約 2,428,802 件
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/35751.html
わたしというすぺくとらむ【登録タグ でっち わ 八白 巡音ルカ 曲 歌愛ユキ】 作詞:八白 作曲:でっち 編曲:でっち 唄:巡音ルカ.歌愛ユキ 曲紹介 一年ぶりの新曲です 歌詞 (動画より書き起こし) コンビニへ行くよりも 手軽に奇跡を起こせるとしたら なにを願うだろう 幼い頃の私なら お菓子でいっぱいのブーツなんて 欲しがったかもしれない 流れ星を見るだけで もしも願いが叶うとしたら 望みはもう決まってる 時計の針を進めて 明後日より先の自分自身に 会ってみたいと思うんだ 絵本は幻想の窓 時を越えてリンクする 昨日と明日と いまを繋ぐ連続体(スペクトラム) 冬の前日の清冽な空気 はるか昔の青空から いつか未来の自分まで 初雪の街で たった今すれ違った あの子が あの人が 私だなんて馬鹿なこと考えたりして かつて心に誓った 夢からハダシで逃げ出しても もう何も感じない 色あせたアルバムの 私の瞳は いつもまっすぐで いたたまれなくなる わたくしといふ現象の ひとつの青い照明は 有機の 因果の 光香る共感覚(シナスタジア) 白い週末の柔らかな記憶 いつの日か辿り着く背中が すこしつらそうに見えた 荒野を行くだろう 後悔するだろう それでも私の歩む道は 間違いなんかじゃないって伝えたい 冬の前日の清冽な空気 はるか昔の青空から いつか未来の自分まで 初雪の街で たった今すれ違った あの子が あの人が私なら 昨日の 明日の 自分だとしたら 話したいことがたくさんあるんだ コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aoiumi/pages/5.html
トップページ>選手成長情報 選手成長情報(年数は問わず) ■セ・リーグ ┣中日ドラゴンズ ┣阪神タイガース ┣東京ヤクルトスワローズ ┣読売ジャイアンツ ┣広島東洋カープ ┗横浜ベイスターズ ■パ・リーグ ┣北海道日本ハムファイターズ ┣西武ライオンズ ┣福岡ソフトバンクホークス ┣千葉ロッテマリーンズ ┣オリックスバッファローズ ┗楽天ゴールデンイーグルス テンプレ1 弾道 ミート パワー 走力 肩 守力 エラー回避 3 F(5) F(50) F(5) F(5) F(5) F(5) 球速 コントロール スタミナ 変化球 140(km/h) D(120) D(60) Hスライダー1、Sスライダ1、ナックル1、Hシンカー1、Hシュート1 テンプレ2 3、F(5)、F(50)、F(5)、F(5)、F(5)、F(5) 140(km/h)、D(120)、D(60)、Hスライダー1、Sスライダ1、ナックル1、Hシンカー1、Hシュート1 選手成長に関しては年数は問わず。 開始時からかなり成長するよという選手の情報お願いします。
https://w.atwiki.jp/novels_ukyo/pages/40.html
好きということ もう一度、思い出してみよう。 その日は、チョコを渡す日だった? 「で、俺にどうしろと?」 テーブルを挟んだ向かいで、若月佑真が眉を顰めた。 外はうっすら雪が積もっていたけれど、掘っ立て小屋と呼ぶに相応しいプレハブの部室は、古さの割に足元に置いたストーブのせいかいい感じにあったかくて、椎名美琴は佑真と対照的にゆるみきった顔をしていた。 「うん、だからね、さぞかし恋愛経験の豊富であろう若月に助言を」 「その前にそれ、冷蔵庫に入れた方がいいぞ」 佑真は美琴がテーブルの上に置いた包みを指した。 もちろん中身はチョコレート、だ。残念ながら佑真宛てではない。 言われなくたって知っている。 そのチョコレートはここにはいない彼、月岡航へのものだと。 「そんなすぐ溶ける?」 「高けりゃ高いほどあっという間だぞ」 「じゃー大丈夫かも」 美琴が苦笑する。 直前まで渡すか渡さないかも迷っていた(しかもそのときから佑真も巻き込まれていた)くらいだから、前々から準備していたわけではない。 その慌ただしさ相応の値段、というわけだ。 最も仮に美琴と航がつきあっていたとしても、美琴が驚くほど高いチョコレートを用意するような性格でないことは十分承知しているけれど。 件の航は授業に出ていていない。 4限目の授業が終わって彼が戻ってくるまでの間が、美琴にとっては勝負だ。 美琴が一応チョコレートを冷蔵庫に入れて座り直す。 「んで本題だけど、俺は何について助言すればいいわけ?」 「何て言ったらいいかなあ、って」 そんなの自分で考えろよ、と言いそうになって慌てて口をつぐんだ。 美琴は助言が欲しいというよりも、多分落ち着かなくて話を聞いて欲しいだけなのだ。適当に本音を引き出してやればいい。 「なんかこう……これだけは言っときたい、みたいのない?」 「だからそれ、自分の中でまとまってたらこんな苦労しない」 「歌えば?」 「チョコ渡す前にちょっと待って、とか言っていきなり歌うの? やだそんなミュージカルみたいなの」 「だったら直球勝負しかねえじゃん」 「そうなんだけど……。うーん……」 美琴は唸りながらテーブルに突っ伏す。 何がどうまとまらないのかよくわからないので、佑真はそれ以上何も言えず黙っていた。 自分と美琴は出会って半年くらいの、バンド仲間だ。 と言っても、大学に入ってバンドサークルに入って最初にバンドを組んだのは今授業中の航に誘われて、だった。 航は人当たりのいいフレンドリーな性格で、ギターも上手かった。佑真も高校のときからしていたベースをそのまま続け、もうひとりドラムのメンバーも含めてそれなりにやっていた。 ただ、ボーカルだけはライブの度に変わっていた。どうしても馴染まなかったのだ。 そんなとき、どこでどう知り合ったのか、高校の頃天才ボーカルとしてちょっと有名だった美琴を、航が連れてきた。 美琴はデビューを目前にして声が出なくなり、デビュー構想から外された。 航のことだ、上手いこと説き伏せて断れない状況も作って、引きずり込んだに違いない。 普段見せている面とは裏腹に、殊に音楽に関してはものすごい熱意を見せる。歌うことがトラウマだった美琴を再び歌わせるあたり、只者ではないなと佑真は踏んでいる。 そして、これは今の美琴には絶対言わないが、航は多分美琴が好きだ。 その美琴は目の前で、もうすぐ航にチョコレートを渡そうとしている。 両方の気持ちを知っている佑真としては大変楽しめる状況だった。 「やっぱり、渡すだけにしよっかなぁ……」 ぽつりと美琴が呟く。 「何にも言わないで?」 「うん。いろいろ考えたけど、ダメ。一回しゃべりだしたら多分、わけわかんないこと延々しゃべってそう」 「その方が伝わるってもんじゃねえの?」 「かもしれない。でも、せっかくだから……落ち着いて普通に渡したいっていうか。それに、渡したらわかってくれそうじゃない?」 確かに、航なら拒みはしないだろうし、もしかして自分のこと、くらいまでは思うかもしれない。 でもそれだけじゃ。 「……椎名が、どういうつもりで渡したかは、いくらあいつでも絶対わかんねーと思う」 知らない間に、言葉が転がり出ていた。 美琴が驚いて目を見開く。 「どういうつもりって?」 「要は義理か、本命かってこと」 「やっぱ、そこまで伝わるって思うのは虫が良すぎ?」 「良すぎ」 「はー。やっぱしちゃんと言った方がいっかー……」 佑真は頷く。 「ねえ! 航はあたしのことどう思ってると思う!?」 「なんだよまたいきなり……」 「だってそれわかってたらちょっとは伝えやすくなるかもしんないし。若月のことだから何か知ってんでしょ? ねー教えてーー!」 「だからそれ確かめんのに渡すんじゃなかったのか?」 う、と美琴が言葉に詰まる。 本末転倒とはこのことだ。 「もういっぺん、シンプルに考えてみろって。椎名は世間一般の『好き』に囚われすぎ。自分に正直になってみ?」 「シンプルに、ね……」 言われた通り、航のことを考える。 どこが好きとか。 なんで好きとか。 正直、そんなのよくわからない。 知り合って長いわけでもないから、そんなに航のことを知っているわけでもないし。 だけど。 でも。 例えば、帰り道で夕焼けが綺麗だったとか、 星がよく見えるとか、 気に入ったCDを見つけて、聴かせたいと思うとか、 逆に、単位落としたとか、 ライブのチケット取れなかったとか、 バイトで怒られたとか、 自分が好きなことやへこんだことを一番に聞いてほしいと思うのは、決まって航だ。 それだけで、充分『好き』ってことに、なると思う。 『好き』の形はさまざま。 百人いたら百通りの形があって当り前。 佑真の言うとおり、よく言われる『好き』に、足元をすくわれていたかもしれない。 正直に、いま思ったことを言おう。 わかってもらえたら、チョコレートを受け取ってもらおう。 「なんかつかめた?」 「うん、そんな気がする。若月、ありがと」 「俺は何も」 「ううん、あたし勘違いしてたから。バレンタインは、チョコを渡す日じゃないよね。本当は、気持ちを伝える日なんだってこと、忘れてた」 「それだけわかれば上等」 佑真は含みのある笑顔で頷いて、時計を見た。 「考えてる間にちょうどいい時間になったな」 美琴も時計を見る。 4限終了、5分前。 美琴は冷蔵庫に入れたチョコレートを取り出す。 部室を出ようとして、振り返った。 「結果がどんなんでも、聞いてくれる?」 「もちろん」 「ありがと。じゃあ行ってくるね!」 ぱっと笑顔になったと思ったら、次の瞬間いなくなっていた。 美琴がさっき何をつかんだかは佑真にはわからない。 けれど、一生懸命伝えようとするだろう。 それを聞いたときの航の顔を想像して、佑真はひとり肩をすくめた。 甘いものが好きではなかったはずの航が、その日、さっきまで美琴の持っていたチョコレートをそれはそれは大事そうにまた部室の冷蔵庫に入れていたのを佑真は見た。 美琴の『好き』は、ちゃんと航に伝わったようだ。 fin.
https://w.atwiki.jp/sundayrowa/pages/248.html
貫くということ◆WMyP5RHbA6 殺す。 霧沢風子の頭にある思考はそれだけだった。 目の前で血と臓物を撒き散らしながら動かない仲間を見て。 風子の世界は音を失くした。 「あ、ああっ」 殺し合い。集められた五人の仲間。 全員が全員ただで殺られるようなヘタレ野郎じゃない。 今回もいつも通り、ボロボロになりながらも無事にハッピーエンドを勝ち取るはずだった。 「何でだよ……何でっ!」 ハッピーエンドはもう叶わない。一緒に生きて帰りたい仲間が早くも二人消えてしまった。 何やってんだ、烈火、みーちゃん。殺しても死なないゴキブリみたいなお前等がどうして死んじゃうんだよ。 流れだした放送を口では否定したが、心の奥底ではとっくに理解できていたはずだ。 烈火も水鏡も、死んでしまったんだって。 「残して、いくな。置いていかないでっ」 いつまでも続くと思っていた日常はもう二度と戻ってこない。 よしんば、残り三人が無事に生きて帰って、柳を助けることができたとしてもそこに二人はいない。 全員揃って火影なのだ、誰か一人でも欠けたら駄目なのだ。 もう、仲間を失うことなんてゴメンだ。絶対、一緒に生きて帰るんだ。 そう決意した矢先のことだった。 また、いなくなる。しかも、今度は自分の前という最悪のシチュエーションだ。 「嫌だよぉ……」 風子にとって、烈火と土門はある種火影の中でも特別な存在であった。 魔導具なんてものに関わる前からの付き合い、言わば幼馴染のようなものだ。 片方の烈火は既に死んでしまい、土門も生きてこそいるがもうじき死んでしまうだろう。 「……憎い。あいつらを殺した奴等が憎い。あいつらが生きることを許さなかった世界が憎い」 烈火も、水鏡も、土門も。どうして死ななくちゃいけないんだ。 死んでいい理由なんて何一つない奴等なのに。 故に、そんな奴等を殺した目の前の敵が憎いのだ。 手に持っている風神剣が囁くのだ。 殺してしまえ、と。生きる価値のない奴等なのだから仕方ない、と。 「殺す」 風子はこの甘く蕩けるような殺意に身を委ねることを決めてしまった。 仇討ちだ、これは正当なる殺人なのだから。 自分の仲間が死んでいくのを防ぐ為にそうするしかないじゃないか。 仲間以外を殺して、護リ抜く。この選択に間違いなんかない。 「風神剣、応えろ」 その為なら悪鬼にでも何でもなってやる――! 背負ったデイバックを放り投げて、風神剣を強く握り締める。 彼女の仲間は誰もその選択肢を望んでなんかいないというのに。 吹き始めた風はもう止まらなかった。 「だから言ったじゃん! あれ危険だって!」 「……悪い。お前の言うことだとはいえ、全く信用しなかった俺のミスだ」 一方の横島と清麿は、風子の影響を受けないよう、背後へと下がっていた。 状況は、極めて最悪だ。 風子は暴走し、土門は死にかけ。マシン番長もダメージが大きいようですぐには動けない。 圧倒的に戦力が足りなさすぎるのだ。 今でこそ、風子の暴走に面食らっているのか、襲いかかってきているバロウとさとりはこちらまで攻めて来ない。 だが、彼ら二人が落ち着きを取り戻したら最後、全滅もありうる。 (考えろ、考えろ! 何かあるはずだ、起死回生の手段が!) 冷静に流れを読み切らないと、死ぬ。 前回のようなミスはもう許されない領域まで来ているのだ。 ヒデヨシの犠牲を無駄にしない。 そう、誓ったのだから。 「さとりさん、ここは僕が抑えるからあの人達の所へ」 「わかった。へへ、一気に行くぞ」 やはり、来たか。 清麿は唾を飲み込み、震えを必死に抑える。 デイバックの中からAK-47を取り出しいつでも撃てるように安全装置を解除。 頼れるのは自分だけだ。 「殺す」 「君の相手は僕だよ」 さとりを行かせまいと風子は風神剣による風の刃を発生させた。 だが、刃はバロウの放つ鉄により掻き消される。 その後も息をつく暇すら与えずに鉄を連射。 風子は自分の身を護るのに力を使わなければいけない。 「畜生、やるしかないか!」 扱い方も知らない武器を持って戦闘など正直真っ平御免。 加えて、生き残れる可能性は限りなく低い。 清麿の拙い頭はそう判断している。 それでも、黙って殺されるのだけはごめんだ。 最後の最後まで足掻いてやると決めたその時。 「だらっしゃああああああああああああ!!!」 清麿の目に信じられない光景が写った。 さとりの繰り出す海月を受け止めた横島である。 手には文殊で作った双頭の霊波刀を握りしめて。 「うごごごごっ! こわっ、こんな近くで鍔迫り合いとか超怖いっ! それにこの野郎、顔も怖いし!」 頭から滝のように冷や汗を流しながら横島はさとりの腹にヤクザキック。 もろにくらったさとりはまりのように吹き飛んだ。 その瞬間、横島は後ろを向いて怒鳴り散らす。 「何ぼさっとしてやがるんだよ、おいいいいいっ! ぼーっとしてるんじゃねえええええ!!」 「あ、ああっ!」 「この俺が銭も美女も手に入らない足止め役なんてやるんだっ! 高嶺清麿っ! お前はさっさとそこでのびてる二人を叩き起こして来い!」 「横島……」 「はよいけーっっっ!!! こんな役目はさっさと終わらせたいんじゃあああああああああ!!!」 「死ぬなよ、横島っ!」 清麿は脇目もふらずに土門達が倒れている所に走っていく。 それを見て、さとりは追いかけようとするが横島が牽制してくる為に動けない。 結局は、清麿の逃亡を許すこととなる。 「どうして逃げなかったんだ? お前の頭の中身は逃げることでいっぱいだったのに」 「うるせええええっっ! まだ風子ちゃんの乳揉んでねーのに逃げてたまるかあああああっ! 俺だって本当は逃げてえよおおおおおおお!!! というか、ここでいいとこみせたらあんなことやそんなことができるかもしれないだろうが!」 「お、おう……」 顔に青筋を浮かばせながら、横島は涙を流しながら叫ぶ。 「だから、お前等さっさと帰れよォ!」 横島は霊波刀をぐるんと回し、強く地面を蹴る。 さとりによる右斜め上から振り下ろされる一撃を斜線から身体をずらすことで回避。 後ろに回りこんでからの突き、まるで読まれているかの如くひらりと躱された。 だが、霊波刀はそこから流れるような横振りの一撃に移転する。 さとりも面食らったのか、回避するのがほんの数秒だけ遅れてしまった。 「ぬぅ……!」 「おらららららららああああああ!!」 微かに切り裂かれるさとりの肌。致命傷には至らないがそれは横島にとって確かな自信となる。 このまま押し切りたい横島と何とか挽回したいさとり。 言葉をかわすこともなく、二つの刃が乱雑にぶつかり合う。 傍で荒れ狂う風などもう二人には見えない。 二人の頭にはこの闘いを乗り切ることしか頭にないのだから。 (チッ……! 何なんですかああああ!? めっちゃ強いんですけどォ! 早くヘルプミーィィィィ!) (ううっ、こいつの頭の中、読みにくい……胸揉みたいとか尻触りたいとか童貞卒業とかよくわかんねえなァ) 互いに焦燥感を胸に秘めながら刃を振るう。 最も、殺意に溢れているさとりとは違い、横島は早く助けてきてくれという情けない情が漏れ出しているが。 何合か、刃を重ねるが一向に決まらない。 膠着状態の戦闘にしびれを切らしたのかさとりは一旦後退し、刃を収める。 「読みにくいなァ、おめえの心」 「ああん!?」 「浮かび上がるのが女性と裸で抱き合ってるのばっかだ」 「当たり前だろーがっ! こんな刃同士でお話し合いよか女の子とベッドでお話の方がよっぽどしたいんだぁ!」 横島の煩悩前回の言い分を聞いて、目を丸くしてさとりは首を傾げる。 人間の考えることはよくわかんねえなァ。オレも人間になったらそんなことを考えるんだろうなァ。 心の中でそう結論付けるが、それは大きなミステイク。 こんな殺し合いの場でそのようなことを考えるのは横島ぐらいだろう。 「そうかァ。でも、オレもミノルの目を治す為に。人間になる為に優勝しなきゃいけねぇんだ」 「はぁ?」 「妖のままじゃ家族になれねぇ。なら優勝して人間になればミノルとも家族になれる」 「なにいってだこいつ」 横島は怪訝そうにさとりを見るが、彼の表情は変わらない。 薬でもやってヒャッハーよろしく気が狂っている訳でもなく、心の底から大真面目。 「別に妖のままでも家族になればいいんじゃないんでしょうかねぇ……」 「だって、なれねぇってバロウが……」 「いやいやいや別にいいんじゃねぇの? 誰が咎める訳でもないし」 横島は何とかしてこの闘いを終わらせようと口八丁で説得する。 命の取り合いなんてやりたい奴等が勝手にやっていればいいのだ。 それに自分のようなか弱い美少年を巻き込むのはどう考えてもおかしい。 「そうか……そうなのか」 横島、心の中でガッツポーズ。これで命の取り合いからはおさらばや! 後は風子ちゃんの胸を揉んで終了、と思いきや。 「でも、ミノルの目を治すのに新鮮な目が必要だな……」 「えっ」 「ここで新鮮な目をたくさんとってミノルの元へと帰らないと」 「ちょ、おま」 「だから、おめえの目を寄越してくれ」 さとりは海月を再び持ち、横島に迫る。 横に一閃、力に任せて振りぬくが、横島は後ろにひとっ飛び。 余裕を持って躱す。 「ミノルの目がみえるようになるには、目を集めなければいけねぇんだ!」 「そーかい。だけど、俺の目は渡せねえよ」 横島は霊波刀をさとりに突きつけて咆哮する。 「この目がなくなったらあいつを誰が見てやるってんだ! つーか目ぇ見えなくなったら女の子の裸見れねーじゃねえか! ざっけんな! 可愛い女の子を焼き付ける横島アイは簡単には渡さん!」 再び、刃が衝突する。横島は、できれば闘いなんてやめたいと思っているが、もう避けられない所まで来ているのだ。 輝かしい未来を掴む為にはこの闘いを勝つしかない。 横島は覚悟を決めて、さとりに向き直る。 「待ってる人がいるのはお前だけじゃねえ!」 「オレはミノルに笑っていて欲しいんだァ!」 互いに譲れない思いがあるのだ。思いがぶつかり合えば激突は当然。 思いを貫き通す為に闘うしかないのだから。 「おい、大丈夫か?」 「俺ハ大丈夫ダ。ソレヨリモ」 「ああ、わかってる……」 後方で二人を抱き起こしていた清麿は焦っていた。 マシン番長は正直良くわからない。機会の人間の体調などわかるはずもなく本人の自己申告に頼るしかない。 彼自身、大丈夫だと言っているので一応の所は安全ラインに入れてはいるは油断は禁物。 何かあったら早急に対応しなければいけない。 それよりも、問題は土門だ。 「クソッ、どうすればいいんだよ!」 流れだす血が止まらない。そもそも、血を止めたとしても贓物が飛び出ている以上は意味が無いのかもしれない。 それでも、諦めるという考えは清麿の頭の中には最初から存在しなかった。 魔物の王を決める闘いで自分は諦めたか? 否、最後まで足掻いたじゃないか。 ならば、闘いのラインが変わったとしても自分は変わらない。 「絶対、助けてみせる」 何かあるはずだ、この男を救う手段が。 清麿はマシン番長、土門、風子が投げ捨てたデイバック急いで漁り、支給品を確認していく。 そして。 「これなら……もしかすると」 「アッタノカ!」 見つけた。ほんの少しの希望を。 「だけど……これはっ! これを使うと……」 ただし、ほんの少しの希望は絶望も一緒に孕んでいた。 それは横島が何の価値もないと判断した謎の玉。 彼が同梱されていた説明書に気づかなかったのは幸か不幸か。 「人じゃなくなるかもしれない」 アドバンスドARMS――グリフォン。 かつて、キース・レッドに移植されたはずだったものである。 これを土門に移植すればARMSの高い再生力により瀕死から蘇るかもしれない。 だが、そんなアドバンテージばかりのうまい話があるはずもない。 「俺の一存で、勝手にこの人に使っていいのか? 人のまま死なせるべきじゃないのか?」 説明書には適用されない者は死に至ると書かれていた。 これについては清麿はさほど重要視していない。 土門はこのまま放っておいても死んでしまうのだ、ならばほんの少しの希望にかけてもいいだろう。 それよりも、清麿を困惑させる事実はARMSを使うことで人という領域を捨て去ることだった。 「俺ハ生キテホシイト願ウ。コノ男ハソンナ些細ナ事ヲ気ニスルタマデハナイ」 「それでも、考えてしまうんだ。望んでもいないのにどうして埋め込んだって言われちまうのが。 ははっ、情けない……人の命がかかってるのに考えるのは自分の保身かよ!」 地面に拳を突き立てて、清麿は涙を目尻に貯める。 覚悟はあるのか。一人の人間を変えてしまう覚悟が。 自問自答しても答えは見つからない。 アンサートーカーを使ったとしてもきっと見つからないだろう。 これは自分の気持ち、在り様を問うものなのだから。 「助けなきゃって思ってるのに! 俺は背負うのが怖いんだ……この人を変えちまうことが!」 「ナラバ、俺モ背負エバイイノデハナイダロウカ。一人ヨリハ二人デ背負ッタ方ガ楽ナノダロウ」 「アンタ……」 「俺ハ助ケタイ。コノ男ハ『火影』ニ誘ッテクレタ。今ハ自分ガリーダーダッテ言ッテイタ。 リーダーガ死ヌノハ駄目ダ」 マシン番長がふらつきながらも立ち上がる。 「言ワレタカラジャナイ。俺ノ意思デ、俺ノ頭デ、俺ガヤリタイコトヲ選ブ。 ナラバ、俺ハドンナコトニナッテモ……コノ男ハ自分ヲ保チ続ケルト信ジル」 「そうだな……俺も覚悟、決めるよ。助けるさ、絶対に」 清麿は涙を服の袖で拭い、グリフォンのコアを強く握る。 このコアを使うことで後悔するかもしれない。罵られるかもしれない。 それでも、受け止めよう。信じよう。 土門を助けたいという気持ちは決して、間違いなんかじゃないと。 「ああん? 俺が通ってる学校だよな、ここ?」 俺の記憶が確かだったなら。 殺し合いに巻き込まれて。打ち上がった花火の元へ行く途中で変な侍とドンパチかまして。 で、変な侍を適当にあしらって辿り着いたら花菱が死にかけだった。あの殺しても死なないこと間違いなしの花菱がだ。 それで、花菱背負って逃げる途中でよくわかんねぇ威圧感持った奴に出くわした。 思い出しても身震いするぜ。紅麗と同格、いやそれ以上かもしれねぇな。 「頬を抓っても景色は変わらねぇしよォ……」 そいつを食い止める為に花菱は……一人で残った。 俺を助ける為に。 ふざけんな、って叫びたかった。 お前、そんな自己犠牲なんて嫌いなタチだろうが。 柳護るっつー誓いはどうした。 本当に護りたいのは、助けたいのは……俺じゃねぇだろ! 「畜生。訳わかんねぇんだよ! 殺し合いに巻き込まれて! 花菱も水鏡も死んじまって!」 死んじまったら――終わりじゃねえか! 柳どうすんだよ、お姫様一人残してよォ。あいつにどう説明すりゃあいいんだよ……。 お前はたった一人の王子様だろうが! 「ふざけんなっ! クソ野郎が! テメェら馬鹿だろ!」 「うるせええええええええ! 一番お前には言われたくないわ!」 「同感だな。まさか、土門に馬鹿にされるとは」 叫んだと同時に背中に衝撃が走る。痛っ! 超痛っ! だけど。何故か、その痛みと声が懐かしくて。 仕方ないなと思いながら後ろを振り返った。 「よっ、土門」 「まだ、死んでないらしいな」 「うるせー。土門ちゃんは頑丈なんですぅー、お前等みたいなやわな身体はしてないんですぅー」 花菱と水鏡がニヤついた笑みを浮かべながらそこに立っていた。 おい、死んだんじゃねえのかよ。普通に生きているじゃねェか! 心配して損したわ! とりあえず、積もる話もあるし中に入ろうということになって校門をくぐる。 何故か、人は俺達以外いなかった。マイスイートハニーである風子がいないことがとても不満です、まる。 いつも通りの軽口を交わしながら、玄関に入って階段を登る。その間も、こいつらはやっぱり馬鹿だった。 「誰も人がいねえ、騒ぎ放題だァ!」 「馬鹿が移る、おとなしくしていろ。せっかく、もう一人の馬鹿がおとなしいんだから」 「馬鹿馬鹿言うなよ!? お前はもっと俺に優しくすべきだ!」 「「それはありえない」」 「ハモるなよ!」 殴りたいくらい馬鹿なのに。どうして、殴れないんだろう。俺の拳があいつらに届かないのだろう。 はっ、わかってるさ。今、俺が見ているのは夢で……こいつらはもう死んじまったんだって。 現実の俺はもう死ぬ寸前で。 最後に見た景色は風子が涙を浮かべてこっちに来るっつう漫画のようなもんだ。 随分とドラマチックに演出してくれんじゃねえか、おい。 「屋上到着っ!」 「言わんでもわかる、いちいち喧しいんだ、お前は」 屋上のドアを開けると、ちょうどいい具合に吹き抜ける風と曇一つない青空が出迎えてくれた。 俺の気分とは真逆の天気に自然と口が緩んでしまう。 ここまであからさまだとさすがに笑っちまうわ。 「さてと、土門。お前さ……どうすんだ?」 「何がだよ?」 「このまま黙って死んじまう訳?」 「バーカ、お前らと違ってお姫様残して死ぬかよ。俺には風子とイチャコラするという崇高な使命がのこっているんだからよ」 「風子がそれに答えるかどうかは別問題なんだけどな……」 「やめておけ。馬鹿に言っても無駄だ」 聞こえてんぞ、おい。 「例え、生き返ることができたとして、だ。その代償にまともな人間じゃなくなっても……お前は生きることを望めるか?」 「はっ、やけに脅かすじゃねぇかよ、みーちゃん!」 「答えろ、土門。それでも、お前は生きることを望むのか!」 やけにマジな水鏡の顔に思わず黙っちまう。烈火は我関せずといった感じでそっぽ向いてやがるしよ。 まあ、返す答えは決まってる。だから、迷うことなく水鏡の眼を見れる。 「関係ねーって。まともな人間じゃない? そんな問いかけ今更じゃ、ボケ! ここまで来たら突っ走るだけだろ!」 「その可能性が限りなく低いとしてもか!」 「低いなら上げりゃあいいだろうが!」 「戻った現実が辛くてもか!」 「くどいぜ! 俺は俺で在り続ける為に――前に進む」 ここで倒れる訳にはいかねぇんだ。こいつらの分まで柳を助けるマラソン走らないといけねぇしな。 あー、よく考えると腹立ってきた。何で俺がお前らの分まで走らなきゃならんのだ。 最低限のノルマ走ってから逝けよ、バーカ! 「言ったろ、こいつはこの程度じゃ止まらないって。なんていったって火影一の馬鹿なんだからよ」 「はぁ……馬鹿は死んでも治らないとは本当だったな」 畜生、この野郎他人事だと思ってにししと歯を見せて馬鹿笑いしやがる。あの世に行ったら絶対一発殴る。 あ、水鏡は二発な。ジョークにしては笑えないんだよ、死んでも治らないって! 「もういいや。さっさとじゃじゃ馬お姫様助けに行ってこい」 「悔しいことに僕達はもう何も出来ないからな」 「言われなくても。風子を助けんのは勿論だけどよ。 お前等の分までキースブラックぶん殴ってくるからさ、土産話を期待して待ってな」 ここを去ると、こいつらとは二度と話せないことはわかってる。 今のは夢、ちょっとした奇跡みたいなもんだろう。 だけど、それでいい。いや、そうじゃなくちゃいけないんだ。 死んだらおわり。だからこそ、こいつらは俺に大切なもんを託してくれたんだからよ。 だったら! その分、俺が柳を助けるのも頑張らねぇとなぁ! 柳にとってご希望の王子様でないっつーことはわかってもらうしかねぇけど。 「花菱、水鏡。俺、行ってくるわ」 「フン、精々頑張ってこい」 「ああ……それとさ。火影、任せたぞ。お前がリーダーやっとけ」 「いいのかよ、俺で」 「だって俺死んじまったしな。風子はしょっちゅう無茶するし、小金井はガキだし。しょうがなくだ、しょうがなくだかんな!」 「はいはい、わかりましたー。ったく、重いもん押し付けやがる」 「全く、お前達はいつも大事なことを軽く決める……」 言われなくても、やってやるさ。 火影は終わらせない。 負けてなんかやらねぇよ、キース・ブラックの箱庭遊びなんかになぁ! 「くっ……神器が効かない!」 最初は余裕のある闘いだったはずだ。 死にかけ二人を殺すだけの楽な消化試合。 それがどうしてこうなった。 バロウは焦燥感を無理矢理押し込めて、再び神器を形成する。 「鉄!」 四方向からの攻撃。隙間などありはしない。 上に飛ぶならばそれこそ絶好の的、確実に命を仕留めることができる百鬼夜行で狙えばいい。 「邪魔」 その言葉一つで鉄は全て砕け散る。 全方向に押し出した風の風圧が鉄を轢き潰したのだ。 「風玉」 「ッ! 電光石火!」 バロウの足にローラースケートのようなものが装着される。 電光石火の恩恵により加速を利用し、バロウは風玉を躱しながら後退する。 最初は威風堂堂による防御も考えたが、防ぎきれないと判断。 よって電光石火による回避も兼ねた速度上昇を選択したのだ。 (これで一旦距離をとるっ! まずは落ち着いて戦略を立て直さないと……!?) 風が、耳元で鳴いた。そして、ニマァと笑みを浮かべる風子の姿がバロウの横を通り過ぎる。 そして、通り過ぎざまの斬撃に気づいたのは少し遅れてからだった。 痛みに悶絶し、思わず電光石火を解除してしまう。 「捕まえた」 バロウは地面に倒れながら考える。 この女は何故、電光石火の速さについていけたのだと。 彼が知る由もないが、風子が持つ風神剣は風を自在に操ることを可能とさせる魔剣だ。 その能力により、風を身に纏って電光石火以上の速度を出したのだ。 日頃から、魔導具である風神を使い、風を武器に使っている風子にとってその程度は鼻歌交じりに行うことができる。 つまるところ、バロウは風神剣を甘く見過ぎたのだ。 「ひっ」 一歩ずつ着実に迫ってくる風子に思わずバロウは後ずさる。 これが、恐怖というものなのか。 足が震える。眼の焦点が定まらない。 「あ、ああっ! 百鬼夜行ッ!」 これ以上近寄るなと言わんばかりに手から百鬼夜行を突き出した。 八角錐の柱が風子に向かって射出される。 だが、軽く横に跳躍することで百鬼夜行は空を切る。 「あ、ああああああっ!!! 鉄ッ! 鉄ッ! 鉄エエエエエエエッッッ!!」 百鬼夜行を解除し、鉄を連発するが全ては風神剣の前に粉々に砕け散る。 能力を使ったとて、躱され、砕かれるだけだ。 バロウは必死に繰り出すがもはや悪あがきにしか見えない。 「死ね」 振り上げられる風神剣にバロウはそっと目を閉じ――。 「何、らしくないことやってんだよ」 「ど、もん?」 「ったく、世話のかかるお姫様だぜ」 軽く口を緩めながら土門は風神剣を蹴りで弾き返す。 風子は少し後退し、風神剣を再び構える。 「どうして……」 「ん?」 「どうしてっ! 僕を助けたっ! 僕は君を殺そうとしたんだぞ!」 「ごちゃごちゃうっせーな。本命はお前じゃねえんだよ。助けたのはよ、ついでみたいなもんだ」 面倒くさそうに土門はバロウの頭をガシガシと撫でる。 思わぬ行為にバロウはきょとんと顔を固まらせた。 「とりあえず、そこに座ってろ。後でテメェの話も聞いてやるから」 「ぼ、僕は!」 「はいはい、黙って考え纏めとけ。俺は逃げねえからよ」 そして、土門は風子の方へと向き直りニカリと笑う。 まるで、友達に挨拶するかのように気軽に風子の間合いへと踏み入れた。 「よっ、風子。久しぶり」 「……生きてたんだ」 「当たり前だろ、そう簡単に死んでたまるかよ」 「そう、よかった。じゃあ、どいて。どかないと、そいつ殺せない」 「どかねぇ」 「ど・い・て」 「ど・か・ね・ぇ」 「どうして? そいつ、土門を殺そうとしたんだよ? じゃあ殺さないと」 「おいおいおい。『火影』のルールを忘れたのかよ。殺しはNGだろうが」 「私も最初はそう思っていた。だけど、殺さないと仲間が殺されるんだ。 なら……護る為に。殺される前に殺すしかない」 風子が風神剣を構えて周囲に鎌鼬を形成する。 いつでも戦闘に移行できるように。 加えて、バロウが下手な真似をしない為の牽制である。 「やったらやり返す、それだったらいつまでも終わらねぇじゃねぇか! 信じろよっ! 俺が支えてやるよっ!」 「……っ」 「一生、支えてやる! なァ、お姫様っ! 後は俺の手を取るだけだぜ!」 「もう、私は戻れないとしてもか!?」 「そんなの誰が決めたっ! 誰もわかんねえだろっ! どこにそんな証明はある!」 風子は頭部に浮きだした二つの角を顕にさせる。 それは、鬼の証拠。仲間を護る為に血塗れの修羅になる道を決めたのだ。 風神剣の影響があるとはいえ、風子にとってはそれ程までに『火影』とは大切なものだから。 「だから、意地でもどかねぇ! 俺は絶対に!」 「どいてよ! 私は……戻れねぇことを望んでんだよ!」 火影を護りたいという意志は同じではあるが、行動が違いすぎる。 一人は護ることを選び、一人は殺すことを選んだ。 どちらが正しいかなんて誰にもわからない。 ただ一つだけ明らかなことは――立っていた者が勝者。 生き残れなければ、言葉を届けることなんて出来ないのだから。 【C-3 北西部路上/一日目 午前】 【石島土門】 [時間軸]:SODOM突入前 [状態]:全身にダメージ、グリフォンの核を埋め込んでいる [装備]:御神苗優のAMスーツ@スプリガン、アドバンスドARMSグリフォン@ARMS [道具]:基本支給品一式×2、支給品1~5(0~2:本人確認済み、使えるものと使えないもの? 1~3:烈火確認済み、花火以外) [基本方針]:自分で在り続ける為に走り続ける、 ※御神苗優のAMスーツ@スプリガンは、胸部を抉られ、胴部を突き破られてます。 【マシン番長】 [時間軸]:雷鳴高校襲撃直前 [状態]:全身ダメージ極大、エネルギー消費大、自己修復&エネルギー回復中 [装備]:無し [道具]:ランダム支給品1~3、基本支給品一式 [基本方針]:月美を笑顔にするために動く。誰も殺さない。 ※番長関係者しか狙いませんが、一定以上の戦闘力があるとみなした人物は番長であると判断します。 ※対象の“人間”の殺害を躊躇しません。 ※レーダーは制限されています。範囲は不明。 【高嶺清麿】 [時間軸]:最終回後 [状態]:健康 [装備]:式紙@烈火の炎 [道具]:基本支給品一式×2、声玉@烈火の炎、テオゴーチェの爆弾ボール@からくりサーカス、コピー用紙百枚程度@現地調達、AK-47@現実 醤油差し@現実、わさび@現実 [基本方針]:このゲームからの脱出。ガッシュに会いたい。いずれアリスとコンタクトを取る。横島を監視しつつ風子と同行する。落ち着いたら情報交換しないと。 【霧沢風子】 [時間軸]:SODOM突入前。 [状態]:鬼化 [装備]:風神剣@YAIBA [道具]:基本支給品一式、ハンディカラオケ@現実、風子のリュック(基本支給品一式、支給品0~2(風子確認済み)、水一本消費) [基本方針]:――――――――殺す。 【横島忠夫】 [時間軸]:文珠を出せる時期。 [状態]:ボッコボコ(=いつも通り)、文珠×1、電撃なごーもんにより流石に動きが鈍る。 [装備]:文殊『剣』 [道具]: [基本方針]:死にたくない。忠夫ちんぴんちっ。いいとこ見せて胸揉みたい。 【さとり】 [時間軸]:紫暮&うしお戦直後 [状態]:万全 [装備]:海月@烈火の炎 [道具]:基本支給品一式×2、ランダム支給品1~5 [基本方針]:優勝し、ミノルの目を治して人間となり一緒に暮らす。 【バロウ・エシャロット】 [時間軸]:三次選考開始後、植木チーム戦以前。 [状態]:右斜めに斬られた傷 [装備]:H K MARK23(8/12)@現実 [道具]:基本支給品一式+水と食料一人分、月の石×4@金色のガッシュ、RPG-7(グレネード弾×5)@現実、支給品0~3(確認済み) [基本方針]:人間になるため、最後の一人となる。 ※名簿に書かれたロベルト=アノンと認識しています。 【アドバンスドARMSグリフォン@ARMS】 キース・レッドに移植されたARMS。 両腕がARMS化しており、最終形態の姿は巨大なブレードを両腕に持った人型。 投下順で読む 前へ:非戦闘生命 戻る 次へ:はじめの一歩 時系列順で読む 前へ:非戦闘生命 戻る 次へ:若者のすべて キャラを追って読む 105:死んだらおわり 霧沢風子 117:殺したらおわり(前編) 横島忠夫 高嶺清麿 石島土門 マシン番長 バロウ・エシャロット さとり ▲
https://w.atwiki.jp/kwskp3/pages/109.html
考 特に「考察」ということでもないのだが、真次郎というからには当然、真一郎という名の兄がいてもいいはずなのだ。 というか、長男に真「次郎」というのは有得ないのではないだろうか? 察 名前を付けられたのが孤児院でなら血縁ではなくても一郎や太郎がいたかもしれない 意見 明彦との関係から、長男っぽい印象があったけど他にお兄さんがいるなら次郎でも納得出来る話です 思いつき 単に真田に「シンジ」と呼ばせたかった故の当て字では? 察2 長男は長生きしないとかいう昔あったらしい迷信(女装させて育てるとかもあったそうな) 職人系の家系では文字通り「次」代に継承する祈願の意味で「次・継・嗣」などを名前に加えることもあったとか(うちの家系だけかも知れません^^) 最近は珍しいことじゃない
https://w.atwiki.jp/jcbr/pages/441.html
0314:"仲間"ということ ◆7euNFXayzo 半炎半氷の怪人が放った焔は、あらゆる存在を無慈悲に焼き尽くしていく。 草木を。大地を。造られた存在とはいえ、現実の世界においては、悠久に続いていく筈だったその自然を。 火炎地獄。この状況には、そんな言葉が相応しい。 思ったよりも火の手が早い。世直しマンがそれに気付いたのは、下山を始めてすぐの事だった。 燃焼を加速させるものが、あまりにも多過ぎる。 生い茂る雑草、咲き誇る花の群れ。 状況が状況でなければ愛らしさの一つでも覚えたのだろうが、今はその一つ一つが疎ましい。 足場を悪くする要因であることも、辛い。 ヒーローである自分はまだいい。ピッコロとの闘いで受けたダメージは当然癒え切っていないが、 小柄な少女一人を背負って歩く分には何の支障もない。 前方を行く麦藁の少年――ルフィも、その足取りは見たところ軽快である。 大柄なバッファローマンの身体の重みなど、まるで感じていないかの如く。 ルキアに関しても、熱さに顔を顰めてこそいるもののまだまだ大丈夫そうだ。 問題は―― (……ボンチュー、気落ちするな。今は足を動かすことに専念するんだ……) 毒にも薬にもならない、否、今の状況では逆効果にもなりかねないその激励は、胸中で消えていく。 無残にも焼き爛れてしまった猿を背負い、下り坂を行く少年。 その表情は沈みきっていて、デイパックの中へと纏めて仕舞い込んだ読心マシーンに頼るまでもなく、 闘いを見ていることしか出来なかった自分への無力感に打ちひしがれているのがありありと見て取れた。 彼の視線の先にあるのは、ルフィの背中でぐったりとしたまま動かない、勇猛果敢な正義超人。 自分と同じ、強い『正義』の志を持った、どこまでも熱く、頼れる男。 (……彼が傷付いたことで叱責を受けるべきなのは、寧ろ私の方だ。) 奴と闘う前、自分は浅はかな判断から、読心マシーンを持たずにピッコロへと挑んだ。 ピッコロが取り出した、正体不明の小瓶の中に入っていた木の実。あの木の実を口にする前に、奴の心が読めていたなら。 奴は確実に倒せていたし、バッファローマンが傷付くこともなかった。 非情な殺し合いの舞台において、最初に出会ったかけがえのない、仲間。 失うわけには、いかない。 ――だから、頼む。もう少しで麓へと辿り着く。そこから先に行けば、安全な場所もきっと見つかるだろう。 死ぬな、バッファローマン。早く目を覚まして、ボンチューを安心させてやれ―― 「――未だ生を謳歌しているという、幸運に恵まれた者たちよ――」 思いは、無残にも打ち砕かれた。 呼ばれる筈のない名前が挙げられたことに足を止めてしまってから、とうとう頭までイカれちまったか、そう思った。 最初に疑ったのは聴覚の方だったが、主催者達のこの"声"を感じ取っている箇所は耳ではないということにすぐ気付いたので。 脱落した者。 脱落。 もう、いないということ。 死んだと、いうこと。 ――バッファローマン。 死んだ? 「――バカな」 鎧のヒーローが、見事なまでに自分の心境を代弁してくれた。 ああ、そうだよ。バカなこと言ってんじゃねえよ。 だって、いるじゃねえかよ、目の前に。 背負われて、寝てんじゃねえか。なあ、おい。 「おい――」 呼びかけた背中からは、声一つ無く。 それどころか、何故か――遠ざかっていく。 ルフィが、歩いていた。 「おい――待てよ」 ルフィは、答えない。 顔を向ける訳でもなく、足を止める訳でもなく、ただ、先へ先へと進んでいく。 そうしてまた、距離が離れる。 麦藁帽子の後姿は、その場にいる誰もを置き去りにしたまま下っていく。 「聞いてんのかよ、おい――待てよ!」 「待たねェ」 荒げた声に対して、その返答はやけに淡々として聞こえた。 それに続く、言葉も。 「角のおっさん、息、してねェ。死んじまった」 「ふざけんな」 「……ボンチュー、止めろ」 世直しマンがこちらへと振り返って静止の言葉を投げかけてくるが、聞こえなかった。 聞こえないフリをしていた、という方が正しかったかもしれない。 「死ぬ訳ねえ、だろ」 「死んだ」 「死んでねえよ!」 「死んだ」 「ふざけんなって言ってんだろうが!」 「ふざけてこんなこと言えるワケねェだろ!!」 それまで静かな口調でいたルフィが、突然そうやって怒鳴った。 相変わらず背中は向けたままだったが、顔を見るまでもなく彼が激情に駆られていることは分かった。 そして、その怒りの奥に、深い悲しみを湛えていることも。 当たり前だ。 バッファローマンは、死んだ。 受け止めろ。 オレがやっていることは、単なる八つ当たりだ。 「……何だよ、それはよ……!」 気付いていたのに、ボンチューは叫ぶことを止めなかった。 止められなかった。 「お前、さっきオレ達に言ったばっかじゃねえか! 諦めんなって! 絶対に助けるって! だから――だからそうやって背負ってんだろ! お前の言ったこともやったことも、全部――全部ウソだったのかよッ!」 オレは一体、何を言っているんだろうか。 弱いくせに。何も、守れないくせに。 "絶対に助ける"なんて、言えもしなかったくせに。 またオレは、あの時と同じことを繰り返したんだ。 ――あの時? 気が付けば、火の手がかなり近くまで回ってきていた。 燃える。 焼け死ぬ。 ――誰が? 重なり合う風景。燃え上がる炎は、自分の大切なものを悉く奪っていく。全ては焼け爛れて、この手を離れていく。 オレは弱くて。何も守れなくて。誰も助けることなんて出来ない――誰も救えないんだ―― ……メグ――! その音は燃え盛る山中においてやたらと浮いて響いたが、だからこそ誰もの耳に強烈に届いた。 聞いた者が気持ちよさを覚えるほど、はっきりとした―― 頬を、張る音。 「――おま、え」 「……この……大たわけがぁっ!!」 自分よりもずっと、年上であろう少女。 自分よりもずっと、小さな身体をした少女。 ――から飛んでくる罵声。 それを認識した途端、ひりひりとした痛みが左顔面を覆い尽くしていく。見るまでもなく、その箇所は赤く腫れ上がっているだろう。 要するに、自分は一体何をやられてどうなったのか。 ――単純明快。 ビンタされた。 「今度という今度はつくづく愛想が尽きた! 助平の上に性根まで腐り切っておったとはな、付き合いきれぬわ!」 「――んなッ、まだオメーはオレをスケベ呼ばわッ――あ」 「貴様のような莫迦者など、文字通り煮るなり焼くなり好きにされてしまえっ! 世直しマン殿、ルフィ殿、往くぞ!」 自ら『死神』を名乗った少女は、ある意味その呼び名に似合った通りの死の宣告を一方的に言い捨てると、 呆気に取られた様子の二人を差し置いてずんずん山道を下りていった。 ……無茶苦茶に早い。 あっという間に、小柄な背中が更に小さくなっていく。 数秒間が空いた後、麦藁帽子と鎧のヒーローがお互いに顔を見合わせて、おずおずといった様子でその背中を追いかけ始める。 取り残されたのは、息絶えし猿を背負って呆然としている身長178cmの七歳児。 迫り来る熱波が彼を覚醒させた。 振り返ると、ほとんど目と鼻の先の距離まで炎が近づいてきている。 「うおおおおおおおすげえ熱ッ!?」 『飛び上がった』という表現がよく似合う姿だった。そう、彼は予想外の熱量に押されて、飛び上がった。 自分でも何処に残っていたのかサッパリな早足で、ボンチューは遠くなる仲間達の背中を追いかけて下り道を駆けた。 (……さすがに、アレだけ言われて引っぱたかれて、立ち直らないワケにもいかねえだろ。男として。) それは、傲慢不遜な少女に対するささやかな反抗心でもあり、また同時に、申し訳ない気持ちを隠すための建前でもあった。 あの大粒の涙を湛えた瞳は、暫く忘れられそうにない。 「これから完全に陽が落ちて夜になるが、そんな時にあの山火事は悪目立ちし過ぎる。皆、疲れているだろうがもう少し移動しよう」 という世直しマンの判断の下、一行は下山後更に関東方面を目指し歩を進め、福島県入りを果たした。 その頃にはすっかり世界を照らす天体は入れ替わっていて、鈍く輝く満月の下、彼らは民家にてようやくの休息を迎えることが出来た。 着いた直後に、バッファローマンとエテ吉を埋めてやろうと言い出したのは、ルフィ。 反対する者など、誰もいなかった。 ただし、グループの中で一番傷が深かったイヴだけは、世直しマンの判断により、一台だけあったベッドに今は寝かされている。 5人の選んだ家は、他と比べて然程外見が派手ということもなく、とりわけ平凡な雰囲気の漂う、 けれど清潔感の保たれた――造られた世界なのだから、当然の話だけれども――ところで、庭の土も比較的平らにされていた。 武器にあたると主催者側から判断されたか、スコップの類は見つからなかったので、結局全員がかりで素手によって掘り起こした。 ルキアには男三人で充分だと言ったのだが、頑として聞かなかった。 そして今、二人――もとい、一人と一匹の物言わぬ身体は、穴の中に仰向けに寝かされている。 世直しマンは、二度と覚めない眠りに就きながらも、満足気な笑みを浮かべているバッファローマンの顔を眺めた。 ――共にリングへと上がる夢は、叶わなかったな。 だが、この世界において、お前と共に悪へと立ち向かうことが出来たことを、私は誇りに思う。 後のことは、心配するな。 お前が我々に見せてくれた正義超人の魂は、確かに受け継いだぞ―― 続いて、その横に眠る、無残な姿と成り果てたチンパンジーの亡骸を見つめる。 もう少し早く辿り着くことが出来ていれば、お前も救うことが出来たのだろうか――すまない。 お前の無念も、我々は背負うと、誓おう―― 「お別れだ――我々の闘いを、どうか、見守っていてほしい」 土を被せていく間は、誰もが無言だった。 俯くルフィの目元は、麦藁帽子の鍔に隠れて確かめることが出来ず。 ルキアは、唇をきつく引き結んでいて。 ボンチューも、無表情を保ったまま黙々と手を動かして。 死者との別れは、そうして、終わった。 かすかに感じた人の気配に、イヴは重たい身体を起こした。 ドアへと向けて鋭い視線を飛ばしたが、気配の正体がすっかり見慣れた麦藁帽子であることに気付いて、すぐさま安堵の笑みを浮かべる。 「ルフィさん……」 「わりィ。起こしちまった」 「ううん、起きていたから……見に来て、くれたの?」 「ああ。ケガ、もういいのか」 「一人で歩くくらいなら、多分、もう大丈夫――いつまでも、お荷物のままじゃいられないもの」 最後の一言は決意表明も兼ねていたが、実際その程度にはもう回復出来ていた。 整った環境で身体を休めることが出来たため、若干ではあるもののナノマシンの回復速度が増したということらしい。 世間一般的に見ればまだまだ大怪我の部類に入るのだろうが、そうも言っていられないのが現状であろう。 ルフィにしろ、世直しマンにしろ、自分を背負っている間はほとんど無防備の状態になってしまう。負担もかかる。 自分が足手まといになっては、ならないのだ。 ――私のせいで、これ以上、誰かに死んでほしくない。 「……私も、みんなの役に立たないと……強く、ならないと、いけないから……」 「強くなりてェのは、誰だって同じだ」 「――え?」 半ば独り言に近かった自分の声に対し、当たり前のようにルフィがそう答えたので、イヴは彼の顔へと視線を向けた。 声を荒げる訳でもなく、ただ静かに、ルフィが続ける。 「おれはウソをつけねェ。ウソにする気なんかなかった。角のおっさんを助けられるって思ったから、おれは絶対に助けるって言ったんだ。 でも、角のおっさんは死んじまった。あのウォンチューってやつが言ってたみたいに、おれが言ったことはウソになっちまった。 ウソになっちまったのは、おれが弱かったからだ」 「それは――違うわ。あのヒーローの人が、死んだのは――」 ウォンチューではなくボンチューだ、という指摘はともかくとして。 ――『誰』の、せいだ? その思考に至ってしまったことを、イヴは自分で恐ろしいと思った。これでは、単なる責任の擦り付け合いだ。 お前のせいだ。お前が悪い。お前が罪を償え――そんな愚かな念が、この場において一体何になるというのだろう。 ましてやルフィは、焼き殺されたあのチンパンジーの分も、精一杯にあの氷と炎の化物と闘い、そして撃退してみせた。 そんなルフィが弱いというなら、自分は、一体何だというのか。 ――そう。本当に、弱いのは。 「本当に、弱いのは――あの人が、死んだのは、私のせいよ」 苦しみを交えて吐き出したその言葉に、やはりルフィは顔色を微塵も変えないままで、答えた。 「そう。お前のせい」 暫定的に割り振られた自分の部屋で、ボンチューは畳の上に横になった。 その途端、急激な睡魔に襲われる。 疲労困憊した身体が、すっかり根を上げていた。 瞼が、重い。ともすれば、あっさりと意識を手放してしまいそうだ。 ――寝る前に、やる事があるだろ、オレは。 緩慢な動作で、部屋の脇へと放り投げたデイパックへと手を伸ばす。 取り出したペットボトルの蓋を開け、寝転がったままでそれを口に付けた。 渇ききった喉が、その一口で潤っていく――そのイメージは、見事なまでに打ち砕かれた。 ……ヌルい。 直にという訳ではなかったにせよ、火に炙られていたようなものなのだから、当然と言えば当然の話なのだけれど。 支給されてから、時間も経っていることだし。 ――そう、時間が経った。 このゲームが始まってまだ初日だというのに、ボンチューには今日という日があまりにも長く感じられた。 僅かな時間に、様々なことが起こり過ぎていた。 頭の潰れた青年の死体。緑色の怪物。自分を助けてくれた二人のヒーロー。自らを死神と呼んだ黒髪の少女。 険しい山道。炎と氷の化物。麦藁帽子の少年。金髪の少女。 貫かれる、超人の身体。 『あきらめんな』という、その一言。 燃え広がる、全て。 麦藁の少年が、怒っていた。 黒髪の少女が、怒っていた。 ――泣いていた。 「……」 蓋をし直したペットボトルを無造作にデイパックへと突っ込んで、ボンチューは立ち上がった。 部屋を踏み出すその一歩は、思ったよりもずっとずっと、重い。 託された思いの分の、重みだろうか。 弱い自分と袂を分かつために必要な、覚悟の重みだろうか。 ただ一つ、分かっていることと言えば。 それら全部を背負うことが出来なければ、今度こそ自分は何も護れないだろうという事だけだった。 ――私の、せい。 胸中で繰り返した言葉が、酷く、重く、心に圧し掛かる。 自ら認めた事実に、何の迷いもなく肯定された。にも拘らず、ショックを受けている自分がいる。 何処かで、『まさか』と高を括っていたのかもしれない。 『お前のせいじゃない』なんて言葉を聞いて、安心したかったのかもしれない。 けれど、これで、はっきりとした。 潤み始める瞳を、許さない。 ――涙を流す権利なんて、私にはない。 私のせいで、あの人は死んだのだから。 私が、弱いから―― 「それから、ウォンチューってやつのせい」 そう、ウォンチュー―― ……え? 盛大に名前を間違えたままのルフィに対して突っ込もうという気持ちよりも先に、戸惑いが全身を支配していて、言葉にならない。 一体、何を言っているのだろうか。 「ルギアってやつもいたっけか」 また微妙なところで間違っていたが、そんな事はもはやどうでもよかった。 ――ルフィの、様子が、おかしい。 自分以外の二人の名前が挙げられたことで、イヴは客観的な思考を取り戻すことが出来た。 何かが、間違っている。こんなことを、言う筈がない。 この少年は――『ついでなんだ。気にすんな!』――そんな一言で自分を救ってくれた、この麦藁の少年は―― 「あと、鎧のおっさん――」 「――やめてッ!」 平坦な調子で続いていた言葉の刃を、イヴは叫んで断ち切った。 もう、限界だった。 耐えられ、なかった。 "仲間"への非難を止めようとしない、ルフィの残酷さと。 ――"仲間"だと思っていたルフィの、その変貌に。 「……それ以上は、許さないわ」 「おれが、あいつらのせいだって言ったからか」 「……そう」 「あいつらのこと、弱いって思ってるからか」 「……あの人達は、強いわ」 「角のおっさんは死んだぞ」 「それは――」 ――『クク、ククク……ハァァーーーーハッッハァァァァァ!!!』―― 「……あの、緑色の男が――」 「角のおっさんは、あいつより弱かった。だから殺されちまったんだ」 「――違、う……」 「違わねェよ。ていうか、ルギアってやつにおっさんが自分で言ってたろ。俺よりあいつが強かったって」 「……違う……!」 毅然とした態度で言い負かすつもりだったのに、気が付けばこっちが駄々を捏ねているような格好になってしまっている。 自分でも、何故こうもムキになっているのかよく分からなくなっていた。 そもそも、ルフィの方こそ何故こうも変わってしまったのか。 深い傷を負い、放っておけばそのまま死んでしまっていただろう自分を、あの屈託のない笑みで背負ってくれた少年が。 弱い自分を見捨てないでくれた、強い少年が―― ――『ウソになっちまったのは、おれが弱かったからだ』―― ……あれ? ……『おれ』が? ――『強くなりてェのは、誰だって同じだ』―― そうだった。 この口論も、全てはその一言から始まったのではなかったか。 いかにも一般家庭という雰囲気を漂わせている灰色のソファに、ルキアは腰掛けた。柔らかな綿に、軽く身体が沈み込む。 何の気もなしにリビングへと出てきたのはいいが、結局、成すべき事がないという事実に変わりはなかった。 他の者達と同じように、部屋で疲れを癒すという選択肢もあったのだろうが、その拍子に、眠りに就いてしまうことが怖かった。 この殺し合いの中で、命を散らしてまでルキアを守り通してくれた、二人の男。 彼らが、黄泉で、待っている。 ――私を、待っている。 ――そして、次に闇を垣間見る時には、あやつもその中にいるのだろう。 あやつの手に、私はきっと、抗うことが出来ない。 それが、夢幻だと分かりきっていても。 私がその手を掴むことで、本物のあやつがどんな思いをするのか、分かり切っていても。 らしくない考えだと思った。 自分の意思の力とは、こんなにも脆いものだっただろうか。 どれだけ現実が辛く苦しいものであっても、決して逃避などせず、立ち向かえる心を自分は持っていたような気がする。 その強さは、仮初のものだったのだろうか。 次々と失われていく命の束と共に、見せ掛けだけの自分の強さも、この現実に奪われていってしまったのだろうか。 ――ならば、今の私には何が残されている? 分からない。 私には、何があった? 教えてくれ。 答えなど、私にはまるで見つけ出すことが出来ぬ。 闇の中からでも、構わない。私も、傍へと往くから。だから。 答えて、くれ。 一護―― 気が付けば、視界はあの時と同じ闇に覆われていて。 「……ア」 歩を進めればきっと、彼らはその先にいるのだろう。 「……ルキア、おい」 そうして、あの時と同じように、黒へと飲み込まれようとする私を繋ぎ止めるのは。 「……ルキア、ルキアッ! 聞こえてねえのかよ、返事しろッ、ルキアッ!!」 ――あの時と同じ力強さを持った、現実の"仲間"が伸ばした手だった。 「……あ……」 滲んだ視界のその先に、男の顔があった。 歪んで見える表情は何故か、泣き出しそうな印象をルキアへと与えたが、手の甲で拭った水のカーテンの向こう側にいる男の顔は、 思い出せる姿と何ら変わらない、無愛想な感じの無表情を浮かべたままだった。 「――助平」 「……やっとの第一声がそれかよ」 心配して損したぜ、そう言って吐息を漏らすボンチューの振る舞いには、何処となく余裕というか、堂々とした調子が感じられる。 何があったというのだろう。 何となく驚きで二の句が告げないルキアを前に、ボンチューはルキアの肩を掴んでいた両手を離して、それから一言、 「悪かったな」 それだけ言った。 「――は?」 思わず、そう聞き返してしまった。 まさかこの男から、侘びの言葉などというものを聞くことになるとは――というか、そもそも、何に対しての? 「いや――だからよ、その……何ていうか」 向こうも予想外の反応だったのか、困った様子で頭を掻いている。 前から気付いていたことだが、どうもこの少年は『言葉で何かを説明する』ということが実に苦手な質らしい。 ただ、以前は自分からその事を面倒臭がって会話を断ち切ってしまっていたが――今度はどうも様子が違う。 不器用ながらも、ルキアと向き合うその両目には、一生懸命に思いを伝えようとする光が確かに込められていた。 「オレ――散々、滅茶苦茶なことばっか言って。勝手に逆ギレして、当たり散らして。お前のこと、怒らせたろ。 ルフィにも言うけど、先に、お前に謝っときたかった。 ――泣いてたから、お前」 ――こいつ。 思い返すのは、心の底まで直接響く、皺枯れた老人の愉快そうな声。 葬列に加わりし者達の名の中で、読み上げられたその名前。 戯言を弄する――その一言で切って捨てることが出来れば、どんなに楽だっただろうか。 同時に呼ばれた、正義超人を名乗る角の生えた大男。彼が生きてさえいれば、本気でルキアは一護の死を信じなかったかもしれない。 しかし―― 『角のおっさん、息、してねェ。死んじまった』 誰にも気付かれることはなかったが、本当はその一言が頬を濡らすきっかけだったのだ。 彼の死が真実であろうと、一護の死だけは偽りに違いない。 そう思えるほどルキアは弱くもなかったし、強くもなかった。 そうして、様々な思いが頭の中で混ざり合い、訳が分からなくなっていた時に、怒鳴り声が届いてきて。 聞いてみれば、目の前のたわけがたわけた事をほざいていて。 だから頬を張った。 それが、あの山で起こったことの顛末。 ――とどのつまり、ボンチューがルキアの怒りの琴線に触れてしまったのは確かなのだが、 涙の直接の原因は彼という訳ではないので、その事に関しては謝られてもルキアには返す言葉が無いのであって。 ――しかし、まあ。 「もう一度言う――悪かった」 不器用ながらも――その声は、とても、とても真剣に響いて。 だから、野暮な指摘を告げるのは、止めておくことにした。 ――なあ、一護。私は"仲間"に出会えたぞ。 貴様と同じ、酷く不器用でいながら、酷く一生懸命な大莫迦者だ。 莫迦だから立ち直るのも早いが、その分落ち込むのも早いときている。 そんな危なっかしい奴を、放っておく訳にもいくまい――? 顔を上げたボンチューに向け、ルキアはふっと唇の端を軽く吊り上げ、不敵な笑みを浮かべてみせた。 それが、不器用な謝罪の言葉に対する答えだった。 「イヴ」 飄々としたその口調は、今までと何ら変わりない。 何ら変わらないその声を、まるで聞き入れようとしなかった、さっきまでの自分。 何故だろう。今は――耳を傾けることが出来ている。 「角のおっさんが死んだのは、自分が弱いからだって言ったよな」 「……うん」 「弱いお前が、おっさんの死んじまったワケを、ずっと背負って生きてくのか」 「……」 「重てェだろ、そんなの」 「……!」 確信を突かれたというのは、こういう時のことを言うのだろうと思った。 ――『そう。お前のせい』―― 本当に、ついさっきの出来事。 思慮も覚悟も足りなかった自分は、その一言だけで潰されそうになってしまって。 何から何まで、ルフィの言うとおりだった。 命の重みなんてものは、勢いだけで生まれたような、半端な気持ちで背負いきれるものではなかったのだ。 ――それを彼は、最初から、分かっていたんだ。 だから、ボンチューを。 ルキアを。 世直しマンを。 そして―― ――『ウソになっちまったのは、おれが弱かったからだ』―― 一人では、背負いきれない重荷であっても。 その重荷を分け合える、"仲間"がいるなら。 決して、押し潰されることなどないのだ―― 「イヴ」 飄々としたその口調は、今までと何ら変わりない。 だというのに、たった一言名前を呼んだだけのその声が、自分を優しく諭そうとしているかのように響くのは何故だろうか。 それが気の持ち様による変化だというのなら、自分はどれだけ愚かなのだろう。 彼は、何一つ変わっていなかったということだ。 『海賊王』になるという、偉大な夢を持った麦藁の少年の、"仲間"に対する目一杯の思いやりと、優しさは。 「言ったろ? 強くなりてェのは誰だって同じなんだ。 おれだってそうだし、鎧のおっさんも、ウォンチューも、ルギアだってきっとそう思ってる。 ――だから、イヴも強くなりゃいい! 鎧のおっさんもウォンチューもルギアも、おれだってもっと強くなる! それで、角のおっさんを殺したあいつらも、他のわりィやつらも、 『みんな』で倒すんだ! それが! "仲間"ってことだろ!!」 そう言って、満面の笑みを浮かべるルフィ。 あっけらかんとした調子で、語られた信念。 当たり前のことを、当たり前のように言える強さが。 とても――眩しい。 ――ああ、まただ。 彼の笑顔とその言葉は、ちっとも悲しくなんかないのに、私の心を強く揺さぶるのだ。 悲しくないときに流れるそれの正体を、私は知っている。 もう、堪える理由なんて何処にもなかった。 「……うん……!」 『強くなろう』と、何の足枷もなくそう言える。 自分のために。仲間の、ために。 私はもっと、強くなろう―― 頬を撫でるように伝わる雫が、今は冷たく心地良い。 だから、水滴の通う跡を拭いもせずに、イヴはルフィへと微笑みを返した。 ぎゅるるるるる 「うおぉぉぉ腹減ったぁーっ! イヴ、わりィけどなんか食いモン持ってねェか?」 「……ルフィさん……」 その直後、タイミング悪くルフィに対しても侘びを入れに来たボンチューの食料が、 ものの数分で跡形もなくなってしまったことは言うまでもない。 「わりィ。全部食っちまった」 「アホかテメーはぁッ!!」 「喧しいぞたわけめ。果物の一つや二つ如きで卑しいとは思わんのか」 「一つや二つじゃなくて丸ごと全部食われたんだよッ!!」 「……痩せの大食い……」 「――状況が分からん」 騒がしさのあまり部屋の様子を見に来た世直しマンは、室内を見回してそれだけ呟いた。 悪夢の一日目が終わるまで、残された時間は後僅か。 与えられた平和な一時を、彼らは有意義に――一人を除いて、過ごすことが出来たという。 【福島県北部・民家/夜】 【世直しマン@とっても!ラッキーマン】 [状態]中程度のダメージ、中度の疲労 [装備]世直しマンの鎧@とっても!ラッキーマン、読心マシーン@とっても!ラッキーマン [道具]荷物一式 [思考]:1、関東方面へと移動。 2、ラッキーマンを探す。 3、ゲームから脱出し主催者を倒す。 【朽木ルキア@BLEACH】 [状態]:右腕に軽度の火傷 [装備]:コルトパイソン357マグナム 残弾21発@CITY HUNTER [道具]:荷物一式、バッファローマンの荷物一式、遊戯王カード(青眼の白龍・次の0時まで使用不可)@遊戯王 [思考]:1、関東方面へと移動。 2、ゲームから脱出。 【ボンチュー@世紀末リーダー伝たけし!】 [状態]ダメージ中、中度の疲労 [装備]なし [道具]荷物一式(食料ゼロ)、蟹座の黄金聖衣(元の形態)@聖闘士星矢 [思考]:1、ルキアを守る。 2、関東方面へと移動。 3、もっと強くなる。 4、これ以上、誰にも負けない。 5、ゲームから脱出。 【モンキー・D・ルフィ@ONE PIECE】 [状態]わき腹・他数箇所に軽いダメージ、両腕を始め全身数箇所に火傷 [装備]無し [道具]荷物一式(食料ゼロ) [思考]1、"仲間"とともに生き残る。 2、関東方面へと移動。 3、自分と悟空と猿とイヴの仲間・食料を探す。 4、悟空を一発ぶん殴る。 【イヴ@BLACK CAT】 [状態]胸に刺し傷(応急処置済み。血は止まっている)、中度の疲労(走るとなると若干苦しい) [装備]いちご柄のパンツ@いちご100% [道具]無し [思考]1、"仲間"とともに生き残る。 2、もっと強くなる。 3、関東方面へと移動。 4、トレイン・スヴェン・月との合流。 5、ゲームの破壊。 時系列順に読む Back 0313 混沌体験//~空条承太郎はクールな仲間が欲しい~ Next 0290 DIOの世界~予兆~ 投下順に読む Back 0313 混沌体験//~空条承太郎はクールな仲間が欲しい~ Next 0315 弱肉強食/DIOが私を呼んでいる 崖っぷちの正義と悪〈後編〉 ルフィ 0336 その光の名は 崖っぷちの正義と悪〈後編〉 イヴ 0336 その光の名は 崖っぷちの正義と悪〈後編〉 ボンチュー 0336 その光の名は 崖っぷちの正義と悪〈後編〉 ルキア 0336 その光の名は 崖っぷちの正義と悪〈後編〉 世直しマン 0336 その光の名は
https://w.atwiki.jp/ikaikai/pages/59.html
書物という異界5:バナナ・パースペクティヴ 『at』1号 (編集パラグラフ/オルター・トレード・ジャパン,太田出版) 香山リカが『いまどきの「常識」』(岩波新書)という本のなかで,「現実には従うしかない」という意見が最近世の中の趨勢になってきているのではないかとし,これに違和感を表明していた。「現実にそぐわない理念は,現実に合わせて変更するしかない」,こういうのを難しくいうと「事実性の優位」という。 こうした考え方は,一歩間違えると無批判な現状追認主義に堕する危険を孕んでおり,それに対しては僕自身も違和感を覚えているが,しかしそうは言っても実際のところ,この世界の「あるべき姿」を模索し,それを現実の社会のなかで実現させていく,というのはどのようにすればできるのだろうか。これは別に革命云々ということではないが,我々が生きていく上で大きな問題であり,また実に困難なことでもある。つまりオルタナティヴという問題である。 『at』という雑誌が創刊された。春に出た創刊準備号は「いかつい」イメージを受けて買わなかったのだが,今回は面白そうなので買ってみた。特集のタイトルが「バナナから見える世界」,小特集が「オルタナティブをはじめよう!」とあるからだ。「バナナから見える世界」というと鶴見良行『バナナと日本人』(岩波新書)を思い出す方もいるかもしれないが(実は僕自身は前々からいつか読もうと思いつつ未だ読んでいない。この機会に読んでみたいと思う),実にこの特集は,23年前に鶴見が提起した問題の構造が根本的には現在も変わっていないということ,そしてそれに対する取組みとこれまでの経過を詳細にレポートするものとなっている。編集をしたオルター・トレード・ジャパン(ATJ)は,日本ネグロス・キャンペーン委員会(JCNC)の活動を基盤に生協や産直団体・市民団体が共同出資して立ち上げた貿易会社で,バナナやエビ,コーヒーなどを取り扱っている。設立のもとには,生産と消費をつなぐ交易のオルタナティヴな在り方を模索しようという試みがあり,生産者とのフェア・トレードの取組みがある。 なぜバナナなのか。この特集の冒頭の言葉を引けば, バナナ―私たちの生活にいつも身近にある,親しみやすい果物。日本では一人につき年間7キロ,世界では平均10キロ以上食べられているという栄養価が高く,きわめて「庶民的」なフルーツ,世界最古の栽培作物の一つとしても知られる,このバナナは,しかし,私たちが暮らすこの世界を,何よりも的確に映す「鏡」でもある。バナナ市場を独占する多国籍企業による,供給過剰と熾烈な低価格競争がもたらす弊害,農業使用による環境汚染や健康被害,生産現場での労働者たちへの権利侵害など,「敷居の低い」果物ゆえにか,世界経済/貿易のあらゆる問題点が一本のバナナに集約されているように見える。…(中略)…堀田正彦らのオルター・トレード・ジャパンがこの十五年,挑んできたのは,そんな「構図」の国境を越えた打破である。それがいかに困難な挑戦であったか,以下に続く彼ら自身による「泥まみれ」の軌跡が語ってくれるだろう。…(中略)…さあこれから,バナナとともに,見えなかった「世界」を立体的に眺めていこう! 実際に記事を読んでみると,バナナをめぐってこれほど多くの問題と,人々の労苦の汗があったことに驚く。 しかし普段バナナを食べる時には,私たちはそんなことを考えたりしない。けれども考えれば当たり前な話だが,我々は様々なモノを通じて(この場合はバナナ),様々な人々と関係を持っている。ただいつもは見えていないだけなのだ。残念なことに,この関係はしかしいつも喜ばしいものだとは限らない。日々の我々の生活が知らず知らずのうちに遠く離れた人を苦しめているかもしれない。 だがグローバル化とかITとか言われて,世界はどんどん狭くなりお互いに関係し合うようになってきているのに,我々はかえって/そのおかげか,どんどん物事の表層しか見なくなってきているのではないか。これは近頃あちこちで聞かれる指摘であり,ここにおいて想像力の欠如,そして「距離が感情を薄める」という問題に再び出会うことになる。 さてATJの取組みに戻ろう。これは一つの株式会社の実践の報告である。その手探りでの活動は,「世界のオルタナティヴ」を模索する仕方について一つの具体例を提供している。我々は「世界のあるべき姿」をどのように思い描き,それをどのように実行していくべきなのか,この実践記録を前に考えさせられる。 だがこれは,ある立場からの理論と運動の雑誌であって,それに対しては違う意見の人もいるだろうし,「そんなこと言ったってしょうがないじゃないか」という人もいるだろう(えなりかずきじゃないよ)。でも少なくとも言えるのは,見てみようということ。物事の上っ面だけ見てそれを「現実」として受け容れてしまっているのを,ちょっと立ち止まって見てみようということ。あまりにも貧困になってしまった我々の想像力をたまには使ってみること。バナナを通して(per)見た(spectare)世界は,これまでとは異なる姿をしているだろう。 今度バナナを食べるときは,バナナを覗きこんでみてください。色んなものが見えるかもしれません。 コラムのバナナ情報もまたおもしろい特集。 ちなみに僕は,ちょっと青いくらいのバナナが好きです。 ●ブックガイド 鶴見良行『バナナと日本人』(岩波新書) ギンズブルグ『ピノッキオの眼』(せりか書房) 第八章「中国人官吏を殺すこと」はアリストテレス,ディドロ,サドなどに言及しながら道徳的想像力と距離の問題を扱い,あまりにも遠い距離は人間的感情を鈍らせてしまうということが分析されている。ギンズブルグはこの点,経済についてはそこまでシリアスにとっていないようにも見えるが,それについては各々考えてもらいたい。 menocchioの部屋に戻る
https://w.atwiki.jp/kmpnote/pages/79.html
<私>という演算 中公文庫 保坂和志(著) 価格: ¥680 (税込) 小津安二郎の映画には独特なカメラワークがある。よく言われる低いカメラアングル以外にも、目線のあっていない向き合う視点とか、誰もいない部屋をとらえる視点だとか。そして彼の作品を批評した膨大なテキストがある。それは一ジャンルを築き映画批評の柱として存在している。 一方でそれらのテキストは一人歩きしていて、何か入り込めない城壁を築いているようにも見える。小津安二郎の映画を楽しむことは出来ても、膨大なテキストを通して見えてくる小津像なるものはとても崇高なものであり、簡単に楽しむことを拒んでいるようだ。それほどに豊かなテキストを生み出す作品という存在で、それはそれで興味深い。何れ楽しむテキストもきっと多い。 「秋刀魚の味」という作品。それを見たときの素朴な疑問とか感激とか。自分の生まれる前の作品なのに、なぜか古くささを感じない。むしろ差し迫った何かすら感じさせる。それでいてゆっくりとした時間の感覚がある。 保坂さんの「そうみえた「秋刀魚の味」」を読んで、漠然としていた気分にたくさんの光が射し込んだ。「死」を想像させるということが漠然としていて出てこない。それは日常において「死」というものの存在だとか、「生」というもに対しての思考をいかに自分が「していないか」ということのあらわれではないか。 その思考が必要なのかは分からない。保坂さんのように常日頃そんなことを考えている時間が楽しいのかも分からない。けれど生活の中でもっと考えてもよい思考なのではないか。そして考えることでいろんな救いがあるのかも知れない。これは別に宗教的なことではない。 人生には越えられないものがたくさんあって、でもそれを「知り」そして「思考」出来れば十分であると気づくことが必要なのではないか。小津安二郎の映画を見て思う漠然としたものには、そのような思考がたくさん隠れているのだと思う。だからこんなにも多くのテキストがそれらを形にしようとあがいているのではないか。 「<私>という演算」に書かれているものは、漠然としたあがきに向けられているのではないか。だからこそこんなにも切実に迫ってきて、なおかつ読んでいて心地よい気分にさせられるのだろう。2004-05-04/k.m コメントをぜひ 名前 コメント カテゴリー-小説
https://w.atwiki.jp/scriptdesign/pages/19.html
人間は、なにを用いて考えるか? 言葉、直感、感性、感情、、、。 感情はいわずもなが、だが。 言葉で思考するとき、考えているのは、 言葉が持つアフォーダンスであり、人間は乗り物でしかない。 ブランドや、バズワード、いわゆる語感が、ヒトをそのヒトの、思考に導く。 言葉にすいつけられるように、思考する、 さらにいえば、すいつけられる主体などなく、言葉の自立運動。 論理や、経験則などロジカルな部分も、理性によって考えるというより、 とかく、ベタ、ありがちな展開というものが、なんらかの形で、 変型を加えられた(あるいはそれもない状態)で思考に影響する、ということである。 主体というよりは、一種の統計や、モデリングの範疇で語られるといえるだろう。 さらにいえば、感情は、シチュエーションに対する、受け皿として機能していて、 感情の文法、など、ヤハリ、ベタなモノ、モデリング、などとは無縁ではない。
https://w.atwiki.jp/start1749/pages/14.html
What is a beautiful country England videoプラグインエラー 正しいURLを入力してください。 日本は太陽が昇る所という説明がある。 英国は? 昔、「イギリス帝国」、つまり「太陽の沈まない国」(ある領土で太陽が沈んでいても、別の場所では出ている)という名称があった 確かにヴィクトリア朝の時代、全世界1/5の地域、1/4の人がイギリスのものになった。しかし現在、イギリス も完全にほかのイメージを変えた、本当のイギリスを知りたければ、もちろん実際に行ったほうが一番良い。 そろそろ、準備しましょうか。 基本情報 国名 イギリス 正式国名 グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国 The United Kingdom of Great Britain Northern Ireland 国旗 1603年にイングランド(すでにウェールズは併合されていた)とスコットランドの旗が組み合わされ、1800年には北アイルランドの旗が、これに加わった。そして連合王国のシンボルとして知られる現在のユニオンジャックが誕生した。 国歌 “God Save the Queen”「神よ女王を守り給え」 面積 約24万4000km2 日本の約3分の2 人口 約6058万7000人(2006年)日本の約2分の1 首都 ロンドン London 人口751万7700人(2006年) 元首 女王エリザベス2世 Queen Elizabeth II 首相(知事) ゴードン・ブラウン Gordon Brown(2008年8月現在) 政体 立憲君主制、議院内閣制、EU(欧州連合)加盟 民族構成 エリア別では、イングランド人83.8%、スコットランド人8.4%、ウェールズ人4.9%、アイルランド人2.9%、マン人(2006年)。民族的には、アングロ・サクソン系92.1%、インド系4%、アフリカ・カリビアン系2%(2001年)。 宗教 英国国教会 Anglican Church 58%、カトリック Catholic Church 10%、バプティスト Baptist 3%、無宗教23%。ほかにイスラム教、ヒンドゥー教、ユダヤ教など。 祝日・祭日 土・日曜と祝日が重なる場合は、その翌日が振替休日となる。 イースター前後とクリスマス前後~新年の休暇中は、見どころのほか多くのショップや宿泊施設が休業する。特にクリスマス前後~新年は交通機関も平常運行しなくなるので要注意。 (※は年によって異なる移動祝祭日) (Sはスコットランド、Iは北アイルランド) 2008年 1月1日 ニュー・イヤーズ・デー 1月2日 ※バンクホリデー(Sのみ) 3月17日 ※聖パトリックス・デー(Iのみ) 3月21日 ※グッドフライデー 3月23日 ※イースター 3月24日 ※イースター・マンデー・バンクホリデー(S以外) 5月5日 ※アーリー・メイ・バンクホリデー 5月26日 ※スプリング・バンクホリデー 7月14日 オレンジマンズ・デー(Iのみ) 8月4日 ※サマー・バンクホリデー(Sのみ) 8月25日 ※サマー・バンクホリデー(S以外) 12月25日 クリスマス・デー 12月26日 ボクシング・デー イギリスの基本データ 外務省からイギリスを見る ウィキペディアからイギリスを見る .