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先輩方が卒業したあとのGW 久しぶりに5人揃ってスタジオに集まり、音合わせをしました 練習し終わったあと、私達は澪先輩の家のアパート(大学の下宿先)に集まりました 私ももう3年生、勉強に手を抜いている場合じゃありません 先輩方と一緒の大学に行くためにも・・・ 澪先輩に勉強を教えてもらっていました 澪:ここはこうして、で、ここは・・・ 梓:なるほど 唯:あーずにゃん!えい! 唯先輩が私に抱きついてきました 梓:ひゃ!! 澪:こら!唯!勉強の邪魔をするな! 律:おらーーーーーーー 律先輩は唯先輩にアームロックをしかけました 唯:り!りっちゃんギブギブ!!! 律:はっはっは!私の勝ち~~! 澪:梓の勉強の邪魔だろ、まったく・・・ 澪先輩が愚痴を言っています この二人のテンションは高校のころとなんら変わっていない 大学に行ってもみなさんの様子は変わっていない・・・ 紬:お茶、はいりましたよ~ 唯・律:やったーーーー! 澪:ムギ、悪いな 梓:ありがとうございます・・・ 大学でも4人で活動している先輩方 高校のころと一緒で、仲良くやっているそうです 本当に良かった・・・ だって私は、先輩方が大好きだから HTTが大好きだから・・・ 時計は夜中の1時をまわり、ムギ先輩、律先輩、唯先輩はとっくのとうに寝ていました 私はこの時間まで自分の勉強につきあってもらってました 澪:ふぅ・・・このへんにしておこうか 梓:そうですね 澪:もうみんなも寝てるし・・・私たちも寝ようか 梓:はい 澪:ごめんな、狭くて。寝るスペースがあんまりないと思うんだけど・・・ 私は明日も学校が休みということもあり、澪先輩のアパートに泊まることにしました 澪先輩のアパートの広さは七畳。5人で寝るには困難をきわめます ちなみに唯先輩と律先輩は二人仲良くベッドの上で寝ています ムギ先輩は床の上に布団をしいて寝ていました 梓:仕方ありませんよ。1人暮らしですし・・・ 澪:だいたいこの二人は・・・私のベッドなのに・・・ 梓:幸せそうに寝ていますね 澪:ふふ。そうだな 梓:本当に変わっていませんね・・・良かった 澪:梓・・・? 梓:あ!なんでもないです・・・ ついつい口がでてしまった 澪:寝る前にもうちょっと梓とおしゃべりしようかな フフッ 澪先輩は笑顔で私にそう言ってくれました 梓:そうですね・・・私もみなさんの現状とかもっと知りたいですし 私は寝る前に、澪先輩とおしゃべりすることにしました 澪:軽音部はどう? 梓:はい、純や憂が入ってくれて、1年生も二人入ってくれました 桜ケ丘高軽音部もまだまだ存続中です 新入部員も二人入ってくれました 一人はドラムの経験者で、もう一人はギターの初心者 初心者の子にはつきっきりで教えてるけど、唯先輩に指導してたから、なんら苦労は感じません 澪:憂ちゃんはキーボードなんだっけ? 梓:はい。ピアノしてたし、それに憂だから、のみこみも早くて・・・ 澪:だろうな・・・そういえば、あの子。純ちゃんは? 梓:純はベースです。腕前はなかなかですね。澪先輩みたいなベーシストになりたいってよくいってます 澪:私みたいなベーシストだなんて・・・なんかおそれ多いかな// 梓:そんなことないですよ。私も澪先輩のベースは素晴らしいと思っています 澪:そ、そうかな・・・は、恥ずかしい// 下を向く先輩 自分に自信のないところも相変わらずだな~・・・ 梓:先輩方はどうですか? 澪:私達は自分たちでサークルを立ち上げてバンド活動してるよ 梓:立ち上げるって・・・すごいですね 澪:一応ちゃんとしたバンドサークルはあったけど、私達は私達でやりたいかなぁと思って・・・ 梓:そうなんですか・・・ 澪:それに、そのサークルに入ったら、またみんなでできないかもと思ってさ。ほら、人が多いからいろんなバンドと組めるんだよ、だから・・・ そこまでして・・・ 澪:ふふ、もちろんお前の事も忘れてないよ、梓 梓:え? 澪:ギターはちゃんと一人あけてるからな。来年は私達のサークルに入るんだぞ。梓 ど・・・どうしよ・・・ 澪:梓? 目から汗が・・・ 澪:どうした、梓? ギュッ 澪:!? 私は澪先輩の胸に飛び込んだ 梓:大学に入ったら・・・み、みなさんが離れ離れになってるんじゃないかなって思って・・・ グスッ 澪:・・・ 梓:心配してて・・・ずっと心配してて グスッ 澪:梓・・・ 梓:今も楽しいけど・・・やっぱり先輩方と一緒にいる方が楽しい・・・ グスッ 澪:そうか・・・ ギュッ 澪先輩も私を抱きしめてくれた 澪:そんなこと言うなよ 梓:う・・・う・・・うぅ・・・ 澪:私たちは・・・梓のこと、ひと時も忘れたことなんてない 梓:う・・・う・・・ 澪:それに・・・今の軽音部には満足してないのか? 梓:い、いえ・・・そんなつもりじゃ 澪:じゃあそういうことは言うな、一年の後輩がこんな部長を見て、なんて思うか 梓:す・・・すいません・・・ グスッ 澪:ふふっ、よしよし 澪先輩は私を撫でてくれた 梓:・・・もう少し・・・このままでいてください 澪:ふふっ、私ももう少し、こういたいかな 梓:離れたくないんです・・・ 澪:私もだよ・・・梓 ギュッ 律・紬・唯:ニヤニヤッ 澪・梓:!!!! 律:いや~甘えん坊でちゅね~梓ちゃん 唯:あずにゃんかわいい~ 紬:あぁ・・・いいわぁ// ポッ 澪:お、お前ら起きてたのか!! 梓:は、はずかし~・・・ 律:それにいらん心配しすぎだぜ、あ~ずさ 梓:え? 唯:そうだよ、あずにゃんの事を忘れたことなんてないよ 紬:新入部員の子が見てたら思うでしょうね 梓:み、みなさん・・・ 澪:それは私のセリフ// 律:澪ちゃ~ん、今日はやけにくさいですね~ 澪:うるさーーーーーーーーーい!! 私の悩み事はこの1日で解決できました 本当に良かった・・・ みなさんのためにも、軽音部の方ももっと頑張らないと!
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【論証 行政法】 国家賠償法1条の責任の性質 国や公共団体が公務員に代わって責任を負担するのか(代位責任説)、それとも国の自己責任であるのか(自己責任説) ・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚ この点 自己責任説は、 ①国家賠償法1条1項の責任主体が国・公共団体に限定されていること、 ②国家賠償法1条には、民法715条と異なり、免責規定が設けられていないこと、 ③「公務員に代わって」という文言が使用されていないことを根拠とする。 しかし ①賠償責任の成立要件として、公務員の故意・過失が要求されていること、 ②国に求償権が認められていること(国家賠償法1条2項)から、 この見解は妥当でない。 思うに、 加害行為を行った公務員個人に不法行為責任がまず成立するが、 適法・違法の判断は困難である場合があり、公務の萎縮を招くおそれがあることから、 国家賠償法1条1項の責任は、本来公務員が負うはずである不法行為責任を国または公共団体が代位するものと解すべきである(代位責任説) 国家賠償責任の成立要件 ①公務員の行為であること ②公権力の行使であること ③職務を行うについて損害を与えたこと ④公務員に故意または過失があること ⑤加害行為が違法であること 代位責任説をとる場合、加害者である公務員について不法行為責任が成立していなければならないところ、 故意・過失を認定するにあたり、加害公務員を特定しなければならないのではないか ・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚ 思うに、 ①国家賠償法の趣旨は、 違法な公権力の行使によって損害を被った被害者に十分な救済が行えるよう、国・公共団体に責任を認める点にあるが、 被害者に加害公務員の特定という困難な立証を強いることは、 不当に被害者救済を閉ざすものであり、国家賠償法の趣旨にそぐわない。 また、②一般に不法行為責任について加害者の特定が要求されるのは、 不法行為の成否及び誰が損害賠償責任を負うかを明らかにするためであるから、 一連の行為のどれかが不法行為にあたれば加害者を特定する必要はないし、 国家賠償責任において損害賠償責任を負う主体を特定する必要もない。 したがって、 代位責任説をとる場合であって、厳密に加害公務員個人を特定する必要はない。 「公権力の行使」の範囲が問題となる。 公権力の行使にあたらなければ、国家賠償法1条ではなく、民法715条が適用される。 ・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚ 思うに、 「公権力の行使」という文言が用いられていることから、 国や公共団体の全ての活動に国家賠償法の適用を認めることはできない。 他方、 行政行為や行政強制などの権力的作用に限ることは、 被害者救済という国家賠償法の理念にそぐわない。 そこで、 公権力の行使には、権力作用だけでなく、 純粋な私経済作用と、国家賠償法2条によって救済される営造物の設置管理作用を除く 全ての非権力的な公行政作用が含まれると解する(広義説)。 したがって、 教育活動、行政指導、医療行為なども「公権力の行使」に含まれる。 「その職務を行うについて」とは、職務行為それ自体よりは広いが、職務を行うに際して行う行為よりは狭い概念。公務員の「職務行為」の範囲内かどうかの判断基準が問題。 ・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚ 思うに、 その職務行為の範囲内といえるためには、 客観的に職務行為の外形があれば足りると解すべき。 なぜなら、 公務員の主観的意図を基準にするならば、 被害者である国民の救済は不十分となるから。 国家賠償法1条は、公務員の故意または過失という主観的要素を成立要件としている。ここで過失とは、 公務員の客観的な注意義務違反であると解すべき。 すなわち、 通常の公務員に要求される知識・能力を前提に、 当該公務員が被害の発生を予見することが出来たのに予見を怠り、かつ、 結果を回避できたのに怠ったといえれば、 過失ありと判断される。 「違法」とは(国家賠償法1条) 公務員の行為の客観的要件であり、 その行為が客観的に正当性を欠く場合を言う。 法規違反だけでなく、 条理や法の一般原則違反なども含む。 しかし、 単に不当にとどまるときは、違法とはならない。 行政庁が、規制権限を適切に行使しなかったために、国民に損害が生じた場合、行政庁の不作為に対して、国家賠償を請求できるか。まず、行政庁の権限不行使が違法と評価できるか。 この点、 反射的利益論によって、行政庁の権限不行使は違法な権利侵害とはいえないとする見解もある。 反射的利益論とは、 行政法規が公益上の見地から、行政主体に対して一定の作為・不作為を命じている場合、 被害者の利益は法律が直接に保護する利益ではないから、 たとえその利益が侵害されたとしても、損害賠償責任は発生しないとする理論 しかし、 反射的利益論は、取消訴訟の原告適格という訴訟要件の有無を決する際に用いられる理論であり、 実際に被害が発生している国家賠償請求訴訟に必ずしも該当しない。 また、 行政庁が法令上与えられている権限を行使するかしないかは、原則として行政庁の裁量に委ねられており、 付与された権限を行使しないことが直ちに違法とはいえないとする見解も(行政便宜主義)。 しかし、 現代社会において、国民の権利利益は、行政庁の適切な権限行使によって初めて保護され、 法もこれを期待して行政庁に権限を付与しているものと解される。 したがって、 行政庁に付与された権限の不行使が、法の趣旨に反する一定の場合には、 違法と評価されるものと解すべき。 具体的にいかなる場合に行政庁の権限不行使が違法となるか。 この点、 規制権限行使の要件が整ったからといって、直ちにその不行使が国家賠償法上の違法があると評価されるべきではない。 なぜなら、 ①現代社会のように高度に専門家・複雑化した分野においては、 行政庁の第一次的判断が尊重されるべきであり、裁判所が積極的に規制権限の不行使を違法と判断すべきではないから。 ②また、要件を具備したからといって直ちに規制権限を行使するとすれば、 場合によっては、国民の権利利益を変えて侵害するおそれも生じる。 ③そして、あまりに広範に規制権限不行使の違法を認めると、 公務の萎縮という結果ももたらす可能性がある。 もっとも、 行政庁の権限不行使が、許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くと認められるような場合については、違法と評価すべき。 そこで、 国または公共団体の規制権限の不行使が、その権限を定めた法令の趣旨、目的や、その権限の性質に照らし、 具体的事情の下において、許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くと認められる場合は、国家賠償法1条1項の違法を構成すると解すべきである。 そして、 規制権限を定めた法令の趣旨、目的、規制権限の性質などが当該法令等から明らかでない場合については ①危険性、(あるいは差し迫った危険)があること ②予見可能性があること ③結果回避可能性があること、 ④国民の期待可能性があること、 ⑤国民水から危険を回避できないこと(補充性) を要件として、これらを総合的に考慮して、違法性の有無を判断すべき。 行政指導にも「違法性」がある場合があるか(国家賠償法1条) この点、 行政指導は、本来、相手方の任意の協力を得て行う行政作用であって、 相手方はその自主的判断で行動しているので、 行政指導によって国民に損害が生じても、違法性が認められないとも思える。 しかし、 相手方の任意の協力を得て行う行政指導も違法性が認められるものと考える。 なぜならば、 前述のように、行政指導も「公権力の行使」に当たる以上、違法な場合がありうるから。 いったん策定された行政計画を後に変更することが直ちに違法となるか 思うに 行政計画は、将来を予測して目標を設定し、長期に亘ることも少なくないことから、 その間に、政治・経済上正当に変化が生じれば、 計画策定後に変更や中止を行うこともやむをえないといわざるを得ない。 従って、 いったん策定された行政計画を後に変更することが直ちに違法となると解することはできない。 しかし、 他方で、いったん計画が策定されれば、当該計画を信頼し、その実現に協力し、計画を前提とした資金及び労力が投入されることもある。 このような場合にまで、計画の違法性を否定し、国家賠償請求を認めないとすると、 国民の権利利益救済という国家賠償法の理念に反することになるし、 また、後に計画が変更・中止されることを懸念して国民が計画に協力的でなくなるおそれもありうる。 そこで、 行政計画の変更も国家賠償法上違法となりうると解すべきである。 いかなる場合に行政計画の変更が国家賠償法上違法となるか。 思うに、 行政庁が、将来に亘って継続すべき施策を決定した場合であっても、 行政庁がその内容に拘束されるものではないことからすれば、 行政計画の変更を一般的には、違法性が認められないと解する。 もっとも、 計画の変更が、密接な交渉をもつに至った当事者間の信頼関係を不当に破壊するような場合には、 信義衡平の原則に照らし、違法となると解すべきである。 具体的には、 ①決定が、単に一定内容の継続的な施策を定めるにとどまらず、 特定の者に対して施策に適合する特定内容の活動をすることを促す 個別的、具体的な勧告ないし勧誘を伴うものであり、かつ、 ②その活動が相等長期にわたる当該施策の継続を前提として初めて これに投入する資金または労力に相応する効果を生じうる性質のものである場合には、 特定の者は、かかる施策を信頼するのが通常であるから、 たとえ勧告ないし勧誘に基づいてその者と当該地方公共団体との間に施策の維持を内容とする契約が締結されものとは認められない場合であっても、 信義衡平の原則に照らし、その施策の変更にあたってはかかる信頼に対して法的保護が与えられなければならない。 すなわち、 施策が変更されることにより、前記の勧告等に動機づけられて前記のような活動に入った者が、 その信頼に反して所期の活動を妨げられ、社会観念上看過することのできない積極的損害を被る場合に、 地方公共団体において損害を保証するなどの代償的措置を講ずることなく施策を変更することは、 それがやむをえない客観的事情によるのでない限り、 当事者間に形成された信頼関係を不当に破壊するものとして違法性を帯びるものと解する。 公務員個人の故意または過失の有無はどのようにして判断すべきか この点、 行為者たる公務員個人の注意能力を過失認定の基準にすると、 不注意な公務員ほど過失の認定が困難となり、被害者が救済を受けられないという不合理な結果が生じる。 そこで、 過失を客観化し、 通常の公務員に要求される知識・能力を前提とした注意義務を想定し、 客観化された注意義務違反を過失認定の基準とすべきである。 ここに「過失」とは、 予見可能性を前提とする予見注意義務違反、及び結果回避可能性を前提とする 結果回避義務違反をいうと解する。 したがって、 担当公務員に予見注意義務違反及び結果回避議有無違反があれば、 国及び第三者に責任を負いうる。 国家賠償法1条の責任の性質 この点、 行政活動は、市民に被害を発生させる危険性を内在しており、 国や公共団体は、自己責任として損害賠償責任を負うとする見解がある(自己責任説)。 しかし、 国家賠償法1条が公務員の主観的要素(故意または過失)を要件としていることから この見解は、妥当でない。 思うに、 国家賠償責任とは、加害行為を行った公務員個人の不法行為責任がまず成立するが、 そうなると萎縮してしまい公務の遂行に支障をきたすおそれがあるので、 その責任を国が公務員に代わって負う制度であると解する。 なぜなら、 ①公務員個人の主観的要素である「故意または過失」が成立要件とされている、 ②国家賠償法1条2項は、国の加害公務員に対する求償権を認めているから。 したがって、 国家賠償法1条は、国または公共団体の代位責任であると解する。 国家賠償法1条の責任の性質を踏まえた上で、公務員個人が第三者に対して、国家賠償法上の責任を負うか。国家賠償法に明文規定がないため問題となる。 この点、 国家賠償法1条は、あくまで国または公共団体の自己責任であること、 行政主体の責任と個人の責任は別であることを理由に、公務員個人の責任を認める見解もある。 しかし、 前述のように、国家賠償法1条は代位責任であると解すべきであるし、 また、行政が複雑かつ多様化した現代社会において、 公務員の職務行為に常に個人責任の危険を負わせることは、職務の萎縮を招くおそれもあるため、 かかる見解は支持できない。 思うに、 国家賠償法1条の責任は、国または公共団体のみが負うと解すべきである。 なぜなら、 国家賠償法1条1項は「国または公共団体が、これを賠償する攻めに任ずる」と規定しているし、 行政主体が賠償責任を負うことで被害者の救済としては十分だからである。 以上より、 担当公務員に故意または過失があっても、 当該公務員が国家賠償法上、第三者に対して個人責任を負うことはないものと考える。 もっとも、 国家賠償法上の責任が否定されるとしても、当該公務員の民法上の責任が否定されるわけではないので、 担当公務員が故意に基づく職権濫用行為を行ったような場合は、 第三者に対して、民法709条の損害賠償責任を負いうる。 担当公務員の国に対する責任 国家賠償法1条2項により、 公務員の予見注意義務違反及び結果回避義務違反が重大なものであれば、 担当公務員は、国に対して、求償義務を負う。 失火責任法が軽過失を免責していることから、同法が国家賠償法4条にいう「民法」に含まれるか 思うに、 国または公共団体の損害賠償の責任について、国家賠償法4条は、 同法1条1項の規定が適用される場合においても、 民法の規定が補充的に適用されることを明らかにしているところ、 失火責任法は、失火者の責任条件について民法709条の特則を規定したものであるから、 国家賠償法4条の「民法」に含まれると解するべきである。 従って、 公権力の行使に当たる公務員の失火による国または公共団体の損害賠償責任については、 国家賠償法4条により失火責任法が適用され、 当該公務員に重大な過失のあることが必要である。 国家賠償法2条1項の「瑕疵」 国家賠償法2条1国の設置または管理の瑕疵とは、 営造物が通常有すべき安全性を欠き、他人に危害を及ぼす危険性のある状態をいうと解する(客観説、判例・通説、最判昭45.8.20) なぜなら、 「瑕疵」とは、物の状態に関するものと考えられるから。 そして、瑕疵の存否については、 営造物の構造、用法、場所的環境及び利用状況等諸般の事情を相互考慮して、 具体的個別的に判断すべきである(最判昭53.7.4) 裁判所の裁判が「違法」と言える場合があるか、あるとすればどのような場合に違法となるか。 裁判官がした裁判に、上訴等の訴訟法上の救済方法によって是正されるべき瑕疵が存在したとしても、 当然に国家賠償法1条1項音「違法」の評価を受けるものではないと考える。 なぜなら、 裁判の瑕疵は上訴によって是正されるべきであるし(三審制)、 裁判官の職権行使の独立性が保障されるべきことから、 他の公務員とは異なる特殊な性格を有するからである。 したがって、 裁判所の裁判が国家賠償法上の「違法」があるといえるためには、 単に瑕疵があるだけでなく、 当該裁判官が違法または不当な目的をもって裁判をしたなど、 裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認めうるような 特別の事情があることが必要であると解する。 公訴提起後に裁判で無罪判決が確定した場合、違法となるか。検察官の公訴提起 この点、 結果的に無罪判決が確定した以上、検察官の公訴提起が違法となり、 検察官が十分に職務上の注意義務をつくしていた場合に限り過失を否定する見解がある。 しかし、 この見解によると、違法とされる範囲に拡大し過ぎ、円滑な行政活動が阻害され、 結果として、国民の権利利益を保護することができなくなるおそれがある。 思うに、 検察官が公訴提起時において、収集した証拠資料及び通常要求される捜査を遂行すれば収集し得た証拠資料を総合勘案して 合理的な判断過程により有罪と認められる嫌疑があれば、 たとえ後に無罪判決が確定したとしても、公訴提起事態は違法性を欠くものと解すべきである。 なぜなら、 検察官の公訴提起について、濫用は許されないが、 一定の犯罪に対する嫌疑があれば公訴提起を行うことが認められているからである。 したがって、 検察官が公訴提起時に、十分な注意義務をつくさず、証拠資料の収集を怠り、 または証拠資料を勘案して不合理な判断過程を経て公訴提起するに至ったなどの特段の事情がある場合は、 国家賠償責任が生じうると解する。 立法行為は違法となるだろうか。 思うに、 国会がいついかなる立法をなすかは、 国会の広い立法裁量に委ねられているというべきである(憲法41条)。 また、国会議員は、立法に関しては、 原則として、国民全体に対する関係で政治的責任を負うにとどまり、 個別の法的義務を負うものではない。 したがって、 仮に当該立法の内容または立法不作為が憲法の規定に違反するものであるとしても、 その故に国会議員の立法行為または立法不作為が直ちに違法の評価を受けるものではない もっとも、 立法の内容または立法不作為が、 国民に憲法上保証されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合や、 国民に憲法上保障されている権利行使の機会を確保するために、 所要の立法措置をとることが必要不可欠であり、それが明白であるにもかかわらず、 国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合などには、 例外的に、国会議員の立法行為または立法不作為は 国家賠償法1条1項の規定の適用上、違法の評価を受けるものというべきである。 「違法」及び「故意または過失」について 一般的に、「違法」は客観的要件、 「故意または過失」は公務員の主観的要件であるとされているが、 行為者たる公務員個人の注意能力を過失認定の基準にすると、 不注意な公務員ほど過失の認定が困難となり、 被害者が救済を受けられないという不合理な結果が生じる。 そこで、 過失を客観化し、「抽象的な過失」をもって過失を認定すべきである。 ここでは、「過失」とは、 予見可能性を前提とする予見注意義務違反、及び結果回避可能性を前提とする 結果回避義務違反をいうと解される。 そして過失の客観化により、違法と過失が相対化し、 違法と過失を必ずしも明確に区別する必要がなくなる(一元説)。 したがって、 客観的に違法性が認定できれば、過失も推定されることとなり、 逆に客観的に過失が認定できれば、違法性が推定されることとなる。 国家賠償法2条の設置・管理の瑕疵の意義 この点、 営造物の設置・管理の瑕疵は、 管理者の損害(危険)防止措置の懈怠・放置についての客観的な管理義務違反であるとする見解がある。 この見解によれば、国家賠償法2条は、 国家賠償法1条と連続性を有し、過失責任と解することとなる。 しかし、 国家賠償法2条の「瑕疵」は、物の状態に関するものであるが、 国家賠償法1条の「過失」は、人の行為に関するものであり、同じ過失責任と捉えるべきではない。 そこで、 設置・管理の「瑕疵」とは、 営造物が通常有すべき安全性を欠き、他人に気害を及ぼす危険性のある状態をいうと解する(客観説)。 したがって、 営造物の設置・管理の瑕疵は、 客観的に存在する物であり、管理者の故意・過失を前提とせず(無過失責任)、 その責任の根拠は、 危険責任の原理に求めることとなる。 また、瑕疵の存否については、 当該営造物の構造、用法、場所的環境及び利用状況等、諸般の事情を総合考慮して、具体的個別的に判断すべきであり、 その際の基準として、 ①危険性、②予見可能性、③回避可能性が斟酌されるべきである。 道路(明文で例示された公の営造物(人工公物)(国家賠償法2条1項)が、設置・管理の「瑕疵」といえるか 思うに、 国は道路などの公の施設を設け、広く国民の利用に提供する以上は、 通常有すべき安全性を確保し、 通常の方法により利用する国民に、物的欠陥による損害を与えることを防止することが義務付けられる。 したがって、 道路の設置・管理の瑕疵とは、 通常有すべき安全性を欠き、他人に危害を及ぼす危険性のある状態をいうと解すべきである(客観説、無過失責任)。 したがって、 道路の安全性確保のための措置をとることが、予算不足のため困難であるとの抗弁は、認められない。 道路の機能的瑕疵(道路利用者以外の者との関係における瑕疵)の設置・管理の瑕疵の判断基準 機能的瑕疵・・・ 営造物の本来的な両者との関係では瑕疵がない場合でも、当該営造物が共用されることにより、その周辺住民等の第三者に被害を生じた場合にも瑕疵があるとされる場合。供用的瑕疵。 機能的瑕疵であっても、設置・管理の瑕疵の判断基準は変わらないが、 具体的な基準として 受忍限度論が用いられる。 すなわち、 機能的瑕疵があるとされるためには、被害が社会生活上受任すべき限度を越えた違法なものでなければならない。 そして、受任限度を超えたか否かは、 侵害行為の態様と程度、被侵害利益の性質内容などの諸事情を考慮して、総合的に判断されると解する(最判平7.7.7) 未改修河川における設置・管理の瑕疵 河川も、明文で例示された公の営造物であるが、道路と異なり、 河川は、自然発生的な公共用物(自然公物)であり、 もともと洪水等の自然的原因による災害をもたらす危険性を内包している。 また、改修に要する時間的制約、膨大な費用がかかるという財政的制約、 改修には用地買収が必要であるという社会的制約、 河川改修は綿密な計画にしたがった段取りが必要であるという技術的制約などの制約がある。 さらに、道路における通行止めのような簡易な損害回避手段も存在しない。 そうすると、道路のような人工公物とは、おのずと瑕疵の判断に差異が生じる。 したがって、 未改修河川の設置・管理の「瑕疵」については、 自然的条件、社会的条件など諸般の事情を総合考慮し、 財政的、技術的、社会的諸制度のもとで、同種同規模の安全性(過渡的安全性)を備えているか否かを基準として 判断すべきであると解する(最判昭59.1.26) 改修済み河川における設置・管理の瑕疵 改修済み河川の場合は、改修計画が想定していた規模の洪水における 流水の災害を防止するに足りる安全性を確保しなければならない。 すなわち、 改修済み河川については、 改修時の防災技術の水準に照らして通常予測し、かつ、 回避しうる水害を未然に防止するに足りる安全性が必要であると解する(最判平2.12.13) したがって、 改修計画が想定していた規模の洪水で水害が発生すれば、 通常有すべき安全性にかけるといえるから、 設置・管理の瑕疵が認められる。 裁決の効力 まず、裁決も行政行為の一種であるから、 公定力が生じ、 権限ある行政庁または裁判所によって取消されない限り、原則として、有効。 また、裁決は、慎重な手続を経て行われる裁断行為であるため、 不可変更力を有し、審査庁により裁決が下されると、 たとえ裁決に瑕疵があっても、他の一般の行政処分とは異なり、 特別の規定がない限り、裁決徴自らにおいて取消すことが出来ない(最判昭29.1.21) 不適法な審査請求であっても、審査庁の過誤により裁決を経た場合は、審査請求前置の要件を満たしたといえるのか。 思うに、 不適法な申立てであるのに要件をみたしたものとすれば、 不適法な申立てを却下した場合との均衡に欠けるし、 行政庁の過誤により利益を付与すべきではない。 したがって、 行政庁の過誤により本案審理が行われ、 不適法な審査請求について棄却裁決がなされたとしても 審査請求前置の要件を満たしたとはいえず、 取消訴訟は提起できないものと解すべきである。 「行政庁の処分」の意味 行政庁の処分とは、 公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうちで、 その行為により直接国民の権利義務を形成しまたは その範囲を確定することが法律上認められているものをいうと解する。 したがって、 講学上にいう行政行為がこれにあたるほか、 形式が行政立法(法規命令)にあたるものであっても、 直接具体的な法効果を有するものは 「処分」にあたり、 権力的事実行為であって継続的性質を有するものは 「その他公権力の行使」に含まれると解する(行政不服審査法2条1項参照) もっとも、 上記のような基準のみで一律に処分性を判断できない行政活動もあり、 その場合は、根拠となった法令等から、 処分性を肯定する手がかりとなる規定の有無などによって判断することになる。 公の施設の建設の処分性 ゴミ処理上の建設は、 ①行政庁における設置計画の策定及び計画の議決・公布と、 ②その後行政庁が、建設会社と建築請負契約を締結し、工事を行うという過程に大別される。 そこで、各過程が処分に該当するかについて検討する。 ①は、行政における内部的手続行為であり、 「直接国民の権利義務を形成」するものではなく、 かかる内部的手続行為により、国民に直接具体的な法効果を生じさせるものでもない。 したがって、 ①の行為について処分性は認められない。 また、②も行政庁と建設会社とが対等の立場に立って締結する私法上の契約にすぎず、 「直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定する」行為であるとはいえない 以上により、ゴミ処理上の建設は、「行政庁の処分」にはあたらず、 抗告訴訟の対象とはならない。 行政代執行の戒告の処分性 行政代執行の戒告(行政代執行法3条1項)は、代執行そのものではなく、 またこれによって新たな義務ないし拘束を科するものではないことから、 行政処分とは言えない。 しかし、 代執行の前提要件として、 行政代執行手続の一環をなすとともに、 代執行の行われることをほぼ確実に示す表示でもある。 そして、代執行の段階に入れば多くの場合、直ちに執行は終了し、 救済が困難となることからすれば、 戒告は後に続く代執行と一体的な行為であり、 「公権力の行使」にあたると解すべきである。 公営住宅の使用許可の取消の処分性 公営住宅の使用関係は、国民と行政とが対等の立場に立って締結される私法上の契約であり、 実質においては、民間の賃貸借契約と同様であるといえる。 そうであるとすれば、 行政庁が行った使用許可の取消は、 実質的には、賃貸借契約の解除であると解する。 したがって、 公営住宅の使用許可の取消は、「直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定する」ものであるとはいえず、 行政庁の処分には当たらないことから、 抗告訴訟を提起することはできないと解する。 補助金交付決定の処分性 補助金の交付は、国と地方公共団体とが対等の立場にたって、 補助金を受ける地方公共団体の申請と、これに対する行政庁の交付決定とによって成立する契約(負担つき贈与契約)と見ることも可能である。 しかし、 補助金等の交付決定に対しては、補助金等にかかる予算の執行の適正化に関する法律(適正化法)25条に基づき、不服の申出が認められていること、 適正化法は、補助金等の交付の不正な申請及びその不正な施用を防止し、 補助金等にかかる予算の執行が適正に行われることを目的としていること、 地方公共団体に対して、当該事業についての是正命令を行うことを行政庁に認めていること(適正化法16条)、 地方公共団体が条件に違反した場合、交付決定を取消、補助金の変換を求めることができ、 その返還は国税徴収法の例により徴収できるとされていること(適正化法21条)など 同法全体の構造からすれば、適正化法は、補助金交付決定を行政処分として構成しているものと解すべきである。 したがって、 国の省庁による地方公共団体に対する補助金交付決定は、抗告訴訟の対象となるものと解する。 土地区画整理事業計画の処分性 ①土地区画整理事業計画は、もともと、 土地区画整理事業に関する一連の手続の一環をなすものであって、 長期的見通しのもとに、健全な市街地の造成を目的とする 高度の行政的・技術的裁量によって、一般的・抽象的に決定するものである。 したがって、 事業計画は、特定個人に向けられた具体的な処分とはいえず、 事業計画自体ではその遂行によって利害関係者の権利にどのような変動を及ぼすかが、 必ずしも具体的に確定されているわけではなく、 いわば当該土地区画整理事業の青写真たる性質を有するにすぎない(青写真論)。 ②また、当該事業計画が法律の定めるところにより公告により、施行地区内の建物等の所有者が一定の制限を受けることとなるが(土地区画整理法76条1項)、 これは、当該事業計画の円滑な遂行のため、法律が特に付与した広告に伴う付随的な効果にとどまるものであって、 事業計画の決定ないし広告そのものの効果として発生する権利制限とは言えない(付随的効果論)。 したがって 事業計画は、それが公告された段階においても、直接、特定個人に向けられた具体的な処分ではなく、 宅地・建物の所有者または賃借人等の有する権利に対し、具体的な変動を与えるものでもない。 さらに、 ③事業計画の決定ないし公告の段階で訴えの提起が許されないからと言って、 土地区画生理事業によって生じた権利侵害に対する救済手段が一切閉ざされてしまうわけではない。 すなわち、 土地区画整理事業の施行に対する傷害を排除するため、 当該行政庁が、当該土地の所有者等に対し、原状回復を明示、又は当該建築物等の移転もしくは除却を命じた場合において それらの違法を主張する者は、 その取消(または無効確認)を遡及することができ、 また、仮換地の指定または換地処分を行った場合において、その違法を主張する者は、 これらの具体的処分の取消(又は無効確認)を遡及することができる。 したがって、 直接それに基づく具体的な権利変動の生じない事業計画の決定ないし公告の段階では、 訴訟事件として取り上げるに足るだけの事件の成熟性を欠く(成熟性欠如論) よって、 土地区画整理事業計画は、行政庁の処分に当たらず、これに対して取消訴訟を提起することはできない。 市町村営土地改良事業計画の認可の処分性 市町村営土地改良事業計画は、 市町村が土地改良事業計画を定め、 都道府県知事に対して事業の施行認可を申請することとなっている。 そして、 土地改良法87条6項から10項の規定は、 国や都道府県が行う土地改良事業計画の決定に対して 不服申立てを行うことができることを前提としていることから、 国や都道府県が行う土地改良事業計画は、行政処分であるといえる。 市町村営の土地改良事業施行認可については、 かかる明文規定は存在しないが、 土地改良事業は、国営または都道府県営であるか市町村営であるかによって特別その性格を異にするものではないところ、 市町村営の土地改良事業において、国営または都道府県営の土地改良事業における事業計画の決定に対応するものは、 当該市町村の申請に基づき都道府県知事が行う事業施行の認可である。 そして、 この事業計画の決定と事業施行の認可とは、 土地改良事業の一連の手続の中で占める位置・役割を同じくするものといえる。 したがって、 市町村営土地改良事業計画の認可は、行政庁の処分にあたり、取消訴訟を提起することができる。 都市計画用途地域指定の処分性 都市計画区域内において用途地区を指定する決定が告示されて効力を生ずると、 当該地区内の土地所有者等に建築基準法上新たな制約を課し、 その限度で一定の法状態の変動が生じることは否定できないが、 かかる効果は、 あたかも新たに右のような制約を課する法令が制定された場合におけると同様の 当該地区内の不特定多数の者に対する一般的抽象的なそれに過ぎず、 具体的な個人に対する権利侵害を伴う処分があったものということはできない。 したがって、 都市計画用途地域の指定は、 行政庁の処分とはいえず、 取消訴訟を提起することはできない。 新幹線工事の認可の処分性日本鉄道建設公団が作成した新幹線鉄道の工事実施計画を運輸大臣が認可する行為は、「行政庁の処分」と言えるか。 思うに、 実質的には国の機関とみなされる日本鉄道建設公団が作成した新幹線鉄道の工事実施計画を、運輸大臣が認可する行為は、 あたかも、上級行政機関としての運輸大臣が、下級行政機関である日本鉄道建設公団に対して、監督手段として行う承認の性質を有するものであり、 行政機関内部の行為として外部に対する効力を有するものではない。 したがって 当該認可は、 行政機関内部の行為であり、 これにより「国民の権利義務を直接形成しまたはその範囲を仮定する」ものとはいえないから、 「行政庁の処分その他公権力の行使」には当たらないと解する。 関税定率法による通知の処分性 関税定率法による、貨物が輸入禁制品に該当する旨の税関長の通知等は、 行政庁の判断結果を表明する観念の通知にすぎない。 観念の通知は、直接的法効果を有しない事実上の行為であるから、 「行政庁の処分」にはあたらないようにも思われる。 しかし、 かかる通知は、 ①関税定率法21条に基づき、 輸入申告者に対する行政庁側の最終的な拒否の態度を表明するものであり、 ②通知がなされた貨物は、輸入が不許可となった貨物と同様に、 貨物を適法に輸入することができなくなるという法律上の効果を及ぼすものというべきである。 また、処分性を否定するならば、輸入者が通知に対して不服がある場合に、 輸入者は、刑罰の危険にさらさされながら、輸入を強行しなければならないこととなり、 権利救済が著しく困難となる。 したがって、 関税定率法による、貨物が輸入禁制品に該当する旨の税関長の通知等は、 「行政庁の処分」にあたるものと解する。 なお、 現在では、税関長の通知は、審査請求の対象となっている(関税定率法91条、93条) 医療法による勧告の処分性 医療法30条の7の規定に基づく病院開設中止の勧告は、 医療法上は行政指導として定められているが、 当該勧告を受けた者がこれに従わない場合には、 相当程度の確実さをもって、病院を開設しても保険医療機関の指定を受けることができなくなるという結果をもたらすものということができる。 そして、いわゆる国民皆保険制度の下では、 保険医療機関の指定を受けずに診療行為を行う病院がほとんど存在しないことは明らかであり、 保険医療機関の指定を受けることができない場合には、 実際上病院の開設自体を断念せざるをえないことになる。 このような医療法30条の7の規定に基づく病院開設中止の勧告の保険医療機関の指定に及ぼす効果および 病院経営における保険医療機関の指定の持つ意義を併せ考えると、 医療法に基づく病院開設中止の勧告は、 「直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定する」行為といえ、 「行政庁の処分」にあたるものと解する。 公共団体の内定通知の処分性 地方公共団体の採用内定通知は、 単に採用発令の手続を支障なく行うための準備手続としてされる事実上の行為に過ぎず、 通知を受けた者を地方公務員として採用し、 地方公務員としての地位を取得させることを目的とする 確定的な意思表示ないしは始期付又は条件付採用行為と解すべきではない。 そうであるとすれば、 採用内定通知によって、通知を受けた者が直ちに地方公務員たる地位を取得するものではなく、 又、通知を行った地方公共団体も、この者を職員として採用すべき 法律上の義務を負うものでもないと解するべきである。 したがって、 都道府県知事が採用内定を取消しても、 これによって、損害賠償責任の生じる余地はあっても、 採用内定を受けた者の法律上の地位ないし権利関係に影響を及ぼすものではないといえる。 以上より、 地方公共団体の職員採用内定の通知を都道府県知事が取消す行為は、 「行政庁の処分」に当たらないものと解する。 処分の名宛人が「法律上の利益を有するもの」にあたることは、問題なく認められるが、処分の名宛人でない第三者は、これにあたるか。「法律上の利益」の意味が問題となる。 この点、 「法律上の利益」は、法律によって保護された利益に限定されず、 裁判上保護に値する利益であれば、 事実上の利益でも足りるとする見解がある(法的保護に値する利益説)。 しかし、 この見解によれば、原告適格の有無の判定について明確な判断基準が示されないこととなり、 原告適格の認定が裁判官の裁量的判断に委ねられ、恣意的に判断される恐れも否定できない。 又、かかる見解は、取消訴訟の民衆訴訟化を招き、濫訴の弊害を生み出すこととなり、 行政の円滑な活動を阻害する可能性もある。 思うに、 ①行政事件訴訟法9条1項は、「法律上の利益」と規定し、 同法10条1項は、取消訴訟において「自己の法律上の利益に関係のない違法」主張を制限していること、 ②取消訴訟は、違法な行政活動により法的権利利益を侵害された者を救済することを目的とする 主観訴訟であることなどからすれば、 行政事件訴訟法9条1項の「法律上の利益を有する者」とは、 当該処分により、自己の権利もしくは法律上保護された利益を侵害され、 または必然的に侵害されるおそれのある者をいう。 そして、 当該処分を定めた行政法規が、 不特定多数者の具体的利益を、専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず、 それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解される場合には、 このような利益も、個々に言う法律上保護された利益にあたり、 当該処分によりこれを侵害されまたは必然的に侵害されるおそれのある者は、 当該処分の取消訴訟における原告適格を有する者と言うべきである(法律上保護された利益説) 処分の相手方以外の者について上記の法律上保護された利益の有無を判断するにあたって 処分の相手方以外の者について上記の法律上保護された利益の有無を判断するにあたっては、 当該処分の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、 当該法令の趣旨及び目的ならびに 当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮すべきである。 そして、 当該法令の趣旨及び目的を考慮するにあたっては、 当該法令と目的を共通にする関係法令がある時は その趣旨及び目的をも参酌し、 当該利益の内容及び性質を考慮するにあたっては、 当該処分がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質ならびにこれが害される態様及び程度をも勘案すべきである (行政事件訴訟法9条2項参照) 森林法による保安指定解除処分の取消訴訟において、一定範囲の住民の原告適格が問題となった事例(長沼ナイキ基地事件) 判例は、森林法の手続規定などの明文規定に根拠を求め、 一定範囲の住民に対し保安林の指定につき、 「直接の利害関係を有する者」として利益主張をすることができる地位を法律上与えられているとして、 原告適格を肯定した。 もっとも、 保安林指定解除処分の取消を求める利益は、 代替施設の設置により、消滅するとして、 訴えの利益を否定した。 伊達火力発電所事件 公有水面埋立て法(改正前)4条には、 埋立て免許権または竣工認可権の行使に制約を課している明文の規定はないとして、 地域住民の原告適格を否定した。 航空法に基づく定期航空運送事業免許の取消訴訟における原告適格(新潟空港事件) 原告適格の判断に当たっては、 ①当該行政法規のみでなく、 それと目的を共通する関連法規の関連規定も含めた法体系の中において、 ②処分の根拠規定が不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず、 それが帰属する個々人の個別的利益としても保護すべきものとするかどうかを判断すべきであるとした上で、 航空法は、航空機騒音によって著しい障害を受けないという利益を 個々人の個別的利益として保護する趣旨を含むとして、 空港周辺住民の原告適格を肯定した。 周辺住民による原子炉設置許可処分の無効確認訴訟(もんじゅ原発事件) 原告適格(行政事件訴訟法36条)の判断に当たっては、 当該処分を定めた行政法規の趣旨・目的のほか、 当該法規が当該処分を通して保護しようとしている利益の内容・性質等を考慮して判断すべきであるとして、 一定範囲内に居住する住民に原告適格を認めた。 Xは「法律上の利益を有する者」(行政事件訴訟法9Ⅰ)にあたるか都市計画法に基づく開発許可処分に対して、開発行為によりがけ崩れ、地滑り等により被害を受けるおそれのあるXが、取消訴訟を提起した場合 開発許可処分の根拠規定である都市計画法の趣旨・目的、同法が開発許可を通して保護しようとしている利益の内容・性質当にかんがみれば、 同法は、がけ崩れ等のおそれのない良好な都市環境の保持・形成を図るとともに、 がけ崩れ等による被害が直接的に及ぶことが想定される一定範囲の地域の住民の生命、身体の安全等を、 個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨をも含むものと解すべきである。 本問のXは、がけ崩れ等による直接的な被害を受けることが予想される範囲の地域に居住する者であるから、 開発許可の取消を求めるにつき「法律上の利益を有する者」にあたるといえる。 Xは「法律上の利益を有する者」(行政事件訴訟法9Ⅰ)にあたるか原子炉等規制法に基づく原子炉設置許可処分に対して、原子炉から30キロメートルの位置に居住し、原子炉災害が発生した場合、生命、身体に重大な危害が及ぶおそれのあるXが、無効確認訴訟を提起した場合 原子炉等規制法は、単に公衆の生命、身体の安全、環境上の利益を一般的公益として保護せんとしているにとどまらず、 原発事故等の災害により直接的かつ重大な被害を受けることとなる周辺住民の生命、身体の安全等をも 個別的利益として保護すべきものとする趣旨をも含むと解する。 そこで、原子炉周辺住民が「法律上の利益を有する者」にあたるか否かは、 当該原子炉の種類、構造、規模等の当該原子炉に関する具体的な諸条件を考慮に入れた上で、 当該住民の居住する地域と原子炉の位置との距離関係を中心として、 社会通念に照らし、合理的に判断すべきである。 本問のXは、原子炉から30キロメートルの位置に居住しているのであるから、「法律上の利益を有する者」にあたるといえる。 Xは「法律上の利益を有する者」(行政事件訴訟法9Ⅰ)にあたるか文化財保護法及び条例に基づく史跡指定解除処分に対して、遺跡を研究するXが、取消訴訟を提起した場合 史跡指定解除処分の根拠となった文化財保護法及び条例は、 文化財の保存・活用から個々の県民あるいは国民が受ける利益については、 文化財保護法及び条例の目的である公益の中に吸収解消させ、 その保護は、専ら右公益の実現を通じて図ることとしているものと解される。 そして、文化財保護法及び条例が、 文化財の学術研究者の学問研究上の利益の保護について特段の配慮をしていると解しうる規定を見出すことはできないから、 学術研究者の利益について、 一般の県民あるいは国民が、文化財の保存活用から受ける利益を超えて その保護を図ろうとする趣旨を認めることはできない。 したがって、 本問のXは、「法律上の利益を有する者」にあたらず、史跡指定解除処分に対する取消訴訟を提起することはできないものと解する。 団体の原告適格 この点、 訴訟経済などの観点から、 多数人の利益代表である団体に原告適格を認めるべきであるとする見解もある。 しかし、 団体訴訟を認めなくとも、構成員が個人的に訴えを提起すれば、目的を達成することが可能であるし、 団体訴訟を認めると、各構成員に対して既判力が及ばないため、 団体構成員による後訴を排斥することができず、 結局紛争を蒸し返すという事態が生じるおそれもある。 したがって、 多数人の利益を代表する団体であるB会は原告適格を有しないことから、 占用許可処分の取消訴訟を提起することはできないと解する(最判昭60.12.20) 損失補償規定がない場合 憲法29条3項に基づいて損失補償を請求することができると解する。 なぜなら、 補償額等は、 収容等の対象となった財産の客観的価値等を基準に算出され、 相当程度の客観性があり、裁判所によっても判断可能であることから。 もっとも、 損失補償請求権が発生するためには、 ①私有財産に対し、 ②公共のために用いるため、財産権の侵害・規制がなされ、 ③特別の犠牲を被ったことが必要である(憲法29条3項)。 「特別の犠牲」(憲法29条3項) 思うに、 「特別の犠牲」と言えるか否かは、 ①侵害行為の対象が広く一般人か特定人か(形式的基準)、 ②侵害行為が財産権に内在する本質的内容を侵すと言えるほど強度なものか(実質的基準) を総合的に判断すべきである。 なぜなら、 ①平等原則の観点からは、 制約が一般的か否かという形式的基準が考慮されるべきであるし、 ②一項がこの財産権を補償していることから、 その制約が本質的に強度なものかという実質的基準が妥当するから。 取消訴訟の判決の効力 一般原則によれば、判決は訴訟当事者についてのみ拘束力を持つ(民事訴訟法115条)。 しかし、 行政関係においては、行政機関等に対しても、画一的処理が必要なので、 民事訴訟法の原則に対する例外として、取消判決の第三者効(対世効)を認めた (行政事件訴訟法32条) もっとも、 行政事件訴訟法32条1項の第三者として想定されていたのが、 原告と利害の対立する第三者であるため、 原告と利害を共通にする第三者、 すなわち本問の乙等以外の付近住民も、同条の第三者に含まれるのかが問題となる。 思うに、 ①行政事件訴訟法は、同一行政処分であっても、 原告が異なれば、別個の取消訴訟が成立することを前提としていること(行政事件訴訟法13条5号)、 ②取消訴訟は、原告個人の権利利益を救済することを目的とする主観訴訟であるから、 訴訟を提起しなかった者についてまでその効力を及ぼす必要はないことなどから、 利害関係を共通にする場合に原告以外の第三者に判決の効力を及ぼす必要はない者と解すべきである。 したがって、 本問において仮に乙等の訴えが認められ、取消判決がなされたとしても、 判決の効力は、乙等以外の付近住民には及ばない。 訴えの利益 訴えの利益(狭義)とは、 処分を現実に取消してもらう必要性および実効性を言う。 処分性及び原告適格が認められても、取消判決により処分を取消してもらうには、 原告には訴えの利益が必要であり、 狭義の訴えの利益を欠けば、訴えは不適法として却下される。 取消訴訟の対象たる処分または裁決が無効である場合、 訴訟係属中、権限ある行政庁によって取消された場合には、 判決によって処分を取消す必要はなくなるので、訴えの利益は消滅する。 また、処分または裁決の効果が期間の経過その他の理由によって失われた場合にも、 原則として訴えの利益は消滅する。 もっとも、 この場合、救済の必要性が全くなくなるわけではなく、 処分の付随的効果により、侵害状態が継続する場合がある。 そこで、 行政事件訴訟法9条1項は、括弧書きで、 期間の経過により処分の効果がなくなった場合でも、 なお処分の取消により回復すべき法律上の利益があれば、訴えの利益があるとしている。 理由の差替え取消訴訟の訴訟物は、違法性一般であるから、取消訴訟においては、別異に解すべき特別の理由のない限り、行政庁は当該処分の効力を維持するための一切の法律上及び事実上の根拠を主張することが許されるのが原則。では、行政処分に理由付記が義務付けられている場合、「別異に解すべき特別の理由」があるといえるか。理由付記義務が「特別の理由」にあたるとすれば、行政庁にも主張制限が課せられることとなるため、問題となる。 思うに、 行政庁の処分に理由付記を義務付ける規定の趣旨は、 処分庁の判断の慎重、合理性を担保して、その恣意を抑制するとともに、 処分の理由を相手方に知らせて不服申立ての便宜を与えることにある。 そうだとすれば、 行政庁の処分に理由付記が義務付けられている場合は、 行政庁がかかる義務に違反し、理由付記に不備のある処分を行ったときは、 当該処分は違法となるものと解する。 したがって、 行政庁の処分に理由付記が義務付けられている場合、 「特別の理由」があると言え、行政庁の主張が制限されうる。 理由付記義務と関連して、取消訴訟において、行政庁が処分時の理由とは異なる理由に差替えることが許されるか。 この点、 取消訴訟の訴訟物は違法性一般であること、 理由の差し替えが認められなければ、当該訴訟で行政庁が敗訴した場合、 別の理由による再処分が予想され、紛争解決の一回性の要請に合致しないこと、 また、新たな処分理由を主張する場合、別途処分をすることとなり、訴訟経済に反することなどを理由として、 理由の差替えを認める見解もある。 しかし、 理由の差替えが認められるとすると、 行政庁は処分時に適当な理由を付記し、訴訟で改めて熟慮した理由を主張すると言うことも可能になり、 処分庁の判断の慎重、合理性を担保して、その恣意を抑制するという理由付記義務の趣旨を 没却することにもなりかねない。 また、理由の差替えにより、訴訟の段階で初めて、実質的な理由を知らされることになり、 原告は、攻撃防御の機会を奪われるため、 処分の理由を相手方に知らせて不服申立ての便宜を与えることもできなくなる。 思うに、 取消訴訟の訴訟物は、処分の違法性一般であるとしても、処分時の理由付記が義務付けられている場合は、 裏を返せば、付記された理由のみをもって、行政庁は処分の適法性を基礎づけることができるものと言える。 また、確かに紛争解決の一回性という要請は充たされないこととなるが、 改めて処分をすることが国民の利益にも合致すると言うべきである。 したがって、 行政庁に理由付記が義務付けられている場合、理由の差し替えが認められず、 また、個別法の規定がなくとも、行政手続法は一般的に理由呈示を義務付けているため、 原則として、理由の差替えは認められない(8条、14条)と解すべき。 なお、 判例は、法人税の青色申告に対する更正処分の取消訴訟において、 処分理由の差し替えが認められるかが問題となった事例で、理由の差替えを認めているが、 これは一般論として理由の差替えを認めたのではなく、本件事案限りの判断であると考える 裁判所が、処分が違法であるとの心証を形成した場合、行政庁側から、事情判決をすべしとする主張立証がなされていないにもかかわらず、行政事件訴訟法31条1項に基づき事情判決をすることができるか。行政事件訴訟法31条1項の適用について職権探知主義が認められるかが問題となる たしかに、 事情判決は、本来違法な処分を取消さず、その効力を維持することで、公共の利益を保護する制度であるから、 行政庁側からの主張立証なくして、裁判所が職権でなすことが可能であるようにも思われる。 しかし、 取消訴訟の審理において、一般に職権探知主義は否定されていると解されるところ、 行政事件訴訟法31条の適用についてのみ職権探知が認められるとする 特段の規定は存在しない。 したがって、 行政庁側からの主張立証なくして、裁判所が職権で行政事件訴訟法31条1項に基づき、事情判決をすることは 認められないと解する。 もっとも、 事情判決該当事由が原告を含む当事者の弁論にあらわれているときは、 事情判決をなしうる 事情判決がされた場合、原告は処分により被った損害の賠償を請求できるか事情判決は、本来違法な処分の効力を公共の利益のため維持し、取消請求を棄却する場合であるから、これにより被害を被った国民をできるだけ救済すべきであるが、かかる損害賠償の性質については争いがある この点、 事情判決がされた場合、違法な処分によって被った損害の賠償は、 損失補償によるべきであるとする見解がある。 しかし、 事情判決による損害は、適法行為によるものである以上、 かかる見解をとることは困難である。 思うに、 行政事件訴訟法は、損害賠償請求を否定する趣旨ではないし、 31条1項は「原告の受ける損害の程度、その損害の賠償」を考慮するとして損害賠償請求を予定しているといえる。 また、事情判決がされた場合であっても、 処分が違法であることは確定・宣言される。 したがって、 事情判決がされた場合の救済は、 違法行為を原因とする損害賠償によるべきであると解する。 無効等確認訴訟への事情判決の法理の準用の可否行政事件訴訟法38条は、事情判決の規定を無効確認訴訟に準用していない。しかし、無効確認訴訟においても、問題となる処分を前提として既成事実が蓄積されることは、取消訴訟の場合とことならないため、行政事件訴訟法31条を準用し、事情判決を行うことができないか、問題となる この点、 事情判決の制度は、法の一般原則によって認められるものであることなどを理由として、 明文規定がなくとも事情判決をすることができるとする見解もある。 しかし、 無効確認訴訟においては、事情判決をすることはできないと解する。 なぜなら、 行政事件訴訟法31条1項の文言は取消訴訟のみを対象とし、 行政処分が無効であれば、その効力もないからである。 したがって、 無効確認訴訟では、事情判決は認められない。 行政事件訴訟法38条は、事情判決の規定を無効確認訴訟に準用していないことから、無効確認訴訟において事情判決をすることができるかが問題となる。 無効確認訴訟においても、問題となる処分を前提として既成事実が蓄積されることは、 取消訴訟の場合と異ならず、 また、事情判決の制度は、法の一般原則によって認められるものであることなどをからすれば、 無効確認訴訟においても事情判決が認められるものと解すべきである。 行政事件訴訟法32条1項の第三者として想定されていたのが、原告と利害の対立する第三者であるため、原告と利害を共通にする第三者も同条の第三者に含まれるか。 思うに、 行政事件訴訟法は、同一行政処分であっても、 原告が異なれば、別個の取消訴訟が成立することを前提としていること(行政事件訴訟法13条5号)、 取消訴訟は原告個人の権利利益を救済することを目的とする主観訴訟であるから、 訴訟を提起しなかった者についてまでその効力を及ぼす必要はないことからすれば、 利害関係を共通にする場合に原告以外の第三者に判決の効力を及ぼす必要はないものと解すべきである。 したがって、 原告と利害関係を共通にする第三者に対しては、 判決の効力は及ばない 無効等確認の訴えについて、第三者効の規定は準用されていないが(行政事件訴訟法38条)、取り消しうべき場合よりも瑕疵が重大明白であるのだから、第三者効が認められるべきではないか、問題となる。 思うに、 行政事件訴訟法38条は、第三者の訴訟参加についての22条を準用し、 無効確認判決の効力が第三者にも及ぶことを前提としているものと解されること、 無効当確認訴訟は実質的には、取消訴訟と同様の救済を与える趣旨であり、 準取消訴訟たる性質を有することからすれば、 取消判決に認められる第三者効を、無効等確認訴訟において否定すべきではない。 したがって 無効等確認訴訟においても第三者効は認められるものと解する。 取消判決が確定した場合、行政庁は異なる理由で同一の処分を行うことができるか。拘束力の法的性質と関連して問題となる。 思うに、拘束力とは、判決効を補完して救済の実効性を確保するため、 行政庁の行動を拘束する義務を課す特殊な効力であると解する(特殊効力説)。 そうであるとすれば、 判決によって確定された違法事由を超えてその効力を及ぼすことはできない。 したがって、 行政庁が異なる理由に基づき同一内容の処分を行うことは可能であると解する。 一元説と二元説行政事件訴訟法36条の「現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができないもの」という消極的要件は、「当該処分または裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者」という部分にもかかるのか(一元説)、この消極要件は「その他当該処分または裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者」のみにかかるのか(二元説)が問題となる。 この点、 文理には反するが、無効等確認訴訟の利用を拡大すべきであることから、 この消極的要件は「その他当該処分又は裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者」のみにかかり(補充的無効等確認訴訟)、 「当該処分または裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者」という部分にはかからないものと解すべきである(二元説)。 したがって、 常に消極的要件は必要ではなく、「当該処分または裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者」といえるだけで、原告適格が認められる(予防的無効等確認訴訟)。 還元不能説と目的達成不能説「現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができないもの」の意味が問題となる この点、 「現在の法律関係に関する訴え」(当事者訴訟・争点訴訟)に還元できないものに限り、 原告適格を肯定する見解(還元不能説)がある。 しかし、 理論上、現在の法律関係に関する訴えに還元できないものはなく、 この解釈では、無効等確認訴訟を認めた意味がない。 また、法文も「目的を達することができない」と規定している。 そこで、 現在の法律関係に関する訴えに還元できる場合であっても、 そのような訴えによっては目的を達成できない場合には、 無効等確認訴訟の原告適格が肯定されると解すべきである(目的達成不能説)。 具体的には、 ①現在の法律関係に関する訴えに還元することができない場合のほか、 ②現在の法律関係に関する訴えの提起が許されるかについて疑義が存する場合、 ③現在の法律関係では続行処分を防止できない場合などに 原告適格を認めるべきである。 無効等確認訴訟において、原告は、自己の法律上の利益に関係のない違法を理由として、処分の無効確認を求めることができるであろうか たしかに、 無効等確認訴訟は、瑕疵が重大かつ明白であるがゆえに、処分が実体法上無効であることの確認を求める訴えであるから、 原告が誰であろうと、無効であることに代わりはなく、 また、行政事件訴訟法10条1項の準用もないことから、 自己の法律上の利益に関係のない違法事由の主張をすることが許されるようにも思われる。 しかし、 同条項の実質的根拠は、 取消訴訟が、行政庁の違法な行政処分によって自らが被っている権利利益の侵害を排除し、 自己の権利利益の救済を図ることを目的とする主観訴訟であることから、 取消訴訟において原告が自己の法律上の利益に関係しない主張を許すことは、 取消訴訟の性質に反する結果になる点がある。 そして、 無効確認訴訟は、行政事件訴訟法36条が、無効確認訴訟の原告適格を有する者を 「当該処分または裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者その他当該処分または裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者」と限定していること、 「法律上の利益を有する者」は、同法9条の「法律上の利益を有する者」と同趣旨と解されることからすれば、 取消訴訟と同様、行政庁の処分によって原告自身の被っている権利利益の侵害の救済を目的とする主観訴訟と解されるから、 自己の法律上の利益と関係のない違法事由の主張を認める理由はない。 また、 取消訴訟においては、処分の違法事由として無効事由を主張することができると解される。 このことから、無効確認訴訟は、取消訴訟の出訴期間を徒過した場合の例外的、補充的な訴訟形式救済方法ということができるところ、 取消訴訟において無効事由を主張する場合には行政事件訴訟法10条1項の規定が適用されることは明らかであるから、 無効確認訴訟に同条項が準用されないと解すると、出訴期間の経過の有無により取扱を異にすることになり、妥当でない。 したがって、 無効等確認訴訟においても、行政事件訴訟法10条1項が類推適用され、 原告は、自己の法律上の利益に関係しない違法を理由として、処分の無効等確認を求めることはできないと解すべきである。 「行政庁の処分」の意義運輸大臣の認可が無効等確認訴訟の対象である「行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為」(行政事件訴訟法3条4項)にあたるか。 行政庁の処分とは、 公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうちで、 その行為により直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているものをいうと解する。 したがって、 講学上にいう行政行為がこれにあたるほか、 形式が行政立法(法規命令)にあたるものであっても、 直接具体的な法効果を有するものは「処分」にあたり、 権力的事実行為であって継続的性質を有するものは 「その他公権力の行使」に含まれると解する(行政不服審査法2条1項参照) 思うに、 実質的には公の機関とみなされる首都高速道路公団が行った通行料金改定を運輸大臣が認可する行為は、 あたかも、上級行政機関としての運輸大臣が、下級行政機関である首都高速道路公団に対して、監督手段として行う承認の性質を有するものであり、 行政機関内部の行為として外部に対する効力を有するものではない。 したがって、 本問の運輸大臣の認可は、 行政機関内部の行為であり、これにより国民の権利義務を直接形成しまたはその範囲を確定するものとはいえないから、 「行政庁の処分その他公権力の行使」にはあたらない。 当事者訴訟 当事者訴訟とは、 対等な当事者間において、 公法上の法律関係に関する紛争の解決を求める訴訟であり、 ①形式的当事者訴訟と②実質的当事者訴訟に区分される。 ここで、形式的当事者訴訟とは、 当事者間の法律関係を確認しまたは形成する、処分または裁決に関する訴訟で 法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするものをいう(行政事件訴訟法4条前段)。 被告は、 法律関係の当事者の一方であり、行政主体ではない。 これは、実質的には 抗告訴訟であるが、形式的には 当事者訴訟である。 実質的当事者訴訟とは、 公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の 公法上の法律関係に関する訴訟をいう(行政事件訴訟法4条後段)。 被告は、 行政主体であり、対象が 公法上の法律関係に関する紛争というだけで、その実質は、 民事訴訟である。 下級行政機関は、上級行政機関の発した職務命令を違法と考えた場合に、自己の判断で、服従を拒否できるか。 (1)訓令・通達の場合 法治行政の建前からすれば、公務員は法令遵守義務を負う以上、 違法な通達には拘束力を認めるべきではないとも思われる。 しかし、 組織体の一員は、職務上の行為に関しては、 たとえ違法であっても組織の責任者の命令に従うべきであり、 仮に各職員の判断で訓令を拒否することを認めると、 行政組織内の秩序の保持と行政の一体性を確保できない。 したがって、 下級行政機関は、訓令・通達に重大明白な違法がない限り、 これに服従する義務を負い、 自己の判断で服従を拒否することは許されないものと解する。 (2)訓令的な性格をもたない職務命令の場合 職務命令は、公務員個人の勤務条件や基本的人権に関わる問題であり、 当該公務員でなければ違法な職務命令を争うことはできない。 そこで、非訓令的な職務命令については、重大明白な違法の有無に関わらず、 違法な職務命令に対する服従義務はないものと解すべきである。 また、服従義務違反による懲戒処分があった場合はもちろん、 職務命令自体に対しても取消訴訟が提起できると解すべきである。 いかなる行政活動について法律の根拠が必要か。法律の留保の妥当範囲が問題となる。 まず、国民の権利や自由を侵害する侵害行政に法律の根拠を必要とする見解がある(侵害留保説)。 この見解は、自由主義思想に立脚し、法律の根拠を要しない固有の行政領域があることを理由とする。 しかし、 自由主義とともに民主主義を重要な原理とする現行憲法の下では固有の行政領域を認めることはできないとともに、 国民の権利義務に影響する行政にも民主的統制を及ぼすべきであるから、 この見解は妥当ではない。 またすべての公行政活動に法律の根拠を必要とする見解がある(全部留保説)。 この見解は、民主主義の徹底を理由とする。 しかし、 現代福祉国家のもとでは、全ての公行政活動に法律の根拠を要するとすると、 多様かつ流動的な行政需要に臨機応変に対応することができないことから、この見解も妥当ではない。 そこで、 現行憲法下においては、国民の意思によらず一方的に行われる権力行政に法律の根拠を必要とすると解すべきである(権力留保説)。 なぜなら、 行政活動に対する民主的統制の要請に答えつつ、現代福祉国家における行政需要に対応する要請とも調和させることができるからである。 自動車検問に法律の根拠が必要か。 この点、 自動車検問が国民の意思によらず一方的に行われるものであれば、 同行為は権力行政ということができ、これをなすには法律の根拠が必要となる。 そして、現行法では、具体的な根拠規範が存在しないことから、 自動車検問を適法に行うことはできないとも思える。 しかし、 具体的な根拠規範まで要求すると、交通の安全や交通秩序の維持と言う行政目的を達成することが著しく困難となる。 思うに、 警察法2条1項が「交通の取締」を警察の責務として定めていることに照らせば、 交通の安全や交通秩序の維持に必要な警察の諸活動は、 強制力を伴わない任意手段による限り、一般に許容されるべきである。 そこで、 自動車検問は、警察法2条1項を一般的根拠規範とし、 それが相手方の任意の協力を求める形で行われ、 自動車利用者の自由を不当に制約することとならない方法・態様で行われる限り、 適法に行いうると解する。 この場合、相手方の任意の協力を求める点で、法律の根拠を緩やかに解し、 具体的な根拠規範までは必要としないと考える。 補助金交付決定に法律の根拠が必要か。 思うに、補助金交付は 交付を受けようとする国民の側から申請を受けて、 行政庁が当該国民に補助金の交付を決定するのが一般的である。 そうだとすれば、 補助金交付決定は、国民の意思によらずに一方的に行われるものとはいえないことから、 法律の根拠は不要である。 なお、 国や公共団体の補助金交付について、行政契約の形式(要綱など)ではなく、 行政行為の形式をとって対応する法規範を備えるものがあるが(「補助金等にかかる予算の執行の適正化に関する法律」、同内容の条例)、 これらは交付の方法や交付を受けた事業の監督方法等について定めた一般的手続規範である。 したがって、 補助金交付決定には、法律の根拠は不要。 納税申告指導に法律の根拠が必要か 思うに、 行政指導は、行政機関が一定の行政目的を達成するために相手方に働きかけ、 その協力によって行政機関の意図する行為の実施を相手方に期待する行為形式であり、 非権力的な事実行為である。 そうだとすれば、 行政指導は、国民の意思によらず一方的に行われるものではない。 したがって、 納税申告指導には、法律の根拠は不要。 公法私法二元論 (1)公法私法二元論とは、公法関係と私法関係では適用される法原理が異なるとする見解。 わが国の伝統的通説によれば、行政主体と私人間の行政上の法律関係は、 まず公法関係と私法関係とに分類され、そのうち公法関係は ①支配関係と②管理関係とに分かれる。 そして、 ①支配関係には公法(行政法)のみが適用され、 ②管理関係は、本来的には私人相互の関係と異ならないので(伝来的公法関係)、 明文ある場合と公共性がある場合以外は私法が適用されるとする。 この見解の根拠としては、 行政事件訴訟法が「公権力の行使に関する不服の訴訟」を抗告訴訟とし、 「公法上の法律関係に関する訴訟」(当事者訴訟)と「私法上の法律関係に関する訴訟」を区別していることが上げられる。 また、行政主体が優越的な立場に立つ公法関係は、特殊な法原理が支配し、 対等な当事者の利益調整を目的とする私法を適用すべきでないことがあげられる。 (2)このように、伝統的通説は、先験的に一定の領域の法関係を包括的に公法関係と性格づけて、 法の定めいかんに関わらず固有の法原理を適用する。 しかし、 現実の行政上の法律関係にいかなる法規が適用されるかを判断するにあたり、 二元論を用いることは妥当でない。 なぜなら、 ①行政裁判所を廃止した日本国憲法の下では、行政訴訟と民事訴訟の区別は相対的なものとなっており、 実質的当事者訴訟についても、ほとんどの規定が民事訴訟法の規定を適用している(行政事件訴訟法7条)。 そもそも訴訟法から実体法のあり方を決することは本末転倒である。 また、②司法国家に転換した今日では、公法関係だから権力性・公益優先性が当然に認められ、 私法が適用されないという解釈を認めるべきではないからである。 (3)したがって、 公法関係と私法関係を区別せずに、当該処分の性質・実体法規の趣旨・問題状況から個別具体的に考察して、 私法規定の適用の適否を決すべきである(公法私法一元論) 農地買収処分は、国家が私人から強制的に農地を買い上げる行為。 伝統的通説によれば、当該行為は「支配関係」にあたるといえるから、 明文の規定の有無を問わず、私法規定の適用はない。 そうすると、Y行政庁は、民法177条に基づいてXの登記の欠缺を主張することができないことになる。 しかし、 伝統的通説は、「支配関係」の本質として権力性・公益優先性を重視するにもかかわらず、 かえって行政側に不利な結論が導かれることから、論理が不明確であるといえる。 そこで、 農地買収処分自体に民法177条が適用されるか否かは、 当該処分の性質・実体法規の趣旨・問題状況から個別具体的に考察して決すべきである。 思うに、 自作農創設特別措置法(自創法)は、農地制度の民主化等をその目的とし、 農地買収の基準をいわゆる不在地主の農地であるかどうかといった現実の事実関係にかからしめている。 このような法の趣旨・規定に鑑みれば、農地買収は、真実の所有者に対して行うべきであり、 登記に依拠して行うべきではない。 そうだとすれば、 本問のような農地買収処分自体には、民法177条の適用はないと解すべきである。 農地買収処分に民法177条の適用があるか 伝統的通説によれば、農地買収処分に民法177条の適用はない。 そうすると、 Xは無権利者から本問土地を買い受けたことになり、Xがした登記は無効となるから、 Yは、Xに対して移転登記の抹消を請求することができることになる。 しかし、 農地買収処分が、公権力をもって農地所有者からの家を強制的に買い上げるという特殊な法律行為であるとしても、 買収によって取得した土地所有権を第三者に主張するために登記を要するか否かとは別個の問題といえる。 そこで、農地買収処分による所有権の取得につき民法177条が適用されるか否かは、 自創法の趣旨・目的に反しないか否かにより決すべきと考える。 思うに、 土地所有権の取得原因が権力的処分によるものであっても、 不動産物権の変動があれば、これと抵触する物権の変動が生じる可能性はあり、 物権変動を公示して取引の安全を図る必要性は、 民法上の所有権取得の場合と何ら異ならない。 そうだとすれば、 農地買収処分による所有権の取得につき民法177条が適用されるとしても、 自創法の趣旨・目的に反するとはいえないから、 本問では民法177条が適用されると解すべきである 会計法30条については、国の公務員に対する安全配慮義務違反に基づく損害賠償債務に同条が適用されるかと言う問題がある 思うに、 同条の趣旨は、国の権利義務を早期に決済する必要があるなど 主として行政の便宜を図ることにある。 そうだとすれば、 同条は、国を当事者とする債権債務のうち、 大量・反復的な債権債務に適用されるべきである。 従って、 国の公務員に対する損害賠償債務は、偶発的に発生し、 早期に画一的に確定する必要性がないことから、 同条の適用はなく、 私法の一般法たる民法167条1項が適用されることとなる。 このように、実体法規の趣旨等から私法規定の適用の適否を確定しうるので、 設問見解のように公法関係、私法関係を区別する必要はない。 民法177条について、国が自作農創設特別訴私法に基づく農地買収処分を行う場合、同条が適用され、登記簿上の所有者に対して当該処分を行うべきか 思うに、 同条の趣旨は、農地制度の民主化・耕作者の地位の安定にある。 そうだとすれば、 このような目的の達成のためには、買収地が不在地主の所有地であることが重要であるから、 登記簿上の所有者ではなく真の所有者から買収すべきである。 したがって、 農地買収処分には、民法177条は適用されないと解する。 このように、実体法規の趣旨等から私法規定の適用の適否を確定しうる。 民法177条について、国が租税滞納処分に基づく差押えを行う場合、同条が適用され、国は差押前の目的物譲受人の登記の欠缺を主張できるかという問題がある。 思うに、 租税債権については、強制的満足を受ける段階では、 滞納処分も民事上の強制執行も債務者の財産に対する公権力の行使という点では共通している。 そうだとすれば、登記により公示して取引の安全を図る必要性がある。 したがって、 租税滞納処分に基づく差押には、民法177条が適用されると解する。 このように、実体法規の趣旨等から、私法規定の適用の適否を確定しうる。 債務不履行責任として、国の安全配慮義務違反に基づく損害賠償責任が認められないか。公務員の勤務関係に民法上の法理たる安全配慮義務が適用されるかが問題となる。 この点、 いわゆる公法私法二元論によると、公務員の勤務関係は権力関係たる公法関係とされることから、 原則として民法の規定は適用されず、同法理は適用されないとも考えられる。 しかし、 今日においては、もはや行政上の法律関係に公法関係・司法関係を区別する実益はなく、 当該法律関係の性質・実体法規の趣旨・問題状況から個別具体的に考察して、 私法規定の適用の適否を決すべきである。 思うに、 ある法律関係に基づいて特別な社会的接触関係に入った当事者間においては、 当該法律関係の付随義務として、当事者の一方または双方が相手方に対して、 相手方の生命・身体・財産等を危険から保護するよう配慮すべき義務を信義則上負っていると解される。 そして、このような関係は、国と公務員との間においても何ら異なることはないといえる。 そこで、 国は、公務員に対し、給与支払等の給付義務にとどまらず、 国が公務遂行のために設置すべき場所・施設・器具等の設置管理や 上司の指示の下に遂行する公務の管理に当たって、 公務員の生命及び健康等を危険から保護するよう配慮すべき義務を負っているものと解すべきである。 公物に取得時効の適用があるか この点、 明示の公用廃止の意思表示がない限り、取得時効の適用を全面的に否定する見解がある。 しかし、 客観的に公物としての実体を喪失している場合には、 取得時効の成立を認めても、公の目的を害しないのだから、 全面的に否定するというのは妥当ではない。 また、 公物に対する私人の所有権が認められている場合に限り その取得時効を形式に承認するものの、 公用廃止の意思表示がない限り公用制限が継続するとする見解がある。 しかし、 取得時効を認めながら、なお公用制限を強いるというのは矛盾していて妥当ではない。 さらに、 公物が完全に取得時効の対象となることを認める見解がある。 しかし、 原則として公物に取得時効の成立を認めてしまうことは、 時として公の目的を害することになりかねず妥当ではない。 思うに、 公の目的を達成するためには、原則として公物に取得時効の成立を認めるべきではない。 もっとも、永続する事実状態は尊重されるべきであるから、 公物の性質や目的と衡量したうえで、一定の場合には例外的に取得時効の成立を認めるべきである。 そこで、 ①公共用財産が長年の間、事実上公の用に供せられることなく放置され、 公共用財産としての形態・機能を全く喪失し、 ②その物の上には他人の平穏かつ公然の占有が継続し、 ③もはや公共用財産として維持すべき理由がなくなった場合には、 黙示の意思表示による公用廃止があったものとして、 これについて取得時効の適用が認められると解する。 X名義での青色申告に対して、Yはこれを受理し、申告納税額を収納している。そこで、このような場合、青色申告の申請をしていないXにも青色申告の承認を受けたという地位が認められないかが問題となる。 思うに、 租税手続は、大量・反復して行われるものであるから、 法的安定を図る必要性が大きく、手続の明確性を重視しなければならない (租税法律主義、憲法84条)。 したがって、 Xに青色申告の承認を受けたという地位を認めることはできない。 Yが白色申告とみなす更正処分を行ったことは、形式的に見れば適法という事ができる。しかし、Yは、X名義の青色申告を受理し、申告納税額を収納し、しかも翌年から青色申告書を送付している。そこでこのようなYの態度から、Yのした更正処分は信義則上違法となるのではないか。 まず、行政上の法律関係に民法の規定する信義則(民法1条2項)が適用されるかが問題となる。 思うに、 信義則は、相手方が有する正当な期待を保護することを趣旨とし、 正義公平の要請に基づく。 そうだとすれば、 法の一般原則として、行政上の法律関係にも妥当すると言える。 したがって、 行政上の法律関係にも信義則(民法1条2項)が適用されると解する。 そうだとしても、 租税手続に信義則を適用すれば、画一的処理により法的安定を図ろうとする租税法律主義と抵触しうることとなる。 このような場合でもなお信義則を適用すべきか、信義則適用の限界が問題となる。 租税手続に信義則を適用すれば、画一的処理により法的安定を図ろうとする租税法律主義と抵触しうることとなる。このような場合でもなお信義則を適用すべきか、信義則適用の限界が問題となる。 確かに、 法律による行政の原理や租税法律主義は、行政法上の基本原則といえることから、 これらを尊重すべきであり、信義則の適用については慎重にならなければならない。 しかし、 形式的に適法とされる行為であっても、具体的事情の下においてそれを行うことが 正義衡平の理念に反する場合には、これを許されないとするのが信義則である。 そうだとすれば、 租税法律主義と抵触しうるからといって、信義則の適用を一切否定すべきではない では、租税法律主義との調和を図るために、いかなる場合に信義則の適用が許されるか。 その要件が問題となる。 思うに、 信義則を適用した結果、租税法律主義に反する場合を容易に認めることとなれば、 納税者間の平等・公平という要請が没却されることになる。 そこで、 このような納税者間の平等・公平という要請を犠牲にしてもなお納税者の信頼を保護しなければ 正義に反するといえるような特別の事情が存する場合に限って、信義則の適用を認めるべきである。 そして、特別の事情の具体的要件としては、 ①税務官庁が納税者に対し信頼の対象となる公的見解を表示したこと、 ②納税者がその表示を信頼しその信頼に基づいて行動したこと、 ③のちに当該表示に反する課税処分が行われたこと、 ④そのために納税者が経済的不利益を受けることとなったこと、 ⑤納税者がその表示を信頼しその信頼に基づいて行動したことについて 納税者の責めに帰すべき事由がないことと考える。 公務員の退職願(職員がその意により退職したい旨の意思の表示)は、免職辞令の交付を受ける前に撤回することができるか。その撤回の可否について、明文の定めがないことから問題となる。 思うに、 依頼退職制度は、本人の自発的な辞職意思を前提にして公務員関係を終了させる制度であるから、 本人の意思の尊重を重視すべきである。 また、公務員の勤務関係は、任命権者の処分により形成/解消する法的効果を生じるところ、 退職願は、任命権者の権限発動を促すにとどまり、それ自体で独立に法的意義を有するものではなく、 表示者自身を拘束するものでもない そうだとすれば、 原則として、退職願の承認処分が効力を生じるまでは、 当該公務員は自由に撤回することができると解すべきである。 しかし、 信義に反する退職願の撤回によって、退職願の提出を前提に進められた爾後の手続が全て徒労に帰し、 個人の恣意により行政秩序が犠牲に供される結果となるのは許すべきではない。 そこで、 免職事例の交付前であっても、撤回することが信義に反すると認められる特段の事情がある場合には、 例外として撤回することは許されないと解する。そして、信義に反するか否かは、 退職願提出の経緯や撤回の動機等、公務員及び任命権者双方の帰責性を考慮して判断されるものと考える。 他方、退職願の提出者に対し免職辞令の交付があり、免職処分が提出者に対する関係で有効に成立した後においては、 もはや退職願を撤回する余地はないと考える。 処分の前提となる退職願が適法に撤回されたにも関わらずに処分がなされた場合、当該処分の効力はどうなるか。 思うに、 依頼退職処分は、相手方の同意を要する行政行為であるから、 退職願は処分の前提要件である。 そうだとすれば、 退職願が有効に撤回されている以上、当該処分は違法となる。 処分が違法になるとしても、このような瑕疵は、無効原因となるか、それとも取消原因にとどまるのか。瑕疵の程度が問題となる。 思うに、 行政行為の無効と取消の区別は、 行政目的の円滑・法的安定を斟酌してもなお、 取消訴訟の排他的管轄を認めて、種々の制約に服させ、 処分による不利益を当該私人に甘受させることが、著しく不合理と認められる程度に 重大かつ明白な瑕疵といえるかどうかを基準とすべきである。 これを本問についてみると、 退職願は依頼退職処分の前提要件であるから、 退職願が適法に撤回されたことは、重大な瑕疵といえる。 しかしながら、 一度退職処分がなされると、後任者の任命等の人事異動その他必要な措置が進められることから、 その後になって処分の効力が否定されると、関係者に不測の不利益が生じる。 そうだとすれば、 無効原因といえるためには、有効な撤回の存在が明白でなければならない。 しかし、 当該撤回が有効か、信義に反しないかは、必ずしも明白ではない。 したがって、 本問のような依頼退職処分は、取消うるにとどまる。 申告納税制度における納税申告は、当該申告にかかる租税の課税標準等を確定させる効果を生じる行為である。申告が錯誤に基づいてなされた場合、その効果について定める明文の規定はない。そこで、納税申告に民法95条が適用されるか問題となる。 思うに、 納税申告は租税の課税標準等を確定させる効果を生じる行為であるが、 申告が錯誤に基づいてなされた場合は、本来、訂正の機会が確保されるべきである。 しかし、 納税申告は大量になされ、申告を基礎として形成される租税法律関係の早期確定という行政上の要請もある。 この両者の要請の合理的調和を図るため、 法は、課税標準等の決定については最も事情に通じている納税義務者自身の申告に基くものとし、 その過誤の訂正は法が定めた手続に限ることとした。 そうだとすれば、 過誤の是正は法定の手続によるべきであり、 民法95条の適用によって無効を主張することは、原則として認められないと解すべきである。 もっとも 錯誤が客観的に明白かつ重大で、法定の手続以外に是正を許さないならば、 納税義務者の利益を著しく害するような特段の事情がある場合には、 例外的に錯誤無効の主張を認めるものと考える。 この特段の事情としては、例えば、税務職員の指導によって錯誤が生じた場合が考えられる。 学習指導要領(学校教育法および同法施行規則に基づき文部科学大臣が告示の形式で定めるもの)の法的性質については、その法的拘束力の有無をめぐって争いがある。 この点、 学習指導要領は、 学校教育法の委任を受けた同法施行規則の再委任に基づく法規命令として 法的拘束力を有するとする見解がある。 しかし、 教育過程全体に関して法的拘束力をもつと考えることは妥当でない。 思うに、 学習指導要領は、教育における機会均等の確保と全国的な一定の水準の維持という目的のために 必要かつ合理的と認められる大綱的な基準にとどまる限りにおいて、 法的拘束力を有すると考えるべきである(判例に同旨) したがって、 学習指導要領は、法規としての性質を有する。 もっとも、 その法規制は、大綱的基準の範囲にとどまるものであり、 一般的な法規概念とは異なる。 裁量基準は、国民に対する外部的効力を有するか 裁量基準は、裁量権行使の内部基準であり、いわゆる行政規則である。 とすると、一般には国民との関係で法的効力を有しないことから、 法規たる性質を有しない。 しかし、 行政規則たる裁量規準の制定は、通常行政機関の任意であるが、 公正な行政手続の観点から、公正な裁量権確保のためその制定が義務付けられる場合がある(行政手続法5条など)。 また、裁量処分の司法審査において、裁量基準自体の内容の当否が 審査対象となる場合もある。 さらに、裁量基準は公正かつ合理的に適用すべきであり、 特定の者に対する不利益な適用は 平等原則違反となる。 裁量基準を充足しているにもかかわらず、 その充足の結果当然なすべき判断と異なる判断をすることも違法となる。 したがって、 裁量基準は、全くの内部基準とはいえず、行政裁量の法的統制の手法として、 国民に対する外部的効力を有するといえる。 公共施設の管理・利用規則は、外部的効果を有するか 公共施設の管理・利用規則は、国公立学校・図書館・病院などにおいて制定され、 営造物規則として行政規則とされる。 しかし、 管理・利用規則違反により処分が課される場合、 一定の処分(退学処分など)については司法審査が及び、 その適法性審査基準として当該規則が用いられる。 したがって、 公共施設の管理・利用規則は、行政規則といえども、 その限りで外部的効果を有するといえる。 本問規則は、日本刀に限り登録の鑑定を認めているところ、授権法たる銃刀法の委任の範囲を逸脱しているのではないかが問題となる。 思うに、 委任の範囲の逸脱の有無は、 委任した法律の趣旨・目的、規制対象たる私人の権利ないし利益を考慮して判断すべきである。 なぜなら、 法律による行政の原理からすると、 委任命令は委任した根拠法の趣旨・目的に反することは許されないし、 同原理も究極的には私人の権利利益の保護を目的とするから。 Yの定めた本問規則旧120条及び旧24条は有効か。監獄法45条が原則として被勾留者と外部者との接見を認め、同法50条が接見に関する例外的制限を規則に委任しているところ、同規則旧120条が幼年者の在監者との接見を原則的に禁止し、同規則旧124条が例外的に許可を認めるため、当該規則が監獄法の委任の範囲を逸脱するのではないかが問題となる。 この点、 規則旧120条は、幼年者の心情の保護に対する具体的な危険を避けるために必要な範囲で 監獄の長が幼年者と被勾留者との接見を制限することを認めた規定であると限定解釈して、 監獄法はこのような制限を許容しており当該規則は有効であると解する見解がある。 しかし、 規則は行政官の行為準則として可能な限り客観的かつ明確に規定されるべきであり、 合法的に限定解釈しなければ機能しない規則は恣意的な運用がなされるおそれもあることから、 この見解は妥当ではない。 思うに、 監獄法45条は、被勾留者と外部者との接見は原則としてこれを許すものとし、 例外的に障害発生の防止のために必要な限度で接見に合理的な制限を認めており、 これは接見を求める者が幼年者であっても異ならない。 そうだとすると、 規則旧120条は、原則として幼年者の接見を禁止し、 規則124条が例外的に監獄の長の裁量により許可できるとしており、 法の原則と例外とを逆転させている点で、監獄法の委任の範囲を超えるものということができる。 また、監獄法50条が委任する事項は 同条が例示する「接見の立会い」等の接見の態様に関するものであるのに、 規則旧120条が接見の許可基準を定めている点でも、監獄法の委任の範囲を超えるものということができる したがって、 規則旧120条および124条は、監獄法の委任の範囲を逸脱する。 下級行政機関は、上級行政機関が定めた通達の効力を審査することができるか。通達の内部的効果に関して、職務命令に対する審査権の問題がある。 思うに、 職務命令に対する審査権及びこれに基づく服従拒否を全面的に認めると、 行政組織の統一性が破壊されるおそれがある。 他方で、いかなる場合にも絶対に服従しなければならないとするのは、 公務員の法律遵守義務の観点から、妥当ではない。 そこで、 形式的審査権だけではなく実質的審査権を認める場合にも、 その内容に重大かつ明白な瑕疵がない限り、 下級行政機関は上級行政機関の通達に従わなければならないと解すべきである。 通達は、行政組織内部規範に過ぎないことから、その定立に法律上の根拠を必要としない。その改廃についても同様である。そうだとすると、通達が改正された場合、それらによって不利益を被るものは、通達の内部規範性ゆえに何ら法的権利を主張できないのだろうか。通達の外部的効果の問題がある。 確かに、 改正された通達が法律の新たな解釈基準や裁量基準を示す場合でも、 通達の内容が法の正しい解釈に合致する限り、 これに基づいてなされた行政処分は適法とも思える。 しかし、 通達による取扱が慣例化し法律解釈として定着を見た場合には、 国民に対する関係ではこれを慣習法として尊重すべきである。 そこで、通達により長年にわたり法律解釈が定着してきた場合は、 改正された通達によりその解釈を国民に不利益に変更することは、 憲法41条、84条の趣旨に反し、違法と解すべきである。 また、通達に反する行政処分は直ちに違法とはいえない。 逆に、通達に沿っているからと言って適法とは限らない。 しかし、 大量的、画一的に行政処分を行っている場合に、 ひとり通達に反して処分が行われた場合には、通達が行政組織内部の基準に過ぎないとはいえ、 まったく違法にならないとするのは妥当ではない。 そこで、 このような場合には、その処分について平等原則違反、信頼保護原則違反として違法になると解すべきである。 通達による処分を待たずに、通達自体を取消訴訟の対象として裁判で争うことはできないか。通達の処分性(行政事件訴訟法3条2項参照)が問題となる。 この点、 通達は行政内部の基準であり、直接国民を名宛人としないことから、 処分性を有しないとも考えられる(判例も否定する) しかし、 通達の存在が国民の権利義務に重大な関わりを持ち、 その影響が行政外部にも及び、 通達そのものを争わせなければ国民の権利救済が事実上不可能になるような場合もある。 そこで、 行政訴訟制度が国民の権利救済にあることを鑑みれば、 このような場合、通達そのものを争訟の対象とすることも認められると解すべきである。 A県は、墓地経営の許可申請に当たって、「要綱」を作成し、その中で同意書の添付を申請者に対して求めている。この「要綱」の法的性質 本問要綱は、墓地経営の許可について、 統一的な行政を行う上で裁量判断を一定のものとするために制定された 行政内部の規範である(行政規則)である。 そして、国民がその裁量判断に沿って行動するように統一的な行政指導を図るため、 行政指導の基準として規定され公表されたものといえる。 とすると、 本問要綱は、国民の権利義務に直接影響を与える法規たる性質を有しないから、 国民に対する法的拘束力を持たない。 したがって、 Xが同意書の添付がないまま経営許可の申請をしたとしても 墓地埋葬法上は適法。 裁量に対する司法審査のあり方 思うに、 行政機関の判断が、通常人の共有する一般的価値判断ないし日常的な経験則に基づいてなされる場合(覊束裁量)には、 裁判所による判断になじむことから、 全面的に司法審査の対象となると解する。 これに対し、 行政機関の高度な専門技術的判断ないし政策的な判断に基づいてなされる場合(自由裁量)には、 法は処分の選択・決定を行政機関の責任ある公益判断に委ねていると解され、 裁判所による判断になじみにくいことから、 裁量権の逸脱・濫用の有無の判断に限って司法審査の対象となると解する。 安全性に関する判断の適否についていかなる司法審査を行うべきか。専門技術的裁量に対する法的統制が問題となる。 思うに、 専門技術的な判断に対する有効な統制は専門家による統制によるほかない。 そこで、 裁判所による法的統制としては、 科学的・専門技術的な意見が反映される手続が確立されているか(手続の公正)、 あるいは行政庁による裁量判断の過程が公正を疑わせるようなものでなかったか(判断過程の公正)を 審査すべきと考える 裁量の内容・範囲 法は、行政行為の発動用件や行政行為の内容について、 行政庁に独自の判断の余地を認める場合があり、これを行政裁量という。 この行政裁量には、 覊束裁量と自由裁量がある。 行政裁量の適法性が争われる場合、 覊束裁量は、客観的基準が存在することから、 裁判所の判断に適し、 司法審査が及ぶ。 これに対し、自由裁量は、 何が公益であるかの判断であるから、 裁判所の判断になじまず、 その濫用・逸脱がない限り司法審査は及ばないとされる。 覊束裁量と自由裁量とは、どのように区別すべきか。 この点、 根拠法規の要件の定め方を基準に、法律が要件を定めないときや公益要件を掲げるときは 自由裁量とし、それ以外の場合を 覊束裁量とする見解がある(要件裁量説)。 これによると、本問における法務大臣の裁量は、法26条1項に要件規定がないことから、 自由裁量にあたることとなる。 これに対し、 行政行為の効果を基準に、人民の権利・利益を侵害する行為は 覊束裁量とし、人民に権利・利益を付与する行為や人民の権利・利益に直接関係しない行為は 原則として自由裁量とする見解もある(効果裁量説)。 これによると、本問における法務大臣の裁量は、在留外国人の再入国の自由が 憲法ないし法律上の権利・利益にあたると解すれば 覊束裁量にあたることとなり、それにあたらないと解すれば 自由裁量にあたることとなる。 しかし、 今日の複雑化した行政においては、 行政裁量が初めから覊束裁量と自由裁量のいずれかに割り切れるとは言えず、 自由裁量の有無も根拠法規の要件や行為の性質という単純な基準で導けるものではない。 そこで、 この両者の区別は、 行政裁量を許容する法律の趣旨目的を合理的に解釈し、 その判断が一般的な価値法則や経験則に基づいてなされる場合は 覊束裁量となり、行政庁の高度の専門技術的・政策的判断を要する場合は 自由裁量となると解する。 自由裁量に対する法的統制 思うに、 法律による行政の原理の下では、 自由裁量と認められる行為であっても、 行政庁の裁量権の行使に濫用・逸脱がある場合には、違法となり、 司法審査の対象となる(行政事件訴訟法30条参照) そこで、 その行政処分の内容が平等原則、比例原則、信頼保護原則に違反していたり、 判断の過程において重大な事実誤認や他事考慮(動機の不正)をしている場合には、 裁量権の濫用・逸脱が認められ、当該処分は違法となると考える。 裁量権の不行使の違法性 この点、 行政庁の規制権限は社会公共の利益を実現するためのものであり、 その権限不行使により特定の国民の損害は反射的利益の損害に過ぎないし、 また、行政庁は責務を果たすため権限行使の時期・方法につき 自由裁量を有するので、 権限不行使による損害も違法とまでは言えないとも思える。 しかし、 行政の福利は国民が享受すべきとする憲法のもとでは、 行政庁の権限行使により保護される国民の利益は反射的利益とはいえない。 また、法が行政目的を達成するために行政庁に権限行使を授権しているにもかかわらず、 行政庁が適切に権限を行使しないでいることは、法の趣旨に反し、許されない。 そこで、 行政庁が権限行使しなければ法律が授権した趣旨を無意味にする事情がある場合は、 行政庁には権限を行使すべき作為義務が生じ、 なお行政庁が権限行使を怠るときには、 裁量権の限界を超え違法となると解すべきである。 具体的には、 ①国民の生命・身体・健康への危険が予想され、 ②行政庁の権限行使により容易に結果発生の防止が可能であり、 ③その権限行使がなければ結果発生を防止できず、 ④行政庁が危険の切迫性を知りまたは知りうべき状況にある場合は 行政庁の規制権限の不行使が違法となると考える。 羈束裁量に対する司法審査 覊束裁量には、 客観的基準が存在することから、裁判所の判断に適し、司法審査が及ぶ。 本問では、「急施を要する場合」として、教育委員会を開催する緊急性が認められるか否かが問題となっているところ、 このような判断は、 通常の一般人が有する経験則に基づいて判断することが十分に可能である。 とすれば、 当該緊急会議を召集するか否かの判断は、覊束裁量にあたると解される。 したがって、 裁判所は、Yの判断の適法性を審査するにあたっては、 当事の客観的事情を考慮した上で、 経験則に照らし、開議を緊急に開催する必要があるか否かを判断すべきである。 公定力は、何を根拠に認められるのか。 まず、行政庁が法律に基づき公権力を行使するのであるから、 その性質上、行政行為には適法性の推定が当然に認められるべきであるとする見解がある(実体法的公定力説)。 この見解にはさらに、権限ある行政庁が自ら適法と確認して行う行為であるから、 それ自体権威を有し、適法性が推定されると解する見解がある(適法性自己確認説)。 これは、行政行為を法の適用という点において 裁判判決類似の行為として理解する。 しかし、 現行憲法の下における行政の地位、行政作用と裁判判決の判断主体・手続の差異から、 行政行為に裁判判決類似の効力を認めることはできないというべきである。 そこで、 公定力は、行政喪区的の早期実現と行政上の法律関係の安定性維持のため、 手続法上、制度的に認められる効力であると解すべきである(手続法的公定力説)。 この見解によれば、公定力は、取消されない限りでの効力であるから、 これに適法性の推定という効果を認める必要はなく、 有効性の推定であると解される。 また、公定力の実定法的根拠は、 取消訴訟の排他的管轄にあると解される。 つまり、取消訴訟が存在することは、 行政行為は取消訴訟によってしか取消されないという趣旨が含まれていると考えられウ。 公定力の限界 (1)国家賠償請求には公定力が及ばない。 すなわち、国家賠償請求訴訟の前提として、当該行政行為の取消は不要である。 なぜなら、 国家賠償請求訴訟は、違法な行政行為によって損害を被ったことを理由とし、 損害の賠償を請求するに過ぎず、行政行為の効果そのものを消滅させるものではないから。 (2)次に、刑事訴訟にも公定力は及ばない。 すなわち、刑事訴訟において、当該行政行為が違法であるとの抗弁を提出する前提として当該行政行為の取消しは不要である。 なぜなら、 刑事訴訟においては、刑事法独自の判断で行政行為の適法性が評価されるから。 (3)さらに、無効の行政行為には公定力がない。 つまり、取消訴訟の排他的管轄が及ばない。 なぜなら 重大かつ明白な瑕疵がある場合(無効)にまで取消訴訟の排他的管轄によって行政庁の判断を 保護する必要はないから。 また、行政事件訴訟法において無効確認訴訟や争点訴訟が存在するが(同法3条4項、45条)、 これらは無効の行政行為には排他的管轄が及ばないことを前提としているから。 (4)そして、違法性の承継が認められる場合には、公定力が及ばない。 すなわち、後行処分の取消訴訟において、 先行処分の違法を理由に後行処分が違法であると主張する前提として先行処分の取消しは不要。 なぜなら、 原則として先行処分の違法性は、先行処分の取消訴訟において主張しなければならないが、 公益実現・法律関係の早期安定・国民の信頼保護といった要請と、 国民の権利保護・行政の適法性維持という要請との調和の観点から、 先行処分と後行処分とが連続した一連の手続を構成し、一定の法律効果の発生を目指している場合には、 両処分を一個の処分とみて、先行処分の違法性が、後行処分に承継されると解されるから。 無効の行政行為と取り消しうべき行政行為の区別基準 取り消しうべき行政行為は、 一応有効であり、公定力が認められるが、取消されたときにその効力が否定される。 他方、無効な行政行為は、 取消を待たなくても初めから公定力が認められない。 この公定力は、行政上の法律関係を安定させて国民の信頼保護を図るために認められた効力である。 とすれば、 取消訴訟の出訴期間を経過した場合であっても、なお救済に値する事情がなければ 公定力を否定するわけにはいかない。 したがって、 無効であるというためには、 瑕疵が重大であることが必要である。 また、 行政行為の瑕疵が明白でないにもかかわらず国民各人の判断で行政行為の効力を否定できるとすると、 行政上の法律関係が著しく不安定となり、国民の信頼が害される。 とすると、 一般人にとって客観的に瑕疵が明白であれば、公定力を認めなくても、行政上の法律関係は不安定とならず、 国民の信頼が害されることはない。 したがって、 無効とであると言うためには、 何人の判断によってもほぼ同一の結論に達しうる程度に明らかな瑕疵であることが必要。 よって、 無効の行政行為と取り消しうべき行政行為との区別は、 重大かつ明白な瑕疵があるか否かにより決せられると解する。 課税処分と明白性の要件 (1)この点、譲渡所得の存在は課税処分の根幹的要件であるから、 これを欠いてなされた処分には重大な瑕疵があると言える。 したがって、 本問では、XB間の売買がAによってなされた仮装のものであるから、 Xには譲渡所特が存在せず、本問課税処分には重大な瑕疵が存することとなる。 (2)もっとも、 課税所得の不存在は、事案によっては、必ずしも外観上一見して明白とは言えない。 とすると、 前記区別基準からは、本問課税処分が無効な行政行為にあたるとは 言えないとも考えられる。 しかし、 明白性の要件は、 行政上の法律関係の安定を図り、 行政行為の有効性に対する国民の信頼を保護するために必要とされる要件である。 そして、一般に、課税処分は、課税長と被課税者との間にのみ存するもので、 処分の有効性を信頼する第三者の保護を考慮する必要がない性質の行政行為である。 とすれば、 課税処分の場合には、明白性の要件を要求する必要はなく、 このような場合にまで明白性を要求することは、 無用に私人の救済の余地を狭めるものであって、むしろ不当である。 したがって、 課税処分の場合には、明白性の要件は不要であると解すべきである。 違法性の承継の肯否 この点、 行政上の法律関係は早期に確定させ、その安定性を重視すべきである。 とすれば、 行政行為の違法性は各々別個に判断すべきであり、違法性の承継は認められるべきではないとも考えられる。 しかし、 常に違法性の承継が認められないとすると、後行処分を争いたい者に酷である。 例えば、 先行処分の出訴期間を経過したため争うことができなくなった場合などである。 思うに、 ①先行処分と後行処分とが、先行処分が後行処分の準備であり 一連の手続と評価できるような場合には、違法性の承継が認められると解する。 一連の手続と評価できるためには 行為相互の目的の同一性、効果の単一性を充たす必要がある。 これに対し、 ②先行処分と後行処分とが相互に関連を有するとはいえ それぞれ別個の目的や法的効果をもつものである場合は、 違法性の承継が認められないと解する。 もっとも、 先行処分に重大明白な違法がある場合は 当然に無効となるから、 このような無効な先行処分を前提として行われる後行処分は、 違法性の承継を論ずるまでもなく、当然に無効となる。 撤回の権限者 思うに、 撤回は、後発的事情により適法な行政行為の効力を継続するのが適当かという 新たな判断に基づくものである。 とすれば、 撤回は、その性質上新たな行政行為をするのと同じであるから、 処分庁の専属管轄に属すると解される。 上級庁は、特別な法律がなければ撤回できず、 撤回命令を出しうるにとどまる。 撤回と法律の根拠撤回も行政行為であることから問題となる。 この点、 授益的行政行為の撤回は、国民にとって侵害行為となるから、 法治主義における侵害留保の原則から、 法律の根拠が必要であるとする見解がある。 しかし、 それでは特別の規定がない限り撤回できないこととなり、 公益に支障をきたす。 思うに、 撤回が問題となるのは、 授益的行政処分によって特に設定された法律関係を事後的に消滅させる場面であり、 私人に本来的に保障された事由や財産に対して制約を加える場合にはたらく侵害留保の原則は、 そのままでは妥当しない。 また、相手方の保護は、 撤回権の制限によればよいし、撤回によって発生した損害は、 損失補償によって救済されるとすれば足りる。 したがって、 公益適合性の回復を根拠に、 撤回には、法律の根拠は必要ないと解する。 撤回権の根拠 無制限に撤回を許すことは関係人に不利益を及ぼす。 そこで、 授益的行政行為は、 ①相手方(国民)に帰責性のある場合、 ②相手方(国民)の同意がある場合、 あるいは③相手方(国民)の既得権益を上回る公益上の理由がある場合 でなければ、 撤回をすることはできないと解する。 撤回につき事前手続を要するか。撤回は、許認可等の効力を失わせる処分(行政手続法2条4号)にあたり、同法の適用を受けないことから、問題となる。 思うに、 撤回には制裁的意味を持つ場合があり、このような場合には弁明の機会を与えることが憲法31条の趣旨に合致すると言える。 したがって 制裁的意味を持つ撤回には、法の明文がなくとも事前の聴聞を必要とすると解する。 本問では、主として公益上の理由にあるから、 事前手続は不要。 撤回に際して損失補償は必要か。 思うに、 撤回は、瑕疵なく成立した行政行為を 後発的事情を理由に、その効力を消滅させるものである。 とすると、 撤回の理由が相手方(国民)の帰責性にある場合以外には、 私的利益を公益のために剥奪することになる。 そこで、 公益上の必要がある場合、 公用収用の場合に準じて、正当な保障を要すると解すべきである。 保障の要する範囲をいかに解するか。撤回を受けた地位それ自体を補償の対象とするかが問題となる。 思うに、 借地権の場合と異なり、使用許可において対価の支払はなく、 使用権はそもそも公益上の理由による取消(撤回)を受けることのありうる地位にすぎない。 したがって、 撤回を受けた地位それ自体は保障の対象とならず、 物権の移転費や投下した有益費等の補償がなされるだけであると解する。 附款に瑕疵がある場合、附款が無効とされることがある。その場合、行政行為の効力はどうなるか。 この点、 無効な附款が行政行為の重要な要素をなしている場合には、 行政行為全体が無効となる。 附款が行政行為の重要な要素でない場合には、 附款だけが無効となり、 行政行為は附款のない行政行為として効力を生ずる。 附款が取り消しうべき瑕疵を有するとして取消されたときも同様に解してよい。 確認行為に、附款を付すことが許されるか。 附款とは、 行政行為の効果の一部を制限するために、行政行為の主たる意思表示に賦課された従たる意思表示を言う。 とすると、 附款を付することができる行政行為は、 性質上、意思表示を要素とする法律行為的行政行為に限られる。 したがって、 準法律行為的行政行為は、 意思表示を要素としないことから、 附款を付すことは許されないのが原則である。 もっとも、 附款の許否は、行為類型の区別から直ちに結論を導くべきではなく、 具体的な法規定の定め方や諸々の利益衡量をも考慮に入れて決すべきである。 本問についてみるに、 本来、建築確認は、客観的に建築法令に適合していれば与えられ、 行政庁に裁量が認められるものではない。 とすると、 一般的には、建築確認に附款をふすことはできない。 そして、個別的事案から裁量を肯定しえたとしても、 建築基準法において住宅難の改善、あるいは昼間人口と夜間人口のバランスの是正などという目的は法の趣旨とは合致しない。 よって、 本問に附款は法律上、許されない。 許可に、附款を付すことができるか 思うに、 行政庁が法律行為的行政行為に附款を付しうるのは、 法令自体が附款を認めている場合か、 法令が行政庁の自由裁量を認めている場合に限られる。 なぜなら、 法令に附款をふしうる旨の根拠がなく、裁量も羈束されている場合は、 行政庁の自由な意思により、法の認める効果を制限することになる附款を法が容認しないものと解されるからである。 本問についてみるに、 風俗営業当の規制及び業務の適正化等に関する法律には、 行政庁に附款を付すことを認める根拠がみられない。 また、風俗営業の許可をすべきか否かの判断には、 行政庁による高度の専門技術的知識や政治的行政的責任を伴った政策的判断を要しないから、 行政庁の自由裁量は認められない。 よって、 本問の附款は、法律上許されない。 特許に、附款を付すことが許されるか。 思うに、 特許には、行政庁の高度な専門技術的知識に基づく判断を要するので、 行政庁の自由裁量が認められる。 したがって、 特許には、附款をふすことができる。 但し、 無制約にこれを認めることは許されない。 まず、附款は、行政行為の目的の範囲を逸脱しえない。 なぜなら、 附款は、法目的の一層確実な充足に資するものであるべきだからである。 また、比例原則、 すなわち、附款により得られる公益という目的に対して手段が均衡する必要がある。 これを本問についてみるに、 幹線道路の必要性は否定できないものの、 埋立て免許と全くの関係のない寄贈を求めることは、 たとえ埋立地の用途が免許基準となっていても行政行為の目的の範囲内にあるとはいえない。 また、たとえ目的の範囲内にあるとしても、幅30メートルの幹線道路の設置・寄贈を要求することは、 公益に対して相手方に不必要な不利益を加えることになるから、 比例原則に反するといえる。 よって、 本問の附款は、法律上許されない。 法律の根拠に基づかない強制執行の可否 この点、 当該撤去は、建築資材の所有者の同意がないまま一方的に撤去するものであるから、 国民の意思によらず一方的に行われる権力行政ということができる。 とすれば、 A町が当該撤去を行うためには、原則として法令の根拠が必要。 しかし、 当該撤去には、子供たちの遊ぶ広場の安全を確保するという緊急の必要性があり、 法律ないし条例の制定を待っている余裕はない。 また、建築資材は広場に違法に放置されたものであるから、Xを保護すべき利益は乏しい。 そこで、 法令上存置が許されないことが明白な場合には、 たとえその法令や行政代執行法上適法と認めることができないものであったとしても、 緊急の事態に対処するためにやむをえない措置と解される場合に限り、 民法720条の法意に照らして、強制撤去も許されると解する。 都市計画法75条1項の「著しく利益を受ける者」の意義 思うに、 都市計画法75条1項は、公益事業の実施によって、事業本来の公益目的と相容れない予定外の利益がもたらされたり、 衡平の原則からみて帰属させるべきではない利益が生じる場合に、 原則としてそのような利益の全てを公共に還元する制度として受益者負担金を定めている。 とすれば、 「著しく利益を受ける者」とは、 同法が公益事業の実施によって予定する生活便益の範囲を超える利益を享受する者をいうと解すべきである。 水道法15条1項の「正当の理由」の意義 この点、 現代の水道事情の下では、水道法はいわゆる都市環境法として、 建築基準法と共通の目的を有するとし、一定の要件の下に建築基準法違反の是正も含めるとする見解がある。 しかし、 水道の供給が国民の生活必需であることからすれば、 水道法以外の法律が水道法と共通の目的を有するとして、 給水拒否事由たる「正当の理由の範囲を広く認めることは妥当ではない。 思うに、 水道法は、建築基準法のように国民の生命・健康・財産に対する危害の防止を目的とするものではない。 そこで、水道法15条の「正当の理由」は、 もっぱら水道法の趣旨・目的に照らし、判断すべきである。 水道法の目的は、 国民に清浄で豊富な水を低廉に供給し、もって公衆衛生の向上と生活環境の改善を図ることにある(同法1条) とすれば、 国民には給水を得る法的地位が付与されていると解され、 同法15条の「正当の理由」は、 水道事業者が給水をしないことがやむをえない場合に限り認められると解される。 具体的には、 水道事業の運営上給水することが困難である場合や、 相手方が水道料金を支払わない場合と考えられる。 従って、 建築基準法違反の是正は、 水道事業者が給水をしないことがやむをえない場合にあたらず、 同法15条の「正当の理由」には含まれない 公表は、それが勧告に従わない者への制裁として事実上機能する場合もあることから、 法律の根拠が必要ではないかが問題となる。 ・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚ 思うに、 公表が時として制裁的手段ないし義務履行確保の手段として重要な機能を有し、 相手方に重大な経済的損失を与え、 場合によっては相手方のプライバシーなど人権を侵害するという点に着目すれば、 それは単なる物理的な強制力よりはるかに大きな権力的行為であって、 その実質は侵害的行政行為に劣らない。 したがって、 法治主義の観点から、制裁的機能を有する公表については、 法律ないし条例の根拠が必要であると解する。 これに対して、単なる情報提供機能を有するにすぎない公表については、 原則として法律の根拠は不要であると解する。 公表は、制裁的機能を有する場合もあることから、事前の聴聞手続が必要なのではないか問題となる。 ・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚ 思うに、 公表が時として相手方に重大な不利益を与えることに着目すれば、 公表は制裁的行政処分に準じて公表前に相手方に対し聴聞・弁明の機会を与えるべきである。 したがって、 制裁的機能を有する公表については、 事前の聴聞手続が必要であると解する。 これに対し、単なる情報提供機能を有するにすぎない公表については、 事前の手続は不要であると解する。 公表の処分性 ・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚ 公表は、外部に対する行為ではあるものの、 直接国民の権利義務を決定づける効果を有しない事実行為であるから、 処分性が認められないと解する。 よって、 公表に対する取消訴訟は許されない。 宅地開発指導要綱に基づく開発負担金の納付について行政上の強制執行をすることはできるか。行政上の義務の不履行があったといえるかにつき、宅地開発指導要綱の法的性質が問題となる。 ・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚ 宅地開発指導要綱とは、 開発による急激な環境等の変化から既存の地域共同体と住民の生活利益を守るため、 地方公共団体が、開発を行う事業所等に対して、 法定外の義務や負担を要請する措置のことである。 このような要綱は、 あくまで行政の内部規則であり、外部的拘束力を持たず、 国民との関係では行政指導の指針となるにすぎない。 とすれば、 宅地開発指導要綱による開発負担金の納付は、 事業者等の任意の履行に任されるべきものであり、 要綱の負担条項によっては事業者等に対する法的効果は発生しない。 したがって、 事業者等が開発負担金を納付しない場合、 事業者等に行政上の義務の不履行がないことから、 行政上の強制執行をすることはできない。 水道事業の水道料金を納入しない場合について、行政上の強制執行をすることはできるか。 この場合には金銭債務の不履行があるから、行政上の強制徴収が認められるか。 行政上の強制徴収とは、 義務者が行政上の金銭給付義務を履行しない場合に、 行政庁が、強制手段によって、その義務が履行されたのと同じ結果を実現することを言う。 この行政上の強制徴収は、国税徴収法が国税について定め、それを地方税について準用し、さらに一定の使用料等の地方公共団体の歳入についても地方税の例によるとされている(地方自治法231条の3第3項)。 しかし、 同項は使用料等が「法律で定める」ものでなければならないとしている。 これは、行政上の強制徴収が財産権の剥奪を認めるものなので、 全国的画一性を要求する趣旨である。 そして、水道料金の徴収は、特別の規定がもうけられておらず、「法律で定める」ものにあたらない。 従って、 水道事業の水道料金を納入しない場合であっても、 行政上の強制徴収は許されないことから、行政上の強制執行をすることはできない。 営業停止命令について、行政上の強制執行ができるか。 営業停止命令によって課せられる義務が金銭債務ではないことから、考えられる強制執行は、 行政代執行、執行罰、直接強制のいずれかである。 まず、 営業停止命令について行政代執行は 認められない。 なぜなら、 行政代執行は、代替的作為義務に限って可能な執行方法であるところ(行政代執行法2条)、営業停止命令によって課させる義務は 不作為義務であるから。 では、執行罰、直接強制は認められるか。 執行罰は、 非代替的作為義務や不作為義務の履行がない場合に、 過料を科す旨を予告し、心理的強制を加えることによって義務者に義務を履行させるものである。 しかし、 執行罰を定めるものは現行法上砂防法のみである。 また、直接強制は、 義務者が義務を履行しない場合に、義務者の身体・財産に直接実力を加え、 義務の履行があったのと同様の状態を実現させるものである。 しかし、 これは人種侵害のおそれが強いことから、現行法上、極めて例外な場合に認められているにすぎない。 したがって、 営業停止命令に違反する場合、法律の根拠がないため行政上の強制執行をすることはできない。 執行罰の制度を条例で定めることは可能か。行政代執行法1条は「行政上の義務の履行確保に関しては別に法律で定めるものを除いては、この法律の定めるところによる」としているが、別に定められうる「法律」の中に条例も含まれるか。 この点、(条例で執行罰を定めることも許されるとする見解) 条例が民主的性格を持つこと及び 執行罰については行政代執行法の関知しないものであることを理由に、 条例で執行罰を定めることも許されるとする見解がある。 しかし 行政代執行法の規定の仕方や、 執行罰も含む行政執行法を廃止した立法の経緯を考慮すると、 条例による執行罰の制定を認めることはできない。 そこで、(行政代執行法上の「法律」とは) 同法2条が法律と条例とを明確に区別して扱っていることからすれば、 行政代執行法上、「法律」とは 形式的意義の法律、すなわち 国会の制定する法律を意味するものと解すべきである。 したがって、 同法1条の「別に法律で定めるもの」の中に条例は含まれない。 よって、 執行罰を条例単独で制度化することは許されず、本件条例の制定は違法である。 罰金の他に執行罰を併科することは、憲法39条の二重処罰禁止の原則に反し違法ではないか 思うに、 執行罰の実体は刑事制裁ではなく、金銭的負担を科する行政処分の一種である。 これは将来の義務履行確保のための手段と言うべきであって、 罰金が過去の義務違反に対する刑事制裁であるのとは性質が異なる。 とすれば、 罰金と執行罰の両者を併科すること自体は、憲法39条に反せず許容される。 したがって 本問条例の制定は、憲法39条の二重処罰の禁止の原則に反しない。 執行罰と罰金の均衡(本問条例は、一回の執行罰につき過料を1000万円としている。そこで、地方自治法14条5項が罰金の最高限度額を100万円としていることから、本問条例はこれとの均衡を著しく害し違法ではないかが問題となる。) ・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚ 思うに、 罰金は過去の行為に対する制裁であり、他方で 執行罰は将来に亘る義務の履行確保のためのものであるから、 両者は制度の本来の目的を異にし、バランスを考慮する必要はないと言うべきである。 また、 両者のバランスを考慮したのでは、そもそも執行罰を設ける意義を失わせてしまう。 従って、 執行罰の制定に罰金との均衡を図ることは原則として必要ないと考える。 もっとも、 行政上の義務違反に対する罰金による制裁の制度が実質的には義務履行確保の手段として機能していることに鑑みると、 罰金と著しくバランスを欠くような執行罰の制度は、 適正さを欠き、地方自治法14条5項に実質的に違反すると考える。 行政調査の意義 ・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚ 行政調査とは、 行政機関が行政目的を達成するために必要な資料を収集する行為。 行政機関が適切な行政活動を行うためには、必要な情報を収集・分析し、行政需要に適格に対応した施策を行わなければならない。それゆえ、行政調査は、円滑・適切な行政運営のために必要不可欠である。 このような行政調査は、調査対象の観点から、 ①政策決定のための基礎となる資料収集を目的とした不特定人に向けられた一般的調査と、 ②具体的な権限行使のための資料収集を目的とした特定人に向けられた個別的調査に分けられる。 また、行政調査は、調査作用の観点から、 ①相手方に義務を課し、または相手方の抵抗を実力で排除して行うことのできる 強制調査と、 ②罰則により担保された間接的強制調査、 ③相手方の任意の協力を得て行われる任意調査に分けられる。 行政調査に法律の根拠を要するか。 思うに、 円滑・迅速な行政も区的の達成のため、法律の留保は国民の自由・財産を制限する場合に限られるべきである。(侵害留保説) そこで、 相手方の抵抗を排して実力を行使する調査(強制調査)や 罰則によって担保された調査(間接的強制調査)は、 侵害的行為であるから、法律の根拠が必要であると解する。 これに対し、 相手方の任意の協力をえて行われる調査(任意調査)は、 非侵害的行為であるから、法律の根拠は必要でないと解する。 任意調査はどの範囲・程度まで行うことができるか 思うに、 円滑・迅速な行政目的の達成の要請と 適正手続(憲法31条)による国民の権利・自由の擁護を調和する観点から、 その範囲・程度は狭く解し、 個々の事例ごとに具体的に検討すべきである。 例えば、 警察官による所持品検査については、 警察官職務執行法2条1校に基づく職務質問に付随する任意手段として捉えつつ、 具体的事情の下において相当と認められる限り、 所持人の承諾がなくても検査することが許されると解する。 法律によって罰則が定められている場合(間接的強制調査)、実力の行使まで認められるか。 思うに、調査に協力しないことについて罰則が定められている場合、 それは調査の実効性を罰則の限度で担保する趣旨であり、 抵抗を排除するための実力行使までを認めるものではない。 罰則による間接強制と実力行使による直接強制とは、 国民の身体・財産に対する侵害の程度を異にするから、 法治主義の原則からは 実力行使を認める法律の根拠が必要になる。 従って、 実力の行使まで認められない。 刑事手続に関する憲法上の規定が行政調査にも適用されるか。 思うに、 行政手続の刑事手続と同様に人権侵害のおそれがあることから、 憲法上の保障を行政手続にも及ぼすべきである。 他方で、 行政の多様性に鑑みれば、 円滑な行政も区的達成の要請にも配慮すべきである。 したがって、 実質的に刑事責任追及のために資料収集に直接結びつく作用を有する場合に限り、 憲法35条の令状主義や憲法38条の供述拒否権の規定が適用されるものと解する。 例えば、 所得税法上の質問検査は、 その目的が刑事責任の追及になく、その資料も当然に刑事手続で用いられるものではないことから、 憲法35条の規定は適用されず、令状が不要であると考える。 行政調査には、事前通知や告知、理由の開示が必要か この点、 事前通知等を要求したのでは、 行政調査の目的が達成できなくなる場合がある(税務調査など)。 しかし、 相手方の生活の平穏に対する侵害を最小限に押さえることも重要である。 思うに、 行政調査によって相手方の人権が害されるおそれがあるときには、 憲法31条の適正手続の保障が及ぶというべきである。 したがって、 性質上調査の目的が達成できなくなるおそれのある場合を除き、 事前通知や告知、理由の開示が必要であると解する。 例えば、 税務調査は、事前通知等をすれば帳簿の改ざん等により正確な納税額を確定しえないことから、 その性質上、調査日時・場所等の事前通知、調査理由等の告知が当然には必要とされないと考える。 行政調査が違法である場合に、その調査を基礎としてなされた行政行為も違法となるか。 この点、 行政調査は、行政行為とは独立した制度であるから、 これに違法があっても当然には行政行為は違法とならない。 しかし、 行政調査に基づいて行政行為が行われるという意味において、 行政調査と行政行為は一連の過程を構成している。 そこで、 具体的事例において人権救済の必要性がある場合には、 行政調査に重大な瑕疵が存する場合に限り、 行政行為も違法になるものと解する。 違法な行政調査及び行政行為に対して、取消の訴えが認められるか。 まず、 本問のような間接強制を伴う調査自体に対し取消訴訟を提起しうるか。 事実行為たる行政調査も「処分」(行政事件訴訟法3条2項)に含まれるかが問題となる。 思うに、 取消訴訟は行政庁による国民の権利利益の侵害からの救済を目的としている。 とすれば、 公定力を有しない行政庁の行為であっても、 国民の権利利益の救済の必要性がある場合には、 取消訴訟の「処分」に含まれると解すべきである。 したがって、 本問のような立入検査及び質問検査に対しても、取消訴訟を提起しうる。 【行政契約】行政契約の意義 ・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚ 行政契約とは、 行政主体を契約の一方または双方当事者として締結する契約をいう。 行政契約は、公共用地の取得や、交通機関及び水道事業などの利用に見られるように、 私人と行政主体との間の法律関係の設定・変更につき、 行政行為とは異なる手法として用いられる。 行政契約に対する私法の適用 ・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚ 従来の伝統的通説によれば、公法私法二元論を前提に、 行政主体による契約を公法契約と私法契約とに二分し、 行政法の対象を公法上の契約に限定してきた(狭義の行政契約)。 ここにいう公法上の契約とは、 公法的効果の発生を目的とする複数の当事者間の反対の意思表示の合致によって成立する契約をいう。 しかし、 行政裁判所が廃止された現行憲法(憲法76条2項)のもとでは、 公法と私法の区別基準が曖昧であり、公法契約と私法契約に二分することは妥当ではない (公法私法一元論)。 また、 行政主体が契約当事者である契約について、民主的統制の方法や法治主義の実現を検討すべきである。 そこで、 行政主体を契約の一方または双方当事者とする契約を広く行政契約(行政上の契約)と理解し、 個別に法的統制をt検討すべきである。 このような行政契約は、公法上の契約であっても、私法上の契約と本質を異にしないので、 原則として私法(民法・商法等)が適用されるが、 公益と密接な関係を有するときは公法が適用される。 行政契約の特質 分類 ①準備行政における契約 ②給付行政における契約 ③規制行政における契約 ④行政主体間の契約に分類できる 【行政契約】準備行政における契約 ・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚ 準備行政とは、 行政活動に必要な物的手段を調達あるいは整備するために行われる行政。 この領域の契約としては、例えば、 国有財産の売渡し・管理・貸付契約、官庁事務用の物品の購入契約、官庁等の建物や道路・河川等の築造の請負契約、売買契約による土地の取得がある。 これらの契約には、原則として私法(民法・商法)が適用される。 国有財産の管理については、会計法や国有財産法、地方自治法等の特別の法律による規律があるが、 これらは基本的には行政内部法的意味をもつものであり、 民法の特別法としての意味を有する。 もっとも、 地方公共団体の財務会計行為については、 地方自治法上、住民訴訟の対象となる点で特別の規律を受ける。 【行政契約】給付行政における契約 ・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚゚・* ..。o○☆*゚¨゚ 給付行政とは、 個人または国民一般に便益を提供するもの。 給付行政についても、国民の自由や財産を侵害するものではないため、 原則として契約方式を採用する。 例えば、 バス、電気、ガス、上下水道の契約がある。 但し、 国による補助金交付や社会保障の給付等については、 行政行為という方式がとられる。 これらの契約についても、原則として私法(民法・商法)が適用される。 もっとも、 平等原則(憲法14条)に夜差別的取扱の禁止の要請により、行政の定める条件に即して締結される附合契約の形態がとられることが多い。また、行政側には、「正当な理由」がない限り供給継続義務(契約解除権の制限)が課されることが多い。 行政契約と租税法律主義との関係 行政契約と土地収用法との関係 行政契約と国家賠償法との関係 行政指導は国家賠償の対象となるか。行政指導が国家賠償法1条1項の「公権力の行使」に当たるか 行政指導を行うのに法律の根拠が必要か 行政指導に対する任意性の判断基準 行政指導に処分性が認められるか 行政計画と、法律による行政の原理との関係 行政計画に処分性(行政事件訴訟法3条2項)が認められるか 行政計画の変更や中止によって被った損害につき賠償請求が認められないか 第二種市街地再開発事業計画の決定は、取消訴訟の対象である「処分(行政事件訴訟法3条2項)に含まれるか。 受理の拒否と行政手続法7条行政手続法が申請権を保障しているか 救済手段 応答拒否と行政手続法7条 救済手段 審査基準と異なる基準・理由でなす処分の違法性 申請に対する却下処分に対する意見陳述 弁明手続における文書閲覧請求権 補正を求めないで直ちに拒否処分することの適否 文書閲覧拒否処分に対する取消訴訟の可否 第三者の取消訴訟の可否 届出を前提とする法律関係についての争訟方法 附款に対する取消訴訟の可否 附款に対する法律の根拠 理由付記の瑕疵 審査基準の非設定・非公表の違法性 行政手続法35条2項に基づく文書交付請求権
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韓国ファッションと言えば、 「大人のファッション」というイメージがあります。 最近になって、インターネットでも 沢山の韓国ファッションのブランドや通販サイトを 見かけるようになりました。 韓国ファッションの特徴は、 美脚やスタイルなどのシルエットをきれいに見せるような デザインになっているところです。 スタイルオンミやゴゴシング、ホッピンやジョアマムなどなど チョッと挙げるだけでもこれだけ頭に浮かんできます。 <スタイルオンミ関連のご紹介>スタイルオンミのファンサイト ブランド別に、セレブ風の素敵なファッションデザインの洋服もあれば、 若者向けのプチプラでポップなファッションなどなど、さまざまですね。 韓国ファッションの価格と言うのは、日本のものよりも格安ですので、 気軽に好みのコーディネイトにチャレンジできるところもメリットだと思います。
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723 名前:通常の名無しさんの3倍 :2013/02/15(金) 23 35 58.33 ID ??? フリット「あ、キオか。頼まれていた鉄砲150丁できてるよ」 キオ「ありがとう、フリット兄さん」 なんという原作再現 724 名前:通常の名無しさんの3倍 :2013/02/15(金) 23 51 45.18 ID ??? キオ「兄さん、兄さん、あのね。この間ネオ沖田畷でデュランダル家の首を沢山狩ったんだ! この鉄砲で今度はネオ豊後の大名の首を沢山獲ってくるよ!」 フリット「頑張れよ、キオ。ネオ九州は全て殲滅じゃ!」 シュウト「ハロ長官、僕のネオ柳川城に合流してよ」 ハロ長官「いや、私はネオ岩屋城に籠もってアスノ家と一戦交えるつもりだ。時間稼ぎぐらいはできるからね」 シュウト「長官!」 キラ「えーっと、クライン家の跡をついだデュランダル議長が討死しちゃったんで、僕が家老やりまーす あ、デュランダル家はラクスが継いでまたクライン家に戻るんでよろしく」 イザーク「どういうことだキョシヌケ!一度浪人になった癖に家老待遇だと!」 キラ「だって仕方ないじゃない。ラクスを家無き子にはできないし」 ラクス「私はキラとならどのような場所でも……」 シン「シンです……ネオ九州に渡ったら、そこは修羅の国でした…… シンです……ゲームの外では兄弟の三人が血を血で洗う戦争をしています シンです……まさかシリアス展開なんて、なんなんだこのゲームはぁぁぁぁ!!」 728 名前:通常の名無しさんの3倍 :2013/02/16(土) 00 44 14.90 ID ??? 全国に広がる完全平和主義者の総本山・ネオ摂津にあるサンクキングダム石山 デュオ「なんか田舎にあるラブホみたいな名前だなw」 ヒイロ「デュオ……お前を殺す」 トロワ「迂闊な発言は死を招く……」 デュオ・マックスウェルが里を追放されました アムロ「大名なんてガラじゃないのに……なんで俺がこんな地位に」 ジョブ・ジョン「エロ大名だからじゃないかな?」 アムロ「上手いコト言ったつもりか、ジョジョーーー!!」 レイ家家臣ジョブ・ジョンが叛乱を起こしましたが、鎮圧されました シャア「ふっ…これでアムロは暫く動けまい。その隙にアズナブル家は上洛する!」 コマンビー「マスター、それは死亡フラグです」 729 名前:通常の名無しさんの3倍 :2013/02/16(土) 00 46 23.84 ID ??? カナード「御館様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 シャア「ええい、鬱陶しい!」
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参考URLいろいろ ▼逮捕前に2chにあったヲチスレ 【小豆にこの身】 お赤はん 【ささげます】 http //mimizun.com/log/2ch/net/pc11.2ch.net/net/kako/1246/12460/1246096712.html ■水商売歴35年◇自称ピアノ講師34歳独身■ http //unkar.jp/read/pc11.2ch.net/net/1229791955 ▼関連スレ(小豆婆について書かれているスレ) 痛い、不快なものを徹底的に晒すスレ in COOKPAD http //gimpo.2ch.net/test/read.cgi/recipe/1245190541/(レス78 赤飯論争辺りから) h痛い・不快・パクリを徹底的に晒すスレ in COOKPAD 4 http //gimpo.2ch.net/test/read.cgi/recipe/1253271044/(レス39 小豆婆休止宣言辺りから) ▼関連スレ(小豆婆逮捕時のヲチ板住民の反応スレ) 痛い・不快・パクリを徹底的に晒すスレ in COOKPAD 6 http //unkar.jp/read/pc11.2ch.net/net/1254995399(レス503辺りから) シーズーサークルカインド http //web.archive.org/web/20030610063252/www.cam.hi-ho.ne.jp/kind/ カインド掲示板 http //web.archive.org/web/20030609170344/www.joy.hi-ho.ne.jp/angelina/bbs/index.shtml ご隠居さんのサイト http //web.archive.org/web/20030625132032/www.interq.or.jp/japan/skinbull/ スキンブルパパ http //web.archive.org/web/20030221133619/www.interq.or.jp/japan/skinbull/images/P3260284.JPG ご隠居 http //web.archive.org/web/20010610203053/ ※他の人も写ってるので自主規制 『桜の欲求不満日記』タイトル一覧 http //sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1237215241/901- ※「投稿100回目」まで、100全部あります。 それ以降の日記では、未発見のものもあるかもしれません。 かなえキッチン日記まとめってるサイト(見やすい、今08年11月まで http //plaza.rakuten.co.jp/econavi/diaryall 自称セフレをまとめてるブログ http //d.hatena.ne.jp/SY1698/20091031/1256999957
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データの持ち方の一つにbit形式で持つものがある。それらをうまく操作するテクニックを書く。 数個前(個数無制限)の要素の和保持するタイプ bitdpで持つ状態としてある上限を超えないぎりぎりとなるような数個手前の和となる。下の例題のままである。 この時役に立つ操作をいくつか書く。 1 (n - 1) = nを含む 10100110 = 前に(2, 3, 1, 2)とあるとき、左にあるように、右から上のようなルールに従って、数字を追加する //このようなルールで追加すると、bitの桁数で簡単に和がいくつかがわかる。例えば↑の例だと8桁なので、2+3+1+2=8とわかる。 //たとえば、記録する和は5までにしたい場合は、1011などに例えば100を追加するときに、次の操作をすればよい。 //そのままつけると、1011100となるが、ここで、(1 5) - 1 == 11111と論理積を取れば、下五ケタを抽出することができる。 //下の数ケタだけ抽出するときは、bitmaskを作ると楽!桁あふれも考えなくてよい。(ローリングハッシュのmod(2^64)の自動であふれ出る分を無視する要領) //また、何か所か(例として2か所)いずれかでのbitが立ってはいけない。というときは、次のようにすればよい。 int banned = (1 i) + (1 j); if(bit banned);/OUT! else ;//SAFE! //全部あるとダメならば条件式を if((bit banned) == banned); //にすればよい。 ARC058 E(700) https //arc058.contest.atcoder.jp/tasks/arc058_c この問題通りの設定である。僕の頭ではこれの応用となるほかの問題をまだ考えついてないが、出てきたら役には立ちそう。
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FPGA field programmable gate arrayの略 logicをプログラムで組むことができる。 Altera CPLD FPGAメーカーの大手。xilinxとの2大メーカーがこの分野 をほぼ独占している。 Quartus Altera社のフリーのPLD設計ソフト。 私見では、xilinxのwebpackより使いやすい。 Quartusの使い方 使った基板 起動 起動してFile- New Project Wizerd 画像がないところはすべてnextで、 この画面がきたらそのまま上から プロジェクトを置くフォルダ(ソフトは作ってくれないので 自分でフォルダを作っておく) プロジェクト名を入れる。そのしたはプロジェクト名と同じでOK 自分が使うデバイス名を探す。見つけたらそれを選んでnext finish File- New をすると この画面。今回はVHDLなのでこれを選ぶ。 完了して、出てきた真っ白の画面に下のプログラムを打ち込む。 プログラム library ieee; use ieee.std_logic_1164.all; use ieee.std_logic_unsigned.all; entity test is port( clk in std_logic; led_out out std_logic); end test; architecture Behavioral of test is signal counter std_logic_vector(20 downto 0); begin process(clk) begin if clk event and clk= 1 then counter =counter+1; end if; end process; led_out =counter(20); end Behavioral; 次はコンパイル。 画面上の方のボタンから紫の三角ボタンを押すとコンパイルが始まる。 結構時間がかかるので待つ。 するとこうなる 次にPIN配置を決める。GUIを持っているので、下の図と同じところを選ぶ。 するとこんな画面が出る。 この中で使うピンをダブルクリックすると こんなのが出るので、node nameで該当するものを選ぶ。 んでこの画面を終了する。 もう一度コンパイルする。今度は、ピンを指定した後のものになる。 これを良く忘れるので気をつける。 上に表示されているところからprogrammerを選ぶと こんな画面が出るので、 Auto detectしたあとにstartすると書き込みが完了する。 戻る
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こちらもそろそろ作るかな…monosepia(2010.3.5) いろいろブログ&サイト ■ Business Media 誠 ニュースを考える、ビジネスモデルを知る .
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どしどしきてねっぇ~ きてねぇ~ 名前 コメント すべてのコメントを見る
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いろいろおもしろそうなことをするページ 夢と希望のパラレルワールドかもなww\(^o^)/ 2009/10/11 たむろ人という人物は、 さびしく サーバー上にサイトをつくった。 しかし・・・ 同情してくれる人が増えたのをいいことに たむろ人は いろんなことにてをだした。 そして・・・・ そのけっか、またさびしくなったorz しかし、たむろ人は もっと調子にのって名前を蒼影に変えた。 そして・・・・ え?そのあとどうなったかって?「+」をおすんだな。ははははは( 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 この記事を書いている人が眠ってしまいました。おわり。 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 (\(^o^)/) 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 隠しコメントだよ -- ケフィア (2010-05-16 11 42 22) 名前 コメント