約 2,211,203 件
https://w.atwiki.jp/pod98/pages/2.html
メニュー トップページ メニュー OVER DRIVEの登場人物 オリジナルカード その他重要項目 外部リンク 更新履歴 取得中です。
https://w.atwiki.jp/dreamxkiss/pages/251.html
It s not over yet~終わりのない旅~(いっつのっとおーばーいぇっと おわりのないたび) ■2004年夏の松竹座舞台SUMMER STORMのED曲
https://w.atwiki.jp/wiki9_guild/pages/10.html
OVERTRIBE[OVER]×OVERRIDE[REAL] OVERTRIBE[OVER] マスター いんぱら オフィサー 夜斗・岳将・ノイgvg・メッキー スペリア・Riko Rate OVERRIDE[REAL] マスター 夜斗yato GvG PvPが中心のギルドです。 RPG主体なメンバーもいます。 <模擬戦申込受付> マスター いんぱら オフィサー 夜斗・岳将・ノイgvg・メッキー スペリア・Riko Rate までお願いします。 HPはココ
https://w.atwiki.jp/dr_twister/pages/23.html
【名-1】二日酔い、副作用 ・I had a terrible hangover ひどい二日酔いだった。 ・It s the best cure for a hangover. 二日酔いにはこれが一番効く。 ・Wine gives me a terrible hangover. ワインを飲むと、私はひどい二日酔いになる。 【名-2】残存物、遺物 【名-3】後遺症 【@】ハングオーバー、ハングオウバー、【変化】《複》hangovers、【分節】hang・over
https://w.atwiki.jp/galgerowa2/pages/561.html
OVER MASTER (超越) 1 ◆Live4Uyua6 次なる段階。星空の向こうのそのまた向こうを目指す彼と彼女達は遂にその足をかけるべき梯子の元へと辿りつく。 一段一段、確かめながら。二段、三段、七段までと。彼と彼女達は上を目指す。 共に行く仲間と手を取り合い、遠ければ声をかけ、また時には荷を肩代わりし、赤い星を目印にただ天を越えようとただ登る。 舞台の上に立てられた一つの梯子。迷いはないけれど、おっかなびっくり彼と彼女達は手を伸ばし足を踏む。 そんな彼らを地割れの中、谷の底。地獄の暗がりから見上げる者共がいる。 鬼か悪魔か亡者か躯かはたまたそれともまた別のものなのか。無数の瞳が羨ましげに底より見上げる。 騙し賺し裏をかき、妬み嫉み怒りに狂う。煮て煮て煮て煮て、煮て混ぜて、釜の中身を黒く煮詰める。 星を越えよと天に昇る。星を迎えよと獄に篭る。逃げる追う。追われて逃げる、逃げて追う。しかして今はまだ追いつかぬ。 - ギャルゲ・ロワイアル2nd 第二幕 連作歌曲第三番 「OVER MASTER (超越)」 - 一つと、二つ。そして三つ目の場面は天地を舞台に演じられる。 以前よりも忙しなく、スロウステップよりクイックなターンで、まずは彼らは目の前の塔を登り始める――…… ・◆・◆・◆・ 「はぁ……、ぶるじょわじー……」 古代ギリシアの神殿を支える円柱。それをそのまま巨大化させたかの様なデザインの高級カジノホテル――”Dearly Stars”。 西日に当てられ薄く橙色に染まったその中へと足を踏み入れ、美希や同行する面々は再び感嘆の溜息を漏らした。 目の前には走り出したとしても早々には端へと辿り着けないほどの広さのロビー。 丁寧に研磨され鏡のような光沢を持つモザイクデザインされた大理石の床に、その上を走る落ち着いた赤の絨毯。 四階までを吹き抜けにした高い天井からぶら下げられているシャンデリアは、ここにいる6人が手を回したよりも大きいだろし、 先ほど九条達と別れ那岐達の下へと向かった九郎と碧を乗せていた愕天王の巨体よりもなお大きいかもしれない。 「ここだけで美希のお家よりも何倍も広いですねぇ……」 キョロキョロと見渡せば、黄金の呼び鈴が置かれたカウンターに、意匠の細やかな椅子と机が並んだラウンジが見られる。 その向こう側には小さいながらも――とは言っても街角で見かけるものよりかは立派なギャラリーやライブラリーがあり、 振り返ってみれば、外壁に当たる部分にはめられたクリスタルのような硝子が夕日をキラキラと跳ね返していた。 「むむむ……」 さて上階に上がろうかということになり、エレベータホールへと来たところで美希はまた唸り声を漏らした。 彼女が見つめているのはエレベータの脇にある一枚の案内板だ。 メインの娯楽施設であるカジノはもとより、カフェを兼ねたレストランにバー、屋内プールにフィットネスクラブ等々。 更に、上階には映画館やショッピングモールまであるご様子で、美希としてはもうここまでくると少し呆れてしまっていた。 もっとも、今日明日。場合によればその先もここで寝泊りするわけだから、娯楽や暇つぶしに事欠かないのは正直嬉しいのであるが。 「あら。ここは13階が”ある”のね」 同じく案内板を眺めていたファルの言葉を聞いて美希はふむと首を捻る。 どうやらこのホテルは14階建てであるらしく、だったら13階があるのは当たり前で、ファルが何を問題にしているのか理解できない。 「そうね。”13”は忌み数。 故にこういったホテルなんかじゃ、13を飛ばして12、14、15などと階数をつけていくのが通例だけど……」 ここを用意した自称幸運の女神はそれを気にしなかったようね。と、補足する九条の言葉を聞いて美希はようやく理解した。 13日の金曜日とか、タロットカードの13は死神とか、そういうもので13が不吉な数字だというのは彼女もなんとなしに知っている。 「とは言え、どうしようかしら……?」 そう言って、九条は年齢からすれば可愛らしい仕草で小首を傾げた。 彼女によれば、最上階より一つ下――つまりは件の13階を拠点として確保しようと予定していたらしい。 同フロア内にある部屋の数や、ミーティングや食事に使う大部屋の有無。その他諸々の条件に合致するのがそこだったということだ、 しかし、実際に来てみたらそのフロアは”13階”だった。勿論、忌み数などは迷信と一蹴すれば問題ないのだが―― 「アポロ13は科学が迷信を越えると信じ、あえて忌み数を使って、しかし結果として事故にあったのよね」 ――これからロケットに乗ろう。などと考えている身としては、少し以上に縁起のよくない数字なのも確かであった。 しかも、ここは普通に考えたら迷信や作り話でしかない魔法や妖怪が跳梁跋扈する世界である。 くわえて、あのナイアという幸運の女神のいやらしさを考えるならば、どうにもここは無視できないような気もした。 「じゃあ、”ラッキー7”でいきましょう!」 同じ迷信なら明るい方がいい。 そう思って美希は7階を指定し、九条は案内板を少し見た後、特に問題はないだろうとそれを了承しエレベータのボタンを押した。 エレベータの箱が下りてくるまでの少しの時間を彼らはじぃっと待つ。 「ねぇ、なつき。なつきのいたニホンでは7は幸運の数字なの?」 「ん? あぁ、そうだな。七福神とか言うし」 エレベータの扉の上に飾られたプレートの中で数字が一つずつ小さくしてゆく――7、6、5、4――…… 「(私が7と聞いて思い浮かぶのはヨハネの黙示録における七つの災いだけど……これは言わない方がいいわね)」 「てけり・り」 そして、ティン♪ ――と、エレベータがベルの音を鳴らして彼女達の前に到着した。 ・◆・◆・◆・ 夕暮れも落ち着き、景色が濃い橙色から薄い紫色になろうという頃合。 薄闇の中に派手な電飾の光を浮かべる歓楽街の中を一頭の怪獣がけたたましい音を立てて疾走していた。 硬いアスファルトの上に蹄の跡を残し、落ち行く陽に背を向けて一路東へと猛進している。 怪獣の名前は愕天王と言い、その背中にはその主である碧と、振り落とされましと彼女にしがみつく九郎の姿があった。 二人だけがなぜ九条達と別れこんなところにいるかというと、もう片方のグループである那岐達と途中合流する為だ。 元より彼らが予定していた博物館での物品回収だが、連絡によると人力だけで持ち出すのにはかなり困難な物があったらしい。 そこで白羽の矢が立ったのが碧のチャイルドである愕天王。彼女の操るこの怪獣であれば例え家ほどの大きさがあるものでも運ぶのは容易い。 だが、運ばなくてはならないので一つだけではないらしい。 なので九郎も彼女に同行することとなり、この後遊園地で那岐達と合流。そこで大型トレーラーを手に入れる算段となっている。 「九郎く~ん。ちょっと触ってるところがきわどくない~?」 愕天王の背中。首元に近い位置で仁王立ちになり、鉾槍を振るって怪獣を操る碧は後ろから腰に腕を回す九郎へと声をかけた。 急ぎということもあって乗り心地を無視した走りではあるが、そのしがみつき方はちょっちオーバーなんでない? と。 「アルちゃんがいるからさー、九郎くんってロリコンなんじゃないかな~って思ってたんけど、 実はおねーさんみたいなナイスバディの方が好みだったりすのかな? この男の子め。もうもう~♪」 「いやいやいやいや! 違いますってばっ! ――っていうか尻を押し付けないでくださいよ!」 ひとふざけし、大笑いすると碧は大きく鉾槍を振り回した。 呼応して愕天王が象のような足で地面を強く踏みしめ、その巨体を跳躍させ、高い柵を跳び越し、また轟音を立てて着地する。 振り回されていた九郎がやっとのことで顔を見上げると風景は一変しており、そこはまた煌びやかな遊園地の中だった。 「はいはい、もうすぐ那岐くんとの待ち合わせ場所にご到着っと、――――あれは!?」 遊園地内にある飲食店街の一角。何の変哲もないただの喫茶店。その軒先を通り過ぎた時、二人の口からあっと声が零れた。 愕天王は止まらず、喫茶店はどんどん背後に遠ざかってゆく。まるで、その場所を置き去りにしてゆくがごとくに。 「碧ちゃん……」 「うん。わかってる……」 蹂躙され破壊し尽くされたオープンテラス。散乱したテーブルや椅子の間に見えた黒ずんだ赤色は紛れもない死色。 早すぎた希望の星の墜落。リトルバスターズ崩壊の悲劇。この楽しげな風景は二人の心に悔恨の念を浮かび上がらせる。 「あの時は、私も九郎くんも力が足りなかったし、行動も遅かった――」 「――ああ。色々駄目だった。過去に戻れるなら自分をぶん殴りたいぐらいに」 橘平蔵が命を投げ打ち身を挺してまで活路を開いたにも関わらず、碧も九郎も仲間を守ること叶わず地に伏せることとなった。 そして、今も残っているのはなんとか逃げおおせた柚明のみで、ここで、また別の場所で仲間達は皆、全員が命を失ってしまったのだ。 正義を標榜しておきながらのこの体たらく。ここだけでなく、いつどこでだって、正義の味方は遅すぎ、正義は全うされなかった。 「でも、今は――」 「――ああ。振り返っている場合じゃねぇ」 過去を背に愕天王は疾走し、二人はその場よりこの先へとただひた走る。次の出番にはもう遅れまいと、ただひたすらに――……。 ・◆・◆・◆・ 「――ええ、杉浦先生達とは合流できたのね。 そう。もう近くに……わかったわ。ところで、陣取るフロアについてなのだけど、予定していた――……」 幸運の七階。 無数に並ぶ客室とは違い青白い照明の下に樹脂でできた無機質な机が並ぶ、客を迎え入れる柔和さとは真逆のお堅い雰囲気の大部屋。 所謂、商談や会議などのために使う部屋の中に九条をはじめとする6人は移っていた。 それなりの大きさがあるホテルならばこういう一室が用意されているのも珍しくはない。 宿泊する客には様々な人間が想定される。 富豪であったりビジネスマンであったり、特にここのようなカジノがあるならば金の動き、そこから連なる力の動きもよく見られるだろう。 勝負をするにあたって規則を取り決める場合もあれば、談合の用意をするかもしれないし、敗者を弾劾する場にもなりえる。 なにはともあれ、今ここにいる者達にとってもここは必要不可欠な部屋であった。 部屋の隅では先刻立ち寄った劇場より回収してきたPCの設置作業が進められている。 もっとも、今となってはネットワークに接続するのは危険なだけだし、改めてセットアップするアプリケーションもないのだから大した作業ではない。 携帯電話で九条が那岐達と連絡を取っている傍ら、その娘であり同じく電子機器の扱いに長けたなつきが作業を行っていた。 彼女の後ろには手伝おうとして、しかし結局何もすることがなく指をくわえたままのクリス。 そして同じく手が出せない美希とファル、それとダンセイニはもう少し離れた位置でその作業を見守っている。 「――じゃあ、到着したらまた連絡を頂戴。それじゃあ」 打ち合わせが終わったのだろう。美希が見ている前で九条が携帯電話を折りたたんだ。 そんな姿を見るのは今日だけで何回目だろうか。美希は曖昧な記憶を探り、そして少なくとも十数回はあったようだと思う。 確かに連絡を取り合うことは大切だ。それが密であればなおよいのかもしれない。けど、一つ疑問が浮び―― 「簡単な連絡はメールじゃだめなんですか?」 ――浮かんだ疑問を美希はそのまま九条にぶつけてみる。 確かに何度も連絡を取り合うのはいいが、フロアの階数が変わったぐらいなら別にメールで知らせるだけでもいいと思ったからだ。 しかし、九条の口からは彼女が思っていた以上に重い答えが返ってきた。 「確かに山辺さんの言うとおりではあるわね。 けど、この閉じられた狭い世界の中で携帯から発信されたメールを中継するサーバはどこにあると思う?」 問い返され、少し考えて、そして美希はなるほどと相槌を打った。 そう。この箱庭とも舞台ともいうべき狭い世界の中で飛び交う電波を管理しているのは一番地やシアーズといった主催者側なのである。 となれば、他の監視と同じく傍受されているのは勿論。場合によれば偽のメールを送ることも可能なのだ。 「会話にしても絶対安心とは言えないけれども、メールとなるとその真偽は更に曖昧なものになるわ。 だから、出発する前にメール機能は使わないとそう決めておいたのよ」 なるほどさすがですねぇ。と、美希は再び首を上下させた。 美希としては人の間での立ち回りには多少の自信はあるものの、知識に関してはからきしなので頭のいい人にはただ感心するだけである。 そして、そんなところへ粗方の作業を終えたなつきと彼女の後ろをついてまわるクリスが戻ってきた。 「ママ。PCの立ち上げに問題はなし。プリンタのドライバも入れたから印刷ももうできるよ。 デジカメとUSBメモリ。それと山辺の持ってたノートパソコンも一応は用意してある。危険かもだからまだ繋いでないけど」 なつきの報告を受けて九条は「よくできたわ」と褒め、娘の頭を優しく撫でた。 母親をママと呼ぶなつきもそうだが、九条にしても親子としての接し方は生き別れとなった頃のままらしく、傍目には微笑ましい。 ともかくとして、頬を紅潮させたなつきと九条は連れ立ってPCの下へと戻り、そこにはハイテクには無知な3人と1体が取り残された。 「はぁ……」 知らずのうちにファルの口から溜息が漏れる。 ありえたかも知れない可能性――別の世界のクリスの存在に自身を否定されたような気がして打ちのめされていた彼女だが、 それとはまた別の問題でも少なからず自身の存在意義や生き方、運命といったものに疑問を持ち、滅入っていた。 「どうしたの?」 声をかけてくるクリスにファルはなんでもないと首を振り、そして再び玖我親子の方を見やる。 彼女が見ているのは親子――ではなく、”未来”だ。 例えば片手の中に収まるほどの大きさしかない線の繋がっていない電話。 ファルがいた世界。その時代では電話と言えば新聞社や駅、市役所などの中に一つでもあればそれは立派なもので、 それをあんな簡単に扱えて、しかも聞けば子供でも持っているなどという話はまさに信じがたいことであった。 しかも電話の中で手紙を送ることもできるらしい。ファルは手紙と言えば郵便局を介して何日も時間をかけるものしか知らない。 それだけでなく、にわかには理解しがたいコンピュータという、もう魔法と同じにしか思えない箱。 図面や絵画を次々と映し出すその前で玖我親子が交わす専門用語はファルの耳には異世界の呪文にしか聞こえない。 ここに来る途中で見られた電飾の輝きは万国博覧会もかくやと言った風だったし、このホテルにしても夢に見たこともないようなものだ。 見たこともない素材でできた机。知っているものよりもはるかに明るい電灯。ここは何もかもが彼女の世界とは違う。 ここに連れられて来て、その結果として別の世界のクリスを知り、ありえたかも知れない別の可能性を知った。 そして今、新たな可能性をも感じ取ってしまっている。別の、到底ありえはしなだろうがしかし考えてしまう、別の時代というもの。 どうして自分はあそこにいて、ああいう風に生きなければいけなかったのか。後悔はなかったはず。なのに、けれど……。 「(……高槻やよい。あなたは幸せそうよね)」 同じ赤貧の歌い手であるやよいのことをファルは思う。 彼女とは生まれ持った境遇も辿る道も目指す先も少し近しいものがある。故に共感を感じないでもないし、何よりあの歌声が好きだ。 しかし、彼女と自分とは明らかに違うとファルは理解している。 それは何に由来するのだろう? 自身を悪い人間だと嘯いてきたが、しかし本当は――……。 「(――いけない。お昼からどうにも悪い風に、自分を否定しようと考えてしまう)」 またやよいと一緒に歌を歌いたい。 確かめたいのか、寂しいのか、なんとなくの気持ちではあったがファルは心の中に痛みを抱えそう思った。 ・◆・◆・◆・ 海の香り漂うリゾートエリアから雑多な歓楽街へと風景を移し、カジノまではもう目と鼻の距離となった。 吾妻玲二と深優・グリーア、そしてなによりドクター・ウェストが博物館へと引き返したことにより、 那岐を筆頭とした東回りグループは全体の女の子率を大幅に上げ、あともう少しの距離を駄弁りながら進んでいた。 「いやぁ、うるさいのがいなくなって清々しましたねぇ」 「うむ。耳と神経の良い休養となるであろう」 「トーニャちゃんもアルちゃんも、そんなに言ったら失礼だよ~」 「そういう桂も、なんだか妙にスカッとした顔してるじゃねーか」 「私は騒がしいの好きですよ! みんなでワイワイするの、楽しいですっ」 「ウェストさんと一対一で話すのは疲れるけど……私もやよいちゃんに同感」 露骨に晴れ晴れとした表情を浮かべるトーニャ、アル。 顔どころか声まで抑揚に満ちた桂、プッチャン。 すっかり元気を取り戻したやよい、柚明。 「あっ、でもアルちゃん、本当は九郎さんについていきたかったんじゃないの?」 「にゃ!? にゃにゃにゃにゃにを言うか! 年端も行かぬ小娘が、妾をからかおうなど――」 「わかりやすい反応ですねぇ。少しは秘める努力をしないと、いずれカリスマがブレイクしますよ」 「ふふふ。九郎さんったら、私が出会った頃からアルちゃんのことを気にかけて……」 「おーっと! そういや九郎とアルの詳しい関係ってのを聞いてなかったなぁ」 「うっうー! すごく気になります! パートナー同士さんなんですよね? それってつまり――」 女子五名と人形一体はすっかり話に花を咲かせ、その足取りはまさに牛歩のごとくだ。 傍目から見ていても、実に微笑ましい光景である。微笑ましい光景ではある、のだが。 その、傍目から見る者の立場になって考えてみれば、笑い事で済ませられる問題ではなかった。 (……あれ? 僕、ひょっとしてハブられてる?) 一人蚊帳の外に置かれていた男子、那岐は微笑の裏で考える。 さすがにこれは緩みすぎではないか、と。 那岐、いや『炎凪』が一番地を裏切り参加者側につくに当たって、懸念していたことが一つある。 それは、自分も含め反抗者たち全員が集団として一つにまとまれるか、という懸念だった。 今の今まで命の取り合いをしてきた間柄だ。実際に咎を背負っている者もいる以上、そう上手くはいかない。 たとえば、桂と玲二の関係などは決して良好とは言えないだろう。ウェストなど、玲二に実際に殺されかけてもいる。 当初の懸念と照らし合わせるならば、目の前で仲睦まじくしている彼女たちの様は、那岐にとっても僥倖だ。 計画の成功にはなによりもチームの団結力が重要……とはいえ、仲が良すぎるというのも困りものである。 女の子同士で仲良くおしゃべりをしているだけでは、一番地の打倒も媛星の回避もままならない。 ゆえに、那岐が求めるのは緊張感なのである。 合流地点、つまりは新しい拠点を目の前にした、この場面。 ここは反抗の意を示す者の筆頭として、皆の決意を一新させる必要があった。 「……さあみんな、目的地はもうすぐだ。ここは気持ちを改めて――」 「えーい、だから違うと言うておろうに! 妾と九郎の縁を生娘の尺度で推し量るでない!」 「またまた~。わたし、実はアルちゃんとの仮契約が解けちゃったとき寂しかったんだけどなぁ」 「……長らく人が立ち寄っていなかった場所だからね。なにがあるか――」 「そういえば、アルちゃんはどうして桂ちゃんと仮契約しようと思ったの?」 「大十字さんというものがありながら、桂さんの天然チャームに抗えなかったのでしょう。いやはやまったく」 「……ら、楽観しているけど、一番地側から刺客が送られてくる可能性だって決してゼロでは――」 「はい! 天然ちゃーむ、ってなんですか? なんだかおもしろそうな響きがします!」 「お子ちゃまのやよいには縁のない、魔性の魅力ってやあぁぁっと、そう簡単に俺様を放り捨てられると思うなよ!」 「……あれ、おかしいや。目的地はもうすぐなのに、みんなとの距離はこんなにも遠く感じられるなんて」 まったく輪に入れない。女三人寄れば姦しいというが、五人寄ると『女子極上(ぱやぱや)』ができあがるのだ。 出鱈目な漢字の送り仮名にどこかで耳にしたことのある造語を添えて、那岐は乾いた笑いを誰でもなく向けた。 神崎黎人は強敵である。一番地とシアーズ財団の組織力は脅威である。ナイアが呼んだゲスト陣は得体が知れない。 現状、星詠みの舞のルールにより一時的な休戦期間を得てはいるが、それとて有限なのだ。 男子一人のけものにしてワイワイ楽しくお話する程度に団結できたのはまあ良し。 だからといって、気の緩みすぎはいけない。いけないのだ。 (そうだ、僕は間違っちゃない。間違っちゃいない。間違っちゃいない。よし!) 三回唱えてから、那岐は再び皆に注意を促そうとして、 「みんな」 「おや、そういえば那岐さんの姿が見えませんねぇ」 「さっきからここにいるよ!」 言葉は瞬時にツッコミへと書き換えられた。 「ああ、いたんですか。先ほどから存在感が希薄になっていたもので、てっきり那岐さんも博物館に戻ったのかと」 「うむ。前々から思っていたのだが、那岐には協調性が足りん。もう少し、皆と打ち解ける努力をするべきだ」 「うう~、那岐さんもみんなとハイタッチしますか? あれやると調子出るかも!」 「やめとけやよい。教会での一件を忘れたか? こいつならきっと、胸元目掛けてタッチしてくるに違いねぇ!」 「ねぇみんな、僕そろそろ泣いていいかな?」 裏切り者という立場の都合上、他の皆と必要以上に親しくなることは難しいと考えてきた那岐である。 とはいえこの疎外されっぷりは酷いんじゃないか、と心の奥底では既に号泣していた。 風華学園のみんなはもっと接しやすかったのに……と肩を落としていると、 「わたしは……那岐くんがいてくれてよかったと思ってる」 桂が、真摯な態度で那岐にフォローを入れた。 「わたしと柚明さんがわかり合えたきっかけは、やっぱり那岐くんが話し合いの場所を設けてくれたことだと思うし」 「……それは違うよ。柚明ちゃんの手を取ったのは紛れもなく君。話し合いの場を設けたのだって、ドクターの功績だ」 「ううん、違わないよ。事情はどうあれ、今のわたしたちがこうやっておしゃべりできてるのは、那岐くんのおかげ」 那岐にとって、彼女たちは媛星を回避するための生贄でしかなかった。 状況が変わったとはいえ、媛星回避の使命を果たすために、彼女たちの力を頼ろうとしていることは間違いない。 だからこそ、風華学園のHiMEたちと接してきたときと同じように――後ろめたさから、どこかで壁を作ってしまっていたのだ。 「私が言えた義理じゃないかもしれないけれど……那岐さんはもう、儀式の観測者ではなくみんなと〝いっしょ〟だと思うの」 壁を作り出したのが那岐ならば、その壁を見破り、取り払おうとしているのが桂と柚明だ。 柚明は那岐と同じく、皆に対して先ほどまで壁を作っていた。その際に壁を取り払ったのもまた、桂である。 二人からしてみれば、那岐は少し前までの自分、そして柚明お姉ちゃんと、重なって見えているのだろう。 後ろめたい気持ちの質は違うが、溶け込めていないという意味では同じ。そう桂と柚明は思っているのだ。 「だから、ね。那岐くんにはこれを」 「これは……」 桂から手の平大の機械を手渡される那岐。 余計な装飾のないシンプルなデザインのそれは、中央にボタンを一個だけ置き、那岐の指を誘う。 これを使って元気出してね、と桂は満面の笑みを浮かべ、那岐もまたそれに応えるのだった。 「……ありがとう」 珍しくも素直な様を見せ、那岐はボタンを押す。 ┏┓ ┏┓ ┏┓ ┏┓ ┏━━━┛┃┏┓ ┏━┛┗━┓ ┏┓ ┏┓ ┏┓┏━━┛┗┓┏┓┃┃ ┗━┓┏━╋┛┗━┳┳┳╋━┓┏━╋━┛┗┳━┛┗┳━┛┗╋━┓ ┏┻┛┗┫┃ ┃┃ ┗┓┏┓┃┃┃┣┓┃┃┏╋┓ ┏┻┓ ┏┻┓ ┏┛ ┃┃┃┏━┓┃┃ ┃┃ ┃┃┗╋┻┛┃┃┃┃┃┣┛┃┃┏┛┃┃┏┛┃┃┏━┛┃┣╋━┛┣┫ ┗┛ ┗┛ ┗━━┻┛┗┛┗┻━┻┛┗━┻┛┗━┻┛┗━━┻┛┗━━┻┛ ┏━━━━━━━━┓ ┏┓ ┏━━━━━━┓ ┏┓ ┏┳┓ ┃┏━━━━━━┓┃┏┓┏━┛┗━┓ ┃ ━━━━ ┃ ┏━━┛┗━━┓┃┃┃ ┃┃┏━┓┏━┓┃┃┃┃┗┓┏┓┏┛ ┃ ━━━━ ┃ ┗┳━━━━┳┛┃┃┃ ┃┃┗━┛┗━┛┃┣┫┣┳┛┃┃┗┓┏┻━━━━━━┻┓ ┃┏━━┓┃ ┃┃┃ ┃┃┏━━━━┓┃┃┃┃┣━┻┻━┻╋┳━━┳━━━┳┛ ┃┗━━┛┃ ┃┃┃ ┃┃┗━┓┏━┛┃┃┃┃┣┳━━┓┏┛┃ ━ ┣┳ ┏┛┏━┻━━━━┻━┫┃┃ ┃┃┏┓┃┃┏┓┃┃ ┃┃┏┓┃┃ ┃ ━ ┃┣ ┗┓┃┏┳━━━━┳┓┃┃┃ ┃┃┃┗┛┗┛┃┃┣━━┛┃┗┛┃┃┏┛ ━ ┣┛┏┓┃┃┃┃┏━━┓┃┃┣╋┫ ┃┃┗━━━━┛┃┃ ┗━┳┛┃┗━━┓┣━┛┃┗┫┃┃┗━━┛┃┃┃┃┃ ┗┛ ┗┛ ┗━┛ ┗┛ ┗━┻┛┗━━━━┛┗┻┻┛ 那岐が岡崎最高ボタンを遠投しトーニャがキキーモラでそれをキャッチするというファインプレーを見せた。 ・◆・◆・◆・ 『――これより十一回目の放送を迎える。 行動範囲が徐々に狭められていく気分はどうかな、諸君? 死亡者は今回もゼロ……まあ、仲違いでもしない限りは当分ゼロのままだろう。 その安寧がいつまで続くかは、見ものだがね。 せいぜい今という時を謳歌するがいいさ。 さて、禁止エリアだが、 20 00より、B-3 22 00より、H-3 以上だ』 神崎黎人による十一回目の放送が終わり、那岐は中空に向けてぼやいた。 「君も投げやりになっているのかもしれないけど……こっちは慣れちゃったもんだよ、さすがに十一回目ともなると」 ちらり、と那岐は相変わらずの女性陣に目をやる。 「おなか減ったね~。そろそろ晩御飯の時間かなぁ」 「どこかで食材が調達できればいいんだけれど……」 「心配するな。カジノのある建物は上階がホテルになっておる」 「ほほう。なら食材は揃っていそうですね。教会の寄宿舎にもありましたし」 「うっうー! それじゃあ、みんなでごはんを作りましょう! 私、はりきっちゃいます!」 「カジノのあるホテルなんて、きっと豪勢なもんが揃ってるんだろうな~」 まるで聞いちゃいなかった。 結局、緊張感を欠いたまま女子五人と人形一体の行脚は終わり、合流地点のカジノを目前とした。 那岐といえば、憮然とした顔つきで集団の最後尾をトボトボ歩くという、『炎凪』時代では考えられない風体である。 「……いや、いいさ。本番でしっかりしてくれれば、それで構わない。みんなやるときはやる子だって、僕はわかってるから」 なにやら一人呟いているようだったが、他の五人と一体には当然届いていない。 来るべき決戦のときまで、猶予はまだ二日と少しばかりある。 気まぐれな賽の目によっては早まる危険性もあるが、今はまだ緩んでいてもいい時期なのだ。 ここでガミガミ言っても仕様がない。リアリストのアルやトーニャとて、それがわかっているからおしゃべりに興じているのだ。 ならば――――那岐も、この一時ばかりは炎凪に戻ろう、と。 「そういえば知ってる? 近くにはリゾートビーチもあるんだよ」 何気なくみんなの輪に加わり、いつもの調子を取り戻して喋る。 使命感に生きる那岐というよりは、ワイシャツ学生服姿の凪を思わせる飄々とした態度だった。 「あ、知ってる知ってる。アルちゃんも一緒に海を眺めたよね! 綺麗だったなぁ……」 「これから向かうホテルも、大きさを考えるとプールくらいあるでしょうね」 「汝ら、まさか泳ごうなどと考えているわけでは……」 「そういえば、もう何年も泳いでないんだなぁ……」 「そうなんですか? なら、私が柚明さんに合う水着選んであげます!」 「水着かぁ……たしかなつきが持ってた衣装セットにいくつかあったよな」 「お、いいねぇ。麗しき舞姫たちによる水泳大会……これはいろいろと期待できるのかな?」 長年の封印が解かれ、せっかく自由の身になったのだ。 那岐としても、気を張り続けるよりはこうやって乙女たちの園に溶け込むほうが随分と気楽である。 (姉上……此度の星詠みの舞はいたく平和です。そう、那岐が姉上に文を綴りたくなるほどに……) 遠き空へと想いを捧げて、那岐は不在の姉に今の心境を語った。 al fine (後後) 8 <前 後> OVER MASTER (超越) 2
https://w.atwiki.jp/mhfclover/pages/29.html
2009.10.25 猟団『CLOVER』立ち上げ 立ち上げメンバー kojiro_ バズ また、立ち上げに以前に公式掲示板に猟団募集を掲載したところ beruzu君より入団希望のメールを頂く。 2009.10.27 ゆずな 入団 2009.11.01 msamiFX 入団 この時点で4名揃い猟団消滅の危機は回避。 2009.11.05 beruzu 入団 2009.11.09 ジャギ 入団 2009.11.11 UG 入団 2009.11.13 剣kento社 入団 2009.11.20 イスティア 入団 猟団レベル1になり狩人祭への参加が可能となる。 祭りへエントリー 紅組 (結果:負け組><) 2009.11.25 バズ、上位に上がる。 2009.11.29 孔雀 入団 2009.11.30 バズ、msamiFXを引き込みプレミア発動。一気にHR51へ。 2009.12.1 beruzu、上位に上がる。 2009.12.9 MHF ver7.0稼働 2009.12.11 猟団ランク2に! 2009.12.16 猟団部屋が出来る。 2009.12.18 バズ、ログイン出来ず猟団を去る。。っというかFから去る。。。 孔雀、副団長に就任。 2009.12.22 kojiro_ダレットでブログを始める。(続きもしないのにw) ⇒beruzu君に「トップページにブログリンクさせっから!」って 言ったけど、beruzu君だけに荷を負わせる形になってしまいそうだから 勢いでブログ作りました;; 2009.12.26 夜宵 入団 2009.12.27 第1回猟団集会『四つ葉会』開催! kojiro_大遅刻(団長なのに;;) 言いだしっぺなのに遅刻とはなさけないです。。みんなごめんなさい>< 2010.01.10 猟団ランク3に!猟団部屋にハリセンネコ登場。 また、猟団支援が受けられるようになる。 2010.01.12 ジャギ 上位に上がる。 2010.01.19 beruzu ハンターランク50に到達。 2010.01.20 狩人祭へエントリー 紅組 2010.02.04 狩人祭 結果 ⇒ 紅組負け(2連敗…w) ジャギ ハンターランク50に到達。 第28回韋駄天杯結果発表『呑竜高速討伐』 100位以内入賞 □kojiro_ 30位(ハンマー部門) 2010.02.10 猟団ランク4に!猟団クエストへ行けるように>< 2010.02.12 狩人祭へエントリー 紅組…3度目の正直となるか… …2度あることは3度あるか…w 2010.02.19 第2回四葉会開催 入魂祭中ということで入魂目的でクエ回し。 2010.02.24 狩人祭 結果 ⇒ 紅組勝ち! CLOVERとしては初勝利です♪ 2010.02.25 黒百合 入団。 2010.02.28 孔雀 退団。 2010.03.11 狩人祭へエントリー 紅組…4連ちゃん紅組w吉と出るか凶と出るか。。頑張るのみ! 2010.03.12 TON 入団。 第3回四葉会開催 kojiro_、団長を辞任。2代目団長に夜宵就任。 初の猟団韋駄天杯に参加。(1討伐のみw) 2010.03.24 狩人祭 結果 ⇒ 紅組み負けw 通算 1勝3敗。。 第30回韋駄天杯結果発表『響狼高速討伐』 100位以内入賞 □夜宵 46位(弓部門) 2010.03.31 狩人祭へエントリー 紅組…今度こそは! 2010.04.01 MikaMi 入団。 2010.04.12 kojiro_ ダレットブログからアメーバブログへお引っ越し。 2010.04.14 狩人祭 結果 ⇒ 紅組負けw 第31回韋駄天杯結果発表『雌火竜高速討伐』 100位以内入賞 □夜宵 48位(弓部門) □イスティア 62位(弓部門) □kojiro_ 12位(ハンマー部門) 2010.04.21 MHF ver8.0始動 2010.04.23 第4会四葉会 □新モンスター【デュラガウラ】vs【猟団CLOVER】 2010.04.27 ジャギ、Mikami 凄腕に昇格!(HR100到達) 2010.04.29 猟団5 猟団ブタさん登場! 初代ブタさん『真・小次郎』 2010.05.19 狩人祭 紅組(蒼組になったためしがない…) 2010.05.26 狩人祭 結果 ⇒ 紅組勝ちぃぃぃ! 第32回韋駄天杯結果発表『火竜高速討伐』 100位以内入賞 □夜宵 76位(弓部門) □イスティア 39位(弓部門) □kojiro_ 33位(ハンマー部門) 2010.06.09 狩人祭 蒼組(初!) 2010.06.16 狩人祭 結果 ⇒ 負けorz 第33回韋駄天杯結果発表『舞雷竜高速討伐』 100位以内入賞 □kojiro_ 14位(ハンマー部門) イスティア、MikaMi 退団 2010.06.21 シーズン8.5始動 新モンスター「ドラキュロス」登場
https://w.atwiki.jp/anime_wiki/pages/21315.html
劇場版「ラストエグザイル-銀翼のファム-Over The Wishes」Blu-ray 発売日:4月20日 GONZO制作のTVアニメに新作カットを加え、 1部台詞を新録して再構成した劇場版。 空族の少女・ファムは、アデス連邦とトゥラン王国の空戦場から、 トゥラン第2王女・ミリアを助け出す。 トゥランの復興を誓うミリアだったが…。 2016年2月公開。ラストエグザイル~銀翼のファム~の劇場版。Amazonインスタントビデオが配信開始。 http //www.lastexile-fam.com/ 監修 高橋幸雄 シリーズ構成 吉村清子 構成 神山修一 キャラクターデザイン 村田蓮爾、堀内修、高岡じゅんいち 作画監督 佐藤陽子 プロダクションデザイン 小林誠 プロップデザイン 片貝文洋 軍事・SF考証 鈴木貴昭 美術監督 大久保錦一 色指定・仕上検査 佐藤裕子 撮影監督 野澤圭輔 3DCGプロデューサー 渡邉健二 3DCGディレクター 磯部兼士 3DCGテクニカルディレクター 木村明彦 編集 肥田文 編集アシスタント 齋藤朱里 音響監督 千明孝一 録音エンジニア 矢野さとし アシスタントエンジニア 田中文章 音響効果 田中秀実 音楽 黒石ひとみ アニメーション制作 GONZO Amazonインスタントビデオ:ラストエグザイル~銀翼のファム~ Over The Wishes 監督 高橋幸雄 主演:豊崎愛生, 悠木 碧 再生時間:2 時間, 0 分 ■関連タイトル Blu-ray 劇場版「ラストエグザイル-銀翼のファム-Over The Wishes」 1/72 クリエーターワークスシリーズ タチアナのヴァンシップ ファムのヴェスパ ラストエグザイル-銀翼のファム-エアリエルログ TVアニメーション「ラストエグザイルー銀翼のファムー」O.S.T. 村田蓮爾画集 PRISMTONE RANGE MURATA ANIME WORKS1998-2006 フィギュア・ホビー:LAST EXILE 小説 神山修一・堀内修/ラストエグザイル〈上〉 rakuten_design= slide ;rakuten_affiliateId= 053df7e0.7c451bd1.0c852203.190c5695 ;rakuten_items= ctsmatch ;rakuten_genreId=0;rakuten_size= 468x160 ;rakuten_target= _blank ;rakuten_theme= gray ;rakuten_border= on ;rakuten_auto_mode= on ;rakuten_genre_title= off ;rakuten_recommend= on ; javascript plugin Error このプラグインで利用できない命令または文字列が入っています。
https://w.atwiki.jp/galgerowa2/pages/564.html
OVER MASTER (超越) 4 ◆Live4Uyua6 ・◆・◆・◆・ 「……――つまり、表面に張られた硬質ゴムがある程度以上の衝撃を吸収し、 その下のアラミドと硝子の混合プレートが貫通属性を持つ――つまりはライフルすらも含む銃弾による攻撃の威力を吸収。 また成形炸薬弾などを使おうとも更に下に敷かれたセラミックプレートがメタルジェットによる侵食を易々と食い止め、 最終的に最下層の鋼鉄板に届く頃には如何なる銃弾もでこピン程度の威力しか残らぬとそういう訳なのである。 まぁ、もっとも特殊積層装甲を実現にするにあたって重量の問題から一枚一枚が薄くなっているが故に単純な衝撃、 または高威力の斬撃や大質量を持った物質による刺突には若干の不安を覚えるところではあるがな。 だが、しか~し! この凡人がひーこら努力して作った”そこそこ”の装甲もこの大天才たるドクター・ウェストにかかればあら不思議。 我輩がこれより新生させる真・破壊ロボに組み込まれる頃には完全無欠の最強無敵装甲となっていることであろう」 豪奢なロビーの真ん中にデンと構えられた不気味な研究室の中。 そこに訪れた九条の前でドクター・ウェストはえっへんと胸を張り、鼻を高々、おめめをギラギラ、白い歯をキラッ☆とさせていた。 彼の隣には遂にはロビーの中へと持ち込まれたトミーという名前の機関車――に見える高機動装甲車両が鎮座しており、 その向こう側にはけろぴーという名前のショベルカー。更に向こうにはミニマムな破壊ロボ(レプリカ)が並んで止められている。 夕方頃までは瀟洒な趣のあったロビーも、今やとりとめのない奇妙で異常なモンスターの為のディーラーという有様か、 または車両を搬入する際に粉々と散らされた硝子片を見れば暴走車両が突っ込んだ後の事故現場という雰囲気でもある。 どちらにせよ、ここがホテルのロビー改めドクター・ウェストの研究室というのならまさにそれはぴったりだと、そう言えるが……。 「けど、動力に関してはどうするのかしら? あの破壊ロボを核に組み立てるというならば、いささか出力が足りないように思えるのだけど」 「で、あるな。ドクター・クジョウは中々痛いところを突いてくるのである。 三つの車両が一つになれば個々の力は百万パワーと、そういきたいのは山々ではあるが科学は現実に沿わねばならん。 一つ一つに搭載されたエンジンはそれぞれを動かすには足りておるが、3つのボディに3つの動力ではやや物足りナッシィィィンッ! 我輩が脳内で図面を引いた素敵兵器の数々を搭載するとなれば、5倍のゲインは欲しいというのが包み隠さぬ正直な気持ちなのである」 先程までとは一転。ドクター・ウェストは九条の前で苦悶の表情を浮かべる。 いかな天才と言えども無い袖は振れないというのが現実と言うもの。思いつくままに各種車両をここまで運ばせたがよかったが、 しかし完成しませんでしたとなれば、その後の展開は生き地獄to地獄orヘブンというところであろう。天才も身の毛がよだつ。 「じゃあ、明日に予定している”例のアレ”でそれを探すということになるのかしら」 「うむ、である。我輩、そこに僅かながら期待しないでもないでもないでもないのである。 いやいや勿論。我輩天才超天才であるからにはその様なものに頼らずとも煌めく頭脳がお茶の子さいさいではあるのであるが、 まぁ他からの助力を拒むほど我輩の心の器はスモールではないのである。 し・か・ら・ば☆ 我輩、例のアレに向けてここは一つ必勝を期すための発明品をこさえんこともない! ――と、そこに現れたるは我輩のライバルにして宿敵。運命の斑蜘蛛糸で結ばれたる大十字九郎ではないか?」 何をしに来たのでほわーい? と、奇妙に身構えるドクター・ウェストの前へと新しく現れたのは彼が口にした通りの男であった。 九郎は片手にバスケットをぶらさげひょうひょうとした風に近づいてくると、それを手術台の上へととんと置く。 「お前、食ってないのによくそんなに口が回るな。とりあえずお前にぶっ倒れられたら困るしよ――差し入れだ」 そっとバスケットの蓋を開くと、比喩ではなく文字通りにその中から光が溢れた。 中に詰められていたのは一見何の変哲も”ある”色とりどりのパンの数々。若干、心なしか、微妙に食べ物っぽくないパンの数々だった。 「ほんとは俺とアルだけで食べちまおうかと思ったんだが、なぁに同郷のよしみだ。遠慮なく受け取ってくれ」 「う……うむ。敵に塩を送られて、この我輩そのしょっぱさにほろりと涙が……で、あるが……」 「どうした?」 「些か科学者的に興味を引かれる物質が混入している予感がひし☆ひし。この物体XはストマックにスローインしてもエブリOK?」 「……な、何言ってんだよ。この俺の差し入れが受け取れねぇって言うのか!? 俺も食ったんだからてめぇも食え!」 「そ、そんなに怖い顔をするなのである。 我輩、大宇宙に偏在する未知に興味津々。ライバルよりの助けを無下にするほどKYではない故、いただくのであるよ」 「だったらいいんだ。特にこの七色のはオススメだからな。”絶対”食えよ。何、死にはしない」 「死にはしない……つまりは、我輩を殺すのはライバルたる貴様だけだというわけであるか。然り、貴様を殺すのも我輩だけなのである。 となれば命奪えるは互いのみ、つまり我輩達は不死身と言えるであるな。うむ、少しお腹が減ってきたのである」 何が嬉しいのか、ドクター・ウェストが食べる気になったのを確認すると九郎はにやにやと笑いながら部屋を後にする。 ドクター・ウェストの方はというと、手術台の上にシーツを引き、ナイフとフォークならぬメスとピンセットなどなどを用意し始めた。 どうやら食事を始めるのであろうと察した九条も、嫌な予感がしたのか、適当に挨拶をするとその場をそそくさと離れた。 その背中に届いたドクター・ウェストの「いただきまーす☆」という声がどこか遺言のように聞こえたのは気のせいだろうか……? 「あれって本当に食べても平気なものだっただの?」 「毒を以って毒を制す……いや違うか? でもまぁ、大丈夫です。あいつは殺しても死にやしませんよ」 奇怪な研究室を離れた九郎と九条の2人は少し場所を移し、ロビーの奥に構えられていたカフェの中にいた。 照明は落とされており、非常灯のオレンジだけが頼りのムーディな中、小さなテーブルにつき九条は淹れたての熱く苦いコーヒーを、 九郎は砂糖とミルクがいっぱいに入ったコーヒーで香ばしく焼き上げられた真っ当なパンを胃の中へと流し込んでいる。 「それで、私に何か話があったんじゃないの? まさかパンをつまみ食いする為にここに来たのではないでしょう?」 九条に聞かれて九郎は押し黙る。 沈黙が続いたのはどれぐらいだろうか。何秒か何十秒かそれとも何分もか、少なくとも短くはない時間が経ってから九郎は口を開いた。 「九条さん。あんたはこう言った。こいつはドミノ倒しで、俺たちは所詮そこに並ぶ”牌”でしかないって」 「ええそうね。俯瞰した視点から見ればその認識で間違ってはいないわ。 私たちは”彼女”によって用意された線をなぞっていたにすぎない。けれども――」 「――けど、今はそうじゃない。だろ? それはいいんだ。それは解っている。これからしなきゃならないことも解ってるし、覚悟も決まっているつもりだ。 俺が聞きたいのは……理樹も、あいつはあそこで倒れるしかない牌だったのかって。それだけじゃく、死んだ、みんなが……」 全てがナイアの思い描いた通りなのならば、心半ばに散っていったもの達の命とは、運命とはなんだったんだろうか。 舞台を彩る為の添え物に過ぎなかったのか。脚本を進める為の道具でしかなかったのか。ただ、それだけにすぎないのだろうか? 「九郎君――」 「解ってる。誰かに聞けば答えが返ってくる問題じゃないってことぐらい。ただこれだけは、まだ納得いかなくて……」 九郎は最後のパンを取ると口に放り込み仇のように噛み砕いて飲み込んだ。 それを見つめる九条の顔には苦い表情が浮かんでいる。 理解を得る為に彼女は全ての事情を暴露した。しかし、事情を理解することと、感情として納得するのとは全く別の問題だ。 「確かに、納得のいく答えが出る問題ではないわ。けどね、九郎君。それでも今のあなたにひとつだけ言えることがある。」 「……九条さん?」 「牌はただ倒れたままなだけじゃない。 ドミノ倒しと言ったでしょう? つまり、倒れた牌はその次の牌に、その牌はまた次の牌に……残された者の背中に乗っているの」 連なっている。だからこその計画であり、ならばそのドミノ倒しの先頭に立つ者こそは先に倒れた者達の代表者である。 「理樹も、おっさんも……俺の背中に……」 「その事実をどう受け止め解釈するのか。それも答えが出る問題じゃない。……だけど、事実だけは覚えておいて」 あくまでこれも理解でしかない。結局、納得するのもしないのも各々が自分で答えを出さないといけないのである。 だがしかし、理解そのものが答えでなくとも、答えに近づく道しるべにはなるはずだ。 いつか、必ず。彼も、彼らの仲間達も、それぞれに”答え”を見つけるだろう。 「じゃあ、俺は少し外を歩いて風に当たってきます」 「気をつけてね。この中はともかく、外に出ればどこに敵が潜んでいるとも限らないから」 結局のところ答えは出なかったが、九郎はここに来たときよりかは楽な表情を見せカフェから表へと姿を消した。 そんな彼を見送り、そしてしばらく何かを思い、九条も踵を返しその場を後にした。 ・◆・◆・◆・ 「ふう、食った食った」 満腹に飯が食えるというのは、そうそうある事ではない。 ましてやそれが何食も続くとあれば、それはもう神の奇跡である。 少なくとも、貧乏探偵である大十字九郎にしてみればそういうものなのだ。 「特に仕事もしてないのにこんなに食べれるとは……何かイヤな予感がするな」 「何を阿呆な事を言っておるか」 「いてっ!?」 適当に涼みに、とホテルの外をうろつきながら、幸運のしっぺ返しに思いを馳せる九郎に、強烈なツッコミが入る。 この痛み、声は九郎にとっては確認するまでも無い。 粘性の台座、ダンセイニの上に座っているアルが、そこに居た。 「まったく、一応ここは敵地なのだから部屋で大人しくしようとは考えんのか」 「いや、少し涼みに……別にホテルの部屋が落ちつかなかった訳じゃないぞ!」 「聞いておらぬわ、このたわけが……」 多少あきれた声で嘆息しつつ、ちょっとした階段状の場所に腰を降ろす。 すかさず背もたれになるダンセイニに、当然のようにそこに寄りかかるアル。 「座らぬのか?」 そうするのが当然、とばかりに告げる。 元より答えなど求めてもいないのか、さらに背もたれに寄りかかり、空を見上げるかのような姿勢になる。 「落ち着かぬのであろう? 妾も少しは夕涼みがしたいところだったのでな」 どうしようか、という九郎であったが、その言葉でアルの隣に腰を下ろす。 そうして、アルと同じように空を見上げる、その先に何か見るものがあるのかなどわからずに。 「綺麗な星空だな」 「うむ。 アーカムシティの喧騒が無いだけで、こうまで静かに見えるとは」 しばらくは何の会話も無かったが、ややあって、九郎が告げる。 確かに、人の生み出した明かりなど背後に佇むホテル程度にしか無いこの状況では、見える星の数が違う。 これだけ美しい星空の何処かにあるという災厄の星、媛星がいずれ降ってくるとは俄かに信じがたいほどの美しさ。 「のぅ、九郎よ」 「ん……何だ」 しばし、無言で星を眺める二人。 今更、大した言葉など必要とはしないが、それでも語らなければならない事もある。 そうして、それが自分の役割であると、アル・アジフは悟っている。 「何を、悩んでおる」 特に、反応はしなかった。 あるいは、その言葉を予想していたのだろう、九郎の反応はあっさりとしたものだった。 「……バレてたのか」 「妾を誰だと思っておるのだ、汝の悩みなどお見通しよ」 「……はは、隠し事は出来ないな」 と、そこで一度言葉は途切れる、何かを堪えるかのように。 右手を、額にあて、表情を隠す。 「……守れなかったんだ」 そして、吐き出すかのように、言った。 「…………」 「おっちゃん、理樹、他にもたくさん」 「…………」 「ブラックロッジと戦って、アーカムシティを守って、俺は、俺なりにやれてきたつもりだった。 それが……」 「……続けよ」 「それが、この島ではほとんど何も出来なかったんだ」 「………………」 「出来る事、しなければいけない事、沢山あったのに、ほとんど出来なかった」 「……………………」 「俺は、こんなにも無力だったんだ」 続く、九郎の独白。 それを、アルは静かに聞いている。 そう、静かに、静か過ぎる程に。 ダンセイニが、密かにメッセージを九郎に送るが、九郎は独白を続ける。 「それで、何となく、思ったんだ」 「…………………………」 「正義の味方だ、なんて言っていても、所詮はこんなものなのかな、てな」 「………………この、たわけが!!」 「ぶっ!?」 「人が黙って聞いていればこの未熟者が!」 「ア、アル?」 「言え九郎! 汝は何だ!?」 「え?」 ダンセイニ椅子から勢い良く立ち上がり、そのまま九郎の正面に、顔がくっつきそうな程の距離に飛ぶ。 紅潮した顔に怒気を秘めた声で、叱咤する。 「汝は妾の、最強の魔道書の主であろう!」 そして、その事実を口にする。 「救えなかった? 未熟であった? そんなものは今更であろう! 汝は元々半人前の貧乏探偵であろ!」 「……う」 「だが! 汝は、大十字九郎は! 妾の、最強の魔道書の主なのだぞ! 妾を駆り、妾と共に、数多の邪悪と戦ってきたであろう!」 「あ……」 「後悔するのも良い、己の無力を嘆くのも良い、だが、決して諦めるな! 汝の強さを取り戻せ! 汝の誇りを取り戻せ! 忘れたのか? 汝は確かに柚明を救ったのだ、救えたのだぞ。 汝と妾、共にあってこその魔を絶つ刃。 汝には妾が居る。 妾が汝を強くする! だから共に戦おう! 妾たちの、桂の、皆の命を掴もう!」 そうだ、忘れるな。 大十字九郎は決して一人ではない。 皆がいる。 仲間がいる。 そして、最高のパートナーがいる。 ならば、何を迷う。 「…………」 「…………」 「…………」 「いや、何か言わぬか」 「あ……いやその、ありがとうな、アル」 そういいながら、九郎は、目の前の小さな身体を強く抱きしめる。 その小さな身体を、大事な宝物のように、しかと抱きしめる。 己の気持を、伝えるように。 「ふん、いつまでも未熟者の世話を焼かねばならぬ妾の身にもなれ」 僅かに声を上ずかせながらも、アルは特に抵抗しなかった。 赤く染まった頬を隠すように、その胸に顔をうずめる。 そこに確かに九郎という存在を感じ、甘えるように身を預ける。 その身体を、今度は包み込むように、そっと九郎が覆う。 「特別、だぞ。 己が分を弁えよ……」 (そう、己を、弁えよ……) (ああ、そうだ、妾こそ何もできなかったというのに) (何が最強の魔道書か、桂という仮の主を持ちながら、何一つできなかったというのに) 傷ついた桂を救えなかった。 サクヤの死を見ている事しか出来なかった。 迫りくる西園寺世界の前に何も出来なかった。 死に行く菊池真を見取ることさえ出来なかった。 アル一人では、柚明をどうすることも出来なかった。 (妾は、妾こそ九郎がいなければ何も出来ん) (妾は、いつからこんなに弱くなったのであろうか……) (妾は最強の魔道書などではない、九郎と共にあるからこその最強の魔道書なのだ) 無力など何度も味わった、己の存在すら呪った事もあった。 長い時の中で擦り切れたその思いすらも、己の物であると感じ取れる。 己の矜持のため、そして九郎の成長のために告げる事のできない苦悩も、そうあれかしと思える。 全ては、己と、九郎の未来の為にあったのだと。 己が主の、いや最愛の人の腕の中、誰にも告げる気も無い、告げる必要も無い幸福に少女は満たされていた。 「てけり・り」 たった一人の聴衆は、その光景に背を向ける、邪魔者は必要ないとばかりに。 残された世界にて、青白い月が二人を包んでいた。 ・◆・◆・◆・ 「あら、杉浦先生にトーニャさん」 一階より再び七階へと戻ってきた九条は、エレベータを降りたところで偶々通りかかった碧とトーニャに出会った。 二人とも普段はポニーテールだが、今はしっとりと濡れて下ろされており、肌も幾分か紅潮している。 更には、着ているものも客室に備え付けられている浴衣へと変わっている――となれば彼女たちがどこに行っていたのかは明白だ。 「お風呂ですか?」 「うん。気持ちよかったよー……♪ けっこう色んな湯があったしさ。私は日本人として断然あっつい湯が好みなんだけど、まぁ九条センセもひとっ風呂浴びてきなよ」 「私としてはやはりサウナが性に合ってますかね。 湯船に浸かるのも悪くはありませんが、碧のようにあんな熱湯に入る真似はできません。あれはゴエモンとかいう拷問なのでは?」 好みの差はあれどどちらも十分に満足してきたらしい。 あれがあったこれがあったと捲くし立てる碧も、あれあれはこうの方がよかったですねなどと言うトーニャも表情はずいぶんとやわらかい。 「うっうー! みなさんもお風呂ですかー?」 エレベータホールで足を止めていた3人が明るい声に振り返ると、声の主であるやよいをはじめ5人の女の子がやって来ていた。 やよいに桂に柚明。それとその後ろに美希とファル。 女の子ばかりで連れ立って、きゃっきゃと明るく騒がしい様を見れば、まるで修学旅行にでも来たかの様な雰囲気であった。 そして彼女たちは一様にタオルや浴衣などを胸に抱えている――となれば彼女たちがこれからどこに行くのかそれもまた明白であるだろう。 「あなた達もこれからお風呂に?」 「はい! プッチャンはお留守番なんですけど、またみんなでお風呂に入ればもっともっと仲がよくなると思うんです!」 いつでも元気一番なやよいを見て、九条とそしてそこにいる全員が「やよいは賢いなぁ」と顔をほころばせた。 見渡せば、長く一緒にいた者も、昨日出会ったばかりの者も、わだかまりを抱えていた者も、みんなが旧来の友人の様に接している。 もしアイドルになる者にそれぞれタレント(才能)があるのだとしたら、この誰をも巻き込む明るさこそが彼女の持つものなのだろうと、 こちらを覗き込むやよいの笑顔を見て九条はそう思った。 「九条さんも、いっしょにお風呂に入りませんかっ!」 え? と、九条の目が丸くなる。それは彼女からしてみれば全くの想定外であった。 親子ほどに年齢も離れていれば、首輪を嵌めて必死だった彼女達とそれを外側から見ていた自分とは立場も異なる。 そして何より、今更ながらに九条はそれに気づいた。無意識の内に自分は参加者である彼女達の間に一線を引いていたのだと。 どこか申し訳なさと、引け目を感じて、”いっしょ”ではなく一歩離れた場所に身をおいていた事に。 「昨日は、ご一緒できませんでしたし。だったら、今日入ればもっと仲良くなれると思うんです」 「でも、こんなおばさんがあなた達と一緒でいいのかしら……?」 「はい大歓迎です! お背中流させてください。得意なんですから、きっと気に入ってもらえると思います!」 九条の目尻に小さな粒が浮かび上がった。ずっと日陰の中で生きていた彼女にやよいの明るさは眩しかったのかもしれない。 「ええ。ええ、じゃあいっしょに、お風呂に入りましょうか」 でも、その眩しさはとても、とても心地のよいものであった。 ・◆・◆・◆・ 「……ふぅ、今日も色々有ったなクリス」 「……うん、結構疲れたよ」 「騒がしくもあり……楽しくもあり、嬉しくもあった」 「なつき……」 「哀しい事もあった」 ホテルの七階、その窓から見下ろす街並みはまるで宝石箱のような輝きを放っていた。 その風景をスイートルームの一室のソファーから見下ろしているクリスとなつき。 二人は静かに寄り添ってその風景をただ見つめている。 繋いだ手は解けない様に強く、労わる様に優しく。 見つめる目は穏やかで愛おしいもので。 そっと静かに肩を寄せ合った。 「……御免」 「なんでクリスが謝るんだ?」 「……いや……その」 クリスがそのなつきの言葉に咄嗟に謝ってしまう。 本当に咄嗟にクリスが悪いわけではないのに。 なつきを泣かせてしまった……それがどうしても哀しくなって。 つい、謝りの言葉がでてしまう。 そんな不安そうなクリスの顔を直ぐ傍でなつきは覗き込んで、そして笑って。 「クリス……それでも私は楽しかったぞ? お前が居てママが居る……これ以上の幸せはないんだ」 「……うん」 「だから……笑ってくれ。クリスが笑っていれば私は嬉しい。クリスの笑顔が私の幸せなんだ」 「うん」 「そうだ、その笑顔が好きなんだ。笑っていてくれ……クリス」 「なつきも笑っていて……なつきの笑顔も僕の幸せだよ」 なつき笑いながらクリスを見つめてそう言った。 迷い無くそう言えたから。 だから笑っていた、互いの息が顔にかかる距離で、とても幸せそうに。 それに釣られてクリスも笑う。 心の哀しみが静かに融解していく。 繋いだ温かい手、明るい彼女の笑顔。それがクリスを癒している様で。 堪らなく愛おしくて。 クリスはそのままそっと抱きしめる、優しく、優しく。 少しでも距離を埋めるように。 心がもっともっと近くに感じられるように。 この世界が夢ではないようにと確かめるように。 その温かさを、小さな体を、優しく確かに受け止めていた。 「クリス、私はここにいる……」 「なつき……なつき」 「そうだ……ここにいる、クリスの傍に」 クリスの不安を察し、そしてそれを溶かすように言葉を重ねる。 これは幻、夢なんかじゃないと。 なつきは自身の温もりをクリスに与えるように強く抱きしめた。 ここにいる、クリスの傍に居る……それを証明するように。 「クリス……」 「……なつき」 不意に感じた優しい温かさ。 それは押し付けあった額の温かさ。 もしかしたら今存在しているものは夢幻なのかもしれなけど。 でも……それでも…… 静かに鳴る鼓動。 額の優しい温かさ。 それは何よりも生きている事の証なのだから。 だから二人はそっと唇を重ねる。 互いの存在を確認しあうように。 ゆっくりと絡み合うように。 そっと重ねあっていた。 それはきっと何よりも優しく温かい……ふたりの場所。 「大丈夫だ、大丈夫」 なつきは無邪気に笑っていた。 額を重ね合わせながら頬を真っ赤にして。 目尻を少し雫に濡らせながら。 クリスの為に笑っていた。 「私は傍に居る……クリスは独りじゃない」 クリスは独りじゃない。 それを心から伝える為に唇を重ねる。 この想いが届きますように。 そう願いながら。 彼の哀しみを癒す為に。 そう想いながら。 ただ……ただ…… 重ね合っていた。 「ありがとう……なつき」 そんななつきが愛おしくて、愛おしくて。 クリスは強く抱きしめる。 少なくとも…… いや、これだけは、この温もりは…… 確かなのだと。 夢でもなく幻でもなく…… 今、ここにある一つの奇跡は…… きっと何よりも…… ――――温かい。 ・◆・◆・◆・ 全てのものが眠りにふけっている様な静かな夜。 そんな真夜中だというのに街から明かりは消えない。 この島に存在しているのは18人しか居ないのに。 それなのに宝石箱のような光はずっと消えない。 そんな事をなつきは考えながら窓から見える夜景をベッド腰掛けながら眺めていた。 一糸纏わない姿に一枚純白のシーツを被って。 何故かは解らないけど眠れなかったのだ。 同じベッドではクリスが安心しきったように眠っている。 その姿を見つめ笑顔になりながら少し惑う。 それをおくびにださないように一心不乱で空を見つめていた。 数多の星。 そして怪しく紅く耀いている媛星。 「………………はぁ」 なつきは意図しないうちに溜め息が出てしまった。 やっぱり考えないのは無理だと思うように。 なつきが先程から考えている事。 それはむつみから聞いた事だった。 「ここまでの事は全て選ばれて仕組まれた事……か」 それはナイアによって仕組まれていたかもしれないという事。 今まで生き残った18人、皆ナイアの計算通りに動いていたといわれた事だった。 あの時深く考えなかったが冷静になってみるととても不安になってしまう。 それはつまり…… 「クリスとの事も……この想いも仕組まれていた……というのか」 クリスとの事も仕組まれていた。 そういう事になってしまう。 違う。 そう思ってブンブンと頭を振った。 嫌だった、単純に。 このかけがえない想いが作られてなんて考えたくない。考えたくも無い。 だってこんなにも溢れる想いは本当なのだから。 愛おしくて愛おしくて。 それが作り物なんて考えられない程…… だから口に出す。 想いを確認する為に。 「クリス……愛している」 「……僕もだよ、なつき」 「…………え?」 ふわりと抱きしめられる。 優しい言葉と共に。 なつきを繋ぎとめるように。 クリスが後ろからそっと抱きしめていた。 何時の間にか起きていてなつきを抱きしめている。 なつきはその手をぎゅっと握った。 笑顔で、強く。 そうだ、クリスはいつもこうだ。 不安をやすらげてくれる。 居て欲しい時に傍に居てくれる。 嬉しくなってその手を握っていた。 「なつき……この想いは本当だよ」 「クリス……」 なつきの呟きを聞いたか知らずか。 それでもクリスは優しく伝える。 その想いを言葉に変えて。 「どんな時でも、何処でも……例え作られたとか言われても……」 仕組まれたのかもしれない。 予定調和なのかもしれない。 でも、それでも。 「なつきと出会えた事は……奇跡だから。有り得ない出会いなんだから……」 「クリス……」 「だから……この想いは本物で掛け替えの無い大切なものだよ」 「私もだ……クリス」 この島で。 時空も、世界も超えて。 出逢って。 恋して。 愛し合って。 笑って。 泣いて。 そして今も傍に居られる事は…… たった一つの小さな奇跡。 だから。 この想いはきっと何物にも変えがたい…… かけがえないものだから。 だから紡ぐ。 「なつき……愛してる」 「クリス……愛してる」 小さな奇跡の愛を。 そのまま唇を重ねて。 想いを重ねて。 深い深い愛を。 確かめるように 優しく求め合っていく ――――かけがえのない想いを。 OVER MASTER (超越) 3 <前 後> OVER MASTER (超越) 5
https://w.atwiki.jp/souennimoyuru/pages/98.html
クロエLv250 - 270 sample no simulate logs.
https://w.atwiki.jp/sonicy_memo/pages/3797.html
Over “Quartzer” Shuta Sueyoshi feat. ISSA ADVANCED Level 7 BPM 133 Notes 460 1 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 2 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 3 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 4 ①①口④ |①-②-| 口⑥②口 |③-④-| 口③⑥口 |--⑤-| 口口口⑤ |--⑥-| 5 ①口口口 |--①-| ②口口口 |--②-| ③口口口 |--③-| ④口口口 |--④-| 6 ④口①① |①-②-| 口②⑥口 |③-④-| 口⑥③口 |--⑤-| ⑤口口口 |--⑥-| 7 口口口① |--①-| 口口口② |--②-| 口口口③ |--③-| 口口口④ |--④-| 8 ①①口④ |①-②-| 口⑥②口 |③-④-| 口③⑥口 |--⑤-| 口口口⑤ |--⑥-| 9 口口口① |----| ③口口口 |①---| 口口口口 |②---| ②口口口 |③---| 10 ④口①① |①-②-| 口②口⑤ |③-④-| ⑥⑧③口 |⑤-⑥-| 口口口⑦ |⑦-⑧-| 11 ⑤口①口 |①-②-| 口②口⑥ |③-④-| ⑦口③口 |⑤-⑥-| 口④口⑧ |⑦-⑧-| 12 ⑦口口口 |①--②| 口①①⑤ |--③④| 口口④口 |⑤--⑥| ②③口⑥ |--⑦-| 13 口①②⑦ |①-②-| 口③口口 |--③-| 口口⑤口 |④-⑤-| ⑥口口④ |⑥-⑦-| 14 口②①口 |①-②-| 口④口⑤ |--③-| 口口⑦口 |④-⑤-| ⑥口口③ |⑥-⑦-| 15 ⑧口口④ |①-②-| ③口口⑦ |③-④-| ⑥口口② |⑤-⑥-| 口①⑤口 |⑦-⑧-| 16 口②②口 |①-②-| 口④口口 |③-④⑤| 口口⑤口 ①③③① ⑦口⑩⑧ ⑨口口口 口⑥口口 |⑥-⑦⑧| 口⑪口口 |-⑨⑩⑪| 17 ④④⑤⑤ |①-②-| ⑥⑥③③ |③-④-| ②②⑦⑦ |⑤-⑥-| ⑧⑧①① |⑦-⑧-| 18 口②①口 |--①②| ⑪④③⑩ |③④-⑤| ⑤口口⑥ |⑥-⑦⑧| ⑨⑦⑧口 |-⑨⑩⑪| 19 ③③①① |①-②-| ⑧⑧⑥⑥ |③-④-| ④④②② |⑤-⑥-| ⑦⑦⑤⑤ |⑦-⑧-| 20 ④①①④ |①--②| 口口⑥口 |--③-| 口②②口 |④--⑤| ⑤③口⑤ |--⑥-| 21 口①①口 |①--②| 口③口口 |--③-| ⑦口④⑧ |④---| ⑤②②⑥ |⑤⑥⑦⑧| 22 ①①②② |①---| 口①②口 |--②-| 口口口口 口口口口 口口口口 口③口口 口口④口 |----| 口口口口 |③-④-| 23 ②口口② |①---| ④口口④ |②---| 口口口口 |③---| ③①口③ |④---| 24 ②③④⑤ |①---| ②③④⑤ |--②-| ①口口① |③-④-| ⑥口口口 |⑤-⑥-| 25 口口口⑤ |----| 口口口口 |--①-| ④③②① |②-③-| ④③②① |④-⑤-| 26 ①口口口 |----| 口口口② |--①-| ③⑤口口 |②-③-| 口口口④ |④-⑤-| 27 口②②① |①---| 口③③口 |②---| 口④④口 |③---| 口口口口 |④---| 28 ①⑤⑥④ |--①-| 口⑦口口 |②-③-| 口口⑧口 |④-⑤⑥| ③⑨口② |-⑦⑧⑨| 29 ④口⑤口 |--①-| 口⑥⑨③ |②-③-| ②⑧口口 |④-⑤⑥| 口口⑦① |-⑦⑧⑨| 30 ③①口口 |①---| ③口②口 |----| 口②口③ |----| 口口口③ |②-③-| 31 ②④①① |--①-| 口口③口 |----| 口③口口 |--②-| ①①④② |③-④-| 32 口口①① |①---| 口口口① |----| ①口口口 ①①口口 口③③口 口②口口 口口②口 |②---| 口口口口 |--③-| 33 ⑥口口⑥ |--①-| ①口口② |②-③-| 口④⑤口 |--④-| 口③③口 |⑤-⑥-| 34 口①②口 |--①-| ④①②⑤ |②---| 口④⑤口 |③---| ③口口③ |④-⑤-| 35 口①①口 |--①-| 口口口口 |----| 口口口口 口口口口 ⑤⑤④② ⑤③口口 口口③⑤ |②-③-| ②④⑤⑤ |④-⑤-| 36 ②口口② |----| 口口①口 |----| 口①口口 |①---| 口口口口 |--②-| 37 口口口口 |--①-| ①①⑥⑥ |②-③-| ⑤⑤②② |--④-| ③③④④ |⑤-⑥-| 38 ②口口口 |----| 口口口口 |----| 口③口口 |①--②| 口①口口 |--③-| 39 口口②① |①---| ③口口口 |----| 口口口口 |--②-| 口口④口 |③-④-| 40 ⑦⑦③③ |①-②-| ⑥⑥②② |③-④-| ⑤⑤①① |⑤-⑥-| 口④口口 |⑦---| 41 ⑥⑥⑤⑤ |①-②-| ④④①① |③-④-| 口⑤⑥口 |--⑤-| ②②③③ |--⑥-| 42 口口口口 |--①-| ③口②口 |②-③-| 口②口③ ①口口① 口⑤④口 口口⑥⑥ ⑥⑥口口 |--④-| 口④⑤口 |⑤-⑥-| 43 ②④⑤⑤ |--①-| ①①③⑤ |----| ⑤③①① |②-③-| ⑤⑤④② |④-⑤-| 44 ②口口② |----| 口①口口 |----| 口口①口 |①---| 口口口口 |--②-| 45 ⑤⑤④④ |--①-| 口③③口 |②-③-| ④②②⑤ |--④-| ④①①⑤ |--⑤-| 46 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 47 口口口口 |----| 口①口口 |----| 口口②口 |--①-| 口口口③ |②-③-| 48 ①口②② |①---| ④④⑤口 |②---| 口口③③ |③---| 口口口口 |④-⑤-| 49 口③口口 |--①-| 口口④口 |②---| 口⑤②口 |③-④-| 口①⑥口 |⑤-⑥-| 50 ②②①① |①---| 口口口① |②---| ①口口口 ①①口口 口口口口 口④④口 口口③③ |③---| ⑤口口口 |④-⑤-| 51 口④口口 |--①-| 口⑤口③ |②-③-| 口⑥口② |④-⑤-| 口口口① |⑥---| 52 ②②口① |①---| 口口④④ |②---| ③③口口 |③---| 口⑤口口 |④-⑤-| 53 ④口①口 |--①-| 口②口⑤ |②-③-| ⑥口③口 |④-⑤-| 口口口口 |⑥---| 54 口口口口 |----| 口口③③ |----| 口口②② |①-②-| 口口①① |③---| 55 口口口口 |①-②-| ③③口口 |③---| ②②口口 |----| ①①口口 |----| 56 口①①口 |①---| 口口④④ |----| 口口③③ |②-③-| 口口②② |④---| 57 口口口口 |①-②-| ③③口口 |③---| ②②口口 ①①口口 口口口口 口口④口 口⑤口口 |--④-| ⑥口口口 |⑤-⑥-| accuracy 99.5%