約 24,297 件
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/3174.html
プロローグ エピソードⅠ エピソードⅡ エピソードⅢ エピソードⅣ エピソードⅤ
https://w.atwiki.jp/ln_alter2/pages/52.html
栞――(死因) ◆EchanS1zhg 【0】 名前が無いこと。存在が嘘であること。 生きていることを証明できるのはどちらなのだろう。それとも、それは不可能なことなのだろうか。 【1】 情報の小路。または思索の遊歩道。もしくは発見の迷路。はたまた英知の集積回路などと例えるべきか。 そんな場所に一人の少女の姿があった。 水色の襟が大きめのセーラー服の上に紺のカーディガン。 体躯は小柄で、襟と同色のスカートの裾からのぞく足は積もったばかりの雪の様に白い。 色素の薄い髪の毛はボブカット……より少し長め。オシャレで、というよりかは無頓着ゆえにといった感じ。 目も鼻も唇も小さく、しかし整っていて人形の様に、もしくは人間ではないかの様にも見える。 胸には小さな手で抱いた分厚いハードカバーの本。顔には決して伊達ではない大きめの眼鏡。 簡単に言い表せば、地味系の文学少女。そういう雰囲気と印象を持った少女。 その少女の名前は長門有希と言った。 長門有希は恐る恐るといった感じに、一歩一歩と薄闇の中を静かに静かに歩いている。 彼女の左右には乱雑に本が積み込まれた天井まで届く高い本棚が立ち、空気の中には埃と僅かな黴の匂い。 明かりは頼りない非常灯のみで、通路の隅に本を積み上げられた台車などを見ればここは書庫かと思われた。 彼女にとって本とは何よりも馴染みが深い。 学内唯一の文芸部部員で、放課後は部室で本を読み、時には図書館に足を運び本を読んだり借りたり。 ともかくとして本に囲まれるのは慣れっこだ。平時であればここは彼女にとってなんら恐れを抱く場所ではなかった。 だがしかし、眼鏡の中の瞳は潤み、唇は僅かに振るえ、足取りはフラフラと頼りない。 ”只の文学少女”でしかなく、人よりいっそう気弱で臆病な彼女にとって、現状は極めて不安を煽る最悪の環境だった。 決して頭は悪くない。だから狐面の男が言ったことの意味を彼女は正しく把握している。 ゆえに、”何の取り得もない”自分がここでどのような結末を迎えるのか、そんなことも容易に想像できた。 何時、暗がりの中から何者かが出てきて自分に暴力を振るい、そして殺して、しまうのか。 それが怖くて、怖くて、怖くて、怖くて、怖くて怖すぎて、そして怖くて、どうしようも怖くて仕方がない。 硬い床に足音を立てる度に心臓が跳ね上がり、角を一つ曲がるたびに不安で心臓が押し潰されそうになる。 しかし彼女は塞ぎ込むことはせず、ゆっくりで危なっかしくであったが一歩一歩と薄闇の中を進んでゆく。 少しの後、キィと音を立てて彼女は書庫より脱し、長くはない廊下をまたおっかなびっくりと進み、また扉を潜った。 そこは広々とした図書館のフロア。 相変わらず明かりは非常灯だけであったが、大きな窓から月明かりが差し込んでいて比べれば随分と明るい。 柔らかい絨毯の上を何歩か踏み、広さと明るさに幾分か安堵を覚えると彼女はほっと小さく、本当に小さく溜息をついた。 そして先ほどまでよりかは軽い足取りでもう少し明るい場所に出ようとした時―― プリーズ・フリーズ ホールドアップ 「動 か な い で、 手 を 挙 げ る」 ――本棚の影より現れた彼女より更に小さな少女に、銃を、銃口を突きつけられた。 【2】 突然現れた少女の手には年式の古そうな一丁の拳銃が握られ、それは長門有希へと向けられている。 小さな、小学生かもしくは中学生かぐらいにしか見えない子供がそれを構える姿は酷くアンバランスだったが、 あどけなさの残る顔が浮かべているのは真剣のそれで、長門有希は彼女の言葉が、態度が嘘だとは思わなかった。 「……ひぁ、……ひ、ひ――」 「勝手に喋っても撃ちますから」 言葉が耳に届き脳がそれを理解する。 けれども身体に言うことを聞かせるには時間が足らず、喉が震え、悲鳴が漏れ――と、長門有希は咄嗟に口に手を当てて塞ぐ。 悲鳴を上げずには済んだ。なので撃たれずに済んだ。……けど、両手をそれに使ったから抱いていた本が、落ちていた。 トンと軽い音を立てて絨毯の上で跳ね、ぱららと空中で頁を捲り、もう一度跳ねて銃を持った少女の足元へ。 「あ、……あ!」 何を思ったのか、長門有希は転がる本を追った。 撃たれることよりも、何よりもそれが大事と言った風に、まるで本に引っ張られているかの様に前のめりに走る。 「……え? ちょ、ちょっと……!」 逆に、銃を構えていた少女は本を避けた。 まるでそれが爆弾か何かだと思ったのか、ゴキブリが走りこんできた時みたいな風に慌てて飛び退る。 「うきゃあっ!」 両者ともに、慌てすぎていて、運動神経はよくもなく、ゆえに細い足は縺れ、たたらを踏んで、無様に――転倒。 長門有希は頭から本棚に突っ込み、もう一方の少女は雑誌が詰まったラックを巻き添えに盛大にこける。 図書館ではお静かに。そんな注意書きを一切無視して、静寂だった空間に派手な音が響いた。 一拍子遅れて、最後にカラカラとそんな音。 長門有希の目の前に転がってきた、少女の持っていた銃は、銃は銃でもただの水鉄砲だった。 【3】 「……どうも、ごめんなさいでした」 「う、うん……」 シリアスから”一転”。 緊張の糸はぶっつりと音を立てて切れ、二人の少女は暗がりから明かりを点けたカウンターの中へと場所を移していた。 「姫ちゃんは、紫木一姫というです。呼ぶ時は、姫ちゃんって呼んでほしいですよ」 名前を聞いて、長門有希は名簿の上を視線でなぞる。 しかし二度三度と繰り返してもそこに紫木一姫という名前は発見できなかった。 「そうなのですよね。どうしてかはわかりませんが、姫ちゃんの名前はそこには載っていません……」 でもでも嘘なんかついてませんからね! と、紫木一姫はパタパタと手を振る。 その姿がずいぶんと愛らしく、長門有希も特に疑ったりはしない。 ただ、名簿に載っていない参加者の意味は自分達で考えろという、狐面の男の言葉を思い出していた。 「ゆきりんさんは、鞄の中にどんな武器が入ってたですか?」 いつの間にかにあだ名がついている。 それに少し戸惑い、またなんだか嬉しく思いながら長門有希はずっと抱いていた一冊の本をカウンターの上に置いた。 「……”これ”ですか?」 「うん」 ちょっと角が傷んでいるその本は一見すればただのSF小説でしかなく、よーく見てもその通りでしかなかった。 ハードカバーなので、それで叩けば最低限鈍器の役割を果たしてくれそうではあるが武器としてははずれの部類だろう。 しかも、彼女に与えられていたのはその一冊限りだった。鞄を検めなおしても他に武器っぽいものは無い。 「姫ちゃんからひとつ質問です。 どうしてその本。そんなに大事そうにしてますか? 本でよければここにいくらでもあるのに」 言って、紫木一姫はぐるりと周りを見渡す。 そこにはまさに、本・本・本だ。図書館なのだから当たり前だが、簡単には数え切れないほどの本がずらりと揃っている。 同じ本でも武器にするならもっと有用そうな重そうなのも棚の中には並んでいた。 「あれなんか頭にぶつければガツーンと痛いと思うんですけれどもねー。 姫ちゃんの場合。本を読んだだけでも頭がガツンガツンと痛むんで、触りたくもありませんが」 よほど本を読むのが苦手なのか紫木一姫は首をふるふると振る。 長門有希にとって本を読むことはもはや生活の一部であって苦痛などはそこに存在しなかったが、 しかしそんなことをここで話しても仕方が無いので、彼女は与えられた本を大事にしていた理由を素直に明らかにした。 「”私”の本だから……」 「……? ……えーと、それは元々ゆきりんさんが持っていた本だった、ということですか?」 長門有希は小さく頷いてそれを肯定する。 正確に言えば、それは彼女の所属する文芸部の本棚にあった本なのだが、彼女は口下手ゆえにそこまでは語らない。 「どーして、わかります? 同じ本でも別の人のかもかもですよ?」 「私の”栞”が挟まっていた、から」 言って、長門有希は一枚の栞を本の中から抜き出す。 ファンシーな花柄の、いかにも少女趣味といった感じのかわいらしい栞だ。 「……まぁいいですけど。ところで姫ちゃんは、さっきの水鉄砲とこれが入ってました」 自分の本が鞄に入っていたという偶然(?)には特に疑問がないのか、紫木一姫はその話題を打ち切り 今度は自分の鞄の中に入っていた武器を長門有希へと見せた。 それ――彼女の小さな手に握られるナイフを見て、長門有希は息を飲む。 「こっちは本物です。 しかも、このグリップの部分に秘密があってですね……ここを押すと、刃の脇から銃弾が飛び出すんですよ。 鉄砲とナイフの”シェルブリット”ですね」 それを言うなら”ハイブリット”じゃないかなと、長門有希は心の中だけで思う。 無口系文学少女(眼鏡付)の彼女にツッコミ属性は備わっていない。故にそれが心の中だけで止まるのは仕方ない。 しかし、思い浮かんだ疑問に関しては彼女は素直にそれを尋ねてみた。 「どうして、そっちを使わなかったの?」 「え? ……ああ、それは脅かすだけだったらナイフより銃じゃないですか。 姫ちゃん元々殺す気はありませんでしたし、そもそも刃物も銃も上手じゃないですから一緒なのですよ」 なるほどと長門有希は頷く。確かに見せかけだけならば拳銃の方が効果的だろう。 紫木一姫の小さな体躯のことを考えればナイフを持っていたとしても、さして脅威には思えないかもしれない。 少なくとも、逃げるという選択肢は浮かんでくるはずだ。 「あの、先ほどのこと怒ってますか? 姫ちゃん見ての通りおちこぼれですし、もうああやって”生き物狂い”にでもならないとって……」 ”死に物狂い”と心の中で訂正しつつ長門有希はゆるゆると首を振る。 ついさっきまでは彼女も恐怖で心を一杯にしていたのだ。 もし武器があったならば、目の前でしゅんとうなだれる子の様に自分が生き残る為にそれを振りかざしていた可能性もある。 「ありがとうございます! ゆきりんさんの心は”梅”のように広いですね!」 沈んだ表情から一転、紫木一姫はぱぁっと明るく笑う。 その無垢で花の様な笑顔につられて長門有希も表情を崩し、互いに優しく微笑みあい場がふわりと和んだ。 ついでに、”梅”は”海”の間違いだった。音も字も似ているけれども、意味は全然違う。 「それでですね。姫ちゃんは情報収集しようとしていたんですよ」 「……情報?」 「はい。突発的な緊急事態に陥ったらまずは状況を把握するために情報収集しろってのは耳に”梢”でしたので」 随分と器用な間違え方(○蛸 ×梢)に、もしかしてわざとなのだろうかと長門有希は思う。 それはさておき、情報収集をするというのはその通りだと彼女も同意した。 それを脅し取ろうというのは常時なら許されるものではないが、この状況なら仕方が無いとも思える。 「姫ちゃんは”師匠”のために行動したいのですけれども、ゆきりんさんはどうなんです?」 「……”師匠”?」 「あ。違います。師匠は師匠でも師匠違いです。名簿に師匠って載ってる方じゃなくて、こっち」 と言って、紫木一姫は長門有希が広げていた名簿の”いーちゃん”と記された部分を指差した。 「姫ちゃんの師匠なので師匠なのです。こっちの師匠は知らない人なので師匠違いの師匠ですね。 ちなみに姫ちゃんは今何回”師匠”って言ったでしょうか?」 「11回」 「………………ごめんなさい。姫ちゃん自分で数えていませんでした。 と、ともかくですね。ゆきりんさんはそういう大切な人っていたりしませんか?」 そう問われ、今度は長門有希が名簿の一点を指す。 そこに記されていたのは”朝倉涼子”という名前で、長門有希は彼女のことを少しだけ紫木一姫に話した。 「ふーん。同じマンションに住んでるお友達ですか。姫ちゃんと師匠も同じアパートに住んでるですよ。 じゃあゆきりんさんは、その”朝から旅行”さんの為に何をするんです?」 え? と、長門有希の口から声が漏れた。 それは親友の名前を間違われたことに対するリアクションではなく、質問そのものが予想外のものだったからだ。 何かをする。なんてことは全然考えていなかった。むしろ何もせずに死んでしまうだろうと思っていたぐらいだ。 「姫ちゃんは師匠のためになんでもする覚悟ですよ? 人間を殺さない方がいい。それはわかっていますけど、非常事態ですから仕方ありません。 師匠の命に比べたら、たかだか59人程度の命は姫ちゃんにとってはどうでもいいものなのですよ。 姫ちゃん自身も一度は死んだも同然の身なのです。だとすれば恩返しのために命を差し出すことすら惜しくは無いです」 目の前の自分よりも幼く見える少女が捲くし立てる様に長門有希は気圧され硬直する。 これがただの子供っぽいオーバーな表現であれば苦笑する程度だが、しかし彼女の眼に浮かぶ闇がそれを否定していた。 できるかできないかは不明だが、この子は本気だと長門有希は確信する。 「最後の最後は椅子の取り合いですけれども、目的が近ければ途中までは協力できると思うのですよ。 こうして打ち解けたのも”緑”なのですし……姫ちゃんとご一緒しませんか?」 ”縁”と”緑”の字は確かに似ている。だが、今はそんなことはどうでもいい。 長門有希は考える。自分に何ができるのか。朝倉涼子の為に何ができるのか。文芸部に戻るために何ができるのか。 そして、まだ名前も知らない”彼”にもう一度会うには何をすればいいのか。 「………………………………………………ここから、逃げる、方法を探せば」 「0点です。 おちこぼれの姫ちゃんでもわかるですよ。それって全然答えになってないです。 ただの保留。いえ、保留以下の停滞です。停滞以下の思考放棄です。生きることの放棄です。 できもしないことを、自分でもできもしないって思ったまま言うのは詐欺以下です。非道い裏切り行為です」 失望しました。と言って紫木一姫は”ソレ”を手に取った。 鉄砲が仕込んであるピストルナイフ――ではなく、カウンターの上のテープ台にはまっていた”セロテープ”を。 長門有希にはそれがどういった使われ方をするのは想像できなかった。 しかし―― 「とりあえず、死んでおいてください。生きていて師匠の足手まといなんかになられたら困りますから」 ――殺されてしまうということだけは、はっきりとどうしようもないぐらいに確信していた。 そして、それは一瞬。 ビュルゥビュルゥと、空気を引っ掻くような音が鳴り響いたと思った次の瞬間にガクンと吊り上げられるような衝撃。 そして気付けば宙を待っていた――いや、自分の首が飛んだのだと、床の上でバラバラになる自分の身体を見て理解し、 最期に、カウンターの上に置かれたままのあの本を見て、何かを思い、そして、意識は、途絶えた――…… 【4】 「……とりあえずは一人。ですか」 ”セロテープで長門有希を輪切りにした”紫木一姫は先ほどまでとは真逆の暗鬱な表情でぽつりと零した。 血塗れのテープを捨て、そして床に零れた血を踏まないように気をつけながらそこをそっと離れてゆく。 明かりから離れ、再び闇の中を行く紫木一姫。 17歳という年齢からは信じられないほどの小さな体躯。幼いままの顔。ツーテールには大きな黄色いリボン。 彼女が纏うは、名門女子進学校にして上流階級専門学校――澄百合学園指定の漆黒のセーラー服。 その実態は、四神一鏡専属傭兵養成学校――通称、首吊高校(クビツリハイスクール) そしてかつてはそこに所属し、高等部2年でありながらすでに断トツの戦闘力を有し、”ジグザグ”と呼ばれたのが彼女である。 彼女の有する戦闘技術。端的に言えばそれは”糸使い”。その技術の名前を”曲絃糸(きょくげんし)”という。 「名簿に名前がないってことは、師匠は姫ちゃんがいることにまだ気付いてませんよね。 じゃあ、見つかって怒られる前にいっぱいいっぱい殺しておくですよ」 世界最強に届くその技術を彼女は恋する男性のために、少女の心で少女の様に、繊細に精密に秘密裏に振るう。 「とりあえずは”糸”を探さないとですね。”糸”がないと姫ちゃんただの子供ですし」 ジグザク遣いの曲絃師。もう終わっている彼女の、闇雲なジグザグの物語が今から始まる――…… 【D-2/図書館/一日目・深夜】 【紫木一姫@戯言シリーズ】 [状態]:健康 [装備]:澄百合学園の制服@戯言シリーズ [道具]:デイパック、支給品一式、シュヴァルツの水鉄砲@キノの旅、ナイフピストル@キノの旅(4/4発) [思考・状況] 1:いーちゃんを生き残りにするため、他の参加者を殺してゆく。 2:糸。または糸状のものを探す。 [備考] 登場時期はヒトクイマジカル開始直前より。 【澄百合学園の制服@戯言シリーズ】 澄百合学園指定の漆黒のセーラー服。 上はダブルボタン。下はプリーツスカート。大きめのタイは黄色。足元は黒のハイソックスに同色のローファー。 【シュヴァルツの水鉄砲@キノの旅】 シュバルツという男性が鉄砲ごっこの時に使っていた水鉄砲。 ぬ? 【ナイフピストル@キノの旅】 キノが所持しているナイフの一つ。刃渡り15センチほどで全長26センチ。 円筒形のグリップの中に鉄砲が仕込まれており、鍔の所にあるトリガーを引くことで4発まで発射できる。 レーザーポインタ付。モデルとなっているのは”87式ナイフピストル”。 【5】 貸し出しカウンターの上に置かれたままとなった一冊のSF小説。 その脇からのぞく一枚の栞。その片面には明朝体で以下のような言葉が記されていた。 『プログラム起動条件・鍵をそろえよ。最終期限・二日後』 これが、この物語の中で意味を持つ伏線《フラグ》なのか、それとも無意味な冗句《ユーモア》なのか、それは不明である。 【長門有希@涼宮ハルヒの憂鬱 死亡】 ※ 長門有希@涼宮ハルヒの憂鬱の登場時期は涼宮ハルヒの消失よりでした。 ※ 図書館の貸し出しカウンターのそばに長門有希のバラバラ死体と彼女の荷物が残されています。 デイパック、支給品一式、ハイペリオン(小説)@涼宮ハルヒの憂鬱、長門有希の栞@涼宮ハルヒの憂鬱 【ハイペリオン(小説)@涼宮ハルヒの憂鬱】 キョンが始めて文芸部部室に入った時、長門有希が読んでいた本。 またその後、彼女が彼に貸した本でもある。 【長門有希の栞@涼宮ハルヒの憂鬱】 ハイペリオン(小説)に挟んである長門有希の栞。 ファンシーな花柄模様で片面には彼女からキョンに向けてのメッセージが記されている。 投下順に読む 前:二人の選択 次:酔っ払いの話 時系列順に読む 前:二人の選択 次:酔っ払いの話 長門有希 死亡 紫木一姫 次:ドラゴンズ・ウィル
https://w.atwiki.jp/sosdankyonkun/pages/38.html
SOS団の除籍免除条件 ①SOS団に相応しい名前のプレイヤー (涼宮ハルヒ、古泉一樹、長門有希、キョン、谷口) ②SOS団のチャットに頻繁にINする人 (長門有希、キョン、谷口、吠音 ヲン、ケロ秀、宇生、ゆーーーか、ティル) ③拠出ランキング10位以内の人 2013/08/30 9 12の時点 (キョン、新月、naoki、長門有希、hiro、NEPTUNE、御坂、ケロ秀、吠音 ヲン、谷口) ④xxx (涼宮ハルヒ、古泉一樹、長門有希、NEPTUNE、儀幕臣、ゆーーーか、zaltukusu、) と言いつつもあまりにもひどい場合は20%の確率で除籍します。 (矛盾してるぞ、矛盾w)
https://w.atwiki.jp/sos_aisare/pages/26.html
選手権記録 ニコニコ愛されキャラ選手権におけるSOS団キャラの各種記録のまとめ。 適宜、記録追加・修正お願いします。 当ページの訪問者数 合計 - 人 本日 - 人 昨日 - 人 キャラクター記録 各キャラにスポットを当てた記録です。 【優勝回数】 記録 回 キャラ名 4回 2,4,7,8回 長門有希 【最高順位】 順位 回 キャラ名 優勝 2,4,7,8回 長門有希 6 11回 古泉一樹 7 8回 涼宮ハルヒ 17 4回 鶴屋さん 18 9回 キョン 22 4回 朝比奈みくる 37 16回 朝倉涼子 【各キャラ最高コメント数】 総当りの記録。 記録 回 キャラ名 286,823 第13回 長門有希 151,949 第16回 涼宮ハルヒ 145,195 第15回 古泉一樹 69,147 第15回 キョン 43,218 第16回 朝倉涼子 31,437 第15回 鶴屋さん 25,893 第12回 朝比奈みくる 【各キャラ最高コメント増加数】 記録 回 キャラ名 +70,240 第9回~第11回 長門有希 +69,698 第9回~第11回 古泉一樹 +48,327 第15回~第16回 涼宮ハルヒ +26,580 第12回~第13回 キョン +23,214 第15回~第16回 朝倉涼子 +19,961 第13回~第15回 鶴屋さん +9,155 第11回~第12回 朝比奈みくる 【最高順位上昇数】 記録 回 キャラ名 +32位 第13回~第15回 朝倉涼子 +27位 第7回~第8回 涼宮ハルヒ +22位 第12回~第13回 キョン +16位 第6回~第9回 鶴屋さん +9位 第9回~第11回 古泉一樹 +6位 第8回~第9回 朝比奈みくる +3位 第1回~第2回 長門有希 ※鶴屋さんは7,8回不参加のため。 【初参戦順位】 記録 回 キャラ名 4位 第1回 長門有希 15位 第9回 古泉一樹 17位 第4回 鶴屋さん 18位 第4回 涼宮ハルヒ 18位 第9回 キョン 75位 第12回 朝倉涼子
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/3944.html
生徒会室の扉が静かに開いた。 長門有希が入ってくる。 「状況は?」 喜緑江美里が端的に状況を報告した。 「あまりよろしくありませんね。私と長門さんを除く地球上の全インターフェースで防御していますが、涼宮ハルヒの力に押されています。もってもあと3時間ぐらいでしょうか」 長門有希は、無言でうなずいた。 「思念体の様子はどうでしたか?」 「混乱している。各派の議論がかみ合ってない。そのせいで、私の提案の検討にも時間がかかっている」 「まあ、無理もないような気がしますけどね。宇宙開闢のときから存在していたと信じていた自分自身が涼宮ハルヒの被造物であることを知ってしまったら、混乱もするでしょう」 「あと3時間で思念体も消される。それまでには結論を出してもらわなければ困る」 「それまでに結論が出なかったら、長門さん一人でも強行するつもりなのではありませんか?」 長門有希は、その質問には答えずに、話題をずらした。 「各勢力の状況は?」 「『機関』は過激派が消滅していますね。文字通り構成員が忽然と消え去りました。周辺情報との整合性も何もありません」 「大雑把な涼宮ハルヒらしい所業ではある。未来人は?」 「この時空間への時間遡行がブロックされてます。時間軸の上書きも始まってます。こちらの朝比奈みくるのTPDDは消去されました。未来人には、この状況への対抗策は皆無でしょう」 「曲がりなりにも涼宮ハルヒの力に抵抗できているのは、我々だけと理解してよいか?」 「そうですね。それもあと3時間程度の話ですけど」 しばしの静寂。 そして、情報統合思念体から二人に唐突に指令が下った。 喜緑江美里が珍しく驚いたような表情を浮かべた。 「おやおや。長門さんに全権委任ですか。いつもはいろいろと条件をつけたがるお父様たちらしくもありませんね」 「それだけ混乱が大きいのだろう。私としては好都合」 「私だったら遠慮したいですね。大きすぎる裁量権をどう使ったらいいか分かりませんもの」 「私の行動を阻止できるのは、私の監査役であるあなただけ。判断を求める」 「穏健派がしぶしぶながらも同意したのなら、私としては否はありえません」 長門有希はうなずいた。 「あなたには、最終手段行使の際に後方支援をお願いしたい」 「了解です、プレジデント殿」 長門有希が生徒会室から出ていった。 情報統合思念体の全権代理として、力を自覚した神──涼宮ハルヒとの最終交渉にあたるために。 「喜緑君」 その呼びかけに、喜緑江美里は振り向いた。 「何でしょうか、会長?」 「これからいったい何が始まるというんだ?」 生徒会長の表情には、不安がありありと見える。 「心配することはありません。涼宮ハルヒが望む役割を果たしている限り、会長が消されることはありえませんから。ですから、いつものように、堂々と座っていてください」 「そうじゃない」 会長がなおも言い募ろうとしたとき、喜緑江美里は一瞬で移動し、彼との距離を0にした。 唇と唇が合わさる。 数十秒、沈黙が部屋を支配した。 「大丈夫です」 まっすぐと自分を見据えてただ一言そういった喜緑江美里に、会長は何もいうことができなかった。 文芸部室の扉が静かに開かれた。 長門有希は、内部を見回した。 開き直り気味の微笑を浮かべて座っている古泉一樹。 自分の無力さに打ちひしがれている朝比奈みくる。 それでも、キョンは懸命に涼宮ハルヒの説得にあたっていた。 しかし、キョンの言葉をもってしても、効果はないようだ。状況は最悪である。 「長門。おまえからも、こいつに言ってやってくれよ」 「有希、やっと来たわね。あんたの仲間の抵抗をやめさせてよ。どうせ無駄なんだからさ」 長門有希は、涼宮ハルヒの言葉にだけ返答した。 「その前に、情報統合思念体を消滅させようとする力の行使を停止してほしい」 「ダメよ。あれには消えてもらうんだから。そうすれば、有希も自由になれるわ。グッドアイデアでしょ?」 涼宮ハルヒは、100ワットの笑顔でそう言い放った。 強大な力は、ヒトを酔わせるものらしい。長門有希はそう思いたかった。これは、涼宮ハルヒだけに特有の現象ではないのだと。 「私は、情報統合思念体の全権代理としてここにいる。交渉に応じてもらいたい」 「かわいそうに。有希は、あれに操られてるのね。でも、大丈夫よ。すぐに解放してあげるから」 「おい、ハルヒ!」 キョンが割り込んできたところを、長門有希が阻止した。 「あなたは黙ってて」 長門有希は、今回は彼の判断をあおぐつもりはさらさらなかった。すべてを自己の判断と責任において処理し、彼に責任の一端も背負わせるつもりはなかった。 「これは、情報統合思念体とその造物主との間の交渉。他者の干渉は容認しない」 「しかしだな……」 「黙ってて」 静かな声であったが、それはキョンを黙らせるには充分だった。 長門有希は、再び涼宮ハルヒに向けて要請した。 「涼宮ハルヒ。情報統合思念体はあなたとの共存を望んでいる。交渉に応じてもらいたい」 「私は話し合うつもりなんてないわよ」 「どうしても?」 「どうしてもよ!」 涼宮ハルヒは、神の傲慢さを示すようにそう言い放った。 「そう……それは残念……」 長門有希は、この段階で最終判断を下した。 思考リンクを通じて、喜緑江美里に指令を下すと同時に、自分も情報操作を開始した。 「うそ……」 涼宮ハルヒは唖然とした。 「やっ……やめてよ。これは私のよ! 勝手に使わないで!」 涼宮ハルヒは、長門有希に飛びかかろうとしたが、透明なバリアのようなもので防がれた。 その部屋にいた他の者たちは、事情が分からずにただ呆然とするばかりであった。 ────パーソナルネーム喜緑江美里より、パーソナルネーム長門有希へ。涼宮ハルヒ本体と世界改変能力との間の連結経路を遮断。遮断壁に膨大な情報圧力があるものの、現在阻止率100%。遮断壁の維持可能時間は、30分程度と予測。 ────了解。 「有希!」 狂ったように叫ぶ涼宮ハルヒに、長門有希は淡々と告げた。 「あなたは、被造物の能力を甘く見ていた。情報統合思念体は、造物主であるあなたの力の発生源こそ解明してないが、その制御方法についてはほぼ解析を終えている」 「有希!」 「人間が神の力を盗むという神話は少なくないし、神の力を解明しようとする欲求が地球人類の科学技術を発展させてきたという歴史もある。あなたが力におぼれてそれらのことから何も教訓を学ばなかったのだとすれば、愚かなことだとしかいいようがない」 「有希!!」 「これより、あなたの力を用いて、世界構成情報の改変を行なう。改変の要諦は、原状の回復にある。すべての知的存在からあなたが力を自覚した以降の記憶を消去し、元の状態を復元する」 「有希ぃー!!!」 「そして、自分の力を自覚しえないようにあなたの認識能力に厳重にロックをかける。記憶消去対象には、あなたはもちろん、私と情報統合思念体も含まれる。例外はない」 「いやよ! 私だけが仲間はずれなんていやよ!!」 SOS団の中で、ただ一人、みんなから隠し事をされている存在。涼宮ハルヒは、そんな状態に戻りたくはなかった。 「力を自覚したあなたとも共存が可能であればそうしたかった。しかし、あなたはそれを拒絶した。あんなのでも、情報統合思念体は私の親。殺されようとしているのを座して見ていることはできない。私がなしうる限りでは、この選択が最善と判断せざるをえない」 長門有希は心底残念そうにそういった。 「ごめんなさい! ごめんなさい!」 涼宮ハルヒがそう叫んだが、長門有希はもはやその言葉を受け入れるつもりはなかった。 「世界構成情報のセット完了。改変開始」 終わり
https://w.atwiki.jp/datui/pages/59.html
「ごめん」 許してくれとは言わない。これはあまりにひどい裏切りだから。 せめて苦しまないよう、一瞬で。 長門有希は、鎌を突き立てる。自分を信頼し、背中を見せた古泉一樹の首筋に。 「長門さん……なぜ……?」 最後にそれだけ呟き、古泉は息絶えた。 「ごめん」 すでに聞こえていないことを理解しながらも、長門は古泉に対してもう一度呟く。 長門有希は、高校生でありながら政府の中枢に関わるエージェントであった。 しかし、あろう事か彼女の学校が今回のプログラムの対象に選ばれてしまった。 政府にも建前というものがある以上、彼女だけを参加させないわけにもいかない。 そこで彼女を失いたくない政府の高官は、秘密裏に特別ルールを作り事前に長門へ話を持ちかけた。 「プログラム内で5人殺せば、死亡を偽装して脱出させてやろう」と。 長門は、その話を受け入れた。ただし、「もう一人の生還」を条件に加えて。 「涼子……。あなたはこんなところで死なせない」 守りたいもののために、長門有希は敢えて裏切り者として修羅の道を行く。 【14番 古泉一樹 死亡】 残り37人 【25番 長門有希】 【学年】高1 【状態】健康 【所持品】鎖鎌、古泉の支給品 【能力】知力:S 体力:A 冷静さ:S クロス第2話へ クロス第4話へ 【14番 古泉一樹】 Former 初登場! Next 死亡 【25番 長門有希】 Former 初登場! Next クロス第19話
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4816.html
古泉一樹の誤算 この物語にはアレルギーを引き起こす恐れのある展開が含まれています。古ハルに拒絶反応が生じる方はご利用をお控えください。症状が見られた場合にはハルキョン甘々系を服用されることをお勧めします。 「……高度に発達した恋は、魔法と区別がつかない」 もくじ 古泉一樹の誤算 プロローグ 古泉一樹の誤算 一 章 古泉一樹の誤算 二 章 古泉一樹の誤算 三 章 古泉一樹の誤算 四 章 古泉一樹の誤算 五 章 古泉一樹の誤算 六 章 古泉一樹の誤算 七 章 古泉一樹の誤算 エピローグ おまけ(外部リンク) 関連作品(時系列順) 長門有希の憂鬱Ⅰ 長門有希の憂鬱II 長門有希の憂鬱III 涼宮ハルヒの経営I 古泉一樹の誤算 長門有希の憂鬱IV データ類 青空文庫版 プロット(Nami2000データ形式) 共著:◆kisekig7LI ◆nomad3yzec
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/3705.html
生徒会室の扉が静かに開いた。 長門有希が入ってくる。 「状況は?」 喜緑江美里が端的に状況を報告した。 「あまりよろしくありませんね。私と長門さんを除く地球上の全インターフェースで防御していますが、涼宮ハルヒの力に押されています。もってもあと3時間ぐらいでしょうか」 長門有希は、無言でうなずいた。 「思念体の様子はどうでしたか?」 「混乱している。各派の議論がかみ合ってない。そのせいで、私の提案の検討にも時間がかかっている」 「まあ、無理もないような気がしますけどね。宇宙開闢のときから存在していたと信じていた自分自身が涼宮ハルヒの被造物であることを知ってしまったら、混乱もするでしょう」 「あと3時間で思念体も消される。それまでには結論を出してもらわなければ困る」 「それまでに結論が出なかったら、長門さん一人でも強行するつもりなのではありませんか?」 長門有希は、その質問には答えずに、話題をずらした。 「各勢力の状況は?」 「『機関』は過激派が消滅していますね。文字通り構成員が忽然と消え去りました。周辺情報との整合性も何もありません」 「大雑把な涼宮ハルヒらしい所業ではある。未来人は?」 「この時空間への時間遡行がブロックされてます。時間軸の上書きも始まってます。こちらの朝比奈みくるのTPDDは消去されました。未来人には、この状況への対抗策は皆無でしょう」 「曲がりなりにも涼宮ハルヒの力に抵抗できているのは、我々だけと理解してよいか?」 「そうですね。それもあと3時間程度の話ですけど」 しばしの静寂。 そして、情報統合思念体から二人に唐突に指令が下った。 喜緑江美里が珍しく驚いたような表情を浮かべた。 「おやおや。長門さんに全権委任ですか。いつもはいろいろと条件をつけたがるお父様たちらしくもありませんね」 「それだけ混乱が大きいのだろう。私としては好都合」 「私だったら遠慮したいですね。大きすぎる裁量権をどう使ったらいいか分かりませんもの」 「私の行動を阻止できるのは、私の監査役であるあなただけ。判断を求める」 「穏健派がしぶしぶながらも同意したのなら、私としては否はありえません」 長門有希はうなずいた。 「あなたには、最終手段行使の際に後方支援をお願いしたい」 「了解です、プレジデント殿」 長門有希が生徒会室から出ていった。 情報統合思念体の全権代理として、力を自覚した神──涼宮ハルヒとの最終交渉にあたるために。 「喜緑君」 その呼びかけに、喜緑江美里は振り向いた。 「何でしょうか、会長?」 「これからいったい何が始まるというんだ?」 生徒会長の表情には、不安がありありと見える。 「心配することはありません。涼宮ハルヒが望む役割を果たしている限り、会長が消されることはありえませんから。ですから、いつものように、堂々と座っていてください」 「そうじゃない」 会長がなおも言い募ろうとしたとき、喜緑江美里は一瞬で移動し、彼との距離を0にした。 唇と唇が合わさる。 数十秒、沈黙が部屋を支配した。 「大丈夫です」 まっすぐと自分を見据えてただ一言そういった喜緑江美里に、会長は何もいうことができなかった。 文芸部室の扉が静かに開かれた。 長門有希は、内部を見回した。 開き直り気味の微笑を浮かべて座っている古泉一樹。 自分の無力さに打ちひしがれている朝比奈みくる。 それでも、キョンは懸命に涼宮ハルヒの説得にあたっていた。 しかし、キョンの言葉をもってしても、効果はないようだ。状況は最悪である。 「長門。おまえからも、こいつに言ってやってくれよ」 「有希、やっと来たわね。あんたの仲間の抵抗をやめさせてよ。どうせ無駄なんだからさ」 長門有希は、涼宮ハルヒの言葉にだけ返答した。 「その前に、情報統合思念体を消滅させようとする力の行使を停止してほしい」 「ダメよ。あれには消えてもらうんだから。そうすれば、有希も自由になれるわ。グッドアイデアでしょ?」 涼宮ハルヒは、100ワットの笑顔でそう言い放った。 強大な力は、ヒトを酔わせるものらしい。長門有希はそう思いたかった。これは、涼宮ハルヒだけに特有の現象ではないのだと。 「私は、情報統合思念体の全権代理としてここにいる。交渉に応じてもらいたい」 「かわいそうに。有希は、あれに操られてるのね。でも、大丈夫よ。すぐに解放してあげるから」 「おい、ハルヒ!」 キョンが割り込んできたところを、長門有希が阻止した。 「あなたは黙ってて」 長門有希は、今回は彼の判断をあおぐつもりはさらさらなかった。すべてを自己の判断と責任において処理し、彼に責任の一端も背負わせるつもりはなかった。 「これは、情報統合思念体とその造物主との間の交渉。他者の干渉は容認しない」 「しかしだな……」 「黙ってて」 静かな声であったが、それはキョンを黙らせるには充分だった。 長門有希は、再び涼宮ハルヒに向けて要請した。 「涼宮ハルヒ。情報統合思念体はあなたとの共存を望んでいる。交渉に応じてもらいたい」 「私は話し合うつもりなんてないわよ」 「どうしても?」 「どうしてもよ!」 涼宮ハルヒは、神の傲慢さを示すようにそう言い放った。 「そう……それは残念……」 長門有希は、この段階で最終判断を下した。 思考リンクを通じて、喜緑江美里に指令を下すと同時に、自分も情報操作を開始した。 「うそ……」 涼宮ハルヒは唖然とした。 「やっ……やめてよ。これは私のよ! 勝手に使わないで!」 涼宮ハルヒは、長門有希に飛びかかろうとしたが、透明なバリアのようなもので防がれた。 その部屋にいた他の者たちは、事情が分からずにただ呆然とするばかりであった。 ────パーソナルネーム喜緑江美里より、パーソナルネーム長門有希へ。涼宮ハルヒ本体と世界改変能力との間の連結経路を遮断。遮断壁に膨大な情報圧力があるものの、現在阻止率100%。遮断壁の維持可能時間は、30分程度と予測。 ────了解。 「有希!」 狂ったように叫ぶ涼宮ハルヒに、長門有希は淡々と告げた。 「あなたは、被造物の能力を甘く見ていた。情報統合思念体は、造物主であるあなたの力の発生源こそ解明してないが、その制御方法についてはほぼ解析を終えている」 「有希!」 「人間が神の力を盗むという神話は少なくないし、神の力を解明しようとする欲求が地球人類の科学技術を発展させてきたという歴史もある。あなたが力におぼれてそれらのことから何も教訓を学ばなかったのだとすれば、愚かなことだとしかいいようがない」 「有希!!」 「これより、あなたの力を用いて、世界構成情報の改変を行なう。改変の要諦は、原状の回復にある。すべての知的存在からあなたが力を自覚した以降の記憶を消去し、元の状態を復元する」 「有希ぃー!!!」 「そして、自分の力を自覚しえないようにあなたの認識能力に厳重にロックをかける。記憶消去対象には、あなたはもちろん、私と情報統合思念体も含まれる。例外はない」 「いやよ! 私だけが仲間はずれなんていやよ!!」 SOS団の中で、ただ一人、みんなから隠し事をされている存在。涼宮ハルヒは、そんな状態に戻りたくはなかった。 「力を自覚したあなたとも共存が可能であればそうしたかった。しかし、あなたはそれを拒絶した。あんなのでも、情報統合思念体は私の親。殺されようとしているのを座して見ていることはできない。私がなしうる限りでは、この選択が最善と判断せざるをえない」 長門有希は心底残念そうにそういった。 「ごめんなさい! ごめんなさい!」 涼宮ハルヒがそう叫んだが、長門有希はもはやその言葉を受け入れるつもりはなかった。 「世界構成情報のセット完了。改変開始」 終わり
https://w.atwiki.jp/tradingfigure/pages/115.html
涼宮ハルヒの憂鬱 2007年9月発売 735円 発売元:株式会社 トイズワークス ラインナップ 名前 備考 朝比奈みくる 戦うウェイトレスver. 涼宮ハルヒ 超監督ver. 長門有希 悪い魔法使いver. 朝比奈みくる バニーレッドver. 涼宮ハルヒ バニーブラックver. 長門有希 バニーホワイトver. 朝比奈みくる シークレットver. Secret 涼宮ハルヒ シークレットver. Secret 長門有希 シークレットver. Secret その他 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/276.html
ここには普通の日常系とかのSSを置いてください。 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 【題名付き・短編保管庫】 1 2 小説 Please tell a final lie こわれてしまった少女のはなし 五月の風、ふぁいなる 艦長ハルヒ保守 寝ぐせ byキョン 長門有希のカラオケ 谷口と国木田の恋 長門有希の密度 ある日の活動 スタンド・バイ・ミー うちゅうせんそう 雨と傘 新しい過去から君への招待状 夜行性の超能力者とインターフェイスのブギー who I hug? 非退屈的日常 恐怖 にぃた 長門有希の夏色 たなぼた―Now,that taste is bittaer― 宙の恋人 長門有希の白痴 足りない誰か ノーコミュニケーション 缶コーヒー あのスイッチを切るのはあなた 全知全能の神 コックリさん 克暑の宴 スーパーハルヒ 夏の夜の風物詩 ウルトラハルヒ 『傷つける』ということ 長門有希の計算 夢 two maniac 長門有希の遭難 RESOLVE 九月一日、月曜日 1/365の一欠片 悲恋 長門有希の秋色 悲愛 悲情 悲嘆 悲痛 混ぜてみるとこうなってしまった jino 平々凡々? 冬×街灯×公園 キョン 落日の夢 I am teacher 長門有希の冬色 初花凛々 ある寒い日の部室で 雪のきらめき キョンの面影 Before 5 years their deaths. 宿願写真 ソロハルヒ キョン転倒 デリバリー どうって事ない日常「偏屈ね 、」 Welcome to the beutiful world! 涼宮ハルヒの消失前日 めがっさ貯古齢糖 箱 熱すぎる季節 涼宮ハル○の性別 (キョン・ハルヒ性転換) 立場 わたしのあなた お茶会へようこそ! 長門の湯 明日に向かう方程式実践編 森園生の苦労 鶴屋の湯 夜と吹雪 部室でアイツとの会話 キョン「年中絵にしたいんだ、ここを」 (日常 掌編) 綺麗な夕焼け 羽 キュウリ 放課後の魔法使い(長門) 15498のはじめの1(長門) メルトインザレター インピーダンスマッチング 誰も知らない二人のためのフィルム 格付け 空に太陽が赤いから 涼宮ハルヒの解散 年上の女房は金の草鞋を履いてでも探せ ある暑い日の部室で 緊急脱出プログラム設置の真相 一樹の湯 テディベア みくるの湯 今夜はブギー・バック恋図mix 笹mix ハルヒの湯 お弁当 キョンの湯 想い出の卒業式 喪失 俺だけ一般人 エレベータ Luge 宇宙人じゃない長門 宇宙人じゃない長門2 宇宙人じゃない長門3(朝倉も宇宙人じゃない) 宇宙人じゃない(?)長門4 長門VSみくる 廃戦記念日 ラスト・ダンス 柑橘空にレモンのあわを 444回目のくちづけ 時の超越 橘さんと午後 驚愕後の断章 橘さんと午前 夜と街灯 夏を涼しく、気持ちよく ハカセくんと佐々木さんとハルヒの時間平面理論 渡橋ヤスミの下準備