約 2,014 件
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/362.html
「俺~♪ おっかえりぃ」 家の扉を開けると、ルッキーニはそう言って俺の胸に飛び込んできた。 「ただいま、フランカ。いい子にしてたか?」 そう言って俺は、ルッキーニの頭を撫でる。ルッキーニは気持よさそうに喉を鳴らした。 「してた~♪ほらっ」 そう言ってルッキーニが指さしたのは、料理がならんだ、食卓だった。 「すごいじゃないか。フランカが作ったのか?」 「ねっ! 食べてみて!」 ルッキーニに引っ張られるままに、俺は席についた。小さな食卓の上に、ところ狭しと料理が並んでいた。 「すごいな! でも……こんなに一杯どうしたんだ? 食材だって足りなかっただろ?」 「んーとね。お肉は街で迷子になってた子のマーマがくれて、こっちのお芋はね……」 そう言ってそれぞれの料理の素材の由来を解説していくルッキーニ。その内容は次第に、身振り手振りを交えた冒険譚へなっており、俺はその様子に目を細めた。 「ゴメンな、フランカ」 「うぇ?」 「……俺の稼ぎが少ないばっかりに、苦労を掛ける」 「ううんっ! 違うよ!」 ルッキーニは心外だ、と言わんばかりに首を大きく振った。 「苦労なんかじゃないよ。私が好きでやってるんだもん。それに……」 「それに?」 「俺が一緒にいるんだもん。あたし、幸せだよ!」 ルッキーニは満面の笑みを俺に向けた。頬が熱いと自覚できる。ルッキーニは楽しそうに笑った。 「ほらっ。食べて、食べて!」 勧められるままに、俺はこんがりと焼かれた牛肉を頬張った。 肉から口の中に肉汁がじわりと染みだした。 「……美味い」 でしょー。と得意げに言うルッキーニ。 「本当に美味しいよ。ありがとう。フランカ」 そう言って俺は、ルッキーニの頭をくしゃくしゃと撫でる。 お互いの位置が近い、小さな机はこういう時には便利だった。 ルッキーニは照れくさそうに目を細めている。 「牧場の仕事、大変でしょ? いっぱい食べて、力つけないと!」 「ああ、そうだな」 一週間前。この牧場の持ち主は、敷地内に不時着した俺とルッキーニに対して、理由も聞かずにこの小屋を貸してくれていた。 その上で、牧場の仕事を手伝うなら、賃金も払う言ってくれていた。 厚遇の理由を問う俺に対して、「孫も……ウィッチじゃった。辛かったら逃げ出してもいいんじゃ、それが……子供の特権じゃ」と小さく漏らしたきり、それ以上説明する気はないようだった。ただ、ルッキーニを見つめる瞳に時折悲しい光が浮かんでいるように、感じられた。 「「ごちそうさまっ」」 食事を終えて、片付けに入ろうとした俺をルッキーニが止めた。 「あ~っ! ダメダメっ! あたしが片付けるから俺はそこで寝てて!」 ぷくーっと膨れ上がって怒りを表すルッキーニの様子に俺はまた笑った。ベッドに寝転がる。 ルッキーニは自分が何も出来ていない、と考えてるようだった。実際には、そんなこともないんだけどな。と俺は今日の夕飯を思い出しながら自嘲の笑みを浮かべた。 「こらっ!」 思考に沈んだ俺の意識の外からルッキーニが叫んだ。 「ま~た、いーっって顔してるぅ!そんな駄目亭主には~……こうだっ!!」 その言葉と同時に、ルッキーニは素早く俺に馬乗りになると、その手を俺の脇腹に伸ばした。 「そ~れ、コチョコチョー。コッチョコチョー」 「っやめ!ひゃ……本っ当にっ。あはははは」 俺の顔色が酸素欠乏で紫がかってようやく、ルッキーニはその手の動きを止めた。 「……俺。さっきも言ったよ。あたしはね、今しあわせだよ?」 「フランカ……」 「だから、笑おうっ! 今日は楽しかった。明日はきっともっと楽しいって」 ルッキーニは笑顔だった。いつもと変わらぬ天真爛漫な笑みだった。かなわないな、。俺は思った。 「そうだな。その通りだ。ありがとう。フランカ」 「まったく……」 俺の礼を受けてルッキーニは言う。ここで謝ったら三日は口聞かなかったよ。 「俺はあたしがいないとほんっとダメダメなんだから……っ!?」 俺の腰に跨ったまま、とうとうと説教を続けるルッキーニだったが、突然言葉を止めた。ルッキーニの体がビクリと跳ね上がったのが伝わった。 「……俺」 ルッキーニが口を俺の耳元に近づける。漏れ出した吐息が耳に入りくすぐっく思った。 「えっち……」 そう言ってルッキーニはその腰をぐっと俺に押し付ける。 「ぐぅっ……」 「あたってるよ……」 耳元でルッキーニがささやく。首筋がしっとりと汗で濡れているのが見えた。 「もうっ!あたしは真剣に話してるのに、なんでおっきしちゃったの?」 「いやっ、それは……」 ルッキーニが手を俺のズボンに滑りこませた。 水仕事を終えて冷たくなった手が、いきり立つ怒張を握り、俺は声を漏らした。 ルッキーニの唇が軽く耳をなぞる。 「……やっぱりだ」 そう言ってルッキーニが俺の目を覗き込む。幼さの残る顔に似合わない妖艶な笑みを浮かべている。 「えっち、だね?」 「……」 「ね?」 言葉とともにルッキーニは手をきゅっと握る。 「っ!」 ルッキーニはケラケラと笑った。 「ねっ。めー閉じてよ」 言われたとおりに眼を閉じる。 唇に柔らかい感触が伝わる。ルッキーニの舌が俺の唇をなぞった。 俺は舌を絡めようと伸ばすが、ルッキーニはすっと体を起こした。 クスクスと笑い声が聞こえた。 「だーめ」 ルッキーニの指先が、俺の胸板を撫でる。シャツのボタンを外すぷちぷちという音が響く。 「ど~して欲しい~♪」 ルッキーニの舌先が俺の乳首をちょんと突いた。 「…………るな」 「んっ?」 「調子に乗るなあっ!」 「ふみゃあああ」 俺が勢い良く体を起こしたため、上からルッキーニが転がり落ちた。 「悪い子の口はこれか~?」 「は~へ~へよぉ~(やーめ~てよ)」 ルッキーニの頬をつかみ左右に引っ張る。よく伸びる。 手を離した。 「ひどいよぅ」 「自業自得だっ!」 「違ぁうよ! 俺がたっちゃうからいけないんでしょう! 逆切れだよ!」 ルッキーニが毛を逆立てて怒る。 「あれは生理現象だ。あんなえっちな子に育てたつもりはありません! だいたいどこであんなこと覚えたんだ……」 「ん~前に坂本少佐が……」 「おーけー分かった」 扶桑では常識だぞ! と大笑いする坂本の姿が目に浮かんだ。 「とにかく!あーいうのは、フランカにはまだ早いの」 「そんなことないよ! あたしたち夫婦でしょう? いっつもあたしだけ気持ちよくしてもらって……。してもらうだけじゃ嫌だよ……。あたしも俺に何かしてあげたい!」 「フランカ……」 そう主張するフランカの目には涙で濡れていた。 その体を引き寄せて、抱きしめる。 「あせらなくていいんだ。そうだ、俺達は夫婦だ。なら時間はいっぱいある。ゆっくり、二人で進んで行こう?」 「……うん」 胸の中で小さくうなずくルッキーニの頭をそっと撫でる。 ルッキーニが小さく言った。 「……ぎゅってして」 「ああ」 ルッキーニの細い腰に手を回し、強く抱きしめる。 「……ちゅーして」 「……フランカ」 まだあせっているのか? そう思って視線を下に向けると、ルッキーニはじっとこちらを見つめていた。目が不安に揺れている。 「ちゅー……」 ルッキーニが呟くように言った。しょうがないな、うん、これはしょうがない。 ルッキーニの首の下に指を入れて、上を向かせる。眼を閉じている。涙に濡れた睫毛が、震えていた。 ついばむような軽いキスを交わした。そうしてから、唇を重ねる。たっぷり十秒以上はそうしていただろうか、突然唇をそっとつつくような感触を覚えた。遠慮がちにこちらをノックするルッキーニの舌を招き入れる。絡みあう舌からびりびりとした快感が走った。 口を離す。視界一杯に広がるルッキーニの顔はやはり、その年齢相応の笑顔で、胸の奥にちくりと罪悪感を覚えた。 そんな事を考えていたからだろう。ルッキーニは俺の口元に手を伸ばすと言った。 「にぃ~」 俺の口元を釣り上げるように引っ張った。 「笑って、俺!」 俺は頷き、言う。 「ああ、明日がもっと楽しくなるように、な」 ルッキーニは、満足気に微笑んだ。 だから、その瞳の奥に、不安の色が見えたのは、きっと俺の勘違いだったのだろう。 深夜、ルッキーニは目を覚ました。俺の胸の中にすっぽりと収まっている。しかし、胸の奥にざわざわとした感覚があった。 喉がからからに渇いていた。 俺を起こさないように、そっと布団から抜けだした。 水を飲もうと台所に向かったところで、汲み置きの水を使い切っていたことに気付いた。裏の井戸に行こう。ルッキーニは、扉を開くと外に歩み出た。 冷たい空気に触れてルッキーニの体が震えた。小屋の裏の小道を歩く。雲ひとつ無い夜道は、月明かりに照らされて、歩くのに不自由はしなかった。 井戸を覗き込む、月明かりに照らされて、水面に映る自身の表情にルッキーニは驚いた。暗い表情はとても自分のものに思えず、不気味に感じられた。 「あなたはだ~れ?」 返事は無い。 「なんてねっ」 当然の結果に、しかしルッキーニの心にかかったざわつきが少し晴れたのを感じた。 小屋に、俺のもとに帰ろうと、ルッキーニは振り返った。なにか違和感を覚えた。 ルッキーニは夜の静寂を裂くような、甲高い音が聞いた。 「シャーリー!」 聴き慣れたエンジン音、細かいチューンアップを繰り返したその音をルッキーニは確信をもって、親友のそれだと断定した。 駆ける。何故だかとても嫌な予感がした。エンジン音が止んだ。 (着陸したんだっ)小屋を回りこむ。閉めたはずの扉が開け放たれていた。 小屋に飛び込んだルッキーニは、呆然と呟いた。 「シャー……リー……?」 愛する男が、親友に銃を突きつけられている。 ちらりとルッキーニを見たシャーリーの瞳が悲しげに揺れた。 「ゴメンな、ルッキーニ」 飛びかかろうとした。しかし、ルッキーニは動けない。 叫んだ。 「だめぇぇぇえええ!!シャァァァァリィィィィー!!」 銃声。 「こちらシャーリー。ルッキーニ少尉を保護した。誘拐犯と推定された脱走兵俺中尉は、抵抗をはかったため……」 ルッキーニは理解できなかった。目の前で起こっていることを認めないと首を左右に振っていた。 「射殺した」 続く
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/299.html
昼。 仕事を終えて家に帰る。 鍵を開けようとしたところ、もう開いていた。 泥棒かと思って中に入れば、ゆっくりがいた。 「ゆっ! おにーさん! ここはまりさたちがみつけたおうちだよ! ゆっくりでていってね!」 「「「でていってね!」」」 数えて四匹のゆっくりまりさがそこにいた。 何をしているかと思えば、食料庫に置いておいた食べ物を全部食われている。 ご丁寧に貴重な胡椒や塩もだ。 しかし、俺はこいつ等を無視して台所へ向かう。 台所も荒らされており、鍋やらヤカンやらが散乱していた。 俺はそれをかき分けて椅子に座る。 そこで近所の子から貰った昼飯の握り飯を頬張った。 「ゆ! なにしてるのおにーさん! はやくでていってね!」 台所にいる俺を見つけて親まりさがぷくっと膨れて怒る。 子供たちも真似するように小さく膨らんだ。 「別にお前達の邪魔をしてないからいいだろう、ここはお前達の家なんだから俺は家具だとでも思えばいいさ」 俺はそう言って飯を食らう。 まりさ達はそれが気に食わない様子だった。 「いいかげんにしてよ! ばかなの? おにーさん!?」 「ばかなの?」 「しぬの?」 非難を浴びるが、俺は冷静に返す。 「ああ、馬鹿だよ」 その言葉に、俺が自分達より格下だと判断したらしくまりさは調子に乗る。 「さすがばかだね! ここがだれのいえかわからないなんて! いきてるかちないんじゃないの!?」 普通、並みの精神の人間だったらここでどうしていただろうか。 間違いなく引きちぎって殺していたに違いない。 「そうかもな」 「ゆふん! ばかなおにーさんはここでのたれじんでね!」 俺をせせら笑ってまりさ達は自分達がいた部屋へ向かった。 飯を食い終えた俺は、取り合えず眠りにつく事にした。 夜。 目が覚めるとゆっくり達がぷるぷると震えていた。 饅頭らしくおしくら饅頭をして暖を取っているようだ。 春になったばかりの夜はとてつもなく寒い。 「ゆうぅ……ここでさむさをしのごうね!」 「あったかいよおかーさん!」 「だいじょうぶだよ!」 「ぬくぬくだよ!」 まりさ達はみんな親を心配させないように言う。 家族愛って奴だろうか。 俺は台所にしまってある毛布を使い、それを服の中に仕込んだ。 そのまま掛けて寝れば、ゆっくり達に奪われるかもしれない。 多少動きづらかったが、晩御飯の準備をした。 今日は鹿のスープだ。 言い忘れていたが俺の職業は狩人で、山の近くで暮らしている。 そんな事はともかく、作業に移る。 調味料は食われていたため、お湯の中に山菜と鹿の茹でた肉が入ったような質素なものとなった。 しかし、それでもうまそうな匂いがするらしく、まりさ達が俺の元へやってくる。 「ばかなおにーさん! それをまりさによこしてね!」 無視。 するともう一度まりさが叫ぶ。 「おにーさん! それをまりさによ・こ・し・て・ね!」 よこせを強調するが、無視。 俺は体当たりされてスープを零されてはたまらないので、一気に飲み干す。 「どうしてくれないの!? なんで? いいかげんしんでよ!」 「俺はお前の家の一部で家具だ、家具はお前のためにご飯を作らないしあげもしない。それにお前はゆっくりだろ、自分で狩りくらいできるだろ」 その言葉にぐっと歯を食いしばるまりさ。 確かにその通りである。 まりさはゆっくりの中では知能があるほうで、狩りは得意なはずだ。 「おかーさん、おなかすいたよ……」 さむそうにしていた子まりさの一匹が親に言う。 親は憎しみの表情を浮かべて俺を睨んだ。 だが、無視。 「まぬけなおにーさんがごはんをくれなくてごめんね! あしたたくさんごはんをとってきてあげるからね!」 子供達は不服そうだったが、やがて親に従った。 (あの様子だと食料庫の中身全部なくなってるわけか) 俺はそう考える。 まりさ達的にはもう春が来ているようで、ご飯を溜め込むなんて事はしなくなる。 食べられるだけ食べる、というのがゆっくりの習性だ。 俺は早めに家を出る事にした。 朝。 俺が目を覚まし居間へ行くと、寒さに震えながらもすやすやと眠っているまりさ達がいた。 起こさないように猟銃を持ってすべての部屋の鍵を閉める。 そして俺は狩りへ向かった。 お昼ほどになって、俺は狩りをやめる。 そして、食料を調達するために里へ向かった。 里は相変わらずにぎやかだった。 そこで俺はあるお店を見つける。 店の名前はゆっくり屋という名前だった。 中に入ってみると、ゆっくりれみりゃがお迎えをする。 「ごんでぢわ! おぎゃぐざまはなんべーざまでづが!?」 鼻にかかる声で人数を聞かれたので俺は一人だと答える。 すると、ゆっくりれみりゃが少しほっとしたような顔をした。 「あ、いらっしゃいませ! こちらへどうぞ!」 後から店員がやってきて、俺を席へ案内する。 メニューを渡されて、俺は目を通してみた。 ゆっくりれみりゃの腕のハンバーグ。 子れみりゃの肉まん。 奇形子れみりゃの踊り食い。 ゆっくりれみりゃの足の丸焼き。 等と書かれていた。 俺はとりあえずハンバーグと肉まんを頼んでみる事にした。 数分経ってから、店員とれみりゃが俺の前にやってくる。 しかし、料理はなかった。 「いまからお客様の前でれみりゃの調理をします、ごゆっくりとお楽しみください。ほら、やれ」 店員が言うと、泣きべそをかいているれみりゃが自分の腕を台の上に置いた。 そして、あろうことが自分の腕を引きちぎったではないか。 「う゛ぐぎぎぎぎぎぎぎ!! い゛だい゛ー! ざぐやー! ざぐぐぇっ!?」 泣き叫ぼうとしたところ、店員に殴られるれみりゃ。 さらに指示されると、自分のもう片方の腕で腕を叩き潰した。 いい感じに余計な肉汁がこぼれる。 店員は満足そうな顔をしてそれを焼いた。 「はい、お待ちどうさまです」 「どうも」 俺はそれをいただく。 餃子の中身を食っているような味がした。 たしかにハンバーグといえばハンバーグだが。 次に用意されたのは踊ってやってきたれみりゃだった。 その上にはぱたぱたと子れみりゃがいる。 「う~☆ れみりゃのこどぼがわいいでそ~?」 俺がああ、と答えると腰に手を当てて尻を振る。 ダンスのつもりなのだろうか。 はたから見れば挑発してるようにしか見えない。 「いまですお客様、尻をはがしてください」 店員が言うので、俺はとっさにれみりゃのスカートを引っ張り、尻を丸出しにする。 別に子供と変わりないような尻だった。 かといって欲情したりしないが。 「う゛~なにするどぉー! れみりゃのぷりでーなおしりっがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 行ってる途中で悲鳴を上げる。 なにせ店員がナイフで尻の皮を切っているからだ。 一定の大きさに切り終えると、今度は親の前で子を叩き潰す。 「う゛ぎゅ!?」 「ぶぎゃっ」 間抜けな悲鳴がしたあと、台の上に肉の塊があった。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! れ゛み゛り゛ゃのあがぢゃん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!!」 それを無視して切り取った尻の皮に先程の子れみりゃの残骸をつめ、蒸篭に入れた。 しばらくたって、ほかほかと湯気が立ち上る蒸篭を開けるとなんと肉まんが完成しているではないか。 とても不思議だ。 そして何より吃驚したのがこれだ。 「ぅー ぅー」 小さな声だが、小刻みに震えながら声を出す肉まん。 かろうじて生きていた子れみりゃが再生し始めていたので、こんな風になるらしい。 よくかんで食べれば腹の中で再生することはないらしい。 俺はそれを美味しくいただき、勘定を払って店を出た。 また夜。 返ってくると瀕死のまりさがいた。 やせ細っていて、今にも死にそうである。 一日半食べなければ餓死するのか。 「おに、さん……ごは、ん、ちょうだ、いね……」 弱弱しい声を出すが、俺は無視する。 「このまま、じゃ、まりさたち……しんじゃう、よ……?」 「だから?」 俺は買ってきた物で料理を作る。 匂いに釣られて子供達もやってきた。 「それ、ちょ……だい」 「……」 俺は無視して飯を食う。 まりさたちは血眼になってそれを見ていた。 「お前達は自分で狩りができるんだろ? なら必要ないじゃないか、あと食料庫から食べればいいだろう」 鍵を閉めたのは俺だなんて眠っていたこいつらには分からない。 ただ、部屋から出られず、ただ衰弱していった。 「おかーさん……おなか、すいたよー……」 その言葉にまりさも限界が来たらしい。 歯を食いしばり、俺に飛び掛ってきた。 「えざよごぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 俺は銃を取り出し、飛び掛ってくるまりさの口に突っ込んだ。 「別にいいぞ、黒胡椒の飴を食わせてやってもいい」 黒胡椒の飴、つまり弾丸の事だ。 まぁ胡椒は発火に使うものだが。 「ゆぎぎぎ! よごぜ! よごぜぇ!」 喚くまりさを無視して、俺は飯を食い終える。 そして毛布を服に仕込んで寝た。 最初は、喚きたてるゆっくりがうるさかったが、段々と静かになる。 朝。 起きると、一家は死んでいた。 餓死と凍死だろう。 皆、死への恐怖に目を見開いている。 俺は、一匹を釘で指して壁に張り、ゆっくりが来ないようにする。 さすがに何度も来られては、こっちの身ももたない。 そして残った方は、今日の昼飯となった。 別に殺そうと思えば殺せる。 だが、こいつらのために体力を消耗したり、貴重な弾丸を無駄にしたくはなかった。 ゆっくりなど、所詮閉じ込めてしまえばいずれ死ぬ。 だから、余計な手は加えない。 俺はそう考えている。 居座ったゆっくりなど無視して生活すれば勝手に死ぬのだ。 俺は鹿を狙い打って、今日の晩御飯を手に入れた。 あとがき 皇国の守護者のパロディでもやろうかと思ったけど辞めた。 サーベルタイガーにでも食わせるかな? 新城ォォッ! このアフォが書いた作品 霊夢の怒らせ方? ゆっくりデッドライジング1~3? 霊夢のバイト? 慧音先生とゆっくり? ゆっくりCUBE 書いた猟師:神社バイト このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/earthmukamuka/pages/116.html
遊戯王/オリカ/狂の料理 2007-11-10 「狂の料理/MAD COOKING」 定番から個性溢れる一皿まで毎日の食卓が楽しくなる料理を紹介します。 全60種+シークレット1種 Normal:34 NormalRare:1 Parallel:6 Rare:14 Super:7 Ultra:4 Ultimate:11 Secret:1 定番料理から個性溢れる一皿まで毎日の食卓が楽しくなるレシピを紹介します。 MACK-JP001「ライトディッシュ・エンジェル/Light Dish Angel」 炎属性・★2・ATK1200/DEF0 Normal 【天使族】 <軽い料理を好む天使。> MACK-JP002「ヘビーディッシュ・エンジェル/Heavy Dish Angel」 炎属性・★2・ATK0/DEF1200 Normal 【天使族】 <しつこい料理を好む天使。> MACK-JP003「ゴブリン料理部隊/Goblin Cook Force」 炎属性・★4・ATK1500/DEF1200 Super/Ultimate 【戦士族・効果】「狂料理」と名のついた魔法・罠カードが発動される度、このカードの攻撃力は500ポイントアップする。攻撃力2500以上のこのカードを生け贄に捧げる事で、自分のデッキまたは墓地から「ライトディッシュ・エンジェル」「ヘビーディッシュ・エンジェル」をそれぞれ2体ずつフィールド上に特殊召喚する。 <「灼熱の料理人」の調理補助を行なっているゴブリン達。腕はそれ程でも無いが、チームワークで厨房を活気付かせる。> MACK-JP004「灼熱の料理人 LV4/Burning Cook LV4」 炎属性・★4・ATK1500/DEF1500 Super/Ultimate 【炎族・効果】このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、自分のデッキまたは墓地から「狂料理」と名のついたカード1枚を選択し手札に加える。「狂料理」と名のついた魔法・罠カードが発動される度、このカードの攻撃力は500ポイントアップする。「狂料理」と名のついた魔法・罠カードが発動された自分または相手ターンのエンドフェイズ時、フィールド上のこのカードを墓地に送る事で「灼熱の料理人 LV6」1体を手札またはデッキから特殊召喚する。 <「狂乱の1つ星料理店」で腕を振るう料理人。更なる高みを目指すその心は熱く燃え上がっている。> MACK-JP005「灼熱の料理人 LV6/Burning Cook LV6」 炎属性・★6・ATK2100/DEF2000 Super/Ultimate 【炎族・効果】1ターンに1度だけ自分の手札から「狂料理」と名のついたカード1枚を相手に確認させ、自分のサイドデッキからそのカード効果に記載されたモンスター1体を手札に加えるかフィールド上に特殊召喚する事ができる。「狂料理」と名のついた魔法・罠カードが発動される度、このカードの攻撃力は600ポイントアップする。「狂料理」と名のついた魔法・罠カードが発動された自分または相手ターンのエンドフェイズ時、フィールド上のこのカードを墓地に送る事で「灼熱の料理人 LV8」1体を手札またはデッキから特殊召喚する。 <「狂乱の2つ星料理店」で腕を振るう料理人。世界からも認められ、より優れた料理を生み出し続けている。> MACK-JP006「灼熱の料理人 LV8/Burning Cook LV8」 炎属性・★8・ATK2700/DEF2500 Super/Ultimate 【炎族・効果】このカードは通常召喚できない。「灼熱の料理人 LV6」の効果でのみ特殊召喚できる。1ターンに1度だけ自分の手札の「狂料理」と名のついたカード1枚を相手に確認させ、自分のサイドデッキからそのカード効果に記載されたモンスター1体を手札に加えるかフィールド上に特殊召喚する事ができる。1ターンに1度だけ自分のデッキ・墓地に存在する「狂料理」と名のついたカード1枚を手札に加える事ができる。「狂料理」と名のついた魔法・罠カードが発動される度、このカードの攻撃力は700ポイントアップする。 <「狂乱の3つ星料理店」で腕を振るう料理人。『料理界にその人あり』と賞される世界屈指の腕前を持つ。> MACK-JP007「黄金の料理長/The Golden Chef」 炎属性・★8・ATK2800/DEF2600 Ultra/Ultimate 【炎族・効果】このカードは通常召喚できない。「黄金の調理器具」の効果でのみ特殊召喚する事ができる。このカードが特殊召喚に成功した時、自分のデッキ・墓地から手札が7枚になるように「狂料理」と名のついたカードを選択し手札に加える。1000ライフを払う事で、デッキから「食材錬成厨房」1枚を手札に加える事ができる。「狂料理」と名のついた魔法・罠カードが発動される度、相手ライフに1000ポイントダメージを与える。 <黄金の調理器具を使う伝説の料理人。その腕に掛かればどんな食材でも最高級の味に仕立て上げてしまう。> MACK-JP008「ポットラックコープス/Potluck Corps」 炎属性・★6・ATK2300/DEF1500 Ultra/Ultimate 【悪魔族・融合/効果】「悪魔の調理師」+「ゴブリン料理部隊」 このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。手札から「狂料理」と名のついたカード1枚を墓地に送る事で「融合」魔法カードを使用せずに融合召喚をする事ができる。このカードが相手モンスターを戦闘によって破壊し墓地へ送った時、そのモンスターのレベルだけ自分のデッキからカードをドローし、ドローした枚数分手札からカードを墓地に送る。 <有り合わせ料理を愛する料理人戦闘集団。倒したモンスターをその場で料理してしまう。> MACK-JP009「飢餓双子天使(ハングリー・デュオ・エンジェル)/Hungry Duo Fairy」 炎属性・★3・ATK1200/DEF1200 Ultra/Ultimate 【炎族・融合/効果】「ライトディッシュ・エンジェル」+「ヘビーディッシュ・エンジェル」 このモンスターは手札から「狂料理」と名のついたカード1枚を墓地に送る事で「融合」魔法カードを使用せずに融合召喚をする事ができる。このカードが特殊召喚に成功した時、お互いの墓地にある「狂料理」と名のついたカードを全てゲームから除外する。このカードはゲームから除外されている「狂料理」と名のついたカードの数だけ効果が追加される。 ●3枚以上:このカードは戦闘によっては破壊されない。 ●6枚以上:「飢餓双子天使」以外のフィールド上のモンスターの効果は無効になる。 ●9枚以上:相手は魔法を発動する事ができない。 <無限に消化を続ける胃を持つ炎翼の双子天使。彼女等の空腹が満たされる日は来るのだろうか。> MACK-JP010「狂乱の1つ星料理店/Madness Restaurant #1」 フィールド魔法 Rare 【効果】フィールド上の星1モンスターを任意の枚数墓地に送り発動。フィールド上の「料理」と名のついたモンスターの攻撃力・守備力は発動時に墓地に送ったモンスターの数×100ポイントアップする。このカードがフィールド上に存在する限り、「狂料理」と名のついた魔法・罠カードの発動と効果は無効にならない。 <この世のの何処かにあるという狂料理店。星1つという評価だが、既にその味は“芸術的にマッド”との事。> MACK-JP011「狂乱の2つ星料理店/Madness Restaurant #2」 フィールド魔法 Super/Ultimate 【効果】フィールド上の星2モンスターを任意の枚数墓地に送り発動。フィールド上の「料理」と名のついたモンスターの攻撃力・守備力は発動時に墓地に送ったモンスターの数×200ポイントアップする。このカードがフィールド上に存在する限り、「狂料理」と名のついた魔法・罠カードの発動と効果は無効にならない。 <この世の何処かにあるという狂料理店。その“過激に素敵”と賞される料理の数々は星2つの印に恥じない内容だ。> MACK-JP012「狂乱の3つ星料理店/Madness Restaurant #3」 フィールド魔法 Ultra/Ultimate 【効果】フィールド上の星3モンスターを任意の枚数墓地に送り発動。フィールド上の「料理」と名のついたモンスターの攻撃力・守備力は発動時に墓地に送ったモンスターの数×300ポイントアップする。このカードがフィールド上に存在する限り、「狂料理」と名のついた魔法・罠カードの発動と効果は無効にならない。 <この世の何処かにあるという狂料理店。マッドな料理店の中でも最高の3つ星を得ているだけあり、ある美食家に言わせると「この店の料理は世界遺産にも値する」らしい。> MACK-JP013「食材錬成厨房/Ingredients Training Kitchen」 永続魔法 Super/Ultimate 【効果】このカードがフィールド上に存在する限り「狂料理」と名のついたカードに記載されているモンスターカード名は他のモンスターカード名で代用する事ができる。 <生物を使用者の望む食材に変える事のできる魔法陣が描かれた厨房。> MACK-JP014「食材の調達/Ingredients Provide」 永続魔法 Super/Ultimate 【効果】自分のドローフェイズ開始時に自分の手札が0枚だった場合、デッキから「狂料理」と名のついたカードを1枚選択し手札に加える。さらにフィールド上に「料理店」と名のついたカードが存在する場合、もう1枚選択し手札に加える事ができる。 <「やはり高くても良いモン使った方が美味しく出来るよなぁ。」―ゴブリン料理部隊> MACK-JP015「黄金の調理器具/Golden Cooking Utensils」 装備魔法 Rare 【効果】「調理師」「料理人」と名のついたモンスターのみ装備できる。装備モンスターは相手の罠の効果を受けない。装備モンスターが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時、デッキから「狂料理」と名のついたカードを1枚選択し手札に加える事ができる。「灼熱の料理人 LV8」に装備されている場合、装備モンスターを生け贄に捧げる事で、手札またはデッキから「黄金の料理長」1体を特殊召喚する。 <「灼熱の料理人」が3つ星となった時の記念に制作された黄金の料理道具。> MACK-JP016「黄金のまな板/Golden Chopping Board」 速攻魔法 Normal Rare 【効果】自分または相手の墓地に存在する攻撃力2000以下のモンスター1体を選択しゲームから除外する。自分または相手ライフはそのモンスターの攻撃力分回復する。 <「食材がより輝いて見えるぜっ!!」―灼熱の料理人> MACK-JP017「黄金の料理本/Golden Recipe Book」 速攻魔法 Normal 【効果】自分の墓地に存在する「狂料理」と名のついたカードを全てデッキに加え、シャッフルする。この効果によって5枚以上のカードがデッキに加わった場合、デッキからカードを2枚ドローする。 <「灼熱の料理人」が自身の料理レシピを纏め上げた本。基礎から隠し味まで彼の全てが網羅されている。> MACK-JP018「黄金の調理法/Golden The Art Of Cooking」 速攻魔法 Normal 【効果】「黄金の料理本」が発動されたターンのエンドフェイズ時にのみ発動する事ができる。デッキから「狂料理」と名のついたカード1枚とモンスターカード1体を選択し手札に加える。 <「これが私の料理人生から編み出した技だっ!。」―黄金の料理長> MACK-JP019「狂料理-マタンゴライス/Mad Cook-Mushroom Man Rice」 永続魔法 Normal 【効果】モンスターが召喚・特殊召喚される度、相手ライフに300ポイントダメージを与える。墓地に「マタンゴ」が存在する場合、フィールド上に表側表示で存在するこのカードは破壊されない。 <危険なキノコを混ぜ込んだライス。毒を有しており食べると気分が悪くなるとか。> MACK-JP020「狂料理-サイクロプススープ/Mad Cook-Hitotsu-Me Giant s Soup」 永続魔法 Normal 【効果】フィールド上の「サイクロプス」と名のついたモンスター1体を墓地に送る事で発動。フィールド上に表側表示で存在する悪魔族・獣戦士族モンスターの攻撃力は1200ポイントアップする。 <魔界の一つ目巨人の肉を煮込んだ濃厚なスープ。パステルカラーな肉片が話題を呼んでいる。> MACK-JP021「狂料理-プリヴェント・ラットパイ/Mad Cook-Prevent Rat Pie」 永続魔法 Normal 【効果】フィールド上の「プリヴェント・ラット」1体を墓地に送る事で発動。このカードがフィールド上に存在する限り、元々の攻撃力が2000以下の相手モンスターは攻撃を行う事ができない。 <非常に硬い毛を持つ鼠(ねずみ)だが、特製のパイ生地で包み込む事により見事に柔かく調理されている。> MACK-JP022「狂料理-クイーン・バード鍋/Mad Cook-Queen Bird In The Pot」 永続魔法 Normal 【効果】手札から「クイーン・バード」1体を墓地に送る事で発動。このカードがフィールド上に存在する限り、相手のフィールド・手札・デッキ・墓地に存在する守備力の数値が攻撃力の数値を上回っているモンスターの効果は無効になる。 <生前は大きな嘴(くちばし)で敵を攻撃していた鳥だが、今では自分が箸でつつかれる番になってしまった。> MACK-JP023「狂料理-でんきトカゲクレープ/Mad Cook-Electric Lizard Crepe」 永続魔法 Normal 【効果】相手フィールド上の雷族・アンデット族以外のモンスターは自分の墓地に存在する「でんきトカゲ」1体につき攻撃力が400ポイントダウンする。 <でんきトカゲの体内に蓄えられた電気をそのままクレープ生地に閉じ込めたスイーツ。> MACK-JP024「狂料理-鉄のサソリの唐揚げ/Mad Cook-Deep-Fried Steel Scorpion」 永続魔法 Normal 【効果】手札から「鉄のサソリ」1体を墓地に送る。相手フィールド上に召喚されたモンスターはそのターンのエンドフェイズ時に破壊される。 <鉄の様に硬いサソリも中の身は驚く程に柔らか。油との相性も抜群である。> MACK-JP025「狂料理-トライホーン・ドラゴンのオムレツ/Mad Cook-Tri-Horned Dragon Omelette」 装備魔法 Normal/Parallel 【効果】手札から「トライホーン・ドラゴン」1体を墓地に送り発動。装備モンスターの種族は悪魔族・ドラゴン族としても扱う。自分フィールド上の闇属性モンスター1体を生け贄に捧げる事で、デッキから生け贄に捧げたモンスターの元々の攻撃力以下の闇属性モンスターを1体フィールド上に特殊召喚する。この効果によって特殊召喚されたモンスターの効果は無効化される。 <卵の中に悪魔竜の角を削り入れてあるオムレツ。とろける卵を口にすれば心も体も闇に支配される。> MACK-JP026「狂料理-サクリファイスの姿煮/Mad Cook-The Relinquished Stew」 装備魔法 Normal/Parallel 【効果】装備カードを装備した「サクリファイス」1体を生け贄に捧げ発動。装備モンスターがフィールド上に存在する限り、相手フィールド上に召喚・反転召喚・特殊召喚されたモンスターのコントロールをそのターンのエンドフェイズ時に可能な限り得る。 <この煮物を食べるのは1人だけの時にした方が良い。仲間同士で食べるとその友情は必ず裂かれるとされるからだ。> MACK-JP027「狂料理-スパイラルドラゴンの海鮮チャーハン/Mad Cook-Fried Rice Of Spiral Dragon」 装備魔法 Normal/Parallel 【効果】手札から「スパイラルドラゴン」1体を墓地に送る事で発動。装備モンスターの属性は「水」、カード名を「海」としても扱う。装備されたこのカードを墓地に送る事で、相手の魔法カードの発動と効果を無効にし、それを破壊する。(この効果は相手ターンでも発動できる) <海竜の肉厚の鰭(ひれ)を魚介スープで煮込み具とした炒飯。濃厚な海の香りに味覚も飲み込まれてしまうだろう。> MACK-JP028「狂料理-メタルアーマードバグタルト/Mad Cook-Metal Armored Bug Tart Pie」 装備魔法 Normal 【効果】フィールド上の「鉄鋼装甲虫」1体を生け贄に捧げる事で発動。罠カードが発動される度、装備モンスターの守備力は1000ポイントアップする。このカードの効果によって守備力が3000ポイント以上アップしている装備モンスターを生け贄に捧げる事で、お互いのフィールド上に「メタルアーマートークン」(昆虫族・地・星1・攻0/守1000)を守備表示で可能な限り特殊召喚する。 <鉄の装甲を持つ巨大昆虫を数多くのフルーツと共にタルトにしたもの。食後に残った装甲は外食の土産として客からも評判が良い。> MACK-JP029「狂料理-カエルの親子丼/Mad Cook-Frog And Tadpole Bowl」 装備魔法 Normal 【効果】フィールド上の「デスガエル」「悪魂邪苦止」を1体ずつ生け贄に捧げる事で発動。装備モンスターの表示形式が変更される度、デッキまたは墓地から水属性モンスターを1体フィールド上に特殊召喚する。 <腹の黒いカエルとその子によって作られた親子丼。子宝に恵まれない夫婦の験担ぎに作られる。> MACK-JP030「狂料理-ネクロフェイスピッツァ/Mad Cook-Necroface pizza」 装備魔法 Normal 【効果】手札から「ネクロフェイス」1体を墓地に送る事で発動。装備モンスターが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地に送った時、装備モンスターを破壊する事で、お互いにデッキからカードを5枚まで選択しゲームから除外する事ができる。 <気色悪い死顔を丸々乗せて焼いたピッツァ。これを食べた者は次の日突然行方を晦ますという恐怖の料理。> MACK-JP031「狂料理-ワタポンわたあめ/Mad Cook-Watapon Cotton Candy」 速攻魔法 Rare 【効果】相手の魔法・罠カードの発動時に発動する事ができる。自分フィールド上に「ワタポントークン」(天使族・光・星1・攻200/守300)2体を守備表示で特殊召喚する。(生け贄召喚のための生け贄にはできない)発動後、自分の墓地に「ワタポン」が2体以上存在している場合、このカードをデッキの1番上に置く事ができる。 <ワタポンを模した綿菓子なのか、本当にワタポンを材料としているのか・・・。> MACK-JP032「狂料理-マシュマロンマシュマロ/Mad Cook-Marshmallon Marshmallow」 速攻魔法 Rare 【効果】発動ターンのバトルフェイズ中、お互いのモンスターは戦闘によっては破壊されず、ターンプレイヤーは全ての表側攻撃表示モンスターで攻撃しなければならない。エンドフェイズ時、自分の墓地に「マシュマロン」が存在する場合、このターン攻撃宣言を行ったモンスターは全て裏側守備表示になる。 <ふっくらさと弾力感は世界中のどのマシュマロよりも凄い。> MACK-JP033「狂料理-神聖なる肉球体(ホーリーシャイン・ミートボール)/Mad Cook-Mystical Shine Meatball」 速攻魔法 Rare 【効果】自分の墓地に存在する「神聖なる球体」の数だけ以下の効果を追加する。 1体:自分ライフは1500ポイント回復する。 2体:デッキから「創造の代行者 ヴィーナス」1体をフィールド上に特殊召喚する。 3体:自分の墓地に存在する「神聖なる球体」を全て手札に加える。 <神聖なる天使の魂を天使の肉と共にボール上にした料理。食べた者の願いを叶えるとされ一躍有名に。> MACK-JP034「狂料理-クリボー饅頭/Mad Cook-Kuriboh Bun」 速攻魔法 Rare 【効果】相手がコントロールするカードによってダメージを受けた時に発動する事ができる。このデュエル中、発動時に受けたダメージと同じ数値のダメージが発生する度、自分フィールド上に「クリボートークン」(悪魔族・闇・星1・攻300/守200)1体を守備表示で特殊召喚する。(生け贄召喚のための生け贄にはできない)このカードの発動時、自分の墓地に「クリボー」が2体以上存在していた場合、この効果はマッチ中適用される。 <クリボーを模した和菓子なのか、本当にクリボーを材料としているのか・・・。> MACK-JP035「狂料理-ダンディライオンのサラダ 綿毛添え/Mad Cook-Dandylion Salad」 速攻魔法 Rare 【効果】300ライフを払う。自分フィールド上に「綿毛トークン」(植物族・風・星1・攻/守0)を1体守備表示で特殊召喚する。その後、お互いに手札またはデッキから「ダンディライオン」1体を墓地に送る事ができる。 <タンポポモンスターの良さを余す所無くサラダに仕立てた一品。綿毛のフワフワ感が好評。> MACK-JP036「狂料理-ワイトクッキー/Mad Cook-Skull Servant Cookie」 速攻魔法 Rare 【効果】相手はデッキからお互いの墓地に存在する「ワイト」の数×2枚カードをドローする。このデュエル中、「ワイトキング」または「ワイト」が特殊召喚される度、自分のデッキからカードを1枚ドローする。 <骨が異常なまでに混入されているクッキー。一口食べる度に不気味な声が聞こえてくる。> MACK-JP037「狂料理-ランサー・ドラゴニュートシチュー/Mad Cook-Rancer Dragonute Stew」 通常魔法 Normal 【効果】自分のデッキから「ランサー・ドラゴニュート」1体を墓地に送る。発動ターンのバトルフェイズ時、フィールド上のモンスターは以下の効果を得る。このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手に戦闘ダメージを与える。 <槍を持った龍の肉を使ったシチュー。クリーミーなのに力強い味が貴方の心を突き刺すだろう。> MACK-JP038「狂料理-アックス・ドラゴニュートカレー/Mad Cook-Axe Dragonute Curry」 通常魔法 Normal 【効果】自分のデッキから「アックス・ドラゴニュート」1体を墓地に送る。発動ターンのバトルフェイズ時、フィールド上のモンスターは以下の効果を得る。このカードは元々の属性を「闇」として扱う。このカードは攻撃した場合、ダメージステップ終了時に守備表示にする事ができる。 <斧を持った龍の肉を使ったカレー。激辛スパイスとの相性に貴方の脳天も叩き割られるはず。> MACK-JP039「狂料理-クレインの丸焼き/Mad Cook-Barbecue a Crane」 通常魔法 Normal 【効果】フィールド上の「聖鳥クレイン」1体を生け贄に捧げる。デッキからカードを2枚ドローする。 <聖鳥とされるクレインを大胆に丸ごと焼いた料理。聖なる夜は注文も殺到する。> MACK-JP040「狂料理-レインボー・フィッシュの刺身/Mad Cook-Sashimi Of 7 Colored Fish」 通常魔法 Normal 【効果】フィールド上の「レインボー・フィッシュ」1体を生け贄に捧げる。自分ターンで数えて7ターン後のエンドフェイズ時、お互いの手札・フィールド上に存在するカードの合計枚数が7枚だった場合、このデュエルに勝利する。 <その身の色と捕まえる事が困難な事から世界でも最も貴重な刺身の1つだ。> MACK-JP041「狂料理-トレントケーキ/Mad Cook-Trent Cake」 通常魔法 Normal 【効果】フィールド上の植物族モンスター1体につき、自分ライフは400ポイント回復する。自分の墓地に「トレント」が存在する場合、更に3300ポイント回復する。 <森の守り神をイメージして作られたチョコレートケーキ。その見た目から植物の愛好家に人気。> MACK-JP042「狂料理-マッド・ロブスターの蒸し焼き/Mad Cook-/Bake The Mad Lobster In a Casserole 」 通常魔法 Normal 【効果】フィールド上の表側表示モンスター1体を指定する。指定モンスターとその同名のモンスターが召喚・特殊召喚される度、お互いにデッキからモンスター1体を選択しフィールド上に特殊召喚する。この効果は「マッド・ロブスター」が墓地に存在する限り適用される。 <凶悪な味が刺激的な世界随一のロブスターを蒸し焼きにしたもの。1度食べたら忘れられず、人生をも狂わせる。> MACK-JP043「狂料理-ミノタウルスステーキ レア/Mad Cook-Battle Ox Steak,Rare」 永続罠 Normal/Parallel 【効果】フィールド上の「ミノタウルス」か「激昂のミノタウルス」を1体生け贄に捧げる事で発動。このカードは発動後モンスターカード(獣戦士族・炎・星5・攻0/守1000)となり、自分のモンスターカードゾーンに守備表示で特殊召喚する。このカードが特殊召喚に成功した時、相手ライフに1700ポイントダメージを与える。このカードを除くフィールド上の獣戦士族・獣族モンスター1体を墓地に送る事で、自分の墓地またはデッキから「狂料理-ミノタウルスステーキ ミディアム」1枚の効果を発動する。(このカードは罠カードとしても扱う。) <牛の怪物のステーキ。肉汁が多く、生の食感を楽しみたい方に人気。>内部温度55~65℃以下。 MACK-JP044「狂料理-ミノタウルスステーキ ミディアム/Mad Cook-Battle Ox Steak,Medium」 永続罠 Normal/Parallel 【効果】フィールド上の「ミノタウルス」か「激昂のミノタウルス」を1体生け贄に捧げる事で発動。このカードは発動後モンスターカード(獣戦士族・炎・星6・攻1700/守1000)となり、自分のモンスターカードゾーンに特殊召喚する。このカードが特殊召喚に成功した時、相手フィールド上のモンスター1体をゲームから除外する。このカードを除くフィールド上の獣戦士族・獣族モンスター1体を墓地に送る事で、自分の墓地またはデッキから「狂料理-ミノタウルスステーキ ウェルダン」1枚の効果を発動する。(このカードは罠カードとしても扱う。) <牛の怪物のステーキ。中心部の火の通り具合が丁度良く、切ると肉汁が少ししか出ない万人に愛される焼き加減だ。>内部温度65~70℃ MACK-JP045「狂料理-ミノタウルスステーキ ウェルダン/Mad Cook-Battle Ox Steak,Well-Done」 永続罠 Normal/Parallel 【効果】フィールド上の「ミノタウルス」か「激昂のミノタウルス」を1体生け贄に捧げる事で発動。このカードは発動後モンスターカード(獣戦士族・炎・星7・攻1700/守1000)となり、自分のモンスターカードゾーンに特殊召喚する。このカードが特殊召喚に成功した時、相手フィールド上のカード1枚をゲームから除外する。(このカードは罠カードとしても扱う。) <牛の怪物のステーキ。表面・中共に充分火が通っており、切っても肉汁は少ない。>内部温度70~80℃ MACK-JP046「狂料理-シルバー・フォングの味噌汁/Mad Cook-Silver Fang Miso Soup」 永続罠 Normal 【効果】手札から「シルバー・フォング」1体を墓地に送る事で発動。フィールド上の獣族モンスターに装備カードが装備される度、相手ライフに1000ポイントダメージを与える。この効果によって相手ライフが1200以下になった時、このデュエルに勝利する。 <白銀の狼を長時間煮込んだ味噌汁。飲む度に心と体を熱くし、器が空になる頃には暴れ出したくなる程の高揚感に達する。> MACK-JP047「狂料理-ワイルド・ラプター煎餅/Mad Cook-Uraby Rice Cracker」 永続罠 Normal 【効果】手札から「ワイルド・ラプター」1体を墓地に送る事で発動。フィールド上の恐竜族モンスターの元々の攻撃力は1500になり、1度のバトルフェイズ中2回攻撃する事ができる。 <野性味溢れる肉食恐竜の肉を挟んだ煎餅(せんべい)。ワイルドにバリバリ音を立てて食べるのがこの食べ物における作法。> MACK-JP048「狂料理-プチモスパン/Mad Cook-Petit Moth Bread」 永続罠 Normal 【効果】手札から「プチモス」1体を墓地に送る事で発動。自分のデッキまたは融合デッキから昆虫族モンスター1体をフィールド上に特殊召喚する。このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。 <蛾の幼虫を粉末にしたものを生地に使用したパン。魔界にとっては此方が本当の『むしパン』なのである。> MACK-JP049「狂料理-寄生虫パラサイドパスタ/Mad Cook-Parasite Paracide Pasta」 カウンター罠 Normal 【効果】手札から「寄生虫パラサイド」1体を墓地に送る。モンスター1体の召喚・反転召喚を無効にし、それを破壊する。このデュエル中、お互いのフィールド上・手札・デッキ・融合デッキのモンスターの種族は昆虫族としても扱う。 <寄生虫だらけのパスタの盛り合わせ。これを食べきった者は人間ではまだ一人も存在しない。> MACK-JP050「狂料理-スカラベの煮転がし ファラオ風/Mad Cook-Scarabs Boiled in Broth」 カウンター罠 Normal 【効果】自分フィールド上に表側表示で存在する「スカラベの大群」1体を生け贄に捧げる。モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚を無効にし、それを破壊する。その後、自分の墓地から星2以下のアンデット族モンスターを2体まで特殊召喚する事ができる。 <古代的な調理法で作られる黄金虫(こがねむし)料理。隠し味はミイラの脳味噌。> MACK-JP051「狂料理-イナゴの佃煮 ファラオ風/Mad Cook-Locusts Sweetened Soy Sauce」 カウンター罠 Normal 【効果】自分フィールド上に表側表示で存在する「イナゴの軍勢」1体を生け贄に捧げる。魔法・罠カードの発動を無効にし、それを破壊する。その後、自分の墓地から星2以下のアンデット族モンスターを2体まで特殊召喚する事ができる。 <古代的な調理法で作られる蝗(いなご)料理。ゾンビソースが味を締める。> MACK-JP052「狂料理-キラー・トマトスパゲッティ/Mad Cook-Spaghetti a Mystic Tomato」 カウンター罠 Normal 【効果】自分フィールド上の「キラー・トマト」1体を生け贄に捧げる。相手モンスター1体の攻撃を無効にし、それを持ち主のデッキの1番下に置く。 その後、デッキから守備力1500以下の闇属性モンスター1体を自分のフィールド上に表側守備表示で特殊召喚する。 <邪悪な顔のあるトマトを潰して作ったソースが絡めてあるスパゲッティ。> MACK-JP053「狂料理-氷岩魔獣アイス/Mad Cook-Shaved Ice Of Freezing Beast」 カウンター罠 Normal 【効果】手札から「氷岩魔獣」1体を墓地に送る。効果モンスターの発動と効果を無効にし、そのモンスターを破壊する。その後、自分の墓地に存在する「灼岩魔獣」1体をフィールド上に特殊召喚する事ができる。 <氷の魔物を砕いてシャーベットアイスにしたデザート。急いで食べると全身が凍ってしまうので注意。> MACK-JP054「狂料理-灼岩魔獣ドリンク/Mad Cook-Burning Beast Drink」 カウンター罠 Normal 【効果】手札から「灼岩魔獣」1体を墓地に送る。カードの効果によって発生するダメージを無効にし、相手フィールド上のカードを1枚破壊する。その後、自分の墓地に存在する「氷岩魔獣」1体をフィールド上に特殊召喚する事ができる。 <炎の魔物を液体になるまで濾過精製したもの。一気に飲むと内蔵が燃え尽きてしまうので注意。> MACK-JP055「狂料理-ライトニングデーモンラーメン/Mad Cook-Lightning Skull Ramen」 通常罠 Rare 【効果】自分フィールド上の「デーモンの召喚」か「迅雷の魔王-スカル・デーモン」を1体生け贄に捧げる。生け贄に捧げたモンスターによって以下の効果を得る。 ●「デーモンの召喚」:相手フィールド上の攻撃力2500以下の表側表示モンスターを全て破壊する。 ●「迅雷の魔王-スカル・デーモン」:サイコロを1回振り、出た目の数だけフィールド上のカードを破壊する。 <迅雷の悪魔をそのまま煮込んだスープで作られた悪魔汁ラーメン。他の材料では到底味わえない邪悪で痺れる味。> MACK-JP056「狂料理-ジェノサイドキングサーモンの燻製/Mad Cook-Smoked Terrorking Salmon」 通常罠 Rare 【効果】「ジェノサイドキングサーモン」が墓地に送られた時に発動。次の相手バトルフェイズ開始時、自分の墓地から魚族の通常モンスター1体をフィールド上に特殊召喚する。このカードが他のカードの効果によって手札から墓地に捨てられた場合、自分のデッキから「ジェノサイドキングサーモン」1体を手札に加える。 <暗黒海で水揚げされた貴重なシャケをスモークしたもの。卵も然る事ながら身も破壊的に美味い。> MACK-JP057「狂料理-ジェノサイドキングサーモンの卵/Mad Cook-Egg Of Terrorking Salmon」 通常罠 Rare 【効果】自分の墓地から「ジェノサイドキングサーモン」1体をゲームから除外する。自分フィールド上に「リトルサーモントークン」(魚族・水・星1・攻/守100)2体を守備表示で特殊召喚する(生け贄召喚のための生け贄にはできない)。 <暗黒海で稀に獲れるシャケの卵。非常に美味しい卵で通に言わせると生に限る。> MACK-JP058「狂料理-リーフ・フェアリーチョコレート/Mad Cook-Woodland Sprite Chocolate」 通常罠 Rare 【効果】フィールド上の「リーフ・フェアリー」1体を生け贄に捧げる。生け贄に捧げたモンスターに装備されていた装備カードの数だけ以下の効果を得る。 ●0枚以上:相手ライフに500ポイントダメージを与える。 ●1枚以上:相手ライフに1000ポイントダメージを与える。 ●2枚以上:フィールド上に表側表示で存在する魔法・罠を全て持ち主の手札に戻す。 ●3枚以上:フィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て持ち主の手札に戻す。 ●4枚:自分のデッキから植物族モンスターを可能な限りフィールド上に特殊召喚する。 <葉っぱの妖精から作った魔法のチョコレート。食べると森に訪れた様な気分になれる。> MACK-JP059「狂料理-グリグルグラタン/Mad Cook-Griggle Gratin」 通常罠 Rare 【効果】相手ライフが1000ポイント以上回復した時に発動。フィールド上に存在する全てのモンスターは、元々の持ち主の手札に戻る。その後、自分の手札からレベル3以下のモンスター1体を特殊召喚する事ができる。この効果によって「グリグル」が特殊召喚された場合、そのコントロールは相手に移る。 <謎の植物生命体を使ったグラタン。自然の香りとミルキーな風味が心身を温める。> MACK-JP060「狂料理-アメーバゼリー/Mad Cook-Ameba Jelly」 通常罠 Rare 【効果】自分ライフがカード効果によって1000ポイント以上ダメージを受けた時に発動。フィールド上に存在する全てのモンスターは、元々の持ち主の手札に戻る。その後、自分の手札からレベル3以下のモンスター1体を特殊召喚する事ができる。この効果によって「アメーバ」が特殊召喚された場合、そのコントロールは相手に移る。 <謎の原生動物を使ったゼリー。多くの手は加えず、素材そのままの味を楽しめる様に最小限の調理を施してある。> MACK-JP061「料理番組-狂の料理/Cooking Program-The Mad Cooking」 通常魔法 Secret/Ultimate 【効果】自分の墓地に存在する「狂料理」と名のついた魔法・罠を3枚まで選択する。選択したカードの数×1ターン後の自分スタンバイフェイズ時、自分のサイドデッキからそのカード効果に記載されたモンスターを1体ずつ手札に加える。「黄金の料理長」が自分フィールド上に存在する場合、手札に加えたモンスターを全て特殊召喚する事ができる。 <「本日も定番から個性溢れる一皿まで毎日の食卓が楽しくなる料理を紹介します。」―番組司会者> 戻る
https://w.atwiki.jp/tuku/pages/46.html
桶狭間での今川ヨシモト大敗から数日後。甲斐の国、躑躅ヶ崎館には、そのヨシモト本人が出向いていた。 突然のヨシモトの来訪に、甲斐の人々は『再度の織田ノブナガ征伐のための助力を願いに来たのだろう』と噂をしていた。 そして、助力がなれば、織田ノブナガなど相手にならないとも噂をしていた。 ヨシモト様とお館様が共に戦えば、あの越後の龍、軍神上杉ケンシンでも太刀打ちできないだろう、と。 お館様……甲斐を治める戦国乙女、武田シンゲン様がお力を貸せば、織田ノブナガなど相手にならない、と。 「お久しぶりですわね、シンゲンさん。川中島では大変だったそうですけど、お体は大丈夫ですの?」 躑躅ヶ崎館の一室。豪華な屏風が飾る部屋に通されたヨシモトは、この館の主と向かい合っていた。 その人物は、顔にはいくつもの傷が付いており、せっかくの美貌を損ねているように見える。 が、一度でもその人物と話せば、その傷も彼女の魅力を際立たせる化粧の一つに過ぎないと感じてしまう。 「おう!さすがはケンシンだな!こっぴどくやられちまった!わっはははは!」 「あらあら、やられたなどと、冗談を言って……兵隊さんたちの話では、判定勝ちだと言うことでしたが?」 ニコリとほほ笑み、そう答えるヨシモト。 やられたと言った本人が、そうは思っていないことはその態度を見れば一目瞭然である。 「はっははははは!そうだな、あれは判定勝ちだな!まぁケンシンもそう言ってるんじゃねぇかな?わっははははは!」 大きな口をあけて膝を叩き、豪快に笑う人物。 彼女こそが越後の龍、軍神上杉ケンシンと互角に渡り合う戦国乙女、武田シンゲンその人である。 「そういうおめぇこそ、織田ノブナガにコテンパンにやられたというじゃねぇか。 3万連れてったんだろ?それでやられたって本当か?」 「……えぇ、完膚なきまでに負けちゃいましたわ。さすがはノブナガ様でしたわ。 わたくしなどが、戦いを挑んだこと自体が間違いでしたの」 頬を赤く染め、ほぅっとため息を吐き、何かを思い出しながら話すヨシモト。 今まで見たことのない彼女の表情に、怪訝そうにじろじろと彼女の顔を見るシンゲン。 その顔は、『コイツ、負けて何で嬉しそうな顔してるんだ?』と言いたげな表情だ。 「ふぅ~ん、ノブナガに負けを認めちまうってのか。……ま、いいや。 で、そのぼろ負けした今川ヨシモトさんが、この武田シンゲンになんのようだ?」 赤い顔をして何かを思い出し、ほぅっとため息をついていたヨシモトは、シンゲンの言葉で我に返る。 「……ところで氏真はお元気?今日も元気に歌っているのかしら?」 我に返ったヨシモトは、以前にシンゲンへプレゼントした小鳥に話題を移す。 そんなヨシモトにますます怪訝な眼差しを向けるシンゲン。 「うじざね?そんなヤツ知らねぇな。おい!ウチにうじざねとかいうやつ、いたか?」 首を捻りながらシンゲンは、廊下に控える部下に問いかける。 するとそのような者は、我が軍勢には属しておりませんとの返答が。 「お前の気のせいじゃねぇか?ウチにはうじざねなんてやつ、いねぇぞ?」 「あらあら、イヤですわねぇ。わたくしが差し上げた可愛い小鳥さんのことですよ。 今日も元気に歌っているのかしら?」 小鳥?小鳥と言われたシンゲンは、首をかしげて考え出した。 そんなシンゲンを無視して話すヨシモト。彼女はここへ来た目的を果たそうと、話を進める。 「ねぇシンゲンさん。氏真のような小鳥さんは、人間の手で育てないと厳しい自然界では生き残ることが厳しいのです」 「小鳥小鳥……あああ!あの鳥かぁ!」 首を傾げてウンウンと唸りながら思い出そうとしていたシンゲン。 やっと思い出したのか、拳で手のひらを叩き、ウンウンと頷く。 「小鳥さんたちが生き残るためには、主となる人間に巡り合わなければいけないのです。 氏真にとってはその主がシンゲンさんなのです。シンゲンさんの元にいるからこそ、安心して歌を歌えるのですよ。 ……それは、わたくし達も同じこと。この戦国の世を生き残るためには、すばらしい主に仕えることが一番なのです」 頷くシンゲンを無視して話し続けるヨシモト。 ノブナガにほめて貰う為、シンゲンを口説き落とそうと必死のようだ。 「おお、やっと思い出した!前にもらったあの鳥か!」 「そう、その小鳥さんですわ。その小鳥さんの氏真のように、わたくしは素晴らしい主となるお方を見つけたのです。 シンゲンさん、あなたもそのお方の下でお働きになられてはどうでしょう?」 ヨシモトはニッコリとほほ笑み、シンゲンにノブナガへの服従を促した。 しかし、シンゲンの口から出た言葉は、予想だにしない言葉だった。 「あの鳥な、美味かったぞ!」 「上杉ケンシンとの戦に明け暮れているようでは、いつまで経っても甲斐の国も栄えませんわ。 ですからわたくしと共に、ノブナガ様に仕えて天下を統一し、平和な世を作り上げ……う、美味かった?」 「おう!美味かった!小さい割には肉汁がたっぷりと出て、メシが進んだぞ」 「に、肉汁?ご飯が進んだ?」 「また美味い鳥を送ってくれよな!はっはははは!」 豪快に笑うシンゲンの目の前で、大きくアングリと口を開け、呆然とするヨシモト。 まさか卵から孵した可愛い小鳥が、食べられているとは思いもしなかったようだ。 「今度は2,30羽送ってくれよな。一羽だけだと喰い足りないんだよ」 「き……きぃぃぃぃぃぃぃぃ~!この野蛮女!バカ女!大食い女!バカバカバカバカ!大バカ~!」 豪快に笑うシンゲンの前で我に返ったヨシモトは、怒りを爆発させ、シンゲンに飛び掛る。 「お、おわ!なにしやがる!」 「うるさい!このバカ女!底なし胃袋!あなたなんてノブナガ様にやられちゃえばいいんですわ!」 「いってぇ!よくもやりやがったな!この世間知らずなアホお嬢様め!」 顔を引っかいてくるヨシモトの髪を引っ張り、押し倒すシンゲン。 馬乗りになり、お返しとばかりにヨシモトの顔を引っかく。 「いきゃ!よ、よくもこのわたくしの顔に……きぃぃぃぃぃぃぃ~!許しませんわ!」 馬乗りのシンゲンを振り落とし、再度飛び掛るヨシモト。それを迎え撃つシンゲン。 「やるかぁ!このアホの子め!」 「うるっさいですわ!田舎者!甲斐の山奥でのたれ死ねばいいんですわ!」 「い、田舎者だとぉ~!このやろおぉぉぉぉ!」 「氏真のカタキぃぃぃ~!」 爪を立て、シンゲンを引っかくヨシモト。それに応戦するシンゲン。 8人の戦国乙女に名を連ねる2人の戦いとは思えない、まるで子供のような喧嘩をするシンゲンにヨシモト。 お互いの顔が引っかき傷だらけになったところで、呆れ顔のシンゲンの部下が2人を引き離す。 「はぁ!はぁ!はぁ!よ、よくも氏真を、お食べになりましたわね!」 「うるせぇ!貰ったもんをどうしようが勝手だろ!」 「きぃぃぃぃぃぃ~!ゆ、許しませんわ!わたくしはあなたを絶対に許しません!同盟なんて破棄ですわ! ノブナガ様に言って、上杉よりも先にあなたを攻め滅ぼしてもらいますわ!」 「おう!いつでもかかって来い!甲斐の武田シンゲンは逃げも隠れもしねぇぞ!」 「泣いても許しませんわよ!覚えていらっしゃい!」 床をダンダンと蹴るように踏み鳴らし、屋敷を出て行くヨシモト。 その背中を見ながら、2人の喧嘩を止めた部下に話しかける。 「……なぁ、ヨシモトは織田ノブナガのことをノブナガ様と言ってたよな?」 「えぇ、そうおっしゃってましたね」 「ってことはあれか?桶狭間で負けて、ノブナガに降ったってことなのか?」 「そのようですね。噂によれば、明智ミツヒデ、豊臣ヒデヨシの2人もすでに降っているとか」 部下の話に両腕を組み、何かを考え出した。 「う~ん、さすが榛名を手に入れただけはあるな。こりゃ早めに叩かなきゃ私も危ないな」 「……ですね。もはや上杉ケンシンに拘っている場合ではありませんね」 シンゲンの意図を汲み取り、ニヤリと笑みを浮かべる部下。 それにつられてシンゲンも笑みを浮かべる。 「……ヨシモトに同盟破棄されちまったな」 「されましたね」 「……ということは、ヨシモトとは敵同士ってことだよな?」 「そうですね。おまけに今、駿河にはろくな備えもありませんね」 部下の言葉に体をブルリと震わせて、ニヤリと笑い、命令を下す。 「……いっちょ攻め取るか!おし!出陣の準備をいたせ!動ける者どもだけでいい、今すぐ出陣じゃぁ~!」 「ははぁ~!」 こうして武田シンゲンは、主のいない駿河の国をいともたやすく手に入れた。 その主はというと……ノブナガの元へ帰る途中に寺により、シンゲンに食べられた氏真の供養をしていた。 そして位牌を抱きしめながら虚ろな顔で輿に乗り、ノブナガの元へと帰っていった。 ヨシモトがノブナガの元へと帰り着いたのは、シンゲンが駿河を攻め落としてから3日後のことだった。 「……ただいま戻りましたわ」 位牌を胸に抱きしめ、沈んだ面持ちのヨシモト。 そんな彼女の様子に首をかしげ、何があったんだといった表情で出迎えるノブナガ。 背後に控えるヒデヨシも首を傾げている。 「で、どうだった?シンゲンは我の配下に降りそうか?」 「ノ、ノブナガ様……ノブナガさまぁ~!ひぇぇぇぇぇ~ん!」 大粒の涙を零し、ノブナガに抱きつきその豊満な胸に顔を埋めるヨシモト。 ノブナガはヨシモトの突然の行動に驚き、咥えていた煙管を落としてしまう。 「おわぁ!き、貴様突然なにをするか!」 「シ、シンゲンなんて、やっちゃってくださいな!あんな田舎者、ノブナガ様の配下になんかいりませんわ!」 「あぁ?貴様がシンゲンを配下にしようと持ちかけてきたのであろう?それが何故急に倒せと言うのじゃ?」 甲斐に行くまでは、シンゲンとの再開を楽しみにしており、共に戦えると嬉しそうに話していたヨシモト。 そのヨシモトが帰ってくるなりシンゲンを敵視している。 ノブナガでなくても怪しむのは当然であり、ヒデヨシも頭の上にはてなマークを浮かべている。 「だって、だってシンゲンは、わたくしが卵から孵したカワイイ氏真を……ひぇぇぇぇぇ~~ん!」 大きな口をあけ、ワンワンと泣きじゃくるヨシモト。 自身の胸に顔を埋め、泣きじゃくるヨシモトに、呆れ顔のノブナガ。 そろそろ面倒くさくなってきたのか、ヨシモトの髪を掴み、引き離そうとしたその時、 大慌ての伝令がノブナガの元に駆け込んできた。 「も、申し上げます!す、駿河の国が、せ、攻め落とされました!」 「なんじゃと!イエヤスが動いたのか?あの狸めぇ~、動きを見せずにいたのは我の隙を伺っていたか!」 抱きついていたヨシモトの髪を掴み、引き離すノブナガ。 引き離されたヨシモトは、目を大きく開けたままキョトンとしている。 伝令が何を言っているのか理解できていないようだ。 「違います!駿河を攻め落としたのは……武田です!武田シンゲンが駿河を攻め落としたのです!」 伝令の報告に、顔を青ざめるヒデヨシ。 ただでさえあの軍神上杉ケンシンと互角に戦えるシンゲンが、 先の戦いで疲弊しているとはいえ、3万もの軍勢を集めることの出来る駿河を手に入れた。 国力だけで言えば、ノブナガを上回る力を手に入れたシンゲン。 そして、駿河を攻め落としたとなると、ノブナガとは敵対するという意思表示でもある。 思わずヒデヨシはゴクリと唾を飲み込む。 シンゲンとケンシン。強敵2人を相手にどう戦えばいいのかと、ノブナガに視線を移す。 そのノブナガは、ニヤリと笑みを浮かべ、その表情は伝令がもたらした凶報を、まるで吉報かのように喜んでいるかのように見えた。 「え?シンゲンさんが?わたくしの国を?……うっきぃぃぃぃぃ~!ノブナガさまぁぁぁ~!ふぇぇぇぇ~ん!」 再度抱きついてきたヨシモト。ノブナガは笑みを浮かべたままヨシモトを引き剥がし、命令を下す。 「くっくっく……はぁ~っはっはっはぁ!面白くなってきたわ!我らの次の敵は、武田じゃ!武田シンゲンじゃ! 皆の者、出陣の準備をいたせ!ヨシモト!いつまでメソメソと泣いておる!泣くほど悔しければシンゲンを打ち倒すがよい! ヒデヨシ!我らがシンゲンを打ち倒すまで、留守を守っておれ!……シンゲン、我を敵にしたことを後悔するでないぞ!」 こうしてノブナガは、守将としてヒデヨシを残し、 復讐に燃えるヨシモトを引き連れ、シンゲン討伐のため、甲斐へと出陣した。 駿河の国を攻め落としたシンゲンは、ヨシモトの居城だった駿府城に入った。 今川家が先祖代々築き上げてきた、駿河が誇る名城、駿府城。 新たな城主として、駿府城に入ったシンゲンは、長年の夢でを叶えるために、配下の兵に命令を出した。 そして、その夢は、今、彼女の目の前にある。 シンゲンは、長年の夢であった大量の海の幸を目の前に並べ、朝食を楽しんでいる。 大きな丼に山のように盛られた白米を、新鮮な海の幸と共に次々と口に運び、そのたびに膝を叩き美味いと声をあげている。 程よく油の乗った焼き魚を口に入れては美味いと感動し、新鮮な刺身を口に入れては幸せそうに頬を綻ばせる。 そんなシンゲンの様子を見て、思わず頬が緩む兵士達。 彼女達はそんな気取らないシンゲンが大好きで、彼女のために戦に明け暮れているのだ。 「も、申し上げます!お、織田ノブナガが甲斐に攻め込んできました!」 そんな幸せなひと時を終わらせる伝令兵の報告。しかしシンゲンは慌てることなくご飯を食べ進める。 「おう、やっと攻めてきたか。……やっぱ新鮮な刺身はうめぇな!おかわり!」 山のように白米が盛られた丼を空にして、満面の笑みを浮かべ、おかわりと丼を差し出す。 「で、ノブナガの兵力はどのくらいなんだ?」 シンゲンの顔が隠れるくらいに白米が盛られた丼を受け取り、醤油をつけた刺身をその白米の上に乗せる。 醤油が白米にしみるのをしばらく待ち、頃合を見て一気に口の中にかきいれる。 「は!軍勢自体は1万と、たいしたことはありません。しかし……」 「うめぇ!醤油が染み込んだら美味さ倍増だな!」 刺身を堪能したシンゲンは、焼きたての油の乗ったアジの開きに箸をつける。 丼を持ったままアジの身を取ろうとするも、なかなか上手く取ることが出来ない。 業を煮やしたシンゲンは、アジの開きを頭からガブリとくわえ込み、むしゃむしゃと噛み砕く。 「その軍勢の中に、織田家の旗以外に、今川家の旗があるのを確認しております」 「ヨシモトか?……う、うめぇぇぇぇぇ~!っくぅぅぅぅ~~!海の幸、最高だな!おめぇらも喰えよ!」 ノブナガ軍が攻めてきたというのに、食事を止める様子がまったくない。 部下もそれが当たりのように、次々と新たにおかずをシンゲンの前に差し出す。 それを次々と口の中に放り込み、そのたびに美味いと声をあげ、膝を叩くシンゲン。 彼女の朝食が終わったのは、もうお昼近くになった頃だった。 「ふぅ~、ちっと足りねぇが、ま、こんなもんだろ」 重なり合った空になったおひつを前に、満足げな表情でおなかを叩くシンゲン。 今まで食べていた物が、その細いおなかのどこに消えていったのだろう? シンゲンと食事を共にした者は、必ず疑問に思うことだ。 しかし配下の兵達はもはや慣れてしまったのか、誰一人として疑問に思わない。 「おっし、いっちょノブナガと戦るか!」 爪楊枝を、シ~シ~と咥えていたシンゲンは、膝を叩き立ち上がる。 「さっさとノブナガを潰し、ケンシンとの決着をつけなきゃいけねぇしな! ヨシモトも一緒ってのが、少しやっかいだが、どうにかなるだろ?はっはっは!」 豪快に笑うシンゲンにつられ、兵たちも笑みを浮かべる。 「では、これより我が軍は織田ノブナガを迎え撃つために甲斐へ戻る!……昼飯は寿司がいいな。いっぱい作ってくれよ?」 今、朝食を食べ終えたばかりだというのに、もう昼食の心配をするシンゲン。 彼女にとっては、ノブナガ軍よりも昼食のほうが重要なようだ。 「お主がシンゲンか?我の配下、ヨシモトが世話になったそうじゃなぁ」 「お前がノブナガか!よく甲斐に攻め込んできたな、根性だけは認めてやらぁ! だがなぁ、ここから先は一歩も踏ませねぇ!ぶっ倒してやらぁ!」 「ぬかせ!この田舎侍が!」 甲斐に攻め込み、抵抗らしい抵抗を受けずに次々と支城を攻め落としたノブナガ軍。 シンゲンの居城、躑躅ヶ崎館へあと少しといったところで、ついにシンゲン本軍と遭遇した。 ノブナガ軍1万に対し、シンゲン軍は6千。 数の上ではノブナガ軍が有利なはずだったのだが、いざ戦ってみると、ノブナガ軍は攻め込まれ、劣勢に立たされた。 幾度となく軍神、上杉ケンシン軍と戦い、生き残ってきた強兵ぞろいのシンゲン軍に、ノブナガ軍は歯が立たないかと思われた。 しかし、この戦いからノブナガ軍の一員として戦うことになったヨシモトの活躍で、どうにか総崩れとはならずに戦っている。 その激しい戦の最中、ついにノブナガとシンゲン、両雄が会い見えた。 互いに挑発をし、ノブナガが先手必勝とばかりに、その手にした大剣を振り下ろし攻撃! しかしシンゲンはなんなく軍配で払いのけ、その勢いで、ノブナガ目がけ軍配を振る。 軍配により作り出された竜巻が、ノブナガを襲い、その突風により、吹き飛ばされたノブナガ。 唖然とするノブナガに対し、軍配を肩に担ぎ、豪快に笑うシンゲン。 もはや勝負は付いたと言わんばかりの笑いようだ。 「はっはっはっは!どうしたノブナガ!榛名の力を手に入れたのではなかったのか? 手に入れてその弱さか?そんな弱さでこのシンゲンに挑もうとは片腹痛いわ!」 「……くっくっく、はぁ~っはっはっはぁ!さすがは武田シンゲンよな!こうでなくては面白くないわ!」 唖然としていたノブナガは、シンゲンの挑発に笑みを浮かべ、再度大剣を構え、担ぎシンゲンに襲い掛かる。 シンゲンはもはや勝負は付いたとばかりに、襲い掛かってくるノブナガに対し、再度軍配を振るい、竜巻を浴びせる。 これで勝負あり、だ。シンゲンがそう思った瞬間、ノブナガを襲ったはずの竜巻が2つに切り裂かれた。 竜巻を切り裂いたノブナガは、その勢いのままにシンゲンに襲い掛かり、シンゲンの頭上に大剣を振り下ろす! 思いもしないノブナガの攻撃に、間一髪で軍配で防ぎ、お互いにらみ合う2人。 「くっ、よくぞ防いだなぁ。さすがはシンゲンじゃな」 「くっ、まさか私の作り出した竜巻を切り裂くとはな!切り裂かれたのはケンシン以来だ!」 「はぁ~っはっはっは!では今日はこのノブナガが、ケンシンでさえ出来なかった敗北を味あわせてやろう」 「ぬかせ!貴様を血祭りに上げ、その勢いでケンシンを倒してやるわ!」 軍配に渾身の力を込め、ノブナガを弾き飛ばす。 弾き飛ばされながらも、見事に着地をし、視線はシンゲンから外さないノブナガ。 いつしか2人の周りを、お互いの配下の兵士が囲み、主を応援しだした。 「ノブナガ様!シンゲンなんてやっちゃってください!」 「シンゲン様!勝てば今日の晩御飯はイノシシのおなべですよ!」 応援を背に、にらみ合う2人。 お互いに隙をうかがっていたが、シンゲンが構えを説き、話しかける。 「さっき言ったな、切り裂かれたのはケンシン以来だってのはな……ありゃ嘘だ」 「……ほう?我とケンシン以外にもいると申すか?」 「いや、正確にはな、ケンシンが切り裂いたのはお前が切り裂いたのとは違う。 ……今から見せる技を切り裂きやがったんだ!この私の!一番の技を切り裂きやがった! あんな屁みたいな技を切り裂いていい気になってるんじゃねぇぞノブナガ! お前みたいなヤツがな、ケンシンと肩を並べようなんて……10年早いんだよ!」 怒りに震えるシンゲンが、ゆっくりと軍配を構える。 その尋常じゃない雰囲気に、ノブナガも大剣を構え、迎え撃つ用意をする。 「お前ごときが……ケンシンの名前を出すな!ふぅぅぅ~……喰らえ!炎竜軍配撃!」 気合一閃、軍配を振り下ろしたシンゲン。 その軍配から繰り出された竜巻が、否、炎を纏った竜巻がノブナガを襲う。 全てを巻き込み、ノブナガを目がけ進む炎の竜巻。 この技を喰らい、今まで無事だったものは、軍神上杉ケンシンしかいない。 これで織田ノブナガも終わりだ。シンゲン軍の兵士は、誰もが皆、シンゲンの勝利を確信した。 しかし、次の瞬間、ノブナガの叫び声が戦場に響き渡る。 「うおおおおお~!させるかぁ!非情ノ大剣~!」 炎の竜巻に襲い掛かる炎の衝撃波。2つの炎はぶつかり合い、お互いを消し飛ばした! 「な?バ、バカな?この私の炎竜軍配撃が、弾かれただと?」 「はぁ!はぁ!はぁ!さすがはシンゲンじゃ。この我の技と互角に渡り合うとはな」 渾身の力を込めたためか、肩で息をするノブナガ。 必殺の技を弾かれたシンゲンは、慌ててもう一度、技を繰り出そうと軍配を振り上げる。 ……丘の上から軍配を振り下ろすタイミングを計っている人物がいた。 一度目はタイミングが合わず、ノブナガを危険に晒してしまった。 しかし、一度見た技。次はタイミングを外すことは決してない。 彼女の自信の通りに、彼女の手から放たれた矢は、シンゲンが振り下ろそうとした軍配に当たり、その手から軍配が弾かれる。 一瞬、己の身に何が起きたのか分からずに、手から弾かれた軍配を見るシンゲン。 その隙を見逃すノブナガではなかった。 シンゲンが我に返った時には、すでに宙高くに舞い上がり、シンゲン目がけ、大剣を振り下ろしていた。 丘の上から、シンゲンが炎の衝撃波に襲われる様子を見て、ほほ笑むヨシモト。 倒れるシンゲンを見て、ヨシモトはニコリとほほ笑み、呟く。 「武田シンゲン、討ち取ったり」と。
https://w.atwiki.jp/higumaroyale/pages/83.html
ベン・トー外伝 ステーキ弁当210円 需要と供給、これら二つは商売における絶対の要素である。 これら二つの要素が寄り添う流通バランスのクロスポイント…… その前後において必ず発生するかすかな、ずれ。 その僅かな領域に生きる者たちがいる。 己の資金、生活、そして誇りを懸けて カオスと化す極狭領域を狩り場とする者たち。 ――人は彼らを狼と呼んだ。 ホーキーマート、スーパーに僕はいた。 自動ドアを開ければ吹き込んでくる空調によって整備された清潔な風が頬を撫でる。 いつものように元気ハツラツにいらっしゃいませー! と声をかけてくれるレジの店員さん達の前を横切り。 「うわっ」 思わず声を上げてしまうくらい立派な ヒグマの剥製が腕組みをして直立していたのを後ろに。 それにしても立派な剥製だ。 父さんに訓練の一環と称して真冬の北海道の名だたる山脈の登山を敢行したさいに 追いかけられたという思い出がなかったら 怪物かと思ってしまっただろうほどに大きい。 おまけにこんな状況でヒグマの剥製を展示するなんてブラックジョークの一種だろうか? 誰かに見られている感じがして辺りを見回したが こちらを視ているらしき人間はいなかった。 新鮮な彩り鮮やかな果物コーナーを目で楽しみ、 僕は惣菜コーナーを越えて弁当売場に辿り着いた。 「大変なことになったな、佐藤」 「佐藤さん」 背後から二つの女性ならではの柔らかな声に肩を叩かれた。 だが僕は振り返らず、弁当を凝視する。 僕達が立っているのは未来の戦場。 友達と生きあったからといってかしましくお喋りすることはできない。 「先輩、白粉」 激戦になるな、と僕の《狼》の直感が囁いた。 弁当コーナーに陳列されているのは僅か三つ。 「お前がここまで来られたのは喜ばしい。 だが…………」 「ええ、わかっています」 僕たちは今、殺し合いの場にいるらしい。 だがそんな時でも天下を取るのはいつだって食料を多く持っている者。 この光景、飽食の時代を象徴するかのような種々様々な商品が並んだ場所。 さながら物資のテーマパークと言ったところか。 横に僕と同じ《狼》、HPLT部の二人が並んでもなお。 背中に灼きつくビリビリとした視線は勢いをやまない。 それは、決して僕が片方は人外に等しいガチムチより這い寄りし混沌を超えた混沌であるとしても 外見は可愛い女の子を侍らせているという理由ではない。 《狼》がいつもに増して多い。 その数は10,いや15にもなるか。 倍率は単純に考えて5倍、もしも狙いの弁当が集中すれば激戦は更に混沌となる。 ところで侍らせているっていう響きのスケベな感じは良いよね。 決して直接的ではなく、なのにどこか淫らな印象があるっていう。 僕の僚友達も何度 『巨乳 メイド 侍らせる』 『猿でもわかる 妹 侍らせ方』 といった検索ワードを武器に 広大なネットというフィールドを探検したことか。 この単語に関して中学の頃の同級生、石岡君は彼にしては中々に興味深い考察を残して―― 話が逸れた。いつもなら延々と語ってたけど さすがに僕でも今の状況はやばいと思っているのだ。 とりあえず僕のに向けられた視線は男としての嫉妬ではなく、 好敵手へ向ける、未来の敵の動向を観察するという意味あいのものだ。 あ、でもどうかなあ。 僕、一応ハーレム系男子を目指しているから――尻を凝視されている―― やっぱりそういう出来る男のオーラってけっこう同性から見ても――僕のベルトをかちゃかちゃと―― ……僕には優雅な妄想で舞うことすら許されないというのか。 にちゃぁ、という音ともに黙っていれば小動物的な可愛らしさを持っている白粉が 恐怖撒きちらす魔王と化して鼻息あらく僕のズボンごとパンツを下ろそうと奮闘していた。。 ……とりあえず意図せずしてだろうが周りから見えないよう巧妙なポジショニングをとりながら 僕の尻の穴の具合を触診している白粉の後ろ髪を引っ張った。 「はぅっ!? す、すいません。 ここに来るまでにひょっとしてどこかのガチムチに 単一電池を尻の穴に入れられたんじゃないかと心配だったので具合を診ようと」 「単一電池は尻に入れるものじゃない!!」 いつも通り仰け反り、ぱたぱたと手を振り回す白粉、 ぱっと手を離した僕を先輩はクスクス笑う。 「まったく、こんな時でも変わらないな」 でも変わって欲しいこともあるんですよ先輩。 いや、白粉のことはもう諦めてますけども こう……あなたが自分の気持に素直になって。 火照った体が静まらないんだ、とか。 女の子だってエッチになるんだよ? とかチェリーボーイズが言われたい言葉トップ3にランク・インすること言いながら 僕にこうにじり寄ってくれたり。 でも後者はちょっと先輩に似合わないな。 もっと、こう、恥じらいながらもちょっと拗ねて口を尖らせて たまには後輩からせめて欲しいんだぞ☆っていやいや先輩は☆なんて使わないし。 考えろ、考えろ僕! 何が、何が先輩にベストフィットするかを! 「何を狙うか決めたか?」 「はい」 あ、はい。そうです。僕はこんなことを考えている場合ではないのです。 陳列されているのはいつもとは一風変わったものばかり。 やっぱりここが何時死ぬかわからない殺し合いというフィールドだからか バリエーションを狙うことは難しいらしく、一品料理ばかりだった。 ステーキ、カレー、カツ丼。 肉、肉、肉。 胸焼けしそうな光景かもしれないけど僕みたいな育ち盛りには嬉しい。 順に 『~ヒグマに負けない脂身をあなたに~ 安富よ、見るがいい。これが肉汁だ!ステーキ弁当』 『殺し合いにこそスパイスだ! 君は見たか辛さと汗の力をカレー』 『こんな場所だから産まれるのさ。肉と肉の絆が。フローラルな肉をそっと包んだ僕らの衣、友情カツ丼』 となっている。相変わらず攻めたネーミングだ。 普通弁当に『~』とか使わないからね。 「『~ヒグマに負けない脂身をあなたに~ 安富よ、見るがいい。これが肉汁だ!ステーキ弁当』にします」 「そうか、私は『殺し合いにこそスパイスだ! 君は見たか辛さと汗の力をカレー』だ」 「えっと、私は 『こんな場所だから産まれるのさ。肉と肉の絆が。フローラルな肉をそっと包んだ僕らの衣、友情カツ丼』です」 「月桂冠は出ますかね」 「どうだろうな」 小声でささやき合いながら獲物を定めた僕たちは弁当コーナーから お菓子売り場へと移動する。 僕達の力の源、腹の虫の加護は準備万端。 今か今かと解放の時を待ち構えている。 両の指先の末端まで臨戦態勢にし、 若干猫背になりながら僕は目の前のトップバリューのポップコーンを凝視した。 肩が触れ合うくらいに近くに先輩がいる。 彼女は堅揚げポテトコンソメ味を凝視していた。 先輩はコンソメ味派なのだろうか。 僕としてはコンソメの舌の上で転がる素朴ながらもコクのあるコンソメも捨て難いが ゆず味の堅揚げポテトを選ぶ。単純に好みの問題だ。基本的にどれも好きだけどね。 好みの問題、重要なワードだ。 セガ信者だからマイノリティ気味なベクトルを好むというわけではない。 遠く果てしないセガ信者の道の入門したての人間はよく 自分は選ばれたセガ信者などと必要以上に他を貶める振る舞いをしがちだ。 だが違うのだ。セガが僕達を選んだのではない。僕達がセガを選んだのだ。 その時、スーパー内でどよめきが、 少し遅れて僕達の体が数センチ程浮かぶのではないかという振動が襲った。 音がした方を見ると剥製が動いていたのだ。 ヒグマの、剥製が。天井すれすれの頭が陳列棚の上に飛び出していた。 「何だ気づかなかったのか?」 「いやいや気づきませんよ。っていうか何でみんな冷静なんですか!?」 「そうか、あいつはここに来てからずっと直立不動だったからお前は見ていないのか。 佐藤、彼の目をよく見てみるんだ」 先輩に諭されて僕はヒグマの目を見た。 その時、僕も周りの《狼》が逃げ惑ったりしない理由を悟った。 見るがいい。彼の瞳の気高さを「獣に押し倒されて尻の中を野生棒に蹂躙される佐藤さん。いいですよね」 そうじゃねえよ! 白粉の結った後ろの髪を例のごとく引っ張る。 それは飢えた者の眼だった。 しかし、決して己の意思に恥じることはしないという潔癖じみたプライドを湛えていた。 穴持たず、巣を持たない野生でありながら 僕達《狼》と穴持たずに共通するのは飢え、そこからの気高き勝利。 ヒグマもこのスーパーに来た時わかったのだろう。 ここには種族、身を置く場所が違えどが志を同じくする戦士たちがいるのだと。 穴持たずはじっくりと弁当を見渡す。 決して弁当に手を触れたりはしない。 それは、勝者となった時の感動を倍増させるためだろう。 指で弁当に触れようとせず、繊細な芸術を扱うようにジェントルマンに、ヒグマは接していた。 それで良いと誰もが頷いた。 僕達の心は勝手わからずとも相手の立場、自分の気持ちを慮るヒグマに さながら慈母のような瞳を向けていた。 取りに行く弁当を決めたのかヒグマは背を向け僕達のいる方へと歩いてくる。 僕とヒグマの視線が交差した。 すでに覚悟は完了している。 僕達が《狼》以前に生命の危機に関わるこんなおっそろしい場所にいてもなお、 HLPT(ハーフプライスラベリングタイム)を待っているのはきっと、目の前の彼と同じ。 彼は今までどれほどの心細さを味わってきたのだろう。 それでも彼は穴持たずとして生きてきたのだ。 大多数がぬくぬくとした住処を選ぶというのに。 僕の魂に燃える熱さは、セガ信者がセガ信者と遭遇した際に抱く 一種の闘技者同士が感じるシンパシー。 アブラ神が店内に降臨した。 いつもの三倍近くの《狼》を前に、彼の足取りは堂々と。 弁当に丁寧に半額のシールを貼り、 最後のひとつに月桂冠シールを貼ると、 最後に野生から文明へとやって来てなお弁当を求めるヒグマへと敬意の一礼し、ドアは重々しく閉じられた。 息を潜めた《狼》が我先にと弁当へ駆け抜ける。 ヒグマと僕達も同じく走りだした。 弁当売場の前にて交わされる激闘、それに勝ったものだけが食せる 勝利の一味が付与された極上のディッシュ、半額弁当。 《狼》の中には名前を知らずとも強敵(とも)、戦友と言える絆で結ばれた 顎鬚、坊主、立派な果実をゆっさゆさと揺らす二つ名持ちの茶髪もいる。 誰もが知っていた。 今はこんなことしてる場合じゃないと。 だが僕たちは知っていた、ヒグマと同じく。 生命の危機だからこそ。 腹が減っては戦は出来ず。 真理だった。 顎鬚と坊主が大乱戦のただ中に突っ込む。 二人とも二つ名を持っているわけじゃないけど名の知れたハゲと顎鬚だ。 けれどそんな二人をして、呆気なく吹き飛ばされるあたり、 今日は強豪が集まっている。 それも恐らく全国からだ。 こんな状況においてもっとも有利に動けるのは 相手の隙を潜ってのステルスを得意とする白粉だが 今回は些か荷が重すぎるのだろう、入りあぐねている。 僕と先輩が背中合わせとなって乱戦に交じった。 すぐに来るのは目の前の小太りの男からの正拳突き。 良いパンチだ、お腹が空いてなかったら鳩尾に決まっていた。 だが僕は素早く足払いをして難なく躱す。 先輩は最強の《狼》のひとりに数えられるだけあって頼もしい。 脚線美から繰り出される分厚い上げ底ブーツの蹴りは軌道が不規則で読み難く 一撃一撃は多少軽いが、それでも標準以上をキープしているのだ。 立て続けにもらえば足に力が入らなくなるだろう。 両サイドからの攻撃、 一方は肘に掌底をあて、もう一方には裏拳を。 「背中を借りるぞ、佐藤!!」 背後からの掛け声に僕は応じ、 背中に内本君ならこれだけで至福を得ただろうブーツの感触、 そして次の瞬間には僕の肩を発射台に先輩が飛び蹴りをお見舞いした。 「来るぞぉ!!」 全身に戦慄が走った。 父さんとの登山、ひょっとしたら天狗に会えるんじゃね?という無茶な、 オブラートに包めば冒険心にあふれた思いつきの果てにヒグマに追いかけられた僕だから察知できたのだろう。 全身に打撃を食らいながらも身を丸めて少しでもその場を離れようと藻掻く。 すぐ横を嵐が過ぎ去った。比喩抜きで。 天高々と、ではない。天井があるのだから一度天上にぶつかり、バウンドし、床にあたり、またバウンドし。 バスケットボールのように《狼》達がバウンドしながら吹き飛ばされていった。 天井からパラパラと瓦礫と粉が落ちる。 お惣菜は店員さん達の神フォローによってすでにラップにくるまれていた。 ここが本当のホンキーマートでなくてよかった・ まあ、そもそも普通ならヒグマはこんなとこまで来ないけど。 そんなことをぼんやり考えたが、事態はそうも言ってられない。 ヒグマがすでに弁当の前に立っている。 突進は余波ですら僕達を大きく退かせる威力を持っていたせいで、 全員がヒグマより離れた場所にいる。 しまった……! そう思った僕の前でふわりと飛び上がるのは魔女。 そして、けしからん胸を揺らす《ガリートロット》の二つ名を関した茶髪。 「合わせろ!」 「オッケー!」 先輩が何回も宙で回転し遠心力を加えた飛び回し蹴り、 茶髪が大地を蹴ってバク宙する要領でお見舞いする下からの蹴り。 タイミングは申し分なしだったはず。 だが足りない。 二人の蹴撃は呆気なく弾かれ。 先輩はヒグマを逆に土台にしてすぐさま離れられたが、 茶髪は真正面からの打撃を腹部にもらい倒れた。 寸前に両腕でガードしていたから生命に別状はないだろう。 先輩は恐らくあの巨体なら上からの攻撃に弱いと思ったのだろう。 だがそれは間違いだ。奴は穴持たず。 つまり自然すら相手取って生き残ってきた生粋の猛者。 上方からの攻撃、それは嵐においてもっとも警戒すべき場所なのだ。 僕の父さん、自衛隊員が僕を囮に上方からのトラップで仕留めようという作戦を断念した理由はそこにある。 ならば弱点は何処かというと――難しい問題だ。 一度の突進で半分近くがダウンしている。 腹の虫の加護がなければすでに息絶えていただろう。 ヒグマの攻撃力はクレーン車並、 機動力はバイク、切断力は鉈。 どこを攻めればいいのか………… 「待てよ?」 僕はふと気がついた。 いったいどうしてヒグマは弁当をとらないのだろう? すぐ後ろにある弁当に手を伸ばせばそれで勝ち抜けなのに。 よく観察してみるとすぐにわかった。 ヒグマの手ではよほどデリケートに扱わなければ弁当は呆気なく爆散する。 何という悲劇か。これが文明なき世界に生きる上での代償か。 このヒグマ、弁当を掴むのが苦手なのだ。 ならば勝機はあると確信する。 「先輩、ヒグマの弱点は鼻面です!」 「ああ、それくらいなら私も知っていたが」 「私もはじめの一歩で読みました!」 やっぱり知ってるよね。 今戦えるのは顎鬚、坊主と僕、先輩、白粉、知らない狼が二人か。 「僕に続け白粉!」 僕は穴持たずによって崩壊した乱戦をもう一度形成しようと 雄叫びを上げてヒグマに突撃する。 横殴りに襲いかかる一撃を僕は天井に跳んで、 魔導師がやったように天上を足がかりに大きく前方へ飛び込む。 白粉がその後ろでヒグマの一撃後の隙を難なく縫って躱した。 風のうわさでは僕より二つ名定着が早いのではないかとされる白粉。 戦闘スタイルから月桂冠の獲得には恵まれていないが単純な勝率なら僕を上回りかねない。 僕がステーキ弁当へ、 白粉がカツ丼へ同時に手を伸ばしかけるも背後に殺気を感知し素早く身を翻す。 僕達に触発されたのか他の狼も一斉に穴持たずが占拠している弁当売場になだれ込んだ。 勝負は一瞬。こんな怪物相手に消耗戦は自殺行為だ。 野生の超直感によって狼達の乱打をヒグマは急所被弾を避けて、 腕を大きくから小回りな、さながらフックのようにして振る。 その風圧は鎌鼬となって狼達の衣服を切り裂く。 これが茶髪とかならうふーん、なことになっていたが悲劇的にも 露わな肌を晒したのは男のみ。だが白粉先生には追い風だろう。 彼女は戦う男の筋肉と汗に芳醇な香りと荘厳な美しさを見出す腐った脳の持ち主。 僕は巧みにヒグマの攻撃を避けて彼の背後に回りこむ。 裸絞などをしようというのではない。 ヒグマは筋肉の塊、胴体と首の違いなんてわかったものじゃないのだ。 足を胴体に回し、腕を顔の下あたりで組み。 大きく深く息を吸い込んで、喉を震わせ僕は穴持たずの鼓膜を超高温で揺さぶった。 超音波攻撃なんていうスキルは持っていない。 あくまで声変わりした男の精一杯の高音だ。 穴持たずの動きが一瞬止まる。 これがヒグマの習性、 高く、大きな音を出されれば動きは一瞬止まる。 それは、大自然の脅威は騒音とともにやってくることが多い故の。 僕が生み出した間隙を我先に利用せんとする狼達。 顎鬚と坊主が周りの狼と取っ組み合いになり、押し合い圧し合いとなりたちまち膠着状態に。 しかし。その瞬間こそが白粉の好機だ。 一番に弁当を手に入れたのは白粉。 それに続いて手に入れたのは我らが槍水仙、僕らの先輩。 後に残るは月桂冠を冠した今日一番の弁当、ステーキ。 僕が穴持たずから離れれば穴持たずは真っ先に弁当へと突進していく。 膠着状態から反応が遅れたせいでその場にいた全員がヒグマの突進に吹き飛ばされる。 大猪とは比べ物にならない圧力だ。 一度でもくらえばそれでアウトだろう。 だが僕も背後からヒグマを追走していた。 狙うは、ヒグマが弁当を手にする一瞬! 爪、腕、全身が姫を招き入れる王子のように優しくなった瞬間こそ、 僕の付け入る隙がもっとも大きくなる! 古武術の嗜みがない僕に白粉の真似事は付け焼き刃にしかならないだろう。 だが、それしか手がない以上、僕は全力を出すのみ! ヒグマの背後から側面に回り、手を全力で伸ばす。 その刹那、ヒグマの顔が達成感に満ちたように見えたのは気のせいだったろうか。 僕の視界をヒグマの腕が一面に覆う。 理解、した。彼もこの瞬間を望んでいたのだ。 考えてみれば穴持たずにとって最も厄介なのは 生き残りと一対一となった場合。 弁当をとるには不安すぎ、かといって倒すにも面倒。 だから、彼はあえて隙を生むことで火に入ってきた虫を焼くことを選んだ。 完敗、その言葉が僕の脳内を埋め尽くす。 そして僕の意識は途切れた。 スーパー前の公園で僕は目が覚めた。 先輩と白粉が運んでくれたのだろう。 ベンチの上で横たわった僕には二人分のカーディガンがかけられていた。 「起きたか、佐藤」 「先輩」 こちらを見て微笑むのはスーパーでチンしてもらったホカホカのカレー弁当を手にした先輩。 その隣で白粉が心配そうに僕の顔を覗きこんでいる。 「お前の分のどん兵衛とおにぎりだ」 渡されたどん兵衛が僕の手の上で暖かな温もりを提供してくれる。 気絶明けにはありがたかった。 「いただきます」 「いただきます」 「いただきます」 「いただきます」 一斉に手を合わせた後、僕たちはそれぞれの食事にとりかかる。 一人で食べる食事もそれはそれで別の味わいがあるが やはり、それだけでは飽きるというもの。 みんなで食べる食事も楽しいものだ。 誰だってそれだけでは満足できない。 たとえばソニックやカプコンVSSNK目当てでドリキャスを購入した人がいても きっとそれだけで満足するということはないだろう。 SEGAハードが持つ脳をとろけさせる麻薬めいた面白さに一度とりつかれれば二度と戻れはしないのだから。 かき揚げがだしの効いたスープの上でぷかぷかと浮かんでいた。 箸でつつけば浮き沈みし、伝わる手応えが 僕に衣が良い具合にさくさくとしっとり感の黄金律が完成したことを教えてくれた。 ふと、僕はいつもと汁の色が違うのに気がついて首をひねる。 まるで、金色の月が蕎麦全体に溶けたような、そんな違和感。 「栄養が必要だと思ってな。卵を入れたんだ」 そう言った先輩の腕からはレジ袋に入った卵のパックが。 ああ、先輩、今のこの感動をあなたにわかってもらうにはどれほどの言葉が必要だろう。 さながら初めておっぱいを揉みしだいた男の子が甲高い声で 「ハハッ! なんて大いなる実りなんだろう! 離さないよ!!」 と世界中に夢と恐怖を与えてくれる鼠様めいた口調をするが如く。 それほどの感激だった。女の子が独断で料理に卵を混ぜてくれるというのは。 僕はリスが餌を頬張るように一心にかっこむ白粉を 珍しく微笑ましい気持ちで見やり、 そして視線を横にずらすとステーキ弁当を食べていた穴持たずを目にして絶句した。 「あれ、気づかなかったんですか?」 僕達と席を並べて行儀よく弁当にありつく穴持たず。 「そういえばそれ、熊肉ステーキだったそうですよ」 ブラックなことをいうなよ白粉! 横でそんなこと言われる穴持たずさんサイドの気持ちになれよ! と言いたいのを懸命にこらえて僕は日本の技術が生んだ海苔の鮮味を保存するパッケージをピリピリと裂いた。 なんとはなしにヒグマの食べ方を見る。 まあ、美味しいそうに食す。と感心する。 人間、ヒグマ、文明、野生の垣根を超えた美味の共感。 僕たちは争いを無くす一つの手段に接しているのだという感動を受けた。 食べづらいだろうと思い、僕は箸でよく火が通った人参とじゃがいもを穴持たずの口へと運ぶ。 横で白粉がにちゃぁ、とおぞましい笑みを浮かべたがさすがに今は気にしない。 脂身を野菜で打ち消す、 ようでいながら旨みを倍増させるという食べ合わせマジックに 穴持たずの目が真ん丸になった。 「でも本当に食べたいのは別にあるんだぜ?」 「え?」 そう言ってヒグマは僕を押し倒して 僕の胴回りほどの太さの腕でベルトを器用に外すと両足を優しく広げて僕へと野生が入ってくる。 「あ、そんな……ちょっと、ダメだって。 ひとまえでこんな、ふぁっ……あっ……あっ…… Oh! Oh! Fuck Me!!」 快楽に負けた僕は食べ終わったどん兵衛とおにぎりの空を頭の横にして まるでハリウッド女優のように大胆な喘ぎ声を――――」 僕は白粉の髪の後ろを引っ張った。 はぅっ!! と仰け反る白粉先生のPCではやったらとおっそろしい出来事に巻き込まれた僕が 何故かヒグマと痴態を繰り広げるという夢野久作先生も真っ青な光景が描写されている。 「ご、ごめんなさい。佐藤さん! 昨日すごくリアルな夢を見たので普段は絶対にやらないんですけど いっちょ、そのまま打ち出してみようかなって」 「うん、それはわかったけど実名はやめろや」 部室にてドタバタ劇を繰り広げる僕は PCのワードにて繰り広げられる様々な悲喜劇を見てため息をついた。 やっぱり、平和が一番――――「でもこの後無事、直腸内に着床した佐藤さんは妊娠して愛の結晶を世界に送り出すんですよ!」 前言撤回、誰かこの先生を止めてください。なんでもしますから。 No.059 最強との遭遇 本編SS目次・投下順 No.061 呉キリカの大切なもの! No.059 最強との遭遇 本編SS目次・時系列順 No.062 くまもとサプライズ!
https://w.atwiki.jp/bakiss/pages/1324.html
「如何なる姿を見せていようと、アイツはひとたび飢餓に狂えば平然と人を喰らう化け物だ」 鉤手甲の男は悠然と部屋に足を踏み入れた。 「分かったらさっさと逃げろ。そして忘れろ。この女の存在も過ごした日々も」 気死したがごとくのろのろと階段に向かって歩く尖十郎は……横目で見た。 ゆっくりと木錫の周囲を回りながら手甲を振りかざす男を。ただし距離は詰めない。ゆえに手 甲は鉤の先端さえかすりもしない。 面妖な攻撃である。 男は木錫の周囲を回り、遂には頭上を飛び違えたり横を行き過ぎたりしながらもなお攻撃を 空ぶるのである。しかしその攻撃は威嚇でも牽制でもまして技量の未熟さゆえに当たらぬと いう様子でもなく、一撃一撃に斬り殺さんばかりの気迫が充溢しているのである。 立場としては男に守られている尖十郎でさえ身ぶるいするほどの殺気である。 だがそれを向けられている筈の木錫は大した動揺も見せず、男が正面に舞い戻るやいなや うーんと大きく両腕を上げて生あくびを浮かべた。 「んん……。お、なにかよう分からんが、終わったかの?」 「ああ。少なくてもあの青年を逃がすまでの時間稼ぎはこれでできる」 「ほう」 感嘆めいた声が木錫の口から飛び出した。見れば先ほど上げた両腕に微細な傷がついて いる。 「ぬぅ。何かに斬られたようじゃのう」 濡れた手ぬぐいを叩くような異様な音が木錫から走ったと見るや、彼女と男の間で血しぶきと 肉片が飛び散った。掴んでいた腕が投げられそれがサイコロステーキのように寸断されたの である。 「こりゃあまたひどいのう。何も講じず出ようとすればばらばらじゃ」 「そこに転がっている信奉者どものようにな」 ふむ、と木錫は両腕の血をねぶりながらしばし思案にくれ、やがて言葉を発した。 「風閂(かぜかんぬき)という忍法を知っておるかの? 主に風摩に伝わる忍法なんじゃが、 髪の毛を周囲に張り巡らすとちょうどこんな感じになるのじゃ。うむ。髪ではないが髪によらざ るしてかような物を作ろうとはいやはやまさに眼福眼福。見えこそせんが眼福じゃ」 「御託を」 「いやいや。褒めておる。ここまでできるヌシは間違いなく相当の使い手じゃ」 「……」 男は悠然と踏み出した。しかし木錫が「出ようとすればばらばら」と看破した部屋なのだ。そ れは男自身も首肯したではないか。なれば左様な斬撃の結界に踏み込めば彼もまた足元の 骸と同じ運命を辿るのではないか? いやいや先ほど結界を張った時を思い出してほしい。彼 は部屋を縦横無尽に駆け巡っておきながらかすり傷さえ負っていないのだ。蜘蛛が自らの糸 に絡め取られないように彼もまた自身の巡らす結界の攻撃対象から外れているとみえる。 そうして彼は一歩、また一歩と歩みを進めていく。 迂闊に動けば木錫は足元の偽両親と同じ命運を辿るであろう。 かといって動かねば、結界をすり抜けてきた男の餌食。見よ。彼の手に光る一対の鉤手甲 を。先ほど尖十郎を切り裂いたそれは異様な殺気と憎悪に鈍く輝いている! しかし果たせるかな、木錫もまた男に向かってじりっと一歩踏み出した! 「斬撃軌道の保持……というところかの? ヌシの能力。その鉤手甲の軌道に沿って斬撃が 残りあたかも透明な刃を置いたかのごとく敵を斬り裂く……とみたがどうじゃ?」 男の顔にありありと驚愕が浮かんだのもむべなるかな。 「大した能力じゃが相手が悪かったの。わしとの相性は残念ながら最悪じゃ」 彼は木錫が踏み出した瞬間、斬れる! と確信していた。 現に部下二人は寸断し酸鼻極まる地獄絵図を醸し出していたではないか。 だが実情はどうか? やんぬるかな、斬れると見えた木錫はまるで斬れぬ!! いや正確には張り巡らした斬撃軌道の細い線自体には引っかかっている! それが証拠に皮膚がわずかにへこみ、少女らしい外観に見合った柔らかな肉さえも斬撃の 線にそってすうっと斬られているのだ。木錫は男の能力を「あたかも透明な刃を置いたかのご とく敵を斬り裂く」と形容したが、まさにその透明な刃は木錫自身の体を通り過ぎてもいるので ある。現に男は目撃した! 木錫の腹が水平なる透明刃を浴び、脇腹から背中に向かって斬 られていく様を! なのに斬れぬ!! 物理的には無数の刃が当たっているにも関わらず、傷口が一つたりとも開かない! 刃を浴びた体は次の瞬間にはもう癒合し、何事もなかったかのごとく平然と歩んでいるので ある。──いかなる名刀とて一ツ所に溜まった水を切断する事は不可能なのだ。斬ったと思っ た次の瞬間にはもう再生している。 まさに木錫はそれ。立ちながらにして桶の中の水のごとく斬られないのだ。 変化といえばせいぜいが白い肌が蝋のように軽く透けて見える程度──… 何という怪異! 端倪すべからざる魔人のわざ!! 「忍法蝋涙鬼(ろうるいき)。ヌシにはチト余る代物じゃて」 やがて茫然たる男の前にたどり着いた木錫は、意地悪い笑みの籠った上目遣いをしながら しっしと手を振った。 「ほぅれほれほれ。逃ーげーたーらーどうじゃあ~? どうせヌシはわしにゃ勝てん」 身長差は大人と子供ほどあるにも関わらずこの所業というのは何とも間が抜けた感じだが、 言葉自体は至極理性的で的を射てもいた。 「戦略的撤退もまた良しじゃ。弱いものいじめをする趣味はないし、ヌシほどの使い手をかよう なつまらぬ争いで殺めるのもつまらん。何十年かの修練、呆気なく水泡に帰したくはなかろ? 第一な。これが一番重要なんじゃが……喰ってもまずそうじゃからのう」 ケラケラとした嘲笑を浴びる男の風采は確かに悪い。だが彼は蒼然たる面持ちから絞り出す ような声を漏らした。 「逃げたら貴様は先ほどの一般人を喰うつもりだろう」 「わしは彼が好きなのじゃ」 答えになっているかどうかも分からない答えである。 「ところで『きしゃく』というのは名ではなく苗字でのう。字も本当は『木錫』ではない。わしの居 る組織の連中みなみな能力がそのまま名字でな、くされ縁のえろぐろ女医など衛生兵の英語 読みを苗字にしておる。とはいえわしは見ての通りの老体ゆえに横文字には疎い。よってそ のまま能力を苗字にしたのじゃが、はて困った、みなみなわしが名と苗字を漢字で連ねるたび に難しくて読めぬという。やはり今日びの若人には漢字は受けんのじゃろうな。よって両方か たかなにしたのはやんぬるかな。しかし字面で並べるとどうも名より苗字の方が見栄えがよく てのう、偽名を名乗る際は苗字を名前としておる」 つらつらと長広舌に及ぶ木錫……いやもはや木錫が偽名と自白した少女に、男は何も手出 しが出来ぬ。そうであろう。自らの能力を既に封殺した相手に一体何ができようか……。 「ところでヌシは錬金術と占星術の関連を知っておるか? ああ、別に答えんでもいい。わしが いいたいのはそれら総ての知識に比ぶれば砂粒のごとき小さな知識、一言二言ですむのじゃ。 要するにじゃな、木星は錫(すず)と関連が深いのじゃ。錫というのは”ぶりき”やら”ぱいぷお るがん”の”ぱいぷ”やらに使われとる金属だそうなんじゃが、錬金術やら占星術的にはこれと 木星が関連付けられておるという。そしてわしは『まれふぃっくじゅぴたー』なる役職でな。漢字 で書けば『凶木星』……ま、本来、”ぐれーたー・べねふぃっく(大吉星)”といわれるほどの木 星が凶象意を孕むのも妙な話じゃが、そういう決まりゆえ仕方ない。ま、陰陽五行の観点からすれ ば僚友の雷使いにこそ『まれふぃっくじゅぴたー』を名乗らせるべきじゃとも思うが……おと。話 が逸れてしもうたな。まあぼけた老人の長話として笑って許せい」 まったく隙だらけの少女である。 男は考えた。いかな術法であれ集中力が途切れたその瞬間にならば解けるのではないか? 「要するにだから木錫なのじゃ。わしの偽名な。役職が『木星』で『錫』がそれに連なる金属ゆ えに縮めて木錫。なかなか頓知が効いてて面白いじゃろ?」 少女が優越混じりの息を吐いた瞬間、うねりを上げた鉤手甲が殺到した。 果たして小さな頭はガリっという音とともに爆ぜ、錫色の髪の毛がばらばらと舞い散った。 (やったか!?) そう息をのむ男の前で少女の頭はどろどろと溶けていく……。 よく観察すると傷によって溶解したのではなく、口から流れる涎のような液体によって顔面全 体が溶けていくようだった。例えるなら地盤沈下を来したビルの如く、下から順に顎、頬、目、 額、最後に頭というように溶けた肉汁が口中へ埋没していくのだ。そしてその肉汁は首を伝っ て胸を流れ少しずつ少しずつ少女の原型を崩していく──… 「こりん奴よのう。亀の甲より年の功……。年長者の話はじっくりと聴いて損はないというのに」 だが少女は喋る。動くべき唇も声を発すべき声帯も溶けてなくなっているというのに、どうい う理屈か声だけは響くのだ。 「仕方ない。退かぬとあらば殺す他なかろうて。仮にも『まれふぃっくじゅぴたー』という要職に あるわしがここまでされて何もせぬとあらば沽券にかかわろう。といってものう、あまり喰いで がなさそうな相手ゆえ気乗りせんがのぅ……」 腹も足もとろけて下に垂れて行き、やがてマンゴー色の飴を溶かしたような水たまりが畳に 溜まっても声は続く。まったく不気味極まりない。 「忍法我喰い(われくらい)もどき」 細い目つきをカッと剥きながら男は足元を眺めた。少女だった”モノ”はいまやアメーバか何 かのごとく、ズズッ、ズズッと男に向かって這いだしている。不思議な事に畳に染みついた血や そこらに転がる肉片とは混ざらないらしく、波濤が砂浜をこそぐる様な調子で通りすぎるのだ。 男は素早くしゃがみ鉤手甲を振り下ろした。もちろん手ごたえなどない。 「愚かじゃのう。液体の類はまず斬れまいよ。わしを従わせるやんどころなき御方なら別じゃが」 ちなみに彼女の服や下着は先ほど突っ立っていた場所で無造作に転がっている。白いフェレッ トと赤いマンゴーの飾りのついたかんざしも服の上に落ちている。 「あ、そうそう。わしの能力と本名をまだ紹介しておらんかったの」 男の背後で少女は再生した。 「まず能力名じゃが『ハッピーアイスクリーム』という。可愛らしいじゃろ? 横文字に疎いわし がかたかなで発音できるぐらい気に入っておる」 背中に話しかけるように突っ立つ彼女は当然ながら一糸まとわぬ姿である。 胸に膨らみはなく胴も筒のごとくだ。小さな臀部には絹のごとき肌がしっとりと纏わりつくだけ で肉は薄い。両足も白木の細棒を揃えたように頼りない。後ろ髪はほどけ肩や背中に見事な 紫混じりの錫の波を落としている。 一方で表情はどこまでも明るく、双眸は少女的な無垢の美しさに生き生きと輝いている。 「ヌシの能力が鉤手甲の形を取っているのと同様、わしの能力は『耆著(きしゃく)』の形を取っ ておってな。耆著というのは忍者が使う方位磁石みたいなもんじゃ。磁力を帯びており水に浮 かべると北を示す」 濡れ光る肌からはマンゴーの芳しい匂いが立ち上る。どうやら服を脱ぎ捨てたせいで直に体 臭が飛散しているらしい。 「よって苗字は耆著。かたかなで書けばキシャク。偽名にしてた奴じゃな。で、肝心の本名じゃが」 「イオイソゴ、と云う」 「横文字で本名並べるならば『イオイソゴ=キシャク』、奥ゆかしい日本語で書くなれば……ふむ。 戯れに筆談的な会話もやるかの? じゃが『彼女』のあれはサブマシンガンあってこその術技でも あるからどうしたものか。まあ物はためしじゃ、やってみよう」 何かが男の肘に打ち込まれた。 とみるや畳にぼとりと液状の物が落ちる音がした。 「耆著五百五十五じゃな」 畳の上にできた肉の縦文字を小学生特有の本読みのような調子で読み上げる少女……い や、イオイソゴとは対照的に、男はこらえにこらえていた悲鳴を遂に上げた。 さもあらん。彼の肘から先は見事に溶けてなくなっている! それだけでもおぞましいのに、溶けた腕は畳の上で「耆著五百五十五」という文字を描いて いるのだ。 しかも文字は動く。トカゲの尾は切られた後もしばらく動くというが、この文字の動きはそうい う反射的な物というよりは例えば電光掲示板に浮かぶイルミネーションのような規則正しさが あった。肉で描かれた漢字は上から順々にそのフチを膨らませてウェーブを打っている。 「うーむ。我が名ながらいつ見ても仰々しいのう」 仰々しい悲鳴が轟いているのはまったく意に介さぬイオイソゴ、自分の名を眺めつつ、更に 講釈を続けた。 「五百は『いお』とも読むのじゃ。万葉集にも『白雲の五百重(いおえ)に隠り遠くとも夕(よひ) 去らず見む妹があたりは』などという句もある」 溶けた肉が男の残る腕から滴り落ち、イオイソゴの言葉を速記していく。 二本目の鉤手甲がからからと畳を転がり……やがて六角形かつ掌大の金属片へと姿を変えた。 「五十を『いそ』と読むのは馴染み深いじゃろう。山本五十六というお偉い大将がおったからの。 ちなみにわしは越後長岡で小さい頃のこやつと遊んだ事もあるが……まあいらざる話かのう。 五が『ご』と読むと講釈するよりいらざる話。しかしどうも筆記は疲れるのう。やはりわしには 向いておらんようじゃ。ふぉふぉふぉ」 両足の肉が解けて地面に溜まり、文字を描きながら素早く避けた。 何を避けたか……、無論、支えを失いうつぶせに倒れる男をである。 それをきっけけに速記は終了した。 「と。またしても長話がすぎたのう。生きておるか? 聞こえておるか? そのまま死んでは閻 魔の前でも首傾げたままとなろ。されば不敬を問われ沙汰が重うなる。それを良しとするほど わしは鬼じゃないゆえ教えてやろう」 倒れた男はもはや達磨状態である。 それをよっこらとひっくり返しながら、イオイソゴは呟いた。 「ヌシが溶けたのはわしの耆著・ハッピーアイスクリームの特性のせいじゃ」 その手にはドングリとも銃弾とも取れる先の尖った小さな物体が握られている。 耆著とは正にこれを指すのだが、男の知る由ではない。 「わしも理屈はわからんが、これを撃ちこまれた物体はの、いい感じの磁性流体と化すらしい。 で、わしの持つ耆著で操れるという寸法じゃ。大雑把な磁力操作ゆえ精密動作は難しいがの。 磁性流体というのはそもそも強磁性体の固体微粒子を”べーす”となる液体中に界面活性剤を 用いて分散させた懸濁液。字面は難しいが要するに磁石を近づけたら海栗みたいな形に尖っ たりいろいろ変形する不思議で面白な液じゃ。恐らくわしの耆著に元来そなわっておる磁力が 物体に作用する事で磁性流体を作るのか……。しかしそれにしては本来の磁性流体よろしく 黒くならぬのが不思議じゃのう……。まあ、わしは錬金術師ではないから科学的究明などは 専門外。ただしわしが数百年来やっとる職業的見地からなれば断言できる」 ピっと親指と人差し指が動くと、耆著が男の胸に突き刺さった。 「忍法だからじゃ!」 男の全身が溶けていく。 「忍者のわしが使うこんな能力は忍法としかいいようがなかろ」 イオイソゴは満面の笑みでハイハイをしながら、かんざしをひったくった。 「なれば荒唐無稽大いに結構じゃっ!」 起伏のない裸体をいきいきと反転させてイオイソゴは男の前に舞い戻った。 「おおそうだ聞いてくれ聞いてくれ。蝋涙鬼やら我喰いもどきやらも耆著の特性の応用なのじゃ。 わし自身に打ち込んだ場合はの、わし自身の意思である程度動けるのじゃ。まぁ、本来の我 喰いは消化液で色々溶かすものじゃから、わしの使うのは”もどき”にすぎぬが」 そしてかんざしの端を持って軽く捻ると、果たしてキャップのように開くと…… ストローが出てきた。 「ふぉっふぉっふぉー! いっつぁ食事たーいむ!! ……あぁでもやっぱまずそうじゃのう。 しかし喰いもせんものを殺すのは主義ではないし、第一自然の摂理に反する。かといってどう も中年の肉は瑞々しさが無く脂ぎっててうまくない……仕方がない」 ドロドロの肉塊を困ったように眺めると、イオイソゴはその上に握った左拳をかざした。 「わしは”ふぇれっと”と”まんごー”の細胞を入れられた調せ……ええと、そう、怪人なのじゃ」 果たしてぎゅっと絞った左拳からはオレンジ色の汁がダクダクとあふれ出る。 むろんその匂いはマンゴーの物であるから、どうやらイオイソゴは汗腺よりマンゴーの果汁 を出せるらしい。それで味付けするという発想に行きつくのは当人にとりごくごく自然といえよう。 なおこれは余談になるが、マンゴーはウルシ科の植物のため人によっては果汁にかぶれて しまう事もある。先ほどイオイソゴと手を繋いだ尖十郎が手に痒みを覚えたのはそのせいなの であろう。 「本当は”らっこ”と”こうがいびる”が良かったのにえろぐろ女医がいらんコトしおったから……」 えぐえぐと泣きながらイオイソゴは『男』だった肉塊にストローをプスリと差し込んだ。 「じゅるじゅる。”ふぇれっと”と”まんごー”の細胞を入れた理由は『淫猥な響き』だからだそう じゃ。うぅ。何がどう淫猥なのかもわしにゃ分からんから忌々しい。じゅる。じゅるるる」 やがて男を食べ終わると、イオイソゴは粛然と呟いた。 「大丈夫じゃ。お主を痛めつけようとかそういう意思は持っておらぬ」 向き直った遥か先にいたのは尖十郎。壊れた襖の中に茫然と座り込んでいる。 一連の戦いの妖気に囚われたという訳ではない。 彼の周囲の床はことごとくドロドロと溶けている。立てないのはその溶けた床が強烈な磁気を 帯びて尖十郎を拘束しているためである。 イオイソゴは戦闘の最中に尖十郎の足元へ耆著を打ち込み、辺り一帯を磁性流体と化して いたと見える。 むろん最初は逃れようともがいていた尖十郎であるが、磁力は血中の鉄分に反応したのか 彼を床へと吸いつけた。傷の痛みを堪え必死の思いで階段へ逃れんともがいた彼だが、横目 で見たそこも既に磁性流体のるつぼであった。かろうじて見えた一段目はとろけていた。左右 の壁に至っては何らかの磁力線に沿ったらしく針山のように激しく隆起し、向かいのそれと癒 合するや……扉よろしくばったりと閉じた。後はもう最初からそこに階段などなかったようにふ よふよと波打つ異常な壁があるばかりである。ならば二階の窓から、と振り返っても磁性流体 と化した窓枠総てことごとく癒合し退路を断っている。そも退路があったとしても、尖十郎はそ の場から一歩も動けぬ。 そうこうしているうちに前出の妖気を孕んだ戦いを観戦せざるを得なくなり、かつて「木錫」と 呼んでいた憎からぬ隣人が人を喰うおぞましい情景さえまじまじと見せつけられる羽目になっ たという次第。 脱出を阻まれた時点ですでに精も根も尽き果てていた尖十郎だ。 もはや瞳からは光が消え、ただただ呆けたようにイオイソゴを眺めている。 「できれば知られたくなかったのう。わしの本性」 ストローを仕舞ったかんざしを口に咥えながら、イオイソゴは無邪気な調子で髪をポニーテー ルに結わえた。服はまだ着ていない。にも拘わらず彼女は裸体を隠そうともしない。少女らしく そういう所業にあまり羞恥がないのだろう。 とはいえ瞳には憂いと悲しみの光が限りなく宿っている。 「わしはな。人間が憎くて喰っとる訳ではないんじゃ。仲間たちは……それぞれ凶悪な理由で 人間を殺しておるが、わしは違う」 やがてできたポニーテールへかんざしを斜めに刺すと、イオイソゴは白い裸体をくゆらせるよ うに四つ足で尖十郎にすり寄った。 「ヌシら牛肉とか好きじゃろ? でも牛を見てすぐに殺したいとは思わぬじゃろ? 殺されるさ だめの牛を見たら、まず『可哀相』って思うじゃろ? ……わしの人間観もそれなんじゃ。食べ たい。けれど隣人としては愛おしい。だからわしは憎悪で人を殺したくないのじゃ」 そっと尖十郎の首をかき抱くと、イオイソゴは甘い匂いのする唇を彼のそれへと押しつけた。 しばらくそうしていただろうか。ねっとりとした果汁の糸を引きながら、気恥しげに視線を外しな がら、イオイソゴは呟いた。 「その……好きじゃ。わしはお主の事。許可が出なかったとしても、好きなんじゃ」 わずかに尖十郎の瞳に光が戻った。そして彼は何かを言いかけた。 「だから喰うのじゃ」 耆著が尖十郎の喉笛に深々と突き刺さった。 「安心せい。さっき言った通り『痛めつけは』せん。そのうち脳髄さえもとろけ痛みも何も感じな くなる。ただわしの中で甘く甘く溶けていくだけじゃ。そう……」 「ハッピーなアイスクリームのように」 「だが唇を合わせるのは好きな者だけじゃぞ。ストローなぞ……使いとうない。ヌシを直接感じ させて欲しいのじゃ…………」 再び合わせられた唇から、じゅるじゅると何かをすするような音が響いていく。 尖十郎の体はいつしか横たえられ、ずずずと音が響くたび少しずつだがしぼんでいく──… およそ一時間後。 「くふふ……。好きになった者を喰いたくなるわしの性、正に業腹」 尖十郎のブレザーを前に、口を拭うイオイソゴの姿があった。 彼の姿はもはや辺りにはない。 或いはイオイソゴの腹部を解剖する者があれば観察できるかも知れないが……。 果たして見えざる斬撃線をスルリと切り抜け、果てはゲル状にさえ溶解できる彼女を解剖で きる者など存在するのだろうか? そもそも磁性流体と化した状態で喰われた”物”を元の存 在として認識できるかどうかと問われればそれもまた難しい。DNA鑑定を用いれば照合自 体はできるが人間的感情では色々認めがたい部分が多いだろう。 「旨かったのう。でも……」 法悦の極みという態でニンマリと笑っていたイオイソゴの瞳にみるみると涙があふれた。 「やっぱり悲しいのう」 涙は頬を伝い、持ち主亡きブレザーの上へぽろぽろとこぼれていく。 「いくら喰っても腹が減る。満腹になっても腹が減る。いつになったらわしは満たされるのじゃ ろうなあ。わしのような化け物が世界に満つれば変わるのかのう? 教えておくれ……尖十郎」 ひとしきり泣いた後、黒ブレザーを着ると、イオイソゴ=キシャクは仮初の自宅から姿を消した。 以後、その街で彼女を見た者はいない。
https://w.atwiki.jp/flightglide/pages/434.html
※未完 小説ページには完成時リンク貼り付け予定 「はぁ...はぁ...」 なんで戦車兵の俺が走っているんだよ...っ! ライフルよりは軽いはずの拳銃でさえ今は恨めしいほど重たい。 俺たちが街並みを瓦礫の山に変えた結果隠れる場所が全く残っていない。 くそっ!魚人共はマトモな戦車は持っていないはずだろ!化け物めっ! 「おーい!こっちだ!」 友軍の声が聞こえる、あのグリディア戦車は第三小隊、まだ生き残っていたスラーグ攻略騎兵隊が居る事に少し驚きつつも、息切れしている体に鞭を打って戦車に向かって走った。 だが、状況が状況なため足を止めるつもりはないようで、戦車の上に飛び乗るしかない。 わが軍の戦車は履帯ではなくスクリューを足回りに採用しているので、飛び乗るのは非常に危険だが飛び乗らなくてもどちらにしろ死が待っている。 俺は全速力で撤退しているグリディア戦車に飛び乗った。 砲兵隊と航空隊が都市北部を瓦礫の山にしているためマトモな道路が無く、遅くなっていたのが幸いしなんとか追いつくことが出来た。 「大丈夫か!?アレは一体何なんだ!?」 「装甲騎士は一体なにをしているんだ!?他部隊は一体何処にいる!?」 狭い車内に転がり込んだ俺は矢継ぎ早に質問を投げかけられた。 「はぁっ...はぁっ...俺にも分からん...歩兵隊は壊走した。装甲歩兵隊は...乗り込もうとしたんだが...遠くから見てると分からないがアレは普通の戦車並みの速度で動き回っている...殆どがロープランチャーを撃つ前に踏みつぶされるか銃弾でやられた...」 「主力戦車隊はどうした!?マルダル戦車ならアイツを倒せるはずだ!」 「俺がその主力戦車隊の戦車兵で、アイツがピンピンしているのが答えだ...」 ズーン! ズーン! 「2号車がやられましたーーっ!」 「まずい!あの化け物に見つかった!急いでこの戦車から飛び降r...! 強い衝撃と共に俺の意識は途絶えた。 ーーーーーー この、ユングナプ陸上大学は丘の上に有る為、スラーグ湾が一望できる。 ロビーにかけられている80年前のスラーグ湾を描いた絵と見比べると、埋め立てによって今では4割ほどしか湾が残っていない事が分かる。 私は喫煙所から見えるスラーグ湾の風景が好きだった。 埋立地に建てられたクレーンや工場が旧市街と非常にミスマッチでとても皮肉の利いた風景だった。 今ではその整備された湾口はフォウの砲撃で更地になっており、数か所では海に沈んでしまっている。 市内運河網は流れが変則的になっており、利用不可能になった。 お陰で家財道具を持ちだす前に無事、研究室生活が始まった。 と言っても、市街地は軍が完全に大学へ避難させており大学構内は避難民でイヨチク洗い状態になっている。 私もその一人になったに過ぎない。せめて通帳は大学に持ってきていれば良かった。 「はぁ...ここが校内で一番空気がきれいかもな。」 ウナカウシが喫煙所に入ってきた。 「あぁ、ロビーも講堂も加齢臭で鼻が曲がりそうだ。」 「ハハハ、お前も俺も水浴びを数日はしていないからお互い様さ。」 校内は老人でごった返しており、少しでも動ける者は市民軍として軍に連れてかれてしまった。 旧式のNC562-A6小銃が大量に余っているらしく、歩兵装備だけは潤沢にあるらしい。 お陰様で、陸上艦建造チームに回されたのは腰の曲がったおばあちゃんばっかりだ。 残り少ないタバコをふかしつつ、私とウナカウシはぼんやりと遠くを眺める。 制海権を奪われており、配給される品はどんどん減っている。 一週間前からはついにチヨコが配給に混ざり始めた。皆、美味しい方のチョコしか食べた事が無かった為、始めは物珍しさで楽しめていたが二日目には大量に捨てられるようになった。 多少量が少なくなっても、炊き出しのイヨチク焼きとイヨチクの若芽の煮物だけ食べていた方がずっと良い。 アレを好き好んで食べているアーキル人は一体どれだけ退廃的な生活をしているのか...信じられない。 自分のクルカにチヨコを与え、空きっ腹で嘔吐させて衰弱死させてしまった6歳の子が出てからは、警邏隊からクルカにチヨコを与えるなとお達しが出た。そのため、チヨコを食べる者が全く居なくなり、殆どの人は配給されるチヨコを燃料として使用している。 そういえば、市長がチヨコを毎食食べて手本を見せると言っていたが、二日でギブアップしていた。 あの賭けで私は貴重なタバコをひと箱入手出来た。 本来、ここスラーグは雪が降る場所ではないのだ。氷点下の気温に慣れていない人は大量に居る。ストーブをコンコンと焚いているロビーですらいまだ十分な温かさを保てているとは言えない。 昨日、ついにチヨコを暖房燃料として使用すると市が公式に声明してからは校内にチヨコ特有の臭いにおいが充満し、鼻で呼吸する事が出来なくなってしまった。 加齢臭とチヨコと水浴びしていない人の饐えた香りによって、校内は地獄のような香りになっている。 館内で鼻呼吸が出来る場所が喫煙所のみというのは何とも皮肉だ。 「あーあ、奴らはあの輸送缶で美味しい魚を大量に持ってきているのかね。」 「ハハハ、盗みにでも行くか?」 「遠慮しておく、どうせ中身は砲弾ばっかりさ」 輸送缶というのはフォウが輸送船と言い張っているデカいドラム缶の事で、だれが言い出したか『輸送缶』とスラーグ居残り組の間で呼ばれている。 スラーグ湾に堂々と入ってくる輸送缶を見ていると、我が国の制海権神話がただの幻想だったのだと感じる。 フォウの陸上装甲艇は水を渡る事が出来ないようで、張り巡らされている都市運河網によって今は持ちこたえる事が出来ているがそれもいつまで持つのだろうか。 既に中央運河公園まで突破されており、中央運河公園の橋を全て落とす事でなんとか足止めしているようだ。 ズーーン...ズーン...ズーーン... 本日四回目の区画砲撃が始まった、既にこの程度の砲撃は日常の物となり防空壕へ入る者は少ない。 「さて、工場へ戻るか。」 私とウナカウシはそれぞれのドックに戻った。ドッグと言っても、既に空爆で焼けているので今は裏山の空き地にクレーンを置いているだけだが... ドックまでの道の途中にはテントがいくつも建てられており、そこで負傷兵の治療が行われていた。 毎日ウン十人が運ばれてくる。正規兵も昨日志願したばかりの市民兵、爆撃に巻き込まれた一般人まで関係なく運ばれてきた。 あれだけ大学からかき集めた医療品も一瞬で無くなり、今では包帯すら足りていない。 裏山のドッグの隣では大きな穴を掘っており、そこに亡くなった人を埋葬している。 既に穴は6つ目を掘り始めており、そこで働く軍人達の目はどこか虚ろであった。 彼らは一体何を思いながら穴を掘っているのだろうか。 始めの頃はおしゃべりが多かった、おばあちゃん(男手は全て市民軍に駆り出されてしまっているのだ)職人達も今では静かに黙々と作業をしている。 早く完成させて、戦況を打破しなければ... ーーーーーーーーーー 目が覚めた。 避難所と変わり果てた大学での寝泊まりにも慣れ、毛布に包まった人で溢れている廊下を歩く。 校内の臭いにおいを吸い続けた結果、既に私の鼻は馬鹿になっており今では普通に鼻呼吸が出来るようになった。 と言っても、チヨコを暖房に使わなくなったのだから、事実以前よりは臭くないのだろう。 ついに備蓄されていたスズミノリもイヨチクも枯渇し始め、炊き出しで出てくるのは豆缶とチヨコバター(チヨコから無理やり油分を取り出した)炒めになった。 チヨコをそのまま食べるよりはまだマシ、程度の物だがそれでも毎朝全員欠かさず受け取りに来る。 空腹でチヨコをそのまま食べる者や、封鎖を突破してイヨチクを取りに行こうとする者が現れ始めた。 既にチヨコは燃料ではなく貴重な食料になっているのだ。 山間に建てられている本校では沿岸までたどり着くのは至難の業だが、毎日数人のチームがイヨチク狩りに向かっている。 また、最近では所有者の居ないクルカを見なくなった。闇市でクルカ鍋が食べられているという信憑性の有る噂も出回っている。 我が国ではスカイバード信仰が有ったはずだが...宗教も戦争では弱いものだなと思う。 一部ではクルカは神が与えた食料だ、等と言っている新興宗教が発生しつつある。 警邏隊が取り締まっているが、私の予想では警邏隊にもクルカを食べている人は何人も居る。 クルカを食べている奴は大体血色が良いので言われなくても大体分かる。 「肉汁一杯ね」 「8000イギルだよ」 「あぁ、そうだった...どれが100イギル紙幣だったかな...ええと...」 私は闇市で謎の肉の入ったスープを買った。人肉ではないと書かれているので安心である。 もちろん、私も諸島人なのでスカイバード系の宗教を信仰している。だがここでは『何の肉なのか分からないで食べている』事になっている。 きっと私と同じように、都合良くに馬鹿になって食べている人は他にも沢山居るだろう。 「えぇー!ぼったくるにしても程度が有るでしょ!20イギル!」 「じゃあ食わずに帰れ!」 ヤエミナが私の後ろに並んでいたようで、肉汁の価格に文句を言っている。 確かに、8000イギルなど中古の機械カヌー並みの価格だ。しかし、ここでは食料の価格は日々どんどん高騰している。仕方がない。 しかし、ヤミエナか... イギルはフォウ王国の通貨だ。 昨日、軍人がやってきてイコリア・ディナールを全てイギルに両替し、回収していた。 イコリア・ディナールが国外に流出するのを極端に嫌がっている...というわけでも無さそうだ。 私の推測ではあるが、両替に使われたのはフォウ王国ではなく諸島連合が発行した偽のイギル紙幣だ。 現に数十倍のレートで両替をして回っている。 最後のオデッタ新聞が届いたのは数か月前だが、マルダル諸島占領以降、戦勝の見込みが有ったフォウ王国のイギルは、予想と反対に不自然な暴落を開始していた。 反対に、諸島のイコリア・ディナールは敗けが続いているのにも関わらず、むしろ高騰したのだ。 アーキルのラジオでは『諸島がイギルを大量に放出したせいだ』と言っていたが、オデッタ新聞に載っていた各国各通貨保有量予測を20倍以上も超えた量を放出したことになっている。(特別探偵社のオデッタ新聞なので信用ならないが、そこまで大きく外れる程無能集団でもないだろう) フォウ本国では既に影響が出始めているようで、輸入業への打撃や小企業の連続倒産が発生しているそうだ。 それに伴い、講和派が力を付けているらしい。 もしかしたら、もしかしたならば、何もかもがうまくいけば、白紙講和までは持っていけるのかもしれない。 「あっ、先輩~。一口下さいよー」 「お前自分の金で食えよ」 「ケチ~」 「当たり前だろ、チヨコでも食っとけ」 「む~...なんでこんなに破格のレートで両替して回ってるんですかねぇ」 「そりゃあ、占領地での買い物を敵軍にさせないためだろ」 「買えなかったら略奪とかされるだけなんじゃないですか?」 「その時はその時で国際的な非難をするだけさ、ただでさえこの戦争はフォウの侵略戦争だからな、これ以上国際的な評判を落とすことはやりたくても出来んさ」 「せこいっスねぇ~」 「自業自得さ、スカイバードは見てるんだろうな。」 今日、ついにエンジンの換装が両方終わった。 両方...というのはウナカウシの陸上巡洋艦と私の空中艦だ。 ウナカウシの陸上巡洋艦には私の重浮遊機関を二機 私の空中艦には浮遊機関と交換でいらなくなった大型履帯を二機搭載した。 それに伴って私の空中艦は陸上駆逐艦と種別を変更する事になった。 陸上巡洋艦は三両編成の列車のように六つ(履帯の数は性格には、3つを1つの束にしているので18基の履帯)エンジンが有ったが真ん中の二つのエンジンを取り除いて代わりに重浮遊機関を乗せた。 接地面積は減ったが、トータルの面積当たりの質量は他国の重陸上戦闘艇(重戦車)程度にまで減少し、体積を気にせず馬力だけを目指したエンジンによって機動力も時速50kmは出せる...はずだ。 陸上駆逐艦は元々飛行用にプロペラ用のエンジンが有ったのでそのそのスペースを履帯用に変更した。 元々軽量性を重視した設計にしていたので、速度は時速70kmまで...出せるはずだったが、プロペラの位置と履帯の位置は大きく異なるため、結局50km程度が最大速度となる予定である。 奇しくも両方とも同程度の速度になりそうだ。 そう、ウナカウシと私の二人の研究を纏め陸上艦という新しい兵器を完成させたのだ。 「えっ?」 わが耳を疑った。 「仕方ないだろ、完成はあと5年はかかるって思われてたんだから...」 言っている本人のウナカウシもチヨコを噛みしめたような表情をしている。 そう、陸上巡洋艦も陸上駆逐艦も技術実証用の試作品なのだ。 陸上巡洋艦に搭載予定の15cm連装砲(陸軍は28cmを要求していたが流石に無理だとねじ伏せたらしい)がまだここには届いていない。 いや、まだ陸上巡洋艦の方には副砲と機銃が搭載されているだけ良い。 私の元空中艦、現陸上駆逐艦は主砲どころか武装が一切搭載出来ていないのだ。 「いくら戦況がまずいからと言って大砲すら作れないレベルではないだろう?」 「確かに工場艦は全部南方に避難してたから、ほぼ無傷だが...届ける事が出来ないんだよ...」 薄々感じていた。 一応校内の避難者達に通知はされていないが、既にスラーグは完全に孤立状態にあるらしい。 既に避難者達の精神は毎日の砲撃空爆で限界に達しつつあり、ここでその情報を流すと何が起きるか分からない。 詰んだ、この陸上艦隊が完成すれば反抗作戦に出られるそう信じて私達は二隻の建造に尽力してきた。 博士が避難前に行方不明になった後も私たちが継続して建艦してきたのはその希望があったからだ。 『スラーグの死守命令を撤回、降伏を許可する。尚、フォウの手に渡る前に建造中の388計画艦・801計画艦の爆破解体を命じる。』 その電報と届けられた爆薬。 我々は、スラーグは連合政府に見捨てられたのだ。 ーーーーーーーーーーーーー 長く待ったかいが有った、爆撃地点を指定しても空軍の奴らはマトモに当てる事が出来なかった。 爆破の為に爆弾を送れと言ったが、本部の豚共は船爆破に足りる量を全く届けられなかった。 今、フォウは追い風に吹かれているので戦線を維持できているが、寒波が終われば... たった二年弱で伸ばし過ぎた戦線は既に攻勢限界に達しつつあり、補給が滞り始めた前線部隊の士気はどんどん低下している。 間違えてもこの巨大兵器を世に放ってはいけない。 悔しいが魚人工作員は手練れで、いくら警備を厳重にしても爆破事件や暗殺が相次いでいる。 マニュアル発見後から、やっとポツポツと捕まえる事が出来るようになった、それでも活動は日々激化している。 紙幣の原本が盗まれてからは本物の偽札が出回り始め、経済の打撃は凄まじくアーキル・ディナールでの売買が許可されたほどだ。 諸島工作員と思われる事件の被害総額は、諸島に与えた被害に追いつきつつあるらしい。 もっとも、死者数では圧倒的に諸島のほうが多いのだが... !! 部屋から出てきた。 「おう、ヤエミナか。盗み聞きは良くないぞ。」 「エヘヘ、二人っきりで何を話しているのか気になりまして。」 「バッカおまえ私とウナカウシがそんな仲になるわけないだろ。校内放送するから静かにするよう連絡してまわれ。」 「まさか包囲された事を伝えるんですか?」 「放送で聞け、ほら走れ!」 なんとか誤魔化す事が出来た。 一体何を話すのだろう... 『あーっ、あーっ』 アイツの声だ、私が放送の事を伝えて回り終わる前に放送が始まった。 と言っても校内で残っている人は耳の遠いシワシワのお年寄りかおっぱいを飲んでいるような赤子とその母位の物である どう考えても動けないような70歳のおじいちゃんが、銃を持って郷土防衛軍としてフォウ軍がうろついている街の中でゲリラ戦をしている。 勿論彼らに統一された軍服など支給されていない。民間人と戦闘員を見分ける事は事実上不可能だ。 魚人は島々の寄せ集め集団のはずだが、何が大切なのか一向に降伏しようとする気配が無い。 大陸国とは違う郷土愛というものが、愛国心とは別に存在しているようで、それによってフォウの精鋭のように例え一人であっても死ぬまで戦い続ける非常に面倒な民兵が誕生した。練度は低い癖に指揮統制はアーキル正規軍以上の強度を誇っている。 降伏さえすれば無駄死にする必要は無いだろうに。 『町で無線機で聞いている奴は周囲の味方を集めてくれ。間に合わなかった人には君から伝えてくれ。 よく落ち着いて聞いてくれ、今我々が置かれてる状況を伝える。 薄々気が付いていたとは思うが、三日前から我々の居る...スラーグは完全に敵に包囲されている。 連合政府はスラーグ放棄を決定し、我々への死守命令を取り消すと言ってきた。 ... 』 やれやれ、ようやくスラーグ攻防戦が終わるのか。 『こんな命令に従っていられるか!よぼよぼのじいちゃんから赤ん坊まで居るんだぞ! フォウの野郎どもに看取られて死にてぇのか!?フォウ占領下で子供を育てたいのか!?違うだろう! 我々は偉大なる海の民だ!海で自由に生きるのが我々だ!島々の伝統と洋上の新しい技術発展が同居する、この国を愛するのだ! 降伏する者を止めはしないが...私とウナカウシは...南のアルドラーナまで希望者を脱出させる事にした。 お前たち、大学で私が陸上艦を作っていることは知っているな? 完成してはいないが...十分な装甲と速度は出せる。ここに残っている者を全員乗せて脱出する事も出来る。 6時間後陸上艦を出港させる。フォウの捕虜になってツンドラで木を数えたくない奴は大学裏の工場に集まれ! 以上!』 彼方此方の部屋から歓声が聞こえる。 待て待て待て、そんなことは聞いていないぞ。 陸上艦は爆破するんじゃなかったのか? 6時間後ってなんだ?急いで爆破しないと間に合わなくなる。 爆薬を取りにいかねば。 ーーーーーーーーーーー シュピーーーーン.... 3mmオト弾特有の空気を切り裂くカン高い音が雪の積もった瓦礫の平野に鳴り響く。 覗き込んだスコープの向こうには首に15㎝程の長い銃弾、いや小型の銛と呼ぶべきだろうか...が刺さってパニックを起こしている一人の「男」が居た。 周りの兵士たちも釣られて慌てふためきパニックを起こしている。 流石にスラーグまで進軍してきた兵士だけあり、銛弾を引き抜く事はしていないが心臓の鼓動と共に大地に広がる雪を赤く染め広げるその様子は遠くから見ている自分ですら気分が悪くなる。 直ぐに衛生兵と思わしき兵士が箱を持って駆けつけてきた。 白と赤のワッペンを付けている衛生兵をスコープの中心に抑えて、ゆっくりと息を吐き力を抜く。 シュピーーーーン.... 衛生兵が肩を抑えて喚いている事を確認すると、自分は急いでその場を走り去った。 握っているこのNC562小銃の使う3mmオト弾は、人を殺すのではなく人を無力化する銃だ。 正直適正距離でも殺せるかというと微妙な程威力が低い。今、首に命中したがそれでも殺せない程殺傷能力が低い。 しかし、その代わりターゲットが感じる痛覚は他国の銃弾とは比べ物にならない。当たれば鮮血が噴き出し屈強な男でも泣きわめく。 この銃は人を無力化する銃だ。この銃弾はわざと人を殺さないように作られている。 殺すと前線から一人減るだけだが、このように無力化すると衛生兵だのなんだのと一発の銃弾で複数人を前線から排除できる。 この銃は被弾者がより痛々しく見えるように作られている。 わざと血が勢いよく噴き出すような作りだし、わざと弾が全て体内に入らないように作られている。 同じ出血量でも、ゆっくりと垂れ流れるよりも噴水のように噴き出してる方が士気を削げるし、視界に刺さっている物が見える事でアドレナリンによって痛覚を忘れる事も許さない。 パニックを起こして突き刺さっている弾を引き抜こうものなら体内の血管を酷く傷つけ、より出血がひどくなる。 徹底的に、相手を恐怖させる銃弾だ。 今の射撃は綺麗にマニュアル通りに戦う事が出来た。 まず最初に男兵士を撃つ。男は女よりも血や痛みに対して弱いため、パニックを起こしやすい。 次に、死んでいなければ直ぐに衛生兵が飛んでくるので、やってきた衛生兵を撃つ。 3mmオト弾は殺傷能力こそ低いが、適切な処置をしなければ出血多量で死んでしまう。 逆に言うと、適切な処置を施せば死ぬ事は無い。その事実が有りながら見殺しにする事は出来ないため、この銃はフォウに衛生兵を部隊に付ける事を強要している。 衛生兵を撃つか、しばらく待っても来なかったら直ぐに場所を移動する。 現在、自分達には地の利しか無い。このようにして少しづつ戦力と戦意を削る事しか出来ないのだ。 一応ストラトマグロの胆汁を先端に塗り、殺傷能力を高めたの3mmオムト弾という弾も有るが、こちらも殺す事を目的としているわけでは無く、3mmオト弾に対して「当たっても死なない」と安堵させない為に作られた。 だが、面白い事にオムト弾は兵達が余り使いたがらなかった。このオムト弾は当たれば、かすり傷でも確実に死ぬ。 NC562を使っている兵はこの銃の性質を理解している為、「NC562で撃っても人を殺している訳では無い」と精神的に逃げ道を作る事が出来ていた。 郷土防衛軍やスラーグ突撃隊などの民兵だと尚更この傾向は強かった。 その精神的な逃げ道を無くすオムト弾は声に出す者は居ないが、配備後臆病撃ちする兵が続出した。 その為、現在では通常の3mmオト弾だけを使用している...事になっている。 3mmオト弾クリップの中に3mmオムト弾を混ぜている...という兵士達の間での噂話が有るが...いや、考えないでおこう。 そういえばなぜかオムト弾廃止後、オト弾のメッキの色が変更されていたな。
https://w.atwiki.jp/keikenchi2/pages/504.html
世界がまだ戦争中の頃、ホウエン軍はイッシュの制圧作戦に出た。イッシュ軍はヒウンシティに立てこもり、決着の時を待っていた。 ヤグルマの森の中を進軍するホウエン軍。森のポケモン達が何事だ、と草むらの間から顔を出している。 やがてホウエン軍は進軍を中止、広場でテントを広げ昼食の準備をし始めた。 森の中で取った木の実や野菜を器用に切っていく兵士達。 そして沸騰する大きな鍋にそれらを全て入れて、白い粉と牛乳を大量に入れた。どうやら今日はシチューらしい。肉が無いのはご愛嬌。 しばらくすると辺り一面が美味しそうな匂いに包まれた。兵士達は今か今かと待ちわびている。 すると、周りの草むらや木の陰から、森に不釣り合いなピンク色のポケモンがこちらを覗いていた。 その数ざっと20匹。皆見るからに腹がへっているようで、こちらをじーっと見つめて指をくわえている。 そういえばここら一帯の木の高さはタブンネよりも遥かに高かった。しかしタブンネ以外のポケモンには充分な高さだった。 手も短く跳躍も得意では無いタブンネ達は木の実が採れず、毎日腹を鳴らしていたのだろう。 不思議に思った兵士達だったが、今は昼食の時間だ。さっさとよそってさっさと食べている。 すると空腹に耐えかねたのか一匹のタブンネが草むらの中からのそのそと出てきた。 とてとてと歩いて美味しそうなシチューを食べている兵士達の前まで来ると、顔をよだれまみれにして手を差し出し、ぴょんぴょんと跳ねている。 これはタブンネの中でいう「ちょうだい」なのか。「ミッミッ♪ミッミッ♪」と媚びた声を出している。 それを見たタブンネ達は一斉に草むらから飛び出し、皆だらしなくよだれを垂らしながら「ちょうだい」をしている。 しかし兵士達はそれを珍しい物を見るかのような目を見るだけで、誰一人哀れな豚達に食べ物を恵む者はいなかった。 すると見よう見まねで大人達のちょうだいダンスをしていた子タブンネ達が兵士達の足もとに抱きつき目に星を浮かべお願いをしている。 「ミィ~♪ミッミミィ~♪」甘ったるい声を出して媚びる子タブンネ達。しかし兵士達は足もとにまとわりつく子豚達を蹴散らすと、皆次々と食べ終わった皿を出しにいった。 「ミッミッミッミッミッミッミッミッミッ♪」「ミィ~♪ミミィミィ~♪」 兵士達はタブンネの大合唱にイライラしながらも、思い思いの方法で休息をとっている。 するとさすがに疲れてきたのか、さっきまで笑顔でちょうだいダンスをしていたタブンネ達は膨れっ面になり、またもやけたたましく鳴き始めた。 「ミッミッ!ミィミミミミィイッ!」「ミィイイイ!ミッミィ!」 早くその美味しそうな物をよこせ、とでも言いたそうな声で鳴きながら、鍋を指さして兵士達に何か訴えている。 しかし兵士達が空いてにしてくれるわけもなく、「うるせーぞ!」と喝を入れられてしまった。 「ミィィイイイイイイ!!」 それに逆上したタブンネは顔を真っ赤にしてドタドタと鍋に走っていき、鍋に体当たりをした。 ガコン!という音の後、鍋が倒れ中の物が地面にぶちまけられてしまった。 それを見たタブンネ達は目の色を変えて一斉に鍋へと向かっていった。さながらゴキブリのようだ。 するとなんということか、タブンネ達は地面にぶちまけられたそれを意地汚くペロペロと必死になって舐め始めた。 地面を綺麗に掃除したタブンネ達はあろうことか鍋の中に飛び込み必死になって内側を舐め始めた。 「ミッヒャァアアアアアア!!」 あまりの高熱にタブンネ達は鍋から飛び出しじたばたと唾液で汚れた地面を転がっている。 滑稽すぎるその姿に兵士達から笑いが巻き起こった。 するとまたもやタブンネ達は顔をクリムガンにして汚い体を揺らし兵士達に近づいていった。 食べカスを撒き散らしながら何やら喚いている。そして突進の体制を取ると兵士に向かってバタバタと走っていった。 しかしそんな鈍い攻撃は当たるはずもなく、腹に強烈なキックを食らわされ全く逆方向にぶっとんでいった。 「ミギャァァアアアアアア!!!」 顔中のあらゆる液体を撒き散らしながらタブンネはボーリングの球のようにタブンネ達の集団に突っ込んでいった。 これまたボーリングのピンのように倒れていくタブンネ達。またもや兵士達から笑いが巻き起こった。 ボーリングのピン達はワンパターンにも顔を真っ赤にして鳴き喚いている。 そしてピンの内一匹が、積み上げられていた皿に体当たりをした。 ガラガラと音を立てて崩れる皿の山。落ちた皿は割れてガラス片になり辺り一面に散らばってしまった。 「ミィイイ!ミィッヒヒィ!」ドヤンネ~ 得意気に鼻を鳴らし胸を張るタブンネ。 すると鍋舐め競争に負けた子タブンネ達がわらわらとその皿に群がっていく。そして欠片を小さなおててでキュッと掴み、こびりついたシチューをペロペロ舐めている。 すると群がっていた子タブンネが急に悲鳴を上げゴロゴロと転がり始めた。 「ミニャァァアアアアア!ミヒィッ!ミヒィッ!」 どうやら皿の破片がハートの肉球にブスリと刺さってしまったようだ。 それを見た親豚達はますます顔を赤くし、所構わず糞尿を撒き散らし始めた。 「この糞豚共!誰が後片付けすると思ってんだ!もう許さねえぞ!」 片付けの係と思わしき男がボールからメタグロスを出した。 「メタグロス!コメットパンチだ!」 男がそう命じると、メタグロスは皿を割って得意気にしていたタブンネに飛んでいった。 そして大きな拳をふりかぶると、流星のように光り輝く鉄拳がタブンネの腹に炸裂した。 「ミボォッ!?ミィイイイギャァアアアアアアア!!?」 血を吹き出しながらすごい勢いで殴り飛ばされたタブンネ。 するとぶっ飛ばされたタブンネは腹から木にぶち当たり、上半身と下半身が別れてしまった。内臓が木にへばりついている。 「ブィ……ブゥィイイ…………」 しかし上半身だけになってもまだ心臓は動いているようで、汚い声を上げながらタブンネ達に助けを求めていた。 一瞬の沈黙。タブンネの絶叫と、衝撃的すぎるその光景が、タブンネ達を包み込んでいたドロドロした空気を吹き飛ばした。 「ミッ…ミィァアアアアアアアアアアアア!!」 タブンネ達が悲鳴を上げると、一斉に蜘蛛の子を散らすように逃げ始めた。 すると一本の無線が入った。 「今夜は豚肉バイキングだ!食べ放題!取った分は最後まで食べるんだぞ!」 ユーモア混じりの無線だったが、怒りのこもった声だった。そういえば、隊長だけまだシチューを食べていないのだった。 兵士達はノリ良く返事をすると、逃げ惑うタブンネ達を次々に捕まえていく。 タブンネ達は短い足で必死に逃げるが、自分達が撒き散らした皿の破片や糞に足を取られずっこけてしまっている。 また人間の歩く速度=タブンネの走る速度なため、捕まえるのは容易だった。 耳や尻尾を掴まれたタブンネ達は手足をバタバタと振るだけで、全く抵抗にもなっていなかった。 3分も経たぬ内にタブンネ達は鉄製の大きな檻に入れられてしまった。 「ミィイイ!ミッミミィ!ミッミィ!」「ミヒェェエエエエエン!ミェエエエン!」 涙を目に浮かべ鉄格子を掴み揺らすタブンネ達。子タブンネ達は耳にキンキンと響くような声で泣き叫んでいる。しかしそんな命乞いも意味を成さない。 さてどうしてくれようかと、兵士達は微笑んだ。 数の多いタブンネ達を見て、どうやって処理していくか迷っていた兵士達だったが 隊長の「腹が減った」発言により、味見がてら子タブンネを焼いて食べる事にした。 「ミィ~……」「ミィッ!ミミィミミミミィッ!」「ミッミッミッ…」 檻に近づく兵士達を見ると、タブンネ達は何かを訴えるように語りかけてきた。 皆子供を抱えて、「子供が腹をすかせた、何か食わせろ」とでも言っているようだった。 隊長が檻を開けるとタブンネ達はホッとしたような顔を浮かべ、子タブンネ達は「ミィ♪」と両手を広げ喜んだ。 どうやらこれから助けてもらえると思っているらしい。実におめでたい。 隊長が笑顔で子タブンネを抱えると、タブンネ達は喜んで檻から出ようとする。しかしここですばやく扉を閉める! ガシャン!という音の後、タブンネ達が「えっ」という顔した。しかし手の中の子タブンネはピィピィ鳴いて喜んでいる。 隊長がポケットから串を取り出し、子タブンネの肛門に当てがった。「ミィ~?」不思議がる子タブンネ。 「ふんッ!」ブスッ ブチブチブチィィッ そして次の瞬間、子タブンネの可愛らしい顔が苦痛に歪んだ。 「ン゙ン゙ミ゙ィ゙イイイイイイイア゙ア゙ガガガガガ!!」 目を見開き、この世の物とは思えないような絶叫を上げる子タブンネ。 串は肛門を突き抜け内臓を突き破り、子タブンネの脳味噌の下辺りまで来ている。肛門から糞混じりの血が吹き出す。 「ミィァアアアアアアアアアア!!!」 親タブンネが泣き叫んだ。しかし隊長は冷酷にも油をひいたフライパンを手に取り、近くにいたバシャーモに火炎放射を命じた。 もの凄い勢いで熱を帯びていくフライパン。そして左手に持っていた子タブンネをそれに背中から押し当てる。 「ピギャァアアアアア゙ア゙ア゙ア゙!!!」 地獄の如き熱に悶え苦しむ子タブンネ。喉が壊れる程の絶叫を上げている。良く見れば喉チンコが串にピタピタと当たっている。 くりくりの目は限界まで見開き、大粒の涙がボロボロと出ている。涙がフライパンに落ちてパチンとはじけた。 「ミ゙ィーーーッ!ミ゙ィーーーーーッ!」 親タブンネがやめてくれと鉄格子をベシベシと叩き始めた。他のタブンネはその光景に背を向け、耳を抑えブルブルと震えている。 体の動かせる部分全てを動かし、苦痛から逃れようとする子タブンネ。 「ハガガガガガガガガガ!!ンギィィイイイイイッ!!」 もはやタブンネの物ではないような声で鳴き続け、助けと情けを求め続ける。 そして隊長がひょいっと串を持ち上げた。そしてくるりと一回転、子タブンネを顔からフライパンに勢い良く押し当てる。 「ブァアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」「ミ゙ィイイイイイイイ!!」 親子の奇跡のデュエットに、兵士達のテンションはMAXだ。そして仕上げにワインを入れる! 「ム゙ァアアアアアアアアアアアアアア!!!」 ボッ!子タブンネが火をまとった。思わぬパフォーマンスに歓声があがる!正しタブンネ以外から。 こうして子タブンネの串焼きは出来上がった。ピンクの体は茶色に染まり、目や口、鼻から肉汁が染み出ている。 目は焼き焦げ、フワフワの尻尾などただの消し炭に等しかった。 そして隊長が子タブンネのでっぷりとした腹にかぶりついた。兵士達やポケモンは興味津々で様子を伺う。正しタブンネ以外。 「うっ…………う…ウマいっ!!」 兵士達から声が上がる。そして隊長はものすごい勢いで腹周りを食べていく。 最後に耳にかじりつくと、パリッとした快音が響き渡る。やがて頭と下腹部のみになってしまった無様な子タブンネが出来上がった。 親タブンネは涙をボロボロ流し力無く血まみれの手を鉄格子にたたきつけている。 「いや素晴らしい!これほどまでにウマい肉があったとは!」 隊長がポイッと無様な子タブンネを檻の中に投げ入れて言った。 「ミッ………ミィイイイイイイイイ!!!」 親タブンネが泣きながら生首になって帰って来た息子を抱きよせた。下腹部がボトリと地面に落ちる。 もはやタブンネ達は顔面蒼白。いつかは自分達もああなるかもしれない…タブンネ達は恐怖に怯えるしか出来なかった。
https://w.atwiki.jp/wakures/pages/148.html
スパイスLv2_3 スパイスLv2_3雑穀と豆の豆乳雑炊 手ごね押麦入りハンバーグの和風デミソース チキンかあさん煮土鍋 鶏と野菜の黒酢あん クマチャンラテ すごうまマヨカルビ丼 ハンバーグカレー 自遊空間特製グリルバーガー 鮭茶漬け マーラー刀削麺 前のページへ 1 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 次のページへ 雑穀と豆の豆乳雑炊 雑穀と豆の豆乳雑炊東京「大戸屋ごはん処」 大戸屋オリジナルの雑穀ご飯と、たっぷりのあさり、野菜を煮込み、豆乳を加えました。添えられたおろし生姜で、風味豊かに仕上げた健康志向のひと品です。※雑穀ご(途中切れ) 中級 ジャンル ご飯・麺 価格(一押し) 36(?) コスト(一押し) 31(?) 風味(一押し) 85(?) 品質 属性条件 色 226 包丁技 143 香 216 調味技 141 味 208 火加減 145 調理情報 習得条件 調理時間 1時間20分 習得Lv制限 Lv30 調理費用 440ドル 初級料理習得数 9 習得数 24~36個 食材 豆製品Lv2 6 ミルクLv2 6 スパイスLv2 5 × × × × × × クイズ 問題 使用するごはんの中で、正しいものを一つ選びましょう。A.白ご飯 B.麦ご飯 C.玄米ご飯 D.雑穀ご飯 答え(反転) D. 雑 穀 ご 飯 雑穀と豆の豆乳雑炊を編集 ▲TOP 手ごね押麦入りハンバーグの和風デミソース 手ごね押麦入りハンバーグの和風デミソース東京「大戸屋ごはん処」 牛肉に、押麦、玉ねぎ、ベーコン、調味料を加え、良く混ぜ合わせた手ごねハンバーグはこだわり。鉄板でじっくりと焼き、ふっくらと仕上げたハンバーグは、ボリュームも(途中切れ) 中級 ジャンル おかず 価格(一押し) 37(?) コスト(一押し) 32(?) 風味(一押し) 85(?) 品質 属性条件 色 223 包丁技 145 香 211 調味技 141 味 216 火加減 142 調理情報 習得条件 調理時間 12時間 習得Lv制限 Lv30 調理費用 340ドル 初級料理習得数 9 習得数 24~36個 食材 米穀Lv2 3 肉Lv2 3 スパイスLv2 10 × × × × × × 一押し食材 肉Lv2 10 ソースLv2 1 スパイスLv2 20 × × クイズ 問題 ハンバーグのつなぎによく使われる材料で、正しくないものを一つ選びましょう。A.パン粉 B.玉子 C.サラダ油 D.片栗粉 答え(反転) C. サ ラ ダ 油 手ごね押麦入りハンバーグの和風デミソースを編集 ▲TOP チキンかあさん煮土鍋 チキンかあさん煮土鍋東京「大戸屋ごはん処」 昔からある、大戸屋の大定番商品。土鍋で熱々に仕上げます。醤油ベースのだしに、玉ねぎの甘味、揚げたチキンカツの衣が染み込みます。大根おろしとの相性も良く、(途中切れ) 高級 ジャンル おかず 価格(一押し) 55(86) コスト(一押し) 48(62) 風味(一押し) 115(200) 品質 属性条件 色(一押し) 298(333) 包丁技 206 香(一押し) 289(324) 調味技 209 味(一押し) 288(323) 火加減 205 調理情報 習得条件 調理時間 1時間 習得Lv制限 Lv45 調理費用 200ドル 中級料理習得数 12 習得数 24~36個 食材 米穀Lv2 2 肉Lv2 3 キノコLv2 8 スパイスLv2 7 × × × × 一押し食材 米穀Lv2 10 ソースLv2 1 キノコLv2 20 × × クイズ 問題 カツの上にのせた薬味で、正しいものを一つ選びましょう。A.とうがらし B.万能ねぎ C.しょうが D.ごま 答え(反転) B. 万 能 ね ぎ チキンかあさん煮土鍋を編集 ▲TOP 鶏と野菜の黒酢あん 鶏と野菜の黒酢あん東京「大戸屋ごはん処」 大戸屋の一番人気メニュー。秘伝の黒酢ソースは、数種のお酢をブレンドした、深みのあるコクと、あっさりと食べられるのでが特徴。たっぷりの野菜とお肉の味を引き(途中切れ) 高級 ジャンル おかず 価格(一押し) 50(81) コスト(一押し) 43(57) 風味(一押し) 115(200) 品質 属性条件 色(一押し) 285(320) 包丁技 206 香(一押し) 290(325) 調味技 208 味(一押し) 300(335) 火加減 205 調理情報 習得条件 調理時間 3時間 習得Lv制限 Lv45 調理費用 200ドル 中級料理習得数 12 習得数 24~36個 食材 肉Lv2 2 豆製品Lv2 5 キノコLv2 8 スパイスLv2 5 × × × × 一押し食材 肉Lv2 10 ソースLv2 1 キノコLv2 20 × × クイズ 問題 お酢の原料として、正しくないものを一つ選びましょう。A.米 B.ぶどう C.とうもろこし D.キャベツ 答え(反転) D. キャ ベ ツ 鶏と野菜の黒酢あんを編集 ▲TOP クマチャンラテ クマチャンラテ東京「Bear s Sweet Dream」 直火焙煎した、上質のコーヒー豆を使用し、一味違う本格的なラテをご賞味ください。可愛いクマちゃんの顔に癒されながら、忙しい生活に息抜きの一休みをどうぞ。 中級 ジャンル 飲み物 価格(一押し) 27(?) コスト(一押し) 22(?) 風味(一押し) 85(?) 品質 属性条件 色 111 包丁技 214 香 95 調味技 215 味 119 火加減 217 調理情報 習得条件 調理時間 30分 習得Lv制限 Lv30 調理費用 1440ドル 初級料理習得数 9 習得数 20~30個 食材 豆製品Lv2 6 ミルクLv2 5 スパイスLv2 4 × × × × × × 一押し食材 豆製品Lv2 20 シロップLv2 1 スパイスLv2 10 × × クイズ 問題 日本に初めてコーヒーを持ち込んだのはどの国の人か一つ選びましょう。A.スペイン B.イギリス C.オランダ D.フランス 答え(反転) C. オ ラ ン ダ クマチャンラテを編集 ▲TOP すごうまマヨカルビ丼 すごうまマヨカルビ丼東京「自遊空間」 こってりダレとマヨネーズの愛称が抜群の当店人気メニュー! 中級 ジャンル ご飯・麺 価格(一押し) 37(?) コスト(一押し) 32(?) 風味(一押し) 85(?) 品質 属性条件 色 211 包丁技 140 香 217 調味技 142 味 222 火加減 145 調理情報 習得条件 調理時間 2時間50分 習得Lv制限 Lv30 調理費用 410ドル 初級料理習得数 9 習得数 24~36個 食材 肉Lv2 3 米穀Lv2 4 野菜Lv2 2 スパイスLv2 4 × × × × 一押し食材 米穀Lv2 20 ふりかけLv2 1 野菜Lv2 10 × × クイズ 問題 すごうまマヨカルビ丼に使用した材料はどれでしょうか。一つ選びましょう。A.糸きり唐辛子 B.七味唐辛子 C.コチュジャン D.チリソース 答え(反転) A. 糸 き り 唐 辛 子 すごうまマヨカルビ丼を編集 ▲TOP ハンバーグカレー ハンバーグカレー東京「自遊空間」 人気のカレーにハンバーグをトッピングした、ボリューム満点で大満足のメニューです。 中級 ジャンル ご飯・麺 価格(一押し) 37(?) コスト(一押し) 32(?) 風味(一押し) 85(?) 品質 属性条件 色 218 包丁技 143 香 203 調味技 141 味 229 火加減 145 調理情報 習得条件 調理時間 2時間40分 習得Lv制限 Lv30 調理費用 390ドル 初級料理習得数 9 習得数 24~36個 食材 肉Lv2 3 米穀Lv2 3 野菜Lv2 3 スパイスLv2 5 × × × × 一押し食材 肉Lv2 10 ふりかけLv2 1 スパイスLv2 20 × × クイズ 問題 日本のカレーはどの国から伝わってきたのでしょうか。一つ選びましょう。A.インド B.タイ C.イギリス D.フランス 答え(反転) C. イ ギ リ ス ハンバーグカレーを編集 ▲TOP 自遊空間特製グリルバーガー 自遊空間特製グリルバーガー東京「自遊空間」 自遊空間オリジナルのハンバーガーです。肉汁たっぷりのハンバーグが自慢です! 中級 ジャンル おかず 価格(一押し) 37(?) コスト(一押し) 32(?) 風味(一押し) 85(?) 品質 属性条件 色 223 包丁技 145 香 211 調味技 141 味 216 火加減 142 調理情報 習得条件 調理時間 6時間 習得Lv制限 Lv30 調理費用 390ドル 初級料理習得数 9 習得数 24~36個 食材 肉Lv2 4 野菜Lv2 6 スパイスLv2 5 × × × × × × 一押し食材 肉Lv2 10 ソースLv2 1 野菜Lv2 20 × × クイズ 問題 パンズに挟んだ材料で、正しいものを一つ選びましょう。A.ハム B.目玉焼き C.チーズ D.玉ねぎ 答え(反転) B. 目 玉 焼 き 自遊空間特製グリルバーガーを編集 ▲TOP 鮭茶漬け 鮭茶漬け東京「自遊空間」 鮭が大胆にも一切れのった自遊空間自慢の鮭茶漬けです。 中級 ジャンル ご飯・麺 価格(一押し) 50(?) コスト(一押し) 43(?) 風味(一押し) 115(?) 品質 属性条件 色 290 包丁技 225 香 285 調味技 223 味 300 火加減 227 調理情報 習得条件 調理時間 5分 習得Lv制限 Lv30 調理費用 480ドル 初級料理習得数 9 習得数 20~30個 食材 魚Lv2 5 米穀Lv2 3 スパイスLv2 3 × × × × × × 一押し食材 魚Lv2 20 ふりかけLv2 1 スパイスLv2 10 × × クイズ 問題 鮭茶漬けに添えた薬味はどれでしょうか。一つ選びましょう。A.わさび B.しょうが C.ねぎ D.からし 答え(反転) A. わ さ び 鮭茶漬けを編集 ▲TOP マーラー刀削麺 マーラー刀削麺東京「金獅子楼閣」 本格的な四川西安料理の辛さと、職人技の刀削麺のコラボレーションを是非ご賞味ください。 中級 ジャンル ご飯・麺 価格(一押し) 37(?) コスト(一押し) 32(?) 風味(一押し) 85(?) 品質 属性条件 色 218 包丁技 143 香 203 調味技 141 味 229 火加減 145 調理情報 習得条件 調理時間 2時間40分 習得Lv制限 Lv30 調理費用 390ドル 初級料理習得数 9 習得数 24~36個 食材 肉Lv2 6 米穀Lv2 6 キノコLv2 3 スパイスLv2 2 × × × × 一押し食材 肉Lv2 20 ふりかけLv2 1 スパイスLv2 10 × × クイズ 問題 刀削麺はどこの料理でしょうか?正しいものを一つ選びましょう。A.中国四川料理 B.中国北京料理 C.中国山西料理 D.中国山東料理 答え(反転) C. 中国山西料理 マーラー刀削麺を編集 ▲TOP 前のページへ 1 2 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 次のページへ
https://w.atwiki.jp/feg2/pages/265.html
/*/ こちらはのお店は、FEGの特産物の一つ牛乳を使った食べ物を豊富に取り揃えています。 一部ですが、メニューをご紹介します。 ●フレッシュ牛乳 1にゃんにゃん 当日朝に採れた牛乳をそのままお持ちしました。成分未調整ですので”本物の”牛乳を味わうことが可能です。 ●チーズ 2にゃんにゃんから 言わずと知れたチーズです。チーズフォンデュに使えるチーズから、本格的なチーズまでたくさん種類があります。試食もできますのでお好みによってご購入ください。 ●ミルクジャム 3にゃんにゃん 牛乳と砂糖を煮詰めて作ったジャムです。あまり馴染みがないかもしれませんが、なかなかおいしいですよ。 ●ヨーグルト 2にゃんにゃん 新鮮なヨーグルトです。種菌として使えば皆様のご家庭でも作ることが可能です。詳しい説明を聞きたい方はお近くの店員までお気軽にお問い合わせください。 ●ケーキ 3にゃんにゃんから その日の朝に採れた牛乳を使った生クリームをふんだんに使っています。食博覧会3日目には、ケーキの作り方教室を開催しますのでぜひご参加ください。なお、教室の参加料は無料となっております。 ●アイスクリーム 2にゃんにゃん よく冷えてますよー。他では味わえない濃厚なアイスクリームをご堪能ください。ソフトクリームも同価格で販売していますのでお好みでどうぞ。 ●入浴剤 要相談 牛乳風呂に利用することもできます。お肌の性質に合わせて出荷しますのでお近くの店員にご相談ください。 一部ではありますがメニューのご紹介をさせていただきました。 全ての商品はご自宅への宅配も受け付けておりますのでお気軽に申し付け下さい。 また、ご不明な点などありましたらお近くの店員にお問い合わせください。 文責:ジャイ@FEG /*/ 多岐川佑華と芹沢琴は、難しい顔をしながら手を動かしていた。 米は熱いうちに握らないといけないのだが、それが一番難しい。 熱くてやけどしそうに、でも息をふーふーかける訳にもいかないので熱くて投げ出しそうになるのをこらえて握るのだった。 具はたらこ、しゃけ、イクラ、こんぶ、おかか、梅干し。 お米はFEG特産のにゃんこじゃらし米を使って丁寧に水洗いして炊き上げた。 手に塩水をつけてきゅっきゅっきゅと握る。 きゅっきゅっきゅ。 頑張って三角に握ったおにぎりにのりをくるんと巻いていく。 この作業が一番楽しい。 お皿には次々とおにぎりが並べられ、お皿のふちの色で中身の具が分かるようの考慮した。 「お祭りだねえ」 「ですわねえ」 「お客さん来てくれるといいよねえ」 「来てくれますわよ」 お皿に並べ終え、ブースの倒していたプレートを立てる。 『営業中』 「いらっしゃいませー。おにぎりありますよー」 「FEG名物にゃんこじゃらし米で作ったおにぎりですよー」 「たらこー、しゃけー、イクラー、こんぶー、おかかー、梅干しありますよー」 「いかがですかあー」 今日はNACの食博覧会。祭りである。 長い一日の始まりである。 文責:多岐川佑華@FEG /*/ 一部は緑地化したとはいえ、砂漠の国としての歴史を持つFEGの料理にはやはり砂漠の国ならではのものが多くある。そのひとつが特産である岩塩を使った細工物だ。 FEGの山地から採れる岩塩──塩の塊──は広い国土の故か幾種類かがあり、そのうち、細工に好んで使われるものは、クリスタルのように透き通ったものと淡いピンク色のものの2種類で、一見すると水晶のように見える。特に淡いピンクのものは恋愛のお守りとして女性に人気がある模様。オーダー出来ることをウリにしているある工房では、自分の想い人の立像や思い出の景色を彫り込んだランプシェード等の注文も多くあるとか。 猫耳の子:「ピンクかわいい。でも、透明なのも涼しげでいいよねー、特にこの気候だと。……でも、やっぱりピンクがかわいい……」 また、「目も舌も楽しませられる」をウリに、これで作った食器を使用している店もある。ミネラルが豊富に含まれているためか、特にオーガニック志向の高級店への納入が多いそうだ。先日プレオープンを迎えたFEGステーションホテル(仮)でも、この食器を使ったスペシャルコース(要予約)が供されて話題となった。 王猫とよく似た柄の猫:「……」(無言で岩塩皿でごはんを食べてる) 文責:広瀬都@FEG /*/ FEGから出展されているお菓子の店「甘味処FEG」。 その店の中に、霧賀火澄の姿があった。 「いらっしゃいませー!美味しいお菓子はいかがですかー! 採れたて果物をふんだんに使用したお菓子がありますよー! ひんやり冷え冷えアイスとジュースも是非どうぞー!!」 元々お菓子作りが大好きな火澄は、今回のイベントで様々なお菓子を知ってもらおうと、お菓子の店を出店したのだ。 国内で生産された旬の果物と、豊かな緑地で収穫された穀物を使った様々なお菓子。 今が旬の、甘いメロンを使用したメロン果汁入りふんわりシフォンケーキ。 西瓜を使用した色鮮やかな西瓜のアイスなどなど。 他にも取れたてで新鮮なブルーベリーのムースや各種果物のアイス、スムージーやジュースをそろえてある。 「ジュース一杯くださーい!」 「はい。ありがとうございますー!」 「このケーキ食べたいんですけど…」 「あ、はい。紙皿とプラスチックフォークをお付けしますねー!」 小さなお店の中をくるくると働きまわる火澄。 その表情はとても楽しそう。 「調子はどうだ?」 「あ、小助さん。 ふふふー。結構売れてるんですよw」 「そうか」 「暑いからですかねー。アイスとかジュースが良く出てます。」 「ふん・・・まあ、頑張れ」 「はいっ!」 去っていく小助の後姿を見送ってから火澄は仕事に戻った。 美味しいお菓子をたくさんの人に食べてもらおう。 今日もその思いのため、火澄は頑張る。 文責:霧賀火澄@FEG /*/ ~FEGの特産……でもないお手軽料理のご紹介~ 「……さて、今日のお昼は何にしようかなあ」 犬耳……は最近自粛して猫耳をつけるようにした小柄な少年が、一人ブラブラとメインストリートを歩いている。 日夜政庁城で書類と格闘……もせずにスヤスヤ惰眠を貪っているこの人は、大体13時30分を過ぎるとムクリと起きて勝手に食事を食べに行く……人のお金を持って。 「クスクスはおなか膨れるけど保たないしなー。魚介のサラダの気分でもないしー」 ちょっとした救いと言えば、彼はヒドイ貧乏舌で高いものが全然口に合わないのだった。 安いものしか食べないおかげで、食費をちょろまかしてもそうそう怒られない……と思っている。呆れられているだけなのだが。 「それにしても……今日はいつもよりあっついなあ」 FEGと言えば元は砂漠に広がる機械の国。 緑化はしてもそうそう蒸し暑くはないが、やっぱり日差しは強いのだ。 「こういう日は太陽に負けないように、やっぱりニクだよね、ニク」 毎日のように同じ台詞を律儀に繰り返してメインストリートを下っていく。 商店街の店に混じって、路地や軒先に立ち並ぶ屋台。そのどれもが独特の、しかし同じ種類の香ばしいニオイを漂わせている。 「今日はどの屋台にしようかなあ」 スンスンと鼻をひくつかせながら覗き込む店先には、ジュゥジュゥと音を立てて焼ける肉が並んでいる。 数々の屋台、その多くがケバブの屋台だった。 ケバブ。一言で言えばスパイスをつけて焼いた肉。 元々は羊肉の料理だが、牛肉や鶏肉で作ることも多い。 角切り肉を串焼きにしたシシュケバブ、つくねを串焼きにしたコフタケバブ、塊肉をそぎ切りにして食べるドネルケバブ。さらに野菜と一緒にバンズで挟んでバーガーにしたり、ピタパンで挟んだりと食べ方は色々ある。 忙しい技術者の手早いお昼、ウィンドウショッピングのお供、肉成分の不足に耐えられなくなった時、小腹が空いた大食漢のオヤツ……などなど。 作るのも難しくなく、食べるのも楽なファーストフードとして昔から人気がある。 「んー、今日は……よし、ここっ」 びしっ! と指さした屋台の店先にはぐるぐると回る大きな肉の塊。 遠赤外線照射でじっくりと焼き上げられたそれを、大きな包丁でザックザックとそぎ切りにして食べる。この屋台の売りはドネルケバブらしい。 「おいちゃん、一つちょうだい。ソースある? ……じゃあイスケンデルで」 最近の流行で、ケバブにソースをかける店も増えた。チリソースやハリッサ――唐辛子のソースだ――が多いが、猫舌な彼は甘口のヨーグルトソースが好きらしい。 「……あい、んじゃこれお代ね。ありがとー」 薄いピタパンに野菜と肉がギッシリ詰まったドネルケバブを受け取る。普通の店なら皿盛りだが、屋台ではこのスタイルが一般的だ。 揺れる猫耳と一緒に手を振って、屋台を離れる。 ゴミ箱に近づいて、まずはタマネギをつまみ出す。犬だか猫だかのような性質があるこの人は、とりあえずネギ類が酷く嫌い。 これ以上ニオイをかぎたくないのでさっさとゴミ箱を離れてぶらぶらと歩き出す。 「いっただきまーす」 はぐっ。勢いよくかぶりつく。 ソースがかかった分ちょっとだけ冷めて、熱すぎず辛すぎずのほどよい温度。猫舌的にはちょうどいい。 はぐっ、はぐっ。かぶりつくたびに肉汁がじわりとしみ出してくる。 「……んー、ちょっと塩味薄いかな。もうちょっとスパイス濃くても良いかも」 もっしゃもっしゃ。 肉と一緒に野菜を食む。一緒に入ってるのは千切りキャベツとかトマトが多い。タマネギは抜いたけど。 「……んー、後から味してきた。ちゃんと味が染みてなかったっぽいなー」 ブツブツと批評とかしてみる。 立ち並ぶ屋台は数十軒、その中から自分好みの味付けを見つけるのも屋台巡りの楽しみだ。 「んー、70点! ……お、意外と得点高かったー。今度も一回いこっと」 採点終了。包み紙をくしゃっと潰して近くのゴミ箱にぽいっ。 ……あ、外れた。 「あー、もー、帰るのやになってきたなー。 もうイッコ行っちゃおうかな!」 安いし早い。ケバブの特徴。 おかげでもう一個だって余裕で行ける。 「よーし、こないだ美味しかったあの店行ってみよ!」 たたっと駆け出す犬……じゃない、猫耳の人。肉大好き。 ただしご用心。暑いからってちゃんと運動しないとすごい勢いで太ります。メタボります。 だから最近美容に気を遣う女性技術者たちのケバブ離れが著しいんだとか。 「お、新しい店発見!!」 ……まあこの人はそんなの考えてないみたいだけど。 文責:古河切夏@FEG