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2021年10月13日 出題者:金剛石 タイトル:「無知の知」 【問題】 日本人の殆どは「それ」を知っているのに、口に出そうとすると殆どが全然知らない。 「それ」とは何? 【解説】 + ... あなたは「ねこふんじゃった」を正しく歌えますか? 公式生配信切り抜きチャンネル(ゆいさん) 配信日に戻る 前の問題 次の問題
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アンスピーカブル第一話 「The ignorant」 今回予告 これは、来るべき地獄を前に、 科学が狂い、迷信のよみがえる奇妙な時代で見た つかの間の、病的なる悪夢 おぞましき魔術師と、冒涜的な化け物の手により 死すら死する時を超え、宇宙的恐怖は今まさに目覚めんとする 彼の目覚めは人類を飲み込み、一夜の恐怖と共に全てを消し去るだろう されど、それを黙ってみている人類ではない!! 忌まわしき企みを砕くため、恐るべき暴力を防ぐため 深遠なる知識をもとに、頼るべき友と共に 彼らはここに集い誓う、 神話的恐怖を克服し、邪神の僕を打ちはたさんと!! D†C 2nd edition weiard age campaign unspeakable 第一話 「The Ignorant ~無知なるもの~」 真理を探し求めるものたちよ! いざ、共に立ち上がり!! 快刀乱麻に悪を断て! プレイレポート (注意、うろ覚えにつき後で編集します) 太平洋上にただよう船の中で、「旧支配者」配下の化け物たちが密談する。 ジークフリート教授、ピースリー教授に誘われて瀕死のウィルマース教授を訪ねる。 夜刀、ラバン教授から「日本にいる協力者」を連れてくるよう指令される。 望月、ラヴクラフトからの手紙を懐かしみ、アメリカへの思いをつのらせる。 家庭に居場所がない超天才犯罪王(仮)、謎の黒猫に誘われるまま地球一週旅行へ。 学生結婚の新妻エマ、幼馴染な夫ロドリゴと過ごしたとある港町での幼き日々を思い出す。 ジークフリート教授、ウィルマース教授との会話でエーテル物理学に興味を示すラバン教授のことを知る。 行く先々で騒動を起こした(らしい)超天才犯罪王(仮)、日本にて巫女をさらって来るよう黒猫にそそのかされる。 望月、軍の秘密兵器失敗作を掃討するよう命令されるも、すでに夜刀が退治していた。 廃工場にて対峙する望月と夜刀、おまけに超天才犯罪王(仮)や帝都神霊庁の役人も乱入する。 夜刀は望月と一戦交えた後、彼女をアメリカへとさそう。望月はそれを了承する。 ついでに黒猫の訴えもあり、超天才犯罪王(仮)を含めた三人と一匹はバイアクヘーに乗ってアメリカへ。 同じ頃、ジークフリート教授はラバン教授を訪問し、エーテル物理学的な脅威を知る。 新妻エマ、ドミニコの親戚に会いにインスマウスへ行くも、不気味な儀式によって死に掛ける。 そこへ颯爽と現れるジークフリート教授とラバン教授。深きものどもを打ち倒してエマとロドリゴを助ける。 後日、関係者が集まり「ウィルマース財団(ファウンデーション)」の設立を宣言する。 GMから色々と ついに始まってしまったアンスピーカブル。最初はキャラクター把握のために戦闘抜きのグランドオープニング…長かったぁ。 こちらの不手際もあり(呪文をとちる深きものたち、そもそも睡眠不足なGM…) ややgdgdな展開ではありましたが、次回以降は……(クックック)
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ハットリ 第1弾 001-キャラカード MP 3 攻撃 9 防御 5 魔力 6 【汚い忍者】「1」「カ」 このキャラへの攻撃を場に出ている味方キャラを身代わりにし、攻撃を回避できる。 身代わりにした味方キャラは墓場に逝き、通常攻撃でこのスキルを発動した場合、相手の攻撃力から身代わりにした味方の防御力を引いた数ダメージを受ける。 差が0以下の場合と魔法攻撃はダメージを受けない。 尚このスキルは行動不能状態でも発動できるが、1ターンに1度しか発動できない。 【忍者COP】「2」「前」 敵陣の後衛に通常攻撃が可能になる。更に後衛攻撃で攻撃力が半減しない。 我知無知カードゲーム第1弾で登場したキャラクターカード このカードへの攻撃を他のカードへと移すカウンタースキルと後衛への攻撃が可能となり後衛攻撃で攻撃力が半減しない前衛スキルを持つ。 MP3のキャラクターの中でも高い攻撃力を持ち、【中村(083)】と並び第2位である ちなみにMP3キャラの中で最も高い攻撃力を持つのは【latte-D(022)】である この攻撃力は【忍者COP】のスキルと組み合わさり相手から見れば非常に脅威である。 前衛後衛関係なく首を締め上げる姿はまさに暗殺者。 またこのキャラへの攻撃を別の自キャラに対象を変更することもできる。 防御力も5とそこそこの値を持っているため場持ちがよい。 ただ、【汚い忍者】を発動する場合必然的に相手キャラの攻撃力は6以上となるので、 防御力の低いキャラに対象を変更するとそれなりのダメージは覚悟しなければならない。 なので【汚い忍者】を発動する場合【ハットリ】より防御力の高いキャラを配置するとよい。 魔力も平均値なので非常にバランスのいいキャラとなっている スキルは後衛攻撃にコストが2かかり身代わりに1かかるが、そもそも発動しない場合も多々あるので他のMP3のキャラと比べるとMP消費率は安くすむ。さすが渋ちんといったところであろうか ただスキルやアイテムカードには何の耐性もないので注意が必要である。 またこのカードのメタカードは多いのでそれらにも注意をしておかなければならない。 ○○の評価するハットリカード 以下名前出してもいい人解説してくれ。
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黒沙都子×白梨花(賽殺し編)からの続き そして、取り押さえている子達は古手さんの着ている体操着を脱がせた。 「ひゃぁぁ!! な、何なのですかー!!?」 そして、全部脱がせて裸にしてやった。 古手さんは、やっぱり泣きそうだった。あはは、いい気味ね。 やだ! やだやだやだ!! なんで、私は裸にされてるの!? 私は押さえる手を精一杯振りほどこうとするけど、そんなことできっこなかった。 そういえば、朝に女子たちが集まって、例のごとく私はその中に入れなくて。 なんだか、お話が盛り上がってたみたいだけど。 もしかして、このための……? そんなことを考えているうちに、北条さんが私の前に来た。 「古手さんってばちびで胸もぺったんこで、かっこ悪いわねー」 そう言って、私は古手さんの胸を撫でてやった。 「……んっ」 あれ……? 手が乳首に触れたら、古手さんは変な声を小さく出した。 なんだろ……もっと触ってみようかな。 「んっ……あっ……」 なんだろ……やっぱり、乳首を触られるのが嫌なの? もっと触ってみよう。 ちょっとだけ、つねってみようかな? 「んぁっ……あぁ……」 やっぱり……。 なんか、変な声をあげて面白い! もっとやってみよっと……。 身体を襲う変な感触のせいで、思わず声が出てしまう。 なんだろ……なんだか、電気が走ってるみたいにピリピリする。 そしてその変な感触は、容赦なく私の身体に連続して流れてくる。 「んぁっ……くっ……」 ダメ。 「あんっ……んくっ……」 声を抑えようとしても、無意識に出ちゃう。 それに、なんだか気持ちいい……。 私は、古手さんの乳首への手を緩めずに触り続ける。 ぷにぷにしたり、つねったり、なぞったり。 そんなことをしているうちに、乳首がなんだか、硬くなってきた。 いったいなんでこんなことになるんだろう。 ……家に帰ったら、自分でもやってみようかな? そんなことを考えているそばで、他の子が驚くようなことを言った。 「なんだかおしっこ出るところが光ってるよー?」 「ホントだー!」 「もしかして、おもらししちゃったのー?」 「かっこわるーい!」 北条さんに乳首を触られているうちに、身体がなんだか火照ってきた。 それに、おもらしっていうのも気になる。 おしっこを漏らしたような感覚はないのに、一体どうなってるんだろう。 「んああぁっ……あぁんっ!!」 身体にまた電流が走る。 北条さんじゃない誰かが、私のおしっこが出るところに触ったみたいだ。 そして、そこを触られて。 私の身体はさらに火照って、気持ちいい感覚も、より強まってきた。 「ひゃあぁんっ……あぅっ! あんっ!!」 古手さんが、高い声をあげる。 私は、それをただ見てるだけ。 でも、古手さんの様子を見て、だんだん私も古手さんのそこを触りたくなってきた。 今触っている子達にお願いして、触らせてもらった。 古手さんのおしっこが出るところには、なんだか変な突起もあったので、それを触ってみた。 「んあっ……ひゃあああっ!!!」 古手さんはより高く喘いで、そして古手さんの立っているところは水溜りが出来ていた。 はぁ……はぁ……。 身体が、熱いよ……。 なんだか、頭が真っ白になっちゃいそう。 さっきから気持ちいいのが止まらなくて、無意識に声が出ちゃう。 そして―――― 「あっ、あんっ、あっ、ひゃんっ!! ひゃぁぁーーーーーーーーー!!!」 今まで出したことも無い位の、自分でも驚くくらいの。 高い声を―――― 「……はぁ……はぁ」 私、どうなっちゃったんだろ……。 なんだか身体がガクガクするよ……。 疲れちゃった……。 古手さんの身体が大きく跳ねて、止まったと思ったら倒れこんじゃった。 本当に、どうなってるんだろ……? 後で自分で試してみようっと。 fin.
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果タシテ、無知トハ罪ナリヤ?(後編)◆qYuVhwC7l. ※ 「そういえばゲンキ君、ちょっと気になる事があるんだけど」 機嫌を完全に持ち直して、嬉しそうにちょこちょこと動き回っていたキョンの妹が突然立ち止まり、ゲンキに振り向く。 「どうした?」 「この本の事なんだけど……最初からずっとこういう風に、新品のままだった?」 「へ?」 少女の言葉の真意がつかめず、ゲンキが思わず首を傾げる。 「とりあえず、最初から綺麗なまんまだったけど?」 「そうなんだ………変なの」 「変って……何が?」 「これって私のディパックの中に入ってたんだよね? 最初に言ったけど、私池の中に落っこちちゃって、その時ディバックもぐしょぐしょに濡れちゃったハズなのに…」 そこまで言われた所で、ようやく彼女の疑問の正体がゲンキにも理解できた。 「本当だ…なのに、中身の本はもちろんピストルだって全然湿って無かったぞ?」 「あと、これも変な感じだよー?」 そう言うとキョンの妹はとことこと落ちていたディパックの一つを掴むと、ついさっきからずっと停泊させてあったバイクの傍へと持っていく。 そのまま、ゲンキに見えるようにディパックをバイクの側面へと押しつけた後に、再びゲンキに話しかけてきた。 「ほら、バイクの大きさとこのディパックの大きさって同じぐらいだよね? 他にも色々な物が入ってるのに、なんでバイクが普通にこの中に入れられたの?」 「い、言われてみれば……何でだ?」 キョンの妹が言うように、ディパックとバイクを交互に見やってそのサイズをたしかめてみるが、明らかに中に詰め込むには苦しいサイズだ。 だというのに、あっさりと中からバイクを取り出す事が出来たのは誰よりも自分が知っている。 何個ものクエスチョンマークを出しているゲンキを尻目に、キョンの妹はディパックを見ながらとある結論を出していた。 「もしかしてこれ、不思議なディパックなのかな?」 「不思議……いやまぁ確かに不思議だけどなんだよソレ…?」 「だから、何でも入って、中に入ったら外からどんなにしても汚れたり濡れたりしない不思議なディパック……そうだ!!」 キラキラと年相応に瞳を輝かせながら、キョンの妹は子供らしく高らかに叫んだ。 「いい事考えた~っ♪」 可憐に笑っているキョンの妹を見ながら、ゲンキはとある事を思っていた。 いい事と言っているのに、妙に嫌な予感がするのは一体なぜなんだろう、と。 ※ 「えぇぇぇぇーーー!?ディパックの中に隠れてるーーーーー!?」 「うん!もしかしたら、ここの中だったら安全なんじゃないかなーって」 驚いているゲンキを尻目に、ディパックの中をガサゴソと漁り、自分が入れるようなスペースを作っているらしいキョンの妹が事もなげに言う。 中から何一つ物を取り出さずに、ただ押し詰めて隙間を作っているのはディパックが不思議な四次元ディパックであると信じきっているが故か。 「幾らなんでも、それは無茶なんじゃないか……?」 「だいじょーぶだよー!私、キョン君達が合宿するときに、おっきいバッグの中に入ってこっそりついて行った事あるもん」 ゲンキを見ながら、ウィンクしてイタズラっぽく舌を出し「てへっ」とばかりに自分の頭を小突いている姿は可愛らしくはあったが、言っている事は非常に不安だ。 「本当に大丈夫なのかぁ?」 「うん、きっと有希ちゃんが何とかしてくれてるよ!」 自信満々にそう告げると、彼女はもう準備が出来たのか、既に片足をディパックに突っ込み始めている。 「じゃあゲンキ君、私がこの中に入ったら身動き取れなくなっちゃうけど…置いていったりしたらダメだよ?」 「んな事言われなくてもしないって! ちゃんとバイクに乗せて連れていくよ」 そんな軽口を叩きあっている間にも、少女の体は見る見る内にディパックの中へと飲み込まれていき、遂には頭を残すだけとなった。 「それじゃゲンキ君、またねっ」 ひょいと手だけを出してひらひらと振った後に、その頭もすっぽりと苦も無くディパックの中に収まってしまった。 ディパックの大きさと、中に入ったその他の小物の事を考えると外から見ても分かるようにギュウギュウに詰まっていそうな物だが、 外見上はキョンの妹が入り込む前と全く変わらない。 これ、本当に不思議なディパックかもな……と、そんな事を思いながらゲンキはディパックに近づき、バイクへと乗せようとする。 この時、彼女は自分の『無知』さに気づくべきであった。 もし仮に彼女の予想が正しく、長門有希が殺し合いを是としない人物であったとしても、参加者である自分たちにどこまでも協力出来得る立場ではないと言う事。 協力出来たとしても、多少の情報を支給品という形で提供する事ならともかく、殺し合いを目的とした空間ほぼ確実に生存可能な空間を用意する事など不可能である事。 そして、普通の小学生ですら気が付いた、支給品保護の意味合いで非常に強固な防御空間が生成されている『ディパックの中』に目を付ける参加者がいる可能性を、 主催者が前もって予測できない筈がないという事。 ―――かくして悲劇は、起こりうるべきとして起こったのである。 最初は奇妙な違和感だった。 自分の座っている所…お尻のあたりに僅かに感じた、押し返すような、突かれているような感覚。 変なの、と思いながらそれに抵抗するように体に力を入れた瞬間―――強烈な力が少女を襲った。 「えっ―――」 声を上げる暇もなく、強力なバネで思い切り押し上げられるかのように、それでいて少女以外の支給品にはまったく影響を与えずに、 ビックリ箱さながらに少女はディパックから追放された。 気づいたときに目の前に迫っていたのは、2時間ほど前に出会ったばかりのパートナーの少年の姿。そしてそのまま慣性の法則にしたがって………… 「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」 衝突。 強大な運動エネルギーは、棒立ちで突っ立っていた少年を巻き込んでも未だに衰えを見せず、少年少女はそれに翻弄されるように揉みくちゃになって転がっていく。 「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」 グルグルグルグルと目まぐるしく天地が逆転していくのを、彼らはただ叫びながら為すがままに受け止める事しか出来なかったが、それにもやがて終焉が訪れる。 ズドン! という轟音とともに、ゲンキ、キョンの妹のそれぞれの背中に対して強烈な衝撃が襲いかかり、それによって彼らはようやく運動停止に至った。 「……い……たたたたた………」 最初に声を出したのは、キョンの妹の方だった。 衝撃による痛みに耐えて、大回転によりふらつく頭を押さえながら、現在の状況を把握しようと辺りを見回す。 ここからかなり先……40mほど前のところに先ほどまで自分が入っていたディパックが見える。かなりひどく飛ばされたらしい。 ともかく、ディパックの中に隠れるのは反則行為だというのは正しく痛いほどによく分かった。 「ズルはしちゃいけないんだぁ………いたた……」 誰ともなしに呟くと、今度は後ろを見る。どうやら自分たちは巨大な木の幹にぶつかったお陰で止まれたらしい… とここまで思った所で、木の幹と自分の背中に挟まれるようにして伸びている2本の足に気づく。 「あ………ゲンキ君!?」 ここに至って初めて思いっきり巻き込まれる形になった少年の事を思い出し、自分の真下に目を向ける。 そこには果たして、(お互いの意志に関係なく)キョンの妹の立派なクッションという役目を果たして目を話増しているゲンキの姿があった。 逆立ちの出来そこないのように、仰向けで背中から足にかけてを木の幹により掛けて、その上に自分が座り込むという状態にあるようだ。 「うわ、ごめんねゲンキ君!今どくか………」 その先に続く言葉を言い出す事が出来ずに、少女の体が硬直する。 自分の今の惨状に気づいてしまったのだ。 少年の胸の上に自分のお尻が乗っかって、顔の前で大きく足が開かれて。 最後の砦の浴衣の裾は、見る影もなく捲りあがっていた。 瞬間、心臓が口から飛び出すかと思ったが、必死である事を思い出し自分を落ち着かせようとする。 ――――ここで騒いでゲンキ君を起こしたらもっとだめ!!だ、大丈夫、もう私はちゃんとパンツ履いて……… 少女の脳裏に、つい先ほどの光景がフラッシュバックする。 ――――「あれ…なんだ、この白いの?」 ――――「え……何それ?どこにあったの?」 ――――「ディパックの中に入ってたんだ。たぶん、銃の他にもう一個入ってた支給品…だと思うけど」 ――――下着を再び元の場所に戻してとことこと掛け寄ってきたキョンの妹に、ゲンキは手の中の小冊子を見せる。 ――――『下着を再び元の場所に戻して』 「………あ…………あ…………!!」 最早呆けたような声しか口から出てこない。それほどまでに、彼女を襲った衝撃は大きい物だった。 ――――私 ぱ ん つ は い て な い 。 信じられない現象が起きてショックを受けた時、人は咄嗟に行動する事が出来ないのだと言う。 わずか10歳の身空ながら、キョンの妹はその事を強く実感していた。 今すぐにでも飛び起きてこの場から離脱したいと思っているのに、まるで強い力で組み敷かれているように体は言う事を聞かない。 ただ、金魚のようにパクパクと口を開ける事だけが彼女のとれた行動だった。 ――――大丈夫!ゲンキ君まだ起きてないもん!だから、もうちょっとだけ落ち着いて、動けるようになってからゲンキ君を起こせば大丈夫!! 僅かな希望を見出してどうにか意識を保とうとするも、それを嘲笑うかのように現実が再び彼女を嬲りだす。 「…………う……ううん………?」 「………………!!」 自分の下にいるゲンキが呻くような声を出し、ゆっくりと自分の頭を振る。 明らかに覚醒直前の動作そのものだ。 キョンの妹の精神が、巨大な津波が襲ってくる前兆のようにざわざわとざわめく。 ――――だ、ダメーーーーーー!!まだ起きちゃダメぇぇぇぇぇぇ!! 心の中の絶叫は、現実の空間ではヒュー、ヒューという掠れた息でしか現れない。そしてそれが生み出す微かな音も、意識朦朧としたゲンキには気づける筈もない。 「いってー………何だぁ……?」 「~~~~~~~!!!」 死刑台へと続く13階段を上るかのようにゆっくりと、だが確実に破滅の時が近付いていくのが分かる。 ゲンキの瞼がピクピクと動くのを見ながら、黒い絶望がキョンの妹の心を覆っていく。 「急に、あの子がディパックの中から飛び出して来て…………?」 そして、ついに少年の両の目(ヘヴンズドア)がゆっくりと開かれた。 「……………え……あれ?何が、どうなって………」 ぼやけた頭が徐々にクリアになっていき、ゲンキは目の前の光景を認識し始める。 やがて思考も回復し、何が起きているのかをしっかりと理解した瞬間に、ゲンキの体を稲妻のような衝撃が駆け抜ける。 言葉として例えるならば、今の心境は―――ハートバクバク、元気ガンガン、ガッツ全開。 それはまさしく、温泉に続いて彼を襲った、彼にとっての『セカンドインパクト』。 「お、お、お、お、お、お、お、お、お…………」 「い、い、い、い、い、い、い、い、い…………いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」 少女の叫びと乾いた二つの音が、僅かに大木の葉を揺らした。 ※ 「えーっと………そろそろ出発しても……大丈夫…?」 「……………………」 両頬に小さなもみじマークを付けたゲンキがバイクを抱えながら、恐る恐るキョンの妹に声を掛ける。 彼に背を向けたまま蹲り一言も発する事のなかった彼女は、そのまま微動だにしないのではないかと不安ではあったが、どうにか立ち上がってこちらへと近寄ってくれた。 最も一言も口を利かないのは変わらず、俯いたままの彼女の顔色は全くうかがい知ることは出来なかったが。 「そ、それじゃバイク動かすから………」 「……………………」 ゲンキがバイクに乗り込むと、キョンの妹はそれに付いてくるようにゲンキの背中にしがみ付いて後部座席へと腰掛ける。 返事は無いが、それは肯定を示しているのだろうとゲンキは解釈した。 「…………ス、スピードはさっきと同じぐらいでもいいよな? もうちゃんと下着も付けたし」 ついさっき、『生乾きで………気持ち悪い……』とポツリと呟きながらもしっかりと着替えを済ませた事を踏まえてゲンキが問うたが、帰ってきた答えは芳しくなかった。 「………ダメ…見えちゃうからもうちょっとゆっくり……」 「で、でもほら? もう下着も履いてるしさっきよりは大丈夫かなーって」 「パンツでも恥ずかしいもん! パンツじゃなくても恥ずかしいもん!!」 それまで黙りこくっていた少女が突然出した大声に思わず首を竦めるが、自分がしてしまった事に対する負い目もあり、 彼女の言うとおりにゆっくりした、自転車程度のスピードでバイクを走らせる。 「こ、これぐらいだったら大丈夫だろ?」 「………………………うん」 「…………ほ、ほら、前!この先に遊園地があるみたいだしさ、そこで着れる服があるかどうか探そうぜ!!」 「………………………うん」 「……………………見ちゃった事は全部忘れるから、その、ゴメン」 「わかったから言わないで………」 速度も、騒音も、二人の雰囲気も何もかもをここに着た時と正反対にしながら、少年少女が進んでいく。 向かう先にある者は、これまた現在の二人と正反対の賑やかで煌びやかな楽しい遊園地。 果たして、其処で二人を待つ物は――――? 【F-2 遊園地付近/一日目・未明】 【佐倉ゲンキ@モンスターファーム~円盤石の秘密~】 【状態】両頬に赤い手形、物凄くきまずい 【持ち物】 KRR-SP@ケロロ軍曹、S WM10(リボルバー)@砂ぼうず、ディパック(支給品一式入り) 【思考】 1.遊園地に向かい、キョンの妹が着れそうなまともな服を探す。 2.どうにかしてキョンの妹の機嫌を直したい。もちろん彼女も守る。 3.仲間達とキョンの妹の兄とその友人を探す。 4.『人類補完計画』計画書を解読できそうな人物を見つけて、首輪解除の手がかりを探る。 5.主催者は絶対に倒すが、長門有希に関してはもう少し情報が欲しい。 ※KRR-SPにはキョンの妹の服がくくりつけられています。 【キョンの妹@涼宮ハルヒの憂鬱】 【状態】物凄く恥ずかしい、現地調達の浴衣を装備(生乾きの下着もしっかりと着用) 【持ち物】 『人類補完計画』計画書@新世紀エヴァンゲリオン、ディパック(支給品一式入り)、不明支給品1 【思考】 1.遊園地に向かい、自分が着れそうなまともな服を探す。出来れば自分の服も乾かしたい。 2.ゲンキに守ってもらう。 3.キョンとその友人を探す。 4.『人類補完計画』計画書を解読できそうな人物を見つけて、首輪解除の手がかりを探る。 5.主催者に協力している長門有希の事が気になる。 【『人類補完計画』計画書@新世紀エヴァンゲリオン】 秘密結社Seeleの最終目的、『人類補完計画』についての詳細が書かれた計画書。使用言語は日本語。 もちろんSeeleの最高機密であり、不用意に盗み見た人物がいる事がバレれば暗殺される可能性もあり得る。 内容は極めて難解な物であり、特殊な知識がある者か知能が高い物ではないと解読不能であると思われる。 なお『人類補完計画』に付随して、『セカンドインパクト』や『L.C.L.』などの特殊な事件、アイテムについての解説も掲載されているようだ。 時系列順で読む Back 果タシテ、無知トハ罪ナリヤ?(前編) Next 月夜の森での出会いと別れ 投下順で読む Back 果タシテ、無知トハ罪ナリヤ?(前編) Next 月夜の森での出会いと別れ 果タシテ、無知トハ罪ナリヤ?(前編) ゲンキ 強殖装甲リリカルシスター キョンの妹
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2021年8月28日 出題者:mi タイトル:「無知だが罪な男」 【問題】 決まりごとを知らないのに、いつもそれを知ってる風に装うタカフミ。 そんなタカフミにみんなメロメロ♡ 一体どういうこと? 【解説】 + ... いつもポーカーフェイスで謎多きタカフミ。 そんな彼にみんな心をわしずかみされている。 しかしタカフミはポーカーのルールを知らない…そのことをみんな知らない…。 でもそんなの関係ねぇ!でもそんなの関係ねぇ!はい、イケメンフミ! キャーーーー///♡ 《言葉》 配信日に戻る 前の問題 次の問題
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うるち 第1弾 004-キャラカード MP 0 攻撃 2 防御 2 魔力 3 【うるち姫】「2」「魔」 1ターン味方キャラ1人の防御力を上げる。 【喘ぎ声】「2」「カ」 このキャラが戦闘で墓場に逝くと、墓場のカードをシャッフルして1番上からカードを引き、最初に来たキャラカード(特殊キャラは含まれない)がこのキャラと交換して復活する。 但し墓場にキャラカードがない場合はこのスキルを発動できない。 尚このスキルは行動不能状態でも発動できる。 ペン汁 我知無知カードゲーム第1弾で登場したキャラクターカード 1ターン味方キャラ一人の防御力を上げる魔法スキルと墓場に逝った時ランダムに墓場のカードを復活させるカウンタースキルを持つ スキルはどちらも防御用のスキルとなっており攻められているときに真価を発揮する。 【喘ぎ声】により味方キャラの防御力を底上げすることができる。 類似スキルを持つキャラがいるがこのキャラが一番上昇率が高い。 また、このキャラが墓場に逝った時墓場をシャッフルし、一番上からカードを引き最初にきたキャラを復活させることもできる。 ただし、ほぼランダムなので有益なキャラがくるかどうかは博打 ○○の評価するうるちカード 以下名前出してもいい人解説してくれ。 うるち(第2弾) 第2弾 084-キャラカード MP 3 攻撃 6 防御 1 魔力 6 【グラビア生放送】 このキャラが場に居る限り、このキャラ以外の味方キャラのステータスがすべて1上がる。 【おはおうございまう】 相手男キャラは、このキャラへの通常攻撃ができない。 【禁煙】 「2」「魔」 HPを回復する。但しこのスキルを発動すると次のターンも行動不能状態が解除されない。 ペン汁 誰か解説してくれ。 クソ蟲の評価するうるちカード 第2弾でMP3枠となったうるちさん。 水着がまぶしすぎて某アルパカとは別の意味で直視できないが、その輝きに負けないように解説して行こうと思う。 ステータスは攻撃と魔力が同等のアタッカータイプ。 攻撃力も魔力も高い代わり、防御力はほぼ最低値となっている。 ご存知の通り魔力は魔法から身を守る際に使用するため、総合的な防御力が低いわけではない。 しかし攻撃と魔力が6ずつと、どちらかに特化しているわけではないので完全にアタッカーとしての運用もしづらいところだ。 さて、防御の低さが目立つカードではあるが、とりあえず【おはおうございまう】のお陰で男性からの攻撃を受けることはない。 このゲームはまだ男性>女性のカード比率であるため、大半のカードには攻撃されないということになる。 しかしながら、このカードの防御力はたったの1。 女性陣のカードはlatte-D、もじゃみなどの攻撃力が高いカードもいる上、攻撃力がたった2でも倒せてしまうため、女性相手の安定性はなきに等しい。 女性陣は男共がこぞってデッキに入れたがることを考えると、このカードに前衛を任せきりにするのは危険だろう。 窮地を凌ぐための壁としては充分すぎる性能を持つ。 先ほども述べた通りカードの比率はまだ男性>女性なので、相手が男性カードのみの局面も多々にしてあるからだ。 ただ、魔法攻撃は素通ししてしまうあたりは注意。 辻乃井や麻ずきんなど、採用されやすい魔法系のカードは軒並みこのカードより魔力が高いからだ。 【グラビア生放送】は全体のキャラサイズが1段階上がるため、相当有用なスキル。 しかし、後ろでサポートとしておいておくにはこのカードのMPが多すぎることが欠点だろうか。 【喫煙】については……ぶっちゃけると、 「他の回復アイテムカードや魔法カードを積め」と言っておこう。 魔力初期値ではトムヤンクンやどうのつるぎより1高いだけの回復量なので、無理をして使用する価値はほとんどない。 自分の命欲しさにうるちさんを働かせるなど、愚の骨頂なのである。 と、偉そうに語る。(第二弾開発完了時点)
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※エロ注意* 俺は疲れていた 野球もそうだが 親父も助けないといけないと言うプレッシャーもあった 正直小学生にしてみれば大きすぎる負担だと思う。 そんな俺の癒しは… 「小波、今日はなにして遊ぶワン?」 ガールフレンドだ 名前は芽森わん子、犬人間とでも言うのだろうか(本人に言うと怒られるけど) キャッチボールとかに付き合ってる間に打ち解けてきて、犬と言うことを打ち明けてもらい晴れてガールフレンドになった。 それからの生活には活気ができたと思う でも… 「ワン?小波、どうしたワン?」 俺だって小学五年生だ 多少の知識は…持ってる 逆にわんこちゃんはなにも知らない …一回ならいいよな 「?」 「ねえ、わんこちゃん、今日は土管で楽しいことをしようよ」 「土管で?まあ楽しいならやるワン」 …ごめんわんこちゃん -土管内- 「それじゃあまず一緒に服を脱ごうか」 「ええ!?」…さすがに一筋縄ではいかないよな、そら ここは無知を利用して… 「お互いに裸になって遊ぶともっと仲良くなれるのが人間なんだよ、俺はわんこちゃんと仲良くなりたいな」 嘘はついてない、過程はぶっとばしてるけど。 「…わかったワン」 そう言うとわんこちゃんは脱ぎ出した 土管のなかは狭いから、わんこちゃんの肌と俺の肌が直に触れあう 「こっ、小波も早く脱ぐワン!」 わんこちゃんに急かされたので俺も脱ぐことにした。 「…?小波の下の方はなんかついてるワン」自分から催促するまでもなくわんこちゃんが俺のモノを触ってくる そらそうだよなあ…不思議に見えるだろう 「…これは撫でたり触ったりすると大きくなるんだよ、触ってみる?」 「ワン!いいのかワン!」 そう言いわんこちゃんは俺のモノをなでくりまわす、上に下に、手で挟んだり、指先で沿ったり。 こっちはもう限界だ 「まだだ…まだ我慢しないと…」 「小波ぃ」 こらえている最中にわんこちゃんが話しかけてくる 「なっ、なんだいわんこちゃん…!?」 次の瞬間わんこちゃんは俺のモノをあっという間にパクリと口の中へ入れてしまった こちらから言うつもりが… 「どうしたのいきなり!?」 「…わんこ、なんか小波のこれを見てると急にこうしたくなってきたんだワン…」 野生の本能ってやつか? まあきもちいいからいいとしよう だかここまでされて我慢するのも…なあ 「んひぃっ!?小波何してるワン!?」 「わんこちゃんも一緒に気持ちよくならないとね」俺はわんこちゃんのなかに指を突っ込んだ、中は意外にしっとりしていて気持ちがいい。 今度は俺がわんこちゃんを攻める 指をひたすらかき回す、たまに抜いて、また入れる。 このとき俺は正直興奮していたんだと思う まさかこの後ああなるとは思ってなかったから… -土管外 「ん?土管が揺れるなあ」 「羽柴、どうしたんだ?」 「ああ晴川か、実は…」 -土管内に戻る 「やっ…ワン…あ」体をくねらせ必死にもがくわんこちゃん そんな姿を見て俺はつい禁句をしゃべってしまったんだ 「わんこちゃん、まるで犬みたいだ」 …しばらくの静寂のあと 「…私は犬じゃないワン!」 いきなりわんこちゃんが俺のモノを足で挟む 気持ちよくもあるがそれ以上に… 「痛い痛い!!ごめんわんこちゃん!」 「なるほど…ここが小波をいつもの小波じゃ無くしてると言うことかワン…だったら早く小さくするワン!」 器用に両足でわんこちゃんが俺のを挟んで潰しにかかる 「ここが!ここが!」 「あばばばば」 わんこちゃんはあのとき以来の逆鱗状態になっていた 「だって小波は私を犬じゃないって言ってくれたワン!いやそうじゃないと私…死ぬと…嫌なんでもないワン ここが!早く小さくなれば!」 わんこちゃんが刺激すればするほど 俺のは大きくなる、痛いけど 「参ったって!ごめんって!」 そんなのがしばらく続いて… 「…ハア、ハアなんで小さくならないワン?消えないワン?」 「(むしろ溜まりまくりだよ…)」 俺のは史上最高レベルにはち切れそうになっていた 「…大好きな小波のためなら…わんこ、小波の悪いものを全部吸いとってやるワン!」 なんと言うことかわんこちゃんは自分のアレで俺のモノを包み込んでしまった 「ちょっ!?」 「いたっ…小波!わんこは…私は!犬じゃない!一人の人間なんだワン…」 ポロポロとこちらにも伝う涙、まるで今生の別れを惜しむかのような涙、このときの俺にはそれが不思議でならなかったんだ。 ひとりでに腰を降って涙を流すわんこちゃん 「ワン!アンッ!さっさと…んんっ!出してしまうワン…んっ!」 そんなシチュエーションにたまらず俺のモノがびくりと絶頂を迎えた 「つっあー!」 「小波…小さくなったワン」 だらんとうなだれる俺のモノを見てわんこちゃんはにっこりと微笑む 俺もつられて笑顔がこぼれてしまう 「…これで小波は元通りワン!」 -土管外 「…そういや晴川…ここにわんこは住んでるって言ってたな…」 「ああ…!?てことはまさかこの中にいるのは!!」 -土管内 外がやけに騒がしくなる「?」 「くぉぅらぁ!小波だろ!わんこいじめてんの!」晴川先輩の声だ… 「…小波、早く着替えとけ!もう押さえるの限界だ!」羽柴先輩… 「わんこちゃん、早く着替えよう!」 「ワンワン!」 …… -土管外 「んで?二人で土管デートしていたと言うことか、いじめてる訳じゃないんだな?」 「はい…」 誤解を解くのに一時間かかることとなった…もう土管はやめておこう… 羽柴先輩はわかってるからニヤニヤしてるし… 「…小波?」後ろ手を引いてたわんこちゃんが話しかけてくる 「なに?」 「…また、大きくなったら言うワン、また押さえつけて痛めて小さくしてやるワン」 …嬉しいのやら悲しいのやら… まあとにかく、俺とわんこちゃんの話はこれからも続く、はず…
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女 の 闘い -無知- ◆SDn0xX3QT2 ファサリナ。 上条当麻。 ユーフェミア・リ・ブリタニア。 阿良々木暦。 グラハム・エーカー。 そして、枢木スザク。 彼等六人の合流は、少なくとも表面上はスムーズなものだった。 ファサリナとグラハム、暦とスザクがそれぞれに面識を持っていたことが大きい。 それに加え、ユーフェミアたちが通信機越しとはいえ衣たちとコンタクトを取っていたこと、 グラハムと暦は藤乃の一件で殺し合いに乗っていた人間を受け入れる経験を経ていたことも効いている。 これは衣や黒子、藤乃にも言えることだが、『今は枢木スザクの救命を最優先事項とする』という共通認識のもとで 先送りされている問題は決して少なくない。 情報交換もそこそこに、彼等は薬局を目指している。 「施設サービスじゃスザクを治せないかもしれないって……本当なんですか?」 「私の記憶に間違いがなければ、あのサービスは致命傷には効果がない。 何を以て致命傷と判断しているのかが不明なだけに、彼に効果があるかどうかはやってみなければわからないが……」 「そんなっ……」 スザクを背負って歩くグラハムからの情報に、ユーフェミアが声を震わせる。 ついさっきまで、薬局まで辿り着くことができればなんとかなると思っていたのだ。 「何を弱気になってんだ、諦めるにはまだ早いだろ!」 沈みかけた空気を破るように上条が言う。 だが、スザクを治療する方法として具体的な対案があるわけではない以上、それは単なる精神論に過ぎず、問題の解決にはならない。 「……なあ、ユーフェミア。天江たちとの通話に使ったっていう通信機、ちょっと貸してくれないか?」 何かを思いついた様子でそう言ったのは暦だ。 断る理由も無いので、ユーフェミアは言われた通りにヘッドセットを暦へと渡す。 歩きながらということもあり、暦はヘッドセットを耳に着ける。 「浅上、白井、天江。聞こえるか? 僕だ、阿良々木だ」 『え? ……阿良々木さん、ですか?』 「そうだ。その声は浅上か?」 『はい、そうです』 『衣もいるぞ!』 『でもどうして、阿良々木さんが……?』 「さっき、僕とグラハムさんもファサリナさんたちと合流したんだ。それで浅上、そこに白井はいるか?」 『いません。一人で薬局へ向かいました』 「なんだって!?」 黒子が一人で薬局へ向かうことになった経緯と、今の自分と衣の状況を簡潔に説明する藤乃。 それを暦が他のメンバーへと伝える。その内容にいちばん表情を曇らせたのはグラハムだ。 『それで阿良々木さん、白井さんに何か用事が?』 「ああ、さっき浅上たちと別れる時に、ノートパソコンを白井のデイパックに突っ込んだんだ。 普通に渡してもどうせ受け取らないだろうと思って……それを使いたかったんだけど、白井がいないんじゃ」 『待ってください、そのパソコンなら、私が預かっています』 「本当か、浅上」 『はい。それで、何をすればいいんですか?』 「サポート窓口を使って、枢木の怪我……致命傷を治す方法が、薬局の施設サービスに無いかを聞いて欲しいんだ。 なんて言うかその……一応の保険ってことで」 『わかりました』 すぐにメールを出して、返信があり次第連絡をするという藤乃の返事を確認し、暦はヘッドセットを外す。 「ありがとう、ユーフェミア」 ヘッドセットを渡そうとする暦に対し、ユーフェミアが首を振る。 「暦がお話している間に、グラハムさんにサポート窓口のことを教えていただきました。 藤乃さんの声は聞こえませんでしたけど、また連絡が来るんですよね?」 「ああ。窓口からの返信がいつになるかはわからないんだけど」 「でも、藤乃さんは暦に返事をしてくるのでしょう? でしたらそれは、暦が持っていてください」 ユーフェミアにそう言われ、少し迷った後、暦はヘッドセットを首にかけた。 「橋が見えたぞ」 グラハムが全員に声をかける。 D-4の橋。渡った経験のあるグラハム、暦、ファサリナは知っているが、この橋は崩落の危機にある。 六人が同時に渡るのはほぼ不可能な状態だ。 ファサリナが他の五人に、橋を渡る手はずを提案する。 まず最初に渡るのはスザクを背負ったグラハム。 次にユーフェミアと暦。 最後がファサリナと上条。 橋を渡り終えた順に、薬局へと先行する。 一時的とはいえ分散するリスクはある。 だが、スザクの状態は一刻を争うことに加え、単独行動を取っている黒子が一人で薬局で待つという状況はできれば避けたい。 少しでも早く薬局へ到着する必要がある。 ファサリナの意見に反対する者はいなかった。 ◆ ◆ ◆ 「あの、天江さん。よかったんですか?」 ノートパソコンを操作しながら、テーブルを挟んだ向かい側でチーズくんのぬいぐるみを抱きしめて座る衣に声をかける藤乃。 「何がだ?」 「さっきのことです。せっかくグラハムさんとお話をするチャンスだったのに」 「よいのだ。すざくたちと合流したのなら、グラハムは先を急いでいたはずだ。衣の我儘で足を止めさせるわけにはいかないからな」 そう言う衣の表情は、少し寂しそうなものだった。 本当は、たった一言でいい。グラハムの声を聞きたかった。 だが、同時に、もしほんの少しでも声を聞いていたら、余計に寂しくなったかもしれないと衣は思う。 聞きたかったけど、聞かなくて良かったのかもしれない。 「それよりも浅上。頼まれたメールはできたのか」 「はい。それは送信しました。けど」 「どうしたのだ?」 「メールが来てるんです」 衣は椅子から立ち上がり藤乃の横まで行くと、パソコンのモニターを覗き込んだ。 表示されているのは、デュオ・マックスウェルと名乗る人物からのメール。 本当の送信者はルルーシュ・ランペルージだが、二人がそれを知る由もない。 しばらく無言のまま画面を見つめていた衣が口を開く。 「浅上。衣は思うのだが、帝愛のサポート窓口に聞いて、死に瀕している者を助ける手段の情報を得ることができるだろうか?」 「それは……」 問われて藤乃は言葉に詰まる。 目当ての情報が得られる可能性は、低いだろう。 殺し合いをさせている側の帝愛がそんな情報を提供して来るとは考えにくい。 そもそも、施設サービス以外の方法など存在しないという可能性も十分にある。 「この、デュオという者に訊ねてみる、というのはどうだろうか?」 「え? このメールの差出人に、ですか?」 藤乃は考える。 このメールの内容通り、デュオ・マックスウェルが殺し合いに乗っていないのであれば、 参加者を助ける方法を知っている場合はそれを隠すことはしないだろう。 サポート窓口に訊くことに比べれば幾分可能性は高い……気がしなくもない。 「でも、このメールが本当のこととは限りません」 「ならばこちらも、本当のことはなるべく明かさないようにすればいい」 「そう……ですね」 結局二人はデュオ・マックスウェルにメールを送ることにする。 __________________________________ From 沢村智紀 To ロックオン・ストラトス ―――――――――――― はじめまして 今はまだ私の本当の名前を明かすことはできません。ごめんなさい。 でも、私もあなたと同じように、この殺し合いに乗ってはいません。 私は今、問題を抱えています。 茶色の髪に緑の目をした私の仲間が一人が、重傷を負って死にそうなんです。 勝手なお願いなんですが、もし私の仲間を救う方法があれば教えてください。 お願いします。 __________________________________ 危険性を考え、こちらの情報は極力明かさない。それがまず大前提。 デュオ・マックスウェルと枢木スザクは仲間のはずだということで、藤乃の知るスザクの外見の特徴を文面に入れた。 相手がこちらを警戒したとしても、危機に陥っているのが仲間だと分かれば情報を提供してくれるだろうと踏んでのことだ。 仮にメールの送信者がデュオ・マックスウェルでなかったとしても、スザクたちの位置を書いたわけではないので 問題無いだろうと、藤乃と衣は判断した。 「じゃあ、送信しますね」 送信ボタンをクリックすると、画面にはすぐに『送信完了』の文字が表示された。 と同時に、部屋のドアがノックされる。 開けるとそこには黒服が立っていた。 「天江衣。準備が整った」 「うむ。わかった」 衣は知らない。 いったい何の準備が為されたのかを。 知らないまま衣は、新たな対局へと向かう―――― 【F-3/ギャンブル船・スイートルーム/二日目/深夜】 【天江衣@咲-saki-】 [状態]:健康、首輪爆発まであと6~7時間(現在の負債:2億ペリカ) [服装]:いつもの私服 [装備]:チーズくんのぬいぐるみ@コードギアス [道具]:麻雀牌セット、エトペン@咲-Saki-、水着セット@現実、サンドイッチ@現実×10、ミネラルウォーター@現実×20 1500万ペリカ、ペリカード(残金1000万) [思考] 基本:殺し合いには乗らない、麻雀を通して友達を作る。 1:ギャンブルルームで麻雀をする。 2:グラハムやスザクたちのことが心配。 3:誰にもバレないように負債を返済する。 4:グラハムを信じる。 5:《はらむらののか》と《清澄の嶺上使い》を救い出したい! 6:ギャンブルではない麻雀をして友達をつくる。 7:チーズくんを持ち主である『しーしー』(C.C.)に届けて、原村ののかのように友達になる。 8:インデックスと友達になりたい。 9:浅上、白井とは友達になれた……? [備考] ※利根川を帝愛に関わっていた人物だとほぼ信じました。 ※Eカード、鉄骨渡りのルールを知りました。 ※エスポワール会議に参加しました。 ※ユーフェミアの外見的特長を把握しました。 ※『黒子の仮説』を聞きました。 ※ヒイロ・ファサリナと情報交換し、今まで判明した情報を『エスポワール・ノート』で整理しました。 ※エスポワール船底に『ジングウ』が存在していることを知りました。 ※帝愛グループに1億ペリカの借金をしました。借金は定時放送を迎えるごとに、倍額になります。 7時32分までに借金を返済出来ない場合、首輪が爆破されます。 【浅上藤乃@空の境界】 [状態]:頬に掠り傷(処置済み)、全身に軽い刺し傷(処置済み)、力を使うことへの僅かな恐怖心・及びそれを克服する覚悟 [服装]:浴衣@現実 [装備]:軍用ゴーグル@とある魔術の禁書目録、沢村智紀のノートパソコン@咲-Saki、レイのレシーバー@ガン×ソード [道具]:基本支給品一式 [思考] 基本:今までの罪を償っていく 1:衣のことを守りたい。でも、歪曲の力を使うのは…… 2:今まで自分が殺してきた人の知り合いを捜す。 3:阿良々木さん、天江衣、白井黒子を守る。 4:サーシェスを敵視。 5:人を凶ることで快楽を感じていた事を自覚し、その自分に恐怖する。 6:織田信長を警戒。 [備考] ※式との戦いの途中から参戦。盲腸炎や怪我は完治しており、痛覚麻痺も今は治っています。 ※藤乃の無痛症がどうなっているかは後の書き手にお任せします。 ※魔眼を使おうとすると過去の殺人の愉悦の感覚 を思い出してしまいます。 ですがそれらを克服する覚悟も決めています。 ※衣の負債について、気づいていません。 ※帝愛グループは、ギャンブルに勝ちすぎた参加者側を妨害すべく動いていると推測しています。 ◆ ◆ ◆ 「随分と長いトイレだったな」 窓の外を眺めていたC.C.は、振り返ることなく部屋に入って来た戦場ヶ原に悪態をつく。 「……生憎だけど、そういったデリカシーのない発言に対してまでいちいち反応してあげるほど私は親切じゃないの」 「おや、それは意外だな」 言いながらC.C.は、ピザの最後の一切れを口へと運ぶ。 「私がいない間、橋のほうで何か変わったことはなかったのかしら?」 「変わったこと、というのは、阿良々木君とやらがあの橋を渡ったとか、そういうことでいいのか?」 「ええそうよ」 「だったら、今まさにその”変わったこと”の真っ最中だ」 「……今、なんて」 「二度言わせるな。自分の目で確かめればいい」 そう言って、C.C.は窓の外を指で示す。 慌てて窓へと駆け寄り、橋の方角を確かめる戦場ヶ原。 その戦場ヶ原の目に映ったのは、阿良々木暦がピンク色の髪の少女と橋を渡り終える光景。 「阿良々木君……」 そう一言呟いた戦場ヶ原は、デイパックを掴み部屋を飛び出して行く。 あまりの勢いに、C.C.には止めることもできなかった。 「まったく……もう少し見ていないと、阿良々木暦がどちらに向かうかわからないだろうに」 呟きながら立ち上がるC.C.。 だが、眩暈を覚え、壁に手をついてしまう。 「まだ、きついな」 怪我は回復したとはとても言えない状態だった。 歩くことくらいはできるだろうが、もし今誰かに襲われれば、戦うことはおろか逃げることさえままならないだろう。 それでもC.C.は、ここから動くことを決めていた。 C.C.はあの橋を金髪の男に背負われて渡ったスザクの姿を見ている。 阿良々木暦と共にいたのがユーフェミアであったことにも当然気づいていた。 そして、飛び出して行った戦場ヶ原。 自分に生きてやってほしいと頭を下げた青年を、 共犯者である男が大切に思っていた少女を、 守ってやると約束した相手を――――みすみす死なせるつもりなど、C.C.には無い。 「……いちばん会いたい奴には会えないのに、どうしてこうも面倒ばかり起こるんだ」 そう言ったC.C.の口元に、微かに笑みが浮かぶ。 魔女と呼ばれるようになってから、死なせたくない人間がこんなにできたのは、初めてかもしれなかった。 【D-4/崩落した橋の近くのマンション/二日目/深夜】 【C.C.@コードギアス 反逆のルルーシュR2】 [状態]:腹部、胸部、脚部などに大きな傷(治癒中、自力で歩ける程度には回復)、戦う覚悟完了 [服装]:包帯@現実 [装備]:赤ハロ@機動戦記ガンダム00 [道具]:基本支給品一式 阿良々木暦のマジックテープ式の財布(小銭残り34枚)@化物語、ピザ(残り52枚)@コードギアス [思考] 基本:ルルーシュと共に、この世界から脱出。 不老不死のコードを譲渡することで自身の存在を永遠に終わらせる――? 1:ルルーシュに会って答えを聞く。 2:戦場ヶ原ひたぎと行動を共にし、彼女の背中を守ってやる。 3:スザクとユーフェミアも死なせない。 4:阿良々木暦に会ったらひたぎの暴力や暴言を責める。 5:利用出来る者は利用するが、積極的に殺し合いに乗るつもりはない。 6:正直、ひたぎとは相性が悪いと思う。 [備考] ※参戦時期は、TURN 4『逆襲 の 処刑台』からTURN 13『過去 から の 刺客』の間。 ※制限によりコードの力が弱まっています。常人よりは多少頑丈ですが不死ではなく、再生も遅いです。 ※赤ハロとオレンジハロ間で通信が出来るようになりました。 通信とは言えハロを通しているため、声色などはハロそのものにしかなりません。 ※マンションの一室から、橋を渡るグラハム、スザク、ユーフェミア、暦を目撃しました。 ユーフェミアと暦が渡って以降はどこまで見ているかは不明。もしかすると、他にも何か見たかもしれません。 ◆ ◆ ◆ 橋を渡り終えたグラハムたちが薬局へ向けて出発したのを見届けた後、上条とファサリナの二人は橋を渡りだした。 だが、橋の中央まで来たところでファサリナが足を止める。 「ファサリナ、どうしたんだよ?」 数歩進んだところで立ち止まり、振り返る上条。 その上条に、ファサリナが徐に口を開く。 「当麻、確認しておきたいことがあります」 「なんだよ、こんなところで。今は早く――」 「いえ、今でなくてはいけません」 これまでとは違うファサリナの雰囲気に、これはきちんと答えなければならないのだと上条は感じた。 「当麻、貴方は誰も死なせたくないんですよね?」 「そんなの、当たり前だろ」 ファサリナの問いに上条はあっさりと答える。 返答に迷う要素などどこにもない。 上条にとってそれは、本当に当たり前のことだったから。 「でも、当麻は見殺しにした」 「なっ……アーチャーのことを言ってるならあれは」 「いいえ、違います。私が言っているのはレイという人のことですわ」 予想外の言葉に、上条は一瞬沈黙し、次の瞬間に激昂した。 「なんで俺がレイを見殺しにしたなんてことになるんだよ!?」 叫ぶ上条に、ファサリナは淡々と答える。 「先程お話を聞かせていただきましたけど、あの説明を聞く限り、貴方が美琴という人の遺体を放り出していれば レイと言う人が引き金を引く前に止めることはできていた。 美琴の遺体を背負い続けていたから間に合わなかった。 助けられなかったのではなく、助けられたのに助けなかった。そう思ったのですが……違いますか?」 ファサリナの言葉に、上条は今度こそ沈黙する。 「もう一度だけ聞きます。貴方は、己の信念を曲げるつもりはないのですか?」 沈黙。 そして。 「俺は、曲げない」 上条は、そう答えた。 そうとしか、答えられなかった。 紆余曲折を経て自分の中に揺らいでいる部分があることを、上条当麻は認めない。 故に。 紆余曲折を経てもなお自分の中に揺るがない部分があることを、上条当麻は気づけない。 「……そうですか」 ファサリナは、ゲイボルグを上条へと向けた。 「なっ……ファサリナ、あんた!?」 慌てる上条を見るファサリナの目は、冷たい。 「貴方は強いから諦めないのではなく、弱いから諦めることができないだけなんじゃありませんか?」 言って、ファサリナは一歩、上条へと近づく。 「貴方はスザクやレイの考えが理解できないのではなく、理解しようとしていないだけなのではありませんか?」 もう一歩。 「貴方の正義は、ただの思考停止のなれの果てなのではありませんか?」 その言葉と同時に。 上条は右の太腿に熱を感じた。 ファサリナの瞳から外せなかった視線をずらせば、ゲイボルグの先端が突き刺さり、そこから鮮血が流れ落ちている。 命に関わるほどの傷ではないが、これでは歩くこともままならないだろう。 「私は、ヒイロの遺志を継がねばなりません」 ファサリナが、上条の脚からゲイボルグを抜き放つ。 「だから」 ファサリナが跳躍する。 そして、自身の体重を全てかけ、ゲイボルグを橋へと突き刺した。 「私は、貴方の犠牲になるわけにはいきません」 それが、ファサリナの結論だった。 上条はファサリナとは仲間になれると思っていた。もう、仲間だと思ってさえいた。 でもそれは、上条の一方的な勘違い。 ファサリナは上条を仲間だとは思っていなかった。 今までファサリナは観察していたのだ。 手を組む価値があるのかと。足手纏いにならないかと。 ファサリナが目的を果たすためには仲間が必要なのは事実。 だが、その仲間の条件は、ただ殺し合いに乗っていないというだけでは足りないのだ。 しかし、ファサリナが現時点で組んでいる者の中に『不要な存在を切り捨てる』人材はいない。 だからファサリナは、自分が切り捨てる役を負うことを決めた。 そしてファサリナは、上条当麻を切り捨てた。 「貴方は全てが終わるまで、私たちの邪魔にならない場所にいてください」 ファサリナが淡々と告げる言葉を、上条当麻は理解できなかった。 自分が何を言われているのか、わからなかった。 上条に、ファサリナの真意は伝わってはいない。 だから上条は誤解する。 自分は陥れられたのだと。 自分を陥れたファサリナが、危険人物なのだと。 上条当麻は、誤解する―――― 凄まじい音を立てて崩れ落ちていく橋。 その崩落を、上条が橋と共に川へ落ちるのを、川の西側で見届けるファサリナ。 「いったい何をやってくれているのかしら?」 後ろから聞こえた声に振り向けば、そこには一人の女――戦場ヶ原ひたぎが立っていた。 自分を睨みつける瞳にファサリナは、少なくとも自分が意図的に橋もろとも一人の参加者を川へ落としたことを知っているのだと感じた。 ゲイボルグで上条の足を刺したところまで見られていたかはわからないが、 どちらにせよ自分が目の前の人物に危険人物だと思われていることは間違いないだろうと判断する。 実際のところ戦場ヶ原は、ファサリナが上条を刺したところは見ていない。 だが、ファサリナが上条と一緒に橋の中央にいたことは知っている。 そして、崩れ落ちる橋をこちらに向けて渡って来た時の動きから、上条を助けようと思えば助けられたはずだと判断していた。 戦場ヶ原は目の前の女・ファサリナを、殺し合いに乗っているのかどうかはわからないが 『阿良々木暦に危害を加える可能性のある存在』と認識する。 ファサリナは考える。 この女をここに放置することはできない。誤解されたままで薬局に向かわせることだけはできないと。 戦場ヶ原ひたぎは考える。 この女をここに放置することはできない。このまま阿良々木暦が向かった場所へ行かせることだけはできないと。 結果として、二人の思惑は一致していた。 互いにそれを知ることはないのだが――― 「お話しを、しましょう」 宣言をしたのは、戦場ヶ原ひたぎだった。 【D-4/崩落した橋の西側/二日目/深夜】 【ファサリナ@ガン×ソード】 [状態]:健康 [服装]:自前の服 [装備]:プラネイトディフェンサー@新機動戦記ガンダムW、ゲイボルグ@Fate/stay night [道具]:基本支給品一式×2、イングラムM10(9mmパラベラム弾32/32)イングラムの予備マガジン(9mmパラベラム弾32/32)×4 アゾット剣@Fate/stay night、シグザウアーP226の予備弾倉×3@現実、M67破片手榴弾×2@現実、シャベル@現実 軽音部のラジカセ@けいおん、お宝ディスク、Blu-ray Discドライブ搭載ノートパソコン、水着セット@現実 サンドイッチ@現実×10、ピザ@現実×10、ミネラルウォーター@現実×20 [思考] 基本:主催を倒し、可能ならカギ爪の男やヒイロを蘇生させる。 1:目の前の女(戦場ヶ原ひたぎ)を薬局へは行かせない。 2:自分の中で生きているヒイロを守る。なるべく単独行動は避けたい。 3:不要な存在を切り捨てる役目は自分が負う。 4:ゼロなどの明確な危険人物の排除。戦力にならない人間の間引き。 5:ユーフェミアについてはもう少し様子を見る。 6:首輪が解除でき、三節根が手に入ったらダリアを呼んでみる? 7:お友達……。 [備考] ※デュオを協力が可能かもしれぬ人物として認識しています。 ※ヒイロを他の惑星から来た人物と考えており、主催者はそれが可能な程の技術を持つと警戒(恐怖)しています。 ※同志の死に疑念を抱いていますが、ほとんど死んだものとして行動しています。 ※ラジカセの中にはテープが入っています(A面は『ふわふわ時間』B面は不明)。 ※結界によってこの島の周囲が閉ざされていることを知りました。また、結界の破壊により脱出できる可能性に気が付きました。 ※グラハム・衣と情報交換し、今まで判明した情報を『エスポワール・ノート』で整理しました。 ※エスポワール船底に『ジングウ』が存在していることを知りました。 ※ユーフェミアが日本人を殺すための行動をやめた理由を、上条がユーフェミアの顔を殴ったことで 彼女にかかっていた催眠術のようなものを消したからだと思っています。実際は、上条がユーフェミアの額に触れたからです。 ※戦場ヶ原のことは上条から聞いていますが、目の前の女が戦場ヶ原だとは気づいていません。 【戦場ヶ原ひたぎ@化物語】 [状態]:ポニーテール、戦う覚悟完了 [服装]:直江津高校女子制服 [装備]:文房具一式を隠し持っている、ヘアゴム [道具]:基本支給品一式、不明支給品(1~3、確認済)、バールのようなもの@現地調達 スフィンクス@とある魔術の禁書目録、あずにゃん2号@けいおん! [思考] 基本:阿良々木暦と合流。二人で無事に生還する。主催者の甘言は信用しない。 1:目の前の女(ファサリナ)を阿良々木君の所へは行かせない。 2:ルルーシュを探してC.C.と出会わせる。 3:…上条君。 4:枢木君は無事なのかしら。 5:正直、C.C.とは相性が悪いと思う。 [備考] ※登場時期はアニメ12話の後。 ※安藤から帝愛の情報を聞き、完全に主催者の事を信用しない事にしました。 ※ファサリナを『阿良々木暦に危害を加える可能性のある存在』と認識しています。 ※橋を渡り終えた暦がどちらに向かったかは把握していません。また、スザクとグラハムが橋を渡ったことは知りません。 【?-?/川のどこか/二日目/深夜】 【上条当麻@とある魔術の禁書目録】 [状態]:疲労(中)、精神的疲労(大)、右拳に擦り傷、右太腿に刺傷(歩行が困難な程度、命には別条なし) [服装]:学校の制服 [装備]:なし [道具]:基本支給品一式(応急処置セットの包帯は全て消費)、御坂美琴の遺体 脇差@現実、即席の槍(モップの柄にガムテープで包丁を取りつけた物) [思考] 基本:インデックスを助け出す。殺し合いには乗らない。御坂の遺体は必ず連れて帰る。 1:俺は……自分を曲げない…… 2:ファサリナからユーフェミアたちを守る。 3:戦場ヶ原たちと合流する。 4:一方通行を探し出す。 5:インデックスの所へ行く方法を考える。会場内を散策し、情報収集。 6:壇上の子の『家族』を助けたい。 [備考] ※参戦時期は、アニメ本編終了後。正体不明編終了後です。 ※右手で額に触れたことでユーフェミアにかかっていたギアスを解除しました。 上条本人は『ユーフェミアの顔を殴ったことで彼女にかかっていた催眠術のようなものを消した』と思っています。 ※ファサリナを危険人物と考えています。 ※ファサリナから情報を少しだけ得ました。 D-5周辺に危険人物がいる可能性は把握していますが、一方通行がゲームに乗ったことは知りません。 ◆ ◆ ◆ 「なっ……!?」 グラハムから少し遅れて暦とユーフェミアが薬局へ到着した直後、北からけたたましい音が響いた。 ファサリナが橋を崩落させた音だ。 不安な様子を見せているユーフェミアに気づいた暦が声をかける。 「大丈夫だ、きっと」 「……はい」 (……何者かの襲撃と見るべきだろうな) グラハムは、そう判断を下した。 あの橋がいくら脆くなっていたとはいえ、上条とファサリナ二人の重みで落ちることがないことをグラハムは知っている。 グラハム自身もあの橋を渡っているのだ。 しかも、人一人を背負った状態で。 総重量でいえば大した差はないだろうが、一点にかかった負荷ということで考えれば スザクを背負っていたグラハムがかけたそれは他の者たちの比ではない。 その時の橋の状態を考えれば、意図的に力を加えない限り二人分の体重に耐えられないことはありえないと結論付けることは容易い。 (この状況……施設サービスが枢木スザクの怪我に効果があることを期待せずにはいられないな) ここへ来る途中、ユーフェミアからスザクは軍人だと聞いたグラハムは、是非ともスザクを戦力として仲間に加えたいと考えていた。 現状、グラハムが仲間と呼べる参加者は、その殆どが学生だ。 吸血鬼もどきだったり、千里眼の能力を持っていたり、場を支配する麻雀の打ち手だったり、空間移動能力者だったり、 聖杯戦争のマスターだったりと、いずれも『普通』からは程遠いが、それでもグラハムにとっては『守るべき一般人』であることに変わりはない。 ユーフェミアもまた、この『守るべき一般人』にカテゴライズされる人物だ。 つまり、グラハムには『守るべき仲間』は大勢いても、『共に戦える仲間』はファサリナくらいしかいないのである。 自分と同じ軍人であるスザクが、グラハムは欲しかった。 「ユーフェミア、君は彼と共にここにいてくれ。阿良々木少年はこっちへ」 黒電話が置かれているすぐ傍の壁に凭れかけさせるようにスザクを下ろしたグラハムが二人へと指示を出す。 頷いたユーフェミアがスザクの隣りへ腰を下ろしたのを確認し、グラハムは暦を連れて薬局の奥へと向かう。 暦はグラハムの行動の意図を察した。 ユーフェミアには聞かせられない、もしくは聞かせないほうがいい話があるのだと。 そして、暦にも、ユーフェミアの前ではし難い話がある。 薬局の奥。 先に口を開いたのは暦だった。 「僕が上条たちの救援に向かいます」 その言葉に、グラハムが顔を顰める。 「こういう話をするために、ユーフェミアに聞こえない場所を選んだんですよね? 僕らに口論をしている時間はない。だから彼女が会話に入ってこないように」 「その通りだ、阿良々木少年。……そこまで理解しているのなら、私が言いたいこともわかりそうだが」 暦はグラハムの言う「私が言いたいこと」が何なのか、正しく理解していた。 グラハムは自分が行くつもりなのだ。 だが、暦は譲るつもりはなかった。 「グラハムさんはここに残るべきです」 「……君の主張は、救援には自分が適役だということではなく、ここに残るのは私が適役である、ということか」 「そうです」 「何故そう思う?」 「僕は強くはないし、大人でもない。戦場ヶ原のことが心配で、ユーフェミアをちゃんと労われるほどの余裕も無い。 だから僕には、枢木が死ぬかもしれないっていう不安を抱えて不安定な彼女を支えることはできないと思うんです。 それに、白井を出迎えるのは、僕よりも白井との付き合いが長いグラハムさんのほうがいい」 暦の答えに、グラハムは驚きを隠せなかった。 グラハムが考えていたのは、周囲の状況、危険性、そして純粋な戦闘における能力。 ユーフェミアや黒子の気持ちを、暦のように考えていなかったのだ。そんな発想自体が、グラハムの中にはなかった。 自分とはまったく違うものの見方をし、考え方をする目の前の少年に対し、グラハムはこれまで持っていた評価を改めさせられる。 「大丈夫です。僕は戦いのプロってわけじゃないけど、普通の人間よりは死に難いようにできてるし」 「悪いが少年。その提案、賛同するわけにはいかないな」 「いいえ、僕が行きます」 「もしユーフェミアに私のことを訊かれたら、奥で何か使える物がないか探しているとでも言っておいてくれ」 「グラハムさん!」 「つまり、そんな言い訳で誤魔化せる程度の時間で戻ってくるということだ」 「待ってください。だから僕が」 「賛同できないと言った」 「でも」 「阿良々木少年」 グラハムが暦の名を呼ぶ。 その声音は、表情は、暦の知らない、軍人グラハム・エーカーのもの。 「ここも安全とは言えない。ユーフェミア・リ・ブリタニアと枢木スザクを守れ。絶対に誰も死なせるな。それから――」 グラハムはいちばん近くにあった窓を開け、窓枠に足をかけた。 そして暦の方へと振り返る。 「――絶対に死ぬな。阿良々木少年」 それだけ言って、グラハムは窓の外へと身を躍らせた。 【E-4/薬局の北/二日目/深夜】 【グラハム・エーカー@機動戦士ガンダムOO】 [状態]:健康 [服装]:ユニオンの制服 [装備]:コルト・パイソン@現実 6/6、コルトパイソンの予備弾丸×30 [道具]:基本支給品一式、SIG SG552(30/30)@現実(予備弾30×3)、軍用ジープ@現実、ゼクスの手紙 双眼鏡@現実、手術用の針、手術用の糸、消毒用エタノール、ヴァンのテンガロンハット、水着セット@現実 サンドイッチ@現実×10、ピザ@現実×10、ミネラルウォーター@現実×20、1万ペリカ 『ガンダムVSガンダムVSヨロイVSナイトメアフレーム~戦場の絆~』解説冊子 ギャンブル船商品カタログ(機動兵器一覧)第3回放送分@オリジナル [思考] 基本:殺し合いには乗らない。断固辞退。 1:上条、ファサリナの救援に向かう。なるべく早く薬局に戻りたい。 2:天江衣をゲームから脱出させる。脱出までの間は衣の友達づくりを手伝う。 3:主催者の思惑を潰す。 4:首輪を解除したい。首輪解除後は『ジングウ』を奪取または破壊する。 5:スザクは施設サービスで治療ができた場合は是非とも仲間に加えたい。 6:浅上藤乃を完全に信用しているわけではない。が、阿良々木暦を信用して任せる。 7:ガンダムのパイロット(刹那)と再びモビルスーツで決着をつける。※刹那の名を知らない為、相手が既に死んでいることを知りません。 8:モビルスーツが欲しい。できればフラッグ。更に言うならオーバーフラッグ。 9:可能ならば、クレーターを調査したい。 10:【憩いの館】にある『戦場の絆』を試したい。 【備考】 ※バトル・ロワイアルの舞台そのものに何か秘密が隠されているのではないかと考えています。 ※利根川を帝愛に関わっていた人物だとほぼ信じました。 ※Eカード、鉄骨渡りのルールを知りました。 ※エスポワール会議に参加しました。 ※衛宮士郎の【解析魔術】により、首輪の詳細情報(魔術的見地)を入手しました。この情報だけでは首輪の解除は不可能です。 ※ユーフェミアの外見的特長を把握しました。 ※『黒子の仮説』を聞きました。 ※原村和が主催者に協力している可能性を知りました。 ※ヒイロ・ファサリナと情報交換し、今まで判明した情報を『エスポワール・ノート』で整理しました。 ※エスポワール船底に『ジングウ』が存在していることを知りました。 ※ヒイロから【憩いの館】にある遊技台、『戦場の絆』について聞きました。 ※衣の負債について、気づいていません。 【E-4/薬局/二日目/深夜】 【阿良々木暦@化物語】 [状態]:疲労(中) [服装]:直江津高校男子制服 [装備]:レイのレシーバー@ガン×ソード [道具]:基本支給品一式、毛利元就の輪刀@戦国BASARA、マウンテンバイク@現実、拡声器@現実 ギー太@けいおん!、ピザ@現実×10、衛宮邸土蔵で集めた品多数 [思考] 基本:誰も殺させないし殺さないでゲームから脱出。 1:グラハムさん…… 2:戦場ヶ原と合流したい。 3:憂はこのままにはしない。桃子、ルルーシュに対しては警戒。 4:支給品をそれぞれ持ち主(もしくはその関係者)に会えれば渡す。原村和とは一方的な約束済。 5:浅上らの無事を願う。 6:落ち着いたら【ホール】を再調査してみる。 [備考] ※アニメ最終回(12話)終了後から参戦。 ※回復力は制限されていませんが、時間経過により低下します。 ※サポート窓口について知りました。また、原村和が主催側にいることを知りました。 ※衛宮邸の土蔵にあったガラクタを多数回収しました。武器の類は入ってません。 ひょっとしたらなんらかの特別な物が混入してる可能性もあります。 ※衣の負債について、気づいていません。 ◆ ◆ ◆ 「まるで、アーサーがスザクの騎士みたい」 誰かが入ってくればすぐに飛びかかれるような体勢でドアの前で構えるアーサーを見ながら、ユーフェミアがくすりと笑う。 「ねえ、スザク。スザクを助けるために協力してくれている人がたくさんいるんです。 当麻にファサリナさんに暦にグラハムさん、あと、衣さんと黒子さんと藤乃さんという方も。 スザクが元気になったら、ちゃんとお礼を言わなくてはいけませんね」 ユーフェミアがスザクの右手を握り締める。 その手は微かに震えていた。 ユーフェミアはゆっくりと目を閉じる。 ――ねえ、スザク。 私は、人殺しになってしまったかもしれません。 それでもスザク。私は貴方に傍にいて欲しい。 貴方の傍に、私はいたいんです。 自分の罪は、自分で背負います。 自分の為すべきことは、自分で為します。 自分で考えなければならないことは自分で考え、自分で決めなければならなないことは自分で決めます。 私は、強くなりたい。 ちゃんと一人で立てるように。 守られるだけじゃなくて、スザクのことを守りたいから。 スザク。私は、皇女と騎士としてじゃなく、ただのユフィとスザクとして、貴方と共に在りたい。 同じ未来に向けて歩みたいんです。 だから貴方を騎士に任命したんです。 なんだか酷く矛盾しているけれど、これが私の偽らざる本心です。 だからお願い。 死なないで。 生きていて。 そして 『ユフィ……僕も……、君に…あえ、て……………』 ユーフェミアがゆっくりと目を開ける。 「……あの言葉の続きをちゃんと聞かせてください。ね、スザク?」 そう言って微笑むユーフェミアの瞳から、涙が一筋、流れ落ちた。 【E-4/薬局/二日目/深夜】 【ユーフェミア・リ・ブリタニア@コードギアス 反逆のルルーシュR2】 [状態]:全身打身、肩口に刺傷(応急処置済み)、疲労(大)、発熱(微熱程度) [服装]:さわ子のスーツ@けいおん! [装備]:アーサー@コードギアス [道具]:基本支給品×4、ティーセット@けいおん!、ルイスの薬剤@ガンダムOO 特上寿司×17@現実、空のワインボトル×4@現実、ピザ×8@現実、シャトー・シュヴァル・ブラン 1947 (1500ml)×25@現実、 ペリカード(3000万ペリカ)@その他、3449万ペリカ@その他 [思考] 基本:他の参加者と力を合わせ、この悪夢から脱出する。自分にできる事をする。 1:スザクには生きていてほしい。スザクのことは必ず助ける。 2:スザクと一緒に生きたい。スザクを守れるように、強くなりたい。 3:スザクが目を覚ましたら、スザクを助けるために協力してくれた人が大勢いることを伝える。 4:殺し合いには乗らない。 5:衣と直接会って話すためにギャンブル船へ向かう。逃げたり、目を背けることはしない。 6:本当に人を殺してしまったのだとしたら…… [備考] ※一期22話「血染めのユフィ」の虐殺開始前から参戦。 ※ギアスの作用により、ヒイロのことは忘れています。 ※アーニャの最期の言葉を聴き、『ギアス』の単語を知りました。 ※上条当麻の幻想殺しでギアスが解除されました。 ※ルイスの薬剤の残量は後続の書き手氏にお任せします(中身が無いとしても瓶は所持しています)。 ※グラハムが橋へ向かったことには気づいていません。 【枢木スザク@コードギアス 反逆のルルーシュR2】 [状態]:「生きろ」ギアス継続中、疲労(極大)、左腕切断、脇腹に銃創、右足骨折、肋骨骨折、出血多量、意識不明 [服装]:ナイトオブゼロの服(マント無し) [装備]:ベレッタM1934(5/8)、GN拳銃(エネルギー残量:中) 、鉈@現実 [道具]: [思考] 基本:??? 1:??? [備考] ※ラウンズ撃破以降~最終決戦前の時期から参戦。 ※主催が不思議な力を持っていることは認めていますが、死者蘇生が可能という点は全く信じていません。 ※一回放送の少し前に、政庁で五飛が演じるゼロの映像を見ました。また、ビデオメールの送信元と受信時間を確認しました。 ※飛行船についての仮説、ライダーの石化能力と藤乃の念動力についての分析を一方通行から聞きました。 ※二日目深夜に、ルイスの薬剤@ガンダムOOを飲みました。 ※通常の治療方法ではまず助からないでしょう。 時系列順で読む Back 女 の 闘い -覚悟- Next 疾走する超能力者のパラベラムⅠ 投下順で読む Back 女 の 闘い -覚悟- Next 疾走する超能力者のパラベラムⅠ 279 女 の 闘い -覚悟- 浅上藤乃 281 おわりのはじまりⅡ「東横桃子は笑わない」 279 女 の 闘い -覚悟- 天江衣 281 おわりのはじまりⅠ「少女には向かない職業」 279 女 の 闘い -悪夢- C.C. 280 疾走する超能力者のパラベラムⅠ 279 女 の 闘い -悪夢- 戦場ヶ原ひたぎ 280 疾走する超能力者のパラベラムⅠ 279 女 の 闘い -覚悟- ファサリナ 280 疾走する超能力者のパラベラムⅠ 279 女 の 闘い -覚悟- 阿良々木暦 280 疾走する超能力者のパラベラムⅠ 279 女 の 闘い -覚悟- グラハム・エーカー 280 疾走する超能力者のパラベラムⅠ 279 女 の 闘い -覚悟- 枢木スザク 280 疾走する超能力者のパラベラムⅠ 279 女 の 闘い -覚悟- 上条当麻 280 疾走する超能力者のパラベラムⅠ 279 女 の 闘い -覚悟- ユーフェミア・リ・ブリタニア 280 疾走する超能力者のパラベラムⅠ
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『無知の罪 前編』 18KB 虐待 自業自得 駆除 野良ゆ 独自設定 息抜き 爛々と照り注ぐ太陽。 暑さに汗を拭いながらもいそいそと行きかう人の波。 みな何か不満そうにしながらも、何か大きな事件が起こるわけでもなく淡々と、しかし賑やかな街の風景。 しかしそんな喧騒からはやや離れた薄暗い裏路地にて、ウゾウゾと蠢く二つの影があった。 「ゆっくじ、ゆっくちちたいよぉ!」 「ごめんねおちびちゃん!だめなおかあさんでごめんねええええ!」 野良ゆっくりだった。 どうやら親子のようで、成体サイズのれいむが一匹、同じく子ゆっくりサイズのれいむが一匹の計二匹の組み合わせだった。 その姿は健全なものとは言いがたく、二匹とも酷く薄汚れていて痩せ細っている。 さらに親れいむはどこかで引っかけたのか、お飾りの片方に大きな穴が空いており、 子れいむのほうもまた、目の下にクマが出来て今にも死にそうな状態だ。 周りにつがいや、他の子ゆっくりたちの姿が見当たらないのは全て死んだからだろう。 とは言えこれは特に珍しくもない、野良ゆっくりでは一般によく見られる光景であった。 「ゆびいいいいい!おなかちゅいたよおおおおお!ごはんさんたべちゃいよおおおおお!」 「ゆゆ!ごめんねおちびちゃん!ほら、おかあさんとすーりすーりしようね!」 お腹が空いたとグズる子れいむを、必死でなだめる親れいむ。 この親子は三日前から何も食べていなかった。。 つい先日親まりさという一家の生命線を失ったため、ただでさえ難しい食糧確保が絶望的な状況になったからだ。 もちろん親れいむも何とかして食糧を得るために、早朝のゴミあさりなどに精を出したりしていたのだが、 いかせん狩りの経験などろくにない親れいむは、満足に食糧を取ってくることが出来ずにいた。 「ゆぴい、ゆぴい、どうして!どうしてれいみゅたちゆっくちできにゃいのぉ!おかちぃよぉ!」 「ゆうう、おちびちゃん、がまんしてね!もすこしだからね!もうすこしでゆっくりできるようになるからね!」 一体何がもう少しだというのか? 親れいむには、この状況が改善できる当てでもあるというのか? いや、そんなものは全くない。 恐らく明日も明後日も一週間後も一ヶ月後もずっとこの生活が続くであろうことは薄々わかっていた。 しかしそれでも親れいむはそう言い続けるしかなかった。 何はともあれ、とにかくご飯だ! 少しでもこのゆっくりできない状況から抜け出すには、ご飯さんをなんとしてでも手に入れるしかない。 明日こそは!明日こそは狩りを成功させて見せる! そう親れいむが決意を新たにしているその時、 突然その変化は訪れた。 「ゆがっ、ゆげびっ!ゆっくちでぎ………ゆがらぼがあああああああああ!ゆぴぎゃあああああああああああああああ! ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ!」 突然子れいむが目を見開いて叫び出したかとかと思うと、今度は今までにないようなゆっくり出来ないスピードで、 ビクビクッと激しく痙攣しだした。 「おっ、おちびちゃああああああん!どうしたのおおおおおおおおお!しっかりしてねえええええええ!」 突然の事態に慌てふためく親れいむ。 限界だった。 そう、とうに子れいむは限界だったのだ。 生まれてこの方、全くゆっくり出来ない日々。 次々と死んでいく姉妹たち。 日々の食糧はゲロ腐ったまずいものが少量。 そしてついにはその食糧すら供給されなくなった。 それらのゆっくり出来ないストレスは順調に蓄積されていき、そしてついに子れいむの体内で爆発したのだ。 「あっ、ああああああ!おっ、おちびちゃん………」 目を血走らせて、涎を周囲に撒き散らしながら、奇声を上げ、ブルブルと痙攣する子れいむ。 誰がどう見ても助かるような状態ではない。 しかし、親れいむは諦め切れなかった。 ついに最後の一匹になってしまった、親れいむと親まりさの愛の結晶。 もはやまりさはこの世にいない。 なればこそ、このおちびちゃんはまりさがこの世に生きた唯一つの証! 絶対に守りたい、否守らなければならないのだ。 「まもるよおおおおおお!このおちびちゃんだけはぜったいにまもるよおおおおお! おちびちゃあああああん!ちょっとのしんぼうだからまっててねええええええ!」 親れいむはおうちからガサゴソとある物を取り出すと、意を決したように裏路地から外に飛び出して行ったのであった。 「♪~」 鼻歌を歌いながら少女が道を歩いている。 年齢は5、6歳くらいだろうか? その少女はいつものように近所の友達の家に遊びに行く途中であった。 少女の家では週に何度か母親がパートで家を空けることがあるため、その際の面倒を友達の家で見てもらうことになっていたのだ。 友人の家は目と鼻の先ほどの距離であり、この距離なら何の危険もあるまいと少女の両親も高を括っていた。 だがその矢先の出来事だった。 少女が道の曲がり角に差し掛かった途端、バッ!と薄汚い丸い物体がそこから飛び出してきたのだ。 「おい!おまえええええええええ!」 「ひっ!」 突然の出来事に思わず小さな悲鳴をもらす少女。 その薄汚い物体の正体は親れいむであった。 親れいむはギロリと少女を睨みつけると、攻撃的な口調で話しかける。 対する少女はそんなれいむを怯えた目で見つめていた。 いつもの何気ない日常から一転、醜悪な生き物に絡まれるという非日常に突入し少女は恐怖したのだ。 「れいむのおちびちゃんがびょうきなんだよ!いたいめにあいたくなかったら、さっさとくすりをだしてね! すぐでいいよ!はやくしろおおおおおおお!」 「えっ、あの、わたし……」 親れいむが子れいむを救うために取った選択肢。 それは、人間を脅し薬を持ってこさせることであった。 それなりに野良生活が長い親れいむは、自分たちがいくら助けてくれと訴えても街を行きかうケチな人間たちが、 自分らを救ってくれることはない程度のことは流石に知っていた。 それならばと親れいむが取った行動は強奪であった。 恵んでくれないのならば奪えばいいというわけだ。 しかも巧妙な事に、大人には勝てないと踏んだ親れいむは、そのターゲットに子ども選んだのであった。 道の曲がり角の隅にある小さな穴に隠れて、子どもが通りかかるのを待ち伏せしていたのだ。 そこへ運悪く少女が一人でやってきてしまったというわけだ。 だがしかし突然の親れいむの要求に、少女の方は困惑するばかりである。 当然だ。 いきなり出てきてそんなこと言われても、わけがわからないにきまってる。 ましてや彼女はまだ年端も行かない少女なのだ。 「ゆぎいいいいいい!ごちゃごちゃいってないで、さっさとおちびちゃんをなおす、くすりをだすんだよおおおおおお! さもないとおおおおおお!」 少女のオロオロとした様子に業を煮やしたのか、親れいむは威嚇するようにあるものを口に銜え、少女に突き出す。 それは……。 何処で拾ったのだろうか? 親れいむの口に咥えられているのは彫刻刀だった。 よく小中学生が図工やら美術で版画をやるときに使うアレである。 ナイフやカッターと違い、刃はとても短く殺傷力はそれほどではないが、それでも切れる事には違いない。 むしろ軽いためゆっくりが扱う分には好都合な武器である。 親れいむはもしもの時のためにおうちの中に隠し持っていたそれを、今持ち出してきたのだ。 「さもないとこれで、ぷーす!ぷーす!するよおおおおおおお! わかったらさっさとくすりをだせえええええ!かくしてるとゆるさないよおおおおおおお!」 「かっ、かくしてなんか……ないよ。 おうちになら……その、おくすりあるかも…」 興奮する親れいむに対して少女が消え入りそうな声で答える。 「ゆがあああああああ!だったら、さっさとおうちにもどって、そのおくすりをとってくるんだよおおおおおお! このぐず!おちびちゃんがまにあわなくなったらどうするのおおおおおおおお! さっさといけよおおおおおおおおお!」 「わ、わかった」 少女は頷くと、すぐさま元来た道を走り出した。 ここでもしもう少しこの少女が冷静だったら、あるいは賢かったのならば、 大声で周囲に助けを求める、あるいは友達の家にそのまま行き、そこにいる保護者に事情を話す等の選択肢もあり得ただろう。 しかし、少女にとって恐らく生まれてはじめてであろう、自分に向けられる明確な敵意や罵声対し、 その危機から逃れるために、与えられた命令をただ忠実に実行しようとしてしまった少女を誰も責められない。 焦りや恐怖は思考能力を奪うのだ。 ともかく少女は走り続け、そして家の前に到着した。 慌てて鍵を取り出し、扉を勢いよく開ける。 家には誰もいない。 親は仕事に出てるのだから当然だ。 となれば、自分で薬を探さなければならない。 そういえば前に熱を出して寝込んでしまったときに、親から薬だといわれて白い錠剤を飲まさたっけ。 口に入れた途端に広がったあの酷い苦味をよく覚えている。 薬といったからには、きっとそれのことに違いないだろう。 確か、薬箱は戸棚の下に……。 ガサゴソと少女は薬箱をあさる。 アレも違うこれも違う、確かあの薬はビンに入っていて…。 「……あった、これだ」 やがて少女は薬箱からビンに入った大量の錠剤を見つける。 あのときのものに間違いない。 これを持っていけば。 「急がないと!」 少女はぎゅっとビンを握ると、何かに突き動かされるように親れいむのいた場所へと再び走り出したのであった。 「はぁ、はぁ、はぁ」 少女は屈み膝に手を付いて呼吸を整えていた。 全力疾走で親れいむのもとまで戻ってきたため息が上がっているのだ。 「ゆぐうううう!おそいよ!なにやってたの! ゆっくりしないで、はやくくすりをだしてね!はやくしろおおおおおお!」 そんな少女の苦労にねぎらいの言葉をかけるでもなく、親れいむはクスリを催促をする。 「はぁ、はぁ、あのこれ……」 震える腕で少女が親れいむに差し出したその手には、錠剤が入ったビンが握られていた。 「ゆがあああああ!よごぜええええ!」 親れいむはそのビンが目的のものだとすぐさま察すると、突然に少女に向かって体当たりを仕掛けた。 「きゃっ!」 体当たりをまともに食らってしまう少女。 その親れいむの体当たりは大した威力ではなかったが、驚いた少女はバランスを崩し、尻餅をつくようにして後ろに倒れこんでしまう。 そしてその衝撃で少女は手からはクスリビンが地面に転がり落ちた。 「ゆああああああ!とったよおおおおお!これはもうれいむのものだああああああ!もうだれにもわたさないよおおおおお!」 親れいむは少女の手から離れたクスリのビンをガッチリと銜えると、高らかに宣言した。 おうち宣言の物バーションであろうか?親れいむはこれ以上ないというほどのドヤ顔である。 「ゆふん!れいはいわないよ!これはもうれいむのものなんだからね! それに、かわいいかわいい、おちびちゃんをたすけるのは、とうぜんぎむなんだよ!」 親れいむはしてやったりといった感じでニヤリと笑うと、そのまま一目散にその場から去っていってしまった。 「おちびちゃあああああん!まっててねええええええ!おかあさんがいまいくよおおおおおお!」 「…………あ」 そしてその場には放心状態の少女がポツンと一人残されるのみであった。 「おちびちゃああああああん!おかあさんがかえってきたよおおおおおお!もうだいじょうぶだからねええええええ!」 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ!」 急ぎ、おうちへと戻った親れいむ。 しかし相変らず子れいむはヤバイ表情でピクピクと小刻みに痙攣を繰り返している。 最早一刻の猶予もない状況だ。 「ゆああ!このおくすりさんさえあれば!」 親れいむはクスリのビンのフタの部分を咥えると、思い切り地面に叩き付けた。 バリン!と音を立てビンの底の部分が割れる。 多少中身が飛び散ったが、今はそんなことを気にしている場合ではない。 「ゆゆ!さあおちびちゃん! これでげんきになってねええええええええ!それでまたいっしょにゆっくりしようねえええええ!」 親れいむはクスリのビンに中に残っていた錠剤全てを一気に子れいむの口の中に押し込んだ。 そして………。 「ゆっ!?がっ!ぶっ……… ゆがぼがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 子れいむの口から溢れたのはこの世のものとは思えないほどの壮絶な絶叫だった。 いや、絶叫だけではない。 今までの痙攣がまるで可愛く思えるほど激しくビッタンビッタンと苦痛にのた打ち回り、 その体は体内の水分を絞りつくさくさんばかりに汗と涙と涎が垂れ流しになっている。 「ゆごぼげぼがああああああああああ!!!ごろじでええええええええ!」 その表情はもはや苦痛とか苦悶とかいった安易な言葉では表現できないほど歪みきっており、 子れいむの苦しみは、自ら死を望む叫びを絞りだすのにいささかのためらいもないほどであった。 「ゆあああああああ!ど、どうしてえええええええ!おちびちゃあああああんゆっくりしてええええええええ!」 そんな尋常ではない子れいむの様子に、ただ狼狽することしかできない親れいむ。 こんなバカな!どうしておちびちゃんがこんなに苦しんでいるんだ! どうして!なんで! 「ゆっ、おっおおお!おがあ……」 「ゆゆ!どうしたのおちびちゃん!なにかおかあさんにつたえたいことがあるの!」 子れいむは口をパクパクと震わせながら、虚ろな目で親れいむを見つめている。 わが子が最後の力を振り絞って、自分に何か言おうとしているのだ。 慌てて子れいむに近寄る親れいむ。 最愛のわが子が最後に残した言葉は。 「じ…ね…」 自分に対しての呪詛の言葉だった。 「ああっ、そんな!どじでえええええぞんなこというのおおおおおお!おかあさんがんばったんだよおおおおおおお!」 期待してたあたたかい言葉とは全く違う断末魔に言葉を失う親れいむ。 確かに親れいむはそれなりには努力したのかもしれない。 だが子れいむの立場からしてみれば、生まれてこの方全くゆっくりできないゆん生を歩まされた挙げ句、 最後に飛び切りの苦痛まで押し付けられたのであっては、恨み言の一つも言いたくなるというものだ。 「ゆゆううううう!とじで……どじでこんなことに……」 親れいむは体中から水分を絞り出しもはやゆっくりの原型をとどめていない子れいむの亡骸の前で涙する。 何故こんなことになったのか? ちゃんと薬をたくさん与えたはずなのに! ………いやまて!薬?あれは本当に薬だったのか? 親れいむは唐突にある疑問を閃く。 そしてその疑問を検証する方法は至極簡単であった。 親れいむはビンを割った際に周囲に飛び散った錠剤の一つをそっと舌の先で転がしてみた。 その瞬間、ビクン!と体が反応する。 「にがっ!ゆげええええええええ!!これどきゅはいってる!」 突然体中を襲った強烈な不快感に、慌ててクスリを吐き出す親れいむ。 何だこれは! ほんのちょっと舐めただけだというのに、余りの苦さに涙が出てくる。 毒だ!あのちび人間は薬と偽って毒を渡しやがったのだ。 「ゆっがあああああああ!あのくそにんげん、れいむをだましたなあああああああああ!」 怒りの炎が親れいむの体内に点火する。 こんな理不尽が許されていいのだろうか?いいやよいはずがない。 「こんな!こんなあくがゆるされていいのおおおお!」 チビ人間がとった鬼畜極まる行為に対する親れいむの魂の慟哭が辺りに響く。 その叫びに答えるものはいなかったが、親れいむは誰も何も言わなくても、自分がしなければならないことはわかっていた。 「わかってるよおちびちゃん!おちびちゃんは、ちびにんげんにしねっていいたかったんだね! おちびちゃんが、れいむにしねなんていうはずないもんね! まかせてねえええええええ!おちびちゃんのかたきはきっととるよおおおおお! あのちびにんげんを、かならずせいっさいするよおおおおおお!」 やってやる!刺し違えてでもあのチビ人間を制裁する。 許さない絶対に許さない! ゆっくりを怒らすとどういうことになるのか、目にモノを見せてやる! 親れいむは決意を胸におうちを後にしたのであった。 「…………ふぅ」 溜息をつきながらいつもの道をとぼとぼと歩く少女がいた。 あの親れいむに襲撃された少女だった。 例のあの事件から数日後の今日は、友達の家に行く日である。 いつもなら鼻歌でも歌いながら道を歩くのだが、今の少女はうかない表情である。 その理由は言うまでもなく先日の出来事が原因であった。 道を歩いていたら、突然汚い生き物に襲われたあの事件のことである。 はっきり言って怖かったし、もう二度と係わり合いになりたくないと思う。 でも少女は再びこの道を歩いて友人の家へと行かなければならない。 何故なら少女はこの出来事を親にも友人にも相談していなかったからだ。 勝手に薬を持ち出してしまったことが親にばれて怒られると思ったからである。 実に子どもらしい理由だ。 そんなわけで少女はまた一人で例の道を歩いていたわけであった。 しばらく進むと例の曲がり角がやってくる。 前回はここからヤツは飛び出してきた。 ………いや、もうよそう、忘れよう。 全ては終わったことなのだ。 きっと大丈夫だ。 そう思い、歩き出した次の瞬間、少女の淡い期待はもろくも崩れ去ることになる。 「みつけたあああああああ!ようやくみつけたよおおおおおおお!」 「ひっ……」 出た!また出た! 薄汚れた首だけの物体。ゆっくりがまた少女の目の前に立ちふさがったのだ。 なんとあの親れいむは子れいむが死んだ後から、ずっとこの場所で少女がくるのを待ち伏せていたのだ。 なかなかどうして、その執念だけは大したものである。 「あっ、あのごめんなさい。もうお薬はないの、だから………」 「ふざけるなああああああ!」 少女の言葉を親れいむの大声が妨げる。 「あれのどこがおくすりなんだああああああああ! うそつきめええええええ!どくなんかわたしやがってえええええ! おかげでれいむのおちびちゃんは、しんじゃったんだよおおおおおおおおお! ねえ、たのしいの!じゅんっすいなゆっくりをだましてたのしいのおおおおおおお!」 いきなり現れてはヒステリックに叫ぶ親れいむに、少女は困惑するばかりだった。 「えっと、あの、でもあのおくすりは、わたしがねこんだときにつかったやつだから、 どくだなんてことは……」 「はああああああああん!なにいってるのおおおおおおおおお! おくすりっていったら、あまあまのことだろうがああああああああ!」 「あっ、あまあま?」 「そうだよおおおおお!そんなことじょうっしきでしょおおおおおおお!ばかなの?しぬのおおおおおお!」 「あの…ごめんなさい。 その、私よく知らなくて…」 「しらなかったですむかあああああああ! このむちがああああ!じぶんがやったことの、つみのおもさがわかってるのかあああああ! せいっさいだああああ!むちなちびにんげんは、れいむがせいっぎのせいっさいをするよおおおおおおおお!」 そう叫ぶと親れいむは、前回のときのように彫刻刀を咥え少女に構えた。 完全に殺る気だった。 そして少女は足がすくんで動けない状態である。 このまま親れいむが前に向かって飛び出せば、まさかの事態が起こりえてしまう、 そのときである。 「おい!そこで何やってる!」 声が響いた。 慌てて親れいむが声がした方向に目を向けると、遠くから長身の女性がこちらを見ている。 否、すでにこちらに向かって駆け出している。 「ゆぐ!」 まずい!と親れいむは思った。 大きなクソ人間に見つかった、このままではやられてしまう可能性がある。 一人くらいなら何とかなるかもしれないが、自分はおちびちゃんの仇を討つまで、万が一にもやられるわけにはいかないのだ。 「ちきしょおおおおおおお!おぼえてろよおおおおおお!くそにんげんがああああああ! ぜったいふくしゅうしてやるからなああああああ!」 くるりと踵を返し、捨て台詞を吐きながら、一目散にそこから逃げ出す親れいむ。 「ちっ!」 それを見て舌打ちした女は、しかし逃げる親れいむを放置し、一目散に少女の所へと向かった。 正しい判断だった。 ゆっくりなんぞを追いかけることよりも、まずは人間の少女の事を優先するのは当然だ。 「大丈夫か君!どこか怪我は?」 「あっ………」 緊張が解けて力が抜けたのか、ストンと膝を地面に付く少女。 「おっと」 慌てて少女をさせえる女。 「怖かったね、でももう大丈夫だ。 ああ、お嬢ちゃんはこの辺の子なのかな? 家はどこかな?親御さんの連絡先はわかるかい?」 女は、少女が落ち着くのを待ってからもろもろの事情を訊ねたのであった。 「本当にありがとうございました」 「いえ、まあ私は偶然通りかかっただけですから」 ペコペコと頭を下げる少女の両親に対して女は謙遜するように両手を振る。 あの後、女と少女は、少女の友人の家に行き、そこから両親へと連絡を取った。 話しを聞いた少女の両親は、仕事先から飛んで帰ってきたのであった。 その際、これまでの経緯を全て話した少女は、どうして今まで黙っていたんだと両親にしっかり怒られていた。 だが、最後には怪我がなくてよかったということで話しは落ち着いたようだ。 これからしばらくはあの親れいむが出ても大丈夫なように、友人の家に預ける際にも母親が送り向かいをするということになったらしい。 とりあえずは、めでたしめでたしである。 「さてっと」 少女の家を離れた女は鞄から携帯を取り出し、何処かへ電話をかける。 「あー、もしもし、ああ、うん私だ。 実はね、偶然だがこの辺りのゴミ共を一掃するのにちょうどいいネタを仕入れたんだ。 興味あるかい?」 電話先の相手に話しながら女はニヤリと笑った。