約 344,718 件
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/26.html
オフ会の記録 オフレポをまとめてみました。書いてくれた方に対しては 事前に掲載許可を取っております。 第12回オフレポ ☆アンレーデ記 第12回オフ会レポ 第11回オフレポ ☆アンレーデ記 第11回オフ会レポ 第10回オフレポ ☆kuragroove記 第10回オフ会レポート1 第10回オフ会レポート2 第9回オフレポ ☆アンレーデ記 ゴールデン・ルーヴェ オフ会2009夏! in 大阪1 ゴールデン・ルーヴェ オフ会2009夏! in 大阪2 ゴールデン・ルーヴェ オフ会2009夏! in 大阪3 第8回オフレポ ☆アンレーデ記 09大阪冬の陣1 09大阪冬の陣2 09大阪冬の陣3 第7回オフレポ ☆アンレーデ記 江戸OFF1 江戸OFF2 江戸OFF3 大江戸愛物語(オフ2日目) 大江戸愛物語(オフ2日目その2) 大江戸愛物語(オフ3日目) 第6回オフレポ 大阪真剣紀行 その1 大阪真剣紀行 その2 第5回オフレポ ☆アンレーデ記 大阪巡礼記 ☆ライラ記 GL商会『夏OFF』 第4回オフレポ ☆アンレーデ記 大阪迷行記 1 大阪迷行記 2 ☆ライラ記 GLオフ会 新年第1弾 第3回オフレポ(アンレーデ記) 大阪遊楽記 その1 大阪遊楽記 その2 第2回オフレポ(アンレーデ記) 大阪激闘録1 大阪激闘録2 大阪激闘録3 第1回オフレポ(アンレーデ記) 大阪奮闘レポ1 大阪奮闘レポ2
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/112.html
第10回オフ会レポート2 大阪感想文2日目~kuragrooveの巻~ 2日目は完全に私の1人旅の模様デス。あらかじめご了承くださいマセ。 というわけで、眠い目をこすりながら何とか起床。 睡眠時間はかなり短いが以外とスッキリという「今日帰るのか」という何ともいえない緊張感からか、テレビをつけすぐシャワーへ。大体のイメージでしか2日目は考えていなかったので、ささっと準備しチェックアウト。 昨日は閣下、アンレさんの後ろをくっついてきただけなので「確かこっちだよな・・・」くらいの具合で梅田駅へ向かっていると「50M先メディアポパイ」の案内が。「昨日けんさんが言ってたネットカフェだ!」と直行w お土産に考えていた「堂島ロール」を買いにいこうと場所を調べる。日曜だし絶対混むであろうと予想していたので今ならまだ朝早いし、いけるかなと思い調べたが、最寄りの駅がなんともいえない位置で「うーーーーーん・・・」と考えた結果、歩くことにw 変な勢いだけはあったので、北海道で買っていた観光の本の地図を片手にトボトボと歩き始める。「おお!あのホテルがあの位置ってことは・・・・」とかブツブツ地図をみながら・・・・・・とととっとと到着!!! なにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい・・・・既に物凄い行列ではナイカ・・・・まだ9時半過ぎたとこなのに・・・・・・ 店は改装中らしく、カバーで覆われて中はみえなかったが、近くの橋の中くらいまでの行列(汗)。「うーーーん・・・ヤメタw」というわけでまた歩くことに。堂島の次は1週間くらい前にネットで難波グランド花月のスケジュールをみて、笑い飯が出ると書いていたので、もし都合ついたら見ようと思っていたが、先ほどメディアポパイで調べると出演者が変わっていることに気がつきはしたが、行きたかったので向かうことに。 歩く歩く・・・・・難波はまだまだだな・・・・・・と元町駅を発見!ここから電車で難波へ向かうことに。「えーーっと御堂筋線ですぐか・・」と難波へ到着、ものすごい人だ!!なんだか人は多いわ地下が広すぎるわで完全に迷子(汗)同じところを行ったりきたりしながら、何とかNGKの近くの階段を発見。えーーっとと、また札幌でいえば狸小路のような屋根つきの繁華街へ(大阪ってどこもこんなんなのねwと今更)NGKはこちら的な案内のあるがままに進む。キターw「ここがNGKか!!」と感動しながら一応出演者を確認するがやはり笑い飯はいない。しかたなく脇にあるお土産屋サンへ直行。そこには山積みにされた「オモシロクナ~ル」がw「こ・・・これは!!!」と5個購入wバッファロー吾郎がよくテレビで「今日は2錠飲んできました」とか言ってるのをみてたので(お笑い大好きデスw)友人ようと自分用に購入wブラブラしてこれまた予定していた近くのうどん屋を探す。ダウンタウンのまっちゃんが、テレビでNGKの近くのうどん屋の紹介を以前していたのを見たのでそちらを探すことに。道具屋筋をうろうろさらに裏手をウロウロウロウロしてやっと発見!若目の観光客風の人でまだ11時なのに行列!!20分ほど並びやっと店内へ。テーブル席が4つしかないものすごい小さな店だ。肉うどんだかってのを注文し、あっという間に完食!!さてと・・・・・難波の駅の地下へまた戻り「東京の池袋の駅ってこんな感じだったなあ」なんて思いながらフラフラし、喫茶店で一服。「さて次はどこいこうかな。まだお昼だぜ・・・」と店を出たところで急に一人旅の切なさ寂しさに陥るw「さ・・・・さみしすぎるぜ・・・・」まるで子供のようにアンレさんに電話wwwアンレさんも難波近くに来ているとのこと。「いや~~次どこいこうかと思って」「大阪城はいきやすいで」なんて会話で不思議とパワーを貰ったオイラは大阪城へ向かうことにw 天王寺駅でJRへ乗り換え、大阪城公園駅へ。昨日は梅田のツインタワーの展望台から小さくしかみれなかった大阪城が目の前に!!た・・・たまらんぜええええええと思いながらどんどんどんどん歩くwどんどんどんどん歩くwちょっと道が急になっても歩くw天気予報で「今日は大阪12度になります」なんていってたので、昇りきった時にはオイラ汗だくですw氷点下の国からきたオイラには厳しいっすwマフラーと手袋はサッとカバンにしまいこみせっかくなので天守閣の展望台へ。めっさこんでるし、韓国中国系の方がほんと多いですね。北海道もだけど。エレベーターでギューーン。展望台へついたものの、確かにいい景色だが、昨日ライラさんに連れてっていただいたツインタワーに比べると正直微妙wさらっと階段で下へ下へ。博物館的なとこはかなりちらりとで大阪城を後に・・・・さてと、次はどこいこっかなw大阪城きたんだし、USJはいけないにしてもやっぱ通天閣みとくかwってことでまたも天王寺駅で乗り換えて動物園前駅へ。 またもテレビでみた情報ですが、通天閣の近くの新世界ではおっさんが横になってたり謎の露店が多数あって危ないみたいなことをお笑い番組でやってたので、恐る恐る駅の階段を上り、キョロキョロしながら人の向かう方向へ。早くも新世界の文字がみえる。「あれ?新世界って随分賑やかじゃないか」何ておもいながら通天閣の見える方向へ進む。すごい人いっぱいだし、まあゴチャゴチャはしてるけどそんな危なそうでもないなと思いながら通天閣到着!多い時は何時間待ちとかなるそうですが、そんなんでもなく並ぶ。そしてギューーーーーーーーーンとエレベーターは昇り、展望台へ。「うーーーーーーーん・・」 やはり昨日みた梅田のツインタワーに比べたら・・・・w 通天閣から難波のマンションが見えたので「ちょっと難波方面へ歩いてみるかな」と軽い気持ちで歩くことに。「えーーっとこっちでいいんだよな・・・」と地図を片手にフラフラ。」「新今宮駅があそこだからブツブツ・・」だんだん町並みが変わっていく・・・・「あれ?」おっさんが横たわっている・・・・立ち〇ょんしているおっさんが・・・・・あれれ???謎の露店が・・・・・・ これは・・・・・まさに・・・・テレビで聞いてた新世界ではないか・・・ 明らかに道を間違えたらしく、歩くスピードが上がるw少しあるくと大きな歩道橋が。「お!あそこ右いくと難波方面って書いてる♪」というわけで歩道橋の下を「ぬう!!」ねているおっさんが沢山・・・・・(汗)歩くスピードはMAXにwww・・・・何とか通過し無事に突破w 「さてと・・・・・いらんとこで時間をくってしまった・・・・」 というわけで難波方面へ。そろそろ帰る事を考えなければ・・・・予定では道頓堀の方をまわって難波へ行く予定だったのに・・・あと難波駅は難波駅でも、関空へ行く南海電鉄の難波駅を見つけなければ・・・何て思いながら難波方面へ。「歩くんじゃなかったな・・・」と今更ながら思っていたところでやっと難波の辺りへ。「うわ~~大都会だな」とまた今更ながら思いながらホテルやらなんやらを思いっきり田舎もんで見回していると南海電鉄の難波駅発見w 「これで帰れる♪」やっと一息つき、またも喫茶店にて一服。「さて・・・・土産は結局空港で買うか・・・」と重い腰をあげ南海電鉄へ。 時刻表の見方がまったくわからず駅員さんに「関空へ行きたいんですけども」なんて聞くとやさしく「大体45分みてくださいね。このオレンジ色の・・・」何て教えてくれて、なんとか乗車!堺駅がある事に気がつき、「堺で乗り換えてみっかなw」とわざと快速ではない電車へwこれが大失敗で各駅停車おっそーw「まさか俺・・飛行機乗り遅れるんじゃないべな・・」なんていう不安な気持ちを抱えながら堺で降りたとたんに乗り換えの快速が到着w 「時間があればなあ・・リアル南蛮貿易でも・・・・」なんてのはおいておいて、やっとこ関空着♪土産屋をブラリブラリ。月亭はちみつがCMをやっているみたらしダンゴを購入w他適当に物色して飛行機のチェックインへ。 帰りはなんと羽田で乗り換え新千歳へというなかなかのハードスケジュール。 土日の旅行の予約は早いに越したことないっすねw 18時45分発の羽田行きの搭乗口へ。18時半発の新千歳行きの人で混雑している・・・まだ全然飛行機に人が乗ってないらしいw羽田行きの人なんて関係なくどんどん新千歳行きの人が押しかけてきて、順番なんぞごちゃごちゃに(汗)しまいには羽田行に乗る人達が「なんであの人達横入りするの見逃してんのさ!!」なんて怒りはじめてドッキドキw 何とか突破し飛行機へ・・・さてもう45分なるなあ・・・・なんて思っていると「まだ50名様ほど乗っていません」なんてアナウンスがw「ちょっとちょっと~~~オイラ乗り換えで帰るのよお~~」なんてドキドキしてやっとこ20分遅れでテイクオフ!!ベルト外してオッケーサインがでたあたりでササササと客室乗務員さんが「kuragroove様、羽田で乗り換えですよね」なんていって出口前の席へ場所を変えてくれるとのこと。さすがだなあ何て関心している間に羽田着!!「乗り換えのお客様は出口の係りへお知らせください」何てアナウンスwオイラの他に2名乗り換えの方がいたようで、待ち構えていた係員の後に続き、搭乗口へ直行wもっと遅れたら車に乗せられて搭乗口へ向かうらしいw 羽田で少し時間あるから更に土産でも覗こうと思っていたのに、トイレ行って一服して終わりw なんやかんやで新千歳へテイクオフ!!!そろそろつくかな~なんて思っていたらアナウンスが・・・「新千歳空港の只今の気温はマイナス8度です」・・・まじかああああああああああああ・・・昼の大阪は12度あったってのにいいいいいいい・・・20度違うじゃんwwwwww そんなkuragroove大阪旅行デシタ・・・皆さんとまた会えることを夢見て、これにて終了でございます。ありがとうございました。
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/89.html
「大阪満喫録」その1 昨日の予報通り朝から雨降りに見舞われた。 出発を夜に控えて浮かれ気分も程ほどに身支度を整えて職場へと向かう。 職場では何度もネットの天気図をチェックしながら せめてバス待ちの時間までには止んで欲しいと何度も更新ボタンを押す。 1時間毎の降雨予想動画が無機質に流れている。 ぎりぎりの所で雨は止みそうな予報に今は予報士の言葉を信じるだけだ。 昼を過ぎての天気図は小雨を示しているにも関わらず、外の雨は勢いを損なわず30分強度1.0mm程度の雨を持続している。 どんよりとした雲が空全体を覆っている。 職場内に植えられている木が厳しい風に晒され何度もその身を揺らす。 強風が吹くということは前線が通過している証拠(タブン…) この風が雲を押し流してくれることを信じ仕事へ戻る。 雨が窓を叩く音に少々滅入りながらも今日1日分の仕事をこなしてゆく。 終業のチャイムが鳴った。 思った以上に捗らなかった1日だったが、とりあえず心置きなく帰宅できるまでの仕事は終わった。 引継ぎ後は挨拶も程ほどに自宅へと直帰。 まだ雨はフロントガラスを濡らす。 ウチの勘ではもう上がっている予定だったが、思ったようにはならないもんだ。 帰宅すればすぐに出発という訳ではなく、出発予定時刻つまりは自宅を出る予定の時刻は20時50分、まだ十分な余裕がある。 いくらOFF会へ行くといっても担当する家事を疎かにするわけもない。 冷蔵庫の中身を物色し焼き魚とササミフライを作り上げる。 なんだかんだと過ごしているうちに一息つけたのは19時半だった。 それでも尚、まだ時間があるためPCに火を入れると今回の為に用意したウチなりのお土産を用意する。 商会HPへログインし、書き上げたばかりの駄文25話と26話を同時にUPする。 気付けば26話にもなっている駄文、時間の経過と共に遅筆具合が酷くなっているような気もするが、そこら辺を気にしていては心の衛生上よろしくないので無視w 20時20分、荷物の最終チェックを行う。 ぶっちゃけた話、各種予約の確認文書と路銀と常飲薬+ケータイさえあれば最悪現地調達で生活はできるはず…。 そんな訳で荷物の最終チェックはかなり御座なりな感じで手短に終わらせた。 20時40分、煙草を一服した後、いよいよ出発準備を始める。 簡単に言えばただの着替えw 連日の雨に気温が10度を切っている為、かなり迷ったが明日の最高気温は5度ぐらい上昇するという予報を信じ寒くはない程度の服装に留める。 家族の運転する車に乗り、バス停へと向かう。 所要時間は約10分、時刻は21時ちょうど。 相手はバスだけに遅れる事があっても、早まる事はない。 およそ20分の待ち時間、吐く息が白く見える中じっと身を固めて到着を待つ。 小刻みに体を揺らして寒さに耐えながら時計は21時21分を迎える。 しかし、バスが来ない…。 手前の道路工事で引っかかったのか否かはわからないが、来るであろう道の先を眺めてみても乗用車がちらりほらりと流れてくるだけ。 運休な話は聞いて居ない、「遅れる事はあっても」とは分かっていても何だかその後の1分2分が妙に長く感じた。 バスの中は7割ほどお客さんで埋まっている。 前回の時と比べれば空いているように感じる。 フェリー乗り場は終点の停留所。 無論、シャトルバス扱いなので無料なので気軽に乗れるw 乗船券売り場の具合も全く比較にならないほどで、むしろガラ空き状態…。 この空き具合が普段の姿なのだよwww 今回も事前予約を入れていたので所定の用紙に必須事項を記入すれば手続き完了で、サクッと待合室へ移動する。 どこもかしこも混雑は無く、すぐに乗船すると取りあえずニコチンチャージww 隔離された喫煙スペースはまだ誰も居らず、勝手にTVに電源を入れてスポーツチャンネルを観賞する。 その後、売店で缶チューハイを1本購入する。 前回の江戸OFFでは旅行気分に浮かれ4本も飲んでしまい不覚にも二日酔いになってしまった教訓を活かし今回は1本のみwww 飲み物類を部屋へ置き、次に向かったのはゲームコーナー。 懐かしのパチスロ4号機が遊べるってなもんで早速名機「吉宗」へ座る。 ルカは隣の「押怒 番長」でゲーム開始。 ゲーム数カウンターがついてないので全くボーナスを引ける気がしないが、久々に触る4号機に妙なHIテンションw 「せめて高確から家紋アタック or 対決演出をみるまではっ!」 と、上お得意様状態で100円玉が流れるように消えてゆく。 しかし、さすがは吉宗…名機の名機たる所以か、2kほど投資してようやく演出を見ることができた。 その間にルカはボーナスを引いている、しかもBIG。(ヤルナッw もちろん薫BIGで1G連に期待を込めたが「キーン」とは鳴らずあっさり終了w それでも獲得枚数300枚を超えたので景品に期待を込めたが… 「景品が出ないwwww」 係員の方、補充しときましょうw とまぁ、名機2種を堪能したところでゲームコーナーを出る。 他にクレーンゲームもあったが、全く興味なしwww 部屋へ戻り先ほど購入していた缶チューハイに手をつける。 2人でささやかな乾杯をし、ちょいとサッカーの話をする。 TVではスキージャンプの放送をしているが、昨今のルール改正で日本勢が苦闘を強いられている。 それでも数日前に14年ぶりの団体優勝をしたと聞いていたが、あれはクロスも含めての競技だからねぇ、ジャンプだけだと難しいか…。 0時を過ぎた頃、とりあえず混雑具合を測るべく先遣隊として風呂へ向かう。 1日の労を取り除くにはやはり風呂だな。 摂取したアルコール分を抜こうとサウナに入る。 「ぬるっw」 サウナ独特の「むぁぁ」っとした熱気がどこにもない。 設置されている温度計は89度…これはさすがにガックシ。 汗をかくどころか逆に乾いていくだけのサウナを見切り、湯船につかる。 「展望風呂」と書いているものの、窓に見える形式は黒一色w 洋上しかも夜となれば何も見えない。 雰囲気だけを味わい、体の芯に残る労働の疲れを抜き出そうとしばし堪能( ̄- ̄) 体も気分もポカポカになった所でササッと体を洗い風呂を出る。 入ったときも出るときも他客は1~2名…これぐらいの状況が丁度いいw 汗をふき取り、ドライヤーを手に取る。 「風力よわっwww」 HighだろうがLowだろうが風力に変化がないw ここら辺も新調した方が良いんじゃないですかね?w 高性能ドライヤーのお陰で体の汗も引き揚々と部屋へと引き上げる。 状況の説明をした後、ルカが風呂へ向かう。 とりあえず就寝前の一服を済ませた後、今度はお茶を飲みながらスキージャンプを一人で鑑賞する。 解説はどうやら原田さんらしい、長野五輪で金メダルを取ったのはまだ記憶に残っている。 ちょうどウチが学生時代、病院の待合室であの大ジャンプを見たのを覚えてるw 気まぐれな風、丁度いい向かい風が吹くタイミングで飛ぶのが距離を伸ばすスポーツだが、なんとも運要素の強い競技だな…。 もっとも飛び方や着地なんぞ、その姿勢によるポイントが加算されるのが「ジャンプ」競技としては何とも納得いかないような?(ウチだけかw 陸上競技なら「より高く」「より早く」「より遠く」で決着つくのにね、冬の競技はどうも審査員の判断に委ねられる部分が大きいような… っと、一人でモヤモヤと考えているとルカが戻ってくる。 「サウナぬるっ!」 やっぱりツッコミ所はそこかw ついでにドライヤーもツッコミを入れつつ時計を見ると1時前。 明日の準備を整えて今回は真面目に床に就く。 まだ少し残っているアルコール分に寝つきは幾分悪かった。 寝返りをうって頭をぶつけながらもなんとか3時間チョイの睡眠時間を取ることが出来た。 目覚めは悪くない、ルカと2人して朝風呂へ向かう。 件のぬるいサウナも朝イチだとナカナカの効果だ。 きれいサッパリと目も覚めて着替えようとロッカーへ戻る。 「あれ…」 ロッカーの鍵がないw 手首に残っているのはバンドだけ…おぃおぃw 再び浴場へ戻り鍵を探す。 湯船の中を探っていると、ルカが洗い場の床に落ちているのを発見w 「なんかヤな出だしだなww」 今思えば、ここら辺から何かを暗示していたのかも知れない。 1夜明けてもドライヤーは微風のままで、少々の時間を取られたが何とか展望風呂から脱出成功。 部屋へ戻り、時間を見計らいつつ準備する。 今日も0次会がある為、験を担いで勝率の良い服装をチョイス。 全て準備万端整ったところで上陸準備開始。 窓の外を窺うと綺麗に晴れ渡った空が広がっている。 雨と共に移動したかと思ったが、どうやらそれは杞憂に終わったようだ。 定刻になり行列に倣って大阪の地へ降り立つ。 船中からは窺い知れなかったが想像以上に暖かい日和だ。 上陸した客の大半はバスやタクシー乗り場へと向かっているが、それを余所目に電車ルートを選んだ2人は駅へとのんびり移動する。 ようやく見慣れてきた路線図をガン見し大阪駅までの切符を購入。 フェリーターミナル駅で待つこと10分、いよいよ移動開始だ。 「コスモスクウェアから本町へ行き、御堂筋線に乗り換えて梅田へ」 前回と同じようにルートを呪文のように口ずさみながら空席だらけの電車で移動する。 途中、大阪ドームを窓外に見てなぜか興奮したが差し込む朝日の直撃を浴びて、上がっていたテンションが若干萎えたw 何のイベントもなく梅田駅に到着、時刻は7時10分。 コインロッカーに荷物を預け、閣下へメールを送る。 件名「おはようゴザイマス」 ただいま梅田だす。これからJRに乗り換えて尼崎へ向かいマス。(送信 7:15) 閣下から「快速なら梅田から1駅」と聞いていたのもあり、路線図から尼崎を探すのは比較的楽だった。 切符を購入し、いざ尼崎へと思いきや。 「どの線に乗ればよい?」 まだまだ精進が足らん2人、乗り口案内を凝視し「なんとなくここ。」と京都線を選ぶ。 ホームの案内を確認し止りそうな予感に到着した電車へ飛び乗る。 見覚えのありそうな景色が窓外に流れ、アナウンスが尼崎到着を告げる。 しかし、先ほど送ったメールに対する閣下からの返事がないのが気になる。 一応念のためを思って改札前へ辿り着いた後、閣下へとメールを送る、この時の時刻は7時半。 礼儀正しい閣下の事、きっとスグに現れるだろうと通勤(?)ラッシュっぽい人民大移動の中、ぽつんと2人で閣下を待つ。 こちらの人は皆一様に防寒着を羽織っている。 それに比べ、駅内待機組の2人はどう見ても薄着…。 ただ、逆に「なぜ羽織るのだ?」と思わんばかりの暖かい日和。 駅内で風が無いとしても、かなり暖かいw ちょいと移動すれば俄かに汗をかきそうだ…。 15分が経過しても閣下からの返信やその姿はまだない。 「まさか、寝てるわけないよねぇ。」 ふとした疑問が頭を過る。 事前に7時過ぎには着いてるはずと連絡を入れていたし、よもやはなかろうと堅く信じて閣下を待つ。 8時01分 ええ加減に痺れが切れてきたw 三度メールを送る。 朝ご飯も一緒に食べる予定だったし、悠々と0次会会場へ乗り込んで並ぶつもりだったが、何となく暗雲立ち込めてきたか? するとスグにケータイが震える、閣下からである。 (閣下)「…あーもしもし。」 (アンレ)「おはようございます。」 (閣下)「おはようさん…。」 見事な寝起き声でございますwww (閣下)「今、どこ?」 (アンレ)「尼崎駅、改札抜けずに待機しとる。」 (閣下)「ほか…、今から支度して行きます。」 (アンレ)「ブルンヒルト号発進ですか?」 (閣下)「いあ、飲まれへんなるからな。電車で行くわ。悪いけどもうちょい待っててな。」 (アンレ)「よろしくー。」 っとまぁ、嫌な予感的中w ルカと2人で大爆笑www それから待つこと20分。 再び閣下から直Tellが入る。 改札を抜けて左、北口方向へ進み歩道橋のような所を進んだところで合流することに。 指示の通りに進んだはずだが、降りる場所が仰山あるやんwww 一度降りて、また登り閣下の姿を上から探すが、さっぱり見つからない。 仕方なく北口へ戻り再Tryする。 そこへ再び直Tell。 (閣下)「今どこ?」 (アンレ)「北口に戻って、正面に○○建設って作りかけのビルが見える。」 (閣下)「あぁ、それならそっちに向かって真っ直ぐやな。」 知らない土地でのTellナビ移動はドキドキするの…。 見落としてはいけないと注意深くなってしまうだけに、余計なものまで疑ってしまうw 結局、最初進んだルートが正解だったらしく同じ道を2度通る羽目にw ようやく閣下と合流が叶い、計画通り(?)に朝食をいただく為に「松屋」さんへ向かう。 駅から歩いて数分の所にある為、合流後すぐに到着する。 実は、松屋さんで食事するのは初体験…なるほど食券制なのか…。 朝だろうが夜だろうが、あまり食べる方ではないので軽く牛丼でと思っていると。 (閣下)「わしはコレにするわ。」 なんとっ、朝から焼肉定食デスカ! (ルカ)「これかな…。」 あんたは生姜焼き定食かっ! (アンレ)「んじゃ…。」 なぜだ…なぜウチはデミ玉ハンバーグ定食の食券を握っている?w これって、昼ゴハーンじゃなく朝よ?… テーブルの上に並べられた定食3種、実に見事な光景ですなw それでも空腹には違いないので美味しくイタダキマス♪ 美味しく押し込みながら、しばし歓談とお食事タイム。 閣下のWCCF話はウチがやってた頃と随分様変わりしてて、レギュレーションも細かく決まってるらしい。 はまってた頃は1ヶ月にン万円使ってたが、ウチの場合勝負よりもカードコレクターへ進む傾向が強く、財布が大変なコトになった思い出も遠い昔…。 はっきり「5U」とか言われても全く理解できなかったけど、閣下の話しを聞いているうちに何となく理解するw 詳しくは閣下から直で聞いてくださいw 時刻は9時ちょうど、整理券配付が始まったw 豪勢な朝食をなんとか平らげて、店を後にしてスグにタクシーを捕まえ戦場まで移動する。 これも人生初の事、なんとなくブルジョア気分w 戦場というか敵はMHにあり。 地元にもあるチョーが着くほどの有名店。 ただしっ! 地元での勝率は1割を大きく下回るw ウチにとっては因縁の相手だw おのぼりさん力を駆使し勝ちを手中に収めてやる… そんな気負いを基に整理券を貰ってみると180番…スゴイ数字だw 所詮は初見の店、クセもなにも分かったもんじゃないw 座れればOK♪ 整理券を受け取った後、開店まで時間があるので缶ジュースを片手にサッカー談義(WCCF談義とも言ふ)w 「ゾフが…」 「カントナが…」 「ベルカンプが…」 「ペレが…」 「トーレスが…」 「黒だ、白だ、キラだ…」 「シーマンが…」 「シェヴァが…」 「クレスポが…」 「センシーニが…」 恐らく、たった30分の会話だけで長編大作ができそうなぐらいだったので泣く泣く割愛します、分かる人だけ雰囲気を感じてくださいw 9時45分、再集合がかかる。 ずらりと整列した歴戦の猛者達の最後尾付近に整列し順番を待つ。 ぞろぞろと入場してゆく様を見ながら「何かの宗教っぽい」と心で毒ついてみる。 10時過ぎ、ようやくウチ等の入場となる。 入店してスグに目に飛び込んできたのが30ΦのHANAHANA、シオサイ30などいわゆる「光物」。 これほどまでに数を置いてるのは初めてお目にかかるw 触ってみたい気持ちもあったが、今回は鉄の意志でヌルーしとりあえずエヴァのシマへ。 リーチ目ボーナス機全盛から楽しんでる者としては何よりものご馳走です♪ そりゃ出球に関してはAT機にゃ負けるけどねwww それでもエヴァはイイっ! エヴァ自体が好きだし、ボーナス機っ!完璧ですねっっっっっw どっかりと座って勝負を開始して早々、ルカがジュースの差し入れを持ってきた。 30ΦのHANAHANAに座り1kで光らせたらしい…さすがw 一方、エヴァの2人はというと3kの投資で100Gチョイしか回っていない…たかが3kで見切るのも早いとは思うが、まだ空き台が残ってるという事で眠っているお宝台を探しに移動する。 エヴァのシマを抜け、南国のシマへ…。 次なる相手は南国育ち1064番台。 そしてこの台が想像を超える結末を用意してくれてた。 南国育ち 1064番台 (0G~) 258G:BIG(NC確定フリーズ) 16 G:NC 60 G:NC 115G:NC 166G:NC 214G:REG 2 G:NC 17 G:NCパンクwww 620G:BIG 940G:REG 45 G:BIG 148G:REG 340G:BIG 散々たる、凄惨たる結果になりましたw 不注意でNCをパンクさせてしまってからは泥沼のような展開。 まさしく鳴かず飛ばずwww 4桁ハマリは回避できたものの「遅れ」ハズレ4回もあって飛ばず…。 重たい初当りと小役率の悪さが台の本質を語っているw ま、ハマるのは全く気にしないんだけど、どうしても気になって仕方がないことが4つほど。 1. 店内BGMがチョーやかましい。 2. 稼動9割以上で台移動ができん。 3. 閣下の台が天井発動しかも継続中。 4. こうひえクンがインフルエンザにより宴会キャンセル。 ガンガン響くBGM、暢気に演歌が流れる地元ホールに比べて鼓膜直撃なサウンドが生体リズムを狂わせるw スロットはレバーを叩いた瞬間に全てが決まる勝負なだけに、Myリズムがとても大切。 しっかし、ホンマに大音量だ…むしろ騒音(。。; 都会の洗礼に辟易しながら周りを見渡すと、いつの間にか周囲には空き台が殆どなく移動するにも出来ない状況に…さぁ困ったww 普段から軽く移動を繰り返すタイプなもんで動けないのはヒジョーにキビシイ(><; ともかく目の前の台と再び向かい合い投資継続。 ウチの財布も火がついている状態でもあるが、閣下の台はもっとスゴイ事に。 REG後1000Gを越え、とうとう天井が発動。 持ち玉が減らない状況ではあるものの、南国育ちって台は「キュヒンッ!」って鳴きが醍醐味の機種だけに、この状況はまさに針のムシロ; (アンレ):「通常ゲーム飽きたよ~」 (閣下):「こんな№1、№3でGL大丈夫なんかいなwww」 (アンレ):「姫が居るw」 心の叫びを越えに出しながら台の機嫌を取ってみるが、さすが都会のツンデレお嬢…。 そろそろ「デレ」Timeを…(T-T) 気分を変えるため、ちょいとお手洗いへ。 ン千台もあるホールのWCともなると広いなー、とそこにチラシが目に入る。 「毎月1日は生誕祭」 なんですかコレは? 明日がイベントですか? つかイベントって何ですか?w そうです、地元は数年前から当局のお達しにより「射幸心を煽ると思われるイベント等の告知」が禁止されているんですw なので大々的な告知を伴うイベントというモノが存在しませんw なんとなくこんなチラシを見ると前日となる今日は必敗の影がチラついてしまって、結局その成す技もなく大敗を喫しましたw イベント万歳な営業に対しては何も言えないけど、今日座った南国には地元と同じニオイを感じた、予想設定は「-4」かなwww 一方、2度ほどジュースの差し入れをしてくれたルカはというと…大箱使ってやがるw まぁ30Φなんでチョイと連荘すればスグに大箱なんだろうけど、それを差し引いて余りある出球w 本日の結果 閣下:惨敗 アンレ:パチスロ歴過去ワースト1の負け ルカ:大勝利 成す術なく、爪を折られ牙を抜かれた2人に対しルカはハイビスカスをチョー満喫してホクホク状態w イベントを駆使する店で2台並んで勝つってのは難しいんかな~…。 そういうのに慣れてないってのもあるし、「タラレバ」話は好きじゃないけど、CR機ならそういう事もありえるかもね?と考えをまとめたが、それも後の祭りだったw ルカの好意により「ノリ打ち」になったので銀行直行は逃れたが、ウチの投資額を聞いて閣下はドン引きしていたww 「旅金は捨て銭」と割り切ってるんでハマリや投資で不機嫌にはならないんだけど、ウチの精神修行が未熟なせいで閣下がちょっと気まずそうだった。いぁはや、未熟者ですみません…。 時刻は15時手前、すごく長い時間を過ごしたようだったけど意外と時が進んでないw (閣下)「とりあえず梅田へ戻りますかw」 集合時間まではまだまだ時間があるので梅田ぶらりへ向かってみる。 JRでガタンゴトンと移動する。 ホテルのチェックイン予定時刻は17時にしていたが、前倒しでホテルへ直行w 2日前に内装工事を終えたばかりのホテルだったが、一見してなんら変わってない? どこが変わったのか凝視しながら部屋へと向かう…なんだか妙に歩き心地が…まさか? 通路の絨毯が変わった?ww 部屋の中も大して変わってないような…いぁ、マテ…なんだこの機械は? なんと、イオン空気清浄機が設置されている!これか?これなのか?ww 全室設置だとすると、えらい繁盛してる証拠だな…ま、一等地といえば一等地やしw 荷物を降ろし、とりあえず気分一新の為に顔を洗う。 冷や汗か脂汗か分からない油膜を取り除き、煙草のニオイが染み付いた上着を着替えてロビーへ。 いつものように2人はロビーに居らず、外で一服中。 (閣下)「風呂入ってきたか?」 (アンレ)「そりゃ勿論ww」 少し支度が遅れると風呂の疑いを掛けられる、前OFFからの慣わしになったか?w ホテルのスグ近くにカードショップがあるというので興味本位も重ねて向かってみる。 とあるビルの2Fにその店があるというが、その1Fに「耳かき処」なる看板をハケーン! 某街にある大将浪漫 足湯並みに気になる!!! なんでも膝枕で耳のお手入れ(?)をしてくれるそうなwww いぁ、さすが大都会大阪ですなww カードショップは妙に熱を帯びた連中が熱くベスビオ火山から流れ出るマグマの如く灼熱の談義を交わしている…。 そんな○○な連中を心の中で「フッ」と一笑しながらショーケースに陳列されているWCCFカードに目をやる。 「ペレ 50k↑かw」 まさしく『桁が違う』、こうなると大人の遊びだと痛感するw 残念な事にセンシーニのカードは売ってなかったが、ベルカンプを発見♪ こうやって眺めてるとゲームセンターで擦るより額装して飾りたいな…いぁ、まじで綺麗を通り越して美しさを感じる…( ̄- ̄ )ウットリ 少々の時間を潰し、ヨドバシカメラにサッカーグッズも扱うとゆうスポーツショップがあるとの閣下情報を基にホワイティうめだを歩き出した所で、忘れ物に気付く。 「時間はまだまだあるw」 と、引き返しもう1つのお土産をポッケに忍ばせ再びホテルを出る。 なんだか今回は「再び」という言葉がピッタリな旅だw いつ足を運んでもヨドバシカメラは人の波が出たり入ったり。 景気の良い店員さんの声がいたるところから聞こえてくる。 ともかくお目当ての店を探すべくエレベーターへ搭乗…なんとなく5Fっぽいというので降りてみるものの、それらしき気配がない・・・ (その2へ続く)
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/81.html
けたたましく目覚まし時計が部屋に響く。 ホテルにありきたりのデジタル時計ではなく、そこら辺のホームセンターに売ってる針時計が備え付けなのがなんとも情緒溢れるねw エアコンを掛けっぱなしで乾いた喉を残りのヴォルビックを押し流して強制的に潤わせる。 時刻は8 30、田舎モンにしては寝坊した時間だな。 ま、これも旅ならではの贅沢だの♪ なにはともあれ風呂を浴びないと1日が始まらない、寝癖姿もお構いなしにタオルを手に取り大浴場へ向かう。 エレベーターを降りようとすると、なにかすごく急いでいる女性とぶつかりそうになる。 朝イチから面倒だ…。 部屋へ戻った時間は9 00、バッグから服を引っ張り出し、手早く身支度を整える。 昨晩、放浪の末にファ●リーマートで購入していた朝食を頬張る。 菓子パン類なら地域毎の味覚の差もないだろうと、購入していたが、まだ覚めきっていない思考回路では味云々を語れるほど味を感じていなかったりw 9時17分、閣下にメールを送る。 9時25分、ルカとの待ち合わせの為ロビーへと降りる。 すでにルカが待っていた。 都会の目覚めが遅いのは過去のOFF会で経験済みというわけで、開店前の状況を視察をかねて付近の散策をしようとホテルを出る。 空は昨日と同じような曇天模様で、今回の遠征はこの雲と行動を共にするようだw 夜の景色とは違って昼間の神田駅周辺はどこか物寂しげで正しくオフィス街であることを証明している。 通りの人影は疎らで、大通りですら走る車の数も片手で数えられるほど。 ここまで両極端な二面性を持つ町が江戸なのか…。 ホテルを出て道も分からず右へ左へと辺りを散策する。 閑散とした道に街路樹が寂しく天を向いている。 ビルの工事で交通整理している人とすれ違い様に朝の挨拶をしつつも、お目当ての店はみつからない。 一通り辺りを見て回った後、今度は駅周辺へと足を向ける。 昨日数件のお店は発見済みなので人が居るかどうかを確認する。 ぐるりと見渡して4軒、その内人の並びが1軒という状況…。 なんか寒い予感がビンビンしてくるw しかも明くる25日が新装予定だという店が殆ど…アカンなw 神田駅へと戻りながら閣下へ再びメール。 アンレ>>閣下 「神田駅周辺はショボいので日本橋へ向かいます。」 送ってすぐさま、閣下からTellが入る。 閣下 :「日本橋周辺も何もないわw」 アンレ :「そーなん、どうする?」 閣下 :「今どこ居るん?」 アンレ :「神田駅ホームやね。」 閣下 :「そかそか、んじゃそっち行くわ。」 アンレ :「よろしく。」 待つこと数分、東京メトロ銀座線の車両から閣下が現れた。 3人集まってホームのど真ん中で作戦会議を開くw なにせ土地勘のない人間ばかりなので、どこへどう動けば良いのかまったく分からないのが突きつけられた現実。 銀座線の停車駅を睨みつつ暫し沈黙… 「聞いたことある街なら良い店あるかも?」 全く根拠の無い理由をこじ付けて作戦会議は3分で終了w そして3人が向かった先は「銀座」! チョー有名な町ですわな、お洒落そうで「せれぶ」な人が金銀財宝を両手に飾り付けて高級そうな成りを見せ付けて、どの店も一見さんお断りのような敷居の高さが支配する町というイメージが…。 そんな不安をよそに地下鉄は銀座に到着する。 広い駅の中、適当に地上へ顔を出してみる…なんだか威圧感を感じる町並みw 地上へ出てすぐにお店をハケーン 既に開店時間を過ぎていたので喫煙Timeを兼ねて視察に入店。 ウチ等の目的はただ1つ「花の慶次」これ1つ! しかもある程度回転数が稼げる釘を所望♪ 更に言えば、閣下にとっては「OFF会全勝記録」の掛かった大一番でもあるw 店に入ってスグにずらりと並ぶ慶次を発見、釘はというと…至って普通…江戸ってこんなもんか?w ぐるりと店を見て回って新台の札の刺さったミニスカポリスの台を発見。 …新台でこれかっ! この店は理想郷とは程遠い店だったw 煙草1本の休憩を挟んだ後、アッサリと店を出る…。 気を取り直して、次は道路向かいにあるあの店だ♪ お店の名前は聞いたことがある、ウチでさえ聞いたことがあるならさぞ優良店にチガイナイ。 そう信じ足を踏み入れる。 店舗的にはさほど大きくない、そしてさほどお客さんが入っている様子もない。 何より空席台の釘が結構良い感じw ここが捜し求めた優良店なのかっ!?(☆_☆)キュピーン! 店の奥へずずいっと進み、探していた慶次のシマに到着ってアレ…。 なんでココだけ満員御礼なん?!Σ( ̄□ ̄; なんという罠…これは国家的陰謀に違いない…。 泣く泣く店を出ると再び驚愕の事実、この店禁煙らしいw 喫煙者3名いて仮に座れたとしても耐えられんわwwww 苦笑いを浮かべつつ、再び店を出る。その店先に何やら情報端末らしき物体があったのでクリック♪ 銀座周辺のお店は4・5軒しかなく今までで2店舗消えたw 禁煙店の裏側すぐに喫煙できる姉妹店があるとの情報を得て、早速内部調査を…。 ま、似たような感じw 店を出て再び元の大通りへ戻る最中、ふと視線を右へ向ける。 アンレ :「…(な~んか見覚えある建物だな)……あっ!歌舞伎座!」 ルカ :「ん?…ほんまやw」 閣下 :「歌舞伎座激写!」 いぁいぁ、偶然の産物とは楽しいもんですねw ビル群の真ん中に異色の建物がでで~んと威張り倒すように鎮座してましたw 銀座で探すのはほぼ絶望的という仮定を立て、このまま新橋方面へ徒歩で向かうことにする。 あぁ、やっぱり事前調査は大切やな…早く座りたいw そもそも回る釘の大前提と共にもう1つ大きな希望があった。 それはビル1棟すべてパチンコ屋というお店!いわば大型店ってヤツw 田舎では味わえないヤツを味わおうというのが旅の醍醐味っちゃ醍醐味だし♪ もぅお馴染みとなった道端の近郊地図に閣下の鋭い視線が注がれる。 閣下 :「こっちや!」 再び閣下のレーダーが鋭く働いた。 田舎モン2人がそれについて行く、小規模ながら昨日のカルガモ行列の出来上がりw 瀟洒なビル街(?)をジグザグにヨタ話を挟みつつ移動する。 途中に元横綱が経営するちゃんこ屋を見つける…都会だw それなりの距離を歩いても新橋駅が見えないのでビラ配りしてるおにーさんに道を尋ねる。 今度は方向バッチリ♪ 昨日から閣下の勘は冴えに冴えている♪ 更に歩くこと数分、徐々に増え始める人の数に駅が近いコトを知る。 そして駅っぽいものが見えてきた頃、ようやくお店ハケーン♪ サスガにそろそろ腰を据えたいが…この店には慶次の「け」の字すら見えなかったw 諦める事無く次はガード下に見える店へGO♪ もうこうなったら見える店を手当たり次第に入っていこうと徐々にテンポよく足が動くw ガード下にも関わらず人の数はチョー疎ら…開店時間もカナリ過ぎ、しかも日曜日にこの調子では店の程度が知れるというものだw 3人の危険レーダーが己の財布の危機を察知するw 何食わぬ顔でガード下の店を出て、再び放浪の身に…あぁ、パラダイスは何処にw 新橋駅付近の散策を再会し、西の方面へ足を向ける。 天候はいまだにすっきりしない、逆に田舎と違って風の通りが悪いためか湿気が町全体を覆っているように思えるほど蒸し暑い。 額に汗をかきつつ、アテなく西へ向かって歩く。 すると遠目に2軒ハケーン♪ しかも、1軒はチョー有名店某緑豆じゃないですかっっ! 一気にテンション上昇(≧▽≦)b 当然、対面にある店の調査も忘れない、スンゴイ狭い店で目の前にある店が気になって仕方ないので早々とそちらへ向かう♪ がしかし、なんか店の雰囲気がオカシイ… 活気というかオーラというか生気というか賑々しいはずのホール全体が静寂に包まれている。 それでも3名はそのビルへと向かって歩く。 そしてホール入り口へたどり着くと、中から綺麗なおねーさんが出てくる。 「明日(25日)新装なんですよ。今日は整理券の配付日になってます。」 緑豆…使えん…。 もぅいい加減にすわりたいんですが…w 3人の雰囲気もカナリ↓↓気味、昨日から移動に次ぐ移動にかなり体中に疲労が溜まっているのが正直なところだったりw 緑豆を離れ、すぐの角を曲がった所に新橋では最後の1軒が看板を掲げている。 もう期待するという気持ちすら薄れかかった状態で入店する。 1階はエヴァと慶次、B1~B2がスロット、客つき疎ら…。 しかし、一見して慶次の釘は良さそうに見えなくも無い。 もっとも今にして思えば、疲労と焦りと失望感から正常な判断が出来なかったのだろう…。 とりあえず先日の結果もよろしそうで、ここで座ろうという結論に達した。 3人並んで慶次とイザ勝負。 っと、その前に閣下とルカがそれぞれにコーヒーを買ってくるw 開始直後から2本のコーヒーをノルマに課せられた状態で、ウチを真ん中に左に閣下、右がルカという布陣で戦闘開始! 開始して30分、左右の2人に比べてウチの台は腹ペコ状態だったらしく、野口英世さんがどんどん飲み込まれていく…。 しーかーも、楽しい演出がまったく来ない…愛が…愛が足りないのかっ! せめて銀枠…赤襖…いぁ、赤扇子でも良いんですが(==; 淡々と愛情を注ぎ込む右手が止まらない…。 あっと言う間に10k投資、回転数は180回…交換率知らないけどダメちゃう?w 全く良いところのないウチに比べ、閣下もルカもそれなりに楽しそうな演出がでてる。 ※ 当たってはないw 一応、1度は「もののふチャンス」を見ることはできたが、なんともパッとしない。 アタリを引けない3人の雰囲気がどんどん沈んでいくw 何が辛いって回転数が稼げない事、気付けば3人とも眉間に皺がよっている…あらら。 徐々に無言になりつつ雰囲気の中、巡りが変わるか否か剛田卿が現れた。 これで何かの運気が変わればと思いつつ、4人でデジタルを回す回す回す…。 各台に設置されている腕置き(手置き?)がビミョーに具合が悪いw 湿気で汗ばむし、高さ調整がハンパだし、なんかイライラするw 恐らく10k投資したトコロで見切れば良かったのかもしれないが、あまりにも展開の悪さに誰しもが不機嫌そうな面構え…皆さん…人相悪くなってますよ?w それでも諦めずにデジタルを回すこと18k目、ウチの台に異変が… 七霧ステージ:金襖予告4回→7リーチ→発展時稲妻発生→奥村リーチ(タイトル白)→カットイン(大) と、なんか期待させる演出が続き、固唾を呑んで液晶を睨みつける。 6-7のダブルリーチ、6をすんなり外して高まる緊張感っ! 目力を「これでもかっ!」と注ぎ込みつつ凝視! しかし7の図柄はスルリと通り過ぎた…やっぱりダメかと思った瞬間に「大ふへん者」図柄がキラーン! キタ━━━(゚∀゚)━━━ッ! RB(ランクアップボーナス)だけども、プライベート打ちで総額●00k投資にして、初の慶次大当たりっ!!! 初当たりが江戸って言うのが粋だねぇw あとはコレが85%の確変で、尚且つ夢見るは「大連荘!」 皆の投資分をウチがたたき出す!目標3万発www 冗談はさておき、このRBから徐々に流れが4人に向かってくる。 初当たりでウキウキ状態のウチの右隣から熱そうな声が「前田慶次、これより修羅に入る!」 いわゆる金枠予告でつ、しかも次の瞬間にキセルで一服する慶次の姿が… キセル予告キタ━━━(゚∀゚)━━━ッ! チョー熱いんです。 やはり城門突破打法は効く! 今回は右へ伝播したけどw あとは両端の閣下と剛田卿だ、アタリの流れよ来い来い! 戦モード中はBGMが某格闘家の歌になります。 無論、ウチには初モノでつw 「おりゃおりゃおりゃ~!もひとつおまけにおりゃ~!」 ま、歌詞の内容はサイテーですがなw 意気揚々と打ち込むウチ、85%確変ならば連荘して当たり前! これからはパラダイスが待っている!…はずw それを証拠に確変終了の危機を悉く回避してゆくw 閣下 :「こういう台が伸びんねん!」 普段から慶次を打ち込んでる閣下の言葉を信じ、ウチのボルテージは最高潮にっ! そして閣下の言葉を裏付けるように15Rの大当たりを2連荘させ出玉は3箱弱。(約4300発) 最低限の出玉は確保した、あとは連荘数をどれだけ伸ばせるかの勝負。 と、ここで剛田卿が戦線離脱。やはり釘が渋いのが原因か…w 閣下はと言うと「なかなか穴へ入らへん」まだまだご機嫌は斜めの様子…。 そして徐に席を立った閣下は気分転換にWCへ、ハマってル時はこういう事が大切なんよねw が、この閣下の離席が流れに微妙な変調をきたす…。 なんとなく違和感を感じたウチの台に最大のピンチがっ、と思うと閣下が戻ってくるまでにアッサリと2R通常を引いてしまい、連荘終了…。(大涙 ガックリしているトコロにルカの台から「ピキーン!」…おっΣ( ̄▽ ̄; どうやら、時短中に引き戻したらしいw ルカはケータイにランプ判別の資料を忍ばせているので、ホンマの引き戻しらしいw なんたる豪運…だが、ここで使っていいのか?w 仕方ない、皆の投資分を回収する役目は譲ろうww という訳でウチはこれから再び戦場に戻る( ̄^ ̄)ゝ アンレ兄弟の賑やかさをよそに閣下はじっくり粘り腰でデジタルを回している。 いかんともしがたい展開にアレコレと手を尽くしているものの、さすが1/399の確率にヒキ強の閣下も苦戦を強いられているようだ。 閣下…今はひたすら愛(現金)を注ぎ込むのですw んで、一方のウチはと言うとハンパの1箱を飲み込まれ、次ぎなる箱に突入…。 アッサリと出玉が飲まれてゆく…さすが慶次…大傾奇者だぜw 1箱判別で台のクセは分かった、120回転/箱=20回転/kって所かな、等価なら勝負できるだろうけど、江戸で等価店ってあるんかいな?w そんな素朴な疑問を自分に問いかけつつ持ち玉を減らさない手立てを講じる事無く収穫は減っていく。 「散るならせめて華麗に散るが良い…」 そんなどっかで聞いた名言が脳裏を過った時、閣下の台に好機がっ! 赤扇子→銀枠上下→赤襖+奥村家々家紋(九枚笹)→奥村リーチと順調に発展w 更にここでカットイン(大)を追加しいよいよ緊張が高まるっ! 皆の注目の中、デジタルの中図柄に「大ふへん者」がががが! 閣下 :「やっとやw」 長かった…慶次で当てるってこんなにツライのか…。 閣下がRBを引いた頃、ウチの持ち玉は残り1箱にw 今、どう考えてもマイナス路線まっしぐら、この1箱を投資するか否か…。 苦渋の選択を前に残っていたコーヒーをグググッと喉へ流し込む。 アンレ :「流す!(精算する)」 はっきり言って、交換率を知らずに打ち続けるには我慢の限界だw 戦線を離脱した剛田卿には悪いが他3名は出球がある。 ここで切れば多少なりともお持ち帰りがあるw と勝手な解釈を立てつつ、キッチリ1箱を精算機に流して景品交換所へ向かうと1600発チョイでキッチリ5k…大赤字ですなw 交換率は大体35発交換か、んで20回転/1k…ここもパラダイスではなかったらしいw 散々歩いて探した結果がこんな事になろうとは、やはり事前調べは重要だという教訓だった。 これだけ交通網が整備されているなら、もっと広範囲にリサーチを掛けるべきだったな。 まったく、完敗ですわw 景品交換を済ませふらりと店内を見て回ると、「25日新台入れ替え!」のポスターが…。 ここもかよっ!Σ( ̄□ ̄; まったくどこもかしこも明日が新台とは戦う前に劣勢確定やったと言う所かw いくらウチの深慮遠謀(?)を持っても渋い戦いになった訳だ…。 (ツッコミ要りませんw) ぐったりする探索結果に終わった店内見回りを終え、慶次のシマに戻ってみると、閣下・ルカ共に終戦を迎えていた。 一言で言えば「惨敗」だった。 善戦空しくなんて慰める事ができないぐらい江戸という街に叩きのめされた皆の顔には一様にして眉間に深い皺後が残るほど渋い苦笑いを浮かべていた。 戦場を後にしたのは13時過ぎ、戦場を後にした4名を次に襲ったのは純粋な空腹だった。 この周辺になにか食べ物屋さんがあるかどうか分からないまま、新橋駅まで戻る。 道中、剛田卿が冬OFFの予定を切り出してくる。 剛田卿 :「冬って1月?上旬?」 アンレ :「ん~、いつも適当なんだけどw」 剛田卿 :「ある程度前に決まると今回みたく予定空けて行くから♪」 アンレ :「大体2ヶ月前には決めるかな~」 剛田卿 :「前回は15日付近やったよね。ピーク過ぎてるから行ける♪」 アンレ :「是非参加をw(つか、開催日覚えてたんかw)」 剛田卿 :「大阪やったらどこでも行けるからw」 かなり前向きなご意見を頂戴しましたw ありがたいコトですね、感謝♪感謝♪ そうやってお話をしていると、ソコに見えたのはカツ丼屋さん♪ 吉●家やす●屋っぽい造りの佇まい…席はカウンター席のみ。 食券制なのだが、カツ丼屋の割には妙にバラエティに富んでいるw じっくりメニューを眺めてると気になるメニューが…「ダブルカツ丼」 ダブルか…普通のカツ丼に使用されるカツがどのぐらいなのか一切合財不明な所がまた興味津々度を2割増に奮い立たされるw ダブル (; ̄▽ ̄)σ□ ポチッ! 何故かカタコトな日本語を喋る店員さんに食券を渡して待つ…。 揚げる→煮る→出来上がりの3工程それぞれ時間を要する、牛丼とは違うわな。 まぁ、鰻を食うには捌く時間も楽しめと言ったりするが、待ち時間を楽しむ為にはどうすれば良いか? とりあえずカウンター越しに見える店員さんを観察することに…。 まずは奥で豚肉にひたすらパン粉を振り続ける人…黙々と1枚目…黙々と2枚目…寡黙に3枚目…ええいっつまらん! 次は接客のオネーサンだ、相変わらずカタコトだな…つか店長っぽい鍋振りと意思の疎通が出来てないじゃないかw 注文が何なのか何度も聞き直されてる、食券の半券見せれば解決するんじゃ…(==; 店長っぽいオニーサン、めっさ機嫌悪そう。つかアンタ、鍋の洗い方チョー雑なんですが…w まぁ、それはともかく店長オニーサンは熱々のカツ丼と格闘しながら手際よく注文の品を片付けていく。おや…その機械はなんだ? 丼を置いて、スイッチポン!小さな機械音と共に白いゴハーンが… 自動定量白飯盛り付けマシ~ンかっ!Σ( ̄□ ̄; 世の中ここまで進化したのか、定食屋名物おばちゃんの真心盛りは無くなったのかっ! チョー最先端ハイテクマシーンを目の当たりにし、世の中の有情無情の儚さを痛感させられている最中、気付けばウチを除く3名のカツ丼は出来上がっていて、何故かウチだけ存分に待たされているw ダブルが…ダブルが罠だったの?(@@; テーブルに残された半券に哀愁の眼差しを向けながら、それから待つ事数分、やっとウチのダブルカツ丼がやってきた…が、目の前に現れたのは2層になったカツ…。 普通カツ丼用カツ×2+ノーマルごはん! いやはや、殺人的な量デツ…ここでも痛恨の判断ミスかっ 泣ける…食べる前から胃袋が悲鳴を上げているw 「一粒の米にも一滴の水にも自然の恵みと万人の労苦に感謝せよ」 幼心に刷り込まれた教訓が、こんな時に限って脳裏を過りやがる…。 こーなりゃ朝からの悪夢を振り払う為にも全て食してやるっ! お冷の入るスペースすら無駄にせぬように目の前の敵を「掘り」進めて行く。 しかし、ホカホカごはんにたどり着くまでに何切れのカツを頬張った事か(ノ_ 。) 額から流れる汗を拭いつつ格闘すること十数分、 フッ…今日のところは引き分けだな…( ̄- ̄)y-~ 冷や汗、脂汗、まぁどっちでも良いか。 とにかく汗だくな状態でなんとか完食。 く、苦しい… ○| ̄|_ ウチの完食をもって皆一斉に席を立つ…いぁ、できれば動きたくないんですがw 心なしか外気に吹き抜ける湿った風を涼しく感じる。 店を出て、JR新橋駅へ向けて歩き出す。 閣下 :「今日こそ当日券あるとええんやがなw」 昨日と朝の無念を胸に閣下の闘争本能は燃え上がっているようだw やはりファンな方には直に観られるって事は何事にも変えがたい幸福らしい。 ウチにはそういう概念が全くないので「分かるぞ~!」と言えない所が寂しい…。 駅に到着しこれからは2班に分かれての別行動という事にw 必勝の気構えを見せつつ、閣下がバッグから取り出したのはユニフォーム! 持ってきてたのかw ただ、ここで取り出すのはキケンなんじゃ? 某G球団のお膝元でそのDなユニフォームを…って、もぅ羽織っちゃってるよw 閣下 :「んじゃ、行ってきまっさw」 アンレ :「ご武運をw」 閣下 :「当日券なかったら連絡するわw」 そう言い残し、閣下と剛田卿は駅の雑踏へと消えていった。 で、ウチ等はどうするかと言うと、2人の意見は「聖地へ再び!」 もっとも聖地と呼んでるのはウチだけで、ルカは純粋に電気街に用事があるだけ…まぁ、この微妙な温度差は今に始まったことじゃないからNP。 JR山手線に乗り込み、いざ出陣。 なんか今回は移動だらけだな、ものぐさなウチにはカナリ辛いw それにしても地下鉄ってのはいつも人が仰山乗ってるのね…、幸い足は立つので座れなくてもなんとなく我慢できる。まぁ、都民の足やから仕方ないわな。 見覚えある改札を抜けて再び聖地へ辿りつく。
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/71.html
4話「折れた剣」 夜の暗闇に生い茂る森の中を1人・・・そして数人の足音と怒号が聞こえる。アンレーデはその場の思いつきだけで走る先を右へ左へと変えてゆく。暫くの後、背後からの足音が聞こえなくなった事を確認すると、比較的大きな木の陰に身を隠すように体を預けた。 ぜえぜえと大きく肩で息をしているその様は追手を撒こうと形振り構わずに走った所為で体中は擦り傷に塗れ、さらには左腕には何かで切られたような傷が服を袖口まで真っ赤に染めている。 「もっと真面目に剣術を修めていればよかったわ・・・」 急ぎ左腕の傷を庇うように手持ちのハンカチーフできつく縛りあげる。肩の振れは治まらず、大量の空気を胸へと押し込んでは吐き出す作業を続けている。止め処なく流れる汗は俯いた顔の至る所から滝のように乾いた地面へ向けて流れ落ち、肌着が汗と自らの血に濡れて体に気持ち悪く纏わりついている。 身を隠すその木に寄り掛からなければ体を保てないほどに彼女の体力は著しく磨り減っているようだ、激しく上下する肩は一向に治まる気配を見せない。 「生来、初めて人に切りつけ、そして傷つけてしまった」 細身の柄を握る右手がガクガクと震えだす。 「あの状況では仕方ない・・・」 「鳥類の調査に関する依頼が来てるぜ」 アムステルダムの依頼仲介人は寄せられた依頼のファイルを捲りながらそう言った。 アンレーデは少し考える、鳥類の調査は他の動物と異なって調査が少々厄介なのだ。一番の理由は対象を追跡追尾する事が極めて難しいという事。地を歩行進行する生物はまだ幾分痕跡を残してくれるのだが、鳥類はそうはいかない。それゆえに鳥類の調査は嫌がる者が多いのである。かつて彼女も鳥類の調査で気まぐれな対象の行動に辛い思い出がある、しかし、その日はなんとなく受けてみようかなと大した事を考えずに資料を持ち帰ったのだった。 「これなら思った以上に早くできるわね」 資料に目を通すと鳥類の調査にしては容易そうな内容に残念とも嬉しいともいえる感情を覚えつつ、どっかりと椅子に腰掛けて航路の選定を始めた。と言っても行きなれた北海の航路など特に何を決めるべくもなく、乗組員達も行き先を告げるだけで良かった。 -物資の積み込みは2日後に完了する予定です。 船員からの報告を受けて、ぶらりと街へ足を伸ばしてみる。とりわけ何をする事もなく、何を探すわけでもない時間つぶしの為に街へ向かうのは、彼女にとって出航前の決まった行動である。 あからさまな模造品を本物のように並べ売る貴金属の露天商も居れば、真っ当な露天商も居る。生活雑貨に食料に武器・甲冑に至るまで売っていない者は人の魂だけだろうかと思うほどの賑々しさに市場は支配されている。彼女はそんな露天商の掛け声が飛び交う中をウィンドウショッピング自体を楽しむように広場へと抜けながら、時間を潰していた。 「いよぅ、何してんの?」 声と共に彼女の頭を軽くたたきながら声の主は現れた。 「ちょっと、現れるたびに背後から頭叩くの止めてよね。」 「いやぁ、アンレの頭って丁度叩きやすい位置にあるんよ。」 「何が叩きやすい位置よ、失礼ね」 現れた男の向う脛を軽く蹴りながら、男の逆へと向きを変える。 「痛ぅ!そんなに邪険に扱うなよ。お詫びと言っちゃなんだが、お茶でもどう?」 「お詫びというのなら付き合ってあげるわ。」 「ありがたいね。」 「ただし、ケンケーン・・・全部貴方持ちだからね。」 「うっ、ま・・・まぁお手柔らかにね。」 適当に入った店で紅茶とシフォンケーキ、ワインを口にしながらお詫びの味を確かめていた。 「ところでアンレは男おらんの?」 「レディーに対して随分な質問ね」 「アンレぐらいの人だったら。男の方も大変やろなってね」 「どういう意味かしら?」 「変な意味ちゃうで、美人やって言うてるんよ」 「ふふふ、そんな事言っても何も出ないわよ。」 「んで実際どうなん?」 ケンケーンは食い入るようにして彼女の応えを待っている。 「そうね、貴方はどう思ってるの?」 「アンレほどの人物や、どっかに隠して居るんやろな」 「じゃ、居るって事で」 「それじゃ答えになってないやん。」 「ふふふ」 「もし居らんのやったら勿体無いな、俺だったら放っておけないな」 「あら、私を口説いてるのかしら?」 「そ、そんな事じゃ無い。俺にはれっきとした女が居るからね」 「はいはい、お惚気ごちそうさま。」 ケンケーンは少しつまらないような顔をしながら頬杖を突いた、彼女はいつもこうだ。生物学者として生業を立てている彼女は修学した知識に関しては惜しげも無くに教えてくれるのに対し、いざ身辺の話となると上手くはぐらかされるのだ。好奇心旺盛な彼にとって彼女の押しても引いても話を引き出せない態度を難攻不落の城のようだと常々話していた。 「ほんとに話してくれんなぁ」 「ふふふ、女ってのは謎が多いほど魅力が増すのよ」 「ふぅん。それじゃライラはどうなん?」 「それは貴方自身が彼女から聞きなさい。」 「ちぇっ」 やはり今日も駄目だったかと、僅かに残念そうな顔を覗かせたが、彼にしてみればこの牙城を崩しに掛かる事が毎度の挨拶代わりでもあった。 「なぁ、アンレ。一つだけ教えてくれ」 「ふふふ、何かしら?」 「なんで生物学者という職業を選んだん?」 「それは答えなければ駄目かしら?」 「何か一つぐらい教えてくれてもええやろ。」 「そうね・・・、それはきっと生物学という分野が今の世の中で役に立たないからでしょうね。」 「役に立たない?」 「えぇ、例えば今そこの屋根に止まっている鳥がどんな種類でどんな生態であろうと日常の生活に何の支障もないでしょう?今、私達の仕事はそんな日常で役に立つとも思えない無駄な情報を命を賭けて集めてるだけ。本当に役に立たない学問だと思ってるわ。」 彼女は手元のマフィンを口に運びながら、淡々と語っている。自らの問いかけに何か希望に満ちた解答を期待していたケンケーンは思惑以外の返事にワインを飲む手を止める。 「なぜ、役に立たないと思ってる事を続けてるん?アンレやったら他の分野でも十分やっていけるやろ?」 「ふふふ、私の何を過大評価してるのかしら?」 「他の分野には興味なかったん?」 「そうね、どれも興味深い学問は一杯あったわ。でも気が付けば生物学だったわね。」 彼は「ふうん」と言いながら女性店員が持ってきたリンゴのコンポートを受け取りながら可愛らしい店員に愛想を振り撒く。その影で彼女は低い声でぼそりと呟いた。 「それはきっと、元々私が役に立たない人間だからね・・・。」 左手の銀腕輪の位置をもう片方の手で直しながら一瞬寂しい表情を浮かべる。店員とのやり取りにその表情を見落としていた彼はコンポートをアンレーデの前に並べる。 「ん?なに?」 「そういう事よ。さって、私はもうちょっと街の喧騒を楽しんでくるわ。」 「お、おぃ、ちょっと。」 彼の返事も待たずにテーブルに金貨を置くと呆気にとられている彼をよそに街の雑踏へと足を向けた。つとに明るく寛容に振舞う彼女が、神妙な雰囲気になっている事が彼にとっていやに引っかかった。 「エウリディケのショールに触ってしまったか・・・」 頬杖突いて考える目線の先には手つかずにテーブルリンゴのコンポートが写る。 「まぁ、こいつには罪はないな。」 そう言うと、皿に手を伸ばして味を確かめる。 「甘いな・・・、しかし、美味い。」 彼女が去ったカフェはいつも通り賑わっている、いくつものテーブルが婦人達に占領されている。そんな1つのテーブルでは、おそらく船乗りの妻らしき女性がこんな噂話をしていた「ブリテン島南に山賊が出たんですって・・・」 彼の前から逃げるように席を立った後、自らの船室のベッドへと戻り彼女は左手を飾る腕輪を眺めている。ぼんやりとその腕輪で遊ぶように揺すっては位置を戻す事を繰り返している。時折思いつめたように大きな溜息をついては窓の外に見える海を見て、再び腕輪を眺めていた。 「提督ぅ、さっきカフェの方が見えられまして。お届け物だそうです。」 船員がドアをノックしながら部屋の外で彼女を呼びかける。身に覚えの無い甘い臭いのする紙袋の中身を検めるとリンゴのコンポートと共に1枚のメモが添えられている 『こんなに美味いものを食べずにおくなんて勿体無い。 ケン』 くすりと笑いながらメモとその甘い臭いのする紙袋を手に椅子へと座りなおす。 「なるほど、あの容姿でこういう事をするから惑わされる女性が多いのね。彼の計算だとしたら強かね。もしそうでなかったら、女難に苦しむでしょうね・・・」 「でも、折角だし頂こうかしら・・・うん、少し甘味が足りないかしら?」 出航の予定日は曇天の空模様に緩やかな風が吹いていた。物資の積み込みも予定通りに終わり、各方面への書類も滞りなく終わっている。出航する為の全ての準備が整ったのを見計らって船員達は臨時の会議室になる食堂へと集まっている。アンレーデは出航する際、全ての船員に目的や航路を細かく伝える事を常としている。面倒な事だが、全ての船員に自らの口で伝える事が力なき提督としてできる責務だと言い聞かせていた。 目的や航路を伝えるだけなら彼らの責任者を集めて伝えれば良いのだろうが、それでは彼らが他の船員からの質問や苦情と彼女との板ばさみになってしまう事を少しでも軽減できるのではないかと考えての会議である。 この会議を始めた当初は提督に意見するという事を恐れていた船員達も会議を重ねるごとに次第に発言数も多くなり、提督より良い意見を出す事もあり、そういった発言はすぐに採用されている。 発言の中には目的地の近くに郷があるから帰港できないかという少し我侭な要望も含まれているが、家族の事ならと彼女は積極的にその要望をかなえようと尽力していた。 「今回の目的はブリテン島南部に生息する鳥類の生態を調査する。この港を出て北西へとすすみドーバー海峡を抜け、ブリテン島南部海岸線に沿いながら上陸地点を目指す。上陸地点は以前にも立ち寄った場所だ。行き慣れた海だが十分に留意して欲しい。上陸してからは依頼人より渡された情報を元に調査を行う。これによると、およそ3日ほど行軍した後にポイントに到着し、そこで調査を行う。調査期間は長く見て10日だろう。満足する結果が得られ次第船へともどり再びこの港へ戻ってくる。現在、近海の海賊情報はない。以上だが何か意見は?」 船員が沈黙でそれに答える。彼女は一同を見渡して意見がない事を確認する。 「それでは出航する。」 「おう!」 碇が激しい音と共に海から姿を現す、艀が離される、マストに張られた帆はしっかりと風を掴みフィッシャーマンの大きな紋章がその姿を空に向かって顕にする。ゆっくりと船は桟橋から海原へと進み出しす。彼女は甲板に立ってリズミカルな船員達の仕事を船の進路に見て取りながら、湿気の多い風を肌で感じていた。 「この風は、あまり好きじゃないな…」 彼女のそんな気持ちを他所に船は大きく西へと進路を変え、アムステルダムの街を後にした。 重く湿った風に乱された灰色の髪を手櫛で大雑把に整えながら彼女は船室へと戻る。船はしっかりと風を捕らえ、向かい風ながらも順調に進んでいる。忙しそうに見えた船内は出航時よりはるかに静かさを取り戻し、船員達の足音もどこか緩やかに動いている。 髪の乱れは潮風の湿気を含み思うように纏まらない「そう言えば・・・」と髪を櫛解く手を止めると彼女は食堂へと足を向けた。 食堂には朝食の片づけを終えタバコで一息ついている料理長が座っている。食堂へと入ってくる足音の正体が彼女だと確認すると「また、酒ですかい?」と意地悪そうに問い捨てる。その皮肉った問いにおどけた仕草で否定しながら自らの髪を指差して「これをお願いできるかしら?」逆に彼女が船室に秘蔵していた(買い貯めていた)選りすぐりのワイン1本をテーブルへ仕事料だと言わんばかりに置く。 「そんな物を見せられちゃ、やらずに居れんでしょうな」 小気味良い音と共に彼女の髪が切り揃えられている、彼女は普段から衣服や髪型に特別神経を払う事もなく、いつも無造作に伸ばしては長いと邪魔だからと言いながら市井の理容師へとは向かわず船内の人間(特にこの料理長は部屋が近いだけ犠牲になる事が多い)にお願いするぐらいの無頓着ぶりだった。世間では女性の髪はある種のステータスシンボルであり「髪が美しい女性」と評される事は女性にとって上級な誉め言葉でもある。その髪を一介の船乗りに預けるとは考えがたいことだった。街に住む彼女と同じ年齢層の女性ならいつも着飾って何かの目を引くような仕草を取りたがるのが常だが、同じように彼女が着飾った事など船員は見たことがなく、それは他の女性提督と比べても船員が気を使うぐらいに無頓着だった。化粧も最低限しかせず、最近の流行の化粧法とは程遠い軽いファンデーションと薄い紅程度しかしていない。 決して彼女はその容姿が飛び抜けて美しくもなく、醜くもないが、その素っ気無さがどちらかというと元来の美しさを台無しにしている感は誰の目にも映った。 いつぞやに彼女の船室を掃除した船員はテーブルには十分なほどの化粧品が揃っていたのを見ているが、それらを駆使した格好は見ることなく今日を迎えている。 市井の理容師で十分な化粧を施せばそれなりの評価を受けそうな体躯に容姿だが、彼女自身にその気が全くないのは岩石に埋もれた小さな宝石の原石を見ている気分にさせた。 理髪を頼まれた船員は幾度かそんな事を彼女に伝えている。ただ、彼女からは決まって「私は身の程を十分弁えてるからね」とあっさりと否定されるのだった。 ただ、全てに関して彼女は無頓着でもなく身を飾る小さなアクセサリーに関しては決して高価なものではないにしろ何処から見つけてくるのか趣のある物を購入してはさりげなく彼女の腕や耳を飾っている。まんざら審美眼が皆無というわけでもないようだが、逆にしかし、それはそれで余計に両極端な振る舞いが浮き彫りになってしまい、酒場女などから世間の仕組みを知っている船員達は、彼女が船員に理髪を頼む度に、その報酬の酒をやりながら彼女のくだらない噂話をしているようだった。 「できやした、こんな感じでどうです?」料理長は手鏡を差し出しながら尋ねる。彼女は手渡された手鏡を使うことなくテーブルに置き、その両の手で理髪されたばかりの髪をバサバサと櫛上げて感触を確かめる。 「うん、軽くなったわ。ありがとう」一言だけ礼を言い、料理長と共に床に落ちて居る自らの一部だった銀髪を掃除すると船室へと戻っていった。 目を閉じていても躓くことなく辿り着けるだろう程に体に慣れた船内はドーバー海峡の波と比例するかのように緩やかに揺れている。船室までの通路を計ったように同じ歩調で戻る途中に甲板から船員が走ってきた。 「海賊でも現われたの?」 少し息を切らせている船員は大きく顔を横に振ってそれは違いますと返事する。 「西にライラ殿の船が見えます。」 「それは見に行かなくてわね。」 甲板に出てみると、確かにライラの船が見える。 「信号を送ってみて」 彼女の言葉に船員は鏡を使って信号を送る。 ライラの船の挙動をじっと望遠鏡の視界から確認する。手旗が返ってくる。 「我 ロンドン 帰港、西 全テ 良シ」 望遠鏡の視界には同じく望遠鏡を覗く人物が映る、ライラだ。 こちらの行き先を返すと、望遠鏡を覗くライラは手を振る動作をした後、船が近寄りすぎないように指示を出す為か彼女の丸い視界から消えた。 「彼女は何処へ行ってたのかしらね?何か新発見があったのかしら、上機嫌に見えたわね」 「あっしらも良い発見できると良いですねぇ」 「それは貴方達のがんばり次第よ、頼りにしてるわ。」 「へへへ」 不慣れな鳥類の調査とは言え、依頼内容は極めて簡単そうだ。それなりに日数を掛ければ確実に達成できるだろう。不安材料は今のところ「不慣れ」という事だけ、しかし生物学を修めようとしている彼女自身にとっては鳥類の調査も習熟しなければならない事と自覚していた。丁度良い機会だと依頼を受けた後に無理矢理自分でそういう理由をこじつけていた。 ライラの船と行違えて、船はドーバー海峡からブリテン島南部海岸線沿いに航行を始める。 残りの航路は約1日、行き慣れた航路とライラがもたらした情報により安心して西進する。船内は上陸の準備をゆっくりと始めている。 「提督ぅ、今回の調査には銃装しますか?」 これから向かう先は何度も上陸経験がある、その度にその近辺を探索するも。山賊の疑いがある物は何一つとして見つかっていない。船員もそれを承知だが勝手に兵装のランクを決められる訳もなく一応儀礼的に尋ねてきたのだ。 「銃装は無くても良いわね、全員普通の兵装で準備させて。でも万が一を考えて非常食の携行だけはさせておいてね。」 予想通りの答えに大きく返事した船員は早速その指示を持って船内へと戻っていく。 「さて、私も準備するかな」 順調な日程に満足しつつ甲板を後にしようとした時、低く吹いていた風が甲板で跳ね返り、まるで床から吹上げるような感覚の湿った風に船内へ戻ろうとしていた彼女の髪が空を向くように舞い上がる。 「全く、嫌な風ね・・・」 吹きぬけた風を睨むように後を振り返る。うす曇の中で太陽が西の海に消える準備をしている。 「今日は妙に朱いわね、気のせいかしら。」 朱色に染まった雲を見ながらそう呟くと彼女は風に止められた足を再び船内へと向けた。 「明日の朝上陸する。船守はいつもの順で担当班が残り、他は全て調査隊とする。上陸開始後は船を少し沖に出して待機して欲しい。調査隊は今回の調査は鳥類であるため望遠鏡は必携、兵装は普通。3日ほど進めば目的地に着くだろう、そこで基本的な調査を行う。ここに今回の対象である鳥類の図がある、これをよく覚えて誤調査のないように。非常事態発生時は人命最優先、各員自らの安全を図りながら西の丘に集まる事。以上」 「提督ぅ、非常食はどれだけ持っていけば?」 「各員、2日か3日分でいいだろう。」 再び食堂が会議室となっている。探索に慣れているとはいうものの一つ間違えるだけで自らの生命に関わる事となるのは重々承知している彼らから慎重な質問と意見が出されている。無論、儀礼的に探索の度に同じ内容の質問も繰り返される部分もあるが、慎重を期する事の大切さを再確認する上で重要でもあった。 「他に何かないか?」 ひとしきり浴びせられた質問と意見の全てに対し答え終わった彼女が一同を見ながら次なる意見を促す。これ以上のものがないと確かめた後、彼女は会議を解散し会議室は本来の食堂へと戻り、そのまま夕食となっては一変して場は騒がしくなる。 牛肉のローストバジリコソース、クラムチャウダー、ほうれん草ソースペンネにワイン。探索前日の夕食はいつもより内容が豪勢で、この船の料理長が粋な計らいを見せている。彼女も船員達もそれが楽しみであった、美味い夕食が消えていくのは速くて料理長もここぞと言わんばかりに普段より多くの量を調理しても、彼らが食堂から出ると綺麗さっぱり皿は空だった。 狂おしいまでに緑に光る木の葉を繁らせた森林の中を何人、何百人と歩いたであろう畦道を進む、かつては彼女自身も何回として歩み進んだ道だ。霧の街から近い上陸箇所として駆け出しの頃にはまともな依頼がなく時間を持て余すぐらいならと足しげく通っては遊び場所にしていた所でもある。森はあの頃と少しも変わらずに未だ発見されていない新種を隠し持っているかのような雰囲気を湛えている。 彼女も数多くの上陸地点へと足を踏み入れたが、どの上陸地点も何かを秘匿し冒険者をあざ笑うような葉擦れの音やざわめきが好きだった。いつ何時命を落とすとも知れぬ未開の辺境地であっても、冒険家にしか分からない隠された臭いというか包み込む雰囲気を彼女はこよなく愛していた。 例えばそれは、人を餌と思う猛獣の居る地であったり、毒をもった昆虫が多く生息する地であったりもするが、彼女にとってはそれこそも含めた全てが何よりも替えがたい時間だった。彼女は常に言う「新種を発見した喜びは、探索のそれに関して一瞬の悦楽でしかないの。その一瞬だけの悦楽の為に冒険家をしていると言う人も世に数多く居るけれど、私はそれとは違う部類になるでしょうね。確かに目標は新種を発見することかもしれない、でも私にとって探索とはその場に居る一瞬一瞬に起こり得る事全てを味わう事、それが私の真の目的なの。船を下りて未踏、既踏の地関係なく足を踏み入れた瞬間から私は学ぶ時間が始まるの、それは一枚の木の葉からも教わることは多いわ。知識は万人のものなの、より多くの情報を得てそれを隠すことなく生活し、そして「なぜ?」と問い続ける人生を歩いていきたいの。」 そう言う彼女の探索は目標だけを追いつづける探索ではない。現に過去において依頼された仕事だけを遂行して戻ったことなどなかった。一度探索へ入るとまずは依頼された仕事をこなす、満足する結果が得られると期日までの空き期間は彼女の研究(?)時間に当てられる。それは植物、生物、昆虫、地上、水中なんの纏まりもなく彼女自身が気になったモノ全てが対象である。そして彼女が納得するまで期日ぎりぎりまでそれは続くのだった。 上陸してから2日が過ぎると予定より早く依頼の鳥類を発見し早速調査が始まった。行動時間、食性、生息数と近辺を望遠鏡で観察する。彼女を含め調査隊をいくつかのグループへ分けて分担作業でそれを追っていく、皆も慣れている手順で彼女の元へ調査レポートを届けてゆく。彼女はそれをもとに報告書を作る。依頼主の求める情報に新たなる情報を付け加えながら書き進んで行く。さすがに手馴れた船員達だ、予定は10日と思っていたが、4日過ぎた今日で顧客を満足させるであろう内容は全て揃っていた。それらを書き留めながら彼女はこの続きでは何を調べようかと嬉しく悩んでいた。 5日目、今までの進捗具合を鑑みると今日で最終だろう。今日は調査漏れがないか最後の確認をする事だけだ。要求されていることがさほど高くない内容である為、漏れる事はないが次いつ会えるかもしれないその鳥類を見納める意味合いを含めての調査である。 「依頼に関する調査は本日で終了する。満足いく調査結果が出たことに感謝する。これより本隊は当基地を撤収し、調査ポイントへ向かう。調査漏れがないかの確認を行った後、東へ移動して少し植物探索を行う。各グループに分かれた後、ポイントで再調査を行い夕刻までに指定した東のポイントへ各集合して欲しい。以上」 撤収の合図が送られた、彼らは一斉に作業へと取り掛かる。と言っても昨夜から伝えていた為その作業はさほど時間を要しなかった。 撤収した隊はここへ到着したときと同じ荷物を抱えて調査ポイントへと向かう。ここ数日で調査隊が歩いた箇所はやんわりと踏み固められ細い獣道が出来上がっている。連日の快晴でまだ地面が乾いているだけ歩きやすいが、やはり急造の道では歩きづらさは街のそれとは全く違っている。繁る木々の葉から毀れる日差しが所々神秘的に照らし出しているものの全体的には薄暗くしんと静まり返っている。一行の進むざくざくという足音が遠くに響いているようだ。草木から出る森林独特の香りは行軍する者たちの疲れを癒すように辺りに充満している。基地から調査ポイントまでは約半時ほどで到着しここで各グループへ別れて確認調査した後東のポイントへ向かう手筈だ、グループ長を集め彼女は最後の確認をする。 「夕刻までに東の・・・・」 その時だった、1発の銃声が響く。 「伏せろ!」 続いて2発目、3発目の銃声と共に辺りの木に弾が命中したような挙動を見せる。 それと同時に汚い怒声を上げながら見知らぬ男達が隊めがけて突っ込んでくる。 「山賊だ!西の丘へ!絶対に命を粗末にするな!私のグループは最後まで残る、他は散れ!」 腰に提げているものを抜刀すると、こちらへ向かってくる山賊の数をざっと数える。 「(むこうは12・3人、こっちが10人。少し分が悪いな)」 向かってくる男たちを睨みつけながら残った船員達に声高く叫ぶ。 「皆、無理はするな!絶対に命は落とすな、どんな形でもいい生き延びろ!家族のことを思いながら生きろ!」 「(・・・家族か・・・我ながら皮肉な言葉だ)」 自らの言葉に自問自答する。 その間に2人の山賊が彼女の前に現われる。 「女だ!これは使えるぜぇ」 下品な口調に吐き気がする。 山賊からしてみれば「男は殺して奪え、女は生かして使え」この簡単なルールを愚直に守るだろう。彼女にはありがたくないルールだ。捕まって嬲られ続けるぐらいならいっそ殺してくれた方がまだ救われるものを・・・。 しかし、むざむざ捕まるのを是とするなど言語道断と彼女は細身の柄を握り締めた。 「アンレ、オマエは本当に弱いなぁ」 膝から崩れるように座り込む彼女の傍らでF・トーレスは少し困ったように笑いながら言う。 声も出ないほどに肩で息をする彼女を見ながら彼は手に持った模擬剣でトントンと肩を叩きながら動けない彼女とその様子を見ていたケンケーンと交互に見た。 「ちょっとケン君、こっちへ来なさい。」 いきなりの指名に「おっ」と声を出しては慌てて駆け寄る。 「ケン君、そこに立ってなさい。」 「トーレスさん、痛い事しないでよ」 「あほ!何を言うとる。そんなこと言いよるから強くなれんのや!オマエもアンレの後で稽古つけたるから安心せい」 「えー。」 「やかましい、じっと立っとれ!」 2人の会話も全く耳に入らない様子でアンレーデは大きな息をしながら空を仰いでいる。全身は汗に塗れ、いたるところから汗が垂れている。 「(おかしい、なぜこういう流れになったのか・・・)」 ぼやける思考の中で今に至る経緯をゆっくりと思い出していく。 彼女は書庫へ連日で泊り込んでいた、何か依頼を受けたわけでもなかったが、不意に気になる事を思い出してからと言うもの篭り続けていたのである。そんな泊まり生活の中で休憩をと立ち寄ったレストランで、偶然にも彼ら2人に会ってしまった。 彼女としては楽しい昼食を取って気分転換した後に書庫へ篭る絶好の機会だと思っていたのだが、F・トーレスの一言でその希望は脆く崩れたのである。 「よし、2人共。飯食ったらアンレの特訓するぞ」 今まさに運ばれてきたチーズケーキを味わおうと口へと持ってきた時の事だった。彼女は開いた口がふさがらない様子で彼の突飛な発言にその瞬間のまま硬直している。 「いつも書庫に篭ってばかりだと不健康や!少しは運動せなならん!決まりやな。」 彼は1人で話を進めて決着させてしまった。 「返事は!?」 全く彼のペースに取り残された2人に返事を促す。 何のことやら分からずに呆気に取られていた2人はその言葉に思わず「はい」と答えてしまった。 「(・・・まんまと乗せられたわね。)」 髪から肩に伝わる汗を感じながら、彼女はまだ空を仰いでいる。いっそこのままこの野原に寝ることが出来るならどれだけ幸せだろう、柔らかに繁るその草いきれと太陽の暖かさを感じながら目を閉じることができたなら今はなんと心地よいだろう。
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/35.html
大阪激闘録(2) 梅田に閣下が居るという事で、3人仲良く(?)梅田という街を目指す。 駅内迷宮をアッチ、コッチへと曲がりながら歩く3人… うーん、迷うな、1人で歩けといわれたら目的地に絶対行けないな♪ って、あれ?2人が居ないw マサカ、はぐれた?( ̄□ ̄; ( ̄□ ̄;三; ̄□ ̄)ドコだ~ ウチが気付いた直前の角をしっかりと曲がっている2人www うーん、ボーーーーっとしてたわ♪人の流れに身を任せ~~~♪ とあるゲームセンターに辿り着いたところで閣下と合流 相変わらずのご様子で何より^^ けん卿:「日本橋でも行こうかと思ってるんやけど」 閣下:「ほうか、なら行こうか」 姫:「なるほど♪」 ウチ:「…(それってドコデスカ?)」 今度は地下鉄で移動…230円の切符を元に地下鉄に乗り込む そういえば、昔のネタに「地下鉄ってドコから入れたのだろう…ソレを考えると夜も眠れない」 ってのがあったな…ちと古いかナ?www アレ…結構な駅数過ぎたけど…大丈夫なの?230円しか買ってないヨ? それでも自動改札はすんなりと通れる… 地下鉄ってとってもお得!!( ̄□ ̄; 一行は日本橋と呼ばれる電化街をひた歩く…最初に到着したのはガンダム専門店 ん~ウチはガンダムは専門外なんで純粋に「ガンダム関連の商品ってこんなにあるんだ~」としきりに感心するだけだった。 姫は目をランランと輝かせていたようだが「昔はね…」と謙虚に笑っていた。 「次はパーツ屋に」と再び歩き出した4人…角を何回か曲がった正面には見覚えのあるロゴが…「Faith」…おろ?w 実はこの「Faith」さんはウチが使ってるPCを注文した所だったり、こんな所に店があったのか♪ちと感激… 店内は…うーん濃いそうな方々でイパーイ( ̄□ ̄; ライトユーザーなウチにはかなりディープな世界だ♪ なんせ、自分のPCスペックを知らないぐらいの人だからね、ウチは♪ でも、こうやってパーツ屋さんに来ると欲しくなるね~…でも持って帰るの大変そうなのでパス♪ 日本橋ってのはイロイロと魅力的なお店がイパーイ♪ 無論、PC屋も興味深いんやが…まぁ、イロイロとね♪ これはじっくりと時間をかけて、何日もかけて楽しみたい街だ…( ̄- ̄)ニヤリ 18:30けんけーん卿の携帯が鳴る…どうやらSEIJI卿とレナータ嬢が集合場所に着いたようだw ウチ等4人はまだ移動ちぅだったりw ウチは良く分からないがどうやら日本橋散策はちと寄り道だったらしいw 今までのウチの経路を辿ると 自宅→岡山→新大阪→大阪→新大阪→大阪→難波(?)→大阪かな? もぅ理解不能デス!( ̄□ ̄; 着いてゆくので必死w SEIJI卿、レナータ嬢と合流する為には着た道を戻るらしいw 「おぃ、この230円が大切なんやぞ!往復500円返せ!」と閣下はブー垂れてた♪
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/58.html
「その手に掴むもの」Ⅳ それから3日が経過し4日目の夜、2人は再び初日と同じ酒場の席に居た。 「乾杯!」 威勢の良い掛け声と銅製のカップが弾ける音がテーブルの上で重なり合う。 「かぁーっ。美味いっ!」 なみなみに注がれていたアクアビットを飲み干したコウヒエが歓喜の声を上げている。 「4日で集めちゃうとはね、でもこれだと赤になるんじゃないの?」 結局、組合はコウヒエの案件を採用し、早速その日の夕刻から納品してくる者もいた。そして、今日の夕刻に受けた依頼の数量に余分を若干量加えた数を用意できていた。 「正直言って、儲けは殆どないだろうな。でも赤にはならないだろうさ。」 煮え切らない返事にフィゲレーは疑いの眼差しを向ける。しかし、疑ったところで彼なりの思惑の上で事が運んでいるはずだと要らぬ思慮に耽ることを止めた。そして、ひとまずは仕事の8割が終わった事を素直に喜び並べられた料理に手をつける。 「美味しい…」 目処のつかぬまま街へ到着し積み込みが全て完了する今日までフィゲレーには料理をゆっくり味わう余裕などなく、初日に食べたのと同じ料理を再び口にし改めてその美味しさを堪能する精神的なゆとりが生まれている。 そして2人は歓談を交えながら酒と料理を十分に味わった。 周囲の客が2回転ほどした頃、フィゲレーは再び今回の件について口を開く。 「しかし、この街は近年著しく発展してる分だけ需要は伸びてるはずよ。他国者の貴方に流れてくる量なんて知れてると思ってたけど。」 「発展中だからこそ狙い目なのさ。」 タラを酒で蒸した料理を頬張りながらコウヒエは答える。 「人が持つ価値観ってやつは発展こそが大きな分岐点になるのさ。そしてこの街は今まさに分水嶺に立ってる、だからこその窮余の策だな。」 「ふぅん、何も考えてないようで、ちゃんと考えてるのね。」 「さぁね。どこまでを言うのかは知らないが、はっきり言ってあれしか用意してなかったんだがな。」 一際大きい笑い声が響く。 「ま、結果オーライってことね。」 首を大きく縦に振ってコウヒエは同意する。 それから2人は上々の首尾に再びカップを傾け再び2人だけの歓談に花を咲かせた。 ある時刻を過ぎると徐々に店内は潮が引くように客数が減っていき、残っているのはコウヒエの座るテーブルの他は2つ3つとなっていた。その為に互いの会話は自然と小さな声になっていく。カウンターの向こうにいる酒場主人も仕事が減って手持ち無沙汰のように何度もカップを磨きながら客の相手をしている。そんな寂しくなった店内の様子を見て、コウヒエ達も話のキリがついたところで腰を上げた。 「うが…寒いっ!」 店を出るとそこは濃紺の世界と吹き止まぬ北風が2人を待ち構えていた。 幸いな事に日中の薄雲はどこかへと消え、代わりに満点の星空が夜の空に広がっている。その光を頼りに2人は宿へ向けて歩き始める。 さすがのフィゲレーも夜の凍てつきは厳しいと感じるらしく、お互いに口を開く回数が減ってきていた。 ザリッ… 吹き付ける風音の中に何かが動いたような音が混じっているのをコウヒエは感じた。 そっと立ち止まって周りを見渡したが、無機質に静まり返った歩道には2人を写した影がぼんやりと浮かぶだけに見える。 「どうしたの?」 「いぁ…気のせいだろうな。」 再び宿の方へと向きなおして歩き出す。 何かを話そうとしても口をあけて言葉を発する間に口内へ進入する冷気が話題を途切れ途切れにさせる。そうして少しの会話と靴音だけの時間を交互に繰り返しながら2人は歩いてゆく。 ザリッ・…ザザザ… 今度はフィゲレーの耳にもその音を聞き取ることが出来た。 「コウヒエ…」 「そうだな。」 互いに確認しあうと静かに歩く速度を上げ宿へと急ぐ。 しかし、まだ宿までの距離を残した所で2人の行く手を遮るように数人の人影が細い路地から飛び出してくる。 「ちょっと待ちな。へへへ」 口上一番で彼等の待ち人が間違いなくコウヒエ達である事が分かる。 「あんた達、組合で派手にやった商人さんだろ?」 2人は無言のまま現れた人影との距離を保ったまま黙っている。 「いやね…そうそう派手にやられると逆に迷惑なんだよね。ここにはここのやり方があるだ、よそ者が邪魔しちゃいけないね。」 男の声は冷静そうだが、重みを感じない。ある意味でゲームを楽しむような感覚の声とも聞こえる。 「まるで『持ってるので襲ってください』と訴えてるようなもんだぜ。」 じわりじわりと距離を詰めてくる人影 「それにこんな夜中にたった2人で…危ないねぇ。」 相手の歩調に合わせるようにコウヒエ達もゆっくりと後ろへ下がる。 「おっと、無駄に抵抗しない方が後々楽だぜ。」 目の前の人影は止まることなく近寄ってくる。 「俺達だって無益な殺生はしたくないからさ。ちょっとの間、一緒してもらおうか。」 「ふん。誰がアンタ達の言いなりになるってのさ。」 そこに怒り意外の何物も挟まないフィゲレーの言葉が人影へむけられる。 「おっと、アンタは別の意味で評判だぜ…大層なナリらしいじゃないか。まぁ、アンタには可愛そうだが故郷へはもう戻れないと思ってくれ。」 「なに?!」 「アンタには別の仕事を用意してるからよ…ま、受ける受けないの余地は一方的な仕事だがね。」 「ふんっ。同じ英国人として忠告するよ。恥をさらす前に退きなさい。」 「黙れ!何が同じ英国人だ!」 先ほどまで冷静な声を発していたリーダー格の男はフィゲレーの台詞を聞いて激昂の声へと変わる。 「我々は誇り高きヴァイキングの末裔ノルウェー人だ!」 逆鱗に触れた事を察したフィゲレーだったが、もう後の祭りだった。 路地の薄明かりを鈍く反射する白刃が彼等の手に握られる。 先ほどまで感じられなかった殺気が冷気と共に伝わってくる。 フィゲレーは懐に持つ護身用の短刀に手をかける。しかし、常に持ち歩いているものの今日までそれが本来の役目を果たしたことは1度もなかった。それに加えフィゲレー自体近接戦闘の心得が皆無であった。 戦慄が全身を駆け巡る、最悪の事態を迎えるかもしれないと不吉な事ばかりが脳裏を過る。 首筋に嫌な汗を感じるようになった時、コウヒエが静かに指示を出した。 「合図したら船員が居る宿まで全力で走り抜けろ」 「何言ってんの…貴方はどうするの。」 「伊達に長く商人をやってる訳じゃないさ。1度きりの好機を逃すなよ。」 「しかし…」 フィゲレーの言葉が終わらぬうちにその時はやってきた。 焦れた相手は歩幅を広げて2人へと向かってくる。その瞬間だった。 パンッ! 銃声が静寂を切り裂いた。 誰もが怯んだ隙をみてコウヒエが叫ぶ。 「フィゲレー走れ!」 その言葉を聞いてフィゲレーは相手の一瞬の間隙を縫って走り抜ける。 コウヒエは銃声と1人逃がした事へ動揺する相手の1人へと駆け寄る。 想像以上に身軽に動く巨体に再び動揺する目の前の敵、そして刃物を持つ手を狙って手に持っていた棒状の何かを振り下ろす。 「ぐぁっ!」 その攻撃は見事に相手の手首に命中すると、駆け寄った勢いのまま体当たりをお見舞いする。軽く数メートル跳ね飛ばされた相手はそのまま気を失ってぐったりとする。それを見た他の1人がコウヒエに襲い掛かろうとするが、その刃物はコウヒエが振り出した腕で払い除けられ、そして体勢を崩された所を再びコウヒエの体当たりが飛んでくる。あっという間に2人を跳ね除け逃走口が見えたコウヒエはすかさず宿の方向へと走り出す。 一連の動作で呆気に取られた他の連中は逃げようとするコウヒエの後姿にはっと我に帰る、そして追いかけようと体を動かした時、コウヒエはくるりと振り返り右手に握っていた物を相手へと投げつける。それは複数居た相手の誰かに命中した瞬間、辺りを煙に巻き込んだ。思わぬ反撃を連続して受けた敵は完全に足が止まった。そして運悪く風が吹き止んでいたために充満する煙に目や喉を刺激され、涙目と咳に襲われる。そして騒動を聞きつけた近隣の住民が何事かと駆けつけ始め、正体が明るみになることを恐れた襲撃団は倒れた仲間を拾い上げその場から撤退した。 翌日の朝日をコウヒエは宿の一室で眠れぬ夜を過ごして迎えた。 昨夜の襲撃事件の興奮が冷めなかったのと、報復が来るかもしれないという緊張感からだった。コウヒエが無事に着いたことを知ったフィゲレーは緊張の糸がそこで切れたのか今は隣室で穏やかな寝息を立てている。事態を知った船員達は寝ずの番を交代で行い一応に平穏を迎えた事に一同は安堵する。しかし、その安らぎも1人の船員が持ち帰った情報で打ち砕かれることとなった。 「提督!港に変な連中がうろついてますっ。」 部屋へ飛び込んできた船員は息も絶え絶えに報告する。 「うーん…今度はそっちか…」 眠さと疲労感に声の張りがない。 「町役場や世話になった組合を頼るのはどうです?」 副官は事情を聞いて打開策案を口にする。 「どこの待ちにも過激な連中は居るもんだな。ま、ここは距離が離れているぶん様々な制約が効力を失ってるんだろう。」 ぼりぼりと頭を掻くしぐさをしながら何事かを思い巡らせるコウヒエ、しかし働きの鈍った現状ではこれという妙案を見つけるまでには至らなかった。 「ともかく、昼間なら派手に動くことも無いだろう。各自出歩くのを最小限に留めてくれ。とりあえず俺はひとまずの休憩を取る。出航する段取りはその後だな。」 「了解しました。」 副官が了承の返事をするとコウヒエを残して部屋を出る。そして皆が出て行ったドアが閉まると同時にコウヒエはベッドへと倒れこみ、瞼を閉じた。 「おい、ここと隣は常に見張りを置いとけよ。俺は情報集めてくる。」 副官は船員に見張りを命じ、提督が起きるまでの時間を利用するように宿を出た。 目の前に広がる料理の数々、鼻腔をくすぐる甘美な香り。 自分の為だけに用意された席に着き、コウヒエは片っ端からそれらを胃の中へと収めてゆく。平らげられた皿はすぐさま下げられ、そしてまた新しい料理が運ばれてくる。 上質のアクアビットを始め北海のあらゆる銘酒が並べられ、ヴェネツィアングラスで作られたグラスにそれらが注がれている。 バターの風味を存分に味わい、酒で口を新たにしてまた次の皿へと進む。 「いくらお召しになっても御代は結構ですので。」 礼儀正しいウェイターが食べ急ぐコウヒエへ告げる。 しかし、次々の運ばれる料理のどれもを味わおうと口いっぱいに料理を頬張る。 言い表せない幸福感がコウヒエを支配する。 周囲を見ると口うるさいフィゲレーの姿はどこにもない、まさに絶好の好機とばかりにただ黙々と目の前の料理に集中する。 「ふむ…今日は調子良いな。いくら食べても平気だ…。」 どこから現れたのか若い娘達がコウヒエの食べっぷりに黄色い声を上げている。 その声援を受けてさらに口を動かす速度を上げる。 どれだけの皿が空になっただろうか。 変わらぬ速度で食べ続けるコウヒエは自分でも信じられないほど食べ続けている。 まだまだ入ると言わんばかりに十数皿を平らげても、次の皿に盛られた料理が気になって手が止まらない。 「すごいぞ。これは自己記録を悠々と越えている。」 自身へ向けて感嘆の声を上げながらも食べ続けていると、いよいよ料理はデザートへと入る。 「もうデザートか。」 「申し訳ありません、用意した食材がもう底を尽きまして…。」 「うーん、まだまだ食べられるぞ。どこかから融通してもらえないのか?」 「そう申されましても…生憎ではございますが…」 「市場へ向かえばまだ手に入るんじゃないか?」 「いぇいぇ、これが限界でございます。それにもうお時間も迫ってきておりますし…」 「時間なんてどうでも良いじゃないか、せっかくフィゲレーが居ないんだ好きにさせてくれ。」 コウヒエの願いにウェイターはただただ首を横に振るだけだった。 「もうちょっと食べさせてくれ!」 「えーぃ!うるさい!」 聞き慣れた声と共にコウヒエの顔面に水が飛んでくる。 「うわぁぁぁ…」 「いつまで寝てるの!もうお昼過ぎたわよ!」 コウヒエはベッドから飛び起きる。 「あ…あれ?」 自らの身に何が起こったか把握できないコウヒエ。 「料理は?各地の銘酒は?」 先ほどまで見ていた豪華な食堂の光景はどこにもなく、目に映るのは見るからに安普請な宿の一室だった。 「なに寝ぼけてるの。」 「えっと…あぁ…」 崩れ落ちそうな瞼をごしごしと擦りながら、ようやく事態を把握する。 「ほら、食事を用意してもらったから。とりあえず食べて。」 部屋の隅に置かれているテーブルに目をやると、焼きたてのパンに鮭のソテーと羊肉のソーセージが用意されている。 先ほどまで見ていた光景との落差に少し肩を落とす。 「どうしたの、食欲ないの?そうねいろいろあったし…」 飛びついて席に座るだろうと思っていたフィゲレーだったが、コウヒエの反応が鈍いことに体調を崩したのではないかと心配そうな顔を見せる。 「いやいや、そういう訳じゃないんだ。起きぬけで腹の虫が寝ぼけてるだけさ。」 そう言ってコウヒエは席に着き今度こそ本物の食事を口へ運ぶ。 「どっちも美味いな。」 「そうでしょう。私もさっき頂いたんだけど、鮭も新鮮だし羊のソーセージもクセがなくて美味しかったわ。」 窓辺で暖かな日差しを浴びているフィゲレーはコウヒエの言葉に自分の感想を返している。 「…そっちじゃないんだけどね…」 「何が?」 「いぁ、なんでもない。」 これで事のオチをバラしてしまっては、何を言われるか分からないと黙って用意された料理を押し込み始める。 「無事にここまで着けたようだけど、どこも怪我なかったの?」 食事中のコウヒエにフィゲレーが問いかける。 昨晩の襲撃で自身を逃がす為にコウヒエが危険にさらされた事をフィゲレーは気に病んでいる。 「さすがに全身無傷とはいかなかったが、大きな怪我はないね。」 「えっ。怪我したの?大丈夫なの?」 フィゲレーの顔色がすうっと青くなる。 「なに、大した傷じゃない。」 そう言ってコウヒエは上着の右袖を捲り上げる、そこには幅10cmの切り傷が見える。 「皮一枚切れただけさ。」 「そう…ごめんなさい…」 「ははは、見ての通りの浅傷だ。血も滲む程度しか出てないし、気にすることないさ。」 用意されていた羊ミルクを飲み干すコウヒエ。 「もっとも、一番の痛手はアレだ。」 そういって指差した先には大きく割れの入った腕輪が転がっている。 「そいつのお陰でほぼ無傷だったな。ただアテネの古美術商から購入したヤツで安くはない物だったんだけどな。仕方ない、命あっての物種だ、ははは。」 陽気に振舞うコウヒエの笑い声がフィゲレーの沈んだ心を少しだけ楽にさせる。そんな中、外に出ていた副官が提督の起床を察して部屋へと入ってくる。 「提督、よろしいですか?」 「おぅ。どうだった?」 「どうもこうも無いですね。」 副官は自らが確かめてきた港の状況を具に報告する。 港は柄の悪い連中が目を光らせており、特に地元民以外の船の出入りに睨みを利かせていると副官は語った。 「もっとも、この宿自体が見張られてる訳でして。こちらの行動は筒抜けみたいなものですが。」 不思議と笑みを零す副官、この状況を楽しんでいるのか、ただ諦めているだけなのかフィゲレーはその表情の意味を量る事はできなかった。 「やれやれ…。」 寝癖の残る髪を掻き揚げながらコウヒエは状況を頭の中で整理する。 「で、コウヒエ。滞在期間は残り僅かだけど、この状況だと厳しいんじゃない?」 しかし、フィゲレーの言葉は思考を巡らしているコウヒエには届いていなかった。 かけた言葉を肩透かしされたフィゲレーは少し不機嫌な顔になったが、話す相手をコウヒエの副官へと切り替え、港や街中の様子について話し始め、そのままウヒエが結論を出すまでの時間を待つことに切り替える。 再びコウヒエが口を開いたのは30分後の事だった。 「しかし、今回は初めから最後までイベント続きだな。」 「考えが纏まったようね。何か妙案は出たかしら。」 「妙案というか、今回最大の大博打だな。」 そう言い切ったコウヒエの表情はいつに無くどこか生気に欠けている。 「上手くいけば、誰も文句を言わせず誰も傷つける事無く堂々とこの街を発つ事ができる。」 「タラレバの話…か」 またしてもかと言う呆れ顔でフィゲレーは呟く。 「フィゲレー、お前さん手先が器用だったな。」 「人並み程度にはね。」 「それじゃ大急ぎで用意してもらいたい物がある。」 そう言ってコウヒエはフィゲレーに何事か耳打ちする。 しかし、その内容を聞いてフィゲレーは突飛のない声をあげた。 「えっ?!アンタそんなものを使ってどうするのっ?」 「できないか?」 「できなくはないけど…」 「それじゃよろしく。」 ここに来て陽気ないつもの口調に戻ったコウヒエは副官の方へと向きを変える。 「お前にもちょっと頼みたい事がある。町役人にアポを取っておいてくれ。」 「はぁ…。強引にいくなら多少の出費が必要ですが。」 そんな事は百も承知と、コウヒエは金貨の詰まった皮袋を副官へと手渡す。 「それじゃ、お2人さん頼んだよ。詳しい話は夜に詰めよう。」 コウヒエは1つ拍手すると話に区切りをつけて2人の行動を促す。 「フィゲレー、大至急でよろしくな。」 「えぇ、幸か不幸かここら辺りはその手の資源が豊富だからすぐ出来ると思うわ…」 どことなく重く見える歩調でフィゲレーが部屋の外へと向かう。 その姿を見てコウヒエは副官に彼女へ護衛を2・3名つけるように指示を出し、副官は素直にこれに応じフィゲレーの後を追うように部屋の外へ出る。 1人になったコウヒエはその場にあったメモに何かを書き込むと、部屋の外で見張りをしている船員の1人にそれを手渡すと、そこに書いてある内容の品を街で求めて来いと伝える。 「決して単独で動かないようにな、それと裏路地は使うな。遠回りでも大通りを歩くように。」 昼日中、人目がある所では大っぴらに行動を起こしてこないだろうとは考えているものの、もしもの事を考え、彼等にそう釘を刺している。 見張り役の1人が他の船員を連れて動こうとしている時、コウヒエは再び彼等を呼びこう言った。 「すまんが、1階の厨房へ行って。トナカイ肉のローストと酒を届けてもらうよう注文しておいてくれ。」 船員には自らの提督が心底この状況を深刻に考えているのかと耳を疑った。 「いぁ、ほら…緊張し過ぎて腹の虫が収まんからな…」 言葉を濁すような言い訳を発しながらコウヒエは部屋へと戻っていった。 翌日、太陽がしっかりと昇った頃、コウヒエとフィゲレーそして副官は宿を出て町役場へと向かった。 皆それぞれに正装し、誰の目を気にする事無く堂々とした歩みでその道を歩いてゆく。 この服は昨夜にこっそりと船から持ち出させたものだった。 コウヒエ達の動きに目を光らせていた見張り役はその姿を確認すると港で屯する仲間への元へと情報を持って掛けていった。 知らせを待っていた港の連中は近くここへやって来ることを確信した。 その頃、町役場へ到着した3名は役人の案内で建物の奥にあるこの街を治める人物が待つ部屋へと通されていた。部屋の主は入ってきた3名を丁重に迎えると緊張した面持ちで席に着いた。緊張感が部屋を支配する。 暖かい飲み物を持ってきた秘書の女性は異様なまでの雰囲気を察し逃げるように退室した。 「さて。」 無駄に時間を使う必要もないと全ての準備が整ってからコウヒエは口を開いた。 「我々の事はご存知ですね?」 今更、聞くまでもない質問をする。 「えぇ、お会いするのは初めてですが。街での噂は耳にしております。」 「それは上々。しかし、我々はただ街の噂になる為だけにこの街へ来たのではありません。」 それは演技にしても随分と誇張した言い回しだった。そしてフィゲレーに合図を送ると1通の書簡を間のテーブルへと静かに置かれた。 「我々はこの書簡に認められている内容の任務についても同時に遂行していた訳ですが…」 目の前に置かれた書簡が気になる街の市政者は手を伸ばそうとする。 「ご覧になるのは結構ですが、丁重にお扱いください…」 フィゲレーは静かな口調でその書簡の重要性を促す。 それを踏まえ手に取った部屋の主はその書簡の封蝋を見て体を硬直させた。 「これは…」 彼の額に汗が滲み出ている。それをハンカチーフで拭うと震える手で内容を確かめる。 1文字1文を食い入るように読む目の前の男はその視線が進むにつれて見る見る顔を強張らせる。そして、最後まで読みきると恭しく書簡を元の状態へと戻しテーブルへゆっくり返す。 そして何を発して良いのか落ち着かない視線と比べ口は固く閉ざされている。 暫くの時間を置いても、何も話そうとしない男に対しコウヒエが口を開いた。 「何も申されることがないという事は、この内容についてご理解を頂けたと認識してよろしいでしょうか?」 声に高低をつけず、ただ冷静に話すコウヒエに対し、市政者は目の前にある重圧に押しつぶされようとしていた。 「資材の件に関してこの街は非常に良い対応でした。有りのままを伝える任務なれば、このまま何の蟠りも残さないのが最良の選択であると提案しますが。」 「ま…まさしく貴殿の申されるとおりで。しかし、この街に貴殿等を憚る者が…?」 その言葉を聞き、ふうと大きな溜息をついたコウヒエ。 「残念ながら…」 男の目がぐっと見開かれる。 「このままでは私にとっても、貴殿にとっても、この街にとっても良からぬ事態へと向かわざるを得ない結果となってしまいますな。非常に残念な事です。」 男の汗はより一層ひどくなり頬を伝う筋は時間と共に増えている。 「しかし、これも任務ゆえ悪く思わないで頂きたい。そして、それだけをお伝えできれば我々は退散させて頂こうと思います。」 そう言ってコウヒエは席を立つように同席する2人へ合図を送る。 「お待ちください。」 3人が部屋を出ようとする時、背後から声がする。 「私とて協力を惜しまないわけでは有りません。」 コウヒエ達を呼び止めた市政者は、呼び鈴を鳴らし秘書を呼ぶと何かを言付ける、秘書は一度部屋を出るとすぐに何かを持って戻ってきた。 「この街に携わって幾数年、今だ私の努力が報われない所をご指摘いただきまして…これは些少なれどもお礼でございます。」 そして3人へと近寄ると、秘書が用意した3つの皮袋を差し出した。 コウヒエ達はそれが何であるかを察したが、受け取ることをあっさりと拒否する。 「残念ながら受け取れません。」 男の顔に焦りが生じる。 「このような事が日常的に行われているという事も付け加えねばなりません。残念な事です。」 首を軽く左右に振るコウヒエ。 「そういえば、この場を設けるにも先日私の使いのものが袖の下を求められたとか…」 「それは…。いゃ、それはまだまだここの役割を心得ぬ者が多い為に…何というか…。ただ、決して着服する訳でもなく…いつもこのように…。」 コウヒエは無表情のまま言葉に詰まる男の動作をにらむ。 「こ、このようにしてお預かりした物は全てお返ししている訳でして…」 「この街には役人へ賄賂を渡すという悪しき風習はないと?」 「は、はい。その通りで…。」 コウヒエの言葉に一縷の希望を見出した男はぱっと顔を上げて即答する。 「しかし、この街は他からの入港者に対して安全ではないようですな。」 再び男の額に汗が噴出している。 「港は決して安全とは言えないようです。私達が欲しいのは街の治安と安全に出入港できる保証なのです。」 「それは…私には港が危険であると報告は届いては…」 苦しい言い訳を繰り返す男に対し、コウヒエは1つの提案を出した。 「私達が足止めをされているのは事実ですが。政を行うあなた方を信頼しないわけでもありません。よろしければ今から港までご一緒しますか。」 「今からですか…」 事情を知る男の脳裏には不安材料がそこにあると浮かんでいる。 「最後に安全な港であることを確認し早速に出航できたならば、報告は全て良い方へ向かうと…。聡明な貴方ならご理解いただけると思いますが。」 一瞬の沈黙を挟み部屋の主は部屋の扉を開けた。 コウヒエ達が向かってくるとの知らせはすぐに知らせられた。 しかし、港へと到着したのは市政者が乗る馬車を先頭にする数十名の団体だった。 コウヒエ、フィゲレーそして副官の3名は市政者と同じ馬車に乗っていた。 そしてその後ろにはそれを守る警備兵とコウヒエとこの街へやってきた船員達が着いてきている。 「どういう事だ…」 待ち伏せしていた一団はよもや市政者がコウヒエに加担するなど予想だにしていなかった為、どうして良いものかと物陰に隠れたまま様子を窺っている。 コウヒエ達が港へ降り立つと、出航所役人が駆け寄ってくる。 「この度は何のご用命で…」 突然に現れた街の権力者に出航所役人も狼狽している。 「この方々はこの街の名にかけて丁重にお迎えした方である。これから出港準備をされるが最後にこの街がいかに安全であるかを確認していただく為に私がご案内申し上げた。皆、失礼のないように。」 合図と共に沖合いに泊めていた船が近くへと進んでくる。 そして港への係留が終わると船員達は続々と乗り込んでいく。 街の役人、出航所役人、そして襲撃を企てた面々はその光景をただ黙って見守っている。 そして全ての準備が整ったと報告が来ると、コウヒエは傍らに待機する両役人に対して最後の演技をする。 「街中も港も治安に問題はなさそうで、噂とはアテにならないものですな。」 演技とは知らず、胸を撫で下ろす役人達。 「では準備が整ったようなので我々は出航させていただく。協力に感謝する。」 コウヒエ達は待機していた場所から歩き出す。桟橋まで歩いたところで1度立ち止まると見送りに来ていた市政者の所へ戻ると一言耳打ちする。 「この1件は私の胸のうちに収めておきます。努々お忘れなきよう…。」 そしてコウヒエ達は船へと乗り込み、副官の声が船中に響くと船は港を離れてゆく。北風が南へ舵を取る船の帆に満たされコウヒエ達は誰一人傷つく事無く出航した。 みるみる遠ざかる街を確認して船上は誰からともなく歓声が上がった。 「なんとかなったな。」 提督室に戻ったコウヒエは窮屈な正装から普段着へと着替えながら呟く。 「こんなに上手くいくとはね。あのお役人さんも見る目がないわね。」 フィゲレーは自分が何に対して呆れているか分からないほど、淡々と話す。 「しかし、これってお上にばれたら重罪よ?」 「大丈夫さ。お上が恐いのは俺達も彼等も同じさ。」 「こんな小道具まで用意して…」 そう言ってフィゲレーは役場で使った書簡を取り出した。それにははイングランド王室を示す封蝋がしっかりと押されている。 「急拵えの粗悪品、見てて哀しくなるわ。そもそも、王室印なんてこんな書簡に押さないし…」 「そんなのは関係ないさ。下手にお偉方のを使うよりハッタリが利くしな。」 「『東方領地における潜める危険性を調査せよ。』…調査せよって言ってバラしちゃだめよね。ちょっと機転が利けば分かりそうなものだけど」 「まぁ、火の無いところに煙は立たずっていうからな。素直なところは何かあるのかもしれないな。」 「そうかしら…」 「可能性はあるだろうな、しかし、それを見つけても俺らの領分ではないな。」 コウヒエの意見にフィゲレーは賛同する。 「そういや偽造した印はあるか?」 「あるわよここに。」 フィゲレーから印を渡されると、まじまじとその出来を確認する。 「よくもまぁ、作ったもんだ。」 「アンタが作れって言ったんでしょう。」 「ははは。見事だと褒めてるのさ。」 「あんまり見ないでよ。良い出来じゃないんだから。」 「なぁに1発勝負に勝てたんだ。大したもんだ…」 自分の出来の悪い作品を見たくないフィゲレーは、印をまじまじと眺めるコウヒエに対し横を向いていた。 しかし、いきなりに吹き込んだ風に振り向く。 「しかし、これもお役御免だな。」 そう言ってコウヒエは開けた窓から右手に持つ印を海へと投げ捨てた。 「証拠隠滅。これにて完了。」 「自分の作品を見られるのも、目の前で捨てられるのも良い気持ちじゃないわね。」 「勿体無かった?」 フィゲレーは首を振った。 「これ以上の揉め事は要らないわ。」 「ははは。結構楽しかったがな。」 「結局、私は仕入れとは関係ない所しか出番がなかったじゃない。」 「そんな事ないさ、お前がいたからこそ出来た仕事さ。」 「そうかしら…。」 「そうさ。」 テンポの良い返事だった。しかし、フィゲレーは今回の件でこの男が根っから商売人だという事を改めて認識させられ鵜呑みにはできなかった。 「ところで、セビリアへ戻ったらゆっくりできるかしら。少しは骨を休めたいけど。」 「恐らく無理だろうな。」 フィゲレーはその解釈を求めた。 「相手は布巻きの連中だからな、この積荷だってセビリアで下ろせるとは限らないぞ。」 「じゃあ、どこへ?」 「さぁな。ただ決戦は東だろうからナポリかシラクサだろうな。」 コウヒエの言葉を聞いてフィゲレーは眉間に皺を寄せる。 「はぁ…アンタの褒め言葉は信用ならないけど、読みだけは信用できるからね…」 「ははは。煽てても何もでないぞ。」 「そう言えば大型の宗教建造物って言ったわよね。あれって口からでまかせよね?」 唐突に思い出した疑問をフィゲレーは口に出した。 「そうでもないぞ。ヴァチカンは今回の戦を聖戦とするらしいからな。」 「それがどう繋がるの?」 「つまり、聖戦という事は…それに使うもの全てが宗教建造物って事さ。例えば船もね。」 「呆れた。とどのつまり最初っから最後まで嘘じゃない!」 「嘘ではないぞ、これらは物事を極大解釈した場合すべてが繋がるぞ。」 「はいはい。もういいわ…。さて、周りも落ち着いたみたいだし私は部屋で休ませてもらうわ。」 フィゲレーは簡単に挨拶を交わすと部屋から出て行った。 1人になったコウヒエはベッドへと身を投げ出す。 「ナポリよりはシラクサだろうな…」 ぽつりと独り言を零すと言い知れぬ疲労感を全身に感じ、どこからともなく訪れた睡魔に抗う事無く瞳を閉じていた。 そして、このときのコウヒエの予想は後々実現の運びとなり、彼の船は休む事無く東へ向かう事となったのである。 (その手に掴むもの Ⅳ 完)
https://w.atwiki.jp/goldenlowe/pages/24.html
あ Test -- (K) 2009-04-26 19 32 07 ど~もこんばんは。休み取れまして初参加いたします!! まだまったく予定たてておりませんが、当日朝の便で大阪着、 んで観光でもとw -- (kuragroove) 2010-01-29 21 48 41 花心は確か携帯つながりにくいんじゃなかった? -- (裏) 2010-01-31 22 13 02 電話参戦する人数によりますが 少なくとも私は当日のタイミング次第なので 携帯の事は場所決めの要素から外して良いと思います。 -- (あむ) 2010-02-01 12 30 13 欠席どすm(_ _)m -- (慶次) 2010-02-05 16 43 10 当日10時関空着でゴザイマス。 是非昼頃から遊んでいただける方 お願いいたします!! んでもって翌日は18時過ぎの関空発で ゴザイマス。 是非これまた遊んでいただける方 よろしくお願いいたします!! -- (kuragroove) 2010-02-08 19 25 09
https://w.atwiki.jp/chaos-blade/pages/226.html
人獅子-吠え猛る獅子- 基本情報 フレーバーテキスト 未進化 + ++ 最終 セリフ集 参加イベント 参加ログインストーリー エキストラコンテンツ 基本情報 人獅子 人獅子+ 人獅子++ [真獅]人獅子 画像 画像 画像 能力値 能力値 能力値 能力値 スキル 獅子王の直拳 関連家臣 [宿敵と書いて友] 加藤清正[熱い奴] ヒノカグツチ フレーバーテキスト 未進化 邪を滅する使命を帯びた半人半獅子の若者。元は単なる人間であったがそのあり余る正義感と闘士をとある神に買われ、神の化身としての力を授かる。武勇伝の一つに【人間にも神にも動物にも殺す事が出来ない魔神】を退治した事が数えられる「俺の拳は全てを撃ち抜く!命知らずはかかって来い、全力で叩き潰してやるぜ!」 + 神から力を授かった人獅子は、その力をより磨き更なる強さを身につける事こそが最大の奉公だと捉えている。自らの肉体を極限まで追い詰め、鍛え抜く事が彼の日課であり、彼の修行は傍から見れば単なる拷問にしか見えない場合が多い「うぐぉ……足りねえ、足りねえぞ!もっとだ、もっと積み上げてくれ!この程度の重みじゃ修行になんてなりゃしねえ!」 ++ 人獅子が本気の力を出した場合は体は人型を保ちながらも、顔が獅子に代わり手足には鋭い爪が備わる。これらの力は神より授かった特別な物であり、他者へみだりに見せる事は無い。神の力に頼りきる事を恥じ、鍛錬で身に付けた力を振るう事を旨とする「神さんに貰った力は所詮貰い物だ!神さんの力にしがみ付いてばっかだと格好悪いだろ?」 最終 邪を滅するとの使命を帯びた彼であるが、価値観の多様化は人間界に限った話ではなく妖魔界でも広く見られる動きとなる。その為、何をもって邪とするかの判断が難しい時もあるが、迷った時はとりあえず殴り合えば大体分かる、とは彼の弁である「かあーっ!面倒くせえ、答えはこの拳に聞くとすっか!おい、お前が正義の味方だってんなら俺に負ける訳はねえよな?」 セリフ集 マイページ(未進化) いよっ!いつも物騒な事をしてんだろ?俺も仲間に入れさせてもらうからな俺は半分人間で半分獅子で半分神様だな……ん?これだと割合おかしくね?おいっちにいさんしぃ!おう、お前も鍛えてけよ!筋肉がいい感じにあったまってきたな、これからが本番だぜ! マイページ(中途進化) せいっ!せえあっ!ふうーっ、おお、水持って来てくれのか!ありがとよ俺の筋肉が悲鳴をあげてるぜ……どうだ、聞こえるか?ふんっ、ふんっ!おう、暇ならそこで数えててくれよこの城は腕に覚えのある奴ばかりだな、こいつは嬉しい誤算だ俺の拳と剣術が合わさったらヤバくねえか?剣も練習してみるかな……獣の如く、拳を乱打だぁ!行くぜぇええ!俺もここの連中に影響されてよ、技の名前に興味出て来たんだよこうして相手に敢えて打たせてだな……こうするのよ マイページ(最終進化) 俺の一撃は大地を割らんばかりの勢いがあるぜ、こんど見せてやるよこうして相手に敢えて打たせてだな……こうするのよまあ、色々と技を身に付けた俺ではあるがやっぱ直拳が一番だな兄さんも隠してるんだろ?分かるんだよ……その筋肉の匂いがな俺もまだまだ半人前だからよ、似た物同士って事で頑張ろうぜ兄さんしかし兄さんと一緒にいると敵には不自由しねえな、ありがたいぜたまには鎧と剣を身につけるのも悪くねえかもな、手袋もしとくか?俺もここの連中に影響されてよ、技の名前に興味出て来たんだよ静かな嵐……うーん、兄さんはこの技名どう思うよやっぱ生み出した技には名前がねえとな、しっくりこねえわ バトル開始 オラオラぁ!一番手は俺が貰ったぜ!へへっ、盛り上がってきやがったなぁ……!おっしゃあ!お互い元気にぶっ殺し合おうぜ!おっ?兄さんが来てくれたとなりゃあもっと気合いを入れねえとな! 進軍時 ぶち抜いてやるぜぇ!もういっちょ!おらぁ、うおらぁああ!ぶっ潰れやがれぇえ!おい、こんなんじゃ全然足りねえぞ! 参加イベント イベント名 参加ログインストーリー 比例?反比例? 世界に一つだけの歌 険しき男への道 断じて違います それも断じて違います エキストラコンテンツ +... ナラシンハ 格ゲー回に出てくるボスなので似たような名前の人がエッセンスに
https://w.atwiki.jp/retrogamewiki/pages/2860.html
今日 - 合計 - 魔王連獅子の攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月09日 (火) 14時48分25秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して