約 1,529,360 件
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/12285.html
みるきーうぇい・れくいえむ【登録タグ み ソレナンテP 初音ミク 曲】 作詞:ソレナンテP 作曲:ソレナンテP 編曲:ソレナンテP 唄:初音ミク コーラス:氷山キヨテル 曲紹介 過ぎゆく夏を惜しみつつ・・・ 打ち上げ花火のように美しくも儚く切ない恋を歌った、泣けるバラード。 イラストは 手鞠氏 が手掛ける。 コンピCD「Summer Time Summer Girl」収録曲。 歌詞 凍えたままの 思いを抱きしめて ふと 夜空を見上げれば 星たちの声が響く あの頃ふたり 祈りを閉じ込めた あの 星座の輝きは 変わらないのに 堕ちていく 流星に ぼくの弱さも きみの言葉も 光の渦に たゆたうきみの 微笑さえ 消えてしまう ああ 幾千もの 星を集め 銀河は きみの元へ流れてく 幾千もの 願い集め 銀河は きみの星へ伝わる せつない思い そっと溶けていく 止まったままの 時間を繰り返し 遠く 夏の夜空飾る 七色の花が咲いた いつかふたりで 手をとり訪れた この 花火の賑わいも 変わらないのに 滲んでは 溶けていく 夏の名残の 花火の色彩 ふたり過ごした 季節の色も 同じくらい 輝いてた ああ 幾千もの夜を数え 銀河は きみの元へ流れてく 幾千もの 光あつめ 銀河は きみの星へ伝わる あふれる思い きっと届くはず きみは言ったね 私が星になったら お願い あなたの笑顔は太陽だから 私の星を照らしてね そうよ笑顔でいて いつまでもと 最期にきみは 笑って伝えたね 幾千もの 星の中の ひとつに きみが生まれ変わっても 変わらぬ思い きみに伝えるよ コメント この曲ヤバイ!!号泣ーーー -- みぃちゃん (2010-10-11 09 27 05) PVとかかわいすぎる・・・ -- 名無しさん (2010-10-11 09 27 40) せ・・・・切ね~~~~ -- 名無しさん (2010-10-11 09 28 06) もっと評価されるべき曲!! -- 名無しさん (2011-08-30 21 57 02) 切ない…… PVも綺麗で大好きです! -- 名無しさん (2012-05-26 09 26 07) 切ない… 泣きそうになるじゃないか -- 仮名ライダー (2012-12-06 19 25 34) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/3842.html
毒の林檎に齧りついて、白雪姫は死んでしまいました。 火で炙られた鉄の靴を履いて、お妃様は死んでしまいました。 白雪姫を、殺したのはだあれ。 お妃様を、殺したのは、だあれ? ---------------- 湿り風が、一足早く秋特有の空気を帯び始めていた。文化祭の準備にかかりきりの慌しく廊下を駆ける生徒達も、制服は長袖に衣替えを終えている。 古泉一樹は、廊下を渡る最中に窓を見越した。瞼すら刺し貫くような夏場の光が、季節の移り変わりに伴い、陰り始めていることを思い知る。斜陽が濃く、彩度を落としながらも伸びやかに秋空を表していた。些か、フライング気味の季節交代だ。もしかしたら今年度の冬は、例年以上の強烈な寒波に見舞われる、といった想定外のこともあるのかもしれない。 雪は、降るだろうか。 単語と名に結び付けてふと思い浮かんだ横顔は、静けさの内に書物に黙々と視線を落とす、無機質な少女の姿をしていた。そういえばタイムリーな題材だとも思って、古泉は先程借り受けてきた古びた本の背表紙をなぞる。鞄とは別にして小脇に携えていたそれ。図書室の奥まった棚にしまいこまれ、埃を被って眠っていた洋書。原題は、『Snow White』と、読めた。 「――それは」 かろうじて耳に届いた、微かな声。 「長門さん」 古泉が足を止める。声を掛けられる今の今まで気付かなかった。ほっそりとした肢体を大き目の制服に包み、廊下の角から歩み出たのはSOS団預かりの文芸部長、あわせて宇宙人端末という属性持ちの少女、長門有希だ。 こんにちは、と微笑み辞儀をする古泉に対し、長門の薄い睫毛がぱちりと開く。彼女流の挨拶、と解した古泉は微笑みを崩さず、「部室に行かれる途中ですか」と返した。こくり。頷きにもう一声。「ご一緒しても?」やはりひとたび、首肯。 古泉が満ちたりた笑みを履き、同行の許可を得られたことを内心喜びつつ、けれどその浮かれた心境を億尾にも出さぬよう心配りながら並んで歩き始める。長門もそれに従うように歩を再開したが、余程興味を惹かれていたらしい、繰り返し当初の質問を古泉に発した。淡々とした口調での、けれど初期よりは理解しやすさという面で難易度も低くなった、指示代名詞で表現された疑問詞つきの一言。 「それ、は?」 古泉は再び立ち止まり、ああ、と漸く長門の『それ』を把握して笑った。 「……『これ』ですね」 長門の興味が向く存在など、これ以外にある筈もない。古泉は抱えていた薄い本を軽く振って長門に示した。所々色が剥げ、古本らしく、黴の混じったような匂いが鼻につく書物を。 「『Snow White』。グリム童話の英訳版です。この書籍自体は、随分古いもののようですね。長門さんならご存知でしょうが、邦題では『白雪姫』というタイトルで親しまれています」 「知っている」 無論、読書家である長門が「白雪姫」を知らぬ筈がないことは、古泉にも分かる。それでは何を意図した質問かを思考した古泉は、それが真に彼女の知りたい正しい情報かどうかはともかくとして、自分がそれを改めて読む事になった詳細を口にした。視線をさり気なく長門の白い頬に落としながら。 「文化祭のクラス演劇でね。昨年、僕のクラスはシェークスピアのストッパード版をやったのですが」 「それも知っている。見に行ったから」 「ああ、そうでしたね。来て下さるとは思いもよりませんでしたから、その節は大変驚きました。不出来な出演をお見せしてしまったことは、今も悔いの残る処ですが。――如何でしたか?」 「ユニーク」 「……お褒めの詞として受け取っておきます。その方が心身にダメージは少なそうだ。……まあそれはともかくとして、何の因果か今年も僕の所属クラスは劇をやることになってしまいまして。それで選ばれた素材が白雪姫、それも改作されて普及した優しい内容のものでなく、初版に近い形のものをという話になったのですよ」 グリム童話やアンデルセン童話、子供たちにも馴染み深い名作童話が、其の実恐ろしい暗喩や露骨な性的描写、グロテスクな表現を含み持つ作品であったことはよく知られた話だ。『白雪姫』もまた、例に漏れない。そんなものを元にしてどう脚本に起こすのかは劇作担当の腕次第というところだが、その担当者は英語成績の悪くない古泉に、原本の翻訳を押し付けもとい「任せて」きたのだった。初めはやんわり断りを入れた古泉だったのだが、演出担当の女子と白雪姫役が決まっている女子に揃って嘆願され、結局押し切られる形になってしまった。 日頃、SOS団の活動や神人倒しのアルバイトで、イベント事において古泉はクラスに貢献しているとは言い難い。 断りきれなかったのは、そんな事情もある。 「初版に出来る限り忠実な劇をしたいけれども英語のままでは読めないからと、僕にお鉢が回ってきたのですよ。進学クラスが聞いて呆れます。交換条件で本番には、雑用に回って舞台には立たなくていいという保証を頂きましたが、いやはや」 古泉は嘆息しつつ、器用に笑うという芸当を見せ、「困りました」と長門に肩を竦めて見せた。 「…………そう」 何処か常とは異なる響きが奏でられ、す、と長門の面が俯き加減に、意図的に調節される。表情を見せまいとするかのような、何事か言いあぐねるような仕草。最近の彼女に、よく見られる変化だ。まるでそのまま、人であるかのような振る舞い。 古泉の演劇エピソードに、それともこの物語の全容に、もしくは古泉自身が雪、というフレーズに思い起こしたものがあったように、長門有希にも思うところがあったものだろうか。 此の所の長門有希の様子がどうにもおかしいらしいというのは、いまやSOS団員全員が知るところとなっていた。 口数が少ないのはいつものことだが、明らかに何か重心をぐらつかせているような脆さが透けて見える。長門が不安定さを露呈する事態などまったく稀なことで、それは何か事件が起きた際にそれぞれが危機に瀕する可能性を示唆するのみならず、古泉にとって、その心情的に、針を一本ずつ胃に落とし込むような痛みを連想させるものだった。 穴が空くのをじっと待つ、潰れて捩れて死んでしまうまで。長門が『彼』に好意を寄せている以上――ごくごく一方的で、見返る確立など皆無と言っていい恋情を、古泉は、笑顔の下に持て余していた。 始まりは思い出せない。きっかけというきっかけもない、ふとした瞬間に自覚したのだ。 長門が『彼』を見遣るときにのみ垣間見せる、氷に一滴の温水を落とされた雪女のような、焦がれるような眼差しを、古泉は忘れられない。そんな少女に憐憫を感じ、愛しく想うからこそ、ハルヒと『彼』が結ばれることを願っているのも自分自身であるからこそ忘れられない。折につけ、その遠くを見つめてやまない物寂しげな背を支えたくも思うのだけれど、そうそう上手くはいかないものらしい。 長門の感情の発露は、去年の夏以降急速に現出し始めた。冬以降には、更に勢いを増したように古泉には感じられた。 『彼』を見守り、『彼』の隣にハルヒが笑う姿を観察する少女は、古泉には何より人間に見えた。 ―――予兆は、あったのかもしれぬと、古泉は後悔する。省みるのみなら猿でもできることだ。察せられなかったことを、己の盲目を古泉は後に、悔やんだ。 文芸部室前に辿り着き、ドアノブに手をかける。扉向こうから、世界が替わってしまうことを、如何に古泉であろうとも推察できはしなかった。 ---------------- さあて、さあて、謎掛けです。 毒の林檎に齧りついて、白雪姫は死んでしまいました。 火で炙られた鉄の靴を履いて、お妃様は死んでしまいました。 白雪姫を、殺したのはだあれ。 お妃様を、殺したのは、だあれ? (→2)
https://w.atwiki.jp/simpo/pages/97.html
権力を持つとその人の行動傾向に様々なネガティブな影響が起こることを紹介する記事が出ています。 権力者はなぜ「堕落」するのか:心理学実験(WIRED VISION) 権力を持つ人は,目下の人の状況や感情に注意が向きにくくなることは以前から指摘されていました。 Galinskyらはこのことを面白い方法で示しています。 自分の額に“E”という文字を書いてもらうのですが,このときの文字の向きが自分から見て正しい文字になるか,他者から見て正しい文字になるかで他者への共感(視点取得)を測っているのです。 おそらく,ソースは以下の論文かと思われます。 Galinsky, A. D., Magee, J. C., Inesi, M. E., Gruenfeld, D. H. (2006). Power and perspectives not taken. Psychological Science, 17, 1068-1074. 【Link to 著者ページ】 記事では,他に,偽善傾向が高まることを示した研究についての紹介しています。 最終更新:2011年06月05日 (日) 21時39分01秒
https://w.atwiki.jp/kusamura/pages/22.html
このページはhttp //bb2.atbb.jp/kusamura/topic/65916からの引用です kusamura(叢)フォーラム トップ»ロロ・メイ著作集3「わが内なる暴力」(1972)» 第六章 存在への権力 (*存在する権利) [6posts] 投稿者 メッセージ kusamura 題名 第六章 存在への権力 (*存在する権利) 時間 2009-08-17 20 13 39 no rank Joined Posts 生きている人間にとって権力は、理論ではなく、 日に何度も直面し、利用し、享受し、格闘しなければならぬ、 つねに変わらぬ現実(reality)である。 だれもが、一種の潜在力をもって生まれている。 誕生時に、現実的な力へと形を整えるのは こういう潜在力の中のごくわずかである。 こうした子どもは、まだ歩くことあるいは話すこともできない―,, しかし、H・S・サリバンが指摘しているように、 泣き叫ぶことはできる。 しかもこの叫びこそ、 後になって、言語の複雑なコミュニケーション・システムへと発展してゆく潜在力なのである。正常な幼児が、話し、這い、歩き、走ることができるにつれて、 こうした潜在力をもろもろの能力(power)へと成熟させてゆくに 当たって得るよろこびについては、何人も疑うことはできない。公園で走ったり、 子犬のようにはね廻ったり、 飛んでいたりする子どもを目撃するわれわれのだれもが,,, 筋肉を動かすことのよろこびの何たるかをよく承知している。 その齢相応に世の中を探検し眺めることのできるこの潜在力は、 神経筋肉的な構造が発展するにつれて、次第に実際の力になってゆくのである。 権力はその実行へと進んでゆく。 倫理的に言えば、それは善でも悪でもなく、 それはただ存在するだけである。しかし権力は中性ではない。 ,,男性なり女性なりの個人的な力と、 彼ないし彼女の属する文化との間には、まぬがれ難い衝突がある。 その個人をその限界内に引き留めておこうとする文化にたいし、 こうした権力は戦いを挑まざるを得ない。 この一貫せる戦いは、(弁証法的な性格のもので) 一方の極が変化するにつれて、他の極も変化してゆくのである。 kusamura 題名 1.幼児期における権力の起源 1 時間 2009-08-17 20 45 48 1.幼児期における権力の起源 (*子どもの攻撃性) 権力の起源はまた攻撃の起源でもある。 攻撃は権力のひとつの使いかたであり―あるいは誤った使いかたである。(*クララ・トンプソンによれば)攻撃というものは「一切の生けるものの特性であるように思われる。 生命を成長させマスターする先天的な傾向 から出てくるものである。 ただこの生命力が発展の途次で妨げられるとき、 怒りや激怒ないし憎悪の要素が、その生命力と結びつくのである。」 「権力」というコトバは「~できる」(to be able)の意味をもつ語根からでている。サリバンは,,この意味で,,「能力(ability)と権力(power)」と一緒に使い,, 「われわれは、自分の中にこの 権力動機づけのようなものを 持って生まれているように見える」,,この権力的動機づけは、 安全や地位や威信によって形成されているもの 、と述べている。 こうした性格は、たしかに社会的なものであって、その文化から またその文化の中で発達する幼児によって学習されるのである。 子どもがブロックで家を建て、つぎにその建物を建て直すためにたたきこわす のを見守るとき気のつくことは、権力と攻撃が積極的な価値を持っているということである。 子どもは、ベストをつくし、 自分の発達レベルを可能にする限りにおいて、自分の世界を探検し、 実験し、支配し続けるのである。D.W.ウィルコット博士は「もともと、攻撃性はほとんど活動性(actibity)と同意語である。」と書いている。 もともと、幼児は、その権力や攻撃性を つねにその反対物との結びつきで示す ―つまり、 独立し 育てられたい という欲求との結びつきをしめす。 その成長の全過程は、 母親との生物学的な結びつきを断つように始まるものとして考えられている。 子どもは、へその緒を切ったあと、 心理的な基盤に立ってもろもろの関係を形成するようにならねばならない。 危険をおかして進むごとに、子どもは、自分の個人的な力や 能力を利用していくようになり、 それから母親のもとへ帰ってゆく。 この発達の成長発育的な側面は、それ自体、 世話をされ愛されたいという傾向にあらわれてくるし 自己主張をし、もし必要なら抵抗するという要求のなかでは、 攻撃的な側面があらわれてくる。前者は「イエス」であり、後者は「ノー」である。,,もし子どもの攻撃性が阻止されるようなことがあると、 その子は永久に依存性の強い状態を持続する傾向になる。,,もし子どもの愛および世話をしてもらいたい欲求が かなえられない場合には、 その子は破壊的なまで攻撃的になるかもしれないし、 世間へ向けて復讐をはらすことで生命を落とすかもしれない ―これは時々スラム街で育てられる子どもに見られるケースである。,,もし子どもが、制限なく何をしてもよく、自分の力をテストするための何も持たず、 両親がしっかりして何も反対できないという事情なら、 その子は、その攻撃性を自分自身に向け、爪をかんだり、自らに罪をなすりつけたり、 あるいはたまたまやって来るだれかれなしに、無分別な攻撃を加えるかもしれない。子どもの可動性(mobility)は、 子どもが母親から離れてゆく距離を拡げるひとつの方法とみなすことができるかもしれない。 それは、母親から独立するための実地訓練であり、子どもの実母がどこにいようと、 あるいは彼女が生きているにせよ死んでいるにせよ、それにおかまいなく、 生涯にわたって高まってゆく実践行動である。 kusamura 題名 1.幼児期における権力の起源 2 (*子どもの攻撃性) 時間 2009-08-17 21 03 26 不幸な育ち方をすると、個人の持っているもろもろの力は、 破壊的な目的にふり向けられるし、また、実際にふり向けられてしまう。 ある女性の患者は、定期的に、夫や子どもに対する抑えがたい怒りにとらわれたが、 その怒りの際、彼女は、際限のない悪口雑言(invectives)を吐き、 激しい怒りに狂って夫をくりかえし握りこぶしで強打するのであった。 後ほどわかってきたことによると、彼女は売春婦の娘で、また彼女が幼かったとき、 しばしば、カフェでいろんな違った男と接触するための「人目につきやすい用具」(conversation piece) として用いられていた。母親はその男をそれから自分の部屋へつれこみ、 彼女(患者)は、一時間ばかりそこにテーブルにひとりぼっちで座らされていたのである。 彼女は、学校時代を祖父母と暮らしており、 生い立ちゆえに村人たちからはいつも除け者にされていた。 彼女は、とやかく噂している婦人達の家へ出かけ、その家のドアの入り口で 復讐のため脱糞(defecating)したことを覚えていた。 彼女は、兎やそのほかの動物を家で飼育することで、世話をする感覚を発達させたが、 しかしこの感情は孤独な感じであったので、 自分の友達との親密な状況の中で自分の気の小さいところ、を決して克服してなかった。 こうした躾け方のために、成長後、対人関係の場において 破壊的な怒りや攻撃性が生まれてきたことはよく理解できる。 幼児が正常な発達をするのに必要なものは、 当人が日々、支配(masterry)の感覚を探り出してそれを強化できる、自らの能力と 親からの愛情とケアである。 ストール(*アンソニー・ストール)は次のように述べている。 「幼児は“私にそれをやらせて”を繰り返し、懇願するものである。 賢い母親は子どもにできるだけ多くのことを独力でやらせるよう励ますものである。 たとえば、大人がやれば数秒でできてしまう結び目を結ばせるのに、 子どもでは数分かかろうとも、辛抱強く待つのは、たとえ退屈だとしてもやらせるべきである」 ストールは、グリムのおとぎ話(*残酷なものが多い)を読むことや、 「警官と泥棒ごっこ」をすること、戦争ごっこなどが子どもに有害であるとは考えていない。 ,,もし現実の世界で自分の攻撃傾向を実行できない子どもの場合であれば、 ファンタジーの世界でそれをやり遂げる必要がある。 再びウィニコットを引用すると、 『もし社会が危険に瀕しているとすれば、それは、人間の攻撃性のゆえではなく、 個々人の中の個別的な攻撃性を抑圧しているからである』。子どもには自分の成長する個性を守り主張するために、 手に入れることのできる攻撃的な潜在力が必要なのである。 kusamura 題名 3 自己-確認 1 時間 2009-08-18 01 12 54 3 自己-確認 存在への権力(power to be)ということの中には 自分自身の存在を確認したいという欲求が内包されている。 われわれの見解では、第二のレベルに属するこの存在確認は、 自己信頼(self-belief)の静かなおだやかな形のものである。 それは、生後数ヶ月で、片親ないし両親を通じて、幼児に伝えられる 基本的な価値感情からでてくるものである。 しかも、それは、後になって、威厳の感覚(sense of dignity)として 姿をあらわすのである。この「威厳」(dignity)というコトバは、 「値打ちのある」(degnus)というラテン語に由来するもので、 心理的に健康な人間にとっては欠くことのできないものである。 多くのことが、 尊重されたいという、この最初のあこがれに起こってくるのかもしれない。「私は何がしかの価値あるものであるが、世の中の何人もそれを知らない」 (第一章にでてきた分裂症傾向の若き女性音楽家プリシラのコトバ)「私はとるに足らない者であり、しかも他人が私を性的に利用できるときを除いては 価値が認められているとは思えない。」 (マーシデス-黒人売春経験者-はこのように言いたかったのであろうと想像できる) 多くの人の犯す間違いは、自己-確信にバイパス(迂回路)をつけて、 無力性から直ちに攻撃と暴力へと飛躍してしまうことである。 われわれがつねに、無力的であるとき、そして はじめて自分が権力を持っていると考えたときに得られる向こう見ずな感情は 人を酔い心地にしてしまうものであるように思われる。 それは、自分は「存在への権力」を持っているという事実を体験するために アドレナリンを呼びださねばならなかったようなものである。 しかも、ひとたびアドレナリンが存在すると、 人はその持っている力を攻撃的な行動へ移動し続けてゆくのである。ここから、治療中の人物は、 しばしば自分の友人や家族が 「攻撃性過剰」と呼んでいる時期を通過するのである。 それが起こるのは、彼らが自分自身の存在への力を実感する直後のことである。 この攻撃あるいは暴力はかがり火のように燃えるが、それは、 一般に一時的な運動にすぎない。 人間発達のステップとして、 自己-確信がオミットされるなり、さっさと片付けられるならば たいへん価値のある何ものかが失われるのである。 人の存在への権力に、耐久力と深みとを与えるものは、自己-確信である。 現代文化では、多くの人が、道徳的な根拠から、 自己-確認を否定する傾向にある。 こうした衝動(urge)は軽蔑的な意味合いから 利己的(selfish)であるか、あるいは自己中心的(egocentric)であり、 他人を愛することは自分自身を「憎むこと」であると教えられてきた。 これはゆがめられたピューリタニズム解釈の、明らかに時代錯誤的な側面の一つである。 サリバンはつぎのような命題をたてている。 他人に対するわれわれの態度は、 自分自身に対する自分の態度に平行するものであり、 他人を愛するつもりならその元になる 自己自らに対する愛が欠かせないものである。 このサリバンの命題は、今日、何の疑いをさしはさむことなく認められてきている。 聖書の教え ―あなたがあなた自身を愛するように汝の隣人を愛せよ― 治療的に言って、それは,,患者の行動を大局的に見る助けとなる。 「汝は、汝自身をひどく扱うのと同じように、他人に対しひどい扱いをするなかれ」。 kusamura 題名 3 自己-確認 2 時間 2009-08-18 01 26 23 ある人が自分を価値ある人間だという確信を抱いているかどうかは、 (普通では)まず第一に、母親ないし母親代理人の幼児に対する態度に始まり、 家族の中では、幼児に対して家族員がどれだけ正直であるかによって滋養される。 子どもが成長するにつれて、 この最初の感情(*自分が価値あるものであるという自己-確信)は、 彼および彼の潜在力に対する家族外の人びとの評価によって強化される。 後になると、 さらに成熟せる人間は、苦しいときに思い出せるように、自分の記憶の中に 自分を信じてくれている人びとのイメージをとどめておくように思われる。私が大学生のころ、 私はある大人が私をきわめて重大なものに信じてくれた経験がある。 その後時々、私の生活の中で、私が運命的な決断の場に直面すると 私はこうした人物の一人にしがみつこうと探し回っている自分に気づくのである。 ,,彼ないし彼女が、私に何をすべきか語ってくれたわけではない。 私自身の心理的安全のために、自分を信じ込んでくれる誰かを探し出すことが 重要であった。 精神療法のねらいには、その個人がしばしば、着実に、長期にわたって、 自分自身の自己-確信をつくりあげてゆけるようにその個人を助けることが含まれる。人間が自我-意識的でありうることは、 広く自己-確信への要求を増すのである。 人間においては、自然と存在は同一ではない。しかし、部屋の中でふざけまわる 私の子猫にとっては、自然と存在は同一で「ある」 ―子猫が自分について何をしようとそれにはおかまいなく、子猫は猫になるのである。 猫は、自我-意識(self-consciousness)あるいは何かを認識する自分を さらに背後で認識するというような負担には耐えられないのである。 ,,楢の木の場合、自然と存在はまた同一である。 どんぐりは、物理的条件が完全なら楢の木に生成してゆく。 どんぐりはそのことについて考えたり、あるいはそのことについて知るという重荷は 負わされていない。 意識というものは、自然と存在の間に入り込んでくる媒介変数である。 それは、広く人間存在のもろもろの次元を拡大してくれる。 つまり意識は、人間の中に認識の感覚、責任感、この責任に相応しい自由の限界を 感じさせるのである。 人間の意識のもつこの反省的な性格は、動物行動についての研究では、 人間の攻撃性についてただ皮相的なことだけが説明されている。 人間というものは、無限に残酷になりうるものであり、 自らのサディズム的な快感のためには破壊も辞さないのである ―これは動物には否定されている「特権」である。 こうしたことの一切は、 人間存在にあっては、自然と存在が同一でないという事実から出てくるのである。 かくて、人間は、自分の発展に参加し、その選択がどれほど限定されているにせよ、 自分の重みをこれないしあれへの傾向にかけるときだけ、自我(self)になるのである。 この自我は、自動的に発達するものではない。 人間はただ当人が、自我を知り、それを確認し、それを主張する限りにおいてのみ、 自我になりうるのである。 これこそ、ニーチェが、 絶えずコミットメントと献身(dedication)の必要を主張している理由である。 またこれは、人間が、 動物その他の自然よりはるかに教育可能(educable)である理由でもある。 人間は、自らの自覚を通して、 ある程度自らの成長に影響を与えることができるのである。 kusamura 題名 4 自己-主張 時間 2009-08-18 21 02 03 4 自己-主張 自己-主張の奇妙な面は、 人間はしばしば主張を訓練するために、 対立するもの探し出すことである。 つまり自己主張は、病理的なものではなくて、 存在への権力の建設的表現なのである。 二歳から四歳へかけて,,幼い子どもは、その「限界をテスト」し、 どこまでしでかすと両親の反対をまねくかを知り、両親にさからうために両親にさからい、 自分に対しダメというためにダメというであろう。 ―四歳児の主張は、それが母親の要求に対立するがゆえに悪いのである― 子どもは 母親が期待しているものとは全く違う仕方で「善」と「悪」という問題に 関心を抱くことになるかもしれない。(シャルロッテ・ビューラーのレポート)四歳のピーターは、 「大声でひとりごとを言い、尋ねているのが聞かれた。 『彼(=僕)はいい子なのか。あるいは彼は悪い子なのか』。それに対し、 断固たる宣言がよろこびとともにでてくる。 『いや、悪い子だ、彼は』」 このように、対立物を探し出すことによって、 子どもは、言われた何かをすることをしばしば拒否するのである。 分別のある親はこの行動を受け容れるが、 それは子どもの罪悪感を増大することになるという理由ではなく、 降参するための口実としてでもない ―子どもは、そこに真実に対立物を得るために 何かほかの吐け口を見つけることに、 精を出さねばならないのである。 というのは、彼(子ども)の欲しているものは、 自分の「心理的な筋肉」を試験することである。 それは成長の持つ正常で不可欠な側面である ―自己主張への意志は子どもによって「実践される」(practiced)のである。 ------------(*ニーチェ)----------------------------------- 権力は、対立物が克服される状況下で実現されるものである。ニーチェは意志のこの側面を見ていた。 『私は、意志がどこまで抵抗や苦痛や苦悶に耐えられるかによって “意志の力”を評価する』 ,,安心と富とは敵であり、 本ものの自我の発展を浸食し、その基礎を削り取ってしまう、 と、ニーチェは信じていた。 われわれはニーチェが、繰り返し 『生命は自我超克(self-obercoming)から成っている』と述べているのを知っている。 ニーチェは、ダーウィン的な生存競争という考え方を軽蔑し、むしろ 『一切の生ける被造物は、自らの生存の保持に向かうどころか、 自らを高揚し成長し、より多くの生命を生みだそうと努力するのである』と主張している。 『生命が言った。見よ、 私は、自分自身を絶えず克服しなければならぬものである。 事実、それをあなたは、生成の意志、あるいは一つの目的への より高きもの、さらにより多様なものへの衝動と呼ぶのだ』 リンク
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/3985.html
白雪姫に、最期に与えられたのは、林檎でした。 紅く艶のある、瑞々しそうな林檎。 白雪姫は、手を伸ばしました。 もう何も、堪える事はありませんでした。 --------------------------- 俄かには信じ難い事象を、否応なしに信じさせられる。 ――そんな事例なら、以前にもあった。四年前、涼宮ハルヒに何らかの出来事が発生し、突如として古泉が能力に覚醒した日。古泉は拒否権なくあらゆるものを奪い取られ、代償に幾許かの『選ばれたもの』である、という自負を与えられ、逃避する余地のない宿命という名の拘束に縛り付けられた。 けれども「分かってしまった」古泉は、重責を課せられたとて、放り出すことは叶わなかった。自覚的にそうだったのだ。「分かってしまう」ということは、つまりはそういうことだった。 無論、過去の彼自身がそうであったように、SOS団団員として走り回る事そのものを青春の一環として謳歌している「今の」古泉一樹がそのように感じているかといえば、話はまるで別であった。 部室で少年と指す将棋はこの上ない娯楽であったし、少女がいそいそと淹れてくれるお茶はどんな喫茶店で出される紅茶よりも遥かに美味で、行動力に満ち溢れた少女の眩しいくらいの笑顔と高らかな一声が古泉には愛おしく。 読書をこよなく好む、彼女が定位置で頁を捲る姿を通した日常は、何物にも代えがたい、古泉にとっての安らぎだった。 そして、今回だ。 栞を見た瞬間に「分かってしまった」――古泉自身、忘れさせられていたことを。 一体いつから、記憶の改竄にあっていたのか。たったふたりの文芸部という偽りの記憶を遡れば、不鮮明になっていくそれらにもっと早く気付いて然るべきだった。眼鏡を掛け、人のように有りの侭の感情を流出させる長門のことも、ヒントには十分な資料であったのだから。 「……副団長職失格ですね。彼らのことを、一時とはいえ忘れてしまうとは」 自虐の一言は古泉なりの戒めだった。これ以上はない。 もう、惑わされはしない。 思い出して初めて、長門と二人きりという状況下がどれほど奇怪であったかを思い知れる。団員のないがらんどうの室に、仲間と過ごして来た数々の思い出の象徴のように、残存していた給湯器、パソコン、ボードゲーム、華々しい女物の衣装類。彼らの美しいとも表すに吝かでない、大切な忘れ物だ。 忘れ物は届けなくてはならない。当人たちの下へ。 古泉は沈思した。 他のSOS団員たちは、総てを統べる母とも言うべき誇り高き団長は、何処へ消えたのか。何故、古泉と長門のみがこの白雪姫にあつらえたかのような、けれど目覚める余地を残した空間に留まることになったのか。 恐らくは筆跡からして長門が遺したメッセージに違いない、栞の文面からその意図を汲み取り、取り得る限りの手を尽くすことが第一だろう。――古泉は薄っぺらい紙切れに過ぎぬ栞を、光に翳して透かす。 あなたは鍵を見つけ出した。 求められる回答はPC内に記録されている。 最後の選択権を、わたしは、あなたという個体に委ねる。 栞のメッセージの、最後の選択権とは何なのか。この部内のパソコンを平素から利用しているのは、眼鏡を装着した長門有希の方だ。――栞に拠れば、此処に総ての解決策が集約されているはず。 古泉は旧式PCの前に移動すると、電源マークを親指で押し込み、ランプの点灯を待った。 起動画面が表示され、聞き慣れた軋んだ作動音が鳴り、デスクトップの黒い背景に白文字が並ぶ。「偽装されていた記憶」によれば、元よりこの古いパソコンは使用可能になるまで数分を要する。砂時計のアイコンが現れるのをもどかしく待ちながら、古泉はこの度のあらましを振り返っていた。 古泉と長門のみが、SOS団なきこの封鎖的な世界に存在する世界。ここにはどうやら涼宮ハルヒも朝比奈みくるも『彼』もいない。超常的な力も機関も未来人も宇宙人もない。長門に至っては性格が大幅に書き換えられ、当人そのものかどうかさえ分からない状態だ。 元の時空でハルヒを始めとする三名が行方知れずとなったのか、それとも古泉と長門が彼等からすると消失した側なのか――。もし此処が閉じられた世界ならば綻びを見出し、どうにか抜け出す方法を捜さなくてはならない。 白雪姫の物語を暗示したこの奇妙な世界を終わらせるには、どうすれば最善か。 古泉は、切れ長の薄目を開く。 案一。――『妃』を、捕まえるのでは、どうか? ――この世界における、情報統合思念体端末からは外れているらしい普通の少女となった様子の、長門有希。彼女が二度、胸紐と櫛で殺されかけた事を踏まえれば、彼女が『白雪姫』の役割の担い手であることは疑いようがない。この御伽噺を掲げた残酷な封鎖空間は、長門有希を抹消する為に仕組まれたものと仮定できる。彼女を無力化し、生じさせた世界のルールに則らせることで抵抗を封じたとするなら? この仮説が確かならば、『妃』役――この空間を創出し、長門の消滅を望む者――が存在している、ということ。 それを突き止め、捕捉することができれば、あるいは。 では、と古泉は思索を転換する。 異常世界に正常の感覚を取り戻し、故に取り残された古泉一樹に振られた役割は何か。 白雪姫のメインキャラクターを一揃え浮かべ、誰もが最初に想像だけならしてみせるだろう、「王子役」、と始めに呟いた古泉は、しかしすぐに失笑を見せた。 「……いや、これは違うでしょうね」 言ってみただけだ。長門が望むであろう王子役が、『彼』であろうことは、考えるまでもないことだった。分かり切っているとはいえ、一抹の寂しさは積もる。 SOS団で繰り広げていた騒々しい活動のさなかにも、古泉は控えめにも望み様のない恋情を、胸郭の深奥に隠し入れて、壊れないよう、大事に抱え育ててきた。今更だったのだ。長門が一体誰を真に想っているのか、等ということは。 それでは、と古泉は消去法を使う間もなく解答を産出する。該当は、一つだけ。 「――『小人』役」 古泉は顎に手を添えつつ、己の解釈に妥当性を認めた。これが最も適正な線だろう。実際、物語に登場する小人にかこつけるような形式ではあれど、古泉は二度妃の魔の手から白雪姫を救っている。ただし逆に言えば、小人は「三度目の白雪姫の死」だけはどう足掻いても救えない、ということになるのだが……。 思い至った古泉は、指を軽くなぞる様に食み、黙考を深めた。 もしや、『王子』役は、不在なのか? 『彼』が涼宮ハルヒや朝比奈みくると共に、この閉鎖された世界に存在していないならば、白雪姫を三度目の死の窮地から助け出せる者がない、ということだ。 もしかしたらそれこそ、この世界を仕組んだ者の計略なのかもしれない。三度目の死で、長門を完全に抹殺するための布石として、王子役を蚊帳の外へ追い遣ったとすれば辻褄があう。 三回目の「毒林檎」により長門が危機に瀕する、というのは、忌避すべき展開だった。この世界が物語通りに進むように練られているなら、王子役が居ない時点で話は決着がつく。白雪姫は目覚めない。物語はそこで、終わりだ。 悪循環に陥りかける渦を断つように、古泉は、己を叱咤した。 デスクトップに視点を移す。――画面は、起動準備を終えて、明るくなっていた。空模様の壁紙を下地に、幾つかのショートカットアイコン、そしてフォルダがひとつ。「創作物」とタイトルの付けられたそれは、書き掛けの原稿を仕舞い込んでおくためのフォルダだ。 一時、長門が書き溜めたものを纏めてあるフォルダを勝手に開いていいものかを躊躇った古泉は、今は此方が優先事項と自分に言い聞かせ、マウスを不自由な左手で操作した。 単純なクリックが、震えてぶれる。答えは、此処にある。長門の言葉を信じてどうにか開いたフォルダの中身が一覧表示されると、古泉は現れた数十のワード文書の項目のうち、ひとつひとつを丹念にチェックした。そうして、一番端に位置していたデータに眼を留める。 ――白雪姫の鎮魂、というタイトルの、それ。 *********** 雪の降りしきる春先の日、白雪姫はこの世に生を受けました。 彼女は周囲の大人に見守られ、大切に育まれていきました。 白雪姫は大変素直で、感情をくるくると表に出します。 白雪姫はよく愛され、よく人を愛しました。 けれども、白雪姫は、お妃様に疎まれてしまいました。 「鏡よ鏡、こたえておくれ、わたくしと白雪姫、■■■■■■■■?」 お妃様は鏡に問い掛けをしましたが、鏡は、答えてはくれませんでした。 お妃様はずっと悩んでいましたが、みるみる美しく大きく成長する白雪姫に、お妃様は覚悟を決めました。 白雪姫がやがて、お妃様を食いつぶし、世界を食いつぶしてしまうと、お妃様は思ったのです。 お妃様は白雪姫を、もはや生かしてはおけないと、殺してしまう算段を立てました。 命の危険を感じた白雪姫は、お城から逃げ出しました。 白雪姫は、逃げ延びた森で小人に出会い、小人と共に暮らすことになりました。 けれどもお妃様は白雪姫を殺すことを、諦めることはできませんでした。 お妃様は老婆の扮装をして、白雪姫を尋ね、たくらみを実行しました。 胸紐を用いて、白雪姫の胸を締め上げて殺そうとしたのです。 白雪姫は息絶えてしまいましたが、戻ってきた小人が紐を緩めると、息を吹き返しました。 お妃様のたくらみは失敗したのです。 小人は白雪姫に強く言い聞かせましたが、白雪姫は大変無知な娘でしたので、小人は不安でした。 そんなうちにも、お妃様はふたたび、白雪姫を殺しにやってきます。 今度は毒を差した紅色の櫛を利用しようというのです。 小人は白雪姫を独りにしていては、また彼女が殺されそうになるかもしれない、と思いました。 小人は扉越しに白雪姫のふりをして、お妃様から櫛を受け取り、白雪姫の身を護ろうとしました。 櫛にはそのお妃様によって手ずからかけられた、呪いがあることも知らずに……。 ――櫛を受け取った小人は病に蝕まれて、倒れてしまいます。 お妃様は小人以上に機転の利く人だったのです。 小人が白雪姫を護るために何をするかまでを考えて、策を練っていたのでした。 自分の所為で小人が倒れてしまったことを知った白雪姫は、追い詰められてしまいました。 看病を重ねても小人は一向に良くなりません。 心優しい白雪姫は思い詰め、精神を病み、小屋に引き篭もってしまいます。 そうして、三度目に小屋を訪れたお妃様は、 ――ドアの隙間から、赤い林檎を差し入れました。 *********** ――書きかけの文書は、そこで終わっていた。 眼球が乾ききって罅割れてしまうまで、古泉は画面をきつく凝視し、その文書の端末の一文字にいたるまでを網膜に焼き付けるように睨み付けた。 原本の白雪姫から、派生させた新たなストーリーといえる内容だ。物語自体の語り口は童話そのもの。彼女なりの「白雪姫」への多角的アプローチ。興味深い描写が散りばめられているが、古泉の双眸は何れも、その示唆された意図以外のものを追ってはいなかった。 ……この後の白雪姫がどうなるかなんて、読まずとも、誰であろうが察せられるだろう。 『妃』が誰であるのか。問いの真相を、古泉は己の思考のみで補完した物語の全容から掬い取り、痛いほどによく理解し。 唇を噛み締め、吐き捨てた。 「――そういうこと、か…!」 文芸部室を飛び出す。包帯で固定された右腕では旨くバランスが取れず、壁に左手をつきながら、脚を忙しなく働かせる。 古泉は走り出してすぐに、無音の違和感を覚え、その正体を悟った。 駆け抜けてゆく古泉の脚音の響きが、走るなかについてくる。放課後とはいえど、この時間帯に生徒のざわめきが一切耳に届かない。夜の廃屋でも、これほど物静かということはないだろう。 駆ける中見渡した教室、教室、教室――人が、消失していた。正しく、蛻の殻というべき空間。上辺だけ取り繕われていたこの世界の「おかしさ」が、一気に噴出したように。 先程まで教室付近で談笑したむろしていた男子生徒も、掃除用具を片付けていた女生徒も、居残り勉強に勤しんでいた学生たちも、部活に声を張り上げていたグラウンド外の運動部も、職員室で模試の採点をする頃合だろう教師も、一切が、いなくなっている。 古泉は、偽りに覆われていた世界の脆さを予感する。崩れ始めている、――古泉が真相に辿り着いたことによって。 「……長門さん……!」 保険医が残っているからと、保健室を出たのが過ちだったのかもしれない。彼女を一人にするべきではなかったと、古泉は悔いた。 古泉の不在時に『妃』役がどうでるか分からない。焦燥にかられ、不自由な腕を庇いながら走り込んだ保健室前。 扉に凭れ掛かり視線を投げ掛ける、見知った少女が、一人、哀憫の情を握らせるように微笑んでいた。 「だから、忠告してあげたのに」 セミロングの美しい髪を、窓からの微風に遊ばせた朝倉涼子は、古泉に、物悲しげに笑いながら、最終通告を投げ掛ける。 「―――『今度こそ』手遅れになる前に、って。言ったでしょう?」 --------------------------- 白雪姫に、最期に与えられたのは、林檎でした。 紅く艶のある、瑞々しそうな林檎。 白雪姫は、手を伸ばしました。 もう何も、堪える事はありませんでした。 ――ごめんなさい小人さん、 ごめんなさい。 ごめんなさい。 愚かな私でごめんなさい。 あなたを苦しめてごめんなさい。 白雪姫は謝り続けました。 心の中で、幾度も繰り返し、謝り続けました。 毒の塗られた甘やかな林檎を、その小さな掌に乗せて。 (→7)
https://w.atwiki.jp/nouryokukoukou3/pages/469.html
生徒データ 年齢 見た目よりはあるらしい 性別 女 出身地 不明 所属組織 なし 係り/職業 養護教諭 パーソナルデータ 身長 119 体重 24kg 特技 錬金術、薬学etc 人称 私 親友 さあ? 能力など ルーン魔術 この女がもっとも得意とする魔術。何かにルーンを描き、その何かの情報を書き換える事で魔法のような現象を起こす 『硬化のルーン』 物体にルーンを描き、硬度を書き換えるルーン魔術。 ルーン魔術の基本中の基本。かなり簡単な魔術だが、彼女はこれの練度を極限まで高めてあり、紙屑は鋼鉄、ダイヤモンドはスライムにすらなる。 『剛力のルーン』 力を書き換えるルーン魔術。 中位ランクの魔術だがさほど難しくなく、強力なもので無いのは彼女以外が使えばの話。 これも練度が限界まで高められ、ルーンが描かれれば赤子ですら板を穿つ程 『反逆のルーン』 【我が手に描く血濡れた刃は 運命へ突き立てる反逆の証】 【錆び付いた運命が動き出し 世界の敵になりえようとも】 【握った諸刃は決して離さず 意志を突き通す戦士の証明】 自身の存在情報、つまり自分の通っている世界線を書き換えるルーン魔術。このルーンは描くだけでは発動せず、詠唱と共に発動する 最高位禁忌魔術の一つ。小規模ながらも世界の理そのものを書き換えるこの魔術は、明確な運命への反逆の証。乱用すれば自分の存在が消滅しかねない。 書き換えられる線は二つ、横に連なる平行世界の線と縦に延びた時間の線。 彼女はこの縦の撰を書き換え、幼女の体を無理やり大人にして戦う 容姿 抱きしめれば潰れてしまいそうな小さな体をぶかぶかの白衣で包んでいる 髪の毛は跳ねに跳ねて無造作に伸ばされ、着ている白衣もしわくちゃにくたびれてだらしない印象を受けるが、鋭い瞳と落ち着いた雰囲気がどうにも子供らしくなく色気すら感じるほど 性格・概要 夜逃げした前任者に変わって赴任した養護教諭。 完全に小学生な見た目とは似合わない雰囲気、口調、さらには自身をババアと称するなど、なにか容姿には事情がある様子 好きな物は酒と布団とタバコとベッド、嫌いな物は片づけることと基本的にはだめな女だが、大人びた雰囲気、いつも余裕のある口調からはそうは思われにくい。 ちなみに真雄の元保護者で、そに子の現保護者。若干親バカの気がある
https://w.atwiki.jp/onmyoutetu-jinro/pages/154.html
特徴 普通村における配役仕様 コメント 特徴 昼の投票において、投票数が2票になるサブ役職です。 普通村における配役仕様 登場オプションをONにした上で、開始人数が16人以上の場合に登場します。 登場する場合、1名のサブ役職に付加されます。【決定者】と同一人物にはなりません。 コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/dela1950/pages/22.html
★ 権力関係を整理すると、第1権力(政治、国会議員による内閣)、第2権力(行政府、官僚)、第3権力(司法)、第4権力(マスコミ。記者クラブメディア)、第5権力(特権を持たない大衆)とすると、第5は第1しかコントロールできないので、本来なら第1を支持して第2を監視すべき。ところが第2は巧妙に背後に隠れつつ、第3(検察)、第4(記者クラブメディア)まで総動員して、自らの意思を押し通しながら、巧みにすべての責任を第1に押しつけつつ、その力関係と演出によって、第5の、第1に対する期待を粉々にすりつぶし続けた、といったところ。本来なら、第3(司法)は中立でなくてはならないし、第4(メディア)は、第5(大衆、国民)の立場に立って、何よりも第2を監視・批判し続けなくてならないが、どちらもその機能を果たしていない。それどころか、己の本分を忘れ、ひたすら第1を叩き、第2に奉仕している。(岩上安身) ニコ生トークセッション「プロメテウスの罠」~取材で見えた福島原発事故の深層~ 永田町異聞一覧 最新号→ 大新聞の特権意識が生んだ渡邊、清武の泥仕合 大手新聞ほど、国家権力に庇護されている民間企業はない。国有地を安く払い下げてもらってそこに本社を建て、電波利権を与えられてテレビ局を開設し、なおかつ新聞だけは公取委に再販制度を黙認させて、新聞価格を高く維持している。 官庁まるがかえの記者クラブに加盟していれば、放っておいても役人がネタを提供してくれ、資料に少し手を加えただけで一本の原稿があっという間に出来上がる。記者クラブがなかったら、現有の記者数では新聞紙面の半分以上を白紙で出さねばならないだろう。 まさに利権の巣窟であるがゆえに、金繰りの苦労を知らないど素人が経営者になっても、会社を存続できているのだ。 ★ニコニコニュース 上杉隆、ジャーナリスト無期限活動休止宣言の真相は? 11/24 ★ニコニコニュース 上杉隆氏「読売が清武問題を報じないのはメディアの驕り」 11/24 2011年10月20日[6 /6] 番外編小沢一郎氏 全国民参加型記者会見【畠山理仁氏webカメラ】2011年10月20日【ニコニコ動画 】 小沢一郎氏 全国民参加型記者会見 畠山理仁 2011年10月20日、「小沢一郎民主党元代表・全国民同時参加型記者会見」が開かれた(自由報道協会主催)。会見場にはフリーランスの記者だけでなく、新聞・テレビ・通信社など、既存メディアの記者も区別なく希望者全員が入場した。/記者会見の前半は、会見場に集まった各メディア・各記者が事前にメールやブログ、ツイッターなどを通じて広く国民から公募した質問を「代理質問」。後半は会場の記者からの質問を受け付けた。/自由報道協会主催の記者会見では、限られた時間により多くの記者から多様な質問を受け付けるため「一人一問ずつ」「陳情、抗議の場ではない」とのルールが設けられており、会見開始前にも記者たちに向けてアナウンスされている。/しかし、会見の後半部分で指名された読売新聞の恒次徹記者は、このルールを無視。自身が質問の前提とした、陸山会をめぐる政治資金規正法違反事件についての『過去の小沢氏の発言』について、小沢氏から「そう言っていません」「違います」とにこやかに否定されると、小沢氏の発言を遮る形で持論を展開。/恒次記者は小沢氏が答えようとすると、さらにその声にかぶせるように発言。司会の成瀬久美氏に制されると「小沢さんと対話がしたい!」などと、なおも制止を振りきって主張を続けた。そのため会見場の他の記者からは「ルールは守れ!」「司会者の指示を聞け!」などの声が飛び、会場は一時混乱した。/騒動が収まると、小沢氏はTPPや普天間問題についても回答。1時間の質疑応答を終え、会見場を後にした。/会見終了後には、恒次記者、自由報道協会代表の上杉隆氏、IWJ代表の岩上安身氏、筆者の三人が「会見のルール」について恒次記者に確認。/恒次記者も「司会者の指示に従う」「一人一問ずつ」のルールが会見場でアナウンスされていたことを認識していたと認め、次回からはルールを遵守することを約束した。この一部始終は、筆者のUstreamチャンネルで生中継され、現在もアーカイブされている。また、ニコニコ動画、IWJなども生中継していた。/ちなみに自由報道協会の記者会見では「会見場の記者自身も取材の対象となることがあります参加者は、場内で自らが撮影される場合があることをご了承下さい」とのアナウンスも流されている。 クロスオーナーシップ制度 THE NEWS (FPAJ) ★白石草 【政策提言】放送通信の免許事業・監理を独立機関へ.pdf ourplanet-tv★ 10周年記念シンポジウム『メディアをうらむな、メディアをつくれ』~911から10年、311から6ヶ月~ シンポジウム全体はyoutube映像では13分割されていますので 全部視聴はこちらから ☆ 原子力資料情報室CNIC ☆ 放射能防御プロジェクト ☆ 放射能防御プロジェクト 木下黄太のブログ ※木下黄太 京都講演会 日時:2011年10月28日(金)午後1時〜午後3時半 場所:京都市下京区 ひとまち交流館・大会議室(http //www.hitomachi-kyoto.jp/access.html) 定員:300名 (可能な方は事前に予約を。当日でもたぶん大丈夫ですが) 料金:500円 記者クラブ制度 記者クラブは日本という国家を滅ぼす 【 JAPAN FM NETWORK】 ★ 高野孟×上杉隆「記者クラブ問題」 (高野孟「ラジオ万華鏡」 2009年10月11日 ゲスト上杉隆) ★ ジャーナリスト上杉隆氏の動画集 「週刊・上杉隆」全記事一覧 ★ 「放射能つけちゃうぞ」発言捏造をめぐる記者クラブの“やり方”――そしてさらなる新事実 ▼ videonews.com ニュース・コメンタリー9/17 無料放送 電話インタビュー:長谷川幸洋氏(東京新聞論説委員) 鉢呂大臣の辞任は脱原発人事の発動直前だった 社説:メディアと政治を考える 自由な言葉あってこそ (東京新聞9/20) THE NEWS (FPAJ) ★田中龍作 枝野・新経産相会見 大臣官房に逃げ込んだ暴言記者 TheNews.pdf ★田中龍作 鉢呂経産相辞任 記者クラブに言葉狩りされて TheNews.pdf IWJ岩上安身 【動画】2011/09/10 鉢呂経済産業大臣 辞任会見 文字起こし掲載 ※鉢呂オフレコ「発言」マスゴミ各社の表記…「放射能をうつしてやる」(産経新聞 9月9日 23時51分)/「放射能をうつしてやる」(共同通信 9月10日 00時07分)/「放射能をつけちゃうぞ」(朝日新聞 9月10日 01時30分)/「放射能をつけたぞ」(毎日新聞 9月10日 02時59分)/「ほら、放射能」(読売新聞 9月10日 03時03分)/「放射能をつけてやろうか」(日経新聞 9月10日 13時34分)/「放射能を分けてやるよ」(FNN 9月10日 15時05分) THE OZAWA IWJ岩上安身 2011/10/11 石川知裕議員インタビュー ★ 木下貴司主任弁護人「検察官が主張もしていない、証拠も出していない事案について裁判所が事実として認定している」 ★ bronks4215 裁判所の作り話で判決だすなら、捜査も取り調べも要らない。これはもはや裁判ではない。司法によるリンチだ。 ★ @kazamazov まぁ、佐藤栄佐久元知事が贈賄額0円で有罪になっちゃうくらいですから…。 ★ 恐らくわが国裁判史上これほど司法権の機能を逸脱し、かつ破廉恥な判決ははじめてであろう。(平野貞夫) ★ 永田町異聞記事一覧 根拠なく推測と矛盾だらけの陸山会判決 ★ 田中良紹の「国会探検」 またか 政界とメディアに「政治的道義的責任」を追及する大合唱 ★江川紹子 9.26陸山会事件の判決を聞いて.pdf ☆岩上安身 111204生田弁護士01 ☆岩上安身 111204生田弁護士02 iwakamiyasumi 岩上安身 裁判官への信頼を粉々にした先日の判決。しかし、司法の腐敗は、 昨日今日始まったものではない。ぜひ、ご覧ください。http //iwakamiyasumi.com/archives/6740#more-6740 ★田中龍作【陸山会事件】検察リーク 「裁判所が不採用にした調書の内容まで報道された」 TheNews.pdf 【 田中龍作Twitter】 現代用語の基礎知識 『推定有罪』: 陸山会事件で登石郁朗判事が作った新しい法概念。 証拠に基づかず、しかも検察の起訴内容を超えて有罪判決を下す。 画期的な認定に世界中の捜査機関がもろ手を上げて歓迎している。 ※【http //blog.goo.ne.jp/ikariyax/e/4ac307fd506b72427adffb4ef56cb450】 登石郁朗とは、何者か」と思って、Googleで検索したら、ウィキペディアでは、現在、削除の方針に従って、この項目の一部の版または全体を削除することが審議されています。削除についての議論は、削除依頼の依頼サブページで行われています。削除の議論中はこのお知らせを除去しないで・・・となって、この男の人物像は知ることができなくなっている。 videonews.com 【プレスクラブ 9月26日 】 石川知裕議員が判決後記者会見 videonews.com プレスクラブ10/6小沢氏会見 私を社会的に抹殺する目的の、明白な国家権力の乱用 ※WEB 日テレNEWS も「初の」ノーカット動画配信 小沢裁判冒頭陳述.pdf(日本一新の会) ★ 共同通信記者の質問は―「野党は証人喚問を要求しているが、国会で責任を果たす予定は?」 「4億円の原資は何だったのか?」 ☆ 小沢氏の回答は― 「3権分立を何と考えているのかね。君はどう考えているのかね」。 小沢氏から逆質問されると、共同通信の記者は絶句してしまった。「4億円は自分のお金です。検察に聞いて下さい。検察が1年以上、私の知らないことまで捜査しているのだから」。 検察リークを垂れ流していることへの強烈な皮肉だった。 ★ 昨夕の小沢記者会見をめぐって、辛坊治郎氏が番組で「お前ら何聞いてんだ!」と自由報道協会を厳しく批判したそうだ。辛坊氏から褒められたらジャーナリストとしては終わってる。批判されて喜んでいる私です。(田中龍作) ★田中龍作:小沢氏初公判 第3の検察と化した記者クラブ.pdf 永田町異聞 → 小沢会見を「守りの姿勢」とする朝日社説の錯覚 田中龍作ジャーナル ★ 「小沢記者会見」報道のウソを暴く―TBSキャスターの掟破り 自由報道協会 IWJ 7/28 カレル・ヴァン・ウォルフレン×小沢一郎 小沢一郎衆議院議員公開討論会および記者会見 「岸博幸のクリエイティブ国富論」 最新号 ★ マスコミが書かない東電経営・財務調査委員会報告のひどい欺瞞 飄(つむじ風)2011-09-29 佐藤優 国際ニュース分析官/記事一覧 ★ 一転し、東京の政治エリートと歩調を合わせ始めた朝日新聞の「沖縄報道」 ※MSN 産経 「除染費用支援なし」国方針に市長会抗議 福島、5ミリシーベルト未満地域 2011.9.29 21 34} 以下がWEBから削除された理由を知りたいものだ! 【NHK NEWSweb】 除染計画で県市長会が国に抗議 (9月29日 20 31) 福島放送局 【福島中央テレビ】 除染の財政支援めぐり 市長会が抗議 (9月29日 20 30)動画はなぜか鹿児島読売テレビ 【NHK NEWSweb】 原発事故調 国会に設置で合意(9月28日 22 30更新) 原発事故調設置法案 衆院を通過 9/29 14 14 blankimgプラグインエラー:ご指定のファイルがありません。アップロード済みのファイルを指定してください。 《神保哲生のワールド・レポート》09/13 「原発についての最近の報道は信じられるか?」 THE JOURNAL ★篠田博之 東電OL殺人事件・ゴビンダさん支援集会が盛況! 田中龍作【カイロ発】中東で確信する「政・財・官・報 独裁ニッポン」.pdf 《上杉隆 ニュースの見方》 08/04 「テレビでは知る事が出来ない、本当の事」 上杉隆×おしどり ↑上へ ★ 川内博史、原口一博両衆議院議員の調査結果によれば、事故発生当日、福島第一原発の緊急冷却装置の電源が人為的に3度にわたって切られていたという。この信じがたい行為自体は、政府も、東電も認めている。問題は、なぜ、そのような愚かな行為をしたのかということだ。…「週刊・上杉隆」8/25 THE NEWS(FPA) 4月6日鳩山由紀夫主催勉強会 講師:上杉隆 1:26:04の完全収録映像です。 8月24日鳩山由紀夫主催勉強会 ダイヤモンド・オンライン世論調査 「スピンコントロール」という言葉を知っていましたか? ↑上へ
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/3868.html
お妃様は、ついに、白雪姫を殺してしまおうと思い立ちました。 顔を隠し、白雪姫の興味を引くだろうものを携えて小人の粗末な襤褸を訪ねます。 「さあさ、扉を開けておくれ。お嬢さんや、こんなものはいかがかね」 無知な白雪姫は、無防備にお妃様を迎え入れ。 するりするりと取り出されたそれに、眼をかがやかせました。 ---------------- 心臓を突き刺すような、尾を引く、か細く切羽詰った悲鳴だった。 何かが、起きた。直感的に古泉は悟った。 全身の血の気が、ざあと干潮のように引くのを自覚する。圧倒されるような「不吉な予感」が喉元を奔った。 生じた危機意識に、警鐘がけたたましく脳内を鳴り響いて冷静さを占拠する。喉につっかえた様な己の所在に対する違和感も、一瞬にして思考から消し飛んでいた。矢も楯もたまらず古泉は身を翻して走り出した。何があったのかはわからない、わからないが――とにかく、一秒も惜しい。 階段を駆け降りて声の発生源へ。運動部も眼を瞠るだろう勢いで疾走した古泉の視界に飛び込んできたのは、先程別れたばかりの少女が小柄な身体をばたつかせ、足元を無様に宙に揺らしている姿だった。 恐怖に染まった相貌が生気を失い青褪めている。丸眼鏡は床に落ち、上から踏み潰したらしく、フレームは砕けてひしゃげ粉々に散っていた。 呼吸を求めるようにひっ、ひっと短く喘ぎ、表情を引き攣らせた少女。背後には黒いフードで全身を覆った異様な何者か。その手には、今この一瞬にも少女の、長門の首を締め付ける白い紐が―― 「――――長門さん!!」 我を忘れた古泉の絶叫に、黒フードの人物はするりと指から紐を離し、途端に崩れ落ちた長門に一瞥の未練もくれず、廊下の角に姿をくらます。飛び込むように古泉は角に視線を走らせたが、見えない。走り去ったのだとしたら驚異的なスピードだ。 「がはっ、ごほっ……!」 咳き込みながら、床上に尻餅をつき、首を抑え蹲る長門に、古泉は駆け寄った。膝を折って少女の薄い背中を擦る。 急激に酸素が流入した肺に、呼吸も苦しげだ。長門の眼には怖れからか咽喉を痛めたのか、うっすらと涙が滲んでいた。首筋には長門の白い肌に明らかな、赤く腫れたような紐の跡。その痛ましさに、思わず古泉は眼を背けた。 不逞の輩への怒気が、漂白された理性に注ぎ込まれる。容貌から背格好までを隠したあの黒ずくめは、誰だ。追い掛けて捕まえるべきだという理性の声と、たった今殺されかけた彼女を放っていいのかという感情の声が古泉の心中に交錯する。可能なら付き添いたい、けれど彼女の今後の安全を考えるなら取るべき選択は前者だ。 だが、立ち上がり追跡を試みようとした古泉の袖元を、後ろから引く小さな手がある。 「……長門、さん」 「いかないで」 勢いが殺がれる。見ぬふりをしようと思えば出来ただろう。だが、古泉は弱弱しくかかる力を振り切れない。 小刻みに震える長門は、獰猛な獣に睨まれ寸でのところで噛み殺されかけた、怯え縮こまった小動物のそれだ。眼鏡のない双眸は視点を定めていないが、如実に伝わる、その心許なさ。今にも潰されそうなくらいに恐慌し、色を失った唇が寒々しい。 置き去りには、できそうにもなかった。 古泉は諦めにふっと息を吐き、腕を引かれるまま、長門と同じくフローリングに身を屈める。向き合って、精神的な衝撃から立ち直れぬまま震えの止まない幼い瞳を、古泉は安心させるようにふわりと微笑んで見せた。 額を突き合わせて、体温や人の接触、鼓動のリズムを確かめさせて、生の実感を受け渡せるようにと、長門の手を握る。 「分かりました、何処にも行きませんよ。僕はここにいますから。大丈夫。……大丈夫です」 そっと長門の細い上体を抱き寄せて、古泉は少女の背をあやすように、唄うように、とんとんと叩く。騒ぎを聞きつけた生徒達が集まり始めても、ざわめきを増してゆく観衆も素知らぬようにして。そんな最中に、また思索を掠めていく疑惑もあったけれど。 (――彼女が此処にいてほしいと願っているのは、本当に、僕か?) 言い知れぬ不安もすべて、見ないようにした。首を横に振って、振り払う。 どうでもいい。彼女を癒せればそれでいい。今は、まだ。 震えが収まりを見せてくれることを願って、長門を抱き締めるその腕に古泉は力を篭めた。 / / / 「物騒な上に奇妙な話ね。こんな身近なところで、本当に怖いわ」 憂鬱な表情を見せ、長門の級友だという朝倉涼子は、眉を顰めてそうコメントを残した。セミロングの髪が風に靡いて、微かな花の香が薫る。 昨晩、教師に付き添われて帰宅した長門のことが気掛かりで、長門の所属クラスを朝一番に訪ねた古泉を目聡く見つけたのが朝倉だった。 中庭に連れ出ってから、朝倉は掻い摘んで長門が襲われたことに関してのクラスの反応を切々と語った。純粋に友人のことを案じた、物憂げな瞳を誤魔化すように微笑みを付加して。 「残念だけど、長門さんなら今日はお休みよ。昨日が昨日だから、仕方ないわよね。あの子、とても繊細だもの。いきなり殺されかかるなんて、彼女じゃなくたって一生のトラウマものの体験よ」 「ええ、僕もそれを心配しています。犯人が捕まれば、多少は気も楽になるのでしょうが……。警察の方のお話では、現時点で絞り込むのは難しそうな口ぶりでした」 「手がかりが、犯人の残した紐一本なんですってね」 長門を手に掛けようとした「何者か」が、夢幻ではなかったことを示す唯一の証明。現場に落ちていた犯人の数少ない遺品だ。 白い何の変哲もなさそうな紐は、着物の着付けに使用するという専用の胸紐だった。胸紐を何の用途もなく日頃から持ち歩く者はないだろうからつまり、これは発作的な行動結果ではなく、計画性のある行為であった、ということになる。 そこまで思い耽って、古泉は暗澹とした気分にかられた。 もし長門有希個人を標的とする者の犯行とすれば、闖入者の存在によって達成できなかった殺人を、今度こそ、と機会を改めてくる可能性は低くない。彼女はまだ命を狙われ続けることになる。 今にも割れてしまいそうな、硝子細工のような少女を、追い詰めたくはないのに。昨夜のことを回想すれば、古泉は危惧を抱かずにはいられなかった。 あの後、事情を受けた教師が通報をし、二人は警察から簡単な聴取を受けたのだが、犯人捜しをするには絶対的に情報が不足していた。古泉が目撃した『犯人』は黒い布で全身を覆っていたため性別も断定ができないばかりか、外部から校舎内に侵入してきた変質者の類である可能性も否定できず、北高生なのかすら曖昧だ。 長門も、襲撃者の顔を直接は見ていなかった。帰り際に、突然後ろから羽交い絞めにされて悲鳴を上げ、それから古泉の呼び声に意識を取り戻すまでの記憶は少女から欠落していた。保護されてからも俯きがちに、恐怖から脱け出せないままの長門が、古泉には不憫でならなかった。 さらに、奇妙なことがひとつ。 殺人未遂犯は古泉とは正反対の方角へ走り去った。――そのルートを辿ると、必ず一年教室を横切らなければならなくなる。だが当時、生徒の密集していたその範囲を逃げ延びたのだろう人物を、誰一人として目撃していない。 つまるところ、古泉の見た「黒いフードの人物」は、掻き消えてしまったことになる。 くゆらせた煙草の煙が、自然と薄く透明に延ばされて、その白さを空気に紛れさせ喪失させるように、……跡形もなく。 奇怪なことばかりだ。その上、古泉自身が付き纏って離れない何某かの違和感に悩まされている。正しく、分からないことだらけだった。 古泉の深層の思いを知ってか知らずか、朝倉は古泉の言わんとするところを先読みしたように、深く肯いた。 「うん、そうね、大体わかったわ。同じマンションに住んでいるよしみもあるし、定期的に長門さんの様子を見るようにする。まあ、頼まれなくてもそうするつもりだったけど。私だって彼女とは、短い付き合いでもないしね」 「それは……助かります。長門さんも安心でしょう」 朝倉は長門の所属するクラスで委員長を務め、気配りもできるという、他クラスにまで名の及んでいるような才女だ。朝倉が長門を多少なりとも気に掛けてくれれば、長門も少しは心休まるのではないかという古泉の配慮を交えた提言に、朝倉は真摯な眼差しをもって賛同した。 髪を掻き上げて、それから試すように、朝倉は古泉を見上げる。 「それにしても随分長門さんに肩入れしてるのね、古泉君。……それって、長門さんが好きだから?」 回答を一時、迷った古泉は、朝倉が冗談半分に訊ねたわけではないことを見て取った。逡巡の後に、そうですね、と笑う。 「一方通行、ですけれどね」 「やっぱり、そうなの。予想はしてたけど、そっかあ」 ふと、古泉は思う。長門が別の誰かを慕っていると、極当たり前にそれを知っているような気がしたのは、何故だろうかと。 朝倉は、何処か、遠望に悲しいものを見出したように微笑んだ。声そのものの調子は明るいだけに、そのアンバランスさが眼を惹いた。頼り甲斐のある、いつも背筋のぴんと伸びた彼女の、何かを耐えるような表情の作り方が、古泉には儚げに映った。 「長門さんを泣かせたら承知しないから。……『今度は』、護ってあげてよね」 朝倉涼子の詞の真意を古泉が知るのは、まだ、少し先の話。 ---------------- お妃様は、ついに、白雪姫を殺してしまおうと思い立ちました。 顔を隠し、白雪姫の興味を引くだろうものを携えて 小人の住まいを訪ねます。 「さあさ、扉を開けておくれ。お嬢さんや、こんなものはいかがかね」 無知な白雪姫は、無防備にお妃様を迎え入れ。 するりするりと取り出されたそれに、眼をかがやかせました。 「どうだい、素敵な胸紐だろう? さあさあ、一度、身に着けてごらんなさい」 白雪姫は胸郭をきつく結ばれ、其の場に倒れ附しました。 お妃様の望みどおり、白雪姫は息絶えて―― (→4)
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4341.html
小人が駆けつけたとき、 ――総ては、終わったあとでした。 --------------------------- 人気のない校舎の片隅、保健室前の廊下通りで、古泉は朝倉と対峙する。 「……それは、どういう意味ですか」 古泉は、退路のない袋小路に行き詰ったように、苦渋の声を返した。想像し得る最悪の結末が、目の前にちらついて離れなかった。払い除ける余裕も、取り繕い毅然と笑ってみせる駆け引きも浮かばずに。 古泉の行く手を阻むように朝倉は扉前に立ち塞がり、桜色の唇をゆるく持ち上げて、淡く微笑んでいる。美しいと幾らでも形容されるだろう面を、けれども憂鬱に翳らせながら。 それは総てを理解し、また、諦めた者の眼差しだった。意思を投擲し、手ぶらになった両腕に、抱きすくめるものを失くしてしまった母親のような哀しい瞳。 「言葉通りの意味よ。……分かってるんでしょう、あなただって」 「――っ、どいてください!」 長門の様子が気懸かりで急く古泉の必死さを哀れむように、朝倉は手をひらりと振って古泉を遮った。 試すように言葉の鏃を突きつけ、笑う。 「私が此処をどいたら、あなたは今から長門さんを護れるの?――もう、真相に辿り着いたんでしょう?世界が壊れ始めているんだから、そういうことよね」 口調は雰囲気には不似合いに明るいまま、もしかするとそれは、朝倉涼子のTFEIとしての機能の限界であったのかもしれない。表情と出力する声の一致しない少女が行おうとする対話の意図を、古泉は察しかねた。 何れにせよ、朝倉涼子は長門と同じTFEIであった。その能力は人間の力の幅など軽々と凌駕する。朝倉が場を明け渡す気がない以上、無謀な喧嘩を吹っ掛けても勝てる見込みは、恐らくゼロに近いのだろう。 冷静に、冷静に。――冷静になれ。 ポーカーフェースと冷徹なまでに、氷の如く揺るがずにあれ。土台に基く精神と、いつ如何なる災厄を前にしてもたじろがない信条こそが、古泉一樹が古泉一樹であり続けるためのパーソナルだ。心のうちにそう唱え、包帯の下の握り拳に行き場のない衝動を封じ込めて、浅く息を漏らす。 朝倉は、そんな古泉の様を言葉の上では賞賛してみせた。 「ここは流石ね、って言うべきなのかな。この状況下でそこまで落ち着けるなんてね。優先順位を履き違えないのはあなたの長所みたい」 「朝倉さん、あなたと問答をしている暇はないんです。其処を、……一体、何をすれば通して頂けるんですか」 「あなた相手だと話が早いわね」 朝倉は人差し指を自身の頬に押し当て、――古泉に挑むように唇の端を吊り上げた。 「条件は揃ったみたいだし、クイズを出すわ」 「……クイズ」 「私が一体、『何』役か。答えられたら此処を通してあげる」 古泉は、眼を眇めた。 古泉の知り得る「名有り」は、長門有希と朝倉涼子しかいなかった。それ以外に用意された群集は名も顔も見知らぬ「名無し」でしかなかった。長門に向けて刃仕込みの櫛入り手紙を託してきた女生徒でさえ、SOS団に縁もない無名のキャラクターが用いられていたのだ。あれは『妃役』が遣わせた作り物の使者というところだろうが、それでは、「名有り」として此の世界に残ることを赦されていた朝倉涼子にも、何らかの役が振られているはず。それは、憶測ではあったが、古泉の仮定に予め取り入れられていたことだった。 天に名を馳す武将達、猛者が集う歴史小説ではない、元は子供向けを意図して描かれた童話なのだから、登場人物は、片手で数えて足りる程度だ。キャストオフは為されている。大部分は、自動的に絞られる。 小人は古泉、白雪姫が長門、王子を『彼』とするならば。 余りに明快な消去法だ。 「――あなたは、『鏡』役でしょう」 朝倉は微笑みを絶やさぬまま、刹那に儚い色を残してみせた。 「ご名答。やっぱり、古泉くんなら答えると思ってたわ」 無感動に手を叩こうとする朝倉の挙動を、古泉は細い手首を鷲掴みにすることで制止した。虚像とはぐれたようなその少女の心象は、見るに耐えなかった。朝倉涼子は目に見えて、そう、初めから投げやりだったのだ。 道を遮る気すら、本当はなかったのかもしれない。ただ古泉に総てを再確認させるためだけに。 「……あなたが『鏡』なら、以前、僕に忠告をしてみせたのは何故ですか」 妃役の手下という役回りの『鏡』の、それは『妃』役に対する裏切りに値するのではないのか。古泉に掴まれた手をじっと見つめ、朝倉は息を吐き出す。まるで人のような仕草で。 「私はね、本来ならこんな役目まではなかったの――まあ、言うなればアフターフォローよ。私は『お妃様』の役に立てなかった、無様な『鏡』役だもの」 PC内にあった、「白雪姫の鎮魂」というエンディングを描かれない、途切れたきりの物語。鏡は、確かに登場していた。お妃からの問い掛けにも、答える事の出来ない虚しい端役として。 役を与えられながらその役を全うできない存在の心は、忸怩たるものであったのかもしれない。……それはきっと、朝倉涼子の責任ではなく、世界が物語に従った故のことなのだが。 「もう全部が分かってるみたいね、古泉くん。私が『お妃様』から一体何を訊ねられたか……あなたには、想像がつく?」 「……ええ」 「ふふ、よく見ているのね。そう、だから私は『お妃様』を救ってあげたいの。 ……あなたに、後を任せてもいいかしら?」 「――お約束します」 「そう。良かった」 最期まで、少女の声は明瞭に、不揃いに、明るく優しかった。指の先から粒子になり、古泉が握っていた手首も徐々に侵食を受け、光を取りこぼしながら消滅してゆく。古泉は動揺しなかった。世界が壊れ始めていて、総ての人が消え失せていく のは分かっていたことで、恐らく時を待たずに古泉自身もそうなるのだろう。 朝倉涼子は――不完全な『鏡』であろうとも、『お妃』を本当に慕っていたのだろうと。終焉を眼の前に彼女は、そんな微笑み方をした。 「……あなたは、やはり、まるで人だ」 古泉がぽつりと吐いた呟きを、眠りに就く『鏡』役は聞いただろうか。 消え失せた朝倉の残像に眼を凝らし、それから眼を伏せ黙祷する。――腹は、据わっていた。 古泉は何もかもを見届ける覚悟を床敷きにして踏み越え、保健室の扉に手を掛けた。 ――扉そのものも、取っ手位置がチョコレートのように柔らかく液状になり、姿を保てずに融解していく。 露になった内装は、既に溶解したようになって原型を留めていない。古泉が脚を踏み入れた保健室は既に、先程までの保健室の様相を呈していなかった。いつかに体験した、ある種の情報制御空間のようだと古泉は思った。 そしてどろりとした飴が伸ばされたような地平の見えぬ空間、――仰向けに、寝かされた細く折れそうな身体を見つける。 だらりと四肢を垂らした少女。スカーフは整えられているのに、纏った制服のスカートはよれて皺になっていた。 けれども臨む、少女の上蓋を落とした表情は不思議と穏やかだ。 眠っているかのような彼女の掌に握られていたのは、まるく赤く瑞々しそうな、齧り痕の残る一個の林檎。 古泉は無言で、眠っているかのような少女の下まで歩み寄り、――膝を折った。震える左腕を伸ばし、少女の頬に手を触れさせる。まだ生きているように暖かいが……それも、じきに温度をなくしていくだろう。 「…………『間に合わなかった』。この物語の小人役も、どうやらそういう役回りらしいですね」 古泉は、視線を上向かせた。 死神のように立つ、以前の絞殺未遂事件に目撃をした黒フードの立ち姿が、そんな倒れ伏した長門を観察するように見下ろしている。背景が銀色と黄土色をマーブルにしたような歪みに彩られる中で、ふわりともせず静止する黒布は、不気味に浮かび上がって見えた。 この世界における『妃役』、この空間で長門を付け狙い、手に掛けた人物であることは瞭然だった。だが、古泉は罵声を浴びせかけることも糾弾をけしかけることもない。 眼鏡越しの少女の瞼は動かず、その結末を何処かしらで予感していた古泉の、噛み締めた唇から血が滲む。 ―――小人が呪に苦しむのを気に病んだ心優しい白雪姫は。 ―――そこに、毒が塗られているだろうことを承知の上で。 終わらせるために。誰もこれ以上傷つけないために、妃から林檎を受け取り、自ら、口にする。 『長門有希』はか弱く、脆く、優し過ぎた。 そしてそんな白雪姫の悲壮な死すら、計算づくで妃が書き上げたシナリオだというなら。視点を黒フードを羽織った『妃』役に向けて、古泉は遣り切れない総てをぶつけるように、問うた。 「どうして、ですか」 「…………」 「これは『あなた』だ。――あなたを、あなたが殺すのは、何故ですか…!!」 どうして、此の場に立ち会うのが、僕だったのですか。 古泉の臓を絞り切るような声に応じて黒布がはらりと落ち、蒸発するように端から消滅した。 露になったのは――古泉が縋るように抱いた少女とは違い、フレームのない素顔に、超然とした宇宙人端末としての匂いを損なっていない少女。白く薄い無表情の表層を保持し、古泉一樹の好意に、決して答えてはくれないだろう女性。 ――長門有希、だった。 --------------------------- 小人が駆けつけたとき、 ――総ては、終わったあとでした。 毒の林檎に齧りついて、白雪姫は死んでしまいました。 けれど例えば白雪姫が生き残ったらば、 火で炙られた鉄の靴を履いて、お妃様は死んでしまうことでしょう。 白雪姫を殺したのはお妃様。 ――お妃様を、殺すのは、だあれ? (→8)