約 2,067,583 件
https://w.atwiki.jp/wiki5_hks/pages/98.html
DV, PRED, IPRED の重ね描き plot.ipred - function( tab, ID="ID", DV="DV", IPRE="IPRE", layout=c(3, 3), xlab="Time (hr)", ylab="Concentration (ng/mL)", ... ) { tab.plot - rbind( data.frame(type=rep(1, nrow(tab)), ID=tab[,ID], TIME=tab$TIME, Y=tab$DV), data.frame(type=rep(2, nrow(tab)), ID=tab[,ID], TIME=tab$TIME, Y=tab[[$PRED]]), data.frame(type=rep(3, nrow(tab)), ID=tab[,ID], TIME=tab$TIME, Y=tab[,IPRE]) ) res - xyplot(Y ~ TIME | factor(ID), tab.plot, type=tab.plot$type, layout=layout, xlab=xlab, ylab=ylab, panel=function(x, y, subscripts, type=type) { panel.xyplot(x[type[subscripts]==1], y[type[subscripts]==1], col.symbol=1) panel.xyplot(x[type[subscripts]==2], y[type[subscripts]==2], type="l", col.line=1) panel.xyplot(x[type[subscripts]==2], y[type[subscripts]==3], type="l", col.line=4) }, ... ) res } plot.ipred(tab[tab$MDV==0,], ID="SID", ylab="Plasma concentration (ng/mL)")
https://w.atwiki.jp/songsdata/pages/213.html
- predia(プレディア) 1:2011年1月26日「Dia Love」 pre-dia 2:2011年7月20日「Dream Of Love」 pre-dia 2:2011年7月20日「きみみたいに」 pre-dia 3:2011年11月23日「ハニーB」 pre-dia 3:2011年11月23日「HEY BOY」 pre-dia 4:2013年4月17日「Crazy Cat」predia」 pre-dia 5:2013年8月27日「Hey Now!!」 pre-dia 1:2014年8月6日「壊れた愛の果てに」predia 2:2014年12月17日「美しき孤独たち」predia
https://w.atwiki.jp/achdh/pages/149.html
第十二話/ /第十三話*② 第十三話 執筆者:柊南天 五年前.南極大陸── 氷点下数十度に及ぶ極寒の冷気の中を乾いた銃撃音が伝播し、頭上数百メートル先の上層施設区画から届く。散発的に木霊するその銃声が何を意味しているのか即座に察知し、周囲で狭域警戒態勢を展開していた先遣分隊にハンドサインで指示を送る。的確に反応した隊員達が狭域警戒態勢から第一種戦闘態勢へ陣形を移行し、それぞれの小銃の銃口が上空に向けられる。 次第に接近してくる銃撃音を耳に捉え僅かな焦燥感を胸中に抑え込みながら、すぐ後背下方部の剥き出しになった地層断面の前に膝をついている二人の人物の背中を注視する。 「おい、嗅ぎ付けられたぞ」 「分かっている。焦るな……」 対放射線用の重厚な防護服を纏う、右手の大柄な女がこちらを振り仰ぐ訳でもなく、加えて此方に対してひどく抑揚のない口調で言う。その不気味さすら覚える落ち着いた姿勢が、彼女が元レイヴンであるという噂か、或いは気の違った考古学者の思考のそれからくるものなのか、一瞬思案した。 恐らくは、その両方なのだろう。少なくとも、前者の可能性については自分が断言できる類のものである。 そして同じく、地層の断面に張り付くようにして腰を下ろしている隣の華奢な体つきの男に対し、彼女が言葉を投げかけた。 「照会記録と適合したが、間違いないか──?」 「ああ──テラ・ブーストだ」 一拍置いてからその聞き慣れない言葉を紡いだ男の口調は、わずかではあるが歓喜にも似た震えを孕んでいた。二人の男女が貼り付く地層断面から俄かに染み出している“ソレ”を背中越しに見やり、氷点下数十度の冷気の中にいるにも関わらず、じっとりとした厭な汗が背中を流れていくのを自覚した。 施設自体の気温調整にもよる、過度の低温状態にある地層の断面から半分剥き出しになりその姿を覘かせている、やや黒みがかった濃緑色の鉱石がそこにはあった。そして、それらからは僅かながらも気温の変化に反応して白緑色の靄のような物体が発生している。 出動時の入念なブリーフィングで、その鉱石と粒子体が何であるとされているのかについては、部隊指揮官としてよくよく知り得ているつもりだった。だが、人類史が途絶えてそのさらに数世紀以上も前の断片的な記録としてしか残されていない事実関係では、それがどれほどの存在性を内包しているのものなのか、ブリーフィングでは全く理解できなかったのだ。 だが、こうして直接相対している今だからこそ分かるものがあった。 畏れにも似た原始的な感情、それが自分の意思とは関係なく心の底からじっとりと噴出してくるのだ。そしてそれは同時に、ある種の危うい妖艶さすら放っていた。 その粒子は、見る者の正気を揺さぶる程に濃い瘴気を放つ。実際実例として自分の他に、眼前の二人がそうであった。口を震わせていた左手の男は、同様に震える手で採掘作業を始めながら、誰に言う訳でもなく言葉を紡ぐ。 「ようやく見つけたぞ……。本当に長かった……」 短い、ただそれだけの言葉。だが、それに彼が苦心してきたそれまでの半生が集約されていた。女の方と同様、彼という人物についてはそれほど深くは知らない。 ミラージュ社帰属のレイヴンとして数ヶ月前の作戦失敗の責を負い、左遷された南極基地で偶然出会っただけに過ぎない極めて淡泊で、しかも薄い繋がりだ。 しかし、その数ヶ月だけで、彼という人物が何に生涯をかけて生きてきたのかを計り知るには充分過ぎた。彼はそこまでに、狂気染みた純粋さに従って地球の果てとも言えるこの地で、その身を摩耗してきていた。 彼は自己を顧みない男だったが、南極基地の全ての人間から愛されていた。 作戦失敗の責の上の左遷という不名誉によって、矜持を圧し折られていた自分も、少なからず彼の情熱に救われていたのは、恐らく間違いない。 彼──エイジロウ・コジマという人物はそういう人物である。 二人の学者が精密作業を進行させる様子から視線をずらした瞬間、頭上からひときわ大きな轟音が響き、視線を跳ね上げた。黒々とした爆炎が上層区画から立ち上り、爆風に吹き飛ばされたのだろう瓦礫片と部下の兵士達の残骸が頭上を落下してくる。そしてその背後、噴煙を突き破って"そいつら"は現れた。 「敵性動体侵入、降下してきます。間違いありません、パルヴァライザーです──!」 奇怪な動作音をまるで野獣の咆哮の様に上げながら、対人戦用に調整された旧世代の亡霊達が急降下してくる。第一種戦闘態勢に従って部下達が自己判断により迎撃応射を展開、無数の火線が採掘トンネルを駆け上がり、いくつかの亡霊達を撃ち貫いていく。 しかし、的確な迎撃射撃を持ってすら亡霊達の侵略は止められそうになかった。後方から無尽蔵にそいつらは湧きだし、次々と最下層の採掘区画目がけて降下してくる。 「第五、第六分隊反応途絶、第四分隊も駄目です──! 軌道施設への退避を、隊長っ」 通信要員の兵士が大声で報告し、自らも迎撃応射を展開しながら地層断面に変わらず張り付いている二人の方へ走り寄る。 「もうこれ以上は抑えられん。まだか──!」 「焦るな、アンヘル……」 コジマ地質学者は現状には相応しくない酷く緩慢とした口調で言う。隣に陣取っている女──ゼノビア特別文化顧問も同様の姿勢を崩さず、コジマの採掘作業を粛々と手伝っていた。 頭上、遠くない高度から爆音が立て続けに響く。 氷片と瓦礫片が降り注ぐ空洞を見上げると、至近高度まで降下してきていた敵性部隊が制圧射撃をばらまき始めていた。氷片と瓦礫片の落下衝突によって迎撃態勢を崩されつつある分隊が、その隙を突かれて敵性部隊からの反転攻撃を直撃していく。短い悲鳴がそこかしこから上がり、銃声に次ぐ銃声によって瞬く間にそれらがかき消されていく。銃声と轟音だけが空間を満たす、応戦から一方的な殺戮へと現場は移行しつつあった。 ついに敵性部隊の先行兵力が採掘施設へ着陸し、四脚形態を携えた対人型パルヴァライザーが複雑に交差する連絡通路を甲虫のようなおぞましい機動で迫りくる。そして一層、悲鳴と断末が周囲一帯を埋め尽くす。 周囲より一際落ちくぼんだ剥き出しの試掘地層で作業に励む二人を見下ろすと、やっと試掘作業が終了したらしく立ち上がったコジマが抱えていた重装型シリンダーを、脇に立っていたノウラが背嚢に押し込んでいる。 すぐ背後で起こった爆発の突風が背中を叩いたがそれに構わず、古びた急斜角の階段を上って来る二人を急かす。 「これでお前の労苦も報われたという訳だな、──エイジ?」 「それは早計じゃないか? これからだよ、ゼノビア女史──」 階段を二段飛ばしで駆け上がって来たゼノビア女史が豹を思わせるしなやかな挙動で踊り場に飛び出し、肩にかけていたスリングを器用に振りまわして、ブルバップ式小銃を構えた。そして間髪入れず防御陣形に加わる。 「どうやら元レイヴンという噂は本当らしいな、ノウラ女史」 「現、だよ。尤も副業という点においては正しいかもしれんがな」 窮地といって差し支えのない状況であるにも関わらず、ゼノビア女史は扱い慣れた得物の引き金を、余裕すら感じさせる笑みを口許に浮かべながら絞り続ける。 その彼女の佇まいは、先ほどまで【テラ・ブースト】に魅せられていた一人の学者ではなく、完結した一人の兵士としてのそれであった。 「軌道施設に離脱用の装甲列車が待機中だ。長くは持たん、急ぐぞ」 「──だ、そうだ。エイジ、急げ──!」 何やら奇妙な独り言をぶつくさ言いながら階段を上ってきていたコジマだったが、彼が踊り場に達しようとした直前、どこからか放たれた砲弾が背後の断面地層を直撃した。濃緑色の鉱石の破片が混じった粉塵が爆風と共に吹き荒び、それに愕然としたコジマが背後を振り返る。 「テラ・ブーストが──」 「急げ、エイジ!」 ゼノビア女史が応対射撃を取りつつ、背後の階段でコジマ氏が愕然としている様子を既に察しているのだろう、彼に発破をかけた。 「奴ら、此処を丸ごと破壊するつもりなのか……?」 「私達の排除が最優先目標だろう。施設機能さえ維持できれば、奴らにとってそこの地層なんぞ塵ほどの価値もないという事だ。さあ、早く上って──」 ゼノビアがそう言い切るのを待たずに、再び砲弾の弾幕が吹き荒び、再度起こった爆風が踊り場に達しようとしていたコジマ氏の華奢な体を階段からもぎ取っていった。 それと同時、前方至近距離の連絡通路に頭上から一機の対人型パルヴァライザーが強着陸してきた。踊り場を挟んだ隣にいたゼノビア女史が即座に反応し、アンダーバレルの銃口をパルヴァライザーの頭部に向けて引き金を絞った。至近距離から放たれた40ミリ通常榴弾が過たず頭部に直撃し、赤々しい爆炎がパルヴァライザーを中心に巻き起こる。それで仕留め切れたとは思っていないのだろう、ゼノビア女史はアンダーバレルから空薬莢を排出し、次の榴弾を押し込む。その傍ら、 「今のうちにエイジを、アンヘル!」 その鋭い言葉に態勢を立て直し、いまだ黒煙が立ち上る眼下の試掘地層を覗き込む。粉塵が蔓延するその場所にいたコジマを見咎め──私は一瞬出すべき言葉を失った。 ──彼は、エイジロウ・コジマは生きていた。 しかし、彼は自分以外の誰がどう見たとしても、致命的な損傷を身体に負っていた── 爆風によって身体を弾き飛ばされた所に、頭上から降り注いだテラ・ブーストの鉱石が直撃したらしく、彼の右脚は膝から下が無残と言いようがない程に粉砕されていた。 保護服の外部装甲は無残にひしゃげ、頭部前面をカバーしていたバイザーも既に飛び散っている。 意識は失われていないようだが、既にコジマの視線はあらぬ方向を向いているようであった。 「博士──! 立てるか、手を伸ばせ──!」 予測できていながら受け入れる用意のできていなかったその突然の事態に、私は構えていた小銃のスリングを肩に回し、破壊された階段の踊り場から身を乗り出していた。 私のその声が届いたらしく、後頭部を地につけてぐったりしていたコジマが頭を起こした。ゆらゆらしていた視線が焦点を結び、こちらを見上げる。ゼノビア女史が発射したらしい榴弾の炸裂音が響き、彼女が何事かを叫んでいるのが耳に入って来る。 「立て、博士! 此処で死ぬつもりなのかっ」 そこでようやく、彼は口許に歪み切った笑みを浮かべ、蒼白だった顔に感情を取り戻した。そして同時に彼の表情が苦悶に歪み、口からどす黒い血が吹き出す。 「粒子汚染──、博士……!」 叩き割られたバイザーから流入した高濃度の有害粒子が、博士の体内に入り込み瞬く間に各種器官機能を破壊したのだ。致命的な粒子汚染が身体にどういう影響を及ぼすか、知らない訳ではなかった。ただ、その有様を目の当たりにして私は、その事実を畏れた。 しかし、伸ばした手を戻すことが、それ以上に恐ろしかった。 激しく痙攣する身体を抑え込み、博士は首元に提げていた紡錘形のロケットの鎖を千切ると、同じく痙攣する腕を辛うじて振るい、投げてよこした。緩やかな放物線を描いて飛んできたそれを受け取る。 それは、肉親と呼べる家族を一切持っていなかった彼が肌身離さず付けていたものだった。透明の保護機構に守られ、中心で小さいが強い意志のようなものを孕んだそれは白緑色の淡い光を放っている。 彼が探し求め続けてきた遺産──テラ・ブーストの原石片だった。 投げ渡されたそれに思わず注視していた私に、眼下で横たわっていた彼が喀血に構わず口を開いた。 「私の生きた生涯にも……、これで意義が遺った。最早、高望みはすまいよ……」 逃れ得ぬ未来を受け入れたが故に彼が吐いたその言葉を聞き、何を言い出すかも考えずに応答しようとした瞬間、連絡通路を渡って来る敵性勢力を一人で足止めしていたゼノビア女史が、鋭い口調で言葉を発した。 「エイジ、貴様──。此処で諦め、一人朽ち逝くつもりか?」 「……無茶を、言うなよ。相応の心残りはあるさ。──だがな、誰にでも潮時はあるものだろう。消えぬ意義が残せただけでも、私達はそれを誇るべきじゃあ、ないのか……?」 異様に慣れた手つきで弾倉を換装しつつ、ほぼ間断なくゼノビア女史はまるでひとつの精密機械であるかのように淡々と防御戦闘を繰り返し続ける。時間にして数秒足らずだったが、その空白の後、 「──ならば、好きにするがいい。私は、お前の遺した功績を讃えよう。お前の生涯は、ひとつの礎となる。それを、私が代わりに見届けてやる」 「気が、利くなあ。意外だったよ……」 最早博士の言葉に意気はなく、それが彼の終息が間もなくである事を雄弁に物語っていた。 「アンヘル……。君には色々と世話になった、礼を言うよ。道連れになる必要はない。早く行ってくれ……」 「しかし──!」 「君の生涯は、此れからだ。君が抱く夢想の極点はまだ、此れからじゃあ、ないか……。彼女と共に本社へ戻り、役目を果たすんだ……」 それぞれの末路は、やはり各々が最もよくわかっている。ただ、どれだけ容易く容認できるかどうかが、各々の生きる道の選択肢の数に直結するのだ。私には、まだ、諦める事ができないでいる。 私は伸ばしていた手を戻し、踊り場にすっと立ち上がった。 「──私も、貴方の礎を見届けます」 「幸運を、アンヘル……。君の夢想は、君の為だけに在る」 彼が地球の果ての地の底で朽ち果てる瞬間を、私は見届ける事はしなかった。踵を返し、爆炎に包まれつつある最下層施設を一瞥する。既に部隊の大半は命を落とし、僅かに生き残った数人の部下が軌道施設への後退路を辛うじて確保している様子だった。 足元に無数の空薬莢を散乱させ、一切の呼吸も乱れさせていなかったゼノビアが突破口を見つけ出し、私を呼ぶ。 「帰還するぞ、付いてこい」 洗練された彼女の後に続き、火線が飛び交う戦場の中を確保された後退路を使って走っていった。 軌道施設までの後退路に在った隔壁設備が起動し、装甲列車に向かって後退する部隊を追うように連絡通路を塞いでいく。くぐもった爆音が隔壁の向こう側に取り残され、次第にその音も何枚もの分厚い隔壁に阻まれて聞こえなくなった。 軌道施設に発車準備を完結して待機していた装甲列車に部下達が全員乗り込んだところで、ようやく来た道を振り返る。タラップに足をかけていたゼノビアが、 「──どれ程掛かるかは、分からん。だが、財団は必ず此の施設を奪還するだろう。──その時にでも、拾ってやれ」 自らの私的な感情を押し殺した口調で彼女は言い、タラップを渡り切って装甲列車の中へと姿を消した。 唇を引き結び、私は何も言おうとすまいと務めた。ゆるい冷風が足元の冷気をかきまぜていく。 氷床に埋もれたこの地の果てを目に焼きつけ、私は其処を去った。 第24次南極大陸資源調査隊は、地下数千メートルの試掘地層において旧世代の記録文献に記載されていた新資源である【テラ・ブースト】の原石を発見。しかし、直後の旧世代兵器群の侵行によって致命的な人的損耗を被る。僅かな生存者達によって【テラ・ブースト】は統一政府主導の下発足した帰属組織・ジシス財団に持ち帰られ、以降同資源は財団が推進していた次世代兵器開発要綱に組み込まれた。 致命的内紛によってジシス財団が組織的解体を迎えるまでの数年の中で、旧世代において便宜的に【テラ・ブースト】と呼称されていた粒子体は、その名称を発見者に準えて【コジマ粒子】と変えられた。 存在提唱者と同時に第一発見者となった故人【エイジロウ・コジマ】は、後に支配企業群が実現する軍事革命の第一人者として、その偉大な名を残すこととなった…… そして、五年後── * 五年後── AM07 42── 束の間の追憶に埋没していた意識を引き戻し、軽く閉じていた瞼を上げた。 投射型ディスプレイに映る有視界の薄暗い暗緑色の景色は留まる事なく後方へ飛び去り、車道両脇と天井付近を伸びる警戒灯が地下トンネル内をうっすらと照らし出している。速度計を注視すると、搭乗中の機体速度は第三種広域巡航態勢において出力可能な時速450キロを固定維持していた。 緩めていた操縦把を握る両手に力を込め直し、有視界前方を肉眼で捉える。機体制御機構の根幹である統合制御体に意識を傾けた時、複座後部座席で配置についていた"彼女"が言葉を投げかけてきた。 「どう致しました、アンヘル様──」 「──構うな」 偽りはないだろうその心配りの言葉に対して、突き放す意図を孕めた鋭利な返答をよこす。しかし、彼女は委縮する素振りすらなく、ただ淡々と予定されたプログラムを実行するかのように、平淡な口調を維持して言葉を紡いだ。 「申し訳ありません。しかし、私の義務ですので」 後部座席の彼女を介して統合制御体に語りかけ、視覚野に直接情報画像を出力するインナー・ディスプレイ・システムに現巡航領域の主要情報群を出力し、最後に彼女自身の姿をディスプレイの隅に表記した。 ヘルメットの隙間から垂れる白銀の長髪が新雪よりもはるかに透明感のある白皙の肌を包み込み、大よそ人の持つものとは思えぬそれを携えている彼女自身は、後部座席にその小さな身体を座らせている。バイザー部分の下で引き結ばれた唇は、彼女自身が口を開く時以外に一切動くこと無く、その佇まいのみを見るのであれば、彼女は芸術品として精緻を極めた造形人形のようであった。 同乗者である彼女もまた、自身や統合制御体と同様に機体制御機構の根幹を成す要素であり、端的に言えば彼女がいなければ、自身等は搭乗機であるこの機体すらまともに起動する事もできない。 その事実を脳裏に走らせ、意識の中に発生した気にせねば何でもない程度の淀みをすぐに搔き消す。自身の意識状態の遷移は全て同調状態にあるはずだが、彼女は何ら意に介してすらいないようであった。 有機生命体を基礎にしたとはいえ、所詮は備品に過ぎないという事か── そう胸中で揶揄した時、 「大切な御方だったのですね……」 その静かな言葉は変わらず抑揚に欠けていたが、それは発せられた言葉以上に彼女自身が何らかの意図を湛えたもののように聞こえた。インナー・ディスプレイの両サイドに羅列表記されたデータから主要情報群をピックアップする傍ら、 「過分だな……」 何をとは明言しなかったが、その返答に対して彼女は口を閉じた。先ほどと変わらず狼狽する様子などはない。しかし、此方の意識状態の遷移を常にトレースし、そして同調状態に在るのならば、自分がどういった意図を持ってその言葉を吐いたのかなどは、此方が口に出す前からわかっていた話だろう。 「──私にも、その様な方がおりましたので。申し訳ありませんでした」 そう言った彼女の様子は以前と何らか変わるところはなかったように思えたが、それでも僅かな空気の変化を敏感に感じ取ることができた。 かつて彼女にもそんな人間がいた──それは彼女の言う所の十年や二十年の話ではないだろう。一週間前にミラージュ社領アンディオン地域の地下核部で発掘されるよりも、遥か彼方の旧世代──断片的な記録文献でしか伝えられていない戦乱の世の時の事ではないだろうか。 彼女が発掘されてから今夜までの一週間、互いの立ち位置はプロジェクト参画体としての以上の変化はなかった。しかし、彼女の出自を改めて思い出した今、自分は俄かに湧き出していたその感情を押し殺すことができないでいた。彼女もそれを既に察知しているだろう。 ひとつため息をつき、 「何を憶えている? 過去はどんな世だった……」 その純粋以外の何物でもない問いかけに後部座席に座る少女の姿を模した彼女は、わずかに小首を傾げてみせた。 「何ら変わりはありません。ただあの頃、あなた方はその存続をすら脅かされていました。自らが生み出した惨禍によって……」 彼女はそれのみを言葉にし、あえて意図したかのようにそれ以上の多くを語ろうとはしなかった。その奇妙な、といっては矛盾が発生してしまうが、極めて人間らしい振る舞いにどうしても違和感を憶えてしまう。 兵器開発部の技術者共が提供してきた報告資料と、随分話が違うじゃないか── "彼女達"──有機体戦略支援機構に関する記述が施された報告資料によれば、“彼女達”は我々人間という生命体をベースにしただけの被造物であり、その側面に関してそれ以上の事実はないはずだった。 彼女達が言葉を円滑に扱い、人間の精緻な感情の揺れ動きを理解するのは、その残滓が残り続けているからに過ぎないのだと。 後部座席で自分の支援任務に就く彼女は、残滓に過ぎないといって切り捨ててしまうにはあまりに人間じみているのである。動揺はない。しかし、自身の感情の揺れを敏感に感じ取った彼女はバイザー越しに此方の様子を窺うような視線を投げかけてきた。 今は其れについて思案すべきではない。自分が生み出した類の種とはいえ、これ以上の思考は現状において無意味以外の何物でもないのだから。 ただ、その出自とは裏腹な側面を垣間見せた彼女へのささやかな報酬として、自身は一つの答えを返すことにした。私は不器用だ。その程度しか、他者との関わりを持つことができないのだ。 「──彼は、私の"友"だった。地の果てで望みをすら失いかけていた我々皆のな……」 「友、ですか──」 「ああ。お前は違ったか?」 その切り返しに彼女は一時顎を引き、それから面を上げて口許に薄い笑みを浮かべた。 「いいえ。──ありがとうございました」 彼女のその感謝の言葉が何を意味していたのかについて口を閉ざし、私は一つの役割を終えた事に安堵した。そして即座に意識を切り替え、有視界の光景を出力し続けるメインディスプレイとインナー・ディスプレイを注視する。それに感応した"彼女"もまた変わらぬ表情を切り替えた。 インナー・ディスプレイに環境観測システムからの詳細情報が流入し、それらの幾つかを彼女が転送してきた他情報と併せてピックアップしていく。 「閉鎖型防衛都市【エデンⅣ】への領土境界線進入を確認」 彼女のその言葉通り、メインディスプレイのサイドスペースに表記されたルートマップ上の自機反応は既に境界線を越境していた。それとほぼ同時に第一種広域警戒態勢で展開していたレーダーが未確認反応を捕捉し、カメラアイの望遠倍率を跳ね上げて地下トンネル前方に展開する機影を捕捉した。 「前方約4500メートルに未確認勢力の展開を確認。前後推移から、同都市の防衛兵力ではあり得ません」 彼女のその的確なオペレートを耳に入れつつ、有視界に拡大捕捉したその機影群を見咎め、口許に軽い笑みを浮かべた。 「哨戒部隊か……。統一政府も、この廃棄軍事ラインを使用したらしいな」 有視界に捕捉した複数の機影を記録照会し、間もなくしてインナー・ディスプレイにその情報群が転送されてきた。機影は一般に広く普及しているAC兵器群に見られるものだが、その機体構成自体は見慣れないものである。所属等を示す隊章などはないが、インナー・ディスプレイに出力済みの情報群が示してもいる通り、既に身元は割れていた。 現存の主権国家及び企業を便宜上統治する上位組織──統一連邦正規軍保有のAC部隊。 支配企業群が市場に流通させているアーマードコアの規格とは異なり、独立したコア構想を採用して運用されているAC兵器である。支配企業群程に兵器規格自体の柔軟性はないものの、それらが持つ兵器としての性能が優秀であるという事は、方々でよく知られている。 既に此方の接近機動に気づいているのだろう、有視界で目視できる二機とレーダー上で捕捉できる六機の計八機から成る未確認部隊が進路上で迎撃態勢を取った。 「──軌道衛星【リテレス】より規定報告。旧世代兵器群が【エデンⅣ】外郭防衛線を突破、都市内部へ侵入を開始しました」 「了解。ネクストコード:カルディナの機体制御態勢を第三種広域警戒態勢から第一種戦闘態勢へ移行。強襲機動を開始する。統合司令部とのデータリンクは、これを作戦終了まで遮断。──初の実戦としては申し分あるまい、アンヘラ?」 「貴方との出撃が叶い、光栄です──」 世辞かどうか判別のつかない言葉を彼女──アンヘラと名付けられた有機体戦略支援機構は口許に淡い笑みを浮かべながら言う。 機体搭乗者の判断意志を直接フィードバックし、それを機体各部へ解析伝達する支援機構であるAMS機構──アレゴリー・マニピュレイト・システム──の情報伝達速度も併行して第三種準備待機態勢から第一種戦闘態勢へ移行し、それと同時に膨大な情報量のデータ群が、頸部接続ジャックに繋がれた処理コードから大脳新皮質部を介して脳部へ流れ込んできた。 その脳負荷により発生した鈍痛を伴う不快感に眉を潜めた。が、それもわずかな時間の事で、数秒後にはその負荷もほとんどが、どこかへと溶け込むように消えていった。インナーディスプレイのサイドスペースに出力しているアンヘラを、視界の隅に映す。 「AMS適性値安定化を確認。過剰負荷数値の24,65%を移転処理。情報伝達速度は第一種戦闘態勢を作戦終了まで継続維持可能です。──大丈夫ですか、アンヘル様」 「ああ、良好だ」 わずかに脳部で燻っている負荷弊害は、気にせねば何でもない程度の頭痛程度である。 これが、彼女が──アンヘラが自身と共に機体に搭乗している主因であった。 有機体戦略支援機構、技術者共の言う所の生体CPUのみが成し得る、我々人智を超えた所業──。 接敵距離が2,000メートルにまで縮まり、操縦把を改めて握り直す。 「此れより強襲移動を開始。前方敵性勢力を排除の後、都市地下核部への進入を実行する」 「了解しました──」 その著しく抑揚の欠けた言葉に返って何故か安堵する。 接続負荷の大部分が軽減されたAMS機構を介して統合制御体に軽く語りかけ、搭乗機体・カルディナの機体姿勢を強襲体勢へ移行させた。新規搭載機能である瞬間加速機構、通称【クイック・ブースト】の動発を意思判断し、機体後背部内蔵のメインノズルから噴出した噴射炎が、強襲体勢に入っていたカルディナの機体を一気に押し出した。 速度計は瞬間的に時速1,000キロ以上を叩き出し、周囲の景色が文字通り吹き飛ぶ。 実戦は既に帰属企業のミラージュ社が保有する紛争地帯で幾度となくこなして来たが、今回は実戦として初の単機戦闘である。否応なく高揚する精神をひたすらに抑え込み、操縦把付随のトリガーに指をかけた。機体両腕部に其々携えている試作型突撃銃を前方に構え、更にメインブースタを強く吹かす。 ──自身がレイヴンとして長く戦場に在り、乗りこなしてきたアーマードコアとはその制御機構が大きく異なる事から、当初はその機体制御に大きく戸惑った頃のことが脳裏をよぎり、軽く口許を歪めた。 数年間に渡る長い搭乗訓練の中でようやく悟り得たのは、結局アーマードコア兵器の次世代モデルである【ネクスト兵器】も、搭乗者の意思判断を直接反映して起動するという点を含め、自身が操縦しているという事実は変わらないという事であった。 意思判断のみによって機体にそれが反映されはするものの、今しがた動発させたクイックブースト等は意思判断の仕方としては、従来のACに長らく乗り込んできた身体に染みついている【フットペダルを踏み込む】ようなイメージである。 →Next… ② コメントフォーム 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/achdh/pages/92.html
第十二話①*②*③ アザミは人間を遥かに超えた動きでガトリングガンの暴風雨のような弾幕を掻い潜り、MTを翻弄していた。 目標が小さすぎる上に、あのスピードだ。MTのカメラアイとFCSでは捉えきれないだろう。 アザミの余裕すら感じられる動きに多少の安心感を覚えつつ、自分も加勢できる瞬間がないかと機会を窺う。 MT相手に少しも止まることを知らないアザミに業を煮やしたのか、MTのうちの1機のバズーカが火を噴いた。 その砲弾はアザミの前方の道路に着弾し、路面を派手に抉りながら無数の破片をまき散らす。 アザミは雨のように降り注ぐ瓦礫片に臆することもなく、腕の中のアリスを庇いながら抉れた路面を低い姿勢で軽々と跳躍しつつ、身体を捻り、片手でグレネードランチャーを自身へ狙いを定めているMTに向けた。 その砲口がMTのカメラアイへ向けられていることに気付いたソリテュードは自分も打って出るタイミングを計る。 ――榴弾でカメラアイを潰すか、閃光弾で機能をマヒさせるつもりか。いい判断だ。ならば俺もフラッシュグレネードで他の機体の視界をマヒさせれば、あるいは・・・ そうして、路地から飛び出そうとした瞬間―― アザミに狙いを定めていた1機が凄まじい爆音と共に紅蓮の炎に包まれ、鉄クズと化した。 MTとは明らか異なる、そして聞きなれた駆動音が上空から聞こえ、空を仰ぐ。 眼に飛び込んできたのは、ブーストを吹かしながら地上へ軟着陸しようとする重四脚ACだった。 MTをスクラップにしたACは右腕に搭載されたグレネードライフルを連続射出し、アザミから離れた位置に居たMT2機を先の1機と同じ運命にした。 たかだか軽量MTが対AC用グレネードの直撃を受けて無事でいられる道理が無い。 2機のMTは原形を留めることなく崩れ落ちた。 重四脚ACは、アザミと残りのMT2機を隔てるように着陸し、その重厚な機体でMTに立ちはだかった。 どうやらACはアザミの味方であるらしい。 ――あのAC、ターミナル・スフィアの所属か・・・ならばもう大丈夫だろう。 MTの方に眼を向けると、突然のACの登場に明らかに動揺していた。これ以上は手出しできまい。 そうして味方ACの援護を受けて、更にMTから距離を取っていたアザミの方へ駆け寄る。 と、その時、重四脚ACを駆るレイヴンが外部スピーカーを通じてアザミに語りかけた。 『何を遊んでいる。旧世代兵器の侵攻部隊が迫っている。ファイーナ、お前もガレージへ向かえ。エデン圏内への出撃許可は出ている。役人からの依頼だ・・・』 その会話を聞いたソリテュードは訝しんだ。 パルヴァライザーの襲撃に対する政府からの出撃依頼のことではなく、ある一つの単語に。 ――ファイーナ・・・アザミのことか?それが彼女の本名か。 だが今はそのことについて考えている暇はない。 アザミの前まで駆け寄ると、彼女は無言で抱きかかえていたアリスを差し出した。 自分の腕に移されたアリスを確認する。 目立った外傷は無く、意識もはっきりとしている。 腕にアリスの存在としての重みと小さな体温を感じて、心底安堵する。 ――よかった、本当に・・・。 そうして恩人へと向き直る。 もし彼女が居てくれなかったら、今頃アリスは攫われていただろう。 ――しかし、まいったな。これでは借りどころの話じゃなくなってしまった。まあ、この返礼はいずれすることにしよう。 「礼を言う、ミズ・アザミ・・・」 一瞬、彼女の本名であろうファイーナという名前を言おうかとも思ったが、親しい間柄でもないのに不用意に口に出すのは憚られた。 アザミは俺の謝礼の言葉に何を返すでもなく、じっとこちらを見続けていた。 抱きかかえていたアリスが自分にすがり付いてくるのを感じたので、視線をアリスに移し、小さな頭を優しく撫でながら言葉をかける。 「大丈夫か」 俺の素っ気ない言葉にアリスはこくん、と頷くだけだったが、先ほどの不安そうな表情は顔から消えていた。 そんなアリスの様子を見て、緊張を解いていたソリテュードに重々しい声がかけられる。 『お前、ソリテュードか・・・。懐かしい顔だな、小僧?』 さっきは気付かなかったが、その声には確かに聞き覚えがあった。 顔を上げ、重四脚ACへと視線を向ける。 「その声・・・。確かに懐かしい声だな、ラヴィ」 ―ラヴィ― レイヴンの間では知らぬ者などいない凄腕の古参レイヴン。 根っからの傭兵で、アリーナ等には参加せずフリーランスのレイヴンとして幾多の戦場で名を馳せてきた。 俺自身もある時には敵、またある時には味方として戦場で幾度となく戦った男だ。 ――しかし、ラヴィまでもがターミナル・スフィアに身を寄せていたとは・・・。 世界は広いようで案外狭いらしい。 『お前にも、依頼が来ているはずだ。急ぐといい・・・』 そのラヴィの言葉を証明するかのように、携帯端末のディスプレイには緊急依頼のメールが受信されていた。 再度アザミへと向き直り、一度視線を交わした後、自分たちの役割を果たすべく、お互い無言でその場を後にする。 ――さあ、戦闘開始だ。俺を舐めてかかったツケ、きっちり払わせてやる! 燃え盛る闘志を胸に秘め、アリスを懐に力強く抱き、愛機の元へと急ぐ。 自分のACガレージへ向かう途中、携帯端末から依頼受諾の返信メールを送信する。 それと同時に秘匿回線でブリューナグの起動コマンドを実行し、アイドリング状態にしておくことも忘れない。 ――デフォルトのアセンブリではダメだな。武装だけじゃなくパーツも変える必要があるか・・・ 出撃する時の機体構成を考えつつ最寄りのリニアステーションを目指して走る。 一般路線は運行停止していても、専用路線は独自のライフラインを持っているので無事なはずだ。 ガレージへたどり着くにはコーテックスの専用路線を使うのが最速かつ最もリスクが小さい。 遠くから断続的に爆音が振動と共に身体へ伝わる。 パルヴァライザーとの戦闘は激しさを増しているようだ。 「急がないと」 周囲を警戒しつつ、無人となった居住区画のマンションの間を走り抜けて行くと、非常灯にぼんやりと照らされたステーションが見えてきた。 が、その直後、殺気を感じ咄嗟に近くのビルの陰に横っ跳びで飛び込む。 次の瞬間、ついさっきまで自分が居た空間を弾丸が風切り音と共に通り過ぎ、アスファルトを穿った。 「チッ――」 舌打ちしつつ、アリスの無事を確認する。怪我はないようだ。 アリスの赤い瞳が俺を見上げる。 相変わらずの無表情だが、その顔はなんとなく、俺ならこの程度の障害など難なく切り抜けるのを信じて疑わないといったような感じだった。 だから俺はそれを言葉にして、俺を信じてくれる少女へと伝える。 「大丈夫だ。この程度、なんてことは無い」 そう言いながらアリスの小さな頭に手を添え、薄暗い闇の中でも美しく煌めく髪をそっと撫でた。 その答えに満足したのか、アリスは口元をほんの少しだけ緩めてこくんと頷いた。 片腕でアリスの肩を抱えつつ拳銃を構え、ビルの陰から外を窺う。 そこには完全武装した兵士3名がアサルトライフルをこちらへ向けて立ちはだかっていた。 あの時、閃光弾を投げ込んだのはこいつらだろう。 ――3人か・・・フラッシュグレネードで視界を遮断した隙をついてもいいが、かけているゴーグルが閃光弾対応だと効果が薄いな。なら手っ取り早くグレネードでミンチにしてやるか。 そう考え、小型グレネードに手を伸ばそうとした時、予想していなかった事が起きた。 「グローバルコーテックス所属のレイヴン、ソリテュードだな?その生体CPUを連れて出てこい。抵抗しなければ危害は加えない」 兵士のうちの一人が、こちらに呼びかけてきたのだ。 ――どういうつもりだ?だまし討ち・・・は無いか。俺が出て行って抵抗すればヤツらの目的であるアリスに流れ弾が当たる可能性がある。おびき寄せておいて俺を狙撃するとも考えられるが、だとしたらここに来るまでの間に機会なんていくらでもあったはずだ。 ソリテュードが思考を巡らせている間も、指揮官らしき兵士は話を続ける。 「どうした、我々を警戒して出るに出られんか?凄腕の傭兵ということだが、案外臆病なのだな。ならこれでどうだ」 呼びかけていた兵士はアサルトライフルの構えを解き、残りの兵士も銃口を下げた。 ――なるほど、どうやら本気で言っているようだな。ならば・・・ ソリテュードは拳銃を右手に持ったまま、アリスを自分の後ろに庇いつつ兵士たちの前に姿を現した。 その姿を見た兵士は口元をニヤリと歪めると、さらに言葉を続けようとした。 「ようし、それでいい。まずはその銃をこちらに・・・」 しかし、その言葉を言い終わる前に3発の銃声が轟き、直後自分の右肩に走った激痛に兵士は顔を歪める。 何が起こったのか分からず呆然としていると、目の前の男がこちらに銃口を向けているのが視界に入った。 ―まさか、撃たれたのか!?そうだ、仲間は・・・ そう思い兵士は自分の周囲を見回すと、自分の両側に、それぞれ額と右目に風穴を開けた兵士の仲間が血だまりを作りながら横たわっていた。 「なっ・・・!」 瞬時に仲間の二人が射殺され、自身の右肩を撃ち抜かれたという事実を受け入れられず狼狽する兵士に、ソリテュードは躊躇いもなく今度は両大腿部を撃ち抜く。 「ぎゃっ!」 支えを失い転倒した兵士にソリテュードは歩み寄り、虫ケラを見るような眼で見下しながら、傷ついた右肩を左足の踵で思い切り踏みにじった。 「ぎ、ぎゃあぁぁぁっ!!」 凄まじい激痛に叫び声を上げる兵士の眉間に銃口を突き付けソリテュードは吐き捨てるように言う。 「バカかテメェは。テメェら3人ごときに俺が『はいそうですか』ってこの娘を差し出すワケねぇだろうが!俺を舐めるのも大概にしやがれ!!」 気持ちが昂っているせいか自然と口調が荒くなる。 苦悶の表情を浮かべながら兵士は口を開いた。 「き、貴様っ・・・こんなことしてタダで済むと思うのか!?ぐっ、あっ・・・せ、政府を敵に回す・・・つ、つもりかっ?その生体CPUをどうするつもりだ!」 「テメェなんぞに答える義理なんかねぇよ。それとな、人違いだ。この娘は生体CPUじゃねぇ、アリスだ」 「な・・・貴様、何を言って――」 ダン―― 無慈悲な銃声が響く。 ソリテュードは躊躇せずに兵士へ引導を渡すと、今までのやりとりを静かに見守っていたアリスを抱きかかえ、再びステーションに向かって走り出す。 ステーションへ入り、プラットホームに通じるゲートへ向かう間、アリスが頬をすり寄せるようにすがり付いてくるような感じがしたが、それが何故だかソリテュードには分からなかった。 予想したとおり、コーテックス専用路線のゲートやとコンソールには電源が入っており、カードスロットに認証カードを滑らせると、何の不都合もなくゲートが解放された。 統一政府の追手が来ないとも限らないので、即座にゲートを閉じ、プラットホームへと急ぐ。 幸いなことに専用リニアも問題なく稼働していた。 こういう所がきちんと機能している辺りエデンⅣでのコーテックスの底力を思い知らされる。 あの兵士は政府を敵に回すつもりかと言っていたが、ヤツらこそコーテックスと俺達レイヴンを敵に回すつもりなのだろうか。 そんな益体もないことを考えつつ、リニアに素早く乗り込みガレージへと向けて発車する。 リニアは振動もなく滑らかに路面を疾走していった。 リニアに乗り込んでから約10分程度でガレージ前の隔壁へとたどり着き、生体認証とチェックコードをパスして中へ入る。 ガレージに足を踏み入れた時、けたたましい警告音と共に一階層下の整備区画からアセンブリ変更を終えたブリューナグが床ごとせり上がり、その巨体をガレージに現した。 リニアでガレージに向かう途中に携帯端末からアセンブリ変更のコマンドを実行しておいたのだ。 ブリーフィングルームへ入り、備え付けの簡素なベンチにアリスを座らせ、ロッカールームで手早く着替えを済ませる。 アリスをここに連れてきたのはもちろん初めてだ。 アリスは珍しくきょろきょろと周囲を見回し、整備やアセンブリ用のコンソールを興味深そうに見つめている。 そんなアリスを横目に、通信用コンソールでコーテックスのオペレーションルームを呼び出すと、すぐさまミランダから返事が返ってきた。 「ソリテュードですか?いったい今まで何を・・・。いえ、そんな事はどうでもいいですね。依頼受諾の連絡はすでに受けています。すぐに出撃してください。依頼内容はエデンⅣに展開する古代兵器の全撃破。エデン圏内での戦闘行為と全兵器の使用が許可されています。戦闘に際しての制限はありません。速やかにパルヴァライザーを排除してほしいとのことです」 「了解した。現在の状況を教えてくれ」 「パルヴァライザーの大半は小型飛行タイプと四脚タイプです。数は多いですが、単体での戦闘能力はそれほど高くないようですね。現在はエデン圏内のAC戦力がほぼ全て出撃しており、各地域でパルヴァライザーを押し返しています」 「古代兵器の増援は?」 「今のところ、確認されていません」 ならば形勢がこちらに傾いているうちに一気にカタを付けてしまった方がいいだろう。 パルヴァライザーの一番厄介なところは無尽蔵に湧いてくることだが、増援が認められないということは、発生源がエデンⅣの近くではないということになる。 パルヴァライザーの戦力が途切れない場合は中枢を破壊する以外手が無いが、それは至難の業だ。 しかし、今回はその必要がなさそうなので、ソリテュードの懸念事項は一つ減ることになる。だが、もう一つの懸念事項が頭をよぎる。 他でもないアリスを狙う統一政府の連中だ。 少なくとも今回の件に関してエデンⅣの管理局は無関係だろう。 いくら生体CPUが貴重だからといっても、統一政府が誇る大コロニー都市をここまで破壊するメリットがない。 とすれば、統一政府の別の組織の手によるものと考えた方が自然だ。 「なあ、ミランダ。敵勢力は古代兵器だけか?」 「は?・・・え、ええ。敵勢力は古代兵器以外確認されていませんが」 俺の要領を得ない突然の質問に、さすがのミランダも困惑したようだ。 なるほど、やはりアリスを狙う統一政府の組織は表立って行動する気はないようだな。 「いや、ならいい。この混乱に紛れて下らない行動を起こす奴がいるかもしれないと思ったんでな」 いつまでもここで考えている訳にはいかない。今は他にやるべきことがある。 「よし、出撃する」 「了解しました。レイヴンには興行区画のパルヴァライザー掃討を担当していただきます。ガレージから発進後、3番ACターミナルへ移動してください。エレベーターにて最寄りのエリアに運搬します。作戦区域に到着後は自由戦闘です」 「OK。交信、終了する」 「分かりました、では後ほど」 通信コンソールの会話が途切れると、もう一つ解決せねばならない問題があったことに気付く。 ――そうだ、アリスをどうするか。このままここに置いていくのは、やはり危険だろうな。万が一の時に誰も護れない。だとすれば、もう選択肢は一つしかないか・・・。 そう思い、自分の考えにかぶりを振る。 ――いや、違うな。俺は単に躊躇っているだけだ。 そこで、ふとベンチに座っていたはずのアリスの姿がないことに気付く。 ブリーフィングルームの窓から外をみると、アリスはいつの間にかブリューナグの足元に移動し、その巨体を見上げていた。 ヘルメットを片手に少女の傍らへ足を運ぶ。 俺が傍に来たことに気付いたアリスは、ブリューナグからこちらに視線を移した。 「これ、ソリッドのAC?」 「ああ、ブリューナグって名前だ」 それを聞いたアリスは、俺の愛機に視線を戻す。 「ブリューナグ・・・」 そうつぶやくと、少しの間、少女は黙ってACを見上げていた。 それに釣られるかのように、ソリテュードも自らの愛機を見上げる。 そびえ立つブリューナグは普段と少し姿が違っていた。 両腕には遠距離狙撃用のスナイパーライフルが握られており、重量調整のために腕部も別のパーツに交換されていた。左肩のレーダーも、より探知距離が長く、かつスキャン間隔が短い高性能なものへ換装してあり、完全な狙撃仕様となっている。 それは全て、ある目的のために取った措置だ。 ――このアセンブリにしておいた以上、今さら躊躇うほうがおかしいな。 その目的とは、アリスを一緒に連れて出撃することに他ならない。 現時点で統一政府の組織にアリスが狙われる可能性が払拭できていない以上、どこに置いておいても危険だ。ならば自分の手中に収めたまま出撃してしまうのが、一番奪還される可能性が低い。 もちろんリスクはあるが、それは承知の上だ。誰かを護ろうとするならば、必ず何かを背負うことになる。 それに、詳しいことは分からないが、アリスは元来、機動兵器の制御をするためにパイロットと共に搭乗するのを前提として生み出された生体CPUらしいので、同じ年頃の少女とは比べ物にならないくらい身体の耐久力が高い。 なので、苦肉の策ではあるが、ACに乗せても大丈夫だろうと考えたのだ。 しかし、いかに生体CPUといえど、専用のシートがあるわけでもなく、乗るにしたって俺の膝の上に座って、アリス自らしがみ付いていてもらうしかない。 そんな状態での機動戦など無謀だ。だから、あまり動く必要のない遠距離狙撃仕様にアセンブリを変更したのである。 「よし」 声に出して決意を固める。 これ以上、躊躇っている時間は無い。 そうしてアリスに向き直り、声をかけようとした時、アリスは再び俺に顔を向けた。 「このこ、やさしくてつよいんだね。ソリッドのいうこと、ちゃんときいてくれるいいこ。わたし、このこ、すき」 そう言って、少女はにっこりと微笑んだ。 その儚く美しい花のような笑顔を見て、ソリテュードは思わず目を逸らしてしまう。 戦場に長く身を置き多くの命を奪ってきた戦士に、普段から無表情な少女の不意打ちとも言える無垢な笑顔は、いささか眩しすぎた。 突然の事に珍しく戸惑いつつも、ソリテュードはアリスに語りかける。 「あ、ああ。それよりな、アリス。これから俺は出撃するんだが、今回はお前も一緒に付いてきてくれ。またいつお前を攫ったヤツらが来るかも分からない。だから、お前を一人でここに置いていけないんだ」 それを聞いたアリスはきょとんとした表情になり、俺とブリューナグを交互に見て首を傾げた。 「意味分かるか?」 そのリアクションに一抹の不安を覚えて、つい聞いてしまう。 「このこに、のせてくれるの?ソリッドといっしょに?」 「ああ、少し怖い思いをするかもしれないが・・・」 心配ない――そう言おうとした時、俺の言葉を遮るようにアリスが再び口を開いた。 「こわくないよ。ソリッドとこのこがいっしょになれば、だれにもまけないってわかるもん。だからわたし、こわくない」 赤い瞳に強い意志を込めて、俺を真っ直ぐに見据えながら少女が答える。 今度はその視線を逸らすことなく受け止めた。 ――この娘は、俺が思っている以上に強いのかもしれない。なら、この腐敗した世界で自らの力で生きていけるようになるまで、見守ってやらないと。 そう思うと自然に笑みがこぼれた。 ガレージを地鳴りの様な音と共に振動が襲う。 地上での戦闘は、なおも激しさを増しているようだ。 アリスの頭に優しく、ぽんと手を乗せ、目線を合わせるために膝を折る。 「じゃあ、そろそろ行くか。あんまりモタモタしているとミランダに怒られちまう」 アリスはこくんと頷いた。 その様子を見て立ち上がった時、ふとあることに気付く。 「あ、それとなアリス。コクピットは狭いから乗れるのは二人までだ。悪いがその子は置いて行ってくれ」 と、いつもアリスが大事に抱きかかえているウサギのぬいぐるみを指差しながら言った。 本当はぬいぐるみくらい持ちこめるのだが、アリスが座るシートがないので、俺にしがみ付いていてもらわないと投げだされてしまう恐れがあるのだ。 それを聞いたアリスは、とてつもなく悲しそうな表情をしながら、無言で俺を見つめてきた。赤い瞳が微かに潤んでいる。 ――うっ・・・そりゃ反則だろ。 だがこれはアリスの身の安全にも関わってくることだ。妥協する訳にはいかない。 「頼む。またここに戻ってくるから。すこしの辛抱だ」 俺の言葉の真剣さを感じ取ってくれたのか、しぶしぶ頷くと、テテテッとブリーフィングルームに向かって駆け出した。 どうするのかと思い、後に続いてブリーフィングルームを覗くと、アリスはしゃがんでぬいぐるみをベンチに座らせていた。 「あなたはここでおるすばん。わたしはソリッドといっしょにブリューナグでおでかけしてくるから。いいこにしててね、マリー」 その、またしても不意打ちな微笑ましい光景に意識せず頬が緩んでしまう。 ていうか、あのウサギ、マリーって名前がだったのか。初めて知った。 ぬいぐるみを数回、優しく撫でると、アリスは立ち上がって俺の傍まで駆け寄り、手を握ってきた。 どうやら準備完了の意思表示のようだ。 「じゃあ、行くか」 そう言って、手を優しく握り返し、愛機のコクピットへと続くタラップを登って行った。 コクピットに滑り込むと、まず自分がシートに座り、シートベルトで身体を固定した後、アリスを招き入れる。 アリスは特に躊躇することもなくコクピットに小さな体を潜り込ませる。 ちょこんと俺の膝の上に座ると、コクピットのコンソールに興味津々といった感じで見入っていた。 ブリーフィングルームに居る時もそうだったが、やはり生体CPUということもありACのシステムなどに興味があるのだろう。 システムのスリープを解除し、OSを立ち上げる。 それと同時に、俺のもう一つの身体とも言える愛機、ブリューナグが眼を覚ます。 重厚な駆動音がガレージ内を揺るがし、カメラアイが妖しく光る。 発進準備を全て整えたところで、アリスに話しかけた。 「アリス、これから発進するが、俺にしがみ付いていてくれ。窮屈でつらいかもしれないが、他にお前の体を固定する手が無い」 「・・・うん、わかった」 そう言うとアリスは頷き、身をよじって体を密着させ、おずおずと俺の胴体に腕を回してきた。 パイロットスーツ越しに脇腹にこそばゆさを感じると同時に、少女の淡く柔らかな感触が伝わってくる。 その感覚に何とも言えないむずがゆさを感じたが、努めて顔に出さず、雑念を振り払うようにメインディスプレイを注視した。 コントロールレバーを握り、力を込める。 「行くぞ、しっかり掴まっていろよ」 俺の言葉に首肯したことを確認して、スロットルを吹かす。 機動兵器の鼓動を体全体で感じながら、少女を胸に抱き、レイヴン・ソリテュードは戦場という己の在るべき場所へと向かって行った。 3番ACターミナルへ到着し、複数ある地上搬出用エレベーターの前でACを止めると、メインディスプレイにウィンドウが開き、ミランダからの通信が入ってきた。 「レイヴン、発進に随分時間がかかったのですね。一体何を・・・」 そこでミランダの言葉は途切れてしまった。否、絶句していた。 何故なら、ブリュ-ナグのコクピットに有り得ない人影を認めたからである。 現在はまだシステムが戦闘モードではないため、通信時はレイヴンとオペレーターの姿が互いに確認できるようになっている。 そのため、ミランダから俺にしがみ付いているアリスの姿が丸見えの状態なのだ。 もちろん映像をカットして音声のみにすることもできたが、あえてそうはしなかった。 それはミランダがアリスの存在と正体を知る数少ない知人であり、匿っていることを黙っていてくれる味方であるからだ。 なので、アリスが乗っていることを隠さずに、ミランダにも協力してもらおうと考えたのだ。 「ミランダ、ここからの通信は秘匿モードにしてくれ」 絶句していたミランダが、俺の表情から真剣さを感じ取り、戸惑いつつも指示に従ってくれる。 「え、ええ・・・分かりました。秘匿モードに切り替えます。・・・どうぞ」 「すまない。詳しい事情は説明している暇が無いが、アリスを一緒に乗せて出撃する。のっぴきならない事態になってしまったんでな、悪いが協力してくれ」 状況が飲み込めないため、ミランダは厳しい表情でしばし沈黙していたが、ふと目元を緩めると落ち着いた口調で再び口を開いた。 「・・・了解しました。事情は分かりませんが、レイヴンの意図するところは理解できます。なるほど、狙撃仕様ですか。良い選択です。では狙撃に適した高所がある地域を検索しますので、少々お待ちください」 やはりミランダの状況判断能力と機転の良さは一流だ。並みのオペレーターでは困惑して、こうはいかないだろう。 ものの数十秒で返答が返ってくる。 「検索終了しました。興行区画にあるセントラルタワー頂上がいいかと思われます。見通しもよく、足場もしっかりしていますし、多少の移動スペースも確保できるので狙撃には打ってつけでしょう」 ディスプレイに別のウィンドウが開き、セントラルタワーの概容図と周囲のマップが表示される。 確かにこれなら一方的に攻撃できるし、地上から狙われても、タワー中央部に引っ込んでしまえば相手の弾は当たらない。 「よし、ここでいい」 「了解です。では第6エレベーターへ搭乗してください。目的地はエレベーター出口から目と鼻の先です。地上搬出後、すぐに移動してください」 その言葉に首肯し、指定されたエレベーターへと向かう。 ACも軽々と運搬できる大型エレベーターに入ると、気持ちが一層引き締まる。 重厚な隔壁とシャッターが交互に閉まり、エレベーター内は密室となる。 この空間の視界が開けた時、そこはもう戦場だ。 今回は経験したことのないイレギュラーな状況だが、10年間積み上げてきた経験と知識、テクニックを総動員して切り抜けて見せる。 誰かを護りながら戦うというのがどれだけ困難かというのは、とうに理解している。 だが、それでもやらなければならない。 ――この娘を護る 目覚めたアリスを前にしたあの時、自分の心にそう決めたのだから。 エレベーターが上昇するGを感じながら、思いを巡らせていると、ミランダの方から秘匿モードで通信が入った。 回線を開くと、ディスプレイに映った彼女の顔は普段のオペレーターのものとは違っていた。 その不安げな表情は、我が子の身を案じる母親のものと同じだとソリテュードは瞬時に理解できた。 「ソリテュード、どうかその娘を・・・護ってあげて」 アリスを気遣うミランダの優しさが伝わってくる。 その言葉にレイヴンとしての顔のまま答えた。 「ああ、そのつもりだ」 俺の素っ気ない答えに無言で頷き、ミランダもオペレーターとしての顔を取り戻す。 「間もなく地上に到達します。レイヴン、健闘を」 ミランダの言葉が終ると同時に目の前の隔壁が解放され、未だ闇が支配する戦場へと躍り出た。 レーダーとマップに眼を走らせ、周囲の状況を確認する。 目的地であるセントラルタワーは前方約500m地点にあり、探さなくともディスプレイ越しに目の前に高くそびえ立っていた。 「これからブースト機動をするからGがかかるぞ。しっかり掴まってろ」 返答は無かったが、俺の胴体に回されている腕に力が込められるのを感じる。 アリスへの負担を少しでも軽くするため、始めは緩くブーストを吹かし、徐々に出力を上げていく。 →Next… ③ コメントフォーム 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/mking/pages/67.html
JaredsStone EagleOrb系 前の世代の武器 現世代 次の世代の武器 ClaspedOeb JaredsStone 無し EagleOrb系第5世代。 初心者に嬉しいMONEYUPとEXPUPの効果を持ち合わせている武器。 第1世代に比べると消費ENがやたら高くなってしまった。 武器効果は第一世代と変わりはない。
https://w.atwiki.jp/magicalmaestro/pages/313.html
ねむいウサギ狩り ご主人とウサギ狩りに来た猟犬は、前日から大はしゃぎ。 彼らの話を聞いて身の危険を感じたウサギは、猟犬を眠らせまいと邪魔をする。 1.登場キャラ 猟犬 (旧地上波版では "スピーディ" という名前で呼ばれている) 狩人 (顔は映らない) ウサギ 2.作品で使用された音楽 調査中 3.備考 Directed by Tex Avery Produced By Fred Quimby Music By Scott Bradley 作品一覧に戻る
https://w.atwiki.jp/gundam-vs-gnsk/pages/2112.html
機動戦士ガンダムSEED FREEDOMMOBILE SUIT GUNDAM SEED FREEDOM 媒体 劇場アニメ 話数 劇場版 メディア展開 小説 VSシリーズ初参戦作 機動戦士ガンダム EXTREME VS.2 OVER BOOST VSシリーズ登場勢力 世界平和監視機構コンパス VSシリーズ登場機体 ライジングフリーダムガンダムイモータルジャスティスガンダムジンウィンダムデストロイガンダムアークエンジェル VSシリーズ登場人物 キラ・ヤマトラクス・クライン VSシリーズ使用BGM フリーダム突入 VSシリーズ関連ステージ なし 【あらすじ】 C.E.75。 独立運動、ブルーコスモスによるテロ…… 死の商人"ロゴス"が壊滅してなお、デュランダル前議長が予言していたように、人類は争い続けていた。 事態を沈静化するべく、ラクス・クラインを初代総裁とする世界平和監視機構「コンパス」が創設され、キラたちはその一員として各地の戦闘に介入する。 ただ、いつまでも醜い争いを続ける世界状勢に、キラはかなり疲弊していた… そんな折、ブルーコスモスを主導するミケール大佐を捕らえるべく、ユーラシア連邦から独立した新興国「ファウンデーション王国」から合同作戦を提案される。 【作品解説】 TVアニメ『機動戦士ガンダムSEED』シリーズ最新作にして完結編にあたる劇場アニメ作品で、2024年1月26日公開。 タイトルロゴは「SEED」と「FREEDOM」を重ねた『機動戦士ガンダム"S"FREEDOM』という形になっている。 前作『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』最終話から1年後のC.E.75年が舞台。 前作の続編劇場版の制作発表は2006年の5月であり、公開に至るまでには歴代のガンダムシリーズ映画作品の中では最長の18年(*1)を要した。 劇場版は制作がほぼ凍結状態だったが、シリーズ20周年を記念して立案された「GUNDAM SEED PROJECT ignited」において劇場作品制作の再開が決定したため公開の運びとなった経緯を持つ。 脚本は、今は亡き両澤千晶が書き上げた構想を元に、元夫でシリーズの監督でもある福田己津央とSEED・DESTINYの小説版を手掛けた後藤リウにより共同で制作された。 MSなどの機動兵器の描写は、アニメ版『閃光のハサウェイ』同様にフルCGで描かれている。 ただ、一部のシーンは(おそらく意図的に)手書きとなっている。 オープニング主題歌を『西川貴教 with t.komuro』、エンディング主題歌を『See-Saw』、挿入歌を『中島美嘉』、サポーターソングを『玉置成実』といったSEEDシリーズの主題歌に携わった経験がある歌手を起用するなど、音楽面に関しても集大成となっている(*2)。 ちなみに西川氏は、2006年の発表からずっと、ファンすら諦め状態だった中SEED劇場版を信じ続けて色々なところで宣伝し続けていた。 本作はバンダイとしても非常に力が入っており上映館数は歴代最多、公開からすぐにガンプラの発売、本シリーズ最新作OBやアーセナルベースなどのゲーム作品にも次々と高速参戦が決まっている。 その代わりに公開後1週間も経っていない週明けに上映前まで伏せられていた新MSの発表がされるなど監督がXでびっくりするレベルでMSのネタバレがされている。 他の映画作品と異なりガンプラなどの商品を売りたいためそこはやむを得ない点もあるだろう。 2週間近く経ってからは監督のXアカウントで物語のネタバレとなる解説もされ始めている。 宣伝の一環として登場人物たちが日本47都道府県の名所を訪れる「日本全国行きます!」キャンペーンが行われており、東京都はユニコーンガンダムの立像が、神奈川県はGUNDAM FACTORY YOKOHAMAが、福岡県はRX-93ff νガンダムの立像が代表スポットとして採用されている。 2024年5月22日時点で観客動員数288万人、興行収入48.2億円を突破。これまでのガンダム映画で興行収入最高額だった『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙』の約23億円を42年ぶり&ダブルスコアで更新するという快挙を成し遂げた。 恐らくガンダム映画初となる応援上映(*3)が行われたのも印象的。 ロングランの末劇場での公開は終了したが、公開終了後すぐにアマゾンプライムビデオなどで配信が開始された。 【VSシリーズ登場勢力】 世界平和監視機構コンパス カガリ・ユラ・アスハの主導によりオーブ・プラント・大西洋連邦が共同で創設し、ラクスが初代総裁を務める組織。 最新鋭のMSや戦艦等の戦力を抱えており、災害救助や復興支援などの活動もあるが、もっぱらブルーコスモスのテロ行為や各地での紛争に武力介入するのが主な仕事となっている。 反コーディネイターの急先鋒みたいな印象が強い大西洋連邦が参加しているが、これはロゴス壊滅でブルーコスモスが政治力を失った事、反コーディネイター派ではなかった前大統領の影響と思われる。 逆に大西洋連邦に散々な目に遭わせられ、尚且つプラントへ寛容だったユーラシア連邦や大洋州連合などは加わっていない。コンパスに地球連合軍のMSやMAがいないのは、この辺が関係していると思われる。
https://w.atwiki.jp/touhoumtg/pages/545.html
紅毛の和蘭人形/Red-Haired Dutch Dolls 紅毛の和蘭人形/Red-Haired Dutch Dolls(2) 部族アーティファクト - 人形 (R):紅毛の和蘭人形は、ターン終了時まで2/2の人形・アーティファクト・クリーチャーになる。 紅毛の和蘭人形がクリーチャーである限り、あなたがコントロールする人形・クリーチャーは先制攻撃を持つ。 参考 妖々夢-アンコモン
https://w.atwiki.jp/bemani_cd/pages/175.html
CD情報 CD名 リリース日 アーティスト Red Roses 2014.04.27 V.A. http //rttf.eternalbreeze.net/works/rttf_0009/ Track No. 曲名 アーティスト 演奏時間 01 儚く散る赤より紅い薔薇 ~Garnet Glass Hyuji 02 Crimson LUNA 03 Flight With You くるぶっこちゃん 04 Awakening Tracy 05 cooling disorder kuroburger 06 Lock Da Patchouli くっちー 07 Silver Impact (RRs update) Arch 08 Lunartic Dial (Extended Mix) Shiron 09 The Stone of Wisdom heric 10 U.N.Owen was her? (Hyuji Extended Remix) Hyuji 11 good night scarlet Arch
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/37164.html
【検索用 SEDOSounder 登録タグ 作S 作SE-H 作り手】 + 目次 目次 特徴 リンク 曲 CD 動画 コメント 【ニコニコ動画】 特徴 作り手名:『SEDO Sounder』(せどーさうんだー) 2014年4月、「WishIsOver〜ゆめ〜」でボカロデビュー。 ジャンルはピアノを多用したエレクトロニカからハウス、ジャズテイストの楽曲まで幅広い。 動画も自身で手掛けており、3Dモデリングを使用している。MMD杯受賞の実績も持つ。 5作目の「しりたくない」はMMDのクォリティの高さと曲の中毒性からじわじわ話題となり、初の殿堂入りを達成する。 使用VOCALOIDは、MAYUと初音ミクである。 リンク 作者HP YouTube Twitter 曲 raindrop/SEDO Sounder しりたくない どうぞ 涙しかきこえない ぬけおちた わるぐち CD まゆのおと 動画 コメント 名前 コメント