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#2-3.放課後の邂逅~琴吹紬~ ――子供の頃から、両親には凄く感謝していた。 生まれた時から私をずっと守り、ずっと私の我がままを聞いてくれたから。 だから私には、父や母の期待を裏切ることはできなかった。 そして、子供をやめた時に私は誓った。両親のために、父の積み上げてきた物を守っていこうと決めた……。 立場、権威、家、財産……。 これまで幾度も私を支え、守って来てくれた大切な物にある、唯一の“枷”。 ……私にも、来るのかな。 この枷を外し、誰の前でも、ありのままの自分でいられる、そんな時が。 私の中にある小さなわだかまりは、“彼女”に再会した時、ようやく解けようとしていた―――。 ――― ―― ― ……凄く、懐かしい場所に私はいた。 そこは、放課後の音楽室……私達が毎日のように過ごした部室。 眼の前には、懐かしい制服に身を包んだ仲間たちの姿が見える。(さま) 私の用意するお茶を楽しみにする二人と、そんな二人を呆れ顔で見ながら、それでも私のお茶を美味しそうに飲んでくれる同級生と、一人の後輩。 やがて、顧問の先生も合流し、私達の部活が始まる。(ぅさま) みんなの笑い声が部室中に響き、暖かな時間が過ぎていく。(ょう様) それは、私が3年間、毎日のように見てきた光景……。 その中で私は……。(じょう様) (お嬢様) もう……さっきから何だろう、この声は……。 もう少し、みんなの声を聴いていたいのに……誰の声だろう。 (お嬢様) 違うわ……ここでの私はお嬢様なんて固い呼び名じゃない……私は……。 (起きて下さい、お嬢様) わたし……は…………。 声「起きて下さいお嬢様…………お姉ちゃん……起きて」 紬「っ……!」 突如、紬は弾けたように瞼を開く。 ぼやけた目線の先には、跪いて声をかけ続ける、蒼い瞳に金髪のスーツ姿の女性が映って見える。 その女性が、自分のよく知る秘書であり、また身の周りの世話をしてくれる使用人の斉藤菫だと認識するのに、そう時間はかからなかった。 【琴吹邸】 声「お嬢様……お目覚めですか」 紬「菫……ちゃん」 菫「すみません、お休みのところを無理に起こしてしまって」 紬「いいえ、私の方こそごめんなさい、まさか眠ってしまうだなんて……」 おそらく、連日の仕事疲れが溜まっていたのだろう……少しの間、熟睡してしまっていたようだ。 準備の何もかもを使用人達に任せてしまっていたことを謝罪し、紬は菫に向き合う。 菫「いいえ、それが私達の務めですから、お嬢様はお気になさらないで下さい」 申し訳なさそうな表情の紬に向け、菫は優しく微笑みながら続ける。 菫「車の準備が整いました、時間も迫っています、そろそろ向かいましょう」 紬「ええ、そうね」 豪華な装飾の散りばめられた真紅のドレスを身に纏い、紬は玄関へと歩き出す。 使用人「行ってらっしゃいませ、紬お嬢様」 紬「ええ、留守をお願いね」 出迎えの使用人に一礼し、自宅の屋敷の玄関の先、開かれた高級車の助手席に乗り込む。 そして程なくし、運転席には菫が乗り込み、多くの使用人に見送られながら、車は発進する。 紬の古い友人の令嬢、弦巻こころの屋敷へ向かって――。 ――― ―― ― ――大学を卒業してすぐの事。琴吹紬は、自身の父が経営する会社……琴吹グループに就職し、懸命に働いていた。 周囲から親の七光りだと思われたくない一心で紬は昼夜を問わず働き続け、着実に業績を上げ、己の実力で周囲を認めさせ……会社の役員へと登り詰めていった。 そんな過酷な生活と並行し、紬は淑女としても社交界で華々しい活躍を見せており、数ある資産家や富豪の間でも、紬の存在は一際有名になっていた。 今日は、数多ある資産家の一つ……琴吹家と古くから親交のある、弦巻家のホームパーティーに招待されたのだ。 こころより直々に招待を受けた紬は大喜びで出席の旨を伝え、使用人の斉藤菫を伴い、弦巻家の屋敷へと向かっていた。 【琴吹家専用車内】 菫「弦巻家へは約20分程で到着となります、お嬢様、お疲れのようですし、しばらくお休みになられては如何ですか?」 紬「ううん、菫ちゃんが運転してくれるんだもの、いつまでも寝てばかりいられないわ」 紬「……それに、今日は久々にこころちゃんに会えるんですもの、その後は高校時代のみんなにも会えるんだし、もう楽しみで楽しみでっ」 菫「ふふ、お嬢様、本当に楽しみにされていましたよね」 期待感溢れる笑顔を顔全体に浮かべながら、ハンドルを握る菫に紬は言う。 それはまるで遠足前の子供のようで、そんな紬の笑顔に釣られたのか、自然と菫の声も柔らかくなっていた。 しかし、一瞬和らいだその声も、次の言葉を発する頃には真面目なトーンに戻っていた。 菫「ですがお嬢様……浮かれるのもよろしいですが、今日は多くの資産家の方々もお見えになられます、その点、くれぐれもお忘れなきようお願い致します」 紬「はーい、分かってるわ」 どこか寂しげな返事をする紬に対し、菫は運転を止める事もせず、頭の中に詰め込んだ数百に及ぶ来賓のリストを読み上げていく。 菫「本日ご出席される来賓には、ドイツ外交官のダミアン氏にイギリスの不動産王アーサー氏……ロシア政財界のトップ、アレクサンドル氏もいらっしゃいます」 菫「……それと、中国財団の王氏は先日ご子息がご誕生なされたので、ご祝言をお忘れなくお願いします」 紬「ええ、分かったわ」 菫「いずれも琴吹グループとは古い付き合いであり、仕事の上でもビジネスパートナーとして重要な方々ですから……申し訳ありませんが、今回は仕事の一環として参加しているという事も覚えておいて下さい」 紬「ええ……仕方ないけど……一応理解はしてるつもりよ。ありがとうね、菫ちゃん」 社交界の集まり、そこには当然多くの資産家が来賓として招待される。 今や紬の存在は社交界や政財界でも注目されており、そこには当然、紬に一目会おうとする者や、今後の事を踏まえ、琴吹家との友好関係を築こうとする者もいる。 紬としても、旧友との一時を過ごそうという場で仕事や家の事を考えるのは不本意ではあった。が、それが琴吹家の家紋を背負って立つ、『琴吹紬』の立場なのだという事を理解していた。 紬「分かってはいるけど、あーあ、なんかやる気出ないなぁ」 紬がむくれる仕草をする、その評定にやれやれと観念し、菫はそっと一言、紬に囁いた。 菫「……私も頑張るから、少しだけ頑張ろう……ね? お姉ちゃん」 紬「……うんっ」 静かな車内に紬の笑顔が戻り、車は進む。 そして数分後、菫の運転する黒塗りの高級車は、弦巻家の屋敷へと到着していた――。 ――― ―― ― 【弦巻家 庭園】 紬「んんん……やっと着いたわねー」 軽く背伸びをし、紬は周囲を見る。 屋敷の外には既に多くの高級車と共に本日の来賓として招待された資産家の姿も見え、その姿の一つ一つが場の華やかさを一層引き立てていた。 菫「もう既に多くの方が見えられてますね」 紬「ええ、では、早速行きましょうか」 菫を従え、会場となる屋敷のホールへと向かう途中の事だった。 男性「Oh, Tsumugi!」 紬「……? あれは……」 突然、タキシード姿の白人男性が紬に英語で声をかけてきた。 彼が以前、父の付き添いでアメリカに行った際に知り合った男性だという事を思い出し、紬は頭の中を仕事モードに切り替え、応対する。 男性「I am glad to see you after a long time, how is your father doing?」 (久しぶりに会えて嬉しいよ、お父上はお元気ですか?) 本場さながらの流暢な英語だが、決して何を言っているのかが分からない紬ではない。 後ろに控えている菫が通訳に入ろうと男性の前に割って出たが、紬はそれを制止し、英語で返す。 紬「I am happy to see you after a long time, my father is fine」 (久しぶりにお会いできて嬉しいです、父は元気ですよ) 男性「Please tell me that it was good and please come to our company again in the future」 (それは良かった、ぜひまた今後、我が社に来てくださいとお伝え下さい) 紬「Yes, let me know, so let s see you again......」 (はい、お伝えしておきますわ、それではまた……) 男性「Yes see you again」 (ええ、またお会いしましょう) 紬に軽く一礼し、男性は庭園の端、多くの資産家の集まりの中へと入っていく。 男性の姿を見送り、紬は軽くため息をついていた。 紬「びっくりした……彼も招待されていたのね」 菫「そのようですね……先程はすみません、出過ぎた真似をしようとしてしまって」 紬「ううん、通訳を通すよりも、直接お話したほうが向こうも嬉しいと思ったからね」 菫「お嬢様……」 菫(こういうのは私に任せてくれればいいのに……) 紬のこうした人と向き合う姿勢が、昔から公私両面に置いて良い関係を築いているのだろうと菫は思う。 ただ、菫の中に紬への唯一の不満があるとするなれば、お嬢様のサポートにと必死で覚えた外国語を話す機会が、当の紬の前では、ほとんど発揮されない事ぐらいだった。 女性「Hallo Tsumugi」 弦巻家の使用人と挨拶を交わしながら屋敷へと向かうその途中、二度紬に話しかける声が聞こえてくる。 今度はやや年配と見られる女性が、ドイツ語で話をかけていた。 先程同様に思考を仕事に切り替え、紬はドイツ語で言葉を交わす。 紬「Na ja Es ist lange her, ich freue mich, Sie kennenzulernen!」 (まあ! お久しぶりです、お会いできて嬉しいです!) 女性「Gutes Deutsch wie immer, ich bin beeindruckt」 (相変わらず上手なドイツ語ね、感心しちゃうわぁ) 紬「Danke fur das Kompliment」 (お褒めいただき光栄です) 女性「ch lass ihn warten, lass uns wieder Tee trinken, also auf Wiedersehen」 (彼を待たせてるの、またお茶でもしましょう、それじゃあね) 紬「Wir sehen uns wieder」 (またお会いしましょう) そう言い、手を振る女性に向け、紬もまた同じように手を振り、女性を見送る。 それから屋敷へ向かう道中、様々な国の様々な資産家が紬の元に集い、挨拶を続けていた。 それらに対し、紬はフランス語、中国語、ロシア語と、その人の国籍に合わせた言葉で挨拶を交わし、笑顔で言葉を交わす。 ……それから、庭園を抜けて屋敷に辿り着くまでに、既に30分余りの時間が経過していた。 ようやく屋敷に辿り着き、紬はぼやく。 紬「まさか、お友達のお屋敷に着くまでの間に5ヶ国語も話す事になるとはね……」 菫「お嬢様……」 紬(はぁ……早くこころちゃんに会いたいわ……) 恐らく、今日は一日中こんな感じになるのだろうかと……考えれば考えるほど、気が重くなる。 ……でも、こころに会う事ができれば、きっとこの憂鬱とした気持ちも晴れるだろう……と。そう信じ、広い屋敷を歩き続ける……。 紬と菫の2人は、ただひたすらに本日の主催の姿を探し求めていた。 ――― ―― ― 【弦巻家 パーティー会場】 所変わってパーティー会場の別フロア。 そこには、本日の主催である弦巻こころの友人……『ハロー、ハッピーワールド!』のメンバーが集っていた。 美咲「せっかくのテスト休みだから家でのんびりしてたのに……こころってば急にみんなを呼び出して……どうしたんだろ」 花音「おうちの前に大きな車が止まってて……私、びっくりしちゃったよ」 美咲「ウチもです、黒服さんに言われるがままに大きな高級車に乗り込んでたのを母に見られた時、『あんた、一体何やったの?』って心配されましたよ……まぁその誤解は黒服の人達が解いてくれたみたいでしたけど」 花音「大変……だったね、それにしても……ふえぇ……ここにいる人達みんな、すっごいお金持ちみたいだね……」 美咲「ええ、いかにもお金持ちのやるパーティーって感じですね……ほんと、つくづくこころって凄いんだなって思います」 自分達の周囲にいる来賓を見ながら、美咲と花音は口を揃える。 それは一般庶民である美咲や花音から見ても分かるほど、周りにいる来賓の一人ひとりが自分達とは違い、華やかな人生を歩んできているのだと言うことが伝わっていた。 薫「ああ……なんて美しい……これが、本場のパーティー……フフフ、今宵の私のダンスのお相手は、どこにいるんだろうね……」 はぐみ「みーくんみーくん! あっちに大きなケーキがあったよ! あとで食べに行こっ!」 美咲「この2人は相変わらずだし……」 花音「うふふっ、薫さんも、今日は大人っぽくてかっこいいね……」 美咲「まぁ、薫さんの場合、普段からあんな感じですからね……様になってると言うか、舞台慣れしてると言うか……」 花音「うんうん、美咲ちゃんのそのドレスだって、すごく綺麗で似合ってるよ?」 美咲「ありがとうございます、花音さんのそのワンピースも、よく似合ってて、可愛らしいと思いますよ」 薫「ふふふ、はぐみ……かわいいドレスだね、汚さないように気をつけるんだよ」 はぐみ「うん! 薫くんのお洋服も、すごくかっこいいと思うよ!」 黒服に言われるがままに屋敷に来た美咲達は、黒服の用意したパーティー衣装に着替えていた。 皆が皆、普段はまず目にかかれないようなパーティー衣装を着こなし、年相応の女の子らしい反応をしている。 そして、会場の様子が更なる賑わいを見せてきた時だった……。 美咲「しかし、こころってば、一体どこにいるんだろ……」 声「あっ! みんな、来てくれたのね♪」 美咲達の耳に飛び込む、一際明るい声。 振り向くとそこには、美咲達と同様に優雅なドレスを身に纏った、弦巻こころの姿があった。 こころ「ようこそ! 今日はホームパーティーを開いたのよ、みんな楽しんでってちょうだい♪」 はぐみ「こころん、今日ははぐみ達を呼んでくれてありがとうね!」 薫「ふふふっ、こころの素敵な招待に感謝するよ、ありがとう……こころ」 花音「ありがとうこころちゃん、こころちゃんも今日は一段とキレイだねっ」 美咲「それでこころ、一体今日はどうしたってのさ?」 こころ「今日は、ハロー、ハッピーワールド!の事を、私のお友達に紹介しようと思ったのよ♪」 花音「……お友達?」 美咲「まさか、それだけのためにこんな大きなパーティーを開いたっていうの……?」 こころ「そうよ、みんながハロハピの事を知ってくれたら、世界はもっと笑顔になると思うの♪ どう、ステキでしょ?」 美咲「……………ははは、もう、なんでもいいや」 こころのこういう突拍子もない所についていちいち突っ込むのも今更かと、乾いた笑顔でこころの発言を受け入れる美咲だった。 ――それから、4人も次第にパーティー会場の高貴な雰囲気にも慣れていった時のこと。 はぐみ「うんうん、このお肉、すっごくおいしいっ!」 薫「ほら、はぐみ、口元にソースが付いてるよ」 はぐみ「本当だぁ、薫くん、ありがとっ」 美咲「しかし、本当にすごいなぁ……有名政治家に資産家……どこも有名人だらけですね」 花音「ねえ、美咲ちゃん、あそこ見て……」 美咲「あれって……えええ?? う、嘘でしょ?」 花音「あの2人、私、朝のテレビで見たよ……確か、すっごく仲の悪い事で有名な政治家だよね?」 美咲と花音が目を向けた先、そこには、連日のようにテレビを賑わせている有名な2人の政治家がいた。 一人は恰幅の良い初老の白人男性と、もう一人は威圧感のある軍服を身に纏ったアジア系の男性で、互いに啀み合うような表情で双方を睨んでいる。 その後ろに佇む部下と思われる男達も例外ではなく、2人の政治家の間には、見えない火花が散っているように感じられていた。 こころ「私、ちょっと2人とお話してくるわっ♪」 美咲「ちょっ……話してくるって……こころ、待ちなって!……ああもう、こころってば……」 超大物政治家2人を相手に怖気づく様子もなく、こころは2人の元へ向かっていく。その度胸……というよりも空気の読まなさ加減に、美咲の口からは呆れ声が出る。 そして何より、ここで下手に2人を刺激すれば、両国の関係が崩れてしまうのではないかと美咲が危惧した矢先の事だった。 2人の元にこころが駆け寄り、何やら話をしているのが伺える。 美咲「ちょっとこころ、あのバカ何やってんの……?」 花音「なんだか、2人の間に入ってお話してるしてるみたいだけど……」 美咲「ここからじゃ、何を言ってるのか聞こえないですね……」 こころ「~~~~? ~~~! ~~♪」 白人男性「…………」 軍服男性「…………」 こころ「~~~! ~~~♪ ~~~~☆」 白人男性「…………」 軍服男性「…………」 2人の間にこころは立ち、笑顔で話を続けている。 次第に強張っていた顔の2人は、その表情を緩め、互いが互いの顔を優しく見つめていた。 そして……。 白人男性「I was bad...... Would you like to get along well now?」 (私が悪かった……これからも仲良くしてはくれないだろうか?) 軍服男性「I was bad, let s go together and build a good country!」 (私こそ悪かった、共に2人で、良い国を築いて行こう!!) 2人の政治家は言葉を交わし、握手をする……かと思いきや、次に2人は、涙を流しながら熱く肩を抱き合っていた。 美咲「嘘でしょ……あの2人、泣きながら抱き合ってるよ!」 花音「ふえぇぇ……こ、こころちゃん、何を言ったんだろう」 こころ「ドナルドとジョン、ケンカでもしてたのかしら? 会った時からずっと笑顔じゃなかったのよ」 こころ「だから、私が2人を仲直りさせてあげたの♪ これでみんな笑顔になれたわよっ♪」 美咲「こころ、あんたって本当に……」 こころの行動は国際問題どころか、一触即発状態にあった国を和平へと導くことになった。 これをきっかけに後日、犬猿状態にあった両国間に友好条約が締結される事になるのだが、それはまた別の話である――。 ――― ―― ― 7
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わたしは影、真なるわたし…… 死線のフランXIII 種族:吸血鬼 年齢:496歳(外見年齢、17歳) 身長:166cm ご存じ悪魔の妹、フランドールが成長した姿。 美咲?とスポ根な特訓をしているうちに破壊の力を自覚し、自分の意志で制御できるようになった。それに合わせて体の成長が起きたのではないか……とはパチュリーの弁。(レミリアは能力が特異すぎて自覚できないため、永遠に幼い姿) 不安定だった精神は軸の定まったものに成長し、むやみに物を壊すことはしなくなった。ワガママも可愛いものになり、姉よりも数段接しやすいレディと評判である。本当は快活なスポーツ少女なのだが、美咲が去ってからは時折どこか寂しそうな雰囲気を漂わせている。 今までの衣装から一新して、黒くのっぺりとしたロングコートに身を包み、白い仮面を着けている。 宝石のような羽は、能力の覚醒に従って八つの棺桶に変化している。 レーヴァテインと名付けられた細身の赤剣(美咲作)を腰に帯びている。 お姉ちゃん、というのは美咲のこと。レミリアのことはお姉様と呼ぶ。 ステータス 体:21 攻:39 防:27 速:13 体:13 攻:36 防:30 速:21 セリフ 攻撃:わたしは影、真なるわたし…… 回避:その怯みは命取りだよ 防御:わたしは避けられない。だから避けない 会心:見えるよ……あなたの【死】が 勝利:わたしは逃げないよ……お姉ちゃん 敗北:滅びは救いにならない……そうだよね、お姉ちゃん…… 逃走:……また来るよ 。
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SAKURA*BLOOMING PARTY! 花女一年生組によるお花見イベント +... あらすじ 香澄の思い付きでお花見をすることになった花女の一年生メンバーたち。こころの家に各々料理やお菓子を持ち寄り、和気藹々と進行するお花見だったが、ツッコミ気質の有咲は我慢の限界を迎え……!? 特記事項 ・第一話、当然のように美咲と一緒にお花見に参加しようとするこころ 特効メンバー 有咲、こころ、イヴ 開催時期 2017/03/24~ 備考 ・報酬カード奥沢美咲[桜ミッシェル]☆2にて、こころと香澄の類似点に関して言及・後のアプデでこころ+香澄、美咲+有咲のエリア会話とライブ掛け合い、ライブ終了時掛け合いが追加(※イベントストーリーを読むことで解放)
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「井坂・・・」 「どうかしたのかい?秋彦らしくねーぞ。あ、もしかしてまたチビたんのことだろう?」 「・・・・・」 「またあれだろ?チビたんがかまってくれない、だから体に触れようとすると嫌がって逃げられる・・・そんなところだろう?」 「・・・・・・」 「図星かよ」 「はぁ、どうすればいいと思う?」 「それなら俺にいい考えがあるぞ、耳貸しやがれ」 嫉妬 「美咲」 「何?」 「好きだ」 「はいはい。分かったから食器はそこ置いといてよ」 「あぁ、後で井坂が家に来るから」 「あ、井坂さん来るの?それじゃ食べ物でも用意し解かなきゃね」 「それなら俺が用意しとく」 「ありがとう。それじゃ頼んだよ」 ビーンポン 家のチャイムがなる 井坂さんがくる時間だから井坂さんだろう インターホンの画面を覗くと画面いっぱいに写る井坂さんの顔 「あ、来た」 はいはいはい・・・・ そんなことを口走りながら玄関へ掛けていくと後ろからウサギさんも早足で向かってくる ウサギは美咲を抜いて先に玄関にたどり着くと玄関を開けて井坂さんを出迎えた (あんな駆け足でいくほどに会いたかったのかな?前はあんなに中悪そうだったのに・・・) とまぁ、ウサギさんの行動に関してはその程度にしか考えていない美咲だった 否美咲の頭ではそのくらいしか創造が出来ないのかもしれない まぁ、どちらにせよその程度とゆうわけだ 「よぉ、秋彦久しぶりじゃないか!!(嘘、昨日も会っていた)」 「おぉ、久しぶりだな。」 「あれ?秋彦、お前身長伸びたか?」 「そうか?」 「うん、そうだってだって・・・」 そこで言葉を切ると井坂は体をウサギさんに密着するほど近づけて ウサギさんの頭に手を添える -
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Summer Loving ~ある夏の日に~ 42-R2 田口or堀or牧野の元へ 読み終わりましたら、ご返却ください! これはある夏の物語である。 主人公「山野 匠」、そしてその友人である(?)「田嶋 達彦」の物語でございます。 では、ご覧下さい。 ~序章~ キーンコーンカーンコーン 「ふぅ~、終わった~!帰ろうぜ達彦!」 チャイムが鳴ると同時に匠は帰ろうとした。 いつもならそのまま達彦も「帰りにゲーセンでも寄ってこうぜ。」などと言うのだが、今日は勝手が違った。 「・・・・・・お前、それマジで言ってんの?!これから転校生が来るっていう一大ビッグイベントがあるっていうのにか?!」 達彦は匠の肩に手をかけ、回りを確認すると、「転校生ってどんな奴かな?」と転校生に興味を示していた。 それに対し、匠はウザそうに、「・・・・・・どんな奴でも別にいいよ・・・・・・。」と心底どうでもよさそうだった。 「・・・・・・ったく、つれないぜ。俺がこうしてお前の興味を引こうとしてるのに・・・・・・(泣)。」 「どうせお前のことだ、転校生の情報なんて既に全部揃ってるんだろう?」 そう匠はツっこむと達彦は、所在なさげに、 「むっ、いやそうだが・・・・・・匠、お前は夢が無いな・・・・・・。いや、思い出の女の子を追い求めてるから、あると言えるのか?」 「ちっちがうっつーの!あの子はきっといるはずだから・・・・・・。」 そう匠が慌てると達彦はガンマの気配にいち早く気付き、「はいはい、ガンマが来っから戻るわ。自己紹介くらい聞いてやれよ?」と言って席へ戻った。 ガンマこと岸間先生はHRを始めると、転校生に「入って来なさい。」と合図した。 そして、匠は入ってきた転校生達を見てあ然とした。 「真弓と美咲か!?」 その瞬間、 「えっ、たっくん!?」 「・・・・・・信じられない、たっくんだよね!?」と言い、、二人は匠に抱きついてきた。 「たっくん~、会いたかったよ~!!」 「お久しぶりです、たっくん!!」 匠を今にも絞め殺さんとする勢いで抱きついている元気いっぱいなツインテールの子は美咲で、すぐに自分の行動に気付き、恥ずかしさを隠せなくても手を放さないストレートに髪を伸ばしている子は真弓である。 彼女達は双子でもある。また、真弓は姉であるからか、礼儀正しく、美咲は姉に対する信頼があるからか、活発である。 ちなみに匠とは10年程前までは幼馴染であり、両親の仕事の都合でこの川越市を離れ、10年ぶりに戻ってきたのだ。 さて、この双子が抱きついている状況は本来なら匠にとっておいしい状況なのだが・・・・・・ 美咲が匠の首を絞めつけているが故に、匠はそれどころではなかったのだ。残念ながら・・・。 さらに、あまりの出来事にショックを受けたクラス中の奴ら(特に男子)が達彦を中心として、匠のいる状況を許さなかった。 「た~く~み~、てめぇ、ただで済むと思うなよ!ってゆうかさっさと離れやがれ、羨ましい奴め!」と本音を漏らしながら、匠にその怒りをぶつけた。 この後のいざこざはなかなか収まらなかったが、ガンマが「・・・・・・さっさと静かにしろよ!ったくいつまでもくっちゃべってばっかいるんじゃねぇよこのバカ!」と一喝し、騒ぎはおさまった。 自己紹介が終わり、双子の席は匠の両隣になったが、達彦が自分の席の隣りも空いていると主張したが、彼の主張は知り合いの方がいいだろうという理由で空しく散った。 「これからよろしくね♪たっくん。」 「よろしくお願いします、たっくん。」 この波瀾万丈な新しい季節の幕開けに匠は不安を覚えずにはいられない。 ヤローどもは「打倒匠」と一致団結をして、時折「匠殺す。」などとも聞こえ、双子は匠にべったりだからだ。 匠はただ「たっくんって言うな~!」としか言えなかった。 ~第一章~DOKIDOKI×2な勉強会 双子が転校してから二ヶ月が経った。 「色々あったなぁ~。」 匠がそう言うのも無理はない。というのも今、この状況を見ればわかる。 匠の隣りには双子がいるのだった。まぁ、早い話、匠と双子は同棲(同居)生活を送っているのだ。 匠は元々、一人暮らしだったが、実家の母から電話があり、双子と共に住むよう命じられた。 しかも応じない場合は仕送りをやめると脅された。匠もさすがにこの帰宅してからの出来事にはあきれてものも言えず、双子を受け入れるしかなかったのだった。 それからというものの、匠は至れり尽くせりな毎日を送ることとなった。 食事を共に摂り、一緒に登校するのはいいが・・・・・・双子は匠と共に寝、あまつさえ一緒に風呂に入ろうとする始末だった。 そして二ヶ月が経った今、匠は新たな岐路(危機)に立っていた。 追試だ。匠と美咲は期末テストで赤点を取ったため、急遽、達彦・真弓による勉強会が開かれ、夏休み保護が目的だ。達彦曰く、「お前はどうでもいいけど、美咲ちゃんという花がなくなるのはやだからな。」とのことだった。 そうして、勉強会は始まり、真弓は匠を、達彦は美咲を担当することになった。 「まぁ、あいつはああ見えて以外とおくてだから大丈夫だろ。」などと思い、真弓の講義に集中した。 真弓の授業はガンマなんかよりはるかにわかりやすく、匠はどんどん知識を吸収していった。 だが、落とし穴もあった。あまりに真弓の声が心地よかったために寝てしまった。 真弓は「全くもう、たっくんは~・・・・・・。」 とぼやいていたが達彦と美咲が買い出しに行って、今は二人きりだと気付くと、匠の頬に、そっと口付けをした。 匠は夢を見た。真弓がキスをする夢だった。しかし、それは現実だった。匠が気付くことはないが・・・・・・。 そして、勉強会はお開きとなった。 その後、匠も美咲も試験に合格し、補習はなくなった。 ~第二章~悲しみのバラード、明日への喜び 「海だ~~~!!」 達彦が叫んだように、夏休みを利用して海に来た。達彦が提案をし、匠に双子を誘うように言ったのだ。 匠も達彦の迫力に負けて、「かったり~。」などと言いながらも達彦が代金を全部もつというので双子を誘ったのだった。 着替え終わった双子が出て来た。匠も達彦も目を奪われた。美咲はノースリーブの水着で、真弓はビキニだったのだ。 また、双子の反応は、美咲は「あ~、エロい目してる~。」とケラケラ笑い、真弓は「・・・・・・あんまり、見ないで下さ~い。」と心底恥ずかしそうだった。 そうこうして、海を満喫し、夜になった。 真弓が外に立っていた。暗闇の中、月明かりの下、真弓はその長い髪を風にたなびかせていた。 「・・・・・・何か用か?真弓。」 匠が最初に口を開いた。 「置手紙、見たぞ。」 だが、真弓は口を聞かなかった。 「・・・・・・何か言ったらどうだ?」 そう言って匠が真弓のすぐ近くまで来た時、ことは急に起きた。 匠は目を見開いた。あまりの出来事に、何もできず、ただなすがままになった。 なってしまった、ならざるをえなかった。 匠は我に返ると、真弓を引き離した。 「・・・・・・何のつもりだ、真弓!?」 だが、真弓は答えるどころか泣いていた。 「苦しいの・・・・・・。」 真弓はポツリともらした。 「え?」 匠はそう言い返した。 「なんで、なんで気付いてくれないの!?、こんなにも苦しいのに、辛いのに・・・・・・、 最初は側にいてくれるだけでいいと思ってた。でも、違かったの・・・・・・。 こんなにも近くにいるのに遠くに感じるなんて思わなかったから。 もう、駄目なの、切ないの、心が壊れそうなの。だから、さようなら。」 真弓は走り去っていった。匠には引きとめることができなかったのだ。 そして、その愛故に苦しんだ真弓の思いを表すかのように、雨が降り出していた。 そんな匠と真弓のやりとりを達彦と美咲は見ていた。 「・・・・・・お姉ちゃん・・・・・・。」 美咲はただ、ぼやくだけだった。 しかし、達彦は匠の方へ歩いて行き、匠をぶん殴った。 「・・・・・・匠、お前このままでいいのか?違うだろ!?今、お前は何をするべきなんだ!? 真弓さんを追いかけるべきなんじゃないのか!? 今、彼女の心がつぶれそうなら、お前が支えてあげるべきなんじゃないのか!?どうなんだよ、匠!?」 達彦は匠に言い放った。 「・・・・・・そうだな、そうだよな、こうしてる場合じゃなかった!ありがとな達彦!」 そう言って匠は走り出した。 「やれやれ、仕方ない奴だ、でも振られちまったなぁ~。」 達彦は言う。それが自分に対してか、それとも美咲にかはわからない。 美咲も「・・・・・・うん・・・・・・。」と言うだけだった。 匠は走る、真弓を探して、土砂降りの中を。 真弓がいた。 そして、匠は真弓を後ろから抱き締めた。 「・・・・・・真弓・・・・・・、よかったぁ~。」 「え、どっどうして!?」 「どうして私なんか追いかけて来たの!?」 匠は肩で息をしながら、でもしっかりと真弓を抱き締めて言った。 「俺、やっと気付いたんだ、自分の本当の気持ちに。真弓のことが好きなんだ!幼馴染としてじゃない。一人の女として!」 「うっ嘘・・・・・・。」 真弓はとまどいを隠せない。 「嘘じゃない!君がいなくなってから、わかったんだ。君が俺にとってどんなに大切な存在だったか・・・・・・。 返事を聞かせてくれないか?」 「・・・・・・はい、たっくん。」 そう言って真弓は匠に抱きついた。その顔は涙を浮かべながらも真夏の太陽のように笑っていた。 「幸せにして下さい、たっくん!」 「ああ、いつまでもな。」 雨雲から光が差し込む中、二人は誓いのキスをした。 ~第三章~その祝福を手に 夏休みの後、匠と真弓が公認のカップルとなったことが既にクラス中に知られていて、祝福と制裁を受けた。 美咲と豊基はお互いに好き合っているけど今一歩、踏み込めていないようだ。 それでも、うまくやっているから末長くやっていくだろう。 「大切な人を見つけた。一度は手放しかけたけど、もう二度手放さない。」 そう誓い真弓と共に進む匠だった。
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amazonで探す @楽天で #親バカ青春白書 を探す! 日22日テレ 2020.08.02~2020.09.13 8.8% 公式HP wikipedia 前 美食探偵 明智五郎 次 極主夫道 Hulu NETFLIX dTV PrimeVide U-NEXT TVer Paravi GYAO youtube検索 / Pandora検索 / dailymotion検索 / bilibili検索 1 日本一親バカな父・ガタローは、愛娘・さくらが大好き過ぎて同じ大学に入学する事に! 2020/08/02 10.3% 2 畠山がある"秘密"をカミングアウト!想定外の事態にさくらの恋にも新たな局面が訪れるが……!? 2020/08/09 8.5% 3 波乱の文化祭から半年、ガタローたちは無事2年に進級していた。 2020/08/16 8.1% 4 元カレ騒動以来、美咲が小比賀家に転がり込んで2ヶ月。 2020/08/23 8.7% 5 ガタローと美咲、ハタケと寛子、それぞれの仲が気になり心乱されていくさくら。そんな中、根来が大学にも現れず連絡も取れなくなる…。 2020/08/30 8.3% 6 相変わらず美咲が居候を続ける小比賀家に、顔にアザを作った寛子がやってくる。さらに根来やハタケまでも家に押しかけ、冬休み青春シェアハウスがスタート! 2020/09/06 8.2% 7 シェアハウス生活が続く小比賀家で、さくらが豹変!?ガタローをめぐる娘・さくらvs同級生・美咲の水面下のガチバトルが勃発! 2020/09/13 9.2%
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「チィ、しぶとい。一体どんだけ居るのよ。面倒くさいわね」 「ックックック。文句を言うでない。好きなだけ殺していいんじゃ。悪くは無いじゃろ?」 「あんたと一緒にしないでくれ。にしても、完全に殺さなきゃ動きを止めないなんてな」 そう言い合いながら襲いかかる人々を切り刻みまくっている〝レッドキャップ〟〝赤マント〟〝口裂け女〟。 腕や足が無かったり、服が真っ赤に染まっていながらも、人々は攻撃を止まる様子は無い。 腕が無ければ噛付きや蹴りで攻撃し、足が無ければ這い蹲って攻撃してくる。止めをさしてやっと動かなくなるのだ。 さらに、《行き交う人々》にいたっては、暫くすれば傷が治っていくという始末だ。 「ふぅ、流石にしんどいな。けどなあ、ここで止まる訳にはいかねえんだよ」 辛そうにしながらも、《行き交う人々》の契約者は戦いを見続けている。 亡霊たちを戦わせるだけなら良いが傷を治すには相当のエネルギーが必要になる。 だが、《行き交う人々》の発動も傷の回復も止める気は無い。 〝レッドキャップ〟達を攻撃していた軍団が、突然、彼らの動きを止めるように手足に纏わりついてくる。 「何だ!? いきなり!?」 「知らないわよ!? この、離しなさいよ!」 3・4人程度なら、簡単に振り解く事が出来るが、十数人単位で抑えつけに来るのだ。 これによって、3体は動きを制限されてしまう。 「鬱陶しいのお。ん? 何じゃ、この音は?」 そんな中、何かが近付く音が聞こえてくる。それは、エンジン音を轟かせ、猛スピードで3体が居る所に突っ込んでくる。 満足に動けない彼らは、それ……大型トラックを初めとした車の突撃をモロに喰らってしまった。 「ッつ、皆!?」 「大丈夫。素体が無事なら修復可能」 その様子を目撃し、慌てる〝テケテケ〟を淡々となだめる美咲。だが、その顔には薄らと焦りが浮かんでいる。 それによって、出来た隙を狙っていたのか。 パッーンと言う、銃声が聞こえ美咲の腹部に銃弾が命中した。 「ッく――!」 ドサッと、崩れ落ちそうになった体を片手で支え。銃弾の飛んできた方角を見れば、数人の人間が虚ろな表情のまま此方に銃口を向けている。 その全員の指が、引き金を引いた瞬間。 「――――――――危ないんだよねッ!」 大鋏を投げ捨てた〝テケテケ〟が、ズザザァァと、音を上げて移動し美咲を庇う様に壁になった。 美咲の身長の半分程度しかない〝テケテケ〟では、壁になった所で本来それ程の期待は出来ないが、倒れている今ならば問題は無い。 パッーン、パッーン、パッーン、パッーン、パッーン………………… 全員の銃弾が尽きた所で、やっと銃声は鳴り止んだ。と、同時に〝テケテケ〟が倒れる。 「結局、まともに当たったのは最初の一発だけか……。まぁ、当たった事に変わりはねぇな」 銃撃の嵐に気を取られていた間に、近づいていたらしく。美咲が顔をあげたのとほぼ同時に、彼女の首元に、《行き交う人々》の契約者は刃を突き立てる。 呼び出した4体は、全員動けそうにない。その上、あとの2体を呼び出しても、刃が首を裂く方が早いだろう。 「俺達の勝ちだ。最期に何か言う事は有るか?」 「そうですね。実の所、感謝してるんですよ。復讐に来てくれた事を、殺しに来てくれた事を」 「何だ。止めてくれる人を望んでいた、とでも言いたいのか?」 「いえいえ。だって……相手が殺意を持って来たのなら。 ――こっちが、殺しても問題ないでしょ」 クスリと、笑った気がした。 美咲の背後に居る《行き交う人々》の契約者には、彼女の表情は分らない筈だと言うのに。 確かに、確実に。笑ったのを感じた。 それに、なにか嫌な気配を感じ反射的に刃を引いた。 ガキン、と美咲の動脈を切り裂くはずの刃は、何か硬いものに当たったような音を立てる。 血が噴き出す事はおろか、刃に血が付いた様子も無い。 その事態に、必殺となる攻撃が効かなかった事に、《行き交う人々》の契約者は叫びをあげる。 「なっ、何でだ?! 《七人みさき》に契約者の肉体強化の能力は無い筈だろ!?」 「ええ。《七人みさき》にはそんな力は有りませんよ。ズッ、く。 今のは、ッツく。〝硬気功〟です。そして、……これが〝軟気功〟」 傷口を指で広げて、貫通せず体に残っていた弾丸を取り出すながら喋る美咲。 取り出すたところで、淡く光る左手を傷口に当てると、見る見るうちに傷口が治されていく。 「多重契約者? いや、そんな訳はねえ。《七人みさき》の契約コストは相当の筈だ。 多重契約なんて、普通は出来る訳が無い」 「私をいいえ、《七人みさき》を調べたなら知ってる筈ですよね? 【七人みさきに殺された者は七人みさきになる】って話ぐらいはね。 〝レッドキャップ〟達の様に使役するだけじゃ無くて、私自身がその能力を使用する事も出来るんです。 まぁ、無条件って訳でも有りませんけど。そして――」 そう語る美咲の影が、本来の物を残して左右に3つに分かれていき、計7つの影が出来上がる。 新しく現れた影が盛り上がり、それぞれ人の姿と成っていく。具体的にいえば、美咲と同年代の少女の姿へと変わった。 「「「「「「「私達が、《七人みさき》本来の姿です」」」」」」」 それは、《七人みさき》と美咲が契約する際に、元になった亡霊である少女たちの姿だった。 彼女達が現れると同時に、辺りの《百匹目の猿現象》に操られていた群衆がバタバタと倒れていく。 「そしてさ」「《七人みさき》によ」「出会った者はだね」「高熱にですね」「襲われる」「な~んて」「話もありますよ」 髪型が、服装が、性格がそれぞれ違う7人の少女達が交互に喋る。 その内容から、《行き交う人々》の契約者は美咲が他の都市伝説の力を使った理由と、群衆が倒れた原因を理解した。 「殺した都市伝説を取り込んで支配出来る上に、存在するだけで相手を病気にさせるってのか?」 「その通り。とは言え、発病の能力は一般人にしか効果は無いんだけどね」「まぁ、こういう時には便利だけどよ」 「最近は、私達が出てくる機会も無かったからな」「久しぶりに外に出れて嬉しいです」「同感」「ホントにラッキーだよ」 「まぁ。都市伝説が相手だとあまり役に立たないうえ、五月蝿くなるだけですしね」 ブーブー、と文句を言いだす亡霊少女達を美咲はさらりとスル―し、周囲を亡霊で固め始めている《行き交う人々》の契約者に目を向ける。 「彼女達が全員揃わないと、発病の力は使えない上に、人並みの力しかないので取り込んだ都市伝説に戦わせる方が手っ取り早いんですよ。 ともかく、先に貴方の奥さんを潰しときましょうか。〝さとるくん〟居場所を教えて下さい」 「オーケー。……あのビルの最上階に居るみたいだね」 「……っ! させるかぁぁぁぁッ!!!!」 〝さとるくん〟が指を指すビルを見た《行き交う人々》の契約者は、眼の色を変えて亡霊達と共に飛び掛かって来た。 その反応は、自分から〝さとるくん〟の示したビルが正しいと言っているようなものだった。 「〝鬼女〟」 美咲や《七人みさき》を仕留めようとした彼らは、その一言で現れた和服の美女に触れること無く、まとめて吹き飛ばされた。 「大盤振る舞いじゃないか。妾まで呼ぶなんてさ」 「仕方がないでしょう。私を含めた本体や〝さとるくん〟じゃあ攻撃力に欠けるんだから。 ついでに、あのビルも潰して貰おうと。どんな都市伝説かは分かりませんけど、街の人達を操っているのが居るみたいですから」 額に小さな角がある彼女は、〝鬼女〟と言う名の通り鬼の一種である。 ただし、普通の鬼のように他者を圧倒する筋力は持っていない。その変わりに有するのが、多種多様な術式だ。 まぁ、身体強化の術式を修めて居るので殴り合いも出来なくはない。 それ故に彼女は、《七人みさき》に取り込まれている都市伝説で、トップの実力の持ち主と言える存在なのだ。 「成程ね。発動者が死ねば支配が解ける可能性も有るって事かい? そう言う事なら分かったよ」 先程の一撃で気絶した《行き交う人々》の契約者を一瞥し、ビルを見やる〝鬼女〟。その右手には、目に見える程の力が集まっていく。 集まった力は、腕先から肘までを渦巻きながら纏われている。 力の集束が止むと同時に身体ごと右腕を引き、ビルに狙いを定め撃ち出そうとしている。 それを阻もうとしている者は、誰も居ない。 操られた人々は、《七人みさき》の力で倒れ、男性は気絶したままだ。 「っりゃあぁぁぁぁぁぁァァァ!!!!!!!」 その〝鬼女〟の一声と共に、ビルに向かって爆音を響かせながら螺旋を描き放たれた――。 油断していた、と言うべきだろう。 呼び出された都市伝説を全て倒され、《七人みさき》に止めがさされる。 そう思っていた《百匹目の猿現象》の契約者である女性は、提げていた双眼鏡でその様子を見ていた。 夫の刃が防がれたり、少女が増え支配下の群衆が倒れたり、現れた少年によって自分の居る場所を知られた事も解った。 だが、これだけ離れて居れば大丈夫だと思っていた。 「ヒッ」 故に、現れた和服の美女に都市伝説ごと夫が倒され、双眼鏡越しに目が合って、恐怖に包まれる。 だからなのか、もしくはまだ余裕を感じていたのかその場を動きはしなかった。 だが、和服美女の腕に集まって行く力に、不味いと思いビルから去ろうと行動を起こした。が、遅すぎた。契約によっての身体強化が全くない彼女には、逃げる事は叶わなかった。 閃光に包まれて消えゆく中で、《百匹目の猿現象》の契約者が最期に思ったのは、娘の仇を取れなかった無念と夫の無事だった。 気絶から目覚めた《行き交う人々》の契約者が最初に目にしたのは、妻が居るビルが崩れて行く光景だった。 呆然とそれを見て居た彼だったが、段々と眼の前で起こっている事を理解していった。 「な、あ、な、~~~~~~~!!!」 言葉にならない悲鳴を上げ、呆然とする《行き交う人々》の契約者を尻目に美咲達は話し始める。 「うん。相変わらず凄いですね。〝鬼女〟の一撃は、もう二度と敵には回したくないですよ」 「そんなに褒めないでくれよ。で、如何だい? 成果は有ったかい?」 「大丈夫みたいだよ。敵意や殺意みたいなのが周りの人達から感じなくなったから」 〝さとるくん〟の言葉通り、苦しみながらも向けられ続けて居た自分達への害意が無くなった事に成功と判断した。 「んじゃ私達の出番もお仕舞い?」「おいおい。まだ、出たりねぇぞ」「それは、同感だな」 「えと、私は別に……」「素直に」「遊びた~い。転がってる奴らで遊びた~い!」 群衆を抑えるために呼び出された《七人みさき》の本体たちが口々に文句を言ってくるが、美咲は呆れたように溜息を吐いて言った。 「何を言ってるんですか。抵抗するのを分ってて、戻す訳がないでしょう。倒れてる人達への止めお願いしますよ」 「「「イェーイ!!!」」」「「よし!」」「やった」 そこら中に落ちている武器を手に、苦しんでいる人々に襲い掛かる少女達。 発病の力によって満足に反抗もできずに、群衆は確実に殺されていく。 何が起こっているのか? 自分達が先程まで何をしていたのか? そんな疑問を抱えたままに殺されていく。 「「「アハ、アハハハハハハ!!!!!」」」「「クス、クスクスクス!!!」」「フ、フフフフ!!!」 殺しまわる少女達の笑い声に、男性は気を取り直した。 「止めろ! 支配が解けたのならこの人達は関係無いだろう?!」 周りの出来ごとに焦って、《行き交う人々》を再び展開し、亡霊少女達を止めさせようとする。 「言ったでしょう。殺意には殺意で返すと、操られていようと何だろうと。いえ、私達に遭遇した時点で変わりはありません」 「そう言う事。《七人みさき》に、僕達に出会った時点でこの人達が死ぬのは確定してるんだよ」 それを遮るように美咲と〝さとるくん〟が語り、 「そもそも、捨て駒だったんだろう? 今更何言ってるんだい」 阻むように〝鬼女〟が彼らの前に立つ。 「それは……ッ!」 「反論なんかしなくて良いよ。それじゃ、僕は戻らせてもらって良いかな? する事も無いみたいだし」 「そうですね。良いですよ、戻ってて下さい」 〝さとるくん〟が消えても、《行き交う人々》の契約者に余裕は生まれない。 そもそも、敵戦力として数えて居なかったのだ。居なくなっても変わりは無い。 警戒しているのは〝鬼女〟と呼ばれた眼の前の女性だ。 先程、都市伝説ごとまとめて吹き飛ばされたのだから当然だろう。 「ついでに、他の皆も回収しておきますか。何時までも、倒れたままで居られても困りますし」 倒れていた〝テケテケ〟と車の群れに潰されていた3体の都市伝説も〝さとるくん〟と同様に美咲の中に戻っていく。 その最中も人々を殺し尽していた少女達は、満足したのか飽きたのか美咲の傍に寄って来た。 もう既に、その場に居たほぼ全ての人間が息絶え。残りの全員も、呼吸を荒くしたり血を吐いたりとかなり衰弱している。 ヤバイ、その一言が、今の《行き交う人々》の契約者の頭を占めている。 自分達の力だけでは〝鬼女〟を倒す事が出来ず、自分達に仲間が居る訳でもない。 だからこそ、この状況を打破するため、〝鬼女〟よりも先に美咲や少女達に矛先を向けて襲いかかろうとし、 「判断としては、間違っちゃいないね。けどまぁ、させる訳が無いけどね。土式――」 辛うじて息の合った群衆とまとめて、地面から突き出た石の槍にその身を貫かれた。 「ガ……ッハ!!」 「操技っとね」 「カハッ。ぐ、そっ。ヒューヒュー」 〝鬼女〟が創りだした槍に穿たれ、倒れていた全ての人間は止めを刺され、命を落としていった。 そんな中で《行き交う人々》の契約者である男性だけは微かだが息が有った。 しかし、すでに都市伝説を維持する力は無いようだ。 その様子に、何かを思いついたような表情を見せる美咲。 集まっていた亡霊少女達に何かを告げて、彼女達もそれに賛同する。 「その傷だと、もう長くは無いみたいですね。最期の手向けとして良い物を見せてあげますね」 「良、イ物? な、んノ、事だ」 「秘密だよ~。美咲っち、こっちは良いよ」 「それじゃあ、初めますか。これだけ居ると、私だけじゃ大変ですからね。」 7人が手を掲げると、死んだ人たちの体から人魂と呼べる様な光の球が出て来る。それは、吸い込まれるように《七人みさき》の手に向かっていく。 無数の光球が湧き出る様子は、とても綺麗で幻想的な光景であり。確かに美咲の言った通り、良い物と呼べるかもしれない。 だが、それも光球の正体が何なのか知らないから感じられる事だろう。 「綺麗よね。これが所謂、命の輝きってヤツなのかしらね」 「言い得て妙だな、命の輝きとは。確かに、その通りだ」 この光球は、知識や経験・能力と言った物が凝縮されたモノの塊であり、その人の生きた証と言っても良い。 《七人みさき》に殺されている事を条件に、人間や都市伝説に関係なく人型の存在にのみ現れる。 これを吸収する事によって、別の都市伝説を《七人みさき》に取り込むことが出来るのだ。 「い~っぱい集まったね。これだけ有れば、今日の分は大丈夫かな?」 「大丈夫どころかお釣りが来る位ですね。あなた達や〝鬼女〟も出したのに、消費分以上が集まりました。」 また、都市伝説を使うために必要なエネルギーの代わりにも出来る。 ただし、消費した分は決して戻らず、都市伝説や契約者の方がエネルギーが多い。 この機能によって、美咲は都市伝説に取り込まれる事無く、ギリギリのラインで人間としての自分を保っているのだ。 薄れゆく意識の中で、その様子を見ながら《行き交う人々》の契約者は、自分達の復讐が失敗した事を理解した。 いや、余計に力を蓄えさせてしまった分、逆効果だったとしか言いようが無いのかもしれない。 そもそも、前提から間違っていたのだ。《七人みさき》を相手に、物量戦で戦おうとした事が。 それを理解したのかは分らないが、悔しさと無念さを感じながら彼は、息を引き取った。 「うっし、全部集まったみてぇだな」 「そ、そうですね。あ、あれ? 〝鬼女〟さんは何処に」 「ええと。やる事やったから戻るって言って、戻りましたよ」 「私達も戻る」 「あぁ。そろそろ、移動しないと不味いかもしれん。戻るとしよう」 「むぅ~。しょ~がないか」 そう言うと、出て来た時とは反対に、亡霊少女達の体は影に沈んでいき。6つの影は美咲の影へと合わさった。 残ったのは、無数の死体とたった1人の少女の姿。その少女……美咲は急ぐ様子も無く、のんびりと街を去っていく。 「うわ?! 何じゃこりゃ……」 「辺り一面、死体だらけですねぇ……」 美咲が離れてから十数分後程で、入れ違いになるように黒服と女性の2人がやって来た。 彼らは、一番近くに居た事とその能力の関係から、組織がこの街から観測した都市伝説の調査を命じられたのだ。 それでやって来た現場は、死体だらけ。組織の人間として、それなりに人の死は見て来た2人も唖然としている。 「取り合えず、この街封鎖しとくべきか」 黒服が携帯で本部に連絡し、現場の状況を報告し街の封鎖を依頼する。 組織の方も、報告の内容から隠蔽が難しく時間がかかると判断し封鎖を決定したようだ。 「取り合えず。調べてみましょうか、危険は無いって私の《女の勘》が言ってますしぃ」 黒服の電話の間に、気を取り直していたらしい女性がそう告げる。 彼女は、女性限定の都市伝説である《女の勘》の契約者だ。その的中率は90%とかなり高い。 「だな。そんで、誰を調べれば良いんだ。教えてくれ」 「ええと、ですね。…………あ、あの人ですねぇ」 「アイツだな。んじゃま、調べるとしますかな」 女性が示した死体へ向かう黒服。 その死体は、他の幾つかと同じく地面からの槍によって体を貫かれている。 それは、《行き交う人々》と契約していた男性だった。 「さぁて、教えてくれ《残留思念》。此処で、何が起きたのかを」 《行き交う人々》の契約者の死体に手を当てて、黒服は都市伝説の力を発動させた。
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2005年?月?日 ナツノヒトトキ(戸田) 羊が丘で撮影。基本婆さんの一人芝居で進行。羊の群れに話しかける。 羊の群れにたどり着く。 アキラ「…美咲!」 羊 「アキラ?」 アキラ「ごめん俺…勝手に牧場の草食って荒野にして…」 羊(出来れば草を口に含んでる姿を撮影) 「違うよ、だって、だって、研発が…」 アキラ「…え?」 羊 「…あ」 アキラ「研発って何?」 羊 「えっとー……これ!!」 アキラ「『遠い音ほどよくR-18』…?お前、これ気にしてたのかよ」 羊 「(こくり)…ごめんね…」 アキラ「謝るのは俺だって」 羊 「違うよ私が…」 アキラ「俺だって」 羊 「私が…」 アキラ、羊に草(それらしきものを作成)を渡す アキラ「ま、お互い様だよな」 美咲 「…そだね」 アキラ「…じゃぁ…行くか!」 美咲 「…え?どこ行くの?」 アキラ「クラーク博士よりもっといいとこ!」
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https //ja.wikipedia.org/wiki/無人駅_(岩佐美咲の曲) https //48pedia.org/岩佐美咲
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友達 『美咲 Mind☆Blossom』 | シンガーソングライター 美咲のオフィシャルサイトです 旅行 ダミー | ああああああ 食 ダミー | ああああああ そのほか ダミー | ああああああ Raum 川田龍平公式ページ