約 29,006 件
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/13195.html
総評/BanG Dream!
https://w.atwiki.jp/girls_games/pages/98.html
2012年。思えば昨年のスレは乙女ゲー的KOTY史上最も平穏だったと言えるだろう。 ヤマノテ、うたプリ、再会・・・皆それぞれに個性溢れるクソさを備えていた。 そんな猛者の追随を許さぬほどの強烈なインパクトで大賞をもぎ取ったキミカレ。 彼が残していった笑いの渦は、乙女たちに束の間の休息と安穏を与えてくれたのだ、と今更ながらに思う。 2013年――豊穣の年とされた中で、特に異彩を放ったクソゲー達を順次紹介していこう。 我先に、と先陣を切って現れたのは『NORN9 ノルン+ノネット』(オトメイト)。 タイムスリップ、旅する船、異能力といった興味を引くキーワード、高水準の絵、かの有名な植松伸夫氏の 手がけた音楽。 3人の個性豊かな主人公や脇カップリングなど、人を選ぶ要素はあるものの魅力的な雰囲気を纏っている。 そう、魅力的だったのだ・・・蓋を開けてみるまでは。 今作は“どこかが違う”大正時代に、現代を生きる少年がタイムスリップしてきたところから物語は 始まる。 能力を持つが故に集められた特使達、厨二心をくすぐるデザインの戦闘機や飛行船、人型汎用ロボット 兵器、テレビ、自動販売機、キッチンが完備された船内には、謎のヒヨコが忙しなく動き回っている。 「どこかが」違う、というレベルではない。 これらを見てプレイヤーが感じた違和感を代弁し、本編へ繋げててくれるのが前述の少年“空汰”の 役割なのだろう。 ・・・と思ったがそんなことはなく、彼はプロローグで謎ありげにタイムスリップしてくるのみで、以降は 完全に空気と化する。 しかし、全く意味のないキャラかと言えばそうではなく、彼の正体に関しては物語内でちゃんと 明かされる。しかし本編とは直接関係がない。空汰とはなんだったのか。 そもそも物語の大半が船内での出来事であり、地上に降り立ち大正デモクラシーを感じることは一切ない。 更に、物語が進むと「実は船の中だけが西暦8000年だった」ことが判明する。大正時代にした意味は あったのか。 ではその『外だけ大正時代の飛行船内』では一体どんなストーリーが展開されるのかと言えば、ほとんど 何もない。 余計な詮索はするな、馴れ合いなんぞ必要ない、いずれ敵になるかもしれないのだから――― このように、嫌というほどに「仲良くするな」と言われているのにも拘らず、必要以上に仲良くする 若者達の様子を見せつけられるだけである。 一応後半になると“リセット”という文明を初期化させる計画があり、主人公達は“リセット”を行うため の人柱だったという真実が明かされる。 空汰が感じた「大正時代だけど大正時代じゃない」という違和感は、この“リセット”を繰り返してきたが 故のずれ・・・とのことらしい。 はてさて世界の命運を賭けたその計画について知った主人公達はどうしたのかというと 「主人公の一人が攫われ戦争の道具にされていたところを救い出したら、リセットなんて話は最初から なかったようにいちゃいちゃ」 「仲間がピンチに陥っているというのに、攻略対象と過去に行きカウンセリングしたら、リセットなんて 話は最初からなかったように(ry」 「リセット管理側の人間が自らの組織に疑念を抱き、ヒロインの記憶を本人に無断で消し、役目を捨てて 逃亡してリセットなんて(ry」 「黒幕に洗脳され攻撃を仕掛けてくる攻略対象を主人公が正気に戻したら、なんやかんやで黒幕は死んで いて(ry」 ・・・というように「リセット? 世界の命運? しらねーな!」と言わんばかりに何事もなくいちゃいちゃ するだけ。 中にはこの“リセット”という真実が明かされないまま終わってしまうルートも存在する。リセットとは なんだったのか。 彼らが船内で行った事と言えばほんのちょっとの戦闘と内部犯探しで、残りは全て恋愛に割り当てられて いる。 いちゃいちゃする以外に何もしていない、総じて恋愛脳の若者集団に人類の未来を託すなんて・・・頭の 痛くなる話だ。 シナリオが駄目でも恋愛描写に萌えられればそれでOK!という乙女もいるであろうが、悲しいかなその 恋愛部分も非常に中途半端である。 お互いを監視する為にペアを組んだのに、次章では既に両思いになり、乙女ゲーの要でもある恋愛過程は 早送りをしているかのように急激に進んでいく。 「お前らいつそんな関係になったの?」と悩むプレイヤー。だが、画面の中の彼らはプレイヤーなど お構いなしに絆を深めていく。 そしてその果てに待っていたのは・・・乙女界のリーサルウェポン、唐突なエロ展開である。 ここは無法地帯か。 エロ展開が仕込まれているのは全9ルート中7ルートもあり、未遂や事後、酷い場合は最中という無駄な ラインナップ。 それらの向こう側に浮かび上がる「これで乙女共は萌えるんだろ?」と言わんばかりのライターの ドヤ顔は、ふつふつと怒りすら湧き上がってくる。 大風呂敷に折り目すら付けられなかったシナリオに、空汰の圧倒的ツッコミ不足により、誇大広告に 成り下がった“大正時代”の世界観。 トドメのエロ展開という地雷が決定打となり、本スレでは非難が続出。 「シナリオ型クソゲーのテンプレ」とまで言わしめる羽目に。 発売前の魅力的な雰囲気はどこへやら。中身のあまりの粗悪さに、今作はとある乙女から「黒焦げの フォアグラ」と形容されたのだった。 1000年に1度と称された酷暑が日本列島を襲った8月。 うだるような暑さに喘ぐ乙女達を色々な意味でぞっとさせたのが『しらつゆの怪』(オトメイト)である。 怪談百物語をベースとし、ダミーヘッドボイスを採用する事で、背筋が凍りつくような冷感と年下男子達 による萌えを与えてくれる新感覚の乙女ゲー・・・になる予定だった作品である。 今作は前述の『ノルン』と同じオトメイト発であることから比較される事が多く、ノルンが「黒焦げの フォアグラ」ならば、こちらは「味のない肉じゃが」だと形容された。 割と定番のホラー×乙女ゲームというレシピに、使用した素材は百物語&年下男子と決して悪いものでは ない。大きな問題は調理法にあった。 今作をプレイし始めると嫌でも目に付いてしまうのが、ライターの日本語力を疑う悪文の数々である。 例として、以下の一文を参照していただきたい。 「彼は三日月形に唇をゆがめ、そして、私をじっと見て笑顔で笑った。目は真っ直ぐ私を捉えて離さない。 まるで太陽を見ているように眩しそうに目を細めて、微笑んだ。」 「笑っている」という状態を難解かつロマンチックにしようとして、ニュアンスの綺麗な表現をバランス 関係なしに貼り付けた結果がこれだ。 この文章を読んで、正しい日本語だと思える人間は一体どれくらいいるだろうか? こんな文章で全シナリオが構築されているのは、もはや文字通りの「怪」。頭痛が痛くなる。 文章がこのような状態であるのだから、ストーリーがまともな状態であるはずがなく。 掴みとして重要な共通ルートは出会い→自己紹介→OP→百物語と淡々と進みすぎて、繋ぎの部分が 雑過ぎる上に恐ろしいほどに短い。 進めていけば雑さも無くなっていくのかと思うがそんなことはなく、謎も伏線も用意するだけ用意して おいて全ては闇の中に葬り去られ。 意味深な発言に意味はなく、攻略対象の正体は最後までわからないまま。 「全ての真相を知っている」という隠し攻略対象のシナリオですら「正体は察してください」状態。 前述した悪文の余計な相乗効果もあって考えれば考えるほど理解できず、考える事を止めても理解に 苦しむという絶望に苛まれる。 今作の要である百物語についても、キャラが話している最中に他のキャラが某お笑い芸人のようなノリ 茶々を入れてくる為、恐怖感がごっそり削がれてしまう。 探索パートでは一応のホラー感を味わう事も可能ではあるが、キャラの無駄な茶々のせいでせっかくの ホラーチックな雰囲気が台無しだ。 シナリオが駄目でも恋愛描写に萌えられればそれでOK!という乙女もいるであろうが、驚くことにその 恋愛部分は皆無に等しい。 距離が近づくような描写もイベントも何もなく、ついさっきまで「好きかどうか解らない」とすら 言っていたのに・・・ 百物語という名のナンパで知り合っただけで、後はほんのちょっと行動を共にしただけだというのに、 次の瞬間には両思いになりキスまで済ませる始末。 しかもこのキスシーン、無駄にねちっこく描写されているだけでなく、やたら生々しい吐息やリップ音付き。 2人はいつ、どこで、どんな過程を経て、お互いのどんなところに惹かれたのか。EDを迎えてもわからず じまいである。 後日談という名のおまけで明らかになるのかと思いきや、中身はただエロいシチュエーションが描かれて いるだけ。ここは無法地帯か。 恋愛過程もシナリオもダメならばキャラ萌えだけでも・・・と救いを求める乙女達の手を振り払うかの 如く、キャラクターも総じて酷い。 マイペース、ムードメーカー、ツンデレ、クールなどといった個性を持つ攻略対象たちが、個別ルートに 入った途端唐突にシスコン化、ヤンデレを発症、主人公の血を飲みたがったり等、謎の豹変を見せる。 これらに関して本編中で説明される事は一切ない。 だが、そんな彼らでも主人公と両思いになったら唐突にいちゃつきだし、無駄にエロいキスまで済ませて しまうのはもはやテンプレートである。 豹変すら帳消しに出来るほど魅力的な主人公なのかといえばそうでもない。 というより、今作で最もぶれまくりなのがこの主人公なのだ。 「守りたいけど守られたくないの。」「行きたいけど行かせたくない。でも行ってほしいの。」 「言いたい事がたくさんあるのに何を言いたいのかわからない!」等 攻略対象からも「お前何言ってんの?」という辛辣なツッコミが入る程に意味不明な言動を繰り返し、 怯えていると思ったら急に上から目線になったり、自己中心的な言動を見せたかと思ったら急に ネガティブになったりと一貫してブレまくっている。 公式設定では「人と距離を置きたがる性格」のはずが、ちょっと行動を共にした相手とキスをしてしまう。 距離感もへったくれもない。 気力を削ぐ悪文の蔓延るシナリオに、起承転結の“起”“結”以外を消し去ったかのような恋愛面、 悪い意味で個性的過ぎて理解が追いつかない主人公達。 見えない地雷が故に数多の阿鼻叫喚を呼んだ今作は、ホラーというジャンルもあってかの伝説のクソゲー 「四八(仮)の乙女ゲー版」とまで言わしめた。 以降もクソゲーの襲来は相次いだ。 しかし『ノルン』『しらつゆ』の双璧を前に、己の小粒さを嘆いて敗退していく。 大賞争いはこの2作に絞られた・・・誰もがそう確信し、早くも来年度へと想いを馳せていた間、奴は 息づいていた――大いなる衝撃と、笑いの渦を携えて。 昨年度の『再会』に続き、もしもしの国より出でた年末の魔物『ボーイフレンド(仮)』(サイバー エージェント)、満を持しての登場である。 今作は、妙に印象に残るCMでお茶の間の話題となった「ガールフレンド(仮)」の乙女ゲー版である。 このGF(仮)と同様、今作も「耳で萌える恋愛カードゲーム」を謳っており、登場キャラ全員に声優陣に よるボイスが付いている。 ただし、ボイスはいわゆる「フルボイス」ではなく、キャラ一人につき5種類ほどあるのみ。 そこはもしもしゲーのご愛嬌と言ったところか。 今作をプレイする上でどうしても気になってしまうのが、システム周りの難である。 異常に遅い上に途中で止まったり消えたりする文字表示速度。これにイライラしてつい連続でタップして しまうと、突然ホワイトアウトしフリーズを起こす。 プレイヤーレベルを上げる為のコマンド、「登校する」にも同様のバグがしょっちゅう起こり、苛立ちと ストレスの二重連鎖が萌える暇を与えてくれない。 チュートリアルもすこぶる不親切で、上記の「登校する」コマンドの他に教えてくれるのは、「出会い」 という名の課金ガチャの仕様と、「魅力アップ」という名のカード強化方法、強化したカレで5人編成の デッキを組み、他プレイヤーと戦わせる「カレバトル」のみ。 今作中に登場する「攻コスト・守コスト」「アルバイト」「デート」といった要素は、チュートリアル 終了後に自分で調べなければどういうものか解らない。 更に「攻コスト・守コスト」に関しては、コスト上限値を明らかに超えた編成でもバトル可能という、 その存在意義を問うバグまで仕込まれている。 気軽にプレイできることがもしもしゲーの利点のはずなのに、ご覧の面倒臭さ。なんとも気力の削がれる 仕様である。 肝心なシナリオ面はどうかというと。 プロローグこそ「卒業パーティーのダンスのお相手は誰にしよう・・・?」という短すぎる共通シナリオが 入っているが、後は全8話の個別シナリオのみ。 最初の1話以外はそれらは最初の1話以外は「ステップアップ」というこれまた面倒臭い作業を行う事で どんどん解放されていく。 3話までは重複している同じカレを使用することが解放条件となっているが、それ以降はカードのレベルに 応じた 「キー」を使用しなければならない。 勿論これらの仕様はチュートリアルではほとんど説明されず、キーに至っては自力で調べないと使用用途が わからない。 解放されたシナリオは恐ろしいほど短い。キャラが登場し、主人公と申し訳程度の会話をしただけで終了。 続きはステップアップで! 魅力アップにも役立つカレを3人も消費し、キーを総数50個も使用したにも関わらず、解放された ストーリーは小学生の作文並みの短さ。 骨折り損のくたびれもうけとはこのことを言うのだろう。 更に、プレイの仕方によってはシナリオの整合性もおかしくなってしまう。 カレにはレア度というランクがあり、カレ1人ひとりに6つあり、それに応じて主人公とカレの関係が密に なっていく仕様となっているのだが 密になっていく過程はシナリオ中で一切描かれてはおらず、自己紹介後に解放された1話を見ると、 いきなり仲良くなっている。 さらに、出会い方によってはつい先ほど自己紹介を見たばかりなのに、いきなり抱きつかれたり 抱き合ったり腰に手を回されたりと、シナリオの整合性がおかしなことになってしまうのだ。 これを解消するにはRランクと出会う前にNランクと出会えばいいのだが・・・ガチャはランダムだし 登校で出会えるキャラは決まっている。 解消法はないに等しいのだ。 さて、今作のおおまかな内容を説明したが、多くの者が「これが年末の魔物? ハハッ、ワロス」と鼻で笑った ことだろう。 ・・・安心するのはまだ早い。本題はここからである。 今作の最も強烈な問題点―――Twitterに続々と挙げられた衝撃の画像の数々に、スレ住民達は驚愕し、 戦慄し、腹を抱えて笑った。 素敵な模様入りのペンを落とした透明人間。「よう。今帰りか?」と話しかけてくる幼馴染の生首。 人間観察が趣味だというパンクな生首。 呼ばれて振り返ると、そこにいたのはのっぺらぼう。主人公が見つめる先には宙に浮いた顔面。 「さっきから俺のことを見てるけど、何か用か?」と言うハゲた生首。 「科学室、使ってもいいですか?」と言ってくる頭の無い眼鏡男子。 別の意味で「大丈夫ですか・・・?」と言いたくなるハゲの生首。 ランチに誘ったキャラが次の瞬間にはハゲ化、生首化、顔面センター化。 ・・・おわかりいただけただろうか? 今作が“伝説”とまで称された所以、それがこれらの「立ち絵バグ」である。 これらのバグ報告画像はTwitter民によって瞬く間に拡散され、ゲームニュースを扱うブログが嬉々として 取り上げる異常事態となった。 イケメンの身に起こったこれらの超現象は、プレイヤーはおろか画像を見ただけの人達にも強烈な インパクトを残していったに違いない。 以上3作をノミネートとする。 今年度は日本列島に押し寄せた数多の台風たちの如く、強力なクソゲーが現れては乙女達に襲い掛かって きた。 安堵したのも束の間、畳み掛けるかのように次なる強力なクソゲーが現れ、休む間もなく乙女達は再び 彼らに挑む。 疲弊の余りにクソゲーの暗黒面に堕ちる乙女が続出。 スレは荒れては落ち着き、また荒れて・・・を繰り返し。 全てが終わる頃には、乙女達は真っ白な灰と化してしまった。・・・2011年の悪夢のように。 何故黒歴史は繰り返されてしまったのか。 それは、今年度門を叩いたクソゲー達の大半が「シナリオ型」のクソゲーだったためである。 シナリオとは乙女ゲーにおいて最重要項目であるが、その中身については「好みの範疇」が適用される ためクソゲーか否かの判断が難しい。 未だに2011年度の一件がスレを荒らす種となっているのは、この判断の難しさが故である。 しかし、上記の3作には、2011年度とは根本的に違った要素があった。 話を書く上での基礎中の基礎“起承転結”が成り立っていないのだ。 “起承転結”の“承・転”を削り、代わりに無駄なエロ展開を無理矢理差し込んできた『ノルン』。 “起承転結”全てが悪文で構成され、“転・結”のフェードアウトと同時にエロ要素を捩じ込んだ『しらつゆ』。 “起承転結”がほとんど存在しない上、下手をすれば整合性が迷子になってしまう『BF仮』。 これは「好みの範疇」を語る以前にまず、「読み物として」問題である。 2011年の悪夢を経ても尚、斜め上の方向で進化を続けるシナリオ型クソゲー達の中で、これら3作が ノミネートとなったのはもはや必然と言えよう。 では、この3作の中に今年度の大賞に相応しいクソゲーは存在するのか。 その答えは・・・『否』である。 3作とも読み物の礎である“起承転結”がなっていないという時点で、他作品よりも秀でたクソゲーだと 言える。 しかし、これらは全て今年度の大賞として君臨するには決定打に欠けているのだ。 まず『BF仮』。起承転結などあってないようなものではあるが、シナリオ中にエロは皆無であり、 もしもしゲーにしては珍しいほどクリーンな内容となっているのは評価に値する。 衝撃的な立ち絵バグの数々も現在は落ち着いており、乙女達の検証の結果、配信当初のアクセス集中による サーバー負荷が原因という結論となった。 文字速度の遅さや頻発するフリーズ等システム周りの難は残っているが、基本無料という点を踏まえれば 他2作に遥か劣る。所詮、話題作といったところか。 では、残った『ノルン』『しらつゆ』の双璧のいずれかが大賞に相応しいかと言えば、多くの人間が首を 傾げるだろう。 起承転結は崩壊し、伏線は大暴投、もしもしゲーでもないのに付いてくる無駄なエロ要素、その果てに 見えるライターのドヤ顔・・・擁護できないほどクソであるのは確かだ。 だが2作とも「シナリオ型クソゲーのツートップ」止まりで、どちらもシナリオ以外にクソ要素が 見当たらない。 例え黒焦げのフォアグラでも、焦げた大部分を取り除けば食べられないこともないし、味のない 肉じゃがは、無駄なアレンジもなく一応レシピどおりに作られてはいる。 問題は『どちらの料理に金を払うか』という部分なのだ。 その選択こそまさに「好みの範疇」ではないだろうか。 無理に食べられる部分を探り当て、味のなさに目をつぶって、食した料理に金を払う必要はあるのか。 金を払う事で悪夢が繰り返されると解っていても―――――その答えは・・・『否』なのである。 よって、2013年度は『大賞該当作無し』とする。 黒焦げのフォアグラ『NORN9 ノルン+ノネット』。味のない肉じゃが『しらつゆの怪』。 この2作を次点に置く事で、今年度の乙女ゲー的クソゲーオブザイヤーを締めさせていただく。 どちらの料理に金を払うかは、貴女次第―――
https://w.atwiki.jp/girls_games/pages/115.html
乙女ゲーム的クソゲーとは何か。 2014年大賞『クローバー図書館の住人たち』は、我々乙女にそんなテーマを投げかけてくる作品だった。 度重なる議論を経ても、答えを見いだせないまま時は過ぎ2015年。 果たしてこの、哲学的とも言える問いかけに、答えは見つかるのか。 我先に、と門を叩いたのは、静かなる幕開けに反するかのように巨大な地雷であった。 『新テニスの王子様~Go to the top~』(以下、テニヌ) 許斐剛氏の大人気テニス(?)漫画「新テニスの王子様」を原作とした乙女ゲーである。 数年ぶりとなる「テニスの王子様シリーズ」の乙女ゲー。普通であれば、歓喜に沸くところではあるが。 発売元が「KONAMI」からクソゲー量産メーカーとして名高い「フリュー」に変わったことや、 主人公が従来の中学生ではなく社会人であること、公式サイトのキャラ名間違いや作画崩壊…… 以上の事から今作は、発売前から「見えてる地雷」と称され、今回見事に大爆発を遂げた。 『テニヌ』をプレイする上で目に付くのが、明らかに原作とはかけ離れたキャラクター達の姿である。 ムードメーカーである菊丸に笑顔の立ち絵がない、糸目キャラの不二は常に開眼状態などなど 作画の時点で「そのキャラらしさ」というものを感じることが出来ず、さらには 女性である主人公をパシリ扱いする跡部 年上である主人公を「あんた」呼ばわりする菊丸 空腹だと言うのでガムをあげたら、「余計に腹が減った」と激怒し怒鳴り散らす桃城 敗北した真田を「腑抜け」呼ばわりする幸村 等、作中至る所にキャラ崩壊が見られる。そもそも 「皆学校を休んでまで参加しているテニスの合宿という舞台で、テニスの実力とは全く関係のない、 一般人からのネット人気投票のトップを取るために、わざわざ練習時間を割いてまで積極的に取材に協力するキャラ達」 という設定そのものが、テニスのために生死さえかけかねないテニプリキャラ達にとってはキャラ崩壊とも言える。 この企画の発案者は例に倣って跡部なのだが、その理由も 「どうせお前たちは俺様には敵わない烏合の衆だから、俺様と張り合うチャンスを与えてやろうと思ってな」 などと言うもの。原作では高圧的ながらも仲間想いである跡部の盛大なキャラ崩壊である。 この時点で原作付き乙女ゲーにあるまじき失態なのだが、唯一のオリジナルである主人公も、キャラ設定とはかけ離れている。 言動や思考回路が社会人とは思えないほどに幼稚で、基本的にパシリであり、帰りをキャラに送らせたり野犬から守ってもらったり。 更には、仕事である取材のアイデアすら自分で出せず、未成年に相談してくるような成人女性相手に、12~15歳の男子達は、 それらしいきっかけになるような大きなイベントは一切ないまま、いつのまにか許可も得ず名前で呼んでくるほどの好意を持つ。 2,3言で終了する一日の会話を数回繰り返し、辿り着いたのはCGも何もなくただ「大人になるまで待ってて」とだけ言って 主人公も何の葛藤も疑念も抱かずに受け入れて終了→エンドロールという味気ないにもほどがあるED。 おそらく、主人公が成人済みであることから、未成年であるキャラとの深い描写が出来なかったのだろう。 ならば、なぜ主人公を社会人にしたのか。従来のシリーズのように中学生にしなかったのか。不満が尽きない。 その他、ファンブックを見て答えるだけのクイズ式ミニゲームや、ストーリー的に意味があるのか不明な上、 台本探しという作業を演者全員分揃えないと見ることのできないPV撮影など 周回を重ねるごとに選評者を以てして「ストレスがGo to the top」と言わしめ、攻略キャラ30人のうち二桁も攻略しないままゲームを投げる乙女が続出。 乙女ゲーだけでなく、原作付きのキャラゲーとしてもあるまじき作品となった。 叩けば叩くほど埃が出てくる「テニヌショック」。この甚大な衝撃によって、今年度の門番が誕生した。 強すぎる門番を前に、あくまで「可能性」に過ぎない小粒なクソゲーたちは門を叩くことすら出来ないまま涙を呑んで去っていく。 ……だが、その間にも確実に次なるクソゲーは息づいていたのである。 そして、年を跨ぎ1月。ついに2つの勇者が門番の前に立ちはだかった。 一作目は『POSSESSION MAGENTA』(以下、ポゼマゼ) 「愛と狂気のミステリーAVG」と銘打っており、その名の通り学園内で起こった事件を主人公と攻略対象たちが推理していくというサスペンスストーリーである。 プロローグにて、突然発狂した男子生徒が次の日、磔遺体となって発見された時は「これから何が始まるのだろうか」とわくわくしたものだ。 しかし、今作の盛り上がりはこのプロローグのみで、後はサスペンスとしても恋愛ものとしても非常にお粗末な出来となっていた。 高校生特有のノリとテンションで行われる軽~い推理。続きが全く気にならない事件展開。 冒頭で「あっ…(察し)」となる犯人。初登場の時点で「あっ…(察し)」となる黒幕。最後まで死の真相が明かされない被害者たち。 推理が幼稚なため、ミスリードがミスリードになっていない。そんなこんなで明かされた真相はミステリーというよりはファンタジーであり、そのくせ大したことない。 終盤になると突然、真犯人=ラスボスVS主人公たちのガチバトル(物理)が始まる超展開。そして、最終的な解決策はなんと「ネット」。 これらを構成しているのは誤字脱字に塗れた厨二病極まりない文章であり、選評者に「選れし私が失筆した狂気の恋愛奇譚‐アドベンチャー‐」と表現された。 「ポゼる」「ピュリる」などと言った謎の言語が説明もなしに繰り出されることも、文章の読みにくさに拍車をかけている。 恋愛部分も皆無に等しく、ストーリーが始まった時点で全キャラクターの好感度がMAX状態という文字通り「つよくてニューゲーム」状態。 各章ごとに一人、攻略対象がメインとなるシナリオが用意されているのだが、仲良くなるのがその章だけしかなく、他キャラがメインとなる章では完全な脇役に徹する。 そのメインシナリオの内容もあっさりとし過ぎており、基本的に 主人公「事件解決しなきゃ(使命感)」 攻略対象「そこに痺れる、憧れるぅ!」 といった感じの内容。 このように恋愛部分が薄いどころか「無」の状態であるにもかかわらず、エロ展開だけは一丁前に搭載されている。 このゲームでは攻略対象が個別ではなくメインシナリオで一人ずつポゼる(発狂する)展開があるのだが、ポゼってしまった攻略対象たちはほぼ同じ展開で性的に迫り、殺そうとする。 ポゼってしまった理由は主人公への恋心。壁ドン、無理やりキス…くらいならば許容範囲だが、服をひん剥いたり押し倒したり、その他CEROギリギリアウトな行為を働き、主人公も毎回「仕方がない」と受け入れる。 尻軽ビッチ感が拭えないのだが、この主人公は才色兼備という設定である。だったら、説得くらいしてみたらどうなのか。 エロ展開は当然ながら未遂で終わるのだが、それ以降主人公が攻略対象を異性として認識することはなく、最初から最後まで一貫して事件 恋愛と比重を置いていたのに、 個別ルートに入った途端に恋愛スイッチがONになる。この個別ルートも例に倣ってあっという間に終わってしまい、やはり恋愛してる感が無い。 こんなお粗末なシナリオ、恋愛パートでも、その向こうにはライターのドヤ顔が透けて見え、「困ったらエロ入れとけ」といった浅はかな考えまでもがひしひしと伝わってくる。 選評者曰く「今作の救いはキャラクター」とのことだったが、前述の主人公に加えもう一人最大の地雷が埋め込まれている。親友の「綾女」である。 彼女も主人公への好感度がMAXどころか限界突破しており、主人公を「ハニー」と呼び、攻略対象以上に「好き」を連呼してくる。 ここまでであれば単なる百合キャラに留まっていただろうに、これに男嫌いという設定が加わったことで最大限の地雷キャラへと変貌してしまった。 男であれば攻略対象だけでなくサブキャラにまでもオラついては悪態を突き、主人公と攻略対象が絡んでいる姿を見かけようものならば電光石火のごとく割って入り邪魔をしてくる。 プレイヤーや攻略対象にとっては邪魔極まりない存在なのだが、主人公はまんざらでもないらしく強く諫めることをしない。 更には攻略対象が彼女の態度を注意しても「仕方ないでしょ」などと言って率先して庇うため、彼女は反省せずに妨害を繰り返す。非常に質が悪い。 恋愛すべき主人公が恋愛をせず、主人公の恋を応援するべき親友が邪魔をしてくる。 シナリオ中で上がっていくはずの好感度は最初からMAXな上、共通ルートが8割を占めているため恋愛している感が薄く、作品のメインテーマである「ミステリー」も不必要。 更に真相ルートで主人公は特定の攻略対象と「正史」として結ばれるため、他のキャラクターが空気かつ無駄な存在となり果ててしまっている。 今作はまさに「乙女ゲー無」と呼ぶにふさわしい出来であった。 二作目の名は『RearPheles -Red of Another-』(以下、リアフェレス) 今作を以て乙女ゲー業界に参戦したニューフェイスの手がけた、童話「赤ずきん」をテーマとした新感覚AVGである。 ノベル形式のゲームが多い乙女ゲー界隈において、3Dを使用した探索型鬼ごっこゲーを導入した今作は非常に斬新かつ購買意欲をそそるものだったに違いない。 だが、蓋を開けてみると、赤ずきんどころか猟師や狼ですらも脱兎のごとく逃げ失せるであろう、凶悪な鬼ごっこが待ち受けていた。 プロローグで突如見知らぬ赤ずきんに「狼が来てるから逃げろ」と言われ、「移動はスティックで」といった程度の基本中の基本の操作のみを教えられ、 体感時間にして最大2分ほどかかってしまう読み込み時間の果てに放り出された3Dパートの操作性は、初代バイオハザード+初代クロックタワー÷2と表現されている。 スティックを動かしても直進しかできず、マップを歩き回るにはRスティックでの方向転換→Lスティックで進むといった作業をこなしていかなければならない。 主人公は、狼から逃げなければならないというのに異常なほど鈍足で、走っていても徒歩と同程度の速さしかない。 当然すぐに狼に捕まり、無駄にえぐいSE付きで食べられすぐにゲームオーバーとなる。 この操作にさえ慣れてしまえば、後はどうにでもなる……と思ったら大間違いである。 マップは似たような景色が続く割に不思議のダンジョン形式に地形が変化し、鍵の位置や脱出ポイントが毎回違う。 さらに狼はテレポート能力を有しており、後ろから追いかけてきているはずなのに、なんの脈絡もなく主人公の進行方向側から現れる。 狼が目の前に立ちふさがっても、横をすり抜けるなどと言った運動神経を鈍足の主人公が有しているはずもなく、逃げるために後ろを向いた瞬間にぐちゃり、というのはもはや常。 救済措置のつもりであろう難易度選択も、上記の操作性の悪さから全く意味のないものとなり果てている。 あまりの操作性の悪さに、興味を惹かれた購入者の大半が恋愛を楽しむ前に売却してしまうという事態に陥ってしまった。 この3Dパートは後に配布されたパッチによって飛ばすことが可能になったのだが、安堵したのも束の間。 3Dパートの恐怖から逃れた先にあったのは、新たなる脅威であった。 「○○を××したから□□になった。」「パクパクと食べた。」といった幼稚極まりない文章に、プレイヤーと作中とで話の内容がかみ合わない箇所が多いため、整合性が迷子状態。 通常ならば一言で済む日常会話を、週刊少年漫画のように無駄にだらだらと引き延ばしてあるため、なかなか話が進まない。 だのに長く尺を取るべき重要な場面での説明や推理を端折って、当人たちだけで勝手に話を展開するため、プレイヤーは置いてけぼりを食らう羽目に。 その為、謎が謎のまま作中の誰も疑念を懐くことなく終了してしまうという、ホラーにあるまじき失態がちらほら存在する。 更に今作の主人公は、ホラー作品の主役とは思えないほど、とんでもない性格をしている。 「お部屋」「おうち」「お料理」等、どこぞの清らかな神子様を彷彿とさせる言葉を操り、口調は「○○だよねぇ」「○○だけどなぁ」と間延びしていて緊張感が皆無。 狼に狙われているという自覚も無く単独行動をしたがり、 すぐそこに狼が迫っているという危機的状況でも危機感を持たずに「お花がきれい」と呟く文字通りのお花畑思考。 自分の好き勝手に行動した結果、命の危険に晒されたというのに、次の瞬間にはそのことを忘れ、何度も何度も同じことを繰り返す。無限ループって怖くね? 人の忠告や警告を悉く無視するどころか「わかってる!」と逆ギレしてくる某記憶喪失さんのような唯我独尊ぶりに、 鈍感という設定上、あからさまな好意にも全く気付かないどころか、近くにいたキャラにいちいちその言動の意味を尋ねるという圧倒的な空気の読めなさ。 何ともデジャブを感じさせるこの主人公、一言で評してしまえばただの馬鹿である。 そんな主人公の馬鹿さ加減が最もいかんなく発揮されるのは、なんと真相ルート。 シナリオ中に伏線がこれでもかと言わんばかりに散りばめられている上、ラスボスの口から限りなく正解に近い発言が出ているにも拘らず、事の顛末について全く理解していないのだ。 しかも、最終的にはラスボス側が自己解決してしまうため、真相ルートでの主人公は馬鹿さと鈍さを露呈しただけで終わってしまう。 こんな主人公が作中では「予言の子」などと持て囃されるのだから、プレイヤーは釈然としないだろう。 今作は当初、その操作性の悪さが携帯ゲー版KOTY民の目に留まり、話題となっていた。 しかし、公式側が良かれと思って導入したパッチによって、今まで成りを潜めていたシナリオ部分の悪さが露呈してしまう羽目となった。 結果、今作は乙女ゲームとしてもクソゲーであることが日の下に晒され、無事ノミネートを果たしたのである。 以上、個性豊かな上記3作をノミネートとする。 大賞を決定する前に、今一度前年度のテーマを問いたい。 『乙女ゲー的KOTYとはなんだろうか』。 乙女ゲームもあくまでゲームの一種だ。それが故「システム」や「バグ」といった根本的な部分にどうしても目が向きがちなのも、致し方無い。 2007年より始まった歴史の中で選ばれたKOTYの大半が「ゲームとして」の問題児ばかりだ。 だが、そういった部分ばかりに注目が行き、その果てに選ばれた作品は本当に「乙女ゲー的」KOTYなのか。 「システム」「バグ」などの根源ばかりが評価されて大賞になるのであれば、他の該当KOTYスレで十分のはずだ。 「太陽」に隠されて見えなかった「月」―――我々乙女が最も目を向けるべきはそこではないだろうか。 以上を踏まえ、2015年度の大賞を発表しよう。 真の「乙女ゲー的KOTY」に相応しい作品―――それは『新テニスの王子様~Go to the top~』である。 「ゲーム」という大きく広い視野で見れば、システム周りや操作性に難のある『リアフェレス』が大賞に相応しいかもしれない。 しかしここはあくまで「乙女ゲー的」KOTYスレ。前述のとおり、比重を置くべきは「システム」ではない。 それに、ゲーム性という意味で決定打となる3Dパートは、後にパッチによりスキップ可能となった。 昨今、致命的なバグですら「仕様だ」と言い切り売り逃げを果たすクソゲーメーカーが多い中で、 即刻ユーザーの意見を反映し、パッチ適用を果たした後もなお公式サイトにユーザーアンケートを設けている製作元のMatatabiはとても良心的だと言えよう。 また、このMatatabiは乙女ゲーどころかゲーム業界としても新参者の部類であり、数々の失態も「圧倒的経験不足」と言ってしまえば収まりがつく。 着眼点は悪くない、むしろいい目の付け所だ。この失敗を踏まえ、Matatabiにはぜひ今後も乙女の国の支えとなっていただきたいものだ。 『リアフェレス』のゲーム性が議論対象外となったことにより、目が向くのは「シナリオ」。 この事実により導き出される答え―――乙女ゲー的KOTYにおいて最も重視されるべき点は「シナリオ」である。 「好みの範疇」という茨多き道であろうともじっと耐え忍び、あくまで冷静に見定めて初めて、真の「乙女ゲー的KOTY」に君臨するのではないだろうか。 今年度ノミネートした3作は、好みの範疇以前に読み物の基本である「起承転結」が全く成立していない。 「承」「転」の部分が迷子なのは、もはやこの3作にとっては当たり前。この時点でノミネートは確約されたようなものだ。 が、残された「起」「結」の部分に、『ポゼマゼ』『リアフェレス』と『テニヌ』の相違点がはっきりと浮かび上がってくる。 まずは掴みである「起」の部分。 「起」の部分が一番の盛り上がりと言わしめるほどプロローグで高揚感を煽ってくる『ポゼマゼ』。 欠点だと思われた解像度の低さが逆に効果的となり、そこに雰囲気満点のBGMが加わることで及第点となっている『リアフェレス』。 「起の」部分だけを取り上げれば及第点である2作に対し、『テニヌ』はどうだ。 シリーズ累計発行部数実に5000万部を超える立派な原作がついていながらも、その設定をまるっと無視して始まる「起」。 これは購入者の大半を占めている原作ファンのみならず、乙女ゲー化することを快く了承してくださった原作者許斐剛氏への冒涜行為と言えるだろう。 次にクライマックスである「結」の部分。 真相ルートの押し付けがましさを除けばどのルートもしっかりと結べている『ポゼマゼ』。 整合性は取れていないが、物語的にはめでたしめでたしで終了する『リアフェレス』。 2作に対し『テニヌ』は、攻略キャラが多いが故に複数のEDパターンが作れず、唯一のEDも2人だけが盛り上がって終了と、なんとも言えない尻切れトンボ状態。 この2つの相違点が、3作の「読み物としての」差を物語った。 だが、これだけではまだ決定打に欠けている。 シナリオが悪くても、恋愛部分の描写がしっかりしていればそれでよし! と豪語する乙女もいることだろう。 安心してほしい。乙女ゲーにおいて最重要の恋愛部分においてもやはり途方もない差が生まれているのだ。 最初から好感度MAXではあるが、恋愛関係になってからの描写はしっかりしている『ポゼマゼ』、 幼稚過ぎる主人公と言えど、攻略対象のと心の交流や惹かれていく過程は描けている『リアフェレス』に対し、 『テニヌ』はただキャラのパシリとなるだけで、恋愛といえるだけの恋愛要素など探しても見つからない。 その最大の原因は「主人公」の「設定」にある。 『ポゼマゼ』『リアフェレス』双方も、主人公のキャラクター性を問題視されていた。 しかし、それはあくまで「物語上」での問題に過ぎない。肝心な恋愛描写は「出来ている」のだから。 『テニヌ』の主人公は、記者という設定を踏まえると若くても20代前半~アラサーということになる。 きちんとした職に就いた立派な社会人ならば、成人と未成年の恋愛がリアルでいかに問題となるかがわかるはずだ。 この「社会人主人公」こそがゲーム製作上でも完全に足枷となり、恋愛部分だけでなく物語においても深い描写が「出来なかった」のである。 この事実こそが、今作を大賞たらしめる最大の原因となったことは疑いようがない。 更に、駄目押しとしてもう一点。 美麗なイラストに個性的なキャラクター達、声優陣の圧巻の演技力といった乙女ゲーならではの萌えがある2作。 特に声優陣のキャラへの入り込み度は、選評者をもってして「救い」だと言わしめたほどだ。 だが『テニヌ』に至ってはいくら探しても乙女的に萌えられる要素が見当たらない。 原作無視という愚行により、良要素になって当たり前のはずのイラスト・キャラ・声優陣の演技力が悉く無駄となってしまっている。 挙句の果てに、本スレにて称賛を浴びたのが3D機能が効果的に働いた「ラーメンの湯切り」や「飛び散るご飯粒」といった 乙女的にどころか恋愛ゲームとしても感じるもののないスチルのみ。 乙女ゲーが誕生して21年。乙女ゲー的KOTYが発足してから早8年。 シナリオ型クソゲーに常に伴っていた憤怒や阿鼻叫喚といった負の感情が一切沸かず、「好みの範疇」という単語すら適用できる要素のない作品。 アンチの沸きやすいこの乙女の国で、アンチの沸く隙すら与えず、代わりに笑いを届けたクソゲーが未だかつて存在しただろうか? 『テニヌ』が名実ともに「Go to the top」となった歴史的瞬間である。 こうして新たなる歴史が誕生した裏で、2つの歴史が幕を閉じた。 9月25日、乙女ゲー的KOTYの偉大な始祖である「QuinRose-クインロゼ-」ブランドを展開していた(株)アートムーヴが事業を停止。 そして、「恋愛要素のない乙女ゲー」として昨年話題となった「うたプリアイランド」が結局恋愛を実装することのないままサービスを終了した。 始まりがあれば終わりがある。諸行無常。それは、乙女の国においても同じことなのである。 最後に、「乙女ゲー的KOTY」の歴史に真新しい球痕を残したフリューの『新テニスの王子様~Go to the top~』に、 跡部王国‐キングダム‐君主、跡部景吾より祝辞を賜り、今年度を締めさせて戴こう。 「なるほど、K O T Y じゃねーの。」
https://w.atwiki.jp/girls_games/pages/124.html
残念ながら一つも出ず終わった
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/143.html
総評案8 大賞 熟処女~私、はじめてなんです~(wiki選評案旧5氏 本スレ10本目735再掲) 735 名前:総評案1[sage] 投稿日:2011/02/08(火) 21 31 30 ID 99l4H/+e0 初年度にして怪物を生み出した08年、電波一本勝負の潔さである種の感動すら覚えさせた09年が終わり、 住民たちは今年はいかなる化物がこの世に生まれ出でるのかと戦慄を覚えつつ新年を迎えていた。 新年初っ端を飾ったのは130cmの「鬼まり」である。「鬼うた」のファンディスクである本作、メインルートは縮小再生産、 サブヒロインルートは相手を振ってエンド、そしてルートはこの2つだけ。エロシーンは実質4つの上に本番は妄想上の 1回のみという薄さ。さらにメーカー側の「本番がないとあかんのですか?」という斜め上の対応。シナリオ、エロ、 対応と全方位に渡って褒めどころ皆無という堅実なクソゲーぶりを発揮した。後に400Mもの巨大パッチでエロシーンを 追加して改善が見られたものの、新年一発目としてまずまずの盛り上がりを見せた。 超空間の核実験場ことZEROも「オレの妹のエロさが有頂天でとどまる事を知らない」で実力を見せ付ける。この作品は 宣伝では純愛路線を全面に押し出しながらも、メインルートではNTRやレイプを不可避のイベントとして盛り込んで 来るという展開を筆頭に、このタイトルにも係わらずそれっぽいネタは皆無など期待を裏切る要素がてんこ盛り。 シナリオは超展開だらけ、エロシーンも数あれどそれぞれが短すぎるなど単純にクオリティも低い。あらゆる意味で ZEROらしさを残すその作風は住人たちからも高く評価された。 だが、その「俺の妹(ry」を霞ませるほどの破壊力を発揮したのが、前年の次点作品を擁するアーベルソフトウェアが 今年最初の刺客として送り出した「恋刀乱麻」である。今回は前回に懲りたのかボイスもあるしバッドも含めてエンドも 数種類揃っている。では何が問題なのかというと、搭載された戦闘システム、「五行戦闘システム」が救いようがないの である。名前こそ大仰だが内容は5種類に増えただけのジャンケン、この運ゲー10本勝負が各ルートで10回程度行われる。 ただでさえ引き分けが多い上にもっさりした戦闘エフェクトもカットできないため、味わわされる作業感と疲労感は筆舌に 尽くしがたい。システムとして純粋にクソ、という点では他の追随を許さないところがあり、その個性は住民たちに絶賛された。 3月にはOverflowの「Cross Days」が案の定の参戦。大方の予測を裏切ってパッチこそわずかな程度で済んだが、 それが消し飛ぶような問題を巻き起こしたのは流石と言う外ない。最大の問題は「宣伝詐欺」──即ち、一部ヒロインの 雑誌告知シーンを削除した上に、好みの大きく別れる「男の娘」と「ガッツ」を一切事前告知せずに、しかもルート数では ほぼ半数に達するほどの大きな扱いで盛り込んだことである。さらにそれに対する抗議や反発を「2chで宣伝ありがとう ございます(笑)」などと煽りで返した挙句、プロデューサーの出演するニコ生では都合の悪い言葉をNG指定する見事な対応。 ネット認証ソフトであることにより中古売り逃げという退路が絶たれた上に、追撃の罵詈雑言が雨あられと降ってくるという 孔明も裸足で逃げ出す悪辣な罠に引っかかった犠牲者は数多く、発売直後の作品別スレッドは怨嗟の声渦巻く呪詛の儀式場と 化してしまった。定価13440円(買取不可)の末路がこの体たらくでは泣くに泣けない話だと言えるだろう。 一方、ZERO、アーベル、Overflowと同じく定評あるSSαは戦極姫2を大きなバグもなく出荷。前評判の高い大物同士の 間で大きく明暗が別れることになった。もっともSSαは携帯版でバグ乱舞ゲーを2本も出しているため、企業体質が改善 したというより足掛け数年でやっと一つの作品が完成したと考えるのが妥当かもしれない。 だがクソゲーと呼ばれるものは決して「定評ある」メーカーのみから生まれるものでもない。そのことを我々に思い出させて くれたのがういんどみるが送り込んだまさかの刺客、「色に出にけり我が恋は」であった。王道のストーリーとキャラ萌えに 定評のある同社だが、ユーザーが見たものは風呂場でスッポンポンになって奇声を発しながら腰をクネクネさせるヒロイン という大変シュールな絵だった。主人公はセクハラ魔人、ヒロインは奇行や迷言だらけ、エロシーンですら笑わせにかかる テキストなど同社の作風から想像できない作品に仕上がっており、クラスター爆弾クラスの広域破壊能力を如何なく発揮した。 犠牲者という意味では10年度でも屈指のレベルだろう。 しかしなんと言っても上半期で一番の話題作といえばbiscottiの「Floating Material -The hill where the star born-」に尽きる。 公式HPですら間違えてしまうほどタイトルの長ったらしいこの作品、HPキャラ紹介の文章がwikipediaや他メーカーから 盗作という、発売前から伝説を成し遂げたことで聞いている人も多いだろう。その後の追跡調査でサンプルのゲームCGも大部分が トレスであることが判明。copy rightの部分まで他からのコピペというのは笑うところなのだろうか。さすがにメーカーも反省 したのか、発売延期して疑惑部分については削除と謝罪で対応することとなった。 とはいえゲーム部分だけでも十分にひどい。会っただけでヒロインが主人公に一目ぼれするプロローグ、やたら「、」が多く 読みにくい文章、まさかのSEなしと目に付くところだけでこの有様。これに耐えてシナリオを続けても、山場に来るとヒロインの 問題が学外で勝手に解決してしまう感動ゼロのシナリオと、書き直したパーツの変なやっつけCGがプレイヤーを奈落に突き落とす 仕様である。 早くからコピー疑惑で騒がれた作品であったが、クソゲとしてはまさに「本物の作品」だったと言えよう。 夏に入り、話題をさらったのはまたもアーベルソフトウェアだった。彼らの放った第二の刺客、デュアル・エムが前評判を上回る 出来栄えでスレに降り立ったのだ。本格探偵モノを銘打っているが、序盤情報による消去法でアッサリ犯人にたどり着くうえ、 選択肢を間違ってもパートナーが全自動でやってくれるためバッドエンドも存在しないという親切なセミオート設計。アドオンで 修正されたものの左利きの犯人が堂々と右手で銃を撃つ、暗号にまさかの誤植など、ジャンルは本格クソゲーの間違いではないかと 思えるような素晴らしい内容に満ちているのは流石である。もちろんボイスもOP・ED曲もない。相変わらずのアーベルらしさに あふれるその素晴らしいクオリティは、住民たちから手放しの賛辞を受けた。 LOST SCRIPTの「ふぇいばりっとSweet」も忘れられない。 この作品の問題は、フルプライスにも係わらず総容量468Mというところから始まる。さらに数だけあっても実用性皆無のエロシーン、 ただでさえ少ない内容の9割が共通というシナリオの薄さ。それでもシナリオ自体は面白いかと思いきや、シナリオの中核を担う 主人公とメインヒロインの設定とエピソードは「西洋骨董洋菓子店」のパクリもといリスペクトだったという体たらくである。 その何ともいえない出来栄えはクソゲに飢えていた住民たちにそれなりに歓迎され、秋に向けて住民たちの期待は膨らんでいった。 そして9月、満を持して登場したのがPurple Softwareの新ブランド、delightが世に放った「Orange Memories」である。 内容は「エロゲではよくあること」で片付くものでエロシーンも質はともかく数を揃えており、ここまでならただの凡作で 終わるはずであった。ところがデータ解析を行った人間が内部に大量の未使用ボイスを発見したのである。この結果、少なくとも 6つのエロシーンが削除されたことが判明。つじつま合わせのために関係ないシーンのCGを流用したらしく、「ラブホエッチの CGで星空が見える」などといった不自然なシーンが存在。さらにヒロインの名前を「奏」から「心」に変更した際に一括置換を 行ったため、「奏者」「伴奏」が「心者」「伴心」などと誤植される有様。もちろん一部のフラグ処理がおかしいといった基本も しっかり抑えている。この脇の甘さを隠すどころかあえて見せびらかすという捨て身の姿勢は住民たちに大いに歓迎されるとともに、 久々の本格派にスレは沸きかえった。「delight」とは「大喜び」という意味とのことだが、この出来栄えで大喜びなのはメーカーと KOTY住人くらいであろう。 ところがこの盛り上がりも束の間、その後スレは再び年末まで停滞を迎えることになる。この間、アーベルの三作目である 「萌恋維新!」や原作ファンを失望どころか絶望させた「JINKI EXTEND Re VISION」、体験版で終わればみんな幸せだった 「なないろ航路」などが名前として挙がったものの、どれも普通につまらない上に不愉快というインパクトに欠ける出来栄えに 終わってしまった。 このまま何事もなく年の暮れを迎えるかと思われた12月──やはり年末の魔物はやって来た。 その魔物の名はHammer Headsの「熟処女」。本作品はいわゆる低価格作品ながら、オチンチンペに始まるタイプミス、 ミス音声の収録、台詞と音声のズレなど抜きゲーのはずなのに「真っ最中」で致命的に萎えさせる仕様を誇る。極めつけは一部の エロシーンのテキストを他作品からまるまるコピペしてるせいで作中に登場しない人物の名前が出てくるという点で、スタッフの 能力とモラルの低さを象徴するエピソードと言えるだろう。誤字脱字もひどいを通り越して凄いのレベルに突入しており、 「女性を放っておくなって許せない」「寛げた俺の下半身」「ゆっくりを受け入れてください」などなど、それだけでも十分すぎる 破壊力を誇っている。ただ萎えさせるのみならず笑わせるにまで押し切るその圧倒的な迫力はスレ住民から熱狂的に支持された。 これに追い討ちをかけるのが信頼と実績のアーベルソフトウェアが本年四作目にして最後の刺客として送り込んだ「まるめる」である。 「あなただけの物語を作れ!」という煽り文句から想像できるとおり、本作はマルチエンドで実に18のエンドがある。 ところが実際にはエンドの攻略順がほぼ固定されており、独自どころか一本道というひどいオチ。発売当日のアドオンを発表しながら、 内容はヒロインの表情差分という必要最低限の機能を補う程度の代物。キャラ10人中4人はセリフなし、背景の昼夜が無茶苦茶など、 量産型の駄作では済ませないあたりは流石熟練のクソゲメーカーといったところか。唯一の救いは既に名声を確立したメーカーであった だけに、犠牲者が少なくてすんだということだろう。 それでは、本年度の入選作と大賞を発表しよう。 入選作は「恋刀乱麻」、「Orange Memories」、「Floating Material」の3作。大賞は「熟処女」とする。 業界でのアフターサービスの金字塔を打ち立てたCross Daysは間違いなく今後も語り継がれる作品となるだろうが、最大の問題点は ゲーム内容と無関係であるためクソ「ゲー」としてはもう一つと判断した。そうした中で入選作はいずれもゲームをやるだけで やるせなさがこみ上げてくる破壊力を有するメンバーが選ばれ、その中でも一番大きな「本編の文章盗作」を実行した熟処女が大賞に 輝くこととなった。 魔王が君臨した08年、王者を生んだ09年と比べて、10年度は群雄割拠の戦国時代という形容が相応しいだろう。突き抜けてひどいもの こそなかったが、クソゲと呼ぶに十分値するゲームが数多く排出されたユーザーにとって過酷な一年であった。 そうした一年を代表する言葉は「コピー」だろう。トレスやリスペクトはもちろん、文章のコピペにまで至った事例まであり、 一部メーカーのモラルの低下は目を覆いたくなるレベルだった。また、KOTYに限らず期待を裏切ったと言われる作品も例年より多く 排出され、メーカーが安定したクオリティを残すことがいかに困難かを感じさせる一年でもあった。 そうした中で一年に四作も発表しながらも、どれ一つとして前評判を裏切ることなくクソゲーを出し続け、二年連続の入選作を 排出するに至ったアーベルの安定性は流石というほかない。その作品群は住民に「アーベル四天王」と称され、最後の作品は発売後 しばらく工作板にスレッドが出来ないという偉業すら達成した。ある意味で業界の頂点を極めたと言えるだろう。 よって、一年の最後の言葉はこの偉大なるアーベルの言葉をお借りし、biscottiとHammer Headsに贈ろうと思う。 「盗作なんかしないであなただけの作品を作れ!」
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/826.html
2021年総評案1(修正稿) 大賞 Cuteness is justice 【2021】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所 https //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58649/1643644901/ 45: 総評1 ◆kpIy6y/jcA :2022/02/17(木) 00 31 22 HOST 12.242.12.221.megaegg.ne.jp 修羅の国で開催されし闇の祭典KOTYeも13周年を迎えた2020年は、場外ホームランこそ出なかったものの毎月葬者を出し22本ものヒットが飛び出す乱打戦となった。 見付からなければセーフと言わんばかりにルール無用の手抜きが横行し、挙句の果てには一般観客まで巻き込んだ歴史に残る場外乱闘まで飛び出した2020年度KOTYeは、胸糞主人公と地雷ヒロインによる最凶バッテリーが投じた魔球を渾身の自己満ルビを乗せたフルスイングで打ち返してバットごとボールをバックスクリーンに叩を込んだ『LOVE・デスティネーション』が満場一致でMVPに選出されて幕を閉じた。 また、場外乱闘についてもルールに基づいて判定するとした厳格な矜持を示し、『クソゲーとは何か』について改めて考えさせられた一年であったとも言えるだろう。 2021年度は昨年に引き続き、開幕から話題はあれどもめぼしい獲物は現れず、ハンター達は束の間の休息を堪能していた。 だが歴戦のハンター達が油断して武器の手入れを怠る事は無い。 雪解けの季節である3月、初の獲物は冥界から届けられた。 使者の名はウグイスカグラの『冥契のルペルカリア』(冥契) 「可愛いヒロインたちとの幸せを追い求める、青春譚」 「恋焦がれるほど求めてしまう、恋愛譚」 「虚構が織りなす、切なくて恋しい、幻想奇譚」 と謳った本作であるが、その内正しいのは一番下のものだけである。舞台は現実世界で起こった悲劇から逃避する為に作られた幻想世界であり、主要な登場人物の多くは故人であって只の舞台装置の役割である。 安易な救済等は無く、キャラクターを攻略する都度不幸な真実が少しずつ判明してプレイヤーに鬱を刻み込んでいく仕様は青春や恋愛を求めた人には苦痛となった。 とは言え、このメーカーはこういう作風と理解する者も多く、鬱要素を除けば全体的に高品質とも言え評価は決して低いものでは無かった。 『クソゲーとは何か』 今年もこの命題との闘いの幕開けでもあった。 続いて4月には魔王スワンの落胤Calciteの『女勇者と幻想カジノ』(幻想カジノ)が巡回中のハンターにイカサマを見抜かれて御用となった。 転生ファンタジーとギャンブルゲームとエロを融合させようとした本作であるが、その全てが中途半端だった為、悲惨な合体事故が発生。 まず宝くじに当たった事でショック死して転生という流れが意味不明でストーリーにあまり生かされていない。ギャンブル依存症だった前世の記憶が蘇ったはずなのにギャンブルの知識が初歩レベルだったり、イカサマもカードにキズを付ける程度で底が浅い。 ギャンブルゲームとしてミニゲームも用意されているが、これもショボくてつまらない上に勝利数で変わるCG回収の為の手間を掛けさせる。 さらにエロは本番が少ない上にCGの使いまわしまで指摘される始末で手に負えない。意欲は伝わってくるが中途半端であった事から結果としてまるで良い所が無く、これでフルプライスでは価格がインチキであると言わざるを得まい。 GWにはevollが『とっても明るい!お嬢様の満喫☆夢のどすけべ生活』(どすけべ生活)で昨年に引き続いて参戦を果たす。 昨年は絶品バーガーでクソのポテンシャルを見せつけたevollであるが、その腕は錆びるどころか研ぎ澄まされていた。 この作品最大の問題点はシナリオ。借金苦でバスジャックした主人公。 ところが強姦した筈のお嬢様たちは全員ビッチで、少女の口車に乗せられて、最終的には変態お嬢様3人から凌辱してくれないと警察に通報すると脅されて子行為に及び、挙句の果てにはエッチの採点をされるといった電波なシナリオが展開される。 「とっても明るい」「夢の」どころか非現実過ぎてどう見ても狂気の沙汰。 どうしてこうなったとあるが、それはこちらのセリフで、どうやったらこんなシナリオが作れるのか問い正したいレベルである。 勿論寒いギャクも健在で絵・塗り・BGM・システムと、前作の悪かった部分はきちんと踏襲しつつクソゲーとして更なる進化を遂げていた。ミドルプライス故に内容が薄かったのがせめてもの救いか。発売から4日間でKOTYeにダンクシュートを叩き込まれたのも納得である。 続けて6月にもSUKARADOGが『家出ギャルを拾ったので育ててみた』(家出ギャル)でまたもや参戦。 前作はエロは安定ながら最初からビッチだったというコンセプト詐欺であった。 本作は昔弱みに握られて馬鹿にされていた家出中の元教え子の女生徒を暴漢から助け、家に泊めて性交渉を強要し、何だかんだで同棲するから始まる。では育てるのだろうか? 答えは育てない。主人公は根暗のオタでヒロインはビッチ。気付けば仲良くなってて和姦と不快寄りではあるが絵は比較的安定で凡な抜きゲーだった、これで終われば・・・ だが本作最大の問題点はシステム部分にあった。音声やインストールの不具合もさながら、『マウスの左クリック以外の操作が出来ない』という新型兵器を投入して来た。マウスホイールどころかキーボードのエンターキーすら使わせない鬼畜仕様。低価格帯の抜きゲーで抜きたくても物理的に抜かせないこの仕様はあまりにも斬新で、右手を負傷した選評者により発売から約一週間で被害届が提出されてしまった。 順調に獲物を狩るハンター達であったが、大型魔獣達との約束の刻が遂にやって来る。お待ちかねの収穫祭の始まりである。 まずは壮大な延期でフラグを立てていたPanacheの『ぱられるAKIBA学園』(ぱら学)との対決である。 これも典型的な転生モノで、異世界に飛ばされた際にチート能力を与えられた主人公が、魔王と戦っていた4人の勇者パーティ(ヒロイン)の所に現れ、一撃で魔王を倒す所から始まる。ここまでの演出はムービー等中々の力作であったが、褒められる点はここまでである。 その後は転送されてきた主人公の部屋にあったオタクグッズを使い、褒美として擦り付けられた荒廃した土地の発展の為にオタク文化を広めようという話になるのだが、ここからいろんなものがグダグダになる。 まずストーリー。国創りとか経済とか設定が粗削りというよりいい加減で主人公の適当な案で難の問題も無く問題が解決して強引に話が進んでいく。チート能力とか勇者とか関係無し。 キャラクターもヒロインも設定や個性がブレまくり、性格が変わったり膜復活とか支離滅裂。世界最強の戦力というよりは只のヲタで、話が進めば進むほどに重症化していき魅力が削がれていく。 元メーカーが3Pを売りだったでエロに救いを求めても巨乳なのにパイズリが無いとかエロ方面ですら悲鳴を挙げる者まで現れた。 一応ヒロイン選択型なのだが、事実上最後の一回以外共通部分と呼んで差し支えなく、個別ルートは最終話のみ。他の内容はエロ以外は消化試合でヲタの女子会程度のもの。なろう系のなりそこないの見本のような仕上がりで、残念を箱一杯になるまで詰めてみたような一品であった。 次いで今度は別の勇者一行がハンター達の前に立ちはだかった。だがその正体は変幻魔法で勇者一行に化けた魔物だった。 魔物の名はキャラメルBOX いちご味の『下戸勇者 ~酒は飲まねど酒池肉林!』(下戸勇者)。 酒が飲めない下戸だった主人公勇者がボッチでチートになるまで旅を続けていたら他の勇者に魔王が倒されていたので、やる事が無くなった主人公は女だけのパーティ-を作って好きな事やろうというのが本作のストーリー。 この勇者は様々なチートスキルを以てハンター達に猛攻を仕掛けてきた。 まずはアリエヘン等ドラクエを捩ったと思われるパロネタのオンパレードでハンター達に吹雪を浴びせて来る。数打てばどれかは当たるだろうと思ったのかも知れないが、その全てがくど過ぎて台無しになっている。余りに多過ぎると意味の理解に時間を割かれる上、知らないものだと意味不明になる。ちび魔女の呪文に至ってはゆっくり聞き取りしないと元ネタすら分からずテンポが割かれる上、結局つまらぬ代物。こうしたネタが余りにも多すぎて寒いというより凍えるレベルでもはや極大冷凍呪文である。 これに不自由なシステムが無慈悲な追い打ちをかける。古臭くて使いにくい上に未読判定機能の無いスキップ、終了確認無しでいきなり終わる×ボタンに加え音声バグやフリーズまで完備し、老舗たるキャラメルBOX製だという事すら疑われる始末。 エロはそれなりにあるとは言え、アヘ系のエロである上に特殊プレイが多く、エロシーンまでギャグ方面に走ってしまった事もあり実用性が低く、カカシまで混じる始末。 どこかの大魔王さながら勇者による天地魔闘の構えから繰り出される、テキスト・システム・エロの攻防一体の超技。討伐に当たったハンターからは犠牲者の墓標に二本の選評が捧げられた。 続いてこちらも魔王スワンの落胤にて2019年、2020年と連続して次点作を排出したKOTYe界のプリンス、ももいろPocketから『新作ぶっかけ陰陽師絵巻 ~Hなお祓いいたします~』(陰陽師)が今度こそ王座を奪取すべく約束の地に降り立った。 もとより大将首との期待値も高く、一番槍の手柄を目指してハンター達は我こそはと突撃。発売から二週間足らずで陥落させ、選評者による首見分が行われた。 本作の大まかなあらすじは妖怪によるエッチで変な呪いが陰陽師である主人公の精液で解ける事が分かり、問題解決に当たりながらヒロインと仲良くなるというもの。やや強引さはあるが、そもそもココにシナリオを期待する方が間違いである。 最大の問題点となったのは『手抜き』。普通のCGの一部を使いまわすだけでも酷いが、立ち絵を切り抜いて使うという荒業まで駆使してコストの削減に努めている。見た目のCG数は60あるが、実質的には約半分が使いまわしのハリボテで伝説の銃騎士級と称された。 他に選択肢がノーヒントでCG回収に余計な手間を掛けさせる、服装が何故か現代風、背景が荒いといった地味な嫌がらせ要素に加えてフルプライスであった事もあり、一線級の大将首と認定された。 なお本作は8月末発売の新作でありながら、年末には諭吉10本セットに出され,実質1,000円という怪挙も成し遂げたが、それでも損した気分との声まで挙がった。 大物を狩り安堵していたハンター達であったが、今度は本陣に奇襲の報が入り、慌てて駆け付ける事になった。 奇襲をかけてきたのは歴史原作物で定評のあるインレの『源平繚乱絵巻 -GIKEI-』(GIKEI)である。 本作は源平合戦を題材とした作品で主人公とヒロイン二人が現代からタイムスリップし、それぞれ源義経、静御前、朧の方としてその時代で役割を演じていく。 過去作同様複数章から成り、タイムリープを繰り返して進行していく。本作は三部構成。第一章は概ね史実通り、第二章は義経生存説の伝承を元に進む。ここまでは蘊蓄の多さとエロの薄さに不満の声はあっても概ね良作とも言えた。 問題点は最終章。ここから呪いや妖怪等が登場し、全く別の作品に変貌を遂げる。最終的には超サイヤ人みたいなチートキャラまで登場し、大ボス倒して現代に帰りハッピーエンドである。 元から最後の超展開がお家芸のメーカーではあったが、受け入れられるかは別の問題。これも全体的には高評価の声も多い作品ではあったが、クソ認定されても仕方無いものでもあった その後、あまりの見た目の酷さから「見えてる地雷」と注目されていた作品がSAN値直葬でKOTYeに届けられた。 新ブランドVanille Macaronの『Cuteness is justice』(cuteness)である。 エルフの王国を題材としたファンタジー世界で、一時期流行したプリンセスメーカーの様な育成(調教)PRGであるが、本作はその売りとなるべきゲーム性を取り巻くありとあらゆる要素に問題を抱えてしまっていた。 まずは真っ先にCGのレベルの低さが目を引く。事前公開されていたCGからしてどう見ても商業作品とは思えないレベルで、エロCGから敵モンスターに至るまで同人作品級、下手したら同人の方が上とまで称された。 更にこのゲームには公式HPどころかパッケ、取説のどこにも攻略情報が存在しない。プレイヤーは手探りでゲームを進める他は無く、育成した数値が足りないと簡単にゲームオーバーになる。唯一の情報はBugBugの商品紹介記事で必読とまで言われた。数値及び実績によってエンドが分岐するが、当然その情報もない。 加えて使いにくいシステムが追い打ちをかける。先述の要素もあってこのゲームにはトライアル&エラーが必要であり、エンド数に相応する程度はセーブスロットがあってしかるべきだが、その数は10と圧倒的に足りない上、特定の場所でのみしかセーブ出来ない。ゲームの挙動も遅く、これが本作の苦痛度を劇的に跳ね上げる事に成功している。 テキストも舞台説明が乏しかったり語彙も無い上、句点の位置とか日本語としておかしかったりして読む行為にすらストレスを与えて来る。 そして最大の問題は、この品質にしてフルプライスであった事である。熱意は伝わって来た、つまらなかった訳じゃない、同人なら許せると擁護する声も散見された本作であるが、これについては最後まで擁護の声が出る事は無かった。 なお、恐ろしい事に本作は三部構成であり、これが第一作目である。パッケージ版には二作目で使えるシリアルキーが封入されている。これを踏んた人の為にも続編はライターと原画家とグラフィッカーとスクリプト技術者と価格を見直して頂きたいものである。 大物討伐の報に湧いて宴を開いていたハンター達であったが、同日に発売されていた別のエルフも獲物として狩られて来た。 獲物はNorth Boxの『エルフのお嫁さん ~ハーレム婚推奨~』(エルフ嫁) 1人でキャンプしていたら何故かエルフの国に迷い込み、エルフの女から魔力(精力)をくれと言われてハーレム状態になるという話である。 異世界ものなのだが、主人公は若返って青年になったおっさんで兎に角ウザく、基本話は食べ物とエロで進む。 異世界に学園とか要らないし、お嫁さんとあるが結婚もドレスも孕みも無い。 エロは巨乳一点突破型でCGも良質でそれなりに数も豊富、一部はアニメーションまで使っているので刺さる人には刺さりそうなのだが、大変残念な事にプレイ内容が似偏っており、誰を選んでもシナリオに変化が無くて個性を消し飛ばし、長所である筈の部分を台無しにしている。さらに主人公の精液が目的なので話の整合性に問題は無いが、舐めるだけで射精とか男の下半身を理解しているのか疑う描写もある。 この残念さで選評者をして「あらゆる層からのヒットを避ける魔球」と絶惨された。 選評ラッシュはまだ続く。 QUINCE SOFTの『ごほうしアクマとオシオキてんし』(誤報死)が有毒植物である事が報じられた。 1月に発売され、つまらないシナリオと使いにくいシステム、挙動の重さ等で話題になっていた作品であったが決め手を欠き、ギリギリセーフとして見逃されていた作品であったが、挙動の重さの原因を突き止めたハンターによって有毒成分が判明。誤食されないようにと駆除される事となった。 本作は寂れていく温泉街に住む主人公の元に神様が現れ、悪魔を更生させて欲しいと依頼されて一緒に生活していくというお話。 CGやエロは良いが、まずはシナリオが凡過ぎて酷くつまらない。 更生といっても悪魔二人は全然悪魔らしくなく寧ろいい子で、ただいちゃついているだけ。天使も只のポンコツ。地元商店街の連中は主体性の無いクズで、主人公の適当な案で簡単に客が増えていく。要はヒロインの色気でお客さん集めて活性化しようっていう凡なお話。 前作までとライターが変更になっており、その内の一人がママⅡのライターだった点も影響しているのかも知れない。 システムもセーブ・ロードの際にいちいちポインターで動かなければならず、地味なストレスを与えて来る。 最後の挙動の重さについてが最大の問題で、フレームレートが無制限となっており、PCに強烈な負荷をかけるものだと判明したのである。現状では不具合の報告は上がっていないものの、PCクラッシャーとなる可能性を否定出来ない以上、危険物として駆除されても仕方あるまい。 祭の締めはCalciteの『ニート娘を更生させよ!~性技があれば生きていける~』(ニート娘)が本年度二発目の不義理を以て勤める事となった。 ニートを更生させるニート更生員となった主人公が、ニートの娘三人をエッチなご褒美で更生させようというのが大まかなストーリーである。 本作はミドルプライスなのだが、その総容量は脅威の302MB、プレイ時間にして5時間前後である。この時点で伝説の魔物共を彷彿させるが、その中身も期待を裏切らないものであった。 シナリオは選択肢は最低限で、分岐の基本は恋人エンド1~2と風俗堕ちエンドである。だが、容量削減の為にヒロインとの交流等日常シーンの省略が目立ち、感情移入を困難にしている。 エロシーンはCG40と見た目はギリギリセーフに見えるが、テキストとボイスが極端に少ない。抜きゲーにとって重要なポイントで、抜く暇もなくシーンが終わってしまっては元も子も無い。我々は聖上では無いのだ。 この酷さでクイックロードとシーン回想に不具合まで搭載し、説明書記載の操作方法にすら誤記がある始末。過去の手抜きの抜きゲーと比較しても屈指の一作で、魔王の落胤の実力をまざまざと見せつけた。 長き祭も漸く終わり、ハンター達は鋭気を養うべく後夜祭の準備に入る。 年末間近にまずはシルキーズの『ふゆから、くるる。』(ふゆくる)が口火を切った。 本作は四季シリーズとして別メーカーから発売されていた作品であったが、諸事情により最終作はシルキーズからの発売となった。 ライターである渡辺僚一氏は過去作でもそうであったが基本何かを仕込む作風であり、緻密なシナリオと予想を裏切る展開は賛否両論はあれど高評価を受けており、本作も同様で はあるるのだが、今回は仕込んだモノが悪かった。 学園SFミステリーADVとの看板には偽りは無い。ミステリーと称する以上事前に公開出来る情報は限られている事も理解は出来る。百合については事前情報から推測可能ではあった。 だが、「ふたなり」は流石にどうかと思われる。事前情報との乖離は立派なクソ要素。百合を求めた人、普通のエロを求めた人の双方にとっては地雷認定されても文句は言えまい。 年が明けて残敵掃討期間である1月の中旬にはCIRCUSの『D.C.4 Plus Harmony ~ダ・カーポ4~ プラスハーモニー』(DC4PH)が打線を繋ぐ。 本作は一般作品として発売されていたダ・カーポ4にエロを追加した作品である。原作は割と高評価であったが、今作はそのエロの追加の仕方に問題を抱えていた。 一般部分をそのままにして最後にオマケ程度のエロを追加しただけなのに加え、そのエロもCGの使いまわしだったのである。売りであった筈の肝心のエロで手抜きを行っては移植の意味が無い。原作プレイ済みの人からしたら許されない仕打ちであっただろう。 最終日前日、ハンター達は狩り残しが無いか再確認を行う。その結果、最終日にはもはや恒例となりつつある駆け込み選評が二本、追加選評一本が届けられた。 駆け込み選評の一本目はPrincess Sugarの『プリンセス☆シスターズ!~四姉妹は全員あなたの許嫁~』(プリシス)。 エロについては高品質な本作であったが、そのエロを繋ぐシナリオ部分が凡過ぎる上に無駄に長く、空気を超えてゴミと苦痛のレベルに達している事が問題とされた。これを万超えのオーバープライスで掴まされたら腹が立つ者がいても不思議は無い。 続いて下戸勇者の追加選評が投下され、駆け込み選評二本目にして2021年度の締めくくりを勤めたのはDESSRT Softの『彼女(ヒロイン)は友達ですか?恋人ですか?それともトメフレですか?Second』(トメフレ2)であった。 シリーズ物である以上、前作との比較は当然される訳であるが、本作は前作の問題点であった冗長な展開を短くして改善したのは良かったが、同時に長所であったヒロイン描写までもが削減されてしまった。その分ハーレム描写が強化されているのなら辻褄が合うがそうではなく、結果的に前作から見て劣化ゲーの印象となってしまった。 以上、2021年度のエントリー作16本の紹介を終えた所で、次点及び大賞の結果発表を行いたい。 次点は 『ぱられるAKIBA学園』 (ぱら学) 『下戸勇者 ~酒は飲まねど酒池肉林!』 (下戸勇者) 『ぶっかけ陰陽師絵巻 ~Hなお祓いいたします~』 (陰陽師) そして栄光の大賞は 『Cuteness is justice』 (cuteness) に捧げたい。 「クソゲーとは何か」 2021年度は選評者からも「クソ」かどうかについて悩む声が多い年度であった。この命題については未だ明確な解答は得られていないが、納得出来ない「何か」があるからこそ人は不満の感情を抱く。 人それぞれに好みがあり、料理に例えるなら同じ料理でも「美味しい」と思う人がいれば、「不味い」と思う人もいる。美味しいと評判の店に行ってみて「こんなもんか」と思った経験は誰しもがあるだろうし、逆に誰もが不味いと言うものを旨い旨いと言う人もいただろう。結局はそう思う人が多いか少ないかの相対的評価の問題なのだ。 ではこれをクソゲーに置き換えた時、「クソ」と思う判断基準は何なのであろうか。 当然解答は一つでは無いが、ゲームはユーザーが楽しみたいという動機を以て金銭と時間という対価を支払って購入するものである以上、ゲームの製作者がユーザーに対して行った「約束」、与えた「期待」、そして求めた「対価」を裏切ったモノに「クソ」の烙印を押されるのは当然の摂理であろう。 それを踏まえてエントリー作を検証した際、次点以上の作品はその裏切りのレベルが一段上のものであった。 約束の期日を守らなかった挙句、掲げたコンセプトを放り投げて適当なシナリオとエロを購入者にぶつけた「ぱら学」 ユーザーの事を一切考えず、不自由なシステムと終始一人よがりの寒いギャグを購入者に浴びせ続けた「下戸勇者」 過去作からの反省など一切せず、CGの使いまわしによる手抜きに全力を傾けて購入者に一切の満足を与えなかった「陰陽師」 は一歩抜き出た作品として次点とした。 そして、訴えるコンセプトを表現する為の力量も無いまま、ユーザーに必要な情報と環境すらも与えず、手抜きと呼ぶレベルにも至らぬ品質の作品をフルプライスでぶつけてきた「cuteness」に栄えある大賞を進呈したい。 さて結果発表後ではあるが、今年の傾向として触れておきたいテーマがあり、追記させて頂きたい。 まずは「価格」とクソの相関関係の考え方についての疑問である。 大賞の選定理由の1つになった要素でもあるが、発売される新作はロープラが多くを占める今、この判断基準が分かりにくくなっている。実際つまらないと思われた作品でもこの値段だからと多くがスルーされたりしているだろうが、その中にいたクソを見落としていたりはしないだろうか。 また、近年ロープラでも純粋なクソさでエントリーされたり次点になった作品は存在するが、例えばcutenessが2,000円であったら評価はどうなっていたのかと考えると悩んでしまう。価格に関わらず「作品そのものから受ける苦痛は同じ」なのである。販売価格も普通は時間の経過と共に下がる訳で、安くなってから買った人はクソと感じなくなるのもいささか不自然でもある。『クソ』なものは『クソ』、これが真理ではなかろうか。 KOTYe界にはJksの様な分かり易い単位も存在はするが、これはCG数しか比較できない。 諭吉10本セットとかも多くなった昨今、購入価格に左右されずにクソゲーを見極める視点というものの必要性を感じる次第である。 そして選外にこそなったが「冥契」、「GIKEI」、「ふゆくる」、「DP4PH」のように市場の評価が高い作品のエントリ―についても触れさせて頂きたい。 昨年の話題作「まいてつLR」もそうであったが、正直「全体としては面白かったが、ここはクソ」という作品について、クソゲー扱いして良いのかについては疑問の余地がある。相対的評価を是として見るならこれらは良作でクソゲーではないからだ。 初めて触れた場合と過去作と比較した場合で作品の評価が変わる事は仕方が無い部分である。しかし、期待や約束に対する「裏切り」は立派なクソ要素である。ならばそれを見極めなければならい。 作品はシナリオ、CG、音楽、エロ、システム等様々な要素の集合体であるが、何らかの訴えているコンセプトというものが必ず存在する。鍵はそれを裏切ったかどうかである。 冥契は青春と友情、GIKEIは史実伝承、ふゆくるは百合、DC4PHはエロと確かに掲げたものの一部に対する裏切りが存在していた。ならばそれはクソ要素であり「クソゲー」と呼ばれる資格は有している。 とは言え、少し前まではこうした作品がエントリーされる事は無かった。これは当時は酷い作品が多かったからだが、KOTYeの選定基準は年ごとに異なる訳であり、こうした作品がエントリーされるようになったという事は作品全体のレベルが上がった証左なのかも知れない。だとするならばこれは喜ばしい事だとも思う。 最後にデビュー作で至高の冠を戴いた「cuteness」のセリフを借りてハンターの決意を示し、2021年度KOTYeの締めくくりとしたい。 KOTYe、待っててね このクソゲーを終わらせないと わたし、選評のためなら何でもするわ
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/254.html
元ページ 下から12行目あたり、「時点」→「次点」じゃないのか - 名無しさん 2012-02-07 10 03 45 大賞じゃなくていいからプリンセスXもあって欲しかった - 名無しさん 2012-02-07 22 41 53 グレネイドなクソゲーまで作らなくてもいいんですよでいいんじゃね? - 名無しさん 2012-02-08 14 16 32 ↑それは俺も思った。入れ替えると「GRENADE」になるってスレでも言われてたし - 総評案5の人 2012-02-08 18 28 11
https://w.atwiki.jp/wsranking/pages/65.html
タイトルリスト 特徴 トップデッキ 【黄青_ゆっこ】 その他のデッキ 【】? コメント欄 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/akebon/pages/2816.html
ソフトバンクの今期の総評です。選手のシーズン最終成績も載せています。 ◎第208回 ☆今期のチーム最終成績 年度 順位 試合 勝ち 負け 分け 連勝 勝率 打率 防率 得率 本塁 盗塁 失策 208 3 140 72 64 4 6 .529 .247 3.03 3.3 102 95 18 今期は72勝で8つ勝ち越したものの3位で全日程を終了する。 惜しくも4連覇をならず。やはり主砲の多村仁選手の穴は想像以上に大きかった。 野手陣は盗塁数、得点率、打率など全てにおいて激減してしまった。 ヘンダーソン選手は打率340で好成績で今期終了したが惜しくも3年連続の首位打者を逃す。 しかし海野民子選手が1年ぶりに40本塁打到達し5年連続100打点を到達した。2年連続2冠王を獲得する。 投手陣は若手の選手が増えたせいもあり防御率は3点台に後退してしまったがベテランの投手陣は今期も安定した成績を残している。そして今期ドラフトで入団した杉内3投手が中継ぎで好成績を残す。新人王候補NO1である。 ☆今期のパ・リーグを振り返る(第208回) 優勝は、日本ハム。圧倒的な成績で3年ぶりに首位に返り咲く。 二位は、オリックス。善戦し、Aクラス入り。 三位は、ソフトバンク。4連覇達成ならず。 四位は、楽天。前半戦は健闘するが後半戦から失速。 五位は、西武。主砲の引退に伴い今期もBクラス。 最下位は、ロッテ。若手が育たず苦戦。投手は好投するも得点率不足に悩まされる。 ☆プレーオフ展望(第208回) ソフトバンクは3位でCS進出を果たす。初戦のCS第1ステージで2位オリックスと対戦する。レギュラーシーズンで対オリックス戦は15勝13敗とほぼ互角の対戦成績だった。第1戦目の先発はソフトバンクが『だれさき投手』、オリックスが『大伴陽介』の両エースの投げ合いになる。初戦を勝利しそのまま勢いでCS第2ステージに進みたいところだ。 ☆今期のオールスター(第208回) 選手名 出場回数 成績 ヘンダーソン 3年連続5回目 .307(0本2点) 海野民子 2年ぶり9回目 .111(0本1点) 憲6 4年ぶり2回目 0.00(0セ4奪) 【寸評】 今期はソフトバンクから野手2人・投手1人がオールスターに出場した。 3年連続5回目の出場を果たしたヘンダーソン選手。 9番ライトで出場したが4安打1打点に終わる。 2年ぶり9回目の出場、ソフトバンクの主砲海野民子選手は1安打1打点と活躍できなかった。 投手では中継ぎの憲6投手が4年ぶりに出場した。 4年前は初出場でオールスターMVP投手に選ばれている。 今回も3イニングを投げ4奪三振、自責点0と活躍したが惜しくもオールスターMVP投手に選出されなかった。 試合の結果はパ・リーグが2勝1敗で勝利。 ☆野手陣総括 208期最終成績 順 ポジ 名前 打率 安打 本塁 打点 三振 犠打 盗塁 失策 1 遊 星空散歩Ⅲ .283 173 1 41 146 12 24 0 2 ニ 後藤光尊 .248 134 15 66 67 4 6 0 3 中 ヘンダーソン .340 202 4 41 61 1 33 0 4 三 海野民子 .239 129 41 105 121 2 4 2 5 左 おおぴら .271 145 20 77 80 4 8 2 6 DH ニョロモ .229 123 6 43 93 1 1 0 7 捕 マイケル .205 109 9 41 115 0 8 3 8 一 sai_2 .208 110 2 25 92 0 1 2 9 右 川崎 .183 93 4 25 112 0 10 3 【寸評】 昨年より得点率は激減し機動力も生かせなかった。 打率.340とヘンダーソン選手が高打率をキープしていたが3年連続首位打者を逃した。 今期から4番の海野民子選手は41本塁打105打点を記録し本塁打、打点の2冠王に2年連続輝く。 9年目のおおぴら選手が20本塁打、77打点と活躍をし今期ブレークした。 ★各選手能力はこちらです。 ☆投手陣総括 208期最終成績 順 ポジ 名前 防率 勝ち 負け セーブ 奪三 四死 被本 10 先 だれさき 1.85 16 10 0 206 93 17 11 先 大隣憲司 2.58 10 10 0 167 117 14 12 先 ドリーム7 3.13 16 6 0 125 91 14 13 先 おィ!!其処の君 3.31 8 11 0 113 102 20 14 先 ジョン 4.78 7 13 0 91 105 22 15 継 ハビース 4.77 1 6 3 42 40 10 16 継 憲6 2.78 5 6 1 76 63 9 17 継 杉内3 3.14 8 2 3 41 29 9 18 抑 堂谷 0.67 1 0 24 18 10 0 【寸評】 今期のソフトバンクの投手陣は新人の投手が3名入団した。 チーム防御率が3点台と悪化してしまった。 だれさき、大隣憲司の両投手は今期も安定した成績を残す。 今期から先発を任されたドリーム716勝を挙げるなど対活躍。 中継ぎで8勝を挙げた杉内3投手が今期の新人王候補NO1。 抑えの堂谷投手の抜け殻が24セーブ、防御率0.67と好成績を残す。 ★各選手能力はこちらです。 ☆チームWiki wiki更新者の方いつもお疲れ様です。 編集人数は他チームと遜色ない人数と思われますが、まったくやる気がない人にいてもらう意味はありません。 やり方がわからないなら見て学ぶべし。最初は誰だって出来ません。わかる限りの事は教えるので。 そろそろwiki非協力者は切っていくので覚悟しておいてくださいね。 最終編集者 MARU 更新箇所 第208回総評保存 更新日時:2008年11月08日01時36分32秒 通算: - 今日: - 昨日: -
https://w.atwiki.jp/akebon/pages/2759.html
#ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (総評.bmp) ソフトバンクの今期の総評です。選手のシーズン最終成績も載せています。 ◎第204回 ☆今期のチーム最終成績 年度 順位 試合 勝ち 負け 分け 連勝 勝率 打率 防率 得率 本塁 盗塁 失策 204 2 140 85 51 4 13 .625 .270 2.90 4.1 128 172 12 今となってはAクラスの常連となったソフトバンク。 今期は、13連勝をして調子がよく日本ハムにも0.5ゲーム差と大きく差を縮めた。 野手陣は年々得点率が増加しており、盗塁数も大幅に増加した。 投手陣は前回と同じく2割という安定した成績を残した。 何期も足踏みが続き、もはやジンクスと化した「CS突破」今期こそは突破したい。 今度こそ突破を期待したい ☆今期のパ・リーグを振り返る 優勝は、日本ハム。5連覇達成。 二位は、後半戦の怒涛の追い上げでソフトバンク。まずはCS第1ステージ突破に燃える。 三位は、楽天。前半戦圧倒的な強さを見せたが後半戦に入り失速。 四位は、オリックス。投打のバランスが取れているが失策が多い。 五位は、ロッテ。若手が育たず苦戦。名無しが多発。 最下位は、定位置となってきた西武。チーム&wiki崩壊。 ☆プレーオフ展望 今期もソフトバンクが2位でCS進出を果たす。初戦は楽天とあたるがレギュラーシーズン苦手としていたチームだけに苦戦しそうだ。投手順を変更して楽天に相性の良い投手をあてたい。総力戦で楽天に挑む。第2ステージに勝ち進めばレギュラーシーズン1位の日本ハムと対戦になる。勝率は五分だった為楽天戦よりは望みがありそうだ。今期こそ日本シーリーズを制覇したい・・・ ☆今期のオールスター 選手名 出場回数 成績 ヘンダーソン 2回目 .357(0本1点) 多村仁 3年連続6回目 .363(0本1点) 海野民子 6回目 .181(0本1点) おおぴら 4年目で初出場 .250(0本5点) だれさき 2年連続2回目 1.80(0セ4奪) 流浪人 14年目で初出場 0.00(0セ1奪) 憲6 5年目で初出場 0.00(0セ3奪)※オールスターMVP初受賞 ☆野手陣総括 203期最終成績 順 ポジ 名前 打率 安打 本塁 打点 三振 犠打 盗塁 失策 1 左 ヘンダーソン .325 207 4 42 90 0 41 1 2 右 星空散歩Ⅲ .264 148 0 35 137 78 25 0 3 遊 海野民子 .301 157 40 111 103 1 17 0 4 中 多村仁 .367 196 32 99 86 3 22 0 5 二 後藤光尊 .294 152 13 77 82 5 20 0 6 三 赤坂V弐 .208 110 7 38 89 0 16 3 7 一 おおぴら .223 118 22 69 88 2 3 2 8 DH 川崎 .204 107 5 44 105 17 14 0 9 捕 イチロー .239 136 5 45 107 2 14 0 【寸評】 繋ぎの野球で、得点力・チーム打率共に上昇。パリーグの投手レベルは高いが好成績を残せた。 今期も失策数12と守備に関しては安定感が増した。 ヘンダーソンがシーズン200安打・海野民子が最多本塁打・多村仁が首位打者と好成績を残し活躍した。 ★各選手能力はこちらです。 ☆投手陣総括 203期最終成績 順 ポジ 名前 防率 勝ち 負け セーブ 奪三 四死 被本 10 先 杉内2 2.60 11 10 0 163 73 17 11 先 大隣憲司 2.09 11 10 0 160 124 12 12 先 だれさき 1.69 19 7 0 200 89 7 13 先 我末 3.35 16 5 0 116 78 21 14 先 おィ!!其処の君 5.41 10 9 0 74 97 21 15 継 ドリーム7 3.73 4 5 2 66 35 7 16 継 流浪人 2.54 7 2 1 55 16 3 17 継 憲6 3.19 7 3 1 42 35 7 18 抑 堂谷 2.21 0 0 35 36 15 4 【寸評】 チーム防御率2.90と昨季を下回ったが先発陣の防御率事態は昨期を上回り好成績を残している。 中継ぎ陣が打ち込まれチーム防御率を悪くしている。 先発陣は全員2桁勝利あげ、5人全員が勝ち越した。そして、だれさきが最多勝のタイトルを手にする。奪三振は200個の大台に乗せたが惜しくもタイトル獲得には至らなかった。 クローザーの堂谷は前半戦こそ不本意な成績だったが後半戦に入り調子を上げ最優秀救援タイトルを獲得している。 ★各選手能力はこちらです。 ☆チームWiki wiki更新者の方いつもお疲れ様です。 編集人数は他チームと遜色ない人数と思われますが、まったくやる気がない人にいてもらう意味はありません。 やり方がわからないなら見て学ぶべし。最初は誰だって出来ません。わかる限りの事は教えるので。 そろそろwiki非協力者は切っていくので覚悟しておいてくださいね。 最終編集者 (臨時)MARU 編集内容 204回・・・今期のパ・リーグ、プレーオフ展望、野手陣総括、投手陣総括 更新日時:2008年10月12日17時41分36秒: 通算: - 今日: - 昨日: -