約 5,754 件
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/567.html
あなたのゆっくりが下痢をしているというのなら、そのゆっくりはかなり危険な状態だ。 ゆっくりは短時間で水を摂取しすぎると下痢になる、その点他の生き物の下痢とは少し違う。 これにかかると液状のうんうんを頻繁に排泄するようになる、 放置すれば中枢餡まで排出してしまい、永遠にゆっくりしてしまうだろう。 梅雨の時期、小さい赤ゆは特に下痢になりやすく、多くのダンボールから泣き声が聞こえるはずだ。 雨のあがった梅雨のある日、公園でのありふれた光景である。 公衆便所に住む家族の一匹の赤ゆが、ゆ下痢で瀕死の状態になってしまった。 ちゃーぷちゃーぷしゅるよ! と水たまりでばかみたいに遊んでいたのがまずかった。 口とあにゃるから大量の水が入って、下痢になってしまった。 「ゆひゅ……ゆひゅ……」 「おちびちゃんじっがりじでええええええ!!!」 「むきゅきゅ、まりさはまだなのかしら……」 れいむとまりさのつがい、そのおちびちゃんの真ん中にあたる子である。 このぱちゅりーは群れの医師役で、人間さんのおうちにりゅうっがくっ(というより拾われて捨てられただけ)して得た 数々の医療知識は公園ゆっくりの間でかなり評判になっていた。 「おれんじじゅーすさんさえあればちりょうができるのに……」 とりあえずなんでもオレンジジュースをかけておけば、というのがぱちゅりーの知識の全てだった。 父まりさはぱちゅりーのアドバイスによってオレンジジュースを手に入れにゆっくりしないで出発していた。 「ゆ゛っ」(ぶりゅ) 下痢うんうんが飛び出す。餡子が減ったことで既に楕円形にまで縮んでいる。 「……とってもきけんなじょうたいよ、ほうっておけばいのちもあぶないわ」 「ぞ、ぞんなあああああ!!!」 母れいむが崩れ落ちる。 他のおちびちゃんたちも、姉妹の重病にさぞかし心を痛めているだろう……。 「まりちゃのおうちにきちゃないうんうんしにゃいでにぇ!」 「びちょびちょうんうんはゆっくちできにゃいよ!」 「おうちでうんうんしゅりゅなんちぇ、たりにゃいことおなじだじぇ!」 「おうちをよごしゃないように、はやくちんでにぇ!」 どうやらそうでもないらしい、四匹の赤ゆは病気の姉妹をごみのように罵倒している。 うんうんは餡子だが、ゆっくりにとっては臭い臭い排泄物だ。 臭いものを出してゆっくりできない奴は、赤ゆたちにとってゲスと同じだった。 「どぼぢでぞんなごどいぶのおおおおおお!!!!????? でいぶおごるよおおおお!!!! ぷぐううう!!!」 「「「「ゆひいい! ごめんなちゃいいいい!!!」」」」 あまりのゆっくりできない言動に、母の教育的措置が発動された。 「れいむ、おれんじさんはなかったけど、みかんさんならあったのぜ!」 「ぶぐ!?」 「まりさ、かえってきたのね!」 まりさが戻ってきたのは丁度その時だった。 息を切らせて、帽子も少し曲がっている。 スーパーさんに忍び込んで命がけで盗んできたみかんさんだった。 「ゆ……、でもぱちゅりーは"おれんじじゅーすさん"って」 「いやいいわ、みかんさんならたぶんだいじょうぶよ、おれんじじゅーすさんをつくるわ」 捨て物のお茶碗の中に皮を剥いたみかんを入れ、思い切りのしかかる。 じゅっじゅっじゅっ、みかんの汁がだんだんあふれてくる。 「ゆわぁ……」 母れいむの目が輝く。 「ぺーろぺーろ、ほらおれんじじゅーすさんがでてきたのぜ……」 飛んできた水滴をなめ、父まりさは言う。 「できたわ! さっそくのませましょう!」 みかん汁を絞り出し、100%果汁のあまあまジュースが完成した。 母れいむがとっさに近づき、口に含んで下痢ゆに与える。 「おちびちゃん、おくすりだよ! げんきになれるよ!」 「ゆひ……」 力を振り絞ってなんとかジュースを口に入れる。 オレンジジュースは万能薬、きっと治るはずだとぱちゅりーは確信していた。 ぶりゅりゅりゅ! あにゃるから出てきたのは更に水分を含んだ、おしるこ状態のうんうんだった。 「れいむ、いそがないとあぶないわ!」 せかすぱちゅりー。 あせって更に口うつしを続ける母れいむ、早くお薬を一杯飲ませないと! しかし次にあにゃる出てきたのは、オレンジと茶色の液体であった。 「ゆひぇ、ゆぴぢぢ……」(ぴゅーぴゅー) 赤ゆが妙な笑い声を洩らす、中枢餡が水分でぐずぐずになっているのだ。 あにゃるの締まりも弱くなって、液がだだもれだ。 「「どぼぢでおちびちゃんげんきにならないのおおおお!!!??」」 うんうんは止まらず、餡子量は更に減少していた。 両親の前にある赤ゆは饅頭というにはぶよぶよで、酷く悲惨な姿になっている。 眼孔のすきまからもうんうんが漏れ、オレンジジュース治療の甲斐なく…… いや、むしろジュースを飲ませるたびに病状は悪化していたようであった。 過剰な水分が原因のゆ下痢なのに、さらに水分を取らせるのは最悪の判断だった。 オレンジジュースは下痢だけには効かないのだ。 「ゆっぢ、ゆっぢぢ……」 「ゆああああ……おぢびちゃんがあああ……」 排泄を繰り返しぺしゃんこになった赤ゆはうんうん汁にまみれて死んでいった。 「ゆっぷ……」 中枢餡の溶けた赤ゆはもっとゆっくりしたかった、という言葉すら言えなかった。 「ちりょうはてきせつだったけど、おちびちゃんのたいりょくがもうなかったのね……」 ちーん。おさげを合わせて黙祷するぱちゅりー。 「ごのやぶいしゃああああああ!!!」 もちろん親はそれで納得しなかった。 ジュースを飲んでからすぐに永遠にゆっくりしたことぐらい、ゆっくりでもわかった。 「むぎゅうううう!!! やべでええええ!!!!」 頬に噛みつき、ちぎる父まりさ。 ぱちゅりーの皮は柔らかく、中身はクリームで漏れやすい。 びりびりと皮が破れると、どろりと景気よくクリームが溢れてきた。 「いやああああ!!! じぬううう!!!」 クリームを漏らしながら必死ではいずりまわり、余ったオレンジジュースにありつこうとする。 「ゆふふふふおれんじじゅーすさんはゆっぐりできるねえええ……」 半笑いでうふうふ笑う母れいむが、おちびちゃんの死体にオレンジジュースを与えていた。 れいむはあまりのショックで狂ってしまった、死臭も感じずおちびちゃんにすりすりしている。 オレンジジュースはもうなかった。 「むぎゅううううう!!! 「おまえみたいなげすにはこれでじゅうぶんなんだぜ!」 父まりさは死臭たっぷりの赤ゆ下痢うんうんを思いきり吸い上げ、ぱちゅりーに吹きかけた。 「むぎょっっ!! えれえれえれ……」 「ゆっぶげええええ!!! げれげれげれ……」 死臭汁を傷口に吹きかけられたぱちゅりーはあまりのゆっくりできなささに中枢餡を吐いた。 しかしそんな劇薬を口に含んだまりさも無事では済まない、餡子を吐いて死んだようだ。 ゆふゆふゆふ……。 にやける母れいむと、取り残された四匹の赤ゆ。 「すごいこえがしたのはこのおうちだねー、わかるよー」 「まちがいないみょん! ゆっくりしんにゅうするみょん!」 このゆっくりできないトイレに新たなゆっくりが現れた。 群れの警察担当のちぇんとみょんだ。 他のゆっくりからつうっほうっがあったのだ。 「「「「ゆわああああんこわかっちゃよおおおお!!!!」」」」 ちぇんはふさふさの尻尾で赤ゆを保護した。 現場を調査するみょんは、ベテランとしての勘をフル活用して事件の真相をあっというまに暴いてみせた。 「そこのよにんのおちびちゃんがはんにんだみょん! げんばでまともにいきてるゆっくりはおちびちゃんたちだけだみょん!」 「「「「にゃ、にゃんでえええ!!??」」」」 ちぇんの尻尾は固い拘束縄に変わった。 赤ゆ四匹は公平な裁判の結果ゆっくり三匹の殺ゆんで死刑になり水洗便所に送られたらしい。 「なにかいうことは」 死刑執行ゆんが尋ねる。 赤ゆたちはあんよを千切られ洋式便所の便座に置かれている。 「まりちゃ(れいみゅ)はなにもしてにゃいよおおお!!!!」 その返事にゆっくりたちはゆーゆー騒ぐ。 「このさつゆんきいいいい!!!!」 「おいしゃさんがいなくてうちのおぢびちゃんがああ!!! おばえらのぜいだあああ!!!」 「づみをみどめてじねええええ!!!!」 長もあからさまに軽蔑の視線を向けている。 「まったくはんせいしていないようね、やってしまいなさい」 「「「「ゆんやああああ!!!!」」」」 突き落とされた赤ゆは便所をくるくる回ったかと思うと、底の方に吸い込まれた。 しかし四匹も居ると一度では流れない。 「「「「やべでよおおおお!!!!」」」」 水が補充されていく、体のあらゆるところからゆっくりできない水がはいりこんでくる。 赤ゆたちはぐちゃぐちゃに溶けるまで完全には流れず、大いに苦しんだという おわり anko1693 2100年のゆっくりたち anko1651 超高級ゆっくり市 anko1637 一人のまぬけでみんな台無し anko1621 れいぱーは人気者 anko1609 幸せ崩壊丼 anko1592 赤ゆが凄い生えちゃった事件
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1698.html
注意 初投稿です *現代設定 *虐待お兄さんが金銭的な面で被害に遭います *虐待成分薄め *虐待に厳しい世界観です(飼いゆに対して保護的) *独自設定があります この世にゆっくりが現れて既に長い月日が経った… 最初の頃ゆっくりが生物が物かで論議されたが、 喋ったり動いたりする存在を物と言う人達は、 世間から冷たい目で見られて引っ込んだ。 ゆっくりが生物と認定されたことにより、 生物に関する法律と制度が見直される事となった。 この話はその法律と制度によって翻弄されるゆっくりと人間の話である 『ゆっくりブリーダー試験』 201X年、ある建物に多くのブリーダーを目指す人々が集まっていた 何故集まったのかと言うと、今から試験をやるためである。 昔はブリーダーに成るため自体には資格が要らなかったが、 倫理的に問題のあるブリーダーが増えたために実施される事となった。 一次試験は「筆記問題」自分が扱いたい動物に関する問題が出される。 ゆっくりブリーダーにとって、ここが難関である 「ゆっくりの成長に悪影響のある食べ物……」 「まりさ種の変異体を全部記せか…水上と後…」 未だに謎が多いゆっくりの生態から正しいものを書かなければ成らないからである。 ただ、ここを通過すれば一部の人を除いた殆どの人は合格である 二次試験は「実技」 ここでは実物の動物と接し、その様子で合格か判断される 試験室の目の鬼異山が居た 「意外に楽な試験な~♪」 鬼異山はテストを満点で合格していた ありとあらゆるゆっくりを虐待してきた鬼異山にとって あの程度の問題を解くのなんて朝飯前である。 「アイツはこの試験は最難関って言てったけど何が難しんだか」 ちなみにアイツとは知り合いのゆっくりブリーダの事である。 「次の人どうぞ」 「はい~♪」 鬼異山は余裕の笑みで部屋に入った… 「ゆっくちしちぇいちぇね!!」 そこには一匹の赤ゆが居た 「…」 「はい、失格」 気が付いたら、鬼異山は赤ゆを潰していた 「わかってると思うけど、今回は生きてたから穏便に済ますけど二度目は無いよ」 「はい…」 「ゆっ…ゆっ…」 赤ゆは虫の息だが生きていた 「次は最低でも潰さない我慢を覚えてから来なさい」 そう言われ部屋を追い出された 毎回、多くの虐待鬼異山が、「実技」で失格していた おまけ 「はぁ…」 試験に落ちたは鬼異山はブリーダーお兄さんの部屋に来ていた 「良かったじゃん、下手をしたら逮捕されてたよ」 「実技に出るのが赤ゆならそう言いやがれ!!」 「ゆっ!」 鬼異山は楊枝で赤ゆを刺し口に頬張った 「別に赤ゆが出ると決まってる訳じゃないんだけど… 今回は運が悪かったと思って諦めるんだね」 「ゆっ!」 ブリーダーお兄さんも同様に楊枝で赤ゆを刺し口に頬張った 「ゆ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!おぢびぢゃああああああああん!!」 毎度お馴染み透明ケースに入れられたまりさが叫んでいた 「後の五月蠅い奴、虐待して良いか?」 「矯正を依頼された奴だから駄目」 このまりさは飼い主の許可なく子供を作ったので矯正を依頼されていた 「銅なんだから、潰して新しいの買えばいいのに面倒だな」 よく見るとまりさの頭には銅バッチがついている。 「なんでも子供がまりさを気に入ってるから潰したく無いんだってさ」 そう言いながらまた楊枝で赤ゆを刺し口に頬張った 「そういえば何で資格とろうとしたの?」 「…単純に金欠」 「それで金策として趣味ついでに、ゆっくりを売ろうとした訳か?」 「ああ…」 鬼異山もまた、楊枝で赤ゆを刺し口に頬張った 「ぢびぢゃ… おぢびぢゃ…」 「確かにブリーダーに成れば簡単に販売許可が出るからね」 「ブリーダーも大変なんだぞ」 「最低でも銀バッチを育てられないと赤字だっけ?」 制度の改正で銀バッチは試験のみで取れるようになり 銅にも簡単な試験が用意されることになった 「うん、銅と銀だと値段が10倍違うから大変なんだよ」 「俺は銅でも良いから今は売りたい…」 2~3時間ほど愚痴を良い鬼異山は帰って行った それからしばらくして… 「おにいさん~♪おちびちゃんたちのお勉強終わったよ!」 声と共に金バッチをつけたれいむが現れた 「ああ御苦労さま」 優秀な飼いゆっくりに赤ゆを育てさせると殆どが優秀な子ゆに育つ その中から優秀な個体を選びブリーダーが教育する (ちゃんと環境を整えれば、楽な仕事なんだけどな) あとがき ゆっくりが生物として認められる世界観でもあまり 虐待には影響しないのでは?(バレ無ければ良いんだよ!!) と思いこんな世界観にしてみました。(あまり意味が無いかもしれない) 一応、続きで試験に合格したブリーダー達の話を書きたいと思っています 虐待要素は今回と違い多めに(ぬる~虐殺)入れる予定
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/572.html
山桜がたおやかな春風にふかれて揺れている。樹冠の落とす木漏れ日もまたおなじ。空 の青さは指をかざせば染まってしまいそうなほどだ。蝶は舞い、花は咲き、梢にとまる小 鳥たちは盛んにさえずり愛を謳っている。 野山はさんざめいていた。 ついに、ゆっくりが待ち望んでやまない季節がやってきたのだ。 この季節、ありとあらゆるゆっくりが巣穴を飛びだして春をむさぼる。 そのため。 とあるゆっくりプレイスでは、惨劇が発生していた。 「うー。……うまいんだどー!」 「ゅ……ゆ……ゆっ」 「うー、うー。あまあまなんだどー」 「はなちぇー! はなちぇー!」 「むーしゃむーしゃするんだどー」 「やべでね! れいむに いたいこと しないでね! ……ゆぶべぇぇっ!」 午睡を誘う麗らかな春の日に、れみりゃ種による饗宴がくりひろげられていた。 胴体の有無を問わず、十数体のれみしゃ種がゆっくりの踊り食いにふけっている。 すでに、コロニーは壊滅状態にあった。 百頭を越えていたゆっくりプレイスの構成員は、捕食種の襲撃から一時間もへたずして 壊滅状態に追いこまれ、顔面の造作をまるごと失ったれいむや、内部の餡子をすすられて のっぺりとした皮と化したまりさといった、酸鼻をきわめた宴の残骸がそこかしこに散乱 しているという、まったくもって惨憺たる光景が呈せられるようになった。 生存しているゆっくりもいないわけではない。だが、そのほとんどはすでにれみりゃの 手中にあるか、さもなくば瀕死のまま放置されていた。 そしていま、れみりゃの毒牙から逃げのびつづけていた最後の家族が、食物連鎖の一端 に連なろうとしていた。 「ぶぎゃぁぁぁぁぁぁぁっっっ! ぎょわいっ、ぎょばいぃぃぃぃっっっ!」 「あっぢいげぇぇぇぇえぇっ! あっぢいげぇぇぇっっっ!」 「ゆぴぃぃぃぃぃぃぃぃっ! ゆぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっ!」 「ごっぢごな゛い゛でね゛ぇぇぇぇぇぇっっ!」 「ぷきゅぅぅぅぅぅぅっっ! ぷ、ぷ、ぷ、ぷきゅぅぅぅぅぅぅっっ! ぶ……ぶぎゅぅぅぅぅぅっっ!」 胴付きれみりゃがうつ伏せになり、崖にうがたれた横穴に太った右手をつっこんでいる。 その穴からは、号泣と慟哭と怒声のいりまじった聞くに堪えない叫び声がだだ漏れになっ ていた。見てのとおり、れみりゃが「おうち」に逃げこんだゆっくりを引きずり出そうと しているのである。 「うー。とどかないんだどー」 しかし惜しくも奥にまで手がとどかなった。獲物は横穴の奥にぴったりと背中をつけて いて、かつ横穴にはかなりの距離があった。 いったん手を引っこめた。 それと同時に声をあげての泣きわめきはむせび泣きに転じた。 横穴の奥底では五頭のゆっくりがふるえている。 家族構成は成体のまりさとれいむ、それから赤ゆのまりさが一頭とれいむが二頭だった。 成体まりさの口がひらく。 「お、お、おぢびぢゃん、だ、だいじょ、だいじょうぶ、なん、なんだぜっ、 れみ、れみ、れみりゃ、おぢびぢゃん、おぢびっ、おぢびぢゃんば、 ば、ば、ば、ばりぢゃが、まも、まもるんだぜっ」 成体まりさの強がりなど、気休めにもならなかった。家族の恐怖は極限にたっしていた。 こんな状態でなぐさめの言葉を授けたところで、効果のほどはたかが知れている。 家族一同、おびえているどころではなかった。 だれもかれも、涙線は完全に崩壊している。しーしーもうんうんも垂れ流しだが、その 汚臭を気にするゆっくりは一頭もいない。五頭の足もとには、落涙ゆえか失禁ゆえか、あ るいはその両方ゆえか、砂糖水が溜まり池をつくっていた。成体まりさの血走った眼球は 前方にせりだし、いまにもこぼれおちそうだ。親子ともども、まりさ種は歯をかちかちと 噛みならし、れいむ種は下唇を痛いほどにかみしめている。そして全員、氷点下の青空に 放り出されてもこれほどでもあるまいと思えるほど激しくふるえている。 れみりゃの腕が再度侵入してきた。 「ゆぎぃぃやぁぁぁああぁぁぁっっ! ぐるな゛ぁぁぁぁぁああぁっっ!」 「ぎょばいぃぃぃぃぃっっっ! な゛んでぐるのぉぉぉぉぉぉぉっっ!」 「ま゛、ままままままままままままりじゃ、まりじゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃっ、 ぢゅよいっ、ぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅよいんだじぇぇぇぷぎゃぁぁぁぁああぁぁっ!」 目と鼻のさきで捕食者の太った五指がわきわきと躍っているのだから、たまらない。 だが手は虚空をつかむばかり。 悪魔の触手が引っ込んだ。 泣き声がやむ。 さきほどから泣いてはやみ、やんでは泣くの繰りかえしだ。 「ゆ゛……ゅ゛……ゅ゛……ゅ゛……もう、ぐるんじゃ、ないん、だぜ、ぐるな、ぐるな、ぐるな、ぐるなぐるなぐるな……」 「ゅあ……ゅ゛……ゅ゛……ごないでね゛っ、ごないでね゛っ、ごないでね゛っ、ごないでね゛っ、ごないでね゛っ」 「ま、まりじゃ、まりじゃば、ぢゅよいんだじぇ、ぎ、ぎ、ぎ、ぎだら゛、ようじゃ、じな゛いんだ、じぇっ」 「ごべんなざい゛ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっ! ごにゃいでぇぇぇぇぇっ! ごないでにぇぇぇぇぇっっ」 うねうねと、手がやってくる。 家族の声がそろった。 『ぎだぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!』 だが何度やっても結果はおなじだった。 獲得するのは悲鳴ばかりで、かんじんかなめのあまあまは巣穴の奥底で無傷だった。 あと数センチばかりれみりゃの腕が長かったら、いまごろ家族は仲良くれみりゃの胃液 を泳いでいることだろう。現在の状況が永続するならば、いずれれみりゃも諦めてくれる かもしれない。 だが、眼前で死が躍っている状況で安堵できるほど、ゆっくりは豪胆ではなかった。 かれらは見知らぬものには無意味なほどに横暴になれるが、一度経験した危険に対して は病的なほど臆病になる。そして、れみりゃ種をふくむ捕食種への恐怖は、餡子脳の根底 に深々と刻みこまれている。知らないどころではなかった。 恐怖が臨界点を突破したのか、家族は目も当てられない愛憎劇を演じつつあった。 「いぐっ……ぃぐっ……ぎょばいよぉぉ、ぎょば……ぎょばいよぉぉぉぉおおおぉぉっっ! おどぉぉぉぉじゃぁぁぁぁぁんっ! だずげでよぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!」 赤ゆのれいむの無我夢中の哀哭に接し、成体れいむの目に殺気のような希望がやどった。 「ぞ……ぞうだっ! ば、ばりざ! れみりゃをやっづげでねっ! いぐっ、 ゆっぐりじでないで れみりゃを やっづげでね! ざっざどじでねぇぇぇっ!」 成体まりさはツガイの命令に反抗した。 どれだけ理性を働かせて回答したかは分かったものではない。 「い……いや゛なんだぜ! ごろざれるん゛だぜ! でいぶが いぐんだぜぇぇ!」 いちおう、ゆっくりにも母性や父性がある。家族愛もあるし、保護欲もある。 が、薄っぺらな家族愛など圧倒的恐怖によって引っぺがされていた。いまやゆっくりを 支配しているのは、理性のすぐ下にうずくまっていた防衛本能だけだった。 「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!? な゛に いっでるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!? でいぶば がわ゛いーんだよぉぉぉぉ! ばりざが じんでねぇぇぇぇええぇっっ! がぞぐを、がぞぐを まもるんでじょぉぉぉぉぉぉぉっっ!」 「でいぶ なんだぜぇぇぇぇぇ! でいぶが じねぇぇぇぇえぇぇっっ!」 もはや夫婦喧嘩という水準にはなかった。敵意をむきだしにして、お前が死ねいいやお 前が死ぬべきだとやりあっている。家族をまもるはずの両親が見るにたえない悲喜劇をは じめてしまったから、赤ゆたちは困惑をきわめた。 「ゆぴゃぁぁぁぁああぁぁぁっっ! げんがじないでねぇぇぇぇええぇぇっっっ!」 「うるざいよぉぉぉぉぉぉっっ! げずの おぢびぢゃんば だまっででねぇぇぇぇぇ!」 「ぎゃばいぐっでごめん゛ね゛ぇぇぇぇぇぇぇ! ぎゃばいぐっでごめん゛ね゛ぇぇぇぇぇぇぇ!」 「ずーばーじーじーだいぶぅぅぅぅぅっ! ずーばーじーじーだいぶぅぅぅぅぅっっ!」 侃々諤々の議論の結果、つぎにやってきたれみりゃの腕を、まりさが迎え撃つことにな った。家長の役目を思い出したというよりも、押し切られただけであった。家族一同、ま りさの迎撃を固唾をのんで見守る。 はたして、触手のような腕がやってきた。 まりさは白蛇のような五本指に対して、 「ぷ……ぷ……ぷきゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」 威嚇した。 突撃するわけでも噛みつくわけでもない。あんよは一ミリたりとも前進していない。 ゆっくりの代表的威嚇行動である「ぷくー」を展開するばかりだった。 あまりにも情けない敗北主義をまのあたりにして、れいむは激昂した。 「まじめに゛やっでねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!」 首を絞められたように目をみひらき、ツガイのまりさを蹴りとばした。 まりさは回転しながら前方につんのめった。 起きあがったとき、横穴の入口に背を向けたかっこうになっていた。 後頭部に衝撃がはしり、総毛だった。 捕食者に後ろ髪をつかまれたのだ。 すかさずまりさは「ゆん」と叫び、あんよに力をこめた。 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」 火事場の馬鹿力というやつか。通常のゆっくりが胴つきれみりゃの膂力にかなうはずが ない。ないのだが、たしかにその場に踏ん張っている。それでも、種族のちがいに根差し た腕力の差は埋めがたく、すこしずつ外へとひっぱられてゆく。 「だ……だずげでぇぇぇぇ! でいぶぅぅぅぅぅぅぅ! おぢびぢゃぁぁぁぁぁぁんっ!」 まりさは死にものぐるいで助けをもとめた。しかし家族は立ちすくむばかりで動こうと さえしない。それどころか、ツガイのれいむは勝ち誇ったようなうすら笑いをたたえるの だった。赤ゆたちのほうがはるかに心配そうな目をしている。 「で……でいぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ! どぼじで わらっでるんだぜぇぇぇぇぇっ! だずげろぉぉぉぉぉぉぉっ!」 「ふんっ! ぷくーなんかで ごまかそとした げすへの『てんっばつっ』だね! ゆっくり りかいしてねぇぇ!」 一向に家族をまもろうとせず、あまつさえ自分の身代わりになれと吼えちらかし、よう やく父親の役割を再認識したかとおもったら、ぷくーなどで誤魔化そうとするまりさなど、 もはやツガイではなかった。かくしてれいむはツガイに三下り半を突きつけるにいたった。 だが、生死のはざまに立たされているまりさにとっては、そんなことはどうでもよい。 「な゛にいってるんだぜぇぇぇぇぇぇ! だずげろっでいっでるんだぜぇぇぇぇぇぇぇっ!」 恫喝のような救援をもとめるまりさを見て、れいむの目は哀憫の色を浮かべた。 その色を発見し、まりさは胸をなでおろすとまでは行かなくても、希望をつないだ。 「へ。そこまでいうなら……たすけてあげるねぇ!」 ずるり。と、まりさがいま一歩後退を余儀なくされた。成体は歯を食いしばってその場 にとどまる。れいむは今まさに奈落に引きずり込まれようとしているかつてのつがいに歩 み寄った。 そして、くるっと一回転した。 「きゃわいくってごめんねぇぇー!」 ウィンクして、ポーズを決めた。 まりさは絶望した。 というより、意味が分からなかった。 ところが赤ゆたちの目はかがやいた。 それは、れいむが常日頃から行っている挨拶のようなものだった。 降ってわいた日常に、かれらは恐怖を忘却した。 「れいみゅもやりゅー!」 「れいみゅもやりゅー!」 「まりしゃもやりゅー!」 赤ゆたちがれいむの隣にならんだ。 れいむはもみあげの先端で赤ゆたちを撫でた。家族揃ってまりさと向きあう。 「おちびちゃん、いくよ~~! いっせーの……」 『きゃわいくっちぇ ぎょめんにぇー!』 母と娘が同時にポーズを決めた。 一寸の乱れもなかった。 「だずげでねぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ! ばがやっでないで だずげでねぇぇぇぇぇぇっっ! ゆ゛ぎぎぎぎぎ……!」 「みゅみゅっ!? しぇっきゃきゅの『きゃわいくっちぇごみぇんにぇ』だよ!?」 「どーちて りきゃい できにゃいにょ? ばかにゃにょ? ちぬの?」 「おとーしゃんは ゆっきゅり できにゃいよ! ちんでね!」 まりさは唾を飛ばして助けを呼んだ。 が、赤ゆは総じて不満をあらわにしていた。 自分たちの「かわいくってごめんね」が、かつてないほど綺麗に決まったのに、どうし て意味不明な救援を求めるのだろうと、赤ゆたちは心底疑問だった。その回答は父の発狂 に求められた。父はおかしくなったのだ、と。狂気を孕んだゆっくりなどもはやゆっくり ではなく、ましてや親なんかではなく、そのために赤ゆは親を罵倒しても、てんとして恥 じなかった。 ところが、れいむがまりさの眼前に進み出て言うのである。 「わかったよ! これなら どう!?」 まりさの黒瞳に、打ち砕かれるべき希望が宿った。れいむはつがいにあんよを、正確に いえば肛門を向けた。ちなみにゆっくりは肛門を「あにゃる」と呼称する。そのあにゃる から、ムリッと、黒いものがせりだしてきた。 「すーぱー! うんうん! たいむ!」 「ゆ゛……!?」 まりさの驚愕の声を聞くと、心躍った。肛門に力をこめた。うんうんは弾道軌道をえが いて助けをもとめるまりさの口に着地した。 「すっきりー!」 れいむは恍惚とした。ひとかけらのうんうん。それが差し出された助けだった。 まりさの眼光に怒気が差した。 その一方で、赤ゆたちは歓声をあげた。 うんうんがゆっくりのおくちに! ありえない現象を目撃しておもしろがった。 「まりしゃもー!」 「れいみゅもー!」 「れいみゅもー!」 赤子とは、面白いものを真似したがるものだ。 たちまち、死に瀕するまりさの眼下に三匹の赤ゆがならんだ。そして、一様にあんよを 親まりさに向ける。掛声一銭。うんうんを射出してみせた。だが、腹部の力が弱かったた めか、口には入らず顎に命中したのだった。 『しゅっきりー!』 「おちびちゃんたち! おじょーずだよー! ぺーろぺーろしてあげるね!」 「くすぐっちゃい~」 「ゆゆ~。おきゃーしゃんの ぺーりょぺーりょは とっちぇも ゆっきゅり できりゅんだじぇ~」 ひとしきり赤ゆを舐めあげると、れいむはまりさに向きなおった。 そろそろまりさの死力も枯渇する。 むしろ、いまの今までれみりゃの膂力に抗いつづけていられたことが奇跡にもひとしか った。歯ぎしりをして悔しがるまりさに対し、れいむは愉快げに言った。 「げすまりさは れいむの うんうんを いっぱい むーしゃむーちゃしていいよ!」 『いーよー!』 赤ゆの合唱が追従した。 まりさの口の端から、うんうん混じりの黒い唾液がしたたりおちる。 「……ゅ……ゆ゛……ゅ゛……」 「んん~? どうしたの? さっさとむーしゃむーしゃしてね!」 『しちぇにぇ~』 赤ゆの甲高い声がひびきわたった、そのときだった。 「ごろじでやるぅぅぅぅっっ! ごろじでやるんだぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!」 「ゆゆぅぅぅぅっっ!?」 まりさは絶叫した。 成体一頭と赤ゆ三匹、殺意におされて後ずさった。 「ごろじでやるぅぅぅ! でいぶもっっ! ちびどももっっ! ごろじでやるんだぜぇぇぇぇぇっ!」 「ゆ゛……ゆ゛……」 「ぎょばいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ! ぎょばいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」 「ごっぢ ごないでねぇぇぇぇぇっ! あっぢ いっでねぇぇぇぇぇぇぇっっ!」 「ゆぴぃぃぃぃぃぃぃっっ! ゅぴぃぃぃぃぃぃっ!」 あろうことか、まりさは前進を始めていた。 後頭部を引っ張るれみりゃの腕力にあらがって、ひきさがるどころか、鬼神の殺意を目 もとにたたえつつ、家族のもとへと這ってゆく。まりさは変身していた。怒声、罵声、脅 し文句を思いつくかぎりならべたて、屑どもに接近する。赤ゆたちはさきほどまでの歓喜 はどこへやら、いまは力のかぎり泣きわめいている。 れいむは震える歯を噛みしめて、力いっぱいさけんだ。 「ゆっくりしていってね!!!」 赤ゆがほがらかにこたえた。 『ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ~』 まりさも言った。すばらしい笑顔を浮かべたまま。 「ゆっくりしていってね!!!」 ゆっくりたるもの、ゆっくりしていってねと言われれば、ゆっくりしていってねと答え るほかない。死のふちに瀕していようが、隠密行動の最中だろうが、もし十秒以内にゆっ くりしていってねと叫ぶと森羅万象が滅ぶと認めていたとしても関係ない。 本能のようなものである。 そしてこの言葉を発するとき、ゆっくりは力が抜ける。 「ぎょぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ! ゆごぉぉぉぉぉぉぉっっ!」 まりさの姿が急速に小さくなったいく。一瞬のうちに横穴の外にまで引きずり出された。 れみりゃはやっと獲得した一匹目を堪能すべく、身を起こし、あぐらをかいて、これをむ さぼりはじめた。おそらをとんでいるみたいとか、やめるんだぜまりさはおいしくないん だぜとか、色々聞こえてきたが家族にとってはどうでもよいことだった。 れいむはほっと安堵の吐息をもらした。 巣穴の入り口に背をむけて、赤ゆたちに声をかけた。 「すっきりしたね! おちびちゃん!」 「したにぇー!」 「したんだじぇー!」 れいむが赤ゆたちの視界を遮っていなかったなら、もう少しましなことを言っていたか もしれない。巣穴の外では悲鳴まじりに黒い雨が降っていた。れみりゃは、またたくまに 一匹目のゆっくりを食らいつくしてしまっていた。だが、まだ満腹には及ばない。そこで 身をかがめて巣穴をうかがった。 そこにれいむ種の背中を発見した。 覗くものは、覗きこまれるものである。 赤ゆたちの視界のはしには、れみりゃの赤い瞳が見えていた。 「……ゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ!」 赤ゆは悲鳴をあげて後ずさった。が、れいむは背中で何が起こっているのか分からない。 分かったのは、巣穴に差しこんでいた日の光が、突然にさえぎられて家が暗くなったこと だけだった。 「え? ……ゆごぉっ!」 れみりゃの手が伸びてきて、無防備な後ろ姿をわしづかみにした。 れいむは踏ん張った。こちらも馬鹿力だった。まりさが引きずり出されるときと、ほと んど同じ光景が現出した。ちがいといえば、死に淵に立たされているのがまりさではなく れいむだということと、助けを求める相手に成体ゆっくりが含まれていない、という二点 だけといえた。 いや、もうひとつ。 まりさの時とは違って、後ろ髪ではなく皮膚をつかまれていたために、皮膚が後ろに引 っ張られ、あわせて顔面の造作が左右にのび、鬼面ができあがった。 「ふごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ! おちびちゃんだぢぃぃぃぃぃっっ! だずげでねぇぇぇぇっっ!」 「ゆ゛ぇええええぇぇぇ゛ぇぇぇ゛っっ!」 「ゆっぎゅりでぎないぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ!」 「ごっぢごないでねぇぇぇぇぇぇぇっっっ!」 「たずげでっでいっでんでぢょぉぉぉぉぉぉぉっっ! ざっざどじろぉぉぉぉぉぉっっ!」 必死の形相で叫んだかいがあり、赤ゆは母が危険に陥っていると悟ることができた。 そこで赤ゆたちは審議をはじめた。 「ゆぅ……? おきゃーしゃん。ゆっきゅり してないね~。どーちて?」 「ゆぅ……。どうちよ……」 「ゆっくちー、ゆっくちー。ゆっくち しゅりぇば いいよ!」 「おきゃーしゃんは たすけて って……ゆ~。どーゆーこちょ?」 「たしゅけりゅんだよ!」 「ゆぅ……ゆぅ! しょっか! たしゅけりゅよ!」 「おきゃーしゃんを たしゅけりゅよ!」 まったりとした審議中、れいむは叫びまくっている。 が、シングルタスク脳である餡子脳にとってはそれはほとんど他人事、あるいは雑音、 風の音のようなものにしかならず、右から左へと抜けていた。 ともかく結論は出た。 赤ゆたちはれいむの前に横一列にならんだ。 そして、 『きゃわいくってぎょめんにぇー!』 ポーズを決めた。 びしっと。 一糸乱れぬポーズだった。 「ゆがぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁっっ! ごろずっっ! ごろじでやるぅぅぅぅぅぅぅっっっ!」 赤ゆにとっては予想外の展開だった。親まりさが引きずり出されそうになったとき、親 れいむはこれでまりさを助けようとしたのだ。このあとは「すーぱーうんうんたいむ」で 完璧だ、とさえ思っていた。 「どぼじでおごるにょぉぉぉぉぉっっ! れいみゅは『たすけ』だのにぃぃぃぃぃっっ!」 「『たすけ』たのに まりしゃを おこりゅ げしゅな おきゃーしゃんは ちねっ! ゆっくりちねっ!」 赤ゆのまりさが宣戦を布告した。 たちまち姉妹も同調し、死相を浮かべる親れいむに突撃した。 「ちんでねっ!」 「ちね、ちねっ!」 「ちねっ、ちねっ、げしゅは……ちねっ!」 ぽんぽんと、ぶつかっては跳ね返されてゆく。 れいむは殺意にかられた。 「ゆぐぅぅぅぅぅぅぅぅ……ごろずぅぅぅぅぅぅ……ゆべぇっっ!」 突然、れいむは解放された。 唐突の出来事に力の制御がきかず、つんのめり、赤ゆをはじきとばした。 「はぁ! はぁ! ……おぢびぢゃんだぢ……よぐも……よぐも……」 ゆるゆると起きあがる。そこに赤ゆの悲鳴がきこえてきた。 「ゆぅぅぅぅぅ! ゆっぐりでぎにゃい ゆっぐりが いりゅぅぅぅぅぅっっ!」 れいむの頭部から、ゆっくりれいむの象徴たる赤いお飾りが紛失していた。 胴付きれみりゃがもぎとってしまったのだ。そのころれみりゃは、お飾りを見て「うー?」 と首をひねり、ぽいと放り投げてしまっていた。 視点を巣穴にもどす。 「ん? ……ああ? ぁ……ぁ……お……、お、おがざりがぁぁああぁぁあああぁぁ!? ずべでの ゆっぐりの あこがれがぁぁぁぁああぁぁぁぁぁっ! でいぶの がわいい おがざりがぁぁぁぁぁああぁぁっっ!! ゆ゛っぐりの しほうがぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」 れいむは発狂していた。あたりを見まわしてもお飾りはない。子供たちはいきなり出現 した見知らぬゆっくりに、わなないている。二頭いる赤ゆのれいむの一頭にいたっては、 モリモリッと、あにゃるから糞を流していた。 緊張のあまり腹部が弛緩してしまったのだろう。 「……おちびぢゃんだちの ぜいだねぇぇぇ……ん? ふぎょわぁぁぁああぁぁぁぁっっ!」 お飾りを失くした原因を、赤ゆに求めた。 が、直後、巣のなかが暗くなった。 れいむは入口に見て、そこに巣穴をのぞいている捕食種を発見した。 殺される! と思うや、母親が赤ゆのれいむのお飾りを口にはさんだ。 「……ゆゆ?」 「ゆんっ!」 うなりを上げて赤ゆが出入口に吸い込まれてゆく。 投げたのだ。 「おしょりゃとんでりゅみちゃいぃぃぃぃぃ……ゆごっ!」 放り出された赤ゆのれいむを、れみりゃは見事にキャッチした。悲鳴をあげるまもなく、 母の身代わりとなった赤ゆはひとのみに飲みこまれた。胃液に溶かされながら苦しみ悶え て死ぬしかないので、なかなかに辛い死に際であろう。母が子を殺した一部始終は、のこ りの二頭の赤ゆにしっかりと見られていた。 「いもーちょをかえちぇぇぇぇ!」 「かえちてね!? まりしゃのいもーちょかえちてね!」 懲りずにはじまる親子喧嘩。 「ふんっ。おまえらなんか、こうだよ!」 れいむは赤ゆからお飾りと帽子を略奪し、それを巣穴の入り口へと投げすてた。 「ゆゆぅぅぅぅぅ! まりしゃのおぼーちがぁぁぁ!」 「れいみゅのおきゃざりぎゃぁぁぁ!」 「ふん! れみりゃがくるよ!」 「ゆゆぅ!」 赤ゆはようやく、外に捕食種がいることを思い出した。 さすがに命は惜しかった。帽子と飾りを潤んだ目つきで見つめるしかなかった。 その後、もう一度れみりゃの手がもぐりこんできて、また去っていった。 回廊に堕ちていた帽子とお飾りは消えさっていた。 引き下がる腕に巻きこまれたのだ。 胴つきれみりゃは地団太を踏んだ。 成体まりさと赤ゆのれいむは食べられたが、あと三頭も残っている。悔しい。 道具を使う、という発想はなかった。 そこに翼を生やしたれみりゃ、胴なしのれみりゃがやってきた。 「なにやってるんだどー?」 「このなかにあまあまがあるんだどー。はいれるんだどー?」 「とっでぐるんだどー!」 家が暗くなった。 「……ゆ?」 家族は入口を見やった。 れみりゃの顔が浮かんでいた。 「ぶぎょぉぉぉぉぉぉぉ!」 「ゆごぉぉぉぉぉ!」 「ゆぴぃぃぃぃぃ!」 「うー、うー」 胴なしれみりゃが巣穴に侵入をこころみていた。 ところが。 「う~~~~~!」 巣穴の大きさは、成体ゆっくりが一列縦隊で入れるほどの隙間しかなかった。 そのため、翼をもっているれみりゃは、翼の付け根がひっかかって入れなかった。 「うう~~~~~~!」 うす暗がりに、れみりゃの声が充満した。一家は抱き合いながらさんざんに泣きあって いたが、やがて、れみりゃがその大きさのために入ってこれないことに気付くと、一転し て勝ち誇り、侮蔑の笑みさえたたえた。一家は入口へと跳ねていく。そして、おもいおも いに、れみりゃをからかいはじめた。 「は……は……こっぢごれないよ! ざまぁー! ざまぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!」 「うー、うー」 「きゃわいくっちぇぎょめんにぇぇぇぇ!」 「うー、うー、うー」 「ゆゆーん。まりしゃは とっちぇも ゆっきゅりしちぇいりゅんだじぇ~~」 「うー、うー。……う~~~~っ!」 「どうしてこっちこないの? ばかなの? しぬの? ほーらほーら、れいむはここにいるよー」 「うー。どくんだどー」 「あれ?」 胴付きれみりゃが業を煮やして、胴無しのれみりゃをどかした。 そして、巣穴の中をのぞく。 「うー?」 手近にいたゆっくりを捕らえた。成体れいむである。おそらとんでいるみたいと、場を わきまえぬ戯言を繰りだす。直後に目をみひらくと、息が吹きかかりそうな近距離にれみ りゃの顔があったので絶叫した。れみりゃは両手で果実を持ち、不細工きわまる泣き顔を じっくりと観察した。 なお、子は成体れいむが引きずり出されたあいだに、奥に逃げ去ってしまっていた。 「う~?」 「ぁ……あ……は、はなしてね! れいむをはなしてね!」 「うー?」 「……な、なかにおちびちゃんがいるよ! あっちのほうがおいしいよ! 「うー!」 「……そ、そうだよ! れいむは おいしくないよ! おちびちゃんは おいしーよ!」 「うー……」 「やめてね! ……れいむを、ゆぇぇ、た、たべない、でね! れいむば、ゆぐっ、じにだくない……」 「うー……」 「やじゃぁぁぁぁぁぁっっっ! でいぶ じにだくないよぉぉぉぉぉぉ! じにだくないぃぃぃぃぃぃっっ!」 「うー!」 れみりゃは、れいむの肛門に指をつっこんで餡子をほじくりだした。ついで、あんよを 握りつぶしてその穴から餡子をすすった。さらに右目をえぐりだして口にふくみ、こりこ りとした食感をたのしんだ。まだれいむには意識があった。成体ゆっくりの大味は、満腹 になりかけた胴付き舌には不満だった。放り投げた。ぐしゃりと潰れた音を立てて墜落し た。みあげた生命力だった。瀕死ではあったが死んではいなかった。だが、そこに胴無し のれみりゃが飛んできて、おこぼれにあずかる。 胴付きは赤ゆを楽しもうと巣穴をのぞく。 甲高い声がもれてくる。 「し……しりゃにゃい ゆっきゅりが いりゅんだじぇ!」 「しりゃにゃい ゆっきゅりが いりゅぅぅぅ!」 赤ゆのまりさとれいむは、おたがいに目をやって同時に悲鳴をあげていた。 お飾りと帽子が失われているから、おたがいだれだか分からない。 そして同時に、お互いを排除すべき異物と認識した。 先手をとったのまりさだった。 「ちね!」 「ゆん!?」 体当たりをかました。 赤ゆのれいむが転がった。 「ゆゆ~。おぼうちのないゆっきゅりは、ちね!」 「ゆゅ!?」 こんどはれいむが反撃した。 まりさは転がったがさしたる打撃にはなっていない。 はた目には、じゃれあっているようにしか見えないだろう。 「ちね!」 「ちね! ちね!」 しかし、当人たちは本気の殺し合いを演じているつもりである。 赤ゆが死闘をくりひろがている間、外では決定的な異変が起こっていた。 胴付きと胴無しが話しあっている。 「うー、うー!」 「うー? どうしたんだどー?」 「うーにあやまらせるんだどー」 「なんでなんだどー?」 「れみりゃをからかったんだどー。あやまらせるんだどー。あやまるなら あいつら ゆるしてやるんだどー。たべちゃいけないんだどー」 「どーしてなんだどー?」 「おなかいっぱいなんだどー。それと、れみりゃを ばかにした ゆっくりは ひさしぶりなんだどー。ゆーきに めんじるんだどー」 「わかったんだどー。うーも おなかいっぱい なんだどー」 胴付きれみりゃが、巣穴をのぞく。 姉妹の決闘はつづいていた。 「ちね! ちね!」 「うー。おちびちゃーん。でてくるんだどー」 「ちねっ! ちねっ!」 「おちびちゃーん。うーに あやまるんだどー」 「ちねぃっ!」 「あやまるんだどー」 「ちね! ちね!」 「あやまれば たちさるんだどー?」 「ちねぃ! ちねぃ!」 「うー。あやまらないんだどー。ばかなんだどー。……こーなったら、こーするんだどー」 れみりゃは巣穴に尻を密着させた。 ばふっ。 と、濁った音を立てて、黄ばんだ煙がれみりゃの肛門から発射された。 胴付きれみりゃの屁は、あらゆるゆっくりに死をあたえる。 指向性のついた毒けむりが巣に広がってゆく。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!」 殺し合いどころではなくなった。 殺到する黄色い煙をまえにして、まりさはれいむの背中に移動した。 「か、かくれりゅんだじぇー!」 「ゆゅっ!? は、はなちてね! れいみゅを はなちてね!」 「ゆゅ~~。れいみゅばりあー!」 まりさはれいむにしがみ付いて離さない。 髪の毛に顔をうずめて、煙をやり過ごそうとする。 れいむは、もがいた。 「はなちてね! きゃわいい れいみゅを はなちてね! しゃっしゃと はなしゃないと おこりゅよ!」 「は、はなちてね! ゆゆ! ゆっきゅりできにゃいよ!? ぷっぷーさんがくりゅよ! は、はなち、はなちてね……ふごっ!」 ついに赤ゆのれいむは毒ガスを吸い込んだ。 「ゆ゛……ゅ゛……ゅ……ゅぐ……あ……」 臭気はたちまちれいむの全身にめぐり、体内餡子を汚染していく。 赤ゆのれいむは震えだし、白目をむき、電気を帯びたようにはげしく痙攣し、肛門がひ らいてうんうんが搾りだされ、まむまむから汁がひらいて汁がちょろちょろと垂れながさ れ、うめき声とともに口からべろりと舌が垂れ、その多目的器官は病的なまでに黄色く変 じていた。 「ぃぃぃぃぃぃ……ぎぎぎぎぎぎ………ゆごっっっ!」 赤ゆが大きくふくらみ、爆発するように大量の餡子を嘔吐した。 その背中に隠れていたまりさは、楯がいきなり薄っぺらになって防禦機能を喪失してし まったため、戦慄した。 「ぶぎゃぁぁぁぁぁああああぁぁぁっ! な、なにやっでりゅんだじぇぇぇぇぇぇぇっっ! じゃ、じゃっじゃど もどに もどっでねぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ! べーりょべーりょしであげりゅねぇぇぇぇぇぇぇっ! ぺーりょぺーりょ……ゆべぇぇぇぇっ!」 赤ゆの死骸にはたっぷりと毒ガスが沁みこんでいた。まずいどころか危険である。 ぷっと餡子を吐きだした。 そこに死刑宣告にもひとしい声がとどろいた。 「もっとするんだどー!」 ばふっ、ばふっ、ばふっ! 放屁の三連射だ。 濃厚な煙が、赤ゆを抱こうと突進する。 卒倒しそうになった。 「ゆぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ! ゆぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ!」 なにか身を隠すものはないかと、血相をうかべてあたりにさぐった。 あった。 「しょ、しょーだ! おといれしゃんに にげりゅんだじぇー!」 この家にはトイレがあった。 それもゆっくりにしてはかなり本格的なものだ。 巣の一隅に高台が築かれていて、そこに小さな縦穴が掘られている。 ちなみに、高台にトイレがあるのは、赤ゆの落下をふせぐ措置である。高台にあれば 赤ゆは登れず、登れるような運動能力を獲得したときにはゆっくりの大きさは穴の直径 をこえている。 赤ゆのまりさも、いつもは直接にたれ流すのではなく、葉っぱに用を足していた。 その葉っぱを両親が回収し、トイレにすてるのだ。 だから赤ゆのまりさは直接にトイレにうんうんを放ったことはなかった。 だが構造は知っていた。 穴が開いていると知っている。 そこに入れば、れみりゃの放屁をやりすごせるだろう。 まりさはトイレに向かい、 「ゆぅっ!」 と、さけんで高台に乗った。 決死の自己保存本能が、赤ゆの運動性能をあげていた。 このときのまりさは、トイレの底がどうなっているかが想像できるほど知恵が発達し ていなかった。うんうんは、さながらブラックホールのように――むろん、そんな知識 などなかったが――どこへともなく消失するものと思っていた。 「ゆん!」 と、いきおいよく草の蓋をのけて、 「ゆんやっ!」 と、トイレの穴に身を投げた。 「おしょらっ!」 ぽちゃりと音がした。 直後。 「くちゃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ! きちゃにゃいぃぃぃぃぃぃっっっ!」 縦穴から悲鳴がはっせられた。 まりさは混乱のきわみにあった。 れみりゃが絶対に手をだせないと思っていた安住の地には、鼻をねじ曲げるような熾 烈な臭気がみちみちていた。動けば動くほど、古餡子があんよにねっとりとからみつく。 それに暗い。いや暗いどころか一筋の光もない。また、狭かった。身動き一つできそう になかった。それでも、身をよじってなんとか天井をあおいだ。白い穴が開いていた。 その穴はたいへんに小さかった。 れみりゃはいぶかしがっていた。 放屁でいぶりだせるかと思ったが、どれだけたっても赤ゆは出てこない。 巣穴をのぞいてみても、どこにも赤ゆの姿はなかった。 「うー。あきらめるんだどー」 成体れいむの残骸をむさぼっていた翼のれみりゃとともにきびすを返し、群れにもどっ ていった。 日のたかいうちに、いなごの大群は次なるゆっくりプレイスを探しに旅立った。 夜が来た。 春の涼気が野山をひたし、おぼろな月が空に泳ぐ。 とてもとてもゆっくりできる夜が来た。 だが、たった一匹だけ、ゆっくりできないゆっくりがいた。 奈落の底に落ちたゆっくりが、汚物にまみれて泣いていた。 「たしゅけちぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ! ぴゃぴゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ! みゃみゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ! れいみゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっ! たしゅけちぇにぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ! ゆ……ゆ……ゅ……ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ! どぼじでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ! だずげで ぐれないのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ! ば……。 ば……。 ばりざは……。 ばりざは ここに いりゅよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!!」 月が大地に溶けこむまで、慟哭はつづいた。 泣き声は日を追うごとに小さくなっていき、数日後には永遠に聞こえなくなった。 (おわり)
https://w.atwiki.jp/hutaba_ranking/pages/238.html
山桜がたおやかな春風にふかれて揺れている。樹冠の落とす木漏れ日もまたおなじ。空 の青さは指をかざせば染まってしまいそうなほどだ。蝶は舞い、花は咲き、梢にとまる小 鳥たちは盛んにさえずり愛を謳っている。 野山はさんざめいていた。 ついに、ゆっくりが待ち望んでやまない季節がやってきたのだ。 この季節、ありとあらゆるゆっくりが巣穴を飛びだして春をむさぼる。 そのため。 とあるゆっくりプレイスでは、惨劇が発生していた。 「うー。……うまいんだどー!」 「ゅ……ゆ……ゆっ」 「うー、うー。あまあまなんだどー」 「はなちぇー! はなちぇー!」 「むーしゃむーしゃするんだどー」 「やべでね! れいむに いたいこと しないでね! ……ゆぶべぇぇっ!」 午睡を誘う麗らかな春の日に、れみりゃ種による饗宴がくりひろげられていた。 胴体の有無を問わず、十数体のれみしゃ種がゆっくりの踊り食いにふけっている。 すでに、コロニーは壊滅状態にあった。 百頭を越えていたゆっくりプレイスの構成員は、捕食種の襲撃から一時間もへたずして 壊滅状態に追いこまれ、顔面の造作をまるごと失ったれいむや、内部の餡子をすすられて のっぺりとした皮と化したまりさといった、酸鼻をきわめた宴の残骸がそこかしこに散乱 しているという、まったくもって惨憺たる光景が呈せられるようになった。 生存しているゆっくりもいないわけではない。だが、そのほとんどはすでにれみりゃの 手中にあるか、さもなくば瀕死のまま放置されていた。 そしていま、れみりゃの毒牙から逃げのびつづけていた最後の家族が、食物連鎖の一端 に連なろうとしていた。 「ぶぎゃぁぁぁぁぁぁぁっっっ! ぎょわいっ、ぎょばいぃぃぃぃっっっ!」 「あっぢいげぇぇぇぇえぇっ! あっぢいげぇぇぇっっっ!」 「ゆぴぃぃぃぃぃぃぃぃっ! ゆぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっ!」 「ごっぢごな゛い゛でね゛ぇぇぇぇぇぇっっ!」 「ぷきゅぅぅぅぅぅぅっっ! ぷ、ぷ、ぷ、ぷきゅぅぅぅぅぅぅっっ! ぶ……ぶぎゅぅぅぅぅぅっっ!」 胴付きれみりゃがうつ伏せになり、崖にうがたれた横穴に太った右手をつっこんでいる。 その穴からは、号泣と慟哭と怒声のいりまじった聞くに堪えない叫び声がだだ漏れになっ ていた。見てのとおり、れみりゃが「おうち」に逃げこんだゆっくりを引きずり出そうと しているのである。 「うー。とどかないんだどー」 しかし惜しくも奥にまで手がとどかなった。獲物は横穴の奥にぴったりと背中をつけて いて、かつ横穴にはかなりの距離があった。 いったん手を引っこめた。 それと同時に声をあげての泣きわめきはむせび泣きに転じた。 横穴の奥底では五頭のゆっくりがふるえている。 家族構成は成体のまりさとれいむ、それから赤ゆのまりさが一頭とれいむが二頭だった。 成体まりさの口がひらく。 「お、お、おぢびぢゃん、だ、だいじょ、だいじょうぶ、なん、なんだぜっ、 れみ、れみ、れみりゃ、おぢびぢゃん、おぢびっ、おぢびぢゃんば、 ば、ば、ば、ばりぢゃが、まも、まもるんだぜっ」 成体まりさの強がりなど、気休めにもならなかった。家族の恐怖は極限にたっしていた。 こんな状態でなぐさめの言葉を授けたところで、効果のほどはたかが知れている。 家族一同、おびえているどころではなかった。 だれもかれも、涙線は完全に崩壊している。しーしーもうんうんも垂れ流しだが、その 汚臭を気にするゆっくりは一頭もいない。五頭の足もとには、落涙ゆえか失禁ゆえか、あ るいはその両方ゆえか、砂糖水が溜まり池をつくっていた。成体まりさの血走った眼球は 前方にせりだし、いまにもこぼれおちそうだ。親子ともども、まりさ種は歯をかちかちと 噛みならし、れいむ種は下唇を痛いほどにかみしめている。そして全員、氷点下の青空に 放り出されてもこれほどでもあるまいと思えるほど激しくふるえている。 れみりゃの腕が再度侵入してきた。 「ゆぎぃぃやぁぁぁああぁぁぁっっ! ぐるな゛ぁぁぁぁぁああぁっっ!」 「ぎょばいぃぃぃぃぃっっっ! な゛んでぐるのぉぉぉぉぉぉぉっっ!」 「ま゛、ままままままままままままりじゃ、まりじゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃっ、 ぢゅよいっ、ぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅよいんだじぇぇぇぷぎゃぁぁぁぁああぁぁっ!」 目と鼻のさきで捕食者の太った五指がわきわきと躍っているのだから、たまらない。 だが手は虚空をつかむばかり。 悪魔の触手が引っ込んだ。 泣き声がやむ。 さきほどから泣いてはやみ、やんでは泣くの繰りかえしだ。 「ゆ゛……ゅ゛……ゅ゛……ゅ゛……もう、ぐるんじゃ、ないん、だぜ、ぐるな、ぐるな、ぐるな、ぐるなぐるなぐるな……」 「ゅあ……ゅ゛……ゅ゛……ごないでね゛っ、ごないでね゛っ、ごないでね゛っ、ごないでね゛っ、ごないでね゛っ」 「ま、まりじゃ、まりじゃば、ぢゅよいんだじぇ、ぎ、ぎ、ぎ、ぎだら゛、ようじゃ、じな゛いんだ、じぇっ」 「ごべんなざい゛ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっ! ごにゃいでぇぇぇぇぇっ! ごないでにぇぇぇぇぇっっ」 うねうねと、手がやってくる。 家族の声がそろった。 『ぎだぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!』 だが何度やっても結果はおなじだった。 獲得するのは悲鳴ばかりで、かんじんかなめのあまあまは巣穴の奥底で無傷だった。 あと数センチばかりれみりゃの腕が長かったら、いまごろ家族は仲良くれみりゃの胃液 を泳いでいることだろう。現在の状況が永続するならば、いずれれみりゃも諦めてくれる かもしれない。 だが、眼前で死が躍っている状況で安堵できるほど、ゆっくりは豪胆ではなかった。 かれらは見知らぬものには無意味なほどに横暴になれるが、一度経験した危険に対して は病的なほど臆病になる。そして、れみりゃ種をふくむ捕食種への恐怖は、餡子脳の根底 に深々と刻みこまれている。知らないどころではなかった。 恐怖が臨界点を突破したのか、家族は目も当てられない愛憎劇を演じつつあった。 「いぐっ……ぃぐっ……ぎょばいよぉぉ、ぎょば……ぎょばいよぉぉぉぉおおおぉぉっっ! おどぉぉぉぉじゃぁぁぁぁぁんっ! だずげでよぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!」 赤ゆのれいむの無我夢中の哀哭に接し、成体れいむの目に殺気のような希望がやどった。 「ぞ……ぞうだっ! ば、ばりざ! れみりゃをやっづげでねっ! いぐっ、 ゆっぐりじでないで れみりゃを やっづげでね! ざっざどじでねぇぇぇっ!」 成体まりさはツガイの命令に反抗した。 どれだけ理性を働かせて回答したかは分かったものではない。 「い……いや゛なんだぜ! ごろざれるん゛だぜ! でいぶが いぐんだぜぇぇ!」 いちおう、ゆっくりにも母性や父性がある。家族愛もあるし、保護欲もある。 が、薄っぺらな家族愛など圧倒的恐怖によって引っぺがされていた。いまやゆっくりを 支配しているのは、理性のすぐ下にうずくまっていた防衛本能だけだった。 「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!? な゛に いっでるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!? でいぶば がわ゛いーんだよぉぉぉぉ! ばりざが じんでねぇぇぇぇええぇっっ! がぞぐを、がぞぐを まもるんでじょぉぉぉぉぉぉぉっっ!」 「でいぶ なんだぜぇぇぇぇぇ! でいぶが じねぇぇぇぇえぇぇっっ!」 もはや夫婦喧嘩という水準にはなかった。敵意をむきだしにして、お前が死ねいいやお 前が死ぬべきだとやりあっている。家族をまもるはずの両親が見るにたえない悲喜劇をは じめてしまったから、赤ゆたちは困惑をきわめた。 「ゆぴゃぁぁぁぁああぁぁぁっっ! げんがじないでねぇぇぇぇええぇぇっっっ!」 「うるざいよぉぉぉぉぉぉっっ! げずの おぢびぢゃんば だまっででねぇぇぇぇぇ!」 「ぎゃばいぐっでごめん゛ね゛ぇぇぇぇぇぇぇ! ぎゃばいぐっでごめん゛ね゛ぇぇぇぇぇぇぇ!」 「ずーばーじーじーだいぶぅぅぅぅぅっ! ずーばーじーじーだいぶぅぅぅぅぅっっ!」 侃々諤々の議論の結果、つぎにやってきたれみりゃの腕を、まりさが迎え撃つことにな った。家長の役目を思い出したというよりも、押し切られただけであった。家族一同、ま りさの迎撃を固唾をのんで見守る。 はたして、触手のような腕がやってきた。 まりさは白蛇のような五本指に対して、 「ぷ……ぷ……ぷきゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」 威嚇した。 突撃するわけでも噛みつくわけでもない。あんよは一ミリたりとも前進していない。 ゆっくりの代表的威嚇行動である「ぷくー」を展開するばかりだった。 あまりにも情けない敗北主義をまのあたりにして、れいむは激昂した。 「まじめに゛やっでねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!」 首を絞められたように目をみひらき、ツガイのまりさを蹴りとばした。 まりさは回転しながら前方につんのめった。 起きあがったとき、横穴の入口に背を向けたかっこうになっていた。 後頭部に衝撃がはしり、総毛だった。 捕食者に後ろ髪をつかまれたのだ。 すかさずまりさは「ゆん」と叫び、あんよに力をこめた。 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」 火事場の馬鹿力というやつか。通常のゆっくりが胴つきれみりゃの膂力にかなうはずが ない。ないのだが、たしかにその場に踏ん張っている。それでも、種族のちがいに根差し た腕力の差は埋めがたく、すこしずつ外へとひっぱられてゆく。 「だ……だずげでぇぇぇぇ! でいぶぅぅぅぅぅぅぅ! おぢびぢゃぁぁぁぁぁぁんっ!」 まりさは死にものぐるいで助けをもとめた。しかし家族は立ちすくむばかりで動こうと さえしない。それどころか、ツガイのれいむは勝ち誇ったようなうすら笑いをたたえるの だった。赤ゆたちのほうがはるかに心配そうな目をしている。 「で……でいぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ! どぼじで わらっでるんだぜぇぇぇぇぇっ! だずげろぉぉぉぉぉぉぉっ!」 「ふんっ! ぷくーなんかで ごまかそとした げすへの『てんっばつっ』だね! ゆっくり りかいしてねぇぇ!」 一向に家族をまもろうとせず、あまつさえ自分の身代わりになれと吼えちらかし、よう やく父親の役割を再認識したかとおもったら、ぷくーなどで誤魔化そうとするまりさなど、 もはやツガイではなかった。かくしてれいむはツガイに三下り半を突きつけるにいたった。 だが、生死のはざまに立たされているまりさにとっては、そんなことはどうでもよい。 「な゛にいってるんだぜぇぇぇぇぇぇ! だずげろっでいっでるんだぜぇぇぇぇぇぇぇっ!」 恫喝のような救援をもとめるまりさを見て、れいむの目は哀憫の色を浮かべた。 その色を発見し、まりさは胸をなでおろすとまでは行かなくても、希望をつないだ。 「へ。そこまでいうなら……たすけてあげるねぇ!」 ずるり。と、まりさがいま一歩後退を余儀なくされた。成体は歯を食いしばってその場 にとどまる。れいむは今まさに奈落に引きずり込まれようとしているかつてのつがいに歩 み寄った。 そして、くるっと一回転した。 「きゃわいくってごめんねぇぇー!」 ウィンクして、ポーズを決めた。 まりさは絶望した。 というより、意味が分からなかった。 ところが赤ゆたちの目はかがやいた。 それは、れいむが常日頃から行っている挨拶のようなものだった。 降ってわいた日常に、かれらは恐怖を忘却した。 「れいみゅもやりゅー!」 「れいみゅもやりゅー!」 「まりしゃもやりゅー!」 赤ゆたちがれいむの隣にならんだ。 れいむはもみあげの先端で赤ゆたちを撫でた。家族揃ってまりさと向きあう。 「おちびちゃん、いくよ~~! いっせーの……」 『きゃわいくっちぇ ぎょめんにぇー!』 母と娘が同時にポーズを決めた。 一寸の乱れもなかった。 「だずげでねぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ! ばがやっでないで だずげでねぇぇぇぇぇぇっっ! ゆ゛ぎぎぎぎぎ……!」 「みゅみゅっ!? しぇっきゃきゅの『きゃわいくっちぇごみぇんにぇ』だよ!?」 「どーちて りきゃい できにゃいにょ? ばかにゃにょ? ちぬの?」 「おとーしゃんは ゆっきゅり できにゃいよ! ちんでね!」 まりさは唾を飛ばして助けを呼んだ。 が、赤ゆは総じて不満をあらわにしていた。 自分たちの「かわいくってごめんね」が、かつてないほど綺麗に決まったのに、どうし て意味不明な救援を求めるのだろうと、赤ゆたちは心底疑問だった。その回答は父の発狂 に求められた。父はおかしくなったのだ、と。狂気を孕んだゆっくりなどもはやゆっくり ではなく、ましてや親なんかではなく、そのために赤ゆは親を罵倒しても、てんとして恥 じなかった。 ところが、れいむがまりさの眼前に進み出て言うのである。 「わかったよ! これなら どう!?」 まりさの黒瞳に、打ち砕かれるべき希望が宿った。れいむはつがいにあんよを、正確に いえば肛門を向けた。ちなみにゆっくりは肛門を「あにゃる」と呼称する。そのあにゃる から、ムリッと、黒いものがせりだしてきた。 「すーぱー! うんうん! たいむ!」 「ゆ゛……!?」 まりさの驚愕の声を聞くと、心躍った。肛門に力をこめた。うんうんは弾道軌道をえが いて助けをもとめるまりさの口に着地した。 「すっきりー!」 れいむは恍惚とした。ひとかけらのうんうん。それが差し出された助けだった。 まりさの眼光に怒気が差した。 その一方で、赤ゆたちは歓声をあげた。 うんうんがゆっくりのおくちに! ありえない現象を目撃しておもしろがった。 「まりしゃもー!」 「れいみゅもー!」 「れいみゅもー!」 赤子とは、面白いものを真似したがるものだ。 たちまち、死に瀕するまりさの眼下に三匹の赤ゆがならんだ。そして、一様にあんよを 親まりさに向ける。掛声一銭。うんうんを射出してみせた。だが、腹部の力が弱かったた めか、口には入らず顎に命中したのだった。 『しゅっきりー!』 「おちびちゃんたち! おじょーずだよー! ぺーろぺーろしてあげるね!」 「くすぐっちゃい~」 「ゆゆ~。おきゃーしゃんの ぺーりょぺーりょは とっちぇも ゆっきゅり できりゅんだじぇ~」 ひとしきり赤ゆを舐めあげると、れいむはまりさに向きなおった。 そろそろまりさの死力も枯渇する。 むしろ、いまの今までれみりゃの膂力に抗いつづけていられたことが奇跡にもひとしか った。歯ぎしりをして悔しがるまりさに対し、れいむは愉快げに言った。 「げすまりさは れいむの うんうんを いっぱい むーしゃむーちゃしていいよ!」 『いーよー!』 赤ゆの合唱が追従した。 まりさの口の端から、うんうん混じりの黒い唾液がしたたりおちる。 「……ゅ……ゆ゛……ゅ゛……」 「んん~? どうしたの? さっさとむーしゃむーしゃしてね!」 『しちぇにぇ~』 赤ゆの甲高い声がひびきわたった、そのときだった。 「ごろじでやるぅぅぅぅっっ! ごろじでやるんだぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!」 「ゆゆぅぅぅぅっっ!?」 まりさは絶叫した。 成体一頭と赤ゆ三匹、殺意におされて後ずさった。 「ごろじでやるぅぅぅ! でいぶもっっ! ちびどももっっ! ごろじでやるんだぜぇぇぇぇぇっ!」 「ゆ゛……ゆ゛……」 「ぎょばいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ! ぎょばいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」 「ごっぢ ごないでねぇぇぇぇぇっ! あっぢ いっでねぇぇぇぇぇぇぇっっ!」 「ゆぴぃぃぃぃぃぃぃっっ! ゅぴぃぃぃぃぃぃっ!」 あろうことか、まりさは前進を始めていた。 後頭部を引っ張るれみりゃの腕力にあらがって、ひきさがるどころか、鬼神の殺意を目 もとにたたえつつ、家族のもとへと這ってゆく。まりさは変身していた。怒声、罵声、脅 し文句を思いつくかぎりならべたて、屑どもに接近する。赤ゆたちはさきほどまでの歓喜 はどこへやら、いまは力のかぎり泣きわめいている。 れいむは震える歯を噛みしめて、力いっぱいさけんだ。 「ゆっくりしていってね!!!」 赤ゆがほがらかにこたえた。 『ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ~』 まりさも言った。すばらしい笑顔を浮かべたまま。 「ゆっくりしていってね!!!」 ゆっくりたるもの、ゆっくりしていってねと言われれば、ゆっくりしていってねと答え るほかない。死のふちに瀕していようが、隠密行動の最中だろうが、もし十秒以内にゆっ くりしていってねと叫ぶと森羅万象が滅ぶと認めていたとしても関係ない。 本能のようなものである。 そしてこの言葉を発するとき、ゆっくりは力が抜ける。 「ぎょぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ! ゆごぉぉぉぉぉぉぉっっ!」 まりさの姿が急速に小さくなったいく。一瞬のうちに横穴の外にまで引きずり出された。 れみりゃはやっと獲得した一匹目を堪能すべく、身を起こし、あぐらをかいて、これをむ さぼりはじめた。おそらをとんでいるみたいとか、やめるんだぜまりさはおいしくないん だぜとか、色々聞こえてきたが家族にとってはどうでもよいことだった。 れいむはほっと安堵の吐息をもらした。 巣穴の入り口に背をむけて、赤ゆたちに声をかけた。 「すっきりしたね! おちびちゃん!」 「したにぇー!」 「したんだじぇー!」 れいむが赤ゆたちの視界を遮っていなかったなら、もう少しましなことを言っていたか もしれない。巣穴の外では悲鳴まじりに黒い雨が降っていた。れみりゃは、またたくまに 一匹目のゆっくりを食らいつくしてしまっていた。だが、まだ満腹には及ばない。そこで 身をかがめて巣穴をうかがった。 そこにれいむ種の背中を発見した。 覗くものは、覗きこまれるものである。 赤ゆたちの視界のはしには、れみりゃの赤い瞳が見えていた。 「……ゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ!」 赤ゆは悲鳴をあげて後ずさった。が、れいむは背中で何が起こっているのか分からない。 分かったのは、巣穴に差しこんでいた日の光が、突然にさえぎられて家が暗くなったこと だけだった。 「え? ……ゆごぉっ!」 れみりゃの手が伸びてきて、無防備な後ろ姿をわしづかみにした。 れいむは踏ん張った。こちらも馬鹿力だった。まりさが引きずり出されるときと、ほと んど同じ光景が現出した。ちがいといえば、死に淵に立たされているのがまりさではなく れいむだということと、助けを求める相手に成体ゆっくりが含まれていない、という二点 だけといえた。 いや、もうひとつ。 まりさの時とは違って、後ろ髪ではなく皮膚をつかまれていたために、皮膚が後ろに引 っ張られ、あわせて顔面の造作が左右にのび、鬼面ができあがった。 「ふごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ! おちびちゃんだぢぃぃぃぃぃっっ! だずげでねぇぇぇぇっっ!」 「ゆ゛ぇええええぇぇぇ゛ぇぇぇ゛っっ!」 「ゆっぎゅりでぎないぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ!」 「ごっぢごないでねぇぇぇぇぇぇぇっっっ!」 「たずげでっでいっでんでぢょぉぉぉぉぉぉぉっっ! ざっざどじろぉぉぉぉぉぉっっ!」 必死の形相で叫んだかいがあり、赤ゆは母が危険に陥っていると悟ることができた。 そこで赤ゆたちは審議をはじめた。 「ゆぅ……? おきゃーしゃん。ゆっきゅり してないね~。どーちて?」 「ゆぅ……。どうちよ……」 「ゆっくちー、ゆっくちー。ゆっくち しゅりぇば いいよ!」 「おきゃーしゃんは たすけて って……ゆ~。どーゆーこちょ?」 「たしゅけりゅんだよ!」 「ゆぅ……ゆぅ! しょっか! たしゅけりゅよ!」 「おきゃーしゃんを たしゅけりゅよ!」 まったりとした審議中、れいむは叫びまくっている。 が、シングルタスク脳である餡子脳にとってはそれはほとんど他人事、あるいは雑音、 風の音のようなものにしかならず、右から左へと抜けていた。 ともかく結論は出た。 赤ゆたちはれいむの前に横一列にならんだ。 そして、 『きゃわいくってぎょめんにぇー!』 ポーズを決めた。 びしっと。 一糸乱れぬポーズだった。 「ゆがぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁっっ! ごろずっっ! ごろじでやるぅぅぅぅぅぅぅっっっ!」 赤ゆにとっては予想外の展開だった。親まりさが引きずり出されそうになったとき、親 れいむはこれでまりさを助けようとしたのだ。このあとは「すーぱーうんうんたいむ」で 完璧だ、とさえ思っていた。 「どぼじでおごるにょぉぉぉぉぉっっ! れいみゅは『たすけ』だのにぃぃぃぃぃっっ!」 「『たすけ』たのに まりしゃを おこりゅ げしゅな おきゃーしゃんは ちねっ! ゆっくりちねっ!」 赤ゆのまりさが宣戦を布告した。 たちまち姉妹も同調し、死相を浮かべる親れいむに突撃した。 「ちんでねっ!」 「ちね、ちねっ!」 「ちねっ、ちねっ、げしゅは……ちねっ!」 ぽんぽんと、ぶつかっては跳ね返されてゆく。 れいむは殺意にかられた。 「ゆぐぅぅぅぅぅぅぅぅ……ごろずぅぅぅぅぅぅ……ゆべぇっっ!」 突然、れいむは解放された。 唐突の出来事に力の制御がきかず、つんのめり、赤ゆをはじきとばした。 「はぁ! はぁ! ……おぢびぢゃんだぢ……よぐも……よぐも……」 ゆるゆると起きあがる。そこに赤ゆの悲鳴がきこえてきた。 「ゆぅぅぅぅぅ! ゆっぐりでぎにゃい ゆっぐりが いりゅぅぅぅぅぅっっ!」 れいむの頭部から、ゆっくりれいむの象徴たる赤いお飾りが紛失していた。 胴付きれみりゃがもぎとってしまったのだ。そのころれみりゃは、お飾りを見て「うー?」 と首をひねり、ぽいと放り投げてしまっていた。 視点を巣穴にもどす。 「ん? ……ああ? ぁ……ぁ……お……、お、おがざりがぁぁああぁぁあああぁぁ!? ずべでの ゆっぐりの あこがれがぁぁぁぁああぁぁぁぁぁっ! でいぶの がわいい おがざりがぁぁぁぁぁああぁぁっっ!! ゆ゛っぐりの しほうがぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」 れいむは発狂していた。あたりを見まわしてもお飾りはない。子供たちはいきなり出現 した見知らぬゆっくりに、わなないている。二頭いる赤ゆのれいむの一頭にいたっては、 モリモリッと、あにゃるから糞を流していた。 緊張のあまり腹部が弛緩してしまったのだろう。 「……おちびぢゃんだちの ぜいだねぇぇぇ……ん? ふぎょわぁぁぁああぁぁぁぁっっ!」 お飾りを失くした原因を、赤ゆに求めた。 が、直後、巣のなかが暗くなった。 れいむは入口に見て、そこに巣穴をのぞいている捕食種を発見した。 殺される! と思うや、母親が赤ゆのれいむのお飾りを口にはさんだ。 「……ゆゆ?」 「ゆんっ!」 うなりを上げて赤ゆが出入口に吸い込まれてゆく。 投げたのだ。 「おしょりゃとんでりゅみちゃいぃぃぃぃぃ……ゆごっ!」 放り出された赤ゆのれいむを、れみりゃは見事にキャッチした。悲鳴をあげるまもなく、 母の身代わりとなった赤ゆはひとのみに飲みこまれた。胃液に溶かされながら苦しみ悶え て死ぬしかないので、なかなかに辛い死に際であろう。母が子を殺した一部始終は、のこ りの二頭の赤ゆにしっかりと見られていた。 「いもーちょをかえちぇぇぇぇ!」 「かえちてね!? まりしゃのいもーちょかえちてね!」 懲りずにはじまる親子喧嘩。 「ふんっ。おまえらなんか、こうだよ!」 れいむは赤ゆからお飾りと帽子を略奪し、それを巣穴の入り口へと投げすてた。 「ゆゆぅぅぅぅぅ! まりしゃのおぼーちがぁぁぁ!」 「れいみゅのおきゃざりぎゃぁぁぁ!」 「ふん! れみりゃがくるよ!」 「ゆゆぅ!」 赤ゆはようやく、外に捕食種がいることを思い出した。 さすがに命は惜しかった。帽子と飾りを潤んだ目つきで見つめるしかなかった。 その後、もう一度れみりゃの手がもぐりこんできて、また去っていった。 回廊に堕ちていた帽子とお飾りは消えさっていた。 引き下がる腕に巻きこまれたのだ。 胴つきれみりゃは地団太を踏んだ。 成体まりさと赤ゆのれいむは食べられたが、あと三頭も残っている。悔しい。 道具を使う、という発想はなかった。 そこに翼を生やしたれみりゃ、胴なしのれみりゃがやってきた。 「なにやってるんだどー?」 「このなかにあまあまがあるんだどー。はいれるんだどー?」 「とっでぐるんだどー!」 家が暗くなった。 「……ゆ?」 家族は入口を見やった。 れみりゃの顔が浮かんでいた。 「ぶぎょぉぉぉぉぉぉぉ!」 「ゆごぉぉぉぉぉ!」 「ゆぴぃぃぃぃぃ!」 「うー、うー」 胴なしれみりゃが巣穴に侵入をこころみていた。 ところが。 「う~~~~~!」 巣穴の大きさは、成体ゆっくりが一列縦隊で入れるほどの隙間しかなかった。 そのため、翼をもっているれみりゃは、翼の付け根がひっかかって入れなかった。 「うう~~~~~~!」 うす暗がりに、れみりゃの声が充満した。一家は抱き合いながらさんざんに泣きあって いたが、やがて、れみりゃがその大きさのために入ってこれないことに気付くと、一転し て勝ち誇り、侮蔑の笑みさえたたえた。一家は入口へと跳ねていく。そして、おもいおも いに、れみりゃをからかいはじめた。 「は……は……こっぢごれないよ! ざまぁー! ざまぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!」 「うー、うー」 「きゃわいくっちぇぎょめんにぇぇぇぇ!」 「うー、うー、うー」 「ゆゆーん。まりしゃは とっちぇも ゆっきゅりしちぇいりゅんだじぇ~~」 「うー、うー。……う~~~~っ!」 「どうしてこっちこないの? ばかなの? しぬの? ほーらほーら、れいむはここにいるよー」 「うー。どくんだどー」 「あれ?」 胴付きれみりゃが業を煮やして、胴無しのれみりゃをどかした。 そして、巣穴の中をのぞく。 「うー?」 手近にいたゆっくりを捕らえた。成体れいむである。おそらとんでいるみたいと、場を わきまえぬ戯言を繰りだす。直後に目をみひらくと、息が吹きかかりそうな近距離にれみ りゃの顔があったので絶叫した。れみりゃは両手で果実を持ち、不細工きわまる泣き顔を じっくりと観察した。 なお、子は成体れいむが引きずり出されたあいだに、奥に逃げ去ってしまっていた。 「う~?」 「ぁ……あ……は、はなしてね! れいむをはなしてね!」 「うー?」 「……な、なかにおちびちゃんがいるよ! あっちのほうがおいしいよ! 「うー!」 「……そ、そうだよ! れいむは おいしくないよ! おちびちゃんは おいしーよ!」 「うー……」 「やめてね! ……れいむを、ゆぇぇ、た、たべない、でね! れいむば、ゆぐっ、じにだくない……」 「うー……」 「やじゃぁぁぁぁぁぁっっっ! でいぶ じにだくないよぉぉぉぉぉぉ! じにだくないぃぃぃぃぃぃっっ!」 「うー!」 れみりゃは、れいむの肛門に指をつっこんで餡子をほじくりだした。ついで、あんよを 握りつぶしてその穴から餡子をすすった。さらに右目をえぐりだして口にふくみ、こりこ りとした食感をたのしんだ。まだれいむには意識があった。成体ゆっくりの大味は、満腹 になりかけた胴付き舌には不満だった。放り投げた。ぐしゃりと潰れた音を立てて墜落し た。みあげた生命力だった。瀕死ではあったが死んではいなかった。だが、そこに胴無し のれみりゃが飛んできて、おこぼれにあずかる。 胴付きは赤ゆを楽しもうと巣穴をのぞく。 甲高い声がもれてくる。 「し……しりゃにゃい ゆっきゅりが いりゅんだじぇ!」 「しりゃにゃい ゆっきゅりが いりゅぅぅぅ!」 赤ゆのまりさとれいむは、おたがいに目をやって同時に悲鳴をあげていた。 お飾りと帽子が失われているから、おたがいだれだか分からない。 そして同時に、お互いを排除すべき異物と認識した。 先手をとったのまりさだった。 「ちね!」 「ゆん!?」 体当たりをかました。 赤ゆのれいむが転がった。 「ゆゆ~。おぼうちのないゆっきゅりは、ちね!」 「ゆゅ!?」 こんどはれいむが反撃した。 まりさは転がったがさしたる打撃にはなっていない。 はた目には、じゃれあっているようにしか見えないだろう。 「ちね!」 「ちね! ちね!」 しかし、当人たちは本気の殺し合いを演じているつもりである。 赤ゆが死闘をくりひろがている間、外では決定的な異変が起こっていた。 胴付きと胴無しが話しあっている。 「うー、うー!」 「うー? どうしたんだどー?」 「うーにあやまらせるんだどー」 「なんでなんだどー?」 「れみりゃをからかったんだどー。あやまらせるんだどー。あやまるなら あいつら ゆるしてやるんだどー。たべちゃいけないんだどー」 「どーしてなんだどー?」 「おなかいっぱいなんだどー。それと、れみりゃを ばかにした ゆっくりは ひさしぶりなんだどー。ゆーきに めんじるんだどー」 「わかったんだどー。うーも おなかいっぱい なんだどー」 胴付きれみりゃが、巣穴をのぞく。 姉妹の決闘はつづいていた。 「ちね! ちね!」 「うー。おちびちゃーん。でてくるんだどー」 「ちねっ! ちねっ!」 「おちびちゃーん。うーに あやまるんだどー」 「ちねぃっ!」 「あやまるんだどー」 「ちね! ちね!」 「あやまれば たちさるんだどー?」 「ちねぃ! ちねぃ!」 「うー。あやまらないんだどー。ばかなんだどー。……こーなったら、こーするんだどー」 れみりゃは巣穴に尻を密着させた。 ばふっ。 と、濁った音を立てて、黄ばんだ煙がれみりゃの肛門から発射された。 胴付きれみりゃの屁は、あらゆるゆっくりに死をあたえる。 指向性のついた毒けむりが巣に広がってゆく。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!」 殺し合いどころではなくなった。 殺到する黄色い煙をまえにして、まりさはれいむの背中に移動した。 「か、かくれりゅんだじぇー!」 「ゆゅっ!? は、はなちてね! れいみゅを はなちてね!」 「ゆゅ~~。れいみゅばりあー!」 まりさはれいむにしがみ付いて離さない。 髪の毛に顔をうずめて、煙をやり過ごそうとする。 れいむは、もがいた。 「はなちてね! きゃわいい れいみゅを はなちてね! しゃっしゃと はなしゃないと おこりゅよ!」 「は、はなちてね! ゆゆ! ゆっきゅりできにゃいよ!? ぷっぷーさんがくりゅよ! は、はなち、はなちてね……ふごっ!」 ついに赤ゆのれいむは毒ガスを吸い込んだ。 「ゆ゛……ゅ゛……ゅ……ゅぐ……あ……」 臭気はたちまちれいむの全身にめぐり、体内餡子を汚染していく。 赤ゆのれいむは震えだし、白目をむき、電気を帯びたようにはげしく痙攣し、肛門がひ らいてうんうんが搾りだされ、まむまむから汁がひらいて汁がちょろちょろと垂れながさ れ、うめき声とともに口からべろりと舌が垂れ、その多目的器官は病的なまでに黄色く変 じていた。 「ぃぃぃぃぃぃ……ぎぎぎぎぎぎ………ゆごっっっ!」 赤ゆが大きくふくらみ、爆発するように大量の餡子を嘔吐した。 その背中に隠れていたまりさは、楯がいきなり薄っぺらになって防禦機能を喪失してし まったため、戦慄した。 「ぶぎゃぁぁぁぁぁああああぁぁぁっ! な、なにやっでりゅんだじぇぇぇぇぇぇぇっっ! じゃ、じゃっじゃど もどに もどっでねぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ! べーりょべーりょしであげりゅねぇぇぇぇぇぇぇっ! ぺーりょぺーりょ……ゆべぇぇぇぇっ!」 赤ゆの死骸にはたっぷりと毒ガスが沁みこんでいた。まずいどころか危険である。 ぷっと餡子を吐きだした。 そこに死刑宣告にもひとしい声がとどろいた。 「もっとするんだどー!」 ばふっ、ばふっ、ばふっ! 放屁の三連射だ。 濃厚な煙が、赤ゆを抱こうと突進する。 卒倒しそうになった。 「ゆぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ! ゆぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ!」 なにか身を隠すものはないかと、血相をうかべてあたりにさぐった。 あった。 「しょ、しょーだ! おといれしゃんに にげりゅんだじぇー!」 この家にはトイレがあった。 それもゆっくりにしてはかなり本格的なものだ。 巣の一隅に高台が築かれていて、そこに小さな縦穴が掘られている。 ちなみに、高台にトイレがあるのは、赤ゆの落下をふせぐ措置である。高台にあれば 赤ゆは登れず、登れるような運動能力を獲得したときにはゆっくりの大きさは穴の直径 をこえている。 赤ゆのまりさも、いつもは直接にたれ流すのではなく、葉っぱに用を足していた。 その葉っぱを両親が回収し、トイレにすてるのだ。 だから赤ゆのまりさは直接にトイレにうんうんを放ったことはなかった。 だが構造は知っていた。 穴が開いていると知っている。 そこに入れば、れみりゃの放屁をやりすごせるだろう。 まりさはトイレに向かい、 「ゆぅっ!」 と、さけんで高台に乗った。 決死の自己保存本能が、赤ゆの運動性能をあげていた。 このときのまりさは、トイレの底がどうなっているかが想像できるほど知恵が発達し ていなかった。うんうんは、さながらブラックホールのように――むろん、そんな知識 などなかったが――どこへともなく消失するものと思っていた。 「ゆん!」 と、いきおいよく草の蓋をのけて、 「ゆんやっ!」 と、トイレの穴に身を投げた。 「おしょらっ!」 ぽちゃりと音がした。 直後。 「くちゃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ! きちゃにゃいぃぃぃぃぃぃっっっ!」 縦穴から悲鳴がはっせられた。 まりさは混乱のきわみにあった。 れみりゃが絶対に手をだせないと思っていた安住の地には、鼻をねじ曲げるような熾 烈な臭気がみちみちていた。動けば動くほど、古餡子があんよにねっとりとからみつく。 それに暗い。いや暗いどころか一筋の光もない。また、狭かった。身動き一つできそう になかった。それでも、身をよじってなんとか天井をあおいだ。白い穴が開いていた。 その穴はたいへんに小さかった。 れみりゃはいぶかしがっていた。 放屁でいぶりだせるかと思ったが、どれだけたっても赤ゆは出てこない。 巣穴をのぞいてみても、どこにも赤ゆの姿はなかった。 「うー。あきらめるんだどー」 成体れいむの残骸をむさぼっていた翼のれみりゃとともにきびすを返し、群れにもどっ ていった。 日のたかいうちに、いなごの大群は次なるゆっくりプレイスを探しに旅立った。 夜が来た。 春の涼気が野山をひたし、おぼろな月が空に泳ぐ。 とてもとてもゆっくりできる夜が来た。 だが、たった一匹だけ、ゆっくりできないゆっくりがいた。 奈落の底に落ちたゆっくりが、汚物にまみれて泣いていた。 「たしゅけちぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ! ぴゃぴゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ! みゃみゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ! れいみゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっ! たしゅけちぇにぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ! ゆ……ゆ……ゅ……ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ! どぼじでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ! だずげで ぐれないのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ! ば……。 ば……。 ばりざは……。 ばりざは ここに いりゅよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!!」 月が大地に溶けこむまで、慟哭はつづいた。 泣き声は日を追うごとに小さくなっていき、数日後には永遠に聞こえなくなった。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/587.html
すっきりー!透明箱 ----------------- 「「すっきりー!!」」 俺は二匹のゆっくりのツガイが透明箱の中ですっきりー!をしているのを眺めている なぜこんなことをしているかって?そりゃ日頃に溜めまくったストレスを解消するためさ 俺は仕事の長期休暇の間、長期に及ぶゆっくり虐めを計画し実行している。 今、二匹のれいむとまりさのツガイがこの透明箱に入っている。そしてすっきりー!が終わったところだ 「ゆぅー!とてもゆっくりできるオチビちゃんだね!まりさ!」 「とうぜんなのだぜ!れいむは美ゆっくりだからかわいいオチビちゃんが生まれるのぜ!」 「ゆふふ~!まりさもかっこいいよぉ~!」 「て、てれるんだぜ・・・」 ゆっくりにとっては至福の時間であろう。れいむからは赤ゆが実った茎が三本生えている。 一本の茎には4匹の赤ゆが実っていて、計12匹の赤ゆが実ったようだ。 「ゆっ!くそどれいにしてはいいこころがけだね!」 「そうなんだぜ!こんなゆっくりぷれいすを与えてくれるなんて一生こきつかってやってもいいのぜ!」 FuckYou・・・ぶち殺すぞゴミめら・・・ 今すぐあんよを焼いて動けなくなった糞饅頭を爪楊枝で穴だらけにして永遠にゆっくりさせてやろうかという衝動を何とか押さえ 透明箱の横に設置してあるオレンジジュース飲み場のタンクを補充する。 「ゆっ!れいむはあまあまさんを飲んでゆっくりするよ!」 「まりさもあままさんを飲むんだぜー!」 ふふふ、こいつらは本当にバカだなぁ・・・これからどうなるかも知らずに・・・ 「むーしゃむーしゃしあわせええええええええ!!」 「うっめ!これめっちゃうっめ!まじぱっねぇ!」 「むーsy、ゆ!おちびちゃんが生まれるよ!!ゆっくり生まれてきてね!!」 「ゆー!ゆっくりうまれてくるんだぜ!かわいいおちびちゃん!」 元々、ゆっくりショップで買ってきた怪しい物でラベルもないただの1.5Lペットボトルだ。当然成分なんて分からないが ゆっくりの出産を早めることの出来るオレンジジュースと売っている棚に書いてあった。 プルプル・・・ 「「「「「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!」」」」」 12匹の赤ゆが一斉に産声をあげた 「「ゆっくりしていってね!!」 二匹の親ゆっくりもすぐに声を出した。 さて、そろそろ言ってくるはずだが・・・ 「「ゆっ!くそどれい!あまあまさんをさっさともってこい!!!」」 「「「「「しゃっしゃともっちぇこい!!くしょどりぇい!!」」」」」 きたきた、用意していた板チョコを半分に割り、片方を赤ゆがいるほうに置いた 「れいむとまりさはこっちな」そう言いながら、赤ゆから離れたほうにもう片方の板チョコを置いた 赤ゆのほうを見ると一斉に群がりはじっこをかじっていた、箱の中に「「「「「しあわちぇええええ!」」」」」という声が響く 親ゆも食べ始めたようだ、むーしゃむーしゃしあわせえええ!の声が聞こえてくる。この後どうなるかも知らずに。。。。 むーしゃむーしゃタイムが終わった後、赤ゆたちは寝てしまった。 親ゆのほうはというと・・・ 「んほおおおお!れいむのまむまむさいっこうだぜえええええええ!!!」 「んっほおおおおおおおお!まりさのぺにぺにきもちいよおおおおおおおおんほおおおおお!!」 二人はレイパー・・・だとでも言うのか、すっきりー!の虜となってしまったようだ。 「くそどっれいっにみられでるのにいいいきもちいいいいいよおおおお!!」 「んほおおおおれいむかわいいんだぜえええええええ!!!んほおおおおおおおお!」 こいつら・・・だめだ・・・ まぁ、すっきりー!の虜にしたのは俺なんだが まず、食事の時だ板チョコに時間差で効く強力なバイゆグラに非常に似ている成分を塗り、ゆっくり達をレイパー化させてしまったのだ。 赤ゆたちも、目覚めたころにはレイパー化しているだろう。 もちろん、効果が切れるまですっきりー!をし続ける。 俺は二匹にオレンジジュースをスポイトで垂らしながら、すっきりー!の支援を行う。 もうすでにすっきりー!をし始めて三時間は経つだろう。俺もすっきりー!を三時間も見ていたわけではないTVとかPCをしながらちらちらと見ていたのだ 母れいむの頭には無数の茎が雑草のごとく実っており、グロともいえる領域に達していた。 快楽なのか苦しみなのかはわからないが二匹の顔はなんとも言えない顔をしている。 「もうすっきりー!はしたくないけどきもちいいいいよおおおお!!」 「まりざもやめたいけどおおおおきもちいいんだぜええええんほおおおおおお!!」 さぁ、すっきりー!をずっとやってもらうよ、この箱がギュウギュウになるまでね・・・ この計画はこの箱をゆっくりでいっぱいにして苦しむゆっくりを見ることだ。 そして、全員をレイパー化させ、透明箱の中身を汚い下劣な声でいっぱいにし、最後にはどぼじでええの嵐で永ゆんさせることだ いや、永ゆんなんてさせるものか、この箱の中で一生苦しみ、もがき続けてもらう すべてはストレス解消のためにと言ったが、クセになりそうだ・・・解消どころか性癖になりそうだ・・・ 今日も明日も明後日も明明後日もずっと男の部屋からは快楽なのか苦しみなのかわからない「すっきりー!!!」が聞こえたそうだ ___________________ その日の中で男はある事をした、親ゆの目の前で赤ゆを永ゆんさせたらどうなるのか 一匹一匹、親ゆの前で赤ゆと子ゆを爪楊枝、ピンセットなどの道具で永ゆんさせた。 「ゆんや゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 「やめちぇにぇ!!いぢゃいいいいいい!!!!」 「まりざのつやづやなほっぺざんがあ゛あ゛あ゛!!!!」 「ゆぴぃいぃぃぃぃ!!!」 そんな悲鳴に目もくれず、親ゆはすっきりー!を続ける。 赤ゆが垂らす砂糖水を親ゆにかけても「すかとろきもぢいいいいんほおおおお!」というおもしろい反応をしてくれる 退屈せずに済みそうだなこの休暇中は。 透明箱の中身は頭にいっぱい茎を実らせたゆっくりでいっぱいで今も「ゆっくりしちぇいっちぇね!」という声が聞こえる それも虚しく、親ゆ達はすっきりー!をし続けている。与えられたバイゆグラ成分が塗られた板チョコと出産促進剤が入ったオレンジジュースのみを食べている。 当然、赤ゆたちもそれを食べなければ生きていけない。 箱の中身は「んほおおお!」や「すっきりー!」や「すかとろおおお!」の声で溢れかえっている。 どこもかしくも、砂糖水のヨダレとうんうん、しーしーで汚れてしまっている。 そして、ぺにぺにとまむまむはつながったまま食事をとる親ゆもいる。 常に快楽を与えないと死んでしまうのだ。あまりにも強力な成分がゆっくりの中に蓄積されてゆき、排出しにくい物質のためにこのような快楽饅頭が生まれてしまった 生まれた赤ゆも最初は正気だが一分も立てばレイバー化してしまうのだ。 そして、男はこの透明箱を動画に撮り。ゆっくり動画にすっきりー!透明箱とタイトルを付けアップしたところ、再生数、コメントともにミリオンを達成し HENTAIと虐待鬼意山からの絶大な支持を得た。「こいつぁ・・・本物のHENTAIだぜぇ・・・」「毎日抜いてます!」「マジこいつは鬼意山の中の遙か上を行ってるな」 などのコメントが数多く占めている・・・ 今日も透明箱の中は興奮と狂気と快楽に満ちている そして、目の前で赤ゆを永ゆんさせ、死臭がただよう箱の中でもすっきりー!は続いている。 「「「「「「「「「「すっきりいいいいいいいーーーーーー!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」 すっきりー!透明箱 終わり あとがき ____________________________ ごめんさい、汚い文章でごめんなさい。 今回で二作目ですが。途中何を書いてるのかわからなくなりました・・・ 文章もめちゃくちゃです・・・もっとうまくかけるようになりたい お風呂に入っていたらなぜか透明箱とツガイ、近親相姦、レイパー大量が頭に浮かんだので書いてみたんですが・・・ とにかく、最後まで読んでいただいた事は圧倒的感謝っ・・・!です! 名前もないので誰かください!お願いします! 本当にありがとうございました! 一作目 anko1556 夜のコンビニ帰りに
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4654.html
『ゆたんぽふえる~一般向け~』 13KB いじめ 虐待 続編なんかかいてみたりー とおりすがりです。 「ゆたんぽ」の続編というかなんというかです。 「」はゆっくり 『』は人間 過去作 anko4545 ゆっくりしていくがいいさ anko4555 おにいさんはゆっくりする anko4561 鬼意山と遊ぼう! anko4580 ゆっくりしつもんするよ! anko4591 ゆたんぽ anko4597 ドスまりしゃ 12月の半ば、寒さがこれから増していく季節に、 マフラーとジャンパー姿の男が、ゆっくりショップを覗いていた。 『うーん、ここも売り切れかぁ………』 男は はぁ、とため息をつき、店を出ようとした。 どうやら何か探し物をしていたようだが、見つからなかったのだろうか。 『あのー…何かお探しでしょうか?』 と、店を出ようとしたときに、 店員が男に話しかけた。 『いえ、あの…まあ、ちょっとしたものです』 『よろしければ、なにをお探しか教えていただけませんか?』 店員のその言葉に、男は少し苦笑いをしながら答えた。 『どこにいっても売り切れなんですよ、「ゆたんぽ」』 ゆたんぽふえる CASE 1 『いやあ、今日はラッキーだな』 ジャンパー姿の男は自宅への帰り道を嬉しそうに歩いていた。 手にゆっくりショップで購入した「ゆたんぽ」が入ったビニール袋を持って。 店員に尋ねたところ、在庫にあったものを持ってきてくれたのだ。 『ゆたんぽ』は冬場の人気商品で、何処も在庫がない状況だった。 ゆっくりショップは基本愛で派御用達の店なので、こういった物は扱ってないと思いつつ ダメ元で足を運んでよかった、と思いながら気付けば男は自宅へ着いていた。 『ただいまー…ってそうか、さくやはお泊りだっけ』 この男は胴付き金バッジのゆっくりさくやを飼っている。 今日は友人のふらんとれみりゃの家に泊まりに行っているのだが、普段はさくやに家事を任せているので、 さくやがいないと少し調子が狂うな、と苦笑いしながらつぶやいた後、 『まあ何はともあれ、まずはコレを使ってみようかな』とベットルームへ向かった。 『へえ、サービスいいんだな、加工所って』 そういいながら男が見ているのは、付属品の『真空冷凍赤ゆパック』内の赤ゆだった。 『ゆたんぽ』には付属でこのパックがついている。 内容は真空パックに詰まった赤ゆ5匹で、種類は基本種の中からランダム。 どの赤ゆが入ってるか分からないのは軽いくじ引きのような気分になる。まあどれでも変わらないが。 男が手に入れたパックの中はれいむ×2、まりさ×1、ぱちぇりー×1、ちぇん×1。 どうにもアタリとは言えない気がするが、れいむまりさばかりよりはマシだろう。 『えーと、中の赤ゆを入れて(ポトッ)、このキューブを入れて、と…なんだ簡単じゃないか』 男は真空パックの赤ゆと、付属の濃縮オレンジキューブをゆたんぽに入れ、蓋を固く締めた。 『ほむほむ、だいたい10分ぐらいであったかくなるのか…じゃあご飯でも作ってるかな』 そういうと男はベットルームから台所へ移動した。 ゆたんぽの中の赤ゆ達は「ゆぴー…ゆぴー…」とのんきに眠っていた。 これが最後のゆっくりとも知らずに。 「ゆ~ん!しゃいきょうのまりしゃがゆっきゅりおきりゅのじぇ!」 ゆたんぽの中で赤まりさが目を覚ました。以後まりしゃと呼ぶことにしよう。 まりしゃが周りを見渡すと、既に目覚めている4匹の赤ゆっくりがいた。 「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!」 「「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!」」 「まりしゃはまりしゃなのじぇ!」 「れいみゅはれいみゅだよ!」 「ゆ!れいみゅもれいみゅだよ!」 「むっきゅう!ぱちぇはぱちぇよ!」 「ちぇんはちぇんにゃんだねーわきゃるよー」 それぞれの自己紹介が終わった。 どうやら顔見知りは一匹もいないらしく、皆初対面だった。 少し落ち着いたところで、まりしゃたちは疑問をなげた。 「ゆゆ~?きょきょはどきょなのじぇ?」 「わからにゃいよー」 「けんじゃのぱちぇにもわからないわ」 「おなきゃしゅいたよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 どのゆっくりもここを知らない。 そもそもこの赤ゆは加工所で生まれた食用のうち、 それぞれ適当なものを詰め合わせて売られていたものだ。 生まれた赤ゆはベルトコンベアで運ばれた後、一定の処理をしてから ラムネで眠らせて冷凍してから出荷されるのだ。 この場所どころか、最後に見た場所さえ覚えているのか不明なのだ。 「おきゃあしゃんはどきょ?れいみゅはきょきょだよ?」 「とうしゃまー?わきゃらないよー?」 それぞれの赤ゆが自分の親を探し始めるが、勿論ここにはそんなものはいない。 次第に不安が広がっていくが、そんな中でまりしゃが叫んだ。 「みんにゃ!まじゅはきょきょからでりゅのじぇ! そうしゅればきっとおきゃあしゃんたちがいりゅのじぇ!」 このまりしゃは仲間想いのゆっくりなのだろう。もしくはプラス思考なだけだろうか。 だが支えもなく途方に暮れている赤ゆっくりたちにはそれが励みになった。 「ゆ!しょうだよ!きっときょきょをでりぇばおきゃしゃんたちがまっちぇるよ!」 「わきゃるよー!みんにゃできょきょをでりゅんだねー!」 「「「「「えい!えい!ゆー!」」」」」 こうしてまりしゃたちによる脱出劇が始まった。 出口のない脱出口を探す、脱出劇が。 そして探索を初めて1分後、ようやくまりしゃ達は目の前にある四角い物体に気が付いた。 「ゆ?きょれはなんなのじぇ?」 これはオレンジジュースを濃縮した、通称オレンジキューブと呼ばれる白い物体だ。 「ゆ?にゃんだかいいにおいがしゅるよ!」 「むきゅ!きっとこれはたべものだわ!」 森の賢者(笑)のぱちぇりーがそう言った。確かに食べ物ではある。 「ゆゆ!あまあましゃんはれいみゅがたべりゅよ!」 二匹いるうちのやや大きいれいみゅがオレンジキューブに近づいた。 「ゆゆ!?れいみゅだけじゅるいよ!れいみゅもたべりゅよ!」 「むきゅ!?ぱちぇもたべるわ!」 他の赤ゆ達もオレンジキューブに近づき始める。 「れいみゅのしゅーぱーむしゃむしゃたいむ!はじまりゅよ!きゃわいきゅってぎょめんにぇ!」 わざわざテンプレ台詞を言った後、れいみゅがオレンジキューブに噛みついた。そして… 「むーしゃむーしゃ………ゆげぇ!?こりぇどきゅはいっちぇるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!?」 ものすごい勢いで転がり始めた。 オレンジキューブはゆっくりに食べられないように、控えめの苦味にしてある。 そのため赤ゆでも死ぬことはないが、苦痛には変わりなかったようだ。 「ゆゆ!?にゃんだきゃれいみゅがゆっくりしてないのじぇ!」 「わ、わからないよー?」 「むきゅ!みんな、あれはどくなのよ!たべちゃだめ!」 最初に食べ物といった張本人もとい張本ゆんぱちぇりーが叫んだ。 やや大きめのれいみゅを除いた4匹の赤ゆ達はオレンジキューブから離れることにした。 「にぎゃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 そしてれいみゅは数秒間、ゆたんぽの中を転がる羽目になった。 (むきゅ?なんだかぽーかぽーかしてきたきがするわ…?) ぱちぇりーは不思議に思いながらも、れいみゅがこっちに来ないことを祈った。 そんなまりしゃ達に最初の変化が起きた。 「ゆ…?まりしゃ、にゃんだきゃしーしーしたくなってきちゃよ!」 そう、しーしーである。 一定の処理と言ったが、それはこの『しーしー』を強要する処理だ。 目が覚めてから約1分後、赤ゆ達がしーしーをしたくなるようにする、それだけの処理である。 だが、たったそれだけの処理が『ゆたんぽ』の確実な効果と効果発生までの時間短縮という重要な要素に一役買っているのだ。 「ゆ!れいみゅもしーしーしゅるよ!」 「ちぇんもしゅるんだねーわきゃるよー」 「「「「「しゅーぱーしーしーたいむ、はじまりゅよ!」」」」」しゃー… こうして五匹の赤ゆは、仲良く平等に床にしーしーをまき散らした。 さて、密閉された空間でしーしーなんてしたら、どうなるのか。 「ゆ………?くしゃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 当然、臭いが外に出ずにこもるため、凄く臭くなる。 「むっきゅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?どぼじでごんなにくしゃいのぉぉぉぉぉぉぉ!?」 「わきゃらないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!くしゃしゅぎりゅのじぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 それぞれのしーしーの臭いが混ざり合い、 フローラルな少女臭にも引けを取らない(ゆっくり基準)臭いがゆたんぽの中に充満した。 「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!れいみゅもうおうちかえりゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」 それから三分後、叫び続けた赤ゆ達はどうにか臭いに慣れることができた。 「ゆ、ゆげぇ………」 「わきゃらないよー…くしゃいんだねー」 だが、そんな赤ゆ達に更に追い打ちを掛ける仕掛けが、このゆたんぽには搭載されているのだった。 「ゆゆ!?にゃんだきゃぽーかぽーかししゅぎだよ!?」 そう、温度が急上昇したのである。 これこそが『ゆたんぽ』最大の特徴である『Y波加熱処理』である。 ゆっくりの声には『Y波』と呼ばれる特殊な波長が含まれている。 このゆたんぽはそのY波に反応して温度を上げる特殊な素材が使用されており、 現在42度まで温度が上がっているのだ。 …そして、温度が上昇したことにより、更なる変化が訪れる。 「ゆ…ぽーかぽーかししゅぎだよ………?く、くしゃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 温度が上昇したことにより、より臭いがきつくなったのだ。 例えるなら、夏場に靴下を置きっぱなしで 炎天下の中放置しておいたら部屋中に臭いが散乱した時に似ているだろうか。 そんなことはどうあれ、地獄がマッハで舞い戻ってきた。 「むっっっきゅぅぅぅぅぅぅぅ!!なんなのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」 「くしゃいのじぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 だがそれだけでは終わらない。 臭いの元となるしーしーは、ゆたんぽの底辺にまだ残っている。 そしてゆたんぽ内の温度は更に上昇し続けている。 つまり、このしーしーの温度も上昇しているわけなのだ。 「あ、あんよがあちゅいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 そして熱湯と化したしーしーが、赤ゆを襲う。 臭いと熱湯のダブル攻撃である。 「わがらないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!あぢゅいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 「れいみゅのあんよがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!?」 「くしゃいのじぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「む、むぎゅ………」 「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!もうおうぢかえりゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」 この波状攻撃に赤ゆ達はパニックになっていた。 臭いだけでもきついのに、逃げ場のない熱湯が足場を支配している。 何処を見ても逃げ場などない。絶望的だ。 だが、こんな過酷な状況でなぜ脆い赤ゆが生きていられるのだろうか? それはオレンジキューブのおかげである。 このオレンジキューブがしーしーと混ざり、濃縮されたオレンジジュースの成分を 赤ゆ達に送り込んでいるのだ。そのためゲロ袋と言われるぱちぇりー種でもゆたんぽ内では生きていられるのだ。 だが、この中では決してゆっくりなどできはしない。 「あじゅっ!あじゅっ!あじゅいよぉぉぉぉおおおお!!!」 灼熱の中であんよを燃やされるような感覚。少なくともゆっくりはできないだろう。 しーしーに浸っていなくても十分熱いのだから、熱湯はなおさらである。 「ゆ、ぴょんぴょんしゅるよ!」 熱湯から逃れようとぴょんぴょんするまりしゃ。 まだあんよはふやけていないので、確かに効果はあるだろう。一瞬だけでも。 「ぴょんぴょ………ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!くしゃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 だが忘れてはならない。このゆたんぽ内はしーしーの臭いで充満しているのだから。 まりしゃがあまりの臭いに悶えながら、再度しーしーの中に落下した。 「ゆぅぅぅぅ!!あじゅいよぉぉぉぉおおおおお!!」ぴしゃっ そして跳ねたしーしーは周りの赤ゆに降り注いだ。 「わがらっ!?」 「れいみゅのおべべがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 「あじゅいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 「むぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?くしゃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」 そしてしーしーがかかった赤ゆが跳ね、 着地する瞬間にしーしーがまた跳ねる。 そしてそのしーしーが他の赤ゆに(ry無限ループってこわくね? 「ゆんぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!」 『まあ料理とかあんまりやらないし、失敗もあるさ』 男がそういいながらベットルームに入った。 今晩は野菜炒めを作るつもりが、 何故かあんかけチャーハンになってしまった。 まあおいしかったしいいか、と言いながらベットに入った男は 『………ぽーかぽーかしてるよ…』 幸せそうな表情を浮かべた。 あれから約30分ほど経ってしまったが、 足元ががちょうどよい暖かさになっていた。 買ってよかった、男はそう思いながらゆっくりと眠りについた。 「ゆ………ゆべ………」 その頃ゆたんぽの中では、赤ゆ五匹が死の境界線を漂っていた。 正確には濃縮オレンジジュースで死ぬことを許されていないのだが、 濃縮オレンジジュースの成分だけでは身体的な障害はなおせても、 精神の治療はできないのだ。 「あみゃあみゃ………たべちゃい……よ………」 確かにオレンジジュースなら甘くてしあわせー!になれるだろう。 だが、このオレンジキューブから出てしーしーと混ざったオレンジジュースは、 致死量ではないもののゆっくりが飲むには苦すぎるのだ。 「む…きゅ………」 ゲロ袋と言われるぱちゅりーも、中身を吐くことはできない。 オレンジジュースの効能によって中身を吐くほどの衰弱には至らないのだ。 逆にいえば、ゲロを吐いて永遠にゆっくりすることもできないのだ。 「かあしゃま……とうしゃま………たしゅけて………」 親のゆっくりなどどこにもいない。 そもそも親ゆっくりは加工所の生産用ゆっくりだ。 いたところでどうにもならない。 「……ゅ…………。」 あれほど元気だったまりしゃは、 もう喋ることもできない状態になっていた。 (まりしゃ…………ゆっきゅりしたいのじぇ……… ゆっきゅりって………なんなのじぇ?) ゆっくり、それはゆっくりの本能に刻まれている言葉。 そしてゆっくりが生存意義だと主張する言葉でもある。 だが、ゆっくりすることを知らずに生まれてきたこの赤ゆ達に、 はたしてこの言葉は必要なのだろうか? (まりしゃ…………どうしちぇうまりぇてきちゃのじぇ……? こんにゃにくるしいにゃら……うまりぇてこなきゃったほうが………) どんなに考えてもどうにもならない。 この地獄は、ゆたんぽが冷めるまでつづくだろう。 それが何時間、何日かは誰にもわからない。 一か月後… 『ただいま』 仕事を終わらせ、僕が帰宅した瞬間、ベットルームからさくやの声がした。 「おかえりなさいごしゅじんさま!ちょっときてください!」 さくやが呼んでいるので行ってみると、 さくやがゆたんぽを抱えていた。 「これ、もうあたたかくないんですよ、ごしゅじんさま」 ゆたんぽを触ってみると、少しぬるい温度になっていた。 さくやとは一緒に寝ている(HENTAI的な意味で)ので、 今朝まではゆたんぽが暖かかったのを覚えている。 不思議に思ってゆたんぽの蓋を開けてみる。 『………わーお…』 そこには、壮絶な顔で息絶えている5匹の子ゆっくりの死骸があった。 入れた赤ゆっくりはオレンジジュースの成分だけで子ゆっくりまで成長していたのだが、 なにも食べていないため、体はゆっくりとは思えないほどにやせ細っていた。 まあ、さくやにはみせられないだろうな、と思いつつゆたんぽの掃除をしよう。 意外なことは、5匹の中身らしきものがなかったことだ。 予想ではぱちゅりー辺りは中身を吐いて死んでしまうと思っていたのだが、 これは全く予想外だった。掃除は思ったより簡単そうだ。 何はともあれ、まずはゆたんぽのなかにあった死骸をゴミ箱に捨て、 水で軽く洗い流す。これだけだ。 あっと言う間に片付けが終わった後、重要なことに気が付いた。 「あんしんしてください。ちゃんとかいそろえましたよ」 そういいながらさくやが取り出したのは、 『濃縮オレンジキューブ』と『真空冷凍赤ゆパック』だった。 ゆたんぽは代えのゆっくりがいる限り、何度でも使えるエコロジーな商品なのだ。 『でかしたぞさくや。ご褒美に今度なにか買ってあげるよ』 「それじゃあごしゅじんさま、わたしにくまんさんがほしいです!」 そんな他愛ない会話をしながらパックの中の赤ゆを取り出し、 ゆたんぽの中に入れていく。 まだ冬は続く。これからもずっとゆたんぽにはお世話になるだろう。 『さくや、今日のご飯は?』 「きょうはおなべでーす!」 冬はまだ、はじまったばかりだ。 あとがき えーとですね、これはかんそういたで、『実用化後のSSを書いてもいいのよ?(チラッ』といわれて てんしょんあがってかいたさくひんです。 もげー 3333さんおよび「ゆたんぽ」を評価してくださった皆さん、ありがとうございます。 今回はなんだが半端感が… このゆたんぽは一般向けで、他にも鬼威山向けとか考えています。 赤ぱちぇの口調がわからない。わからないことだらけだ。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2234.html
八つ当たり100% 12KB いじめ 虐待 嫉妬 番い 野良ゆ 赤ゆ 現代 理不尽モノです 以下:余白 『八つ当たり100%』 *善良なゆっくりが酷い目に遭います 俺は公園のベンチに腰かけていた。 右手のケータイを眺めて溜め息をつく。 なんということはない。 二年間付き合っていた女に振られたのだ。 その女から届いた最後のメールは「ごめんね」で始まり、二百ほどの改行を経て「さよなら」とだけ打ってあった。 なんとなく遠くに目を向けると池の真ん中に良いボートが浮かんでいる。 何が悪かったのか皆目見当がつかない。 見上げた空は残酷なまでに青かった。 「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!!」 不意に足元から声を掛けられる。 視線を空から地面に移すとピンポン玉ほどの大きさの赤ゆっくりが俺の足元で楽しそうにぴょんぴょん飛び跳ねていた。 少しだけ泥にまみれてはいるが赤いリボンと黒い帽子がゆらゆら揺れている。 数は五匹。 都会から少し離れているとは言え、よくもまぁこれだけの数の赤ゆが単独で行動できたものだ。 親はいったい何をしているのだろう……などと考えていたら少し遅れてバスケットボールほどの大きさのまりさが跳ねてきた。 少し不安そうな顔をしている。 当然だ。 恐らくこのまりさは赤ゆたちの親なのだろう。 「お……おちびちゃんたちっ! ゆっくりしないでこっちにきてね! すぐでいいよっ!!」 さすがに成体にまで成長しただけあって“人間”という生き物がどういう存在であるか理解しているようだ。 「ゆゆ~ん! おにいしゃんはゆっくちできりゅひと?」 親の心子知らず。 赤ゆたちは俺という存在に興味津々なのか靴の周りに頬を摺り寄せてみたり、気を引こうとその場でジャンプを繰り返している。 親まりさは益々顔色を悪くしながらようやく俺の前までたどり着く。 額に汗を浮かべながら親まりさは俺に恐る恐る話しかけてきた。 「ゆ……ゆっくりしていってね!!! お、おにいさんはゆっくりできるひと?」 思わず吹き出しそうになってしまった。 まぁ、大体三カ月程度で成体になるような生き物だ。 詰め込める知識も多くはあるまい。 それにしてもピンポン玉と同じ挨拶と質問を親まりさがしてくるとは思わなんだ。 恐らくは自分たちが生きていく上で「危険か否か」をようやく感じ取れるぐらいにまでしか思考回路が成長できないのだろう。 一匹の赤まりさは器用に親まりさの帽子のツバによじ登って更に自分の存在をアピールすべく、俺に色々と話しかけてきていた。 そこへ。 「ま……まりさ……っ。 おちびちゃんたちといっしょにこっちにきてね……?」 声のする方に目を向けると親まりさよりも少し大きめの親れいむがビクビクしながら俺とその周りを見つめていた。 「れーみゅおきゃーしゃん! あにょおにいしゃんは、まりしゃたちがあいさつしゃんをしちぇも、ちっともおへんじをかえし ちぇくれにゃいよっ! ゆっくちできにゃいおにいしゃんだにぇっ!!」 滅多な事は言うもんじゃないとばかりに目を見開いた親れいむが顔面蒼白で俺と子まりさを交互に見る。 親れいむの動きは鈍い。 最初は食い過ぎただけでのでいぶかと思っていたがどうやら身ごもっているようだ。 五匹の赤ゆを育てるだけでも大変だろうにまだ増やそうと言うのだろうか。 この馬鹿家族は今年の冬で全滅だろう。 というか、なんだ。 ゆっくりでさえ番を見つけて夫婦になって子供作って幸せになっているというのに。 ついさっき女に振られた俺は、今この時点でこのゆっくり共以下の存在なのだろうか。 明らかにネガティブシンキング全開なのは承知しているが、人間というものは一度悪い方に物事を考えるとなかなか考えのベク トルを戻せないものである。 だがしかし、やはり今の俺はこいつら以下であることは間違いない(←ネガティブシンキング そう考えるとなんとなく腹が立ってきた。 何が楽しくて、赤ゆに頬を摺り寄せられて顔を緩ませてるのだろう。 さっきからぴょんぴょんぴょんぴょん。 同じ動作を繰り返して楽しいのだろうか。 こんな無価値な饅頭にさえも、今の俺は劣っているのだ。 どう考えても俺とこいつらのどちらが「幸せか否か」と言えば、こいつらだろう。 「ゆ゛ぐぢッ?!!」 気が付いたら俺は足元で跳ね回っていた赤れいむを踏み潰していた。 取り残された家族が俺の足元を茫然と見つめている。 靴底から赤れいむの揉み上げの一部が覗いていた。 勢いよく飛び出した餡子が地面をどす黒く汚している。 「ゆ……ゆわぁぁぁぁッ?! まりしゃのいもうちょがぁぁぁぁ!!!!」 真っ先に金切り声を上げたのは赤まりさ。 その声を合図に親まりさは歯をカチカチと鳴らしながら赤ゆたちの回収を始めていた。 俺はそんな親まりさの顔に蹴りを食らわせて赤ゆたちから遠ざける。 強者であるはずの親まりさがごろごろと遠くへ転がる様を見て、赤ゆたちは恐怖であんよを動かせなくなったらしい。 俺はそんな四匹の赤ゆを一匹ずつ摘み上げるとコンビニ袋の中に投げ入れた。 ガサガサと音を立てながら袋の中で這いずり回る赤ゆたち。 「たしゅけちぇぇぇぇ!!!!」 「きょわいよぉぉぉぉぉ!!!!」 蹴り飛ばされた親まりさが短く呻き声を上げながら俺の元へと再び跳ね寄ってくる。 俺はそんな親まりさを捕まえると帽子を奪い取って池の水面に浮かべ、その上に親まりさを載せてやった。 この親まりさはただのまりさ種である。 水上まりさなどではない。 水を恐れるゆっくりにとって、今親まりさが置かれている状況はとてつもなく恐ろしいものであろう。 事実、親まりさは滝のように涙を流して帽子の上でガタガタ震えていた。 そんな親まりさの帽子をつい、と動かして岸から遠ざけてやる。 「やめてねっ!! やめてねっ!!! おみずさんはゆっくりできないよっ!!!」 「おにいさん!!! まりさがいやがってるからやめてあげてねっ!!!」 身重の体で必死に俺の元へと這い寄ってきたのだろう。 全身汗まみれの親れいむが泣きながら俺に懇願してくる。 そんな親れいむの髪の毛を乱暴に掴んで持ち上げると、俺は手漕ぎボートの桟橋へと足を向けた。 体内の赤ゆに障るのか身を捩ったりなどしての激しい抵抗は見せない。 「ゆ゛ぅ゛ぅ゛!!!」 引き千切れそうな髪の毛の痛みに呻き声を上げることしかしなかった。 その様子を池の上に浮かんだ親まりさが泣きながら見つめている。 「どぉしてこんなことするのぉぉぉ?! まりさたち、なんにもわるいことしてないのに……っ!!!」 そんなことは知っている。 これは間違いなく八つ当たりだ。 幸せそうな連中を地獄に叩き落とすことで自分よりも不幸な奴らを作りたいだけの話に過ぎない。 俺は桟橋の入り口で売っていた無人販売の鯉の餌を買って手漕ぎボートに乗り込んだ。 実にシュールな光景である。 桟橋へ向かう途中に拾った適当な木の枝を親まりさに渡す。 親まりさはそれを咥えて戸惑ったような、怯えたような表情で俺を見つめていた。 そんな親まりさの目での訴えを無視して池の中央へとボートを漕ぎ出す。 ボートの縁から親れいむが顔を出して必死になって親まりさに助けを求めていた。 するとどうだろうか。 水の上で震えていた親まりさが意を決してキリッとした表情になり、たどたどしい口つきで木の枝をオール代わりに池の中央へ と漕ぎ出したのである。 「まりさぁぁぁぁぁ!!! たすけてぇぇぇぇぇぇ!!!」 親まりさは真剣な面持ちで俺の手漕ぎボートを追いかけるがあまりにも足色が違いすぎた。 しかし、俺は別に親まりさと競艇ごっこがしたかったわけではない。 親まりさが十分に岸から離れたことを確認して、先ほど買った鯉の餌を親まりさの周辺に少しずつばら撒いてやった。 「や、やめてねっ! ゆっくりできないよっ」 鯉の餌が親まりさの周りに雨のように降り注ぐ。 すぐに池の鯉が親まりさの真下に集まってきた。 「ゆ、ゆゆゆゆッ?!!」 突然、親まりさの帽子がぐらぐらと揺れ始める。 餌を食べようとする鯉の口や体が親まりさの乗る帽子に触れているのだ。 普通のまりさ種である親まりさはすぐにバランスを崩して金髪を水に触れさせてしまう。 そこから頬へ滴る水滴が親まりさの恐怖を加速させた。 「お、おさかなさんっ!! やめてねっ!!! ゆっくりできな……ゆ、ゆあわぁぁぁ!! て、てんぷくするぅぅぅぅぅ!!」 転覆などという言葉をどこで覚えたのかは知らないが、親まりさの帽子は確かに転覆寸前である。 「まりさぁぁぁぁ!!!!!!」 「れいむぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」 互いの名を叫んで悲しみをぶつけ合う二匹のゆっくり。 親まりさのお下げが水面に垂れた。 それを餌と勘違いした鯉が勢いよく食らいつく。 「ゆあ……」 一瞬だけ口を半開きにして間抜けな顔で親まりさが動きを止めた。 次の瞬間、鯉によって親まりさは水中に引きずり込まれてしまったのである。 親れいむが池にぷかぷかと浮かんでいる帽子を見て愕然とした表情を浮かべた。 「ゆぶっ!! ゆはっ!! だず……げ、でっ!! までぃざ……おぼれちゃう゛!!! い、い゛だいよっ!!! ゆっぐり やべでぇぇ!!! おざがなざんっ!! まりざを……たべなびで……ゆ、ゆ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 俺としては溺れてもがき苦しむ親まりさの姿を見たかったのだがこれは予想外の展開である。 まさか溺れ死ぬ前に鯉に食われて死ぬとは思わなかったのだ。 水面に金髪が浮かんでいる。 親まりさは一かけらも残さず鯉に食べられてしまった。 最愛のゆっくりの無残な最期を一部始終見せられることになった親れいむはボートの中で恐怖のあまりにしーしーを漏らす。 赤ゆたちは怯えて一言も口を利けないようだ。 コンビニ袋の中で身を寄せ合って震えているのだろう。 手漕ぎボートを桟橋につけて今度は公園の広場へと足を向ける。 今度は鳩の餌を買った。 親れいむを足で踏みつけて固定し地面に鳩の餌をばら撒く。 するとすぐに無数の鳩が上空から滑空してきた。 「ゆっひぃぃぃぃぃ!!!!」 目の前で羽根をばたつかせる鳩の群れに親れいむは恐怖を隠し切れないようだ。 先ほどの親まりさの死にざまも頭をよぎっているのだろう。 足で押さえつけられて動けない親れいむを無視して、俺はコンビニ袋の中の赤れいむを一匹鳩の群れの中に放り投げた。 「おしゃらをとんでりゅみちゃいっ!!!」 「お、おちびちゃああああぁぁぁぁぁんッ??!!!」 放物線を描いた赤れいむが顔面から地面に叩きつけられる。 すぐに大声で泣き叫んだ。 あまりの激痛に少量の餡子を吐き出している。 痛みでその場を動くことができないようだ。 「いちゃいよぉぉぉぉ!!!! おきゃあしゃ――――」 赤れいむの悲鳴はここで途切れた。 数羽の鳩に顔を食い千切られたのである。 断末魔の悲鳴を上げることなく赤れいむはその存在を消した。 後には鳩の鳴き声が一定のリズムで繰り返されるだけである。 ガサガサとコンビニ袋の中を漁っていると、足の下から親れいむが声を張り上げた。 「どぼじでごんな゛ごどずる゛の゛ぉ゛ぉ゛!!! れ゛い゛む゛だち……ここでゆっぐりじでだだけな゛のにぃぃぃぃ!!!」 その時、合点がいった。 このゆっくり親子はこの公園でばら撒かれた鳩の餌のお零れで今日まで生活してきたのではなかろうか。 或いはマナーの悪い公園利用者の捨てたゴミを漁って。 それならば五匹もの赤ゆを育てつつ、更に胎生にんっしんっ!までさせてのけるかも知れない。 まぁ、そんなことはもうどうだっていいのだが。 無言でぽいぽいとコンビニ袋から赤ゆを鳩の群れの中央に投げ続ける。 地面に叩きつけられた衝撃で皮が破れて即死する赤ゆもいたが、今度は必死に逃げ回ろうとしたがために苦しんで殺される事に なった赤ゆもいた。 「ゆあぁ……ちびちゃん……れいむのかわいいかわいいちびちゃんたちが……」 ゆんゆんとすすり泣く親れいむを一思いに踏み潰してやろうと力をかけたが、俺がアクションを起こす前に親れいむは痙攣のよ うな動きを始めた。 「ゆぎ……ぎ、う、うばれ゛る゛ぅぅぅ!!!」 貴重な親れいむの出産シーンである。 俺は下卑た笑みを浮かべて親れいむを両手で掴んで腰の辺りまで持ち上げた。 まるでお母さんが赤ん坊におしっこをさせようとしているようなポーズである。 そのまま餌に群がり蠢く鳩の群れの中央に歩み寄っていく。 親れいむは俺が何をしようとしているのかを察したのか、開きかけた産道を必死に閉じようとして歯を食いしばっている。 それでも生まれようとしている新しい命の力は凄まじく、産道を押し広げた赤ゆの顔がついに出てきてしまった。 「ゆっくちうんじぇにぇ!!!」 「ちびちゃ……う、うばれ゛ちゃ、だめ゛ぇぇぇ……ッ!!!!」 「ゆゆーん!! れーみゅはゆっくちうまれりゅよっ!!!」 スポーン…… 間抜けな効果音と一緒に赤ゆが産道から飛び出す。 そのまま地面に叩きつけられて絶命したかに見えた。 しかし、生まれてすぐに砕けた歯と飛び出した目玉に怯えながら赤れいむは懸命に親れいむの名を呼び続けている。 それもそう長くは続かなかった。 鳩に食われて死んでしまったのである。 僅か十秒にも満たない生涯。 “ゆっくりしていってね”の一言も言えずにその一生を終えたのだ。 自分を生んでくれた最愛の母の目の前で。 「う……うわぁぁぁぁ!!!!!」 親れいむが叫び声を上げた勢いでもう一匹産道から赤ゆが飛び出す。 今度は中腰になって生まれてすぐに瀕死にならないように気を使った。 「ゆっくちしちぇ……い゛ぎゃあ゛あ゛あ゛ッ?!! や゛べちぇぇ!!! たじぇげ……おきゃッ?!!!」 自信満々の笑みで挨拶をしようとした赤まりさは、鳩たちによって滅茶苦茶に顔を食い破られて死んでしまった。 その様子を産道から顔を出していた最後の赤ゆが目の当りにしてしまっている。 産道から赤ゆが叫ぶ。 「ゆんやぁぁぁ!! うまにゃいでにぇ!!! れーみゅ、うまれちゃくにゃいよっ!!!!」 「ちびちゃん……うまれちゃだめぇぇぇぇぇッ!!!!」 「早く産めよ」 親れいむの両頬を力任せに押すとそれだけで産道から赤ゆが飛び出していった。 まるで小さな大砲である。 最後の赤ゆも鳩の群れの餌食となった。 死ぬ直前まで泣き叫び、“どうしてれいむを産んだの”と親れいむを罵りながら。 放心状態の親れいむを公園の真ん中に置いた。 親れいむはそこから一歩も動こうとはしない。 俺はそれ以上親れいむに危害を加えようとはしなかった。 同情したわけではない。 俺と親れいむ。 どちらが「幸せか否か」と言えば、間違いなく俺のほうが幸せだろうから。 おわり 日常起こりうるゆっくりたちの悲劇をこよなく愛する余白あきでした。
https://w.atwiki.jp/hutaba_ranking/pages/18.html
八つ当たり100% 12KB いじめ 虐待 嫉妬 番い 野良ゆ 赤ゆ 現代 理不尽モノです 以下:余白 『八つ当たり100%』 *善良なゆっくりが酷い目に遭います 俺は公園のベンチに腰かけていた。 右手のケータイを眺めて溜め息をつく。 なんということはない。 二年間付き合っていた女に振られたのだ。 その女から届いた最後のメールは「ごめんね」で始まり、二百ほどの改行を経て「さよなら」とだけ打ってあった。 なんとなく遠くに目を向けると池の真ん中に良いボートが浮かんでいる。 何が悪かったのか皆目見当がつかない。 見上げた空は残酷なまでに青かった。 「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!!」 不意に足元から声を掛けられる。 視線を空から地面に移すとピンポン玉ほどの大きさの赤ゆっくりが俺の足元で楽しそうにぴょんぴょん飛び跳ねていた。 少しだけ泥にまみれてはいるが赤いリボンと黒い帽子がゆらゆら揺れている。 数は五匹。 都会から少し離れているとは言え、よくもまぁこれだけの数の赤ゆが単独で行動できたものだ。 親はいったい何をしているのだろう……などと考えていたら少し遅れてバスケットボールほどの大きさのまりさが跳ねてきた。 少し不安そうな顔をしている。 当然だ。 恐らくこのまりさは赤ゆたちの親なのだろう。 「お……おちびちゃんたちっ! ゆっくりしないでこっちにきてね! すぐでいいよっ!!」 さすがに成体にまで成長しただけあって“人間”という生き物がどういう存在であるか理解しているようだ。 「ゆゆ~ん! おにいしゃんはゆっくちできりゅひと?」 親の心子知らず。 赤ゆたちは俺という存在に興味津々なのか靴の周りに頬を摺り寄せてみたり、気を引こうとその場でジャンプを繰り返している。 親まりさは益々顔色を悪くしながらようやく俺の前までたどり着く。 額に汗を浮かべながら親まりさは俺に恐る恐る話しかけてきた。 「ゆ……ゆっくりしていってね!!! お、おにいさんはゆっくりできるひと?」 思わず吹き出しそうになってしまった。 まぁ、大体三カ月程度で成体になるような生き物だ。 詰め込める知識も多くはあるまい。 それにしてもピンポン玉と同じ挨拶と質問を親まりさがしてくるとは思わなんだ。 恐らくは自分たちが生きていく上で「危険か否か」をようやく感じ取れるぐらいにまでしか思考回路が成長できないのだろう。 一匹の赤まりさは器用に親まりさの帽子のツバによじ登って更に自分の存在をアピールすべく、俺に色々と話しかけてきていた。 そこへ。 「ま……まりさ……っ。 おちびちゃんたちといっしょにこっちにきてね……?」 声のする方に目を向けると親まりさよりも少し大きめの親れいむがビクビクしながら俺とその周りを見つめていた。 「れーみゅおきゃーしゃん! あにょおにいしゃんは、まりしゃたちがあいさつしゃんをしちぇも、ちっともおへんじをかえし ちぇくれにゃいよっ! ゆっくちできにゃいおにいしゃんだにぇっ!!」 滅多な事は言うもんじゃないとばかりに目を見開いた親れいむが顔面蒼白で俺と子まりさを交互に見る。 親れいむの動きは鈍い。 最初は食い過ぎただけでのでいぶかと思っていたがどうやら身ごもっているようだ。 五匹の赤ゆを育てるだけでも大変だろうにまだ増やそうと言うのだろうか。 この馬鹿家族は今年の冬で全滅だろう。 というか、なんだ。 ゆっくりでさえ番を見つけて夫婦になって子供作って幸せになっているというのに。 ついさっき女に振られた俺は、今この時点でこのゆっくり共以下の存在なのだろうか。 明らかにネガティブシンキング全開なのは承知しているが、人間というものは一度悪い方に物事を考えるとなかなか考えのベク トルを戻せないものである。 だがしかし、やはり今の俺はこいつら以下であることは間違いない(←ネガティブシンキング そう考えるとなんとなく腹が立ってきた。 何が楽しくて、赤ゆに頬を摺り寄せられて顔を緩ませてるのだろう。 さっきからぴょんぴょんぴょんぴょん。 同じ動作を繰り返して楽しいのだろうか。 こんな無価値な饅頭にさえも、今の俺は劣っているのだ。 どう考えても俺とこいつらのどちらが「幸せか否か」と言えば、こいつらだろう。 「ゆ゛ぐぢッ?!!」 気が付いたら俺は足元で跳ね回っていた赤れいむを踏み潰していた。 取り残された家族が俺の足元を茫然と見つめている。 靴底から赤れいむの揉み上げの一部が覗いていた。 勢いよく飛び出した餡子が地面をどす黒く汚している。 「ゆ……ゆわぁぁぁぁッ?! まりしゃのいもうちょがぁぁぁぁ!!!!」 真っ先に金切り声を上げたのは赤まりさ。 その声を合図に親まりさは歯をカチカチと鳴らしながら赤ゆたちの回収を始めていた。 俺はそんな親まりさの顔に蹴りを食らわせて赤ゆたちから遠ざける。 強者であるはずの親まりさがごろごろと遠くへ転がる様を見て、赤ゆたちは恐怖であんよを動かせなくなったらしい。 俺はそんな四匹の赤ゆを一匹ずつ摘み上げるとコンビニ袋の中に投げ入れた。 ガサガサと音を立てながら袋の中で這いずり回る赤ゆたち。 「たしゅけちぇぇぇぇ!!!!」 「きょわいよぉぉぉぉぉ!!!!」 蹴り飛ばされた親まりさが短く呻き声を上げながら俺の元へと再び跳ね寄ってくる。 俺はそんな親まりさを捕まえると帽子を奪い取って池の水面に浮かべ、その上に親まりさを載せてやった。 この親まりさはただのまりさ種である。 水上まりさなどではない。 水を恐れるゆっくりにとって、今親まりさが置かれている状況はとてつもなく恐ろしいものであろう。 事実、親まりさは滝のように涙を流して帽子の上でガタガタ震えていた。 そんな親まりさの帽子をつい、と動かして岸から遠ざけてやる。 「やめてねっ!! やめてねっ!!! おみずさんはゆっくりできないよっ!!!」 「おにいさん!!! まりさがいやがってるからやめてあげてねっ!!!」 身重の体で必死に俺の元へと這い寄ってきたのだろう。 全身汗まみれの親れいむが泣きながら俺に懇願してくる。 そんな親れいむの髪の毛を乱暴に掴んで持ち上げると、俺は手漕ぎボートの桟橋へと足を向けた。 体内の赤ゆに障るのか身を捩ったりなどしての激しい抵抗は見せない。 「ゆ゛ぅ゛ぅ゛!!!」 引き千切れそうな髪の毛の痛みに呻き声を上げることしかしなかった。 その様子を池の上に浮かんだ親まりさが泣きながら見つめている。 「どぉしてこんなことするのぉぉぉ?! まりさたち、なんにもわるいことしてないのに……っ!!!」 そんなことは知っている。 これは間違いなく八つ当たりだ。 幸せそうな連中を地獄に叩き落とすことで自分よりも不幸な奴らを作りたいだけの話に過ぎない。 俺は桟橋の入り口で売っていた無人販売の鯉の餌を買って手漕ぎボートに乗り込んだ。 実にシュールな光景である。 桟橋へ向かう途中に拾った適当な木の枝を親まりさに渡す。 親まりさはそれを咥えて戸惑ったような、怯えたような表情で俺を見つめていた。 そんな親まりさの目での訴えを無視して池の中央へとボートを漕ぎ出す。 ボートの縁から親れいむが顔を出して必死になって親まりさに助けを求めていた。 するとどうだろうか。 水の上で震えていた親まりさが意を決してキリッとした表情になり、たどたどしい口つきで木の枝をオール代わりに池の中央へ と漕ぎ出したのである。 「まりさぁぁぁぁぁ!!! たすけてぇぇぇぇぇぇ!!!」 親まりさは真剣な面持ちで俺の手漕ぎボートを追いかけるがあまりにも足色が違いすぎた。 しかし、俺は別に親まりさと競艇ごっこがしたかったわけではない。 親まりさが十分に岸から離れたことを確認して、先ほど買った鯉の餌を親まりさの周辺に少しずつばら撒いてやった。 「や、やめてねっ! ゆっくりできないよっ」 鯉の餌が親まりさの周りに雨のように降り注ぐ。 すぐに池の鯉が親まりさの真下に集まってきた。 「ゆ、ゆゆゆゆッ?!!」 突然、親まりさの帽子がぐらぐらと揺れ始める。 餌を食べようとする鯉の口や体が親まりさの乗る帽子に触れているのだ。 普通のまりさ種である親まりさはすぐにバランスを崩して金髪を水に触れさせてしまう。 そこから頬へ滴る水滴が親まりさの恐怖を加速させた。 「お、おさかなさんっ!! やめてねっ!!! ゆっくりできな……ゆ、ゆあわぁぁぁ!! て、てんぷくするぅぅぅぅぅ!!」 転覆などという言葉をどこで覚えたのかは知らないが、親まりさの帽子は確かに転覆寸前である。 「まりさぁぁぁぁ!!!!!!」 「れいむぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」 互いの名を叫んで悲しみをぶつけ合う二匹のゆっくり。 親まりさのお下げが水面に垂れた。 それを餌と勘違いした鯉が勢いよく食らいつく。 「ゆあ……」 一瞬だけ口を半開きにして間抜けな顔で親まりさが動きを止めた。 次の瞬間、鯉によって親まりさは水中に引きずり込まれてしまったのである。 親れいむが池にぷかぷかと浮かんでいる帽子を見て愕然とした表情を浮かべた。 「ゆぶっ!! ゆはっ!! だず……げ、でっ!! までぃざ……おぼれちゃう゛!!! い、い゛だいよっ!!! ゆっぐり やべでぇぇ!!! おざがなざんっ!! まりざを……たべなびで……ゆ、ゆ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 俺としては溺れてもがき苦しむ親まりさの姿を見たかったのだがこれは予想外の展開である。 まさか溺れ死ぬ前に鯉に食われて死ぬとは思わなかったのだ。 水面に金髪が浮かんでいる。 親まりさは一かけらも残さず鯉に食べられてしまった。 最愛のゆっくりの無残な最期を一部始終見せられることになった親れいむはボートの中で恐怖のあまりにしーしーを漏らす。 赤ゆたちは怯えて一言も口を利けないようだ。 コンビニ袋の中で身を寄せ合って震えているのだろう。 手漕ぎボートを桟橋につけて今度は公園の広場へと足を向ける。 今度は鳩の餌を買った。 親れいむを足で踏みつけて固定し地面に鳩の餌をばら撒く。 するとすぐに無数の鳩が上空から滑空してきた。 「ゆっひぃぃぃぃぃ!!!!」 目の前で羽根をばたつかせる鳩の群れに親れいむは恐怖を隠し切れないようだ。 先ほどの親まりさの死にざまも頭をよぎっているのだろう。 足で押さえつけられて動けない親れいむを無視して、俺はコンビニ袋の中の赤れいむを一匹鳩の群れの中に放り投げた。 「おしゃらをとんでりゅみちゃいっ!!!」 「お、おちびちゃああああぁぁぁぁぁんッ??!!!」 放物線を描いた赤れいむが顔面から地面に叩きつけられる。 すぐに大声で泣き叫んだ。 あまりの激痛に少量の餡子を吐き出している。 痛みでその場を動くことができないようだ。 「いちゃいよぉぉぉぉ!!!! おきゃあしゃ――――」 赤れいむの悲鳴はここで途切れた。 数羽の鳩に顔を食い千切られたのである。 断末魔の悲鳴を上げることなく赤れいむはその存在を消した。 後には鳩の鳴き声が一定のリズムで繰り返されるだけである。 ガサガサとコンビニ袋の中を漁っていると、足の下から親れいむが声を張り上げた。 「どぼじでごんな゛ごどずる゛の゛ぉ゛ぉ゛!!! れ゛い゛む゛だち……ここでゆっぐりじでだだけな゛のにぃぃぃぃ!!!」 その時、合点がいった。 このゆっくり親子はこの公園でばら撒かれた鳩の餌のお零れで今日まで生活してきたのではなかろうか。 或いはマナーの悪い公園利用者の捨てたゴミを漁って。 それならば五匹もの赤ゆを育てつつ、更に胎生にんっしんっ!までさせてのけるかも知れない。 まぁ、そんなことはもうどうだっていいのだが。 無言でぽいぽいとコンビニ袋から赤ゆを鳩の群れの中央に投げ続ける。 地面に叩きつけられた衝撃で皮が破れて即死する赤ゆもいたが、今度は必死に逃げ回ろうとしたがために苦しんで殺される事に なった赤ゆもいた。 「ゆあぁ……ちびちゃん……れいむのかわいいかわいいちびちゃんたちが……」 ゆんゆんとすすり泣く親れいむを一思いに踏み潰してやろうと力をかけたが、俺がアクションを起こす前に親れいむは痙攣のよ うな動きを始めた。 「ゆぎ……ぎ、う、うばれ゛る゛ぅぅぅ!!!」 貴重な親れいむの出産シーンである。 俺は下卑た笑みを浮かべて親れいむを両手で掴んで腰の辺りまで持ち上げた。 まるでお母さんが赤ん坊におしっこをさせようとしているようなポーズである。 そのまま餌に群がり蠢く鳩の群れの中央に歩み寄っていく。 親れいむは俺が何をしようとしているのかを察したのか、開きかけた産道を必死に閉じようとして歯を食いしばっている。 それでも生まれようとしている新しい命の力は凄まじく、産道を押し広げた赤ゆの顔がついに出てきてしまった。 「ゆっくちうんじぇにぇ!!!」 「ちびちゃ……う、うばれ゛ちゃ、だめ゛ぇぇぇ……ッ!!!!」 「ゆゆーん!! れーみゅはゆっくちうまれりゅよっ!!!」 スポーン…… 間抜けな効果音と一緒に赤ゆが産道から飛び出す。 そのまま地面に叩きつけられて絶命したかに見えた。 しかし、生まれてすぐに砕けた歯と飛び出した目玉に怯えながら赤れいむは懸命に親れいむの名を呼び続けている。 それもそう長くは続かなかった。 鳩に食われて死んでしまったのである。 僅か十秒にも満たない生涯。 “ゆっくりしていってね”の一言も言えずにその一生を終えたのだ。 自分を生んでくれた最愛の母の目の前で。 「う……うわぁぁぁぁ!!!!!」 親れいむが叫び声を上げた勢いでもう一匹産道から赤ゆが飛び出す。 今度は中腰になって生まれてすぐに瀕死にならないように気を使った。 「ゆっくちしちぇ……い゛ぎゃあ゛あ゛あ゛ッ?!! や゛べちぇぇ!!! たじぇげ……おきゃッ?!!!」 自信満々の笑みで挨拶をしようとした赤まりさは、鳩たちによって滅茶苦茶に顔を食い破られて死んでしまった。 その様子を産道から顔を出していた最後の赤ゆが目の当りにしてしまっている。 産道から赤ゆが叫ぶ。 「ゆんやぁぁぁ!! うまにゃいでにぇ!!! れーみゅ、うまれちゃくにゃいよっ!!!!」 「ちびちゃん……うまれちゃだめぇぇぇぇぇッ!!!!」 「早く産めよ」 親れいむの両頬を力任せに押すとそれだけで産道から赤ゆが飛び出していった。 まるで小さな大砲である。 最後の赤ゆも鳩の群れの餌食となった。 死ぬ直前まで泣き叫び、“どうしてれいむを産んだの”と親れいむを罵りながら。 放心状態の親れいむを公園の真ん中に置いた。 親れいむはそこから一歩も動こうとはしない。 俺はそれ以上親れいむに危害を加えようとはしなかった。 同情したわけではない。 俺と親れいむ。 どちらが「幸せか否か」と言えば、間違いなく俺のほうが幸せだろうから。 おわり 日常起こりうるゆっくりたちの悲劇をこよなく愛する余白あきでした。
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2231.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 1068 死ぬしかない生き物/コメントログ」 もうすこしみゃくりゃくさんがほしいねー。 まあわるくはないとおもうよー。 -- 2010-07-15 08 30 11 赤ゆは苦しんで死んでね! -- 2010-08-25 06 30 37 最初から赤ゆ虐待のみを描こうとしてるんだから脈絡も何もないだろ。なにその上から目線。 -- 2010-09-04 23 21 01 まさにゆ虐のスタンダート。素晴らしい。 -- 2010-09-11 21 52 47 赤ゆは絶対に幸せになるな。苦しみぬいて泣き喚け!! -- 2010-09-18 12 30 50 ・ゆっくりは皆苦しんで死ねばいいと思うよ 違うよ、れいむとまりさは だよ -- 2010-11-17 15 50 22 赤ゆの恐怖失禁って大好きなんだよな。 -- 2010-11-17 22 28 16 ゆっくりに格付けしていい気になってるヤツの精神を疑う。相当いびつなんだね。 ゆっくりはみんな等しくかわいいし、等しく虐待したいよ。 -- 2010-11-29 00 23 22 れいむは可愛くないけどな -- 2013-08-01 16 59 09 だぜ口調のまりさもれいむと同じくらいかわいくないな -- 2013-08-07 15 00 03 おもろいです!! -- 2013-08-11 16 17 07 いいね -- 2013-09-02 23 35 55 最高。 -- 2017-03-25 13 53 45
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1922.html
ゆっくりの食べ方講座~初級編~ 出演:お姉さん 4代目れみりゃ グ~ッ…… 「う~、おなかがすいたんだど~」 飼い主さんと一緒にリビングでゆっくりしていたられみりゃのお腹が空いてしましました。 ピンクのスカートの裾をつかみながらにぱーとカワイコぶりっ子飼い主さんにおねだりをします。 「さっき、お昼ごはんを食べたじゃない」 そうです。お昼ごはんに白飯と焼き鯖とお味噌汁を一人前平らげたのにれみりゃはお腹がすいてしまったのです。 人間でもそうですが、食べさせ過ぎは体によくありません。太ってでいぶになってしまいます。 「れみりゃはせいちょうきなんだど!」 ソファーの上でガッツポーズを取るれみりゃ。 確かに、れみりゃは大人になりかけの子ゆっくりなので必然とお腹がすいてしまうのは道理なのです。 自然界のれみりゃや他のゆっくりもこの時期が一番大変な時期です。 「しかたないわね、今日もおやつを作りましょうか」 「やったど~!!」 今日も優しい飼い主さんです。 最初に言っておきますが、野良ゆっくりをそのまま食すと危険です。 なるべくお金を掛けたくない方は野良ゆを捕まえ、精子餡のアンプルを使って生まれた赤ゆを使いましょう。 何故危険かというと、野良ゆっくりには有害な残留物質が残っているからです。 消化しきれていない食べ物が実はプラスチックだった、もしくは腐ったものだったというパターンがあり、予備知識もなくゆっくりを食べて病院送りになる人は少なくありません。 ですので、加工場から販売されているものもしくは自家培養した赤ゆをおすすめします。 リビングから窓を開け、庭に出ると室外機の上に頭にピン球サイズの赤まりさ3匹と赤ありす2匹をぶら下げた一匹の大人まりさがいます。 以前、まりさはお庭の花壇を家族で荒らしていた所をお姉さんに捕まえたのです。 優しいお姉さんは一度は助けてやろうかと思ったのですが、 まりさのゆっくり出来ない罵詈雑言を耳にしてれみりゃのおやつ製造機としての任務を与えることにしました。 フタを開けると早速、 「おい、どれい! まりさをここからだせぇえええ!!!」 大声で喚きますが、あんよを1センチほどの厚さで削ぎ落としているのでまりさは動くことが出来せん。 更に、雨よけ用にゆ虐用の透明な箱に入れられているから外的な理由で死ぬことも許されません。 「じゃ、もらうわね」 「ゆぴ!」 手馴れた手つきでお姉さんは茎の根元からプクプクと育った赤ちゃんを取りました。 その茎を用意していた砂糖水の入っているコップに移し変えます。 「あかちゃんをかえせぇえ!!! この、くそどれい!!」 お姉さんは喚くまりさを無視して、一本のプラスチック製の注射器を取り出しました。 「そいっ!」 ぶすりと先端の尖った部分を挿し込み、ピストンを押します。 「ゆぶぶぶぶぶぶぶ」 痙攣するまりさのことも構わずに更に倍プッシュします。 「これでよしと」 ニョイーンとまりさのデコから茎が伸び、先程と同じく5匹の赤ゆの実が成りました。 加工場が販売しているありすの三等級精子餡の効き目が早速出たようです。 「ゆひぃ……ゆゆ、またあかちゃんができたよ!! こんどこそはゆっくりしていってね!!」 おや、まだ赤ちゃんは生きているのにまりさは次の赤ちゃんにメロメロのようです。 「あとそれと」 箱の中にパラパラとゆっくりフードを撒いて、まりさの頭にオレンジジュースをかけました。 「ゆ~ん、とってもゆっくりできるのぜ~」 また喚きかねないので蓋を閉じておきます。加工場の箱は完全防音ですよ。 三日もすれば赤ゆも十分成長するでしょう。 「れみぃ、お砂糖足りないから取ってきて」 うーと返事をしながら、れみりゃは急いで台所へと飛びます。 「ちゃんととってきたど~」 ですが、取ってきたものには塩という表記があるではありませんか。 「れみぃ、舐めてみなさい」 無理だと言っても嫌だと言っても体に教え込まないといけません。 さて、場所を台所に移します。 「あとは、お皿を」 用意するものは先程のコップと包丁、まな板と底のあるお皿とオレンジジュースです。 「まずは、赤ゆっくりを目覚めさせないと」 砂糖水につけているだけでは赤ゆっくりは生まれません。 そのため、砂糖水の濃度を濃くして生まれるのを早めなければなりません。 「れみぃ、お手手洗っといて」 その間に大さじ3杯ほどコップに砂糖を注ぎます。これで赤ゆの顔がだんだんと白っぽい色から生き生きとした赤身がかった肌色へと変化します。 「ゆぴ!」 肌色が安定し始めると目が開きます。これが誕生の合図です。 「ゆっきゅりうまれりゅよ!!」 舌っ足らずの返事と共に茎からポトリポトリと落ちてきます。 落下地点に何も置かずとも大丈夫ですが、心配ならタオルを敷くのもありです。 「ゆっきゅりしていっちぇね!!」 一斉に私に向かって声をかけますが、ここで声をかけてはいけません。 「ゆゆ、にゃんでへんじをしてくれないの?」 「なんでって、みんながゆっくりできないからよ」 生まれた時点から言葉攻めをすると感受性豊かな赤ゆはそれを間に受けます。 ゆっくりはゆっくり出来ないほど甘みが増す生き物です。その為、いかに苦痛を与えながら調理するかがポイントなのです。 「ゆ! まりしゃはゆっきゅりできりゅのじぇ! へんにゃこというとぷきゅーするのじぇ!!」 「しょ、しょうよ! いにゃきゃもののおにぇーさんはゆっきゅりときゃいはなありしゅたちにあやまってにぇ!!」 一部の反抗的な赤まりちゃと一緒に威嚇行為であるぷくーをしてきます。 ゆっくりは調子に乗ったりゆっくりすると甘さが減ってしまうので要注意です。 ですが、ご安心あれ。ゆっくりはゆっくりするというレゾンデートルを持つ生き物なのです。それは赤ゆとて例外ではありません。 「見てご覧、まりちゃ達のお母さんは他の赤ちゃんとゆっくりしているよ」 お皿に載せた五匹を連れて窓際へ移動します。 「ほ、ほんちょだ……」 のほほんと餌を食べながら日向ぼっこをする母まりさがいました。 「みゃみゃー!!」 赤ありしゅの叫びますがその声は母まりさの元へは届きません。 他の赤ゆも狂ったように母まりさの名前を叫びます。 「おきゃーしゃーん!!」 お姉さんはお皿を片手に母まりさの目の前に現れました。 「みゃみゃ!」 母まりさが私たちを見ている、これからのしあわせーな家族生活を夢見ながら赤ゆたちは母の顔を見ますが、 「…………ッ!!!!」 帰ってきたのは怒りを顕にした鬼のような母まりさの顔でした。 「どぼじで……」 「それはね、みんながゆっくりしていないからだよ。ゆっくりしていないからお母さんに見捨てられちゃったんだよ。残念だね」 本当は母まりさはお姉さんに対して怒っていただけであって、赤ゆっくりに対しては怒っていません。 ですが、子供の顔など物の数分で忘れているので事実上、赤ゆたちは捨てられゆっくりです。 決して、母まりさが薄情なゆっくりだとは思わないでください。 自然界では悲しさを紛らわせるために別のものに依存し、過去にはとらわれないように記憶を改ざんするのがサバイバルスキルの一つなのですから。 「ゆっくり出来ないゆっくりは生きる価値がないよ」 自然界でもそうですが、ゆっくりはゆっくりしていないとレッテルを貼られた瞬間、生きる価値を失うのです。 もちろん、本ゆん達はそうじゃないと思っていても現実は冷たくゆっくり出来ないゆっくりを普通の世界から押し出してしまいます。 絶望させたあとは調理の開始です。先程の過程はより一層甘くするためのものであり、省いても問題はありません。 「まりしゃはゆっきゅりできにゃい……」 まず初めにしなければならないのは不必要なお飾りと髪を除くことです。 「や、やめてにぇ…‥おきゃじゃりしゃんだけは……」 ゆっくりに取って飾りも重要な一部なのです。飾りがなければゆっくり出来ないゆっくりとみなされ追放されるのですから。 追い打ちをかけるようにお飾りをもいでください。 「ありしゅのかちゅーしゃしゃんが~~!!」 お飾りは集めたい人だけ集めてください。加工場がお一つ0.1円で引き取ります。 ただし、死臭がついたものは却下です。ゆっくり避けに使うか捨てるかしてください。 「後はあんよを」 調理中に動き回られたら嫌だという人は最初にあんよを傷つけておくと良いです。 ただ、深く傷つけると餡子を出しすぎて死ぬ可能性があるので薄く刃を走らせるだけで良いです。 「まりちゃのかみょしかのようにゃしゅんしょくしゃんがー!!」 カモシカは足が太くて綺麗ではないです。 一度、赤ゆ達を皿に置いて動かないかを確かめてから次の工程に移ってください。 「よっと」 今度は赤ゆの髪の毛を剃ります。なるべく剃刀のような刃が短い物を使用すると良いです。 ゆっくりは弾力性があり、また作業中に暴れ、誤って自分の手を傷つけてしまう可能性があります。 そのため、ゆっくりに対して刃物を使うときはゆっくりをまな板に置いてゆっくりの頭上を指で弾力性を感じなくなるまで押しながら作業すると良いです。 赤ゆやぱちゅりー種などのゲロを吐きやすい弱いゆっくりは口を閉じるように押すことをお忘れなく。 「ゆぎぃいいいいい!!!」 髪を剃るときは薄皮を剥ぐように切るようにしましょう。 髪の毛の剃り残しがあると舌触りに影響するので中身が漏れないように歪でもいいので刃を入れてください。 「ゆぎぎぎぎぎぎぎ……」 最初は側面を切り取り、最後に指で抑えている箇所を抑えながらスライスしましょう。 全員の髪の毛が剃り終わったら一度、赤ゆにコップの中に入れていた砂糖水を全てぶっかけてください。 これで先程の工程のダメージを和らげます。ダメージを蓄積しすぎると非ゆっくり症に罹り途中で死んでしまいます。 「ゆふ~」 「ゆっくりできるのぜ~」 皿に貯まった砂糖水に浸りながら赤ゆたちはゆっくりしています。 ある程度放置しておくことで、次の段階に移った後の恐怖感が増します。上げて落とすのもいい調理法の一つです。 「それじゃあ、れみぃ。次お願いね」 「わかったど~」 「れ、れみりゃだああああ!!!!」 砂糖水の上ではしゃいでいたゆっくりも大慌てです。 赤ゆといえど、捕食種に対する恐怖は本能レベルで刻み込まれているのです。生きるための知恵の一つと言っても良いでしょう。 「うーうるさいど!!」 れみりゃは太っちょで短い指を使い赤ゆを掴むと、空になったコップの中に落としました。 「いちゃい!」 受身を取り損なってほっぺたから落下したみたいです。 衝撃の痛みに耐えながら、まりさはコップの底から天井を見上げます。 「みょ、みょうにゃにもしにゃいでほしいのじぇ!!」 そう叫んだ矢先に橙色の液体が流れこんできます。 ゆっくりの万能薬、オレンジジュースです。 「あ、あみゃあみゃ……」 勢いを止まることを知らず、コップの縁ギリギリまで注がれました。 「い、いきができにゃいのじぇ!!」 ゆっくりには正確な呼吸器官はありませんが、呼吸を行ないます。 焦った赤まりちゃは空気を吸おうとしすぎて口を開けっ放しにしてしまい結果として浮き上がることが出来ません。 感情を言葉に出しやすいゆっくりの性質上、沈んでしまうのは当然の結果なのです。 ゆっくりが暴れてオレンジジュースをコップの外に吐き出してしまうので、台所が汚れてしまうのが嫌な人はジュースの量を減らすか、タオルを敷いてください。 「げぇぁあああ」 また、普通の水ではすぐにふやけて死んでしまいますが、オレンジジュースの治癒効果でなかなか死ねません。 「……っ!!」 ですが、過信はいけません。オレンジジュースといえど液体です。徐々にゆっくりの皮膚はふやかされていきます。 その間にお姉さんが用意した小麦粉をれみりゃはタッパの中に注ぎます。 「あぎゅ、あびゅびゅ」 沈みかけたところを見計らい、れみりゃは菜箸を使って赤ゆをつまみ上げました。 「た、たしゅけて」 今度はお皿に残っている赤ゆと一緒に小麦粉が詰まったタッパに落とします。 「こにゃこにゃしゃんはゆっきゅりできにゃいよ!!」 「ゆっくちん!!」 「うー!」 睨みを利かしたところで、今度は小麦粉を赤ゆたちにふりかけていきます。 「こーねこーねだと~」 「みゃえがみえにゃ……い、いちゃいいい!!!」 「やべでぇえええおしゃないでえええ!!!!」 「くちぎゃこにゃこにゃすりゅうううう!!!」 「ゆっくちん、ゆっくちん!!」 平手で小麦粉を掬ってはそれを頭からまぶし、皮膚にくっつくようにこねる。これを十回ほど繰り返してください。 小麦粉を体にまぶすことによって、耐水性を少し上げます。 また、身を引き締めることができるのでオレンジジュースでふやけた体を元に戻すときに最適です。 「うーもういっかいだどー」 馴染み混んだと思ったら、もう一度赤まりちゃをコップの中にぶち込みます。 「もういやじゃぁああ!!!」 急ぎの方は全部いれてしまっても構いません。それで十分です。 ですが、もっと甘くしたい方は一匹ずつ入れていきましょう。 そうすることによって姉妹の悲鳴を聞いた赤ゆは更に甘くなります。 コップの中に入れる一匹の目安時間は30秒。これぐらいの時間で十分中身が甘くなります。 赤ゆ全てに作業を施したら次は灰汁抜きを始めます。 これは、体から排出されていない甘くない部分を排除し、より一層甘くするための工程です。 それならば、うんうんを出させれば良いと言う声が聞こえますが、うんうんを出るまで待つのはゆっくりしすぎです。 また、トウガラシ等の下剤等の仕様は味に強い影響を与えるのでやめたほうが良いです。 「今度は私がやるかられみぃは見てて」 細かい作業になるので今度はお姉さんが担当します。 「もうやめちぇえええ!!」 涙を流して懇願する赤まりちゃとその姉妹たち。 ですが、優しいお姉さんに迷いなんてあるものですか。 「あなた達はゆっくり出来ないゴミだかられみりゃのあまあまになるしか能がないのよ」 優しさのベクトルは常にお姉さんの物に向けられています。他のゆっくりなんて知ったこっちゃ無いのです。 「しゃかしゃまにしにゃいでえええ!!」 「喋り過ぎると舌を噛むわよ」 赤ゆを裏返しにしてあんよを先程と同じく指で押し付けてください。 それから、刃を赤ゆの頬に上から斜めに入るように入れてください。猫の髭のような線を2本引きます。 力加減はあんこが少し漏れるようにしたいので、切り込みを入れている最中に弾力が変わったと思ったらそれ以上力を入れないでください。 もし、そこまで器用じゃないと思うのならば、包丁の先でぷすりと両方の頬に三回刺すだけでも良いです。 ですが、上斜めに切ることを忘れないでください。ゆっくりを裏返しお皿の上に置いた時に自重で中身が漏れるようにしたいからです。 「ひゅーひゅぅううー……」 痛みを言葉で吐き出せないまま口をすぼめて呼吸をする。頬の痛みで口を大きく広げられなくなったら成功です。 赤まりちゃも赤ありちゅも中身の餡子・カスタードがゆっくりと零れていきます。 あるゆっくりは痛みの恐怖でおそろしーしーを出している子もいます。水っ気が減りより甘くなるのでお漏らし歓迎です。 このまま放置すると死んでしまうので、赤ゆに極少量の砂糖を上げます。 ですが、口からいれたとしても吐き出すのが関の山です。 そこで、ゆっくりの消化の特徴を使った食べさせ方をしましょう。 「ひゅううう!!!!!」 中身が漏れ出している両頬を指で摘み、頭の天辺を包丁でスライスして、中身が見える程度に切り開いてください。 「ゆひゅうううう!!ゆひゅうううう!!!!」 苦悶の表情を浮かべながら荒い呼吸で震える赤ゆ。 頭上に砂糖をパラパラと撒くことによって漏れ出した分を補給し、痛みを少し緩和させることが出来ます。 ハッピーターンの粉があればなおよろしいです。 砂糖をつまみ五週ほど赤ゆ全体に振りまき終えたら今度は傷の治療をします。 治療と言っても簡単で、先程使ったオレンジジュースに小麦粉を少量入れたものを綿棒等に含ませて傷跡に擦り付けると回復します。 「これでできたんど~」 一応、これで完成ですが、ただ甘いだけのゆっくりでは正直物足りない感が半端ないです。 「なんでだど?」 れみりゃやふらん等の捕食種は甘いだけのゆっくりで満足ですが、人間の舌ではそうはいきません。 オレンジソースで炒めたり、スコーンに挟んで食べたりすると美味しいですが、今回は天ぷらにしてみましょう。 「もういやじゃあああああ!!!!!!!! はやきゅゆっくりしゃしぇろおおおおお!!! このくしょおやあああああああああああ!!!!!!!!!!」 まだまだ元気なところがゆっくりの生命力の凄さです。 もし、この元気が残ったまま油で揚げると、途中で油が飛び散って火事になることがあります。 ですので、串を使って赤ゆたちの口を縫いつけてしまいましょう。 「やべろおおおおお!!!!!!!」 串の指し方ですが、二本の串を使い五匹まとめて差し込みます。下顎から上顎の歯肉を裏から通すように刺してください。 「むがぁあああああ!!!!!」 跡は小麦粉と塩、お好みで日本酒を使って天ぷら同様上げれば終わりです。 「う~どうしてあげないんだど~?」 そう言うとお姉さんは電子レンジのボタンをピッピと押しました。 「元々用意してあるから」 「れみりゃほんとにおなかぺーこぺーこだったんだどーっ!!!!」 「次回、ゆっくりの食べ方講座~れみりゃの美味しい活用方法~をお送りします」 「どぼじでそんなこどいうんだど!!!」 抗生物質などの治療を受けていない飼いゆっくりも美味しく食べれます。 よかったら試してみてください! プレゼンテッドバイゆ虐ちゃんねる 嘘あきが書いたやつ anko1864 まりさは“英雄ん”なのぜ! 1 anko1876 まりさは“英雄ん”なのぜ! 2 anko1986 まりさは“英雄ん”なのぜ! 3 anko1992 まりさは“英雄ん”なのぜ! 番外編 anko1995 まりさは“英雄ん”なのぜ! 4 前編 anko1999 まりさは“英雄ん”なのぜ! 4 後編 anko2026 ゆっくりの権利 anko2089 此の世のひがん anko2108 ゆっくりしていってねだどー☆ anko2129 『四股付きゆっくり』 anko2132 ゆっくり学 anko2133 4WDちぇん