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天空の紅き少女の章(物語) NEXT 偽りの赤い月 アカヅキンの章(物語) BEFORE:アルハザードの章(物語) 公式:天空の紅き少女の章(物語)(2014/12/15) 第5弾 天空の紅き少女の章 その少女は、空を見下ろしていた。 崖下には雲の海が尽きることなく連なり、遥か地上の様子は見られない。 この天空に浮かぶ城は魔力によって浮上し、その存在を隠すために周りは常に雲によって覆われていた。 ゆえに、地上の世界は見られないのだが、思いを馳せるようにその少女は雲の海の下にある地上を見ていた。 この城に住むエルフの子供がトコトコと近づくと、少女に尋ねる。 『ねえねえ、おねえちゃんは何でいつもここにいるの?』 『それはね、自分の居場所を思い出すため……かな』 えー、わかんないーと子供がむくれると、少女は優しく微笑み、忘れてはいけないこともあるから、と自分に言い聞かせるように言った。 この城は、地上と月の間の不思議な空間に存在しており、時間の流れは緩やかに進む。 六賢者と呼ばれた魔導師の1人、フィースシングの魔力と魂を宿した真魔石によって、空間と時間の流れを外界と途絶しているからだ。 この城が浮上したのは、遥か千年の昔に行われた戦いの最中だが、この城に住んでいるものにとっては、これまでの時間は百年にも満たない。 そして、ここには古代人と呼ばれる人々や、エルフ達が暮らしていた。 その中には、かつて不死の姫と六賢者と共に「支配者」達と戦ったものもいる、その少女もその内の1人だった。 月へと帰る前にかぐやは言っていた。 『黒の預言者と紅き魔物によって、「支配者」達の封印は解かれようとしています。 この城は魔力によって守られていますが、古の塔が起動すれば、フィースシングの防壁も無力化されるでしょう。 あの紅き魔物はこの城を目指してきます。私は戦いの準備のために月へと一旦帰ります。私が戻ってくるまで、何とか持ちこたえてください』 それを聞いたとき、その話の深刻さとは逆に少女うれしそうに笑った。 そう、忘れてはいけないこと、それは、あの時「あいつ」に奪われた名前を取り戻さなくてはならないということだ。 やっと、この時が来たの、少女は心の中でそう思った。 「あいつ」が何者なのか、それはいまだに分からない。 しかし、奴は自身の存在自体に「嘘」を付くことで、私の世界を乗っ取ってしまった。 だから、「あいつ」を倒さない限り、私の世界は戻ってこないだろう。そう、そのためには…… 『ねえねえ、おねえちゃん。何でそんな難しい顔してるの?』 『えっ、あれ、おかしいな。そんな顔をしてた?』 『うん、むー、むー、って顔してた。』 『それはね、昔のことをちょっと思い出していたから。昔ね、私には毎日帰るべき家と、帰るべき物語があったの』 そうなんだーと子供の声が聞こえる。 それは子供には理解はできなかったが、少女の真実だった。 これは、どれだけ昔のことでも、絶対に忘れない。そして、彼女は「嘘」は決してつかない。 それが、「あいつ」に対抗しうる、何かに繋がるかもしれないと思ったからだ。 いつの間にか外界と途絶され、風の吹くはずがないこの城に風が吹き始めていた。 崖下には薄くなり初めた、雲の海からは、地上が透けて見える。 少女は赤いずきんを被ると、もう、地上を見ては居なかった。 『さあ、ここは危ないから、そろそろ帰りなさい』 少女は子供に話しかける。 『うん、分かった!』 『寄り道はだめだよ』 『はーい!』 子供はまた、トコトコと来た道を引き返していく、かつて、少女は寄り道をする側だった。しかし、今は、真っ直ぐと進むべき道を見つめていた。
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少女は、地中から出現した新手に恐怖していた。 そう、Gとは本来、何らかの蟲を模しているような姿であるはずだ。 しかし、この個体は…2対の鎌や頑丈そうな顎を持ち、 竜を連想させるような尾を持ちながらも、蟷螂のような足を持っていた。 つまりはこの個体はどの蟲とも違う姿をしていたのだ。 「な、なんなのよこいつ…」 蟲でありながら独特の重圧を持つこの個体は、如何にある種の恐怖に対する感覚が麻痺しているメードであっても、 畏怖せざるをえなかった。 しかし、少女は立ち向かおうと短銃を構え、その正体不明の敵に発砲した。 狙いは頭部。距離は十メートルあまり。 少女の弾がその個体に突き刺さる………かと思われた。 「えっ?」 しかし少女の弾は、火花を散らせながら何かに弾かれた。 そう、頭部の前に金色の火花を散らせながら薄い膜のようなものが現れた。 それは嘗て少女も眼にした事があった、エターナルコア特有の光だった。 ―スポーン。 それは何らかの形でエターナルコアを取り込んだ結果、変異したGの総称。 取り込んだ個体は何らかの変化を起こすが、大抵は変異による環境の変化や外殻の脆弱化や内部構造の破壊によって死に至る。 しかし、ときたまに悪夢を具現化したような存在が生まれる。 過去このような個体との戦闘において、対G戦力としてその地位を確立させているメードが捕食されてしまうなどと言った憂目も見られている。 そう、そのような個体が少女の目の前に存在していた。 しかし、スポーンとは一般に知られているはずも無く、 ただコアが摘出されるまでは新型Gだと認識されるだけである。 少女は知らなかった。 眼の前に存在している存在が危険な存在である事を。 少女は知らなかった。 恐怖と言う感覚を。 少女は知らなかった。 既に、この”破壊者”から逃げられない事を。 そこからはただ一方的な少女の防戦だった。 巨躯が突進すれば動きをそらし、鎌を振り上げられれば身を逸らして間一髪で避ける。 反撃を試みても、膜のような壁が現れて防がれる。 既に少女に出来る事は、どれほどまで延命できるかどうか。 それだけでしかなかった。 救いが有るとすれば、少女が斃れようとも犠牲は少女だけで済む。 それだけだった。 少女は気付いてはいなかった。いや、気付けなかった。 その防戦も長くは持たない事も、防戦が一瞬たりとも続いている事自体が奇跡である事も。 そしてその奇跡の終わりは訪れる事を。 「ああああっ?!」 少女の右足に、巨大な鎌が突き刺さる。 痛みに顔を歪ませ、痛みに抗うかのように叫ぶ。 右足を抉りながら、左足も鎌で刈り取り、最後の反撃と言わんばかり少女の武器が蟲へと突き出された。 しかし、少女は有ろう事か腕ごと武器を持っていかれる事までは考えられなかった。 突き出した得物は虚空を裂き、先まで目標に届かない。 それどころか、またもや膜のような壁で弾かれてしまった。 そこへ二つの鎌が、腕と武器を裂く。 斃れる少女、勝ち誇ったかのように咆哮する化け物。 そう、奇跡の終わりが訪れたのだ。 そして四肢を無くし、意識も飛びかねない”敗者”の周りに群がり始めるラルヴァやコイノバイエント。 ”勝者”が手を下す必要も無いと感じたのか、また異形の化け物は地中へと去って行った。 少女は無意識の内に延命のためにコアの力を使うが、それだけでは出血を収める事はできはしない。 しかも、その出血場所にラルヴァが群がり、新しい同類の苗床にしようと、少女の身体をコイノバイエントは狙っていた。 四肢を亡くした少女は動けず、一言、呟いたが、呟いた後にその口を蟲でふさがれた。 「なんで…助けてくれなかったの…?」 ―この数時間後、少女は無残な姿で奇跡的に救助される事となる。 尤も、四肢は切断され、服は服と呼べないほどに破かれ、身体は蟲に汚されていたのだが。 このケースは、コイノバイエントの生態の研究により良い成果をもたらす事となり、メードすらも無残に倒す存在を確認し得る事となった。 To be Interval3"Girl meets the Father"……
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ALL HAZARD PARANOIA/オール・ハザード・パラノイア Ⅲ ◆EAUCq9p8Q. ☆ランサー ランサーは見たことがないが、きのこ栽培業者の作業場はこんな感じなのだろうか。 湿度が高く、薄暗い。空気が閉じ込められたままで、いかにも健康に悪そうだ。 家中にきのこの原木が追いてあり、どの原木にもきのこが山のように生えている。 とても特徴的な家の壁際、部屋の主が使っていただろうベッドに、連れて帰ってきた少女を腰掛けさせる。 「かびかび?」 部屋の主のサーヴァントの使い魔、赤錆色のかびるんるんは不思議そうな顔でこちらを見つめたが、ランサーの連れて帰ってきた少女を見ると何度か頷いて離れていった。 おそらく、サーヴァント経由で友人として紹介されていたのだろう。 部屋の主の友人である少女・輿水幸子の方を見る。 少女は、とても切羽詰まった表情をしていた。 無理も無いことだ。友人を一人、戦場においてきたのだから。 「き、きのこを!」 幸子が振り返り、突然声を上げた。 声もやはり、平静を保てていない。裏返ってしまっている。 「きのこを、採って、待ちましょう」 何度かの深呼吸の後に、幸子はようやく、その短い一文を言い終わった。 「約束ですから……いつ帰ってきてもいいように、いっぱい、採っておきましょう」 それは、場違いな提案などではなく。 心の底から無事を祈るための願掛けや、平静を保つための自己暗示に近い一言だった。 ◇ ライダーが残って戦うと宣言したあと、彼のマスターである少女・星輝子だけは憮然とした表情でライダーの方に歩み寄った。 会話の内容は分からない。 だが、ランサーの頭には心の声が届いてくる。 (ライダーを一人で置いていけない) ライダーは先程からずっと(輝子たちに残っていてもらっては困る)と考え続けている。 そこに輝子が近づきライダーと二人小声で二言三言交わすと、ライダーの心の声が切り替わった。 (できればマスターを説得してほしいが) ランサーが事態について予測を立てるよりも早く、輝子が待ちぼうけていた二人のもとに帰ってきた。 「残るよ、私」 まるで天から降ってきたような唐突な一言に、ランサーも幸子も、待っていた時とはまた別の意味で言葉を失った。 輝子は詰まりながらも言葉を重ねていく。 ライダー一人では足止めにも不安が残る。 だが、マスターと一緒にいることで発動できるものすごく強い宝具がある。 だから輝子も残ってアーチャーを倒す。 その提案に異を唱えたのは、当然、輝子の友人である幸子だった。 「そんな、そんな、危なすぎます! 輝子さんが、そんなこと、しなくてもいいじゃないですか!!」 気づかれないように声は抑えているが、それでも心の底から絞り出したことがわかる悲痛な叫びだった。 ランサーの頭のなかで、心の声が反響しだす。 (輝子さんをおいていけない)(幸子ちゃんに残られては困る) 二つの声は、お互いに、お互いのことを思いながら、ランサーの頭のなかを満たしていった。 ランサーは、どちらに声をかけることもできなかった。 本来ならば、ライダーと幸子の意見を尊重し、輝子を連れて帰るべきなのだろう。 だが、輝子の心の声は、目の前に居る彼女の姿からは想像できないほど強く大きい。それだけ、強く思っているのだ。 ライダーの主として、幸子の友達として。二人の無事を心の底から祈っているのだ。 その思いを蔑ろにする権利は、異物であるランサーには存在しない。 だが、だからといって置いていっていいわけがない。それは理屈ではなく、ランサーの魔法少女の信念に基づく選択だ。 ランサーは、ライダーに向かって自身の選択を掲げる。 「ライダーさん」 「なんだ」 「私も……残って戦います」 「はぁ? 駄目だ駄目だ!」 その一言は、それまで聞いたライダーのどんなセリフよりも重かった。 あからさまになセリフとはまた違う、ほんとうの意味で、突き放そうとしている言葉だ。 ライダーはランサーの瞳から目をそらさずに、どこか怒気すら感じさせながら続ける。 「いいかよく聞け! お前は正義の味方で、残っていいことしたいかもしれないが、俺様にとっちゃあ、そんなの、余計なお世話なんだよ! お前が居ても何も変わらない! 邪魔なだけだい! だから、お前はできることだけやってりゃいいの!」 一歩踏み出そうとしていた心を、頭から抑えこまれた気分だった。 ランサーはずっと、後悔したくないから、自ら選び、戦って、戦って、戦い抜いてきた。 だが、ライダーはそんなランサーに、戦うなと言ってくる。 引きたくはなかった。ここで引けば、ランサーはきっと後悔するとわかっていたから。 だが、ライダーの心の声が、しゃかりきに踏み出そうとしていたランサーの心をまた抑えこむ。 (マスターの願いが果たせずに終わったら困る) (サチコを守れなかったらマスターが悲しむ。それもなんか困る) (ガンコなマスターは無理かもしれないが、ランサーがサチコを連れて帰ってくれなきゃ危ない。困る) (なんとかして、ランサーとサチコを一緒に逃さないと困る) 『それでも残ります』と言おうとして開きかけた口は、ついに言葉を結ぶことはなかった。 ライダーの心の声に、ランサーは、言い返すことができなかった。 ライダーの声を聞き、遅まきながら、ようやくランサーも理解した。 輝子も、ライダーも、別に死にに行きたいわけじゃない。ただ、選んだんだと。 昔々に姫河小雪が後悔し誓ったように、彼らもまた、自分たちが後悔しない道を選ぼうとしていたのだ。 このやり取りも、選んだ道にランサーたちが居ればきっと後悔することになると分かっているから、輝子もライダーもランサーたちを返そうとしているだけにすぎない。 ランサーが残れば、きっと二人を後悔させることになる。 ランサーが帰れば、きっとランサーは後悔する。 どちらを選んでも誰かが後悔を背負うことになる。どちらもが後悔しない道は、もう残っていない。 「……私にできることって、なんなんですか」 ただの一言でぐちゃぐちゃになってしまった頭の中から、どうしようもない問いが溢れる。 ランサーの問いかけに、ライダーはしばし間を置き、こう答えた。 「俺様にはぜえんぜえん関係ないけど、マスターは、サチコを守りたいんだとさ」 彼の口から出たのは、ライダーの思いではなく、ライダーのマスターである輝子の願い。 「正義の味方は、俺様じゃなくて、そういうことを手伝うもんだろ!」 続いたのは、不器用な彼なりの依頼。そして、何度目かの『正義の味方』という呼び名。 頭の中でひしめく泥の中に、正義の味方という肩書は、眩しすぎた。 ライダーはぽん、とランサーの肩を叩く。 「心配するな! 俺様すーっごい強いから! ぜぇったい勝つ! UFOを壊したあいつを、空の星に変えてやる!」 何も答えられずに黙りこむ。 そして、魔法少女の思考能力でたっぷり数十秒をかけて、結論を出した。 ランサーは結局、『他人のための』魔法少女だった。 困った人に力を貸したい魔法少女だった。人々を幸せにしたい魔法少女だった。 だから最後には、自分が後悔しないではなく他人に後悔させないが上回った。 ランサーは、唇を噛み締め、拳を握りしめ、後悔するであろう道を選ぶことに決めた。 叩かれた肩が、少し重く感じた。 「じゃ、じゃあ! ボクも残って―――!」 「それは……駄目」 なぜだかいたたまれなくなり、幸子たちの方を向く。 そこでは、丁度ランサーとライダーのやり取りと同じように、輝子がきっぱりと幸子の言葉を切り捨てていた。 「幸子ちゃんが居ても、危ないだけだ……わ、私と、ライダーは、大丈夫。 だから……幸子ちゃんは、そ、そっちの人と、帰ってて」 「そうだそうだ! お前が居たら、踏み潰しちまうかもって、集中できなくなるんだよ!」 輝子の言葉に乗るように、ライダーが手を払いながら突き放す言葉を加える。 幸子の顔はもう真っ赤だった。 言葉と感情がうまく組み合わさっていないように、口を開いて、言葉が出せずに止まってを繰り返している。 そして、数秒後、撥ね付けるようにこう怒鳴った。 「……じゃあ、勝手にすればいいじゃないですか! もう、知りませんから!」 幸子は踵を返した。傍目に見てもはっきりわかるくらいに、捨て鉢だ。 輿水幸子という少女は、そういう少女なのだろう。 輝子もそれを分かっているようで、ただ、力なく笑っていた。 「いいか、マスター」 「う、うん……」 身を翻して、森の奥、アーチャーの追ってきている方へと歩を進め始める。 「……知りませんから。もう」 幸子の言葉が嘘だなんて、心の声が読めなくてもわかった。 「あ、そうだ。ふたりとも」 声に止められ、振り返る。 振り返った先にあったのは一切陰りのない輝子の笑顔だった。 「キ、キノコがさ……」 「ライダーのおかげで、キノコが、いっぱいできたんだ…… か、帰ったら……幸子ちゃんと、ランサーさんと、ライダーと、小梅ちゃんも呼んで、キノコづくしにしよう。 きっと、いい思い出になるから……だから、先に帰って、き、キノコ、収穫……」 その喋りは、追われている途中からずっと変わらない。平静そのものという語り口だった、 幸子は何かを言おうと口を開き、そのまま口を一文字に結んで俯き。 そして、静かに、答えをこぼした。 「や、約束ですよ……約束破ったら、タダじゃおきませんからね。すっごく、本当にすっごく怒りますからね」 「フ、ヒ……怒られるのは、やだな……頑張ろ」 幸子が顔を跳ね上げる。大粒の涙が宙に舞った。 「そうですよ! 頑張って下さいよ! 待ってますからね!」 「任せて。頑張るの、結構、得意……かも……フフ」 輝子は、やはり笑っていた。 困った人から聞こえる心の声は、ライダーからも、輝子からも、聞こえなかった。 ◇ あれ以降、追跡の手はぱったりとやんだ。 振り返って確認することはできなかったが、きっと輝子たち二人が足止めしてくれているのだろう。 「大丈夫ですよね」 黙々とキノコをもいでいた幸子が口を開いた。 「か、勝つ方法があるって言ってましたもんね! 約束だって、しましたし……」 別れる前にはあんなことを言ってしまったが、幸子も幸子でてるこの事を心の底から思っているのだ。 そこはランサーにもちゃんと分かっている。 それにランサーには、今も幸子の悲痛な叫びが聞こえていた。 (早く会いたい)(無事に帰ってきて欲しい) 一人だけでもランサーの頭を埋め尽くせるほどの心の声。 もしかしたら、人間体であったとしても聞こえるかもしれないほどの思いの強さだ。 気休め程度にしかならないだろうとはわかっていたが、ランサーも一言だけ、輝子の勇気に心を添えておいた。 「大丈夫ですよ。ライダーさんは、意外と強いから」 「……そう、ですよね」 返答に元気はない。 なにか別の言葉をかけるべきかと考えていると、ついにその時は来てしまった。 きのこの原木を囲んでいたかびるんるんが、突然消えた。 数十体居たかびるんるんたちが、全く同じ瞬間に消えてしまう。 かびかびという小粋な鳴き声がやみ、突然の静寂が訪れる。 「あ、ああ……」 幸子が、かびるんるんたちの居た場所にうずくまった。 ランサーにも理解できた。 たった今、かびるんるんたちの主であるライダーが消滅したのだ。 それが意味することは、すなわち――― 「なんで、なんで……っ!」 問いかけに続く言葉はない。 きっと、様々な感情が渦巻いているのだろう。心の声は、嵐のように吹き荒れている。 ランサーは鳴り止まない心の声たちを聞きながら、やはり、後悔していた。 もっとなにか、方法があったのではないか。何かが違えば救えたのではないだろうか。 選んで後悔するのは、何度目だろうか。分からない。 ただ、後悔すると分かっていて選んだのは、きっと初めてだ。 後悔はやはり深く、黒く、強い。 ランサーの胸には、ライダーとのやり取りが今なお残っている。 ライダーに言わせるなら、幸子を連れて帰った行いは『いいこと』だし『正義』なんだろう。 でも、彼の純粋な善悪の価値観だけでは、ランサーの後悔は割り切ることができない。 結局ランサーは輝子もライダーも守ることができなかった。それでもまだ、ランサーは『正義の味方』なんだろうか。 ランサーにはわからなかった。 「思い出、一緒に作るって、言ったじゃないですか!」 幸子が、震える声でようやく絞り出した言葉は。 否定でもなく、怒りでもなく、届かず消えた希望の残滓。 その一言を言い切ると、幸子は、堰を切ったように泣き出した。 【C-2/マンション・星輝子の部屋/1日目 夕方】 【ランサー(姫河小雪)@魔法少女育成計画】 [状態]疲労(中)、絶望(微)、ストレス [装備] [道具]ルーラ、四次元袋、キノコ [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:出来る限り犠牲を出さずに聖杯戦争を終わらせる。 0.――― 1.輿水幸子に対応 2.江ノ島盾子たちのところに戻るべきか否か 3.江ノ島盾子と蜂屋あいの再会時に蜂屋あいのサーヴァントを仕留める。 4.出来ることなら、諸星きらりに手を貸してあげたい。 [備考] ※木之本桜&セイバー(沖田総司)、フェイト・テスタロッサ&ランサー(綾波レイ)、 蜂屋あい&キャスター(アリス)、キャスター(木原マサキ)、バーサーカー(チェーンソー男)、輿水幸子を確認しました。ステータスは確認していません。 ※江ノ島盾子がスキル『困った人の声が聞こえるよ』に対応していることに気づきました。蜂屋あいの心の声が聞こえません。 ※諸星きらりの声(『バーサーカーを助けたい』『元いた世界に帰りたい』)を聞きました。 彼女が善人であることを確信しました。 【輿水幸子@アイドルマスターシンデレラガールズ】 [状態]健康、恐怖(微)、深い悲しみ [令呪]残り三画 [装備]なし [道具]キノコ [所持金]中学生のお小遣い程度+5000円分の電子マネー [思考・状況] 基本行動方針:――― 0.――― [備考] ※ランサー(姫河小雪)、フェイト・テスタロッサ&ランサー(綾波レイ)、 キャスター(木原マサキ)、バーサーカー(チェーンソー男)を確認しました。ステータスは確認していません。 ※商店街での戦闘痕を確認しました。戦闘を見ていたとされるNPCの人となりを聞きました。 ※小梅と輝子に電話を入れました。 ※『エノシマ』(大井)とメールで会う約束をしました。 また、小梅と輝子に「安否の確認」「今日は少し体調がすぐれないので学校を休む」「きらりを見かけたら教えて欲しい」というメールを送りました。 ☆アサシン 『死者行軍八房』は万能な宝具ではない。死者を一時的に操ることはできるが、いくつもの制約が存在している。 たとえば、武器の復元が出来ないというのもそのうちのひとつだ。壊れてしまった武器は壊れてしまったままになる。 死体についても損壊部分が殺した瞬間即座に戻ることはない。クロメが手ずから修復をしない限り自然治癒などは起こらない。 それはこの場、聖杯戦争において英霊の持ち寄った宝具についても同じだ。 壊れてしまったものは壊れたまま。 瀕死と思わしき状態で倒れているサーヴァントを見つけて、都合がよいと近づき、死体が大きく損傷しては意味がないと思って喉への一突きでとどめをさしたのだが。 「……ハズレか」 ため息を付いて手に入れた躯人形を眺める。 その姿には確かに見覚えがある。高等学校の上に居たあの英霊だ。 ただ、その人物に特殊能力が残っているようには思えない。 彼の目の前で弾けたスイッチのような何かこそが宝具だったのだろう。 性質的には『悪鬼纏身インクルシオ』や『修羅化身グランシャリオ』の鍵のようなものだったに違いない。 と、すると、この英霊の能力はその宝具がなければ人並み程度の力しか振るえないことになる。 スキルがいくつかあるようだが、身体能力は人間並み。ハズレもいいとこだ。 「ハズレでも、ようやく手に入れた人形だし、大切に使ってあげないとね」 ぱき。 しゃく。 ぽりぽり。 お菓子を食べながら刀を仕舞う。サーヴァントだったモノは、なにも言わずに八房の中に消えた。 「さて、私はやることやってやったけど……あっちはどうかな」 思うのは、自身のマスターである山田なぎさのこと。 小学校の屋上の戦闘から、今後発生する乱戦の気配を察知して、横から掻っ攫った少女を渡してそのまま押取り刀で駆けつけた。 あの脱落マスターの処遇にかんしてはマスターに一任してある。 戦闘中の様子を確認する限りでは、身のこなし、反射速度、どれも歳相応の無力な少女だ。 いくらなぎさが荒事に慣れていないとはいえ、体格で優っている相手に一方的にやり込められることはないだろう。 心配はまったくない。 だが、とても楽しみなことは一つある。 「ようやく、初めての覚悟の見せ所がきた。どの程度なんだろうね、マスターの言う覚悟って」 出会い頭の威勢のいい啖呵を思い出す。 威勢だけは立派だったが、実際のところはどうなのか。 クロメは、なぎさに特に期待していない。 所詮昨日までなまっちょろい世界で生きてきた少女だ。 口でなんと言っていようと、踏ん切りをつけられないことまで織り込み済みだ。 もし宣言通りに『なんでも』して、令呪を奪っていたならば、それもよし。 駄目だったなら発破かけのいい機会になる。 覚悟とやらが上っ面だけでたたらを踏むようなら、なぎさの目の前であの少女を躯人形に変えてあげればいい。 あの脱落マスターを躯人形にしたところでさしたる使い道はないだろうが、仲の良さそうだった少女のもとに武器を持たせて送り込めば、負傷の一つは稼げるだろう。 人形二つ。まだまだ本調子とは行かないが、動きがやっとそれらしくなってきた。 聖杯への期待か、久方ぶりの戦場の興奮か、やや上向きになった調子に乗せて、こうつぶやく。 「……言ったとおりだ。嵐が来るよ、マスター」 なぎさの言葉を借り、戦場に添える。 見上げた向こう、山の奥に見えた巨人の姿はもうない。 どこぞの誰かが戦って、負けて死んだか、勝って引いたか。 どちらにせよ、あの巨人と小学校での戦闘は、大きな波紋を起こすだろう。 参加者たちは必ず何らかの反応を起こし、動き出す。 参加者が動き出せば、ようやく、暗躍がしやすくなる。そこからが、アサシンの本領の見せ所だ。 賽はようやく投げられた。 まずはもう少し、周辺を見ておこう。 戦闘の噂を聞いてようやく集まった主従が居れば、気配遮断を利用して顔を覚えるいい機会になる。 ここからが、アサシンの聖杯戦争の幕開けだ。 ☆大道寺知世 夢を見ていた。 いつものように木之本桜とともに、学校で過ごす夢だ。 夢のなかの小学校は平和だった。 死神様なんてものは、噂も残っていない。 隣を向けば、シニカルな表情のサーヴァントが立っている。 そんな、とっても寂しい夢だ。 目を覚まして、泣いていたのに気づいた。 そして、アサシンが消えてしまったことを思い出して、再び嗚咽がこぼれた。 「起きたの」 唐突に声がかけられる。 顔を上げれば、目の前には一人の少女が立っていた。 そこで知世はようやく自分の置かれている状況に気づいた。 手首足首を縄で縛られて、椅子に座らされている。身動きが一切取れない。 先程まで屋上に居たところからの突然の状況の変化に頭が真っ白になってしまうが、それでも、頭のなかに張り付いたあの笑顔は忘れない。 夢うつつの中においてしまいそうだった少女のことを思い出す。 死神様。 あの青い服のサーヴァントが、死神様だった。 やはり死神様事件には黒幕が居た。サーヴァントが関わっていた。 だが。 ぽたりと一つ、大粒の涙がこぼれ落ち、小学校の制服を濡らす。 死神様のせいで、知世のサーヴァント・アサシンは戦うことになり、結果として消滅してしまった。 知世の指示に従い。 知世を守るために。 「あ、の!」 自分のせいでという深い後悔に苛まれながらも顔を上げる。 そして、身動きがとれないままの身体で身を乗り出し、椅子ごと転けそうになりながらも少女に食らいつく勢いで話しかける。 これではあまりにも、知世を手伝ってくれたアサシンが報われなさすぎる。 せめて一矢だけでも、あの『死神様』に報いたい。 悪びれもせず、ただ無邪気に災厄を振りまいた『死神様』に、目に物を見せてやりたい。 でも、知世にはもうその力は残っていない。 知世がアサシンの犠牲によってようやく手に入れたのは、死神様の姿とクラス名だけ。他にはもうなにもない。 「お願いします! 貴女が何方かは知りません! でも、でも、私を攫うということは、聖杯戦争の参加者の方だと思います! 手伝ってください! 私、死神様を……あのサーヴァントを、どうしても倒したいんです!」 知世はまた、泣いていた。だがその涙は、別離を悲しむ涙ではない。 言うならば優しさの涙。失ったものを思い、守るべきものを思うからこそ流れる涙。 名前も知らぬ少女(とは言っても、知世よりはずっと年上だ)は少し黙って見つめたあとで、ようやく口を開いた。 「話してみてよ、それから考えるから」 死神様について、知っていることをすべて語った。 小学校に蔓延している呪術の噂。 魔女狩りのような一方的な私刑。 その裏に居る一体のサーヴァント。 屋上での戦闘についても、全て語った。 フェイト・テスタロッサ。 死神様のクラス名はキャスター。 助けに来てくれた友人。 暗転する意識。 聖杯戦争に直面してから、ここに至るまでの全てを、少女の前にさらけ出した。 「……」 少女は、少し黙って考えているようだった。 知世はもう一度、ろくに身動きも取れない身体で頭を下げて頼み込む。 お願いします、お願いしますと。 そうして頼み込んでいると、少女はゆっくりと口を開いた。 「迂闊だね」 「えっ……」 「『誰かは知りません』って、それって、あたしがその『死神様』のマスターかもしれないってことでしょ」 少女は、つらつらと語る。表情は全く変わっていない。 その少女の一言に、知世は生き肝を抜かれるような気持ちだった。 もし少女の言葉が正しいのならば、知世の運命は決したようなものだ。 これからは、死神様事件の被害者のような結末を迎えるしかない。 震える声で尋ねる。 「貴女が、そうなんですか」 少女は、椅子に座らせられている知世と目を合わせるように、少しだけ身をかがめ。 そして肯定でも否定でもない一言で答えた。 「もしあたしが本当に死神様なら、正体を教えるような真似、するもんか。 あんたはつくづく迂闊だ。だからいいようにしてやられるんだ」 返す言葉がなかった。 塩を塗るような一言が、じくりじくりと知世の心の傷に響く。 知世が何も言えず俯いていると、その様子を見て、少女はまた一言続けた。 「まあいいよ。手伝ってあげるよ」 それは、知世が一番望んでいた答え。 だが、知世が顔を上げて礼を言うよりも早く、言葉が重ねられていく。 「ただし、条件がある」 「まず、令呪全部だ。令呪を全部くれたなら、手伝ってやる。 それに、手伝うだけだ。勝てないと思ったら勝手に引き上げるし、勝てると思ったらあんたがどう言おうと勝手に戦わせてもらう。それでもいいなら……」 「構いません!」 迷うことなんてなかった。 もう失ってしまった権威など何の役にも立たないのだから、交渉の材料になるというのならば捨てる勢いで渡してみせる。 倒すというのだって、構わない死神様はすでに無辜の児童を数多く屠っているのだ。今更申し開きの余地もない。 少女はやや面食らったように言葉に詰まったが、返答を聞いて数秒待ち、そして知世を縛っていた縄を解いた。 椅子に固定されていた身体が自由になる。 そうして初めて、知世は生きた心地を取り戻した。 「あの、一ついいでしょうか」 縛られて固くなってしまった身体をほぐしながら、少女の方を向く。 少女は、ノスタルジーにひたるように空を見上げていたが、やや間を置いて振り向いた。 「お名前……伺ってもよろしいですか」 突然の出会いで、お互い名前も知らない。 連絡先も、できることなら交換しておきたい。 それより、そもそも知世はどうするべきかを考えなければならない。 少女の側でアシストできるようにしておいた方がいいのか。 別行動で情報収集に勤めればいいのか。 そういうことも、目の前の少女と決めておく必要がある。 「……『なぎさ』」 つっけんどんな少女は一言だけ返した。 苗字か、名前かはわからなかったが、深く追求することなく、頭を下げて挨拶を返す。 「大道寺知世です……その、よろしくお願いします。なぎささん」 大道寺知世の聖杯戦争は、まだ終わらない。 ☆山田なぎさ 気分が悪い。 頭に血がめぐっていない。貧血の時はこんな感じなんだろうな、と思う。 躊躇は捨てた。そのはずだ。 しかし、現実ってのは思った以上に厄介だった。 少女の柔らかな睫毛は、涙に濡れていた。 眠りながら泣いている。 彼女に何が有ったのかはわからない。 サーヴァントを失い脱落したとだけアサシンからは聞いている。 そこに泣くほどの何かがあったかどうかまでは聞いていない。 ただ、少女は。 可愛らしい人形のように椅子の上で眠りながら、さめざめと涙を流し続けていた。 その光景に、へばりついていた記憶の澱があたしの脳内を汚し始める。 突き放されて、子どもみたいに泣きじゃくる少女の記憶。 体中痣だらけで。 歩くこともままならない。 それは、誰かの暴力のせいで。 なんでもすると誓った。そのはずだ。 その誓いは、少なくともあたしの中ではとても大きなもので、何事にも変えられない信念だ。 でも、その誓いに待ったをかける何かもまた、心の奥に存在していた。 無抵抗の人間に暴力を振るうのか。 自分の勝手で実の娘を、海野藻屑を虐げていたあの男と、海野雅愛と同じ存在になってしまうのか。 あの男が今のなぎさと同じ状況に立ったなら、きっと悪びれもせずに、目をぎらつかせながらこう言ってのけるだろう。 『こいつは負けたんだ。負けた人間から何をもらおうと、僕の勝手だろう。 誰にも口出しする権利はない。死んでないだけありがたく思うべきだ』 それは実弾だ。 この世界を生き抜くための力だ。 反吐が出るほどに実弾で。 この上なく無慈悲で。 だけど、だからこそ、誰も選べない道。 きっと、『なんでもする』とは、そういうことだ。 自分の夢のために『なんでもする』とは、あの男のような判断をすることだ。 あたしが選ぶのは、あの身の毛もよだつような精神異常者と同じ道、なのだろうか。 フラッシュ・バックのように蘇る、居心地の悪い記憶たち。 たまたますれ違ったアーケードで出会い、自分に正義があるように語る海野雅愛。 それより昔の、海野雅愛に突き放されてらしくなくおいおい泣きじゃくる海野藻屑。 それらが浮かぶたび、なんとも言えない気持ちになった。 縄で縛り付けた人間を一方的に甚振ればもう戻れない。 あたしは、海野雅愛の同類になってしまう。そんな気がした。 だからあたしは、結局、なんでもはできなかった。 少女は目を覚ますと、何故かあたしに協力を申し出てきた。 死神様。 小学校で流行っているおまじない。 おまじない、なんてのは態勢を整えるための上っ面の名前。 その正体は、自分の勝手な理屈と理想を押し付けて、他者を一方的に嬲り殺すための儀式。 脳裏に浮かんだのは、血まみれの黒い毛と、汚らしい文字。 どこまでも、忌々しい思い出だ。 どれだけ捨てようと思っても、あたしの中につきまとい続けるつもりらしい。 海野藻屑と別れて以来、不意に思い出すのはいつだってあいつら二人のこと。 これじゃあ気持ちの悪いストーカーみたいだと自分のことながらあきれてしまう。 本当に、嫌になる。 死神様について、少女のサーヴァントが消滅した戦いについてを少女から聞く。 有益な情報が多かった。 朝方通達で確認したフェイト・テスタロッサが小学校にいるということ。 小学校には『死神様』を含めてもう数人の主従が居るということ。 そして、協力についても、なぎさは条件付きで承諾することに決めた。 報酬は令呪三つ。フェイト・テスタロッサを探すよりも効率がいい。 相手の姿と戦闘を一度見ている大道寺知世から情報を引き出せば、今後の立ち回りに役立つ。 大道寺知世によれば、彼女の友人も聖杯戦争に関わっている可能性があると聞く。大道寺知世を利用して近づけば、不意を打ってサーヴァントを奪えるかもしれない。 それに、これはあたしの方にだけ決定権のある一方的な協力だ。嫌ならすぐにやめられる。 ただ奪うよりも実入りがいい。 無体を行って得られるかどうかも分からない令呪よりも、この契約の方が有効に使えるはずだ。 協力と呼ぶには一方的に有利すぎる条件を突きつけたが、少女は二つ返事でその条件を飲むことを誓った。 少女の腕と足を固定していた縄を解きながら考える。 もし、死神様ってやつを倒せたら、あたしはあの男の呪縛から逃れることができるのだろうか。 全くもって非現実的かつ非効率的な発想に、頭が痛くなる。 そんな空想的な考えは、らしくない。 あたしが選んだのは、もっと実弾的な利益だ。 でも、アサシンがあたしの決断をどんな風に受け取るのかは、考えたくなかった。 強い風が吹く。 飼育小屋の外の雲は、家に帰る人の波のように、急ぎ足で動いていた。 実弾は、知らずのうちに、嵐の中へと放たれる。 【D-2/小学校/一日目 夕方】 【アサシン(クロメ)@アカメが斬る!】 [状態]実体化(気配遮断)中 [装備]『死者行軍八房』 [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:聖杯を取る。 1.戦闘の発生に注意しながら索敵。 2.機会を見てマスターのもとに帰る。その時のマスターの様子次第で知世を躯人形に。 3.アサシンらしく暗殺といった搦手で攻める。その為にも、骸人形が欲しい。 4.とりあえずおとなしく索敵。使えそうな主従を探す。 [備考] ※双葉杏をマスター(仮)として記憶しました。 江ノ島盾子&ランサー(姫河小雪)を確認しました。ランサーはスノーホワイト状態だったため変身前の姿は知りません。 側にサーヴァントの居なかった大井・星輝子はスルーしています。 ※八房の骸人形のストックは一(我望光明)です。 ※気配遮断が相まってかなり見つけられにくいです。同ランクより上の索敵持ちで発見の機会を得られます。 ※英霊を躯人形にした際、武器系宝具の再現には幸運値判定が入ります。 幸運値E以下の英霊ならば武器は再現可能、クロメの幸運値を令呪で一時的に上げて相手を殺せばそれ以上でも再現可能です。 判定はあくまで『宝具クラスの武器が再現できるかどうか』であるため、呪文や体質、逸話昇華系宝具ならば幸運判定なしで再現することが可能です。 【D-2/中学校 飼育小屋/一日目 夕方】 【山田なぎさ@砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない】 [状態]健康、若干憂鬱(すぐに切り替え可能) [令呪]残り三画 [装備]携帯電話、通学カバン [道具] [所持金]中学生のお小遣い程度+5000円分の電子マネー [思考・状況] 基本行動方針:聖杯を手に入れて、海野藻屑に会う。 1.大道寺知世を手伝う……? 2.お人好しな主従と協調するふりをして、隙あらばクロメに襲わせる。 3.ただし油断せず、慎重に。手に負えないことに首を突っ込まないし、強敵ならば上手く利用して消耗させる。 [備考] ※掲示板を確認しましたが、過度な干渉はしないつもりです。 ※暴力に深層心理レベルで忌避感があることに気づきました。 ※令呪三画を報酬に大道寺知世に協力を約束しました。 【大道寺知世@カードキャプターさくら(漫画)】 [状態]深い後悔、手首足首などに縛られた痕 [令呪]残り三画 [装備]なし [道具]なし [所持金] たくさん [思考・状況] 基本行動方針: 街の人達を守る 1.アサシンくん…… 2.『なぎさ』に『死神様』事件について協力してもらう。 [備考] ※死神様について 小学校の生徒を自由に操れる『青い服のキャスター(≒死神様)』が裏側に居ると知りました。 ※サーヴァントを失ったため、ルーラー雪華綺晶に狙われています ※令呪三画を報酬に山田なぎさに協力を申し込みました。 【ALL HAZARD PARANOIA/オール・ハザード・パラノイア Ⅳ】
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美樹さやか&ライダー(バーサーカー) 「あたしって、ほんとバカ」 美樹さやかは呟いた。 気付いた。気付いてしまった。この町は自分のいた三滝原市ではない。 ここは嘘の街。あらゆる関係が嘘で構成された虚構街。 知り合いも家族も似ている全くの別人でドラマのように役割をこなしているだけのNPCだ。 何故自分がここにいるのか。 いつからいたのか。 どうやって来たのか。 そんなさやかの疑問を無視して直接脳に流れ込んでくる知識、情報は絶望的な状況を明らかにしている。 この街の役割は蠱毒の壷。聖杯戦争のために造り出された、三滝原を超える修羅の巷だ。辞退はできないし、抜け出せない。 生き残るにはまず聖杯戦争に勝ち抜くしかない。 そしてそのためにはサーヴァントが必要だ。早く自分のサーヴァントと会わなければならない。 「───ッ!」 走り出すと同時に発動する魔術。歌の如く震える神秘の波動。魂より得た莫大な魔力が彼女の体から沸き上がる。 これこそ異星生物『インキュベーター』の編み出した魂を燃料とする技術。外宇宙よりもたらされた御業に他ならない。 加えて彼女たちの魔術の発動に知識は不要。願う意思に魔術が追従するのだ。 さやかが思ったのは「速く動きたい」。 結果としてもたらされたのは脚力の強化と速度の倍加だ。 勿論、これら一連の魔術行使は彼女が見かけどおりの女子中学生ではないことを示している。 「なんで──」 ギネスの最速記録を更新する速度を発揮しながらも、美樹さやかは苦虫を潰したような表情を浮かべていた。 それもそのはずだ、これでもまだ全力からは程遠い。そして何より変身できない。 * * * 魔法少女という存在がいる。 それはインキュベーターと契約した思春期の少女。己の願望を叶えてもらう代わりに魔女と戦う運命を背負う戦士。そして、もう人間に戻れない者。 人には戻れない。理由は単純だ。魔法少女になる時にどれだけ肉体を損壊しようと戦えるように魂が肉体から剥離されるから。 つまり肉体は魂の抜けた死体で、抜かれた魂を加工した器「ソウルジェム」こそが本体である。 そしてこの事実をほとんどの魔法少女は知らないだろう。少なくてもベテランの魔法少女3人のうち2人は知らなかった。 美樹さやかは正に魔法少女である。 願望と共に背負った運命は重く、人に戻れないという絶望は彼女の精神を歪めた。 * * * もはや、人ではない。しかし、人に戻る可能性ならばある。 「聖杯……」 万能の願望器ならばさやかを人に戻すことができるかもしれない。 いや、戻ってみせると決意してさやかは駆ける。 中学校から高校の校庭に辿りつく。 そこには確かにサーヴァントがいた。令呪の繋がりで分かる。校庭の中心に佇むあの娘こそが自分のサーヴァントだ。 赤い軍服に白銀の髪を持つ少女。肌は白く容姿は嫉妬するほど端麗。しかし、その黄金の瞳は血走っている。 「ねぇ、あんたが───」 言葉はそこから続かなかった。 なぜならば。 「塵が、臭いわ」 少女の罵倒と共に見えない力の塊がさやかを襲ったからだ。 「あ……」 本能が叫ぶ。死んでも避けろ。 でなければ死ぬ。確実に死ぬ。絶対に死ぬ。死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死──── 「うわあああああ」 全身全霊。足の腱が切れようが、筋細胞が弾けようが構わない。持てる力と魔法の全てを使って背後へと跳躍した。 そしてコンマ1秒も経たずにさやかのいた場所の地面が爆砕する。 いきなりサーヴァントと離れ離れになっていた美樹さやかはある意味幸運だった。 跳躍の反動で足の腱が切れ、爆発で飛んできた破片がいくつか突き刺さるが致命傷ではない。 もしも、来るまでに強化に使う魔力を生み出していなければ、ここで確実に地面の染みになっていた。 舞い上がる土埃が晴れる。爆発の中心点には双頭の黒狼が曳く荘厳な戦車があった。 「─────!!!」 サーヴァントの少女と同じく黄金瞳を備えた双頭の狼が吼える。 校庭の空を震わせるのは威嚇ではなく獲物を殺すための獰猛な咆哮。貴様を絶対に殺すという絶対抹殺宣言に他ならない。 少女と狼から放たれる殺意は間違いなくさやかに向けられている。 それが虚仮おどしでないことは噎せ返る魔力を含んだ血の匂いが証明していた。 一体、どれほど人を殺せばこんなに濃く血の匂いを染みつかせるのか。 一体、何故、どうして自分を殺そうとするのか。 本日いくつ目になるか分からない疑問がまたもや生じる。 恐らく彼女のクラスはライダー。騎乗兵の英霊に違いない。 決して狂っているわけでもなく、彼女は正気でさやかを轢殺しようとしたのだ。 「ほう。避けるか。 愚鈍な屑の類ではないようだな」 いつの間にかサーヴァントは戦車の車両部分にある玉座に座っていた。 少女の顔はまるで便所に流す紙屑を見るかのように嫌悪と侮蔑に満ちており、つまりは己のマスターであるさやかを見下しきっている。 「しかし我等は鋼牙、狼だ。人間風情が我等を見下すことは許さん。 故に貴様(マスター)などいらんわ。 その肉ごと令呪を喰らってやろう」 少女がパチンと指を鳴らすと同時、近代の銃火器を備えた小隊が突如として現れ──発砲した。魔力を宿した銃弾(キバ)は音速域でさやかの体に迫る。 さやかは回避で足を負傷していた。よってまともに動くことすらままならない。 ──肩。 ──腹。 ──眼。 ──胸。 ──鼻。 ──首。 ──股。 ──額。 さやかの体に風穴を空けた牙は、まるで事前に打ち合わせていたかのように均等に、そして同時にさやかの体を蜂の巣に変えた。 「止めィ!」 女王の号令と共に兵士達が一斉に捧げ筒の姿勢になる。 一人たりとも遅れず、動きを乱す者はいない。 静と動の呼吸が完全に一致しているこの兵士達を見れば、どんな指揮官でもため息をつくだろう。 「よくやった我が子らよ。休めぃ」 撃たれた少女は瞬き一つしていない。脈拍なし。心配停止。呼吸音など兵士たちのものしか聞こえない。完全に死体だ。 戦車から降りて──死体ごと令呪を捕食するために──さやかに近寄るサーヴァント。動かなくなったさやかの頭を掴み、首筋から喰らおうとしたその瞬間。 銀色に光る一線がサーヴァントの首筋を通り、少女の首と胴が離れた。 「──────」 兵士達に動揺が走る。 彼女の首を切り落としたのは殺されたはずのマスターだった。 自分達に急所を撃ち抜かれ絶命したはずの少女だった。 それが、今、魔力で編まれた軍刀(サーベル)でサーヴァントの首を刎ねたのだ。 「なめんなってんだ!」 悪態をついた美樹さやかの傷は癒えていない。額に穿たれた風穴はきっちり後頭部まで貫通し、心臓も同様──つまり、死んでなければおかしいのだ。 だが、美樹さやかは生きていた。致命傷を負ったままサーヴァントを斬首し、肉体を復元している。 「やるではないか」 「なッ」 「何を驚いている? まさか自分以外に復活できる奴がいるとは考えなかったのか?」 しかしながら、生命を嘲笑う不条理はさやかだけの特権ではない。 斬首された少女の首の断面。そこから噴水のように血液が、肉が、骨が湧く。 ビデオテープの逆再生のように全くの無傷の状態まで再生した。もはや血の一滴たりとも残ってない。 さやかの蘇生の秘密は魔法少女の構造にある。さやかは肉体はどれだけ損壊しようと本体の「ソウルジェム」が壊れなければ死なないのだ。 つまり、傷ついた肉体は後で修復すればいい。痛みは遮断できるし、動けないほど破壊されなければいつまでも戦ってられる影武者だ。 しかしサーヴァントの蘇生──刹那の間に再生しきるその生命力は文字通り不死だ。 死なずに致命傷から復活するその再生能力は、さやかにもたらされたサーヴァントの知識からも逸脱していた。 「このままでは決着がつかんなぁ。 ふん、貴様も不死、私も不死となれば最後に物を言うのは令呪か。業腹だが使われては仕様があるまい。 使うことを許すぞ。さあ、使うがいい」 サーヴァントは傲岸かつ愉悦の色を浮かべて煽る。 何かの罠か、それとも令呪に抗う自信でもあるのか──と狡猾な魔術師や歴戦の戦士ならば考えるだろう。 しかし、美樹さやかは女子中学生だった。 ましてや殺し殺された極限状態でそこまで頭は回らない。 「あんたに言われなくても──令呪を以て命ずる!」 令呪。それはサーヴァントに対する絶対命令権。さやかをはじめとする聖杯戦争のマスターは必ず肉体のどこかに三画の聖杯戦争用魔術刻印たる令呪がある。 そして令呪の使用こそがライダーのサーヴァント、キーラ・ゲオルギエヴナ・グルジェワの狙いである。 令呪の使用時に励起される肉体の部位を噛み千切り、そのまま取り込む算段なのだ。 キーラの思惑通りに令呪は起動し、そして────肉体のどこにも励起している魔術刻印はなかった。 「馬鹿な」 確かに目の前の少女は己のマスターであることは魔術的パスを通じて確信している。そしてその少女が令呪を使おうとしていることも。 にもかかわらず、励起して浮かび上がるはずの令呪が身体のどこにもない。必ずマスターには「体」のどこかに令呪があるはずなのだ。一体どこにある! 魔法少女の構造を知らず内心驚愕しているサーヴァントにさやかの絶対命令権が発動する。 「サーヴァントらしく私に従え!」 かくして令呪は行使される。キーラ・ゲオルギエヴナ・グルジェワは首輪に繋がれた。 大嵐の如く吹き荒れていた殺意は鳴りを潜め、兵士と黒狼もそれに続かざるをえない。 英霊相手に殺し合いをするという苦難を退け、なんとか従えさせたさやかはほっと一安心した瞬間。 #12317; 本当の気持ちと向き合えますか? #12319; 何かが頭をよぎった。いや、これは失っていた記憶だ。 「そうだ、私はあの日……ひとみに呼ばれて……それで……恭介が好きって告白されて……」 過日の記憶がさやかを捕える。 かつて自分は魔法少女の肉体の秘密を知り、死体である己に絶望し、親友の恋慕を告白された。 そして肉体を顧みずに敵へと特攻し、それを案じた友を突き放し、仲間になろうという誘いを蹴って、そして──そこから先が思い出せない。 まだ令呪は二画残っている。 * * * 彼女のソウルジェムは完全に濁りきり、既に罅が入りきった後で止まっている。 それを押しとどめているのは令呪だ。彼女の令呪は呪いの記憶をする蓋となっている。 もしも令呪を使い切れば、彼女は全てを思い出し、魔女として己を取り戻すだろう。 狂気の歯車は回り出す。 無論、その狂気は令呪を通じてサーヴァントにも流れ出していた。 【サーヴァント】 【クラス】ライダー(バーサーカー) 【真名】キーラ・ゲオルギエヴナ・グルジェワ@相州戦神館學園 八命陣 【属性】悪・中庸 【パラメーター】 筋力:B 耐久:EX 敏捷:B+ 魔力:D 幸運:E 宝具:D 【クラススキル】 対魔力:D ライダーのクラス別スキル。一工程(シングルアクション)によるものを無効化する。 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。 騎乗:E ライダーのクラス別スキル。 ライダーにあるまじき適正だが、彼女の真価は白兵戦である。 狂化:E- → C スキル『二重召喚』によって得たバーサーカークラスのスキル。 このスキルはライダーが狂気に堕ちた時にのみ真価を発揮し、 同時にバーサーカークラスの宝具『鋼牙機甲獣化帝国』が使用可能となる。 通常時では痛みを知らない程度の効果しかもたらさない。 Cランクの場合は幸運を除く全パラメーターを上昇させ、代わりに複雑な思考ができなくなる。 【保有スキル】 二重召喚:B ライダーとバーサーカー。二つのクラス別スキルを保有している。 本来ならば二つのクラス特性を同時に発動可能とするものだが、 ライダーの場合はどちらか一方のクラス特性に偏る。 魔眼:A 先天的に持っていた黄金の魔眼。 冬のシベリアを灼熱地獄に変える魔力炉と見た者を支配下に置く能力を持つ。 その支配力は他種の生物すらもライダーに細胞を融合させ一方的に己の肉体に融合させるほどだが、 ライダーは家族以外を憎悪するため敵対者には支配能力を使用しない。 邯鄲法:A → C ライダーの使用する夢の世界から空想上の力を現実に引き出す術式『邯鄲法』。ランクはその練度を意味する。 このスキルにより魔人として常軌を逸した戦闘能力を獲得する。 この世界ではうまく起動しないのか、得意としている再生能力以外のステータスが下がっている。 直感:B → × 有利な展開にする方法を感じ取るスキル。 ライダーの場合、戦闘中、それも白兵戦に関する事しか機能しない。 高いステータスとこのスキルのおかげで白兵戦では武人四人を相手に一方的な虐殺ができるほどの無類の強さを誇る。 『鋼牙機甲獣化帝国』が完全発動時にこのスキルは失われる。 しかし、それは感じ取れなくなったのではなく、必要なくなったというべきだろう。 【宝具】 『ロシア帝国機甲獣化聯隊・鋼牙兵』(ゲオルギィ) ランク:D 種別:対軍宝具 レンジ:0 最大捕捉:3000人 ライダーと堅い絆で繋がっている彼女の配下部隊3000人を全ステータスEのサーヴァントとして召喚する。 またサーヴァントでないためクラス、スキルはない。 英霊たちに比べると脆弱だがDランクの宝具と化したアサルトライフルに加え、全員が同じ技量、同じ価値観かつほぼ同時に連携が可能。 まさに理想とされる統一された軍隊であり群体、そしてライダーの家族である。 この宝具はライダーが狂化した時に封印される。 『ロシア帝国機甲獣化聯隊・双頭魔狼』(ロムルス・レムス) ランク:D 種別:対軍宝具 レンジ:0 最大捕捉:1頭 双頭の魔狼が曳く戦車を召喚する。ただし戦車自体に戦力はなく、本命は双頭の魔狼である。 ライダーと堅い絆で繋がっている彼女の部下の中で最古参であると同時に最強の部下。そして最愛の姉妹である魔狼。 筋力と魔力がBランク、他のステータスがDランクで召喚される。またサーヴァントでないためクラス、スキル、宝具はない。 この宝具はライダーが狂化した時に封印される。 『鋼牙機甲獣化帝国』(ウラー・ゲオルギィ・インピェーリヤ) ランク:D 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大捕捉:- ライダーの最終宝具。 宝具の解放には二段階あり「狂化していること」で第一段階の半発動、「相手に人外だと思わせる」こととが第二段階の完全発動となる。 半発動で幸運以外の全ステータスを1ランクアップさせ、後述の宝具『超獣顕象』の第二、第三解放が可能になる。 完全発動時には幸運以外の全ステータスのランクが最大2ランク上がる。 さらに『超獣顕象』の第四解放が可能になる。 なお完全解放時はこの宝具を打ち消せない。 なぜならば相手の同意、すなわち相手の力も乗って発現した夢であるから。 『超獣顕象(マコトノスガタ)』 ランク:E 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大捕捉:- 宝具とすら呼ぶか怪しいライダーの宝具。 効果は「邯鄲法で偽装している真の姿を解放すること」。 小柄な彼女の姿は偽装であり、その一部を解くことで本来の火力を取り戻す ライダーの真の姿は総計三千人もの獣化聯隊を細切れの肉片に分解したのち、ライダーを核とした外科手術で接合させた全長五十メートルの大巨人兵、 暗黒神話の超獣と呼ばれるほどグロテスクでありエロティックな肉の帝国である。 解除のパターンは四段階。 ただし第二~第四の発動時には『ロシア帝国機甲獣化聯隊・鋼牙兵』と『ロシア帝国機甲獣化聯隊・双頭魔狼』を封印しなければならない。 第一:一瞬だけ巨掌を召喚して殴る形態。 一瞬だけであるため霞程度(Cランク)だが、半径五十メートル以内で任意に攻撃可能。 何よりマスターには見えないため宝具が認識されない。 第二:両手を展開する形態。 透過していないためマスターの見られるが、『ロシア帝国機甲獣化聯隊・鋼牙兵』の全戦力と同等の火力がある。 第三:キーラ、ロムルス、レムスが上半身のみ融合した三頭犬形態。 三人の臍から下が融合して上半身だけのプロペラのようになっている 第二よりも火力が劣るが、手足が六本に増えたため蜘蛛のような立体機動が可能。 加えてロムルスは咆哮の砲撃、レムスは超怪力に特化した行動が可能。 キーラは変わらないが超生命力は健在で、ロムルスとレムスにもこれが適用される。 第四:完全解放 即ち真の姿であり物理的に超質量を持つ。 また、物理的な肉の城壁と化した兵士全員がDランク宝具に相当する銃火器を装備しているため全方位に一斉掃射が可能。 集中砲火すればその火力は言わずもがな。 【weapon】 なし。邯鄲法で強化された彼女の全身が武器である。 【人物背景】 ロシア帝国軍人。階級は大佐。しかし、彼女が物心ついたときにはロシア帝国は滅んでいる。 見た目は白銀の髪を持つ幼い少女であり雪の妖精のような印象を受ける。 高慢で貴族の悪癖を全て備えたような性格だが、ロシア帝国機甲獣化聯隊を家族として掛け値なしに愛している。 故に、例えそれが末端だろうと家族に刃を向けた者を許さない。 戦闘スタイルは技巧ではなく芳醇な生命力と高いステータス、そして鋼牙兵による物量作戦に依存するため彼女の強さは群れる獣の強さと言っていいだろう。 なお、耐久値の高さは鎧のような防御力の高さをではなく、どんな致命傷からも甦る生命力の高さを意味する。 生半可な威力の宝具では彼女を殺しきることは不可能に等しい。 その性格からサーヴァントシステムで縛られることを嫌い、マスターを嫌悪しているが、 人間嫌いのライダーが美樹さやかに召喚されたということは彼女に限りなく近い属性の持ち主といえる。 【サーヴァントとしての願い】 ただの人間に戻りたい 【マスター】 美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ 【マスターとしての願い】 人に戻りたい。 【weapon】 魔法少女の固有武器であるサーベル。魔力による創造が可能。 【能力・技能】 魔法少女。魔法とはいうが神秘の類ではなく異なる宇宙の異星生命体が編んだ技術の粋であり、宇宙そのものを改変するような力はない。 魔術体系がこの宇宙の法則に合わないのか、うまく魔法少女に変身できず、身体能力は並の女子中学生と同等だが、魔術で強化している。 魔法(魔術)は卓越した強化、回復、投影の魔術のみが使用可能な半端な状態。 また魔法少女の構造上、半ば不死身と化している。 彼女のSAN値(正気度)もサーヴァントの狂化具合に影響する。 【人物背景】 三滝原市の地域にいた魔法少女。 魔法少女とは自身の願望の成就と引き換えに魔女と戦う存在。 また、肉体は実質人間とはかけ離れたものに変異し、それは魔法少女の中でも一部の者しか知らない。 彼女もとある戦いの後に知ったのだが、その後の出来事に関する記憶を消失している。 令呪を使うほど失われた記憶が甦ると同時に絶望し、SAN値が下がる。三画使えば完全に■■になる。 彼女の影には時折、何か巨大なものが見えるらしい。 【方針】 聖杯とって人間に戻るぞ
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全タイトル解説 vol.14 犯人の匂い 歩道橋を歩いていた晶が何者かに突き飛ばされ、階段を転げ落ちそうに。ところが寸前で樹が現れ、晶をかばったことから大事にならずに済む。樹には犯人に心当たりがあるようだが、“インディゴ”の面々に土下座してまで、この一件は自分だけで解決するから時間をくれ、と頼むのだった。突き飛ばされた瞬間、犯人が男性でない決定的な証拠を確認していた晶も、女性の犯行と見て独自に調査を開始するが、犯人からある香りが漂っていたことに注目して…。 <コメント> インディゴ名物の、階段落ち&発作がよく発生する歩道橋が登場。 名人芸と言われる樹の土下座が見れます。この後、空也ほかいろんな人たちが土下座を見せてくれますが、樹の土下座に叶う人はいませんね。 容疑者の経営するエステサロンに行ったときの憂夜の格好が鯖スーツに黒Tシャツでテラピチパツで凄かった。本編忘れるぐらいのインパクトでしたw
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その願いは詛呪 ◆69lrpT6dfY 一人は、自身の特異で幸薄な運命を嘆いた。 とある刀鍛冶ととある剣士が巡り合った事で体系化された血刀の一族がいた。 その六代目にして大乱の英雄の娘として生まれた少女は、神様から余計な物を二つ授かってしまった。 一つは病弱なのに死ぬ事が許されない身体。 そのせいで幼い頃から何度も重度の病に侵された。 いっそう死んでしまった方が楽になれるのに、しかし死ねないため壮絶な苦痛をただひたすら耐えるしかなかった。 もう一つは規格外な強さ。 「人間一人に到底収まりきれぬ」程の力は、七歳にして歴史上最強と呼ばれる剣士と半年に渡って戦えるほどであり。 しかしその強さに身体が耐えられないため、他人の能力を習得することで力を抑える技も身につけた。 その天性の才能は実の父親にも危険視され、後に殺害されそうにもなった。 逸脱した存在であるがゆえに、少女は普通の人生など送る事はなかった。 一族全員で島流しの刑になり、他者との交流は隔絶され、後継者として認められず、普通の稽古もさせてもらえず。 しまいには己が放つ恐怖が原因で弟に父殺しという血塗られた運命を辿らせてしまった。 しかし、少女の感情は希薄であった。 常人では有り得ない人生を歩んだからなのか、それとも、これもまた神様からの余計な授かりものなのか。 家族に対する多少の愛憎はあるものの、他者に対しては殆ど興味を持ちえなかった。 邪魔する者がいれば、さも雑草をむしり取るように排除する。 無表情に。 無感情に。 彼女が島を出た後に、巡り廻った土地で数々の虐殺を繰り返す程に。 「草むしり」をする彼女には、他には興味なくただ刀を集め、先に島を出た弟に会うために動いていた。 そして少女は終焉を迎えた。 歪んだ心であろうとも、大切に思っていた弟に、殺された。 否、殺されたいと思い、死闘を演じて、殺された。 こうして彼女は一つの望みを叶えた。 死ねないなら殺されることで、苦痛から解放されるために。 真なる願いではない、哀しい願いを叶えたのであった。 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 一人は、自身の数奇で不幸な宿命に絶望した。 大戦の最中、とある一族の若かりし当主と西洋から来訪した美女が恋に落ち、そして結ばれたのが呪いの始まりであった。 愛人は子供を産んだところで命を落としてしまい、その子供は一族や世間から隠されて育てられた。 子供は成長し、成人後には生前の愛する人と瓜二つの容姿になっていた。 亡くなってしまった愛人との再会に感激し、錯乱し、狂気に染まった一族の当主は、禁断の過ちを冒してしまった。 その後、その子供は不慮の事故で亡くなってしまった。 少女は物心ついた時から一人だった。 孤児として施設に育てられた少女は、やがてとある屋敷の使用人として勤めるようになった。 まだ幼いのに特別に使用人になった少女は、先輩の使用人たちから嫌がらせを受けていた。 だから少女は空想の友達を想像した。その教えに従い、悪戯し返してやった。 やがて少女は推理小説にはまり、共通の趣味を持つ男の子に初恋をし、そしてまた会えた日に返事をする事を待ち望んだ。 しかし、男の子は家庭の事情により家出した。一切の音信もなく、少女の想いに応えることはなかった。 待ち続ける事に耐えきれなくなり、さらに女性としての自身も失った少女は、新たな人格を作りだした。 情緒不安定だった心も、寡黙な少年と優しい少女を演じ分ける事で心の安定を取り戻した。 ある時、少女は館の中にある碑文の謎を解き明かした。 そして館を所有する一族の当主が隠し持っていた黄金の塊を発見し、真実を知る者に祝福された。 老齢の使用人達の進行で変装を施され一族の当主に謁見すると、感激の余り泣きつかれ謝罪の言葉を述べられた。 少女は状況が呑み込めぬまま、彼らから事の真相について知らされた。 残酷に満ちた、無知のままでいたかった真実を、胸に突き刺された。 少女の正体は当主の隠し子であり、隠し孫であり、当主の過ちによって生まれた不義の子であった。 そして赤ん坊の時に崖から落ちて死んだことになっていたが、後遺症を残しつつも奇跡的に一命を取り留めていた。 そのため、忠臣の使用人達によって秘密裏に育てられた。 機会が訪れた時に、現当主の悲願を叶え、少女を次期当主にするために。 しかし、少女にしてみれば拒絶したい真実でしかなかった。 その頃には少女は別の青年と恋をしており、別人格の少年は少女に好意を寄せられていた。 だがしかしその恋心は真実によって砕かれた。 自分は穢れた血で出来ている。その上、後遺症で女性としての機能も失っている。 その事実だけでも身の毛がよだつのに、さらに一族の者と恋を抱き将来を望んでいたなんて。 抱いた想いとは相反する倫理との板挟みに苛まれる。互いに寄せられてしまう血の呪いに、激しく嫌悪する。 少女は次期当主の座を凍結し、ただ悩み続け不安を募らせるだけだった。 自身の全てを知られた時、プロポーズしてきた青年は酷く拒絶するのではないかと悪夢に魘されるほどに。 それでも青年が迎えにくるのを待つしかなかったある日、初恋の人がまた戻ってくるという知らせを受ける。 再会の嬉しさ以上に、最悪のタイミングで決意を霧散させられたことで、彼女の歪んだ心は壊れてしまった。 どの恋を選んでも破滅しかない運命に絶望した少女は、生きる気力を失い、狂気に囚われた。 呪われた自分、一族、島も黄金もすべてを吹き飛ばしてしまおうと考え付き、計画を立てて実行できる所まで準備した。 最後に、少女は大切な人達を殺める事に躊躇いを覚えた。 だから少女は一縷の望みに期待して、事件当日を迎えた。 切なる願いを諦めて、自分を暴く事に願いを託した。 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 二人の少女の歩み方は全く違い、比較しようもない壮絶なものであるが、共通する部分も多かった。 出自の不幸、不義の存在、骨肉の争い、そして転生の願い。 似た者同士で惹かれあうのは必然だったのか。 この見知らぬ地にて、一組の少女達が集うことに相成った。 少女は戸惑い混乱している。これから始める破滅の計画でもって心中するつもりだったのだから。 少女は少々呆れて答える。死んだはずの自分が喚ばれた事を嘆きながら、ここが願いの為に殺し合う舞台である事を説明した。 少女は一瞬の間を経て理解した。これから小説よりも奇なることを仕出かすつもりでいた少女にしてみれば、信じられないような出来事もすんなり受け入れられた。 少女は気だるげに決意した。この馬鹿げた強さでもって全てを殲滅し願いを叶えようと。もし万が一負けたら、その時はその時に考えよう。 こうして、大小あれど「普通の人間として生きたい」という願いを抱いた者同士、「安田紗代」と「鑢七実」は共に闘う契約を結んだ。 【マスター】 安田紗代@うみねこのなく頃に ※便宜上の名義を「安田紗代」とする。 場合に応じて「ヤス」「紗音」「嘉音」「右代宮理音」「ベアトリーチェ」等と名前を変えられる。 【マスターとしての願い】 「血統の呪い」、「絶望的状況」からの解放。誰も不幸にならない最善を望む。 【能力・技能】 精神不安定、アイデンティティーの崩壊・希薄化により、複数の名を名乗り演じ分けるられる。 次期当主の権利を得た事で旧日本軍の残した兵器に所有していたため、火器や爆破物をある程度使える。 ミステリー作品に精通しており、六軒島を舞台に無限の殺人事件を構想できるほどにトリック・犯行の考案が得意。 彼女が遺した迷宮入りの謎が後世にて伝説にまで昇華されたため、死後にはキャスターとして英霊の座に召される事が確約されている。 その素質の高さから、毒素の多い現世の肉体でも魔力保有量は豊富な方である。 【???】 私は、だぁれ……? 【方針】 優勝し、聖杯を獲る。 【クラス】 セイバー 【真名】 鑢七実 【パラメータ】 筋力:A 耐久:C 敏捷:A 魔力:D 幸運:E 宝具:B 【属性】 中立・悪 【クラス別スキル】 対魔力:C 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。 騎乗:- 生前に騎乗したことはない。しかし『見稽古』で習得が可能。 【保有スキル】 虚刀流:A 刀を扱う才覚が全くない鑢一族が用いる無刀の剣術。 彼女は虚刀流の稽古を全く受けていないのだが、『見稽古』で父弟の稽古を見ることにより虚刀流の全ての技を身に着けている。 なお、本来なら彼女も刀を扱えないのだが、これもまた『見稽古』により例外的に扱えるようになっている。 心眼(真):A 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。 彼女の場合、その天才性、『見稽古』によってあらゆる状況、敵の能力を見通すことができる。 病気持ち:A 極度の病弱であり体力がなさ過ぎるため、長期戦になるとパラメーターが下がる。 ただし、宝具『悪刀「鐚」』の効果によりこの欠点は解消されている。 また常人ならば何度も死んでいるはずの病にかかり続けてきたため、状態異常に対し強い耐性をもつ。 【宝具】 『見稽古』(みげいこ) ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 #65374;10 最大補足:1人 七実の異常性を象徴する、“化物”と呼ばれる程に特異な資質。 相手の技を一度観ただけで体得、二度見れば万全に自らのものとすることができる。 この特異体質により彼女は虚刀流を始め数々な技術・武術を体得でき、更には肉体変化・血族由来の身体能力すらも会得している。 聖杯戦争においても相手の武術や能力を体得し、一部を除いたスキルや宝具すらも本来の使い手と同様以上に習得可能となる。 そしてこの宝具の何よりの真骨頂は、七実自身の人知を超えた戦闘能力を抑えるために発揮されている事である。 『悪刀「鐚」』(アクトウ・ビタ) ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人 四季崎記紀が作りし“完成形変体刀十二本”の内の一本。「活性力」に主眼が置かれた刀。 苦無の形をしており、身体に差し込むことによって所有者の疲弊も死も許さず人体を無理矢理に生かし続ける。 この『悪刀「鐚」』の効果により、鑢七実は唯一の欠点である自身の体力の無さを克服する。曰く「弱点も隙もない」。 ただし常時発動型の宝具になるので、狂戦士程ではないが多少の魔力消費をマスターは強いられる。平時には魔力消費量を抑制する事が可能。 もう一つ、四季崎記紀の完成形変体刀十二本の特性として「刀の毒」による魅了効果を持つ。 ランク C以上の精神干渉などの耐性、もしくは強い意志を持っていなければ『悪刀「鐚」』に対する物欲が生まれる。 もし『悪刀「鐚」』を所有した場合、その所有者の属性・性格が「悪」へと変質する。 『零・刀語』(ななみモンスター) ランク B 種別:対人宝具 レンジ:?? 最大補足:?? そもそも呼称する必要も、宝具にする必要もない、ただのこじつけ。 またの名を『奇刀「錵」』。四季崎記紀の思惑から外れている(はずの)、完了形変体刀の派生・異形・化物。 『見稽古』『悪刀「鐚」』の使用をやめる事で、抑えていた本来の強さを解放する。 パラメータが 筋力:A 耐久:B 敏捷:A++ 魔力:C 幸運:C、心眼(真)がA+に上昇する。 その代わり魔力の消耗が甚大になり、いずれ体力のない身体が耐えられずに命が尽きてしまう。 【weapon】 彼女自身が刀以上の凶器である。 【人物背景】 虚刀流六代目であり大乱の英雄である鑢六枝の娘。 生まれながらにして病弱ではあるが、同時に“化物”“日本最強”と呼ばれるほどの驚異的な強さをもっている。 七代目当主にして弟の七花が完成形変体刀の収集のため奇策士・とがめに連れられてから数ヵ月後、彼女もまた独自に刀収集を始める。 その道中に数々の虐殺を起こし(彼女曰く「草むしり」)、悪刀「鐚」を得た後に弟と刀を掛けた対決の末に打ち倒された。 【サーヴァントとしての願い】 ただの人間として生まれ、生き、死にたい。
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泣いた赤鬼 ◆tHX1a.clL. にや。 にや。 にやにや。にやにや。 押し殺した笑い声。 タイル張りの床。 水。 バケツ。 遠いドア。 狭い窓。 靴。 靴。 靴。 並ぶ脚は鉄格子。 少女が少女を囲う檻。 少女の檻に木霊するのはか細い声と笑い声。 檻の真ん中で這いつくばる少女。 ゆるやかな栗色の髪とお人形のように可愛らしい顔、すらりと伸びた長い足。 その豊満な体と長身で、自分を何かから守るように縮こまっている。 「おい鬼! こそこそすんなよ!!」 『鬼』と呼ばれた少女は、なにも言わずにただ体を縮こまらせて床に貼られたタイルを眺め続ける。 そうしてこらえ続けていれば、いつかはその怒号が止むと信じているように。 「はぁ? 鬼のくせに無視とか酷くない?」 「喋れないの?」 「つーか鬼なら日本語喋れないっしょwwwww」 「ウケるwwwwwwww」 ぎゃはは。ぎゃははははは。 女子トイレに響き渡る品のない笑い声。 少女を囲う『檻』が笑う。 少女は黙って、ただタイルを眺め続けていた。 『一身上の都合』による転校から数日。 心優しい彼女は、地獄に叩き落とされた。 誰よりも優しい少女。 誰よりも面倒見のいい少女。 誰よりも気配りのできる少女。 品行方正で、ちょっとだけ喋り方にくせのある少女。 優しい世界で、優しい人々に囲まれて、健やかにそだった少女。 だが、転校先の学校で彼女に目をつけたのは、彼女の周りに居たような優しい人々ではなく、ストレスを溜めた『檻』たちだった。 きっかけは、体育の授業だった。 体育の教師の何気ない一言が皮切りだった。 『誰かペアを組んでやれ』。 別に、彼女は孤立していたわけではない。 生来の優しさから、複数の女子とそれなりに良好な関係を結べていたし、部活動への勧誘もあとを立たなかった。 だが、彼女とペアを組もうとするものは居なかった。 彼女が少し……いや、かなり、周りの女子たちより身長が大きかったから。 「いや、フジセン、アレデカすぎるからwwwwwwwwマジで人間かっつのwwww鬼じゃねwwwwww」 「鬼とストレッチとか潰されるしwwwwww」 そのやりとりが、彼女の今を作り上げた。 そのやりとりで、彼女が何も言い返さなかったから、彼女の今は出来上がった。 どれだけ叩こうとやり返さず、悲鳴を上げて楽しませてくれる生きたサンドバッグ。 どれだけ追い詰めようと誰にも文句を言わず、むしろ自分たちを庇ってくれる哀れな羊。 そんな都合のいいおもちゃだと、そのやりとりで判断された。 自分よりも可愛い子が許せない。 自分よりも目立つ子が許せない。 自分よりも優れた子が許せない。 だが、自分が変わろうとはしない。 そういった、向上心なき野心家たちにとって、彼女は格好の餌だった。 それから数日。 行為は次第にエスカレートしていった。 最初はばかにするような言葉。 次に軽い身体接触。 次に持ち物へのいたずら。 次にややキツめの身体接触。 まるで何かの狂気に触れているように、日に日に内容はきつくなっていった。 そして今日。 トイレに引きずり込まれ、いきなり水をかけられ、上着を脱ぐことを命じられた。 『鬼が服を着ているのはおかしい』という、どう考えてもおかしい理由で。 気狂いのような『檻』の笑い声を聞きながら、彼女は考えていた。 あの世界は、夢だったんだろうか。と。 転校する前の世界。 華やかな夢と希望に満ち溢れていた世界。 少し顔が怖いが、少女をアイドルにしてくれると言った。 最初は嘘だと思ったが、大きな会社で資料をくれてちゃんと話をしてくれた。 何故少女を選んだのかと聞けば、いつもどおりの無愛想な顔で「笑顔です」とだけ答えた。 優しいプロデューサーが居た世界。 初めて事務所に行った時、緊張していた少女に声をかけてくれた。 「ドア開けると仕事が始まって面倒だから」と廊下の壁に寄りかかり座っていた少女。 緊張している少女の様子を見て、もこもこの下着のようなボトムスから飴を取り出して少女にくれた。 ちっちゃなお友達、双葉杏が居た世界。 まるで童話のような、素敵と幸せに溢れた物語。 ここに居る少女からはかけ離れた、幸福な少女の物語。 でも、この学校に転校してきて、世界は一変した。 『346プロダクション』なんてなかった。 教えてもらった電話番号から帰ってきた返事は、携帯が利用されていないことを告げる音声だった。 ずっとずっと大切な宝物にすると、部屋の宝箱に入れておいた『資料』や『飴』は、煙のように消えていた。 もしかしたら、と少女は考える。 あの世界は、少女が作り上げていた妄想だったのだろうか。 本当の世界は昔からこんなもので、あんな綺麗な世界なんてなかったんじゃないか。 でも。 夢だとしても、妄想だとしても。 夢でいい。妄想でいい。 あの世界に帰りたい。あの世界に帰って、開けぬ夢の中で生きていきたい。 叶わぬ願いに目を伏せる。 彼女の整った毛羽のような睫毛が涙に濡れる。 「なんとか言えよ!!!!」 リーダー格の檻が少女の体を蹴り上げる。 溜まっていた涙が弾け、タイル張りの床に涙の落ちる音が聞こえた気がした。 ◆ ◇ ◇ ◆ 「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■――――――――――!!!!!」 少女の瞳から大粒の涙が零れた瞬間、女子トイレに咆哮が轟いた。 咆哮とともに、少女と『檻』とを遮るように、巨漢が現れる。 少女の前に突如現れた巨漢。 彼女の恵体よりも更に大きい、2mはあろうかという身長に筋骨隆々の肉体。 手にはバンテージの代わりか包帯がきつく巻きつけられている。 頭には手ぬぐい。目元には、まるで消し炭を塗りたくったかのような隈取。 巨漢が突然、少女を取り囲んでいた檻の一人の顔に拳を叩き込む。 「はぎゅっ」というマヌケな声を残して片側の檻がはじけ飛ぶ。 逆の手で檻のもう一人の顔を叩く。 首が数回転し、ぶちりいう嫌な音を残してねじ切れ、片側の檻の命が絶する。 「は……え……?」 そして呆然としているリーダー格を気取っていた檻の頭を両手で掴む。 「あ、が、ぎ……」 そのまま、神に祈る合掌を作るように、少しずつ、少しずつ手のひらを寄せあげていく。 まるで万力にかけられた鉄板のように、リーダー格の檻のそれなりに整っていた顔が醜く醜く押しつぶされていく。 「ひゃ、ひゃめ……にゃ、ご、め……にゃ……」 何に謝るのか。 誰に謝るのか。 謝ってその罪が許されると思っているのか。 なんともささずに、リーダー格の檻はただ謝る。 その謝罪を耳にして巨漢の瞳に宿る怒りが、更に激しく燃え上がる。 もし相手が人ならば、その謝罪でちょっとばかしの感傷を得て少しばかりは手心を加えてくれたかもしれない。 しかし目の前に居る鬼には、生き延びるためのその場しのぎの『鳴き声』は通じない。 むしろその往生際の悪さ、身勝手さに『裁くべき悪』を見出す。 骨の軋む音が強くなる。 泡を吹き、血を吐いても決して力は緩めない。 男は一切躊躇せず、最後に 「『南無阿弥陀仏』」 と唱え、そのまま頭を圧し潰した。 男の言葉が一切理解できなかった少女でも、何故かその七文字だけははっきりと聞き取れた。 合掌が完成する。 首から上の亡くなった死体がタイル張りの床に投げ捨てられる。 不動明王のもとに捧げられる供物が新たに三つ積み上がる。 「あ、あ、あ……」 突然の化け物の登場に怯える少女。 あまりの惨状に腰が抜けてしまって逃げ出せずにいた。 この状況で失禁しなかっただけでも大したものだろう。 巨漢が少女の方を向き、何事かを呟く。 「……■■■■■■、■■■■■■■■■」 意味はわからない。 だが、無抵抗の人間をあそこまで残虐に、一方的に殺すのだ。 少女は、これから襲い来るケタ違いの暴力と逃れられぬ死を察し、さめざめと涙を流した。 しかし、巨漢から発せられたのは暴力ではなく。 「■■■■■■」 野に咲く花を手折らないよう気をつけるように、差し伸べられた手。 突然伸ばされた手に、目を剥く。 狂人に見えた男が、少女には……少女にだけは、何故か優しく、接している。 混乱する少女の目にとまるのは、差し出されている真っ赤に染まった男の腕と三つの死体。 フラッシュバックのように、殺害の現場が脳裏に蘇る。 少女は、そのあまりのショッキングな光景に、胃の中身を床にぶちまけると。 そのまま、誰にも何も言わず、鞄も何も持たずにヨロヨロと逃げるように家に帰った。 いきなり築き上げられた死体の山。 差し出された血とよくわからない何かで染まった腕。 謎の巨漢との出会い。 これが、聖杯戦争の地に転校してきた少女・『諸星きらり』が学校に行った最後の日の出来事だった。 ◆ 巨漢の『檻の破壊』から数日が経過した。 あの巨漢について、きらりは色々なことがわかった。 巨漢は『バーサーカー』と言うらしい。 いつか聞いたような気がする『聖杯戦争』のサーヴァントと呼ばれる存在。 彼は、きらりのサーヴァント。 きらりを守るために……参加者たちを『倒し』て、きらりの願いを叶えるために居る。 『狂化』というスキルによって、理性を失い人格をねじ曲げられてしまったサーヴァントであるらしい。 そんな理性もなく、人格もねじ曲げられ、名も、逸話も知らぬ彼が。 それでも、きらりのために動いてくれている、というのがわかった。 あの事件の後、バーサーカーは再びきらりの前に現れた。 今度こそ殺しに来たのだろうかと怯える少女に、トイレでの一件と同じように手を差し伸べてきた。 その様子に(今度は血で汚れていないが)あの時の光景がフラッシュバックして、思わずえずく。 そんなきらりを他所に、バーサーカーは手に持っていた物をきらりに押し付ける。 彼が手に持っていたのは、コンサートのチラシ。 この街からはとても離れた場所であるアイドルのコンサートについてかかれてある。 聞いたことのないアイドルたちの名前。 聞いたことのない曲の数々。 でも、そのチラシにはちゃんと書いてあった。 アイドルの名前の後ろに、ちっちゃく、ちっちゃく、見落としてしまいそうな字で。 346プロダクション所属、と。 彼は、探してきてくれたのだ。 きらりが夢だと思っていた世界が夢じゃない、現実だったという証拠を。 きらりは声を上げて泣いた。 あれだけ恐れていたバーサーカーに抱きついて、声を上げて泣いた。 彼女の信じた世界が夢物語じゃなかったこと。 自分の帰る場所がまだあること。 バーサーカーの優しさ。 全てへの言い表せない程の感謝で、ただ、ただ、泣き続けた。 その夜。 きらりは夢を見た。 燃える寺。 走る『誰か』。 後頭部を殴りつけられ、昏倒してしまう『誰か』。 目がさめたら、寺は全部焼けてしまっていて。 そこから生えた黒い『なにか』に泣き縋る『誰か』。 それが誰の夢なのかは分からない。 ただ、『誰か』はバーサーカーに少しだけ似ている気がした。 朝起きて、バーサーカーに聞いてみたけど、バーサーカーは何も話してくれない。 ただ、声にもならない声で呻くだけ。 でも、きらりには。 彼の顔に色濃く残る隈取が、泣いて、泣いて、泣きつかれたあとのクマのように見えてしかたがなかった。 バーサーカーも、きっと、ずっと、辛かった。 あの時のきらりなんかよりも、ずっと、ずうっと、辛かった。 それでも、きらりのために彼女の夢の欠片を拾ってきてくれた。 だからきらりは決めた。 立ち上がり、動き出すことを決めた。 戦争なんて怖いから、本当はずっと家に閉じこもっていたい。 でも、きっと帰りを待ってくれている人たちが居る。 だから、帰る方法を探す。 そして、バーサーカーの涙を止める方法を探す。 バーサーカーの涙を止めて、彼が狂化という呪いから抜け出せる方法を探す。 今度はきらりが、バーサーカーに手を差し伸べる。 きらりは歩き始めた。 自分と、自分を守ってくれているバーサーカーのために。 「じゃ、行ってくるにぃ!」 「■■、■■■■■■■■……」 いつかの朝。 檻が壊れて何日目かの朝。 霊体化するバーサーカーに挨拶を済ませ、諸星きらりは今日も街の何処かを歩く。 夢の続きへの手がかりと、バーサーカーの救いを探して歩く。 ◆ ◇ 彼は見ていた、聖杯戦争の舞台に呼び出された少女を。 無垢な少女。優しき心を持つ少女。 戦争に巻き込まれようとも、きっと心を失わない少女。 そこにあったのは怒りに狂うまで信じていた『人』の姿。 彼女が■たちと似ている、とは思わない。 だが、その快活さと、やさしさは、彼の心の奥に眠っている『何か』を優しく震わせ続けた。 彼女には、戦争なんかに関わってほしくない。 そう思い、彼は一度、少女に背を向けた。 数日後。準備期間も終盤に差し迫った日。 少女は、虐げられていた。 意味もなく、ただ『体が人より少し大きい』というだけの理由で。 その様子を見て、彼は理解した。いや、思い出した。 自身の隈取に込められた意味を。 やはり人■変わ■ない。 貧富貴■、生■■育ち、■■■美醜、そうい■たもの■■別を行う。 己の醜い■を、欲を■■すために罪■■■々を侵す。 「……■」 ■■■をかぶ■た畜生共。 悪鬼■刹の類■。 人■■■啜り、■■肉を貪■、醜く欲に■■■■■■■。 貴様らのような獣が居るから、■■■■■■、■■■■■■、■■■■■、■■■■■『人間』■■■■■■。 「■……■……■■■……」 ―――許■■■■。 ―――■■よ■か。 ―――■せ■う■。 ―――■■るわ■がな■。 涙の落ちる音が聞こえた気がした。 ◇ ◆ 憤怒を纏い諸星きらりの下に顕現したサーヴァント。 狂気に触れ周囲の人物を皆殺しにしたバーサーカー。 子どもたちと貧しいながらも幸せに暮らしていた心優しき和尚。 人間の身勝手により罪なく打ち据えられ、虐げられたか弱き男。 縋った神にも見捨てられ、幸せを蹂躙され、復讐の鬼と化した破戒僧。 腐りきった世界を破壊し、平和をもたらさんと願った『明王』。 誰よりも人を愛し、その愛故にに『狂戦士』へと堕ちた人間。 彼の名は、『悠久山安慈』と言った。 かくして。 心優しき赤鬼、ただ少し体が大きく生まれてしまった心優しき少女『諸星きらり』と。 親切な青鬼、誰よりもきらりを救いたいと願ったバーサーカー『悠久山安慈』は出会い、互いとの距離を手探りで探しながら歩き始めた。 泣いた赤鬼。 日本で一番やさしい鬼たちの物語。 たとえそのやさしさが、お互いを傷つけてしまうとしても。 彼らのやさしさに罪はない。 【クラス】 バーサーカー 【真名】 悠久山安慈@るろうに剣心(旧漫画版) 【パラメーター】 筋力:B++ 耐力:B 敏捷:E 魔力:D 幸運:E 宝具:E 【属性】 秩序・狂 【クラススキル】 狂化:B 筋力を二段階、耐力をニ段階向上させるが、理性の大半を奪われる。 【保有スキル】 武練の極地:A 極めるとはこういうことだ。 自身の得意な武器を使うときの魔力消費をランク分だけ軽減する。 バーサーカーの場合己の肉体が武器であるため、実体化にかかる魔力も軽減される。 そして、レンジ内ならどの体勢からでも宝具を解放できるようになる。 怪力:D 人間レベルでの最高クラスの怪力。 戦闘中一時的に筋力を一段階向上させることが出来る。 直感:B 戦闘時、自分と自分の大切な人物に害を成そうとしているものを「感じ取る」能力。 無害と判断できるものに対しては効果をまったく発揮しないが、攻撃に関しては漏らさず察知が可能。 憤怒の隈取:A 決して消えない忌まわしき過去。 このスキルがある限り、彼の心は揺るがない。精神への干渉、自身に向けられたデバフ効果を全て無効化する。 更に精神に干渉を行った者・デバフを発動した者・自身の大切な人物(マスター)に危害を加えた者の存在を永続的に把握し続ける。そしてその対象との戦闘の際に筋力が一段階向上する。 例え気配遮断をしていても正体秘匿をしていても、決してその対象を忘れず、確実に見つけ出し、追い詰めて殺す。 このスキルはNPCに対しても発動される。マスターに肉体的・精神的問わず多大な危害を加えようとした場合NPCですらこのスキルの対象になる。 こころやさしきひと:― そのサーヴァントが心が優しく、人であることを示すだけのスキル。 狂化に蝕まれた彼は、以前のように全ての人物の幸せは願えない。 ただ、マスターであり同じくこころやさしきひとである諸星きらりの幸せは、今も願い続けている。 理性の大半を失っているが、参加者中・諸星きらりとのやりとりにおいて若干のイレギュラー行動が発生しやすくなる。 それは、泣いている彼女に自分から手を差し伸べたり、彼女の夢の欠片を拾い上げてきたり、その程度の一切役に立たないイレギュラーである。 【宝具】 『二重の極み』 ランク:E 種別:対人 レンジ:1-2 最大捕捉:1 刹那程も間を開けずに放つ打撃。 一撃目で相手の反動を出し切らせ、無防備になった体に二撃目を叩き込む。 発動されている防御値向上を二打目着撃の瞬間だけ無効化する。 相手がレンジ1-2(殴れる距離)まで近づかないと開放できないが、開放に真名を必要としない。 なお、二重の極みといえば拳というイメージがあるが、バーサーカーは肘でも膝でも脚でも頭でも、場合によっては横隔膜でも二重の極みが出せる。 本来は武器を使った遠当てのような技もできるが狂化によって武器を使うという発想自体がなくなっている。 ちなみにこの宝具における『相手』とは人間だけを指すものではない。建物にも岩石にもこの宝具は発動できる。 【weapon】 己の肉体。 生前から合掌だけで人を殺せる程の怪力無双を誇っていた。 【人物背景】 親切な青鬼。 【マスター】 諸星きらり@アイドルマスターシンデレラガールズ(アニメ版) 【マスターとしての願い】 346プロダクションに帰りたい。バーサーカー(悠久山安慈)を救ってあげたい。 呼び出された原因となる願いは不明。 【能力・技能】 なし。 レッスンを始める前なので歌もダンスもへたっぴーである。 ただ、その心は誰より優しく美しい。 【人物背景】 心優しい赤鬼。 【方針】 戦闘なんてできないし、させたくないし、したくない。 聖杯戦争から抜けだして帰る方法と、バーサーカーを救える方法を見つける。 バーサーカーは超至近距離での戦闘にしか対応していない。ただし近距離戦闘では比類なき性能を発揮する。 直感持ちであるため戦闘では優位を取れる。 敏捷こそ低いものの狂化によって筋力・耐久ともにB(40)に強化されているため、ちょっとやそっとじゃ倒れない。 そして相手がレンジ内に踏み込んだ瞬間発動できる、耐久向上無効・筋力最大二段階向上(120)から繰り出される必殺宝具・二重の極みは特に凶悪。生半可な防御ならぶち破って殺す。 超至近距離鯖であるため遠距離攻撃を行う相手にはとても弱い。 ただし、スキル:直感で遠距離攻撃を察知して避けることは可能。マスターが狙われても彼女を守ることが可能。 そして、マスターが狙われた瞬間、マスターの意志にかかわらずバーサーカーは攻撃した相手への迎撃を始める。 攻撃をした相手を地獄の底まで追いかけまわし、殺す。 この習性を見抜かれると、逆にマスターが危険に晒されることになる。 きらりはまだこの習性に気づいていない、そしてこの習性は彼女にも令呪なしでは止められない。 この点にいつ、どういった状況で気づけるかが彼女たちのターニングポイントになる。 あんなことがあったので学校はトラウマ。できれば近寄りたくない。 BACK NEXT -004 雪崎絵理&バーサーカー 投下順 -002 幸せな子ども -004 雪崎絵理&バーサーカー 時系列順 -002 幸せな子ども BACK 登場キャラ NEXT Happy Birthday! 諸星きらり&バーサーカー(悠久山安慈) 000 前夜祭 010 開幕/きらりん☆レボリューション
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牧野エリ&バーサーカー ◆RzdEBf96bU どう考えてもバッドエンドにしかならない。 ◇◇◇ ある日神様は一つの双六ゲームを思いついた。 二人の駒が絶対不死身の進行役と協力して一人の少女とどっちが先にゴールできるか競う双六。 負けた駒は死にます。どっちもゴールできなかったら世界が滅びます。 VIPの少女は死ねません。途中でゲームはやめられません。 本気で頭のおかしい馬鹿げた双六ゲーム。 少女の心はすり減ってこんなゲーム嫌になってしまった。 ただ好きな先生と一緒に居たいだけなのに。 優しい少年に傷ついてほしくないだけなのに。 ふつうでいたいだけなのに。 そこで優しい神様は代わりに別のゲームを用意した。 一騎のサーヴァントと二人一組でほかのペアを蹴り落として聖杯を狙うバトルロワイヤル。 どうあがいても、少女は殺し合いから逃げられない。 ◇◇◇ まるで時が止まったかのように静かな深夜の公園、街灯には羽虫が僅かな光に寄せられて集まっている。 街灯の下のベンチには無数の羽虫の死骸が張り付いている。 月明かりに照らされて、1人の少女がベンチに腰掛けているのがわずかに見えた。 少女の姿は酷く汚れており、あたりの暗闇より一層暗い眼をしていた。 「先生、先生…ッ!」 暗闇の中、少女は大好きな先生を呼ぶ。しかし誰も返事を返してはくれない。 彼女に優しくしてくれた悲観的な小説家の先生も、大嫌いな金髪のチャラ男もどこにもいない。 誰も少女を助けてはくれない。この世界で、乗除は一人ぼっちだった。 「バーサーカー…」 少女は自身に与えられたサーヴァントを呼んだ。 霊体化を解き、少女の目の前にバーサーカーは現れた。 そのバーサーカーはまるで鋼の竜であった。 青く透き通ったボディにオレンジ色のラインが走り、胸中の宝石が怪しく光っている。 ただ目の前にいるだけで少女は震えが止まらず、自分の生命が搾り取られる感覚を覚えた。 「バーサーカー、わたし…今まで何もできなかったの…大好きな人のために何にもできなかった… わたしが何にも力を持っていない子供だったから…」 「グルルルルルルルルルル・・・・・・。」 少女はバーサーカに対して語り始めた。 バーサーカーは狂気に満ちた目で少女をじつと睨んでいる。 怖い。怖い。 少女は自身のサーヴァントに恐怖を抱きながらも、再び口を開いた。 「ここに来てからもずっと悩んでた。あなたがいれば力のない私でも聖杯を獲れるかもしれない。 双六ゲームから先生を助けられるかもしれない。ドラジェ君からお父さんがいなくならないかもしれない。 皆…しあわせになれるかもしれない。 でも、そうしたらきっと何人も死んで、死、死んじゃうかもって…ッわ…たしのせいで…」 言葉の末尾に至っては流れる涙のせいで途切れ途切れになってしまっていた。 人殺しは罪である。そのことはまだ幼い少女にもわかっていた。 先生を守るために殺意を抱いたことはあるが、まだ実際に人殺しをしたことはない。 その一線が、少女を立ち止まらせていた。 「でもね、バーサーカー。わたし思い出したんです。先生はどんなに傷ついても、わたしをずっと守っていてくれたことに。」 先生はわたしに温かいご飯をくれた。 先生は髑髏のマスクの男を倒して助けてくれた。 先生は殺人犯の罪を背負わされても、わたしを助けるって言ってくれた。 先生は鞠山からわたしを救い出してくれた。 先生はわたしが主人公の素敵な物語を書いてくれた。 先生はわたしに―――しあわせになってほしいって願ってくれた。 先生。先生。先生。先生。先生。先生。先生。先生。先生。 先生。先生。先生。先生。先生。先生。先生。先生。先生。 先生。先生。先生。先生。先生。先生。先生。先生。先生。 先生。先生。先生。先生。先生。先生。先生。先生。先生――――ッ! 「今まで先生にはたくさんの愛をもらったんです。だから今度は私が返す番。 そのためだったら、わたしは罪を背負える。人殺しだって…わたしはできる」 その小さな存在を動かすのは愛。 少女の愛は全て大好きな先生がため。 愛のためならば、少女は何でもできる。 世界だってきっと…変えられる。 「だからバーサーカーお願いします。あなたの力を…わたしにください。」 「グルルルルルルルルルル・・・・・・。」 バーサーカーは少女の請いに唸り声で返したが、その唸り声は決して合意の証ではなかった。 バーサーカーが望むのはただ一つ。 歴史の改変者の抹殺。ただそれだけである。 彼女を助けようという思いなど、何処にもなかった。 もし少女が歴史の改変を望むならば、たとえマスターであってもその使命は変わりはしない。 躊躇なくバーサーカーは少女を殺すだろう。 慈悲ぶかき思いなど、闇の果てに消え去ってしまった。 「待っててね先生…先生は、私がしあわせにするって決めたんですもの」 先生にはなんの気兼ねもなく笑っていてほしい。ただ、ハッピーエンドになってほしい。 胸に想いを刻み、少女―牧野エリは先生の笑顔を思い浮かべ、離れ離れになってしまった彼に向けて笑顔を作ってみた。 今にも壊れてしまいそうな、脆く、儚い笑顔だった。 背中の天使の羽が一枚、地面に舞い落ちた。 【クラス】 バーサーカー 【真名】 やみのディアルガ@ポケモン不思議のダンジョン空の探検隊 【パラメーター】 筋力A 耐久A+ 敏捷B 魔力A+ 幸運D 宝具A 【属性】 秩序・狂 【クラススキル】 狂化:A 筋力と耐久と魔力を2ランク、その他のパラメーターを1ランクアップさせるが、 理性の全てを奪われる。 【保有スキル】 時の守護者:E じげんのとうで世界の時を守っていたポケモンであった。 しかし今は闇に包まれたことでその性質は汚染され、 歴史を変えようとするものを抹殺するだけの意思に成り果ててしまった。 本来はAランククラスのスキルであったが、狂化したことでそのランクが著しく低下してしまった。 歴史を変えようとするものを見つけた場合、優先的に攻撃する。 タイムパラドックスにより消滅したものをも呼び戻す力をも持っていたが、 サーヴァントとしての形に押し込められ、現在は他者の時間操作能力を無効にする程度にとどまっている。 神性:EX 神霊適性を持つかどうか。 世界の時を守る時の守護神でもあり、異なる世界の神話では、世界を作ったとされるアルセウスが身を分け創造した神のポケモンでもある 鋼・ドラゴンタイプ:B 鋼とドラゴンの属性を持つポケモンであることを示すスキル。 ノーマル、みず、くさ、でんき、どく、ひこう、むし、エスパー、いわ、ゴースト、あく、はがねの属性の攻撃に対し耐性を持つ 代わりに、ほのお、こおり、かくとう、じめん、ドラゴンの属性の攻撃に対しては追加ダメージを受ける。 また自身の放つはがね・ドラゴンタイプの技の威力に増加補正が与えられる 威圧感 C バーサーカーに対して近接攻撃が行われるとき判定が行われ、稀に相手を怯ませて攻撃を失敗させる。 このスキルは精神耐性スキルで、対処可能。 プレッシャー:C バーサーカーに攻撃を行ったときに消費する魔力の量が、本来消費されるはずの量の二倍となる。 【宝具】 『時の咆哮』 ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1~30 最大捕捉:100 時が歪むほどのエネルギー波を放ち攻撃する。 ドラゴンタイプの属性を持ち、スキル鋼・ドラゴンタイプの威力補正を受ける。 使用後反動により、1ターンバーサーカーは動けなくなる。 『暗黒の未来』 ランク:B 種別:対界宝具 レンジ:- 最大補足??? 時限の塔が崩壊し、時の止まった暗黒の未来で生きたポケモンたちの心象風景を再現した固有結界。 永遠に時が止まった世界で、朝日も二度と昇らない暗い世界。 結界内では、あらゆる自然現象が発生しない。 風も吹かず、水は流れず、光も差さない、暗黒の世界。 ただし現在のマスターでは長い間固有結界を維持することはできず、最大で数十秒の発動が精々である。 【weapon】 ポケモンとして覚えているわざ。 【人物背景】 時元の塔にて『時』を守る番人だったが、時元の塔が崩れ始めた事により暴走。 やみのディアルガともいえる存在に成り果ててしまう。 未来世界で星の停止を迎えた後では、歴史を変えようとするものを始末する意志のみで動く。 星の停止の歴史を変えようとする主人公とジュプトルたちに刺客を差し向け排除しようとする。 【サーヴァントとしての願い】 歴史を変えようとするものの抹殺 【マスター】 牧野エリ@VANILLA FICTION 【マスターとしての願い】 先生をしあわせにする 【能力・技能】 ただの少女に知識も人脈も金も能力も技能もあるわけない。 本来の双六ゲームだったら、VIP扱いだったため骨が折れようが腕がもげようが死ぬことはなかったが、 今は参加者に格下げされたので、致命傷を負ったら普通に死ぬ。簡単に死ぬ。 【人物背景】 羽のついたリュックサックがトレードマークの寡黙な少女。 元は孤児院で暮らす少女であったが、友達とよく笑う普通の少女であった。 ある日、人類の存亡をかけた双六ゲームの一緒に双六のゴールを目指すパートナーに任命される。 小説家佐藤忍に会うまで二人ほど別のパートナーと行動していたが、虐待を受け続け精神がすり減ってしまう。 佐藤に人間として当たり前の施しを受けたことで彼を先生と呼び、想い慕う。 しかしもう一方の駒である刑事鞠山雪彦にその身を囚われる。 佐藤の敵である鞠山を警戒していたが、彼にも息子ドラジェがあり死ぬわけにはいかないことを知る。 誰も幸せにならない双六に絶望し自ら命を絶とうとするも、自分がどうあがこうが双六の進行するうちは 死ねないことを知る。そして世界を滅ぼすのは他ならない自分自身であるということを知らされる。 【方針】 どんな手を使ってでも聖杯を獲る ただし策に優れているわけでもない上に、バーサーカーの燃費は非常に悪く一戦交えただけでエリは命の危険が伴う。
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シュガー・カルト ◆PatdvIjTFg 空は嵐が過ぎ去った後のように、清々しかった。 主が資産家であることを思わせる一軒家の庭で、少女は安楽椅子に腰掛けて、うとうとと微睡んでいた。 自分が起きているのか、それとも眠っているのか、どちらでも構わないと思った。 ただ、この幸福な時間が何時までも続けばいいと思う。 寄せては返す波のように、ぎいぎいと安楽椅子が揺れる。 少女の躰は華奢で、その上、白い水彩絵の具に少し青を垂らして混ぜて、それで塗ったような妙な肌色だから、 どことなく、大海原を漂う酷く儚げなようなものにも見えた。 微睡みながら、少女は夢を見る。 自分が深い海の底にいる夢を、いつまでもいつまでもただ自分が微睡み続けるだけの夢を。 そんな彼女の隣には、少女がいる、彼女の大切な友達がいる。 ぼうっと微睡みながら、時々思い出したかのように他愛のない話をして、そしてまた微睡み続ける。 そんな完全な幸福の夢を。 「山田なぎさ……」 寝言で、少女は名前を呼ぶ。。 それが、世界でただ一人の彼女の友だち。 少女の名は海野藻屑、悪い冗談みたいな名前をした少女。 自分のことをぼくと呼び、高級品に身を包んで、自分を人魚だなんて言って、そして虐待で刻み込まれた身体の痣を汚染と言い張る少女。 耳が片方聞こえないから、聞こえる方の耳を彼女の隣に寄せるために、大きく開かない足を懸命に引きずって、友だちを追いかける少女。 ここじゃない別の場所に行きたくて、遠い場所へ逃げようとした少女。 そして、今は聖杯戦争に参加する少女。 「ぼくは結構楽しくやれてるよ、でも……」 夢の中で、海野藻屑は山田なぎさに話しかける。 この街は、そう悪い場所ではない。父親に殴られることもない。 逃げようとした場所がこの街ならば、大正解と言ってもいい。 それでも―― 「山田なぎさがいないんじゃ、ダメだよ」 海野藻屑は山田なぎさと逃げたかったのに、海野藻屑の隣には山田なぎさがいない。 ぽっかりと穴が空いてしまっている――山田なぎさがいないから、転入手続きも宙ぶらりんに浮いたままだ。 「財布とか、ドライヤーとか、すごく気にいってるシャーペンとか、せっかく準備したんだからさ。 ぼくだけが来たんじゃ、全部無駄になっちゃうじゃないか……」 逃げようと決めた日、山田なぎさはそんなどこへ行きたいのかわからないようなものを準備するつもりだった。 そのチョイスを聞いて、海野藻屑は楽しかった。 まるで冗談みたいだけど、本気なんだと思った。 だから、私物を取りに戻って自分の家の前で山田なぎさと別れた時、 自分一人だけがこの街に来てしまった時、 本当に、心にぽっかりと穴が空いてしまった。 だから、少女は決めた。 「マスター」 気が付くと、海野藻屑の隣に美しい少女が立っている。 透き通るような白い肌、身体に纏わりつく薔薇、ピンととんがったエルフを思わせる耳――人の姿をしておきながら、人間離れした美しさ。 それこそが、海野藻屑のサーヴァント。彼女が世界に向けて放つ物理的な弾丸。アーチャー、森の音楽家クラムベリー。 「どうだった?」 「アサシンを一人、そこそこ楽しい相手でした」 「そう」 絶対に、何をしてでも、もう一度、山田なぎさに会う。 だから、海野藻屑は己のサーヴァントに戦うことを許した。 サーヴァントと戦いたいという、彼女の願いを赦した。 アーチャーは、海野藻屑の左側に立っている。 海野藻屑のどちらの耳が聞こえるか、それは彼女の魔法には関係のないことである。 音は彼女が望む位置から発することが出来る、両耳に聞かせてやればいいだけのことだ。 「では、また行ってきます」 「うん」 「貴方のようなマスターを持てて、幸せです」 「そう」 互いに、興味を抱かない。それで良い。 森の音楽家クラムベリーが求めるものは戦いであるし、 海野藻屑が求めるものは戦いの後にあるものであって、その過程に興味はない。 そうやって、海野藻屑は何時までも微睡み続けるし、 森の音楽家クラムベリーは、彼女に捧げる子守唄のように、彼女の餌食となったものの断末魔を響かせる。 砂糖菓子の弾丸は放たれない。 ◇ 森の音楽家クラムベリーが強敵との闘争をどれほどに愛しているかといえば、 自分の闘争のために、魔法少女達を殺しあわせ、その殺し合いに一参加者として混ざるぐらいに愛している。 故に、この聖杯戦争なぞは彼女にとっては最高の舞台である。 主催者としての多少の雑務に追われることもなく、マスターから制限を受けることもなく、森の果実をもぐように、自由に戦いを楽しむことが出来る。 戦闘そのものが報酬であるが、それに加えて勝利の暁には聖杯が手に入る。 この地は彼女にとっての理想郷と言っても過言ではない。 とは言っても、幾つかの欠点は存在している。 例えばマスター同士が連絡を取り合えない、というのは面倒な問題である。 自身の魔法少女育成計画においては、魔法少女同士で連絡を取り合えたため、実際に会う際にはそう不便は無かったが、 今回はマスターあるいはサーヴァントを探すところから始めなければならない。 森の音楽家クラムベリーは音を操るという能力のために非常に優れた聴力を持っているが、 しかし、怪しい会話を聞き取るという目的のためにはあまりにも範囲が広すぎて面倒である。 また、自身のマスターもよろしくない。 自分を自由にさせてくれるのはありがたいことであるが、魔力があまりにも少ない。 自身の単独行動スキルである程度は補えるが、出来ることならば他のマスターに乗り換えたいところである。 しかし、こんなにも楽しむことが出来ているのだ。 あまり、文句をつけるのもやめておこう。 移動の最中、森の音楽家クラムベリーは不自然に手袋で腕を隠した少女を発見する。 それが、令呪を隠しているからなのか、あるいは別の要因であるからか、尾行してみればわかることだろう。 「願わくば……」 強者との闘争が待ち受けていれば良い。 ◇ ――だけど、あんたは実弾じゃないもん 時折、海野藻屑は夢の中で出会ったばかりの山田なぎさの言葉を思い出す。 魔法少女は実弾としては夢のようにあまりにもふわふわとしていて、 それでもはっきりと実を持っていて、だから、彼女が召喚されたのだろうか。 「どうでもいいや」 【クラス】 アーチャー 【真名】 森の音楽家クラムベリー@魔法少女育成計画 【パラメーター】 筋力:B 耐久:B 敏捷:B 魔力:B 幸運:D 宝具:C 【属性】 中立・悪 【クラススキル】 対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 単独行動:A マスター不在でも行動できる。 ただし宝具の使用などの膨大な魔力を必要とする場合はマスターのバックアップが必要。 【保有スキル】 心眼(真):B 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理” 逆転の可能性が1%でもあるのなら、その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。 魔法少女:A 『魔法の国』から与えられた力。魔法少女『森の音楽家クラムベリー』に変身できる。 魔法少女時は身体能力や五感や精神が強化され、容姿や服装も固有のものに変化する。 通常の毒物は効かず、食事や睡眠も必要としない。その影響かサーヴァントとしての現界に必要な魔力量が通常時よりも低下している。 人間としての顔を捨てた森の音楽家クラムベリーというサーヴァントは人間としての姿を持たず、常時変身状態が維持される。 【宝具】 『音を自由自在に操ることができるよ』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:100人 音を自在に変化させられる魔法を操る、この魔法によって発せられる音は物理現象であるため対魔力による無効化は出来ない。 この宝具によって、音を任意の方向から発生する、音を声のように変調する、音量を爆音にして衝撃波として放つことが出来る。 また、この宝具の影響によって森の音楽家クラムベリーの聴力は非常に強化されている。 なお、ここでいう魔法とは魔法少女育成計画における魔法であってTYPE-MOON作品における魔法ではない。 【weapon】 魔法少女としての身体能力 【人物背景】 魔法少女育成計画における黒幕、その行動は生き残った魔法少女達に大きな傷跡を残した。 【マスター】 海野藻屑@砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 【マスターとしての願い】 山田なぎさに会いたい 【weapon】 ミネラルウォーター入りペットボトル(2リットル) 【能力・技能】 過去の虐待により左耳は聴力を失っており、片足を引きずるようにしか歩けない。 頭の回転は速く、独創的なアイディアで周りを煙に巻いたこともある。 【人物背景】 東京から父の故郷である田舎の港町へ引っ越してきた少女。 一人称は「ぼく」で、じぶんのことを人魚と言い張り、いつもミネラルウォーターを飲んでいる。 虚言癖や人を小馬鹿にしたような言動のせいで周囲から疎まれることが多いものの、外見は美少女そのものであるため異性として好意を抱いている男子は多い。 芸能人で歌手の父から日常的に虐待を受けているが、本人はそれを「愛情表現」と称し、父をかばうような言動をとっている。 これは作中の登場人物から「ストックホルム症候群」のようなものではないかと指摘されている。 【方針】 アーチャーに任せて、自分はぐぅぐぅいつまでも惰眠を貪っていたい BACK NEXT -018 大井&アーチャー 投下順 -016 シルクちゃん&ランサー -018 大井&アーチャー 時系列順 -016 シルクちゃん&ランサー BACK 登場キャラ NEXT Happy Birthday! 海野藻屑&アーチャー(森の音楽家クラムベリー) 000 前夜祭 005 紅の夢
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アルエット&アーチャー ◆tHX1a.clL. ◆ ◆ 小さな頃の小さな記憶。 『日晴』と書かれた地面の落書き。 優しそうな父の笑顔。 座ってこちらを眺める愛犬。 彼らに囲まれ、屈託のない笑顔を振りまく少女。 幸せな日々。 いつまでも続くと思っていた日々。 それが、少女が見た最後の世界。 それが、少女が今も夢見ている世界。 ◆ ◆ ある日、少女の瞳は何も映さなくなった。 彼女のくりくりとした瞳が微笑みを称えることもなくなり、ただ来る日も来る日も眩しい過去と涙で曇り続けることとなった。 別れは唐突だった。 突然父が居なくなった。ヤッターマン様の元で強制労働をすることになり有無を言う間もなく連行された。 一緒に愛犬も居なくなった。父同様、ヤッターキングダムに連れて行かれた。 母の居なかった少女は、突然一人ぼっちになってしまった。 愛するものを急に奪われる、というのはどれほどの衝撃だろうか。 少なくとも幼い彼女にとってそれは、『両目を潰してしまうほど』の衝撃だった。 その一件以来、彼女は目が見えなくなった。 瞳自体になんの変化もない。 ただ、心が……深く傷ついた心が、今まで当然のように行ってきた『見る』ことを拒むようになった。 彼女の心は、残酷な世界に耐えられなくなり、瞳を閉ざした。 そうして少女は、世界と向き合えなくなった。 でも、少女は幸せだった。 たとえ目が見えなくても、彼女の中では幸せな世界が続いているから。 父と愛犬は居なくなってしまったが、帰ってくると決まっているから。 いつか『天使ちゃん』がふたりとも連れて帰ってきてくれるから。 その時まで、彼女は幸せな世界で生き続けることを決めた。 仮に現実では世界中に圧政を敷かれていようと。 明日を迎えるのも困難なほどに貧窮していようとも。 目を閉じ、耳を塞ぎ、幸せな世界だけを信じて生き続けていた。 少女の名は『アルエット』と言った。 ◆ ◆ 「ふん、ふふんふん」 どこかで聞いた歌を口ずさむ。 思い出せないけど、それはきっと素敵な歌。 「ふん、ふふんふん」 歌に合わせて壁に手をついて廊下を歩く。 家具や扉の大体の位置は覚えているけど、それでも伝いながらではないと歩けない。 暮らしていて少し不便は感じるけれど、慣れればそう問題ない。 動き回るなら別だろうが、特に動く理由が彼女にはない。 料理や洗濯をしているなら別だろうが、そういった『アルエットにとって危ないこと』は近所に住む幼なじみのガリナが助けてくれる。 お昼は『学校』で会えないけど、朝も夜もご飯を作ってくれるし、洗濯もしてくれるし、お話の相手もしてくれる。 ただ、ガリナが『学校』のお昼の間は、何もできることがないし、とっても暇だった。 だから彼女は、お昼はいつも暇つぶしをしながらいつか来る『天使』を待ちながら過ごしていた。 暇つぶしと言っても、『この世界では』焚き木を拾う必要もない。 だから大半は自室で過ごし、待つのに飽きたら庭に出て、花を愛でたり(美しさは分からないが香りはわかる)、水を撒いたり(といっても何かを栽培しているわけではないが)している。 今日もこれから少し庭に出てみようと思った。 今朝、窓を開けるとうずうずとしている若草の匂いが漂っているような気がした。 そろそろ春が近いのかもしれない。 「ふん、ふふん、ふんふん、ふん、ふふふん」 鼻歌交じりに一歩を踏み出し、少しだけ足元を踏み外す。 ちょっとだけバランスを崩してこけそうになってしまう、と。 「もう、危ないよ!」 誰かがアルイエットの体を抱きかかえた。 大きさは彼女の半分か、少し大きいかくらいの、アルエットの世界には居ない新しい『誰か』の感触。 そろそろと手を伸ばして、触れてみる。 ぷよぷよとしたほっぺた。 頭には独特な角のような、しかし柔らかい突起。 人間に比べて凹凸がなく、のっぺりとした顔。 「あなたはだあれ?」 「もしかしてガッちゃん、小さくなっちゃった?」 ありえないことだろうが、一応聞いてみる。 ガリナではない……はずだ。 ガリナにはこんな角は付いてなかったし、鼻がちゃんと付いてた。 でも、彼じゃないならどうやって入り込んだのだろう。 まさか泥棒だろうかとアルイエットが訝しんでいると、小さな侵入者は彼女に『始まり』を告げた。 「僕はアーチャー、お姉ちゃんのサーヴァントさ!」 『アーチャー』と名乗る小さな少年。 アルエットの何も映さない瞳が少しだけ大きく見開かれる。 アーチャーは小さく「ふむむむぅ」と唸ると、こう訂正を入れた。 「……アーチャーってなんかかっこよくないね。やっぱり『ボンバー』って呼んでよ! そっちのほうが僕っぽいし!」 アーチャー……もとい、『ボンバー』のサーヴァント。 まるで導火線に火の灯った爆弾のような頭の形をした彼は、人懐こい笑顔を振りまく。 しかし、その笑顔はアルエットには届かない。 「なあんだ、天使ちゃんじゃないのね。がっかり」 アルエットは、少し肩をすくめてみせる。 見るからに『がっかり』といったその様子に、すぐにボンバーが食いついた。 「天使ちゃんって?」 「天使ちゃんは天使ちゃん。私はね、この家で天使ちゃんが来るを待ってるの。 いつか天使ちゃんが、お父さんと、ワンちゃんを連れて帰ってきてくれるから」 つらつらと口をついて出るのは、彼女の『世界』の真実。疑いようのない事実。 「へえー、すごいね!! 僕、いろんな人と会ったけど、天使はまだ会ったことないよ!」 「ふふ、すごいでしょう?」 アルエットの言葉を一切疑わず、きゃっきゃとはしゃぐボンバー。 その声に、今度は優しい微笑みを返す。 「あ、ごめんね」 すると突然ボンバーが謝った。 「お庭に出る所だったんでしょ。ごめんね、邪魔だよね」 「あ、いいのよ。こけかけたところ、助けてもらっちゃったしね」 ぺた、ぺたと何かが響く。 聞きなれない音だけど、ボンバーの足音らしい。ボンバーが避けてくれたみたいだ。 でも、すぐには庭に出れない。 こけかけたせいで、少し場所がわからなくなってしまっている。 手さぐりで場所を探していると、ボンバーが不思議そうに尋ねてきた。 「お姉ちゃん……もしかして、目が悪いの?」 そう聞かれ、アルイエットはバツの悪そうな顔をする。 ボンバーは特に気にした様子もなくこう切り出した。 「そっかぁ、じゃあはい!」 壁についていたアルエットの右手に、きゅ、と小さな手のひらの感触が伝わってくる。 アルエットには見えないが、ボンバーが彼女の手を取ったのだ。 そして手を取ったボンバーは、彼女の手を優しく引いて導く。 「こうして手をつないで、僕が前を歩いてれば、お姉ちゃんはなんにも心配ないでしょ!」 自信満々な言葉。 眼が見えない彼女にも胸を張っている様がありありと見えるようだった。 アルエットはその無邪気な優しさに顔を綻ばせる。 「……ふふふ、ありがとう。じゃあお願いするわね、ボンバーちゃん」 「うん!」 ぺた、ぺた、という足音が響く。 廊下を歩いているとも草の上を歩いているとも思えない、独特な足音。 ボンバーは、とてもやさしい『人』だった。 ボンバーは、アルエットの手を引きながら色々と話してくれる。 外に出るよ、段差があるけど大丈夫、とか。 あっちには何色の花の蕾があるよ、とか。 今空に浮かんでいる雲は、なんだかお芋に似てるんだ、とか。 そこには大きめの石があるから気をつけてね、とか。 彼女の世界に、新しい登場人物が現れた。 人より少し小さくて、ぷにぷにしてる男の子、ボンバー。 優しい世界の、優しい人の一人。 「ねぇ、ボンバーちゃん。お家に戻りましょう」 「ええ? もういいの?」 「うん。それで、お家の中で、ボンバーちゃんのお話聞かせて。いろんな人と会ったんでしょう?」 「うん、いいよ! ふふん、でも、びっくりしちゃ駄目だよ? こう見えても僕、世界を救ったりしてるからね!! すーっごい話もあるからね!!」 「ふふふ、期待してるわね」 ボンバーに手を引かれ、家の中に戻る。 彼女の『幸せな世界』に、新たな登場人物と共に引き篭もる。 ◆ ◆ ボンバー(アーチャー)・シロボンと出会い。 彼からいくつかの話を聞き。 そうして再び床につき、寝るまで。 彼女は終ぞ、彼と『サーヴァント』というものについて話し合わなかった。 『聖杯戦争』という事実とは向き合わなかった。 だって彼女はそうやって見たくないものを見ずに生きてきた。 苦しい現実を直視しなかった。辛い何かに触れて傷つこうとはしなかった。 だからこれからも、彼女は目を背け続ける。 父・ゴロゾウと愛犬ワンの死。 本物のガリナがこの地に居ない事実。 『願い』。 『サーヴァント』。 『聖杯戦争』。 そんな、『彼女の楽園を脅かす全て』から。 いや、目を背けるというのは正しくない。 彼女は、彼女の理想の中で生き続ける。 何も映さぬ瞳の奥に宿る、輝かしい理想郷の中で。 これまでも、これからも。 やがて目覚めるその日まで。 ◇ ひばりは舞い上がる、空高く。 目覚めの春はまだ遠い。 ◇ 【クラス】 ボンバー(アーチャー) 【真名】 シロボン@ボンバーマンジェッターズ 【パラメーター】 筋力:E(B+) 耐力:C 敏捷:D 魔力:D 幸運:B 宝具:E 【属性】 中立・善 【クラススキル】 対魔力:D(C) 一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。 ただし相手が放つ魔法が爆発かプラズマ系統だった場合、何度もぶつけられてそれなりに耐性があるためもう一段階強いものを無効化出来る。 単独行動:C 彼はジェッターズとしての活躍が有名だが、修行などでよく一人で行動をしていた。 また、ジェッターズのメンバーとはぐれる場面も多く、一人での行動を強いられていた。 そしてなにより、彼はただの子どもであるシロボンから一人前のボンバーマンとして立ち上がり、最後まで闘いぬいた。 その逸話から彼は『単独行動』のスキルを得た。 マスター死亡後も24時間は現界可能。 【保有スキル】 ボンバー星人:B ボンバー星人である。 ボムを生成でき、ボムの生成にかかる魔力を抑え、ボムを投擲武器として使う時に限り筋力:B相当の攻撃が可能である。 ただし姿が一般的な人間のそれではないので姿を見られると(たとえ映像・写真越しだろうと)一発で参加者だとバレる。 ボムの力はボムにあらず:A ボムの力はボムにあらず、心にあり。 いろいろなものの中に宿る力がボムであり、それを操るのは心次第。 それがアーチャーが兄であるマイティ教えられ、体得したボムの真髄。 アレンジボマー:C 様々な種類のボムが投げられる。 彼は通常のボム、ファイヤーボム、サンダーボム、ウォーターボムの他に風船ボム、コショウボム、ライトボム、花火ボム、アイスボム、焚き火用ボム、キャンディボムなど戦闘に一切役立たないボムを作ることが出来る。 そして上記スキル:ボムの力はボムにあらずと併用することで『狙ったものを狙ったように爆発させるボム』を放つことが出来る。 だが、『狙ったものを狙ったように爆発させるボム』の生成には多大な魔力を要し、一戦闘中の連発は不可能。 ボンバーシュート:A アーチャーがボムを放つ際に発揮されるスキル。 ボムを放った際速度と距離にそれなりの補正を得て、更に若干の追尾補正を得る。 【宝具】 『燃える心のバーニングボム(バーニングファイヤーボム)』 ランク:E 種別:対人/対固有結界 レンジ:1-50 最大捕捉:1 炎属性のボム、バーニングファイヤーボムを生み出す。 アーチャーの手を離れるまで爆発することはない。 更に通常ボムとは違い筋力をAランクに向上する。炎よりも強い熱で敵を焼きつくす。 範囲はサンライズボムよりも劣るが、単独の敵を討つ場合には有効打となる。 そして、この宝具はフレイムボンバー戦・クレイボンバー戦の逸話により『固有結界破壊』の逸話を持つ。 もしも固有結界を展開している人物がこの宝具を受ければ、固有結界は大爆発を起こして粉々に砕け散る。 また、土属性に対しては威力が向上する。が、水属性に対しては威力が低下する。 『繋がる絆のサンライズボム(サンライズサンダーボム)』 ランク:E 種別:対人/対固有結界 レンジ:1-50 最大捕捉:20 雷属性のボム、サンライズサンダーボムを生み出す。 アーチャーの手を離れるまで爆発することはない。 更に通常ボムとは違い着弾時に炸裂し、周囲に対して雷撃を放つ。 威力はバーニングボムよりも劣るが、多数の敵を討つ場合には有効打となる。 そして、この宝具はマーメイドボンバー戦の逸話により『固有結界破壊』の逸話を持つ。 もしも固有結界を展開している人物がこの宝具を受ければ、固有結界は大爆発を起こして粉々に砕け散る。 また、水属性に対しては威力が向上する。が、土属性に対しては威力が低下する。 『明日へ踏み出すシャイニングボム(シャイニングファイヤーボム)』 ランク:C 種別:対人 レンジ:1-99 最大捕捉:1 バーニングファイヤーボムの強化版、シャイニングファイヤーボムを生み出す。 筋力が一段階向上し、どんな宝具・スキルの効果も貫通してボムをぶつけることができる。 この宝具の発動にはマスターが己の過去を振り返り、その全てを受け入れて一歩を踏み出す必要がある。 【weapon】 ボム。 宝具以外にも武器として生成できる。 【人物背景】 『ボンバーマンジェッターズ』の主人公。 10歳のボンバー星人の少年。 少年であるが、『7つ』のボムスターを得たボンバーマン。 子供らしい優しさ、純粋さを持っている。少々図に乗りやすい。 ラーメン屋で働いていたので炊事・洗濯・掃除はどれもそれなりに出来る。 元々は我儘で自分勝手で手前味噌な性格だったが、精神的に大きく成長したので、我儘を言うことも少なくなった。 あえてカッコ付きで『7つ』と書いているのは、最終回まで見てくれた人なら意味がわかるはず。 分からない人は見て、どうぞ。 【マスター】 アルエット@夜ノヤッターマン 【マスターとしての願い】 ??? 【能力・技能】 盲目。 精神的な原因からくる盲目。目を開いていても物を見ることはできない。 彼女の世界は真っ暗闇であり、戦闘どころではなく生活にも支障を来たす。 慣れ親しんだ家でも手探りでなければ進めないほど。 唯一、精神的な傷を乗り越えることで見えるようになる。 逃避。 現実から逃げ続けている。 彼女は全ての事柄を理解しているが、目を閉じ、耳をふさいでいる。 心の底ではお父さんもワンちゃんも死んでおり、この世界のガッちゃんは偽物で、天使なんか居ないことを知っている。 だが、それを認めるのはあまりに辛いので、彼女は目を閉じ続けている。 きっと願いも持っているし、聖杯を欲しているが、彼女が自らその事実と向き合うことはない。 【人物背景】 彼女が見ている世界は、きっととても美しい。 【方針】 特になし。 どこともしれない家の中で、お父さん、ワンちゃん、天使ちゃんを待つ。 身の回りのことはボンバーちゃん(シロボン)に手伝ってもらっていつも通りの暮らしを続ける。 アルエットはレパードと出会う前(塞ぎこんでいて世界を見ようとしていない時)参戦なのでシロボンが保護者として先導しなければならないというギャグのような状態。 ガリナ次第でもあるが、平常時はシロボンがこまめに実体化して彼女をサポートしていく必要がある。 (ちなみにこの世界のガリナは両親もおり、普通に学校に通っているNPC。そのため休日以外の日中のサポートは全てシロボンが行う) 単独行動持ちなお陰で魔力消費は問題ないが、スキル:ボンバー星人で他人に見られれば一発で参加者(サーヴァント)だとバレる。 なお、シロボンはアーチャーにしては戦闘性能が悪い。というよりアーチャークラスで言えば最低レベル。 近づかれれば負ける。逆に射程の外から攻撃されても負ける。 更にアルエットは聖杯戦争を見ようとしていないからシロボンが守り続けなければならない。気を抜けばアルエットが殺されて負ける。 ご覧のとおりの原作ジェッターズでは絶対に起こりえなかった超ハードモードである。 戦闘ではスキル:アレンジボマーから繰り出せるいろいろなボムで撹乱し、敵を見つけ次第バーニングもしくはサンライズを放つ。これしかない。 彼の持つ最高戦力シャイニングファイヤーボムだが、これはアルエットが目覚めなければ使えない。 本編でも私の天使ちゃんレパードと幼なじみのガリナの二人がかりでようやくこじ開けられた瞳、ガリナは偽物で、話を聞かず、自分の世界に閉じこもっている現状ではまず不可能だろう。 そして、ある意味最強の『望んだものを望んだように爆発させるボム』だが、これは奥の手。最後の最後まで出し惜しんだほうがいいだろう。 なお、アーチャーがボンバーと名乗るのはランサーがランチャーと呼ばれるようなものである。 エクストラクラスというわけではなく呼び名が変わるだけで性能は普通のアーチャーから特に変化はない。