約 586,289 件
https://w.atwiki.jp/anime_wiki/pages/2824.html
■ヒカルの碁 絵コンテ 4 10 14 ■魔法戦士リウイ 絵コンテ 5 11 17 23 ■シスター・プリンセス 絵コンテ 24(破) 26(水・下) ■ちっちゃな雪使いシュガー 絵コンテ 16 23 ■バビル2世 絵コンテ 6 9 13 ■GUN FRONTIER 絵コンテ 2 4 7 ■ふぉうちゅんドッグす 絵コンテ 4 ■藍より青し 絵コンテ 2 7 14 19 22 ■奇鋼仙女ロウラン 絵コンテ 9 ■ギャラクシーエンジェルZ 絵コンテ 18 ■G-onらいだーす 絵コンテ 2 8 11 12 ■ちょびっツ 絵コンテ 11 14 17 21 ■シスター・プリンセスRePure 絵コンテ 2A 6A 13 ■関連タイトル ちょびっツ Blu-ray BOX 初回限定生産
https://w.atwiki.jp/fe_animation/pages/24.html
ジャンル:改造、プレイ動画 序章 「聖魔法戦士(?)誕生」(1/3) (2/3) (3/3) 一章 「精霊の森の国に亡命した幼女」(1/3) (2/3) (3/3) 二章 「毛髪革命」(1/3) (2/3) (3/3) 三章 「剣聖女王アイラしゃん」(1/3) (2/3) (3/3) 四章 「空を駆る」(1/3) (2/3) (3/3) 五章 「因果応報」(1/5) (2/5 (3/5) (4/5) (5/5) 六章 「黒さを継ぐもの」(1/2) (2/2) 七章 「マーモトードじゃない!?」(1/3) (2/3) (3/3)
https://w.atwiki.jp/tpc-document/pages/312.html
Chapter32「フレイと竜人1:竜人族の娘」 仲間たちは新たな味方を求めて方々へと出向いていった。 出発していく仲間を見送ったあと僕は神竜アルバスの大神殿を出て、そのままアルヴの集落に向かった。何もかもが雲でできているあの街に。 建物、橋、オブジェにモニュメント。あらゆるものが雲でできているこの街は、アルヴァニアと呼ばれているそうだ。 雲ばかりだとはいっても、一面真っ白で目が痛くなるというようなことはない。ここには雲を染色する技術があるらしく、雲の街は思ったよりもカラフルだ。 街の中心部にあるのがアルバスの大神殿で、その周りを囲むように竜人たちの集落が広がっている。その外円部には竜人以外の住人の居住区があり、そのさらに外側には起伏のある雲の丘や山が広がっている。 ここアルヴには竜人の他にもワケありでここに流れ着いた者たちも住んでいるらしい。それが外円部の住人たちにあたり、彼らの中にも僕たちに協力してくれる者がいるかもしれない。が、今は竜人たちと会うのが先だ。 このアルヴを拠点に竜人たちを率いてトロウと戦うことになったが、竜人たちがどれほど戦えるのかを僕は知らない。それにいきなり外の世界からやってきた者が指揮官だと言われても、そんな見ず知らずの者の指示に従おうとは思うまい。 だからまずは彼らのことを知る必要があった。 「竜人たちは僕の話を聞いてくれるかな」 ここまで同行していたヴェンに声をかけた。 仲間のうち、竜くずれのヴェンと氷竜のフィンブルはアルヴに残っていたが、フィンブルはクエリアのことが心配になったのか、少し遅れてその後を追っていってしまった。だから今はヴェンだけが残っている。 大神殿にいてもやることがないからと、ヴェンも僕についてきたのだ。 「オれももともとは竜人だ。ダから参考マでに言うが、オれは竜に近い姿ダから竜はソれほど警戒しナい。が、ニンゲンのほうは警戒が強い」 竜でも人間でもない竜人は、そのどちらからも迫害されてきた歴史を持つ。そのため、彼らはそのどちらにも警戒心を持つ。しかし竜か人のどちらかに姿が近い者は、そのいずれかの中に紛れて竜人であることを隠しながら暮らしてきたため、自分と姿が近いほうに対しては警戒心は薄いらしい。 「じゃあ僕の場合は、まずは人に近い姿の竜人から声をかけていって、少しずつ彼らに信用してもらうのがよさそうだ」 人に近いほうの竜人は、ツノや翼、尾などがある以外は人と変わらない外見をしている。僕にはそのどれもないので、アルバスに言わせるとかなり稀なパターンの竜人らしいのだが。 街には竜人たちの姿がちらほらと見える。周囲を見回して人に近い竜人を捜したが、見える範囲にはそういった竜人は見当たらなかった。 「まあ人に近い竜人なラ、大抵は正体を隠して人の輪の中で暮らシているはズだ。オれももとは大樹の近くにある地竜たちの浮島で暮らシていたからな」 そういえばアルヴは迫害を逃れるために竜人たちが作った里だ。となると、人にも竜にも近くない竜人が多いのも当然か。 もちろん、きれいに人間50%竜50%というようなド真ん中の竜人というのも、遺伝の特性上そうそういるもんじゃない。だから必ず人か竜かのどちらかには傾いているはずだ。ただそれは例えば43%と57%のように中間値に近い割合で人と竜の両方の特徴を引き継いでいるので、パッと見では判別が難しそうだ。 「何かどっち寄りの竜人か見分ける方法はないかな」 「それナら簡単だ。脚を見るといい」 竜の特徴が強い竜人は骨格上、かかとが地面につかない。直立二足歩行ができるのが竜との違いではあるが、どっしりとした獣に近い脚付きをしている。また尾が太く立派なのも特徴だとヴェンは説明した。 つまり、いわゆる怪獣体型だ。 「逆に脚が細いのがヒト寄りだ。鱗があろうと、顔つきが竜似ダろうとな」 「なるほど。そういうことなら一人心当たりがある」 すぐに僕はゲルダのことを思い出した。 アルヴに来てから最初に声をかけてくれた紫の竜人。 そういえばゲルダの脚付きはヒトのものとそう変わりはなかった。すらりと伸びた長い足とくびれた腰つきに思わずどきりとしたのをよく覚えている。 顔つきが竜に近かったので竜寄りだと思っていたが、ヴェンの説明に当てはめるのなら彼女は人寄りということになる。 (竜人なのに彼女を見ていると胸が高鳴ったのは、身体つきが人に近かったせいなのかもしれないな) しかしそういうことなら話は早いかもしれない。 すでにゲルダとは知り合いだ。まあ、アルバスを除けばこのアルヴでの唯一の知り合いではあるけど、ゲルダはこのアルヴの竜人たちと知り合いだ。 だからゲルダから僕のことを竜人たちに紹介してもらえれば、向こうも見ず知らずの僕だけがいきなり現れるよりは打ち解けやすいんじゃないだろうか。 そうとわかれば、最初に誰に会うべきかは決まったようなものだ。 もう一度ゲルダに会おう。 (思ったより早く再会することになったな。たしか彼女と会った場所は……) ゲルダと会ってから僕は大神殿に戻りアルバスと話し、その後に出発していく仲間たちを見送ってからここへ来た。時間はそれほど経っていない。だから、まだあそこにゲルダがいるかもしれない。そう思ってゲルダと会った場所に向かうことにした。 「やることは決マったみタいだな。ならばオれはここまでだ」 するとヴェンは、僕が向かおうとするのとは別の方向に歩き出した。 「一緒に来ないのか?」 「オれは外円部に行く。もとはオれも竜人とはいえ、今はこンな竜くずれだ。竜人たちと共には暮らせナい。だがワケありの住む外円部ならオれの居場所もあるかもしれナい」 「そうか、それじゃここで。あとでそっちにも顔を出してみるよ」 「好きにシろ」 ここでヴェンと別れた。 例の場所に向かってみると、ゲルダはまだその場にいた。 川にかかる橋から揺れる水面をじっと見つめているようだ。 雲ばかりのアルヴにも川がある。水蒸気で出来ている雲も魔法で固定されると水とは分離されるらしく、雲の層の中に浸み込んでいくことなく水が流れている。 どこで暮らすにしても水は不可欠なものだ。この川は生活のために人工的に引かれたもので、アルヴにはそういった水路がいくつもある。こういう作りは、大樹をくり抜いて水路を設けているユミルと少し似ている。 物思いにふけるゲルダは近づいてもこちらには気付かない。邪魔するのも悪いかと思って声をかけかねていると、そのとき水面で何かが跳ねた。 「あっ」 薄桃色の丸い生き物。尾ヒレがあり頭には先端が渦を巻いた触角がある。 それは空にいる同じく薄桃色の生き物メーによく似ているが、メーは水の中では生きられないはずだ。 メーに似た生き物は川を遡って泳いでいった。 「あれはね。メフィアっていうんだよ」 水面を目で追っているとゲルダのほうから声をかけてきた。 「あ、ああ。ごめん、声をかけようと思ったんだけど、さっきの生き物が気になってね。あれはメフィアというのか」 「うん。みんなそう呼んでる。どこからどうやって来たのかわからないけど、いつの間にか現れて、最近この川に棲みついたんだよ」 メフィアはメーによく似ていた。それに昔はいなかったのに、最近になって姿を見せ始めたというのもメーと同じだ。メーの亜種か何かなのかもしれない。 そんなことを考えていると、ゲルダは突然抱きついてきた。 「それよりも……また会えたね、フレイ! わたしに会いに来てくれたの?」 「わ、わわっ、と! ゲ、ゲルダ。そ、そういうのはちょっと、その!」 ゲルダは顔つきは竜に近いが、身体つきはしっぽがある以外はほとんど人間の女性と変わらない。ヴェンに説明されたことで、よりそのことを意識してしまう。 そんなゲルダが抱きついてくるのだから、人間の文化に染まっている僕にはそれは刺激が強すぎた。なんせ竜人には衣服という文化がないのだから、これじゃあまるで裸の女性にいきなり抱きつかれたような感覚だ。 フリードなら大喜びするかもしれないが、こういうのは、ちょっとその、18年程度しか生きていない僕にはまだ早い経験だと思うんだけど! 「どうしたの、フレイ?」 「い、いやあの。僕の住んでる国には、なんというか、こういう習慣がなくてね。ど、どんな反応をしたらいいのか、その、困るというか」 「そうなんだ。これはアルヴのあいさつなんだよ。親しい相手には誰でもこうするの。ぎゅってされたら、ぎゅってお返しする感じかな」 「な、なるほど……。僕には少し難しいな。ま、またこんど練習しとくよ……」 そしてそっとゲルダから一歩離れた。 まずは彼女に会いに来た理由を話すべきなんだろうけど、今のが原因でどきどきしてしまってまっすぐゲルダの顔を見ることができなくなってしまった。 お、おかしいな。僕はユミルで育った。つまり人間の文化の中で人間として育ってきたわけだから、竜人を相手にこんなに照れることになるとは思わなかった。 竜だって衣服の文化はない。だからといって例えば竜の姿のクルスやクエリアを見てもとくに何も思うところはない。もちろん、人の姿に変身したクルスたちが裸だったらそれはそれで大問題になるけど、それはあくまで少女の姿だからだ。 ゲルダは竜人だし、服を着ていないのが彼女の文化にとっては当然なのかもしれないけど、なぜかこう、これはなにかいけない気がする。 体型が人に近いからなのか。それとも僕に流れる竜人の血がそう思わせるのか。とにかく今のゲルダを見ていると、目のやり場に困ってしょうがない。 「どうしたの、フレイ?」 再びゲルダが訊いた。 ああ、もうだめだ。これ以上はがまんできない。 「と、とりあえずこれを」 僕は羽織っていた自分のローブを彼女に差し出すことにした。 「これは? くれるの?」 「あげる。あちこち行ったせいで少し汚れてて申し訳ないけど……」 「わぁ! じゃあプレゼントなんだ。ありがとう」 そういうつもりで渡したわけではないんだけれど、喜んでいるようなので、まあそういうことにしておこう。 ゲルダはさっそくローブをまとってくるくる回ってみせた。 「どう、似合う?」 「(目のやり場のことを思うと)いいと思うよ」 「やった! これを着てフレイはいろんなところに行ったんでしょ。これでわたしもいろんなところに行った気分になれるね」 そういえばゲルダはアルヴの外の世界を見るのが夢だ、と話していたのを思い出した。今は嬉しそうな顔をしているのでわるい気はしない。 ともあれ、これで緊張せずにすむ。落ち着いたところで、僕はゲルダに会いに来た理由を話した。アルバスに頼まれて竜人たちを率いることになったこと。そのために竜人たちのことをもっとよく知りたいということ。そして、それをゲルダに手伝ってほしいということを。 「フレイはもっと竜人たちと仲良くなりたいってこと?」 「そんなところかな。お互いをよく知らなければ僕だって竜人たちを率いることは難しいし、僕は神竜様に聞かされて初めて自分に竜人の血が流れていると知った。だから竜人のことを知ることは、自分のことを知ることにもつながるからね」 「そういうことなら、わたしに任せてよ。じゃあまずは、わたしのことを知ってもらおうかな! ついてきてっ」 そういうなりゲルダは僕の手を引っ張って走り出した。 「わっ、ちょ、ちょっと待って。あ、危ない危ない」 見た目は同い年ぐらいの女性なのに、走るのはやけに速かった。竜人は人間に加えて竜の血が入っている分、人間よりも体力に優れているのかもしれない。僕はなんども転びそうになりながら、引きずられるようにゲルダについていった。 ようやくゲルダが止まってくれたのは、あの橋から少し行った先のひとつの雲の家の前だ。アルヴの建物はそこに住む様々な姿の竜人に合わせて作られているので大小様々だったが、目の前の家はユミルの城下街でも見たような、僕にとってはもっとも家らしいイメージをした家だった。 「ここは?」 「わたしの家だよ。どうぞ、あがってあがって」 ゲルダの家だって! まだ会ってそんなに経っていないというのに、年頃の女性の家にもう上がりこむだなんて! それはさすがにまずい。ゲルダが許しても、自分の気持ちの整理が追いつかない。 「いや、その……迷惑じゃないかな。こんな突然お邪魔しちゃって。急にアルヴの外の人をつれてきたりなんかして、家族もびっくりするといけないし」 「平気だよ。ここにはわたし一人で住んでるから、誰も迷惑しないよ」 それならよかった。いや、よかったのか? それはつまり、ゲルダと二人きりになるということであって、でも僕たちはまだ会ったばかりなんだから、そういうのはもっとこう手順を踏んで、例えばまずは手をつなぐところから始めて……ああ、手はもうつないだか。一方的に引っ張られてただけだったけど。 なんて思い悩んでいると、 「はい、どうぞどうぞー。一名さまごあんな~い」 背中を押されて、とうとうゲルダの家に上がりこんでしまった。申し訳ない、父上、姉上。でも決して僕はそんな不純な動機ではなくて……。 考えがまとまらないままゲルダに促されて、部屋の奥へと入った。 ゲルダの家は一部屋しかない小さな家だったが、空色に染色された雲の壁が開放感を与えてくれるので狭いとは感じなかった。 話に聞いていたとおり、アルヴではテーブルも戸棚も、あらゆる家具が雲でできているようだ。勧められて腰を下ろした雲の絨毯はふわふわして座り心地がいい。 「とりあえず飲み物出すね。雨茶でいい? それとも雷ソーダが好き?」 どっちも知らない。雷は危なそうな気がしたので、とりあえず雨茶をもらうことにした。少し塩味が効いているが、飲みやすくて意外とおいしい。 「何か食べる? 晩ごはんには少し早いけど、簡単なのでよかったら何か作るよ」 「そんな、わるいよ。だったら僕も何か手伝おうか」 「ほんと!? じゃあお願いしちゃおっかなぁ」 「料理はあまりやったことないけどね。だから指示を任せるよ」 「はいは~い。それじゃあ始めるよ。今日の献立はメーのフライとキュアル草のサラダで~す」 ゲルダは雲の冷蔵庫から冷凍メーとキュアル草という野菜? それからレモンによく似た形で赤い柑橘系の果物を取り出した。 ユミルでもメーを料理することがあるので、これは安心して食べられそうだ。メーは淡白であっさりとした味をしている。食感は弾力の強い肉といったところだ。 キュアル草とは薬草の一種で滋養強壮効果があり、少し苦味があるので酸味の効いたソースをかけて食べる。大神殿付近にたくさん生えているらしい。 赤い果実はトラモントというらしい。夕焼けの果実という意味だそうだ。 「じゃあわたしはメーをさばくから、フレイはソースを作ってね」 「この赤いのを搾ればいいのかな」 「固いから両手で思いっきりやっちゃって。そのあとはそこに調味料を加えてね。そっちのビンのやつだよ」 流し台の横には緑色のビンが数本並んでいる。見たことのない調味料だが、何本も置いてあるところを見ると、アルヴでは一般的なものなのだろう。 隣ではゲルダがまな板に置いたメーに包丁を立てている。 「よし。やってみようか」 赤い実をひとつつかむ。試しに軽く握ってみると、実がしっかりと詰まっているのか少し重い。大きさはレモン程度だが皮は厚めで、夏みかんのような感じだ。 「これ、皮は剥かないのか?」 「そのままいけるでしょ。使うのは汁だけだから、剥くまでもないよ」 素手で夏みかんを搾るなんて発想はなかった。そのままいけるって、それ竜人の力を基準にしているような気もするけど。 いや。しかし僕も竜人ではあるらしいから、もしかしたら僕にもそれだけの力が潜在的にあるのかもしれない。とにかくまずは試してみることにしよう。 両手でトラモントを握り締めてぐっと力を込める。すると実は少し変形したが、うなってもひねっても自分の力ではとても搾れそうになかった。 「貸して」 しょうがないなぁ、といった顔で手を伸ばすゲルダに赤い実を渡す。するとゲルダは片手で実を握りつぶしてしまった。トラモントが破裂して果汁が飛び散った。 「こんな感じ」 「え、いいのそれで。だいぶ飛び散ったんだけど」 「平気平気。わたし水の魔法使えるから、あとで集められるよ」 「いや、それ一回床に落ちたやつなんじゃ……」 そんな心配をよそに、ゲルダは次々とトラモントを搾って(?)いく。 「握りつぶすのが難しかったら、台に置いて両手で叩きつぶしてもいいし」 赤い実が弾け飛び、まな板が割れた。 「面倒だったら壁に投げつけてもいいよ。あとでこそぎとればいいから」 投げつけられた赤い実は、壁にまるで血痕のような染みを残した。 「あとは調味料だね」 そしてキュアル草をそのままわしづかみでひとやま皿に盛ると、ゲルダは呪文を唱えて飛び散った果汁を空中に集めた。 続いて調味料のビンをひとつつかむと、まるで生卵でも割るような感覚でビンを頭突きで割ってしまうと、こぼれた調味料を同じく魔法で空中のトラモント果汁に混ぜ合わせていく。 空中に浮かんだ真っ赤な水球がすぅーっとキュアル草の皿の上に移動すると、それは滝のように一気に降り注がれた。ほとんど皿からこぼれて床が汁まみれになったが、ゲルダは何食わぬ顔をしている。 「はい、キュアル草のサラダ。完成で~す」 「ず、ずいぶん豪快な調理方法だね……」 「そう? 別にふつうだよ」 そう言いながら、ゲルダはメーの下ごしらえを再び始めた。たしかメーをさばくと言ってた気がするけど、あれはどうみても包丁を叩きつけて輪切りにしているようにしかみえない。 「あっ、手元が狂った」 切断されたメーの首が宙を舞い、天井に貼り付いた。メーの生首はうらめしそうな顔でこちらをにらみつけている。 「……あの。ゲルダさぁ」 「ああ、ごめんねフレイ。指示を忘れてた。じゃあフライの生地を作って。はいこれ、材料の粉と卵ね。水でとくだけだから難しくないと思うよ」 「いや、そうじゃなくて」 すでにゲルダは鼻歌混じりで二匹目のメーを叩き切り始めている。メーには体液がないので赤い実のように何かが飛び散ることはないが、さっきのソースの滝がゲルダの羽織っているローブにいくつも赤い染みを作って、まるで返り血を浴びたようになっている。その光景は少し怖さを感じる。 「生地できた?」 「あ、うん。できたけど……。ところでゲルダ、もしかして本当は料理……」 「じゃあ貸して」 ゲルダは生地の入ったボウルにどかどかと一気にメーの切り身を放り込んだ。 そして鍋を用意すると、そこに油をなみなみいっぱいに注いでいく。 「ちょ、ゲルダ!?」 止める間もなく、ゲルダはそんな鍋に生地につけたメーの身を全部投入する。油があふれて部屋いっぱいに飛び散った。 「あとは火をつけるだけ~♪ わたし、火の魔法はちょっとしたもんなんだよね。見ててね、呪文なしでやっちゃうから。そぉ~れ」 「うわっ! それはダメだって――」 ゲルダの家に大きな火柱が立った。 「ごめんね。失敗しちゃった」 「……それ以前の問題だと僕は思うな」 しばらくして僕たちは、跡形もなくなったゲルダの家の前に呆然と立っていた。 雲でできている家は燃えることはなかったが、高熱によって雲が蒸発して水蒸気になってしまい、ゲルダの家は消滅した。 「せっかく初めてわたしの家にお客さんが来てくれたと思って、ちょっと張り切りすぎちゃったみたい。実はね、フレイ。本当はわたし、ちゃんとした料理ってあまりやったことがなくて」 「うん、知ってた……。これからどうするの? 家」 「雲を魔法で固めればまた作れるけど、何日もかかりそう」 火事はゲルダのめちゃくちゃすぎる料理が原因だとはいえ、彼女は僕のために何か料理を作ろうとしてくれたのだから、責任の一部は僕にもあるといえる。だからこのまま見過ごしておくわけにもいかない。 家はアルヴに雲大工をやっている竜人がいるらしいのでそちらに任せるとして、その間ゲルダには寝泊りできる場所が必要だ。 「仕方ないな。じゃあ家が直るまでの間、僕たちのところに来る? 船だから、雲のふわふわの家ほど居心地はよくないと思うけど」 「ほんと!? フネってフレイがムスペやニヴルを旅したっていう、あの!?」 「魔導船グリンブルスティ。友達からもらった大事な船なんだ。これがなくなると僕も困るからね。火事にしないって約束できる?」 「するする! 約束する! やったね。こんどはわたしがフレイのお宅訪問だ」 どうやらゲルダは船を早く見たくて堪らない様子で、火事のことはあまり反省していないようだ。 今日はいろいろあったけど、とりあえずゲルダのことは少しわかった。彼女はすごく純粋で天真爛漫だけど、少し常識はずれなところもある娘(こ)のようだ。 「早く見たいな~、グリンブルスティ。ねぇ、案内してよ」 「わかったわかった。ほら、落ち着いて」 ゲルダは嬉しそうな顔をして僕の腕にしがみついてきた。 僕はまだどきどきしていたが、こんどのはゲルダの容姿が原因ではなかった。 (頼むから、船は壊さないでくれよ……) 日が暮れてきた。今日はここまでだ。 子どものようにはしゃぐゲルダをつれて、街の外れに停めたグリンブルスティへと戻ることにした。 Chapter32 END 魔法戦争33
https://w.atwiki.jp/daydawn/pages/1185.html
シャリス・シャルラハロート 年齢:不明 性別:女 身長 165前後 PL名:あーせ メイン:戦士 サブ:錬金術士 エクストラ:契約者 追加サブ:異能者/探求者 上級:魔法戦士 種族:転生体 カラー 混沌 アライメント 悪 イメージIC ジブリール(NGNL) 「苦痛ある死がお望みですか?では、そのように。」 外見 紅髪金眼 御伽話に出てくる天使をそのまま体現したような姿 人格 天使のような悪魔の笑顔。 ……悪魔じゃないですよ? アライメント 悪 来歴 悪徳の街で実質なんでも屋と化していた通称"案内人"と呼ばれる人物の跡継ぎ的なものをしているらしい。 ……と、ふわふわした記述になる程度には来歴不明の彼女 意図的に情報が消されている節がある PickUp 魔法剣! キャラクター情報 キャラシ
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/25113.html
登録日:2011/07/25(月) 02 03 48 更新日:2024/09/19 Thu 09 31 45NEW! 所要時間:約 6 分で読めるでござりますです ▽タグ一覧 00年代戦隊 2000年代特撮ヒーロー 2005年 8人戦隊 ギスギスシーン多し←主に魁と翼絡み スーパー戦隊シリーズ テレビ朝日 パワーレンジャー ファンタジー プリキュアと共演 レジェンド戦隊 俺はマジだぜ! 俺達の勇気に魔法が答えたんだ! 兄弟戦隊 兄弟戦隊→家族戦隊 前川淳 前後編多め 地底冥府インフェルシア 塚田英明 大和屋暁 宇都宮孝明 家族 山下康介 島根県 敵と和解 新しい魔法だ! 曽我町子 東映 横手美智子 洋モノ 特撮 玄田哲章 神vs人類 稀に鬱展開あり 第29作 荒川稔久 魔法 魔法の家族だマジレンジャー 魔法使い 魔法戦隊マジレンジャー 魔法鬼 黄色の腰 魔法、それは聖なる力 魔法、それは未知への冒険 魔法、そしてそれは、勇気の証! 溢れる勇気を魔法に変える! 魔法戦隊! マジレンジャー!! 『魔法戦隊マジレンジャー』とは、2005年から2006年にかけて放送された、スーパー戦隊シリーズ29作目。 【概要】 当時のハリー・ポッターブームをうけ、男の子だって魔法を使いたいはずと、「魔法」を題材にした作品。 主人公たちマジレンジャーは五人兄弟で、全員魔法使いである。 ちなみに最終回では両親と婿も含めた8人家族戦隊となる。 そのため、家族愛や兄弟の絆なども大きなテーマとなっている。 戦闘にも魔法を使い、CGを多用した派手なアクションを繰り広げる。 戦う敵も西洋各地の伝承に残る魔物たちで、地底から地上を侵略しようとする。 主人公たちの魔法は天界からメールで届くという斬新なもの。 マントを装着したのは『ジャッカー電撃隊』以来28年ぶり。(*1) OP映像はなんとニュージーランドで撮影されている。 プロデューサーの塚田英明氏が、当時パワーレンジャーシリーズの制作総指揮を務めていた坂本浩一と親しかったことから実現したものであり、撮影にもパワーレンジャーのスタッフが協力している。 雄大な自然を生かした映像美もさることながら、パワーレンジャーでお馴染みのロケ地も多数登場するため、あちらのファンならニヤリとできる映像に仕上がっている。 ED『呪文降臨~マジカル・フォース~』は歴代で一番かわいいEDと名高い。 前情報なしでBメロまで聞かせれば確実に女児向けアニメの曲と勘違いすることだろう。 そして黄色の腰。 劇伴音楽は前々作『爆竜戦隊アバレンジャー』に「羽田健太郎with Healthy Wings」のメンバーとして参加していた山下康介氏が担当。ハリポタを意識した作品だけあり、ハリウッド映画を思わせる壮大でファンタスティックな曲が多い。 『おジャ魔女どれみ』第1期42話に登場する「おジャ魔女・正義の戦い!?」に登場する「おジャ魔女戦隊マジョレンジャー」は本作と名前が似ており、脚本も本作のメインライターを務める前川淳が担当している。 「47戦隊47都道府県」では島根県を担当。 黄泉の国へと繋がる黄泉比良坂がある事や、馬路(まじ)という地名があるからではないかという説がある。 【あらすじ】 ごく普通の暮らしをしていた小津家。 しかしある日、突如現れた光の魔法陣から魔物が飛び出してきた。 母・深雪は変身し、これを蹴散らすと、子供達に衝撃の真実を伝える。 今ここに、インフェルシアとマジレンジャーの戦いの火蓋が切って落とされた― 【魔法戦隊マジレンジャー/小津兄弟】 天空聖者ブレイジェルこと小津勇と、小津深雪の間に生まれた、天空聖者と人間のハーフの五兄弟。 それにより自身たちもまた魔法使いの資質を遺伝的に持つとされる。五色の魔法使いとも。 マージ・マジ・マジーロの呪文で、加護を受けているマジトピアの天空聖者の力を借りて変身する。 ヒラヒラマント、キメ台詞を言う順がグリーン(長兄)から始めレッド(末弟)で〆るのも特徴。 ただし、新しい魔法はマージフォンにメールで送られる。 マジトピアの掟により、一般人に正体を知られてはならない。この辺は古典的な魔法使いのイメージであろう。 協力者にしても純粋な地上人ではないため、隠密度は歴代でも屈指。 小津魁(末っ子)/燃える炎のエレメント 赤の魔法使いマジレッド 17歳。いつも明るく元気いっぱいな高校生でサッカー部に所属。 得意な魔法は錬成魔法。 小津翼(次男)/走る雷のエレメント 黄の魔法使いマジイエロー 19歳。周りから一歩引いて冷静に物事を見極めるクールな性格。でも意外と短気。他兄弟の主役回でアシスタントを勤める事が多い。 よくオンドゥる。妙に動きのキレが良くエンディングサビの彼の腰は、本作の見所の一つ。 職業はボクサーを目指す自宅警備員で、『轟轟戦隊ボウケンジャーVSスーパー戦隊』ではボウケンシルバー/高丘映士に即席ドリーム戦隊として選ばれた。 得意な魔法は魔法薬の調合。 小津麗(次女)/揺蕩(たゆた)う水のエレメント 青の魔法使いマジブルー 20歳。家庭的でしっかり者。小津家の母代わりとして家事と家計のやりくりを一手に引き受けている。しかし、真面目で責任感が強すぎるため、一人で何でも背負い込んでしまう事も。幼い頃の魁の悪戯から蛙が大の苦手。 得意な魔法は占い。 小津芳香(長女)/吹きゆく風のエレメント 桃色の魔法使いマジピンク 22歳。売れないモデル。奔放でマイペースな恋多き乙女、そしてまさかの15股交際。 敵の罠にハマって悪堕ちしたり、魁と体が入れ替わった際には彼の体で女子トイレに入るなど、彼女の行動は何かと問題を起こす。 得意な魔法は変身魔法。 「変わりま~す」 小津蒔人(長男)/唸る大地のエレメント 緑の魔法使いマジグリーン 24歳。アニキ農場を経営。熱苦しくお節介で長兄という事から何より家族のことを大事にする兄貴。 得意な魔法はマッスルグリーン…ではなく、植物を操る魔法。 今の所唯一のグリーンリーダー。 五人の名前を長男から順番に並べると まきと ほうか うらら つばさ かい 「まほうつかい」となる。名字の小津も、オズの魔法使いが由来。 ヒカル(天空聖者サンジェル)/輝く太陽のエレメント 天空勇者マジシャイン メーミィとの戦いで蛙にされていた、ブレイジェルの弟子の天空聖者。 レジェンドマジレンジャー 魁達五人が呪文「超魔法変身・マージ・マジ・マジ・マジーロ」で強化変身した姿。 フードとローブのようなマジスーツから一転、勇者を思わせるフォルムになり、ダイヤルロッドという専用武器で強力な魔法を持つが強すぎる魔力は魁達を天空聖者へと変えてしまうリスクを持つ。 後にヒカルが会得した制御呪文「ルーマ・ルジュナ・ゴルディーロ」で制限時間付き変身となった。 【小津兄弟の関係者】 マンドラ坊や 魔法部屋で発見されたマンドラゴラの鉢植え。通称野菜。兄弟からは「マンちゃん」と呼ばれる。 EDのおまけコーナーでは第1話から出ているが、本編登場は第3話から。 深雪に五兄弟を任されており、様々なアドバイスを与える。 「~~でござりますです」が口癖で、一人称「僕ちん」、他人を「〇〇ちん」と呼ぶ。 66種類のセリフを収録したトーキングぬいぐるみも発売された。 魔法猫スモーキー マジトピアの火山の煙から産まれた魔法猫。第19話から登場。 かつてマジトピアを荒らしていたが、ある呪いにより今はマジランプに閉じ込められている。 悪戯好きで五兄弟には偉そうな態度をとるが、ヒカルには頭が上がらない他、麗に母性を感じている。 ハザードレベル285のプレシャス。8年前はビーロボの一番星だったらしい。 小津深雪(母)/煌めく氷のエレメント マジマザー 女手一つで五兄弟を育て上げた。そのため、五人の中では彼女の存在はとても大きい。 インフェルシア復活直後、ウルザードに敗れて生死不明となるが… 別名レアたん。 小津勇(父)(天空聖者ブレイジェル)/猛る烈火のエレメント ウルザードファイヤー_ 五兄弟の父にして、かつてインフェルシアを封印した伝説の天空聖者。インフェルシアの封印後、家族には死んだと思われていたが…… 山崎由佳 サッカー部のマネージャーで魁の憧れの人。 マジレッドに助けられてから、正体も知らずに赤の魔法使い様と慕っている。 劇場版ではヒロインに抜擢。後に兄の死の謎を追って風都へ。 リン 魁が保護した記憶喪失の少女で正体は『冴える月影のエレメント 天空聖者ルナジェル』。 自らにインフェルシアの門を閉じる鍵となる魔法をかけたため、インフェルシアに狙われる。 山崎さんより早く風都でガイアメモリを入手。 【地底冥府インフェルシア】 凱力大将ブランケン 中ボスその1。 フンガー。 魔導神官メーミィ(天空聖者ライジェル) 中ボスその2。 オカマミイラ。 冥府神 中ボス軍団。こいつらが一部を除いて意外に強かったため、年末商戦でマジレジェンドは大敗を喫する。声優が豪華。 魔導騎士ウルザード 騎士道精神に溢れ、闇の魔法と剣術を使いこなす強敵。 幾度となく兄弟と刃を交えるがその正体は…… 行くでガンス。 妖幻密使バンキュリア スパイ活動専門。ヒマと言う理由でナイとメアという二人の少女に分離できるように。 さあ、始めるザマスか。 冥獣帝ン・マ ラスボス。インフェルシア最深部に存在する帝王。 【アイテム】 マージフォン マジスティック マジパンチ ウーザフォン ウルサーベル&ジャガンシールド グリップフォン マジランプ シルバーマージフォン ダイヤルロッド 【巨大戦力】 マジキング 魁達五人がマジマジンに変身し、合体した姿。 ウルカイザー ウルザードが巨大化し、さらに愛馬のバリキオンと合体した姿。 文字通りケンタウロスのようなウルケンタウロスという形態もある。 トラベリオンエクスプレス ヒカルがマジチケットを改札することでマルデヨーナ空間に出発進行する魔法特急。 魔法鉄人トラベリオンというロボ形態を持つ。 マジレジェンド レジェンドマジレンジャーがマジファイヤーバードとマジライオンに変身、伝説合神した姿。 今作における最終ロボ……なのだが、後述する冥府十神のせいで最弱伝説という不名誉な烙印を押されている。 【その後の出演】 【轟轟戦隊ボウケンジャーVSスーパー戦隊にて】 マジイエロー/小津翼、マジシャイン/ヒカル、メーミイが登場する。 当初はボウケンジャーVSマジレンジャーとして制作が予定されていたものの何らかの事情により変更となった。 【海賊戦隊ゴーカイジャーにて】 魁が『魔法を忘れた魔法使い』として炎の天空聖者フレイジェルと共に3話に登場。 ハカセ達に勇気を教えマジレンジャーの大いなる力を引き出させた。 『マジだよ』 50話にて(凛々しい大人のお姉さんに成長した)山崎さんが登場。 かつて魁から勇気を貰ったことを引き合いに怪我人を励まし、マジレッドのぬいぐるみを渡した。 魁とは再会出来たのだろうか…。 そして最終話では芳香が登場。 ゴーカイジャーから返されたレンジャーキーを受け取っていた。 劇場版にもウルザードファイヤーが登場。マジマザーと共にレジェンド大戦の別動隊として戦った。 【手裏剣戦隊ニンニンジャーにて】 忍びの38(第38話)にて、小津翼が登場。 ボクサーは辞めたのか、イギリス(近代ボクシング発祥の国という説もある)の魔法学校で教師を務め、 アオニンジャー/加藤クラウド八雲に魔法を教えた先生であることが判明した。呪文は似ても似つかないのはご愛敬 八雲の成長を見届けた後、魔法変身やスカイホーキーも披露。同じく、生徒であり八雲を慕う少女エレナをイギリスに連れ帰った。 というわけで『超スーパーヒーロー大戦』で電脳世界の八雲がエグゼイドチームに選ばれた際には、「黄色枠」に翼を選抜したが…? wiki篭り「ん?ケータイが光ってる…?」 魁「新しい魔法だ!君の勇気に、魔法が答えたんだ!」 wiki篭り「誰だあんた!?」 デデデデデデデデ マジレンジャー! 野菜「本日の魔法は『ツイキ・シュウセイ』! 項目に使うと項目をより良くできるのでござりますです!」 魁「『魁と山崎さんは両想いのラブラブで…』」 芳香「『芳香ちゃんは料理も掃除も得意でお嫁さんにしたいピンクNO1の声も高く…』」 ヒカル「嘘を追記してはいけないよ」 麗「マージフォンでも追記ってできるのかな…?」 蒔人「『兄貴サラダは日本一ーーーーっ!!』」 翼「だから嘘を書いてはいけないぞ!」 蒔人「な・ん・だ・と~~!」 野菜「この魔法はちゃんと使おうでございますです…」 マージ マジマジーロ♪ ○ 人 ノ) 28.特捜戦隊デカレンジャー←29.魔法戦隊マジレンジャー→30.轟轟戦隊ボウケンジャー △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] あの名女優「曽我さん」が善の女王様役で出た驚きの内容!(劇場版のみというのが惜しい) -- 名無しさん (2013-11-13 15 04 59) ↑ 本編でも終盤にチラッと出たよ! -- 名無しさん (2013-11-13 15 08 31) パワレン版だと「正義に目覚めたバンドーラ様」という設定なんだそうな。これもいいなぁ。 -- 名無しさん (2013-11-28 00 39 18) パワレン版も結構好きだ。兄弟設定がなくなっててマジマザーとウルザードの子供がレッド一人だけになってたり、ブルーがシャインではなくレッドと恋仲になってたり、マジレッドが装甲響鬼みたいな強化形態になったり、吹き替え声優が豪華だったりで割と楽しめた。ただ全32話だから駆け足展開過ぎるのが難点だったな…。 -- 名無しさん (2013-11-28 03 35 47) 親父かっこよすぎワロス ファイヤーウルカイザーとか出なかったのかなー -- 名無しさん (2014-02-06 12 12 36) アニキサラダのドレッシングのレシピが知りたいもんだ。 -- 名無しさん (2014-08-03 08 44 48) ブランケンを主人公にしたスピンオフが見てみたい。ハイゾビル時代から始まる傷だらけの立身出世物語が。 -- 名無しさん (2014-08-03 20 45 38) パワレンにはマンドラ坊やってでないの? -- 名無しさん (2014-08-03 21 35 57) 今後、スーパー戦隊で魔法をモチーフにするなら、敵組織は悪の魔法使いの集団で呪文で怪人態に、また第三勢力に警察モチーフの魔女狩り組織。 -- eba (2014-11-23 19 03 40) ファントム「出たな!指輪の魔法使い!! -- 名無しさん (2014-12-27 12 51 07) ↑いいえ、携帯の魔法使いです。 ・・・いや、指輪もしてるけどねw -- 名無しさん (2014-12-27 18 23 12) EDでイエローの腰の振りが凄い。 -- 名無しさん (2014-12-27 18 33 40) もう10年か -- 名無しさん (2015-02-11 01 12 12) 何気に声優陣が豪華。青野武や中村秀利はこれが唯一の戦隊出演だったんだよな…もっと出てほしかったのに早すぎるよ… -- 名無しさん (2015-02-12 19 13 47) バーサーカーの王はこんなもんじゃねえええーーーーーーーっ!!! -- 名無しさん (2015-03-01 12 48 32) 主題歌が流れてる中で8人全員名乗ると、軽く一番が歌い終わるwww -- 名無しさん (2016-01-18 12 28 43) 後半はマジレジェンドが負け続け&テンポ悪い2話構成で年末商戦が散々でダイボイジャーの出荷数が抑えられたんだっけか -- 名無しさん (2016-04-02 02 28 14) また魔法モチーフの戦隊見てみたい。 -- 名無しさん (2016-05-23 03 00 23) マジレジェンドの項目立ったら掲示板が荒れそうで怖い… -- 名無しさん (2017-02-26 17 01 52) いきなり変身した母親をかっこいいと受け入れる小津兄弟スゲェ…… -- 名無しさん (2017-06-28 23 35 48) 名前にハッキリと「レンジャー」がつく戦隊としては、現時点で最後になるかな(今後復活する可能性もあるだろうけど)? -- 名無しさん (2017-06-29 21 10 12) ↑ゲキレンジャーは? -- 名無しさん (2017-06-29 21 24 15) ↑↑今年キュウレンジャーで復活してんですけど -- 名無しさん (2017-08-07 16 04 02) 本編で地味に人的被害が出てたな -- 名無しさん (2017-08-07 20 57 13) 魔法戦隊なのにvsシリーズや30戦隊ポスターでは和風城前の集合写真が流用されてたのは驚き…。35戦隊のゴーカイではちゃっかりマジトピア前に差し替えられてたけど… -- 名無し (2018-01-26 05 59 20) 緑がパワーアップしたその回で倒された思い出しかない -- 名無しさん (2018-09-26 00 22 52) 荒らしコメントを削除。 -- 名無しさん (2019-07-07 13 30 47) ニンニンジャーに出てたエレナは先生と麗の子供だろうか?年齢的にも居てもおかしくない気がする。 -- 名無しさん (2021-03-19 19 26 07) パワーアップしても対処できるサイクロプスが強かっただけ。最強ロボや強化しても対抗してくる冥府神の恐ろしさは個人的には好きだけどね -- 名無しさん (2023-10-07 13 24 53) 当時は「呪文はガッシュみたいなネーミングにしてほしかった」なんて思ったな。 -- 名無しさん (2023-11-16 17 34 26) ↑4 37話ですね(トラウマ) -- 名無しさん (2024-02-26 02 11 00) 同期のライダーが響鬼で、奇しくも東西妖怪大戦となった。 -- 名無しさん (2024-04-24 21 45 35) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/tpc-document/pages/318.html
Chapter38「風竜は舞戻る2:そして風向きが変わった」 炎や氷が顔をすぐ横を飛んでいく。 振り上げられた剣は、わたしの目の前の地面をえぐった。 「ううっ……」 しかしそれでも、わたしは両手を広げて両足でふんばりつつ、思わず目をつぶってしまいながらも、身を呈してヴァルトと呼ばれた風竜をかばった。 叩きつけられた剣を持ち上げながら、その主の勇者は怒鳴った。 「おい、ゲルダ! 危ないだろ、急に飛び出したりなんかして! そこをどいてくれ。そいつは敵なんだぜ。しかも今倒さなきゃやばいことになる」 わたしは目をつぶったまま、首を横に振った。 「ゲルダ! 何をしてるんだ、下がっていろと言ったじゃないか!」 フレイの声も聞こえてきた。 後ろにいるのはトロウの手下で、アルヴのことを報告される前に今ここで倒さなければならない。そういうようなことを叫んでいる。 それでもわたしは、ぶんぶんと首を振る。 「どういうことなんだ。説明してくれ」 恐る恐る目を開けると、フリードが怖い顔をして目の前に立っている。その背後には、わたしと後ろにいるヴァルトをにらみつけるフレイたちが横に並んでいる。 わたしはヴァルトの目の奥に見た、その憂いを帯びた色のことを話した。 「ま、待ってよ、みんな……。何か事情があるんだよ。この竜、何か困ってるような悩んでるような……そんな様子なんだよ。話だけでも聞いてあげてよ!」 「突然何を言い出すんだ!? 君がヴァルトの一体何を知って――」 そのときヴァルトは翼の先の鉤爪をわたしに近づけた。それを見たフレイは、血相を変えて「危ない!」と叫びながら駆け出した。 しかし鉤爪はわたしを傷つけることはなく、そっとわたしの頭をなでた。 「……そうか。おまえは優しいやつだな。オレ様は半分は諦めてたんだがなァ」 それまで黙り込んでいたヴァルトがやっと口を開いた。 その様子を見て、フレイたちはようやく攻撃の手を止めてくれた。 しかし警戒するような姿勢は崩さず、見張るようにヴァルトをにらんでいる。 「これは一体……。何がどうなっているんだ?」 「オレ様は今回はトロウの命令でここへ来たわけじゃない」 その理由をヴァルトは話し始めた。 ヴァルトは悩んでいた。 トロウの命令でフレイたちを襲ったのはいいが、何も成果をあげられず引き返すことになった。その後、トロウから二度目のチャンスを与えられたが、クエリアによって氷付けにされてしまい、これも失敗した。 このままトロウの元へ戻っても何もいいことはない。それにトロウは「もう一度だけチャンスを与える」「こんどこそ失敗は許さない」と言っていた。にもかかわらず失敗してしまった自分がどんな目に遭わされるのかとヴァルトは恐れた。 そしてその不安は現実になる。 今後どうするべきか悩んでいたヴァルトは、フレイヤと遭遇したあともそのまま例のドローミの島で考え込んでいたが、そこにとある竜が現れたのだという。 「キシシシ! 見つけたゾ。おまえがヴァルトだな?」 「あァん? なんだおまえは。オレ様はチビには用はないぜェ」 ずいぶん身体の小さな竜だった。以前対峙したことのある竜の姿に戻ったクルスや、セルシウスに比べれば、それはまるで子どものようだ。 「オレは第三竜将イフリート! トロウ様から伝言があるゾ。えーっと」 小さな火竜は水晶球のようなものを取り出した。 すると、その球体はトロウそっくりの声でしゃべり始めた。 『ごきげんよう、ヴァルト。おまえのような役立たずはもう要りません。不要なごみは処分するに限る。だからどうぞ消し炭になってください。さようなら』 一方的にしゃべり終えると、球体は割れて粉々になった。 「……だってよ! だからオレがおまえを粛清しに来てやった。キシシ! じっとしてろよぉ~。そうしたら苦しまずに消してやるゾ」 「ちッ、やっぱりそう来たか。おい、チビ助。そんなちっこいナリでこのオレ様に敵うつもりなのかァァァ? 今ならまだ許してやる。さっさと失せなァ!!」 「見た目だけで判断すると痛い目に遭うゾ。おまえの弱点はよく知ってる!」 小さな翼でハエのように飛び上がると、イフリートは自分の身体よりも大きな炎を吐いた。炎は蛇のようにうねり、ヴァルトの身体を包み込む。 「がッ……!? か、火竜だとォォォ! おまえのような小さな火竜がいるのか。それにムスペのやつらとは臭いが違うじゃねェか!」 「オレはトロウ様に実力を認められて”火竜になった”のさ! おまえをここで殺すためにね! これがオレの最初の任務だ。そしてオレはもっとエラくなる!」 「火竜になったァァァ!? おまえは何を言ってんだ。くそッ、こんな炎!!」 ヴァルトは激しく羽ばたいて炎を消し飛ばそうとした。 しかし羽ばたけば羽ばたくほどに炎はより激しく燃え上がり、大蛇のようになった炎は大顎を開いてヴァルトを炎の渦に呑み込もうとしている。 「なんだ、この火!? ちっとも消えやしねェェェ!」 「キシャシャシャ! オレの炎の息は特殊だゾ。この身体はトロウ様からいただいた特別製でね。その炎は風を受ければ受けるほどに強くなるゾ!」 「畜生、やっぱり火竜は苦手だァァァ!」 炎をまとったままヴァルトは空高く飛び上がった。 そしてそのまま急降下して風圧で炎をかき消そうとしたが、炎はますます激しく燃え上がりその勢いを増していった。 「おっと、トカゲみたいに逃げ出すのか? 無駄だゾ! その炎はどこまでもおまえを焼き尽くす。骨すらも残さない。まさに消し炭になるまでね!」 勝利を確信しているのか、イフリートは追っては来ない。 ヴァルトはそのまま空を飛び続け、どこかに雨雲はないかと探した。 どんな炎だろうと水の前には無力のはず。この炎を消すには水を探すしかない。 ニヴルヘイムまで飛べば、あそこにはたしかフヴェルゲルミルの泉があったはずだが、今やあそこはトロウの手下のエーギルが占領している。だからそこへ向かっても、こんどはエーギルに消されることになるだけだ。 熱さに耐えながら飛んでいると、上空に巨大な積層雲を見つけた。黒く威圧感さえ感じさせる雲で、あれが嵐雲なのは間違いない。ヴァルトは迷わず雲の中に飛び込んでいった。 雲の中は雷と強風の吹き荒れる大嵐で、叩きつけるように大きな雨粒が暴れまわっている。暴風によって一度は炎がさらに激しく燃え上がったが、やがてその炎は大雨によって消えていった。 (なんとか助かった。だが、こんどはなんとかしてここから脱出しねェと) 嵐雲の中は雨と雷と暴風が渦を巻いており、荒れ狂う天候が方向感覚を狂わせてしまう。今自分がどっちを向いているのか、どっちから来たのかもすでにわからなくなってしまっている。 (こんなところで遭難して死んじまっちゃ、逃げてきた意味がねェぞ。どうする) 暴風雨の中を吹き飛ばされそうになるのを必死に耐えながらさまよっていると、暗い雲の中に蒼く光るものが見えた。よく見ると、氷竜が嵐の中を飛んでいく。雨水を受けて氷竜の鱗が光っているのだ。 (あいつはもしかしてニヴルの? なぜこんなところに) 氷竜はこの嵐の中を迷うことなくまっすぐ飛んでいく。しかも何かの魔法か、あるいは加護を受けているのか、暴風をまったくものともせずに飛んでいく。 これは地獄に仏、とヴァルトはその氷竜のあとに続いた。しばらく行くと、やがてたどり着いたのがこの隠れ里アルヴだったというわけだ。 「――そこで偶然おまえたちを見かけた。今やオレ様もトロウに追われる身だ。だから同じくトロウに追われているおまえたちの力を借りようと思った。敵の敵は味方って言うからなァ」 そこでヴァルトはひとつ、小さなため息をついた。 「だが……まァ、都合の良いことを言ってるのは承知だ。二度も敵として戦ってんだからなァ。素直に受け入れてくれるとも思ってねェ。だから拒否されたんなら、そのまま別の空域にでも姿をくらませるつもりだった。風竜は気まま、一所に留まらない性分ってなァ……。まさかいきなり攻撃されるとは思わなかったが」 その話を聞いて、わたしはヴァルトをかわいそうだと思った。 死にそうな目に遭ってやっと逃げてきたのに、ここでも敵だと思われて危うく倒されそうになってしまうなんて。そんなのあんまりだ。 フレイたちは黙ってヴァルトの話を聞いていたけれど、誰も何も言わなかった。 そのままヴァルトも黙っていたので、代わりにわたしが言った。 「ねぇ……助けてあげようよ。困ってるみたいだよ」 でもフレイたちは納得しなかった。 「フレイ様、騙されないでください。これは敵の罠かもしれません」 「そうじゃな。証拠がない以上、そう易々と信じるわけにはいかん。さっきの話にしても作り話かもしれんし、私たちの懐に潜り込んでトロウに情報を漏らす魂胆かもしれんしのう」 「だな。隙を突いて後ろからいきなり掘られちゃかなわんぜ」 仲間たちは口々にこれは罠だ、ウソだとフレイに言った。 でもわたしは今の話がウソだったなんてとても思えない。 ヴァルトは悲しそうな目をしていた。もし本当に罠だったとして、わたしたちをおとしいれようとしている人があんな目をするだろうか。 きっとヴァルトは自分の居場所を失って、そこで敵だったとはいえ見知った顔のフレイたちを見かけて、そこに自分の居場所を求めたんだろう。それなのに、事情を説明する間もなく攻撃されて、きっとショックだったに違いない。だから、あんなにも悲しそうな目をしていたんじゃないだろうか。 わたしはそんなわたしの考えをフレイに話した。 それでもフレイは首を横に振った。 「ゲルダの言うことも一理ある。だけど何かあってからじゃ遅いんだ。僕たちだけじゃない。アルヴのみんなにも迷惑がかかる。せっかく竜人たちが手に入れた平穏を僕たちが壊してしまうわけにはいかない」 「なんで? どう見たって困ってる人がいるのにフレイはそれを見捨てるの!?」 「ヴァルトは敵だったんだ。たとえ万が一でも罠の可能性があるなら、それを見過ごすわけにはいかない。アルヴの情報を渡さないためにも絶対に見逃せない」 「敵だったから? でも今は敵意はないんだよ? 本当に敵だったら、やられる前にきっと反撃してたはず。でもヴァルトはしなかったよ」 「だからと言って……。ゲルダ、どうしてそこまでヴァルトの肩を持つんだ」 「違うよ! わたしはただ……そんなつもりじゃなくて!」 わたしは、風竜(ヴァルト)だから肩を持っているんじゃない。 元敵(ヴァルト)がわたしたちとは異なる立場だから肩を持っているんだ。 外の世界には竜人差別がある。それは、外の世界で勢力の大きい人間や竜からみて、竜人が異なる種族だから。異なる存在だからだ。 自分たちと違うから。だから差別する。迫害する。 そんな世界はわたしは嫌だ。 誰もがが手を取り合って平和に暮らせる世界を見たい。それがわたしの夢だ。 自分たちとは違うから敵? 敵だからやっつける? ――そんなの間違ってる! 「わたしたちと違うから? だから敵なの? 敵だから信じないっていうの? そんなの差別するのと同じことじゃない」 「いや、それは違うよ。トロウはこの世界の人も竜も支配しようとしているんだ。そのトロウの仲間だったんだから、敵の味方は敵じゃないか」 「たしかにトロウは悪者かもしれない。でもヴァルトがイコール、トロウってわけじゃないでしょ? ヴァルトが支配を望んでいることにはならないよ」 敵の味方だからきっと悪いやつ。そう決め付けるから、敵対することになる。 実際に直接本人にそうなのか、と確かめたわけでもないというのに。 そうやって何でも勝手に決め付けるから、迫害が生まれるんだ。 「フレイは言ったよね。今の外の世界は望む世界じゃない。だからこれから、自分たちの望む世界に変えていくんだって。フレイは敵と戦うことを望んでいるの?」 そう聞くと、フレイははっとした様子で少し自信なさげに答えた。 「……! そ、それは……違う。僕だってできることなら戦いは最小限にしたい。そもそも僕が旅立ったのは戦争になるのを防ぐためだった。だけどもはやトロウを倒さない限り平和は訪れない。だからこれは必要な戦いなんだ……」 「でもヴァルトを敵とみなして戦うのが必要とは限らない。少しぐらい信じてみてもいいんじゃないかな。だって、相手を信じる心がないと、誰もが手を取り合える世界は絶対に生まれないよ。互いに信じ合ってるからこそ共存ができるんだから」 「それは……たしかに信じられたらいいけど。せめてヴァルトが敵じゃない確証みたいなものがあればいいんだけど……」 フレイの心は揺らいでいる。説得するにはもうひと押しだ。 そこでわたしは、ヴァルトにさっきの話はウソじゃなくて本当なんだと証明できるようなものは何かないのかと聞いてみた。 炎の魔法を受けて体力こそ消耗していても外傷を負ったわけじゃない。だからさっきの話が事実だという物理的な証拠はない。しかし自分がトロウとはもう繋がっていないことを示すことはできるかもしれない。と、ヴァルトは言った。 「目に見える証拠じゃなくて悪いがな。ひとつトロウの秘密を教えてやる。おまえ何か茶色い石コロをトロウに持たされていないか?」 「石コロ? そういえば……城を抜け出すときにトロウに襲われて……そのあとに助けてくれた人がお守りだと言って小さな栗色の石をくれたけれど……」 そう言ってフレイが石コロを取り出す。 それを見てヴァルトは確信したようにうなづいてみせた。 「そいつだ! それはラタトスクといって、専用の呪文を唱えることで同じ石を持っている者の様子を見ることができる代物でなァ。竜将たちは連絡用に同じものを持たされているが……どうやってかは知らんが、やはりトロウはおまえにもそれを持たせていたみたいだな。ずっとそれを使っておまえを監視していたってわけだ」 「なんだって!? ……そういえば大神殿に行ったとき、僕たちは何らかの方法で監視されていたことを知ったんだ。アルヴ内では効力を発揮しないらしいけど、まさかこの石が原因だったのか」 「納得してくれたか? これだけ重要な秘密を漏らしたんだ。これでもオレ様がまだトロウの手下だと思うかァ?」 「ううん……。話の筋は通ってる、か」 「もしオレ様を受け入れてくれるなら、もっとトロウについて知ってることを話してやってもいい。今後はおまえの指示に従うから、戦力として扱ってくれてもかまわないぜ。どうだろうか、悪い話じゃねェと思うんだがァ……」 フレイはしばらく考え込んでいたが、やがて決心して仲間たちに武器を下ろさせて、魔法を鎮めさせた。 「そこまで言うならわかった。こちらとしてもトロウを止めるための戦力は多いに越したことはないからな。僕たちと共に行動してもらおう」 ただし、とフレイは付け加えた。 まだ完全にヴァルトのことを信用したわけじゃない。だからあくまで見張る意味も兼ねて、とりあえずは味方として扱うことにするだけだ、と。 「みんな、それで異論はないな?」 いくつか反対の声も上がった。それでも最終的にはフレイの決定にみんなが合意する形で落ち着くことになった。 まだあまり信用していない空気があるのは気になる。それでも一応はフレイが、そしてその仲間たちが納得してくれたことにわたしは安心した。 「わかってくれてありがとう、フレイ。それからごめんね。いきなりわがままを言っちゃって。でもどうしてもわたしには、あれは正しい方法だとは思わなかった。だから……」 せっかくフレイの旅の仲間にしてしまったのに、いきなりこんな出過ぎたまねをしてしまって申し訳ない気分になったけれど、フレイはそんなわたしの肩にそっと手を添えてくれた。 「気に病むことはないさ。間違ったことは言ってない。それに君のおかげで気付くことができた。そもそも僕は戦争を防ぎたいと思ってこの旅を始めた。なのにいつの間にか僕は、トロウを倒すことだけに躍起になっていたみたいだ」 「フレイ……」 「僕は一度こうだと思い込んだら、ついついその一点に向かって突っ走っちゃうタイプでね。だからゲルダ。また僕が大切なことを見失っていたら、そのときはまたこうやって、それを僕に教えてくれないか?」 わたしにはフレイの求めるようなトロウと戦う力もないし、魔法だって大したことができるほどの腕前はない。 だけどわたしなりの方法でフレイをサポートすることはできる。 だって二人で誓ったんだ。 わたしたちで誰もが手を取り合って平和に暮らせる世界を作っていくんだって。 そのことだけは、わたしは絶対に忘れないし見失わない。 もしフレイが道を見失いそうになったら、わたしがそれを教えてあげる。 それが、わたしなりにできることだ。 「もちろんだよ。いつでも任せて」 わたしは肯定の意味でフレイに抱きついた。 するとこんどはフレイもしっかりと抱きしめて返してくれた。 これでわたしの役割がわかった気がする。 わたしはわたしにできることをやればいいんだ。 だから、これから頑張ろう。フレイのために。そしてわたしたちの夢のために。 「……あァ~。その、おまえらな。お熱いところ悪ィんだがなァァァ」 不意にヴァルトが話しかけてきた。そのせいでフレイは慌ててわたしから離れてしまった。なんかまた赤くなってるし。 ああもう、せっかくいい感じにまとまったと思ったのに! 「なんなの? 今いいところだったのに」 「いや、すまねェな。ゲルダと言ったか。おまえには礼を言っとかねェといけないと思ってなァ。おまえがフレイを説得してくれたおかげだ。恩に着るぜ」 「わざわざそんなことで? 別にあなたのために説得したんじゃないんだから! 勘違いしないでよね」 「お、おう……!? そ、それはすまなかったなァ。まァこれからはオレ様もよろしく頼むぜ。それじゃあとりあえずオレ様はこれで……」 ヴァルトはなぜか少し動揺しながら歩いて離れていった。 まったくもう。わたしにはフレイがいるんだから邪魔しないでほしいな。 さて、改めてフレイといい感じの続きをしようかな。と振り向くと、フレイは少し困惑したような顔をしていた。 「どうしたの?」 「ええと、ゲルダ。ちょっと前から思ってたんだけど、やっぱり君の発言はときどき誤解を招くような気が……」 「え? なんで? なにが?」 わたしには何のことだか、さっぱりわからなかった。 ただ正直に、わたしの夢みる世界のためにフレイを説得したのであって、ヴァルトのためとかそんなんじゃないって言っただけのつもりだったんだけどなぁ。 Chapter38 END 魔法戦争39
https://w.atwiki.jp/soyoyo/pages/3.html
更新履歴 取得中です。 タグ 同人 全年齢 ファンディスク 非攻略 幼馴染 ロリ D.C.II 魔法戦士シリーズ 後輩 メガネ 二次創作 巨乳 デイズシリーズ ツンデレ 陵辱 DVDPG 姉 アニメ化 Tiny Dungeon 女教師 妹 ASa Project AIR Key 無口 PSP メイド 俺つば お姫様 アペンドディスク 優等生 続編 義姉 ALcot ヤンデレ R-15 同級生 マリア様がみてる オーガスト 巫女 お姉さん系 毒舌 未亡人 伺か Kanon お嬢様 任意ラヂヲ 図書委員 PS3 ハーフ ボクっ娘 管理人 レズ スポーツ少女 幽霊 英語 ダメイド サブ 水着 Triangle ロリ巨乳 王女 スピンオフ 病弱 学園のマドンナ ユニゾンシフト ANGELIC LAYER 痴漢 人妻 先輩 3D いとこ 調教 転校生 おっとり系 委員長 アイドル PSVita ここを編集
https://w.atwiki.jp/shiftup_rpg/pages/54.html
パーティーのリーダー。 初期職業 戦士 転職可能職業 戦士,魔法使い,僧侶,弓使い,格闘家,魔法戦士,パラディン,賢者,スナイパー,バトルマスター,ゴッドハンド,マジカルスター 初期レベル:1 初期装備:木刀,ぬののふく 属性:光 北西の町の右のほうにある家に住む。(ストーリーが進むとこの家が武器屋になる) 最初から戦士なので、序盤における使い勝手は火力も含めてそこそこ。そのまま終盤に持っていっても良い。 初期では五月雨斬りが非常に有用な切り札である。 対単体であれば、威力が余りMGCに依存しないとみられるライトニングもそこそこ有用になる。 またワープをほぼ初期から使える。クリア前では数少ないワープ要員になるだろう。 主人公とは言っても職業は一般職なので、特筆することは少ない。 一応魔法使いなどにもなれるが、飽くまでそれは魔法習得のための手段に留まる。 攻撃系の職に就かせることが殆どだろう。
https://w.atwiki.jp/huta_love/pages/42.html
2016年 01/29 Lusterise「光翼戦姫エクスティアII」 01/29 ninetail「GEARS of DRAGOON 2 ~黎明のフラグメンツ~」 01/29 Nitro+「凍京NECRO」 01/29 CuteRush「らぶきゅばす!~おんなのこあくま♀♂おとこのこあくま~」 03/25 TOUCHABLE「想聖天使クロスエモーション」 03/25 みるくぱい「絶頂天使アクメリア」 04/28 わるきゅ~れ「魔装の国のアリス」 07/29 ミンク「堂寺士門の淫謀」 09/30 デジタルGパワー「宇宙人の人体改造牧場」 11/25 Triangle「魔法戦士ネクストイグニッション」
https://w.atwiki.jp/tpc-document/pages/316.html
Chapter36「フレイと竜人5:竜人族だからこそ」 ゲルダはアルヴの外の世界にあこがれていた。 そんな彼女の夢を壊したくない、そう思って僕は外の世界の辛い部分の話をわざと避けてきた。具体的には、外の世界には竜人差別が存在するということを。 アルヴは迫害を受けた竜人たちが安心して暮らせる場所を得るために作った隠れ里だ。そこは外の世界とはほとんど隔絶されていて、外との交流もないに等しい。 同様にワケありで人里を追われた者たちも、流れに流れてアルヴへとたどり着いて住み付く例が少なからずあったが、彼らも自分たちの安住の地を失いたくはないので、アルヴの秘密を外に漏らすようなことはしなかった。 そうしたことで、アルヴの中と外ではまるで別世界のようになった。 そんなアルヴで生まれてアルヴで育った子どもたちは、外の世界のことを何も知らない。かつて外の世界で暮らしていた者たちからの話を聞いて想像を膨らませるだけだ。 外の世界で辛い想いをしてきた者たちは、好き好んでそういった話をわざわざしたりはしない。それは消し去ってしまいたい過去だった。 だからこそ、アルヴで生まれた新世代は竜人が迫害されてきた歴史を知らない。 ゲルダもそんな新世代の一人だった。 外からやってきた竜人とは違う様々な姿をした多種多様なワケありの者たち。そんな彼らを見て、ゲルダは外の世界にはもっと様々な種族がいて、様々な文化が存在して、そしてそれらが平和に共存しているものだと信じていた。 しかし現実はそうじゃない。 ムスペとニヴルは互いに戦争ばかりの歴史だった。 大樹に暮らす人間はもとは地上からやってきたが、一説には戦争のせいで地上が暮らせない環境になったせいだという話もある。 そして一応の交流はあるが、竜族と人類は互いを良く思っていない一面もある。 互いを良く思っていないからこそ、その間に誕生した竜人はそのどちらからも忌み嫌われる。それが竜人差別の始まりだ。 それに今の世界はトロウの暴走によって酷い有様だ。ユミルはもはやトロウが支配しているも同然。ムスペもニヴルも攻め落とされてそのトロウの支配下。 外の世界は平和とはまるで正反対だった。 そんな現実を、ついにゲルダは知ってしまった。 あこがれていた夢が音を立てて崩れていく。それにショックを受けたゲルダは、泣きながらグリンブルスティを飛び出していってしまったのだ。 「すみません。ワタシが何か余計なことを言ってしまったみたいで」 サーモスが申し訳なさそうな顔をしたが、僕はそれに対して首を横に振った。 「いえ、あなたのせいじゃありませんよ。いつかは本当のことを話すべきだった。それを怠っていた僕の責任です。だからこの問題は僕が解決しなければならない。あなたはここにいてください。ちょっとゲルダを捜してきます」 そう言って船を飛び出そうとする僕を「待って」とサーモスは引き止めた。 「ワタシの眼は熱を視ることができます。形として残っていなくても、地面には熱の足跡が残っていて、ワタシはそれを視ることができますよ」 「熱の足跡! 考えたこともなかった。それじゃあ、お願いしてもいいですか?」 「ええ、お任せください。フレイ王子」 サーモスの熱を視る能力で追跡した結果、ゲルダの居場所はすぐにわかった。 例の僕とゲルダが初めて会ったあの橋のところだ。いざ到着してみると、すぐにはゲルダの姿は見えなかったが、熱を感知できるサーモスは温度差から隠れている人物の居場所を簡単に特定することができる。 彼女が言うには、どうやらゲルダは橋の下に座り込んでいるらしかった。 「すみません。ここからは僕に任せてくれませんか」 「そうですね。ここはワタシのなんかが行くよりも、年の近いフレイ王子が行ったほうがうまくいくかと思います。どうか、がんばって!」 「ありがとう。できるだけのことはやってみるつもりです」 背中にささやかな声援を受けながら、僕は橋の上へと向かった。 ここからはゲルダの顔は見えない。でも声はちゃんと届くはずだ。 「……ゲルダ。まだ怒ってる?」 そのまま橋の上から声をかけた。無理に近寄っても気を悪くさせるだけだ。だから少し距離を置きながら話をするのがいいだろうと考えての行動だ。 「何しに来たの。わたしのことは放っておいてよ」 よかった。ちゃんと返事はよこしてくれた。 しかしゲルダの声のトーンは低く、機嫌が悪いのは明らかだった。 「ごめん、僕が悪かった。謝るよ。ちゃんと話すべきだったんだ」 「話すって何を? 外の世界はわたしが思ってるような甘っちょろいものじゃないってこと? そんな夢叶いっこないから早く諦めろって話?」 だめだ、これは完全にへそを曲げてしまっている。この方向で話を続けていてはいつまで経っても平行線だ。むしろ状況を悪化させる可能性もある。こういうときは別の方向から説得しなければ。 「ええと……。ゲルダ、気分はどう?」 「なにそれ。最悪に決まってるでしょ。落ち込んでるわたしを笑いに来たわけ?」 「そ、そうじゃないけど。何が一番最悪なのかな」 「全部に決まってるじゃない。外の世界は全然わたしが思い描いてた世界なんかじゃないんだ。それを知ってたくせにずっと黙ってたフレイもひどいよ」 そんなつもりで黙ってたわけじゃない。下手に話してゲルダの夢を壊してしまうわけにはいかないと思って、あえて触れないようにしていたつもりだった。 だからといって、今ここでそんな言い訳をしたところで、話を余計にこじらせてしまうだけだ。だから別の切り口から入る必要がある。 「ところでここは僕とゲルダが初めて会った場所だったよね」 「それが何?」 「あのとき、実は僕もすごく落ち込んでたんだ」 「だから何?」 冷たい反応ばかり返ってきたが、かまわず話を続けた。 「僕はユミルで生まれてユミルで育った。ユミルっていうのは人間の国だ。だから僕も当然、自分は人間なんだと思って生きてきた。本当につい最近までね……」 だけどそれは違った。 アルヴの大神殿に着いてアルバスに竜人たちの主導者になるように言われた。 その理由は僕が適任だったから。セルシウスやクルス、それにクエリア。人間の側に属していながら、僕は竜族とも良好な信頼関係を築いていた。 でもそれだけじゃない。それだけの理由なら、種族を問わず誰とでも、例えそれがドラゴンゾンビ相手だったとしても、仲良くなってしまうセッテのほうがずっと適任だったはずだ。 ではなぜ僕が選ばれたのか。それは僕が人間ではなく竜人だったからだ。 僕には姉がいる。姉上とは確かに血の繋がった姉弟だ。 だけど僕たちの母親は違う。姉上は今は亡き先代王妃とニョルズ王の間に生まれた娘だ。そして僕はそのあとに王妃になった女性との間に生まれた息子だった。 僕の母上にあたる人も、すでに病気のせいで亡くなってしまったけど、クルスが言うには僕の母上は地竜だったらしい。おそらくクルス同様、人に姿を変えていたんだろう。 僕は竜人だった。 その事実をつきつけられたとき、僕は強いショックを受けた。 自分が竜人だったという事実にではない。もちろん、その事実には驚いたが、それよりもショックだったのは、その事実を知っていながら今まで誰も自分にそれを教えてくれなかったということだ。 竜人差別の話は噂程度には聞いたことがあった。それでも自分には関係のない話だと思っていた。しかし、僕は人と竜の両方の血を引く竜人だった。 落ち着いて考えれば、そのことで僕が思い悩まないように気を遣って、わざとその事実を伏せていたんだろうということがわかる。でもそのときは、みんながわざと黙っていたというその事実を、みんなが僕を騙していたと誤解してしまった。そこに竜人差別の話が重なって、自分が差別されたんだと思い込んでしまった。 そんなときに出会ったのが竜人のゲルダだった。 アルヴの外から来た僕のことを見るなり、ゲルダは外の世界のことを次々と聞いてきた。そして、外の世界への純粋なあこがれを語ってくれた。 そんなゲルダを見て僕は思った。 ああ、竜人も人間も、外見は少し違っても、中身は同じなんじゃないか、と。 いやそれだけじゃない。竜だろうと、その他のどんな種族だろうと、姿が違うだけで心は同じなんだと。 そこで初めて気がついた。 だったらなぜ竜人は差別されているのか。なぜ人と竜は理解し合えないのか。 もともとそういうものなのだと決め付けていた。 しかし、それに気付いてからは、それはおかしいと思うようになった。 竜と人の両方の血を引く竜人なら、その両方を理解できる。そんな竜人だからこそ、人と竜をつなぐ架け橋になれると思った。 僕がアルバスの頼みを受けて、竜人たちを率いようと決めたのはそのためだ。 人と竜の間に竜人が生まれたということは、過去に互いに歩み寄ろうとした人と竜がいた何よりの証拠だ。竜人は人と竜の共存の象徴になる。 だからまずは竜人というものを正しく理解してもらって、竜人差別をなくす。そのために、竜人がトロウを倒して人も竜も救ったという実績を作る。そうすれば人も竜も、竜人を信頼して認めてくれると考えたからだ。 だからもう、自分が人間であるとか竜人であるとか、そういうことはどうでもいいと思うようになった。なぜなら種族が違っても、姿が違っても、心はみんな同じだとわかったからだ。 人間だろうが、竜人だろうが、自分は自分。フレイはフレイなのだ。 それに気付かせてくれたきっかけになったのが、まさにゲルダの存在だった。 あのときゲルダに会わなければ、今でも僕は悩み続けていたかもしれない。 今のゲルダは思うに、あのときの自分と状況としては似ていると思う。 『その事実を知っていたのに、教えてくれなかった。自分は騙されていた』 そういうふうに思い込んで、塞ぎ込んでしまっている。 あえて黙っておくという優しさを、騙されたという敵意だと勘違いしている。 そのせいで周りの味方をしてくれている者まで敵に見えてしまっている。それだけのことだ。 「けれど決してそうじゃない。僕はゲルダのおかげでそれに気がつくことができたんだ。だからこんどは僕の番だ。僕がゲルダに、決してそうじゃないということを教えてあげる番だ」 「……フレイがいろいろ悩んでたんだって話はわかったよ。フレイに冷たく当たっちゃったのはたしかにわたしが悪かった。ごめんなさい。でも外の世界の事実は変わらないんでしょ。わたしの夢が終わっちゃったことには変わりないんだよ……」 ゲルダは深いため息をついた。 まだ落ち込んでいる様子ではあったが、もう僕に対して怒っていないことはわかったので、そこでようやく僕は橋の下に降りていってゲルダの隣に座った。 「夢が終わったって? どうして終わったってわかるんだ」 「わかるよ。外にはわたしの望むような世界なんてなかった。それどころか竜人は差別されちゃうんでしょ。だからわたしの世界を見て回る夢はもう終わったんだ」 「終わった? そうかな。まだ始まってもいない夢なのに」 「なっ……それってどういう」 少しむっとした様子でゲルダが振り向く。 それに合わせてゲルダのほうへ振り向く。 そして、しっかりと目を合わせて自分の想いを告げた。 「ゲルダの夢はまだ始まっていない。だからこれから始めるんだ。二人で」 「それって……どういう……」 「たしかに今の外の世界は君の望む世界じゃない。そしてそれは僕の望んでいる世界でもない。だったらこれから、僕らの望む世界に変えていけばいい」 昨日ゲルダが夢について語ったとき、僕には自分の夢がなんなのかわからなかった。ただゲルダのあこがれる理想の世界、あらゆる種族が平和に共存できる……そんな世界がほんとうにあったらいいな、と思った。 そういう世界を夢みることができるゲルダを少しうらやましいと思っていた。 「僕は自分の祖国をトロウから解放したい。そして人と竜の共存できる世界を望んでいる。それがこれまでの、そしてこれからの僕の旅の目的だ。そしてゲルダの望む世界はその延長線上にあると思う。……だからゲルダ。ゲルダのその夢、僕もいっしょ見ちゃだめかな?」 「そんな……それはちょっとずるいよ。だってフレイ。そんなふうに言われたら、だめだなんて言えないじゃない。わたしにフレイの旅を否定することなんてできないんだから」 「外の世界では竜人は迫害を受ける。でも僕はそれを無くしたいし、そんな迫害から君を守ると約束する。だから君にお願いがあるんだ」 あのときは言葉を遮られて最後まで言えなかった。けれど今なら何も邪魔は入らないはずだ。だから、こんどこそしっかりと最後まで言い切った。 「ゲルダ。外の世界はアルヴほど平和じゃない。きっと大変なこともたくさんあると思う。それでも必ず僕が君を守るから――もし良かったらグリンブルスティで、僕といっしょに旅に出てくれないかな」 最後まで言い切って、そしてゲルダの返事を待った。 ゲルダはそのまま黙ってじっとこちらを見つめていた。 しばらくの沈黙をはさんで、ゲルダはふふっと笑って見せた。 「わたしの夢は何か知ってるでしょ? このアルヴを出て、フレイみたいに外の世界を旅して回ることだもん。こんな絶好のチャンス、見逃すわけないじゃない!」 そして嬉しそうに笑うと、ゲルダは思い切りこちらに抱きついてきた。 「わわっ、ゲルダ! 危ない、危ないから! 川に落ちる!」 「フレイとならどこへでも行くからね! 川の底だろうと、空の果てだろうと! だから覚悟しておいてね。もう後悔しても遅いんだからね~!!」 もうゲルダは悲しい顔も不安げな表情も見せてはいなかった。 それから僕たちは二人でひとしきり笑ったあと、そのまま川に転げ落ちてずぶ濡れになった。そんな様子をサーモスが橋の上から微笑ましそうに眺めていたようだけれど、もちろん僕らはそうとは知らずに二人で川の中でじゃれ合うのだった。 「ふぅ……青春ねぇ。ワタシももう少し若ければ良かったんだけど」 アルヴァニアの穏やかな川に響く笑い声をよそに、その水面を上流から下流へ、メフィアがゆるやかに流れていった。 Chapter36 END 魔法戦争37