約 29,006 件
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/817.html
2020年総評案2 大賞 天冥のコンキスタ 【2020】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所 https //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58649/1613181301/ 32: 一般1 :2021/03/03(水) 19 14 05 ID ???0 クソゲーをプレイして、一体何が得られるだろうか。 2019年のKOTYeは、闇の堕天使『崩壊天使アストレイア』の勝利によって幕を閉じた。 どこまでも広がるバグ、ストレスフルなゲーム性、トドメに根幹たるカードバトル要素を省略しプレイヤーの苦労を水泡に帰する醜怪さ。 終わりなき地獄をユーザーにこれでもかと見せつけ、その年のトレンドを全て内包したその姿もまた、王者と呼ぶに相応しい貫禄であっただろう。 だが、いかに人を苦しめればKOTYeの戴冠を得られるかというと、それは違う。 何故なら、住民は、歴戦のHentai Hunter達は、負けない、くじけない、何度でも蘇るゾンビ集団だからだ。 今なお圧倒的な過去の王者に脳髄を犯され感覚が麻痺しようとも、彼らは自らの手でクソゲーを掴み取り、選評を書き上げ、悲しみを笑いへと変える「希望」を探求するのである。 果たして、彼らが行く道の先に見えるものは、闇か、はたまた光か……。未曽有のパンデミックで世界中が大混乱に陥る中、今年も「クソゲーとは何か」を考察する一年が始まる。 今年のKOTYeは、静かな立ち上がりをみせた。 1月に登場した『神様のしっぽ ~干支神さまたちの恩返し~』は、総勢12名のヒロインを起用したがために、立ち絵差分皆無や個別ルートへの道が各キャラ全員のフラグブレイク、 公平性を欠く個別ルートの作り込みで不興を買う結果となるが、作品自体は褒めるところもあり大きな混乱にはならなかった。 しかし修羅の国において、所詮平穏は戦争の下準備に過ぎない。 ここから怒涛の闇のカーニバルが開幕する。 2月に登場したのは、前年『ギルドマスター』を次点入りさせたアストロノーツ・シリウスの『絶対女帝都市~叛逆の男・カムイ~』が黒いバイクに跨って登場した。 今回は奇跡的に致命的なバグはない。が、本作で褒められる点はそこだけである。 何より問題なのが、『ギルドマスター』で散々言われていたSLG&ADVパートの薄さが、治ってない。 まずSLGパートだが、制圧した地域に隣接した拠点をクリックすることでそこを制圧できる。 白なら何もなし、赤なら戦闘、「!」ならヒロインとのイベントが行われるといった具合だ。 しかしそのクリックは適当にやってもほぼ大丈夫で、ゲームオーバーの基準になっているPHASEも基本高めに設定されているため気にする必要はなく、面白みも何もない。 一応赤の拠点を制圧する際には戦闘力という数値で勝敗が決まるのだが、 こちらも事前に捕えたヒロインとの基地イベントを見たりしていれば「はいはい、戦闘ね()」といった具合でほぼ負けることはない。 終盤になると一本道+全マスが「!」という思いついた者を切り捨て御免にしたくなるような構成で非常に煩わしく、 いちいちマップに戻ってクリックする作業すらうざったく感じてしまう。選評者からも「不要」とバッサリ切り捨てられる有様だ。 次にADVパート。本編はボイスのない男主体であり、捕らえたヒロインも基本フェードアウトするため男にしか感情移入できないという困った仕様である。 他にも基本一戦目は勝負流れになることが多いのに、「せっかく捕まえたり優勢だったのに考え事をしてたら逃げられた」「逆レイプされた」というシュールな展開もあり、 おまえは本当に女性支配の国から男を解放したいんかいと突っ込みを起こしたくなる。 ヒロイン間の格差も酷く、回想でHシーンが7つある者が大半なのに2、3つしかないヒロインがいたり、7つ中3つは主人公が幻覚で見た他ヒロインとのシーンといったものもある。 一応Hシーンの尺はそれなりに長めなのだが、スキップが遅い、ジャンプできない、見ないと本編進められないと地味にイライラを募らせるストレス因子と化している。 何より一番問題なのが、ラストは怒涛の急展開の連続の中、俺たちの戦いはこれからだ! で終わることだろう。勿論メーカーサイドの続編の予定は今のところない。 この全編通してイライラさせる薄さと作り込み、ジャンプの打ち切りエンドで終わりという「終わり駄目なら全て悪し」を体現した展開は、流石次点排出者の実力通りといったところか。 JADEの『LOVE・デスティネーション』はジャンルからして「死に戻れた2周目でモテモテライフを夢見たら、そこは全員バッドエンドのハーレムルートだったADV」という、 おバカ路線を行くADVなのか? と思うかもしれないがそれは間違いである。 いや、正しくはあるのだが、それではこのゲームの魅力を半分も伝えていない。 正しくは「何の愛着もわかない電波ヒロインのうち誰かを選択し支離滅裂なシナリオや素晴らしい日本語と戦いながら何とか正気を保つのが目的のADV」だ。 まずシステム面で問題なのが、やたら目につくふりがなと強調点だらけの文章だ。明らかにふりがな前提の文章になっているのだが、必要のない強調点と相成って非常に鬱陶しい。 その上バックログではふりがなが表示されない為、ひとたびクリックミスしてログを開くと奇怪な日本語と対面し、何が起きているのかさっぱり理解不能になる。 他にも、必要のない記号や()、漢字をカタカナで使う、♂♀を使いまくるなど痛々しく、「間違った誤訳日本語学習ドリル」とすら呼ばれてしまう。 そして肝心の内容は、超展開の暴風雪だ。冒頭からして、全ての権力を握ってやりたい放題している総理大臣に全国民が振り回される中、 結婚式の帰りにトラックに轢かれた際に、ムシャクシャしていた天の声に主人公の漢字の読み間違いで体を木っ端微塵にされる運命を手違いで与えられてしまい、 その不祥事を隠すため主人公の運命が変わる瞬間の過去に精神ごと送って数合わせする、といったもの。 これだけでもう頭が痛くなること必死なのだが、共通ルートはともかく、個別ルートは更なる地獄である。 従姉妹とレズルートは、入手していたHな動画で二人を脅して調教。それがバレて学園から去るつもりだったが、スーパー両親が総理の不祥事の証拠を搔き集めてすべて解決。 学園長の姉妹ルートは、トラウマを抱えた妹に一服盛られて犯されたり刺されたりしつつ、親なら娘を守れと義父の学園長を糾弾した矢先、スーパー両親が総理相手にテロを起こし解決。 隣の娘と親友ルートは、拉致監禁から始まり実は親友がふたなりであることが発覚。その後も絞られたり拉致られたりしながら最後は親が問題を解決しアブノーマルな生活を送って終わり。 幽体離脱少女ルートは、少女が友人の体を乗っ取ったりしながら主人公と楽しく生活していたが、いきなり総理に脅され命を狙われる、と思ったら天の声の手違いでまた殺されてしまう、 と思ったらまた生き返り、結局スーパー両親が活躍して総理は逮捕、と思ったら天の声にまた間違って殺されたが、奇跡が起きてなんやかんやあってハッピーエンド。以上。 ご覧の通り、主人公は基本的に事流れ主義(誤植に非ず)で殆ど自分から動かず、基本両親やヒロインの親が物事を全て解決して終わりというワンパターン展開である。 なお、主人公は己にブーメランを何度も刺しながら、敵対した大人を自身の立場を棚に上げ精神攻撃するお茶目さんであることも追記しておく。 プレイしたスレ住民曰く、「(全キャラが)一字一句喋るな考えるなと思った作品はチーズ以来」と言うほどのアレっぷりに、本作を知った住民たちも思わず「むう」と唸るのであった。 3月に登場したのは、ベテラン工兵・戯画の『ジンキ・リザレクション』である。 『ジンキ』といえばかつて戯画の看板とも言える原作モノの1つだったが、前作が発売されたのは2010年。それから時が流れ今は令和2年。 もはや「何それ?」「そんなものあったっけ?」と冷たくあしらわれてしまいかねない新作である。 ジャンルとしては王道のコマンド選択式ADVだが、システムが非常によろしくない。 本作の「デートシステム」は見目麗しきヒロイン3名の中から攻略対象を選び、親交を深めていくわけだが、 それぞれのキャラクターには好感度と操縦練度というステータスが初期値で振り分けられている。 だが、これを把握できるのは最初のみでその後は一切表示されず、各ステータスがシナリオの分岐フラグになっているのに、ヒントは何もなし。 放り出された町中で1日約4回の行動を起こし、先へ進むにはそれぞれのタイミングで特定の服装、特定のシナリオを読むなどが必要になり、これがおよそ一か月続くのである。 そういった結果が何を生み出すのか? 答えは「大量のバッドエンドを回収しつつ兎に角死亡フラグを回避しながら先へ進むしかない」という、極めて面白みのないものになっている。 内部ステータスが視認できないまま、シビアな条件下で特定のイベントを見なければいけないので攻略は困難。下手すれば詰みが確定したりするのはご愛敬である。 なお、特定のポイントを何度もループして全く同じシナリオを見たり、ストーリーでは入院しているはずの人物に街中で会ったりとフラグ管理も微妙だ。 シナリオもお世辞にも良いとは言えず、原作を知っていること前提な割には、知らない?なら勝手に個人で保管しろ的な投げやりな部分も多く、読み手はただ置いてきぼりなまま進んでいく。 満を持してリザレクションした結果がこれでは、原作者とそのファンはさぞ報われないことだろう。 3月にはもう一本、堅実な作品作りとバグ祭りに定評のあるninetailの『創神のアルスマグナ』もエントリー。 本作は発売当初、バグ祭りが起きたがパッチによって無事安定版になったので許せるものとする。グラフィックは美しく、戦闘システムも悪くない。 ストーリーは普通につまらなく、ADVパートが長すぎてRPGパートに行くまでにうんざりしてしまい、没入感を別の形で補充しなければやってられないレベルである。 主人公も学生故か精神的な成長がないうじうじ系であり、しょっちゅう自問自答モードに入っては仲間を危険に晒したり、重要なシーンで時間を無駄にする。 ただこの辺りはまだスキップ機能を使えば問題ないので、RPGを楽しみたい人にはまだ許せる範囲であろう。 問題はアイテム集めにあった。本作は「クレスト」というアクセのようなものをキャラに装着することでキャラを強化できるのだが、これが全部で286種類。 ゴミみたいな性能な物もあれば、ひとつで戦況を覆せる強クレストも存在する。しかしクレストの大半は3Dマップのクレストマスまたは戦闘後ドロップであり、 パーティ強化の為に優秀なクレストを入手する必要がある。 実際に入手するまで優秀かゴミかはわからない。 クリアしたマップに再挑戦はできない。敵出現マスも1戦闘で消える。 今相手にしている敵が今後も出現するかはわからない(特定マス固定の敵もいる)。 その結果がどういう問題を引き起こすのか、答えは大体予想がつくだろう。 すなわちセーブ&ロード、セーブ&ロード、セーブ&ロードの数をかぞえろぉ! というひたすら面倒くさいクレスト収集ゲーに終始してしまっている。 こうなればもはやゲーム性は皆無。ただのセーブ&ロード作業アプリというか、周回を強要するソシャゲの様になってしまったのは残念この上ない。 一応クリア後のフリークエストで優秀なクレストはほぼ手に入るのだが、何故それを本編でやらないのか、と誰もが思っただろう。 春の終わり頃にはあかべぇそふとすりぃの『墓多DYINGZOMBIES ~Second Chance for BEAUTIFUL LIVE~』もオンステージ。 マフィアがゾンビを利用するのが当たり前な墓多を舞台にしたゾンビのアイドルものというどこかで見たような設定のニッチアイドルものである。 ヒロイン勢も、血液がワイン、ライブ中に銃弾をぶっ放す狂人、体がシリコンでオナホで補強すれば傷も治ると一応属性っぽい属性を付けようという努力だけは認めるが、 全体的に張り子の虎である。そもそもシナリオを見れば、身体を銃弾の肉盾にしたり客から手榴弾をかばったりする行動からアイドルとして認められるという、 どこがアイドルものかいなと思える突っ込みどころ満載で、個別シナリオもダイジェストを多々使っており、一夜でマフィアの総本山が壊滅したりと極めて杜撰。 バカゲーとして見ればそれなりに価値があるものの、肝心のアイドル達はスレ住民から「似てないコスプレAVの様」だと失笑された。 そんな中、作中の『癒し』を担当したのがドルオタニートのマイケル君だ。このマイケル君、その名の通りただのドルオタなのだが、 特定ルートではマフィア遊撃部隊に参加しマフィアの戦力を大幅に削る大活躍を見せたり、ヒロインを救うべくスナイプを行う際、自分の頭を台座にしてくれと申し出るのだが、 その際にズラが取れツルピカハゲが露出して笑いを取ってくれたりと完全にヒロイン勢から個性を奪っている。 彼の活躍なくして本作のクソゲー度合いは若干緩和されたと言っても過言ではないだろう。 ensembleの『Secret Agent~騎士学園の忍びなるもの~』は「騎士」と付いてる時点で破綻が確定していた問題作だ。 舞台となる冬華学園には学園運営を行う「騎士団」があり、騎士団は年間500万もの学費を徴収しているのに、 運営は慢性的な赤字、人材不足、一部の者の特権乱用、不要な部署だらけとぐっだぐだ。 学生のデモ活動は各ルートで盛んであり、学生側も騎士側も力で制圧する流れにもっていこうとしては、主人公の周りの人物に抑えられるとこれまたぐっだぐだ。 共通ルートでも穏便に済ませようとする騎士側に対して、敵サイドにそそのかされた学生側はクーデターを起こそうとしたり爆弾テロを起こそうとしたりと全編ぐだり倒している。 そして主人公は忍者なのに全然忍んでない。夕方に忍び込んでは一般人に見つかり、夜に忍び込んでは教師に見つかり、 ヒロインの父親を守るためにクナイを投げた後平然と表に出たりする。 他にも女とまともに喋れなかったり、AIのお世話になりっぱなしだったり、ひったくりを追いかけては見失うなど無能ぶりをこれでもかと見せつけてくれる。 ヒロインも大概で、将来設計が決められていて自由がないと言いながら何の葛藤も抱かず主人公と交際したり、主人公と淫らな行為をしたと噂を立てられているのに決闘場でHしたり、 許嫁がいるのに平気で付き合ったかと思えば海外留学に行ってしまったり、なぜかトゥルーでは全員と付き合っている流れになっているらしいと、まるでよく分からない。 やはりKOTYeにおいて、「騎士」、それも「忍び」の合わせ技となれば、地雷に行きつく結果は当然の帰結ではないだろうか。 『メガスキ! ~彼女と僕の眼鏡事情~ 伊波乙葉編』は眼鏡っ娘をフィーチャーした980円と安価なメガスキ!シリーズ3作品目なのだが、中身は値段相応ですらなかった。 まず、本作はヒロイン伊波乙葉に問題点があり過ぎる。彼女は、主人公に過去に眼鏡を拾ってもらっただけで惚れて学校を調べて入学し、 主人公の過去の行動をすべて調べて手持ちのタブレットに記録をしていて付き合い始めていきなりお外でおっぱじめる。 他にも自分のアピールにパワポで淡々と説明しだしたり、メールを3桁送ってきたり、情事の回数をカウントして記録するなど完全にただのヤンデレビッチストーカーになっている。 加えて主人公の性格もかなり気持ち悪い。乙葉の胸が頬に当たっただけでエアバッグのようだとかタピオカチャレンジだとかを考えつつオナネタにしたことを一人で勝手に正座して謝ったり、 後輩をデッサンにしてポーズが安定しないからとポーズも何も無しに椅子に縛り付けるなどとても正常な頭とは言い難い。 これで、CG6つ・Hシーン4つと非常に少なく、上述の頭のおかしさも含め抜きゲーとして完全に失格である。 王道の眼鏡っ娘の作りにしておけばいいものを、属性を無駄に盛って台無しにした結果がこれではごらんの有様もいいところだろう。 7月にはプラリネの『彼女がアイツで、俺はだれ!?』が購入者に供養をされるためやってきた。 本作は所轄転生ヒロインものであり、織田信長や明智光秀の末裔の花魁などが生まれ変わって主人公にアプローチをかけてくるのだが、主人公は最後まで前世の記憶を思い出さない。 そこまではまあ、オナホを「変な女子と将来性のない交際をするより、時間とお金の節約ができて効率的だよな!」と絶賛するあほたれなので許せるのだが、 本当の問題はシナリオにおける豆知識の羅列にあった。それもとにかく生活、政治、健康、機器類など、とにかく色んな所からググったようなネタを無造作に引っ張ってきており、 テキスト内に片っ端から挿入しているのだ。その全てはエロゲにおいてよくある食レポなみに「いらない」ものばかり。というか、「いらない」ものしかない。 なお、Hシーンも問題があり、主人公は設定では鍛えていて健康的となっているのだが、実際は腹はぷよっていて太ももも無駄に太く、それに加えて14シーン中5つしか本番がなかったり、 初穴が尻だったり、特徴もないシーン後のただの会話を数に入れていたり、何故か赤ちゃんプレイが多かったりと質自体もとても褒められた内容ではない。 大量に湧き出る豆知識の羅列をヒロイン達に称賛されたがっている辺りはライターの承認要求だと思うのだが、それがどれだけ気持ち悪いか、ライターは分かっているのだろうか……。 季節が夏から秋に差し掛かるころ、どこかで見たような異臭漂うゲームが現れた。その名は、SAGA PLANETSの『かけぬけ★青春スパーキング!』。 本作はかつて「笑い所のないチャージマン研」とまで言われた「カルマルカ・サークル」と製作スタッフが共通ということで、発売前からきな臭い空気を漂わせていた。 いざ蓋を開けてみると、中身スカスカ無味乾燥、キャラはブレブレ個性皆無のテンプレしか出来ない「青春部」の活動が延々と続き、プレイヤーの進める意欲をガリガリ削っていく代物だった。 主人公は「ツレェ」が口癖のバイトマンなのだが、特定ルートでは自らバイト量を大幅に減らしたり、叔母との確執から使わないと決めていた小切手をさも当たり前のように使う。 さらに幼馴染に至っては、バイトで苦しい主人公を終始振り回す迷惑女としか描かれていない。 当然他ヒロインも統一出来ておらず、性格や反応もルート次第で別人のように変わり、一部のシナリオでは全く正反対の意見を出したり、メタ発言を使って世界観をぶち壊す始末。 この描写不足、ありきたり過ぎる展開、矛盾するキャラの三拍子に購入者はあきれ顔。 スレ住民からは「何回全スキップしようとしたかわからん」「最初のヒロイン5分でやる気が根こそぎ奪われた」と罵られ、 選評者には、「カルマルカはキャラシナリオとしては個人的にはありなのだが、この作品だけは擁護しようもない」とまで言われてしまった。つまりカルマルカ>青スパということだ。 メーカーにはまた頑張ってハッピー&スマイルなゲームを作ってほしいものである。 おうちじかんのHoney*Honey*Honey!は今流行りのソーシャルディスタンスをシナリオに盛り込んだ迷作だ。 男女接近法なる法律が作られ、男女間は2m離れて生活するのが当たり前になった社会で起きるドタバタバカゲーを目指したのだろうが、全体的に描写しきれていない。 社会では結婚していても別居を強要させたりするのに、反対派が学校中を爆破しようが(本当に爆破される)追及もあまりされず、主人公とヒロインがくっついていようがお咎めはない。 学校には恋愛監査部が存在し、男女の付き合いの認可審査を任されているのだが、幽霊部員がなんと300人。どう見ても機能不全である。 社会間では必ず2m離れて会話することの半義務付けと言いつつも学校と同じように曖昧な描写が多く全体的にあやふやで中にはビッチまでいる始末。 スワン系列作品程ではないが、何とか話の辻褄ぐらいは合わせてほしいものである。というか、この設定で共学なのは無理があるだろう。 個別ルートは付き合った→Hシーン連打!→色々あって問題解決→ENDと非常に雑。テンプレとエロしかない上にシナリオが空気では救いようもない。 なお、本作の売り文句は「いつでもどこでも一緒にいたい! 好意全開で迫りくるヒロインたちとの恋の駆け引き! 好きな気持ちが抑えられないヒロインたちと繰り広げる正統派学園恋愛アドベンチャー」なのだが、本作を遊べばそんなものは何処にもないことが一発で丸分かりである。 なお、これはレアケースかもしれないが、本作のHシーンにはBGMが存在しない。音楽なしの中声優があんあん喘いでいるのを聞くのはある種のギャグかもしれない。 秋本番、木枯らし舞い散る季節になると、一度は埋められたクソゲーが墓からリビングデッドする怪現象がKOTYeを支配した。 まずは、好きな男に告白する勇気がないからパパ活する、という意味が分からない冒頭から始まり、公式HPで「ムッツリスケベ」と書かれているヒロインが初日からキスや手コキを始める、 ロープライスでありながら575MBという低容量、清々しいまでのタイトル詐欺と予期せぬNTRを放り込んだ『スケベな処女のつくりかた』が登場。 更に『Hではじめた絶品バーガー ~え?ご注文はおっぱいですか~』も店に並ぶ。 潰れる寸前のハンバーガーショップなのに、主人公が住み込みで雇われるという無理がある設定、 顔が怖くてコミュ障拗らせた主人公が営業スマイルする度に客が逃げるという心折展開もさることながら、 モブスタッフの方がヒロイン勢より圧倒的に演技力が上手いというのもポイントが高い。 CG等にも問題があり、風が吹くだけで普段履いている黒タイツが消滅したり、太ももに挿入しているように見えるHシーンなどとても良質とはいえない。 これで容量500MB以下であり、UIに至ってはバックログすら実装されていない骨董品である。 店名がバーガークイーンなだけに、「バーガーキ〇グ」への熱い風評被害を感じさせる一本だった。 選評ラッシュはまだ続く。 次に現れたのは『天冥のコンキスタ』。RPGエロゲで知られるエウシュリーからまさかの参戦である。 エウシュリーといえば、「エウ作品にシナリオなんていらねえわ」「じゃあなくすわ」「本当になくしてどないすんねん!」という掛け合いでお馴染みだが、 今回は盛大にやらかしてしまった。一応あらすじとしては、天使と魔族が長きに渡って戦いを繰り広げていた大陸に、魔力を用いて他者を支配することができる睡魔の力を持つ人間の主人公が、 新興勢力として魔族の王となるべく天使軍を殲滅すべく戦いに身を投じる、というもの。あらすじだけを見れば面白そうではなるのだが、中身は見事なまでに薄っぺらであった。 序盤はひたすら雑魚を殺さずに捕まえて戦力強化の流れが延々と続き、ストーリーへの没入感は皆無に等しい。 更にその単調なパートを終わらせ、ボスクラスの敵と対峙し無事勝っても捕獲しない限りご褒美エロはないので強敵を倒したという印象がまるでない。 しかもストーリーの最後は俺たちの戦いはこれからだ! で締められる。 主人公の体や過去などは一切判明しないまま投げ捨てられて終わるのである。 基本ヒロイン達も全員任意加入でシナリオにはほぼ絡まないため即席モブと扱いは変わらず、主人公も策士を気取っているが基本ゴリ押しが大好きなためご都合主義が吹き荒れている。 そんな主人公を持ち上げるべく味方は周囲の情報を的確に持ってくるほど出来るキャラなのだが、当の本人は相手を煽って余計な危険にその身をさらす阿呆だから始末に負えない。 RPGパートでは、基本前述の雑魚を殺さずに兎に角捕獲していくことが前提になっている。やってる事はまさに山賊である。 育成やその他諸々全てに使われる「儀式ポイント」はキャラを生贄にしたりミッションクリアポイントで溜めていくのだが、これも融通が利かない。 儀式ポイントを消費してユニットを召喚しても、初期の状態で性能が固定されているため精々図鑑埋め程度の存在価値にしかならず、召喚する価値は皆無なのである。 一応やり込むことで「研究値」をMAXにし、Lv5を大量に研究に費やしてLv20を召喚することも可能である。しかも本作にはクラスチェンジがあり、 チェンジ後も登録上別ユニットなのでチェンジ前を召喚可能まで生贄に出し、また大量に呼び出して全員チェンジ、それらを生贄にして更にチェンジ後を召喚可能にする。 といった戦力強化手段も存在するが、手間が掛かり過ぎる上にそこまでやっても強力なネームドユニットに比べれば性能は結局お察しである。 また本作にはフリーダンジョンがなく、ストーリー上で捕獲しまくるしかないという問題がある。 しかし、いくら育成を行っても装備やアイテム、スキルの使用といったキャラの用途が狭く、満足に使いこなせるわけではない。 しかも予約特典のアペンドディスクがないと育成面の捕獲ができるキャラがあまりいないため序盤にやたら手間が掛かり、本作は予約版前提の難易度になっている。 さらに捕獲用キャラがいるといっても捕獲する為にはキャラをリスクのある前面に出さなければならないため、うっかり落とされる危険と隣り合わせなのだ。 一方で敵の戦闘のAIもクソである。SLGゲームといえば、いかに戦術を練り、敵の攻撃に策で対抗していくかが醍醐味なのだが、 本作の敵は基本防御力が低いユニットを狙って突撃してくるのが義務付けられており、強引な特攻を仕掛けては次の自ターンでは早々に散っていく。 これだけならいいが、後半になると遠距離射撃してくるユニットが防御力の低いユニットを狙ってくるのでこちらも間合いを詰めて突撃していくしかない。つまり有効な戦術が限られるのだ。 さらに天使系ユニットには自分が倒された場合、最後っ屁のような周囲にダメージを与える攻撃をしてくるのだが、後半になるにつれ最後っ屁の威力は増していくため、 最後っ屁に備え、倒すタイミングを変えていくなどといった対処法が必要になる。(大事な事なので3回言いました)これらにより本作の戦闘は非常に鬱陶しく感じてしまう。 最後にエロだが、これがとにかく薄い。基本捕まえた女性キャラクター全てにHシーンがあるとはいえ、個別エロは2回を越えない。 つまり2回Hしたら申し訳程度の会話イベントを終えてそれではい終了だ。しかも各キャラにはしっかりした個別シナリオすらないので愛着も湧かないのである。 なお、本作は元々ミドルプライスで発売予定だったのに、急遽値上げして発売したという詐欺まがいの事もやらかしていることも追記しておく。 選評者からは「みじん切りされたぬか漬けのごとく何がやりたいのかすら分からない作品だった」とまで言われたシナリオとエロを生贄にした本作。 どんなに実績があろうとも、結果が全てのゲーム業界では、クソゲーになる時はなってしまうというのは、逃れられない業(カルマ)のようなものではないだろうか。 『まおかつ! ~魔王と勇者のアイドル生活~』もこの時期にやってきた。3月の発売日からマスターアップ後に二度の発売延期を行ったエリートアイドルである。 本作は異世界に勇者として召喚された主人公が、魔王をトップアイドルに育ててこの異世界に新しいエンターテイメントを広めるという、 バイタリティ溢れる野望を軸に行われる壮大なシナリオ……になる筈であった。 まず発売元であるWonderFoolにとって2年半振りの新作であるのだが、全てにおいて前作よりパワーダウンしている。BGM、楽曲、CG枚数いずれも前作以下。 本作は豪華版で税抜12,800円のオーバープライスなのに、である。 そして本作の売りは徹底的にキングクリムゾンされた文章だ。冒頭からして、 その言葉を継げると(誤字)同時に、俺は勇者としての力を発揮した。 「ふふっ……負けた負けたー」 静寂を取り戻した湖畔にリゼの声が響く。その表情はやけに爽やかで、一切の曇りはない。 こんな調子である。しかもヒロイン達が何故魔王と呼ばれているのか、人間と魔王との戦いが何故起きたのか、それらは有耶無耶のまま明かされることはない。 さらに事態は続く。魔王アイドル育成計画である筈なのに、さあやるぞ、という時にまたしても時が一年後に飛びライブが始まる。 その上ヒロイン達は「色々あったわよねー」と語り始める。いやだからその一年を見せろよ、と誰もが思うだろう。 そして肝心のライブも数クリックで終了と何かがおかしい。共通ルートが終わった後は怒涛のHシーンが始まるのだが、後半は真の魔王が復活し、勇者である主人公が討伐に旅立つも、 僅か1クリック後には「俺にとって最初で最後の戦いから、8か月の月日が流れた」と表示されてほどなくEDである。ディアボロさんも大忙しだ。 冗長な文章も大概だが、書くべきところを書かないのも問題であることが、よく分かる作品であった。 そして続いては……2020年色んな意味で、いや、歴代でも稀に見ない問題作、Loseの『まいてつ Last Run!!』が魔列車と化し到着してしまった。 本作は『まいてつ』に前作の内容とHシーンを収録した言わば完全版だ。『まいてつ』自体、 人は選ぶものの質の高いストーリーやHシーン、鉄道の擬人化を舞台にした世界観等で人気を博し、 英語版と中国語版がsteamで販売、PS4・Switch版は全年齢版として発売され、PS4の発売に際してはJRの30以上の駅への広告出稿やTVCM放映もされている。 元々多数が売れた作品である上に、その後も複数のDL販売サイトで「Hシーン大容量パッチ」やストーリーを読みたい人向けの「普及版」等も数多く出ている程だ。 ただその結果、全年齢版の普及に伴い体面もあるのだろうか、本作は非常にエロが薄くなってしまった。 元々前作はエロが薄味で、ストーリー内にエロを極力入れず、回想シーンで解放という流れがあったのだが、 『まいてつLR』では前作の部分も含め本編からえっちぃシーンが完全に排除されている。 さすがにこれはメーカーもまずいと思ったのか、早い段階で対応する旨が告知されたが、その後の動向は現時点では未完成である。 Hシーン自体は前作39回に対し19回追加、ソフマップのガイドブック付属の専用3Pを含めれば20回である。 確かに3Pを入れたりと頑張っているのだが、シーンそのものはそれほど長くはなく、あからさまな卑語修正や新規ヒロインにエロがないといった問題点も挙げられる。 そしてなによりも問題なのが最近『まいてつ』に触れた人の多くはDL版を1,000円程度で購入している事だ。故に、どうしても物足りなく感じてしまうのだ。 ただこれだけをみれば精々フルプライスのエロが薄いガッカリゲーで済んだのだが、事態は急展開を遂げる。 11月、大手レビュー投稿サイトから、メーカー関係のデータが全削除されるという予想だにしない事が起きたのだ。 これは新規評価の停止などではなく、『まいてつLR』だけでもなく、メーカーが発売してきた作品及びクリエイター情報も含めてメーカーからの要請で全削除という非常に強いものだった。 その後も謝罪文を公式HP以外に出す、経緯の原因をユーザー側の対立のせいにする、 批判的なツイートをエゴサして全てブロックする、騒動の詳細がヤフーニュースに掲載されると話題に事欠かなかった。 要約すると、賛否両論の否を許さない、徹底的な言論統制というあちらの国のような事態を引き起こしたのである。 この残虐超人ばりの場外乱闘はいち早く5ちゃんねるや他のサイトにも波及。その後も叩けば叩くほど埃が出る状態で、投下される燃料の多さに鎮火が出来ない程だった。 結局、この騒動は「ユーザーの期待したエロ」と「まいてつLRに実装されたエロ」の落差である。近年、このメーカーは宣伝を重視し、エロに関してそれほど力をいれなくなってしまった。 作品としての質が良くても「エロゲ―」である以上、エロは大前提である。それを最悪の形で裏切り、同時に炎上の鎮火に大失敗し、信用すらLoseしてしまったのである。 今となっては笑い話にすらならないが、いつかこのメーカーがアーベルのように心を入れ替えていいゲームを真摯に作ってくれることを祈る……。 『まいてつLR』によってスレは瞬く間にヒートアップ。 「クソメーカーオブザイヤーなら間違いなく大賞」「ドラだって集まれば役満」「場外乱闘とゲームは別にして評価すべき」といった声が飛び交う惨事に。 そんな騒動の中を横切ろうとしてあえなく御用となったゲームがあった。前年次点を輩出した、ももいろPocketの『オレは姫武将を孕ませたい!』だ。 今作は伝家の宝刀である「ずっぷ」要素を自粛して挑んだものの、相変わらずの隙のない低品質である。 まず、本作は戦国時代から戦国要素を大胆に省くことで大幅なシナリオの簡略化に成功している。 攻略対象以外の有名武将はたまに名前が出るだけで、ただのモブと大差なく、登場人物は揃って淫乱。しかし馬鹿っぽい展開やハーレム要素はない。 各ヒロインルートは1種類で、信長と光秀はどのルートでも死亡する。光秀ルートなら主人公も死ぬ。蘭丸ルートでも信長は死ぬし、謙信ルートなら選択肢次第で主人公は死ぬ。 信玄ルートなら、病死しかけてる信玄を救うために現代に帰るが今度は過去の世界に戻れないことに気付くも信玄の生まれ変わりと思わしき女性と再会してハッピーエンド。 完全に戦国をなめている。ストーリーも淡々と特に起伏もなくしょうもない会話が始まっては終わるだけ。 また、主人公は未来(歴史)を変えようとすると消滅するという邪魔な設定があるのだが、一部のルートではなかった事になったり、 信長が天下統一を成し遂げたといった未来が変わるようなことがあっても結局消滅しなかったりとただの無駄設定になっている。 また、公式には「孕ませで天下統一を目指す」と堂々と描かれているのだが、ヒロインが孕むのは天下統一の後であり、信長、蘭丸ルートでは子供が出来た後に本能寺の変が起きるので、 むしろ天下が乱れる原因になっている。なお、謙信、信玄ルートでは子供は孕むが天下統一すらしないので、まーた辻褄の合わない設定を入れたのかよ、と思ってしまう。 HCGは表情差分しかなく、前戯では全裸なのに本番では服を着ていたりするし、アニメーションを入れたHシーンもあるがあまりに凄惨な出来で目が滑るレベル。 『カスタムcute』にあった5~7秒、最大22秒の画面暗転やロード時間は依然として健在。それでいて本作はフルプライスでありながら貫禄の1.01Gである。何と前作より容量が減っている。 褒めるべきところは、絶対売り逃げブランドだと思われていたのに性懲りもなくまた新作を出してみせたことぐらいだろうか。 その後も竿役が少年の筈なのに別作品からの青年の絵を流用、誰も楽しめないおばあさん目線の内容で購入者に煮え湯を飲ませた、 アパタイトの『まごかつ ~可愛い孫のためなら中出しOK~』も登場し、秋の収穫祭は大成功の内に幕を閉じたのである。 冬に差し掛かる頃、『天冥のコンキスタ』は「魔族制圧編」と表した拡張パックを発売することを発表。やはり未完成は既定路線だったことが判明し、一部のユーザーから不逞を買った。 そして冬、年末の魔物が脈動する時期、厳戒態勢が敷かれたスレに現れたのは一年以上の延期を重ねた禁断のカード、『鍵を隠したカゴのトリ -Bird in cage hiding the key-』。 しかし中身は、殺人事件で一度は逮捕された容疑者のヒロインが幽閉された洋館で起こるのは、ただのイチャラブという、ミステリーでも何でもない内容で、 それどころか他ヒロインも起承転結をあさっての方向にブン投げて、気が付いたら好きになっていたので後は適当に付き合って終わりという何とも肩透かしの作品だった。 今年の魔物は既に冬眠したのか? それとも未だ蠢き孵化の時を待っているのか? 皆が複雑な心境のまま時を待ち、果たして魔物は現れるのかと不安な日々を過ごす毎日……、 やはり「そいつ」は遅れてやってきた。 予備期間の1月、11月27日に発売された宇宙空間より現れし年末の魔物、その名は、ルネの『巨乳女子官洗脳催眠「お前のような男の命令に従う訳がないだろう」』 ルネといえば数々の凌辱シリーズを発売している言わば種馬(スタリオン)的存在であるが、今作の特徴は、 宇宙に人々が移民を果たしてから数百年が経過し、宇宙間の戦争が行われるほど文明が発達した世界観で、やる事がただの催眠凌辱というスケールのみみっちさだ。 しかし問題点はこれだけに留まらない。本来催眠モノの醍醐味は堕とす「前提」と堕とした「その後」にあるのだが、 本作はそのどちらの描写も中途半端で、せっかく催眠という大層なものを使ったのに相手がひれ伏し従順な雌奴隷に仕立てたという感じがまるで伝わってこないのである。 フルプライスだけにHシーンは実に69にも及ぶが、その殆どは目新しさがなくほぼ同じように喘いでいるだけというゲップが出そうな内容になっている。 そして問題なのが、そこまで豊富に入れたエロシーンが、まるでエロくないことだ。 肝心のテキストも、基本実況Hと言われるタイプで、 ――「あぉぉぉんっ! そんなにっ、あひぉっ、ズンズンされたらぁっ、すぐっ、またすぐイッちゃうのっ、はへぁぁぁっ!」 ――「おっ……おぉぉぉぉぉぉぉんっ……ほおっ、イッ、いひぃっ、イグッ……、おぉぉぉぉ、イグゥぅぅっ!」 などというように頭の悪そうな内容がフルボイスで延々と続く。 しかしだ、こんなものまともに演じる方が無理とは言ってはいけない。こういうキメているような演技も、その筋の一流のプロであれば造作もないのである。 だが本作はボイス関連もミスキャストで、キャラと声がまるで噛み合っておらず、揃いも揃って低レベルである。更に言えば、音響周りもお世辞にも良質とは言い難い。 そんな下手な喘ぎ声ではプレイする人も抜くどころではなく、ただ萎えるばかりである……。 サウンド関連はフリー素材を含めどれも同人レベルかそれ以下。一部には何故入れたのかすら分からない程酷いものまである。 かつて、そのグラフィックの奇怪さだけでKOTYe大賞に輝いた『ママⅡ』のように、エロがエロくないというのは作品にとって致命傷であり、高い評価を受けることは決してない。 こうしてテキストとボイスが酷すぎてヌけないというベテランが手違いで出した職人芸に、住民たちも「世の中そんなに甘くないよな……」と達観するのであった。 予備期間の後半には12月25日のジングルヘルに発売されたTriangleの『プリンセスクライシス』が襲来する。 本作はかつて2018年におとボク3をエントリーさせた「assault、嵩夜あや」コンビがシナリオに参加するということで、 発売前から不安視されていたが、発売後の人々の感想は「やっぱり……」だった。 世界観は人間や妖精、獣人などが平和に暮らす大陸を舞台にしており、遥か昔に封印された魔王と甘言によって唆された主人公が暗躍するという設定なのだが、全体的に描写しきれていない。 というより、あらすじで使われた世界観の大半がシナリオからきれいさっぱり使われておらず、 精々使われるのは魔王が封印された洞窟と周りにある施設のみ。せっかくの設定が台無しである。 主人公は魔王の力で一時的に45歳から若返ってバレないようにと仮面をつけた状態でヒロイン達を凌辱していくのだが、若返っていない状態で凌辱しても、誰も主人公とは気付かない。 魔王を裏切る流れも不自然である。魔王から姫を篭絡するアイテムを追加で貰うシーンがあるのだが、当然女性にしか使えないアイテムである。それだけならまだいいのだが、 最後の最後で魔王が実は女性だったことが明かされる。そして主人公はそれまで魔王が女性である事を知るシーンはないのに、 いつのまにか、主人公は魔王を篭絡することが目的になっているのである。もはや説明不足にも程がある。 計37回にもわたる連打でどうとでもなってしまうスキップ可能なじゃんけんバトル、EDのスタッフロールにもクレジットされているのに流れない主題歌など、 抜きゲーとしてみれば及第点を挙げられるのだが、全体的に「手抜き」を埋納した本作は「手」抜きゲーの烙印を押され、声援空しくKotyeエントリーを果たしたのだった。 そして予備期間終了の1月31日の土壇場、「ほうっ…一か月前まで2020年だったのか。ならばほとんど2020年みたいなものだな」とどこかで聞いたことのあるフレーズでやってきたのは、 これまで『懺悔島』『ブラック企業』をエントリーさせてきたTRYSETBreakの『黒ビッチギャルがキモオタに堕ちるまで~監禁〇辱配信日記~』が登場し、本年度の〆を飾る。 内容は豚顔のキモオタが黒ギャルのあずさを監禁し、凌辱していく様を生配信していくというものだが、 主人公は食レポで充分な稼ぎと貯えを持つ配信者であり金目当てに凌辱を行うわけではない。 またヒロインのあずさも、グッドエンドでは「体の相性がいい」と主人公の熱意に押されて純愛になるなどいまいち内容が噛み合っていない。 しかもあずさの居場所が発覚したのは捜索届と事件の報道の情報からであって配信は全く関係ない。 「凌辱」「配信」のコンセプトとは何だったのか、と思えてしまう。 Hシーンはあずさはともかく主人公は徹底的に汚く描かれているので問題ないのだが、度を越えすぎて作画崩壊を起こしていたり、 やたらアクロバティックな体位で行うシーンもちらちら見受けられ、中でも1クリックで射精しながらフェードインしているシーンは笑いすら感じる。 まいどお馴染みの有料DX版は、僅か本作の原画・ラフ画の画像データのみという簡素さで、ボイスドラマまで付けてくれる他作品に比べればシンプルこの上なさ過ぎる。 CGの不一致、怪しい日本語など、問題点は幅広く見られ、広く浅く、満遍なくクソという、実力通りの結果を見せつけた姿に、住民も「お疲れ様」と労いの声をかけ、2020年全作品は出揃った。 2020年は十年に一度級のクソゲーや極端なバグゲーは出なかったものの、一口目だけで不味さが瞬時に分かるゲームばかりであった。 改めて選評者には感謝の意と敬意を表したい。 それでは、次点と大賞を発表しよう。 次点は、 『LOVE・デスティネーション』 『ジンキ・リザレクション』 『巨乳女子官洗脳催眠「お前のような男の命令に従う訳がないだろう」』 大賞は、 『天冥のコンキスタ』 本年度は久々に全月制覇を達成するほど豊作の年であり、今年も個性溢れるクソゲー達が終結した。 2020年のKOTYeエントリー作品の大半を占めたのは、事前情報と内容の乖離だろう。 例えばシナリオ。人はシナリオを書く際、こういうのは面白いんじゃないか、これは面白い筈だ、と考えながら筆を取る。 しかし情報を調べ上げ、良質な文をインプットし、ネタを練り上げ、頭の中で再構築しなければ良い文章は書けない。 だが本年度は、理想と現実がかけ離れた、酷いオナニズムで書き上げられた駄文が多くを占めた。 このように見た目で騙し中身を偽る作品には「駄作」の烙印を押されることは必然と言えよう。 いかに本能でクソゲーを回避しようとして地雷を踏み続けるスレ住民の日常的な光景であってもだ。 ゲームはケーキとは違う。切って皆で分けられ幸せを共有できるものではない。切ったら不幸しか残らないからこそ、客観的な視点が必要とされるのだ。 第2に見受けられたのは、「笑い」に繋げることが困難な「負」のクソゲーが多数を占めたことだ。 例えば、「わたし、妊娠しちゃったみたい……」と言ってきた女がいたとしよう。 この場合現実には、「自分のせいだ。責任は取るよ!」と言う男もいれば、「堕ろせよ」と平気で言う男もまた存在する。 どちらも解決手段は正しいが、後者はとても人として褒められたものではないだろう。 今年は後者のような、おいおい勘弁してくれよ……と思えるようなクソゲーが多く、住民の精神を悉く苦しめた。 笑いが取れるゲームは珍重され、人々の心に深く入り込み、いつまでもよい思い出となって残るのはKOTYeの歴史が証明している。 逆を言えば、笑いが取れないゲームは、苦痛ばかりが先行し、喉元過ぎても熱いままのゲームとして楔となっていつまでも人々の脳髄に残り続けてしまう。 笑いは人の心を豊かにする。だからこそ笑えないゲームは「負」の称号を纏い、人の心から喜びを奪ってしまうのだ。 第3は冒頭にもあった、ゲームをプレイして何が得られるかという疑問だ。 エロゲといえどゲームである以上は娯楽である。娯楽である以上は快適に楽しめなければ、楽しみながら遊べなければ意味がない。 しかし本年度はその娯楽の座を逸脱したユーザーを苦しめることを前提にしたような内容のゲームが多かった。 ならば真のクソゲーとは、誰がどう遊んでも楽しめないゲームである筈だ。 次点はそういったトレンドも元に、突出した「楽しめないゲームであることが誰にでも分かる作品」を厳選した。 『LOVE・デスティネーション』は、誰得の超展開のみで構成されたオナニズム溢れる内容を散々な日本語テキストで重ねた負の構築例として、 『ジンキ・リザレクション』は、王道ADVに余計なシステムを混入した結果大惨事になった駄の典型例として、 『巨乳女子官洗脳催眠』は、催眠凌辱という作りから織りなす駄目ボイスと抜けないHシーンという失敗の構成例として、 それぞれその身を深淵へ繋がる絶望のダイブへと投げていった。 そしてそれ以上にプレイヤーを絶望させたのが『天冥のコンキスタ』である。 おそらく、これが歴代作品の良い所取りどころか全てにおいてダウングレードした作品でなければ決してこんな負の娯楽にはならなかっただろう。 疑問に思う人もいるだろう。『天冥のコンキスタ』は拡張パックの発売が決まっている。クソゲーとして扱うのはおかしい、と。 だがKOTYeは「その年一番のクソゲー」を決める祭典である以上、2021年販売の拡張パックの出来は該当しない。その上で、改めて本作の出来はどうか? エロゲーにおいて根幹たるエロとシナリオは「薄い・単調・未完」と三拍子揃っており、バグといったドラに頼らずともその資質は全く傷つかない。 そして何よりも問題なのが、本作が「シミュレーションRPG」、つまりゲームクリアを目指すゲームであったことだ。 これがADVであれば、嫌なところはスキップしたっていい。なんならCGが100%になるセーブデータを拾ってきてそれを当てればいい。しかし本作はそれすらも出来ない。 プレイヤーは否が応でも本作のゲームクリアまでの道のりを自力で歩まなければいけないのである。 さらに捕獲を前提にしたゲーム構成なのに初回予約特典なしでは捕獲できるキャラが少なく難易度が飛躍的に上がるのも問題だ。 本来、初回特典というのは当人が満足を有するもので必ずしも必要ではない。 それに対し本作の初回特典は多くのプレイヤーにとってクリアのための必須アイテムになってしまっている。 事実、「これがなければ投げていた」という声も聞かれるくらいだ。本作の難易度はそれだけ苛烈で面倒くさいのである。 そして全ステージをやっと踏破しても、作品は未完で終わる。これでは、今までの苦労は何だったのか……という徒労感だけが残ってしまう。 挙句、その続きを特別安くもない拡張パックで繋げようとする。 内容を未完で終わらせる虚しさ、初回特典が必要になりかねないゲームバランスの嫌らしさ、そして拡張パックで更に課金を促そうとする集金の醜悪さ。 それらは単なるガッカリゲーを、超一線級のクソゲーに堕とす笑えない負の相乗効果を兼ね備えていた。 本年度のトレンドである内容の乖離、笑えない負のバランス、娯楽を逸脱したゲーム内容、 これらを身に宿したその身こそ有象無象の中に唯一無二の魂を持つ者と讃えるに相応しい。 その異形と化した闇の王の姿を評価し、2020年の大賞に選定するものとする。 また、今年最もスレを騒がせた『まいてつ Last Run!!』の存在も忘れてはならない。 実力は決して劣るものではないのだが、その実力が発揮されたのはやはり盤外戦であり、感覚的にクソゲーというより「クソ会社が出したゲーム」という事もあり惜しくも選外となった。 それらは最後に物を言うのはゲームの中身そのものであるというKOTYeの審査基準の宿命であり、事態がここまで悪化しなければ問題にはならなかっただろう。 かくして、KOTYe13回目の戴冠はひとまず成し遂げられた。 しかし、「クソゲーとは何か?」についてはまだまだ意見を交わす部分が多い。 それも当然。どんなゲームでも望まれてクソゲーに堕ちるわけではない。 人を楽しませ、時には笑わせ、時には興奮させ、そんな記憶に残るゲームとしてこの世に生を受けたいと願うのだから。 それでもクソゲーは世に生まれてしまう。確かに面白いゲームを販売する義務などどこにもありはしないし、クソゲーであっても販売を禁止する権利は誰にもないだろう。 だがKOTYeはいい意味で平等だ。KOTYeはクソゲー審査機関ではない。そしてスレ住民はクソゲー断罪者ではない。 クソゲーが生まれた事による悲しさを笑いに繋げんとする、どこにでもいる痛快にイカれたファンキーな集団である。 しかし我々とて、普段からクソゲーばかりプレイしているわけではない。名作が出るならそれをプレイするに越したことはないのだ。 ここで、冒頭の問いに戻ろう。 クソゲーをプレイして、一体何が得られるだろうか。 今、確かな事が一つだけある。 それは、我々はクソゲーを娯楽として楽しむ事が出来るということだ。 例え一人では苦行でも、皆と寄り添い合えばその憤りは笑いへ変わる。 例え一人では悲しむことでも、皆と触れ合えばその心は喜びに変わる。 愛なき糾弾に価値はない。何処までも寄り添い合い、怒りを笑いに、悲しみを喜びへと昇華させる術を知るからこそ、我々は、今も大地を歩き、今日も明日への風を待てるのだ。 だからこそ、言おう。 クソゲーを、遊ぼう。 闇に輝く蜘蛛の糸は我々のすぐ側にあるのだから……。 そして、共に描こう。選評を。 闇に堕ちていく一つの物語に手を差し伸べる為に……。 一方で、寂しいことがあった。 2020年3月、シミュレーションRPGで知られるソフトハウスキャラが惜しまれながらも解散を発表した。 だが、たとえ近年の作品がKOTYeエントリー常連だったとしても、弊社が作りあげた数々の名作は少しも色褪せることはない。 これからもDL版で人々を楽しませるメーカーとして、長くエロゲ業界の歴史に残るであろう。 そしてクソゲーもまた、願わくば憎まれ口を叩かれながらも愛される、そんなゲームであり続けてほしい。 結びに、巣作りドラゴンの「ブラッド・ライン」氏の言葉を拝借する事で激動の2020年を締めくくると共に、日々を生き抜く覚悟を示したいと思う。 「クソゲーは俺の嫁だ。お前に毒されても、愛してやる」
https://w.atwiki.jp/akebon/pages/2635.html
#ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (総評.bmp) ソフトバンクの今期の総評です。選手のシーズン最終成績も載せています。 ◎第197回 ☆今期のチーム最終成績 年度 順位 試合 勝ち 負け 分け 連勝 勝率 打率 防率 得率 本塁 盗塁 失策 197 2 140 83 54 3 10 .605 .271 3.40 4.5 164 250 6 ロッテとの激しい首位争いの末、僅か1ゲーム差の2位。 以前に比べると野手投手共に非常に力をつけてきており、黄金期襲来も時間の問題か。 前期は投手陣の活躍が目立ったが、今期は野手陣が奮闘。 得点率1,0上昇、本塁打や盗塁回数も前期に比べ格段に増えた。 182期以来の日本一に向けてチーム一丸となってひた走る。 ☆今期のパ・リーグを振り返る 一位は、千葉ロッテ。自慢の中継ぎ陣がフル回転した結果であろう。 二位は、我々ソフトバンク。 三位は、日本ハム。長打力不足がネックか。次期スラッガーの早期育成が今後の鍵になりそう。 四位は、西武ライオンズ。日本ハムに競り負け、まさかのBクラス。 五位は、オリックス。上昇には若い投手陣の奮起が必要。打線にも安定感がほしい。 六位は、東北楽天。焦らずに若手のレベルアップに力を入れて欲しい。 ☆プレーオフ展望 2期連続の2位通過で出場。 ☆今期のオールスター 選手名 出場回数 成績 多村仁 2回目 .090(0本0点) 海野民子 初出場 .375(0本0点) ☆野手陣総括 197期最終成績 順 ポジ 名前 打率 安打 本塁 打点 三振 犠打 盗塁 失策 1 遊 後藤光尊 .261 159 4 39 96 1 41 0 2 右 エッジ .299 180 16 65 68 1 47 1 3 中 機龍 .280 162 15 63 71 1 29 1 4 三 青龍サンデー .304 159 34 93 82 2 23 2 5 一 多村仁 .309 167 26 92 70 1 22 2 6 左 海野民子 .245 123 18 61 91 0 31 1 7 捕 ここりこ .267 139 28 63 89 2 11 0 8 二 麒麟 .276 139 17 61 70 0 28 0 9 DH 源 .196 101 6 51 99 4 18 0 【寸評】 196期とは見違えるような攻撃で得点率は4,5とリーグ1位を記録した。 野手陣全員が能力向上に努めた結果だろう。 盗塁数も大きく伸びリーグ2位。 何と言っても失策6と12球団唯一1桁台の堅実ぶりを発揮した。 ★各選手能力はこちらです。 ☆投手陣総括 197期最終成績 順 ポジ 名前 防率 勝ち 負け セーブ 奪三 四死 被本 10 先 大隣憲司 3.51 11 7 0 111 81 19 11 先 杉内2 2.46 11 9 0 129 72 12 12 先 アーリー君 3.36 10 9 0 130 109 17 13 先 だれさき 2.50 18 3 0 127 89 17 14 先 我末 3.92 11 5 0 122 93 16 15 継 島唄*島花 4.51 10 6 1 61 59 13 16 継 韓国 4.17 7 6 4 51 57 16 17 継 鼈魔人仮面 4.50 5 8 4 45 50 9 18 抑 堂谷 1.46 0 1 24 15 8 2 【寸評】 昨期が良すぎた分今期が悪く見えるが十分な成績である。 ただ、中継ぎ陣は若さが出て崩れる場面が目立った。 四死球3桁は致命的なのでコントロールの向上を。 ★各選手能力はこちらです。 ☆チームWiki wiki更新者の方いつもお疲れ様です。 編集人数は他チームと遜色ない人数と思われますが、まったくやる気がない人にいてもらう意味はありません。 やり方がわからないなら見て学ぶべし。最初は誰だって出来ません。わかる限りの事は教えるので。 そろそろwiki非協力者は切っていくので覚悟しておいてくださいね。 最終編集者 だれさき 編集内容 最終成績・パ振り返り・プレーオフ・AS 更新日時:2008年08月26日09時47分23秒: 通算: - 今日: - 昨日: -
https://w.atwiki.jp/akebon/pages/2607.html
#ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (総評.bmp) ソフトバンクの今期の総評です。選手のシーズン最終成績も載せています。 ◎第196回 ☆今期のチーム最終成績 年度 順位 試合 勝ち 負け 分け 連勝 勝率 打率 防率 得率 本塁 盗塁 失策 196 2 140 75 56 9 7 .572 .255 2.88 3.5 108 165 11 開幕スタートダッシュに成功し、堂々の2位。 チーム勝率を昨期に比べ1割近く上げた要因は、間違いなく投手陣の躍進にある。 平均年齢25歳ながら、先発・中継・抑えと全選手が非常に安定感のあるピッチングを披露。 数期後の投手王国の完成が楽しみだ。 一方で野手陣には振り回し気味のバッターが多くいるため、テコ入れが必要になってくる可能性もある。 ☆今期のパ・リーグを振り返る 一位は、埼玉西武。終盤の10連勝でソフトバンクを振り切り優勝。 二位は、我々ソフトバンク。 三位は、千葉ロッテ。絶対的ストッパーの衰えが気になってくる。引退後は低スタミナの投手を抑えに回すのだろうか。 四位は、オリックス。打線が重症か。若き抑えが孤軍奮闘の働き。 五位は、日本ハム。得点率2点台では多少厳しいか。次期スラッガーの育成が今後の鍵になりそう。 六位は、東北楽天。大量FA流出でチーム状況は最悪だが、這い上がる力は持っているはず。 ☆プレーオフ展望 2位通過で出場。 ☆今期のオールスター 選手名 出場回数 成績 機龍 3回目 .000(0本0点) ☆野手陣総括 196期最終成績 順 ポジ 名前 打率 安打 本塁 打点 三振 犠打 盗塁 失策 1 中 後藤光尊 .257 156 5 44 96 0 26 0 2 左 エッジ .294 178 4 37 73 2 35 1 3 右 機龍 .287 160 9 67 68 1 32 1 4 三 青龍サンデー .248 133 20 66 106 1 8 2 5 二 麒麟 .250 137 15 65 80 1 9 0 6 捕 ここりこ .241 128 18 63 89 1 12 1 7 一 多村仁 .230 124 15 58 88 2 12 2 8 DH 海野民子 .226 114 18 53 100 0 9 0 9 遊 レオピカ .251 133 4 28 75 1 22 0 【寸評】 得点効率こそ悪くないものの2,3番以外がほぼ.250前後というのは不味い。 ピーク時にミートBは物足りない。パワーを上げるならミートSが必須である。 ★各選手能力はこちらです。 ☆投手陣総括 196期最終成績 順 ポジ 名前 防率 勝ち 負け セーブ 奪三 四死 被本 10 先 びーむ 2.18 11 5 0 75 87 9 11 先 大隣憲司 2.57 12 8 0 120 104 16 12 先 だれさき 3.21 11 10 0 103 105 16 13 先 杉内2 3.14 9 8 0 113 91 18 14 先 アーリー君 2.70 13 8 0 127 122 11 15 継 島唄*島花 3.50 8 3 2 57 69 13 16 継 我末 2.90 4 11 4 94 65 10 17 継 鼈魔人仮面 3.40 7 3 4 57 51 9 18 抑 堂谷 0.33 0 0 27 22 8 0 【寸評】 投手陣はこの若さでチーム防御率2点台。 さらに防御率4点台が1人もいないという安定ぶり。 抑えの堂谷投手はシーズン自責点1という素晴らしいピッチングで球界を代表するストッパーに成長した。 ★各選手能力はこちらです。 ☆チームWiki wiki更新者の方いつもお疲れ様です。 編集人数は他チームと遜色ない人数と思われますが、まったくやる気がない人にいてもらう意味はありません。 やり方がわからないなら見て学ぶべし。最初は誰だって出来ません。わかる限りの事は教えるので。 そろそろwiki非協力者は切っていくので覚悟しておいてくださいね。 最終編集者 だれさき 編集内容 最終成績・パ振り返り・プレーオフ・AS 更新日時:2008年08月16日12時30分58秒: 通算: - 今日: - 昨日: -
https://w.atwiki.jp/akebon/pages/2486.html
#ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (総評.bmp) ソフトバンクの今期の総評です。選手のシーズン最終成績も載せています。 ◎第191回 ☆今期のチーム最終成績 年度 順位 試合 勝ち 負け 分け 連勝 勝率 打率 防率 得率 本塁 盗塁 失策 191 5 140 52 71 7 8 .390 .263 4.16 3.4 90 159 17 前期より順位を一つ落としてしまった。 戦法としては、完璧に一発狙いから足を絡めるものとなっている。 打率がリーグ3位なのに対し、得点率が伸びない。あと一本が出ない。 課題とすべきは得点率、防御率、失策。なんとか復調の兆しを見せたいところ。 ☆今期のパ・リーグを振り返る 一位は、東北楽天。今期も94勝を挙げて1位に。全くスキが見当たらない。 二位は、オリックス。打線は今一つも、安定した投手陣がそれを支えた。 三位は、日本ハム。Wiki編集Sランクは伊達ではない。移籍が相次ぐもAクラスキープ。 四位は、千葉ロッテ。救援陣の活躍が光った。シーズン後半に意地を見せる。 五位は、我々ソフトバンク。奮闘するも、終盤にまさかの連敗ラッシュ。 六位は、西武。守備が改善されつつある。問題は投手陣の炎上。 ☆プレーオフ展望 ソフトバンク不出場。 ☆今期のオールスター 選手名 出場回数 成績 機龍 2度目 ? ☆野手陣総括 191期最終成績 順 ポジ 名前 打率 安打 本塁 打点 三振 犠打 盗塁 失策 1 中 本多雄一 .327 191 8 52 79 1 43 0 2 一 エッジ .245 145 4 40 91 2 15 3 3 捕 機龍 .330 184 20 68 62 5 25 0 4 右 ここりこ .223 127 18 82 86 4 7 0 5 遊 麒麟 .235 125 10 59 87 3 13 0 6 三 青龍サンデー .250 132 12 61 80 2 10 4 7 二 レオピカ .249 138 7 41 81 1 16 0 8 DH ポコ .213 113 5 36 77 9 16 0 9 右 後藤光尊 .280 142 6 42 83 2 14 9 【寸評】 チーム盗塁数が159と、完全に機動力を生かした野球に変わった今シーズン。 ただ得点率が伸びず、打線がつながったとは言い難い。新人選手も頑張ったのだが・・。 来期はなんとか得点率・失策数を改善し、足を絡めたつながる野球で復活を目指したい。 ★各選手能力はこちらです。 ☆投手陣総括 190期最終成績 順 ポジ 名前 防率 勝ち 負け セーブ 奪三 四死 被本 10 先 杉内 3.99 11 8 0 110 82 18 11 先 VFR 7.35 3 13 0 64 81 28 12 先 高瀬準太 3.07 5 9 0 81 79 14 13 先 あはは 2.54 6 9 0 67 79 11 14 先 大場翔太 6.27 5 18 0 87 77 26 15 継 永井遊 4.11 8 7 2 94 111 27 16 継 堂谷 4.34 4 6 5 78 98 23 17 継 びーむ 3.13 9 10 4 81 101 28 18 抑 YUTO 3.47 1 1 9 11 13 4 【寸評】 先発陣にあはは選手が加わったことで厚みができた。 今期は杉内選手が大奮闘。ただ好不調組が明らかに分かれてしまった。 救援陣も新人選手に名無し選手と、予測できたが不安定な結果となった。 守護神YUTO選手も名無し化の影響で成績ダウン。救世主が現れないものか。 ★各選手能力はこちらです。 ☆チームWiki なんとか編集人数が増えてきた。 だが協力してくれたのは移籍組の篠田さんや、γさんをはじめとする新人組が大半。 ベテラン組の皆様にもぜひ協力してもらわなければ、Wiki復興はならないだろう。 ソフトバンクのWiki放置時代はもう終わった。これからはチームもWikiも上昇気流に 乗せることが目標である。とにかく、まずは「やってみる」こと。これが第一条件!! 最終編集者 紅蓮 編集内容 全項目更新 更新日時:2008年07月12日23時44分32秒: 通算: - 今日: - 昨日: -
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/859.html
Jinki -Unlimited-(1/27)《戯画》 クソ路はすべて闇の中である。 2022年のクソゲーオブザイヤーinエロゲー板(KOTYe)は、熱意なき駄作同士がつまらなさを競う苦難の道となった。 泥濘の底王となったのは、流行のポップソングをボソボソ歌う音痴の自称ロックンローラーこと『悪魔と夜と異世界と』 王道に便乗しながら王道を茶化し、傲岸不遜と卑屈が同居する強者にして怯者として名を遺したのであった。 そして2023年、KOTYeは15周年を迎える。 夜空を彩った星々が消えゆく中、常闇に沈んだ暗黒大陸に一寸先の光は差すのか。 KOTYeの在り方をも問うような、新たな戦乱が始まろうとしていた。 いまだ前年の総評審議も始まらぬ2月末。 それは遅れすぎて最初にやってきた。 年末の魔物を超越した年始の魔物、RTS+ADV形式のファイナル戯画マイン、『JINKI -Unlimited-』である。 前年12月初旬にマスターアップが宣言され、12月末の発売を予定されていたが、「思いがけない重大な不具合」を理由に1ヶ月延期して越年。 このとき戯画は3月末での開発・販売・サポート業務の終了を告知しており、デッドラインが迫る中での発売となった。 我先にと戯画の遺作に挑んだプレイヤーたちは、特定箇所で確定フリーズする進行不能バグに直面し、有料デバッグの始まりを悟る。 当日中に修正パッチが出されるも、すぐに別の進行不能バグが発生。 もはや手詰まりかと思われたが、先のパッチで密かにデバッグモードが開放されていたことが判明する。 真の意味で有料デバッガーが誕生した瞬間であった。 バグの壁をも乗り越える力を得て、クリアへの道が拓かれたのである。 一方、Hシーンだけを全回収して戦線を離脱する賢者も現れ始めた。 事態を重く見てか、戯画は次なるパッチでデバッグモードを封印。 プレイヤーたちはこれに対し、あえてパッチを当てずにデバッグモードを使い続ける駆け引きを見せる。 アップデートは繰り返され、ユニーク敵の無限湧き・レベル99オーバーで1に回帰・セーブデータ肥大化などのバグは駆逐されていった。 そうしてバグ絡みの七転び八起きは一段落するも、次は本編での七転八倒が待ち受けていた。 いや、正確には本編開始前、起動した時点からである。 というのも、本作はフレームレートが無制限。 並のGPUでは常時稼働率100%を免れず、プレイ中はPCの冷却ファンが不気味に咆哮し続ける。 文字通り「Unlimited」であり、起動した瞬間にタイトルを回収する大記録を打ち立てた。 これ以外にも、RTS・ADVの両面で多岐にわたる問題点が指摘されたが、報告者は完走を前に力尽きてしまう。 全容の解明は、後に続く者へと託された。 解体されぬままスレに鎮座した戯画マイン。 その出現に触発され、墨染の春空から飛花のごとく選評が降り注ぎ始めた。 絶え間なく、過去に類を見ない物量で。 それは、解散した戯画や、眠りについた据置版クソゲーオブザイヤーへの慰労か。 あるいはKOTYeの生存本能か。 葬送の桜祭りは拡大の一途をたどり、選評数は5月までで20に迫った。 近年の常連組からは6作が参列。 先頭は、3年連続エントリーとなったNorth Boxの、『高嶺の花と魔法の壺』である。 前作は相反する設定の不協和が指摘されたが、本作では完全に解消された。 シナリオをできる限り無に近づける潔い手段によって。 話の概要は、主人公が魔法の壺の精『ツボイさん』に「やりまくりたい」と願って叶えてもらうのみである。 加えて、演出面の省エネ効果も際立っている。 出番の多いツボイさんも含めてヒロイン以外はボイスなし、モブの立ち絵はシルエット表示。 30年近く前の著名サウンドノベルをオマージュした、温故知新の精神の表れであろう。 また、ピストン音にはバリバリというノイズが入っており、かつて存在したバリッと響く射精音を思い出させる。 HシーンにそぐわないBGMも健在であり、典雅な琴の調べから舞踏会風のヴァイオリン演奏に繋げて煩悩を霧散させた。 思い切った決断でハマったのは、壺ではなくドツボであったと見るべきか。 お次は、evoLLの『ラブカフェ~童貞な俺でも、巨乳女先輩と同棲できるってマジですか?』が、あらすじ詐欺を仕掛けた。 触れ込みは「4人の同棲生活」ながら、実態は「2人の同棲生活×3ルート」であり、3人のヒロインのうち1人としか同棲できない。 ハーレムルートでようやく実現かと思いきや、非処女ビッチ化したヒロインたちと乱交するだけの妄想オチで終わってしまう。 4人での同棲生活など、夢のまた夢。 印象に残るのは、射精を「放精」と記する独特の言語感覚くらいであった。 続いて、2人のヒーローガールが会場に舞い降りる。 1人目は、SUKARADOGの『虜囚の女ヒーロー ~怪人たちとの闇の狂宴~』 悪の組織ポルチオーンに敗れた突破戦隊テクノブレイカーの紅一点が、仲間を人質に取られてバトルファックを強要される話である。 この時点で察せられる通り、突っ込みどころが非常に多い。 まず、ヒーロー調教モノの様式美は無視。 敗北描写を割愛して監禁状態から始まり、怪人の精液による催淫効果で即発情、即絶頂である。 現代のスピード感についていくには、快楽に抗いながらも徐々に堕ちていく過程など描いていられないのであろうか。 また、主人公の思考回路が頓狂であり、いかなる状況下でも戦隊ヒーローとして実力を行使しない。 脱出すべく見張りの戦闘員の無力化を試みる際にも、力づくで勝てる相手だと認識しながら率先してバトルファックを仕掛ける有様であり、正義のヒーローならぬ性技の披露と揶揄された。 省コスト感あふれる怪人の造形、マ◯ンガーZの劣化パクリに出てきそうな敵ボス「ポルチー王」なども内包しており、昭和の荒唐無稽な特撮やアニメの欠点を煮詰めたような出来であった。 2人目は、アパタイトの『清純ヒーロー×ビッチ墜ち!! ~悪の組織に調教される乙女の心の移ろいは…~』 見せかけは魔法少女凌辱モノながら、内実はジャンルのお約束を茶化し続けるコントであった。 主人公には悲壮感がなく、もっと堂々と調教しろと敵を説教し、売春を強要されそうになれば報酬の安さに怒り、料理の腕前で敵に負けて悔しがる。 片や敵側にはゲスさがない。 農家との提携について主人公を交えて真剣に会議、拠点のローン未完済に苦悩、助産師不在を理由に孕ませを延期など、立ち位置すら不明である。 ほかにも、充実した職場環境に堕ちて孕む主人公、悪堕ち後と見られていた姿は敵が用意した衣装、主人公の投げやりな生着替えを見て恥ずかしがる敵など、最後まで仲良くエロ行為に励む。 バカゲーならバカゲーとして、もっと堂々と告知しろと説教されたのもやむなしであった。 そして常連部隊の後詰めは、 システムが劣悪で、未読・既読スキップの切替やクリック後の音声継続すらない一方、アニメ演出のオンオフ項目はあれど演出自体が未搭載の『ママ僕だけを愛して… ~キモデブ息子を溺愛する母の歪んだ愛情~』と、 タイトルに掲げた「盗聴」要素はモノローグのみでボイスなし、「妄想」要素は見当たらないという世知辛いタイトル詐欺をやらかした『カノジョの性癖 -盗聴×妄想-』が務めた。 常連といえばのアトリエさくら勢も、当然のように臨席。 早くも4本のエントリーを積み上げた。 過去作『淫らに堕ちる、最愛彼女』から選択肢も背景も話の骨子も一部流用した挙句、ヒロインがオモチャどころかサセ子というやるせないオチがついた『好きだった幼馴染がクラスメイトのオモチャになっていた件』、 立ち絵の表示ミスによる「全裸から1ミリ秒で着衣」に「返信→変身の誤変換」がシンクロした正常化現象と、竿役が五七七の韻律で放った台詞「その前に一度イクからちょっと待ってて」が好事家を唸らせた『他人棒でイキ狂い快楽に溺れていく最愛妻 ~見せつけられた快楽に絶頂する妻の痴態』、 「チャラ男に薬を盛られてレ◯プ→脅されて関係継続→快楽堕ち」のテンプレ展開が、薄っぺらいキャラ設定すら置き去りにして儀式のごとく粛々と進む『堕とされた義姉 ~憧れていた義姉がクラスメイトの手で快楽調教させられていく~』が、それぞれの個性で場を温め、ときに冷やした。 中でも耳目を集めたのが『妻、宇佐見恋を抱いてください ~夫公認公開恥辱NTR~』である。 NTR+痴漢というジャンルの性質上、多少のご都合主義は許容されうるが、それを踏まえてなお、登場人物たちの言動は不可解極まる。 ヒロインは強気なタイプにもかかわらず、痴漢にあっても、罵倒以外の抵抗や反撃は一切しない。 また、竿役の「セフレが産気づいた」という露骨な嘘に騙されてノコノコついていく愚かしさも披露する。 ヒロイン以外でも、主人公が妻との仲裁を頼む相手がよりによって竿役、イケメンで女に不自由していない竿役がヒロインに痴漢した理由が「巨乳だったから」など、ストーリー展開に納得感がなさすぎる。 また、ヒロインと竿役は若い男女でありながら、台詞回しに加齢臭が漂っている。 恋愛経験がほぼないヒロインの語彙に「他人棒」やら「弾丸みたいなピストン」やら「弾丸というより男根」やらが含まれるのは興ざめであり、竿役は、 「イッてよし」 「キミのマ◯コの声は……キミより俺のが聞けてる」 「熱いマ◯コを初体験という俺の童貞……捧げてやったぜ」 といったおぞましい台詞を吐く。 そんな本作の最大の見せ場は、妻を奪還するか離婚かを賭けた竿役との勝負である。 妻は夫の勝利を信じて応援し、主人公は意地を見せる。 夫婦愛は感じさせるが、しかし競技内容は「射精我慢比べ」であった。 竿役がヒロインに挿入し、主人公はそれを見ながら自慰をする形式となっており、甚だシュール。 その際の、 竿役「さあ旦那さんイケよ!」 主人公「僕はイカない!!」 ヒロイン「あなたはイカないでぇえええ!(私は)イクぅう~~~~~ッ!!」 という掛け合いは噴飯ものであった。 粗製乱造を繰り返すアトリエさくらの作品にしては、パワー感のある仕上がりと讃えよう。 常連組以外にも、新参組と再訪組の多彩な顔ぶれが集まった。 露払いを買って出たのは、悪女属性をブランドカラーと謳うEvilHealの『Aphrodisiac -女神の欲望-』 サイコパス気質のマッドサイエンティストをメインヒロインに据えるも、その特異な設定を貫けていない。 おもな理由は、あまりに呆気ないオチである。 惚れ薬を飲んだら恋心を自覚してハッピーエンドやら、ヤクザに襲われるとあっさり屈して情けなく許しを請うやら、悪事を暴露すると言われるとすんなり受け入れて逮捕やら、マッドの矜持を放り出す結末が目立つ。 また、誤字脱字がやたら多く、「それはいいんだけが」「当たり間ですよ」「変ことしようしてます?」「初めての浮かぶ環状」「え、それは早くマジいですね」等々、明らかに校正されていない。 結果、作中の迷言「嫉妬がボンバー」になぞらえ、「プレイヤーの頭がボンバーする」と皮肉られた。 次に現れたわるきゅ~れの『病みつきヤンデレハーレム!』も、誤字が目に余るだけでなく、日本語が怪しい部分までも散見された。 例えば、 「扉が開かれると、そこから顔を出したのは、学生服に身を包んだ、幼馴染の美愛が入ってきた。」 のように、主語と述語の係り受けがとっ散らかっている文章さえある。 作中で主人公は、ヒロインから文章の乱れや誤字脱字の多さを指摘され、 「慌てて書いたでしょう?それとも『ながら作業』でもしていた?」 と注意されるが、それはこちらの台詞である。 そのくせ、精液の表現は「オス汁」「生殖汁」「遺伝子汁」などと無駄に豊富なのがしゃらくさい。 また、HシーンにそぐわないBGMも採用されており、メーカーの垣根を超えた流行の兆しが見られた。 本作では、まず探偵モノの推理中じみた曲が流れ、射精を契機に激しいクラシック調の曲に切り替わって2回戦に突入する。 ラスボス戦さながらの演出をHシーンにぶち込んで笑いを取ったこの手法こそ、最も「病みつき」であったやもしれぬ。 外なる世界からは、Rosettaの『星と乙女が占う未来』が這い寄ってきた。 基本の作りは一般向けの低価格ライト百合作品であり、本編にアダルト要素はない。 実質メインヒロインを兼ねる女性主人公の一人称で、他のヒロインたちやモブとの交流が描かれている。 HシーンはR-18パッチとしてエンディング後にまとめて収録されており、その内容が大いなる波紋を呼んだ。 ヒロイン同士の絡みは1つもなく、いずれも主人公と謎の存在との組み合わせなのである。 「あなた」と呼称されるこの存在は、無言の透明人間であり、名前も容姿も性別すらも不明。 シーン絵は、挿入時でもヒロインしか描かない廃れた表現が採用されており、性交には見えないとの意見もあった。 明確な描写が避けられ、公式サイトには“「あなた」は作中キャラの特定の誰かと断定するものではございません。”との注釈もあるため、メーカーの意図はおそらく「ご自由に理想を思い描いてください」であろう。 しかし、熱く膨らんだものを挿入するような表現がぼかされながらも使われており、異性愛描写と捉える者が続出。 竿アレルギーや不意打ち寝取られ感に見舞われ、悶え嘆く声がそこかしこから響く惨事となった。 「あなた」は、無貌ゆえに千の貌を持つとされる蕃神のごとく、誰とも知れぬゆえに誰でもありうる概念的存在となり、解釈次第で千差万別な禁忌へと転じて夢の世界を侵したのである。 描写はなくとも可能性があるだけで、最悪を想像してしまう者もいる。 負の性癖とは、かくも厄介なのである。 加えて、純正百合を装う周到な前フリも地雷度を高めた。 販売サイトでは当初、百合やレズビアンのタグが付けられており、また、百合専門レビューサイトには一般版が提供されて百合認定を受けていたのである。 数々の仕掛けは功を奏し、本作は「百合と『あなた』が交わる地雷」として悪名を轟かせた。 この波に乗じて、 マッシブで気丈な女騎士に、舌っ足らずの声を割り当てる深刻なミスキャストをやらかした『上司の巨乳騎士団長は俺の肉オナホ! ~年下恋人から中出し漬けで寝取って孕ませ穴に!~』と、 17年前の作品をフルプライスでほぼベタ移植するも、ウリにした追加要素は絵柄と声が本編とちぐはぐなスキップ13秒の夢オチだった『淫堕の姫騎士ジャンヌ RE BORN ~オーガの仔種を注がれる気高き姫!~』もエントリー。 ZIONの『ワケありJK従属学園 ~強制絶頂は終わらない~』も、絵に全振りで残りは雑な近年流行のスタイルで参加を果たす。 シナリオ冒頭からあらすじと矛盾しており、「ヒロインは男子生徒たちを手玉に取っているはずが、いつの間にか絶頂地獄へ~」のはずが、処女喪失シーンで寸止めコントロールされて完敗を喫する始末。 その際のヒロインの咆哮「ヌアァーーー」にも現れている通り、テキストには珍妙なセンスが満ちている。 男子生徒たちの名付けからして、まず頂点に君臨する3人がS1・S2・S3、みんな揃って「SⅢ」(スペシャルスリー)である。 そしてモブたちは、男子生徒A~DやらXYZやらαやら2やらが順不同で続々と現れ、マドハンドもかくやの乱立を見せた。 文体も独特であり、「男根の美味を味わう」や「子宮口を亀頭が消しゴムのように削ってくる」のように、わかるようで引っかかる言い回しが多い。 「黒光りするイチモツが信じられないほど高速で揺れている」というピストン描写は、字面だけ見れば全裸での激しい腰振りダンスである。 しまいには、射精を「放精」とする表現が他メーカーと被る「放精マイフレンド現象」をも引き起こした。 絵にしても、モブが貧相すぎてヒロインとの格差が際立ち、金持ち男子と借金苦女子というコンセプトを毀損している。 大切なのは全体の調和であり、「ハンバーグだけ上等でも、バンズが釣り合わねば忌まわしいハンバーガーの域を出ない」話を想起させる仕事であった。 突然の確定演出とともに、とこはなの『ナマイキユメちゃんはおにぃとメチャクチャHしたい! ~ギャルと教師のドキドキ同棲生活~』も姿を表した。 紹介文によると本作は、「ときに傷つき迷う等身大のキャラクターを配し、関係性を掘り下げ、低価格帯であっても満足感のある濃密な内容」らしい。 しかし実態は大きく異なっており、徹頭徹尾ダダ甘ライトで通し、傷つき迷う心理描写も見当たらない。 主人公が教師と生徒という立場に悩むのも最初だけであり、ヒロインに全裸で迫られるとあっさり陥落して猿と化す。 そもそも、急接近のきっかけからして「ヒロインがアナニーに使用したペンがケツ穴から取れなくなり、主人公に取ってもらう」である。 ときに傷つき迷いながら掘り下げるとの売り文句が、まさか肛門を指していようとは。 恋人同士になった後ならまだしも、急接近に繋げる展開はさすがに前代未聞であり、「ついに修羅の国にもけつあな確定の波が」と感嘆された。 また、主人公の名前に関するバグも搭載。 デフォルトネームがなく入力を求められるが、その名前は作中の「主人公」という単語をすべて上書きしてしまうのである。 例えば主人公名を「ゲルググ」にすると、「俺つえー系主人公」は「俺つえー系ゲルググ」に変わり、珍種のなろう系MSが誕生する。 同様に、作中で鑑賞するアニメ作品は「3話で早くもゲルググとヒロインがキスする」内容となる。 かくして本作は「ケツアナユメちゃん」としても、命名遊び史の1ページとしても名を成した。 宴もたけなわとなったところで、アンモライトの『女体化転生したボクはふたなりで無双する!? ~でも、お姉ちゃんたちには絶対に勝てません!~』が、風変わりなテキストでスベリ倒した。 本作は、女体化転生した主人公が意地悪な姉たちに反撃を試みるも、ふたなり化アイテムを奪われて負け散らかす情けない話である。 主人公は天然を通り越してバカであり、女体化してなお自分は雄々しいと猫口調でにゃあにゃあ自画自賛したり、子供じみた言い訳で自己正当化を図ったりするため見苦しい。 さらに、「精液が出発進行する」「お腹がぽんぽこタヌキになってしまう」「頭も身体も、ぽあぽあのぷあぷあだ」といった表現で苛立ちを喚起し、「くぁwせdrftgyふじこlp」似の絶叫も繰り出す。 挙句、馬並みに肥大したチ◯コで級友めがけて鏡を割る威力で放精し、選評者から殺人未遂の嫌疑をかけられた。 バカゲーとして見てもなお、薄ら寒いだけの惨状というほかない。 散りゆく秒速5センチメートルの走馬灯をすべて見届け、屍山血河の桜祭りは終結した。 例年ならば一年分に相当する選評が、半年足らずで届く異常事態。 住民たちは困惑を隠せなかったが、時は待たない。 しばしの休息で心身を整え、下半期の戦いに臨むのであった。 夏本番の7月後半には、半月に5本の選評が集中的に届いた。 口火を切ったのは、アトリエさくらの『背徳の強制種付け ~愛する妻の子宮に注ぎ込まれる他の男の精液~』である。 背景差分が足りないせいか、夜の描写の合間に昼間の背景を挟んでしまい、 「主人公が24時間トイレに籠もっている間に、竿役とヒロインは徹夜フェ◯からの朝から晩までセッ◯ス」 という持久戦を勃発させた。 これを受け、とうに桜の季節は終わったとばかりに、対抗戦力が決起する。 先陣を切ったのは、コンフィチュールソフトの『ギャル姉妹 ~ハーレムタイムが止まらない!~』であった。 「オタクに優しいギャル」をテーマとしながら、ギャル属性に対するこだわりが感じられない。 見るからに強気ギャルな姉は、主人公に対してまさかの敬語。 立ち居振る舞いも優等生そのものである。 妹は、陽キャギャルとして許容範囲と思いきや、Hシーンで東リベパロをぶち込んでくるなど、TPOを無視したネタが寒い。 話の展開もあまりに杜撰で、導入からして「妹の方に振られた主人公は、その場で『だったら1回やらせてくれ』と土下座してドン引きされるも、それを見ていた姉に1回やらせてもらえる」である。 これは事前にあらすじとして提示されているため、ストーリーには期待薄と推察できる点は良心的といえよう。 実際、導入部以降はツボイさんの関与が疑われるほどやりまくるのみであり、ノイズ入りの「ギャル」という記号を抱くエロゲーと評された。 第二陣として、 主人公が精神的に調教されてNTR性癖に目覚めた挙句、汚れた妻を抱きたいというさらなる性癖の変化を機に「本人も納得の上で去勢された」ことがさらっと語られて終わる『調教カテイ ~性開発された肢体は元カレを忘れられない~』と、 展開の理由付け・設定の落とし込み・心理描写をことごとく省き、全ヒロインの性知識をエロゲー由来にして「侵・放課後エロゲー生徒会」の異名を得た『侵・性奴会 ~美人会長と爆乳書記の調教日報~』が続く。 負けじとアトリエさくらも『俺の幼馴染がエロ配信をしていた件 ~地味な彼女の裏の顔はエロエロな配信者でした~』で押し返しを図る。 開幕3クリックで「言葉にしなくて、もうそれでけで彼女には~」なる奇怪な文章で先制パンチをかまし、以降も誤字を頻出させて雑さを露呈した。 一方で、絵柄を今風に寄せ、非エロの一枚絵を用意する試行錯誤がみられる。 恒例の「3行de馴れ初め」も廃止され、導入に適切な文量が割かれるようになった。 しかし、代償としてHシーンが削られては本末転倒である。 14枠ある回想のうち本番は6枠しかなく、残り8枠はあの手この手の水増し。 内訳は、脱いで見せるだけの短いシーンが4枠、自慰が2枠、一続きのシーンの分割が2枠である。 一皮むけようとしたはずが、古の王アーベルの水増し手法を取り入れざるを得なくなり、むしろ化けの皮をかぶってしまう皮肉な末路であった。 7月の戦いの後は騒動もなく、気付けば秋。 狂騒の収穫祭が巻き起こりがちな季節ながら、さすがに春に続く大祭とはならず、2作品の衝突で収まった。 上座に居座ったのは、『エルフェンキング』 近年は催眠モノに傾倒していた老舗ルネが久々に手掛けた、ファンタジー凌辱モノである。 十八番ジャンル・90枚超のCG・豪華声優陣と隙のない布陣に思われたが、仕上がりはフルプライスの水準には程遠い。 シナリオと演出に手抜かりがありすぎたのである。 筋書きは「劣等種として虐げられてきた主人公が力を得て、高慢なエルフ族に下剋上する」であり、ありきたり極まる。 主人公の能力は「イメージの現実化」および「他者への能力の伝授」と万能ながら、使い方に工夫がない。 ならず者たちを一騎当千の魔法兵軍団に変えた後は、戦力差で圧勝し、自由を奪って凌辱の繰り返し。 それ以外は、たまにチ◯コサイズの調整に使われる程度である。 行動原理も単純であり、やられたからやり返す、エルフだから犯す、ただそれだけ。 決起から連戦連勝連姦でトントン拍子にエルフの国を滅ぼし、全ヒロインを奴隷化して嬲る、それ以外の内容はなきに等しい。 最序盤に、力を求めずに「運命は自分で切り開く」と宣言する選択肢もあるが、切り開けずに即バッドエンドである。 全編通して新鮮味がまるでなく、フルプラならせめて一捻りは欲しかったと嘆かれた。 次に演出は、色々と端折られすぎている。 絵の質と枚数は価格相応ながら、差分が少なく、ヒロインたちの表情は変化に乏しい。 精液差分を増やしたとて焼け石に水である。 また、過程の省略も度を越している。 凌辱シーンでは前フリ軽視が甚だしく、開始時点ですでに全裸が当たり前、ときには挿入済みの場合すらある。 つまり「挑発して歯噛みさせてから服を剥ぎ取る」のような凌辱モノにおける前戯が、まるごと省かれているのである。 屈服の過程にも抜けが多い。 あるヒロインに至っては、プレイヤーの知らぬ間に経験人数が数百人に達し、半ば心が折れたところから個別が始まる。 それでもなお「ほとんど処女みたいなものだな」と受け入れる剛の者は少なかろう。 気分を盛り上げるために、適切な段階を踏んでシチュエーションを描くことがいかに重要か。 コストをかけて良質な素材を揃えても、演出ひとつでエロゲー失格になりうると、嫌というほど知らしめた作品であった。 さらなる下剋上を狙うは、またも現れたアトリエさくらの尖兵『恋人・亜依理を抱いた他の男達 ~愛する恋人が俺の元から去った理由~』 ヒロイン1人に男主人公を3人起用し、複数の視点で男性遍歴を描く変則スタイルで挑んできた。 しかし、ただでさえ少ないボリュームを章仕立てで分割したせいで、内容が薄まりすぎている。 結果、幼稚で我儘なメイン主人公への嫌悪と、ぞんざいな理由で尻を振り股を開くヒロインへの困惑だけを遺して散った。 師走に入ると、一年を憂いなく終えんと冬の戦いが開幕。 縮地法を駆使して急速前進してきたのは、TinkerBellの『せをはやみ。』である。 独特なシステム設定の説明が不足しており、「アクメーター」や「むんむんほかほか効果」という、なんとなく予想はつくが不明瞭な項目を複数搭載して首を傾げられた。 一方、固有名詞にはルビを振る親切さも見て取れる。 しかし、テキストの1行目が枠の上端に表示されるため、ルビがはみ出して見づらい。 そうして凝視を促したところで、本作の真骨頂たるサプライズ顔面ドアップが炸裂する。 会話しているヒロインが、脈絡も予備動作もなく、専用に書き込まれた高解像度の顔面で視界を覆い尽くす技である。 しかも日常の茶飯事として連発してくるため、プレイ中は常に戦々恐々とさせられ、否応なくストレスが積み上がっていく。 いつ仕掛けてくるかわからないヒロインたちへの警戒心は、次第に嫌悪に変わり、瀬をはやみの和歌に詠まれた慕情とはかけ離れてゆくのであった。 続いてcalciteの『AI(愛)妻と娘への調教性活』が、流行りに浅く便乗した。 特色は、亡き妻の人格を投影したAIヒロインである。 しかし実体を持たないため、Hシーンはスマホに表示される痴態を見ながらのオ◯ニーでしかない。 スマホ内に主人公のアバターを生成して行為に及ぶパターンもあるが、本人はやはり見ているだけである。 そしてタイトルに反し、AI妻への調教要素はまったくない。 義娘ルートには、なぜか妻の部屋から出てきたSMグッズを「俺たちに遺してくれたのかも」と使う無理やりな展開が1シーンだけ存在するものの、「調教性活」を冠するにはあまりに弱い。 また、整然とした連続性に欠けた不条理な展開も散見される。 とりわけ、義娘に初めて手を出す場面で義娘が開口一番、 「……そういえば、手でしたことってあったっけ」 と話すのは理解に苦しむ。 「すでに幾度となく性的な行為に及んでいるが、手でしたことがあるかは記憶が定かでない」としか解釈できず、「手を出そうとした直後の暗転時に、さんざん手を出した後の未来へとワープした」説が提唱されたほどである。 安易な題材すら腐らせるのは毎度のこと。 たゆんだ努力で整合性のなさにも磨きをかけ、常連の貫禄を見せつけたのであった。 大晦日には、国境を超えたバトンタッチが果たされた。 海外在住の有志から『JINKI -Unlimited-』の追加報告が届いたのである。 ついに年始の魔物がその姿を現すときが来た。 先に美点を挙げるなら、敗北if凌辱に振り切ったHシーンであろう。 ただし、一部シーンがリョナを超えたゴアであり、そのわりにCGでの表現がマイルドな点は賛否が別れた。 そして、数ある難点を一言で現すならば「欠落」である。 第一に、ADVパートの設定変更が存在しない。 つまり、テキストスピード変更・メッセージウィンドウの透過率変更・オートモード・既読スキップ・バックログ等々の標準機能がすべて未搭載である。 CGモードもないため差分は見られず、シーン回想は、シナリオの既読部分にいつでもジャンプできる機能で代用されている。 第二に、ストーリーは、ご都合主義でボリューム不足の尻すぼみ。 「主人公が仲間との共闘や交流を経て成長し、特別な存在となる王道の物語」を目指したことは伝わるが、それも最初だけである。 先に進むほど、必要な描写を削られた形跡が目立つため、おそらく開発途中で時間と資金が尽きたのであろう。 結果、旧主人公含むヒロインたちは、新主人公をほめそやすだけのガヤと化した。 そして、巻き込まれ無双系の新主人公が、いつの間にか仲間から全幅の信頼を得て、世界の脅威への特攻能力を都合よく発揮し、ほぼ独力でシリーズを完結へと導いてしまう。 第三に、RTSパートには、操作性と戦略性が致命的なまでに欠如している。 そのため、RTSの娯楽性の真髄たる「リアルタイムの戦況を、戦略的思考と臨機応変な判断で勝利に導く達成感」を味わえないのである。 UIは後発のコンシューマー版に最適化されており、PCでの操作には不向きでありながら、キーコンフィグすらない。 例えば、ホイールのクリックとスクロールにはそれぞれ必殺技と視点変更が割り振られており、誤操作は必至。 その他の操作も煩雑であり、各ユニットへの指示出しさえ一苦労である。 指示しても、移動系の補助・補正機能が貧弱すぎて、壁に引っかかるか目標を見失うかしての棒立ちが多発する。 これでは、直感的で効率の良い正確な制御には程遠い。 戦略性に関しては、ユニットとマップが単純かつ画一的すぎて考える余地がない。 ユニットのカスタマイズは武器のみであり、それすら攻撃力以外はほぼ無意味。 マップは、狭く、ギミックもなく、使い回しが多い。 やることといえば、基本は逃げ回り、ゲージを溜めて必殺技を放つのみ。 それでいて、戦闘回数は実に100オーバーである。 仕上げに、オールクリアには3周を要する周回前提仕様を搭載。 周回によってのみストーリーが分岐するため、共通ルートにあたる部分は周回ごとに再走させられる。 にもかかわらず、既読テキストの色変えや既読スキップの機能はなく、どこから分岐したかは記憶を頼りに探るほかない。 つまらなさと不便さのアンサンブルに加えての「3回周って徒労も3倍だな」仕様は、数多の購入者をクリア断念へと追い込んだ。 これもまた「Unlimited」と呼ぶにふさわしく、再度のタイトル回収が成る。 プレイヤーとその所有PCを同時に屠らんとする死のダブルミーニングは、修羅の国を震恐せしめたのであった。 その直後の予備期間には、幅を利かせる年始の魔物を迎え撃つべく、年末の魔物が降臨する。 前年に大賞デビューを飾ったWendyBellの『モラトリアム ~ブルーアワー幸せの時間~』、満を持しての参戦であった。 前作『悪魔と夜と異世界と』に続き、本作もすべてが低質。 画面比率は今なお4 3、立ち絵が動くとメッセージウィンドウが消える仕様も健在である。 そもそもボリュームが不足しており、準フルプライスながら容量は1GB未満、ヒロインは2人のみ。 比例してストーリーも薄い。 大部分は味気ない日常の羅列にすぎず、ヒロインたちの異国出身設定も活かされない。 また、主人公の人物評が登場人物たちとプレイヤーとで大きく食い違った。 片や「自他ともに認める協調的な人物」、片や「自己中イキリ」である。 これは、主人公がイキるたびになぜか信頼や好感を得るギャップの積み重ねに由来する。 ヒロインとの出会いからして、 「ナンパ男たちに絡まれている最中のヒロインに『お高くとまってるのは媚び売ってるのと同じだからやめた方がいい』と哲学的な説教をかまし、男に凄まれると即退散」 という行動に出て、ヒロインの歓心を買い、プレイヤーからは嫌われた。 小オチの「某国の姫でした」は見透かされて落胆を招いたが、大オチが住民たちの度肝を抜く。 それが、黙って母国に帰ったヒロインを追い、君主制を廃しての民主化に絡むという超展開であった。 入りは毎度のイキリからであり、主人公が、 「騙し討ちみたいに急に去られて納得できるか!直接話して一発ぶん殴る」 と感情を爆発させると、姫の護衛役に覚悟を認められ、都合よく準備されていた偽造パスポートで即時渡航する。 そのままイキって民主化革命となれば逆に感服するほかないが、実際はイキって要人や国王に気に入られ、ヒロインを口説くのみであった。 過程のほとんどは「様々な障害がありつつも」の一言に圧縮され、実に数十年かけて民主化を終えてから、ようやく2人が再会したところで幕引きとなる。 一連の経緯は、KOTYeがしばし政治学スレの様相を呈するほどの衝撃をもたらし、最終的には 「そして…僕は偽造旅券を手に入れたのだった。 ずっぷ!ずっぷ! ああ…民主化しそう」 と端的にまとめられた。 絵も上等とはいえず、一枚絵は作画崩壊気味であり、それぞれ顔つきや体形がブレている。 特に、長さも太さも可変式の首や腕は不気味さや不安感を掻き立てた。 この内容で、キャッチコピーを「それは青くて一瞬で大切な時間」とするセンスには恐れ入る。 青二才じみた出来に青天の霹靂を盛り込んだ本作は、前年王者の血を継ぐ強者として一目置かれるのであった。 締切間際、貪欲に記録更新を狙うアトリエさくらが食後の下剤を務めた。 『妻・倉崎桜菜の浮気調査 ~寝取られ妻の淫らな下半身事情~』では、マンネリが囁かれ始めたのを察してか、新たな暴挙に打って出る。 過去のエントリー作で見た爬虫類顔を想起させるばかりか、ママⅡ風味すら薫る絵を採用。 最終防衛ラインの「絵はそれなり」も崩壊させ、「もうBGMで抜くしかない」と選評者を絶望させた。 最後に、ヒロインが主人公への恋慕の情や罪悪感を有さぬただのビッチでしかない『略奪された婚約者(フィアンセ)~恋人・真澄(ますみ)と弟の秘密』をもって、新記録となる同年9本のエントリーを達成したのである。 かような記録を生んだ一因として、プレイヤーとメーカーの哀しいすれ違いが考えられる。 ある選評者は、NTRの本質を「アリストテレスが『詩学』において定義した悲劇」と述べた。 それは、不幸に陥る登場人物を鑑賞して哀れみや畏れを募らせ、その感情から悲劇の終わりとともに解き放たれる際の心の浄化を目指す様式を指す。 そしてその実現には、満たすべき重要な要素が複数ある。 十分な感情移入・倫理的な共感・登場人物の感情と行動の一貫性・無理のない展開・適度な予測不能性・有意義な結末である。 こうして並べてみると、アトリエさくら作品に欠けている要素のいかに多いことか。 ただ、月1本の販売ペースとロープライスゆえの制約を考慮するに、先の要素を網羅したNTR作品の制作は至難であろう。 「他人棒がヒロインに挿入されればNTR」と広く定義したNTR風作品の量産がアトリエさくらの生存戦略ならば、NTRの真髄を求める者たちとの溝は永劫埋まるまい。 本格NTRとNTR風の間には、蟹とカニカマ程度の齟齬がある。 蟹と偽ってカニカマを売るのは悪行なれど、カニカマとして提供されたものに対し本物の蟹になれと促すのは理不尽といえよう。 提供者は品質向上と正確な告知に努め、客は情報や価格を踏まえて過大な要求を慎み、双方から期待値のズレを解消していくことが望まれる。 少々話がそれてしまったが、役者が揃ったところで2023年の「アレ」を発表しよう。 次点は、 『星と乙女が占う未来』 『エルフェンキング』 『モラトリアム ~ブルーアワー幸せの時間~』 そして大賞は、 『JINKI -Unlimited-』 とする。 2023年のエントリー数は32本を数え、過去最多を更新。 粗製乱造と低価格化の傾向はいっそう強まり、4000円台までの作品が2/3以上を占めた。 低質でつまらないという身も蓋もない欠点が蔓延ったのも近年同様である。 ただし、徹頭徹尾つまらないまま終わったものばかりではない。 星明かりに閃く暗器のごとく、インパクトと独自性を兼ね備えた一発芸を披露する作品もまた、次から次に現れた。 放精マイフレンド・けつあな確定・突然の去勢・顔面ドアップなど、天然にして多彩な副産物の数々が住人たちの心を揺さぶったのである。 特に『星と乙女が占う未来』は、Hシーンの相手を曖昧にして受け手に丸投げする怠慢により、解釈の余地を野放図に広げ、望まぬ可能性に直面するプレイヤーを量産した。 その斬新さと特異性ゆえに、評価は「大賞級」から「取るに足らない」まで、濃淡が強く表れている。 なぜなら、苦しみの根源は、作中ではなく受け手の脳内にあったからである。 作品の描写は不明瞭で薄く、ただのきっかけにすぎない。 その刺激を受けて何を思い起こすかは、個々人の認知や性癖のあり方、トラウマめいた経験と記憶、そして不安や被害意識の強さに大きく依存している。 例えるならば、「落下のリスクがなくとも高所は怖い」と熱弁する者に、知識に基づいた理解はできても、誰もが我が事として心から共感できるわけではないのと同じである。 対して、苦しみの根源を作品全域に内包するフルプライス作品群も君臨した。 これらは一発芸の枠を超え、一芸の粋に達している。 『エルフェンキング』は、エロと人心の機微に理解が及ばず、いかにもそそる素材を用いていながら、テキストと演出だけで心凪ぐ無感動物語を創造してのけた。 『モラトリアム ~ブルーアワー幸せの時間~』は、見るも怪しいバリエーションを誇る一枚絵を筆頭に、あらゆる面で低質さを維持しつつ、突然の民主化超展開でも話題をさらった。 しかし、それらと比較してなお、『JINKI -Unlimited-』がもたらす辛苦は広範にして根深い。 盤外では進行不能バグ・デバッグモード・絶え間ないGPUへの過負荷で畳み掛け、本編は、尻すぼみのご都合シナリオと戦略性なきRTSで盤石のつまらなさ。 欠陥コンフィグはプレイ環境の最適化を許さず、プレイヤーに無駄な負担を延々と強いる。 広げた大風呂敷に中身はなく、それでも完成を目指した理想の姿は垣間見えるだけに、ひときわ悲哀が漂う。 かように、折れる方向に心を動かす力は大きく、しかも的確な角度で、じっくりと時間をかけて発揮された。 その負の屈強さは、本年において最も幅広い理解と共感を得たのである。 往生際は悪かったが、それは最期の瞬間まで己の作風を貫かんとした結果と信じたい。 さながら、芸を抱いて腹上死すると息巻いて舞台で果てた老芸人の大往生。 全盛期には遠く及ばぬ醜態なれど、天晴な死に様にして生き様であった。 ゆえにKOTYe2023大賞の栄冠は、偉大なるマインマエストロの遺作に捧ぐ。 さよならのかわりに。 「ありがとう」の花束を添えて。 15周年の節目に、KOTYeの今までとこれからに思いを馳せる時間をいただきたい。 開闢当初は、何をもってクソゲーを定義し、優劣をつけるかについて、それぞれが持論の正当性を主張しあうのが常であった。 真剣な激論は幾年も繰り返され、ときには決着がつかない年さえあった。 そうしたクソゲー観の切磋琢磨を経たからこそ、身に沁みて理解できた。 誰かの理想は別の誰かの地雷であると。 自分には自分の真実があるように、他者には他者の真実があると。 真実は人と癖の数だけ存在するのである。 にもかかわらず唯一絶対の基準を探し求めるのは不毛であり、ましてや、自分の基準こそ万人の規範と疑わないのは驕りにほかならない。 ゆえに、自分の価値観に基づく自分だけの基準を磨き、他者のそれも等しく尊重する姿勢が望まれるようになった。 いつしか総評にはすべてのエントリー作品が載るのが通例となり、クソゲーのリストではなく、その年を振り返る目録にして総決算のような位置づけとなった。 クソゲーと明言して決めているのは「一番のクソゲー」すなわち大賞のみであり、それとて相対的な判断にすぎない。 こうした現状を示す好例として、残置しておいたエントリー作品を紹介しよう。 それが『サクラノ刻』であり、攻略不可ヒロインの多さと後半の展開に物言いがついた。 一方で、2023年の最優良エロゲーを選ぶとするなら大本命となるだけの圧倒的好評を獲得している。 しかし、それを理由にエントリーが拒絶されることはなく、クソゲーか否かジャッジされることもない。 ただ「定められた手続きに従って自身の不満を表明した者が1人いた」と記録されるだけである。 このエントリーが、「KOTYeは厳正なるクソゲー審査の場」なる幻想を打ち砕いてくれると期待したい。 では審査せず何をするのか。 それは自他の苦しみとの対峙と昇華。 エロゲーへの不満という「悲劇」を通して感情を解き放ち、心の浄化を目指すのである。 当事者は選評によって自らの体験と感情を整理し、表現する。 住民は傾聴し、問いかけ、共感したならそれを示す。 共感できずとも理解に努め、そんな不満もあると認知して受け入れる。 さすれば、未知の苦しみがひとつずつ既知に変わってゆく。 実体験ではなく、想像によって感情を模倣した贋作にすぎないとしても、そのストックを増やすほど、精神は様々な怒りや悲しみに対応しうる柔軟性と強靭さを得る。 それこそが、苦しみを解き放ち、ときに笑いへの昇華すら成しうる力なのである。 ただし、何のお墨付きも与えない代わりに広く参加を受け入れる方針は、危うさも孕む。 半ば無法ゆえの自由は、破天荒な面白味の源泉なれど、ひとたびバランスが崩れれば途端に転覆に至る荒波でもある。 個々の性癖や価値観がせめぎ合い、異なる信条や思惑をも飲み込んで渦巻く混沌の魔海の上で、自由や正義に酔わず、精神の均衡を保って自身の筋を通せるか。 語り手として、聞き手として、傍観者として、KOTYeに何を見出し、どういった立場に身を置き、いかに振る舞うか。 KOTYeの舵取りは、関わる者たち一人一人の仁義に委ねられている。 されど、ではなく、なればこそ。 KOTYeよ。 誰もが遠慮なく、自身の悲劇を語りに来られる避難所であれ。 怒りも悲しみも、語り合って解き放ち、前向きに笑い流せる隠れ家であれ。 果てのない闇も繰り返す後悔も乗り越え、ともに銀燭の明日を目指す船であれ。 そう切に望むとともに、かくあるべく微力を尽くす所存である。 末筆となるが、戯画謹製の名作『バルド』シリーズの文言に願いと覚悟を託し、KOTYe2023の結句として書き刻む。 「Don't believe THE TRUTH, Believe YOUR JUSTICE and YOUR HEART. さあ、お前のJINGI……貫いてみせろ!」
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/902.html
2023年総評案2第1.02稿 大賞 Jinki -Unlimited- 【2023】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所 https //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58649/1706966035/ 79:総評2:2024/03/11(月) 22 25 06 ID ???0 先に、受けたご指摘をもとに手直しした総評案2の改訂版を挙げておきます 結びの部分のみ、今後の議論次第で大きく変化する可能性もあるため、現時点では修正を保留とさせてもらいました https //writening.net/page?2vDwN6 今後の進め方ですが、まず「総評人双方ができるだけ納得できる決め方」を決めるべく、総評人同士で意見のすり合わせを行ってみるのはどうでしょうか 自分としては、主張したいことはだいたい総評案に込めたつもりなので、あとはそれがどれだけの支持や共感を得られるかだけだと思ってます その上で、より納得できる決め方となると、「単純に支持表明だけを募るのではなく、支持するポイントと理由をなるべく具体的かつ詳細に挙げてもらう」くらいでしょうか 例えば、「ベース案にはこちらを推すけれども、こことここはもう一方の案から取り入れてほしい。なぜなら~」のように あるいは、甲乙つけがたいのであれば、最終総評に残したい箇所や要素を両総評案から選んで列挙する形などでも歓迎です 要は、単なる投票にしてしまうのではなく、できる限り議論の形式に近づけたいという意図です 参加者の皆さんの負担は増してしまいますか、そのぶん最終的な決定稿をスレの総意に近づけることできるのではないかと思います 期間は、長すぎず短すぎずだと2週間程度ですかね 並行して、大賞理由や、結びでのKOTYeの在り方論といった要点について重点的に意見交換を進められれば効率が良さそうです (URLの内容) クソ路はすべて闇の中である。 2022年のクソゲーオブザイヤーinエロゲー板(KOTYe)は、熱意なき駄作同士がつまらなさを比べ合う、苦難の道行きとなった。 泥濘の底で覇者となったのは、流行のポップソングをボソボソ歌う音痴の自称ロックンローラーこと『悪魔と夜と異世界と』 王道に便乗しながら王道を茶化し、傲岸不遜と自己卑下、中二病と高二病という異なる概念を低い次元で両立してみせ、修羅の国の強者にして怯者として名を成したのであった。 常闇に沈んだ暗黒大陸に、一寸先の光は差すのか。 かつてない規模の祭りが始まろうとしていることを、住人たちはまだ知らない。 いまだ前年の総評審議も始まらぬ2月末。 それは遅れすぎて最初にやってきた。 年末の魔物を超越した年始の魔物、RTS+ADV形式で開発されたファイナル戯画マイン、『JINKI -Unlimited-』である。 前年12月初旬にマスターアップが宣言され、12月末の発売を予定されていたが、「思いがけない重大な不具合」を理由に1ヶ月延期。 このとき戯画は3月末をもって開発・販売・サポート業務を終了する旨を告知しており、真のデッドラインが迫る中での発売となった。 我先にと戯画の遺作に挑んだプレイヤーたちは、特定箇所で確定フリーズする進行不能バグに見舞われ、自分たちが有料デバッガーとなったことを悟る。 当日中に修正パッチが出されるも、すぐに別の進行不能バグが発生。 さすがに手詰まりかと思われたそのとき、先のパッチでデバッグモードが開放されていたことが判明する。 真の意味での有料デバッガーたちが誕生した瞬間であった。 バグの壁をも越える力を得てクリアへの道は拓かれたが、Hシーンだけを全回収して戦線を離脱する賢者も現れる。 事態を重く見てか、戯画は次なるパッチでデバッグモードを封鎖。 対して、あえてパッチを当てずデバッグモードを使い続けるといった駆け引きもありつつ、アップデートは繰り返されていく。 そうして、ユニーク敵が無限に湧く・パイロットのレベルが99を超えると1に戻る・セーブデータが肥大化する等々のバグは駆逐されていった。 バグとデバッグ絡みで七転び八起きしたプレイヤーたちであったが、本編では七転八倒を強いられる。 いや、正確には本編開始前、起動した時点からである。 というのも、本作はフレームレートが制限されておらず、並のGPUでは常時稼働率100%を免れない。 文字通り「Unlimited」であり、起動した瞬間にタイトルを回収する大記録を打ち立てた。 ほかにも、RTS・ADVの両面において多岐にわたる問題点が指摘されたが、報告者は完走を前に力尽きてしまう。 全容の解明は、後に続く者へと託された。 最後の戯画マインは、墨染の空に風穴を開けた。 やがて春を迎えたそのとき、空の穴から選評が降り注ぎ始める。 花びらのようにしんしんと、しかし絶え間なく、過去に類を見ない物量で。 それは、解散した戯画や、眠りについた据置版クソゲーオブザイヤーへの慰労か、あるいは最後の現役戦士となったKOTYeの生存本能か。 葬送の桜祭りは拡大の一途をたどり、選評数は5月までで20本に迫ることとなる。 近年の常連組からは6作が祭りに参列した。 先頭は、3年連続となるエントリーを果たしたNorth Boxの『高嶺の花と魔法の壺』である。 前作では相反する設定の不協和が指摘されていたが、それは完全に解消されている。 潔すぎる手段、すなわちシナリオをできる限り無に近づけることによって。 というのも本作の中身は、「主人公がひょんなことから手に入れた魔法の壺の精に、やりまくりたいと願って叶えてもらう」、ほぼそれだけなのである。 加えて、演出面の省エネ効果も際立っており、出番の多い壺の精も含めてヒロイン以外のボイスなし、モブの立ち絵はシルエット表示。 30年近く前の著名サウンドノベルをオマージュした、温故知新の精神の表出であろう。 ピストン音にはバリバリというノイズが交じっており、これもまたかつて存在したバリッと響く射精音を思い出させた。 HシーンにそぐわないBGMも健在であり、今回は琴の調べを思わせる典雅な音色が煩悩を霧散させる。 思い切った決断でハマったのは壺ではなくドツボであったと見るべきか。 続いて、evoLLの『ラブカフェ~童貞な俺でも、巨乳女先輩と同棲できるってマジですか?』が、あらすじ詐欺を仕掛けた。 「4人の同棲生活」との触れ込みながら、実態は2人の同棲生活×3ルート。 最後に解放されるハーレムルートでようやく実現かと思いきや、非処女ビッチ化したヒロインたちとやりまくるだけの妄想オチで終わってしまう。 思い描いた「4人の同棲生活」など、夢のまた夢である。 ほかに強く印象に残るのは、射精のことを「放精」と表現する独特の言語感覚くらいであった。 ここで2人のヒーローガールが会場に舞い降りる。 1人目は、SUKARADOGの『虜囚の女ヒーロー ~怪人たちとの闇の狂宴~』 悪の組織ポルチオーンに敗れた突破戦隊テクノブレイカーの紅一点が、仲間を人質にされてバトルファックを強要される話である。 この時点で察せられる通り、本作には突っ込みどころが非常に多い。 まず、ヒーロー調教モノとしての様式美は無視されている。 戦闘敗北の描写を割愛して監禁済みの状態から始まり、怪人の精液による催淫効果で1回目から即発情、快楽に抗えないままあえなく絶頂である。 徐々に快楽堕ちしていく過程など描いていては、現代のスピード感にはついていけないという判断であろうか。 また、主人公の思考回路が頓狂であり、いかなる状況下でも戦隊ヒーローとして実力を行使する発想に至らない。 脱出のために見張りの戦闘員の無力化を試みる際にも、力づくで勝てる相手だと認識しながら率先してバトルファックを仕掛ける有様であり、正義のヒーローならぬ性技の披露と揶揄されている。 ほかにも、省コスト感あふれる怪人の造形、マ◯ンガーZの劣化パクリに出てきそうな敵ボス「ポルチー王」など、総じて昭和の荒唐無稽な特撮の欠点を煮詰めたような出来であった。 2人目は、アパタイトの『清純ヒーロー×ビッチ墜ち!! ~悪の組織に調教される乙女の心の移ろいは…~』 見せかけは魔法少女凌辱モノであるが、内実はそのお約束を茶化し続けるコントであった。 なにせ主人公には悲壮感がない。 もっと堂々と調教しろと敵を説教し、売春を強要されそうになれば報酬の安さに怒り、敵に料理の腕前で負けて悔しがる。 そいて敵側にはゲスさがない。 農家との提携について主人公を交えて真剣に会議し、拠点のローンが未完済であることに悩み、主人公の孕ませを助産師不在を理由に一度は断念する……といったように、立ち位置もわからない。 ほかにも、快楽ではなく充実した職場環境に堕ちた主人公が孕んだり、悪堕ち後と見られていた姿は敵が用意した衣装に着替えるだけで、投げやりな生着替えを見た敵のほうが恥ずかしがったりと、最後まで仲良くエロ行為に励む。 バカゲーならバカゲーとして、もっと堂々と告知しろと説教されたのもやむなしであった。 そして常連部隊の後詰めは、 内容以前にシステムが劣悪で、未読・既読スキップの切替やクリック後の音声継続すらない一方、アニメ演出が未搭載にもかかわらずそのオンオフ項目は無駄に存在する『ママ僕だけを愛して… ~キモデブ息子を溺愛する母の歪んだ愛情~』と、 タイトルに掲げた「盗聴」要素はモノローグで説明されるだけでボイスなし、「妄想」要素は見当たらないという世知辛いタイトル詐欺をやらかした『カノジョの性癖 -盗聴×妄想-』が務めた。 常連といえばのアトリエさくら勢も、当然のように臨席。 単独ですでに4本ものエントリーを果たし、大いに面目を躍如している。 過去のエントリー作品から話の骨子を流用しただけでなく、導入部の選択肢の主旨と背景に至ってはまったく同じだった『好きだった幼馴染がクラスメイトのオモチャになっていた件』、 立ち絵ミスによる「全裸からの瞬間着衣」に「返信→変身の誤変換」がシンクロして起こった正常化現象と、竿役が五七七の韻律で放った台詞「その前に一度イクからちょっと待ってて」が好事家を唸らせた『他人棒でイキ狂い快楽に溺れていく最愛妻 ~見せつけられた快楽に絶頂する妻の痴態』、 「チャラ男に薬を盛られてレ◯プ→脅されて関係継続→快楽堕ち」のテンプレ展開が、薄っぺらいキャラ設定すら置き去りにして儀式のごとく粛々と進む『堕とされた義姉 ~憧れていた義姉がクラスメイトの手で快楽調教させられていく~』が、それぞれの個性で場を温め、ときに冷やした。 中でもとりわけ耳目を集めたのが『妻、宇佐見恋を抱いてください ~夫公認公開恥辱NTR~』であった。 NTR+痴漢というジャンルの性質上、多少の不条理展開やご都合主義は許容されうるが、それを差し引いても「筋書きありき」の度が過ぎており、登場人物たちの言動は不可解極まる。 ヒロインは、物事をはっきり言う上に罵倒もスラスラ出てくる強気なタイプにもかかわらず、痴漢にあっても口撃以外はされるがままで、肉体的な抵抗や反撃は一切しない。 理由は「被害者扱いされたくないから」とされているが、現在進行系で行動をエスカレートさせていく痴漢に対し、有効かつ実行可能な抵抗を放棄してただ耐える理由にはなるまい。 ほかにも、主人公が仲違いした妻との仲裁を頼む相手がよりによって竿役、イケメンで女に不自由していない竿役がヒロインに痴漢した理由が「巨乳だったから」のみ、等々、ストーリー展開に納得感がなさすぎる。 また、ヒロインと竿役は若い男女でありながら、台詞回しに加齢臭が漂っている。 恋愛経験がほぼないヒロインの語彙に「他人棒」「弾丸みたいなピストン」「弾丸というより男根」やらが含まれるのは興ざめであり、竿役は、 「イッてよし」 「キミのマ◯コの声は……キミより俺のが聞けてる」 「熱いマ◯コを初体験という俺の童貞……捧げてやったぜ」 のような凍える台詞を吐く。 そんな本作の最大の見せ場は、主人公が妻を奪還するかあるいは離婚かを賭けて竿役との勝負に挑む場面であろう。 夫の勝利を信じて応援する妻、それを受けて意地を見せる主人公。 夫婦愛は感じさせるが、しかし競技内容は「射精我慢比べ」である。 竿役がヒロインを抱き、主人公はそれを見ながら自慰をする形式となっており、非常にシュール。 その際の、 竿役「さあ旦那さんイケよ!」 主人公「僕はイカない!!」 ヒロイン「あなたはイカないでぇえええ!(私は)イクぅう~~~~~ッ!!」 という掛け合いは噴飯ものであった。 近年、粗製乱造を繰り返すアトリエさくら作品の中では、パワー感のある仕上がりといえよう。 常連組以外からも、新参と再訪をあわせた多彩な顔ぶれが揃った。 露払いを務めたのは、悪女属性を特色と謳うEvilHealの『Aphrodisiac -女神の欲望-』 サイコパス気質のマッドサイエンティストをメインヒロインに据えているが、その特異な設定を貫けていない。 というのも、オチがあまりにあっけないのである。 惚れ薬を飲んだら恋心を自覚してハッピーエンドやら、ヤクザに襲われるとあっさり屈して情けなく許しを請うやら、悪事を暴露すると言われるとすんなり受け入れて逮捕やら、マッドの矜持を放り出す結末が多い。 また、誤字脱字が非常に多く、「それはいいんだけが」「当たり間ですよ」「変ことしようしてます?」「初めての浮かぶ環状」「え、それは早くマジいですね」等々、校正したか疑わしいほどの数が確認されている。 結果、作中の迷言「嫉妬がボンバー」になぞらえ、プレイヤーの頭がボンバーと皮肉られたのであった。 次に現れたわるきゅ~れの『病みつきヤンデレハーレム!』は、同じく誤字が目立つだけでなく、日本語が怪しい部分までも散見された。 中には、 「扉が開かれると、そこから顔を出したのは、学生服に身を包んだ、幼馴染の美愛が入ってきた。」 のように、主語と述語の係り受けがとっ散らかっている例までも確認されている。 作中で主人公は、ヒロインから文章のおかしさや誤字脱字の多さを指摘され、 「慌てて書いたでしょう?それとも『ながら作業』でもしていた?」 と注意されるが、それを言いたいのはプレイヤーも同じである。 そのくせ、精液の表現は「オス汁」「生殖汁」「遺伝子汁」などと無駄に豊富なのがしゃらくさい。 また、HシーンにそぐわないBGMも採用されており、メーカーの垣根を超えた流行の兆しが垣間見えた。 本作においては、まず探偵モノの推理中を思わせる曲が流れ、1回射精すると、激しいクラシック調の曲に切り替わって2回戦に突入する演出になっている。 ラスボス戦さながらのテンションをHシーンにぶち込んで笑いを取る、その手法が最も「病みつき」であったやもしれぬ。 変わり種から花開いた大輪の曼珠沙華、Rosettaの『星と乙女が占う未来』も、祭りに死色を添えた。 女性同士の交流を描いたライトな百合作品であり、PC版に先行してNintendo Switch版が一般向けゲームとして販売されている。 そうした経緯もあってか、PC版も本編にアダルト要素はなく、エンディング後にまとめて追加収録という構成である。 そして、その追加部分こそが大いなる波紋の発生源となった。 Hシーンは4つあれど、主要登場人物同士の絡みは皆無。 すべてのシーンが、主人公と、前触れなく追加された謎の恋人「あなた」との組み合わせであった。 この「あなた」なる存在は、名前や姿はおろか性別に至るまで明確な描写がない。 最初から最後まで一言も発さず、透明人間であり、透明チ◯コの描写すらない。 ただし、大きくなったモノを主人公に挿入する主旨のテキストはあるため、少なくとも生えてはいるらしい。 要するに、百合作品に対する不意打ちでのチ◯コ投入であった。 百合好きにとっては、男の影がちらつくだけでも異物混入事件たりうる。 まして一物挿入ともなれば、冷や汗・動悸・息切れ・めまい・嘔吐などの重篤なアレルギー症状を引き起こしても不思議あるまい。 また、事前に純正百合を装う前フリも周到であった。 すなわち、 メーカーの過去作は百合と男の娘モノで、男臭さがない作風だと認識されていた 過去作のジャンルは、それぞれ正しく告知されていた 本作にも、販売サイトで百合やレズビアンのタグが付けられていた 百合ゲー専門のレビューサイトには一般向け版が提供され、最後までプレイして間違いなく百合作品であると認定されていた といった念の入りようである。 数々の仕掛けは功を奏し、本作は「百合と『あなた』がまぐわう地雷」として悪名を轟かすのであった。 この波に乗じて、 マッシブで気丈な女騎士に、舌っ足らずのたどたどしい声を割り当てる重大なミスキャストをやらかした『上司の巨乳騎士団長は俺の肉オナホ! ~年下恋人から中出し漬けで寝取って孕ませ穴に!~』と、 17年前の作品のほぼベタ移植をフルプライス販売するも、ウリにした追加部分は絵柄と声が本編とちぐはぐなスキップ13秒の夢オチだった『淫堕の姫騎士ジャンヌ RE BORN ~オーガの仔種を注がれる気高き姫!~』もエントリー。 前後して、ZIONの『ワケありJK従属学園 ~強制絶頂は終わらない~』も、絵に全振りで残りは雑な近年流行のスタイルで参加している。 シナリオ冒頭から早くもあらすじと矛盾しており、「ヒロインは男子生徒たちを手玉に取っているはずが、いつの間にか絶頂地獄へ~」のはずが、処女喪失シーンで絶頂を寸止めで完全にコントロールされて完敗を喫する始末。 その際にヒロインが「ヌアァーーー」と咆哮を上げるところにも現れているが、本作のテキストには珍妙なセンスが充満している。 男子生徒たちの名付けからして、まず頂点に君臨する3人がS1・S2・S3、みんな揃って「SⅢ」(スペシャルスリー)である。 そしてモブたちは、男子生徒A~Dやらαやら2やらが順不同で現れるという、マドハンドもかくやの乱立ぶり。 文体も独特であり、「男根の美味を味わう」や「子宮口を亀頭が消しゴムのように削ってくる」といった、わかるようで引っかかる言い回しが多い。 「黒光りするイチモツが信じられないほど高速で揺れている」というピストン表現は、字面だけ見れば全裸での激しい腰振りダンスである。 しまいには、射精を「放精」とする表現が他メーカーと被ってしまう「放精マイフレンド現象」をも引き起こした。 絵にしても、モブが貧相すぎてヒロインとの格差が際立っており、金持ち男子と借金苦女子というコンセプトを毀損している。 大切なのは全体の調和であり、「ハンバーグだけ上等でも、バンズが釣り合わねば忌まわしいハンバーガーの域を出ない」話を想起させる仕事ぶりであった。 突然の確定演出とともに、とこはなの『ナマイキユメちゃんはおにぃとメチャクチャHしたい! ~ギャルと教師のドキドキ同棲生活~』も姿を表した。 紹介文によると本作は、「ときに傷つき迷う等身大のキャラクターを配し、関係性を掘り下げ、低価格帯であっても満足感のある濃密な内容を提供する」らしい。 しかしながら、これは実態と大きく乖離している。 最初から最後までダダ甘ライトで、傷つくことなど一切ない。 主人公が教師と生徒という立場に悩むのも最初だけであり、ヒロインに全裸で迫られるとあっさり陥落して猿と化す。 そもそも、主人公とヒロインが急接近するきっかけからして「ヒロインがアナニーに使用したペンがケツ穴から取れなくなり、主人公に取ってもらう」である。 ときに傷つき迷いながら掘り下げるとの売り文句が、まさか肛門を指していようとは。 恋人同士になった後ならまだしも、それが急接近のトリガーとなるのはさすがに前代未聞であり、「ついに修羅の国にもけつあな確定の波が」と驚きをもって迎えられた。 また、本作は主人公の名前に関する不具合も搭載している。 デフォルトネームが存在せず、手動で入力を求められるが、ここで設定した名前はシナリオ内の「主人公」という単語をすべて上書きしてしまうのである。 例えば主人公名を「ゲルググ」にすると、「俺つえー系主人公」という文言は「俺つえー系ゲルググ」に変わり、新型のなろう系MSが誕生する。 同様に、作中で鑑賞するアニメ作品は「3話で早くもゲルググとヒロインがキスする」内容となる。 かくして本作は、ケツアナユメちゃんとしてのみならず、KOTYeにおける命名遊び史の1ページとしても名を残した。 宴もたけなわとなったところで、アンモライトの『女体化転生したボクはふたなりで無双する!? ~でも、お姉ちゃんたちには絶対に勝てません!~』が、風変わりなテキストでスベリ倒した。 主人公は天然を通り越してバカであり、女体化してなお自分は雄々しいと猫口調でにゃあにゃあ力説し、子供じみた言い訳を繰り返すため見苦しい。 さらに、「精液が出発進行する」「お腹がぽんぽこタヌキになってしまう」「頭も身体も、ぽあぽあのぷあぷあだ」といった表現に加え、「くぁwせdrftgyふじこlp」じみた絶叫も炸裂する。 挙句、馬並みに肥大したチ◯コから鏡を割る威力の射精を旧友めがけてぶっ放し、選評者から殺人未遂の嫌疑をかけられている。 バカゲーとして見てもなお、ただ薄ら寒いだけの惨状というほかない。 降りしきる秒速5センチメートルの走馬灯たちをすべて見届け、屍山血河の桜祭りは終結した。 例年ならばおよそ一年分に相当する数の選評が、半年足らずの間に届く異常事態。 住人たちは戦々恐々としながらも、しばしの休息に入り下半期の戦いに備えるのであった。 本格的な夏が到来した7月の後半には、半月に5本の選評が集中的に届いた。 口火を切ったのは、アトリエさくらの『背徳の強制種付け ~愛する妻の子宮に注ぎ込まれる他の男の精液~』 背景差分が足りないせいか、夜の描写の合間に昼間の背景を挟んでしまい、 「主人公が24時間トイレに籠もっている間に、竿役とヒロインは徹夜フェ◯からの朝から晩までセッ◯ス」 という持久戦が勃発したかに見える事態を引き起こした。 これを受け、とうに桜の時期は終わっているとばかりに、対抗戦力たちも決起した。 先陣を切ったのは、コンフィチュールソフトの『ギャル姉妹 ~ハーレムタイムが止まらない!~』である。 いわゆる「オタクに優しいギャル」がテーマながら、ギャル属性に対するこだわりが感じられない。 姉妹ヒロインの姉の方は、見るからに強気ギャルの外見に反し、主人公に対してまさかの敬語。 立ち居振る舞いも、生徒会長でもやっていそうな優等生のそれである。 妹の方は、陽キャギャルとして概ね許容範囲に収まっていると思いきや、Hシーンでいきなり東リベパロをぶち込んでくるなど、薄ら寒いネタが目立つ。 話の展開もあまりに適当で、導入からして「ヒロイン(妹)に振られた主人公は、その場で『だったら1回やらせてくれ』と土下座してドン引きされるも、それを見ていたヒロイン(姉)に1回やらせてもらえる」である。 これは購入前でもあらすじとして確認できるため、ストーリーには期待できないと推察できる点は良心的といえよう。 実際、導入部以降はひたすらやりまくるのみであり、ノイズ入りの「ギャル」という記号を抱くエロゲーと評された。 第二陣として、 主人公が精神的に調教されてNTR性癖に目覚めた挙句、汚れた妻を抱きたいというさらなる性癖の変化を機に「本人も納得の上で去勢された」ことがさらっと明かされる『調教カテイ ~性開発された肢体は元カレを忘れられない~』、 展開の理由付け・設定の落とし込み・心理描写のことごとくを不足どころか欠落させ、ヒロインたちの性知識の由来に至っては全員一律でエロゲーにして「侵・放課後エロゲー生徒会」の異名を得た『侵・性奴会 ~美人会長と爆乳書記の調教日報~』が続く。 負けじとアトリエさくらも『俺の幼馴染がエロ配信をしていた件 ~地味な彼女の裏の顔はエロエロな配信者でした~』で押し返しを図る。 開幕3クリック目にして「言葉にしなくて、もうそれでけで彼女には~」なる奇怪な文章による先制パンチをかまし、以降も誤字を頻出させて雑さを見せつけた。 一方で、絵柄を今風に寄せる、非エロの一枚絵を用意するといった試行錯誤の跡もみられる。 メーカー恒例の「馴れ初め3行解説」も廃止され、導入に適切な文量が割かれるようにもなった。 しかしながら、その分だけ代償としてHシーンが削られている。 回想枠は14あるが、そのうち本番は6枠しかなく、残りの8つはあの手この手の水増しによるもの。 内訳は、脱いで見せるだけの短いシーンが4枠、自慰が2枠、一続きのシーンを分割して増やしているのが2枠である。 古の王アーベルが多用した水増しの手法をも取り入れはじめたアトリエさくら。 一皮むけようとしたはずが、化けの皮をかぶるも同じ皮肉な結果に終わった。 7月の戦いの後は騒動もなく、気付けば秋を迎えていた。 修羅の国においては、狂騒の収穫祭が勃発しがちな季節である。 しかし、さすがに春に続く大祭とはならず、2作品による小競り合いで収まった。 先にやってきたのは、『エルフェンキング』 近年は催眠モノに傾倒していた老舗ルネが久々に手掛けた、ファンタジー凌辱モノである。 かつてのお家芸といって差し支えないジャンルのはずが、シナリオとエロの演出に手抜かりがありすぎて、フルプライスエロゲーに求められる水準には程遠い。 まずシナリオは、「劣等種として虐げられてきた主人公が、世界の王たる力を得て、高慢なエルフ族に下剋上する」であり、ありきたり極まる。 そして主人公が得る能力は「イメージの現実化」および「他者への能力の伝授」という万能ぶり。 実質なんでもありの能力ながら使い方は単調で、相手を上回る魔法の威力で押し勝ち、自由を奪って凌辱、たまにチ◯コサイズの調整、その反復に終止する。 主人公の行動原理も単純で、やられたからやり返す、エルフだから犯す、ただそれだけ。 決起から連戦連勝連姦でトントン拍子にエルフの国を滅ぼし、全ヒロインを奴隷化して嬲る、それ以外の内容はなきに等しい。 最序盤に、力を求めずに「運命は自分で切り開く」と宣言する選択肢もあるが、切り開けずに即バッドエンドである。 全編通して新鮮味がまるでないため、フルプラならせめて一捻りは欲しかったと嘆かれた。 次に演出は、端的にいえば色々と端折りすぎている。 絵の質と枚数は価格相応ながら、差分が少なく、ヒロインたちは表情の変化に乏しい。 精液差分を増やしたところで、焼け石に水である。 他方、過程の省略も度を越している。 凌辱モノの流れとして、1回の凌辱をどんな段取りで進めるかの短期的なものと、その繰り返しを経ていかにヒロインが屈服していくかの長期的なものとがあるが、その両方に深刻な欠落が見られるのである。 まず、個々の凌辱シーンは前フリの軽視が甚だしい。 シーン開始時点で全裸なのも珍しくなく、すでに挿入済みの場合すらある。 つまり、「挑発して歯噛みさせてから服を剥ぎ取る」のような凌辱モノにおける前戯が、まるごと省かれているのである。 屈服までの過程にも欠けが多く、ヒロインによっては、プレイヤーが見ていない間に経験人数が数百人に達して心が折れかけている。 しかもそのことが説明されるのは、いざ本格的に凌辱・調教を始めようという個別エピソード1回目の冒頭である。 それでもなお「ほとんど処女みたいなものだな」と受け入れる剛の者は少なかろう。 気分を盛り上げるために適切な段階を踏むことの重要性を、嫌になるほど知らしめた作品であった。 秋の2本目は、またも現れたアトリエさくらの尖兵『恋人・亜依理を抱いた他の男達 ~愛する恋人が俺の元から去った理由~』である。 ヒロイン1人に対して男主人公が3人おり、ヒロインの男性遍歴を複数の視点から描いている。 しかし、少ないボリュームが章仕立てで分割されているせいで話が薄すぎ、独占欲が強く幼稚で我儘なメイン主人公への嫌悪と、取ってつけたような理由で尻を振り股を開くヒロインへの困惑しか印象に残せぬまま散っていった。 師走に入ると、一年を憂いなく終えんと冬の戦いが開幕する。 恐ろしい攻撃で先手を取ったのが、TinkerBellの『せをはやみ。』であった。 第一に、独特なシステム設定に対する説明が不足している。 射精カウントダウンとは別に存在する「アクメーター」や、「むんむんほかほか効果」といった、なんとなく予想はつくが明確ではない設定を複数搭載してプレイヤーを困惑させ、この調子では「ぽあぽあのぷあぷあ機能」もいずれ出現するのではと囁かれた。 一方で、固有名詞にはルビを振る親切さも見て取れる。 しかし、テキストの1行目がメッセージ枠の上端スレスレに表示されるため、ルビが枠を超えてしまい非常に見づらい。 必然的に目を凝らす機会が増えるが、それが次なる仕掛けの効果を増す仕組みにもなっている。 それこそが、会話しているヒロインの顔が突然ドアップになるサプライズ顔面アタックである。 専用に書き込まれた高解像度の顔面が、画面を覆い尽くさんばかりのサイズで、なんの脈絡もなく表示されるその技は心臓に悪く、いわゆる精神的ブラクラを思い出させるほどであった。 縮地法のような距離の詰め方は事前の心構えを許さず、しかも日常の茶飯事として連発してくるため、プレイ中は常に戦々恐々とさせられ、否応なくストレスが積み上がっていく。 いつ技をかけてくるかわからないヒロインたちへの警戒心は、次第に嫌悪を帯び始め、瀬をはやみの和歌に詠まれた慕情とは乖離していくばかりとなるのであった。 続いてcalciteの『AI(愛)妻と娘への調教性活』が、流行りに浅く便乗した。 特色は、亡き妻の人格を投影したAIヒロインである。 ただし、スマホに表示されるキャラでしかないため、Hシーンはスマホ画面の痴態を見ながらのオ◯ニーとなってしまう。 スマホ内に主人公のアバターを生成して行為に及ぶアクロバティックな展開もあるが、実体の方はやはり見ているだけである。 そして、タイトルに調教とありながら、AI妻への調教要素はまったくない。 義娘ルートには、なぜか妻の部屋から出てきたSMグッズを「俺たちに遺してくれたのかも」と使う無理やりな流れが1シーンだけ存在するが、「調教性活」を冠するにはあまりに弱い。 また、整然とした連続性が欠落した不条理な展開も散見される。 とりわけ、義娘に初めて手を出す場面で義娘が開口一番、 「……そういえば、手でしたことってあったっけ」 と話すのは理解に苦しむ。 「すでに幾度となく性的な行為に及んでいるが、手でしたことがあるかは記憶が定かでない」としか解釈できず、「手を出そうとした直後の暗転時に、さんざん手を出した後の未来へとワープした」説が提唱されたほどである。 安易な題材すら腐らせるのは毎度のことながら、整合性のなさに磨きをかけてきたところは、常連らしい流石の貫禄であった。 大晦日には、国境を超えたバトンタッチが果たされた。 『JINKI -Unlimited-』の追加報告が、海外在住の有志による選評を住人が代理投稿する形で届いたのである。 最初の報告と合わせ、ついに年始の魔物がその姿を現すときが来た。 先に美点を挙げるとすれば、敗北if凌辱に振り切ったHシーンであろう。 ただし、一部シーンがリョナを通り越したゴアである点と、そのわりにCGでの表現がかなりマイルドな点は賛否が別れた。 そして、数多ある難点を一言で現すならば「欠落」である。 まずADV部分は、設定変更そのものが存在しない。 つまり、テキストスピード変更・メッセージウィンドウの透過率変更・オートモード・既読スキップ・バックログ等々の標準機能が搭載されていない。 CGモードもないため差分は見られず、シーン回想は、シナリオの既読部分にいつでもジャンプできる機能で代用されている。 ストーリーは、ご都合主義でボリューム不足の尻すぼみ。 「主人公が仲間との共闘や交流を経て成長し、特別な存在へと至る王道の物語」を描こうとしたことは伝わるが、それも最初だけである。 先に進むほど、必要な描写を削り落とした形跡が目立つため、おそらく開発途中で時間と資金が尽きたと思われる。 結果、巻き込まれ無双系の新主人公は、知らぬ間に仲間から全幅の信頼を寄せられ、世界の脅威に対する特攻能力を都合よく発揮し、問答無用でシリーズを完結へと導いてしまうのであった。 また、本作最大の特色であるRTS部分には、操作性と戦略性が致命的なまでに欠如している。 そのため、RTSの娯楽性の真髄たる「リアルタイムで移り変わる戦況を、戦略的思考と臨機応変な判断で勝利に導く達成感」を味わえない。 まずは操作性について。 UIは後発のコンシューマー版に最適化されており、PCでの操作には不向きでありながら、キーコンフィグすらない。 例えば、ホイールのクリックとスクロールには必殺技と視点変更が割り振られており、誤操作の発生は必定である。 その他の操作も煩雑であり、各ユニットに指示を出すのも一苦労。 指示を出しても、移動系の補助・補正機能が貧弱すぎて、壁に引っかかるか目標を見失うかしての棒立ちが多発する。 これでは、操作性の理想である「直感的で効率の良い正確な制御」には程遠い。 次いで戦略性について。 単刀直入にいえば、ユニットとマップが単純かつ画一的すぎて、戦略を考える余地がない。 ユニットのカスタマイズは武器のみであり、それすら攻撃力以外はほとんど無意味。 マップは狭く、ギミックもなく、使い回しが多い。 加えて、敵が硬すぎてテンポが悪く、後半は敵の数と火力が激増して理不尽な難易度と化す。 それでいて、戦闘回数は実に100オーバーである。 総仕上げに、オールクリアには3周を要する周回前提仕様を搭載。 周回によってストーリーが分岐するため、共通ルートにあたる部分は周回ごとに再送させられるが、既読テキストの色変えや既読スキップの機能はなく、どこから分岐したかは記憶を頼りに探るほかない。 つまらなさと不便さのアンサンブルに加えての「3回周って徒労も3倍だな」仕様は、多数の購入者をクリア断念に追い込んだ。 これもまた「Unlimited」と呼ぶにふさわしく、再度のタイトル回収が成る。 プレイヤーとその所有PCを同時に屠らんとする死のダブルミーニングは、修羅の国を震え上がらせたのであった。 予備期間には、昨年の大賞を生み出したWendyBellの『モラトリアム ~ブルーアワー幸せの時間~』が、満を持して参戦した。 前作『悪魔と夜と異世界と』と同じく、本作もすべてが低質である。 画面比率は今なお4 3、立ち絵が動くときメッセージウィンドウが消える仕様も健在。 そもそもボリュームが不足しており、準フルプライスながら容量は1GB未満、ヒロインは2人のみ。 比例してストーリーも薄い。 大部分は面白みのない日常の羅列であり、ヒロインたちが異国出身という設定も活かされていない。 また、主人公の人物評が登場人物たちとプレイヤーとで大きく食い違っており、片や「自他ともに認める協調的な人物」、片や「自己中イキリ」である。 これは、主人公がイキるたびになぜか信頼や好感を得るというギャップの積み重ねに由来する。 ヒロインとの出会いからして、 「ナンパ男たちに絡まれているヒロインに『お高くとまってるのは媚び売ってるのと同じだからやめた方がいい』と哲学的な説教をかまし、男に凄まれたら逃げる」 という行動に出て、ヒロインの歓心を買い、プレイヤーからは嫌われた。 小オチの「実は某国の姫でした」は見え透いており、ただ落胆されるばかりであったが、大オチが住民たちの度肝を抜く。 それが、黙って母国に帰ったヒロインを追い、君主制を廃しての民主化に絡むという超展開であった。 入りは毎度のイキリからであり、主人公が、 「騙し討ちみたいに急に去られて納得できるか!直接話して一発ぶん殴る」 と感情を爆発させると、姫の護衛役に覚悟を認められ、都合よく準備されていた偽造パスポートで渡航する。 とはいえ、さすがにイキって民主化運動して革命とはならず、イキって要人や国王に気に入られ、ヒロインを口説くのみである。 過程のほとんどは「様々な障害がありつつも」で割愛され、離れ離れになった2人は数十年かけて民主化が終わってから再会したことがざっくり語られて終了。 一連の経緯は、 「そして…僕は偽造旅券を手に入れたのだった。 ずっぷ!ずっぷ! ああ…民主化しそう」 と的確にまとめられたほか、KOTYeがしばし政治学スレの様相を呈するほどの衝撃をもたらした。 絵も上等とはいえず、一枚ごとに顔つきや体形がブレており、特に長さも太さも可変式の首や腕は不安感や不気味さを掻き立てる。 この内容で、キャッチコピーを「それは青くて一瞬で大切な時間」とするセンスには恐れ入るほかない。 青二才じみた出来に留まらず青天の霹靂を盛り込んだ本作は、前年王者の血に連なる強者として一目置かれるのであった。 そして予備期間の終わり際には、貪欲に記録更新を狙うアトリエさくらがしんがりを買って出る。 まず『妻・倉崎桜菜の浮気調査 ~寝取られ妻の淫らな下半身事情~』では、さすがにマンネリ感が囁かれ始めたのを察してか、新たな暴挙に打って出た。 かつて見た爬虫類顔を想起させ、ママⅡ風味すら微かに薫る絵の採用である。 最終防衛ラインたる「絵はそれなり」までも崩壊させてしまい、「もうBGMで抜くしかない」と選評者を絶望させたのであった。 そして最後に、ヒロインが主人公への恋慕の情や罪悪感を有さぬただのビッチでしかない『略奪された婚約者(フィアンセ)~恋人・真澄(ますみ)と弟の秘密』をもって、新記録となる同年内9本のエントリーを達成したのである。 なぜこのような出来事が起こってしまうのか。 最大の原因は、メーカー側のNTRの定義が広すぎて、狭義のNTRとして成立し難いことであろう。 NTRの本質を、アリストテレスが『詩学』において定義したような悲劇とするならば、その目的は適度な感情の浄化、すなわちカタルシスに至ることである。 それは例えば、判断誤りから相応しくない不幸に陥る主人公に哀れみを覚え、募った感情から物語の終わりとともに解き放たれることで、気持ちがすっきりと軽くなる心理現象を指す。 ただし悲劇を通じてカタルシスに至るには、満たすべき重要な要素がある。 代表的なものを挙げると、十分な感情移入・倫理的な共感・登場人物の感情と行動の一貫性・無理のない展開・適度な予測不能性・有意義な結末である。 こうして並べてみると、アトリエさくら作品に欠けている要素のいかに多いことか。 ただ、月1本の販売ペースと低価格相応のボリュームという制作時間と尺の制約を考慮するに、先に挙げた要素を網羅したNTR作品の制作は至難であろう。 「間男がヒロインに挿入すればNTR」と大雑把に定義しての薄利多売がアトリエさくらの生存戦略ならば、そこに狭義のNTRの真髄を求め続ける者たちとの溝が埋まることは、この先もおそらくあるまい。 少々話がそれてしまったが、役者が揃ったところで2023年の「アレ」を発表する。 次点は、 『エルフェンキング』 『モラトリアム ~ブルーアワー幸せの時間~』 そして大賞は、 『JINKI -Unlimited-』 とする。 2023年には30本を超えるエントリーがなされ、過去最多を更新した。 内訳を価格別に見てみると、低価格作品の比率が高い。 4000円台までの作品が2/3以上を占めており、粗製乱造の傾向はいっそう強まった。 その煽りを受け、内容面も近年同様に、低質でつまらないという身も蓋もない欠点が根底に蔓延っている。 ただし、本年の際立った特徴は、そのつまらなさの上で発揮された。 さながら星明かりに閃く暗器のごとく、インパクトと独自性を兼ね備えた一発芸を披露する作品が、数多く登場したのである。 シンクロ放精・百合に竿・けつあな確定・突然の去勢・顔面アタックあたりがその代表例といえようか。 本来の狙いは実現できていない代わりに、狙ってもなかなかできない天然の副産物が多彩さを発揮し、良くも悪くも住人たちの心を動かしたのである。 しかしながら、次点および大賞となった作品は、もはや一発芸の枠には収まらない。 総体として負の一芸の粋に達していると評してよかろう。 『エルフェンキング』は、エロの機微を理解できないばかりに、いかにもそそる素材を用いていながら、テキストと演出だけで心凪ぐ無感動物語を創造せしめた。 『モラトリアム ~ブルーアワー幸せの時間~』は、見るも怪しいバリエーションを誇る絵を筆頭に、あらゆる点での低質さを確保しつつ、突然の民主化超展開でも話題をさらった。 しかしそれらと比較してなお、『JINKI -Unlimited-』がもたらす辛苦は幅広く、そして根深い。 盤外では進行不能バグ・デバッグモード・絶え間ないGPUへの過負荷で畳み掛け、本編は、尻すぼみするご都合シナリオと戦略性のないRTSで盤石のつまらなさ。 欠陥コンフィグはプレイ環境の最適化を許さず、無駄な負担をプレイヤーに強い続ける。 広げすぎた大風呂敷に包むべき中身はなく、それでも完成を目指した理想の姿は垣間見えるだけに、ひときわ悲哀が漂う。 かように、折れる方向に心を動かす力は大きく、なおかつ的確な角度で、じっくりと時間をかけて発揮されたのである。 醜態ではあったが、最期までエンターテイナーたらんとした結果と思いたい。 さながら、芸を抱いて腹上死すると息巻いて舞台で果てた老芸人の大往生。 天晴な“醜大成”であった。 ゆえにKOTYe2023大賞の栄冠は、偉大なるマインマエストロの遺作に捧ぐ。 さよならのかわりに。 「ありがとう」の花束を添えて。 本年は、KOTYeの15周年にして、最後の現役クソゲーオブザイヤーとしての第一歩でもあった。 この節目を機に、KOTYeのこれまでと今、そして未来について考える時間をいただきたい。 開闢当初は、何をもってクソゲーを定義し、優劣をつけるかについて、それぞれが持論の正当性を主張しあうのが常であった。 真剣な激論は幾年も繰り返され、ときには決着がつかない年もあった。 だからこそ身に沁みて理解できた。 自分には自分の真実があるように、他者には他者の真実があると。 真実は人と癖の数だけ存在するのである。 絶対的基準を探し求めるのではなく、自分の価値観に基づく自分だけの基準を磨く。 そして、他者のそれも等しく尊重し、押し付け合うことはするまい。 いつしか総評にはすべてのエントリー作品が載るのが通例となり、クソゲーのリストではなく、その年を振り返る目録であり総決算のような位置づけとなった。 テンプレの文言においても、クソゲーと明言して決定しているのは「一番のクソゲー」すなわち大賞のみであり、それとて相対的な判断でしかない。 わかりやすい例として取り置いていた最後のエントリー作品を、ここで紹介しよう。 それが『サクラノ刻』であり、端的にいえば攻略不可ヒロインの多さと後半の展開に物言いがついた。 一方で、2023年の最優良エロゲーを選ぶとするなら大本命となるだけの圧倒的好評を獲得している。 しかし、それを理由にエントリーが拒絶されることはなく、クソゲーか否かジャッジされることもない。 ただ「定められた手続きに従って不満を表明した者が1人いた」と記録されるだけである。 「クソゲーオブザイヤーとは、厳格かつ公正な審査を行い、一定以上の格を有するクソゲーだけを選りすぐって紹介する場」という概念は、今や幻想でしかなくなった。 『サクラノ刻』のエントリーが、その幻想を破壊してくれることに期待する。 では審査せず何をするのかと問われれば、エロゲーに不満を覚えたという悲劇を通しての感情の解放と答えよう。 そしてそれは、苦しみを笑いに昇華するという理念の追求にも繋がっていく。 選評システムは、その手段として合理的に機能してきた。 選評者は選評の執筆を通して己の感情を認識し、受容し、理解し、表現する。 議論するのではなく、事実たる作品内容をもとに自身の体験を語る。 不満を感じた箇所を引用し、どう不満だったかを具体的に述べる。 住民はその悲劇の聞き手として、傾聴し、適度に質問し、共感したならそれを示すが、審判は下さない。 共感できずとも理解して受け入れようとし、理解できないならできないままに、そういう苦しみもあると認知する。 それができれば、未知の苦しみがひとつずつ既知に変わってゆく。 経験ではなく想像によって感情を模倣した贋作にすぎないとしても、そのストックを増やすほど、精神は様々な怒りや悲しみに対応しうる柔軟性と強靭さを得る。 この効果は、「何のお墨付きも与えない代わりに、参加を広く受け入れる」方針の大きな意義のひとつといえよう。 反面、作品内容に基づき丁寧に持論を語ればまず通る環境は、危うさも孕んでいる。 個人の意見であると前置きすれば、何を言っても許されるわけではない。 語り手として、聞き手として、傍観者として、KOTYeにいかなる意味を見出し、いかなる立場に立ち、その上でどう振る舞うのか。 KOTYeの在り様と行く末は、関わる者たち一人一人の仁義に委ねられている。 それでも、ではなく、だからこそ、KOTYeは誰でも自由に自身の悲劇を語りに来られる避難所であれ。 怒りも悲しみも、語り合って解き放ち、前向きに笑い流せる隠れ家であれ。 果てのない闇も繰り返す後悔も乗り越え、ともに銀燭の明日を探せる船であれ。 そう切に望む。 末筆となるが、戯画謹製の名作『バルド』シリーズの文言に覚悟と願いを託し、KOTYe2023の結句として強く書き刻む。 「Don't believe THE TRUTH, Believe YOUR JUSTICE and YOUR HEART. さあ、お前のJINGI……貫いてみせろ!」
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/246.html
2011総評案3 大賞 修羅恋~SeeYouLover~ クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 27本目 338 名前: 総評3(早漏)の人 ◇PRFQr1KM0 [sage] 投稿日: 2012/02/01(水) 20 24 02.89 ID PRFQr1KM0 ↓ ↓ ↓ 365 名前: 総評3(早漏)の人 ◆ok0SB9iTMs [sage] 投稿日: 2012/02/01(水) 22 34 39.43 ID PRFQr1KM0 …想い返せば、2010年エロゲ業界は混迷の中にあった。大手の低調、場外乱闘に精を出す開発者、特出したクソゲーの不在…、 そんな中、最後までゲームというリングを降りずに光輝かんと戦い続けた無名の漢女『色に出でにけり わが恋は』のファイトは 人々から多くの賞賛を受け、見事大賞という栄光を掴み取った。昨今では珍しい、汗と泥に塗れた勝利と言えよう。 …そんな昨年と比較するならば、2011年は世代交代と新時代の幕開けを感じずにはいられない1年だったと断言できる。 一番槍を狙って現れたのは、昨年『熟処女』で一躍名を響かせたHammerheadsとは同会社別ブランドに位置するmuscadetの『令嬢の秘蜜』。 媚薬入りの紅茶を飲んで飲ませて猿のようにひたすら対象キャラとHをしていくという、申し訳程度に入れた感漂うシナリオに加え、 音声が重複して再生されるバグ、差分が一切ないため最初から射精したCGで始まるHシーンなど、どこをとっても低クオリティ甚だしい。 公式ページに至っては、本作を「令嬢の秘密」と誤明記したまま放置しパッチも出さないというヤリ捨てっぷりであり、 住民からは「抜きゲーだと思ったら、手抜きゲーだった」とバッサリ言葉責めされる有様となった。 シルエットの『コイ★カツ!』も、派手さはないが印象に残る1本である。 686MBという低容量が織り成すのは「恋愛がしたい」というヒロイン達に対し、Hに到るまで恋愛らしいシーンを一切挟まないスピーディな構成。 更にHシーンはCGでは半脱ぎなのにテキストでは全裸など、絵と文章の整合性を放棄することで水増しを図るという大胆な手抜きをやってのけている。 加えて音楽はMIDIかと思うほどにチープで、声優は素人レベルのぎこちなさと、隙のないところがどこにもないという低品質ぶりを見せ付けてくれた。 しかし安心して遊べるお手本のようなクソゲーという好意的意見もあり、2011年の数少ない清涼剤という立ち位置を手にしたのは救いと言える。 このように上半期を顧みると、品質を上げる気を最初から放棄したような作品が集中した傾向にある。その他を見ると、 フルプライスのCG集におまけでバトル要素を入れただけと評された『ろーるぷれいんぐがーる!!』、 10時間程度でコンプ可能な短さに加え作中設定の矛盾など詰めの甘さを随所に残す『シークレットゲーム CODE Revise』あたりは、 遊ぶ「だけ」なら大きな問題はないため強烈な印象を残すには至らず、 一部のルートに入ると主人公が何の脈絡もなく別の男に変わるという主人公詐称を事前告知なしでやらかす等で、信者をリミットブレイクさせた 『White -blanche comme la lune-』は、炎上騒動こそ起きたが鎮火後は期待から外れた無難な酷さという評価に落ち着いた。 KOTYe的に平和が訪れるのは喜ばしいことだが、心の底で前年から続くクソゲー不況を吹き飛ばす逸材を求めていたのもまた事実である。 そんな平穏の日々が瓦解したのは未踏の地から現れた突然変異種・3D勢の侵攻だった。 その先駆けとなったのがTEATIMEの『修羅恋~SeeYouLover~』。 フル3Dエロゲという独自の路線を「此処ではない何処か」に突き進む生き様から一部で熱狂的ファンを抱えるTEATIME。 ひょんなことから選評が届き検証が行われたのだが、その結果…「修羅」の名に恥じない決戦兵器であることが判明した。 本作は街中で女性キャラを口説き落とすというナンパ風ADVなのだが、その過程の部分に恋愛という概念を殆ど入れていない上に、 シナリオと呼べる物すら存在しないため、プレイヤーはスタート以降ずっと仏像に話しかけるかのような虚無感に捉われ続ける。 歩き回れる街はWin95時代を思わせる程のハリボテCGで、移動できる場所も極端に狭いため箱庭の隅を突付くFPS的楽しさは皆無に等しい。 ゲームの売りの1つである主人公を取り合う「修羅場」イベントは、体力制の罵りあいバトルなのだが、小学生の口喧嘩並みにボキャブラリーが貧弱で、 1度の修羅場イベントで同じ掛け合いが何度も出てくる。果てには「ゲージを上げて物理で殴り合う」という事態に発展する。 肝心のHシーンも、興奮するどころか哀愁が漂うという領域の出来で、更にシナリオなしという仕様上感情移入の余地すらないため、 プレイヤーはじっと見ているうちにマンネリを超越して虚無の境地に至り、果てに悟りが開けるのではという錯覚に支配される。 3Dフルポリゴンという、他では中々見られない視覚的優位性と斬新さを兼ね備えながら、その特性を何も活かせていない骨太の誰得仕様は、 KOTYe住民をもってして「何だろう、これは…」と感嘆させ、その圧倒的存在を遺憾なく知らしめた。 未曾有の震災の爪跡が未だ色濃い4月、姿を現したのはPurple software delightの『Primary Step』。 『Orange Memories』から約半年、信者から見限られ始めるなどすっかり劣勢に立たされた紫だったが、やはり彼らは彼らだった。 発売直後、パッチを当てないと1人しか攻略不可という大空振りで一抹の望みを託していた信者を瞬時に失望させる予定調和を発揮。 シナリオは相変わらず地ならしをしたかのように平坦でオチも山場もなく、矛盾だらけの会話や伏線のブン投げは当たり前。 朝から昼までの時間経過を「ぐるぐるーっと短針が四周ほど」テストの点差を「二桁は軽く違った」と表現する等、国語どころか算数すら出来ていない。 総CGは61枚と前作より更に減少、絵は作画崩壊を含め軒並み劣化、NG音声の残骸放置と、正直褒める所を見出すことが困難な惨状で、 今日まで好意的に解釈できる部分を模索し続けていた紫信者が「ごらんのむらさきだよ」という慟哭を遺し白旗を挙げた姿が印象深い。 4月にはもう一本、注目を集めたのがKLEINの『勇者と彼女に花束を』。体験版の時点で音量や声が小さすぎてまるで聞こえない、 作画の崩壊、エラー落ちするなど「地雷である事を売りにしたいのか」と囁かれるほどの大器の片鱗を見せていたが、製品版では輪を掛けて酷くなっていた。 特定のルートが進行不可、BGMや音声が聞こえなくなる、見たのに登録されないCGなどガタガタなシステム面。常時崩壊気味なキャラ絵と背景。 ただつまらないだけならまだしも「それから数日後…」といった表現を多投して時間軸を強引に飛ばして各パートを繋げただけの超構成シナリオ…。 パッチもただ問題を改善するだけに止まらず、キャラの立ち絵が限りなく別人に近い同一人物に劣化したり、体験版に製品版用パッチを当てると エピローグまでプレイ可能な簡易製品版に進化するなど他のメーカーと一味違う修正内容となっている。 一口にクソゲーといっても様々な種類があるが、『花束』は「ゲームを構成する要素全てが満遍なく酷い」という全方位死角なしの逸材であった。 5月に大きな話題を集めたのが、パッチが来なければ大賞の逸材と囁かれたコンプリーツの『まままーじゃん』。 訓練された人間なら、『エロゲ+脱衣麻雀』という邪神融合がどれ程の災厄をもたらすかは容易に予測できるが、2年以上の長期熟成を経て 遂に花開いた本作は、回想モードなし、途中セーブなし、半荘1回で脱がせられるのは最下位のキャラだけで1枚ずつのストレスフルな泥沼仕様を搭載。 テキスト誤植や音声バグといった定番の問題。点数計算の異常、単騎ツモで平和成立、親が誰であろうと切り出しは主人公からといったルール崩壊。 さらに嶺上開花を上がった瞬間ゲームが止まる『フリーズ和了』や、大明槓後に牌の数がバグり半荘終了まで手牌表示がおかしくなる『ネオ亜空カン』、 下家の捨牌が消滅する『亜空河』、誤カンして動作不能になる『カン違い』など超次元殺法も完備である。 それでも再三のパッチでセーブ可能になるなど問題点の幾つかは改善し何とか駄ゲーの評価まで持ち直したのは購入者にとって幸いといえる。 だが5月最大の地雷は奇しくも『ままま』と同じ日に発売されていたTEATIMEの隠し玉『恋愛+H』である。 本作は、「フリーズ」や「音声ミス」といった月並みな不具合が霞むほどの牙を隠し持っていた。なんとこれも「セーブ機能未搭載」なのだ。 それは起動したが最後、終了するかフリーズが起きるまで延々デスマーチが確定する戦慄仕様ADVであることを意味する。 問題点はそれだけでは済まない。70以上と謳われたHシーンの体位は無理矢理再現しただけの物理法則を無視したモーションばかりで、 しかも変更する度に性格までランダムに変化するので受けMの彼女が一転ドSに豹変するなどは日常茶飯事。 システム面は場面が移り変わるたびにロードが頻発し、PCの音声レートを調整しないと起動ができなかったりと欠陥だらけ。 操作性が悪すぎて難易度が異常なミニゲームなど、パッチが1~2つ当たっても到底直しきれない欠点を大量に内包しており、 選評者をして「恋愛ゲームに何をどうプラスしたらこんな出来になるのか」と言わしめたのは見事という他ない。 後日セーブ枠が1個だけ搭載されなんとか祭りは収束したが、『修羅恋』と合わせ、KOTYeの新時代を感じさせる迷作と支持を集める結果となった。 また、同日にはFC時代を髣髴とさせる糞バランス&バグ満載の駄RPG『変態勇者の中出し英雄記』、アーベルがこっそり別ブランドで出した 旧世代イチャラブ育成ADV『美衣菜△です!』、そのフルクオリティの全てをスカグロに集約させたクソゲーならぬ糞ゲー『STARLESS』が 発売されている。この3つは前述の『ままま』『恋愛+H』に比べればやや物足りない感は否めないが、たった1日でKOTYeエントリー級が5作も 生まれるという当たり月となり2011年の5/27はKOTYe民にとって記録に残る1日となった…。 大盛況の上半期に比べると、下半期の立ち上がりは比較的大人しかった。住民は束の間の一服を取るとともに、 『Primary Step』もパッチで簡易製品版になるといった発見をしながら猛暑の日々をそれなりに楽しく過ごしていた。 流れが変わったのは8月末…、KOTYe界の信頼と実績の安打製造機、09年の『MQ』以降5打席5クソゲーというハイアベレージをひた走る アーべルソフトウェアの『ゾンビの同級生はプリンセス ~不死人ディテクティブ~』。 フルプライスでボイスなし、全4話中2話までしか入っておらず追加シナリオはアドオンというアーベルISMは本作でも健在。 文章中の色違い部分をクリックすることで別チャートに移行するという仕様だが、スキップするとポイントを素通りしてしまう上に バックログからは動作を受け付けないので実質スキップ不可でこまめなセーブと慎重なクリックが必須という、 相変わらずゲーム性っぽい何かを入れようとして既読の進行すら苦行になる仕様と化している。 シナリオに関しては上述のシステムが完全に足を引っ張っているのは勿論だが、キャラ視点がめまぐるしく変わるという謎構成と相まって、 面白い面白くない以前に読み進めるのが困難過ぎて理解できないという出来。さらに追加アドオンも3話までで打ち切りという隙のなさ。 何故同じ過ちを何年も繰り返すのか…もはやアーベルだからとしか答えようがないのはやはり『別格』といえよう。 9月に注目を集めたのは名作の出涸らし『水夏弐律』…ではなく、Poison@Berryの『プリンセスX~僕の許嫁はモンスターっ娘!?~』。 ハーレムラブコメを謳いながら、実際には許婚排除の破壊活動や自分を選ばなければ世界を滅ぼすなどと脅迫するヒロイン勢など 無駄にリアルで気が休まる暇がないコメディはほんの序の口、真の問題は攻略不可のヒロインや攻略=Badエンド等の誰得シナリオと、 ドラム缶とのHシーンやウルトラマンサイズの巨大娘との体内侵入ファックなどモンスター娘以外の誰得シーンを充実させたことである。 全体のクオリティはギリギリ及第点だが、特殊嗜好者向けのゲームなのにその特殊嗜好者の期待を裏切り逆に地獄を見せるという姿勢は スレ内でも大きな波紋を呼んだ。好意的に解釈するならば「新性癖開眼ソフト」かもしれないが、そこは先に公表しておくべきであろう。 そして迎えた年末、スレ民に強力な暴風雪が吹き荒れた。その名はsofthouse-seal。 『変態勇者』でその片鱗を見せ、2011年度には別ブランドを含めなんと20作品以上を世に送り出した猛者である。 その口火を切ったのは『学園迷宮エロはぷにんぐ! ~イクぜ!性技のダンジョン攻略~』。 ダンジョンRPGでありながら、ダンジョンに潜る前に確実にエラー落ちするという開かずの扉をパッチという名の鍵で開けることから全ては始まった。 戦闘パートは真っ暗の背景、姿や名前が同じでも別モンスター扱いの敵、行動順や経験値バーといった機能が未実装のまま残骸だけが空しく放置、 オートマッピング以前にマップ表示がなかったり、スキル説明で誤表記があるなどシステム面もガタガタである。 戦闘バランスはお金さえあれば序盤でもチート級の最強武器を手に入れられるため、あってないが如し。 キャラの立ち絵が当然変わる、そもそも何故地下に潜るのか作中で説明していない、挙句条件次第でラスボスがランダムエンカウントで現れ 例え逃げてもエンディングが見れるなど問題点の羅列だけで原稿用紙がどんどん埋まっていくほど突っ込み所が満載である。 2000円という低価格ソフトだが、この作品を高評価できる猛者が地球上にどれだけ存在するかは未知数である…。 それから僅か2週間後、第二の風が吹き荒れる。別ブランドDeVil sealから現れた『淫刻の虜姫 ~囚われた没落の姫姉妹、淫教の果てに~』。 ありがちな調教系ADVに何をトチ狂ったか化石時代のRPG要素を付与した本作。ダンジョンにはマップという概念がなく、 延々先へ進むか戻るかの2択を選び続けるだけ。装備品という概念もなければ魔法やスキルといった概念もない。 パッチを当てないと50階以降先に進めない上に、パッチを当てると別の条件で進行不能になるなど油断も隙もない。 結局プレイヤーがする事といえば、ただひたすら虚無感に耐えながらボタンをハイパーオリンピックのように連打し続けるぐらいである。 様々なジャンルに挑戦するという心意気は結構だが、欲張って作りを疎かにしては本末転倒だということは学習していただきたい。 そんなsealが本年度に残した最後の暴風は『世にも気持ちいい学園の快談~オバケになってあの娘に仕返し!~』。 ヒロイン達に殺された主人公が幽霊となり学校の怪談で仕返しをしていくという設定なのだが、簡潔に言うと、かの迷作『大奥記』の劣化である。 ほぼノーヒントで操作性最悪なただっ広いマップを延々ウロウロしながら情報やアイテムを得ていくという苦行、キャラが消えるバグ、 マップ移動には時間の概念があり、迷ったら最後目的を達成するのは極めて難しくなる等進行の不便さ。 前述の2作に比べると強烈なインパクトはないが、安定して手堅くプレイヤーを苦しめる仕様は流石というべきか…。 2011年を振り返ると、名門、古豪、新鋭、三次元と様々な所から特色溢れるゲームが跋扈するバラエティに富んだ1年となった。 そんな激動の1年に次点入賞を果たしたのは、『ゾンビの同級生はプリンセス ~不死人ディテクティブ~』、『恋愛+H』、 『学園迷宮エロはぷにんぐ! ~イクぜ!性技のダンジョン攻略~』。 そして大賞は…、『修羅恋~SeeYouLover~』とする。 本作が、この大乱戦の中にあって唯一無二に讃えられる特質…それは「酷すぎて面白い完成されたクソ」という一点に尽きる。 次点の『ゾンビ』『恋愛+H』『学園迷宮』などは、確かにクソゲーとしても一級品だが、問題点の殆どが未完成によるものであり、 開発途中のものを適当につなげて発売した感は否めず中途半端な印象を拭いきれてはいない。どのネタも一回失笑して終わるレベルだ。 対して『修羅恋』は、粗過ぎる出来や劣悪な仕様の全てが神掛かったアンバランスの上でシュールな笑いに昇華されており、 クソゲーだと理解していながら無駄に遊んでしまいそうな魔性の力を秘めている点が高く評価された。 表面的な問題だけなら本作を越えるものはあるかもしれない。しかし「クソゲーを笑いやネタに昇華して楽しむ」というコンセプトを持つ KOTYにおいては、この作品こそ大賞の栄誉を与えるに相応しい『修羅』と言えよう。 2011年KOTYeもまた、希望が残っていないパンドラの箱の隅を突付くかのような苦難と波乱に満ちた1年だった。 言うまでもなく、本来クソゲーとはひとたび出れば多くの人々が悲しむ悪鬼である。しかし近年においてクソゲーは飽和状態が進み、 エロゲ業界もまた、一芸特化より総合力…悪く言えば器用貧乏に欠点を積み重ねるだけの駄作が中心になりつつあった感は否めない。 半端なバグゲーや未完成商法では満足できない住民達が増える一方で、クソではあるが笑いやネタに昇華する価値すらないゲームが乱立する…。 そういった背景もあり、2011年は人々の導き手となりうる作品が求められていたのは間違いない。 そんな中、出来の悪さもさることながら修正時に簡易製品版に進化するというパッチの新たな可能性を生み出した『Primary』と『花束』。 低価格帯ながらその無駄な活動力だけは高く賞賛されたsofthouse-sealの『学園迷宮』ほか作品群。 リアルより酷い3次元を構築することに成功した『修羅恋』『恋愛+H』は年間を通じても大きな功績を果たしたといえる。 日進月歩…。そんなことを感じずにはいられない1年となった。 最後に『修羅恋~SeeYouLover~』と名作『シグルイ』の言葉を借りる事で2011年クソゲーオブザイヤーinエロゲーを締めくくりたいと思う。 「愛することから全ては始まる。正気にては恋路ならず。修羅の恋とは 愛狂い也」 過去のコメントはコチラ
https://w.atwiki.jp/akebon/pages/2253.html
★今期の総評 ◎第175回ソフトバンク総評☆今期のチーム最終成績 ☆今期のパ・リーグを振り返る ☆プレーオフ展望 ☆来期を占う ☆セ・リーグ途中経過 ☆野手陣総括 ☆投手陣総括 ☆今期のオールスター ☆今期の野手最終成績 ☆今期の投手最終成績 ☆打撃10傑 ☆投手10傑 ◎第175回ソフトバンク総評 ☆今期のチーム最終成績 年度 順位 試合 勝ち 負け 分け 連勝 勝率 打率 防率 得率 本塁 盗塁 失策 175 5位 140 63 74 3 10 .459 .271 4.44 4.1 134 133 14 またも失策数削減に「あっぱれ!!」 打率、防御率をはじめとして、チーム力が低下したように思われる。 しかし、それは他チームとの平均年齢差が原因ではないだろうか。 あと、数年の努力が必須。そうすれば、リーグ1位も夢ではないだろう。 まずは、野手陣の「破壊力」、投手の「スタミナ」の成長に期待だ。 ☆今期のパ・リーグを振り返る 1位は楽天が連覇。 1~4位には、ほとんど差が無く、「本塁打」いわゆる「破壊力」がキーポイントとなった。 5位の我々SB、6位の日ハムは、ここ数期定位置となってしまった。 ☆プレーオフ展望 CS不出場。 ☆来期を占う これからは、少し少しの小さな差が順位を切り替えるであろう。 たとえ、盗塁1つ、ヒット1本にしても、小さな差が積もり積もれば大きな差となる。 よって、一人一人が好き勝手に振舞うのではなく、チームのことを第一に考え、 行動し、努力を持続することが、最も大切である。 ☆セ・リーグ途中経過 広島1位。ヤクルト2位。横浜3位。 広島、ヤクルトは、これまで、これからもAチームに居続けるであろう。 ☆野手陣総括 MVP:終焉選手 次点:Samurai☆侍選手 注目選手:なし 終焉選手は3番に座り自己最多の19本塁打、76打点を記録。守備も素晴らしく遊撃手としてノーエラー。自身初のベストナインに選出された。 Samurai☆侍選手は2番に座りチーム最多の28本塁打、85打点をマークこの選手はやはりクリーンアップを打つべきと思うが。 ☆投手陣総括 MVP:クェス・パラヤ選手 次点:白河ななか選手 注目選手:なし クェス・パラヤ選手は今季中継ぎながら、11勝を挙げ、防御率ではリーグ3位に食い込んだ。鉄腕ぶりにはお見事の一言。 白河ななか選手は今季チーム最多、リーグ7位となる12勝をあげた。さすがはエースクラスのピッチャー。 ☆今期のオールスター 選手名(出場回数) 製作者 成績 ポジション 辻内(3) 山崎 防御率1.80(0セーブ 3奪三振) 先発 綾小路(初) おっ 防御率30.38(0セーブ 0奪三振) 先発 Samurai☆侍(初) Danielcat .214(0本1点) 二 辻内選手は二期連続でMVPを獲得。一躍パリーグのエースへ。 綾小路選手は初選出もふるわず。。来期に期待! Samurai☆侍選手も微妙な活躍であった。来期期待!! ☆今期の野手最終成績 打順 選手名 製作者 打率 安打 本塁 打点 盗塁 失策 1番 CHO CHO .303 187 11 41 58 2 2番 Samurai☆侍 Danielcat .280 163 28 85 13 0 3番 鄭先豐3 鄭先豐3 .252 135 19 80 5 3 4番 幻影の野球狂 しょう .281 145 20 76 5 1 5番 終焉 陽炎 .320 186 19 76 13 0 6番 後藤光尊 lazy .277 152 20 80 11 0 7番 南☆明奈♪ アッキーナ .275 151 6 48 11 0 8番 復活のチワワ チワワ .211 111 7 44 4 1 9番 wiki4 wiki4 .228 117 4 39 13 0 打率.300以上が2人 200本安打到達者が0人 盗塁成功数30以上が1人 HR30本以上が0人 100打点以上が0人 1番を打つCHO選手が3割50盗塁と走りまくった。 2番を打つSamurai☆侍選手も85打点と勝負強い打撃を見せた。 20本塁打、80打点近くをマークする打者が増えてきた。来季は更なるレベルアップと下位打線の充実が鍵になりそうだ。 ☆今期の投手最終成績 投順 選手名 製作者 防御率 勝 敗 S 奪三振 被本 10番 白河ななか 社長 3.71 12 6 0 97 15 11番 辻内 山崎 3.65 11 10 0 106 26 12番 綾小路 おっ 3.97 7 14 0 99 21 13番 ‡流‡ 浪人 5.12 8 11 0 70 23 14番 杉内 俊哉 7.00 3 16 0 65 16 15番 クェス・パラヤ ジオンダイクン 3.11 11 3 1 104 12 16番 コスギⅣ 小杉 3.90 5 5 7 57 12 17番 西クン 西クン2 6.45 5 6 1 53 17 18番 柔らかい銀行 柔らかい銀行 4.20 1 3 21 20 2 防御率3点未満は0人。 10勝以上は3人。 100奪三振以上は2人。 今年の抑えのセーブ数は21S エース白河ななか選手が6つの貯金を稼ぐ大活躍。 それ以降の先発投手が揃って2桁敗戦と悔しい結果に・・・力はあるので来季は借りを返したい所だ。 リリーフ陣が安定した投球を見せた。中継ぎのクェス・パラヤ選手が3点台、11勝、100奪三振と活躍。 コスギⅣ選手も3点台の防御率であった。 抑えの柔らかい銀行選手は被本塁打2と球威はあるものの、4点台と 寂しい投球に・・・来季は無敵の守護神と行きたい所だ。 ☆打撃10傑 部門 順 記録 選手名 所属球団 製作者 打率 7 .320 終焉 ソフトバンク 陽炎 本塁打 9 28 Samurai☆侍 ソフトバンク Danielcat 盗塁 1 58 CHO ソフトバンク CHO CHO選手が貫録の盗塁王。切り込み隊長としての役割を果たした。 本塁打、打率は1人ずつランクイン。来季は打点王も顔を出したい所。 ☆投手10傑 部門 順 記録 選手名 所属球団 製作者 防御率 3 3.11 クェス・パラヤ ソフトバンク おっ 防御率 9 3.65 辻内 ソフトバンク 山崎 防御率 10 3.71 白河ななか ソフトバンク 社長 勝利数 7 12 白河ななか ソフトバンク 社長 セーブ 6 21 柔らかい銀行 ソフトバンク 柔らかい銀行 中継ぎのクェス・パラヤ選手が貫録の防御率3位。鉄腕ぶりを発揮した。 辻内選手が防御率9位と力のある投球を見せた。 エース白河ななか選手も防御率10位で12勝と安定感を見せた。 守護神柔らかい銀行選手は21sともう一歩だった。 自分の担当する箇所を更新したら表の中の自分が編集した枠に自分の名前を記入してください。 第~回あけペナ 170 171 172 173 174 175 176 177 ALLSTAR 西くん 西くん おっ 西くん 西くん2 西くん2 打撃10傑 浪人 wiki3.5 ? wiki4 lazy wiki4 投手10傑 浪人 wiki3.5 wiki3.5 wiki4 lazy wiki4 野手・投手総括 lazy lazy lazy lazy lazy 回想 おっ おっ - おっ おっ おっ 成績 浪人 - wiki3.5 - lazy wiki4 更新日時:2008年03月28日21時04分39秒 :通算: - 今日: - 昨日: -
https://w.atwiki.jp/girls_games/pages/63.html
2010年――――それは新時代の幕開けの年でもあった。 それまで頂点に君臨し続けた女王QuinRoseは鳴りを潜め、今年はクソゲーのない平和な年になるのだろうかと誰もが 思った。 しかし、それはただ単にQuinRoseという防風壁がなくなっただけで、壁を取っ払ってみると様々な風がスレを 吹き抜けていったのだ。 発売延期を1年以上、計5回繰り返したにも関わらず、微妙な出来の絵に加えてシナリオもシステムも総じて悲惨な 出来栄えの上、 開発元であるディンプルが破産し、タイトル通り全てをゼロにしてしまった『ラブルートゼロ Kisskiss☆ラビリンス』。 ご当地彼氏と銘打っていながらそれらしいことは方言や食べ物くらいでそれ以外はないに等しく、学校の敷地内のみで ストーリーが展開され、膨大な時間とお金をかけてプレイしなければいけない、新ジャンル着メロ乙女ゲーム『大和彼氏』。 初めての彼氏との淡い恋を楽しむというのは実は建前で、彼氏との初体験をどう過ごすかに重きをおいた、倫理観を 疑ってしまう『湘南★初カレDiary』。 そして、100章以上の壮大なストーリーと言われたそれは1章5分あるかないかで1キャラにつき10章というだけ、 「夜伽・夜伽・夜伽」などのトンデモ選択肢、鞍替え寝取られ必須の誰得展開で見事大賞の座に輝いた『天下一★戦国LOVERS DS』。 そよ風と思われいたそれが実は大型台風だと気付いた頃には既に遅く、スレには真っ白な灰になった住人達が残された だけだった。 そんな前年のKOTY審議真っ只中の2月24日、我こそはと門を叩いた来訪者にスレ住人は身構えた。 『遙かなる時空の中で5(遙か5)』(コーエーテクモゲームス) 2008年、前作『遙かなる時空の中で4』がノミネートとなったのは記憶に新しいが、またもや老舗コーエーテクモ ゲームスからの刺客である。 本作は幕末が舞台となっており、かの有名な坂本龍馬、高杉晋作、沖田総司などが攻略対象として名を連ねている。 また幕末と言えば日本の歴史が大きく動いた時代でもあり、様々なドラマであふれている時代でもある。 これだけ聞けば歴史好きには大変おいしい作品だが、蓋を開けてみればあらゆる箇所で常軌を逸していた。 坂本龍馬らは土佐弁ではなく標準語で話す、福地桜智は主人公のストーカーとなり物陰から追い掛け回す、結核で 志半ばでこの世を去ったことで有名な沖田総司は実はただの風邪だったなどはまだ軽い方である。 本作を語るにあたって、1番問題視されているのは主人公蓮水ゆきの存在である。 抱き締められてもキスをされても無反応・無表情を貫き、ドキドキの甘いシチュエーションのはずが一方的に愛を 囁かれているだけで、 ルートによってはこちらから1度も好きと言わない雰囲気をぶち壊す態度や、襲われていた子供を助けた後「今晩、 お姉ちゃんの幸せも神様に願っておくね」と言われたその夜に「あの子、ちゃんと私の幸せを神様に願ってくれて いるかな? ふふっ、今夜はいい気分で眠れそうね。」と思い返す悪人のような思考に『清らかな神子』設定を疑う プレイヤー続出。 幕末と現代を行き来するには白龍の力が必要であり、使う度に命が削られてしまうのだが、それを一切考慮せず 日本史を知らないので図書館で調べたいからという理由で現代へ戻るよう力を使わせるなど、本作のテーマ「大切な ものを、この命で守る」から大きく矛盾している。 また登場する人物のほとんどが彼女を盲目的に慕っており、どれだけ失礼な発言や行動を取ったとしても咎められる ことはなく、ある種の宗教となってしまっている。 彼女のためなら身内の命すら犠牲にする者もおり、様々な葛藤の末、敵となった実の弟に動揺はおろか手を差し伸べる ことすらせず、「早く消しておくべきだった」と言い放つ始末。その弟についての救済措置はないに等しく、そのまま エンディングを迎えた時はさぞ困惑したことだろう。 幕末を語る際に欠かせない薩長同盟などの重要なイベントは全て「神子である彼女がいたから成功した」ことに なっており、まさに無双状態である。 薩長同盟をナンパ大会にしてしまった作品は後にも先にもこの作品だけではないのだろうか。 次にシステムについて。 本作はストーリーが章ごとに分けられており、おおまかに言えば共通ルートの章と個別ルートの章がある。 公式サイトではこの章は1度出現してしまえば章選択画面で何度でもプレイし直す事が可能となっているが、実際に やり直すことができるのは個別ルートのみで、共通ルートには戻ることができない。 そのため中盤までの共通ルートの好感度は強制イベントで強制的に上がるため、フラグを回収し好感度を上げるという シミュレーションゲーム特有の楽しみが激減している。 既読スキップは主人公の名前を変えたら未読扱いになる謎仕様。 遙かシリーズといえば怨霊との戦闘シーンだが、本作に出てくる怨霊のほとんどが過去作の使い回し。 また戦闘で使う武器を強化することができるが、これにはいちいち対応する属性を選ぶ必要があり、手間である。 画面が90年代に跳躍したかと錯覚するようなMAPを歩き、戦闘画面は主人公とその仲間が何人か並んで武器を構えて 戦うような絵は一切なく、中央に動かない敵が並び、下部に主人公や仲間の顔が並び、敵をひたすら殴る。 技使用時に出るカットインも立ち絵の使い回しである。 ボイスは往来通りパートボイスとなっている。 場面は変わらずキャラクターの口は動いているのに突然ボイスがなくなり、また思い出したかの様に喋り出す。 この繰り返しでバグかハードの故障かと勘違いしてしまうプレイヤーが続出したが、全て仕様である。 恋愛イベントでも突然ボイスが途切れるので水を差された気分になる。 コーエーは以前、フルボイスで乙女ゲームを発売した実績があり、フルボイスでの発売が不可能というわけではない。 なぜフルボイスにしないのかは、神(コーエー)のみぞ知る。 季節は春をまたいで夏真っ只中の8月18日。同日に発売された2本のゲームがスレを大いに賑わせた。 まずひとつめが『AMNESIA(アムネシア)』(オトメイト) 「AMNESIA」とは記憶喪失という意味であり、タイトル通り主人公がゲーム開始時から記憶を失っていて、記憶を 取り戻していくことで主人公の立ち位置や攻略対象との関係が浮かび上がってくる。 オトメイトのヒロインといえば立ち絵もデフォルト名も存在し、本編でも大いに活躍するイメージだが、本作は オトメイトでは珍しい、立ち絵はあるがデフォルト名はなく自ら喋ることもない、無個性ヒロインとなっている。 主人公の設定を全面に押し出さないための「無個性」ではなく、プレイヤーと一緒に「個性(人格や記憶)」を 取り戻していき、プレイヤーとシンクロしながら「個性」が出てくる。 「主人公=プレイヤー」を好む乙女ゲー自己投影派にとっては大変興味深いものだろう。 だが実際に記憶を取り戻し始めてわかってきたのは、常に喧嘩腰で年上が相手でも上から目線、どれだけ自分が 悪かろうと決して 謝ることをしないとんでもない人物だった。 話題となったエピソードをいくつかあげると、主人公が世話を怠ったせいで愛犬を死なせたしまった、年上相手に 上から目線で説教、告白をしてくれた相手に対しての行動、フルコンプ後に読むことができるSSの内容など、あげたら きりがない。 またあるルートではまだ記憶を取り戻していない状態の時に攻略対象に謝る選択肢があるが、それを選ぶと攻略対象に 驚かれるというものがある。 ここまで強烈なものに自己投影したがる者、もしくは自己投影できた者はいるのだろうか。 何故オトメイトはこのような主人公をプレイヤーとシンクロさせたがったのか。制作陣はシンクロできたのか。謎である。 システム面にも問題があり、最速にしても遅く感じるスキップモードや電話やメールが来るたび止まるオートモード、 ボイスと口パクが揃わないバグやメッセージウィンドウが表示されないバグなど多々ある。 ルートによっては選択肢が100を超えるものがあり、選択肢が出る度にスキップモードが解除されるためその都度 押し直さなければならない。またこの選択肢も微妙なものが多く、エンディング分岐に必要なパロメーターに全く 関わらない選択肢も多数存在する。 このパラメーターの増減も微量で判別しにくく、パーセンテージ表記もない。選択後のキャラクターの反応でパラメーターの 増減を判別しようにもこちらもわかりづらいため難しい。 もちろんこの作品はマルチエンディング形式で、各ルートには数種類のエンディングが用意されている。 つまりフルコンプするなら1ルート毎に周回プレイ、もしくはかなり序盤に戻ってのパラメータ調整が必須なのだ。 様々な物議を醸したこの作品。 今までと違うものを作ろうとしたが、作っているうちに記憶が失われたのか結局いつものオトメイトの作品に収まった。 そして『アムネシア』と同日に発売されたのが『文明開華 葵座異聞録(葵座)』(フリュー) 乙女ゲーではあまり見ない明治時代を舞台とした作品であり、主人公が明治時代へタイムスリップしてしまうところから はじまる。 そこで出会った葵座という旅の一座に加わり波乱万丈な日々を描く。また水戸黄門を題材とした勧善懲悪の話でもある。 システム面に定評のあるHuneXが開発元となっているだけあって、セーブやロードは快適。スキップモードも早く、 本編はもちろんシステムボイスも充実しており声優で推しているだけのことはある。 システムに関しては非の打ち所がないほどの充実ぶりであるが、発売から3ヶ月経つ頃にはAmazonで新品が75%OFFで 投げ売りされるという脅威の記録を打ち出したこの作品のすごさは他にあった。 まず挙げられる点は、説明不足のままストーリーが進んでいってしまうところである。 序盤で主人公が明治時代へタイムスリップしてしまった際、主人公は一座で大切にされている家紋が擬人化したものだ という説明を一方的に受け、一座に置いてもらえることになる。その後すぐに個別ルートへ突入し、当然のように 明治の衣装に身をくるみ、葵座の一員として馴染んでいる主人公の姿を見ることになる。タイムスリップという非現実的な 体験をしてしまった上知らない場所へ放り出された不安や、一座の皆と打ち解けていく過程などは一切なく、プレイヤーを 世界観に引き込もうという配慮は皆無。 また「蔵でクラクラしちゃった~」をはじめ「迷子のなったらオーマイ、ゴット」「犬ってワンダフル」「妖怪に用かい!」 「宴会行かんでええんかい?」などのオヤジギャグを連発する主人公に失笑したプレイヤー多数。明治時代の人間には 通用しないギャグが多くあり、滑るどころか周囲を困らせている姿には脱力ものである。 明治時代といえば男女の差が今よりずっと厳しく、未婚の男女が並んで歩くことすら難しいとされていたのにも関わらず、 突然抱き締められ、キスをされ、いつのまにか恋人同士となっている。個別のキャラ設定はあるものの共通ルートや 個別ルートで深く掘り下げたエピソードがあるわけでもなく、特に印象に残るものもないので感情移入の余地がなく 正に置いてけぼり状態。 また各ルートも関わるキャラが違うだけでやることは同じ金太郎飴の上、読んだことがある文章のはずなのに既読扱い されずスキップ不能で苛立ちが募る。 本編には様々な伏線が散りばめられているが、上記の通り大事な部分がごっそり抜けているため回収されていないまま エンディングを迎えるため不完全燃焼のまま終わってしまう。 100%回収せずとも、ヒントが置いてあり皆さんのご想像にお任せしますならまだいい。 伏線どころか基本設定がメイン攻略対象5人+隠しの計6人に分散されていて、6人コンプして初めて基本設定がわかる という有様。 コンプするまで意味のわからない設定が多すぎてここでも置いてけぼりをくらってしまう。 これだけでも十分お腹いっぱいなのだが、このゲームで最も度肝を抜かれたのが、攻略対象は武器を所持している者も いるのに「武器に変身する」という点である。 それだけに留まらず、変身する度に呪文のようなものの後に「家紋!家紋!」と叫ぶ攻略対象に開いた口が塞がらなかった。 また人の姿の時に身に着けている武器が使われたことは1度もない。なんのための武器なのだろうか。 余談ではあるが、『文明開華 葵座異聞録 再演』というタイトルのリメイク版が業界最速の5月に発売予定である。 季節はさらに秋を過ぎ本格的な寒さに震えだした11月23日。 めぼしいものは出尽くしたかという雰囲気が漂いはじめたころ、思わぬところからそれは現れた。 『オレ様キングダム 恋もマンガもデビューを目指せ!ドキドキLOVEレッスン(オレキン)』(バンダイナムコゲームス) 漫画が原作のゲームで記憶に新しいのは『ラブルート』だが、本作は少女漫画雑誌「ちゃお」で連載されている 『オレ様キングダム』を原作としたゲームで、正統派少女漫画の乙女ゲームである。 内容は絵や漫画を描くのが趣味の主人公が、原作の主人公でプロの漫画家でもある野々原ののに才能を見出されて 漫画コンテストに応募する作品を描くことを決意し、そのネタ作り兼取材と称した交流を学校一有名人であるイケメン 3人組に持ちかけ、関係を深めていくというものである。 まず乙女ゲームに限らず恋愛シミュレーションゲームではイベントスチルが必要不可欠なものだが、各ルートにつき 1枚しか存在しない。 それもエンディングに差し掛かるあたりにしかなく、ルート進行中は攻略対象と淡々と会話するだけのイベントしかない。 またおまけモードにギャラリーがないため1枚絵としての観覧は不可能であり、イベント回想モードで見るしかない。 メインとなるキャラクターイベントもタッチ画面から選ぶ形式であるが1日1回しかない。また目当てのキャラが必ずしも いるわけではなく、かと言ってイベントは強制のためそれをこなさない限り次に進むことができず、その場合は他の キャラのイベントを見ることになる。 一途にやりたい、ネタバレはいやだというプレイヤーには厳しいものがあるだろう。 イベントは日にちや週で決まっているらしく、知らない内に出かける約束をしていたり、他のキャラと何度も訪れている はずの場所に初めて来たと言い出したり、日曜日なのに普通に登校していたりと所々矛盾が生じている。 登校してから下校まで 朝:「今日も頑張って勉強しましょう!」→ 暗転 → 夕方:「今日も沢山勉強しました!」 とものの数秒で終わることがほとんどであり、下校後のイベントは街中がほとんどでそれ以外で攻略対象と絡むことは ないので学校に行く意味があまりない。月の大半は主人公が勝手に帰宅してしまうためイベントが発生しない。 約2週間ひたすら学校と自宅の往復で終わった月もある。 中間・期末とテスト期間や文化祭といったものがあるが、特に何もなく過ぎていき、終盤に主要キャラ全員で遊園地に 遊びに行ったりもするが、こちらも「楽しく遊ぼう!」→ 暗転して夕方 →「とっても楽しい1日でした!」と数行 文章が流れただけで終わってしまっていた。 エンディングも最後にお互いの気持ちを伝え合って相思相愛になるかと思いきや、主人公の言葉を遮って「これからも 仲良くしよう」と無理矢理会話を終わらせてしまい好き合っているのかどうかわからないまま終わる。 他にベストエンディングがあるから告白がないのかと思いきや、これがベストエンディングだった。 システムについてだがオートモードはあるがスキップモードはなく、話を飛ばしたい場合はひたすらAボタン連打か タッチペンで画面を連打するしかない。おまけの回想モードも同様である。 また、このオートモードも家から学校などに場所が切り替わると強制的に解除されるため、その度に設定し直さなければ ならない。 クイックセーブやクイックロード、バックログといった便利機能も当然のごとくない。 プレイヤーデータは2つ分作成することができる。 この2つは完全に独立しており、1プレイヤー分コンプリートしたとしてももう片方に反映されることはない。 セーブは1プレイヤー3つまでとなっている。それを行えるのは就寝後のみで1日が終わるごとにセーブ画面が強制的に 表示される。9~1月の期間1日も飛ばすことなく話が進んでいき、かつ月のほとんどが1~3分程で終わるものばかりであり、 100回以上否が応にもセーブ画面と対面しなければならない。 ゲーム画面から前にセーブした場所へ戻りたい場合もロード画面へ直接飛ぶ方法はなく、一度タイトル画面付近に戻らな ければならない。 この作品には櫻井孝宏氏、成瀬誠氏、羽多野渉氏、細谷佳正氏といった豪華声優陣が声をあてている。 野々原ののを含めた主要キャラにはボイスが付いている。 だが油断してはならない。この作品、キャラクターがちゃんと喋らないのである。 「ああ、なるほどね。そういことか。」と台詞が表示されているのにボイスは「そっか」のみであったり、他にも 「さ、教室行こうか。」→「さてと」 「何、ボーッとあるいているの?」→「あれ?」 「わかった。それじゃあ。」→「じゃ」 というように、文章は表示されているのにボイスは一瞬なのだ。 世に出ている乙女ゲームには一部の台詞しかしゃべってくれないパートボイスというものが存在するが、これはそれの 遥か上をいくポイントボイスだった。 またそのボイスもあったりなかったりで、どのような基準で入れたのか謎である。 ちゃんとした台詞で喋ってくれるのはエピローグの最後の方でひとつと、ルートクリアしたおまけモードでひとつ。 「声優の無駄遣い」という言葉がこれほど似合うものはそうないだろう。 以上4つのノミネート作品を紹介したところで今年度の大賞の発表に移ろう。 2011年、乙女ゲー的クソゲーオブザイヤー大賞は・・・『遙かなる時空の中で5』である。 今年は例年の様なシステムの不具合や決定打となるバグなどがなく、どの作品を推すか推さないか様々な意見が飛び交い、 果ては「中立であれ」という掟すら忘れ罵り合う騒然とした雰囲気が続いた。 「主人公含むキャラ設定」や「シナリオ」といった個人の好みで評価が変わる要素が今回のポイントとなったからだ。 ここで考えてみてほしい。「乙女ゲームとはなにか?」 乙女ゲームとは女性向け恋愛ゲームのうち、主人公(プレイヤー)が女性のゲームの総称である。 そして乙女ゲームに限らずゲームはプレイヤーが楽しむために存在するのである。 ではプレイヤーが楽しむためになにが必要か? 「甘い雰囲気に酔いしれることも相手の求愛にも答えない」、「素直に謝ることもせず常に上から目線」、「場の空気を 読むことをしない」、「プレイヤーそっちのけで勝手に行動する」ものに、プレイヤーは楽しさを見出せるのだろうか。 確かに個人的に気に入らないからと大賞に推すことは許されない行為である。 しかし仮にもプレイヤーの分身となり作品の世界へ誘う役目の主人公が多くのプレイヤーに拒否されたという結果が 出た以上、これは個人の好みの域を超えているといえる。 また乙女ゲームは恋仲になるまでの過程が重要とされており、それをすっ飛ばしていきなり恋仲になれば不満の声が 挙がらないわけがない。 それらを踏まえた上でノミネート作品を見てみると、 主人公やシナリオは受け入れ難いものがあるが、恋仲になるまでの過程はちゃんと描かれている『アムネシア』 ごっそりと大事な部分が抜けたシナリオに空気の読めない主人公などがいるが、調理に問題があっただけで攻略対象には 特に問題がなかった『葵座』 主人公が勝手に動いて選ばせてくれない上に恋仲になったかどうかわからないまま終わるものの、結果はどうであれ 攻略対象との交流はしっかりできている『オレキン』 これらは確かに様々なクソ要素が寄せ集まっているが大賞の座につくには難しいとされた。 対する『遙か5』は、過程など一切なく勝手に惚れられどんなに愛を囁かれても反応が薄く、年相応の常識がないにも 関わらず崇拝される主人公を、リアルでも男にも女にも愛される存在にしようとして様々な部分が破錠したシナリオに、 要望があったにも関わらず改善しないどころか改悪してしまったシステムと、どの作品よりもハイレベルのクソゲーと 言える。 近年PCから家庭用ゲーム機に市場が移り、細々としたバグはあるものの、致命的なものは出て来なくなった。 出ていないにも関わらず大賞やノミネート作品が選ばれたのは、問題はそれだけではなかったということである。 去年はPC作品がなく代わりに携帯電話ゲームが複数ノミネートされ、大きな話題を呼んだ。 そして今年はPC作品がノミネートされなかったという点は同じであるが、シナリオやキャラ設定など乙女ゲームであるが 故にクソとなる要素で争った今だかつてない年となり、時代は常に動いていると感じずにはいられないものとなった。 最後に、大賞に輝いた『遙かなる時空の中で5』を販売し、乙女ゲームというカテゴリのゲームを最初に生み出した貢献者で ある老舗コーエーテクモゲームスへ向けて、坂本龍馬の名言を贈ることで2011年乙女ゲー的KOTYの結びとする。 「クソゲーの運命は、九割はメーカーの不明による罪だ。」
https://w.atwiki.jp/akebon/pages/2646.html
#ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (総評.bmp) ソフトバンクの今期の総評です。選手のシーズン最終成績も載せています。 ◎第198あ回 ☆今期のチーム最終成績 年度 順位 試合 勝ち 負け 分け 連勝 勝率 打率 防率 得率 本塁 盗塁 失策 197 2 140 83 54 3 10 .605 .271 3.40 4.5 164 250 6 198 5 140 54 83 3 7 .394 .266 3.60 3.3 76 331 14 投打がかみ合わず屈辱の5位。 197期は29貯金を作ったが今期は29の借金を背負ってのフィニッシュであった。 能力面ではそれぞれ確実に上昇しているものの、今期はそれを上手く発揮出来なかった。 野手陣は長距離砲ここりこ選手が抜けた影響もあり本塁打数は激減。盗塁数は前期に比べ81増加し、小さくまとまってしまった印象。 投手陣は思わぬ乱調に陥ってしまう試合が多かったように思う。 来期、ソフトバンクは一体どのような成績を残すのか注目だ。 ☆今期のパ・リーグを振り返る 一位は、千葉ロッテ。スモールベースボールスタイルが見事に機能。 二位は、西武ライオンズ。主砲と先発陣が大活躍も2位。 三位は、日本ハム。ドログバ選手の孤軍奮闘もありCS進出。 四位は、オリックス。先発陣の早い成長が望まれる。 五位は、われわれソフトバンク。 六位は、東北楽天。若手への育成指導によっては数期後にダークホースとなるかも。 ☆プレーオフ展望 5位通過で進出できず。 ☆今期のオールスター 選手名 出場回数 成績 海野民子 2回目 .181(0本0点) 堂谷 初選出 0.00(0セ1奪) ☆野手陣総括 198期最終成績 順 ポジ 名前 打率 安打 本塁 打点 三振 犠打 盗塁 失策 1 左 エッジ .279 171 3 42 76 0 50 1 2 DH ヘンダーソン .294 162 0 29 104 16 35 0 3 遊 後藤光尊 .298 173 9 57 86 0 48 0 4 右 青龍サンデー .293 158 14 67 78 1 38 2 5 一 海野民子 .265 141 17 69 88 2 36 2 6 三 多村仁 .244 122 9 57 79 3 47 1 7 中 機龍 .269 144 5 41 69 1 39 0 8 二 麒麟 .230 119 11 53 83 2 27 0 9 捕 ROSE .212 108 8 53 85 1 11 4 【寸評】 196期とは見違えるような攻撃で得点率は4,5とリーグ1位を記録した。 野手陣全員が能力向上に努めた結果だろう。 盗塁数も大きく伸びリーグ2位。 何と言っても失策6と12球団唯一1桁台の堅実ぶりを発揮した。 ★各選手能力はこちらです。 ☆投手陣総括 198期最終成績 順 ポジ 名前 防率 勝ち 負け セーブ 奪三 四死 被本 10 先 大隣憲司 2.82 11 8 0 111 92 15 11 先 杉内2 2.75 7 12 0 130 83 11 12 先 アーリー君 3.99 6 17 0 113 96 18 13 先 だれさき 4.99 8 11 0 101 82 20 14 先 我末 3.76 7 10 0 96 104 19 15 継 島唄*島花 3.32 4 11 4 65 63 8 16 継 韓国 4.69 5 6 2 66 73 11 17 継 ドリーム7 2.67 6 6 3 68 67 8 18 抑 堂谷 2.96 0 2 17 21 9 2 【寸評】 昨期が良すぎた分今期が悪く見えるが十分な成績である。 ただ、中継ぎ陣は若さが出て崩れる場面が目立った。 四死球3桁は致命的なのでコントロールの向上を。 ★各選手能力はこちらです。 ☆チームWiki wiki更新者の方いつもお疲れ様です。 編集人数は他チームと遜色ない人数と思われますが、まったくやる気がない人にいてもらう意味はありません。 やり方がわからないなら見て学ぶべし。最初は誰だって出来ません。わかる限りの事は教えるので。 そろそろwiki非協力者は切っていくので覚悟しておいてくださいね。 最終編集者 だれさき 編集内容 最終成績・パ振り返り・プレーオフ・AS 更新日時:2008年08月31日11時24分49秒: 通算: - 今日: - 昨日: -