約 31,344 件
https://w.atwiki.jp/tarowa/pages/412.html
DEAD END(前編) ◆ew5bR2RQj. 最初に言い出したのは誰だったのか。 殺し合いの苛烈さに多くの者たちが憔悴していく中、一つの情報が参加者の間で広まっていった。 『誰かが警察署で人を集めている』 誰かというのは、世界的に有名な名探偵だったのかもしれないし、警視庁きっての切れ者と呼ばれた男だったのかもしれない あるいは、全く別の人物だったのかもしれない。 どちらにせよこの情報は、絶望の淵に立たされていた者たちにとって一縷の希望となった。 これは、そんな希望を抱いて集まった者たちの話。 希望を抱き、死んでいった者たちの物語だ。 ☆ ☆ ☆ 最初に警察署に辿り着いたのは、L、泉こなた、上田次郎、由詑かなみで形成される四人組。 右京たちが居ないのを確認すると、彼らは施設内の散策を始めた。 散策の方法は先ほどと同じ。 剣を持つこなたが先頭に配置し、戦える”振り”をしているLが後方を固める。 その間に上田とかなみが入るという、四人全員が一緒に行動するものだ。 四人全員が別々の散策する方が効率的だが、こなたを単独行動させたり誰かと二人きりにさせることを避ける必要があった。 彼らはしばらく警察署を散策したが、大量のカップ焼きそばぐらいしか見つからない。 数時間前に訪れたロロと次元が、有用な品物の多くを持って行ってしまったためである。 だが上田とかなみはデイパックを奪われていたため、食料品もそこそこの収穫と言えただろう。 「何も見つかんないからつまんないな~」 「さっきは宝探しみたいで楽しそうって言ってたじゃないですか」 「何も見つかんなきゃつまんないよ」 壁に背中を預けながら退屈そうに呟くこなた。 一見するとお気楽そうに見えるが、その手は女神の剣を握り締めたままである。 歩き続けて疲労が溜まった彼らは、散策中に見つけた大きな会議室で休憩を取っていた。 ここは正面にある駐車場の様子がよく見えるのと同時に、非常階段が傍にあるため襲撃を受けた際にすぐに逃げることができる。 非常階段への入り口は内部から施錠しておいたため、外部からの侵入者がここを使用する可能性は低い。 最も、カズマのシェルブリットのような大技には無意味だが。 「あれ、なにか聞こえる」 最初に気付いたのは、机に突っ伏していたかなみだった。 彼女の言葉で、他の三人も窓の外から聞こえてくるその音に気付く。 聞こえてきたのは、車の駆動音。 Lが窓の方まで駆け寄り、ブラインド越しに駐車場の様子を伺う。 「安心してください、あれは私の仲間です、今から迎えに行きましょう」 そして、すぐにそう告げた。 「ご無事で何よりです、右京さん」 車から降りてきたのは右京を含めて四人。 右京に背負われている茶髪の青年と、オッドアイの小柄な少女、そして―――― 「みなみちゃん!?」 「泉先輩……?」 泉こなたと同じ制服を着た少女、岩崎みなみだった。 「先輩……先輩ッ!」 「おぉ~、会いたかったよ~」 出会った瞬間、二人は互いに駆け寄って抱き締め合う。 Lの中のこなたへの疑惑は既に膨らみきっていたが、今の彼女は本気で再会を喜んでいるように見えた。 「Lくんこそご無事で何よりです、おや、光太郎くんが居ないようですが……」 「彼とは途中で別れました、後から来ると思います」 「何かあったのですか?」 「ええ、銃を持った少年に襲われまして……そちらの方は?」 「彼は城戸真司くん、恐ろしい力を持った参加者と戦っていたところを私が保護しました まだ意識が戻らないようなので、出来ればここで休ませてあげたいのですが」 真司は未だに眠り続けており、破けたジャンパーから見える赤黒い傷が痛々しい。 「分かりました、上田さん、彼を医務室まで運んでください」 「……私が運ぶのか?」 「ええ、この中では上田さんが一番力持ちなので」 「ふぅ、しょうがない、この私の力が必要とあってはな、彼は私が責任を持って背負おう」 上田は煽てられて上機嫌になり、右京から真司の身体を預かる。 たかが背負うくらいで大袈裟だとLは心中で呟くが、拒否されても面倒だと口を紬いだ。 その際に真司が背負っていたデイパックは、Lが代わりに受け取った。 「皆さん、つまる話は中でしましょう、既に大勢で話し合うのに適した部屋を確保してあります」 「待ってくれないか」 Lの言葉を合図に、集まった面子は次々と警察署に進もうとする。 だが、更なる来訪者の声が彼らの足を止めた。 「どぅわ!!」 突然の来訪者に驚きの声を上げる上田。 今の今まで気配を感じなかったため、突然その場に現れたように錯覚したのだ。 「貴方は誰ですか?」 集団の最後尾にいたため、Lが来訪者の応対をする。 「俺は桐山……桐山和雄だ、この中にL、杉下右京、岩崎みなみはいるか?」 「私がLです」 挙手をしながら、Lは値踏みするように桐山の身体に視線を這わせる。 学生服を着用していることから、彼が学生であることは間違いない。 だがその雰囲気は学生にしては妖艶過ぎていて、長身であることも相まってスーツでも着ていたら成人と勘違いしそうだ。 「どうかしたのか?」 「いえ、なんでもありません、何故私達の名前を?」 「カズマに聞いたんだ、警察署で人を集めている者たちがいると」 「カズくんに……カズくんに会ったんですか!?」 カズマの名前を聞き、上田の影に隠れていたかなみが反応を見せる。 「ああ」 「カズくんは……無事なんですか!?」 「分からない」 「そうですか……あの……カズくんとはいつお会いしたんですか?」 「さっきまで一緒にいた」 「それで――――」 「由詑さん、話は中でしましょう、ここだと危険人物に見つかる可能性があります」 「あ、すいません……」 「いえ、それでは桐山さんも一緒に来てください」 「ああ、だがその前に近くに隠れている仲間を連れていきたい、先に行っていてくれないか?」 「分かりました、では我々は二階の会議室にいます」 ☆ ☆ ☆ 「そ、蒼星石!?」 現れた人物を見て、翠星石は思わず声を荒らげる。 桐山と一緒に現れたのは、彼女の双子の妹である蒼星石だった。 「良かった……良かったですよ無事で……」 「翠星石こそ無事で良かったよ、怪我とかしてないかい?」 パイプ椅子に腰掛けていた翠星石は、一目散に蒼星石のもとに駆け寄る。 そして両手を広げ、その身体を勢いよく抱き締めた。 「苦しいよ……」 一瞬だけ顔を歪める蒼星石だが、その後は満更でもなさそうに頭を撫で始める。 彼女たちは姉妹たちの中でも特別な絆で結ばれているため、再会の喜びも人一倍大きいのだ。 「あの……」 「あ、スマねーです」 「いえ、あとでゆっくりと休む時間を設けますから」 Lの申し訳なさそうな視線を浴び、翠星石たちは恥ずかしそうに離れる。 いつの間にか着席していた桐山を傍目に捉えながら、彼女たちは用意された椅子に座った。 集まった会議室は二十畳ほどの大きさで、正面には壇上とホワイトボードが設置されている。 名探偵に警察官という実績を持つLと右京は司会を務める形でそこに上がり、それ以外の面子は大量に設置された長机とパイプ椅子に腰掛けてる。 なお、真司は治療を施した後に、仮眠室のベッドに寝かされていた。 「では皆さん、お疲れの方もいるとは思いますが時間がありません、情報交換を始めましょう」 翠星石と蒼星石が着席したのを見て、右京が情報交換の開始を宣言する。 緊張のあまり唾を飲む者もいる中、Lは神妙な表情を浮かべていた。 「どうかしましたか、Lさん?」 「いえ、情報交換の前に一つやっておきたいことがあったので」 右京が尋ねると、Lは前に座っているある人物へと視線を移す。 「由詑かなみさん」 「な、なんですか!?」 突然名前を呼ばれ慌てふためくかなみ。 だが、Lはそれを意に介する様子もなく話を続けていく。 「単刀直入に伺います、貴女はアルター使いですね?」 質問をした瞬間、かなみが肩を震わせたのが見て取れる。 これでは肯定しているようなものだ。 「はい……」 「まさか君が……いや、振り返れば兆候はあったか、君もカズマくんみたいに空を飛ぶのかい?」 「カズくんみたいに強くないです……」 隣に座っていた上田が話しかけるが、かなみは怯えるような態度を崩さない。 彼女のいたロストグラウンドでは、アルター能力者の人権など皆無に等しかった。 ろくに仕事も貰えず、人々には恐怖され、HOLYからは追い回される。 故にかなみは迫害されることを恐れ、アルター能力者であることを隠していたのだ。 「私は別に貴女を追いだそうとしているわけではありません、ただ一つ質問に答えていただきたいだけです」 そんな彼女の怯えを察したのか、Lがかなみの心中の考えを否定する。 「質問……?」 「はい、貴女はストレイト・クーガーという人物をご存知ですよね?」 怖ず怖ずといった様子で首肯するかなみ。 「なんでそんな質問するのかな?」 Lが二の句を告げようとしたところで、後方に座っていたこなたが口を挟む。 その声には今までの呑気さは欠片もなく、剣呑とした殺意のようなものさえ纏っていた。 「ストレイト・クーガーは誰かを襲って殺そうとするような人物ですか?」 「ちょっと無視しないでよ!」 無視されたことで怒りを露わにするこなた。 彼女の豹変ぶりにかなみは萎縮し、隣に座っていたみなみも驚愕の表情を浮かべている。 「答えてください」 「えっと……その……クーガーさんはそんな人じゃありません」 質問に答えた瞬間、こなたが舌打ちと同時にかなみを睨みつける。 濁った汚泥のような悪意を向けられ、常人よりも人の気持ちに敏感なかなみは身震いしてしまった。 「泉さん、先ほど貴女はストレイト・クーガーに襲われたと言いましたよね しかし彼の知り合いである由詑さんはこう仰ってます、これはどういうことでしょうか?」 かなみに質問を終え、Lの視線はこなたへと移る。 その瞳は、こなたへの疑惑が確信に近いことを物語っていた。 「どういうこともなにも……Lさんも見てたじゃん」 「ええ、見てました、しかし私には彼が貴女を殺そうとしているようには見えなかった」 「それはLさんからそう見えただけだよ、クーガーは本気で私を殺そうとしてた、私の仲間も見捨てたし」 「彼が貴女を本気で殺そうとしてたなら、とっくに貴女は死んでますよ 彼は変身した光太郎くんと互角の実力を持っているのに、ただの女子高生である貴女がどうやって逃げ切れたのでしょうか」 「えっと……それは……」 「それに貴女は殺されかけた直後であるにも関わらずまるで緊張感が無かった、無さ過ぎたと言ってもいい」 Lの見透かすような視線が突き刺さり、額にだらだらと脂汗が浮かび上がる。 この場にいる全員の視線が集中し、こなたは推理モノの犯人にでもなったような不快感を感じていた。 冷静に考えれば、そもそも殺されかけたなどと言う必要はなかったのだ。 下手な理由付けをしてしまったことが、不要な災いを呼び寄せている。 何とかしてこの場を切り抜けなければいけない。 切り抜けなければ、ゆたかの命は戻ってこないのだ。 「泉先輩をどうするつもりなんですか……?」 隣に座っていたみなみが俯いたままLに尋ねる。 その声色は普段の彼女と違い、明確な怒りが篭っているものだった。 「下手に情報を与えたくないので、留置所にでも入ってもらいます」 それに対し、Lはあくまで感情の篭ってない普段の声色で返す。 ドンッと大きな音が会議室に響いた。 「いい加減にしてください!」 勢いよく立ち上がるみなみ。 こなたに集中していた視線が一斉に集まり、彼女は思い出した様に顔を赤くする。 「す、すいません……でも、どうしても我慢できなくて……」 恥ずかしそうに顔を伏せながら、みなみは言葉を紡ぎ続ける。 「さっきからLさんは一方的に先輩を嘘つきと決めつけて…… かなみちゃんが嘘を吐いてるとは思いません……でも……先輩の話も少しは信じてください! 何かの間違いかもしれないじゃないですか!」 涙声になりながら、それでもハッキリとした言葉をみなみはLに叩きつける。 大人しい性格のみなみが突然大声を上げたことに、周囲の人間は驚きを隠すことができない。 その中でこなただけが心中でほくそ笑んでいた。 彼女は完全に自分のことを信じ切っている。 再会した時から期待してはいたが、L相手に啖呵を切る程とは予想していなかった。 ゆたかの親友でもあった彼女ならば、かがみと違って自分に協力してくれるかもしれない。 「先輩だった泉さんを信用したい岩崎さんの気持ちもよく分かります しかし実は由詑さんの他にもう一人、ストレイト・クーガーのことを知っている人物がいたんですよ」 絶句するこなた。 Lが自分の方を見て、ニヤリと笑ったような気がした。 「カズマさんです、最初にお会いした時に彼から話を聞きました、岩崎さんも一緒に聞いてたはずです」 カズマという人物が、余程信頼できる人物だったのか。 Lとこなたの顔を交互に見て、あからさまに狼狽し始めるみなみ。 やられた、と思った。 おそらく彼女が庇うことを見越していて、あえてこの事を言わずにいたのだろう。 「そのカズマって人が嘘を言ってた可能性も……」 「カズくんは嘘なんか吐きません!」 こなたが言い終わる前に、かなみが大声でそれを遮る。 「カズマくんは嘘は吐くようには見えないかな……」 「嘘を吐く前にぶん殴ってそうだな、彼は」 それを皮切りに次々とカズマを擁護する意見が出てくる。 カズマという人物には余程人望があったのか、翻った情勢が一気に傾いてしまった。 みなみに助けを請うが、申し訳なさそうに視線を逸らされる。 自分の身体が冷たくなっていくのを、こなたはハッキリと感じていた。 「それでは泉さん、失礼ですが少なくとも我々が情報交換をしている間は留置させていただきます」 擁護する者が居なくなったことで動こうとするL。 こなたもこれ以上の抵抗は不可能と判断し、歯軋りをしながら従おうとする。 「待ってください」 だが、彼らの動きを止める者がいた。 今まで静観していた警視庁きっての切れ者、杉下右京だ。 「泉さんが嘘を吐いていたのは分かりました、しかしそれで留置するというのは少々行き過ぎてやいませんか?」 「……と、言うと?」 「もっと穏やかな方法……例えばそう、見張りをつけて別の部屋に隔離するというのはどうでしょうか?」 一瞬だけ助けてくれるのかと期待したが違った。 嘘を吐いただけのこなたを留置する訳にはいかないという、真面目な警察官らしい意見だったのだ。 「……確かに少し行き過ぎていたかもしれませんね、右京さんの案で行きましょう」 Lは僅かに逡巡した後、渋々といった様子ではあるが彼の案を採用した。 「なら私が先輩の見張りを――――」 「岩崎さんは駄目です、貴女では懐柔される可能性がありますから」 真っ先に立候補したみなみをLは一蹴する。 そしてパイプ椅子に腰掛けている面子をぐるっと見回し、蒼星石の前で視線を止めた。 「蒼星石さん、貴女はずっと桐山さんと一緒でしたか?」 「え、えっと……ほとんど一緒だったけど……それが何の関係が?」 質問の意図を理解できず、蒼星石は首を傾げている。 「単刀直入に申せば、蒼星石さんに泉さんの監視をお願いしたいと思ってます」 「何となくそう言われる気はしてたけど、なんで僕なのかな?」 蒼星石の質問に、Lは噛み砕くように説明を始める。 まず泉こなたと一切の関わりが無いこと、見張り役が懐柔されては困るためだ。 そして体力にも比較的余裕があり、ある程度は武術の心得があること。 蒼星石はこれらの条件をクリアしており、なおかつこなたと同じ女性であることから抜擢されたのである。 先程の質問は、彼女の所持する情報が桐山と同じものかを調べるためのものだ。 所持している情報が同じならば、必ずしも情報交換の場にいる必要もないのである。 「分かったけど……Lさんや右京さんじゃ駄目なの?」 「私はこれから行う情報交換の司会を務めますし、右京さんには裏口の見張りをお願いしたいと思ってます」 正面入口はこの部屋からよく見えるため問題ないが、裏口はどうしても死角になってしまう。 故に危険人物の侵入を防ぐため、最低でも一人は見張りが必要になる。 警察官であり信頼のおける右京はその役に最適だった。 「というわけで、泉さんの監視をお願いできないでしょうか」 「はぁ……あんまり気乗りしないけど……分かったよ」 こうして蒼星石が承諾したことで、こなたは別の部屋に隔離されることとなった。 ☆ ☆ ☆ 「ちぇー、みんな酷いよ」 こなたが隔離されたのは二階にある取調室。 二階というのは簡単に逃げることができず、なおかつ飛び降りても死亡する危険性は低い。 犯罪者が集まりやすい性質上、二階というのは一般に知られている以上に重要なウエイトを占めているのだ。 「しょうがないよ、こなたちゃんは嘘を吐いてたみたいだし」 「蒼星石ちゃんも私が嘘吐いたって言うの?」 「正直なことを言うと疑ってるかな、あのカズマくんが嘘を吐くとも思えないし それにデイパックから出てきたアレもあるし……」 蒼星石が言う”アレ”とは、こなたのデイパックから出てきた骨と眼球。 隔離される際にデイパックを点検されたのだが、その際に中から現れたのだ。 その場は騒然となったが、一番驚いていたのは他でもないこなた自身。 躍起になって否定していたものの、当然疑いが晴れるわけはない。 だが、その場でLが不問としたことで、これ以上言及されずに済んだのだ。 「だからアレは本当に知らないんだよー、元々才人が持ってたヤツだし…… それでさ、そのカズマって人、そんなに信用できるの?」 「うーん、信用できるというか、なんというか……」 信用できるとは少し違う。 カズマの性格からすれば、気に入らない相手がいたらその拳で殴り飛ばすだろう。 行動パターンが簡単に推察できてしまうのだ。 「まぁ、剣とか全部取られちゃったからどうしようもないんだけどねー」 隔離される際、水や食料等の共通支給品以外を全て没収されてしまった。 武器もないのでは、抵抗するのは不可能だろう。 「それにしても蒼星石ちゃんってホントに女の子なの? 私ずっと男の子だと思ってたよ」 「なっ……もう失礼だなー、これでも立派な女の子なんだよ」 ショートカットヘアに半ズボン等、彼女の容姿は非常に中性的な嗜好が凝らされている。 実際にかつての同行者である橘あすかは、彼女を男性と勘違いしたことで一悶着を起こしていた。 「でもリアルでボクっ娘って初めて見たよ、くは~、萌えるね~」 「別に萌えとか意識してるわけじゃないんだけどなぁ」 こなたと二人きりになってもうすぐ十分を過ぎようとしているが、Lが言っているように彼女にはまるで緊張感がない。 殺し合いの舞台であるにも関わらず、彼女の態度はあまりにも自然体過ぎるのだ。 Lからは情報交換が終了次第、自分たちを迎えに来ると言われている。 それまでは警戒を緩めず、監視を続けることにした。 ☆ ☆ ☆ 「それでカズマさんは瀬田宗次郎と戦闘を開始したんですね?」 「そうだ、私が戦おうとしたんだが、カズマくんにどうしてもと言われて譲ったのだよ」 Lの質問に対し、上田は脚色を加えながら返答する。 かなみからは溜息を吐かれ、その他の参加者からは疑いの眼を向けられるが、上田はまるで気付いていない。 朗らかな声を上げながら、上機嫌に笑い続けていた。 「それでカズマさんと瀬田宗次郎が戦っている最中に、桐山さん達が出くわしたと」 「そうなるな」 「そして瀬田宗次郎を倒した後、光太郎くんの加勢に向かったわけですね」 最終的に残ったL、上田、かなみ、桐山、翠星石、みなみの六人で行われた情報交換。 全員が支給されたメモ帳に情報を書き記している。 警察署には印刷機が設置されており、この場にいない面子とも情報交換することが容易い。 そうする価値があるほど、今回得られた情報は大きかった。 Dー7で起きた火災の原因となる乱戦の経緯と、シャドームーン討伐のための二度の闘争 人間を仮面ライダーへと変身させるカードデッキの存在。 他にも多くの情報を得ることができ、それだけでも価値は十二分にあったと言える。 「……」 だが、同時に歯噛みするような事態にも直面していた。 ここに集まっている戦力が、想像以上に貧弱であったことだ。 かなみやみなみは論外、Lや右京も瀬田宗次郎のような強者には太刀打ちできないだろう。 上田は空手の達人を名乗っているがいまいち頼りなく、蒼星石も専用の武器が無いのでは全力を発揮できない。 結果として戦力に数えられるのは、花弁を操れる翠星石とカードデッキを所持している桐山くらいだ。 ここに来て、光太郎と別れてしまったことが響く。 光太郎やカズマが来るまで、誰にも襲撃されないことを祈るしかないだろう。 「桐山さん、一つお尋ねしてもいいでしょうか……?」 「なんだ」 怯えたように桐山を見上げるかなみ。 彼女と桐山の身長差は頭二つ分以上あり、必然的に見上げて会話する形になる。 カズマや君島との交流である程度は免疫がついていたものの、やはり初対面の桐山との会話は緊張してしまうようだ。 「その……瀬田宗次郎さんをこ、殺したのは……カズくんなんですか?」 ビリッと電流が駆け抜けたかのような緊張感が訪れる。 もしカズマが殺していた場合、彼を殺人犯として扱わなくてはならない。 Lは殺人犯であろうと使えるものは使うが、他の人間はいい感情は抱かないだろう。 とくに右京が殺人を強く忌避していることが翠星石との話で判明している。 下手をすれば、たったこれだけでもコミュニティが崩壊してしまうかもしれない。 「違う、カズマはあいつにとどめを刺さなかった」 抑揚のない声での返答。 かなみはほっと胸を撫で下ろし、Lも心中で安堵した。 「ということは、貴方達が去った後に何者かに襲われたということですかね」 「そうなるな」 答えると同時に、桐山はすぅっと立ち上がる。 「スマない、トイレに行ってもいいだろうか?」 いきなりの申し出に訝しむLだが、理由を聞いて納得がいった。 彼と蒼星石は今まで一度も施設に寄っておらず、当然トイレに寄る機会もなかった。 十二時間以上もそれが続けば、催しても無理は無いだろう。 Lが許可を出すと、桐山は出口まで歩を進める。 「待ってください」 ドアノブに手をかけたところで、不意にLが制止を促す。 「デイパックは置いていった方がいいのではないですか?」 桐山の背に掛けられているデイパック。 どういう原理かは知らないが、これは中にどれだけ物を詰め込んでも一切重さを感じない。 さらに車のような巨大な物でも収納でき、挙句の果て無限に詰め込むことができる。 現代の科学力でこれを再現するには、あとどれくらいの歳月を要するのだろうか。 「そうだな」 桐山は背負っていたデイパックを無造作に放り投げる。 綺麗な弧を描きながら飛ぶそれは、彼が座っていた席にぽすんと落ちた。 「……」 ドアノブをゆっくりと回し、扉を小さく開けて外へと出る桐山。 扉が無言のまま閉まるまで、Lの視線が彼から離れることはなかった。 ☆ ☆ ☆ こなたが隔離されてから一時間が経過。 会話する内容も尽きて沈黙が訪れた頃、不意にこなたが蒼星石に話しかけた。 「あの……蒼星石……」 両脚を閉じ、スカートの裾を僅かに引っ張る。 そして艶かしく身体をくねらせながら、ほんのりと顔を赤らめていた。 「な、なにかな……?」 蒼星石は嫌な予感を感じつつも、最低限の冷静さを保って対応する。 「……レ……」 「え?」 こなたが何か呟くが、あまりに小声なため聞き取ることができない。 そんなやり取りがしばらく続く。 「トイレだよトイレ! 何度も言わせないでよ恥ずかしい!」 顔を真っ赤に染め上げながら、こなたは大声で叫んだ。 「えー……我慢できないの?」 「さっきからずっと我慢してたの! もう限界だよ!」 交互に足踏みをして、いかにも急いでいるような素振りを見せるこなた。 いや、実際に急いでいるのだろう。 尿意を催すことのない蒼星石でも、我慢する苦しみを想像できてしまうのだから。 「も、もう少し我慢できないかな?」 それでも蒼星石は、彼女に我慢することを強いた。 Lからは、絶対に彼女を出すなと言われているからだ。 「無理だよ~! あ~! 大声出したら余計に漏れそうに……」 股間を押さえながら慌てふためくこなた。 もし真紅がこの場にいたら、彼女をはしたないと嗜めていただろう。 狼狽する彼女を尻目に、蒼星石は思考を展開する。 彼女が本当に尿意を催しているのか、それを見極めなければならない。 蒼星石も暇な時間はテレビの前に座り、真紅や雛苺と一緒にくんくん探偵を眺めている身。 幾多もの事件を追体験し、多少は探偵としての素養が備わってきているはずだ。 逮捕された犯罪者がトイレに行きたいと告げ、何らかの方法で逃げ出すというのは常套手段である。 それを鑑みれば、彼女に許可を出すべきではないだろう。 だがそんな簡単に思いつく方法を、俗に言うオタクである彼女が使ってくるだろうか。 「あ~、もう漏れちゃう! ここで漏らしちゃうかも!」 「え、それは……」 こなたの発言に蒼星石は凍りつく。 取調室のような密閉空間で漏らされたら、たちまち臭いが立ち込めるだろう。 窓ははめ殺しになっており、換気することもできない。 「蒼星石! 絶対に逃げないからトイレ行かせてよ! お願い!」 こなたは扉の前まで行き、ドアノブをガチャガチャと回し始める。 だが、内部から施錠されているため扉が開くことはない。 それが分かっていながらも、彼女は必死にドアノブを回し続ける。 限界が近いのだろう、今にも漏らしてしまいそうな雰囲気だ。 武器は全て没収されているし、格闘戦になったとしても普通の人間に負けるつもりはない。 何よりもし彼女が演技でなかった場合、悲惨な状況を産み出してしまう。 「はぁ……もうしょうがないなぁ……」 観念した蒼星石は、Lから預かった取調室の鍵を取り出す。 「やった!」 「でも――――」 扉の前まですたすたと歩いて行き、鍵を挿し込んで解錠する。 「僕も付いて行くからね」 「そんなのどうでもいいよ! 先に行くね!」 「あ、待ってよ!」 鍵穴から鍵が刺し抜かれると、こなたは一目散に駆け出す。 皆が集まる前から警察署に居たため、トイレの位置は完全に把握しているのだろう。 物凄い勢いで疾走するこなたに、蒼星石は付いて行くのがやっとだった。 「ちょっと……速すぎるよ……」 蒼星石がトイレに到達した時、既にこなたの姿はない。 代わりに一番手前にある個室の鍵が、使用中を示す赤色に変わっていた。 「……」 しばらくすると個室の中から水の滴るが流れ出す。 トイレに行きたいという要望が事実だったことに、蒼星石は思わず安堵した。 もし嘘だったのなら、彼女は大失態を犯したことになるのだから。 「……」 無言のトイレの中を水温の音だけが鳴り続ける。 他人の排泄音を聞くというのは、あまり気分のいいものではない。 だが他にやることがない以上、どうしても流れる音に集中してしまう。 「……はぁ」 湿った溜め息を吐く。 蒼星石に汗を掻く機能はないが、人間だったら確実に発汗しているだろう。 居心地の悪さがすり減った彼女の神経を蝕んでいく。 一人の時間を得て、ふと頭に過ぎったのは二人の少年の顔。 初めての同行者である橘あすかと、自分を庇って死んだ北条悟史。 他にも大勢の人間の犠牲があるからこそ、今の自分たちはここにいるのだ。 そう思うと、悪寒が止まらない。 「……はぁ」 二度目の溜め息を吐く。 手の平に不快感を感じ、泥や砂で汚れていることに気付いた。 目の前に洗面台まで進み、汚れ一つない蛇口を捻る。 そこから噴出した水に、彼女は汚れた手を預けた。 泥や砂は綺麗に洗い落とされるが、こびり付いた血液はなかなか消えない。 握りしめた際に付着した悟史の血液だろう。 「ん?」 ガシャン、と音がした。 振り返ると、そこにはガラスの残骸が散乱している。 目を凝らして見てみると、それは全員に支給されたランタンであった。 「なんでこんなものが……」 すたすたと足音を立てる蒼星石。 水の滴る音は、まだ止んでいない。 そして―――― 「――――ッ!?」 頭上から飛び掛ってくるこなたの姿を最後に、彼女の意識は暗闇の中に落ちていった。 ☆ ☆ ☆ 「どうかしましたか?」 トイレから戻ってきた桐山を見て、Lは覗き込むように質問する。 冷静沈着な彼には珍しく、息を荒げているのがはっきりと分かった。 「蒼星石が……死んでる」 桐山の告白は、その場にいた全員に衝撃を齎した。 「う、嘘です……嘘吐くなです!!」 桐山の告白を否定する翠星石。 顔は真っ青に青ざめていて、手は小刻みに震えている。 「ッ……泉さんは?」 「分からない、が、何処にも見当たらなかった」 ギリッと奥歯を噛み締めるL。 この場にいる人間の中では比較的冷静さを保っていられたが、それでも完全に動揺を隠すことはできなかった。 「まさか……先輩が……」 翠星石と同じように顔面を蒼白に染めたみなみが、独白のように呟く。 その後に続く言葉は、言わずとも誰にも予想できるだろう。 ”泉こなたが、蒼星石を殺害して逃げた” 「非常に残念ですが、その可能性は極めて高いでしょう 情報交換は中止です、これから泉さんを追います」 表情は変えないまま、しかし普段よりも荒い語調で宣言するL。 みなみの顔には、より一層暗い影が落ちる。 「でも……どうやって追うんですか? 泉さんが何処に行ったのか分からないんじゃ……」 「そうだ! 彼女が何処に行ったのかを知る方法が――――」 「あります」 「我々には無いだろう……ってなに?」 かなみの指摘に上田は長々と便乗するが、Lはたった四文字で切り捨てる。 「彼女のデイパックを調べた時に発信機を仕込んでおきました、受信機はここにあります」 くすんだ色のジーパンのポケットから、リモコンほどの大きさの機械を取り出す。 これは元々は真司の支給品であり、預かった際にこっそり拝借していたのだ。 「上田さん、お願いします」 「Why? 何故私が!?」 手に持った受信機を、呆然としている上田に差し出す。 すると上田は露骨に狼狽し、口早に異を唱えだした。 Lがその内心を知る由もないが、上田はこの殺し合いに乗っている者に対して恐怖を抱いていた。 東條悟、ミハエル・ギャレット、稲田瑞穂、前原圭一、瀬田宗次郎。 今まで出会ってきた者たちは、頭のネジが何本も抜けているような者ばかりだった。 いくら天才的頭脳を有していても、彼らのような人種とは会話ができない。 ハッキリ言って、関わりたくなかったのだ。 「上田さんしかいないんです、この中で一番腕っ節が強いのは貴方なんですから」 「し、しかし……」 「お願いします」 上田がいくら目を逸らしても、Lは不健康そうな隈に彩られた目で追い続ける。 あまりにも居たたまれず、やがて上田は観念したように肩を落とした。 「ふぅ……仕方がないな、この私の頭脳と手腕が必要とあっては力を貸さないわけにはいかない」 放つ言葉は尊大なものの、普段のような張りのある声ではなかった。 「……私も行かせてください」 上田との交渉を終えた直後、影に隠れていたみなみが前へと出てくる。 「……先ほども言いましたが、泉さんが蒼星石さんを殺した可能性はかなり高いです、それでも行きますか?」 「足手まといにはなりません、それに……先輩が何でこんなことをしたのか知りたい」 みなみの目を覗き込む。 ただの女子高生であるみなみを外出させるのは避けたいが、上田だけではどうしても不安が残る。 「なら、俺も行こう」 静観していた桐山が立候補した。 「俺にはカードデッキがある、襲われたとしても返り討ちにできる」 デイパックの中から黒いカードケースを取り出し、学生ズボンのポケットの中に仕舞い込む。 確かにカードデッキの力があれば、並大抵の敵なら跳ね除けることができるだろう。 真司が気絶中である以上、現状の最強戦力は彼だ。 「分かりました、岩崎さん、桐山さん、お願いします」 表情を崩さないまま、Lは二人にこなた探索隊に加えた。 「私は……蒼星石を見に行きます……」 嗚咽を漏らしながら、翠星石は自らの意思を告げる。 自分自身の半身ともいえる蒼星石の死は、怒りよりも悲しみの方が大きかったようだ。 それに、もしかしたら桐山が見間違えただけかもしれない。 自分の目で確認するまで、彼女は蒼星石の死を認める気はなかった。 「分かりました、私も彼女の遺体を拝見します」 「えっと……私は……」 ほぼ全員の役割が決まったが、かなみだけがまだ決まっていない。 自分だけが蚊帳の外であったため、不安に苛まれたのだろう。 「由詑さんはここに残っていてください」 「でも……!」 彼女は子供であり、さらに左腕を骨折している。 探索隊に加えても足手まといになるのは目に見えているのだ。 「私も何かしたいです! 出来ることなら何でもしますから!」 包帯の巻かれた腕を不便そうに振るいながら、必死に懇願するかなみ。 その姿を見て、Lは数秒間だけ思考した後にこう告げた。 「では、裏門にいる右京さんを呼んできてください」 「わ、分かりました!」 指示を受けると、彼女は一目散に駆けていく。 誰にでもできることであったが、とにかく何かをしたかったのだろう。 「殺人を犯した可能性のある泉さんを放置しておくわけにはいきません、迅速に確保してください」 こうして、彼らは会議室を後にした。 ☆ ☆ ☆ 「これは……」 女子トイレに集まったL、右京、翠星石の三人は、目の前に広がる惨状を見て思わず声を漏らした。 着衣が乱れ、事切れた蒼星石の姿。 強烈な打撃を受けたのだろうか、顔には痛々しい痣ができている。 そして何よりも目立つのは、喉元に深々と突き刺さった鉛筆。 鉛筆は蒼星石の細い喉を貫通しており、これが死因となったのは間違いないだろう。 「そんな……蒼星石……」 崩れ落ちる翠星石。 もしかしたら生きているかもしれないという淡い希望も、あまりに呆気無く打ち砕かれたのだ。 「遺体を検分してもよろしいでしょうか、翠星石さん?」 そんな彼女を尻目に、Lは無表情のままだ。 こなたとの悶着で彼の性格をある程度は理解していたつもりだったが、自らが当事者となるとその不愉快さに辟易する。 「勝手にしやがれです」 今更なにを調べる必要があるのかと思うが、もしかしたら予想もできない真実が見つかるかもしれない。 それを達成できるような人物は、Lや右京のような頭のいい者たちだろう。 だがそれでもLの態度が気に食わず、言葉に出てしまった。 「……」 蒼星石のマスターである柴崎元治を呪縛から解き放ち、ようやく手に入れた本当の幸せ。 だが、もうそれは何処にもない。 真紅も、劉鳳も、新一も、そして蒼星石も死んだ。 彼女の死に直面し、去来したものは怒りでも悲しみでもなく虚無感だった。 「翠星石さん、これが何かご存知ですか?」 Lの手の平には、翠星石にとって見覚えのある物が乗っている。 「蒼星石の……ローザミスティカ……」 ローゼンメイデンにとって命にも等しい代物。 これが身体の外に出たということは、アリスゲームの脱落――――死を意味する。 「これは私たちにとって命みたいな物です、できれば翠星石に渡してほしいです」 「……分かりました」 少し逡巡した後、Lは蒼星石のローザミスティカを差し出してくる。 それを受け取った翠星石は、口を結んだままそれを自らの胸に押し当てた。 (せめて、私の中で真紅と一緒に……) 翠星石の身体が眩い光に覆われ、時間と共に身体の内側へと吸い込まれていく。 彼女がこれを体験するのは二度目である。 アリスゲームに積極的だった水銀燈ではなく、否定的だった彼女がローザミスティカを二つも得たのは何の皮肉だろうか。 身体が暖かい感触に包まれるが、対照的に心は氷のごとく冷え切っていた。 (え……?) 翠星石の表情が見る見るうちに歪んでいく。 蒼星石のローザミスティカを取り込んだことで、彼女が有していた記憶がぼんやりと浮かび上がる。 そうして伝わってきたのは、予想だにしない光景であった。 時系列順で読む Back 月光 Next DEAD END(中編) 投下順で読む Back 運命の分かれ道 Next DEAD END(中編) 121 彼と彼女の事情 城戸真司 131 DEAD END(中編) 翠星石 岩崎みなみ 杉下右京 125 How many miles to the police station? 上田次郎 由詑かなみ 泉こなた 蒼星石 桐山和雄 L 131 DEAD END(後編)
https://w.atwiki.jp/wiki9_aisiteru/pages/7.html
ミニ小説 恋愛小説などかいてブログ形式に3週間に1度 のせたいとおもっています。 良いとおもった作品にコメント・投票してくれるとうれしいです。 #weblog 愚痴り屋 今日あったいやな事ムカついたことはなしてすっきりしませんヵ? もちろんそのほかに相談、いい話もききますよ! 名前 コメント お絵かき掲示板 みなさまのすてきな絵を募集してます たくさんかいていってください。 現在、paint_bbsプラグインはご利用いただけません。 りんく 脱出ゲーム大百科 脱出ゲーム置き場です。たくさんあるので いろいろちょうせんしてみては・・・? カナヘイの家 大人気のカナヘイの画像・動画おきば!! 大人気のカナヘイの本と カナヘイのグッツも発売中・・・ kirei cafehttp //bbs.kireicafe.com/ ? キレイの秘密がいーーーーっぱい!!これはつかえますよ・・・ 女の子必見!! Meiji 手作りお菓子レシピ盛りだくさん!! 作って彼氏のはぁとをゲット☆ミ +HAPPY TEER FRIEND+ 私のHp第2弾!!ぜひ②いってみては・・・? @wiki ここでは無料Hpずくりができます。1つつくってみては?? 投票 よかったとおもうコーナーに投票してください 選択肢 投票 ミニ小説 (0) 愚痴り屋 (0) お絵かき掲示板 (0) りんく (0)
https://w.atwiki.jp/akumaassenn/pages/42.html
フェイツさん・メネちゃんと多重契約 →BADENDのパターンを本気出して考えてみたメモ 【登場キャラ(敬称略)】 メネ、真島 正路、ロノエル、フェネキッス、ネデ、ギフト、フェイツ、ションディ おっぱいに釣られてメネの嫉妬深い点を見過ごしていた正路 弟(蒔)と仲良く過ごしてたら、嫉妬したメネに目の前で弟を殺されたよ! (家族、友人でも可 とりあえず弟パターンで) ↓ ワクワクしながら煽るメネ、しばし呆然とする正路。 「蒔が死んだのは俺のせいだ」「俺の契約にミスがあった」「色香に惑わされたようなもんだ、しかもメネと契約した目的は自分の身の安全のためだった」「そして蒔を殺した」と色々考えているうちに、 「俺は愚かだった、悪魔と関わってはいけなかったんだ」と強く思う。 ↓ メネ「ご主人様ぁ、コレの上で愛を誓ってくださぁい」 死骸を踏んでキスを強請るメネ。 こいつに「愛してる」とはもう言えないと感じ、ロノエルを呼ぶ。 ↓ 正路「ロノエル、お前と契約する。口頭で成立として良い」 ロノ「よろしいのですか?」 正路「ああ。メネを黙らせろ」 ロノエルと契約成立。 ↓ とりあえずメネを眠らせておき、何とかして弟を蘇生できないかと試みる。 フェネキッスを呼ぶ。 正路「緊急時につき口頭成立とする。契約するから俺の命令に従え」 フェ「かしこまりましたご主人様ヒャッホー!」 フェネキッスと契約成立。 ↓ 正路「繰り返せ。『蒔の肉体は10分前の状態に戻り、更にその状態で保持され、魂さえあれば息を吹き返す』」 フェ「蒔様の肉体は10分前の状態に戻り、更にその状態で保持され、魂さえあれば息を吹き返す」 弟の体が死ぬ前の状態に戻る、後は魂だけ。 正路「『ネデがフェネキッスの隣りに居る』…繰り返しここまで。契約終了はまだだ。次の命令まで待機していろ」 フェ「ネデ様がフェネキッスの隣りに居る。かしこまりましたご主人様」 ↓ ネデが呼び出される。 知らない男(ロノエル効果で忘れられてる)にいきなり詰め寄られ「!?」状態のネデ。 正路「お前ネクロマンサーだか何だか言ってたが、人間の魂は」 ネデ「誰だオマエ…!?何故それを知って…」 正路「ああクソッ!ロノエル、ネデに蒔の魂を呼び戻させろ」 ロノ「既に…ですが」 ネデ「オレにはできないかもしれない、でもやるよ、この力が必要とされて嬉しいんだ」 正路「…!」 ↓ ネデは魂を呼び戻す事が出来なかった。 仕方なくギフトを呼び出す。 正路「ギフト、俺が代償を払う。ネデの才能を一気に開花させる事は可能か?」 ギフ「おお、おお!正路殿、まさかこの日が…」 正路「早く答えろ」 ギフ「可能にございます」 正路「契約成立だ。俺の感覚を奪い、ネデにネクロマンサーとして最高の才能を与えろ。人の魂を呼び戻せるくらいのな」 ギフ「かしこまりました!ああ何と好き日、胸が躍ります!」 ギフトと契約成立。 正路は視覚を失い、ネデはネクロマンサーとして最高の才能を得て契約終了。 ↓ 再びロノエル経由でネデに魂を呼び戻させる。 ネデさんの魂呼び戻しは成功。 弟は息を吹き返す。 ↓ フェネキッスに命じて状況が飲み込めてないネデを元の世界に帰す。 ロノエル、フェネキッス、ギフトの力を総動員して、 メネに出来る限りの報復をする。 (今更ですが、誠にすみません) ↓ ↓ (翌日) ↓ ↓ ロノエルの力を借り、他人の所有となっている自宅で軽く身辺整理 失明しているので視界に何があるか説明してもらっているが、それ以外では黙るよう命じている。 フェネキッス、ギフトにもロノエルを通して沈黙させる。 フェイツ、ションディ、リヴィとここで会うかもしれない。 正路「フェイツ、現時点を以って契約を破棄する」 フェ「一方的契約破棄は大罪デス」 正路「これ以上話す事は何もない」 フェイツとの契約を破棄。 更にロノエルに頼み、自分の前に一切姿を現さないよう悪魔全員に命じる。 悪魔と関わってはいけなかった。 ↓ ロノエルだけを連れて弟の家に向かう。 ある分の財産全てを他人となった弟に渡し、 弟の手で自身と家族の財産に加えるようロノエルの力で命令する。 最後に「兄貴」と呼ばせようか、ちょっと迷う。 ↓ 全てが済んだら、どこか遠い所へふらっと放浪。 何もかも失っちまったな、つーか何で俺がこんな目に遭ってんだ畜生、とか色々考える。 考えたついでにぽろっと本音とか涙とかこぼしちゃったり。 悪魔を寄りつかせない命令を無効にしつつ、 ロノエルとの契約終了。 ↓ Aパターン 心配になったらしいションディが真っ先にやってくる。 空間移動めっちゃしまくって探してたようだ。 ションディの身の上話を思い出し、ああこいつはずっと独りだったんだ、と柄にもない同情心を抱く。 見えない代わりに掌でションディに触れ、苦笑する。 正路「前から思ってたが、お前全然悪魔って感じじゃないよなぁ」 ショ「この姿で生まれた事を今少し有難く思っています。お供しましょうか?」 正路「そうしてくれ…悪魔が居ない場所へ行きたい」 ショ「お安いご用です。我が友よ」 ションディと契約成立。 ※※ションディの友達END※※ ↓ Bパターン (ションディさんが来なかった、又はションディさんが来ても追い返した) フェネキッスを呼び出す。 正路「繰り返せ。『次の睡眠時に正路は一切の苦痛を感じず死に至り、死体も消える』」 フェ「ご主人様、魂を切り離す行為ですので生死に関わる言葉はちょっと効果が無いのです」 正路「じゃあお前、同じ事を直接やれるか?」 フェ「割と出来ます」 正路「頼む。…ああそれと。死体の左手の薬指を切り落とし、フェイツに届けろ」 フェ「お任せあれ!」 正路「この命令遂行を最後に契約の完了とする。魂を持って行け」 フェ「次の睡眠時でございますね!必ず、必ず参ります!くくっ!くひひひひ!」 ↓ ギフトを呼び出す。 ギフ「これはこれは正路殿!!御機嫌麗しゅう!!!」 正路「俺の感覚と引き換えに、蒔の写真の才能を開花させろ。そこそこ人気が出るくらいでいい」 ギフ「蒔殿は先日の弟様で御座いますね!?嗚呼ッ正路殿!やはり小生の目に狂いは」 正路「俺が寝るまでに済ませておけ。これで契約は終了だ」 ギフトとの契約成立。 正路は味覚を失い、弟は写真の才能を得て契約終了。 フェネキッスにより魂を奪われ、死体はどこかに消えた。 フェネキッスとの契約終了。 契約書が焼け落ち、フェイツとの契約終了。 ※※死亡END※※ 補足 ※弟の才能を開花させたのは、今後家族が金に困らず生きていけるように。 ロノエルと契約し家族を捨ててしまった場合、セットで頼もうかと考えていた。 ※あとちょっと色々あって蒔には負い目があり、幸せになって欲しかったので。 ※蒔(25)は写真家崩れの薄給新聞記者でした。 この後写真家になれるかもしれない。 ※しかし兄を失った正体不明の消失感、そして悪魔と関わってしまったせいで、きっと幸せになれない。 ※自殺は感覚失い過ぎて人生ハードモードなのがだるかったのと、 きっともう「生きててよかった」と思う事は無いだろうって気持ちだったから。 自分が犯した契約の過ちは自分で責任を取る。 ※メネをどうにかしきれなかった場合、死に切れず放浪してるかもなのでションディENDが濃厚 ※ロノエルの意思支配が悪魔に効くかどうかは状況次第。今回は効いたパターンで。 ※フェイツに届けた薬指は詫びの意味。 「悪魔と過ごす日常も悪くない」と思っていた事を、死ぬ前に少しだけ思い出した。
https://w.atwiki.jp/animerowa-2nd/pages/746.html
HAPPY END(15)◆ANI2to4ndE ◇ 【0】 毎日毎日、掘ることだけがオレの仕事だ。 穴を掘れば、それだけ村が広がる。 村長は喜んで、オレにブタモグラのステーキを食わせてくれる。 ステーキのために掘るのかって? それも違うよ。 ……宝物を掘り当てることだってある。 ……失ってしまった宝物を掘り当てることだって、きっとある。 だからオレは、その日もドリルで穴を掘っていた。 土の中を掘り進んでいくと、やがて開けた空洞に繋がった。 そこにはでっかい家が一軒建っていて、門前ではヒトが掃き掃除をしている。 いや、あれはヒトなんだろうか。 なんだかやたら角張っていて、オレや村のみんなとはだいぶ体の作りが違う。 オレは戸惑ってしまい、そのヒトに声をかけることができなかった。 そうこうしている内に、掃除をしていたヒトがオレに気づいた。 余計にギクシャクしてしまったオレは、緊張しながらも挨拶を放る。 といっても声は出なかったから、お辞儀してみせただけなんだけれど。 オレがお辞儀すると、向こうもお辞儀し返してきた。 「ようこそ。君は新しい入居者か?」 入居者ってなんだろう。 オレは言葉の意味がわからず、曖昧に首を傾げた。 すると向こうは、オレを招くように手を振った。 「立ち話もなんだ、家の中を案内しようか。ここはモロトフ荘。私は管理人のモロトフだ」 ※以降、物語が『分岐』します。『選択肢』を選ぶのはあなた。『終着点』はひとつ。『数字』を追っていってください。 【BAD END】と出てしまったあなたは【0】まで戻ってゲームをやり直してください。 ・それでは → 【1】へ ◇ 【1】 モロトフというヒトに連れられて、俺は家(モロトフ荘というらしい)の中に入った。 中は結構広くて、住人も多いのか、部屋の数はとても数え切れない。 歩くとギシギシ音が鳴る廊下を、オレは物珍しげな目で見ていた。 「ここには多くの人間が……いや、人間でない者も多いのだが、とにかくいる。ここに入居するなら、いずれ顔を合わせるだろう」 『あの、入居って? オレ、難しい言葉よくわかんなくってさ』 「ここに住むということだ」 『えぇ!? そんな、オレの故郷はジーハ村なんだ! ここには住めないよ!』 「おや、そうなのか? では、ここへはいったいなんの用で来たのだ」 『えっと、それは……』 「おぅい! 管理人さんじゃねーか! そいつぁ新顔か!?」 「ラッドか。いや、入居者ではないらしいんだが」 「ハッ、まぁたかよ。飽きもしねぇでよくやるぜ! で、なによ? おめぇはどんな風に死んだわけ? あんま強そうにも見えねぇけどなぁ、つーかむしろもやしっ子みてぇだけどなぁ、どっかでこそこそ隠れてやがったのか!? ああだけど懸命だぜぇ。命は尊いもんだ。間違っても俺は死なない、俺は安全だなんてヌルい考え持っちゃいけねぇよなぁ。 俺ぁよぉ! ああもう、ホント! そういう奴らブチ殺すのがたまらなく好きでなぁ! 例の、バトル・ロワイアル? ありゃあ最高だったぜ! 後味は悪かったが、気にいらねぇヤツらを片っ端から殺して殺して殺して殺して殺して…… あー! なんかもうテンション上がってきちまったなぁ! よぉジャグジー、ちょっくら俺とバトロワしようぜ! 「ひっ……ら、ラッドなんかとやり合ったら僕なんてすぐ死んじゃうよぉ……」 「なんだよ~、シラけるぜぇジャグジーちゃんよぉ。しゃーねぇなぁそっちのバカネコ二匹、ちょっくらつきあえや」 「あァん? そいつぁオイラたちのこと言ってんのか? いいぜぇ、暴れてやろーじゃねぇか」 「おもしろい。キッド、やるからには敵味方関係なしだぞ」 「あたぼうよぉ。なんてったって、バトル・ロワイアルだからな。あまっちょろい考えは抜きだぜ!」 「……まあ、あれは住人の中でも特に変なヤツだ。あまり気にするな」 『うん(ばとるろわるいあるってなんだろう……?)』 「それはそうと、おまえがここに来た目的だが……」 『あ、そうだ。そうだよ! オレは、ここへ――』 アニキを探しに来た → 【19】へ 嫁を探しに来た → 【9】へ ◇ 【2】 「はぁ? 全裸の危ない男に襲われそうになった? ちょっとつかさ、いくらなんでもそれは……」 「で、でも本当なんだよ~。あ、ほらあの人!」 『おーい! 待ってくれってばー!!』 「はだっ……!? つ、つかさに近寄るなこの変態!」 『ぐわばぁっ!?』 → 【35】へ ◇ 【3】 「ふぅぅぅぅしゅるるるるるる……目障りなオレンジ畑めぇい。今日こそ焼ーけ野原にしてやるわ」 「隣でメロン畑をやっているビクトリームか! おのれ性懲りもなく……」 「君のやり方は間違ってる! オレンジ畑が気に入らないっていうんなら、内部から変えていけば――」 「マグルガ」 「うわぁあああああああ!?」 「ぬぅわぁーはっは! ばぁかめ、今日は臨時パートナーとして読書大好き読子さんを連れて来ているのだぁ」 「へぇ~、この本おもしろいですねぇ……マグル・ヨーヨー」 「ほぉれワン・トゥー! ワン・トゥー!」 「む、無念……オォォォルハイィィィルブリタァァァニアァァ!!」 『ムチャクチャだー!?』 とっとと逃げる → 【30】へ ジェレミアを助ける → 【40】へ ◇ 【4】 「上半身が裸だって……? つまり露出狂、もしくは変態ってわけか……」 「半裸の変態ねぇ。おい金田一、それならこの剣持勇に心当たりがあるぜ」 「なんだってオッサン!? そいつはいったい誰なんだ!?」 「へっくしょん! ズ……さすがに冬場ともなると、タオル一枚は厳しいものがあるな」 「クレアさん、悪いこと言わないから、せめてちゃんと服着たほうがええと思うよ?」 「なに、心配するなはやて。この俺が風邪なんてひくはずがないだろう」 「馬鹿は風邪ひかない言うしなぁ。たしかに、クレアさんなら安心やわ」 「さすが俺の愛した女だ。なかなかに手厳しい」 「……どうだ少年! 思い出の格好~、とか言ってタオル一丁で歩き回ってるヤツこそおまえのアニキだろう!?」 『ない』 【BAD END】 ◇ 【5】 『あのトンガリ頭の人が言ってたのって、この教会かな。あ、入り口から誰か出てくる……』 「まぁ~ったくよぉ。鳥と美女じゃ幸せになれませんだなんて、陰気なこと言ってくれる神父だぜ」 「言っておくけどねキール。あたしはキールと結婚する気とか、さらっさらないから」 「なに? アレンビーまでそんなこと言っちゃうわけ? 傷つくなぁ。オレ様のハートは今ズタボロよ?」 『あ、あの……』 「うわ、男。傷心中の身だってのに、男に声かけられちゃったよ。とうとうオレもヤキが回ったかね」 「どうしたの君? 教会になにか用?」 『アニキを探してるんだ。神父って人ならなにか知ってるって聞いて』 「やめとけやめとけ。あんな陰気臭い神父、相手にするだけ時間の無駄だぜ」 「う~ん、人探しっていうんなら、もっと適任がいると思うけど……よかったら紹介してあげようか?」 アレンビーに紹介してもらう → 【23】へ それでも神父に頼る → 【16】へ ◇ 【6】 『こっちのほうにアニキがいるの? なんだか、辺りが薄気味悪くなってきたんだけど……』 「ええ。こっちですよ。もっとこっち。怖がらないで、ちゃんとついてきてくださいね……」 『そ、そんなこと言われても……あ、あれ? いつの間にか、モロトフさんがいなくなってる……?』 「どうしたん……ですか? さあ、もうすぐでアニキさんのいるところに着きますよ?」 『お、オレ、やっぱり……』 このまま可符香についていく → 【21】へ 怖い、逃げ出す → 【38】へ オレはオレの道を行く → 【11】へ ◇ 【7】 「ランサーさん、槍の稽古つけてください!」 「あぁ? 今日はのんびり釣りでもするつもりだったんだがな……」 「いいじゃねぇか減るもんでもあるめぇし。エリオの兄貴分やってんだ、それくらい面倒見てやったらどうだい」 「ちっ……しゃーねぇ。来いよエリオ。つき合ってやる」 「あ、ありがとうございます!」 「へっ、いいもんじゃねぇか弟分ってのも。で、ボウズ。この戴宗さんになんか用かい?」 『……ううん。アニキはすげぇアニキっぽいけど、オレのアニキとは違ったみたいだ』 「はぁ? そいつぁいったい、どういう意味だ?」 「気にするな。さて、次を当たろうか」 → 【25】へ ◇ 【8】 「待ちなさい、そこの切り裂き魔!」 「む――軍の狗共ではないか。まったく、いいところで邪魔をしてくれる」 「ふっ、君は既にマークされているのだよ、素晴らしきヒィッツカラルド」 「新しい入居者が訪れては真っ二つにしようとするあなたの悪行、決して容認できるものではありません」 「ならばどうするというのかね、ホークアイ中尉にマスタング大佐。真っ二つになるのは君たちでもよいのだか……?」 「知れたこと。焔の錬金術師の名にかけて、貴様に制裁を加えてやろうじゃないか!」 「大佐、援護します」 『ちょ、ちょっと! オレはどうすればいいの!?』 構ってられない。逃げる → 【30】へ ヒィッツカラルドに協力する → 【20】へ マスタングとホークアイに協力する → 【28】へ ◇ 【9】 「嫁さんを探しに来た、だと……? 本気で言っているのか?」 『う、うん。たぶん、そうだったような……気が、する……?』 「ふむ、まあいい。そうだな、それなら嫁候補として……」 「――それで、どうしてあたしたちのところに来るんですか!?」 「む、いやしかし、年頃の娘となるとナカジマ二等陸士たちしかいないだろう、と」 「残念ながら、私は想い人がいるので嫁にはなれません」 「私もそういうのはちょっと早いので、お断りさせていただきます」 「ええー、ちょっと、ティアとキャロも普通に断ったりしないでよう」 「そういうスバルはどうなのよ。そういえばあなた、この前八神部隊長とクレアさんを妬ましそうな目で見ていたわね……」 「うえぇ!? そ、そんなことないんじゃナイカナー」 「スバルさん、目が泳いでいますよ」 「どうだ? 彼女はスバル・ナカジマ二等陸士。歳も近いし、なかなか好条件な相手だと思うが」 『う~ん、そうだなぁ……』 もうちょっと胸が大きいほうがいい → 【17】へ もうちょっと幼いほうがいい → 【26】へ もうちょっと大人の女性がいい → 【14】へ 実はオレ、男のほうが…… → 【18】へ ◇ 【10】 「……チッ、遅かったか。袈裟斬りで肩から一閃……こいつぁビシャスの仕業だな」 「さいきっくざぁ~ん☆」 「おいエド、おまえが変な刀なんか渡すからだぞ。おかげでこの坊主、試し斬りの餌食だ」 『うう、痛いぃ……』 「……まあ、ここで生きるの死ぬのって話をしても仕方ねーか。しばらくは病院生活だろうがな」 「ざんねん! あにきのたたかいはここで終わってしまった」 【BAD END】 ◇ 【11】 (――『誰の助けもいらない。やっぱり、オレはオレでアニキを探してみるよ』――) 『……なんて言っちゃったけど、手がかりもなにもないんだよなぁ。いったいどうすれば……』 「フッ、困っているようだな少年よ」 『……え?』 「なんなら手伝ってやろうか。ただし、真っ二つだぞ――?」 → 【8】へ ◇ 【12】 「それで、女の子たちにいじめられてイロイロなものが使い物にならなくなっちゃったと」 『う、ううぅ……オレ、これから先どうやって生きていけば……』 「なんだったら僕に任せてみない? 大丈夫、悪いようにはしないよ~?」 『えっ、いったいなにを……』 「そ、れ、は、もちろん……改造手術ってヤツですよ!」 『い……いやぁぁぁ~!』 【BAD END】 ◇ 【13】 『そうか、そういうことか……』 「なにがそういうことか、なの?」 『え? えっと、それは……なんだろう?』 「わかってもいないのに理解したつもりになってたの!? 私、そういうきっちりしてない選択ってイライラするのよ!」 『で、でもオレ、本当にどうしたらいいのか……』 「そういうときはね、一からやり直せばいいのよ! 頭空っぽにして最初からやり直せば、道も開けるはずだから!」 『そ、そうか……って、どうして鉈なんて持ってるのさ!?』 「一からやり直すためには――死んでリトライするのが近道だからよ☆」 【BAD END】 ◇ 【14】 「大人の女性と言えばこの人しかいるまい。タイガーモス号の肝っ玉母さん、ドーラ船長だ」 「なんだいなんだい、こんな年寄りを嫁に欲しいだなんて、うれしいこと言ってくれるじゃないか!」 『モロトフさん、さすがに歳の差が激しすぎ……』 「わたし、シータっていいます。あなたがおば様の旦那さんになるんでしたら、敬意を込めておじ様と呼ばせていただきますね」 「よろしく、おじさん!」 「賑やかな家族になってきたねぇ。なんだったら、みんなで一から空賊でも始めるかい?」 「うむ。幸せな家庭が一つ出来上がったな」 『お、オレは不幸せだぁ~!』 【BAD END】 ◇ 【15】 『なぁ奈緒。こんな人通りの少ない路地で、いったいなにして遊ぶんだ?』 「はぁ~? バッカじゃないの。あたしがあんたみたいなのと遊ぶわけないじゃ~ん」 『え、じゃあなんで――う、うわぁ!? でででっかいクモの化け物がー!?』 「有り金、ぜ~んぶいただいてくよ」 『う、うう……服からなにまで全部持っていかれた……なんて怖いところなんだ』 「……ひぃ!?」 『こんな素っ裸なところを誰かに見られたら……って、さっそく見つかったぁ!?』 「は、裸の変な人がぁ……お、おおおおねえちゃ~ん!」 『うわぁ、待ってくれぇ! 誤解なんだぁー!!」 追いかけて弁明する → 【2】へ 罪の意識は強い。自首する → 【29】へ ◇ 【16】 『結局教会に入っちゃったけど……神父さんって、いったいどんな人なんだろう?』 「む、客人か。先ほどの女と鳥、そしてワシといい、今日はなんと来客の多い日よの」 『あ、こんにちは。あなたが神父さんですか?(なんで麻婆豆腐食べてるんだろう……?)』 「否。ワシは飯を食いに来ただけだ。ここの神父が作る麻婆は絶品でな」 『はぁ(すごい色だ。とても美味そうには見えないんだけど)』 「神父ならほれ、あそこに立っておる男がそうだ」 「よく来たな。迷える子羊よ」 『は、はじめまして。あの、オレのアニキ――』 「按ずるな少年。君の願いはもうじき叶う」 『えっ、それって、どういう……』 「行きたまえ。この地を離れしとき、君は本当の自分に巡り会うのだから」 『……?』 → 【36】へ ◇ 【17】 「あ~ら、私をご所望かしら~?」 『うわぁ! すごいよモロトフさん! ボン、キュ、ボンだ!』 「むぅ、クアットロに目をつけたか。しかし彼女は……」 「まあまあ、細かいことは後にして……お姉さんの実験室でイイコトしましょう?」 『は~い…………うん? 実験室……?』 → 【41】へ ◇ 【18】 「男色の気があるのか。はて、ここの住人で君と趣味が合いそうな人物といえば……」 「よく来たな。僕の名前は間桐慎二。まあ、ゆっくりしていけよ」 『う、うん(ワカメだ。頭がワカメだ)』 「とりあえずおまえ、服を脱げよ」 『えぇー!? い、いきなりなの!?」 「男は度胸、なんでも試してみるものさ。それとも、僕から脱ごうか?」 『えっと……』 自分が先に脱ぐ → 【24】へ 慎二に先に脱いでもらう → 【31】へ ◇ 【19】 「アニキか。アニキというと、小さいのとふつうのとデカいのがいるが……どれだ?」 『え、三人も? えっと……』 小さいの → 【27】へ ふつうの → 【32】へ デカいの → 【7】へ えっとぉ → 【34】へ ◇ 【20】 『はぁ、はぁ、はぁ……な、なんとかやっつけられたね』 「ああ、ありがとう。君が援護してくれなかったら、今頃はこちらが負けていただろう」 『いやぁ、そんなことはないよ。それより、約束どおりアニキを探すのを手伝って――』 「いいだろう……ただし、真っ二つだ!」 『ヘ――?」 【BAD END】 ◇ 【21】 「ほら、着きましたよ」 『ここは――オレンジ畑?』 「あれ、見ない顔だね。ジェレミア興、お客様みたいですよ」 「これはこれは……モロトフ荘の新しい入居者かな?」 『ねぇ、本当にこんなところにアニキがいるの?』 「アニキ、だって? もしかしてそれは――」 「ブルァアアアアアアアアアアアアアア!!」 → 【3】へ ◇ 【22】 それから、オレはここの住人として暮らすことになった。 結局アニキは見つかっていない。でも、それも今となってはどうでもいいことだ。 だって、アニキはオレの心の中にいる。オレがいる限り、アニキもいるんだ。 だからオレは、ここでアニキと一緒に暮らしていこう。 そう、永遠に―― 【BAD END】 ◇ 【23】 「なるほどね。それでこの俺、金田一一を訪ねて来たってわけか。なっはっは、まっかせたまえ!」 「ハジメはね、いくつもの難事件を解決に導いてきた名探偵なんだって! ホゥムズみたいだね!」 「だが待てミリア。ハジメがホゥムズだとしたら、この場合モリアーティ教授は誰になるんだ?」 「それはね、それは……あぁぁ!! すすすすごいことに気づいちゃったよアイザックゥゥ!」 「なんだ、どうしたっていうんだミリアァァァ!?」 「あのねあのね、きっとモリアーティ教授の正体が、行方不明のアニキなんだよ!」 「なっ……なんだってぇぇぇ!? じゃ、じゃあ、アニキってのは悪いヤツなのか?」 「おっと、探偵のライバルが必ずしも悪人であるとは言いがたいですね。この私、高遠遙一のように……」 「ふん、貴様は性悪の化け狐だろうが。ねぇ、ところでお兄ちゃん。そのアニキって人の特徴くらいはわからないの?」 『アニキの、特徴かぁ……そういえば、アニキは』 上半身が裸だった → 【4】へ サングラスをつけていた → 【37】へ アニキはアニキだ → 【42】へ ◇ 【24】 『アッーー!』 【BAD END】 ◇ 【25】 『アニキ、見つからないなぁ』 「ううむ、ここは専門家の力を借りるしかないか」 『専門家?』 「ああ、ここには名探偵と呼ばれる者がいて――」 「お話は聞かせていただきました!」 『うわぁ! だ、誰!?』 「む、風浦可符香(PN)か」 「あなたのお探しするアニキさん、わたしに心当たりがあります!」 「どうする? 彼女の言葉を鵜呑みにするか、それとも……」 可符香の言葉を信じる → 【6】へ 名探偵を頼る → 【23】へ オレはオレの道を行く → 【11】へ ◇ 【26】 「よもや君がロリコ……いや、なんでもない。年下がご所望というのなら……」 「はーい! イリヤスフィール・フォン・アインツベルンじゅうはっさいでーす!」 「アニタ・キング十二歳で……ってちょっと待てぇぇい!」 『十八歳って……オレより年上? 全然見えないけど』 「だいじょーぶだいじょーぶ。中身は大人だけど、肉体はロリータだからっ」 「こーらー! 無視するなー!」 『うん、じゃあ……問題ないかな』 「それはよかった。では、さっそく入籍の手続きを――」 「話聞けー! 紙使いだぞー! もぉ~、こんなん強制的にバッドエンドだってぇーの!」 【BAD END】 ◇ 【27】 「紹介しよう、エルリック兄弟だ」 「弟のアルフォンス・エルリックです」 「兄貴のエドワード・エルリックだ」 『……アニキはこんなに小さくな』 「だぁぁぁれが豆粒ドチビかぁぁぁぁぁ!!」 → 【19】へ戻る ◇ 【28】 「む、なんだね君は!」 『あいつ悪いヤツなんだろう!? だったらオレも手伝うよ!』 「心意気は買おう。しかし、君では力不足だ」 「悪いことは言わないから、早くこの場を離れなさい。そのほうが懸命よ」 『でも!』 「それに、君には探しものがあるんじゃないのか? 指針を見失っては、大切なものも見つかりはしないぞ」 『……そうだ。オレ、アニキを探さなきゃ。ありがとう、二人とも!』 → 【33】へ ◇ 【29】 「それで、全裸で女の子を追い回してたってか」 『はい。不本意だったけど、そうするしかなかったんだ……』 「いくらここが自由だからって、やっちゃいけないことってのはあるわな」 『深く反省してます……』 「まあしばらくは牢屋の中だが、それも退屈だろう!」 『え?』 「そこでだ! 偶然にもここに、俺の娘の写真を収めたアルバムがあるんだが、獄中生活をこれの鑑賞で過ごすってのはどうだ!?」 『えぇ……』 「えぇ、じゃねぇよ! おまえにはまず、エリシアちゃんの魅力から教えてやらなきゃいけねぇみたいだな」 『いや、でも……』 「なぁに、時間ならたっぷりある! 語り終わる頃にはなにもかも終わってるよ。いいか、まずだな……」 【BAD END】 ◇ 【30】 「ヘイそこ行くバンビーノ! 危ないからこっちに避難するんだ!」 『あ、ありがとう!』 「なぁに礼はいらない。少年のピンチに颯爽と駆けつけるのはイタリアの英雄、パルコ・フォルゴレさ!」 「危ない! 流れ錬金術がそっちにいったぞー!」 「ぎゃああああああ!」 『ふぉ、フォルゴレー!?』 「……う、歌を……復活の歌を歌っておくれぇぇ……」 『う、歌? 急にそんなこと言われても……』 「危ない! 流れマグルガがそっちにいったぞー!」 『えっ――うわあああああ!?』 「……えっと、俺から一つアドバイスな。選択肢が出てきたら前向きに挑め。逃げてばっかりじゃ活路は開けないぞ」 「き、清麿……君なら歌えるだろう? さぁ、鉄のフォルゴレを今こ」 「断る」 【BAD END】 ◇ 【31】 「ほら、脱いでやったぞ。次はおまえが脱げよ」 『(なんて貧相な体なんだ……アニキの体はもっと引き締まって……)あっ!?』 「な、なんだよ。急に大声なんて上げて」 『そうだ、アニキ……ゴメン! オレ、やっぱり脱げないよ!』 「あ、おい待てよ――――はっ、はっ……ハクチュ!」 「おや、終わったのか?」 『なにも終わってないし、始まってもいないよ! オレ、アニキを探さなきゃ!』 「嫁ではなく、アニキだと? 事情がよくわからんが、人探しなら適任がいる。紹介するからついてこい」 → 【23】へ ◇ 【32】 「紹介しよう、相羽兄弟の兄のほう、Dボゥイこと相羽タカヤだ」 「たしかに俺はシンヤにとっての兄貴だが……おまえが探しているのは実兄なのか?」 『えっと、血の繋がった兄弟ってわけじゃないんだけど……』 「ふん。いいとこ弟分といったところか。おまえ、そのアニキに捨てられたんじゃないのか?」 『そ、そんな! アニキがオレを見捨てたりなんてするもんかっ!』 「シンヤ、おまえはまだ――!」 「わかっていないようだね兄さん。兄弟の絆なんて、所詮その程度のものということさ」 「……気にするな。他をあたろうか」 『……うん』 → 【7】へ ◇ 【33】 『中尉と大佐って人はまだ戦ってる……オレ一人だけ逃げてきちゃって、本当によかったのかな』 「ねぇ、そこのあんた」 『うん? オレのこと?』 「そうそう、あんた。結構カッコイイ顔してんじゃん。あたし奈緒っていうんだけどさぁ、ちょっと……遊んでいかない?」 危ない香りがする。ここは逃げよう → 【38】へ なにして遊ぶんだろう……どきどき → 【15】へ ◇ 【34】 「このシュバルツ・ブルーダーがドモン・カッシュの兄ではないかだと……? なぜわかった!?」 『え?』 「すまん、人違いだったようだ」 → 【19】へ戻る ◇ 【35】 「みんなー! ここに痴漢が、女の敵がいるわよー!」 『えっ、ちょ、ちょっと待って……!』 「なんて破廉恥なヤツだ……! 蜂の巣にしてやるッ!」 『うわっ、ちょちょちょっと待ってってばぁ!?』 「なつきに随分と汚らしいもの見せてくれますなぁ……汚物は消毒せな」 『や、やめ、ちょっとやめてぇー!!』 「みんなどいて! 紅蓮の輻射波動で使い物にならないようにしてやる……ッ!」 『使い物にならなく!? いったいなにを!?』 もはや退路は断たれた。痴漢は潰えるしかない → 【12】へ しかしそこに正義の味方が現れた! → 【39】へ ◇ 【36】 『神父さんもアニキの居場所を教えてくれなかった……アニキ、本当にどこに行ったんだろう』 「おーい、そこのひとー」 『……君は?』 「わたしこなた。それより、アニキって人を探しているのは君?」 『そうだけど……』 「も~、テンション低いなぁ。せっかくアニキのいそうな場所を教えてあげようかと思ったのに」 『え、本当!?』 「ホントホント。アニキは死んだ! もういない! だけどオレの背中に、この胸に、ひとつになって生き続ける!」 『……はい?』 「んじゃ、そういうことで。ばいに~」 『……???』 まったく意味がわからない…… → 【44】へ そうか、そういうことか…… → 【13】へ ◇ 【37】 「サングラスをつけていた、か……だとしたら、あの人しかいない。行方不明のアニキ、その正体は――」 『そ、その正体は……?』 「私がムスカ大佐だ」 『アニキに瓜二つのサングラスだ! わぁぁぁん、会いたかったよアニキィィィ!!』 「な、なんだね君は!? こら、やめないか、私の服に鼻水をつけるな!」 「これで事件は解決だ。いつも茶色いサングラスをかけていたムスカ大佐、彼には腹違いの弟がいた……」 『あにきぃぃぃぃぃ!』 「服が、服がぁぁぁ~っ」 「ふむ……なんとも釈然としないな。どこかで選択を誤ったのだろうか?」 【BAD END】 ◇ 【38】 『はっ、はっ、ハァ……思わず逃げて来ちゃったけど、ここどこだろう……?』 「……」 『あっ、人だ。あの人に聞けば……すいませーん! ちょっと聞きたいんだけど――』 「……いい」 『え? あの、今なんて……』 「……試し斬りには、ちょうどいい」 『あっ――』 → 【10】へ ◇ 【39】 「待つんだみんな! せめて事情を聞いてから……彼が服を着ていないことにも、きっと訳があるはずだ!」 「ほう。では衛宮、貴様がその痴漢に代わって、私たちの怒りの捌け口になると」 「な、なんでさ!?」 「いやぁ、勇敢どすなぁ。なつき、どっから削ぎ落としとこうか?」 「削ぎ落と……!? くっ、俺に構わず君は逃げ――って、もういない!?」 「いやぁ、危ないところでしたね。衛宮君には感謝しなくてはいけませんよ」 『う、うん……ところでオレ、アニキを探してる途中なんだけど……』 「ほほう、アニキですか。それなら先生に心当たりがあります。ついてきてください」 → 【21】へ ◇ 【40】 『助けるって……無理、ムリムリムリ! オレにそんなことできるわけないよ~!』 「――最初から無理って決め付けてたら、アニキを見つけ出すこともできないんじゃないかい?」 『え……あ、あなたは?』 「人を探しているんなら、そこに建っている教会の神父さんを訪ねるといいよ。きっと力になってくれるだろうから」 『あ、ありがとう。けど、オレンジ畑が……』 「それなら心配いらないよ。燃えてしまったオレンジはまた育て直せばいい。なんたって世界は……」 「ラァァァァァブアンドピィィィィィス! みなさ~ん、争いごとはやめましょー!」 「ブルァアア!? トンガリ頭のお邪魔虫めぇい。この華麗なるビクトリーム様に喧嘩売るたぁいい度胸じゃねぇか!」 『……台風みたいな人だったなぁ』 → 【5】へ ◇ 【41】 『ぁ――――っ――――ぇ――――ぇ――――っ』 「あらら~? もう壊れちゃったんですのぉ? 丈夫な実験体だと思いましたのに」 『っ――――ぁ――――ぇ――――ぃ――――っ――――っ――――ぉ?』 「まあ、これはこれで……自我が完全崩壊するまで、楽しませてもらっちゃいましょうかしら~♪」 【BAD END】 ◇ 【42】 「アニキはアニキ……って、そんなこと言われてもなぁ。もっと具体的な手がかりが欲しいんだけど」 「手がかりなしとあっては、さすがの金田一君でもお手上げでしょう。しかし、ロスでならした私の推理力なら別です」 「あ、明智警視! あんたはこの少ない手がかりから、行方不明のアニキを見つけ出せるっていうのか!?」 「可能です。といっても一人、強力なアドバイザーの助力が必要でしょうが……」 「それで、僕に彼の心の声を聞けっていうのかい?」 「ええ。マオ氏の能力ならば、この少年の中に潜む明確なアニキ像を捉えることが可能でしょう」 「ふ~ん。まあ、そんなのは簡単だけどね……おっと、こいつは驚いたな」 『なにが聞こえたの?』 「君が探しているアニキね、残念だけど……ここにはいないよ」 → 【43】へ ◇ 【43】 『アニキが、いない……!? そ、そんな! そんなのウソだ!』 「ウソなんかつかないよ。モロトフ荘の住人の中には、君の思い描くアニキなんて存在しない」 『そんな……ここになら、ここにならアニキはいるって、そう思ったのに』 「……なんとも後味の悪い終わり方になってしまったな。どうだろう、君さえよければ、やはりここに入居してみないかね?」 『えっ……』 「ここにはアニキはいないが、君を慕ってくれる仲間がたくさんいる。決して、居心地は悪くないと思うぞ?」 『オレは……』 モロトフ荘で暮らす → 【22】へ それでもオレは、アニキを信じる → 【44】へ ◇ 【44】 オレの信じるおまえでもない、おまえの信じるオレでもない、おまえの信じるおまえを信じろ。 アニキはたしか、そんな意味のわからない言葉をよく口にしていたような気がする。 アニキは結局、どこに行っちまったのかな…… あてもなしに歩いていると、やがてどこからか、香ばしい香りがオレ鼻腔をくすぐった。 たまらず匂いのするほうへ駆け寄ってみると、そこには大好物のブタモグラのステーキが何枚も大皿に盛られていた。 こんなにあるんなら、一つくらい食べても怒られないよな? いろいろあって、腹減ってたし…… オレがステーキに手を伸ばそうとすると、 「あー! 駄目だってばー!」 足元から、銀色をした小さな影が飛び出してきた。 ネコ……なのかな。随分とメカメカしいネコが、エプロンとコック帽姿でオレを叱っている。 「これはパーティーのための料理なんだから、つまみ食いは駄目だってーの。ったく、クロのヤツ見張りサボリやがったな」 『パーティー? ここでパーティーをやるのか?』 「そうだよ。全部終わったら、みんなでおつかれさまパーティーやるんだ。聞いてない?」 『聞いて、ない。オレ、さっきここに来たばかりで……』 オレは事情を知らなかった。ネコも困った顔でオレを見ている。 「――ま、要するにまだ『お預け』ってこと。あんたはまだ、向こうでやり残したことがあるでしょうが」 『えっ――?』 → 【45】へ ◇ 【45】 「――――――――――――――………………っ…………」 オレは、息を呑み込んだ。 そこには、見知った顔がいた。 いるはずのない仲間たちの影や姿が、オレの目を眩しく焼いた。 艶やかな赤い髪が、ブタモグラの尻尾みたいに揺れている。 キラキラとした珊瑚礁のような髪が、光に反射して輝いていた。 オレは、声を上げることができなかった。 あまりにも眩しくて、あまりにも意外で、あまりにも嬉しかったんだと思う。 どうして、 どうして、 どうしてでも、いいや。 気づくと、オレは自然と笑えていた。 探していた宝物が、見つかったような気がしたんだ。 「なにしょげた顔してんのよ。まったく、だらしないんだから」 「つらいことや悲しいことが、いっぱいあったんですよね。でも、今は笑ってください」 ヨーコとニアは、子供をあやすように微笑みかけた。 ひどいや。 オレはこんなに、みんなとの再会を喜んでるってのに。 だって、ほら、オレ、すげー笑顔だろ? 鏡がないから、自分で確認することなんてできないけどさ。 ……そうだ。アニキ。アニキなら、きっと――――っ。 なぁヨーコ、アニキはここにいないのか? なぁニア、アニキはここにいるよな? オレ、アニキをずっと探していたんだ…… 離れ離れになってから、延々穴を掘り続けて、どこにいるんだろうって。 穴を掘っていれば、いつかアニキに巡り会えるだろうから、そう信じてここまで来たんだ。 ここには、アニキがいるんだろう? アニキの居場所は、ここなんだろう? だとしたら、オレの居場所だってここにあるはずだよな? 「んなこたぁねぇよ」 背中から、アニキの声がした。 オレは満面の笑みで振り返って、ようやくアニキを見つけた。 オレより背が低くて、いつもゴーグルを頭につけている、シモンのアニキがそこにいた。 やった……! アニキはやっぱりここにいた! オレのアニキはここにいる、ここがオレの居場所なんだ! 「バカ言ってんなよ」 アニキは薄っすらと笑って、オレの腹を軽く殴った。 たいして痛くもなかった。 けどオレには、どうしてアニキそんな真似をするのかがわからなかった。 「わかんねぇのか?」 わかんねぇよ。 オレには、アニキの言ってることがわからない。 昔から、アニキの言動は難解だった。 オレにはさっぱりわからねぇ。 「アニキはおまえ。オレはシモン。おまえはカミナだ」 アニキは、自分とオレを交互に指差して言った。 いつもなに言ってるのかわからないアニキだけど、これはわかった。 アニキは、シモン。 オレは、カミナ。 アニキは―― 「……………………なんでぇ。アニキってぇのは、オレだったんじゃねぇか」 ――なんだかしらねぇが、随分と長い寄り道をしちまったみてぇだ。 ここに来るまでの道中、変なヤツらに散々つき合わされた気がするな。 懐かしい顔や憎たらしい顔が、雁首揃えてお礼参りってか。 いや、参ってんのはオレのほうか。 ハッ、笑い話としても上等じゃねぇか。 「なぁニア。パーティーってのは、まだまだ先なんだよな?」 「ええ。すべてが終わったら、みんなで盛大に」 ブタモグラのステーキが、美味そうな香りを出してやがる。 このカミナ様にお預けくらわすたぁ、見上げた根性肉じゃねぇか。 だけどまぁ、この場は我慢してやる。 冷めねぇうちに戻ってくっから、大人しく待ってろ。 「なぁヨーコ。パーティーがまだまだ先ってことは、まだ全部終わってねぇってことだよな?」 「当然。食ったり飲んだりは、仕事を終えてから。これはどこの村でも同じでしょう?」 へっ、ちげぇねぇ。 ジーハ村でも、そこらへんは村長がやたら厳しくってなぁ。 あのガミガミ村長のいないところでこんな豪勢なメシが食えるってんなら、願ってもねぇ。 一仕事終えた後の打ち上げ会……いいねぇ、だんだん楽しみになってきやがった。 「なぁシモン。オレぁどうすりゃパーティーに参加できるんだ?」 「そいつをオレに聞くのかい、アニキ? もうわかってんだろ」 ……ああ。我ながら馬鹿なこと訊いちまったな。 オレがやらなきゃいけねぇこと。 オレが向こうでやり残してきたこと。 全部頭の中に入ってる。 なら、ウダウダしている暇もねぇか。 とっとと片付けてとっととメシだ。 こいつらと一緒によ…… 「行ってきなよ、アニキ」 「よせよシモン。こんな七面倒くせぇ男、今さらアニキもなにもねぇだろうが」 アニキなんて肩書き、疾うの昔に投げ捨ててらぁ。 おまえらの面倒見切れない、一人じゃんなことにも気づけない、ないないづくしのダメヤロー。 自慢げにアニキなんざ名乗ってたら、恥ずかしくなってくるってもんさ。 だからよ……今だけは、ダチとして普通に送り出してくれや。 ……アイツを、迎えに行くためにもよ。 「じゃあ…………行ってきやがれ、カミナ!」 「おう!」 振り返んのも、今はナシだ。 テメェら、オレが帰ってくるまでちゃんと待ってろよ。 勝手におっぱじめてやがったら、その面ぶん殴ってやっからな。 → 【46】へ ◇ 【46】 歩くとギシギシ音が鳴る廊下を、カミナはただ黙って進んでいた。 前へ進むための前進ではなく、後ろへ戻るための前進というのが、おかしな話でもあった。 ただ、自然ではあった。 カミナの性分は、目の前の危難から逃げ出すことを良しとしない。 だから戻るのだ。やり残してきた仕事を完遂するために、来た道を逆走していく。 モロトフ荘の門前まで足を運ぶと、前方から見知った影がやって来た。 ここを出ようとするカミナとは違い、彼は仕事を終え、ここに辿り着いたのだ。 黒い髪に鉢巻。 傷だらけの顔。 ボロボロのマント。 握った両拳。 風来坊のようなその男に、カミナは挨拶を投げたりはしない。 ただすれ違いざま、軽く握った拳を男のほうに向けるだけだった。 男もカミナの求めに応じ、拳をこちらに向けてくる。 カミナと男、二人の拳がガチッ、とぶつかり音を鳴らした。 「行ってこい、ダチ公」 「行ってくるぜ、ダチ公」 そして、物語は完結する。 【完】 ――そして、物語は再開する。 時系列順に読む Back HAPPY END(14) Next HAPPY END(16) 投下順に読む Back HAPPY END(14) Next HAPPY END(16)
https://w.atwiki.jp/magamorg/pages/889.html
暗狼神ZERO-END-DARK スーパーレア 火/闇 コスト8 パワー19000 種族ダークナイト/ダークモンスター ■進化GV-自分のナイト、デーモンコマンド、ドラゴンゾンビのいずれか3体を重ねた上に置く。 ■メテオバーン:このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを1枚、墓地に置いてもよい。そうした場合、デッキの上からカードを5枚めくり、その中にクリーチャーがあれば、そのクリーチャーを全てバトルゾーンに出してもよい。残りのカードは、全て墓地に送る。 ■T・ブレイカー (F)「おーっと!戦国武闘会決勝に乱入者だーーー!」-千舌実況ミラクルショー- 作者:ネ申 はじめまして、よろしくお願いします^^ 枠(?)が無かったので、つけときました 紅鬼 紅鬼さん始めまして^^ありがとうございました ネ申 評価 はじめましてー。管理人のMorGですー。 ビッグバン・アナスタシスを彷彿とさせますねー。 こちらは効果タイミングが選べる点を生かしたいですね。 MorG
https://w.atwiki.jp/negiijime2/pages/339.html
ピーーーーーー!! 古の応援も空しく、試合終了のホイッスルが鳴った。日本の優勝だ。 古「うっ・・・・ううぅ・・・・うわああああっ!!」 その場に崩れ落ち、肩を震わせて泣く古。 4-Aの生徒はその古の姿に何も出来ず、何も言えなくなっていた。 急に麻薬が切れたかの様だった。先ほどまでお祭り騒ぎで、敵である、中国人である古になら何をしてもいい。 そんな空気が当たり前の様に流れていた。しかし、いざ日本が完勝してしまえば、そこに残るのは罪悪感と空しさ。 誰もが自分が、自分だけが悪いのではない。と責任を押し付け、無関心を装いたくなる重苦しい雰囲気。 古「うぅっ・・・悔しいアル・・・やっぱり自分の国が負けるのは悔しいヨ・・・・」 一同「・・・・・・・・」 古「・・・でも、最後に中国を応援できて良かたね。おかげで素直に日本の優勝を喜べるよ」 アジア杯は終わった。だが、中国の反日感情は治まったわけではないし、 今まで無知、無関心であった日本国民も中国を見る目が少なからず変わっただろう。 それでも、4-Aは以前の姿に戻った。 古は無視されたり物を投げられる事はなくなり、また彼女の方もクラス全員に以前と同じように明るく、お馬鹿に振舞う。 クラスメイトは皆まだ、古に対する後ろめたさを感じていたが、彼女の方から何事も無かったように接してくれるなら 自分たちもそうした方が良いと、思いを内に秘めたまま、古と笑いあった。 古「にょほほ」 そんな古を遠巻きに見つめるのどか、ゆえ、パルの三人がいた。 パル「・・・・あの子・・・元気だね。クラス全員からあんなに酷いイジメ受けてたのに・・・・」 ゆえ「私だったら・・・もうこのクラスの人間と普通に接するのは無理です・・・・」 のどか「・・・普通に接してるフリをしてるだけだよ」 パル「・・・・やっぱそうかね」 ゆえ「それが互いのため・・・・というのはバカでもわかりますからね」 のどか「昔いじめっ子といじめられっ子だった人たちが、今は仲良くしてる・・・って割とあるよね。 なんだか良い話に思えるけど、実情は違うんだよ。・・・・いじめられた方は決していじめた方を許してない。 今がどうであろうと、いじめられた過去と心に負った傷は消えないから。 でも、いじめられるよりだったらいじめないでいてもらえる方が100倍マシだから表面上だけはいじめっ子と仲良くする。 私をいじめたあなたを絶対許さない。と言いたくてもそんな勇気ないから」 ゆえ「・・・・・経験者は語るですね」 パル「まぁ、うちらも他人事じゃないけどね・・・・」 その時、3人の背後に一人の少女が近づいてきた。 このか「なんか面白そうな話しとるな~。ウチも混ぜてぇな」 のどか「い・・・・いえ、なんでもない・・・・です」 このか「そうやよね~、そんな勇気ない。って今自分で言うてたもんな~。 あと、忘れんでな~あんた等3人はウチと一緒におるから虐められずにすんでるんやえ~」 パル「・・・はい」 ゆえ「はいです・・・」 古はその日、日本に戻ってきた超の屋台で久しぶりに彼女の中華まんを食べていた。 超「・・・・相当酷い目にあったみたいネ」 古「まァ・・・仕方ないよ」 超「仕方なくは無いと思うね。古がこの国に何をしたってわけじゃないのに」 古「・・・今回の件は正直、中国人として恥ずかしく、申し訳なく感じたね。 だから、私にぶつけてみんなの気が晴れるならそれでもいいと思たよ」 超「以前から思てたけど・・・・きみはじつにばかだな」 古「でも、バカのいい所は嫌なこともすぐ忘れる所ヨ!」 完
https://w.atwiki.jp/scramble/pages/13.html
01.信じられない
https://w.atwiki.jp/flere210/pages/154.html
セッション名:Worldend Capriccio 開催日時:2008年4月26日 GM:氷月 PL:睦月、雅戌、蒼霞、影法師(敬称略) 以下、アフタープレイ作業 ①ダメージ回復 全員のHP、MPは全回復。 ②コネクション消去 ハンドアウト、及びセッション中のコネクションは消滅。 ただし、今後氷月がGMを行う場合、許可を得られれば再使用が可能。 ③[[アイテム]]回復 常備化アイテムは全て回復。 ④アイテム消去 常備化していないアイテムは消滅。 ⑤経験点配布 ・セッションに最後まで参加した 全員に1点 ・クエストを達成した 全員に300点 ・倒した敵の経験点 【グラシャラボラス L12(加護3)】=15 【“破壊者”ゼーロット L52(加護5)】=57 【合計】=72 72÷【PC数4】=18 全員に18点の配布 ・よいロールプレイをした 全員に1点 ・他のプレイヤーを助ける言動をした 全員に1点 ・セッションの進行を助けた 全員に1点 ・登場シーン÷3 睦月 4、6、7、8、10、11、15 計7 3点の配布 蒼霞 1、5、6、7、8、9、11、13 計8 3点の配布 雅戌 2、5、6、7、8、10、11、12 計8 3点の配布 影法師 3、5、6、7、8、10、11、14 計8 3点の配布 ・合計 睦月 308点 雅戌 308点 蒼霞 308点 影法師 308点 ・GM経験点 【全PL合計】÷【3】=1232/3=410 氷月 410点
https://w.atwiki.jp/yugio/pages/19990.html
The Legend of Tickets(OCG) 通常魔法 このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。 (1):自分の墓地のカード1枚を対象として発動できる。 このターンのエンドフェイズに、対象の墓地のカードを[[デッキ]]の一番上に戻す。 次の自分ドローフェイズの通常のドローは2枚になる。 デッキ操作 墓地再利用 手札増強 魔法
https://w.atwiki.jp/src_review/pages/622.html
924 :名無しさん(ザコ):2006/05/27(土) 04 02 28 ID wi5HZiqA0 【Blue Gender~EXPIATE~】 「時間制限有り?で壊滅した地球を探索」 「ロボットは破壊されると修理不可、以後生身でサバイバル」 「キーワード入力会話で情報入手」 とか面白そうな匂いは放ってるんだけどー。 いかんせん探索する戦闘マップがやっっったら広く(50×50とか)、 とにかくダルいうえに探索成果が地味で辛い。 大昔の、総プレイ時間だけはいっちょまえの 超水増し設計ゲーム(PCのRPGに多かった)を思い出させる。 テンポ良く物語に進展があって、さくっと1~2時間程度で終わるボリュームなら 佳作になったかもしれない。