約 1,532 件
https://w.atwiki.jp/tarowa/pages/296.html
二人の超人 女の意地 ◆6tU9OIbT/c 「…とは言ってみたものの、行く当てなんて無い訳なんだよねぇ~。 どうしましょ、ちぃちゃん?」 先刻までは恰好つけて大見得切った途端にこの様は一体何なんだろうか? 飄々と言えば聞こえは良いものの只の無計画男なんじゃないか?という疑問が、 貴子の脳裏をよぎってしまう。 「ハァ~…それなら兎に角歩くしかないじゃない、貴方本当に年上?」 眉間に手を当てて少し大袈裟な素振りで答えを返してやる。 実際は貴子自体も当てがあった訳じゃないし、言葉ほどは失望してはいないのだけど。 「まぁ、そうなるわなそりゃ。 シャァッ!それじゃ地の果てまでも歩いてやるとするか!」 「私は嫌よ」 「…連れない事言うなよ、ちぃちゃん」 目の前で大きく肩を落とし、そのまま脱力して椅子に腰掛ける蒼嶋の姿に思わずクスリと笑みが零れてしまう。 蒼嶋のワザとらしいオーバーリアクションには呆れてしまうものもあるが 何処か安心出来るものが感じ取れる。 クラスメイトの中にもこんな感じの軽い奴はいたけど、 それらとは微妙に違う何かがそう感じさせてくれるのかもしれない。 けれど悪魔だのを真顔で語る彼には少し前までの彼女だったら、 頭のイカれた可哀相な高校生程度に受け止めてさっさと別れてしまったのだけれど 彼女自身が既に一度は『死んでいる筈』の人間なのである。 まさか自分自身がそんなメルヘンやファンタジーの対象になるなんて思いもよらなかったが、 あの時の痛みや薄れていく意識の感覚は今でもはっきりと思い出せる。 そんな自分は蒼嶋を馬鹿にする権利なんて持ってない。 悪魔高校生にゾンビ中学生。 ある意味お似合いなんじゃないのかと彼女は自嘲する。 「まぁ、まずはこっからモールにでも行ってみっかぁ。 喰いモンとか上手く良きゃ身を守るモンの一つでも手に入るかもしんねぇし」 「そうね、取り敢えずはそんな所じゃない?」 防弾チョッキなんて都合のいい物はある訳無いだろうけれど、 フルフェイスのヘルメット等は身を守るには最適である。 特に貴子にも反対する理由は見当たらない。 「ヨッシャ、決まり! そんじゃ、ゴミ位は片付けようっと、なッ!」 腰を上げた蒼嶋はテーブルに置いていた皮だけになったスイカを バスケットのシュートの要領で近くのゴミ箱に向かって放り投げた。 事前に蒼嶋が蓋を取り払っていたそれにスイカの皮は綺麗な放物線を描いて吸い込まれていき、 そして複数の缶がぶつかり合う喧しい金属音を立てた。 「見た? 俺の華麗なシュート…って言いたかったんだけど、分別間違えちった」 「…普通、そういう事する時って、予め中身くらいは確認しとくもんじゃないの」 これじゃ、どっちが年上何だか分かったものではない。 このお調子者は少しの間だけでも、さっきのシリアスな雰囲気を 纏い続けられないんだろうかと呆れつつ、続けて貴子も椅子から立ち上がった。 移動はカジノに来るまでの時と同じように始めは二人とも周囲を警戒しての移動だったが、 何分見晴らしのいい地形である。 遠くに見えるモールまでは人影すら見えず、その為か蒼嶋は精神的疲労も考慮して やや気を抜いた状態で歩き始めている。 「あなた、随分と…その、何て言うのかな、場慣れ…してるわよね。 良くこの状況で気が抜けるわね」 そのような蒼嶋とは逆に周囲への警戒を解かずに緊張したままで貴子は質問する。 「う~ん、いや、まぁ殺気を読む事にはそこそこの自信があるからね、俺。 さっきまでは今よりも暗かったから、注意してなきゃ流石にやばかったけどさ」 両手を頭の後ろで組んだ姿勢で、ゆったりと歩きながら蒼嶋はそれに返す。 「それって、さっき言ってた事と関係…あるんだろうね」 狭間という学生によって学校全体に“何か”があった事件。 蒼嶋はそれまでの軽い調子とは違って、この事になると急に押し黙る。 その表情は辛いような怒っているような泣き出しそうでもあるような、 そういった負の感情を詰め込んだような形容しがたい表情をする。 「ちぃちゃんさ、さっき俺が言った話憶えてる?」 「悪魔が如何とかってやつ?」 「そう、それ。 俺はさ…いっぱい、自分でも憶えてない位いっぱいの血に塗れてるんだ」 何かを思い出すように遠い目をしたまま蒼嶋は喋り続ける。 「最初は俺とアキラの奴しか其処には来れなかったもんだと思ってた。 でもさ、俺が殺した奴の腹から見覚えのある校章が出てきた時にすぐに気づいた。 あぁ、あいつらも連れて来られちまったんだなって。 後はハザマの嫌がらせも兼ねた地獄さ。 朝におはようと声を掛けた友達が、妬ましそうな目で見てくるのを俺は叩ききった。 そこそこ綺麗だなって思ってた女の子の頭を拳銃でぶち抜いた。 授業は面倒だったけど嫌いじゃなかった先生を跡形も無く消し炭にした」 淡々と実に淡々と蒼嶋は話す。 その話の内容はまるで貴子が置かれていた状況にそっくりだが、 バトルロワイアルに関わる事にしては矛盾がある。 だけど、それ以上に口を挟む事ができない雰囲気が其処にあった。 「勘違いしないでくれよ、ちぃちゃん。 別に俺が好き好んで皆を殺して周ったっていう話じゃないんだ。 でも、そうするしか無かったって点ではあんまり違いは無いのかもしんないけどさ…」 蒼嶋は色々な物を無理やり押し込んだような複雑な表情で貴子に振り返る。 その表情を見て貴子も一つの決心をつけた。 「そういう意味じゃ、私も一緒かな? 嫌な奴だったけどさ、私も人殺しだし」 新井田の奴はいけ好かない奴だったのは確かだけど、バトルロワイアルという環境に 置かれていなければ殺す事なんかは絶対になかった。 そもそも、そんな異常な空間に置かれた人間が、 過ちを犯さないなんて貴子には考える事もできない。 「ねぇ、シュウはさ、悪魔、悪魔ってさっきからオカルトみたいな事言ってるけど 私も一つ言っても良いかな?」 怪訝そうな様子の蒼嶋の顔を真っ直ぐに見つめながら貴子が続ける。 「私、死んでる筈なんだよね」 貴子の発言に蒼嶋は完全に間の抜けたような表情になっている。 実際、無理も無いと貴子も思う。 自分自身ですらその現状を理解できないでいるのだから。 「えっ? じゃあ、何? ちぃちゃんはゾンビだとでも言うの? 俺の知ってるのはもっとスプラッターって感じなんだけど」 蒼嶋の素っ頓狂な質問もある程度予測はついていたが、 実際に言われると腹が立ってくる。 「五月蝿いわよ! 私だって何がなんだか分かってないんだから!」 「いや、ごめんごめん…いや~、そうかぁ、ちぃちゃんって実はゾンビだったのかぁ。 あ、でも俺も三途の川をリアルに渡りかけたことあるぜ? 爺に止められたけど」 蒼嶋の調子はすっかり戻っているようだが、 そのテンションが逆に覚悟を決めて打ち明けた貴子の癪に障る。 「知るか、馬鹿!!」 吐き捨てるようにそれだけ言うと貴子は近くにまで見えてきたモールに向かって走り出す。 周辺には人の気配もない事と知らず知らずの内に蒼嶋のペースに乗せられている事で、 自然と緊張が解けている事に彼女は気づいてはいない。 「あっ、おい! ちょっと待ってって、ちぃちゃん。 流石に一人で行くのは拙いって!」 蒼嶋も慌てて走り出す。 それを振り向いて確認し、 少し大人気なかったかと考えながらモールの方に向き直った時、 貴子の視界にふらりとモールから出てくる人影が見えた。 その人影との距離は50m以上は離れている。 貴子もモールから漏れる明かりにその人物が照らされていなければ、 更に接近するまでは気が付けなかっただろう。 その程度の認識しか抱けない筈の人影なのに自然とその場で足が止まってしまった。 追いついてきた蒼嶋もその人影に気づいたのか、 貴子を庇うようにして前に出る。 モールの人影も貴子達に気がついたのか、姿勢が完全にこちらに向いている。 「…マジぃな」 それだけを呟いた蒼嶋の表情からは軽さが取り払われ、堅くキツイものへと変じていく。 彼はデイバックから逆刃刀を取り出し、ゆっくりと抜き放つ。 貴子には唐突に蒼嶋がこのような行動に出た理由が理解できなかった。 蒼嶋に突き飛ばされて、その光景を仰ぎ見るまでは。 「…いやいや何処の何方か存じませんが、 いきなり失礼じゃありませんか、若白髪のオニーサン?」 あくまで蒼嶋らしい軽口を叩くが、その視線の先には突如として現れた人影が 蒼嶋と全く同じ形状の刀を打ち据え、蒼嶋がそれを逆刃刀を横に構え上段で受け止めている。 貴子は突き飛ばされて尻餅をついた姿勢のままモールに慌てて視線を移す。 そこに先程までの人影は無かった。 そうすると、今目の前にいる人物は50m以上の距離をほんの数秒で駆け抜けてきた事になる。 それは貴子が陸上に懸けてきたもの全てを嘲笑うかの様な現実である。 「離れろッ! ちぃちゃん!!」 蒼嶋の声に貴子は現実に引き戻される。 その声に従うように貴子はすぐさま立ち上がり、鍔迫り合う二人から距離を置き、 改めて襲撃者の姿を確認する。 サングラスを掛けた白髪のそこそこ整った顔立ちの青年。 但し、その視線だけはどぎつく貴子を捉えている。 それは性の対象として捉えているような生温いものではなく、明確な殺意。 それに気づいた時に貴子の全身から鳥肌が立つ程のものである。 「おいおい、俺のことを無視しないでくれ…ウゴォッ!?」 白髪の青年は蒼嶋には一瞥もくれずに鍔迫り合いの体勢から蒼嶋の腹部を蹴り上げると すかさず体勢の崩れた蒼嶋を自身の携えていた刀の柄で殴りぬける。 殴り飛ばされた先ですぐに立ち上がろうとするが、 腹部から込み上げてくる嗚咽感に耐えられず、 その場で吐き出す蒼嶋を尻目に白髪の青年、雪代縁は貴子の傍へと近寄っていく。 逆刃刀の刃先を貴子の方に向けると刃と峰が逆になったその刀の刃が向くように持ち直す。 「お前に用がある」 襲撃者が始めて発した声に貴子は身構える。 その姿は一見すれば、何処かのモデルのような細く、 だが鍛え上げられている肉体と本人の整った顔立ちと白髪も合って、 人によってはすれ違った時に思わず振り返ってしまうような容姿だが、 貴子を捉えて離さないその視線は明らかに常軌を逸している。 「姉さんの為に死ね!」 「…ッ!」 意味の分からない言葉を発して切りかかってくる縁の斬撃を 身構えていた事もあって、かろうじて貴子は対応する事ができた。 いや、例え避けなかったとしてもそれは貴子に届く事は無かったのだが、 むしろ避けた事は逆効果にしかならなかった。 転がるようにして縁の側面に逃れた貴子を逃さぬように縁の肘撃ちが貴子の後頭部に当てられ、 意識が一瞬失われて倒れ伏す。 (やられる!?) 眩む意識の中で貴子はそう感じ取るが、その瞬間は一向に訪れない。 蒼嶋が助けに入ってくれたのかと痛みと歪む視界の中で仰ぎ見たのは異様な光景。 何かをされた訳でもないのにその場で嘔吐する縁の姿。 蒼嶋も意味が分からずに唖然としているようだった。 「馬鹿なッ! さっきはやれたんだ、なのに何でッ!? 教えてくれ姉さん!!」 貴子は意味は分からずとも叫び身悶える縁から今のうちに逃れようとするが、 軽い脳震盪を起こしている身体は思うように動かせず、 じりじりとほんの少しその場から動いた程度である。 それに気づいた縁が再び貴子を逃すまいと動くが、 今度こそ蒼嶋が割って入る。 「女性は優しく扱うもんだって、知りませんかね、オニーサン?」 「…邪魔だッ!!」 縁とは違って逆刃刀を持ち替えることはせずに蒼嶋が放つ横薙ぎの斬撃を受け止め、 縁は先程と同じように蹴りを放つが、今度は蒼嶋が肘で受けると意趣返しとばかりに 縁に頭突きをお見舞いする。 「…痛ってぇ~、何つぅ重い蹴りだよ」 痺れる腕を軽く振るって、構えなおす蒼嶋。 「………」 縁は無言のまま鼻に軽く親指を当てて鼻血を拭うと、正面から蒼嶋を見据え、 逆刃刀を右手に順手で持つとまるで地に伏せるように低く低く構える。 「哈亜亜亜亜亜! 戰 嵐 刀 勢 !!」 そして次の瞬間にはまるで独楽のように廻りながら 凄まじい速さで蒼嶋に向けて連続切りを放ってくる。 「ちょ、何じゃそりやぁああぁッ!!」 何撃かを辛うじて捌いても次々と繰り出される 斬撃に次第に蒼嶋の身体に傷が刻まれていく。 「…チックショッ!」 捌ききれないと察した蒼嶋は強引に身体ごとぶつけて回転を止める。 だが、縁はその蒼嶋の顔面を掴むと華奢な身体からは想像もつかないような剛力で 頭から地面に叩きつけた。 「ガッ…!!」 「そのまま其処で寝ていろ、そうすれば見逃してやる」 蒼嶋に対して最初から興味も無いように言い放ち、 縁は貴子の方へと向かおうとするがその足首を掴まれ止められる。 「馬鹿が、なら死……!?」 縁が言い切る前に身体を襲う違和感。 ふわりと身体が浮きあがる。 片手で掴んでいるだけの蒼嶋に足首だけでなく身体全体が持っていかれ、 背中から地面に叩きつけられる。 「ドォオラァァッ!!」 蒼嶋は立ち上がると片手で縁の身体を宙吊りにし、勢いのままに放り投げる。 咄嗟に宙空で体勢を立て直した縁は砂埃を立てながら着地する。 弾みでデイバッグが地面に落ちるが気にせずに蒼嶋を睨む。 「何だ…お前!?」 縁は動きからして素人の蒼嶋を小虫程度にしか認識していなかった。 だが、先程の力は唯の人間では考えられない異常なもの。 「見逃すだぁ? あんま調子くれてんじゃねーぞッ!」 蒼嶋が怒声を張り上げるのと同時に、その背後におぼろげな影が現われる。 縁にはその影が意味するものを理解する事はできなかったが、 それこそが蒼嶋が狭間が用意した魔界が霞む程の悪魔が跋扈する幽閉の塔を 登りきり、狭間を打倒する事が出来た力。 ガーディアン。 悪魔の力をその身に宿し、我が物とするものだが、 様々に存在するそれらの中でも蒼嶋が得た者はその中でも特に高位のもの。 破壊神マサカド。 朝廷に仇なした大怨霊にして、帝都の守護神。 畏怖と崇拝を受け、日本の神へと祭られた武士。 その姿が光となり、蒼嶋と一体化する。 蒼嶋は大きく息を吐き、呼吸を整えて縁を睨みつける。 「こっからが本番だ! 逃げんなら今のうちだぞ!?」 そういって駆け出した蒼嶋の姿に変化は無い。 相変わらず大振りに振るわれる蒼嶋の斬撃を軽く受け流そうとして、 その両腕は刀ごと弾き飛ばされた。 「…何!?」 縁とて常人であるならば敵わぬ程の膂力の持ち主であるのに関わらず、 それを遥かに凌駕する程の暴力。 触れただけで吹き飛ばされる、それは謂わば破壊の塊。 縁が痺れる腕を意識する間も無く蒼嶋の追撃が襲う。 下手に受け止めれば防御ごと弾かれ、近寄れば掴まれる。 そのような理不尽なまでの暴力に縁は回避に専念するしかなくなる。 「嘘……何よ、あれ?」 痛む頭を押さえながら、貴子は次第に遠ざかる二人を目で追いかけていた。 縁の身体能力も貴子にしてみれば異常であるが、 蒼嶋のそれはもっと異常である。 蒼嶋から現われた何かを貴子も目撃している。 そして、それが蒼嶋に戻ってからの異様な怪力。 先程までは縁に翻弄されていた蒼嶋が今度は一方的に攻め立てている。 その光景に蒼嶋が度々口にしていた【悪魔】という単語が脳裏を過ぎる。 「まさか…シュンもそうだっていうの?」 考えてみれば貴子は蒼嶋の事を殆ど知らない。 彼はさっき意図的ではないにしろ、 級友や教師を自分で手に掛けたと明言している。 それも今の蒼嶋の異常な力に関係しているのか? 様々な憶測が次々に過ぎるがどれが正しいのかは貴子には判断できない。 それは同時にジワジワと貴子の中で疑惑の念を募らせていく。 「オラァァッ!!」 蒼嶋の一撃が遂に縁を捉え、縁は受身も取れずに吹き飛ぶ。 「そのまま其処で寝ていろ、そうすれば見逃してやる…ってな」 勢いのままに地面に線を残し、 砂埃の中に消えた縁に蒼嶋は啖呵を切ると まだ立ち上がれずにいる貴子の元へ駆け寄ってくる。 「大丈夫か、ちぃちゃん!?」 そう言って差し出された蒼嶋の手に貴子が身を竦める。 その貴子の目は蒼嶋をはっきりと“異物”として捉えている。 貴子の様子に蒼嶋は少しだけ哀しそうな顔を浮かべ、 差し出した手を引っ込めるとその手で頭を掻き毟る。 「やっぱ、そうなるわな…ちぃちゃん、俺の事は信じてくれなくてもいい。 それでも俺がここは何とかするから、さっさとここから逃げるんだ」 それだけを告げて、蒼嶋は縁の方に向き直ると駆け出していく。 その姿を見て、貴子は自分が蒼嶋にしてしまった事の意味を悟る。 拒絶。 自分の身を挺して庇ってくれた蒼嶋に対してだ。 「冗談じゃないわよ…私、借りばっか作ってんじゃない。 何様のつもりになってるのよ!」 頭は痛む。 無理に立とうとした膝が嗤い、へたり込んでしまう。 それでも貴子は唇を噛み締めて立ち上がる。 彼女のプライドが逃げる事を許さない。 『自分が理解できない者は認めない』 そんな自分が見下してきた者と同類になる事を彼女の強靭な意志が認めない。 デイバックからブラフマーストラを取り出し、 貴子もまた蒼嶋達を追いかけた。 「…おいおい、嘘でしょう」 蒼嶋が先程縁を吹き飛ばした地点に戻ってきた時、 砂埃が晴れた其処に縁は当たり前のように立っていた。 ダメージが無い筈は無い。 見れば蒼嶋が付けたものとは別の傷が左肩から血を噴出している。 見ている者の方が痛いと思う程の傷を意にも止めないその姿。 「ターミネーターですか、マジで?」 自分が相手をしている者もまた自分同様の“異物”だなと蒼嶋は自嘲する。 「お前のその力が何なのかなんて俺には興味が無い。 だが、俺もお前に見せてやる、姉さんの為に与えられた力をッ!」 縁が軋むほどの力を全身に込めると、 その姿に徐々に太い筋が全身の到る所に刻まれていく。 そして、全身の異常発達した神経を露にする。 「覇亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜ッッッッ!!!」 縁の雄たけびに蒼嶋は迎え撃とうとするが、 蒼嶋の視線の先に縁は既に存在しない。 蒼嶋がその意味を理解する前に縁の拳が顔面に叩き込まれる。 痛みを身体が脳に伝える前に叩き込まれる拳の連撃。 倒れこむ蒼嶋の鳩尾に逆刃刀が突き立てられ、 強引に持ち上げられる。 「 轟 墜 刀 勢 」 そのままに放り投げられ、地面に叩きつけられる。 縁によって繰り出されたその一連の流れを蒼嶋は殆ど捉える事ができなかった。 血反吐を吐き、逆刃刀に持たれかかる様にして蒼嶋は立ち上がる。 「ターミネーターな上に世界ビックリ大人間かよ、本当勘弁して…」 純粋な力だったのなら蒼嶋の方が上だっただろうが、 反応速度が完全に追いついていない。 あの異常な神経が浮き出した後の縁の速度もまた、 常軌を逸している。 力と速さ。 常軌を逸した者同士の戦い。 だが、その結果は自ずと見え始めていた。 蒼嶋の攻撃は全て縁を捉える事は出来ずに虚空を空しく斬るだけ。 だが、縁の攻撃は確実に蒼嶋の身体を刻んでいく。 それも一発一発が非常に重い一撃を、である。 ものの数分で蒼嶋の顔面は無様に膨れ上がり、 全身に切り傷を刻まれる。 息も絶え絶えな蒼嶋とは違い、縁に新しい傷は無い。 それでも蒼嶋は何度でも立ち上がり、縁が貴子の元に向かわないようにする。 「…如何した? 掛かって来いよオニーサン…俺はまだ絶好調だぜ? なんせ可愛い子に振られたばっか何でな」 蒼嶋の虚勢など元より気にしてはいなかったが、 気づけば先程までの場所からはいつの間にか、 かなり離れた場所に誘導されている。 「チッ! 時間稼ぎカ、してやられたよ」 あの女は既に逃げてしまっただろう。 すぐに追いかければ追いつくのも容易いだろうが その前にする事ができた。 「お前、ムカつくよ。 あの女より先にお前の血でこの刀を染める!」 「不殺」を汚すと言う意味では女を殺す事よりは意味が薄れるが それでも抜刀斎を生き地獄に叩き落すのに一枚は噛むだろう。 逆刃刀を左手に逆手で持ち、低く沈み込み、 雪代縁必殺の構えを取る。 虎が獲物を狩る前に低く沈み込むように。 妙な構えで動きの止まった縁に対して蒼嶋は最後の賭けに出る。 この機を逃せば蒼嶋に再び縁を捉える事は叶わない。 あの構えに何かあるのは間違いないが、玉砕覚悟で突っ込むしかない。 蒼嶋も力を振り絞り、逆刃刀を構える。 「ォォオオオオッ!!」 「覇亜亜亜亜亜亜亜ッ!!」 二振りの逆刃刀が交錯し、一振りだけが宙を舞い、地面に突き刺さる。 蒼嶋渾身の一撃はより深く沈みこんだ縁の頭上を掠め、 「 虎 伏 絶 刀 勢 !!!」 蒼嶋には大地と刀の反動を利用した神速の斬撃が叩き込まれた。 蒼嶋の持つ逆刃刀が地面に突き刺さるのと同時に、 蒼嶋もまたその場に倒れ臥す。 だが、その様子を憎憎しげに縁は見つめている。 「チッ!…斬り損ねたカ」 本来なら倭刀を用いる縁の剣術だが、 今はそれとは形状の異なる逆刃刀による虎伏絶刀勢だった。 注意はしていたつもりだったが、 刀を逆手に持った際に峰の向きを直していなかった。 ゆえにそれは斬撃としてではなく打撃として蒼嶋に与えられた。 致命傷だった筈の一撃で蒼嶋は辛うじて一命を取り留めた。 だが、それでも重傷には変わりは無い。 放って置いてもいずれ死ぬだろう。 「まぁいい、男の血で染めたって姉さんは喜ばない」 貴子を追跡しようとした縁の歩みが止まる。 動けないと思っていた筈の蒼嶋がまた縁の足首を掴んで止めている。 「…ま…だ…まだ…俺は…やれる…つーの…」 その力は縁を掴み上げた時とは違い、 弱弱しく正に悪足掻きといった風体である。 「……いいだろう、殺してやるヨ」 縁が逆刃刀を持ち替えて、振り上げる。 それを蒼嶋の首筋に合わせて振り下ろそうとした時、 空気を切り裂く音と共に何かが縁に向かって飛んで来た。 身を捩って交わし、逆刃刀は狙いを外して地面に刺さる。 「何ダ!?」 何か閃光のような物が縁を掠めていった。 閃光が放たれた方に縁が振り向いた時、 その先に貴子がブラフマーストラを向けて立っていた。 「来なさいよ、この白髪野郎! アンタなんか私が否定してあげるわ!!」 言うが否や素早く駆け回りながらブラフマーストラの引き金を引く。 放たれた数発の閃光は高速で縁に向けて突っ込んでいくが、 その悉くを縁は最小限の動きで容易く回避し、 貴子に向けて突進してくる。 それでもめげずに貴子はブラフマーストラの引き金を引き続ける。 だが、既に何発もの閃光が縁により回避され、徐々にその距離を縮められていく。 縁との距離が肉薄し、今にもその腕が届きそうな距離にまで詰められた時、 苦し紛れに引いた引き金はそれまでは2~3発の閃光を放っていた ブラフマーストラから7発の閃光を撃ち出した。 (これなら、いくらなんでもこの化けモンでもかわせない筈!) 閃光が縁に直撃する。 貴子にはそう見えていた。 だが、閃光はそのまま通り過ぎて行き、 後には地面に突き刺さった逆刃刀だけが残されていた。 「えっ? 消えた?」 不意に貴子の頭上が暗転し、上空から飛来してくる影。 それが何かを理解する前に貴子は口を掴まれて押さえつけられた。 すぐにブラフマーストラを上空から襲ってきた縁に向けようとするが、 腕を払われ、ブラフマーストラは地面を転がっていく。 「逃げていればいいものを馬鹿な女ダ。 …あぁ、そうか、これも姉さんが僕のためにしてくれた事なんだね?」 縁が狂気を湛えた眼で虚空を見つめながら呟く。 その間も貴子は縁の腕から逃れようと必死に暴れているが全く意に介していない。 「さぁ、今度こそ人誅の為に」 そう言いながら縁は地面に突き刺さった逆刃刀を引き抜き、 「死ね」 その刃を貴子に向けて振るう。 思わず眼を瞑る貴子だが、先程も追い詰められた時と 同じように一向に貴子にその死の気配は訪れない。 恐る恐る眼を開けた貴子はデジャヴを感じてしまう。 「オゥウェエッ!!」 顔色を変えて嘔吐し、その場に突っ伏す縁の姿。 疑問は確信へと変わる。 (やっぱり、こいつ女は殺せない?) そのような人間が何故女を殺す事に拘るのか? そんなものは貴子の知った事ではないが、 このままでは状況は変わらない。 例え一時動きを止めた所で、すぐに回復するし、 貴子が何発ブラフマーストラを撃とうが縁には当たらない。 縁も貴子を殺す事はできない。 ただの泥沼を延々と繰り返す事になってしまう。 (何か…何か無いの? じゃないとアイツが…) 焦燥する意識の中で思い立ったように貴子は自分のデイパックの中を漁る。 ここに来る前に貴子は地面に落ちていた縁のデイパックの中から 荷物を手当たり次第に自分の物に移し変えていっている。 時間が無かったので使える物かどうかすらまともに確認していなかった物の中に 何か活路は見出せないか賭けたのである。 だが、貴子が掴みだした物は一本のロープである。 「何これ? 何でこんな物が入ってんのよ!」 貴子が怒りをぶつけて地面にロープを叩きつける。 「他に、他になんか無いの?」 再びデイパックを漁ろうとした貴子の視界の隅でゆらりと動く影。 状態を取り戻した縁が立ち上がろうとしている。 すぐに貴子は縁によって飛ばされたブラフマーストラを拾い上げようとするが、 その前に縁が立ちはだかる。 「ハァ…ハァ…マダだ、何度でもオレは繰り替えしてみせる、姉さんの為に!」 「出来るもんならやってみなさいよ、このシスコン野朗! やれる度胸も無い癖にッ!」 縁への恐怖が無い訳ではない、今でも身体は震えている。 それでも引く事は出来ない。 「亜亜亜亜亜亜亜ッ!!」 縁の悪意が貴子に向けられる。 その時、地面に投げ捨てられたロープが まるで鎌首を上げた蛇のように動いた。 シュルシュルと音を立てながら蛇を模倣するように地面を滑り、 縁へと飛びかかる。 意識を完全に貴子に向けていた縁は不意をつかれ、 ロープに胴ごと両腕を縛り上げられる。 「…なッ!?」 縁が驚きの声を上げる。 だが、それは貴子も同様で何が起きたのか理解できなかった。 貴子が縁のデイパックから移した物の中に含まれていたロープ。 正式な名称は「いきてるナワ」。 錬金術によって作り出された文字通り生きている縄である。 それは所持者に対して危害を加えた者を自動で飛び出し縛り上げてくれる。 それを貴子は知らなかったが縁の殺意はいきてるナワが動くには充分なものだった為、 縁を縛り上げてくれたのである。 唖然としていた貴子も正気を取り戻すと、 縄を解こうともがく縁をすり抜け、ブラフマーストラを拾い上げ縁に向けて放つ。 「チッ!!」 両腕を拘束されたまま地面を転がるようにして、 縁は閃光を避けるが形勢の不利を悟る。 「………」 怨念の篭った眼で貴子を睨みつけると踵を返して逃走を始める。 逃すまいと放った閃光も悉くを回避され、 縁の姿は白み始めた闇の中へと消えた。 「逃げられた…そうだ、シュンは!?」 慌てて倒れ伏す蒼嶋に駆け寄り、助け起こす。 「…アレ? …ちぃちゃん、逃げたんじゃなかったの?…」 「五月蝿い! いいからさっさと私の肩に掴まってよ、どっかで治療するから」 蒼嶋の肩を支えて一緒に立ち上がる。 いくら陸上で鍛えてるとはいえ貴子の身体に男一人の体重は中々に重く圧し掛かるが、 貴子はそれを表情には出さない。 「…良いのかよ…ちぃちゃん…折角の…化け物と…別れるチャンス…だぜ?」 このような状態でも軽口を叩く蒼嶋の顔を正面から見据え、 「言ったでしょ、私も一回死んでるの。 だから私も化け物、これでおあいこさま!」 はっきりと貴子は蒼嶋にそう告げた。 「…ハハッ…本当…強いな…ちぃちゃんは…」 そういって項垂れた蒼嶋の頬を一筋の涙が伝って落ちた。 【一日目早朝/H−3 西側】 【雪代縁@るろうに剣心】 [装備]:逆刃刀・真打@るろうに剣心 [所持品]:無し [状態]:左肩に刺し傷、両拳に軽症、いきてるナワによって両腕を拘束 [思考・行動] 1:逆刃刀を使って、女を殺しまわる。 2:抜刀斎に会ったら、血塗れの刀を投げつける。 [備考] ※殺し合いを姉が仕掛けた夢だと思っています。故に女殺しの弱点を克服できれば、それで終了すると思っています。 ※ぶっちゃけ、姉と抜刀斎以外のことはあまり考えていません。抜刀斎も人誅まで殺すつもりはありません。 ※縁に巻きついているいきてるナワは時間経過で粋が悪くなって緩みます。 ※縁がどの方角に逃げたかは次の書き手の方にお任せします。 【蒼嶋駿朔(男主人公)@真女神転生if…】 [装備] 逆刃刀@るろうに剣心 [支給品] 支給品一式、どんと来い超常現象全巻セット(なぜベストを尽くさないのか付)@TRICK、スイカ(残り4玉)@スクライド [状態] 重傷(自力歩行が不可能な程) [思考・行動] 基本 ブイツーだかなんだか知らんがムカつく野郎はぶっ飛ばす。 0 …死にそー。 1 千草と行動。ルルーシュかセクシー姉ちゃん(C.C.)を探す。 2 狭間は相変わらずの様子ならもう一回ぶっ飛ばす、つーか刺す。 3 一緒にブイツーだかをぶっ飛ばす仲間を集める。 【千草貴子@バトルロワイアル(小説)】 [装備] ブラフマーストラ@真女神転生if、鉈@ひぐらしのなく頃に [支給品] 支給品一式×2、織田のバイオリン@バトルロワイアル、 庭師の鋏@ローゼンメイデン、未確認支給品(0~1) [状態] 健康 [思考・行動] 基本 殺し合いに乗るつもりはない……? 0 シュンの治療をする。 1 シュンとひとまず行動。ルルーシュ、蒼嶋の言うセクシー姉ちゃん(C.C.)を探す。 2 三村と合流するべきか? [備考] ※本編死亡後より参戦。 ※縁のデイパックの中身を自分の物に移し変えています。 時系列順で読む Back 悪徳の栄え Next 寝・逃・げでリセット! 投下順で読む Back 悪徳の栄え Next 寝・逃・げでリセット! 051 LOST COLORS 雪代縁 086 夢と現と幻 056 仇敵 蒼嶋駿朔 089 嗚呼、青春の日々 千草貴子
https://w.atwiki.jp/222seihaisensou/pages/37.html
日付が変わると同時、ある程度見慣れつつあった街並みは一変していた。 夜にあってもネオンの光が絶えず、眠らない街という形容が似合う東京はもうそこにはなかった。 代わりにあったのは、それまで私が見知っていた街だった。 「冬木……?ここが本選の舞台になるの?」 まさか、という驚きとやはりか、と納得する、相反する感情が混在していた。 聖杯戦争とはその名の通り聖杯を巡る殺し合いであり、私はその光景を嫌というほど知っている。 何故なら元いた世界においての聖杯とは私自身のことなのだから。 その舞台をこの月に再現するというのは実際理に適っているのかもしれない。 一応家の中で何か変わったことがないか調べてみるといくつか変化があった。 まず私の両親とされている人(NPCだろう)は海外出張をしているという設定になっていて、週に何度か家政婦の人が来るようだ。 生活費用は毎月振り込まれていて、次はあと二日後に振り込まれるらしい。 金額を見た限り、無駄遣いをしすぎれば生活に支障をきたす程度には一般的な家庭をイメージされて用意されているようだ。 もう一つ、本選でも私には月海原学園初等部の生徒という小学生としての立場が与えられている。 人が多いという安全性と、マスターであることがばれないように普通の生活をするというメリットを考えれば学校には行くべきなのだろうけど――― 「サファイア、私は学校には行かない」 「よろしいのですか?もし学園にマスターがいれば……」 「わかってる、でも行けば無条件で安全が買えるわけじゃない。 …それに、どんな顔をして学校生活をすれば良いかわからない。 一応学校には病欠で休むと連絡はする。怪しまれはすると思うけど無断欠席よりはずっと良い」 人を殺すことを決意した身で平常心を保ったまま学生生活を送れると思えるほど私は自分の演技力に自信を持っていない。 それに、学園は確かに人の多さから戦闘は起こりにくいけれどそれも絶対というわけじゃない。 アサシンのサーヴァントなら人目を縫って暗殺を行うのはそう難しくない。 力ある魔術師なら時間帯や状況次第で人避けの結界で戦える場所を作り出すことも出来る。 学校に行くこと自体が大きなデメリットにもなるのなら無暗に動かない方がまだ良い。 「今のうちにバーサーカーに実戦経験を積ませておきたい。 やっと視界共有と制御にも慣れてきたから、もう次の段階に進まないと」 「わかりました、では転身を」 一月近い予選期間の中、幸か不幸か私とバーサーカーが戦闘を行うことはなかった。 他のマスターから仕掛けられることがなかったというのもあるけれど、それ以上に頭を悩ませる問題があった。 バーサーカーの感覚器官は極めて鋭敏であり数キロ以上先の微かな音すら拾うことができる。 けれど鋭敏すぎる感覚を十分に制御できていないせいかバーサーカーの挙動はどこかぎこちない。 人間の姿をとっていればそうでもないけど変身するとどうしても不自然というか、慣れていない動きになってしまうようだった。 加えて、私が彼の視界を借りる視界共有を行うと決まって鋭敏すぎる視覚に私自身がついて行けないという思わぬデメリットがあった。 魔力供給の関係で私が全く戦えない以上、この問題を放置することはできなかった。 そのためこの一か月近くのほとんど全てを視界共有の訓練とバーサーカーの制御に充てていた。 訓練の甲斐あって最近ようやくバーサーカーの視覚にも慣れてきた。 令呪を受け入れて現界するのがサーヴァントシステムであるからか、バーサーカーも私の命令に反するようなことはなかった。 本選が始まってついに私達の戦う準備は整ったと言える。 「行って」 指令とともにバーサーカーが実体化し、黒の四本角の戦士へと変貌した。 予め開けておいたベランダの窓から勢いよく跳躍し夜の闇へと消えていく。 同時に私も集中し、彼と視界を共有する。 私達の聖杯戦争の、始まりだ。 ◆ ◆ ◆ 深山町北部の住宅街、ある民家の屋根の上に一人の女がいた。 セイバーのサーヴァントとして招聘された妖魔を狩る戦士、微笑のテレサである。 セイバーは予選会場とは一変した世界を眺めながらいつものように哨戒を行っていた。 幼いマスター、黒鳥千代子は今は眠っている。元よりそういう時間帯だ。 妖気探知による索敵を行いながら、セイバーは何とはなしにある予感を抱いていた。 「さて、どれだけの連中が動くかな……」 各会場から本選会場に生き残ったマスターとサーヴァントが集まったこの時間。 何らかの動きを見せる者が必ず相当数いるはずだとセイバーは踏んでいた。 とはいえセイバーはこの時点で派手な動きを見せるつもりなどない。 当初の予定通り、情報収集に専念し戦闘は降りかかる火の粉を払う時だけと決めている。 千代子からの供給は細いが決して途切れることはない。 逆に言えば短時間での魔力の浪費は厳禁ということ。 本選が始まったとはいえ、この序盤から無理をするという選択肢はセイバーにはない。 しかし、そんなセイバーの計画には早くも綻びが生まれようとしていた。 「……どうしてばれた?」 感知範囲に入った一つの巨大な反応がまっすぐこちらに向けて進んできている。 偶然と捉えるには敵の動きに迷いがなさすぎるし進行方向がひどく的確だ。 気配遮断能力を持つセイバーだがこうなれば自身の存在は既に察知されていると判断すべきだ。 「川を越えさせるわけにもいかないか」 現在敵は新都を進み深山町を目指している。 ここで迎撃するのも一つの手ではあるがそうなれば千代子を起こすことになる。 万一パニックを起こされてはたまらないし、敵に自分のマスターの姿を見られることも避けたい。 とすれば敵マスターの奇襲を警戒しつつどこか適当な場所でサーヴァントを迎え撃つのが吉か。 「ならあそこだな」 迷わず屋根から跳躍し、見遠川をも一跳びで越えて新都エリアへ入る。 向かう先は視界に移った新都北部、倉庫エリアだ。 ◆ ◆ ◆ 「よう、サーヴァント。中々個性的な面構えじゃないか」 倉庫街の開けた場所でセイバーは誘い込んだ敵サーヴァントの姿を視認した。 全身を黒い甲冑に包み身体の各所には血管のように金色の縁が走っている、四本の角に暗く濁ったような複眼が印象的なサーヴァント。 白を基調とするセイバーとはちょうど正反対の色合いだ。 隠そうともしない獣の如き唸り声が敵がバーサーカーであることを明瞭に示している。 当然バーサーカーはセイバーの言葉に応えるはずもなく、一直線に突進を仕掛けてきた。 百メートルを一秒で駆け抜ける埒外の俊足は並のサーヴァントなら逃げることさえ許されないだろう。 そのまま繰り出された八十トンもの威力を誇る拳は並の敵手なら一撃で砕いてみせるだろう。 しかし。 「おっと、いきなりか」 どんなに強大な威力を秘めた拳も当たらなければ何も意味を為さない。 剣は抜かず、微笑を浮かべたまま紙一重でバーサーカーの拳打を躱し続け、触れることさえ許さない。 遮二無二拳を振るうバーサーカーは完全に翻弄されていた。 ふと、セイバーが背中に背負った大剣(クレイモア)に手を掛けた。 それとほぼ同時、バーサーカーを四十以上もの斬撃が襲った。 セイバーが一瞬のうちに放った幾重もの斬撃、一部の戦士が扱う高速剣と呼ばれる技だ。 そこらの妖魔なら気づいた瞬間に細切れと化すほどの超高速の絶技である。 「………!!」 「へえ、効かないか。随分と分厚い甲冑だな、それ」 凄まじき戦士と化したクウガ・アルティメットフォームが纏う生体甲冑の強固さは並のサーヴァントの比ではない。 高速剣の全てが直撃しているとしても、バーサーカーにとっては無に等しい攻撃でしかない。 そればかりか高速剣が命中したという事実そのものが存在していなかったかのように平然と拳を振るい続けていた。 だが、変わらずバーサーカーの攻撃を回避し続けるセイバーの微笑みは崩れる気配を見せない。 何故ならバーサーカーの弱点は既に看破しているからだ。 「そらっ」 バーサーカーの隙を突いて放った突きが大腿部を捉え、鮮血が噴き出る。 僅かに怯んだバーサーカーに容赦なく追い打ちを仕掛け、二の腕や脇腹に突きや斬撃を見舞った。 生体甲冑に覆われていない部分であれば格に劣るセイバーの大剣でも傷をつけることは十分に可能だ。 バーサーカーも狙いを察し防ごうとはするがセイバーの剣舞にはついてこれていない。 やがてバーサーカーの単調な挙動を見咎めたセイバーの痛烈な一撃がバーサーカーの左腕を斬り飛ばした。 「どうした、立派なのは見た目だけなのか?」 何故ステータスで劣るはずのセイバーがここまでバーサーカーを圧倒できるのか。 その理由の一つはセイバーの宝具「妖気探知」にある。 妖気を探知する能力そのものはクレイモアの戦士なら程度の差はあれ誰でも有している。 しかし微笑のテレサのそれは他の戦士とは次元の違う精度を誇り相手の一挙手一投足さえも容易に見切る。 そこにナンバー1の戦士としての技量が加わることによりセイバーのサーヴァントの中にあってトップクラスの白兵戦能力が備わっているのである。 クレイモア最強の戦士としての伝承こそがテレサがアサシンでなくセイバーとして現界した所以だ。 (しかしこいつの動き、どうも妙だな。 私の動きを目で追うことはできてるようだが身体が反応しきれていない。 かといって反応速度やスピードが鈍いってわけでもない……まさかとは思うが) 口では挑発するような言動を繰り返しながらも冷静にバーサーカーの戦力を分析する。 セイバーの見立てではバーサーカーは自分と同等の感知能力を持っている。 そうでなければ気配を絶っていた自分の存在を新都から察知できるはずもない。 そしてセイバーと同等の力であれば当然相手の挙動を見切ることも可能なはずだ。 だが実際にはバーサーカーはセイバーに触れることもできず、翻弄されるばかり。 (私とこいつに違いがあるとすれば恐らく錬度だろうな。こいつは明らかに自分の力を制御できていない。 こいつ自身が未熟なのかバーサーカーになっているから制約がついているのかはわからないが…。 まあいい、どのみち厄介な敵は落とせる時に落とした方が良い) 時間にして僅か数秒の思考を打ち切り、バーサーカーにとどめを刺す決断を下す。 実際には敵マスターの令呪に阻まれる可能性も低くないがそれはそれで構わない。 悪くとも相手の切り札を一つ削ぎ落とせるのだから不本意な遭遇戦の報酬としてはちょうど良い。 (バーサーカーの装甲は確かに脅威だが人体の構造上全てをカバーすることなんて不可能。 だとすれば狙うなら首か、全身に魔力を行き渡らせているあの妙なベルトだな) 大剣を抜き、バーサーカーを葬り去る算段をつけたまさにその瞬間。 猛烈な勢いでこちらに迫るサーヴァントの反応を検知した。 時間を掛けてしまったために他のサーヴァントをも呼び寄せてしまったようだ。 「ぬぅおおおおおおおおおおお!!!!」 暑苦しさしか感じられない雄叫びを上げながらセイバーとバーサーカー目掛けて爆走する影が一つ。 両手に朱槍を一本ずつ携え赤い鉢巻に赤いライダージャケットを纏った青年。 燃え滾る炎をそのまま人の形に収めたようなサーヴァントはちょうどセイバーとバーサーカーと正三角形になる位置で立ち止まった。 そして、勢いよく右手に持った槍を掲げ大音声でこう告げた。 「我こそは、真田源次郎幸村!此度の聖杯戦争ではらんさぁのくらすを得て現界した!! 某が望むはこの戦に集う猛者たちとの熱く燃え滾る死闘!! 両名ともさぞ名のある使い手とお見受けした!いざ尋常に勝負ぅ!!!」 「…………………は?」 あのサーヴァントが何を言ったのか、理解するのに三秒の時を要した。 サーヴァントが秘すべき真名を晒した?これほど堂々と? しかもサーヴァントとしての願いまで口にしていなかったか? あまりの事にバーサーカーでさえ呆けたように動きが止まっている。 「うおおおおおお!!英霊の座より、見ていて下されお館様ぁああああああああああ!!!!」 「……はっ!?」 あまりにも大きな衝撃にセイバーが硬直している間にランサー、真田幸村は眼前まで迫っていた。 繰り出された槍撃を咄嗟に躱しバックステップで距離を取る。 それを隙と見たかランサーは距離を詰め猛攻を仕掛けた。 「烈火!!!」 魔力放出による炎を纏った槍のラッシュだが、決して乱雑に繰り出しているわけではない。 数多の戦を経た、真田幸村という一人の武士(もののふ)が生涯をかけて磨き上げた技が詰まっている。 だがそれとて必ずしも全ての敵に通用するわけではない。 「あ、当たらぬ!?」 先ほどのバーサーカーの拳打の比ではない正確さと武錬から繰り出される槍撃もやはりセイバーには掠りもしない。 その神懸かり的な身のこなしはランサーにとって埒外のものであった。 全てを剣によって防がれる、というのならまだ理解できる。 しかし音速の槍衾を純粋な体術のみで躱し続けるなどどれほどの力量を以ってすれば可能なのか。 「お前、私にかかりっきりで良いのか?あっちはもう待ちきれないみたいだが」 「何だと!?―――し、しまった!」 セイバー相手に躍起になっている間にバーサーカーはアマダムの恩恵による再生能力で左腕を含めた傷を治癒していた。 そして今にもランサーをセイバー諸共撲殺せんとばかりに突進し拳を振り上げていた。 咄嗟の反応で二槍を交差させて防いだものの凄まじい威力と重みによって身体が数歩分後退してしまう。 一方セイバーはランサーとバーサーカーを尻目にコンテナへ飛び移り、戦場を離脱しようとしていた。 「じゃあな、後は二人でよろしくやっててくれ」 「に、逃げるのか!?」 追おうとするランサーだがそんなことはお構いなしとばかりにバーサーカーは標的をランサーに絞り襲い掛かる。 殴る、蹴るという原始的かつ単純な攻撃方法だがただそれだけの攻撃がランサーを追い詰めていく。 相手を圧倒する膂力と体格、距離を開かせない瞬発力は容易に対抗することを許さない。 気配探知による先読みを可能とするセイバーには通用しなかったがランサーには極めて有効だった。 「何という剛力…!このままでは……!!」 災害にも等しいバーサーカーの猛攻に耐えながらランサーは己の失策と視野の狭さを呪った。 この異形のサーヴァントを前にして一度でも尋常な打ち合いを、力比べをしてはならなかった。 一度捕まれば最後破滅的な威力を誇る拳打の前に崩壊の時を迎えるまで封殺される他ない。 いや、この敵と対等の身体能力を持っていれば別だろうが今のランサーにそこまでの力はない。 個体性能の違いもあるが、何よりマスターの性能に天と地ほどもの開きがある。 加えて、クロスレンジではランサーの二槍のリーチを活かしきれない。 逆にバーサーカーは素手故のタイムラグのなさで一方的に攻め立てる。 セイバーが打ち合いを避けて回避を重点に置いていたのは自らの力量を誇示するためではない。 力比べをすれば相手のペースに嵌ることを読み切っていたからこそ決して触れさせなかったのだった。 とはいえそれが可能であること自体セイバーが規格外の実力を持つことを意味している。 (だが、初戦からこれほどの強敵に出会えるとは僥倖……!) 一見して、絶望的としか思えない状況と戦力差。 それにも関わらずランサーは笑っていた。 現実逃避をしているのではない。状況を認識できないほど愚かなわけでもない。 むしろ目の前の壁の高さを思い知るからこそより闘志を燃やすのだ。 この壁を乗り越えた時に味わえる達成感は、どれほどのものか。 召喚されたこの世界は、戦乱に明け暮れた幸村の時代と違い平和だった。 文明も食事も人々の営みも随分と様変わりしていたが、かつて武田信玄が目指した泰平の世が確かにあった。 マスターもまた、そんな時代に生を受けて育った暖かみのある女性だった。 予選で敵サーヴァントを探す傍ら、幸村は茜と共に現代の暮らしを享受していた。 仮初だが戦の影など微塵も感じさせぬ平穏に浸っていた。 それを良い世になったと思える反面、心の奥底で「これは違う」と叫ぶ自分がいたことは否定できない。 (お館様と泰平の世を目指しておきながら、俺という男は) この本選で、初めてサーヴァントと矛を交えて改めて実感した。 戦場が、命を懸けるに足る猛者たちとの果し合いの場こそが己の生きる場所なのだと。 生と死の狭間においてこそ血液が、細胞の一つ一つが、魂が滾るのだ。 幸村に限らず、戦国の世を駆け抜けた漢たちが等しく持つどうしようもない性だった。 今相対しているサーヴァント、バーサーカーは強敵だ。 技巧はないが純粋な暴力で全てを捩じ伏せるというある種の真理を体現している。 両腕の感覚は既になくなりかけており、槍も軋みをあげている。 生半なことではこの窮地を脱することなどできまい。 だから覚悟する。己の失策で招いた窮地であるならその代償は自身で払うのみ。 バーサーカーが左腕で繰り出したアッパーカット。 右手に持った槍で防いだ瞬間、槍はランサーの手を離れて宙を舞う。 攻勢に耐えきれず、ついに愛槍を手放した―――風を装う。 (来い!) 生前、多くの戦と修行によって培われた心眼を研ぎ澄ませ好機を生み出す。 理性のないバーサーカーなら見え見えの隙を何の躊躇もなく突いてくるはずだ。 ランサーの予見に違わずバーサーカーは無防備になった右脇腹へ回し蹴りを見舞う。 すかさず衝撃を殺すために上体を逸らし、直後にバーサーカーの蹴りが命中した。 「ぐぅっ……!?」 全てにおいてランサーの計算通りに働いた完璧なタイミングだった。 絶妙な体捌きでダメージを抑えたことに加え、宝具「楯無の鎧」の加護も十分に働いていた。 だがそこまでして尚バーサーカーの蹴りはランサーの肋骨に皹を入れた。 勢いをつけたわけでもない、何の変哲もないただの蹴りがこの威力だ。 しかしランサーにとっては全て織り込み済みであり覚悟していたこと。 「…ぐ、ぉぉおおおおおっ!!!」 ランサーが炎を纏った右腕を振りかぶり、バーサーカーの顔面目掛け強かに叩きつけた。 予想外のカウンターによってバーサーカーは脳震盪を起こしたか仰け反りながら数歩後退する。 宙を舞っていた十文字槍を再びその手に掴み、反撃の好機を逃すことなく今度はランサーが仕掛ける。 「ぉぉおおおお……灼熱ううう!!!」 このサーヴァントを打ち倒すのならば自らの必殺を以ってでなければならない。 ランサーはこの局面まで温存していた宝具の一つ「熱血大噴火」を発動した。 全身に炎を纏ったランサーはこれまで以上の踏み込みでバーサーカーに肉薄すると再び「烈火」を見舞う。 未だ立ち直りきれていないバーサーカーでは十分に迎撃できず、次々と二槍が突き刺さる。 宝具の解放による強化と灼熱の炎の併せ技が堅牢なクウガの生体甲冑に傷をつけていく。 しかし浅い。今のランサーを以ってしても単なる力押しだけでバーサーカーを攻め落とすのは容易ではない。 が、活路はある。攻略法は先ほどセイバーが見せてくれた。 遠目にではあるがセイバーがバーサーカーの腕を斬り飛ばす瞬間は目にしていた。 どれほど分厚い装甲にも必ず隙間は存在しているもの。 「貫けええええい!!!」 ランサーの槍がバーサーカーの右肘を貫き、次の瞬間最大出力で炎を噴射し腕を焼き切った。 甲冑に覆われていない部分を内部から破壊する、ランサーの策が見事に決まった形となった。 ランサーは快心の一撃にも気を抜かずここが勝負所とさらに攻勢を強めようとする。 バーサーカーの身体能力は脅威だが今なら圧倒されはしない。 しかし直後にランサーは驚愕することになった。 バーサーカーが反撃のために振るった左腕、そこから巻きつくように炎が発生していた。 攻撃そのものは二槍を交差させ難なく受けきったもののバーサーカーに後退する隙を与えてしまった。 「その炎…そなたも某と同じ力を持っているというのか?」 当然ランサーの誰何にバーサーカーが答えるはずもない。 しばらく油断なく炎を腕や足に纏い構えていたバーサーカーだが不意に背を向け、猛スピードで逃げ出してしまった。 ランサーが訝しんでいる隙を突いた絶妙のタイミングだった。 「くっ、また逃げられてしまったか……!」 宝具を解除しバーサーカーが去った方向を睨みつける。 追撃しようにもダメージの残った身ではそれも難しい。 「ランサーさん!」 それまで隠れていたマスターである日野茜が走ってきた。 手にはミネラルウォーターの入ったペットボトルがある。 「大丈夫ですか!?全然目で追えないぐらいすごい戦いでしたけど……怪我とかありませんか!?」 「何の、心配ご無用でござる」 実際にはかなりの激痛が走っているが心配はかけさせまいと態度には出さず水を受け取り飲み干す。 それにしばらく休息に専念すれば宝具の効果によって完治する程度の傷なのだから、満更嘘というわけでもない。 それよりも意気揚々と乱入しながら何の戦果も挙げられなかった自分自身への怒りが先に立つ。 「すまぬ、ますたぁ殿。せっかくの初陣だというのにこの体たらく。 この幸村、まだまだ未熟……!」 「そんな、ランサーさんだって凄かったですよ! 大丈夫です、きっと次がありますよ!」 励ますその声がどこか震えているのをランサーは見逃さなかった。 薄々わかってはいたことだが、平和な時代に生まれ育った彼女にサーヴァント同士の戦闘は刺激が強すぎたのだ。 「ますたぁ殿、我々は夜通し敵を探し求めて疲弊しておりまする。 一度拠点に戻り、次の戦に備えて休息に専念するべきでは?」 「え、でも学校が……でも一日ぐらい、サボっても大丈夫かな?」 少し悩んだ後、茜は学校を休むことを選択したようだった。 恐らく彼女自身、考えたいこともあるのだろう。 ランサーもまた、先ほど戦った強敵たちの姿を瞼に焼き付けながら「次は必ず勝つ」と心に誓った。 【新都北部、港の倉庫街/2014年8月1日(金)0120】 【日野茜@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態] やや寝不足 [残存令呪] 3画 [思考・状況] 基本行動方針 対戦相手を全力で探し回る。そして全力バトル!!! でもサーヴァント同士の戦いを見てちょっとだけ怖くなった…。 1:学校を休んで休息する [備考] ●予選期間中他のマスター、サーヴァントと出会うことはありませんでした。 ●月海原学園高等部の生徒という立場が与えられています。 所持金は高校生相応の額となっています。 ●自宅の正確な場所は後の書き手さんにお任せします。 ●セイバー(テレサ)、バーサーカー(小野寺ユウスケ)の基本ステータスを確認しました。 【ランサー(真田幸村)@戦国BASARAシリーズ】 [状態] 筋力(40)/B、 耐久(40)/B、 敏捷(30)/C、 魔力(30)/C、 幸運(30)/C、 宝具(40)/B、 疲労(小)、魔力消費(小)、肋骨に皹(回復中) [思考・状況] 基本行動方針 強敵たちと熱く、燃え滾る戦を!! 1:一度回復に専念せねば… 2:せいばぁ、ばあさあかぁと再戦し、勝利する 3:名乗りも上げずに挑みかかるなど武士の名折れ! [備考] ●傷の回復には数時間程度かかります。 ◆ ◆ ◆ 「どうやら終わったみたいだな」 セイバーは海を挟んだ深山町側の港からランサーとバーサーカーの戦闘の様子を伺っていた。 それぞれ宝具あるいはスキルを視認できたのは小さくない成果だ。 惜しむらくは千代子がいないために具体的なステータスなどが確認できなかったことか。 しかし時間帯を考えればあまり贅沢も言えないだろう。 (あのバーサーカー、やっぱり妙なんだよな。 ランサーとの戦いの最後の方は動きが良くなってたように見えた。 それにあいつが身体に纏わせてた炎。あれはランサーが使ってたのとは種類が違う。 ランサーは自分の魔力を放出して炎に変換してたがバーサーカーは大気自体を炎に組み換えていた。 その能力にしてもまるで今思い出しましたと言わんばかりのタイミングで使っていた) 妖気探知を持つセイバーだからこそわかる二騎の能力の違いを考察する。 そして現状ではランサー、バーサーカー共に格別大きな障害とはならないと結論づけた。 何しろセイバーは先の戦闘で妖力解放を一パーセントたりとて解放していない。 (あいつらやランサーのマスターを仕留めなかったのは失策だったか…?) 一瞬欲が出かけたがすぐに頭を振って否定した。 そもそもセイバーは当面諜報に専念する予定だったのだ。 だというのに二騎ものサーヴァントと戦闘を継続するなどという真似をすれば目立つどころの話ではない。 ランサーのマスターを暗殺すれば結局残ったバーサーカーに追われ面倒なことになっていただろう。 第一ランサーやバーサーカーに更なる隠し玉がある可能性も有り得たのだ。 リターンは逃したかもしれないがリスクを負うこともなかったと考えるべきだ。 「まあいいさ、またちょっかいかけてくるなら今度こそ斬り捨てればいい」 身を翻しマスターの元へと戻っていく。 本選はまだ始まったばかりなのだ。焦る必要はどこにもない。 【深山町北部/2014年8月1日(金)0130】 【セイバー(テレサ)@クレイモア】 [状態] 筋力(40)/B+、 耐久(40)/B、 敏捷(40)/B+、 魔力(50)/A+、 幸運(20)/D、 宝具(40)/B、 健康 [思考・状況] 基本行動方針 当面、諜報活動に専念し戦闘は最低限に抑える 1:千代子の元へ戻る 2:ランサーやバーサーカーがまた来るなら今度こそ仕留める 3:バーサーカーの索敵能力は警戒しておく 4:ランサーは何でわざわざ真名を名乗ったんだ? [備考] ●ランサー(真田幸村)の真名とある程度の戦法、バーサーカー(小野寺ユウスケ)のある程度の戦法を確認しましたがマスターではないのでステータス等は確認できていません。 ●バーサーカー(小野寺ユウスケ)のベルト(霊石アマダム)が弱点部位だと何となく理解しました。 ●予選時にどの程度他のチームの情報を得ていたかは後の書き手さんにお任せします。 ◆ ◆ ◆ 開け放していたベランダに再びバーサーカーが戻ってきた。 それを確認して今まで継続していた視界共有を解除した。 「うっ……」 「美遊様!大丈夫ですか?」 「……平気、とはいえない」 バーサーカーの視覚はやはり鋭敏であり、その視界を借りる私では視覚情報を十分に処理しきれず頭痛を起こしてしまうようだった。 やはり戦闘となれば入ってくる情報量は桁違いのものがある。 どうやら仮病ではなく、本当に体調不良で休むことになりそうだ。 「バーサーカー……」 バーサーカーの初戦は、苦い結果となってしまった。 ステータスで優越しているはずのセイバー、ランサー双方に遅れを取った。 黒化していない、技量の伴った正規の英雄があれほど強大だとは思わなかった。 バーサーカーの受けた傷は既に概ね治癒しているけれど撤退指示が遅れていれば取り返しのつかないダメージを負っていたかもしれない。 「バーサーカーも戦力の全てを見せたわけじゃない、けど…」 今の戦闘でバーサーカーの狂化スキルは必要最低限しか機能させなかった。 例えるなら理性を奪っただけで狂化はさせていない、という言い方が適切かもしれない。 しかし、それでも私の魔力ほぼ全てを常に供給し続ける必要があるほど彼の魔力消費は莫大だった。 これで狂化を完全に解き放てば、恐らく私とサファイアによる供給さえも追いつかなくなるだろう。 狂化に関しては、扱いや使うタイミングを慎重に考える必要がありそうだ。 それに、最後に使っていたあの謎の炎も何なのか詳しくわかっていない。 そもそも私はバーサーカーの詳しい素性や能力も十分に知らない。 せいぜい以前に見た夢で名前や第四号という名称など断片的な事を知っている程度だ。 これがコミュニケーションの取れないバーサーカークラスの弊害なのだろう。 本選が始まったのだから、一度図書館で彼について詳しく調べるべきだろうか。 手探り状態での運用にはすぐに限界が来てしまうだろう。 けれど、今は。 「サファイア、少し休もう。でも転身はそのままで良い」 「ですが、横になって休まれた方が……」 「まだ夜が明けてない。いつでも敵襲に備えておかないと。 バーサーカー、そのまま周囲を警戒していて」 壁に背を預けて膝を抱えて座ったまま仮眠を取ることにした。 少なくとも夜明けまでは最低限の警戒態勢を維持しておいた方が良いはず。 疲れが溜まっていたのか私はすぐに微睡みの中に沈んでいった。 ふと、大切な人のことを思い出した。 聖杯を巡る争いの中で戦い続けて、私に平穏な世界で生きてほしいと願った兄のことを。 今私がしていることは、間違いなくあの人の願いに反している。 「……それでも私には、もうこうするしかない」 結局運命から逃げ切ることなんてできはしなかった。 それならもう、この月の聖杯に頼る以外の方法なんて、きっとない。 【新都、蝉菜マンション/2014年8月1日(金)0130】 【美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】 [状態] 仮眠中、魔法少女カレイドサファイアに転身中、激しい頭痛 [装備] カレイドサファイア@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ [残存令呪] 3画 [思考・状況] 基本行動方針 月の聖杯の力で自分の世界を救う 1:転身したまま明け方まで眠る 2:学校には行きたくない 3:バーサーカーについて調べておきたい [備考] ●予選期間中に視界共有を修得しました。 しかしバーサーカーの千里眼が強力すぎるため長時間継続して視界共有を行うと激しい頭痛に見舞われます。 また美遊が視界共有によって取得できる情報は視覚の一部のみです。バーサーカーには見えているものが美遊には見えないということが起こり得ます。 ●セイバー(テレサ)の基本ステータス、ランサー(真田幸村)の基本ステータス、一部スキルを確認しました。 ●月海原学園初等部の生徒という立場が与えられています。 ●自宅は蝉菜マンション、両親は海外出張中という設定になっています。 また、定期的に生活費が振り込まれ、家政婦のNPCが来るようです。 ●バーサーカー(小野寺ユウスケ)の能力についてあまり詳しくは把握できていません。 【バーサーカー(小野寺ユウスケ)@仮面ライダーディケイド】 [状態] 筋力(100)/A+、 耐久(50)/A、 敏捷(50)/A、 魔力(50)/A、 幸運(30)/C、 宝具(??)/EX、 ダメージ(微・回復中)、仮面ライダークウガ・アルティメットフォームに変身中 [思考・状況] 基本行動方針 美遊を守り、命令に従う 1:変身したまま周囲を警戒する [備考] ●戦闘経験を積んだことで少しだけ超越感覚の制御能力が上がりました。 ●超自然発火能力の一部を修得しましたが、まだ相手を直接燃やす段階には至っていないようです。 ●各種ライジング系武装を作り出せることに気づいていない可能性があります。 もし気づいていない場合、何らかのきっかけがあれば生成できるようになると思われます。 ●少なくとも魔力放出スキルによるダメージは無効化できません。
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/125.html
極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅 ◆960Bruf/Mw 瓦礫の街並みの中、四機の航空機が羽を休めている。 その羽の下、崩れた家屋の残骸に腰をおろしている男がいた。男の名は神隼人という。 その眼は三機のゲットマシンを見ていた。 ――間違いなくゲッターだ。 真ベアー号に乗り込んだときに理解した。コックピットの内装、ゲットマシンの外観こそ知るものと異なってはいたが、首輪が教えてくれた。こいつは―― ――真ゲッター。 ゲッターの後継機としてつくられた機体。早乙女博士の尽力にも関わらず、5年前のあの日起動しなかった機体。それが―― ――なぜ動いている? 早乙女研究所の地下に封印されていたはずだ。 ――いや、それよりも……。あの時、こいつが動いていればムサシは。 噛みしめた奥歯が鳴る。古傷が顔に浮かび上がってきていた。 一つ深呼吸をして心を静める。 ――落ち着け。好都合だ。 あの化け物がどうやってこいつを持ち出したのかは知らんが、好都合だ。 決して動かなかったこいつが何故か順調に稼働している。そして―― 動かした視界に一組の男女が映し出される。 おそらくクインシィを宥め連れ戻すのに苦労したのだろう。ガロードは正座で終わりの見えない説教を受けていた。 ――ゲットマシンを扱えるパイロットがここに二人いる。 あの化け物はただ無作為に人を集め訳じゃないらしい。 翔と剴を見つけた後、どうしても見つけることが出来なかった三人目がここに二人もいる。 となると、当面の目標は三人目を探すことか。 そこでようやく隼人は、助けを求めてチラチラと視線を送ってきているガロードに気づいた。 「クインシィ、そのくらいにしておけ」 少女の意志の強そうな瞳がこちらを向き、鋭い視線と怒気の矛先がかわる。 それをこともなげに受け流し、話し出した。 「俺たちは別々の世界から集められた可能性がある……」 最初に交換した情報の中に各自の世界観が異なることはすでに検討がついていた。 「そ~いうこと。ヘイコン世界に住む者同士ってわけだ」 「並行世界だ」 以前、クインシィと同様の会話をしていたガロードが得意気に相槌をうち、即座にクインシィの訂正が入る。 「それでこれからの話だが、お前たちはこのままゲッターに乗れ。俺もこのままYF-19に乗る」 その言葉に、これまで隼人に対してゲッターという単語を口にしてないクインシィの眉がぴくりと動いた。 「そう警戒するな。あれは元々俺がいた世界で俺が乗っていたものだ。お前たちよりはあれに詳しい」 そして「もっとも肝心なときに動かなかったがな……」とどこか自嘲気味に続ける。 「なら、なぜお前も乗り込まない? 」 「古傷があってな……。だが、そんなことはどうでもいい。それよりひとまず話は中断だ」 『アー、アー、ただいまマイクのテスト中ですの……』 まるで見計らかったかのようなタイミングで、どこらかともなく少女の声が響いてきた。 ――6時間で10人。 それを多いととるか少ないととるかは、人それぞれである。 平時に50人強の集団から6時間で10人の死者が出たと考えれば、それは異常に多いだろう。だが未曾有の災害に巻き込まれたと考えれば、その数は少なかった。 しかし、あの化け物が提示したルール上死者はまだまだ増える。 最終的に1人しか生き残れないのであれば、その犠牲の数はやはり異常だ。 ――1人? 疑問が浮かんだ。 この殺し合いはシステム上必ず1人は生き残るように設定されている。 ――何のために? 自分に科せられた首輪を撫でる。 ただ殺すのが目的ならば、奴らはたやすくやってのけれるはずだ。 最初に集められたときでも、今この瞬間でもだ。 つまりこれは我々を殺すのが目的ではない。ただの娯楽、気まぐれ、余興と言われてしまえばそれまでだが……。可能性としては―― 「選定……もしくは観察か……」 ここに集められる前の記憶――ネオゲッターチームを集めるために自分が出した犠牲者を思い浮かべる。 ――なんてことはない。俺もあの化け物と同類か。 小さく哄笑が漏れた。 「俺について来い。まずはゲッターを合体させるぞ」 「なぜお前にそんなことを命令されなければならない」 立ち上がり歩き出そうとした隼人にクインシィが噛みつく。 「こんなとこで死ぬのはごめんだろ? なら今はくだらんプライドは捨てて俺に従え。ゲッターの扱い方を教えてやる」 視線がぶつかり合ったあと、隼人は背を向けて真ベアー号のほうに歩きだす。 背後では納得がいかないといったふうのクインシィを、ガロードが宥めていた。 痩身長躯の男が真・ジャガー号のコックピットに張り付き、ガロードにあれこれと指示を飛ばしている。 その様子をモニター越しに眺めていた。 ――気に入らない。 神隼人と名乗るその男は、沈着冷静、頭脳明晰、そういった類の人間なのだろう。 そして、おそらくは最低限の冷徹さも兼ね備えている。 物に例えるならばナイフのような男――それが抱いた感想だった。 この先、生き残っていくのには必要な男。それは理解していた。 だが、どうにも気に入らない。イライラする。ようはそりが合わないということなのだろう。 ――くだらないな。 そう思い。気持を落ち着かせる。気持の問題など些細なことでしかない。 「クインシィ、操縦方法は頭に入っているな。ベアー号はオートで発進させる。まずはゲッター1だ。イーグル・ジャガー・ベアーの順で合体しろ。いいな」 隼人から通信が入る。それにほんの一瞬前までの考えを忘れて、彼女は苛立った。 どこか上から物を言うような口調、それが気に入らない。 「黙ってみていろ。私の好きにやらせてもらう」 感情が判断を鈍らせることを下らないと思いつつも、感情的になる自分を御することができない。クインシィはそういう自分に気づいてはいなかった。 赤、白、黄色、三色のゲットマシンが空を飛び、一列に連なる。やがてその間隔は狭まり、合体は三度目で成功した。 「遅い! 時間がかかりすぎだ」 筋はいい。そう思いつつ苦言を飛ばす。クインシィから返事はなかった。 「まぁいい。次はゲッター2だ。ジャガー・ベアー・イーグルの順に……」 そこまでで一度隼人は言葉を区切った。 「神さん? 」 不審に思ったガロードが声をかける。 「ひとまず中止する。南西の方角にお客さんだ」 ビル群の中をゆっくりとこちらに近づいてくる青い巨人の姿が目視できた。 距離から推し量るに、その巨体は真ゲッターと同程度の大きさであろうか。 その足取りの確かさからまずこちらを確認していると見てほぼ間違いなさそうだった。 ひとまずは接触すべきと考え、一歩前に踏み出す。 その瞬間、一陣の風が隼人の横をすり抜けていった。 零コンマ何秒の世界でその赤い風はキロ単位の距離をふいにし、無造作に頭蓋を鷲掴み、大地に叩きつける。 技術もへったくれもないただ力任せの一撃。しかし、掛け値なしの渾身の一撃。 重低音が響き、土煙が柱の如く聳え立つ。 不意を突かれた隼人も、ガロードも、静止は愚か反応さえもできない間の出来事だった。 ラキと出会ったときに相対した相手だ。警戒はしていた。 その時の経験をもとに不意を突かれないだけの距離は取っていた――はずだった。 どろりとした血液が額を伝って流れ落ち、口の中には錆びた鉄の味が広がる。 軽く脳震盪でも起こしたのか、視界がぶれてうまく焦点が合わない。揺蕩う視界に赤い悪魔が映し出されていた。 「………した…」 ガラスを引っ掻いたような耳鳴りがするなか、呟きが聞こえてくる。 「……どこへ隠した。勇をォどこへ隠したアアァァァァアアアアア!!!! 」 聞き返す間もなく呟きは叫びへとかわる。 フォルテギガスの頭蓋が持ち上げられ、今度はビルの壁面に叩きつけられる。 「答えろ! 勇はどこだ? 」 「な、何のことだ? 」 何かが潰れるような鈍い音を響かせてフォルテギガスの頭部が打ちすえられる。 「隠すな! お前は知っているはずだ。勇の……私の弟の行方を!! 」 意味が分からなかった。 勇という知り合いはいなかった。グラドスにも、地球にも、ここにもだ。 にもかかわらずこの少女は自分が勇を知ってると思い込んでいる。 まったく意味が分からなかった。 ただ一つわかるのは――この少女がどこか普通ではないということだけだった。 赤い悪鬼が巨人の頭蓋を鷲掴みにしていた。 いや既に頭の形を保っていないそれは、頭蓋と呼ぶにはふさわしくないかもしれない。 言ってみれば潰れた鉄屑だった。 それが大地に、ビルの壁面に、ところ構わず無造作に叩きつけられている。 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も 永遠にループするその光景を現すなら、『凄惨』の二字がぴったりであっただろう。 「ガロード、何が起こっている! 状況を説明しろ!! 」 その狂気の惨劇を眼の前に、隼人が吠える。 「俺にだってわかんないよ。こんなお姉さんは初めてなんだ!! 」 返ってきた返答に苛立つ。 「ともかく。クインシィを落ちつかせろ」 吐き捨てるように言い、モニターに視界を戻した。 巨人が逃れようと鷲掴みにする腕を両の手で掴んでいる。しかし、既に力はない。そんな感じだった。 ――いや、あれは。 「クインシィ、離れろ! 」 隼人が叫ぶのとほぼ同時に、フォルテギガスの胸部にある四つのハッチが十字に開かれ、閃光が放たれた。 立ち込めた爆煙を裂いて東西に赤と青――二機の巨人が弾けとび、数棟のビルが巻きこまれて瓦解する。 ――くそっ! まさかあんな方法で相殺されるなんて。 逃げられないように腕を掴み放った起死回生の一手――フォルテギガスのギガブラスター。 それはゲッターの腹部から放たれたゲッタービームに相殺され、二機は弾けとんだ。 「レイ、損傷を……」 そこまで言いかけて居ないことを思い出し、機体を立て直す。 立ち上がったフォルテギガスの中、視界が回る。腹の底から何かが込み上げてきて思わず吐き出す。出てきたものは赤かった。 あれだけ絶え間なくコックピット内部で揺れに翻弄され続けていたのだ。無理もない。 揺れる視界、いかれた平衡感覚、遠距離戦は不可。逃げ切ることも難しい。 ――どうにかして接近戦に持ち込むしかない。 特殊自律型兵器フィガ、それを射出して距離を詰める。そう決めたときに予想外の衝撃がエイジを襲う。 強き巨人の名を冠する50m超の巨体が地に埋没し、エイジの意識はとんだ。 首のないその風貌が死を司る首なしの騎士――デュラハンを連想させる機体が、強き巨人を足蹴にたたずんでいる。 爆発が一つ起こり、近場に一つの機体が吹き飛ばされて来た。 即座に駆け寄り、蹴り倒し、踏み潰した。そこには容赦も慈悲もない。 生きる為に他人を蹴落とす。今の彼にとっては至極当然の行為だった。 「ちっ、さすがにでかいだけあって硬え」 踏み砕くつもりで潰したはずの巨人の背にはヒビが入っていたが、砕けてはいない。 そこに踵の裏で圧力をかける。 装甲の外板が悲鳴をあげ、四方を持ち上げつつ剥がれていく。圧迫された内部の機器が火花を散らし、黒いオイルが血の如く飛び散った。 その時、立ち込める土煙を裂いて赤い悪鬼が姿を現した。 横薙ぎにはらわれる大鎌。 咄嗟のダッキング。風切り音が頭――否、首の直上をすり抜けていった。 そのまま懐に潜り込み、振り上げられる拳。 金属同士がぶつかり合う音が響き―― ――大鎌の柄と拳が接触した。 「なっ!? 貴様は誰だ! 」 「俺の知らないゲッターだと!? 」 互いの言葉が交錯する。押し合う拳と大鎌。 「その声、竜馬か! 」 「……!? 」 割り込んだ声に誘発され生じたわずかな隙。それを見逃さずクインシィは力を緩め、拳を受け流す。 前のめりに崩れる大雷凰。上段に大きく振り上げられる大鎌。 次の瞬間、『轟』と呻りをあげて振り下ろされた大鎌は―― ――大雷凰の数センチ上でピタリと静止した。 大雷凰の腕が大鎌の柄をがっちりと掴んでいる。 「てめえ……、隼人かああぁぁぁああああ!!! 」 強引に大鎌の柄でゲッターの顎をかちあげる。 ふわりと浮かび上がるゲッター。そのまま流れるように繰り出された大雷凰の回し蹴りが―― ――ゲッターの脇腹に食い込み、その巨体が弾け飛ぶ。 「プラズマビュート! 奴を逃すな!! 」 まだ終わりではない。発せられたのは青白く輝くプラズマの荒縄。 捕えられるゲッター。強引に引き寄せられ、一度広がった両者の距離が急速に縮まる。 「調子にぃ……のるなああぁぁぁぁぁぁああああ!!!! 」 ゲッターバトルウィングが展開されプラズマビュートが断ち切られる。 肩口から斧槍――ゲッタートマホークを取り出し、速度を落とすことなく――否、むしろ加速しつつゲッターが大雷凰に迫る。 動じることなく竜馬も大鎌――ゲッターサイトを構え、迎え撃つ。 「うあああぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!! 」 「隼人おおおぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!! 」 ぶつかり合う互いの気迫。交錯する斧槍と大鎌。入れ替わる両者の位置。 音をたててゲッターの装甲に亀裂が奔った。 互いに向きなおり、再び対峙したその時―― 「落ち着け、二人とも!! 」 ――静止が入った。 大雷凰と真ゲッター。その二つの大型機のちょうど中間に一つの小型機が割り込んでいた。 「リョウ、どういうつもりだ? お前もあの化け物の企てに乗った口か?」 その小型機から送られてくる通信モニターに隼人が映っている。 ――ちっ……。ゲッターに乗ってたのが隼人、てめえじゃないとわな……。 先入観からかゲッターに乗っているのは隼人。そう思いこんだのは間違いだった。 「俺はなぁ、てめえと早乙女のジジイに引導を渡せりゃ、この殺し合いも化け物もどうだっていい」 モニター越しに隼人を睨みつけ言い放つ。 「どういうことだ? 何故、早乙女博士をお前が狙う! 」 「とぼけるな、隼人! 」 「答えになってないぞ、竜馬!! 」 噛み合わない会話の往復。隼人の顔に困惑した表情が浮かぶ。 「いつまでとぼける気だ! 三年前のあの日、てめえが早乙女のジジイを殺し、俺に罪を着せて逃げた!!そのせいで俺はなぁ、隼人!! 永久刑務所で地獄を見たんだ!!! 」 今にも飛びかかりそうな、隠そうともしない剥き出しの憎悪、それが隼人に向けられていた。 「何のことだ? 何を言っている? 」 「うるせぇ! 俺はここでお前を殺し、後ろのゲッターを手に入れて、ジジイに引導を渡しに行く。ただそれだけだ!! 」 吐き捨てるように口にされたその一言、それに反応した者がいた。 「できるものならやってみろ!! 」 YF-19を跳び越え、ゲッターが大雷凰に差し迫る。 「ひっこんでいろ、クインシィ! 」 隼人の言をまるっきり無視してゲッターは駆ける。 クインシィにしてみれば、勇の手がかりを目の前にして邪魔をされたのだ。 彼女の性格を考えれば止まるはずはなかった。 その様子に苛立ちつつ奥歯を噛みしめ、指示を飛ばす。 「ガロード、オープンゲットしろ! 」 「へっ!? な、なんで? 」 突然ふられたガロードが素っ頓狂な声を挙げた。 「無駄口を叩くな! ゲッター2だ!! 」 既にゲッターと大雷凰の間の距離は幾許もない。 ゲッターの背中越しに大雷凰が構え、そして踏み込み、大鎌が振るわれる。 「りょ、了解! 」 「待て、ガロード! 」 クインシィの静止は一歩間に合わず。ゲッターは分離した。 振るわれた大鎌の脇を三機のゲットマシンがすり抜け、大雷凰の背後でゲッター2へと姿を変える。 ゲッター最大の弱点、合体の瞬間。それを狙って竜馬は追撃をかけようとして―― ――やめた。 考えを読んだのか、竜馬の目の前に隼人が立ちふさがっている。 「ガロード、ここから脱出して三人目を探せ。ゲッターの本当の力を引き出さなければ、あの化け物には太刀打ち出来ん!! 」 「わ、わかった」 隼人の勢いに押される形でゲッターは地中に潜り離脱していく。 その中でガロードは、怖ろしいほど目を吊り上げているクインシィを確認して、泣きたい気分に駆られていた。 照準モニターの向こうで首のない機体と小さな小型機の目まぐるしく動き回っている。 「ちっ……こう動き回られちゃ当たりゃあしないぜ」 群がるビル群、ところ構わず立てられた広告塔、人目を惹くための派手な看板。そういったものに姿を紛れ込ましている赤い機体の中、クルツはぼやいていた。 目標は小型機。 離脱前に存在を確認した赤鬼には、前に直撃させた砲撃の損傷は見当たらなかった。ゆえに同程度の大きさを誇る今回の大型機にも効果は薄いと、かなりいいかげんに予測。 よって標的は小型機に絞っていた。もっとも当てるだけなら、大型機のほうが遙かに楽なのだが。 だが、少なくともあの大型機に致命的なダメージを与えるには―― 視線を動かし、地に伏したままぴくりとも動かないフォルテギガスを見る。 ――どうしてもエイジが必要であった。 「ったくあの馬鹿。肝心なときにお寝んねしやがって……だいたい生きてんのか? 生きてんなら返事くらいしやがれってんだ」 通信はすでに何度も試みていた。しかし、のびているだけなのか、はたまた死んでるのか、依然として応答はなかった。 そもそもだ。そもそも作戦目的がエイジの離脱なのだ。 奴らの勝敗が決してフォルテギガスにとどめを刺す前に、小型機を撃墜し大型機をひきつける。そのための行動だ。 仮にエイジがすでに死んでいるのだとしたら、やろうとしていることに大した意味はなかった。 強いてあげるならば敵機の撃墜だが、ほったらかしにしておいても勝手に潰し合ってくれる。となると後に残るのはリスクだけであった。 「ええい。あと3回……いや5回だ!後10回通信しても応答がなかったら離脱してやる!!」 そう言って無為に時間は過ぎて行っていた。 横一文字にはらわれた大鎌をくぐり抜け、YF-19が大雷凰に肉薄する。 ヒビの入った腹部を確認し、マイクロミサイルの発射管を開いた瞬間、急制動をかけて機体の勢いを殺す。 鼻先を膝がすり抜けていった。続けて振り下ろされるのは肘。 反射的にかわせないと判断した隼人はピンポイントバリアを機体上部に展開。バリアごと弾き飛ばされて一旦距離を置いた。 「勘は鈍ってないようだな、竜馬」 「ずいぶん苦しそうじゃねぇか、隼人」 息が荒く、呼吸が落ちつかない。古傷は確実に体を蝕んでいる。 だが、この男に泣き言を言うつもりは全くなかった。 「フ……気のせいだ。それよりもリョウ、落ち着いて聞け。 俺は神隼人だが、お前の知っている神隼人ではない。お前もおそらく俺の知っている流竜馬ではない」 わずかに竜馬に反応がでる。 「……どういうことだ? 隼人、俺にわかるように説明しろ! 」 食いついてきた――隼人の内心の思いであった。 「平行世界。おそらく俺とお前は極めて似通った世界からあの化け物に集められたのだろう」 「何を言い出すかと思えば」 竜馬が鼻で笑う。 「コロニー、MS、NT、オルファン、アンチボディー、グランチャー、どれも俺には聞き覚えのない言葉だ。お前にもないだろう。真ゲッターに乗っていた二人の世界の言葉だ」 反応を見つつ、言葉を紡ぐ。竜馬の説得をあきらめたわけではなかった。 「真ゲッター、それがあのゲッターの名前か? 」 「そうだ。そして、俺の知っている竜馬は真ゲッターを知っている。お前は知らない。それが理由だ。根拠としちゃ薄いがな……」 全てを語り終え、流れる静寂。これが最後の説得であった。その静寂を―― 「クク……ハハ……ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!! 」 ――竜馬のどこか狂った笑い声が打ち消す。 「俺とてめえが違う世界の人間? それがどうした。だとしたら、俺はここでてめえに引導を渡し、他の集められた奴を全員ぶっ殺して、俺の世界のジジイとてめえに引導を渡す。 それだけだ。やることはかわらねぇ」 その言葉を受けて、隼人は―― 「そうか。俺もここでお前に生き残る理由を譲ってやるわけにはいかん」 ――竜馬の説得を諦めた。 おあつらえ向きに二機が動きを止めた。狙撃を行うなら今がチャンスだった。 だが、依然としてエイジと連絡は取れない。撃てば奴らは間違いなくこっちに気づく。 撃つべきか、撃たぬべきか、どうする? どうする? 思考が渦を巻き袋小路に追いやられる。 その時、耳元に雑音が届く。通信機の先で何かが身じろぐ気配を感じた。 「エイジ! エイジ、無事か? 」 はじけたように通信機に齧りつき叫んだ。 見上げた視界に、ぼんやりと天井がうつっていた。見慣れないコックピットに一瞬ここはどこなのかと考える。 「痛っ! 」 次の瞬間、体中に針の筵にくるまれているかのような痛みが奔って、意識は急速に覚醒していった。 「エイジ! エイジ、無事か? 」 通信機から聞き覚えのある声が流れてくる。体中に奔る痛みのせいか、こいつは今の今まで何をしていた――そういう感じの怒りが込み上げてきて。 「怒鳴らなくても聞こえている! 今まで何してたんだ? 遅い!! 」 怒鳴り散らした。 「ほぉ~、お言葉だがな。今の今まで呑気に気絶してた奴に言われる筋合いはねぇ。大体てめえがなぁ、不用意に近寄っていくのがわり~んだ! 」 そうして始まった口喧嘩は、暫くの周囲の状況をほったらかしに繰り広げられた後、『今はそれどころではない』ということで一応の和解が結ばれた。 「機体は動くか? 」 「接続部がやられたのか、フォルテギガスとしての運用は不可能。だが、分離すればたいして問題はない」 機体の各部の損傷チェックを行いながらエイジが返す。 「わかった。俺は小型機を狙う。そっちは大型機を頼む。隙は俺がつくるからうまくやってくれ」 「了解した」 「それと一撃当てたら成功・失敗に関わらず離脱しろ。援護は一回きりで俺も離脱する。誰かさんのせいで補給する暇もなかったんだ」 ラーズアングリフのFソリッドカノンの統弾数は8発。すでに今までに二度使用しているので残弾は6発。クルツからすればあまりここで消費はしたくなかった。 「十分だ。離脱後は僕はビルに紛れつつ西の壁目指す」 「俺は北の壁で目視を遮った後、C-8の市街地を目指す。お互い命があったらまた会おう。それじゃ、始めるぞ」 赤い機体がタイミングをはかりつつ折り畳み式の砲身を展開する。 強き巨人の中、息を潜めつつ分離の手順を簡略化できるように、エイジはコンソールに向かい合った。 冷静に状況を分析する。 敵は共に癖を知りつくした難敵が一機。 古傷の影響で自機のスペックはフルに引き出せず。体が機体の速度に耐えきれない以上、離脱も戦闘も現実的ではない。 その中で、足掻けることと言えば、体の状態を無視しての離脱。もしくは――ー撃に賭けた撃破。 共に現実的ではないながらその二つしか思い浮かばなかった。 神隼人はリアリストである。ゆえに他の相手なら逃げることを選んだであろう。相手が流竜馬であるからこそ隼人は―― ――ー撃に賭けることを選んだ。 YF-19の右腕にピンポイントバリアが収束されていく。 狙うのは胸部装甲の凹み、コックピットの可能性の高いその一点。 そこに限界まで収束、圧縮させたピンポイントバリアパンチを叩きこむ。 普段と比べ段違いに小さく収束されていったピンポイントバリアはやがて通常のナックルカバーの形状から逸脱し、針の先ほどの点となる。 その様子をモニター越しに、クルツはタイミングをはかる。浮遊する小型機のブースターの燐光。大きく、小さく、不規則に瞬くその光に呼吸を合わせる。待っているのは突撃の瞬間。 先ほどまでの戦闘から予測される小型機の速力。それをもとに狙いを定める。 口の中は渇き、汗が頬を伝っていった。トリガーがやけに重い。外すわけにはいかなかった。 小型機のブースターが唸りをあげ燐光がひときわ大きく輝く。 ――今だ。 そう思った時にはトリガーを引いていた。撃ったのは二発。 モニターに視線が釘付けになる。成功したのか、失敗したのか。 小型機は機体がゆらぎ―― ――しかし、何事もなかったかのように突撃した。 眉間にしわがより、顔に苦渋の表情が浮かぶ。 ――くそっ!失敗だ。 「エイジ、敵をひきつける。まだ動くな! 」 そう叫んだ時にはフォルテギガスがすでに分離を始めていた。 「あの馬鹿……ちくしょう! 」 苛立ちを隠しもせずにクルツは赤い機体の足を戦場へと向けた。 大雷凰とすれ違ったYF-19の周辺に細かく砕かれた金属片が散らばっている。 ――ちっ、外した。 あの突然の砲撃、それはYF-19に抵触していた。その結果、狙いのずれたピンポイントバリアパンチは脇腹を抉るに留まった。 そして現在、コントロールを失い機体は地表へと流れていっている。 体が限界だった。せまいコックピットの中で丸くなってうずくまる。 ――情けねぇ……。 地表が迫ってくる。 ――泣き言を漏らしている暇もないか……。 体を起し、機体を立て直そうとしたその時、機体を反転させた竜馬のゲッターサイトが唸りを上げて迫っていた。 金属音が響き―― ――いつの間にか迫っていたガナドゥールがファルシオンセイバーごと弾かれて瓦礫に叩きつけられた。 その外部の様子に気を取られる間もなく機体を立て直そうと抗う。 次の瞬間、風斬り音が耳元に響き、YF-19は爆発を起こした。 目の前の突然爆発を起こしたYF-19が黒煙をあげて流れていき、やがて地表に激突して粉微塵に吹き飛んだ。 「隼人おおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!!!! 」 その光景を目の前に竜馬はただ叫ぶ。何が起こったかわからなかった。 「へっ! てめえで殺そうとしておいて、何が悲しい!! 」 レーダーの有効範囲ギリギリの距離に一つの反応が浮かび、同時に通信が入る。 その瞬間、怒りの矛先はそこに向けられ―― 「貴様かああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!! 」 ――注意が全てそこに注がれた。 同時に響く重低音。大きな揺れがコックピットを支配し、大雷凰はエッジブラスターの直撃を受けて地に倒れる。 流れる視界のなか離脱していく青い機体が目に入った。 「邪魔をするなああぁぁぁぁあああああ!!! 」 瞬間、血走った目で体勢を立て直すと同時に突撃。瞬く間に大雷凰とガナドゥールの彼我距離が狭まる。 「をおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお!!!! 」 背後からの蹴りが一閃。そのままの体勢でさらに一閃。そして、そこを足場に軌道を変えた大雷凰が空を駆けた。 前のめりに吹き飛ばされるガナドゥールの中、エイジもこのままでは逃げ切れないと悟る。 ――やるしかない! 「V-MAX起動!! 」 前のめりの体制のまま、各部ブースターがフルブースト。機体そのものがさながら火の鳥の如く赤い炎に包まれた。 空を駆ける大雷凰と火の鳥が真っ向から迫る。そして―― 「砕け散れえええええーーーっ!!! 」 「ヒートダイブッ! 」 ――轟音が響き、一つの爆発が起きた。 立ち込める煙を裂いて当たり負けしたガナドゥールが大地に突き刺さる。 そして、それを追って大雷凰がなおも駆ける。上空から踏み砕くように繰り出された蹴りは、ガナドゥールの頭部を砕いた。 続けて足を持ち上げ、二撃目を繰り出そうとして、飛び退く。装甲を擦過して抜けていった砲弾が瓦礫を巻きあげた。 北に赤い機体が見える。うっとおしい。 心底そう思った竜馬は衝動に駆られるまま、それを目掛けて駆けていった。 クルツ=ウェーバーは機体を北東へと全速で走らせていった。背後に迫ってくるのは例の大型機。 そうとうに距離は開けてあったが徐々に詰めてきているのがわかった。 ――くそっ! 野郎のケツを持つのなんて、ごめんだってのによ。 注意をこっちに引き付けたのだ。エイジが生きていれば助かるだろう。生きていればだが。 ともかく今は全速で光の壁を抜けて逃げることだった。あれを抜ければ一度相手はこちらを見失う。そうすればあとは物陰に身を隠しつつH-8の市街地へ紛れ込む。 ――それで撒けるはずだ。 そう思いつつ機体を走らせること十数分後、クルツは無事に壁を越えてほっと一息をついた。 【クインシィ・イッサー 搭乗機体:真ゲッター2(真(チェンジ)ゲッターロボ~地球最後の日) パイロット状態:憤慨、やや疲労 機体状態:ダメージ蓄積、 現在位置:B-3 第一行動方針:ガロードを問い詰める。場合によってはお仕置き 第二行動方針:勇の撃破(ユウはネリーブレンに乗っていると思っている) 第三行動方針:ギンガナムの撃破(自分のグランチャーを落された為逆恨みしています) 最終行動方針:勇を殺して自分の幸せを取り戻す】 【ガロード・ラン 搭乗機体:真ゲッター2(真(チェンジ)ゲッターロボ~地球最後の日) パイロット状態:全身鞭打ち・頭にたんこぶその他打ち身多数。 機体状態:ダメージ蓄積 現在位置:B-3 第一行動方針:お姉さんを宥める 第二行動方針:ゲッターのパイロットを探す 最終行動方針:ティファの元に生還】 【神 隼人 搭乗機体:YF-19(マクロスプラス) パイロット状況:死亡 機体状況:大破(木端微塵) 現在位置:B-1】 【流 竜馬 搭乗機体:大雷鳳(バンプレストオリジナル) パイロット状態:怒り、衰弱 機体状態:装甲表面に多数の微細な傷、頭部喪失、右肩外部装甲損壊 、腹部装甲にヒビ、胸部装甲に凹み 現在位置:C-1 北西部 第一行動方針:クルツを追う 第二行動方針:サーチアンドデストロイ 最終行動方針:ゲームで勝つ 備考:ゲッターサイト(大鎌)を所持】 【アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ 搭乗機体:ガナドゥール(スーパーロボット大戦D) パイロット状況:死亡 機体状況:中破(頭部全壊、全体に多大な損傷) 現在位置:B-1 備考:ストレーガは損傷軽微で放置】 【クルツ・ウェーバー 搭乗機体:ラーズアングリフ(スーパーロボット大戦A) パイロット状況:冷静、脇腹がちょっと痛い 機体状況:Fソリッドカノン残り二発、ファランクスミサイル1/3消費 現在位置:C-8 市街地南部 第一行動方針:竜馬を撒く 第二行動方針:ラキの探索 第三行動方針:ゲームをぶち壊す 第四行動方針:駄目なら皆殺し 最終行動方針:ゲームから脱出】 【残り39人】 【初日 19 40】 BACK NEXT 青い翼、白い羽根 投下順 例え死者は喜ばずとも 休息 時系列順 ゲスト集いて宴は始まる BACK NEXT アンチボディー ―半機半生の機体― クインシィ 我が道を走る人々 アンチボディー ―半機半生の機体― ガロード 我が道を走る人々 アンチボディー ―半機半生の機体― 隼人 血に飢えた獣達の晩餐 竜馬 Take a shot Time Over ―私の中のあなたにさよならを― エイジ Time Over ―私の中のあなたにさよならを― クルツ Take a shot
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/28428.html
登録日:2014/05/05 Mon 18 23 50 更新日:2024/05/08 Wed 14 53 03 所要時間:約 18 分で読めます ▽タグ一覧 4.5回転 イヤホン ギネス記録保持項目 スポーツ ソチオリンピック チート フィギュアスケート プーさん リアルチート リアル少年漫画 世界一 世界記録保持者 主人公 仙台市 喘息 宇宙人 宮城県 将棋の方ではない 日本の誇り 氷上のプリンス 現実のフィクション離れ 羽生結弦 若者の人間離れ 被災者 負けず嫌い 金メダリスト 羽生(はにゅう)結弦(ゆづる)とは、日本の男子フィギュアスケート選手であり、ソチオリンピック唯一の日本人金メダリストである。 男子シングル競技における、SP(110.95点)、FS(219.48点)、TOTAL(330.43点)の現世界歴代最高得点記録保持者。 所属クラブはANA。コーチはカルガリーオリンピック銀メダリストのブライアン・オーサー。 【概要】 1994年12月7日生まれ。名前は「弓の弦を結ぶように凛とした生き方をして欲しい」と父親が命名したらしい。 宮城県仙台市出身で小中と地元の学校へ、高校も地元で多くの有名選手を輩出している東北高等学校へと進学した。 現在は早稲田大学人間科学部(カナダ在住であるため通信課程)に所属している。 生まれも育ちも東北の仙台市だが、プロ野球は広島東洋カープのファンで、お気に入りの選手は前田健太投手。 細身で色白で中性的な容姿な上にジョニー・ウィアーご用達のヒラヒラ衣装、得点を待つキスクラでのプーさん芸や時たま見せるあざとい仕草、インタビューではTHE模範解答とも言える優等生的発言をすることから、あらぬ誤解を受けることも多い。 ……が、実際は強い相手が出てくれば出てくるほど燃える少年漫画の主人公体質で、選手間や関係者が時に畏怖するほど超がつく負けず嫌いである(とはいえ、そうでなければ超一流の舞台で戦えまい)。 スケートファンの間では「フリルを着た阿修羅」との異名を持ち、素人目にもハッキリわかるほどに氷上と陸上の顔つきのギャップが凄まじい。 まさにフィギュアスケートをやるために生まれてきたと言っても過言ではない選手である。 現五輪王者かつ世界記録保持者であるため当然ではあるが、ややアイドル扱いしているきらいがある国内以上に海外からの評価が非常に高く、 主にロシアやヨーロッパでは「宇宙人」「惑星ハニューの住人」「人間ではない」「フィギュアスケートそのもの」とすら形容されている。 尊敬する選手は説明不要の皇帝エフゲニー・プルシェンコ、元全米王者で羽生の衣装も手がけているジョニー・ウィアー、 そしてトリノ五輪金メダリストの荒川静香である。 特に荒川氏とは同じスケートリンク(アイスリンク仙台)で練習した上に、高校・大学の先輩後輩関係に当たるなど姉弟子のような存在といえる。 同氏が金メダルを取り仙台市に凱旋し、スケート教室を開いた時はまだ幼かった羽生も参加しており、その時本人の前でイナバウアーを披露している。 プルシェンコに関しては、ソルトレイクシティ五輪での彼の演技を見て以来心酔し、彼のマッシュルームカットの髪型を真似ていたこともある。 プルシェンコも羽生のことを高く評価しており、 「非常に素晴らしいスケーターで、アーティストであり、ジャンプがいい。彼を見ていると昔の自分を思い出す。 まだ17歳と若いが、私が見る限り、彼がナンバーワンだ」と過去に発言している。 ソチオリンピックのインタビューでは「私は彼のヒーローだったかもしれないが、今は彼が私のヒーローになっている」、 フリー演技後のtwitterでは「私のアイドルだ。よく頑張った。彼は天才だ」と最大級の賛辞を送っている。 他にもスポニチの取材で「羽生のコーチになる可能性は確かにある」とも発言しており、並々ならぬ期待感を持っているのは間違いない。 フィギュアスケートは見た目より遥かに激しいスポーツだが、羽生は幼い頃から持病で喘息を持っており、薬を手放すことは出来ない。 また見た目通り少食で、肉類よりも米やパンを好む。あと甘党でケーキやプリンが大好きらしい。なにこの乙女。 よく試合会場にプーさんのティッシュケースを持ち込んでいる。曰く「プーさんの顔を見るとホッとするから」とのこと。 そのことをファンが知り、演技終了時恒例の投げ入れでは大量のプーさんのぬいぐるみが投入されていたりする。 しかし彼のメンタルコーチとして一役買っていたプーさんだが、ソチオリンピックでは大人の事情で会場に持ち込むことが出来なかった。 スケート技術は金メダリストなので当たり前だが極めて高い。 得意なのは4回転トウループとトリプルアクセル、また柔軟性が非常に高いためビールマンスピンやドーナツスピンも得意。 他にも新たな4回転ジャンプにも挑戦しているらしく、4回転ループやアクセルはかなりのところまで仕上がっているらしい。 弱点はやはり前述の喘息からくる持久力面での不安。ジュニアやシニア当初は演技後に息を切らし暫し動けない場面も多かったが 最近はマスク着用や常備薬の徹底、曰く「血の滲むような」練習で克服しつつあり、前人未踏レベルの演技構成も滑りきる強さも備えた。 演技の前に胸の前で十字を切るような動作は、神に祈っているわけではなく、 「ジャンプの回転軸と両肩を平行に保つ意識を確認する自己流のおまじない」であるらしい。ちなみに「士」と描いているとのこと。 2011年3月11日に起きた東日本大震災で、競技の練習中に被災。自宅も大きな被害を受けたため4日間の避難所生活を送る。 避難所での苦しい生活、そして次々と入ってくる尋常ではない被害情報に、一時はスケートを辞めることも考えたという。 だが周囲の支えと、自身が在学している東北高校の野球部が春のセンバツにて全力で戦っている姿を見て、スケートへの意欲を取り戻し、 被災して営業を停止したアイスリンクの代わりの練習場所を各地でチャリティショーを行いながら確保し、 7月24日にアイスリンクが営業を再開してからは拠点を戻し、上を目指し続けた。 アニヲタ的な話題としては、意外とアニメ好き。特に『時をかける少女』と『サマーウォーズ』が好きらしい。 ゲームも好きで、こちらは「僕の原点」とまで言って『平成 新・鬼ヶ島』(SFC/97年)と『エストポリス伝記Ⅱ』(SFC/95年)を挙げたり 「今(22年)はGBAの『ファイアーエムブレム 封印の剣』(02年)をやってる」と語るなど、異様にコアなことが発覚している。 また、5歳の時にフィギュアの練習があまりにもの辛く挫けそうになった時、 ウルトラマンガイアの曲と衣装を用意してもらい滑ったことで、フィギュアを続けようと決心したというエピソードがある。 とにかく小顔であることも知られ、NHK紅白歌合戦等で共演したジャニーズや高名な俳優・女優と比べても圧倒的に顔が小さい。なんとリアル『キャプテン翼』でお馴染み(?)の大谷翔平と互角レベル。おかしなことやっとる。 身長は173cmとそこまで高くはないものの、その顔の小ささで七~八頭身という日本人離れしたスタイルを誇り、漫画キャラ体型であるとも言われる。 今どき珍しくスマートフォンどころか携帯電話(ガラケー)も持たず、通信はIpodで代用し全てをフィギュアに捧げる心構えを持つストイックな精神の持ち主ながら 数少ない趣味として大のイヤホンヲタク・オーディオヲタクであることでも知られ、数十万もするイヤホンやオーディオ機器を愛用している。同じくイヤホンヲタクである現プロスケーターの無良崇人とは、他に話が出来る相手がいないこともあり会うとイヤホンの話ばかりしているらしい。 世界記録を打ちたてたFSプログラム「SEIMEI」では自ら映画「陰陽師」のサントラを編曲するマニアっぷりを披露。 また2015年の紅白でもゲスト審査員として参加し、誰よりも全力で歌詞を口ずさみ楽しんでいる様子をお茶の間に見せつけた。 2023年8月4日に一般女性と結婚したことを発表した。 …が、メディアと一部ファンが妻への度重なるストーカーや嫌がらせを受けたのが原因なのか、僅か3か月でスピード離婚してしまった。 【自身初のオリンピック】 ソチオリンピックは日本国民の金メダルへの期待と被災地の思いを胸に参加。 今回からの新種目フィギュアスケート団体戦にまずは参加する。 羽生は団体の男子シングル枠で参加し、SPにて97.98点の高得点を叩き出し2位のプルシェンコと6点以上の差をつけ1位に立つ。 結果、日本は5位入賞と惜しくもメダルに届かなかったが、羽生結弦という選手の実力を世界に魅せつけた。 迎えた男子シングル個人種目。直前練習で優勝候補の1人であった皇帝プルシェンコが、腰のボルトが折れたことによりまさかの棄権。 最大のライバルはカナダのパトリック・チャンのみとなる。 そして歴史を塗り替えたSPの演技。羽生は持てる力を全て発揮し、当時世界最高得点の101.45点をマークする。 これは公式大会世界最高得点かつ史上初の100点超えを意味し、2位のチャンに4点差をつけて首位に立つ。 この時使用した曲の「パリの散歩道」は、演技の後凄まじいまでの注目を浴び、週間着メロランキングで1位をとっていたりする。 また引退した織田信成曰く、羽生くんの「パリの散歩道」は「散歩道というより高速道路」とのこと。 このまま羽生が羽生らしく演技をすれば金メダルは疑いないものであったが、そこはやはりオリンピック。目に見えない魔物が潜んでいた。 SPで首位に立った羽生であったが、続くFSでは酷い緊張からかミスを連発。 冒頭の4回転サルコウを転倒すると、普段は絶対にあり得ない3回転フリップでミスをするなど羽生にしてはかなり酷い演技になってしまった。 直後のインタビューでも言及全然動かなかった。6分間練習から焦っていた。はっきりいって自分の演技に満足していない。終わった後は、金メダルは駄目かなと思った」と、悔しさを滲ませていた。 だがライバルのチャンもオリンピックの魔物の餌食となり、普段では考えられないほどミスを連発。 結果羽生が見事逃げ切り、ソチオリンピック初にして唯一の金メダルをもたらした。 この優勝は、実に66年ぶりのフィギュアでの10代男子での優勝、史上3人目のオリンピック初出場でのフィギュアで優勝、 日本人初の平成生まれでの冬季オリンピック金メダル、日本での冬季オリンピック金メダル獲得数10個目という大変記念すべきものとなっている。 これらの功績が認められ、4月17日の春の園遊会に招かれ天皇皇后両陛下から祝福の言葉をかけられる。そして4月28日に紫綬褒章を贈られることが発表される。 また、4月10日にはフィギュアスケート世界選手権女子SPで世界歴代最高となる78.66点をマークした浅田真央とともにギネスブックに登録される。 【王者として迎えた2014-2015シーズン】 オリンピック金メダリストとして迎えた新シーズン。フィンランディア杯を腰痛のため見送ったことにより、初戦は中国杯となった。 SPが2位という結果で終わり、FSでの逆転優勝を狙うが、直前の6分間練習で中国の閻涵選手と衝突、流血事故を起こす。 このまま出場するのは不可能だと思われていたが、本人の強い意志により強行出場。 テーピングと包帯を施したその姿はあまりにも痛々しい姿であったが、結果は銀メダルで終える。 この強行出場は後々大きな議論となり、羽生の競技への執念を称える声がある一方で 彼の体のことを考えるならば周囲の人間が無理矢理にでも引き止めるべきであったという声もあった。 しかしその後、医者の念入りな診察により脳震盪は起こしていないと判断したうえでの出場であり 結果的に後遺症が一切残らなかったこと・本人がきちんと冷静にプログラム再構成を行っていたことが明らかになっている。 次のNHK杯では、怪我が全治二三週間ということもあり出場が危ぶまれていたが、こちらも羽生の強い意志のもと出場する。 しかし怪我のため長い間練習ができなかったことが効いたのか、羽生にしてはSP、FSともに精細さに欠ける演技となり総合4位という結果に終わる。 だがこの結果でGPファイナルに出場できるランキングでギリギリ6位になることが出来、出場権を得る。 ファイナルではNHK杯までの不調を感じさせないほどの演技を見せ、SPではシーズン最高得点を叩き出し首位に立ち FSでは終盤で一度ジャンプミスがあったがそれ以外は二種類の四回転ジャンプを含めて完璧の演技を見せ、自己ベストを更新。 日本男子初の大会二連覇を達成した。 続く全日本選手権でも圧巻の演技を見せ、見事高橋大輔以来となる三連覇を達成する。 しかし今大会では最大の戦友であったとも言える町田樹が「全日本選手権を以て引退することを本日決断しました」という電撃引退宣言をすることになる。 羽生本人は全日本直後に「尿膜管遺残症」を発症し、緊急入院をして手術をも経験する。 一か月間の安静治療を言い渡され、当然世界選手権出場は危ぶまれたものの、案の定本人の強い意志で、退院後に練習を再開させ急ピッチで状態を仕上げる。 上海で迎えた世界選手権では、SPでは一位に名乗りを挙げたが、FSではベストとは程遠い演技で同門の盟友・フェルナンデスに一位を譲る。 羽生は対面したフェルナンデスの勝利を本心から祝福したものの、どうしても湧き出てくる悔しさが綯い交ぜになり涙が止まらなくなってしまう。 しかしフェルナンデスは「僕が今回チャンピオンだけど、でも僕の中では君がいつもチャンピオンだよ」 と言って泣いている羽生を何度も抱擁し、互いの健闘を讃えた。この模様はEXのインタビュー時に放映され、軽く放送事故になったとかならないとか。 【前人未踏の記録を撃ちたてた2015年-2016年シーズン】 SPは前シーズンの「バラード一番」を続行、FSでは和をテーマにしたプログラム「SEIMEI」を扱う。 スケートカナダではSPで大きく出遅れるものの、FSでは自身初の四回転3本を決め二位につける。 復帰した最大のライバル・チャンには一位を譲るものの、「次はそこに立つからね」と火花を散らし健闘を誓う。 NHK杯では史上初の四回転ルッツを決める脅威の若手・金博洋に触発されたこともあり、SPの四回転数を4S 4T-3Tの二回に変更。 シニアに上がったばかりの彼を迎え撃つ。そして金が95点台の高得点を叩きだしたことで闘志を燃やし、全てのジャンプを成功させ ソチ五輪の自身の記録を更新する106.33点をマークし、SP世界最高得点をマークする。 そしてFSでは自身を絶対王者だと言い聞かせることでプレッシャーをかけ、FSでは三度の四回転を含むジャンプを完璧に決め 陰陽師・安倍晴明を演じ切って史上初の200点台となる216.07点という驚異的な点数を記録。 SP・FS合わせたトータルスコアでも史上初の300点台となる322.40点を記録した。 自分でも「これどうするよ?今の自分これ以上できねえぞ?」と冗談交じりながらも今後の自分にかかるプレッシャーを口にしていた。 しかしそれらの記録も全て伝説の序章に過ぎなかった。 NHK杯含むGPSを終え、迎えたGPF。世界トップの六人が集う上、親友兼ライバルのフェルナンデスの地元というアウェイの地だった。 プレッシャーからかパトリック・チャンを始めとするトップスケーターにミスが相次ぐ中、 羽生はSPをNHK杯以上にクリーンな出来で仕上げ、110.95点を叩き出して再び世界記録を塗り替えた。 そして二位以下に20点もの差をつけ、断トツの一位で迎えた一日後のFS。直前に地元のフェルナンデスが、素晴らしい演技を披露し会場が湧きたつ中で SEIMEIを完璧に演じ切り、会場もジャッジも支配しきってスタンディングオーベーションを起こした。 点数を待つkiss&cryではフェルナンデスが降参のポーズを見せて会場が沸く中、またもFSでも世界最高得点を塗り替える、219.48点をマーク。 トータル330.43点という驚異的なスコアを叩き出し、再び全ての世界記録を更新した。 流石の羽生もホーム外での記録更新に大きなプレッシャーを感じていたのか 得点を見るやいなや大粒の涙を零し、「Why am I crying?」と泣き笑いで自問自答する一幕もあった。 後に羽生はこのことについて、未知の領域へ踏み込むことが「凄く恐かった」のだと分析している。 続く全日本選手権では疲労と足首の捻挫により、SP・FS合わせて三度のミスをする羽生にとっては不本意な演技となったものの、 圧倒的な技術点と演技構成により見事三連覇を果たす。なお本人は悔しさと自らへの怒りを露わにし、「下手くそ」「二度とこんな演技をしないようにする」とコメント。 三月に迎える世界選手権では、親友かつ最大のライバルとなったフェルナンデスから世界王者を奪還すべく 決めれば自身のみでなく世界初の快挙となる四回転ループの組み込みも視野に入れ、成長を誓った。 名実ともに世界最高のフィギュアスケート選手である羽生結弦。彼の今後の活躍にも期待していきたい。 【関連人物】 上記のように、人物・経歴共に漫画の主人公じみている羽生であるが、彼の周りの人物や彼らとの関係もなかなかどうして少年漫画っぽさがすごい。 ここでは一部ではあるが、羽生を取り巻く個性的な人物たちを紹介していく。 エフゲニー・プルシェンコ(神) 説明不要のフィギュアスケートの神(羽生談)。初代宇宙人。その偉業はここには書ききれないので各種wikiなど参照されたし。 羽生はソルトレーク五輪のプルシェンコを見て衝撃を受け、以降彼に心酔し髪型まで真似していた。 プルシェンコはバンクーバー五輪前後に四回転の価値が下がろうとしていた時代にも「フィギュアスケートの未来」のために四回転を跳び続け 四回転の価値を上げて、現在の高い技術を誇る四回転を取り入れる羽生の演技の原動力の一つにもなった。 絶対王者となった羽生は今でも「プルシェンコのような圧倒的な存在になりたい」と彼へのリスペクトを示し続け、 今でもなお彼の代名詞であったビールマンスピンを取り入れ続けている。 プルシェンコも羽生が幼い頃から「将来チャンピオンになる」とその実力を評価しており、五輪優勝以降は自分の「アイドル」「ヒーロー」と絶賛している。 羽生が世界記録を更新した際には「私がバンクーバーから言いたかったこととはこのことだ」とフィギュアスケートの未来を導いた羽生を讃えた。 ハビエル・フェルナンデス(親友) 同門のリンクメイトにして羽生のライバル兼親友。現世界王者。 フィギュアスケート史上でもトップレベルの実力者二人がここまで仲が良いことは非常に珍しく 特に海外報道やコラムでは「蜜月の」「甘い関係」「人生の友」と称されるほど親密な間柄である。 ただしフェルナンデスはミキティこと安藤美姫との交際を公表しているので誤解しないように。 なおフェルナンデスは羽生のことを「スケーティングワイフ」と形容してる。本妻の立場とは。 二人の間柄を表す言葉としては「四六時中一緒にスケートボードをしているような関係」とされる「ブロマンス」が最も当てはまるといえるであろう。 ブライアン・オーサー(コーチ) 羽生とフェルナンデスを指導するコーチ。若い頃は「ミスタートリプルアクセル」の異名を持つジャンプの名手だった。 浅田真央の最大のライバルであった金妍児を指導していたことから、羽生がオーサーについた当初はその起用を疑問視する声も多くあったが (なおオーサーは金妍児から一方的に契約を打ち切られ、師弟関係を解消した経緯があった) お馴染みの黄色い熊を大事に抱える姿に癒される声が続出・羽生との友好的な関係も散見され 何よりジャンプ指導の上手さと演技構成の巧みさにより、名実共に世界最高のコーチとして評価されるようになった。 現五輪王者(羽生)と現世界王者(フェルナンデス)両者を弟子として平等に扱い、友好的な関係を築いている点からもそのことがうかがえる。 パトリック・チャン(ライバル) 力強い四回転を武器に長らく絶対王者として君臨し続けていた最大のライバル。 五輪シーズンまで幾度となく羽生の前に立ち塞がり続けたが、ソチ五輪では僅差で羽生に敗北。 その後一年の休養を経て、復帰後のスケートカナダでは羽生に勝利した実力者である。 圧倒的な四回転が注目されるものの、元は「世界一のスケーティング」と称される極上のスケーティングが武器の選手であり バンクーバー五輪時には四回転に少々否定気味だった。……がその一年後にしれっと四回転を入れてきたツンデレな性分の持ち主。 日本のラーメンが大好物であり、日本で大会があるたびに屋台での目撃情報が寄せられる。日本を分析するためにけいおん!を鑑賞するお茶目な一面も。 金博洋(ライバルその2) 史上初の四回転ルッツを軽々と決める脅威の若手選手。プログラムの中に六度の四回転を組み込むTES(テクニカルスコア)の鬼である。 羽生は彼の存在とその四回転に大層刺激を受けたようで、あの世界記録にも繋がった。 なお本人は非常にほんわかとした性格であり、憧れの選手に羽生も挙げ、永遠のライバルとなるであろう宇野昌磨に対しても「友達になりたい」と発言する癒し系である。 町田樹(戦友) ティムシェル。ご存知氷上の哲学者。超個性的な発言をかます町田語録で注目を集めるが、何気にソチ五輪5位・世界選手権2位の超実力者である。 日本選手の中でもとりわけ仲が良いらしく羽生は町田のことを「戦友」と形容し、2014年では熾烈なトップ争いを繰り広げた。 しかし町田は全日本選手権を最後に、フィギュアスケート選手らのセカンドキャリアを改善することを目標の一つとし、学者を志すことを理由に引退を表明。 その頃ちょうど羽生は緊急入院しており直接反応は見られなかったが、2015年シーズンのGPFのEXにおいて 町田の名EXである「DON'T STOP ME NOW」のエアギターを完コピしてる様子を見せており、その後も友好的な交流は続いているようである。 宇野昌磨(ライバル兼後輩) 小柄な体格ながら安定したジャンプと凄まじい表現力を持つホープ。世界一のステップを持つとも名高かった高橋大輔を慕っているように 年齢離れした重厚な表現力を持っており、将来は日本に留まらず世界のエースにも名乗りを挙げる小さな巨人である。 ノービス時代からの旧知の仲であり、羽生は宇野を大層気に入って可愛がっている様子で氷上陸上問わずたびたび構い倒している様子が見られる。 山本草太(憧れられる) 長い手足に年齢離れした卓越したスケーティング技術を持ち合わせるポスト羽生。 自他ともに認める羽生の大ファンであり、SNSで羽生とのツーショットや演技写真を上げている様はただのファン。 ただ最近はライバルとして争う意識も芽生えたようで、度々自身と同じ年だった時の羽生を比べている。 今はまだジュニアであるが、平昌五輪に羽生と一緒に出るべく日々力を伸ばしている。 荒川静香(姉同然の存在) 女子シングルにおけるトリノ五輪金メダリスト。曰く「姉のような存在」である荒川を羽生が尊敬してやまないのは、大きな理由がある。 幼い羽生が通っていたリンク場は経営難により閉鎖の危機に追い込まれたが、五輪金を獲った荒川がスケート環境の悪化をメディアを通じて訴えたことにより 県内でもスケート環境改善の世論が活性化し、ホームリンクは営業を再開させることに成功。羽生はスケートを続けることができたという経緯がある。 羽生は荒川へのリスペクトを示すために、彼女の代名詞である「イナバウアー」を欠かさず演技に取り入れ続けている。 羽生善治(名字の漢字繋がり) ご存知トップクラスの将棋士。 スケーターではないが見ての通り名字の字が一緒(読みが違う)ので意識しているし、同時にNHK杯に出たり連覇を達成したりしてニュースを見た人を混乱させる。。 ちなみに字は一緒でも読みが違う(善治さんは「はぶ」)。またそのルーツも異なっているらしい。 名前繋がり以外にも「トップクラスで戦う者」として善治は結弦を意識しており、結弦がプロ転向を決意した際にも真っ先にコメントした。 また奥さんの畠田理恵も結弦の事を彼が小学生の時から応援しており、ファンを名乗っている。勿論夫は名前でいじられている。 【賞歴】 2010年:世界ジュニア選手権 優勝 2011年:四大陸選手権 2位 2011年:全日本選手権 3位 2012年:世界選手権 3位 2012年:NHK杯 優勝 2012年:GPファイナル 2位 2012年:全日本選手権 優勝 2013年:四大陸選手権 2位 2013年:世界選手権 4位 2013年:全日本選手権 優勝(2連覇) 2014年:ソチオリンピック 団体5位 個人金メダル(日本人唯一) 2014年:世界選手権 優勝 2014年:NHK杯 4位 2014年:GPファイナル 優勝(日本男子初の2連覇) 2014年:全日本選手権 優勝(五輪・GPF・ワールド三冠達成) 2015年:世界選手権 2位 2015年:NHK杯 優勝(SP・FS共に世界記録更新) 2015年:GPファイナル 優勝(SP・FS共に世界記録再更新) 2015年:全日本選手権 優勝(3連覇) 追記・修正お願いします △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] アニオタ的にはウルトラマンガイアのエピソードも忘れてはいけない -- 名無しさん (2014-05-05 18 40 38) パッと見ると宝塚の男優さんみたいな人だなぁと最初思ったわ…細身なせいかな? でも徐々に男らしい顔つきになっていくんだろうな、たぶん。 -- 名無しさん (2014-05-05 19 09 32) 頭小さいからかすごい長身に見えるな -- 名無しさん (2014-05-05 19 26 56) 羽生市ェ… -- 名無しさん (2014-05-06 00 06 20) アイスリンクが営業再開した日、羽生選手を見つけて抱き着いて来たょぅι゛ょと戯れる姿がテレビ放映されたという。かわいい。 -- 名無しさん (2014-05-06 12 54 08) 闘争心が半端ないけど、コーチは時に抑えさせるのも大事なのではなかろうかって思いました -- 名無しさん (2014-12-29 01 56 06) 練習中の彼の事故でスケート世界の練習は少しでも改善されたんだろうか。 -- 名無しさん (2014-12-29 12 59 33) ↑ 練習云々よりも日本のフィギュアスケート協会が選手団に専属医を付ける方が先だろ。 -- 名無しさん (2014-12-29 15 36 52) 無良選手とイヤホン談義してるらしいね。カスタムIEMマニア? -- 名無しさん (2015-12-14 23 35 54) SP:106.33→110.95、FP:216.07→219.48、トータル:322.40→330.43、自分という一番高くなった壁を自分で越えていくのってどういう感じなんだろう… -- 名無しさん (2015-12-14 23 51 19) まだ羽生が人間だった頃の項目か -- 名無しさん (2015-12-14 23 54 12) 項目の後半部分に関連人物が載っているが、「三枚目のそそっかしい先輩」ポジションとして織田信成を加えてもいいかも?ww -- 名無しさん (2016-01-05 18 58 13) かしこい かわいい ハニューシカ!! 今となってはアニメすら超えたスーパーヒーロー(ヒロイン?)だけどな…w -- 名無しさん (2016-01-05 19 48 09) ↑5 羽生のイヤホンはカスタムショップで受注した特注品でたしか10万以上してたはず。 しかし、最も神に近かったプルシェンコをも超えてしまったか。 -- 名無しさん (2016-01-05 22 29 25) 何この人間外。 -- 名無しさん (2016-01-06 00 28 28) どこまで昇っていくのか……くれぐれも体にだけはお気をつけて(汗 -- 名無しさん (2016-01-06 20 36 20) 確か頭強打したんだよね?後遺症とかは大丈夫だったんだろうか? -- 名無しさん (2016-01-06 21 03 21) 大谷翔平、萩野公介と同じく1994年生まれ。同年生まれとして誇れると同時に焦る。 -- 名無しさん (2017-02-05 17 35 47) ルーデル閣下とかリアルチート勢に加えられているの笑える -- 名無しさん (2017-02-19 11 24 26) よっしゃあああああ!! うおおおぉぉぉぉぉ!! >< -- 名無しさん (2018-02-17 14 39 59) ↑2 いや、もうここまできたら、ルーデル閣下レベルでしょ>< -- 名無しさん (2018-02-17 14 53 55) 今度はライバル兼後輩とワンツーフィニッシュという新たな伝説を打ち立てたよ… -- 名無しさん (2018-02-17 15 20 54) 勝ったぁ -- 名無しさん (2018-02-17 16 56 29) ここのページもまたいろいろと記述すべき事が増えたな!本当に良かった! -- 名無しさん (2018-02-17 17 26 22) 主人公体質って言うけどさ…五輪直前の怪我、復帰後の圧巻の演技、最後は後輩と戦友とでメダル独占で〆って、今時少年漫画でも無いぞ、そんな展開(笑) -- 名無しさん (2018-02-17 19 45 03) ↑超主人公体質ってところか。 -- 名無しさん (2018-02-17 19 57 02) 冬季五輪金メダルの通算1000個目だったというおまけまでついてしまった -- 名無しさん (2018-02-18 01 31 08) こうして見るととんだバケモノだな(褒め言葉) -- 名無しさん (2018-02-18 11 46 55) ここまで来たら宇野昌磨のページも作成していただきたい -- 名無しさん (2018-02-19 23 02 53) 彼にフォトンストリーム(V2に初めてなった時の曲)か帰還(Lovin' You Lovin' Meのアレンジ)でいつか滑ってほしい。すごいかっこいいものになると思う。元からかっこいいし。 -- 名無しさん (2018-02-19 23 10 03) 実は宇野と共にアニオタであることが判明。 しかも好きなアニメがシャーロットとまあまあ深みにはまってる。 -- 名無しさん (2018-02-20 01 06 53) 彼の唯一の弱点を聞きたいか? それは……将棋の羽生氏と苗字が同じで、『はぶ』と『はにゅう』を読み間違える可能性が高いということだッッ!! -- 名無しさん (2018-02-20 09 26 08) ソチで66年ぶりのフィギュアでの10代男子での優勝、ピョンチャンで66年ぶりのフィギュア連覇、冬季五輪史上通算1000個目の金メダル。オリンピックに関する数字も神がかってるな -- 名無しさん (2018-02-21 17 04 57) トップクラスの女子スケーターから追っかけられることも追加で -- 名無しさん (2018-07-28 04 58 09) 羽生選手、東京五輪の時に4回転半にチャレンジしなくても金をとるのも不可能ではなかったんだろうけど挑戦する決意には感服します。 -- 名無しさん (2022-07-22 11 52 16) 年齢修正しといた -- 名無しさん (2022-08-13 03 10 15) アデノイドの星 -- 名無しさん (2022-08-13 10 04 04) 結婚おめでとー!お幸せに。 -- 名無しさん (2023-08-05 11 18 49) スピード離婚した事について一部で「男なら守り抜いて見せろ」とバッシングを受けてるな… -- 名無しさん (2023-11-22 10 36 06) その原因になったといわれるマスコミや過激ファンの方もめっちゃ叩かれてるけどね -- 名無しさん (2023-11-22 19 38 16) 守りたかったから必死に奥さんの素性隠してたんだと思うんですよ…願いむなしく特定拡散されておじゃんになったけど -- 名無しさん (2023-11-22 20 13 25) 自分ももちろんのこと、奥さんを守るための苦渋の決断だったと思うので彼をバッシングするのはお門違いだし、酷なことだと思います。お互いに望みあって結婚したはずなんだから、何も関係ない外部のことで別れなきゃならなくて、一番つらいのは本人達でしょう。ストーカー気質な一部の過激なファン、一部のマスゴミこそ叩かれるべき「自分を悪だと思っていない悪」だと私は思います。 -- 名無しさん (2024-02-19 14 11 51) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/miyabi733/pages/659.html
←––––––Back Home––––––→ * –––– 某国某所・悪魔城門前 –––– シェン「(鉄格子に背を預け腕を組み、殆ど日が沈み群青と真紅が混じった地平から差し込む陽光を浴びながら瞼を閉ざし沈黙)––––––– パ チ (静粛の中から何かを聞き取ったのか片目を開け、視線の先にある森林をじっと睨んだまま微動だにしない)––––お一人様か。生憎一見さんはお断りだぜぇ~お客様よォォォ~~…… 」 踊り子衣装の人物「ナヨォ~・・・ナヨォ~。(扇で顔を隠し腰をくねくねさせながら近づいてくる) 」 シェン「 ゾ ッ (瞬間、シェンの脳裏には脱皮した蛇の皮に潜り込むカエルのような珍妙で不気味な様がッ!)えっ、あれちょっと待って俺ちゃん今かっこよく決めたんだけどあれなにこれあのその 」 踊り子衣装の人物が扇子をゆっくりとじ、正体を詳らかにする 」 火愚病(踊り子衣装)「アタクシ、テキーラをお持ちしましたの♡ねぇ、入れてくださるぅ?(べったべたの化粧を施しなよぉ~と詰め寄ってくる) 」 シェン「(仮面のように張り付いた笑顔。なよぉっとガムテープのように迫り来る火愚病相手にシェンはなすすべもなく硬直し脳裏には自分をフッた元カノ達の顔の数々が浮かんでは消えてを繰り返していたというッ!!(CV大川透))┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨……丁度。(ぽつりと囁き火愚病の所持しているテキーラに手を触れ)門番っていうのは立ちっぱなしで近くに水飲み場もない、デスクワークとは懸け離れた激務なんだ。丁度、喉が渇いていたんだ。そのテキイィィィーラを分けてくれないかな( に っ こ り ) 」 火愚病(踊り子衣装)「(ふ、流石俺の変装・・・まさかマフィア相手に通じるとは、自分で自分の美貌が恐ろしくなってくるぜ)はぁい♡まずはアナタにぃ! 」 シェン「ドーモ、ありがとさん。いやぁ~助かるねぇこんな辺鄙なとこにわざわざ踊り子さんが来てくれるたぁ珍しいこともあったもんだぁなぁ(へらへらと談笑しつつもテキーラを手に取るがコルクを外すことはなく)中身は……入れたままにしておくよ。あとで飲むさ(┣¨┣¨┣¨┣¨…)君を、始末した後でねッ!!!! カッ (某ペルソナカットイン) 」 BGM 総攻撃チャンス(ペルソナ4) 火愚病(踊り子衣装)「あふん♡どうもありが・・・え?始末? 」 シェン「 ン 月 ッ !!!!(手に取った酒瓶に渾身の力を込めて火愚病の懐に潜り込みアッパーアカットのように振り上げ顎をカチ上げ) 光ッ!! (そして叩き上げた火愚病を追うように飛翔、頭上から背中へ踵落としを決め空中に固定し) 蝶ォオオォォォォォ–––––ッ!!!! (駄目押しに横に3回転し遠心力を乗せた真一文字の振り抜きによって酒瓶を顔面にぶち込んで吹っ飛ばす) 」 火愚病「あぎゃっぱぁあああああああああああ!!!!?(テキーラ・火愚病、潜入失敗ッ! 再起不能(リタイア)ッ!)(CV大川透) 」 シェン「シュトッ ––––┣¨ヤァァァ(鮮やかフォームで着地、からの清々しいまでのドヤ顔カメラ目線)ァァァ…… \カァーカァー/……アホくせ(後にはカラスの鳴き声と沈黙が残りぽつりとこぼして再び腕を組み鉄格子に背を預ける) 」 華峰「さてさて・・・困りましたわ。森を抜けたらあら不思議、不思議な洋館についてしまいました。皆様大丈夫でしょうか。まぁいいでしょう(門の方まで歩み寄り)もし、もしそこな門番の御方。私はしがないシスターです。どうか一晩だけで構いません。御泊め頂けることは叶いませんか? 」 シェン「……(テキーラ娘だった何かに対してそうしたように片目を開け、左口角を上げながら華峰に視線をやり)–––––(眉をひそめ沈黙、二人の間を木枯らしが駆け抜け)それはそれは大変だ(背を鉄格子から離し華峰と正面から向き合って目を糸のようにして友好的な微笑を浮かべる)"憂いの森"を抜けてきたのかい。ここに流れ着くとはオタクも運がいい。何があったのか知らんけど道中大変だったでしょうに…… –––––"お一人"で? 」 華峰「えぇ、道中連れがいたのですが逸れてしまい・・・いかがですか?(女性特有の涙目) 」 シェン「ああ!それはなんということだ、もうすぐ嵐が来るというのにッ!(華峰の涙目に呼応するように悲痛な表情を浮かべ声を張り上げる)ご安心を、すぐに捜索するように手配いたしますので。大丈夫、土地勘のある者を向かわせますからすぐにでも見つかりますよ。ひとまずは中へお入りください、ご同行者をお連れするまでの間は–––––(華峰の背に腕を回し友好的な笑みを浮かべ誘導しようとするが……) 」 * ♪ メ" キ" ィ" ィ"ィ"ィ" ……ッ!! (華峰の背に添えられた腕からさながら破裂寸前にまで膨張した筋肉によって骨が悲鳴をあげるような音が響き空気が凍りつく) 」 シェン「–––––– ベ ッ ド 棺桶 で お 寝 ん ね 永眠 し て な 。 」 華峰「――――ッ!!(寸でのところで気配を察知し、轟撃が背中を貫く前に、後方へ跳躍。)・・・・・・女性をエスコートするには少々力みすぎですね。もう少しリラックスしていただけると私としても安心なのですが。 」 シェン「 ヒ"ュ オ"ォォッツ (列車が駆け抜けた際のような風切り音が木霊し轟撃がブロック塀をスプーンで抉ったヨーグルトのように削られる) ッフゥゥゥゥ…… (腕を突き出した状態のまま息を吐き出して硬直し、肩の力を抜いて無形の構えをとる)んなるほどな、お前は少々女性に対してズボらすぎるとも言われてたんだけど、あんがとなべっぴんさん。お陰で自信がついたぜ(機微に手を添えコキコキと音を鳴らす)俺さえも知らねぇジゼルちゃんの能力を知ってるんだって? 」 華峰「・・・・その名前が出るという事は、どうやら先方から話は伝わっているようですね。しかし、参りましたね・・・見ての通り私はか弱いシスター。乱暴をされてはこまります。ね?ここはひとつ穏便に・・・ねッ!(その速さはガンマンの早撃ち。袖口から銃剣を数本逆向きに取り出し一気に投擲。ヒュオオオッ!と風を孕み、閃光は鋭利な軌道を描きシェンに飛翔する) 」 シェン「 カ ッ (一連の動きの初動から攻撃を見抜き)ヒュ… オ ン (目の前に銃剣が飛来して時間の流れが時の流れが遅くなったと錯覚するようなスローモーションになり) パァンッ ガッ キィィィン!!(最初の一本を左手で払って弾きプロペラのように回転させ2本目とぶつけ相殺)パシッ ヒュ ォンッ!!カキカキィン!!(相殺した2本をキャッチして3、4本目をX字きりで振り払って叩き落とし) 会話のキャッチボールで片つくか試すか? そらよッ!! (地を蹴り駆け出しながらその手に取った銃剣を槍のように投げつける) 」 VS【グラナートファミリエ構成員 門番・磷火 沈】 華峰「ほう、あれを躱すとは・・・。(牙をむく閃光に対し冷静にくにゃんとバレリーナ並の柔軟でことごとく躱すし)どうやら、中・遠距離は対策済みのようです。(ズンッ!とブーツのヒール部分を地に埋まるまでめり込ませバネ仕掛けのように飛び掛かる。両手には袖口から出した新たな銃剣二刀流。空中からの両手上段。弾けんばかりの空圧をその身に宿しシェンに斬りかかる) 」 シェン「 ドゥンッ! (同じく地に右足を陥没させ勢いを殺し踏みとどまり) フ ォ ォォ……!! (空中から攻撃にかかるまでのラグを見逃さず)スパァンッッ!! ヒュオ……ッ–––––(素早く両腕をL字に曲げてガッツポーズのようにしがら振り上げ華峰の両肘にぶつけ軌道をそらさせ上体に飛び蹴りを仕掛けようとする) 」 華峰「―――ぐがっ!!?(両肘に攻撃を受け剣の軌道は大きく乱れるどころか反動で銃剣は明後日の方向へ。)―――――うぐぅふぅッ!(飛び蹴りが胸部と腹部の間に流星の様な鋭さで直撃、バランスを崩した状態で受け身など取れるはずはなく、無様に地面にドカドカと勢いよく転がっていく) 」 シェン「(潰すにはもったいねぇべっぴんだが) クルン… ストッ(サマーソルトを決めてから着地し休む間も無く着地の際の衝撃をバネに弾丸のように駆け出し転がっていく華峰を追って小さく地を蹴って飛び)–––––こうするのが確実なんでな ヒュ ォオ ッ!! (着地に合わせて華峰の顔面を潰さんと言わんばかりに正拳を降り降ろそうとする) 」 華峰「―――舐めてもらっては、困りますッ!(無理矢理に体勢を直し、まず正拳を左掌で受け止めゆっくり受け流すような動作で威力を吸収してから)―――チュドドッ!(サイレンサーをつけた銃器ににも似た空裂音と共に右の拳でシェンの顔面に二打。無行砕拳によるカウンター技の一つ) 」 シェン「–––––ッッ(反撃を食らう直前瞳が豆のように縮小し)―――チュドドッ! ッグ……ぁ"……ッ!!(顔面に二打がクリーンヒットし両足をしっかりと地につけ地表を抉りながらも後退) ベキ……–––インッッ!! (骨が砕けるような音が響き思い切り後方へ仰け反り隙が生じる) 」 華峰「はぁあああッ!!!(一気に詰め至近距離からの機関銃的拳打と蹴撃。胴体、下肢、顔面と余すところなく無行の嵐をもって砕きにかかる) 」 シェン「 ッハ!!(地にしっかりとつけていた足を浮かせ、華峰の初動に対し殆ど飛翔しないサマーソルトで爪先と拳を相殺させ対応)ストッ ┣¨ンッ!!(二撃目を拳と拳を真っ向からぶつけ相殺)ヒュン ガッツ!! フッ… ┣¨ ゴォッ!! (続けて半回転からの裏拳→逆方向への半回転から飛翔→両足による回転蹴り二連→続けて着地から回転の勢いを生かし大振りなローキックを放って華峰の攻撃全てを相殺し最終的にお互いの蹴りがぶつかり合ったまま硬直する) 」 華峰「(ギリギリと足と足の鍔迫り合いの最中、スルリとスリットがズレる。この気を見逃さなかった)あら、いやん。失礼ッ!(クンッと脱力しそのまま地面にフワリと倒れるようにサマーソルトをシェンの顎に放つ。反動を利用し後方へと間合いを開けることにした) 」 シェン「えっちょっっとまって見え……–––––(スリットの隙間が見えそうになったとたん急に目が丸くなり) 無 ェ !!? (直後蹴りを受け大げさに悲鳴をあげるが怯まず) ガ ォ ン ン ン ン …… ッ (さながら金属を蹴ったかのような鈍い音とそれ相応の衝撃が華峰の足に響く)ォォォン シェン「–––––– ニ ィ 。(間合いを取った華峰に対して、人のそれとは思えない八重歯をのぞかせる微笑みを浮かべる彼は、攻撃を受けたにもかかわらず全く微動だにしていなかった) 」 –––––先程まで、地平の灯火のように光を放っていた暁は消失し、気づけば辺りは徐々に暗転しようとしていた。 」 シェン「なるほどな。(首に手を添えコキリと乾いた音を鳴らしながら、じっと裂けそうなほどに鋭い黄金色の眼光を讃え華峰の姿を捉える)期待ハズレじゃなかったぜ。ただまぁ–––– 」 虫のさえずりも、木のざわめきも死に絶えたように静まり返り、光源は城の照明と 」 シェン「(先ほどまでのおちゃらけた風の男のそれではない。既に楽しみ”終えた”、有り余る力を温存させたまま大義を成し遂げてしまった退屈な武将のような顔をしたその男の首筋には–––)ゾゾゾゾゾ……ッ(胴体から顎にかけて、黒く染まり始めた皮膚が顎にかけて徐々に侵食しており)––––––––予想通りだけどな。 」 ––– 妖艶な輝きを放ちは閉めた、月光のみだった ––– * ♪ シェン「お嬢をわざわざ落胆させてやることもねぇ。とはいえ、客はもてなすのが礼儀ってもんだ。(月の登り始めた深淵の入り口のごとき闇夜を背に、両腕を広げ胸を張り八重歯の除く笑みを浮かべる)––––– 来 な 、理解させてやる。五体満足は保証しねーがよ 」 ー悪魔城ー 【Crimson Overture】 Round2 ― Broken Gate ― 華峰「・・・私もどうやら・・・・"天国"への道が、近いようですねぇ。(スゥっと身構え、冷たい空間に鋭く張り付く。不敵な笑みにはたらりと冷や汗が) 」 シェン「冥土の土産もなしってーのはちとしけてるってもんだろ。(「ヘッ」といった風に歯を見せて鼻で笑い)さっ、”遠慮するな”よ(首をクイと捻り攻撃を促すようにしながら) 」 華峰「―――ッ!(ズンッと風圧が地面を蹴り上げる。二拳の織り成す流星はシェンの頭部と顎を同時に砕きにかかる) 」 ガォ ッツ ––––––– ォォン…… (重金属を槌で打ったような鈍い金属音が静粛を破り、周囲の木々が悲鳴をあげるようにして騒めく) シェン「––––––––––(華峰の穿った攻撃は確実にシェンの頭部、顎を確実に、そして的確に捉えていた)–––––ククッ(しかし、彼は微動だにせず拳の向こう側で不敵に笑み)おい。俺は”遠慮するな”って言ったはずだが? 指、逝ってねーだろうな 」 華峰「な。(にぃぃ~!?この・・・鎧を殴りつけたような感覚。ダメージが全く通っていない!)くっ!(着地直後に身を捻り脇に向かって蹴りを回す。) 」 シェン「ガギィィィンッッ(脇に叩き込まれた蹴りの一撃でさえも、常人が阿弥陀像に蹴りを入れたそれのようにブレることのなく同じ体勢のまま)ッ……フゥゥ……––––今のはちと”痒かった”な。いいおみ足してるだけあるなァ、アネさんや。それにひきかえ––––(冗談めかしく笑みながらも広げたままの腕を解き、羽織っていたジャケットを脱ぎ捨て。)悪いな、できればブ男になるから使いたくはねーんだけどよ。まぁ喧嘩に反則はあるまいし、恨んでくれるなよ(黒いノープのインナーに同化するかのように、黒く光沢を帯びた皮膚が、顎から下まで、殆ど全身すべてを覆っており、目元からは赤い血管が浮き出、頭部の左側面からは”ツノ”が発現していた) 」 華峰「・・・その角、そして体の頑強さ・・・"鬼"ねアナタ。(バッと一間の間合いを開け) 」 シェン「ご名答、さすがシスター!––––って褒めてやりてェとこだけど、”片角”ってとこを除けばまんまそれだからなァ(瞼を閉ざして首を左右に揺らし骨を唸らせ、片目を開け)ちょいと昔はそこそこ有名人だったんだぜ、”カタツノ”って名で通っててな。隠すつもりゃなかったんだけどほら、この通りブ男になるもんでよ(コンコンと音を鳴らしながら爪のたった黒く硬質な手で硬質化した顎を突き) 」 華峰「・・・・異形の者との戦闘は聊かの心得はありますが・・・・アナタのようなタイプは初めてですね。改めて自分の世界の小ささを認識してしまいます。(再び構えを取り) 」 シェン「そう悲観すんなってーの。己を知って初めて見える世界もあるってもんよ(今度は両腕を広げることなく、五指を立てて腰を低くし構えをとる)絶景だろう?負け戦の景色ってーのも 」 華峰「では、負けを覆す作業にでも取り掛かるとしましょう。生憎モモタローやキンタローの物語はあまり読んだことがないので、鬼殺しの方法はわかりかねますが。ま、大丈夫でしょう。(銃剣を二刀、聖教会の祝福儀礼が施され宵闇の中で白銀に輝く) 」 シェン「ビギナーズラックの時間は終わりだ–––– ┣¨ ゥ ッ (一歩の踏み込みのみで彼の右足の周囲の地面が陥没し、土埃が輪を描いて四散する)桃太郎が退治される物語、童共の新しい語り草の始まり始ま…… り ッッッ!!!!(一気に距離を詰め適度に間合いを開けながら華峰に向かって重いブローを放ってくる) 」 華峰「(来たッ!ここで剣を・・・!)――――え?(華峰の目測が外れる。実際よりも早くに間合いに到達したシェンのブローが両手上段で無防備になった腹部に衝突する)ぐはがぁああ!!?(隕石が衝突したような空気の揺れがズドンと響く。そのまま近くの岩に叩きつけられ磔状態に) 」 シェン「ズサァァァァッ(拳を命中した位置で止め、口から機関車の蒸気のように吐息を吐き出し)ザリッ トットットットッ……–––タン フ ォ ン (常人の延長線上にあるような速度で脇目も振らず駆け出し、地を蹴って飛翔し華峰ヘ向かって右の拳を振りかぶる) 」 華峰「う・・・・ぐぅ!!(避ける間もなく拳は腹部に衝突すると同時に岩がドガぁとくだけ無防備にその身を舞いあがらせる) 」 シェン「┣¨ゴ ァ ッ !! (岸壁すらもいともたやすく砕き、前進する息おのまま地表を抉りながら着地し、土埃が舞う)さて……とっ。(指の関節を一本ずつ鳴らしながら華峰が吹っ飛んでいた方向を見据え)期待通り、予想通り……まあなんつーか、ガッカリだ。(前に突き出していた腕を下ろし両腕をダラリとさせ、再び口から蒸気のように吐息をこぼす)シュゥゥゥ…… 」 華峰「あ・・・はは・・・は、ぐふっ・・・ごほっ。―――何という事でしょう、リジェネレーションが追い付かない・・・なんて。(ゆらりと立ち上がる) 」 シェン「あん?”それ”……術、仕込んでたんだ?へぇー、てっきり生身かと思っちまったよ、スポンジ殴ってるみてぇだったからな(眉をひそめ小首を傾げかと思えば、構えを取らず一歩一歩、無防備に華峰へ歩み寄っていく)どうする、コンテ・ニュゥ、かァ? 」 華峰「―――「らせん階段」「カブト虫」「廃墟の街」「イチジクのタルト」「カブト虫」・・・(ブツブツと呪文の様に単語を並べだす) 」 シェン「(打ち所が悪かったか、まずったな。流石にやりすぎ……)……(–––––いや……こいつは、来るな)–––––(呟き始めた華峰を前にし、目を見開いて足を止め)………フッ(何を思ったのか、伏見がちに、不敵に左口角を吊り上げて微笑し片腕を腰に添え、木枯らしが頭髪を逆なでする) 」 華峰「―――」「ドロローサへの道」「カブト虫」 「特異点」「ジョット」「天使(エンジェル)」 「紫陽花」「カブト虫」「特異点」・・・・・・「秘密の皇帝」 。(十四の言葉、しかし、それ以上は何も起こらない。彼女も顔を少し伏せ目線を下にしたままじっと動かない) 」 シェン「……(先ほどまでの落胆していた表情は消え、敵の姿を捉えた虎のように獰猛な眼光を光らせ) ト ン ッ (地を大きく蹴り進行方向へ飛翔)ヒュン…… フ ォ ッッッ––––– (両右足の関節を曲げ大きく円を描くようにして1回転しながら足を伸ばし、遠心力を上乗せした回転蹴りを大気を割きながら振りかぶり、踵が華峰の目と鼻の先まで迫った) 」 次の瞬間、黒い影がシェンの体をすり抜けると同時に思い一撃と衝撃だけがシェンの体に残る。華峰はシェンのいつもの定位置にもたれかかっていた。 * ♪ シェン「 ズ ┣¨ ッッ!! (さながら弾丸で撃ち抜かれかのような鋭い衝撃が鳩尾を穿ち、白目を大きく見開いて瞳が点のように縮小し、体が海老のように折れ) か––––––ッ!!? (な”ン”……––––––)(意識が吹っ飛びかけた頃には、頭部が地に衝突する直前になっており、慌てて体を縦に一回転させ両足で華峰に背を向け着地) 」 華峰「―――この位置も悪くありませんね。シスター引退したら門番になろうかしら。・・・・・さて、次は私ですね?ちょっと、痛いかもですよ?(うふふと昼間の孤児院の先生の様な朗らかな笑みを見せ) 」 シェン「–––––冗談よせよや(背を向けたまま微かに震えの混じった声色で囁くように)おまんまの食い上げってのは時代劇において、最もぶち殺されなきゃならねぇお代官様のやることだぜ。おじょったまのツラ拝めなくなるしよォォォ……ッ!!(ゆっくりと、口から嬢機を吐きながら振り向く、その顔は全体を覆うように硬質化し、金色の瞳を覗いて白目まで黒く染まり、歓喜に震えていた)ようやく、今ようやく!この仕事が愉快になってきたんだ!!そう易々と譲れるかよ!! 」 華峰「ふふふ、そうですか。それは残念。では、アナタに最後言っておきましょう。―――――『時は加速』する。(華峰の姿が消え、拳と蹴りの跳弾がシェンに連続で飛び交う。ある程度攻撃すれば卑しいことにシェンの射程範囲外まで移動している) 」 シェン「ッッガッ! ギィン!! ガォン!!(全身が硬質化しているためか、痛みなどは感じていない様子だが尋常ではない速度が上乗せされた攻撃の連続で右へ左へと攻撃を受けるたび仰け反り、ひるんでいるのが伺える)ちィ……ッ(目で、追えねぇ……ッ!残像すら見えねえか……!前にもこんな事––––) が ッ !!(一撃が顎を捉え、衝撃で脳を揺さぶられ始めて”痛み”を感じる)––––––––!!(思い出した……ッ!ガキの頃のジゼル……ッ!!) 」 華峰「ん~、流石に硬いですね。イテテ・・・。降参したいのなら、してもいいですよ?主は鬼であろうと人であろうと、寛大であらせられますので。・・・といっても聞かなそうですが。言っておきますが加速された時間の中では生命はそれに追いつくことは出来ません、追いつくことができるのはこの『ステアウェイ・トゥ・ヘブン』を持つこの私だけ。 」 シェン「ッぐ……ぅ……!!(脳震盪により足元がぐらつき頭部を抑えうなだれるようにしながら華峰を見上げ)こいつ……(似たような現象……同じタイプの能力……–––––––“最悪の相性”)ザザッ(血塗れのナイフを片手に佇む幼いジゼルの姿が脳裏をフラッシュバッグし)っは……仕事でなきゃ素直になれたのによ。ニオみてぇな奴だったら楽に潰せんのに––––(苦虫を潰したように薄く笑みつつも、ぐらつく足元を見、何かを閃いたように目を見開き、隙が生まれる) 」 華峰「・・・・時の加速。(彼女自身はゆっくりあるいたつもり、そして軽く拳を握りガツンとシェンの額に) 」 シェン「 ゴ ッ (鈍い音が直接脳裏を揺さぶり衝撃が全身を駆け巡るが)ン”の–––––ッ!!(ここだ–––––)ンゥ––– る”ア”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ッ!!!!(スーパーアーマー状態でダメージと引き換えに全くひるむことなく攻撃を受けるとほぼ同時に足場を思い切り踏み抱き、水平だった地表が瞬く間に川辺のように砕け幾つも突起が出現し浮足状態を誘う) 」 華峰「―――何ッ!?(浮足立ちバランスをぐらりと崩す) 」 シェン「オ” オ”オ”ォ”ォ”ォ”ォ”ォ”ォ”ォ”ッッ!!!!!(––––引けねぇ) ┣¨ゥッ (自分自身も悪影響を受けるはずの凸の多い足場、それらを強引に踏み砕くと同時に破片を弾丸のように飛ばしながら華峰に向かって距離を詰め)ブ オ ンッツ!!(金色のオーラ 闘気 で三日月の軌跡を残しながらローキックを放つ)(俺は、俺の力はまだ!何一つ–––––!!) 」 華峰「―――これは、驚きました。(バランスを崩したところにローキックが足にめり込む。轟ッと音を立て吹っ飛ぼうとした瞬間、リジェネレーションがステアウェイ・トゥ・ヘヴンに合わせ超加速の治癒を足に施す。)――――ズガァッ!(その場に逆の足をめり込ませ、銃剣を取り出しびゅっと投擲。その瞳は相手を必ず仕留めるという"漆黒の意思"が宿っていた。)――――キィィィィン!(時の加速により銃剣さえも超高速でシェンに飛ぶ) 」 シェン「 ッツ!! (投擲された銃剣がシェンの”繰り出された右腕”に二本とも突き刺さり、切っ先を残して刀身ごと砕ける)(見える……ようやく”慣れ”てきた!あとは–––)そらァ よッ!!!!(再び遠心力を乗せての大振りのローキックだが) オ ォン ッ!!(衝撃波にも似たオーラを三日月型にして飛ばし間合いの外の攻撃を華峰へ一直線に穿つ) 」 華峰「(まさか・・・彼は今尚進化している?・・・それにこの攻撃、順応していっていると見ました。・・・・・加速しまくったからそろそろ夜が明ける時間ですね。)では、そろそろ終わりといたしましょう。これ以上戦うと私が不利になってしまうもので。(・・・この作戦、やってみる価値はあるッ!)(再び瞳に漆黒が宿る。衝撃波を躱しながら"一定の速度"でシェンに近づく) 」 シェン「ハッ––––––そいつは残念だ(一定の距離を保ちながら近づいてくる華峰を見据えながら、それが本心の言葉であったように切なげに笑み)フゥ––––(『なぁ、キャロル。今思えばお前の言う通りだよ』) ┣ ¨ウゥ!! (地を”踏み砕く”問いう生易しいものではなく、ある種の”爆破”をさせて蹴り、矢よりも素早く、砲弾のような重い拳を携え、一直線に迎え撃とうと飛び出す)––––––了”ア “ア”ア”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ッ!!!! 」 『みんなどこかで、何かを間違えただけなんだ。僕も、エディおいたんも、ニオもジゼルもイガルクも、大好きなお姉ちゃんも–––––– パ パ も 』 」 互いにクロスレンジに入ると同時に、それこそ”時”が減速したかのような錯覚が起きた。体感時間は川の流れのように、ひどく緩やかだった 」 『また一つ、抗いようのない間違えが出来たんだよ。 ––––この人とこんな形で出会ってしまったことだ』 」 華峰「――――ッ!(唐突のフェイント。攻撃の意志を瞬時に途切れさせ後方に回る。そして)―――――ヌンッ!!(それは拳法の方ですらないだたの横暴なパンチ。) 」 『シェンがクマ太郎をバザーに出しちゃったの!』『大丈夫ですよお嬢様、私がこいつの皮で新しいの作りますから』『お姉ちゃんがぬっころす』『やめて!!』 」 シェン「–––––––– ┣¨ ォ ン !!(華峰の型を捨てた渾身の一撃は確実に顔面を捉え、黒く染まった仮面に亀裂が迸り)ガ!あッ…アァ!!(全体重を乗せ地を思い切り踏みしめ) 」 『なぁキャロル。一つだけ言い忘れたことがあったんだ。クマ太郎には親戚が居たんだよ。その名もクマ五郎』『シェンのバカ!お姉ちゃんもジゼルも本当バカ!』 」 シェン「(剥がれ地た漆黒の仮面の下から人としての苦悶と執念の混じった、深い皺を刻んだ鬼の形相を垣間見せ)ブォンッツ!!(あくまで反撃しようと拳を振りかぶろうとする) 」 『お姉が教えてくれたんだ!”家族”は選べないけれど、だからこそ出会えたことが奇跡なんだって!だからクマタローにも……シェンにも……代わりなんていないんだからッ!』 」 華峰「――ッ!(彼女自身、能力の行使と戦闘でのダメージで莫大な体力を消耗しているがそれでも時間の加速度をさらに上げヒット&アウェイを繰り返す。それはものの数秒で太陽がまた沈んでいく程にまで) 」 シェン「┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ッッ!!(それはさながらに拳打の雨霰。容赦なく降り注ぐ乱打に晒され全身を覆っていた黒い皮膚が砕け、剥がれ落ち、辺りが鮮血で赤く染まってもなお彼は立ち続けた––––そして)┣¨┣¨┣¨┣¨ドドドドド ド ド ・・・・・………–––––––––––––––––––––– 」 『……––––––だよな』 」 『––––––お嬢、キャロルは』『ああ、確信したよ。 覚えていないんだ、あまりにも残酷過ぎる、真実を』 」 ┣¨ ゴ ゥ ッ !!!! 『神よ––––あなたはこの子を遣わす場所を間違えた。叶うなら、あのような悪魔の元に生まれてしかるべき魂ではなかったのだ–––––––––––––––––––』 」 シェン「––––––––––…… ポツ (時刻は夕方。静けさを取り戻した門前で彼は顔面に拳を受けながらも、最後に放った一撃を華峰の横っ面へ叩きつけたまま、夥しい量の赤を滴らせ–––––さながらコロッセオに佇む石像のように硬直していた) 」 華峰「―――ッヅァ・・・。(能力は解ける。同時にフラフラと後方へ揺らめく。)・・・・ふ、ふふふ、ふ・・・・鬼の底力、いいえ、彼の・・・・彼自身の底力でしょうか。 」 華峰「(ん~、ホントははしたないでしょうが・・・・まぁ主は寛大であらせられますので大丈夫でしょう)――――シュッ!(彼の頭部くらいまで跳躍し)―――がシィッ!ドゴォオ!!(正面から太ももによって投げられる側の頭部をはさみ首を極めてから地面へと叩きつける。俗にいう幸せ投げ)―――御無礼を♪ 」 シェン「 クシャッ (燃え尽きた玉ねぎをつぶすかのような乾いた音が静粛の中で木霊する)––––––コトン(後には、シェンの握られたままの拳が地に落ちる音だけが響いた) 」 * 華峰「ふぅ、門番撃破。能力デビュー戦としては・・・・いえ、デビュー戦でこれはきついですね・・・体中が・・痛い。せめて・・・・うぅ。(近くの岩場の陰にもたれかかる。能力がまだ体に馴染んでない故か体中にガタが来ている) 」 \あーららーらー! お疲れちゃんなんですー?/ (華峰が岩場にもたれかかった瞬間、陰から緊張感のない少女の声が耳をつん裂く) 華峰「・・・・・なんでしょうか?こんな時間に懺悔ですか?(声に対して) 」 /いやぁあいにく、私いい子ちゃんだから懺悔するようなことなんて一つもないんですよねーっ\ (今度は華峰の頭上から、同一人物と思わしき声が響く) !! (その声が響く頃には、すでに華峰の横で果てていたはずのシェンの姿が、血溜まりだけを残して跡形もなく消えていた) 華峰「――――!?(正体不明の声、そして消えたシェン。疲れ切った顔が瞬時に吹き飛び)・・・・なんですか、次はアナタがお相手してくださるので? 」 クイント「/えぇ~冗談よしてくださいよぅ\(華峰の視線の先、そこには透き通った蒼髪と垂れたウサギの耳を携えた小柄な少女が、いたずらな微笑を浮かべていた。悪魔城を囲む塀の上、シェンを片手で抱えて)私脚力には自信ありますけど、能力ありきのアナタ相手じゃたかがしれてますしぃ?何より–––––(片手に何もない空間から一筋の光が迸り、そこから拳銃が出現して) ナンバーワンよりもナンバーツー!誰かと組んでこそ!ですもん♪ 」 華峰「・・・・(戦闘の意志はない、目的はあの男の回収か。どうやら彼女は誰かと組むことで本来の実力を発揮することができるタイプ。門番とは違う強さを併せ持った悪魔の駒) 」 クイント「まあほらほら、ドアマンがこのザマなんで、まあマンよりも需要があるガールちゃんがここを開けちゃいまして(塀に連なるように聳え立つ鉄格子の門を、敷地側から軽く蹴る)あ!それと、優しい優しいお師匠様が”お疲れだろうから”ってこれを預かってきましたぁ★(可愛らし(いつもりらし)く小首をかしげながら、緑色の液体が入ったボトルを華峰へ放り投げる)効果はてきめん、24時間たたけますヨ!ワタシモノンダシ(ゲッソリ) 」 ガ コォォォ ォォ ォ ン……(軽い蹴りのみだというのにもかかわらず、さながらクイントの従順なソレであるかのように鉄格子の門がゆっくりと開いていく) 」 華峰「敵に塩を送る・・・ですか?(緑色の液体を手にして)では、アナタのお師匠様とここの主にこうお伝えください。『救い無き道にせめてもの灯火を。主は、寛大であらせられます。』と。 」 クイント「クスッ この先で私……というより私とあの人に勝てたら直接伝えに行ってくださいよ、パシリじゃないですもん(指先を口元に当てながらほくそ笑み)あーそうそう、それと同じやつが大人買い状態で入り口に置いてありますから、後から来た人にも飲ませてあげてから来てくださいね! 私はともかく、相方さんがお強いですし何より–––––––『欠けたジェンがほど崩して面白くないものはないですもん』 それじゃーお先に!また会おうね☆(たった一度のバックステップで背後に構える洋館のテラスまで一気に飛躍し、窓の向こうへと消え入る) 」 華峰「・・・・なんと得体のしれない。(私は、少し戦闘には立てそうにないですね。無理をし過ぎました・・・・。) 」 ←–––––To be continued… *
https://w.atwiki.jp/chaosdrama/pages/4262.html
←––––––Back Home––––––→ * –––– 某国某所・悪魔城門前 –––– シェン「(鉄格子に背を預け腕を組み、殆ど日が沈み群青と真紅が混じった地平から差し込む陽光を浴びながら瞼を閉ざし沈黙)––––––– パ チ (静粛の中から何かを聞き取ったのか片目を開け、視線の先にある森林をじっと睨んだまま微動だにしない)––––お一人様か。生憎一見さんはお断りだぜぇ~お客様よォォォ~~…… 」 踊り子衣装の人物「ナヨォ~・・・ナヨォ~。(扇で顔を隠し腰をくねくねさせながら近づいてくる) 」 シェン「 ゾ ッ (瞬間、シェンの脳裏には脱皮した蛇の皮に潜り込むカエルのような珍妙で不気味な様がッ!)えっ、あれちょっと待って俺ちゃん今かっこよく決めたんだけどあれなにこれあのその 」 踊り子衣装の人物が扇子をゆっくりとじ、正体を詳らかにする 」 火愚病(踊り子衣装)「アタクシ、テキーラをお持ちしましたの♡ねぇ、入れてくださるぅ?(べったべたの化粧を施しなよぉ~と詰め寄ってくる) 」 シェン「(仮面のように張り付いた笑顔。なよぉっとガムテープのように迫り来る火愚病相手にシェンはなすすべもなく硬直し脳裏には自分をフッた元カノ達の顔の数々が浮かんでは消えてを繰り返していたというッ!!(CV大川透))┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨……丁度。(ぽつりと囁き火愚病の所持しているテキーラに手を触れ)門番っていうのは立ちっぱなしで近くに水飲み場もない、デスクワークとは懸け離れた激務なんだ。丁度、喉が渇いていたんだ。そのテキイィィィーラを分けてくれないかな( に っ こ り ) 」 火愚病(踊り子衣装)「(ふ、流石俺の変装・・・まさかマフィア相手に通じるとは、自分で自分の美貌が恐ろしくなってくるぜ)はぁい♡まずはアナタにぃ! 」 シェン「ドーモ、ありがとさん。いやぁ~助かるねぇこんな辺鄙なとこにわざわざ踊り子さんが来てくれるたぁ珍しいこともあったもんだぁなぁ(へらへらと談笑しつつもテキーラを手に取るがコルクを外すことはなく)中身は……入れたままにしておくよ。あとで飲むさ(┣¨┣¨┣¨┣¨…)君を、始末した後でねッ!!!! カッ (某ペルソナカットイン) 」 BGM 総攻撃チャンス(ペルソナ4) 火愚病(踊り子衣装)「あふん♡どうもありが・・・え?始末? 」 シェン「 ン 月 ッ !!!!(手に取った酒瓶に渾身の力を込めて火愚病の懐に潜り込みアッパーアカットのように振り上げ顎をカチ上げ) 光ッ!! (そして叩き上げた火愚病を追うように飛翔、頭上から背中へ踵落としを決め空中に固定し) 蝶ォオオォォォォォ–––––ッ!!!! (駄目押しに横に3回転し遠心力を乗せた真一文字の振り抜きによって酒瓶を顔面にぶち込んで吹っ飛ばす) 」 火愚病「あぎゃっぱぁあああああああああああ!!!!?(テキーラ・火愚病、潜入失敗ッ! 再起不能(リタイア)ッ!)(CV大川透) 」 シェン「シュトッ ––––┣¨ヤァァァ(鮮やかフォームで着地、からの清々しいまでのドヤ顔カメラ目線)ァァァ…… \カァーカァー/……アホくせ(後にはカラスの鳴き声と沈黙が残りぽつりとこぼして再び腕を組み鉄格子に背を預ける) 」 華峰「さてさて・・・困りましたわ。森を抜けたらあら不思議、不思議な洋館についてしまいました。皆様大丈夫でしょうか。まぁいいでしょう(門の方まで歩み寄り)もし、もしそこな門番の御方。私はしがないシスターです。どうか一晩だけで構いません。御泊め頂けることは叶いませんか? 」 シェン「……(テキーラ娘だった何かに対してそうしたように片目を開け、左口角を上げながら華峰に視線をやり)–––––(眉をひそめ沈黙、二人の間を木枯らしが駆け抜け)それはそれは大変だ(背を鉄格子から離し華峰と正面から向き合って目を糸のようにして友好的な微笑を浮かべる)"憂いの森"を抜けてきたのかい。ここに流れ着くとはオタクも運がいい。何があったのか知らんけど道中大変だったでしょうに…… –––––"お一人"で? 」 華峰「えぇ、道中連れがいたのですが逸れてしまい・・・いかがですか?(女性特有の涙目) 」 シェン「ああ!それはなんということだ、もうすぐ嵐が来るというのにッ!(華峰の涙目に呼応するように悲痛な表情を浮かべ声を張り上げる)ご安心を、すぐに捜索するように手配いたしますので。大丈夫、土地勘のある者を向かわせますからすぐにでも見つかりますよ。ひとまずは中へお入りください、ご同行者をお連れするまでの間は–––––(華峰の背に腕を回し友好的な笑みを浮かべ誘導しようとするが……) 」 * ♪ メ" キ" ィ" ィ"ィ"ィ" ……ッ!! (華峰の背に添えられた腕からさながら破裂寸前にまで膨張した筋肉によって骨が悲鳴をあげるような音が響き空気が凍りつく) 」 シェン「–––––– ベ ッ ド 棺桶 で お 寝 ん ね 永眠 し て な 。 」 華峰「――――ッ!!(寸でのところで気配を察知し、轟撃が背中を貫く前に、後方へ跳躍。)・・・・・・女性をエスコートするには少々力みすぎですね。もう少しリラックスしていただけると私としても安心なのですが。 」 シェン「 ヒ"ュ オ"ォォッツ (列車が駆け抜けた際のような風切り音が木霊し轟撃がブロック塀をスプーンで抉ったヨーグルトのように削られる) ッフゥゥゥゥ…… (腕を突き出した状態のまま息を吐き出して硬直し、肩の力を抜いて無形の構えをとる)んなるほどな、お前は少々女性に対してズボらすぎるとも言われてたんだけど、あんがとなべっぴんさん。お陰で自信がついたぜ(機微に手を添えコキコキと音を鳴らす)俺さえも知らねぇジゼルちゃんの能力を知ってるんだって? 」 華峰「・・・・その名前が出るという事は、どうやら先方から話は伝わっているようですね。しかし、参りましたね・・・見ての通り私はか弱いシスター。乱暴をされてはこまります。ね?ここはひとつ穏便に・・・ねッ!(その速さはガンマンの早撃ち。袖口から銃剣を数本逆向きに取り出し一気に投擲。ヒュオオオッ!と風を孕み、閃光は鋭利な軌道を描きシェンに飛翔する) 」 シェン「 カ ッ (一連の動きの初動から攻撃を見抜き)ヒュ… オ ン (目の前に銃剣が飛来して時間の流れが時の流れが遅くなったと錯覚するようなスローモーションになり) パァンッ ガッ キィィィン!!(最初の一本を左手で払って弾きプロペラのように回転させ2本目とぶつけ相殺)パシッ ヒュ ォンッ!!カキカキィン!!(相殺した2本をキャッチして3、4本目をX字きりで振り払って叩き落とし) 会話のキャッチボールで片つくか試すか? そらよッ!! (地を蹴り駆け出しながらその手に取った銃剣を槍のように投げつける) 」 VS【グラナートファミリエ構成員 門番・磷火 沈】 華峰「ほう、あれを躱すとは・・・。(牙をむく閃光に対し冷静にくにゃんとバレリーナ並の柔軟でことごとく躱すし)どうやら、中・遠距離は対策済みのようです。(ズンッ!とブーツのヒール部分を地に埋まるまでめり込ませバネ仕掛けのように飛び掛かる。両手には袖口から出した新たな銃剣二刀流。空中からの両手上段。弾けんばかりの空圧をその身に宿しシェンに斬りかかる) 」 シェン「 ドゥンッ! (同じく地に右足を陥没させ勢いを殺し踏みとどまり) フ ォ ォォ……!! (空中から攻撃にかかるまでのラグを見逃さず)スパァンッッ!! ヒュオ……ッ–––––(素早く両腕をL字に曲げてガッツポーズのようにしがら振り上げ華峰の両肘にぶつけ軌道をそらさせ上体に飛び蹴りを仕掛けようとする) 」 華峰「―――ぐがっ!!?(両肘に攻撃を受け剣の軌道は大きく乱れるどころか反動で銃剣は明後日の方向へ。)―――――うぐぅふぅッ!(飛び蹴りが胸部と腹部の間に流星の様な鋭さで直撃、バランスを崩した状態で受け身など取れるはずはなく、無様に地面にドカドカと勢いよく転がっていく) 」 シェン「(潰すにはもったいねぇべっぴんだが) クルン… ストッ(サマーソルトを決めてから着地し休む間も無く着地の際の衝撃をバネに弾丸のように駆け出し転がっていく華峰を追って小さく地を蹴って飛び)–––––こうするのが確実なんでな ヒュ ォオ ッ!! (着地に合わせて華峰の顔面を潰さんと言わんばかりに正拳を降り降ろそうとする) 」 華峰「―――舐めてもらっては、困りますッ!(無理矢理に体勢を直し、まず正拳を左掌で受け止めゆっくり受け流すような動作で威力を吸収してから)―――チュドドッ!(サイレンサーをつけた銃器ににも似た空裂音と共に右の拳でシェンの顔面に二打。無行砕拳によるカウンター技の一つ) 」 シェン「–––––ッッ(反撃を食らう直前瞳が豆のように縮小し)―――チュドドッ! ッグ……ぁ"……ッ!!(顔面に二打がクリーンヒットし両足をしっかりと地につけ地表を抉りながらも後退) ベキ……–––インッッ!! (骨が砕けるような音が響き思い切り後方へ仰け反り隙が生じる) 」 華峰「はぁあああッ!!!(一気に詰め至近距離からの機関銃的拳打と蹴撃。胴体、下肢、顔面と余すところなく無行の嵐をもって砕きにかかる) 」 シェン「 ッハ!!(地にしっかりとつけていた足を浮かせ、華峰の初動に対し殆ど飛翔しないサマーソルトで爪先と拳を相殺させ対応)ストッ ┣¨ンッ!!(二撃目を拳と拳を真っ向からぶつけ相殺)ヒュン ガッツ!! フッ… ┣¨ ゴォッ!! (続けて半回転からの裏拳→逆方向への半回転から飛翔→両足による回転蹴り二連→続けて着地から回転の勢いを生かし大振りなローキックを放って華峰の攻撃全てを相殺し最終的にお互いの蹴りがぶつかり合ったまま硬直する) 」 華峰「(ギリギリと足と足の鍔迫り合いの最中、スルリとスリットがズレる。この気を見逃さなかった)あら、いやん。失礼ッ!(クンッと脱力しそのまま地面にフワリと倒れるようにサマーソルトをシェンの顎に放つ。反動を利用し後方へと間合いを開けることにした) 」 シェン「えっちょっっとまって見え……–––––(スリットの隙間が見えそうになったとたん急に目が丸くなり) 無 ェ !!? (直後蹴りを受け大げさに悲鳴をあげるが怯まず) ガ ォ ン ン ン ン …… ッ (さながら金属を蹴ったかのような鈍い音とそれ相応の衝撃が華峰の足に響く)ォォォン シェン「–––––– ニ ィ 。(間合いを取った華峰に対して、人のそれとは思えない八重歯をのぞかせる微笑みを浮かべる彼は、攻撃を受けたにもかかわらず全く微動だにしていなかった) 」 –––––先程まで、地平の灯火のように光を放っていた暁は消失し、気づけば辺りは徐々に暗転しようとしていた。 」 シェン「なるほどな。(首に手を添えコキリと乾いた音を鳴らしながら、じっと裂けそうなほどに鋭い黄金色の眼光を讃え華峰の姿を捉える)期待ハズレじゃなかったぜ。ただまぁ–––– 」 虫のさえずりも、木のざわめきも死に絶えたように静まり返り、光源は城の照明と 」 シェン「(先ほどまでのおちゃらけた風の男のそれではない。既に楽しみ”終えた”、有り余る力を温存させたまま大義を成し遂げてしまった退屈な武将のような顔をしたその男の首筋には–––)ゾゾゾゾゾ……ッ(胴体から顎にかけて、黒く染まり始めた皮膚が顎にかけて徐々に侵食しており)––––––––予想通りだけどな。 」 ––– 妖艶な輝きを放ちは閉めた、月光のみだった ––– * ♪ シェン「お嬢をわざわざ落胆させてやることもねぇ。とはいえ、客はもてなすのが礼儀ってもんだ。(月の登り始めた深淵の入り口のごとき闇夜を背に、両腕を広げ胸を張り八重歯の除く笑みを浮かべる)––––– 来 な 、理解させてやる。五体満足は保証しねーがよ 」 ー悪魔城ー 【Crimson Overture】 Round2 ― Broken Gate ― 華峰「・・・私もどうやら・・・・"天国"への道が、近いようですねぇ。(スゥっと身構え、冷たい空間に鋭く張り付く。不敵な笑みにはたらりと冷や汗が) 」 シェン「冥土の土産もなしってーのはちとしけてるってもんだろ。(「ヘッ」といった風に歯を見せて鼻で笑い)さっ、”遠慮するな”よ(首をクイと捻り攻撃を促すようにしながら) 」 華峰「―――ッ!(ズンッと風圧が地面を蹴り上げる。二拳の織り成す流星はシェンの頭部と顎を同時に砕きにかかる) 」 ガォ ッツ ––––––– ォォン…… (重金属を槌で打ったような鈍い金属音が静粛を破り、周囲の木々が悲鳴をあげるようにして騒めく) シェン「––––––––––(華峰の穿った攻撃は確実にシェンの頭部、顎を確実に、そして的確に捉えていた)–––––ククッ(しかし、彼は微動だにせず拳の向こう側で不敵に笑み)おい。俺は”遠慮するな”って言ったはずだが? 指、逝ってねーだろうな 」 華峰「な。(にぃぃ~!?この・・・鎧を殴りつけたような感覚。ダメージが全く通っていない!)くっ!(着地直後に身を捻り脇に向かって蹴りを回す。) 」 シェン「ガギィィィンッッ(脇に叩き込まれた蹴りの一撃でさえも、常人が阿弥陀像に蹴りを入れたそれのようにブレることのなく同じ体勢のまま)ッ……フゥゥ……––––今のはちと”痒かった”な。いいおみ足してるだけあるなァ、アネさんや。それにひきかえ––––(冗談めかしく笑みながらも広げたままの腕を解き、羽織っていたジャケットを脱ぎ捨て。)悪いな、できればブ男になるから使いたくはねーんだけどよ。まぁ喧嘩に反則はあるまいし、恨んでくれるなよ(黒いノープのインナーに同化するかのように、黒く光沢を帯びた皮膚が、顎から下まで、殆ど全身すべてを覆っており、目元からは赤い血管が浮き出、頭部の左側面からは”ツノ”が発現していた) 」 華峰「・・・その角、そして体の頑強さ・・・"鬼"ねアナタ。(バッと一間の間合いを開け) 」 シェン「ご名答、さすがシスター!––––って褒めてやりてェとこだけど、”片角”ってとこを除けばまんまそれだからなァ(瞼を閉ざして首を左右に揺らし骨を唸らせ、片目を開け)ちょいと昔はそこそこ有名人だったんだぜ、”カタツノ”って名で通っててな。隠すつもりゃなかったんだけどほら、この通りブ男になるもんでよ(コンコンと音を鳴らしながら爪のたった黒く硬質な手で硬質化した顎を突き) 」 華峰「・・・・異形の者との戦闘は聊かの心得はありますが・・・・アナタのようなタイプは初めてですね。改めて自分の世界の小ささを認識してしまいます。(再び構えを取り) 」 シェン「そう悲観すんなってーの。己を知って初めて見える世界もあるってもんよ(今度は両腕を広げることなく、五指を立てて腰を低くし構えをとる)絶景だろう?負け戦の景色ってーのも 」 華峰「では、負けを覆す作業にでも取り掛かるとしましょう。生憎モモタローやキンタローの物語はあまり読んだことがないので、鬼殺しの方法はわかりかねますが。ま、大丈夫でしょう。(銃剣を二刀、聖教会の祝福儀礼が施され宵闇の中で白銀に輝く) 」 シェン「ビギナーズラックの時間は終わりだ–––– ┣¨ ゥ ッ (一歩の踏み込みのみで彼の右足の周囲の地面が陥没し、土埃が輪を描いて四散する)桃太郎が退治される物語、童共の新しい語り草の始まり始ま…… り ッッッ!!!!(一気に距離を詰め適度に間合いを開けながら華峰に向かって重いブローを放ってくる) 」 華峰「(来たッ!ここで剣を・・・!)――――え?(華峰の目測が外れる。実際よりも早くに間合いに到達したシェンのブローが両手上段で無防備になった腹部に衝突する)ぐはがぁああ!!?(隕石が衝突したような空気の揺れがズドンと響く。そのまま近くの岩に叩きつけられ磔状態に) 」 シェン「ズサァァァァッ(拳を命中した位置で止め、口から機関車の蒸気のように吐息を吐き出し)ザリッ トットットットッ……–––タン フ ォ ン (常人の延長線上にあるような速度で脇目も振らず駆け出し、地を蹴って飛翔し華峰ヘ向かって右の拳を振りかぶる) 」 華峰「う・・・・ぐぅ!!(避ける間もなく拳は腹部に衝突すると同時に岩がドガぁとくだけ無防備にその身を舞いあがらせる) 」 シェン「┣¨ゴ ァ ッ !! (岸壁すらもいともたやすく砕き、前進する息おのまま地表を抉りながら着地し、土埃が舞う)さて……とっ。(指の関節を一本ずつ鳴らしながら華峰が吹っ飛んでいた方向を見据え)期待通り、予想通り……まあなんつーか、ガッカリだ。(前に突き出していた腕を下ろし両腕をダラリとさせ、再び口から蒸気のように吐息をこぼす)シュゥゥゥ…… 」 華峰「あ・・・はは・・・は、ぐふっ・・・ごほっ。―――何という事でしょう、リジェネレーションが追い付かない・・・なんて。(ゆらりと立ち上がる) 」 シェン「あん?”それ”……術、仕込んでたんだ?へぇー、てっきり生身かと思っちまったよ、スポンジ殴ってるみてぇだったからな(眉をひそめ小首を傾げかと思えば、構えを取らず一歩一歩、無防備に華峰へ歩み寄っていく)どうする、コンテ・ニュゥ、かァ? 」 華峰「―――「らせん階段」「カブト虫」「廃墟の街」「イチジクのタルト」「カブト虫」・・・(ブツブツと呪文の様に単語を並べだす) 」 シェン「(打ち所が悪かったか、まずったな。流石にやりすぎ……)……(–––––いや……こいつは、来るな)–––––(呟き始めた華峰を前にし、目を見開いて足を止め)………フッ(何を思ったのか、伏見がちに、不敵に左口角を吊り上げて微笑し片腕を腰に添え、木枯らしが頭髪を逆なでする) 」 華峰「―――」「ドロローサへの道」「カブト虫」 「特異点」「ジョット」「天使(エンジェル)」 「紫陽花」「カブト虫」「特異点」・・・・・・「秘密の皇帝」 。(十四の言葉、しかし、それ以上は何も起こらない。彼女も顔を少し伏せ目線を下にしたままじっと動かない) 」 シェン「……(先ほどまでの落胆していた表情は消え、敵の姿を捉えた虎のように獰猛な眼光を光らせ) ト ン ッ (地を大きく蹴り進行方向へ飛翔)ヒュン…… フ ォ ッッッ––––– (両右足の関節を曲げ大きく円を描くようにして1回転しながら足を伸ばし、遠心力を上乗せした回転蹴りを大気を割きながら振りかぶり、踵が華峰の目と鼻の先まで迫った) 」 次の瞬間、黒い影がシェンの体をすり抜けると同時に思い一撃と衝撃だけがシェンの体に残る。華峰はシェンのいつもの定位置にもたれかかっていた。 * ♪ シェン「 ズ ┣¨ ッッ!! (さながら弾丸で撃ち抜かれかのような鋭い衝撃が鳩尾を穿ち、白目を大きく見開いて瞳が点のように縮小し、体が海老のように折れ) か––––––ッ!!? (な”ン”……––––––)(意識が吹っ飛びかけた頃には、頭部が地に衝突する直前になっており、慌てて体を縦に一回転させ両足で華峰に背を向け着地) 」 華峰「―――この位置も悪くありませんね。シスター引退したら門番になろうかしら。・・・・・さて、次は私ですね?ちょっと、痛いかもですよ?(うふふと昼間の孤児院の先生の様な朗らかな笑みを見せ) 」 シェン「–––––冗談よせよや(背を向けたまま微かに震えの混じった声色で囁くように)おまんまの食い上げってのは時代劇において、最もぶち殺されなきゃならねぇお代官様のやることだぜ。おじょったまのツラ拝めなくなるしよォォォ……ッ!!(ゆっくりと、口から嬢機を吐きながら振り向く、その顔は全体を覆うように硬質化し、金色の瞳を覗いて白目まで黒く染まり、歓喜に震えていた)ようやく、今ようやく!この仕事が愉快になってきたんだ!!そう易々と譲れるかよ!! 」 華峰「ふふふ、そうですか。それは残念。では、アナタに最後言っておきましょう。―――――『時は加速』する。(華峰の姿が消え、拳と蹴りの跳弾がシェンに連続で飛び交う。ある程度攻撃すれば卑しいことにシェンの射程範囲外まで移動している) 」 シェン「ッッガッ! ギィン!! ガォン!!(全身が硬質化しているためか、痛みなどは感じていない様子だが尋常ではない速度が上乗せされた攻撃の連続で右へ左へと攻撃を受けるたび仰け反り、ひるんでいるのが伺える)ちィ……ッ(目で、追えねぇ……ッ!残像すら見えねえか……!前にもこんな事––––) が ッ !!(一撃が顎を捉え、衝撃で脳を揺さぶられ始めて”痛み”を感じる)––––––––!!(思い出した……ッ!ガキの頃のジゼル……ッ!!) 」 華峰「ん~、流石に硬いですね。イテテ・・・。降参したいのなら、してもいいですよ?主は鬼であろうと人であろうと、寛大であらせられますので。・・・といっても聞かなそうですが。言っておきますが加速された時間の中では生命はそれに追いつくことは出来ません、追いつくことができるのはこの『ステアウェイ・トゥ・ヘブン』を持つこの私だけ。 」 シェン「ッぐ……ぅ……!!(脳震盪により足元がぐらつき頭部を抑えうなだれるようにしながら華峰を見上げ)こいつ……(似たような現象……同じタイプの能力……–––––––“最悪の相性”)ザザッ(血塗れのナイフを片手に佇む幼いジゼルの姿が脳裏をフラッシュバッグし)っは……仕事でなきゃ素直になれたのによ。ニオみてぇな奴だったら楽に潰せんのに––––(苦虫を潰したように薄く笑みつつも、ぐらつく足元を見、何かを閃いたように目を見開き、隙が生まれる) 」 華峰「・・・・時の加速。(彼女自身はゆっくりあるいたつもり、そして軽く拳を握りガツンとシェンの額に) 」 シェン「 ゴ ッ (鈍い音が直接脳裏を揺さぶり衝撃が全身を駆け巡るが)ン”の–––––ッ!!(ここだ–––––)ンゥ––– る”ア”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ッ!!!!(スーパーアーマー状態でダメージと引き換えに全くひるむことなく攻撃を受けるとほぼ同時に足場を思い切り踏み抱き、水平だった地表が瞬く間に川辺のように砕け幾つも突起が出現し浮足状態を誘う) 」 華峰「―――何ッ!?(浮足立ちバランスをぐらりと崩す) 」 シェン「オ” オ”オ”ォ”ォ”ォ”ォ”ォ”ォ”ォ”ッッ!!!!!(––––引けねぇ) ┣¨ゥッ (自分自身も悪影響を受けるはずの凸の多い足場、それらを強引に踏み砕くと同時に破片を弾丸のように飛ばしながら華峰に向かって距離を詰め)ブ オ ンッツ!!(金色のオーラ 闘気 で三日月の軌跡を残しながらローキックを放つ)(俺は、俺の力はまだ!何一つ–––––!!) 」 華峰「―――これは、驚きました。(バランスを崩したところにローキックが足にめり込む。轟ッと音を立て吹っ飛ぼうとした瞬間、リジェネレーションがステアウェイ・トゥ・ヘヴンに合わせ超加速の治癒を足に施す。)――――ズガァッ!(その場に逆の足をめり込ませ、銃剣を取り出しびゅっと投擲。その瞳は相手を必ず仕留めるという"漆黒の意思"が宿っていた。)――――キィィィィン!(時の加速により銃剣さえも超高速でシェンに飛ぶ) 」 シェン「 ッツ!! (投擲された銃剣がシェンの”繰り出された右腕”に二本とも突き刺さり、切っ先を残して刀身ごと砕ける)(見える……ようやく”慣れ”てきた!あとは–––)そらァ よッ!!!!(再び遠心力を乗せての大振りのローキックだが) オ ォン ッ!!(衝撃波にも似たオーラを三日月型にして飛ばし間合いの外の攻撃を華峰へ一直線に穿つ) 」 華峰「(まさか・・・彼は今尚進化している?・・・それにこの攻撃、順応していっていると見ました。・・・・・加速しまくったからそろそろ夜が明ける時間ですね。)では、そろそろ終わりといたしましょう。これ以上戦うと私が不利になってしまうもので。(・・・この作戦、やってみる価値はあるッ!)(再び瞳に漆黒が宿る。衝撃波を躱しながら"一定の速度"でシェンに近づく) 」 シェン「ハッ––––––そいつは残念だ(一定の距離を保ちながら近づいてくる華峰を見据えながら、それが本心の言葉であったように切なげに笑み)フゥ––––(『なぁ、キャロル。今思えばお前の言う通りだよ』) ┣ ¨ウゥ!! (地を”踏み砕く”問いう生易しいものではなく、ある種の”爆破”をさせて蹴り、矢よりも素早く、砲弾のような重い拳を携え、一直線に迎え撃とうと飛び出す)––––––了”ア “ア”ア”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ッ!!!! 」 『みんなどこかで、何かを間違えただけなんだ。僕も、エディおいたんも、ニオもジゼルもイガルクも、大好きなお姉ちゃんも–––––– パ パ も 』 」 互いにクロスレンジに入ると同時に、それこそ”時”が減速したかのような錯覚が起きた。体感時間は川の流れのように、ひどく緩やかだった 」 『また一つ、抗いようのない間違えが出来たんだよ。 ––––この人とこんな形で出会ってしまったことだ』 」 華峰「――――ッ!(唐突のフェイント。攻撃の意志を瞬時に途切れさせ後方に回る。そして)―――――ヌンッ!!(それは拳法の方ですらないだたの横暴なパンチ。) 」 『シェンがクマ太郎をバザーに出しちゃったの!』『大丈夫ですよお嬢様、私がこいつの皮で新しいの作りますから』『お姉ちゃんがぬっころす』『やめて!!』 」 シェン「–––––––– ┣¨ ォ ン !!(華峰の型を捨てた渾身の一撃は確実に顔面を捉え、黒く染まった仮面に亀裂が迸り)ガ!あッ…アァ!!(全体重を乗せ地を思い切り踏みしめ) 」 『なぁキャロル。一つだけ言い忘れたことがあったんだ。クマ太郎には親戚が居たんだよ。その名もクマ五郎』『シェンのバカ!お姉ちゃんもジゼルも本当バカ!』 」 シェン「(剥がれ地た漆黒の仮面の下から人としての苦悶と執念の混じった、深い皺を刻んだ鬼の形相を垣間見せ)ブォンッツ!!(あくまで反撃しようと拳を振りかぶろうとする) 」 『お姉が教えてくれたんだ!”家族”は選べないけれど、だからこそ出会えたことが奇跡なんだって!だからクマタローにも……シェンにも……代わりなんていないんだからッ!』 」 華峰「――ッ!(彼女自身、能力の行使と戦闘でのダメージで莫大な体力を消耗しているがそれでも時間の加速度をさらに上げヒット&アウェイを繰り返す。それはものの数秒で太陽がまた沈んでいく程にまで) 」 シェン「┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ッッ!!(それはさながらに拳打の雨霰。容赦なく降り注ぐ乱打に晒され全身を覆っていた黒い皮膚が砕け、剥がれ落ち、辺りが鮮血で赤く染まってもなお彼は立ち続けた––––そして)┣¨┣¨┣¨┣¨ドドドドド ド ド ・・・・・………–––––––––––––––––––––– 」 『……––––––だよな』 」 『––––––お嬢、キャロルは』『ああ、確信したよ。 覚えていないんだ、あまりにも残酷過ぎる、真実を』 」 ┣¨ ゴ ゥ ッ !!!! 『神よ––––あなたはこの子を遣わす場所を間違えた。叶うなら、あのような悪魔の元に生まれてしかるべき魂ではなかったのだ–––––––––––––––––––』 」 シェン「––––––––––…… ポツ (時刻は夕方。静けさを取り戻した門前で彼は顔面に拳を受けながらも、最後に放った一撃を華峰の横っ面へ叩きつけたまま、夥しい量の赤を滴らせ–––––さながらコロッセオに佇む石像のように硬直していた) 」 華峰「―――ッヅァ・・・。(能力は解ける。同時にフラフラと後方へ揺らめく。)・・・・ふ、ふふふ、ふ・・・・鬼の底力、いいえ、彼の・・・・彼自身の底力でしょうか。 」 華峰「(ん~、ホントははしたないでしょうが・・・・まぁ主は寛大であらせられますので大丈夫でしょう)――――シュッ!(彼の頭部くらいまで跳躍し)―――がシィッ!ドゴォオ!!(正面から太ももによって投げられる側の頭部をはさみ首を極めてから地面へと叩きつける。俗にいう幸せ投げ)―――御無礼を♪ 」 シェン「 クシャッ (燃え尽きた玉ねぎをつぶすかのような乾いた音が静粛の中で木霊する)––––––コトン(後には、シェンの握られたままの拳が地に落ちる音だけが響いた) 」 * 華峰「ふぅ、門番撃破。能力デビュー戦としては・・・・いえ、デビュー戦でこれはきついですね・・・体中が・・痛い。せめて・・・・うぅ。(近くの岩場の陰にもたれかかる。能力がまだ体に馴染んでない故か体中にガタが来ている) 」 \あーららーらー! お疲れちゃんなんですー?/ (華峰が岩場にもたれかかった瞬間、陰から緊張感のない少女の声が耳をつん裂く) 華峰「・・・・・なんでしょうか?こんな時間に懺悔ですか?(声に対して) 」 /いやぁあいにく、私いい子ちゃんだから懺悔するようなことなんて一つもないんですよねーっ\ (今度は華峰の頭上から、同一人物と思わしき声が響く) !! (その声が響く頃には、すでに華峰の横で果てていたはずのシェンの姿が、血溜まりだけを残して跡形もなく消えていた) 華峰「――――!?(正体不明の声、そして消えたシェン。疲れ切った顔が瞬時に吹き飛び)・・・・なんですか、次はアナタがお相手してくださるので? 」 クイント「/えぇ~冗談よしてくださいよぅ\(華峰の視線の先、そこには透き通った蒼髪と垂れたウサギの耳を携えた小柄な少女が、いたずらな微笑を浮かべていた。悪魔城を囲む塀の上、シェンを片手で抱えて)私脚力には自信ありますけど、能力ありきのアナタ相手じゃたかがしれてますしぃ?何より–––––(片手に何もない空間から一筋の光が迸り、そこから拳銃が出現して) ナンバーワンよりもナンバーツー!誰かと組んでこそ!ですもん♪ 」 華峰「・・・・(戦闘の意志はない、目的はあの男の回収か。どうやら彼女は誰かと組むことで本来の実力を発揮することができるタイプ。門番とは違う強さを併せ持った悪魔の駒) 」 クイント「まあほらほら、ドアマンがこのザマなんで、まあマンよりも需要があるガールちゃんがここを開けちゃいまして(塀に連なるように聳え立つ鉄格子の門を、敷地側から軽く蹴る)あ!それと、優しい優しいお師匠様が”お疲れだろうから”ってこれを預かってきましたぁ★(可愛らし(いつもりらし)く小首をかしげながら、緑色の液体が入ったボトルを華峰へ放り投げる)効果はてきめん、24時間たたけますヨ!ワタシモノンダシ(ゲッソリ) 」 ガ コォォォ ォォ ォ ン……(軽い蹴りのみだというのにもかかわらず、さながらクイントの従順なソレであるかのように鉄格子の門がゆっくりと開いていく) 」 華峰「敵に塩を送る・・・ですか?(緑色の液体を手にして)では、アナタのお師匠様とここの主にこうお伝えください。『救い無き道にせめてもの灯火を。主は、寛大であらせられます。』と。 」 クイント「クスッ この先で私……というより私とあの人に勝てたら直接伝えに行ってくださいよ、パシリじゃないですもん(指先を口元に当てながらほくそ笑み)あーそうそう、それと同じやつが大人買い状態で入り口に置いてありますから、後から来た人にも飲ませてあげてから来てくださいね! 私はともかく、相方さんがお強いですし何より–––––––『欠けたジェンがほど崩して面白くないものはないですもん』 それじゃーお先に!また会おうね☆(たった一度のバックステップで背後に構える洋館のテラスまで一気に飛躍し、窓の向こうへと消え入る) 」 華峰「・・・・なんと得体のしれない。(私は、少し戦闘には立てそうにないですね。無理をし過ぎました・・・・。) 」 ←–––––To be continued… *
https://w.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/658.html
636 傷 (その13) sage 2009/02/10(火) 19 57 59 ID r9l37p7Y 背筋がゾクゾクする。 まるで血液の代わりに微弱な電流が体内を駆け巡っているようだ。 引き締めた口元も、どう努力しても緩んでしまうのを抑えられない。なので弥生は、もはや無理して強面(こわもて)を維持しようとはしていなかった。 以前もこんな興奮に全身を包まれたことがあった。 ネット通販で購入した非合法ドラッグ。服用した人間の精神活動を低下させ、トランス状態に没入させ易くする薬品。素人にも分かるように書かれた洗脳用のマニュアルを含めて七万円の高額報酬を請求する、いかがわしい一品。 それを初めて、この眼前の愛しい弟に飲ませ、自分への愛の言葉を囁かせたとき。そして、自分の股間へ舌と唇での愛撫を強制したとき。弥生は、今と同じく、目も眩むばかりの興奮に脳天までどっぷりと浸かったものだった。 無論、単なる興奮ではすまない。 冬馬がもたらす禁断の快感への、はちきれんばかりの期待がある。 彼のテクニックは文字通り、ずば抜けている。 あの晩、冬馬に自らへの奉仕を命じていながらも、最後の一線へと辿り着けず、彼が不能だった事実をついに弥生が知り得なかったのは、冬馬のクンニリングスがもたらす、あまりのエクスタシーに、彼女が払暁近くまで意識を失ってしまったからに他ならない。 無論、処女の弥生には、冬馬以外の経験が無いので、客観的な意見であるとはとても言えない。だが、その点に関しては葉月の証言も得ている。かつて妹は精神退行を起こした冬馬の愛撫に身を晒した経験があるからだ。 そして何より、冬馬の芹沢家時代の過去を知る、千夏も言っていた。 彼のテクニックは、天才的なものだった、と。 むくり、むくり――、 “それ”が動き始めた。 死んだ蛇のように力なく横たわっていた冬馬のペニスは、生命を注ぎ込まれたかのように、彼のパジャマのズボンを持ち上げる。あたかも大地に芽吹く緑の草花のように。 大きい。 その大きさは衣類越しでも一目瞭然だ。 千夏の話では、芹沢家にいる男娼の大半は、その男性器に薬物注射や外科手術などの人為的な手を加え、成人顔負けのサイズを持たされていたと聞いた。冬馬とて、その例には洩れない。 弥生は、もう、じっとしていられなかった。 「あっ、おくさまッ!!」 膨張した“それ”を、弥生はパジャマごとがっきと掴む。 単に大きくなっただけではない。 それは石のように硬く、できたての肉料理のように温かかった。 それを弥生は、渾身の力で握り締めた。 「ッッッ…………ッッッ!!」 声にならない悲鳴を洩らして、弟が眉をしかめる。 その頬を叩く。思い切り。 「いっ!?」 ブザマな声を出して、冬馬が、ベッドから転げ落ちる。 その一撃はビンタというより掌底に近かったかも知れない。 だが、この程度のショックでは、いま冬馬の精神を封じている呪縛は解けない。 弥生には、その確信があった。 彼の心を侵蝕している恐怖と心的外傷は、そこまで浅いものではない。 その証拠に――見るがいい。 赤く染まった頬に手を当て、床にうずくまったまま潤んだ瞳で弥生を見上げる弟。 だが、その弱々しい視線とは裏腹に、猛々しいまでにいきり立った膨らみが、股間に生え聳える。 そんな弟の姿は、弥生にとてもとても嗜虐的な感情を喚起させる。この愛しい男を、このまま小鳥のように縊り殺してやりたくなるほどに。 「何をぼさっとしているの。立ちなさい」 「――は、はいっ!」 「ズボンと下着を脱いでオナニーをしなさい」 「はいっ、奥様っ!!」 ばたばたと狼狽しながらも、指示された通りに股間を剥き出す冬馬。 彼の瞳に宿るのは、まごうかたなき畏怖の光。 だが、それだけではない。 満面の怯えをあらわにしながらも、外に放り出されたガチガチの陽根は、彼が明白な興奮状態にあることを報じている。その股間を、必死な顔でしごき始める冬馬。 決して他人には見せられない彼の醜態に、弥生はまるで一幅の油絵を見るような感動を抑えきれない。 637 傷 (その13) sage 2009/02/10(火) 20 01 35 ID r9l37p7Y とりあえず、冬馬の不能があれからも治っていないのは、葉月を介して確認済みだ。 事件のことに関しても覚えていないらしい。 冬馬いわく、葉月と二人で浴室に入ったまでの記憶はあるらしいが、そこから先が急に怪しくなり、気がつけば、何故か両親の寝室で眠っていたのだという。 だから冬馬は、妹が経験した何もかもを弥生が知っているという事実を知らない。 ならば、弥生の口から直接、不能のその後を訊くことは出来ない。弥生が冬馬の勃起障害の話題を持ち出せば、それ即ち、葉月がべらべらと兄の秘密を余人に漏らしたことを意味するからだ。 男であれば、女を抱けない体であることを自慢する者はいない。そんな情報を、たとえ姉とはいえ、簡単に漏洩するような真似を葉月がしたと分かれば、冬馬の中で、葉月に対する評価は暴落してしまうかも知れない。 それは得策ではない。 葉月のためにも。そして弥生のためにも、だ。 彼を篭絡するためにも、やはり姉妹は一蓮托生でなければならないのだ。 だが、そう思うと同時に弥生は、自分のずるさを自覚せずにはいられない。弥生とて、保持している情報の全てを葉月に語っているわけではないからだ。 たとえば葉月は、姉が張り巡らせた冬馬監視システムの存在を知らない。 たとえば葉月は、学校に於ける“共犯者”の役割を、姉が長瀬透子に割り振ったことを知らない。 そして――葉月は今夜、冬馬の部屋で何が行われているのかを、やはり知らない。 今夜の行動を葉月に知らせるつもりは、最初から弥生にはなかった。 知れば、葉月は弥生の行動を決して許さないだろう。 彼の人格を否定する行為だと、彼の存在自体を侮辱する行為だと、そう叫び、大いに怒り狂うはずだ。 弥生にとっても、その意見を否定することは出来ない。確かにこの行動は、過去のトラウマで傷だらけになっている冬馬の精神と肉体を弄ぶことに他ならないからだ。 そして弥生といえど、罪悪感をまったく覚えないわけではない。 だが、やはりその罪の意識を以ってしても、彼女の行動を牽制できなかった。 葉月の倫理観や潔癖さは、確かに尊重すべきものだと理解は出来る。 だが、弥生にとっては、たとえどのような姿であっても、冬馬は冬馬でしかない。正気を失っていようが、子供に退行しようが、自分を買春客扱いしようが関係は無い。それでも彼は、全身の血と引き換えにでも惜しくはない、弥生の想い人以外の何者でもないのだ。 愛しい男を従わせ、思うさまに、その肉体を貪りぬく。 そこには、筆舌に尽くしがたい愉悦がある。 しかも、どれほどの凌辱を彼に施そうとも、正気に返れば忘れろと命令すれば、それで済む話なのだ。冬馬は何も記憶することは出来ない。だとすれば、それは誰一人迷惑をこうむらない、まさにいいことずくめの話ではないか。 「ッッ!?」 その頬に向けて、再度放たれたビンタに、思わず冬馬はよろめいた。 足元に脱ぎ捨てられたズボンとパンツに引っ掛り、ブザマに倒れる彼。そんな弟を睨みつけ、 「立ちなさい」 と命令する。 反射的に俯いて、いそいそと立ち上がる冬馬に、さらに本気の一発。 今度は壁際まで、斜めに吹き飛ぶ冬馬。 「誰がオナニーをやめていいと言ったの?」 「すっ、すいません」 「すいませんじゃないでしょう?」 さらに一発。逃げられないように髪を掴んでのビンタ。 「そうだわ、いいこと思いついた」 弥生は、身体の底から漲るように沸き立つサディスティックな感情に、震えを覚えるほどの悦びを感じていた。少なくとも「工藤瑛子」を演じる上で一番重要なのは、冬馬を骨の髄から戦慄させるサディズムなのだから。 もっとも、薬物の効能とはいえ、弟は『私が工藤瑛子だ』と名乗る者を、無条件で彼女だと思い込むように暗示をかけてあるから、たとえ自分をM奴隷として扱えと命じたところで、彼が疑問を持つ事はない。 (ああ、今日は、そういうプレイなのですね) と、彼が勝手に解釈するだけだ。 だが、それでは、わざわざ「工藤瑛子」という設定を持ち出した意味が無い。 638 傷 (その13) sage 2009/02/10(火) 20 03 40 ID r9l37p7Y 弥生にしても、自分にマゾヒストの素養があるとも思ってはいなかったが、ここまで自分がSだったなど予想外のことだったのだ。 まるで、呼吸するように自然に、弟を苛めてやりたいという欲望が湧いてくる。 だから手加減はしない。する気は無い。 ただ処女を奪わせるというだけでは、ここまで火照った身体は、とても納得してくれないだろう。 弥生は、魔女のように舌なめずりすると、言った。 「ぼうやはオナニーを続けなさい。その間、私はぼうやの可愛い頬っぺたを、思う存分ビンタしてあげる。嬉しい?」 冬馬の顔が蒼白になった。 だが、嬉しいかと訊かれて、まさか『イイエ』とは言えない。 彼にとって「工藤瑛子を名乗る者」とは、悪霊にも等しい畏怖の対象なのだから。 「安心なさい。貴方がイクまで殴るのをやめないから♥ ぼうやったら、痛いの大好きなんだものね?」 「は…………はい…………」 眠れない。 葉月は、何度目になるかも知れない寝返りを打った。 時期的にはまだまだ寒い季節だが、普段なら、ここまで眠気を削ぐほどではない。 分かっている。本当は。 ――自分が眠れないのは、これまで知らなかった兄の姿を知ってしまったからだ。 それくらい、今日の千夏の話は葉月にとって衝撃的だった。 千夏の話は、冬馬が工藤家に追いやられるまでの顛末だけを語ったわけではない。 彼女自身を含む“子供”たち全員の話も、ちゃんと聞かされた。 葉月も姉も、その話のあまりのムチャクチャさに慄然としていたが、中でもおゆきは、まるで瞬きさえ忘れたように目を見開き、その話を聞き入っていたのを覚えている。 芹沢家の“子供”たちは、あらゆる客のあらゆるニーズに応えるために、過酷なまでの処置を施されていたという。 乳房・性器の肥大化。 精力・持続力の増強。 性感帯の開発。 指・舌・性器・肛門などを使用する、あらゆるセックステクニックの習得。 パイプカット。 美容整形。 たとえば当時5歳の千夏の場合なら、芹沢家に引き取られたその翌晩に、医師の手によって麻酔を打たれ、処女を外科処置的に破られたそうだ。 その後、薬物投与や器具などによる開発を経て、さらに専門のセックストレーナーの手による訓練で、一通りのエクスタシーを膣内や全身で感じられるように調教されて後、新たに処女膜を手術で再生され、そこで初めて顧客の前に顔を出すことを許可されたという。 処女膜再生は、無論、彼女を「初物」として販売するためだ。“処女”にプレミアが発生しないような不細工な子供なら、初めから芹沢が引き取ったりはしない。 まさに人を人とも思わぬ処遇だが、考えようによっては、彼らなりの優しさであるとも解釈できる。全くの子供にただ客を取らせるよりも、客の行為を一応は気持ちいいと感じられる程に開発してから、客に抱かせる方が、まだしもその少女にとっては救いであろう。 当時の芹沢家には、そんな千夏と同じく、“幼児”でありながらも開発された女体を持つ女の子たちが数多くいたという。 無論、あまり露骨に性感を剥き出しにしすぎて、客を白けさせてしまわないように、それなりの演技のノウハウも、ちゃんと彼女たちには仕込まれる。 「一見の客を常連にするためには……単なる顔の造型よりも……なによりもその“愛嬌”が重要だと……芹沢は言っていたよ……そして……愛嬌とは演技力である……ともね……」 そして、冬馬は誰よりもその演技力に長けていた、と千夏は語る。 「……芹沢は……お兄様のことを……天性の娼夫だ……と言っていたよ……」 芹沢家に引き取られた当時小学一年生だった冬馬は、千夏のような絶世の美貌の所有者ではない。だから当然のように、千夏よりもさらにハードなプレイに対応するための調教メニューを課せられていたらしい。 女の良し悪しは外見が8割だが、男は違う。見てくれ以外のもので十分に価値を補える。 ノーマルなセックステクニックから、SM・男色・獣姦からスカトロにまで対応できるようにと施された調教を、彼は持ち前の卓抜した身体能力と意思力によって消化し、学習し、やがて訓練以上のものを、その肉体に体得するに至った。 なにより彼は、注文された以上に、客の潜在的な要望を敏感に察知できる優れた勘を持っていた。 639 傷 (その13) sage 2009/02/10(火) 20 05 24 ID r9l37p7Y 時には、いかにも中性的な線の細さと儚さを。 時には、強姦魔のような強引さと傲慢さを。 時には、生まれながらのニンフォマニアのような貪欲さと無邪気さを。 時には、何も知らない少年のような陽気さと元気さを。 それらの演技の引き出しに卓絶したセックス技術が合わされば、演出のヴァリエーションはほとんど無限だ。それこそ春を売る者としては鬼に金棒と言ってもいい。 それほどの彼が、並み居る“兄”や“姉”たちをしりぞけて、個室さえ許される程の売れっ子になっていったのは、まったく自然な成り行きであったと言えるだろう。 美貌に於いては、同年代を圧倒していたはずの千夏でさえ、単純な人気という点で語るならば、まったく敵わなかったというから驚くばかりだ。 さらに、高級娼館・芹沢家への圧倒的な貢献度を誇りながらも、何度も脱走を繰り返し、その手口は、回数を重ねるごとに巧妙かつ大胆になっていったと言うから、まさに煮ても焼いても食えないガキとしか言いようが無い。 「おそらく……私という足手まといがいなかったら……お兄様はとっくの昔に……脱走を成功させていただろうね……」 寂しそうな笑みを見せて、千夏が呟いた。 千夏の話は、葉月にとってはにわかに信じがたいものだった。 脱走以降の話ではない。 彼が芹沢家でも、最終的にトップ3に入った男娼だったという事実が、である。 だが、よくよく考えてみれば、自分の知る冬馬の器用さや学習能力からして、葉月としても一概に、千夏の話を嘘だと叫べぬものがある。 たとえ当時は幼かったといっても、冬馬は冬馬なのだ。自分が男娼としての人気を得ることで、千夏を指名する客を少しでも減らそうとしていたという話が本当なら、兄はそれこそ、何でもしたはずだ。 ならば、兄の一筋縄ではいかない性格は、芹沢家で過ごした幼児期こそが形成したのかも知れない。 そう思うと、葉月は途端に目頭が熱くなるのを感じた。 なぜ、兄が、こんなひどい目に遭わねばならないのだろう。 なぜ、その同じ時間を、自分たちは何も知らずに過ごすことを許されていたのだろう。 なぜ? 何故? 疑問に対する解答など浮かばない。 葉月はまた、寝返りを打つ。 だが、それと同時に、今度はまったく別の疑問が葉月の脳裡に浮かんだ。 (もし、千夏さんの話が全て真実だったとするなら、あの頃の、わたしが無邪気に懐いた兄さんの姿も、やはり“演技”だったということなのだろうか) かつて葉月は、兄を名乗って突如現れた冬馬という少年を嫌悪し、無視し、敵意さえ抱いていた。 そんな彼に心を許すキッカケとなったのは、彼の肌を埋め尽くす無数の傷を見たからだ。 自分がそれまで一方的に敵視していた少年が、虐待という過去を引きずる“弱者”だったと知ったとき、葉月の敵意は消え、巨大なまでの罪悪感と羞恥心だけが残った。そして、そんな葉月の謝罪を、冬馬は笑って許し受け入れた。 冬馬という存在が、葉月にとって家族となったのは、それからだ。妹にとって彼は理想的な話し相手であり、理想的な兄貴分であり、理想的な男性像でさえあった。 だが、それらすべてが、冬馬の演技と計算によって意図されたものだとするならば話は変わってくる。 プレイボーイが好みの女の子を口説くように。 ホステスが一見の客を常連客にしようとサービスするように。 自分は、冬馬の手練手管によって、いいように手懐けられただけだというのか。 (……ばかばかしい) そうだ、バカバカしい。思い煩うことさえ滑稽な話だ。 人が人として生活する以上、その同居人との摩擦を最大限避けようと思うのは必然だ。 ならば冬馬が、当時は彼のアンチだった葉月を懐柔しようとするのは当然ではないか。 懐柔、篭絡、手懐けるなどと言えばイメージは悪いが、要するに、冬馬は葉月と仲良くしようと思っていただけだ。 そして葉月は、冬馬の狙い通りに彼を家族として認め、無用の摩擦は消え失せた。 この事実に誰が困るというのだ。どこに問題などありはしない。 葉月が、男性としての冬馬に魅了されてしまったのは、あくまで結果論に過ぎない。そこに冬馬本人の意図が働いていない事は、誰よりも葉月自身が知っているではないか。 (兄さんが……わたしを“女性”として見てくれたことは、一度も無い……ッッ) 640 傷 (その13) sage 2009/02/10(火) 20 07 44 ID r9l37p7Y ――人が人を好きになるために必要なのは理由ではない。ただのキッカケだ。 この台詞は、たしか夕食時に見た海外ドラマか何かのものだったか。 そして葉月は、冬馬を愛するようになった事を後悔はしていない。だから、そのキッカケを兄から与えられたことを、むしろ感謝しているくらいだ。 (ならば……わたしはこれからどうすればいい?) 気がつけば、葉月は自室の闇の中で、目を閉じることをやめていた。 そう。問うべきはそこだ。 兄を幸せにする。 幸せになる権利を、兄に行使させる。 だが、――それはあくまで、自分たち姉妹の手による幸福でなければならない。 ならば、どうするべきなのか? (まずは……兄さんの、心の傷を癒すことから始めないと) その疲弊した精神を回復させない限り、彼の男性機能を正常に戻ることはない。 “男”を回復させることが冬馬の安寧に繋がるのかと問われれば、正直な話、葉月にも自信は無い。認めたくは無いが、不能になったことで兄が救いを覚えている事も確かなのだから。 だが、セックスというトラウマを遠ざけることで彼を救おうとは、葉月はどうしても思いたくは無かった。兄自身も『このままずっとインポでいたいわけじゃない』と言っていたはずだ。 だいたい、冬馬が女性を選ぶ立場に戻らねば、同時に自分たちが選ばれる事もないではないか。 愛情によって癒されない傷など世界には無い――という言葉は、兄の部屋にあった漫画の台詞だったか。だが、そういう形而上的な話をする気はない。葉月が問うのは、常に具体的な方法論だ。 だが、かといって心理療法士でもない中学生には、心因性の勃起障害に対する有効手段など、まるで想像もつかない――わけでもない。 虚空を睨む葉月の瞳が、すっと細くなる。 (そう、兄さんのものを勃たせるだけなら、方法はある) かつて彼女自身が実践した芹沢冬馬への精神退行……。 「もったいないこと……しちゃったのかも……」 言い終わってから、自分が独り言を発していたことに気付く。 だが、あるいはその言葉通りかも知れない。 もしかしたらあの時、あの風呂場での事件こそが、彼に処女を捧げる最後の機会だったかも知れない。たとえ精神状態がまともではなかったとはいえ、冬馬は葉月の愛する兄ではないか。ならば、あそこまで彼を拒む必要が本当にあったのだろうか。 ――そこまで考えて、葉月は愕然とする。 自分は、そんな事を考えるような女ではなかったはずだ。 兄のトラウマに付け入ってセックスを強制し、それで結果オーライと解釈するような、そんな気位の低い女ではなかったはずだ。 (あれは、わたしが好きになった兄さんじゃなかった。……柊木冬馬ではなく芹沢冬馬を相手に処女を捧げる意味など、少なくともわたしにはない) そう思う。 そう思わねばならないと思う。 だが……胸の内を走る、この苦いものは何だろう。 ――今夜はこのまま、眠れそうに無いわね。 葉月は、またしても寝返りを打ちながら、思うともなく思った。 どくんっ、どくんっどくんっ、どくんっ、どくんっ、どくんっ。 弥生のピンクのネグリジェを、白く染める液状の弾丸。 (これが……) しばし、弥生は呆然と見つめていた。 初めて目にした、男の精液。 人間が人間を製造するための原液。 愛してやまない男の子種汁。 そんなものを見て、何も感じない女などこの世にいるはずが無い。 641 傷 (その13) sage 2009/02/10(火) 20 09 45 ID r9l37p7Y だが、弥生は知っていた。 ――この精液に、生殖能力は無い。 芹沢家の男娼たちは、顧客の避妊のために全員パイプカットを義務付けられていた、と千夏に聞いていたからだ。 パイプカット自体は、外科手術で簡単に戻せるらしいと千夏は言っていたから、それほどショックは受けなかった――わけではない。 いま、自分の寝間着を濡らす熱い液体を受け入れても、彼の子供を孕めない。 それは、やはり弥生にとっては、とてもとても哀しいことであった。 「……おくひゃま……ごいいつけどおり……いひました……」 見ると、冬馬が引きつった笑顔を浮かべている。 その舌足らずな口調に、またしても精神退行を起こしたのかと一瞬ぎょっとなったが、単に舌が回らなかっただけのようだ。なにしろ彼の両頬は、弥生の度重なる往復ビンタで、リンゴのように腫れ上がっていたからだ。 ぞくりとした電流が、背筋を走る。 弥生は、しばしささやかな切なさに包まれていた胸のスイッチが、再度切り替わったことを感じた。 (この子……本当に、殴られてイっちゃったんだ……) そのブザマすぎる表情は、弥生に、かつてこの弟に対して覚えたことの無かった感情を喚起させる。 ――すなわち、軽蔑。 サディストにとっては、相手に対する愛情と同様に欠くべからざる感情。 だから弥生にとって、その蔑みは、冬馬に対する愛情と同居させることに何の矛盾も葛藤も無かった。 (ブザマな冬馬くんって……すごく可愛い……ッッ!!) そう思った瞬間、弥生は渾身の一発を、彼の横っ面に叩き込んでいた。 「ご褒美よッッッ!!」 抗議と恐怖に顔を歪めた冬馬は、そのまま最後のビンタを喰らい、死体のように崩れ落ちた。よく見ると、その瞳には涙すら光っている。 この少年は天性の娼夫だと芹沢は評したらしいが、確かにその通りだ。 彼を見下ろし、荒い息を整えながら、弥生はそう思った。 自覚すらしていなかった弥生のサディズムが、ここまで表層化したのは、何も「工藤瑛子」たらんと意識したからだけではない。この、冬馬という少年がパートナーでなければ、彼女はここまで自分を縛るタガを外せなかったはずだ。 千夏は、当時の芹沢冬馬は誰よりも演技力に長けていたと言っていたが、相手が「工藤瑛子」である以上、恐怖に震える冬馬の態度は演技ではないだろう。 しかし、その一方で彼は、これだけ怯えつつも股間の一物は少しも縮こまってはいない。冬馬が、それこそ命懸けで自分をマゾヒストだと思い込んでいる証拠だ。 しかし、それは無理もない話だろう。工藤夫妻を不快にさせる事は、冬馬にとって文字通り「死」に直結していたのだから。 弥生は、このとき初めて「工藤瑛子」に嫉妬を覚えた。 愛する弟の身体に、無数の傷痕を思う存分刻み付けたサディスト夫妻。 この少年の肉体に、二度と消える事なき自分を焼き付けるという行為が、どれほどの刺激に満ちているか、まさしく想像に難くない。 だが、いま彼女はこうして、冬馬を自由に出来る立場に立っている。もはや誰の邪魔も入らない。その現在に、弥生は震えるような程の悦びを覚えていた。 「早く立ちなさい、ぼうや」 夜はまだまだ長い。 色々とオモチャも持ってきている。 (今日はもう、眠れそうに無いわね……) 溢れるような興奮とともに、弥生は実感する。 奇しくも、同時刻に別室の妹も同じことを考えていたとは、神ならぬ弥生は知らない。 だが、同じ言葉を思っても、その意味は完全に真逆だ。 ベッドで寝返りを打ちながら、冬馬の勃起不全に考えをめぐらすのではない。 すでにして勃起した冬馬の肉体を嬲り続けるのに忙しくて、寝るヒマなんか無いという意味だ。 「立てって言っているのが、わからないの……?」 642 傷 (その13) sage 2009/02/10(火) 20 11 11 ID r9l37p7Y 実際には、聞こえていないわけではないだろう。 冬馬は、おびえた笑顔で懸命に立ち上がろうとしていたからだ。 だが、脳震盪を起こしているらしい彼は、もう足腰が言うことを聞かなくなっているようだ。 「分からないのね」 幼児に目線を合わせる大人のように、立とうともがく弟に向けてしゃがみ込み、弥生は笑いかける。真っ青になって首を振る彼の両肩に、優しく手を置く。 「いいのよ……分からなくても」 「ちっ、ちがッッ!」 「だって、ぼうやはバカだから。だから私が言っていることが理解できないのよね?」 「おっ、おくひゃま……ッッ」 もう我慢できなかった。 まだ何か言い訳しようとしている冬馬の唇を、そのまま奪う。逃がさないように両腕を首の後ろに廻し、全体重をかけてカーペットに押し倒す。勿論その間、貪るように動く唇と舌は一瞬たりとも休まない。 弥生にとってそれはファーストキスだった。 気持ちいい。 冬馬とキスしているという事実がもたらす興奮。 キスという行為自体の絶妙な快感。 それらがさらなる電流を口蓋から量産し、数秒後にその回線は、彼女の子宮に直結した。 「ッッッッッ!!?」 イった。キスだけで。 軽いアクメではあったが、それでも自慰などで感じるエクスタシーごときとは、まるで違う。 冬馬の喉がごくりと動く。どうやら、弥生が流し込んだ唾液を飲み込んだようだ。 直に伝わってくるその振動が、股間から発せられる電圧をさらに上昇させる。 「ッッッッッッッッ!!!」 またイった。今度はさっきより更に深く。 自分の肉体が、トロトロに煮込んだシチューのようになっている。 冬馬の体温。唇・歯・頬の内側の感触。唾液の味。 そして、交尾中の蛇のように絡み合う舌の圧迫感。 ただキスをしているだけなのに、全身がエクスタシーを迎えることを辞めようとしない。 (これで、もし、挿入なんかしたら……どうなっちゃうんだろう……) 死ぬかもしれない。 でも、その死は溢れんばかりのオーガズムによるショック死だ。 それは弥生の望むところであった。 全身が弥生の脳にクレームをつけている。 キスをしながらも、バレンと木版画のように、こすりあわされる二人の肉体。 当然、彼女の股間にあるのは、弟の硬く熱い所有物の感触。 ――何をグズグズしているっ!! ――なぜ挿入しないっ!! 彼女の子宮が繰り返す、脳への催促。 もはや躊躇う理由は存在しない。 絡み付いてくる冬馬の舌に、軽く歯を立てる。 舌が自由になった瞬間、名残惜しさを懸命にこらえながら唇を分離させる。弥生の未練を象徴するように唾液が白い糸となって二人の唇を繋ぐが、やがて糸は途切れた。 いきなり舌に歯に痛みを覚え、目を白黒させている冬馬。 (おれのキスに、なにか問題がありましたか?) そう言いたげな表情。 そんな弟に、弥生はやさしく微笑む。 彼女がキスをやめられなかった理由は、なにも眼下の男が愛しい想い人だからというだけではない。絶妙の舌技を誇る冬馬のキスが上手過ぎるのだ。彼の舌が活動を続行している間は、とてもではないが弥生からは唇を離せない。だから歯を立てて、一瞬、彼の舌を封じたのだ。 ――さらなる本能の欲求に従うために。 「さあ、冬馬くん……子作りの時間ですよ……っっ」 643 傷 (その13) sage 2009/02/10(火) 20 12 56 ID r9l37p7Y 弥生は、冬馬の腰に馬乗りになり、そのままネグリジェをめくった。 気付けばショーツは、熱い液体まみれになっている。 (こんなに濡れて……いやらしい子だと思われないかしら) などと、今更ながらの乙女心の残滓が疼く。しかし、ここにいる女主人「工藤瑛子」は己の淫蕩さに羞恥を覚えるような思考回路など持ち合わせていない。 だから、いくらでも恥を捨てられる。いくらでも大胆に振舞える。いくらでも残忍になれる……。 その思いは、処女としての弥生に残る、最後の鍵を解放した。 サイドの紐を解くと、手早く股間から抜き去り、冬馬の学習デスクに投げ捨てる。 確か、この姿勢は騎乗位だったか。弥生の知識では、女性が最も男性をリードしやすく、最も深く男性を受け入れることの出来る体位だったと記憶している。 いまの自分たちには、これ以上相応しい体位はないだろう。 「いくわよ……!」 ぶちり。 「ッッッッッッッ!!?」 騙された。 反射的に弥生はそう思った。 こんなに痛いなんて、聞いてない。 膣口にペニスをあてがった瞬間は、胸の高鳴りが耳にさえ聞こえてくるようだった。 膣内にペニスを滑り込ませた瞬間は、あまりの感動で失禁しそうになった。 だが、そのまま体重をかけ、自分の内部の何かが破られた瞬間、凄まじい激痛が彼女を襲ったのだ。 ――濡れていれば痛くない。 ――本当に好きな人となら痛くない。 ――上手い人となら痛くない。 弥生は18歳の高校三年生だ。知人友人に“経験者”は決して珍しくない。 その彼女たちの証言が、みな嘘だったというのか。 だが、弥生の女体は床が濡れる程に愛液を排出していたし、相手に対する愛情の深さなら語るまでもない。さらにテクニックの話ならば、かつて男娼であった冬馬に、女性経験が不足しているはずがない。 ここが冬馬の部屋でなく、防音設備のしっかりしたホテルだったなら、彼女は泣き叫んでいただろう。だが、壁と扉と廊下を隔てた数メートル先に葉月が眠っているという事実の前には、弥生はなすすべなく歯を食いしばるしかない。 「あの……奥様……どうかなされましたか……?」 おそるおそる冬馬が声を掛けてくる。 エクスタシーなど1mmたりとも感じていない弥生の様子に、さすがに異変を覚えたのだろう。成り行きによっては、またしても手酷い折檻を喰らうのだから、彼としては不安になるのは当然だ。 だが、弥生には冬馬に言葉を返す余裕さえなかった。 (こんなッ、こんなはずないッ、こんなことはありえないッッ!!) 彼女はいま、まさに混乱の極致にいた。
https://w.atwiki.jp/fctokyomatome/pages/25.html
さ し す せ そ さ 最強説ある 元々得点力には長けていた渡邉千真(2012-在籍)だったが、2013年に入りポストプレーの質も高まった。そんな渡邉を評し横浜FMの栗原勇蔵が言った一言。 「噂によればそれ以外も良くなったとか。そうなるとアイツは最強説ある」 色々と応用が利く。 坂田大輔 2011年在籍のFW。「サンキューサカタ!!」で御馴染み。 ギリシャリーグからJに復帰。正直なところ余剰戦力だったけど、ギリシャの財政難に乗じての獲得だったのでコスパ的には悪くなかった(と思う)。 坂田健史 ボクシング第36代WBA世界フライ級チャンピオン。 2008年第6節に緑側のゲストとして登場し、盛大なブーイングを浴びる。 結局、声がかき消されて何を話していたのかサッパリだった。 ちょっと(´・ω・)カワイソスな気もするが、こればかりは仕方ない。 ササ 2005-2006年在籍のパラグアイのイケメンゴールハンター、元リベルタドーレス杯得点王ササ・サルセードの事。 元々「ササ」は本名のサンチャゴ・サルセードの略称なので、東京在籍時の登録名が変則的なもの。 得点能力はあったが、在籍時のチーム戦術に合わず移籍。ガーロ監督との対立には根深いものがあったようだ。 2005年第28節 東京ダービーでは、ロスタイム勝ち越しゴールで緑の降格を後押し。 アホ毛にこだわりを持っていた。 佐々木亮太 FC東京サポーター兼テレビ朝日アナウンサー。 http //www.tv-asahi.co.jp/morning/contents/ryota/ 砂上の廊下 毎夜の様に東京スレに訪れているヴェルディ君が、2009年10月19日の夜に煽りの際で使った言葉。 「砂上の楼閣」の間違いだと思うが、あまりにも馬鹿馬鹿しい言葉なので、石川の検査結果(左膝前十字靱帯不全損傷)を受けて、お通夜状態だった東京スレ住民を和ませた。 サッカーの話をしました 城福浩元監督の必殺技。 真摯かつ情熱的に、理想とするサッカーの話をすることで、選手の心を掴む。 2007年オフ、浦和移籍に傾いていた今野泰幸を一転残留させたことでサポに知られることとなった。 以後も選手獲得に際しては、直接出馬により次々と競合クラブを退けた。 サッポロビール園 2008年第27節 札幌戦の勝利に湧いた東京サポが狂乱を繰り広げた現場。 札幌遠征が2002年10月以来と久々だったこともあって、「シャー」やチャントの飲めや歌えやはいつ果てるとも無く続いた。 ■言いたい放題FC東京 1015■で報告される。 サテキング 近藤祐介(03-09年在籍)のこと。サテライトで大活躍する様から。 神戸から復帰した08年以降もサテキングぶりは健在で、主力組が韓国遠征している中での甲府との練習試合ではハットトリックを決めた。 佐藤 佐原&藤山でCBを組むこと。主に2008年4~7月の起用。 佐藤さん 「俺たちの由紀彦」だったMF佐藤由紀彦への横浜FM移籍後の他人行儀な呼び方。 佐藤寛子 「くびれ」が売りだった元グラビアアイドル。 イメーションのサイトでは「お目当ての人=金沢浄」という記載があり、東京サポ的には 「浄好きなんて、なかなか見る目があるじゃないか」という印象であったが、どうやらその記事はねつ造らしい。 佐藤由紀彦 1999-2003年在籍のOMF。 右サイドからの正確なクロスが最大の武器で、「東京のベッカム」という異名も持っていた。 そのクロスは東京在籍時に血のにじむような練習で身につけたもの。 怪我などの影響で02年には横浜FMからレンタル移籍してきた石川直宏にポジションを奪われ、出場機会が激減。 その石川と入れ替わるように03年にレンタルで横浜FMへ移籍し、同年途中に完全移籍した。 彼のおかげで、07年の高校野球では佐藤由規(仙台育英→東京ヤクルト)の注目度が東京サポ内で少しだけ高まった。 「J2は魂が磨かれる場所」という名言を残している。 サハラカップ Jリーグユースチームの日本一決定戦と位置づけられている大会。正式名称「Jユースサハラカップ」。 2005年から2007年まではタイガー魔法瓶が冠スポンサーとなってこの大会名称になっていた。 FC東京U-18は2007年に初優勝。佐原秀樹の加入はサハラカップの副賞によるものらしい。 佐原秀樹 2008-2009年、川崎よりレンタル加入し「東京を好きになってしまった」CB。多摩川クラシコの勝ち組。ミラノ第三中学校出身。 プロ生活11年目にして初の移籍の決め手は城福監督のラブリー交渉術によるもの。 ハードマーカーかつカードコレクターで非常に怖い人のイメージが強かったが、始動日にはチームメイトの誰とも喋らず黙々と練習している様を見せ、東京サポに転校生がクラスになじめなくて困る担任教師のような不安を抱かせた。 その不安は的中のようで、シーズン中盤に「グアムキャンプ出発時にずっと一人だった」「誰も話しかけてくれなかった」と、辛い胸の内を吐露していた。 今となっては持ちネタ的に話題に出すまで心の傷は癒えている。 そんな暗黒期を経て、2008年4月12日 第6節の東京ダービーではマリーシア戦術を駆使してフッキを退散させ、CK時にゴール裏を煽りまくって東京サポのハートをがっちりキャッチした。 すっかりなじんでからは、椋原健太を始めとする若手選手のいい兄貴分として君臨。 空中戦に強いCBが少ない東京においては、吉本一謙の手本になることも期待されていた。 2008年終盤からグロインペイン症候群等によりパフォーマンスが低下するも、「リハビリをするためにチームに残留したわけじゃない」と強いプロ意識を見せ奮闘を続けた。 繊細な一面もあり、試合中の観客のリアクションに敏感で度々話題にしている。 東京サポは、試合中でも歌や応援一辺倒でなく、選手の一つ一つのプレーに対して(良くも悪くも)はっきりリアクションするため、彼にとってかなり新鮮な存在のようだ。 ちなみに、ブラジルでのプレー経験があるのでポルトガル語が少し喋れる。 2009シーズンイン直前、突如携帯サイト限定で「ヒデの部屋」というおしおき部…短期連載が開始。 佐原を囲んだ石川直宏、塩田仁史、羽生直剛、社長のgdgd座談会形式のコーナーで、サポには大好評。 本人に「面白かった」と伝えたところとても喜んでいたそうだ。 さぼてん 新宿駅西口地下商店街に本店を持つとんかつ料理のチェーン店。正式には「とんかつ新宿さぼてん」。 株主の「(株)グリーンハウス」のグループ企業であるクラブスポンサーの「(株)グリーンハウスフーズ」が展開している。 選手カード入りでおなじみの「FC東京勝サンド」を発売しているのはここ。 2008年12月20日に小平グランドで行われたイベント「みんなで勝カレー!」でファンに振る舞われたカツカレーを準備してくれた太っ腹な企業である。 ちなみに川崎フロンターレはライバル企業の「とんかつ和幸」がクラブスポンサーなので、多摩川クラシコはとんかつダービーとも言える。 佐を分解 イナェ。 サンタ帽 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 クリスマス前(天皇杯やJユースカップ)の必須アイテム。 Tokyo GAS is coming to town~♪ し ジーコはSOCIO 「オシムはSOCIO」と類義語のようであって、実は、ジーコに対する皮肉が混じった言葉。 シーチケ 緑の工作員がなりすましネガティブ書き込みをした際、使い慣れていない為に「socio」という表現ができず 「シーチケが―」という書き込みをしてしまい、スレ住民からは一斉に「シーチケw」というレスをされて晒し者になった。 ジェイズ五郎 J s GOALのウイニングイレブン、ファンタジスタモード企画にて活躍する架空の選手。 デビュー2年目にしてサガン鳥栖をJ1に導き、年間MVPを獲得。 その年のオフに大宮、名古屋、広島、そして鳥栖との壮絶な争奪戦を制し、2010年度のFC東京への加入が決まった。※ポチポチ祭りの項目参照 データ引き継ぎの関係で東京での出場は2011年度からとなり、CHやFWで起用された。 中途半端なポジショニングとボールを持ちすぎるきらいがあったため、スタメン定着とまではいかなかったが、要所要所で決定力を見せ、ナビスコカップ制覇に貢献。ベストイレブンにも選出された。 2010① ② ③ ④ ⑤ ⑥ オフには、G大阪、川崎、広島からオファーを受けるが東京に残留。さらなる活躍が期待される。 ジェイド・ノース 2011年加入のCB/SB。オーストラリア代表。 ノース(North)の名から、スレでは「北さん」と呼ばれることが多い。 今野泰幸&森重真人の牙城を崩せず出場機会は僅かだったが、シーズン終了後になってtwitterや現地報道の翻訳などによりサポに人柄が伝わり始め、スレ内での人気が急上昇。 718 名前:U-名無しさん@実況はサッカーch[sage] 投稿日:2011/12/08(木) 18 26 41.88 ID ae25y1BA0 ノースはこの前の水戸戦友達呼んだらしく、指定席に10人ぐらい来てて、そこにジャージ姿で現れた 友達が英語で、何でお前のほうがいい選手なのに試合に出ないんだ?見たいなことを言ったら、そんなこと言うな。彼らはとてもいいプレーヤーだって言ってた。 ※正しくは千葉戦。 塩田仁史 2004年流経大より加入のGK。同年のナビスコカップにて準決勝までゴールを守り抜き、決勝で土肥洋一(00-07年在籍)にその舞台を譲った(後にMVPの賞金で焼き肉をおごってもらったと語る)。 2006年より頭角を現し、土肥のパフォーマンス低下もあり、同年11月26日第33節 ホーム最終戦の浦和戦にてJ1デビュー。 当日は試合後に三浦文丈(01-06年在籍)の引退セレモニーが開催される上、浦和が勝てば優勝決定という、とんでもない大舞台での出場だった。周囲の不安をよそに塩田はこの試合を無得点で終え、浦和の優勝を阻止。翌年の台頭につながる素晴らしいプレーを見せつけた。 この試合の練習中、ユニフォームの下に背番号10のユニフォームを着込み、三浦の偉大さを東京サポにアピールした。このパフォーマンスは、翌年11月24日、第33節 大宮とのホーム最終戦で背番号1のユニフォームを着用して再度行っている。 土肥を神のように尊敬し、常に「土肥さんがいなかったら俺はいない」と語っている。 今でも連絡を取り合いお互いを気遣う姿は美しくもある。 一見柔和そうな顔をしているが、試合中は激しいコーチング(これも土肥譲り)でDF陣を統率し、ふがいない選手には鉄拳制裁を行う。 料理上手で、ワンピースと整理整頓をこよなく愛する頼れる選手会長。 自称達筆で、2005年SOSIO DVDにて宮沢正史(2001-2006年在籍)と書道対決をするも惨敗。 ブログ開設当初は、画像のリサイズをしておらず、画像1枚あたりのファイルサイズが1MBを越す大きさになっており、やたら重かった。 飛び出し過ぎでゴールを空けることによる失点がちらほらと見受けられる。 2008年に兄の結婚を報告してからはアニキコールが贈られている。 2009年グアムキャンプ中に虫垂炎→術後に腸閉塞を患い長期離脱。以後、正GKには権田修一が入ったが、激しい定位置争いが展開されている。 シゲニワ 2007年に入団した若手DF。速さ、強さ、カッコヨサを兼ね備えた茂庭(02-09年在籍)とは似て非なる存在。 多摩川クラシコで実戦デビューするも大敗を招き、「最初がジュニーニョってどうなの…?」という迷言を残す。 マウスピースとタイツの着用を好む。2008年秋頃にひっそりと退団。 茂原 2008年4月、日本代表候補に初選出された直後に住居侵入・窃盗の容疑で逮捕、起訴されたサッカー選手の茂原岳人(しげはらたけひと)の事。 当時、茂原と茂庭には何の関係も無かったにもかかわらず、茂庭照幸個人スレ ■■■■■■■ 茂庭 24 ■■■■■■■ で祭りが発生。約10日でスレが埋まった。 2006年の川崎フロンターレ在籍時には、東京との試合日に川崎市内の住居侵入事件で逮捕(後に起訴猶予処分になる)され、アウェー遠征途中の青赤サポを驚かせた。 また、2007年第16節 FC東京vs甲府では、主審 家本政明氏に対して暴言を浴びせ、ツバを吐き、備品を壊すなど大暴れ。7試合の出場停止処分を受けた。 なお、この試合をスタンド観戦していた林健太郎(甲府)も、家本氏に「相変わらずヘタクソだな」とヤジを浴びせ、出停に。 重松健太郎 2010年、FC東京U-18から昇格したFW。FC東京U-15むさし(2004年創設)の第一期生。 上背は無いが、相手を背負ってからのターンは出色。組み立てからフィニッシュまでできる万能タイプ。キレやすいのが玉に瑕。 第4節大宮戦で初出場し、ヘディングでゴール。高卒ルーキーのデビュー戦ゴールはクラブ史上初である。 デビュー戦翌日には、クラブ関係者から「ウルフ」とニックネームを付けられていると報じられたが、サポは誰も(´・ω・`)知らんがな 「キング」「キングオブむさし」なら(`・ω・´)知っとるがな マヨネーズとドレッシングが苦手なので、サラダには何もかけない。 2011年はJ1福岡へ期限付き移籍。J1の舞台で修行する。 質の高い阿波踊り 2010W杯GL第2戦「スロベニアvsアメリカ」中継のゲスト解説に招かれたJFKの一言。 HT中、スロベニアの組織的なプレーについて「質の高い動き」と解説していたが、MCの福澤朗が同国のゴールパフォーマンスについて触れたところ、徳島県出身の名将はこのように評したのだった。 して 2008年4月29日の第9節 大分戦にて、主審 西村雄一SRが大分の上本大海に対し「死ね」と暴言を吐いた事件が発生。 後の事情聴取にて「"~して"とは言った」と供述したことから「死ね」の同意語として使われるようになった。 しなかや カボレ加入に興奮するあまり、トーチュウが誤表記した。 カボレはKリーグでゴールを量産。しなかやでスピードがあり、ドリブル、テクニックも抜群。 じばくちゃん ◆JubitB11go 磐田&札幌スレのコテハンだが、東京をはじめとした他スレにもちょくちょく顔を出す。 モーニング娘。の辻のAAと口調を使ったりしているが、正体はおっさんだという噂も。 宮崎出身らしく、07年の宮崎都城キャンプでは画像をUPしてくれた事がある。 面倒くさいのでスルー推奨。 芝選手 味の素スタジアムで大規模コンサートなどのイベントが催されると負傷する選手。 恵まれた体格を活かし広範囲をカバー、全てのポジションに影響を与える。 寡黙な性格だが、コンディションによる好不調の波は激しく、2008年GWの元X-Japanメンバーの追悼ライブ後には状況報告がされるほど。 芝選手の検査結果について(5/5) 2009年夏に肉体改造を行った。関連語:2323 シミスポ 大手イベント管理運営会社。FC東京の主催試合でもスタンド内の案内・警備の人員を派遣している。 2001年に「(株)シミズスポーツ」と「シミズ舞台工芸(株)」が合併し現在「(株)シミズオクト」になっているが、未だに「シミスポ」と呼ばれることが多く、あまり「シミオク」とは呼ばれない。 シミスポの人達はアルバイトなので、スタジアム内でのもめ事を報告しても、真剣に対応してくれない事があるらしい。 下田光平 2008-2012年在籍のDH。釣りと奥多摩が大好き。東北の古豪である秋田商業から加入し「東北の稲本」と呼ばれていたらしいが、今野泰幸を慕っており東京スレ的愛称は「下ちゃんさん」(関連語:今ちゃんさん)。頑丈な体躯を活かしたボール奪取が武器。 スレ内では、井澤惇(FC東京U-18→甲府)の昇格が見送られたのはそれだけ下田への期待が大きいからだという声もあった。 井澤「あいつがトップチームに行ったから、僕は(FC東京ユースからトップへ)上がれなかったんですよ!」 クラッシャータイプのボランチが乏しいロンドン五輪世代では一時期重宝されたが、東京では出場機会に恵まれず、J2水戸や町田へレンタルされていた。 シャー 勝利後のG裏挨拶時に行われるパフォーマンス。勝利の雄叫び。 羽生直剛は東京ダービーで初体験。 2008年ホーム最終ゲームでは城福監督もシャー! 弓を後ろに引くような方式(例:アマラオ)と、腕をグルグル回す方式(例:石川直宏)がある。 今野泰幸は東京加入以来ずっと固辞し続けていた。 元ネタは、プロレスラー剛竜馬のかけ声「ショア!」。 ジャーン 2002-2006年在籍のブラジル人CB。ブラジル代表経験有り。07年湘南へ移籍。 長身を武器に「いつもの」の一人して活躍し、他サポには「シジパナジャーン(三つ首怪獣キングギドラを模した、外国人3CBによる鉄壁怪獣。シジクレイ(牛)+ パナディッチ(鯱)+ ジャーン)」の一角(首)として恐れられた。 アレモン(ドイツ人)の仇名を持つ、ちょっと強面で威圧感のある風貌ながら、責任感とチーム愛は誰よりも強く、試合中(04年ナビスコ決勝での退場時、05年第24節でのルーカス(04-07年在籍)脳震盪事件時)に号泣する事も。 2006年の戦力外通告時には「たしかにもうJ1では厳しい」といったレスもあったが、退団以降、東京が深刻なCB不足に陥ったのもまた事実…。茂庭がシゲニワ化したのはジャーン不在によるところも大きい(?)。 味噌ラーメン好き。日常会話レベルの日本語ができるが、インタビューなどでは母国語を使う。 東京在籍時に長男ルイス君が誕生し、その後はユニフォームの下に彼の写真が印刷されたTシャツを着用していた。 社員 浅利悟(97-09年在籍)のこと。シャイン、Shine 社員キャノン 浅利が隠し持っている強烈ミドルシュート。 小平での練習試合ではたまに見られたが、J1では温存していた。 J1の舞台で炸裂することを多くの東京サポが心待ちにしていたが、遂に叶わなかった。 佐原秀樹には"魔閃光"と形容された。 社長 藤山竜仁(1992-2009年在籍)のこと。なんとなく社長っぽい。 集合写真 キックオフ直前に肩を組んで撮影しているアレ。 転じてスタメン入りのこと。大竹洋平の2009年の目標。 秋天の陽炎 1999年度J2最終節の一連の経過、結果を指す。大分視点での同名の著書がある。 最終節開始時点で3位だった東京は苦手の新潟に勝利し、2位だった大分はロスタイム、山形に同点弾を決められて引き分けた。 この結果、1位の川崎Fと、2位となった東京がJ1昇格を決め、3位となった大分は昇格を逃した(動画①、②)。 東京サポが山形を好きなのは、んまいものがあるからだけでは無いのだ。 シュート打て 攻撃に積極性が観られない時に起こるコール。 「闇雲にシュートしても仕方無い」という見方から賛否が分かれることも。 ジュビロキラー ジュビロ戦でやたらと得点する選手のこと。初代は栗澤僚一。2代目は赤嶺真吾。 99年●、00年○●、01年●●、02年●●、03年●●、04年●△と磐田に対して相性が悪かったが、 栗澤が入団した05年以降は五分以上の成績に持ち込んでいる。 磐田はこれ以上カモにされるのを回避すべく、2009年6月に赤嶺獲得を図っている。 東京は、2010年に赤嶺が仙台に期限付き移籍して以来、磐田に対しての勝利が一時途絶えた。 2005:リーグ第4節 ○ 1-0(栗澤 リーグ初得点)、リーグ第21節 △ 1-1(栗澤) 2006:リーグ第7節 ○ 3-1(ルーカス2得点、栗澤)、リーグ第31節 ● 1-4(ルーカス) 2007:リーグ第3節 ● 0-1、ナビスコ第1節 △ 2-2(今野、ワンチョペ)、ナビスコ第4節 ○ 2-1(福西、ルーカス)、リーグ第20節 ● 2-5(赤嶺、平山) 2008:ナビスコ第2節 ○ 2-0(赤嶺2得点)、ナビスコ第3節 △ 1-1(赤嶺)、リーグ第13節 ○ 2-1(赤嶺2得点)、リーグ第26節 ○ 5-1(カボレ、佐原、O.G.、石川、鈴木) 2009:リーグ第4節 ○ 1-0(赤嶺)、リーグ第27節 ○ 3-2(石川、長友、赤嶺) 2010:リーグ第15節 △1-1(大黒) ジュビロ枠 三浦文丈(01-06年在籍 07-08年コーチ)、浜野征哉GKコーチ(02年-在籍)、金沢浄(03-09年在籍)、川口信男(06-08年在籍 09年-普及部コーチ)、福西崇史(07年在籍)とジュビロ磐田から良質な人材が移籍してくることに由来する。 そのためオフになると「ジュビロ枠補充マダー?」「ジュビロ枠で○○獲ってこい」等のレスが見られる。 他には前田浩二(00年在籍)、鏑木豪(01年在籍)、小林弘記(02年在籍)など。 一般的には、ジーコ元日本代表監督が、磐田の選手を重用していたことを揶揄する表現なので注意。 純血東京 日本人選手だけでスタメンを組むこと。 湘南新宿ライン FC東京と湘南ベルマーレ間での移籍。実際の運行が埼玉以北にまで延びている件はスルーで。 近年は湘南が、東京で通用しなかった選手を拾う形での"下り"がほとんどである。 上り FW呂比須ワグナー(97-98平・01東)、DF茂庭照幸(99-01平湘・02-東)、三杉淳(漫画「キャプテン翼」) 下り FWアマラオ(92-03東・04湘)、DF浮氣哲郎(94-96東・04-05湘)、DF梅山修(98-01東・02-03湘)、FWツゥット(00東・08-湘)、MF浅野哲也(00東・07-湘ヘッドコーチ)、DF三田光(00-01東・08-湘)、GK小林弘記(02東・03-06湘)、DF尾亦弘友希(02-05東・06-07湘)、DFジャーン(02-06東・07-湘)、FW阿部吉朗(02-07東・08-湘)、松尾直人(06東・10-湘)、エメルソン(08東・10-湘)、阿部伸行(07-10東・11-湘) ジョーヒロシ 2008/09天皇杯4回戦 仙台戦でアナウンスされたFC東京の監督。 この試合は「2対2でFC東京が勝ちました」など、イミフなアナウンスが多く、 羽生直剛も「普段のリーグ戦とも、すべてが違う雰囲気で試合が始まる。試合前のアナウンスだったり…」とコメントを残している。 城福浩 言わずと知れた元監督。2008-10途中まで指揮。 "Moving Football"を掲げ、人もボールも動かすポゼッションサッカーを志向。 理論的な指導や、ゴールパフォーマンスなどに伺える熱い人柄に東京サポは夢中になり、多くの「城福信者」を生んだ。 一方、その采配(自身こだわりのコンバートの継続など)に反感を抱いているサポもいるため、スレで話題に出す際には細心の注意が必要。 スカパーや各種メディアでの解説を経た後、2012年よりJ2甲府の監督に就任。 奥様が選んでいるおかげでファッションセンスは抜群。 つぶあん派。こしあんは許せないそうな。 ジョナサン ジョナサン・シガー。「F.C.TOKYO魂!」に出演。 新宿女学院 何故かサッカー選手の移籍情報が集まる風俗店。 そのためオフに通学する住人からは「新宿女学院の嬢が言ってたけど○○は東京入りするらしいよ」等のレスが報告される。 じんだいフェスタ 調布市の仏教寺院、深大寺で催されるイベント。 毎年3月下旬~4月上旬の「春の祭典」や、夏の「夕涼みの会」には 2003年の第1回からFC東京の選手がハッピを着て参加しており、桜の記念植樹、サイン会、トークショーなどを行っている。 サービス協力店で深大寺そばを食べよう。 【参加選手】 2003年:加地亮、尾亦弘友希 2004年:大谷圭志、松本昂聡 2005年:中村亮、栗澤僚一 2006年:赤嶺真吾、小澤竜己 2007年:茂庭照幸、池上礼一 2008年:長友佑都、小山泰志 2009年:羽生直剛、椋原健太 す スーパーひとし君 塩田仁史のこと。石川直宏が好んで使っている。命名は平山相太。 鈴木京香 鈴木徳彦強化部長(退任)のこと。 鈴木健児 2005-2008年在籍のMF。左SBとボランチが主戦場。 通称スズケン。実は北京五輪世代。お笑いのモノマネに長けている。 2008年8月には操作ミスにより選手登録が抹消されてしまう。 柏にレンタル移籍した栗澤僚一(背番号27。鈴木は28)のとばっちりを受けたものと思われるが、出場機会に恵まれていなかっただけに、一時的とはいえ多数の住人が前途を案じた。 翌月、JFL鳥取へレンタル移籍。これは選手登録の件とは関係ない。たぶん。 2008年終盤のJ2昇格圏入りへの猛追に力を注ぐも一歩及ばず。2009年完全移籍。 鈴木達也 2008年-2011年在籍のOMF/FW。 栗澤僚一とのトレードで柏からレンタル加入し、2010年に完全移籍。 筑波大出身で運動量豊富、プレスを惜しまないプレースタイルに戸田光洋(2002-2006年在籍)を重ねるサポがいたせいか、2008年天皇杯準決勝から戸田のコールを継承した。 東京での初ゴールは2008年第26節 磐田戦でのダメ押し弾。 T.SUZUKI(人格者)>>>>越えられない壁>>>>TSUZUKI(DQNな浦和GK) なお、貸出元の柏スレでも老若男女問わず非常に愛されている選手のようで、『たっちゃん萌え』なコテハンの通称「おっさん」が居る。 2009年は横浜FMユースの先輩だった石川直宏と激しいポジション争いを展開。髪型が似ているので遠目だとちょっと区別がつきにくいw 幼少期にピアノを習っていたので、今でも多少弾ける。風呂好きで入浴剤に詳しい。 スタメン定着こそ出来なかったものの貢献は大きく、2011年の契約満了組の中では(たぶん)最も惜しまれていた。 鈴木規郎 2002-2007年在籍のOMF。脱臼癖アリ。赤嶺真吾と大の仲良し。結構な天然。 左足での強烈なミドルシュートと弾丸FKが武器で、ロベカルならぬ"ノリカル"という愛称もあったが、東京スレでは"ノリオ"と呼ばれることが多かった。 2008年、渡仏していたと思ったらいつの間にか神戸へ移籍。 オフィシャルHPでは、フランスでの生活や移籍の経緯などを明るく書き連ねた。が、その翌日になって 「この日記を通じて東京サポーターへ御礼のメッセージを送っていませんでした。すいません。」となる。最後まで天然だった。 スレでは「そろそろ選手会長に任命されそうだから移籍した」という説まであがっていた。 その神戸ではSB(DF)としての大成を期待されていたようだが、東京サポは彼の不器用さを身を持って知っているため懐疑的だった。 結局2009年6月に仏・アンジェから再オファーを貰い移籍。神戸での矯正はならなかった。 退団後も「ムラバが"ノリオほど東京を愛している選手はいない"と言っていた」などと実しやかなレスがあったり、2010W杯期間中に小平でランニングしていたり、復帰フラグが立っていたが、結局7月に大宮入り。 スタジアムへ行こう 東京スカパラダイスオーケストラがFC東京のために作った曲で、2004年開幕戦試合前のライヴで初披露された。 現在はホームゲーム試合前に場内で流されている。 CD化されておらず、限定配信された「着うたフル」か、スタジアム内の放送でしかフルコーラスを聴くことはできない。 すでにこの曲が誕生して数年経過して存在は認識されているものの、サポーターが自主的に合唱した事は数回(2006年浦和戦等)しかない。 2009年多摩川クラシコ前に東京スカパラダイスオーケストラがライヴを行った際には演奏されなかった。 スティーブン 本名Stephen Spencer。2001年よりスタジアムDJを務める。 1959年8/18 ブラックプールに生まれ、1987年来日。 ブラジルDayや天皇杯などの通常の場内アナウンスが無い時はゴール裏で観戦している模様。 すてきな夜空φ ★ 芸スポ速報+板で躍動する東京サポ(とは思えないが…)の記者。単に「夜空」とも。 FC東京に関連する内容ならば、どんなネタだろうとスレを立てるのが特徴。 芸スポで話題になったところで、他サポや荒らしが東京スレに流れてくるのを助長するだけということもあって、あまり良い評判は聞こえてこない。 スペシャルワン 今野泰幸(2004-2011年在籍)のこと。 2012年より在籍するG大阪で「難攻不落のスペシャルワン」と紹介されていたので、東京サポもこれに乗っかった。 失点が多いときほど東京サポからはこう呼ばれる。要は皮肉である。 スミレ 2012年に颯爽と現れた長身美女。 スワローさん 2008年ナビスコ第6節にて国立に降臨したヤクルトファン。 ヴェルディサポーターによる暴行事件が起きているすぐ横で、ほがらかに東京のゴール裏に向かって手を振っていた。 試合後、その時の画像が貼られ、この試合でハットトリックを決めた平山相太以上に東京サポーターの心を鷲掴みにした。 参考:ttp //ere.to/~tokyo/up/src/up0807.jpg せ ゼ・カルロス 2005年にセレッソ大阪に在籍していたブラジル人選手。 ブルーノ・クアドロス(2008-2009年在籍)の移籍報道を受け 「長居でPK外した選手だよね」(2005年第34節)と、勘違いをしてしまった住人に対し、矢のように 「それ、ゼ・カルロス」とレスがあった。 それ以来、何らかの質問に対して「それ、ゼ・カルロス」と返答するのが東京スレの仕様に。 切なさを禁ずることができない カボレ(2008-2009年在籍)の移籍報道に対する韓国サイドのコメントの一部。 韓国語を機械翻訳するとこのような味わい深い文章になる。 スレ内では、~せざるを得ないという意味で使用されている。 攻めて取る。攻めて獲る。 2005年のスローガン。がむしゃらに攻めて、得点、勝利、タイトルを狙うサッカーを目指すとのこと。 全員攻撃、全員守備 東京の伝統的プレースタイル。 これに対応できず退団してしまった外国人FWも何人かいた。 専スタ サッカー専用スタジアムの略称。皆がその実現を心待ちにしている。 2008年4/1のスタッフ日記ではエイプリルフールのジョークとして使われた。 そ 草タン 田邉草民(09年入団)の愛称。 草さん(wwwwを多用する青赤ねらー)と混同しないよう注意。 ソノヘンノ・オサーン 謎のブラジル人選手。 スペック、ポジション、プレースタイル、所属、全て不明。 当然ながら戦力にならない公算の方が大きいが「前評判などアテにならない」「掘り出し物はどこに有るか分からない」などの理由から外国人枠が中々埋まらない時には、一部サポの間で待望論が起こる。 そんじょそこらの 2009年19節広島戦試合後の選手インタビューにて広島DFストヤノフが語ったとされる外国人らしからぬ言葉。 ●ストヤノフ選手(広島): 「相手は、ずっと勝っていたし、今日の勝点1は悪くない。FC東京は、そんじょそこらのチームじゃないから」 アウェー引分け狙いの戦術を完遂されてのスコアレスドローで連勝を止められ、意気消沈しているスレ住民の心を和ませた。 ソ・ヨンドク 2010年7月加入の韓国籍OMF。漢字表記は徐庸徳。キム・ヨングンと同世代の若手アタッカー。 天皇杯千葉戦で活躍し期待を集めたが、ポジションを確保するには至らずそのまま退団。 あ行-あい あ行-うえお か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行・数字・記号 アルファベット 上へ
https://w.atwiki.jp/howain/pages/20.html
TX-130F TX-130F インペリアル・ファイター・タンクは、帝国地上軍の採用する小型ファイター・タンクである。 スペック 機種名:TX-130F帝国軍仕様セイバー級ファイター・タンク 製造元:クワット・ミリタリー・アームズ社 級種:ファイター・タンク 分類:スピーダー 大きさ:全長8.2メートル 速度:時速400キロメートル 操縦要員:操縦手 1名、砲手 1名、車長 1名 乗員定員:なし 搭載機:不明 積載重量:750キロ 航続期間:不明 価格:不明 動力機構:不明 推進機構:不明 航行装備:シールド、各種センサー、反応型複合式装甲 武装:ミディアム・ツイン・レーザー・タレット 1基、ボーステル社製ヘヴィ・レーザー・キャノン 2基、震盪ミサイル発射管 2門(各12発搭載) 機体材質:反射型合成装甲 概要 TX-130などの高速軽量の全く新しい種の戦車はクローン大戦でLAAT/iと並び、最も活躍した兵器と言って良いだろう。しかし、ファイター・タンクと呼ばれる級種を確立してしまったTX-130の偉大な功績は大艦巨砲主義を絶対とする帝国の台頭によって過去のものとなってしまった。多くのファイター・タンクは第一線から退けられ、その姿は辺境の小さな基地でしか見られなくなってしまったのだ。 エンドア戦い後もTX-130Tが前線に配備されることは極めてまれだったが、和平協定の直後に勃発した統一戦争は銀河に暗い影を落としたが、TX-130Tに明るい未来をもたらした。戦争中盤のシー攻防では、シーに駐在するE-58基地のTX-130Tが予想外の戦果を上げたのだ。このファイター・タンクは迫りくる統一軍の上陸部隊を次々と返り討ちにしてみせ、TX-130Tの利点である素早さを最大限に活用したこれらの戦い方は、のっそりとしか進めないウォーカー兵器より有利に立ち回れたのだった。 統一戦争後、帝国議会は統一軍の猛攻により激減した地・海両軍の代理的兵器を模索していたが、シー基地司令のマースタ・リーレ大佐がこのファイター・タンクの思いもよらない戦果を報告すると議会はその戦果に興味を示し、その後、迅速にTX-130Tの改良型の採用が決定した。他の攻撃を受けた帝国軍の辺境基地でもTX-130Tが活躍した事実は、リーレが議会に報告を行わなければ永久に忘れ去られる事実だっただろう。 クワット・ミリタリー・アームズ社は帝国の要求仕様に達する性能をTX-130Tから引き出すため、機体の再設計を行った。いくら戦果を上げたとしても、TX-130Tはもはや30年前の兵器であり、旧式なのである。その後、TIEアクシスの正式配備から数ヵ月、大幅な改良を終えた試作機X/TX-130Fが製造され、100台が再編成された機動艦隊に限定配備された。最新のF型は真下からの攻撃に弱いウォーカーの補佐として各AT-ATに1台ずつ支援戦車として配置される。時に迅速性の必要とされる任務ではLAAT/cによって戦場に投下され、単独で潜入任務を行う場合もあり、こういった任務に就くTX-130Fは敵からは忌々しい侵入者として憎まれている。これらはエメストロの戦いなどで期待通りの戦果を収めると、急速に帝国地上軍に浸透していったのである。 TX-130Fもまた、軽量小型で高速ながら戦車に分類される陸上兵器であり、上部ハッチから外を監視する戦車長とタレット以外の武器の操作を行う砲手、自身を移動させる操縦手の3名で運用されている。戦車長はタンク全体の指揮を執るのはもちろんのこと、バイノキュラーで遥か目視外の標的を確認したり、ハッチに備え付けられた回転式タレットを使って近距離の敵を攻撃することもできる。TX-130Fは他のTX-130シリーズと同じく、小回りの利いた素早い動きが必要とされるため、熟練の操縦手がその任におかれることが多い。また、外の視界が前方の2つの四角いビューポートというだけでは機動性の高い操縦に支障が出るため、車体に取り付けられた多角カムによってコクピットのディスプレイにリアルタイムで横方向、広報などの状況が映し出される仕組みになっている。砲手は上下40度、横20度まで砲角を傾けることの可能な車体横の1対のボーステル社製レーザー・キャノンと震盪ミサイルの操作を行い、後者は合計24発の搭載画が可能であり、自動装填される仕組みになっている。近接戦闘ではレーザー・キャノンを使って敵を蹴散らし、目視外のターゲットには震盪ミサイルを使用して破壊する。極めて防御力の高い標的に対しては近距離でも破壊的な威力を持つミサイルが使われる傾向にあるが、その場合はミサイルの射程外であるために完全無誘導であり、砲手の技量が問われる場面である。また、ミサイル発射管は2門あるため、一方に通常の震盪ミサイル、もう一方に近距離用のミサイルといった具合に柔軟な使い方をされる場面もあり、任務によってはマウント化されたヘヴィ・レーザー・キャノンの兵装ポッドにEMPパルス迫撃砲、エナジー・グレネード発射管などのより攻撃的な兵器に換装することも可能である。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/33750.html
登録日:2016/02/17 Wed 06 47 46 更新日:2024/07/16 Tue 06 48 01 所要時間:約 39 分で読めます ▽タグ一覧 お約束 アイテムの場合は妨害あり スーパー戦隊シリーズ スーパー戦隊シリーズの○○項目 バルバエキス 一覧項目 中には最初から巨大化する奴も 巨大 巨大化 巨大化アイテム 巨大化要員 巨大戦恒例 怪人 戦隊悪役 所要時間30分以上の項目 死亡フラグ 特撮 芋長の芋羊羹 巨大戦――それはスーパー戦隊シリーズの歴史上、無くてはならないイベントである。 【概要】 元々戦隊側の巨大メカは秘密戦隊ゴレンジャーの頃から登場していたが、専ら移動用か敵要塞・戦闘機との交戦に使われるのが多かった。 しかし、バトルフィーバーJ以降に巨大ロボが登場してからは一変。 一度倒されるか追い詰められた等身大の怪人が何らかの要因で巨大化し、戦隊側も巨大ロボで応戦するというパターンが誕生した。 遡れば東映特撮はジャイアントロボ(東映版)や大鉄人17で巨大戦のノウハウを蓄積し、ジャッカー電撃隊とバトルフィーバーJの間に放送されたスパイダーマン(東映版)では日本の視聴者向けの派手な演出として「等身大ヒーロー+巨大戦」の形式を発明した。 巨大化のパターンは戦隊ごとによって違うものの、たいていは以下の4通りに分けられる。 幹部又は首領自らが巨大化させる 巨大化アイテムで巨大化 怪人が自力で巨大化 巨大戦専用マシンを召喚 巨大化後は基本的に等身大と同じ姿だが、中には姿形が変化する存在も。 演者である女優の素肌が露出したセクシー系の怪人など、巨大戦には不向きなデザインの怪人がよく巨大化後に姿を変えるが、姿を変えた怪人は凶々しさが増すためパワーアップとしてもわかりやすい。 ボウケンジャーやハリケンジャーではこの巨大化のパターンが幹部ごとに違うという演出がなされている。 それではここからは各項目ごとに詳しく解説していこう。 【パターン】 1.幹部又は首領が自ら、或いは専門職の部下を使用して巨大化させる 大地に眠る悪霊達よ…ドーラ〇〇に、力を与えよ! オルグシードよ!消えゆかんとする邪悪に、再び巨大なる力を……!ハァッ!!鬼はー内!福はー外ーっ!! ドーザ・ウル・ウガロ! 妖術・肥大蕃息の術! スーパー戦隊シリーズで一番多い巨大化パターン。 本拠地又は現地にいる敵組織の幹部又は首領が怪人に何らかのパワーを与えて、再生(もしくは復活)させてから即座に巨大化させる方法である。 幹部によってはこの能力によって存在意義をアピールしている者も多い。 しかし幹部の状態によっては巨大化させることが出来ず、怪人がそのまま倒されることもあるようだ。 (バンドーラは空腹のあまり怪人を巨大化できなかったことがある) 中には「巨大化担当幹部が死んでいたので怪人が倒されても巨大戦ができず、自分も敗れた首領が切り札として移動要塞で巨大戦を始めたらそれを破壊され全滅。」という、 組織崩壊の原因になってしまったジャシンカ帝国(科学戦隊ダイナマン)の惨事もある。(旧仕様の進化獣では「自動で巨大化」だったことも含めて皮肉な展開である) また、このパターンの特徴として、巨大化の対象を問わない物もいる事が挙げられる。 つまり、その気になれば敵怪人以外にも戦闘員や一般人、場合によってはヒーローでさえ巨大化する事が可能なのだ。 2.巨大化アイテムで巨大化 こうなったら…。本当は抹茶ケーキの方が好きなんだけど、えぇぃ…!芋羊羹だ! バルバンの魔人は、バルバエキスを飲む事で巨大化する。だがそれは、自らの命をも縮める、 まさに最後の手段でもあるのだ! 闇の世界の力よ、最後の力を! アミアス・アミアス・アミクロス! 災魔復活! サンギョウカクメーイ! 2番目に多いパターン。 1.と似ているが、事前に渡された専用の巨大化アイテムを怪人が使用するか、幹部が倒された怪人に与えることでその怪人が巨大化するというもの。 爆弾やドリンク、果ては芋羊羹なんて変わり種も。 しかし度々戦隊側にそのアイテムを奪われる、もしくは破壊されるなどの妨害で巨大化できず、そのまま倒されるというパターンも存在する。 基本的に怪人の体質に依存するものが多く、一般人などには使えない、あるいは使っても効果がない場合が多いのが特徴。 3.怪人が自力で巨大化 ビッグバン・プログレス! 超進化獣○○シンカ! 臨技! 邪身豪天変! こうなったら大きくなってやる! 驚いてるだろうねぇ、アナザーアース人… 怪人が自らの力で瀕死の状態から復活し、様々な能力、もしくは体質で巨大化するパターン。 エネルギーを大量に吸収する 自らの技で巨大化する 一度倒されても自動的に発動して巨大化する など作品によっては様々である。幹部の能力もアイテムも必要ないので、妨害される心配が少ないというメリットがある。 「普通の怪人は1.か2.だが、幹部格やボスキャラは自力で巨大化できる」というパターンもある。 4.巨大戦専用マシン/怪人を召喚 弟よ~!(妹よ~!) リフレッシュパワー! (ゴルリン転んで)人生いろいろでございます。 敵メガゾード、転送反応あり! 闇エナジーが満ちた!行け、邪面獣! 等身大で登場した怪人自身は巨大化せず、専用の巨大メカやロボット・怪人、倒された怪人の姿をコピーしたロボットが代わりに戦うパターン。 その都合上、等身大の怪人が倒されることが必須ということも。 メカは怪人によって様々な改造が施されている場合もあり、同じ種類のメカでも大幅に性能が違うことがある。 このタイプを利用する怪人は少ないが、導入は『バトルフィーバーJ』であり何気に戦隊の歴史では一番最初に考案されたパターンだったりする。 バイオマンの敵組織・新帝国ギアは怪人自体が存在せず、 ビッグスリーが呼び寄せる巨大ロボ・メカジャイガンおよびネオメカジャイガンが巨大戦を務め、バイオロボがそれを迎え撃つというパターン。 デカレンジャーでもこれを踏襲。回によっては巨大化することもあったが、 基本的にはアリエナイザーがエージェント・アブレラから購入した巨大メカ・怪重機を駆り巨大戦に移行するというものになっている。 ファイブマンに登場した銀帝軍ゾーンの巨大エイリアン・ゴルリンは、なんと怪人の能力をコピーしようとしたら、 岩に躓いて転び、脳震盪でそのまま倒れてしまったため、巨大化が出来なくなってしまうという珍事が起きた。 ゴーバスターズのヴァグラス側のメガゾードはメタロイドが誕生するとすぐにその能力をコピーし、 (時間差や出現する場所の誤差はあるものの)怪人と同じ場所に現れるという方法で出現するため、 「等身大の怪人の相手をしつつ、巨大戦を同時進行で行う」という手順が取られている。後にキラメイジャーの邪面獣でも同様の手法がとられた。 ちなみに仮面ライダーやアメコミ映画のように「ヒーロー同士の対決」があまりないためなのか、戦隊ロボ同士の対決はレアな部類に入る。 番外編 巨大化した怪人がパワーアップする 怪人の中には巨大化すると等身大の頃よりパワーアップする者も存在する。 例えばシンケンジャーのフダガワラは巨大化すると両腕の板が等身大の時より大きくなり、攻防一体の武器として機能する。 またゴーオンジャーのオイルバンキは巨大化している最中に、 ヒラメキメデスによって改造された強化形態「第二次サンギョウカクメイ」でエンジンオーやガンバルオーを苦戦させている。 最初から巨大 怪人の中には新帝国ギアのメカジャイガンや邪命体エヴォリアンのギガノイドの様に元々巨大サイズの敵も存在し、登場後そのまま巨大戦に入ることになるパターンもある。 また、そういった怪人たちは自らの力を制御することで等身大になり、大ダメージを受けると本来の巨大な姿に戻ることもある。 魔法戦隊マジレンジャーの冥府神がその最たる例と言えよう。 量産型巨大戦要員 侍戦隊シンケンジャーで大ナナシ連中や切神が登場したのを皮切りに、時折巨大化に対応した戦闘員や、量産型巨大怪人、搭乗型の量産型巨大ロボットといった使い回しの効く巨大戦要員も登場するようになった。 主に巨大化した怪人に取り巻きとして使役されるか、「今週の怪人はシナリオ上倒すわけにはいかないが、玩具販促のために巨大戦をやらねばならない」といった事情のある時に代理として登場し、 等身大戦闘員と同じく戦隊ロボに斬られて強さをアピールするのが仕事。 【巨大化の変遷と一覧】 ▷ 70~80年代 黎明期故か巨大化方法で色々と思考錯誤の多い時代と言える。 見栄えの良さと分かりやすさを兼ねているためか、全体的に何らかのエネルギーを光線状にして倒れた怪人に照射し巨大化を行う作品が多い。 黒十字城(秘密戦隊ゴレンジャー) 極めて特殊な例で、基本的には「要塞戦」に該当するのだが、最終回のみ敵首領の黒十字総統の首を刎ねた後、 「切られた頭部が黒十字城に変化し巨大化、これにゴレンジャー側は自軍メカで特攻」という巨大戦の原型のような展開になった。 ただ、黒十字城は最終回以前から登場しており、この時も黒十字城内に戦闘員が出てくる場面があるので、本当に巨大化だったのかはっきりしない。 (ゴレンジャーは「黒十字総統の正体は、黒十字城」「自分の頭脳を機械に植え付けてしまった」と言っているので「基地との合体」パターンともとれる。) 悪魔ロボット(バトルフィーバーJ) 「弟よ~!(妹よ~!)」 サタンエゴス「我が子よ!我が兄弟よ!我が命は不滅! 兄弟力を合わせ、バトルフィーバーを倒せ!」 ケニア「また出やがった!」 スーパー戦隊シリーズにおける記念すべき初巨大化……と言いたいところだが、 厳密に言うと今作の場合、秘密結社エゴスが生み出したエゴス怪人の弟或いは妹として作られた、 エゴス怪人と同じ姿の巨大ロボット「悪魔ロボット」が出現するため、怪人自体は巨大化しない。 エゴス怪人との違いは、額に付けられた結晶体の有無(ロボット側に結晶体がある)。 エゴス怪人が倒される前に呼ばれケースも多く、等身大戦と巨大戦が同時進行で行われることもある。 …が、大抵はジャパンの「兄貴から先にやるぞ!」の掛け声と共に速攻でペンタフォースを発動されてしまい、救援のはずが実際は半ばエゴス怪人の死亡フラグという、なんとも難儀な存在となっている。 同作で唯一巨大化したのは首領のサタンエゴスで、最終回で特に説明はなく座ったままの姿勢で巨大化している。 細胞操作(電子戦隊デンジマン) 「ゆ~る~さ~ん~!」 ベーダー怪物は、体内の細胞体を自由にコントロールして、巨大化やミクロ化する事が出来るのだ 今作で初めて戦隊怪人は直接巨大化するようになる。 ベーダー一族が生み出したベーダー怪物は身体の細胞を自由に組み換える事で巨大化やミクロ化する能力を持っており、 これを利用して巨大化する。 デンジブーメランを食らって巨大化→巨大戦で倒される、というのが基本パターンだが、 デンジブーメランの前に巨大化して巨大戦→等身大に戻って逃げるも、デンジマンに追いつかれてデンジブーメランでトドメ、というパターンもある。 巨大化システム(太陽戦隊サンバルカン) 「巨大モンガー!」 機械帝国ブラックマグマの本拠地「鉄の爪」からの指令電波を受けることでシステムが起動し、 機械生命体内部の歯車が高速回転。そして上記の叫び声を上げながら巨大化するというシステム。 巨大化の原理は企画書によると、材料の「超重量金」がエネルギーを与えることで形状記憶合金のように変形(というか膨張)するという裏設定があるが、 本編では超重量金は第13話のアイアンモンガーの原料として出てくるぐらいで、これが巨大化システムと関与しているのかどうかについてちゃんと説明していない。 (アイアンモンガーの超重量金自体はレーザーを当てると大きくなり、重量も明らかに増している描写があったが。) 体内の内部メカ描写は『ロボット110番』のガンちゃんの流用。 バルカンボールを食らってから巨大化するのが基本パターンだが、 登場早々にモンガーが巨大化して、サンバルカンロボとの対決を望んだ例もあった。 コング(大戦隊ゴーグルファイブ) 「○○コング出動!」 「リフレッシュパワー!」 暗黒科学帝国デスダークの科学者が作り上げた戦闘用巨大ロボ。 合成怪獣が敗れると本拠地デストピアから出撃し、 『リフレッシュパワー光線』で敗れた合成怪獣を蘇生させた上で体内に転送した後、 蘇生されたモズーがコングを操縦して戦うという若干回りくどい手法を取る。 当初は幹部のザゾリヤ博士とイガアナ博士が個々にコングを設計・製作し、 お互いを戦わせて、強い方を実戦に投入するというこれまた色々めんどくさい方法を取っていたが、 結局5話以降からは、作戦に投入されるモズーとほぼ同じ外見(*1)のコングが作られるようになった。 最終回の一つ前では幹部のデスギラー将軍がコングを奪って自ら操縦して戦った。 この巨大ロボに乗り込んで戦う手法はデカレンジャーの「怪重機」を思わせる。 なお、エゴスのパターンと同様、首領の総統タブーのみ最終回で実際に巨大化して対決している。 ビックバン・プログレス/ビックバン・ビーム(科学戦隊ダイナマン) ビックバンプログレス ――進化獣が生命の危機に陥ると、細胞が巨大増殖し、急速に進化して超進化獣となる―― ――これをビッグバン・プログレスという!―― 「ビッグバン・プログレス! 超進化獣○○シンカ!」 有尾人一族ジャシンカ帝国の進化獣が過大なダメージを受けることによって生命の危機を感じると、 ビックバン・プログレスと呼ばれる細胞が急速に増加する現象を起こし巨大化。 上記の叫び声を上げながら「超進化獣」へと変貌する。 この頃から巨大化のシークエンスが凝り始めてくる。 ビッグバンビーム カー将軍「ビッグ・バン・ビーム!」 カー将軍がメカシンカと同時に開発した、メカシンカ復元・巨大化光線およびその照射装置。 メカシンカは機械要素があるためか自力で巨大化はできず、倒されると共にに発生する地割れによってメカシンカの残骸が地底に落下。 その残骸に対し、カー将軍の号令でグランギズモからビームを照射。残骸となったメカシンカを「超メカシンカ」に再生巨大化させる。 しかし使用するにはカー将軍の声紋と指紋を認証する必要があるため、彼以外にこの装置を使用する事は不可能。 作中でも、第49話で彼が死亡してからはメカシンカは巨大化しておらず(同話のコンピュータードラゴンはカー将軍が死ぬ間際に巨大化させて間一髪で間に合っている)、 このため最終回では最後のメカシンカが倒された後、ほぼ同時に自分も敗れて撤退した新しい帝王メギドは移動要塞グランギズモで出撃してきたのだが…。 メカジャイガン/ネオメカジャイガン(超電子バイオマン) 新帝国ギア総統・ドクターマンが製造する巨大ロボット。 南極にある本拠地「ネオグラード」から、輸送カプセルに乗って飛来する。 『バイオマン』では等身大のゲスト怪人枠は登場せず、代わりにこのメカジャイガンがゲスト怪人枠として毎週登場する。 メカジャイガン ドクターマン「メカジャイガン・○○カンス、出撃!!」 番組初期から中期にかけてに登場した巨大ロボ。 名前は「~カンス」で統一され、動物モチーフのものが多い。 ネオメカジャイガン ドクターマン「ネオメカジャイガン・○○メガス、出撃!!」 メカジャイガンのパワーアップ型としてドクターマンが製造。名前は「~メガス」。 外見は兵器モチーフの無機質的な機体が増え、火力・装甲・出力共に大幅強化された。 更に大幹部であるビッグスリーが直接乗り込み操る有人機になっている事が最大の変更点と言える。 機内にはメラージュ戦闘機が搭載されており、敗れたビッグスリーがこれに乗って脱出するのがお約束。 なお、『バイオマン』では首領や幹部を含めても最終回まで一切巨大化する敵はいなかった。 ギョダーイ(電撃戦隊チェンジマン) 「ギョッダ~イッ!ギョギョギョギョギョギョギョギョーッ!」 ギョダーイ星の生物で、大星団ゴズマの一員。 口内にある単眼から放つ光線を倒された宇宙獣士に照射することで、対象を巨大化させる事ができる。 対象の生死を問わず蘇生・巨大化させられる(*2)という便利なスペックを誇るが、 照射する度に体力を大きく消耗してしまうという欠点を持つ。 そのため無駄な体力の消費を避けるべく、普段は母艦ゴズマード内で寝てばかりいる。 宇宙獣士が倒れる度に母艦から駆り出され、光線照射後ヘトヘトになりながらさっさと円盤で母艦に帰っていく姿はどこか哀愁漂う。 なおこの能力はギョダーイの種族が持つ能力であり、それゆえにゴズマに乱獲されているという。 エネルギー生命体クラーゲン(超新星フラッシュマン) レー・ワンダ「クラァァァゲェェェェェンンン!!」 サー・カウラー「クラーゲン!……ハックション」 改造実験帝国メスの獣戦士が倒されると幹部達に呼び出されてラボーから飛来。 単眼から放つビームを照射することで倒された獣戦士を再生巨大化させる。 エネルギー照射後はパワーダウンによって手の平サイズにまで縮小してしまう。 その後は地面を這いずって幹部の肩に乗って帰ったり、奇声を発してコソコソと逃げたりするなど、どこか愛嬌があって可愛らしい。 最終回でクラーゲン自体が最後のデウス獣戦士ザ・デーモス(最初から巨大)に改造されてしまったので出てこない。 エネルギー獣オケランパ(光戦隊マスクマン) 「ケラケラケラケラ、オケランパ~!」 「ふぅ~、やれやれ……」 地底帝国チューブの地帝獣が敗れると地中から出現。 頭部付近の甲殻が開いてエネルギーを照射する事で地帝獣を巨大化させる。 基本的には幹部達に呼ばれて現れるが、自分から勝手に出てきて巨大化を行う事も(*3)。 最終回では出てこず(一つ前の回では無傷のまま撤退)、首領のゼーバはマスクマンの攻撃を逆手に取って巨大化している。 大型エネルギー砲・ギガファントム(超獣戦隊ライブマン) ガードノイド・ガッシュ「ギガファントム……!」 武装頭脳軍ボルトの頭脳獣が敗れると何処からともなくガードノイド・ガッシュが現れ、 敗れた頭脳獣に対してエネルギー砲「ギガファントム」からカオスファントムエネルギーのビームを照射することで頭脳獣を再生・巨大化させる。 頭脳獣が敗れる度にライブマン達の後方に音も無く現れ、ライブマン達をビームの衝撃で毎回ぶっ飛ばしながら頭脳獣を巨大化させるのは、劇中での恒例行事である。 本来は頭脳獣以外の生物は巨大化できないが、オブラーの開発した装置と併用する事で、恐竜の子供を生きたまま巨大化させて操った事があり、 装置を破壊すると恐竜は元に戻ったが、無理な巨大化によって寿命が縮み、死亡してしまった。 暴魔再生巨大化光線(高速戦隊ターボレンジャー) 敗れた暴魔獣が暴魔百族の幹部陣が放つ光線を浴びることで再生・巨大化する。 幹部によって光線の出し方には差異がある。 バリエーションは以下の通り 暴魔博士レーダ:笛を奏でることで出現するアンモナイトのような幻影から 姫暴魔ジャーミン:口から放つ蛇状のエネルギー体から 暗闇暴魔ジンバ:口から放つジンバの頭型のエネルギー体から かっとび暴魔ズルテン:法螺貝を吹き鳴らし放つエネルギー体から 流れ暴魔ヤミマル:口笛と共に肩に出現する蜘蛛・ヤミクモから→兜から(*4) 流れ暴魔キリカ:リング状の大型手裏剣から 暴魔大帝ラゴーン:触手の先端から ▷ 90年代 光線式が多かった70~80年代と比べ巨大化方法が個性豊かなものになっている。 ネタ的にもインパクトの強い巨大化が多いのも特徴か。 巨大化獣ゴルリン(地球戦隊ファイブマン) 「ゴルリーン、〇〇号!!」 ――ゴルリンは細胞活性エネルギーを放射吸収することによって、自らの体を核にして銀河闘士を巨大銀河闘士に再生復活させることができるのだ―― 銀帝軍ゾーンの巨大改造エイリアンで、のっぺりとした白色の巨人。 幹部の掛け声と共にどこからともなく走ってきて、敗北した(主に瀕死の)銀河闘士を取り込み、上記解説の様に巨大化再生させる。 銀河闘士以外でも合体でき、13号が銀河植物シドンデモン、36号は重機と合体してビックガアロンになってたが後者は素ではなく改造強化された個体。 劇中では1~37号まで登場。なお、黒ゴルリンほどではないが銀河闘士を取り込まなくても戦うことは可能で、 6号と21号がで戦闘しており、顔からビームを撃ったりしていた。 取り込む前に銀河闘士が死亡してしまった場合は巨大化させられない。 一度、銀河闘士が死亡寸前だったため焦り過ぎて岩に転んで巨大化に失敗した事があり、 ビリオン「ゴルリンも走れば岩につまづくか」 ドルドラ「おのれ!」 ザザ「人生いろいろでございます」 というやり取りは色々と有名。 ちなみに、転んでしまったゴルリン12号は以後出てこなかった(次回は13号)ので脳震盪で死亡したようである。 初代艦長シュバリエは戦闘力に特化した黒ゴルリンを「カモン!」と召喚するが、こちらは再生・巨大化能力を持っていない。 次元虫/バイオ次元虫(鳥人戦隊ジェットマン) 次元戦団バイラムの次元獣は寄生している次元虫の能力で巨大化できる。 そのため、たとえ次元獣が敗れずとも巨大化が可能。 次元獣が爆発した後、寄生していた次元虫が剥がれ落ち、エネルギーを放出して次元獣を再生巨大化させる。 ただし欠点として寄生している次元虫が死ぬと巨大化できない。 ちなみに戦闘機や家といった、最初から巨大な物体に次元虫を寄生させた場合、最初から巨大な次元獣が誕生する。 ドーラセプター(恐竜戦隊ジュウレンジャー) バンドーラ「大地に眠る悪霊達よ……!ドーラ〇〇に、ハァッ!力を、与えよーっ!!」 魔女バンドーラが月面にあるバンドーラパレスから投げる杖。 これを地球目がけ投擲し、地球の地表に突き刺さると同時に杖から放たれる赤い電撃で地割れを起こして悪霊達を呼び覚まし、 その力で敗れたドーラモンスターを再生巨大化させる。 ただし、殆どの場合倒される前に巨大化させることが多かった。 ドーラモンスターの生死を問わず巨大化できたり、 人間の子供や妖精といったドーラモンスター以外の存在であろうと巨大化させられるハイスペックな手法だが、 使用するにはバンドーラの力が全てなため、バンドーラの体調によってはドーラセプターを投げられず巨大化させられないことも。 ネオグリフォーザー「天空に眠る我が主よ!このネオグリフォーザーに力を与えよ!!」 ちなみに「獣電戦隊キョウリュウジャーVSゴーバスターズ 恐竜大決戦 さらば永遠の友よ」に登場したネオグリフォーザーは、自力で宇宙からドーラセプターを飛来させて巨大化した。 マイティ・モーフィン・パワーレンジャーにおいても「Magic wand! Make my monster glow!(魔法の杖よ!モンスターを巨大化させよ!)」の決め台詞と共に巨大化アイテムとして用いられており、ファンの間では怪人の巨大化の総称として「make my monster glow」が用いられることも多いとか。 巨大化爆弾(五星戦隊ダイレンジャー) ザイドス少佐「こうなったら一気に潰してやるぅ!巨大化ばくだぁぁん!」(チリーン)「こっちだぁぁぁぁ!」 ゴーマ怪人が所持する銀色の球体型爆弾。 手榴弾の如くピンとなっている小さい球体(上部)を抜き、足元に投げ付けて爆発させ、そのエネルギーを吸収して巨大化する。 ダイレンジャーの攻撃により誘爆したり、うっかり足元に落としたはずみで爆発するなど、使用者の意思に関係なく効果が発動するケースもあった。 また起爆は手動という性質上、起爆する前に死ぬと巨大化できない。 ただし他者がゴーマ怪人の死体に巨大化爆弾をぶつける事で強制的に再生巨大化させる事は可能で、その場合はゴーマ怪人は意思を持たずに凶暴化する。 妖怪エネルギー(忍者戦隊カクレンジャー) 「こうなったら、大きくなって踏み潰してやる!」 妖怪が活動していくのに必須なエネルギーであり彼らの本質。 カクレンジャーに敗北した妖怪が黒雲を呼び起こし、黒雲からマイナスエネルギーで出来た落雷を浴びる事で巨大化する。 巨大化システム(超力戦隊オーレンジャー) アチャ「コチャ、行きやすよ!」 コチャ「ハイハイ! 任せんしゃ~い!」 「アチャ~!」「コチャ~!」「アチャ~!」「コチャ~!」 「巨大化エネルギー注入!」 「おっきくなってね~!」 マシン帝国バラノイアの執事アチャが執事コチャをハンマー投げの要領で戦闘不能状態のマシン獣まで投げ飛ばし、 投げ飛ばされたコチャがマシン獣の体内にエネルギーを注入する事で巨大化させる。 高度な科学力を持つロボット集団なのに、なんで巨大化時だけアナログな方法なんだと突っ込んではならない。 当初は存在しておらず、巨大マシン獣の形式も最初から巨大なバラソーサーや、バラブレインが生成した巨大分身体バラセパレートなど統一されていなかったが、 オーレンジャーロボ出現を受けたバッカスフンドの命により、第8話にてアチャとコチャが改造を(無理矢理)受けて能力を獲得した。 プロセスそのものはさほど特殊ではないが、敵組織側が戦隊ロボに対抗するために後から巨大化方法を確立というパターンはシリーズ全体で見てもかなり珍しい。 「芋長」の芋羊羹(激走戦隊カーレンジャー) 「変なのが芋羊羹買ってった~!」 戦隊シリーズの中でも最も異色且つ有名かもしれない巨大化アイテム。 見た目は普通の芋羊羹であり、実際に作中の和菓子屋『芋長』で作られ、普通に店頭販売している。 宇宙暴走族ボーゾックの発明家グラッチが、この芋羊羹が自分達を巨大化させる事に偶然気付き、以降ボーゾックの荒くれ者の巨大化アイテムとなった。 購入は大抵グラッチが実費でやっている。 コンビニの芋羊羹だと逆に小さくなってしまい、賞味期限切れの芋羊羹だと一時的には巨大化するも、すぐに元に戻って腹を壊してしまう。 詳しくは当該項目を参照。 巨大化ウイルス(電磁戦隊メガレンジャー) ビビデビ「ビービデービビー! 巨大化ウイルス注入~、ガブッ!」 第3話で邪電王国ネジレジアのDr.ヒネラーに改造されたビビデビが得た能力。 敗れたネジレ獣に噛みつくことにより、ビビデビの姿をしたウイルスをネジレ獣の体内に注入しネジレ獣を巨大化させる。 ネジレ獣が焼き尽くされて灰だけにされても、ビビデビがその灰を吸い込んで、ウイルスと共に吐き出せば再生巨大化が可能。 バルバエキス(星獣戦隊ギンガマン) 「バルバエキス!」 ――バルバンの魔人は、バルバエキスを飲む事で巨大化する―― ――だがそれは、自らの命をも縮める、 まさに、最後の手段でもあるのだ!―― 宇宙海賊バルバン所属の魔人達が所持する巨大化アイテム。 これを飲み干すことで肉体を巨大化させる事ができるが、強靭な肉体を持つ魔人でさえ寿命を縮めるという文字通りの劇薬。 容器が軍団ごとに異なるがいずれも効能は同じ。 詳しくは当該項目を参照。 再生カード/ゴレムカード(救急戦隊ゴーゴーファイブ) 災魔一族の呪士ピエールが所持するカード型の巨大化アイテム 死んだサイマ獣の肉片にカードを投げつけ、呪文を唱える事で死んだサイマ獣を復活させる。 一度死ななければ巨大化出来ないため、巨大戦に参加させるためだけに幹部から殺された奴もいる。 カードによって呪文や復活後の効果にバリエーションが存在する。 再生カード 「闇の世界の力よ、最後の力を!アミアス・アミアス・アミクロス!」 「災魔復活!!」 ――死せるサイマ獣はピエールの再生カードにより巨大な死霊として復活する―― ――巨大サイマ獣は破壊本能のみに従い、1万倍の力を発揮するのだ!―― 最も多く使用した巨大化アイテム。死んだサイマ獣を死霊に変えて復活させる。 詳しくは当該項目を参照。 ゴレムカード 「大魔女の祈りよ、更なる力を!アミアス・アミアス・アミゴレム!」 「災魔転生!!」 ――ゴレムカードは死せるサイマ獣の肉体を分子レベルで再構成し、更に強力な能力を加えて、生き返らせるのだ!―― 物語中盤で出てきた巨大化アイテム。死んだサイマ獣の肉体を再構成し、強化・蘇生させる。 その特性故か枚数が非常に少ない希少アイテム。 詳しくは当該項目を参照。 ▷ 00年代 CGが本格的に定着し、2000年代の映像技術を存分に使用した迫力ある巨大化シーンが増えてきた。 バリエーションの豊かさも更に広がっている。 巨大化抑制シール(未来戦隊タイムレンジャー) 「圧縮冷凍なんて、されてたまるかよぉ!」 「バカバカバカ!どうしてくれんのよ、こんな身体になっちゃって!もう泥棒もできない~!」 ギエン「フフフ。さあ、行って来いノヴァ。愉しませてくれよ……」 ロンダー囚人の身体に貼られた特殊なシール状の巨大化アイテム。圧縮冷凍前に予め囚人の身体に貼られている。 圧縮冷凍刑を受けた者は、圧縮冷凍から解凍されると、反動で体組織が20倍に膨れ上がり巨大化してしまう「リバウンド」という現象が起きてしまう。 このリバウンド現象を抑えるために取り付けられるアイテムが「抑制シール」であり、厳密には巨大化アイテムというよりは体質による巨大化に近い。 大抵の囚人は、再逮捕から逃れるための最後の悪足掻きとして自分で剥がしているが、大ダメージを受けた衝撃で剥がれてしまう事も。 リバウンドすることを嫌う囚人もおり、そういった囚人はリバウンドしてしまった場合、特に暴れる事無く圧縮冷凍を受けている。 ギエンはこの性質を悪用。自身が開発した兵器を敢えて圧縮冷凍し、意図的に兵器を巨大化させる行為を実行していた。 巨大化の際、シールを剥がした跡から細胞組織が膨れ上がっていき巨大化するシークエンスが挿入される。 オルグシード(百獣戦隊ガオレンジャー) ツエツエ「オルグシードよ!消えゆかんとする邪悪に、再び巨大なる力を……!ハァッ!!」 「鬼はー内!福はー外ーっ!!」 倒され緑の泡状の残骸と化したオルグ魔人の肉体に、ツエツエが自身の杖の先からオルグシードを放出。 放たれたオルグシードは残骸に付着することで蔦となって急成長、その蔦が絡まり合い新たな肉体を構築することでオルグ魔人を巨大化・復活する。 鬼が豆まきで巨大化という皮肉の効いた設定が秀逸。 なお、Quest.18ではデュークオルグ・狼鬼も右掌からオルグシード(彼はウルフシードと呼称)を放出することができる事が確認されている(*5)。 ちなみにこのオルグシードは食べても巨大化でき、作中でヤバイバが自分で食べたり、猛獣使いオルグやオルゲット兵に無理矢理食べさせたりして巨大化している。 この場合は時間経過で元のサイズに戻る模様。 詳しくは該当項目にて。 コピージャイアント/再生巨大化の術の巻物/デッ仮面/宇宙忍法・巨大身の術(忍風戦隊ハリケンジャー) 宇宙忍群ジャカンジャの場合、各上忍によって巨大化の手法が異なるため、バリエーションは全戦隊中トップクラス。 共通点として巨大化とその説明は全て四の槍ウェンディーヌが行っている。 該当項目も参照されたし。 コピージャイアント 「私の可愛いコピージャイアントは破壊されたクグツ忍者の能力を全て写し取り、更にパワーアップして再生する事ができるのよ」 五の槍サーガイン配下用の巨大化アイテムであり、ウェンディーヌが所有する巨大ロボット。 コンパクト型携帯端末によってセンティピードからロケット形態で射出され、現地に到着すると同時にロボット形態に変形。 破壊されたサーガイン配下のクグツ忍者の残骸からデータをスキャンした後、自身に反映する事で再生巨大化させる。 21世紀版ゴルリンのような巨大化アイテムである。 再生巨大化の術の巻物 「私、ウェンディーヌのバズーカで呪文を込めて打ち出せば、一度倒れた者の全てを形作り巨大化。最大のパワーを発揮することができるのよ」 二の槍チュウズーボ配下用の巨大化アイテム。 サーガイン配下に使用されたコピージャイアントの存在に危機感を覚えたチュウズーボが必死に対抗策を模索する中、 石版に書かれた古代ジャカンジャ呪文を発見。宇宙忍法・呪文写しで巻物に書き写して完成させた巨大化アイテム。 ウェンディーヌが巻物をバズーカに入れて発射。 瀕死の中忍に到達すると、巻物に書かれた呪文が発動して中忍を取り込み再生及び巨大化させる。 海外版『パワーレンジャー・ニンジャストーム』では怪人の軍団制がオミットされたため、巨大化法はこれに一本化された。 デッ仮面 「私が投げたデッ仮面は、やられた中忍の細胞を集めて、仮面に合った大きさに巨大化させちゃうらしいのよ。あ~~、肩凝った……」 六の槍サタラクラ配下用の巨大化アイテム。 その名の通り巨大な仮面で、ウェンディーヌがハンマー投げの要領で投げつける。 投擲されて飛来したデッ仮面は中忍の細胞を吸収し、巨大化再生を行う。 なお宇宙一小さい種族出身の中忍バンパ・イヤーンが敗れた際は、 その身体のサイズ故に、ウェンディ―ヌはバンパ・イヤーンが完全に巨大化するまで2回もデッ仮面を投擲する羽目となった。 心なしか、説明もやや不機嫌そうである。 宇宙忍法・巨大身の術 「虫ケラ共がいつまでもチョロチョロと……邪魔はさせん!」 「宇宙忍法・巨大身の術!」 七の槍サンダールが披露した、自身の肉体を巨大化させる宇宙忍法。 他者を信用していないサンダールを反映するかの如く、唯一ウェンディ―ヌはこの術に関わってはいない。 ジャメーバ菌を含む雨(爆竜戦隊アバレンジャー) リジェ「あ、死んだ……あ、生き返った!あの雨の中にジャメーバ菌が入ってて、その力で巨大化するんだよね!」 ミケラ「驚いてるだろうねぇ、アナザーアース人……」 倒され無数の破片となった邪命体エヴォリアンのミケラが作ったトリノイドの残骸の中から出てきた「生命の実」が昇天。 実が空中で黒雲と化し、周囲にジャメーバ菌を含んだ雨を降らせる。 雨を浴びたトリノイドの残骸は溶けて混じり合うようにモザイク状に融合・再構成され、トリノイドを再生巨大化させる。 なお再生は自動で行われており、いわばトリノイドの特異体質とも言うべき巨大化方法である。 ちなみに劇場版「アバレサマーはキンキン中!」に登場したヘキサノイドのハナビキニキビーナスは、3種ではなく6種合成した影響なのか、巨大化できなかった。 これ以外にエヴォリアンには「ギガノイド」という怪人もいるが、こちらは最初から巨大サイズで生まれる。 怪重機(特捜戦隊デカレンジャー) レイン星人 エージェント・アブレラが製造・販売・レンタルしている巨大戦闘用ロボットの総称。 商品であるために同型のシリーズ機が複数に渡り登場している。 派生機は色違いだったり武装が一部変更されたマイナーチェンジ版だったりと様々。 アリエナイザーが操縦している場合、怪重機ごとデリートの許可が下りる。 『デカレンジャー』本編では様々な惑星の宇宙人が登場する上、アリエナイザーは個別で犯罪を侵す場合も多く、共通した巨大化の方法がない。 自力で巨大化できるアリエナイザーも何人かいたが、巨大戦はほとんど怪重機で行なわれる。 ちなみに初期の頃「巨大化保険」なる物をアブレラが扱っている説明があり、本編でもジューザ星人ブライディが実験台にされていたが、 人気がないらしく、本編では最後までこれに加入したアリエナイザーは出なかった。 魔導陣(魔法戦隊マジレンジャー) ウルザード「ドーザ・ウザーラ」「ドーザ・ウル・ウガロ!」 メーミィ「ドーザ・メザーラ」「ドーザ・メル・メガロ!」 対象となる地底冥府インフェルシアの冥獣や冥獣人の真下に魔導陣を展開し、上記の呪文を唱える事で巨大化。 ウルザードは冥獣、メーミィは冥獣人の巨大化を担当している。 なお、一時期、ウルザードの魔法力で練成したウーザフォンを与えられていたバンキュリアが、ウルザードの魔法で冥獣人を巨大化させていたが、元々どちらも巨大化できたのか、メーミィの練成により可能になったのかは不明。 呪文の効果は以下の通り。 「ドーザ・ウザーラ(メザーラ)」:対象の再生、 「ドーザ・ウル(メル)・ウガロ(メガロ)」:対象の巨大化 『非公認戦隊アキバレンジャー シーズン痛』ではプリズムAに対抗すべく八田三郎から託されたウーザフォンにより、マルシーナが魔導陣を使用。 超アキバレッドを巨大化させた。 影忍法・オオガミの術/邪悪竜/***(轟轟戦隊ボウケンジャー) 本作では複数の敵組織が各自勝手に行動しており、共同戦線を張る事も対立する事もある。 巨大枠の投入方法も各自違い、等身大から巨大化するものと最初から巨大なものが混在している。 影忍法・オオガミの術 幻のゲッコウ「古き魂達よ、ツクモガミに宿らん……。影忍法・オオガミの術!カァーッ!!」 ダークシャドウの長「幻のゲッコウ」が、敗れたツクモガミに向けて無数の札を飛ばして貼りつけ、ツクモガミを巨大化させる術。 ネガティブシンジゲートの面々では珍しい、お決まりの巨大化パターンである。 邪悪竜 ジャリュウ一族の長「創造王リュウオーン」が、蟲毒の様に殺し合わせたジャリュウの生き残りに自身の力を注入し進化させた個体。 更にリュウオーンが銃で放ったエネルギーを注入されることで巨大化するパターンが多い。 肉体を捨てる 「ガイ様… レイ様。 ヒョウガは、肉体を捨てます!」 アシュが行う巨大化方法。 一度巨大化すると、二度と元の大きさに戻れなくなる。 その他――最初から巨大なもの巨神:ゴードム文明が用いる古代兵器。 クエスターロボ:クエスターが用いる巨大ロボ。 大邪竜:ジャリュウ一族が用いる巨大なサイボーグ恐竜。ジャリュウやリュウオーンが乗り込み操縦する 邪身豪天変/幻身豪天変(獣拳戦隊ゲキレンジャー) 「リンギ! 邪身豪天変!」 「ゲンギ! 幻身豪天変!」 臨獣殿および幻獣拳の拳士が使用する臨気によって自身の身体を巨大化させるリンギ。 名称は違うが、基本的な性質は二つとも全く同じ。 違いは、巨大化に用いる力が「臨気」か「幻気」かの違いと思われる。 本来は激獣拳にもこれに相当する激技「倍倍分身拳」が存在するが、ゲキレンジャーは初出動の時点でまだこれを習得しておらず、 代わりに3人で1人の巨大拳士に融合変身する獣拳合体を編み出したため、劇中ではマスター・シャーフーが一度使ったのみ。 ビックリウムエナジー/ドッキリウムエナジー(炎神戦隊ゴーオンジャー) ビックリウムエナジー ケガレシア「ビックリウムが満ちるでおじゃる!」 蛮機獣「サンギョーカクメーイ!!」 蛮機族ガイアーク製の緑色の液体状エネルギー物質。 蛮機獣の体内に搭載され、活性化させて体内に循環させることで、上記の掛け声と共に蛮機獣を巨大化させる効果がある。 蛮機獣にとっても人間にとっても大量に摂取すると命の危険を伴う非常に危険な劇薬でもある。 また、中には改造を受けて「第2次産業革命」を起こしたオイルバンキ、ビックリウムエナジーを抜かれて巨大化できなかったハッパバンキ、産業革命の始まりは紡績機の発達からであることに起因して「元祖産業革命」を起こしたボーセキバンキなどもいる。 ドッキリウムエナジー 「チョーサンギョーカクメーイ!!」 「ビックリウムエナジーの発展版」と称される、総裏大臣ヨゴシマクリタイン一派が開発した赤色の液体状エネルギー。 終盤に登場し、直接経口接種する事で身体を活性化させ、上記の掛け声と共に肉体を巨大化させる。 二の目(侍戦隊シンケンジャー) 丈瑠「油断するな、アヤカシは命を二つ持っている。 今のは一の目だ。すぐ二の目が出るぞ!」 自身が死ぬと自動的に発動する、外道衆のアヤカシ達が持つ第2の命。 発動するとその肉体を巨大な姿に変えて復活させる特殊能力。発動する際には爆発の炎や煙が巻き戻るように怪人へと収束する。 基本的には等身大と同じ姿で復活するが、フタガワラのように姿が大きく変化する場合がある。 他のアヤカシから命を分け与えられる事で、二の目の状態で敗れても更なる異形となって復活する「三の目」という裏技もある。 (当然命を分け与えた側は以後巨大化することはできない) チノマナコは偶然手にした仮面ライダーディエンドのディエンドライバーを手にしたことで「シンケンジャーの世界最初の仮面ライダー」となったため、アヤカシの能力を失い巨大化されなかった。 ▷ 10年代 巨大化方法は過去の戦隊の要素を踏襲しつつ 映像技術の発達によってよりダイナミックな巨大化の演出が行われている。 ビービ虫/ビービネイル(天装戦隊ゴセイジャー) ブレドラン「ビービ虫!」 ブレドランが様々な生物の負のパワー(毒、病、悪意)を練り上げて作った不気味な使い魔。 ブレドランが指を鳴らすと巣から6匹が飛び出て飛来。 対象の身体に噛み付き、魔法陣のような模様を展開することで対象を巨大化させる。 派生として、槍状に変化した状態でマトロイドに突き刺さり、マトロイドを巨大化させる「ビービネイル」がある。 劇中描写されただけでも宇宙人、UMA、ロボット、ヘッダー、護星天使となんでも巨大化させることのできる、なかなかの万能アイテム。 他にも木偶人形に取り憑かせ戦闘員である魔虫兵ビービを生み出したり、繭を作りシンケンレッドを閉じ込めて悪堕ちさせるなど、 巨大化以外にも多くの用途がある。 巨大化ビーム(海賊戦隊ゴーカイジャー) インサーン「まさか、こんな田舎の星でこれを使うとは思わなかったけどね……」 宇宙帝国ザンギャックの開発技師インサーンが地球侵攻開始直後、開発に成功した特殊光線。 ギガントホースの艦首から2台の砲塔を展開し、銃型の発射装置の引き金を引くことでビームを照射。行動隊長やスゴーミンを巨大化させる。 1度倒された後に巨大化した場合、行動隊長の能力によっては「固有能力が失われ、等身大よりも弱体化してしまう」という珍しいタイプの巨大化アイテム。 多くの場合は開発技官インサーンが使用するが、ワルズ・ギルなどが使用する回もあり誰でも使える模様。ただし、インサーンの死後はザンギャックの大艦隊が到着したため使用されることはなく、最終回でギガントホースとともに破壊された。 メガゾード(特命戦隊ゴーバスターズ) 「敵メガゾード、転送反応あり!」 亜空間内で建造されるヴァグラス陣営が保有する大型ロボット。 基本的に スピードタイプの「α」 パワータイプの「β」 強化バトルタイプの「γ」 他タイプに寄生して転送される「δ」 の4パターンが主に登場するメガゾードである。 素体にマーカーも兼ねたメタロイドのデータを取り込み、取り込んだデータを基にした武装や機能を装備された後、 ヴァグラスの本拠地の在る亜空間から現実空間へ転送されてくる。 転送までの手順から出現には若干のタイムラグがあり、なおかつそのラグも幅が激しい。 なお、「メガゾード」とは本来『ゴーバスターズ』における人型巨大ロボットの総称であり、ゴーバスターエース等の人型バスターマシンもこれに該当する。 また、用語としてはパワーレンジャーシリーズにおける戦隊ロボの総称の逆輸入である(*6)。 デーボスの復元水/超増殖細胞(獣電戦隊キョウリュウジャー) デーボスの復元水 ラッキューロ「ちょーっと助けてあげるよ。スクスクジョイロ~!」 キャンデリラ「私達は元々、巨大なデーボス様の細胞から生まれた存在♪」 ラッキューロ「復元水でさ、大きくな~れ!」 デーボス軍の楽しみの密偵ラッキューロが持つスクスクジョイロの中の不思議な水。 デーボスの細胞から生まれた者に浴びせる事で体細胞を活性化させ、巨大化させる力を持つ。 また少量を振り掛けることで武器の修復・強化も行えたりする万能アイテムでもある。 逆に、復活水を瞬時に吸い取り巨大化したデーボモンスターを縮小させるアイテム「シュクシュクボール」もある。 ちなみに、デーボス由来でないもの(人間や植物など)にとっては、ただの水でしかない。 飲んだり振り掛けたりしても一切効果はなく基本的に無害である。 超増殖細胞 物語終盤で登場した巨大化アイテム。 デーボスが、過去に滅ぼした星々のどこかで取り込んだと推測される細胞。 当初はクローンデーボスの量産のために使用されたアイテムであったが、 後に首領・蝶絶神デーボスを筆頭とする一部の幹部陣の体内に組み込まれた事で、彼らは復元水無しで巨大化を行う事が可能となった。 当然ながら、以降はスクスクジョイロや復元水は無用の長物と化してしまい、これによりラッキューロはカオスから直々にリストラを告げられることとなった。 闇暴走(烈車戦隊トッキュウジャー) シャドーラインのシャドー怪人が持つ、一度倒されると体内の闇の力が暴走して再生巨大化する現象。 アヤカシの『二の目』と同様の一種の特異体質であるが、 発動すると周囲の闇を取り込んでしまうため、状況によっては周囲の闇が大幅に失われてしまうことも。 妖術“肥大蕃息の術”(手裏剣戦隊ニンニンジャー) 「妖術、“肥大蕃息の術”!」 『い』ー! 「い」の口をした牙鬼軍団の家紋に表示した「五トン妖シュリケン」を小槌にセットし、 小槌を振るう事で一度倒された妖怪を再生巨大化させる術。 基本的には牙鬼軍団の小姓である十六夜九衛門が使うが、小槌と五トン妖シュリケンがあれば、誰にでも使用できるお手軽な術である。 なお『ニンニンジャー』の劇中では、上記のようにアイテムによる巨大化以外にも、 弓張重三の「射法・肥大蕃息」の他、晦正影や一部の上級妖怪が小槌に頼らず自らの妖術で巨大化するパターン 巨大妖怪オボログルマに幹部が乗り込み操縦することで巨大戦を行うパターン そもそも本来の姿が巨大な首領・牙鬼幻月 …と、色々なパターンの巨大化方法が登場した。 コンティニューメダル(動物戦隊ジュウオウジャー) ナリア「ジニス様の細胞から抽出したエネルギーです。(チュッ)無駄遣いせぬよう励みなさい」 「サンキュー、ナリアー!!」 デスガリアンオーナーのジニスの細胞から抽出されたエネルギーを宿す「コンティニューメダル」を、ナリアが敗れたプレイヤーの身体にあるコインの投入口に課金投入することで復活・巨大化する。 投入口を持たない者にも、食べるなどして体内に摂取させれば使用可能。 1人に複数枚のメダルを一度に投入することで、その相手の巨大化と能力のパワーアップを果たせる「チェーンコンティニュー」という派生パターンもある。 巨大化はジニスのエネルギーが作用しているため、ジニスから直接エネルギーを流し込まれた場合でも巨大化可能。 キョダインロウ(宇宙戦隊キュウレンジャー) 「ヒカエオロー!!」 宇宙幕府ジャークマターに属するダイカーン以上の者に「ジャークマターの権威の証」として与えられているアイテム。 所有者が倒れると砕け、キョダインロウ内に蓄えられたエネルギーが解放されて肉体を巨大化させる。 実は所有者の生態感知がキョダインロウから行われており、所有者がキョダインロウにデータとしてインプットされたダメージ許容量を超えると巨大化するような仕組みが施されている。 上記のシャウトは巨大化の際の叫び声。 大きくなれ/Gros calibre(快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー) ドグラニオ「ゴーシュ。若い野心にもう一度チャンスを」 ゴーシュ「可愛い私のお宝さん。○○を元気にしてあげて」 ギャングラーの凄腕ドクター、ゴーシュ・ル・メドゥの持つルパンコレクション。 ゴーシュが自身の金庫にこのアイテムを格納することで全身のアンプル状のパーツが可動し、左腕に蓄えたエネルギーをギャングラー怪人の金庫の破片に放つことで巨大化させる。 金庫を複数持つ怪人の場合、それら全てに1発ずつ撃ち込む必要がある。 ちなみに、このルパンコレクションのデザインはゴーゴーファイブに登場した、テイルインジェクターが元になっている。 生命エネルギー吸収/巨大魔強化(騎士竜戦隊リュウソウジャー) 生命エネルギー吸収 人間のマイナス感情によって生み出される怪物・マイナソーは宿主となった人間の生命エネルギーを吸収して成長し、どんどん大きくなる。 一度生み出されてしまえば自動的に巨大化し続け、最終的にはドラゴンのような姿の完全体となる。 また、生み出した人間を痛めつけたり、目の前でゴミを散らかしたりすることで、マイナス感情を加速させて巨大化を促すことも可能。 しかしこれ以外の巨大化の方法はないため、等身大で倒されたマイナソーが復活して巨大化することはない。 巨大魔強化 ドルイドン族の一部の幹部が持つ巨大化手段。幹部によって方法は異なる。 タンクジョウは地震や火山のエネルギーを溜めた球体型カプセルを自身に装填することで瞬時に巨大化する。このカプセルは自爆やガスの散布にも使用できる。ガンジョージもこれに似たカプセルを用いて巨大化や自爆を行うが、エネルギーを溜める必要はない。 ガチレウスは右胸の弱点に強い攻撃を受けることで自分の意思に関わらず発動する。全身が琥珀に似た硬い殻に包まれた状態でエネルギーを溜め、一定量のエネルギーが溜まると巨大化する。その性質上ガチレウスが強くなるほど巨大化にかかる時間も短くなる模様。 ヤバソードは自力で巨大化が可能。エラスからエネルギーを受け取っているものと思われるが1回目の巨大化にはそのような描写はなく詳細は不明。 また、イレギュラーな方法として、ワイズルーは描いた絵を実体化するグリモワールマイナソーに巨大な自分の絵を描くことで巨大戦に参加した。 ボージン魔(獣電戦隊キョウリュウジャーブレイブ) ホムラス「おのれ、人間の分際で!我らネオデーボスの力を見よ!ボージン魔、発進!!」 ネオデーボス軍基地から射出される巨大ロボ。 字幕版では「サシン魔」と呼称される。 飛行形態からロボ形態へと変形、通常はネジに似た頭部をしているが地球に到達した際に変形。 それぞれ四神をモチーフとしており、ビャクボージン魔(白虎)=格闘戦型、セイボージン魔(青龍)/砲撃戦型、スサボージン魔(朱雀)/接近戦型、プレーンボージン魔(玄武)/セイとスサの武器を装備と、頭部ごとに戦闘パターンが異なる。 話数が少ないせいか、数が足りないのが欠点。 終盤では総帥デイザルスに従う六魔王も自ら巨大化し、キョウリュウジャーブレイブに襲い掛かった。 ▷ 20年代 邪面獣(魔進戦隊キラメイジャー) クランチュラ「行け、邪面獣!」 闇の帝国ヨドンヘイムの誇る巨大生物。 ヨドンヘイムに生息する闇獣(やみじゅう)という生命体に、邪面を被せる事で邪面獣となる。 邪面獣ジャグチヒルドンのように、「邪面獣+(モチーフとなった邪面)+(闇獣)」の名前で呼ばれる。 邪面師の集めた闇エナジーにより、クランチュラがヨドンヘイムから地球への転送ゲートを開き、送りこんでくる。 その性質上、邪面師と直接的な関係は無いのだが、邪面師はヨドン皇帝と闇の契約を結んでおり、邪面師が倒されると、その生命力が保険として闇エナジーに補填される。 その為、キラメイジャーが直接倒さなくてもガルザが始末する形で邪面師が倒されれば同時に出現する事が多い。 その一方で、闇エナジーさえあれば邪面師が登場せずともいきなり投入される他、地球で成長させるために、小さいまま送り込まれる個体も存在する。 闇獣の種族は以下の通り。 種族 特徴 ヒルドン ヒルのような軟体と触手を持つ闇獣。触手の振動によって、空中に浮遊する事が可能。 リガニー ザリガニのような硬質な皮膚を持つ闇獣。トゲのついた表皮を使って突進する、攻撃的な性格。 シェルガ タニシのように渦巻いた殻を纏った闇獣。重く安定し、防御力に富んだボディを持つ。 バスラ ブラックバスのようにヒレを持つ闇獣。闇獣としてはスマートな体格で、素早い動きを得意とする。 ダガメス タガメのような鋭利な鉤爪と、2つの首を持った闇獣。2つの邪面を着けることが可能。 ゴモリュウ コウモリダコのような胴体を持つ闇獣。闇獣の中でもひときわ巨大であり、戦闘力も他の闇獣とは一線を画する実力を持つ。使用にはヨドン皇帝の許可が必要となる。 該当項目も参照されたし。 クダイテスト&トジルギア(機界戦隊ゼンカイジャー) クダイテスト「お呼びですか~?クダイテスト参上!」 キカイトピア王朝トジテンドの巨大戦闘員「クダイテスト」が 平行世界を封印した「トジルギア」が破損した際に解放されたパワーを吸収して「ダイワルド」へと変貌する。 もともと巨大なロボットに能力を付与するという点ではゴーバスターズのメガゾードに近い。 なお、今作では巨大化するのは味方側の方である。 ヒトツ鬼ング(暴太郎戦隊ドンブラザーズ) 蟾ィ螟ァ蛹 蟾ィ螟ァ蛹 蟾ィ螟ァ蛹(巨大化 巨大化 巨大化) ヒトツ鬼が倒されたときに欲望が暴走して誕生する存在。 脳人達が住まう現実世界と重なり合った異世界「脳人レイヤー」と重なり合うことによって巨大化する。 ヒトツ鬼が倒されても欲望が暴走しなかった場合には出現せず、等身大戦で終了する。 シュゴッドソウル(王様戦隊キングオージャー) 昆虫型機械生命体「シュゴッド」の自我の中核を担うアイテム。 地帝国バグナラクの構成員がこれを食べることで、「異常成虫」と呼ばれる巨大化状態になる。 シュゴッドによって効力が異なるようで、第22話で三大守護神とゴッドタランチュラのソウルを食べたダイゴーグは、150~200mにまで巨大化した。 バグナラク某所にはソウルを抜かれたガーディアンシケイダーの亡骸が山積みにされており、宇蟲王ダグデド・ドゥジャルダンの命を受けたグローディ・ロイコディウムがこれを利用してチキュー各所を襲う事件「神の怒り」を引き起こした。 ちなみに、序盤では巨大化の原理が判明しておらず、金色の何かを食べる描写のみなされていたが、ダイゴーグが巨大化する際にようやく明かされた。 ギャーソリン大暴走体(爆上戦隊ブンブンジャー) ブンドリオ「溜め込んでたギャーソリンが暴走してる!苦魔獣はハイウェイ空間を通って巨大化するんだ!」 大宇宙侵略大走力団ハシリヤンの怪人・苦魔獣が倒されると宙に散る、赤いモヤのようなエネルギー「ギャーソリン」。 これをヤイヤイヤルカーが取り込み、ハイウェイ空間を通る事で苦魔獣がサイズアップ。 ヤルカーが現実世界に戻って吐き出すことで巨大な姿となって実体化する。 ただし、この時ヤルカーは我を忘れた状態であり、初発動時は元に戻った後に困惑していた。また、同僚のデコトラーデやイターシャはこの能力を知らなかった。 また、ギャーソリンは本来ハシリヤンが集めているものであり、発動するとせっかく集めたそれらが全て無駄になってしまうため、敵にとっては発動されるとむしろ都合が悪いという珍しいパターン。 なお、幹部のマッドレックスはヤルカーをギュッと絞って無理矢理貯めてたギャーソリンを吐き出させ、ハイウェイ空間を介さず直接巨大化した。 このように敵怪人の巨大化は戦隊になくてはならないものになっている。 しかしその反面、この要素は怪人の死亡フラグ、敗北フラグとしても有名である。 等身大の時は戦隊を押していたのに、巨大化したらロボの必殺技で逆転勝利というのは良くあること。 中には前述のバルバエキスのように使用したら死亡が確定するものや、 侍戦隊シンケンジャーに登場するアヤカシの二の目のように死亡して初めて巨大化できるなんてパターンも。 ただし例外も多く存在しており、巨大化してロボに倒されても生き残る怪人もちらほら。 そういった怪人は妙に人気が高く、得てしてファンから愛される傾向にある……かもしれない。 追記・修正は芋長の芋羊羹とバルバエキスを摂取しながら、 ビービ虫とオルグシードを体に取り込んだ後、スクスクジョイロの水を浴びてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\巨大化/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] コメント欄が長くなってきたのでリセットしました -- 名無しさん (2016-07-24 21 00 34) 芋長の芋羊羹とバルバエキスを練り込んで作ったコンティニューメダルwww -- 名無しさん (2017-01-04 20 14 06) 打ち出の小槌という万能巨大化アイテムwww -- 名無しさん (2017-01-12 20 11 33) ここ近年、自我を消した上で無理やり巨大化させるケースが増えてきたね -- 名無しさん (2017-01-22 14 52 08) ニコニコの配信で現行戦隊と過去の巨大化アイテムを混ぜたコメントをよく見るけどジュウオウジャー カーレンジャーの「ジニス様の細胞から抽出した芋羊羹」は腹筋に悪かった -- 名無しさん (2017-01-25 06 58 46) ↑ボーゾックのみなさん「何それ食いたくねぇ」 -- 名無しさん (2017-02-19 12 51 36) 今度は印籠か…w -- 名無しさん (2017-02-19 13 31 57) ↑もっとひねりくわえたものなかったのかねぇ… -- 名無しさん (2017-02-20 22 59 31) モチーフが幕府だし名前も巨大と印籠で上手い感じじゃない? ヒーロー側が「控えおろう」って言われるのはちょっと新鮮かもw -- 名無しさん (2017-02-21 06 34 24) ジャークマターはこの項目の2に該当するから等身大戦で未然に阻止されるケースもありそうだな -- 名無しさん (2017-02-21 09 06 07) 中盤で巨大ロボの出番がある回は巨大化しないことも多いよね -- 名無しさん (2017-04-23 08 36 43) 漫画の封神演義で「最後に巨大化した悪者は、絶対に勝てないものだよ!!」とか出てたなあ。 -- 名無しさん (2017-04-23 08 49 16) キュウレンジャーの巨大戦は結局、②キョダインロウでの「ヒカエオロー!!」、③自分で巨大化する(?)「デスワーム」、④ダイカーンやツヨインダベーが搭乗する「モライマーズ」があるから、登場するダイカーンが1体でも3VS3ができるようになってるね。 -- 名無しさん (2017-08-16 10 56 27) 等身大戦で倒されて爆発しても巨大化の方法の都合上身体がバラバラになるのとならないのがあるんだよね -- 名無しさん (2017-09-13 22 14 24) マイナソーは実質項目の3でOK? -- 名無しさん (2019-04-15 11 12 44) マイナソーは確かに3だと思うけど、成長して巨大化ってのは今までありそうでなかったタイプやね。 -- 名無しさん (2019-05-02 22 27 40) ドルイドン幹部は「巨大魔強化」もできる。タンクジョウは自由に、ガチレウスは左胸の弱点を攻撃されることで巨大化。 -- 名無しさん (2019-12-28 15 46 01) 若本さん「ボーゾックの荒くれ者たちは、芋長の芋羊羹を食べる事で巨大化する!しかし、コンビニの芋羊羹だと逆に小さくなり、賞味期限の切れた芋羊羹だと、ラスボスすら下痢を起こして、苦しむ事態に陥ってしまうのだ!!」 -- 名無しさん (2019-12-28 19 10 53) キラメイは久々の④タイプ。ロボットではなくて生物というのは初めてかね。 -- 名無しさん (2020-03-15 13 42 59) 邪面獣は邪面師とは別だけど巨大戦専用マシンではなく生命体だからなぁ -- 匿名 (2020-05-19 18 45 15) 邪面獣を追加、及び20年代として新しく枠を作りました。内容やクランチュラ台詞、リンクの追加など、遠慮なくいじってください。 -- 名無しさん (2020-05-25 20 10 40) ゼンカイジャーも4かな -- 名無しさん (2021-04-03 18 01 25) ビービ虫をかわいいと思ったのは俺だけだろうか -- 名無しさん (2021-06-24 08 00 57) ナリアのブーストコンティニューと通常のコンティニューの違いが未だにわからない -- 名無しさん (2021-07-05 22 46 01) ジニス様の細胞から抽出した芋ようかんをエグゾスに食わせたら、戦隊史上最凶最悪の破壊神が誕生しそうだ -- 名無しさん (2021-07-10 03 15 04) 映画の敵は独自の巨大化法を持つ場合がある -- 名無しさん (2022-01-19 18 27 30) ↑3 強化の差でしょ -- 名無しさん (2022-01-28 21 23 55) 巨大化の要因が脳人レイヤーによるものかヒトツ鬼ングの体質かまだはっきりしないけど一応 -- 名無しさん (2022-03-15 23 09 52) 全作品を見たわけでは無いけれど、見た中ではわざわざライブマンの後方に出現してビームぶっ放すギガファントムが一番印象に残ってる。 -- 名無しさん (2022-05-04 04 53 13) 令和では初の自身巨大化タイプかな>怪ジーム -- 名無しさん (2023-03-05 19 56 17) 巨大化のメカニズムがいまだ明かされないバグナラクだが、何かを食べさせることで巨大化するらしい。 -- 名無しさん (2023-03-20 00 01 50) アレ(芋羊羹) -- 名無しさん (2023-03-20 00 05 53) まだ3話目とはいえ、巨大化の方法が秘匿するのって珍しいな。分かっているのは食べ物ということだけか。巷ではレインボージュルリラ説もあるが…。 -- 名無しさん (2023-03-20 14 19 32) 巨大化の出番そのものが遅いパターンはいくつかあったが、巨大化することがわかっているがそのアイテムが秘匿されてるってのは珍しいかも -- 名無しさん (2023-03-23 21 22 37) 今週の放送でシュゴッドソウルを食べて巨大化していたと判明 -- 名無しさん (2023-07-30 14 52 32) 巨大化アイテムが既に玩具化されていたとは -- 名無しさん (2023-07-30 15 02 03) こうなるとやっぱりレインボージュルリラって -- 名無しさん (2023-07-30 15 07 46) レインボージュルリラが細かくなったシュゴッドソウルの可能性出てきてないかね? -- 名無しさん (2023-07-30 15 12 25) ところでバグナラクが巨大化の時に食うシュゴッドソウルってどこから調達したんだろう。デミシュゴッド捕まえて抜き取ってる? -- 名無しさん (2023-08-07 15 19 22) ハイウェイ空間に突入したヤルちゃんを阻止すれば巨大化、できなければギャーソリンが宇宙のハシリヤン本隊に届けられてしまう…って解釈してるけど、合ってるのかな -- 名無しさん (2024-04-09 18 25 28) ヤルカーの巨大化させる能力は何らかの理由で知らない内に後天的に得てしまった物と思うけどどうなんだろうか?それなら他の二人が初めて観たような反応したことにも説明つきそうだし -- 名無しさん (2024-04-11 19 56 09) 時間経過で勝手に巨大化するパターンってありそうで無いんだ? -- 名無しさん (2024-07-16 06 39 01) ↑「ほぼ」が抜けてた。リュウソウジャーくんすまん -- 名無しさん (2024-07-16 06 48 01) 名前 コメント