約 106,059 件
https://w.atwiki.jp/chisato_ojosama/pages/608.html
前へ 「は・・・?」 有原さんは、いったい何を言っているんだ。プールを作れだって? 「・・・あの、僕のような平の執事に、そのような権限はないんですけど。 それに、林道の奥に、市営のプールがあるじゃないですか。そちらを利用すれば・・・」 「お嬢様はそういうプールには入れないかんな。 万が一許可が降りたとしても、あのけしからん肉体だ。水の中、この暑さで頭がフットーしちゃったアホどもに取り囲まれて・・・あああ、何て可哀相なお嬢様!」 ――フットーしちゃってるのは、有原さんの頭じゃないでしょうか。 「とにかく、そういうわけだから。執事長さんに許可貰って、さっそくプール建設工事だかんな!選択肢はないからね」 「も、もし嫌だと言ったら・・・?」 最後の抵抗を試みる僕をあざ笑うかのように、有原さんはスカートのポケットから、テープレコーダーを取り出した。 “グヒョヒョ” “・・・みんなの水着姿、見たいでしょ?” “み、見たいれす” 「あああ~・・・」 さっきの、誘導尋問に近いようなやり取りが、無常にもそこには録音されていた。 こんな放言がバレてしまったら、お屋敷を追われるどころか、SPよりも恐ろしい萩原さんに散弾銃で・・・ 「ここで感じた全てぇ、君の本性ぉお~!ってやつだね。」 「・・・わかりました、執事長には言うだけ言ってみますが、期待しないでください」 「ふふん。じゃ、よろしくお願いね!」 がっくりうなだれた僕の肩をポンポンと叩くと、有原さんはスキップ交じりに去っていってしまった。 「・・・仕方ない。やるしかないな」 痛む胃を押さえながら、僕は部屋を出た。 そうだ、ここでやる時はやる男だってことを見せ付けられたら、少しはヘタレ執事のレッテルをはがせるかもしれない。 それに、うまくいったら本当に鈴木さんや千聖お嬢様、皆さんの水着姿を・・・ 「うへへ」 弛緩しきった顔でミーティングルームへ赴いた僕は、すぐそこにいた執事長にさっそく声を掛けた。 ***** 「・・・という意識を常に持ち、業務に勤しむ事が、 岡井家にお勤めする執事としてあるべき姿であり・・・」 「はい、申し訳ありませんでした・・・」 ――はい、無理でした。3分も経たずに、玉砕。 「お嬢様のための提案というから、どんなことかと思えば、プールの建設とは少し大掛かりすぎですね」 ・・・本当に、おっしゃるとおりです。 「お嬢様や寮にお住まいの皆さんがお喜びになるというのはわかりますが、君の場合、まずは日常の庭の手入れや施設管理を万全にすることを心掛けなければ」 「デスヨネー・・・」 正論というのも大げさに感じるくらい、ごく当たり前の意見だ。見てくれ、有原さんよ!これが普通の反応なんです! 僕なんか(というか有原さん)の思い付きがすんなり通るほど、世の中ってぇのは甘くないんですよ!(キリッ) 「それに、冬場はどうするつもりですか?使わない時期のほうが、プールの清掃は大変・・・」 「・・・あら、お取り込み中かしら?」 尚もお説教を食らい続けていると、ドアを少しだけ開けて、小さな主がぴょっこりと顔を覗かせた。 「いいえ、お気遣いなく。何かご所望でしたか、お嬢様。」 「あ、お、お嬢様!すみません、いらしていることにも気づかずに」 即お嬢様用の笑顔に切り替える執事長と、テンパる僕。 お嬢様はウフフと笑って、部屋の中へ入ってきた。 「千聖のお部屋のね、クローゼットの扉が少し軋んでいるようだから、見ていただきたくて、来たのだけれど」 夏用の、ラフな部屋着に着替えたお嬢様。パイル地の青いキャミソールから伸びた、小麦色の健康的な二の腕がまぶしい。それに、服の生地を押し上げるようなその丸い・・・あわわ、さっきの有原さんのえげつない妄想を思い出す。 「かしこまりました。では、後ほど・・・」 「ねえ、それよりも、今何の話をなさっていたの?プールと言っていたわね?」 「ええ、一寸」 「プールは楽しいわね。今年はまだ避暑地に行っていないから、入ることができていないわ。学校には、プールがないのよ。でもね、水遊びは、噴水のそばでたまに舞としているの。あまりはしゃぎすぎると、め・・・村上さんに怒られてしまうけれど」 目をキラキラさせて、僕と執事長に一生懸命話すお嬢様。まるで、子犬のような瞳で。 大好きな遊びのことが話題になっていたものだから、思わずうれしくなってしまったんだろう。つられてニコニコしてしまうような、素敵な笑顔だ。 「ねえ、どうして千聖は林道のプールに行ってはいけないの?通知表、見たでしょう?少し成績も上がったのよ。夏休みの宿題も、もうほとんど終わらせているわ。それでも、行っては駄目かしら?」 小さい頃からずっと面倒を見てくれている、おじいちゃん(失礼!)な執事長だから、お嬢様もお身内の方に甘えるように、一生懸命おねだりする。 「ですが・・・」 「お願い。私も寮の皆さんと一緒に、思いっきり遊びたいわ。一人で行くわけではないもの。危ないことなんてないでしょう?」 舌たらずな口調で、ほっぺを真っ赤にして説得する千聖お嬢様。・・・可愛い。僕なんか、こんな顔でお願いごとされたら、後先考えずにうなずいてしまうところだ。 しかし、執事長がそう簡単に折れるとも思えない。このままじゃ平行線だろう。僕は胃を抑えながら、おずおずと挙手した。 「・・・あのー」 「あら、どうなさったの?」 「その、プールの建設は無理でも、中庭に簡単な水遊び場を1日だけ作るとか・・・そういうのは、どうでしょう」 まあ、素敵ね!とはしゃぐお嬢様と、先を促すように黙って僕を見る執事長。 「費用はちゃんと計算しますし、後片付けの一切も僕が引き受けますから。 さっきお嬢様がおっしゃっていたように、学力向上のお祝いとして、駄目・・・でしょうか」 スタッフミーティングでも、溌剌と発言する村上さんの後ろに隠れている僕の、若干ちょっと震える声での提案。 有原さんに脅されたからとかじゃなくて、執事として、出来ることでお嬢様を喜ばせて差し上げたいと思ったから。 しばらく考え込んでいた執事長は、「・・・あとで、計画書を提出するように」と言った。 「えっ、じゃあ・・・」 「簡単に許可するつもりはありません。お嬢様のために、少し苦労しなさい」 「は、はい!」 執事長はそう言って、奥の書斎へと戻っていった。 よっしゃ!とガッツポーズを決めていると、拳をガシッと小さな両手が包んだ。 「ありがとう、千聖のために!」 そのまま、ブンブンと握手。・・・小柄なわりに、なかなかの怪力の持ち主だから、ぶわんぶわんと自分の意思とは関係なしに、腕が振り回される。 「お役に立てて光栄です、お嬢様」 「絶対に、執事長の了承を得るよう、お励みなさい。命令よ♪ウフフ」 目を三日月にして、うれしさのあまりぴょんぴょん飛び跳ねちゃって。ああ、本当に可愛い子犬さんだ。明るくて、天真爛漫で。そして揺れる小玉スイカ・・・ ――ゾクッ ふいに、背中にいいようのない悪寒が走った。 振り向くまでもない。有原さんのとはまた違う、独特の殺人オーラ。夏場だっていうのに、一気に体温が下がっていくのが判る。 「あら、舞」 「遅いから呼びに来たんだけど」 「まあ、ありがとう。あのね、いいお知らせが・・・ああ、まだ言わないほうがいいのかしら?ウフフ。計画書・・いいえ、なんでもないのよ、ね?」 「はは・・・」 ――ああ・・・どうか、その可愛らしい手を、僕の手からお離しください、お嬢様!これは危機なんです、命の! 「計画書?・・・なんなら舞も作るけど。エロ執事拷問計画書とか、アホ執事制裁計画書とか」 チラッと盗み見た萩原さん・・・いえ、萩原様の光る眼光は、確実に僕と握手したままのお嬢様の手元に向けられていて・・・よもや自分から振りほどくことなんてできない僕は、じりじりと襲い来る胃の痛みと必死で戦う事しか出来なかった。 ***** 「ふーん。で、こうなったわけか」 ――それから一週間後。 目のまえを通り過ぎようとした僕を、木陰の有原さんが呼び止める。 「プールを作る、ということまでは出来ませんでしたが・・・」 「ああ、そうだったね」 お屋敷の中庭。 僕らの目のまえには、実に平和で、天国のような光景が繰り広げられている。 水しぶきと、女の子特有の嬌声。そして・・・水着。 「ビニールプールとは、考えたね、執事さん」 「ええ、コストも抑えられますし、使わない時期は仕舞いこんでおけるので・・・」 そう、お嬢様の笑顔(と皆さんの水着)のために、執事長に出し続けた計画書。 何度もダメ出しを受け、穴を指摘されながら、もうすぐ提出回数が3桁になるんじゃ・・・?というあたりで、やっと許可が下りたのが、このビニールプールだった。 大人数対応型の、深い円形プールではしゃぐお嬢様方。 とっても気持ち良さそうだ。出来る事なら、ぜひ僕も仲間に・・・おっと、これ以上考えると、またエスパーされて、ボコられてしまう。 「お嬢様、クロール勝負しましょう!それっ」 「あっいきなりだなんて、ずるいわ舞美さん!待ってちょうだい!命令よ!」 「ちょっと舞美、水流作らないでよー!流れるプールになっちゃう!うひゃー」 「ケッケッケ、洗濯物の気分だねぇ~」 「キュフフ。舞ちゃん、水鉄砲やるケロ!やるケロ!」 「いいよ。くらえっギョカイクラッシュ!」 「ギュフー!」 ――ああ、女の子のはしゃぐ声って、どうしてこうも耳心地がいいんだろう。それに、皆さんの着ている水着の、可愛らしいこと・・・ 残念ながら、千聖お嬢様は℃スケベビキニではなく、おなかも足もあまり露出しない水着でしたが(タンキニというらしい)それでも、肌にぴったり張り付いた水着は、お嬢様のトランジスタグラマーな肢体を見事に彩っている。 鈴木さんは・・・フリルのついたビキニをお召しになっているみたいだが、僕は執事っ子純情なので直視なんてできない。 さっき鈴木さんに写真を頼まれた時も、緊張のあまり顔を写さず体だけ撮るという、変態盗撮魔状態になってしまったほどだ。 「・・・ま、ありがとうね」 有原さんが、僕の顔を見ずにつぶやく。 多分、僕に言ってくれてるはず・・・だけど、どういたしましては言わないほうがいい気がしたから、少しうなずくだけにしてみた。 「皆さんの笑顔が、僕の原動力ですから(キリッ)」 「なーに言ってんだ、オメー」 「ぶっ」 ちょっとはにかんだ顔が可愛いって思ってたら、ビニールのボールを顔にぶつけられた。 「さー、私もお嬢様と戯れてくるかんな!」 有原さんは目の前で、おもむろにマリンパーカーを脱いだ。・・・本当、僕のこと風景の一部ぐらいにしか思ってないんですね。 「どうだかんな。貝殻水着!」 「はぁ・・・」 競泳水着の上に、貝殻貼り付けたって、色気も何もないだろうに。よくわからない人だ。 「お嬢様はぁーん!マーメイド栞菜が行きますよぉーん!」 「はぁ?ちしゃとは舞と遊んでるし!」 「おこちゃまはあっちに行ってるかんな!ポッチャマプリントの水着とか、完全にがきんちょだねっ、くらえ!マーメイドアタック!」 「やめろコラ!何が人魚だっ、お前なんか半魚人だ!」 「呼んだケロ?」 ヒヨコの浮き輪でぷかぷか浮いてる萩原さんに、有原さんがダイブで飛びかかるのを横目に、僕はエアーポンプの確認をしに裏手に回った。 力仕事はあんまり好きじゃないけれど、皆さんの笑顔(と水着)のためなら、なんのなんの。 「あ、いたいた。あとで、皆さんにトロピカルジュースお配りするんで、手伝ってくださいね」 「はい、喜んで!」 「・・・んー?何だぁ?」 珍しい、僕の元気な返事に、村上さんも、ちょっと感心したように笑った。 よし、頑張るぞ!今日も暑い一日になりそうだ。 次へ TOP
https://w.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/1240.html
「超機動戦記ローゼンガンダム 第十六話 薔薇水晶」 「っくぅうう!!このぉお!」 シンクにReスイギントウのダインスレイブが突き刺さる瞬間、シンクを弾き飛ばし割って入ったバラスイショウ。 シンクは直撃を受けずに済んだが、バラスイショウが右腕を切り落とされてしまう。しかし、それでも バラスイショウは止まらずに残った左腕のガトリングガンでReスイギントウを退ける。 「真紅!しっかりして・・・真紅!!」 薔薇水晶がコクピットで震えている真紅に声を呼びかける。しかし、今の真紅の脳裏にはReカナリアの うなだれ兵士のマーチにより蘇ったアリスの乱の惨状がフラッシュバックしていた。 「お父様・・・お母様・・・いや・・いや・・・助けて・・・JUM・・・」 Reカナリアはさらに追撃をかけようとする。「破壊のシンフォニー」。この世界にこれ以上劣悪な音は 存在しないという音。黒板ひっかき音やジャイアンの歌さえも足元に及ばない。しかし 「これ以上、音をそんな事に使わせないかしら!!」 数個のミサイルがReカナリアを襲う。回避行動をとるが、いかんせんパイロットは金糸雀の人工知能。 追尾するミサイルをかわしきれず数個は被弾する。するとReカナリアの音波兵器もとまる。 「真紅!お願い・・・真紅・・っくぅ!」 必死に声を呼びかける薔薇水晶をあざ笑うようにReスイギントウがホーミングミサイルを放つ。 バラスイショウは迎撃するが、いかんせん手が足りない。コクピット周辺や、左脚部に被弾する。 「きゃああああ!?っつう・・・ぐ・・・」 コクピット周辺に被弾したせいか、コクピット内の機器が爆発し、破片が薔薇水晶の体に襲い掛かる。 「がっ・・・は・・・ぁ・・・」 そして、無常にも機器の破片は薔薇水晶の体を突き刺した。 「くそ、薔薇水晶!退くんだ!!ええい・・・どけえええええええええ!!!!」 キラキショウがバラスイショウに近づこうとするがReキラキショウはそれを許さない。隙を見せればやられる。 「いけない・・・翠星石!!薔薇水晶と真紅が!」 「分かってるですぅ・・・でも、こいつらが・・・!」 こちらは2対2の戦いを繰り広げている。しかし、どっちも譲らずだ。仮にどちらかが応援にいけば一気に パワーバランスが崩れ撃墜されるだろう。 「うゆ、水銀燈!真紅と薔薇水晶が~。」 「分かってるわよ・・・ああもう、しつこい!」 ヒナイチゴは同機対決だ。お互いが繰り出す有線式ビーム砲が牽制し合い、戦いが進まない。 一方スイギントウはReシンクとだ。ツインテールを有効に使う中距離を支配され苦戦するスイギントウ。 「うっく・・・はぁ・・・・うああああああ!!」 各部が損傷し煙を上げ、機体が悲鳴を上げながらも薔薇水晶は残った左腕でReスイギントウと交戦する。 ビームサーベルを持ちながらガトリングガンを放つ。そして、そのまま突っ込んでいく。 Reスイギントウが漆黒の翼を展開してそれを防ぐ。ここが勝負どころだった。展開した翼を閉まった Reスイギントウの目の前に、すでにバラスイショウがいたのだ。翼で防御の際できる死角。そこを付いたのだ。 しかし・・・・次の瞬間煙を上げたのはバラスイショウのほうだった。2つの有線ビーム砲「インコム」によって 狙撃されたバラスイショウの頭部は吹き飛ぶ。 「残念だったな、薔薇水晶。私の可愛い機体を傷つけさせるわけにはいかんのでな・・・」 すでに大破判定をうけてもおかしくないバラスイショウの前に立ちはだかるスペリオル。 「さぁ、薔薇水晶。悪い子にはお仕置きが必要だな・・・」 スペリオルは背部ビームカノン2門、大腿部ビームカノン2門、そしてビームスマートガンの全5門を バラスイショウに向けた。 視界が赤い・・・体から血が流れている・・・さっき機器が刺さったときかな・・・結構深い・・・ カメラ・・・ああ、頭部は壊されたんだっけ。でも、見える。目の前に5つの銃口が私に向けられている。 あの引き金が引かれれば私は死ぬ・・・槐は容赦なくコクピットを打ち抜くだろう。 みんな戦っている・・・雛苺。泣き虫で甘えん坊で・・・でも、JUMや巴を守りたいって気持ち 凄く伝わったよ・・・可愛い貴方に少しあこがれてたかも。 金糸雀。貴方の奏でる音はみんなを幸せにするわ。私は貴方の音を聞きながら逝けるみたいだよ。 蒼星石。いつも真面目で優しいみんなの相談役。無口なだけの私をたくさん気遣ってくれてありがとう・・・ 翠星石。口は悪いけど、本当はみんなが大好きなんだよね?私もみんなが大好き・・・だから、翠星石と 同じだね・・・翠星石は・・・蒼星石を悲しませたらダメだよ? 銀ちゃん。銀ちゃんは私のもう一人のお姉ちゃんだったよね。少しふざけてるけど、とっても仲間想いで優しい 銀ちゃん。私も銀ちゃんみたいになりたかったな・・・ 真紅。何で私は貴方を庇ったのか正直こんな時になってもわからないんだ。私はきっと貴方に罪の意識を 作らせちゃうね・・・ごめんね。でも、でもね・・・信じてるから・・・真紅・・・ お姉ちゃん。大好きなお姉ちゃん。いつも優しくて、カッコよくて、私の憧れのお姉ちゃん。でも、ごめんね。 私はもう・・・お姉ちゃんの目にもなれない・・・でも、ずっと側にいるから・・・お姉ちゃん、お姉ちゃん、おねえ・・・ そこで、薔薇水晶の意識は停止した。スペリオルから放たれた5つの砲撃はバラスイショウのコクピットを 貫いた。そして、その数秒後・・・バラスイショウは爆発した・・・ 「ふっ・・・・さらばだ。薔薇水晶・・・」 「あ・・・あ・・・薔薇水晶・・・?薔薇水晶・・・・あ・・・私が・・・私が・・・・ああああああ!!!!」 真紅は爆発するバラスイショウを見た。死んだ。誰が?薔薇水晶が。何で?私を庇って。じゃあ誰が 殺した?あのガンダム?それとも・・・私・・・・?そうだ、私が彼女を殺した・・・私が・・・私が・・・ 「あ、あ、あ、あ・・・・ウああアアアアああああああああああああああああ!!!!!!」 真紅が絶叫する。すでに正気を失った真紅は機体を操る事もできるはずがなく、落下していく。 「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 このまま地表に落ちれば真紅はタダでは済まなかったろう。しかし、それを救ったのは金色の機体。べジータだ。 「JUM!何をしているんだ!このままでは全員死ぬぞ!退け!退くんだ!!!」 真紅を抱えたべジータが叫ぶ。現在一番冷静なのはべジータだった。JUMはそれで意識が戻る。 「っくっ・・・・撤退だ!下がれ!!俺達は・・・ここでやられるわけにはいかないんだ!!」 JUMの声がパイロットにも届く。しばし放心していた面々も正気に戻る。 「だが!薔薇水晶が・・・薔薇水晶が!!私はあいつを・・・槐を殺す!!」 しかし、雪華綺晶がその命令に従うわけがなかった。 「そうよJUM!このまま引き下がれるもんですか!!」 水銀燈も同じだ。しかし、それをJUMが怒鳴りつける。 「馬鹿野郎!!薔薇水晶の意思を無駄にする気か!今の俺達では勝てない!下がれ!!」 その言葉に二人は動きを止める。 「二人とも、悔しいのは僕だって一緒なんだ・・・だからこそ・・・下がるんだ!!」 蒼星石が叫ぶ。涙を流しながら怒りの表情を見せる蒼星石。 「槐・・・くそぉおおおお!!!すまない、薔薇水晶・・・必ず・・・必ず仇はとるから・・・っぐ・・・!」 サクラダは各機を収容に後退していく。しかし、それを槐が見逃すわけがなかった。 追いすがるリファイン機。しかし、それに立ちはだかる機体があった。 「JUM殿!ベジータを連れて撤退してくれ。ここは俺達が必ず食い止める!!」 それはナッパだった。いくらサイヤジンといえども、食い止められるはずがない。 「ナッパ・・・分かった!必ず逃げ切る!!べジータ、こっちに着艦するんだ!」 「ふっ、恩に着る。なに、SAIYAは戦闘集団だ。そう簡単には負けぬさ。カカロットも後退しろ。」 ナッパの指示でSAIYAの旗艦のカカロットも撤退していく。 再び戦闘が始まる。槐は先にSAIYAを討つ事にしたようだ。 「邪魔だな・・・さっさと片付けてメイデンも討つぞ。ALICE、やれ。」 スペリオルの人工知能ALICE。ローゼンの作った究極の人工知能アリスの贋作。 感情を持ち、作り主を親とし、それを守ろうと戦う。 「ふん・・・そう簡単にいかせるか。聞け!我々SAIYAは戦闘集団だ!その誇り、見せ付けてやれ!!」 ナッパがSAIYAのメンバーを鼓舞する。しかし・・・その後は虐殺としかいえない光景が広がっていた。 「べジータ・・・すまねぇ・・・俺もここまで・・・みてえ・・だ・・・」 スペリオルの青いビームサーベルに貫かれナッパの機体が爆発する。 「ディアーズ。メイデンはどうだ・・・そうか、逃げられたか。まぁ、いい。一度基地で休息をとろう。 なぁに、あの程度ならいつでも潰せる・・・はっははははははははは!!!」 何とか中国基地へ逃げ帰ったメイデン。しかし、その被害は甚大だった。損傷していない機体はない。 真紅はショック状態で部屋から出てこない。そして・・・薔薇水晶が死んだ・・・ 「ぐす・・・ぐす・・・ばらすいしょぉ~。」 雛苺と金糸雀は大泣きしている。他の面々も面持ちがとても重い。そんな中、真紅の部屋に行っていた JUMが戻ってくる。 「どう・・・だった・・・?」 水銀燈の問いにJUMは首を振る。真紅は完全に引きこもってしまったのだ。 「大丈夫・・・?雪華綺晶・・・」 ずっと後ろを向いて立っている雪華綺晶を気遣う蒼星石。一番ショックが大きいのは彼女だろう。 「・・・私達は戦争をしてるんだ・・・こんな事もあるだろう・・・」 「!?そ、そんな言い方ねえですよ!薔薇水晶は貴方の!」 翠星石が怒りをあらわに突っかかるが蒼星石がそれを遮る。 「でも・・・私は右目と一緒に涙もなくしたと思ってた・・・だって今まで一度も泣く事なんてなかった・・・」 薔薇水晶の体が震えている。顔をこちらに向ける。 「それでも・・・涙は枯れないものだな・・・・」 右目の眼帯の奥から雪華綺晶の涙があふれ出ている。そんな雪華綺晶を水銀燈が抱きしめた。 「いいのよぉ・・・雪華綺晶・・・辛いときは泣いても・・・だから人は泣けるのよぉ・・・」 「すい・・ぎ・・ん・・・とう・・・うわあああああああああああ!!!」 部屋にはただ、雪華綺晶の泣き声だけが響いていた・・・ 次回予告 一度の戦いで多くのものを失ったメイデン。機体は直るが心は直らない。しかし、そんなメイデン を待つほど槐は甘くなかった。再び牙をむくアリスに、自分の殻に閉じこもった真紅は・・・ 次回、超機動戦記ローゼンガンダム 生きた証 その悲しみを力に変えて・・・
https://w.atwiki.jp/marcher/pages/297.html
←back next→ ―少女は孤独に打ち震えていた ―孤独な魂は救いを求めていた ―しかし少女が声に出して救いを求めることは決してなかった ―救いを求めれば自分が崩れてしまうと思っていた ―涙を捨て、感情を封印した石の心で生きていけばどんなつらいことでも耐えられると思っていた ―しかし涙を捨てた少女の心は干上がった湖の底のようにひび割れた ―その心の傷の痛みに耐え切れなくなった少女が自らその命を散らそうとした時、その人は舞い降りた 気の弱いいじめられっ子を装って、高橋愛の同情を引きリゾナントに出入りするようになった女子校生。 正直最初見たときは、愛佳イラネと思った。 だがしかしダークネスの凶弾に傷ついた私のことを治癒のチカラで救ってくれてから認識が変わったある意味命の恩人。 優秀な頭脳と治癒能力を武器に、今ではリゾナンターには欠かせない存在なった関西人。 彼女なら、リゾナンターきっての優秀な頭脳を誇る光井愛佳なら私に一杯食わせることだって可能かもしれない。 そうよ、愛佳が田中の悪事の片棒を担いで私をこんな目に遭わせたに違いない。 でも信じられない、まさか愛佳がこんなひどいことをするなんて。 た、田中会なんて2ちゃんねらーの狼脳の中でだけ存在してるものだとばかり思ってたけどまさか実在していたの!! いや違う。 愛佳はいい子だからそんな悪に染まるなんてことはない。 きっと田中に脅されて…。 も、もしかして愛佳までが「凡奇湯」の誘惑に目が眩んだというの!!! でも愛佳は「凡奇湯」に入る必要なんてないじゃない。 愛佳の胸はボンッとしてるじゃないの!!! 里沙は愛佳の姿を思い浮かべる。 その胸は里沙のCカップのバストをあざ笑うがごとく誇らしげにそそり立っていた。 わかったわ、愛佳。 あんたの望みがわかったわ、愛佳。 そうだったのね、愛佳。 あんたはくびれが欲しかったのね。 ウェストの欄に60以下の数字を記したかったのね。 キュッが欲しかったのね。 そう確かに光井愛佳の胸はボンであった。 その偉容は僚友リンリンと並びリゾナン山脈にそびえ立つ二大巨峰として、一部リゾナンターマニアの熱烈な視線を浴びている。 だがしかしというべきか、天は二物を与えずというべきか。 愛佳のボディ全体にはどこか幼さいという印象が漂うのだ。 童顔とも相まって、肉体派リゾナンターとして一皮剥けきらないものがあるのだ。 そう理想の女体の有様を言葉で形容するならばこれすなわち、ボン。キュッ。ボン! だが愛佳の身体をこれまた言葉で表すならボン。ボバ。ボン! 足りないのだ。 キュッがないのだ。 くびれが足りないのだ。 ボン。キュッ。ボン!ではないのだ。 だからなのね。 田中と示し合わせて私を罠にはめ、「凡奇湯」の力でボン。キュッ。ボン!になろうとしたのね。 でもね愛佳、あなたは間違ってるわ。 あの田中が、性根の腐った田中が、他人と「凡奇湯」の効能を分け合うなんてことがあるはずがないわ。 判る、私には判る。 中澤の温泉宿に到着していざ「凡奇湯」へ入ろうとしたことろであの女は仕掛けてくる。 あなたに何か用事を押しつけて、一人「凡奇湯」に入ろうとする筈。 見える、私には見える。 …あっ、愛佳。 れいなバスタオル部屋に忘れたけん取ってきてくれん。 風呂上がりにジュースおごるけん。 そう言ってあなたを客間に遠ざけた田中は、一人「凡奇湯」に浸かる。 勿論中から細工をして自分以外の人間は入って来れないようにして。 何て卑劣な女なの。 聞こえる、私には聞こえる。 貧弱そのものの胸に「凡奇湯」の源泉を浴びせる田中の高笑いが。 あの浅ましい泥棒猫! ポリタンクを持ち込んで、「凡奇湯」の泉水を持ち帰ろうとするなんて、どこまで見下げ果てたヤツなの。 リゾナンターの恥さらしが!! かわいそうに。 愛佳。 あなたは田中に利用されて、使い捨てにされることに気付いてないのね。 許せない。本当に許せない。 田中も許せないけれど今私が許せないのは「凡奇湯」。 私は人類の宝としてあんたのことを守るつもりでいた。 だけど愛佳みたいないい子を惑わせるあんたのことを許せない。どうしてくれよう。 そうだ、こうなったら成敗してやる。 「凡奇湯」に浸かりまくってやる。 毛穴という毛穴から「凡奇湯」の泉水を吸収してやる。 毛穴で追いつかなかったら、口から「凡奇湯」を取り込んでやろうではないか。 飲んで、飲んで、飲みまくって、「凡奇湯」を枯らしてやろうではないか。 そしてもう二度とボン。キュッ。ボン!になろうなどという欲望に目が眩む者が現れないようにしてやろうではないか。 そのために払う代償は小さくない。 浴びるだけでなく、服用することでどんな効果が私の身体に表れるか。 想像するだけで恐ろしい。 ボン。キュッ。ボン! さようなら、泣き虫だった私 ボン。キュッ。ボン! こんにちわ、私の笑顔 ボン。キュッ。ボン! YES I am ボンキュッ ボンキュッ ボンキュッ BOMB GIRL!! 「うわっ、とっと」 考え事をしていた所為で愛の手が郵便受けに伸びていくのを見過ごしていた。 バレてしまうではないか。 もしも愛によって私の腕が解放されるよなことになれば、掌に握りしめている「凡奇湯」への招待状の存在がバレてしまうではないか。 掌の中の封筒を手放そうという考えは起こらない。 何故なら人類の宝「凡奇湯」を成敗しようという使命感が今の里沙を突き動かしているからだ。 だから、郵便受けに触れようとしていた愛のことを…。 「どけ! さわるな!!」 と自由な方の左腕で突き飛ばしたのも当然の帰結だ。 「里沙ちゃん、何で」 長年の同志にして莫逆の友から受けたまさかの仕打ちに愛は泣き出しそうだ。 「私には判る。 この爆弾は解体しようとしてさわってしまうと爆発するタイプだと。 だからさわっちゃいけない」 自分の嘘で創り出した状況を最後まで守ろうと、里沙は必死だ。 その一方で自分を突き飛ばした里沙の仕打ちが、自分を助けるためだったと思いこんだ愛も強く決意した。 何としてでも自分のチカラで里沙は救い出すと。 「だったら里沙ちゃん。 その郵便受けに外から触らんかったら爆発しいへんの」 改めて確認をする。 「ああ、だからこれは私が一人で何とかしてみるから愛ちゃんは早く逃げて」 「さあ早く、里沙ちゃん今のうちに早く」 愛が急かす。 一体何のことかと思った里沙は自分の右腕がかなり楽になっていることに気づき愕然とする。 どうして? 自分の腕を捕らえていた郵便受けの差し入れ口を見た里沙は、そこが広がっていることに気付いた。 まるで内部から押し広げられたように。 え、ええぇぇぇぇぇぇっっ。 一体どうして? 「あーしのチカラで中からねじ曲げたから」 愛の誇らしげな声が響く。 え、ええぇぇぇぇぇぇっっ。 そんなオチなの。 また何で愛ちゃんが唐突にサイコキネシスなんかを。 「あれっ。 里沙ちゃん知らんかった。 あーしが念動力を持っていること」 え、ええぇぇぇぇぇぇっっ。 何その取って付けたようなご都合主義の後出しジャンケン。 まるでジャ○プのB○E○C○じゃないの!! 里沙に詰られた愛は拗ねたように唇を尖らせると、一冊の本を差し出した。 「かなしみ文書」という題名の本の[M-A6-09]の項目を指差す。 「声」という題名の一文にはこう記されていた。 “私は高橋愛 私は共鳴能力増幅・念動力の他に近くの人間なら少し心の声が聞けたり伝えたり出来る ” 「ああ、そういえばそうだったね」 力なく頷くと右腕を差し入れ口から抜いた。 固く握りしめられた掌の中にはくしゃくしゃになった封筒が。 「危ない!」 いきなり愛が覆い被さってきた。 ちょっこんな寒い中、しかも道の上で迫ってくるなんてマジかよ、おい。 いまだかつてなかった野生的な愛の求愛行動に一瞬引いていまう。 リゾナントの入り口付近でもつれ合う二人の前に、変形に耐えきれなくなった郵便受けが音を立てて落ちた。 ガラン! 軽い金属音が里沙を打ちのめす。 ええっと、もしかして私の腕が抜けなくなってたのは、慌てて狭い差し入れ口から腕を突っ込んだからってこと? れいなや愛佳が仕掛けた罠とかじゃなかったってこと?。 焦らず落ち着いて下の取り出し口から抜き取っていればよかったってことでおk? ていうか「凡奇湯」への招待状を握りしめてた拳を開いてれば、軽く抜けてたんじゃないの。 徒労感が里沙を包む。 せめてもの慰めは、「凡奇湯」へのパスポートは今私が手にしているってことぐらいなわけだけど…。 でもそれもこうして愛に現場を押さえられた以上、知らぬ存ぜぬで着服するわけにはいくまい。 「ちょっと重いからのいてくれないかな」 「あ、ゴメン。 でも里沙ちゃん、爆発なんて起きなかったやん」 「あはは、愛ちゃんの剣幕に爆弾も恐れをなしたってところかな」 自分の身の危険も顧みず私のことを守ろうとしてくれたんだ。 ひょっとしたら「凡奇湯」なんかよりも、目の前にいるこの女こそが私にとっての宝なのかもしれない。 そう思うとあんなに大切に思えた「凡奇湯」への招待状もただの紙切れにしか思えないのが不思議だ。 「あっ、これ。 ちょっとくしゃくしゃになったけど、中澤さんからの…」 違うのだ。 中澤からの招待状なら、墨跡が目にも鮮やかなのだが、今里沙の手にある封筒にはカラフルな文字が印刷されていた。 「あーっ、これ。 最近よく入ってるんよ。 何かセールスの人間が直接放り込んでいってるみたいで」 “低迷する金利。 不確かな証券市場。こんな時だからこそ、金。 実物資産の代表格の金取引を貴方にご案内します。絶対儲かります。 このチャンスを逃さないで下さい ” あはは、私こんな見当違いのモノの為に必死こいて寒空にさらされて、何この敗北感。 郵便受けの残骸を見やったが、中には何もない。 ちっ、郵便配達の届けた郵便物はもう回収したってこと… 完全に潰えたかに思えた希望。 だが誇り高き戦士新垣里沙の不屈の闘志はそんなことで挫けることはなかった。 …なら、やれる。まだ勝負は決していない。 今この場に「凡奇湯」への招待状が存在しないということは、神が私に与えたチャンスなのかもしれない、きっとそうだ。 愛を悲しませることなく、「凡奇湯」への招待状を入手する機会がもう一度与えられたのだ。 店内にあるであろう招待状を愛に気取られぬように奪取すれば、私はなれる。 ボン。キュッ。ボン! さようなら、泣き虫だった私 ボン。キュッ。ボン! こんにちわ、私の笑顔 ボン。キュッ。ボン! YES I am ボンキュッ ボンキュッ ボンキュッ BOMB GIRL!! 「なあ里沙ちゃん。 本当にこの金取引って絶対儲かるんかなあ」 十年近くの月日を一緒に歩いてきた同志。 莫逆の友にして、運命の人が人の良さ丸出しの表情で尋ねてくる。 本当にこの人は… 「愛ちゃんは本当に人が良いなあ。 いいかい、もしも本当に儲かるんなら、何でわざわざ他人に教えるのさ。 私だったら、そんなオイシイ儲け話は独り占めするけどね」 やっぱりガキさんは頼りになるわあ、と頼もしげな視線を送ってくる愛を店内に誘いながら里沙は言った。 「愛ちゃんは騙されやすいんだから。 何かあったら私に相談するんだよ」 身体が冷え切ったから何か温まるもの作ってよ、と言いながら里沙の目は光る。 待ってなさい、「凡奇湯」。 私があんたのことを成敗するその日まで。 誇り高き戦士新垣里沙の戦いは続く… ←back next→
https://w.atwiki.jp/mirage_cr/pages/36.html
風が吹き抜けた。 夏とは思えないその冷たさに、背筋がゾッとする感覚にボクは陥っていた。 目の前には人じゃない何か。 そして、ボクを間に挟んでその対角線の延長線上にその人は佇んでいた。 「執行者、黒崎葵」 なぜ先輩がここに? その答えを知る由もなく、ただ、ただ呆然とその光景を見ているしかなかった。 足は凍りついたように微動だにしない。 今ボクは、何を目の当たりにしている? そんな単純な答えすら分からないまま、その『時』は訪れた。 影が動いたと、そう感じた瞬間。 先輩の身体は宙を舞っていた。 ひらりとその外装を翻し、男へ一閃。 全体重をかけた一撃を物ともせずに片手で受ける男。 白い吐息と共に、笑みがこぼれるその表情を人は『恐怖』と呼んだ。 そんな『日常世界』ではありえない光景を目の前にしても、剣は速度を緩めることなく、さらに連撃を加えていった。 1撃。 相手の腕を弾き返した反動をそのまま半回転させ、一閃。 2撃。 振り下ろした剣を切り返し、男の身体を上空へ吹き飛ばす。 3撃。 着地と同時に先輩の身体も跳ぶ。 蒼い軌跡を描く刃が暗闇に照らされ、男の姿を捉える。 4撃。 男よりも上空に舞った先輩は、その華奢な身体を捻り斬り下ろす。 そして、屋上の硬いコンクリートに叩きつけられた男目掛けて急降下を開始する。 5撃。 地面と垂直に立てられた剣を、男の胸へ一気に突き刺す。 鮮血とうめき声がその場を支配し、鼓膜が超振動する。 耳鳴りに近い感覚と、暗闇に慣れ始めた瞳孔が一気に開く。 地面との衝突の際に発生した爆風が晴れていなくとも、その結果は誰が見ても知れたものだった。 一瞬だった。 5回の連撃、そのすべてはものの数秒で決められ、あの『人じゃないモノ』を一瞬で『消した』 開いた口が閉まらない。 ただ見ているしかなかったボクの身体は、糸が切れた人形のように、その場へ崩れた。 見れたものじゃなかった。 飛び散る赤い血と、弾け跳ぶ脳漿、内臓の断片がそこら中に散りばめられ、むせ返る臭いで充満しているこの空間にボクは耐えられなかった。 胃の中のものを吐き出すと同時に、涙がこぼれた。 ショックが大きすぎた。 いろんなことに対して。 そのショックの中でも一番、ボクの中で、頭の中で騒ぐもの。 それは。 ―なぜ、あの優しい先輩が、こんなことを平然とした顔で、出来るのか。 「・・・うっ」 また眼が熱くなる。 今度は前のものとは比べ物にならない灼熱がボクを襲う。 炎の中に放り出された感覚がボクの視野を奪い、先輩の姿さえ陽炎のようにしか確認できない。 ―ドクン 頭が割れる。 激しい動悸に襲われる。 この感情は、何だろう。 ボクは、これからどうなってしまうのだろう。 ―ドクン、ドクン 鐘の音が、一層激しくなった。 ボクは頭を抱え、その場にうずくまった。 収まれ、収まれ、収まれ。 そう願っても、収まりが効かない。 いつものように、治らない突然の発症。 「う、うああああああああああああああああああ!!!」 ―ドクン、ドクン、ドクン もう何も見えない。 今自分がどこに立っていて、どこを向いていて、どこを・・・。 これを『混乱』と言うのか? いや、違う。 これは、もっと別の、何か。 闇雲にその暗闇の中をもがく。 ひたすら。 その場でボクは暴れた。 怖い。 怖いよ。 誰か、助けて。 そう懇願する声も、ただ聞き入れてくれないこの世界に憎しみが生まれた。 「・・・田・・・く・・しっかり・・」 影が動く。 たくさんの影が、ボクに迫ってくる。 大きな津波が、ボクを飲み込もうと、その恐怖をもってして、ただ力と言う暴力が、飲み込もうとする。 やめろ。 やめてくれ。 ボクは、ボクは、ボク・・・は!!!!! 闇に、光が差した。 小さな光は周囲の小さな光を吸収し、弾けた。 その瞬間、今までのことが嘘のようにすべてがクリアになった。 目の前には、あの蒼いヒト。 つるぎをもって、ぼくのことのもとへかけよってくる。 こわい。 こないで。 ぼくをそんなめでみないで。 こわい。 こわいこわいこわいこわい。 「ク・・・ククク・・・ハハハハ・・・」 笑いが止まらない。 その様子を見た蒼い人は、ただ悲しそうにボクを見ていた。 そして、その剣を握り締め、言葉を紡いだ。 「負けないで」 一筋の涙が、そのひとの頬を伝う。 「アナタはまだ弱い、だけど、こんなことには絶対に負けない」 涙を流しながら、そのひとは笑顔を見せた。 「たとえ病魔にその心が蝕まれようとも」 笑顔であってもその気持ちは悲しさでいっぱいで。 「たとえ狂気と化しても」 何が、悲しいのか分からないけど。 それでも・・・。 「アナタのその強い想いで、必ず、アナタは自分に打ち勝てる」 その言葉を信じて、ボクは・・・。 「思い出して」 「アナタの、名前を」 自分に臨むことを決意した。 犯された、この弱い心と戦うために。 ぼくのなまえ? なんだっけ。 もう、いまはそんなの、どうだっていいのに。 なんだろう。 そのなまえは言っちゃいけないような気がした。 ボクがボクで無くなるような気がして。 脳裏に浮かぶ、誰かの影。 黒髪に赤い瞳。 手には刀を携え、その黒い影からはただならなぬ存在感が発せられていた。 「オレの名前を言え」 そう聞こえた。 『オレ』の名前? ボクは・・・キミのことを知らない。 「否、知っているはずだ」 そう即答される。 でも、知らない。 知っちゃいけない。 そう感じたのは・・・知れば・・・。 今までの自分の、『すべて』が終わってしまうような気がしたから。 「なんだ、ワスレタ、のか?」 「仕方ないヤツだ・・・じゃあ、オレの名前を教えてやろうか」 そして、その影は薄ら笑いを浮かべ、刀の鞘を抜き払い、 ボクへ突如突進してきた。 寸前のところでかわす。 「う・・・ぐっ」 それでも完全に回避することは出来ず、右腕に傷を負う。 痛みはほとんどない。 されど、人の動きを鈍らせるには十分なほどの負傷であったのは、確かだった。 「オレはオマエ、野田宗司(ノダソウジ)だ」 「覚えておけ、狂気の面を被った、オレの名を」 「ハハハ・・・ハハハハハハハハ」 嫌だ。 なんだか、そんな気分だった。 コイツは狂っている。 腕を押さえ、ただ膝を付くボクをあざ笑うかのようにただその咆哮をあげる。 否定する。 コイツの存在を。 ボクじゃないそのものに。 眼を押さ、ボクはその場でゆっくりと立ち上がる。 突如として脳裏に映るのは、綺麗な刀。 赤色に染まるその刀身には、見覚えがあった。 アイツの持つ刀は、ボクが知っている。 「返して」 「ん?」 「返せ」 「・・・」 記憶の奔流を頼りに、ボクは走り出した。 そして、アイツの持つ刀を手にし、叫んだ。 想いっきり、その空間に響き渡る、魂の声で。 瞳を抑えていた手をゆっくりと離し。 その刀身を、両手で掴み。 流れる血をモノともせず。 痛み耐えて。 叫んだ。 「返せよ!!!それは、オマエが持っていていいものじゃない!!」 その名を言った瞬間、世界が割れた。 暗闇の空間は裂け、音を立てて崩れゆく。 アイツはそんな中でもただ笑うだけだった。 気持ちが悪い。 消える意識の中、アイツの最後の言葉が脳裏に残った。 そう、アイツは言ったんだ。 これからの、ボクの行く先を。 「ようこそ、非日常の世界へ。・・・楽しくなりそうだ・・もう一人のオレよ・・・クククハハハ」 薄っすらと意識が覚醒する。 頼りない視力で見えるのは、キラキラと輝く小さな星達。 ボクはいつの間に倒れていたんだろう? 身体に痛みが走る。 手を動かそうにも、何かで固定されていてうまく動けない。 足もその例外ではなく、ボクはここに貼り付け状態にされていることが瞬時に理解出来た。 「起きたか?」 視線の先には、白髪の誰かがいた。 服の胸には、この学園の教師であると証明するプレート。 たしか、この人は・・・そう、うちの学園の物理教師『鶴谷国重(ツルタニクニシゲ)』先生。 この人が誰か?それは分かった。 でも、この状況が理解出来なかった。 なんで、ボクはこんなところで拘束されているのか。 どれだけ力を入れても、まったく動かない。 「力を入れても無理だ。その捕縛結界は容易く破れるようなもので出来ていない」 そう、目の前の教師はボクに言った。 諦めてぐったりと項垂れるボクを見下ろし、先生は話し始めた。 「キミにはいろいろ伝えなければならないことがある」 「ボクも聞きたいことが山ほどあります」 ガラにもなく睨みつけた。 そんな様子にうろたえることもなく、先生は淡々とその口を開いた。 「この世界には、狂気と呼ばれる病原体が存在する。 現代の医療技術をもってしても治すことが出来ない病。 症状は・・・まあ、キミは体験したようだから言わなくても分かるか。 病を治す方法はただ一つ。 そのモノの存在を世界から消す。 キミもその例外ではない。」 ただ・・・。 とそこで何かを躊躇っていた。 でも、その躊躇いは余計なものと思ったんだろうか。 先生は、ボクにこう告げた。 「キミは、この世界で唯一、その病を自力で治した」 ―なぜかは分からない。 ―しかし、事実キミはここに居て、その意思を確立させた。 ―ありえない奇跡を、キミは起こした。 そんなことを言われても分からない。 ボクは今なんでこんなことになっているかすら、曖昧だと言うのに。 そのときだった。 脳裏に浮かぶ、恐怖で支配された光景。 その恐怖を断罪するかのように颯爽と現れた一人の少女の影。 剣は宙を舞い、そしてボクは・・・ボ・・ク・・・は? 「葵先輩は!?先輩はどうなったんですか!?」 手と足の拘束具を引きちぎる勢いで先生へ問いただした。 その顔はあまり浮かばれない様子で、一振りの十字剣をボクに見せ付けた。 それは。 あのときの。 先輩が。 持って・・・いた? 「そんな・・・そんなこと・・・」 やっぱり夢じゃなかった。 ボクは狂気と化し、執行者である先輩はボクと戦って。 そして、その果てに、先輩を・・・? 「いや。葵君は死んでいない。」 「ただ、この世界からその存在を消した。」 「残留する高次元粒子反応、それを最後に彼女の波動はこの世界のどこにも、なくなった」 その言葉を理解するには、ボクはいろんなことを知らな過ぎた。 この世界で起こっている様々なこと。 執行者と言う存在。 狂気と言う存在。 そして、ボク自身のことも・・・。 何も分からない。 「キミは自力で狂気を解き放った」 「されど、生身の人間であるキミが再発しないという保障はどこにもない」 「今ここで私がキミを殺す、それが世界のルールだ」 世界のルール。 ボクはここで殺されるために、拘束具で縛られているのか。 迫り来る殺気と、手にしている十字剣を抜き放つ瞬間、 ボクはここで本当に死ぬと、そう実感した。 振り上げられた銀色の刃に、眼をそむける。 もうすでに死んだ命。 助かるはずもない病に打ち勝ち、少しだけの時間、生きることを許されたけれども。 これで、元通り。 振り下ろされた刃。 それを先生は何を思ったのか、胸元数センチのところで寸止めした。 「・・・・」 静寂が世界を支配し、ボクと先生だけの空間はそのままの状態で時が止まったかのように、 文字通り『静止』した。 開かれる口。 ―■■■■■■■ 何を言っているのか、少ししか聞き取れない。 ―■■■■■■■■■■か? ありえない言葉を耳にして、ボクは目を丸くした。 ルールは守らないといけない。 もう死んだボクを、このまま生かしたらどうなるか。 そんなこと、ボク自身は分からなくても先生なら分かっているはず。 何が起こるか。を。 胸元に突きつけられた剣を先生は鞘に戻し、再びボクに問いただす。 「その命、無駄にしたくなければ・・・契約を結べ」 「黒崎葵と同じにして、魔を断罪せし者」 「執行者として、剣を執る覚悟があるのなら」 ボクに・・・ 出来るのかな。 「想いの強き者、それこそが執行者の力の根源」 「さぁ、選べ」 「日常の終わりか、世界の始まりか」 そうして。 運命の歯車はゆっくりと周り始めた。 第6話『賢 者』END
https://w.atwiki.jp/sponsoracjapan/pages/2996.html
テレビ朝日系列 テレビ朝日 ローカルセールス あざとくて何が悪いの? スポンサー情報 土曜21時55分~22時25分 あざとくて何が悪いの? 2020年10月~20年12月 あざとくて何が悪いの? 2021年1月~21年3月 あざとくて何が悪いの? 2021年4月~21年6月 あざとくて何が悪いの? 2021年7月~21年9月 あざとくて何が悪いの? 2021年10月~21年12月 あざとくて何が悪いの? 2022年1月~22年3月 ローカルセールス あざとくて何が悪いの? 2022年4月~22年6月 放送リスト
https://w.atwiki.jp/mitlocke/pages/1057.html
笑う死体の山 ランク:B S(Lobotomy Corporation) 属性 ・性別不明 ・ALEPH ・元人間 ・アブノーマリティ 敗北条件 人間かAランクのキャラクターが生きていると敗北 1度でも死亡したキャラクターが生きていると敗北 能力値 ESP能力レベル 5 ESPパワー 50 耐久力 5 精神力 6 特殊能力 ・アブノーマリティ観測[全般][特殊][常動] 自分または自分の手札に対する「接触テレパス」はESPレベルチェックの出目に関わらず成功する。 ・アブノーマリティ脱走[全般][特殊][常動] 自分が参加していない戦闘で参加キャラクターが死亡した時、自分は即座に戦闘に参加する。 このとき、行動順は最後となる。 ・捕食[戦闘][主要] カウンターを1個増やす。カウンターの上限は2個である。 この能力は参加キャラクターが死亡した戦闘でのみ使用でき、1戦闘に1回のみ使用できる。 ・実体の追加[全般] 所持しているカウンターの数によって以下の能力を得る。 個数 効果 1個以上 笑う死体の山[戦闘前][手下:2]手下を1人得る。カウンターを1個減らすことで自分に行われた損害判定による耐久力の減少を2軽減する。 2個以上 笑う死体の山[戦闘前][手下:2]手下を1人得る。 ・黒い液体[戦闘][主要][攻撃][E] LV:7以上の攻撃Cカードを1枚利用することで、 [LV:5 火力:利用したCカードの火力の半分]で自分以外の全体に攻撃を行う。 ESPパワーを10消費する。 この能力はカウンターが2個以上の場合のみ使用可能。 動き方・解説 強さ・敗北条件としてはBランク上位のキャラクター。 アブノーマリティ観測とアブノーマリティ脱走により正体は極めて隠しにくい。 ゲーム終盤まで謎の存在としての君臨することは難しいので諦めよう。 戦闘能力としては手下2人がメインである。しかし、使用条件が存在し、 カウンターが無いと5-50-5-6、特殊能力なしのキャラクターになってしまう。 敵が多いキャラクターなので自分の強化はしておきたい。 よって、まずは捕食を使用しカウンターを集めることを第一目標として動くとよい。 実はそこにいたチェックを行うよりアブノーマリティ脱走の効果で戦場に移動した方が 捕食しやすいので正体がバレるまでは何もせずじっとしていた方が良い。 シルエットは裏顔にした方が良いだろう。 Eバスター等、強力な障害によって死人が出た戦場に移動すると自分も死ぬ可能性がある。 キャラクターの特性上、笑う死体の山の正体がバレると人間たちが襲ってくる。 (人間側としては笑う死体の山が弱いうちに倒しておきたいため) 正体がバレた後は人間以外が多い陣営と協力するといいかもしれない。 Q&A Q.元人間は人間に含まれますか? A.いいえ、含まれません。 Q.死んだふりを使用された場合、アブノーマリティ脱走は適用されますか? A.いいえ、適用されません。 死んだふりに騙されない賢いキャラクターのようです。 効果をきちんと読めば適用されないのは明らかです。 Q.何で適用されないのが明らかなのに↑のQ&Aがあるんですか? A.死んだふりに騙されそうになったプレイヤーがいるからです(私です)。 このキャラクターへの意見 ゲームバランスの観点だけで見ると「1度でも死亡したキャラクターが生きていると敗北」は無い方が良いと思う。原作要素の一つだろうから仕方ないんだろうけど。 -- waka (2019-03-08 22 04 32) ゲーム的な観点だけで言えば「実体の追加」は効果欄に効果名は必要ないし、手下を得る効果に[戦闘前]は付けなくても良いと思う([戦闘前]が付いているか否かで効果が若干変わるけど)。 -- waka (2019-05-28 18 50 57) そういえば今の裁定でも元人間は人間に含まれないの?文字含んでるけど -- 名無しさん (2019-10-29 01 07 03) 基本ルールの属性の説明にも書いてるんですけど、人間だけは特別で種族が「人間」ではないキャラクターは人間として扱いません。 -- waka (2019-10-29 07 04 22) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/maroku_w/pages/138.html
加入条件 解説 ステータス 式神スキル 式神パッシブスキル コメント 加入条件 さとり加入後に笑うタイヤを倒す(起き上がりレア度:B) 主な出現場所:2層 魔界1 解説 補助系の式神。 転倒を狙う場合、なるべくAGIが高い主人や 詠唱速度アップの装備品などを活用すると効果的。 ステータス Lv HP MP STR VIT DEX AGI INT POT 1 4 1 1 2 3 1 1 1 10 7 2 2 4 5 2 2 2 20 11 4 3 7 7 4 3 3 30 40 50 60 70 28 10 9 18 20 10 8 8 80 90 99 式神スキル 名称 系統 消費MP 範囲 遅延 威力 命中 詠唱 属性 説明 習得条件 スーパーヒットエンドラン 物理 10 大貫通 0 175% 100 100 ? 大貫通の物理攻撃をする。「転倒」の追加効果を与える。 最初から ドリル 物理 3 単体 0 150% 95 100 ? 強靭なドリルで敵の装甲を穴だらけにする。「物理被ダメージ上昇」の追加効果を与える。 Lv.14 ひき逃げ 物理 6 貫通 1 125% 95 100 ? 突進で直線状に敵を攻撃する。「転倒」の追加効果を与える。 Lv.45 ミュート 魔法 3 一列 1 - 100 95 - 一列に「沈黙」の異常状態を与える。 最初から マスバインド 魔法 4 一列 1 - 100 95 - 一列に「麻痺」の異常状態を与える。 Lv.6 カウンターフォース 魔法 8 全体 1 - 100 100 - 全体に抵抗低下を与える。 Lv.33 式神パッシブスキル 番号 説明 習得条件 1 転倒の成功率上昇 +5 最初から 転倒の成功率上昇 +10 Lv40 転倒の成功率上昇 +15 Lv60 3 ○突(25%軽減) Lv30 2 ○スタン(20%で防御) 最初から コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/zakuaku/pages/1529.html
笑うしいたけ 笑い茸と違って、こいつは自ら笑っている(敏捷性+2) 焼いても煮ても上手いのだが、声が耳に残って気色悪い。 279:笑うしいたけ 価格:0G 使用:移動時 消耗:消耗する 敏捷性+2 特徴 売却不可能。 コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/preciousmemories/pages/3451.html
《あざとい演技》 イベントカード 使用コスト0/発生コスト2/青 [メイン/両方] 自分のキャラ1枚は、ターン終了時まで+10/+10を得る。その場合、相手のキャラ1枚は、ターン終了時まで-10/-10を得る。 (ぽりゅ~ん♡) ゆるゆりで登場した青色のイベントカード。 自分[キャラ]]1枚のAP・DPを10上昇させ、相手キャラ1枚のAP・DPを10減少させる効果を持つ。 自分キャラの強化と相手キャラの弱体化を同時に行える。 コスト0と使いやすく、相手ターンで使えるので汎用性もある。 カードイラストは第12話「みんなでポカポカ合宿へ」のワンシーン。フレーバーはその時のちなつのセリフ。 関連項目 《オオカミと赤ずきん》 収録 ゆるゆり 01-122 パラレル ゆるゆりスターターデッキ 01-122 編集
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/53204.html
登録日:2023/02/02 Thu 19 59 23 更新日:2024/01/14 Sun 23 07 34 所要時間:約 18 分で読むがいい ▽タグ一覧 イーグル エネルギー生命体 オーガニックドライアス ギアナ高地 タイガー デビルの塔 ドッドッ♪ドラドラ♪ド~ラジャン~♪ ドライアス ドライアスジェット ドライアス様 ドラゴン マイナスエネルギー ラスボス 三獣合体 勇者シリーズ 勇者シリーズラスボス項目 太陽の勇者ファイバード 宇宙皇帝 悪のカリスマ 暗黒食品ドラジャンヌードル 理想の上司 絶対暗黒神 見てはおれぬわ! 邪悪の化身 郷里大輔 首領 ※推奨BGM:必殺!フレイムソード ミラクル大変だ! アメリカがドライアスに乗っ取られちゃったんだ! 人間をみんな奴隷にしてこき使ってやるなんて、奴ら一体何を企んでるんだろう? あっ!? なに、あのロボット? ファイバードよりでっかいぞ! もしかして、あれがドライアスの正体なの!? 次回・太陽の勇者ファイバード! アメリカ征服宣言 来週も世界平和だ! △メニュー 項目変更 人間どもよ、よぉーく聞け! 私の名は、 宇宙皇帝ドライアス。 地球の支配権は、私が握る……!! ドライアスは、サンライズ・名古屋テレビ(現:メ~テレ制作のロボットアニメ『勇者シリーズ』第二作『太陽の勇者ファイバード』のラスボス。 CV 郷里大輔 概要 性格 分離メカデスイーグル デスタイガー デスドラゴン 合体形態三獣合体ドライアス武装 ドライアスジェット デビルの塔 オーガニックドライアス 顛末 余談 概要 マイナスエネルギーをまき散らし、地球制覇を目論む悪のマッドサイエンティスト・Dr.ジャンゴの海底基地に舞い降りたエネルギー生命体。 その目的は、暗黒宇宙を創世し暗黒神として君臨すること。 配下のゾルとシュラがジャンゴの作ったアンドロイドに融合する一方で、ドライアスは海底基地内にある三つの神像と融合。 基地内の奥深くに身を潜め、幹部とジャンゴに指示を下す。 一人称は基本的に『私』だが、回によっては『余』『俺様』と称することもある。 性格 『宇宙皇帝』を名乗るだけのことはあるのか、性格は傲慢にして尊大、残虐にして非道。 人間の苦しみと絶望を何よりも好む『邪悪の化身』ともいえる彼の存在は、すべての命を愛するファイバードこと火鳥勇太郎も唯一嫌悪するほど。 それもそのはず、火鳥ら宇宙警備隊がプラスエネルギーのエネルギー生命体であるのに対し、ドライアスはマイナスエネルギーで構成されているためである。 それ故か、プラスマイナス問わずエネルギー生命体と対極のエネルギー波を発する謎の隕石・デビルストーンにも弱い。 第26話「デビルストーンの謎」ラストではその破片を入手し一泡吹かせようとしたジャンゴに気付き、設備を利用して破壊している。 とはいえ、抜け目のないジャンゴは翌話の「悪魔の音楽」にてその欠片を利用し電波ジャック。 ドライアス一味には妨害用チップを手渡し、「暗黒食品ドラジャンヌードル」のCMに偽装させ火鳥ら宇宙警備隊を苦しめた。 そんな悪の親玉っぷりを見せるドライアスだが、忠誠を誓う部下や自身の協力者に対しては寛大で、ゾルとシュラの口争いを諌めたり手助けする描写が見受けられる。 両名の忠誠心は、グレートファイバード初陣回で自ら操縦するメカ獣で主君の楯になる場面でも明らか。 思想と利害が一致するジャンゴは地球のことを知らないドライアスにとって貴重な頭脳係ではあるものの、第3話「勢ぞろい宇宙警備隊」で実行させた「皆殺し作戦」(*1)に対し「皆殺しはまずいぞ。奴隷になる人間どもを残しておかねば、地球を征する意味がない」と苦言を呈したこともある。 馬鹿者!!(電撃を放出) 待て!この次こそは必ず……! もはや貴様らには任せておけん!! おのれ、宇宙警備隊め……! 必ずや貴様らを葬り去り、地球を我が物にしてくれる!! 余は…… 宇宙皇帝ドライアスなのだ!!! 分離メカ 第17話「狂ったコンピューター都市」ラスト、度重なるジャンゴと部下の失態に業を煮やしたドライアスは、海底基地内にある三体の彫像と融合。 三体のメカ獣の姿を得て、自ら前線に出るようになる。 デスイーグル 身長:19.1m 翼長:35.5m 重量:36.3t 最高速度:マッハ7.9 第17話より先駆けて、第16話「Dr.ジャンゴの大地震」にて初登場。 ドライアスが神殿内の鷲型モニュメントと融合し、大鷲型メカとなった。 ガードスターの援護射撃を受けた武装ファイバードがメカ獣を破壊した後、 Dr.ジャンゴが乗った脱出ポッドを回収。そのまま高速で離脱した。 嘴や角からは「デッドインパルス」という5万サイクルの超高周波を発し、あらゆる物質を粉砕する。バリアーとしても使用可能。 また、両足の鋭い爪はジャンボジェットを掴み上げ、そのまま叩き落とすほどの握力を持っている。 飛行能力を持たないデスタイガーを上に乗せ、上空から攻撃することも可能。 本編において、分離形態ではこのデスイーグルから声を発している場面が目立っており、他のメカはバロンチームのように超能力で操っていると思われる。 デスタイガー 身長:18.1m 重量:40.5t 走る速さ:285.0km/h ジャンプ力:245.5m 第17話ラストにて、虎の彫像がサーベルタイガー型のメカとなった姿。 第18話「消えた街の謎」では、メカ獣を破壊されたシュラを救わんとデスドラゴンと共に出陣。 ファイバードはシュラを連れ撤退したその二体にドライアスの影を見るのであった。 俊敏なスピードで相手を翻弄し、鋭い牙と爪と背部に装備された二門の「デスキャノン」で攻撃する。 設定では、強靱な顎で噛みつき50億ボルトもの電流を流して相手を麻痺させる「キラーファング」が得意技。 デスドラゴン 身長:24.0m 重量:44.0t 走る速さ:155.2km/h ジャンプ力:150.2m こちらも第17話ラストにて初登場。 竜の彫像が直立歩行のドラゴン型メカとなった。 デスイーグルほどではないが飛行能力を持つ模様。設定では水中戦が得意。 口から電撃光線だけでなく、「ディスウォーター」という溶解液を吐き出す。 合体形態 フフフフフ…… 宇宙警備隊……ようやく揃ったようだな。 貴様たちに、俺様の仕事の邪魔はさせん……! 三獣! 合体! ドラィィィィィアスッ!!! 三獣合体ドライアス 身長:33.5m 重量:120.8t 走る早さ:200㎞/h ジャンプ力:360.5m 第20話「アメリカ制服宣言」にて、ファイバードたちの前に姿を見せたドライアスの戦闘形態。 デスタイガーが右半身、デスドラゴンが左半身を形成。 そこにデスイーグルがパーツに分離し脚部アーマー、胸部アーマーとして装着。 デスイーグルの頭部が胸部・頭部を形成し両翼部を逆デルタ状に展開することで合体完了する。 合体したファイバードらより1.5倍の巨体を持ち、初陣では武装ファイバードの必殺技であるフレイムソード・チャージアップを打ち破るほどの強さを見せつけた。 以降はゾルとシュラが窮地に陥った際に、「見てはおれぬわ!」と自ら出陣。 幾度となく宇宙警備隊の前に立ちはだかることになる。 その強さも半端なく、宇宙警備隊のメンバーでは太刀打ちできなかった。 ファイバードがグレートファイバードにグレート合体を果たしたことで、ようやく互角に渡り合えるようになる。 武装 デスブレード ドライアスが使用する長剣で、音叉にも似た二又の剣先が特徴。 そこから『デビルフォーン』というマイナスエネルギーと超振動波を発することで、威力が倍増する。 デスシールド デスドラゴンの翼部が巨大な楯となり、ドライアスの左腕に召喚される。その頑強さは折り紙付き。 本編でもフレイムソード・チャージアップだけでなく、スーパーガーディオンのガードフラッシュやジェット合体グランバードのグランキャノン、果ては第46話「出現!デビルの塔」で使用したカタルシスエネルギーですらヒビ一つも入らないほどであった。 シールドの下部にはデスブレードが収められており、使用時にはそこから引き抜かれる。 デスキャノン デスタイガーの背部に装着されていたビーム砲が両肩に装着。 強力な破壊光線を発射する。 ホラーハーケン 両肩のデスタイガーとデスドラゴンの頭部を射出。 ドライアスの意のままに動き、四方八方から敵を遠隔攻撃する。 ダークブレイザー 設定のみ存在する技。 デスブレードの刀身からマイナスエネルギーを発生させ、衝撃波を炸裂させる。 ヘルブラスト 設定のみ存在する技。 イーグル、タイガー、ドラゴンの三つの口から吐く炎を合体させ、40万度の超高熱火炎に変えて相手を焼き尽くす。 ドライアス様!今日のところはお引き上げを! ファイバード! この借りは、必ず返す……! ドライアスジェット 全長:36.4m 最高速度:マッハ12.0km/h 合体したドライアスのもう一つの姿。 ロボットモードからそのままジェット形態に組み換え変形。 両腕部は収納され、デスイーグルのパーツが尾翼となり、バックパック部が機種部を形成する。 宇宙警備隊の飛行メカ/飛行形態をはるかに上回る飛行速度を誇り、戦線離脱および部下の救出に用いられる。 武装は翼部に装備されたデスキャノンのみだが、第29話「飛べ ファイヤーシャトル」では、ファイヤージェットを半壊寸前にするほどの威力を見せた。 邪心・邪悪・退廃・腐敗・不義・不浄……。 宇宙羅刹の神々よ……! この星のあらゆる不幸をエネルギーとし、 我に力を与えたまえ! 暗黒宇宙の封印を解き、 我を暗黒創世の絶対神として迎えたまえ……!! デビルの塔 ドライアスとジャンゴが建立しようとする悪魔の塔。 終盤でジャンゴの口から語られた「暗黒宇宙神話」によると、北極星と太陽とサタンギア星が半年に一度、正三角形を描く地点に建てると暗黒エネルギーがそこに結集するという。 そこから創世される暗黒宇宙の神として君臨するのが、ドライアスの真の目的であった。 当初、ドライアスはアメリカのワシントンにデビルの塔を建てる予定だったが、宇宙警備隊によって阻まれる。 だがドライアス一味は完全に諦めてはおらず、それから半年後にギアナ高地で建立することを計画する。 火鳥をおびき寄せるためにドライアス一味は天野博士と国枝美子を誘拐するが、最終的に海底基地は壊滅。 だが海底基地はギアナ高地に到達。デビルの塔建立のために世界各地から人々を次々と拉致。 天野博士と火鳥も急ピッチで宇宙警備隊を修理を余儀なくされ、最終決戦の趣が強くなっていった。 結局、デビルの塔は完成しマイナスエネルギーはそこに集まっていくことになる。 それはドライアスに更なる力が加わるだけでなく、ジャンゴをハゲた老人の状態から フサフサの黒髪を生やした姿に若返らせるまでに至った。 オーガニックドライアス 貴様に私の本当の力を見せてやろう…… 絶対暗黒神となった、この私の力を!! 第47話「決戦!ギアナ高地」にて登場した、ドライアスの最終形態。 ギアナ高地に建造したデビルの塔の頂に立ったドライアスが、全宇宙のマイナスエネルギーを取り込み歪に変貌した。 胸部のイーグルヘッド以外は通常のドライアスより大きく異なり、異様にマッシブな上半身と細い下半身、そして鉤爪状の両足という、バランスを欠いたシルエット。 胸部の飾りやや両膝部にも二つ目が施されており、チチク少年からも「悪魔」と呼ぶほどに恐ろしい姿となっている。 自らを「絶対暗黒神」と名乗るだけあって、全身から凄まじいマイナスエネルギーを放つ。 その力はグレートファイバードに苦戦するゾルとシュラにエネルギーを与え、2人が乗るメカ獣ソドムとゴモラを融合し巨大化させるほど。 サンダーバロンとスーパーガーディオンの攻撃にびくともしない耐久力や、 グレートファイバード必殺のフレイムソードをも片手で掴み取り、そのまま剣身をへし折る腕力といった恐ろしさも見せている。 戦闘スタイルも通常形態がデスブレードとデスキャノンが中心だったものから、有機的なものに変化。 全身からエネルギー弾や火炎弾、円月輪状のカッターを繰り出すだけでなく、相手のエネルギーを吸収する触手も放つ。 また、腕を鋭角状に変化させることで格闘戦も可能。伸縮自在なそれは槍のように相手を突き刺した後、デスフォーンの応用で全身からマイナスエネルギーの波動を浴びせ追い打ちをかけることも可能。 さらに、暗黒フィールド内にいる限り、いくら致命傷に至るダメージを与えても再生する能力を持っている。 これを打ち破るには、プラスのエネルギー生命体が持つ善の波動を浴びせなければならないのだ。 顛末 ギアナ高地から人々を救い出そうと奮闘する宇宙警備隊だったが、すべて救い出すことはできず、佐津田警部まで残ることになってしまう。 デビルの塔の周囲の監視をサンダーバロンとガードチームに任せた火鳥は、天野博士の指示を受け、ヒルマン博士を連れて天野平和科学研究所に帰還する。 天野博士がヒルマンを呼んだのは、いまだ未完成のカタルシスエネルギー発生装置に彼が開発した大気元素浄化装置のシステムを組み込むためであった。 しかし、その完成を待たずしてデビルの塔が完成。 地球全土を赤黒いマイナスエネルギーの雲が覆いつくし、ドライアスに全宇宙の暗黒エネルギーが包み込んでしまう。 その光景に耐え切れずにサンダーバロンとスーパーガーディオンは、 火鳥と天野博士の静止を振り切りデビルの塔に突入するが、オーガニックドライアスの触手の餌食となってしまう。 フハハハハ……奴隷など、これでもう不要だ。 お前たちのエネルギーをすべて吸い取ってくれるわ! デビルの塔に響き渡る絶叫……それに反応した火鳥は、国枝美子の前で覚悟を決める。 火鳥さん……あなた、まさか!? ……いいえ、わかっています。 この宇宙は、俺たちだけのものじゃありません。 小さな命がひとつひとつ集まってできているんです。 今、感情だけで行動すれば、どういう結果をになるか……。 いま、我慢することが必要なのは理解しています。 そこへケンタとチチクが駆け付け先ほどの状況を伝えるが、火鳥は二人がそう簡単にやられるはずはないと安心させる。 しかし、デビルの塔の人柱にされた仲間たちの悲痛なエネルギー反応を感じてしまう。 それと比例するかのように、デビルの塔に集まるマイナスエネルギーはさらに勢いを増していく。 苦しめ、苦しめ……! 人間などの苦しみより、お前たちの苦しみの方が 私のパワーをさらに高めてくれるのだ! フフ……フハハハハ……!! 不眠不休で新カタルシスビーム砲の完成を急ぐ天野博士ら。 残り1時間で完成するという状況の中、火鳥はそれを待たずにファイヤージェットに乗り込む。 火鳥さん!! 行っちゃダメだよ、火鳥兄ちゃん! なぜなの!? さっきは我慢するって言ってたのに! あと少しでドライアスは、邪悪な野望を遂げてしまいます。 もうこれ以上は待てません! でも、もうちょっと待てばじいちゃんの武器ができるんだよ! そうよ!それまで待った方がいいわ! 眠りから覚め、火鳥を引き留めようとするケンタとハルカ、そして国枝に対し火鳥は首を横に振る。 ……ドライアスが野望を遂げてからでは、手遅れなんだ。 昨日まで聞こえてきた命の喜びの声が、今ではほとんど悲しみの声に変っている。 そしてこの悲しみの声は、地球だけではなく全宇宙にまで広がっていくだろう。 俺の故郷の星も、そこから逃れられない。 それを阻止するためには、今行くしかないんだ! だけど!だけど……! サンダーバロンもスーパーガーディオンも連絡が途絶えちゃったんだよ!? ……わかっているさ。 しかし、何としても止めてみせるよ。 たとえこの命が燃え尽きたってね。 三人の静止を振り切り火鳥はファイヤージェットで出撃。ファイヤーシャトルを追従させてギアナ高地へと向かった。 そして訪れた決戦の地にて、火鳥は一気にグレートファイバードへと合体するが、マイナスフィールドに阻まれて内部に突入できない。 それをあざ笑うかのごとく、シュラとゾルの駆るソドムとゴモラの集中砲火を受けてしまう! それでも立ち上がり、フレイムソードで二体を両断するが、オーガニックドライアスのエネルギーを受けソドムとゴモラは融合合体。 より巨大なメカ獣となり、グレートファイバードに襲い掛かる! そこへ天野博士らの乗るジェット機が到着。 遂に完成した新カタルシス砲のプラスエネルギーを受け、傷つきゾルとシュラに苦戦するグレートファイバードが復活! 合体メカ獣を両断し、デビルの塔に突入しサンダーバロンとスーパーガーディオンを救出した。 しかし、新カタルシスビーム砲のエネルギーの消耗は激しく、オーガニックドライアスから二人を逃すのがやっとであった。 フレイムソードを折られ、串刺しにされマイナスエネルギーの奔流を浴びてしまう太陽の勇者。 次第にマイナスエネルギーの侵食が早まり、地球暗黒化の秒読みが始まった。 オーガニックドライアスのマスクから針状の触手が伸び、グレートファイバードにトドメを刺さんとした時、そうはさせじとすさまじいプラスのエネルギーの奔流が迸る! その主は、新カタルシスビーム砲のエネルギーを受け復活したサンダーバロンとスーパーガーディオンであった。 ドライアス! 俺たちの命の力だ! 受け取れぇいっ!! サンダーバロンとスーパーガーディオンは、これまでデビルの塔の人柱にされたお返しとばかりにカタルシスエネルギーをぶつけていく。 ぐぬぅぅぅ……! おのれ、雑魚どもがぁぁぁっ!! これに怒ったオーガニックドライアスは円月輪状のカッターを投擲、サンダーバロントスーパーガーディオンはカタルシスビーム砲ごと両断される! サンダーバロン……スーパーガーディオン……! 巻き起こる爆発に、呆然と仲間の名を呼ぶグレートファイバード。 その額に向かい、二条の閃光が吸い込まれ……全身が一瞬虹色に輝く。 あたかも友にすべてを託すかのように。 雑魚どもめ!手間をかかせおって……! 暗黒絶対神に歯向かった報いだとあざ笑うオーガニックドライアスに対し、ついに太陽の勇者の怒りが燃え上がる! ドライアス……! 許さん……! 貴様だけは、絶対に…… 許さぁぁぁぁぁんっ!!! 胸部からの破壊光線にひるまず、超高速で突進するグレートファイバード。 グレートキャノン、脚部装甲と、あらゆる部位が打ち砕かれながらも勢いはとどまることを知らない。 な、何故……奴は倒れぬのだ!? 私はケンタたちや、この世に住むすべての命に約束したのだ! たとえこの身は滅びても、貴様を倒すとな!! ほざくなぁぁぁぁぁっ!!! 口からの火炎弾が直撃、フェイスガードが粉々になり、素体のファイバードの顔が露わになる。 歯を食いしばりながら、最後の力を振り絞りグレートファイバードは叫ぶ! 行くぞ、ドライアス!! でぇぇぇぇやぁぁぁぁぁぁっ!!! 魂の叫びと共に、太陽の勇者は黄金色の不死鳥となり、暗黒絶対神に向かい飛び掛かった! なにいっ!? ドライアス!! 受けるがいい!! これが俺たちの最後の力だぁぁぁぁぁっ!!! スーパーガーディオン、サンダーバロン、そして火鳥の熱き命を受け、不死鳥の羽ばたきは勢いを増し……最大最後の必殺技・トリプルファイヤークロスが炸裂! オーガニックドライアスの胴体を貫いた! ぐぉおおおおおおおおおおおおお!!? 私は敗れぬ!敗れぬわけがない!! 私は、宇宙皇帝……!! ドライ……アスなのだぁぁぁぁぁっ!!! 敗北を認められず、絶対暗黒神は宇宙皇帝を名乗る存在に戻り……断末魔と共にこの世から消滅する。 マイナスエネルギーの奔流が止まり、邪悪な触手も消滅し、デビルの塔もまた崩れ落ちた。 かくして絶対暗黒神を名乗り、宇宙を恐怖で支配しようと目論んだ邪悪なエネルギー生命体の野望は、宇宙警備隊の活躍により阻止された。 捕獲されたシュラとゾルも宇宙警備隊本星に送還され、Dr.ジャンゴも若々しい状態からよりヨボヨボの老人となった姿で佐津田警部に逮捕されるのであった。 半年後、ヒルマン博士の莫大な資金援助により天野エアレスキュー隊が結成。 天野博士の発明はいささか不安が残るものではあるものの、彼らは地球に帰還した火鳥と共に、今日も世界平和に活躍することであろう。 余談 ▼放送当時、スポンサーのタカラから『三獣合体ドライアス』が発売。 劇中通りにデスイーグル・デスタイガー・デスドラゴンがドライアス/ドライアスジェットに合体する。 デスタイガーとデスドラゴンは、武器パーツを外して四肢を収納後、内側に折りたたみ伸ばすことで脚部を形成。胴体部にはロボット形態の腕部が収納されている。 前番組『勇者エクスカイザー』のウルトラレイカーを発展させた変形ギミックが光る。 デスドラゴンの尾は折りたたむことでロボット形態のバックパック、引き延ばすことでジェット形態の機首部を構成する。 胸パーツを組み替え、両腕部をタイガー/ドラゴンの顎に施された凹部に合わせて下に180度回転後、下に引きおろしデスドラゴンの尾と組み合わせることでジェット形態に変形。両脚部はエンジン部となる。 ロボット形態のヘッドパーツには凹部ジョイントが施されており、デスイーグルの背部やデスドラゴンの尾にも格納可能。 ▼2022年にはバンダイからファイバードのSMPが発売。 ドライアスはプレミアムバンダイ限定として発売された。 差し替えなしで劇中の体型を維持しながらも、独自のアレンジが施されている。 胸部と尾パーツは分割されており、合体形態でロール軸の回転を妨げないものとなっている。 手パーツも平手・握り拳に加え、指の関節を曲げたものの三種。特に、指を曲げた平手は合体バンクの再現に役立っている。ボールジョイント方式で首と手足も可動可能。 スーパーミニプラ版ファイバードおよびグランバードより1.2倍も大きく、グレートファイバードともつり合いが取れる身長のため、劇中でのシチュを再現しやすくなっている。 ▼シリーズ第4作『勇者特急マイトガイン』第43話「悪魔の洗礼」では、ウォルフガングが開発したロボ「ツェット」が登場。 初期こそドライアスを思わせるデザイン・カラーではあるものの、エグゼブを操っている巨悪・ブラックノワールの魔のオーラを受け禍々しく変化。 再生能力を施されマイトガインを苦しめ一度は葬り去るが、ヒロインの吉永サリーのイノセントウェーブを受け魔のオーラが無効化され、逆転敗北となった。 洗礼ロボとなったツェットは、オーガニックドライアスを思わせるデザインでありながら、青と金を基調にしたカラーとなっている。 ▼PS専用SLG『新世代ロボット戦記ブレイブサーガ』にもドライアスとその一味が登場。 第40話「出現!デビルの塔」および第41話「マイナスの嵐」にて、決戦の地であるデビルの塔がキリマンジャロに建立される。 バーンら勇者チームはそれを阻止しようと試みるが、オリジナルの敵勢力であるナイトメアの大幹部セルツ・バッハの乱入により、結局完成を許してしまう。 暗黒空間がマイナスエネルギーの嵐であるため、プラスエネルギー生命体である火鳥ら宇宙警備隊には入ることが許されなかった。 しかし、その山頂で眠っていた『太古の大地を守りし者』こと伝説の勇者ガ・オーンの復活によりプラスエネルギーが発生。勇者たちはそこでドライアス一味との最終決戦に挑んでいく。 第41話マップ終了後、ドライアス一味を倒しガ・オーンが塔を破壊したものの、膨大なマイナスエネルギーの影響で次元嵐が発生。 主人公である芹沢瞬兵は、『機甲界ガリアン』の舞台である惑星アーストへと飛ばされることになる……。 見てはおれぬわ! 追記! 修正! ドラィィィィィアスッ!!! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] グレートファイバードが不死鳥になってドライアスを貫いた技は「トリプルファイヤークロス」ね -- 名無しさん (2023-02-02 21 56 22) ↑修正しました。ダイノガイストと違った意味で正統派悪の首領らしさが出てるキャラだったと思います。でも個人的にはブレイブサーガ1で演技忘れたのか、某塾長のようなテンションだったのが残念… -- 名無しさん (2023-02-02 23 20 09) ドライアス一味の声優、全員亡くなってるんだよね -- 名無しさん (2023-02-03 00 53 29) ↑ファイバードがスパロボに参戦したらドライアスの代役が三宅健太さんになると思う…チェンゲのコーウェンを見る限り -- 名無しさん (2023-02-03 08 02 05) SMPだけど、グランバードは一般販売です -- 名無しさん (2023-02-03 12 57 35) 叶うなら、ダイノガイストとともに、ガンプラで言うマスターグレードクラスのプラモで立体化してほしい。是非ともこの2体を並べて飾りたい。 -- 名無しさん (2023-02-03 14 05 22) マイトガインにツェットというそっくりさんなロボが出てくる上に洗礼後もご丁寧にオーガニックドライアスに似たような見た目になる -- 名無しさん (2023-02-03 20 43 08) ドラゴン、イーグル、タイガーモチーフの悪役というと、(厳密には違うけど)トランスフォーマーVのデスザラス様を思い出す。勇者シリーズとTFの関係を考えると、意識していたりして。 -- 名無しさん (2023-02-03 22 08 34) ジャンゴが一度若返って、その反動でヨボヨボになったところは書かないの?追加しようかと思ったんだが、どこに書けば良いのか分からなくて。 -- 名無しさん (2023-02-03 23 15 31) ツンデレ -- 名無しさん (2023-02-17 22 43 25) ↑3 そのデスザラスも翌年のダ・ガーンでレッドガイストとして再生することに(イーグルブレストにあたるメカはオミットされてるけど) -- 名無しさん (2024-01-14 23 07 34) 名前 コメント