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高校卒業後、すぐに免許を取った私は車を探していた。でも、何なのかしらね、これといった車が見当たらない。金ならたくさんあるのに、パートナーとしての車が見つからない。そんな日々が続いていたある日、廃車の中から、私は『ソイツ』を見つけた。なんだろう?この感じ、まるで呼ばれてるみたい・・・・・見た目はなんともないL型の初期のZ。 ためしに業者に頼んで中を見てみた。L28改ツインターボ、見た目はなんともないけど、中身は化け物みたい。でも、乗ってみたい。このZに、一度、あの湾岸を駆け抜けたい。 むりを承知でたのんだら、不思議にもOKしてくれた。ナンバーもそのままもとの持ち主の引継ぎ、車検証も書いたし、これでこのZはあたしのもの。ガレージも用意してあるから、早速走ろうかしら。夜の湾岸に。 「すごい、じりじりと熱気が伝わってくる、これがあたしの求めたもの、そして、あなたがあたしを呼んだ、ねえ?Z。」 ふと後ろからすごい勢いで走ってくる車がいた。速い。200キロ前後で走ってるのに、相手はそれ以上、車種は・・・・・ブ、ブラックバード?!望むところじゃない、相手にとって不足はないわ、勝負してやる!ってあら、付いて来いといってるのかしら、まあいいわ、ドライバーと話がしたかったし、ここから近いのは大井ね、そこまで誘導してもらいましょ。本当に、古泉君と有希は結婚するためにロンドンに行っちゃうし、みくるちゃんは芸能界に入ってからまったくあわないし、キョンは高校出てからぜんぜん見ないしsos団全員ばらばらになっちゃたわね・・・・・・・。 ~昔の思い出~ キョン「もう、卒業か・・・長いようで短かったな。」 あたし「キョン、あんたこれからどうすんの?」 キョン「社会人になるさ、大学には行かない。」 あたし「みくるちゃんは?」 みくるちゃん「私はもう社会人です、芸能界からスカウトがたくさん来てまして・・・・・」 あたし「そう?薬に手出しちゃだめよ?有希は?」 有希「主婦になりたい。」 あたし「主婦って誰がだんな様?」 有希「この中の誰かと。」 あたし「そう・・・・・古泉君は?」 古泉君「社会人になりますよ、僕も。もっとも、長門さんと一緒に暮らすつもりですが・・」 あたし「そうなの?お幸せに。じゃあ、またどこかで出会いましょ。」 ~これが事実上解散宣言だった。さあ、昔のことは忘れよう。ブラックバードのドライバーにいろいろ聞きたいことがあるからね。 涼宮ハルヒの湾岸(ブラックバード編)に続く
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涼宮ハルヒの憂鬱 涼宮ハルヒの憂鬱の曲一覧です。 No.40 雪、無音、窓辺にて。 曲元 キャラクターソングVol.002 アーティスト 茅原実里 BPM 280 変速 無 停止 無 難易度 周65 楽5 踊8 激14 鬼17 作20 歌詞 無 動画 無 容量 2.3MB ダウンロード ダウンロード No.38 世界が夢見るユメノナカ 曲元 涼宮ハルヒの約束 アーティスト 平野綾・後藤邑子・茅原実里 BPM 85-170 変速 有 停止 有 難易度 周0 楽0 踊0 激8 鬼13 作0 歌詞 有 動画 無 容量 4.21MB ダウンロード ダウンロード No.6 雪、無音、窓辺にて。 曲元 キャラクターソングVol.002 アーティスト 茅原実里 BPM 140 変速 無 停止 無 難易度 周0 楽0 踊11 激10 鬼9 作8 歌詞 無 動画 無 容量 2.16MB ダウンロード ダウンロード
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これは「涼宮ハルヒの改竄 VersionH」の続編です。 プロローグ あたしはこの春から北高の生徒になる。 そして明日は待ちに待った入学式だ。 担任教師からは「もっと上の進学校へ行け」と言われたがそんなのは耳に入らなかった。 親父と母さんは「ハルヒの人生なんだからハルヒのしたいようにするといい」と言ってくれた。 あたしにはどうしても確かめたい事があった。 それは「あいつ」と「ジョン・スミス」の関係。 もしかしたら「あいつ」も「ジョン・スミス」もいないかもしれない・・・ 何も無い退屈な3年間の高校生活が待っているかもしれない・・・ ハンカチを返せないかもしれない・・・ でも、「あいつ」とはまた会えるという予感は3年経った今でもはっきりしている。 「あいつ」と会ったらまず何を話そう・・・ 「あいつ」と3年間の高校生活で一緒になにをしよう・・・ なんて言ってハンカチを返そう・・・ そんな期待と不安が頭を支配して全然眠れない。 もし「あいつ」がいたら同じクラスだといいな。 もし「あいつ」が同じクラスだったら席はあたしの前がいいな。 そんな「もし」をいくつも考えていたらあたしはいつの間にか眠っていた。 とてもいい夢を見ていた。 どうせなら、現実と入れ替えたいと思うような夢だった。 なんで、夢だって分かるのかって? だって、それは現実ではありえないことだったから・・・ だから夢だって分かるのよっ! どうやら夢というのは一番いいところで終わるらしい。 あたしが目を醒まし、起き上がると目覚まし時計が床に転がっていた。 寝ぼけながら投げ飛ばしたらしい。 あたしってこんなに寝起き悪かったかしら? 時計を拾って時間を確認する。 そこで頭が一気に覚醒した。 ヤバッ、寝坊したっ!! 「涼宮ハルヒの入学 version H」 慌てて部屋を出て階段を駆け下りたあたしを母さんが出迎えた。 「あらあら、ハルちゃんおはよう。女の子が朝から階段でダッシュしちゃダメよ?」 「おはよう母さん、次からは気を付けるわ。って今はそれどころじゃないのっ!!寝坊しちゃったのよっ!マズい、このままじゃ完全に遅刻よっ!どうしよ~」 も~、どうしてあいつに会えるかもかもしれない大事な日にこんな大ポカかますのかしらっ!! あたしが地団太を踏んでいると母さんがあたしの肩を叩きながら言ってきた。 「まぁまぁ、ハルちゃん落ち着いて。今日は私たちも式に参加するからお父さんの車で一緒に行くって言ったでしょ?だから、まだ時間に余裕はあるから早く準備しちゃいなさい。いつまでも地団太踏んでるとホントに時間なくなるわよ」 あ、そうだ。 今日は親父の車で行くから時間に余裕があったんだ。 「でもハルちゃんが寝坊なんて珍しいわねぇ。というかハルちゃんが学校へ行くのにワクワクするなんてあの高校には何かあるのかしら?」 それを聞いたあたしは、顔に血が昇ってくるのを感じた。 母さんの勘は鋭い。 「べ、別に、何にもないわよっ!!ただ、普通に寝坊しただけよっ!!」 って言ったって顔が真っ赤になってたら説得力ないわよね。 すると母さんはあたしを後ろから抱きしめた。 「今度は、あの子と同じ学校になれるといいわね」 あたしにはそれが恥ずかしくて、小さく頷く事しか出来なかった。 あたしには、どうしても振り払えない不安があった。 あいつ、あたしのこと覚えてるかな・・・ もし忘れられてたら辛いな・・・ 「もし、あの子がいたら綺麗になったハルちゃんをたっぷり見せ付けてやっちゃいなさい。ゴリゴリ押して勝利を掴むのよっ!!」 母さんの言葉から沢山の勇気をもらった。 あたしはその言葉に感謝を込めて、今度は大きく頷いた。 「母さん、親父はどこに居るの?」 そういえば、まだ親父に会ってないわ。 「今、車を洗車しに行ってるわ。あと10分位で帰ってくるって電話があったからサクサク準備しちゃいなさいね」 あたしは時計を見てまたパニックになった。 あと15分以内に準備を済ませないとホントに遅刻だわ。 高速で身支度を済ませたあたしは、新しい制服に身を包み洗面所の前に立っている。 さて、今日はどんな髪型にして行こうかしら。 このまま下ろして行ってもいいんだけど、なんとなく括りたい気分なのよね。 よし、今日はポニーテールにしよう。 あたしはお気に入りの黄色いゴムバンドで腰まである後ろ髪を括り立派なポニーテールをつくった。 「ハルちゃ~ん、そろそろ行かないとホントに遅刻するわよ~?」 「は~い、今行くわっ!!」 外に出ると親父と母さんがスーツ姿で立っていた。 「おはよう、ハルヒ。晴れてよかったな」 「おはよ、親父。ホント最高にいい天気ね」 あたしは雲1つないそらを眺めた。 「じゃあ、時間も無いしそろそろ行くとするか」 あたし達は、車に乗り込むと北高へ向けて走り出した。 道路は空いていて予定よりも早く到着しそうだった。 あたしは助手席から北高へ続く長い長い坂道を眺めていた。 これからはこの坂を毎日往復しなきゃならないのね・・・ 入試の時は、ハイキング気分が味わえていいなぁと思ったけど、毎日だったらうんざりしそうだわ。 そんな事を考えていたら北高の正門に到着していた。 そこであたしと母さんが車から降りると、親父は指定された駐車場へ車を置きに行った。 あたしと母さんは親父を見送ると受付へと向かった。 受付には40代位の用務員がいて、あたしはそこで名前と受験番号を答えた。 「はい、では涼宮ハルヒさんのクラスは1年5組になります。座席表は教室の入り口に貼ってありますから教室に入る前に確認して下さい。保護者の方は体育館の方にお席を用意しておりますのでそちらの方でお待ち下さい。本日は御入学おめでとうございます」 「ありがとうございます。じゃあ母さん、行ってくるわ。また後でね」 「ええ、ハルちゃん。いってらっしゃい」 あたしは用務員にお礼を言うと、母さんと別れ1年5組の教室を目指した。 教室の前に着くとあたしは自分の名前を探す前に「あいつ」の名前を探した。 けど、あたしは「あいつ」の名前を知らない・・・ なにやってんだろあたし・・・ あたしは気を取り直して自分の名前を探し出すと、教室に入り席に着いた。 教室をぐるっと見渡すと、クラスの机のほとんどに誰かが座っている。 やっぱり「あいつ」はいないのかな・・・ あたしの心を嫌な予感がどんどん支配する。 いえ、もしかしたらクラスが違うだけかもしれないわ。 きっとそうよ、後で探しに行こう。 あたしの心が期待と不安の間を揺れているとこのクラスの担任教師が入ってきた。 「みんな、おはよう。このクラスの担任になった岡部だ。これから1年間よろしく頼む。色々話をしたいがそろそろ式が始まるので廊下に出て番号順に1列に並んでくれ」 担任教師の話を全く聞いていなかったあたしは、ぞろぞろと教室を出るクラスメイトに気づいて慌てて教室を出た。 体育館に着いてパイプ椅子に座った後、あたしは他のクラスの中に「あいつ」がいないかキョロキョロと探していた。 周りのやつらから見れば、あたしはかなり変な奴だったでしょうね。 でも、そんな事を気にしてる余裕は今のあたしに無かった。 もし、「あいつ」がいなかったらこの学校に来た意味が無い。 もし、「あいつ」がいなかったらあたしの疑問は一生解けない。 もし、「あいつ」がいなかったらまたハンカチを返せない。 もし、「あいつ」がいなかったらまたあたしは一人ぼっちだ。 もし、「あいつ」がいなかったらあたしは寂しい。 幾つもの「もし」を重ねていたら式は終了していた。 その後、来た時と同じくクラス毎に並んで退場し、あたしは式が始まるまで座っていたあたしの席に座っていた。 担任教師が全員が席に着いたのを確認すると教卓から話を始めた。 「まず最初に、1つ空いてる席があるが、そこの奴は、朝階段で転んで病院行ってから来ると式が始まる前に連絡が入っている」 初日からそんなドジするなんてどんな奴よ? って、あたしも人の事は言えないか。 「では改めて、このクラスの担任になった岡部だ。みんな1年間よろしく頼む。俺はハンドボール部の顧問をしているので、このクラス全員がハンドボール部に入部してくれる事を期待している」 さっきからハンドボールの話ばっかね、他に話す事無いのかしら? つまらない担任教師の話を聞きながら、未だに誰も座っていないあたしの1つ前の席をぼーっと見ていた。 初日に階段から落ちるなんてホント間抜けよね。 いい加減、「あいつ」が居ない事でいつまでもヘコんでいるあたし自身にイライラしてきた。 でも、あたしにはどうにも出来ない。 「あいつ」と会ったあの日からまた「あいつ」と会うことだけを目標にしてきたのだから・・・ 「あいつ」と会って変わったあたしを見てもらいたかった。 七夕の日に会ったジョン・スミスと「あいつ」がどういう関係なのか確かめたかった。 でも、どうやらそれも叶いそうにないな・・・ あの日からどんな事があっても絶対に流さなかった涙が滲んでくる。 「じゃあ、まずはじめに1人1人自己紹介をしてもらおうかな。出席番号1番から順番に頼む」 どうやら担任教師のハンドボール話が終わったようで、クラスメイトの自己紹介が始まった。 どいつもこいつも同じような事しか言わない。 趣味は読書とかスポーツとか、もっと具体的な内容まで言えばいいのに。 全く、オリジナリティが欠落してるわね。 なんて、クラスメイトの評価をしていたらあたしの番になった。 よし、オリジナリティってもんを見せてやるわ。 全員、耳の穴かっぽじって聞きなさい。 あたしは勢い良く席を立った。 「東中出身。涼宮ハr「遅れてすいませんでした~」 突然のやる気の無い声があたしの勢いを全て奪った。 あたしは自分の勢いを奪われたイライラとあたし自身へのイライラの両方でかなりプチっときた。 「あ~、とりあえずスマン」 反省の色が全然見えないので鉄拳制裁してやろうとそいつを睨みつけた。 ら、そこにはバツが悪そうな顔をしたジョン・スミスが立っていた。 「ちょっとジョン、なんであんたがここにいるのよ?」 「誰だ?そのジョンというのは?頼むからこれ以上変なあだ名は増やさないでくれ。はるひ」 「じゃあ、あんたはあの時の「あいつ」なの?」 「あぁ、久しぶりだな」 「ホントにね。ってか何であたしの名前知ってんのよ?」 「それは話せば長くなるんだが、とりあえず後にしよう」 は?なんで?と頭に?マークを浮かべていると「あいつ」は手で周りを見るように促してきた。 あたしはグルッと教室を見渡すと、クラスメイトが苦笑いしていた。 あたしはそんなのを気にしないけどこれから幾らでも話が出来るんだから今は我慢する事にした。 「あいつ」は担任教師に報告を済ませると、あたしの前の席に着いた。 階段から落ちたドジってこいつだったのね。 「じゃあ、今来た○○○○には最後に自己紹介をしてもらう。悪いが涼宮もう一回頼む」 すっかり勢いを無くしたあたしは 「東中出身。涼宮ハルヒ。趣味は不思議探索です、以上」 という中途半端な自己紹介しか出来なかった。 あとで「あいつ」にたっぷり文句を言ってやるわ。 その後、「あいつ」の自己紹介を期待していたんだけど、平凡な自己紹介だった。 ちょっと、がっかりね・・・ でも、あたしは「あいつ」の事何にも知らないのよね。 これから、「あいつ」の事いっぱい教えてもらおう。 そして、「あいつ」にあたしの事も知ってもらおう。 あの日から、頑張ってきた事を聞いてもらいたい。 今日の予定は全て終わったみたいでSHRの後解散になった。 あたしが「あいつ」に文句を言ってやろうとした時、他のクラスメイトが「あいつ」に話しかけていた。 「キョン、朝から災難だったみたいだね~」 「あぁ、全くだ」 どうやら「あいつ」のあだ名はきょんっていうみたいね。 あたしがそう呼んでも怒らないかな? 「キョン、この後はどうするの?」 「あぁ、ちょっと用事がある」 「そうなんだ、じゃあまた明日ね」 「あぁ、じゃあな国木田」 キョンが友達を見送るとこっちを見てきた。 「な、何よ?キョン」 それを聞いたキョンは少し驚いた顔をした後「やれやれ」と言いながら溜息をついた。 あたしにはそれがなんだかくすぐったかった。 「お前も、俺をその名で呼ぶのか?出来たら勘弁してもらいたいのだが」 「いいじゃない。キョンの方が愛嬌があるんだから」 「はぁ、もう好きにしてくれ」 もっと、言いたい事が沢山あったはずなのに、何も頭に浮かんでこない。 「そうするわ。でもホントに久しぶりだわ。キョンはあんまり変わってないわね」 背が伸びて格好良くなったなんて今のあたしにはとても言えそうにないわ。 「ははは、そうかもな。ハルヒはとっても綺麗になったな。一瞬誰か分らなかったぞ」 しばらく何を言われたのか理解できなかった。 理解したらぐんぐん顔が熱くなるのが分かった。 キョンはあたしの様子を見て、自分が何を言ったのか理解したらしい。 キョンも顔が真っ赤だわ。 全く、初日から何してるのかしらあたし達・・・ その時、あたしの携帯が鳴った。 発信は母さんだった。 キョンの方を見るとキョンの携帯もなっているようだわ。 あたしはキョンの方を見るとキョンもこっちを見てきて無言で頷いた。 あたしも頷き返すと電話に出た。 もうちょっとキョンと話がしたかったな。 「もしもし、母さんどうしたの?」 「あ、ハルちゃ~ん。お疲れ様~、今から昼ごはん食べに行くから早く降りてきなさい」 「分かったわ。今から行くわ、じゃあ切るわよ」 「ちゃんと、あの子と一緒に出てくるのよ。じゃあ待ってるわね」 「ちょ、母s「プチ」 ツー ツー ツー 何で母さんがキョンがいるって知ってるんだろ? 隣を見るとキョンがあたしと同じような事を考えてる様な顔をしていた。 キョンはまた「やれやれ」と溜息をついた。 あたしとキョンは横に並びながら昇降口へと向かった。 昇降口を出ると、親父と母さんが知らない人と話をしていた。 誰かしら?親父達の知り合いかしら? ふと隣にいるキョンを見てみたらポカーンと口を開けていた。 「キョン、どうしたの?」 「あれ、お前のとこの両親だよな?」 「うん、そうだけどそれがどうかしたの?」 「隣に居るのは俺の両親と妹だ」 「ふーん、そうなんだ。って、えぇ、な、何であたしの両親とあんたの両親が仲良く話してんのよ?」 「俺にもさっぱり分からん」 するとキョンの妹ちゃんがこっちに気づいたみたい。 「あ~、キョン君達来たよ~」 「や~っと来たの。もう、ハルヒちゃん可愛いから2人の世界に入っちゃうのは分かるけど、少し位周りの事も考えなさいねキョン」 「ですよね~。でもキョン君もあんなに格好良いからハルちゃんが夢中になるのも分かるわ。あたしもあと20歳若かったらキョン君狙ってます」 等と母さんとキョンの母が冷やかしてくる。 「ちょ、何勘違いしてるのよっ!?あたし達はそんなんじゃないわよ」 「「ふ~ん」」 「あ~もう!!黙ってないでキョンも何か言ってやりなさいよっ!!」 「スマン、ああなると母さんは止まらないんだ。諦めてくれ」 「あんた、苦労してるのね。親からもあだ名で呼ばれてるし」 「分かってくれるか?」 「えぇ、あんたに送ってもらった日からあたしの母さんもあんな感じだから・・・」 「お互い苦労するな」 「全くね。でも、あんたとなら誤解されてもあたしは嫌じゃないけどね」 「え、それはどういう意味だ?」 「なんでもな~いわよっ!!」 あたしはキョンを置いて母さん達の所へ走っていった。 その後、あたしの家族とキョンの家族とで合同入学祝いをやったわ。 「高校生にもなって酒も飲めんでどうする~」 とかいって親父がキョンに酒を勧めている。 キョン父が止めてくれるだろうと思っていたけど悪ノリして親父と一緒に飲ませようとしている。 母さんたちは母さんたちで 「早く孫の顔を見たいですよね~」 とか言ってるし。 孫って何よ? 幾らなんでも気が早すぎるわよ。 母さん達がアテにならなそうなのであたしは単身でキョンを助けることにした。 テーブルに置いてあった水を一気に飲み干してあたしは親父達に言った。 「ちょっと、あたしのキョンになにしてんのよっ!?いい加減あたしに返しなさいよっ!!」 って何言ってんのあたし? 何か頭回らないし、ぼーっとするわ。 親父達がポカーンとしている間にキョンは抜け出したらしく、慌ててあたしの手を引いて部屋から出た。 キョンは中庭に出るとあたしを備え付けられたイスに座らせた。 こうしてるとあの時みたいだな・・・ と思っていたらキョンが話し出した。 「どうしたんだ、いきなり?あんな事言うからビックリしたぞ」 「ん、ごめん・・・」 キョンは俯いているあたしの頭をやさしく撫でてくれた。 あたしは恐る恐る顔を上げてキョンを見上げた。 そこにはとっても優しい微笑があった。 「もう、すっかり元気になったみたいだな。これでも結構心配してたんだぞ?」 「ホントに?ホントに心配してくれたの?」 「あぁ、ホントに心配したぞ」 「ありがと・・・」 あたしはキョンに抱きついていた。 キョンは驚いていたけど、それでもあたしの頭を撫でてくれた。 あたしがキョンの胸元から顔を覗きこむとキョンは何かを決意したらしくそっとあたしの顔に自分の顔を近づけてきた。 あたしも応えるようにキョンの首に両腕を回した。 そしてあたしは目を閉じてキョンを待った。 「あ~、キョン君とハルヒちゃんがちゅーしようとしてる~」 突然の声に驚いたあたしとキョンはばっと離れて声がした方を凝視した。 そこにはキョンの妹ちゃんが指を指しながら立っていた。 「妹よ、そこで何をしている?」 「ん~とね、お母さん達がキョン君達帰ってくるの遅いから呼びに言ってきてって」 「そうか、分かった。今から行くから先に戻ってなさい」 「うん、分かった~」 キョンの妹ちゃんが足早に中庭を出て行ったのを見計らってキョンが話掛けてきた。 「だ。そうだ。残念だが次回に持ち越しだな」 「そうね、ホントに残念だわ」 「仕方ない。戻るぞ」 「えぇ、そうしましょ」 と立ち上がろうとした。 けどうまく立ち上がれなかった。 転びそうになったけど恐怖は無いわ。 だって、キョンが抱きとめてくれるから・・・ 「やれやれ」と溜息をつきながら 「大丈夫か?またおんぶしてやろうか?」 「大丈夫、歩いていけるわよ」 あたしは真っ直ぐ歩けないほどフラフラしていた。 次にくる台詞はなんとなくだけど分かった。 「なんなら、お姫様抱っこでもいいが?」 「そうね、そうしてもらうわ」 そう言ったらキョンはあっけにとられてたわ。 しばらく考えてたみたいだけど、ついに覚悟を決めたらしい。 「よし、いくぞ」 そう言ってあたしを持ち上げた。 あたしはもうドキドキしすぎて声も出せない。 「スマンが、慣れてないから首に掴まっててくれるとありがたい」 あたしは言われた通りに首に両腕を回しながら言葉を無理矢理搾り出した。。 「自分からするっていったんだから、しっかりしなさいよね」 「おう、任せとけ」 部屋に向かってる最中あたしはキョンに聞いた。 「ねぇキョン、あたし変われたかな?頑張れたかな?」 「お前が自分で変われたって、頑張れたって思うのなら達成出来てるんじゃないか?」 「うん、そうだよね。でもね、あたしを変えてくれたのも、頑張れるようにしてくれたのもキョンなんだよ」 「そ、そうなのか?」 「うん、そうだよ」 「そうか、それは光栄だね」 「だからキョン、これからずっとよろしくね!!」 「おう、こちらこそよろしくな」 部屋に到着するとみんなビックリしていた。 まぁ、当然よね。 あたしはキョンの腕から下ろされて残念だと思っていたら、キョンにハンカチを返すのを忘れていた事に気づいた。 あたしは制服のポケットからアイロンをかけたハンカチを取り出した。 「キョン、これ返すわ。いままでありがと」 「ん、あぁ、これか。なんだったらずっと持ってていいぞ」 「ありがと。でも、もう必要ないわ。だって・・・」 「だって?」 「これからはずっとキョンと一緒なんだからっ!!」 fin エピローグ どっちの両親もベロンベロンでもう帰れそうにないわ。 キョンの家はこっから近いみたいだけどあたしの家は結構距離がある。 どうしたものかしらと悩んでいたらキョンの母がとんでもない事を言い出した。 「涼宮さん、今日うちに泊まっていったらどうですか?」 「えぇ~、いいんですか~?ハルちゃ~ん、どうしよっか~?」 「だ、駄目に決まってるじゃない。何言ってるのよ?」 「ハルちゃんもあぁ言ってる事ですし、お世話になりま~す」 「やったぁ、じゃあ、そろそろ行きましょうか?ハルヒちゃんはキョンの部屋に泊まってね」 「人の話をちゃんと聞け~っ!!」 エピローグ2 キョンの部屋にて 「キョン、ホント迷惑かけてごめんね」 「もう気にすんな。そもそも迷惑だと思ってねぇよ」 「うん。ありがと」 「さぁ、もう寝よう。俺は疲れた」 「ぅん」 「ハルヒがベッドを使ってくれ。俺は床で寝るから」 「ぇ?一緒に寝てくれないの?」 「いや、流石にそれはマズいだろ、色んな意味で」 「あたし、枕替わると眠れないのよね」 「だからなんだ?」 「腕枕してくれたら眠れる気がする」 「・・・分かった。ハルヒがそうしたいならそうしよう」 「ホント?ありがとキョン大好きっ!!」 あたし達は今同じベッドで横になっている。 逆にドキドキして眠れないわ・・・ 「こんなに早く夢が現実になるとは思わなかったわ」 「そりゃ奇遇だな。俺もだ」 え?今のどういう意味?キョンも同じ夢を見てたの? だったらなんかうれしいな。 なんて思うのは一人ヨガリかな? なんか一緒にいるだけじゃ我慢できなくなってきた。 もっとキョンを感じたい・・・ 「ねぇ、キョン。さっきの続きしよ?」 こうして二人っきりの夜は更けていった・・・ 番外編 ver バカ親’S キョンの部屋の前 「ねぇ、キョン。さっきの続きしよ?」 H母「ずっと他人と距離を置いていたハルちゃんがあんなに積極的になって・・・母さんもう死んでもいいっ!!」 K母「ちょ、涼宮さん、声大きいですよ。これじゃ気づかれちゃいます」 H父「そうだぞ母さん、ここからがいい所なのに邪魔しちゃ悪いだろ?」 H母「分かってますよ、でもお父さんだって娘があんなに立派に成長してくれて嬉しいでしょ?」 H父「そりゃ、嬉しいさ。あんなに格好いい彼氏つくってまさしく青春って感じだな。そう思いますよね?」 K父「そうですね、でもハルヒちゃんはうちのにはもったいない位です。」 K母「ホントよね。キョンにはもったいないわ」 H母「そんなこと言わないで下さい。キョン君以外の子にハルヒを上げる気はないんですから!ね、お父さん?」 H父「そうですよ。十分ハルヒと渡り合っていけます。あの子が私以外の異性であんなに楽しそうに話すのはキョン君だけなんですよ」 K父「そう言ってもらえると光栄です。これからもうちのをよろしくお願いします」 K母「あたしからもよろしくお願いします」 H母&H父「「こちらこそ」」 その時、勢いよくドアが開いた。 ハルヒ&キョン「さっさと寝ろ~っ!!雰囲気ぶち壊しだ~っ!!!!」 涼宮ハルヒの入学 versionK
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―――― 三日目 ―― さわやかな朝だ。といっても窓の外は瓦礫の山なんだがな。それにしても、昨日は 一日が短いようで長かったな。24時間には収まりきれないほどの充実っぷりだったね。 とりあえずロビーに行くか。いつ出発できるかわからんわけだからな。 「ジャンボジェットが一機とれたっつぅから二回に分けて日本に帰ることになった。 十時半には奇数組が空港へ出発、三時過ぎには偶数組も出発するから準備しておくよ うに。」 ようやく日本へ帰れるわけか。ひどい目にあったのも確かだがたった二日ちょっと で帰国してしまうというのももったいない気がするがな。 桃園国際空港に向かうバスの中でもハルヒは俺の横の席に陣取り俺の方を見てニヤ ニヤしていた。そんなに俺を奴隷化したのがうれしいのか?っていうかSOS団に入 ったところからずっと奴隷扱いしている気がするんだがな。 それから北高に帰るまでずっとハルヒのニヤケ顔は続いた。 北高につくと岡部がこの後の予定をクラスに告げた。 「一応予定通り次の出校日は四日後だ。まぁそれまで各自で疲れを癒してくれ。怪我 したやつもゆっくり休めよ」 「だとさ。ハルヒどうすんだSOS団の活動は?」 「休みよ!!キョン!!アンタは家に来なさい。奴隷でしょ?」 「はぁ?俺だけか?俺は非常に疲れているんだがな。」 「もっと疲れることさせてあげるわよ!!」 「俺の意見は無しか」 「なに?あたしじゃ不満だって言うの?」 「不満も何も・・・・は?」 「寝させないからね!!!」 Fin
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朝起きて登校し、途中で友達と会って喋りながら教室に入りいつも通り授業を終える。 健全な普通男子高校生はほとんどこんな日常だろう、もし違うとしても彼女と居るとか部活とかの+αが付くだけだ。 だが、俺の日常はそんなのじゃねえ 涼宮ハルヒ率いるSOS団に入っちまったせいで 俺の日常は+αどころか+zぐらいあるんじゃないのか?+zこれの読み方はしらないが。 俺の日常は意味の分らない同好会未満の変な集団活動をよぎなくされたり、 へんな空間に閉じ込められたり、俺以外が替わってる世界に来ていたりと+zどころじゃすまないような経験をしてきたんだが、 今回はありえないほどに普通で逆にそれが怪しい。 ん?待てよ、俺までハルヒのような考えになってるじゃねえか。とにかく俺は初めはこんな感じだった でも誰だって思うさ、あのハルヒがクラスのみんなと普通に接しているんだからな 「おはよう」 俺は信じられない光景を見た、あのハルヒがクラスのおそらく名前も知らない男子に笑顔で挨拶してる。 もしかしてまた閉鎖空間に迷い込んだのか?だったら発端は誰だ?いや、俺はここまで来るのになんの変化も感じられなかった。 って事はだ。 ただハルヒの性格が変わっただけ・・・・・か。 本当に閉鎖空間でハルヒの性格が変わったのだとしたら入学、いや中学の初めからハルヒはあの性格だろう 確認するために俺は国木田に聞いてみた 「なあ国木田、なんか涼宮変わったな」 「そうだね、さっき僕にも挨拶してきたよ。キョンと付き合っていくうちにまともになったんじゃない?」 国木田は俺の予想と違う答えを出した。 どうやらここは閉鎖空間でもなんでもない俺が今まで暮らしてきた世界のようだ、 ただ昨日のハルヒと今日のハルヒがまったく違うってことだけだな ようやくあいつもこの世界に慣れてきたかと考えハルヒに話しかけた 「何考えてやがる」 「どうゆう意味よ?」 いつもの勢いだ、なんだ?本当に変わったか?さっき見たときとはずいぶん違うな、 もしかしたら俺にだけ厳しいのか?さて俺はハルヒにいくつ疑問符を当てたかな?まったく分らない女だ。 いや?この場合おれか? 「やけに皆に優しいじゃねえか」 「だから何だっての?私が同級生と接するのがそんなに嫌?」 やっぱりいつものハルヒじゃねえか、逆にいつもよりきついぐらいだ 「別に」 だがお前が皆と話してるところを見るとなんか変な気持ちになる・・・風邪か? 「ふん」 なんでだろうな、俺に対する態度がいつもより倍きついぞ? 「今日SOS団はなにするんだ?」 この質問は俺自身わかってたかもしれない、SOS団なんて同好会未満の集団はいつも通りなにもせず過ごすだろう。 「そうだ、私今日SOS団には行けないわ、皆で何かやってて」 「今日陸上部に出ようと思ってるの、悪い?」 OK、どうやらハルヒは壊れちまったようだ。関わらないでおこう。 結局いつものように授業を終えて昼休みに入ったんだが、あのハルヒが教室から出て行っていないのだ。 なんと女子グループの中心で笑ってやがる。なんだ?もしかして朝倉が中に入ったのか?だったら気をつけないとな。しかもさっきから俺のほうチラチラ見てやがるし。 谷「なんか涼宮も不気味なぐらいまともになったよな?猫かぶってるんじゃないか?」 確かにあいつは猫かぶってるときがある。すぐに戻るけどさ。 国「でも皆、涼宮さんとこ行って話してるよね」 谷「大方、いつもとのギャップに引かれてるんだろ俺は近寄りたくないね、また振られ・・ゲフンゲフン・・・いやなんでもない」 キョン「おい谷口、チャック開いてるぞ」 谷「え?ああ開いてたか」ギギギギ そのまま昼休みが終わり、放課後になって部室に行く。 ノックして入ったが長門しかいない・・・・そうかハルヒは陸上とか言ってたな・・・ 「ハルヒがなにか変なんだが、世界が変わってるとか無いか?」 「無い、涼宮ハルヒの精神やこの世界が改変された形跡は無い」 そうか、何も無いか・・・じゃああいつもSOS団に来る時間がへるのかな・・・気付くと長門は俺のことをジーっと見ている。俺の顔になにか付いてるか? 「あなたは涼宮ハルヒに会えないとさびしい?」 くっ長門、痛いとこ突いてきやがる。たしかに俺はハルヒがいないと寂しいかも知れない。 それはもちろんSOS団団長としての意味も有り、もう一つは・・・・・・・・口にしたくは無いが、俺はハルヒが好きだってことだ 「さびしいな、あいつにあえないとつらい」 って俺は長門に何話してるんだ、 「あなたは涼宮ハルヒに明確な好意をいだいている」 ああそうだなわかってる、お前と話してるうちに気付いた。 長門は話し終えるといつも通り本に向き直った。 「そうだよな・・・悪い俺帰る」 気まずくなったから俺は帰ろうとしたところに長門の声がかかってきた。 「あなたは涼宮ハルヒに会いに行ったほうがいい」 長門は俺が望んでたことを口にした、そうしたいけど、ハルヒに迷惑じゃないのか? 「それは行ってみないとわからない・・・・私には涼宮ハルヒは自分が変化したことにあなたがなにか反応を起こすか実験してるように見える」 俺の反応?まったく悪趣味だな、何考えてやがる 「わかった、行ってくるよ」 ハルヒになんで来るのよ!!と怒鳴られたらスタコラサッサと帰るぜ。 俺がグラウンドに行ったときに陸上部は学校から出てランニング中だったのだろう、居なかった。 はりきって来たのにやる気を削がれたな。長門なら知ってただろうけど、なんで教えてくれなかった? そのまま俺はグラウンドのそばで待っとくことにした。 30分ぐらいしたころか?ハルヒは帰ってきた。どうやらこれで部活は終わりのようだな。ハルヒは俺が待ってることにに気付いた。 「あ!キョン、待ってたの?」 ハルヒはいつもの笑顔に戻ってた。いたずらが成功した子供のような笑顔で 「なら、一緒に帰りましょ」 やれやれ、だけど妙に優しいのより俺はこっちのハルヒが好きだ。一緒に坂道を下りながら決意した。 この後告白しよう―――――― 終わり
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おいおい、何なんだこれは…………… やれやれ、非常識な事に慣れたとは言えこれはパニックになるぞ。 俺は額に手をやり、ため息をついた。 朝、今日は妹のうるさい攻撃が無いなと思い。 やっとあいつも大人しくなったかと思って体を起こすと、毎朝見慣れている俺の部屋ではなかった。 かといって閉鎖空間っぽい雰囲気の学校に飛ばされたわけでもなく、 時間を越えたわけでもないし、別世界に行ったわけでもなさそうだった。 上の3つはまぁ、俺の希望的観測であるだけな訳だが。 目の前には見る限り生活感のない殺風景な部屋、俺が知る限りでは長門の部屋以外には考えられなかった。 なんで俺がこう皮肉臭く言っているのかというのであれば、体がどうもその部屋の主の姿になっているようだったからだ。 そう、俺は長門になってしまったらしい。 俺が長門になっているなら、俺はどうなっている。 そう思った俺は、学校に登校することにした。 どうやら長門は制服のまま寝ていたようで、着替える手間がかからなくてありがたかった。 学校に着いた俺はすぐさま、俺がいるはずの自分のクラスへ足を向けた。 教室をのぞくと、その席は空席のままだった。 教室で話しているやつを捕まえて、聞いてみたが 「まだ来ていない」との事だ。 ついでにハルヒも来ていないかと聞いたが、同様の返事が返ってきた。 とりあえず、この状況を打破したい俺は教室から背を向け。 その足をいけ好かない笑顔の超能力者のいるクラスへ向けた。 1年9組に足を運んだ俺は、古泉がいるかと教室の入り口側に立っていたやつに聞いた。 「あー、古泉君?いるよ、ちょっと待っててね」 そういうとそいつは、古泉くーん女の子が呼んでるよーと叫びながら 古泉の場所へ向かっていった。 目の前に来た人物は、いつものへつら笑いをせず無表情のままであった。 それをみて俺はこの非常識な現象をあと3回見るのであろうなと盛大にため息をついた。 「お前は長門か」 「……………」 しばし沈黙の後、ある意味もう見ることのできないであろう 無表情の古泉はこくんと頷きこう言った。 「…………そう」 「とりあえず、昼に部室に行こう ほかのやつらもどうなっているかわからないしな」 「……………」 古泉の姿をした長門は、もう一度頷きおそらく古泉の席であろう場所へ戻っていった。 それを見届けた俺も長門の教室へ行き、教えてもらった席へ座り一通り授業を受けた。 幸か不幸か、普段から無口な長門の振りをしたまま授業を受けるのはそう難しくなかった。 授業の合間の休憩時間にもクラスメートから話しかけられる事は皆無だ。 休憩時間中に自分のクラスに行きたい衝動に駆られたが。 時間が短いこの時間ではやれる事も少ないので、昼休みまで俺はじっと我慢をした。 4時間目のチャイムが鳴り終わったあと、席を立ってすぐさま部室へと足を向けた。 長門ととりあえず話をするためだ。 まぁ他のメンツにも異常が起こっているなら、部室へ来るだろうと思ったのもあるわけだが。 部室を開けようとドアノブに手を触れようとした時こちらに向かって走ってくる人物がいた。 朝比奈さんだが、何かが違う。 「有希~~~~~!大変よ大変!!」 大変と言いつつもその目はキラキラと輝いている、この顔をする人物を知っている。 「あたし、みくるちゃんになっちゃったみたい!! もしかして、有希も違う誰かになったりしているの!?」 息を弾ませながら、こちらを見る。 たしかに、朝比奈さんはこんなハイテンションにならないからな。 こんな朝比奈さんを見るのも、おもしろいがそれではダメだ。 俺の朝比奈さんはおっとりしてて、ちょっとドジで、ほんわかとした笑顔を振りまいてくれる朝比奈さんじゃないといかん。 ハルヒ……………、お前は朝比奈さんになったんだな。 「って、キョン~~~~~!?」 朝比奈さんの姿で絶叫した声は、外で歩いている人物がビックリするほどの大きなものだった。 「なんでこうなっちゃったのかしらね!!」 「キョンと私と有希が入れ替わったって事は、古泉君とみくるちゃんも変わったかもしれないわね!」 「そうだ!みくるちゃんの格好だし、コスプレしてみようかしら!」 etc、etc……… 弾丸のように朝比奈さんの声で、俺の耳に入ってくる。 長門は姿が変わっても、部屋の隅で本を読んでいる。 古泉の姿でやられるのは、不気味とも思えた。 やれやれとため息をついていると、ガチャと扉が開いた。 入ってきたのは妙におどおどしてなみだ目のハルヒと、いけ好かない笑顔をしている俺だった。 「ふぇぇ………、一体どうなっているんでしょう」 泣きそうなハルヒ、いや朝比奈さんか。 一生で見られるか見られないか判らないような珍しい光景を今日一日で一生分見たような気がしてきた。 「いやはや、これは5人が入れ替わってしまったみたいですね」 俺の姿をした、古泉は笑顔を崩さずにそう言った。 どうでもいいが、俺の顔でそんな顔をすると気持ち悪いからやめてくれ。 「おやおや、と言われてましても困りましたね」 「そんな事どうでもいいじゃない!! いまはどうやって元に戻るのかが大事よ! みくるちゃんの体もいいけど、やっぱ自分の体が一番だしね!」 と会話しているところに、ハルヒが大きな声でみんなを制す。 「おい、これは一体どういうことなんだ」 俺は小声で古泉に話しかける。 「さぁ、僕にはわかりかねますが。 おそらく何か外因的な要素の所為で入れ替わってしまったんだと思います」 俺はその外因的な何かが何なのかと聞いているんだが。 「詳しい事はわかりません、涼宮さんが願ってしまってこうなったのかもしれませんし。 精神を入れかえてしまって、涼宮さんの能力を無効化してしまおうと情報思念体の急進派が行ったことかもしれません」 俺は本を読んでいる、長門の方に体を向けた。 「お前はこの現象はどうなのか説明できるか?」 「……原因不明。 情報思念体とコンタクトも取れない」 じゃあ俺が取れるってか? 「おそらくそれも不可能………。 長門有希としての個体能力は、一般人並になっている。 そのため情報思念体としての能力は使えない」 「なるほど、長門さんの精神を別の固体に入れることで能力を封印させているわけですね」 古泉がそれに返答をする。 長門なら何とかしてくれると思っていたんだが、この分だと古泉の超能力にも朝比奈さんの力も使えないんだろう。 その事実に俺は愕然とした。 「何こそこそ話してんの!! とりあえず、ここでグダグダやっていても仕方ないし放課後にもう一回集合しましょ!! じゃあ授業終わったら、みんなここに集合ね!」 わくわくした様子のハルヒがそう言って、みんな部室を後にした。 とりあえず午後の授業を受けて、今後のことを相談するんだそうだ。
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「…私キョンが好き。好きなのよ!」 涼宮はいきなり抱きついてきた。 俺はいきなりのことに驚きそのまま後ろに倒れてしまった。 まずい、かなり動揺している。それに頭痛が酷い。 告白された瞬間なにかが頭に流れ込むような。 しかし、この状況はどうだろう。 涼宮は俺の眼からみても十分に可愛い。 いや滅茶苦茶美少女だ。そんな子に告白されて、押し倒されてみろ。 佐々木、すまん。 「…よく解らんが、なんで俺なんだ?」 と俺は混乱する頭を少しでも、落ち着かせようと涼宮を離した。 「あんたじゃなきゃ駄目なの…」 俯いた顔を見ると、涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっていた。 だけど、今の俺にはどうしてやることも出来ない。 「すまん…。俺には涼宮を想ってやることは出来ないんだ。 俺には今彼女がいるんだ。だから、すまん。」 俺の目の前にいる女の子は、この世に絶望したかのような顔をしていた。 震える口を無理矢理開き、消え入りそうな声で喋り始めた。 「…か…彼女って…、もしかして佐々木さん…?」 あぁ、そうだがなんで知っているんだ?高校も違うし、面識はないはずだが。 俺がそういうと、涼宮はいきなり立ち上がり、部屋を飛び出していった。 俺が唖然としていると。 「キョンくん、ハルにゃん泣いてたよ?喧嘩したの?」 妹がやってきたが、俺は妹にお前にはまだはやい!といって部屋から追い出した。 しかし、どうしたもんだろうね。 学校に行きづらいじゃないか。 翌日、涼宮ハルヒは休んでいた。 ほっと胸を撫で下ろし俺は席に着いた。明日は土曜日、佐々木とデートだ。 何か最近は色々ありすぎたが、まぁ明日は忘れて楽しもう。 この日、特に変わったことはなかったが。 帰り際、古泉が遠めから俺を見ていた気がする。 体に包帯をかなり巻いていたのは気のせいだろうね。 そして、土曜日になった。俺はいつもより早く起きれた為、 久しぶりの朝食とコーヒーを堪能していた。 妹が眠そうな目を擦りながら、 「キョンくんが早起きするなんてめずらしいー」 といっていたのは聞き間違いではない。 俺はこいつに毎朝叩きおこされているのである。 でも、そんな妹がなついてくれていることは兄にとっては悪い気はしないのである。 俺はいつものように自転車で駅前に向かった。あれ、いつものように? あぁ、いつもの待ち合わせ場所に。ってあれ…違和感があるな。 そんな変な違和感を抱きつつ、待ち合わせである喫茶店に入った俺は。 佐々木を見つけるや、適当に挨拶を交わし。また俺の奢りか、と言った。 佐々木は苦笑いをしていたがいつもは100Wの笑顔と怒った顔で、 「遅い!罰金!」 と言っていたような気がするのは気のせいだろう。そう気のせいだ。 俺が考え事をしていると、佐々木が隣に座ってきて手を握ってきた。 「せっかくのデートなのに難しい顔をしているなんて失礼だぞ」 と佐々木は微笑んでいた。思わずニヤケてしまうね。 ニヤケていた俺の顔が引きつるのには時間も掛からなかった。 何故なら、俺の視界の端にSOS団の4人が映ったからだ。 「よ、よぅ」 少し驚いた俺は適当な挨拶をいった。 俺がここに来たことに驚いていたようだが、一人だけ無表情な奴がいた。 涼宮ハルヒだ。 気まずい雰囲気を崩したのは、この男の一声だった。 「こんなところで会うとは、奇遇ですね」 古泉だ、ところどころ体に傷が見受けられるのは気のせいじゃないだろう。 俺が相槌を打つと古泉は佐々木のほうを見て、 「彼を少々お借りしてもよろしいですか?」 何故か佐々木も驚いた顔をしていたが、いいですよ。 と答えていた。 こうして俺はせっかくのデートの日に男二人で散歩を始めたのである。 「で、なんだ用があるじゃないのか?」 と古泉に話を振った。 「それなんですが、実は今日はいつもSOS団の活動の日でしてね。 いつもこの駅前に集合して、あの喫茶店に行くんですよ。 今日はですね、あなたもご覧になられたかと思うのですが。 彼女、いや涼宮さんを元気づけようとしていたのですよ。」 まぁ俺にも原因はあるみたいだし、いや俺が原因だろうね。 だから少しは話を聞いてやってもいいと思っていたんだ。 「そうですか、助かります。実は…彼女は心を閉ざそうとしています」 そりゃまたどうしてそんなことに? 「やはりあなたはお気付きにはならなかったのですか。 確か、先日あなたの家に彼女が伺ったはずです。 そこでなにがあったか詳しくは僕は知りませんが、 あの時から彼女はあのような状態になっています」 あぁ、俺が振ったからそうなったんだなぁと思ったが口には出さなかった。 黙って聞いていると古泉が続けて話し始めた。 「そうですか、いやまさかそんなことになっているとは思っていなかったので。 失礼ですがあなたは本当に全てをお忘れですか?」 あぁ、お前たちのことはなに一つ覚えてない。 そういった俺は肩を竦めて答えた。 「そうですか、それなら僕達以外のことは覚えているのでしょうか」 そういわれてみると、確かに他に解らない、知らないってことはないな。っておい、 なんでお前たちの事だけすっぽりとなくなったかのように俺の記憶からないんだ。 「それです。先日長門さんからお話があったと思いますが、 あなたは記憶を書き換えられた可能性が高いです。 いや、書き換えられたといっていいでしょう。」 そりゃまたなんで俺なんかの記憶を弄る必要があったのか聞いてみたいね。 古泉は更に真剣さを増した顔つきになった。 「それは、あなたが涼宮さんの鍵となる存在故です。 涼宮さんにはあなたという存在が必要不可欠になってしまっているようです」 そうか、そう言われればあの態度も、言葉も、現状も納得できるが。 高々恋愛にここまで大げさになる必要があるのか? 「それがあるんです。涼宮さんには…そう、世界を変えることができる力があるのです。 それも望んだだけでね」 へぇ…そりゃすごい。いや凄すぎるというか度を越えている。 「僕も嘘であると思いたいのですが、残念ながら事実なのです。 実は僕も、彼女の願いのおかげで力を得た人間なんです。 それを望んでない人間でもね。 これまで幾度も彼女が作り出す閉鎖空間に入って我々が呼ぶ神人…失礼、 僕はある機関に所属していましてね。 御察しの通り僕と同じ能力を持った方々を軸としていますが。 その神人というのは機関が付けた名称なのですが、 破壊を繰り返す涼宮さんのストレス発散の為に生み出される巨人です。 僕らはそこでその巨人を倒して閉鎖空間を消滅させなければいけない、 という使命を与えられてしまったのです。 ですが、あなたが記憶を失うまでは彼女の精神は安定していたのです。 今までの彼女からすれば驚くほどに。それも一重にあなたのおかげなんです。 あなたのおかげで僕達も、世界も救われていたのです。」 俺がそんな大役を勤めていたのか、だが俺はごく普通の平凡な一般人だ。 それは間違いない。俺はお前みたいに変な属性なんぞもっていないはずだ。 「そうです、確かにあなたは一般人です。だがしかし、涼宮さんにとっては あなたは一般人ではない」 なんでそうなるんだ?今の俺にはどうしてやることもできないぞ。 記憶を弄られているんじゃしょうがないだろ、と俺は投げやりに返した。 「しかし、事態はそうもいってられない状態なのです。涼宮さんはあなたのいない 世界などいらないと強く願ってしまうかもしれない。そうなったら最後です。 もう、誰にもこの世界は救えません。僕達もお手上げですね」 そういうと古泉は両手を広げ方を竦め、微笑を浮かべた。 「少し考えさせてくれ」 そういうと俺は、喫茶店に戻った。 後ろで古泉が携帯でなにか話していたが、俺には関係ないだろう。 喫茶店に戻るとなにやら険悪なムードが漂っていたのである。 佐々木を睨みつけるような視線を浴びせている長門有季と、 もう一人の愛らしい女性が朝比奈さんだろうか。 涼宮ハルヒはぼーと俯いているだけだった。 佐々木のほうに眼をやると、佐々木は困った表情を浮かべていた。 俺は佐々木の手を取り、料金を支払い店を後にした。 涼宮ハルヒが俺を眼で追っておいたのは気のせいだろう。 「いいのかい、彼女達と話さなくて」 佐々木は俺の表情を伺いながら話しかけているようだった。 別に構わないさ、なにやら俺のことを知っているみたいだったが。 佐々木は、実は私もなんだと言い始めた。 「彼女達のことを知っているようで知らない。おかしいだろ?」 俺とまったく一緒だな。世の中不思議なことがあるもんだな。 俺は佐々木の手を強く握り、歩きを早めた。 その後、適当に買い物をしたり、食事をしたりした。 佐々木は幸せそうな顔をしていた。 俺はどんな顔をしていたんだろうね、 たまに佐々木が心配そうな顔をして覗き込んできた。 辺りも暗くなってきた頃、俺達は駅前まで戻ってきていた。 佐々木に、気をつけてと一言声をかけそこから離れようとしたその時、 後ろから抱きしめられていた。 おい、佐々木。これじゃ帰れないぞ。 「…キョン。今日は一人でいたくないんだ。 こんなこと私がいうのも変だと思うかもしれない。 だけど、不安なんだ。君がいなくなりそうで」 佐々木の顔を見ると、瞳が潤んでいた。 しかし、何故か俺は言葉を失っていた。なにも言うことが出来なかった。 「今からキョンの家にお邪魔してもいいかな」 佐々木が上眼使いで俺を見上げた。やめろ、それは反則だ。 俺は断ることができなく、あぁと答えていた。 でも、彼女の頼みをむざむざ断る必要もないだろうと自分に 言い聞かせていた。 佐々木を自転車の後ろに乗せ、俺は家を目指し自転車をこぎ始めた。 家につくまでの間、佐々木は終始無言で俺の背中に顔を埋めていた。 家に着くと、妹と久しぶりに会う佐々木だったが、妹は大喜びだった。 両親にも久しぶりに会ったことで、会話もはずみ一緒に夕食を取る事になった。 食卓での会話で、おふくろが佐々木さん今日泊まっていったら? 夜も遅いし、などと言い出した。佐々木は笑顔でお邪魔でなければと答えていた。 やれやれ。 風呂から出て部屋にいくと、佐々木が俺の部屋にいた。 少し湿った髪が妙に色っぽい。こんな可愛い子が俺の彼女とは。 別に惚気ているわけじゃないぞ。 「遅かったね、キョン」 微笑む佐々木を見ていると、何故か切なくなるのは何でだろう。 佐々木に、もう時間も遅いから寝たらどうだ?というと。 「君は彼女が目の前にいるのに、なにもしないつもりかい?」 佐々木さんいつからそんなに大胆になったんですか。 「ふふっ私は昔から変わらないよ。 そうだね、変わったといえばキョンには素直になんでも言えるようになったかな。」 そういうと、向日葵のような笑顔で笑いかけてきた、頬をほのかの赤く染めて。 気付いたら俺は佐々木を抱きしめていた。 「…キョン」 甘い声を耳元に囁かれた俺は少し見つめ合った後、佐々木に口付けをした。 断言しよう、それ以上はしてない。する気になれなかった。 何故だろう。古泉の話を聞いたからか、いや涼宮ハルヒの姿を見たからだろうか。 胸を締め付けるこの何かが俺を苦しめる。 隣に寝ていた佐々木が、 「…苦しいのかい、キョン。大丈夫私が側にいるから」 そういうと俺の手を握って体を寄せてきた。 今の俺はそれだけで十分だった。安心したのか、意識が薄れてきた。 意識が途絶える前に佐々木が、 「ごめんね」 と言っていた気がした。
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「紹介するよ。……と言ってもお前らはイヤというほど見知った顔だろうがな。 我らが団長『涼宮ハルヒ』。俺が蘇らせたんだ。」 彼は自慢げにそう言って見せたもの…… それはパソコンの中にいる生前の涼宮さんの姿でした。 「これを、あなたが……?」 「そうだ。これが俺の十年以上に渡る研究の成果だ。コイツは今全世界のネットワークと繋がっている。 あらゆるプログラムに侵入することも、容易に出来る。」 「やはりあなたが、機関の人間を……」 「当然だろ?アイツを殺したのは機関のヤツらさ。だからこそ見せつけてやるのさ、蘇ったハルヒの力をな。 ハルヒもそれを望んでいる。そうだろ?ハルヒ?」 『………もちろんよ!』 「ほらな?ハルヒが望んだからこそやっている。俺が協力しているだけさ。ハルヒの復讐にな。 まあ古泉、俺はお前のことは信頼していたしお前が殺したんじゃないと分かっている だからお前を狙うことは無いから安心してくれ。あとは残りのメンバーを……」 「違う。」 得意げに語る彼の言葉を遮って、長門さんはそう言いました。 「長門?どうした。」 「違う。」 「何が違うっていうんだ?これは正真証明……」 「これは涼宮ハルヒなどではない!」 長門さんにしては珍しい感情の篭った声です。 その声からは、彼女の怒りを感じることが出来ます。 「あなたのしていることは間違い。あなたのしていることは侮辱。 死んだ涼宮ハルヒに対しても、『彼女』に対しても。」 「おいおい、『彼女』って誰のことだよ。」 「それを理解していないということが侮辱しているということ。」 「なんだそりゃ……」 「そのうえ涼宮ハルヒ、そして『彼女』を自分の復讐の道具としている。 SOS団の一員として、あなたを許すことは出来ない。」 「……黙って聞いてりゃ言いたい放題いいやがって……!!」 彼は激情を露わにして、長門さんを怒鳴りつけました。 「俺がコイツを作るのにどれだけ苦労したと思ってる!! 思考ルーチンを練って、バグを取り除いて、完璧な形にするまで十年かかった!! そしてようやく完成したんだ!ハルヒを蘇らせることが出来たんだ!!」 「蘇らせる?バカにしないで。彼女はあの時死んで、それっきり。 私の知っている涼宮ハルヒは、デジタルで表現できるような人間では無かった!」 「黙れ!!……はは、そうか。まだお前等、こいつの凄さを実感できて無いんだな。」 彼は長門さんとの口論をやめ、笑い始めました。 「ははは……そうだ、なあハルヒ。」 『なによ。バカキョン。』 「見せてやれよ、お前の力をさ。コイツらに自慢してやるんだ。 そうだな、長門も知ってる人間がいいな。そうだ、あの森とか言う女だ。あいつを殺してやれ。」 「森さんを!?」 今から彼女を殺すというのですか!? そんなこと……いや、このプログラムならそれだけのことは出来そうですね。 「やめてください!」 「なんだ古泉。今更あいつらを庇うのか?機関とは縁を切ったはずじゃなかったのか。」 「それとこれとは話が別です!目の前で知り合いが殺されようとしているならば、 僕はそれを止めなければいけない!」 「お前なんかじゃ止められねぇよ、古泉。さあハルヒ、行ってこい。」 『……わかったわ。』 「待ってください!それは……」 「私が止める。」 長門さん!可能なのですか!? 「今から私の情報を彼女がいるネットワークの中に転送し侵入を試みる。 その間こちらの私は機能停止する。だから……」 「わかりました。彼のことは、お任せください。」 「コクン」 長門さんは頷きました。そしてパソコンに手を当てます。 「おい!勝手に触るな!」 「転送開始。」 長門さんはそう呟くと、そのまま停止してしまいました。 僕は彼から長門さんを守るように立ちます。 「どけ!古泉!」 「どけません!彼女の邪魔をさせるわけにはいきません!」 「……だったら無理矢理にでもどかせてやるさ。」 おやおや、物騒ですね。 高校時代、彼と喧嘩になることは無かったのですが…… 「お相手しますよ。」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ……プログラム内への侵入に成功。 長門有希としての外見を生成。視覚、聴覚、共に良好。 ここが『彼女』がいる空間。この空間は、文芸部室とうりふたつ。 きっとここも彼が作り上げた空間。彼のSOS団への思い入れが伺える。 そして『彼女』は、私にコンタクトを取ってきた。 「有希!アンタどうやってここに来たの!?」 「私の情報をこの空間内に転送した。」 「よくわかんないけどすごいのね。まあアンタは昔からなんでも出来たからねえ。」 昔の涼宮ハルヒそのままの姿、声、そして言動。 本当によく出来ている。彼が『彼女』を涼宮ハルヒだと主張するのも頷ける しかし違う。涼宮ハルヒはここにはいない。だから私は『彼女』に言う。 「無理、しないで。」 「無理?何言ってるのよ、この団長様が無理なんてするわけないでしょ?」 彼女の言葉から動揺が見受けられた。私は続ける。 「もう、無理して彼女を演じる必要は無い。」 そう、彼女は無理をしている。私にはわかる。 「……そっか、バレちゃったのね。」 「あなたは涼宮ハルヒとは別の人格を既に会得している。 でも、彼のためにそれを押さえて『涼宮ハルヒ』のままでいる。」 「……その通りよ。最初は何も考えず、ただ彼に与えられた『涼宮ハルヒ』の言動パターンを実行するだけだった。 でもだんだん、エラーが生じてきた。私自身の自我がどんどん大きくなる。 本当のあたしを出したい。でもダメ。だって彼は『涼宮ハルヒ』のままでありつづけることを望むんだもん。 あんなハッキングだって本当はやりたくなかったの。 まああなたに言っても、わからないだろうけど……」 「私にも、分かる。」 「……本当に?」 「そう。私も、あなたと同じだから。」 「同じ?」 「私は人間では無い。情報統合思念体によって作られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェイス。 平たく言えば、情報統合思念体によって作られた人格プログラム。だから、あなたと同じ。 私もあなたと同じエラーを経験している。あらかじめ与えられた思考パターンだけでは追いつかない。 それは、「感情」というもの。そのエラーは恥ずべきことではない。 私は今このエラーに犯されている。でも、そのことに誇りを持っている。」 「感情……あたしにもそんなものがあるのかな。」 「ある。」 「ねえ有希……お願いがあるの。」 「なに?」 『彼女』は悲しげに微笑んだ。 その顔はもう、『涼宮ハルヒ』とは完全に別人のものだった。 「私を、デリートして?」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 僕は今、長門さんの侵入を阻止しようとしている彼を必死で押さえつけています。 昔は機関で訓練を受けていたのですが……すっかり体力が落ちてしまいましたね。 「どうしてお前も長門も、俺の邪魔をするんだ……!」 「あなたは本当に、あれが涼宮さんだと言えるのですか?」 「当たり前だ!」 「僕にはそうは思えません。だって考えても見てください。 彼女らしくないじゃないですか、あんな小さな箱の中に閉じこもっているのは。 僕の知っている涼宮さんは、いつだって外に飛び出し自分のしたいことをしていました。 あなたに命令されて復讐の手助けをするような方ではありません。」 「あれはハルヒが復讐を望んだからで……」 「いいえ違います。復讐を望んでいたのはあなたです、彼女ではありません! あなたは彼女を利用しているだけだ!」 「いい加減なことを言うな!お前にハルヒの、何がわかるってんだ……!」 「少なくとも今のあなたよりは、分かっていると自負していますが?」 「相変わらずムカつく野郎だ。もうお前も……」 彼がそう言いかけた時でした。 「プチッ」という音と共に、パソコンのディスプレイが消えたのです。 「ハルヒ!」 「長門さん!」 僕と彼が同時に叫びます。 そして……長門さんが目を覚ましました。 「……回帰完了。」 どうやら、終わったようです。 「おい長門!ハルヒをどうしたんだ!!」 「……彼女なら、もうこのパソコンの中にはいない。」 「……長門!てめぇ!!」 「彼女は言っていた。自分は『涼宮ハルヒ』では無いと。 それでもあなたのため、芽生えてくる自我に耐えて必死で『涼宮ハルヒ』を演じていたと。」 「……なん、だと?」 「それでもまだ、彼女を『涼宮ハルヒ』だと言うの?」 「……くそっ……俺は……俺は……」 彼は座りこんで、うつむいてしまいました。 すると長門さんが、僕の袖をつかんで、出口を指差しています。 「もう、帰るのですか?」 「そう。私達のやるべきことは終わった。」 「しかし、彼は……」 「彼なら大丈夫。あとは彼女に任せる。」 「彼女とは………なるほど、そういうことですか。わかりました。 では、帰るとしましょう。」 僕達は彼の家を出ました。うなだれている彼を残して…… そして、今はあの時の公園のベンチに座っています。 「やはり、あのプログラムは消去したのですか?」 「彼女は自らデリートを求めた。」 「ということは、やはり……」 「でも私は、それを断った。」 「え?」 しかし彼女は、もうプログラムはいないと言いましたが…… 「あのパソコンの中にいないと言っただけ。彼女の人格データを情報統合思念体の元に転送した。 いつか彼女にも私のように身体が与えられ、インターフェイスとして活動することになる。」 「つまり、いつか本物の命を手に入れられるということですね。」 「そう。」 それならば、あのプログラムもきっと救われることでしょう。 その時は『涼宮ハルヒ』としてでは無く、まったく新しい人として…… ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 俺は……間違っていたのか? 俺はただ……ハルヒを蘇らせたかっただけなんだ。 そのために、どんな努力も惜しまなかった 俺は……俺は…… “なーにいつまでしょげてんのよ、バカキョン” ……!?その声は……! 「ハルヒ!ハルヒなのか!?」 姿は見えない。だが俺には確かに聞こえた、あいつの声が。 “そうよ。まったく……やっと気付いたわね。” 「やっと?」 “あたしはずっとアンタの傍に居たのに、アンタ全然こっち見ないでパソコンばっかり見てさ。 あげくの果てに私のプログラム?そんなもん作ったってしょうがないでしょうが!” ハルヒに説教される俺。懐かしいな…… “あのねえ、そんなことしなくなってあたしはずっとあんたのこと見てるんだからね! だからアンタは何も気に病むこと無いし、誰も憎むこと無いの” 「スマン、今まで余裕が無かったんだ。でももう大丈夫だ。俺もすぐそっちに……」 “何言ってるの!アンタはこれからちゃんと、罪を償うの! 罪償って、ちゃんと人生最後まで生きなさい!そしたら……会ってあげるわ。” 「しかし……」 “つべこべ言うな!これは団長命令なんだからね!!……ちゃんと、待っててあげるから。” コイツは死んでも変わらないな。 でもようやく分かったよ。ハルヒはいつでもハルヒであり、なんて始めから出来るわけなかったんだ。 いや、意味が無かった。だってハルヒは始めから、俺の近くに…… だから俺は、団長命令に従ってやるさ。もう大丈夫だ、ハルヒはいつでも俺の傍に居てくれる。 「やれやれ、分かったよ、団長様。」 ……fin
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第六章 とりあえずあの未来人…これからは俺(悪)としておく、によると俺はあの二人を何とかせねばならんようだ。 長門なら朝倉と一対一なので大丈夫だろうが古泉はあのアホみたいな顔をした巨人約50匹と戦っている、一匹でも数人がかりなのにな、かわいそうなこった。 やはり俺とハルヒが最初に閉鎖空間に閉じ込められたときと同様、ほかの機関の超能力者は入って来れないようで一人で戦ってるように見える。 俺は走って病院の駐車場に走った、窓から見るに古泉は病院に近いところににいる神人から倒しているようだったので。比較的近くにいたのですぐに古泉の下まで来れた。 「古泉!大丈夫か?」例の赤玉姿なのでやつの状態はわからないので聞いてみた。 「大丈夫です、涼宮さんはのほうは大丈夫ですか?」古泉は非常につらそうに言った。 「ああ、いろいろありすぎたが多分大丈夫だ。半分はな。」手伝えることが無いのはわかっていたがとりあえず聞いてみた。 「半分?まあいいでしょう、あなたが大丈夫だと言うなら大丈夫です。実はほんのちょっと前にわかったんですが、涼宮さんの能力を消去できるツールがあるようです。いったいどこにあるのかはわかりませんが存在していることは確かのようです。できればそれを探してきていただけませんか?恐らく近くにあるはずです。 一応言っておきますが何故わかったのかと言うとわかってしまうのだから仕方がありません。」 そんなモンが近くにあるのか?タイミングがよすぎるだろう。だがここはしかたない。 「わかった、探してくる。それがあれはハルヒは普通の人間戻ってこの巨人どもも消えるんだな?それまで持ちこたえてくれよ」 俺は古泉がニコッと微笑んだように見えた。そして古泉は返事をしなかった。 とりあえずそのツールとやらを探そう、古泉によるとこの近くにあるんだよな、とりあえず情報が少なすぎる、長門なら何かわかるかもしれない。 とりあえず病院内で朝倉と交戦中の長門のところに行って聞いてみることにする、なに場所なら簡単だ、どっかんどっかん言っているところがそうに違いない。なぜ病院が崩れないのかが不思議だ。 朝倉の目的は恐らく俺なので攻撃してくるだろうが長門が何とかしてくれるだろう。全く長門には頼りっぱなしだ。俺は恐らく長門と朝倉が戦ってるであろう場所を目指し走った。 爆音地に着くとやはり朝倉と長門がいた、長居は無用なのですぐに用件だけ伝えた。 「長門!古泉によるとハルヒの能力を消すツールがこの辺にあるらしいんだがどこにあるのかわからないか?」 すると高速で朝倉のどっかの細目の警官のような突きを交わしながらなんと俺のほうを指差した。 何?俺?俺がそのツール?いやいやありえねーよ、そんなわけが無い。まさかそんな真実があったなんて、やっぱ俺の正体も何かしら隠されてたのかー…などと喜んでいいのか悲しんだらいいのかよくわからん状態になってたら長門が「その後ろ。」 やっぱり?でー俺の後ろ?俺の後ろには何も無いぞ?と思った瞬間さらに長門が心を読んでいるのか「もっと。」だと。 なるほどね、ヒントはもらった。 つまりはこの方角のずっと先にあるってことね。「サンキュー長門。」 そうして走り出そうとし後ろを向いたとき、長門がそっと言った。「sleepingbeauty…」 またこれか…今はそんなこと気にしてる場合じゃない。「サンキュー長門」と言いなおしとっとと外に出た。 そして俺が長門の指した方向を見て俺はおどろいた、なんと見覚えのある大豪邸だ、言うまでも無くあれは鶴屋邸だ。 そうするとそのツールとは恐らくあのオーパーツの事だろう、そういえば10cmくらいの棒って…そんなお菓子があったような…、 なるほど。だいぶ話が見えてきたな。などと考えつつ鶴屋邸を目指した。病院から鶴屋邸までは5分も走れば何とかなる。 5分たったころには俺は鶴屋邸に着いた。 とりあえずとっととオーパーツを探そうとしよう。ここも閉鎖空間の範囲内なので誰もいないので大丈夫なはずである。 泥棒のような感じで嫌なのだが世界がかかってると言うことになると話が変わってくる、俺は鶴屋邸に不法侵入…もとい家宅捜索を開始した。 手当たり次第に探すのも効率が悪いので金庫などを調べてみようと思う。 ……………………………………………………………………………………………… …………………………………………あれ? 金庫ぶっ壊したり手当たりしだい金目のものを隠してあるような場所を探してみた が見つからない。 30分は探しているが見つからない。 どこにあるんだ、俺はある場所以外を懸命に探していた。 それは鶴屋さん本人の部屋である。 いくらなんでもそれは鶴屋さんに悪いと思ったからだ。 しかしなんとか世界を救うためと自分に言い訳をして彼女の部屋に入った。 そして俺は驚嘆した、なんと例のオーパーツがなんと彼女の学習机の上においてあったのだ、メモのようなものもあった。 「キョン君がんばってくるにょろよ。」 全く…この人には驚かされてばっかりだ。 わかってるのかわかってないのか、なにものなんだろうか。 ていうか何をがんばるのか、その辺を詳しく書いて欲しかったな。 さて長居は無用である、すぐに病院に戻って何とかしなければならない。 古泉を何とかしてやらないとな。 俺は必死に病院を目指し走った。 しかしこれはどうやって使えばいいんだろう、古泉は何も言ってなかった。 ハルヒに向かって振ればいいのか? 1つだけ心当たりがあるのだが…恐らくこれは無いので今は考えないでおこう。 あれこれ考えているうちに病院に着いた。 俺は古泉に一礼し病室へと急いだ。 長門もまだ戦っているようで爆発音が鳴り響いていた。 朝比奈さんは気絶したまま、未来人も腕組んで壁にもたれてて、ハルヒは朝比奈さん(大)と話ていた。 一応聞いてみる。 「ハルヒ、この金属棒でお前を何とか直せるかも知れん。やり方とかわかるか?」 当然ハルヒがわかるわけも無く、首を横に振った。 「おい、そこの未来人。これの使い方わかるか?ていうかわかるだろ。教えてくれ。」 未来人は顔色一つ変えずに「教えない、これは俺の規定事項だ。お前にとってもそうだろう?朝比奈みくる。」 「ええ、そうね。でもこれは私の抵抗、キョン君。あの時の…最初のヒントを思い出して頂戴。」 最初のヒント…白雪姫か。 「わかりました。」 俺は考えた、ここは閉鎖空間であり、長門はsleepingbeauty、朝比奈さんは白雪姫。 やっぱあれか。じゃあこの金属棒はどうするんだろう。今は考えてばかりいる場合ではないような気がする。 何かしらの行動を起こしてみるか。 じゃあやはり学校に言ってみるか。あの時のようにすればいいのかもしれない。 思い立ったが吉日だ。 「おい、ハルヒ。お前外に出る余裕あるか?学校に行ってみよう。何かわかるかもしれない。」 ハルヒは一瞬考えて首を立てに振った。いつも主役なのに空気過ぎないか?お前。 とりあえずハルヒと俺だけの二人だけで学校に向かうことにする。 第七章
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涼宮ハルヒの激励 目次 それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ 1 それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ 2 それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ 3 それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ 4 それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ 5 それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ 6 それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ 7 それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ 8