約 2,015 件
https://w.atwiki.jp/wakures/pages/994.html
マタドールファミリー(6種) プロのシェフが作る肉本来の味を活かしたステーキを、ご家族と一緒にしっかりと味わいにいらしてください。 平均 200~450元 料理ジャンル - 店舗所在地 高雄市左營區富民路355号2F(裕誠路富民路口) 営業時間 平日:11 00~22 00、週末・祝日:11 00~22 00 アクセス - 駐車情報 - その他情報 - マタドールファミリー(6種)グリーンサラダ クミン子羊リブステーキ 最高級フィレ赤ワインソース煮込み 豚足のハニーマスタード添え 最高級フィレステーキ 高級フカヒレスープ 入 門 属 性包丁技調味技火加減 価 格(コスト) 一押し食材 初 級 中 級 高 級 2 種 203~279204~281200~278 38~61(31~54) 特 級 2 種 273~282275~278270~281 61~72(52~63) レ ア 2 種 350~380345~376347~377 71~81(60~70) 食材Lv1 食材Lv2 肉Lv2×10、野菜Lv2×7、ミルクLv2×7、果物Lv2×14、スパイスLv2×4 食材Lv3 肉Lv3×38、キノコLv3×6、野菜Lv3×26、豆製品Lv3×12、ミルクLv3×6卵Lv3×4、スパイスLv3×10 備 考 グリーンサラダ グリーンサラダ台湾台北士林「マタドールファミリー」 新鮮なパルミジャーノチーズをかけてお召し上がり下さい。 高級 ジャンル 前菜 価格(一押し) 61(?) コスト(一押し) 54(?) 風味(一押し) 115(?) 品質 属性条件 色(一押し) 246(?) 包丁技 203 香(一押し) 245(?) 調味技 204 味(一押し) 254(?) 火加減 200 調理情報 習得条件 調理時間 20分 習得Lv制限 Lv45 調理費用 100ドル 中級料理習得数 12 習得数 12~18個 食材 野菜Lv2 7 果物Lv2 7 ミルクLv2 7 × × × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) グリーンサラダを編集 ▲TOP クミン子羊リブステーキ クミン子羊リブステーキ台湾台北士林「マタドールファミリー」 新鮮なニュージーランドラムは高温で焼く事で、素晴らしい味と香りを生み出します。 高級 ジャンル おかず 価格(一押し) 38(?) コスト(一押し) 31(?) 風味(一押し) 115(?) 品質 属性条件 色(一押し) 290(?) 包丁技 279 香(一押し) 281(?) 調味技 281 味(一押し) 304(?) 火加減 278 調理情報 習得条件 調理時間 5時間 習得Lv制限 Lv45 調理費用 800ドル 中級料理習得数 12 習得数 20~30個 食材 肉Lv2 10 果物Lv2 7 スパイスLv2 4 × × × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) クミン子羊リブステーキを編集 ▲TOP 最高級フィレ赤ワインソース煮込み 最高級フィレ赤ワインソース煮込み台湾台北士林「マタドールファミリー」 あふれ出す肉汁が素晴らしい高級サーロインを赤ワインソースで煮込みました。 特級 ジャンル おかず 価格(一押し) 72(?) コスト(一押し) 63(?) 風味(一押し) 145(?) 品質 属性条件 色(一押し) 365(?) 包丁技 273 香(一押し) 362(?) 調味技 275 味(一押し) 373(?) 火加減 270 調理情報 習得条件 調理時間 30分 習得Lv制限 Lv60 調理費用 120ドル 高級料理習得数 18 習得数 12~18個 食材 肉Lv3 9 野菜Lv3 6 キノコLv3 6 スパイスLv3 3 × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) 最高級フィレ赤ワインソース煮込みを編集 ▲TOP 豚足のハニーマスタード添え 豚足のハニーマスタード添え台湾台北士林「マタドールファミリー」 コラーゲンたっぷりの豚足にハニーマスタードをかけてお召し上がり下さい。 特級 ジャンル 前菜 価格(一押し) 61(?) コスト(一押し) 52(?) 風味(一押し) 145(?) 品質 属性条件 色(一押し) 378(?) 包丁技 282 香(一押し) 368(?) 調味技 278 味(一押し) 354(?) 火加減 281 調理情報 習得条件 調理時間 1時間 習得Lv制限 Lv60 調理費用 200ドル 高級料理習得数 18 習得数 20~30個 食材 肉Lv3 9 野菜Lv3 6 豆製品Lv3 6 スパイスLv3 3 × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) 豚足のハニーマスタード添えを編集 ▲TOP 最高級フィレステーキ 最高級フィレステーキ台湾台北士林「マタドールファミリー」 最高級フィレの肉厚重厚さが売りの高級ステーキです。 レア ジャンル おかず 価格(一押し) 81(?) コスト(一押し) 70(?) 風味(一押し) 175(?) 品質 属性条件 色(一押し) 447(?) 包丁技 350 香(一押し) 444(?) 調味技 345 味(一押し) 434(?) 火加減 347 調理情報 習得条件 調理時間 2時間 習得Lv制限 Lv75 調理費用 520ドル 特級料理習得数 24 習得数 20~30個 食材 肉Lv3 10 野菜Lv3 7 ミルクLv3 6 スパイスLv3 4 × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) 最高級フィレステーキを編集 ▲TOP 高級フカヒレスープ 高級フカヒレスープ台湾台北士林「マタドールファミリー」 10時間煮込んだ高級フカヒレスープです。 レア ジャンル スープ 価格(一押し) 71(?) コスト(一押し) 60(?) 風味(一押し) 175(?) 品質 属性条件 色(一押し) 338(?) 包丁技 380 香(一押し) 331(?) 調味技 376 味(一押し) 326(?) 火加減 377 調理情報 習得条件 調理時間 2時間 習得Lv制限 Lv75 調理費用 520ドル 特級料理習得数 24 習得数 20~30個 食材 肉Lv3 10 野菜Lv3 7 豆製品Lv3 6 卵Lv3 4 × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) 高級フカヒレスープを編集 ▲TOP
https://w.atwiki.jp/ds-oryori-kouryaku/pages/29.html
肉料理 ハンバーグ 357 名前:枯れた名無しの水平思考[] 投稿日:2006/07/23(日) 18 00 31 ID pfMbVBEF0 http //124.38.226.66/bbs/17403/img/0027767389.jpg 初心者ではありませんが、ハンバーグを作ってみました。 フライパンに余った肉汁・ケチャップ・ウスターソース・ 赤ワイン・バターと塩・胡椒で作るソースがバカ旨です。 きぬさやが無かったので、インゲンで代用しました。 巨大なハンバーグなので、裏返す時に二つに割れましたw 4時から作り始め、今食べ終わりました。 366 名前:枯れた名無しの水平思考[sage] 投稿日:2006/07/23(日) 18 07 43 ID AxNGpUO10 ハンバーグの外がカリカリに焼けているのに 中が生焼け(赤いまま)の時は、 電子レンジで温めるといい。 なんてことを携帯ゲーソフトの板に書くとは思わなかった。 553 名前:枯れた名無しの水平思考[sage] 投稿日:2006/07/30(日) 00 14 14 ID MhxlqkMD0 ワラジハンバーグとポテトサラダのドンブリ盛りw ttp //ip1.imgbbs.jp/read2/DSOryouriNavi/7/27/7.html ポテトサラダは冷蔵庫で冷やして明日のおかずにしまつ。 ハンバーグはナビの言うとおりに多めに作って、こねて形成した 奴をラップに包んで冷凍にしたんだけど、どれくらい持つ物なんだろう? 554 名前:枯れた名無しの水平思考[sage] 投稿日:2006/07/30(日) 00 25 35 ID +YJxbL+b0 553 食べられなくなるまでは持つだろう 558 名前:枯れた名無しの水平思考[] 投稿日:2006/07/30(日) 00 37 31 ID RMaZJMTQ0 553 結構持つケド、一ヶ月以内には食べちゃった方がいいと思う (半年ぐらい大丈夫だけどその頃になると殆ど紙バーグ) 268 名前:枯れた名無しの水平思考[sage] 投稿日:2006/08/04(金) 00 01 19 ID Mu5gjv1/0 明日ハンバーグをピーマンで包んで焼こうと思うんだけど、いいかなぁ? 269 名前:枯れた名無しの水平思考[] 投稿日:2006/08/04(金) 00 17 48 ID ifHWxD9y0 268 弱火で蒸し焼き気味にすればおk たしかピーマンの面を先に焼いたような希ガス 274 名前:枯れた名無しの水平思考[sage] 投稿日:2006/08/04(金) 00 30 41 ID Mu5gjv1/0 む、ピーマンの面から焼くのか。肉から焼こうと思ってた。 危ない所だった! ㌧クス。 ピーマン余ってるから、そういやピーマンの肉詰めって、 中身ハンバーグと一緒らしいし、やろうと思ったんだよね。 275 名前:枯れた名無しの水平思考[sage] 投稿日:2006/08/04(金) 00 34 37 ID /pBZ9s070 274 ピーマンの内側に片栗粉を塗りつけると肉と分離しにくくなるよ 684 名前:枯れた名無しの水平思考[sage] 投稿日:2006/08/20(日) 22 44 12 ID 5Js54qeT0 ハンバーグ 赤ワインたっぷりのソースが良い香り、余った分はグラスにそそいで ハンバーグと一緒にいただけて2度おいしい。 焼き加減さえ気をつければ味の方で失敗することはないです。 http //ip1.imgbbs.jp/read2/DSOryouriNavi/7/47/8.html http //up2.viploader.net/pic2/src/viploaderf80750.jpg ところで、ワインを結構調理に使うという方、どれくらいの期間保存してますか? 飲み頃は一週間と聞きましたが調理になら使ってもよいものか、 もしくは一度買ったら早めに全部使い切るのか・・ (この場合食材として高くついてしまう orz) 686 名前:枯れた名無しの水平思考[sage] 投稿日:2006/08/20(日) 23 07 39 ID SFrnjVhk0 684 自分は近くのスーパーで小さいビンのワインが売っているので、それを 調理に使う+飲むで使い切ってしまう。 クッキングワインってのも売ってる(栓がネジ蓋になってて長期間使用可) けど、ワインを使う料理は「飲めるワイン」で作れって言うし。 693 名前:枯れた名無しの水平思考[sage] 投稿日:2006/08/21(月) 07 42 59 ID r0L6/UJRO 684 ハンバーグのソースが余ったのかとオモタ。 グラスに入れて飲む? 694 名前:枯れた名無しの水平思考[sage] 投稿日:2006/08/21(月) 08 03 54 ID YOMUb7Ie0 うん、俺も最初そう読んだ。 でも赤ワインのことなんだよね。 695 名前:684[sage] 投稿日:2006/08/21(月) 08 24 57 ID TKCAURkU0 感想ありがとうございます。 »686 有力情報!次から探してみます。 »余る すごく、赤ワインです・・・ orz 696 名前:枯れた名無しの水平思考[sage] 投稿日:2006/08/21(月) 08 55 02 ID wUMsONsX0 ワインなんか冷蔵庫で放置してもワインビネガーんあるだけ(になるだけ) 数ヶ月単位で巻耐えて(考えて)良い 935 名前:枯れた名無しの水平思考[sage] 投稿日:2006/09/14(木) 02 00 57 ID xx/dMfSA0 写真は撮らなかったけど、ハンバーグの派生でピーマンの肉詰めを作った(夜中に)。 ナビにはないメニューだけど、肉タネ作るのはシェフのお力を借りました。 生パン粉てのが分からなかったんで、食パンを下ろし金でおろして作ったw あと、このスレでピーマンの内側に小麦粉まぶせば、焼いた時 肉と分離しないと教えてもらったので失敗しなかったyo! そして、うまかったyo! ハンバーグ作るの慣れたらおすすめなメニューです。 937 名前:枯れた名無しの水平思考[sage] 投稿日:2006/09/14(木) 05 11 00 ID ey2Gbbjw0 935 >生パン粉てのが分からなかったんで、食パンを下ろし金でおろして作ったw それで正解。 放置して固くなっちゃったパンもおろしてパン粉にできるよ。 25 名前:枯れた名無しの水平思考[sage] 投稿日:2006/09/16(土) 08 16 17 ID lsop/p8l0 ところでハンバーグをつくるとき、材料をビニール袋に 入れてこねると手がよごれないですよ。 最後に成形するときは手で丸めないといけないですが。
https://w.atwiki.jp/punksidress/pages/381.html
●貴族 都市国家の市民の内の有力者が貴族になる。 広大な農地を持っている。 貴族や貴族は、生活に必要なことのほとんどを奴隷にさせており、暇である。 そのおかげで学術芸術が盛んである。 貴族、市民は戦争に参加できる。 民会を神殿に頼んで、行ったりもする。 黒剣のクロニカでは、コフ市の黒剣家と ヤニア市の小百合家が主として語られる。 ▲手紙 ▲根拠ログ どういう内容であれ手紙は貴族の一大事、いいのかなあ、バッタと呼ぶような奴に こんな重要なもの渡して。あんたは知らないかもしれないけど、僕は酔狂な次兄のせいで 文字が読めるんだぜ。 ▲邸宅 コフだと貴族の邸宅は、市の郊外にある。 ヤニアの小百合家は、市街地にある。 ▲根拠ログ コフの黒剣家: 貴族は大体において市の郊外に本宅を持つ。それぞれが広大な農地を持っているんだから当然だ。 さらに防御を考えて、だいたい崖の上に邸宅を建てる。海から攻撃しにくく、陸からは坂道を 上がっていかないといけない。p21 ヤニアの小百合家: 都市というのはどこも同じか。蝿が飛び回り、埃っぽくて臭い。 隣の都市国家とはいえ、代わり映えのなさに苦笑が出る。 違いといえば、貴族の館が市街地にあることくらいか。p67 僕の家の半分もない屋敷を指差される。 他の五階建ての建物より低いのは、高層階を他人に貸したりsていないせいだろう。 三階建てに見える。 煉瓦を使わず、石材を組み合わせて作ってあるのは貴族風だが、建物の外観に彫刻などなく、質素に見える。 円形の屋敷というのが唯一目の引くところだった。p67 この屋敷は、中庭を囲むように建物が配置されている。中庭は立派で最低限の軍事訓練ができる規模を確保していた。p71 中庭を望む大きな窓がついた二階の部屋に案内される。当主はここで訓練を見ることができるというわけだ。 p71 ▲礼儀 ▲根拠ログ 貴人は顔を見せぬものです。p66 貴族の作法としては、もったいぶるのが正式なものなのだ。p69 ▲話題 ▲根拠ログ おかげで貴族は、葡萄の出来に妙に詳しい。 僕があまり好きでない葡萄酒も、貴族としては 日常的に仕入れている知識が役に立つので人気だった。p68 ■その他 ▲根拠ログ 家宰 p71 娘の婚姻といえば貴族にとっての一番の稼ぎ時なのに、代役を立てるなんて何かあったのだろう。p80 民会を開くように神殿に訴え出るという。p110 ■貴族と市民と奴隷の関係 ▲根拠ログ 多島海全般として、市民も貴族も暇だ。 生活に必要な事は全部、奴隷にやらせているからだ。だから学問も芸術も盛んになる。 それでも僕は奴隷制度が嫌いだ。とはいえ、嫌いということでは始まらないのもわかっている。 歴史の始まりから奴隷はいた。とジジウムは言っていた。 つまりはそれだけ便利ということだ。 不便になれと言っても出来ないことも分かっている。p111 ■政治的な事情 ●コフ 黒剣家 ▲根拠ログ もっとも父は、女目当ての戦争をやりすぎて軍費がかさみ、貴族としての力を落としてしまった。 今や黒剣家は中くらいの貴族に過ぎない。p59 ●ヤニア 小百合家 ▲根拠ログ「あと門番は、色々あって雇ってない。」p94 売れそうな人は売っちゃったし、奴隷と言っても今残ってるのは20人くらいで、昔から 働いていて今更他には行けないという人ばかりなんだけど。 思ったより小百合家は貧乏だった。 火急の要件でと偽当主というか葡萄園を任されている老人が走ってきた。 p118 ◇コフの貴族の食事 コフの食事は、庶民は、魚介類全般。 貴族の食事は、小麦をこねて薄く伸ばしたものを竈(かまど)の内側に 張り付けて焼いたピッタ(麦の皿)という食べ物が豊富に出てくるくらいが違い。 葡萄酒を角杯で飲む。 黒剣家の食事では、オウメスが肉を食べないのでこういう食事なっているらしい。 ▲根拠ログ 貴族の食事は、長椅子に寝そべって行われる。くつろいで食事するという建前だ。p52 トウメスは角杯を持ち上げた。置くことができないから飲み終わるまで持っていないといけないp52 食事は奴隷が給仕するが、皆男ばかり。p52 食事が魚介類中心なのは、庶民とあまり変わらない。小麦をこねて薄く延ばしたものを 竈の内側に張って焼いたピッタという食べ物が豊富に出てくるくらいが違いだった。p53 オウメスは肉を食べないのでこういう食事にp53 僕は葡萄酒は好きではなかった。 p53 ◇ヤニアの貴族の食事事情 ▲根拠ログ 貴族には、朝食はない。夜明けから20刻は市民からの相談事や紛争の解決を強いられる。 食事をする暇はなくて水を飲むのがせいぜいだ。 その反動で昼の食事はそれなりにしっかり食べる。 とはいえ、夕餉ほどの長い時間をかけて食べることはできないから、黙って、そして急いで食べる。 p129 ◇ヤニアの貴族の食事 ▲根拠ログ 夕食時。明るいうちから食事が始まる。 横になってだらだら食事をするのが貴族というものだが イルケは食事に出てこない。 p117 小麦を練って竈に打ち付けて焼き上げたピッタを香り豊かな植物油につけて食べながら 僕はしっかりしようと思った。 p118 僕はおいしそうに焼きあがった白身魚に手を出すこともせずに飲めもしない葡萄酒を飲んだ。 ここの葡萄酒は甘く、保存にはあまり適していない味がした。 中庭にいる僕達を気遣ってか、オルドネーが用意したのは練った小麦を竈の内側に打ち付けて 焼いたピッタを半分に切って、中の空洞に羊の肉を詰めたものだった。 これが、うまい。 肉を噛み切れば、肉汁が口から溢れ出る。p130 ◇ヤニアのイルケの食事 ▲根拠ログ 食べているものは、大きな皿に山盛りの草だった。 火も通していない。 それに塩と油をかけて食べている。 「この体になってから、こういうものが好きになったの」 「昔はお肉ばかり食べてたんですよ。」
https://w.atwiki.jp/homuhomu_tabetai/pages/3405.html
作者:gdHhI8yr0 743 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] 投稿日:2013/02/13(水) 13 37 48.66 ID gdHhI8yr0 小 中 大 あ 隔 こんにちは。私です。羽まどちゃんが我が家の一員となって一か月が経ちました。 ちょっと前までは初々しい若羽まどでしたが、今ではすっかり成体の仲間入りを果たしています。 そして、今日は羽まどちゃんに工作にチャレンジしてもらいたいと思います。 クラブのマニュアルにも、 「羽まどに工作をさせてみてください。 羽まどは知能が高く空間把握や計画的行動などが得意であるため、 道具や材料を与えると、時に驚くべきような物を作り上げます。 なお最初のうちは割りばし、紐、輪ゴム、紙などの簡単なものから始めましょう」 と書いてあります。 では早速割りばしと紐とお皿をケースの中に入れてみましょう。 カラカラカラッ パサッ コトン 「マドッ?」ナニコレ? ブンブン 「ホムァァアアアアア……」 ブルブル 「マドマド?」エダ? ジーーッ 早くも割りばしに興味を示しています。振り回したり眺めたりしています。 その様子を見て、ほむほむ達は今度は何をされるのかと怯えています。 「ホムラチャン?」コッチハ ナニ? グイグイ 「マドッ?」クサノ ツル? クンクン 「マドマドォ……」チガウ…… グルグル スルスル 紐にも興味を示しています。引っ張ったり匂いを嗅いだりしています。 あらっ、今度は結んだりほどいたりをひたすら繰り返しながら、何か考え事をしてるようです。 「マドォ……マドマド!」ウーン……ソウダ! 「ホムラチャン、マドマッドォ!」ホムホムタチノ オウチ ツクッテ アゲル! 「ホッホムゥ?」ホントニ? 「ホムホム♪」アリガトウ♪ コシフリフリ 意外にもほむほむの巣を作るようです。 ちなみに羽まどちゃんの強制交尾により現在ほむほむの数は妊ほむ含め二桁に達しています。 巣を作ってくれると聞いて呑気にも喜んだり、踊ったりしています。 今まで羽まどちゃんに何をされてきたのか忘れてるようです。ほむほむはとことんほむほむですね。 「マドマド…」ココニ オイテ… カラン カラン 「ホムラチャン…」コッチヲ ムスンデ… スルスル ギュッギュッ 「ティヒヒ…」ココニ タテテ… バサバサ 「マドドォ…」ココモ ムスンデ… グルグル グイッグイッ 割りばしを並べては紐でつなぐを繰り返しています。 あっという間に目の粗い虫カゴのようなものがいくつも出来上がりました。 「ホムラチャン……」アトハ ツルシテ…… バサバサ 「マドォ、マドー…」シタニ オサラヲ オケバ… カチャカチャ 「マドマドー!」デキター! どうやら完成のようです。 割りばしと紐で出来た目の粗い虫カゴがいくつか上から紐で吊るされ地面から数cm浮いていて、 カゴの下にお皿が置いてあるという大変奇妙な光景です。 「ティヒヒホムラチャン」オウチ マデ ハコンデ アゲル ガシッ バサバサ 「マドカー」タノシミー プラーン 「ホムホーム♪」アタラシイ オウチー♪ プラーン 「マドマド」オハイリ ポイポイ 「ホビャァ」イテッ コテン 「ホムムン?」ナニコノ オウチ? ポテン 「マドドォ♪」ハヤク ゴハン ウンデネ♪ グルグル ギュッ 羽まどが次々と妊ほむを完成したカゴの中に落としていき、出られないように紐で入り口を塞いで閉じ込めています。 どうやら家畜小屋を作ったようです。 「ホムホム?!」トジコメラレタ?! アセアセ 「ホムゥー!」タスケテー! バンバン 「ホムゥン、マドカー?」ブジニ ウメル カナ? サスサス ようやく自分の置かれた状況を理解したようです。お腹が膨らんだ体で焦ったり不安がったりしています。 翌朝 「ホムゥゥゥウウウン!」ウマレテ キタラ ダメ! 「ココジャナイ……」ウミタク ナイ…… 「マドマド♪」マダカナ マダカナ♪ 朝起きてみると、カゴの中で今にも出産しそうな妊ほむ達と満面の笑みの羽まどちゃんがいました。 妊ほむ達は自分の仔が食べられることを知ってるので、産みまいと必死です。 「マドドォー♪」ゴハン サッサト ウンデー♪ グラグラ 「ホビャァァアアアア!」モウダメー! 「ホギャァァアアアアアア!」ヤメテー! ブチブチィブチッブチブチ 羽まどがしびれを切らしてカゴを揺らした途端、せきを切ったように一斉に妊ほむが出産しています。 スカッポテン スルッコテン コロッポテン 「ホムゥゥウウウウ!?」コドモォォオオオ!? 「マドカー!」シタニ オチ チャッタ! 「ホミィイイ、ホミィイイ」イチャァイヨー ジタバタ 「ホミャァァアアン!」オカーサーン! 「ホ……ホ……」タチュ……ケテ…… ピクピク カゴの目が粗かったおかげで、体の小さい赤ほむだけがカゴの目をすり抜けて下のお皿に次々落ちていきます。 これだと親ほむに邪魔されず赤ほむを収穫できますね。さすが羽まど賢いですね。 「マドン」ヨイショ ガシッ バサバサ 「ホミュゥゥ……」トンデル…… 「ホミャァアアン」コワイヨー ビクビク 羽まどが赤ほむの入ったお皿を持ってどこかに向かって飛んでいます。一体どこに向かっているのでしょうか。 グイッ ガシャン 「サイコウノトモダチ♪」オイシイ ゴハンニ ナッテネ♪ コト 「マドマド♪」ジャアネ♪ テフリフリ ガシャン ググググッ ジジジジジ……… あろうことかトースターの中に皿ごと赤ほむを入れ、つまみを回し焼き始めました。 羽まどは人間のマネをよくするといいますが、まさかパンのかわりに赤ほむをトーストするとは思ってもいませんでした。 「ホミィィイ?」アチュクナイ? キョロキョロ 「ホ?……ホミャァァァアアア!」ソウカニャ?……アチュィィイイ! ジタバタ 「ホビビビィイ、ホビイイ」ダチテェ アチュイヨー! ペチペチ 中はまさに阿鼻叫喚。トースターの庫内の中で必死に助けを求めてます。 「ホギャァアア!」オガーザーン ジュージュー 「ミャリョカァァアアアア!」ヤケチャウー! ジュワジュワ 「ホミャ……」シヌ…… シュウシュウ 「ホムラチャン♪」イイニオイ♪ ルンルン 赤ほむ達から香ばしい匂いと肉汁が出てきて大変美味しそうです。そろそろ焼き上がりでしょうか。 ジジジジィ チィーーン 「ミャロ……カァ……」 コンガリ 「ホミャ……ミュ……」 ホッカホッカ 「」 サックサック 「マドォオ!ホムラチャン!」オイシソウ!オウチデ タベマショウ! バサバサ どうやらうまく焼けたようです。取り出して自分のケージの中で朝食をとるようです。 もちろん親ほむ達の目の前で。 「ホビャァァアアアア!」ワタシノ コドモガー! 「マドマドォー♪」イタダキマース♪ アーン サクッサクッ「ミ…」 ブチブチ「」 パリパリ「ホビ」 モグモグ 「マドマド」オイシカッタ 「マドォマドマドッ!」アシタモ ゴハン ヨロシクネ! 「ホビャァァアア……」ナンデ コンナメニ…… ポロポロ つづく ジャンル:ほむほむ複数 妊ほむ 牧場 王者まどまど 羽まどまど 観察 調理 赤仔虐待 道具 間抜けほむ 食物連鎖 養殖
https://w.atwiki.jp/hosyoku/pages/94.html
3人の女の子が、道を歩いていました。 名前は、裕香、麻耶、麻奈。 その3人の目の前に、一人の少女が近づいてきました。 彼女は真っ黒な三角帽子に真っ黒なマントを羽織っていました。 「ねぇ、あなたたち、ハンバーグとエビフライとケーキ、どれがすき?」 裕香は「ハンバーグ!」 麻耶は「エビフライ!」 麻奈は「ケーキ!」とそれぞれ答えました。 少女は、満足そうにうなずき、彼女たちの前に手をかざしました。 彼女たちは、視界がぐにゃりとゆがむのを感じ…そのまま意識を失いました。 裕香はひんやりとした感触がお尻を冷やすのに気づき目を覚ましました。 「え?あたし…裸?」 いつのまにか自分が裸のままガラスの中に閉じ込められているのに気づきました。 「え?でられない?誰か、助けて!」 分厚いガラスをたたきますが、誰も返事がありません。 裕香を囲むのは円形のガラスの器。その上には蓋が閉じられ、力いっぱい押しても開きません。 足元には、十文字の大きな金属板。少し力を入れるとくるくると回転しました。 「ここ、どこなんだろ…あたし、どうなっちゃうんだろ」 そういってガラスの向こうに目を向けた瞬間、激痛とともに彼女の視界が真っ赤に染まりました。 そのガラスの向こうには、意識を失ったまま寝そべっている二人の少女がいました。 次に意識を取り戻したのは麻耶でした。 彼女は、全身が痺れた状態のまま、誰かに転がされているのを感じ、目を覚ましたのでした。 「え?これ、なに?うわっごほっ、ごほっ」 とっさに開いた口にパン粉がまぶされ、むせる麻耶。 何度も視界が地面と天井を向く彼女の視界の隅に、形を整えられたひき肉が目に入りましたが、 彼女にとっては気にするどころではありません。 パン粉に続いてぐちゃぐちゃする玉子の中に放り込まれて、体中がべとべとになっていたのです。 逃れようにも身体が動かないまま、フラットな身体を衣に覆われた彼女を大きな手が抱え上げました。 彼女の目に入ったのは大きな油の煮える鍋でした 「え?やだ、いやだ!ママ!助けて!」 大声で叫びましたが、身体はまったく動かず、麻耶は煮えたぎる油の中に身を躍らせました。 じゅぅぅ… 麻奈が高熱の中で目を覚ましたとき、彼女の身体はすでにオーブンの中で焼かれつつありました。 「いやぁぁぁぁぁ!!熱い!!助けてぇぇ!!」 必死で声なき声を上げるも焼かれた身体はまったく動かず、 自分の体を炎と熱が嘗め回すのに任せるだけでした。 麻耶の意識は、自分の身体がこんがりと揚げられ、皿に乗せられた後でも残っていました。 「うぅ、うぅ」 麻耶の身体は全身に火が通りながらも、衣によって包まれた身体は旨みをぎゅっと閉じ込めており、 パリッとした衣にはソースがかけられてゆきました。 「あたし…エビフライになっちゃったの?」 皿に横たわり、ソースをかけられながら、意識を失う前のやり取りを思い出した麻耶。 その麻耶の横に、大きなハンバーグが乗せられました。 柔らかなハンバーグの表面にはじゅわっと肉汁が滴り、その上にソースがかけられてゆきます 「裕香?裕香なの?」 必死で問いかける麻耶の耳元にかすかな声が聞こえました 「麻耶…あたし…ハンバーグになっちゃった…」 身体をひき肉にされ、どこにも原形をとどめなくなったハンバーグ。それが今の裕香でした 「やだ、こんなのやだよぉ」 すすり泣く麻耶の前に、狐色に焼けた少女が引き出されました それが誰かはもう、あきらかでした 「麻奈ぁ」 麻奈の裸身は狐色に焦げ、その表面を飾るように白いクリームがべっとりと塗られていました 傍目に見ると白い衣装をまとったようにも見える麻奈の身体にフルーツが乗せられてゆきます 大きなテーブルの上に乗せられたハンバーグとフライとケーキの前に大きな少女が座りました。 あの、黒い三角帽子とマントの少女でした。 少女は満足そうな笑みを浮かべると、さっそくハンバーグから食べ始めました。 少しずつ切り刻まれ、少女の口の中へ消えてゆく裕香 「裕香ぁ…やだぁやだぁ」 必死に目の前の切り刻まれる裕香から目をそらそうとしますが、フライになった身体は まったくいうことを聞かず、裕香だったハンバーグが少女の口に消えるのを見せ付けられました。 そう思うや、少女はナイフを持ち出し、麻耶のほうにナイフとフォークを向けました。 麻耶の身体はフォークを突き刺され、ナイフで腰の辺りから切られようとしていました。 すでに火が通っていた麻耶の身体は痛みこそ感じませんでしたが、 身体を両断される感覚に全身を悶えさせました。 やがて、両断され、下半身を口に運ばれる麻耶の目には、切断された腰の断面と、 つぼみのままの子宮の断面が映っていました。 ハンバーグを食べつくし、少女はフライを食べつくそうとしていました。 有頭エビフライがそうであるように、頭だけを残して首にナイフを入れるつもりのようです。 ごりっごりっ 不気味な音とともに、麻耶の首は皿の上を転がり、上半身は少女の口へと消えてゆきました。 残された麻奈はあまりの寒さに身を震わせていました。 オーブンで焼かれ、熱を生産できなくなった麻耶の身体は、クリームを乗せるまでに十分に冷やされ、 今まで感じたことのない寒さを感じていたのでした。 寒い、寒い。 ナイフで身体を細切れにされながらも感じていたのは寒さだけでした。 徐々に少女の口の中へ消えて行くにつれ、麻奈は寒さが消えてゆくのを感じました。 あ、あたし、食べられてるの? 徐々に小さくなってゆく自分の体。麻奈は食べられた部分から寒さを感じなくなっているのに気づきました。 はやく、あたしを食べて。この寒さから助け出して いつしか麻奈はそう考えるようになっていました。 少女はそんな麻奈の首にフォークを突き刺し、口の中へ放り込みました。 少女の口の中で噛み砕かれる麻奈。彼女は鈍い痛みとともに、少女の口の中のぬくもりをかんじていました。 ケーキを食べつくし、手持ち無沙汰になった少女。 彼女は、皿の上に残った麻耶の首をつまみあげると、 そのまま口の中へ放り込み、数回噛み砕いた後、飲み込みました。 「みんな仲良くわたしのなかで消化してあげる」 少女はお腹をなでさすりながらそういいました。 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/sundog/pages/11.html
12/23 披露宴ライブ @ 横浜 無事完走!久々のEndrollも! 12/22 練習4回目! @ 横浜 ライブ前日のコメダ! 12/9 練習3回目! @ 横浜 ジャケットはデート感ある 11/18 練習2回目! @ 横浜 Amari hotel 10/13 久々練習 @ 横浜 カニチャーハン 9/7 曲決め会議その②「新橋は俺のニワ」 @ 新橋 9/2 Sundog結成10年目にして再始動!曲決め会議 @ 横浜 2018年 ~ ~ 12/27 HYB忘年会 @ リリス キリンタンバリンは描いてませんええ描いてません 12/3 冬スタジオライブ!! ムチャぶり激しいなんだこれ 10/1-2 柏陽文化祭!! 1stはふざけすぎました。 8/27-28 HYB SUMMER FESTIVAL’11 @ 六本木&川崎 3rdもHYBに馴染んできました。1stのふざけ具合もひどくなってきました。 8/17-18 海飲み @ 鵠沼 ホントに覚えてない。← 8/12-15 HYB夏合宿 @ 埼玉 楽しすぎて覚えてない。 8/8 肉汁演習 @ 横浜 みんなGだった。。。 6/18 六月病の会 @ 横浜 バーミヤンでぐだぐだ。ダースシリリース!! 5/28-29 五月病の会 @ 横浜 後輩の参加率イイネ! 五月病を治す会ではなくて五月病の会です。 5/3 HYB2stライブ @ 横浜 地震で流れた春ライブその二!3rd,4thの台頭であります! でも6thって言いにくいよね。 4/17 HYB1stライブ @ 新宿 地震で流れた春ライブ!HYBの初東京進出! 2011年 ~ 12/18 HYB忘年会 @ 戸塚 HYBっぽい9時間でした。楽しかった美味しかった! 12/18 HYB冬ライブ!! @ 川崎 音楽の新しい風をお送りします。てか英語ぉお。 12/5 HYB冬スタジオライブ!! @ 藤沢 あ、俺遅れたから此処誰か更新しといて← 10/3,4 柏陽文化祭!! 高校生のノリっていいね。・・・うん、練習しよう。 9/25 HYB夏休みスタジオライブ @ 平塚 エフェクタは踏ませねぇ、俺が踏む!(fromくじら 9/1 HYB夏休みライブ~粉砕!玉砕!大喝采!!~!! @ 石川町 keep on going... 8/19-22 HYB合宿!! @ 静岡 あこがれじゃね!?を聞きそびれた人はしまっちゃおうねぇ~ 8/12 Sundog焼肉会!! @ 横浜 カルピス茶漬けえ、まだ19 00?w→え、もう23 00!? 7/31-8/1 HYB 7月病海飲み!! @ 逗子 5/29 HYB五月病ライブ!! @ 藤沢 そして打ち上げ!!198の久々参加でGO!!! 4/4 HYB五月病ライブ会議 @ 横浜 3/29-30 復活ライブ!! からの 打ち上げオール!!幸せ。 3/28 スタジオ @ 太陽 、 作詞者、歌う 3/26-27 スタジオ @ 太陽 、 水とおにぎりをお願いします 3/16-17 スタジオ @ 太陽 、 睡魔 → カオス 3/11-12 スタジオ @ 太陽 、 い!ま!よ!「次いつ入れる?」「え、そこ入れると死ぬんだけど」 3/4-5 スタジオ @ 太陽 、 ぴゅーん・をーいぇー 2/15-16 会議 + スタジオ @ 太陽 2/10 会議 @ 横浜ラパウザ 1/15 Sundogblog 2周年 2010年 ~ 10/3,4 文化祭 & HYB 10月病の会 8/29-30 HYB 8月病の会 @ 鵠沼 5/24 Sundogblog 再開 5/23 HYB 5月病の会@横浜 3/28 卒業ライヴ!! & 打ち上げ 3/27 会場準備 & リハーサル 3/24 スタジオ練 in 太陽ぬ & バンド人らしい会話? 3/23 スタジオ練 in 太陽ぬ & ちょっと卒業 3/20 スタジオ練 in 太陽ぬ & 合成写真… 3/14 スタジオ練 in 太陽ぬ 3/13 スタジオ練 in 太陽ぬ 3/6 再始動開始会議 at 選択B? 2009年 ~ 10/6 文化祭片付け & HYBまとめ 10/5 文化祭本番!!~2日目 & 後夜祭 & 打ち上げ 10/4 文化祭本番!!~1日目スタジオ練 in 藤沢 10/3 準備&リハーサルスタジオ練 in 藤沢 10/2 昼から視聴覚準備スタジオ練 in 藤沢 10/1 放課後、視聴覚の椅子外し 9/28 スタジオ練 in 若泉ミスド会議~ 9/27 スタジオ練 in 藤沢 9/20 スタジオ練 in 藤沢 9/11 スタジオ練 in 藤沢 9/08 プチHYB会議 in 2-2スタジオ練 in 藤沢 9/04 HYB会議 in 選択BDo remember! 9/01 スタジオ練 in 藤沢 8/26 スタジオ練 in 新杉田 8/21 スタジオ練 in 太陽 8/5 スタジオ練 in リリス 7/17 HYBミーティング in 選択A・B 7/11 朝集まり in 選択C 7/7 神のお話 at 選択C 7/4 朝練2回目 at 選択C 6/30 朝練開始 at 選択E 6/15 スタジオ練 at 藤沢 5/20 「君越し」検討会 at 選択B 4/20 スタジオ練 in 新杉田 4/18 まさかの連続更新記録ストップ(汗 4/7 念願のミニライブ 大成功 4/6 ミニライブ準備&スタジオ練 in 新杉田 4/3 セッション at 選択C & 「君越し」作曲 作詞 3/31 スタジオ練 in 藤沢、残りでCoCo壱&有隣堂 3/29 藤沢でスタジオ練、その後ロビーでマジ(?)会議 3/25 会議室でミニライヴの説明を受ける 3/24 選択Eで練習&会議、その後ガストで二次会議 2/27 テスト前にかかわらず4F選択で小会議 2/25 3F選択他で “ 練習 ≦ その他もろもろ ” 2/21 第2回スタジオ練 in 桜木町午後はメンバー全員でカラオケ、その後残りはマックで会合 2/18 4F選択で練習、即興&作曲もどき 2/13 3F選択で「君越しの黒板」の作詞 2/6 2-3で作詞活動 2/4 2-3で練習 2/3 初スタジオ練 in リリス 2/1 買い物へ行き、その後マックで再会議 1/29 カラオケに行き、その後ガストで会議(恋ばな) 1/25 関内で友達の友達のライブを聞く 1/21 3F選択で練習 1/18 4F選択・2-6で練習 1/15 サイト開設 1/12 サイト開設案立案(ミルクコーヒーを買いに横浜へ) 2008年 ~ 2007年年末 バンドメンバー決定 1582 本能寺の変 ~
https://w.atwiki.jp/niziroyale/pages/168.html
スターリングラード゜、そして新たな戦場◆Ql27/Ynx16 「これは……どういう事だ!?」 ルドル・フォン・シュトロハイム大佐は戸惑いのあまり声を上げずにはいられなかった。 スターリングラードでの絶望的な戦いの最中、ソヴィエト兵どもに突撃をかけた次の瞬間に闇の世界が訪れた。 それだけならまだ理解できる、自分は死んでヴァルハラに召される途上なのだと自然に受け入れられた。 だが妙な事に苦難と共にした部下達は見当たらずやたらアジア人ばかりが目に付いた。女子供も多かった そして同じアジア人の少女に殺し合えと嗾けられ反抗した幼い修道女が死亡した。 死など見慣れ過ぎていて感慨など特にない、東部前線では女子供もスパイやパルチザンに加わって我が軍を脅かしていたのだ。 それから突然体が手足から消え始め気が付けばこの建物の中に居たという訳だ。 「絶望で気が触れた連中みたいに遂に私も狂ったのか?」 野戦病院に後送された連中を思い出す、しかしあの状態では狂う暇もなく死んでいる筈だ。 狂ったという自覚が無い以上、自分を疑いたくはない。 奇妙な事は数え切れない、部品が無くボロボロだった義肢は錆どころか傷一つ無く最高の状態に整えられていた。 弾薬は無いがそれは元からだ、服も下ろしたてとしか思えない。 窓を開ければ夜風が身体を吹き付ける、あまりにも心地良いそれはロシアの寒気では在り得ない。 「季節は冬だった筈、南半球なのか? それとも私は半年も寝ていたのか?」 硝煙の代わりに潮の匂いが鼻に届く、海の傍という事はロシアの奥地では無いらしい。 目の前にはヴォルガとは比べ物にならぬ程小さな川が流れている、そして無傷の市街地が見える。 素早く見渡したが歩哨はおろか人影は見当たらない。 「静か過ぎるな……いや、あの戦場が普通だった私の方が異常なのかもしれんが」 当たり前の様に耳にした銃声も爆発音も今は全く聞こえない。 まるで街全体が静まり返っているようだった。 これが夢なのか煉獄の一種なのか未だ判別が付かないが闇雲に動き回るつもりは無かった。 見渡せば部屋には書架が並んでおり闇の奥まで続いている。 どうやら図書室らしく閲覧席が設けられていた。 素早くカーテンを閉めると席に座ってスタンドを点ける。 全員に配られたというバッグを調べれば何らかの手掛かりはあるだろうとの判断だ。 真っ先にこの街の地図に目を通した。 だが施設名ばかりで地名が一つも無いそれはシュトロハイムの疑問に応えてくれなかった。 判った事は現在地が図書館いうことぐらいだ。 「やはり知らぬ名ばかりか……何ッ、ジョゼフ・ジョースターだとっ! 奴もここに居るのかッ!」 次に名簿を確認する、総勢58名、万の単位が当たり前だった東部前線に比べたら話にもならない数だ。 カイル少佐を始めとした部下や第六軍司令のパウルスといった上官が含まれていない事を改めて確かめると同時に唯一知っている名前が目に飛び込んできた。 ”ジョゼフ・ジョースター” 今となっては遥か昔に思える四年前、古代ローマの昔から現代に蘇った柱の男相手に共闘した波紋使いのアメリカ人。 彼が居なければその後の歴史は変わっていたかもしれなかった。 戦いの後は結婚し、それから没交渉であったが今や国同士が争い互いに敵国人となってしまった。 その事を抜きにしてもシュトロハイム自身アメリカに良い感情は抱いてない。 ソヴィエトの大軍勢を支えているのが大西洋とベーリング海を越えて大輸送船団で送り込まれるレンドリース物資である事は常識だ。 戦車、航空機、各種の輸送トラック、石油から軍靴、スパムの缶詰に至るまでありとあらゆる戦略物資が赤軍の反攻を可能にした。 直接銃弾を打ち合わなくともシュトロハイム自身にとってアメリカ人は敵であった。 見れば他にもアメリカ人らしい名前がいくつか見える。 気心の知れたジョゼスについては話が可能かもしれないが自然と敵愾心が湧き上がる。 だが今はもっと重要な事がある、気持ちを押し殺して名簿から何か掴めないかと考える。 本来こういうことはカイル少佐に任せていたのだが今は止むを得ない。 (第三帝国の者は私一人、ボリシェヴィキの豚共やフランスの連中はいない、トミーかヤンキーも混じっているようだが半数は日本人か) 最初に浮かんだのは人事不省に陥った自分を修理した上で同盟国の日本人と殺し合わせる悪趣味な見世物ではないかという推測だった。 野蛮な共産主義者連中ならばそれをしてもおかしくない、奴らが一人も含まれてないのが傍証だ。 しかしそれなら連中が一番憎む筈の第三帝国の軍人が自分一人というのは少なすぎる。 それに見世物ならもっと単純であるべきで何も街一つ用意する必要は無い、シュトロハイムはあっさりこの考えを捨てる。 第二に有名人は含まれてない、シュトロハイム自身が知らないだけかもしれないが見た限り世間的には無名の連中ばかりと見ていい。 ちなみにシュトロハイム本人は度々戦功を挙げた事で新聞に掲載された事があった。 結局判った事はそれぐらいだ、得体の知れなさに不満を感じながら名簿を仕舞った。 『グゥ~~~~~~』 その時だった、突然シュトロハイムの腹の虫が鳴き出した。 無理も無い、目が覚めて以来食べたものといえば硬パンの欠片一つと貯蔵用ソーセージ半分でしかなかった。 思い出した途端空腹感がもたげ出す。 「むうッ、何たる不覚ッ!! こんな事ではドイツ軍人の名折れッ!!」 つい声を荒げてしまうがこれもまた奇妙な話であった。 長く続く補給の欠乏によって将兵達の胃は縮み、腹が鳴る事すら無くなる者ばかりであった。 シュトロハイム自身、これまで粗食で耐えてきた。 だが今は不思議と肉体は生気を取り戻し貪欲に栄養を欲求している。 腹が減っては戦が出来ぬ、それが実体験として染み込んでいるシュトロハイムは早くも食事を摂る事に決めた。 「確か食料が入っているとか言っていたな……これか、水もあるな」 丸い紙包みを開けると暖かな湯気と肉汁の匂いが鼻をくすぐった。 見れば厚いパンズに挟まれた新鮮な野菜と挽肉のステーキ、指に伝わるふかふかの感触は戦場で食べる硬パンとは全てが違っていた。 食欲をそそられかぶりつく、たちまち豊かな肉汁が溢れ口腔を満たす。 「う、旨いッ!! まさか本当にここは天国かッ!?」 空腹は最大の調味料ではあるがそのハンバーガーそのものも当たりの部類に属したのだろう。 本国でも味わえぬ食感と味のハーモニーに誇り高きドイツ軍人も平伏した。 二口三口と味わうとペットボトルの水を飲む、これもまた泥水を沸かして飲むのとは大違いであった。 「ウムッ!! ゴクッゴクッ!! フウッ……素晴らしい」 たちまちのうちに口福がシュトロハイムを満たしてゆく。 これほど人間らしい食事は何ヶ月ぶりであろうか。 思わず涙を拭ってしまう、部下にも是非この味を経験させてやりたかった。 ハンバーガーとやがて世界に広まる事となるその名前をシュトロハイムはまだ知らない。 それはともかくとして美味な食料に感謝するだけではなくそれは彼に新たな考えを生み出す切っ掛けとなった。 頭の理解は追いつかないが直接的な感覚はストレートに響くという訳だ。 腹が満たされた事で頭の回転が改善された影響もあるのかもしれないが。 「見た事もない美味な料理、一瞬で人を移動させる技術、そして奇妙な効果を効果を持つ道具……」 今シュトロハイムが持つのは一見小型のライトであった。 説明書を読み、試しに書架の一つに向けスイッチを入れてみる。 すると光が書架を照らす、だが信じられぬ事に手品のように書架がみるみるうちに縮んでゆく。 わずか数秒間で天井にまで達していたその書架は掌サイズの模型となってシュトロハイムに見下ろされていた。 「スモールライト、この電燈に照らされた物体は任意の大きさに縮められる、か」 小さな書架を弄びながらその効果が偽りでない事を確かめる。 このようなものが存在するとはドイツのみならず世界中の誰もが知らないだろう。 知られてるのならば戦争の有り方は完全に変わる、どれほど大量の物資だろうが一人の手荷物として持ち運べるのだ。 もし、これがあれば枢軸国を悩ませる補給の問題は全て解決するだろう。 補給部隊のみならず貨物運送そのものが時代遅れとなる。 説明書には効果は三時間に限定されるとあるが本来はより長く効果が持続するらしい。 加えてこの一見何の変哲も無いバッグ。 二つ目の支給品がライフルだった時点でただの入れ物で無いと気が付いた。 明らかに外見以上の収容力がそれにはあった。 試したところ本が幾らでも詰められた、上限はかなり大きそうだ。 効果はスモールライトと一見重なるが似て非なる。 これを応用すれば窮屈な戦車は過去のものだ、中身がいくらでも詰め込めるのなら装甲厚、搭載弾薬、搭乗員も自由に選べる。 石油や水タンクはこのサイズで事足りる。 これ程のものを簡単に与えるとは平戸ロイヤルとその背後はどれ程の存在なのか。 「その手掛かりはこれか、日付は2011年……66年も未来の日付だと!」 新書コーナーに置かれていた書籍の日付にシュトロハイムは驚嘆する。 普通なら本の日付一つで今が未来と信じる人間など誰もいない。 だが既に普通でない体験が立て続けに起こっている。 この本もそうだ、これ程精密なカラー写真をふんだんに取り入れるなど簡単に出来るものではない。 そしてその内容は来世紀の世界各地の都市の姿であった。 想像図とはとても思えなかった、そのどれもが彼の知るベルリン以上、ニューヨーク並みに発展していた。 「本当に未来だとしたら……ジュール・ヴェルヌかH.G.ウェルズの世界だな、だがそう考えれば頷ける部分も多い」 完全に信じた訳ではないが、シュトロハイムはもはやその可能性を無視できなかった。 部下のカイル少佐がSF読みで時々話を聞かされていた事も受け入れられた一因であった。 だとすればこの図書館の知識は計り知れぬ程の価値を持つ、持ち帰れれば第三帝国に与える影響は想像すら出来ない。 比喩ではなく世界の未来が己の双肩に懸かっているのだ、次第に興奮が増してくる。 「フッ、フフフフフフフフッ! 感謝しよう平戸ロイヤル! この私を呼び寄せた事を! ドイツの為の力を持ち帰る機会を与えてくれた事を!!」 彼女がどんな考えの持ち主かは知らぬが今のシュトロハイムにとって些細な事であった。 男の目的はドイツの勝利、スターリングラードの悲劇の回避、その為なら悪魔にさえ魂を売り渡す覚悟があった。 条件はこれ以上無く整っていた。 バッグだけならぱ恐らく一日がかりの作業であった、だがスモールライトの組み合わせが絶妙であった。 書庫を全て縮める事で資料は瞬く間にバッグへと収まった。 三時間後、スモールライトの効果が切れるがバッグの容量はほぼ無制限、何ら問題は無かった。 ※ 「何だッこのケバケバしい色使いは! 未来人どもの趣味は全くなっておらんッ!!」 空っぽとなった図書館を後にしたシュトロハイムは最後の支給品である軍用車両を会場を貫く道路へと出現させた。 オールピンクというその悪趣味極まりない塗装には眉を潜めたがその馬力は十分過ぎて有り余る。 排気量6500cc、出力300馬力のエンジンビートはたちまちシュトロハイムの機嫌を直した。 排気量985cc、出力23.5馬力のドイツの軍馬、キューベルワーゲンとは時代とクラスが違うとはいえ出力で10倍以上の差があるシロモノだ。 この車ならば会場を一回りするにもさほど時間は掛からないだろう。 低速で特性を確かめたシュトロハイムはハンドルを切ってアクセルを踏み込んだ。 瞬間的に座席に背が押し付けられる、専門のドラッグカーすら凌ぐ程の加速であった。 「素晴らしいッ、未来の技術は素晴らしいぞッ!」 加速だけでは無かった、運転席にはナビシステムが地図上の位置を正確に示していた。 現在では当たり前のカーナビシステム、それも1940年代の人間には大いなるカルチャーショックだった。 テクノロジーの進歩を実感しシュトロハイムは本当にあの地獄を覆せる可能性に賭ける事を決めた。 資料を集めながらシュトロハイムは彼らに待ち受ける未来を知ってしまった。 第六軍の降伏と僅か数千人しか戻れなかった彼らの運命、そしてドイツの焦土化と数十年にも及ぶ東西分割。 思わず資料を破り捨てそうになり思い止まった。 その未来は変えられるかもしれないのだ。 「待っていろ……カイル、それに部下達。俺は必ず助けに戻る」 その呟きは加速と共に風へと紛れた。 【E6・図書館前/1日目・深夜】 【ルドル・フォン・シュトロハイム@ジョジョの奇妙な冒険】 【状態】 健康 【装備】 H K G36(装弾数30/30)@現実、スモールライト@ドラえもん、シースルー@パンティ ストッキングwithガーターベルト 【持ち物】 支給品一式、予備弾倉(30発入り×5)、図書館の資料全て(縮小済み) 【思考】 基本: 有用な道具や知識を集めスターリングラードの悲劇を回避する。 1: ドイツの為ならば優勝する事も厭わない 2: 他者の持つ有用な支給品及び四次元バッグを収集する 3 ジョゼフ・ジョースター会った時は…… 【備考】 ※1942年12月末、スターリングラード攻防戦の最中からの参戦です。 ※シュトロハイムがどちらに向かったのかは次の方にお任せします。 【H K G36@現実】 1996年、ドイツ連邦軍に採用されたアサルトライフル。 5.56mm NATO弾使用、発射速度(フルオート時)750発/分 【スモールライト@ドラえもん】 文字通り対象物を縮めることができるライト、本ロワでは効果は三時間持続。 【シースルー@パンティ ストッキングwithガーターベルト】 パンスト姉妹の愛用しているショッキングピンクのハマー。普段はセメタリーヒルズ教会の地下に格納してある。 オープントップでカーナビ機能付き。垂直の壁面など、いかなる状況下でも走行が可能。非常に頑丈で、建物の壁を突き破っても傷ひとつ付けずに自走することができる。 時系列順で読む 前へ:前章 戻る 次へ:[[]] 投下順で読む 前へ:前章 戻る 次へ:[[]] キャラを追って読む 前章 ルドル・フォン・シュトロハイム ▲
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/3068.html
歳末の大宴会も終わり、今年も残すところあと二日となった。後は年越し宴会を待つのみだ。 まどろっこしいからいっそのこと三日連続正月含めてぶっ通しで宴会やろうよ、というアル中チ ビ鬼の提案は一蹴されている。開催会場の設営者が直々に「いやよ」の一言と見事な三白眼で断っ たのだ。そりゃ当然だ。一週間も延々騒ぎ通した挙句、博霊神社には何の見返りも無いのだから。 しかし、年越し宴会の開催は、皆の熱心な説得により開催される運びとなった。これには鬼も喜 んでいたので、ある程度の満足は得られたのだろう。博霊の巫女による最大限の譲歩だったのだろ うが、彼女は宴会の開催決定にうんざりした表情をしていた。 俺は、その年越し宴会のための鋭気を養うため、早々に帰路についている。今頃は三次会になだ れ込むところなのだろう。しかし、俺は年越し宴会で倒れるわけにはいかないのだ。しっかりと体 力を戻さねば、新年を昏倒した状態で迎えることになる。そんな一生の汚点を抱え込むわけにはい くまい。かなりの人数に引き止められたものの、必死に断りの文句を並べ立て、何とか解放しても らえたのだ。年越し宴会ではひどい目に遭わされそうだという確信もこのとき生まれた。そうなれ ば、酔った勢いを装って、あのチビ鬼の瓢箪を踏み割ってやろう。いっぺん泣きを見せてやらねば ならないのだ。もっとも、そういいながら実行に踏み切ることは無いだろう。 酔いを醒ますように、涼やかな夜風が吹く。今日は幸運なことに雪は降っていない。地面にはし っかりと根雪が積もり足場は悪いが、横殴りの雪が降るよりはましだ。酔いがさめる所の話ではな くなってしまう。 確かな足取りを保ちながら、家路を急ぐ。酔いが醒めてくるとともに、冬の寒さが身体の節から 沁みてくる。これは早く家について焼酎かなにかで寝酒に興じるのがよいだろう。もう一度身体を 暖めてからのほうが、俺の場合寝付きが良くなるのだ。 我が家への道のりもあと少しとなってくるころには、自然と俺の歩みは速くなる。寝酒を夢見な がら歩を進めていくうち、俺は妙な違和感に気づいた。 ――家に、灯かりが付いている。 俺は、まだ酔っているのかと自分に呆れながら、もう一度我が家の窓を見る。 ――台所の方が、やはり、明るくなっている。 再度、括目する。 ――居間の窓が割れていた。 三度、括目する。 ――何かが、室内で蠢いている。影が上下に揺れていた。 「不味いだろ……」 自然と呟きが漏れ、嫌な予感が脳裏を過ぎる。何者かが、俺の家の中でなにかをしている。この 状況を楽観視できる人間がいるなら、俺はすぐさまそいつをどこかの滝壺に突き落とそうじゃない か。骨は、白狼天狗の椛ちゃんが拾ってくれるだろう。 とりあえず、俺は現実から目を背けてはいけない。家の中に居るのが、喩え夜盗だろうと妖怪だ ろうと、立ち向かわねばならないのだ。我が家を守るには一所懸命。それ相応の努力労力を惜しん ではいけないのだ。 俺は深呼吸を何度もし――それでも心臓は落ち着きを取り戻さなかった――、決心を固め、玄関 の戸を、音を立てぬように引いた。 土間を通り過ぎ、静かに下足を脱ぐ。扉の隙間から、薄暗い居間で何かが飛び跳ねているのがわ かった。新種の妖怪だろうか。それとも気の狂った盗人だろうか。そのどちらとも判別は付かなかった。 意を決し、居間の扉を蹴り開けて、直ぐ脇にある電気のスイッチを入れた。 卓袱台の上に何かが在る――否、居る。“そいつ”は、跳躍運動をするように飛び跳ねながら、 百八十度反転し此方を向いた。 「――ゆっくりしていってね!! ゆっくりしていってね!!」 どこかで見たような面をした饅頭のような柔らかさをもった生首が、気色の悪い顔でそう言った。 実に愉しそうな動きで、そう言った。 俺は、“そいつ”から視線を外さぬように後退し、再び居間の扉を閉めた。 ○ 居間からは、まだゆっくりコールが聞こえてくる。拍子抜けしてしまった士気をもう一度上げる ために、深呼吸をした。 噂に聞いたことはあったが、実際に見るのは初めてであった。 『ゆっくりれいむ』 それが、居間に居座っていた饅頭に付けられた名前だ。 博霊の巫女の顔とよく似てはいるが、巫女本人とは何の縁も関係も無いとのことだ。 完全に生首であるその全貌。そこはかとない苛立ちを覚えさせるその表情。その視線に捕らえた ら、人妖問わずゆっくりしていくことを望むという奇怪な習性。中身は餡子などが詰まっていると いう、まさに饅頭そのもののような性質を持っているのが、先ほど相見えたゆっくりれいむである 。他にも、『ゆっくりまりさ』、『ゆっくりれみりゃ』、『ゆっくりふらん』といったように、幻 想郷に住む妖怪や魔法使いなど、よく似た饅頭状の生物、通称“ゆっくり”の存在が明らかになっ てきている。台所の方でも何かが蠢いていたことから、どうやら他の“ゆっくり”も乱入している ようだ。 多くの評判に拠ると、ちらりと見たくらいの内は、そのもちもちとした顔つきと目が可愛らしく て庇護欲が沸いてくるものの、じっと見つめているうちにその半開きの口と表情の全体的なバラン スに腹が立ってくる、とのことだった。中身にたっぷりと詰まっているのは、大半が餡子であり、 これがなかなかの美味らしい。そのための加工所まで出来たという。 確かに、俺も今一瞬見た限りでは、ぽよんぽよんと楽しそうに跳ねている様子は見ていても可愛 いと言えるかもしれないし、和んでしまうかもしれない。 だが、同時に我が家の居間に広がっていた“惨状”もしっかりと視界に捉えた俺は。ひとつの確かな結論を導いた。 間違いない。 間違いなく、今、こいつらは―― ――調子に乗っている。 外にある納屋から得物を持ってきた俺は居間に通じる戸の前に一口大の饅頭を置き、ゆっくりれ いむの横幅と同じくらいに開放した。饅頭は、貰い物として近所から受け取ったものだが、生憎俺 は和菓子系統の甘いものがあまり好きな方ではないのでそのまま放っておいたものだ。はっきり言 って、食べられる状況ではない。辛うじてカビがあまり生えていないものを選んでおいた。 「ゆ! おまんじゅうさん、そこでゆっくりしていてね! れいむがたべてあげるよ!」 居間から嬉しそうな声が聞こえた。間もなくして、グシャ、ビリッという音も聞こえてきた。先 ほどは“ゆっくり”にだけ視線を取られたが、恐らく卓袱台に置き放してあった食器や本の類が壊 されていたのだろう。やはり、こいつらは調子に乗っている。 やってくる。ゆっくりとした動きで影が近づいてきた。 ――勝負は一瞬で決まる。 気色の悪い顔の半分が引き戸から見えた瞬間、反動をつけて引き戸を一気に閉めた。 「ゆっ!?」 『プビュッ』 扉に腹立たしいほどにやわらかい感触が伝わる。ゆっくりの身体がぶにょっ、と形を変え、口は 火男(ひょっとこ)のような形になった。同時に口から中身の餡子が少し飛び出した。扉を完全に 引き開けると、ゆっくりれいむは床に力なく転がった。しかし飛び出した餡子は全体の三パーセン トほどだろう。これくらいで死ぬとは思っていないが、死なれては困る。俺はゴム手袋をつけて気 絶したゆっくりれいむを捕まえると、こぼれた餡子を中に入れてから丁度いい大きさの水槽に逆さ まにぶち込んだ。蓋は強力なテープで幾重にも貼り止め、ダンボールで周囲を覆った。 興味本位で、ゆっくりれいむから飛び出した餡を回収する。甘ったるい香り。指先に乗った分だ け味見してみると、意外なことに、甘味の嫌いな俺でもおいしいと思えた。なるほど、餡菓子の元 になり人気を博すのも理解できる。 ○ ゆっくりれいむと“遊んであげたい”欲望には打ち勝ちがたいものがある。玄関の下駄箱の上に 水槽ごと放っておいたが、早くも目を覚ましたゆっくりれいむは何やら叫んでいる。出してほしい ようだが、そうはいかない。コーヒーセットなどが入った食器棚の中身をひっくり返しておいて、 生きて住処に帰れると思っていただいては困ると言うものだ。これだけの食器を集めるまでに、何 度香霖堂に通ったと思っているのだろうか。ゆっくりれいむとは数年間を懸けて償ってもらうとす る。ゆっくりたちに住処はあるのか気になるところでもある。あるならば、一度足を運んでみたい ものだ。その理由は、ここで語る必要はないだろう。 さて、今、俺の目の前の床下に居るのは、頭を(全身を、のほうが正確なのだろうか)ぺしゃん こにし、餡子をだらしなく零して、ピクリとも動かなくなったゆっくりまりさである。もはや、こ れは数分前まで飛び跳ねるように動き、「ゆっくりしていってね!」と気色悪い顔で言っていたと は思えない状態になっていた。 唐突にストーリーが動いたため、動揺している方がいらっしゃるであろうことも加味し、今起こ ったことを詳細に告げるべきだろうと思う。 居間から台所に続く扉を開けた瞬間、扉を弾き飛ばすような勢いで身体を突っ込んできた者がい た。それが、ゆっくりまりさだった。 「ゆっくりしていってね!」 心にも思っていない言葉を投げかけると、ゆっくりまりさは俺の足にへばり付く様に飛び跳ねな がら、「ゆっくいひへいっへへ!!」と御決まりの文句をのたまった。 先ほどのゆっくりれいむと比較しても、このゆっくりまりさは随分と挑発的な顔つきに見える。 上目を見ているからなのかもしれないが、見ようによっては偉そうに踏ん反り返っているようだ。 しかも唇の端がやたらと上がっている。ゆっくりの中には、まあ可愛らしい(と言われているがそ れほどでもない)顔つきのものと、完全に人間をバカにしているような表情をしているものがいる らしい。このゆっくりは後者のゆっくりなのだろう。 ただ、ゆっくりの多くは、自分が入った家に住んでいたもの概要がそのときに誰も居なかったか らという理由で自分のものだと言い張るらしい。このゆっくりまりさにその兆候は見られないが、 しかし、その下膨れの頬はさらに膨らみ、滑舌も非常に悪かった。何かを口に含んで話しているの がすぐに判った。 「ま、まって! まいさにらにしゅるの!! ゆっくいしてね!! あなひへへ!! ゆっくいへ きないならどっかきえへね!!」 何も訊いていないはずなのだが、ゆっくりまりさを捕まえた瞬間、そいつはそう言った。これは 何かをやっていたに違いないと思い、ゴム手をつけた右手を口に突っ込んでかき回した。 「ゆ、ゆっふりやっへね!」 訳の判らないことを言ったので左手でぶん殴った。その感触はあまりに柔らかく、全身に戦慄の ようなものが走った。そして、右手にゆっくりには有り得るはずのない固い感触があったので、そ れを捕まえて取り出した。猶もやかましいゆっくりは、向かい側の壁に投げつけた。ゆっ、と言い ながら床に伏せた。というか、転がった。 手の中にあるのは桃の缶詰めだった。顔面饅頭は缶詰の蓋を開けることは出来ないため、缶をそ のまま飲み込んで味わっていたようだ。これでも美味しかったのだろうか。氷精並に頭も弱いらし い。いや、チルノでも缶切りくらいは使えるだろう。というか、使えていてほしいものだ。 気持ちの悪い体液に塗れた桃缶をゆっくりまりさに投げつけた。 「ゆっ!」 ぼぅよん、と身体を震わせながら痛みに耐えているらしく、その醜い目は次第に潤み始める。缶 詰は眉間に当たったのだが、この饅頭にも痛覚はあるのだと実感した。 「おじさんなにするの!! それはまりさのものだよ!! どうしてかってにとるの!! どろぼ うはよくないよ!!」 何を言うのだろうかと思えば、逆切れだった。そして、ついに自分のもの発言、いいようによ っては“ジャイアニズム発動”と相成ったわけだ。何を言ってやってもこの不細工バカ饅頭には理 解できないと決定づけた俺は、一跳びにゆっくりまりさの転がっているところへ走った。そして、 俺の全然ゆっくりでない動きに怯んだところを捕まえ、小刻みに震わせるように揺すった。 「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ」 最初は混乱したような表情を浮かべていたが、次第に熱を帯びたように逆上せた視線を揺らし、 頬を赤く染まりはじめる。小刻みに揺することで発情するということは、広く公にされて久しい情 報である。 ――感じさせてどうするのか? これは、あくまでも“餌”に過ぎない。 「ゆゆゆふふぅ、ゆゆゆゆうぅ……、ゆっ!!?」 生意気にも、随分と感じていただいたようなので、ゆっくりまりさを床に強く放り捨てる。快感 に身を委ねすぎていたせいか、耐性を立て直せずにまりさは顔面から床に衝突した。すぐさま、ゆ ゆゆといいながら俺を見上げる。 「もっとゆっくりしていってよー!」 もっとしてほしかったのだろうか、俺の足元で顔を真っ赤にして飛び跳ねている。物足りないあ たりで止めておいたのだ、その反応は当然と言える。 しかし、このときゆっくりまりさは、自分の欲望に正直になり過ぎであり、俺の右手に握られて いる納屋から引きずってきた得物の一つである棘付き鉛バットの存在を失念していたことで、自ら の死期を大幅に近くした。 「もっとゆっく……、ゆゆ!? ゆゆゆゆゆべべっ!!?」 我が家に轟音が響いた。 飛び跳ねた瞬間を見計らって、渾身の力を振り絞って鉛製の棍棒を振り下ろした。棍棒が床に接 触したとみるや、床は木っ端微塵に弾けた。ガリガリと床を削りながら棍棒を床に引き上げると、 その下では最初のような状況になっていたというわけである。総重量七十キロだ。饅頭如きがこの 重さに耐え切れるわけが無い。 しかし、こうしてしまってから俺は気づいてしまった。後処理が非常に面倒だ。このままにして いては、床下に夥しい黴が繁殖してしまう。いくら床を修理しようが、黴なんぞの生命力は末恐ろ しいもので、俺は数年後にアレルギー症状を起こしながらくたばってしまう。 「……嗚呼」 何のことは無い。 ――後でゆっくりれいむに処理してもらおう。共食いなんて容易いことだろう。 ○ 最後の砦になってくれるのだろうか、この台所の扉。 ゆっくりまりさが腐り始めるまえに台所の異変を解決しなくてはならないが、どうもその気がし ない。完全にやる気がしないわけでは無いのだが、あの気色の悪い饅頭のさらに気色の悪い屍を見 た後だからだろう、俺はゆっくりたちとの関わりあいを持ちたくないのかもしれない。 しかし、先ほどから「うー、うー」という妙に愉しそうな奇声が、扉を閉めているのに聞こえて くる。その奥にゆっくり何某が居るのは間違いなく、きっと台所をめちゃめちゃにして楽しんでい るのだろう。そもそも、台所から撤退して貰わないと、俺は飢え死にしかねない。 俺は指向を変え、裏の勝手口から潜入することにした。先ほどの“地響き”のために、もしかす ると居間側の扉近くには居ないかもしれない。奇襲をかけてみるのも、ひとつの方法だ。 俺は勢いよく勝手口を開いた。 ――その瞬間。 「うー!?」 扉に柔らかい感触があった。それに気づく間もなく叫び声が聞こえ、反対側の壁に何かがぶつか った。ぶつかったのは実際には見ていない。だが、その方角にある食器棚のガラスの引き戸が割れ る音が聞こえた。 中を見る。俺は絶句するしかなかった。 最惨劇は台所で起きていた。 水は出しっぱなし。冷蔵庫は開けっぱなし。中身はぐちゃぐちゃ。食器はすべて粉々。鍋やフラ イパンの類は辺り一面に散らかり、俺が暇さえあれば読んでいた料理本はビリビリに引き裂かれて いた。そのすべてに、よだれのような体液がこびりついていた。 ――犯人は誰だ? 食器棚の陰でうーうー唸っているゆっくりの正体を見るため、そっと近づいた。 「うー……!」 ゆっくりれみりゃだった。 頭から本人そっくりな羽を生やし、本人そっくりにカリスマ性の無さそうな顔をしている。しか し、こいつは、紅魔館付近で見られるゆっくりれみりゃと違って顔がやたら大きいものだった。別 の見方をすれば、胴体がまだ成熟しきっていないともいえる。恐らく、まだ幼体なのだろう。背中 の黒い翼は、おまけと言ってもいいくらいに小さい。これでは、この豚まんの身体を支えながら飛 行することは不可能だろう。 「おにーしゃん!! れみりゃにょぶっでぃーんは!? ぶっでぃーんはやくちゃべちゃいどー! !」 いきなり阿呆丸出しなことを言う。 んなもんねえよ。俺は洋菓子の甘味がこの世で一番嫌いなんだ。 俺の胸の中は、あっというまに、殺意で満たされた。 今日の宴会で、実は俺とレミリア・スカーレットは少々揉めていた。以前から鼻持ちならなかっ たのだが、ここにきて不満が爆発してしまったのだ。 理由は単(ひとえ)に、レミリアの傍若無人ぶりだった。 いつもは咲夜にすべての世話を遣らせるくせに、今日に限って、レミリアは咲夜を制し仕事をさ せなかった。年末だから、いつも甲斐甲斐しく世話をしてくれるメイド長を休ませてあげようと考 えていたのだろう。 その心意気は、買ってあげてもよい。そう思う。 だが、その代りに、平時咲夜がすべき仕事のすべてを俺に押し付ける、そういう道理は存在しな いのにも関わらず、それを俺に遣らせるのは理解できなかった。酒を注げ。料理を取れ。肩を揉め 。宴会芸をしろ。 最初のうちは、俺も然程厭ではなかったのだが、一時間以上も常識知らずの“お嬢様”の面倒を 見ていると腹が立って来るのは自明だ。主従関係、眷族関係のどちらでもない者が、延々を終わる こと無い命令に従っていられるはずが無いのだ。 途中俺を可哀想に思ったのか、咲夜はレミリアを止めようとしたのだが、そんなことで考えを変 更するほどの一般常識をレミリアは持たない。あれは、どれだけ自分にカリスマがあると《勘違い 》しているのだろうか。そもそも、十六夜咲夜がレミリアを持ち上げるから、あいつの傍若無人ぶ りには拍車を掛かっているのだが、咲夜には《そちらの感情》があるためその自覚はないのだろう。 酒も入り、普段は有り得ないのだが、完全に自我を失ったように激高した俺はレミリアと少々の 口喧嘩をしてきたのだ。 これだけは覚えている。俺はしっかりと言ったことばがある。 『《妹の出涸らし》の癖に調子に乗ってるんじゃねぇよ』 その一言で、レミリアは最初からゼロのカリスマ性をマイナスにした。 最後には咲夜や霊夢に宥められ、何とか事なきを得たものの、苛立ちが完全に霧散することは無い。 そんな折に、現れたゆっくりれみりゃは、実に運が無かったといえる。脳内で厳かな合掌をする。 「うー!! うー!! にゃんにもないけじょ、ここはおもちりょいかりゃ、れみりゃのべっそう にしちぇあげりゅんだどー!」 楽しそうにぽよぽよとジャンプするように踊ると、背中の薄汚い羽根で飛び始めた。といっても “Fly”ではなく“Jump”だ。椅子、机と順々に上がりながら飛び跳ねる。がしゃんと音を立てて 台所の照明が割れ、俺の足もとに飛び散った。 何が別荘だ。お前には洞窟で充分だ。ゆっくりふらんにでも襲われてしまえ、《妹の出涸らし》の癖に。 「う゛ー!?」 俺は、むんずとゆっくりれみりゃを鷲掴みにした。勿論、こめかみあたりに青筋を浮かべそうに なるのを必死になって抑え込み、笑顔で。だが、ただならぬ黒い思惟を見たのか、それでもゆっく りれみりゃは戦慄したようだ。 「君はゆっくりれみりゃだったよね。ゆっくりしていくのかい?」 テーブルにれみりゃを置きながら優しく聞く。敢えて。 そうすると、ゆっくりれみりゃは気色の悪い笑顔でうーうーと言い始めた。そしてにんまりと笑 って黙り込んだ。この次に、こいつが言うことは一つだけだ。そして俺が次に取る行動も一つだけ だ。 「う」 「――ゆっくり死ね!!」 俺は『うー、うー、うあうあ』と喜ぼうとしたゆっくりれみりゃの顔面(こいつには小さいなが らも身体があるからこの表記で大丈夫だろう)に鉄拳を捻じ込む。ゆっくりれみりゃの背中には、 先ほど自分でぶつかり落としたガラス製照明器具がある。それが刺さるように深く、深く。 三十秒はそのままの状態を保つ。 解放してやると、しばらく無表情を保ったゆっくりれみりゃだったが、堤が決壊したように瞳が 潤みだす。背中の方からも、肉汁と思しき液体が染み出した。 「……! ……!!」 声も立てずに無様な表情で涙を流しながら、身体をびくびくと震わせはじめた 。 「……!!?」 腹立たしい表情ゆえに、俺は我慢することを辞めた。ゆっくりれみりゃの頬に手を当てる。摘む 。徐々に力を込め、摘んだ部分が白色になったあたりでれみりゃの表情が歪みはじめ、涙が滝のよ うに流れはじめた。こいつのどこにそこまでの水分があり、涙腺がどこにあるか、などは関係ない 。朽ちはて腐り逝くまで弄り倒してやろうじゃないか。 ちぎれそうなのだろう。ゆっくりれみりゃは必死に逃れようとするが、そんな行動は到底無駄な もので、こんな腐れ饅頭なんぞの力が人間様に敵うはずがないのだ。 しかし、それにしても。 ――よく伸びる。 搗き立ての生餅のようによく伸びる。手を放したら元に戻るのか、と思っていたら、餅と同様に 伸びたままだった。 今度は頬の端を引っ張っていた右手を顎あたりに、左手をこめかみ付近にあてがい、再び伸ばす 。 「おお~、伸びる伸びる」 だんだん楽しくなってきた。もっちりと伸びていくれみりゃの皮の心地よさと、そのたびに泣き 喚くれみりゃの泣き声に、すっかり己を忘却してしまった。気がつけばゆっくりれみりゃの顔はス ライムのように原型をなくしていた。 「……!」 満面の笑みで見つめてやると、れみりゃは、何ということだろうか、俺を睨みつけてきた。恨み をこめた穢れた目で、俺を睨み付けて来た。 完全に、堪忍袋の緒は切れていたと思っていたが、俺の腸の中にはもうひとつ堪忍袋があったよ うで、今度はそちらが爆発した。下等畜生のくせに何たるザマだ。 俺はゆっくりれみりゃの頬を強烈に抓ったままで大手を振りながら風呂場へ向かう。伸びきった ゴムのような身体は扱いにくかったが、途中でわざとらしく、れみりゃの眉間を机の角に強打させ た。道中、聞き苦しい声で「あ゛―――!! ざぐや~、ざぐや~!!」と、訳のわからないこと を叫び始めた。あまりにも喧しく憎たらしかったので、流し台の下から包丁をだし、れみりゃの目 の前で光らせた。殺される、とゆっくりブレインでも理解できたのか、その瞬間は静かになった。 見るからに凶器であるそれに戦慄したのだろうが、別にゆっくりなんぞは包丁を餡で汚さずとも殺 めることは可能だ。 風呂場に入り、湯を浴槽に張る。河童のにとりから貰った『のび~る上水管・ボイラー付きバー ジョン』のおかげで、あっというまに浴槽いっぱいに水が張った。いつも俺がアイディアを提供す れば数週間でそれを具現してくれるからたいしたものだ。にとりも俺の持つ大量のアイディアには 感謝しているようだから、“Give Take”は成立しているようだ。次の機会には、ゆっくりを痛 めつけるためだけのアイテムを嘆願しようか。アイディアは全て、青狸が暗躍する漫画からの拝借 だが。 俺はれみりゃを浴槽にぶち込んだ。ただし全体を入れると死んでしまうのでそれは避けておいた 。そして、水の中で先ほど伸ばしていた皮をちぎった。 「う゛あ゛~~~!!! う゛あ゛~~~!!!」 赤い肉汁が浴槽にあっという間に広がっていく。子供だから生焼けなのだろうか。れみりゃは予 想通りに泣き喚く。ゆっくりたちは、俺の予想していたのとほとんど変わらない反応を見せてくれ るので面白い。非常に虐待甲斐がある。 ここで俺は再び納屋に向かった。れみりゃは力の限りを使って喚いていたためか、水の中から逃 げ出す様子は無かった。ただ、水から顔を辛うじて出しながら喘いでいた。 納屋から二つ目の水槽を出してきて玄関に置き、風呂場へ戻る。肉汁を垂れ流しながら泣いてい るれみりゃを引き上げ、そのままの足で再び玄関に向かった。肉汁を垂れ流し、これ以上家を汚さ れては叶わないので、風呂場横に置いてあった残飯入れ用のゴミ袋を取り出し、それに入れた。 ふとその脇を見れば、蕎麦打ち用の麺棒が置いてあった。ひとつ閃きが舞い降りてきた。 袋の中で手負いの身体を必死に捩って抜け出そうとしているれみりゃの頭であろう辺りを強烈に 殴り飛ばす。怯んだのか気絶したのか判じ切れないものの、動きが止まる。触診のように胴体の位 置を確認すると、麺棒を押し付けて転がした。 「むぎゃああああああああああ!! ざぐ、ざぐ、ざぐううううう!!」 変な声が響く。 粗方遣り終えると、もう一枚ゴミ袋を取り出して中身をそちらに移し変え、先ほどよりもギュウ ギュウに縛った。れみりゃは痙攣するのが精一杯のようで、袋は微細動だけを繰り返している。 玄関の扉を開けると、黄色い、かつ気色の悪い声が響き渡る。 「おにいさん! はやくだして! おうちかえる!!」 ゆっくりれいむが必死に救出を願っている。ダンボールで水槽ごと目隠しをされその中で逆さま になったままで、涙を頭の天辺へと垂らしているのだろう。れみりゃの泣き顔のように汚く、気持 ち悪いのが容易に予想できる。 ところで、こいつの言う処の《おうち》とはなんだろうか。もしかしたら、此処、つまりは俺の 家のことを言っているのかもしれない。だとしたら、こいつの命は無い。というか、俺の家なら既 にこのゆっくりれいむは帰宅しているではないか。 先ほどのゆっくりれみりゃを袋ごとぶち込み、再び蓋を閉める。少し落ち着いて《ゆっくりした 》ところで、遠巻きにゆっくりれいむの入った水槽を見つめる。 凄まじい。凄まじいまでの光景だ。 ガラスの表面にへばりつく様なゆっくりの皮。もちもちとした丸みを帯びた身体は、巣層の輪郭 に合わせるように角張っている。 ここでゆっくりれいむにとって幸運ともいえることは、ゆっくりれみりゃが、自分の後ろの水槽 に居るものが何であるのか把握できていないことだった。ゆっくりれみりゃは、他のゆっくり―― と雖も自分より弱い立場のものだけ――を食べる習性があると言う。ガキ大将宜しく、レミリアそ っくりだ。そんなところまで似なくてもいいのでは、とも思う。しかし、今その天敵は黒いゴミ袋 に入れられて、しかも深い傷を負っていてほとんど叫ぶ力もない。 「ぅ……。うう? う”―――!! ざぐやあああああ!!」 目が覚めたのだろうか。黒いゴミ袋から、ゆっくりれみりゃの絶叫が漏れ出てくる。れいむのほ うに目を遣ると、顔色――もとい、皮色が悪くなって行く瞬間だった。 「お、おに”ーさん! そのだかぢはいっでるどっでだでぃ!!?」 鼻づまりのような聞き苦しい声が震えている。『その中に入ってるのって何?』と、確認のため に訊いて来たのだろうから、俺は懇切丁寧な解説を送ってやる。この反応から察するところ、れい むとれみりゃには面識が無いのだろう。 「ああ。この中に入っているのは、ゆっくりれみりゃの子供だよ。子供って言ってもそんなに小さ くはないから、……そうだね、君くらいなら軽く、ペロリとやっちゃうんじゃないのかな?」 「ゆ”――!! ゆっぐりじだい、ゆっぐりじだいどに゛――!! でぇ、おに゛いざん、だずげ でよ――!!」 冗談である。身体を潰され衰弱しているチビれみりゃがゆっくりれいむを食べることなど、出来 るようには思えない。だが、れいむは、袋の中身はゆっくれれみりゃであることしか知らず、それ が大人であるのか子供であるのかの判断は、まあ出来ないだろう。 逆さの状態で泣き喚く様は、実に愉快なものだ。ゆっくりは横柄な性格ながら、命に危険が迫る のを確認すると、途端に猛烈な勢いで命乞いをすると聞く。それはかなり凄絶なものだ。絶望の度 合いが大きくなれば大きくなるほど、必死になる。自己中心の志向を持つものには、そう言う傾向 がある。 「おに゛―ざん、おでがいだがら!! でいぶはばだだべだでだぐだいどでぃ!!」 すげえ必死。もはや笑える。そもそも、何と言っているのやら。自分の名前も巧く発音できてい ない。でいぶって、デーブ大久保か? ただ日がな一日飛び跳ねて、隙あらば人ン家に忍び込んで好きなだけ食い物を食い荒らし家財装 具をめちゃめちゃにする、生産性の欠片も無い下らない一生に何の未練があるのやら。それはゆっ くりになってみないと分からないのかもしれないが、人間とゆっくりの間には決して越えることの できない壁のような立場の差が存在している。そんなことは不可能だ。 ゆっくりは、人間に虐げられる。ただそれだけのために、生を受けし者だ。 続く このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/706.html
歳末の大宴会も終わり、今年も残すところあと二日となった。後は年越し宴会を待つのみだ。 まどろっこしいからいっそのこと三日連続正月含めてぶっ通しで宴会やろうよ、というアル中チ ビ鬼の提案は一蹴されている。開催会場の設営者が直々に「いやよ」の一言と見事な三白眼で断っ たのだ。そりゃ当然だ。一週間も延々騒ぎ通した挙句、博霊神社には何の見返りも無いのだから。 しかし、年越し宴会の開催は、皆の熱心な説得により開催される運びとなった。これには鬼も喜 んでいたので、ある程度の満足は得られたのだろう。博霊の巫女による最大限の譲歩だったのだろ うが、彼女は宴会の開催決定にうんざりした表情をしていた。 俺は、その年越し宴会のための鋭気を養うため、早々に帰路についている。今頃は三次会になだ れ込むところなのだろう。しかし、俺は年越し宴会で倒れるわけにはいかないのだ。しっかりと体 力を戻さねば、新年を昏倒した状態で迎えることになる。そんな一生の汚点を抱え込むわけにはい くまい。かなりの人数に引き止められたものの、必死に断りの文句を並べ立て、何とか解放しても らえたのだ。年越し宴会ではひどい目に遭わされそうだという確信もこのとき生まれた。そうなれ ば、酔った勢いを装って、あのチビ鬼の瓢箪を踏み割ってやろう。いっぺん泣きを見せてやらねば ならないのだ。もっとも、そういいながら実行に踏み切ることは無いだろう。 酔いを醒ますように、涼やかな夜風が吹く。今日は幸運なことに雪は降っていない。地面にはし っかりと根雪が積もり足場は悪いが、横殴りの雪が降るよりはましだ。酔いがさめる所の話ではな くなってしまう。 確かな足取りを保ちながら、家路を急ぐ。酔いが醒めてくるとともに、冬の寒さが身体の節から 沁みてくる。これは早く家について焼酎かなにかで寝酒に興じるのがよいだろう。もう一度身体を 暖めてからのほうが、俺の場合寝付きが良くなるのだ。 我が家への道のりもあと少しとなってくるころには、自然と俺の歩みは速くなる。寝酒を夢見な がら歩を進めていくうち、俺は妙な違和感に気づいた。 ――家に、灯かりが付いている。 俺は、まだ酔っているのかと自分に呆れながら、もう一度我が家の窓を見る。 ――台所の方が、やはり、明るくなっている。 再度、括目する。 ――居間の窓が割れていた。 三度、括目する。 ――何かが、室内で蠢いている。影が上下に揺れていた。 「不味いだろ……」 自然と呟きが漏れ、嫌な予感が脳裏を過ぎる。何者かが、俺の家の中でなにかをしている。この 状況を楽観視できる人間がいるなら、俺はすぐさまそいつをどこかの滝壺に突き落とそうじゃない か。骨は、白狼天狗の椛ちゃんが拾ってくれるだろう。 とりあえず、俺は現実から目を背けてはいけない。家の中に居るのが、喩え夜盗だろうと妖怪だ ろうと、立ち向かわねばならないのだ。我が家を守るには一所懸命。それ相応の努力労力を惜しん ではいけないのだ。 俺は深呼吸を何度もし――それでも心臓は落ち着きを取り戻さなかった――、決心を固め、玄関 の戸を、音を立てぬように引いた。 土間を通り過ぎ、静かに下足を脱ぐ。扉の隙間から、薄暗い居間で何かが飛び跳ねているのがわ かった。新種の妖怪だろうか。それとも気の狂った盗人だろうか。そのどちらとも判別は付かなかった。 意を決し、居間の扉を蹴り開けて、直ぐ脇にある電気のスイッチを入れた。 卓袱台の上に何かが在る――否、居る。“そいつ”は、跳躍運動をするように飛び跳ねながら、 百八十度反転し此方を向いた。 「――ゆっくりしていってね!! ゆっくりしていってね!!」 どこかで見たような面をした饅頭のような柔らかさをもった生首が、気色の悪い顔でそう言った。 実に愉しそうな動きで、そう言った。 俺は、“そいつ”から視線を外さぬように後退し、再び居間の扉を閉めた。 ○ 居間からは、まだゆっくりコールが聞こえてくる。拍子抜けしてしまった士気をもう一度上げる ために、深呼吸をした。 噂に聞いたことはあったが、実際に見るのは初めてであった。 『ゆっくりれいむ』 それが、居間に居座っていた饅頭に付けられた名前だ。 博霊の巫女の顔とよく似てはいるが、巫女本人とは何の縁も関係も無いとのことだ。 完全に生首であるその全貌。そこはかとない苛立ちを覚えさせるその表情。その視線に捕らえた ら、人妖問わずゆっくりしていくことを望むという奇怪な習性。中身は餡子などが詰まっていると いう、まさに饅頭そのもののような性質を持っているのが、先ほど相見えたゆっくりれいむである 。他にも、『ゆっくりまりさ』、『ゆっくりれみりゃ』、『ゆっくりふらん』といったように、幻 想郷に住む妖怪や魔法使いなど、よく似た饅頭状の生物、通称“ゆっくり”の存在が明らかになっ てきている。台所の方でも何かが蠢いていたことから、どうやら他の“ゆっくり”も乱入している ようだ。 多くの評判に拠ると、ちらりと見たくらいの内は、そのもちもちとした顔つきと目が可愛らしく て庇護欲が沸いてくるものの、じっと見つめているうちにその半開きの口と表情の全体的なバラン スに腹が立ってくる、とのことだった。中身にたっぷりと詰まっているのは、大半が餡子であり、 これがなかなかの美味らしい。そのための加工所まで出来たという。 確かに、俺も今一瞬見た限りでは、ぽよんぽよんと楽しそうに跳ねている様子は見ていても可愛 いと言えるかもしれないし、和んでしまうかもしれない。 だが、同時に我が家の居間に広がっていた“惨状”もしっかりと視界に捉えた俺は。ひとつの確かな結論を導いた。 間違いない。 間違いなく、今、こいつらは―― ――調子に乗っている。 外にある納屋から得物を持ってきた俺は居間に通じる戸の前に一口大の饅頭を置き、ゆっくりれ いむの横幅と同じくらいに開放した。饅頭は、貰い物として近所から受け取ったものだが、生憎俺 は和菓子系統の甘いものがあまり好きな方ではないのでそのまま放っておいたものだ。はっきり言 って、食べられる状況ではない。辛うじてカビがあまり生えていないものを選んでおいた。 「ゆ! おまんじゅうさん、そこでゆっくりしていてね! れいむがたべてあげるよ!」 居間から嬉しそうな声が聞こえた。間もなくして、グシャ、ビリッという音も聞こえてきた。先 ほどは“ゆっくり”にだけ視線を取られたが、恐らく卓袱台に置き放してあった食器や本の類が壊 されていたのだろう。やはり、こいつらは調子に乗っている。 やってくる。ゆっくりとした動きで影が近づいてきた。 ――勝負は一瞬で決まる。 気色の悪い顔の半分が引き戸から見えた瞬間、反動をつけて引き戸を一気に閉めた。 「ゆっ!?」 『プビュッ』 扉に腹立たしいほどにやわらかい感触が伝わる。ゆっくりの身体がぶにょっ、と形を変え、口は 火男(ひょっとこ)のような形になった。同時に口から中身の餡子が少し飛び出した。扉を完全に 引き開けると、ゆっくりれいむは床に力なく転がった。しかし飛び出した餡子は全体の三パーセン トほどだろう。これくらいで死ぬとは思っていないが、死なれては困る。俺はゴム手袋をつけて気 絶したゆっくりれいむを捕まえると、こぼれた餡子を中に入れてから丁度いい大きさの水槽に逆さ まにぶち込んだ。蓋は強力なテープで幾重にも貼り止め、ダンボールで周囲を覆った。 興味本位で、ゆっくりれいむから飛び出した餡を回収する。甘ったるい香り。指先に乗った分だ け味見してみると、意外なことに、甘味の嫌いな俺でもおいしいと思えた。なるほど、餡菓子の元 になり人気を博すのも理解できる。 ○ ゆっくりれいむと“遊んであげたい”欲望には打ち勝ちがたいものがある。玄関の下駄箱の上に 水槽ごと放っておいたが、早くも目を覚ましたゆっくりれいむは何やら叫んでいる。出してほしい ようだが、そうはいかない。コーヒーセットなどが入った食器棚の中身をひっくり返しておいて、 生きて住処に帰れると思っていただいては困ると言うものだ。これだけの食器を集めるまでに、何 度香霖堂に通ったと思っているのだろうか。ゆっくりれいむとは数年間を懸けて償ってもらうとす る。ゆっくりたちに住処はあるのか気になるところでもある。あるならば、一度足を運んでみたい ものだ。その理由は、ここで語る必要はないだろう。 さて、今、俺の目の前の床下に居るのは、頭を(全身を、のほうが正確なのだろうか)ぺしゃん こにし、餡子をだらしなく零して、ピクリとも動かなくなったゆっくりまりさである。もはや、こ れは数分前まで飛び跳ねるように動き、「ゆっくりしていってね!」と気色悪い顔で言っていたと は思えない状態になっていた。 唐突にストーリーが動いたため、動揺している方がいらっしゃるであろうことも加味し、今起こ ったことを詳細に告げるべきだろうと思う。 居間から台所に続く扉を開けた瞬間、扉を弾き飛ばすような勢いで身体を突っ込んできた者がい た。それが、ゆっくりまりさだった。 「ゆっくりしていってね!」 心にも思っていない言葉を投げかけると、ゆっくりまりさは俺の足にへばり付く様に飛び跳ねな がら、「ゆっくいひへいっへへ!!」と御決まりの文句をのたまった。 先ほどのゆっくりれいむと比較しても、このゆっくりまりさは随分と挑発的な顔つきに見える。 上目を見ているからなのかもしれないが、見ようによっては偉そうに踏ん反り返っているようだ。 しかも唇の端がやたらと上がっている。ゆっくりの中には、まあ可愛らしい(と言われているがそ れほどでもない)顔つきのものと、完全に人間をバカにしているような表情をしているものがいる らしい。このゆっくりは後者のゆっくりなのだろう。 ただ、ゆっくりの多くは、自分が入った家に住んでいたもの概要がそのときに誰も居なかったか らという理由で自分のものだと言い張るらしい。このゆっくりまりさにその兆候は見られないが、 しかし、その下膨れの頬はさらに膨らみ、滑舌も非常に悪かった。何かを口に含んで話しているの がすぐに判った。 「ま、まって! まいさにらにしゅるの!! ゆっくいしてね!! あなひへへ!! ゆっくいへ きないならどっかきえへね!!」 何も訊いていないはずなのだが、ゆっくりまりさを捕まえた瞬間、そいつはそう言った。これは 何かをやっていたに違いないと思い、ゴム手をつけた右手を口に突っ込んでかき回した。 「ゆ、ゆっふりやっへね!」 訳の判らないことを言ったので左手でぶん殴った。その感触はあまりに柔らかく、全身に戦慄の ようなものが走った。そして、右手にゆっくりには有り得るはずのない固い感触があったので、そ れを捕まえて取り出した。猶もやかましいゆっくりは、向かい側の壁に投げつけた。ゆっ、と言い ながら床に伏せた。というか、転がった。 手の中にあるのは桃の缶詰めだった。顔面饅頭は缶詰の蓋を開けることは出来ないため、缶をそ のまま飲み込んで味わっていたようだ。これでも美味しかったのだろうか。氷精並に頭も弱いらし い。いや、チルノでも缶切りくらいは使えるだろう。というか、使えていてほしいものだ。 気持ちの悪い体液に塗れた桃缶をゆっくりまりさに投げつけた。 「ゆっ!」 ぼぅよん、と身体を震わせながら痛みに耐えているらしく、その醜い目は次第に潤み始める。缶 詰は眉間に当たったのだが、この饅頭にも痛覚はあるのだと実感した。 「おじさんなにするの!! それはまりさのものだよ!! どうしてかってにとるの!! どろぼ うはよくないよ!!」 何を言うのだろうかと思えば、逆切れだった。そして、ついに自分のもの発言、いいようによ っては“ジャイアニズム発動”と相成ったわけだ。何を言ってやってもこの不細工バカ饅頭には理 解できないと決定づけた俺は、一跳びにゆっくりまりさの転がっているところへ走った。そして、 俺の全然ゆっくりでない動きに怯んだところを捕まえ、小刻みに震わせるように揺すった。 「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ」 最初は混乱したような表情を浮かべていたが、次第に熱を帯びたように逆上せた視線を揺らし、 頬を赤く染まりはじめる。小刻みに揺することで発情するということは、広く公にされて久しい情 報である。 ――感じさせてどうするのか? これは、あくまでも“餌”に過ぎない。 「ゆゆゆふふぅ、ゆゆゆゆうぅ……、ゆっ!!?」 生意気にも、随分と感じていただいたようなので、ゆっくりまりさを床に強く放り捨てる。快感 に身を委ねすぎていたせいか、耐性を立て直せずにまりさは顔面から床に衝突した。すぐさま、ゆ ゆゆといいながら俺を見上げる。 「もっとゆっくりしていってよー!」 もっとしてほしかったのだろうか、俺の足元で顔を真っ赤にして飛び跳ねている。物足りないあ たりで止めておいたのだ、その反応は当然と言える。 しかし、このときゆっくりまりさは、自分の欲望に正直になり過ぎであり、俺の右手に握られて いる納屋から引きずってきた得物の一つである棘付き鉛バットの存在を失念していたことで、自ら の死期を大幅に近くした。 「もっとゆっく……、ゆゆ!? ゆゆゆゆゆべべっ!!?」 我が家に轟音が響いた。 飛び跳ねた瞬間を見計らって、渾身の力を振り絞って鉛製の棍棒を振り下ろした。棍棒が床に接 触したとみるや、床は木っ端微塵に弾けた。ガリガリと床を削りながら棍棒を床に引き上げると、 その下では最初のような状況になっていたというわけである。総重量七十キロだ。饅頭如きがこの 重さに耐え切れるわけが無い。 しかし、こうしてしまってから俺は気づいてしまった。後処理が非常に面倒だ。このままにして いては、床下に夥しい黴が繁殖してしまう。いくら床を修理しようが、黴なんぞの生命力は末恐ろ しいもので、俺は数年後にアレルギー症状を起こしながらくたばってしまう。 「……嗚呼」 何のことは無い。 ――後でゆっくりれいむに処理してもらおう。共食いなんて容易いことだろう。 ○ 最後の砦になってくれるのだろうか、この台所の扉。 ゆっくりまりさが腐り始めるまえに台所の異変を解決しなくてはならないが、どうもその気がし ない。完全にやる気がしないわけでは無いのだが、あの気色の悪い饅頭のさらに気色の悪い屍を見 た後だからだろう、俺はゆっくりたちとの関わりあいを持ちたくないのかもしれない。 しかし、先ほどから「うー、うー」という妙に愉しそうな奇声が、扉を閉めているのに聞こえて くる。その奥にゆっくり何某が居るのは間違いなく、きっと台所をめちゃめちゃにして楽しんでい るのだろう。そもそも、台所から撤退して貰わないと、俺は飢え死にしかねない。 俺は指向を変え、裏の勝手口から潜入することにした。先ほどの“地響き”のために、もしかす ると居間側の扉近くには居ないかもしれない。奇襲をかけてみるのも、ひとつの方法だ。 俺は勢いよく勝手口を開いた。 ――その瞬間。 「うー!?」 扉に柔らかい感触があった。それに気づく間もなく叫び声が聞こえ、反対側の壁に何かがぶつか った。ぶつかったのは実際には見ていない。だが、その方角にある食器棚のガラスの引き戸が割れ る音が聞こえた。 中を見る。俺は絶句するしかなかった。 最惨劇は台所で起きていた。 水は出しっぱなし。冷蔵庫は開けっぱなし。中身はぐちゃぐちゃ。食器はすべて粉々。鍋やフラ イパンの類は辺り一面に散らかり、俺が暇さえあれば読んでいた料理本はビリビリに引き裂かれて いた。そのすべてに、よだれのような体液がこびりついていた。 ――犯人は誰だ? 食器棚の陰でうーうー唸っているゆっくりの正体を見るため、そっと近づいた。 「うー……!」 ゆっくりれみりゃだった。 頭から本人そっくりな羽を生やし、本人そっくりにカリスマ性の無さそうな顔をしている。しか し、こいつは、紅魔館付近で見られるゆっくりれみりゃと違って顔がやたら大きいものだった。別 の見方をすれば、胴体がまだ成熟しきっていないともいえる。恐らく、まだ幼体なのだろう。背中 の黒い翼は、おまけと言ってもいいくらいに小さい。これでは、この豚まんの身体を支えながら飛 行することは不可能だろう。 「おにーしゃん!! れみりゃにょぶっでぃーんは!? ぶっでぃーんはやくちゃべちゃいどー! !」 いきなり阿呆丸出しなことを言う。 んなもんねえよ。俺は洋菓子の甘味がこの世で一番嫌いなんだ。 俺の胸の中は、あっというまに、殺意で満たされた。 今日の宴会で、実は俺とレミリア・スカーレットは少々揉めていた。以前から鼻持ちならなかっ たのだが、ここにきて不満が爆発してしまったのだ。 理由は単(ひとえ)に、レミリアの傍若無人ぶりだった。 いつもは咲夜にすべての世話を遣らせるくせに、今日に限って、レミリアは咲夜を制し仕事をさ せなかった。年末だから、いつも甲斐甲斐しく世話をしてくれるメイド長を休ませてあげようと考 えていたのだろう。 その心意気は、買ってあげてもよい。そう思う。 だが、その代りに、平時咲夜がすべき仕事のすべてを俺に押し付ける、そういう道理は存在しな いのにも関わらず、それを俺に遣らせるのは理解できなかった。酒を注げ。料理を取れ。肩を揉め 。宴会芸をしろ。 最初のうちは、俺も然程厭ではなかったのだが、一時間以上も常識知らずの“お嬢様”の面倒を 見ていると腹が立って来るのは自明だ。主従関係、眷族関係のどちらでもない者が、延々を終わる こと無い命令に従っていられるはずが無いのだ。 途中俺を可哀想に思ったのか、咲夜はレミリアを止めようとしたのだが、そんなことで考えを変 更するほどの一般常識をレミリアは持たない。あれは、どれだけ自分にカリスマがあると《勘違い 》しているのだろうか。そもそも、十六夜咲夜がレミリアを持ち上げるから、あいつの傍若無人ぶ りには拍車を掛かっているのだが、咲夜には《そちらの感情》があるためその自覚はないのだろう。 酒も入り、普段は有り得ないのだが、完全に自我を失ったように激高した俺はレミリアと少々の 口喧嘩をしてきたのだ。 これだけは覚えている。俺はしっかりと言ったことばがある。 『《妹の出涸らし》の癖に調子に乗ってるんじゃねぇよ』 その一言で、レミリアは最初からゼロのカリスマ性をマイナスにした。 最後には咲夜や霊夢に宥められ、何とか事なきを得たものの、苛立ちが完全に霧散することは無い。 そんな折に、現れたゆっくりれみりゃは、実に運が無かったといえる。脳内で厳かな合掌をする。 「うー!! うー!! にゃんにもないけじょ、ここはおもちりょいかりゃ、れみりゃのべっそう にしちぇあげりゅんだどー!」 楽しそうにぽよぽよとジャンプするように踊ると、背中の薄汚い羽根で飛び始めた。といっても “Fly”ではなく“Jump”だ。椅子、机と順々に上がりながら飛び跳ねる。がしゃんと音を立てて 台所の照明が割れ、俺の足もとに飛び散った。 何が別荘だ。お前には洞窟で充分だ。ゆっくりふらんにでも襲われてしまえ、《妹の出涸らし》の癖に。 「う゛ー!?」 俺は、むんずとゆっくりれみりゃを鷲掴みにした。勿論、こめかみあたりに青筋を浮かべそうに なるのを必死になって抑え込み、笑顔で。だが、ただならぬ黒い思惟を見たのか、それでもゆっく りれみりゃは戦慄したようだ。 「君はゆっくりれみりゃだったよね。ゆっくりしていくのかい?」 テーブルにれみりゃを置きながら優しく聞く。敢えて。 そうすると、ゆっくりれみりゃは気色の悪い笑顔でうーうーと言い始めた。そしてにんまりと笑 って黙り込んだ。この次に、こいつが言うことは一つだけだ。そして俺が次に取る行動も一つだけ だ。 「う」 「――ゆっくり死ね!!」 俺は『うー、うー、うあうあ』と喜ぼうとしたゆっくりれみりゃの顔面(こいつには小さいなが らも身体があるからこの表記で大丈夫だろう)に鉄拳を捻じ込む。ゆっくりれみりゃの背中には、 先ほど自分でぶつかり落としたガラス製照明器具がある。それが刺さるように深く、深く。 三十秒はそのままの状態を保つ。 解放してやると、しばらく無表情を保ったゆっくりれみりゃだったが、堤が決壊したように瞳が 潤みだす。背中の方からも、肉汁と思しき液体が染み出した。 「……! ……!!」 声も立てずに無様な表情で涙を流しながら、身体をびくびくと震わせはじめた 。 「……!!?」 腹立たしい表情ゆえに、俺は我慢することを辞めた。ゆっくりれみりゃの頬に手を当てる。摘む 。徐々に力を込め、摘んだ部分が白色になったあたりでれみりゃの表情が歪みはじめ、涙が滝のよ うに流れはじめた。こいつのどこにそこまでの水分があり、涙腺がどこにあるか、などは関係ない 。朽ちはて腐り逝くまで弄り倒してやろうじゃないか。 ちぎれそうなのだろう。ゆっくりれみりゃは必死に逃れようとするが、そんな行動は到底無駄な もので、こんな腐れ饅頭なんぞの力が人間様に敵うはずがないのだ。 しかし、それにしても。 ――よく伸びる。 搗き立ての生餅のようによく伸びる。手を放したら元に戻るのか、と思っていたら、餅と同様に 伸びたままだった。 今度は頬の端を引っ張っていた右手を顎あたりに、左手をこめかみ付近にあてがい、再び伸ばす 。 「おお~、伸びる伸びる」 だんだん楽しくなってきた。もっちりと伸びていくれみりゃの皮の心地よさと、そのたびに泣き 喚くれみりゃの泣き声に、すっかり己を忘却してしまった。気がつけばゆっくりれみりゃの顔はス ライムのように原型をなくしていた。 「……!」 満面の笑みで見つめてやると、れみりゃは、何ということだろうか、俺を睨みつけてきた。恨み をこめた穢れた目で、俺を睨み付けて来た。 完全に、堪忍袋の緒は切れていたと思っていたが、俺の腸の中にはもうひとつ堪忍袋があったよ うで、今度はそちらが爆発した。下等畜生のくせに何たるザマだ。 俺はゆっくりれみりゃの頬を強烈に抓ったままで大手を振りながら風呂場へ向かう。伸びきった ゴムのような身体は扱いにくかったが、途中でわざとらしく、れみりゃの眉間を机の角に強打させ た。道中、聞き苦しい声で「あ゛―――!! ざぐや~、ざぐや~!!」と、訳のわからないこと を叫び始めた。あまりにも喧しく憎たらしかったので、流し台の下から包丁をだし、れみりゃの目 の前で光らせた。殺される、とゆっくりブレインでも理解できたのか、その瞬間は静かになった。 見るからに凶器であるそれに戦慄したのだろうが、別にゆっくりなんぞは包丁を餡で汚さずとも殺 めることは可能だ。 風呂場に入り、湯を浴槽に張る。河童のにとりから貰った『のび~る上水管・ボイラー付きバー ジョン』のおかげで、あっというまに浴槽いっぱいに水が張った。いつも俺がアイディアを提供す れば数週間でそれを具現してくれるからたいしたものだ。にとりも俺の持つ大量のアイディアには 感謝しているようだから、“Give Take”は成立しているようだ。次の機会には、ゆっくりを痛 めつけるためだけのアイテムを嘆願しようか。アイディアは全て、青狸が暗躍する漫画からの拝借 だが。 俺はれみりゃを浴槽にぶち込んだ。ただし全体を入れると死んでしまうのでそれは避けておいた 。そして、水の中で先ほど伸ばしていた皮をちぎった。 「う゛あ゛~~~!!! う゛あ゛~~~!!!」 赤い肉汁が浴槽にあっという間に広がっていく。子供だから生焼けなのだろうか。れみりゃは予 想通りに泣き喚く。ゆっくりたちは、俺の予想していたのとほとんど変わらない反応を見せてくれ るので面白い。非常に虐待甲斐がある。 ここで俺は再び納屋に向かった。れみりゃは力の限りを使って喚いていたためか、水の中から逃 げ出す様子は無かった。ただ、水から顔を辛うじて出しながら喘いでいた。 納屋から二つ目の水槽を出してきて玄関に置き、風呂場へ戻る。肉汁を垂れ流しながら泣いてい るれみりゃを引き上げ、そのままの足で再び玄関に向かった。肉汁を垂れ流し、これ以上家を汚さ れては叶わないので、風呂場横に置いてあった残飯入れ用のゴミ袋を取り出し、それに入れた。 ふとその脇を見れば、蕎麦打ち用の麺棒が置いてあった。ひとつ閃きが舞い降りてきた。 袋の中で手負いの身体を必死に捩って抜け出そうとしているれみりゃの頭であろう辺りを強烈に 殴り飛ばす。怯んだのか気絶したのか判じ切れないものの、動きが止まる。触診のように胴体の位 置を確認すると、麺棒を押し付けて転がした。 「むぎゃああああああああああ!! ざぐ、ざぐ、ざぐううううう!!」 変な声が響く。 粗方遣り終えると、もう一枚ゴミ袋を取り出して中身をそちらに移し変え、先ほどよりもギュウ ギュウに縛った。れみりゃは痙攣するのが精一杯のようで、袋は微細動だけを繰り返している。 玄関の扉を開けると、黄色い、かつ気色の悪い声が響き渡る。 「おにいさん! はやくだして! おうちかえる!!」 ゆっくりれいむが必死に救出を願っている。ダンボールで水槽ごと目隠しをされその中で逆さま になったままで、涙を頭の天辺へと垂らしているのだろう。れみりゃの泣き顔のように汚く、気持 ち悪いのが容易に予想できる。 ところで、こいつの言う処の《おうち》とはなんだろうか。もしかしたら、此処、つまりは俺の 家のことを言っているのかもしれない。だとしたら、こいつの命は無い。というか、俺の家なら既 にこのゆっくりれいむは帰宅しているではないか。 先ほどのゆっくりれみりゃを袋ごとぶち込み、再び蓋を閉める。少し落ち着いて《ゆっくりした 》ところで、遠巻きにゆっくりれいむの入った水槽を見つめる。 凄まじい。凄まじいまでの光景だ。 ガラスの表面にへばりつく様なゆっくりの皮。もちもちとした丸みを帯びた身体は、巣層の輪郭 に合わせるように角張っている。 ここでゆっくりれいむにとって幸運ともいえることは、ゆっくりれみりゃが、自分の後ろの水槽 に居るものが何であるのか把握できていないことだった。ゆっくりれみりゃは、他のゆっくり―― と雖も自分より弱い立場のものだけ――を食べる習性があると言う。ガキ大将宜しく、レミリアそ っくりだ。そんなところまで似なくてもいいのでは、とも思う。しかし、今その天敵は黒いゴミ袋 に入れられて、しかも深い傷を負っていてほとんど叫ぶ力もない。 「ぅ……。うう? う”―――!! ざぐやあああああ!!」 目が覚めたのだろうか。黒いゴミ袋から、ゆっくりれみりゃの絶叫が漏れ出てくる。れいむのほ うに目を遣ると、顔色――もとい、皮色が悪くなって行く瞬間だった。 「お、おに”ーさん! そのだかぢはいっでるどっでだでぃ!!?」 鼻づまりのような聞き苦しい声が震えている。『その中に入ってるのって何?』と、確認のため に訊いて来たのだろうから、俺は懇切丁寧な解説を送ってやる。この反応から察するところ、れい むとれみりゃには面識が無いのだろう。 「ああ。この中に入っているのは、ゆっくりれみりゃの子供だよ。子供って言ってもそんなに小さ くはないから、……そうだね、君くらいなら軽く、ペロリとやっちゃうんじゃないのかな?」 「ゆ”――!! ゆっぐりじだい、ゆっぐりじだいどに゛――!! でぇ、おに゛いざん、だずげ でよ――!!」 冗談である。身体を潰され衰弱しているチビれみりゃがゆっくりれいむを食べることなど、出来 るようには思えない。だが、れいむは、袋の中身はゆっくれれみりゃであることしか知らず、それ が大人であるのか子供であるのかの判断は、まあ出来ないだろう。 逆さの状態で泣き喚く様は、実に愉快なものだ。ゆっくりは横柄な性格ながら、命に危険が迫る のを確認すると、途端に猛烈な勢いで命乞いをすると聞く。それはかなり凄絶なものだ。絶望の度 合いが大きくなれば大きくなるほど、必死になる。自己中心の志向を持つものには、そう言う傾向 がある。 「おに゛―ざん、おでがいだがら!! でいぶはばだだべだでだぐだいどでぃ!!」 すげえ必死。もはや笑える。そもそも、何と言っているのやら。自分の名前も巧く発音できてい ない。でいぶって、デーブ大久保か? ただ日がな一日飛び跳ねて、隙あらば人ン家に忍び込んで好きなだけ食い物を食い荒らし家財装 具をめちゃめちゃにする、生産性の欠片も無い下らない一生に何の未練があるのやら。それはゆっ くりになってみないと分からないのかもしれないが、人間とゆっくりの間には決して越えることの できない壁のような立場の差が存在している。そんなことは不可能だ。 ゆっくりは、人間に虐げられる。ただそれだけのために、生を受けし者だ。 続く このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/508.html
歳末の大宴会も終わり、今年も残すところあと二日となった。後は年越し宴会を待つのみだ。 まどろっこしいからいっそのこと三日連続正月含めてぶっ通しで宴会やろうよ、というアル中チ ビ鬼の提案は一蹴されている。開催会場の設営者が直々に「いやよ」の一言と見事な三白眼で断っ たのだ。そりゃ当然だ。一週間も延々騒ぎ通した挙句、博霊神社には何の見返りも無いのだから。 しかし、年越し宴会の開催は、皆の熱心な説得により開催される運びとなった。これには鬼も喜 んでいたので、ある程度の満足は得られたのだろう。博霊の巫女による最大限の譲歩だったのだろ うが、彼女は宴会の開催決定にうんざりした表情をしていた。 俺は、その年越し宴会のための鋭気を養うため、早々に帰路についている。今頃は三次会になだ れ込むところなのだろう。しかし、俺は年越し宴会で倒れるわけにはいかないのだ。しっかりと体 力を戻さねば、新年を昏倒した状態で迎えることになる。そんな一生の汚点を抱え込むわけにはい くまい。かなりの人数に引き止められたものの、必死に断りの文句を並べ立て、何とか解放しても らえたのだ。年越し宴会ではひどい目に遭わされそうだという確信もこのとき生まれた。そうなれ ば、酔った勢いを装って、あのチビ鬼の瓢箪を踏み割ってやろう。いっぺん泣きを見せてやらねば ならないのだ。もっとも、そういいながら実行に踏み切ることは無いだろう。 酔いを醒ますように、涼やかな夜風が吹く。今日は幸運なことに雪は降っていない。地面にはし っかりと根雪が積もり足場は悪いが、横殴りの雪が降るよりはましだ。酔いがさめる所の話ではな くなってしまう。 確かな足取りを保ちながら、家路を急ぐ。酔いが醒めてくるとともに、冬の寒さが身体の節から 沁みてくる。これは早く家について焼酎かなにかで寝酒に興じるのがよいだろう。もう一度身体を 暖めてからのほうが、俺の場合寝付きが良くなるのだ。 我が家への道のりもあと少しとなってくるころには、自然と俺の歩みは速くなる。寝酒を夢見な がら歩を進めていくうち、俺は妙な違和感に気づいた。 ――家に、灯かりが付いている。 俺は、まだ酔っているのかと自分に呆れながら、もう一度我が家の窓を見る。 ――台所の方が、やはり、明るくなっている。 再度、括目する。 ――居間の窓が割れていた。 三度、括目する。 ――何かが、室内で蠢いている。影が上下に揺れていた。 「不味いだろ……」 自然と呟きが漏れ、嫌な予感が脳裏を過ぎる。何者かが、俺の家の中でなにかをしている。この 状況を楽観視できる人間がいるなら、俺はすぐさまそいつをどこかの滝壺に突き落とそうじゃない か。骨は、白狼天狗の椛ちゃんが拾ってくれるだろう。 とりあえず、俺は現実から目を背けてはいけない。家の中に居るのが、喩え夜盗だろうと妖怪だ ろうと、立ち向かわねばならないのだ。我が家を守るには一所懸命。それ相応の努力労力を惜しん ではいけないのだ。 俺は深呼吸を何度もし――それでも心臓は落ち着きを取り戻さなかった――、決心を固め、玄関 の戸を、音を立てぬように引いた。 土間を通り過ぎ、静かに下足を脱ぐ。扉の隙間から、薄暗い居間で何かが飛び跳ねているのがわ かった。新種の妖怪だろうか。それとも気の狂った盗人だろうか。そのどちらとも判別は付かなかった。 意を決し、居間の扉を蹴り開けて、直ぐ脇にある電気のスイッチを入れた。 卓袱台の上に何かが在る――否、居る。“そいつ”は、跳躍運動をするように飛び跳ねながら、 百八十度反転し此方を向いた。 「――ゆっくりしていってね!! ゆっくりしていってね!!」 どこかで見たような面をした饅頭のような柔らかさをもった生首が、気色の悪い顔でそう言った。 実に愉しそうな動きで、そう言った。 俺は、“そいつ”から視線を外さぬように後退し、再び居間の扉を閉めた。 ○ 居間からは、まだゆっくりコールが聞こえてくる。拍子抜けしてしまった士気をもう一度上げる ために、深呼吸をした。 噂に聞いたことはあったが、実際に見るのは初めてであった。 『ゆっくりれいむ』 それが、居間に居座っていた饅頭に付けられた名前だ。 博霊の巫女の顔とよく似てはいるが、巫女本人とは何の縁も関係も無いとのことだ。 完全に生首であるその全貌。そこはかとない苛立ちを覚えさせるその表情。その視線に捕らえた ら、人妖問わずゆっくりしていくことを望むという奇怪な習性。中身は餡子などが詰まっていると いう、まさに饅頭そのもののような性質を持っているのが、先ほど相見えたゆっくりれいむである 。他にも、『ゆっくりまりさ』、『ゆっくりれみりゃ』、『ゆっくりふらん』といったように、幻 想郷に住む妖怪や魔法使いなど、よく似た饅頭状の生物、通称“ゆっくり”の存在が明らかになっ てきている。台所の方でも何かが蠢いていたことから、どうやら他の“ゆっくり”も乱入している ようだ。 多くの評判に拠ると、ちらりと見たくらいの内は、そのもちもちとした顔つきと目が可愛らしく て庇護欲が沸いてくるものの、じっと見つめているうちにその半開きの口と表情の全体的なバラン スに腹が立ってくる、とのことだった。中身にたっぷりと詰まっているのは、大半が餡子であり、 これがなかなかの美味らしい。そのための加工所まで出来たという。 確かに、俺も今一瞬見た限りでは、ぽよんぽよんと楽しそうに跳ねている様子は見ていても可愛 いと言えるかもしれないし、和んでしまうかもしれない。 だが、同時に我が家の居間に広がっていた“惨状”もしっかりと視界に捉えた俺は。ひとつの確かな結論を導いた。 間違いない。 間違いなく、今、こいつらは―― ――調子に乗っている。 外にある納屋から得物を持ってきた俺は居間に通じる戸の前に一口大の饅頭を置き、ゆっくりれ いむの横幅と同じくらいに開放した。饅頭は、貰い物として近所から受け取ったものだが、生憎俺 は和菓子系統の甘いものがあまり好きな方ではないのでそのまま放っておいたものだ。はっきり言 って、食べられる状況ではない。辛うじてカビがあまり生えていないものを選んでおいた。 「ゆ! おまんじゅうさん、そこでゆっくりしていてね! れいむがたべてあげるよ!」 居間から嬉しそうな声が聞こえた。間もなくして、グシャ、ビリッという音も聞こえてきた。先 ほどは“ゆっくり”にだけ視線を取られたが、恐らく卓袱台に置き放してあった食器や本の類が壊 されていたのだろう。やはり、こいつらは調子に乗っている。 やってくる。ゆっくりとした動きで影が近づいてきた。 ――勝負は一瞬で決まる。 気色の悪い顔の半分が引き戸から見えた瞬間、反動をつけて引き戸を一気に閉めた。 「ゆっ!?」 『プビュッ』 扉に腹立たしいほどにやわらかい感触が伝わる。ゆっくりの身体がぶにょっ、と形を変え、口は 火男(ひょっとこ)のような形になった。同時に口から中身の餡子が少し飛び出した。扉を完全に 引き開けると、ゆっくりれいむは床に力なく転がった。しかし飛び出した餡子は全体の三パーセン トほどだろう。これくらいで死ぬとは思っていないが、死なれては困る。俺はゴム手袋をつけて気 絶したゆっくりれいむを捕まえると、こぼれた餡子を中に入れてから丁度いい大きさの水槽に逆さ まにぶち込んだ。蓋は強力なテープで幾重にも貼り止め、ダンボールで周囲を覆った。 興味本位で、ゆっくりれいむから飛び出した餡を回収する。甘ったるい香り。指先に乗った分だ け味見してみると、意外なことに、甘味の嫌いな俺でもおいしいと思えた。なるほど、餡菓子の元 になり人気を博すのも理解できる。 ○ ゆっくりれいむと“遊んであげたい”欲望には打ち勝ちがたいものがある。玄関の下駄箱の上に 水槽ごと放っておいたが、早くも目を覚ましたゆっくりれいむは何やら叫んでいる。出してほしい ようだが、そうはいかない。コーヒーセットなどが入った食器棚の中身をひっくり返しておいて、 生きて住処に帰れると思っていただいては困ると言うものだ。これだけの食器を集めるまでに、何 度香霖堂に通ったと思っているのだろうか。ゆっくりれいむとは数年間を懸けて償ってもらうとす る。ゆっくりたちに住処はあるのか気になるところでもある。あるならば、一度足を運んでみたい ものだ。その理由は、ここで語る必要はないだろう。 さて、今、俺の目の前の床下に居るのは、頭を(全身を、のほうが正確なのだろうか)ぺしゃん こにし、餡子をだらしなく零して、ピクリとも動かなくなったゆっくりまりさである。もはや、こ れは数分前まで飛び跳ねるように動き、「ゆっくりしていってね!」と気色悪い顔で言っていたと は思えない状態になっていた。 唐突にストーリーが動いたため、動揺している方がいらっしゃるであろうことも加味し、今起こ ったことを詳細に告げるべきだろうと思う。 居間から台所に続く扉を開けた瞬間、扉を弾き飛ばすような勢いで身体を突っ込んできた者がい た。それが、ゆっくりまりさだった。 「ゆっくりしていってね!」 心にも思っていない言葉を投げかけると、ゆっくりまりさは俺の足にへばり付く様に飛び跳ねな がら、「ゆっくいひへいっへへ!!」と御決まりの文句をのたまった。 先ほどのゆっくりれいむと比較しても、このゆっくりまりさは随分と挑発的な顔つきに見える。 上目を見ているからなのかもしれないが、見ようによっては偉そうに踏ん反り返っているようだ。 しかも唇の端がやたらと上がっている。ゆっくりの中には、まあ可愛らしい(と言われているがそ れほどでもない)顔つきのものと、完全に人間をバカにしているような表情をしているものがいる らしい。このゆっくりは後者のゆっくりなのだろう。 ただ、ゆっくりの多くは、自分が入った家に住んでいたもの概要がそのときに誰も居なかったか らという理由で自分のものだと言い張るらしい。このゆっくりまりさにその兆候は見られないが、 しかし、その下膨れの頬はさらに膨らみ、滑舌も非常に悪かった。何かを口に含んで話しているの がすぐに判った。 「ま、まって! まいさにらにしゅるの!! ゆっくいしてね!! あなひへへ!! ゆっくいへ きないならどっかきえへね!!」 何も訊いていないはずなのだが、ゆっくりまりさを捕まえた瞬間、そいつはそう言った。これは 何かをやっていたに違いないと思い、ゴム手をつけた右手を口に突っ込んでかき回した。 「ゆ、ゆっふりやっへね!」 訳の判らないことを言ったので左手でぶん殴った。その感触はあまりに柔らかく、全身に戦慄の ようなものが走った。そして、右手にゆっくりには有り得るはずのない固い感触があったので、そ れを捕まえて取り出した。猶もやかましいゆっくりは、向かい側の壁に投げつけた。ゆっ、と言い ながら床に伏せた。というか、転がった。 手の中にあるのは桃の缶詰めだった。顔面饅頭は缶詰の蓋を開けることは出来ないため、缶をそ のまま飲み込んで味わっていたようだ。これでも美味しかったのだろうか。氷精並に頭も弱いらし い。いや、チルノでも缶切りくらいは使えるだろう。というか、使えていてほしいものだ。 気持ちの悪い体液に塗れた桃缶をゆっくりまりさに投げつけた。 「ゆっ!」 ぼぅよん、と身体を震わせながら痛みに耐えているらしく、その醜い目は次第に潤み始める。缶 詰は眉間に当たったのだが、この饅頭にも痛覚はあるのだと実感した。 「おじさんなにするの!! それはまりさのものだよ!! どうしてかってにとるの!! どろぼ うはよくないよ!!」 何を言うのだろうかと思えば、逆切れだった。そして、ついに自分のもの発言、いいようによ っては“ジャイアニズム発動”と相成ったわけだ。何を言ってやってもこの不細工バカ饅頭には理 解できないと決定づけた俺は、一跳びにゆっくりまりさの転がっているところへ走った。そして、 俺の全然ゆっくりでない動きに怯んだところを捕まえ、小刻みに震わせるように揺すった。 「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ」 最初は混乱したような表情を浮かべていたが、次第に熱を帯びたように逆上せた視線を揺らし、 頬を赤く染まりはじめる。小刻みに揺することで発情するということは、広く公にされて久しい情 報である。 ――感じさせてどうするのか? これは、あくまでも“餌”に過ぎない。 「ゆゆゆふふぅ、ゆゆゆゆうぅ……、ゆっ!!?」 生意気にも、随分と感じていただいたようなので、ゆっくりまりさを床に強く放り捨てる。快感 に身を委ねすぎていたせいか、耐性を立て直せずにまりさは顔面から床に衝突した。すぐさま、ゆ ゆゆといいながら俺を見上げる。 「もっとゆっくりしていってよー!」 もっとしてほしかったのだろうか、俺の足元で顔を真っ赤にして飛び跳ねている。物足りないあ たりで止めておいたのだ、その反応は当然と言える。 しかし、このときゆっくりまりさは、自分の欲望に正直になり過ぎであり、俺の右手に握られて いる納屋から引きずってきた得物の一つである棘付き鉛バットの存在を失念していたことで、自ら の死期を大幅に近くした。 「もっとゆっく……、ゆゆ!? ゆゆゆゆゆべべっ!!?」 我が家に轟音が響いた。 飛び跳ねた瞬間を見計らって、渾身の力を振り絞って鉛製の棍棒を振り下ろした。棍棒が床に接 触したとみるや、床は木っ端微塵に弾けた。ガリガリと床を削りながら棍棒を床に引き上げると、 その下では最初のような状況になっていたというわけである。総重量七十キロだ。饅頭如きがこの 重さに耐え切れるわけが無い。 しかし、こうしてしまってから俺は気づいてしまった。後処理が非常に面倒だ。このままにして いては、床下に夥しい黴が繁殖してしまう。いくら床を修理しようが、黴なんぞの生命力は末恐ろ しいもので、俺は数年後にアレルギー症状を起こしながらくたばってしまう。 「……嗚呼」 何のことは無い。 ――後でゆっくりれいむに処理してもらおう。共食いなんて容易いことだろう。 ○ 最後の砦になってくれるのだろうか、この台所の扉。 ゆっくりまりさが腐り始めるまえに台所の異変を解決しなくてはならないが、どうもその気がし ない。完全にやる気がしないわけでは無いのだが、あの気色の悪い饅頭のさらに気色の悪い屍を見 た後だからだろう、俺はゆっくりたちとの関わりあいを持ちたくないのかもしれない。 しかし、先ほどから「うー、うー」という妙に愉しそうな奇声が、扉を閉めているのに聞こえて くる。その奥にゆっくり何某が居るのは間違いなく、きっと台所をめちゃめちゃにして楽しんでい るのだろう。そもそも、台所から撤退して貰わないと、俺は飢え死にしかねない。 俺は指向を変え、裏の勝手口から潜入することにした。先ほどの“地響き”のために、もしかす ると居間側の扉近くには居ないかもしれない。奇襲をかけてみるのも、ひとつの方法だ。 俺は勢いよく勝手口を開いた。 ――その瞬間。 「うー!?」 扉に柔らかい感触があった。それに気づく間もなく叫び声が聞こえ、反対側の壁に何かがぶつか った。ぶつかったのは実際には見ていない。だが、その方角にある食器棚のガラスの引き戸が割れ る音が聞こえた。 中を見る。俺は絶句するしかなかった。 最惨劇は台所で起きていた。 水は出しっぱなし。冷蔵庫は開けっぱなし。中身はぐちゃぐちゃ。食器はすべて粉々。鍋やフラ イパンの類は辺り一面に散らかり、俺が暇さえあれば読んでいた料理本はビリビリに引き裂かれて いた。そのすべてに、よだれのような体液がこびりついていた。 ――犯人は誰だ? 食器棚の陰でうーうー唸っているゆっくりの正体を見るため、そっと近づいた。 「うー……!」 ゆっくりれみりゃだった。 頭から本人そっくりな羽を生やし、本人そっくりにカリスマ性の無さそうな顔をしている。しか し、こいつは、紅魔館付近で見られるゆっくりれみりゃと違って顔がやたら大きいものだった。別 の見方をすれば、胴体がまだ成熟しきっていないともいえる。恐らく、まだ幼体なのだろう。背中 の黒い翼は、おまけと言ってもいいくらいに小さい。これでは、この豚まんの身体を支えながら飛 行することは不可能だろう。 「おにーしゃん!! れみりゃにょぶっでぃーんは!? ぶっでぃーんはやくちゃべちゃいどー! !」 いきなり阿呆丸出しなことを言う。 んなもんねえよ。俺は洋菓子の甘味がこの世で一番嫌いなんだ。 俺の胸の中は、あっというまに、殺意で満たされた。 今日の宴会で、実は俺とレミリア・スカーレットは少々揉めていた。以前から鼻持ちならなかっ たのだが、ここにきて不満が爆発してしまったのだ。 理由は単(ひとえ)に、レミリアの傍若無人ぶりだった。 いつもは咲夜にすべての世話を遣らせるくせに、今日に限って、レミリアは咲夜を制し仕事をさ せなかった。年末だから、いつも甲斐甲斐しく世話をしてくれるメイド長を休ませてあげようと考 えていたのだろう。 その心意気は、買ってあげてもよい。そう思う。 だが、その代りに、平時咲夜がすべき仕事のすべてを俺に押し付ける、そういう道理は存在しな いのにも関わらず、それを俺に遣らせるのは理解できなかった。酒を注げ。料理を取れ。肩を揉め 。宴会芸をしろ。 最初のうちは、俺も然程厭ではなかったのだが、一時間以上も常識知らずの“お嬢様”の面倒を 見ていると腹が立って来るのは自明だ。主従関係、眷族関係のどちらでもない者が、延々を終わる こと無い命令に従っていられるはずが無いのだ。 途中俺を可哀想に思ったのか、咲夜はレミリアを止めようとしたのだが、そんなことで考えを変 更するほどの一般常識をレミリアは持たない。あれは、どれだけ自分にカリスマがあると《勘違い 》しているのだろうか。そもそも、十六夜咲夜がレミリアを持ち上げるから、あいつの傍若無人ぶ りには拍車を掛かっているのだが、咲夜には《そちらの感情》があるためその自覚はないのだろう。 酒も入り、普段は有り得ないのだが、完全に自我を失ったように激高した俺はレミリアと少々の 口喧嘩をしてきたのだ。 これだけは覚えている。俺はしっかりと言ったことばがある。 『《妹の出涸らし》の癖に調子に乗ってるんじゃねぇよ』 その一言で、レミリアは最初からゼロのカリスマ性をマイナスにした。 最後には咲夜や霊夢に宥められ、何とか事なきを得たものの、苛立ちが完全に霧散することは無い。 そんな折に、現れたゆっくりれみりゃは、実に運が無かったといえる。脳内で厳かな合掌をする。 「うー!! うー!! にゃんにもないけじょ、ここはおもちりょいかりゃ、れみりゃのべっそう にしちぇあげりゅんだどー!」 楽しそうにぽよぽよとジャンプするように踊ると、背中の薄汚い羽根で飛び始めた。といっても “Fly”ではなく“Jump”だ。椅子、机と順々に上がりながら飛び跳ねる。がしゃんと音を立てて 台所の照明が割れ、俺の足もとに飛び散った。 何が別荘だ。お前には洞窟で充分だ。ゆっくりふらんにでも襲われてしまえ、《妹の出涸らし》の癖に。 「う゛ー!?」 俺は、むんずとゆっくりれみりゃを鷲掴みにした。勿論、こめかみあたりに青筋を浮かべそうに なるのを必死になって抑え込み、笑顔で。だが、ただならぬ黒い思惟を見たのか、それでもゆっく りれみりゃは戦慄したようだ。 「君はゆっくりれみりゃだったよね。ゆっくりしていくのかい?」 テーブルにれみりゃを置きながら優しく聞く。敢えて。 そうすると、ゆっくりれみりゃは気色の悪い笑顔でうーうーと言い始めた。そしてにんまりと笑 って黙り込んだ。この次に、こいつが言うことは一つだけだ。そして俺が次に取る行動も一つだけ だ。 「う」 「――ゆっくり死ね!!」 俺は『うー、うー、うあうあ』と喜ぼうとしたゆっくりれみりゃの顔面(こいつには小さいなが らも身体があるからこの表記で大丈夫だろう)に鉄拳を捻じ込む。ゆっくりれみりゃの背中には、 先ほど自分でぶつかり落としたガラス製照明器具がある。それが刺さるように深く、深く。 三十秒はそのままの状態を保つ。 解放してやると、しばらく無表情を保ったゆっくりれみりゃだったが、堤が決壊したように瞳が 潤みだす。背中の方からも、肉汁と思しき液体が染み出した。 「……! ……!!」 声も立てずに無様な表情で涙を流しながら、身体をびくびくと震わせはじめた 。 「……!!?」 腹立たしい表情ゆえに、俺は我慢することを辞めた。ゆっくりれみりゃの頬に手を当てる。摘む 。徐々に力を込め、摘んだ部分が白色になったあたりでれみりゃの表情が歪みはじめ、涙が滝のよ うに流れはじめた。こいつのどこにそこまでの水分があり、涙腺がどこにあるか、などは関係ない 。朽ちはて腐り逝くまで弄り倒してやろうじゃないか。 ちぎれそうなのだろう。ゆっくりれみりゃは必死に逃れようとするが、そんな行動は到底無駄な もので、こんな腐れ饅頭なんぞの力が人間様に敵うはずがないのだ。 しかし、それにしても。 ――よく伸びる。 搗き立ての生餅のようによく伸びる。手を放したら元に戻るのか、と思っていたら、餅と同様に 伸びたままだった。 今度は頬の端を引っ張っていた右手を顎あたりに、左手をこめかみ付近にあてがい、再び伸ばす 。 「おお~、伸びる伸びる」 だんだん楽しくなってきた。もっちりと伸びていくれみりゃの皮の心地よさと、そのたびに泣き 喚くれみりゃの泣き声に、すっかり己を忘却してしまった。気がつけばゆっくりれみりゃの顔はス ライムのように原型をなくしていた。 「……!」 満面の笑みで見つめてやると、れみりゃは、何ということだろうか、俺を睨みつけてきた。恨み をこめた穢れた目で、俺を睨み付けて来た。 完全に、堪忍袋の緒は切れていたと思っていたが、俺の腸の中にはもうひとつ堪忍袋があったよ うで、今度はそちらが爆発した。下等畜生のくせに何たるザマだ。 俺はゆっくりれみりゃの頬を強烈に抓ったままで大手を振りながら風呂場へ向かう。伸びきった ゴムのような身体は扱いにくかったが、途中でわざとらしく、れみりゃの眉間を机の角に強打させ た。道中、聞き苦しい声で「あ゛―――!! ざぐや~、ざぐや~!!」と、訳のわからないこと を叫び始めた。あまりにも喧しく憎たらしかったので、流し台の下から包丁をだし、れみりゃの目 の前で光らせた。殺される、とゆっくりブレインでも理解できたのか、その瞬間は静かになった。 見るからに凶器であるそれに戦慄したのだろうが、別にゆっくりなんぞは包丁を餡で汚さずとも殺 めることは可能だ。 風呂場に入り、湯を浴槽に張る。河童のにとりから貰った『のび~る上水管・ボイラー付きバー ジョン』のおかげで、あっというまに浴槽いっぱいに水が張った。いつも俺がアイディアを提供す れば数週間でそれを具現してくれるからたいしたものだ。にとりも俺の持つ大量のアイディアには 感謝しているようだから、“Give Take”は成立しているようだ。次の機会には、ゆっくりを痛 めつけるためだけのアイテムを嘆願しようか。アイディアは全て、青狸が暗躍する漫画からの拝借 だが。 俺はれみりゃを浴槽にぶち込んだ。ただし全体を入れると死んでしまうのでそれは避けておいた 。そして、水の中で先ほど伸ばしていた皮をちぎった。 「う゛あ゛~~~!!! う゛あ゛~~~!!!」 赤い肉汁が浴槽にあっという間に広がっていく。子供だから生焼けなのだろうか。れみりゃは予 想通りに泣き喚く。ゆっくりたちは、俺の予想していたのとほとんど変わらない反応を見せてくれ るので面白い。非常に虐待甲斐がある。 ここで俺は再び納屋に向かった。れみりゃは力の限りを使って喚いていたためか、水の中から逃 げ出す様子は無かった。ただ、水から顔を辛うじて出しながら喘いでいた。 納屋から二つ目の水槽を出してきて玄関に置き、風呂場へ戻る。肉汁を垂れ流しながら泣いてい るれみりゃを引き上げ、そのままの足で再び玄関に向かった。肉汁を垂れ流し、これ以上家を汚さ れては叶わないので、風呂場横に置いてあった残飯入れ用のゴミ袋を取り出し、それに入れた。 ふとその脇を見れば、蕎麦打ち用の麺棒が置いてあった。ひとつ閃きが舞い降りてきた。 袋の中で手負いの身体を必死に捩って抜け出そうとしているれみりゃの頭であろう辺りを強烈に 殴り飛ばす。怯んだのか気絶したのか判じ切れないものの、動きが止まる。触診のように胴体の位 置を確認すると、麺棒を押し付けて転がした。 「むぎゃああああああああああ!! ざぐ、ざぐ、ざぐううううう!!」 変な声が響く。 粗方遣り終えると、もう一枚ゴミ袋を取り出して中身をそちらに移し変え、先ほどよりもギュウ ギュウに縛った。れみりゃは痙攣するのが精一杯のようで、袋は微細動だけを繰り返している。 玄関の扉を開けると、黄色い、かつ気色の悪い声が響き渡る。 「おにいさん! はやくだして! おうちかえる!!」 ゆっくりれいむが必死に救出を願っている。ダンボールで水槽ごと目隠しをされその中で逆さま になったままで、涙を頭の天辺へと垂らしているのだろう。れみりゃの泣き顔のように汚く、気持 ち悪いのが容易に予想できる。 ところで、こいつの言う処の《おうち》とはなんだろうか。もしかしたら、此処、つまりは俺の 家のことを言っているのかもしれない。だとしたら、こいつの命は無い。というか、俺の家なら既 にこのゆっくりれいむは帰宅しているではないか。 先ほどのゆっくりれみりゃを袋ごとぶち込み、再び蓋を閉める。少し落ち着いて《ゆっくりした 》ところで、遠巻きにゆっくりれいむの入った水槽を見つめる。 凄まじい。凄まじいまでの光景だ。 ガラスの表面にへばりつく様なゆっくりの皮。もちもちとした丸みを帯びた身体は、巣層の輪郭 に合わせるように角張っている。 ここでゆっくりれいむにとって幸運ともいえることは、ゆっくりれみりゃが、自分の後ろの水槽 に居るものが何であるのか把握できていないことだった。ゆっくりれみりゃは、他のゆっくり―― と雖も自分より弱い立場のものだけ――を食べる習性があると言う。ガキ大将宜しく、レミリアそ っくりだ。そんなところまで似なくてもいいのでは、とも思う。しかし、今その天敵は黒いゴミ袋 に入れられて、しかも深い傷を負っていてほとんど叫ぶ力もない。 「ぅ……。うう? う”―――!! ざぐやあああああ!!」 目が覚めたのだろうか。黒いゴミ袋から、ゆっくりれみりゃの絶叫が漏れ出てくる。れいむのほ うに目を遣ると、顔色――もとい、皮色が悪くなって行く瞬間だった。 「お、おに”ーさん! そのだかぢはいっでるどっでだでぃ!!?」 鼻づまりのような聞き苦しい声が震えている。『その中に入ってるのって何?』と、確認のため に訊いて来たのだろうから、俺は懇切丁寧な解説を送ってやる。この反応から察するところ、れい むとれみりゃには面識が無いのだろう。 「ああ。この中に入っているのは、ゆっくりれみりゃの子供だよ。子供って言ってもそんなに小さ くはないから、……そうだね、君くらいなら軽く、ペロリとやっちゃうんじゃないのかな?」 「ゆ”――!! ゆっぐりじだい、ゆっぐりじだいどに゛――!! でぇ、おに゛いざん、だずげ でよ――!!」 冗談である。身体を潰され衰弱しているチビれみりゃがゆっくりれいむを食べることなど、出来 るようには思えない。だが、れいむは、袋の中身はゆっくれれみりゃであることしか知らず、それ が大人であるのか子供であるのかの判断は、まあ出来ないだろう。 逆さの状態で泣き喚く様は、実に愉快なものだ。ゆっくりは横柄な性格ながら、命に危険が迫る のを確認すると、途端に猛烈な勢いで命乞いをすると聞く。それはかなり凄絶なものだ。絶望の度 合いが大きくなれば大きくなるほど、必死になる。自己中心の志向を持つものには、そう言う傾向 がある。 「おに゛―ざん、おでがいだがら!! でいぶはばだだべだでだぐだいどでぃ!!」 すげえ必死。もはや笑える。そもそも、何と言っているのやら。自分の名前も巧く発音できてい ない。でいぶって、デーブ大久保か? ただ日がな一日飛び跳ねて、隙あらば人ン家に忍び込んで好きなだけ食い物を食い荒らし家財装 具をめちゃめちゃにする、生産性の欠片も無い下らない一生に何の未練があるのやら。それはゆっ くりになってみないと分からないのかもしれないが、人間とゆっくりの間には決して越えることの できない壁のような立場の差が存在している。そんなことは不可能だ。 ゆっくりは、人間に虐げられる。ただそれだけのために、生を受けし者だ。 続く このSSに感想を付ける