約 374,346 件
https://w.atwiki.jp/minnasaba/pages/1017.html
「……子供の頃、僕は性技の味方に憧れてた」 それは、遠い、遠い、昔の話。 「なんだよそれ。憧れてたって、諦めたのかよ」 一人の少年の交わした、大切な約束の思い出。 「うん、残念ながらね。ヒーローは時間限定で、オトナになると名乗るのが難しくなるんだ。そんなコト、もっと早くに気が付けば良かった」 蒼い月が照らす夜。少年は、父親と約束を交わした。 「そっか。それじゃしょうがないな」 少年が、生涯追い求めることになる大切な大切な約束を。 「そうだね。本当に、しょうがない」 そして、同じ夢を追った、一人の男の最期の思い出。 「うん。しょうがないから俺が代わりになってやるよ」 彼と交わした約束は、今でも色褪せることなく、胸の奥に残っている。 「爺さんはオトナだからもう無理だけど、俺なら大丈夫だろ。まかせろって、爺さんの夢は――」 少年は、決して忘れることなどないだろう。 「――俺がカタチにしてやるから」 第?次聖杯戦争嘘予告 ――――Fate/stain night. 「恨むなら、貴様の運の悪さを恨むが良い、坊主」 放たれる三叉の戟、そこから放たれる強制力に、士郎は眼を背けることも出来ず――――しかし。 「少年よ、御主が儂のマスターか?」 士郎に向かって放たれた一撃を防いだのは、天魔の名を持つ弓兵の座の英霊。 「流石だな、ランサー。ならば我が宝具を受けてみるが良い――――『森蘭丸(ゲイ掘る具)』!!」 「って、何で俺が!?」 倒れた士郎を助けたのは、同じく英霊を従えた赤の少女。 「やめてよね。何でアンタがこんなところに……」 一時休戦し、教会に向かう士郎と凛。 「喜べ少年。貴様の願いはようやく叶う」 不吉な予言を背に、少年は教会を後にした――――その時。 「ねえ、お兄ちゃん達、お話は終わり?」 士郎と凛の前に現れる、白の少女。その姿はさながら雪の妖精の如く、しかし、彼女の従える最強のサーヴァントたる狂戦士の英霊の威力は圧巻。 「シェアアアアアアアッ!!」 本来なら、それは魔術師の座に召喚されるべき英霊。 それでいてなお剣騎士の座に呼ばれる程のその凄絶な剣技はしかし、狂戦士の圧倒的な回復力の前に敗北する。 「バーサーカーの宝具は『狂戦士の激情(ウールヴヘジン)』――――二頭の神獣の加護を受けた、まさに十二人の狂戦士の集合体ともいえる存在。 十二人分の回復力と持続力を持つのよ。その程度のサーヴァントに、勝てるわけがないじゃない」 「危ない、セイバー!!」 士郎は、その鉄塊の如き凶器の前に倒れ伏した。 「…………よく生きていたわね、衛宮君……五時間も続いたのに……」 あまりにも圧倒的なバーサーカーの威力の前に、同盟を結ぶことにした士郎と凛。その目の前に現れた、新たなマスターとサーヴァント。 「なあ衛宮、お前もライダー様に従えよ。天国にブッ飛ぶ気分になれるからさ」 亡者の軍勢に囲まれる士郎――――文字通りの最大のピンチ。 そして、対峙するアーチャーとライダー。天魔王と蹂躙王、狂気の結界に包まれた学校を舞台に、その絶技が激突する。 「天魔王よ、蹂躙することこそ至高の悦楽――――分かるか? 貴様の如き最高の獲物を目の前にして、朕の血が滾りに滾っておるのが!!」 「ふ、力の差が分かっていないようだな蹂躙王。既に、我が宝具は貴様の軍勢を文字通り根絶やしにしておるわ」 不敵に笑う天魔王――――その目の前で、蹂躙王の軍勢は崩れ去っていく。 「馬鹿な、タタールの平原を踏破し、キルギスの荒野を焼き尽くした我が軍勢が、よもや、あんな小僧如きに――――」 「貴様の誇る元軍は、我が日ノ本に上陸し、そして敗れ去った。その理由が分かるか? 蹂躙を知り、そしてそれすらも受容して快楽と為し、相手にすら至高の快楽を与える境地。それこそが、我が日ノ本を最強たらしめる真の理由。まさに、大和撫子の境地よ」 魔力を根こそぎ搾り取られ、崩れ去っていくライダー。 「馬鹿な! そんな、有り得ん! 朕は、朕はチンギス・ハーンだ! ユーラシアの全土を制した、蹂躙王なのだぞ!?」 軍勢が掻き消え、静まり返った校舎に、その叫びは悲しく響き渡った。 強敵、ライダーを下し、束の間の平和を得た士郎。しかし、ようやく息を吐いた彼の前に新たな強敵が立ち塞がる。 「ぅえっへっへっへ……皆ええ乳しとるのぉ……」 浴場を襲撃する怪老――――アサシンのサーヴァント。その猛攻の前に、凛の結界は為す術もなく破られ、衛宮家の脱衣場が、衣装棚が、次々と荒らされてゆく。 「…………あんなのに覗かれた……生かしちゃおかないわよ……」 士郎と凛は、アサシンの根拠地である柳洞寺に向かう。しかし、二人の前に立ち塞がった山門の門番は最悪のサーヴァント。 「我が名はゼウス――――アサチュンのサーヴァント」 悠然と告げる神代の怪物。 「アサブラック――――!」 「アサホワイト――――!」 「「――――二人はチュンキュア!!」」 アサシンとアサチュンの猛攻の前に圧倒される士郎と凛。男性の象徴たる剣を無限数内包する、士郎の固有結界の発動により、かろうじて敵を退ける士郎。 しかしその時、追い討ちを掛けるかのように、遠坂邸が襲撃を受ける。強奪されたのは一本の杖――――文字通りの魔法の杖。 そして、現れる最後のサーヴァント。 「魔法少女プリティ☆ウィ――――魔法の力で粛清よ♪」 彼女の操る裁きの雷の圧倒的な破壊力の前に、セイバーが、アーチャーが、アサシンが、アサチュンが、そしてついにはスレの住人達までもが斃れていく。その様、まさに粛清の嵐。 その破壊を押し流すかのように姿を現したのは、存在しないはずの第九のサーヴァント。 「我等二億年の種の蓄積、人間の神秘など比較にならぬ真なる神秘の洗礼、受けてみるがいい!!」 漆黒の濁流と化す先代アサシン――――その真名■■■■■■■■。圧倒的な数の暴力と、原始の世界を体現せしめる固有結界の前に敗れ去っていく神代の英霊たち。 数々の強敵との戦いの果てに、浮かび上がってくる真の邪悪。十年前の大火災の影にいた呪詛。聖杯を穢す最悪の汚濁――――『天叢雲(ヤマラノオロチ)』。 かつて第三次聖杯戦争においてマーラーのクラスとして召喚された最悪の怪物は、未だに聖杯に留まり、聖杯を汚し続けていたのだった。 全ての力を結集して立ち向かう士郎たち――――しかし、敵はあまりにも圧倒的。果たして、士郎たちに正気……ではなく、勝機はあるのか。 「御覧の通り、貴様が挑むのは無限の剣、剣戟の極致――――恐れ伏して掛かって来い!!」 キャスト セイバー:ラドカーン マスター:凛 アーチャー:織田信長 マスター:士郎 ランサー:カイニス マスター:言峰 ライダー:チンギス・ハーン マスター:慎二 バーサーカー:ベルセルク マスター:イリヤ アサシン:自来也 マスター:葛木 アサチュン:ゼウス マスター:自来也 キャスター:プテサン・ウィ マスター:召喚後三秒で粛清されたため不明 先代アサシン:■■■■(あまりに恐ろしい名称であるために伏せられている) マスター:臓硯 マーラー:ヤマラノオロチ マスター:なし
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/362.html
91 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/10/21(土) 04 33 58 家に連れて帰ると考えたばかりのイリヤが隣に座って楽しそうにお菓子を頬張っていた。 楽しそうにお菓子を頬張る様子は、ともて微笑ましい。 だから、食べ終えてから声を掛けることにした。 「……こうして会うのは二度目かな」 「……え?」 この言葉は考えては居なかったことだ。 この公園で何度も会った、何度も話した、その事を、このイリヤ 少女 は知らないというのだろうか。 「イリヤ? イリヤ、なんだよな?」 「うん、そうだよ、私はイリヤ」 その笑顔は、やはり記憶の中そのままだ。 だが何か、決定的な何かが違う。 「シロウも食べる?」 「あ、ああ」 受け取った洋菓子は最近評判になってきた店の代物で、食べたことはないが桜が食べて美味しかったと言っていた物だった。 「ごちそうさま」 「うん」 イリヤが小さな手で頭を撫でる。 その、なんだか凄く気恥ずかしい。 「……私はね、きっとシロウの知っているイリヤじゃないんだ」 唐突に、イリヤがそんなことを口にした。 「そんな、イリヤはイリヤだろ、俺の知ってるイリヤじゃないか」 「そうかもしれないけど、でも違うの」 イリヤはとてもつらそうな顔をしている。 身を切るような思い出言葉を紡いでいると言うことは何となく理解できた。 でも、なんでそんなこと…… 「私はシロウを知っている、でもその実感はないんだ」 それは、まるで英霊のようだと思った。 経験を実感できない、本を読むだけのような。 「だから、私はシロウの言うイリヤじゃない、違うと思う」 例えそうだとしても。 「それでも、イリヤはイリヤだって言ってるだろ」 こつんと頭を叩く。 「シロウ、レディーの頭を叩くのはよくないよ」 むっ、とイリヤが顔を顰める。 「ほら、やっぱりイリヤだ」 恥ずかしかったのか、顔を赤くしてぽかぽかと胸を叩いてくる。 そして叩き飽きたのか胸に顔を埋めてくる。 うん、やっぱりイリヤだ。 「あのさ、イリヤ――」 予定調和:「家に来ないか?」イリヤを家に誘うことにした 一波乱の予感:「あー!」野獣の絶叫のような大声が公園の入り口から聞こえた。
https://w.atwiki.jp/konmade-seiseisensou/pages/39.html
注意! 最終的な他キャラとの関係などを記載しています。 本編を見ていない方にはネタバレとなる可能性があります。 初代 二代目 三代目 四代目 五代目 六代目 七代目 八代目 九代目 十代目 十一代目 十二代目 十三代目 十四代目 十五代目 十六代目 十七代目 十八代目 十九代目 二十代目 二十一代目 二十二代目 二十三代目 二十四代目 二十五代目 二十六代目 二十七代目 二十八代目 二十九代目 三十代目 三十一代目 三十二代目 三十三代目 三十四代目 三十五代目
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/541.html
489 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/10/31(火) 04 14 27 「あ……」 驚きはどちらの物か。 湯煙が僅かに晴れ、三枝さんとなのは、フェイトの三人が見えた。 暫く互いに無言。 「す、すまん!」 バックステップで下がる。 「ど、どうぞー」 少女の言葉を冷静に捉える。 ああ、そうか。 考えてみれば彼女達は見た目通りまだ子供だ。 父親が健在ならば父親と風呂に入ったりすることもあるだろう。 それについてはある意味で問題はない。 彼女の言葉はひとえに好意から発した物だろう、ハプニングの結果とはいえ。 だが問題は、浴槽の中で真っ赤になっている三枝さんだ。 「え、えーっと……」 どうしたものか。 好意を裏切るというのは容易いが、それは非道な行為だと思う。 じゃあだからといって恥ずかしがる同年代の女性が居る中で風呂に入って良いのかと言われればそれもまた非道だろう。 どうすればいいのか、固まっていると。 「え、衛宮くんがよければ……ど、どうぞ」 なんて、真っ赤になりながら言ってくれた。 良いのだろうか、こんな展開。 「そうだ、士郎さんの背中は由紀香さんが洗ったらどうですか?」 なんて事を、フェイトが口にする。 「な……フェイトちゃん!?」 三枝さんが狼狽えている。 そりゃそうだろうなあ、俺もびっくりしている。 そしてフェイトは、口元が悪巧みをしている悪玉のようになっている。 いつ『計画通り』とか心中で呟くかわからんような感じだ。 「なのはは私が洗ってあげる」 「う、うん……いいのかな……」 それは俺が聞きたい。 490 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/10/31(火) 04 15 14 三枝さんの指が震えているのがタオル越しに感じる。 「え、衛宮くん……痒いところか……あるかな?」 「あ……あー……えっと、特に無い、かな」 全身の感覚は緊張で既に失せているからなぁ。 痒いところとか分からない。 「じゃ、じゃあ、全部洗うね?」 「あ、うん……頼む」 ごしごしと洗われている。 無言のまま数分が経ち、背中にお湯を掛けられる。 洗い終えたようだ。 「えーっと、ありがとう、三枝さん」 「あ……はい、どういたしまして」 「じゃ、今度は士郎さんの番だよ、ね?」 「んな――!」 フェ、フェイトさんや、少しイリヤ化しておりませんか? というか分かってて言ってるよね? 声が凄く楽しそうだし。 「そ、そうだねそうだね、じゃあ今度は私がフェイトちゃんを洗う番だね」 そしてなのはもそれに乗った――! 大変だ、あかいあくまに続いてこあくまが出現している! 行動原理が善意とか好意なので邪険にもできないという、ある意味では遠坂以上だ――! 「うん、ありがとう」 楽しそうになのはとフェイトが位置を入れ替える。 ――ま、まあ、『前を洗え』とか言われなかっただけ、良い、のか? さっき以上に緊張している。 無防備な背中を見せて、三枝さんも緊張している。 と、とりあえず、スポンジを手に取る。 震えた指を出来るだけ押さえて三枝さんの背中を擦り始める。 「――はうっ」 ピクリと動く体、そしてその声に動きを止める。 「い、痛かった?」 「ち、違うんです、えーっと、その……こういうの、はじめてで……」 「えーっと、その、なんというか……できるだけゆっくりとするから……」 って、これじゃまるでベッドの中の会話だ。 魔術を行使するかの如き集中力で、優しく背中を洗い終え、お湯を掛ける。 「え、ええっと、ありがとうございました」 背中を見せたままで三枝さんが言う。 「い、いや、その、こっちこそありがとう……」 艶姿を堪能する余裕などありはしない。 そして、リラックスする暇もありはしない。 「それじゃ、浴槽に入りましょう、士郎さん」 いつから入っていたのか、フェイトとなのはが浴槽の中から腕を引っ張られて足が滑り、浴槽に頭から落ちる。 「ぷあっ!」 湯から顔を出す。 「な、なのは、フェイト、湯船で溺死とかそういうこともあるんだからこういう事はやめた方が良いぞ」 「はーい!」 元気いっぱいなのは良いが、多分聞いては居まい。 「さ、ほら、今度は由紀香さんだー!」 「え? ひゃ!」 三枝さんが引っ張られて頭から落ちる。 そう直感し、そうならないように抱き支える。 「だ、大丈夫? 三枝さん」 「うん、大丈夫です……けど」 思い切り抱きかかえているわけで。 いわゆるお姫様だっこの状態になっていた、全裸で。 ここで慌ててこの状態を解除したら頭が浴槽に命中しそうだったので、落ち着いて下ろす。 ううう、これは緊張状態が抜けないぞ…… 大脱走:「あ」そんなことをしていたら続いてキャスターが入ってきた……なんとか脱出できないものか 地獄の黙示録:身動きが取れず、なのはとフェイトが浴槽の中で遊んでいる姿を、無言のまま二人で眺めている状態になった ワルキューレの騎行:「つ、疲れた……」まるで疲れの取れないまま、布団に突っ伏した
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/360.html
19 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/10/19(木) 04 29 56 ええぃ、一度通った道だし、これならば確実だ、これしかない。 「切嗣の娘だよ」 藤ねえの動きが止まる。 視線は少女達に注がれたまま。 「あ……」 「あ?」 「愛のだだ漏れは良くないと思うのよねお姉さん!」 「えっ?」 藤ねえは何を言っているのだろうか。 そりゃ確かに切嗣に大量の娘が、という話に持って行ってしまったのは悪いことだが…… ……実際嘘じゃない可能性も……まあ、ゼロじゃない程度にあることだし。 「血の繋がっていないからといってこんな子供に手を出すなんて!」 あ、しまった! 土蔵で寝ていたことを説明していない! 「いや、むしろ血の繋がった妹なぞ存在しねえとばかりに早速手を出しやがったわね!? そして私にゃとんと手を出してこないということは実は士郎は妹スキー ロリコン だったのね!?」 何その『兄より優れた弟なぞ存在しねえ』理論!? いや、ちょっと待て、桜もなんだか凄い視線でこっちを見ているぞ。 別に桜が遠坂の妹だから手を出したとかそう言うことはないぞ、ホント。 だがなんとかしなければ、非常に困った事態になるのは間違いない。 うん、ルヴィアさんや、面白がってないで助け船をくれないか? 「いや、大丈夫、彼は普通の人ですよ」 笑みを隠すことなく、先生が姿を現す。 「彼は彼女たち二人に布団を譲って土蔵で眠ったのです、立派な好青年じゃないですか」 「ぬ、士郎、またお客さん?」 現れたのが普通の男性なので藤ねえの物腰は普通だ。 「藤ねえ、そう言うことは袖から手を離して言ってくれると嬉しい」 あと背骨を折らんばかりに腰から下をホールド状態にして体重を掛けてくるのも止めてくれると嬉しい。 「ええ、昨日から二人と共にこの家にお世話になっています、訪ねたのか深夜だったので挨拶が遅れました、申し訳ありません」 そう言って先生が深々とお辞儀をする。 「あ、いえ、藤村大河と申します」 頭を下げる。 必定腕も下がり、思い切り投げの姿勢になる。 当然のごとく、投げ飛ばされた。 受け身を取ったが、頭から落ちそうになった。 「私は遠坂六道、凛さんの親戚で、衛宮切嗣氏を訪ねてきたのです」 そんな、途方もない嘘を、先生は平然と語り始めた。 「は、はぁ……遠坂さんの親戚が何故に切嗣さんを?」 「それは彼が語ったとおりでして」 つまり、二人は切嗣の娘ですよと言いやがったのですか先生。 「つまり……二人は本当に切嗣さんの?」 「はい、実は二人の実母とは友人でして……」 実に『らしい』嘘をついて、藤ねえは納得したようだ。 「そうですか、六道さんは二人を養女と……」 「ええ、私自身医者ですからそう時間は取れぬ身でしたが、偶々時間が取れ、可能ならば実父にと思ったのですが……」 会話は続く、多少重苦しい雰囲気にはなったが、どうやら納得して貰ったらしい。 「なるほど、では?」 「ええ、暫くこの街に滞在しようかと思っておりました所、士郎君がこの家に滞在してくれて構わないと」 「ええ、そういう事情ならば大賛成ですから」 先生と藤ねえはお互いに凄く幸せそうな笑みを送る。 勿論先生もこの嘘の仕掛け人。 20 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/10/19(木) 04 30 43 ――と、いうわけだから、よろしくね、なのは、フェイト 笑みを浮かべて念話を送る。 ――ええ、分かっています 本来アイ・コンタクトだけで済むことだが、きっちりと確認できた。 「おはようございます、お兄ちゃん」 「お、おはようございます……兄さん」 笑顔でなのはが、もの凄く言いにくそうにフェイトが挨拶をする。 実際、彼女は兄となった人のことを兄と呼べては居ない、実際の兄でない人間を兄と呼ぶのには抵抗があった。 「言いにくかったら、士郎で良いさ、おはよう、フェイト、なのは」 「は、はい、士郎さん」 笑顔で全員に朝の挨拶を終え、朝食を全員で頂いた。 「それにしても、バゼットさん、はともかくとして、この数日で増えたわねー」 朝食時、藤ねえが呟いた。 言われて食卓を見渡す。 確かにその通りだ。 まずルヴィアが、次の日に、今眠そうな顔で食べている『切嗣の娘』キャスターと、庭で肉の塊を食ってるシベリアトラが増えた。 そしてその夜の襲撃でジェネラルが増えたんだったな。 そして1日開けて先生ことセイバー、そしてキャスターこと『切嗣の娘』なのはとフェイト。 さすがに4日で6人と2匹も増えるとは考えもしなかったものだ。 というか半分が切嗣の娘扱いである。 ――まあ、それは後で考えることにしよう。 さて、ではまず、朝食後は何しようか―― 土蔵開放:なんだか少し落ち着かないな、土蔵で何かの修理でもしていようかな 買い出し:昼と夜で食材が足りなくなるかもしれない、買い物に行こう、誰かに手伝って貰おうかな 思考実験:色々と考えることがある……あの公園に行こう
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/30.html
609 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/08/27(日) 02 25 55 トニオが、桜の腕を掴もうとした。 現在、衛宮士郎と間桐桜は恋人関係にある。 だから、彼の腕を掴んで何をするのか問いただしたかった。 故にそれは刹那的な早さで。 しかし彼はそれ以上の早さで。 一方は掴もうとし、もう一方は振り払おうとした。 その結果。 トニオ・トラサルディーは間桐桜の腕を掴み、弾き飛ばされた衛宮士郎の腕は間桐桜の胸を掴んでいた。 それはもう鷲掴みと言っても良い。 胸ではなく頭であればアイアンクローとなる位の全力の力を逸らされて、今、胸を思い切り掴んでいた。 「——え?」 「あ——」 思考が停止していたのは一瞬だけ。 「オー、スイマセン」 声が合図となり、衛宮士郎は絶叫と共に胸から手を離し、間桐桜は一瞬で俯いて真っ赤になった。 その様子を見ていて黒い尻尾を生やしたのはあかいあくまとどりるあくまの二人であった。 「あらあら、以外と積極的ですわね、ミスター」 「以外と屋外でもそう言うプレイがお好みだったのかしら?」 ねー、と二人のあくまが目線を合わせている。 「え、あー、う、こ、これ、ちが」 それはもう見事な慌てふためきぶりであった。 「先輩が望むのなら……そう言うのも……」 こら、そこ、何を言っている。 「アハハ、スイマセン、皆さんご友人かと思ったらカップルが成立してルようですネ」 もう一度笑いが起きる。 笑いの真ん中にいる二人は赤くなり通しだが。 笑いが収まるのを待って彼はこう言った。 「……失礼ですガ、二年程前まで毒を常飲シていたりしませんでしたカ?」 笑いが止まった。 「それに昨日トテモ心配ナ事がアリマセンでしたか? ストレスで胃が荒れテいまスね、ソレにスコシ睡眠不足なハズデス」 もう一方の腕を手に取り、視る。 「それにとてもヤッカイな、ヨーカイのようなモノに取リ憑かれたりした事がアリマセンか?」 言葉が失せ、場が凍る。 「お気に障ったならシツレイします、ですがこれは大事な事です。 人のケンコウ状態が分かればその人にあった料理が出せまス。 ワタシ、その為に世界中を回ってサマザマな料理を研究しました、ソレを祖国イタリアの料理に取り入れたのデス」 自然と自信満々に語るトニオ、そして自身が失せる士郎。 実に対照的な組み合わせであった。 「オー! ゴメンナサイ、説明するヒマあったら料理をお出しせねばイケませんデス」 一方凛はある事を疑っていた。 この人物は私達の事をよく知る人物、時計塔の人間、それも敵対する事を厭わぬ人物なのではないかと。 「サッ、早速料理に行きましょう」 前菜として、人数分の水と共に出てきたのは A:和牛のカルパッチョ B:イタリア風小魚とほうれん草のスープ 投票結果 A 3 B 5 決定
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/562.html
160 名前:隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日:2006/11/23(木) 05 13 57 『間桐桜』に敵を視認する余裕などない。 視線の方向へ魔術を撃ち込む。 だが視界に捉えていない状態で命中するほど使い慣れても、実戦慣れもしていない以上、その一撃は回避されるのは必定。 事実、僅かに狙いは右へ逸れ、逆に攻撃を回避できず、突きだした右腕が切り裂かれる。 「ッ――!」 切断こそ免れたが傷は深い。 ぼたぼたと血液が地面に落ち、血溜まりを形成するのを感じた。 膝をつき、それでも敵を見据える。 「桜!」 「くっ……邪魔ですわ!」 トドメの邪魔をさせぬと言わんばかりに、敵兵が間に割り込んだ。 桜に近づく兵に気をとられた直後から数秒、開いたガント掃射の穴から兵が飛び込んだのだ。 振り上げられる剣と同時、切り裂かれた右腕を突き出す。 「私は――負けません!」 剣が突き出されると同時、魔力塊を噴出させ、敵兵を吹き飛ばす。 この一撃で倒せはしないが、距離を開かせることは出来た。 代償に、刻まれた腕から、更に血が流れ落ち、腕に激痛が走る。 だが、敵兵が吹き飛び開けた視界、その上方。 上空より舞い降りる敵兵を見た。 「あ……」 瞬間的に発動可能な、桜 小聖杯 の魔力を直接撃ち出す力業。 だが、それは一瞬で巨大な魔力を撃ち出す故に、次の魔術までの数秒の隙を産む。 故に彼女に出来たことは、見据えるだけ。 ライダーが何かを叫んでいる。 姉さんが叫んでいる。 誰かが叫んでいる。 己が死ぬ、という事を思い出し、『死にたくない』と、心の底から思った。 そう、どうしようもなく危地に追い詰められたが故。 ――ここに逆点の札は出現する。 出現した。 少なくとも彼女の目にはそう見えた。 色は紫。 ライダー、そしてかつての彼女の髪の色だ。 身体は黒で覆われている。 桜からは見えなかったが、剣の切っ先が出現した存在へ向けられる。 だが既に遅い。 回転の勢いを叩き付ける回し蹴りが炸裂し、まるで投げられた石のように放物線を描いて吹き飛んだ。 着地する。 姿に見覚えはない。 その手には剣。 段平のようなそれには無数の刻印が施されている。 厳しく、だがその中に優しさを内包した瞳が見下ろし―― 虚血・低酸素血症:「貴方は傷の手当てに専念しなさい」そう言った ガンサバイバー:「これを使いなさい」周囲の状況を見て銃を手渡した
https://w.atwiki.jp/matesaihai/pages/11.html
情報 正式名(図鑑等参照) 蠱毒受胎の禁忌行使者 “蠱惑卿” 蠱繰雛 巫蠱(こくりびな ふしあわせ) 出場杯 要素押し付け跳ね返り杯 参加した戦い 第一次名都聖杯戦争 召喚したサーヴァント:風来のセイバー/“閻魔”コガラシ 特筆技能 錬金術、支配魔術 聖杯にかける願い 研究用の魔力リソースの確保 聖杯戦争に参加した経緯 研究成果のテスト、サーヴァントシステムの研究のため。 サーヴァントの呼び方 (クラス名) 設定
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/163.html
740 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/08/29(火) 03 22 34 「ルヴィア、桜を頼む」 頭を床に落とさないようにそっと桜をルヴィアに抱きかかえさせる。 桜の胸の大きさに驚いていたようだがそれは些事だ。 「ライダー、念の為三人を頼む」 「……良いのですか?」 もし彼、トニオがマスターであれば危険すぎる。 その事をライダーは言っているのだ。 「ああ、大丈夫だ、それよりも三人を頼む」 これは警戒感からだったわけではない、まして良いところを見せようとかそんな見栄からではない。 それはただ、自分の嫉妬を見せたくないという、恥の心からだった。 自分が何年も見抜けなかった桜の苦しみ。 それをあっさりと見抜いた男。 ただその男と問いつめて、一つでも勝たなければ。 そんな想いだけだった。 厨房に入る。 既に頭の中には剣の設計図が走っている。 厨房全体の構造は一般的な物だ。 さすがに家庭用のキッチンよりは遙かに広いが、店としては一般的な広さだろう。 ふと見ると、オーブンの近くにはメインディッシュであろう人数分の肉料理が置かれていた。 「メインディッシュは既に完成している……」 ならば彼はどこにいる? ふと皿を指先で摘み。 「解析、開始——」 料理の解析を開始した。 肉——鶏らしい——の煮込み。 卵の黄身、人参、玉葱、調理酒にオリーブオイル、小麦粉に塩、胡椒。 どれも見慣れた食材…… 「な——」 その奥で何かが蠢いている。 とても小さな、己の知る地上の如何なる生物とも適合しない生物。 これが遠坂の言っていた魔導生物か—— バリバリと貪るような音に魔術を停止し、振り返る、どうやら店の裏口らしい。 その時、桜が目覚めたのだろう。 幽鬼のような虚ろさで、桜が立ち上がった。 「桜?」 桜はまるで操られるように厨房へと歩いていった。 裏口をこそりと覗き込む。 そこには彼、トニオが立ち、その飼い犬であろう犬がメインディッシュと同じ肉料理を貪っていた。 「よしよし——言い食べっプリだぞ……フフフ、第二の皿、メインディッシュの『トスカーナ風鶏肉煮込み』は成功のようダナ」 笑み。 犬が肉を完食する。 『アレは……やはり同じ肉なのか?』 そんな事を考えていると犬が炸裂した。 「なッ!」 思わず声を上げた。 トニオが振り返る。 「そこで何してる! 見タナァー!」 手持ちの包丁を投げつけた。 投影——開始! 投影さえも間に合わぬ程の包丁投げ。 神秘を具現化させるには時間が足りない。 故に投影されたのはただのナイフと同じだけでしかない、形だけの双剣。 「くっ……!」 僅かの差で弾いた包丁が冷蔵庫に突き刺さる。 もし体に刺さっていれば致命傷であったろう。 「オマエッ! のぞき見に入ってきたというワケデスかッ!」 ナイフが見えているはずなのに、まるで頓着しない、強すぎる歩調で無造作に間合いを詰めてくる。 「ただじゃあおきませンッ! 覚悟してもらいマス!」 バーサーカーの域にまで達する気迫、イメージが膨らみ、彼の体が巨大になっていく様が見える。 だが怯まない。 ここで怯んで何の為の桜の味方か! 「ただじゃおかないのは……こっちだ! 桜に……桜に何をしたァー!」 それはただの嫉妬からだったのだろう、だがそれでも心の奥底は剣で出来ていた。 その桜が、幽鬼の表情から一転し、猛禽の動きで肉を喰らう。 貪り喰らう音に思わず振り向いた、振り向いてしまった。 「さ、くら……食べるんじゃあない! 桜ァー!」 呆然となったのは一瞬、炸裂した犬を思い浮かべ、叫ぶ。 恍惚の表情で肉を食べ終える桜。 その桜の心臓が弾けた。 「し……んぞう」 呆然と呟く。 そして桜が床へと倒れ込んだ。 「桜————!」 741 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/08/29(火) 03 23 48 倒れ込んだ桜の姿に呆然として、剣すら取り落としてしまった。 それほどの衝撃、それほどの動揺。 故に、巨大なブロック状の物体を手にして背後に迫るトニオに気付くのが遅れた。 「タダじゃあおきマセンッ!」 気付いた時には物体は目の前に迫っていた。 体は凍り付いたかのように動かず。 それでも、己の眼前に振り下ろされる物体を最後まで見続け。 「ここではっ! セッケンで手を洗いなサイッ!」 「……はい?」 思わずセッケンを受け取った。 「ユルせないッ! 断り無く調理場に入ってきたのはユルせないッ!」 ずいっと、トニオが迫ってきた。 気迫は変わらずバーサーカー級のまま、トニオは怒っていた。 「調理場は常に清潔でなければイケないのデスヨッ! 貴方も料理をスル人なら分かるハズでスッ!」 「じゃあ、桜は?」 再び振り返ると、桜が清々しそうな顔で伸びをしていた。 まるで熟睡した後の朝のように爽快そうだった。 結局、トニオ・トラサルディーは若いながらも極めて優秀な料理人であり、謎の生物は彼自身の能力、スタンドである事が判明した。 また衛宮士郎は勝手に調理場に入った事に激怒され、厨房の掃除をする事になった。 余談だが、デザートのズッパイングレーゼを出された際、トニオが 「実のところ、このデザート、女性にはチョッとだけホウキョー効果がアルようデスヨ」 なんて事を厨房で掃除する衛宮士郎に耳打ちしたのを聞いていたのか、テーブルに座っていた遠坂凛が5個注文した。 ルヴィアも当然の如く5個注文した、気にしていたのか、二人とも。 ある意味で女体の神秘かね、これも。 なんて事を考えながら厨房で掃除を続ける士郎であった。 虎:食事も掃除も終わった事だし、道を聞いて教会を目指そう 道:後になるだろうけど、藤ねえを連れてきてもいいよな、とりあえず今日は教会に行こうか 場:せっかくだから掃除を念入りにして、ついでに料理の事を習おう、教会はそれからでいいよな?
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/171.html
221 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/09/07(木) 03 17 38 バーサーカーの振り下ろした巨大な断頭斧。 それは虚空で停止していた。 「どうした、バーサーカー、何故殺さない!」 バーサーカーのマスターが大声を上げる。 それに応じたのは落ち着いた声。 「なるほど、さすが狂っていても殺しのプロ、無駄な事はしない主義なのね、さすが死刑執行者 ムッシュー 」 「……固有結界?」 凛が呟き、その声に−バーサーカーのマスターさえも−振り返る。 キャスターの姿を見続けたのは、衛宮士郎だけだった。 「ああ……これってそんな呼び方あるの?」 そう、展開したキャスターさえも振り返っていた。 「……固有結界だと? 厄介な!」 いや、辻褄が合わない。 例え固有結界だろうと、バーサーカーの速度と力を『無駄な事』にするのは不可能だ。 仮にそんな事が可能だとすればバーサーカーという存在その物が崩れて消えてしまうはずだ。 そもそも固有結界に侵された現実が周囲の景色そのままというのは明らかにおかしい、アレは己の心象世界を写す物だ。 だが、その不可解な空間は現実を浸食する。 そして浸食しつつも、それはあくまで『そのまま』だ。 「さあ、どうするの?」 ゆっくりとバーサーカーのマスターに近付く。 緑のストールの留め金についた、赤い宝石が光る。 何の変貌もなく、現実が浸食されていく。 「チッ……引くぞ!」 苛立ちに声を荒げ、それでも迅速にマスターは去った。 立ち去っていくマスターに興味は失せたというように、キャスターに浸食された空間が戻っていくのを感じる。 「さ、貴方の家に帰りましょう?」 そう言って、まるで戦いなど無かったかのように、キャスターは笑顔を見せてくれた。 「あ……ああ、帰ろうか」 そうとしか応えられなかった。 222 名前: 隣町での聖杯戦争 ◆ftNZyoxtKM 投稿日: 2006/09/07(木) 03 18 53 帰り道。 「なあ、キャスター、さっきのアレはなんだったんだ?」 「アレって?」 「良くは分からなかったけど、バーサーカーの動きを止めてただろ? それの事だよ」 「ああ、アレの事? んー……実は私もよく分かってないんだ」 そういってキャスターは笑ってごまかした。 「じゃあ貴方の宝具の能力と考えて良いのかしら? 貴女、見たところ魔術回路もなさそうに見えるんだけど」 続いて凛が聞いた。 「うん、私に魔術回路っていう類のはないかな、だって私ただの女子高生だからね」 「はー……それが英霊として、しかもキャスターとして召還されるんだからこの街の聖杯はホント意味不明だわ」 力は本物みたいだけどと呟いた声は、近くにいた彼女の妹にしか聞こえなかった。 「ではズバリ聞きますが、貴方の宝具の名称と、貴方の真名はなんなのですか? 差し支えなければ教えて頂きたいのですが」 聞いたのはライダーだった。 当然、それは全員の疑問だった。 「えーっと、こっちに来る前に教え込まれた話を考えるとそれは誰にも教えない方が良いって聞いたけど?」 うーん、と考えるように前髪を弄る。 その仕草は妙に子供っぽく、つい「若いなぁ」なんて事を考えてしまう。 「では名称は秘密と言う事で良いとしても、その緑色のストールが宝具なのでしょう? 隠しておいた方が良いと思いますが?」 「え? なくしたら大変でしょ、そんなコトしてさ」 どうも本当に彼女は英霊として異端らしいと、互いに目を合わせて確認した。 「次です、貴方はあのバーサーカーの真名を知っているように思えましたが、その事については?」 「知らないわ? 何故そう思うの?」 「確か……バーサーカーの事をムッシュー、死刑執行人と呼んでいたと記憶していますが、貴方と同時代の人物なのでは?」 「あはは、ギロチンとか斧で首落とすような時代にこんな恰好の女子高生が居たって話は聞いた事無いですよ?」 緑のストールが目を引く為分かりにくかったが、言われてよく見てみれば、彼女の白服とスカートはどこかの制服のようだった。 「では何故そう呼んだのです?」 「簡単よ、あの武器を見た事があるからよ」 「……生前に彼と闘った経験があると?」 「いえ、武器はアレを加工した物だったし、持っていたのは別人だったから…… 死刑執行人って呼んだのは本来の所有者だと思ったからよ」 「……本来の所有者とは?」 「ああ、それなら俺も大体分かった」 「シロウ? そうか、刃物の解析は得意なものでしたね」 「詳しい名前までは資料を調べないと分からないけど、多分あれはフランス革命期の死刑執行人だと思う」 「フランス革命期ですか?」 聞かれて頷く。 「呪詛か怨恨の類だと思うけど、そう言う物が刃に宿っていた、王族を処刑した経験のある、死刑執行人の家系の人物だと思う」 「つまり、パリの処刑人 ムッシュー・ド・パリ と見て間違いはないと?」 「ルヴィア、分かるの?」 「ええ、欧州近代史は一般教養として学んだ経験がありますから」 「で、名前は?」 「シャルル・アンリ・サンソン、ムッシュー・ド・パリの4代目ですわ」 そんな物騒な話をしていた事もあった為、電車には乗らず、徒歩で衛宮邸に辿り着く。 そして 「な、なんだってー!?」 キャスターを除く全員が声を大にして叫んだ。 衛宮邸では A:藤ねえが料理をして待ちかまえていた B:藤ねえが生徒を呼び寄せ待ちかまえていた C:藤村科の虎がネコ科の虎と闘っていた