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かわらないもの【登録タグ VOCALOID kaico か 曲 鏡音レン】 作詞:kaico 作曲:kaico 編曲:kaico 唄:鏡音レン 歌詞 (動画概要欄より転載) いつもと同じ街並み 変わらない人の波に飲まれて 昨日までとなにも変わらないくたびれた顔の僕がいる 確かに時は流れて 体は歳を取り それなのに僕は何一つも変われない 繰り返しのような毎日で 大好きだったあの映画で泣けなくなっていた いつの間に僕はあの頃と変わってしまったのだろう 「変わらないものが確かにここにあるのなら 変わっていくことも怖くない」 誰かが言っていた 大切にしてたあの言葉 輝いていた夢 ずっと変わらずここにあったのに 僕は何を探していたのだろう 変わりたくなかった 変わりたいと思っていた 何色にも何色にでも 染まらず染まれたなら 「変わらないものが確かにここにあるのなら 変わっていくことも怖くない」 そう思えたなら そう思えたから コメント 名前 コメント
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人でないもの ◆UbXiS6g9Mc 草木も眠る丑三つ時――僅かな街灯の他には光も音もなく、ただそこに暮らす人々だけが消失してしまったような、無機物となった市街。 静寂に包まれた街で、たった二人だけ、動く存在があった。 我妻善逸とレゼ。死滅跳躍という殺戮の儀式に招かれ、ほんの数時間前に出遭い、行動を共にすることになった二人。 「――で、俺はそこでこう言ってやったわけだよ。『禰豆子ちゃんには――指一本触れさせねぇ!!』ってさ! いやー、レゼちゃんにも見せたかったなぁ、あの俺の勇姿をさぁ。炭治郎も禰豆子ちゃんも感激して喜びの涙を流しながら俺に礼を言って……」 「へ~~~、すごいねぇゼンイツくん。かっこいいなぁ。あこがれちゃうなぁ」 「へへへへ! まだまだレゼちゃんには聞いてほしい話があってさ――」 ひとまず行動を共にし、互いの探し人を見つけるために市街を探索しよう。そう提案をしたのは、それに頷いたのはどちらだったか。 それから数時間――探索の成果は出ず、レゼと善逸の二人は他の参加者の誰とも出会うことなく無為に時間を過ごすこととなってしまった。 そしてその間ずっと。レゼが聞かされていたのは、善逸のひとり語りだった。 最初こそレゼも真面目に聞いてあげ、善逸のために相槌を打ってあげていたのだが、停止ボタンの壊れたラジオのごとくとめどなく際限なく無限に続く自慢話に、いい加減レゼも辟易してきたところだった。 そもそも善逸の話すことがすべて真実なのかどうかすら疑わしくなってくる。 レゼを騙すために嘘をついているようには見えないが、あまりに自分を美化した語りが続いているのだ。 (ゼンイツくん……悪い子ではなさそうだけど……正直ちょっとめんどくさくなってきちゃったな……) レゼの中にあったわだかまりや本当の願いに気づくきっかけになった善逸に対して抱いた好印象も、長々と続く自慢話のせいでプラスマイナスゼロほどのところまで後退してしまっていた。 とはいえ、善逸の話がレゼにとってただのマイナスだけだったかというとそうではない。 善逸の話の端々から、違和感を感じていた。たとえばそれは生活様式であったり、常識であったり。 ソ連の秘密部隊で育成されたレゼも一般的な生活環境で育ったとは言い難いため、それが齟齬を感じる理由なのかとも思った。 だが、違った。善逸が語る日本はレゼが任務のために潜入した日本とは数十年以上も年代が違っていて――レゼが知る”悪魔”とはまた違う異形の存在が――”鬼”が、その日本には棲むのだという。 (ゼンイツくんに話してもややこしくなりそうだから黙っておくけど……私たちは多分、まったく違う世界から集められてる) レゼのいた世界において、悪魔の存在を知らぬ者はいない。 まして人を異形の存在から守る組織に所属するような者たちならば、なおさらである。 だというのに善逸から語られるのは鬼舞辻という者を祖とした鬼の一党に関することばかり。 少なくともレゼと善逸の常識は――世界は、まったく異なっていると考えたほうが自然である。 (だったら……他の人たちも私たちとは違う世界から集められて……私たちが知らない力を持っている可能性がある。それは頭に入れておいたほうがいい) レゼはまだ、この死滅跳躍という儀式において自分の立ち位置をどうするべきなのか決めていなかった。 今の目的は、自分と一緒に逃げようと言ってくれたデンジともう一度会うこと。 だがデンジがどこにいるのかわからない現状、彼と再び出会う前に好戦的な人物と交戦する可能性は高かった。 レゼ自身の高い戦闘力もあり、そうそうやられるつもりもないが、生存確率は少しでも高めておくべきである。 いざとなれば善逸も自分の盾として活用する――そんな冷徹な目論見も胸の内に秘めながらレゼは善逸の話にウンウンと頷いていた。 しかし――善逸の語りは、突如として途切れることになる。 「……ゼンイツくん?」 「シッ! レゼちゃん、ちょっと静かにして。……聞こえたんだ、こっちに近づいてくる音が」 善逸の並外れた聴力が、何者かの接近を捉えた。 だがしかし、それは――これまでに善逸が聴いてきた音とは違う、異質な音。 善逸の聴覚はどんな些細な音さえも――僅かな衣擦れ、吐息、さらには体内の鼓動すらも聴き分け、人と人ならざる鬼の区別すらも可能にしていた。 その善逸が、これまでに聴いたことがない音――人でも、鬼でもないものの音。 一つの影が、ゆらりと――闇の中から現れる。 そのまま夜闇に溶けてしまいそうな、漆黒の長髪。それとは対照的な透き通るような白さの柔肌。 儚く美しき幽女――妖巫女の怨心より生まれし分魂、カゲメイ。 その美貌に、善逸はしばし気を取られる。 (うわぁ……レゼちゃんも可愛かったけどこの人も綺麗だな……って、駄目だ駄目だ!) 少女が放つ音は、善逸の耳をもってしても幽かにしか聴こえてこない。 放つ音そのものが極めて小さい――人間ならば常に発しているはずの鼓動が。呼気が。少女からはまったく感じられない。 そう、まるで幽霊かなにかのように―― 少女の美貌に絆されかけていた善逸は気を引き締め直し、こちらへ近づこうとする少女へ声をかける。 「そこの女の子! そこで一度止まってくれ!」 善逸の制止の声を、少女――カゲメイは無視した。そのまま善逸とレゼの傍まで歩を進めようとする。 善逸は手振りでレゼを後ろに下がらせる。眼前の少女が何を考えて二人に接触してきたのかは不明だが、こちらの警告を無視して近づいてくる以上、素直に話が通じる相手だとは考えないほうが賢明だ。 善逸は己に支給された刀を握りしめた。善逸たち鬼殺隊の剣士が普段使っている日輪刀とは造りが異なる刀だが、握った感触はそう悪くない。なにか不思議な力が込められているような感覚もあった。 「止まってくれ! 俺は君みたいな綺麗な子に向かって剣なんか振りたくないからさぁ! お願いだから止まってくださいお願いしますよぉ! なんで言うこと聞いてくれないんだよぉ!!」 善逸の涙混じりの決死の懇願、ガン無視。 そもそもカゲメイの意識は最初から善逸には向いていなかった。 カゲメイの視線の先にいたのはレゼ。そのことに気づいたレゼも視線を返し――二人の目と目が合う。 「そう――君も”違う”んだね。私と同じだ」 「…………ッ!」 「違う? え? 何が? おいおいお二人さん、俺を置いて二人だけの世界に入らないでくれよぉーっ!」 妖巫女の魂の分体であるカゲメイは、”たましい”の在り方について鋭敏な感覚を持っていた。 だから出会ってすぐに気づいたのだ。レゼもカゲメイも、善逸のような人間とは”違う”という点において”同じ”だと。 カゲメイが妖巫女の負の心から生まれた人ならざる妖(あやかし)であるように――レゼはその身に悪魔を宿した、人ならざる存在。 故にカゲメイはレゼに興味を抱いたのだ。 「私は今、仲間を探してるんだ。ねぇ、もしよかったら――私たち一緒に、今の世界をさ、壊してしまわない?」 「えぇ~~っ!? なんでいきなりそんな物騒な……ねぇねぇレゼちゃん、もしかしてこの子ちょっとおかしいんじゃない!?」 「ごめんゼンイツくん、ちょっと黙ってて」 「え、あ、はい……」 今までとまったく違うレゼの剣幕に、善逸は一切の口答えもなく黙り込んだ。 ふぅ、と一息を入れた後、レゼはカゲメイへの返事をする。 「……言いたいことはそれだけ? だったら答えはノーかな。 生憎だけど、私には他にやりたいことがあるの。アナタのワガママなんかに付き合ってる暇はないんだ」 「あちゃ~、振られちゃったか。でも、本当にいいの? 私となら……きっと本当に壊せるのに。 薄汚い人間が、私たちを虐げる下種たちが一人もいない、まっさらな世界になるまで――全部全部壊すことだってできるのに」 カゲメイの目的は、人間たちが生きる今の世界を完膚なきまでに破壊してしまうこと。 ――カゲメイの本体ともいえる妖巫女・比良坂命依は、人の願いの犠牲となりその生命を散らすこととなった。 妖巫女としての異能の力を気味悪がられ孤立していた命依は、それでも人に害をなす危険な妖たちから人々を守り続けていた。 だが、とある年――長々と続いた大水害を収めるための人柱として選ばれた命依は、冷たい川の底で短い生涯を終えることとなる。 そのとき生まれた負の心――それが妖となったのがカゲメイなのである。 ただ少し人とは違うというだけで、人は同じ人ですら排斥する。それが妖という他種族ならばなおのことだ。 だからカゲメイは人の世を終わらせる。こんな世界に守る価値なんてないってことを証明してみせる。 「私にはわかるよ。あなたも――虐げられてきた。人間だったら当たり前のことが許されなくて、利用されて犠牲になってきた。 あなたの”たましい”がそう言ってるの。欠けてしまったものがある。ずっと、ずっと――それを取り返そうとは、思わないの?」 「思わないよ」 レゼは、即答する。一瞬の迷いもなく。 「世界がクソッタレだなんて私だって知ってるよ。ぶっ壊れてしまえって思ったことだって何万回だってある。 だけどそれを口にした子からどんどん死んでいったから、私はそれを口にはしなかった。貧相なパンと一緒に飲み込んで、お腹の中にずっと溜め込んでた。 だから私はいつの間にか、それが当たり前だと思うようになった。訓練で得た表情を顔に貼り付けてお面代わりにして、ずっとやり過ごしてた」 「なら、どうして……!」 「私、学校にいったことがないんだ。他にもたくさんしたことがないもの、あるんだよね。 ああ……なんかわかっちゃったかも。私のやりたいこと、世界がなくなっちゃったらできないんだな。 だからアナタの言うことには納得しない。協力もしない。私は、やりたくないことばかりやらされてきたから……これからは、やりたいことしかやらないの」 言い切って、レゼは息を吐いた。対するカゲメイの表情は険しさを増している。 「決裂ね。仕方ないわ」 カゲメイは己の新たな武器であるステッキを握りしめる。 殺し合いの場には似つかわしくない、まるで玩具のような外見。 だがそこに注ぎ込まれる力と放たれる力には十分な殺傷能力が秘められている。 カゲメイは、ステッキを振りかぶり――しかし、そのステッキが振りかざされる前に。 もう一人の乱入者が、目にも止まらぬほどの速度で、レゼへと接近した。 「……っ!?」 まだ少年と言ってもいい体つきに対して、その頭髪は病的なほどに白く。 皮膚はしわがれ、まるで死人のような顔つき。なのにその眼だけはぎらぎらと熱を帯びている。 カゲメイと協力関係を結んだ、最凶最悪の敵(ヴィラン)、死柄木弔―― 全てを崩壊させる悪魔の掌が、レゼへと向けられていた。 カゲメイへと意識を集中していたレゼは、不意の乱入者への反応が遅れてしまっている。 そもそも死柄木弔は個性の収奪を可能とする個性『オール・フォー・ワン』を獲得したことにより、瞬発力や膂力といった身体能力全般が大幅に強化されていた。 故に、この強襲は必中。触れたもの全てを原子レベルに分解する『崩壊』が、レゼの肉体を朽ち果てさせる――はずだった。 「レゼちゃんが黙らせてくれてたおかげで、よーく聴こえたよ。ざらついた、気持ち悪い音がさ!」 レゼと死柄木の間に割って入ったのは善逸。彼はレゼとカゲメイの二人が会話している最中も周囲に異音がないか集中を続けていた。 善逸の人並み外れた聴覚はカゲメイの他にもう一人接近してくる人間がおり、こちらの様子を伺っていることを捉えていたのだ。 善逸の構える刀が、死柄木の掌へと届く。必中の返し手は、これまた必中なり。鋭い斬撃が、死柄木の指を切り離す――その刹那。 死柄木が触れた刀身は――指を落とすよりも速く、朽ちてこぼれた。 「なっ……!?」 慌てて刀を逸らす善逸。幸いにして死柄木の手から離れた刀はそれ以上朽ちることはなかったが、刀身の一部分は使い物にならなくなった。 眼前の怪人が常軌を逸した――それこそ鬼の操る血鬼術のような特殊な力を持っていることに気づいた善逸は、レゼに声をかける。 「ここは俺が食い止めるから! レゼちゃんは早くどこかに逃げるんだ!」 「……逃げて、いいの?」 「いいよ! 言っただろ。どうしようもなくなったら……逃げていいんだ」 「……ゼンイツくんは、一緒に逃げてくれないの?」 「俺だって逃げたいよ。でもさ、どうしようもなくたって……絶対に逃げられないときってあるだろ。 俺にとっては今がそれなんだ。女の子にカッコつけてるときに……逃げられないのが男の子なんだよぉ!」 ふふ、とレゼは笑った。 「それを口にしちゃうのは、ちょっとカッコ悪いかもね」 「でも――そうだね。逃げたいとき。逃げちゃいけないとき。立ち向かわなきゃいけないとき」 「それが――今なら」 ピィン、と善逸の耳元で音がした。レゼの首もと、チョーカーから。ピンが、引き抜かれたピンが、地面に落ちていく。 「ボンっ」 轟音とともに、レゼの頭部が爆発する。 その場にいた三人が唖然とする中――弾け飛んだ肉片が。ちぎれた血管が。 火薬となり。導火線となり。レゼの肉体を再構成していく。人の姿を爆破し、異形の――爆弾の、悪魔の姿となっていく。 「一緒に戦おうよ、ゼンイツくん」 鬼殺隊の剣士、我妻善逸。 爆弾の悪魔、レゼ。 妖巫女の面影、カゲメイ。 最悪の敵(ヴィラン)、死柄木弔。 戦いは今、始まったばかりだ。 【H-3/市街地/1日目・黎明】 【我妻善逸@鬼滅の刃】 [状態]:健康 [装備]:アキの刀@チェンソーマン [道具]:基本支給品一式。ランダム支給品0~2 [思考・状況] 基本方針:死なない。獪岳に事の真相を確かめ、自分のやるべきことをやる 1:レゼと共にカゲメイ、死柄木との戦闘を切り抜ける。 2:獪岳のことは自分一人で決着をつける 3:出来れば炭治郎とカナヲとは合流したい。 4:レゼは放っておけない 5:無惨、上弦には警戒。 [備考] ※レゼとの情報交換は一先ず表面的なことに留まっています 【レゼ@チェンソーマン】 [状態]:健康、爆弾の悪魔化 [装備]:なし [道具]:基本支給品一式。ランダム支給品1~3 [思考・状況] 基本方針:デンジに会う 1:善逸と共にカゲメイ、死柄木との戦闘を切り抜ける。 1:マキマには警戒 2:ひとまず善逸と行動する [備考] ※善逸の話を聞いて両者の世界が違う世界だと気づきましたが、詳しい情報交換は行っていません。 【カゲメイ@あやかしトライアングル】 [状態]:健康 [装備]:めっちゃファンシーな魔道具@破壊神マグちゃん [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~2 [思考] 基本:現在(いま)の人の世を終わらせる。 1:できれば仲間にしたかったけど、仕方ないなぁ 2:祭里くんにすずちゃんもいるのかぁ……。ふふっ、どうしようっかな? 3:どうして彼(死柄木)に惹かれちゃったんだろ、私。……まあいいや。 [備考] ※参戦時期は最低でも7巻以降。 【死柄木弔@僕のヒーローアカデミア】 [状態]:健康 [装備]: [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品3 [思考] 基本:現在(いま)の何もかもを壊す。 1:緑谷出久、お前は俺が壊してやるよ。 2:トガのやつ、無事だろうな。 3:こいつ(カゲメイ)は利用する。 4:――俺は先生の道具じゃない。 5:『面白いことになったじゃないか、それに彼女(カゲメイ)は興味深い』 [備考] ※参戦時期はタルタロス襲撃後。 ※個性『崩壊』の制限や、宿っているAFOの個性等に関しては後続の書き手におまかせします。 『支給品紹介』 【アキの日本刀@チェンソーマン】 我妻善逸に支給。天使の悪魔の能力によって人の命を素材に作られた刀。 触れることができないものを切断する、触れずとも振るだけで対象を絶命させるといった特殊な能力を持つ。 前話 次話 迷宵 投下順 ひび割れは案外すぐ近く 迷宵 時系列順 ひび割れは案外すぐ近く 前話 登場人物 次話 また会える日まで 我妻善逸 イニシエーション・ラブ また会える日まで レゼ イニシエーション・ラブ と或る逆光のRendez-vous カゲメイ イニシエーション・ラブ と或る逆光のRendez-vous 死柄木弔 イニシエーション・ラブ
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このページはこちらに移転しました 変わらないもの 作詞/148スレ487 子供の頃から 変わらないものそれはとても小さなチンコ 子供の頃から 変わらないもの皮を被った小さなチンコ 大人になって変わったこといっぱいあるけど だけど僕のチンコは変わらない 色は黒くなったけど だけどチンコの大きさ子供のままさ 皮はだいぶ伸びたけど だけどチンコは小さい子供のままさ あ~あオナニー あ~あしたい あ~あ死にたい あ~あ消えたい
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あの時 護れなかったものを 今度こそ ● 月光が空から淡く降り注ぐ。 光の行く末は、深緑の草が伸びきった原っぱだ。 淡い光が、ごく平凡な草原を少しだけ明るくする。 そして、そよ風がさらりと吹くことで草が踊る。 (――厄介なことに巻き込まれたものだねー) 雨ガッパの少女、獅子堂戌子は軽く溜息をついていた。 何故、自分はここにいるのか。 哲学的な疑問ではなく、純粋な疑問だ。 自分は戦いに嫌われた虫憑き、こんな大舞台に呼ばれることはありえない。 加えて、先程まで自分がいた場所はこんな島ではなく、湾岸の街、ホラント市である。 それなのに、いきなり呼ばれて殺し合えと言われて意味がわからない。 現状でわかることと言えば、最後まで生き残らなくては帰れないという簡単なルールだけだ。 (ボクに対しての救済とでも言いたいのか? ふざけるなよ、今更なんだ) 戌子はイライラを込めて、地面に転がった石を蹴りあげる。 考えると、実に今更感、取ってつけたような救済だ。 これまで、多くの戦いに爪弾きにされた戌子はその度に悔しさと怒りに顔を歪めてきた。 戦えず、護れず。何もできない自分が腹立たしかった。 そんな自分にプレゼントされたのがとびっきりの厄がついた殺し合い。 今まで、自分が望んでいた大きな戦いに巻きこまれている。 ――史上最大級に最高で最悪な戦い。 最も、戌子がやることなど決まっている。 この戦いの親玉を潰す。立ち塞がる敵は全て、壊す。 それは、自分が現役であった頃の日常。 現状のトレーナーの自分とはかけ離れた享楽。 無闇矢鱈と殺し合う気は、なかった。 いくら戌子が戦いを楽しむ狂戦士だとはいえ、やっていいことと悪いことの分別はつく。 (願いを叶える、か……。もしも、ボクが最後まで生き残って。願いを叶えることができたなら――) ――キミの背中をもう一度護れることはできるのかな。 言葉の語尾は最後まで繋がれない。 戌子の心に残る幸いがほんの少しだけ、表に現れかけた。 (これ以上、言ったら……ボクは) 口に出してしまったら色々と溢れ出してしまう。 敗北と苦渋に濡れた劣等感を抱えたまま死んでいくのが相応しい身分であるにも関わらず。 (駄目だなぁ、いつまでも未練がましいのだよー) 戌子は“かっこう”との日々を捨て去れない。 あの忘れ得ぬ幸いを取り戻したいと願ってしまう。 (……切り替えないとなー。ボクには届かない場所なんだから) これ以上、感傷に浸っていると自分が駄目になりそうだ。 戌子は無理矢理、過去を追い出して今やるべきこと、自分のいつも通りの行動パターンを思い出す。 戦士としての獅子堂戌子でなく、トレーナーとしての獅子堂戌子の仮面をつける。 (さてと。ひとまずは、いつも通りにいこうじゃないかー。 鯱人がここにいるのならば、絶好の訓練場として利用できるのだがねー。 戦いに見初められているアイツならば、きっといるだろう) 優先的に捜す対象として、塩原鯱人を入れる。 こんな戦闘狂にお誂え向きのパーティーに彼が呼ばれていない訳がない。 鍛えなければ、戦いこそが生きる意味だと言わんばかりの狂人に仕立てあげなければ。 そうしなければ、自分は――。 「……早速、始まってるみたいだねー。喜んでいいんだか、悲しんでいいんだか-」 途中で思考が止まる。それは彼女の第六感が告げる殺気の渦。 さほど遠くはない場所にて察知した戦いの音色が、戌子の顔を笑顔に染め上げる。 戦いは、生粋の狂戦士である獅子堂戌子を導く何よりの目印だ。 そして――。 「戦いが、ボクを呼んでいる」 ――彼女の生きる理由が、護りたいものが、其処にある。 戦いこそが、獅子堂戌子の根源なのだから。 ● 静寂。音無き草原に影が二つ。 影の一つは黒髪の少年だ。 英字のロゴが入った白のTシャツの上に黒のジャケットを羽織り、ちょっと色が煤けたジーンズを履いたラフな服装である。 そして、一般成人男性よりも小柄で、筋肉質な身体が着ている服の上からでもわかる。 そんな何処にでもいそうな普通の顔立ちな少年が唯一目立つ部分といえば、頭に巻いている白のバンダナだろう。 少年――飛場・竜司は荒い息を断続的に吐きながら拳を前に突き出していた。 「どうして」 飛場が問いかけた先には、もう一つの影の持ち主である女性が悠然と立っていた。 女性――伊達・成実は、飛場よりも少し背が高く艶やかな黒髪をそよ風になびかせる。 何と言っても目立つのは四肢が機械でできていることだ。 ゴツい義足、義腕は見目引くのに十分だが、飛場にとっては特に珍しく無いものなので口には出さない。 いい男というものは落ち着いていなければならないのだ。 飛場はなるべくクールにさらりと第一声を口にする。殺し合いについてどう思っているんですか、と。 「どうして、その服装はエロいんですか! 最っ高ですね、出来ればずっと見ていたいです!」 ――でも、それよりもエロい服装なことを聞く方が先決ですよね! 飛場は突き出した拳を天高く上げ、その場で小躍りをすることで喜びを示す。 ややエロ少年の渾名を付けられている飛場は、エロには敏感なのである。 成実が身に付けたドレスは胸元が大きく開き、豊満な二つの突起が大きく顔を覗かせるといった最高に露出が決まっている仕様だ。 これだけでも素晴らしいというのに、神は更なるエロスを与えてしまった。 このドレス、脚や尻が丸見えなのだ。それはもう、エロい妄想を実現させたかのような露出度である。 「やっぱり時代は姉キャラかもしれません! でもでも、僕の一番は美影さんなので! そこの所は勘違いしないで下さい! ああ、美影さんにも着せたいなぁ――!」 飛場は思わずシャッターチャンス! と叫んで指で作った四角のフレームに成実を入れる。 純粋に気持ち悪い。成実は彼を視界に入れないようにすることを決めた。 「……答える義理はないわ」 「ひどい! そのエロい衣装の秘訣を聞こうと思ったのに――!」 「…………貴方、頭は大丈夫?」 「もっと罵倒された! テンション上がりすぎでしたかね……いやあ、反省です」 最初の遭遇者がこれとは自分の運が無い。 成実は冷ややかな視線を送りながらも一歩、足を前へと進める。 両腕を後ろへと動かし、何かを取り出そうと――。 「――やっぱり、貴方はこの殺し合いに乗り気なんですね」 「……あら、そんなことは」 「ありますよね。すいません。僕一般人じゃないもので、そういうのにはちょっとだけ勘が働くんです」 それまで、ドレスの露出にはしゃいでいた姿とは打って変わり、双の拳を前へと構えて飛場は地面を強く踏みしめる。 「――知らなければ、楽に逝かせてあげたのに」 「……っ」 瞬間、成実の姿が掻き消える。 それは、雷を想起させる速度で、一瞬だった。 飛場は首筋に疾走るであろう斬撃を察知、横に大きく跳ぶことで回避。 自分が数秒前までいた場所では成実の右手に携わっている刀が空を斬っている。 殺気に気づいていなかったら即死だった。手加減をしたらやられる。 鋭すぎる一撃は飛場の余裕を吹き飛ばす。 「何故です! 貴方は!」 何故だ、と。彼は問う。 このような殺し合いに成実が乗った理由など彼自身には関係ないのに。 きっと優しい少年なのだろう。 成実は顔を少し歪めながらも、刀を振るうことを止めなかった。 ただ、斬るだけ。今の自分は人を殺すことだけを考えればいい。 「……別に、何でもいいじゃない」 だから、答えを返さなくてもいいはずなのに。 無視を決めつければいいのに。 「私と貴方は敵。それ以上でもそれ以下でもない。敵と話すことなんてないでしょう?」 まだ覚悟が定まり切れていないのか。迷いを置き去りにできないのか。 なればこそ、覚悟を決めるべく殺そうと刃を振るっている。 「ありますよ! 言葉を交わさないで人の気持ちなんてわかりません。 貴方がどんな理由で殺し合いに乗ったか、僕が協力することで乗らないで済むのなら」 真っ直ぐに自分を見つめてくる飛場が覚悟を鈍らせる。 加えて、刃を潜り抜けて飛んでくる拳が速い。 いつまでも、迷いの重さに縛られると此方がやられてしまう。 「――貴方に手を伸ばしたい。その為に貴方を倒さなくてはいけないのなら覚悟を決めます」 「それは無理ね、私は最後まで勝ち残らなくちゃいけないの」 飛場は、防御に徹している事を考えていなかった。 隙あらば、拳で穿つ。未だ未熟の力でも、目の前で苦しむ女性を見過ごせる程、彼は冷たくはない。 横薙ぎに振るった刀を掌で捌き、もう片方の掌で掌底を放つ。 しかし、成実が咄嗟にかざした義腕に受け止められる。 一瞬の停滞、二人が停まった。 「辿り着いてみせます、貴方の元まで」 「辿り着く前に、死んでしまったら意味は無いわよ?」 再開。刀と拳が小刻みなリズムを鳴らし始めた。 拳が真っ直ぐに飛んでくるのを刀で流す。刀が翻り疾走るのを手の甲で叩き落とす。 捌いて穿って貫いて流して払って真っ直ぐに一閃。 顔と顔がスレスレに近づいて。それは甘いキスをする恋人の距離で。 「貴方の刀は護る為のものじゃないんですか? 殺す事を目的に振るうものではないって僕は思いますけど、ねっ!」 「そうよ、私の力は大切なものを護る為。別に目的を履き違えている訳ではないの」 交錯。立ち位置が入れ替わる。拳と刀が一つ、二つぶつかり合う。 だが、お互い決め手とはならず一旦距離をとった。 飛場は強く地面を蹴り出して、後退。 そのまま、加速をしながら成実の周囲を駆け抜ける。 疾走る、疾走る、疾走る! 両の脚が張り裂ける程の力を込めて、飛場は大地を踏む。 「貴方にも護りたいものはあるでしょう? ……私は護れなかった。救いきることができなかった。 でも、願いを叶えることで、救われるかもしれない、間に合うかもしれない、護れるかもしれない。 だから、私はその“可能性”に乗ったのよ。ね? 冴えたやり方でしょう?」 「……っ! 護りたいものを救う為に多くの血を流してもいいんですかっ!?」 「ええ。これは私のエゴ。勝手な理由。其処に正義なんてないの」 爆発的な加速を生んだ飛場の身体が成実へと跳んでくる。 そして、加速を伴い真っ直ぐ振りぬいた拳が成実を襲う。 「それと、馬鹿正直過ぎるのよ。貴方」 「そう思いますか? なら、観察不足です!」 「……!?」 拳は成実へと届かない。 何故なら寸前、飛場は拳を収め、成実の横をすり抜けたのだから。 そして、掌を呆気にとられた成実へと手を伸ばし、 「たまにはお尻から触るのもいいですよね! いつもは胸からいく僕ですが、趣向を凝らすことを忘れません!」 「……ひゃっ」 成実の尻を優しく揉み上げる。 エロゲならば、もにゅもにゅと効果音が出ただろう。 素晴らしき哉、人生! 飛場の顔が幸福感で埋め尽くされる。 「こ、の、破廉恥! 変態!」 「ちょ、刀はヤバイですって――――! 死にます、僕普通の人間なんで死んじゃいますって――!!」 「死になさい! ああ、もう! イライラさせるわね、まったく!」 顔を種に染めながら成実は刀を強く振り上げて、袈裟に落とす。 それは、幸福感から絶望感へと一気に突き落とす斬撃。 刀は、飛場の身体スレスレを通り抜け、地面へと痕を残す。 「はぁ……本当に疲れるわ。さっさと帰らないと政宗が……!」 「――その人が、貴方の護りたいものですか」 「…………勝手に解釈すればいいじゃない」 「政宗さんは、貴方が人を殺すことを望むのですか? 貴方が命を賭けることを。沢山の屍の上に立つことを」 「……ッ! 望む訳、ないじゃない! あの子は誰よりも優しいの! きっと、とっても悲しむわ! だけど、だけど……っ!」 目を見開き、ほんの少しの涙の粒を瞳に溜めて。 ――――伊達・成実は今度こそ、迷いを置いて駆け出した。 自分の迷いが追いついて、刀を鈍らせないように。 「少し、おしゃべりが過ぎたわね。無駄話をしている暇はないの。私は一刻も早くあの子の元へと帰る、それだけよ!」 「此処で、僕が止めます。貴方の元まで必ず、辿り着く!」 「無理だって言ってるわよ! そういえば、聞き忘れていたわね! 護りたいものは貴方にもあるのでしょう!」 「ええ、ありますよ! 大切で、世界の全ての敵から護りたいと願うものが! 絶対に護り抜くと誓った約束が!」 「同じね――――! 約束の重みを知っている貴方なら、私を否定出来ないはずよ! それとも、貴方は護りたいものを! 約束を護れる力を持っているのかしら!」 穿ち、貫く直線の刺突を紙一重で躱し、飛場は尚も続く連撃を捌き続ける。 右から来る袈裟斬りを掌底で受け止める。流れるように繰り出された斬り上げを顎を引くことで掠り傷に留めておく。 飛場は、切り上げからそのまま突き出された刀を右手の甲で横に押し出して、左の掌を真っ直ぐに解き放つが、再び義腕に阻まれる。 だが、今度は停滞しない。飛場は、止められることがわかっていたと言わんばかりに足刀――廻し蹴りを放つ。 成実は咄嗟に横に跳び、衝撃を軽減させる。 「僕は、護れませんでしたよ……! 大切な人は、目を覚まさない! 交わしたはずの約束は今も果たせていない!」 「なら、勝ち残って目覚めさせたいと! 勝ち残ることで約束を護れるぐらいに強くなりたいと思わないの!」 「思いますよ! 美影さんが人並みの幸せを享受でき、美樹義姉さんの孤独を打ち払えるなんて最高ですよ! 僕が考える限りは最高の結末で、それが叶うなんてたまらないですよ!」 再度、接近して拳と刀、言葉の交錯を繰り返す。 もはや、互いに遠慮なんてない。 思ったことを、貫きたい意志を自分の武器に乗せて伝える相対戦だ。 「でも、嫌なんです! 大切な人を護る為に、他の人にとって大切な誰かを奪うことが! 僕みたいな思いをする人を増やすのは、絶対に違う! そんなの、悲しすぎる!」 「――理想論ね。世界はそんなに甘くない」 「でしょうね。ですけど、僕は信じたい! 抗い続ければ、いつかは理想が現実に追いついてくれるって!」 骨と肉を砕く蹴撃には骨と肉を断つ斬撃を。 未来を護る掌底には過去を護る刺突を。 同じく、護りたいものがある戦士達は自らの手を休めることはしない。 其処に、引けない思いがあるから。 この胸には誓いを、溢れんばかりの過去と未来を。 だから、互いに負けられない。 「――貴方は似ています。僕の義姉と。美樹義姉さんと。何もかもを一人で抱えて。誰かに手を伸ばすことをしない。 どうして、貴方は孤独を貫くんですか!? 貴方の思いを知って、支えようとする人はいるはずです! 貴方の苦しみをわかっている人に手を伸ばしても、いいじゃないですか!」 「今更、よ……っ! 私はもうこのままで固まっているの! 手を伸ばすには遅すぎるのよ――――!」 「うんうん、両者言いたいことはわかるぞー。でも、ちょっとストップしてほしいんだー」 「誰……!?」 その脳天気な声が割り込んで来た時、成実の目に映ったのは飛場ではなかった。 ホッケースティックを大きく横にフルスイングしようとしている雨ガッパの少女――獅子堂戌子が粘ついた笑みを浮かべ、其処にいる。 ……いつの間に!? 考える時間は秒すらなかった。自分の戦闘センスを信じ、成実は振り下ろしていた刀を上げて、横に構える。 鉄光の一閃が大きな金属音を草原に響かせた。 戌子の体格に似合わない力強い一撃は、成実を後方へと吹き飛ばす。 「見る限り、キミはこの狂った戦いに乗り気のようだねー。少し、話を聞かせてもらってもいいかなー?」 「冗談じゃないわ。お説教なら間に合っているの。後は、御二方で仲良くしたらどうかしら」 「そうはいきません。貴方を逃がす訳にはいかない」 「あら、序盤から消耗は馬鹿のすることだと思わない? 悪いけど、逃げさせてもらうわ」 「ほほー。キミはボクから逃げれると思っているのか? 舐められたものだなー。実に腹立たしいよ」 戌子は首にかけたゴーグルをかけ、ホッケースティックを軽く振る。 その行為は、戦闘開始、これより先は血の雨が降るのと同意義。 口を釣り上げて、凄絶に宣言するのは――殲滅の証。 「“あさぎ”はこれより殲滅態勢に入る。精々、身体の原型が留めるまでは抗ってほしいものだ」 【時間:1日目 深夜】 【場所:G-03 草原】 【飛場・竜司@終わりのクロニクル】 【持ち物:不明支給品2つ 、水・食料一日分】 【状況:健康】 【備考】終わりのクロニクル6(下)以降からの参戦 【伊達・成実@境界線上のホライゾン】 【持ち物:リュータの日本刀、不明支給品1つ、 水・食料一日分】 【状況:健康】 【備考】境界線上のホライゾンⅣ(中)からの参戦 【獅子堂戌子@ムシウタ】 【持ち物:ホッケースティック、鉄分入りの飴×6、水・食料一日分】 【状況:健康】 【備考】鯱人と同じ時期から参戦 【リュータの日本刀】 リュータ・サリンジャーが使う日本刀。 業物間違いなしと言わんばかりの活用度。 【鉄分入りの飴×6】 獅子堂戌子が生きる上で欠かせない飴。 虫の能力を使って消耗した身体を抑えるのに使う。 ・――夢は向こうから歩いてこない。 投下順 トリガー・セット ・――夢は向こうから歩いてこない。 時系列順 トリガー・セット
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こんなこと、もう忘れてしまいたいのに。 + ××× ローズには、×××というたった一人の親友がいました。 ×××は、ドルチェでありながら能力を持っておらず、周りから気味悪がられ、酷いいじめを受けていました。 「私が×××を守ってあげなくちゃ」 担任の教師にすら見放されてしまった彼女を、ローズは一生懸命に庇いました。 そのせいでローズまで友達を失ってしまいましたが、それでも、ずっと。 ずっと守りました。 いつかこんな日々が終わってくれると信じて。 + 行方 ある日、×××は学校に来ませんでした。 きっと体調を壊してしまったのだろう。ローズは少し寂しく思いながら、×××の体調が早く良くなりますように、そう願いました。 しかし、次の日も、その次の日も、×××はずっと学校に戻ってきませんでした。 心配になったローズは、家に寄って様子を聞こうとしましたが、×××が親にすら嫌われていることを知っていたので、×××の親に会うことを諦めてしまいました。 ×××が姿を見せなくなって少し経った頃、たくさんの幼い子供達が誘拐されている、というニュースを耳にするようになりました。 大人達が必死で探しましたが、犯人はおろか、居場所すら見つかっていないのです。 きっと×××も誘拐されてしまったんだ。 そう考えた彼女はある日の下校途中、人気のない路地裏を見つけ、そこから×××を探してみることにしました。 もしかしたら×××を攫った誘拐犯がまたここに来るかもしれない。 自分も同じように誘拐されれば×××に会えるかも。 そう信じて、何日も何日も探し続けました。 + ……… そうしていたある時、一人の男に声をかけられました。 __君が探している子の居場所、知ってるよ。案内してあげる。 ローズは一瞬ためらいましたが、また×××に会えるなら、とその男について行きました。 …… 男に連れて行かれた先で彼女が見たもの。それは地獄さながらの景色でした。 拘束されている同じくらいの歳の子供達。 性的な暴力を加えられる傷だらけの子供達。 これから誰かに買われていくのであろう比較的綺麗な子供達。 そして、その中に×××の姿もありました。 ローズは×××のもとに駆けようとしましたがら、後ろから先程の男に掴まれてしまい、あっという間に皆と同じように拘束されてしまいました。 陵辱され、抵抗すれば暴力を振るわれる。そんな日々。 それでもローズは、×××の事を守ろうとしていました。 拘束具のせいでまともに移動すらできなくても。自分が痛めつけられても。 せめて、せめてその行為が×××ではなく自分に降りかかってくれれば…。 …………それでも、ローズの願いは届きませんでした。 + ... …ねぇ、なんだか今日は大人達が慌ただしいね。 …カトラリーの襲撃…?そっか… … …×××は、ここの子達を逃したいの? …うん…良いんじゃないかな…… …私達以外、みんな死んじゃった… …でもようやく×××が私の隣に戻ってこれたんだもん。私は幸せだよ! …新しい名前を考えて欲しい?忘れちゃったの? …元の名前も好きだったんだけど… …うーん…スュセット、なんてどうかな? …あ、気に入ってもらえた?へへ…嬉しいな …このヘアピン、だいぶ傷んじゃってるけど、せっかくスュセットに貰ったものだもん。変えたくはないな。 …スュセットのとお揃いだしね! …ちょっと!その腕、どうしたの…? …自分でやったの…? …もう!自分の体は大切にしないとダメでしょ!! …見て見て!このナイフとフォーク、可愛いでしょ? …ヘアピンの御礼にって。良かったらお揃いで一緒に持たない? …もう私達はカトラリーなんだから… …はい、スュセットにはナイフ!うん、とっても似合ってる! …私のやってる事はぜんぶスュセットの為なんだよ。 …スュセットがもう何も苦しまないで生きていけるように、ってね。 ………… …ダメだよ…… …私の能力を使って、だなんて…… …絶対に…ダメだよ… …例えそれが私でも… …これからもずっと、一緒にいてくれる? Re:忘れたいもの
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次のものは、ありません。 個人商店 城攻戦 ドア 贖罪 修理 クエスト 釣り クッキング PKカウントペナルティ ほとんどのNPC ホームタウンシステム カルマシステム アジト ピンクネーム マジックドール ヘル 雑魚モンスターのHP/MP自然回復 完璧な動作
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季節限定品。フロアアイテムの他に、特定のキャラからのプレゼントやポストから入手可能なものもある。 2009年9月現在(19) 名称 買値 売値 効果 アイテム点 さつまいもパン - 35 おなか110回復 満腹時にはおなか最大値3UP チョコ - - ちからが5上がる(2007/2008/2009年2月14日バニーから) - ゲルダのチョコ - - ちからが50上がる(2007/2008/2009年2月14日ゲルダから) - ジャムパン - 35 おなか100回復 そのフロアで防御力アップ ゲルダのケーキ - - おなか満腹? そのフロアで生き返る(2007年12月ゲルダから) - ゲルダのチキン - - ちからが50上がる(2008年12月11日~ 聖夜のごちそうゲルダから) - おイモ - 25 おなか60回復 満腹時にはおなか最大値2UP 焼きイモ - 50 おなか110回復 そのフロアで攻撃力アップ みかん - 25 おなか50回復 そのフロアで眠らない いちご - 25 おなか50回復 満腹時にはおなか最大値1UP 氷いちご - 30 おなか50回復 レミーラ スイカ - 35 おなか60回復 最大HP3アップ 冷えたスイカ - 40 おなか100回復 最大HP10アップ 聖なる杖[25] - 75 25ダメージ(2006年12月25日クリスマスプレゼント) 花火の杖[87] - 75 25ダメージ(2007年8月10日一周年プレゼント) クラッカー[25] - 75 25ダメージ(2007年12月25日クリスマスプレゼント) みずでっぽう[72] - 75 25ダメージ(2008/2009年8月4日2周年プレゼント) 雪だるまの杖[25] - 75 25ダメージ(2008年12月25日クリスマスプレゼント) お年玉 - 2009 所持してトルネコと話すと2009G入手、売却も可能(2007/2008/2009年1月) 今日 - 合計 -
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迷子のうさぎ規約っぽいもの ここではFrontierギルドの規約を載せています。 きちんと守って楽しく遊びましょうw また、外部お客様は入団等の参考にされてください。 Ⅰ. 出入りのあいさつ これをしっかりしないと、どこでも通用しません( _ )! お話が苦手な人も『こんにちは』『落ちます』『またね』くらいは言いましょうw タイピングが苦手な人は『あ』や『う』等を初めに打ち込んでくれれば、 みんなが聞く体勢になりますよw 仲良くしたいですからね♪(*^ω^*) Ⅱ.誰にでも優しく! クレクレ君などの嫌な人との遭遇でも、紳士的淑女的な対応しましょう。 もちろん、こちらからの迷惑行為は絶対ダメッ (乂ω′) Ⅲ.オンラインゲームのルールを知りましょう それぞれ見知らぬ人たちが同じゲームをしています。 全体チャットは控えて、放置する際は空いてるchを使いましょう。 Ⅳ. 長期のログアウトは報告する 2週間以上入れない場合はマスターへ報告してください。 掲示板への書き込みでもいいし、マスターへのメールでも∑d(≧▽≦*)OK!! Ⅴ.脱退について 連絡なしに長期間ログインが確認出来なかった場合、又は みんなが楽しく遊べる場が作れない人に限り脱退を余儀なくいたします。
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このページは 2008/08/12 ~ 2008/12/30 の小史っぽいものっぽいものを公開しています。 最新の小史っぽいものっぽいものはここにあります。 日付 時刻 内容 2008/08/12 (火) 12 00 00 GPP開発開始。 2008/08/13 (水) 10 01 00 開発者募集開始。 2008/08/24 (日) 12 00 00 開発者募集終了。 2008/08/25 (月) 06 58 59 合格者発表。(16人応募。内13人が合格) 2008/08/31 (日) 15 01 頃 本格的な開発スタート 2008/10/27 (月) 04 04 32 subversionでバージョン管理をし始める。(rev.1) 21 34 09 クライアント側で個人情報の保持が出来るように一応した。(rev.2) 2008/10/28 (火) 00 38 09 キャラクターのふきだしの実装を始める。(rev.4) 2008/11/0* (?) キャラクターやそのふきだし自体のシステムは仮完成。 (rev.10~15) 2008/11/16 (日) 18 19 44 初期化からLoginへ切り替えれるようにした。(rev.20) 2008/11/1* (?) Login画面を作りこみ始める。(rev.21~23) 2008/11/19 (水) 01 05 28 Login画面が重いので自動負荷調節が出来るようにした。(rev.24) 2008/11/20 (木) 23 35 56 Login画面の負荷調節情報を保持し、2回目以降は負荷が最適化されるようにした。(rev.26) 2008/11/24 (月) 22 50 頃 ログインシステムを内部的に実装。外部ファイルに委託するように4割位仕様変更。(rev.28) 23 58 頃 気が向いたら適当に進行状況を書くことにした。 2008/12/01 (月) 21 45 51 Login画面のパーツ配置を外部ファイルで弄れるようにした。(rev.31) 23 46 27 Login関係のクラスを軽量・最適化し、動作を軽くした。(rev.32) 2008/12/02 (火) 18 47 17 xmlで初期化するときの処理を最適化。(rev.33) Loginでチェックボックスの実装、情報を保存するかの設定と雪の最大数制限設定を追加。(rev.33) 22 04 52 Loginでボタンの実装、ログインボタンの表示・切り替えエフェクト切り替えまで実装。(rev.34) 2008/12/03 (水) 18 20 頃 たまにはグラフィックも、と言うことで 夕凪のロゴ を作ってみた。 23 08 03 Loginモードクラスから何か別のモードクラスに処理を移行する処理を実装。(rev.35) 2008/12/09 (火) 00 45 頃 Chat画面で使用するウィンドウ管理システム「FLightWidgets」(誤字じゃないよ)を設計し始める。 23 44 50 FLightWidgetsの デフォルトスキンのウィンドウ自体のみのスキン を適当に作った。 2008/12/13 (土) 12 30 頃 BGM視聴ページ に黒魔の新曲3曲+修正1曲を追加 2008/12/18 (木) 16 00 頃 Flash CS4(体験版)を製品版が来る前に導入。一部のコードを修正。妙にCS4は重い。 22 15 頃 BGM視聴ページ にキュバンの新曲1曲+αを追加 2008/12/19 (金) 19 00 12 一部のソースをArrayからVectorに変更(これにより一部高速化) (rev.40) 2008/12/20 (土) 15 30 頃 Flash CS4 ktkr 15 40 頃 写真を撮ってしまった (公開は17 00位) 今流行の Wonderfl に 10分くらいで仕上げた処女作を投稿してみた 2008/12/25 (水) 01 34 19 FLightWidgetsでのWidget初期化処理の内、全パターンのフレームを作成する処理が完了 2008/12/28 (日) 11 55 51 FLightWidgetsでの初期化の処理がほぼ完成。Widgetの移動が出来るようになった。(rev.45) 2008/12/30 (火) 06 20 17 Widgetのサイズ変更が出来るようになった。ただし、下限無し。(rev.46)
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かわらないもの 正しい価値観とはなんだろうか。 例えば、殺し合いをしろと言われたとする。 許せないと逆らうのが正しいのか。 死にたくないと殺し合いに乗るのが正しいのか。 どうしようもないと諦めるのが正しいのか。 どれが正しいかなど、一概には言えないだろう。 実際、何が正しいなどわからなかったのだから。 というより、正しい価値観などないのかもしれない。 少なくとも、大事なものが自分には欠けていたのだから。 それをわかろうともしなかったのだから。 ◆ ◆ ◆ 目の前には、そこにあるのには似つかわしくないものだった。 陸上にあったのは海賊船……船体は地面に埋まっていて安定はしている。 だが、少なくともこれを取り出して海に出るなど出来そうもない。 「……」 そもそも、この船を動かせたとしてそれをプロデューサーは見逃すのだろうか。 いや、見逃すわけがない。 私たちは今、捕らわれているのだから。 この、首輪によって。 自由に動けるには動けるが、不自由が生じる。 不自由の自由、とはこういうのを体現するのだろう。 一歩間違えれば、命が尽きてしまう。 (本当なら、怖いとも思っていなかったはずなのに) 自分はすでに、命を捨てようと思っていた。 それを、一人の手によって崩されたのだ。 その行動だけでなく、意思さえも。 現に自分はこの場で生きようと足掻いている。 生きた証を残せる手段が手元に戻ったとして、死んでもいいとは思えないだろう。 一緒に基礎を築いていった765プロのメンバーも。 シアターを開始すると言った際に入ってきた新人の人も。 勿論、プロデューサーも。 皆と一緒に帰りたいと思ってしまったのだから。 それがほぼ不可能だとわかっていても、追ってしまう。 ふと、考える。 もし自分が歌のことしか考えていないときに、こういうことになっていたらどうなっていたのか。 少なくとも、今見たく足掻こうとは思っていなかっただろう。 それか、最悪自分が他の人を殺しに回っていたかもしれない。 (……変わってしまったわね。 良くも、悪くも) 少なくとも、他人に対して気を使えるようにはなった。 それと同時に、何かひとつに対しての執着を失った。 いや、失ったわけでは、ないはずだ。 今でも歌は自分を支える大きな部分だ。 だが、そこに他の人が入り込んできただけだ。 それが、仲間。 それが、プロデューサー。 例え何が起きたとして、その事実だけは変わりないのだ。 そうなって、今があるのだから。 今の自分を創った皆と、生きたい。 トップアイドルの高みへと、行きたい。 ただ、今はそれだけを願っていた。 ◆ ◆ ◆ 「千早ー、動かせそうだった?」 「最初の予想通り、動かせそうにないわ。 少なくとも船体が地面に埋まっている時点で期待はできないもの」 時間が過ぎ、今は甲板で二人で話をしていた。 恵美はこの船の中に何かがないかの調査を。 千早はこの船を動かす方法などがないかの調査を。 実際、千早は早々に無理と割り切って調べるのをやめていたが。 そんなことを恵美が知るわけもなく、船内を調べ上げたその纏めを言い上げていく。 金ぴかの財宝のようなものはあるが、他には何もない。 武器や情報などもないのか調べたそうだが、成果は上がらなかったそうだ。 せいぜい役に立ちそうなものは保存庫にあった干し肉くらいだろう。 他にもなぜかワインなどがあったが、千早も恵美も酒が飲める年齢ではない。 結果として時間と引き換えに手に入れたものは食料のみという話だった。 強いて言うのであれば、海賊船にこれ以上探せそうなものはない、くらいの情報が得れただけ。 結局は何も得れていないのと同等である。 「ま、仕方ないかな……支給品のほうも強い武器なんてなかったしさ、千早は?」 そう言われ、支給されたバッグを見る。 だが、少しだけ黙り込んでしまう。 あまりどころが、完全にハズレだったからだ。 「ただの、プラスチックのスティックよ……何に使えそうもないわ」 そう、千早が確認して出てきたのは黒色のプラスチックだった。 それも手のひらに包めるくらいの小ささだった。 これが武器として使えるわけでもなく、情報をもたらすわけでもない。 こんなただのスティック1本で何ができるのだ。 「うーん……そんじゃここら辺じゃ手詰まりかなー……誰か他の人と会えれば違うんだけど」 実は殺し合いが開始されてから開始から2時間以上経っているはずなのに、誰とも会えていない。 自分たちで見つけられる情報などたかが知れている。 だからこそ他の人との協力が必要、なのだがそれができていない。 「……まぁいいか。 行こう、千早」 「――――はい」 その事実は千早に精神的に焦りを生まれさせていた。 だが、千早にはかすかな違和感を感じ取った。 所恵美も、何か焦っているような感じがすると。 判断したのは声色くらいだから断定はできない。 いや、声色でしかわからなかったのだろう。 恵美は気丈に振舞っているが、焦っている気がする。 隠そうとしている所で声色に出たのだろう。 (……いいや、信じるしか、ないかしら) だが、結局は何もできない。 恵美に対し何かを言っても、丸め込まれるだろう。 恵美を心配しても、やんわりと避けられるだろう。 だから、自分ができることは、追い詰められていかないようにするだけだ。 結局は、何も起きないようにと祈るしかなかった。 それが、かわらない『彼女』の弱さだった。 【一日目/午前/H-5 海賊船】 【如月千早】 [状態]健康 [装備]なし [所持品]支給品一式、プラスチックのスティック [思考・行動] 基本:最後まで諦めない。皆で脱出する。 1:仲間と合流するため、恵美と共に行動。 【所恵美】 [状態]健康 [装備]灰皿 [所持品]支給品一式、ランダム支給品(0~1) [思考・行動] 基本:最後まで諦めない。皆で脱出する。 1:仲間と合流するため、千早と共に行動。 2:自身に疑問と、嫌悪。 【プラスチックのスティック】 如月千早に支給。 手のひらサイズの黒色のプラスチックスティック。 千早はこれを見てすぐに見なかったことにした。 伝説のはじまり 時系列順に読む 深淵に咲く花 伝説のはじまり 投下順に読む 深淵に咲く花 眠り姫 如月千早 The Trojan Horse 所恵美 ▲上へ戻る