終日前日はどーでこーでとか そーいう話はわりとあるじゃないですかー ごりらさんの狐は探さない方がいいーとかにあるように おなじよーに作戦の有効性を考えるのにもーすこし客観的な見方がほしーなぁなんて ボルコンスキー噛みとか結構やりやすそうだと思いませんか 3日目は占いが●を出す可能性がどーたらこーたら 占いを噛むのに比べてどーちゃらこーちゃら ブログに書いてあったかは忘れましたけどー 人狼を色んな目標を積み重ねていくゲームだとするーという 例えば村側の目標は5日目まで真占と真霊を生き残らせるーだとか 初めの二回の吊りで潜伏狼を吊るーとか たくさんの局地戦ごとに勝敗というのはあるわけじゃないですかー 最終日と同じように、局地戦での理想ルートというのもやっぱりあるわけでー そーいうのをもう少し客観的に見ていけるといいなーと思います 将棋のここまでで先手良しーのような あとは作戦を使いやすいタイミングというのを考えてみたいですねー 狼をやっていると、やる事がはっきり縛られる時ってあるじゃないですかー 狩人の護衛指定とか露出狐とかー はっきりじゃなくても狼のやる事はだいたい縛られています 占いの●引き、狐引き、村のグレー潰し、狩人の見えない護衛、潜伏共有・・・ 戦術を色々考えていて思うのは、作戦を実行しやすいタイミングにはいくつか要素があるーという事です 例えば狼の情報量の方が村人よりもずっと多い時だとかー、狼にとっての、上に書いたような不確実な要素が少ない時だとかー、 前者は狂人占いが見えてるーだとか狐知ってるーとかで、後者は明け方20秒くらいのCOがだいたい見えた時だったり、狩人死亡時だったり 今挙げたような要素はそこまで種類はないんじゃないかと思うわけです そうした要素がなるべく集まった状態、というのも、上に書いたような村途中の優勢な状態なのかなーと思います もう少し考えますー
https://w.atwiki.jp/p_ss/pages/1660.html
Side K 今日はどうしても外せない用で、あ〜ちゃんと図書館へ行けなかった。 ちょっと残念…。 しかたないから、過保護と言われるかもしれないけど、のっちに帰りのあ〜ちゃんをお願いした。 のっちは、なんだかんだでいざという時、頼りになるんだよね。 それに、最近のあ〜ちゃんを見ていると、のっちと二人でも大丈夫かな?って思ったから。 会話こそ無いけど、のっちから離れようとする感じはなくなった気がする。 ガチャ 玄関を開ける音が聞こえて。 「ただいま〜。」 「あ〜ちゃんお帰りぃ〜。一緒に行けなくて寂しかったよぅw」 私は、玄関まであ〜ちゃんを出迎えに行って、そのままあ〜ちゃんに抱きつく。 「もうwまたゆかちゃんはぁw」 「へへ。のっちちゃんと送ってくれた?」 あ〜ちゃんから離れて聞く。 「うん。送ってくれたよ?」 やっぱり大丈夫だ。ちゃんと笑ってる。 「そっか、良かった良かった。ん、そだ!ちょっと早く帰ってきたから、今日は私がご飯するね?」 「え?ホントに?」 「うんうんw準備もしてあるから、すぐ出来るよ?」 「ふへwゆかちゃんの料理楽しみ〜。」 「あ〜ちゃんに比べたら、私のなんてただの食べ物だよw」 「何言ってるのよ〜。あたしゆかちゃんの料理好きだよ?」 またそんな嬉しい事いってくれちゃって、もう。 なんやかんや言いながら、結局あ〜ちゃんも少し手伝ってくれて、思ったより早くできた。 てなわけで、二人でいただきますをして食べる。 「ゆかちゃんのハンバーグ美味しいw」 すごく幸せそうに食べてくれるあ〜ちゃん。 うん。やっぱこれだよね。料理の醍醐味って。 「ホント?良かったぁ〜。」 美味しいって言って食べてくれる人が居るのが一番嬉しい。 「ね。そういえば今日はのっち何もしなかった?」 「あぁ…、それが聞いてよゆかちゃ〜んw」 「ん?」 嫌がって話さないかと思いきや、 「大本さんてば、あたしが課題してるまん前で寝ちゃうんだよ?酷いと思わない?」 あ〜ちゃんからのっちの話題を聞くなんて、珍しい。 「えw。それ腹立つぅwしかも相変わらずどうどうとサボりでしょ?」 「うんwそうそう。」 「まったく、ダメだねぇ。」 「でも、寝顔がキレイで見とれちゃったぁ。」 「まぁねぇ、それは確かだわ。」 「それから、帰りに…。」 〜♪〜♪ あ〜ちゃんが言いかけると、あたしの携帯が鳴り出した。 もー、誰よぉ?あ〜ちゃんとまったりしてる時にぃ。 名前を確認して、あ〜ちゃんの話が気になる私としては少し迷う。 「ゆかちゃん、出ないの?」 「え、あぁ、うん。ちょっとごめんね?」 でも、珍しい相手だけに、電話に出ることにした。 「もしもし?…うん。今?…ん、分かった。行くからちょっと待ってて?」 「どっか行くの?」 「うん、ちょっとそこの公園まで。なんか友達が子犬見つけたみたいでさ〜。牛乳持ってきてだってw」 「牛乳?それならビンのがあるからソレ持って行くといいよ。」 「ホント?分かった。そんな時間掛かんないと思うけど、時間掛かったら、私のそのままにしておいてくれる?」 「うん、分かった。気をつけてね?」 「ありがとw行ってきまぁす。」 私は、冷蔵庫から牛乳を取り出して出掛ける。 あ〜ちゃんごめんね?ちょっとだけ、ウソついちゃった。 あ〜ちゃんの話は気になるけど、珍しく情けない声してたから…。 子犬じゃなくて…まぁ、ある意味、子犬だけど…。 公園まで行くと、街頭の下のベンチにもたれている人物。 さっきの電話の相手。 のっちがいた。 「来たよ〜。」 「急にごめん。」 「あ〜ちゃん送ってから、ずっと居たの?」 黙って頷くのっち。 「ふ〜ん、そっか。」 そう言いながらのっちの隣に座る。 あ、そうだ。 「はい。コレ。」 「??何で牛乳?」 まぁ、当然のことながら頭にはてながいっぱいなのっち。 「友達が子犬見つけたって言って出てきたからw」 「ははwなるほどw」 笑いながら牛乳を受け取ってくれた。 「で?どうしたの?」 「あぁ、その、あ〜ちゃん送る時にね…。」 あれ?のっちも? そう思ったけど、黙ったまま続きを聞く。 「あの人のこと、まだ好きだよね?って聞いたんだ。」 なるほど、あ〜ちゃんが言いかけたのもそれだな? 「また、野暮なこと聞いたんだね。」 「うんwちゃんとあ〜ちゃんから聞いてなかったし、あの人との距離も知っておきたかったから。」 「そんなの、埋るわけないでしょ?」 「ぅん。聞いてちょっと後悔した…。だって、あんな泣きそうな顔で『好き』なんて言われたら…、敵わないなぁ〜って…。」 あ〜あ、って天を仰ぐのっち。 「あの人はあ〜ちゃんの中でまだ生きてるんだな〜って。」 「何?もうギブアップ?」 「…したくはないよ。一年以上は覚悟してるんだけどね?」 それじゃあダメだよのっち。あの人と同じじゃダメ。 急げとは言わないけど…。 「ねぇのっち。」 「ん〜?」 私の方を向かずに返事をしたのっちの顔を、少し強引にこっちに向かせて顔を近づける。 「な、なに?」 焦りだすのっち。そんなに怯えなくても良いよw 「あのね?のっち。」 のっちの瞳をとらえる。 「今いない人をライバルにしたら、一生勝てないよ?」 思い出って美化されていくものだから。 驚いたみたいに、目を大きく開いたのっち。 「のっちはあの人に勝つために、あ〜ちゃんに声掛けたの?」 私が言えるのはこれだけ。 のっちは何度か瞬きをした後、いつもの締まりのない笑顔になった。 「へへwゆかちゃん、ありがとうw」 「なに、その緩い顔…。」 「デヘヘwゆかちゃんのお陰で、大切な事思い出したから。」 「あっそ?じゃぁ、私帰るよ?」 「うん!あ、牛乳もありがとうw」 のっち?私も一緒に。 あ〜ちゃんの光が見たいんだよ? Side N ゆかちゃんの問いかけで、考えすぎて見えなくなっていたものが見えるようになった。 「今いない人をライバルにしたら、一生勝てないよ?」 そりゃそうだよね?忘れる事なんてないし、忘れて欲しくもないし。 あなたは、あ〜ちゃんの中でずっと生き続けるんだから。敵うはずない。 だったら、あたしはあたしであ〜ちゃんを振り向かせる。 似てようがなんだろうが、これがあたしなんだから。 そしてもう一つ。 「のっちはあの人に勝つために、あ〜ちゃんに声掛けたの?」 そうだった。一番大切なこと忘れるトコだったよw あたしは、あ〜ちゃんの光が見たくて声を掛けたんだ。 あの眩しい笑顔を、取り戻したくて。 あなたに勝つためじゃないんだ。 あ。でもやっぱ、何気にゆかちゃん強敵じゃない? —つづく—