約 2,015 件
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/108.html
「く…!」 「何だよ…こんなもんか?」 やはり契約モンスターの力量が勝る王蛇が優勢だ。力でシザースを押し返した。 そのままベノサーベルを突き刺そうとするが、真横から別のライダーの攻撃が飛ぶ。それはゾルダが放った銃撃だ。 彼の持つ『マグナバイザー』は、連射式の拳銃としても使用可能。それを使った銃撃が王蛇を襲ったのだ。 ベノサーベルを使い、それを紙一重で防ぐ。そしてゾルダの方に向き直った。 「そう言えば、お前もいたんだったな…北岡」 「おいおい、呼びつけた張本人が忘れるなよ」 一方その頃、真司もまたミラーワールドへと到着していた。 先に入った三人を探し、そして見つける。 「もう戦ってる…止めないと!」 『GUARDVENT』 言うが早いか、ドラグシールドを手に戦いを止めに行く。 「うわっ!」 だが、それも見慣れたサイのモンスター…メタルゲラスに止められる。 「メタルゲラス…こいつがいるって事は!」 想像通り、ガイが近くにいた。しかもメタルホーンを用意して。 「空気読めないな。せっかく盛り上がったんだから、水差さないでよ」 それと同じ頃、外では警官隊が突入を始めていた。 突入から戻ってきた警官の一人が、須藤の後から来た刑事に報告する。 「警部、中に誰もいません!」 「何?どういう事だ。ちゃんと探したのか?」 誰もいない。どういう事か。普通の人間には分からない。 この場の人間でその理由を理解しているのは、僅か六人だけだ。 『はやてちゃん、まさか…!』 いや、リィンを入れれば七人か。 「…多分、それで正解や」 「うお、小人!?」 大久保らOREジャーナルメンバーが驚いている。リィンよ、出てくるなら場所を選べ。 「あ、いや、これは、その…」 「って、今はどうでもいいか。それより令子、確かメールには『浅倉もライダーだ』ってあったんだよな?」 「はい。私も最初は信じてませんでしたけど…全員いないって事は、本当だったんだと思います」 「そうか…って、おい!どこ行くんだよ!」 大久保の注意が逸れている間に、なのは達が店の裏手へと走り出していた。 そこからミラーワールドへと入るつもりなのだろう。 霧島美穂もまた、店の近くに来ていた。 「浅倉…!絶対あたしが…!」 その目は浅倉への憎しみで満ちている。 そんな状態だから、目の前でなのは達がミラーワールドに入ったのを見落としたとしても、誰が責められようか。 「今の…いや、今はそれより浅倉だ!変身!」 そして美穂もまたファムへと変身し、ミラーワールドへと踏み込んだ。 第十四話『砕け散る鎧』 「戦いを止めろって言ってんだろ!」 メタルホーンをドラグシールドで受け止めながら、龍騎が言う。 「は?何言ってんの?ライダーは戦うもんでしょ?」 だが、ガイは聞く耳を持たず。攻撃をさらに激しくする。 「はぁ…もういいよ。戦う気無いなら死んでくれる?」 そう言うと、ファイナルベントのカードを取り出して見せ、バイザーに放り込んだ。 『FINALVENT』 先ほどまで近くにいたメタルゲラスがガイに近づき、ヘビープレッシャーの体勢に入る。 そして、ヘビープレッシャーで龍騎の方へと突っ込んできた。 防げるとは思っていなかったが、ドラグシールドを構え、防御姿勢をとる。 …だが、次の瞬間ガイとメタルゲラスが消えた…いや、空間に出来た鏡(?)に突っ込んだのだ。 「上手くいった…はやてちゃん、なのはちゃん、準備はいい?」 「はい!」「うん!」 シャマルの前には、転移魔法『旅の鏡』のために作られた、クラールヴィント・ペンダルフォルムの輪があった。 旅の鏡でガイを店の外に引きずり出し、防御魔法でヘビープレッシャーを防ごうという策だ。 …もっとも、防御魔法うんぬんの件は、ガイがファイナルベントのカードを見せた時に慌てて打ち合わせたものであるが。 …と、ガイが出てくる。ご丁寧にヘビープレッシャーの状態で。 「二人とも、今よ!」 「盾!」『Protection Powered.』 同時に防御魔法を展開し、ヘビープレッシャーを受け止めた。 だが、さすがに250トンもの破壊力は伊達ではない。多少押されているようだ。 『Barrier Burst.』 このままでは破られる。そう判断したレイジングハートがバリアバーストを行い、ガイを吹き飛ばした。 「っはー…流石にファイナルベントを受け止めるのは骨やわ」 今のではやても結構疲れているらしく、その場に座り込んだ。 「そうだね。でも、まだ仕事が残ってるよ」 「ええ。あの人を止めないと…」 そう言い、ガイの方を見る3人。その当のガイはというと、立ち上がった後不思議そうに周りを見ている。 「あれ?さっき俺店の中にいたよな…」 「あいつが消えた?」 目の前からガイが消え、驚いて辺りを見回す龍騎。 外に目線が行った時、なのは・はやて・シャマルの3人がガイと対峙しているのが見えた。 「え…みんな何でここに?」 とにかく手助けに行こうとするが、その考えはすぐに中止された。 「浅倉!どこだ!どこにいる!!」 その声に振り向く龍騎。そこにファムがいた。 「お前かぁ!」 すぐに振り向いたせいで、ファムに浅倉と勘違いされてしまう。 そのままファムがブランバイザーで斬りかかって来た。それをドラグシールドで防ぐ龍騎。 「ちょっ、違うって!浅倉はあっち!あの紫色の!」 防ぎながら店の外を指差す龍騎。その方向を見ると、ゾルダ・王蛇・シザースが戦っていた。 「そう…悪かったね、間違えて」 そう言うと、ファムは攻撃をやめ、その3人の戦いに近づいていった。 「待てよ、どうするつもりなんだ?」 「決まってるよ。浅倉を倒しに行くんだ」 「そうか…だったら、行かせる訳にはいかない!」 この男は何を言っている。ファムはそう思った。 どちらが死ぬにしろ、ライバルが減って万々歳のはずだろう。それなのに何故止める? …まあいい、どういうつもりにしろ… 「どういうつもりか知らないけど、邪魔するんならあんたから倒すよ!」 そしてこちらはというと… 「須藤刑事、ここは一時休戦にしない?このバカ何とかしないといけないしさ」 「…いいですね、その話。乗りましょう」 ゾルダとシザースの休戦協定が結ばれたところのようだ。 「話は終わりか?」 その声に反応し、前を向く二人。すでに王蛇がベノサーベルを振り上げ、ゾルダの目の前に来ていた。 素早くバイザーを正面に向け、連射。さすがにこの至近距離では反応しきれず、王蛇に直撃する。 そして怯んだ隙にカードを装填した。 『SHOOTVENT』 ゾルダの両肩に大砲『ギガキャノン』が現れる。それを王蛇めがけて撃つ。撃つ。撃ちまくる。 王蛇もそれをかわしながら、バイザーにカードを装填した。 『STEALVENT』 武器カードを奪うカード『スチールベント』を使い、ギガキャノンを奪取したが、 「こんなものいらん!」 と、さっさと投げ捨ててしまった。 そしてベノサーベルで再び向かっていくが、ゾルダは失くした武器を別のカードで補填した。 『SHOOTVENT』 二枚目のシュートベントで特大のバズーカ『ギガランチャー』を取り出し、撃とうとする。 だが、その時には既に王蛇が目の前にいた。 「ハァァッ!」 ベノサーベルをゾルダへと振り下ろす。それを先ほどのギガランチャーで受け止めるゾルダ。 ギガランチャーで両手がふさがっている今、ゾルダに反撃は困難。それを隙と見たか、空いている左手で王蛇が殴る。 だが、突然王蛇の背中に衝撃とダメージが。驚いてゾルダから離れる。 「私を忘れてもらっては困りますね…」 シザースだ。バイザーとシザースピンチを使い、同時攻撃を仕掛けたのだ。 「なるほどね、魔法とかいうやつ?それで俺を外に出したってワケだ」 ガイがそう言う。3人とも驚くが、はやてとシャマルはすぐに納得した。 「あなただったのね、シグナムが戦ったライダーっていうのは」 「そーゆー事。それじゃ、あの赤い奴の代わりに相手してもらうよ」 そう言ってメタルホーンで飛びかかるガイ。標的はなのはだ。 「まずはお前だよ、白いの!」 そう言ってメタルホーンを突き刺そうとした。が、さすがにそう簡単にはいかない。 『Protection Powered.』 防御魔法『プロテクション・パワード』で、メタルホーンを受け止めた。 その時に出来た隙は一瞬。だが、はやてが打撃魔法『シュヴァルツェ・ヴィルグング』を叩き込むには十分な隙だ。 「このぉぉっ!」 シュヴァルツェ・ヴィルグングがガイを捉える。そして吹き飛ばした。 「ってぇ…さすがに3対1はきついかな」 そう言うと、どこからかメタルゲラスが駆け込んできた。 それを見つけたガイが、メタルゲラスに命令する。 「ちょっとあの二人の相手しててくれない?俺はこっちと戦ってるから」 そう言われると同時に、メタルゲラスがはやてとシャマルの方へと走り出した。 「な!?カードも使ってないのに何で来たの!?」 だが、そんな疑問には誰も答えず、その間にもメタルゲラスが近づいてくる。 誰も気付いていないが、モンスターの中にはライダーを契約者以上に見ているものがいる。例えば友人や主従としてだ。 メタルゲラスもガイを友人として見ているらしく、だから呼ばなくても危機を察知して現れたのだ。 「さて、コレで一対一だね?」 そう言うと、改めてなのはに向き直る。が、もうその方向にはいなかった。 高速移動魔法『フラッシュムーブ』で背後に回っていたのである。 「えぇぇぇぇいっ!」 そのままフラッシュムーブからの打撃『フラッシュインパクト』で吹き飛ばした。 「いくよ、レイジングハート!中距離砲撃モード!」『All right.』 レイジングハートを中距離砲撃モードに変形させ、構える。 『Divine Buster.』 「ディバイィィィィン!バスタァァァァァ!!」 『Extension.』 放たれるディバインバスター。そしてガイは、それに飲まれ、吹き飛んだ。 中距離とはいえ、射程は長い。かなり離れていた王蛇をも飲み込むほどに。 「ちょっと…やりすぎちゃったかな?」 『大丈夫でしょう』 「ハァァァ!」 持ち直した王蛇がゾルダへと突っ込む。 …だが、それは横から飛んできた桃色の閃光と、それに巻き込まれて飛んできたガイによって中断される。 「ぐお!?」 桃色の閃光に巻き込まれ、思い切り吹き飛ぶ王蛇。それを見たゾルダとシザースは驚き、その方向を見た。 そこには…その発生源と思われる、白衣の少女がいた。それも杖を構えて。 「冗談でしょう?あの距離からこれだけの攻撃を…」 「別に驚くことでもないでしょ?俺もギガランチャーならあれくらいの距離いけるし」 そう話している間に、王蛇とガイが立ち上がる。 まずいと思ったのか、ゾルダが一枚のカードを取り出し、バイザーに装填した。 『FINALVENT』 ゾルダの目の前の地面から、彼の契約モンスター『鋼の巨人マグナギガ』が現れる。 そして、背中のホルダーのような場所にバイザーを繋げた。 「そこのあんたら、死にたくないならどいてな!そこの銀色、お前もだ!」 そう言った直後、トリガーを引く。すると、マグナギガの胴体が開き、そこから無数のミサイルが飛び出した。 これがゾルダ最大の必殺技『エンドオブワールド』だ。 額からのビームが、胴や腕からの無数のミサイルが、攻撃範囲一帯を焦土へと変えた。 「危なかった…もう少しで巻き込まれるところだったよ」 空に避難したなのはが、降下しながら言う。 「せやな。あんなの喰らったらただじゃ済まなさそうやし」 同じくはやてが言う。 「…あ、あの人!」 シャマルが何かに気付いた。ガイだ。 ガイはエンドオブワールドの攻撃範囲に立ってい…いや、よく見ると少し浮いている。 その後ろには王蛇だ。よく見るとガイの首根っこを掴んで持ち上げている…今放り捨てた。 …つまり、ガイは王蛇が身を守るための盾にされたということだ。 「お前…せっかく俺がゲームを面白くしてやったのに…」 「近くにいた、お前が悪い…」 そう言ったとたん、ガイが王蛇へと殴りかかった。 だが、満身創痍のガイがほぼ万全の状態の王蛇に勝てるはずも無く、さっさと叩き伏せられてしまった。 …そして王蛇が一枚のカードを取り出し、装填した。 『ADVENT』 遠くから契約モンスター『ベノスネイカー』が現れ、ガイを喰おうと迫る。 だが、ガイもただではやられない。最後の力を振り絞って立ち上がり、カードを放り込む。 『CONFINEVENT』 ベノスネイカーが消えた。コンファインベントがアドベントを無効化したのだ。 「は、はは…やったぞ…!」 せめてもの抵抗ということか。だが、さすがに立つことはできてももう一枚のコンファインベントを使う余力は残っていない。 「それがどうした?」 『FINALVENT』 再びベノスネイカーが現れる。王蛇もそれに呼応するかのように、同じ方向へ、地を這うように走る。 そして、高く高くバック宙をし、ベノスネイカーのエネルギーとともに、ガイめがけて飛んだ。 王蛇最大の大技『ベノクラッシュ』である。 「させへん!刃もて、血に染めよ。穿て、ブラッディダガー!」 はやてがブラッディダガーで阻止しようとする。 十数本の短剣を飛ばし、ベノクラッシュの軌道上へと放った… だが、ブラッディダガーが王蛇に届くより早く、ベノクラッシュがガイに届いた。 そして、水泳のバタ足のようにガイを蹴る。とことん蹴る。徹底的に蹴る。 無理にブラッディダガーの軌道を変え、王蛇に撃ち込んでも止まらない。蹴る、蹴る、蹴る。 「ぐあ…ぁ…」 それが…ガイの断末魔となった。 何度も何度も蹴られ、ついには爆散してしまったのだ。 仮面ライダーガイ:芝浦淳…死亡 残るライダー:12人 (助け…られへんかった…) 「あ、ああ…あああぁぁぁぁぁ!!」 はやてが突如、声を上げて泣き出す。 助けられたはず、でも助けられなかったという罪悪感、そして目の前での人死にのショックに打ちのめされたのだ。 「どうしてそんな簡単に人を殺せるんですか!どうして!!」 精神的に打ちのめされたはやてに代わり、なのはが問い詰める。 すると、こともなげに王蛇が答えた。 「ライダーってのはこういうもんだろ?」 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/83452/pages/10740.html
憂「あの、何か知りませんか?」 紬「ごめんね、分からないわ」 憂「そう・・・ですか」 紬(唯ちゃん・・・まさか死んだの?) 憂「グズッ・・・」 紬「憂ちゃん・・・」 憂「ごめんなさい・・・泣かないって決めてたんですけど」 憂「やっぱり私・・・お姉ちゃんがいないと・・・」 紬「・・・はい、ハンカチ」 憂「すいません・・・グズッ」 紬「私も探してみるから・・・見つけたら連絡するわ」 紬「唯ちゃん、無事だといいわね」 憂「はい・・・」 紬「じゃあ私は他に用事があるから・・・」 憂「ありがとうございます、紬さん」 憂「このハンカチ、ちゃんと洗って返しますね」 紬(何やってるのかしら、私・・・今さら慰みの言葉なんて) 紬(連絡がないのなら唯ちゃんは恐らくもう・・・) 紬(なのに唯ちゃんを殺そうとした私が探すなんて言って・・・矛盾してるじゃない) 紬(何がしたいのよ私は・・・) 紬「・・・・・・」グズッ 紬(なんで・・・なんで私は泣いてるのかしら) 紬(もう人間であることを捨てようって決めたはずなのに・・・) 紬「・・・・・・」 紬(敵が一人減った、それだけの話よ) あとり! 優衣「ごめんね、ここには来てないわ」 和「そう・・・ですか」 優衣「お店に来たら連絡するね」 和「ありがとうございます・・・あっ」 優衣「どうしたの?」 和「すいません、もう一つ聞きたいことが」ガサゴソ 和「この絵なんですけど、見覚えありませんか?」 優衣「これは・・・」 和「優衣さんが昔住んでいた家にあったものです」 優衣「えっ・・・」 優衣「私の家に・・・?」 和「これを描いたのって、優衣さんなんですか?」 和「それとも・・・」 優衣「これ・・・」 和「優衣さん?」 優衣「待って・・・今何か思い出しそうな・・・」 優衣「この絵は・・・確か私が描いたもの」 和「・・・・・・」 優衣「子供の頃、私・・・両親に虐待されてたの」 和「虐待・・・」 優衣「ずっと家から出られなかった・・・だからずっと絵を描いてて」 優衣「それでお兄ちゃんが別の家に引き取られて・・・あれ?」 和「どうしたんですか?」 優衣「何か変・・・お兄ちゃんが引き取られる前私は・・・」 優衣「でも私・・・私は・・・」 優衣「嘘・・・違う・・・」 和「優衣さん・・・?」 優衣「そんな・・・私・・・」 優衣「子供の頃・・・死んでた・・・」 …… キーンコーンカーンコーン 律(なんだよ・・・今日学校に来たのは私だけかよ) 律「・・・・・・」 律(みんなバラバラになっちまったな・・・) 律「はぁ・・・」 律「・・・・・・」 律(唯のやつ・・・) 律(あいつのせいで聡が・・・みんなが・・・) ガラッ 梓「あの・・・律先輩」 律「ん? あぁ、梓」 梓「今日の部活は・・・」 律「ねえよ」 梓「・・・・・・」 律「悪いな、今それどころじゃないんだ」 梓「・・・唯先輩」 律「あ?」 梓「唯先輩、どうかしたんですか?」 律「・・・知らねえよ」 梓「昨日憂から電話があったんです!」 梓「唯先輩がいなくなったって・・・」 律「あっそ」 梓「律先輩、本当になにも・・・」 律「うるせえな!!知らないってい言ってんだろ!!」 梓「!」ビクッ 律「・・・もうアイツの名前は口に出すな」 梓「り、律先輩・・・」 律「それと軽音部も今日で終わりだ」 梓「えっ・・・」 律「そんな音楽やりたかったらジャズ研にでも入ってくれ」 梓「ちょ、ちょっと待ってください!」 梓「何でですか? 何で急にそんな!」 律「お前には関係ねーよ、ついてくんな」 梓「待って下さい先輩!」 律「うるせえなあ!!」 梓「先輩・・・」 律「もう・・・放課後ティータイムは終わったんだよ」 律「解散だ解散」 梓「そんな・・・なんで・・・」 律(悪く思うなよ梓、これも全部唯のせいだ) 律(あいつが全部壊して・・・) キーン… キーン… 律「・・・モンスターか」 律「唯も出てくるかもしれないな・・・ちょうどいい」 律「見つけたらブチのめしてやる」 律「変身!!」 ギュィィィィィ シュピーン シュートベント ゾルダ(律)「おらぁっ!!」ドガン!!ドガン!! レイドラグーン「グアァァァアァ!!」ドガァァァァァアン!! レイドラグーン2「ギャアアアアア!!」 レイドラグーン3「キシャアアアアア!!」 ゾルダ(律)「ちっ・・・数ばかりゴチャゴチャと」 アドベント ゾルダ(律)「!」 ベノスネーカー「キシャアアアアアアア!!」ドバババババ!!! レイドラグーン2「グアッ!?」ドガアアアアン!! レイドラグーン3「ギャアアア!!」ドガアアアアアン!! ゾルダ(律)「あ、あのモンスター・・・もしかして」 王蛇(さわ子)「・・・・・・」 ゾルダ(律)「・・・やっぱりあんたか、相変わらずしつこいな」 王蛇(さわ子)「・・・今日はアンタしか学校に来てないの?」 王蛇(さわ子)「他の皆は? サボり?」 ゾルダ(律)「知るかよ、今さら教師面でもすんのか?」 王蛇(さわ子)「別に・・・」 王蛇(さわ子)「そういえば、アンタ弟いたわよね?」 ゾルダ(律)「・・・だったら何だよ」 王蛇(さわ子)「最近ね・・・前にも増してイライラが止まらないの」 王蛇(さわ子)「いいえ、イライラじゃないわ・・・もっと嫌な感じ」 ゾルダ(律)「知るかよ!それが聡と何の関係あるってんだ!!」 王蛇(さわ子)「この前アンタの弟にいやな目にあわされたから・・・そいつぶっ殺せばこの不快な感じも収まるとも思ってね」 ゾルダ(律)「お前は・・・そうやって自己満足のために何人殺したんだよ!!」 ゾルダ(律)「この悪魔!!」 王蛇(さわ子)「殺した・・・殺したわね」 王蛇(さわ子)「いっぱい・・・いっぱい・・・」 王蛇(さわ子)「私が・・・」 ゾルダ(律)「もういい・・・お前みたいなのは生きてちゃいけないんだ」シュートベント ゾルダ(律)「私が殺してやる」 王蛇(さわ子)「生きてちゃいけない・・・私が・・・」 王蛇(さわ子)「私は・・・何のために生きてるの・・・」 王蛇(さわ子)「誰からも愛されてない私なんかが・・・」 ゾルダ(律)「うるせえ!!」ドガン!! 王蛇(さわ子)「なんで生きてるの・・・?」 ゾルダ(律)「ちっ・・・避けんな!!」ドガン!!ドガン!! 王蛇(さわ子)「何で私・・・イライラしてんの・・・なんでこんな不快なの」 王蛇(さわ子)「アンタ昔の私知ってるんでしょ? 教えてよ・・・」 ゾルダ(律)「くそッ・・・」 ゾルダ(律)(なんだ・・・何でいつもと雰囲気が違うんだ) 王蛇(さわ子)「私は・・・何?」 リュウガ『・・・・・・生きてください』 リュウガ(憂)『でないと・・・お姉ちゃんが悲しみます』 唯「・・・・・・」フラフラ 唯(結局、逃げることもできないで街中ウロウロしてるだけだった) 唯(私・・・これからどうなるんだろう・・・) 唯(このままどっかで死んで・・・地獄に落ちちゃうのかな) 唯(でも・・・純ちゃんに謝りに一度だけ天国に行きたいな) 唯(一度だけなら神様も許してくれるよね・・・) 紬「あら・・・唯ちゃん?」 唯「あっ・・・」 唯「ムギちゃん・・・」 紬「・・・生きてたのね、てっきり死んだのかと思ってた」 唯「えっ?」 紬「憂ちゃんが探し回ってたわよ」 唯「憂が・・・?」 紬「その顔を見ると、何かあったみたいね」 唯「・・・・・・」 紬「唯ちゃん・・・」 唯「私・・・」 唯「私のせいで・・・純ちゃん死んじゃったの・・・」ポロポロ 紬「・・・・・・」 唯「グズッ・・・私のせいで・・・」 紬「そう・・・」 唯「ムギちゃん・・・私どうすれば・・・」 唯「みんなにも嫌われちゃったし・・・もう帰る所がないよ・・・」 紬「・・・辛いのね、唯ちゃん」 紬「でも、もう大丈夫よ」 唯「ムギちゃん・・・」 紬「私が楽にしてあげる」 唯「ムギ・・・ちゃん?」 紬「あなたもライダーなら、最後はライダーらしく散りなさい」 紬「私が引導を渡してあげる」 唯「ムギちゃん・・・嘘だよね?」 紬「嘘じゃないわよ、私はあなた達を倒すためにここに来たんだから」 紬「変身」 ギュィィィィ シュピ-ン 唯「そんな・・・」 ファム(紬)「さぁ、あなたも変身しなさい」 …… 和「今日は色々話を聞かせてもらい、ありがとうございました」 優衣「・・・ううん、私こそ」 優衣「あの絵を見たおかげで・・・色々思い出せた」 和「・・・では、これで失礼します」 和「唯を探さないといけないので」 優衣「見つかるといいね、唯ちゃん」 和「はい・・・」 カラン 和(優衣さんの話が本当なら、恐らく神埼士郎の狙いは・・・) 和(でも・・・だとしたら何故ライダーバトルを) 和「・・・・・・!」 和「モンスターは人間を捕食しライダーは・・・」 和「そうか・・・だんだん分かってきたわ」 和「でも、だとしたら・・・」 和「・・・・・・」 和(何考えてるのよ・・・私・・・) …… ファム(紬)「はっ!たぁっ!」 ガキィン!!バキィン!! 龍騎(唯)「うぐっ・・・」 ファム(紬)「・・・反撃しないの? 諦めがいいのね」 龍騎(唯)「はぁ・・・はぁ・・・」 龍騎(唯)「もう・・・私なんて生きてても意味ないんだよ」 龍騎(唯)「ドジだし・・・ノロマだし・・・」 龍騎(唯)「大切な人も守れないなんて・・・」 ファム(紬)「・・・・・・」 龍騎(唯)「もう嫌だよ・・・疲れちゃったよ・・・」 龍騎(唯)「いっそのこと・・・死んじゃったほうが・・・」 ファム(紬)「・・・変わったわね、唯ちゃん」 ファム(紬)「詳しいことは知らないけど、あなたがそこまで変わるなんて・・・正直悲しいわ」 龍騎(唯)「・・・・・・」 ファム(紬)「でも・・・もう辛いことはここで終わる」 ファム(紬)「安心して唯ちゃん、死ねば助かるから」 ファム(紬)「もうこんな戦いのために身も心もボロボロならなくてすむ」 龍騎(唯)「・・・」 ファム(紬)「あなたは元々ライダーに向いてないのよ」 ファム(紬)「優しすぎた・・・」 ファム(紬)「そんな人間は・・・戦うべきではないわ」チャキィン 龍騎(唯)「ムギちゃん・・・」 ファム(紬)「さようなら唯ちゃん・・・向こうで幸せにね」ガァッ 龍騎(唯)「・・・」 憂『やっぱり私・・・お姉ちゃんがいないと・・・』 ファム「ッ!」ピタッ 龍騎(唯)「・・・・・・?」 ファム(紬)「はっ・・・はっ・・・」 ファム(紬)「クッ!」 龍騎(唯)「え・・・えっ・・・?」 龍騎(唯)「ムギちゃん・・・?」 ファム(紬)「・・・」 ファム(紬)(何で・・・一瞬憂ちゃんの顔が) ドガアアアアアン!! ファム(紬)「!」 王蛇(さわ子)「あぐぅ・・・うっ」 ゾルダ(律)「よし、追い詰めたぞ!」 ゾルダ(律)「ん?」 ゾルダ(あそこにいるの・・・) ファム(紬)「・・・・・・」 龍騎(唯)「りっちゃん・・・」 19
https://w.atwiki.jp/ondoluru/pages/103.html
三十一話『ファンガイアというもの』 加賀美がファンガイア軍を退けた後、加賀美たちは散り散りになり、あふれ出したファンガイアを倒していた。 そんな頃、音也はキングについて調べていた。 音也「どうやら、まだ大丈夫らしい。」 キバット「あいつらと協力しないのか?」 音也「今までのファンガイア軍ならば、奴らでも勝てた。だが、今後出てくる奴らは俺たちじゃなければ」 侑斗「聞き捨てならないな!」 音也「お前は…確か桜井だったな。何のようだ?お前には雑魚ファンガイアを頼んだはずだが?」 侑斗「お前は…この時代の俺が連れてきたって言ってたな?」 音也「ああ、それがどうした?」 侑斗「だが、そんな証拠は何処にもない…ハッキリ言う俺はお前が信用ならない!」 音也「随分な言葉だな。俺を信用できない…だと?」 侑斗「お前は過去から来たって言っていた。何故お前は未来に来る必要がある? 過去でキングを倒せば、それで終わるはずだ。何故わざわざこの時代に来る?」 音也「それが出来ない理由があるんだよ…」 侑斗「なに?」 音也「お子ちゃまには関係がない話だ。 それより、来るぞ!」 侑斗「これは……ファンガイア四天王寺の気!?」 音也「まったく、気分屋のお前が、どういう風の吹き回しだ? アマゾンファンガイア?」 アマゾン「俺…オ前タチ…倒ス!」 その頃の怪魔界 ウファア「四天王寺はどうしてるか…って、一人しかいない!?」 クウガ「アマゾンは出撃して、王蛇はこの前からいない… ギルスとJにいたってはやられてるしな。」 ウファア「だがお前が復活したからには四天王寺の増強は必要無いな。」 クウガ「そういうことだ。」 ウファア「ならばファンガイア軍の戦士達を集合させるとするか…」 ??「おはようございます オレ、そういう顔してるだろ?」 ウファア「お前は…」 ウファア「誰だっけ?」 ?「カイだよ、カイ。あれ?名乗らなかったかなぁ?」 クウガ「人間、こんな所に何しにきた?」 カイ「俺はあれだよ、あれ!桜井侑斗、消しに来たんだ。 ここに用はない。」 カイと名乗った男は、そういうとフラフラと去っていった。 ウファア「いいのか?」 クウガ「奴には関わるな。俺の勘がそう言っている」 ウファア「なん……だと……?」 クウガ「やはり人間はおもしろい…ククク…」 その頃、単独行動をとっている加賀美は、王蛇と再会していた。 加賀美「王蛇……」 王蛇「イライラさせるなよ……」 加賀美「お前は…俺を何故助けた?」 王蛇「俺はいつも腹が減ってるんだ。大事な餌を横取りされるわけにはいかないんでな」 加賀美「だが……お前はほかのファンガイアとは……」 王蛇「ごちゃごちゃ、イライラさせるな!」 そう言うと王蛇はいきなり加賀美の首を絞めた。 加賀美「やめ……て……くれ……」 王蛇「冥土の土産に教えてやる。俺たちファンガイアは、一人一人が、全く別の生物だ。 その中で、俺は戦闘しか考える事がないファンガイア。例え相手が誰であろうと、戦う。それが俺の本能だ。 そして、お前は俺の気まぐれで命拾いしただけにすぎない……。 だが、もう終わりだ。俺の空腹はもう限界を突破しちまったからだ。ハァハッハハハハハッハ」 王蛇はオンドゥル星物語史上、一、二を荒そう長台詞を噛まずに言った。 いっぽう、アマゾンファンガイアと戦っていた音也と侑斗… アマゾン「大切断!!!」 音也「ギャアアア!!!!?」 侑斗「くっ、やっぱりこいつは強い!」 そうこうしているうちに、ザコファンガイアもうじゃうじゃ集まってきた。 侑斗「や、やべぇ…」 その時! あのレンゲルが現れたのだった… 睦月「久しぶりですね、みなさん…」 侑斗「だ、誰だ?」 睦月「か、仮面ライダーレンゲル、上条睦月だ!!!」 音也「誰でも良いけど、あいつら倒せるのか?」 睦月「フフフ、とっておきがあるんですよ!!!」
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5723.html
前ページ次ページ狂蛇の使い魔 第十話 「仮面……ライダー?」 ルイズの纏った白虎の鎧をまじまじと見つめながら、キュルケが言った その横にいるタバサも、じっとルイズの身につけた鎧を観察している。 「……ええい、この際なんだっていいわ! あのゴーレムには魔法が効かないみたいだし、これを使ってダーリンを助けてきなさい」 そういって渡されたのは、キュルケが買ってきたという豪華な装飾が施された大剣であった。 重そうな見た目とは裏腹に、片手で難なく持ち上げることができた。 「……よし!」 タイガは苦戦している王蛇の方を見やると、一直線に駆け出した。 「はっ!!」 右腕から繰り出される一撃を、王蛇は横っ飛びでかわす。 直後、王蛇が元いた地面が剛腕によって抉られた。 「埒があかんな……」 ゴーレムから距離を置き、何か手立てはないものか、と考える。 すると、後ろから何者かが掛け声とともに近づいてきた。 「やああああああ!!」 王蛇が何事かと振り向くと同時に、声の主がその横をものすごい勢いで通り抜けていった。 その姿は、紛れもないライダーであった。 「あれは……」 ゴーレムに向かっていく後ろ姿を見ながら、王蛇は呟いた。 「たああああああ!!!」 ゴーレムの元にたどり着いたタイガは、両手で持った大剣を頭上に構えると、勢いよく振り降ろした。 土でできた右足を、大剣が一刀のもとに両断する。 ……ことはできなかった。 バキンという鈍い音とともに大剣の刀身が真っ二つに折れ、吹き飛ぶ。 「お、折れたぁ!?」 半分から先がなくなってしまった剣を見て、タイガは思わず叫んだ。 「なによコレ! 全然役に……んぐわっ!!」 文句を言おうとしたタイガを、ゴーレムはその巨大な手のひらで容赦なくなぎはらう。 弾き飛ばされたタイガは、一瞬空中を舞った後、様子を見ていた王蛇の前まで転がっていった。 「い、いててて……」 「馬鹿か? お前は」 足元でうずくまるタイガを見ながら、王蛇が呟く。 その時、ふといい考えが浮かんだ。 「まあいい。……それより」 「? なに?」 立ち上がりながら、タイガは応える。 見に纏った鎧のおかげで、それほどダメージを受けなかったようだ。 「お前、あいつの動きを止めろ」 「えっ!? ど、どうやって……」 「カードを使うに決まっているだろう!!」 そう言い残すと、王蛇は再びゴーレムに向かって走り出した。 一人残されたタイガは、王蛇の残した言葉に困惑していた。 「カードを使え、って言われても……」 以前彼が戦っていた姿を思い出す。 確か、紫色をした蛇の杖にカードを入れて効果を発動していたはずだが……。 (そんなもの、一体どこにあるのよ……) ルイズが心の中で呟く。 と、その瞬間、左手に何かが触れた。 突然の感触に驚きつつ、左に顔を向ける。 するとそこには、己の背丈ほどもある巨大な斧が転がっていた。 柄は青色で、中央にある黒い持ち手の部分が周りよりも一回り細くなっている。 牙を剥き出しにした白虎の顔が、斧の刃の根本を覆っている。 デストバイザーと呼ばれる、タイガの主要武器であった。 「これは……斧?」 タイガが両手で柄を掴み、持ち上げる。 この奇妙な形をした斧をしばらく眺めた後、柄の先を地面に真っ直ぐ突き立てた。 すると、カチャリという音とともに白虎の顔が上に押し上げられ、覆われていた青く四角い中身が姿を現した。 カードを差し込むらしい隙間も存在している。 (そうか、これを使って……) タイガは右手をカードデッキにあてると、ゆっくりとカードを引き抜いた。 引き当てたのは、美しい結晶が描かれた一枚のカード。 タイガはそれをデストバイザーに差し込むと、白虎の顔を右手で押し戻した。 それと同時に、バイザーが音声を発する。 『FREEZE VENT』 「やっとか……役立たずめ」 眼前で止まっているゴーレムの拳を見ながら、王蛇は呆れたように呟いた。 タイガの発動したカードの効果により、ゴーレムは今や完全にその動きを止めていた。 その身は凍っているかのように、うっすらと青みを帯びている。 「相棒、これは一体……のわぁぁぁっ!!」 持っていたデルフリンガーを横に投げ捨てた王蛇は、紫の杖を取り出すとデッキからカードを引き、杖に装填した。 『UNITE VENT』 杖から音声が鳴るとともに手鏡から現れる、蛇、サイ、エイの三体の怪物。 「うわっ!!」 側にいたキュルケとタバサは、突然の怪物の出現に目を丸めながら、その異形の者たちから遠退くように後ずさりした。 三体の怪物たちは、互いの身を一ヵ所に集めると、まばゆい光を放ちながら一体の巨大な怪獣へと変貌していく。 光の中から現れた怪獣―獣帝ジェノサイダー―は、雄叫びとともにその赤い羽を広げた。 「フン、そろそろ人形遊びもおしまいだ……」 王蛇はそう言うとデッキからカードを引き、再び紫の杖に装填した。 『FINAL VENT』 先ほど出現した怪獣が、唸り声とともに自らの胸部を食い破る。 すると、食い破られた胸部から風を切るような音が鳴り出し、辺りの空気を吸い込み始めた。 シルフィードに乗って避難したキュルケとタバサ、そして王蛇のすぐ後ろにいるタイガの三人は、その光景をただ茫然と眺めていた。 準備が整ったのを確認した王蛇は、未だ微動だにしないゴーレムに向かって走り出した。 「ウオオオオ!! ハァッ!!」 助走をつけて勢いよく跳躍し、ゴーレムの目の前まで飛び上がると、体を回転させながらの飛び蹴りを繰り出した。 「ダアァァァァッ!!」 ゴーレムの顔面に直撃すると、その凍りついた巨体が傾き始める。 そして、後ろにいるジェノサイダーに倒れかかった瞬間、ゴーレムの体がぐにゃりと歪むと、みるみるうちにジェノサイダーの胸部の穴へと吸い込まれていく。 しばらくすると、跡形もなく消滅してしまった。 「ふぅ……」 タイガがため息をつくと同時に変身が解除され、ルイズの姿に戻る。 前方では王蛇も変身を解き、浅倉の姿に戻っていた。 未知の力が引き起こす驚きの連続に、ルイズの頭は少々混乱気味であった。 「ルイズ、大丈夫? 一体何がなんだか……」 手鏡とデルフリンガーを回収する浅倉の後ろ姿を見ながら、ルイズが物思いに耽っていると、後ろから声をかけられた。 振り返ると、キュルケとタバサがこちらに向かって歩いてくるのが見える。 こちらも困惑していることを伝えようとしたが、それは予想外の人物によって妨げられた。 「皆さん、ご苦労様でした」 「ミス・ロングビル!?」 ルイズたちのすぐ横にある木の陰から、緑の髪をした理知的な女性、ロングビルが姿を現した。 突然の登場に驚くルイズたち。 ルイズたちのもとへ戻ってきた浅倉も、彼女を怪しむように目を細めた。 それらに構うことなく、ロングビルは続ける。 「破滅の箱は無事だったのかしら?」 「え? あ、はい。無事です」 そういうと、ルイズは手にしていたタイガのデッキをロングビルに手渡す。 手渡した後で、なぜロングビルが破滅の箱の所在を知っているのか、という疑問がルイズの頭に浮かび上がった。 「ミス・ロングビル。なぜ、私が破滅の箱を持っていることを知っているのですか? もし見ていたのなら、なぜ助けて下さらなかったのですか?」 タイガのデッキを手にとり眺めていたロングビルは、ルイズの問を聞くや否や、ニヤリと口元を吊り上げこう答えた。 「それはね……私が『土くれ』のフーケだからさ! 全員、杖を捨てなっ!!」 フーケが素早く杖を取り出すと、その先をルイズたちに向けた。 ルイズたちは状況を理解すると、渋々と杖を目の前に投げ出す。 浅倉は杖の代わりにデルフリンガーを投げ出した。 「そこにいるヴァリエール家の末っ子のおかげで、このお宝の使い方から安全性まで何もかも確かめることができたよ……ご苦労だったわねぇ」 嘲るような笑いをルイズに向けた後、そこから少し離れた位置にいる浅倉に視線を移す。 「さてと……そこの使い魔! 手に持ってる手鏡をこっちに寄越しな! 歯向かったら容赦しないよ!!」 浅倉はフーケの命令に不気味な笑顔で返すと、ちょうど浅倉とフーケの間に位置するように、手鏡を放り投げた。 同時に、王蛇のデッキを鏡に向かってかざす。 「貴様から指図を受ける筋合いはないが……戦いたいなら歓迎するぜ? 変身!!」 フーケが反応するよりも早く、ベルトにデッキを差し込んだ。 ガラスの割れるような音とともに、浅倉の体が再び蛇の鎧に包まれる。 (くっ! こいつに人質なんて意味ないし……こっちが不利になっちまったじゃないか!) フーケは思わず顔を歪ませた。 この劣勢な状況をどう覆すか、或いはどうすれば無事に逃げ切れるのか。 目の前にある二つの選択肢のどちらが最善策なのか、頭をフル回転させて考える。 対するルイズたち三人も、杖が使えない現状を打破しようと必死に思考を張り巡らせていた。 お互い睨みあったまま、硬直状態が続く。 しかし、終わりは突然訪れた。 「……ッ!!」 突如として強烈な耳鳴りがルイズとフーケの二人に襲い掛かったのである。 ルイズは両手で頭を押さえ込む。 「なっ……!! これは一体……!?」 一方のフーケは、慣れない感覚に思わず頭を抱え、地面にへたりこんだ。 その隙を逃さず、タバサは杖を拾い上げると素早く呪文を詠唱する。 「エアハンマー」 見えない空気の塊がタバサの杖から放たれ、フーケを後ろへ一直線に押し飛ばす。 そのまま後ろにあった一本の木に叩きつけられ、どうやら頭を打ったのか、地面に崩れ落ちると突っ伏したまま動かなくなった。 「またあいつらか……。おい、お前」 王蛇は手鏡からルイズの方へと視線をずらし、ルイズも顔を上げて王蛇の方を振り向いた。 「お前もライダーになったんなら……わかるな?」 それだけ言うと、王蛇は手鏡に向かって歩き出し、鏡面に飛び込んだ。 ルイズは以前聞いた、怪物との契約の話を思い出す。 (餌をあげなければ、殺される……) タイガのデッキが破滅の箱と呼ばれていた理由。 それはおそらく、この契約が正常に履行されていなかったためだろう。 このデッキの持ち主、すなわち契約者がきちんと餌を与えなかったため、怪物に補食されてしまったのだ。 ルイズはフーケのすぐ側に放り出されているデッキを見つけると、耳鳴りに頭を押さえながら駆け寄り、拾い上げる。 そして手鏡の方を振り返ると、手に持ったデッキをかざした。 ベルトが腰に装着される。 「変身!!」 掛け声とともにデッキをベルトに差し込むと、ガラスの割れるような音とともに白虎の鎧がルイズの体を包み込んだ。 心配と困惑が入り交じった表情でこちらを見つめるキュルケと、相変わらず無愛想だが若干心配の色が表れているタバサ。 二人に向かって一度頷くと、タイガは王蛇の後を追い、鏡の世界へと飛び込んでいったのだった。 前ページ次ページ狂蛇の使い魔
https://w.atwiki.jp/rider_maskcollection/pages/12.html
ライダーマスクコレクション Vol.1 発売時期:05年9月 再販:?年?月 再々販:?年?月 通常価格1個380円(税別) 全8種(+シークレット1種) 1BOX8個入り ラインナップ 仮面ライダー新1号 仮面ライダーX 仮面ライダーストロンガー 仮面ライダースーパー1 仮面ライダー龍騎 仮面ライダーナイト 仮面ライダー王蛇 仮面ライダータイガ シークレット:仮面ライダーストロンガー(チャージアップ) 配置情報(上段が奥、下段が手前) A箱 1号 X スーパー1 龍騎 ナイト 王蛇 タイガ ストロンガー A’箱 1号 X スーパー1 龍騎 ナイト 王蛇 タイガ ストロンガー(チャージアップ)
https://w.atwiki.jp/sentai-soubi/pages/428.html
【名前】 ユナイトベント 【読み方】 ゆないとべんと 【登場作品】 仮面ライダー龍騎 など 【分類】 アドベントカード 【所有者】 仮面ライダー王蛇 【AP】 0 【詳細】 アドベントカードの1枚。 特殊なカード、「仮面ライダー王蛇」のみが持つ。 複数のモンスターの融合効果を行える能力を有する。 『龍騎』劇中ではベノスネーカー、メタルゲラス、エビルダイバーという王蛇の契約モンスター3体を融合し、合体モンスターの「ジェノサイダー」が誕生した。 『龍騎』劇中では他の合体モンスターは登場しない。
https://w.atwiki.jp/newrowa/pages/213.html
よみがえる記憶 軽い疲労を感じながらも温泉を目指して山中をひたすら歩く者がいる。 由詑かなみ、白鳥九十九を背負った弧門一輝だ。 どこに向かうか相談した結果、隣のエリアにある温泉に行くことになった。 自分達を尾行している邪悪な蛇の存在にも気づかぬまま。 「そろそろ着きますね」 弧門はそう呟いた。 先ほど、自分達がいたエリアはA-7である。A-8である温泉とはそんなに離れていない。 「あ、見えてきました!」 弧門の隣にいるかなみが視界に入った施設に指を向ける。 その先を見ると三人の目的地が見えた。 歩き続け、温泉玄関との距離が残り数メートルとなる。 コツコツと歩く第四者の足音が背後から聞こえてきたのはその時だった。 九十九を背負った弧門、かなみは反応して振り向く。 そこには頭部に傷のある蛇柄のシャツを着た男がいた。 その手に持ったバールは血が付着している。 これは彼が何らかの殺人や傷害に関わったことを示唆している。 もしかしたら、ゲームに乗った者に襲われて抵抗しただけかもしれない。 だが、それを否定できる理由があった―― 「浅倉威…!」 今、弧門達の目の前にいるのは浅倉威という男。 そう、ルールの説明を受けた場で殺し合いの開始を誰よりも楽しみにしていた浅倉威だ。 「俺もすっかり有名人だなァ!!」 バールで地面を殴り、狂気の笑みを浮かべた浅倉威は地面を勢いよく蹴った。 対抗するため、弧門は懐からコルト・ガバメントを取り出して浅倉に向ける。 本当に撃つ気はない。あくまでも威嚇するためのものだ。 「止まれ、止まらないと撃つ!」 「ちっ!!」 それに対して浅倉は軽く舌を打ち、立ち止まってバールをバッグにしまい込む。 続けてバッグの中からペットボトルを出して地面に水をぶちまける。 それにライトの光を向けて鏡の代わりとなるものを完成させた。 「何をする気だ…?」 弧門の疑問を他所に浅倉は地面の水溜りにカードデッキを向ける。 そして、腹部に巻かれたVバックルにデッキを装填した。 「変身!」 紫色の残像が幾重にも重なり、仮面ライダー王蛇が姿を現す。 変身と共に王蛇は首を回してゴキゴキと音を鳴らした。 「浅倉が変身した……!?」 未知の敵を前にして弧門は驚愕の表情を浮かべる。 容姿からして闇のウルトラマンとは思えない。 奴は何者なのだろうか?という疑問を抱かずにはいられない。 ―SWORD VENT― 王蛇がバイザーにカードを装填すると電子音が鳴り、ベノスネーカーの尾を模した剣が天空より舞い降りる。 それを王蛇は掴み取り、雄叫びを上げながら走り出した。 「止まれ!!」 弧門が制止するが動きを止める様子はない。 仕方なく銃を発砲すると弾が王蛇の胸板に命中した。 だが、王蛇は怯むことなく走って来る。 「全く効いてない!」 「俺を下ろしてくれ、このまま逃げても俺が足を引っ張って殺されるだけだ。俺が弧門さんとかなみさんが逃げるだけの時間を稼ぐ…!」 「白鳥さんを見捨てるなんてできません…!」 「っ!」 九十九は弧門の背中を蹴り、大地へと飛び降りた。 左足にある傷が疼くが絶対に表情には出さない。 「やめてください!白鳥さん!」 弧門の叫びの言葉も無視し、九十九は王蛇の進路に立ち塞がる。 「何をしている!?早くかなみさんを連れて逃げ…」 言葉も途中で九十九の体に王蛇の鉄拳が迫り、吹き飛ばされる。 「白鳥さん…!僕は…!」 殴り飛ばされる仲間の姿が弧門の胸を痛める。 今ここで逃げなければ自分もかなみも殺されてしまう。 良心は痛むが九十九の意思を無駄にするわけにはいかない。 「かなみちゃん、逃げよう…」 「でも、このままじゃ白鳥さんが…!」 「逃げなきゃ僕もかなみちゃんも死ぬ…。白鳥さんの気持ちを踏みにじるわけにはいかない…!」 弧門の言葉にかなみは何も言えなくなった。 「行こう!」 かなみを連れ、弧門は走っていく。 だが、それを黙って見過ごす王蛇ではない。 「逃がすかよ」 -ADVENT- 水溜りよりコブラのモンスター、ベノスネーカーが召喚される。 ベノスネーカーは弧門とかなみの前に立ち塞がる。 「クソぉっっ!!!」 弧門がコルト・ガバメントを眼前の化け物に向ける。 一発、二発、三発、四発、五発。残り弾の全てを発射した。 それらは全てベノスネーカーの巨体に命中しているのだが効き目は皆無と言っていい。 「シャアアアアアアアアアッッ!!!」 ベノスネーカーはやり返すかのように口内から溶解毒液を吐く。 それを見て咄嗟に弧門が庇うようにしてかなみの前に立つ。 「うわぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」 全身に毒液を浴びた弧門は苦痛の叫びを上げる。 地面に膝を付きながらも彼はこう言った。 「かなみちゃんだけでも……逃げて……!!」 「ああっ……ああっ……!!」 指示を出されてもかなみはこの状況に脅えて尻餅を付くことしかできなかった。 ベノスネーカーは次なる獲物=他でもない自分を睨みつけている。 目と目が合った時、かなみは恐怖に押し潰されて気を失ってしまった。 「かなみちゃんを殺させてたまるかぁっっ!!!」 毒液により激痛が走る身体を弧門が振るい立たせる。 溶解効果で体の一部はその肉を露出している。 もし、ベノスネーカーと王蛇を退けることができても助かる可能性は低い。 恐れずに弧門はベノスネーカーに殴りかかる。 しかし、普通の人間のパンチなどモンスターにとっては蚊に刺されたかのような痛みだ。 そんな拳を何度も打たれることに鬱陶しさを覚えたのかベノスネーカーは尻尾の尾で弧門を突き刺す。 それは心臓の近くをしっかりと貫いていた。引き抜かれると同時に弧門は地面に倒れ、しばらくすると動かなくなった。 「弧門さん…… かなみさん……」 尋常じゃない力で殴られ、朦朧とする意識の中で九十九は化け物に襲われる二人の姿を確認した。 王蛇にあんなモンスターを召喚する能力があるなど計算外だった。 まあ、知っていてもこの状況をどうにかすることはできなかっただろう。 弧門は毒液からかなみを庇ってダメージを負い、かなみは気絶している。 重症を負っても力なき者を護るために弧門は勇敢に敵に立ち向かっている。 そして、尾で刺されて彼が力尽きる姿を見た。 「弧門さん…!くっ、このままじゃかなみさんまで…!」 「お前もすぐに後を追わせてやるよ」 仲間を心配する九十九の腹部はベノサーベルで貫かれる。 血反吐が王蛇の胸板を真っ赤に染めた。 王蛇がサーベルを抜くと九十九の身体はゆっくりと地面に倒れ伏した。 □ ここは山中にある温泉の023号室。 部屋には君島邦彦、藤宮炎、李紅蘭の三人がいる。 話し合いの結果、しばらくは温泉で待機することになった。 「聞きたいんだけど君島や紅蘭さんの仲間は参加してないのか?」 藤宮は君島と紅蘭に問いかける。 この状況では何が起こるか分からない。襲撃者が来て全員が離れ離れになる可能性だってある。 もし離別した時のために他の参加者の情報が欲しかった。 「それならカズマって奴と由詑かなみって女の子がいる。カズマは殺し合えって言われて従うような奴じゃねえし、由詑かなみは普通の女の子だ」 「ウチの仲間は大神一郎、真宮寺さくら、神崎すみれ、マリア・タチバナ、イリス・シャトーブリアン、桐島カンナの六人。みんな殺し合いに乗るような人間やないから安心して」 「そうか。じゃあ、俺の知り合いのことも教えておくか。切札疾風と羽田シンクは…」 聞こえてきた銃声により、藤宮の発言は遮られてしまった。 「今の銃声だよな…?」 「誰かがこの温泉の近くで殺しあってるのかもしれへんな」 「俺が様子を見てみる」 窓のカーテンを開け、君島は外の様子を確認する。 そこには紫の怪人と三人の人間の姿があった。 その内一人は君島がよく知っている人物である。 「あれ、かなみちゃんじゃねえか!」 それを聞き、藤宮と紅蘭の二人も覗き込んできた。 変な制服を着た男の隣いるのは紛れもなく由詑かなみ。 白服の男が制服の男を蹴って地面に降り、紫の怪人に立ち向かう。 そして、制服男とかなみは逃げるが蛇の怪物に阻まれてしまう。 「なんだよ、あの化け物は…」 「このままやったら全員殺されるで!」 「…俺がかなみちゃんを助けに行く!」 この場で君島は高らかに宣言した。 かなみは親友であり仕事仲間であるカズマの大切な人である。 それを見殺しにしてしまったらカズマに合わせる顔がない。 「二人は裏口を使って逃げてくれ!」 外でマーダーが戦闘を行っている以上、ここも安全とは言えなくなった。 君島は二人に逃げるよう促す。 「相手は怪人にデカいコブラの化け物だぞ!お前一人で助けられるわけないだろ!」 「そうや!ウチらも手伝う!」 が、藤宮と紅蘭は言うとおりにしない。 「だったら勝手にしろ!」 部屋から飛び出す君島に藤宮と紅蘭も続いた。 □ 夥しい量の血液が流れる傷口を押さえ込み、九十九は苦しんでいる。 そんな彼に再び王蛇のベノサーベルが向けられた。 一方、王蛇の相棒であるベノスネーカーはかなみを食らうためにその口を近づけている。 「楽にしてやるよ」 ベノサーベルが九十九の心臓を貫こうとしている。 「待ちやがれ!!」 第三者の声により王蛇とベノスネーカーの動きが止まる。 王蛇、ベノスネーカー、九十九の視線は温泉の入り口にいる三人の男女に注がれていた。 「さっき殺し損ねた二人かァ。いいところに現れたなァ」 仮面の下で王蛇は狂気の笑みを浮かべた。 数時間前に邪魔が入って殺すことができなかった二人の男が眼前にいるからだ。 その名は君島邦彦と藤宮炎。 「その声、浅倉威か…!?」 「声もちゃんと覚えていてくれて嬉しいぜ」 君島が尋ねると王蛇はそれに答える。 二人の会話を聞いた藤宮の記憶は取り戻されていく。 浅倉に殺される直前で変なロボットに助けられた。 そして、自分は浅倉の頭をバールで殴りつけたのだ。 藤宮の中で浅倉を傷つけた罪悪感が蘇る。同時にそれよりも強い罪悪感が生まれていた。 (俺のせいなのか…?) 制服の男はコブラのモンスターに殺され、白服の男は王蛇に刺された。 こんな惨劇を生んでしまった責任は自分にもある。 あの時、浅倉を確実に始末しておけば制服の男が死ぬこともなかっただろう。 だが、今は罪悪感に浸っていられる状況ではない。 「どっちもぶっ殺してやるぜ」 虫の息である九十九に興味がなくなった王蛇は入り口に向かって走り出す。 それと同時にベノスネーカーは粒子となって消滅した。活動限界時間を迎えたからだ。 しかし、王蛇はそんなことを気にも留めない。 「君島はん、これ使い!」 「ありがたく使わせてもらうぜ!」 紅蘭から鉈を受け取り、君島は疾走する王蛇を睨みつける。 それから君島も走り出した。 ―ガキィンッ!!― 鉈とベノサーベルがぶつかり合う音が周辺に響く。 「ウチはかなみちゃんのところ行く!藤宮はんはあの男の人を頼むで!」 「分かった!」 その一方で藤宮は九十九、紅蘭はかなみの元に向かう。 「気絶してるだけのようやな」 紅蘭が気絶しているかなみの安否を確かめてそう言った。 残念ながら近くで倒れている制服の男はもう死んでいた。 心臓付近をグサリと刺され、身体の一部が肉を露出している。 彼を救えなかったことを心の中で詫びながらかなみを背負い、藤宮の元へ走る。 「大丈夫ですか…?」 「君達は…助けに来てくれた…ようだな…」 「喋らないでください!傷に響きます!」 目の前で大量の血液を流している男に藤宮は心を痛める。 彼がこうなったのは自分の所為でもあるからだ。 もし、時を戻せたら? ふと、そんなことを考えてしまう。 考え事をしている藤宮の耳を近づいてきた紅蘭の声が打った。 「そっちはどうやった?」 「かなり危ない… このままじゃ…!」 「ここやったら戦いに巻き込まれるかもしれん!とりあえず、あっちの影に隠れましょ!」 紅蘭の提案に乗り、藤宮は九十九の身体を背負う。 そして、紅蘭と共に木陰に身を隠した。 □ ギリギリと、君島と王蛇のつばせりあいは続いている。 だが、君島は押されており、王蛇が有利と言える。 普通の人間とライダーの力など比べ物にならないのだから当然だ。 「っ、雑魚が!」 王蛇が思いっきり君島の右足に蹴りを入れる。 その痛みに耐えられず、君島は転倒してしまった。 「はぁぁぁっっ!!!」 「くっ!!」 振り下ろされたベノサーベルを君島はなんとか鉈で受け止める。 鉈の刃が少しだけ砕け散ったのが見える。 このままでは完全に砕けるのは時間の問題だろう。 □ 大樹に身を隠し、藤宮は九十九の傷口にタオルを当てていた。 止血しても出血は止まらず、九十九の顔色はどんどん悪くなっていく。 それに加え、影から君島の様子を確認すると追いつめられているのが見える。 状況は最悪としか言いようがない。 「俺は…もう…助からない…俺のバッグに…何か…使える物が…入っている…かも…しれない…それで…浅倉と戦っている…人を…助けるんだ…」 瀕死の状態で九十九は藤宮にバッグを渡す。 それを漁ると一つ目を引く物があった。 どこか浅倉の腹部に装填されている物と似ている。 ――インペラーのカードデッキ 自身を仮面ライダーという超人に変身させるアイテムだ。 これを使えば浅倉と戦うことだってできる。 「あなたを助けることはできなかった… だけど、君島は助けてみせます…!」 藤宮の言葉に頷き、九十九は目を閉じた。それから彼が目覚めることはなかった。 バッグから取り出したペットボトルから水を地面にぶちまける。 それにライトを向けて鏡を完成させ、藤宮はカードデッキを掲げた。 腹部に巻かれたVバックルにデッキを装填して仮面ライダーインペラーに姿を変える。 「藤宮はんが変わった…!?」 「君島を助けに行って来る!」 驚愕の表情を浮かべる紅蘭を余所にインペラーは駆け出す。 □ -STRIKEVENT- 再び君島にベノサーベルを振り下ろそうとした時、聞き覚えのある電子音が耳に届いた。 これはライダーが武器を召喚する際にバイザーから発せられる音声だ。 まさかと思い、後ろを振り向くと見知らぬ仮面ライダーの姿があった。 「君島から離れろぉぉぉぉっっ!!!」 疾走に勢いが乗ったドリルが王蛇の胸に直撃し、吹き飛ぶ。 「君島、大丈夫か!?」 藤宮炎=仮面ライダーインペラーが君島に手を差しのべる。 それを掴んで君島は立ち上がった。 「なんでそんな姿になってんだよ、炎!」 「話は後だ。今は…!」 インペラーは立ち上がる王蛇を見据える。 「てめえ、ライダーだったんだな!おもしれえ!!」 ダメージを受けても王蛇のテンションは上がっていた。 ここでライダーと戦えるとは思っていなかったからだ。 仮面の下で笑いながらインペラーに向かって行った。 【弧門一輝@ウルトラマンネクサス 死亡】 【白鳥九十九@機動戦艦ナデシコ 死亡】 【残り86人】 【1日目 黎明/A-8 温泉付近】 【君島邦彦@スクライド】 【状態】右足に蹴りによるダメージ、浴衣 【装備】レナの鉈@ひぐらしのなく頃に 【道具】基本支給品一式、蝶ネクタイ型変声機@名探偵コナン、ラウズアブゾーバー@仮面ライダー剣 【思考・状況】 基本行動方針:打倒主催者。 1:浅倉を何とかする。 2:紅蘭、藤宮と一緒に行動する。 ※サクラ大戦の参加者の情報を得ました。 【藤宮炎@ヒーローズオペレーションF】 【状態】仮面ライダーインペラーに変身中、強いストレス(解消気味)、浅倉への強いトラウマ、罪悪感、浴衣 【装備】カードデッキ(インペラー)@仮面ライダー龍騎、マラカス@現実(サクラ大戦3?) 【道具】基本支給品一式×2(自分、九十九)、ビートイングラム@重甲ビーファイター、サンダーキー&サンダーファイナルキー@魔弾戦記リュウケンドー、コーヒー牛乳の空き瓶×2、ランダム支給品0~2 【思考・状況】 基本行動方針:死にたくない。 1:浅倉を何とかする。 2:紅蘭が首輪を外す可能性に期待。 3:紅蘭、君島と行動する。 4:浅倉への強い恐怖。 ※浅倉をバールで殴ったことを思い出しました。 ※首輪に盗聴器やビデオカメラ、発信機がついている可能性を想像しているので多少の警戒は示すかもしれません。 ※サクラ大戦の参加者とスクライドの参加者(カズマと由詑かなみ)について知りました。 【浅倉威@仮面ライダー龍騎】 【状態】仮面ライダー王蛇に変身中、頭部の強い打撲で流血(血は止まりました) 【装備】王蛇のデッキ@仮面ライダー龍騎、バールのようなもの@現実 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品0~1 【思考・状況】 基本行動方針:皆殺し。 1:北岡、君島、バルスキー、藤宮は優先的に殺害(名前は知らない)。 2:とりあえず、目の前のヤツらを皆殺し。 3:城戸や秋山はどうでもいい。あくまで最優先は北岡。 【李紅蘭@サクラ大戦】 【状態】健康、浴衣 【装備】紅蘭特製の煙玉(一消費)@サクラ大戦 【道具】基本支給品一式、ロープ 【思考・状況】 基本行動方針:打倒主催者。 1:藤宮と君島が心配 2:首輪の解除。 3:君島、藤宮と一緒に行動する。 4:自律機械(メタルダー勢など)と会いたい。 5:浅倉を警戒。 ※ スクライドの参加者(カズマ、由詑かなみ)について知りました。 【由詫かなみ@スクライド】 【状態】疲労(小)、気絶中 【装備】不明 【道具】基本支給品一式、ランダム支給品1~3 【思考・状況】 ※気絶中 073 優しき戦士と誇りの戦士 投下順 075 俺たちも、正義のために戦うぜ! 073 優しき戦士と誇りの戦士 時系列順 075 俺たちも、正義のために戦うぜ! 051 温泉ウォーアイニー 君島邦彦 078 Discovery(前編) 051 温泉ウォーアイニー 藤宮炎 078 Discovery(前編) 064 Near the Boa constrictor 浅倉威 078 Discovery(前編) 051 温泉ウォーアイニー 李紅蘭 078 Discovery(前編) 064 Near the Boa constrictor 由詑かなみ 078 Discovery(前編) 064 Near the Boa constrictor 弧門一輝 死亡 064 Near the Boa constrictor 白鳥九十九 死亡
https://w.atwiki.jp/sentai-soubi/pages/221.html
【名前】 べノサーベル 【読み方】 べのさーべる 【登場作品】 仮面ライダー龍騎 など 【分類】 ソードベント 【所有者】 仮面ライダー王蛇 【AP】 2000 【詳細】 べノスネーカーの尾を模した剣。 仮面ライダー王蛇の持つソードベントのカードで呼び出される。 切るというよりも突いたり叩く武器でもある。 王蛇の反撃を恐れぬ戦法ゆえに戦闘の際は多く召喚された。 刀身には猛毒が仕込まれており、触れた標的へダメージを与える。 ミラーワールド内で破壊できないものはない。 『仮面ライダーブレイブ』でもソードベントで召喚され、仮面ライダーブレイブレベル2を大いに苦しめた。
https://w.atwiki.jp/sentai-soubi/pages/7301.html
【名前】 Vバックルバックル 【読み方】 ぶいばっくるばっくる 【登場作品】 仮面ライダーギーツ どやさ!? 男だらけのデザイアグランプリ 王蛇はオレだー!! 【分類】 レイズバックル 【使用者】 仮面ライダーギーツ仮面ライダーバッファ 【詳細】 仮面ライダーギーツが使用するレイズバックルの一種。 デザインとしてVバックルへ酷似した形状となり、龍騎の力が秘められたもの。 デザイアドライバーのスロットホップアップアセンブルへとセットし、中央部を押し起動、龍騎フォーム装備を実装する。 フォーム装備を装着すると、龍騎の力の再現が可能。 王蛇仕様のものもあり、王蛇フォーム装備を実装する。
https://w.atwiki.jp/dcd10/pages/364.html
【種別】 仮面ライダー 平成仮面ライダーシリーズ 仮面ライダー龍騎(平成第3作) 【名前】 仮面ライダーガイ 【よみがな】 かめんらいだーがい 【変身】 ? 【身長】 195センチ 【体重】 100キロ 【パンチ力】 15トン 【キック力】 15トン 【ジャンプ力】 ひと跳び20メートル 【走力】 100メートルを5秒 【9つの世界】 龍騎の世界 【新たな世界】 ディケイドの世界(ディエンドの召喚) 【声の出演】 【スーツアクター】 【登場話】 第6話 劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー ※オリジナルのスペックと異なるかもしれません。ディケイドで発表されたデータを記載予定。 【ディケイドの物語】 仮面ライダー裁判制度に参加した男がメタルゲラスと契約したカードデッキを鏡に移すことで出現する変身ベルト「Vバックル」に、自分のカードデッキを装着することで変身する仮面ライダー。サイ型のモンスターと契約しているだけに、頭部にサイの意匠が見られ、力強そうな角が特徴的。 他の仮面ライダーより俊敏力は低い代わりに防御力が勝っており、重量級の体を生かした力任せな攻撃で白兵戦を征するライダーである。また、自分専用の2枚保有されているアドベントカード「コンファインベント」で敵の攻撃を無効化する能力をも保有している。 また、左肩に装着している装甲型の召喚機「メタルバイザー」に「アドベントカード」を読み込ませることで、メタルゲラスが与える力を使用することが可能。詳細は以下の通り。 カード名称 APorGP 効果 アドベント AP4000 メタルゲラスを召喚し、援護させる ストライクベント AP2000 メタルゲラスの頭部を模した手甲「メタルホーン」を召喚する コンファインベント AP0000 敵の特殊能力、攻撃を全て無効化する ファイナルベント AP5000 メタルゲラスの肩に乗って突進する必殺技「ヘビープレッシャー」を発動する 【オールライダー対大ショッカーの物語】 廃墟にて光夏海と海東大樹の共闘の持ち掛けを拒否して二人に襲い掛かって来た仮面ライダー王蛇と仮面ライダーキックホッパーを妨害の為に仮面ライダーディエンドに変身した大樹にカメンライド ガイで召喚され、同じくカメンライド ライアで召喚された仮面ライダーライアと共に王蛇と交戦した。 【オリジナルの龍騎の物語】 明林大学のに所属する学生でハッカーでゲーマー「芝浦淳」が変身する。気弱で従順な性格に見せかけ、現実のバトルロワイアルを行うクラブ「マトリックス」を影で操っていた。天才であるが人間性に問題があり、その賢い頭脳を使いバトルを裏から操ろうとしていた。だが浅倉威=仮面ライダー王蛇が予想外の行動に出たため計算が狂い、王蛇に仮面ライダーゾルダのファイナルベント「エンドオブワールド」の盾にされたあげく王蛇のファイナルベント「ベノクラッシュ」で倒された。死亡後、ガイの契約モンスターだったメタルゲラスは浅倉が複数所持していた契約のカードで王蛇の契約モンスターになってしまう。失敗したが一時、真司が所属するOREジャーナルの乗っ取りも企んだ。 テレビスペシャル「13 RIDERS」では、同じく好戦的で高見沢逸郎=仮面ライダーベルデの仲間である。龍騎とナイトを複数のライダーで追い詰めるが、突如背後から現れたディスパイダーに食われてしまう。劇場版「EPISODE FINAL」には未登場。 【関連するページ】 アドベントカード カメンライド カメンライド ガイ ゲルニュート ミラーモンスター ライドシューター 仮面ライダー 仮面ライダーディエンド 仮面ライダーライア 仮面ライダー王蛇 仮面ライダー裁判制度 仮面ライダー龍騎(平成第3作) 第6話登場ライダー 龍騎の世界