約 2,015 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2266.html
前 気がつくと帰宅していた。 日はすでに落ちている。薄い闇が段々と濃くなっていた。日暮れ前には帰るつもりだったのにこんな時間になってしまったのは、今の私が手ぶらであることが理由になっている。 目当てのものが手に入らなかったため、知らぬ間に深追いしてしまったのだろう。こんな体たらくはほとんど経験したことがない。いつもは簡単に捕まえられるのに。 しかも、手ぶらということは、出かける前に持っていったものも無駄に使ってしまったことを示している。何て失態。また作らないといけない。その手間を考えると気が重い。 いや、それ以上に、積もり積もったものは何も変わらず、相も変わらず覆い被さっているのが、とにかく重い。……重い。 扉を開ける手に疲労感がまとわりついている。そして、まず鼻が身構えるのがわかる。じめじめとした天気が続くこの頃だ。中では生々しい臭いが息づいているだろう。一度外出してしまうと、「慣れ」はリセットされてしまうのだ。 滅入る気持ちを奮い起こして、中へ入る。 明日。とにかく明日だ。今日を耐えきってしまえば、また明日出かけることができる。今度こそ捕まえられる。 早くあの子に晩ご飯を作って、身体を洗って、寝かしつけてしまおう。汚れたところをふいて、散らかったところを片付けて、私も早く寝てしまおう。機械的な作業を機械的にやってしまばいいだけだ。それで…… …………? 何だろう。妙な違和感が玄関にまで流れてくる。 あの子が何かしたのだろうか。昼寝から覚めて、一人で遊んで、ということまでは予想できる。部屋の鍵も閉めてある。粗相などはその範囲で収まるはずだ。 そうじゃない。もっと違う何かが起こっている。 そう言えば、さっき私は玄関の鍵を開けただろうか。既に鍵は開いていなかっただろうか。外の地面はパラついた小雨で湿っていたが、玄関には私が入ってくる前に足跡がついいていなかっただろうか。 違和感の正体がわかった。気配がするのだ。まさか、泥棒か。 取られるようなものはないが、だから安心、というわけでもない。 恐る恐る靴を脱ぎ、慎重に気配の発生源を探ろうと、まずは居間をのぞいた。 「うーうー!」 いきなり発見してしまった。 膨れた顔に短い手足。頭の白いキャップ。同色の寝間着のような服。 「う~♪ うぅ♪ う~♪」 レミリア種のゆっくり。しかも胴体付きだ。 なんて珍しい。今まで多くのゆっくりを見てきたが、手足があるのは初めて見た。 近づいていくと、そのゆっくりはこちらを見上げてくる。 「どこから入ってきたの?」 「うー、ざくやー、ぷでぃんもっできでー、ぶでぃんー」 あらあら。会うなり人間違いをして、その上おやつを要求するなんて。 頭を撫でながら、尋ねる。 「あなた、どこの家の子? 森から来たの?」 「うー、れびりゃのおうぢはここだどー」 鼻にかかったようなダミ声で、人様の家を所有宣言。 ああ、何て、かわいいんだろう。 「ぞでよりぷでぃん、ぷでぃ~ん!」 「欲しいの? プリン」 興奮を内に秘めて、荒くなる呼吸を抑えて、にこやかに問いかける。 「はやぐー! もっでごないと、たべじゃうどー」 「じゃあ、たくさん食べてね」 私は少し身体を離すと、思いっきりゆっくりの腹を蹴りこんだ。 ぐごぎょ、と無様な音を喉から漏らして、饅頭は吹っ飛び、壁にしたたか身体を打ち付けた。 「…………! …………!」 痛みで呼吸もままならず、叫び声さえあげられないようだ。何が起こったか理解もできないだろう。 「ぐっ、ぼッ、……! ごぶぇ?!」 ようやくひり出すような息を吐く。私はにこやかに問いかける。「大丈夫?」 「なっ……なにずん……だどぉ」 見たところ腹に外傷はない。意外に丈夫なようだ。嬉しい。 「あら、食べたいんじゃなかったの?」 「ぢがっ、うどぉ……、れびりゃがほじいのは」 再び足を腹に叩き込む。口から出るはずだった言葉が、衝撃で肺に戻される。 何度も蹴りこむ。後ろは壁だ。暴力は逃げることなく全て身体に突き刺さる。 ゆっくりは小さな手足で必死に身を守ろうとしている。その手足さえ、蹴れば柔らかな感触を跳ね返してくる。それがとても心地よい。 たくさんの蹴りを食らって、ゆっくりは痛みか恐怖かその両方かで震えている。頬を引っ張り、何か言うまで待つ。 「んー、どうしたのかな?」 「ぎゅ、んぐっ」 まだ返事はできないようだ。頬をつまんだまま揺すり、引っ張り上げる。結構重い。普通のゆっくりなら頬がちぎれてもおかしくない重さが掛かっているのに、そんなことはなく痛がる様子を見せるだけだ。本当に嬉しくなる。 頬を手放すと、再び床に転がる。そして、ずりずりとはいずるように、逃げようとする。 私は左の二の腕を踏んで阻止する。それでもゆっくりはジタバタと動くが、完全に縫い止められてそれ以上どこにもいけなくなってしまう。ああ、何て弱く、馬鹿な生き物なんだろう。 体付きがどれだけの強度を持ってるのか興味が湧いてきた。踏んだ足に体重を掛けてゆく。伝わってくる響きは、腕のきしみか、それともゆっくりの叫ぶ声が振動となっているのだろうか。 「うふふふふ」 ついに全体重が乗ってしまった。それでもちぎれることはない。ある程度の反動をつけて踏み直してみても、激痛にほとばしる声が高くなるばかりで裂け目一つできない。 「そろそろあなたの中身が見たくなってきたわ。ね、見せて。ね? ね!」 今度は足を上げて、思いっきり勢いをつけて踏みつけてみる。何度も何度も踏みつけてみる。騒音としか聞こえない濁音混じりの絶叫が相変わらず耳に心地よかったが、腕の損傷につながらないのも相変わらずだった。 私は次第に自分の思い通りにならないことに腹が立ってきた。一方でそれがまた嬉しさをかき立てる。苛立ちは最高のスパイスだからだ。 もう一度腹に一撃を見舞った後、私は台所から目当ての物を持ち出してきた。これなら。 「じゃ、改めまして」 ゆっくりを仰向けにして、今度は右腕をつかむ。私が振り上げた包丁に目を丸くしてるけど、何を意味してるのかわかっているのかしら。 私は笑ったまま、思いっきり力を込めて一撃を振り下ろした。 「ぎひう゛ぉギょをぉおごぉおおぉおおぉおおおッ!!」 声帯を無視したような叫びと共に、赤い汁が散った。 中身が何か辛い物でできているゆっくりがいると聞いたことがあるけれど、これがそうなのだろうか。綺麗な色。興奮するわ。 「もっと、もっと見せてね。ふふ、うふふ、あははははっはははっ!」 楽しさを爆発させ、感情に行動を任せる。何度となく、包丁を叩きつけるように切り込んでいく。だが、切り傷が数を増やすのみでなかなか切断できない。切断したいのに。切断したいのに! 早く切断しなさい! 「これでどうっ? これでッ! ほらっ! ほらッ!!」 一番深いくぼみができたところに、逆手で持った包丁の先端を何度も打ち込む。狙い通り、裂け目が大きくなってきた。いいわね、いいわ! 「すごいわね、ほら、取れちゃうわよ、取れちゃうわ、ほら、ほらっ、ねッ!」 そして、ブツンという手応えと共に、ついに腕は根本から切断された。突き抜けるような快感が私の身体の中心を走る。 「ああ、取れちゃった! あははは! 中身は……ふふ、やっぱり肉まんかな? 辛そうだけどね、アハハ、アハハハハハハ!」 中身はかなり詰まっているようで、切断面からこぼれ落ちるのは肉汁ばかりだ。見ていると、柔らかで身の締まった肉汁たっぷりのステーキを連想させる。もしかするととても美味しいのかもしれない。他のゆっくり同様、食べるつもりは全くないから捨てるだけだが。 「……?」 ふと、私は気づいた。ゆっくりの反応がない。 「うそ!」 慌てて確認すると、良かった、死んだ訳じゃないようだ。痛みと恐怖で気絶しているだけらしい。白目をむいて泡を吐いているから驚いてしまった。安堵のため息をつく。水でも掛ければ意識を取り戻すだろう。殺すまでしてしまってはいけない。それはいけない。 まだまだ私に付き合ってもらわないといけないのだから。 私はこれからの楽しみを前にして、身体が喜びで震えるのを感じた。 …………やり尽くした後。 私は居間全体に飛び散った肉汁を前に、包丁をまだ一応の形を為す残骸に突き立てた。 四肢の欠如した胴体は、腹が割り開かれて中身を見せている。赤いソーセージのようなものが出てきたことから、形は違えどやはり肉まんの一種であるようだ。包丁はその中身に埋もれるように収められている。 頭部は両の目がえぐられ、鼻はそがれて豚のようになっている。口は両側が耳まで裂かれて、ピエロのようだ。そんな状態になっても、素手で中身をかき混ぜてやるまで、生きて叫んでいた。 あんなに生命力があって、あれほど長い間楽しませてくれるなんて嬉しい誤算だ。この近くに手足付きのゆっくりが住み着いたということなら、こんなに喜ばしいことはない。何かの神様に感謝した方が良いのかしら。 ただ、砂糖水を掛けても回復しなかったのは残念だった。肉まんだから塩水の方がいいかと思って、掛けてみたら酷く痛がった。だから、もっと掛けてやった。塩そのものもすり込んでみた。それはそれで楽しかったから良しとしよう。 片付けは大変だ。特に肉汁の量が半端ではない。けれど、この気持ちに浸りながらの掃除なら楽しくやれそうだ。 それにしても、この肉汁、辛子か何かで赤いのかと思ったが、そうではないかもしれない。特有の刺激臭がしてこない。食べるわけではないから味はどうでもいいのだが、何か気になる。今になって、どこでかいだ臭いであるように思えてきたのだ。馴染みのある臭い。でも、食べたことはないように思う。何だろう。 考えを巡らし頭をひねると、ふと、部屋の扉が開いているのが目に止まった。 ゆっくりの繁殖方法は、今のところ二通りのものが大勢を占めている。裸子植物タイプと胎生タイプだ。 ほとんど見かけないが、他に確認されているものとして、被子植物タイプ、両生類型卵生タイプ、分裂タイプなどがある。 自分の場合はどれでもなかった。気がつくと、岩穴の中にいて、傍には固い殻が散乱していた。 ということは、鳥類型の卵生タイプなんだろうか。しかし、親は近くにいなかった。爬虫類型の卵生タイプかもしれない。あるいは昆虫型か。 ともかく、最初に起こった欲求は「自分が何者なのか知りたい」ということだった。 何しろ生きる指針を与えるべき親も同族も見あたらないし、そもそも自分が何かがわからなければ種としての振る舞い方も想像できない。「吾輩は猫である」とか言えたらまだ良かったのだが。 かくして、『黒いゆっくりの自分探しの旅』という全くもってモラトリアムな劇が幕を開けるわけだ。そのうち盗んだバイクで走り出すかもしれないな。 いや、自分がゆっくりだと見当がつくのは、もう少し後だ。 とりあえずは魔法の森と呼ばれる場所を、草や木の実やら虫やらを口に含みつつさまよっていた。その中で、ゆっくりを含めた妖怪やら人間やらに出会ったりして。まあいろいろだ。 それでもまだ自分が何かわからなかったわけだ。まあ今になってもそうなんだが。ただ一応の手がかりがつかめたのが、大図書館に滞在したときだったな。 とあるツテでね、来客というか珍獣扱いで招かれたというか持ち込まれた。そこの主たちの好奇心を満たすことと引き替えに、しばらくお世話になったわけだ。 生まれたてで言葉を解していたように、文字も読むことができた。何故かは知らないが、とにかく読めた。それで色々調べることができた。さまざまな妖怪、動植物、外の世界のこと……。館長や司書との会話も有益だったな。 かなり充実した時だった。時間も忘れるとはあのことを言うのだろう。疑問符が好奇心呼び、興味が謎を喚起する。知識の岐路は際限なく奥地まで……ああ、いやいや確かに寄り道はたびたびしたが、第一義は忘れてない。自分のルーツだ。うん? その割には無駄知識が多い? そうかな? で、俺の出生について立てた仮説なんだが――ああ、まだ推測なんだ――どうもゆっくりと他の妖怪との合いの子らしい。 まず俺の身体だが、見事なまでの一頭身だ。顔だけオバケだな。 ゆっくり以外にも首だけの妖怪は多々いるが、大首にしてはお歯黒を付けてないし、チョンチョンにしては耳が大きくない。その他分析してみても、十中八九ゆっくりの血を引いているという結論に行き着く。どういう種のゆっくりかはわからないがな。 もう一方の親は、バック・ベアードである可能性が強い。聞いたことがない妖怪だって? 光化学スモッグの化性で、真っ黒な球体に一つ目がついたデザインなんだが。ああ、そもそもスモッグを知らないか。 ともかく、そういう妖怪だ。空中に巨大なそれが浮かんでいて、わはははと大きな笑い声を上げるのは、まったく恐怖だろう。 能力は主に目から発せられ、相手の精神に作用を及ぼすようだ。軽い幻覚から死に至るものまで、能力の幅はそれなりにある。 自分が羽も無しに宙を飛んだり、片目が不自由であったりした理由が、これで一応説明できるわけだ。体色や表皮などの特徴も含めてな。 まあ、親の能力に比べると泣けてくるほど初歩的な力しかないが、その辺りは少しずつ開発していこう。群れのゆっくりたちと共に。俺の第一義のために。 おおゆっくり、俺はどうして黒ゆっくりなの、なんて嘆き続けるだけでは芸がないしな。 さて、話を戻そうか。 ある母親がいた。特に何の変哲もない家庭を築いていたんだが、強いて言うと子供が生まれつき障害を持っていたのが特徴と言えば特徴かな。知的障害だ。 どれくらいの障害かと言っても、軽度なのか重度なのか基準がよくわからないな。具体的には、発する言葉が「あー」とか「うー」とか意味不明のものだったり、よくかんしゃくを起こして辺りの物をヒッチャカメッチャカにしたりとか。ああ、あと漏らしてしまった大便を団子にして投げて遊んでたってこともあったらしい。そんな程度だ。 母親と父親は人一倍、いや十倍はその子に手間を掛けた。手間を愛情と言い換えられるなら、それはそれは愛にあふれた家庭だったろうな。けれど、父親の方はある日家を出てしまった。 何でだろうね。愛を注ぎすぎて尽きてしまったのか、それとも始めから愛なんてなかったのか。母親がかんしゃくを起こして父親に当たるのが頻繁になった……これは原因に入るかな? 仕方ないことだと思うのだがね。子供にストレスをぶつけるわけにはいかないし、ましてやご近所の皆さんに怒りをまき散らすにもいかない。たまった鬱憤を受け止めてくれるのは愛する夫しかいないというわけだ。 けれど、その父親がいなくなってしまった。さて、彼女はどうなるだろう。自分の子供は常にストレスを渡し続けてくる。バケツリレーに自分の次がいない。どんどんバケツは増えてくる。どんどん、どんどん。積み上げられたバケツが瓦解して、圧死するのは時間の問題。と、その時だ。 家の中にゆっくりが迷い込んできたんだな。 小さなゆっくりだ。まだようやくあちこち歩き回れる程度の。身体無し、頭だけのオーソドックスなレイム種だ。他人の住居内でありながら、「ゆ~、おばさんゆっくりちていってね!」などと鳴いていて、そこにいた。 母親はそれを傷つけるつもりはなかったんだ。ましてや虐待なんて考えもしなかった。ただつまみ出そうとしただけだ。無言ではあったが、別に敵意があったわけじゃない。で、片手でその饅頭をつまんだ。 ところが……どうしたわけか……うん、それが事故だったのか、無自覚の故意だったのかはわからないんだが……力を入れすぎてしまったようだな。 子ゆっくりの叫び声に、ハッと手元をみると、まだ薄く柔い皮に指の先が食い込んでいた。中身がわずかにもれて小豆色に滲んでいる。 「いちゃぁあああい! いちゃいよぉおぉっ!!」という叫びに母親は慌てた。慌てて両手で支えて、 ぷちっ、と。 真ん中から割り潰してしまったんだ。 子ゆっくりも、当の母親でさえも、何が起こったかわからなかったに違いない。しかし、厳然とした事実はそこにあった。潰えた命という現実がね。 そのとき彼女が感じていた感情は何だったと思う? 絶望? 悲哀? まあ、混乱していたのは確かだったろう。一言で表すのは乱暴すぎるかな。ただ、その時、唇の端は上がっていたそうだよ。口だけは間違いなく笑みの形を取っていたんだ。 だから、迷子になった子ゆっくりを探しに来た親ゆっくりが、その母親に誘われるままに家の中に入っていき、さて、どういう末路をたどったか……なんて、説明するまでもないだろう。 玄関扉から上がりかまちにまで散らばった餡子。雑巾でぬぐいながら掃除する彼女の心の中は、もう喜悦の一色で染まっていた。虐待と虐殺による疲労と興奮が心臓をリズミカルに刻み、全身に快楽の血流を巡らす。長い間忘却の彼方に追いやられていた感情が、その時確かに蘇っていた。 ややあって熱が冷めてからは、自己嫌悪の情が海の波のように返ってはきた。彼女の心に染み入って痛みを与えはした。 けれど、自分の子供が、手づかみで食事をして、顔中を食べ物とヨダレと鼻汁まみれにして、そしてその場で大も小も漏らして、アバアバと口を開けてにやけて……みたいな毎日が続くと、母親の内側では、あの刹那の開放感に対する渇きがどうしようもなく襲ってくるんだ。 幸い彼女は村の端、森の近くに住んでいた。子ゆっくりが迷い込んできたのもそのせいであったわけだが、自分の方から捕まえにいくのにも良い条件になっている。 ゆっくりは人に近しい妖怪だからな。もちろんどこにでもいるわけではないが、その森はゆっくりには住みやすい環境だったので、森の周辺をうろついていれば自然遭遇できるほどには多くのゆっくりがいた。それについても母親には幸運だったわけだ。 菓子を使って、主に子ゆっくりを優しい言葉でおびき寄せるのが彼女の常套手段だった。甘味と甘言だな。こういうのに引っかかるのを甘ちゃんというんだ。うん、まあ、中身が甘味なんでずいぶんと捕まえられたわけだけども。げに悲しきは餡子脳。 数え切れないほどのゆっくり。無数の饅頭。それらを蹴り飛ばし、踏みにじり、えぐり込み、焼き焦がし、すり下ろし、握りつぶし、虐めぬき、殺し尽くして。そのつど彼女はたとえようもない高揚を感じ、その後に訪れる虚無の感情にさいなまされた。それは必然の虚しさだ。それでも止めることはなかった。 おや、不可解か? だが、自分を慰める行為というのは得てしてそういうものかも知らんね? で、その母親の住んでいる近くの森にだ、俺たちの群れが移移住してきたなら、当然群れの誰かが被害に遭うのは時間の問題になるよな。まさか、移動してきた翌日にやられるとは思いもしなかったが。そう、夜が一番短いあの日のことだ。 母親はこれまでしてきたように、森の周辺から子ゆっくりの姿を認めると、袋の菓子を出して呼びかけた。ねえ、甘いお菓子があるんだけど、もし良かったらあげるわよ、みたいなことをね。そこにいた三匹の子ゆっくりはすぐに興味を示した。ここまでは狙い通りだ。 しかし、いつもなら大抵簡単に引っかかるはずの子ゆっくりたちが、今回に限って警戒して近づいてこなかった。一定の距離を保って、誘いに乗ってこなかった。それもそのはずで、人間に対しては十分注意して相対するように、入念に教育されていたんだな。いやはや、群れの長の指導力がどれだけ高いかをうかがわせるね。 けれど、そこは母親も歴戦の将。慌てず、騒がず、次の手を打った。 「じゃあ、ここに置いておくから、欲しかったら持っていってね」 上手いね。菓子は小麦粉と砂糖を混ぜ、小さな粒にして揚げたものだ。揚げ玉状のドーナツだな。だから、地面に置くということは、ばらまくわけだ、袋いっぱいのそれらを。 母親は子ゆっくりたちの前から姿を消した。では、子ゆっくりたちはどう行動する? 警戒すべき人間はいない。お菓子には興味がある。お菓子は境界付近とはいえ、森の中にある。 だから、どちらからともなくお菓子に駆け寄る。それでも警戒心は切らしてないから、辺りをうかがいつつ口に含む。森では絶対に口にできないような味が口内に広がる。がっつきたい衝動を抑えて、より安全な森の奥で食べようという考えを誰かが述べる。しかし、できない。大きな塊ならまだしも、砂利のような粒がたくさんあるわけだからね。持ち運べるのはほんのわずかだ。これが母親の意図さ。 菓子を味わうために、子ゆっくりがその場に釘付けになることを想定して、製菓したわけだ。 子ゆっくりが大人のゆっくりに相談するということに考えが行き着けば、それが模範解答だったんだが、美味さの初体験にそこまで頭が回らなかったようだな。いやはや、教育不十分もいいとこだ。親の顔が見てみたいね。 子ゆっくりは徐々に菓子に没頭し始める。そこに母親が駆け寄って一網打尽? いや、真っ正面からいったら流石に気づかれる。音が届かないほどに遠回りして、後ろから失礼するのさ。昼間の森にも危険性はあるが、夜のそれと比べれば、格段に安全だからね。それに何度か使っていた手だ。森に立ち入ることに危機感は持ってなかった。そして、それは正しい認識だった。確かに、これまでは。 時間を掛けすぎてしまったのがまずかった。これまでの事例では問題のない時の間だけれど、この群れにおいては独自のシステムがある。十分な時間だった。母親と俺がご対面するには十分な、ね。 それで。 俺は彼女が一番望んでいることを叶えてやった。 本当に虐待したいものを虐待させてやった。本当に殺したいものを殺させてやった。 めでたしめでたし。 さて、お前さんも明日は早いんだろう。そろそろ寝床に戻ったほうがいい。また頑張ってもらわなくてはならないことが山ほどあるしな。 どうした? うん? その後の展開? おいおい、話はもう終わったんだぞ。 シンデレラや桃太郎のその後を問いかけるのは邪道だと思うがな。色々想像して楽しむのがいいんじゃないか。 おとぎ話とは違うって? ふむ。 そうだな。 『それから母親は苦しみから解放され、新しい人生を歩むことになりました。村人は母親の苦悩を知り、今後の彼女を支えていくことを約束します。確かにそれはイバラの道であり、進むには苦痛を伴うでしょうが、その遙かな先には光り輝く未来が…… いや、もちろん冗談だ。 追い詰められるままに誰にも相談できなかった母親。 何も気づくことなく放置し続けていた村人。 彼らがどんなエピローグを演じるのか。演じられるというのか。 言わぬが花というものだろう。語っても陳腐だ。 To be or not to be. このままで良いのか、いけないのか、彼女は悩み続けてきた。悩みながらも殺し続けてきた。殺しながらも渇き続けてきた。 それならば、この話はこの言葉で締めくくるのがふさわしいだろう。 「満足は死である」 黒ゆっくり2 続く 別の作者が書いたと思われる続き このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/bkneko/pages/1228.html
爛漫の春国フーザン90-1 花粉将軍 90-2 銀の断捨離 90-3 コボルトの宝 略奪作戦 90-4 病みつきメシウマくん 90-5 三木 90-6 ニャンニャン打破 91-1 エンジェルラブリー 91-2 トレント街のピクニック 91-3 コボルトの宝 略奪作戦 91-4 闇落ち葉 91-5 つっぱれ魚人道 91-6 七光 92-1 呪受回線 92-2 放水 92-3 コボルトの宝 略奪作戦 92-4 燃え盛る眉毛 92-5 マカデミアプラネット 92-6 ビッグなフワフワちゃん 93-1 涼波 93-2 花鳥風月 93-3 コボルトの宝 略奪作戦 93-4 バイオレンスおばあちゃん 93-5 魔香 93-6 色緑素 94-1 カリッカリのチューナー 94-2 悪霊退散 94-3 コボルトの宝 略奪作戦 94-4 木ツツ木 94-5 不滅の八重歯 94-6 スイヘリベボクトネコ 95-1 徹夜に賭ける 95-2 天志 95-3 コボルトの宝 略奪作戦 95-4 芽吹き 95-5 表面張力 95-6 赤き肉汁 96-1 汚木野八木のふくらはぎ 96-2 チキチキニャンニャン 96-3 ソーラー節 96-4 コボルトの宝 略奪作戦 96-5 明鏡止水 96-6 火鍋 96-7 トロイのフィーバー 爛漫の春国フーザン 90-1 花粉将軍 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 木 74 2[3 0 -4 2 ] ジェム3個 90-2 銀の断捨離 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 光 74 2[3 0 -3 3 ] ジェム3個 90-3 コボルトの宝 略奪作戦 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 76 水のオリハルコン2 1[5 1 ] 水の魔石10個 90-4 病みつきメシウマくん 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 闇 76 2[4 1 -3 1 ] ジェム3個 90-5 三木 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 木 78 3[3 0 -2 1 -1 1 ] ジェム3個 90-6 ニャンニャン打破 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 火 80 聖獣の血 3[3 0 -3 2 -1 1 ] ジェム3個 91-1 エンジェルラブリー 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 光 78 2[3 0 -3 3 ] ジェム3個 91-2 トレント街のピクニック 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 木 78 2[3 1 -3 2 ] ジェム3個 91-3 コボルトの宝 略奪作戦 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 80 木のオリハルコン2 1[5 1 ] 火の魔石10個 91-4 闇落ち葉 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 闇 80 2[3 1 -4 2 ] ジェム3個 91-5 つっぱれ魚人道 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 水 82 2[4 1 -3 2 ] ジェム3個 91-6 七光 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 光 84 覚醒の石2 2[4 1 -2 1 ] ジェム3個 92-1 呪受回線 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 闇 80 2[4 2 -3 2 ] ジェム3個 92-2 放水 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 水 80 2[3 0 -4 2 ] ジェム3個 92-3 コボルトの宝 略奪作戦 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 82 闇のオリハルコン2 1[5 1 ] 1,000,000G 92-4 燃え盛る眉毛 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 火 82 2[4 1 -3 2 ] ジェム3個 92-5 マカデミアプラネット 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 木 84 2[3 1 -4 1 ] ジェム3個 92-6 ビッグなフワフワちゃん 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 闇 86 聖獣の血 3[3 0 -2 1 -2 1 ] ジェム3個 ジェム3個 93-1 涼波 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 水 82 2[4 1 -2 1 ] ジェム3個 93-2 花鳥風月 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 光 82 光のオリハルコン2 2[3 0 -3 3 ] ジェム3個 93-3 コボルトの宝 略奪作戦 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 84 1[5 1 ] 木の魔石10個 93-4 バイオレンスおばあちゃん 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 火 84 3[4 1 -2 0 -2 2 ] ジェム3個 93-5 魔香 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 闇 86 3[3 1 -3 1 -1 1 ] ジェム3個 93-6 色緑素 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 木 88 覚醒の鉱石 2[5 2 -3 2 ] ジェム3個 94-1 カリッカリのチューナー 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 光 84 3[3 1 -2 2 -1 1 ] ジェム3個 94-2 悪霊退散 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 闇 84 3[4 1 -2 0 -1 1 ] ジェム3個 94-3 コボルトの宝 略奪作戦 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 86 火のオリハルコン2 1[5 1 ] 1,000,000G 94-4 木ツツ木 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 木 86 1[5 2 ] ジェム3個 94-5 不滅の八重歯 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 火 88 2[5 1 -3 1 ] ジェム3個 94-6 スイヘリベボクトネコ 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 水 90 武器ガチャチケット 3[3 0 -2 1 -2 2 ] ジェム3個 ジェム3個 95-1 徹夜に賭ける 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 闇 86 2[5 1 -2 1 ] ジェム3個 95-2 天志 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 光 86 2[5 1 -2 1 ] ジェム3個 95-3 コボルトの宝 略奪作戦 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 88 水のオリハルコン2 1[5 1 ] 光の魔石10個 95-4 芽吹き 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 木 88 2[3 1 -3 2 ] ジェム3個 95-5 表面張力 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 水 90 2[5 1 -3 1 ] ジェム3個 95-6 赤き肉汁 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 火 92 キャラガチャチケット 3[3 1 -2 2 -2 1 ] ジェム3個 96-1 汚木野八木のふくらはぎ 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 木 88 1[8 3 ] ジェム3個 96-2 チキチキニャンニャン 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 闇 88 1[6 2 ] ジェム3個 96-3 ソーラー節 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 光 90 2[3 1 -3 1 ] ジェム3個 96-4 コボルトの宝 略奪作戦 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 90 神竜の紅玉2 1[5 1 ] 闇の魔石10個 闇の魔石10個 96-5 明鏡止水 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 水 92 2[4 2 -2 1 ] ジェム3個 96-6 火鍋 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 火 94 3[2 0 -2 1 -3 2 ] ジェム3個 96-7 トロイのフィーバー 属性 スタミナ ドロップチャレンジ ステージ数 クリア報酬 ノーマル ハード 激ムズ 木 96 聖獣の血 3[3 1 -3 2 -1 1 ] ジェム3個
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1340.html
「ゆ~~~~~♪」 うだるような暑さ。 今年の夏も一段と暑い。 形だけの入道雲が山の向こうに見え隠れする、夕立もなかなか訪れないので、暑さは耐え難いものとなっていた。 ゆっくり達も例外ではない。 この暑さでは、文字通りゆっくりするしかないゆっくり達はそれぞれ日陰に隠れてべたーーっとしている。 「れーむーー。あついねーーー!」 「こーゆーときはゆっくりしてよーーね!」 普段の口調からは程遠い、のんびりした口調で互いに会話をするゆっくり霊夢と魔理沙。 特に魔理沙は、黒い帽子の所為で余計に熱いようだ。 「こんにちは!! ゆっくりしていってね!!!」 「「?」」 そんな中、元気よく挨拶をしてくる男。 「おじさん。きょうはまりさたちはここでゆっくりするよ~」 幾らゆっくりと言えども、この暑さの中で元気にゆっくりする気はない。 「だいじょうぶ!! おじさんもこんな暑い中でげんきにゆっくりできないよ!! 冷たいアイスをもってきたんだよ!!」 「ゆゆ!! あいす!!!」 「おじさん!! それってつめたいの?」 冷たいと聞いてゆっくり達は元気よく飛び上がる。 どこにそんな元気が有るのかは知らないが、暑苦しく男の足元に摺りついてくる。 「うん! ちょっとたべてみるかい?」 そう言って、男はアイスキャンディーを二つに折ってそれぞれの前に捨てた。 「むしゃ? ……!! ゆゆ!! おいしー!! おじさんこれおいしーよ!!」 「うっめ!! めっちゃうめーーーーー!!!」 ひんやりと冷たいアイスにがっつく二匹。 「ゆ~~~~♪ しあわせーーーー!!!!」 あっという間に食べ終わった二匹。 余程美味しかったのか、直ぐにおかわりを要求してくる。 「おじさん!! もっともっとちょうだいね!!!」 「はやくまりさたちにもってきてね!!!」 「はいはい! でも僕は大勢のゆっくりに味わってもらいたいんだ。だから沢山ゆっくりを呼んできてね!!」 そうしたら、もっといっぱいアイスをあげるよ。 男の言葉を聞いて、元気よく森の中へと消えていく。 数刻後、そこには溢れんばかりのゆっくりがひしめき合っていた。 その数およそ100匹。 パチュリー・アリス・さくや。 多くの種類のゆっくりが親子、親友の垣根を越えて駆けつけたのだ。 もっとも、全員が暑さでゆっくりしているが。 「おじさん!! みんなつれてきたよ!!!」 「はやくまりさたちにあいすちょうだいね!!!」 先ほどの二匹が、ラフな格好をした男に駆け寄る。 「うん!! それじゃあ皆の分は家にいっぱいあるから、おじさんのお家まで行こうか」 男は集まったゆっくりに声をかけると、全員を加工場の大型冷凍庫へ運んでいった。 「ゆゆ!! すずしいね!!!」 「ゆっくりできるよ!!」 全員をその中へ入れる。 うだるような暑さの中に居たゆっくり達は自分から中へ入って行った。 それを確認して男は厳重に鍵をかけその場を去っていった。 「ゆ~~♪ ゆゆっゆ~♪」 「おかーしゃんじょ~ず~♪」 「とかいはのありすはこんなすずしいへや、よくはいってるよ!!!」 「むっきゅ~♪ かいてき~♪」 「おぜうさま!! おぜうさま!!!」 アイスのことは忘れて冷凍庫の中でくつろぐゆっくり達。 しかし、強力な冷凍庫はガンガンと中に入っている饅頭を冷やしていく。 「ゆ~、ちゅべたい!! つべたいよーーー!!!」 初めに騒ぎ始めたのは赤ちゃん達だった。 それが次第に年長者、大きいモノへと伝染していく。 「!! つめたい!! ゆっくりあけてね!!!」 「おじさん!! まりさたちをたすけてね!!!」 「とかいはのありすはじゃくれーぼーしゃにはいるよ!!!」 「むいきゅーーーー……」 「「ぱちゅりーーー!!!!!!」」 一番最初に息を引き取ったのはゆっくりパチュリーだった。 「ゆーーーー!! ……」 赤ちゃん達がそれに続く。 こうなるとゆっくりどころではない。 大勢の親ゆっくりや力のあるゆっくりが全員で入り口にタックルを仕掛ける。 「こんなのかんたんだよ!!」 「そうだよ!! おじさんはひとりであけられたもんね!!」 「みんなで力をあわせればかんたんにあくよ!!!」 「「「そーれ!!!」」」 しかし、厳重に施錠されたそのドアは、商品になった冷凍団子を取り出すまで開く事が無かった。 一方、紅魔館でも似たような光景が繰り広げられていた。 「さくやーーー!! あづいーーー!!!」 食欲をそそる良いにおいを滴らせているのはゆっくりれみりゃのグループ。 全員が体中から肉汁を滴らせている。 「はいはい! れみりゃさま!! ぷっでぃ~んですよ!!!」 「ぷっでぃ~~んいりゃない!!! ぽいするの!!」 「つめたいのがいいにょ!! しゃくやのばぁ~か!!」 プリンを全て蹴散らして、再度お菓子を要求する。 「そうですね!! それでは、よく冷えたゼリーをお持ちします」 「う~♪ ぜっりぃ~♪」 「「「「ぜっりぃ~♪ れみ☆りゃ☆う~♪ にぱー♪」」」」 全員でポーズを決める。 その度に、顔から肉汁がはじけ飛ぶ。 「かわいいですよ!! れみりゃさま!! すぐおもちしますね!!」 「う~~!! はやぐもっでぎでぇ~♪」 全速力で厨房に入り、人数分のゼリーを作り冷やす。 そして新しい高級な皿に載せる。 ここまで時間を止めて居たので掛かった時間は0分、後は運ぶだけだ。 「あら? さくやさん!! 丁度良かったです」 またしても曲がり角で小悪魔とかち合った咲夜。 聞けば、今回はパチュリーではなく、レミリアが神社に行って巫女に冷たいものでも作って来いと仰っていたとの事。 他ならぬレミリアの命令に逆らう事はできない。 ゼリーを小悪魔に預け、咲夜は急いで神社に飛んでいった。 「うう~~~~おそいじょ~~~♪」 れみりゃはずうずうしくも屋敷内に上がりこんでいた。 一行が歩いた後には汁だまりができている。 「うう~~~!! ぜっりぃ~~~♪」 そんな一行が漸くゼリーを見つけたらしい。 もっている人は違うが、お構いなしに足元に群がる。 「う~♪ はやぐちょ~だい!!」 「れみりゃのぜりだどぉ~♪」 「う~♪ た~べちゃうぞ~♪」 「いいえ♪ これは私とパチュリー様とレミリア様の分ですよ♪」 にこやかな笑みを浮かべて宣言する小悪魔。 しかし、肉まんたちは納得がいかない。 「ちがうのーーー!!! それはれみりゃたちのーーーー!!!」 「れみりゃはこーまかんのおじょーさまだどぉーーー!!!!」 「おまえにゃんkぁざぐやにいいづけでやるーーー!!!」 「はやぐぜっりぃーーーーちょーだい!!!!」 「「「「ぜっりぃーーーーー♪」」」」 「「「「!!!! う゛あ゛あ゛ーーーーーーー!!!!!!」」」」 直後、後方から飛来した多数のグンニグルによってその場で串刺しになるれみりゃ。 その攻撃に、ぜっりぃ~コールよりはましの悲鳴コールが沸き起こる。 「ああああーーー!! ざぐやーーー!!!」 「ざぐやーー、ごわいひどがいるどぉーーー!!!!」 「ぜっりぃ~~~~もっでぎでーーー!!!!」 「うるさい!!」 その悲鳴コールの張本人、レミリア・スカーレットが勢いよく全ての肉まんの四肢をむしり取る。 「うっぎゃーーー!! う!! うぐぐ!!!」 「まったく! うるさいったらありゃしない」 むしり取ったそれを、れみりゃの口に無理去り放り込み終えたレミリアが小悪魔に呟く。 「そうですね。ああ、どうぞ! 美味しいですよこのゼリー♪」 「そう。パチェの所に戻ったら頂くわ。それよりもコイツらどうしようかしら? ちょうど咲夜はいないし」 「うっ!! う!! ……」 「しゃ!! しゃぐやーーー!!」 開かない口で、何とか言葉を発しようとするれみりゃ達。 そんな滑稽な様子を見ながら、レミリアはアレコレ思案する。 「それなら良い方法がありますよ!!」 「? なにかしら?」 「きょうは土曜丑の日です!!」 その日の紅魔館の夕食は、美鈴が腕によりをかけて作った沢山の中華料理が並んだ。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/6237.html
845 名前:肉屋のミンチカツ 1個60円 :2012/05/17(木) 22 09 59.28 ID ??? マイ「はい・・・はい、そのような形になりました。生産も計画通りにと 今夜ですか?はい、構いません。では、青い巨星で・・・はい、今から社に戻ります」 オッゴの生産増加に伴う新製造ラインの担当者との打合せも終わりモニクさんに報告も完了 工場側との打合せに熱が入りすぎ、昼を食べ損ねてしまった どこかで食べようかとも思ったが、モニクさんに食事を誘ってもらったことだ 今日は昼は我慢しよう。なに、お腹はペコちゃんだけどもう1時間ほどで時間になる しかし、空腹の胃に酒は危険だとウッソも言っていた コンビニで軽く胃に入れようと思った矢先、香ばしい香りが僕を捕らえる マイ「肉屋か・・・ん?ミンチカツ・・・」 夕方の買い物客で賑わう肉屋を見れば、香ばしい香りの正体を見つける 肉を買う奥様方とは別に屯する学生が頼む商品・・・ ソーマ「ミンチカツ三つ、熱いから気をつけろ!」 プル「ありがと!・・・熱ッ・・・んぁ・・・美味し・・・」 プルツー「プル、いきなりかぶりつくな!周りが見てる、恥ずかしいだろ・・・」 マリーダ「180円。丁度でお願いします」 この店ではロランもよく購入すると言っていたが、家ではミンチカツも自家製 基本的に惣菜と言うのは食卓に上がることは少ない あの反応を見る限り、相当美味しいのだろう マイ「すみません。ミンチカツ一つ」 ソーマ「ミンチカツ一つ、60円だ」 紙製の袋に入れて渡されたミンチカツ。一個60円 衣は狐色に揚がり、揚げたてであることを感じさせる熱い湯気が食欲をそそる 先ほどのお客さんがしていたように、ソースをかけずに食べるのが一般的なのだろう 僕は迷いもなく、かぶりついた マイ「・・・おほぅ・・・ふぁ・・・くぅ・・・」 熱い、しかし美味い 衣の中のミンチは挽肉ではなく、精肉する際に出る商品にならない細かな切り落とを さらに包丁で叩き、それに塩コショウ等で味付けし荒い肉のまま衣をつけてあげているのだろう 衣自体も表面はサクサクと軽い歯触り、内面は肉汁を吸い込みしっとりとした食感 コレにソースをかければ白米の最高の友となるだろうが、単体ではやはり何もかけない方が良い まさに肉、肉の味だ。こんな素晴らしいミンチカツを今まで知らなかったのが不幸だ 本来ならばもう2~3個食べたいが、モニクさんとの約束もある ここは一つで我慢することにしよう・・・ ソーマ「大佐!ボルシチ持ち帰り一つ入りました!」 ボルシチ!そういうのもあるのか・・・・! プル「あー!プルツーの方がちょっと大きい!ずーるーいー!!」 プルツー「お、大きさは同じだろ!一人一個だとハマーンにも言われているはずだ!」 マリーダ「ね、姉さん・・・足りなかったのなら私のを半分・・・」 プル「マリーダは私たちより色々と大きいんだから沢山食べなきゃ駄目だよ?」 プルツー「その胸、私たちの希望だ・・・」 マリーダ「」 買い食い、それはいつの時代も変わらない最高の道草 僕は彼女達のやり取りを聞き流しながら、ミンチカツを頬張ったまま社に急いだ モニク「そうだ。今夜こそ一緒に夕飯を・・・そ、そうか!では待っているぞ! 聞いたなワシヤ!今すぐ『青い巨星』に電話予約だ!」 ワシヤ「・・・モニクさん、お酒弱かったですよね?あそこで大丈夫なんですか?」 モニク「マイと食事・・・食事・・・」 ワシヤ「俺も行くんですけど・・・聞いてないか・・・」
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/190.html
「ゆ~~~~~♪」 うだるような暑さ。 今年の夏も一段と暑い。 形だけの入道雲が山の向こうに見え隠れする、夕立もなかなか訪れないので、暑さは耐え難いものとなっていた。 ゆっくり達も例外ではない。 この暑さでは、文字通りゆっくりするしかないゆっくり達はそれぞれ日陰に隠れてべたーーっとしている。 「れーむーー。あついねーーー!」 「こーゆーときはゆっくりしてよーーね!」 普段の口調からは程遠い、のんびりした口調で互いに会話をするゆっくり霊夢と魔理沙。 特に魔理沙は、黒い帽子の所為で余計に熱いようだ。 「こんにちは!! ゆっくりしていってね!!!」 「「?」」 そんな中、元気よく挨拶をしてくる男。 「おじさん。きょうはまりさたちはここでゆっくりするよ~」 幾らゆっくりと言えども、この暑さの中で元気にゆっくりする気はない。 「だいじょうぶ!! おじさんもこんな暑い中でげんきにゆっくりできないよ!! 冷たいアイスをもってきたんだよ!!」 「ゆゆ!! あいす!!!」 「おじさん!! それってつめたいの?」 冷たいと聞いてゆっくり達は元気よく飛び上がる。 どこにそんな元気が有るのかは知らないが、暑苦しく男の足元に摺りついてくる。 「うん! ちょっとたべてみるかい?」 そう言って、男はアイスキャンディーを二つに折ってそれぞれの前に捨てた。 「むしゃ? ……!! ゆゆ!! おいしー!! おじさんこれおいしーよ!!」 「うっめ!! めっちゃうめーーーーー!!!」 ひんやりと冷たいアイスにがっつく二匹。 「ゆ~~~~♪ しあわせーーーー!!!!」 あっという間に食べ終わった二匹。 余程美味しかったのか、直ぐにおかわりを要求してくる。 「おじさん!! もっともっとちょうだいね!!!」 「はやくまりさたちにもってきてね!!!」 「はいはい! でも僕は大勢のゆっくりに味わってもらいたいんだ。だから沢山ゆっくりを呼んできてね!!」 そうしたら、もっといっぱいアイスをあげるよ。 男の言葉を聞いて、元気よく森の中へと消えていく。 数刻後、そこには溢れんばかりのゆっくりがひしめき合っていた。 その数およそ100匹。 パチュリー・アリス・さくや。 多くの種類のゆっくりが親子、親友の垣根を越えて駆けつけたのだ。 もっとも、全員が暑さでゆっくりしているが。 「おじさん!! みんなつれてきたよ!!!」 「はやくまりさたちにあいすちょうだいね!!!」 先ほどの二匹が、ラフな格好をした男に駆け寄る。 「うん!! それじゃあ皆の分は家にいっぱいあるから、おじさんのお家まで行こうか」 男は集まったゆっくりに声をかけると、全員を加工場の大型冷凍庫へ運んでいった。 「ゆゆ!! すずしいね!!!」 「ゆっくりできるよ!!」 全員をその中へ入れる。 うだるような暑さの中に居たゆっくり達は自分から中へ入って行った。 それを確認して男は厳重に鍵をかけその場を去っていった。 「ゆ~~♪ ゆゆっゆ~♪」 「おかーしゃんじょ~ず~♪」 「とかいはのありすはこんなすずしいへや、よくはいってるよ!!!」 「むっきゅ~♪ かいてき~♪」 「おぜうさま!! おぜうさま!!!」 アイスのことは忘れて冷凍庫の中でくつろぐゆっくり達。 しかし、強力な冷凍庫はガンガンと中に入っている饅頭を冷やしていく。 「ゆ~、ちゅべたい!! つべたいよーーー!!!」 初めに騒ぎ始めたのは赤ちゃん達だった。 それが次第に年長者、大きいモノへと伝染していく。 「!! つめたい!! ゆっくりあけてね!!!」 「おじさん!! まりさたちをたすけてね!!!」 「とかいはのありすはじゃくれーぼーしゃにはいるよ!!!」 「むいきゅーーーー……」 「「ぱちゅりーーー!!!!!!」」 一番最初に息を引き取ったのはゆっくりパチュリーだった。 「ゆーーーー!! ……」 赤ちゃん達がそれに続く。 こうなるとゆっくりどころではない。 大勢の親ゆっくりや力のあるゆっくりが全員で入り口にタックルを仕掛ける。 「こんなのかんたんだよ!!」 「そうだよ!! おじさんはひとりであけられたもんね!!」 「みんなで力をあわせればかんたんにあくよ!!!」 「「「そーれ!!!」」」 しかし、厳重に施錠されたそのドアは、商品になった冷凍団子を取り出すまで開く事が無かった。 一方、紅魔館でも似たような光景が繰り広げられていた。 「さくやーーー!! あづいーーー!!!」 食欲をそそる良いにおいを滴らせているのはゆっくりれみりゃのグループ。 全員が体中から肉汁を滴らせている。 「はいはい! れみりゃさま!! ぷっでぃ~んですよ!!!」 「ぷっでぃ~~んいりゃない!!! ぽいするの!!」 「つめたいのがいいにょ!! しゃくやのばぁ~か!!」 プリンを全て蹴散らして、再度お菓子を要求する。 「そうですね!! それでは、よく冷えたゼリーをお持ちします」 「う~♪ ぜっりぃ~♪」 「「「「ぜっりぃ~♪ れみ☆りゃ☆う~♪ にぱー♪」」」」 全員でポーズを決める。 その度に、顔から肉汁がはじけ飛ぶ。 「かわいいですよ!! れみりゃさま!! すぐおもちしますね!!」 「う~~!! はやぐもっでぎでぇ~♪」 全速力で厨房に入り、人数分のゼリーを作り冷やす。 そして新しい高級な皿に載せる。 ここまで時間を止めて居たので掛かった時間は0分、後は運ぶだけだ。 「あら? さくやさん!! 丁度良かったです」 またしても曲がり角で小悪魔とかち合った咲夜。 聞けば、今回はパチュリーではなく、レミリアが神社に行って巫女に冷たいものでも作って来いと仰っていたとの事。 他ならぬレミリアの命令に逆らう事はできない。 ゼリーを小悪魔に預け、咲夜は急いで神社に飛んでいった。 「うう~~~~おそいじょ~~~♪」 れみりゃはずうずうしくも屋敷内に上がりこんでいた。 一行が歩いた後には汁だまりができている。 「うう~~~!! ぜっりぃ~~~♪」 そんな一行が漸くゼリーを見つけたらしい。 もっている人は違うが、お構いなしに足元に群がる。 「う~♪ はやぐちょ~だい!!」 「れみりゃのぜりだどぉ~♪」 「う~♪ た~べちゃうぞ~♪」 「いいえ♪ これは私とパチュリー様とレミリア様の分ですよ♪」 にこやかな笑みを浮かべて宣言する小悪魔。 しかし、肉まんたちは納得がいかない。 「ちがうのーーー!!! それはれみりゃたちのーーーー!!!」 「れみりゃはこーまかんのおじょーさまだどぉーーー!!!!」 「おまえにゃんkぁざぐやにいいづけでやるーーー!!!」 「はやぐぜっりぃーーーーちょーだい!!!!」 「「「「ぜっりぃーーーーー♪」」」」 「「「「!!!! う゛あ゛あ゛ーーーーーーー!!!!!!」」」」 直後、後方から飛来した多数のグンニグルによってその場で串刺しになるれみりゃ。 その攻撃に、ぜっりぃ~コールよりはましの悲鳴コールが沸き起こる。 「ああああーーー!! ざぐやーーー!!!」 「ざぐやーー、ごわいひどがいるどぉーーー!!!!」 「ぜっりぃ~~~~もっでぎでーーー!!!!」 「うるさい!!」 その悲鳴コールの張本人、レミリア・スカーレットが勢いよく全ての肉まんの四肢をむしり取る。 「うっぎゃーーー!! う!! うぐぐ!!!」 「まったく! うるさいったらありゃしない」 むしり取ったそれを、れみりゃの口に無理去り放り込み終えたレミリアが小悪魔に呟く。 「そうですね。ああ、どうぞ! 美味しいですよこのゼリー♪」 「そう。パチェの所に戻ったら頂くわ。それよりもコイツらどうしようかしら? ちょうど咲夜はいないし」 「うっ!! う!! ……」 「しゃ!! しゃぐやーーー!!」 開かない口で、何とか言葉を発しようとするれみりゃ達。 そんな滑稽な様子を見ながら、レミリアはアレコレ思案する。 「それなら良い方法がありますよ!!」 「? なにかしら?」 「きょうは土曜丑の日です!!」 その日の紅魔館の夕食は、美鈴が腕によりをかけて作った沢山の中華料理が並んだ。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/wakures/pages/1085.html
肉Lv2_10 肉Lv2_10ビーフカレー クリスピーチキン スパイシー手羽先 USビーフステーキ 特製サーロインステーキ アイスバイン アメリカン霜降りステーキ 京都バーコー麺 もんじゃ焼き 酸肉ともち米の腸詰め 前のページへ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 11 次のページへ ビーフカレー ビーフカレー台湾台北士林「マイルホーム」 野菜だけでなく、バナナ、リンゴなどの果物の自然な甘さを加えた独特のカレーには、たくさんのリピーターがいます。 高級 ジャンル ご飯・麺 価格(一押し) 67(?) コスト(一押し) 60(?) 風味(一押し) 115(?) 品質 属性条件 色(一押し) 293(?) 包丁技 260 香(一押し) 281(?) 調味技 261 味(一押し) 301(?) 火加減 258 調理情報 習得条件 調理時間 2時間 習得Lv制限 Lv45 調理費用 390ドル 中級料理習得数 12 習得数 24~36個 食材 肉Lv2 7 野菜Lv2 5 豆製品Lv2 6 スパイスLv2 3 × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) ビーフカレーを編集 ▲TOP クリスピーチキン クリスピーチキン台湾台北士林「the Chips」 サクサクのクリスピーチキンにハニーマスタードソースが絶妙に絡まります。 高級 ジャンル 前菜 価格(一押し) 55(?) コスト(一押し) 48(?) 風味(一押し) 1115(?) 品質 属性条件 色(一押し) 238(?) 包丁技 201 香(一押し) 250(?) 調味技 204 味(一押し) 257(?) 火加減 202 調理情報 習得条件 調理時間 30分 習得Lv制限 Lv45 調理費用 130ドル 中級料理習得数 12 習得数 16~24個 食材 肉Lv2 10 卵Lv2 7 スパイスLv2 4 × × × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) クリスピーチキンを編集 ▲TOP スパイシー手羽先 スパイシー手羽先台湾台北士林「the Chips」 新鮮な手羽先を特製スパイシーソースに漬け込みました。ビールのおつまみにどうぞ! 高級 ジャンル 前菜 価格(一押し) 44(?) コスト(一押し) 37(?) 風味(一押し) 115(?) 品質 属性条件 色(一押し) 324(?) 包丁技 254 香(一押し) 333(?) 調味技 257 味(一押し) 343(?) 火加減 255 調理情報 習得条件 調理時間 1時間20分 習得Lv制限 Lv45 調理費用 270ドル 中級料理習得数 12 習得数 24~36個 食材 肉Lv2 12 果物Lv2 8 スパイスLv2 5 × × × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) スパイシー手羽先を編集 ▲TOP USビーフステーキ USビーフステーキ台湾台北士林「闘牛士」 ジューシーな肉汁が食欲を増加させる香りを醸し出します。 高級 ジャンル おかず 価格(一押し) 44(?) コスト(一押し) 37(?) 風味(一押し) 115(?) 品質 属性条件 色(一押し) 289(?) 包丁技 256 香(一押し) 297(?) 調味技 253 味(一押し) 289(?) 火加減 258 調理情報 習得条件 調理時間 1時間30分 習得Lv制限 Lv45 調理費用 290ドル 中級料理習得数 12 習得数 24~36個 食材 肉Lv2 10 豆製品Lv2 7 スパイスLv2 4 × × × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) USビーフステーキを編集 ▲TOP 特製サーロインステーキ 特製サーロインステーキ台湾台北士林「闘牛士」 ジューシーな肉汁が食欲をそそります。 高級 ジャンル おかず 価格(一押し) 43(?) コスト(一押し) 36(?) 風味(一押し) 115(?) 品質 属性条件 色(一押し) 292(?) 包丁技 268 香(一押し) 279(?) 調味技 270 味(一押し) 304(?) 火加減 265 調理情報 習得条件 調理時間 2時間 習得Lv制限 Lv45 調理費用 390ドル 中級料理習得数 12 習得数 24~36個 食材 肉Lv2 10 卵Lv2 7 野菜Lv2 4 × × × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) 特製サーロインステーキを編集 ▲TOP アイスバイン アイスバイン台湾台北士林「19to1特選ステーキ」 表面がパリッとしたクリスピーロースト料理です! 高級 ジャンル おかず 価格(一押し) 55(?) コスト(一押し) 48(?) 風味(一押し) 115(?) 品質 属性条件 色(一押し) 281(?) 包丁技 200 香(一押し) 301(?) 調味技 203 味(一押し) 293(?) 火加減 204 調理情報 習得条件 調理時間 30分 習得Lv制限 Lv45 調理費用 130ドル 中級料理習得数 12 習得数 16~24個 食材 肉Lv2 10 野菜Lv2 7 スパイスLv2 4 × × × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) アイスバインを編集 ▲TOP アメリカン霜降りステーキ アメリカン霜降りステーキ台湾台北士林「19to1特選ステーキ」 アメリカ産の霜降り肉を豪快に焼いた霜降りステーキ。ミティアムにするかウェルダンにするかは貴方次第。 高級 ジャンル おかず 価格(一押し) 41(?) コスト(一押し) 34(?) 風味(一押し) 115(?) 品質 属性条件 色(一押し) 281(?) 包丁技 265 香(一押し) 290(?) 調味技 270 味(一押し) 304(?) 火加減 268 調理情報 習得条件 調理時間 3時間 習得Lv制限 Lv45 調理費用 480ドル 中級料理習得数 12 習得数 20~30個 食材 肉Lv2 10 豆製品Lv2 7 米穀Lv2 4 × × × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) アメリカン霜降りステーキを編集 ▲TOP 京都バーコー麺 京都バーコー麺台湾台北士林「手打ちうどん“明園”」 パリッとした伝統的なリブを使用したラーメンです。 高級 ジャンル ご飯・麺 価格(一押し) 53(?) コスト(一押し) 46(?) 風味(一押し) 120(?) 品質 属性条件 色(一押し) 324(?) 包丁技 284 香(一押し) 308(?) 調味技 266 味(一押し) 318(?) 火加減 275 調理情報 習得条件 調理時間 13時間 習得Lv制限 Lv45 調理費用 1670ドル 中級料理習得数 12 習得数 16~24個 食材 米穀Lv2 9 野菜Lv2 6 肉Lv2 4 スパイスLv2 3 × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) 京都バーコー麺を編集 ▲TOP もんじゃ焼き もんじゃ焼き台湾台北士林「TEN 屋」 東京名物もんじゃ焼きは、子ども達にも大人気で、多くの日本人に昔から愛されている特別な料理です。 高級 ジャンル おかず 価格(一押し) 70(?) コスト(一押し) 63(?) 風味(一押し) 115(?) 品質 属性条件 色(一押し) 299(?) 包丁技 241 香(一押し) 294(?) 調味技 237 味(一押し) 282(?) 火加減 240 調理情報 習得条件 調理時間 1時間 習得Lv制限 Lv45 調理費用 200ドル 特級料理習得数 12 習得数 24~36個 食材 肉Lv2 7 野菜Lv2 5 ミルクLv2 6 米穀Lv2 3 × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) もんじゃ焼きを編集 ▲TOP 酸肉ともち米の腸詰め 酸肉(suan rou)ともち米の腸詰め台湾台北東区信義「クリスタルスプーン」 厳選された豚肉とタイのもち米を組み合わせたこの料理は、タイ北部で有名な料理です。 高級 ジャンル おかず 価格(一押し) 61(?) コスト(一押し) 54(?) 風味(一押し) 115(?) 品質 属性条件 色(一押し) 247(?) 包丁技 202 香(一押し) 261(?) 調味技 200 味(一押し) 237(?) 火加減 204 調理情報 習得条件 調理時間 20分 習得Lv制限 Lv45 調理費用 100ドル 中級料理習得数 12 習得数 12~18個 食材 肉Lv2 10 豆製品Lv2 7 米穀Lv2 4 × × × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) 酸肉ともち米の腸詰めを編集 ▲TOP 前のページへ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 11 次のページへ
https://w.atwiki.jp/wakures/pages/1063.html
キノコLv3_5 キノコLv3_5牛肉ラーメン キャベツ餃子 牛肉麺 最高級フィレ赤ワインソース煮込み 特製ベーコン巻きステーキ USプレミアムサーロインステーキ チキンカレー オイカワのクリスピースープ シーフードミックス ボルドー牛肉ドリア 前のページへ 1 2 3 4 6 次のページヘ 牛肉ラーメン 牛肉ラーメン台湾台北士林「四海遊龍」 乳肉を一番ラーメンに合う形でトッピング。麺を、肉を、楽しんで下さい! 特級 ジャンル ご飯・麺 価格(一押し) 80(?) コスト(一押し) 71(?) 風味(一押し) 145(?) 品質 属性条件 色(一押し) 365(?) 包丁技 370 香(一押し) 375(?) 調味技 367 味(一押し) 360(?) 火加減 371 調理情報 習得条件 調理時間 2時間40分 習得Lv制限 Lv60 調理費用 540ドル 高級料理習得数 18 習得数 20~30個 食材 肉Lv3 9 野菜Lv3 6 キノコLv3 6 米穀Lv3 3 × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) 牛肉ラーメンを編集 ▲TOP キャベツ餃子 キャベツ餃子台湾台北士林「四海遊龍」 新鮮なキャベツのサッパリとした味わいが、ジューシーなのに脂っこくない風味豊かな餃子に仕上げました。 レア ジャンル おかず 価格(一押し) 97(?) コスト(一押し) 86(?) 風味(一押し) 175(?) 品質 属性条件 色(一押し) 451(?) 包丁技 392 香(一押し) 440(?) 調味技 387 味(一押し) 434(?) 火加減 390 調理情報 習得条件 調理時間 1時間30分 習得Lv制限 Lv75 調理費用 390ドル 特級料理習得数 24 習得数 20~30個 食材 野菜Lv3 10 キノコLv3 7 豆製品Lv3 6 米穀Lv3 4 × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) キャベツ餃子を編集 ▲TOP 牛肉麺 牛肉麺(niu rou mian:ニィゥロウミィェン)台湾台北士林「四海遊龍」 多くの牛骨から出汁をとり、牛肉もふんだんに使用した牛肉麺をどうぞご堪能下さい。 レア ジャンル ご飯・麺 価格(一押し) 93(?) コスト(一押し) 82(?) 風味(一押し) 175(?) 品質 属性条件 色(一押し) 440(?) 包丁技 513 香(一押し) 438(?) 調味技 514 味(一押し) 447(?) 火加減 511 調理情報 習得条件 調理時間 3時間 習得Lv制限 Lv75 調理費用 630ドル 特級料理習得数 24 習得数 16~24個 食材 肉Lv3 8 野菜Lv3 5 キノコLv3 5 豆製品Lv3 6 スパイスLv3 2 × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) 牛肉麺を編集 ▲TOP 最高級フィレ赤ワインソース煮込み 最高級フィレ赤ワインソース煮込み台湾台北士林「マタドールファミリー」 あふれ出す肉汁が素晴らしい高級サーロインを赤ワインソースで煮込みました。 特級 ジャンル おかず 価格(一押し) 72(?) コスト(一押し) 63(?) 風味(一押し) 145(?) 品質 属性条件 色(一押し) 365(?) 包丁技 273 香(一押し) 362(?) 調味技 275 味(一押し) 373(?) 火加減 270 調理情報 習得条件 調理時間 30分 習得Lv制限 Lv60 調理費用 120ドル 高級料理習得数 18 習得数 12~18個 食材 肉Lv3 9 野菜Lv3 6 キノコLv3 6 スパイスLv3 3 × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) 最高級フィレ赤ワインソース煮込みを編集 ▲TOP 特製ベーコン巻きステーキ 特製ベーコン巻きステーキ台湾台北士林「闘牛士」 カリカリベーコンとジューシーなステーキの相性は抜群です。 特級 ジャンル おかず 価格(一押し) 72(?) コスト(一押し) 63(?) 風味(一押し) 145(?) 品質 属性条件 色(一押し) 374(?) 包丁技 274 香(一押し) 366(?) 調味技 270 味(一押し) 360(?) 火加減 273 調理情報 習得条件 調理時間 30分 習得Lv制限 Lv60 調理費用 120ドル 中級料理習得数 18 習得数 12~18個 食材 肉Lv3 9 野菜Lv3 6 キノコLv3 6 米穀Lv3 3 × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) 特製ベーコン巻きステーキを編集 ▲TOP USプレミアムサーロインステーキ USプレミアムサーロインステーキ台湾台北士林「闘牛士」 ジューシーな肉汁がたまらない一品です。 レア ジャンル おかず 価格(一押し) 69(?) コスト(一押し) 58(?) 風味(一押し) 175(?) 品質 属性条件 色(一押し) 450(?) 包丁技 506 香(一押し) 440(?) 調味技 503 味(一押し) 435(?) 火加減 504 調理情報 習得条件 調理時間 3時間 習得Lv制限 Lv75 調理費用 630ドル 中級料理習得数 24 習得数 16~24個 食材 肉Lv3 10 豆製品Lv3 7 キノコLv3 6 スパイスLv3 4 × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) USプレミアムサーロインステーキを編集 ▲TOP チキンカレー チキンカレー台湾台北士林「手打ちうどん“明園”」 日本の伝統的なチキンカレーです。 特級 ジャンル ご飯・麺 価格(一押し) 81(?) コスト(一押し) 72(?) 風味(一押し) 150(?) 品質 属性条件 色(一押し) 418(?) 包丁技 357 香(一押し) 423(?) 調味技 359 味(一押し) 409(?) 火加減 349 調理情報 習得条件 調理時間 2時間 習得Lv制限 Lv60 調理費用 400ドル 高級料理習得数 18 習得数 20~30個 食材 米穀Lv3 8 肉Lv3 6 野菜Lv3 5 スパイスLv3 4 キノコLv3 2 × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) チキンカレーを編集 ▲TOP オイカワのクリスピースープ オイカワのクリスピースープ台湾台北士林「手打ちうどん“明園”」 さくさくオイカワのクリスピーを入れたスープです。 レア ジャンル スープ 価格(一押し) 93(?) コスト(一押し) 82(?) 風味(一押し) 180(?) 品質 属性条件 色(一押し) 466(?) 包丁技 393 香(一押し) 457(?) 調味技 389 味(一押し) 477(?) 火加減 403 調理情報 習得条件 調理時間 3時間 習得Lv制限 Lv75 調理費用 630ドル 特級料理習得数 24 習得数 16~24個 食材 魚Lv3 10 米穀Lv3 6 野菜Lv3 6 キノコLv3 3 スパイスLv3 2 × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) オイカワのクリスピースープを編集 ▲TOP シーフードミックス シーフードミックス台湾台北士林「TEN 屋」 新鮮な海鮮食材を豊富に使用しています。お酒のおつまみとしていかがでしょうか? 特級 ジャンル おかず 価格(一押し) 85(?) コスト(一押し) 76(?) 風味(一押し) 145(?) 品質 属性条件 色(一押し) 364(?) 包丁技 330 香(一押し) 361(?) 調味技 331 味(一押し) 375(?) 火加減 327 調理情報 習得条件 調理時間 1時間 習得Lv制限 Lv60 調理費用 200ドル 特級料理習得数 18 習得数 20~30個 食材 魚Lv3 9 肉Lv3 6 キノコLv3 6 米穀Lv3 3 × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) シーフードミックスを編集 ▲TOP ボルドー牛肉ドリア ボルドー牛肉ドリア台湾台北東区信義「ヨーロピアンレストラン」 トマトシチューで煮込んだ牛肉でドリアを作りました。チーズがトマトを引き立てます。 特級 ジャンル ご飯・麺 価格(一押し) 48(?) コスト(一押し) 39(?) 風味(一押し) 145(?) 品質 属性条件 色(一押し) 364(?) 包丁技 369 香(一押し) 372(?) 調味技 368 味(一押し) 364(?) 火加減 371 調理情報 習得条件 調理時間 7時間 習得Lv制限 Lv60 調理費用 1400ドル 高級料理習得数 18 習得数 20~30個 食材 肉Lv3 9 野菜Lv3 6 キノコLv3 6 米穀Lv3 3 × × × × 一押し食材 × × × × × × × × クイズ 問題 A. B. C. D. 答え(反転) ボルドー牛肉ドリアを編集 ▲TOP 前のページへ 1 2 3 4 6 次のページヘ
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/841.html
前 ※人間、妖怪等は出てきません ※俺設定あります ※某ゆっくりがとても美化されております 春も中盤にさしかかった。まりさの子供達は順調に育っている。 まりさと同じく、普通のゆっくりでは考えられないほどのスピードで成長していた。 今では既に全員大人ゆっくり並みの大きさになっている。 この一ヶ月余り、まりさ親子は不幸に見舞われながらもその度生還した。 ある時は発情していたありす達に襲われてはそのコミュニティを壊滅させた。 ある時は牙を剥いてきた数匹の体無しれみりゃを難なくやっつけた。 ある時は周りのゆっくり達に迷惑をかけていた体長2mほどもある巨大ゆっくりを倒した。 皆で力を合わせれば怖いものなんて無い。自分達は無敵だ。 何度もやってくる危機は、まりさ達に過剰ともいえる自信を与えていた。 そんなある日の事。 まりさ達親子は草原でかけっこをしたりお昼寝したりしてゆっくりしていた。 そして日も沈みかけたころ、まりさの耳にこの世で最も憎い声が聞こえてきた。 「う~! た~べちゃうどぉ~!」 忘れることなど出来ようか。 それはかつて幸せだった自分達の家族を引き裂いた存在。 声のした方向にまりさは目を向ける。 そこにはあの日と同じように、にこにことした笑顔を浮かべる体つきれみりゃがいた。 勿論、以前とは違う個体だろう。だがまりさはその姿を見るだけで、心の奥から憎しみが湧きあがってくるのを感じた。 「れみりゃはおなかがすいてるんだどぉ~! おまえたちはれみりゃのでぃな~になるんだどぉ~☆」 両手を天に掲げ、れみりゃはまりさ達に向かってくる。 以前と同じ光景。母を失ったあの時と。 だが自分はあの時とは違う。あれから沢山の出来事を体験した。 何度も何度も死にかけたし、家族を持ち幸せな時間も過ごした。 体も大きく強くなったし、自分と同じぐらい強く逞しい子供達もいる。 いくら体付きれみりゃであろうと、自分達が力を合わせればどんなゆっくりにも負けはしない。 まりさはそう信じている。 「ゆっ! みんな! あのれみりゃをやっつけるよ!」 「「「ゆーーー!」」」 まりさの掛け声を号令に、子ゆっくり達は散らばり、れみりゃを取り囲む。 それが何を意味しているのか、れみりゃのお馬鹿な頭では全く理解できない。 「う~? あそんでないではやくれみりゃのでぃな~になるといいどぉ~!」 れみりゃは一番近くにいた子まりさに手を伸ばした。 非常にゆっくりした動作。故に子まりさはそれを難なく避ける。 そして空いたれみりゃの脇腹へと勢いよく体当たりした。 ドガッという音と共にれみりゃの顔が苦痛に歪む。 「う゛あ゛~~~!! い゛だいどぉ~! な゛にずるんだどぉ~~!!」 突撃した子まりさは再び元の位置へと戻り、体勢を立て直す。 それからは同じような事の繰り返しだった。 れみりゃの空いた背中や脇腹へまりさ達は体当たりをし、そして定位置へ戻る。 実に単純な攻撃。だが頭の悪いれみりゃ相手には効果的な戦法だった。 何度か繰り返すと、漸くれみりゃの体に負担が来たようで、彼女はその場に膝をついた。 ぜーはーぜーはーとれみりゃは息を荒げている。 その様子を見てまりさは再び子供達に号令をかけた。 「ゆ! いまだよ! みんなでとびかかるよ!」 周りを囲っていた子まりさ達が一斉にれみりゃへと飛びかかる。 不意打ちを食らったれみりゃはその衝撃でうつぶせに倒れた。 まりさ達はそのままれみりゃの体へと飛び乗り、体重をかけてプレスする。 「う゛あ゛~! や゛め゛る゛んだどぉ~~!!」 れみりゃが手足をジタバタさせて暴れる。 その力はとても強く、まりさ達は体から跳ね飛ばされて地面へと着地した。 だがれみりゃが立ち上がる前に再びその体へ乗って飛び跳ねる。 しばらく繰り返すと、れみりゃは疲労と痛みが蓄積したのか、横たわったまま全く動かなくなった。 息はしているので死んではいないようだ。 まりさ達もまりさ達で既に満身創痍だった。 途中何度か、れみりゃのジタバタ攻撃によって子供達もダメージを受けてしまっていた。 攻撃を受けた部分がへこんだり痣になったりしているが、幸い命に別条はないようだ。 「うぅ…いたいよぉ…!」 「だいじょうぶ!? がんばったね!」 一対多数とはいえ相手は捕食種、それも最上位にランクする体付きれみりゃである。 いくらまりさ達が進化したとはいえ、誰一匹も死なずに済んだのは幸運としか言いようがない。 まりさは子供達を励ましたあと、近くの木にあった太く長い蔦を数本れみりゃに巻きつけた。 無事な子供達にも手伝ってもらい、身動きできないようにしっかりと結びつける。 「う゛~! これをほどくんだどぉ~! さもないとたべちゃうどぉ~!」 話せる程度に回復したれみりゃは体を動かそうとするが、足首までしっかり結ばれているため全く身動きできない。 移動する事も出来ないので、まりさ達を食べることはできない。 とうとうあの体付きれみりゃをも倒せるようになった。力を合わせた自分達は無敵だ、とまりさは思う。 それと同時に優しい母の顔を思い浮かべ、涙を流した。 お母さんの仇はとったよ、と。 思えばあれから色々な事があった。何度も何度も辛い経験もし、その度に自分の無力さを嘆いた。 だがこれからはもう大丈夫だ。自分達に怖いものはない。 早くゆっくりプレイスを見つけて、可愛い子供達と一緒にゆっくりと暮らそう。 と、そこでまりさはお腹がすいているのに気が付いた。 「ねー、おかあさん。おなかすいたよ!」 「なにかたべものをさがそうよ!」 子供達も先程の戦いで疲れたのか、空腹なようだ。 とは言っても周りに食べ物は無い。 やはりこれから探しに行かなければならないか、と思ったところでまりさはいい匂いがすることに気づいた。 食欲を刺激する肉の香り。それはどうやられみりゃから発せられているらしい。 少しためらったが、まりさは試しにれみりゃの指を食べてみた。 「う゛あ゛ーーーーー!! や゛め゛る゛んだどぉーーーー!」 刹那、まりさの口内に肉汁が染み、具の肉まんの旨みが広がった。 何て美味しいんだ! まりさは子供達にもれみりゃを食べてみるように言った。 最初は恐る恐るだった子供達も、一口れみりゃの一部を口に含むととても幸せそうな顔になる。 「「「「むーしゃむーしゃ、しあわせー♪」」」」 まりさ達の合唱と、れみりゃの悲鳴が周囲に響いた。 蔦で縛っている部分を避けながられみりゃを食べていると、まりさはある事に気が付いた。 何と、食べて無くなったれみりゃの体の部位が再生してきたのだ。 「ゆ! すごいよ! すぐにもとどおりになるよ!」 「これならいくらでもたべられるね!」 むしゃむしゃと再び生えてきたれみりゃの部位を食べるまりさ達。 食べられては再生し、再生しては食べられるという恐ろしいループへと陥ったれみりゃは泣き叫ぶしか出来ない。 それからまりさ達はお腹いっぱいになると、そのままゆっくりと眠り始めた。 こんなところで堂々と眠っていたら捕食種が襲ってくるかもしれないが、それでも自分たちならば負けないという自信があった。 しばらくすると、まりさは大きな叫び声で目を覚ました。 どうやらその声は縛られているれみりゃが出しているものらしい。 どういうわけか、れみりゃは元々不細工な顔をさらに涙でぐしゃぐしゃにしながら泣き叫んでいた。 「う゛あ゛ーーーーー!! はやぐれみ゛り゛ゃをじゆう゛にするんだどぉーーーー!!」 その声はいつもの呑気な様子はなく、切羽詰まった声色である。 恐らく先程の出来事を思い出して泣いているのだろうとまりさは思った。 「むにゃむにゃ…なんだかうるさいよ」 「ゆー…おかーさん、どうしたの?」 れみりゃの悲鳴を聞いてまりさに続いて子供達も目を覚まし始めた。 まりさは子供達に起こしちゃってごめんねと言い、れみりゃには静かにして、と怒鳴る。 だがそれでもれみりゃは一向に叫び止む気配がない。 「うあ゛ーーーーー!! だずげでぇーー!! ごごがら゛に゛げるん゛だどぉーーーー!!」 「しずかにしてね! ねむれないよ!」 と、そこでまりさはおかしな事に気づいた。 れみりゃは先程の光景を思い出したか、またはこれからの事を考えて泣き叫んでいるのかと思っていた。 だがれみりゃは自分を見ていない。顔を上げ、遥か上空に視線を定めている。 一体何なんだ、とまりさが言おうとした瞬間――。 ゾクリ とまりさの背中に凄まじい悪寒が走った。 一刻も早くこの場から逃げ出したくなるような、刃物で体内を滅多刺しにされたような感覚。 れみりゃは何を見ているんだろう。 そう思ったまりさは自分も振り向こうとする。 だがゆっくりの本能が訴えかけていた。見てはいけない、さっさと逃げ出せ、と。 それでもまりさは何とかれみりゃの視線の先――自分の背後の夜空を見た。 まりさは三つの間違いを起こした。 一つ、さっさとれみりゃを処分しなかったこと。 一つ、あまりにも自分の力を過信していたこと。 そして――『それ』の存在を知らなかったこと。 れみりゃとまりさが見つめる先、美しく光を放つ満月を背に『それ』はいた。 煌めく金色の髪を風になびかせながら、『それ』は無機質な目で下界を見下ろしている。 見た目はれみりゃに似ている。しかし、れみりゃを出来損ないのぬいぐるみと例えるなら、『それ』はまるで職人によって精巧に作られた人形のようだ。 何よりその圧倒的な威圧感はれみりゃなぞには出せはしない。 ゆっくりの一種ではあるが体が存在し、その背からは一対の優雅に輝く羽が生えている。 れみりゃの匂いに惹きつけられ、やって来た『それ』――最強にして最凶の捕食種、ゆっくりふらんは今宵の獲物を確認すると二マリと口を開いた。 「ゆっくりしねっ!!」 その言葉が周囲に響くやいなや、空中のゆっくりふらんの姿が消える。 「ゆゆっ!? どこにいったの!?」 まりさが困惑していると、彼女の後ろから悲鳴が聞こえた。 「う゛ぎゃ゛ぁ゛ぁぁぁぁーーーーーー!! い゛だい゛どぉぉぉーーーー!!」 その声の主はれみりゃの様だ。恐る恐るまりさは振り返る。 そこで見た光景は。 「や゛べでぇ゛ぇ゛ぇ゛ーー!! ざぐやーーー!! ざぐやーーー!!」 「ゆっくりしねっ!!」 ふらんが後方かられみりゃの頭を齧っていた。ゆっくりふらんは一瞬にして地上まで急降下し、肉に噛みついたのだ。 真正面から見ているまりさの眼には、涙や肉汁でぐしゃぐしゃになったれみりゃの顔と、その頭を頂点から鋭い牙で削り、咀嚼する楽しげなふらんが写る。 それを見たまりさの背中に冷たいものが走った。 れみりゃは縛られているため身動きができず、ただただ泣き叫ぶことしかできない。 「あ゛あ゛あ゛ーー!! れみ゛り゛ゃはだべもの゛じゃな゛い゛どぉーーー!! ざぐやーーー!! だずげ」 「うるさいっ!!」 「ぶべ゛ぇっ!?」 ブチッ、という大きな音。それはふらんが齧りついていたれみりゃの頭部をそのまま力任せに胴体から引き千切った音だった。 「びぃぎゃあ゛あ゛あ゛あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!?」 「うるさいれみりゃはさっさとしねっ!!」 ふらんは頭だけになったれみりゃを手に持ち直す。 既に元の三分の二ほどの大きさになった顔の正面から、彼女は大きく口をあけてそれを喰らった。 無数の細く、鋭い牙がれみりゃの顔面を一瞬にして削り取る。 くちゃくちゃとふらんが肉まんを噛む音が辺りに木霊した。 断末魔を上げる暇もなく、れみりゃはこの世のものではなくなった。 「あーーん」 と、ふらんは口を開けて後ろ半分だけになった頭部を両手で掲げ、絞るように力を入れた。 顔だったモノの断面から肉汁が滴り落ち、それを咽の奥へと導く。 「んぐっんぐっ…ぷはっ」 肉汁を完全に絞りとり、全て飲み終えてから水分の無くなった頭部を捨てる。地面に叩きつけられ、乾いた後頭部は粉々に砕けた。 唇の周りに付着した肉片や肉汁を紅い舌で丁寧に舐めとった後、ふらんは未だにピクピクと痙攣しているれみりゃの体を食べ始めた。 ほんの数分の出来事。しかし、まりさ達にとってそれは永遠とも感じる時間だった。 彼女たちの目の前であのれみりゃがなす術もなく見たことないゆっくりに食べられていった。 逃げなければならない。本能はそう告げるが体が動かない。 体を震わすまりさたちの目線の先では、ふらんがれりみゃの体をむさぼっていた。 まりさ達にとって恐るべき天敵だったものの四肢を引き裂き、胴体両腕と次々にその体内へ取り込む。 皮を齧りとり、中身を喰らい、肉汁をすする。 「けふっ、たべたべた」 最後に残った右足を食べ終え、満足そうにふらんは言う。彼女の前にはれみりゃを縛っていた数本の蔦しか残っていなかった。 ガクガクと本能的な恐怖で震えるまりさ達。 そして次はそんな彼女たちが標的にされることとなる。 「うー、まだたりない」 ふらんが体勢を整え、まりさ達に目を向けた。 それはまるで蛇と蛙。その場にいる時点で決着がついた、食う者と食われる者。 どんな生き物でも、自分の運命を受け入れるしかないと考えるような状態。 だがまりさは違った。今までの経験から、自信が付いていたまりさは今回も大丈夫だという確信があったから。 皆がいれば何も怖くはない。 怯えを捨てて勇気を振り絞り、まりさは子供達に言った。 「だいじょうぶだよ! まりさたちはつよいんだから! あんなやつ、かんたんにやっつけれるよ!」 母親の言葉に励まされ、子まりさ達も闘争心が燃え上がる。 そうだ、自分たちは進化した強いゆっくりなんだ。たとえどんな相手でも負けるものか、と。 「そうだよ! おかあさんのいうとおりだよ!」 「あんなれみりゃみたいなやつなんかにまけるはずないよ!」 れみりゃの時と同じように、まりさ達はふらんを取り囲む。 まりさ達は進化した。 れいむやありすは勿論、あの巨大ゆっくりや体付きれみりゃでさえも力を合わせた自分たちに勝てはしない。 それに、いくら見たことがないゆっくりだからって所詮大きさはれみりゃ程度しかないじゃないか。 だから今回もいつも通り、自分達は負けはしない。そう思っていた。 しかし――。 「しねっ!」 「ゆ゛ぶぅ゛っ!!!」 一匹の子まりさがふらんに飛びかかった瞬間、その体が鋭利な爪で引き裂かれた。 輪切りになって絶命する子まりさ。 高い再生能力を手に入れたといっても所詮はゆっくり、頭の中心部、中枢餡子が完全に破壊されてしまえば再生など出来なかった。 「ゆゆっ!?」 まりさ達は一瞬何が起こったのかわからなかった。 れみりゃの時のように誰が飛びかかり、相手の体がぐらついた時に全員で跳びかかれば簡単に倒せる。 まりさ達はそう思っていた。だから今目の前で起こった事を脳が処理できない。 そしてふらんの足元に転がり、ぴくりとも動かぬ子まりさを見て、まりさ達はゆっくりと理解した。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! ま゛り゛さのこども゛がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 「お゛ね゛え゛ぢゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃん!!」 「な゛んでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ゛!!??」 スライスされた家族の姿を見てまりさ達は号泣する。 自分が生んだ可愛い子供。今までも、そしてこれから一緒にゆっくりしようと誓ったとても大切な家族。 それを失ったまりさの悲しみは大きく、次々と涙をあふれさせる。 その様子をふらんはニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべながら見ていた。 まりさは涙を流しながらも般若のような形相になる。 「よ゛ぐもま゛り゛さのごども゛ををををををををを!!!」 我が子を殺され、怒り狂ったまりさがふらんに突進する。そのスピードは尋常ではない。 さらにこのまりさは皮が分厚く、中身も通常より重いため、その突撃の威力は恐ろしく高い。 「まりさのこどもをころしたやつはゆっくりじね゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇぇぇぇ!!!」 怒涛の勢いでふらんへと体当たりするまりさ。 そのまま自分の攻撃でふらんは倒れるだろうとまりさは予測していた。 しかし、残念ながらその予想は外れてしまう。 「うー!」 「ゆっ!?」 ガシッとまりさの体は何の苦労もなくふらんに掴まれた。 「ゆー! ゆっくりはなしてね!」 まりさは何とか拘束から逃れようとするが、がっちりとホールドされていて全く動けない。 一体この華奢とも言える腕のどこにそんな力があるのだろうか。 「ゆっ! まりさをはなしてねっていってるんだよ!」 「あー、うるさい」 「ゆぶぶぶべっ!?」 ドゴッとふらんはまりさの頬を軽く殴った。それだけでまりさは意識が飛びそうになる。 今まで受けたことのないような威力の攻撃。 たった一発殴られただけでまりさの皮は破裂し、餡子が噴き出す。 さらにその衝撃が体内を波のように伝わり、激しい嘔吐感に襲われて口からも餡子を吐きだした。 ふらんはまりさを掴みながら羽を使い、宙に浮く。 そして勢いよくまりさを近くの大木の枝に突き刺した。 「あ゛ぎゃ゛ゃ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 芯がしっかりしている枝は、まりさの体を深々と貫通した。 何とか中枢餡子は傷つかなかったものの、体内を引き裂かれる痛みにまりさは声を上げた。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい゛だい゛よ゛おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 「おかあ゛あ゛さぁぁぁぁぁぁぁん!!」 「まっでて、いま゛たすけであげるから!」 子まりさ達は身動きできない母に近づこうとする。 しかし、そんな彼女らの前にふらんが立ちはだかった。 そのドス黒い笑顔にはどんなゆっくりも怯えるしかないだろう。 だが子まりさ達は違った。 「ゆっ!? そこをどいてね!」 「おかあさんをたすけるんだから!」 子まりさ達とふらんが睨み合い、緊張が張り詰める。 とその時、この場に予期せぬ来訪者が現れた。 「う~! おいしそうなにおいがするんだどぉ~!」 「あのきからにおってくるどぉ~!」 「う~! た~べちゃうどぉ~!」 緊張感の欠片もない声を上げながら低空飛行でやってきたのは、三匹の体付きれみりゃだった。 さっきの一匹といい、どうやらこの辺りにはれみりゃの巣があるらしい。 木に突き刺さったまりさの餡子の匂いに誘われてきたのだろう、その顔には何の危機感もない。 そしてまりさは思った。あの体付きれみりゃが三匹もいるならあの金色の化け物にも勝てるに違いない。 だからまりさはやって来たれみりゃ達に向かって叫んだ。 「れみりゃたち! そこのゆっくりをやっつけてくれたらまりさをたべさせてあげるよ!」 それを聞いた子まりさ達は困惑した。 何故お母さんはそんな事を言うのだろうと。 だが同時に、お母さんに何か考えがあるのだろうと思って黙っていた。 子供達の考え通り、まりさにの頭の中では既に計画が完成していた。 まず三匹のれみりゃにあの恐ろしい金髪のゆっくりを始末させる。 それから自分を食べやすいようにとの理由をつけて、れみりゃに木から下ろして貰ったところで奇襲をかけようと。 三匹もいるが、れみりゃなら倒すことができることがつい先程証明された。 子供達と力を合わせ、各個撃破していけば何とかなる。 それがまりさの考えだった。 「う~? そこのゆっくりってどれだ…ど…!?」 まりさの言葉を聞き、辺りを見回したれみりゃ達はそこで初めてふらんの存在に気が付いた。 刹那、れみりゃ達の体に恐怖が湧きあがって来る。 それは捕食種の中でもとても強い自分達をも喰らう究極の捕食種。 れみりゃ達は命の危機を感じ、普段なら有り得ないような高さまで飛び立った。 しかし、ふらんは目にも止まらぬスピードで先頭のれみりゃの前へと先回りする。 そして両手でれみりゃの手首をそれぞれ掴み、力任せに引き千切った。 「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! い、い゛だいどおおぉぉぉぉぉぉ!!」 肉汁が飛び散り、地面へと降り注ぐ。 それを浴びながら、ふらんは千切り取った両腕を放り捨てると、右手をれみりゃの顔面へと突き刺した。 さらにれみりゃが悲鳴を上げる暇もなく傷口へと左手も抉りこませ、そのまま左右に引き裂いた。 顔を二つに裂かれた両腕のないれみりゃの死体が地上へと墜落し、グチャリと音を立てて潰れる。 休む暇なく、ふらんは別のれみりゃへと襲いかかった。 「う゛あ゛ーーーー!! ごわ゛いどぉーーーー!! ざぐやーー!! ざぐやーー!!」 何とか逃げようとするもふらんのスピードに敵うわけはなく、あっさりと捕まって羽を毟り取られた。 飛ぶための機能を失い、バランスを崩したれみりゃは先程のれみりゃと同じように落下し始めた。 だが幸いにもこのれみりゃは飛行していた高度が低かったため、そのまま落ちたなら命は助かりそうである。 「うー♪ なんとかたすかりそうだどぉ~~♪」 そのまま落ちたなら。 「う゛あ゛っ!?」 「うー♪」 落下しているれみりゃの後頭部へと、ふらんは足を乗せた。 そのまま体重をかけ、地上へと墜落する。 地面とふらんの足に挟まれたれみりゃの頭は潰れ、肉まんの具を周囲に飛散させた。 ふらんは潰れた頭部から足をどけ、れみりゃの体からまだ温かい右手を引き千切って再び飛翔した。 残るれみりゃはあと一匹。 その最後の生存者は顔をぐしゃぐしゃにして必死にこの場から遠ざかろうとしている。 しかし努力空しく、すぐにふらんに追いつかれ、その手に持っていた仲間の右腕で頭を思い切り殴打された。 「う゛あ゛゛ああぁぁぁぁぁぁぁぁ!! い゛だいっ! でみり゛ゃのぷりぢーなあ゛だまがぁぁぁぁーーーーーー!!」 頭がへこみ、ショックと痛みで声を上げるれみりゃ。 そんな彼女の胴体を、ふらんは両手で掴んで飛行する。 その目的地は一本の大木、そこから突き出ている太い枝だった。 「う゛あ゛ーーーーーー!! やっ、やべべべべべっっ!!」 最後まで言い終わらぬうちに、れみりゃの顔面に枝が突き刺さった。 鋭く尖った枝はそのままれみりゃの体内を楽々と通り続け、股間から貫通する。 「れみりゃのくしざしいっちょうあがり♪」 ピクピクと動くれみりゃの右足をもぎ取る。それを食べながら、ふらんはまりさ達の近くへと戻って来た。 一部始終を見ていたまりさ達は先程より大きくガクガクと体を震わせている。 木の枝に突き刺さっているまりさはもとより、子まりさ達もあまりの恐怖に動くことが出来ない。 あのれみりゃを一瞬にして三匹も屠り去ったゆっくりふらん。 圧倒的な力による一方的な虐殺。 まりさ達は漸くその恐ろしさと力の差を真に理解した。 ゆっくり、ゆっくり、とふらんは不敵な笑みを浮かべながら子まりさ達との距離を詰める。 「う゛…う゛わ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 金縛りが解けた子まりさ達は一斉にバラバラに逃げた。 体を震わせながらも、それを見ていたまりさはいい考えだと思った。 いかに強くても相手は一匹だけ。様々な方向に逃げだせば助かる可能性が高い。 運悪く標的にさたなら命はないだろうが、全滅するよりはましだ。少しでも多くの子供に生き残って欲しい。 だがその願いも無残に打ち砕かれる。 「しねっ!」 何と、ふらんが掛け声をあげた直後、その体が四つに増えたのだ。 これぞゆっくりふらんの特性。自分の分身を三匹まで作り出すことが出来る。 四匹のふらんはそれぞれ素早く移動し、四方から子まりさ達を取り囲んだ。 ガチガチと歯を震わせ、子まりさ達は涙を流す。 と、その中の一匹が勇気を振り絞って言った。 「お、おまえなんてこわくないよ! まりさたちがちからをあわせればまけるはずないもん!」 声は震えていたが、その言葉で子まりさ達は皆勇気を出し、それぞれ捨て身の思いで数匹ずつ目の前のふらんへと飛びかかった。 そして――。 「うー、しねっ! しねっ!」 まりさ達は進化した。 だが悲しきかな、そんなことは彼女たちの目の前にいる怪物には全く関係がなかった。 ゆっくりふらんとゆっくりまりさ。両者の差は数字で例えると1と0。それは極めて近く、それと同時に果てしなく遠い距離。 どれだけ強くなっても、どれだけ餡子の質が良くなっても、どれだけ数が多くても、それが自然から生み出されたものである限り、 ゆっくりまりさがゆっくりふらんを超えるなど不可能だ。 0が何倍になろうとも、0がどれだけ集まろうとも、『1』という最小の数字さえ超えることが出来ないのだから。 ある子まりさは地面に叩きつけられ餡子を飛び散らせて死んだ。 ある子まりさは顔の中心部から引き裂かれて死んだ。 ある子まりさは勢いよく踏みつけられて死んだ。 ある子まりさは顔の上半分を噛み千切られて死んだ。 ある子まりさは餡子をじわじわ吸い取られ、皮だけになって死んだ。 ある子まりさは―――。 死因は様々。だがその全てに共通しているのは即死ではなくゆっくりゆっくりと死んだことだ。 ふらんは子まりさ達をすぐには殺さず、だからといって生き残ることは出来ないぐらいの絶妙の力加減で攻撃していたのだった。 そのどれもこれもが中枢餡子を破壊され、再生もできなくなっていた。 これがゆっくりふらんの性格。獲物を出来る限り痛めつけて殺すという恐ろしき習性。 「い゛だい゛い゛だい゛ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!! や゛め゛でぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!! だずげでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 「ゆっぐり゛でぎな゛い゛ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 「どぼじでごんな゛こどにな゛っだの゛おおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 「ぐべっ……ゆ゛ぐべべべべ…っ…」 「ああ…あ゛あ゛…」 まりさは滝のように涙を溢れさせてその様子を見てることしかできなかった。 目の前で次々と子供達が無残に殺されていく。絶望がまりさを覆い、もう叫ぶこともできない。 もういい、このまま死んでしまいたい。 思考するのをやめ、意識が深い闇へと沈み始めたその時。 「い゛や゛あああぁぁぁぁ!! お゛がぁざぁぁんたすけてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 その言葉にはっと我に返るまりさ。 見れば、最後の一匹となった子まりさをふらんが右手で掴んでいた。 ほとんど大人ゆっくりと同じ大きさの子まりさはふらんの片手に収まるような大きさではない。 だがふらんの圧倒的な握力によって体をねじ曲げられ、無理やり手の中に押し込まれていた。 既に周囲に分身はおらず、元のふらん一匹だけに戻ったようだ。 「もうさいご。つまらない」 「おがぁぁぁぁぁぁざぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」 泣き叫び、自分を呼ぶ愛しの我が子。その声にまりさの中に再び気力が燃え上がった。 ふらんは徐々に握る力をあげていく。 子まりさの表皮が黒ずみ、今にも目や口から餡子を吹き出しそうだ。 「ゆっくりしね――」 「まって!!」 突然のまりさの声にふらんは力を加えるのを止める。結果、ぎりぎりで子まりさは握り潰されずに済んだ。 ふらんはギロリと目をまりさに向ける。 その眼光にまりさは背筋が震えたが、何とか声を絞り出した。 「ま、まりさはどうなってもいいから、まりさのこどもをにがしてあげてね!」 状況は圧倒的に不利。というより有利不利などというものは無い。相手は一方的な惨殺者、こちらの言うことなど聞く必要はない。 しかしそれでもまりさは言った。自分は死んでもいいから子供だけは生き残って欲しい。 たとえどれだけ確率が低くても、可能性があるならそれに賭けてみたかった。 ふらんは考えるように沈黙し、暫くして口を開いた。 「いいよ、ちびはにがしてあげる。やくそくする」 それはまりさにとって信じられない言葉。しかし、確かにふらんはそう言った。 まりさは喜びで飛び上がりそうになったが、同時にあまりに上手くいきすぎるとも感じた。 「ぜったいだよ! やくそくだからね!」 「だいじょうぶ、やくそくはまもる」 そう言ってふらんは子まりさを握る右手を緩めていく。その手つきは優しく、先ほどまでの荒々しい様子はない。 それに安堵したのか、まりさの顔に笑みが浮かぶ。 さらにふらんは空いている左手でまりさの刺さっている枝を根元から折り、そのまままりさを地面へと置いた。 子まりさは寂しそうな顔をしているが何も言わない。いや、言えない。 完全にふらんの手から握力が無くなり地面に落ちると、最後の子まりさは親の元へと駆け寄った。 「ゆー…おかあさん…」 「おかあさんはだいじょうぶだよ! でも、これからはいっしょにいられないからひとりでいきてね! まりさのこならだいじょうぶだよね!?」 暗い表情の子供に対して、まりさは少しでも元気を出してあげようと笑いながら明るい声で言う。 「うん…、まりさがんばるよ!」 それに励まされ、少し表情が明るくなる子まりさ。 親子は頬を擦り合わせて、最後になるであろう抱擁を交わす。 その様子をふらんは微笑みながら見ている。今度は純粋な、まったく害のない笑みだった。 そんなふらんの笑顔を見てまりさは完全に安心した。良かった、もう子供は大丈夫だ、と。 しかし、まりさは気付かない。優しく微笑むふらんの口から、わずかに緑色の光が漏れているのを。 「ゆっ…じゃあそろそろいくね!」 子まりさは決心した。 おそらくもう母親には会えない。でももう大丈夫だ。母が助けてくれたこの命、大切にしよう。 子まりさの言葉に、まりさは無言で、しかし力強く頷いた。 子まりさは背を向け、数歩進み――勢いよくふらんの口から放たれた弾幕が直撃し、爆散した。 辺り一面に飛び散る餡子。その破片がまりさの頭にべったりと張り付く。 おそらく子まりさは自分が死んだ事も認識できずにその生涯を終えただろう。 まりさは何が起きたのかわからない。 自分の子供はどこにいったのだろう。何故ふらんは楽しそうに口を開けているのだろう。 一体この顔にかかった黒いものは何なんだろう。 そして降りかかった餡子が顔を伝い地面に落ちた時、まりさは漸く理解した。 「どぉぉぉじでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!! や゛ぐぞぐはま゛も゛るっでいっだのに゛ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 「やくそくはまもった。 ちびをにがしてあげた」 「でぇぇぇぇぇも゛お゛お゛ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 その言葉にゆっくりふらんはとびきりの、悪意の塊のような素敵な笑顔で答えた。 「でも…ふらんはちびをころさないとはいってない♪」 「う゛…う゛あ゛…」 まりさは震え、そして爆発した。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!! じね゛っ!! じね゛っ!! ゆっぐり゛じね゛ぇぇぇぇぇぇぇぇ ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!こ゛ろ゛す゛ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!! こ゛ろ゛し゛でや゛る゛っ!! じね゛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」 まりさが動けないことなど関係なく、その場にいたものならどんなゆっくりでも、 例え捕食種のれみりゃであっても逃げ出すであろう、怒り、憎しみ、絶望…あらゆる負の感情を孕んだ咆哮。 だがゆっくりふらんは全く物怖じすることなくケタケタと笑っている。 当然だ。いくら負の感情をかき集めたとしても、そんなものは本物の純粋な悪意の前では何の意味もなさない。 「さて、そっちもやくそくをまもってもらうよ」 そう言うと、ふらんは呪詛を吐き続けるまりさの底面からその体を貫通している太い枝を抜き取った。 ぐちゃぐちゃと音をたて、枝がまりさの体内を通過していく。 「ひ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 体を内部から引き裂かれるような痛みがまりさに走る。そして数秒後には彼女は空を飛んでいた。 ふらんはまりさを帽子の上から鋭い爪を食い込ませて固定させている。 飛翔してから数秒後、枝が貫通していた穴が早速再生し始める。それを見たふらんは新しいおもちゃを見つけた子供のような顔をした。 悪意が充満した純粋な瞳をキラキラと輝かせている。 「すごいすごい、まりさなのにかいふくする」 「はな゛ぜぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「あー、うるさいなぁ」 そう言うとふらんは指でまりさの右目を貫いた。そのままぐりぐりと指を回し、少し曲げて引っこ抜く。 ボコリと音をたて、まりさの目玉がえぐり出された。空洞となった部分から餡子が漏れだす。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! ま゛り゛ざのめ゛がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 無くなった右方の視界。残る左目には自分の目玉を食べるふらんが写る。 頭の片隅で、そう言えば以前もこんなことがあったな、とまりさはどこか冷静に考えていた。 あの後はぱちゅりーに出会ったっけ…。 それをきっかけに、これまでの記憶が次々と浮かんでは消えていった。 母に祝福されて生まれた。可愛い妹達と一緒に旅をした。美しい妻と出会い、自分の家庭を持った。 そしてそれらはすべて壊された。その後に出来た子供も、今自分を掴んでいるこの化け物に全て殺された。 どうしてこんなことになったんだろう。自分はただゆっくりしたかっただけなのに。 しばらくするとまりさの右目は再生し始め、五分もすると元通りになった。 「うー、おもしろい♪」 今度は右手の指をVの字にし、まりさの両目に突き刺すふらん。 痛みと視界が無くなった恐怖でまりさは絶叫する。中途半端に高い再生力のせいで気絶することも出来なかった。 あと数分もすれば失った両目も完全に元通りになるだろう。 美しく輝く満月を背に、ゆっくりふらんが夜空を舞う。 その手に持つは両の目の無いゆっくりまりさ。 それからまりさにとって地獄のような日々が始まった。 ふらんの巣の中に動けないように固定され、何度も何度も痛めつけられる。 ある時は髪を千切られ、ある時はおやつとなり、ある時は両目や口を引き千切られ、それでもその度に体は再生して元通りになる。 こうしてまりさはその命が終きるまでゆっくりできることなどなく、ふらんのおもちゃとなるのだった。 終わり あとがき ふらんちゃんの すごい 無双。 前中編で影も形もなかったのでオチはバレバレだった気がしますが。 あまり捻った話が書けなくてごめんなさい。 こんな長い駄文を最後まで読んでくださった読者様、有難うございます。 どうでもいい質問コーナー Q.これ別に進化させなくても、普通のまりさで良くない? A.ぶっちゃけ強さよりも再生力が欲しかっただけです。 Q.何でゆふらんが普通に喋ってるの? あと厨スペックすぎね? A.かわいいから仕方ない。 今まで書いたもの それいけ! ゆっくり仮面 ゆっくり仮面の憂鬱~邪悪な心~ お兄さんの逆襲 前後編 ゆっくりれいむの悪夢 あるゆっくりまりさの一生 前中編 by.ダイナマイト横町 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/homuhomu_tabetai/pages/2079.html
素晴らしい!仔まどが既に反応が無いのがめっちゃ笑えますねwww -- 名無しさん (2012-04-23 00 32 23) 貼ってあるのはほむスキン? -- 名無しさん (2012-04-24 00 26 40) マジグロいんですけどwwwwやっぱ虐待一択だなw食べるなんて狂気の沙汰 -- 名無しさん (2012-04-24 00 42 19) 高クオリティで堪りません -- 名無しさん (2012-04-24 02 36 38) 高クオリティで堪りません!貴殿の新作を心よりお待ちしております -- 名無しさん (2012-04-24 02 37 22) ほむほむ泣き顔うざいなwww -- ほむ殺し (2012-04-26 00 59 24) ほむ種って頭から食べるべき?足から食べるべき? -- 名無しさん (2012-04-27 05 58 45) 足からでしょう。頭からでは悲鳴を楽しめませんよ。 -- 名無しさん (2012-04-27 23 25 17) 仔まどの焼き加減がすばらしい -- 名無しさん (2012-04-30 21 30 56) 仔まどは炭になりつつありますねwwwww -- 名無しさん (2012-05-07 03 46 12) 一度串を通して焼き加減を確かめてみないとな。ほむほむを刺した穴から肉汁が出たら良い焼き加減だろう -- 名無しさん (2012-05-09 23 13 42) 笑えないよ -- 名無し (2012-06-30 20 35 59) だってきもいじゃん -- 名無し (2012-06-30 20 36 39) ほむほむだから問題無いwww -- 名無しさん (2012-07-01 06 08 58) ほむほむってマジでおいしそうだよねwww -- 名無しさん (2012-07-20 23 29 41) ほむほむマジキモい。潰したい -- ほむほむ大嫌い (2012-09-16 09 56 39) ほむほむの不幸でメシが美味いwwwwwwwwww -- 名無しさん (2012-12-08 15 12 31) 心の片隅にある仄暗い欲望が妙に刺激され、疼いてしまう絵だな... -- 名無しさん (2013-01-05 06 26 26) そう。その欲望のまま進むか、抗うか。あなたに問いかける1枚だよ。 -- 名無しさん (2013-01-22 06 34 44) その涙は熱さ故か、家庭を壊される悔しさか。しかし今はもう「調味料」にしか成り得ない絶望・・・。 -- 名無しさん (2013-03-20 10 56 29) この絵を最初に見た時の胸騒ぎは忘れられない。何度眺めても、心に染みるものがある -- 名無しさん (2013-04-28 03 54 48) ふと思ったけどこれ髪の毛剃った方が食べやすそうだな -- 名無しさん (2013-05-05 00 45 31) こんな気持ち悪いの本当に食べるかな -- 名無しさん (2014-02-02 01 19 12) 作っといて食わないから良いんだろjk -- 名無しさん (2014-07-07 01 56 08) 同意、食うなんて狂気の沙汰だわ。マズそうだし美味でも食わずに粗末にしたい魅力がほむほむにはある -- 名無しさん (2014-11-14 15 29 13) その涙は熱さ故か、家庭を壊される悔しさか -- 名無しさん (2014-11-14 15 35 06) 熱さ故かな、だってほむまどっていざという時は自分しか考えない害虫だし -- 名無しさん (2014-12-07 16 10 09) 両方でいいんじゃない -- 名無しさん (2015-02-08 19 23 20) キモすぎ笑笑笑笑 -- 名無しさん (2022-10-16 17 04 08) ホムヨナも炒めろや -- (2023-04-16 00 13 54) 「ホムゥ-ッ!! ホムゥ-ッ!! 」 ドウシテコンナコトスルノォ!? -- 名無しさん (2024-08-17 21 30 17) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1949.html
前 気がつくと帰宅していた。 日はすでに落ちている。薄い闇が段々と濃くなっていた。日暮れ前には帰るつもりだったのにこんな時間になってしまったのは、今の私が手ぶらであることが理由になっている。 目当てのものが手に入らなかったため、知らぬ間に深追いしてしまったのだろう。こんな体たらくはほとんど経験したことがない。いつもは簡単に捕まえられるのに。 しかも、手ぶらということは、出かける前に持っていったものも無駄に使ってしまったことを示している。何て失態。また作らないといけない。その手間を考えると気が重い。 いや、それ以上に、積もり積もったものは何も変わらず、相も変わらず覆い被さっているのが、とにかく重い。……重い。 扉を開ける手に疲労感がまとわりついている。そして、まず鼻が身構えるのがわかる。じめじめとした天気が続くこの頃だ。中では生々しい臭いが息づいているだろう。一度外出してしまうと、「慣れ」はリセットされてしまうのだ。 滅入る気持ちを奮い起こして、中へ入る。 明日。とにかく明日だ。今日を耐えきってしまえば、また明日出かけることができる。今度こそ捕まえられる。 早くあの子に晩ご飯を作って、身体を洗って、寝かしつけてしまおう。汚れたところをふいて、散らかったところを片付けて、私も早く寝てしまおう。機械的な作業を機械的にやってしまばいいだけだ。それで…… …………? 何だろう。妙な違和感が玄関にまで流れてくる。 あの子が何かしたのだろうか。昼寝から覚めて、一人で遊んで、ということまでは予想できる。部屋の鍵も閉めてある。粗相などはその範囲で収まるはずだ。 そうじゃない。もっと違う何かが起こっている。 そう言えば、さっき私は玄関の鍵を開けただろうか。既に鍵は開いていなかっただろうか。外の地面はパラついた小雨で湿っていたが、玄関には私が入ってくる前に足跡がついいていなかっただろうか。 違和感の正体がわかった。気配がするのだ。まさか、泥棒か。 取られるようなものはないが、だから安心、というわけでもない。 恐る恐る靴を脱ぎ、慎重に気配の発生源を探ろうと、まずは居間をのぞいた。 「うーうー!」 いきなり発見してしまった。 膨れた顔に短い手足。頭の白いキャップ。同色の寝間着のような服。 「う~♪ うぅ♪ う~♪」 レミリア種のゆっくり。しかも胴体付きだ。 なんて珍しい。今まで多くのゆっくりを見てきたが、手足があるのは初めて見た。 近づいていくと、そのゆっくりはこちらを見上げてくる。 「どこから入ってきたの?」 「うー、ざくやー、ぷでぃんもっできでー、ぶでぃんー」 あらあら。会うなり人間違いをして、その上おやつを要求するなんて。 頭を撫でながら、尋ねる。 「あなた、どこの家の子? 森から来たの?」 「うー、れびりゃのおうぢはここだどー」 鼻にかかったようなダミ声で、人様の家を所有宣言。 ああ、何て、かわいいんだろう。 「ぞでよりぷでぃん、ぷでぃ~ん!」 「欲しいの? プリン」 興奮を内に秘めて、荒くなる呼吸を抑えて、にこやかに問いかける。 「はやぐー! もっでごないと、たべじゃうどー」 「じゃあ、たくさん食べてね」 私は少し身体を離すと、思いっきりゆっくりの腹を蹴りこんだ。 ぐごぎょ、と無様な音を喉から漏らして、饅頭は吹っ飛び、壁にしたたか身体を打ち付けた。 「…………! …………!」 痛みで呼吸もままならず、叫び声さえあげられないようだ。何が起こったか理解もできないだろう。 「ぐっ、ぼッ、……! ごぶぇ?!」 ようやくひり出すような息を吐く。私はにこやかに問いかける。「大丈夫?」 「なっ……なにずん……だどぉ」 見たところ腹に外傷はない。意外に丈夫なようだ。嬉しい。 「あら、食べたいんじゃなかったの?」 「ぢがっ、うどぉ……、れびりゃがほじいのは」 再び足を腹に叩き込む。口から出るはずだった言葉が、衝撃で肺に戻される。 何度も蹴りこむ。後ろは壁だ。暴力は逃げることなく全て身体に突き刺さる。 ゆっくりは小さな手足で必死に身を守ろうとしている。その手足さえ、蹴れば柔らかな感触を跳ね返してくる。それがとても心地よい。 たくさんの蹴りを食らって、ゆっくりは痛みか恐怖かその両方かで震えている。頬を引っ張り、何か言うまで待つ。 「んー、どうしたのかな?」 「ぎゅ、んぐっ」 まだ返事はできないようだ。頬をつまんだまま揺すり、引っ張り上げる。結構重い。普通のゆっくりなら頬がちぎれてもおかしくない重さが掛かっているのに、そんなことはなく痛がる様子を見せるだけだ。本当に嬉しくなる。 頬を手放すと、再び床に転がる。そして、ずりずりとはいずるように、逃げようとする。 私は左の二の腕を踏んで阻止する。それでもゆっくりはジタバタと動くが、完全に縫い止められてそれ以上どこにもいけなくなってしまう。ああ、何て弱く、馬鹿な生き物なんだろう。 体付きがどれだけの強度を持ってるのか興味が湧いてきた。踏んだ足に体重を掛けてゆく。伝わってくる響きは、腕のきしみか、それともゆっくりの叫ぶ声が振動となっているのだろうか。 「うふふふふ」 ついに全体重が乗ってしまった。それでもちぎれることはない。ある程度の反動をつけて踏み直してみても、激痛にほとばしる声が高くなるばかりで裂け目一つできない。 「そろそろあなたの中身が見たくなってきたわ。ね、見せて。ね? ね!」 今度は足を上げて、思いっきり勢いをつけて踏みつけてみる。何度も何度も踏みつけてみる。騒音としか聞こえない濁音混じりの絶叫が相変わらず耳に心地よかったが、腕の損傷につながらないのも相変わらずだった。 私は次第に自分の思い通りにならないことに腹が立ってきた。一方でそれがまた嬉しさをかき立てる。苛立ちは最高のスパイスだからだ。 もう一度腹に一撃を見舞った後、私は台所から目当ての物を持ち出してきた。これなら。 「じゃ、改めまして」 ゆっくりを仰向けにして、今度は右腕をつかむ。私が振り上げた包丁に目を丸くしてるけど、何を意味してるのかわかっているのかしら。 私は笑ったまま、思いっきり力を込めて一撃を振り下ろした。 「ぎひう゛ぉギょをぉおごぉおおぉおおぉおおおッ!!」 声帯を無視したような叫びと共に、赤い汁が散った。 中身が何か辛い物でできているゆっくりがいると聞いたことがあるけれど、これがそうなのだろうか。綺麗な色。興奮するわ。 「もっと、もっと見せてね。ふふ、うふふ、あははははっはははっ!」 楽しさを爆発させ、感情に行動を任せる。何度となく、包丁を叩きつけるように切り込んでいく。だが、切り傷が数を増やすのみでなかなか切断できない。切断したいのに。切断したいのに! 早く切断しなさい! 「これでどうっ? これでッ! ほらっ! ほらッ!!」 一番深いくぼみができたところに、逆手で持った包丁の先端を何度も打ち込む。狙い通り、裂け目が大きくなってきた。いいわね、いいわ! 「すごいわね、ほら、取れちゃうわよ、取れちゃうわ、ほら、ほらっ、ねッ!」 そして、ブツンという手応えと共に、ついに腕は根本から切断された。突き抜けるような快感が私の身体の中心を走る。 「ああ、取れちゃった! あははは! 中身は……ふふ、やっぱり肉まんかな? 辛そうだけどね、アハハ、アハハハハハハ!」 中身はかなり詰まっているようで、切断面からこぼれ落ちるのは肉汁ばかりだ。見ていると、柔らかで身の締まった肉汁たっぷりのステーキを連想させる。もしかするととても美味しいのかもしれない。他のゆっくり同様、食べるつもりは全くないから捨てるだけだが。 「……?」 ふと、私は気づいた。ゆっくりの反応がない。 「うそ!」 慌てて確認すると、良かった、死んだ訳じゃないようだ。痛みと恐怖で気絶しているだけらしい。白目をむいて泡を吐いているから驚いてしまった。安堵のため息をつく。水でも掛ければ意識を取り戻すだろう。殺すまでしてしまってはいけない。それはいけない。 まだまだ私に付き合ってもらわないといけないのだから。 私はこれからの楽しみを前にして、身体が喜びで震えるのを感じた。 …………やり尽くした後。 私は居間全体に飛び散った肉汁を前に、包丁をまだ一応の形を為す残骸に突き立てた。 四肢の欠如した胴体は、腹が割り開かれて中身を見せている。赤いソーセージのようなものが出てきたことから、形は違えどやはり肉まんの一種であるようだ。包丁はその中身に埋もれるように収められている。 頭部は両の目がえぐられ、鼻はそがれて豚のようになっている。口は両側が耳まで裂かれて、ピエロのようだ。そんな状態になっても、素手で中身をかき混ぜてやるまで、生きて叫んでいた。 あんなに生命力があって、あれほど長い間楽しませてくれるなんて嬉しい誤算だ。この近くに手足付きのゆっくりが住み着いたということなら、こんなに喜ばしいことはない。何かの神様に感謝した方が良いのかしら。 ただ、砂糖水を掛けても回復しなかったのは残念だった。肉まんだから塩水の方がいいかと思って、掛けてみたら酷く痛がった。だから、もっと掛けてやった。塩そのものもすり込んでみた。それはそれで楽しかったから良しとしよう。 片付けは大変だ。特に肉汁の量が半端ではない。けれど、この気持ちに浸りながらの掃除なら楽しくやれそうだ。 それにしても、この肉汁、辛子か何かで赤いのかと思ったが、そうではないかもしれない。特有の刺激臭がしてこない。食べるわけではないから味はどうでもいいのだが、何か気になる。今になって、どこでかいだ臭いであるように思えてきたのだ。馴染みのある臭い。でも、食べたことはないように思う。何だろう。 考えを巡らし頭をひねると、ふと、部屋の扉が開いているのが目に止まった。 ゆっくりの繁殖方法は、今のところ二通りのものが大勢を占めている。裸子植物タイプと胎生タイプだ。 ほとんど見かけないが、他に確認されているものとして、被子植物タイプ、両生類型卵生タイプ、分裂タイプなどがある。 自分の場合はどれでもなかった。気がつくと、岩穴の中にいて、傍には固い殻が散乱していた。 ということは、鳥類型の卵生タイプなんだろうか。しかし、親は近くにいなかった。爬虫類型の卵生タイプかもしれない。あるいは昆虫型か。 ともかく、最初に起こった欲求は「自分が何者なのか知りたい」ということだった。 何しろ生きる指針を与えるべき親も同族も見あたらないし、そもそも自分が何かがわからなければ種としての振る舞い方も想像できない。「吾輩は猫である」とか言えたらまだ良かったのだが。 かくして、『黒いゆっくりの自分探しの旅』という全くもってモラトリアムな劇が幕を開けるわけだ。そのうち盗んだバイクで走り出すかもしれないな。 いや、自分がゆっくりだと見当がつくのは、もう少し後だ。 とりあえずは魔法の森と呼ばれる場所を、草や木の実やら虫やらを口に含みつつさまよっていた。その中で、ゆっくりを含めた妖怪やら人間やらに出会ったりして。まあいろいろだ。 それでもまだ自分が何かわからなかったわけだ。まあ今になってもそうなんだが。ただ一応の手がかりがつかめたのが、大図書館に滞在したときだったな。 とあるツテでね、来客というか珍獣扱いで招かれたというか持ち込まれた。そこの主たちの好奇心を満たすことと引き替えに、しばらくお世話になったわけだ。 生まれたてで言葉を解していたように、文字も読むことができた。何故かは知らないが、とにかく読めた。それで色々調べることができた。さまざまな妖怪、動植物、外の世界のこと……。館長や司書との会話も有益だったな。 かなり充実した時だった。時間も忘れるとはあのことを言うのだろう。疑問符が好奇心呼び、興味が謎を喚起する。知識の岐路は際限なく奥地まで……ああ、いやいや確かに寄り道はたびたびしたが、第一義は忘れてない。自分のルーツだ。うん? その割には無駄知識が多い? そうかな? で、俺の出生について立てた仮説なんだが――ああ、まだ推測なんだ――どうもゆっくりと他の妖怪との合いの子らしい。 まず俺の身体だが、見事なまでの一頭身だ。顔だけオバケだな。 ゆっくり以外にも首だけの妖怪は多々いるが、大首にしてはお歯黒を付けてないし、チョンチョンにしては耳が大きくない。その他分析してみても、十中八九ゆっくりの血を引いているという結論に行き着く。どういう種のゆっくりかはわからないがな。 もう一方の親は、バック・ベアードである可能性が強い。聞いたことがない妖怪だって? 光化学スモッグの化性で、真っ黒な球体に一つ目がついたデザインなんだが。ああ、そもそもスモッグを知らないか。 ともかく、そういう妖怪だ。空中に巨大なそれが浮かんでいて、わはははと大きな笑い声を上げるのは、まったく恐怖だろう。 能力は主に目から発せられ、相手の精神に作用を及ぼすようだ。軽い幻覚から死に至るものまで、能力の幅はそれなりにある。 自分が羽も無しに宙を飛んだり、片目が不自由であったりした理由が、これで一応説明できるわけだ。体色や表皮などの特徴も含めてな。 まあ、親の能力に比べると泣けてくるほど初歩的な力しかないが、その辺りは少しずつ開発していこう。群れのゆっくりたちと共に。俺の第一義のために。 おおゆっくり、俺はどうして黒ゆっくりなの、なんて嘆き続けるだけでは芸がないしな。 さて、話を戻そうか。 ある母親がいた。特に何の変哲もない家庭を築いていたんだが、強いて言うと子供が生まれつき障害を持っていたのが特徴と言えば特徴かな。知的障害だ。 どれくらいの障害かと言っても、軽度なのか重度なのか基準がよくわからないな。具体的には、発する言葉が「あー」とか「うー」とか意味不明のものだったり、よくかんしゃくを起こして辺りの物をヒッチャカメッチャカにしたりとか。ああ、あと漏らしてしまった大便を団子にして投げて遊んでたってこともあったらしい。そんな程度だ。 母親と父親は人一倍、いや十倍はその子に手間を掛けた。手間を愛情と言い換えられるなら、それはそれは愛にあふれた家庭だったろうな。けれど、父親の方はある日家を出てしまった。 何でだろうね。愛を注ぎすぎて尽きてしまったのか、それとも始めから愛なんてなかったのか。母親がかんしゃくを起こして父親に当たるのが頻繁になった……これは原因に入るかな? 仕方ないことだと思うのだがね。子供にストレスをぶつけるわけにはいかないし、ましてやご近所の皆さんに怒りをまき散らすにもいかない。たまった鬱憤を受け止めてくれるのは愛する夫しかいないというわけだ。 けれど、その父親がいなくなってしまった。さて、彼女はどうなるだろう。自分の子供は常にストレスを渡し続けてくる。バケツリレーに自分の次がいない。どんどんバケツは増えてくる。どんどん、どんどん。積み上げられたバケツが瓦解して、圧死するのは時間の問題。と、その時だ。 家の中にゆっくりが迷い込んできたんだな。 小さなゆっくりだ。まだようやくあちこち歩き回れる程度の。身体無し、頭だけのオーソドックスなレイム種だ。他人の住居内でありながら、「ゆ~、おばさんゆっくりちていってね!」などと鳴いていて、そこにいた。 母親はそれを傷つけるつもりはなかったんだ。ましてや虐待なんて考えもしなかった。ただつまみ出そうとしただけだ。無言ではあったが、別に敵意があったわけじゃない。で、片手でその饅頭をつまんだ。 ところが……どうしたわけか……うん、それが事故だったのか、無自覚の故意だったのかはわからないんだが……力を入れすぎてしまったようだな。 子ゆっくりの叫び声に、ハッと手元をみると、まだ薄く柔い皮に指の先が食い込んでいた。中身がわずかにもれて小豆色に滲んでいる。 「いちゃぁあああい! いちゃいよぉおぉっ!!」という叫びに母親は慌てた。慌てて両手で支えて、 ぷちっ、と。 真ん中から割り潰してしまったんだ。 子ゆっくりも、当の母親でさえも、何が起こったかわからなかったに違いない。しかし、厳然とした事実はそこにあった。潰えた命という現実がね。 そのとき彼女が感じていた感情は何だったと思う? 絶望? 悲哀? まあ、混乱していたのは確かだったろう。一言で表すのは乱暴すぎるかな。ただ、その時、唇の端は上がっていたそうだよ。口だけは間違いなく笑みの形を取っていたんだ。 だから、迷子になった子ゆっくりを探しに来た親ゆっくりが、その母親に誘われるままに家の中に入っていき、さて、どういう末路をたどったか……なんて、説明するまでもないだろう。 玄関扉から上がりかまちにまで散らばった餡子。雑巾でぬぐいながら掃除する彼女の心の中は、もう喜悦の一色で染まっていた。虐待と虐殺による疲労と興奮が心臓をリズミカルに刻み、全身に快楽の血流を巡らす。長い間忘却の彼方に追いやられていた感情が、その時確かに蘇っていた。 ややあって熱が冷めてからは、自己嫌悪の情が海の波のように返ってはきた。彼女の心に染み入って痛みを与えはした。 けれど、自分の子供が、手づかみで食事をして、顔中を食べ物とヨダレと鼻汁まみれにして、そしてその場で大も小も漏らして、アバアバと口を開けてにやけて……みたいな毎日が続くと、母親の内側では、あの刹那の開放感に対する渇きがどうしようもなく襲ってくるんだ。 幸い彼女は村の端、森の近くに住んでいた。子ゆっくりが迷い込んできたのもそのせいであったわけだが、自分の方から捕まえにいくのにも良い条件になっている。 ゆっくりは人に近しい妖怪だからな。もちろんどこにでもいるわけではないが、その森はゆっくりには住みやすい環境だったので、森の周辺をうろついていれば自然遭遇できるほどには多くのゆっくりがいた。それについても母親には幸運だったわけだ。 菓子を使って、主に子ゆっくりを優しい言葉でおびき寄せるのが彼女の常套手段だった。甘味と甘言だな。こういうのに引っかかるのを甘ちゃんというんだ。うん、まあ、中身が甘味なんでずいぶんと捕まえられたわけだけども。げに悲しきは餡子脳。 数え切れないほどのゆっくり。無数の饅頭。それらを蹴り飛ばし、踏みにじり、えぐり込み、焼き焦がし、すり下ろし、握りつぶし、虐めぬき、殺し尽くして。そのつど彼女はたとえようもない高揚を感じ、その後に訪れる虚無の感情にさいなまされた。それは必然の虚しさだ。それでも止めることはなかった。 おや、不可解か? だが、自分を慰める行為というのは得てしてそういうものかも知らんね? で、その母親の住んでいる近くの森にだ、俺たちの群れが移移住してきたなら、当然群れの誰かが被害に遭うのは時間の問題になるよな。まさか、移動してきた翌日にやられるとは思いもしなかったが。そう、夜が一番短いあの日のことだ。 母親はこれまでしてきたように、森の周辺から子ゆっくりの姿を認めると、袋の菓子を出して呼びかけた。ねえ、甘いお菓子があるんだけど、もし良かったらあげるわよ、みたいなことをね。そこにいた三匹の子ゆっくりはすぐに興味を示した。ここまでは狙い通りだ。 しかし、いつもなら大抵簡単に引っかかるはずの子ゆっくりたちが、今回に限って警戒して近づいてこなかった。一定の距離を保って、誘いに乗ってこなかった。それもそのはずで、人間に対しては十分注意して相対するように、入念に教育されていたんだな。いやはや、群れの長の指導力がどれだけ高いかをうかがわせるね。 けれど、そこは母親も歴戦の将。慌てず、騒がず、次の手を打った。 「じゃあ、ここに置いておくから、欲しかったら持っていってね」 上手いね。菓子は小麦粉と砂糖を混ぜ、小さな粒にして揚げたものだ。揚げ玉状のドーナツだな。だから、地面に置くということは、ばらまくわけだ、袋いっぱいのそれらを。 母親は子ゆっくりたちの前から姿を消した。では、子ゆっくりたちはどう行動する? 警戒すべき人間はいない。お菓子には興味がある。お菓子は境界付近とはいえ、森の中にある。 だから、どちらからともなくお菓子に駆け寄る。それでも警戒心は切らしてないから、辺りをうかがいつつ口に含む。森では絶対に口にできないような味が口内に広がる。がっつきたい衝動を抑えて、より安全な森の奥で食べようという考えを誰かが述べる。しかし、できない。大きな塊ならまだしも、砂利のような粒がたくさんあるわけだからね。持ち運べるのはほんのわずかだ。これが母親の意図さ。 菓子を味わうために、子ゆっくりがその場に釘付けになることを想定して、製菓したわけだ。 子ゆっくりが大人のゆっくりに相談するということに考えが行き着けば、それが模範解答だったんだが、美味さの初体験にそこまで頭が回らなかったようだな。いやはや、教育不十分もいいとこだ。親の顔が見てみたいね。 子ゆっくりは徐々に菓子に没頭し始める。そこに母親が駆け寄って一網打尽? いや、真っ正面からいったら流石に気づかれる。音が届かないほどに遠回りして、後ろから失礼するのさ。昼間の森にも危険性はあるが、夜のそれと比べれば、格段に安全だからね。それに何度か使っていた手だ。森に立ち入ることに危機感は持ってなかった。そして、それは正しい認識だった。確かに、これまでは。 時間を掛けすぎてしまったのがまずかった。これまでの事例では問題のない時の間だけれど、この群れにおいては独自のシステムがある。十分な時間だった。母親と俺がご対面するには十分な、ね。 それで。 俺は彼女が一番望んでいることを叶えてやった。 本当に虐待したいものを虐待させてやった。本当に殺したいものを殺させてやった。 めでたしめでたし。 さて、お前さんも明日は早いんだろう。そろそろ寝床に戻ったほうがいい。また頑張ってもらわなくてはならないことが山ほどあるしな。 どうした? うん? その後の展開? おいおい、話はもう終わったんだぞ。 シンデレラや桃太郎のその後を問いかけるのは邪道だと思うがな。色々想像して楽しむのがいいんじゃないか。 おとぎ話とは違うって? ふむ。 そうだな。 『それから母親は苦しみから解放され、新しい人生を歩むことになりました。村人は母親の苦悩を知り、今後の彼女を支えていくことを約束します。確かにそれはイバラの道であり、進むには苦痛を伴うでしょうが、その遙かな先には光り輝く未来が…… いや、もちろん冗談だ。 追い詰められるままに誰にも相談できなかった母親。 何も気づくことなく放置し続けていた村人。 彼らがどんなエピローグを演じるのか。演じられるというのか。 言わぬが花というものだろう。語っても陳腐だ。 To be or not to be. このままで良いのか、いけないのか、彼女は悩み続けてきた。悩みながらも殺し続けてきた。殺しながらも渇き続けてきた。 それならば、この話はこの言葉で締めくくるのがふさわしいだろう。 「満足は死である」 黒ゆっくり2 続く 別の作者が書いたと思われる続き このSSに感想を付ける