約 74,366 件
https://w.atwiki.jp/qbtd/pages/346.html
No.0280 レアリティ:☆☆ ライフ:5 必要アビリティ:なし 攻撃力/防御力:10/10 アビリティ:スピード1 バランス1 テキスト (テキストなし) (距離制限なし) 収録セット 第3弾 美闘士集結編(アイリ・クローデット・ノワ・メローナ・(アレイン)・(アルドラ)) イラストレーター 平田雄三 混合デッキ用ライフ5用カード。必要アビリティがないため、 混合デッキの場合、デッキに投入されることもある。
https://w.atwiki.jp/zenzen53/pages/26.html
空から可愛い女の子が降ってきた。 なんてことは勿論なく、残念なことに、空から降ってきたのは不細工な男だった。 しかも、それは愛らしさを微塵も感じさせない老け顔だった。まだ少年と呼ばれる年齢にも関わらずに、だ。身長は180センチを優に超え、、髪形はリーゼントにトサカをかたどるというこれまた可愛いという言葉に真っ向から対立する姿勢を崩さない。それらを恥ずかしがってみせれば、少しは可愛げがあるのだが、寧ろ誇るかのように毅然と前を見て歩く。そんな少年としては失敗作のような人間が、空から降ってくれば、誰だって驚く。当の本人だって、やっぱり驚く。 「のわぁーーーーーーーー!! 何じゃこりゃーーーー!!!」 その男、桑原和真は鼻水を垂らし、悲鳴を上げながら、地面へ急降下を続けた。普通なら、それは死への直行便。回避のしようのない話だ。だけど、彼はしぶといのである。それは比喩でも何でもない。一目見たら人の印象に深く残るように、本当にしぶといのだ。だから、彼は助かった。森に茂る大きな木の枝をクッションとして、ボロボロになりがらも、助かったのである。 「いててて。チクショー、あのバーンの野郎、人をいきなり空の上に放りやがって……。危うく戦わずに死ぬとこだったぜ」 愚痴をこぼしながら、左右を見渡す。これから暗黒武術大会の決勝に挑もうと、会場に入った瞬間にこれである。周りを見ても、さっぱり現状に見当がつかない。頭を右に捻っても、左に捻っても、出てくるの疑問符だけ。なので、桑原は早々そのことについて考えることをやめた。頭脳担当は、ちゃんと他にいるのである。だから、考えるのはその人に任せよう。それが桑原の出した結論だった。 「つーわけで、蔵馬だな。浦飯の野郎と飛影は、まー放っておいてもいいだろ。寧ろ、あいつらのことだ、この状況を嬉々として迎え入れているかもしれん」 そう言って、桑原は自らの頭を抱えた。浦飯と飛影が、そこら中に喧嘩を売って回っている姿が、ありありと想像できたのである。どちらにも、ろくなブレーキがないことは、既に承知済み。それならば、やっぱり彼らを制動できる蔵馬が必要なわけである。 早速、得意の霊感で桑原は蔵馬の気配を探る。桑原和真という人間を最も特徴付けるものとして、人並みはずれた霊感がある。それは人や霊、妖怪の気配を強く感じ取る能力。それはこの地獄のような場所でも、何ら翳ることなく力を発揮する。 「よし、向こうだな! 待ってろよ、蔵馬!」 そして程なく、蔵馬の気配を察知した桑原は、その方向に力強く歩き出していった。だけど、桑原が向かっていった先には、何も蔵馬だけがいたというわけではない。この場所には53人もいるのだ。人との出会いなど、幾らでも転がっている。 「よー、そこの失敗面! そんな慌てて、どこに行くんだ?」 「あー!? 誰が失敗面だ、コラーッ!?」 頭上から、音もなく男が舞い降りてきたのである。それは桑原と違って華麗な着地。そこに佇む男の顔も、でこぼことした桑原のと違ってキレイに整っている。また精悍な顔立ちの上には落ち着きもあり、一緒にいると安心できるほどの頼りがいがあった。 「おっ、怒ったか? すまんすまん。別に悪気があって言ったわけじゃないんだ。勘弁してくれ」 「この世紀の美男子 桑原様をつかまえて何を言いやがる! やるってんなら、相手になってやんぞ!」 「わははははっ、面白い奴だな。だが、やめとけ。貴様では、おれに勝てん!」 「何を~~~~!? 男 桑原! ここまで言われたら、イモなど引けんぜ!」 「ほー、このおれに手向かうか? ならば、容赦はせんぞ」 その言葉を言い放った途端、桑原に向けて遠慮のない殺気が放たれた。端正な顔にも冷たい色が塗られ、隙のない鋭い雰囲気を発している。その急な変容に、桑原は思わずたじろいだ。 「おいおい、てめぇーはまさかあのバーンって野郎の言いなりになって殺し合いに乗るつもりか?」 「フン、何を言うかと思えば……。おれはだれにもしばられねぇ だれの命令もきかねぇ!! おれは喰いたい時に喰い、のみたい時にのむ!! おれは あの雲のように自由きままに生きる!!」 「じゃあ、てめぇーは、もしかして……」 「……当たり前だ! この雲のジュウザが、何故あのクソジジィの言いなりになるってんだ!」 「おいおい、ビックリさせんなよ。もう少しでケンカをおっぱじめるところだったぜ」 そう言って、桑原はホッと息を吐いた。自分と同じくいけすかないバーンに反旗を翻している人間だ。無駄に争う必要など、どこにもない。その結論に辿り着き、桑原は本当にマジで心底安心した。その様子にジュウザも思わず相好を崩す。 「ケンカ? このおれとケンカか! はっはっは、本当に面白い奴だな、貴様は」 「何がおかしいってんだ、コラっ!?」 「いや、すまんすまん。それで貴様は、これからどうするつもりだ」 「どうするもこうするもねえ! あのバーンって野郎のツラを思い切りぶん殴ってやるだけのことよ!」 「ほー、どうやってだ?」 「うっ! そ、それは、まあ、蔵馬が考えてくれるだろうよ! なはははははっ!!」 「蔵馬? ひょっとしてソイツは、貴様のコレか?」 ジュウザは桑原の肩に腕を回しながら、小指を立てる。初対面にしては、随分な馴れ馴れしさだ。こと、ここにおいては地獄と何ら変わらない場所。必要以上の接近など、それこそ血を見ることに繋がりかねない。だけど、そこにあるジュウザの満面の笑顔を見ると、桑原は肩の力が思わず抜けていくのを感じた。 「バッキャロー! 蔵馬は男だ! それにおれには雪菜さんという既に心に決めた人がいるんだよ!」 「何だ、つまらん。ソイツが貴様の女なら、見に行っても良かったんだがな」 「あ~ん? 何だよ、一緒に行かねーのかよ?」 「行かん。わざわざ男に会いに行くという気になれん」 「じゃあ、おめーはこれからどうすんだよ?」 「知らん」 「知らんって。浦飯みてーなことを平気で言いやがって。それなら……」 「……おれは雲だ。自由気ままに生きる」 「チッ、わーったよ!」 ジュウザが散々と言い募る雲という言葉。そこまで聞かされれば、誰だって何かしらの信念、こだわりがあると想像がつく。そしてそれは決して曲げられないものだろうということも。それを察した桑原は、素直にジュウザの勧誘をやめた。 「貴様は面白いから、一つ忠告しておいてやろう」 桑原が去り行く姿勢を見せると、ジュウザは再び桑原に声を掛けた。 「何だよ?」 「この場にラオウという男が呼ばれている。山のような大男だ。見れば、すぐに気がつくだろう。何があっても、そいつに手を出すな」 さっきまでの和気藹々といった空気は抜け、十分な警戒の色を含んだジュウザの言葉だった。 その様子に桑原は堪らずゴクリと唾を飲み込む。 「そ、そんなにやべー奴なのか?」 「ああ、力こそ全てという奴だ。死にたくなかったら、さっさと逃げることだ」 「おいおい、戸愚呂みてーな奴が他にもいるのかよ。末恐ろしい世の中になったもんだぜ」 「その戸愚呂とやらが何者かは知らんが、ラオウには絶対に手向かうなよ! いいか、絶対にだぞ!」 そう言うや否や、ジュウザは木の上に飛び退いた。 そして桑原にニヒルな笑みを浮かべると、すぐさま森の中に消えていった。 「チッ、ダチョウ倶楽部みてーなフリをしやがって。ラオウって奴に会ったら、一体どうすりゃいいんだよ」 愚痴をこぼしながらも、桑原もその場を立ち去ろうとする。 そして桑原は自分に支給されたバッグを新たに担ぎなおそうとして、再び驚きの声を上げた。 「なにぃーー!! バッグが、バッグがねえーーー!! んな、アホな!! さっきまで確かに……!!」 そこまで言って、思い至ったのがジュウザの存在だった。思えば、あの男はいきなり肩に腕を回して、盛んに接触してきた。きっとあの時に、盗んだのだろう。桑原は地面が憎いかのように何度も地団駄を踏んだ。 「チキショー! この桑原様を舐めくさりやがって! 吠え面かかせてやらなきゃ、こっちの気がすまねーぜ!」 怒り心頭の桑原は、すぐさまジュウザが消えていった方向に足を向けて、駆けて行った。 「おらー! ジュウザー! 出てきやがれー!」 得意の霊感の存在すらもすっかり忘れて、桑原はより一層茂る森の中に消えていった。 【一日目 深夜】 【現在地 B-8】 【桑原和真@】 【状態】健康、ジュウザに対する怒り 【装備】なし 【道具】なし 【思考】 基本 バーンをぶちのめす 1. ジュウザに吠え面をかかせる 2. 蔵馬と合流 3. 浦飯、飛影、幻海を探す 「わはははははっ!! 大漁、大漁!!」 桑原が後にした場所の木の上で、ジュウザは彼に支給されたバッグの中身を見ながら大笑した。これで支給品は全部で4つ。中々に幸先の良いスタートだ。だけど、桑原のバッグの中にあった参加者名簿を見て、ジュウザはピタリと笑うことを止めた。 「やはりおれのが印刷ミスだったということではないか……」 ジュウザの目に止まったのは、ユリアという名前。それは自らの義理の妹であり、かつて愛した女性であり、そして自分の命よりもなお大切だと思える存在だ。 「いや、ユリアは死んだはずだ。南斗聖拳のシンに殺されたはず。このおれの想いは単なる未練だ」 ジュウザは自分の内から湧き上がる想いを無意味なものだと必死に否定した。冷静に考えれば、ユリアというのは同名の別人。それが当然のことだ。だが、どうしても縋ってしまう。もしかしたら、彼女は生きていて、この島のどこかにいるのではないか、と。 「ユリア……もしおまえが生きていたとしたら、おれは…………」 【現在地 B-8】 【ジュウザ@北斗の拳】 【状態】健康 【装備】なし 【道具】武器支給品×2、ランダム支給品×2、支給品一式×2 【思考】 基本 雲のように自由気ままに生きる 1. ユリアという女を探してみるか 08 Only You BACK NEXT 10 Listen to Your Heart 桑原 63 Missing You ジュウザ 62 I Miss You
https://w.atwiki.jp/qbtd/pages/939.html
No.QR020 レアリティ:☆ ライフ:5 必要アビリティ:(なし) 攻撃力/防御力:―/10 アビリティ:リベリオン2 テキスト (テキストなし) (距離制限なし) 収録セット クイーンズブレード・リベリオン 叛乱の騎士姫編 (アンネロッテ・ヴァンテ・ターニャン・シギィ) スターターセット 叛乱の騎士姫 アンネロッテ イラストレーター えぃわ
https://w.atwiki.jp/qbtd/pages/334.html
No.0268 レアリティ:☆ ライフ:5 必要アビリティ:なし 攻撃力/防御力:-/10 アビリティ:パワー2 テキスト テキストなし (距離制限なし) 収録セット 第3弾 美闘士集結編(アイリ・クローデット・ノワ・メローナ・(アレイン)・(アルドラ)) イラストレーター 2号 ライフカードとして使うのが最も多くなるだろうカード。デッキの安定感を増すためには最も選ばれやすい。 また、必要アビリティがないため、多色デッキを組む場合に選択される可能性もある。
https://w.atwiki.jp/qbtd/pages/357.html
No.0291 レアリティ:☆ ライフ:5 必要アビリティ:なし 攻撃力/防御力:-/10 アビリティ:スピード2 テキスト (テキストなし) (距離制限なし) 収録セット 第3弾 美闘士集結編(アイリ・クローデット・ノワ・メローナ・(アレイン)・(アルドラ)) イラストレーター 平田雄三 ライフカードとして使うのが最も多くなるだろうカード。デッキの安定感を増すためには最も選ばれやすい。 また、必要アビリティがないため、多色デッキを組む場合に選択される可能性もある。
https://w.atwiki.jp/qbtd/pages/304.html
No.0236 レアリティ:☆☆ ライフ:5 必要アビリティ:なし 攻撃力/防御力:10/10 アビリティ:バランス1 スキル1 テキスト (テキストなし) (距離制限なし) 収録セット 第3弾 美闘士集結編(アイリ・クローデット・ノワ・メローナ・(アレイン)・(アルドラ)) 冥土へ誘うものアイリ 構築済みデッキ イラストレーター 高村和宏 混合デッキを組む場合に投入を検討したいサポートカード。 ライフに用いる場合には、合わせてデッキにもこのカードを投入することを検討したい。 立ち上がりのアビリティ不足を緩和する効果が期待できる。
https://w.atwiki.jp/qbtd/pages/237.html
No.183 レアリティ:☆ ライフ:5 必要アビリティ:(なし) 攻撃力/防御力:-/10 アビリティ:スピード2 テキスト (テキストなし) (距離制限なし) 収録セット 第2弾 神の威光編(エリナ・カトレア・ナナエル・イルマ・メナス・メルファ) イラストレーター 赤賀博隆 ライフカードとして使うのが最も多くなるだろうカード。デッキの安定感を増すためには最も選ばれやすい。 また、必要アビリティがないため、多色デッキを組む場合に選択される可能性もある。
https://w.atwiki.jp/suffix/pages/1053.html
テーブルを分割しデータの整合性を追求すればするほど、 データを調べるためのSQL文はJOIN処理が増え、パフォーマンスが落ちる。 また、計算により導出可能な項目もデータは テーブルの値として保持していないことから、 毎回計算するコストがかかり、パフォーマンスが落ちる。 上記のような理由からわざと正規系を崩す場合がある。 だが、正規化する目的にも書いた通り、 正規化を崩すことの弊害もあるので注意すること。 尚、パフォーマンスを挙げるための工夫としては、 パーティション、データマート(ビュー等)やサマリテーブルがあるので、 参照したい。
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/4105.html
536 名前:咆哮哀歌 :2010/05/19(水) 21 15 45 ID ??? まず最初に。 すみません、長いです。 ですので、うっとおしいと思われる方は、 名前に↑のタイトルをつけてますのでNG登録をお願いします。 1章が4レス分(例外アリ)、13章あります。 連投規制回避もあるので一度に大量の投下はしないつもりですが。 それと、今回はとある作品のエピソードをここに混ぜるとどうなるかと言うコンセプトで始めました。 ですので、原作つきです。しかも許諾を得ずに勝手にやってます。 ご存知の方にはネタバレになってしまいますが… こやま基夫先生、並びに先生と先生の作品のファンの方々、ごめんなさい! (_ _) ご笑納頂けると幸いです。 では、開幕でございます。 537 名前:咆哮哀歌 1-1/4 :2010/05/19(水) 21 16 48 ID ??? カロッゾ「ふはははは、シーブック君、遅くまでご苦労だった。 今日はもう上がってくれたまえ」 シーブック「あ、はい。 お疲れ様でした」 カロッゾ「うむ。 また、明日もよろしく頼む」 シーブック「はいっ! お先に失礼します!」 セシリー「お疲れ様。 帰りに寄り道しちゃだめよ?w」 シーブック「小学生じゃないんだから。 じゃ、明日学校で」 にこやかに手を振るセシリーに手を振り返し、 コックコートを脱いだシーブックは駐機場のF-91へと向かう。 シーブック「ん… やっぱりまだ夜は涼しいなぁ…」 十三夜の月が、雲間に静かにたたずんでいる。 孤独と静寂…わずかばかりの贅沢を満喫したシーブックは、膝を付いた愛機によじ登る。 手馴れた動作で待機状態から起動状態へ。 シーブック「シーブック・アノー、F-91、出るっ!」 小型、軽量の機体に大推力のエンジンというシンプルなコンセプトで、 非変形機ながら飛行性能を得たF-91は空へと舞い上がる。 シーブック「ロランのヤツ、晩飯とっといてくれてるかな…」 まだ新しい商店街からは、ガンダム家のある旧市街までやや距離がある。 シーブックは充分に高度を取ると、スロットルを押し込んだ。 ペタ…ペタ… 抜き足差し足忍び足。 明かりの落ちたキッチンに、足音をしのばせる小さい影。 冷蔵庫の前にたどり着いた人影は、一度周りを確かめると業務用にも使えそうなその扉を開ける。 がちゃん! ビン類――飲み物や調味料に並んでアンプルや点滴瓶が混じっているのがこの家の特徴であろうか。 ステラ「しーーっ」 意外に響いたその音に、思わず人差し指を立てる少女。 ごそごそ… ステラ「うぇい♪」 戦利品に相好を崩すと、ジャンパーの懐に押し込み冷蔵庫を閉じる。 ペタリ…ペタリ… 再び忍び足で台所を後にするステラ。 ステラ「ん~~~」ギュウ ブーツに足を押し込むと、下駄箱の陰に拳銃やマシンガンと共に置いてある 鞘付きのナイフを取り上げて腰の後ろに固定。 かちゃん… トタトタトタ…… 静かに玄関を開け閉めすると、軽快な足音を響かせて走り出す。 スウェン「………」 階段の影で気配を殺していたスウェンは、ショルダーホルスターに拳銃を押し込み、 肩に担いでいた革ジャンに腕を通した。 538 名前:咆哮哀歌 1-2/4 :2010/05/19(水) 21 17 51 ID ??? シロー「あれ? エーカー警視正、まだ残っていらしたんですか?」 グラハム「ん? アマダ警部補…本庁から例の資料が届いてね」 シロー「例の…あぁ、連続ザク襲撃事件の…」 グラハム「そうだ。 この町はジオンのお膝元と言うこともあって、ザク乗りも多い。 犯人が足を伸ばしてこないとも限らないからな」 シロー「かなり広範囲に活動しているとか」 グラハム「ああ。 広域の方では複数犯による犯行の線を強くしているそうだが…」 シロー「警視正は、単独犯だと…そう思われていらっしゃるんですね?」 グラハム「“手”がな…例え同じ剣であっても、使う人物が異なれば、切り口はおのずと異なる。 逆に言えば…」 シロー「切り口…破砕痕が同じなら、同一犯… ですが、事件は一晩で200Kmも離れた場所で起こった例もあります。 いくらMSを使った犯行とは言え、離れすぎていませんか?」 グラハム「アマダ警部補。 一夜に四パーセクを駆ける、と言う存在を聞いたことはないかね」 シロー「はあ? 四パーセク…ですか? …それ、光速を超えてるじゃないですか」 グラハム「ふむ…君ならあるいは、と思ったが…そうか、アムロ氏は話していないのか…」 バーニィ「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ…」 緊張のために呼吸が浅くなっているのが自分でも判る。 バーニィ「くそっ、何なんだよ、アイツはっ!」 正面のモニターはほとんど黒一色である。 いかに実用MS第一号のザク直系とは言え、バーニィの機体は最後期型の06FZ。 電子装備は一線級の機種にも劣らず、もちろん光学増感も充分実用レベルの物が装備されている。 だが、メインカメラ―――ザクの外見的特長であるモノアイそのものを破壊されては、 まさに目隠しされたも同然である。 サブカメラの映像をモニターに表示させてはいるものの、こちらには暗視機能などない。 バーニィ「!!」 それは、具体的な“何か”では無かった。 ただ、心の奥にある“モノ”――偉い学者様は生存本能、などと呼ぶのだろう――それが命ずるままに バーニィは操縦桿を跳ね上げて、ザクを倒れ込ませる。 ガァァァァン! ザクの転倒音とは明らかに異なる轟音が、一瞬前まで立っていた場所から響いた。 何者かの攻撃。 それは確かであるのに、襲撃者の位置も、ましてや手段すら不明である。 バーニィ「火器でもビームでも、ヒート系でもない武器? なんなんだ?」 伊達に何度もガンダムに挑み、撃墜されてはいない。 当人も自覚していないが、バーニィの中に蓄えられている経験値は、古参兵のそれすら凌駕する。 遥かな高みに挑み続けたが故に得た力。 それがバーニィの命運をかろうじて繋ぎ止めていた。 539 名前:咆哮哀歌 1-3/4 :2010/05/19(水) 21 18 55 ID ??? 襲撃者は奇襲の初撃で躊躇なく頭部を狙っていた。 メインカメラをはじめ、電子装備の詰まった頭部は、MSにとってもやはり急所の一つである。 コクピットを含む胴部は融合炉を内臓していることもあり、堅牢さにおいては比類なし。 それに対し頭部は幾分脆弱であり、破壊に成功すれば電子装備の過負荷による、 コンピューターのシャットダウンが期待できる。 だが、MSは高速で移動する上に、的が小さいこともあり、 狙って破壊できるのはそれなりの腕がなければ不可能であった。 もちろんガンダム・パイロットたちはその技量を持ち合わせており―― バーニィ「ぐっ!!」 幾度と無く頭部を吹き飛ばされてきたバーニィも、その防御方法は熟知していた。 メキッ! とっさに頭をかばったショルダーシールドは、しかし、強烈すぎる一撃に悲鳴を上げる。 バーニィ「左肩の間接が限界… くそっ!このままじゃぁ…」 その時である。 ギィィンン! バーニィ「ビーム発射音? この音…」 ギィィンン! バーニィ「ヴェスバー…シーブックか!」 シーブック『バーニィさん! 3時方向に離脱してください!』 バーニィ「すまない! 敵はGFクラス!」 レバーを操り、ペダルを蹴飛ばす。 バーニィ『近接主体で、姿がまともに見えないくらい速い!』 シーブック「しかも、地形を使うのも上手い…」 ヴェスバー2門による長距離掃射はことごとくかわされ、廃工場の建物に回りこまれた。 熱源センサーも補足しきれず、ターゲットを見失う。 シーブック「そのための近接型か…廃熱装置がかなり特殊なステルスタイプだな…」 ビームは元より、火薬式の砲やレールガンなどもその発する熱は相当なものになる。 これらを排することで、デュオのデスサイズや二コルのブリッツなど、 特殊装備を用いた機種とは正反対のステルス性を獲得しているのだ。 シーブック「大丈夫ですか、バーニィさん」 バーニィ『俺は大丈夫だけど…コイツがな。 警告ランプが点きっぱなしだよ』 シーブック「被害は?」 バーニィ『メインカメラと武器をやられた。 悪いけど援護はできない。 あとは予備もつかってだましだまし…シーブック!』 シーブック「(ピキィィン!)後ろ!?」 540 名前:咆哮哀歌 1-4/4 :2010/05/19(水) 21 20 00 ID ??? MSが移動した気配―具体的には影や音などを知覚できなかった。 襲撃者はまんまとF-91の死角に回り込み、自身を砲弾に変えて跳躍したのである。 機体を切り返すシーブックであったが― シーブック「間に合わないっ!」 とっさにビームシールドを展開するが、攻撃態勢だったことが仇となり、 主要機関、特に頭部を庇い切れない。 左腕を捨てて受けきれば―― バーニィ『あたれっ!』 ガンッ! シーブックが覚悟を決めた瞬間、風を切って飛来した金属塊が、襲撃者を直撃。 千金にも値する僅かな隙を作り出した。 バーニィ『どうだ! アムロさん直伝のシールド・アタック!』 それまでの攻撃で外れかかっていた左肩のシールドを、 無理やり引き剥がして投げつけたのである。 シーブック「そう言えば、アムロ兄さんも無茶なシールドの使い方するよな…」 ビームライフル、ビームランチャー、ヴェスバー×2、頭部バルカン×2、 胸部メガマシンキャノン×2、全火力兵装アクティブ! シーブック「いけっ!」 ドウッ!! 戦艦すら撃沈しかねない火力を叩きつけられ、襲撃者は4分されて地に堕ちる。 バーニィ『やった! さすがシーブック!』 シーブック「………」 バーニィ『シーブック?』 シーブック「やられた…」 最も大きな残骸の傍らに降り立ったF-91がサーチライトを点灯。 その光に照らされて浮かび上がったのは―― バーニィ『モビル・ワーカー!?』 シーブック「たぶん、そこの工場で使われてた機体でしょう」 バーニィ『変わり身ってやつか? シュバルツさんみたいなことをやる奴だな…』 シーブック「あながち…外れてはいないかもしれませんよ…」 月を覆っていた雲が晴れる。 シーブック「バーニィさん…」 バーニィ『ん? どうし… !!』 空には十三夜の月。 その光を背に受けて、廃工場の屋根の上に、地上のMSを睥睨する一つの影。 バーニィ『四本足? でも、バクゥ系ともガイアとも違う…』 それは、狼を思わせる四脚型のMSだった。 ヴィン! 逆光の影の中で、モノアイが輝く。 つづく
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/2048.html
時間城の一角にある「カフェ・ロザリアン・ティー&コーヒー 」は、東洋趣味の内装と、お茶とコーヒ ー、手作りのケーキや軽い食事が取れる喫茶店で、カップル客だけでなく、幅広い層の客がいる。 俺と佐々木は、外のとおりに面した窓側の席に座った。 「ジャスミン茶とカフェ・ラテ」 中国服を着た店員に注文すると、程なくして二つの飲み物が運ばれてきた。 「どうぞ、ごゆっくり」 今日顔を合わせて、時間もまだたっていないのに、こんなに話しやすい女性は初めてだ。幅広い見識を 備え、弁も立つし、頭の回転も早い。なにより、話すときに変な緊張感を持たなくて済む、というのは、俺 にとっては驚くべきことだった。 私が男性と話すとき、男言葉を使う理由。簡単にいえば、私の心の壁。あまり異性として見て欲しくないと いう意思表示。それくらい、私は男性と話すのが苦手だ。だけど、今、私の目の前にいる、今日知り合ったば かりの男の子。とても話しやすく、(男言葉だけど)彼と会話するのは、自然体で、楽しい気分でいられる。 それは私にとって、驚くべきこと。とても不思議な気持ち。 「君には姉さんか妹さんがいるの?」 「小学生の妹がいるが」 「君はとても女性の扱い方に慣れているように思えるんだ。とても話しやすいしね。女性の友人は?」 「一人いるよ。じつをいうと、俺は女性と話すのはそんなに得意じゃないんだ。その友人は例外だな。 あまり喋らないけど、話しやすい友人ではある」 「なるほど、それに君はその女性の友人をかなり信用しているようだね。その人のことを語るときは、落ち 着いたような顔をしている」 そんなことまで分かるのか。この佐々木という女性、つくづくすごい奴だ。 喫茶店を出たあと、俺達は大型書店にむかい、併設されたDVD・CDショップにも立ち寄りながら、何冊か本を 買った。何冊かは長門がおすすめしてくれたもの、何冊かは佐々木がおすすめしたものだ。 「君は本がすきなのかい?」 図書委員をやっているし、本自体読むのは好きだ。 そんなことを話していると、俺と佐々木のスマフォの呼び出し音が同時に鳴り響く。 ポケットに入れていたエクスペリアZを取り出す。画面には谷口の名前。 『キョン、今どこにいる』 書店にいるが。 『そろそろ終わるから、一旦戻ってこいよ。誰か一緒にいるのか?いるならその子にも伝えてくれ』 大丈夫だろ。あちらにも連絡が入ってきた。 『佐々木さん、外にいるの?一旦戻ってきて。とりあえず、今日はお開きにするから』 涼宮さんはそう言うと、さっさと通話を切った。 「やれやれ」 そう呟いて、私は彼の方へ視線を向ける。 彼のスマートフォンは私と同じ、黒のエクスペリアZであることに気づいた。 合コンからの帰り道。 「キョン、お前もなかなかやるよな。初参加の女の子とよろしくしけこむとはな」 ・・・・・・谷口、いつの時代の言葉だ。 「でも、キョン。君が話していた佐々木さん?美人だったよね。今日の光陽の参加者は、すごいレベルが高かった なあ」 「国木田、お前もあの鶴屋さんとか言う人とうまく話していたじゃないか」 「ああ、あの人?すごく興味深い人だね。で、早速メールアドレスと電話番号交換したんだ。今度合う約束も取り付 けたよ」 笑顔を浮かべて、国木田は愛用のエルーガーXを取り出す。存外手が早いな、国木田。 「そういや、藤原。お前が話していた女の子もえらく可愛かったな。俺達と同級か?」 「いや、あの人はああ見えても俺達より一つ上だそうだ。朝比奈みくるさんと言って、鶴屋さんの友人らしい。確 か参加するのは二回目だと言っていたが」 「ああ。前回から参加しているんだが、すごい人気あるんだよ。競争は激しいぜ。でも、そういえば、今日は藤原 としか話してなかったよな」 「妙に話があってな。花のことがかなり好きだそうなんで、それで話が盛り上がったんだが」 「さすが、花屋の息子だな」 「橘が話していた男も相当競争が激しそうだな」 「古泉か。あいつはモテまくりだからな。何しろあのとおりのハンサム爽やか野郎だし、礼儀正しいし、女に対して 紳士的だしな。おまけに家は金持ちときてるからな。それにあいつのことを悪く言う奴はいないし、まあ、二物三物ど ころか、モテる条件全て揃えたような男だからな」 橘の目がハートマークになったのも、わかるような気がする。しかし、冗談ぬきで橘は苦労するぞ。見た限り、最低5人 は周りにいたからな。 当の橘は、阪中と楽しそうにおしゃべりをしている。今日の戦果をお互いに話しているようだ。 「そういや、谷口。お前の方はどうだったんだよ。確か周防とかいう娘(こ)だったよな。お前が気に入っていたのは」 急に谷口が相好を崩す。 「キョンよ、俺はみんなに感謝するぜ。今度二人だけで遊びに行くことになったんだよ!デートだぜ、デート。生きてて良 かった」 大げさに感動しているが、まあ余程嬉しいのだろう。リア充の仲間入りだな、谷口。 俺は、スマフォを取り出す。佐々木と同じ、黒のエクスペリアZ。お互いの電話番号とメールアドレスを、国木田達と同じ ように交換した。 『君とはいろいろ話してみたくなったよ。機会があれば、その、また君と会いたいんだが、どうだろう?』 佐々木の言葉に俺は頷き、そうして俺達はお互いの電話番号とメールアドレスを交換したのだ。 高校生活は序章の段階だったが、この日を境に、俺の生活は大きく変化していくことになった。 そして、それは、同時に俺達が成長して大人になっていく課程でもあったのだ。 同時刻・森園生のマンション。 「いや~おつかれさんだったね。今日は大収穫だったさ」 鶴屋さんはご機嫌だ。 「そんなにあの国木田て子、気に入ったの?」 森さんがおかしそうに微笑む。 「ドストライクだね。大当たりだわ。かわいいし、頭いいし、礼儀正しいし、モロ好みだね。 色々と教え込んでやりたいね」 最後の方は少し危険なセリフの様な気がしたが…… 「古泉君は相変わらず大モテね。5人?かなりいたよね」 涼宮さんの言葉に、複雑な思いを抱きながら、僕は曖昧にうなずく。 「古泉はいつものことだけどね。涼宮さん、誰かいい人いた?」 森さんがこちらを見ながら涼宮さんに尋ねる。 「う~ん。あんまり。あ、でも一人気になった奴はいたかな」 これは珍しい事だ。と、同時に僕は非常に気になった。あの、涼宮さんが気にかけた男子が 今日の参加者の中にいたとは。 「ほら、谷口が連れて来た、あんまり目立ったなかったの。妙なあだ名で呼ばれていた」 「キョン、君だったけ?佐々木さんと話していた」 「そうそう。それ。何か気になったのよね」 谷口君は涼宮さんと同じ中学の出身で、3年間同じクラスだったそうだ。昔、涼宮さんを好きだ ったそうだが、今は周防さんがお気に入りのようだ。このサークル「SOS」の北高側の窓口でも ある。 佐々木さんは、今回涼宮さんの少々強引な勧誘により初参加したわけであるが、谷口君が連れて 来た”彼”と馬があった様だ。その彼を、涼宮さんは気に行ったらしい。少し意外な気がする。 「みくるも何かよろしくやっていたみたいだね」 鶴屋さんの親友、朝比奈さんは、少し照れた様子を見せた。 「藤原君、花屋の息子さんなんです。すごく花の事に詳しくて、話が盛り上がったんです」 朝比奈さんは青山方丈流華道の家元の娘だ。なるほど、確かに話は盛りあがっただろう。 周防さんと佐々木さんはそれぞれ先に戻っていたので、残りの参加者は我々のたまり場である 森さんのこのマンションに集まり、いろいろ喋りながら、夕食もここで食べ(森さんお手製)、その 後、ようやく解散となった。 「一樹」 皆が帰り、この部屋にいるのは、僕と森さんだけとなった。 人前で森さんが僕の名前を呼ぶことは無い。その名で呼ばれる時は二人きりの時だけだ。 笑みを、僕にとっては夜叉の微笑みを浮かべながら、森さんは僕に近づいてくる。 ソファに僕は座っていたが、僕は強い力で押し倒された。 いつもの事、いつもの儀式、規定事項。僕の頭と感覚は麻痺してしまっている。 「なかなか涼宮さんに近付けないわね。しかもライバルまで出現した」 森さんは僕の気持を知っている。涼宮さんを好きだと言う僕の気持を。 「いい方向ね、青春ぽくって。楽しいわね」 馬乗りになった森さんの手に力が入る。少し息が苦しい。 「森さん」 そう呼んだ途端、僕の頬が軽く叩かれる。 「二人きりの時は――さん、でしょう」 僕らの本当の関係。表に出ることは無い、秘密の言葉。その名で呼ぶことを望んでいる。 狂気の願い。だけど、僕もあの時望んだ事。二つの気持ち。どちらが本当の気持ちなん だろう。自分でも解らない。心と体がバラバラだ。 「泊まって行くでしょう?明日休みなんだから。どうせ家に帰ったところで誰もいないで しょう」 シャワーを浴びた後、森さんはそう聞いて来た。 答えは解っているはずだが、これもまた儀式。僕らの間に交わされる束縛の言霊。 それに彼女の言うとおりだ。無駄にでかい屋敷に、父も母も居ない。仕事で忙しい二人 が家にいる方が珍しい。父に至っては…… 「泊まらせてもらいますよ」 森さんは満足したような微笑みを浮かべていた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 今日、私は不思議な男の子に出会った。 異性と付き合うのが苦手な私の心の壁を、簡単に崩し、楽しい気持ちにさせた、キョンという 男の子。 『また君と会いたいんだが、どうだろう?』 あんなセリフが私の口から出るとは思わなかった。 彼と同じスマートフォンに登録した、彼の電話番号とメールアドレス。 次に彼と会うのが待ち遠しい気分になる。 高校に進学して、新しい生活が始まった。でも、中学時代と大して中身は変わっていなかった。 彼と出会ったことで、私の高校生活は大きく変化して行く。そんな予感がする。 この時、私が感じた予感は、のちにその通りになっていった。その過程で、私達は大きく成長 して行く事になった。