約 4,013 件
https://w.atwiki.jp/animerowa/pages/492.html
巌流無名 -佐々木小次郎- ◆2kGkudiwr6 風の龍と竜殺しの大剣の衝突が終わり―― その場は空恐ろしいほどに静まり返っていた。 虫の鳴き声も、葉が風にそよぐ音も無い。ただ、月光がその場を照らすだけ。 地面には、しっかりと両足で大地を踏みしめるアサシンの姿。 そして、その目前に……すとり、とセイバーは降り立った。 アサシンからの追撃は無い。ただ恋焦がれた相手かのように、セイバーを見つめるだけだ。 静かに――この場の空気を惜しむかのように。 「――――見事」 その声は、果たしてどちらのものだったか。 それが響くと共に、アサシンは膝を折り、地面へ倒れこんだ。 そのままごろりと転がり、仰向けになる。死に際までしっかりと、美しいものを視界に納めるために。 本来なら体を粉砕されても不自然ではない暴風を受け……それでもなおアサシンにはほとんど傷が無い。 ただ申し訳程度に――しかししっかりと、左肩から心臓にかけて傷が刻まれていた。 そして……不幸にも。それは、致命傷であったのだ。 「……私の負けですね」 セイバーが呟く。 暴風という龍は両断されていた……いや、殺されていた。竜殺しという大剣によって。 アサシンの周囲の大地が無残に、そして綺麗に両断されているのがそれを示している。 四散した龍の殆どが行き場を無くし、暴れ狂った結果だ。 ……惜しむらくは、その秘剣が完全でなかったことだろう。 たった一つ、三の太刀のみがコンマ数秒遅れ……斬り損ねた龍がアサシンの肩口を、心臓を穿っていったのだ。 完全なものならば龍は完全に断たれ――アサシンを傷つけることは叶わなかっただろう。 「ふ……得物が悪かった、隻腕だったなどという言い訳などせぬよ。 この剣は『竜殺し』なのだからな。ならば、龍を殺し損ねたのは私の咎であろう。 それに、佐々木小次郎は物干し竿よりも長い櫂によって倒されたと伝えられる。 ――ならば、この結果も道理。相手は風によって生み出された長大な『剣』なのだからな」 それでもなお、彼は笑っていた。 くっくっと、運命の皮肉をも愉しむかのように。 そんな彼を見ながら、セイバーもまた口を開く。彼に釣られたかのように、笑顔で。 「まったく、大した剣士ですね『佐々木小次郎』」 「…………それは」 「名が偽りだろうと関係はありません。 少なくともその剣技は本物だ。私より強いのだから。 もしそれでもなお贋物などというのであれば、我が国の剣士は贋物揃いということになる」 「ふっ、可憐な花に言われては否定する気も起きん」 「……本当、大したものだ」 今際の際に及んで減らず口を叩くアサシン――いや、佐々木小次郎に、セイバーは呆れるような声を上げた。 しかし、その表情は笑顔だ。好敵手を称える、剣士としての。 そのままセイバーは軽々と片手で竜殺しを拾い上げ……どさり、とその場に座り込んだ。 ちょうど、小次郎が倒れている側だ。 「…………?」 小次郎の表情が怪訝なものに変わる。 互いの剣は常に急所を狙っていた。その全てが防がれ、避けられている。 苛烈な死闘にも関わらず、相手に傷を負わせたのはセイバーの最後の一撃のみ。 彼女自身は傷を負っていない以上、ここに留まる意味は無いはずだ。 そう怪訝に思い、小次郎は声を上げた。 「……行かぬのか? 傷は負ってはいまい」 「せっかく回復した魔力をまた使ってしまいました。貴方のせいです」 だからしばらく休みます、と告げてセイバーは小次郎の脇に座り込んだ。 「……ふむ」 沈黙がその場を支配する。 セイバーは食料を取り出してもっきゅもっきゅと食べながら月を眺めている。それだけ。 小次郎はそんなセイバーを愉しげに眺めながら、時折月へと目を移す。それのみ。 二人は口を開かない。喋ることなどない。当然だ。 ただでさえ剣を使って会話をしていたのだから、語ることなどほとんど残っていない。 ……それを、小次郎は嫌った。 (せっかく花が目の前にあるというのに、愛でぬなど趣が無い) 負けたことに心残りなど無い。逝く事に後悔もない。 正真正銘の死闘を心ゆくまで愉しんだ。それで十分すぎる。 だが、彼女のような美少女を前にして放って置くのは彼の流儀に反する。 それに何より、恐らくこれが最後の召喚になるだろう。亡霊を呼び出すような奇特な輩など、そうそういるはずも無い。 現世にいられるのはこれが最後。彼に残された時間は最早少ない。 だから、小次郎は。 「一つだけ、聞こう」 上げられた声にセイバーが振り返る。 小次郎の喉に血が溢れてくる。それを強引に飲み干して、言葉を続けた。 「……私は。侍であったか」 彼は、生前からの――たった一つの疑問を上げた。 叶わなかった仕官。既に太平の世では無用のものとなっていた剣技。 そんな中で編み出した秘剣は、戦国の世において他の兵と斬り合えるほどのものであったか、と。 小次郎の言葉に、セイバーは目を瞑った。 考え込むように――あるいは、惜しむように。 月光に照らされ彼女の顔が輝くその様子は、まるで御伽噺のよう。 「私は侍を知らない。だから、騎士を元に判断させてもらおう」 ゆっくりと、セイバーは言葉を紡いでいく。 再び開かれた目には、星空の瞬きが輝いていて。 「――ただ一重に剣のみを求めて生きたその剣撃、我が騎士たちの誰よりも澄んでいた」 そう、見た目相応の少女らしい声で。アーサー王は、無名の剣士を認めたのだ。 その言葉に、返事はない。小次郎は満足げな笑みを浮かべて、視線を月へと移しただけ。 ――月は変わらない。小次郎が生きた日本にも、セイバーが生きたブリテンにも、ここでも。 静かだった。ただひたすらに。まるでどこにでも普通にある草原のように。 あるのは星空の瞬きと、風の音、草木がそよぐ響きだけ。 放って置いても様々な場所でよく見られるであろう光景。それが、小次郎にとって愛おしい。 突然その夜空に、仮面の男が映り始める。月の輝きや星の瞬きを無視するかのように。 佐々木小次郎ならば趣が無いと唾棄していたであろう。だが彼は幸運であった。 なぜなら――目障りなものが映り出すその寸前に、彼の意識は閉じていたのだから。 ■ ただ、剣のみを求め、剣に生き。 燕を斬り、英雄を斬らんとして世界の理をも斬った男。 無名の剣士――ここに眠る。 【C-2北岸/一日目/真夜中(放送開始)】 【セイバー@Fate/ Stay night】 [状態] 腹2分、かなり疲労、全身に中程度の裂傷と火傷、両肩に小程度の傷、魔力消費大 [装備] ドラゴンころし@ベルセルク、アヴァロン@Fate/ Stay night [道具] 支給品一式(食糧は二人分)、スコップ、なぐられうさぎ(黒焦げで、かつ眉間を割られています)@クレヨンしんちゃん コンバットナイフ、鉈@ひぐらしのなく頃に [思考・状況] 1:また傷と魔力の回復を待つ。 2:エクスカリバーも探してみる。 3:優勝し、王の選定をやり直させてもらう。 4:エヴェンクルガのトウカに預けた勝負を果たす。 5:迷いは断ち切った。この先は例え誰と遭遇しようとも殺す覚悟。 ※アヴァロンが展開できないことに気付いています。 ※防具に兜が追加されています。ビジュアルは桜ルートの黒セイバー参照。 【佐々木小次郎@Fate/stay night 死亡】 [残り33人] 時系列順で読む Back 月下流麗 -月光蝶- Next SOS団新生 投下順で読む Back 月下流麗 -月光蝶- Next SOS団新生 230 月下流麗 -月光蝶- セイバー 246 Luna rainbow 230 月下流麗 -月光蝶- 佐々木小次郎
https://w.atwiki.jp/galgerowa2/pages/460.html
Is it justice? No, it is a cherry blossom ◆UcWYhusQhw 穏やかな月の光。 俺はそれを唯浴びていた。 唯、月が綺麗だった。 一歩ずつ歩く。 体が軋む。 今は休憩できる場所を。 体が隠せる場所ならどこでもいい。 重い体を引き摺って。 何れ崩れ落ちるこの体。 でも。 それでも。 サクラノタメ二。 掛け替えの無いモノも引き換えに。 もう少しで一日が終わる。 沢山戦った。 沢山殺した。 桜に生きて欲しいから。 だから俺はサクラノミカタで居続けて。 そしてここにいる。 どんなに体が軋んでも。 どんなに心が痛んでも。 唯進んでいた。 そして住宅街に入り込み俺はすぐ近くの民家に入る。 その家はとても狭く台所と畳が敷かれた和室のみだった。 俺は和室に足を踏み入れた瞬間力が抜け足から崩れ落ちた。 体も心も限界らしい。 俺はうつ伏せになったまま独特の畳の臭いを感じながら瞼を閉じた。 眠るのは危険だとわかっている。 でも身体が言う事をきかない。 俺は意識をなすがままに先を見えない闇に落とした。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 夢だった。 不思議な夢だった。 在り得たかも知れないIF。 衛宮士郎が選び取らなかった選択肢。 俺はそれを傍観者の如くただ見るしかなかった。 舞台は今俺が居る場所と変わらない地獄の孤島。 そう、殺し合いが行われている場所。 そこに居たのは衛宮士郎、そう俺自身。 だけどそれは俺じゃない。 『セイギノミカタ』の衛宮士郎だった。 『サクラノミカタ』の衛宮士郎が選ばなかった選択肢。 俺は選び取らなかったIFをただ見せられていた。 『セイギノミカタ』は抗っていた、唯ひたすらに。 リセルシア・チェザリーニを救い進み続けて。 自称正義の味方の女とも歩み続けて。 浅間サクヤ、如月双七などの沢山の仲間もいて。 殺し合いに乗ったものとも相対し。 椰子なごみを止め。 藤乃静留とも争っていた。 そして、桜をも救った。 この殺し合いで唯『セイギノミカタ』を貫いている。 本当に在り得たかも知れないIF。 唯、それを『サクラノミカタ』に見せ付けらていた。 何とも不思議な気分だった。 もし、『セイギノミカタ』だったら桜を救えたかもしれない。 そんな「IF」を思う。 じゃあ『サクラノミカタ』は間違いなのか? ―――いや、違う。 それでも俺は『サクラノミカタ』だ。 間違いではない。 俺は桜を救いたい。 その『唯一』の意志は『無限』を救おうとする『セイギノミカタ』に負けるはずが無い。 だから必ず救ってみせる。 この『唯一』の意志に懸けて。 「お前はそれでいいのか?」 不意に『セイギノミカタ』が話しかけてくる。 『サクラノミカタ』に問い掛けるように。 それでいいのかと。 IFを見せ付けて。 『サクラノミカタ』は笑いながら言う。 「ああ……これでいい」 『セイギノミカタ』はさらに言う。 「進むべきに道は救いは無くても? 平穏が無くても?」 『サクラノミカタ』はさらに言う。 「ああ、そんなの知ってるさ。それでも進むんだ」 未だ『セイギノミカタ』は言う。 「『無限』の人を救える力があるのに? 何故救わない?」 そんな『セイギノミカタ』の信念に『サクラノミカタ』は絶対の信念を持って言う。 「俺は『唯一』を救いたい。全力で。その為なら俺は全てをかけたい。其れだけだ」 その答えに『セイギノミカタ』は笑い最後に言う。 「そうか、じゃあな―――――『サクラノミカタ』」 そして消えていく。 選ばなかった「IF」は唯消えるだけなのだから。 そんな「IF」に「サクラノミカタ」は言う。 「ああ、じゃあな―――――『セイギノミカタ』」 そしてうたかたの夢は醒める。 選ばなかった理想に別れを告げるように。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 俺は意識を覚醒させた。 短い間だけ眠っていた、それでも疲れは取れていた、万全ではないが。 でも身体は動かせる。 まだ、やれる。 俺は『サクラノミカタ」としてやっていける。 さあ、いこう。 ――私、極上生徒会書記の蘭堂りのです―― そんな時、少女の声が響く。 ――みなさんに、伝えたいことがあります―― 心に直接響くような声。 ――えと、なんて言おうかな……あの、もう、やめません……か?―― ――こんなことを続けても、みんなが悲しむだけだと思うんです。仕方ない、っていうのもあるんだろうけど―― ――だからって、それじゃあ悲しみが続くだけだから。連鎖は、誰かが断ち切らなきゃダメだと思うから―― 声は殺し合いをとめろという。 悲しみが続くと。 でも俺は止めるわけにはいかない。 みんなはいらないから。 例えエゴでも桜の為に動きたいから。 俺は止めない。 ――子供っぽい、調子いいこと言ってるかもしれないけど、私は、みんなに笑って欲しいんです―― ――みんなに、みんなにとっての、極上な日々を目指して欲しい。それだけが、私の望みです―― 御免な。 俺は桜が笑ってるだけでいい。 そう、それだけでいいんだ。 俺に極上の日々など訪れない。 訪れて欲しいのは桜だけだから。 だから俺は進むよ。 褒められたものでもないけど。 ――ただ桜の為に。 ――……あ、っと。それから……奏会長と、プッチャンと、千華留さんと、ユメイさんに―― ――ありがとう、でした。極上生徒会書記、蘭堂りの。終わります―― そこで声は終わった。 感慨は、無かった。 不思議だと思った。 唯それだけ。 サクラノミカタが迷う理由など全くない。 さあ進もう。 もう俺に出せる力は限られている。 投影もあと僅か。 本で出せる剣も無限に出せる力は無い。 でも俺には「無限」の必要はない、そんな力は無い。 俺は唯桜を護る「唯一」の剣だけあればいい。 ならば貫くべきは唯一の剣也。 唯一つの刃に絶大なる攻撃を。 唯一つの刃に最強なる鉄壁を。 唯一つの刃に至高なる力を。 唯一つの刃に絶対の意志を。 唯一つの刃に不惑の信念を。 唯一つの刃に己が全てをかけて。 そう、唯一つに己が全て出し尽くすのみ。それこそが究極の剣也。 そう、我志すもの。我目指すもの。 ――――――――唯一つの剣製也。 【D-8 民家/1日目 真夜中(放送開始)】 【衛宮士郎@Fate/staynight[RealtaNua]】 【装備】:ティトゥスの刀@機神咆哮デモンベイン、木製の弓(魔術による強化済み)、赤い聖骸布 【所持品】:支給品一式×2、火炎瓶×2、木製の矢(魔術による強化済み)×3、 屍食教典儀@機神咆哮デモンベイン 【状態】:強い決意(サクラノミカタ)、肉体&精神疲労(小)、魔力消費小、身体の剣化が内部進行、全身打撲、左肩裂傷 【思考・行動】 基本方針:サクラノミカタとして優勝し、桜を生き返らせる 1:なごみと合流し、参加者を撃破する 2:優勝して言峰と交渉、最終的には桜を生き返らせる。(場合によっては言峰も殺す) 【備考】 ※登場時期は、桜ルートの途中。アーチャーの腕を移植した時から、桜が影とイコールであると告げられる前までの間。 ※左腕にアーチャーの腕移植。赤い聖骸布を付けています。 ※士郎は投影を使用したため、命のカウントダウンが始まっています。 ※士郎はアーチャーの持つ戦闘技術や経験を手に入れたため、実力が大幅にアップしています。 ※現在までで、投影を計三度使用しています ※今回の殺し合いが聖杯戦争の延長のようなものだと考えています 206 奈落の花 投下順 208 DEVIL MAY CRY 時系列順 209 第四回放送―Reason To be ― 203 修羅の系統樹 衛宮士郎 218 DEAT SET/イグニッション
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/3730.html
「真イリュージョンボール!!」 タクアン和尚の周囲を全く無駄のない動きでボールが分身する。 そして如何にも悪人面になった和尚が敵陣を突き進む。 その動きに新生鷹の爪団の放送で騙されている男女は翻弄される。 「ジャッジスルー2!!!」 ルガールの新たな運送技(超次元ドリブル)、『ジャッジスルー2』で正確に相手を運送する。 スライディングと共に相手の懐に急接近するルガール。 この技で彼らを追いかけてきた追跡者たちは遠くの方に運送された。 余談だがこの技は最終的に相手の顔面を蹴り飛ばす、まさに超次元な技である。 「和尚さん、ルガールさん、新必殺技です!」 「ついにやるんじゃな!」 「だな!」 鬼道さんの合図とともに三人は全く無駄のない動きで飛び上がった。 この技は『デスゾーン』ではない。それをさらに発展させた大技である。 そして、鬼道さんは空中で口笛を吹く。それと同時に現れる五体のペンギン達。 「皇帝ペンギン……!」 「「「3号!!!!」」」 三人同時の踵落としでボールを相手に向かってシュート。 蹴りだされたボールは凄まじいオーラを纏い、ペンギンとともに飛び交う。 地面に着弾すると同時に追跡者全員がもの凄い勢いで吹っ飛んで行った。 「ゴッド、ブレイク!」 「ギアアアアアアア!」 「ドリルスマッシャーV3ァ!!」 「ヒギャアアアアア! 尻がアッー!!」 その後も習得していった超次元な技の数々で活路を見出していった。 ◇ ◇ ◇ 「……という感じで俺たちは今までを凌いで来たんです」 「ほう、一人も殺さなかったのか、それは褒めるべき」 「空気王を倒しちまったのか……残念だ」 と、そんな感じで鬼道さんが合流したブロントさんと妹紅に説明をした。 そこで忌むべき男、空気王を倒したことも妹紅から話された。 「で、貴方達は確かタクアン和尚とルガールさんとコレットだったかしら?」 「うむ、如何にも! しかし、空気王という男を倒すとはずいぶんと強き女子のようじゃな」 「だな!」 「よろしくね、妹紅!」 軽く挨拶を交わす妹紅たち。 ここで妹紅はあることに気付いた。 「……ところでシャアさんは?」 「そこじゃよ」 「まだだ、まだ終わらんよ…!!」 (シャアさんの顔色悪っ!) ……若干、シャア総帥のノーマルスーツの臀部の辺りが真っ赤に染まっていた。 もう限界はとっくのとうに超えているだろう。だがこの男はそれでも立ち続ける。 その時である。すさまじい衝撃音が鳴り響いた。 その異変にいち早く気付いたのはコレットだった。 彼女の人間離れしたというよりも天使の持つ超感覚がすばやく察知した。 「今の爆発は一体?」 「あっちの方向で巨大なロボットさんが爆発したみたいです」 「巨大ロボット……?」 その言葉を聞いた妹紅の背筋に冷たい汗が流れる。 ―――確かあっちはリグレットや零児や師範さんたちが向かった方向。 ―――爆発? まさか…… 「また誰かが…」 「妹紅、だいじょぶ?」 「の紅、気をしっかりすべき!」 一瞬、立眩みのような感覚が妹紅を襲った。 そんな妹紅を励ます。 「飛竜さんたちが一緒にいないってことは…」 「まさか、あっちに皆さんが!?」 「どうやら、緊急事態のようじゃな……」 「……だな」 「では、急ぐとしよう」 そして、ブロントさん達八人は爆発が起こった地点に向かった。 【四日目・1時10分/新惑星・東京都】 【ブロントさん@ネ実】 【状態】決意、首輪無し、フードドーピング、ダメージ(中)、魔力消費(中)、胸部大裂傷(ケアル中)、一部に焦げ 【装備】竜殺剣グラットン(両手持ち) 、キングベヒんもス、ティアラ 【道具】支給品一式、無限のジュース、片手剣・ベジタブレード、天使の翼、星降る杖、氷輪丸 【思考】基本 主催者を倒して元の世界に帰る 0:爆発のあった方に向かう 1:貧弱一般人は殺さず退け、クライシス帝国を滅ぼす ※阿部さんに狙われているようです ※インビンシブルはあと2時間弱使用できません 【藤原妹紅@東方Project】 【状態】健康、全身に包帯が巻かれている、全身血塗れ、鷹の爪団員、強い決意、首輪無し、スターバスターを習得 疲労(中)、ブロントさん担ぎ中 【装備】チェーンソー、斬鉄剣 、秘宝75個 【道具】支給品一式、蜆、米の苗、将棋セット一式、ゾフィー直筆サイン色紙 、黒竜号 【思考】基本:戦いを止めたい。『生きる』 0:誰も死なないで…… 1:死んでいった者たちの遺志を継ぎ、人々を守り必ずこの大災害とバトロワを止める。 2:らきすたのデコ、新生鷹の爪団、クライシス帝国を倒す 3:さっきの放送で呼ばれた人たちは信頼できるのか? 【コレット・ブルーネル@テイルズオブシンフォニア】 【状態】健康 ゴッドブレイク習得 【装備】ポイハン、ピコハン 【道具】支給品一式 【思考】 基本:ロイドどこー? 0:爆発のあった方に向かう 1:みんなに着いていく 【タクアン和尚@MUSASHI-GUN道-】 【状態】左肩負傷(戦闘に支障無し) 真イリュージョンボール習得 【装備】恵戌新&逢戌璃@戦国BASARA 【道具】インフルエンザのワクチン、その他不明 【思考】 0:爆発のあった方に向かう 1:リグレットと零児を探しに行く、機会があればロイドという青年も探す。 2:ルガールにGUN道を教える 3:元の世界に帰る方法を探す 【ルガール・バーンシュタイン@MUGEN】 【状態】健康 ジャッジスルー2習得 【装備】ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃@トライガン 森の人@キノの旅 【道具】インフルエンザのワクチン、その他不明 【思考】 0:爆発のあった方に向かう 1:リグレットと零児を探しに行く、機会があればロイドという青年も探す 2:タクアンにGUN道を教わり、その後にまたタクアンと戦う 3:元の世界に帰る方法を探す 4:社員達が心配? 【鬼道有人@イナズマイレブン】 【状態】健康、誤った性教育 首輪無し、フードドーピング(小) 皇帝ペンギン3号習得 【装備】変なゴーグル(3D対応)とマント 【道具】支給品一式、サッカーボール 【思考】 基本:仲間を探す(ただし妹最優先) 0:爆発のあった方に向かう 1:クライシス帝国を滅ぼす 2:ブロントさんたちに同行する 3:本郷猛が復活していた場合合流 ※阿部さんに狙われているようです 【シャア・アズナブル@機動戦士ガンダム+機動戦士Zガンダム+機動戦士ガンダム逆襲のシャア】 【状態】オールバック、健康、首輪無し、フードドーピング(小) 臀部にダメージ 【装備】仮面、ノーマルスーツ、グラサン 【道具】百式@機動戦士Zガンダム(フライトモジュールを装備) 【思考】 0:爆発のあった方に向かう 1:ぬくりあ、レミリア一行を保護しに行きたい 2:二次ロリ表現を規制するものを粛正する 3:クライシス帝国を滅ぼす 【阿部高和@くそみそテクニック】 【状態】健康、首輪無し、フードドーピング(小)、ドリルスマッシャーV3習得 【装備】股間のジャッカル 【道具】支給品一式 【思考】 基本:やらないか (仕方ないのでシャアで我慢する) 0:状態表がパンパンだぜ…… 1:鬼道さん や ら な い か 2:ブロントさん や ら な い か 3:飛竜さん や ら な い か 4:不破師範 や ら な い か 5:零児さん や ら な い か 6:ルガールさん や ら な い か 7:和尚さん や ら な い か 8:クライシス帝国を滅ぼす ※無差別マーダーではなくなったようです。 ※聖杯戦争とも関係なくなったようです。
https://w.atwiki.jp/animerowa/pages/447.html
此方の岸 ◆GHwqlpn0oc 2時間。 凡人であれば、剣に慣れるのが精一杯であろう短い暇で、小次郎は鉄塊を振るうための骨子を掴もうとしていた。 空気が熱と湿り気を帯び、剣の球状結界に触れた雑物が、その姿を著しく歪めて跳ね飛んでいく。 手に届くあらかたを瓦礫に帰したところで腕を下ろす。 顎から滴る汗を手の甲で拭い、そろそろ一時の休息としようと思い立った。 この鉄塊は、置き場所すらままならない。 右腕は、肘以上に持ち上げようとすると、小刻みに震えて命令を拒否するようになった。 鉄塊の柄に指をしっかり絡めつかせ、引き摺って歩く。 肘が外れそうだったが、何ほどのものでもない。肘を外さない程度の腕力は残っている。 憩いと安寧を求めてこの石の館に踏み入ったが、結局は夜風に当たりたくなるだけだった。 つくりものの光も、その刺さるような激しさを鬱陶しくも思ったが、日が昇るにつれてその便利さに感心し、 悪くないと思うようになってからは、宵闇に突き立つ光の柱にも風情を覚えるようになった。 ただ惜しむらくは、今宵は佳い月であることだった。 白い光で無粋に塗りつぶされた砂の広場を避け、塀の内から出た。 耳を澄ませば、涼やかな空気がさやさやと流れている。 川がある。 その音のする方向には、光がある様子はない。 月明かりであれば見つかりづらいという理由もあったが、ただ単純に、小次郎はやはり月光の幽玄な薫りの方を好む。 鉄塊を引き摺って、堤に来た。 川の流れは無数の波飛沫を煌かせながら、そ知らぬ顔で過ぎ去っていく。 見渡す限りの水の絨毯を、仄かに照らす淡い光。 身も心も軽く保てば、この川を歩いて渡れそうな気さえしてくる。 対岸に目を向け、同じように土手になった上に、ふと違和感を覚えた。 目を凝らす。目だけでは見えないが、サーヴァントとなって鋭さを増した勘が、その姿を捉えた。 月影に輪郭を描かれて、人の影が幽かに浮かび上がっている。 うずくまって、こちらの様子を窺っているようだった。顔は見えない。 暗闇もあるが、相手も小次郎に顔を向けていてなお面貌がわからない最大の理由は、顔を覆った飾り気のない兜のせいだった。 見れば、ひどく身動きに難渋している様子だった。 小次郎もまた見ていることに、相手も気づいたらしい。 しばし身に針鼠のような戦慄を走らせ、それが静かに収まっていったところで、こちらへ棒板状のものを掲げて見せた。 暗く遠いためよく見えないが、あの形状から考えるに、中身のない鞘だろう。 ほう、と思わず声が出た。 そんな言霊を寄せてくる者は、一人しかいない。 兜など被って身じろぎもしないから、気づかなかった。 どうせまた何処かで傷でも負ったのだろう。こちらも、肩にかかるばかりの左袖を舞わせてみせる。 壁面のように張り詰めた相手の警戒に、ひびが入って斜めに傾いだ。 いっそ本当に水面を歩こうか、と思ったことは心のうちに押しとどめた。 共に、死合うに十全の状態ではない。 そんなことをしているうちに、小次郎はここで修練の続きをやってやろうと思い立った。 水の音を含んだ夜風が、汗の引きつつある体を爽やかに撫でていく。条件としても申し分ない。 川の流れに逆らうように身を構え、僅かに過ぎなかった休息に不足を申し立てる右腕へ気を入れる。 剣を抜いて向き合っておらずとも、敵手がいるということは、身の活力を湧き上がらせる。 あれほど疲労に腫れ上がっていた腕は、いともあっさりと鉄塊を再び持ち上げた。 先刻苦心した甲斐が、十二分に発揮されていく。 一太刀ごとに迅さを増し、鋭さを増し、そして鉄塊はその重さを存分に発揮していく。 十数度の試しを経て、身の丈ほどの鉄塊が、ついに存在せぬ燕を斬った。 対岸に目をやる。騎士王はまんじりともせずこちらの挙動を見ていた。 その姿に満足し、小次郎は煮立つように熱い右腕に目を落とす。 奥義の再現は叶わなかった。縦を割り、横を薙ぎ、円を刳る。その動作のいずれもが、ほんの刹那ほどに、ずれを生じている。 いや、身の程に合わない重量を片腕で振り回すという暴挙に及んで、刹那で済んだことはむしろ誇るべきとも言えるだろう。 これであれば、並の燕なら問題ない。 並であれば。 再び視線を対岸へ。 並の燕が抜け得ぬ間隙を、鮮やかにすり抜ける者がいる。 この不完全の奥義で、あの竜を斬れるか。 鉄塊の鑑定書には、この鉄塊が剣であることが記されていた。 銘なき剣の名は、竜ころし。まさしく折り紙つきであった。 ならば後は、使い手の腕が追いつくのみ――。 鉄塊を地に突き立て、その腹に背を預ける。 荷から水を出し、味気ない麺麭を肴に並べる。 月見と洒落込もうというところだが、揃うものは生憎とつれない素振りのものばかり。 この水も酒であれば少しは違ったであろうが、と警戒が無粋に張り詰めた対岸を見やる。 見立ての杯を眺めながら、そうそう悲嘆することもないことに気がついた。 樹脂瓶の蓋を猪口代わりに、水を少し注いで指でつまむと、かの好敵手へ小さく向ける。 日本には水杯という風習があってな、と声に出さず異国の剣士へ語りかける。 この馬鹿馬鹿しい宴には、相応しい趣向ではないか。 しばらく待っていると、対岸はこちらを見据えながらも、荷から同様に酒肴を並べ始める。 杯までは真似をする気はないらしく、蓋を開けた樹脂瓶を手に持ってこちらへ顔を向けた。 小次郎は、それでよい、と口元を緩ませ、手に持った蓋を目元まで軽く掲げた。 折角の夜明かしである。一人で呑むのは味気ない。 何しろ今宵は佳い月なのだ。 【C-2北岸/一日目/夜中】 【佐々木小次郎@Fate/stay night】 [状態] 疲労、左腕喪失(肘から先)、右腕に怪我 [装備] ドラゴンころし@ベルセルク [道具] コンバットナイフ、鉈、支給品一式2人分(水食料二食半分消費) [思考・状況] 1:今しばらく、宵涼み。 2:セイバーが治癒し終わるのを待ち、再戦。 3:ドラゴンころしの所持者を見つけ、戦う。 4:物干し竿を見つける。 基本:兵(つわもの)と死合いたい。戦闘不能と判断した者は無視。 ※佐々木小次郎の左腕(肘から先)はB-4エリア内に放置されています。 【C-2南岸/一日目/夜中】 【セイバー@Fate/stay night】 [状態] 腹2分、疲労、全身に中程度の裂傷と火傷、両肩に中程度の傷、右腕に銃創、魔力消費 [装備] アヴァロン@Fate/stay night [道具] 支給品一式(食糧2/3消費)、スコップ、なぐられうさぎ@クレヨンしんちゃん (黒焦げで、かつ眉間を割られています) [思考・状況] 1:もうしばらく傷と魔力の回復を待つ。 2:できれば剣が欲しい。エクスカリバーならば尚良い。 3:優勝し、王の選定をやり直させてもらう。 4:エヴェンクルガのトウカに預けた勝負を果たす。 5:迷いは断ち切った。この先は例え誰と遭遇しようとも殺す覚悟。 ※アヴァロンが展開できないことに気付いています。 ※防具に兜が追加されています。ビジュアルは桜ルートの黒セイバー参照。 時系列順で読む Back ここがいわゆる正念場(後編) Next 以心電信 投下順で読む Back なまえをよんで Make a Little Wish(後編) Next 以心電信 205 強者の資格たる欠損 佐々木小次郎 230 月下流麗 -月光蝶- 191 これがあたし達の全力全開 セイバー 230 月下流麗 -月光蝶-
https://w.atwiki.jp/peropero/pages/35.html
カスミ/その他 カスミ/その他キャラ分析 勝利台詞(%は残り体力)レイヴン シルヴィス アヤ カミール カスミ セレス ハーディ クレスティス アローニア カケル マラク キャラ分析 この世界で唯一の普通人 カミール以外との関係としてハーディがあるが、いまだ詳細は不明 言動は特別戦闘狂というわけでもなさそう。常識人とも取れる 勝利台詞(%は残り体力) レイヴン 100-75% 「……で。『死蝕』とやらは、いつ見せてくれるワケ?」 「悪いけどさ……、遅すぎて止まって見えるよ、アンタ」 75-50% 「肩慣らしには丁度良いわね。で……これからが本番なんでしょ?」 「ん~……、こんな戦いじゃ、熱くなれないわね……」 50-25% 「確かに、腕は立つようだけど。でも、まだまだボディがお留守よ」 25-0% 「人を褒めるのはあんま得意じゃないケド、あんた強いわね……」 「なるほど?カミールがあんたにこだわるのも判る気がするわ」 シルヴィス 100-75% 「その歳で若白髪とはねぇ。手品師って、儲からないのね」 「あたしの正義から言わせて貰えば、アンタの白髪の方がよっぽど罪よ」 75-50% 「勝手に法の代行者気取るのは良いけど、鬱陶しいからあたしには関わらないで」 「遠くからちまちまと、うざったい!今度やったら、泣かすわよ!」 50-25% 「ねえ、アンタ……生きてて楽しい?」 「悪いんだけど、その目やめてくんない?不幸の値札見てるみたいで、吐き気がするわ」 25-0% 「強いのはよぉく判ったわ。けど、ちまちました戦いはお断りよ」 「信念に値段なんてないのよ。そこんとこ良く考えるのね……」 アヤ 100-75% 「……なんか、後味悪いわね……。もっと、さっぱり戦りたいんだけどな」 「弱いもの虐めは趣味じゃないんだけど……、これは、不可抗力よね?」 75-50% 「そのよく解らない力、何なの?弾けるわ、降ってくるわ、吹き出してくるわ……」 「……えーと。次、行くから」 50-25% 「実は、ちょっとだけ爽快だったり……、してなかった?」 「あんたが望まないなら、二度と戦わないに越したことはないわけ。……じゃあね」 25-0% 「本気で殺しにかかってこられてたら、かなりヤバかったのかもね……」 「止めたがってるように見えたけどさ……、本当に、止めようとしてたわけ?」 カミール 100-75% 「あんた、本気でバカ?どうにもなんない実力差も判んないとはね!」 「あんたのオツムでも解るように言うならば……、『あんた、弱すぎ』」 75-50% 「気合ばかり空回りして、全然技にキレがないわよ」 「あんた、人としてはダメダメだけど、サンドバッグとしては優秀ね」 50-25% 「あたしに寄るな、触るな、近づくな!」 「自慢の顔がザクロになる前に帰りなさい」 25-0% 「紙一重の差も、真剣勝負じゃ決定的な差よ。そこんトコ、理解した?」 「……あんた、手加減……ううん、なんでもないわ……」 カスミ 100-75% 「すごいすごーい、よくがんばったわねー。……ナメてんじゃないわよ、アンタ」 「せっかく真似するならさ、せめてもっと頑張ってよね。……つまんない」 75-50% 「な~んだ、張り合いのない……。期待して損した」 「……出直しておいで」 50-25% 「ん~、良い感じではあるんだけど……、もう一歩、ってところね」 「ふ~ん、なかなかやるわね。じゃあ、もう一頑張り、行ってみる?」 25-0% 「ここまで上手くコピーするなんて、やるわね。素直に感心したわ」 「あ、危ないわね……。同じ顔に負けるわけには行かないものね、さすがに……」 セレス 100-75% 「……まさか、今ので全力だった……、なんて言わないでしょうね?」 「どんな技も、当たらなければ意味が無いのよ。お解りかしら?」 75-50% 「もうちょっと、腕を磨いてから出直してくるんだね」 「アンタの負け。ま、やる前から、結果は見えてたけどね」 50-25% 「ふ~ん……なかなか面白かったわよ。また今度相手してね」 「歴史が違うのよ」 25-0% 「いい線行ってたけど……、ツメが甘かったみたいね」 「まあ、剣も魔導も無くても頑張れるってコトで。……こんなもんでどう?」 ハーディ 100-75% 「数撃っても当たらない下手な鉄砲じゃ、勝負にもならないってコト」 「そんな物に頼ってるから、動きが緩慢になるのよ」 75-50% 「これで……、少しはあたしも、母さんに近づけたのかな」 「あんたも人の親なら、フラフラしてないで彼女に会ってあげたら?」 50-25% 「一人で抱え込んでいれば、いつかは消えるとでも思ってるわけ? そんなの、欺瞞よ」 「今更、恨み言連ねたってどうしようもないって解ってるけど……、それでも……」 25-0% 「まったく、どいつもこいつも……。バッカみたい……」 「青河流の血は絶えてないわ。……その身に染みて、よく解ったでしょ」 クレスティス 100-75% 「……弱っ」 「……ふん、退屈させてくれるわね」 75-50% 「な~んか、戦ったって気分にならないわね……」 「法院のトップも大したことありませんでした、マル……と。……はあ、やってらんないわ」 50-25% 「魔導が強いのは判ったけどさ……、少しは自分で戦ったら?」 「……、こんなもんか。複雑……」 25-0% 「しつこい奴は嫌われるよ」 「火や雷を出せても、勝てないんじゃあね。じゃ、サヨナラ」 アローニア 100-75% 「ずいぶんとお上品だこと。ま、その結果がそのザマなわけね」 「法院に仕えるのがそんなに楽しいのかねぇ。あたしには理解できないな」 75-50% 「仕事熱心ねえ。法院って、何がそんなに魅力なの?お給金?職場環境?福利厚生?」 「キレイな顔に蹴り入れちゃって悪いけどさ、覚悟の上ってことで勘弁してよ」 50-25% 「ふ~ん、人並み以上には鍛えてるってワケね。……あ、一応皮肉だからね、コレ」 「あ~~~、苛つくな~、その宝石……!」 25-0% 「綺麗な顔して、やることがえげつないってぇの……。まったく、腹立つわ」 「火に雷に水に氷に……。ちょっと、やりすぎなんじゃない?」 カケル 100-75% 「なによ……やる気無いなら、そう言ってよね」 「これだけ弱いなら、せめて煙草吸うのはやめて、マジメにやって欲しいもんだけどね」 75-50% 「ゆとりが無いってゆーか、遊びが無いってゆーか。何か、悩みでもあるの?」 「はい、終了~。じゃっ」 50-25% 「間合いがつかみにくいなぁ……。変わった戦い方するのね」 「目ん玉ギラつかせちゃって、怖いなぁ。もっと、楽しくやりゃあ良いのに。ねえ?」 25-0% 「……ソレ、切り裂く武器に見えるんだけど。なんか、裂傷よりも打ち身の方が多いような……」 「結構、楽しかったわ。また戦ってよね?」 マラク 100-75% 「こんな程度でも、上位魔族って扱いなのね……。 もっと上には上がいるもんだと思ってたんだけどな」 75-50% 「んー。私の力、上級魔族にも通用するって思っていいのかね」 50-25% 「次から次へと、高いところから物投げてきて……! おちょくられてる気分だわ!」 25-0% 「え~、物を投げないでください。……ったく、鬱陶しいのよ!」
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/3250.html
1:殺し合いを抜けた先は、殺し合いでした 玉堤英人は殺風景な病室のベッドの上で意識を取り戻す。 「……僕は死んだはずじゃ……どうして生きているんだ……?」 自分は確かに死んだはずだった。以前の――クラスメイト同士の殺し合いにおいて、 自分を襲った貝町ト子を返り討ちにし、自分もまた落命したはずだった。 しかし、確かに自分は今、生きている。あのヒリューと名乗った竜が生き返らせたとでも言うのだろうか。 死んだ人間をレプリカントとして蘇生させる技術があるとは聞いた事はあるが――。 「…いや…考えるのは後にしよう…」 どうして生き返れたのかを考えていても恐らく答えは出ないと、英人は思考を切り上げる。 傍に置かれていたデイパックを開け中身を漁る。 名簿を取り出し開いて見ると自分を含め58人分の名前が印刷されていた。どうも五十音順では無いようだった。 その名前の羅列の中に、クラスメイトの名前が何人か見付かった。 死んだはずのフラウや森屋英太などの名前も。 「あいつらも生き返ったって言うのか? ……むぅ……」 とても信じられなかったが死んだはずの自分がこうして蘇生しているのだから、有り得ない話では無い。 もし本当に彼らが生きているのだとしたら、是非とも会いたいと英人は強く思った。 「……ランダム支給品は……」 更にデイパックを探る英人。そして見付けた物は自動拳銃ベレッタM92FSと予備の弾倉2個。 以前の時のUSBメモリに比べれば遥かに「当たり」の部類に入る支給品である。 添付されていた説明書には扱い方がかなり分かり易く書かれていた。 M92FSを装備し、英人は地図を広げる。小さな島の絵が描かれており主要な施設の表示がある。 (病院だろうなここは、だとすると、エリアE-2か…) おおよその現在位置を確認し地図をしまう。 「病院の中、探索でもしてみるか」 デイパックを持ち、英人は病室の出口に向かった。 ◆ ◆xR8DbSLW.wと言う仮名でバトルロワイアル・パロディ、略称パロロワをネット上で執筆している少年。 まさか自分がバトルロワイアルの参加者になるとは思ってもいなかったであろう。 ほんの数時間前まで彼はごく普通の高校生として生きていたのだから。 「やめろ、やめろよ…!」 殺し合いが始まって間も無く、◆xR8DbSLW.wは窮地に立たされる。 病院二階のナースセンターは、彼ともう一人の戦いによって酷く荒れていた。 いや、戦いと言うより、◆xR8DbSLW.wが一方的に嬲られるだけだったが。 (畜生、痛ぇ…! まるで、焼けた鉄か何かをずっと、押し付けられてるみたいだ…!) 鋭利な刃物で切り裂かれた右上腕からは決して少なく無い量の血液が流れ出る。 ◆xR8DbSLW.wは左手で傷口を押さえるがその程度でどうにかなるはずも無い。 今まで感じた事も無い灼熱にも似た激痛が彼に凄まじい脂汗をかかせる。 「痛いか? ん? 少年」 机の上に乗り◆xR8DbSLW.wを見下ろすのは背中に血の付いた鎌を浮かせた巨躯の狼。 「何だってんだよ、クソッ!! 俺が何したってんだよ!!」 「これは殺し合いだろ? 愉しまなきゃな?」 「……流石◆ymCx/I3enU氏のキャラ…最低の下衆だ……」 「何か言った?」 狼が背中の鎌を魔力で操り、◆xR8DbSLW.wの顔面の前で薙ぎ払う。 「ひっ」 ◆xR8DbSLW.wの鼻先に軽い傷が付く。 そして鎌は狼の背中に戻った。 「そうだな、そろそろ飽きてきたし、片付けようか」 「! い、嫌だ、よせ、よせ、よせ!!」 「運が悪いと思って、諦めろ少年」 「うわあああああああああ!!?」 迫り来る死。紛う事無き死。少年は絶叫した。 ダァン!! 「!?」 しかし一発の銃弾が狼の足元にあるファイルの束を吹き飛ばし、狼の動きを止めた。 「誰だ…?」 「そこまでだ」 「……?」 狼が睨む先、ナースセンターのカウンターの向こうには拳銃を構えた、◆xR8DbSLW.wとほぼ同年代と思われる、 学生服姿の少年が立っていた。 「ふん、邪魔が入ったか、まあいい…ああ、俺はアインリアだ、覚えておけ、次会ったら二人共殺してやる」 アインリアと名乗った狼はナースセンターから飛び出すと、そのまま走り去って行った。 「おい、大丈夫か?」 「う……助かった、ありがとう」 「! 酷い怪我だ……応急手当ぐらいは出来る、歩けるか?」 「あ、ああ…」 「…僕は、玉堤英人、君は…」 「ええと、名簿には◆xR8DbSLW.wって書かれてる…本名はちょっと言えないんだ、 だからxRって読んでくれないか」 「? …分かった」 何か深い理由があるのだろうと思い、英人は深くは聞かない事にした。 別段深い理由など無いのが事実なのだが。 ◆◆◆ アインリアは病院の非常階段から病院の外に出た。 「やっぱり相手が男だと余りテンションが上がらないな…可愛い女の子じゃないと…。 女の子の悲鳴、喘ぎ声、匂い、瑞々しい肌、そして乳房にヴ*ギナ…ああ、俺を興奮させる女の子を、 さっさと捜そう……そして、たっぷりと甚振って、俺の種を注いでから殺そう、クク、どこにいるのかな…?」 彼にとって殺し合いに巻き込まれた事は特に気にする事では無い。 他人を殺し、蹂躙し奪うのはそれなりに慣れた事。 自分の欲望――それを満たす事こそが、アインリアにとってとても大事な事なのだ。 殺し合いはあくまで欲望を満たすための「手段」程度にしか捉えていない、彼はそういう人――いや、狼。 まだ見ぬ自分の欲望の捌け口となる相手を捜し、淫狼は肌寒い市街地を歩き始める。 「そうだ、さっきの少年には鎌しか使わなかったけれど…もう一つの支給品…どうするか…」 【早朝/E-2病院二階】 【玉堤英人@自作キャラでバトルロワイアル】 [状態]健康 [装備]ベレッタM92FS(14/15) [持物]基本支給品一式、ベレッタM92弾倉(2) [思考・行動] 基本:殺し合いはしない。 1:xRを手当てする。 2:現状把握。自分やフラウ達は死んだはずじゃないのか…? [備考] ※本編死亡後からの参戦です。 ※アインリアを危険人物と認識しました。 【◆xR8DbSLW.w@非リレーロワスレ書き手】 [状態]右上腕裂傷(出血多)、鼻先に軽い傷 [装備]??? [持物]基本支給品一式、???(1~2) [思考・行動] 基本:殺し合いをする気は無い。とにかく生き残りたい。 1:英人に手当てして貰う。 2:他の書き手さんはどうしてるんだ…? [備考] ※他書き手と面識がある設定です、また、他書き手オリキャラの情報をある程度持っています。 ※アインリアを危険人物と認識しました。 【早朝/E-2病院周辺】 【アインリア@オリキャラ】 [状態]健康 [装備]草刈鎌 [持物]基本支給品一式、??? [思考・行動] 基本:自分の欲望の赴くままに行動し、ついでに優勝も目指す。 1:可愛い女の子は犯してから殺す。それ以外は甚振って殺すかさっさと殺すか無視。 [備考] ※ロワ参加前からの参戦です。 ※◆xR8DbSLW.w、玉堤英人の外見を記憶しました。 ※E-2病院二階ナースセンターが荒れています。 000:オープニング(俺得ロワ6th) 目次順 002:あの子を夢見て肌も心も GAME START 玉堤英人 023:至高の存在、空気 GAME START ◆xR8DbSLW.w 023:至高の存在、空気 GAME START アインリア 022:下衆極まる獣
https://w.atwiki.jp/talesrowa/pages/145.html
Tonight,I ll meet you 暗い世界。 何も見えない。自分の手すら。 ここは何処だ? 何故オレはこんな所にいる? 青年は何かを求め歩き出す。終わりのない闇の中で、恐れのない足取りで歩き出す。 カツカツと冷たい足音が聞こえる中、地を踏み締め進んでいく。 そして見えてきた一つの光。 光はヒトの姿を象っており、美しく長い金髪が纏う光に煌めいていた。 青年は口を開く。 「クレア?」 どうやら光に青年は見覚えがあるようだった。 光は青年に微笑む。しかしその微笑みははかなくて、どこか悲しかった。 「どうして?」 「え…?」 「どうして、そんな悲しいことをするの…?」 その言葉は錨のように、青年の心にずしりと沈んでいく。 深く深く、ゆっくりと彼の心に下りていく。 それと共に生まれた波は焦りとなって彼の心に広がっていく。 何のことだ、どうしてそんなことを言うんだ、オレはお前に──…。 青年は手を伸ばす。しかし、光はすぐ近くにあるのに、とても遠くて。 届く直前に、光は消えた。 それは少し前のこと。 静寂に広がる、一瞬の閃光と爆音。 ある城の部屋で、目を閉じ休んでいた青年にもそれは届いた。 どうやら少し眠ってしまっていたらしい。 夢か何かを見ていたような気もするが、記憶は朧で、見たという感覚しか残っていない。 それよりも、覚醒させた轟音だ。いつもは静かな表情でいる青年だが、流石の彼も少々驚愕が隠せないようだった。 一体何が起きたのか? 事を確認しようと、部屋の窓を開け外を覗き見る。 ──焦げ臭い。更に、鼻孔に微かに流れ込んできた香ばしい臭いに、思わず顔を背けた。 良いものではない。言うならば、異臭。 暗闇で外はうっすらとしか見えないが、逆にそれがこの臭いを引き立てている。 想像は容易につく。爆発が起きたのだろう、音も似ていた。 それに、ヒトが巻き込まれた。 誰かは分からないが、死んだ確率は高いだろう。 ヒトの燃えた臭いがそれを物語っている。 だが、起こしたのは誰だ? 自分と同じようにゲームに乗った人物か、防衛の末に爆発を起こした人物か。 ただ一つ分かることは、もし近い内にこの城に来訪者が現れるとしたら、恐らく爆発を起こした主だ。 導術…もしくは近いものを使える人物か、爆発を起こす道具を持っている人物か。 脅威にはなるだろう。しかし、そんなのは青年には少しも関係なかった。 彼の望みは元の世界に戻ること。 いずれにしても、目的達成の為には全員殺さなくてはいけないのである。 相手が死ぬのが、早いか遅いか。それだけのことなのだ。 再び目を閉じ、精神を集中する。僅かな音も聞き漏らさまいと。 瞼の奥の瞳は、強い意思の輝きを放っていた。 …どれくらいの時間が経ったのだろうか? 少しか、それとも数時間か。 今まで彼の耳には何の音も届かなかった。新たな爆発音も、城の扉を開ける音も、話し声も、足音も。 ──無駄な心配だったか…。 青年は一息零す。深く読み過ぎたようだ。 爆発を起こした主も離れていったらしい。もしくは相討ちだったのかもしれない。 夜は町や村に集まるという考えも、同じように考え敢えて近付かないような人物もいるだろう。 ならば、ヒトは外に揃っている。出た方がいいかもしれない。 青年は立ち上がる。橙と黄のグミを口に放り込み傷と精神を癒して。 そして自らの武器である小剣に一度触れると、彼は歩き出した。 そうして彼…ヴェイグ・リュングベルは今に至る。 動かない足、侵食する異常を見つめながら、自らに迫る得体の知れない恐怖を実感していた。 既に石化は背中の少し下まで及んでおり、背負っている支給品袋もろとも固くなっている。 このまま石になってしまうのか。 やがて全身が色を失い、心臓すらも石と化してしまうのか。 様々な憶測が頭を駆け巡り、同時に自分の不甲斐なさが心を巡った。 殺そうとしたあの男はもう居ない。 あれほどの実力を持つ男が、とどめを刺さずに去っていった。 つまり、これ自体がとどめなのだ。 じわじわと石に化していき、やがて全身が包まれて死ぬ。 男がこの手段を選んだのはせめてもの情けか、それとも恐怖に落とすためか。 その答えを知る人間はここには居ない。 叫びに答える者も居ない。 ただ森に声が吸われていっては、静けさが返ってくる。 その度に自分の無力さを痛感する。 ここでもう終わってしまうのか。 不意にその時、脳裏に浮かんだ光景。思い出したのは、先程見た夢。 あの表情──。 クレアが伝えたかったことは何だったのか? あんな悲しい表情をしてまで伝えたかったことは。 オレは悲しい表情をさせるようなことをしてしまったのだろうか? まだ動く左手を見る。 血。 ──…血で汚れた左手。 ああ、そうか。 クレアは血で汚れていくオレの姿を見たくなかったんだ。 何で今まで気付かなかったのか。 優しい性格だから、誰かが傷つくのは、きっと嫌に決まっている。 なのにオレが、オレ自身がヒトを傷つけ、殺してしまった。 だからあんな表情をしていたんだろう。 そうなんだな…クレア? 勝手な考えだと思った。 夢なんて曖昧で、おかしくて、それが正しいかなんて誰も分からないし、思わない。 そう考えたのは、ただ単に自分の罪を誰かに許してもらいたいからだろう。 命を奪っておいて、苦しみから逃れたいからだろう。 死ぬ直前に許してほしい? 傲慢だ。 じゃあ何で殺したんだ。もう消えた命は戻りはしない。 消した命を忘れて、自分だけ救われると思うな。諦めれば全てから解放されるなんて、愚かな考えだ。 もう戻れはしないんだ。 誰かの声…否、自分の声が聞こえる。 恐らく、ヒトを殺してきた自分の声だ。 その自分が、弱くなっていく自分に「立て」と、「勝て」と、「殺せ」と言う。 だが、ヴェイグは声を振り払った。 石化はもう背中まで回っている。まだ残っているのは、肩から上と腕が少し。 もはや全身が石になるのは、そう遅くはないだろう。 もう動けない。見聞したことのない恐怖に侵されて、自分は死んでいく。 ならせめて、ヴェイグは自分が見た光を信じた。信じたかった。 ゆっくり、目を閉じる。目の前に広がるのは暗闇だ。 光を探す。 そして目の前に、金色の光が現れた。さっきと変わらない、悲しい微笑みのままで。 ──大丈夫だ、クレア。オレの手は…もう、汚れない。 手遅れになる前に彼は告げた。 光は何も言わず微笑んでいる。但し、その微笑みに悲しみはない。 いつもの優しい微笑みで見つめている。 彼も笑った。 恐怖が首から喉へ、顔へと侵食していく。 だが、彼はもう恐れはしなかった。 例え目の前の光が自分の作り出した幻想だろうと構わない。 最期に、クレアに出会えるのなら。 ヴェイグにとっては、それが死ぬ前の唯一の「救い」であり、「希望」だった。 そうして、ヴェイグの身体は色を失くした。 【ヴェイグ 生存確認】 所持品:スティレット チンクエデア グミセット(パイン、ミラクル) ※但し袋ごと石化したため回収は不可能。 現在位置:B7の森林地帯 状態:TP消費(小) 右肩に裂傷 全身石化(時間による状態悪化・改善なし) 前 次
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4458.html
『まりちゃと草むらの森』 14KB いじめ 虐待 小ネタ 野良ゆ 赤ゆ 現代 小ネタですが若干長いです 今日も今日とて帰路を急ぐ一人の青年。 先日は汚いゆっくりに絡まれて結局帰るのが遅くなってしまったので、今日こそはと足早に街道を歩いていた。 人はもちろん、夜は車すら全く見ない程の少々不気味な道だが、えらく肝が据わっているのか全く気にしていないようである。 「……ゅぇ……ちゃ……ぇ……」 「……ん?」 そんな青年の耳に届く微かな音。 最初は虫の鳴き声かと思ったが、どうも話し声のようである。 急いでるには急いでるのだが、気になってついついその声を追いかけて道を逸れてしまった。 「……ゅぅぅ……ぉか………むぃのじぇ……」 「…ゅひぃ……ぃた………」 「こっちか? なんだろな……声か? ……しかも一人じゃないような……」 ちょうどガードレールが避けて通れるようになっている箇所を見つけ、青年はそこから草むらを覗いた。 数少ない街灯の真下なので、自分が作る影の位置に注意すればよく見渡せる。 そして、ついに声の主と対面した。 「ゅぇぇぇぇぇん……おかーしゃんどこなのじぇぇぇ……」 「おなかぺこぺこなのじぇ………どうちて……せかいいしゃんのまりちゃがこんなめにあうのじぇ………」 「ゅっく、ゅっく……れいみゅ、こんにゃにかわいいのに………」 長い雑草に囲われていた為に見えなかったがそこには小さい段ボールが捨ててあった。 某オンライン通販サービスの平たい段ボールを想像してほしい。 ちょうどあれくらいである。 覗き込むと、中には時折もぞもぞと動いている3つの球体。 「なんだよ、またゆっくりか……そりゃこんなとこに人がいるわけないしなぁ………………帰るか」 つい先日とんでもないゆっくりに関わったばかりなので、あまりいい顔をしない青年。 踵を返して見なかった事にしようとしたが、声を出した事で気づかれてしまったのだろう。 一匹の赤まりさと赤れいむがこちらを見て嬉しそうな顔をしていた。 「ゅ……? ゆわぁぁぁぁぁ! にんげんなのじぇ! はじめてみるのじぇぇぇぇ!」 「やっとれいみゅをむかえにきちぇくれたんだにぇ! おしょしゅぎるけど、れいみゅやしゃしいからゆるちてあげりゅよ!」 「……ゆ? なんなのじぇー……?」 「あーあ………」 そのまま無視して帰ればいいのだが、根が真面目なのか、そういうことが出来ないらしい。 ひとまず赤ゆっくり達への返事は後回しにして、彼は改めて箱の中を見渡してみた。 3匹のゆっくりと、餌と思われるスナックっぽいものの残り滓がちらほら。 箱の至る所がふやけてたり黒ずんだりしているのは、場所も決めずに好き勝手排泄しているからだろう。 「箱はきったねーが……当のこいつらはあんまり汚れてないな……? おい、お前ら」 「あのにぇ! あのにぇ! まりちゃおにゃかぺこぺこにゃのじぇ! にゃにかたべちゃいのじぇ!」 「れいみゅは「ちんでれりゃ」にゃんだよ! はやくがらちゅのくちゅちょうだいね! あとあみゃあみゃもにぇ!」 「話をきけ」バシン 「「「ゆっぴぃぃぃぃぃ!? きょわぃぃぃぃぃ! たしゅけておがーしゃぁぁぁぁぁん!!!」」」 「うおぅっ!?」 とりあえず青年は事情を知ろうと中の赤ゆっくりに話しかけてみたが、それぞれ自分が言いたいことばかり喋って会話が成立しない為、箱を横から軽く叩く。 青年的には軽く脅したつもりだったのだろうが、赤ゆっくりにとっては地面が揺れて自分の体が急に浮いて転がりだす、人間でいえば震度8近くの直下型地震に見舞われたくらいの恐怖だろう。 涙としーしーをまき散らしながら大声で泣き叫びだした3匹に、むしろ青年が驚かされる羽目になってしまった。 「びびったー……そんなに怖いもんかねコレ。 とりあえず飴やるから落ち着けー」 「ゅぴぃ、ゅぴぃ……ゆ? にゃにこりぇ? ……ち、ちちちちちあわちぇぇぇぇぇぇぇ!」 「れいみゅも! れいみゅも!」 「ゆぅぅぅぅぅ! あみゃあみゃだぁぁぁぁあ!」 元々騒いでた2匹はもちろん、若干ぐったりしていた残り1匹も我先にと飴玉を舐め始めた。 お互いに舌が当たって唾液塗れになっているが、全く気にしていないようである。 赤ゆっくり達が飴玉を舐め終わる頃合いを見計らって、青年は再び声をかけた。 「おい、お前ら」 「ゆ? にゃんにゃのじぇ? もっとあみゃあみゃくりぇりゅのじぇ?」 「やらん。 お前ら何でこんなところにいるんだ?」 「ゆぇぇぇぇぇん! やじゃやじゃ! れいみゅもっとあみゃみゃたべりゅぅぅぅぅぅぅ!!」 「………………(ピキィ)………質問に答えりゃまたやるよ。 で、どうなんだ?」 「ほんちょ!? じゃあまりちゃがおはなししゅるのじぇ!!」 再び駄々を捏ねて全身から汁をまき散らして転がる赤れいむにこめかみがムズムズしたが、何とかこらえられたようだ。 青年の二の句に答えた赤まりさは、眉をキリッと吊り上げて短い身の上話を始めた。 「つまり、お前らの親は飼いゆっくり。 でも生まれたのはここで、親からちょっと待ってろと言われてからずっとここにいる。 で、そのあと何故か親は涙を流しながら狩りに行ってくると言って出かけた、と」 「そうなのじぇ! きっとおかーしゃんまりちゃたちのことしんぱいだったんだじぇ!でもまりちゃたち、りっぱにおるちゅばんできるんだじぇ!」 10行程あった身の上話をサラリとまとめる青年。 赤まりさは相変わらず眉を吊り上げて褒めてとばかりに踏ん反り返っている。 拙い説明だったが、青年はあっさり状況を把握したようだ。 「なるほど。 つまりさ、お前ら捨てられたんじゃね?」 「「「ゆ?」」」 「だって飼いゆっくりが外で出産とかおかしいだろ。 涙ぐんでたのはたぶん飼い主に捨てろって言われたからじゃないか?」 「「「…………ゆ?」」」 「狩りに行ってくるって言った後、きっと大きな音したろ? もし聞こえてたならそれ車のエンジン音だから確定だわな」 「「「………………………………ゆ??」」」 「いやだか「「「ちぎゃうもん! まりちゃ(れいみゅ)たちしゅてられてにゃんかにゃいもんんんん!!!」」」うおぅぇ!?」 親ゆっくり行動と現在の状況からほぼ確定の推論を言い渡す青年に対して、赤ゆっくり達は一瞬目の光を失う。 そして、自分の聞き間違えだと思い、全員で首を傾げ聞き返す。 聞き返しても同じ。 むしろ前よりも明確な理由が付いた答えが返ってくる。 幾度かの返しの後、赤ゆっくり達は狂ったように騒ぎ始めた。 「まりぢゃ…! まりぢゃしゅてらてにゃんかにゃいのじぇ! ただのおるちゅばんにゃのじぇ!」 「いや、まあとりあえず落ち着けって」 「れいみゅは「ちんでれりゃ」にゃんだよ! いちゅかまほーちゅかいがきてあみゃあみゃいっぱいのところにちゅれてってくりぇりゅんだもん!!」 「ほーら、あまあまやろうか、もう一個~?」 泣き叫ぶ赤ゆっくり達をしずめる為にもう一度飴玉をちらつかせるが、今回の騒ぎ様は尋常じゃなく、それすら効果が無い。 おそらく本ゆん達も薄々わかっていたが、あえて「自分達は立派に留守番をしているだけ」と思い込む事にしたのだろう。 それが青年の理屈で一気に打ち壊された。 もう赤ゆっくり達にとって青年は敵以外の何者でもなかった。 「ゆっぐ…ゆっぐ……まりちゃたちがよべばおかーしゃんはじぇったいかえってくるのじぇ……! しょんにゃこともわかりゃないじじいは……!」 「「「ちね!!!」」」 「でもあみゃあみゃはよこしぇ!!!!」 「そしたらちんでね!! しゅぐでいいよ!」 「どりぇいににゃるにゃらいかしておいてやってもいいんだじぇ!」 「………………(ビキィ)」 割と純心だった赤ゆっくり達も青年への不信でゲス化してしまったらしい。 死ね死ね連呼された事でいささか青年も頭に来たようだ。 しかしここで拳を振り下ろして一思いに潰すのもゆっくり相手とはいえ大人気ない。 (あー……うぜぇ……。 なんかこいつら潰したくなってきたわ……) (でも別に危害加えられた訳じゃないしなぁ……例によって手が汚れるのも嫌だし) (でもこいつらをそのままほっとくのは癪だわ……んー……周りには……箱、石、草……草?………これだ!)ピコーン 周囲にびっしりと生えそろった雑草を見て、再び閃くまどろっこしい良いアイディア。 そして青筋が浮いていた怒り顔から一転、不自然なまでのにこやかな笑顔で青年は3匹に囁いた。 「そっかー、お前らは捨てられてないのかー」 「やっとりきゃいしたにょ? じゃあはやきゅおわびのあみゃあみゃをもっちぇきちぇちんでにぇ!」 「しかもお前らがピンチになったら絶対助けに来てくれるんだっけ?」 「そ、そうなのじぇ! まりちゃたちがよんだらしゅぐきてくりぇりゅのじぇ! じじいみたいにゃゆっくりできにゃいにんげんもしぇいしゃいしてくりぇりゅのじぇ!」 棒読みで話す青年に、赤ゆっくり達は真剣に食って掛かる。 呼んだらすぐに母親が跳んでくると豪語する赤まりさ。 これまでに何度も母親を呼びながら泣いていた事は忘れているようだ。 「そうかそうか~。 じゃあお母さんに会えた時の為に、立派になっておかないとね~」 「「「ゆっぴゃぁぁぁぁぁぁああああ!?」」」 張り付いたような笑顔を向けたまま、青年は箱を横に倒した。 赤ゆっくり達は文字通り、転がるように地面にポヨポヨと音を立てて投げ出される。 幸い柔らかい草がクッションになったようで、大きな怪我はないようだ。 それでも生まれて初めて与えられる苦痛に、赤ゆっくり達は三度泣き叫んだ。 「ゆっぴぃぃぃぃぃぃ! いちゃいのじぇぇぇ! まりちゃのもちもちほっぺしゃんがいちゃいのじぇぇぇぇぇ!!!」 「ゆわぁぁぁぁあ……! れいみゅのはぎゃ……げいのうじんよりもうちゅくちいれいみゅのちろいはぎゃぁぁぁぁぁあああ!」 「ゆっく、ゆっく、あんよいちゃいのじぇ……もういちゃいのいやなのじぇ……」 「はいはーい、泣くのはやめて周りを見てみ~」 赤ゆっくり達の悲痛な叫びを無視して、青年は周りを見るよう促す。 ぼろぼろと砂糖水を流す赤ゆっくり達の瞳に映ったのは、箱の壁では無い自然の世界だった。 「ゆわぁぁぁぁ! しゅごいのじぇ! ここをまりちゃのゆっくりぷれいちゅに 「おっと、感動してる暇はないぞー。 外の世界は危険がいっぱいなんだ」 ゆぴぃ!?」 箱の壁から解き放たれ、周りの草木や小さな虫を見てはしゃぐ赤まりさ。 そんな感嘆の声をさえぎって、青年は赤まりさをつまむ。 「ゆっぴぃぃぃぃ、おしょらをとんじぇるみちゃい!」 先ほどの箱を転がされた件の恐怖が蘇って身をすくませるが、すぐにお決まりの文句を言って上機嫌になった。 青年は赤まりさの喜ぶ顔に笑顔のまま青筋を立てながらも、背の高い雑草の中を3歩程進む。 地面の草を潰し、柔らかくした部分に赤まりさを降ろして、青年はしゃがんでこう言った。 「まりさ、ゲームをしよう。 勝てばお母さんが帰ってくるぞ」 「ゆ? ゆぅぅぅぅ!? ほんちょに! ほんちょにおかーしゃんかえっちぇくるのじぇ!?」 「ああ本当だともー」 ゆっくりは自分にとって都合の悪い事は邪推して信じようとしないが、都合の良い事は一切根拠が無くても信じてしまう習性がある。 生まれたばかりの赤ゆっくりならば尚更だ。 少し前まで親の仇と言わんばかりの顔で睨んでいた青年の言葉に、今度は目を輝かせる。 「実はな、まりさ。 お前のお母さんは、今もまりさの事を見守ってるだよ」 「ゆ?」 「お母さんはまりさが立派にお留守番できてるかどうかを近くで見てるんだ。 だからまりちゃが甘えてお母さんを呼ぶ限り、お母さんは出てきてくれないんだよ」 「ゆぅぅぅぅぅぅ!? じゃ、じゃあどうしゅればおかーしゃんはかえってきちぇくりぇりゅのじぇ?」 「それはな、お前がこの自然の中で立派にやっていけることを証明すればいいのさ。 たとえば、あの壮大な森を超えて一人で姉妹のところまで辿り着いたり、とかね」 優しげな声と共に青年が指刺したのは、背の高い雑草の群生した草むら。 人間なら一跨ぎで超えられるその森を、赤まりさはゴクリと喉をならしながら見つめる。 「や、やるのじぇ! まりちゃはおかーしゃんにみとめてもりゃうのじぇ!」 「よし、行け! まりさ! おかーさんを取り戻すためにー!」 「ゆおぉぉぉぉおお、なのじぇぇぇぇぇ!!」 無責任な青年の声に後押しされ、気合と共に勢いよく草むらに飛び込み見えなくなった赤まりさ。 すでに広く知られている事だが、生まれたての赤ゆっくりの体は脆く、小さな段差や突起すら時には命を脅かす凶器となる。 そんな赤ゆっくりが鋭利な草の群れに突っ込んだのである。 「ゆっぎゃぁぁぁぁぁあああ! まりちゃの、まりちゃのおめめぎゃぁぁぁあああ! しぇきゃいをみとおしゅせんりぎゃんしゃんぎゃぁぁぁぁああ!」 草むらの一部がガサガサと揺れ、少し遅れて悲鳴が聞こえてきた。 おそらくあの辺りに生えていた草で、目を切ってしまったのだろう。 先程地面に落ちた程度とは比較にならない激痛に転がり身をよじる。 しかし、痛みに転がれば、今度は別の草によって体を切り刻まれる。 「いぢゃっ! あんよがいちゃい! いぢゃいよぉぉぉおおお!!」 目を切って転がった際に足に大きな裂傷が出来て、跳ねることが出来なくなった。 「ゆぴぃぃぃ!? まりちゃのおきゃじゃりしゃんぎゃぁぁぁぁぁあ……」 帽子には無数の切り傷が入り、赤まりさが気づいた頃にはすでにバラバラの布きれになっていた。 「ゆひっ……ゆひっ……まりちゃのほうちぇきもまっちゃおにょきんぱつしゃん………ちゃくましいおしゃげしゃん……」 細い髪は最も脆く、たとえ赤まりさが自分で動かなくても、風が吹いて草が揺れただけで勝手に切られていった。 「ゆひゃぃぃ…………ふぁりふぁふぉふぉふひふぁ…………」 口に草が入ってきた時に慌てて口内をめちゃくちゃに切ってしまい、喋ることすらできなくなった。 ……… …… … 「………っ! ……ゅっ……ゅっ……ゅっ………」 2分後、まるで草むらが異物を吐き出したかのように、赤まりさは転がり出てきた。 全身の傷、というより傷が無い場所が殆ど無い。 最初に失っただろう左目は、綺麗に真っ二つ。 右目は瞼が無くなっていたが無事のようだ。 切り傷は底部が最も酷く、不揃いな格子目のようにズタズタに切り裂かれており、大きな傷口からは餡子がぽろぽろと零れだしていた。 帽子はすでに無く、おさげはもちろん髪もほとんど無くなっていた。 ひどい部分は頭皮ごと切り取られている。 口には縦に大きな裂傷、その他一文字の小傷を幾つもこさえていた。 歯が無い部分は抜けた欠けたではなく、歯茎ごと切り取られたのだろう。 餡子が露出している部分が多いせいもあり、食べかけのおはぎのようになっていた。 草むらの中にいるだけでここまでボロボロになる生物が赤ゆっくりの他にいるだろうか。 「おおぅ……ちょっとお仕置きのつもりがこんなことに……ゆっくりってある意味すげーな……」 あまりゆっくりには詳しくない青年。 ここまで赤ゆっくりが脆い存在だと、本当に知らなかったのだろう。 赤まりさは時折、息と共に小さな掠れ声を漏らし、ピクピクと痙攣している。 いまさらになって若干の罪悪感に苛まれたのか、罪滅ぼしとばかりに青年は瀕死の赤まりさに声をかけた。 「おい! まりさ! しっかりしろ! お母さんがついに来てくれたぞ!」 「ゅ……!……ぉ………が………ゃん……」 その言葉に一回大きく痙攣し、一つだけ辛うじて残った目に光が宿る。 「俺が今連れてくるから待ってろよ! 死ぬんじゃないぞ!(こう言っておけば最後にいい夢見ながら死ねるだろ……南無ー)」 青年はそう言い残して、赤まりさを死の淵まで追い込んだ草むらを一跨ぎで超えて走っていった。 「……ゅ……! ぃ…ぎ……!」 混濁していた意識が中途半端に覚醒してしまった為、痛覚が戻ってきたのだろう。 体は殆ど動いていないが、おそらく赤まりさは凄まじい痛みを感じているはずだ。 通常、赤ゆっくりなら確実にショック死している程に。 「ま……り………ぢゃ………ぉが………に」 だが、先程の青年の言葉が赤まりさに生きる活力を与えた。 母親に会うまで生きるという活力を。 その言葉を嘘とも思わずに。 青年が残りの姉妹を興味本位で持ち帰り、すでに帰路についているとも知らずに。 「………っ! …………っ!」 殆ど残っていない歯を食いしばって、断続的に襲ってくる痛みに耐え続ける。 風が吹くたび、全身の傷口に辛味を擦り付けられるような激痛が赤まりさを襲う。 それでも赤まりさは死なない。 もう痛みでは死ねないのだろう。 「………ぉ……がー………じゃ………」 青年が戯れに残していった言葉は赤まりさに希望と絶望の両方を与えた。 少しずつ少しずつ、体中の傷口から零れていく赤まりさの中身。 心はもう諦めてくれない。 死ぬ事も狂う事も許してはくれない。 この小さな身体が生きる事を諦めてくれるまで、赤まりさの苦痛は終わらない。 ==================================== 小ネタというには長くなってしまいました。 次は人間無しを書いてみたいものです。 【過去作】 anko4403:まりさと大きな石
https://w.atwiki.jp/mangaroyale/pages/310.html
悪鬼(後編) ◆05fuEvC33. 覚悟は満身創痍ながら、ヒナギクを愚弄された怒りに立ち上がる。 (怒りを胸に沈めてはならぬ。怒りは両足に込めて、己を支える礎とせよ) 「まだやらせてくれると言うのか……………………」 覚悟に勝算は無い。 だが、元より勝算を計っての戦いをする覚悟では無い。 (我が身は牙を持たぬ人の剣なり。この身が肉片になろうとも、牙を持たぬ人を守るのみ) 覚束無い足取りで立ち上がる覚悟に、喜色を浮かべ勇次郎が歩み寄る。 「範馬勇次郎は、主催者の打倒に必須だ!!!」 勇次郎が声のした方向へ向くと、コナンが立っていた。 勇次郎も覚悟もヒナギクも、意味が分からないと言った様子でコナンに注目している。 場に居る全員が、コナンの話を聞く体勢になっているのだ。 ここまではコナンの作戦通り。 「覚悟さん、勇次郎はこの先不可避な主催者との戦闘において必要不可欠な戦力だ! 今は説明出来ないが、絶対に必要不可欠だという根拠が有る!」 主催の戦力は未知数である。故にコナンは、可能な限りの戦力を揃えるべく勇次郎を説得した。 しかし主催の戦力は未知数なのだから、勇次郎が必要不可欠だという根拠は無い。 つまりコナンの嘘である。 「だから勇次郎は殺すのは勿論、戦闘不可能になる程の負傷も負わせてはいけないんだ」 やはり覚悟もヒナギクも、コナンの意図が掴めない様子だ。 「勇次郎、これで覚悟さんとヒナギクさんはお前とまともに戦えないぞ!! 2人とも脱出を目的としてるんだからな!」 勇次郎の反応は無い。 「お前がこれ以上覚悟さんとヒナギクさんを攻撃する事は、お前の怯えと言う事になる。 つまりお前の負けだ! 2人とまともに戦いたかったら、この殺し合いから脱出してからだ。そうだよな!?」 勇次郎は戦闘の相手を選ぶ。それは市役所で、コナンと新八を無視した事からも明らかだ。 ならば勇次郎と敵対する者を、条件から外せばいい。 例え勇次郎が求める様な強者でも、まともに戦えなくなれば弱者と変わらない。 そうなれば再び戦える様になるまでは、戦闘を保留せざるを得ない。 「それとも弱い者苛めをして、満足出来るのか勇次郎さんがよ!? 偉そうに兵ぶっておいて、相手が抵抗出来ない状態でしか戦えないのか!!? だったら好きにしろ!! 俺の言う事なんか聞く必要ねーよ!! 俺の方も弱い者苛めしか能の無い腰抜けに、用は無いからな!!!」 勇次郎の強者を求め、己の強さを顕示しようとする気性ならこの指摘は無視出来ない筈だ。 そう信じて、コナンは叫んだ。 「……分かったぜ」 勇次郎はそう呟く。 そして次の瞬間に姿を消した。 (……!!) 何時の間にかコナンの顎が、勇次郎につかまれていた。 「よぅく分かったぜ、貴様は生かしておけないとな」 勇次郎自身は何を言われようと、笑って聞き流す事も出来る。 何を言われようが、いざとなれば無視すれば良いのだから。 だが今コナンがやった事は、目の前の覚悟という上等な料理に蜂蜜をぶちまけるが如き所業。 それは勇次郎にとって、絶対に許せない事だった。 勇次郎はコナンの顎の骨を、周囲の肉毎引き千切った。 コナンは内部が露出した喉と口から、大量の血を流し倒れる。 「キサマ…」 何処にそんな力が残っていたのか、覚悟が勇次郎に向かって行く。 路地から駆けて来た独歩が覚悟の腹を殴り、気絶させる。 そして覚悟を肩に担いだ。 「嬢ちゃん、逃げるぞ!!」 独歩はヒナギクに叫ぶ。 「そう何度も逃がすかよ」 独歩に向かおうとする勇次郎の足が止まる。 まだ息があったコナンが、『ゴールド・エクスペリエンス』で殴ったマンホールから 蔦が伸び、勇次郎の両足に巻き付いているからだ。 「コナンくんはどうするのよ!?」 「顎を引き千切られたんだ、生きていられる訳ねぇだろ!!」 辛そうに顔を歪ませ、独歩が叫ぶ。 ヒナギクも奥歯を噛み締める。冷静に考えれば、コナンはもう助かるはず無いのだ。 「フン、足止めのつもりか?」 勇次郎は足下の蔦に手刀を打ち込む。 「ッッ!!!」 勇次郎は自分の手刀を打たれた様に、凄まじい勢いでアスファルトに叩きつけられる。 事実、勇次郎は自分の手刀を受けた。 『ゴールド・エクスペリエンス』で生み出された生物への攻撃は、そのまま攻撃した者に返っていくのだ。 「さあ逃げるぞ、早く!!」 「嫌よ! ここで逃げたら、何の為に来たのか分からないじゃない!!」 「そうかい! じゃあ、俺は覚悟を連れて逃げるぜ! こいつは絶対死なす訳にはいかねぇからな!! けど言っておくぜ。嬢ちゃんが残っても何にも出来ねぇ、無駄死にするだけだ! コナンは何の為に命を賭けた!!?」 ヒナギクは奥歯を痛い位に噛み締める。 その腹に独歩の正拳が入った。 意識が途切れたヒナギクを、覚悟と反対の肩に担ぎ元来た路地に走り出す。 顎を引き千切られたのに、コナンに痛みはほとんど無い。 痛みのみならず、感覚も意識も薄れていく。 ただ死が近いと言う事だけが、コナンに理解出来る。 殺人を止めに来た筈が、結局それは防げなかった。 江戸川コナン――この場合は工藤新一か?――という被害者が出てしまった。 (探偵が殺人を止めに来て、犯人に殺されるなんてよ…………小説だとしたら冴えないラストだぜ) 「取るに足らぬ、羽虫の如き餓鬼が…」 勇次郎が怒りの形相で、こちらに這って来る。 (誇り高い勇次郎様があんな無様な格好をさせられてるんだから、そりゃ怒るだろうな……) 「よくもここまで、この俺をコケにしてのけたものッッ!!」 (ハハッ……放っておいても俺は死ぬってのに、トドメを刺して楽にしてくれようってのか。 それはご苦労なこった…………) 勇次郎はコナンの胴体の上へ、腕を振り上げる。 何時ぞやの時と違い、今度は外さないだろう。 コナンが最後に思うのは、服部や覚悟等この殺し合いの中でそれに反抗する者達の事。そして―― (後は頼んだぜ…………この殺人ゲームで、哀しいバッドエンドを迎えるのは…………俺で最後にしてくれ ……………………蘭、すまない…………最後までお前に真実を伝えられなくて…………………………………………) 勇次郎の腕が振り下ろされる、それがコナンの最後の知覚となった。 ◇ ◆ ◇ 予めエンジンを付けっぱなしにして待機させておいた車の後部座席に、怪我の重い覚悟を横たわらせ ヒナギクは助手席に座らせて、独歩は車を発進させる。 バックミラーで、勇次郎が追って来ない事を確認しようやく一息ついた。 助けに来た筈のコナンを死なせ覚悟は重傷、救出作戦は無残な結果に終わった。 独歩は勇次郎を思い出す。 対峙してはっきり分かった。 もはや自分とは強さのレベルどころか、次元が違う。 元々人間離れした怪物だったが、今はもう映画に出てくる様な怪獣に近い。 為す術も無く逃げ出した事を、悔しいとさえ思えない。 一介の武術家が、1人でどうこう出来る対象では無くなったのだ。 仮に今の勇次郎を倒せたとしても、味方の被害は甚大なものになるだろう。 独歩は考える。もう今の勇次郎は避けて通る以外、脱出の可能性は無い。 (いや、もう一つ方法があったな……) あるいはコナンがそうしようとした様に、味方に付けるしか無いと。 【江戸川コナン@名探偵コナン:死亡確認】 【残り13人】 【F-3 中央部 2日目 早朝】 【愚地独歩@グラップラー刃牙】 [状態]:体にいくつかの銃創、左肩に大きな裂傷 [装備]:キツめのスーツ、イングラムM10(9ミリパラベラム弾32/32)ニードルナイフ(15本)@北斗の拳454カスール カスタムオート(0/7)@HELLSING 13mm爆裂鉄鋼弾(35発)ベレッタM92(弾丸数8/15) [道具]:基本支給品一式×2、神楽の仕込み傘(強化型)@銀魂、ジャッカル@HELLSING(残弾数1)、 陵桜学園高等部のセーラー服@らき☆すた、首輪×2 ハート様気絶用棍棒@北斗の拳 、懐中電灯@現地調達、包帯と湿布@現地調達 スーパーエイジャ@ジョジョの奇妙な冒険 鷲巣麻雀セット@アカギ、 空条承太郎の記憶DISC@ジョジョの奇妙な冒険 [思考・状況] 基本:闘う事より他の参加者(女、子供、弱者)を守る事を優先する 1:勇次郎から逃げる。 2:ジグマールを見付け出し倒す。 3:学校へ行き、アカギと合流。鳴海の事を伝える。 4:ゲームに乗っていない参加者に、勇次郎の事を知らせる。 5:劉鳳、ジョセフ、ケンシロウ、服部、神楽の捜索。勇次郎、エレオノール、川田、ジグマールには警戒。 6:可能なら、光成と会って話をしたい。 7:可能ならばエレオノールを説得する。 8:勇次郎を避けて脱出するか、味方に付ける。 [備考] ※パピヨン・勝・こなた・鳴海・覚悟・村雨・ヒナギク・かがみと情報交換をしました。 ※刃牙、光成の変貌に疑問を感じています。 ※こなたとおおまかな情報交換をしました。 ※独歩の支給品にあった携帯電話からアミバの方に着信履歴が残りました。 ※BADANの存在を知り、かがみから首輪のステルス機能の事、解除方を知りました。また零の暗雲についての推測も知りました。 ※コナンから勇次郎が首輪解除と主催者側の強者との戦闘に興味を持っていると聞きました。 【桂ヒナギク@ハヤテのごとく!】 [状態] 顔と手に軽い火傷と軽い裂傷。右頬に赤みあり。気絶。 [装備] バルキリースカート(核鉄状態)@武装錬金 シルバースキン(核鉄状態)@武装錬金 [道具]支給品一式、ボウガン@北斗の拳、ボウガンの矢16@北斗の拳 [思考・状況] 基本:BADANを倒す。 1:ラオウに復讐する。(但し、仲間との連携を重視) 、斗貴子については戸惑い 2:覚悟と共にS-3駅 へ向かい、村雨と合流。その後神社に居ると思われるラオウを倒す。 3:劉鳳、ジョセフ、ケンシロウ、服部、神楽の捜索。勇次郎、エレオノール、ジグマールには警戒。 4:3が終わった後、学校へ行く。 5:川田を説得する。 6:勇次郎を倒す。 [備考] ※参戦時期はサンデーコミックス9巻の最終話からです ※桂ヒナギクのデイパック(不明支給品1~3品)は【H-4 林】のどこかに落ちています ※核鉄に治癒効果があることは覚悟から聞きました ※バルキリースカートが扱えるようになりました。しかし精密かつ高速な動きは出来ません。 空中から地上に叩きつける戦い方をするつもりですが、足にかなりの負担がかかります。 ※かがみから首輪のステルス機能の事、解除方を知りました。また零の暗雲についての推測も知りました。 【葉隠覚悟@覚悟のススメ】 [状態]:全身に火傷(治療済み)、頭部他数箇所に砲弾による衝撃のダメージあり、胴体部分に銃撃によるダメージ(治療済み) 頭部にダメージ、 両腕の骨にひびあり、全身に強度の打撲、肋骨8本骨折、鼻骨骨折、胸骨粉砕骨折、気絶、零式鉄球在庫7個。 [装備]:滝のライダースーツ@仮面ライダーSPIRITS(ヘルメットは破壊、背中部分に亀裂あり) [道具]:大阪名物ハリセンちょっぷ [思考] 基本 牙無き人の剣となる。この戦いの首謀者BADANを必ず倒し、彼らの持つ強化外骨格を破壊する。 1:川田を説得する。 2:ヒナギクと共にS-3駅 へ向かい、村雨と合流。その後神社に居ると思われるラオウを倒す。 3:劉鳳、ジョセフ、ケンシロウ、服部、神楽の捜索。勇次郎、エレオノール、ジグマールには警戒。 4:斗貴子を牙無き人々の一人と見なし、守る。 5:2が終わった後、学校へ戻る。 6:村雨が再び記憶を失い、殺し合いに乗るようならば倒す 7:勇次郎を倒す 【備考】 ※パピヨンの詳細名簿からケンシロウ、独歩の情報を得ました。 ※こなたの死を知りました。それが川田のせいである事も知っています。 ※パピヨンとアカギを全面的に信用しています。 ※神社、寺のどちらかに強化外骨格があるかもしれないと考えています。 ※かがみから首輪のステルス機能の事、解除方を知りました。また零の暗雲についての推測も知りました。 ※主催者の目的に関する考察 主催者の目的は、 ①殺し合いで何らかの「経験」をした魂の収集、 ②最強の人間の選抜 の両方が目的。 強化外骨格は魂を一時的に保管しておくために用意された。 強化外骨格が零や霞と同じ作りならば、魂を込めても機能しない。 ※2人の首輪に関する考察及び知識 首輪には発信機と盗聴器が取り付けられている。 首2には、魔法などでも解除できないように仕掛けがなされている ※2人の強化外骨格に関する考察。 霊を呼ぶには『場』が必要。 よって神社か寺に強化外骨格が隠されているのではないかと推論 ※三村とかがみについて 三村の吹き込んだ留守禄の内容を共有しています。 かがみと三村に対してはニュートラルなら姿勢です。 とにかくトラブルがあって、三村がかがみを恨んでいると事実がある、 とだけ認識しています。 ※BADANに関する情報を得ました。 【BADANに関する考察及び知識】 このゲームの主催者はBADANである。 BADANが『暗闇大使』という男を使って、参加者を積極的に殺し合わせるべく動いている可能性が高い。 BADANの科学は並行世界一ィィィ(失われた右手の復活。時間操作。改造人間。etc) 主催者は驚異の技術を用いてある人物にとって”都合がイイ”状態に仕立てあげている可能性がある だが、人物によっては”どーでもイイ”状態で参戦させられている可能性がある。 ホログラムでカモフラージュされた雷雲をエリア外にある。放電している。 1.以上のことから、零は雷雲の向こうにバダンの本拠地があると考えています。 2.雷雲から放たれている稲妻は迎撃装置の一種だと判断。くぐり抜けるにはかなりのスピードを要すると判断しています。 ※雷雲については、仮面ライダーSPIRITS10巻参照。 【零の考察】 ホログラムでカモフラージュされた雷雲をエリア外に発見。放電しているのを目撃。 1.以上のことから、零は雷雲の向こうにバダンの本拠地があると考えています。 2.雷雲から放たれている稲妻は迎撃装置の一種だと判断。くぐり抜けるにはかなりのスピードを要すると判断しています。 ※雷雲については、仮面ライダーSPIRITS10巻参照。 【F-3 北部 /2日目 早朝】 【範馬勇次郎@グラップラー刃牙】 [状態]右手に小度の火傷、左手に大きな噛み傷。 胸板に軽い切り傷。 全身に中度の打撲。 全身の至るところの肉を抉られており、幾つかの内臓器官にも損傷あり。 [装備]ライター [道具]支給品一式、打ち上げ花火1発、拡声器@現地調達、フェイファー ツェリザカ(0/5) 、レミントンM31(2/4) 色々と記入された名簿×2、レミントン M31の予備弾22、 お茶葉(残り100g)、スタングレネード×4 [思考] 基本:闘争を楽しみつつ、主催者を殺す。 (ただし、倒れた相手にトドメは刺さない?) 1:花火と放送に引き寄せられた参加者を待つ 2:アーカードが名を残した戦士達と、闘争を楽しみたい。 (ただし、斗貴子に対してのみ微妙) 3:首輪を外したい 4:S7駅へ向かいラオウ、ケンシロウを探す。 5:未だ見ぬ参加者との闘争に、強い欲求 6:コナンの言う、「主催者側にいるはずの強者」と戦いたい 7:鳴海の血中に在った物と同じ成分(生命の水)を摂取したい [備考] ※自分の体力とスピードに若干の制限が加えられたことを感じ取りました。 ※ラオウ・DIO・ケンシロウの全開バトルをその目で見ました。 ※生命の水(アクア・ウィタエ)を摂取し、身体能力が向上しています。 ※再生中だった左手は、戦闘が可能なレベルに修復されています。 ※アーカードより、DIO、かがみ、劉鳳、アミバ、服部、三村、ハヤテ、覚悟、ジョセフ、パピヨンの簡単な情報を得ました。 ただし、三村とかがみの名前は知りません。 是非とも彼等とは闘ってみたいと感じていますが、既に闘っている斗貴子に関しては微妙な所です。 ※拡声器を使って他の参加者を皆殺しにすると宣言しました。宣言通りに行動するかは、後の書き手さんにお任せします。 ※どの程度コナンの言葉に心動かされているかは、後の書き手さんにお任せします。 ※近くにあるコナンの死体の頭部に『ゴールド・エクスペリエンス』のDISC@ジョジョの奇妙な冒険が挿入されています。 前編 230 Reckless fire 投下順 232 神に愛された男 230 Reckless fire 時系列順 232 神に愛された男 227 鬼が来たりて笛を吹く 範馬勇次郎 233 決戦 227 鬼が来たりて笛を吹く 江戸川コナン 死亡 229 心を縛るものを ひきちぎればすべてが始まる 葉隠覚悟 233 決戦 229 心を縛るものを ひきちぎればすべてが始まる 桂ヒナギク 233 決戦 229 心を縛るものを ひきちぎればすべてが始まる 愚地独歩 233 決戦
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/27622.html
登録日:2012/10/01(月) 01 02 55 更新日:2024/01/28 Sun 20 49 31NEW! 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 アイテム稼ぎ デモンズソウル マラソン 刃石 心が折れそうだ… 物欲センサー 純刃マラソン 純粋な刃石 苦行 純粋な刃石とは、アクションゲーム「デモンズソウル」に登場するアイテムであり、同作での武器強化に必要な素材である。 ◎概要 デモンズソウルでは、自分のステータスに合わせて様々な派生へと武器を強化できる。 ロングソード一つとっても、上質、叩き潰す(筋力依存)、竜(炎属性)、月(魔法)等々、様々な方向性を持って強化ができる。 そのなかで、鋭い刃で敵を切り裂く曲剣、短剣、刀などの武器を、高い技量ボーナスを持つ「鋭利な」武器に転換させるアイテムが刃石(*1)系統。その中でも最高のアイテムが、純粋な刃石なのだ。 要約すれば、「強い武器を作るために必要な素材」であり、モンハンで言えば紅玉にも匹敵するアイテムなのである。 では、入手法は?というと、簡単簡単、雑魚が落とす。 嵐の祭祀場というステージにいる黒い骸骨のような敵を倒せば落とす。攻撃力、攻撃範囲、防御力、いずれも高い強敵だががんばって倒しましょう。 見事倒せば、純粋な刃石が君の手に! ならない ◎ここからが本当の刃石の項目だ… この「純粋な刃石」、他の鉱石に比べて際立って入手が困難とされている。 これ以外の鉱石は大抵鉱石集め用の敵である「結晶トカゲ」が纏めて落としたり、確定で手に入るイベントがあったり、どこかに落ちていたりするのだが、「刃石」系列の鉱石はどれも敵のドロップでしか出ないため、マラソンして集める必要がある。 それだけでも面倒なのだが、さらにマラソンを長引かせる要素が重なっているのだ。 理由1:ドロップ率の低さ デモンズソウルにおいて敵のドロップで入手できる鉱石は他にも「にび石」や「吸い付き石」、「髄石」等があるが、とりわけこの「純粋な刃石」はとにかく落ちないことで有名である。 まず、そのドロップ率、これがなんと驚きの0.5%、悪い意味で桁が違う。 ・ドロップ率の詳細(折り畳み) ドロップ率0.5%という数字はエンターブレイン出版の「Demon's Souls 独占公式パーフェクトガイド」に記載された数値。この数値は「運」のステータスが0のときの確率とされており、実際のドロップ率は「運」を上げる毎に僅かずつ上昇する。 運の初期値は生まれにより7〜15であり、0というのはありえないため「ドロップ率0.5%!」というのは若干誇張された言い分ではある。 同書には基本のドロップ率が0.5%の場合、運が10のときのドロップ率は0.6%になる…といった記述もあるため、純粋な刃石のドロップ率もそれに準ずるとすれば、実際には最低でも0.6%前後ということになるだろうか。 一方で、運のステータスは純粋な刃石マラソンには影響がないのではないかという説もある。 というのも、黒骸骨の刃石系のアイテムテーブルは元々ドロップ率が合計100%となるように組まれており(*2)、理論上は黒骸骨を倒せば必ずいずれかのアイテムをドロップするという形になっている。 つまり「全てアイテムのドロップ率を上昇させる効果」では結果に影響せず、「アイテムテーブルの内訳を変化させる(ドロップアイテムの質を良くする)効果」でないと純粋な刃石には効果がない可能性が疑われる。 またドロップ抽選の方式によっては実際の確率が数値よりも低くなるおそれもある。(*3) 未だに確かなことは不明だが、いずれにせよ話が複雑になるため、本項目では運のステータス値の影響は抜きにして解説している。 運のステータス値も絡んでくるとはいえ、単純計算で200体敵をヌッコロしてやっと一つ出るかどうか。 …というか、数字に強い人ならお気づきだろうが0.5%を200回繰り返したところで一個以上出現する確率は、 1-(199/200)^200 = 0.633042178 およそ63%程度。これを99%まで上げようとすると 1-(199/200)^1000 = 0.993346031 最悪1000回…心が折れそうだ… 理由2:ドロップする敵が強い&少ない 次に、先程説明した黒い骸骨だが…ゲーム中上位に位置する強敵である。初心者にとっては下手なボスよりつらい。 爛々と輝く赤い瞳、口から漏れる殺意の吐息、こちらを視界に入れたとたん走り寄ってきて、ジャンプ!ザシュッ! YOU DIED 下手な盾じゃガードしても盾ごと切り裂かれます、心が折れそうだ… さらに悪いことに、純粋な刃石を最も必要とする技量キャラは刺突属性や斬撃属性の武器を主に扱うのだが、黒骸骨はこれらの攻撃に耐性を持っており、弱点は脳筋御用達の打撃属性。どうしろというのだ… 対策としては、敵の体力が低い一周目でマラソンして必要数を確保する…くらいだろうか。 とはいえ無茶苦茶な強さというわけではなく、刃石マラソンに手を付けるような上級者ならば縛りプレイでもない限り素早く処理してしまうことだろう。マラソンしてると集中が切れて返り討ちにされることもあるので油断は禁物だが むしろ、真の問題はこの黒骸骨の数が少ないこと。実は黒骸骨の中でも、純粋な刃石を落とす奴が限定されているのだ。 嵐の祭祀場は、エリア1.2.3、と分かれており、黒骸骨はエリア1とエリア2に数体配置されている。この中でもエリア2にいる二体、すなわち隠し通路の奥にいる黒骸骨と、エリアのソウル傾向(後述)が最も黒い時に出現する、ファントム化した黒骸骨。このどちらかを狙わねばならない。 後者(ファントム)は通常の黒骸骨よりもさらに強く、エリア前後の要石(エリア開始地点&ワープ地点)からほどよく離れているためマラソンには向かない。おまけにドロップ率も変わらず、必然的に通常の黒骸骨を相手にするわけだが… エリア2の要石から隠し通路までは30秒ほど。 骸骨を倒してアイテムを拾い、純粋な刃石が出なければ飛び降り自殺して、また要石から隠し通路へ… どんなに短縮しても1ループ一分ほどはかかる、これを1000回…なんとなんと、驚きの16時間半ちょっとである。高橋名人の名言「ゲームは一日一時間」に則れば半月はかかる計算である。ダーイスンスーン… 理由3:物欲センサー しかしまぁ、アニヲタ諸君の中には、「プゲラwwwマラソン1000回とか余裕っしょwww」といった、時間と気力を持ち合わせた方もいるかもしれない。ところがどっこい…まぁ、でないだろう。 これはある人の体験談なのだが… 「うし、技量キャラ作ったし、純粋な刃石入手すっか」 1日目… 2日目… 3日目… 4日目… で な い やったことがある人ならわかるだろう。この純粋な刃石、とんでもなく強力な物欲センサーが搭載されている。 「毎日数時間やって一週間かけた」なんてザラ、下手すりゃ1ヶ月単位… しかも、この純粋な刃石が全く必要ないモヤシ純魔やガチムチ脳筋育成中に限ってポロポロ落ちたりする。どういうことなの… この項目をみて興味を持った方は試しに純刃マラソンを開始してみては如何だろうか、きっと絶望を味わえるはずだ… ◎余談 本作のトロフィー解除条件の一つに、「鋭利な武器を最大まで強化する」というものがある。このため純粋な刃石の入手は、トロフィー制覇を狙う場合の最大の障害ともなりうる。 本作にはエリアのソウル傾向(エリア傾向)というシステムがあり、これが黒に傾くほどアイテムが出やすくなる(*4)が、代わりに敵が強くなる。当然アイテム狙いのマラソンはエリア傾向を限界まで黒くして行うため、先述した強力な黒骸骨が最大の力を発揮する状態で挑まねばならない。どこまでも救いが無ェ…。運のステータスとは異なり、こちらはドロップ率の上昇+アイテムテーブルの内訳を変化させる効果の両方があり、ほぼ間違いなく純粋な刃石の入手率を高めることができるというのが通説。 アイテムドロップ率を上昇させる「探すものの大剣」を使うことでドロップ率は上げられるが、「運」と同じく果たして効果があるのかどうかは不明。効果があるとしても「どの程度影響があるのか」は攻略本にも書かれていない情報である。 楔の神殿に時々戻るようにすると出やすくなる、パリィや背後からの致命の一撃で倒すと出やすくなる…など、様々な説が唱えられている。 ジャムパンを食べると出やすくなるという報告がある。嘘か真かはわからないが、体験談によると「七体倒して二個でました。」とのこと ◎その他の強化素材について 実際のところ、デモンズソウルはシリーズの元祖ということもあってか、強化素材に関して純粋な刃石以外にもかなりムチャクチャな設定が散見される。 ・純粋な月光石 武器を魔法攻撃力と魔力補正を持つ「月の~」に派生させるための最上位素材。 単純なドロップ率だけであれば純粋な刃石よりも遥かに高いのだが、こちらは結晶トカゲ以外に落とす敵が存在しない。 詳しい仕様については「結晶トカゲ」の項目を参照していただきたいが、月光石は仕様上結晶トカゲを狩り尽くしても入手できなかったり、入手できても使いきれば次周に持ち越しという、刃石とは別方向の厄介さがある。 PS3版デモンズソウルのセーブデータにはコピー不可のプロテクトがかけられており、いわゆるバックアップマラソンという抜け道もない。 さらに、月光石系を落とす結晶トカゲは攻略上必ず通らなければならない道中に配置されているため、たとえソウル傾向が白くてもそこを通るたびに倒さざるをえず、ただでさえ貴重な入手機会がさらに圧迫されるというオマケつき。 結晶トカゲの出現数は「塔のラトリア」エリア2に4体、エリア3に4体の計8体。 ・月光石の塊 同じく「月の~」に派生させるための中間素材。 純粋より1段階低い素材なのだが、同じく結晶トカゲと再配置されない特殊な雑魚しか落とす敵がいないという、なぜか他と比べて圧倒的に重い制約がある。 こちらは純粋とは異なり結晶トカゲからは100%入手できるのがせめてもの救いだが、要求量が格段に多いため数が足りなくなり、次周に持ち越しというのは往々にして起こりがち。 ・純粋な月影石 「欠月の~」という魔法系の派生にするための最上位素材。 こちらも結晶トカゲしか落とさずそれを逃してしまうと次周までおあずけという制約あり。当時のフロムは魔法型ビルドに恨みでもあったのだろうか。 しかも、欠月派生にはMPが自動回復するという特殊効果があるため、魔法型に限らず大半のビルドに需要があるというのがこれまた厄介。 幸いなことに結晶トカゲの数が少し多めで、工夫すれば攻略中スルーも可能な配置なので、月光石に比べれば多少余裕がある。 結晶トカゲの出現数は「嵐の祭祀場」エリア2に4体、エリア3に8体の計12体。 ・にび石の塊、吸いつき石の塊、髄石の塊 順番に筋力補正を高める「叩き潰す~」、出血の状態異常を付与する「裂傷の~」、致命の一撃を高める「致命の~」に派生させるための中間素材。 ステージで拾えるのはにび石、髄石が1個、吸いつき石は2個でそれ以上は敵からのドロップで集めるしかない。 デモンズソウルには軽量武器ほど強化に必要な素材が少なく、逆に大型武器ほど必要素材が多くなるという独特な仕様があるが、 叩き潰す派生するような武器だと最大強化まで少ない物で9個、多い物では18個もの塊が必要であり、明らかに需要と供給のバランスが破綻している。 ちなみに、マラソン対象になる敵は最上位の純粋なにび石も落とすのだが、基本的に落としてもハズレ扱いされる。 というのも、純粋の方はイベントで1個は確実に入手できる上に要求個数が1~2個と少ないため、数個も補充できればそれ以上は余剰にしかならないからである。 裂傷派生や致命派生は比較的ニッチな用途であり、強化元になるのも軽量武器なのでにび石ほどの苦労はないが、 よっぽど意識して集めない限り1本分の強化素材すらろくに揃わないだろう。 それこそトロフィー制覇の障壁という意味では純粋な刃石に負けず劣らずである。 特に髄石の方は効率の良いマラソン場所がないのもあって悪い意味で話題になりがち。 ◎リメイク版では… さすがに苦行すぎると判断されたのか、リメイク版では ドロップ率が上昇 。 さらに 全ての黒骸骨からドロップするように なり、全体的に入手難易度が大幅に緩和されている。 リメイク版で再び技量戦士を組みたいというプレイヤーには朗報と言えるだろう。 もっとも、ドロップ率が上昇したと言っても結局落とすかは運なので、物欲センサーに絡まれればやはり手間はかかるが… 逆に1ランク下で、より必要数が多い「刃石の塊」のほうが不足するという逆転現象が起きたりもする(こちらはローリング骸骨も落とすが)。 追記修正は鋭利なショーテル+5を持った沈黙の長の方がお願いします .u ( T)<水銀のショーテル、だ。間違えるな、豚が… △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ダクソで武器通常強化が楔石に1本化したのはある意味コレのせいだよな…さて、今度出るダクソ2で悪夢再びにならなきゃいいがww -- 名無しさん (2014-02-22 14 31 17) ↑その悪夢再びでも構わないと思っている俺はもうだめかもしれん・・・ -- 名無しさん (2014-02-22 16 25 57) 割とマジで休日総動員しないと出ない事もある -- 名無しさん (2014-08-17 14 18 27) トロコン狙って信魔でやってる時はサクッと出たんだけどなぁ・・・ -- 名無しさん (2014-08-17 21 44 00) 何故かスレで流行ったのはアンパンじゃなったっけ?あとコーヒー -- 名無しさん (2014-08-17 22 09 00) ダークソウルの原盤マラソンも髑髏騎士相手…骸骨に何かこだわりでもあるのかフロム。 -- 名無しさん (2017-01-09 11 45 48) 5周目で再マラソンする羽目になった時は泣いた -- 名無しさん (2017-09-10 19 56 15) PS5でもマラソンできる(させられる)のか・・・ -- 名無しさん (2020-10-02 21 20 11) リメイク版で武器コンプのトロフィーから解放された…かと思いきや、これとの交換で手に入る、新たに追加された指輪がトロフィーに必要。そして相変わらず黒骸骨以外からの入手手段は無し。一応ドロップ率自体は上がってるらしいけど。 …物欲センサー? 悪夢は巡り、そして終わらないものだろう! -- 名無しさん (2020-11-19 22 03 28) ↑それでもフロムにも情けはあったんやなって -- 名無しさん (2022-07-02 14 45 20) 探す者の要石から逆走して黒骸骨のファントムを倒すと、二回連続で純粋な刃石が出た。確定ドロップになったのかと興奮したけどそんなことは無かった。技量キャラでやってみたけど全く出ない。どころか塊も出ない。リメイクでも技量戦士とは悲劇なのか。 -- (2023-02-11 22 52 56) 二回連続で出たのは魔法キャラなんだよね。一応キラキラ交換に使えるけど。 -- 名無しさん (2023-02-11 22 53 56) リメイク版ではあるけど、にび石マラソンでアイテム発見力(運や探すものの大剣で上がる)とソウル傾向の影響を検証してる記事があった。それによると「両方とも効果はあるけどアイテム発見力の影響は小さいので、ソウル傾向を最黒にして、装備でアイテム発見力を強化するだけで良い」って具合だった -- 名無しさん (2023-08-24 01 24 41) ↑追記 装備で強化する分のアイテム発見力はの影響は「無いならそれでも良い」程度…という -- 名無しさん (2023-08-24 01 32 42) ↑ワームはにび石系のドロップ率が100%ではないから当然発見力の効果は乗るよ -- 名無しさん (2023-08-24 08 49 12) ↑ありがとう。書き忘れてた -- 名無しさん (2023-08-24 20 02 13) そういえばリメイク版のドロップテーブルの詳細ってどこかに出てたっけ? -- 名無しさん (2023-08-25 00 19 31) マラソンの傍ら「ソウルも稼げるしお得じゃね?」と思うようになってしまった。末期だな -- 名無しさん (2024-01-28 20 49 31) 名前 コメント