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京太郎「(…はぁ、今日もまた大変だった)」 京太郎「(朝のでネリーが嫉妬したんだろう)」 京太郎「(ずうううっと部活中ベッタリで、俺から離れようとしなかったし)」 京太郎「(それでもちゃんと練習はしてたから、まだあまり注意はされていなかったけど…)」 京太郎「(何か言いたげな辻垣内さんと…)」 京太郎「(完全に呆れ返っていたハオさんの視線…)」 京太郎「(ついでに明華さんやメグさんの嫉妬のアレが痛かった…)」 京太郎「(正直、今日はずっとネリーにつきっぱなしだったから)」 京太郎「(身体の方はそれほど疲れてないんだけど…)」 京太郎「(でも、精神的な疲労がヤバイ)」 京太郎「(正直、このまま部屋で一眠りでもしたいくらいだ…)」フゥ 京太郎「(ま、何はともあれ…)」 京太郎「ただいまー」ガチャ 絹恵「おっかえりー」パァン 京太郎「…………え?」 京太郎「(…き、絹さん!?)」 京太郎「(なんで、絹さんが俺の家に!?)」 京太郎「(つーか、なんでクラッカー!?)」 絹恵「ふふ、驚いたー?」ドヤァ 京太郎「いや、驚かない理由がないっすよ」 絹恵「そうやんなー。クラッカーの音大きいし」 京太郎「いや、それもありますけど」 京太郎「でも、それよりも大きいのは絹さんの存在なんですが」 絹恵「…も、もう。そんな恥ずかしい事言って」カァァ 絹恵「そんなんいきなり言われたらドキドキするやないの」モジ 京太郎「(可愛い)」 絹恵「あ、それよりもやね」 絹恵「はい。カバン」スッ 京太郎「え、いや、でも…」 絹恵「疲れとるんやろ?」 絹恵「カバンくらい運んであげるから貸して」 京太郎「じゃ、じゃあ…」スッ 絹恵「はい。無事にお預かりしました」ニコ 絹恵「じゃあ、京くんはくつろいでてな」 絹恵「私、このカバンを部屋に持って上がっといてあげるから」 京太郎「い、いや、そこまでしなくても良いっすよ」 絹恵「そう?」 京太郎「はい。それに今日の牌譜見て、復習しなきゃいけないんで」 京太郎「リビングまでで大丈夫です」 絹恵「そっかー…」 絹恵「ちょっと残念やね、京くんの部屋に入れると思ったのに」 京太郎「そ、それはまた今度、片付けた後にお願いします…」 絹恵「うん。楽しみにしとるね」ニコ ~リビング~ 絹恵「で、えっと…お茶とか出してあげるべきなんやろうけど」 京太郎「あ、良いですよ。そんなの」 京太郎「つーか、絹さんお客さんなんで俺がやりますし」 絹恵「でも」 京太郎「良いから座ってて下さい」 京太郎「俺がとびきり美味しい麦茶を入れますから」 絹恵「そう言って、冷蔵庫の中から入れるだけやん」クス 京太郎「いやー、やっぱ夏は冷たい麦茶が一番だと思うんですよね」 絹恵「うん。それはちょっと分かるわ」 京太郎「でしょ?」 京太郎「だから、俺がこうして麦茶を入れるのもベストな選択なんですよ」コポコポ 京太郎「はい。どうぞ」コトン 絹恵「ん。ありがとう、京くん」 京太郎「いえいえ。…それで」 絹恵「ん?」クビカシゲ 京太郎「…どうして絹さんは俺の家に?」 絹恵「あー…それやねんけど」 絹恵「…………京くん、あの女がこの家に寝泊まりしとるやろ?」 京太郎「あの女って…」 絹恵「…うちのオカンの事」 京太郎「まだ仲が悪いんですか」 絹恵「しゃーないやん」 絹恵「あんな格好悪いオカン、仲良ぅなれるはずないわ」ムスー 京太郎「あー…」 京太郎「(…俺は格好悪いとは思わないんだけどなぁ)」 京太郎「(元麻雀プロで、今は名門の監督で…)」 京太郎「(しかも、二人の子どもを女一人で立派に育ててるんだから)」 京太郎「(正直、凄いくらいだと思うんだけれど…)」 京太郎「(でも、それを絹さんに言っても…きっと受け入れられるもんじゃないんだろう)」 京太郎「(俺は絹さんと子どもの頃から仲良くしているけれど…)」 京太郎「(でも、だからって何もかもを知ってる訳じゃないんだ)」 京太郎「(俺の知らない絹さんも…そして雅枝さんもいて当然だろうし…)」 絹恵「…あの女、京くんに迷惑掛けとらへん?」 絹恵「またみっともない真似して京くんの事、誘惑したりしとらへんやろうか?」 京太郎「だ、大丈夫ですって」 京太郎「そもそも雅枝さん俺の監督役としてここに泊まってくれてる訳ですし」 京太郎「迷惑だなんて事ないですよ」 絹恵「…あの女が監督役ってのが一番、信じられへんのやけどなぁ」 京太郎「え?」 絹恵「…ううん。何でもない」 絹恵「…ま、何事もなかったんやったら一安心やわ」 絹恵「正直、あの女が京くんのところに寝泊まりしてるって聞いて血の気が引いたくらいやし」 京太郎「はは。大げさですって」 絹恵「(大げさやないんよ…)」 絹恵「(うちのオカン…京くんの事、完全にオトンの生まれ変わりやって信じとるんやから)」 絹恵「(子どもの頃から京くんがどんな目で見てこられたか…京くんが知らへんだけや)」 絹恵「(アレはずっと…京くんが熟すのを待っとったんや)」 絹恵「(一見、気のいいおばさんみたいな顔しながら…ずっとメスの目で京くんの事見とって…)」 絹恵「(まるで狩人みたいに…『大人』になるのを待っとったんやで)」 絹恵「(そんな女が…もうすぐ結婚可能になる京くんと一つ屋根の下で暮らしとるって聞いたら…)」 絹恵「(絶対に何か間違いを起こすつもりやって思って当然やろ)」 京太郎「あ、それより…」 絹恵「ん?」 京太郎「絹さんは何処からそれを知ったんですか?」 京太郎「雅枝さんとは仲が悪いでしょうし…もしかして浩ちゃんから?」 絹恵「………………実はあの女からや」 京太郎「え?」 絹恵「まるで宣戦布告のように京くんの部屋の前にいる自分の写メ送ってきよってな…!」グッ 絹恵「(…京くんの家においで)」 絹恵「(また一緒に家族『四人』で暮らそうってそんな文面まで…!)」 絹恵「……だから、心配になって、来てみたんや」 絹恵「幸い、今日はうちんところもオフで自由時間やったしな」 京太郎「あぁ。なるほど」 絹恵「…ちなみにここの鍵も無理やり開けた訳ちゃうで?」 絹恵「うちが来た時にはもうオカンがおって、開けてもろたんや」 絹恵「…まるでもう自分の家になったみたいにな…」ゴゴゴ 京太郎「あ、あはは…」 絹恵「…ま、そういう訳やから」 絹恵「京くんに一つ…大事なお願いがあるんやけど」 京太郎「お願いですか?」 絹恵「うん…その、すっごい迷惑やって分かっとるけど…」 絹恵「…私も当分、ここに住まわせてもらって構わへん?」 京太郎「はい?」 絹恵「あ、あんな、私もこんなんはしたないって分かっとるんやけど…」 絹恵「でも、京くんとあの女が二人っきりなんは絶対にアカンと思うねん」 絹恵「あの女…間違いなく京くんに何かするつもりやから」 絹恵「それを止める為にも、うちも一緒におった方がええかなって」 京太郎「いや、でも…」 絹恵「ちなみに監督と京くんトコのご両親には許可取ったで」 絹恵「どっちも京くんがオッケーなら大丈夫やいうとったし」 絹恵「後は京くんの気持ち次第やねんけれど…」ジィ 京太郎「(…これはもう迷う余地なんかないよな)」 京太郎「(俺としても雅枝さんと二人っきりって言うのは色々な意味で危ない)」 京太郎「(絹さんが気にしてるのとはまったくの真逆だけど…)」 京太郎「(正直、このままインハイ終わるまで一緒…ってなると血迷ってしまいそうで怖い)」 京太郎「(それを防ぐ意味でも絹さんの存在は大きいし…)」 京太郎「(何より、絹さんと雅枝さんの関係は最悪と言っても良いくらいなんだ)」 京太郎「(家でもマトモに会話したりしないらしいし…)」 京太郎「(それをここで一緒に暮らす事で少しでも改善出来るなら…)」 京太郎「(その手伝いを俺が出来るなら…それに越したことはない)」 京太郎「(あっちの監督はさておき…俺の親がオッケーだしたのもその辺りが原因なんだろう)」 京太郎「(遠くはなれた大阪に過ごしているとは言え、家族ぐるみでの付き合いがあったし)」 京太郎「(あっちの不仲は俺の親父達も気にしてた事だからな)」 京太郎「…良いですよ」 絹恵「ホンマに!?」パァ 京太郎「えぇ。幸い、来客用の部屋は余ってますし」 京太郎「どれでも好きなの使って下さい」 絹恵「…良かったぁ」ホッ 京太郎「…そんなに不安だったんですか?」 絹恵「うん。まぁ…私と京くんは仲良ぅしとるけど…」 絹恵「でも、やっぱり男と女な訳やん?」 絹恵「幾ら小学校の頃から一緒にボール追いかけてたと言っても…」 絹恵「やっぱりこの年頃になったら、色々と気にされるかなぁって…」 京太郎「はは。んな事ないっすよ」 京太郎「絹さんは俺にとって何時でも絹さんですし」 絹恵「…その割には、中学校くらいの頃から敬語使い出したやん」ジト 京太郎「うぐ」 絹恵「…昔は絹ちゃん絹ちゃんって言うてくれとったのに」ムスー 京太郎「あー…いや、それは…」 京太郎「(…ぶっちゃけ、絹さんの胸がでっかくなってきたからな!)」 京太郎「(昔からおっぱいフェチだった俺としては、やっぱりその辺、意識してしまう訳で)」 京太郎「(昔みたいに気易くちゃんづけで呼べなくなったのも、それが原因だったんだけど…)」 絹恵「…まぁ、私はオカンとちゃうし、別にその辺、気にしとる訳とちゃうけど…」 絹恵「でも、その…京くんがサッカー止めてハンドボールに行ったんもそれが原因とちゃうかって」 絹恵「一時は悩んでたくらいやねんからな」 京太郎「それは誤解ですって」 京太郎「どうしても勝ちたい奴がハンドに行ったから俺もハンドに移ったわけで」 京太郎「絹さんの事が嫌いになったとかそういうんじゃないですよ」 絹恵「…うん。それは何度も聞いとるし、分かっとるけど…」 京太郎「けど?」 絹恵「……ん。なんでもない」 絹恵「(…流石に言えへんよね)」 絹恵「(…もしかしたらあの女の所為で、京くんがサッカーやめたんとちゃうかって)」 絹恵「(あの女が京くんにベタベタするんが嫌で…私達から距離を取る為に…)」 絹恵「(一緒にやっとったサッカーやめたんとちゃうかって…未だに思っとるなんて…)」 絹恵「…ま、それはさておきや」 絹恵「こうして数週間とは言え、一緒に過ごす事になった訳やし…」 絹恵「京くんの為に一杯、ご奉仕せえへんかったらあかんな」 京太郎「ご、ご奉仕…っ」ゴク 絹恵「ま、私に出来るのはマッサージくらいやねんけどな」アハハ 絹恵「でも、京くんちょっとお疲れみたいやし」 絹恵「サッカー部秘伝のマッサージ術をたまには披露しようかなって」 京太郎「良いんですか?」 絹恵「うん。私は今日はオフで力も有り余っとるしね」 絹恵「何もなかったら適当なところでランニングでもしようと思ってたくらいやし」 絹恵「その受け入れ先になってくれるんやったら私としてもありがたいわ」 京太郎「じゃあ、遠慮無く…」イソイソ 絹恵「ん。あ、でも…」 京太郎「でも?」 絹恵「…元気有り余っとるから激しくイくけど我慢してな?」ニコ 京太郎「え?…ってぐああああああっ」メキメキ 京太郎「うばぁー…」グタァ 京太郎「(き、絹さん…激しすぎるぜ…)」 京太郎「(まさかただ揉んだり押したりじゃなくて…本格的な整体まがいの事をされるなんて…)」 京太郎「(正直、身体中がボキボキいってヤバかったわ)」 京太郎「(まぁ…その分、身体は大分、軽くなったけれど)」 京太郎「(自分で思ってた以上に色々と負担やらなんやらがたまってたんだなぁ…)」 京太郎「(それがなくなったのはありがたいけど…でも、今の俺は見事に動けなくて…)」 洋榎「おーおー…」 洋榎「まーた派手にやられとるなぁ」 京太郎「……え?」 洋榎「やっほ。京」 洋榎「久しぶりやな、元気しとったか?」ニコ 京太郎「…洋さん」 京太郎「ってか、なんでここに?」 洋榎「そりゃ絹がおるのに、うちがおらへん訳ないやろ?」ドヤァ 洋榎「うちと絹は一心同体やからな!」 京太郎「あぁ、まぁ、うん。姉妹仲がイイのは結構な事なんですけど」 洋榎「まぁ、うちにも絹と同じメールが届いたからな」 洋榎「絹と一緒に監督に直訴してこっちに来たんや」 京太郎「…じゃあ、もしかして」 洋榎「ん。絹だけやなくてうちの事もよろしくな、旦那様」ニコ 京太郎「俺の奥さんになるには胸のサイズが物足りないかなぁ」 洋榎「大丈夫や!それは絹が補ってくれるから!」 京太郎「どうやって補って貰うつもりなんですか」 洋榎「そりゃ勿論、うちとイチャイチャエロエロしながら絹の胸をモミモミって」 京太郎「…ぶっちゃけ心惹かれなくはないですが、洋さんはそれで良いんですか」 洋榎「んー…うちは心広い方やからなー」 洋榎「絹とやったら浮気くらいは許さなくはないで」 洋榎「…あ、でも、オカンとヤッたら即OHANASIAIやけどな」ニコ 京太郎「あ、あはは」 洋榎「ま、一番はうちだけを心ゆくまで愛してくれる事やけどね」チラッ 京太郎「なら、そういう男を捕まえて下さい」 京太郎「俺の心はもうOPPAIにあるんで」 洋榎「なんでや!おっぱいがそんなにええんか!」 洋榎「あんなん脂肪の塊やないか!」 洋榎「痩せてる方がええいうのに胸だけは太ってるのがええとか贅沢やって思わんの!?」 京太郎「人間、向上心を失ったら堕落するだけだと思うんですよ」 洋榎「そういう向上心は要らへんのとちゃうかなぁ」 京太郎「いや、急にマジになられても」 洋榎「だって…なぁ」 洋榎「女としては色々と不公平やって思うもん」 洋榎「胸のサイズとかほとんど生まれながらにして決まっとるんやし」 洋榎「…絹と何時も同じもん食べてるうちがこの状態ってだけで分かるやろ?」 京太郎「…まぁ、確かに」 洋榎「だから、京はうちの事もちゃんと愛するべきやっておもいまーす」 京太郎「どうしてそんな結論に達するんですか」 洋榎「おっぱいだけ好きなのは不平等 → 貧乳も愛するべき」 洋榎「つまり貧乳であるうちを愛さなきゃいけないってQDEや!」 京太郎「QEDっすからね」 京太郎「つーか、それで俺が愛してるぜ、洋さんつったらどうするんですか?」 洋榎「え…そ、それは…」カァァ 洋榎「……………い、言わへんもん」プイッ 京太郎「言えないような事をするつもりだったのかー」ボウヨミ 洋榎「お、おおおおオカンやないんやからそんなんするはずないやろ!」 洋榎「た、ただちょっと婚姻届書いて貰って、役所に提出しに行くだけや!」 京太郎「いや、俺まだ結婚出来る年齢じゃないですし」 洋榎「…今すぐ大きくなるんや、京太郎!」クワッ 京太郎「無茶言わないで下さいよ…」 京太郎「(…ホント、洋さんは相変わらずだよな)」 京太郎「(冗談では色々言えるのに、ちょっとマジになったらすぐヘタレるんだから)」 京太郎「(そういうところが割りとマジで可愛いと思う)」 京太郎「(勿論、結婚するかどうかは別問題だけれど!)」 京太郎「(俺の理想はやっぱりおっぱいの大きい美人さんなんだし)」 京太郎「(それに、こういうやり取りは昔っからやってる訳だからなぁ)」 京太郎「(洋さんとしても冗談のつもりで、決して本気じゃないんだろう)」 京太郎「…つーか、それよりもですね」 洋榎「ん?」 京太郎「その位置に立たれると洋さんとパンツ見えるんですが」 洋榎「ふぇええ!?」バッ カクシ 京太郎「嘘です」キリ 洋榎「っ!」 洋榎「京のアホ!スーパーアホ野郎!!」ゲシゲシ 京太郎「い、いてて!つーか、マジで見えますから!」 京太郎「今、蹴るとマジで見えちゃいますから!!」 洋榎「~~~~っ!」マッカ 洋榎「(…はぁ、ホント焦ったわ)」 洋榎「(絹が京の事歓迎しとる間に…うちは京の部屋で一発オナっとった訳やからなぁ…)」 洋榎「(一応、パンツは変えたけど…でも、びしょ濡れやったし…)」 洋榎「(こうして久しぶりに京と話してる間にドキドキもしとるから…)」 洋榎「(多分…いや、間違いなくパンツがまたぐっちょりしとる)」 洋榎「(そんなん京に見られたら…絶対に軽蔑されるし)」 洋榎「(即座に押し倒して…うちから離れられへんようにするしかないやないの)」フゥ 京太郎「…っと」ムクリ 洋榎「チッ…アレだけ蹴ったのにまだ立ち上がるか」 洋榎「タフな野郎やで…」 京太郎「ふふ。貴様のような貧相な身体では我を倒す事など出来んわ」 京太郎「そのカップを6はあげてから出直せいっ!」 洋榎「うっさいわ、この馬鹿!」ダキッ ギュゥゥ 京太郎「ちょ、待って!サブミッションはらめええっ!!」 京太郎「関節技は洒落にならないのぉおおっ!!」ビックンビックン 洋榎「…で、何か言う事は?」シリニシキ 京太郎「ヒロエサマノオッパイハスバラシイデス」シリニシカレ 洋榎「よろしい」 洋榎「…後、ついでにうちも今日からここで泊まるからな」 京太郎「あー…やっぱりですか」 洋榎「当然やろ」 洋榎「京を絹と一緒にしとったら何が起こるか分からへんし」 京太郎「一応、雅枝さんもいるんですが」 洋榎「あのオカンは間違いなく背中を押すから当てにならん」キッパリ 京太郎「(雅枝さん、マジ娘に対して信用ないんだな…)」 洋榎「それにもう絹にオッケー出しとるんや」 洋榎「うちだけアカンなんて寂しい事言わへんやろ?」ニッコリ 京太郎「…もしかしてその為に最初、絹さんだけ…?」 洋榎「なんのことかわからへんなー」 京太郎「おのれ…!俺が巨乳に弱いと知って…!!」 洋榎「敵の弱点を突くのは戦闘の基本やろ?」 洋榎「…まぁ、正直、腹立つけどな」グリグリ 京太郎「ぐあああああっ」 洋榎「ふふふ、ここがええのんかー」 洋榎「ここがええのんかー」 京太郎「…いや、もう絹さんにマッサージして貰ったんで全然、良くないですが」 洋榎「もう…乗りが悪い奴やなぁ」 洋榎「ここは媚薬漬けにされた騎士みたいな反応するところやろ」 京太郎「男がそんな反応しても誰得じゃないっすかねぇ」 洋榎「んー…少なくともうち得ではあるし」 洋榎「ついでにそこに隠れとる絹得でもあるんちゃう?」チラッ 絹「っ」ギク 絹恵「…バレとったん?」 洋榎「そりゃバレるやろ」 洋榎「うちに気遣って、邪魔せんように外から覗いとる可愛い妹なんや」 洋榎「気づかんかったら姉失格やで」 絹恵「お、お姉ちゃん…」ダキッ 洋榎「おぉ、よしよし。可愛い子やね」ナデナデ 京太郎「あのー…俺の上で感動の再会みたいなネタやらないでくれます?」 洋榎「なんや、京ってば寂しいんか?」 京太郎「いや、それもない訳じゃないですが、単純にそろそろ重くて…」 洋榎「よし。絹、京の背中に乗るんや」 京太郎「ちょっ」 絹恵「…ごめんね、京くん」 絹恵「私、お姉ちゃんに逆らえへんから」ヨッコイショ 京太郎「ぬぉおおお!!」 洋榎「よし、これでうちだけ重いなんて言わせへんで!」 京太郎「い、いや、例え絹さんを誘っても洋さんが重いのには変わりが…」 洋榎「なーんか言ったかー?」ズシンズシン 京太郎「ら、らめえっ!」 京太郎「お尻でドシンドシンしちゃらめなのおお!」 洋榎「ふふん。これもうちのスレンダーなボディを重い呼ばわりした罰や!」 洋榎「と言うか、うちよりも絶対、絹の方が重いもん!!」 京太郎「知ってるか、洋さん…」 洋榎「…何がや?」 京太郎「…巨乳はな、中に夢が詰まってるから軽いんだぜ?」 京太郎「そして貧乳には妬みが詰まってるから重…」 洋榎「…ふんっ」ズシン 京太郎「ぬがああああああああ」 絹恵「さ、流石にちょっと恥ずかしいなぁ…」モジモジ 洋榎「で、どうや?」 京太郎「どうって…何がですか?」 洋榎「美人姉妹!美人姉妹やで!」 京太郎「いや、強調せずとも分かってますが」 洋榎「そのお尻に敷かれるなんて何か言う事あるんちゃうん?」 京太郎「あー…そうですね」 洋榎「…」ワクワク 京太郎「…………洋さんって胸小さいわりにはお尻大き…」 洋榎「せいや!」ズシンズシンズシン 京太郎「ぐあああああああ!」 絹恵「…もうお姉ちゃんったら」クス 京太郎「絹さんも笑ってないで助けて…」 絹恵「…でも、本当はこうやっておねちゃんとじゃれあうの好きなんやろ?」 絹恵「それに、私はそんな二人の事が大好きやから」 絹恵「京くんには悪いけど止めたりせえへんよ」 洋榎「…と言う訳や」 洋榎「このままお仕置き続行やでー!」グリグリ 京太郎「ぬわああああああああ」 京太郎「(…ただ、にこやかなのはそこまでだった)」 京太郎「(娘の歓迎会の為に山程、食材買ってきた雅枝さんが帰って来た途端…)」 京太郎「(二人の顔から明るい色が薄れていって)」 京太郎「(代わりに敵意とか警戒心とかが目に見えるほど浮かんでいた)」 京太郎「(…以前会った時から結構時間が経ったし…)」 京太郎「(俺の為とは言え、自分から雅枝さんと一緒に暮らすって言い出してたから)」 京太郎「(少しは家族仲もマシになったのかな…って思ってたけど…)」 京太郎「(どうやら二人にとって雅枝さんは未だに許せない相手であるらしい)」 京太郎「(そんな三人の事を何とかしようと食卓でも、色々と働きかけたけど…)」 京太郎「(二人は俺としか話さず、雅枝さんが呼びかけても無視するだけで)」 京太郎「(…雅枝さんの手料理は相変わらず美味しかったけど、中々に胃が痛い夕飯だった)」 京太郎「(出来れば、そういうのが改善出来れば良いんだけど…)」 京太郎「(でも、こういう問題って根が深いだろうし…)」 京太郎「(昨日今日で改善するって言うのはまず無理だろうな…)」 京太郎「(まぁ、雅枝さんの手料理を楽しめないのはちょっと寂しいけれど)」 京太郎「(でも、二人のお陰で雅枝さんのスキンシップが若干、マシになったのは事実だ)」 京太郎「(雅枝さんが俺に触れようとした瞬間、二人がかりで引き離されているし)」 京太郎「(昨日に比べれば、男の純情に悪くはない)」 京太郎「(…はず、なんだけれど)」ビーン 京太郎「(…なんで俺、こんなに勃起してるんだろう)」 京太郎「(今日はまだ昨日よりマシだって言うのに…)」 京太郎「(やっぱ美人姉妹と未亡人が一緒の家で暮らしてるってのがダメなのか…?)」 京太郎「(…いや、でも、流石にそれでここまでガチガチになるほど俺は変態じゃないと思いたい)」 京太郎「(とりあえず夕飯食べた後からやたらとムラムラしていたような気がするけど…)」 京太郎「(…まさか雅枝さんが怪しい薬を食事に混ぜていたとか…?)」 京太郎「(い、いや、流石にそれはないよな、うん)」 京太郎「(雅枝さんがそんなものを俺に盛るメリットがないし)」 京太郎「(ただ、なんとなくムラムラしちゃってるだけなんだろう)」 京太郎「(…が、これはまずい)」 京太郎「(何がまずいって…割りと今の俺、余裕が無いからなぁ…)」 京太郎「(何もしてないのにムスコがパンツの中でガチガチになって収まらないくらいだ…)」 京太郎「(こうなる前に何とか部屋に逃げ込んだからバレちゃいないと思うけど…)」 京太郎「(だからって安心なんか出来ない)」 京太郎「(一人になった途端、エロい妄想がずっと浮かびっぱなしで止まらないし…)」 京太郎「(…このままじゃトチ狂って石版にエロい事でも書いてしまいそうな勢いだ…)」 京太郎「(そんな状態であの石版を出す訳にはいかないし…)」 京太郎「(もうちょっと待って…皆が寝静まってから…)」 京太郎「(それからオナニーして…それで寝よう)」 京太郎「(また今日も問題を先送りにしてしまう訳だけれど…)」 京太郎「(でも、俺が血迷わない為にはそれが一番なんだ)」モゾモゾ コンコン 京太郎「…う……」 京太郎「(ヤバイ)」 京太郎「(一応、ベッドの中に入ったとは言え、俺のムスコはガチ勃起中…)」 京太郎「(下手に仰向けになったら…絶対に勃起がバレてしまう)」 京太郎「(だが、横向けになったまま来客を迎え入れるなんてあまりにも無理があるし…)」 京太郎「(ただ、失礼なだけじゃなく俺の勃起に勘付かれてしまう可能性が高い)」 京太郎「(だから、ここは…相手は誰であっても…)」 京太郎「(無視…狸寝入りが一番だ…!)」コソコソ 雅枝「…京太郎君?」 京太郎「(ねてまーす)」 雅枝「寝とるん?」 京太郎「(はい。ぐっすりです)」 京太郎「(だから、早く帰って…)」 雅枝「…失礼しまーす」ガチャ 京太郎「(え゛っ!?)」 京太郎「(ちょ、寝てますよ、雅枝さん!)」 京太郎「(もう熟睡ですから!)」 京太郎「(爆睡中ですから早く帰ってください!!)」 雅枝「…ふーん」クンクン 雅枝「…………この感じやとまだ…かな」 京太郎「(…何がまだなんだろう?)」 雅枝「…と言う事は…」スタスタ ストン 京太郎「(うぉ…っ!?)」ギシ 京太郎「(い、今、揺れたって事は…何かがベッドの上に乗ってきた…!?)」 京太郎「(ってこれ、どう考えても雅枝さんじゃねぇか!!)」 京太郎「(で、でも、どうしてそんな近くに…!?)」 京太郎「(部屋の電気だってもう落として、俺もベッドに入ってるのに…)」 京太郎「(こんなに近くに来て一体何をするつもりなんだ…?)」 雅枝「……ふぅぅうぅ♪」 京太郎「ふぉお…」ビクン 京太郎「(やっべ、今、変な声出た…)」 京太郎「(い、いや、でも、今のは無理だって)」 京太郎「(いきなり耳に息吹きかけられるとか絶対に反応するに決まってる)」 京太郎「(ましてや、今の俺はやたらとムラムラして敏感になってるのに…)」 京太郎「(我慢なんて出来るはずないって…!)」 雅枝「…んー起きひんなぁ」 雅枝「よっぽど熟睡しとるんやろか?」 京太郎「…ぐー…」 雅枝「…ふふ。ホンマ、可愛ええ子やわぁ?」クス 雅枝「…そんな寝顔を見せられると…悪戯したくなるやろ…♪」ナデ 京太郎「あ…っ」ビクン 京太郎「(ま、ままままま雅枝さん!?)」 京太郎「(どうして布団の中に手を突っ込んでるんですか!?)」 京太郎「(い、いや、手を突っ込むだけならばまだしも…俺の身体を撫でるなんて…)」 京太郎「(勿論、雅枝さんにとっては悪戯なんかも知れないですけど…)」 京太郎「(それは今の俺には効き過ぎるんですって…!)」 京太郎「(敏感肌の俺にとってはヤバイ奴なんですってば…!)」 雅枝「こうやって触ると逞しいなぁ…♪」 雅枝「やっぱりこの前までスポーツやっとった子は違うね?」 雅枝「パジャマ越しにもはっきりと筋肉がついとるのが分かるわ…?」 雅枝「…もう京太郎君の事、子どもやなんて言えへんなぁ…♪」 雅枝「体つきはもう立派な男の子やん…?」 京太郎「(え、えぇ。そうです)」 京太郎「(俺ももう立派な男です)」 京太郎「(だから、その、そういうセクハラはほどほどに…)」 雅枝「だから…もう…」ギュゥ 京太郎「ふあ…っ」 雅枝「…こーんな風に後ろから君におっぱい押し付けたりしたら…あかへんのやろうねぇ…?」クス 京太郎「(お、おっぱいがあ!おっぱいがあああ!)」 京太郎「(お、俺の背中に思いっきりむにってふにふにって来て…!!)」 京太郎「(ま、まずいぞ、コレは…!)」 京太郎「(ただでさえムラムラしてるってのに…そ、そんな事されたら…)」 京太郎「(ガチ勃起どころの話じゃなくなってしまう…!)」 京太郎「(チンポムズムズして…今すぐオナニーしたくて堪らなくなるわ…!)」グッ 雅枝「んふ…?」 雅枝「どうしたん?身体、急に固くして…♪」 雅枝「もしかして嫌な夢でも見とるん…?」 雅枝「…それやったら…?」モゾモゾ 京太郎「(ま、雅枝さんが離れた…?)」 京太郎「(ざ、残念…い、いや、これはチャンスだ)」 京太郎「(俺が相変わらず反応ないからこのままセクハラしても面白くないって思ったんだろう)」 京太郎「(後はこのまま沈黙を護って、雅枝さんが部屋から出ていくのを待てば…)」フニョン 京太郎「(…………って、もしかしてこの柔らかいのは…)」 雅枝「…前からギュって…したげるね…?」 京太郎「(あばばばばばばばばば)」 京太郎「(目を開けられないけど…この感触を俺が見間違えるはずがない…!!)」 京太郎「(こ、これ、雅枝さんのおっぱいじゃねぇか!!)」 京太郎「(すっげぇいい匂いして柔らかくて…)」 京太郎「(包容力を感じさせる素敵な大きさ…!)」 京太郎「(…ってか、これブラしてねぇ!?)」 京太郎「(何時も感じるワイヤーの感触まったくないし…これ絶対にノーブラじゃねぇか!!)」 京太郎「(おおおおおおおおお落ち着け、俺)」 京太郎「(冷静に…そう、冷静になるんだ)」 京太郎「(まず落ち着いて状況を整理しよう)」 京太郎「(俺は今、雅枝さんの胸に顔を包まれてる)」 京太郎「(その柔らか素敵なおっぱいに押し付けられるように抱きしめられてるんだ)」 京太郎「(流石に密着ってほどじゃないけど…)」 京太郎「(息を吸えば、雅枝さんの匂いが)」 京太郎「(息を吐けば…すぐ前に何かがあるのを感じるくらいに)」 京太郎「(…しかも、その何かは普段、つけてるブラを外してて…)」 京太郎「(何時も以上に無防備で…近くで…甘いにおいがしてて…)」 京太郎「(こ、こんなの無理じゃねぇか…!)」 京太郎「(は、反則すぎる…)」 京太郎「(ただでさえムラムラしてる俺に…耐えられるはず…ない…っ)」ハァハァ 雅枝「…ふふふ♪」 雅枝「どうしたん?急に息が荒くなって…?」 雅枝「もしかして…悪い夢からエッチな夢に変わってもうたん?」 京太郎「(当たらずとも遠からずってところです!)」 京太郎「(こんな状況なんて淫夢じゃないとあり得ないですしね!!)」 京太郎「(つか、割りとこれが夢じゃないかって疑ってる自分がいるくらいですし!!!)」 雅枝「…じゃあ、もしかして…♪」スル 京太郎「うあ…」 雅枝「この辺とか…熱くなっとるんかなぁ…?」ナデナデ 京太郎「(ま、雅枝さんの手が…今度は俺の下半身に…)」 京太郎「(しかも、パジャマの上から優しく撫でるように…なんて…っ)」 京太郎「(もうガチガチに勃起してる上に…おっぱいにまで押し付けられてるんだぞ…!)」 京太郎「(理性なんてもうぶっ飛びそうなのに…そんな事されたら…)」 雅枝「……えぃ♪」ズポ 京太郎「~~~っ!」 京太郎「(ま、雅枝さあああああああん!?)」 京太郎「(そ、そこは…!そこはまずいですって…!!)」 京太郎「(そこ…ズボンの中!)」 京太郎「(ガチガチに勃起したムスコのすぐ側ですから!)」 京太郎「(そんなところに手を突っ込んだら…お、俺……っ)」 雅枝「うわ…すっごくおっきい…♪」 雅枝「男の子って高校一年生で…もうここまで『大人』になるんや…?」 雅枝「寝てるのに…こんなにガチガチになっちゃうような…♪」 雅枝「やらしくて…淫乱な大人チンポになるんやねぇ…?」ナデナデ 京太郎「っ!うぅ…っ!」ビクン 雅枝「あは…♪今、ビクンってしたぁ…?」 雅枝「…寝てるのに、気持ちええんやな…♪」 雅枝「相手が誰なのかも分からへんのに…?」 雅枝「こうして大人チンポナデナデされるだけで…身体震わせるくらいに…♪」 雅枝「エッチ大好きな男の子に育ってしもうたんやね…?」スリスリ 京太郎「く…うぅ…」ハァハァ 雅枝「…私は悲しいわぁ…♪」 雅枝「絹が友達やって連れてきた時から…君の事をずっとずっと大事に思ってたのに…?」 雅枝「まさか…こんなに淫乱に育ってるなんて…本当に…ショックぅ…♪」 京太郎「(い、いや、これは絶対無理ですって!)」 京太郎「(他の男でも絶対にこうなりますから!)」 京太郎「(寧ろ、こうならない奴って絶対にインポか何かですって!!)」 京太郎「(だから、別に俺が淫乱って訳じゃ…いや、まぁ、エロい事は好きですけれど!!)」 雅枝「…だから、ちゃんと躾てあげへんかったらあかんね…?」 雅枝「ここにいない京太郎君のご両親の為にも…♪」 雅枝「ちゃんとした男の子って言うもんを教えてあげへんかったら…あかんわぁ…♪」ナデナデ 京太郎「あ…あぁ…っ」 雅枝「でも…その前に…ぃ♪」 雅枝「ここから悪いもんを…ピュッピュしようなぁ…?」 雅枝「京太郎君をダメにしてる…悪いお汁やから…♪」 雅枝「君を淫乱ビッチにする…エッチなもんやからぁ…?」 雅枝「それを搾り取らへんかったら…京太郎君も辛いやろ…?」 雅枝「だから…射精してええんやで…♪」 雅枝「私の手で…ナデナデって可愛がられながら…?」 雅枝「びゅくびゅくって気持ちええの…一杯、出しても…ええんや…?」レロォ 京太郎「ふあ…あぁ…っ」 京太郎「(こ、こんなの…無理だ…!)」 京太郎「(耐えたいけど…た、耐えられない…っ)」 京太郎「(射精…させられる…!)」 京太郎「(雅枝さんに…友達の…お母さんに…!)」 京太郎「(子どもの頃から憧れてた人に…おっぱいを押し付けられ…ながら…!)」 京太郎「(俺…もう本気…で!)」 京太郎「(イ…く…!イ…ってしまう……ぅっ)」ビクン 雅枝「…はい♪びゅーぅ…?」シコシコシコ 京太郎「あぁぁあああっ」ビュルルルルルルル 京太郎「(で…射精…たああ…)」 京太郎「(や…べ…ぇ)」 京太郎「(何時もよりも…気持ち…良い…っ!)」 京太郎「(いや…ただ、気持ち良いだけじゃなくって…)」 京太郎「(射精が…っ射精が…全然、収まらなく…て…っ)」ビクンビクン 京太郎「はー…はぁぁ…」 京太郎「(…あ、頭の中、真っ白になるかと思ったわ…)」 京太郎「(何時も以上に気持ち良い射精が…十分以上にも思えるほど出まくってたんだから)」 京太郎「(正直…気持ち良すぎて身体に力が入らない…)」 京太郎「(パンツの中、もう精液でグチョグチョだけど…変える気力すらないわ…)」 雅枝「んふ…?すっごく長い射精やったね…♪」ナデナデ 雅枝「こんなに貯めこんどったら…そりゃ悪いチンポにもなるわなぁ…?」 雅枝「ちゃんと定期的に処理せえへんかったらあかんよ…♪」 京太郎「(…いや、処理してたんですけどね)」 京太郎「(なんでか今日だけやたらとムラムラしてただけで)」 京太郎「(…まぁ、でも、雅枝さんに思いっきり射精させて貰ったお陰で…それもマシになったし…)」 京太郎「(このまま目を閉じれば眠れてしまいそう…ではあるんだけれど)」 雅枝「まぁ、まずはこっちの方から処理せえへんかったらあかんね…?」サワサワ グチュ 京太郎「うあ…」 雅枝「こうやってズボンの上からなでただけでも指に精液がついてしまうわ…♪」 雅枝「こんなグッチュグチュのチンポで心地よく寝れへんやろ…?」 雅枝「大丈夫…♪私に任せておいて…?」 雅枝「ちゃーんと…京太郎君のココ綺麗にしてあげるからね…♪」 京太郎「(う…ど、どうしよう)」 京太郎「(綺麗にって事は…お、俺のムスコが見られるって事だよな)」 京太郎「(正直、それはかなり恥ずかしい…)」 京太郎「(け、けど、ここで起きたら…間違いなく雅枝さんと気まずくなってしまう)」 京太郎「(どうしてかは分からないけど…俺は雅枝さんの手でイかされてしまった訳で…)」 京太郎「(雅枝さんとしても俺に知られたくないだろうし…)」 京太郎「(俺としても、それを知っている事にはしたくない…)」 京太郎「(だから、ここは…正直、かなり恥ずかしいけど…)」 雅枝「はい。ごろ~~ん♪」グイ 京太郎「…」ゴロン 雅枝「ふふ…♪良く出来ましたぁ…?」 雅枝「じゃあ、後はタオルケットどけてー…♪」 京太郎「…っ」ビンビン 雅枝「…あはぁ…?」 雅枝「…京太郎君、まーだビンビンやねんな…?」 雅枝「まだまだ…このチンポに悪いの貯めこんどるんやねぇ…♪」 雅枝「…まぁ、でも、まずはお掃除の方を先にせえへんかったらあかんし…?」 雅枝「…とりあえずズボンとパンツからヌギヌギしようなぁ?」ヌガセヌガセ 京太郎「…ぅ」ボロン 雅枝「~~~っ♪」ブル 雅枝「…あぁぁ…?こ、こんなん…あかんわぁ…?」 雅枝「もう…こんなエッチな形しとるなんて流石の私も予想外やで…♪」 雅枝「カリ首も思いっきり張って…ピンク色の亀頭もズル剥けで…♪」 雅枝「…女殺しもええところの…淫乱チンポやんかぁ…?」 雅枝「この間まで中学生やった癖に…こんなん持っとるとかホント反則やで…?」ペロ 雅枝「まだ新芽って感じやのに…精液でグチョグチョになって…ぇ♪」 雅枝「発情したオスの匂いをプンプンさせとるなんて……?」 雅枝「こんなん…処女じゃなくても我慢なんて出来ひんわぁ…♪」 雅枝「いただき…まぁす?」パクッ 京太郎「う…あぁ…っ」 京太郎「(な、何だ、コレ…!?)」 京太郎「(何が起こったんだ…!?)」 京太郎「(いきなりチンポを暖かくてヌルヌルしたものが包んで…)」 雅枝「おいひぃぃ…?」レロォ 京太郎「う…ふぉぉ…っ」ビクン 京太郎「(い、今、何か動いた…!?)」 京太郎「(その上、雅枝さん何かを口に含んでいるような声を漏らして…っ)」 京太郎「(…も、もしかして…コレ雅枝さんの口…なのか?)」 京太郎「(俺、雅枝さんに…フェラされてるのかよ…!?)」ゴクッ 京太郎「(し、しかも、ただのフェラじゃなくて…お掃除フェラ…!)」 京太郎「(精液を舐めとって綺麗にする為って言う…)」 京太郎「(エロマンガならともかく普通じゃ絶対にしてもらえないもので…!!)」 雅枝「ちゅるぅ…♪んふぅ…?」 雅枝「じゃーめんの匂い…しゅっごいぃ…♪」 雅枝「くちんにゃかじゃーめんまみれににゃったみたいに…プンプンひてるぅ…?」 京太郎「(しゃ、しゃべらないで…っ!)」 京太郎「(チンポしゃぶりながらそんな事言われたら…し、刺激が…!)」 京太郎「(刺激が…あまりにも強すぎる!!)」 京太郎「(ただでさえ…俺の身体は敏感な上、)」 京太郎「(その上、イッたばっかで、チンポがさらに過敏になってるんですよ…!)」 京太郎「(それなのに…そんな風に刺激されたら…)」 京太郎「(また…すぐ射精…ちゃう…!)」 京太郎「(綺麗にして貰ってるはずなのに…また汚してしまって…っ!)」 雅枝「きょうらろぉくん…ビックンビックンひてるぅ…♪」 雅枝「おふぉぉじフェラで感じへりゅんやなぁ…?」 雅枝「ガッチガチのチンポぉ…あちゅくしてくれへるんやぁ…?」 雅枝「嬉ひぃ…♪わらひ…しゅっごく嬉しひわぁ…♪」 雅枝「らから…もっとしゃーびすしてあげりゅわ…ぁ?」チュロロ 京太郎「お…おぉ…っ」 京太郎「(す、す…げぇ…っ)」 京太郎「(俺のチンポを美味しそうになめしゃぶってくれて…っ)」 京太郎「(その上…飽きないように時折、バキュームまでしてくれる…っ!)」 京太郎「(人妻のテク…や、ヤバイ…!)」 京太郎「(こ、こんなの…童貞に耐えられる訳ないわ…!)」 京太郎「(例え、今の俺が敏感じゃなくても…瞬殺される…!)」 京太郎「(あっという間に…精液絞られるっての…!!)」 雅枝「うふゅぅ…♪にゃまいきやわぁ…?」 雅枝「いちゅもなら…こうしてあげればしゅぐにびゅっぴゅしゅるのにぃ…♪」 雅枝「我慢しゅるなんて…ゆるしゃへん…よぉ…?」グチュゥ 京太郎「あひぃ…っ」 京太郎「(雅枝さんの中、さらにグチュグチュになってる…!?)」 京太郎「(唾液の量が一気に増して…お、俺のチンポに絡みついてきて…!!)」 京太郎「(さらにグチュグチュになった口の中…マジ気持ち良い…っ)」 京太郎「(その上、雅枝さんただ舐めとるだけじゃなくって…)」 京太郎「(あっちこっちに亀頭を擦りつけて…っ)」 京太郎「(ぬ、ヌルヌルの粘膜の中でズリズリってされて…)」 雅枝「じゅぽぉっ♪ぐ…ぷぅうっ?」 京太郎「(そ、その上…雅枝さんの口が…動いてる…っ♪)」 京太郎「(先っぽだけ口に含むんじゃなくて…その顔を動かすように激しくフェラしてて…)」 京太郎「(こ、こんなの…ほとんど擬似セックスみたいなもんじゃないか…!)」 京太郎「(が、我慢とか…そういうレベルじゃない…!)」 京太郎「(もう…もう…無理…いぃ…っ!)」ビュルルルル 雅枝「んぴゅぅっ♪♪」ビクン 雅枝「んぐ…っ♪ごく…ごくっ…?」 京太郎「(あぁぁ…っ!)」 京太郎「(雅枝さん…お、俺の精液…飲んでる…)」 京太郎「(お掃除フェラ初めて…数分も持たなかった俺の精液を…)」 京太郎「(一滴残らず逃がさないように…口をすぼめて…っ)」 京太郎「(粘膜を絡みつけてくれて…っ)」 京太郎「(射精する度に…喉鳴らしながら…全部、飲んでくれてる…っ)」 京太郎「(なんだよ…コレ…!)」 京太郎「(本当に…これ現実…なのか…!)」 京太郎「(分からない…もう頭の中グチャグチャで分からない…けど…ぉっ)」ビククン 雅枝「ひぐぅっぅっ♪♪」ゴクゥ 京太郎「(気持ち良い…っ!)」 京太郎「(射精も…止まらない…!)」 京太郎「(さっきあんなに出したのに…また出まくってる…うぅぅ…!!)」 雅枝「ん…んぽぉ…?」 雅枝「はー…はぁぁ…ぁ♪」トローン 雅枝「もぉ…♪京太郎君…すごすぎ…やでぇ…?」ウットリ 雅枝「さっきあんなに射精したのに…すぐさまあれほど特濃の精液準備するなんて…ぇ…♪」 雅枝「私…飲んでる最中に食道詰まって窒息するかおもたわ…?」 雅枝「処女やったら…あんな量絶対に飲みきれへんよぉ…♪」 京太郎「(…いや、つか、処女ならフェラなんてしないと思うんですけど)」 京太郎「(そう突っ込みたい気持ちはあるけど…もうホントダメだ)」 京太郎「(さっき以上に身体が疲れて…起き上がる事すら億劫だし…)」 京太郎「(それに何より…ここで突っ込んだらさっきの我慢が全部、水の泡になるんだ)」 京太郎「(一応、今のでお掃除フェラも終わっただろうし…)」 京太郎「(今度こそ雅枝さんも帰ってくれるだろうから大人しく…)」 雅枝「…んふ…♪」ギシ 京太郎「(…え?)」 京太郎「(…こ、この重さは…)」 京太郎「(もしかして…雅枝さん、俺に馬乗りになってる…?)」 京太郎「(い、いや、でも…俺、未だに下半身丸見えで…)」 京太郎「(チンポもまだ勃起したままなんですけど!!)」 京太郎「(そ、そんな状態で…俺の上に乗っかられたら…お、俺だって…)」ゴクッ 雅枝「…でも、京太郎君の精液…ホンマ美味しかったわぁ…?」 雅枝「こんなん飲むの十数年ぶりやけど…♪」 雅枝「子宮が震えるくらい…最高ののどごしと味やったよぉ…?」 雅枝「…だから、その分のお礼…してあげへんかったらあかんね…♪」ヌギ 京太郎「(…お、お礼!?)」 京太郎「(ってか…この布擦れの音って…!?)」 京太郎「(も、もしかして雅枝さん脱いでる…?)」 京太郎「(俺の上で…服脱いじゃってるのか…!?)」ドキドキ 雅枝「んふ…♪」シュル 雅枝「…はい。これで私も京太郎君とお揃い…?」 雅枝「何時でもエッチオッケーの…裸んぼになったで…♪」 京太郎「(や、やっぱり…!)」ゴクッ 京太郎「(雅枝さん、本気で俺の上で裸になってるんだ…)」 京太郎「(ま、雅枝さんの…あこがれのお姉さんの裸…っ)」 京太郎「(しょ、正直、見たい…!)」 京太郎「(見たい…けど…っ)」 雅枝「…ふふ♪まだ起きひんのやねぇ…?」クス 雅枝「…じゃあ、ええやんな…♪」 雅枝「こんな…チンポ丸出しのエロい格好で寝とるんやし…?」 雅枝「このまま…京太郎君とエッチしてもええって事なんやろ…ぉ?」 京太郎「(え…っ!?)」 京太郎「(え、エッチ…!?)」 京太郎「(そ、それってつまり…本番って事だよな…!?)」 京太郎「(ま、待ってくれ…そ、それはまずい…!)」 京太郎「(い、いや、俺としては正直、良いんだけれども!)」 京太郎「(雅枝さんで童貞卒業とか念願叶ったと言っても良いくらいなんだけど!)」 京太郎「(でも、今の雅枝さんは明らかにおかしいんだ)」 京太郎「(少なくとも…何時もの旦那さんを想ってる様子なんて何処にもない)」 京太郎「(きっと…いや、間違いなく石版がおかしくしてるんだ)」 京太郎「(だ、だから…拒まなきゃ)」 京太郎「(明日から気まずくなるのは嫌だけど…)」 京太郎「(でも…ソレ以上に本番はマズイ…!)」 京太郎「(絶対に…関係が修復出来なくなってしまうのは目に見えているから…っ!)」 雅枝「じゃあ…挿入れるで…♪」 雅枝「京太郎君の童貞…私が貰ってあげるからな…ぁ?」 京太郎「ま、待ってください…っ」パチ 雅枝「…あ、京太郎君、起きたんや…?」 京太郎「は、はい。起きました。だから…」 雅枝「…でも、ざーんねん?」 雅枝「もう…遅い…わぁ??」ズチュゥゥ 京太郎「あっあぁあああっ」 雅枝「は…あぁあぁあああああんっ♪♪♪」ビクン 雅枝「す…す…ごぉぉ…♪♪」 雅枝「久しぶりのチンポ…ぉっ♪硬くて…おっきぃぃ…?」 雅枝「さ、流石…京太郎君の…大人チンポやわぁ…?」 雅枝「挿入れただけで…私、一気にイかされてしもうた…ぁ♪♪」 雅枝「童貞チンポで…子宮で…マジイキしちゃっとるよぉ…お?」 京太郎「ま、雅枝…さ…っ」 雅枝「んふ…♪私にレイプされるのが意外…?」 雅枝「…でもね、京太郎君が悪いんやで…?」 雅枝「本当は起きとるのに…ずっとされるがままやったんやからぁ…♪」 雅枝「ちょっと悪戯するつもりが…もう私、我慢出来ひんようになったんやぁ…?」 雅枝「京太郎君のチンポ欲しくて…もう子宮キュンキュンしっぱなしやったんやでぇ…♪」 京太郎「し、知ってたんですか…!?」 雅枝「勿論…部屋に入った時から…ね…?」 雅枝「発情したオスの匂いがムンムンしとるのに、精液の匂いはしとらへんかったし…♪」 雅枝「オナニーするの我慢して必死に寝たフリしとるんやろうなって一発で分かったわ…?」 京太郎「~っ!」カァァ 雅枝「ふふ…可愛かったで…♪」 雅枝「私が一杯、悪戯しとるのに必死に我慢しようとする君の顔…っ?」 雅枝「その顔だけで…私もう軽くイっちゃいそうになっとったくらいやねんからなぁ…♪」 京太郎「だ、だからってこれはやり過ぎですよ…!」 京太郎「フェラしたからと言っても…ご、ゴムナシはまずいですって!」 京太郎「妊娠しちゃいますよ!」 雅枝「だって…ゴムに京太郎の童貞奪われるの嫌やったんやもん…?」 雅枝「それに…私は妊娠しても構わへんし…ね?」 京太郎「…え?」 雅枝「ふふ…♪まだ君には分からへんやろうね…?」 雅枝「でもね、私は決して尻軽な女やないで…♪」 雅枝「心に決めた人は…何時も一人…??」 京太郎「(…どういう事だ?)」 京太郎「(雅枝さんの心に決めた人ってのは…間違いなく今はなき旦那さんのはずだ)」 京太郎「(それなのにどうして俺の事を襲った挙句…)」 京太郎「(妊娠しても良いなんて…そんな事を言うんだ…?)」 雅枝「だか…らぁ…っ♪♪」ズルル 京太郎「う…あぁあっ」ビクン 京太郎「ま、雅枝さん…っダメですって…!」 雅枝「今のままの方が…ダメやってぇ…♪」 雅枝「一回イったとは言え…挿入も途中のまんまやもん…?」 雅枝「ちゃぁんと最後まで挿入れへんかったら収まりも悪いし…♪」 雅枝「…それにちゃんと子宮で歓迎してあげへんかったら童貞喪失って言えへんやないの…?」 京太郎「基準がまったく分からないんですが…っ!?」 雅枝「うーん…やっぱり女心は中々、男の子には理解されへんもんなんかなぁ…♪」 雅枝「…ま、ええわ…?」 雅枝「それやったら…身体で分かってもらうだけやし…ね…っ?」グチュゥ 京太郎「ああぁ…っ」 雅枝「んふ…♪ええ声…ぇ?」 雅枝「そういう声を聞くと…私も余計…興奮するわ…ぁ♪」 雅枝「子宮にキュンキュン来て…もっともっと犯してあげたくなる…ぅ?」ズチュゥ 京太郎「(だ…ダメだ…!)」 京太郎「(このままじゃ…駄目だ…!)」 京太郎「(何が起こってるのかまったく分からないけど…!)」 京太郎「(でも…このままじゃ俺、流されてしまう…!)」 京太郎「(雅枝さんのマンコはあっちこっちにブツブツが生えてて…っ)」 京太郎「(グチョグチョになったチンポを出し入れする度に…それら全部がこすってくるんだから…!)」 京太郎「(まるで無数の舌が…ムスコの動きに合わせてなめしゃぶってる来るようなオマンコ…!)」 京太郎「(そんなの…フェラでさえ瞬殺された俺が耐えられるはずない…!)」 京太郎「(このままじゃ…あっという間にイかされてしまう…!)」 京太郎「(またあっさりと射精させられて…雅枝さんを妊娠されてしまう…!!)」 京太郎「(それだけは…それだけは何とか避けなきゃ…!)」 京太郎「(このままじゃ雅枝さんだけじゃなくて…洋さん達にも顔向けが…出来ない…からっ!)」グッ 京太郎「(例え、力づくでも…っ)」グイッ 雅枝「んふ…だーめ…?」グッ 京太郎「え…っ」 京太郎「(ちょ…な、なんで!?)」 京太郎「(幾ら俺がイかされ過ぎて身体が言う事を聞かないって言っても…)」 京太郎「(女の人を一人はねのけられるくらいの力はあるはずなのに…!)」 雅枝「ふふ…♪男の子が女に腕力で勝てるはずないやん…?」 雅枝「エッチしちゃったら…もう終わりやで…♪」 雅枝「逃げる事なく…女の中に精液吐き出すしかなくなるんやからなぁ…♪♪」 京太郎「(ま、マジかよ…!?)」 京太郎「(確かに色々と逆転してるとは想ってたけど…)」 京太郎「(そんなところまで逆転しちゃってるのかよ…!!)」 京太郎「(じゃあ…お、俺、これどうすれば…)」 京太郎「(こんなの…どうやって抜け出せば良いんだよ…っ!!)」 雅枝「それより…ほら?」スッ 京太郎「ぅ…」 雅枝「私に触れるんやったら…こっちのおっぱいにした方がええで…?」 雅枝「京太郎君、おっぱい大好きやろ…♪」 雅枝「これはもう今日から君のモンやから…好きにしてええんやで…っ?」 雅枝「私も…京太郎君のチンポを好きにするから…ぁあっ♪♪」 雅枝「ふあぁあああっんっ??」 雅枝「深いトコまで…グリグリクるぅうううっ♪♪」 雅枝「コレ…やあっ??」 雅枝「これが…コレが欲しかったんやぁっ♪♪」 雅枝「バイブじゃ届かへん…エッチなトコロぉおっ???」 雅枝「チンポじゃないとグリってこうへん…ココに欲しかったのぉおっ♪♪♪」グリングリンッ 京太郎「あ…ひぃいっ!」 雅枝「やっぱ…さいこぉおっ♪♪」 雅枝「アンタのチンポ…最高やあっ??」 雅枝「私…今、すっごい…すっごい幸せになっとるぅ…♪♪♪」 雅枝「久しぶりにアンタとエッチ出来て…わ、私…私…いぃいっ??」プッシャアア 京太郎「うあ…っ」 雅枝「あは…ぁ♪潮…吹いてしもうたぁ…?」 雅枝「ホント…アンタのチンポは女殺しやわぁ…♪♪」 雅枝「正直…アンタがおらへんようになってから…ずっとこういう事しとらんかったからぁ…??」 雅枝「ブランクありすぎて…相手出来るかどうか分からへん…けどぉ…っ♪」ヌルルル 雅枝「でも…私だって負けへん…よぉっ♪♪」グッポォ 雅枝「アンタの弱点は私だってよぉけ知っとるんやからねぇ…っ♪♪♪」 雅枝「アンタだって…イかせてやるんやからぁ…っ??」 雅枝「絶対に絶対に…次の子を産むんやからねぇ…ぇっ♪♪♪」ジュポジュポ 京太郎「ひ・・・うぅうっ」 京太郎「(…雅枝さんは何を言ってるんだ…)」 京太郎「(完全に…これ俺に向けてる言葉じゃない…)」 京太郎「(そ、そもそも…俺、童貞で、雅枝さんとエッチした記憶なんてないんだから)」 京太郎「(でも…雅枝さん完全に本気で…っ)」 京太郎「(俺の事を…その人と重ねあわせてて…っ!)」 京太郎「(何より…マジで俺のチンポを絞りとりに…来てる…!)」 京太郎「(俺でさえ知らなかった弱点を的確についてきて…)」 京太郎「(ち、チンポが…も、もう耐えられない…っ!)」 京太郎「(ダメだって分かってるのに…っ)」 京太郎「(イ、イか…イかされる…うぅっ)」 京太郎「(雅枝さんの膣内で…お、俺…もう…っ)」 京太郎「(射精…るっ!)」 京太郎「(射精…るぅうううっ!!)」ドッピュウゥウゥウ 雅枝「んあぁあぁあああっ♪♪♪」 雅枝「射精とるううっ??」 雅枝「アンタの…京太郎君のザーメンぅうぅう♪♪♪」 雅枝「す…すっごいぃ…??」 雅枝「三回目とは思えへんくらい…のうこぉおお…♪♪♪」 雅枝「子宮が…ぁっ?」 雅枝「子宮が悦んどるのが…分か…るぅうう…???」 雅枝「久しぶりの…ぉっ♪♪」 雅枝「十数年ぶりのザーメンうぅううっ???」 雅枝「幸…せぇえ…♪♪♪」 雅枝「また…ぁ♪またコレが味わえる…なんてぇ…??」 雅枝「私…もう…もう諦めとった…のに…っ♪♪」 雅枝「子宮に膣内射精される…メスの幸せなんてもう手に入らへんって思うとった…のに…いぃ…???」 雅枝「…アカン…わぁ…っ♪」 雅枝「今ので完全に…私の身体目覚めてしもうた…ぁ??」 雅枝「アンタとのエッチがどれだけ幸せやったかをぉ…♪♪」 雅枝「全部…全部、身体で思い出してしもうた…ぁあ???」ブルル 京太郎「ま、雅枝…さ…っ」 雅枝「もう…もう…あかんよぉ…♪♪」 雅枝「そんな可愛い声出しても…私、もう我慢出来ひんの…っ???」 雅枝「もう…十数年我慢してたんやからぁっ♪♪」 雅枝「ずっとずっとアンタに操立てとって…バイブオナニーしとらへんかったからぁっ???」 雅枝「だから…ご褒美…ぃっ♪」 雅枝「ご褒美のザーメン…もっとちょうだぁいっ??」 雅枝「十数年分の…ご褒美欲しいんっ♪♪」 雅枝「アンタにまた…また心も身体も愛されたくてしかたがないんやぁ…っ???」ズッチュゥゥ 京太郎「(い、今ので…なんとなく分かった…)」 京太郎「(雅枝さん…俺の事、旦那さんだとそう思ってるんだ…)」 京太郎「(でも…俺は…)」 京太郎「ち、違…違い…ます…」 京太郎「雅枝さん…お、俺は…俺は旦那さんじゃ…」 雅枝「んーんっ♪京太郎君は…私の大好きなあの人やでっ??」 雅枝「私…絹が連れてきた時に一目見て分かったんや…っ♪♪」 雅枝「あの人が…私との約束護ってくれたんやってぇっ??」 雅枝「生まれ変わって帰ってくるって約束…ぅうっ♪♪♪」 雅枝「おかしくなりそうな私を繋ぎ止めてくれた約束を…ちゃんと覚えててくれたんやってぇっ♪♪♪」 雅枝「君の事を見た瞬間に…本能で分かったんやぁ…??」 京太郎「(なんて…はた迷惑な約束を…!!)」 雅枝「勿論…ね?」 雅枝「勿論…私も分かっとるよ…??」 雅枝「京太郎君には…あの人の記憶なんてないってぇ…♪♪」 雅枝「私との約束なんて…覚えてるはずないって事…ぉ??」 雅枝「後でちゃんと…理解しとったんよぉ…♪♪♪」 雅枝「でもね…でも、私…アンタの事やっぱり大好きなんやぁぁっ??」 雅枝「生まれ変わりでも…記憶なんてなくてもええっ♪♪」 雅枝「それでも、世界中の誰よりもアンタの事を愛しとるからぁ…っ??」 雅枝「だから…分か…ちゃうんやぁっ??」 雅枝「このチンポも…アンタのものやって事ぉ…???」 雅枝「もう十何年も味わっとらへんのに…ハッキリあの人のチンポやってぇ…っ♪♪♪」 雅枝「だから…私、もう我慢なんて…出来ひんの…ぉっ♪♪」 雅枝「久しぶりの…アンタとのセックス…うぅうっ??」 雅枝「ずっとずっと夢見とったセックスが…もう止められへん…っ♪♪♪」 雅枝「本気のセックス…したくてたまらへんのやぁ…ぁ???」グッ 京太郎「あ…うぁあ…っ」 雅枝「あ…はぁ…♪♪」ブル 雅枝「どうや…ぁ?アンタの…京太郎君の為のオマンコはぁ…??」 雅枝「君が生まれる前から…ココは京太郎君専用のモノやったんやでぇ…♪♪♪」 雅枝「私…アンタとしかエッチしとらへんからなぁ…??」 雅枝「昔っからアンタのチンポに一杯、愛されて…ぇ???」 雅枝「調教されきった…オナホマンコなんやでぇ…♪♪♪」ギュゥ 京太郎「う…ひぃいっ」 雅枝「んふぅ…♪バッチリ…密着しとるやろぉ…??」 雅枝「君のチンポの形…もうバッチリ覚えとるからなぁ…♪♪♪」 雅枝「こうして本気になった以上…もう隙間なんか与えへんで…ぇ♪♪」 雅枝「チンポとマンコが張り付いて離れへんくらい…ぴったり愛してあげる…うぅ…??」グリングリン 京太郎「(や…ばい…っ!)」 京太郎「(本気で雅枝さんのマンコ…隙間が全く無くて…っ!)」 京太郎「(まるで俺の事溶かすようにして…張り付いてる…!!)」 京太郎「(なのに、雅枝さんの腰使いに反応して、俺のチンポを擦るから…っ!)」 京太郎「(チンポとマンコの境界線が…どんどんと薄くなっていく…!!)」 京太郎「(本当に…挿入しているのが当然な気持ちに…)」 京太郎「(雅枝さんと離れられなく…なってしまう…!!)」 雅枝「ん…ふぅ…♪♪」 雅枝「どんどんええ顔になっていくねぇ…??」 雅枝「私…そういう顔が見たかったんやぁ…♪♪」 雅枝「アンタが…私に夢中になってくれてる顔…ぉ???」 雅枝「私以外の事なんてまったく考えてへんようなその顔、大好き…いぃ…???」 雅枝「だか…らぁ…っ♪♪♪」ジュポジュポジュポジュポォ 京太郎「あぁあぁああっ」 雅枝「グラインドで休憩してからのマジセックスぅうっ♪♪」 雅枝「ぴったりマンコで本気の種付けセックスするぅううっ??」 雅枝「アンタも…ぉっ♪♪アンタもこれ大好きやもんねぇっ???」 雅枝「いっつも私にコレしてしてって目で頼んでた…しぃっ♪♪」 雅枝「本当は今も、期待しとったんやろぉっ???」 雅枝「優しいのも好きやけど…激しいのはもっと好きやもんなぁっ♪♪」 雅枝「エッチ大好きな…淫乱チンポぉおっ♪♪♪」 雅枝「私が…満足させたげるぅうっ???」 雅枝「旦那の欲求に応えるのは奥さんの義務やもんねぇ…えっ♪♪♪」 雅枝「だから…今日からずっとぉっ♪♪」 雅枝「毎日…アンタのチンポ管理したげる…からぁっ??」 雅枝「これが最後じゃなくて…まだまだエッチするからぁあっ♪♪♪」 雅枝「やから…あっ??ええよぉおっ♪♪♪」 雅枝「このまま種付けしてえっ♪♪」 雅枝「レイプされるように犯されながらビュッビュしてぇえっ???」 雅枝「私…もうずっと一緒やからああっ♪♪」 雅枝「もうアンタのこと絶対に離さへんからああああっ???」 京太郎「ひ…ぐぅううっ」 京太郎「(こ、これ…つ、辛…いぃっ)」 京太郎「(気持ち良すぎて…ぎゃ、逆に辛すぎる…うぅっ)」 京太郎「(あっちこっち張り付いて…ギュンギュンチンポ締めてきて…っ)」 京太郎「(その上…今までにないくらい俺の上で…雅枝さんが腰振ってる…ぅっ)」 京太郎「(ノーブラでむき出しになった胸を揺らしながら…っ!)」 京太郎「(本気の腰使い…してて…っ)」 京太郎「(幸せそうに涙漏らしながら…一心不乱に俺の事好きって言ってくれて…っ)」 京太郎「(もうこんなの…とっくの昔に射精してもおかしくないのに…!)」 京太郎「(気持ち良すぎて…射精ない…っ!)」 京太郎「(今にも射精しそうなくらい気持ち良いのに…!)」 京太郎「(射精って言う形にはならなくて…)」 京太郎「(その代わりに…俺のムスコの奥で…何かが滾ってる…!)」 京太郎「(グツグツメラメラって…まるで燃えるみたいに強くなって…)」 京太郎「(雅枝さんに…本気で種付けするみたいに…)」 京太郎「(射精の準備が…進んでいく…ぅっ!)」 京太郎「(ダメ…だっ)」 京太郎「(これ…射精したらダメな奴だ…!)」 京太郎「(今までだってヤバイくらい気持ちよかったけど…)」 京太郎「(でも…これは絶対にそれを超えてる…!)」 京太郎「(解放したら…ただ頭の中真っ白になるだけじゃなくって…)」 京太郎「(頭の何処かが歪むのが…絶対に分かる…)」 京太郎「(だから…我慢…しなきゃ)」 京太郎「(俺は…おかしくなりたく…ない…)」 京太郎「(俺は……まだ何も…)」 雅枝「ん…うぅうっ??」ムチュゥ 京太郎「ふ…きゅぅっ」 雅枝「ちゅぅ…♪ん…ひゅぅ…ぅ??」 京太郎「(ってキスなんて…)」 京太郎「(ここで…そんな…)」 京太郎「(腰激しく動かしながら…優しい…キスされたら…)」 京太郎「(まるで泣きつくような…悲しいキスされたら…)」 京太郎「(たえ…られない…)」 京太郎「(頭のタガ…外れて…)」 京太郎「(我慢しなきゃって気持ちも薄れて…)」 京太郎「(この…ままじゃ射精…ちゃう…!)」 京太郎「(ダメな…奴が…!)」 京太郎「(おかしくなる…射精…が…あぁぁ!)」 京太郎「(堪え…られ…ない…っ)」 京太郎「(もう…イ…くうう…っ)」 京太郎「(キスされながら…イかされ…るううぅうっ)」ドックン 京太郎「~~~~~~っ」ビックンビクン 雅枝「(…あぁぁ…射精てるぅ…♪♪)」 雅枝「(四回目の…精液ぃい…っ???)」 雅枝「(京太郎君の身体、ビックンビックンさせながら…ぁ♪)」 雅枝「(チンポから射精されたのが…私の中に染みこんでくる…うぅう…♪♪♪)」 雅枝「(もうイきすぎてクリトリスみたいに敏感になったマンコに…ぃ??)」 雅枝「(グチュグチュって絡みついて…とっても幸せにしてくれて…えぇ…???)」 雅枝「(もう精液の感触だけでも…私、イけちゃう…うぅ…♪♪)」 雅枝「(精液、私にとってはそれくらい嬉しいのぉっ??)」 雅枝「(でもぉおっ♪♪私が欲しいの…そこじゃないぃっ???)」 雅枝「(オマンコも嬉しいけど…大好きやけどぉっ♪♪)」 雅枝「(ソレ以上にもっと好きなのは子宮やからぁっ♪♪♪)」 雅枝「(ずっとずっとアンタの精液欲しくて疼いとった子宮やないとぉっ???)」 雅枝「(うち…もう満足出来ひんからぁあっ♪♪♪)」ジュルルルル 京太郎「お゛おおぉっ!!」 雅枝「(子宮…口ぉっ♪♪)」 雅枝「(キったああっ♪♪♪)」 雅枝「(射精しっぱなしのチンポがズシンってキたああっ??)」 雅枝「(やっぱりここで射精されるのが…一番…ぅうっ♪♪)」 雅枝「(一番、気持ち好くて、一番シアワセでえっ??)」 雅枝「(一番一番…思い出すんやぁ…♪♪♪)」 雅枝「(アンタに愛されてた事ぉ…??)」 雅枝「(どれだけ…どれだけ幸せやったかって事ぉ…っ???)」 雅枝「(もう忘れようと思って胸の奥にしまいこんでた思い出が…いくらでも浮き上がってきて…っ♪♪)」 雅枝「(もっともっと…アンタの事…好きになってしまうんやぁ…??)」 雅枝「(こんなの『京太郎君』には迷惑やって頭ではまだ分かってるのに…ぃ♪♪)」 雅枝「(私…もう心が…本能がおかしくなって…えぇ…???)」 雅枝「(もう…もう止まらへんの…ぉっ♪♪)」 雅枝「(好きな気持ちが…寂しさが…っ??)」 雅枝「(私の事をもっともっとおかしくしていって…ぇ♪♪♪)」 雅枝「…なん…で…」ポロ 雅枝「…なんで死んだんや…」 雅枝「私の事、一生愛するって言ったやんかぁ…」ギュゥ 雅枝「堕とした女には責任取る主義やって言うたやん…!」 雅枝「なのに…なのに、なんでや…」 雅枝「なんで…うちの事置いてったんや…っ」 雅枝「私は…アンタと死んでも良かったのに…」 雅枝「アンタが一緒に死んでくれって言ってくれたら何時でも死ぬつもりやったのに…!」 雅枝「なんで…なんで最後にあんな事言うたん…」 雅枝「娘の事を頼むって…必ず帰ってくるからって…」 雅枝「あんな事言われたら…私、死ねへんやん…」 雅枝「そんなんあり得へんって分かってるのに…もしかしたらばっかり考えて…」 雅枝「苦しいのに辛いのに…生きていくしかないやんかぁ…ぁ」ボロボロ 京太郎「(……誰かが泣いてる)」 京太郎「(…でも、それが誰かは分からない)」 京太郎「(…もう俺は頭の中が真っ白で…)」 京太郎「(身体も…もうちりぢりになったみたいにふわふわしてる…)」 京太郎「(結果、目も何もかもが働かなくて…)」 京太郎「(泣いてるって言うのがかろうじて分かるだけ…)」 京太郎「(……でも)」 京太郎「(俺は…この人に泣いていてほしくない…)」 京太郎「(この人にだけは…笑っていて欲しい…)」 京太郎「(なぜかは分からない…)」 京太郎「(でも、心の底よりももっと深い部分で…)」 京太郎「(『何か』が俺に…そう言っているから…)」スッ 雅枝「…え?」 京太郎「…泣かない…で」 雅枝「…京太郎…君」 京太郎「雅枝…俺は…ただ…君に……」 京太郎「生きて…いて…欲し…かった…だけで」 雅枝「っ!」 京太郎「……ごめ…んな」ギュゥ 雅枝「あ……アンタ…?」 雅枝「も、もしかして記憶が…っ」 京太郎「(……ダメだ)」 京太郎「(もう…もう限界…)」 京太郎「(意識の方はともかく…身体がもうついていかなくて…)」 京太郎「(もう…堕ち……る…)」 雅枝「アンタ!アンタ!!」 京太郎「(……おやす…み、雅枝)」 京太郎「(起きた時にはもう何もかもが元通りだった)」 京太郎「(俺はパジャマを着ていたし、タオルケットも綺麗にかかっていた)」 京太郎「(…でも、だからって昨日の痕跡を消せる訳じゃない)」 京太郎「(俺の部屋には濃厚な性臭が立ち込めていたし…)」 京太郎「(パジャマもパンツも俺の記憶とは違っていた)」 京太郎「(きっと俺が気絶した後に雅枝さんが着替えさせてくれたんだろう)」 京太郎「(そう思うと色々と恥ずかしいけど…でも、ソレ以上に気になるのが…)」 雅枝「…」チラッ 京太郎「(…朝から雅枝さん、何か言いたげに俺の事を見ている)」 京太郎「(普段ならそのままストレートに口にするだろうに…)」 京太郎「(今日の雅枝さんは、まったく俺に対して話しかけなくて…)」 京太郎「(日頃の激しいスキンシップも鳴りを潜めていた)」 京太郎「(まぁ…まだ昨日の事を上手く消化出来てない俺としては有り難い話ではあるんだけれど…)」 京太郎「(…でも、やっぱり俺にとって雅枝さんは大事な人だし)」 京太郎「(何をそんなに言いたそうにしているのか…やっぱり気になってしまう)」 京太郎「(…でも、なぁ)」 洋榎「…」ボヘー 絹恵「もう…お姉ちゃん、髪ボサボサのまんまやで?」 絹恵「女の子なんやからちゃんと手入れせえへんかったら」 京太郎「(…今は洋さんとかがいる訳で)」 京太郎「(ここで下手に踏み込んで昨日の話になってしまったら…)」 京太郎「(間違いなく今まで以上に家族仲が滅茶苦茶になってしまう)」 京太郎「(洋さんとしても絹さんとしても…)」 京太郎「(自分の母親が、年下の男を旦那の生まれ変わりだって思い込んでいるなんて…)」 京太郎「(そんな風に思いたくはないだろうしさ)」 京太郎「(…だから、正直気になるけれど…)」 京太郎「(でも、今はとりあえず踏み込まないでおいて)」 京太郎「(また今度、二人っきりになった時にでも聞いてみよう)」ゴクッ 京太郎「…ご馳走様でした」 雅枝「あ…も、もうええの?」 京太郎「はい。今日はちょっと急ぎですし、もう出ますね」 雅枝「そ、そうなんや。今日も頑張ってな」 京太郎「えぇ。行って来ます」 絹恵「あ、待って、京太郎君」 京太郎「え?」 絹恵「えっと…これ」ハイ 京太郎「えっと…これって…」 絹恵「…昨日なお姉ちゃんと一緒に作ったんや」 絹恵「今は夏休みやし…食堂なんて開いとらへんやろ?」 絹恵「だから、二人で一緒にお弁当作ったげよう思って…」モジ 京太郎「…お、おぉぉぉ…」 京太郎「(絹さんと洋さんの手作り弁当…!)」 京太郎「(朝からなんてレアなものを手に入れてしまったんだ…!)」 京太郎「(これは否応なく気合が入るぜ…!!)」 絹恵「あ、で、でも、あんまり期待せんといてな?」 絹恵「その…あんまり私もお姉ちゃんも料理得意な訳ちゃうし」 絹恵「あんまり美味しくないかもしれんけど…」 京太郎「そんなの気にしないっすよ!」 京太郎「二人からのお弁当ってだけでもう俺にとってはご馳走確定ですって!」 絹恵「も、もう…本当に調子ええんやから」テレテレ 絹恵「…まぁ、でも、そう言ってくれるなら私も安心…かな」 絹恵「あ、けど…よければ感想きかせてくれると嬉しいかな」 絹恵「またお弁当作るときにでもそれを活かしたいし…」 京太郎「了解です!」 京太郎「っと、じゃあ、俺そろそろ行きますね」 絹恵「うん。行ってらっしゃい」 絹恵「気をつけてな」 京太郎「はい。行ってきまーす」 ガチャ ネリー「……」 京太郎「…え?」 京太郎「(お、オーケー、落ち着こう)」 京太郎「(ま、まず俺は扉を開けた)」 京太郎「(絹さん達お手製のお弁当を持って上機嫌に扉を開いて…)」 京太郎「(…んで、その先にがネリーがいた)」 京太郎「(…勿論、俺の後ろには俺を見送ろうとしてくれていた絹恵さんが…)」 京太郎「(パジャマ姿のライバル校レギュラーがいて…!!)」ダラダラ ネリー「……お兄ちゃん?」 京太郎「は、はい…!」 ネリー「……今の誰?」 京太郎「え、えぇっと…」 京太郎「(…ネリーはあんまり対策とかしない)」 京太郎「(それよりも自分の力を磨いて、相手を叩き潰す方がパフォーマンスになるって分かってるから)」 京太郎「(…しかし、そんなネリーでも名門のレギュラーくらいは覚えているだろう)」 京太郎「(つまり…ここで下手な誤魔化しは逆効果…!)」 京太郎「(今にも消えそうなネリーのハイライトさんが完全にバイバイしてしまうのは目に見えている…!!)」 京太郎「そ、その、親父の知り合いの娘さんなんだ」 京太郎「また親父たちが海外に調査に出かけたから、その間に監督役として住み込んでくれてるんだよ」 ネリー「…へぇ」 京太郎「(…う、嘘は言ってないよな、うん)」 京太郎「(オヤジの知り合いの娘さんである事に間違いはないし)」 京太郎「(ただ…それ以前に俺の友達であるって言うのを言わなかっただけで)」 ネリー「…………で、お兄ちゃん」 京太郎「お、おう」 ネリー「お兄ちゃんの童貞を奪ったのは、今のメガネおっぱいなの?」 京太郎「…ど、どうて…っ」カァァ 京太郎「(…な、なんでバレてるんだよ!?)」 京太郎「(確かにオーラで恋人の有無は分かるけど…でも、経験人数なんて見えないはずなのに…!)」 京太郎「(も、もしかして…そんなの関係なく俺が脱童貞オーラ出しちゃってるのか!?)」 京太郎「(今の俺は一歩大人の階段をのぼっちゃった感があるのか!?)」 京太郎「(い、いいいいいや、落ち着け)」 京太郎「(幾らなんでもそんなもの分かるはずがない)」 京太郎「(そもそも俺は童貞喪失した事なんて今まであんまり意識していなかったし…)」 京太郎「(そんなオーラなんて出ていなかったはずだ…!)」 京太郎「(だから、これはきっとカマかけ…!)」 京太郎「(ネリーなりの引掛けなんだ…!!)」 京太郎「(うん、なんか昨日も同じ事言ったような気がするけれど…)」 京太郎「(今日こそそうに違いない!!!)」 京太郎「な、何の話だ?」 京太郎「俺はまだまだ清い身体だぞ?」 京太郎「童貞なんてそう簡単に奪われるはずないじゃないか」 ネリー「…ホント?」 京太郎「本当だぞ」 京太郎「俺がネリーに嘘なんて吐くはずないだろ」 ネリー「…………へぇ」 ネリー「昨日、約束したのに…」ボソ 京太郎「…え、ごめん」 京太郎「今、なんて言ったんだ?」 ネリー「…ううん。なんでもない」 ネリー「それより…お兄ちゃん、今日の昼、予定ある?」 京太郎「昼…?いや、特にないけど…」 ネリー「それじゃちょっと付き合ってくれないかな?」 ネリー「ちょっと一緒にいきたいところがあるんだ」 京太郎「行きたいところ?」 ネリー「うん。とっても良いところ」 ネリー「…とってもとっても…ね」 京太郎「って事は…何処か聞いても教えてもらえない感じか?」 ネリー「うん。出来るだけサプライズを演出したいし」 京太郎「分かったよ、それじゃあ何も聞かない」 ネリー「あ、後、ご飯は食べる前が良いな」 京太郎「って事はあんまり遠くない感じか?」 ネリー「…うん。すぐ近くだから安心して」ニコ ~昼休み~ ネリー「ほら、お兄ちゃん、こっち」グイグイ 京太郎「っておい、ちょっと落ち着けって」 京太郎「(…なんか今日のネリーは変だ)」 京太郎「(昼になるまではあんまりベタベタしなかったのに…)」 京太郎「(昼になった途端、いきなり俺の腕を掴んで走り出しそうな感じだったし…)」 京太郎「(まるで遊園地か何かに来た子どもみたいな押しの強さだ)」 ネリー「だって、もうちょっとなんだもん」 ネリー「もうちょっとで…もうちょっとで…ふふふ…」 京太郎「(…しかも、すっげえ嬉しそうなんだよな)」 京太郎「(何がもうちょっとなのか…正直、まったく分からないけれど)」 京太郎「(でも、ここまで楽しみにしてるネリーに水を差すのは可哀想だ)」 京太郎「(…………ただ)」チラッ 京太郎「(…明らかにここ普通のマンションなんだよな)」 京太郎「(しかも、やたらと静かで…何の音も聞こえない)」 京太郎「(換気扇の音すら聞こえないのは…正直、ちょっと不気味だ)」 京太郎「(このフロア一帯に人なんてまったくいないような気がするくらいなんだから)」 京太郎「(…一体、ネリーはこんなところで俺に何を見せたいのか)」 ネリー「はい。ここだよ」 京太郎「…ここ?」 京太郎「(…ここって一番奥の角部屋じゃないか)」 京太郎「(一体、ここに何があるって言うんだ…?)」 ネリー「ね、お兄ちゃん、入って」 ネリー「きっと気に入ってくれると思うから」 京太郎「入るって鍵は…?」 ネリー「大丈夫だよ。ちゃんと開けておいたから)」 京太郎「(…開けておいたって…)」 京太郎「(ここネリーの部屋なのか?)」 京太郎「(でも、ネリーは基本、寮に住んでて部屋を借りる理由なんてないはずなんだけど…)」 ネリー「…お兄ちゃん?」ジィ 京太郎「あ…いや」 ネリー「…入ってくれないの?」 ネリー「私…お兄ちゃんの為に準備したのに」 京太郎「い、いや…そんな事ないぞ」 京太郎「今、開ける…今、開けるから」 京太郎「(…なぜだか今、凄い嫌な予感がした)」 京太郎「(でも…ネリーがこうまで言っているんだ)」 京太郎「(開けない訳には…いかないよな)」 京太郎「(まぁ、ちょっと怖いけど…所詮、ネリーだし)」 京太郎「(精々、びっくり箱レベルだろ)」 京太郎「(だから…)」グッ ビリリリリ 京太郎「が…っ」バタン 京太郎「………ぅ」パチ 京太郎「(…ココ…何処だ…?)」 京太郎「(俺…どうしてこんなところで眠って…)」 京太郎「(…確か俺は…ネリーに言われたままにドアノブに触れて…)」 京太郎「(瞬間、身体中に激痛が走ったと思ったら…意識がトんで…)」 京太郎「(それで…ココに…)」チャリ 京太郎「…え?」 京太郎「(…これって鎖…!?)」 京太郎「(しかも…これ俺の首輪につながってる……?)」 京太郎「(一体…どういう事なんだ…?)」 京太郎「(いや、とりあえず今はこんな巫山戯たものを外す方が先…っ)」グッ 京太郎「ぐ…ふんぬ…!!」 京太郎「(…ってはずれねぇ…!?)」 京太郎「(なんだ、この首輪…!!)」 京太郎「(もしかしてこれ…アクセとかプレイに使うようじゃなくて…ガチの首輪なのか?)」 京太郎「(俺がここから逃げられないようにする為の…鉄で出来た奴なのかよ…)」ゾッ 京太郎「(…なん…だよ)」 京太郎「(意味が分からねぇ…)」 京太郎「(どうして俺にこんなものがつけられてるんだよ…)」 京太郎「(それに…ネリーはどうなった?)」 京太郎「(俺がこうしているって事は…ネリーも何処かに捕まってるのか…!?)」 京太郎「(…分からない)」 京太郎「(分からない…けど、とりあえず冷静にならなきゃ…)」チラッ 京太郎「(…………まず部屋にあるのはベッドと申し訳程度のオマルだけ)」 京太郎「(他はむき出しの壁紙だけで何の飾り気もない)」 京太郎「(で、俺の首輪に繋がった鎖は部屋の柱に括りつけられてる…)」 京太郎「(鎖の距離は長いけど…でも部屋から出れるほどじゃない)」 京太郎「(なら、まずここで調べるべきは…鎖と柱についてだな)」 京太郎「(首輪の方は無理だけど…柱の方はどうにかなるかもしれない)」 京太郎「(まぁ、かなり希望的な観測だけれど…)」ジィ 京太郎「(…………あれ?)」 京太郎「(これ…なんか思ったよりも簡単に外れそうじゃないか?)」 京太郎「(まぁ…勿論、かなり時間は掛かりそうだけれど…)」 京太郎「(でも、俺を縛った奴は焦ってたのか…柱に巻きつけるのがかなり杜撰だ)」 京太郎「(てっきり専用の工具でもなければ外れないような括り方をしていると思ったんだが…)」 京太郎「(これは…頑張れば解けるかもしれない…!)」 京太郎「(いや、頑張らなきゃいけないんだ…)」 京太郎「(ここで俺が脱出して…誰かにこの事を伝えなきゃ…)」 京太郎「(ネリーの身も危ないかもしれないんだから)」 京太郎「(男の俺はともかく…ネリーの方は洒落にならない…!)」 京太郎「(もし、レイプなんてされたりしてたら…一生の傷になってしまう…)」 京太郎「(だから…手遅れになる前に、ここから脱出しないと…!)」グッ 京太郎「(頑張れよ…須賀京太郎!)」 京太郎「ぬ…おぉぉ」ギリギリ 京太郎「(…ふぅ)」 京太郎「(何とか柱の鎖は解けたな)」 京太郎「(…まぁ…鎖の方はまだくっついたままだけれど)」 京太郎「(でも、動けるようになっただけマシだ)」 京太郎「(ともかくこれで部屋から脱出する準備は整ったんだから…)」 京太郎「(このまま部屋の扉を開いて…)」ガチャ 京太郎「(………ってもう夜になってたのか)」 京太郎「(部屋の中は雨戸が締まって真っ暗だったから分からなかったわ)」 京太郎「(ま…それよりも今は…警察だ)」 京太郎「(とりあえず、この部屋を覚えて…)」クル 京太郎「…………え?」 京太郎「(……ここ、ネリーが案内した部屋じゃないか)」 京太郎「(…一体、どういう事なんだ?)」 京太郎「(なんで俺がネリーが契約していただろう部屋の中に繋がれて…)」 「ね、お兄ちゃん入って」 京太郎「…」 「きっと気に入ってくれると思うから」 京太郎「(違う)」 「私…お兄ちゃんの為に準備したのに」 京太郎「(……違う)」 「とっても良いところ」 京太郎「(…………違う)」 京太郎「(ネリーはそんな奴じゃない)」 京太郎「(ネリーはそんな事をする子じゃない…!)」 京太郎「(アイツは…確かに守銭奴だけど…でも…とても優しい奴なんだ…!)」 京太郎「(自分を育ててくれた孤児院の為に一生懸命金を稼ごうとしてる凄い奴なんだよ!!)」 京太郎「(そんな奴が…こんな事するはずない)」 京太郎「(するはずが……ないんだ…!)」グッ 京太郎「(……とりあえず帰ろう)」 京太郎「(携帯はないけど…途中で寮に寄って…)」 京太郎「(そこでネリーが帰って来たかを聞けば、安否は分かるはずだ)」 京太郎「(…でも、もし)」 京太郎「(もし…それでネリーが普通に帰って来ていたら)」 京太郎「(俺は……俺はどうしたら良いんだ?)」 京太郎「(…この事を通報する?)」 京太郎「(いや…そんな事出来ない)」 京太郎「(そんな事したら…皆の夢が壊れてしまう)」 京太郎「(インハイ目前でこんな問題を起こしたら…)」 京太郎「(今年だけじゃなく…数年先のインハイまでなくなってしまうかもしれない…!)」 京太郎「(だから…なかった事にするのが一番なんだ)」 京太郎「(そう…きっとそれが…一番…)」グッ
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IF 京太郎が全員とお別れをメールで送り、旅にでようとしたらどうなるか。 京太郎「よし行くか」 カピー「パカパカ(またどうして世界を見て回ろうと思ったんだ?」 京太郎「いや、世界一周の旅行券ができたから一年くらい世界を回ろうかなって」 カピー「パカパカ(ならなぜそれをメールに書かない」 京太郎「連絡が長い間とれないだけで十分だろ」 カピー「パカパカ(知らんぞ主…主のせいで日本は大混乱だ」 京太郎「なに言ってるんだ?そんなわけないだろ」 ピッ…TVをつけて アナウンサー「みてください!突如鹿児島に発生した嵐は東北に向けて進行しています」 京太郎「はっ?」 ピッ…チャンネルを変えて アナウンサー「こちらは岩手です!突如発生した暗闇により視界が見えません!」 ピッ… アナウンサー「北海道では未確認ですがドラゴンが現れたという情報が入ってきています」 ピッ… アナウンサー「ちゃちゃのんが突然の引退宣言に多くのファンが絶望に飲まれています」 ピッ… アナウンサー「ただいま入ってきた情報によると奈良にブリザードが発生したもようです……」 京太郎「……どうすればいい?」 カピー「パカパカ(世界一周旅行に行くと打っておけ」 京太郎「わ、わかった…」 カピー「パカパカ(でもまあ、手遅れだがな」 京太郎「……気のせいだと信じたい」 カピー「パカパカ(愛してると送ればすべてがなかった事になるぞ…ただし」 京太郎「えっ、もう送ったが…」 カピー「パカパカ(主の人生は男に恨まれる人生になるがな」
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早朝 京太郎「………カピーが居なくなった。なんでだよカピー」 道中 霞「……死にそうな顔をしてるわよ、京君」 京太郎「えっ…霞さんか。そんなに酷い顔をしてますか?」 霞「ええ」 京太郎「カピーが何処かに行ったんです」 霞「カピーってペットの?」 京太郎「はい…」 霞「なら大丈夫よ」 京太郎「えっ?」 霞「あの方が京君を裏切ったりは絶対にしないわ」 京太郎「で、でも…」. 霞「シャキッとしなさい、須賀京太郎!私達と結納する男がそれ位で狼狽えてはダメ」 京太郎「…はい」 ギュ…霞に抱きしめられて 霞「良い子ね……大丈夫、大丈夫だから」 京太郎「すいません…」 霞「いいのよ。夫を支えるのも妻の役目だから」 女子決勝結果 一位 小瀬川白望 二位 エイスリン 三位 獅子原爽 四位 石戸霞 小瀬川白望と須賀京太郎はプロとのエキシビションマッチをします。 相手は小鍛冶健夜と戒能良子です。 女子個人優勝インタビュー アナウンサー「優勝おめでとうございます、小瀬川選手」 白望「ありがとうございます」 アナウンサー「ぶっちぎりの優勝でしたがどうでしたか?」 白望「…一歩間違ったら私が負けてた」 アナウンサー「えっ?」 白望「ぶっちぎりなんかじゃない…今回は運が良かっただけ」 アナウンサー「そうなんですか…辻垣内選手を破ってここまできた獅子原爽さんはどうでしたか?」 白望「強いと思う」 アナウンサー「プロとのエキシビションマッチについての意気込みをお願いします」 白望「私達が勝つ」 アナウンサー「私達?それはまさか…」 白望「そろそろダルいから…それじゃあ」 スタスタ アナウンサー「あっ!こ、小瀬川選手待ってください!」 京太郎「…シロに会いに行きたいが無理そうだな」 トントン… 「はい?」 後ろを向くと池田さんが居た。あれなんでこの人がここにいるんだろ? 「ちょっとだけ手伝って欲しい事があるんだし」 顔を下に向けたまま身体を震わしている…何か大変なコトが起きてるのか? 「俺で良かったら手伝うけど…」 「こっち」 池田さんが俺の手を握って急ぎ足で歩き出した。一体何が起こってるんだ? ーーーーー 「あの、こんな所に来てどうするんですか?」 倉庫室と書かれた部屋の前に池田さんは来ていた。 「中に用があるから」 池田さんはそう言ってドアを開けて電気のついていない部屋に入っていった 「待ってくださいよ」 俺も続いて中にはいる。部屋の中は暗くてなにもみえない。 バタン… 「えっ?」 ドアが閉まる。後ろを振り向くが真っ黒でなにも見えない。 ドン… 「っ…」 頭に強烈な痛みが走る…意識が徐々に薄れていく。 「大丈夫だし…」 池田さんがそう言って後ろから俺を抱きしめてくれたような気がした。 ーーーーーー 「あっ…気持ち良い」 嬌声に近い池田さんの声で目が覚めた…あれ目が見えない。それに足と手が縛られてる。下腹部に違和感がある。一定感覚で何かを打ち付けられている。 「池田さん?」 「な、なんだ…」 上擦った声で答えてくれる。 「一体何をしてるんですか?」 俺がそう言うと下腹部の違和感がキツくなった。キツく?あれてかこれってもしかして… 「華菜ちゃんの華菜ちゃんによる華菜ちゃんのための孕ませセックス」 セックス…まて、待ってくれ可笑しいだろ! 「な、何を…」 「な、何って…危険日ど真ん中の華菜ちゃんの中にもう五発も出してるのにそ…それは酷いにゃ…ほら…またこうやってビクビクしてるし…」 パンパンと音を大きく立てて池田さん…いや、池田がペースをあげている。やめてくれ、やめろよ! 「やめろよ、池田ァ!」 「嫌だし!華菜ちゃんをこんなにした責任を須賀は京太郎はとるべきだ!!それにもう華菜ちゃんは妊娠確定だし…ほら見てよ京太郎…こんなにも溢れてるんだよ?京太郎の精液で」 そう言って池田は腰を降り続ける。やばい、何かが込み上げてきている。 「ほら、またビューって出しなよ…華菜ちゃんのまんこに種付けしたいんだろ?」 「そんな事は…」 「あるよ…だってフェラで二回、淹れて五発も出したのにこんなにカチカチ…もう華菜ちゃんの中はこのチンポの形になっちゃってる」 「ならやめろよ!」 「嫌…言ったでしょ華菜ちゃんは我慢してきたんだ…だから今日は気が済むまで京太郎のチンポで気持ち良くなる」 「赤ん坊ができたらどうするんだ」 俺の言葉に池田さんの動きが止まる 「その時は私が育てる。京太郎にはかけない…そんな事よりも子宮が疼くんだ。もっともっと…ザーメンを寄越せって。三ヶ月だ…三ヶ月も待った。もうね…今の華菜ちゃんには京太郎のチンポさえ何もいらないんだ」 池田が身体を倒して俺の上に持たれかかってくる。 「だからさ京太郎…いや、ご主人…華菜ちゃんを抱いて欲しい…いや、抱いてください」 後日談 タレントA「今日の特集はあの伝説の麻雀選手須賀京太郎の素顔に迫りたいと思います」 タレントB「えっと…これって放送できる内容なのかな?」 タレントA「大丈夫です。飛ぶのはディレクターの首だけですから」 タレントB「は、はぁ…それにしても本人が亡くなって数年でこんな事を放送しなくても…」 タレントA「いや、私の祖母が言ってたんですよ。須賀京太郎に会った事があるけど別に世間で言われてるような人じゃなかったと」 タレントB「そうなんですか…まあ、彼が死んだ時に泣いた人の数からして悪い人では無いと思いますが」 タレントA「お嫁さん合計で30数人…一人は戸籍を絶対にいれないと言っていざ蓋を開けてみたら最初から戸籍を居れてたってツンデレ爺だから仕方ないですよ」 タレントB「ちょ、香ちゃんそれ以上言うと消されちゃうよ!」 タレントA「大丈夫、大丈夫…そうなったら須賀京太郎の孫の二代目すこやん事、須賀健夜プロに養ってもらうから」 タレントB「もう…私は香ちゃんを養える程のお金を稼いで無いよ」 タレントA「またまた…世界ランキング一位にしてグランドマスターの称号を持ってるすこやんがそんなわけないでしょ」 タレントB「私が一位になったのは偶々だよ。それより話がずれちゃってる」 タレントA「そうだった。もうすぐアラサーの須賀プロに話を変えられる所でした」 タレントB「まだ私は25だよ!」 タレントA「はいはい…とりあえず話を進めるとしましょう」 タレントB「流された!?」 タレントA「須賀京太郎の話の逸話は沢山ありますが…今日は唯一須賀の性を名乗る事のなかった池田華菜との話についてやっていきたいと思います」 タレントB「……ノーコメント」 タレントA「えー…って何時もならいう所ですが今日は内容が内容なのでそれは想定済みです。世間一般の認識では須賀京太郎と池田華菜との間に何があったかは発表されていません。ですが我々は一つの真相にたどり着きました」 タレントB「真相?」ゴゴゴゴ タレントA「…今回だけは圧力には屈しないよ、すこやん。須賀京太郎の最初の子供を産んだのは池田華菜です。彼女は17の時に当時は名門として有名だった風越女子を中退し、それからあの衝撃の会見までの十数年間消息をたっていました」 タレントA「その間に彼女はどうしていたかは知りません。ただ彼女の子供である池田京はこう語っています」 「母が犯した罪は父に葛藤と罪悪感しか残さなかった…それでも父は私を確かに愛してくれた」 タレントB「……」 タレントA「池田華菜が犯した罪についてはもう故人の過去を蒸し返すつもりはありません。私たちが今日、明らかにするのは須賀京太郎が池田華菜をどう想っていたかです」 タレントB「どう想ってたの?」 タレントA「結論から言うと彼は池田華菜を愛していました」 タレントB「…」 タレントA「年に一度、須賀京太郎は妻達や子供達に合わずに長野で一人で過ごすのが習慣でした」 タレントB「その時に会ってた?」 タレントA「その通り。これは信頼できる筋からの話だから間違いない」 タレントB「でもそれって池田華菜はずっと長野に居たの?」 タレントA「そうみたいね。須賀京太郎が住んでいた家に細々と暮らしていたらしいわ」 タレントB「…知らなかった」 タレントA「すこやんが知ってたらびっくりだよ。この事は須賀京太郎のお嫁さんと一部の人しか知らなかった事だから」 タレントB「…売女の事なんてどうでもいいよ」 タレントA「それがいけないんだよ、すこやん。須賀家の人間と世間は池田華菜の事を悪としか見ていない。須賀京太郎を強姦し、子供を勝手に生み、妹を見捨て、何も語らずに死んでいった。でもねそれはあくまで他人の視点なんだよすこやん」 タレントB「……」 タレントA「すこやんは何も知らないよね?」 タレントB「わ、私は…」 タレントA「一番苦しんだのはすこやん達じゃないんだよ。本人達が苦しんだ。一年しか会えない事に池田華菜は泣いていた。須賀京太郎は自分達のせいで不幸になった娘に最後まで後悔の念をもっていた。すこやんにその気持ちはわからないよね?」 タレントB「それはあの人が…」 タレントA「だからそれがエゴなんだよ。これがあの須賀京太郎の関わった事じゃなかったらこんな事態にはならなかった。その証拠にすこやん達は真相を聞かされなかった…誰が悪いじゃないんだ。間が悪かっただけだよ」 タレントB「…」 タレントA「紐解いていくよ。今日はその為にきてもらったんだから。すこやん達が知らない人生を」 プツン… 華菜「これなんだし…」 京太郎「俺と華菜の関係を世間にバラした時の反響の結果」 華菜「……………お世話になります」 健夜「うん、これからは華菜ちゃんには色々な事を覚えてもらうからね」ゴゴゴゴ 良子「イエス。京太郎を襲ったんです…覚悟してください。デスッた方がましだと思わせますんで」ゴゴゴゴ 華菜「…華菜ちゃん…死ぬかもしれない」 京太郎「大丈夫ですよ、人は死にませんから」 カン!! 夕方 京太郎「……気がついたら寝てた。何があったんだ?」 会場内 小蒔「京太郎様」 京太郎「あっ、姫様こんにちわ」 小蒔「あ、明後日は頑張ってください」 京太郎「はい…まあ、義姉さん達が相手なんで全力でいきます」ゴゴゴゴ… 小蒔「京太郎様なら大丈夫です」 京太郎「姫様達が応援してくれるなら百人力ですからね」 小蒔「そ、そうです!」 京太郎(姫様と会話してると和む) 小蒔「そ、それに霞ちゃんが言ってましたから」小声 京太郎「何を言ってたんですか?」 小蒔「えっ、あの…迎えにきてくれるって言ってました」 京太郎「あぅ…あの、ひ、姫様はいいんですか?」 小蒔「私は…その構いません。また皆で暮らせたらそれでいいんです」 京太郎「…」 小蒔「時間はやり直せません…関係も元には戻りません」 小蒔「ですが、私達は前に進めますから」 京太郎「…あと少しだけ待っていってください」 小蒔「はい。9年待ちましたから…また迎えにきてください」 京太郎「わかりました。あの場所で待っていてください」 小蒔「あそこですね…」 京太郎「ええ」 小蒔.京太郎「秘密の場所で」 夜 コンコン 京太郎「はい、開いてますよ」 ガチャ… 白望「疲れた…」 京太郎「シロか?なんで部屋の番号が解った?」 白望「これが部屋に届いた…」カードを見せて 京太郎「…なんだそれ?」 白望「招待状」 京太郎「招待状?誰からの」 白望「カピーから」 京太郎「えっ?」 白望「明日の墓参りについていって良いって」 京太郎「……」 白望「…墓参りって何?」 京太郎「はぁ…姿を消してもお節介なんだなカピー。墓参りは墓参りだ。知ってるだろ、シロ…須賀大社には俺の両親の墓があるんだ」 白望「知らなかった…」 京太郎「言ってなかったからな」 白望「そこに行くの?」 京太郎「ああ…ケジメが必要だからな」 白望「怖いの?」 京太郎「…怖い。正直、あそこには行きたくない」 白望「それなら…」 京太郎「ダメだ。前に進むって決めたから」 白望「……」 スタスタ…ギュ… 京太郎「シロ?」 白望「やっと辿り着いた…」 京太郎「なにがだ?」 白望「なんでもない…明日、ついて行くから」 京太郎「それは構わないが…」 白望「ならいい。私は京太郎と居るって決めたから」 京太郎「…そうか」 白望「うん」 白望(これが…足りなかったピース) 就寝前 京太郎「なあ…シロなんで帰らないんだ?」 白望「ダルい…」ベッドでゴロゴロしていて 京太郎「まてまて、あれだぞ北海道の時とは違うんだぞ?」 白望「大丈夫…着替えはあるから」 京太郎「えっ?」 白望「胡桃も買収済み…」 京太郎「…まさか泊まるつもりじゃないよな?」 白望「その通り」 京太郎「………襲うぞ」 白望「できるなら…寧ろ歓迎する」 京太郎「…畜生、シロが肉食系女子だった」 白望「シャワー浴びてくるから…覗いてもいいよ」 京太郎「普通そこは逆だろ!」 白望「真っ赤…京太郎は初心だね」 京太郎「…もう寝るからな」 白望「おやすみ」 京太郎「ああ、おやすみ…全くシロは」ぶつぶつ 早朝 夜 コンコン 京太郎「はい、開いてますよ」 ガチャ… 白望「疲れた…」 京太郎「シロか?なんで部屋の番号が解った?」 白望「これが部屋に届いた…」カードを見せて 京太郎「…なんだそれ?」 白望「招待状」 京太郎「招待状?誰からの」 白望「カピーから」 京太郎「えっ?」 白望「明日の墓参りについていって良いって」 京太郎「……」 白望「…墓参りって何?」 京太郎「はぁ…姿を消してもお節介なんだなカピー。墓参りは墓参りだ。須賀大社には俺の両親の墓があるんだ」 白望「知らなかった…」 京太郎「言ってなかったからな」 白望「そこに行くの?」 京太郎「ああ…ケジメが必要だからな」 白望「怖いの?」 京太郎「…怖い。正直、あそこには行きたくない」 白望「それなら…」 京太郎「ダメだ。前に進むって決めたから」 白望「……」 スタスタ…ギュ… 京太郎「シロ?」 白望「やっと辿り着いた…」 京太郎「なにがだ?」 白望「なんでもない…明日、ついて行くから」 京太郎「それは構わないが…」 白望「ならいい。私は京太郎と居るって決めたから」 京太郎「…そうか」 白望「うん」 京太郎「……起きたくねぇ」 白望「おはよう」 京太郎「ああ、おはよう…えっ、起きてたのか?」 白望「うん…さっき起きた」 京太郎「なら二度寝を…」 白望「ダメだよ。決めたんでしょ」 京太郎「…はい、そうです」 白望「シャワー浴びてくるから…起きとくんだよ」 京太郎「はい」 スタスタ… 京太郎「はぁ…いつからシロとの立場が逆転したんだろ」ノソノソとベッドから出て 京太郎「……よし、準備するか」 10分後 白望「シャワー空いたよ」下着姿 京太郎「し、シロ!その姿はダメだろ!」 白望「…裸の方が良かった?」 京太郎「そういうことじゃなくて…ああもう、シロの馬鹿野郎」 スタスタ 白望「京太郎の前だけだよ」ボソ 白望「お墓参りか…記憶の中に無いって事は何かがあるのかな?」 白望「ダルいけど…少し嬉しいな」 昼1. 須賀大社 「……」 いざ着いてみると怖いよりも懐かしさが込み上げてきた。昔の思い出などほとんど覚えていないのに。 「ここ裏口だよ?」 白のワンピースを着たシロが俺にそう聞いてきた。正面から入らない事に疑問を抱いたのかな。 「ここでいいんだ…」 そう言ってシロの左手を少し強く握りながら目を瞑り鳥居をくぐる。右手にもつ花の重さに逃げ出したくなる。 「……」 ゆっくりと目を開けると目の前には鳥居は無く、後ろに存在していた。 「帰ってきたのか」 口から零れる。一歩踏み出せばもう進むしかない。 「京太郎?」 「ついて来てくれてありがとうな、シロ」 手を引きながら記憶を辿って歩いて行く。一歩踏み込む度に、涙がでるのをぐっと堪えた。 母と手を繋いで歩いた道 父の背中を追い走った道 その道をシロと二人で歩く。 「ここだ」 母屋があったその場所に小さなお墓があった。握る手が強くなる。ああ… 本当に両親は死んでしまっていたのか。 「……ここに母屋があったんだ」 気がついたらそう言っていた。 誰に向けられた言葉なのかは解らない…隣にいる白望に言っているのか自分に言い聞かしているのか…ただ言葉がでていく。 「俺とお母さんとお父さんと三人で暮らしてた…本当に幸せだった」 自分の中で止まっていた時がゆっくりと動き出す。頬を伝う涙が潤滑油になり時計の針は時を刻む。 「此処に来たくなかった。そうしたらいつの日か父さん達が迎えに来てくれる気がしたから。心の何処かで望んでいたんだ…父さん達が生きているって」 「……」 ありえない夢物語を信じていた。義姉さん達がどれだけ言っても俺は此処に来なかった。義姉さん達はトラウマのせいだと思っていたがそんな理由では無い。 事実を認めたく無かっただけ 来たら認めしかない 両親は自分のせいで死んで逝った事実を 「そんな事はありえないのにな。目の前で死んだのにそれを認めなかったんだ…親不孝だろ」 墓の前に歩いて行く。 墓石に刻まれた文字を見る。 俺はやっと帰ってきたようだ。 「ただいま」 その言葉と共に俺は泣き崩れた 「……」 彼が泣いていた。恥も外見も捨て、私が居る事も忘れて泣いていた。 私はこの彼を知らない。 彼がこんな事をしていたなんて知らなかった…いや、解っていたつもりで私は彼の事を何も知らなかった 娘に両親の事を聞かれても彼は笑っていた 娘が事実を知っても彼は笑って娘を許してた 私はそれで彼が納得したんだと思っていた。 だって彼は笑っていたんだから。 なのに目の前の彼は泣いている。 いつもの笑顔じゃなくて いつもの強い姿ではなくて 私の知っていた京太郎はそこには居なかった 目の前に居たのは一人で泣く事もできない本当の彼 「ごめん…」 手を彼に伸ばしても彼はその手をとってくれない。とれるはずもない…彼は泣いているんだから。 「ごめん、京太郎」 彼の姿が歪んで見える。辛かったはずなのに私は私の事だけを考えていた。 「本当にごめんなさい」 鉛みたいな足を動かして彼に近づく。近くに居た筈の彼が何よりも遠い。 「京太郎…!」 彼を背中から抱きしめる。護ってくれていた背中はこんなに小さかった…支える。支えないといけない 「京太郎」 私が京太郎を支るんだ 京太郎「みっともない所を見せたな…ごめん」 白望「いいよ…私もごめんね」 京太郎「なんでシロが謝るんだよ」 白望「白望」 京太郎「えっ?」 白望「シロじゃなくて白望って呼んで」 京太郎「どうしたんだ急に」 白望「…秘密」 京太郎「…白望」 白望「うん…京太郎」 京太郎「…恥ずかしいぞ」 白望「気のせい…それよりはやくお花を供えないと」 京太郎「…そうだな」 スッ… 京太郎「……」手を合わせて 白望「……」手を合わせて 一分後 京太郎「…ふぅ」 白望「……」 京太郎「行こうか」 白望「うん」 ギュ…手を握り 京太郎「なあ白望…」 白望「駄目…皆に言わないといけない」 京太郎「やっぱりそう思うか」 白望「うん」 京太郎「……義姉さんに勝った後だな」 白望「京太郎がそれでいいなら私は何も言わない」 スタスタ…鳥居まで来ていて 京太郎「…」振り返って 白望「…」京太郎を見ている 京太郎「………」何かを呟く スタスタ…鳥居をくぐって ??「強く生きなさい」 京太郎「えっ?」 白望「どうかしたの?」 京太郎「…いや、なんでもない。それより昼ご飯だ」 白望「……そうだね」 京太郎(ありがとう母さん) 夜1. 京太郎「……明日か」 最終決戦 義姉との決戦 京太郎「……よろしくお願いします」 白望「よろしくお願いします」 健夜「こっちこそよろしく」 良子「よろしくです」 健夜「……」京太郎をみていて 京太郎「どうかしたんですか?」 健夜「…なんか一皮剥けたね」 京太郎「なんで今、そんな事を言うんだよ」 健夜「良子ちゃんもそう思わない?」 良子「イエス…少し気に入りませんね」 健夜「そうだね…本気でいこうか」ゴゴゴゴゴ 京太郎「理不尽だな…」ゴゴゴゴゴ 京太郎ロン 良子「私が親ですね…最初から全力でいきますよ」 逢魔が時発動! 京太郎(義姉さん達は本気だ…でも勝つのは俺達だ) 複製者と添い遂げた者発動! 白望「私達に負けはない」 京太郎「そうだな、白望」 良子(能力を見極めさせてもらいます、京太郎!) ソロモンの渇望発動! 良子(ファック…私達が知らない内にどれだけの女と寝たんですか京太郎)ゴゴゴゴゴゴ 京太郎「っ!はやく和了しよう…命が危ない」 最善を引き当てる者発動! 氷神と添い遂げた者発動! 白望(……私をコピーしたのかな?) 健夜(ああ、あれは不味いかも) 京太郎(槍も弓も良子義姉さんか健夜義姉さんの能力で使えない…それでも、俺が勝つ!) 良子「立直」 コトン… 京太郎「ロン!」 良子「えっ?」 京太郎「国士無双、32000だ」 京太郎 57000 白望 25000 健夜 25000 良子 -7000 須賀京太郎が勝ちました。 卒業式 宮守校長「33 須賀京太郎!」 京太郎「はい!」 スタスタ… 宮守校長「卒業証書…」 保護者席 健夜「…京君があんな立派になるなんてね」ボロ泣き 良子「だ、駄目ですよ…ま、まだ、終わってないんですから」ボロ泣き 胡桃「うわぁ…お姉さん達ボロ泣きしてる」 豊音「し、仕方ないよ…私だって嬉しいもん」ボロ泣き 塞「はいはい、迷惑になるからって私達だけ出席したんだから落ち着いて」ハンカチを渡して エイスリン「それにしても京太郎…かっこ良くなったね」 白望「元からかっこいい」 エイスリン「それもそうだね」 トシ「あんた達全員トッププロや大学生なんだから静かになさい」ゴゴゴゴゴゴ 一同「は、はい」 ーーーーーーーーー 麻雀部部室 京太郎「ふぅ…」 コンコン… 京太郎「開いてますよ」 ガチャ… 白望「卒業おめでとう」 京太郎「ありがとう…なんかこの三年間がすごくはやかった」 白望「男子個人三連覇+エキシビションマッチ三連覇したらそうなる」 京太郎「今年のマッチ相手が白望だった時は焦ったがな」 白望「こっちもマホが宮守に行くと思ってなかったから…」 京太郎「そうだな…マホのコピー能力はやばいからな」 白望「うん…数が増え続けてる」 京太郎「マホ自身もプロ並に打てるからな…敵にはしたくないしな」 白望「うん…京太郎、カピーは?」 京太郎「…まだ帰ってきてない。そのうち帰ってくる気がするんだがな」 白望「……」 京太郎「これから大変な事になるからカピーの事で止まってはいられない」 白望「37人との結婚式…」 京太郎「あ、改めて数を言われると罪悪感が湧くな」 白望「ならやめればいい」 京太郎「それは無い」 白望「ヒモになるの?」 京太郎「うっ…ひ、ヒモじゃないぞ家事洗濯をだな」 白望「一部を除いて全員できる」 京太郎「正直に話すと麻雀プロでタイトルとかとりたい…でもな、生まれてくる子供達の事を考えたら俺は家にいるべきなんだと思う」 白望「…」 京太郎「お母さんがたくさん居てお父さんが一人…絶対に問題も起こる。その時に知らないままで子供が背負う事だけは避けたいんだ」 白望「京太郎らしいね」 京太郎「そうか?親として当たり前だろ…たぶん」 白望「…京太郎らしいよ。皆が待ってるからはやく来てね」 京太郎「ああ、すぐ行くよ」 バタン… 京太郎「ふぅ…明日から大変だな」 ??「パカパカ(自分で選んだ道なのだろ」 京太郎「そうだな…再来年には10人のお父さんだからな」 ??「パカパカ(ペースを考えろ。そのペースだと10年経つ頃には100人にはなるぞ」 京太郎「そ、そうだな…」 ??「パカパカ(私はまだ主には必要か?」 京太郎「当たり前だろ、カピー」 カピー「パカパカ(そうか」 京太郎「約束、まだ果たしてないだろ」 カピー「パカパカ(……そうだな」 京太郎「なら側にいてくれ」 カピー「パカパカ(……幸せか京太郎?」 京太郎「幸せだよ、**」 カピー「パカパカ(……その名で呼ぶな馬鹿息子が」 京太郎「……久しぶりにそう言われたな」 カピー「パカパカ(馬鹿は馬鹿だからな」 京太郎「それじゃあ行こうか」 カピー「パカパカ(抱っこしろ、抱っこ」 京太郎「はいはい…」 ギュ… カピー「パカパカ(朱に交われば赤くなるか…義姉達に似てきたな。」 京太郎「義姉さん達がどうしたんだ?」 カピー「パカパカ(なんでもない、はやくいくぞ」 京太郎「ちょっ、カピー!!」 T R U E E N D 後日談 小瀬川白望 高校卒業後、プロ入り。新人王等のタイトルをとる。二つ名は岩手の大魔王 鹿倉胡桃 高校卒業後、プロ入り。当初は期待されていなかったが小瀬川と渡り合う打ち手と判明するや否や世間に注文を浴びる。 辻垣内智葉 高校卒業後、大学に進学。当初はプロ入りが囁かれていたが本人が希望した為に東京大学に入学。インカレでその実力を発揮した。 ハオ慧宇 二年の時に女子個人優勝。三年も確実と言われていたが夢乃マホに敗れる。京太郎が大学進学を希望した事によりプロ入りを取り消し、京太郎と同じ大学に進学する。 獅子原爽 高校卒業後、大学に進学。プロ入りをすると思われていたが子供達の為にも学歴がいると判断して辻垣内と同じく東京大学に進学。インカレでは覇龍の二つ名で呼ばれていた。現在は法律の勉強をしている 松実宥 高校卒業後、松実旅館を継ぐ為に女将修行を始める。大学進学を周りに勧められるが妹の玄の事も考えて上記の事になった。 月に一度岩手に出現しているのを確認されているが真偽は確かめられていない。 小鍛冶健夜 須賀京太郎が高校一年の夏に告白するとそれを糧に世界タイトルを連覇していく。現在の目標は京太郎の赤ちゃんを身ごもり、育休をとること。 戒能良子 義姉の小鍛冶健夜と同じく世界タイトルに挑戦する。日本人の麻雀は狂っていると言われたのはこの義姉妹のせい。 姉帯豊音 高校卒業後、大学に進学。麻雀プロになろうかと考えたが保母さんになる事を決意。大学の勉強をしながらちゃっかり京太郎に家事洗濯を習っていたりする。インカレで暴れている。 エイスリン 高校卒業後、大学に芸術大学に進学。絵の才能とその筆から描かれる絵はダヴィンチの再来と言われた。 臼沢塞 高校卒業後、大学に進学。豊音と同じ教育学部に進学し、小学生の先生を目指している。 佐々野いちご トップアイドルを目指して世界に進出中。須賀京太郎が高校一年の時の冬に家に突撃し、別名血のクリスマスの切っ掛けを作る。 夢乃マホ 長野に帰るも宮守高校に入学する。宮永照、小瀬川白望の再来と言われる程に圧倒的な麻雀でインハイに旋風を起こす。腹黒キャラになりつつある。 末原恭子 高校卒業後、大学に進学。凡人の一手と呼ばれる書籍を発表し、ベストセラーになる。須賀京太郎の事を公私問わずにご主人様と呼ぶ為、後に大スキャンダルになる。 荒川憩 高校卒業後、大学に進学。医学部に進学し、医者の道を目指す。本人は須賀京太郎の計画を知っている為に目指している。後のドクターKは彼女のこと。 松実玄 高校卒業後、大学に進学。 経営学を学び、姉の助けになる為に努力している。インカレの三龍の一角。 瑞原はやり 28で芸能界を引退し、麻雀プロも引退して臨海のコーチになる。その理由は語られていないが裏取り引きがあったと言われている。 竹井久 高校卒業後、大学に進学。高校での功績から特待生で某有名私大に推薦入学。インカレでの打ち方とその容姿から悪女の二つ名が付けられる。 園城寺怜 高校卒業後、大学に進学。須賀京太郎との蟠りを無くし、将来の事を考えた時に自身の能力を活かした仕事をする為に経済学を学んでいる。ネリーとは悪友。 石戸霞 高校卒業後、鹿児島総本山神代の補佐になる。神代小蒔の補佐としてその手腕を活かす。仏の姫と鬼の霞と言われている。 天江衣 高校卒業後、大学に進学。須賀京太郎のアプローチに一番真剣に応えた人物。両親の後を継ぐ為に古典文学の研究者を目指している。 雀明華 高校卒業後、フランスに帰国。フランスのタイトルを全てとり須賀京太郎が20になると同時に日本で挙式をあげる。 江口セーラ 高校卒業後、麻雀プロになる。関西の期待のホープと呼ばれている。 ネリー 高校卒業後、大学に進学。臨海系列の株を買い占め、大学卒業後に理事長に就任。数年後に白糸台を蹴落として関東最強は臨海と呼ばれるまでにする。 東横桃子 高校卒業後、大学に進学。心理学を学び、カウンセラーの道を歩んでいる。 原村和 高校卒業後、大学に進学。父の仕事を継ぐ為に弁護士になる為に法学部に入学する。須賀京太郎が父親と一番揉めたのは和の父親であった。 国広一 高校卒業後、大学に進学。龍門渕透華の付き人をしながら国際学部に入学する。須賀京太郎が龍門渕家に天江衣をくださいと言いに来た時の龍門渕透華の行動にボロ泣きした。 福路美穂子 高校卒業後、大学に進学。岩手の大学に進学し、姉帯豊音と 親友になる。ただし二人揃って電子機器が苦手な為にいつも須賀京太郎に教えてもらっていた。 愛宕洋榎 高校卒業後、大学に進学。母の背中に憧れて居た事もあり高校の教員免許を取る為に勉強する。 愛宕絹恵 高校卒業後、大学に進学。姉の背中を追う事をやめ、自分の道を探し始める。園城寺怜と出逢い、活路を見い出す。 神代小蒔 高校卒業後、鹿児島総本山神代のトップにたつ。色々な人に支えられながら迎えの時を待っている。 狩宿巴 高校卒業後、大学に進学。東京大学に進学し、経済学を学んでいる。大学を卒業したら鹿児島に戻り地域発展に貢献するつもりでいる。 薄墨初美 高校卒業後、神代小蒔の補佐になる。神社の巫女をしながら色々な事を画策している。 滝見春 高校卒業後、神代小蒔の補佐になる。戒能良子からはプロになる事を勧められたがそれよりも地に足のついた生き方を選んだ。 宮永咲 高校卒業後、大学に進学。文学部に進学し、インカレでは長野の魔王と呼ばれている。須賀京太郎の幼馴染にして、須賀京太郎と一番距離があった存在。 妹尾佳織 高校卒業後、大学に進学。センターを剛運で満点をとり、姉帯豊音達がいる大学に進学。将来の夢は保母さん 三尋木咏 須賀京太郎に勝ったら結婚する賭け麻雀をして36連敗中。義姉二人にも同じ数だけ負けている。 清水谷竜華 高校卒業後、大学に進学。親友の園城寺怜の世話をしながら教員免許の勉強をしている。インカレでは巨龍と呼ばれている 後日談 最年少と最年長 マホ「す、凄いですはやりさん!」 はやり「これ位できて当たり前だよ☆」 マホ「マホまだこんなにもお料理できませんから凄いです!」 はやり「もうマホちゃんたら…でもあれだよ、いつかはマホちゃんもお料理できるようにならないとね☆」 マホ「はい!京お兄ちゃんの為に料理を作りたいです!」 はやり「そうだね☆マホちゃんは料理の才能があるから大丈夫だよ☆」 マホ「ほ、本当ですか!」 はやり「本当だよ☆」 マホ「マホ頑張ります!!」 はやり「その調子だよ☆!」 ーーーー 白望「親子みたい…」 京太郎「いいか白望、絶対にそれをはやりさんの前で言うなよ…殺されるぞ」 白望「解ってる」 はやり(後で二人ともお仕置きかな☆?) 後日談 智葉「今日は勝たしてもらうからなシロ」 白望「智葉でもそれは無理…勝って私が今日の晩御飯を決める」 爽「シロ、それはおかしいよ。一応、今からタイトル戦をするんだから」 慧宇「そうです。勝って今日の晩御飯を作ってもらおうなんて図々しいですよ」 白望「ハオは勝ったら抱いてもらうつもりだよね?」 智葉「ほぅ…」 爽「へぇ…」 慧宇「な、何言ってるんですか!そんな事あるわけないでしょ!」 白望「…顔真っ赤だよ」 慧宇「今日こそはその顔を顰めてさしあげます」ピキピキ 爽「私はハオの方が気になる」ゴゴゴゴゴ 智葉「同じく。少し盛った奴にはお灸を据えてやろう」ゴゴゴゴゴ 慧宇「計りましたね、シロ!」 白望「ダルい…今日の晩御飯はおでんがいいな」ボソ… 慧宇「シロー!」 爽「抜け駆けは駄目だと思う」ガシ 智葉「久しぶりに先輩として指導してやらないとな」ガシ 爽、智葉「覚悟してね(しろ)、ハオ」 慧宇「…ぜ、全部倒して私がご主人様とイチャイチャするんだ!」 カン! 後日談 ネリー「久しぶり、京太郎」 京太郎「そうだな。調子はどうなんだ?」 ネリー「少し疲れた。はやりさんが手伝ってくれるから大分とマシになったけど学校の経営って大変なんだよ?」 京太郎「それは仕方ない事だ。俺だって家で子供の世話をしてるけど毎日が嵐みたいだからな」 ネリー「そうだね…でも、可愛いから頑張れる」 京太郎「だな。俺の子供なんだなと思うと幸せだからな…」 ネリー「顔が緩んでる。そうなるのが京太郎のいいところだけど。それよりも今日は久しぶりのデートなんだから期待してる」 京太郎「任せろ。初デートに行ったグルジア料理の店を予約してあるからそこでディナーだな」 ネリー「もう、またあそこにしたの?」 京太郎「当たり前だろ。あそこは俺とネリーの思い出の場所なんだから。記念日のデートはあそこだ」 ネリー「もうすぐお互い30になるのに?」 京太郎「肉体が衰えても記憶は鮮明だからな」 ネリー「……もう、反則だよ京太郎」 京太郎「何がだ?」 ネリー「なんでもない。それよりも早く行こう」 ギュ…手を握り 京太郎「おう」 スタスタ… ネリー「ねぇ、京太郎」 京太郎「なんだ?」 ネリー「私さ…今日が一番危険な日なんだ」 京太郎「…」 ネリー「二人目が欲しいかなって…」 京太郎「……ホテルの予約もしてある」 ネリー「えっ?」 京太郎「帝都ホテルの最上階だ」 ネリー「……考える事は一緒みたいだね」 京太郎「そうみたいだな」 ネリー「愛してるよ、京太郎」 京太郎「俺の方こそ、愛してるぞネリー」 カン! 後日談 カピー「パカパカ(気がついたら大阪だと…」 洋榎「あれは……面白そうやな」 スタスタ…近づいていき カピー「パカパカ(なんだ?」 ガシ… 洋榎「うわ、ふさふさやな…とりあえず恭子にでも見せたろ」 カピー「パカパカ(離せ、小娘何をするつもりだ!」 洋榎「暴れたあかんて、たこ焼き食べさしたるから」 カピー「パカパカ(…本当か?」 洋榎「大人しくなった…あんた言葉が解るんか?」 カピー「パカパカ(当たり前だ」 洋榎「解るみたいやな…可愛いしはやく皆に見せたろ!」 スタスタ… ーーーーーーー 恭子「それでカピバラを拾ってきたんですか?」 洋榎「そうです」正座 恭子「飼い主が探してたらどうするんですか」 洋榎「そ、それは…」 絹恵「うわぁ…めっちゃ可愛い…」 漫「そうやね…甘いもの好きなんかな?」 カピー「パカパカ(菓子をくれるのはいいが私に触るな」ポリポリ 由子「カピバラは雑食なのよー」 恭子「適当な事を言わない!」 洋榎(足が痺れてきた…) 恭子「だいたい主将は」 洋榎(あかん、これ説教パターンや!) 絹恵「それにしても可愛いな」なでなで カピー「パカパカ(当たり前だ!」ポリポリ 漫「ポッキーもあるで」 カピー「パカパカ(痛い、ポッキーで突つくな」 由子「カピーはかわいいよー」 カピー「パカパカ(えっ?なぜお前が私の名前を知っている?」 由子「私は忘れなかっただけよー」 絹恵「何言うてるん?」 由子「秘密や」 漫「ああ、可愛いなホンマに」なでなで カン! 後日談 大沼「ぬるいな」 世界プロA「なにをいってるんだい、Mr大沼」 大沼「ぬるいと言っておるんじゃ…当たり前の麻雀、当たり前の捨て牌…世界とはこれ程つまらないものだったんじゃな」 世界プロB「不謹慎だな。最下位のお前が言っていい言葉じゃない」 世界プロC「そうです、貴方は残り3000しかないじゃないですか」 大沼「…だからぬるいと言ったんじゃよ」ゴッ… ざわ…ざわ… 大沼「わしがこれまでアガらなかったのは布石。最後の最期に和了する為のな」 世界プロA「な、何を言っている」 大沼「チリ一つすら残さない…ツモ」 バタバタ…牌が倒れていく 世界プロB「ありえない!」 大沼「四暗刻単騎、大四喜、字一色…五倍役満は八万オールじゃ」 世界プロC「……」あぜんとしていて 大沼「つまらん…実につまらない」 大沼「須賀…はやくプロにこい」 後日談 「なあ…結局儂だけが生き残った」 住み慣れた部屋で老人は隣に座る少女に尋ねた。 「…100歳まで生きた。寧ろ生きすぎだ」 見た目とは似つかない口調で少女は老人の問いに応える。 「100歳か…随分と長く生きたな」 「…そうだな」 何気ない会話をしながら二人の間にはゆっくりと時間がせまってきていた。 「色々な事があった…子供が産まれて…気がついたら孫が居て…一人、また一人と儂をおいて逝った」 老人は懐かしみながら昔を振り返る。 18歳の時に結婚して 19で子供が産まれて そこから先の人生は幸福だった。 風当たりは確かに強かった。 だが年が過ぎる度に家族が増えた。 いざこざや喧嘩もあった。だが最期には皆が笑っていた。 そして別れの時がやってくる。 「ごめんね、京君」 義姉達は最期まで泣いていた。 「……先に逝って待ってます」 初恋の人はそう言って笑ってくれた。 「…天国があるならまた暮らせますね」 最期までオカルトを信じなかった天使は最期にそう呟いた。 「先に逝く。一番遅れてこい」 最期まで気高い彼女が流した涙を俺は見た。 36人。 愛した家族が天国に旅立っていく。子供達もその後をおっていく。 一人なら辛かった。 一人なら泣いた。 一人なら死んだかもしれない。 でも側には彼女が居た。 「大丈夫…私が居る」 それが彼女の口癖。 誰かが逝く度に手を握り彼女はそう呟いた。 それでも…その彼女が逝く時がくる。 「……また逢おう」 彼女はそう言って永遠の眠りについた。その目が覚める事は無い。 「…逝くのか?」 少女が手を握ってくれる。出会って95年…一番長い付き合いだ。 「ああ…ありがとうな」 名前が出ない。この少女の名前が。 「馬鹿者…また会えるだろう」 手に水滴が落ちてくる。 「そうだな…またな…**」 ゆっくりと瞳を閉じる。静かな闇が訪れる。 そこには最愛の人達が居るのだろうか?居ないのなら…それでもいい。探すだけだけなのだから。 後日談 久「ここが京太郎の新しい家ね」 優希「相変わらずデカイ家だじぇ」 咲「ここが新しい京ちゃんの家」 まこ「のぉ…なんでわしらここにおるんじゃ?」 和「私にもわかりません」 久「さぁ、行くわよ」 ピンポーン… 優希「あの馬鹿犬、絶対驚くじぇ」 咲「…おかしくないよね」服装チェック まこ「茶菓子は…」 和「ここにありますよ、染谷先輩」 ガチャ… 久「遊びにきたわよ、須賀君!」 優希「久しぶりだな京太郎!」 咲「……」緊張し過ぎで固まり まこ「すまんの、京太郎」 和「お久しぶりです、須賀君」 ばーーーーん…扉が開き 白望「…誰?」 清澄一同「えっ、誰?」 カン! 後日談 良子「……塞は意外に腰にエロスを感じますね」 塞「ち、ちょっとやめてください、お義姉さん!」 健夜「待って塞ちゃん。まだ私を倒してないからそれは認められないよ」 塞「えっ、言いって言ったのは健夜お義姉さんですよ!」 健夜「…忘れてた」 胡桃(…もう少し私にもあれば)胸をペタペタと触り エイスリン「……」胡桃の肩を黙っておいて 白望「…だるい」勝ち誇っていて 豊音「みんな一緒で楽しいよー」 カピー「パカパカ(…私は主と入りたかったんだが」 トシ「…諦めな。見張っとかないとどうなるか解らない」 カピー「パカパカ(…それもそうか」 男湯 京太郎「……なんか寂しい」 カン! 後日談 胡桃「そこ野菜も食べる!」 エイスリン「チキングッド!」 塞「…あっ、それは狙ってた椎茸」 豊音「早い者勝ちだよー」 京太郎「はいはい、まだあるからそんな事で争わないでください」 塞「…ぶー」 京太郎「こっちの白菜も美味しいですよ?」 塞「…ならそっちにしとく」 京太郎「はい」 トントン…京太郎の肩が叩かれて 京太郎「…待ってくださいね、シロさん」 白望「……あーーん」 京太郎「解ってますよ、アーン」 パク…もぐもぐ 白望「美味しい…」 京太郎「ならよかったです」 胡桃「…ずるい」 京太郎「えっ?」 エイスリン「ワタシモ!」 豊音「わ、私も…」 塞「…あーん」 京太郎「…はぁ、仕方ないか」 カン!
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番外編 宥の膝枕 宥「京太郎君は温かいね…」 京太郎「どうしたんだ?」 宥「うんうん…何にもないよ」 京太郎「そうさ」 ナデナデ 京太郎「……どうしたんだ?」 宥「京太郎君の髪サラサラなんだね」 京太郎「それはな、宥達と同じシャンプーとリンスだしな」 宥「ねえ京太郎君」 京太郎「どうした?」 宥「温かくなりたいな…」 京太郎「代わろうか?」 宥「そうじゃないよ…その手を握っていいかな?」 京太郎「ああ良いよ」 ギュっ… 宥「温かい…」 カン!
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五日目・朝- 京太郎「さて、今日は部室に行くかどうか……」 テクテクテク 京太郎「お、あれって……」 京太郎「お、透華!」フリフリ 透華「きょ、京太郎!?」 京太郎「また会うなんて思わなかったぞ」 透華「そ、そうですわね!」アセッアセッ 京太郎(アンテナが、荒ぶっている) 京太郎「あれから麻雀の方はどうだ?」 透華「気のせいか強くなった気がしますわ!」グッ 京太郎「なら良かった」 京太郎(トラウマになったなんて、嫌だからなぁ) 授業- 京太郎「おい歩、次の授業ってなんだ?」 歩「またですか!?」ジカンワリ 京太郎「えぇ~と」 教師「はい、裁縫は器用さも重要ですが正確さや慎重さ、そして失敗したときの対応なども……」 京太郎「有象無象にすぎん」シュバババ 歩「容姿から想像もできない器用さですね、先生ドン引きですよ」 京太郎「容姿のことは言うなよ!」イテッ 昼- 京太郎「さて、昼はどうするかなぁ」 京太郎「前に昼誘ってもらったし……純はファン大そうだから智紀だな」デンワ 智紀『もしもし、どうしたの?』 京太郎「一緒に御飯食べないか?」 智紀『……良いけど、二人の方が良いよね』 京太郎「そのつもりだったけど、どうして?」 智紀『京太郎に敬語使われるのは、不気味』 京太郎「不気味って、お前なぁ~」 智紀『フフッ、じゃあ中庭で待ってるね』 京太郎「おう、すぐ行く」タッタッ 放課後- 京太郎「この後はどうするか……麻雀部だけど、まだ俺は入部届も出してないんだよな」 部室- ガチャッ 京太郎「うぃーす」 透華「京太郎、もう少し気合のある声で入ってきなさい!」 京太郎「お前みたく悪目立ちしたくない」 透華「なっ!?」ガーン 京太郎「悪目立ちって自覚無かったのか……」ハァ 純「おい京太郎、お前麻雀上手いんだから教えてくれよ」 智紀「少し話がある」 衣「おい京太郎、衣と打てー!」 京太郎「待て待て、俺の体は一つだ!」 一「そして時間も有限だね、どうするの?」ニヤ 京太郎「……一、お前性格良くなったよな」 一「ありがとう!」 京太郎「皮肉だよ!」 京太郎「じゃあ純、麻雀教えるって言ってもどこらへんが知りたいんだよ?」 純「そりゃもちろん、打ち方とかさ……流れの読み方とかも知りたいんだけど、そこらへんは京太郎じゃわかんないだろ?」 京太郎「まぁ確かにな……じゃあ、やることは」 京太郎(つって精神統一を本気ではじめた純だが……) 純「……」スゥ 京太郎(す、すげぇ様になってる、男として悔しい……) 純「……」パチッ 純「ふぅ、確かになんだかよくなった気がするぜ」 京太郎「マジで!?」 純「マジに決まってんだろ、とりあえずオレの力が上がったのは確かだ、ありがとな!」バシッ 京太郎「お、おう」 一(あれ、なんも考えてない顔だ) 衣(純の力が上がったということは、京太郎が食いやすくなったということか……) 放課後2- 京太郎「さて、次はどうするか……」 智紀「……」ジー 衣「……」ジー 京太郎「よし、麻雀を打つか……」 衣「フッフッフッ、有象無象と違うところを見せてみろ!」ゴッ 透華「今回は目立たせてもらいますわ!」ゴッ 一「まぁ、良いか」 京太郎(衣のオカルトに反応してる……おさえろよ)ズゾゾゾッ 京太郎(あまり、良くないか)タンッ 衣(力を使うまでも無いか?)タンッ 一(ああ普通、でも普通じゃ勝てないんだよね) タンッ 透華(ひどい、やきとりですわね)タンッ 京太郎(いや、どれも使わなくていい……使うほど制御できてやしない)タンッ 衣(なにもしてこないか、なら衣もなにもせずに勝つ!)タンッ 一(これ、キツイっ)タンッ 透華(つ、強くなった気がしましたが……)タンッ 京太郎(これは、キツイかっ!) 衣「ツモ、3000・3700!」ダンッ 透華「なぁぁぁ!?」 一「やっぱ、こうなるかっ」クッ 京太郎(どうする……次は能力をどれか発動してみるか?) 衣「後半戦と赴こうぞ」ゴッ 京太郎「今度こそ……」ゴッ 衣「このままでは有象無象と変わらないぞ」ゴッ 一「が、頑張ろう!」 透華「」シロメ 京太郎「よし、ロン!タンピン三色ドラ1、8000!」 透華「キィィ! やりましたわね!」 一(どうするかなぁ……) 衣(京太郎が乗ってきた、支配してみるのも手か……) 京太郎(いや、どれも使わなくていい……制御するのも難しいしな)タンッ 一(京太郎、さっきから凄い!)タンッ 透華(京太郎に凄いとこ、見せたいのに……)タンッ 衣(おもしろい、見せてみろ京太郎!)ゴッ 能力『月海支配』発動:全員の点決めコンマ下二桁を20下げる。 京太郎(衣、来るのか!)ゾクッ 衣(さぁ、衣の支配から抜け出してみせろ!)ゴッ 透華(これはっ……衣、本気ですの?) 一(思い出すね、あの夜のことを……) 京太郎(衣、俺を試してるのか……だけどな、お前ぐらいデカい獲物だとそれだけ喰いやすくなる……) 京太郎「」ニヤッ 純「なっ」ビクッ 透華「ッ」ゾクッ 衣「ッ!」ゾクッ ブチリッ 衣(なっ、喰われた!?それに、今のはッ!) 京太郎「」ニッ 能力『魔物喰い』発動:能力を発動した相手の能力を次コンマ下二桁を01にする。 透華(衣が食べられないはずありませんわ、私より力が強いのだから……) 一(なんだか、私も感じた……) 衣(こ、衣の支配が及ばないなんて、こんなの……はじめてだ!)ニッ タンッ 京太郎「ロン、発中チャンタ、ドラ1……7700」ニヤッ 一「京太郎、やっぱ強いなぁ」クッ 透華「」サァー トップ 京太郎 45+96=141 二着 衣 74+01=75 三着 透華 10+22=32 ラス 一 34+07=41 京太郎「ッ……ハッ!」バッ 衣「京太郎!凄いぞ、衣の支配を抜け出したのは京太郎が初めてだ!」パァッ 京太郎「ハハッ、お気に召したならなにより」 透華「」シロメ アンテナ「」シナシナ 一「透華ー!!?」 純「これは、ダメそうだなぁ」 智紀「もう時間」ムスッ 京太郎「あー悪い悪い、今度はしっかり話聞くからさ!」 智紀「なら、良いけど……」 衣「今度また打とう!」キャッキャッ 京太郎「おう、また打とうな!」ニッ 衣「うん!」パァ 下校中- 京太郎「ずいぶん遅くなったなぁ」ハァ 京太郎(うん、衣からの反応も良かったみたいだしな、安心だ!)グッ 京太郎「さて、今日は遅くなったし、このまま帰るか!」ダッ 夜- 自宅・自室- 京太郎「ふぅ~」 京太郎「さて、どうするかな……」 京太郎「今日も麻雀やったけど……ネトマするか!」 一人目 きょーこ 二人目 ピーチ姫 三人目 キャップ 京太郎「おお、全員二回目か!」 きょーこ:前の二人がいるとは思わんかったわ、雪辱晴らさせてもらうで! ピーチ姫:キョータローさんにきょーこさん、今回も勝たせてもらうっすよ! キャップ:よろしくお願いします 良い麻雀にしましょう キョータロ:みなさん、前よりも強くなった俺の力、見せてあげますよ! 京太郎「よし、今日こそ一位だッ!」ゴッ トップ キャップ 二着 きょーこ 三着 ピーチ姫 ラス 京太郎 キョータロ:ラスかよー! きょーこ:どや!メゲるやろ! ピーチ姫:おぉ、みんな強いっすね キョータローさんは、手牌最悪みたいっすね キャップ:ネトマでもキャップは最強だし! 京太郎「だからキャップは性格最初と違うって……なんだ、きょーこは」 京太郎「あれ、誰かからウィスが飛んできてる?」 キャップ:すみません、パソコンというものが苦手で今、後輩の家でネット麻雀をさせてもらって後輩に打ってもらってるんですが、プロフィールを見れば長野のようで、高校生ですか? 京太郎「おう、なるほど……なんとなくわかった」 キョータロ:そうですよ キャップ:私は風越なんですが、ご縁があれば現実の方でも打ちましょうね キョータロ:はい、ご縁があれば 京太郎「それだけか、律儀な人だなぁ……後輩に打ってもらってるらしいけど……ログアウトしない?」 キャップ:お前、キャップに気に入られてからって調子載るなし! 京太郎「……なんだ一体、ログアウトしたし」ハァ 京太郎「さて、寝……メールか」 京太郎「二人か……」 京太郎「智紀からだな」 差出人:智紀 本文『明日こそ、話聞いてもらうから……次の県大会に関わるから』 京太郎「き、今日聞いておいた方が良かったのか?」 『わかりました なんでも聞きますよ』ソウシン 京太郎「……敬語にしたのに他意はないぞ!」ウン ブブブ 京太郎「帰ってきた」 差出人:智紀 本文『絶対だからね、おやすみ』 京太郎「よし、次は一だな」 差出人:一 本文『前もだったけど、今日もなにかした?』 京太郎「……感じたのか、話してもらったのか」 本文『あぁ、俺のオカルトだ』 差出人:一 本文『にわかには信じられないけど、ボクの目の前で起きてちょっとだけでも異変を感じたんだから信じないわけにはいかないけど、今度どうやるのか教えてよ』 京太郎「……まぁ、咏さんにでも聞いてみるか、この手のやつの取得のしかた」 本文『わかった、色々試してみよう』 龍門渕・智紀部屋- 智紀「透華や衣から聞いた話を総合すれば、能力ジャマー的な感じ」タタタタンッ 智紀「他の学校の衣と同じような相手がいれば京太郎を使って……」タタン 智紀「……でも、いるの?まぁ、京太郎に話すだけ話せばいいか……腐腐ッ腐腐腐ッ!」 龍門渕・一部屋- 一「ボクも透華や衣や京太郎みたいな力さえ手に入ればみんなの役にたてるもんね」 一「頑張るぞ!」ヨシッ 自宅・自室- 京太郎「さて、明日も学校か」 カピー「カピー」マダカヨウビダゾ 京太郎「おやすみ~」パチンッ カピー「ピカ」カマエッテ 五日目終了 六日目・朝- 京太郎「さて、今日はどうするかなぁ」 テクテクテク 京太郎「お、あれって……」 京太郎「一か」 一「聞こえてるよ!」ガァッ 京太郎「うお、ていうか透華と一緒じゃないんだな」 一「たまにはね、というより最近は一人で行くって言って言っちゃったりするんだよね」シュン 京太郎「……まぁそんな寂しがり屋の一と一緒に登校してやろう!」フフン 一「ふん、ボクのセクシーさに目が眩んだんじゃないの?」 京太郎「は?セクシー?どこが?」 一「フンッ!」ヒュッ 京太郎「うぉっ!?」シュッ 一「避けるなぁ!」 京太郎「逃げるだろ!」ダッダッダッ 授業- 京太郎「次の授業は?」 歩「はいはい」ジカンワリ 京太郎「ん~?」 教師「はい、料理を作ってください、課題は自由です」 京太郎「さすが龍門渕、一人一つ料理を作れるなんて!」シュバババ 歩「私と一緒だったら?」 京太郎「足手まとい!」 ポカッ イテッ 昼- 京太郎「さて、今日の昼は……」 京太郎「……衣誘ってみるか……ってあいつ携帯もってねぇ!」 ?「京太郎!」ドスッ 京太郎「ぐおっ、こ、衣か!」 衣「そうだぞ、衣だぞ!」エッヘン 京太郎「丁度良い、一緒に飯食うか」 衣「うん! どこで食べるんだ?」 京太郎「まぁ、どこでも」 衣「京太郎のクラスにしよう!」 京太郎「……いや、クラスはやm」 衣「京太郎のクラスが良い!」パァッ 京太郎「はい」 放課後- 京太郎「麻雀部に行って智紀の話聞くか、それとも行かなくても良いか……」 京太郎「……今日は行かなくていいか!」ワ-イ 歩「良いの?」 京太郎「言い訳、頼んだ!」グッ 歩「……はぁ、わかった」 京太郎(あのおもちともう一度会いたい!)キリッ 雀荘『Roof-top』- 京太郎「……いないか」 ??「いらっしゃいませ、御一人ですか?」 京太郎「あぁ、はい」 ??「また来てくれたんですね、今日は麻雀しますか?」 京太郎「んー」 京太郎「今日は麻雀でも打たせてもらいます」 ??「じゃあ私がお相手します、こちらにどうぞ」スッ 雀卓へと案内される。 京太郎「さて……アイスティーで」 ??「はい、お待ちください」 ??「後輩が来たんで卓に入るけぇ」 京太郎(うお、あれは!) 和「失礼します」バイン ??「アイスティーです」コトッ 京太郎「お久しぶりですね」 和「はい」 ??「知り合いか?」 和「この間の……」 ??「あぁ、なるほど!後輩が世話になったの、染谷まこじゃ」 京太郎「いえ、当然です」キリッ まこ「フフッ、それよりもう一人必要で……」 美穂子「失礼します」 京太郎「風越の……制服」ゴクッ 美穂子「お願いします」ペコッ まこ(これはこれは……大物が釣れたな) 和(誰であろうと倒すだけです) 京太郎「須賀京太郎です、お願いします」 美穂子「福路美穂子です、よろしくお願いしますね」 和「原村和です、よろしくお願いします」 まこ「染谷まこじゃ、よろしゅう頼む」 まこ(不味いのぉ)タンッ 和(これでどうでしょうか……)タンッ 美穂子(やはり、みんなそこそこやるわ)タンッ 京太郎(衣、使わせてもらうぞ……)タンッ 能力『月海支配』発動 まこ(ん、上がれん!?) 和(確率を計算しても、おかしい……それにさっきから須賀君が鳴いたりしはじめたのは……?) 美穂子(これはまるで、天江衣!) 須賀京太郎(海の底で、待っているそれを掴み、引き当てる……それが『海底撈月』だ!) 京太郎「ツモ! 3000・6000!」 まこ「なぁっ!?」 和(凄い確率ですね) 美穂子(間違いない……龍門渕の天江衣とまったく同じ) 京太郎「次ももらう……」ゴッ まこ(後半は全部海底撈月で上がりおった、化物か!) 和(前半の異常な偶然、後半も起こるとは思えない) 美穂子(これが終わったら、少しお話したいわ) 京太郎(これなら使う必要はないな) まこ(む、表情を見るか?) 和(これは、酷いです) 美穂子(やっぱり、須賀君は天江衣の関係者なの?) まこ(やっばいのぉ)タンッ 和(これは、どうしましょうか……)タンッ 美穂子(強い、この須賀京太郎君って子、強すぎるッ)タンッ 京太郎(ハハハッ……これは、凄いぜ!)タンッ 京太郎「もらったぁ! ツモ、300・500!」 まこ(ラストになんというクズ手) 和(凄い手ですね) 美穂子(ええ、これは少しお話する必要がありそうですね) トップ 京太郎 15+77=92 二着 まこ 00+67=67 三着 美穂子 00+33=33 ラス 和 11+15=26 美穂子「なにはともあれ、負けですか」 和(最初、調子が良かったのがウソのようです) まこ「こんな大物がおるとはな、男子は魔境じゃ」ハァ 京太郎「ありがとうございます、男子とやる機会が驚くほど無いんですが」アセ 美穂子「須賀君、途中まで一緒に帰りませんか?」ニコッ 京太郎(須賀京太郎、モテキ来ました……) まこ「ありがとうございましたー、また打ってくれると助かるけぇ」 京太郎「はい、また!」 和「今度は、負けません」 美穂子「ふふ、こちらこそ」 店を出る二人。 美穂子「須賀君の御家はどっちなんですか?」 京太郎「俺の家はあっちの方です」ユビサシ 美穂子「なら途中まで一緒に行きましょうか」ニコッ 京太郎(どこだ、どこでフラグが立った!?) テクテク 京太郎(歩く速度には気を遣った方が良いよな……) 美穂子「あの、違ったら悪いんだけど……キョータロって名前でネット麻雀してる?」 京太郎(あれ、風越でそんなことを聞いてくるって) 京太郎「もしかして、キャップですか?」 美穂子「ということは、やっぱり須賀君がキョータロなのね」 京太郎「ははは、まさか昨日の今日で打つことになるなんて」ハッ 美穂子「ふふっ、運命みたいね?」クスッ 京太郎(か、可愛い……) 美穂子「でも今日の染谷さん、本気じゃないように見えたわ」 京太郎「それはわかりませんでした……でも福路さん、本気だしてないですよね?」 京太郎(妙な感じ、良い匂いがしたしな……) 京太郎「美味しそうですね」 美穂子「え?」 京太郎(ヤラカシタァァァァァッ!)ガーン 美穂子「ふふっ、須賀君って突然変なこと言うのね」クスッ 京太郎「あ、あはは! なんか美味しそうな匂いがどっかの家から!」 美穂子「お腹空いてるのかしら?」 京太郎「え、はい! そうなんですよー!」 美穂子「少しお話も聞きたいし、どこか寄って行きましょうか」 京太郎「え……はい!」キラキラ ファミレス- 京太郎(うおぉ、まさか出会って一日でこんなことになるとは!) 美穂子「あのね、須賀君に聞きたいのはあの海底撈月のことなの」 京太郎「……え?」キョトン 美穂子「須賀君って龍門渕の生徒よね?」 京太郎「あ、はい」 美穂子「校章でわかったから」ニコッ 京太郎(て、天使か……) 美穂子「天江衣さんと、どういう関係なの?」 京太郎(いいい、いきなりヤンデレか!?) 美穂子「似てたのよ、去年の天江さんと……」 京太郎「さすがですね」ハハッ 美穂子「天江さんと同じような人が、長野にまだいるなんて……男の人で良かったわ」ニコッ 京太郎「名門風越、さすがです」コ 美穂子「ふふっ」 京太郎(だけど、それにしても美味しそうだな……)ゴクッ ファミレスから出て十数分 美穂子「えっと、ではこれで」ペコッ 京太郎「はい、楽しかったです!」 美穂子「いえ、あの携帯番号とメールアドレスを交換したいんだけど……」アタフタ 京太郎「やりましょう」 美穂子「ごめんね?」 京太郎「大丈夫です、知り合いで慣れてるんで」ハハッ ポチポチ 京太郎「これで大丈夫です」 美穂子「ありがとう、じゃあまたね」フリフリ 京太郎「はい、また!」 夜- 自宅・自室- 京太郎「さて、どうするかな……」 京太郎「本を読もう!」ペラペラ 京太郎「誰からだ?」 京太郎「咲か、あいつも良くメールしてくるようになったなぁ」シミジミ 差出人:咲 本文『今日、女の人とファミレスにいたでしょ?』 京太郎「ちょっと怖いぞ」 本文『麻雀関係の友達だよ』ソウシン 京太郎「うん、事実だぞ! それ以上の関係になりたいけどな!」ニヘラ ブブブッ 差出人:咲 本文『うん、また麻雀したいなー』 京太郎「俺もさ、ただ速攻で倒されかねないけどな」ポチポチ その後、十数分ほどメールをした。 宮永家・咲部屋- 咲「京ちゃんったら、また知らない女の人と……」ニッ 咲「でも、全部倒せば良いよね!」ゴッ 七日目・朝- 京太郎「今日こそ、智紀と話さないとな……マジで拗ねるかもしれないし」 テクテクテク 京太郎「あれは……」 京太郎「お、透華!」 透華「京太郎!?」バッ 京太郎「うぉっ!?」ビクッ 透華「ま、まさかこんなところで会うとは思いませんでしたわ!」 アンテナ「」グワングワン 透華「では一緒に行きましてよ!」 京太郎「お、おう」 スタスタスタ 京太郎「」 透華「ぁ……ぅ、えっと……ぅぅ」オロオロ 京太郎(……どうした透華!) 授業- 京太郎「さて歩?」 歩「」ジカンワリ 京太郎「サンキュ!」 京太郎「今日はテニスか……」 ??「よろしく」 京太郎「お、おう……ほんとに高校生か?まぁ打つか」スパーン ??「」ギュォォォッ 京太郎「なっ、弾があいつの方に吸い込まれて!?」 ギュォッ 京太郎(弾が―――) ゴッ 京太郎(避けらんねぇ……) 歩「須賀さんが吹っ飛んだー!」 昼- 京太郎「そろそろ、智紀を誘うか?」 京太郎「うん、屋上は風があって涼しいなぁ……」 純「よう京太郎!」 京太郎「純……前みたいに智紀いる?」 純「まぁいるけど、智紀との約束ほったらかしたんだって?昨日は腹を抱えながら全力で帰ったって歩に聞いたけどさ」 京太郎(あいつ、変なこと言いやがって) 純「まぁともかく、智紀と二人で飯食ってこい!」バシッ 京太郎「ぐおっ」フラッ 京太郎「純のやつ力強ぇ……あ」 智紀「……」ジー 京太郎「あ、あのさ、悪かったなあまり話すタイミング無くてさ」ハハッ 智紀「……」ジー 京太郎「どうせなら放課後一緒にどっか行かないか? 二人きりの方が良いんだろ?」 智紀「え?」 京太郎「鈍いな、デートだよデート……まぁ実際はただの会g」 智紀「」 京太郎「智紀?智紀ー?」 智紀「えっ!あ、その……あ、あとで連絡する!」ダッ 京太郎「……なんだ?」 純「お前って罪な奴だよな……あいつ初心もいいとこなのにさ」 京太郎「はぁ?」 純「ははは、お前には一生わかんねぇよ」 京太郎「どういうことだ?」 放課後- 校門前- 京太郎「さて……」 智紀「き、京太郎、お待たせ」 京太郎「おう、待ってないぞ、とりあえず近場のファミレスでも行こうぜ」 京太郎(智紀も俺も適当に理由を歩に行って部活を休んだわけだが……智紀がやけにそわそわしてる) テクテクテク 京太郎「(サボるの)はじめてか?」 智紀「えっ!?あ、うん、そうだね……(デートは)初めて」 京太郎「そっか……まぁ大船に乗ったつもりでさ、(透華の雷が落ちるかもしれないけど)いざって時は俺に任せとけ!」 智紀(い、いざって時!?私のマストはハギ京なのに……)カァァッ ファミレス- 京太郎「さて、注文もとりあえずしたしドリンクも取りに行った……話って?」 智紀「昨年の風越、なかなか手こずらされたのを思い出したからデータを集めてみたの」 京太郎「隣にいるのはなんでだ?」 智紀「パソコン見せにくい」カタカタ 京太郎「なるほど……で、そのデータを集めたら?」 智紀「このレベルが集まると、良くないことになる」 京太郎「……だから?」 智紀「偵察」 京太郎「誰が?」 智紀「京太郎が」 京太郎「要件を聞こうか」 智紀「全然ゴルゴっぽくない」 京太郎「言うな……とりあえずみんなの役にたつためならやるけど、どうすればいいんだ?」 智紀「まぁ、そこは自分でなんとかしてほしいんだけど」 京太郎「どういう……ことだ……」 智紀「今のは似てた」 京太郎「マジか……ともかく、偵察するにしろちょっとは手伝ってほしいんだが」 智紀「たまに情報があれば送るから」 京太郎「おう、頼んだぞ」 智紀「うん、話はおしまい」 京太郎「じゃあ……」 テクテクテク 京太郎「そう言えば智紀ってずっとそのメガネだよな」 智紀「うん、どれにすればいいかわからなくて、今のままで良いかなって……」 京太郎「よし、せっかくだし買いに行こうぜ!」 智紀「そんな急に」 京太郎「行くぞ!」グイッ 智紀(手、手を!?)カァァッ 眼○市場- 京太郎「こんなのとかどうだ?」スッ 智紀「ちょっと派手かも」 京太郎「そうか、なら……こっちとか!」 智紀「……可愛いかも」 京太郎「おお、そうかそうか!」 智紀(楽しいかも……眼鏡なんてただの生活必需品でしかなかったから、こんな風に見るの初めて) 帰宅中- 京太郎「どうだ?新しい眼鏡」 智紀「うん、ありがとう……良かったの?」 京太郎「あぁ、大事な(幼馴染の)智紀のためならどんと任せてくれ!」エッヘン 智紀「―――ッ!?」カァァッ 京太郎「それに、俺が買った眼鏡を智紀がかけてくれれば嬉しいし」シラフ 智紀「そ、その……」 京太郎「ついでに俺も伊達眼鏡勝ったしな!」スチャッ 智紀(赤い縁の眼鏡……)ポーッ 智紀「な、なんで?」 夜- 自宅・自室- 京太郎「久しぶりだったけど、智紀と二人ってのも新鮮で楽しかったな!」ウンウン 京太郎「今日は麻雀やってないからな……ネトマするか!」 一人目 リックドム 二人目 かじゅ 三人目 あわ 京太郎「お、あわさんが初めてだな」 リックドム:久しぶりだねキョータロさん、みんなもよろしく♪ かじゅ:全員やったことがある面子だな、よろしく頼む あわ:よろしくねー!悪いけど高校100年生には勝てないってこと教えてあげるよ! キョータロ:全員強そうですね、油断できなさそうだ。よろしくお願いします! 京太郎「よし、今日こそ一位だッ!」ゴッ トップ かじゅ 二着 キョータロ 三着 あわ ラス リックドム キョータロ:ネットに嫌われてんのかな かじゅ:ネットと現実じゃ感覚通りに打っても仕方ない部分があるからな、回数をこなせばネットも慣れるさ リックドム:お疲れさまです♪ あわ:なんで私が三位なのさぁ! 京太郎「はぁ、かじゅさんは優しいな……あわ、お前もかじゅさんの言葉で落ち着け」 京太郎「あれ、誰かからウィスが飛んできてる?」 京太郎「ん、リックドムさんからか……なんでドムなんだ?」 リックドム:手牌見ましたが、あそこから持ち直すなんて並じゃありませんね 京太郎「性格違う……?」 キョータロ:結構やってきましたからね、師匠もいましたし リックドム:できればこれからもこうしてお相手していただけると助かります。それでは 京太郎「……ログアウトした、なにか並々ならない理由があるのか……?」 京太郎「お、メールか?」 京太郎「誰からだ?」 京太郎「お、咏さんからか」 差出人:咏 本文『今度連休とかあったら教えてよ、一緒に旅行でも行こうと思うんだけど、京ちゃんの予定わかんねーけど』 京太郎「咏さんから旅行のお誘いか……」 本文『いいですよ』ソウシン 京太郎「よし、これで良いだろう!」ブブブッ 京太郎「このスピードにも慣れて来たな、あんまメールとかしないんだけど……」 差出人:咏 本文『じゃあ、連休の時は絶対に連絡するように!じゃあおやすみ、知らんけど』 京太郎「おやすみなさい……っと!」 三尋木咏家- 咏「ったく、私がこんな風になるなんてなぁ~まったくわかんねー」ゴロゴロ 咏「……もっと近くに、いれれば良かったんだけどね」ゴロゴロ ピタッ 咏「……」カァァッ 自宅・自室- 京太郎「さて、明日も……学校!」 カピー「カピー」アシタハモクヨウダ 京太郎「おやすみな、カピー」パチンッ カピー「ピカ」カマエワンノカ 七日目終了 龍門渕家・智紀部屋- 智紀「……寝られない」 ゴロゴロ 智紀「どうしよう、京太郎が頭から離れない……」 ゴロゴロ 八日目・朝- 京太郎「偵察って言ってもなぁ、風越ぐらいしか……いや福治さんを騙すのは罪悪感で死にたくなるだろ」 テクテクテク 京太郎「お、あれは……」 京太郎「子供?衣か……」 衣「子供じゃない衣だ!」クワッ 京太郎「わかってるよ……あれ、今日は一人か?」 衣「透華と智紀は先に行ってしまったからな、一はそれを追って行って純は日直でもっと早くに出た!」 京太郎「ハギヨシさんは?」 衣「五秒ほど前に消えたぞ!」 京太郎「……なるほど、俺がいるってわかってたか」サスガシツジ 衣「一緒に行こう、京太郎!」ギュッ 手を繋ぐ。 京太郎「おう」ギュッ 授業- 京太郎「歩ー!」 歩「はい」ジカンワリ 京太郎「おう!」 京太郎(せっかくの自習だ、少し落ち着いて麻雀について考えてみよう……) クラスメイトA「ねえ須賀君、麻雀しようよ!」 クラスメイトB「麻雀部の力を見せてよ~」 歩「ということで、良い?」 京太郎「……いいぜ!」 昼- 京太郎「さて、今日はどうするかな」 中庭- 智紀「お、お待たせ!」ゼェハァ 京太郎「お、おう……もっとゆっくりで良かったんだぞ?」 智紀(京太郎を待たせないようにって、らしくないことを……) 京太郎「さて、昼飯食おうぜ!」 座る二人。 智紀「うん」 京太郎「小食なんだな?」 智紀「うん、もともとあんまり食べないから」 京太郎(……のわりには一部膨らんでると) 智紀「変なとこ見ないで」 京太郎「ッ!? わ、わりぃ!」 智紀(ま、まぁ……京太郎なら良い……とは言えないや) 放課後- 京太郎「麻雀部に行くか……いや偵察しに行くって手もあるな」 京太郎「……今日は行かなくていいか!」 京太郎「さて、どうするか……」ウムムッ 京太郎(選択肢としては風越ぐらいか、智紀に聞けば他に学校がわかるかもしれないな……じゃっかんの遠出も部費で出してもらえるか?) 京太郎「風越なら、福路さんも通せるしな……風越にしよう!」 プルルルル 福路『もしもし?』 京太郎「福路さん、須賀です」 福路『ああ、こんにちは』 京太郎「どうもっす、ところで一緒に麻雀でもどうっすか?風越の人も一緒に」 福路『……偵察ですか?』 京太郎「いえいえ、麻雀を楽しもうと思ったんですよ。もちろんそちらが勝てば龍門渕の情報を渡します」 京太郎(勝手にこんなこと言ったけど、大丈夫だよな?) 福路『わかりました、例のRoof-topでお会いしましょう』 京太郎「了解です」 Roof-top- 京太郎「さて、そろそろか……染谷さんとかは居ないんだな」 美穂子「お待たせしました須賀君」 京太郎「お待ちしてました……三人で来たんですね」 美穂子「あまり手の内を晒すのも良くないですから、勝ってそちらの情報いただきますね?」ニコッ ??「池田華菜だ、龍門渕なんてぶっとばしてやるし!」クワッ ??「深堀純代、よろしくお願いします」ドムッ 京太郎「よろしくお願いします」 京太郎(悪くないな) 美穂子(かなり不味いわ) 純代(いつもとあまり変わらない) 華菜(なにこの手牌!勝てる、これなら勝てるし!龍門渕吹っ飛ばす!) 『魔王の軍勢(喰)』 純代(良くない)タンッ 美穂子(今日は華菜の調子が良いわ、これなら勝てるかも……)タンッ 華菜(これで勝つし!)タンッ 京太郎(なんだか行ける気がする、咲……!)タンッ 能力『魔王の軍勢(喰)』発動 京太郎「カン!」タンッ 華菜「ニャッ!?」ビクッ 美穂子(鳴いたということは前の海底撈月?) 純代(なんでこの状況で……) 京太郎(つかめなかったかっ!) 華菜「ツモ、4000・4800だし!」ダンッ 京太郎「―――っ!?」 純代(す、すごい勢い……) 美穂子(何も無かった、華菜の勢いがそれに勝った?) 京太郎「次こそは……!」ゴッ 美穂子(須賀君が海底撈月を使わない、どうして?) 華菜(華菜ちゃん大勝利だし!) 純代(この打ち方、見覚えがある……) 京太郎(さて、どうするか……) 美穂子(今ここでこれを使うのは、良くないわよね) 純代(私だけやきとりになる……) 華菜(やっぱり、さっきみたいにはいかないか!) 華菜(結構不味いし)タンッ 純代(やっぱりあの打ち方、覚えがあるけど……変わった?)タンッ 美穂子(須賀君、この動きはまさか!)タンッ 京太郎(衣、行くぞ!)タンッ 能力『月海支配』発動 純代(これは……上がれない?) 美穂子(これは、始まった!須賀君の海底撈月!?) 華菜(ま、まさかこれ……あ、天江衣のっ!?)ガクガク 京太郎(さぁ、有象無象を蹴散らすぞ、俺が月を掴む……『海底撈月』!) 京太郎「もらったぁ! ロン、18000!」 華菜「ひぅっ」ビクッ 純代(わからない、この打ち方があの人なのか……) 美穂子(負け、ですか……) トップ 京太郎 48+85=133 二着 華菜 86+09=95 三着 美穂子 29+11=40 ラス 純代 19+08=27 京太郎「ありがとうございました」ペコッ 華菜「な、ななな、なんだしお前!なんでそんなことができるんだし!」バッ 美穂子「華菜!?」ビクッ 華菜「天江衣に続き、こいつまでこんなことをやってきた!わけわかんないっ、もう……無理だっ」 純代「……」シュン 京太郎「悪いが俺はたぶん、その手の才能がある」 華菜「ッ」ギリッ 京太郎「だけどな、俺だって別に勝ち続けてきたわけじゃない……」 華菜「は?」 京太郎「ここで折れるのも折れないのも自由だけどな、俺を……衣を理由にしないでくれ。俺に勝てると思ったらいつでもかかってこいよ」ニッ 華菜「……ぶっ飛ばしてやるし」ギラッ 京太郎「ハッ、期待しないで待ってるよ」スッ 美穂子「あっ、須賀君!」 京太郎「じゃあな」 京太郎「まぁ、風越のレベルがわかっただけ上々か?」 ダッダッダッダッ 美穂子「す、須賀君!」ハァハァ 京太郎「ふ、福路さん!?大丈夫ですか!?」 美穂子「はぁ、はぁっ……え、ええ」スッ 京太郎(エロい) 美穂子「そのね、ありがとう……天江衣さんの力を使ってくれて」 京太郎「お礼ですか?」 美穂子「華菜に発破をかけたでしょ?おかげで華菜は、次は折れないわ」 京太郎「……情報、もらいましたからね」 京太郎(まだ福路さんは本気じゃないだろうけれど、匂いでわかる) 美穂子「また誘ってね、こっちも須賀君でみんな実力を上げてもらうから」クスッ 京太郎「練習台ですか」ハハッ 夜- 自宅・自室- 京太郎「さて、どうするかな……」 京太郎「……」ザゼン 京太郎(福路さん、原村さん、智紀……この三人がやはりおっぱい四天王か……いや、まだ日本は広い)モンモン 京太郎「む、メールだな」 京太郎「二人からか、誰だ?」 京太郎「お、福路さんからだ……」 差出人:福路さん 本文『きょうは ありがとうございました またおあいておねがいします』 京太郎「読みにく!って咲ので慣れてるからな、機械音痴なのか福路さん……やっぱ可愛いじゃないか!」 本文『はい、池田さんも深堀さんも風越のレギュラーなのでこちらも良いトレーニングになりました』ソウシン 京太郎「特に池田さんの最初の火力、すごかったもんな……お、返ってきた」 差出人:福路さん 本文『かなもずいぶんやる気になっているようです またさそってください おやすみなさい』 京太郎「よし、これでまた誘えるぞ!偵察になってるかわからないけど……次は咏さんか」 差出人:咏 本文『連休の日、わかるかーい?』 京太郎「……正直いつでも良いんだよな」 本文『いつでも良いですよ』 京太郎「さて、いつになるか……」 ブブブッ 差出人:咏 本文『いつでも良いって……わかんねー』 京太郎「俺が決めるなら……」 『明日から』ソウシン 京太郎「よし、とりあえず咲のメールだ」 差出人:咲 本文『明日の放課後にでも久しぶりに来ない?』 京太郎「タイミングが悪い奴だなぁ」 本文『わりぃ!もう先約が入ってるんだ、今度こっちから遊びに誘う!』ソウシン 京太郎「で、咏さんからの返事が来てるな……」 差出人:咏 本文『じゃあ明日、朝7時から長野駅集合な、知らんけど!』 京太郎「知らないのかよ!……まぁ大丈夫だろ、そんなこと言いながら咏さんは信頼できる」ウンウン 京太郎「咲はと……」 差出人:咲 本文『わかった、まってるね♪』 京太郎「もう音符まで使えるようになったのか、成長したな咲……じゃあ二人に後はおやすみって送って、よし!」ソウシン 三尋木咏家- 咏「きょ、京ちゃんと二人で……りょ、旅行、知らねーけど……」カァァッ 咏「が、頑張るぞ、京ちゃんと……頑張る、知らんけど!……」ボンッ 宮永家・咲部屋- 咲「……京ちゃん、私寂しいよ」シュン 京太郎の写真を見つめる。 咲「でも、今度遊んでくれるって言ってたから、元気だそ!」グッ 自宅・自室- 京太郎「さて、明日は休んじゃうぞ!」ワーイ カピー「カピー」ダイジョウブカ? 京太郎「余裕だぜ、おやすみカピー」パチンッ カピー「カピ」ソロソロカマエヨ 八日目終了
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朝 京太郎「今日が決勝か…なんでだろ、麻雀じゃなくてそれ以外で修羅場になりそうな気がする」 京太郎「…ふぅ、まあ、少しぶらつくか」 京太郎「あれって、妹尾さん?」 佳織「大丈夫…私なら大丈夫…」 京太郎「どうかしたんですか?」 佳織「は、はい!な、なんだ須賀君か…ちょっと、ちょっとだけ怖くなったの」 京太郎「…プレッシャーか?」 佳織「すごいね、須賀君。相変わらずなんでも解るんだね。うん…ちょっとだけ怖いんだよ。智美ちゃんや部長は私に期待してくれてる…でもね、私はそれに応えれるかわからないんです」 ギュ…服の裾を握りしめ 佳織「麻雀の勉強をして、モモちゃんに色々と教えてもらって勝ち続けてる。でもいつ迄それが続くか解らない…勝てなくなったら、期待されなくなったらと思うと少しだけ怖いんです」 京太郎「力が欲しいんですか?」 佳織「うんうん…力なんていらない。ただ、自信が欲しい」 ギュ…京太郎が佳織の手を握る。 京太郎「俺は楽しみにしてるんですよ…妹尾さんが俺のステージにきてくれる事を。だから今回が最後です。一回目は出会った時、二回目は麻雀、三回目は今回。三顧の礼なんてね…あれ、これ間違ってるか」 佳織「えっ…どういう事?」 京太郎「ただこれは…そのなんか気持ち良くなるみたいだから気をつけてくださいね」 佳織「気持ち良くって…」 京太郎(……この人に…ほんの少しだけ自信を持てるよう力を) ドクン… 佳織「えっ、これ、なに…あっ…」 ドクン…ジュワッ… 佳織「ハァ…ハァ……今の…なに?」 京太郎「おまじないです」 佳織「お、おまじない…?」 京太郎「はい。おれにもよくわからないんですけどね」 佳織「そ、そうなん…だ…ハァ…」カァァ 京太郎「決勝…清澄、龍門渕、鶴賀、風越。これは楽しい麻雀が見れそうだ」 美穂子「よろしくお願いします」 純「よろしく」 優希「よろしくお願いします」 睦月「よろしくお願いします」 純「俺が親だな」 優希(タコスパワー、ぜんかいだじぇ!) 美穂子(この子…一番やっかいね) 睦月(妹尾さんに繋げればどうにかなるはず…) 美穂子(様子を見る) 純「ツモ、500オール!」 美穂子(鶴賀を削っておかないとあの役満の子は危ない) 純(流れが操れない) 睦月(削られないように…) コトン… 優希「ロン、一本は8300!」 睦月「は、はい…」 優希(このまま連荘だじぇ!) 純(また聴牌できてない…) 美穂子「ツモ、1000オール!」 美穂子(龍門渕を止める?まだ、清澄の子が落ち着いてから) 優希(跳満聴牌だじぇ!) 純「ツモ、1100.600」 睦月(あがれない…) 美穂子(…清澄は親を流せばどうにかなるはず) 純(はやすぎるだろ) 優希「今度こそ、ツモ、6000.3000!」 美穂子(これ以上は暴れさせてはいけない!) 敬愛の芽発動! 優希「…来なくなったジェ…」 純(っ!なんだ今の感覚) 優希(大三元聴牌!!) 美穂子(勝つのは私達…風越よ!) 慈愛の一撃発動! 睦月(これで…) コトン 美穂子「ロン、清老頭、32000です」 美穂子 7700 ツモ 純(あがれない…) 睦月(…とばされないように) 優希(力がでないじぇ…) 美穂子「ツモ、2000.3900」 美穂子(鶴賀を飛ばせるかしら?) 純(よし、聴牌!) 優希「ツモ、1000.2000!」 優希(やっぱりタコス成分が…) 睦月(あと二局…) 美穂子「ロン、3900」 純(当てられた) 純(取り返さないと…) 睦月(これで最後…) 優希(私はまだ諦めないじぇ!) コトン 美穂子「ロン、8000です」 美穂子 148200 純 90500 優希 112200 睦月 48600 先鋒戦が終了しました。 アナウンサー「それでは今の試合について藤田プロにお話を聞いてみたいと思います」 靖子「風越の一人勝ちだろ。清澄の三倍満を止めて、役満で親を流す…風越だけレベルが違った」 アナウンサー「ですが片岡選手も序盤、高打点をだしていましたが…」 靖子「清澄は二人のプロの影ちらつく…あの二人みたいな火力なら今ごろ全員飛んでいるがな」 アナウンサー「プロといいますと?」 靖子「それは伏せさせてもらおう。だけど…今年の長野は本当に二枠になって正解だった」 アナウンサー「そうですね。複数人のプロの推薦により今年の長野県大会は団体戦二枠、個人が5枠用意されています」 靖子「こらからの試合はさっきよりもひど…凄いのが見れる」 ーーーーーーー 京太郎「美穂子さんの一人勝ちか…優希ももうちょっと集中力があればな」 美春「よろしくお願いします」 智紀「よろしく」 まこ「よろしくお願いします」 佳織「よろしくお願いします」 美春「私が親…」 まこ(鶴賀の役満に気をつけろと言われても……牌の切り方が独特すぎる) 智紀(自分の打ち方を突き通す) 美春(振り込まなければ勝てる) コトン… 佳織「ロン、8000です」 佳織(…なんだろう、大丈夫な気がする!) 美春(まだ、まだ大丈夫…) まこ「ツモ、1000.2000!」 佳織(親番…ここで稼がないと!) まこ(この盤面ならこっちじゃ…) 未春(き、キャプテン…) 智紀(…させない!) 智紀「チー」 理論の華発動! まこ(流れ…盤面が変わった?) まこ以外「聴牌」 まこ「ノーテン…」 佳織(えっと…これで満貫かな?) 智紀(……) 未春(私なら大丈夫…私なら…) コトン まこ「ロン、2000!」 佳織(…っ…あがれた) 智紀(鶴賀がくる…) まこ(これはあがれんの…) 未春(まだまだ…) 佳織「ツモ、緑一色?8000.16000!」 まこ(…読み間違えた?) 智紀(最後の親番は流させない!) 理論の華発動! 佳織(あれ…こなくなった?) 佳織、未春「ノーテン」 まこ ツモ 満貫 佳織(よし、できた!) まこ(あれは不味い顔じゃ…ずらすか) 先見の先眼発動! まこ「ツモ、2000.4000!」 佳織(…あがれない、清澄のひとのせいなのかな?) 未春(このままトップで…) 智紀(…これ) コトン まこ「ロン、3900」 まこ(連荘狙いの安上がり…流石に追いつけそうにないの) 智紀(これから…) 未春(意外に私できる!) コトン… 佳織「ロン!タンヤオドラ4、12000です!」 まこ(ドラ麻雀じゃと!) 智紀(これを上がったら逆転できる…) まこ(緑一色聴牌!) 先見の先眼発動! 未春(な、なにが起きてるの?) 香織(須賀君…私に力を貸してください!) 開闢の幸運発動! まこ(これなら通る…) コトン 香織「ロン、国士無双、48300です!」 香織(や、やったよ、須賀君!) まこ(はやすぎるじゃろ…) 智紀(もう一回!) 未春(華菜ちゃん…) 佳織「ツモ!2000.4000!」 未春 109500 智紀 75700 まこ56100 佳織 149200 次鋒戦が終了しました 靖子「役満二回に満貫三回…凄まじいな」 アナウンサー「私もここまで凄まじい試合は初めて見ました」 靖子「清澄と龍門渕がいなければここで鶴賀が全てを蹂躙して終わってただろ」 アナウンサー「そうかもしれません…。風越もよく頑張りましね」 靖子「……魔物を抑えた二人の戦士に護られたただの平民だっただけだろ」 アナウンサー「毒舌ですね」 靖子「そうか?事実は事実だ。褒められるとしたら間違いなく清澄と龍門渕だ」 京太郎「…藤田プロがプロらしい事を言ってる…あれ、プロだったからあってるのか」 京太郎「ぶらつくか」 ゆみ「須賀君?」 京太郎「ああ、お久しぶりです」 ゆみ「モモに来ているとは聞いていたが…元気にしているのか?」 京太郎「ええまあ」 ゆみ「そうか」 京太郎(……しゃべる事が思いつかない) ゆみ「君の眼からみて鶴賀は全国に行けそうか?」 京太郎「えっ?」 ゆみ「だから、」 京太郎「いや、言ってる事はわかるんですが俺になんで聞くんですか?」 ゆみ「私は君がモモや妹尾を超える魔物だと思っている」 京太郎「……」 ゆみ「だから私は君の意見が聞きたい」 京太郎「…今からが本番です。清澄の竹井、原村、宮永の三人、龍門渕の国広、透華、天江の三人…この六人は俺の知り合いの中で俺と普通の麻雀が打てます」 ゆみ「そうか。先は長いな…」 京太郎「それが麻雀ですよ」 京太郎「珈琲かコーラか…」 ポチ… 京太郎「えっ?」 久「珈琲にしときなさい」 京太郎「久か…次の試合、期待してるから」 久「頑張れ勝てるのか?じゃないのね」 京太郎「……隣にくるんだろ?」 久「ふふふ…覚えてたんだ」 京太郎「まあな」 テクテク… 一「あれ、京太郎何してるの?」 久「京太郎?」 京太郎「おう、一か。清澄に居た頃から仲良くしてる…」 久「竹井久よ。貴女は龍門渕の国広さんで合ってたかしら?」 一「そうですけど…」 久「私の京太郎に何かようかしら?」 一「私のって…どう言う事なのかな?」 京太郎「えっ、あの、その…」 久「貴方には関係ないでしょ。ねえ京太郎」 ギュ…腕を組み 一「か、関係ある!京太郎は私達の家に泊まってた!」 久「京太郎が龍門渕家に泊まってた?…ど、どう言う事なのかしら?」 ぎゅうぅぅう… 京太郎「いや、あのその」 久「京太郎!」 一「京太郎!」 アナウンス「間もなく決勝中堅の試合が始まります。選手の方は会場におこしください」 久「…試合が終わったら尋問ね」 一「そうだね…試合が終わったら大切な話があるから」 久「まあ、勝つのは私だけど」 一「負け犬ほどよく吠えるって知ってる?」 久「なっ…口だけはうまいのね」 一「っ!」 久「…決着は…」 一「試合で決める!!」 久「よろしくお願いします」 一「よろしくお願いします」 智美「よろしくお願いします」 星夏「よろしくお願いします」 一(この人だけには…) 久(負けない!) 久「私が親ね」 久(よし、順調…) 星夏(手がすすまない…) 智美(逃げ斬るぞー) コトン… 一「ロン、1000」 久(流された…) 一「ふん…」 久(……そっちがその気なら私にも考えがあるわよ)ゴゴゴ 久(これが来た…ならこっち) 逆転させし者発動! 悪運の因果律発動! 星夏(き、キャプテン…) 一(…流れが変わった。でも貴方の出番なんてこないよ!) 幻影の奇術師発動! 智美(まだまだ大丈夫…のはず) コトン… 一「ロン、12000!」 久(攫われた…)ピキピキ 一(聴牌…) 星夏(これでいいはず…) 智美(な、泣かないぞ…) 久「ツモ、四暗刻単騎.8000.16000」 一「なっ…!」 久「どうしたのかしら?」ニヤニヤ 一(ここで流れを止めていかないと…) 星夏(まだいけるはず) 智美(ワハハ…モモ、すまん) 久(これが来た…普通はこっちをきるのよね。でもまあ、私は私の信じる方を切る) 逆転させし者発動! 悪運の因果律発動! ヒュ、バン! 久「ツモ、4000.8000!」 一(態度悪いな…) 一(…止められないな。最初に意地を張ったのが悪かったかな?) 星夏(……聴牌にもならない…) 智美(聴牌ったぞ) 久「ツモ、4000.2000!」 一(……またこうなった) 星夏(このままじゃ駄目なのに) 智美(やばいのに止めれないなー) 久(もう少し無理してみようか!) 逆転させし者発動! 悪運の因果律発動! 久「ツモ、6000オール!」 久(これでよしっと…) 一(…それはさせないよ!) 手品師の因果律発動! 一「ポン!」 久(ずらされた…) 一同「聴牌」 久(…有効牌しかこない、これは駄目かしら) 智美(頑張って凌ぐぞー) 一「ツモ、2100.4100!」 久(…特定条件で防げるのかしら?) 一(またか…でも止めないと) 手品師の因果律発動! 一「チー!」 久(……条件を見つけないといけないわね) 久(少し様子を見る…親だけど無闇矢鱈に突っ込むよりマシだわ) 星夏(清澄が降り気味?) 智美(攻めるから今か?) 一「ツモ、3900オール!」 久(おかしな所はない…でも私のアガリを二回止めた。デジタルではない何かを持っているはずな) 星夏(またベタ降り?) 一「ツモ、4000オール!」 久(……解らないか。でもまあ、それならそれで仕方ないか) 久「立直!」 一(…ずらしても意味が無い。はぁ、もう少し稼ぎたいんだけどな) 星夏(…現物) 智美(アンパイをきるぞ) スッ…シュ、バン 久「ツモ、4200.8200!」 一(…まだ、ボクにだってできる!) 一「立直!」 智美「それ、ポン」 久(なんでずらすのよ!) 一「ツモ、2000.4000!」 久(オーラス…) 星夏(やった、数え役満聴牌!これさえあがれば…) 一「ツモ、300.500」 星夏「えっ?」 星夏 66900 一 101000 久 132700 智美 97400 中堅の試合が終了しました。 アナウンサー「全国の魔物とはこれ以上なのでしょうか?」 靖子「それはない。あれ以上など小鍛冶プロが山ほどいると言ってるのと同じだ…」 アナウンサー「それはすごい事ですね」 靖子「麻雀牌が握れなくなる高校生が続出しかねないがな」 アナウンサー「今回の試合についてどう思われましたか?」 靖子「龍門渕は守りの得意な打ち手、清澄はエース級の対決だった。他は生き残った事だけで褒めて良いと私は思う」 アナウンサー「なら清澄のエースは竹井ということなのでしょうか?」 靖子「そうでもない…私の経験が確かなら大将はあれを凌ぐ打ち手だ」 廊下 久「…いい勝負だったわ」 一「嫌味ですか?」 久「違うわよ。ただ、また良かったら私と打ってくれないかしら?」 一「……機会があれば」 久「そう、ありがとう。それとね 私、まだ京太郎の恋人じゃないから」 一「えっ?」 久「あら、京太郎の事が好きなんでしょ?」 一「なっ、そ、そうだけど…」 久「なら好敵手ね」 すっ…手を差し伸べ 一「…負けないから」 ギュ… 久「こっちこそね」 久「後は頼むわよ」 和「できる限りの事はします」 久「…まあ、何時も通りの和なら大丈夫か」 和「私はぶれません」 久「そうね、京太郎も見ているしね」 和「す、須賀君は関係ないです!」カァァ 久「はいはい、それじゃあ私は少し遅いランチに行ってくるわ」 和「はい」 ーーーーーーーー 一「ごめん透華、追いつけなかった…」 透華「上出来ですわ。私がここから華麗に逆転する…理想的な展開ですもの」 一「ふふふ、透華らしいや」 透華「見ておきなさい、私の活躍を!」 純代「よろしくお願いします」 透華「よろしくお願いします」 和「よろしくお願いします」 桃子「よろしくお願いします」 和(親……気にせずにいきます) コトン… 透華(原村和…この方がのどっちなのでしょうか?) 純代「ツモ、2000.3900」 和「……」 シュ、コトン… 純代(ノータイム…) 透華(私の親、ここで華麗にあがる!) 桃子「ツモ、立直ツモ七対子ドラ2…3000.6000」 透華(立直ですって?………少し、ホンキでいきますわ) 零度発動 桃子(雰囲気が変わったたすよ…) 透華(……) 純代(これで…) 和「ツモ、4000.8000」 和「…ポン」 シュ、バシ… 透華(……) 桃子「ツモ、6000オール」 純代 53800? 透華 83000? 和 135800 桃子 121400? 和「立直」 透華「……」 純代(降りる…) 桃子(私は誰にも振り込まない…) コトン… 和「……」 桃子(なんでツモらない?まさか…) 和「ロン、4200」 和(連荘) 桃子「立直」 コトン… 純代(…これで聴牌) コトン 桃子「いいんっすか、それ。ドラっすよ?ロン、16000」 純代「えっ?」 和(連荘) 桃子「立直」 コトン… 純代(…これで聴牌) コトン 桃子「いいんっすか、それ。ドラっすよ?ロン、24000」 純代「えっ?」 和(少し和了を優先します…) 大天使のどっちver3発動! 桃子(高くて役満…) 純代(……) コトン… 和「ロン、12000」 純代(キャプテン…) 和(……) 透華(……) 桃子「ツモ、3000.6000」 純代(……どうすればいい) 透華(……) 桃子「立直」 和「ロン、7700」 純代 11800 透華 80000 和 157700 桃子 144500 副将戦が終わりました アナウンサー「……」 靖子「今年の長野は本当に魔境だな」 アナウンサー「全国決勝を観てる気分になりますね」 靖子「…優しいな。今回の勝負、龍門渕、鶴賀、清澄の三人の実力は拮抗してた。差が出たとしたなら運の差だ」 アナウンサー「…そうなんですか」 靖子「ああ。風越のあの副将も良いデジタルの打ち手だったが格が違いすぎた。例えるなら戦車対自動拳銃みたいなものだ」 アナウンサー「厳しいのですね」 靖子「優しい言葉は誰にだって吐ける」 和「後は頼みました」 咲「うん、頑張ってみるよ」 和「咲さんなら大丈夫ですよ」 咲「……龍門渕の天江さんは京ちゃんに似た感じがしたから油断できない」 和「須賀君ですか?」 咲「うん…でも勝って全国に行くよ」 和「はい!」 ーーーーー 透華「面目ありませんわ…」 衣「任せろ。今の衣には義兄様から貰った力がある…それに今日は勝つ為に打つ」 透華「…そうですわね。勝ってファミレスに行かないといけませんわ」 衣「…そうだな。またエビフライを食べよう」 大将戦開幕 華菜「よろしくお願いします」 咲「よろしくお願いします」 衣「よろしくたのむ」 ゆみ「よろしくお願いします」 咲(…聴牌) ゆみ(あと一手…) 華菜(なんで聴牌できないんだよ!) コトン… 衣「ロン、3900」 衣(役満……これを直撃さしたら勝てる) コトン ゆみ「ロン、3900」 衣(くっ…) 華菜(…まだだ、まだ諦めないし!) 咲(……) ゆみ(振り込まなければいい…) コトン… 衣「ロン、24000」 ゆみ「なっ!」 華菜(…キャプテン)ウルウル 咲(聴牌できない) ゆみ(どうにかしなければ…) コトン… 衣「ロン、24000」 咲(……和了れないよ) 華菜(……っ) ゆみ(落ち着け…ここで落ち着かないとモモ達の頑張りが無駄になる) コトン… 衣「昏鐘鳴(こじみ)の音が聞こえるか?世界が暗れ塞がると共に――おまえたちの命脈も尽き果てる!!ロン!四暗刻単騎!」 ゆみ(っーー!) ゆみ(……すまない、モモ) 咲(置物と変わらないよ…) 華菜(はぁ…まだ大丈夫) コトン… 開闢の満月発動! 衣「…いつもの衣なら慢心し、このまま遊んだだろう。だが、今の衣は義兄様との約束、透華達と約束がある…だから果てろ。ロン、24000」 華菜 -16100 衣 184000 咲 157700 ゆみ 68040 大将戦が終了しました。 一位の龍門渕、二位の清澄が全国に行きます。 靖子「あの二人が間違いなく全国トップクラスの実力者だ」 アナウンサー「二人?清澄の宮永もですか?」 靖子「そうだ。唯一、天江衣から直撃を貰わず凌いでいる。それにあいつは態と和了しなかったようにも見えた」 アナウンサー「それはどういう…」 靖子「本人にしかわからない。私は今日、全国決勝を見た気分だよ」 アナウンサー「私もです」 京太郎「……流石だな、衣。すこしぶらつくか。ここにいたら久と一になにを言われるかわからないからな」 美穂子「……」 スッ…人気の無い所に行く 京太郎「あれって…」 ダッ… 美穂子「……」ポロポロ 階段の裏手で膝を抱えて泣いている 京太郎「…」 スッ…上着を美穂子に被せて 美穂子「えっ?」ポロポロ スタ…隣に座り 京太郎「…お疲れ様でした」 美穂子「す、須賀君?」 京太郎「…俺ちょっと上着を何処かにおいてきたんで落ち着いたら一緒に探してくれません?それまでまってますんで」 美穂子「上着ならここ…」 京太郎「泣きたい時に泣けばいい。俺と美穂子はそういう関係だったはずだ…強がらなくていい。キャプテンなんて俺は美穂子を呼ばないし、気が済むまで泣けばいい。俺がそうしたように」 美穂子「っ!」 ギュッ…京太郎の服の裾を掴む 美穂子「…ごめんなさい…」ポロポロ 京太郎「馬鹿だな、ありがとうって言う所ですよ」 美穂子「…そうね、ありがとう京太郎」大泣きし ーーーーーーー 十分後 美穂子「もう、大丈夫」 スッ…服の裾を離して 京太郎「そうか、俺の上着を探しに行かないとな」 美穂子「そ、その事なんだけど…私が見つけて岩手に送ってもいいかしら?」 京太郎「…ならお願いしようかな」 美穂子「はい。ちゃんと洗って返すわ」 ギュー 上着を抱きしめて 美穂子「そろそろ行かないと華菜達が待ってる」 京太郎「そうか。また今度ゆっくり話そう」 美穂子「ええ…」 美穂子「また」 京太郎「ええ、また」 ーーーーーーーーー 京太郎「久とご飯に行く約束をしてたからとりあえずメールするか」 ♪~ 京太郎「はやいな」 京太郎「父母会か…俺が行くわけにはいかないな。さてどうしたものかな」 京太郎「……抜け出せないか聞いてみるか」 ーーー 久「珍しい…京太郎が踏み込んでくるなんて。どうしようかしら」 From 竹井久 9時にあの公園で待ってるわ 京太郎「今、8時だから…急がないと間に合わねえ」 ダッ… ーーーーーーー 公園 久「それで私を呼び出してどうかしたのかしら?」 京太郎「いや、久に会いたくてな」 久「全く…そういえば私、京太郎に聞きたい事があったのよ」 京太郎「えっ?」 久「龍門渕家に数回泊まったらしいわね」 京太郎「なんでそれを…」 久「一が教えてくれたわ…さて、理由をきりきりと吐いてもらいましょうか!」 京太郎「えっと……まあ、いいか。あれは買い物に行ってた事で…」 説明中 久「つまり麻雀で勝ち続けた結果こうなったと」 京太郎「まあ、そういうことです」 久「第一級フラグ建築士ね…全く」 京太郎「フラグなんて建ってませんよ」ワハハ 久「刺されるビジョンもみえないのがタチが悪いわ」 京太郎「それって褒めてますか?」 久「褒めてるのよ」 京太郎「そういえばこれからどうしますか?」 久「……」 久「新幹線の時間にはまだあるんでしょ?少し話しましょう」 京太郎「いいぞ」 ーーーーー 久「京太郎、私達は二位だったけど全国に行くわ」 京太郎「……」 久「あの時の約束は覚えてるかしら?」 京太郎「俺の今居る高校、宮守と全国で闘うって話だな」 久「そうよ。だから来週、結果を楽しみにしてるわよ」 京太郎「知ってたのか」 久「当たり前じゃない」 ? 京太郎「…大丈夫だ。シロ達と俺は確実に全国に行く」 久「信頼してるのね」 京太郎「仲間だからな」 久「私達の事は?」 京太郎「大切な友人だな」 久「もう…切り返しがうまいから皮肉るが言えないじゃない」 京太郎「 皮肉を言わなくていいじゃないか」 久「いやよ。京太郎の前では素で居るって決めたんだから」 京太郎「なんだそれ」 久「わからなくてもいいわよ…そろそろ時間ね」 京太郎「送って行こうか?」 久「別にいいわよ。私はこっちをもらっていくから」 チュ… 京太郎「…っ!また、勝手に!」カァァ 久「顔を真っ赤にして…子供ね」 京太郎「ひ、久のせいだろ!」 久「それじゃあね、京太郎。全国で会いましょう」 京太郎「…ああ、全国で会おう」 ーーーーーーーーーー 京太郎「…さて岩手に帰るか」 京太郎「よし無事に乗れたぞ」 岩手に帰ります ーーーーーーーーーー 朝 京太郎「…やべえ…眠い」 カピー「パカパカ(なんだ種馬主、帰ってきてたのか?」 京太郎「あ、あのカピーさんなんでそんななに怒ってるんですかね?」 カピー「パカパカ(合宿中に12人で乱行パーティーをしたからだろ」 京太郎「待て、俺はそんな事してないぞ」 カピー「パカパカ(…記憶がないとは幸せだな」 京太郎「さらりと恐ろしい事を言われた気がする。それよりアトランティスはどうだったんだ?」 カピー「パカパカ(魚料理と言って人魚が出てきたから半殺しにして太陽にぶち込んできた。全く、私は女だぞ」 京太郎「……それってやばくないのか?」 カピー「パカパカ(大丈夫だ、良い年して霧になって女を孕ませるジジイや色気を振りまくしかない嫉妬女は全治三週間だからな」 京太郎「頭が痛くなってきた」 カピー「パカパカ(守銭奴と仲良くしたい?女神像か指輪を砕けるばそれでいいだろ……真面目に応えるとアレは成りたくてなった守銭奴ではない。金の重要さを知らないと生きていけない環境にいた存在だ」 京太郎「貧乏って事か?」 カピー「パカパカ(そこは伏せる。そうだな…強制力二つと神託……今度東京に行って会う事になったらそれでいいだろ。難しい事は考えるな」 京太郎「最近、そればっかりだぞ」 カピー「パカパカ(主が万能すぎるからだろ」 京太郎「それって良い事だろ」 カピー「パカパカ(それを私に聞くな」 京太郎「はいはい…まあ、東京に行く機会はあるから覚えとく」 カピー「パカパカ(まあ、全ては私達以外の意思だからな」 京太郎「学校どうしようか…疲れてるしゆっくりしときたいんだが…」 京太郎「休むか……今日は寝るぞー」 ーーーーー 夕方 ピンポーン 京太郎「はーい」 ガチャ 京太郎「おう、久しぶりだなエイスリン」 エイスリン「英(まだ三日しか経ってないよ。それより京太郎、体調大丈夫?」 京太郎「ああ、まあ大丈夫だ。お土産もあるし上がって行くか?」 エイスリン「英(うん、私も久しぶりに京太郎とお話したいし」 ーーーーーーーーー エイスリン「英(長野はどうだった?」 京太郎「楽しかったぞ。大会も見てて面白かったしな」 エイスリン「英(清澄と龍門渕が勝ったんだよね。試合の中継見てたけどドキドキした」 京太郎「そうだな…俺も見ててハラハラしたよ」 エイスリン「英(私達も今週だね」 京太郎「…大丈夫。勝つのは俺達だ」 エイスリン「英(そうだね…勝つのは私達だよ」 京太郎「そういえば晩飯作ってたんだが食べて行くか?」 エイスリン「ウン!英(なにを作ってたの?」 京太郎「……」 京太郎「ハヤシライスだ」 エイスリン「英(京太郎の料理は美味しいから好きだよ」ニコニコ ーーーーーーーーー 京太郎「どうだ?」 エイスリン「オイシイヨ」 京太郎「そうか」ニコニコ エイスリン(相変わらず、料理を褒められると嬉しいんだね) エイスリン「アーン」 京太郎「えっ、いや、同じのだし」 エイスリン「アーン」」 京太郎「…アーン」 パク…もぐもぐ エイスリン「オイシイ?」 京太郎「…エイスリンの味がする」 エイスリン「えっ?」カァァ 京太郎「なんてな」ワハハ エイスリン「バカ…」 ーーーーーー ガチャガチャ… 京太郎「こうやって洗い物を一緒にしてると夫婦みたいだよな」 エイスリン「英(二回も夫婦になってるんだから普通だよ」 京太郎「エイスリンと二回も家族になってるのか…幸せだな俺」 エイスリン「英(私も幸せだったよ」 京太郎「過去形なのか…俺捨てられるのか、悲しいな」 スッ…京太郎の顔にてを添えて エイスリン「英(私は京太郎を捨てないよ」 京太郎「えっ?」 エイスリン「英(京太郎が私を捨てるんだよ」 何を言ってるんだろう…京太郎には記憶がない。記憶がないのに捨てられたとは酷い言い方だと自分でも思う。 「エイスリン…」 聞き慣れた彼の声がする。下を向いた顔を恐る恐るあげる。彼と視線が合う瞬間に彼の顔が私に迫ってきた。 「っ…!」 少し乱暴だけど彼の唇が私の唇を塞ぐ。私は彼の身体を抱きしめて、彼の口の中に舌をいれた。ハヤシライスの味がするがそんな事はどうでもいい…懐かしいのに初めてのそれを私は淫らな音をたてながら味わって行く 「えっ、…え、すり…クチュ…」 彼が離そうとするが離さない。 もう止められないし、止まるつもりがない。彼は良く私に言っていた。男からキスをしたなら責任をとらないといけないと…ならとってもらおう。私の子宮はもう彼の精子を待ちわびてるのだから 「ぷはぁ…英(責任とってね、京太郎」 息が乱れ、頬が熱くなる。私はまた京太郎に抱かれる事が嬉しくて仕方がないのだ 「…ここでやるのか?」 頬をかきながら訪ねてくる。あの癖は覚悟をきめかねてる時の癖だ。 「英(当たり前だよ。私は京太郎に抱かれたいの)」 そう言って私は服を脱いでいく。制服を脱ぎ、下着を脱ぎブラジャーを外してストッキングだけはつけておく。これは京太郎が好きだからだ。 「英(ほら見て京太郎、私のここ濡れてるんだよ?」 彼の目の前で態と秘部を弄る。彼に見られてる事とこれからの事で私の秘部からは大量のみつが溢れていた。 ギュ… 彼が私の事を抱きしめてくれる…これは合図だ。彼は次に 「もう知らないから…俺の子を孕むまで抱くぞ」 繋がりが欲しい彼らしい言葉。私はそっと彼のズボンボタンを外し、そこに手をいれる。そこにはパンツ越しにでもわかる京太郎の一物があった。 「英(愛してる、京太郎」 私は彼を抱きしめ耳元で囁いた。 「英(俺もだ、エイスリン。愛してるぞエイスリン)」 塞達には悪いが私は今日、あの薬を持ってきている。生まれるのはちょうど来年の3月あたりか…それでもいいかもしれない。 私は彼に押し倒されながらそう思った。 後日談 孫「ねえ、おばあちゃん。おじいちゃんってどんな人だったの?」 おばあちゃん「優しい人だったよ。浮気をして良いって言ってるのにおばあちゃんだけを愛してくれた人」 孫「でも僕、おじいちゃんが浮気ばっかりしてたって聞いたよ?」 おばあちゃん「あれは違うのよ。寝てるおじいちゃんをおばあちゃんとおばあちゃんの友達が色々したからそう思われてるだけ」 孫「そうなんだ…おばあちゃんはおじいちゃんと居れて幸せだった?」 おばあちゃん「ああ、幸せだったよ。70数年いっしょに居たけどいつも幸せだった」 孫「そうなんだ…僕、末っ子だからおじいちゃんを知らないんだ」 おばあちゃん「誇りなさい。貴方のおじいちゃんは立派なひとだった」 孫「そうなんだ…。またくるね、おばあちゃん」 おばあちゃん「ああ、さようなら……さて私もそろそろかね、京太郎…少しばかり遅れたが私もそっちにいくよ。また二人でハヤシライスを作らないとね」 END
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361874491/ ヒソヒソヒソ…… 京太郎「こんにちはー」ガラッ 桃子「こんにちはっすー!」 智美「おー京太郎、モモ」 睦月「思ったより気にしてなさそうだね」 京太郎「? モモなんかしたのか?」 桃子「特に覚えはないっすけど……」 佳織「あれ、もしかして噂になってるの知らない?」 京太郎「噂? 幽霊が出たって噂ですか?」 桃子「その喧嘩買うっすよ」 智美「それくらいじゃ今さら話題にもならないなー」 桃子「先輩だからって遠慮すると思ったら大間違いっすよ! 姿の見えない怖さを思い知るがいいっす!」 智美「実は最近、モモの居場所が匂いでなんとなくわかるようになってなー」ワハハ 桃子「なんと!?」 佳織「智美ちゃん、話が進まないよ」 智美「それもそうだなー」ワハハ 睦月「噂になってるのは京太郎くんたちの方だよ」 京太郎「俺ですか? というか"たち"?」 睦月「うん、京太郎くんと加治木先輩」 京太郎「そ、そうですか。どんな噂が?」ドキッ 睦月「ええと、二人乗りしてたカップルがいて、後ろの女の子が金髪の男の子をギュッと抱き締めてたとか」 京太郎「」 智美「鶴賀で金髪の男子と言ったら京太郎だよなー」 桃子「女子の方は男子の背中に顔をうずめてたと聞いたっす」 智美「まったく。私たちに隠れて大胆なことするじゃないか」 京太郎「」ビクッ 佳織「智美ちゃん、あんまりからかわないの」 睦月「うむ、昨日加治木先輩が抱きついてしまったときたまたま見られて、それが広まったんでしょう」 京太郎「ソ、ソウデスヨ」 桃子「まあそれはわかってるっすよ」 智美「噂話は伝言ゲームみたいなところがあるからなー」 桃子「幽霊がいたとかいう噂もあるっすよね。ちょっと私が見えづらいからって大げさっす」 智美「それは例としてどうかなー」ワハハ 桃子「まだ言うっすか!!」 佳織「もーダメだよ智美ちゃん」フフフ 京太郎「アハハ……」 ゆみ「」ガラッ 京太郎「!」ビクッ ゆみ「すまない、遅くなった……なんだか騒がしいな」 桃子「あ、ゆみ先輩! 部長が酷いんすよー!」 ゆみ「なんだ蒲原? 後輩イジメは感心しないぞ」 智美「心温まる触れ合いのつもりだったんだけどなー」ワハハ 桃子「熱くはなったっすね。怒りで」 ゆみ「何をしているんだ……」ハァ ゆみ「騒いでいたのはそれでか?」 桃子「いや、そもそもは京太郎と先輩のうわ――」 京太郎(まずい! このままじゃ昨日のことがバレちまう!) 京太郎「モモ、ちょっとこっち来い!!」 桃子「もう、なんなんすか?」 京太郎「いいから!」 桃子「あーれー」ズルズル ゆみ「…………」ジー 京太郎「その噂はわざわざ加治木先輩に言わなくていいんじゃないか?」ヒソヒソ 桃子「え? いやでも京太郎みたいに知らないかもしれないっすし」 京太郎「加治木先輩だってあんまり触れられたいことじゃないだろ?」 桃子「むぅ……それは確かにそうっすね」 京太郎「だろ? だから話題に出すのは避けよう」 桃子「わかったっす」 京太郎(よし!)グッ ヒソヒソヒソ…… ゆみ「……」ジー 睦月「どうかしましたか?」 ゆみ「えっ!? い、いや。なんでもない」 睦月「? ……ああ、さっきモモが言おうとした話ですね。それなら――」 京太郎「睦月先輩!! ちょ、ちょっとこちらへ」ガシッ 睦月「うわっ!? い、いきなりどうしたの?」 京太郎「とりあえず来て下さい。モモ、部長たちには頼んだぞ」 桃子「了解っす」 京太郎「それじゃあ睦月先輩。行きましょう」グイグイ 睦月「ちょ、ちょっと。あんまり押さないで……」 ゆみ「……」ジー 京太郎「」ペラペラ 睦月「」ウンウン 京太郎「」ペラペラ 睦月「」ンー 京太郎「」ペラペラペラ 睦月「」……コクッ 京太郎「」グッ 桃子「ジーっと見てどうしたっすか?」 ゆみ「っ!? い、いや。なんでもないぞ。そ、それよりさっきの話は……」アセアセ 桃子「あ、あれっすか? あれもなんでもないっす」アセアセ ゆみ「そ、そうか」 桃子「そ、そうっすよ」 京太郎「ふう……」 ゆみ「あ、須賀くん」 京太郎「か、加治木先輩!?」ドキッ 京太郎(昨日と今日の朝は二人乗りの勢いで話進められたけど、改めて加治木先輩と話すと思うと緊張が!) ゆみ「津山やモモと何の話をしていたんだ?」 京太郎「い、いえ。なんでもないですよ?」 ゆみ「だが……」 京太郎「モモ、速く麻雀打とうぜ!」ダッ ゆみ「あっ」 桃子「えーと……待つっす京太郎ー!」タタタ 桃子「もーさっきからなんなんすか」 京太郎「り、理由はわかるだろ?」 桃子「わかるっすけど、やり方ってものがあるっす」 京太郎「うぅ……」 佳織「まあまあ、京太郎くんも焦ってたんだよ」 京太郎「佳織先輩……」ウルウル 佳織「もうちょっといいやりかたはいくらでもあったと思うけどしょうがないよ」 京太郎「ぐはっ!」 佳織「えっ、えっ!?」 睦月「悪気がない分キツそうだね」 京太郎「あ、睦月先輩。一緒に打ちません?」 睦月「立ち直り早いね……いいけど、今日も負けないよ」 京太郎「望むところです」 ゆみ「……」ジー 智美「どうしたゆみちん?」 ゆみ「いや、仲がいいなと思ってな」 智美「まあ2つ違いよりは同い年や1年違いのほうが話しやすいよなー」ワハハ ゆみ「それはそうだが……」 智美「もしかして拗ねてるのかー」ワハハ ゆみ「なに?」 智美「ゆみちんとの会話を途中で切り上げて他の女の子に走ったんだもんなー」 ゆみ「ん……」 智美「でもな、ゆみちん。あれには京太郎なりの理由があったんだ。だからあんまり責めちゃダメだぞ」 ゆみ「そうだな。それについてはそんなに気にしていない」 智美「ワハ?」 ゆみ「須賀くんは理由もなしにそういうことをする人間ではないからな」 ゆみ「私に言えない何かがあったことくらいわかるし、詮索する気もない」 ゆみ「だから今の私は、蒲原が言ったとおり拗ねているんだろう」 智美「まさかツッコミがないどころか、言ったとおりなんて言われるとは思わなかったぞ」 ゆみ「はは……私は須賀くんとあんな風には話せていないからな」 ゆみ「帰りが一緒だから話す機会には恵まれていると思うのだが、だからこそな」 智美「そんなことないと思うけどな」 智美(キャラの問題もあるしなー) ゆみ「だが……」 智美「どうしても気になるならこっちから歩み寄るなきゃダメだと思うぞ」 ゆみ「歩み寄る?」 智美「こっちは年上だからなー。後輩から話しかけるのはやっぱり気後れするだろー?」 ゆみ「ふむ……」 智美「だからこっちからこういう感じで話しかけていいんだぞと伝えないと、向こうも話しづらいだろ?」 ゆみ「なるほど」 智美「だからゆみちんから行動しないとダメだぞ。アプローチしたいならなおさらなー」ワハハ ゆみ「な、なにを!?」 智美(からかい甲斐があるなー)ワハハ ――部活終了―― ゆみ「須賀くん」 京太郎「な、なんですか?」ドキッ ゆみ「いや、昨日の話について確認しようと思ったんだが……」 京太郎「き、昨日のというと」 ゆみ「ほら、私に出来ることならなんでもやると言っただろう」 京太郎(なんでも……)ホワンホワン 京太郎(な、何考えてんだ俺は!)ブンブン ゆみ「?」 智美「ゆみちん、あんまりそういうことは言わない方がいいと思うぞー」ワハハ ゆみ「なぜだ? 昨日今日と助けられたんだからこのくらいはしてもいいだろう」 智美「健康な男子高校生には毒だぞー」 ゆみ「毒?」 智美「あー……」チラッ 京太郎「な、なんですか!? お、俺はなにも」 智美(大丈夫そうだなー) 智美「とりあえず、せめて京太郎以外には言わないようになー」 ゆみ「それはまあ助けてくれたのは須賀くんだしな」 智美「……まあいいかー」 桃子「それで京太郎は何を頼むんすか?」 京太郎「うわっ!? 突然現れるなよ」 桃子「失礼っすねー。で、どうするんすか?」 京太郎「えーと……」 桃子「エッチなこと頼んじゃダメっすよ」ヒソ 京太郎「ばっ、た、頼むわけねえだろ!?」 ゆみ「うん?」 京太郎「な、なんでもないですよ!」 桃子「ふふふ……それじゃあ私はむっちゃん先輩とかおりん先輩と先に行ってるっすよー」 京太郎「言うだけ言ってそれかこの野郎!」 桃子「野郎じゃないっすー!」タッタッタッ 京太郎「モモめ……」 智美「まあまあ。まだ決まってないんなら提案があるけどいいかー?」 京太郎「なんです?」 智美「日曜日にみんなで遊びに行こう!」 ゆみ「待て待て。大会も近いのに……」 智美「そうやって根を詰めすぎなんだよゆみちんは」 智美「京太郎とモモと佳織が入って本格的に大会を目指してから2週間、大会まで後2週間。休むにはちょうどいいだろー?」 ゆみ「しかし……というかそもそも須賀くんに対する埋め合わせなんだが」 京太郎「い、いえ。俺もそれがいいです」 京太郎(このまま1人で考えてると色々とドツボにはまりそうだしな……) ゆみ「むぅ……」 智美「あーもちろん足が治ってないなら無理はさせないけどな。実際どうなんだー?」 ゆみ「まだ少し痛むが、まあ日曜日までには治るだろう」 智美「なら決まり。みんなには私から伝えとくぞ」 ゆみ「……まあ息抜きは必要か。須賀くんは本当にそれでよかったのか?」 京太郎「え、ええ。もちろんです」メソラシ ゆみ「っ……」 京太郎(加治木先輩と遊びに……い、いや。他の4人もいるんだ。いつもの部活と一緒だ! うん!) 智美(やっぱりやったほうがよさそうだなー) ――分かれ道―― 智美「それじゃまたなー」 京太郎「はい、さようなら……そうだ、部長。日曜日のことは」 智美「ああ、大丈夫大丈夫。ちゃんと言っておくから任せとけー」ワハハ 睦月「何の話ですか?」 智美「帰り道で話すよ」 ゆみ「別に今話してもいいと思うんだが……」 智美「まあまあ。それじゃあなー」 佳織「さようなら」 桃子「さよならっすー」 睦月「それではまた」 ゆみ「ああ、またな」 京太郎「……」テクテク ゆみ「……」カラカラカラ 京太郎(や、やっぱり緊張するな……) 京太郎(何か話したいけど何も思いつかねえ) ゆみ「なあ、須賀くん」 京太郎「は、はい!!」 ゆみ「部活の前にモモや津山と何か話をしていたな」 京太郎「えーと、それは……」 ゆみ「ああいや、別に何を話していたのか知りたいというわけではないんだ」 京太郎「?」 ゆみ「その、なんだ。私に言えないことも言えるような仲なんだなと思ったというか」 京太郎「い、いえ。そういうわけじゃ」 ゆみ「私は何を言っているんだろうな……すまない。忘れてくれ」 京太郎「は、はい……」 --------------------------------------------- 京太郎「…………」テクテク ゆみ「…………」カラカラカラ 京太郎(ああもう、加治木先輩にあんな顔させて、何やってんだ俺) 京太郎(……ていうか今なら別に言ってもよかったんじゃないか? 元々モモたちにバレたくなかったわけだし) 京太郎(よし、それなら今からでも……) ゆみ「須賀くん」 京太郎「!?」ビクッ ゆみ「その、あ、歩いていたら足がまた痛んできたんだ」 京太郎「えっ? 大丈夫ですか!?」 ゆみ「ああ、まあ心配される程ではないんだが家まではちょっとつらいかもしれん」 京太郎「そんな……」 ゆみ「だから、その、もし良ければでいいん――」 京太郎「加治木先輩! 今日も俺に送らせて下さい!!」 ゆみ「」ビクッ 京太郎「悪化したら大変です! その、また恥ずかしい思いをさせることにはなりますが」 ゆみ「あ、ああ。須賀くんがよければこちらこそ頼みたい」 京太郎「俺のことなら気にしないで下さい。加治木先輩のほうが大切です」 ゆみ「う……」 京太郎「自転車借りますね。よ……っと。それじゃ後ろに乗って下さい」 ゆみ「あ、ああ」 京太郎「それじゃ出しますよ」 ゆみ「ああ、よろしく」 京太郎「」シャー ゆみ(……ここまで本気で心配されると胸が痛むな)シャー ゆみ(でもまあ、目の前で隠し事をされたんだ。これくらいは許されるだろう)ピトッ 京太郎「」ビクッ ゆみ(おそらくこれが最後だろうし、たっぷりこうしていよう……) ――加治木宅前―― 京太郎「つ、着きました」 ゆみ「ああ、ありがとう」 京太郎「明日の朝はどうします?」 ゆみ「それまでには治っていると思う。2日間ありがとう」 京太郎「気にしないでください。俺が好きでやってることですから」 ゆみ「そういうわけにもいかないさ。日曜日のとは別に何か言ってくれても構わないぞ」 京太郎「はは……じゃあ日曜日は麻雀のことは考えないで全力で遊んでください」 ゆみ「それは難しいな……」 京太郎「加治木先輩はそれくらいでちょうどいいですよ」 ゆみ「むぅ……そんなに麻雀ばかり考えているように見えただろうか」 京太郎「見えたっていうか事実じゃないですか?」 ゆみ「……それなら気をつけないといけないな」 京太郎「是非気をつけて下さい……それじゃ、そろそろ帰ります」 ゆみ「ああ、さよなら。……き、京太郎くん」カアァァ 京太郎「はい、さよ……い、今なんて!?」 ゆみ「き、聞き返すなバカ!!」 京太郎「す、すみません! そ、それでは失礼します。……ゆ、ゆみ先輩」カアァァ ゆみ「あ、ああ。またな京太郎くん」 京太郎「はい、ゆみ先輩」 ゆみ「ああ、京太郎くん」 京太郎「はい、ゆみ先輩」 ゆみ「京太郎くん」 京太郎「ゆみ先輩」 ゆみ「……京太郎くん」 京太郎「……ゆみ先輩」 ゆみ「…………早く帰れ」カアァァ 京太郎「は、はい」カアァァ --------------------------------------- 智美「……というわけで、日曜日に遊びに行こうという話になったんだ」 睦月「元々部活のつもりでしたし大丈夫ですけど、結構急ですね」 智美「うんうん。それで、ちょっと相談があるんだ」 佳織「相談?」 智美「ああ、私たちはドタキャンして2人きりにしたらどうかなと思ってなー」 睦月「2人きりですか?」 智美「なんかゆみちんが京太郎とモモたちみたいに仲良く話せないとか思ってるみたいでなー」 桃子「そんなことないと思うっすけど」 智美「私もそう思う。ただまあこういうのは本人の気持ちの問題だからなー」 智美「それに実際京太郎が下の名前で呼んでないのゆみちんだけだから、あながち的外れとも言えないしなー」 智美「まあそれはゆみちん自身がそうさせたんだけど……」 智美「部活とか帰り道じゃなくて、休みの日に2人で1日過ごせればそんなことも思わなくなると思うんだ」 睦月「うーん、言ってることはわかりますけど……」チラッ 佳織「そうだね。それだとちょっと……」チラッ 桃子「?」 智美「うん、まあだから最初はみんなで行こうって話にしたんだ。モモはどう思う?」 桃子「私っすか?」 智美「ああ、もちろんモモの都合もあるだろうから、嫌ならそう言ってくれて構わないぞ」 智美「仲良くさせる機会なんて他にも作れるからなー」 桃子「嫌なわけないじゃないっすか。私は賛成っすよ?」 一同「……」ポカーン 桃子「ど、どうしたっすか?」 智美「い、いや。ちょっと意外でなー」 睦月「うむ。本当にいいのか?」 佳織「桃子さん、嫌ならそうはっきり言ってくれていいんだよ?」 桃子「はっきりも何も、ゆみ先輩と京太郎が仲良くなるならそっちのほうがいいことじゃないっすか」 桃子「それはまあみんなで遊びに行けないのは寂しいっすけど、それはまた次行けばいいことっすよ」 睦月「そういうことじゃなくて……」 佳織「ええと、なんていうか……」 桃子「?」 智美「つまりだな。単刀直入に言うと、モモは京太郎のこと好きなんじゃないのか?」 桃子「好き……それはいわゆる男女関係的な好きっすよね」 一同「」コクコク 桃子「うーん……」 一同「……」 桃子「うーん……分かんないっす」 睦月「分からない?」 桃子「一人ぼっちだった私を見つけてくれた京太郎のことは好きっすよ。でもそれが恋愛的なものかどうかは分かんないっす」 桃子「元々深く人と関わったことがなかったっすから。友達的な好きなのか、恋愛的な好きなのか。区別がいまいちつかないんすよ」 智美「それなら判断がつくまで保留というか、少なくともデートさせたりとかはしないほうがいいんじゃないかー?」 桃子「それはそうかもしれないっすけど、でも今回はそうしたらきっと後悔するっす」 智美「後悔?」 桃子「京太郎は私を見つけてくれて、ゆみ先輩は私の世界を広げてくれた」 桃子「……私は京太郎と同じくらいゆみ先輩のことも好きなんすよ」 桃子「高校に入るまで誰も私を見てくれなかったっすけど、今では5人も私を見てくれる人がいる」 桃子「それはゆみ先輩と京太郎のおかげっす」 桃子「私にとってはその2人が仲良くなってくれることが何よりも大事っす。少なくとも今は」 桃子「もしかしたら後で後悔するかもしれないっすけど、今させなくても絶対後悔するっす。だから2人で行かせたいっすよ」 佳織「桃子さん……」ウルウル 桃子「ちょ、そんな反応されると恥ずかしいっす!」 智美「うん、そういうことなら日曜日は2人にさせるぞー」 睦月「わかりました」 智美「ゆみちんと京太郎の集合場所はあそこの神社の前にするから、みんなはあそこからちょっと離れたところに集合なー」ワハハ 佳織「覗くつもりなんだ!?」 智美「こんな楽しそうなこと放っておく手はないぞー」ワハハ 睦月「色々と台無しですよ……」 桃子「私にあれだけ言わせてオチを付けるとは思わなかったっす」 智美「そこまで不評だとは……じゃあやめるか?」 睦月「い、いえそれは……」 佳織「み、見守りたいかなーなんて」 桃子「行くっすよ!!」 智美「……みんな好きだなー」ワハハ ………… ……… …… … 智美「みんな遅いなー」 智美「いや、来ていてもわからないのかもしれないな。私の変装は完璧だからなー」ワハハ 睦月「……もしかして部長ですか?」 智美「おお、よく見つけられ……どちらさま?」 睦月「津山です!」 智美「むっきーなのか!? 全然気づかなかったぞ……」 睦月「髪を二つ結びにしてメガネかけただけじゃないですか」 智美「ということはそっちにいるのはもしかして……」 佳織「私にも気づいてなかったの!? 智美ちゃん酷いよー」 智美「気づく気づかないというか、もはや誰って感じだなー……」 佳織「ストレートにしてコンタクトに変えただけなのに……」 睦月「そんなに印象変わりますか?」 智美「髪もあるけど服装がなー。2人ともそんな服持ってたのかー」 睦月「あ、これは昨日2人で交換しました」 智美「ワハ!?」 佳織「やっぱり普段の印象と変えなきゃダメかなって思って」 智美「ふ、2人ともやる気出しすぎじゃないか……?」 佳織「デートを覗くんだしこのくらいやらないと!」 智美「そ、そんなものか……?」 佳織「それより、智美ちゃんのそれはちょっと……」 智美「え?」 睦月「サングラスに帽子、ですか……」 智美「て、定番だろー?」 桃子「むしろ余計目立つっすよ」 智美「モモいたのか!?」 桃子「最初っからいたっすよ! いやでも正直その変装はないっす」 智美「なっ!?」キョロキョロ 佳織「」サッ 睦月「」サッ 智美「な、なんで目を合わせないんだ」 睦月「いえ、まあその……」 佳織「ええっと、ひと目で智美ちゃんだってわかったかなって」 智美「!?」 桃子「言い出しっぺがそれはどうかと思うっすよ」 智美「そ、そういうモモは何も変装してないじゃないかー!」 桃子「……本気を出した私が見つかると思うっすか?」スゥ 智美「うっ……」 睦月「ま、まあどちらにしろ極力視界に入らないようにするわけですし」 桃子「見つからないように頑張るっす!」 佳織「気をつけてね!」 智美(絶対私はおかしくないんだけど……) 智美「なのにこの敗北感はなんなんだろうな……」ワハハ… 桃子「それにしても京太郎もゆみ先輩も遅いっすね」 睦月「もう5分前なんだけどなあ」 佳織「あの2人が時間前に来ないなんて意外だね」 智美「ああ、集合時間は12時って伝えておいたからなー」ワハハ 桃子「えっ、私は11時って聞いたっすよ?」 智美「ここにいる3人には11時って連絡したんだ」 佳織「なんでそんなことを……」 智美「下手したらあの2人は30分前に集合しそうだからなー」 睦月「それはわかりますが……」 智美「まあまあ。それまでガールズトークでもしてようじゃないか」 桃子「ガールズトークって言うほど潤いのある会話は出来そうにないっすけどね……」 智美「女子がやってればそれがガールズトークだ。細かいことは気にするなー」ワハハ 佳織「智美ちゃん……」 ――15分後―― 睦月「へえ、部長、免許取ったんですか」 智美「大会が終わったらみんなでドライブに行きたいなー」 桃子「楽しみっす! ――あ、京太郎が来た……って早いっすね!?」 佳織「京太郎くんは集合時間を12時って思ってるはずだよね……?」 睦月「50分前……」 智美「さ、さすがに予想外だな」 桃子「11時集合にしててよかったっすね……」 智美「だ、だろー」 ――10分後―― 睦月「あ、加治木先輩が……」 桃子「早すぎるっすよ!!!」 智美「あの2人のことをなめてたなー」ワハハ 睦月「加治木先輩、いつもこんなに早く来てたんですね……」 佳織「ま、まあ早めに集まってよかったよ」 智美「それもそうだなー。さて、それじゃかおりん。メールをするんだ」 佳織「うん…………これでよし。ちゃんと送ったよ」 睦月「私とモモは昨日送りましたから、後は部長だけですね」 智美「ああ、ちょっとしたら送るぞー」 --------------------------------------- 京太郎「あ、ゆ、ゆみ先輩。おはようございます」 ゆみ「まだ慣れていないんだな」フフッ ゆみ「おはよう、京太郎くん。……というか早いな」 京太郎「ゆみ先輩だって40分前に来てるじゃないですか。どっちもどっちです」 ゆみ「まあそれはそうか」 京太郎「ん……あれ、佳織先輩からメールが」 ゆみ「私にも来たな」 京太郎「今日は行けません……佳織先輩もかよ!!」 ゆみ「これで私たちと蒲原以外が休みか……なんだか嫌な予感がしてきたな」 京太郎「同感です……」 ゆみ「まあ今から心配してもしょうがない。時間まで待とう」 京太郎「そうですね」 ゆみ「それまでは……そうだな。麻雀関連で何か聞きたいことはあるか?」 京太郎「今日は麻雀を忘れて遊ぶことにしたような……」 ゆみ「なに、集まるまでだよ。そんなに熱を入れるつもりはないさ」 京太郎「そういうことでしたら。そうですね……」 京太郎「質問という感じじゃないですけど、皆さん守備堅いですよね。俺はどうしても振り込んじゃうので」 ゆみ「京太郎くんは押しすぎだ。相手が低そうに見えるからといって、何でもかんでも突っ張るのはやめたほうがいい」 京太郎「うっ……で、でも稼げるときに稼がないと勝てないじゃないですか!」 ゆみ「満貫以上のような高い手なら時と場合によるが、安い手で押すのは愚策だ」 ゆみ「ダマテンは仕方ないが、リーチに突っ張るのはリターンよりリスクのほうが大きい」 ゆみ「まあ余程の根拠があるか、自分の感覚を信じてやるのならそれはそれでいいんだがな ゆみ「ただなんとなくというのであれば押すべきじゃない」 京太郎「おっしゃるとおりです……」 京太郎「ちなみにその守備はどうやって身につけたんですか?」 ゆみ「ああ、最初はネットを中心にやっていたからな。上がり重視より振り込みを少なくするほうがトータルで見ると成績がいいんだ」 ゆみ「3人ともそれで自然と身についた。たださっき言ったこととは逆になるがそれも良し悪しあってな……」 京太郎「振り込まないのはいいことじゃないですか」 ゆみ「ああ、それはもちろんだ。だが大会だとちょっと勝手が違ってな」 京太郎「というと?」 ゆみ「ネトマなら4位にならなければレートは下がらないから、最下位にならないことを目指すんだ」 ゆみ「そうすれば自然にレートは上がっていくからな」 ゆみ「だけど大会では得点で順位が決まるだろう? 特に団体戦では1位にならなければ次に進めない」 ゆみ「守備的なのは悪いことではないんだが、早めにオリるということでもある。得点を稼ぎづらいから、大会向きではないんだ」 京太郎「なるほど……」 ゆみ「昔からいる私たち3人はその傾向が強い。そういう意味でモモや妹尾には期待しているな」 京太郎「モモはステルスモードに入れば守備を気にしなくていいですからね。佳織先輩も役満バンバン出しますし」 ゆみ「ああ、2人とも頼れる部員だ。……まあモモはともかく、初心者の妹尾に頼るというのも情けない話だがな」 京太郎「情けないなんてことないですよ。同じ鶴賀麻雀部の部員なんですから、頼れることは頼っちゃいましょう!」 ゆみ「…………」 京太郎「あ、あれ。変なこと言いました?」アセアセ ゆみ「いや、君の言うとおりだと思ってな。情けないなんて思う必要はない、か」 ゆみ「きっとそういう意識が私には足りていないんだろうな」フッ 京太郎「ええと……?」 ゆみ「君に教えられたというだけだよ。あまり気にしなくていい。……ん、蒲原からメールか」 京太郎「今日は行けなくなった……ですか」 ゆみ「まったく、白々しい」ハァ 京太郎「どうします?」 ゆみ「ここまでお膳立てされたんだ。2人で遊ぶことにしよう」 京太郎「俺はいいですけど……」 ゆみ「私も構わない。これで決まりだな」 京太郎「おお……2人乗りをあれだけ渋ってた人とは思えないです」 ゆみ「2人乗りとこれでは全然違うだろう」 ゆみ「……それに、この間の私の態度が原因だろうしな」ボソッ 京太郎「すみません、今なんて?」 ゆみ「何でもない。それより京太郎くん、エスコートよろしく頼むぞ?」」 京太郎「ま、まだこの辺りは全然わからないんですが……」 ゆみ「ああ、アドリブがどれほど利くのか楽しみにしているよ」フフッ 京太郎「えっ!?」 ゆみ「ほら、待ち合わせ場所でいつまで立たせているつもりなんだ?」 京太郎「はっ!? そ、それじゃあお昼も近いですしどこかで食べたりとか……」 ゆみ「そうだな。京太郎くんのオススメの店に案内してくれ」 京太郎「お、オススメですか……」ダラダラ ゆみ「……すまない、からかいすぎたな」クスッ 京太郎「心臓に悪いんでやめて下さい……」 ゆみ「……? 確かにからかいすぎたとは思うが、いくらなんでも緊張しすぎじゃないか?」 京太郎「そ、それはその……」 京太郎(相手がゆみ先輩だからです!! とは言えねえ……!) ゆみ「……まあいい、近くにファミレスがあるからそこへ行こうか」 京太郎「はい!」 ---------------------------------------- 智美「お昼はファミレスかー」 睦月「定番ですね」 佳織「わあ、デートしたことあるんだ」 睦月「……友達で遊びに行くときの定番ですね」 佳織「ご、ごめんね……」 睦月「いや、気にしないで……」 智美「なんで傷を抉りあってるんだ」ワハハ 桃子「ドリンクバー持ってきたっすよー」 智美「おお、ありが……このよくわからない色はなんだー?」 桃子「いやードリンクバーでミックスするの一度やってみたかったんすよ」 智美「今まで麻雀部でやられたことなかったから無警戒だったなー」ワハハ… 智美「さて、佳織とむっきーにはどんなジュースが……」 桃子「かおりん先輩には頼まれてたオレンジジュースっす」 佳織「ありがとー」 智美「えっ」 桃子「むっちゃん先輩はアイスティーっすよね」 睦月「うむ、ありがとう」 智美「ワハ!?」 桃子「私は烏龍茶で……」 智美「ちょ、ちょっと待った!」 桃子「どうかしたっすか?」 智美「な、なんで2人は普通のなんだ!?」 桃子「それを頼まれたからっすよ?」 智美「確かに何でもいいって言ったな……」 桃子「小学生の頃から一度友達にやってみたいって思ってたから感謝してるっす!」キラキラ 智美「そ、そうかー」ワハハ 智美(純粋な目で見られている……!) 智美(こ、これは飲まないとダメな雰囲気か……?)チラッ 睦月・佳織「」コクッ 智美「ううぅ……」 桃子「」ワクワク 智美「えいっ」ゴクゴク 睦月・佳織「……」 智美「……うまいっ!!」 睦月・佳織「えっ」 智美「これうまいぞー! よければこれからも作ってくれー」ワハハ 桃子「適当に混ぜたからまた作るのは無理っす……」 佳織「智美ちゃん、その色で本当においしいの?」 智美「ああ、佳織も一口飲んでみるかー?」 佳織「じゃ、じゃあ」ゴクゴク 佳織「……おいしい!!」 睦月「じゃあ私も」ゴクゴク 睦月「……ほんとだ、おいしい!!」 桃子「むぅ、おいしいなんてつまらないっす……」 智美「まあまあ。モモも飲んでみろー」 桃子「んー」ゴクゴク 智美「どうだー?」 桃子「……マズイじゃないっすか!!」 智美「うまいわけないだろー!!」 桃子「かおりん先輩もむっちゃん先輩もノリよすぎないっすか!?」 佳織「騙されたと思うと悔しくて……」 睦月「こうなったらモモにも飲ませようと思って」 桃子「くっ!! 思えばあれがおいしくなるわけないっすよね!!」 智美「だからなにを混ぜたんだ!?」 桃子「騙されたのに教えると思うっすか!?」 --------------------------------------- <サキニヤッタノハソッチダロー! <ソレハソレッス! ゆみ「向こうが騒がしいな」モグモグ 京太郎「そうですねえ」ジー ゆみ「ここのパスタはなかなかおいしいぞ」モグモグ 京太郎「そうですねえ」ジー ゆみ「……君はバカか?」 京太郎「そうですねえ」ジー ゆみ「……おい!」 京太郎「は、はい!?」ビクッ ゆみ「まったく、先に食べ終わったからといって上の空なのは感心しないな」 京太郎「す、すみません」アセアセ 京太郎(見惚れてたとは言えないな……) ゆみ「京太郎くんとお昼を一緒に食べるのはこれが初めてだったな」モグモグ 京太郎「学年も違いますし、部で食べることもないですしね」 ゆみ「去年は何度かやったんだが……今度部室かどこかで食べようか」モグモグ 京太郎「いいですね。楽しみです」 ゆみ「ああ……ふぅ、おいしかった」 京太郎「ドリンクバー何か取ってきましょうか?」 ゆみ「いや、大丈夫だ。それよりこれからどこに連れて行ってくれるのか聞かせて貰わないとな」 京太郎「えっ!? い、いやさっきのは冗談だったんじゃ……?」 ゆみ「他人が話しかけているのに気づかなかったんだ。もちろん何か考えてくれていたんだろう?」 京太郎(意外と気にしてた!?) ゆみ「ほら、あんまり待たせるとこのまま帰ってしまうぞ?」 京太郎「え、ええとですね……」 京太郎(な、何かないか!)キョロキョロ 京太郎(ん? これは……) 京太郎「ゆみ先輩! ここ行きましょう!」 ゆみ「どれどれ……水族館か」 京太郎「はい。多分そんなに行くことないでしょうし、久しぶりに行けば楽しいと思うんですよ」 ゆみ「確かにここ数年行っていないな」 京太郎「なら行ってみません? ちょうどここに優待券も置いてありますし」 ゆみ「……一応聞いておくが、それが目についたからという理由ではないよな?」 京太郎「あ、あはは……」 ゆみ「……まあいいか。そこへ行くとしよう」 京太郎「い、いいんですか?」 ゆみ「久しぶりなのは本当だしな。聞いてて行きたくなったよ」 京太郎「それならよかったです。もう出ます?」 ゆみ「そうだな。早く行こうか」 --------------------------------------- 智美「2人を追って着いたのがここかー」 睦月「水族館ですか。デートコースの定番ですね」 桃子「まあ優待券ありきだとは思うっすけどねー」ピラピラ 佳織「イルカショーだって! 可愛いんだろうなー」 智美「2人がどこに行くかよく調べてくれたなー、モモ」 桃子「麻雀部に入って私の影の薄さは磨かれたっすからね! それなりに自由自在に出来るっすよ」 智美「おお、凄いなー」 睦月「さすがモモ」 佳織「桃子さん凄いよ!」 桃子「素直に褒められると照れるっすね」テレテレ 睦月「ふむ……体質を悪用するのはよくないと思うぞ」 智美「……あんまり他人の恋路に踏み入るのはどうかと思うぞ?」 桃子「先輩たちもノリノリだったじゃないっすか!」 睦月「いや、こういう反応を望んでいるのかと」 桃子「照れ隠しっすよ! わかって欲しいっす!」 佳織「わかってやってるんだよきっと」 桃子「きっとというのが不安っすね……」 --------------------------------------- 京太郎「この水族館長野で一番大きいらしいですよ」 ゆみ「ほう、そうなのか」 京太郎「人も結構多いですね」 ゆみ「長野には海がないから……というのはあんまり関係ないか」 京太郎「それじゃあ早速入りましょうか」 ゆみ「ああ」 ………… ……… …… … 京太郎「最初は熱帯ゾーンですね」 ゆみ「色とりどりの魚が可愛らしいな」 京太郎「アロワナは大きいですねー」 ゆみ「世界最大級の淡水魚だったか。見た目のインパクトも凄いな」 京太郎「あの口は特徴的ですよね。……おお、水から飛び出して虫を食べてる」 ゆみ「見た目によらず動きが早いな」 京太郎「あっ、クマノミがいますよ!」 ゆみ「ファインディング・ニモだな。親子の愛情が感じられて好きだったよ」 京太郎「今度続編もやるらしいですよ」 ゆみ「そうなのか」 京太郎「その……公開されたら一緒に見に行きませんか?」 ゆみ「えっ……ああ、いいぞ。楽しみだな」 京太郎「ほんとですか! やった!!」 ゆみ「よ、喜びすぎだ」カアァァ 京太郎「次は餌やりが体験できるコーナーですね」 ゆみ「凄い数の鯉だな」 京太郎「幸福池っていうらしいですよ」 ゆみ「ふむ、特定の色の鯉に餌をあげると願いごとが叶う……か」 京太郎「……特定の色ってなんなんですかね?」 ゆみ「……それも含めて運試しというところなのか?」 京太郎「とりあえず餌あげてみましょうか」 ゆみ「そうだな。珍しそうな色の鯉にあげてれば当たるだろう」 京太郎「えい!」ポーイ ゆみ「それっ!」ポーイ 京太郎「……当たったかなあ」 ゆみ「それは神のみぞ知るだな」 京太郎「ゆみ先輩の願いごとはなんです? やっぱり麻雀で全国行けますようにとかですか?」 ゆみ「いや、違う。……それに、他人に聞くときはまず自分から言うものだぞ?」 京太郎「俺ですか? 俺は先輩たちが全国に行けますようにってお願いしました。一緒だと思ったんですけどね」ハハハ ゆみ「ふふ、それならある意味一緒のようなものだよ」 京太郎「え?」 ゆみ「私は京太郎くんが全国に行けますようにとお願いしたからな。お互いがお互いに同じことを祈ったんだから一緒だよ」 京太郎「ぜ、全国ってハードル高いですね……」 ゆみ「言っておくが私たちも大会に出るのは初めてだぞ? 無理を言っているのは君も同じだ」 京太郎「それはそうですが……」 ゆみ「なに、所詮はおまじないだ。あんまり気負わず喜んでくれると嬉しい」 京太郎「……そうですね。俺も頑張ります!」 ゆみ「うん、その意気だ」 京太郎「お待ちかねのイルカショーですよ!」 ゆみ「確かに楽しみにしていたが、お待ちかねというほどではないぞ」ソワソワ 京太郎(そんなにソワソワして言われてもなあ) ゆみ「どうする? 前のほうに行くか?」グイグイ 京太郎「どうするというか引っ張ってるじゃないですか!?」 ゆみ「な、なんのことだ?」 京太郎「先輩……まあともかく、前のほうはやめときましょう」 ゆみ「何故だ!? ドルフィくんが近くで見られるんだぞ!?」 京太郎「そのうちわかりますよ。だから座るのは真ん中辺りにしておきましょう」 ゆみ「君がそこまでいうなら……」 ゆみ「おお!」 京太郎「すげー、尾ビレで水の上歩いてる」 ゆみ「人を乗せて運んでる!?」 京太郎「プールの端から端まで鼻の上に人を乗せて……初めて見た」 ゆみ「おー!」 京太郎「定番ですけどジャンプで輪を連続してくぐるのは見てて楽しいですね」 ゆみ「……なあ京太郎くん。やっぱり前で見ててもよかったんじゃないか?」 京太郎「さっきが小さいジャンプだったから……そろそろですよ」 ゆみ「?」 調教師「さあ次はドルフィくんの得意技、大ジャンプです! 見事このハードルを越えることが出来るでしょうか!」 ゆみ「」ドキドキ 調教師「ドルフィくん行くよー!」ピッ ドルフィ「」ジャンプ バッシャーーン!! 調教師「見事ハードルを越えましたドルフィくんに、盛大な拍手をお願いします!」パチパチパチ <ウワッビショビショニヌレタッス!! <ダカラヤメトコウッテイッタロー!? 京太郎「ほら、前のほうだとあんな風にジャンプしたときの飛沫がかかることがあるんですよ」 ゆみ「思ったより大量にかかるんだな……」 京太郎「いや、あれはさすがに運が悪かったんだと思います」 ゆみ「なんにせよ君のおかげで濡れずに済んだよ。ありがとう」 京太郎「どういたしまして……それより前で濡れてた人蒲原先輩に似てませんでした?」 ゆみ「ああ、確かに似ていたな。だが周りに3年の友人も、妹尾や津山の姿もなかったから別人だろう」 京太郎「なんとなくあの辺りの雰囲気が麻雀部っぽかったんですが……まあでも先輩たちがいなかったんですから違いますよね」 ゆみ「そうだな。それに隠れてついて来ているなら私たちの前に座ったりしないさ」 京太郎「それもそうですね」 京太郎「最後は海水魚コーナーですか」 ゆみ「最後だけだいぶ括りが広いな」 京太郎「きっと色々あるんですよ。あ、2万匹のイワシ玉とかあるみたいですよ」 ゆみ「2万匹とは凄いな」 京太郎「えーと、でも……」キョロキョロ ゆみ「……見当たらないな」 京太郎「ですねえ。あ、これ……」 ゆみ「……用意していたイワシはサメやアジに食べられてしまいました」 京太郎「……魚の世界も厳しいんですね」 ゆみ「狭い水槽だから玉になったくらいでは誤魔化せなかったんだろうな」 京太郎「……スイミー」ボソッ ゆみ「あれは海だし、大型の魚に化けていただろう!」 京太郎「……」 ゆみ「……」 京太郎「次、行きましょうか」 ゆみ「ああ……」 京太郎「あ、先輩! カジキマグロですよ!」 ゆみ「ほう」 京太郎「え、ええと……加治木先輩とカジキマグロで……」 ゆみ「ああ」 京太郎「その……」 ゆみ「どうした? 続けろ」 京太郎「すみませんでしたぁ!!」 ゆみ「わかればいい」 京太郎「でも水族館でカジキマグロって珍しくないですか?」 ゆみ「カジキマグロは外洋で泳いでいる魚だからな。水槽の中では壁やガラスにぶつかってすぐ傷つくから、飼育に向かないんだ」 京太郎「詳しいですね」 ゆみ「昔何度もからかわれたからな。意地になって調べてやった」 京太郎「……すみませんでした!」 ゆみ「謝るな!」 京太郎「おお、マンボウ!」 ゆみ「初めて見たが思っていた以上に大きいな」 京太郎「知ってます? マンボウってプランクトンの一種なんですよ」 ゆみ「ああ、知っている」 京太郎「えっ」 ゆみ「プランクトンは浮遊生物という意味です。マンボウも泳ぐ力が弱くて海流に逆らえないため、プランクトンの一種に含まれます」 ゆみ「そこに書いてあるのを読んだんだろう? 私もさっき読んだよ」 京太郎「あ、あはは。よく見てますね」 ゆみ「こういうものが目につく質だからな。それにここに書いていないマンボウの特徴も知っているぞ?」 京太郎「へー。どういうのがあるんですか?」 ゆみ「さっき言ったようにマンボウは泳ぐのが下手で岩にぶつかってよく死んでしまうんだ」 ゆみ「水族館ではそれを防ぐためにネットやフィルムで保護しているが、それに引っかかって死んでしまうこともあるらしい」 京太郎「へー」 ゆみ「更にマンボウは寄生虫を取るために水中からジャンプして水面に自分の体を叩きつけるんだが、それで死ぬこともある」 京太郎「え?」 ゆみ「それと魚は泳ぐことで呼吸をしているんだが、マンボウは泳ぐのが下手だからすぐ酸欠になってしまう」 ゆみ「場合によってはそのまま死ぬ」 京太郎「えっ?」 ゆみ「他にも……」 京太郎「他にも!? ちょ、ちょっと待って下さい! 何ですかそのひ弱な生き物! そんなのすぐ絶滅するでしょう!?」 ゆみ「マンボウは絶滅しないために、体を強くするのではなく子孫をたくさん残すことを選んだんだ」 ゆみ「一度に数億個の卵を産むことは知っているだろう」 京太郎「いや知ってますけど!」 ゆみ「まあそういう生物もいるという話だ」 京太郎「こんな呑気そうな顔してますけど、厳しい競争を勝ち抜いてきたエリートなんですね……」 ゆみ「ああ、私たちもこのマンボウのように大会を勝ち抜かないとな」 京太郎「う、うーん……」 京太郎「……そういえばゆみ先輩、マンボウにも詳しいんですね」 ゆみ「ああ、カジキマグロのことを調べるときに目についたからついでにな」 京太郎「すみませんでした!」 ゆみ「だから謝るな!」 京太郎「おみやげコーナーですね」 ゆみ「地元だとあまり買うこともないな」 京太郎「麻雀部には……」 ゆみ「来なかったのはあっちだ。いらん」 京太郎(意外と怒ってたのか……) ゆみ「京太郎くんは何か買いたいものがあるのか?」 京太郎「んー……はい。ちょっと買いたいものが」 ゆみ「そうか。なら私はここで待っているよ」 京太郎「はい、すぐ戻ります」 京太郎(ゆみ先輩に何か買いたかったけど、思ったより時間かかっちゃったからなあ) 京太郎(ここであげられそうなのを見つけないと……)キョロキョロ 京太郎(あ、イルカのストラップ) 京太郎(これくらいなら気軽に受け取ってもらえそうだな。あんまり待たせても悪いし……) 京太郎「すいません、これください」 店員「はい、ありがとうございましたー!」 京太郎「すみません、お待たせし……ってあれ、いない?」 京太郎「も、もしかして先に帰ったのか!? やばい、何かしたか俺!?」 ゆみ「待て、いくらなんでも連れを置いて帰ったりはしない」 京太郎「あ、ゆみ先輩!」 ゆみ「すぐ戻るとは言っていたが本当に早いな」 京太郎「お待たせしたら悪いですから。それよりゆみ先輩はどこ行ってたんですか?」 ゆみ「あーその……あまり聞くな」 京太郎「……? はい」 ゆみ「それじゃあそろそろ帰ろうか」 京太郎「はい。結構長居しちゃいましたね」 ゆみ「そうだな。だが楽しかったよ。誘ってくれてありがとう」 京太郎「こちらこそ。凄く楽しかったです。それとその……」 ゆみ「ん?」 京太郎「よ、よければ今日も家まで送ります」 ゆみ「なんだ。そんなことならかしこまらなくてもいい」フフッ ゆみ「最後までエスコートを頼んだぞ。京太郎くん」 --------------------------------------- ――帰り道―― 佳織「そういえば智美ちゃん、今回のデートで2人にはどのくらい仲良くなってもらうのが目標だったの?」 智美「ん? そうだなー。名前で呼ぶくらいになってくれたら満足かなー」 睦月「あの2人だと難しそうですねえ」 桃子「え? それなら喫茶店のときにもう『ゆみ先輩』『京太郎くん』って呼びあってたっすよ?」 智美「えっ」 睦月「えっ」 佳織「それじゃあこの間帰るときにそう呼ぶようになってたのかな?」 桃子「そうみたいっすねー」 智美「……無駄な気遣いだったかなー」ワハハ…… 睦月「そ、そんなことないですよ! きっともっと凄く仲良くなってると思います!」 智美「……付き合うまでいったら悔しいなー」 睦月「うっ」 桃子「そのときは全力でからかってその悔しさを晴らせばいいっす!」 佳織「凄く自分たちが惨めになりそうな……」 桃子「振り返っちゃダメっすよ! 勢いが全てっす!」 智美「……そうだなー。そのときは全力でからかおう! 部長として許す!」 佳織「部長とかって問題なのかな……?」 睦月「まあまだ付き合ってるわけでもないしね」 桃子「こういうことは先に決めておくほうがいいんすよ」 智美「嫉妬する心の準備もできるしなー」ワハハ --------------------------------------- ――加治木宅前―― ゆみ「着いたか……いつもありがとう」 京太郎「どういたしまして」 ゆみ「久しぶりに麻雀のことを忘れたよ。いい息抜きになった」 京太郎「大会まで後2週間ですね」 ゆみ「ああ、これからはまた厳しくやらせてもらうぞ」 京太郎「お、お手柔らかにお願いします」 ゆみ「それは君次第だな」フフッ 京太郎「あはは……」 京太郎「えっと、ゆみ先輩。ゆみ先輩に渡したいものが」 ゆみ「何だ?」 京太郎「水族館で買ったんですけど……イルカのストラップです」 ゆみ「わぁ……! 可愛いな。嬉しいよ。ありがとう」 京太郎(よかった、喜んでもらえた……!)ホッ ゆみ「それでだな。その、私からも渡したいものがあるんだ」 京太郎「え?」 ゆみ「マンボウのストラップだ。キャラもののような可愛い系ではないから、男子が付けていてもおかしくはないと思うのだが……」 京太郎「お、俺にですか!? うわ、すっげえ嬉しいです!」 ゆみ「喜んでくれたか。よかった……」 京太郎「喜ぶに決まってるじゃないですか!」 ゆみ「マンボウが成長するように、君に大会を勝ち抜いて欲しいという思いも込めてみたんだ。よければ付けてくれ」 京太郎「そんな期待まで……! もちろん付けますよ! ありがとうございます!」 ゆみ「ありがとう。私もイルカのストラップ、付けさせてもらうよ」 京太郎「本当ですか! 水族館選んでよかった……!」 ゆみ「――――……正直なところ、私はどこでもよかったんだがな」ボソッ 京太郎「ちょっ、これでも必死に考えたんですよ!?」 ゆみ「君は耳がいいな」ハハ ゆみ「別に悪い意味で言ったんじゃない。とても楽しかったのは本当だよ。久々で新鮮で、水族館でよかったと思ってる」 京太郎「まあ、ならよかったですけど。後何かその前に言おうと――」 ゆみ「それよりほら、あまり遅いとご両親が心配するぞ」 京太郎「いえ女子じゃないんですから……というか、まだそんな遅い時間でもないですよ」 ゆみ「なんだ、家に上がって行きたいのか?」 京太郎「どうしてそうなるんですか!?」 ゆみ「まだそんなに遅い時間ではないんだから家に上げろと言いたいんだろう? 一応言っておくが両親はいるからな」 京太郎「上がりづら……というか上がりませんよ! 帰ります!」 ゆみ「ああ、また部活でな」 京太郎「はい、さようなら。また学校で!」 ゆみ「……行ったか」 ゆみ(……危なかった。追求されていたら口を滑らせたかも……ああ、考えるだけで恥ずかしい!) ゆみ(何より、君が私のために考えてくれたということが嬉しいんだ。だから正直なところ、私はどこでもよかったんだがな、なんて) ゆみ(何を考えているんだ私は!! 考えさせたのは私だろう! それに口に出すなんて!)カアァァ ゆみ「前半のほうを聞かれていなかったのは幸いか……」 ゆみ「……京太郎くんは、私のことをどう思っているんだろうな」 ゆみ「……いや、違うな。京太郎くんより、私がどう思っているのか……」 ………… ……… …… … 京太郎「こんにちはー。ゆみ先輩1人ですか?」ガラガラガラ ゆみ「ああ、みんなまだ来ていないようだ。……ぜひとも聞きたいことがあるんだがな」 京太郎「あはは……あ、ゆみ先輩。この間言われてた牌譜の分析です」 ゆみ「ああ、ありがとう……うん、よく出来てるよ」 京太郎「ありがとうございます!」 ゆみ「だが京太郎くんは自分の打牌には甘いところがあるな。ほら、ここ」 京太郎「えっ?」 ゆみ「生牌ならともかく、1枚切れの嵌張に受けるくらいなら役牌の対子を残したほうがいい。順目も早いしな」 京太郎「あーなるほど」 ゆみ「別にミスがあることで責めたりはしないさ。ただ直さないのはよくないな」 京太郎「うう、見落としてました……」 ゆみ「自分の打牌は、なまじ意図が完璧にわかっている分ミスに気付きづらい。特に注意してみるといい」 京太郎「はい!」 ゆみ「うん、頑張れよ」 ゆみ「さて、次は他校の生徒の分だ。ここの牌譜が分かりませんと書いているな」 京太郎「そこはほんとにわかりませんでした」 ゆみ「そうか。この捨て牌の意図はな…………」 桃子「入るっすよー」ガラガラガラ 智美「おー2人とももういるのかー」 睦月「早いですね」 ゆみ「ああ、4人で来たのか」 智美「途中で一緒になってなー」 ゆみ「そうか。私は京太郎くんと話しているから、先に始めていていいぞ」 京太郎「ゆみ先輩、もう大会も近いんですから俺の指導なんて後回しでいいですよ」 ゆみ「大会が近いのは君も同じだろう。それに牌譜はどうせ見るんだ。君に教えながら見たほうが効率がいいさ」 桃子「うーん、仲良くなったっすねー」 智美「気を回した甲斐があったなー」 ゆみ「元々悪くなんてない。いらない気遣いを」ハァ 智美「ちょっとゆみちんには金曜日の言動を思い出して欲しいなー」 ゆみ「き、記憶にないな」 智美「ゆみちん……」ハァ 智美「まったく、そんなに嫌だったのか?」ワハハ ゆみ「そんなわけな……! そ、それとこれとは話が別だ!」 智美「素直なほうが人生得だぞー」ワハハ 桃子「ある意味すっごく素直っすけどね」 佳織「というか、用事があって休んだわけじゃないって気づいてたんですね」 睦月「ちょっと露骨すぎましたか」 京太郎「4人も休んで偶然だなんて思うわけないじゃないですか」ハァ 桃子「部員のことはちゃんと信じなきゃダメっすよー?」 京太郎「結局嘘だったじゃねえか!」 桃子「それは結果論っす! 信じるかどうかが大切なんすよ!」 京太郎「酷い屁理屈だな!」 京太郎「……あれ? ゆみ先輩。そういえば俺が先輩のこと下の名前で呼ぶようになったのって、金曜日でしたよね?」 ゆみ「ん? ああ、私が京太郎くんと呼ぶのもそれからだな。しかしそれがどうかし……そうか」 睦月「?」 桃子「?」 智美「うん? それがどうかしたのか?」 京太郎「いや、普通少しくらい反応があるんじゃないですか?」 佳織「なんのこと?」 ゆみ「私が須賀くんではなく京太郎くんと呼んでいて、京太郎くんが私のことを加治木先輩ではなくゆみ先輩と呼んでいることだ」 4人「「「「あっ」」」」 京太郎「まるで知っていたかのように自然に受け入れてましたよね」 智美「そ、それはほら。あんまりからかっていいことでもないかと思って」 ゆみ「わざわざ2人きりで遊びに行かせるほど私たちの仲を気にしていたんだ。別にからかいとしてでなくとも聞くほうが自然だろう」 桃子「あ、あれっすよ! 今日学校で2人が喋ってるのを聞いて」 京太郎「残念ながら今日ゆみ先輩とは放課後しか喋ってない」 睦月「2人の呼び方が自然だったので違和感なく……」 ゆみ「さすがに苦しいな」 佳織「ええと、それじゃあ……」 京太郎「今それじゃあって言いましたよね!?」 佳織「ふぇっ!? い、いや、違うの!」 ゆみ「そもそも最初の"あっ"という反応でわかっている」ハァ 京太郎「そういえばイルカショーのとき蒲原先輩らしき人がいましたね」 ゆみ「ああ、結局は君の言ったことが正しかったというわけか」 桃子「ほら、やっぱりあの変装じゃバレバレだったんすよ!」ヒソヒソ 智美「前の方に行きたいって言い出したのはモモだろー!?」ヒソヒソ ゆみ「内輪もめはいい。それよりいつから見ていたんだ?」 智美「い、いやたまたま水族館に遊びに行ったら偶然ゆみちん達が……」 佳織「智美ちゃん、もうやめよう」ポンッ 睦月「待ち合わせのときからです」 京太郎「最初からですか!? 俺たち結構早く移動しましたよ!?」 ゆみ「遊ぶ場所は集まってから決めたし、待ち合わせ時間よりだいぶ早く動いたから安心していたんだが……」 桃子「先輩たちより1時間早く集まってたんすよ。部長に言われて」 智美「さりげなく私に責任を負わせるなー! 後をつけるのやめるかどうかちゃんと聞いたろー!?」 桃子「私たちは先輩が言わなかったら後をつけようなんて言わなかったすよ!」 智美「む……そもそもモモが言わなければ名前を呼んでるのにちゃんと驚けたんだぞー!」 桃子「話題に出したのはそっちじゃないっすか!」 ギャーギャー ゆみ「……おい、2人とも」ギロッ 智美・桃子「」ビクッ ゆみ「騒いでうやむやにしようという努力は買おう」 智美・桃子(バ、バレてたかー/っすか……) ゆみ「だがまあ……誤魔化されると思うなよ?」ニコッ 智美・桃子「ヒッ」 ゆみ「津山、妹尾。お前たちもだからな」 津山・佳織(黙ってやりすごせなかった……) 京太郎「せ、先輩? 穏便にしてくださいね?」 ゆみ「ああ、うん……まあ、京太郎くんは気にするな」ニコッ 京太郎(こ、こえー……)ブルブル ゆみ「さて、蒲原。次はこの局だ。まずどこが悪いと思うか言ってみろ」 蒲原「こ、ここかなー?」 ゆみ「ふむ、そこだけか?」 蒲原「こ、ここもかな?」 ゆみ「違う」 蒲原「ひっ」 ゆみ「そこのドラ切りは一見危なく見えるが、下家の手牌にドラがあることが濃厚だから通りやすい。少なくとも他の牌よりは安全だ」 蒲原「な、なるほどー」 ゆみ「大会も近いし、やはりもう少し厳しくしないとダメか……」ブツブツ 蒲原(ひ、ひええ)ガクガクブルブル 京太郎「よっしゃあああ!!!」 桃子「くぅ、悔しいっす」 睦月「京太郎くん、おめでとう」 佳織「凄いよ、おめでとう!」 京太郎「ありがとうございます!」 ゆみ「ん? どうしたんだ?」 京太郎「ゆみ先輩、俺ようやく1位になれました!!!」 ゆみ「本当か!? 凄いじゃないか!」 京太郎「なんとかモモから逃げ切れました。先輩のおかげです!」 ゆみ「君の実力だよ。モモに勝てたんだな」 桃子「後一歩だったっすよー。今回は手牌もそこまで悪くなかったし、大会までにもう一度負けるとは思わなかったっす」 京太郎「ふっふっふ。1位も取ったし、これで残った目標は先輩に勝つだけです」 ゆみ「そうか、私もそう簡単には負けないぞ?」 京太郎「望むところです。さあ打ちましょう!」 ゆみ「ああ、勝負だ」 智美「た、助かった……」 桃子「先輩は京太郎との勝負に集中してくれそうっすね。負けて悔しいっすけど、ある意味助かったっす」 睦月「京太郎くんも強くなったね」 佳織「そうだね。始めたの同じくらいなのにもう全然敵わないや」 智美「まだまだ2週間ちょっとだろー。佳織には役満があるんだし、これからこれから」 佳織「その役満が出るってのは偶然だと思うんだけど……」 睦月「いや、妹尾さんが役満で上がった数、私が今までに上がった役満の数より多いよ?」 佳織「えっ?」 桃子「もうちょっと自分の凄さを自覚して欲しいっすね」 智美「貴重な才能だぞー」ワハハ 佳織「そ、そんなこと言われても……」 京太郎「先輩ー。速く席着いてくださいよー」 智美「ああ、悪い悪い」 佳織「いま行くよー」パタパタ 桃子「んー京太郎も強くなったっすけど、佳織先輩ももっと自信持って欲しいっす」 睦月「うん、爆発力は凄いし、1位になったことだって何度も……」 佳織「あ、ロン。清一色……かな?」 ゆみ「……妹尾、それは九蓮宝燈と言ってな。役満の一つだ」 佳織「えっ」 智美「京太郎のトビで終了だなー」ワハハ 京太郎「」 佳織「ご、ごめんね? 京太郎くん」 京太郎「い、いえ。さすが佳織先輩……」ハハハ… 睦月「……」 桃子「……」 睦月「なんで自信持たないんだろう」 桃子「ほんとっすね」 京太郎「……立直です」 佳織「」ドキドキ 睦月「」ドキドキ 桃子「ううん」タン ゆみ「……」タン 智美「んー」タン 京太郎「……ツ、ツモ! 2600・1300です!」 智美「おおー!」 ゆみ「1位だな。おめでとう」 桃子「むー、また負けたっすか」 睦月「おめでとう京太郎くん」 佳織「今日初めて1位になったのに、同じ日に2度もなるなんて凄いよ!」 京太郎「……」 ゆみ「京太郎くん?」 京太郎「…………よっしゃああああ!!!」 ゆみ「」ビクッ 京太郎「やっとゆみ先輩に勝てた! しかも1位! 2回目! うわ、すっげえ嬉しい!!」 京太郎「今日の俺凄いなー! ゆみ先輩、やりましたよ! ……ゆみ先輩?」 ゆみ「……京太郎くん、まずはおめでとう」 京太郎「ありがとうございます!」 ゆみ「だが、いきなり大声を出すのはやめろ」 京太郎「あ、すみません」 ゆみ「それと……目の前でここまで喜ばれるとな。さすがにリベンジしないわけにはいかないな」ゴッ 京太郎「えっ」 ゆみ「蒲原、モモ。順番だと私と京太郎くんだが、私たちの代わりに津山と妹尾と交代して貰っていいか?」 智美・桃子「」コクコク 京太郎「えっ?」 ゆみ「さあ、京太郎くん。続けよう」 京太郎「……えっ?」 ………… ……… …… … ――帰り道―― 京太郎「先輩……酷いですよ……」 ゆみ「す、すまない」アセアセ 京太郎「1位になってゆみ先輩に褒めてもらいたかったのに……」ボソッ ゆみ「? 今なんて……」 京太郎「何でもないです!」 京太郎(ゆみ先輩、前言ったこと忘れてるのかなあ)ハァ 京太郎「それより、あの後3位とか4位ばっかりで心折れかけましたよ!?」 ゆみ「べ、別に負けたときから本気だったから実力が変わるわけでは……」 京太郎「ゆみ先輩は手牌読んだり出来るじゃないですか。俺の手牌集中して見てませんでした?」 ゆみ「うっ」ギクッ 京太郎「やっぱり!」 ゆみ「悔しかったんだ、わかれ!」 京太郎「逆ギレ!?」 ゆみ「……まあその、別に京太郎くんだけ見ていたわけじゃない。ただ調子がよさそうだから警戒を強くしたというか――」 京太郎「! ゆみ先輩!」 ゆみ「な、なんだ?」 京太郎「それって、俺のことを強い相手だって認めてくれたってことですか!?」 ゆみ「うん? まあそうだな」 京太郎「本当ですか!? やった!!」 ゆみ「何をそんなに喜……ああ、君は勘違いしていたのか」 京太郎「勘違い?」 ゆみ「京太郎くんが強いだなんて前から知っているよ」 ゆみ「警戒したのだって別に今回が初めてじゃない。というかそうでなければもっと早く1位になれていたさ」 京太郎「えっ」 ゆみ「前にも言ったが……そうだな。1位になったのだし改めて」 ゆみ「君の努力は私が誰より知っている。君は強くなった」 ゆみ「今回1位になったのも偶然じゃない。これから何度だってなれるさ。私が保証するよ」 ゆみ「京太郎くん、よく頑張った」ポン 京太郎「……!!」 京太郎「ゆみ先輩、覚えててくれたんですね……!」ウルウル ゆみ「あ、当たり前だ。何も泣くことはないだろう」カアァァ 京太郎「いや、もうほんと嬉しいです。俺、これからも頑張ります!!」 ゆみ「……しかし正直に言って、京太郎くんが入ったときは2週間でここまで上手くなるとは思わなかった」 京太郎「そこまで言われるほど上手くなりました?」 ゆみ「もちろんだ。特にモモにはステルスもある」 ゆみ「私とモモがいる卓で1位を取るのは、早くても大会が終わってからだろうと思っていたよ」 京太郎「今日勝てたのは嬉しいですけど、ゆみ先輩とモモはもちろん、睦月先輩にも部長にもあんまり勝ててるわけじゃないですよ?」 ゆみ「そこまで上手くなられたら私たちの立つ瀬がないな」ハハハ ゆみ「京太郎くん、大会でどこまで行ってみたいと考えてみたことはあるか?」 京太郎「どこまでというとやっぱり決勝リーグまで行ってみたいです。ただそもそもどんな感じなのかが……」 ゆみ「ふむ、そういえばそういう話をしたことがなかったな。それじゃあ分かる範囲で説明しよう」 ゆみ「……説明するといったが、正直言って男子の方は私もよくわからん」 ゆみ「だがまあ、君は麻雀を初めたばかりの初心者だ」 ゆみ「男子のほうがレベルが高いと聞くし、決勝リーグまで進むのはかなり難しいだろう」 京太郎「ですよねー」ガックリ ゆみ「だが、ここ長野に限っては可能性がある」 京太郎「え? なんでですか?」 ゆみ「長野の男子には恐ろしく強い3人の選手がいるんだ。全国大会の1位から3位までその3人が独占していた」 ゆみ「点数も圧倒的でな。その3人とその他大勢というか、とにかく別次元の強さだった」 京太郎「そんな強かったんですか?」 ゆみ「その3人の誰かがいる卓では、1万点残ったら運がいいと思えと言われている」 京太郎「なんですかそれ!?」 ゆみ「信じがたいが本当だ。去年1人は卒業したんだが、まだ2人いる。予選では全選手と当たるからな。その2人とも当たることになる」 京太郎「ふんふむ」 ゆみ「その2人と当たったときにどれだけ点を取られないか。決勝リーグに出られるかどうかはそれにかかっている」 ゆみ「まあつまり、経験の少ない君でもその2人から上手くオリられれば、決勝リーグまで進める可能性があるということだ」 京太郎「そんな、予選が何試合あると思ってるんですか。そのうち2試合くらいで……」ハハハ ゆみ「……」 京太郎「……マジなんですか?」 ゆみ「ああ、一切誇張はない」 京太郎「……ちなみにもしゆみ先輩が戦うとしたらどうします?」 ゆみ「配牌で一向聴でなければベタオリだ。それでも5巡目までに聴牌しなければオリる」 京太郎「はい?」 ゆみ「まあ実際にはベタオリすら狙われるからな」 ゆみ「自分の意志ではなく、ランダムな法則でいつオリるか決めたほうがいいんだろうが、基本的はそうなる」 京太郎「ちょ、ちょっと待って下さい。なんですかそれは」 ゆみ「なんですかもなにも私ならそうするという話だ。実際に打ったことはもちろんないが、それほど圧倒的な相手だ」 京太郎「お、恐ろしいですね……」 ゆみ「ああ、だからこそ決勝リーグも狙えると思う」 京太郎「正直その話聞いて自信なくしたんですが……」 ゆみ「何もその2人に勝てというわけじゃない。このペースで成長すればいい線まで行くと思うぞ?」 京太郎「……そうですね。どうせ初心者ですし、当たって砕けろですよね! 決勝リーグ目指します!」 ゆみ「うん、その意気だ。一緒に頑張ろう」 京太郎「一緒に……! はい、もちろんです!」 ――食堂―― 睦月「部のみんなでお昼を食べるのは久し振りですね」 ゆみ「ああ、妹尾と京太郎くんとモモが入ってきてからは初めてだな」 桃子「こういうの憧れだったんすよー!」 智美「たまには部活以外でも集まろうと思ってなー。大会も近いことだし。それと……」 佳織「それと?」 智美「京太郎が調子悪いだろー? それをゆみちんから相談されたんだけど、これで何か気分転換になればと思ってなー」ワハハ 桃子「あー、この間1位になったのに、それから3位とか4位ばっかりっすよね」 ゆみ「調子の波自体は誰にでもあるが、京太郎くんは初めて経験するだろうからな」 智美「大会直前のこの時期になるのは不安なはずだからなー。こういうのは部活以外で話したほうがいいと思うんだ」 睦月「そうですね。あんまりプレッシャーかかっちゃいけませんし」 佳織「ところでその京太郎くんは……?」キョロキョロ ゆみ「そういえば遅いな」 桃子「いつもパンかお弁当だから手間取ってるんすかね? 私もそうだったっすし」 智美「モモはおばさんがモモのことを見つけられなかったからだろー」ワハハ 桃子「だから学食は困るんすよ!」 睦月「でもそのモモより遅いのはなんでなんだろう?」 ゆみ「ふむ……ああ、ちょうど来た、よう……だ……?」 佳織「うわあ……」 桃子「あ、あれは凄いっすね」 睦月「あれ食べきれるのかな……?」 智美「さすが男子高校生だなー」ワハハ 京太郎「す、すみません。遅くなりましたっ」ドスン ゆみ「い、いや。それはいいんだが……」チラッ 桃子「それ食べきれるんすか?」 智美「山盛りの唐翌揚げに大量のエビフライ」 佳織「ハンバーグとメンチカツも2つずつ」 睦月「ご飯も2人分くらいあるね。それと申し訳程度にサラダが」 桃子「聞いてるだけで胃がもたれそうっすね」 京太郎「……死ぬ気で食べます」ゲッソリ ゆみ「普段学食で食べているが初めて見るな。なんという料理なんだ?」 京太郎「メンズランチを注文したらこうなりました……」 睦月「ああ、男子が入って来てから出来たメニューだね。だから見たことないんだ」 佳織「今まで女子だけだったから、きっと食堂のおばさんが張り切ってこんなメニュー作ったんだね」 ゆみ「しかし学食で食べるのが初めてにしても、友人から聞いたりはしなかったのか?」 京太郎「今日は普段一緒に昼食べてるやつに、麻雀部のメンバーと食べるって言って来たんですよ」 京太郎「そしたらそいつ学食ではメンズランチがオススメだって言って……!」 桃子「あー……。まあご愁傷様っす」 京太郎「うう、あいつ覚えてろよ……!」 ………… ……… …… … 京太郎「き、キツイ……」キュウ ゆみ「だ、大丈夫か?」 京太郎「す、少し休憩すればまだ行けます」 睦月「うむ、まあ無理はしないように」 京太郎「はぁ……そうだ。最近俺スランプで、麻雀全然勝てないんですがどうすれば直りますかね?」 智美「おお、そっちから切り出したかー」 京太郎「はい?」 智美「いや、なかなか言い出しづらいだろうと思って、どう切り出そうか考えてたんだけど必要なかったなー」 京太郎「ああ、そういうことですか。まあ聞くは一時の恥って言いますし」ハハハ 桃子「ちなみに京太郎的には何が悪いと思ってるんすか?」 京太郎「んーネトマでは変わらずそれなりに勝ててるから、なんか癖とかあるのかなあって」 ゆみ「うん? ネトマのほうでは勝てているのか?」 京太郎「はい。部活でやるときだけどうも上手く行かなくて……」 ゆみ「ふむ……」 睦月「何か気になるんですか?」 ゆみ「いや、最近の京太郎くんの牌譜を見ると明らかに不自然な捨て牌があるから」 ゆみ「ネトマでやっていないなら何が原因なのかと思ってな」 智美「確かにこの間見た牌譜は変なとこがいくつもあったなー」 京太郎「どのへんが変でした?」 ゆみ「具体的にではないが、そうだな」 ゆみ「ところどころ比較的安全な牌を切らずに他の牌を切っているだろう? たまに向聴数を上げてまでしていることもある」 ゆみ「それにあからさまな危険牌を振り込むこともある」 ゆみ「正直今の君のレベルからしたら不自然だと思うんだが、何か理由はあるのか?」 京太郎「それは……なんというか上手く言えないんですけど、感覚でこれを切ったらヤバイとか」 京太郎「これなら行けるみたいなのを感じるというか……」 ゆみ「……」 ゆみ(確かに読み切れそうもない難しい待ちを回避していることもある……)フム 桃子「勘違いじゃないっすか?」 京太郎「そんな気もするけど、ステルスとかいうお前が言うな!」 佳織「私はそういうの全然感じたことないなあ。まだ始めたばっかりだし、その内感じられるようになるのかな?」 京太郎「むしろ感じたことがないことにちょっと驚いてます」 佳織「えっ!?」 ゆみ「ちなみにそれは何割くらいで成功しているんだ?」 京太郎「体感で大体5割くらい……だと思います」 智美「結構高いなー」ワハハ 京太郎「まあいつも感じられるってわけじゃないんですけどね」 ゆみ「そうか……」 睦月「先輩はどう思ってるんですか?」 ゆみ「そうだな。ネトマではいつも通りに打っているんだろう?」 京太郎「そういえばネトマではないですね」 ゆみ「ならそれは対局相手の癖や雰囲気を感じているんじゃないか?」 京太郎「癖や雰囲気ですか? でもそういうのを考えたことはあんまりないですよ?」 ゆみ「この短い期間に何度も同じ相手とだけ打っているんだ。無意識に刷り込まれていてもおかしくはない」 智美「でもそれだと私たちも感じてないとおかしくないかー?」ワハハ ゆみ「それは個人差があるだろう。京太郎くんがそういう面に優れているのかもしれない」 京太郎「うーん……」 ゆみ「ピンと来ないか?」 京太郎「はい。他の人はともかく、ステルスしてるモモ相手にもたまに感じることがあるので……」 桃子「そういえばそんなこともあったっすね。後で牌譜見てちょっと驚いたっす」 ゆみ「ふむ……モモもステルスとはいえ本当に消えているわけじゃない。見えていないが見ているということはあるんじゃないか?」 京太郎「ああ、なるほど」 ゆみ「まあこれはあくまで私の解釈だから、これを君にを押し付けるつもりはないよ」 ゆみ「……それより話が脱線してしまったな」 ゆみ「京太郎くんのその感覚が観察によるものか、それとも他の何かかどうかなんてどっちでもいい」 京太郎「えっ」 睦月「バッサリ行きましたね」 智美「ゆみちん、もうちょっと言い方ってものが……」 ゆみ「む、結論から言ってしまおうと思ったんだが……」 京太郎「い、いえ。全然大丈夫です。続けてください」 ゆみ「そうか、よかった」ホッ ゆみ「話を聞く限り、京太郎くんは感覚の通りに打った結果、それが裏目になって勝てていないんだろう?」 京太郎「はい」 ゆみ「なら簡単だ。感覚に頼ってスランプになっているんだから、それに頼るのをやめればいい」 京太郎「あっ」 桃子「何度か裏目った時点で気付いて欲しいっすねー」 京太郎「みんなこうやってると思ってたんだよ!」 京太郎「でも対策がわかったんだ! 今日は1位になるぞー!」 桃子「まあその前に目の前の食事を片付けるっすよ」 京太郎「うっ……」 睦月「あはは、少しぐらいなら食べてあげるよ」 佳織「私もちょっと手伝うよ」 京太郎「睦月先輩、佳織先輩……! ありがとうございます!」 ゆみ「……」 智美「ゆみちんどうかしたのかー?」 ゆみ「……いや、何でもない」 智美「そうか? まあゆみちん、悩んだときは当たって砕けろだー」 ゆみ「……まったく、わかっているなら聞くな」ハァ ゆみ「でもそうだな。ありがとう」 智美「ワハハー」 ――帰り道―― 京太郎「ゆみ先輩、今日はアドバイスありがとうございました!」 ゆみ「アドバイスという程のものじゃないさ」 京太郎「そんなことないですよ! 1位にはなれませんでしたけど、久々に2位になれてめちゃくちゃ嬉しいです!」 ゆみ「……ちなみに、今日も切るべきかどうかという感覚はあったのか?」 京太郎「そうですね。半荘で3,4回くらいはありました。今日は言われたとおりそれ無視してやりましたけど」 ゆみ「それでいい結果になったんだな」 京太郎「はい! やっぱり基本に忠実にやったほうがいいですね」 ゆみ「話を聞いている限りでは振り回されているだけのようだったからな」 京太郎「アハハ……恥ずかしいですね」 ゆみ「……ただ、昼に言ったことと逆になるんだが、もったいないとも思っているんだ」 京太郎「え?」 ゆみ「京太郎くんのそれはきっと磨けば大きな武器になるはずだ。だから昼に言ったことが全部正しいわけじゃない」 京太郎「ええと、それなら昼はああ言ったのは……?」 ゆみ「さっき言ったとおり、君が振り回されているからだ」 京太郎「確かにあやふやな感覚に頼るくらいなら完全に無視したほうがよかったですね……」 ゆみ「京太郎くんは感覚に頼るのではなく、使いこなさなければダメだと思うんだが、大会までは時間がない」 ゆみ「付け焼刃の感覚を使おうとするよりは、無視したほうがいいと私は思う」 京太郎「使いこなすというと成功率を上げるってことですか?」 ゆみ「……それは出来るのか?」 京太郎「いやさっぱりわかりません」 ゆみ「だろうと思ったよ」ハァ ゆみ「そうだな……例えば危険牌だとわかっていても押さなければならない場面や」 ゆみ「おそらく安牌だと感じていてもオリたほうがいい場面があるだろう?」 京太郎「はい」 ゆみ「君の場合はそれをより正確に感じることが出来るわけだから、当然押し引きの基準も変わってくるはずだ」 ゆみ「これは単純な例だが、もっと複雑な場面も多くあるだろう?」 ゆみ「その時々で最も有効な打ち方を判断できるようになったら使いこなせたといえるんじゃないかと思う」 京太郎「なるほど……」 ゆみ「私が教えてあげられればいいんだが、なにぶん君にしかわからない感覚だ」 ゆみ「君が実戦で磨くしかないし、それに基礎力ももちろん必要だ。そうすると大会までにはおそらく間に合わない」 京太郎「あっ、だから頼るのはやめろって……」 ゆみ「ああ、君は強くなった。普通に成長すれば決勝リーグに残ることもそう無理なことではないと思う」 ゆみ「私は大会が終わるまでは普通に練習をして、大会が終わってから」 ゆみ「その感覚を活かした打ち方を見つければいいんじゃないかと思う」 京太郎「……私はってことは、他の道もあるってことですか?」 ゆみ「そうだな。今からその感覚を活かした打ち方を見つけるという方法もある」 ゆみ「次の大会で全国に行こうと思うならこれが一番可能性があるだろう」 京太郎「ぜ、全国ですか!?」 ゆみ「まあ完璧とまで行かなくとも、ある程度完成させられればという前提だがな。ただおそらく無理だろう」 京太郎「き、厳しいですね」 ゆみ「当たり前だ。自分のスタイルなんてそう簡単に身につくものじゃない。前例にない特殊な打ち方をするならなおさらだ」 ゆみ「さらに言うなら、そこまで上手く行ったとしても可能性が出てくるという程度だ」 京太郎「どっちを選ぶべきか……」ウーン ゆみ「……実はな、この話は言おうかどうか迷ったんだ」 京太郎「え? なんでですか?」 ゆみ「京太郎くんが迷うと思ったからだよ。誰だって全国は目指したいだろう?」 京太郎「そうですね」 ゆみ「だけどそのスタイルが完成するまでは、きっと昨日までのように負け続けることになる」 ゆみ「誰だって負けるのは嫌だろう? そんなことで京太郎くんが麻雀を嫌いになったら悲しいからな」 京太郎「そんなことは……」 ゆみ「……まあそれで嫌いになるというのも、私の勝手な想像だ。だから最終的には君自身に決めてもらうことにしたんだが」 京太郎「はい」 ゆみ「どっちを選んでもいいぞ。どちらでも出来る限りのサポートはしよう」 京太郎「……大会までは普通に練習することにします」 ゆみ「うん? そうか。わかった」 京太郎「あれ、ちょっと意外そうですね」 ゆみ「そうだな。正直京太郎くんは、今から感覚を活かした打ち方を見つけると言うと思っていた」 京太郎「3年ならそうしたかも知れないですけど、無理して次の大会で勝とうと思わなくても俺はまだ1年ですから」 ゆみ「ああ、確かに私もそう考えたから今は普通の練習をしたほうがいいと言ったんだが……」 京太郎「……あー、その。ですね」 ゆみ「うん?」 京太郎「ええと……」 ゆみ「?」 京太郎「……ゆ、ゆみ先輩が俺のためって考えてくれたのが嬉しかったんですっ!!」 ゆみ「なっ!?」カアァァ 京太郎(い、言っちまったああああ! ひ、引かれたりしないよな……?) ゆみ「そ、そのだな」アタフタ 京太郎「……」ドキドキ ゆみ「た、確かに京太郎くんは大切な後輩だし」 ゆみ「君のために考えたというのも正しいが、それでももう少しいい言い方があるだろう!?」カアァァ 京太郎「っ!」 ゆみ「そ、それともわざとそういう言い方にしたのか?」 京太郎「……そ、そうなんですよー。やだなバレちゃいましたか」 ゆみ「や、やっぱりそうだったか……」シュン 京太郎(先走ったかあ……まあ、誤魔化せただけいいかな)ズーン ゆみ「まったく、京太郎くんも言うようになったな」ハァ 京太郎「あ、あはは」 ゆみ「でも嬉しいよ。モモとはいつもこんな感じで話しているだろう?」 京太郎「モモはああいう奴ですからね。ゆみ先輩には、もし同じ学年でもモモと同じようには話せませんよ」 ゆみ「今言っていたじゃないか」 京太郎「そ、そうでしたね……」アハハ ゆみ「これからも言ってくれていいんだぞ? 私は気にしない、というか楽しい」 京太郎「そうですか? 意外ですね」 ゆみ「今まであまり言われたことがなかったから新鮮なのかもしれないな。……それかもしくは」 京太郎「もしくは?」 ゆみ「……京太郎くんとは特別話しやすいからかもしれないな」 京太郎「えっ――」ドキッ ゆみ「……」ジー 京太郎「……」ドキドキ ゆみ「……ふふ、冗談だ。あまり後輩に言われてばかりではな」 京太郎「もう、俺が悪かったですから、からかうのはやめてくださいよ……」 ゆみ「ちょっとした仕返しだよ」 京太郎「まったく、ちょっと前までが男と話すの苦手とか言ってたの誰ですか」 ゆみ「……今も他の男子とはほとんど話さないし、話すのは苦手だ」 京太郎「えっ?」 ゆみ「私がこういうことをできるのは京太郎くんだからだよ。きっと」 京太郎「なっ」カアァァ ゆみ「……」ドキドキ 京太郎「こ、こんな続けてはさすがに引っかかりませんよ!」ドキドキ ゆみ「……ああ、そうだな」 京太郎「ゆみ先輩は冗談も真顔で言うから分かりづらいです……」 ゆみ「見分けられるようになることを期待しているぞ」 京太郎「努力します……それじゃあゆみ先輩、また明日」 ゆみ「ああ、もうこんなところか。また明日」 ゆみ(まったく、あまり慣れないことはするものじゃないな)ハァ ゆみ(見分けられるように……そもそも私はどういう返事を期待していたんだ?) ゆみ(自分でも分かっていないのにあんなことを……いや、やめよう。考えるのは大会が終わってから――) ゆみ「そうか、大会が終われば私は引退……」 ゆみ「もう少しだけでも長く続けられればな。蒲原と妹尾と睦月とモモと、それに京太郎くんがいる今のメンバーで」 ゆみ「大会がなくても放課後に集まって麻雀をして」 ゆみ「それも全国まで行けば、か……ただ楽しみが続けばと思うだけなのに、つらい道のりだな」ハァ ゆみ(それでも、目指さなければ届かない……頑張ろう!) 京太郎「こんにちはー。部長だけですか?」ガラッ 智美「ああ、みんなまだ来てないなー」 京太郎「そうですか。それじゃあみんな来るまで牌譜の整理でも……」 智美「まあまあ、そんなのいいからちょっとこっち手伝ってくれー」 京太郎「なにやってるんですか?」 智美「決起集会に必要なものを考えてるんだ」 京太郎「決起集会?」 智美「ああ、大会直前だから、気合を入れるためにもやっとこうと思ってなー」 京太郎「へえ。初めての大会ですしいいかもしれませんね」 智美「それで京太郎に決めて貰いたいことがあるんだ」キリッ 京太郎「む、責任重大ですね。なんでしょう?」 智美「ああ、きのこの山とたけのこの里のどっちを買えばいいかと……」 京太郎「真剣な顔してなにかと思えばそんなことですか!?」 智美「そんなこととは失礼だなー。きのこたけのこ戦争を甘く見ると痛い目にあうぞー」ワハハ 京太郎「じゃあ大袋のでいいじゃないですか。両方入ってますし量もありますから」 智美「おお、名案だなー。そうしよう」カキカキ 京太郎「……ていうか決起集会で何をするつもりなんですか?」 智美「お菓子とジュースで楽しく過ごすつもりだ」ワハハ 京太郎「決起集会なんですかそれは!?」 智美「堅苦しいのは嫌だろー?」 京太郎「いやそれはそうですが……」 智美「まあ別になんとなくやってるわけじゃないんだ」 京太郎「ほんとですか?」 智美「ああ、最近大会が近いからかみんな緊張してるだろ?」 京太郎「確かに睦月先輩と佳織先輩は牌落としたりミスが多くなったりしてますね」 智美「うん、むっきーと佳織は分かりやすいなー。でもモモとゆみちんもだぞ?」 京太郎「そんなふうには見えないですけど……」 智美「例えばモモは消えるのが遅くなってるだろ?」 京太郎「え? あれって慣れたからじゃ……」 智美「慣れたくらいで見えるようになるならモモも苦労はしてないと思うぞ?」 智美「多分緊張からだと思うけど、牌を捨てるときに音が大きくなってたり」 智美「打ってるときにソワソワしたりしてていつもより目立ってるんだ」 京太郎「全然気づきませんでした……」 智美「京太郎はまだまだだなー」ワハハ 京太郎「それじゃあゆみ先輩はどんな感じなんですか?」 智美「なんか考えこんでることが増えたなー」 京太郎「……それ緊張からですか?」 智美「うーん」チラッ 京太郎「?」 智美「……緊張じゃないかもしれないけど、何かあったんだろうなー。多分京太郎のせいで」 京太郎「俺何もしてないですよ!?」 智美「気にするなー」ワハハ 京太郎「しますよ!?」 智美「それに他人事みたいに言ってるけど京太郎もだぞー」 京太郎「露骨に話そらしましたね! でも俺は負けて元々ですしそんなに緊張は……」 智美「この間廊下で京太郎を見かけたんだけど、歩きながら教本見るのは危ないからやめたほうがいいと思うぞ」 京太郎「うっ」ギクッ 智美「ところで負けて元々だからなんだっけー?」 京太郎「いやー、初めての大会は緊張しますねー!」 智美「そうだろー」ワハハ 京太郎「でもみんなのことよく見てますね。さすが部長」 智美「京太郎も殊勝なことを言うようになったなー」 京太郎「え?」 智美「初めて会ったとき、部長に見えないとか言われたの覚えてるぞ」ワハハ 京太郎「勘弁して下さい……」 智美「ワハハ。まあゆみちんのほうが部長らしいもんなー」 京太郎「そんなことないです!」 智美「ん?」 京太郎「最初自己紹介で下の名前で呼ぼうって言ってくれたじゃないですか」 京太郎「実際あれがなければこんなに仲良くなれなかったと思いますよ」 京太郎「モモなんかむっちゃん先輩とかかおりん先輩とか呼ぶくらいの仲になってますし」 智美「あれはちょっと驚いたなー。でもそれはモモ自身のことで」 京太郎「それだけじゃないですよ。ゆみ先輩たちのことも俺たち後輩のことも、色々と気を配ってくれてるじゃないですか」 京太郎「麻雀部に入って思いました。鶴賀麻雀部の部長は智美部長しかいません!」 智美「ワ、ワハハ」 京太郎「部長?」 智美「て、照れるじゃないかー」ワハハ 京太郎「でも本当に部長には感謝してるんですよ」 智美「そ、そういうのはもうちょっと遠回しに言ってくれると……」カアァァ ゆみ「まだ2人だけ……何をやっているんだ?」ガラッ 京太郎「あ、ゆみ先輩。今はいかに部長に感謝しているかということを――」 智美「京太郎に弄ばれてたんだ」グスン 京太郎「部長!?」 ゆみ「京太郎くん、詳しく話してもらおうか」ゴゴゴ 京太郎「ゆみ先輩も信じないでくださいよ!?」 ゆみ「別に信じているわけじゃない」 京太郎「え?」 ゆみ「蒲原の様子を見るに何かしたのは事実だろう。隈なく教えるように」ゴッ 京太郎「お、俺は悪いことしてませんからね」ビクビク ――説明中―― ゆみ「ふむ」 京太郎「何もしてませんよね?」 ゆみ「君が悪いな」 京太郎「なんでですか!?」 ゆみ「悪気はないんだろうが、ストレートに言うのはもうちょっと控えたほうがいい。君と相手のためだ」 京太郎「そんなつもりはないんですが……ゆみ先輩がそういうなら」 ゆみ「……私以外にもそうだったんだな」 京太郎「えーと、まあ自覚してないので……」 ゆみ「そうか……」 京太郎「それがどうかしましたか?」 ゆみ「いや、何でもない」フイッ 智美「……要はヤキモ」ボソッ ゆみ「何か言ったか?」 智美「何も言ってないぞー」ワハハ 京太郎「?」 桃子「こんにち……あれ、修羅場っすか。むっちゃん先輩、かおりん先輩。ちょっと外出てましょう」 佳織「あれ、桃子さんとじゃないんだね」 睦月「いつかやるとは思ってたけど部長ととは思わなかった」 ゆみ「京太郎くん、どういう意味だ?」ゴッ 京太郎「知りませんよ! 終わった話をややこしくするのは止めてください!」 桃子「あれは私を京太郎が見つけたとき……」 京太郎「特にお前に言ってるんだよモモ!!」 ………… ……… …… … ゆみ「決起集会か」 智美「顧問もいないようなものだし、注目されてる部でもないから内輪だけだけどなー」 睦月「いいんじゃないですか? やりましょう」 佳織「でもお菓子とジュースって全然決起って感じはしないね」 智美「堅苦しいのはウチの部に合わないだろー?」 桃子「そうっすね! リフレッシュして大会に出るのもよさそうっす」 ゆみ「ああ、私も賛成だ。……しかし大丈夫かな。まだやるべきことが……」 智美「ないない。もう十分だ」 ゆみ「だが対策が出来ていない高校がいくつも……」 智美「1校にしか通じない対策を練るより、私たちが普段通りの麻雀が出来るようになるほうが効率いいだろー?」 ゆみ「……!」 智美「まあゆみちんが最後で全部捲ってくれるって言うなら別だぞ?」ワハハ ゆみ「……私には最後で捲るほどの力はないからな。ここは蒲原の言うとおりにしておこうか」フフッ 智美「決まりだなー」ワハハ 桃子「場所は部室っすよね?」 智美「ああ、ついに部費を使うときが来たなー」ワハハ 佳織「それはさすがにマズイんじゃ……」 智美「バレなきゃ大丈夫だろー」 京太郎「いや、バレたらシャレにならないことになる可能性が……」 ゆみ「そんなことで大会出場停止なんて笑い事にもならないぞ」 智美「しゅ、出場停止までは考えてなかったな。おとなしくお菓子とジュースは持ち寄るか……」 睦月「そうしましょう!」 ゆみ「……津山。みんなで食べるからってプロ麻雀せんべいばかり買ってくるんじゃないぞ」 睦月「そ、そんなことしませんよ!!」アセアセ 京太郎(持ってくるつもりだったんだな) 桃子(ブレないっすねー) 佳織(本当に好きなんだ) ――帰り道―― ゆみ「最近調子がまた上がってきたようだな」 京太郎「はい、今日は久々の1位ですよ!」 ゆみ「まあ私がいる卓ではなかったがな」 京太郎「ぐっ……結局ゆみ先輩に勝てたのはこの間の1回だけでしたね」 ゆみ「そもそもあれから対戦数が少ないというのも……」 京太郎「どうかしました?」 ゆみ「いや、君には我慢をさせていると思ってな」 京太郎「我慢ですか?」 ゆみ「ああ、ここ最近は以前に比べて対局時間がだいぶ減ってしまっている。君には貴重な時間だというのにすまない」 京太郎「大会に向けて作戦会議してるんだから当然じゃないですか。そんなこと気にしないでくださいよ」 ゆみ「しかし私たちが話しているのは女子のことばかりだしな」 京太郎「この短い期間で男子の対策も立ててくれなんて言いませんよ。それに俺だって牌譜を見るくらい出来るようになりました」 京太郎「ゆみ先輩たちが女子の対策話してるとき、俺だって男子の牌譜見てどう打つか考えてます! 無駄になんかしてませんよ!」 ゆみ「……ありがとう。そう言ってくれると教えた甲斐があって嬉しいよ」ニコッ 京太郎「!」ドキッ ゆみ「ん? どうかしたか?」 京太郎「い、いえ。なんでも」 京太郎(ゆみ先輩、人にストレートに言うなって言ってるんだから自分も気をつけてくれないと……!)カアァァ ゆみ「……本当に大丈夫か?」 京太郎「だ、大丈夫ですよ! そ、それより大会は勝てそうなんですか?」 ゆみ「大会か、そういえば細かいところは君に話していなかったな」 京太郎「はい、俺の方は当たって砕けろというか、いかにあの化け物達から逃げるかって感じですけど」 ゆみ「ああ、うん。まあ仮に砕けたとしても気にするな。あれは多分災害のようなものだ」 京太郎「気にするにも実力が必要ですよね」 京太郎「まあ、直撃で決勝リーグ行けないとかだとさすがに落ち込みそうですけど。それで女子はどうなんですか?」 ゆみ「そうだな……裾花はわかるか?」 京太郎「えーと、今長野の女子団体でランキング県3位の高校でしたっけ?」 ゆみ「ああ、そこだ。妹尾の調子が良くて、モモに相手が上手くはまってくれたという前提だが」 京太郎「だが?」 ゆみ「勝つことも夢ではない……というか五分五分以上で戦えそうだ。妹尾の調子が悪くても勝ち目がないわけじゃない」 京太郎「凄っ!?」 ゆみ「っ」ビクッ 京太郎「鶴賀って去年まで大会とか全然出てないんですよね!?」 京太郎「それで長野3位に互角以上って、そんな先輩たち強かったんですか!?」 ゆみ「京太郎くん、とりあえず少し声を抑えよう」ドキドキ 京太郎「す、すみません。ちょっと驚いて……」 ゆみ「うん、分かってくれたらいい」コホン ゆみ「そうだな……まず何より、モモのステルスの強さは君もよく知っていると思う」 京太郎「理不尽ですよねーあれ。何度振り込んだことか……」 ゆみ「妹尾は何故か分からないがよく役満で上がっている」 京太郎「何度も飛ばされましたね……」フッ ゆみ「……そういえば君はよく振り込んでいるな」 京太郎「何なんですかねあれ。……というか今そんなこといいじゃないですか!!」 ゆみ「ああ、すまない。脱線したな。津山と蒲原はどちらも大崩れはしないだろう?」 京太郎「2人とも守備堅いですもんね」 ゆみ「そして私自身もみんなが稼いでくれたリードを守るくらいの力はあると思っている」 京太郎(むしろ広げられると思います) ゆみ「それに裾花レベルの高校であれば対策もしっかりしている。データのない向こうに比べればこちらがだいぶ有利だろう」 ゆみ「さっき話したのはそういう面も含めての勝率だな。まあ、麻雀である以上水物ではあるんだが」 京太郎「いやそれでも凄いですよ。本当に全国も夢じゃないですね!」 ゆみ「……」 京太郎「……あれ?」 ゆみ「裾花は3位といったが、その上の1位2位はまた別次元なんだ」ハァ 京太郎「そんなに強いんですか?」 ゆみ「そうだな。まず風越は主将の福路が読みと洞察力に優れている上、対応力もずば抜けている」 ゆみ「天江衣を除けば間違い無く長野一の雀士だ」 ゆみ「去年1年で大将をやっていた池田もおそらく出てくるだろう」 ゆみ「彼女は高火力が武器だ。安定性では福路に劣るが、爆発力では妹尾並かそれ以上だろうな」 京太郎「佳織先輩以上とか想像したくないですね……」 ゆみ「まったくだ」ハァ ゆみ「風越のことだし、去年いなかったメンバーもそれぞれ高い実力を誇るはずだ。正直勝ち目は薄いだろう」 京太郎「さすが名門ですね……。もう一つの高校は龍門渕でしたっけ? そっちはどうなんですか?」 ゆみ「龍門渕は去年全員1年で県大1位だったんだが、その時点で先鋒から副将まで4人とも全国レベルだ。隙がない」 ゆみ「そしてその4人が霞むくらいの脅威が大将の天江衣」 ゆみ「昨年の決勝ではさっき話した風越の池田を圧倒しているし、全国大会でも平均打点はトップだ」 京太郎「凄まじく強そうですね……勝てそうですか?」 ゆみ「遠慮無く聞くんだな」 京太郎「す、すみません」アセアセ ゆみ「気にするな。こういうときのそれは直さなくてもいい」 ゆみ「まあそうだな……。万に一つ勝てればよしといったところだろうな」 京太郎「そうですか……」ズーン ゆみ「君が落ち込んでどうする」 京太郎「それはそうなんですが」 ゆみ「なに、そもそも大会に出られるかどうかもわからなかったんだ」 ゆみ「妹尾とモモと、そして京太郎くん。いいメンバーに恵まれて大会に参加出来るだけで満足だよ」 京太郎「でも……」 ゆみ「ああ、もちろん諦めているわけじゃないぞ?」 ゆみ「万に一つを掴めるようにどうすれば勝てるか必死で考えてきた。それでもそれは君が気に病むことじゃないさ」 ゆみ「……それにそんなに勝って全国に行くことに拘るなら京太郎くんが頑張るといい」 ゆみ「私たちが団体で全国に行くより君が全国に行くほうがおそらく可能性が高いぞ」フフッ 京太郎「お、俺は決勝リーグ目標にしてる男ですよ!?」 ゆみ「君が言っているのはそういうことだよ」 京太郎「あ」 ゆみ「砕けて元々は私たちもだ。まあもちろん砕ける気はないし、勝って欲しいと思ってくれるのは嬉しいが、もっと気楽にな」 京太郎「……ゆみ先輩にそれを言われるとは思ってませんでした」 ゆみ「君に言われた通りに変わったと思ってくれ」 京太郎「俺が言った通り変わるだなんてそんな……」 ゆみ「これは冗談じゃない。その……素直に、受け取って欲しい」ウワメヅカイ 京太郎「――です」 ゆみ「……? すまない、よく聞こえなかった」ズイッ 京太郎「はっ!? も、もうこんなところですね。それじゃさようなら!」 ゆみ「あ、おい! ……もう、なんなんだ」 ゆみ「……また明日くらいちゃんと言わせろ。バカ」 京太郎(何するんだあの人、今日2度目だぞ!? 危なかった! 好きですとか言うとこだった!!)カアァァ 京太郎(俺に言う前に自分を直してくれ!! 今度絶対やめさせ――) 京太郎「……あれ他の男にもやってるのか?いや、男と話すのはまだ苦手とか言ってたし3年に男子はいないしやってないはず……」 京太郎(……まだ注意しなくていいか。うん、大会前だし。無駄なことを意識させると悪いし) 京太郎(別にもっとやって欲しいとかそういうのじゃないけど!)
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五味 豪太郎 【図鑑108】 五味 豪太郎(ごみ ごうたろう) SR SR-Max SSR[覚醒] 「俺はギャングってのが大っ嫌いでね」 「」 「つーか、お前らさ。頭が高いんじゃねえの?」 喧嘩と祭りが大好きな豪快男。群れることを嫌い常に一人で行動している。正月のこの日、宴会を開いているギャングチームの宴会場にド派手な袴姿で乗り込み、片っ端から殴ってひれ伏せさせていた。 まあまあ楽にしな。正月早々申し訳ねえな。お前らが祝宴を開いてるって聞いて、居ても立ってもいられなくなってよぉ。俺ってこう見えても礼儀正しいだろ?一人で何の武器も持たずに乗り込んで来たんだからなあ。 コスト17成長型普通 Lv1⇒80攻撃2820⇒__防御2820⇒__特攻4460⇒__特防3640⇒__ 前衛[風]【役強化】お祭り騒ぎ後衛[暴]お仕置きサポート[暴]【役完成】ド派手 出現日2017/01/01取得方法
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番外編 姫様と駄菓子屋に行く 小蒔「これも買っていいんですか?」 京太郎「大丈夫ですよ」 小蒔「凄いです!これだけ買っても200円いかないんですよ!」ニコニコ 京太郎「そうですね」 京太郎(可愛い…) 小蒔「京太郎様は買わないんですか?」 京太郎「俺はいいですよ。姫様と来れただけで」 小蒔「あぅ…」カァァ 京太郎「真っ赤ですよ、姫様」 小蒔「き、京太郎様なんて嫌いです…」カァァ
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【種別】 劇場版 メッセージforダブル登場人物 (ゲスト出演俳優) 【名前】 山本太郎 【よみがな】 やまもと たろう 【役名】 松井誠一郎 【登場話】 劇場版 仮面ライダースカル メッセージforダブル 【主な出演作品】 難波金融伝・ミナミの帝王 (新庄公平 役 ) バトル・ロワイアル (川田章吾 役 ) 天才・たけしの元気が出るテレビ!! ダンス甲子園出場 【関連サイト】(外部リンク) 公式サイト yamamototaro.com|山本太郎公式ホームページ 公式ブログ 太郎日記|yamamototaro.com 【関連するページ】 劇場版 メッセージforダブル登場人物 松井誠一郎