約 374,295 件
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/1067.html
890 :隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM:2007/08/02(木) 04 23 11 そう長い時間ではなかったが、久々の特訓らしい特訓だったと思う。 終わってみれば存外息が切れているし、全身の筋肉が少しギシギシしている。 まあ、全身の痛みがそれだけなのは幸いだと思う。 筋肉痛になるほどでもないし、何時間か休憩すればそれだけで十分だろう。 ……今夜の戦闘にも支障は出ないと判断する。 居間に入ると良い香りが漂っている。 鍋から香ってくるのは、海産物の煮えた香りだ。 やや薄目ながらも潮気の効いた香りは、鯛焼きによって大して湧かないはずの食欲を刺激してやまない。 「衛宮、疲れているようだな」 「あ……いや、別にそうでもないぞ」 「遠慮することもあるまい、あの遠坂嬢達が疲れ果てて燃え尽きたボクサーみたいになった人物の特訓なんだ、短時間とはいえ、な」 顎に手を当て、片目を閉じて氷室が笑う。 言われてみれば、比較的短時間とはいえ、極めて疲れた、というレベルではなかった。 訓練の度合いが緩かったのか……単純に『体力が他を圧倒している』という事ではないはずだしなぁ…… 「というわけでここに座り給え、肩など揉んでやろう」 「んー」 特に考えずにどっかと畳に身を投げ出す。 畳が随分と冷たく感じる。 火照った体に心地よい。 目を閉じ、あー、やっぱり疲れてるのかも、なんて事を考えていたら、自然に意識が遠のいていった。 ……正直、こうも無防備を曝すとは思わなかった、というのが本音だ。 先の『もっと積極的なアプローチをしていく』という宣言の通りの、まずは一つめとしての発言、半ば冗談として流される物かと、そう思っていた。 『とはいえ、無防備を曝してくれるならば願ってもあるまい』 気付かぬうちに笑みを浮かべ、体を揉んでいく。 「やはりというべきか……相当に固いな、疲れがたまりすぎて分からなくなっているのか?」 「ん……自覚はないなー、いつもこんなもんだから」 肩のあたりがほぐれていく感覚に酔っているのか、目を閉じたまま口元を綻ばせながらの返答が返ってくる。 「……私が言うことでもないかもしれないし、何度目の忠告か忘れたが、もう少し楽をしたらどうかね?」 「楽はしてるぞ? 今がまさにそうだろー……」 「そう言う意味では、ないんだが……」 思わず苦笑が漏れる。 やはりというかなんというか、分かってないな。 何が分かってないか、と言われても返答には窮するが、分かっていないのだ。 それは形容しがたい、そして名状しがたいが、敢えてその中の一つを言うならば『女心』か。 「あら、どうなさったの? 顔が赤いですわよ?」 「……い、いや、なんでも」 ルヴィア嬢に耳打ちされるまで気付かなかったが、益体もない事を意識したら顔が赤くなってしまったらしい。 周囲を見回すが、他に気付かれた様子はない。 「あら、そう? ……本当に?」 そう言って口元だけで笑ってみせる姿は、ああ、貴人だなと思う。 「なんでもないのなら、そこから先は、先の返礼も兼ねて私がやらせていただきますわ」 ふと気付けば手が止まっていて、その隙を狙うようにルヴィア嬢がマッサージを始めた。 揉まれたお礼、というべきか仕返し、と言うべきか、その表情は実に楽しげだ。 「いや、これは私が始めたことだし」 「ふふふ、こういうアプローチをするなら隙を見せたらいけませんわ」 「む……ならばこっちを」 二人して競うように全身を揉んでいく事にした。 ……どうやら寝転がってすぐ、少しの間だけだが転た寝してしまったらしい。 目を開けると、ほんの数分だったはずの睡眠で、疲れはすっかり抜けていた。 代わりに少しだけ頭が痛い。 こういう場所での転た寝は、その時は良いが起きると少し頭が痛くなるのが欠点だ。 起きたことに気付かないのか、氷室と……それにルヴィアはマッサージを続けてくれていた。 「二人とも、サンキュ、もう大丈夫、疲れは抜けた」 「あら、そうですの?」 「ふむ、そうかね」 手を閉じたり開いたりしながら氷室とルヴィアが離れる。 少し残念そうな表情というのは、この場に相応しく無いように思える。 こういうのはやる方はひたすら疲れるのが普通だと思うのだが……なんだろう、揉み足りなかったんだろうか? 「あ」 そうだ、桜は…… うん、どうしようもなく不機嫌だ。 呼ばれておいていつも――桜の隣――と違う場所に座った上に、転た寝である、しかもマッサージ付き。 ……まあ、俺が同じ立場でも、というよりも大概の人が怒ると思う。 テレビに視線を向けているが、その意図は、こっちを見ないようにしていると言うことなんだろう。 何しろテレビに映っているのは先程と同じくホラー物で、ああいった代物、桜は苦手なはずだし。 ふとテーブルに視線を移してみればいつも使っている膳と箸がそこに置かれている。 ……こりゃ相当怒ってるな。 夕食は大人しくここで食べるとしても、桜の悪いまま、というのは非常に宜しくない。 こういう時は―― イオアニス・メタクサス(ギリシャ):ライダーの意見を取り入れてみよう イグナツィ・モシチツキ(ポーランド):遠坂の意見を取り入れてみよう ゲオルギー・タタレスク(ルーマニア):……自力でなんとかしないとなあ
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/1088.html
701 :隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM:2007/10/06(土) 04 28 51 行動の選択肢の広そうなベランダだ。 男が逃げた出入り口に直接向かい、追跡するとすればなんらかのトラップがある危険性がある。 それで負傷し敗退するとは思えないが、時間を稼がれる可能性は極めて高い。 だがベランダの方から追うならば屋上に向うなり直接地面に降下するなり行動に幅が生まれ、トラップがあったとしても回避しやすい。 何より、その選択によってここで操られる少年少女達に追われる可能性が最も低い。 この少年少女達は強化されているが、その強化は度外れた物ではなく、一般の人間の限界とされる地点に及ぶか及ばないかと言った程度のものでしかない。 そこまで考え、目前に迫る少年の顎に掌底を浅く撃ち、昏倒させる。 奇妙な感覚だった。 意識を操られ、肉体も強化されている。 にもかかわらずその強さに不均衡さを感じている。 これだけの数を操れるのならば実際に行う間に技量が向上したということもあるまい。 ならば何故こうも差が生まれたのだ? 「ッ……」 いけない、余計な事を考えては。 今はベランダから脱出する事を考えねばならない。 体当たりをすれば、ガラスは脆くも粉砕される。 「まずはあれを視認する……!」 そう考え、屋上へ向かうために手摺りに足をかけ。 「ッ!」 そのまま斜め上方に跳んで足を狙った一閃を回避する。 「避けられた……」 焦りを含んだ声を聞く。 必中を期した奇襲が回避されたことによるものだろう。 少女の声が至近から聞こえた。 咄嗟の跳躍だったため、体勢は崩れ、片膝と右手での着地となった。 直後の追撃を警戒し、咄嗟にその方向に視線を向ければ、サイズが体に合わぬのであろう、大きめの和服を着た人物が刀を持って立っていた。 明かりは遠く、殆ど完全な夜闇の中だが、その瞳に意志が点っている程度のことは見て取れた。 考えられるのは様々だが、恐らくはこの少女が敵のサーヴァントなのだろう。 そしてその焦り方、そして奇襲を完全に回避できたという事実、そして体勢の悪いこの状況に正対しても追撃をしないという過剰なまでの警戒感から判断すれば、少年とも少女とも付かぬ『それ』は格下の存在だ。 最後の一つだけなら逆に格上である可能性もあるが、前者二つを考えればその可能性は極めて低い。 恐らく通常の攻撃だけでも最終的に勝利することは可能だろう、しかし時間を稼がれる可能性を考えればそうするのは得策ではない。 パワーで勝るならば重力に反して行動するのがセオリー、重力という加速装置によるパワーの補填が出来ないからだ。 そのセオリーを考えれば、屋上に向かう事が常道と言うことになる。 常道から外れる事を考えないでもないが、逡巡している時間は無駄だ。 牽制の一撃を放ち、距離が開いたところでこちらからも一気に距離を離し、手摺りを足場に隣のビル目掛けて飛び出す。 飛び移ったそのビルの壁を足場に屋上へと一気に跳躍し、着地する。 「これで少しは時間が稼げるはず……」 稼いだ時間で逃げ出した敵の姿を見つけ、追撃する。 そう考えた直後、背後に殺気を感じ取る。 着地時の勢いを殺さず、敢えて姿勢を崩し背後の敵に体当たりし、その反動と同時に前方へ跳び、バク宙に更に捻りを加えて背面を向く。 そこに立っていたのは、先程の敵と同じ姿であった。 体に比して大きな和服も、握られた刀も同じ代物。 漏れ掛かった驚愕の声を押し殺す。 「素早い……」 格下であるという予測は外れていた、という前提で思考を組み直す。 だが簡単に負けてやる道理はない。 ……古典的な手法だが、効果はあるはずだ。 「はあっ!」 釘剣を連続で突き出す。 その一撃は刀で防御され、あるいは回避される。 数秒後、大きな隙を持つ一撃を放つが、これは回避され、のみならず反撃を受け、釘剣を取り落とす。 敵はここぞとばかりの大振りの一撃を放つが、それこそが待ち望む隙に他ならない。 出足を払い、その勢いを殺さず後ろ回し蹴りを放つ。 その一撃は胴体に直撃し、ビルの柵を破砕してなお勢いのままに吹き飛ばす。 「この一撃から更に、と言う予定でしたが……」 少しの混乱があった。 敵の実力がまるで計れなかったことがその原因だ。 スピードは極めて高く、戦術は未熟で筋力も低い。 これまでの結果からそう予測できることはその程度でしかない。 「っ……いけない、そんな場合では」 顔さえまともに見ていない敵ではあるが、あの一撃で勝負が決しているのであれば全て無駄だ。 仮に決着が付いていないとすれば、次こそは完全に叩き潰すと決意し、その敵への思考をそこで打ち切った。 屋上にあった給水塔に上り、周囲を確認する。 路上には街灯が幾つか点っており、状況を視認することに不自由はなく、目標の存在を確認するのに時間はそう掛からなかった。 目標は別働隊の向かったビルの方角に走って向かっている。 本陣が襲撃されたことで中枢を移行させる考えなのだろう。 「多少足を強化しているようですが……」 屋上から飛び降り、地面に着地する。 幸いなことに、Y2Kは無事なようだ。 「あの程度ならば十分に捕捉はできます」 鍵を取り出し、セルを回した。 ――時間を僅かに巻き戻し セイラム:衛宮邸 クルーシブル:冬木市教会 パッシェンデール:冬木大橋近郊
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/48709.html
登録日:2021/07/21 (水曜日) 00 03 34 更新日:2024/09/05 Thu 02 10 42NEW! 所要時間:約 21 分で読めます ▽タグ一覧 2021年 アリー デデデ大王 デデデ大王の脱走大作戦! ミノレーゼ ミノーレ 児童文庫 小学中級から 断食 星のカービィ 理想の王 苅野タウ・ぽと 角川つばさ文庫 高瀬美恵 真犯人を見つけ出し、 ごちそうを取りもどせ!! 『星のカービィ デデデ大王の脱走大作戦!』とは、角川つばさ文庫より出版している小説版星のカービィシリーズの一作である。 作:高瀬美恵 絵:苅野タウ・ぽと 対象年齢:小学中級から 価格:680円(税抜) 概要 つばさ文庫版星のカービィシリーズの第20弾。 2021年7月14日に刊行された。 第20弾という大台に乗った本作は、遂にデデデ大王が明確な主役として抜擢された。 過去にもデデデ大王がフィーチャーされた回はあるにはあるが、いずれもデデデだけが物語の主役というわけではないので、彼単独が取り上げられるのはこれが初。 ……その記念すべき回でよりによって食料を盗んだ濡れ衣で捕まるのは、果たして何の因果だろうか。 長くシリーズが続き、色々掘り下げられてきたデデデの人柄が更に掘り下げられただけでなく、物語の核にも「王」の存在が関わっており、それに伴って「理想の王とは何か」というテーマが据えられている。 また、星のカービィの世界観では極めて珍しく、イスラム教の要素(後述)を取り入れた、宗教色の強い国が舞台なのも特徴。 オリジナルキャラも登場する。 あらすじ デデデ大王とワドルディ、カービィは、山もりの ごちそうがふるまわれるお祭りに参加するため、 砂の惑星・ミノーレへ出発! でも、お祭りの ごちそうをぬすんだぬれぎぬを着せられて、 大王とワドルディが牢屋に入れられてしまった。 二人を救出するため、カービィとメタナイトは 調査に乗り出すが…? いっぽう大王たちは、 ミノーレの少年・アリーと脱走大作戦を決行! 真犯人を見つけ出し、ごちそうを取り戻せ!!! デデデ大王が大かつやく! 大冒険のお話だよ!! (裏表紙より引用) 登場人物 レギュラー デデデ大王 自分勝手でわがままな、自称プププランドの王様。 カービィに負けないほどの食いしんぼう。 「朝は小さなパンケーキ一枚、昼はおかゆ一杯、そして夕ごはんがこれか! この宿屋は、町でいちばんと聞いていたのに、なんということだ……!」 本作の主役。 食べ放題のお祭りに参加しようとワドルディ、カービィと共に惑星ミノーレへ向かう。 だが出発前、ワドルディが断食のことを説明したにもかかわらず全く聞かなかったため、初日から飢えに苦しむ羽目に。 おまけに食料庫から食べ物を盗んだ犯人として決めつけられ、ワドルディと一緒に牢屋に囚われてしまった。 濡れ衣に怒り心頭のデデデは真犯人を見つけ、無実を証明するべく、牢屋で出会ったアリーと共に奮闘することになる。 ミノーレ独特の風習のせいで常時食い物に困っていることに加え、怒り(と食い意地)から早く真犯人を捕らえようと躍起なせいか、冷静さを欠いた言動が多々見られる。 一方で、カービィの助けなど当てにしないと言いつつも、彼の居場所を知らせる作戦に気付いた時は一瞬嬉しそうにしたり(ワドルディに見られてすぐ隠したが)、いつもの如くワドルディを大切に扱っていたりと、単なる自分勝手だけではない憎めなさは健在。 謎が多いアリーの正体を察するなど、例によって勘が鋭いところも。 ただし、今回に限って言えば彼の推測は外れていた。 ワドルディ(バンダナワドルディ) デデデ大王の部下でカービィの友だち。 「大王様がぐーたら遊んでいられるのは、プププランドが平和だからですよ」 偶然届いた旅行のチラシを彼が見つけ、ミノーレの事をデデデに教えたのがきっかけで今回の物語が始まった。 しかし、食べ物を盗んだ犯人として捕まったデデデ大王を庇おうとして、自身も牢屋に入れられてしまう。 本作では(小説版の)デデデ大王を「りっぱな王様」と評し、理由をアリーに問われて説明する場面があるのだが、その解釈が実に的を射ていて唸らされること請け合い。上記台詞はほんの一部であり、是非とも手に取って読んでみて欲しい。 更に終盤、前作を経てかデデデ城のトレーニングルームで鍛え続けていたことが発覚。非力ゆえに戦闘では活躍できないことが多かった過去作とは、まるで見違えるような活躍を見せてくれる。 カービィ 食いしん坊で元気いっぱい。 吸い込んだ相手の能力をコピーして使える。 「ぼくなら、一口でりんご百個は食べられるよ! りんご百個食べたいよ~!」 祭り前の断食のことを知らず、デデデ達と同じく飢えに苦しむ(話を聞いてなかったので自業自得)。 デデデ達が囚われた時は無実を証明するため、真犯人を捕まえようと動くが、流石に一人ではどうにもならずボロボロの姿でメタナイト達に助けを求めた。 中盤で変装するために紙袋を被ったカービィの挿し絵は必見。 メタナイト 常に仮面をつけていて、すべてが謎に包まれた剣士。 「放っておくわけにもいくまい。それに、デデデ大王に貸しを作るのも悪くない」 戦艦ハルバードでのお茶会中にカービィからの通信が入り、デデデに貸しを作っておくのも含めて協力することに。 相変わらず目的のためなら容赦がなく、自身の知名度とプレッシャーで宿屋の主人に聞き込みを行う場面はほぼカタギの後ろめたい弱みを握っているヤクザの脅迫である。 本来の予定ではそれさえ済めば、後は事の真相を兵士の詰め所で証言するだけだったのだが、既にデデデ達が脱走した後だったため折角の聞き込みが無意味に(*1)。 これ以上、彼らに下手な立ち回りをする(させる)とデデデの潔白証明が困難になるため、合流する際に兵士達に追われた時は、自身含めて戦闘を避けることを優先した。それが無ければきっと派手に大暴れしたかったことだろう 惑星ミノーレ 宿屋の主人 「あいつです! うちの宿屋に泊まってる、あいつが犯人です!」 デデデ達が泊まった、ミノレーゼの宿屋の主人。 一日目の夜中、レストランを探しに宿屋を抜け出そうとしたデデデを止めるが、食料が盗まれた事件の翌日になんと宿泊客であるはずのデデデが犯人だと虚偽の告発をし、兵士達に引き渡してしまった。 どう考えても本当の事を隠しているため、カービィ達からは目下重要人物としてマークされることになる。 大臣 「大事な食料をぬすんでおいて、なんと、しらじらしい。兵士諸君、こいつらを牢屋に放りこめ!」 惑星ミノーレの大臣。でっぷり太ったヒゲの男。 食料が盗まれた事件の翌日、宿屋に訪れて主人の証言をもとにデデデを犯人と断定、捕らえるよう命令する。 一方で「ヒャヒャヒャ」という露骨に悪人じみた笑い声や、宿屋の主人には昨晩起きた「何か」を口止めしているなど、あからさまに怪しい発言も目立つ。 アリー 惑星ミノーレの住民。 長い間、牢屋に入れられている。 「おまえら、うたがいが晴れないかぎり、自分たちの星に帰れないぜ」 囚われのデデデとワドルディ、その隣の牢屋にいた囚人。 見た目はターバンを被ったアラビア風衣装の少年で、一人称は「オレ」。 どこかだらしない性格の子供で、何故か長いこと牢屋に囚われており、最初は先輩面してデデデ達に囚人同士仲良くしようと話しかける。 だが、無実の罪で捕まった二人を気の毒に思い、一転して協力を持ちかけ、看守を騙して町へと脱走した。 以後は三人で身を隠し、たまたま見つけたレストランで食料にありつきながら機を待ち続けることとなる。 この国、特に先代の国王について思うところがあるらしく、デデデ達や町の住民から聞いた悪評にショックを受けたような素振りを見せ、 大王を名乗るデデデに対して「良い王様って、どんな王様のことなんだ?」と質問攻めしたことも。 更に、普通の住民なら知り得ないはずの王宮の構造を把握しているなど、只の少年ではないことからデデデやメタナイトに怪しまれるが……。 正体(ネタバレ注意?) 「どうしても、とぼける気なら、オレ様が当ててやろう。おまえの正体は……」 「あの王宮を造った大工だな!」 「……へ?」 どうしてか王宮の秘密の入口や、大臣の部屋の位置を知っておりその大臣から警戒されているアリーに対し、デデデが導き出した答えは「王宮を造った大工」。 細かい所までよく知っているが故に、王宮の秘密をばらすことがないよう牢屋に閉じ込められていた……と、自信満々に推理を披露。 あまりに突拍子もない推理に思わずアリーも吹き出し、笑いながら認めるのだった。 「たっぷり亭」の店長 「いいわよ。少しだけど、分けてあげましょう」 牢屋から脱走後、腹をすかせるデデデ達が見つけたレストラン「たっぷり亭」の店長。 料理店の気の良い女将さんといった印象がうかがえ、腹ペコの人を放っておけない優しい人。 ミノーレの掟には従いつつも空腹に困る旅行者をかわいそうに思っているらしく、こっそりと食べ物を分けてくれた。 しかも、後で手配書からデデデ達がそれと同一人物だと気付いても、本当に犯人なら空腹にはならないはずと兵士達に告発せず隠し通した。 この人がいなかったらデデデ達はとっくに飢えで倒れていたことだろう。 食料を盗んだ真犯人 ミノレーゼの食料庫から食料を盗み去った人物。 当然ながらデデデとは違うのだが、虚偽の証言によってデデデがその犯人と疑われてしまい、更には脱走したことでワドルディ達も含めて指名手配書が町中に貼られてしまった。 真犯人の正体(核心に触れるネタバレ注意!) むだなことを。国王の力など、必要ない。 わしには、この『雨呼びの水晶』があるからな。 明日の祭りの主役は、わしだ! ヒャヒャヒャ! 食料を盗んだ真犯人の正体は、あろうことかミノーレの大臣その人。 真犯人と裏で繋がっている協力者なんて生易しいものではなく、国の重職自体が悪事に手を染めていたのだ。 食料を盗み、宿屋の主人にウソをつかせ、デデデに罪をなすりつけた本当の目的。 それはわざと祭りを台無しにして、祭りの儀式で国王に扮して神の怒りを騙り、怒りを鎮めるためと称して国民に重労働を強制し、莫大な利益を得ることだった。 そのために先代の国王に野心を隠して取り入り、信頼を得て、雨を降らすのに必要な『雨呼びの水晶』を自分に託させた。 後は用済みとばかりに王座から引きずり下ろし、同時に先代のいとこを名ばかりの王に仕立て上げ、実権を握った。 つまり、代替わりしてから雨を降らせていたのは全て大臣によるもの。 国王を王宮の部屋に監禁している上に、王の決まりごとである「国王は人前に姿を見せない」「儀式の時だけ出てきても、ベールで覆い隠すので周りに顔が分からない」などの要因も重なり、実態が国民に露呈することはなかった。 誰もが「国王が祈りを捧げ続けているおかげで雨が降っている」と信じて疑わなかったのである。 食料を盗み出したあの日、宿屋の主人に見られたのは完全な偶然であったが、他言すれば命はないと脅した上で翌朝にも現れ、適当な犯人をでっち上げるかどうかをテストしていた。 大臣の報復を恐れた主人も、仕方なくデデデを犯人に仕立て上げて引き渡した。これが一連の濡れ衣の真相だったのだ。 祭り当日には予定通り、顔を隠して国王に扮し、儀式に登場。 食料が盗まれたせいで神が怒っていると民に向けて説き、今までの二倍働き、二倍の作物を実らせ、二倍の料理を捧げろと要求し、逆らう者に水晶の力を振るって雷を落とすなど、もはや欲望に溺れた権力者としての本性をあらわにする。 その横暴に誰よりも怒ったのは……。 やってることは例の如く弁明しようがないザ・クズなのだが、なまけ癖がひどい先代国王のままでは民がずっと苦しむと危機感を抱いたことも事実であり、 元を正せば先代にも非が全くない、というわけではなかった。 先代追放もあくまで現状を良くしたい思いからである。 アリーによると本来仕事はよくできる方らしいが、同時に欲深さも糾弾されており、今回の一件に関しては民のためと言いつつ、それも結局は自分のためでしかなかったとも本物の国王に指摘された。 しかし全てが終わった後、民の姿を見てようやく自分の過ちに気付いたとのことで、 事件解決後は意外にも自ら罪滅ぼしをしたいと申し出て、水不足にあえぐ地方での労働に従事することが決まった。 本当に反省したのか、今も野心を隠しているのか不安な所もあるが、大衆の前で悪事が知れ渡った以上、どのみち王宮にはいられないだろう……。 直近のオリキャラの悪役達が辿った末路に比べると、けっこう温情な結末とも言える。 ちなみに、作中通して重要人物であるにもかかわらず立ち絵が一つも存在しない。またか 国王 惑星ミノーレを治める王様。 神に祈りを捧げ、雨や風を起こす不思議な力を持っており、そのおかげで首都ミノレーゼだけは水に恵まれ、野菜や果物を育てることができた。 普段は王宮の奥に閉じこもって滅多に姿を見せず、年に一度儀式があるお祭りの日にだけ白いベールを被り姿を現すという。 そんな国王の在り方を、取り調べ中にベテラン兵士から聞いたデデデは「顔すら知らんヤツを、尊敬できるか?」と懐疑的な反応だったが、兵士が言うには常に祈りを捧げ続ける国王と神様の力が無ければ食料に困るため、住民はありがたみを忘れず感謝しているという。 一方で先代の国王はとんだ怠け者だったらしく、予定通りに雨を降らせず作物を枯らしてしまい、祭りの日に至ってはいつもの半分も料理が作れなかったという。 結果、先代は王宮から追放され、そのいとこが現在の国王となった。 本当の国王(核心に触れるネタバレ注意!) は、は、反省しております! おゆるしくださいませ! どうか、どうか……! ……ん? なんで、大臣がおまえにあやまってるんだ? おまえ、いったい……? オレは……いや、私は…… 私は、アリオン・サンディアール・ミノレット七世。 王宮から追放された、先代の国王だ! アリー/先代国王 アリオン・サンディアール・ミノレット七世 囚人アリーの正体にして、ミノーレの追放された先代国王。 一人称もアリーの時とは全く違い「私」。 民のあいだで悪評が絶えなかった先代の国王こそが、他でもない彼本人であった。 元々アリー……アリオンは亡くなった父王の後を継ぐ形で王様になったのだが、当のアリオンは怠け者で、退屈なことが大嫌い。 役人の報告を聞いたり、会議に出てどれぐらい雨を降らせるのか決めたり、彼にとってつまらない毎日ばかり続いていた。 しかも、大事な雨を降らせる儀式は一人でやり遂げなくてはならず、誰も手伝ってくれないため、次第に嫌気が差した彼は王としての仕事をさぼるようになってしまう。 勿論、彼に仕える人々はそれを許さない。だが叱られるたびにふてくされ、余計に何もする気にならなくなる。 そんな彼に一人だけ優しくしてくれたのが、大臣だった。 王としての責務を強いる周りの大人達と違い、大臣はアリオンを甘やかし、遊びたいなら辛い仕事は全部自分に任せてくれればいい、と買って出る。 アリオンは大臣に心を許し、辛い仕事の一つである儀式に必要な、雨降りの水晶を彼に渡した。 だが、その水晶こそが大臣の狙いであった。 アリオンは王宮を追放されてしまい、代わりにいとこのホリーが新しい王様となるも、それは名ばかりの王。国を動かす権力を大臣が握ってしまったのである。 国王を追い出すという企みに気付いた時には、アリオンは牢屋の中。看守はみな大臣の言いなりであり、どんなに訴えたところで誰にも真実は届かなかった。 一生を牢屋で過ごすのだろうと諦めていたアリオンだったが、そこに転がり込んできたのがデデデ達であった。 アリーを名乗って彼らに接した際、旅行者なのに無実の罪で捕まったと知って二人を気の毒に思い、共に脱出してからは町の人々の声を聞き、自分が追放されたこと、今の国王が歓迎されていることを知る。 ならば、むしろ真実を明かしてはいけないのでは? そう考えたアリオンはこのまま、只のアリーとして生きようと一度は考えるも、食料を奪った真犯人の正体が大臣であると分かり、全てを明らかにするべく戦う決心をしたのであった。 また、町で潜伏中にワドルディから「なぜデデデが立派な王様なのか」についての理由を聞いており、彼の返した答えがアリオンの価値観に大きな影響を与えていくこととなる。 王族系のオリジナルキャラとしては『星のカービィ メタナイトとあやつり姫』のマローナ姫(および父親のメレンゲール)以来。 自分の立場に窮屈な思いをしていた、という点では奇しくもマローナと似ており、それが行動を共にした者(メタナイト/デデデ)との交流で悩みと向き合い、変化していく流れも同じである。 なお、メタナイトは彼の言動から正体をうっすら察していたようだが、デデデは「王宮の構造に詳しいこと」に着眼点が行ってしまったせいか、王宮を造った大工ではないかと推理して見事に外す格好となった。 秘密を隠していることを見抜いたまでは良かったものの、流石に出会って間もない相手ではいつもの観察眼も冴えないらしい。 ホリー 「すまなかった、アリオン。ぼくが、大臣の言いなりになってしまったから……こんなことに……」 現国王の正体、かつアリーのいとこ。 アリーとほぼ同じ姿をしていて、登場する挿し絵で枕に顔が隠れているので分からないものの、地の文曰くアリーとよく似た顔立ちをしているとのこと。 大臣に立てられる形でアリオンに代わる新たな国王となったが、実態は王宮の厳重に鍵がかかった部屋で閉じ込められている、名前だけの飾りの王様と化していた。 ほぼ監禁状態だったようで、現在はやせ細った姿に変わり果ててしまっている。 その他脇役・設定など ベテラン兵士 「ちょうど一年ほど前に、国王様が新しくなったんだよ」 デデデの取り調べを担当した、白いひげを生やしたミノーレの兵士。 祭りのために断食すること自体おかしいとわめくデデデに、ミノーレのしきたりや王様のことを説明した。 飛行部隊 ブロントバートやバードンで構成された兵隊。 鐘の音がする方向を目指して飛ぶデデデが確認されたため、捕らえるべくサイレンを鳴らしながら出動した。 ディングル 「ひょえ!? や、やめろ、なにをする……ひゃああああああ!」 美しい鐘の音を鳴らす種族。 プププランドに住んでいるのとは違うディングルがミノレーゼに住んでおり、いつも時計塔で決まった時間に鐘を鳴らす仕事をしている。 それに目を付けたカービィが吸い込んで「ベル」をコピーし、デデデ達に居場所を知らせるために力強い鐘の音を鳴らした。 バル艦長&メタナイツ 「ワシの推理によれば、それはデデデ大王の犯行にまちがいありませんぞ」 「うらみですね!」 「うらみにまちがいありません!」 「デデデ大王は、うらまれやすい性格だス!」 揃いも揃ってデデデ大王に対する偏見がひどい。日頃の行いの結果とはいえあんたらも前に相当お世話になってるだろ…… アックスナイトとバル艦長は当初、ナチュラルにデデデの犯行だろうと思っていたし、その他の面々に至ってはウソの証言をした主人の動機をデデデに対する恨みだと主張していた。 デデデ大王が主役なので、出番は控えめだが彼らも真犯人の企みを打ち崩す作戦に参加し、終盤で活躍する。 惑星ミノーレ/首都ミノレーゼ 今回の物語の舞台。由来はストレートに「実れ(みのれ)」からだろう。 大地の殆どが砂漠ばかりの過酷な環境の星で、首都のミノレーゼだけは豊かな水に恵まれている。 年に一度、食べきれないほど大量の料理が振る舞われる祭りが開かれ、外から旅行者も参加するほど人気。名物料理は名産品のスパイスをまぶした「特大スパイシー・デラックス・ステーキ」。 しかし、祭りに参加するためには一週間前からミノーレに滞在して断食に参加しなくてはならない掟があり、期間中はどこのレストランも極端に量の少ない料理しか出さなくなる。 掟の元ネタは、祭りの日まで断食する月があるムスリムの「ラマダン」と思われる。 雨呼びの水晶 雨や風を起こすことができる、ミノーレの王家に伝わる秘宝。 国王はこれを使って神様に祈りを捧げて雨を降らし、ミノレーゼを作物が育ちやすい町にしていた。 ただし…… 水晶の力を使うのは、王が民の幸せを願うためであり、民を守るために国王は神から力を授けられている。 このため、間違っても私欲のために雨を降らし続けていると水晶は濁ってしまい、手遅れになればいつか砕け、二度と雨を降らせることができなくなる。 ただでさえ、砂漠しかない星でそんなことが起きれば……想像したくもない。 目次 1.犯人は…デデデ大王!? 砂漠の惑星ミノーレの首都・ミノレーゼでお祭りを楽しむべく、断食に挑むデデデ大王、ワドルディ、カービィ。 ところが、夜中に食料庫から大事な食料が盗まれてしまう。 宿屋の主人はなんとデデデが犯人だとウソをつき、かばったワドルディまで一緒に捕まってしまい!? 2.デデデ大王の大脱走! 牢屋に入れられ納得がいかないデデデは、もちろん脱走を決意。 彼らを手助けしたのは、隣の牢屋にいた少年・アリーだった。 3.良い王様の条件 なんとか牢屋を抜け出したデデデら三人は、近くの空き家に身を隠すことに。 アリーは大王を名乗るデデデのあり方に興味があるようだが…? 4.デデデ大王救出作戦 疲れ果てたカービィがメタナイト達に助けを求め、やっと合流を果たす。 ウソをついた宿屋の主人をメタナイトが問い詰めると、主人は真犯人にまつわる本当のことを白状し始めた。 5.特別な鐘の音 ミノレーゼに鳴り響く鐘の音は、普通の鐘が発しているものではない。 カービィはそれを利用してようやくデデデと合流に成功するが、異変は兵士達にも知られてしまい…… 6.王宮へ忍びこめ! 無事に合流した一同は真犯人の企みを知るために、アリーとデデデが王宮へ忍び込む。 そこでは、真犯人が国王になり代わって雨を降らしていたこと、明日の祭りを乗っ取るという恐ろしい計画を聞いてしまう。 7.決戦前夜 真犯人の悪事を暴くため、祭りの日に向けて作戦を練るカービィ達。 状況は厳しいが、みんなやる気に満ち溢れていた。 8.真犯人を追いつめろ! ミノーレの祭りの日がやってきた。 民の前に現れた真犯人……ニセ国王は、神の怒りを理由に理不尽な要求を突きつけ、不思議な力で雷を巻き起こし、人々をパニックに陥れる。 悪事を阻止すべく、怒りのデデデ達は衛兵らを相手に大乱闘を引き起こす! 9.事件の真相 なぜ、真犯人は雨を降らすことができたのか。本物の国王に何があったのか…… 戦いが終わり、遂に全ての真実が明らかとなった。 10.みんなのお祭り 事件が解決し、今度こそ始まったミノーレのお祭り。 はちきれんばかりのごちそうの山に、デデデもカービィも上機嫌だ。 11.理想の王様 お祭りも大成功し、王宮に泊まることになったデデデ達。 アリーはデデデに、自分のこれからのことを語り出した。 前『星のカービィ カービィファイターズ 宿命のライバルたち!!』 次『星のカービィ ナゾと事件のプププトレイン!?の巻』 追記・修正は七日間の断食に耐えてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] イスラム教をモチーフにするって大丈夫なのかな? -- 名無しさん (2021-07-21 07 03 59) タイトルがどうしてもコロコロコミックの1エピソード感あるw -- 名無しさん (2021-07-21 08 40 17) 秘密隠してたって、点に関しては当たってたんじゃない? -- 名無し (2021-07-21 15 40 18) デデデはとりあえず疑われる所から始まるブレなさ -- 名無しさん (2021-07-25 21 44 31) ↑4 黒い任天堂……にしたってねぇw -- 名無しさん (2021-07-25 22 38 49) まさか子供が王様などと初見ではわかるまい・・・ -- 名無しさん (2021-08-13 20 18 16) つぎ -- 名無しさん (2021-08-14 11 17 40) ↑ミス 次のやつはどんなクズが登場するのか -- 名無しさん (2021-08-14 11 18 24) 次回は…多分オリジナルストーリーだな。カービィ新作を題材にするには早すぎるし -- 名無しさん (2021-09-30 16 35 16) ディスカバリーは次の次だろうな… -- 名無しさん (2021-12-07 18 36 02) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/1509.html
163 :隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM:2008/03/20(木) 04 26 44 「これは……」 「……何かありまして?」 遠坂の呟きにルヴィアが反応を返し、視線の先を追う。 「このジェル状の物体は……」 「アレの細胞、ですわよね?」 視線を空中に走らせる。 その空中では細胞群が叩き落とされながらも次々と進化を遂げてなのはへと襲いかかるのが見える。 時に接近しながらも、それでも防御フィールドに阻まれ、有効打を出すことは出来ていないようで、空中戦の優位は明らかだ。 「でも残骸ではなさそうね」 視線を戻せば、細胞は未だ僅かに蠢いている。 痙攣とは違うその動きから『生きている』のは明白だった。 木片を手に取り、軽く突く。 即座に木片は分解した。 「ッ……酸? 直接触れていたら危なかった……いえ、だとすると変よね」 路上には何の変化ももたらされてはいない。 「ええ、細胞にも酸性アルカリ性はあったはずですけれど、ここまでのpHを持っているとは考えにくいですし、第一地面に何の影響もないんですもの、酸と言うことは考えにくいですわ」 そこまでは二人ともすぐに理解する。 だとすれば何か、と言う事に到るには発想の転換が必要だった。 「じゃあ何? 木が『一瞬で朽ち果てた』とでも……」 自らの発言で、一つの可能性に気付いた。 『なのは!』 念話が飛んだ。 かつて無いほどダイレクトで一方的な念話、締め付けるような頭痛が一瞬なのはを襲う。 『多分そいつは、群体での高速進化を行っているわ、少なくとも攻撃・防御の手段が単一であればそれに適応して進化……』 その言葉が終わるよりも早く、細胞群が接触した防御フィールドを突破し、なのはの眼前にその身を躍らせた。 理論上不可能ではないのだ。 それは紛れもなく大魔術であるが――ある一定の空間を世界から切り離し、その内部での時間を操作する、と言うことは。 無論その魔術の反動は極めて巨大で、『進化』するほどの時間を操作しようとすれば生命体ならば容易に死滅する。 だが切り離され、操作する空間は無数の細胞の群体の中だ。 反動内で死滅する細胞は極めて多数に及ぶが、他の細胞よりも僅かな時間、長く生き延びる細胞はあるのだ。 その細胞は巨大化、分裂し、魔術の反動、そして外部からの攻撃を刺激としてそれに適応するべく進化を行う。 結果、その反動に適応し、進化を遂げる細胞群が誕生する。 魔術の反動による死と再生、それによる進化を繰り返す無数の細胞。 それが目の前の敵であった。 直撃される。 そう思った瞬間、バリアジャケットが弾け飛んだ。 衝撃で両者の距離が開き、同時に細胞群の突撃の方向を逸らす。 他の者は誰も気付いては居ないが、突破された防壁は貫通されて尚その場に存在し続けている。 防壁を存在させたまま貫通する特性を備えている以上、カートリッジによるブーストを使用したとしても効果は薄い。 そこで緊急事態として、本来規定値以上のダメージを受けた際の最終手段として用いられるバリアジャケットの炸裂をわざと発生させ、その衝撃で細胞群からの一撃を相殺し、逸らしたのだ。 それは悪手だと、冷静な判断を下せばそうも言えるだろう。 何しろ、バリアジャケットという防壁が消失し、再展開するまでの間無防備なのだから。 しかし、なのはの心中の大半は恐怖で染まり、心中から半ばまで冷静さは失せている。 怒りや憎悪を叩き付けられた経験は幾度か経験している。 だが異常なる性愛を叩き付けられた経験などあるはずもない。 それは既知の感情の延長線上にある物ではなく、完全に未知の感情であり、それも尋常な密度ではなかった。 恐怖によるオーバーキルを体現するかのような、力任せの砲撃の連打は確かに細胞群を打ち据え、分解し、叩き落とす。 だが細胞群はその力押しの砲撃ですら適応し、進化し続けていく事に、なのはは気付いていなかった。 『なのは、冷静になりなさい!』 契約上の主からの言葉もまるで届かない。 このままでは遠からず対応した敵に捕縛される事になるだろう。 その後どうなるかは不明だが、とてもではないが尋常な事が行われるとは思わない。 「こうなったら私達だけで何とかしないと……」 「しかし、どうするというの?」 あの細胞群を撃破する、細胞群を操る主を撃破する。 どちらも難しく、更にやや離れた地点ではジェネラルが細胞群の『女王蟻』と交戦中だ。 「しかも……」 ビルを見やる。 そう遠くない時間、操られたであろう少年少女達がビルから出て、再び戦うハメになるだろう。 だがその操られたと見える者達の中にマスターが紛れている可能性もあるし、ビルの上層ではジェネラルの兵とライダーが交戦中だ。 「一種の賭けになるわね」 大凡の戦局は聞かずとも理解できる。 遠坂達、衛宮邸にて待機しているはずの増援によってとはいえ現在この場所での戦いは拮抗している。 彼女達が動くことでまず間違いなくどちらかに天秤は傾くだろう。 如来像:「まずなのはを助けるわ」上を見据える ロザリオ:「ビルに突入しましょう」ビルの入り口を見据える ペンタグラム:「あの女王蟻を止めれば」振り返り女王蟻の姿を見据える 投票結果 如来像:2 ロザリオ:0 ペンタグラム:5
https://w.atwiki.jp/animefate/pages/17.html
令呪は一人のマスターにつき三画現れる。 聖杯に選ばれたマスターたる証であり、一画一画がサーヴァントに対する絶対命令権となる。 また令呪を消費することでサーヴァントを強化し、通常の物理法則をも無視した行動をとらせることも出来る。 すべてを失えば聖杯戦争からの脱落を意味するため、聖杯戦争中、2度までしか使うことは許されない。
https://w.atwiki.jp/yaruo-schop/pages/369.html
サムネイル画像 タイトル 転生ワカメの聖杯戦争奮闘記 作者名 ◆uTi5mKlV6rpm 原作 Fate/stay night、Fateシリーズ ジャンル 現代ファンタジー、聖杯戦争系、憑依もの 主人公 間桐シンジ(Fate/stay night) 期間 2021/11/01~2021/11/21 掲示板 やる夫系狐板 タグ あんこ、完結作品、選択安価、ダイス まとめサイト 様 やる夫達のいる日常 様 スレッド一覧 スレッド名 タグ 備考 開始日時 最終レス 【小梅太夫】あんこと安価でクトゥルフ神話TRPGとその他あんこで遊ぶスレPart1【R18-G】 #4950から「転生ワカメの聖杯戦争奮闘記」シリーズ:スタート 2021/10/20 2021/11/01 【小梅太夫】あんこと安価でクトゥルフ神話TRPG&転生ワカメの聖杯戦争奮闘記(あんこ)Part1【R18-G】 あんこ、選択安価、ダイス 「転生ワカメの聖杯戦争奮闘記」シリーズ:完結 2021/11/01 2021/11/22 同作者の作品一覧 あんこ時々安価でクトゥルフ神話 あんこ時々安価で鬼滅の刃 あんこ時々安価でヒーローもの あんこ時々安価で惑星のさみだれ 転生ワカメの聖杯戦争奮闘記 Fate/Grand Order 天秤陰陽大獄 カラツチ
https://w.atwiki.jp/matesaihai/pages/21.html
「……へえ、私を喚んだんだ?私はアーチャー。あなたのアーチャー。あなたの弓に……とまではいかないけれど、全力を賭して戦うわ。」 情報 正式名(図鑑等参照) “私の煌めく光よ射抜け(グローーーリィ・サンセット)” 煌輝カレン そのキャラの出た杯 第4回公式戦 召喚された戦い 第一次名都聖杯戦争 ステータス 筋力:D 耐久:B 敏捷:B 魔力:B++ 幸運:A++ 宝具:B+ スキル スキルⅠ:対魔力 C+ 単独行動 B スキルⅡ:光彩(熱) A+ 収光特権 A 輝ける墓標 EX 宝具 私の煌めく光よ射抜け(グローウリィ・サンセット) 聖杯にかける願い かつての大戦で出会った戦士たちと、もう一度戦うこと。召喚された時点で半ば叶っている願いでもある。 設定 光彩(熱) A+ 光を熱量として扱い、発射する技術。彼女が普段行使するレーザービームはこのスキルによるものである。マスターからの十分なバックアップを受けられればCランク宝具と同等の火力を実現することも可能。 ゲーム上では「味方全体のBusterカード性能をアップ(3ターン) 自身のクリティカル威力をアップ(1ターン) スターを獲得」という効果のスキル。 収光特権 A インストールスキルの特殊な派生系。それが「光を集める」という結果をもたらすスキルであれば、過程や事情を無視してた短期間のみ獲得することができる。「神性」などのそのまのを定義するようなスキルを獲得することも可能であるが、肉体にはそれ相応の負荷がかかる。 ゲーム上では「確率で自身の攻撃力をアップ(3ターン) 確率で自身の防御力をアップ(3ターン) NPを獲得」という効果のスキル。 輝ける墓標 EX スウィート・サヴァイヴァー。本来持ち得る宝具『輝く墓標の内で眠れよ』の縮小版。本来の効果は相手の拘束を行うものであったが、規模の縮小に合わせて防御用のスキルへとアレンジしたとか。 ゲーム上では「自身に無敵状態を付与(1ターン) 自身に毎ターンスター獲得状態を付与(3ターン)」という効果のスキル。
https://w.atwiki.jp/kakiteseihai/pages/41.html
【マスター】 フェイト・バトル・ビッグバン 戦の王 ◆NZZhM9gmig@バーチャルリアリティバトルロワイアル →書き手の詳細はこちら 【マスターとしての願い】 この聖杯戦争を止めて、元の世界に帰る。その途中で、VRロワも宣伝する。 【容姿及び口調】 岸波白野 【weapon】 男子制服及び女子制服。選択することで、それぞれの制服に合わせた外見に変わります。 また、メニュー画面を開いて操作することも可能。(これはVRロワ書き手だけの特権か、それとも全参加者にできるのかは不明です) 【能力・技能】 奈須きのこ文体や川原礫のキャラクターをとても自然に再現しているので、それに関係する知識は豊富。 VRロワの参戦作品全ての原作を再現する力量も凄まじく、読む者全ての心を震え上がらせる。 作品に対する知識と情熱は他の許さない。本人の能力は原作主人公・岸波白野と同等。 【代表作品】 「AI s」&「CCC」、「Confrontation;衝突」~「黒の双剣 銀の双翼」5部作、「月蝕の迷い家」~「sick, home sink」6部作、「ファントム・ペイン」~「//ZERO」6部作 【人物背景】 数多くの名バトルを生み出したVRロワの書き手。壮大な長文/手に汗握る熱血バトルを描くことが多く、このVRロワを大いに盛り上がらせた。 読者の予想を遥かに超えたアイディアも豊富で、岸波白野のサーヴァント3重契約及びTS展開やハセヲの覚醒がその例だ。原作を自然に生かして、その上でクロスオーバーを描くことが得意とする。 また、大規模バトルを描く他にも、一番はキャラクターの魅力を余すことなく発揮している作風だろう。この書き手氏が描くキャラクターは、皆そのキャラらしさが出てきていて、原作を愛していることが伺える。 【方針】 誰も犠牲にすることのないまま、聖杯戦争を生き残り……そして、VRロワの素晴らしさを広める。 ただし、こちらも敗れるつもりはない。 ▲上へ戻る
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/pages/467.html
過去ログ 新パロロワテスト板 第二次二次キャラ聖杯戦争 http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/13744/1403413693/ 開始準備スレ 第二次二次キャラ聖杯戦争 登場話候補投下スレ http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/13744/1403886176/ 第二次二次キャラ聖杯戦争(仮) 登場話候補投下スレ2 http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/13744/1404659442/ 第二次二次キャラ聖杯戦争(仮) 登場話候補投下スレ3 http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/13744/1405614119/ パロロワ総合板 第二次二次キャラ聖杯戦争 http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1406730151/ 第二次二次キャラ聖杯戦争 part2 http //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/14759/1410616250/
https://w.atwiki.jp/marth/pages/42.html