約 2,981,084 件
https://w.atwiki.jp/danozu/pages/20.html
トラブルが起こるのは声優のせい また迷言を生んでしまう 【プレゼーペ通りは瑠璃色に】の続編を作るかどうか迷ってます。 この作品は声優さんの人数がかなり多いんですけど、 運よくすべての声優さんが無害な人だったのでトラブルがなく、 いまでも心穏やかに鑑賞できます。 手間もお金もかかるけど、続編を作ろうかな?どうしようかな(´▽`)? 以上、Ci-enからそのまま引用。 記事を削除する可能性もあるので、スクリーンショットも用意。 声優が無害だからトラブルが起きない→トラブルが起こるのは声優のせい と考えているのだろう。 おそろしい思考だ。 トラブルが起こる原因は? ダン・オズロックのせいである。 トラブルが起こるのは、ダン・オズロックが声優を突然雑談相手にしようとしたり、脅迫したりするから。 マナーを守れない、自分に従わない人間には逆ギレし、掲示板でデマをばらまく、営業妨害をする。 そんなダン・オズロックにとっての無害は、「自分に逆らわない」人間なのだろう。 「声優ではなく、自分が有害」とは、考えたこともないのではないか?
https://w.atwiki.jp/syouhizeizei/pages/27.html
これから肯定側の立論を始めたいと思います。我々は、3年以内に消費税を増税すると、日本の財政赤字を早期に改善できると主張します。 なぜなら赤字状態が続くと、今後少子高齢化に伴い増加が予想される社会保障費に対応できないだけでなく、国際的に見て高い税率である法人税率の引き下げなど、将来的に有効な経済政策と行うことができないからです。現在日本政府の国債及び借入金並びに政府短期証券の合計残高つまり日本政府が国として抱える借金残高は資料1にもあるように、平成20年6月末現在で約850兆円にもなります。この危機的状況の問題点は、歳入を国債の利払い費に充てなければならず、政策の自由度が低下することと、需要増加に伴い資本市場の金利が上昇し、経済に悪影響を及ぼすことなどが挙げられます。資料2をご覧ください。今述べた国の借金残高は年間でおよそ4兆円増加しています。また、同資料にあるように消費税を1%上げれば2.6兆円の増収となり、単純に考えれば2%の増税だけでも十分財政赤字は減少に向かうことになります。 それでは、なぜ財政赤字の改善に消費税の増税なのでしょうか。消費税増税が最も公平、効率的であり、さらに国際的にみても国民負担率に占める消費税の割合が低い水準にあるからです。 財政赤字は全国民に関わりのある問題です。先に述べたように、国の借金は約850兆円にもなり、国民一人当たり650万円以上の借金を背負っていることになります。この現状を踏まえると企業が負担する法人税などよりも国民全体で負担することになる消費税が最も公平で中立的な徴税方法であると考えます。また資料3のように所得税や法人税は景気などに影響されやすく税収が上下しがちです。それに比べて消費税は税収が上下せず、安定的、効率的に税収を得ることができるからです。景気の回復が不透明な今、効率よく税収を確保できる消費税こそが早期の財政赤字の改善につながると主張します。歳出削減はもちろんですが、公平かつ効率的な消費税の増税を同時に行うことで少しでも早く財政赤字を改善するべきです。
https://w.atwiki.jp/wakan-momomikan/pages/1259.html
枇杷精│和(防州)│果部│ http //wakanmomomikan.yu-nagi.com/momomi2/maki-1631.htm
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/15242.html
SMP/W60-T17 カード名:“それは夏のせい”蒼 カテゴリ:キャラクター 色:青 レベル:3 コスト:2 トリガー:1 パワー:10000 ソウル:2 特徴:《サマポケ》・《双子》 【自】このカードが手札から舞台に置かれた時、あなたは2枚まで引き、自分の手札を1枚選び、控え室に置く。 【自】[手札を2枚控え室に置く]このカードがアタックした時、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、あなたは相手の山札の下から4枚を、控え室に置き、相手にXダメージを与える。Xはそれらのクライマックスの枚数に等しい。(ダメージキャンセルは発生する) 強引なのは……嫌いじゃないけど…… せめて……ひ、人気のないところで…… レアリティ:TD Summer Pockets収録
https://w.atwiki.jp/1000ed/pages/119.html
351 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/04/02(月) 06 50 49 ID ??? ①「そんな事無いよ。ありがとう、御門君」 わたしは、笑い返す。 御門くんはちゃんと笑ってくれようとした。 (それに、お願いして笑ってもらうっていうのも、結構難しいわよね…) 自分に置き換えて考えてみる。 笑ってとお願いされて、じーっと見つめられているときに笑うのは結構大変だ。 私でもきっと、困ったような笑顔になる。 「愛菜ちゃんはいい子だな~」 周防さんがしみじみとした口調で言う。 「いい子って…なんでそうなるんですか……」 言われなれない言葉に、照れてしまう。 「そうおもったから」 にこにこと周防さんが返してくる。 「………」 「さて、と、食べ終わったし出ようか」 なんと言っていいかわからなかった私が沈黙すると、周防さんはテーブルをみて言った。 「あ、はい」 私が頷いて、伝票を持とうとしたら、周防さんが横からそれをさらって行った。 「あ……」 「ここはおにーさんのおごり」 ぴらぴらと伝票を振って周防さんが言う。 でも今日ここに誘ったのは私なのに… 1私が払う 2せめて割勘にしてもらう 3支払ってもらう 352 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/04/06(金) 17 52 00 ID ??? 1私が払う 「あ、ダメです!今日は私が誘ったんですから…」 「そんなの気にしない気にしない。 女の子にお財布出させるなんてこと、できませーん」 「でも……」 私が、言い募ると周防さんはうーんと、うなってそれからにっこりわらった。 「それじゃあさ、代わりにひとつほしいものがあるんだけど、 それをプレゼントしてくれる?」 「なんですか?」 「たぶん、雑貨屋に売ってるんじゃないかな。 大丈夫そんなに高いものじゃないし」 周防さんはここで引くきはないみたいだ。 どうしよう… ①了承する ②何がほしいのか聞く ③意地でもここを払う 353 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/04/06(金) 22 08 29 ID ??? ③意地でもここを払う 「私が誘ったのにわるいですよ」 私から誘っておいて奢ってもらうのは気が引ける。 (気晴らしに誘ってくれただけで十分なのに) 「あのね、愛菜ちゃん。おごられるのもいい女になる為の経験だよ。 だから、ここはおにーさんにおごりで」 「いい女……ですか?」 いきなりの言葉に思わず聞き返してしまう。 「そ。こういう時は黙っておごられるべきなのさ。 大体、男女が伝票を持ちながら会計どーするよ? なんて無粋だしね」 (言われてみれば、そうかも) 友達と遊ぶ時はほとんど割り勘だったから、考えたことも無かった。 「えっと、あの……ごちそうさまです」 慣れない状況に、つい照れてしまう。 「いえいえ、どういたしまして」 周防さんは子供のような笑みを返す。 (おごってもらったし、周防さんに何かプレゼントしなくちゃね) 先に店の外で待っていた私と御門君に、会計を済ませた周防さんが合流する。 向かう先は雑貨屋。 どれにしようかな。 ①アジアン雑貨屋 ②ファンシー雑貨屋 ③アンティーク雑貨屋 354 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/04/06(金) 23 08 50 ID ??? ③アンティーク雑貨屋 「この先にアンティークっぽい雑貨のお店があるんです。 男の人でもそんなに入りづらくないと思うんですけど、そこはどうですか?」 「へえ、アンティーク?」 私の提案に周防さんは少し意外そうな顔をした。 周防さんにさっきご馳走になったお礼をしたいけれど、私が香織ちゃんとよく行くお店に連れて行くのはさすがにちょっと気がひける。 (あそこは女の子ばっかりだもんね…) 「はい。じっくり見たことはないんですけど、雰囲気の良さそうなお店で前から気になってたんです。 周防さんはそういうの、あんまり興味ないですか?」 普段男の人と買い物をする機会なんて春樹以外とは皆無に等しく、誘ってはみたもののちょっと心配になって尋ねてみた。 「いや、良いんじゃないかな」 「良かった」 周防さんの笑顔にほっとして、軽くなった足取りで目的地へと向かう。 (そういえば、御門君はどうなんだろう? アンティークとかって興味あるのかな?) 先を歩く私に黙ってついてくる御門君は終始笑顔の周防さんとは対照的にあいかわらずの無表情で、端正な顔立ちからは何の感情も読み取る事はできない。 どうしよう? ①御門君にアンティークに興味があるか聞いてみる ②周防さんに御門君がアンティークに興味があるかきいてみる ③気にせずにお店へ向かう 355 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/04/08(日) 00 50 36 ID ??? ①御門君にアンティークに興味があるか聞いてみる (御門君は興味があるのかな) ふと、疑問に思い御門君に呼びかける。 「御門君は……アンティークに興味あるの?」 「………………」 御門君は黙ったままで、私の質問に答えようとはしない。 「あっ、もしかして興味無かった?」 御門君は首を横に振って否定した。 (そっか。よかった) 「私はね……古いものが好きなんだ。このネックレスも母が昔使っていた物なんだけど、かわいいなって思ってつけてきたの」 私は首元のネックレスを手の平にとって御門君に見せる。 金色の小さな天使がペンダントトップになっていた。 「…………………」 御門君は無表情のままジッとそのネックレスを見つめる。 (あんまり似合ってないのかな) 「や、やっぱりデザインが古いよね。違うのにしてくればよかったかな。えへへ……」 とうとう沈黙に耐え切れなくなって、私は苦笑混じりに言った。 「……………似合ってます」 「え?」 突然に聞こえた御門君の言葉が信じられなくて、思わず聞き直す。 「そのネックレス、あなたにとても似合っています。ずっと大切にしてください」 「御門君……。ありがとう」 はっきり似合うと言ってくれた事が嬉しくて、自然と笑みがこぼれる。 そんな私たちのやり取りを周防さんは穏やかな表情で見つめていた。 会話をしている内に、アンティーク雑貨のお店に着いたみたいだ。 私は… ①リボンを探す ②周防さんに話しかける ③御門君に話しかける 356 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/04/08(日) 11 20 59 ID ??? ①リボンを探す 「あの、それじゃ早速なんですけど……リボン探してきてもいいですか?」 私が尋ねると、周防さんは満面の笑みで頷いた。 「おう、行っておいで。俺たちは俺たちで自由に見てるからさ。 何かあったら声かけてくれればいいから。 な、冬馬?」 その言葉に御門くんも頷く。 「ありがとうございます」 私は二人に「じゃあ、またあとで」と軽く声をかけてからその場を離れた。 「それにしても、いろいろあるんだなぁ……」 そんなことを呟きながら、リボンのコーナーを一通り歩いて回る。 私が予想していたよりもリボンの色や種類が結構あった。 (うーん、迷っちゃうなあ……) このままだと、結構時間がかかってしまいそうだ。 ①二人に相談してみる ②ひとまず自分で考えてみる ③こっそりチハルに選んでもらう 357 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/04/08(日) 12 08 22 ID ??? ③こっそりチハルに選んでもらう 見ていて気に入るものはいくつかあったけれど、コレっていうのが決まらない。 目に留まったものをとりあえず手に取ってみる。 どれもかわいくて、やっぱり一人では決められそうになかった。 (ハチルのリボンだし、好きなのを選んでもらおう) 「チハル、チハル……」 チハルに小声で呼びかける。 バッグの中で小さくなっていたチハルが私を見上げた。 手に持ったいくつかのリボンをチハルに見せる。 「この中だったらどれがいい?」 チハルはバッグの中で少し窮屈そうに動くと、フワフワの手で一本のリボンを指した。 それは… ①ベルベット生地の藍色のリボン ②サテン生地の空色のリボン ③カントリーチェックの緑色のリボン 358 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/04/08(日) 14 21 14 ID ??? ①ベルベット生地の藍色のリボン 「これ?」 私がそのリボンを軽く掲げると、チハルはこくこくと頷いた。 今のリボンの上から試しに当ててみる。 「…………うん!かわいいね、よく似合ってる」 満足感ともに、私は大きく頷いた。 「じゃあ、これにしようか?」 そう尋ねると、チハルは再びこくこくと頷いた。 他の二つのリボンを元に戻して、藍色のリボンだけを手に取る。 バックの中ではまだチハルが手をパタパタと動かしていた。 「こら、おとなしくしてるって言ったでしょ?」 私が軽く注意すると、チハルはピタリと動きを止めた。 「もう……」 軽くため息をつきながら、苦笑いを浮かべる。 (嬉しいって思ってくれてるのは分かるんだけどね……) さてと。 思ったより早くチハルのリボンも決まったことだし、これからどうしようかな? ①御門君の様子を見に行く ②周防さんの様子を見に行く ③まずはお会計を済ませる 359 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/04/08(日) 14 52 20 ID ??? ②周防さんの様子を見に行く (何かほしいものがあるみたいだったし、 もしもあったらさっきのお礼ってことでプレゼントしよう……) 私はあたりを見回して、周防さんの姿を探す。 「あ」 周防さんはすぐ近くにいた。 私と同じリボンコーナー。だけど、反対側の少しはなれたところ。 私の視線にも気がつかずに、色とりどりのリボンを手にとってどこかぼんやりと見ている。 そんな周防さんを見て、ふと悪戯心が芽生えた。 (ふふ、そうだ。……ちょっとだけ、驚かせちゃえ!) そうと決めたら後は早かった。 静かに……だけどばれないように慎重に行動を始める。 やがて、周防さんの背後に回ってからゆっくり前へと一歩一歩踏み出す。 あと、三歩。 (……静かに、慎重に……) 二歩。 (……まだ気がつかないのかな?) 一歩。 (よしっ、今だっ) 「す―――」 私は軽く上げた両手を、その大きな背中めがけておろそうとして――― 「……こよみ……」 不意に周防さんが漏らしたその呟きに、動きが止まってしまった。 「俺は……」 周防さんの手のひらにあったリボンは、強く握られている。 表情は後ろからじゃ見えない。 けれど、その声はとても寂しそうに……悲しそうに聞こえた。 (『こよみ』さんって、誰なんだろう……) 周防さんの後姿を見つめながら、私は考える。 ①ご家族、とか? ②親しい知り合いなのかな? ③もしかして……恋人だったりするのかな? 360 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/04/08(日) 16 59 44 ID ??? ③もしかして……恋人だったりするのかな? もし、恋人だったとしても何かの事情がありそうだ。 「……愛菜ちゃん?」 軽く手を上げた状態で固まっている私に周防さんが話しかけてきた。 その顔はいつも通り明るい。 「あっ、周防さん……。驚かそうと思ってたのにバレちゃいましたね」 私は出したままの両手をサッと引っ込める。 「まだまだ俺を驚かせるには修行が足りんなぁ」 おどける周防さんにさっきまでの様子は無い。 (『こよみ』さんの事は聞かない方がいいのかな) プライベートに首を突っ込みすぎるのはよくない。 けれど、意外な周防さんの一面を見てすごく気になるのも確かだ。 私は… ①『こよみ』さんについて尋ねる ②黙っている ③周防さんの持っているリボンについて話す 361 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/04/08(日) 18 37 56 ID ??? ②黙っている 私が黙っていると、周防さんは私の持っているリボンを見た。 「リボン決まったの?」 「はい、これに決めました」 「綺麗な色だね。さっきの子も喜ぶよきっと」 にこにこと周防さんが、私の頭をなでる。 「周防さんは、ほしいもの見つかりましたか?」 子供扱いされて恥ずかしくなり、周防さんに訪ねる。 「うん、あっちに」 周防さんは持っていたリボンを元の場所にもどして、指を指した。 その方向を見ると、御門君が立っていた。 そこは… 1.アクセサリーコーナー 2.天然石コーナー 2.お香コーナー 362 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/04/12(木) 11 32 52 ID ??? 2.天然石コーナー 周防さんと一緒に御門くんの隣に立つ。 色とりどりの石が種類ごとに小さな籠に山積になっている。 「うわー、きれい…」 「ここは結構種類があるな」 こういうのは香織ちゃんが結構好きだったなと思いながら、水晶と書かれた石を手に取ってみる。 ひんやりとした石を手に取ると、なんとなく心が落ち着いていくような気がする。 「あ、石にも意味があるんですね。 …えーっと、水晶は…調和・統合・強化、それから浄化作用?」 籠に商品名と、その下に小さく石の意味や効果などが書かれている。 「愛菜ちゃんは何月うまれ?」 「私は3月です」 「それじゃ誕生石はアクアマリンか」 周防さんが言いながら、澄んだブルーの石を手に取る。 「アクアマリンは幸福・健康・富」 言いながら、石を私に見せてくれた。 周防さんがほしいのはどんな効果の石なんだろう…? ①金運…? ②オールマイティに幸運? ③もしかして、恋愛運? 363 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 21 02 08 ID ??? ②オールマイティに幸運? 「やっぱり幸運の石とか、ほしいんですか?」 私の言葉に、周防さんはそうだな~と、ちょっと笑う。 「そういうのも良いけど…愛菜ちゃん、どの石が俺に似合うとおもう?」 言われて、私は石を見る。 (周防さんのイメージだと…) 石をみて、ふとその石の名前にひきつけられる。 「周防さんはこれです」 「どれ?これ?日長石…サンストーン?」 「はい。周防さんのイメージです。それで、御門くんはこっち」 「月長石、ムーンストーンか」 「二人を見ていると、太陽と月って感じがします」 明るくて陽気な周防さんは太陽。無口で不思議な御門くんは月。 「愛菜ちゃんはそう思うんだ。じゃ、これにしよう」 「え?そんな決め方でいいんですか?ほしいものがあったんじゃ?」 「うん、愛菜ちゃんに決めてもらいたかったんだ」 本当に良いのかと、周防さんを見上げ、ニコニコと笑う周防さんと目が合った。 なんとなく恥ずかしくなって、視線をそらすと、じっと石を見つめる御門君の姿が視界に入る。 (ムーンストーン?) 御門君が見つめる先にはムーンストーン。 1.周防さんに本当にサンストーンでいいのか訪ねる 2.御門くんにムーンストーンが欲しいのか聞く 3.周防さんが決めたんだし…石をもってレジへ行く 364 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/04/19(木) 22 29 22 ID ??? 2.御門くんにムーンストーンが欲しいのか聞く 「御門君はムーンストーンが欲しいの?」 「………………」 けれど、すぐに答えは返ってこなかった。 私は御門君の見つめるムーンストーンを一つ手に取る。 「じゃあ、今日付き合ってくれたお礼をさせて?」 ジッと私を見つめ続けた後、御門君はコクリとうなずいた。 「周防さんにはサンストーン、御門君にはムーンストーンで決めました。 それじゃ、私は会計を済ませてきます」 そう二人に言って、私はレジへ向かった。 レジを済ませ、それぞれの石をプレゼント用に包装してもらう。 そして、私は待っている二人の所に戻った。 ①すぐに二人へのプレゼントを渡す ②これからどうするか尋ねる ③屋台を見に行きたいという 365 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/04/20(金) 10 53 24 ID ??? ②これからどうするか尋ねる 周防さんも御門くんも鞄をもっていない。 御門くんは制服を入れた袋を持っているけど、今渡しても邪魔になるだけかな? そう思って、とりあえず買ったものをかばんに入れる。 「これからどうしますか?」 時計を見ると、屋台のはじまる時間までまだ余裕がある。 「うーん、あ、そうだ、外いかない?」 「外ですか?」 「そうそう、隣の公園。天気もいいしきもちいぞ、きっと」 ショッピングモールに隣接して、大き目の公園があるのを思い出す。 ①頷く ②別な所が良いという ③御門くんにも聞く 366 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/04/29(日) 03 13 09 ID ??? すんまそん、ケチを付ける訳ではないけれど。 基本は書き手の自由だけど、読み手(次に書く人)が書きやすいというか 書きたくなるように話を持っていった方が良いと思うのです。 媚びる必要はないけど、多少意識しても良いのではないかと。 ここのところあまりレスが伸びてないようだったので、チラリとそんなことを思いつつ投下。 良スレと思うゆえのおせっかいです、失礼。 367 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/04/29(日) 03 15 39 ID ??? ①頷く 「良いですね、せっかくのお天気ですものね」 周防さんの提案に賛成して公園へ向かう事にする。 一瞬御門くんにも尋ねてみようかとも思ったけれど、今までの流れからしてたぶん反対はしなさそうだ。 むしろ何か考え込ませることが多いような気がして、それも申し訳ないのであえて事後承諾の形をとった。 「御門くんもそれでかまわない?」 案の定黙って頷く御門くんと機嫌の良さそうな周防さんと三人で連れ立って、ショッピングモールの出口へと歩いてゆく。 「やっぱり人が多いですね」 歩きながら何とはなしに周りに目を向けても、辺りは家族連れやカップルなどたくさんの買い物客で賑わっている。 「そりゃあ日曜日だしな。イベントがあるっていうのもあるかもしれないが、なにしろこの天気に家にいたら腐っちまうだろ」 そう言って周防さんは器用に片目をつぶってみせた。 今までのやりとりで少しは耐性がついたつもりでいたのに、不意に向けられた仕草に心臓が大きく跳ねた。 (周防さんてやっぱりいつもこんな調子なのかな…) 気付かれないよう熱をもった頬にさりげなく両手をあてながらそんな事を思う。 「ん、どうした冬馬?」 後ろから周防さんの声がした。よほど動揺していたのか立ち止まった御影くんに私は全く気がつかなかったみたいだ。 慌てて御門くんのもとに駆け寄ると、周防さんと御門くんは二人で同じ方向に目をやっていた。 「あれは…」 呟く周防さんの顔が険しくなる。御門くんも黙って頷いた。 不思議に思って二人が見ている方を見てみても、見えるのは窓ガラス越しの晴れ渡った青空と芝生の広がる公園だけ。 散歩をしている人たちやフリスビーで遊ぶ子供たちはいるものの、特に変わったものは見当たらない。 (いったいどうしたんだろう?) ①二人にどうしたのか聞いてみる ②何か見えないかともっと目をこらす ③二人に声をかけて気にせず公園へ向かう 368 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/01(火) 18 40 43 ID ??? ②何か見えないかともっと目をこらす。 私は二人の視線の先へさらに目をこらす。 だけど、やっぱりいつもの賑やかな公園にしか見えない。 「何か見えたんですか?」 「ちょっと、厄介事がね。あっ、いや――大丈夫だよ。 愛菜ちゃんは何も心配しなくていいから」 そう答えてくれるものの、周防さんの表情は更に険しくなっている。 「愛菜ちゃんは少しここで待っていてくれないか?もし俺がここに戻らなければ、冬馬の指示で動いて欲しい」 「は、はい……」 周防さんの緊張した様子に私はただ頷くしか出来ない。 「冬馬はここで待機。最優先事項は愛菜ちゃんの安全確保。有事の際には一般人に被害が出ない様、穏便に対応してくれ」 周防さんは事務的に言い終えると、すぐに人ごみを縫うようにして走り去ってしまう。 (あ、見失っちゃう……) 視線を彷徨わせてみたけれど、その姿はもう無かった。 「周防さん。待ってください!」 消えた後姿を追おうと大きく踏み出したところで、不意に手首を強く掴まれる。 御門君は私の手首を掴んだまま、小さく横に首を振った。 「離して。早く、追いかけなくちゃ」 「…………その命令は受け付けられません」 無表情のまま御門君は答えた。 ①「周防さんは一人でどこに行ったの?」 ②「御門君は心配じゃないの?」 ③「あなたたちは何者?」 369 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/03(木) 00 46 23 ID ??? ①「周防さんは一人でどこに行ったの?」 「………言えません」 「厄介事ってまさか、私を狙っている組織が動いたの?」 「…………………」 私を掴む御門くんの手に力がこもった。 (やっぱり、そうなんだ) 「私のために周防さんが……」 (守ってくれると周防さんは言ってくれたけど、私のために傷つくなんて嫌だよ) 私はどうにかして御門くんの手を振り解こうと何度ももがいた。 そんな私の様子に、道行く人たちは一様に何事かと目を向けてくる。 だけど、御門君は相変わらず押し黙ったまま手を離そうとはしてくれなかった。 「お願い、行かせて!」 しびれを切らして私が叫ぶと、力強く掴まれていた手が突然緩んだ。 そして、無機質な瞳で見つめながら御門くんが口を開く。 「…………もし、あなたが現場に駆けつけたとして…… 一体、何ができますか……」 私はその言葉に対して、 ①言い返せず、黙り込む ②納得して諦める ③意見を言う 370 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/03(木) 17 50 12 ID ??? ①言い返せず、黙り込む 正論を突きつけられ、私は何も言えなくなった。 (今の私じゃ、確かに何も出来ない) 「認めたくはないけれど、きっと足手纏いになるだけ…」 御門君は私の言葉に納得したように黙って頷いた。 (周防さん、大丈夫かな) 人ごみを避けるように、私達は出口の脇まで移動する。 御門君は大人しくなった私を確認すると、集中するように目を閉じた。 (目を閉じて、何をしているんだろう) しばらくの間、目を閉じていた御門君は突然顔を上げる。 「どうしたの?」 「………………こちらへ」 御門君は私の手を引いて外へ私を連れ出した。 「ど、どこへ行くの?」 御門君は何も言わず、私の手を引いたまま公園とは逆方向へどんどん歩いていく。 引っ張られるように、私はついて行くしかなかった。 (こっちは駐車場へ行くはずだけど……) 「御門君。どこまで行く気?」 「…………周防が……押されています」 立体駐車場にある中二階の踊り場まで来たところで、ようやく御門君が口を開いた。 「本当?」 「…………はい」 「御門君は私を置いて周防さんのところへ行って」 「………あなたを危険に晒す訳にはいかない」 「じゃあ、どうすればいいの?」 「……手荒な事は……避けたかったのですが………」 そう言うと、御門君は私の手をグイと引き寄せた。 成すすべも無く私は御門君の胸に体ごとぶつかっていく。 ぎゅっと肩を抱きすくめられて、初めて御門君の胸の中に納まっている自分に気付いた。 ①「きゃ、な…に……」 ②「離して」 ③御門君を見上げる 371 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/03(木) 23 33 18 ID ??? ②「離して」 いきなりのことに慌てて、とっさに両手を突っ張って御門くんから離れる。 そんな私にかまうことなく、御門くんは再度つかんだ腕に力を込める。 「なにするのっ?」 とっさに腕を振り払って、御門君から距離を取る。 「周防さんが危ないんでしょう?助けに行って!私は大丈夫よ!」 (なんでこんなことするの?) 軽く混乱して、強く御門くんに言う。 「あなたを守るのが最優先事項です」 淡々と言う御門くんが、再度私に手を伸ばして腕をつかもうとする。 「おい!なにしてるんだ!?」 そのとき、ぐいっと体を後ろに引っ張られた。 急なことにバランスを崩した私を器用に支えて、前に出た人を呆然と見る。 「なんで…?」 私をかばう背中。 なんてタイミングよく現れるんだろう…? そこにいたのは… 1.春樹 2.隆 3.修二 372 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 02 06 22 ID ??? 1.春樹 「……春樹」 無意識のうちに呟いた私の声は、ひどくかすれて頼りないとても小さなものだったろう。 それなのに、春樹の耳には届いたのか。 少し間をおいて春樹は見据えた御門くんを視界から外さない程度に首をこちらにめぐらせた。 「姉さん。どこにも怪我は、ない?」 ひとつずつ慎重に言葉を選ぶように、春樹はゆっくりとそう言った。 口調はいつもと変わらないのに、自分をかばう背中にただならぬ気配を感じた気がして 私は春樹の腕をそっと引き寄せた。 「…姉さん?」 「落ち着いて、春樹。大丈夫、私はなんともないから」 春樹を安心させるように、そして御門くんに対して早まった真似をしないように 掴まった腕に力をこめる。 春樹はちょっと驚いた顔をしたが、それでも次に発した言葉の端からは 押し殺した怒りをのぞかせた。 「ついさっき本屋に買い物に行った帰りに偶然クラスメートに会った。 姉さんによく似た人が知らない男とショッピングモールの真ん中でもめている様子だったと聞かされたんだ」 そう言いながら春樹が再び御門くんに投げかける視線はまるで敵意の塊のようだ。 当の御門くんは眉ひとつ動かさずに視線を真正面から受け止めている。 「ひどく胸騒ぎがして探しに来たんだ。モールの出口で姉さんたちがこっちの方に歩いていったと野次馬の一人が教えてくれてね」 淡々と語る春樹の様子は一見いつもとさほど変わりないようで、身にまとう空気は驚くほど鋭い。 言いようのない不安を覚えて、私は思わず春樹の腕を一際強く自分の方に引き寄せていた。 「春樹?」 「……得体の知れない人間に姉さんをこんな所に連れ込まれて、頭に血が上らないほうがどうかしてる」 (…………え) 春樹の発言に、一瞬私の思考は停止した。 その理由は… 1.大人びていつも冷静な春樹が自分(愛菜)の事で激怒しているようだから 2.同じ学校・同じ学年なのに御門くんとまったく面識がないようだから 3.以前見た夢でも聞いたことがあるような気がしたから 373 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 09 39 52 ID ??? 2.同じ学校・同じ学年なのに御門くんとまったく面識がないようだから 前に御門くんについて聞いたときも知らないみたいだったし別に、おかしいことではないはずなんだけど。 (いい意味でも、悪い意味でも目立つと思うんだけどな……御門くんって) ほんの少しだけ。 ほんの少しだけ、何かがおかしいと思った。 (春樹のクラスメートも『知らない男の人』っていってたみたいだし) さっきの春樹の話を思い出す。 (でも、保健の先生は知ってたよね……?) 考えれば考えるほど、知れば知るほど謎が増えていく。 (一体、御門くんって何者なの……?) さらに考え込もうとした、その時。 「……さっきといい、今といい……お前、どういうつもりだ!?」 怒りをこめて発せられた春樹の声で、思考が現実に引き戻される。 「おいっ!何とか言ったらどうなんだよ……っ!」 春樹は目の前の御門君を鋭く睨みつけたまま微動だにしない。 「……」 対する御門くんは、その視線を気にも留めていないかのようにいつもの無表情を崩さない。 ……そして春樹に答えを返す様子も無い。 まさに、一触即発の雰囲気だ。 (ど、どうしよう……) ①春樹に話しかける ②御門君に話しかける ③そこで不意に周防さんのことを思い出した 374 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 12 13 44 ID ??? ③そこで不意に周防さんのことを思い出した (そうだ!周防さんっ!) 今も私を守るために、一人で戦ってくれているその人。 そうだ。今は……こんなことをしている場合じゃない! (早く二人を何とかしないと!) そう思った矢先、それは起こった。 「……っ!?」 突然左手に痛みが走る。 何事かと思い、左手を顔の前に寄せてその原因を確かめた。 けれど、そこには何も無い左手の甲。 「なくなってる!?」 そう。 先ほどまで、左の手の甲に確かにあったはずの星型の小さなアザ。 それが跡形も無く消失していた。 「………うそ、どうして………っ?」 慌てて右手も見る。 けれど、そこには三日月のアザがまだ存在していた。 今も存在しているアザと、突然消失してしまったアザ。 ここにいる御門くんと、ここにはいない周防さん。 (嫌な予感がする……) それはまるで、彼らの存在そのものを私に示しているかのような気がして。 (周防さん……っ) 「姉さん?どうしたの!?」 私が急に騒ぎ出したせいか、春樹が心配そうに振り返る。 私は、 1.周防さんを探しに走り出す 2.御門くんに報告する 3.春樹にこの場を離れるように言う 375 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 12 34 16 ID ??? 2.御門くんに報告する 「今アザが……無くなった…」 御門君は黙って頷いた。 「そんな事より姉さんはその得体の知れないこいつは誰なんだ?」 私は手の甲を見つめる。 春樹は状況が全く飲み込めていないままだ。 「春樹、今はそんな事を言っている場合じゃないのよ!」 御門君は相変わらず黙りこんだままだ。 その態度に春樹の顔が険しくなる。 「おい、何か答えろよ」 春樹の言葉に、御門君はよくやく重い口を開いた。 「………もし、知りたければ弟さんも一緒に…病院の近くの公園へ来て下さい」 「公園? そこに何があるのか」 「すみません、急を要す事態が起きています。今は……眠っていて下さい」 そう言うと、御門君が消えた。 そして、突然私の目の前に現れる。 春樹の後ろに音も無く立つと、その頚椎を手刀で軽く一撃した。 春樹の体が糸が切れたようにガクンと前のめりに倒れていく。 それを御門君は腕で支えた。 「あなたに手を上げるのは不本意ですが……どうかお許しください」 その言葉が耳に入ると同時に、目の前が暗転する。 意識が沈み込む。 (どうして……) 言葉に出来たのかは分からない。 ただ私は… ①周防さんのことが心配だった ②何も出来ず悔しかった。 ③疑問しか浮かばなかった。 376 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 18 56 32 ID ??? ①周防さんのことが心配だった 計ったようなタイミングで私の左手を襲った痛み。 そして、まるで最初から存在しなかったかのように消えていた星型のアザ。 (……周防さん…どうか、どうか無事でいて!) 遠のいてゆく意識の中、私は強くそう祈った。 「……ん、………ちゃん、おーい」 遠くから誰かを呼ぶ声が聞こえる。 辺りは霧に包まれたように霞んでいて、周りを見渡してもぼんやりとした影を うっすらと確認できる程度だ。 (私……どうしたんだっけ……?) 訳が解らないまま、声のする方に歩き出した。 不鮮明な視界の中を不思議と迷いなくすすんでゆく。 「愛菜ちゃーん」 聞こえてくる声の主がしきりに呼んでいるのが自分の名前なのだとそう思った時 何かに導かれるように、その人は私の前に姿を現した。 「周防さん……!」 周防さんの名前を口にしたことで瞬時にこれまでの出来事を思い出す。 私は思わず駆け寄った。 「周防さん、怪我…っ……怪我はない、ですか?!」 動揺するあまり怪しくなった私のろれつに周防さんは目を丸くした後、ふっと表情を崩した。 「悪い悪い、ずいぶん心配かけたみたいだな。心配してくれて、ありがとさん」 そう言うと周防さんはいつものように私の頭をくしゃくしゃと撫でた。 (周防さんてばまったくもう…拍子抜けしちゃったよ) あんなに心配したのに、と文句のひとつも口から出そうになったけれど。 素直に嬉しそうな周防さんの様子に大人しく為すがままになる事にした。 「冬馬の方はうまくやったみたいだな。愛菜ちゃんは怪我はないね?」 ひとしきり私の頭を撫で終えた周防さんは、質問というよりは確認するように言った。 なんて答えよう? ①「はい。御門くんのおかげでなんともないです」 ②「わたし”は“って、周防さんはどうかしたんですか?」 ③「まあ、なんとか無事…みたいです」 377 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 21 31 20 ID ??? ①「はい。御門くんのおかげでなんともないです」 「それはよかった。 うん。本当に……よかった」 本当に嬉しそうに笑いながら、私の頭をくしゃくしゃとなでる。 周防さんにされるがままになりながら、ふと御門くんのことを思い出す。 (そういえば、さっきは取り乱しちゃって……) 不意に、先ほどまでの出来事を思い出す。 人前で叫んだり、離してほしくてもがいてしまったりしたこと。 私を助けようとした……その手を拒んでしまったこと。 (よく考えれば、御門くんは私を守ろうとしてくれたんだろうし。 ……そこに別の感情とか思惑とかがあったとは思えないよね) 恥ずかしさと自分に対する嫌悪感がない交ぜになったような気持ちになる。 (ただ、伝わりにくいと言うか……何かが足りないと言うか) 御門くんは『自分の意思』というものが足りない……欠けているとすら思える。 ほとんど自分の意見は口にせずに、人の言葉に頷くことが多いし。 そもそも、御門くんが私を守ってくれる理由は『私と御門くんが共によく知る人物』からの願いだった。 それに……カレー屋では、私が笑ってといったら笑った。 さっきも、周防さんに言われたから私を守ることを最優先にしたのかもしれない。 (……どうして、なんだろう?御門くんがあそこまで欠けているのは……) 「愛菜ちゃん?どうした?」 私が考え込んでいることに気がついたのか、周防さんが撫でている手を止めた。 そして優しく問いかけてくる。 聞きたいことはたくさんあるんだけど、まずは…… ①「どうして、御門くんにはあそこまで欠けているんですか?」 ②「ところで、周防さんの契約の証が消えちゃったんですけど……」 ③「そういえば、私たちみんな約束を守れませんでしたね」 378 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 22 40 55 ID ??? ①「どうして、御門くんにはあそこまで欠けているんですか?」 その問いに、ふと周防さんの顔が翳る。 「あいつはなぁ。いろいろあるんだ」 「いろいろ?」 「普通じゃない……っていえばいいのかな」 「どう普通じゃないんですか?」 「うーん。身体的にも精神的にも特異かもしれない」 周防さんにしては言葉の歯切れが悪い。 (もしかして、言いづらいのかな……) 「御門君は御門君でいい所がたくさんありますもんねっ」 私はあえて話を打ち切るように明るく振舞う。 (聞くなら、本人が居るときに直接聞いた方がいいかもしれない) 「そうだ。あいつはボーっとしていて何を考えているか分からないし、 無表情のくせに意外と毒舌家だがいいヤツだ」 「す、周防さん。それは褒めてませんよ」 私は苦笑しながら突っ込む。 あと聞きたい事は…… ①「厄介事はもういいんですか?」 ②「ところで、周防さんの契約の証が消えちゃったんですけど……」 ③「そういえば、私たちみんな約束を守れませんでしたね」 379 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/04(金) 23 31 25 ID ??? ①「厄介事はもういいんですか?」 私は気を取り直して尋ねた。 「残念だが、被害がでてしまっただろう。俺が至らなかったからな」 周防さんは視線を落として答えた。 その声はひどく沈んでいる。 「被害って……どれくらいでしょう」 「正確には分からない。だが、混み合うショッピングモールで派手にやろうとしていたからな」 周防さんにしては珍しく怒りを露わにした。 「一体、何が起こったんですか?」 「上手く説明するのは難しいが……テロみたいなものだ」 「無差別だったって事ですか?」 「あの連中は普通の人達を下等な生き物くらいにしか思っていないよ」 周防さんは吐き捨てるように言い放った。 (テロって……ひどい暴力的手段で、対立するものに威嚇することよね) ①「やっぱり、例の組織の人達ですか?」 ②「被害の規模が心配です……」 ③「ところで、周防さんの契約の証が消えちゃったんですけど……」 380 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/05(土) 07 26 14 ID ??? ③「ところで、周防さんの契約の証が消えちゃったんですけど……」 私はそう言いながら、周防さんに左手の甲を見せる。 「ああ、これか……」 周防さんは私の手の甲を取ってまじまじと見る。 「多分……俺の力が契約を保てなくなるほどの状態に陥ったんだろ。 それで強制解除された、と」 「そう、なんですか?」 「そ。でも、俺の推測だから詳しいことは調べてみないと分からないけどな?」 周防さんはゆっくりと私から手を離した。 周防さんの言葉に、なんだか私は不安になる。 契約がどのくらい周防さんの負担になっていたのかは分からない。 でも、それが保てなくなるほどの戦いだったなんて。 (目の前の周防さんは、いつもどおりに見えるけど……) 果たして現実の周防さんは大丈夫なんだろうか。 「……まあ、結果的に……皮肉なことにそれが俺を救ってくれたんだろうけどな」 周防さんは自嘲の笑みを浮かべて呟く。 「……ごめんな。結局愛菜ちゃんを一日守り通すことができなかった」 それから、悲しそうに……悔やむようにそう言葉を続けた。 ①「いいんです。周防さんは頑張ってくれたじゃないですか」 ②「周防さんは本当に大丈夫なんですか?」 ③「そういえば、私たちみんな約束を守れませんでしたね」 381 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/05(土) 16 11 04 ID ??? ②「周防さんは本当に大丈夫なんですか?」 なんだか周防さんの様子が気になった。 出会ってそう日も経っていないけれど、目の前にいる周防さんはいつもよりどことなく元気がなさそうに見える。 (俺を救ってくれた、って言ってたから無事は無事なんだろうけど……) 「あー……。お前さんも、なかなか鋭い所をついてくるな」 私の視線を避けるように、周防さんは視線を明後日の方向に彷徨わせた。 何か、まずいことでもあるのだろうか。 「周防さん?」 「うん。まあ、隠しててもしょうがないしな」 詰め寄った私に、周防さんは意を決したようにそう言ってこちらに向き直った。 「いずれわかってしまう事だから。正直今の俺はあんまり無事じゃ、ない」 「えっ?!」 よっぽど深刻な顔をしていたのか、周防さんは私の様子にちょっと困った顔をして笑った。 「いやいや、身体は無事だよ。お前さん達と同じようにピンピンしてる。ただな」 「ただ?」 「今の俺に愛菜ちゃんの身を護ってやるだけの力はないんだ。それこそ、今だってお前さんが呼んでくれなければ夢にだってお邪魔できないくらいに、な」 周防さんの言葉になんて答えよう? ①「体が無事なら良かったです。本当に、心配したんですよ?」 ②「それって、もし何かあっても助けてもらえないって事ですか?」 ③「私が、呼んだ?夢の中に、ですか?」 382 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/05(土) 17 18 56 ID ??? ③「私が、呼んだ?夢の中に、ですか?」 「そのリアクション……そうかぁ、自覚無しか」 周防さんはガックリと肩を落としている。 (私……何か気落ちさせる事を言ったのかな) 「す、周防さん?」 「あぁ~~愛菜ちゃんの呼びかけで踏みとどまれたのになぁ……。 これって、片思いみたいな心境だなぁ」 周防さんは頭を抱えて言う。 「片思いって……」 自分の顔がみるみる熱くなっていくのが分かる。 「お姫様の為にキセキの大復活を遂げたのに……いいさ、いいさっ」 (周防さんがいじけてる……) 「と、とりあえず周防さんの身体が無事で本当によかったです」 「正直、愛菜ちゃんの力無しでは俺はあの世行き――だった訳だしな。 お前さんのお陰だよ、ありがとな」 周防さんは子供のように真っ直ぐな瞳を私に向けた。 あと、聞きたいことは… ①「力が弱くなって大丈夫なんですか?」 ②「もう夢でも会えないんですか?」 ③「そういえば、私たちみんな約束を守れませんでしたね」 383 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/05(土) 21 37 14 ID ??? ②「もう夢でも会えないんですか?」 私はそのまっすぐなまなざしに耐えられなくて、うつむきながら呟くように問いかけた。 だって、周防さんが今の状態になったのは私を守ろうとしたせいで。 私のお陰だなんてそんなこと言ってもらえる資格すらなくて。 「……っ」 こみ上げてくる悲しさや悔しさを堪えるように、私は強く手を握った。 「ふー……」 やがて周防さんから聞こえてきた、わずかな苦笑交じりのため息。 「だーいじょうぶだよ、そんな暗い顔しなさんな。 ……『今の俺は』って言っただろ?」 そして、元気付けるように私の頭をぽんぽんと叩くようにしながら撫でてくれた。 「え?」 私はゆっくりと周防さんを見上げる。 周防さんは、少し困ったような……けれど優しい笑みを浮かべていた。 「まだ、俺の力の源はきちんと残ってる。 いくらでも……どうとでもなるさ」 優しい笑みを浮かべたまま、周防さんは力強い言葉をくれた。 「ほ、本当……ですか?」 信じられない思いで聞き返す。 ……私の視界はわずかにぼやけていた。 「おう、ホントホント。 源が完全に絶たれたり、消滅しない限りは自然に力は戻ってくる。 能力者が生きてさえいれば……な」 そこでわずかに表情を翳らせる周防さん。 でもその表情はすぐに、いつもの子供っぽい笑みに変わる。 「だからさ、そんな泣きそうな顔するなよ。なっ?」 「は、はい……っ」 私は泣きそうになるのをぐっと堪えて、周防さんに向かって微笑んだ。 「おう、それでいい」 周防さんも私に向かって笑いながら、頭をくしゃくしゃと撫でた。 「でも、そっかー。 愛菜ちゃんがそこまで心配してくれるなら……」 そう呟いてから、苦笑いのような……はたまた複雑そうななんともいえない表情を浮かべる。 「お兄さん、ちょっとがんばってみっかな?」 そして、何かを決意したかのように一つ頷く。 ①「がんばる?って何をです?」 ②「嬉しいですけど、無茶なことはしないでほしいです……」 ③「何か方法とか考えがあるんですか?」 384 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/05(土) 22 28 54 ID ??? ①「がんばる?って何をです?」 「ここ、ここから抜け出す方法だな」 周防さんは霧に包まれた地面を指差す。 「ここって……夢の中じゃないんですか?」 私はぼんやりと薄暗い世界を見渡す。 「ここは生と死の狭間。世間一般でいう三途の川ってやつさ」 周防さんはまるで近所のコンビ二を教えてくれるような気軽さで答える。 「さ、三途の川って……。やっぱり私は死んじゃったんだ……」 絶望的な状況に膝がガクリと折れる。 (お父さん、お母さん、春樹……先立つ不孝を許してっ) 「まぁ、落ち着けって。実際は愛菜ちゃんが想像した生死の境だよ。 俺やお前さんのような能力者は、魂が身体から剥がれやすいんだ。 夢……ぶっちゃけると精神の中に閉じ込められた訳だな」 周防さんは「この辺でいいかな?」と言いながらしゃがみ込む。 そして、地面を慎重に叩きだした。 ①「何を始めたんですか?」 ②「このままだったら私たちどうなるんでしょう?」 ③「私に何かできる事は無いですか?」 385 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/06(日) 01 38 09 ID ??? ②「このままだったら私たちどうなるんでしょう?」 「ん?」 意識していなかったけれど、私の言葉は周防さんの耳には心細そうに聞こえたのか。 周防さんは少し顔を上げてなんでもなさそうにさらりと言った。 「そりゃあ仲良くお陀仏だなあ。なんたって三途の川だ」 「……」 なんとなく想像はしていたものの、やはりはっきりそう言われると絶句してしまう。 黙り込んだ私に噴出すと、周防さんはまた地面に視線を戻して言った。 「ま、そう心配しなさんな。だいたいお前さんは本来ここにいるはずじゃない。 冬馬はそんなヘマはしなかっただろう?」 楽しげな周防さんに何か釈然としないものの、言っている事に異論はないので大人しく頷く。 「かいつまんで言えば、俺の心配をするあまりお前さんはこっち側に迷い込んじまったって訳だ」 「迷い込んだ……」 「そう。で、勝手の解らない場所で俺を探し当てた。どうも無意識の内にやってのけたみたい だが、そう誰にでもできるものじゃないんだぜ」 「はあ。そう、なんですか……」 どうやら私の使ったらしい力について、周防さんは賛辞を送ってくれているみたいだけれど。 (自分でも全然実感ないのに褒めてもらってもピンとこないかも…) 「まるで他人事だな……まあ良いさ。とにかくお前さんは俺が無事に帰すから、心配しない!OK、愛菜ちゃん?」 「はい。よろしくお願いします」 「ん、良い返事。おにーさんに任せとけ」 そんなやりとりをする間、周防さんは地面の様子を確かめるように手をおいたままじっと虚空をみつめていた。 どうしよう? ①何をしているのか尋ねる ②何か手伝える事がないか尋ねる ③邪魔をしてはいけないので黙って見守る 386 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/06(日) 08 39 00 ID ??? ②何か手伝える事がないか尋ねる 「あの……私に何か手伝えることはないですか?」 周防さんは私を見つめると、待ってましたと言わんばかりにニコっと笑った。 「じゃあ……、応援してくれ。『周防さんガンバレー』ってな」 周防さんは微妙な裏声を出いながら、身をくねらせ言った。 (今のを私が……) 「……ホントにしなきゃだめですか?」 「うん、だめ。応援がないとお兄さんもーっと頑張れないし」 (そんなハッキリ言われたら、するしかないじゃない) 「す、周防さん…がんばれぇ~」 私は赤面しながらどうにか声を出す。 「声が小さいぞ! もっと大きな声を出す」 体育祭の応援団のような張り切りようだ。 「はい……すみません」 「言いづらいなら『周防さん大好きぃ』でもいいからさ」 周防さんがやけに楽しそうなのがくやしい。 「周防さん……もしかして私で遊んでませんか?」 私は疑いの眼差しを周防さんに向ける。 すると、少しだけ真面目な顔つきになった。 「ここはお前さんの精神世界だ。愛菜ちゃんの言霊が反映されやすい。 愛菜ちゃんが声に出して願えば、それだけ俺の力になるんだよ」 ①納得して応援に徹する ②「だったら、ここから出してって言えば早いんじゃ……」 ③「その話だと『周防さん大好き』は関係ないんじゃ……」 387 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/06(日) 09 37 32 ID ??? ③「その話だと『周防さん大好き』は関係ないんじゃ……」 軽くにらむと、周防さんはニヤリち笑った。 どうみても、遊ばれてるとしか思えない。 「……まあ、いいです。言霊が反映しやすいように大きな声で言えば良いんですね」 「うん、お願い」 にっこりと笑って周防さんは作業に戻った。 (恥ずかしいけど…) 私は、一度大きく息をすって吐き出す。 「周防さんがんばって!」 力いっぱい応援すると、一瞬驚いた顔の周防さんが私を見た。 「…え?」 「その調子その調子、おにーさんすごく力がわいてくるよ」 にこにこといって、周防さんは再度集中しだす。 その言葉に、力を得て、何度も何度も周防さんを応援する。 「…くそっ」 どれくらいたったか、周防さんが小さく舌打ちした。 どうやら無意識みたいで、だんだん額に汗が浮いてきている。 (どうしよう、無理そうなのかな…応援もっとがんばらないと…) このままだと、二人とも死んでしまう。 そう思って、ふと、周防さんの言葉を思い出す。 『ここはお前さんの精神世界だ。愛菜ちゃんの言霊が反映されやすい。 愛菜ちゃんが声に出して願えば、それだけ俺の力になるんだよ」』 (言霊って言葉のことよね…言葉が反映されやすいって事は…) こういえば…? 1.周防さん大好き! 2.私たちをここから出しなさい! 3.私たちは生きるの! 388 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/06(日) 11 41 40 ID ??? 2.私たちをここから出しなさい! 私は大声で啖呵を切ってみせる。 「おっ! いいね愛菜ちゃん、やれやれ~」 「私はまだ死にたくないのよ!」 「出してよ! まだやりたい事がたくさんあるんだから!」 声の限り思い切り叫ぶ。 (立場は逆転したけど、効果はこっちの方があるはず……よね) 「ふざけるなぁ!なんで私ばっかりこんな目に遭うのよ!」 「元の生活を返せーー!!」 「あ、……愛菜ちゃん?」 周防さんが引きぎみだけど構わず叫び続ける。 「夢とか力とか組織とか全部ムカつく!」 「私の都合も考えてよーー!!出せーー!!」 「愛菜ちゃん? 盛り上がってる所、申し訳ないんだけど……」 「な ん で す か !」 血走った目を向け、私は答える。 「あのね…崩壊しそうだから俺につかまって欲しいかな……なんて」 その言葉でようやく我に返った。 「は、はい……すみません」 私は周防さんの上着を握り締めた。 周防さんは静かに息を整えると、ゆっくり肩膝を立てた。 右手がボゥっと青白い光を放つ。 ふーっと息をゆっくり吐きながらその右手を高く上げ、一気に振り下ろした。 周防さんの掌手が地面を強く叩く。 地響きと共に、地面に大きな亀裂が走っていく。 すると、足元をすくわれる様にグラリと体勢が崩れた。 「す、周防さんっ!」 「絶対に俺を放すなよ」 真っ白な眩い光に包まれ、前後左右が分からなくなる。 急激に浮上するような、落下するような不思議な感覚が私を襲う。 「……………っ」 誰かが私を呼んでいる声が聞こえた。 その声は…… ①春樹 ②周防さん ③御門くん 389 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/06(日) 12 49 25 ID ??? ③御門くん 「愛菜!周防!」 いつもとは違う、鋭い叫びのような呼び声。 ……一瞬耳を疑った。 その声の主のいつもの話し方とはあまりに違っていたから。 「ええと、御門君……?」 「そうそう!」 周防さんが嬉しそうに言う。 (でも、どこにいるんだろ?) 声は聞こえたけれど、姿はまったく見えない。 ……一体御門君はどこにいるんだろう? 「冬馬!お前ってばナーイスタイミング!」 「…………お前は」 相変わらずの無表情のまま、ため息のようなものをつく御門君。 「……ひとまず、こっちへ」 御門君のその声と同時に、私たちの前方に光が見えてくる。 「おう、サンキュ!」 「……うっし、愛菜ちゃん、できるだけ飛ばすからしっかりつかまってろよ?」 周防さんは私の肩を抱き寄せ、それから真剣な表情をこちらに向ける。 「それから……あっちにたどり着くまでは、余計なことは考えるな。 途中の幻惑や、囁きに捕らわれてもいけない」 言われて、私は辺りを見回す。 御門君の示してくれた光の標と、私たち以外はただただ暗闇だけ。 ……今のところは、特に幻が見えたり聞こえたりはしなかった。 「ここは精神世界。……ましてやここは君の影響が大きい領域だ。 君の答え次第で物事が大きく変わってしまう恐れもある。その後……どうなるかは、正直俺には保障できない」 重々しい周防さんの言葉。 私は…… ①「わ、分かりました」 ②「それを利用して、さっきみたいにいい方向に変えてはいけないんですか?」 ③「変わるって、たとえばどんな風にです?」 390 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/06(日) 12 52 37 ID ??? 389の「相変わらずの無表情のまま」って一文は無かったことにしてください。 姿みえないって自分で書いてるっつーに、どうして表情が分かるんだよorz 391 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/06(日) 21 46 54 ID ??? ①「わ、分かりました」 私は周防さんから離れないようにしがみ付いた。 「一番帰りたい場所を思い描けばいい。 あとの事は俺と冬馬でなんとかするからな」 そう言ってくれる周防さんの腕に力がこもる。 (周防さんと冬馬くんを信じよう) 一点の光の標を目指して、闇を疾走する。 永遠の漆黒が纏わり付くように私たちを包む。 空虚なのにゾワリと頬を撫でる不快感が続く。 それは例え一瞬でも永遠に感じられるような時間だった。 「……ちゃん……愛菜ちゃん……」 か細い、女性の声が聞こえてきた。 (これがさっき周防さんが言っていた幻聴?) 「愛菜ちゃん……愛菜ちゃん……」 (この声……どこかで聞いた事がある) 考えてはいけない時だと分かっていても、声の主を思い出す事をやめられない。 とても大切な声。とても大切な思い出。 大切な忘れてはいけない人。 そして……本当に、帰りたい場所―― 「お母さん!!」 「駄目だ!!愛菜ちゃん――」 ①私は周防さんの言葉で我に返った。 ②私は懐かしさで胸が一杯になった。 ③私には別に一番帰りたい場所がすでにあった。 392 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/06(日) 22 35 34 ID ??? ①私は周防さんの言葉で我に返った。 「…あ」 「愛菜ちゃん、惑わされるな。戻れなくなる」 「…すみません」 周防さんの声に、我に返ったけれど、声はいつまでも追いかけてくる。 (私の帰りたい場所…どこだっけ) その声に思考が乱れる。 「愛菜ちゃん!」 周防さんのあせる声に、必死に帰る場所を思い浮かべようとする。 けれど声が気になって集中できない。 そのとき、ふとやわらかいものが手に触れた。 「あ…」 「そいつは…」 周防さんにしがみついている私の手に、さらにしがみついている。 「…チハル?いつの間に」 感情のこもらない目がじっと私を見つめる。 何かを訴えるようにひたすら見つめられて、ふと思い出した。 (春樹…!) そういえば、ここに来る前春樹も一緒に居たはずだ。 御門くんに気絶させられてたけど、大丈夫だろうか。 「そうだ愛菜ちゃん、その調子」 周防さんの声が聞こえたその途端、光の中に飛び込んだ。 「…ん、…姉さん!」 呼びかけにぱっと目を開ける。 そのまま、がばっと体を起こして慌てて周りを見渡す。 目の前には、ほっとした春樹の顔。 少し離れたところで私を見ていた御門くん。 そして、私の手にしがみついているチハル。 どうやら公園らしい。 1.ここはどこ? 2.周防さんは? 3.春樹、大丈夫なの? 393 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/07(月) 20 07 29 ID ??? 3.春樹、大丈夫なの? 目の前の春樹の顔にそっと手をのばして上気した頬に触れる。 自分のことで精一杯だったけれど、こうしている間も春樹は返事のない私に必死に呼びかけてくれていたのだろうか。 チハルに教えてもらうまで忘れていたなんて、私はなんてひどい姉だろう。 「なんともない?どこか具合の悪いところ、ない?」 やっとの事で搾り出した声は自分でも情けなくなるくらい弱弱しかった。 「……それは、こっちの台詞だよ。姉さんこそ大丈夫?」 そう言って春樹はポケットからハンカチを差し出した。一瞬訳がわからずに首を傾げると、春樹は持っていたハンカチで黙って私の額の汗を拭った。 「怖い夢でも見てた?ずっとうなされて、苦しそうだった」 「……」 春樹はこんな時でも、ただただ優しい。 視界がぼんやりと滲んで目の前の春樹の輪郭があやふやになるのが恐くてきつく瞼を閉じて春樹の腕にしがみつく。 「……姉さん?どうしたの?どこか痛む?」 春樹の気遣わしげな声は聞こえたが、こみあげる嗚咽に声を出す事ができず私は子供のように何度も首を振った。 春樹は戸惑いがちにゆっくり私の背中を撫でて、その春樹にしがみつく私の手の上をチハルの小さな手が慰めるように行ったり来たりしていた。 どのくらいそうしていたのか。 呼吸も整い始めた頃、ふと誰かが近寄る気配がした。 (御門くんかな?みっともない所見せちゃったな…) いまさら恥ずかしくもあったけれど、思い切って涙を拭いて顔を上げる。 そこに立っていたのは…… ①やっぱり御門くん ②いつの間に現れたのか周防さん ③近所を巡回中らしいおまわりさん 394 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/07(月) 23 36 53 ID ??? ③近所を巡回中らしいおまわりさん 「どうしたんだ? 気分でも悪くなったのか?」 ベンチの上で横になっている私を見て心配に思ったのか、おまわりさんがこちらに向かって話しかけてきた。 「いえ……なんでもないです」 (こんな公園に警官?) 「そうか。ならいいが、目撃者が何人も病院に運ばれたからな。 君も現場を目撃して気分が悪いようだったら無理せず言うんだよ」 目撃者?現場? なんの事だろう。 だけど、すごく嫌な予感がする。 「大丈夫です。ありがとうございます」 不審に思われないように、とりあえずこの場を取り繕う。 おまわりさんが納得したように私達から去っていった。 「ねえ、春樹……あのおまわりさん、何を言っていたのかな?」 春樹は苦しそうに私から目を逸らし「知らない……」と答えた。 (春樹……何か隠しごとをしている?) 少し離れたところに居る御門君は、ジッと黙ったまま私を見つめている。 私は…… ①御門君に何が起こったのか尋ねる ②これ以上追及しない ③春樹に本当のことを言ってもらう 395 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/08(火) 09 46 14 ID ??? ②これ以上追及しない 御門君はともかく、春樹が口をつぐむって事は……きっとよくないことなんだ。 なら、聞かないほうがいいのかもしれない。 (それになんとなく検討はつくもの……) 辺りを見回す。 ここは、さっきまでいたショッピングモールの公園だ。 先ほどまでの出来事は、全部夢じゃない。 周防さんが戦いに赴いたことも、ここで騒いだことも、春樹が来たことも……全部。 (だからきっとこの騒ぎはそれ関連のことだ……それも、被害はかなり大きいのかもしれない) 思ったよりも冷静に受け止めている自分に驚く。 (なんでだろう?) それは現場を見ていないからそうできるのか。 それとも知らない間に自分はそんなに冷たい……酷い人間になってしまったのだろうか。 「……姉さん。姉さんは、これから、どうするつもりだ?」 考え込んでいる私に、春樹が静かに問いかけてくる。 まるで何かを耐えているような、震えた声で。 「え?えっと……」 唐突な質問に私が答えられずにいると、春樹はそのまま言葉を続けた。 「あのさ、俺……ちょっと一人で考え事したいから……。 だから、先に帰るよ」 「え……」 私はその様子に違和感を覚えずにはいられなかった。 (いつもなら有無を言わせず『帰るぞ!』って言うところなのに?) 春樹の様子がおかしい。 それが、言葉で……態度で十分に伝わってくる。 「姉さんがどうするにしろ……あいつに傍にいてもらったほうがいい」 そして、最後に搾り出すように呟く。 視線は下を向いているが、誰のことをさしているかはわかる。 (御門君のこと?でも急にどうして……) どうして春樹は急にそんなことを言い出すんだろう? 気絶する前までは、あんなに反抗するような態度を取っていたのに。 「じゃあ……」 春樹は私に背を向けてそのまま歩いていってしまう。 私は様子のおかしい春樹をただ呆然と見つめるだけで、何も考えることができなかった。 そして、途中で御門君とすれ違うときに一度だけ足を止めて。 「…………っ」 そのまま走り去ってしまった。 私は…… ①春樹を追いかける ②御門君に何かあったのか聞く ③御門君に周防さんはどうしたのか聞く 396 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/08(火) 14 40 41 ID ??? ①春樹を追いかける とっさに、私も春樹を追って走っていた。 「まって!春樹!」 私の目が覚めるまでの間に何かがあったのは確かだ。 御門くんに聞けば、きっと何があったのか答えてくれる。 でも、様子のおかしい春樹を一人にしてはいけない気がした。 「春樹!」 私の声が聞こえたのか、春樹がふりかえる。 私が追いつくと、怒っているような何かに耐えるような顔で私を見た。 「なんで追いかけてくるんだよ。姉さんは、あいつと居ないとダメだ」 「…いったい、どうしたのよ、御門くんに、何か、言われたの?」 息を切らせながら途切れ途切れに言う私に、ちらりと驚きの表情をにじませる。 「…御門?あいつが?姉さんが怪我したときに保健室に運んだ奴?」 そういえば、さっきも同じ学年のはずなのに面識がない様子だった。 「そうよ」 「……あいつは一年に居ない。姉さんも知らないとなると、二年でもない」 「え?」 さっきの春樹の様子でおかしいと思っていたけれど…。 1.それじゃ、三年生? 2.もしかして、学校の生徒じゃない? 3.転校生、とか? 397 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/08(火) 23 00 25 ID ??? 1.それじゃ、三年生? 私は疑問をそのまま口に出した。 「………知らないよ」 春樹は私をあしらうと、また歩き出す。 「ど、どうしたのよ。春樹ってば……」 「なんでもない……。放っておいてくれ」 「何を怒ってるの?」 「早く……あの御門って奴の所へ戻れよ」 どんどん先へ歩いて行く春樹を早足で追いかけた。 「ちょっと、待ちなさいってば!」 私は春樹の前に強引に飛び出る。 「…………」 春樹は私を見据えるように立ち止まると、乱暴に地面を蹴った。 「あんなの見て冷静でいられるわけないだろ! こんな……自分を無力だと感じたことは生まれて初めてだ!! 俺は何の力も無い。ただ指を咥えて見ていることしか出来ないんだよ!」 春樹の憤りは頂点に達している。 事件の事を言っているのか、気絶させられた事を言っているのかまでは判断できない。 ただ、春樹の気持ちは守ってもらってばかりの私にも痛いほど分かった。 私は… ①怒ったって何も変わらないと諭す。 ②春樹を守ると決意する。 ③かける言葉も無く春樹を見送る。 398 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/09(水) 01 15 15 ID ??? ①怒ったって何も変わらないと諭す。 「春樹の気持ちは私にもよくわかるよ」 とりあえず、春樹が落ち着いて聞いてくれるように前置きをして続ける。 「どっちかって言ったら私の方が当事者なのに色々な人たちを巻き込んで、いつもみんなに助けてもらって…。何もできないのがほんとに、情けないし悔しいって思う」 「……」 「みんなに守ってもらってばっかりで、さっきだって結局春樹を巻き込んじゃった。…私だって春樹のこと、守りたいって思ってるのに」 それは決して嘘じゃない。 私に関わる人を全て守れるはずもないけれど、春樹は私の大事な家族なのだ。すぐ傍で苦しんでいるのに何もできないなんて、それほど歯がゆいことはない。 きっと、春樹も同じ気持ちだ。 「でも、怒ったって嘆いたって取り巻いてる状況は何も変わらないと思う。小さなことでも、少しずつでも何か私たちにできることをしなきゃ」 春樹は依然として口をつぐんだまま何の反応も示さない。つたない言葉ながら春樹の心に届くよう私は必死に語りかけた。 「私も春樹と一緒に一生懸命考えるよ。どうしたら良いか、何ができるのか。ね?」 「…何が、できるのか?」 呟くように私の言葉を反復すると、春樹はなぜか口元だけで小さく笑った。 理由はわからないものの不意に春樹の見せた笑みに安堵していると、それに気付いたのか春樹が私を見て苦々しげに言った。 「考えたさ。俺に、何ができるのか。それこそ姉さんの力の話を聞いてから、今までもずっと」 「春樹……」 「さっき、答えは出たんだ。姉さんはあいつの所に行ってくれ」 春樹の信じられない言葉に、私は自分の耳を疑った。とっさに言葉が出てこない。 やっとの事で出てきたのは奇妙に上ずった子供じみた問いかけだった。 「……どうして?私、何かした?それとも、御門くんに何か言われたの?」 呼びかけてみても、春樹は眉根を寄せて押し黙ったままだ。 言いようのない不安に襲われて、私は春樹の肩を乱暴に揺すった。 「ねえ、春樹ってば!」 「もうこれ以上の厄介事は、ご免なんだ!」 (え……) 急速に全身の血の気が引いていくのがわかった。 目の前の春樹の顔もあたかも自分がそう告げられたかのように蒼白だった。 春樹はあからさまに私から目をそらすと、私の腕を振り払って背を向けた。 振り返ることなく足早に遠ざかってゆく。 わたしは…… ①なおも春樹に追いすがる ②呆然とその場に立ち尽くす ③人目もはばからずに泣き崩れる 399 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/09(水) 02 55 14 ID ??? ②呆然とその場に立ち尽くす 「は、るき……」 頭の中が真っ白で何も考えられない。 たださっきの春樹の言葉が何度も私の中で繰り返し繰り返し響くだけ。 『もうこれ以上の厄介事は、ご免なんだ!』 私に笑顔を向けていてくれたときも。 私を気遣ってくれたときも。 私を守ろうとしてくれていたときでさえ。 (春樹は、ずっとそんな風に思って……でも、我慢してきたの?) 負担になっているのかもしれない……どこかそんな予感はしていた。 けれど、それは春樹の優しさと春樹への甘えで確実な答えに変わることは無かったけれど。 だけど今、はっきりと分かった。 (私は春樹にとって迷惑な存在で……私は、春樹の負担になってたんだ) 垣間見えた、春樹の本当の気持ち。 それを知って私は…… ①悲しくなった ②安堵した ③許せなかった 400 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/09(水) 10 06 19 ID ??? ②安堵した 確かにその否定的な言葉はとてもショックで悲しかった。 だけどそれ以上に、安堵してもいた。 それは多分、少しでも春樹の気持ちが見えたからなのかもしれない。 春樹はいつも優しかった。 でも、だから私には春樹の気持ちが分からなくて、それがずっと怖かった。 春樹はすぐに私を優先にするけれど、本当の春樹はどうなんだろうって。 (本当は、もっといっぱい考えてることとかやりたいことがあったんじゃないかな……私にばかり構ってるんじゃなくて) そしてその気持ちは、いつどんな言葉で告げられるんだろうって。 (もしかしたら、告げられたのが今でよかったのかもしれない) 能力のことや事件のことという異常な状況である今。 やらなきゃいけない明確なことがある今。 それがクッションになって、思ったよりもきちんと春樹のことを受け入れられていた。 もしも平常時に言われていたら、もっと取り乱してどうしたらいいかわからなかっただろう。 (それに、これできっとこれ以上春樹を巻き込まないですむ) 春樹は「これ以上の厄介事はごめんなんだ」と言った。 この事に関わり続ければ、厄介事が増えるだけだって春樹なら分かるはずだ。 なら、今後は無闇に首を突っ込もうとはしないだろう。 (だから、今は心がすれ違っちゃったけど……大丈夫だって信じよう) しばらくは互いにどうしたらいいかわからないかもしれない。 ギクシャクしてしまうかもしれない。 でも、生きてさえいればきっとどうすることだってできる。 話し合う事だって、本音をぶつけ合う事だって、お互いを本当に分かり合えるようにだって、なるはずだ。 (そのために、すべてを終わらせよう……できるだけ早く) 私は心にそう誓った。 「よし!」 まだ悲しいままの気持ちを断ち切るように、私は両手で自分の頬を勢いよく叩く。 そして私は歩き出した。 ①御門君がいるショッピングセンター内の公園へ ②何かの事件が起こったらしい事件現場へ ③御門君と約束した病院の近くの公園へ 401 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/09(水) 13 15 31 ID ??? ①御門君がいるショッピングセンター内の公園へ さっきは突然の事につい春樹を追ってきてしまったけれど、御門くんを一人で置いてきたままだ。 (そういえば私ったら、助けてもらったのにお礼も言ってないよ) こちら側に戻ってきてからいきなり大泣きした挙句、御門くんをほったらかしにして春樹と口論を繰り広げて。 この上なく失礼だし、冷静に考えるとかなり恥ずかしい。どう話をしようかと悶々としながらもといた場所へと向かう。 (……いた、御門くん!) 御門くんはさっきまでと寸分たがわぬ位置に佇んでいた。いつもと同じ、感情の読み取れない瞳をこちらに向けてくる。 私は気持ちの整理をするように一つ大きく息を吸って、御門くんの所まで歩いてゆく。 途中芝生の中をよろめきながら小走りに駆け寄ってくるチハルを抱き上げて、御門くんの前に立った。 「……ええと」 さて、どうしよう? ①まずは助けてもらったお礼をする ②御門くんに公園で起こった事件の概要を聞く ③周防さんの居場所と容態を尋ねる 402 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/09(水) 14 08 23 ID ??? ①まずは助けてもらったお礼をする 「ありがとう、御門君。なんだか色々助けてくれて。」 「お礼はいらないです。これが僕の役目ですから。」 表情一つ変えず言葉は淡々と義務めいている。 御門君らしい返答。 「うん、でもお礼がいいたかったの。ありがとうね。」 私はもう一度お礼をいうけれど、御門君は何も答えなかった。 私を見ているというよりは私の先を見ている。 「御門君?」 先に何があるというのだろうか振り向くも人がいない。 事件現場の方に人が集まっているのだろう。 ミストがいるわけでもないのに、どうしたんだろう。 そう思っていたら御門君が口を開いた。 「どうして、弟さんを遠ざけたのですか?」 「えっ。」 先ほどのやり取りのことを言っているのだろうか。 遠ざかったのは春樹なんだけれど、御門君にはそうは見えなかったのだろうか。 「遠ざけたわけじゃないよ。これからは春樹の力を借りずに片付けるの。 そして、全てが終わったら一緒にいるために戻ってきたの。」 春樹には危ない目にあって欲しくない。 御門君が言ってくれたんじゃないの、安全な所にいろって。 「……ということは、僕と一緒にいてくれるということですか?」 「えっ。」 「弟さんの傍にいたら弟さん危ない目にあいます。 家、帰れますか?」 御門君の言葉にショックを受けた。 淡々とした言葉が胸に刺さっていく。 「でも……。」 「それに遠ざけたということはあなた、一人になるんですよ。 双子の言葉忘れたわけじゃないでしょう。」 男と女がいて陰陽のバランスがとれる、じゃないと消えてしまう。 そうだ、だから春樹がいないとって一郎君と修二君が……。 「だから弟さんの傍にいないのだったら僕と一緒に来てもらいます。 あなたを失うわけにはいかない。」 今度は私をまっすぐ見て御門君は私に手を伸ばしてきた。 この手を取れば家に帰ることはなかなかできないだろう。 ①手を取る ②一度考えさせて欲しい ③今はそんなことより周防さんだ。 403 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/09(水) 15 12 25 ID ??? ①手を取る 「いいの、かな」 私はおずおずと御門君に尋ねる。 (私はこの選択をしていいのかな?) (御門君に迷惑かけてもいいのかな?) (私は私でいることを望んでもいいのかな?) それらの思いをただ一言にこめて、私は答えをじっと待った。 やがて、御門くんが口を開く。 「……そのために、僕は存在しています」 それはとても悲しい言葉のようにも思えるけれど、同時に私を必要としてくれている気持ちも伝わってきた。 だから。 私は、ゆっくりと御門君のほうへと手を伸ばし―――その手を取った。 「ありがとう……これから、よろしくね」 「はい」 優しくもしっかりとした握手が交わされる。 「今度こそ終わらせましょう。……例えあなたの出す答えがどんなものであろうとも」 そして、御門くんがそう続ける。 (……?) 瞬間、どこかで何かが引っかかった。 『今度こそ終わらせましょう。……例えあなたの出す答えがどんなものであろうとも』 (今の言葉、何かが引っかかるような……何だろう?) 考えてみたけれど、あと少しのところで出てこない。 「どうかしましたか」 手を繋いだままの御門君に淡々と問われる。 どうしよう? 今の疑問を御門君にぶつけてみようか? ①「あのね、今の言葉に何か引っ掛かりがあるって言うか……」 ②「ううん、なんでもないの。それよりこれからどうするの?」 ③「そういえば、周防さんはあれからどうしたの?」 404 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/09(水) 19 14 01 ID ??? ①「あのね、今の言葉に何か引っ掛かりがあるって言うか……」 そう、何かがひっかかる。 (何だろう……。今度、こそ?) 話を振っておきながら一人物思いに沈む私に、御門くんは繋いでいた手をほどくとあいかわらず抑揚の乏しい声で言った。 「僕はあなたに何か変なことを言ったでしょうか」 「え、ううん。そんなことないよ。ただ、『今度こそ』って言ったみたいだから」 ちょっと気になってね、と付け足してどうにか笑顔を作る。 御門くんは黙って私の顔を見つめていたが、ややあって目を伏せると静かにこう言った。 「失言でした。それについては……僕からはまだ、お話できません。いずれ時がくればご自身でもおわかりになるかと思います」 珍しく御門くんが返してくれた答えは、聞く前より私の頭に疑問符を増やすものだった。 ただ、はっきり『話せない』というからにはこれ以上聞いても無駄なのだろう。 「わかったよ。それまで待ってる」 仕方なく、私はそこでその話を切り上げる事にした。 御門くんは小さく頷いて、恭しく私の右手をとった。 事態が良く飲み込めずにそのまま目で追っていると、御門くんは目を伏せたまま流れるような仕草で私の前にひざまずいた。 (み……御門くん?) 惚れ惚れとする優雅な振る舞いに溜息が出そうになったが、次の瞬間に我に帰る。 ここは、日曜日の公園なのだ。 どうしよう? ①人目が気になって恥ずかしいので立つように促す ②突飛な行動を咎める ③契約に関わることかもしれないので御門くんの好きなようにさせる 405 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/09(水) 21 12 23 ID ??? ③契約に関わることかもしれないので御門くんの好きなようにさせる 私は御門君だけをただじっと見つめる。 一度そう決めたからなのか、不思議と周りの存在や声といったものは全く気にならなかった。 (そういえば、前にも夢で見たっけ……) あのときのことを思い出して、少し恥ずかしくなる。 「……いまいちど、誓う」 そんな間にも、御門君は私の右手に自分の額を当てて、言葉を紡ぎだした。 (わっ!?) その突然の行動に驚きながらも、どぎまぎしてしまう。 現実だから当たり前と言えば当たり前なのかもしれないけど、伝わってくるものはあのときよりもずっとはっきりしていた。 「遠き古より、我が主と定めた人。 貴方が望むならば、僕は剣となり盾となり……翼にさえなってみせる」 私の心中なんてお構いなしに言葉は続いていく。 ふと、繋がっている手から何かが流れ込んでくる気がした。 (???) これは、一体何なんだろう? 懐かしいような、優しいような、暖かいような、不思議な感覚のそれ。 そんな風に感じるのは、一体なんでなんだろう? 「そして貴方の尊き願いの為に、望む道を切り開くために、戦い続ける。 ……この身が朽ち果てるまで」 そして、私をまっすぐ見つめてくる。 もしかして、私の言葉を待ってるのかな? でも、なんていったらいいんだろう? ①「ありがとう。私、がんばるから」 ②「……『この身が朽ち果てるまで』なんて言わないで?」 ③「そういえば、夢でもこんなことがあったね」 406 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/09(水) 22 59 39 ID ??? ①「ありがとう。私、がんばるから」 私の言葉に御門君は力強く頷く。 「主たるあなたの望みのままに……」 そして、私の手の甲に唇を寄せた――― 手から流れ込んでくるもので体中が包み込まれる。 その感覚はどこまでも暖かくて、懐かしい。 今までにこんな経験をした事なんてない筈なのに、なぜか心が憶えている。 やっぱり、私はこの感覚を幾度となく繰り返しているみたいだ。 御門君が私の手を取り、ゆっくり立ち上がる。 すると、さっきまで止っているように感じていた時間がまた動き出した。 「……………………」 御門君が私をジッと見つめてきた。 その触れる指先には以前よりもはっきりとしたアザが浮かび上がっている。 (これって……仮契約じゃなくて本契約したって事よね) 私はもう戻れないところまで来てしまった。 こうなったら、もうやるしかない。 だけど、知らない事が多すぎてどうすればいいのか見当もつかない。 (そうだ。以前、夢の中で御門君は私と縁の深い人について話してくれるって言っていたよね。 そして、打つ手があるともいっていたけど……) 私は…… ①縁の深い人について尋ねる ②組織について尋ねる ③御門君の素性を尋ねる 407 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/10(木) 21 28 41 ID ??? ①縁の深い人について尋ねる 「ねえ、御門君……聞いていいかな?」 私が問いかけると、御門君は「はい」と静かに頷いた。 「御門君は、私達と縁の深い人に私を守って…って頼まれたんだよね?」 それって、誰なの?」 「…………」 私の質問に、御門君はすぐには答えなかった。 何かを考えているようだ。 (さっきみたいに聞かないでとは言われなかったから、大丈夫だとは思うんだけど……) どことなく不安になりながらも、御門君からの返答を待った。 ふいに、御門君はシャツのポケットから何かを取り出す。 (あ……) 私はそれに見覚えがあった。 それは……いつも御門君が持ち歩いているロケット。 御門君は少しの間、そのロケットをじっと見つめる。 そして、目を閉じて包み込むように握った。 それが何かの祈りのように見えて……私はただ、何も言わずにその様子を見守る。 やがて目を開くと、御門君はゆっくりとそのロケットを私に差し出してきた。 私はできるだけそっと、丁寧にそのロケットを受け取る。 「そこに答えがあります」 言われて、そのロケットをそっと開いた。 そこには二人の人物。 一人は、幼い御門君。 大体小学校低学年くらい、だろうか。 表情は今と変わらず無表情のままだったけれど。 そして、その隣に写っている人物。 「お、かあさん……!?」 そう、私のお母さんだった。 ……私の前からいなくなったときとほぼ変わらないままの姿で御門君の隣で微笑んでいる。 (どういうことなの?) 御門君に質問すべく、私は顔を上げた。 ①「どうして御門君とお母さんが?」 ②「御門君はお母さんの行方を知ってるの?」 ③「なんで今まで教えてくれなかったの?」 408 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/10(木) 23 08 09 ID ??? ①「どうして御門君とお母さんが?」 御門くんは私が手に持ったロケットから視線を外して、どこか遠くを見るような目をした。 「……僕はあなたのお母様に育てられました。実母ではありませんが、孤児同然の身になった僕を引き取って育ててくれたのです」 「お母さんが……」 呟く私に御門くんは静かに頷いた。 つまりは私と御門くんはいわゆる乳兄弟みたいなもの、ということになるのだろうか。 漠然とそんな事を考えていると、御門くんは感情の読めない口調で淡々と続けた。 「まずは僕の生い立ちからお話しなくてはなりません。僕の父親はとある研究所の研究員でした。 彼は素養もあり研究熱心で、施設でともに働く職員の中でも極めて優秀な人間だったようです」 まるで調書を読み上げる刑事のように御門くんは言った。到底父親の話をしているとは思えないような、そんな口ぶりだった。 「ただ、優秀な人間が必ずしも社会常識や人間としての倫理観を持ち合わせているとは限りません。 自身の才能を過信した彼は探究心を抑えられなかったのか、同僚達の目を盗み独断で施設の設備を用いて次第に非人道的な実験を行うようになりました」 「非、人道的……?」 口に出してみてもどの程度の規模のどういったものなのか、私には全く見当もつかない。 「はい。あなたにお聞かせするような内容ではありませんので詳細については割愛しますが、周防は 『胸くそが悪くなる』と言っていました。……私の父親は自らが持つ知識欲を満たさんが為に何の躊躇なくそういった類の行為に手を染め、 最終的に彼の行き着いたのは自分の身重の妻を利用した人体実験でした」 私は一瞬我が耳を疑った。 人体実験など、現実にありうるのだろうか。 「……待って。もしかして、その子供って……」 何故か喉が乾いて、私の声はひどくかすれていた。言いながら、思いついた答えが違うものであって欲しいと願っていた。 けれど。御門くんの口から出た言葉は間逆のものだった。 「あなたがお考えの通り、僕がその子供です。母の胎内で彼の実験の被験者になりました」 「……」 言葉が、出てこなかった。目の前の御門くんにかけるべき言葉が見当たらなかった。 御門くんは特に気にかける様子もなく、話をすすめてゆく。 「しかし、事は彼の思惑通りには運びませんでした。生まれてきた子供が成長するにしたがって、 彼は自らの実験の失敗という結果を思い知らされたのです。所詮彼は非凡な秀才で、思い描く天才にはなりえなかったという事なのでしょう」 御門くんから語られる内容に愕然とした。周防さんが言っていた特殊な事情というのはこの事だったのか。 あまりの内容に脳内がショートしそうだ。ここでちょっと質問をしてみる事にした。 何を尋ねよう? ①御門くんの父親の勤めていた研究機関について ②御門くんの父親が実験で得ようとしたものについて ③御門くんの何が『失敗』だったのかについて 409 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/11(金) 09 10 33 ID ??? ③御門くんの何が『失敗』だったのかについて 「失敗は二つ。まず一つは僕の能力が彼の思い通りのものでなかったことです」 私の質問に、何の感情のなく淡々と答える御門君。 「彼はさまざまな調整を行い、僕が彼の望む能力を持って生まれてくるようにした。 ……そのはずでした。しかし、僕に発現した能力は全く違うものだった」 ふと自分の手のひらをじっと見つめ―――やがてそれを握り締める。 それから御門君は再び言葉を続けた。 「そしてもう一つ。それは……僕が持って生まれた能力を制御できなかったこと。 結果、僕の能力の暴走により彼の目論見は白日の下に晒されることになりました。 ……ただし、あまりにも多くの犠牲を払って、ですが」 そこで話を区切り、御門君はわずかに目を伏せる。 もしかしたら、そのときのことを思い出しているのかもしれない。 「彼がどうなったかは僕には分かりません。 その後すぐに僕は『危険である』と判断され、別の場所……能力者を制御する部屋へと移されましたので」 「そして、その場所はただ暗闇だけがありました。 どのくらい、その状態が続いていたかは僕には分かりません。 何も無い、誰も来ない、死なないように管理だけはしていたようでしたが」 ただ暗闇だけが支配する世界で、一人ぼっちでただ人形のように存在し続けること。 その光景を想像してみる。 私はそれだけで怖くなった。 もしも、自分がそうなったらと思うと……ぞっとした。 「しかし、ある時に変化が現れました。 勢いよくドアが開かれ、光が差し込んだかと思うと……僕は見知らぬ誰かに抱きしめられていました。 それが、志穂……あなたのお母様」 お母さんのことを語るときだけ、わずかに御門君の声が揺れた気がした。 ―――それは本当にわずかのことで、そこにどんな感情があったかは分からないけれど。 「御門冬馬、と言う名もあなたのお母様からいただいたものです。 実の母親とは顔を合わせたこともありませんし、僕の父親は僕を実験のコードナンバーで呼んでいましたから」 そこで、御門君は私を見て言葉を止めた。 「……どうかしましたか?」 そして問いかけてくる。 そのとき初めて私は自分の状態に気がついた。 気がつけば私は…… ①悲しみのあまり泣いていた ②怒りのあまり手を強く握り締めていた ③恐怖のあまり震えていた 410 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/11(金) 21 11 51 ID ??? ①悲しみのあまり泣いていた 気付けばわたしの頬をいく筋もの涙が伝っていた。 いくら御門くんでもさすがに気になるのだろう。彼は黙って私の言葉を待っているようだった。 「……あれ、なんだろう?おかしいね、ごめんね」 取り繕うようにそう言って慌てて手の甲で涙を拭う。 当の本人である御門くんが何も言わないのに、私が泣いたりするのはおかしな話だ。 きっと同情されても嬉しくはないだろう。 御門くんが想像もつかない環境にたった一人閉じ込められている間、私は両親に慈しまれ何不自由なく育てられたのだから。 そう思うのに、涙はなかなか止まってくれなかった。 御門くんに何か言おうとしたその時。 目の前の御門くんが私の髪にそっと手を伸ばして、触れた。 「あなたはやはり、あなたのお母様によく似ておいでです。……あなたのお母様も度々、僕の為自分のことのように涙を流しておられた」 そう言いながら御門くんの手はいつだかそうしてくれた時のように、私の髪を解くように優しく撫でる。 ご自身で泣きながらも僕を慰めてくれていたようです、と御門くんは続けた。 「今思うと、歳の近いあなたの事も重ねて見ていらしたのでしょう。施設からひきとった後、女手一つで危険因子の僕を我が子同然に育ててくださいました。 今僕が持つ能力を制御する術も、あなたのお母様に教えていただいたものです」 私がどうにか泣き止んだのを見て、御門くんは私の髪を撫でるその手をひいた。 (そういえば、お母さんもよく私が泣いてると髪を撫でて慰めてくれたっけ……) 相変わらず無表情な御門くんを見ながらふと、そんなことを思った。 「何か、お聞きになりたい事はありますか」 御門くんが言う。 どうしよう? ①お母さんについて尋ねる ②周防さんとの関わりについて尋ねる ③特にない。御門くんに続きをはなしてもらう 411 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/12(土) 22 40 41 ID ??? ②周防さんとの関わりについて尋ねる 「そういえば、周防さんとはいつ知り合ったの?」 私が見聞きした限りでは、周防さんは結構御門君のことを知っているみたいだった。 御門君があまり態度に出さないから分からないけれど、お互いがお互いを分かっている感じがする。 だから、結構付き合いが長いんじゃないかなって思ったんだけど……。 「周防、とは……」 そこで、何故か少し間が空く。 (どうしたんだろう?何か考えてるのかな?) 私が内心で首をかしげていると、再び御門くんが口を開いた。 「彼が16の時に知り合いました」 「そうなんだ……」 確か、この間周防さんは24歳だと言っていたから……付き合いは8年くらいになるのかな? 「じゃあ、二人の付き合いは結構長いんだ?」 私は呟くように、何気なく言う。 「……」 だけど御門君は何故か黙り込んでしまった。 「そうといえばそうですし、違うといえば違います」 暫くした後に御門君から返ってきた答えはとても曖昧なものだった。 「最初に出会ったのは今か……少し前くらいでした。 最もその時は、存在を認識している程度のものでしたが」 それから御門君は「当時は共有していた時間もわずかでしたから」と続ける。 「彼と言葉を交わすようになったのは、再会してからです」 そこで御門君は区切りをつけるように、話を止める。 ……今なら、質問できるかな? ①「昔の周防さんってどんな感じだったの?」 ②「周防さんと再会したのはいつ?」 ③「御門君……周防さんに気を使いながら、私に話をしてる?」 412 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/13(日) 18 30 20 ID ??? ①「昔の周防さんってどんな感じだったの?」 何気なく、そう尋ねてみた。 自分と同じ年のころの周防さんはどんな雰囲気だったのだろう。 「今と変わらず、抜きん出た能力者でした。優秀な能力者の家系の生まれで、 とりわけその血を濃く受け継いだのだと聞いた事があります。 幼い頃からの英才教育もあって、初めて会った時には既に僕が知る中でも 一二を争う力の持ち主でした」 「へえ、やっぱりすごい人だったんだ……」 思わずこぼした言葉に、御門くんは少し間をおいて答えた。 「すごい、かどうかは僕にはわかりかねますが。ただ、僕に出会った頃の周防は あなたの知る周防とほぼ変わりありません」 (……?) 御門くんの言葉に、かすかに含みがあるような気がする。 私の顔にそう出ていたのか、御門くんは小さく頷いた。 「周防の方は僕に出会う前……正確には対面する以前に、 厳重な監視下におかれた僕の存在を既に知っていたようです。 僕をそこから出すようにと上層部にかけあったのも彼だったと、 後にあなたのお母様に聞かされました」 「……周防さんが?」 「はい。当時の周防には一切の権限はありませんでしたが、 恐喝まがいのなんらかの取引を持ちかけたようです」 『出さなければ施設の中枢を破壊するぞ、といった類の』そう言って御門くんは目を伏せた。 「ず…随分強引なかんじだね……。まあ、そのおかげで御門くんは外に出られた訳だけど…。 周防さんとは親戚か何か、なの?」 「いいえ。血縁は全くありません。何故僕をあの部屋から救い出したのか、 今までも彼の口から語られる事はありませんでしたので これは僕の推測に過ぎないのですが。 僕が隔離された部屋の前の主は、力を暴走させた挙句病に冒され 再び日の光を浴びる事無く若くしてこの世を去ったと聞きました。 ……周防はその人物と懇意にしていたそうです」 (そんな事があったんだ……) 御門くんに、聞いてみようかな? ①その周防さんと親しくしていた人について ②周防さんと再会した頃について ③御門くんが出会う前の周防さんについて 413 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/13(日) 21 34 21 ID ??? ①その周防さんと親しくしていた人について 「懇意にしてたってどんな人だったんだろう……」 私が漏らした独り言に対して、御門君は小さく頷いた。 「詳しい事は知りません。 ただ、周防と部屋の主だった人物はかなり親しい間柄だったと聞いています。 その主は髪の長い、美しい少女だったそうです」 (髪の長い少女……) 「その子の名前って……こよみさんっていうんじゃないのかな」 アンティーク雑貨に居る時、リボンを見つめながら周防さんは「こよみ」と呟いていた。 (寂しそうで悲しそうで、私は声をかけることすら出来なかったんだ) 「本来、厳重な監視下に置かれている者は人である事すら許されません。 さきほども話したように名前は捨てられ、すべてコードナンバーで呼ばれます。 身内他人問わず人との接点をすべて絶たれ、ただ監視される日々があるだけです」 御門君はまるで他人事のように淡々と話した。 「で、でも、前の部屋の主だった女の子と周防さんは親しくしていたって……」 「高村……。周防の家系の人々は特別ですから許されたのでしょう。 施設の創設者は周防の祖父で、その直系の者が施設を運営していたそうです。 僕の父も……高村の施設で、一研究員として働いていました」 「じゃあ、周防さんは直系なの?」 「違います。周防の叔父に当たる人物が僕が施設に入っていた当時の最高権力者だったようです。 優秀な能力者であり、研究者であり、権力者でもある……それが高村の名を持つ者なのです。 苗字を嫌い、周防と呼ばせる理由もそこにあるのかもしれません。 ただし、現在の施設の権力は大きく二つに分裂していますが……」 御門君は冷静な口調で答えた。 ①施設について尋ねる ②周防さんについて尋ねる ③私を狙う組織について尋ねる 414 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/14(月) 13 23 18 ID ??? ②周防さんについて尋ねる 「周防のことは、僕よりも周防に直接聞いたほうがいいかと思います」 私をじっと見つめたまま、淡々とした口調で答える。 「僕から話をしても構いませんが、僕も全てを知っているわけではありません。 ……何より、周防がそうされることを望まないでしょう」 そう言われて、私はこれ以上言葉を紡ぐことをためらった。 御門君も何も言わない。 しばらくの間、そんな微妙な沈黙が続いて―――けれど。 「ただ、ひとつ言わせてもらうならば……彼は成長しました。 それは……時が経過した分と、同じくらいといってもいいと思います」 御門くんの言葉で私は再び彼に視線を合わせる。 御門君にしては珍しい、すこしたどたどしく感じるような口調。 それは話すことにためらいを感じているからなのか。 それとも、私に誤解させないように彼なりに言葉を選んでいるのだろうか。 ―――あるいは他に理由があるとか? 「ですから、今の周防は少なくとも、敵にはならないでしょう。 ……ただし、味方になるかどうかは……あなたの心しだいですが」 その御門君の言葉に―――昨日の夢で、同じようなことを周防さんが言っていたことを思い出す。 『どの視点から物を見るのか、そしてお前がどのように動くのか。 ……それによっても俺のスタンスは変わってくる』 そして確信する。 周防さんも御門君もこの一連の出来事の真実の……少なくとも、一端を知っている。 だけど、御門君は御門君の……周防さんは周防さんの。 それぞれの事情から、私にその大事な部分を明かさないままでいるみたいだ。 おそらく、それは私が関係しているからなんだろうけど。 ―――だけど、待っているだけじゃ今までとほとんど変わらないんじゃないかな。 (それじゃ、きっと、本当にまた何も変わらないままで……) そう思った私は口を開いて――― ①「御門君、私に真実を教えてよ」 ②「周防さんに会いにいこうよ」 ③何も言えなかった。 415 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/14(月) 14 22 02 ID ??? ①「御門君、私に真実を教えてよ」 私の言葉に御門くんはしばらく考えているようだった。 少しおいてゆっくりと口を開いた。 「真実は、時に形を変えます。人によって、見方によって。 僕がお伝えできるのは、今迄起こった出来事とその経緯のみです。 また、周防の存在を省いてはお話できません。 ……先程も申し上げましたが、周防が今何を考え何を思って行動しているのか。 それについてはあなた自身で周防の口から聞いて頂きたいのです」 丁寧な前置きに、周防さんへの御門くんなりの配慮みたいなものが感じられた。 私が黙って頷くと、御門くんは組織について話し始めた。 「近頃とりわけ頻繁にあなたに接触を試みているのが高村の研究所内での 主流にあたります。それに対して主流の方針に異を唱え、 少数ながら独自の活動を展開しているのが周防の属する派閥です。 ひらたく言えば周防一派は『反主流』、ということになるでしょうか」 「主流と、反主流?」 「はい。設立当初より研究所で行われてきたのが、既存の能力者のデータに基づいた 能力開発とクローン技術を用いた能力者の複製とその管理です。 後にそれに付随して新たな能力者の発見・確保、動向を監視する部署も設置されました。 これらの活動は非合法かつ極秘裏に行われ、現在もその存在を知る者はごく僅かです」 にわかには信じがたい内容を次々に伝えられ、私は理解しようと一生懸命に 御門くんの言葉を反復した。 「ええと…つまり主流は裏家業っていうか、 隠れて色々とまずい事を研究所の中でしてるってこと?」 「世間一般からすれば、そうなります。……もっとも上層部の人間に言わせると 『人類の発展に寄与する、有益かつ有意義な行為』となるようですが。 その一方で周防の一派は組織内で大勢を占める主流のあり方に反発する者達で 構成されています。周防達の活動が表立って行われるようになったのもここ最近の事です」 「それは、どうして?」 「主流の活動が活発化した為です。周防達は主流の目的を阻止する為に動いていますから」 (御門くんの言ってること、わかるような…わからないような……) 確認してみようかな? ①「水野先生は、組織の主流の人ってこと?」 ②「武くんが生まれたのも研究所の中なのかな?」 ③「一郎くんや修二くんは組織とは関係ないの?」 416 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/14(月) 23 52 01 ID ??? ②「武くんが生まれたのも研究所の中なのかな?」 「武……?」 御門君は私の問いに考え込んだ。 (そっか。御門君は知らないのか……) 「あのね。武くんっていうのは幼馴染の隆の別人格らしいの」 私が説明しようとすると、御門君は納得したように顔を上げる。 「昨日、湯野宮隆とあなたが接触していたことでしょうか?」 「その時に隆の別人格の武くんが手紙をくれたんだ。 隆が大怪我をした時、隆のクローンである武くんの体の一部が使われたらしいの。 その時から、武くんが隆の中に別人格としているみたいなんだけど…」 御門君はしばらく黙り込んでいた。 そして、答えを探るようにゆっくり話し出した。 「そのクローンが研究所にいたのは、まず間違いないと思います。 主流派が被験者を病院に提供したのでしょう。 ただ……たとえ体の一部が移植されたからといって、もう一人の人格が形成されるとは考えにくいです」 「え? じゃあ、武くんの手紙はなんなの?」 「わかりません。僕の勉強不足でそういった事例を知らないだけかもしれません」 新しい事が分かったと思ったら、次の謎がでてくる。 真実に近づいたと思ったのに、謎はどんどん深まるばかりだ。 (うう~、混乱してきた。研究所や組織の話はまた今度にしよう) 「ねえ、御門君。これからの事を質問していい?」 「はい」 御門君は無表情のまま頷いた。 ①「契約したけど、具体的にはどうなるの?」 ②「家には…もう住まない方がいいのかな?」 ③「今までどおり学校に通っても大丈夫よね?」 417 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/15(火) 02 20 01 ID ??? ②「家には…もう住まない方がいいのかな?」 口にしながら春樹の事が頭をよぎった。そしてお父さん、お義母さんの顔が浮かぶ。 (御門くんと契約した事で、この事態に本格的に首を突っ込んじゃったんだもんね…) 「愛菜、あなたはそうしたいのですか?」 御門くんの言葉に思考が現実に引き戻される。 目の前の御門くんはいつもの表情で私をみつめていた。 「……ううん。ただ、私のせいで家族が事件に巻き込まれるのが心配なの」 そうですか、とだけ答えて御門くんは何か考えているようだ。 「御門くん?」 短い沈黙の後、私が遠慮がちに呼びかけると御門くんは再び口を開いた。 「あなたと正式な契約を結んだ今なら、手を打つ事自体は可能です。 ただ、あなたに少しばかり負担を強いることになる。正直、僕はあまり気が進みません」 「どういうこと?それって、私の家族を組織から守る手段があるってこと?」 「はい。想定される組織からのあらゆる攻撃に耐えうるものではありませんが、 ファントムにさえ取り付かれなければ後付でも対処はできますので」 ファントムに取り付かれる心配がなくなる、それは願ってもないことだ。 (春樹にとっても当面の問題が解消されるわけだし…) 「教えて、御門くん!」 身を乗り出した私に御門くんは何故かゆっくりと目を伏せた。 「……あなたがお望みなのでしたら、仕方ありません」 そう言って、ファントムが取り付かないようにする術(御門くんは『まじない』と言っていた)を 順を追って丁寧に教えてくれた。 「手順はこれで大丈夫、かな?」 「はい。終わりに、施したまじないに効力を持たせる為相手に触れればそれで完了です」 御門くんの思いがけない言葉に、教わったまじないを頭から再現していた私の手が止まった。 (相手に、触れる…?) それって… ①「……もしかして、キスしなきゃいけないとか?」 ②「触れなかったら効果は出ないの?」 ③「契約するみたいなもの?」 418 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/15(火) 09 41 35 ID ??? ①「……もしかして、キスしなきゃいけないとか?」 私は少し恥ずかしくなりながら聞く。 「いえ、それは逆に危険でしょう」 そんな私とは逆に御門君は冷静に首を振った。 「どういうこと?」 私は不思議に思って御門君に問いかける。 「この『まじない』は……貴方の能力の一部を、相手に加護として渡すものです」 御門君は淡々とした口調で説明をしてくれる。 「能力者なら大丈夫かもしれませんが、貴方が『まじない』をかける相手は一般人です。 ましてや……貴方は気がついていないでしょうが、貴方の力は強大なものです」 (そうなんだ……) 私は相槌を打ちながら、ぼんやりとそんな風に考える。 「耐性のない一般人には、どんな反動があるか分からない。 ですから、無闇に粘膜接触をするような行為はしないほうがよろしいかと」 (……は?) 頷いていた頭が止まってしまう。 (今、なんて言ったの?粘膜接触?) 突然、御門君から妙な言葉が出てきて驚いてしまった。 さっと御門君のほうを振り向くが、御門君の表情は全く変わっていなかった。 冷静そのものだ。 (これは真面目に言ってるんだ……) ①「み、御門君、何を急に……」 顔が赤くなって俯いてしまう。 ②「御門君には、私が『無闇に』そう言うことをしそうに見えるの……?」 少しムッとしながら聞き返す。 ③「その、粘膜接触って、例えば?」 逆に聞き返してみる。 419 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/15(火) 19 51 54 ID ??? ③「その、粘膜接触って、例えば?」 逆に聞き返してみる。 「……? ですから、先ほどのあなたの質問が答えになります。 キスをすればその際に口腔内の粘膜同士が多少なりとも触れる可能性がありますので。 …それ以外の粘膜接触に関しても何かご質問がありますか」 まるでお医者さんのように感情を差し挟まない口調で御門くんは言った。 (ほっといたら恥ずかしげもなく昼間の公園にそぐわない話を始めちゃいそう…!) 私は慌てて首を振って疑問は解消されたとアピールをする。 納得してくれたのか、御門くんはそれ以上の説明はしなかった。 ほっと胸を撫で下ろした所で御門くんに聞いてみる。 「じゃあ、『触れる』って具体的にどうするの?」 「先ほどお伝えしたとおりに手順を踏んで頂いて、最後にあなたが対象者に触れれば まじないは効力を発揮するはずです。……触れる場所はどこでも結構ですが、 肌に直に触れるようにまじないをかけてください。 半端なまじないは、術者・対象者をかえって危険な目にあわせかねませんから」 「わかった。気をつけるよ」 「最後に……」 私が頷くのを見届けて、御門くんはゆっくりと話し出した。 「ここが一番重要です。まじないを施す際は、対象者があなたに心を開いて あなた自身を受け入れようとする姿勢がなければなりません。 心が通わない状態ではあなたが消耗するのみで、まじないが成功する事はまずありません」 (要注意、ってことね?) 確認してみようかな? ①「まじないが成功したかどうかはその場でわかるの?」 ②「ケンカ中だとまじないは無理ってこと?」 ③「消耗するって、具体的にどうなるの?」 420 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/15(火) 23 26 17 ID ??? ②「ケンカ中だとまじないは無理ってこと?」 『もうこれ以上の厄介事は、ご免なんだ!』と言った春樹の顔を思い浮かべる。 (ケンカって訳じゃないけど……すれ違ったままよね) 「疑念や不安、怒りなどの負の感情はまじないの妨げになります。 術者のあなた自身もできる限り穏やかな精神状態が好ましいでしょう。 対象者との同調性が最も重要だということです」 マニュアルでも読み上げるように御門君はよどみ無く説明した。 「それで……説明してもらった通りの手順でいいのね?」 「はい。術が完了していれば、術者のあなたにも対象者の体にも印が現れているはずです」 私は指先にある印を見つめる。 (きっとこんな感じで現れるんだよね) 「わかったよ。でも……術者の私にも印が現れるんだね」 「さきほどのあなたとの契約によって、僕の体にも印が現れています」 御門君の手を見ても、これといった印は見当たらない。 「どこに現れているの? 見たところでは判らないけど……」 「…………確認したいですか?」 御門君はジッと私を見つめたまま言った。 「うん、どんな印なのか見ておきたいかも」 「…………わかりました」 御門君は冷静にベルトを外し始める。 そして、ジーンズに手を掛けた。 (嫌な予感……) 「ストップ! ストップ! やっぱり見なくていいから」 「いいんですか?」 ジーンズのボタンを外しかけている手を止めて御門君は尋ねる。 「いいの!」 「…………わかりました」 御門君は何事も無かったように答えた。 あと、聞くことは…… ①周防さんが大丈夫なのか尋ねる ②もう少しまじないについて尋ねる ③もう聞くことは無い 421 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/16(水) 00 43 48 ID ??? ①周防さんが大丈夫なのか尋ねる 「周防さんは、大丈夫なの?」 さっきの夢の中では大丈夫だと言っていたから大丈夫だとは思うんだけど。 やっぱりまだどこか心配と不安とが収まらなくて……気がつけば私は御門君に問いかけていた。 「本人に聞いたのではないのですか?」 御門君が淡々と聞き返してくる。 「うん、聞いたよ。聞いたけど……結局あの時から、ずっとこっちでは姿を見てないから」 なんとなく気恥ずかしくて、だんだんと言葉が尻すぼみになっていってしまう。 「大丈夫、だよね?」 再び問いかけながら、御門君をちらりと伺ってみる。 「……大丈夫です。彼は嘘をついていません」 少し間が空いたものの、御門君はそう断言してくれた。 「今すぐに、と言うのは無理でしょうが…… 明日明後日くらいにはまた現れるのではないかと思います」 続いた言葉に、ようやく胸をなでおろす。 (よかった……周防さんにまた会えるんだ) 「では、帰りましょうか。送ります」 そして、御門君が私にそう声をかけて帰宅を促した。 そこで、私は…… ①御門君にプレゼントを渡していないことに気がついた。 ②春樹がどこへ行ったのかが気になった。 ③一郎君の朝の電話を思い出した。 422 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/16(水) 22 00 12 ID ??? ②春樹がどこへ行ったのかが気になった。 (そういえば、春樹はどこに行ったんだろう?先に帰るって言ってたけど…) 「どうかしましたか」 数歩歩き出して立ち止まった私を不思議に思ったのか、見れば先を歩いていたはずの 御門くんが振り返ってこちらを見ている。 「え。…えーと、ね。春樹…弟のことを考えてたの。どうしてるかなあって」 「あなたの弟さんですか。あなたが周防とこちらに戻られるまでの間、彼はあなたの事を 心から心配している様子でした」 「そう……」 御門くんの言葉に、意識を取り戻して一番に目に飛び込んできた春樹の顔が目に浮かぶ。 今、春樹はどんな気持ちでいるのだろうか。 目に見えない胸の奥が、鈍く痛んだ。 「…僕に兄弟はありませんが、僕の目から見てもあなた達は血の繋がった姉弟以上に お互いを想いあっているように見えます」 黙り込んだ私に、御門くんは控えめにそう声をかけた。 「…私と、春樹が?」 「はい。当初は春樹さんは頭に血が上っているようでしたが、僕と言葉をかわすうち 次第に落ち着かれてこの状況をどう対処すべきかに考えを巡らせていたようです。 …最終的に彼は自分にもできることをみつけたと、そう言っていましたが」 (でも。さっきの春樹は『面倒はご免だ』って、そう言ってたのに…) どうしよう? ①春樹の真意を確かめたい。春樹を探しに行く。 ②これ以上御門くんに心配をかけられない。おとなしく家に帰る。 ③もう少し御門くんと話がしたい。 423 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/16(水) 23 25 17 ID ??? ②これ以上御門くんに心配をかけられない。おとなしく家に帰る。 よく見ると、陽は落ちて薄暗くなり始めている。 公園内の街路灯にも明かりが点っていた。 「御門君……今日はありがとう。ハイ、プレゼント」 私はバッグの中からプレゼント用に包んでもらったムーンストーンを手渡した。 「………………」 御門君は手の中に納まっているプレゼントをジッと見つめている。 「せっかくのショッピングが途中になっちゃったけど、楽しかったよ」 「僕も……楽しかったです」 「また、こうやって遊べるといいね」 「…………はい」 私はいつの間にか寝てしまったチハルを鞄の中にそっと入れた。 「私は一人で帰れるから、送ってくれなくても大丈夫だよ。 周防さんに会ったら、プレゼントは今度渡しますって言っておいて。 俺だけ貰えなかったーって拗ねちゃうと可哀想だしね」 口調が暗くならないように、私は努めて明るく振舞う。 「送らなくてもいいのですか?」 「うん。なんだか、一人で帰りたい気分だし」 「わかりました……」 「それじゃ、御門君。バイバイ」 私は手を振り終わると駅に向かって、ゆっくり歩き出した。 だけど、足取りが重くてなかなか前に進まない。 これまでの事、これからの事いろいろ私の肩にのし掛かってくる。 (少しでも前に進まなきゃ……今日みたいに周防さんや御門君に迷惑をかけてしまう。 それに、関係無い人々にまで被害が及んでしまうんだ……) 「……愛菜!」 不意に投げかけられた声に、私は振り返る。 「御門君……?」 「…………これ、ありがとうございまいた」 御門君はプレゼントを大切そうに両手で包み込んでいた。 私はその言葉に大きく頷いて、もう一度手を振った。 ……家まで帰ろう。 ①まっすぐ駅に向かう ②騒ぎがあった方へ寄り道して帰る ③春樹の携帯に電話する 424 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 00 54 48 ID ??? ①まっすぐ駅に向かう 人気のない所を避けるようにして、大通りをまっすぐ駅へと向かう。 平日ほどではないけれど、私と同じ様に駅へと歩く人たちも多かった。 (なんだか、疲れちゃったな……) 歩きながらぼんやりと目を向けたショーウィンドウに映りこむ自分の顔は 随分泣いたせいか、目の充血はそうでもないものの瞼がうっすら腫れあがって お世辞にも可愛いとは言えない、そんな表情だった。 どこか冷静にそう思う自分がおかしくて、自然と小さく笑みがこぼれた。 「……大堂?」 不意に後ろから呼び止められた。反射的に振り返ると、そこには一郎くんの姿があった。 「一郎くん……」 「一人で一体どうしたんだ?弟くんは……」 よほど私の顔に出ていたのだろうか。言いかけて、一郎くんは途中で口をつぐんだ。 気付いてしまった一郎くんの気遣いがなぜだか悔しくて、私は無理矢理笑顔を作って言った。 「私たち、いつも一緒にいる訳じゃないよ?春樹だって春樹の都合もあるしね」 「……そうだな」 一郎くんはそれ以上、何も聞かなかった。 ただ一言『家まで送ろう』、そう言って私の前を歩き出す。 どうしよう? ①一人で帰りたいと断る ②黙って後をついてゆく ③なぜそれ以上聞かないのか尋ねる 425 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 11 27 29 ID ??? 豚ギレスマソ。 500KBまでだよな。 1スレ、そろそろ使い切りそう。 <現在の登場人物> 大堂愛菜:高校二年の主人公 。予知夢を見る(但し起きると内容は忘れている) 大堂春樹:主人公の義理の弟(高1)。好きな人がいるらしい。 主人公よりしっかりものなので兄にみられがち。 湯野宮隆:主人公の幼馴染。ファントム(ミスト)を操る能力がある。 武 :隆の裏人格(クローン) 宗像一郎:放送委員の委員長。水野を利用している。「見える力」がある 宗像修二:一郎の双子の弟でテニス部エース。一郎と同じく「見える力」をもっている。 他人を見下しているところがあり不誠実とおもわれているが、愛菜にはなぜか協力的。 近藤先生:厳格だが生徒思いの男性教師 水野先生:隆とキスしていた音楽教師。組織の一員? 長谷川香織:愛菜の親友 御門冬馬:感情表現に乏しい。言葉遣いは丁寧。愛奈の従者(?) 高村周防:高村研究所の反主流に属するもの。明るいお兄さん的存在 チハル :愛奈が隆からもらった熊のぬいぐるみ。隆の力で動くようになる 一人称・呼び方 愛菜:一人称→私。春樹と隆は呼び捨て、その他キャラは君付け(周防のみさん付け) 春樹:一人称→俺。愛菜に対しては姉さん、隆はさん付け、双子には先輩付け 隆 :一人称→俺。愛菜に対してはお前 一郎:一人称→俺。修二は呼び捨て、他は苗字 修二:一人称→俺。愛菜に対しては愛菜ちゃん、一郎に対しては兄貴 香織:一人称→私。愛菜や隆に対して呼び捨て 冬馬:一人称→僕。愛奈にはあなたか呼び捨て、周防は呼び捨て、春樹は弟さん 周防:一人称→俺。愛奈に対しては愛奈ちゃん、冬馬には呼び捨て <未実現の夢> ① 127 私と修二がキスをしている夢 「……なんだ、ありがとう愛菜ちゃん」 やっと聞こえた声、胸が苦しくなるくらい綺麗に微笑む修二くん。 〈忘れてはいけないこと〉 ・主人公と一郎は放送部、文化祭の準備をしている(もうすぐ文化祭がある) ・能力者は陽か陰の力が偏っていて異性が傍にいないと駄目(双子は例外) ・双子はファントム、隆はミストというものは同じ存在 ・ファントムは生気で強くなる ・御門とは前世に関係あり? ・能力者のまじないを他の人に施すことで 相手に加護を与える(相手に触れること条件) 今までのあらすじ 愛奈は隆と水野のキスを見て以来隆と疎遠になっていた。 ひょんなことから、隆と水野の関係に一郎が何か関わっているらしいことを知る。 水野が組織に関わっていること。狙っているカギには双子の力が必要なこと。 ファントム(ミスト)の力で人の生気を吸うものもいること。 研究所でのクローン研究などいろいろなことを知り愛奈は、それを解決することを決める。 御門冬馬と本契約を交わし、真実に迫ろうとしていた。 ただ、そのことで春樹との関係が疎遠になってしまっている。 424の続きをどうぞ 426 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 11 50 57 ID ??? 425 今、容量どれくらい? ちょっと自分のでは分からないんだが。 場合によっては一度話を止めて今度について話し合ったほうがいいかも。 427 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 12 01 04 ID ??? 425じゃないけど 443kb 428 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 13 03 13 ID ??? 今まで結構アバウトに進めてきたし、少し考えたほうがいいのかな? まあ大まかなところは変わらないだろうけど。 とりあえず、今後進めていく上で今回みたいなことがあるだろうからスレタイは変更したほうがいいんじゃないかと思うんだが。 429 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 14 32 43 ID ??? 今後の話をここで決めてしまったらネタバレだよ 書き手同士の腹の探り合いがおもしろいのにw ただ、話が複雑になってきて新規の人が書きづらくなっているとは思う 430 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 14 42 46 ID ??? 428の今後の話~みたいな発言はルール的なところを言ったんじゃないか? あと話が複雑になってきて新規が入りづらいだろうって点は429に同意。 今の書き手でも結構混乱すると言うか、本当のところが読めないw 431 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 14 46 44 ID ??? ちょっと(かなり?)面倒臭いけど、通し番号を入れて 1000だったら1000の数字を最終的にEDにする、とかは? 今までもたまに中断レスあったけど、やっぱりそれもカウントされてる訳だし。 新規の方々には……頑張って読んでくれ、としかw 逆にあまり読まずに参加できると、トンデモ設定追加されたりしたら 収集つかなくなるんじゃないかしら。 今でも充分苦しいしw 432 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 16 33 25 ID ??? 通し番号入れるのはいいかもしれないね。 ちなみに今数えてみたら 424までで、359レス目っぽい? (途中のBADは抜いて) 数え間違えてるかもしれないけど… まだ半分いってないのに1スレ終わるなら、 1000までにもう2スレくらい行くかもしれんね。 433 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 16 58 59 ID ??? 通し番号入れるのは自分も賛成かな。 あと、ひとつ提案。 途中での個別EDをありにしないかなー?と。 これだけいろいろなキャラが出てるのにED一つしか見れないのはなんとなくもったいないと言うか……。 ただでさえこういうのは個別シナリオみたいなのが難しいし。 434 名前:ここに通し番号は?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 17 12 05 ID ??? 433 個別ED、私も別によいのではないかと思いまし。 ただ分岐はどのようになさる? どこでEDキャラ確定したか、みたいな区別も必要になるだろうし・・・ 435 名前:ここに通し番号OKじゃね?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 17 24 44 ID ??? 個別EDも良いかもしれんね。 するとしたら、選択肢を選んだ人が独断と偏見で 「○○君フラグ確定分岐」と宣言するか、 選択肢を提供する側が、選択肢に「○○君フラグ分岐」と書くか… どっちかだと思うんだけど、どっちが良いのかな? その場合は通し番号つけないで、○○君分岐-1とか、数字書いていけば良いのか? でも、そうなると、スレ見にくくなるか… もっといい案ありますか? 436 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 17 32 05 ID ??? うーん、一人唸ってみたけど分岐はよい考えが浮かばず… お役に立てず申し訳ない! ていうか仮に個別を作るとして、ED対象キャラって誰と誰? 今のとこ、春樹・一郎・修二・御門・周防あたり? ……近藤先生もか?w 437 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 17 47 11 ID ??? これからの展開によっては、近藤先生もアリでしょうw 展開によっては、それこそ組織のNO1とのエンドだってアリなんじゃないかと。 ここら辺も、個別エンド作りたい人が、作れば良いんでない? 438 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 18 09 49 ID ??? ……隆は?w>個別ED そういえば組織NO1は性別明かされてないね。 ちなみに場合によってはチハルだって行けますぜ姐さんw ヤツは男の子という表記か選択肢かがあった気が。 個別EDやらルートやらは、「これは分岐いってもいいんじゃないか?」と書き手が判断したら、 ルートにつながる選択肢を出せばいいんでない? 435で言うところの『選択肢を提供する側が、選択肢に「○○君フラグ分岐」』って言うのがそれに該当するのかな? まあその辺の基準もまた考えないといけないけど。 ……というより、そうなると各個の判断になるのかな。 時に個別EDを作るってことは、 基本的には1000へはみんな仲良し大団円EDとか全真実解明EDみたいなのを目指して進めていくことになるのか? 439 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 18 26 58 ID ??? 長い共通√のあるゲームだと、各キャラクターのポイントで何ポイント以上だとルート分岐ってのが多い だから、選択肢に ①○○ 隆フラグ みたいにすればいいんじゃない? 個別ルート入れてしまうとフローチャートが複雑になるし、とりあえずは全真実解明EDを目指せばいいかな 個別edについてはすべての真相がわかったところでまた考えた方がいいかもしれないね まんべんなくキャラクターを出して、それぞれの見せ場を作るのが必要になるけどさ 440 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 18 47 56 ID ??? 438 隆、ごめん!忘れてたw フ…フラグ…って、たいていひとつじゃないよね? あまり複雑な構造にするのはどうなんだろうか。 順番どうするかっていう問題はあると思うけど、 もし個別ED作るならいっそ「今回は春樹」とか「今回は御門くん」とか お題作っちゃって一人ずつこなしていくのはいかがかな。 並行して同時進行は難易度高そうな気も… 441 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 19 00 29 ID ??? じゃあ、ひとまずはこのまま一度通し番号1000まで続けてトゥルーEDを迎える。 それから逆行していくように「 ○○から今度は○○君EDを目指してルート展開」と言う風にやっていくと言うのはどうだろう? ところで次スレまでに他に決めておいたほうがいい事ってある? 442 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 19 01 55 ID ??? 1000スレを目指すじゃなくて1000レスを目指すってのはどうかな? 443 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 19 05 52 ID ??? 442 正直すまんかった。スレタイ間違えてさ……。 1000レスです。 444 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 19 17 18 ID ??? じゃあ、 432が数えてくれたっぽいし、 424=359レス目ってことで 次は名前欄に360って書けば良いのかな? ちなみに、次のスレタイ どうするの? 445 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 19 28 00 ID ??? 選択肢を選んで残り○○レス目でED はどうだろう。 446 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 19 28 04 ID ??? 住人が実はたくさんいるっぽくてちょっと嬉しいw 443=1? 再度お願いできまいか?>スレタイ 447 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 19 29 11 ID ??? 1= 445 です。 448 名前:446[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 19 42 06 ID ??? 447 それは失礼つかまつった! 残り~だと微妙にわかりづらくないです? カウント1000とかの方がわかりやすいんじゃ? 注意事項はまとめというかテンプレに入るだろうし。 449 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 19 51 07 ID ??? 単純に「選択肢を選んで1000レス目でED2」とかでいいんでない? 450 名前:1[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 22 17 46 ID ??? wiki作ってみた。過去作読めるように。 読みにくいかもしれないが許してくれ。 おまいらの見やすいよう編集してくれてかまわない。 ttp //www22.atwiki.jp/1000ed/ まだ50スレしか編集してない。 次のスレタイは 449でいいと思う 451 名前:1[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 22 18 55 ID ??? またスレとレス間違えたorz 正しくは50レス 452 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 22 54 00 ID ??? 450 wiki乙であります たまに読み返さないと、伏線回収できなくなるから助かるわ~ 453 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 23 10 04 ID ??? 450 まことに乙でございます! たまにあるまとめも1さん? 452さんじゃないが時折?となるのでホントありがたや。。 454 名前:1[sage] 投稿日:2007/05/17(木) 23 49 56 ID ??? 登場人物見やすくしてくれた人、ありがとう。 453 私の時もあれば他の人がしてくれたときもあった。 最近はROMってばかりだったし。 始めたときはここまで壮大な話になるとは思わなかった。 455 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/18(金) 00 26 11 ID ??? たしかに。>壮大な話 でもトゥルーEDって誰ともくっつかない終わり方? 微妙に書く気の失せる姐さん方もいらっしゃるのでは・・・ そして方向性をちょっと確認したかったりする場合、 通し番号ナシでこういう風に書き込みはアリ? 456 名前:1[sage] 投稿日:2007/05/18(金) 01 35 33 ID ??? 455 通し番号ナシで話し合いはアリだと思う。 何か問題があるときは話し合わなくちゃいけないだろうから。 とりあえずは次スレとテンプレじゃないか。 wiki編集途中だけど寝る。スマソ。 続きは明日する、おやすみ。 457 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/18(金) 08 41 19 ID ??? トゥルーED=ハーレムEDじゃないの?w 458 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/18(金) 09 09 59 ID ??? テンプレ作ってみた ・リレー形式で話を作れ ・話の最後には選択肢をつけること ・選択肢は1つのみ選ぶこと(複数選択不可) ・次に進める人は選択肢を選んだ後それにあった話を作り、1000レス目でED ・途中にキャラ追加、話まとめなどO.K. ・話を続けるときは名前欄に通し番号を入れること ▼前スレ 選択肢を選んで1000スレ目でエンディング ttp //game12.2ch.net/test/read.cgi/ggirl/1140272497/ ▼まとめwiki ttp //www22.atwiki.jp/1000ed/ 現在までの登場人物 大堂愛菜:高校二年の主人公 。予知夢を見る(但し起きると内容は忘れている) 大堂春樹:愛菜の義理の弟(高1)。好きな人がいるらしい。 愛菜よりしっかりものなので兄にみられがち。 湯野宮隆:愛菜の幼馴染。ファントム(ミスト)を操る能力がある(事故後能力発祥)。 モノに宿る八百万の神に働きかける能力もある(先天的能力)。 武 :隆の裏人格(クローン)。ファントム(ミスト)を隆とは別に操ることができる。 存在を組織に知られていないが、組織の命令には逆らえないらしい。 宗像一郎:放送委員の委員長。水野を利用している。「見える力」がある 宗像修二:一郎の双子の弟でテニス部エース。一郎と同じく「見える力」をもっている。 他人を見下しているところがあり不誠実とおもわれているが、愛菜にはなぜか協力的。 近藤先生:厳格だが生徒思いの男性教師。春樹の担任。 水野先生:隆とキスしていた音楽教師。組織の一員? 長谷川香織:愛菜の親友。 御門冬馬:感情表現に乏しい。言葉遣いは丁寧。愛奈の従者(?)。 高村周防:高村研究所の反主流に属するもの。明るいお兄さん的存在。 チハル :愛奈が隆からもらった熊のぬいぐるみ。隆の力で動くようになる。 大堂志穂:愛菜の実の母。冬馬の名付け親。 こよみ :冬馬と同じ研究所にいた髪の長い少女らしい。 組織のNO.1:高村研究所のトップ。現在は性別年齢すべて不詳。 その他関連事項は 2-3あたり 最初にあった 「・誰とくっつけさせようか話を作る人の自由」って部分は トゥルーED目指すらしいから省いてみた。 逆に、トゥルーED目指して話を進めるってかいたほうがいいのかな? 足したり削ったりしたほうがいい部分ある? 459 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/18(金) 09 17 17 ID ??? >1 遅くまで乙華麗。 >457 ハーレム?w 大変だよ、近藤先生とかチハルまで網羅するのはw 460 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/18(金) 11 52 57 ID ??? 1 wiki乙です せっかく投票ページあるから、トゥルーEDの後の個別エンドルートは 人気キャラから順番に、とか良いかもしれんね。 今の話がいつ終わるかわからんがw と、とりあえず書いてみたが、トゥルーED目指すってことでFAなの? もしFAなら、 458のテンプレにトゥルーED目指すって書いたほうが良いかも。 461 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/18(金) 17 52 20 ID ??? 460 そだね、色々キャラをだしそれぞれに思わせぶりな行動をさせつつも それはあくまで個別EDへの布石ということで。 勝手にくっつけてはなりませんよ!! と注意書きはいるかもね。 462 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/18(金) 19 06 03 ID ??? テンプレに、 ご新規さんはwikiで一度話を読んでください。 を追加してほしい。 463 名前:1[sage] 投稿日:2007/05/18(金) 22 37 10 ID ??? 本編編集終わった。 とりあえず、抜けてなかったら 本編のみ 356レス BAD含み 367レス ダブり含み 369レス だな。 464 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/19(土) 08 58 12 ID ??? 1 wikiありがとうです! あとは、次スレ立てれば、通常にもどるのかな 465 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/19(土) 18 16 02 ID ??? せっかくだったら残り43KB使ってしまおう。 5レスくらいなら続けられるかも。 466 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/19(土) 19 23 02 ID ??? 1 wiki本当に乙でした 確認させて欲しい 主人公の味方ばかりだから敵キャラ何人か増やしても問題ないの? 以前、キャラは増やしすぎないって話あったからさ。 あと、どれくらいグロくていいのか判断が難しい。 事件のこととか具体的に書き始めるとかなり鬱入るかもしれないし。 グロすぎるとキャラ萌えに支障でる? もう一つ 個人的な意見だけど、トゥルーEDって大団円って事だよね シリアス路線だし遙か3みたいに最初は救いようの無い話にして、個別ルートで救うって話の方が書きやすそうな気がする 467 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/19(土) 22 20 16 ID ??? トゥルーEDで死人出すのか? 個別EDじゃなきゃ救えないってのは、自分的には鬱すぎる・・・ 468 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/19(土) 22 44 35 ID ??? 467 鬱EDじゃ書いてて面白くないだろうし、やっぱりトゥルーED(大団円)を最初に書いたほうがいいよな 469 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/20(日) 00 28 47 ID ??? 敵キャラはほどほどにすれば増やしてもいいんじゃないかな。 まあ、既存キャラでもやりようによっては敵に回るような展開にできそうなキャラも結構いるけどね。 グロさについてはあんまりやりすぎるのは……キャラ萌え云々よりも、重すぎて引く。 シリアスだから全くなしって訳には行かないだろうが、自分も鬱が入りすぎるのはちょっとなー。 そうすることに何か重大な意味があるっていうなら、多少はいいんじゃないかとも思うけど。 しかし、これだけ壮大でちょっと暗めな話になると明るくほのぼのな学園生活~っていう成分もほしくなってくる。 このまま進めていくとまずそんな展開は低そうだし。 でも、やるとしればやっぱり個別と同じ扱いかな?おまけルートと言うかドロップアウトルートと言うか。 470 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/20(日) 02 45 36 ID ??? 466 シリアス=鬱ではないよね。暗い過去は乙女ゲーでは結構あるけど、 リアルタイムで死人は私は平気だけどちょっと難しい人多そうな…。 他の人が続けて書き辛いのはやっぱマズイと思う。 登場人物は必要があってキャラが立ってれば良いんじゃない? 468 大団円って良いけど誰ともくっつかないんだよね? さんざん気をもたすような言動をあちこちにしてまわるのって微妙に 男性諸君が気の毒に思うよ…! 気をもたすような表現が一切なしじゃあ個別EDの前フリにならないだろうし。 469 閑話休題っていうか、途中で混ぜるのは可能なんじゃね? 周防さんの「今日一日大丈夫」じゃないけどさ。 文化祭とかもせっかくあるんだからお化け屋敷でキャーとかはベタだけど やってみたいw 471 名前:466[sage] 投稿日:2007/05/20(日) 10 39 09 ID ??? レスありがとう 467 468 キャラクターは全員生存だね。了解した。 469 今居るキャラを生かしつつ、敵キャラは必要なら増やすってことだね。 470 >リアルタイムで死人 例えばショッピングモールで何か起きてたみたいだけど、どの程度のさじ加減が妥当? これまでの流れみたいに「何か酷いことがあった」程度に留めるべき? 翌日以降に被害状況や真相を知る流れにすると多少は書きやすくなるのかな。 ほのぼの成分ってあったけど、同意だ。 暗い話ばかりじゃ読んでても辛い。閑話休題は定期的に必要かも。 シリアスな展開の時でもキャラの掛け合いである程度なら明るく出来るし。 ただ、閑話休題になると……なぜか過疎りやすいw 472 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/20(日) 12 26 47 ID ??? ・リレー形式で話を作れ ・話の最後には選択肢をつけること ・選択肢は1つのみ選ぶこと(複数選択不可) ・次に進める人は選択肢を選んだ後それにあった話を作り、1000レス目でED ・途中にキャラ追加、話まとめなどO.K. ・話を続けるときは名前欄に通し番号を入れること ・今回はトゥルーEDを目指すこと。主要人物の死亡(モブはOK)、誰かとくっつけるのは無し ▼前スレ 選択肢を選んで1000スレ目でエンディング ttp //game12.2ch.net/test/read.cgi/ggirl/1140272497/ ▼まとめwiki ttp //www22.atwiki.jp/1000ed/ 現在までの登場人物 大堂愛菜:高校二年の主人公 。予知夢を見る(但し起きると内容は忘れている) 大堂春樹:愛菜の義理の弟(高1)。好きな人がいるらしい。 愛菜よりしっかりものなので兄にみられがち。 湯野宮隆:愛菜の幼馴染。ファントム(ミスト)を操る能力がある(事故後能力発祥)。 モノに宿る八百万の神に働きかける能力もある(先天的能力)。 武 :隆の裏人格(クローン)。ファントム(ミスト)を隆とは別に操ることができる。 存在を組織に知られていないが、組織の命令には逆らえないらしい。 宗像一郎:放送委員の委員長。水野を利用している。「見える力」がある 宗像修二:一郎の双子の弟でテニス部エース。一郎と同じく「見える力」をもっている。 他人を見下しているところがあり不誠実とおもわれているが、愛菜にはなぜか協力的。 近藤先生:厳格だが生徒思いの男性教師。春樹の担任。 水野先生:隆とキスしていた音楽教師。組織の一員? 長谷川香織:愛菜の親友。 御門冬馬:感情表現に乏しい。言葉遣いは丁寧。愛奈の従者(?)。 高村周防:高村研究所の反主流に属するもの。明るいお兄さん的存在。 チハル :愛奈が隆からもらった熊のぬいぐるみ。隆の力で動くようになる。 大堂志穂:愛菜の実の母。冬馬の名付け親。 こよみ :冬馬と同じ研究所にいた髪の長い少女らしい。 組織のNO.1:高村研究所のトップ。現在は性別年齢すべて不詳。 その他関連事項は 2-3あたり 意見を取りいえれると、テンプレはこんなもんかね? 473 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/20(日) 18 09 09 ID ??? あー、スレ使い切りそうになった場合の注意(?)も テンプレに追加してもらった方がいいんじゃね? またタイミングよく誰かに声かけてもらうって訳にもいかないだろうし。 後からすまなんだ。。 471 ひどいことっつっても人が死ぬ、とは限らないしさ。 たとえばファントムに乗っ取られた人が複数出た、とかでも 能力者的には「被害が出た」ってなるだろうし。一般人にはわかんないけどw あとは…若者たちが公園で白昼堂々お家のない人の集団リンチを始めた、とかでも 気分が悪くなる人もいるかも。 他に通り魔被害で死人でなくても充分ショッキングだろうしね。 逆に人が死ななくてもグロい話にすることもできるだろうから、 まあ書き方次第なんじゃーないかしら? 474 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/20(日) 18 46 06 ID ??? 次スレたてた 選択肢を選んで1000レス目でED 2 ttp //game12.2ch.net/test/read.cgi/ggirl/1179654105/ 475 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/20(日) 19 29 39 ID ??? 474 乙でございます。 476 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/20(日) 19 51 50 ID ??? 474 お疲れ様です! 473 それいいかもね、能力者にはわかるけど、一般人にはわからない>ひどいこと 477 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/21(月) 18 17 00 ID ??? じゃあもう次スレに普通に再開OKでしょかね? そして次スレの4レスめ、あれは一体何なのか・・・? 478 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/21(月) 18 49 27 ID ??? 477 あれは、あがってるスレに、無差別に誰かが貼り付けてるやつだから無視でw 479 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/22(火) 10 04 43 ID ??? はーい。わかったー。 さー、個別EDを迎える為にもトゥルーED頑張らないと! じゃないと野郎ども、待ちぼうけw 480 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/22(火) 11 51 14 ID ??? 個別EDは、人気投票の多かった順番になったの? なら、投票してこないとなぁ 481 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/22(火) 16 58 55 ID ??? 投票、今誰も入ってないよね? あれは名前とかコメントないと投票できないんだろうか。 誰が一番人気か、ちょっと興味あるなーw 482 名前:1[sage] 投稿日:2007/05/22(火) 19 06 03 ID ??? 投票所、投票しやすいのにかえてくれてかまわないよ。 あれはページ作成についてた簡単なやつだから。 483 名前:1[sage] 投稿日:2007/05/22(火) 19 36 15 ID ??? すまん、投票使えないな。 一時閉鎖するよ。 誰か投票作れる人いないかな? 484 名前:1[sage] 投稿日:2007/05/22(火) 19 52 50 ID ??? 借りてきた、投票CGI。 適度に投票よろしく。 じゃないと落ちる。 ttp //garden.yuyuweb.com/vote/vote2/comvote.cgi?id=1000meED 485 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/22(火) 22 12 54 ID ??? 乙ー! さっそく投票したよ。一日一春樹w 486 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/24(木) 11 05 06 ID ??? 投票みると、冬馬が人気なのね 春樹が一番だとおもってたから、ちょっとびっくり。 まだ、1P差だけどw 487 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/24(木) 22 12 43 ID ??? 自分は御門が人気な気がしてた。 最近扱い優遇されてるし。 488 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/25(金) 00 25 39 ID ??? 御門くんね、彼は描写を見る限りイケメン(?)のようだけど。 人気はありそうだな、とは思うw しかし実際外で服を脱ぎだしたりとか 「どこに住んでるの?」に「マンションです」とか答えられたらドン引きじゃね?w 御門くん人気にさりげなく抵抗を試みたりしている、そんな今日この頃。 489 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/25(金) 07 27 44 ID ??? あーはいはいドン引きドン引き。 で、どこを縦読みするんだ? 490 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/25(金) 11 35 45 ID ??? 489 とりあえずモチツケ( ・ω・`)旦 その御門への愛は本編にて表現するのがよろしかろう。 近藤先生はまだ票入ってないなw 491 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/25(金) 13 14 13 ID ??? 近藤先生はまだ、ちょっとしか出てきてないしね。 これからの展開に期待だなw 492 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/25(金) 22 13 08 ID ??? 容姿についての話がすこしあったけれど、一郎ってメガネキャラなのかがすごく気になる。 ぜひメガネキャラにして欲しい 修二は裸眼(メガネをかけて一郎になりすます話なんてあったら面白いかも) 春樹はコンタクト(家でたまにメガネ←ここ重要) 御門君は裸眼 隆は裸眼 周防さんはコンタクト 近藤先生はもちろんメガネ ……と勝手に想像してみたけど、書き手によってそれぞれ想像が違いそうだw あと、主人公の通う学校の制服は男女ともブレザー? 前にそんな描写があった気がするけど… 493 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/25(金) 23 12 05 ID ??? 私は一郎も修二も裸眼だとおもってたよw そっくりなのに見間違うことがないのは、 雰囲気がまったく違うからだって記述があった(とおもう)から 眼鏡とかのj小物はないもんだと… 近藤先生は、ぶつかったときに眼鏡落としたから、当然眼鏡キャラだよな 御門と、隆は私も裸眼だとおもう 周防さんも、裸眼かな私的には 春樹はどっちでもいいwww 制服はブレザー記述があったね、病院で御門が脱いだw でも、女子の制服についてはまだ記述ないよね。 494 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/26(土) 00 02 23 ID ??? 493 本当だ。そっくりでも雰囲気が違うから見分けがつくって感じの記述があるね 双子は二人とも裸眼だ メガネ萌えの身としてはぜひ近藤先生に頑張ってもらわなくてはw 近藤先生に清き一票を投じてこよう 495 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/26(土) 00 35 47 ID ??? 人気投票、近藤先生のコメントにワロタw 春樹、メガネだとしたら優等生キャラまっしぐらってかんじだなー。 492じゃないけど家だとメガネだったら萌ゆるw 御門くんはともかく隆が裸眼設定なのってなんとなく・・・ww 496 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/29(火) 10 54 30 ID ??? 一郎のコメに愕然とした… 一郎ってツンデレ属性かもしれないのか! 497 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/05/31(木) 09 45 26 ID ??? まさになんでもアリですなw 一郎がツンデレになるのも近藤先生が現れるのも御門が脱ぐのも書き手次第w 498 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/06/01(金) 09 06 26 ID ??? 一郎ツンデレ説が流れてから、一郎の票がのびはじめてるwww ツンデレスキー多いのか?w 499 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/06/03(日) 02 14 10 ID ??? ツンデレか 一郎は孤高・堅物系のツンデレになれるな 修二は腹黒デレツン 隆はぶっきらぼう系ツンデレ 春樹は素直になれない系ツンデレ 御門は無感情解凍系ツンデレ 周防は思いつかないw チハルはやんちゃ系ツンデレ 総ツンデレ化も夢じゃないな 500 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/06/03(日) 04 04 51 ID ??? わあ、楽しそうwww 501 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/06/04(月) 11 23 46 ID ??? これから、チハルをツンデレ化するのは難しくないか?w もう、デレまくってるし。 502 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 01 14 03 ID ??? ここでようやく近藤先生が活躍するんですね!!!! 503 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/06/17(日) 07 24 08 ID ??? ですね!!! 504 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/07/03(火) 09 49 05 ID ??? ところでそろそろ半分だけど、組織のボスは出したほうが良いのかね? トゥルーエンドなら、それなりに出番がないと謎が解けない気がする。 505 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/07/09(月) 10 26 11 ID ??? まとめサイトみてたら、いつのまにか『話の流れまとめ』ができてた! まとめ人さんありがとう! 経過日数ごとにレス数とかいれてくれてるから、ストーリー読むときに助かります。 506 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/07/12(木) 11 24 27 ID ??? まとめ、私も見たー! ほんとまとめ人さん、お疲れ様&ありがとうです。 しかし、まだ一週間くらいの出来事なんだね。 盛り沢山でもっと時間経ってる気でいたよ・・・ 507 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/07/20(金) 01 06 22 ID ??? 勝手にだしていいんじゃん?>組織のボス 508 名前:1[sage] 投稿日:2007/07/20(金) 18 00 08 ID ??? 全て書き手の自由だから、いつだしても構わない。 いつなにを起こそうが全て書き手の自由です。 自分1なんだが話のまとめ作ってくれた人、 遅くなりましたが本当に乙です。 自分じゃ考えなかったよ。見やすくてイイです。 509 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 08 31 29 ID ??? 最近 人気投票所につながらないんだけど、私だけ? 他の人はつながってる? 510 名前:1[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 18 42 15 ID ??? いや、なんだか落ちたようだ……。 投票所の元にもつながらないorz 511 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/08/09(木) 10 20 53 ID ??? あら…復活するのかな? このままなくなったら、今までの投票どうなるんだろ? 512 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/09/02(日) 00 27 29 ID ??? とりあえず、1位が御門くんで2位が周防さん、3位が春樹で4位が一郎くん… ていうのは覚えてるけど。 でももうずいぶん経っちゃったねー。しかも新キャラ(美波さん)も出てきたし。 次の(これが終った後)EDどうしようか??? 513 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/09/02(日) 22 28 47 ID ??? せっかく皆で決めたことなのに覆すようで申し訳ないが、私は次スレから個別ルートがいい 誰ともくっつけられないとわかっていると、甘くできなし書きづらくて仕方がないことがわかったんだ 順番でいくと一位の御門になるのかな あと今までの流れで大きな破綻やどうしても気になっている点ってある?(小さい矛盾はかなりありそうだけど無視汁) なぜかわからないが、話を進行させればさせるほど苦しくなるジレンマww 514 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/09/03(月) 08 55 58 ID ??? 次スレって、このトゥルーエンド?が終わってからのことだよね? 一応御門が一番だったし、次は御門ルートでいいんじゃないか? あのままやっても御門が一番だったと思うし。 さすがに新キャラの美波さんが、あれを覆すのは無理だとおもう。 御門ルートが始まってから次のルートは誰が良いか投票すればいいんじゃない? 515 名前:514[sage] 投稿日:2007/09/03(月) 08 59 10 ID ??? 矛盾のこと書き忘れた。 私は特に大きな矛盾は感じてない。 小さいのは、無視若しくは折を見て矛盾がなくなるように小ネタ入れてみたりもしてるけど とりあえず愛菜の夢の回収が出来てるし大丈夫なんじゃないか? 他の人はどう思ってるのかな? 516 名前:513[sage] 投稿日:2007/09/03(月) 14 34 18 ID ??? 514 レス豚。次回は御門エンドでオーケーだね 今回のトゥルーエンドって伏線回収エンドだったっけ 伏線に必要そうな小物を憶えている限りあげてみたが…多いなw チハルの古いリボン サンストーンとムーンストーン 母の天使のペンダント 御門のロケット こよみのリボン 写真(家族の写真、春樹王子の写真、隆の入院写真) 武の手紙 アップルパイ チハル携帯ストラップ 探せばまだ出てきそうだ 517 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/09/03(月) 15 21 42 ID ??? トゥルーエンドって、話の大まかな筋を決めるエンドだとおもってた。 細かい伏線、たとえば写真あたりは、春樹、隆エンドで回収しても問題ないと思う。 518 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/09/10(月) 02 09 23 ID ??? そだね。武についての詳細は隆EDとかでも良いだろうし、 母のペンダントもただ単に遺品(とも限らないか)とかでも良いと思うし。 何から何まで意味付けしなくてもいんじゃね? しかし。そろそろ親玉出さないと話がおっつかないよね? 男でも女でも年寄りでも若者でも可でしょ?裏切りくんとかもあり?? やはり美形かな・・・ww 519 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/09/27(木) 11 10 23 ID ??? 時々wiki編集してるんだけど、人気投票ってもうリンク切れてるからけしちゃってもいい? 520 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/09/28(金) 14 28 46 ID ??? 519 wiki編集いつも乙です 消してもいいんじゃないかな 521 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/09/29(土) 02 03 04 ID ??? 周防が……周防が二人おるw いや片方は御門のことを言いたかったんだろうが。 522 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/10/01(月) 08 39 46 ID ??? ああああorz 本当だ、スマソ。 wikiにのせるとき修正おねがいします 523 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/10/01(月) 09 54 33 ID ??? 522 とりあえず、周防と冬馬が違うとはっきり分かる所は直したよ。 あと、wikiのツールにも投票あるみたいだけど、そのツールつかって投票所作る? コメントは入れられないみたいだけど。 524 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/10/01(月) 22 40 36 ID ??? 523 投票所つくるなら、前の投票結果はどうなるんだろうか? ある方が人気わかって面白かったし、私は欲しい 525 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/10/02(火) 09 56 24 ID ??? どうしようかね? 次回攻略対象は投票により御門に決定してるってことを書いて、 今回は純粋な人気投票にする? 526 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/10/02(火) 16 09 38 ID ??? 525 それでいいと思う 美波も入ったし前回とは結果が違うかもw 現行スレがあと50KBだし、スレが終わったタイミングで始めるとかは? 527 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/10/03(水) 10 14 15 ID ??? それじゃあ、次スレに以降するときに第2回人気投票ってことで作ってみるね。 528 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/10/03(水) 22 46 19 ID ??? 527 いつもありがとう! 投票誰に入れようかなー 529 名前:名無しって呼んでいいか?[age] 投稿日:2007/10/14(日) 11 49 36 ID ??? ほしゅ 530 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/11/18(日) 17 57 19 ID ??? とりあえず、向こうが450KB過ぎたから、次スレのテンプレまとめたほうがいいよね? 以下テンプレ案 ・リレー形式で話を作れ ・話の最後には選択肢をつけること ・選択肢は1つのみ選ぶこと(複数選択不可) ・次に進める人は選択肢を選んだ後それにあった話を作り、1000レス目でED ・途中にキャラ追加、話まとめなどO.K. ・話を続けるときは名前欄に通し番号を入れること ・今回はトゥルーEDを目指すこと。主要人物の死亡(モブはOK)、誰かとくっつけるのは無し ・450KBを超えたら気づいた人が注意を促すこと ・新規で書き込みする方はwikiを一読すること ▼前スレ 選択肢を選んで1000レス目でED 2 ttp //game14.2ch.net/test/read.cgi/ggirl/1179654105/ ▼過去スレ 選択肢を選んで1000スレ目でエンディング ttp //game14.2ch.net/test/read.cgi/ggirl/1140272497/ ▼まとめwiki ttp //www22.atwiki.jp/1000ed/ 531 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/11/18(日) 17 59 11 ID ??? テンプレ案続き 登場キャラクタ- 大堂愛菜:高校二年の主人公 。予知夢を見る(但し起きると内容は忘れている) 本人に自覚はないが、とても力が強いらしい。3月生まれ。 大堂春樹:愛菜の義理の弟(高1)。好きな人がいるらしい。 愛菜よりしっかりものなので兄にみられがち。旧姓は高村春樹 湯野宮隆:愛菜の幼馴染。ファントム(ミスト)を操る能力がある(事故後能力発祥)。 モノに宿る八百万の神に働きかける能力もある(先天的能力)。愛菜と同じクラス。 武 :隆の裏人格(クローン)。ファントム(ミスト)を隆とは別に操ることができる。 存在を組織に知られていないが、組織の命令には逆らえないらしい。 宗像一郎:放送委員の委員長。水野を利用している。「見える力」がある。 宗像修二:一郎の双子の弟でテニス部エース。一郎と同じく「見える力」をもっている。 他人を見下しているところがあり不誠実とおもわれているが、愛菜にはなぜか協力的。№711 近藤先生:厳格だが生徒思いの男性教師。春樹の担任。美波とは同級生。 水野先生:隆とキスしていた音楽教師。組織の一員、主流派。 長谷川香織:愛菜の親友。愛菜と同じクラス。 御門冬馬:感情表現に乏しい。言葉遣いは丁寧。愛菜を守る契約をする。 3年2組に在籍。№673 高村周防:高村研究所の反主流に属する。明るいお兄さん的存在の24歳。 能力は高い。変わった能力らしい(修二談)。 チハル :愛奈が隆からもらった熊のぬいぐるみ。隆の力で動くようになる。 力が強くなり、いろいろなものに変身できる。人の強い負の感情に弱い? 大堂志穂:愛菜の実の母。冬馬の名付け親。現在行方不明。 組織に所属していた。 湯野宮美由紀:隆の姉。大学の寮に入っている。 桐原 :春樹のクラスメイトで許婚?彼氏がいる。 お菓子作りが得意でプロ級。 大宮美波:地下通路でであった反主流派の人。能力者で力は強いらしい(修二談)。 周防と同じくらいの年齢、声を聞かなければ女性と間違えそうな容姿。 能力の一つに高い治癒能力がある。 大宮 綾 :美波の妹。コードNo543。16歳で他界。 (こよみ) 弱い治癒能力を持っていた。 熊谷裕也:春樹の精神世界で会った無骨で気さくそうな男だが、組織の一員で主流派。 愛菜を器と呼ぶ。№535 眼鏡の男:春樹の精神世界で会うが、何もかもが謎。 あらずじとかもやっぱりあったほうがいいかな? それともWiki参照ですませてしまう? 532 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/11/18(日) 20 22 28 ID ??? 530 乙です あらすじはwiki参照でいいんじゃないかな? テンプレだけど、修二の性格が当初とかなり違うんだね 今はどっちっていうとワンコキャラw 533 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/11/18(日) 23 28 23 ID ??? 愛菜と一郎以外の人との会話がほとんどないからねぇ。 今まで積極的に話をしてるのも、能力者ばっかりで一般人はほぼいないし。 修二ルートでそこら辺がうまく出せると良いね。 いつになるかわからないけどw 534 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/11/19(月) 01 03 54 ID ??? 現状での、伏線や謎ってどれくらいあるのか思いつく限りあげてみた(wikiと被ってるところあり) 足りない、もしくは間違っていたら補完ヨロ 愛菜 ・先天的な能力が未だ不明(予知夢?強く思ったことが現実になる?) ・なぜ狙われているのか不明(狙われ始めたのは中二から?) ・一郎との何かを忘れている? ・御門と前世で何かあった? ・封印、器、サンストーンのなぞ ・過去、母親に指示したのは主人公自身? 春樹 ・夢見が悪いのはなぜか。またどんな夢か ・本当は力があるかも? ・実の父親との決着をどうつけるのか ・許婚との関係が未解決 隆 ・敵になる可能性がある ・武はすべて知ってそうだったけど、なぜ? ・周防は隆も武も知っている(手術したのは反主流ってこと?) ・死にかけていたのを助けられた目的は? 一郎 ・割れた鏡って何?(見える力と関係あるみたい) ・主人公の封印とどう関わっているのか ・目的は(修二と一緒で自由になりたいから?) ・主人公との何を憶えているのか(一郎のみが憶えている?) 修二 ・一郎の情報をどこまで知っているのか ・このまま反主流になれば一郎と決別? ・主人公との何かを憶えているのは一郎だけ?(修二は覚えてなさそう・・・) ・周防に何を耳打されたのか 御門 ・主人公の母親の行方を知ってるのか? ・前世? ・先天的な能力が未だ不明 ・私生活そのものが謎 周防 ・研究所の目的を知っているのか? ・先天的能力は心を読む力? ・反主流の目的は(研究所を潰す事?) チハル ・鏡の謎をしっている? 美波 ・先天的な能力が未だ不明(治癒以外にもあるらしい) 主流派の人々 ・すべて謎 535 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/11/19(月) 10 35 42 ID ??? 534 まとめ乙です。 分かりやすくていいね。 このまま614レス現在ってwikiに掲載しなおしてもよさそう。 536 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/11/20(火) 13 57 39 ID ??? 616改を書いてくれた方ありがとう! 無理なく繋がってて驚いたよ
https://w.atwiki.jp/83452/pages/18087.html
戻る 小ネタ・コメディ系 笑った。下手すりゃマジキチになりかねない描写があるが、そんなに気にならない。 -- (名無しさん) 2012-06-22 22 28 32 まさに泉のせいでこんなことに……w -- (名無しさん) 2012-06-22 23 02 52 デレにゃんとカッコ唯、ツンにゃんとカワ唯は純ちゃんと幸せに暮らしましたとさ …続きはよ -- (名無しさん) 2012-06-23 01 49 23 続きが楽しみ! -- (名無しさん) 2012-06-23 21 04 14
https://w.atwiki.jp/1000ed/pages/118.html
251 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/02(金) 19 00 36 ID ??? 3、隣の家の人 「回覧板です」 私は隣の家の人から回覧板を受け取る。 「ありがとうございました」 (なんだ……ただの回覧板か) 玄関の扉を閉めると、私は二人の居るリビングに戻る。 「じゃあ、隆さんは中学二年の頃から影が見えたって事ですか?」 「そうなんだ。見えないヤツに言っても仕方がないし、ずっと黙っていた」 「……そうですか」 隆と春樹は先に話を始めていた。 隆が一通り説明しても、春樹はまだ疑っているみたいだ。 「じゃあ、水野先生と音楽室に居た事についてはどう説明してくれますか?」 「それは、いつ会っていた時の話なんだ?」 「姉さんがその……隆さんに別れるって言った時ですけど」 「春樹にまで知られちゃってんのかぁ~。かっこ悪い……」 「ごめん、私が言ったの」 私は肩をすくめて言った。 「実のところ、その時の記憶が無いんだ。気がついたら、愛菜が泣きながら去るところだった。やっぱり……俺が泣かせたんだよな」 「記憶にないって!? 開き直るつもりかよ!」 春樹は隆の胸ぐらに掴みかかる。 「酷いよ。言い訳してくれる方がまだマシじゃない」 「今なら、二人とも信じてくれるから言うんだけど。実は俺、ミストを操るようになってからたまに記憶が無くなるんだ」 何よ……。せっかく隆を信じようって思っていたのに ①隆に帰ってもらう ②詳しく尋ねる ③様子をみる 252 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/02(金) 19 31 27 ID ??? ②詳しく尋ねる 「…どういうこと?」 私の胸の中にもやもやと不安が広がる。 「なんていえばいいかな…唐突に意識が鮮明になったとおもったら、急に意識だけ別のところへ飛ばされるような感じになる」 そのときの様子を思い出すように、視線をさまよわせながら隆が言う。 「その間、体のほうで起こってることは記憶にないんだ。意識と体が別になってるかんじがする」 うまく説明できないようで、もどかしげに隆がため息をつく。 けれど私と春樹には思い当たることがあった。 「春樹、もしかして……」 「物理的な消滅……」 「何だそれ?」 一郎君と修二君が教えてくれた、消えてしまう、という現状が起こるところだったのではないか…? 私は慌てて隆に、昨日一郎君たちから聞いた話しをする。うまく説明できなくて時々春樹が補足してくれる。 「だから、隆、あんまり無茶しないで!」 「………そうなのか」 隆は少なからずショックを受けたようだった。 これ以上隆に負担をかけるわけにはいかない… 1「私のことはもう守らなくてもいい」 2「私がそばに居ればいい」 3なにも言わない 253 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/03(土) 01 34 20 ID ??? 1「私のことはもう守らなくてもいい」 私は隆の手を取る。 「もう、十分だから」 「愛菜……」 「影を操る力は絶対に使わないって約束して」 私が掴んだ手を隆はそっと離す。 「なぜ手を離すの! 消えちゃうかもしれないんだよ」 「…………」 隆は何も言ってくれない。 「あのさ……姉さん、隆さん」 考え込んでいた春樹が突然話しかけてきた。 「隆さんが記憶を失っていた時……、隆さんは普通に会話していたんだよね?」 「うん。水野先生に促されるように言い逃れをしていたけど……」 「隆さん。意識が体に戻ったのが、姉さんが去る時ですよね?」 「ああ。宗像兄に連れられて愛菜が音楽室から出て行くところだった」 「意識がない隆さんが会話が出来るのはおかしいんだ」 春樹は一呼吸置くと、続けて話し出す。 「あくまで俺の憶測だけど……消滅の影響で不安定になった隆さんを何者かが乗っ取ったんじゃないのかな」 私は…… ①自分なりに考える ②隆を見る ③春樹を見る 254 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/03(土) 08 36 20 ID ??? ①自分なりに考える ちょっと待って。 キスの時の記憶がなかったって言ったわね。 それじゃあ一回目、私が初めて見たときはどうなるんだろう。 隆、一回目のこと知ってた。 後から記憶がフラッシュバックするのかしら。 今のことは忘れているみたいだし……。 一回目のことは水に流すとか言ってるから 安易に口に出せないのよね。 なんか色々ありすぎて頭いたい。 1・いっそ隆にそのことについて聞いてみる 2・春樹に相談してみる 3・御門君なら答えをくれそうな気がする。 255 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/03(土) 09 30 52 ID ??? 1・いっそ隆にそのことについて聞いてみる 「…ねぇ隆、一回目は?初めのときは記憶があったのよね?」 「ああ」 隆はバツが悪そうに頷く。 「力のこと隠さなくて良いから言えるけど、ミストを強化しようとしてたんだ」 「?」 疑問の表情を浮かべる私と春樹に、隆が説明をする。 「ミストは人に取り付いて人の生気をすって強くなるってのは知ってるよな?」 頷く私と春樹を確認して続ける。 「でも、それだと複雑な命令は出来ないんだ。作った主である俺から離れるから」 ちょっと間を空けてこちらを見る。 「ミストは作った本体、俺のことだけど、俺といるとかなり複雑な命令も受け付ける。俺の意思をそのまま実行するから」 ここまではいいか?と隆が確認する。私と春樹が頷く。 「でも、ミスト自体は本体である俺から生気を奪うことはない。強くするには他の奴の生気が必要なんだ」 「じゃぁ、あのとき水野先生の生気を…?」 「まあ、そうだな……別にキスする必要はなかったんだが、やけに先生が積極的で…」 言いにくそうに隆が目をそらす。 それは当然だろう。水野先生は一郎君に頼まれていたんだから…。 「あ、もちろん生気をもらうって言っても命に別条がない程度で…」 無言の私にあわてたように、隆が付け加える。 私は… ①「それでキスしちゃったんだ、サイテー」 ②「仕方ないよね…水野先生にも目的があったんだし」 ③無言で隆を見つめる。 256 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/03(土) 10 04 19 ID ??? ①「それでキスしちゃったんだ、サイテー」 ボソッと呟く。 事情があったとはいえ、今までの真剣な隆がなんだか一気に台無しになってしまった気がする。 ……ついでに言うと私の感謝の気持ちとか無駄に悩んだ時間とかも。 (流されやすいにもほどがあるよ、隆……) 私は白けた気持ちのまま、隆を見る。 「まあ……確かにキスしなくてはならないと言うならともかく、 別にそうじゃないのにキスしてしまうって言うのは……ちょっと」 春樹も呆れたように隆を見ている。 「いや、その、それは」 言い訳するつもりだったのか、隆は口を開いたけど……うまく言葉にはならなかったみたい。 「…………ごめん…………」 やがて、私に向かって大きく頭を下げた。 1、「私に謝られても困るよ」 2、「謝ってすむ問題じゃないよ」 3、「隆は誰でもいいわけ?」 257 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/03(土) 10 25 10 ID ??? 1、「私に謝られても困るよ」 私の言葉に、隆が情けない顔をする。 私はため息をついてふと手に持ったままの回覧板に目をおとした。 (あれ?) いつもの町内会誌の隙間から何かがのぞいている。 (封筒?) それを引き抜く。 『大堂 愛菜 さま』 表には私の名前が印刷されている。 「…な、に?」 「どうしたの姉さん?」 「どうした?」 春樹と隆が私の持つ封筒に移る。 なんで回覧板に手紙なんて挟まっているのか? ひっくり返してみると、差出人の名前。 それは… ①水野先生 ②周防さん ③隆 258 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/03(土) 11 58 33 ID ??? ③隆 隆の名前だった。 宛名と同じく…手書きではない、印刷されたもの。 何の手紙なんだろう? 普通に考えるなら、最近の事……それについての謝罪の手紙? でも、それにしてはなんというか……固い感じがするし、 なにより回覧板に挿む意味が分からない。 回覧板に入れてしまえば、近所の目に付くのは当然のこと。 どこでどうなってしまうかもわからない。それが分からない隆じゃないはず。 近所の人たちがそうするとは思えないけど……。 家にはポストだってある。 お互いのメールアドレスだって知っている。 ……私に伝えるなら、他にもいろいろな方法や手段はあるはず。 (まあ、他の方法で伝わったかはちょっと分からないけどね) 何せ、大きく誤解していたわけだし。 ……一部誤解でないところもあったけど。 それとも、特に重要なことではないのだろうか? もしくは個人的なことではない……それこそご近所に関わるようなこととか? あるいは、意識が無いときの隆が関係している? 「姉さん?誰からの手紙だったの?」 春樹の問い。 隆もじっと私の答えを待っているようだ。 私は…… ①隆に覚えがあるか聞いてみる ②中を確認してみる ③手紙がいつからあったのか近所に確認する 259 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/03(土) 12 38 08 ID ??? ①隆に覚えがあるか聞いてみる 「この封筒、差出人が隆になっているよ?」 隆は私の持っている封筒を掴む。 「俺、こんなの書いた記憶が無いんだけどな……」 私は息を呑んで封筒から手紙を取り出す。 『はじめまして。僕は隆の中に潜む武といいます。 さきほど隆と愛菜さんが影についての話をしていたので、僕の存在も信じてもらえるかもしれないと思い筆を執りました』 冒頭から、妙に意味深だ。 私は手紙を声に出して読み進める。 『僕は隆の細胞を培養して作られたクローンでした。 組織は能力者の力を集めています。 ですから、施設では今でも僕のような多くの能力者の複製を作り続けているのです。 三年前、交通事故で隆が意識不明の重態になった際、損傷部分はコピーである僕の体が使われました。 それ以降、僕の意識は隆の中で目覚め、分割されていた能力は一つになりました。 影を操る力の覚醒は僕を取り込んだことによる副作用によるものです。 隆の意識がまれに剥離した場合、僕が出てきます。今のところ、僕の存在に組織は気付いていないようです。 ですが、僕は組織の人間に従うようにマインドコントロールを施されています。 僕の存在に組織が気付けば、いつどこで、あなたを傷付けてしまうかわからないのです』 『愛菜さん、あなたはすでに組織に狙われています。組織はその特殊な力の覚醒を待っています。 組織の狙いはあなたの』 あれ……中途半端のところで終わってる……。 隆の中に武君って別人格がいるっていうこと?私の特殊な力の覚醒? 私は ①隆に意見を聞く ②春樹に意見を聞く ③自分で考える 260 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/03(土) 13 52 09 ID ??? ①隆に意見を聞く 「ねえ、私と隆が影の話をしてからそんなに時間経ってないわよね?」 「そうだな、電話を切ってここにくるまで20分もたってなかった」 「その間に、この、武くん?は手紙を書いたの…?」 「そうなるんだろうな……でも………俺はその間の記憶ははっきりある」 いつの間に…?という疑問がわく。 「もしかして、隆さんとは別に、この武という人格もミストを作れるんじゃないですか?」 春樹が言う。 「その武が予め操れるようにしておいた人間を使ったとは考えられないですか?」 「じゃ、もしかして隣の人がミストに…?」 「俺ちょっといって調べてくる」 隆が立ち上がって、リビングを出て行く。 「…隆さんも後天的ではなく先天的に能力があって、それを組織に利用されていたということか…」 春樹がポツリとつぶやく。 「え?」 「この手紙が嘘じゃないなら、組織はなぜか覚醒前の隆さんの力を知っていたことになる」 私はその言葉を頭の中で反芻する。 「隆さんの力がこの事故で移植したことによる副作用なら、本来はもっと別の力を見込まれてクローンが作られたはず…」 1.「予知の力を持ってる人が組織にいる?」 2.「一郎君や修二君みたいに力のある人を見つけることが出来る人がいる?」 3.「私の力はまだ覚醒していない…?」 261 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/03(土) 16 15 47 ID ??? 2.「一郎君や修二君みたいに力のある人を見つけることが出来る人がいる?」 「そうなるだろうね。赤ん坊に力が備わっているのがわかるんだから……」 春樹は手紙を見つめながら呟いた。 「水野先生は一郎君や修二君の力を利用したいのよね? それって、組織の中に見る能力がある人がいないからじゃないの?」 「もしかしたら、能力者かどうかを判別できる方法を組織は手に入れているのかもしれない」 「どういうこと?」 「組織は高度のクローン技術があるみたいだし、能力者を判別できる技術があってもおかしくは無いよ」 そう言って、春樹は手を組んだ。 「じゃあ、水野先生が一郎君と修二君に近づく理由は何? それにあの双子は「見える力」の能力なんじゃないの?」 「一郎先輩と修二先輩が持っている「見える力」が高度なのかもしれない。たとえば、組織にはどういう能力を持っているかまでは判別できないとか……」 「そっか。修二君は隆がファントムを操る能力があるって知っていたものね」 「どちらにしろ、一郎先輩たちに聞いてみないことにはわからないよ」 私は 1.隆が帰ってくるのを待つ 2.一郎君か修二君に電話する 3.もう少し春樹と話を続ける 262 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/03(土) 16 52 59 ID ??? 3.もう少し春樹と話を続ける あ、でも… 「でも、まって…一郎君と修二君にも私の力は分からないみたいだったよ?」 確かにあの二人は見える力を持っているといっていた。 でも、いつも私の中の力を探ろうとしているようだった。 なんとなく春樹の言葉に頷いてしまったが、隆の場合は… 「隆がファントムを操れるって分かってたのは、隆の周りにいつも影があるからじゃないかな?」 私は春樹に、ファントムに取り付かれたら見ただけでは分からないことを伝える。 取り付かれるわけでもなく、影をまとっているのはそれを作り出せる人だけ。 「なるほど…、それじゃあ別の目的で近づいてるってことになるのか…」 春樹はまた何かを考え出した。そして小さくつぶやく。 「……カギ」 「え?なに?」 「修二先輩は、自分たちが水野先生が探しているものへのカギだって言った」 私は修二君の言葉を思い出す 『ん~、情報そのものじゃないんだけどね。たぶん情報へとつながる…カギ、かな?』 たしかそう言っていた。 「もしかしたら、本当にカギなのかもしれない。あの時は僕も姉さんも力のことは良くわかってなかった。だから先輩は真実を言わなかった。あのときの言葉「情報」を「力」に置き換えれば…」 「力へとつながるカギ?」 「そうだよ、組織が姉さんの力を狙ってるのは間違いない。でも、姉さん自身に力を持っている自覚がない」 私は春樹の言葉に頷く。 「可能性は二つ。まだ力に覚醒していない。もうひとつは、力を封印されているか」 春樹の言葉に聞きたいことが増えていく。 ①「力を封印?」 ②「二人は私を監視してるってこと?」 ③「私の力が分からないのに、カギになってるの?」 263 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/03(土) 19 47 55 ID ??? ②「二人は私を監視してるってこと?」 いつ覚醒してもいいように……そして、覚醒した能力が何であるかを確かめるために? そういえば、昨日ファントムが現れたときも、 『うーん、こっそり見張ってて正解?ってね♪』 修二君はそう言っていた。 それが心配からなのか、監視からなのか……私には判別がつかない。 「その可能性がないわけじゃないよ。 あの二人は、まだ姉さんに全部明かしてるわけじゃないし…… そこに何かがないとはいえないからね」 春樹が重々しく呟く。 そうだ。 あの二人にはそれぞれの目的があるはず。 そして、それを私たちはまだ知らない。 (でも、今の段階じゃ、どうにもならない……どうすることもできない) 今の私が問いかけたところで、二人が答えてくれる可能性は低い。 せめて、もう少し何か変化があれば……少なくとも変に疑ったりとか悩んだりとかもなくなるんだろうけど。 (それにしても……) ①隆、遅いな……大丈夫かな? ②春樹はよくこんなにいろいろと思いつくよね ③今一番謎なのってもしかして御門くん? 264 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/03(土) 21 53 04 ID ??? ③今一番謎なのってもしかして御門くん? 最近の出来事にかかわってる人の中で一番なぞの多い人。それは御門くんだ。 御門くんの行動を思い出す限りでは、敵とは思えない。 水野先生の組織にかかわっている可能性も0に近い。 (なぜか私を守るっていってくれる…) 自然と視線が痣へと向かう。 私が御門くんを拒否しない限り不完全ではあるけれど契約上の主の私。 (私の力はなに?) 御門くんに会いにいけば、すべてがわかる。 組織がなぜ私を狙うのかも、私の力も、そして御門くんが何者なのかも。 「……もどった」 いろいろ考えているうちに、隆が戻ってきた。 顔には疲労の色。 「どうしたの!?」 「隣の人、春樹が言ったとおりミストが取り付いてて…ちょっと処理してきた」 そういって、疲れ果てたというかんじで、ソファに座る。 1、「それじゃあ、この手紙は本当のことなんだ」 2、「隆、無理しないでっていったでしょ!?」 3.、「私に何が起こってるのか、聞いてくる」(御門くんに会いに行く) 265 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/03(土) 23 29 02 ID ??? 1、「それじゃあ、この手紙は本当のことなんだ」 「隆さんの中に武という別人格がいるのは間違いないってことだね」 春樹は隆を見て目を伏せた。 戻ってきてから、隆の顔色が悪いようにも見える。 疲労のせいか、ぐったりとうなだれていた。 「疲れたから……横になっていいか?」 「ちょっと待ってて。客間にお布団を敷いてくるから」 「いい……。このソファーで少しだけ寝させてくれ」 「うん」 隆は横になると、目を瞑った。 「隆さんのために、何か飲み物でも作ってくるよ」 春樹はそう言って、キッチンに向かう。 「なぁ、愛菜」 隆は目を閉じたまま話しかけてくる。 「何?」 「やっぱり……俺たちの関係は…もう終わってるんだよな?」 ①「うん、ごめんね」 ②「少し考えさせて」 ③「終わってないよ」 266 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/04(日) 08 04 43 ID ??? ①「うん、ごめんね」 本当は終わっていないといいたかった。 今までのことは誤解だとわかったから。 でも、それじゃあ隆は私のために力を使い続ける。 そうして無理をしていたら消えてしまうかもしれない。 今もこんなに苦しそうで、不安定さを感じる。 「それじゃあ…」 苦しそうに息をつく。 「今、お前の一番近くに居るのは誰なんだ?」 「え?」 「この先お前を守るのは誰なんだ?」 (私を守るひと?) ふっと顔が思い浮かぶ。 ①春樹 ②一郎くんと修二くん ③御門くん 267 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/04(日) 10 54 32 ID ??? ①春樹 ②一郎くんと修二くん ③御門くん 私を支えてくれるみんなの顔が思い浮かぶ。 まだ、だれと一緒にいたいかなんて決められない。 「わからないよ……」 「そうか」 そう言って、隆は腕で顔を覆う。 「今まで、ありがとう」 「いいって……。俺が好きでやってたんだから……」 「隆にはいっぱい迷惑かけちゃったね」 「それはお互いだろ……。……気にすんな…」 「ねえ、隆」 「……ん…?」 「少しの間だったけど、楽しかったよ」 「…………」 「隆?」 規則正しい寝息が聞こえる。 (寝ちゃった……。すごく疲れてたんだね) ①隆の寝顔を見る ②これからの事を考える ③もう一度手紙を見る すべての選択肢を選ぶのが無しでしたら華麗にスルーで次の人ヨロ。 268 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/04(日) 13 23 36 ID ??? ゲーム板だから、やっぱりどれか一つを選ばないと駄目なんじゃなかろうか? ゲームだと全部選ぶってできないし。 一応、選択肢選ぶバージョンで投下。 次の人に 267か、コレかどっちを選ぶかまかせるよ。 ①春樹 今一番私のそばに居て守ってくれているのは、多分春樹だ。 隆や一郎君たちとは違って特別な力はない。 けれど私は守られている。精神的に。 普通じゃない出来事に何とか耐えられるのは、普通の春樹がそばに居て私を普通でいさせてくれるから。 「……春樹、かな?」 「そうか」 隆は目を閉じたまま微笑んだ。 そのまま、呼吸が深くなる。眠ったみたいだ。 それから少しして、春樹が飲み物を持って戻ってきた。 「あれ?隆さん寝ちゃった?」 3人分のココアをテーブルに置きながら春樹が隆を見る。 「そうみたい」 私は感謝をこめて春樹に笑いかける。 「……どうしたの?」 「ううん、なにも」 不思議そうな春樹に小さく首を振る。 「気をつけろ」 「?!」 眠っていると思った隆が口を開く。 「……隆さん?いや『武』さん?」 「そう。隆が眠ったから俺が出てきた」 うっすらと目を開いて武が起き上がる。 いくら隆の中にある意識だって、勝手に体をつかっていたら隆の体は休めないのではないか? けれど、武なら組織のことを色々教えてくれるかもしれない… 1、「何に気をつけるの?」 2、「隆に無理をさせないで」 3、「あなたなら、組織の目的を知っている?」 269 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/05(月) 09 31 02 ID ??? やっぱり選ぶのはひとつじゃないかな? と、思う。 2、「隆に無理をさせないで」 聞きたいことは山ほどあった。 けれど武が出てきても隆の顔色は悪いまま。 ふっとこのまま隆が消えてしまいそうな不安が心をよぎる。 「少しなら大丈夫。愛菜にお礼とお詫びを言いたくて」 「え?お礼?お詫び?」 「そうです。事故で入院していたときのことです」 武は頷いてちょっと微笑む。 「あの時、無意識にあなたが力を使ってくれたから隆も僕も生きている」 「え?」 「あなたは隆が元気になるように、ずっと祈っていてくれた。 そして、無意識に力を発動させて……組織に愛菜の存在が知られてしまった」 「…私が力を使った?」 確かに隆が事故にあったとき、私はずっと祈っていた。 隆が無事でありますように、元気になりますようにって。 でも、力を使った覚えは……ない。 「ずっと呼びかけていてくれた。夢うつつでずっとその声を聞いていた」 「夢?」 やっぱり私の力は、夢に関係するものなの? ①力が夢に関することなのか聞く。 ②呼びかけがどうして助けたことになるのか聞く。 ③お礼は良いから隆を休ませてと頼む。 270 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/05(月) 18 54 24 ID ??? 了解。選択肢は一つだけにするよ ①力が夢に関することなのか聞く。 「やっぱり、私の力は予知夢なの?」 私は武に尋ねる。 「夢……ですか。それは、少し違うかもしれない」 「え?」 (私の力は予知夢なんじゃないの?) 「きっと、予知夢だと思い込んでしまったから……。もしも夢を見るなら、なるべくいい夢のほうが良い」 そう言って、武はやさしく微笑む。 「ねぇ、武くん。それはどういう事?」 「夢は時に深層の願望を表す……。きっと、そのせいかもしれない」 (願望って、私の?) 「あなたの祈りは尊きものです」 「隆! じゃなくて…武くん、もう少しだけ詳しく教えて!」 「あ……。もう、隆がもう限界の…ようです……」 武くんはそう言うと瞼をゆっくり閉じていく。 そして、再び呼吸が深くなった。 私は…… ①春樹に話しかける ②自分の力について考える ③武について考える 271 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/05(月) 19 15 13 ID ??? ②自分の力について考える 夢は願望を表す…確かにそういうこともあるとおもう。 でも、私は隆と水野先生にキスをしてほしいなんて願望はなかった。 (むしろ逆だったはず…) 不安がそのまま夢の形になったというのならわかるけれど…。 (あ、でもそういえば…御門君に夢で会いたいって思ったら、あえたよね…) あれは確かに願望だった。 (結局夢なんじゃ…?) 願望はすべて夢につながっている。 けれど、武くんは少し違うという。 (少し違うってことは、全然違うわけでもないのよね?) 色々考えるが、頭の中がごちゃごちゃになる。 ①今はもう考えるのをやめる ②考え続ける ③春樹に話しを振る 272 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/05(月) 22 37 53 ID ??? ②考え続ける (武くんが言っていたことをもう少し考えてみよう) 『予知夢だと思い込んでしまったから……。もしも夢を見るなら、なるべくいい夢のほうが良い』 そう武くんは言っていた。 予知夢だと思い込むって、やっぱり私の力は予知夢じゃないって事なのだろうか。 でも、夢をみるならいい夢のほうがいいって武くんは言った。 それって、やっぱり夢と関わりがあるって考えたほうがいいのかもしれない。 (思い込み……ってところが気になるのよね) 私が『予知夢かもしれない』って思い込むと夢が現実になるってこと? もし私が思い込まなかったら、それは現実として起こらなかった……? 隆と水野先生のことは起きて欲しくないと思っていた事が、現実に起こってしまった。 御門君には会いたいと思ったら会えた。 これはすべて夢で見た事だ。 そして、最後に『あなたの祈りは尊い』っていっていた。 祈りって……強く思い、願うこと。 私は隆が助かって欲しいとz強く願い続けた……、そして、それは叶ったんだ。 (私の祈りと夢の関係がもう少し分かればいいんだけどな) 1.考えるのをやめる 2.もう少し考える 3.春樹に話を振る 273 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/05(月) 23 02 56 ID ??? 2.もう少し考える (あぁ、でも、まって…) 私は予知夢をみても覚えていない。 こんなのが力なのかと、ずっと不思議におもってた。 覚えていなければ、予知夢として全然つかえないって…。 もし、予知夢だと思っていたのが、普通の夢で… 私の不安とかが現れたただの夢だとして… (それが現実になったって…?) 予知夢じゃなくて、私がそれを強く思ったから? いいこと、悪いこと関係なく強く思ったからそれが現実になった…? (まさか、ね) 「……まさか、ね」 私の心の声に重なるように、春樹のつぶやき。 おどろいて、春樹を見る。 (もしかして、同じことを考えていた?) ①「春樹は武くんのいったことどう思う?」春樹の話を聞く。 ②「私、考えてみたんだけど…」春樹に私の予想を話してみる。 ③「隆風邪ひいちゃうかな?」考えるのをやめて隆に毛布をもってくる。 274 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/06(火) 13 34 49 ID ??? ②「私、考えてみたんだけど…」春樹に私の予想を話してみる。 おそるおそる私は考え付いたことを口にする。 「まさか、とは思うんだけど…私が強く思ったことが現実になる…とか?」 「…………」 春樹は困ったように私を見る。 「そんなことないよねっ!?もしそんな力なら…」 もしそんな力なら…組織に狙われてもぜんぜん不思議じゃない。 ふと、脳裏に浮かんだ言葉に思わず身震いする。 「……ねえさん落ち着いて。まだ何もかも推測の域をでないんだから」 言いながら少しさめてしまったココアを私に手渡してくれる。 「それに、もしそうだとしても、全部が全部かなってるわけじゃないだろ?」 そういわれて、よく考えてみる。 確かに、思っただけでそれが現実になるなら、私の本当のお母さんは今私のそばにいるだろう。 テストなんかも軒並み100点とかとれているはず… 1、力を使いこなせてないのかな? 2、でも、そんな怖い力なら要らないよ…。 3、もう、考えても仕方ない、御門君に会いに行こう 275 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/06(火) 23 56 36 ID ??? 1、力を使いこなせてないのかな? 「私の力がまだ不十分ってこと……?」 「わからない。だけどこれは憶測に過ぎないんだから、姉さんは気にしちゃだめだ」 「うん……」 私の思ったことが現実になるのなら、こんな恐ろしい事はない。 相手に腹を立てたり恨んだりすることだって当然ある。 もしも、私が強く憎んだり恨んだりすることで、その相手を不幸にさせてしまったら……。 「……姉さん、大丈夫?」 春樹が心配そうに覗き込む。 「へ、平気だよ。それより、隆に毛布持ってくるね」 私は毛布を持ってきて、寝ている隆にそっと掛けた。 「まさか……隆に影を操る力があるなんて思いもしなかったよ」 私は春樹に声を掛けた。 「それだけじやなく、別人格まであるんだから……もう、驚くしかないよな」 春樹はそう言って、苦笑する。 隆は穏やかな顔をして眠っている。 そんな寝顔をみていると、まるで何も知らなかった頃に戻ってしまったようだ。 だけど、私も春樹も隆も、普通の生活には戻れない。 (戻れるものなら……戻りたいよ) ①隆が起きるのを待つ ②御門君に会いに行く ③最初の頃に戻りたいと強く願ってみる 276 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/07(水) 09 15 41 ID ??? ①隆が起きるのを待つ 元の場所に座りなおし、隆の寝顔をぼんやりとながめる。 ふと、手紙の内容と春樹の言葉を思い出す。 「隆の本当の力ってなんなんだろうね?」 「…え?」 唐突につぶやい言葉に春樹が一瞬疑問の表情を浮かべ、それから首をかしげた。 「ああ…なんだろう?もしかしたら本人も気づいていないのかもしれない」 副作用で操れるようになった影。 武の言うとおりなら、本来の力は別にある。 「影が見えることに意識がいってしまって、本当の力にのほうには気づいてないんじゃないかな?」 春樹が隆を見ながら言う。 「本来の力が何なのかは分からないけど…力を使うのは危険なんだから知らないほうがいいことなんだよきっと」 「そうだね」 春樹の言うことはもっともだ。 チャーラーラーチャラーラーラー 「あ…」 唐突に携帯電話が鳴る。 あわてて取り上げて、ディスプレイを見ると… ①一郎くんの名前 ②修二くんの名前 ③香織ちゃんの名前 277 名前:名無しって呼んでいいか?[age] 投稿日:2007/03/07(水) 23 24 57 ID ??? 保守 278 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/07(水) 23 41 07 ID ??? 流れ切って失礼します。 最近の投下率は異常ww職人さんたち、いつも乙+GJ!! 279 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/08(木) 01 32 56 ID ??? ③香織ちゃんの名前 「もしもし、愛菜?」 通話ボタンを押すと聞きなれた香織ちゃんの声が耳に飛び込んできた。 知らぬ間に身構えていたのか、肩の力がぬけていくのを感じる。 「香織ちゃん! どうしたの、休みの日に電話なんて」 「どうしたの、はこっちのセリフ! 昨日学校休んだでしょ? そんなに怪我の具合悪いの? 大丈夫?」 電話の向こうで眉間に皺を寄せる香織ちゃんの顔が目に浮かぶようだ。 「…それでわざわざ電話くれたの?」 「悪い?」 「ううん。怪我は大したことないんだけど、大事をとってお休みしたの。 メールしとけばよかったね、心配かけてごめん」 反省して素直に謝ると、香織ちゃんは諦めたように笑った。 「まったくもう……。あ、そういえば。昨日愛菜の弟さんも早退したんだって? 脳震盪起こしたって聞いたけど、大丈夫なの?」 「うん。念のため検査もしてもらったけどなんともないって」 「そっか、良かった。でも弟さんもやるねー」 それまで神妙に話していた香織ちゃんの茶化すような声が気になって私は顔を上げた。 当の春樹は所在無さげに窓の外を眺めている。 「? 何の話?」 「聞いてないの? 女の子かばって怪我したってちょっとした噂になってるよ?」 そんな話は初耳だ。私は… 1、香織ちゃんに詳しく話を聞いてみる 2、なぜか動揺して言葉を失う 3、あとでさりげなく春樹に確認する 280 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/08(木) 06 46 24 ID ??? 2、なぜか動揺して言葉を失う (え?) 急に香織ちゃんの声が遠くなる。 (春樹が女の子をかばって…?) ちらりと春樹を見る。 春樹は何か考えているのか、少しうつむいて難しい顔をしている。 (そうだよね、春樹優しいもん) 困った人がいれば誰だって手を差し伸べるのが、春樹だ。 (私もいつも助けられてばかりで…) 急に苦しくなった胸に無意識に手を当てる。 「……だからね、って愛菜?聞いてる?」 「え?あ、ごめん、なに?」 「もぅ、どうしたの?本当は具合悪いのに無理してない?」 「だ、大丈夫だって」 「大丈夫そうな声じゃないわよっ!話しはまた後にするわ。今日と明日しっかり休んで元気になりなさいっ」 「う、ん、ごめん。ありがとう」 「じゃ、月曜日に。あ、具合悪かったらちゃんとやすむのよっ?じゃね」 なんとなく切れた電話を見つめる。 呼吸をするのが苦しい。 「姉さんどうしたの?長谷川先輩だったんだろ?なんかあったの?」 「え!?」 じっと動かない私を不信に思ったのか、春樹が顔をのぞきこんできた。 ①なんて言おうか考える。 ②春樹に昨日の話を聞く。 ③なんでもないとごまかす。 281 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/08(木) 11 58 54 ID ??? ③なんでもないとごまかす。 「あ、えーっと…」 ぼーっとしているところを、覗き込まれてあわてた。 (別に怪我のこと聞くのは悪いことじゃないよね…でも、いまさらって感じも…) 春樹は自分の失態を話したがらない。 「姉さん?」 「…なんでもないよ」 「そう?」 少し眉をしかめた春樹はテーブルに置きっぱなしのアルバムを手に取る。 パラパラとめくると懐かしい写真ばかりだ。 「あ、この写真」 「……!な、なんでこんなのまで残ってるんだよ…」 小学校の演劇のときの写真。学年ごとに違う演劇をした。 「……ちぇっ、あと2ヶ月早く生まれてれば、姉さんと同じ学年でこんなことしなくて良かったのに」 春樹のつぶやきにふと自分たちが実質3ヶ月しか年が離れていないことを思い出す。 「あーそっか、5月生まれだもんね…そういわれれば、私が3月だから私が1ヶ月…というか2週間くらい遅ければ同じ学年だったんだ」 それにしても、演劇のときの春樹… ①「かわいかったよね」 ②「かっこよかったよね」 ③「おかしかったよね」 282 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/09(金) 02 06 46 ID ??? ②「かっこよかったよね」 「…目が笑ってるよ、姉さん」 春樹が恨めしそうにこっちを睨む。 「そう?」 「そうだよ。まったく、なんでこんな写真がいっぱいあるかな…」 そう言いながら春樹はアルバムをめくった。 アップのものから全身を写した物まで、数ページにわたって舞台上の春樹を写した写真が並ぶ。 まるで舞台演劇のパンフレットだ。 「何も不思議な事はないでしょ、なんたって王子様役だしね」 「~~だーかーらー!」 春樹は顔を真っ赤にして勢いよくアルバムを閉じた。 「そんなに照れなくたって良いじゃない。似合ってたよ、白タイツ」 「姉さん!」 再び開こうとしたアルバムを春樹は素早く私の手からもぎ取った。 (そういえば当時も王子様って呼んで怒られたっけ) 不意に蘇る懐かしい光景。 春樹が王子を演じたのは… ①ラプンツェル ②いばら姫 ③白雪姫 283 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/09(金) 07 23 37 ID ??? ③白雪姫 学年ごとの演劇だったけれど、人数は結構いる。 演劇に出演する人と、舞台の外で舞台にあわせた歌や演奏する人に分かれていた。 王子様役の春樹は最後のほうにちょっとしか出番はなかったけれど…。 「うん、やっぱりかっこよかったよ」 春樹と家族になって半年くらいしかたっていない頃だったけれど、驚いた記憶がある。 「だーかーらー…」 「だって、本当にびっくりしたんだよ?春樹ってかっこよかったんだなーっておもったもん」 「………はいはい」 半分あきらめたようにため息をつく春樹。 そういえばあの後春樹はラブレターとか結構もらってた。 「そういえばあの後ラブレターとか結構もらってたっけ…」 思い出したことをそのまま口にして、ふとまた胸が苦しくなる。 「そんなの全部ことわったよ……。ねえさん、どうしたの?」 無意識に胸を押さえていた私に、春樹が心配そうに尋ねてきた。 1、「ちょっと苦しくなって…」 2、「…なんでもないよ」 3、「なんだろう?」 284 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/09(金) 23 24 53 ID ??? 1、「ちょっと苦しくなって…」 私は少し苦笑いしながら正直に言った。 すると、突然春樹の両手が私の肩に置かれる。 「……ど、う、し、てっ。そういうことを黙ってるんだよ、姉さんっ」 怒り半分呆れ半分といった感じで春樹が言った。 「えーと、さっき、急にだったし……その、ちょっとだけだったから。ね?」 「はぁーー……」 たどたどしく弁解する私に、春樹は大きくため息をついた。 そして、私から手を離す。 「もうここはいいから少し休んできなよ」 「え、だ、大丈夫だよ?」 そんな大げさな……と慌てる私の鼻先に、びしっと突きつけられる人差し指。 「ダメだよ!姉さんはそうやっていつも無茶するんだから」 「あの、でも、隆が……」 なおも残ろうとする私の後ろに回って、春樹が前へ前へと押してくる。 「俺が見てるから!姉さん、頼むから少しは自分の心配をしてくれよ!」 半ば追い出されるようして、私はリビングから出た。 「ちゃんと休んでること!いいね?」 春樹はそういい残して、リビングのドアを閉めた。 「あはは……はぁ」 残された私からは乾いた笑いと小さなため息。 (まあ、春樹も私を心配してくれてのことだもんね……) ちょっと複雑な気持ちもあったけど、私は素直に部屋に戻ることにした。 部屋に入ってすぐ、ベッドに倒れこむ。 (なんだか、疲れたし……今だけ。ご飯まで。ちょっと……休憩……) だんだんと意識が薄れていく。 (今だけ、何も考えずに。ゆっくり―――) そして、私の意識は途切れた。 (……?) ふと、誰かに見守られているような気がして、そっと目を開ける。 ぼんやりとした意識のままで目の前の人物を確認しようとするとそこには…… ①御門君がいた ②周防さんがいた ③お母さんがいた 285 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 01 02 33 ID ??? ②周防さんがいた 「よっ」 目の前の人物は軽く手を上げて挨拶してくる。 それだけなら特に問題ない。 問題なのはその距離だ。 「わぁっ!? ち、近っ!近い!近いですっ!」 私は慌てながらも後ろに下がって距離をとる。 「ははは、お前さんはホント面白いヤツなー」 そんな私の様子を見て、その人は子供のように笑うだけだ。 「ちょ、いきなり何なんですか―――周防さんっ!」 私の口からすんなりと出てきた彼の名前。 それを皮切りにこの間の夢でのことを次から次へと思い出していく。 ……どうしてずっと忘れていたんだろう? 「おー、覚えてたか。それとも思い出したか? ま、どっちにしろえらいえらいっ」 周防さんは嬉しそうに笑いながら私の頭をわしゃわしゃと撫でた。 「か、髪がぐちゃぐちゃになるからやめてくださいよぉっ」 髪をおさえて、私はほぼ無意味な抵抗を試みる。 「ほれほれー」 私の反応が面白かったのか(?)、周防さんはしばらくそのまま撫で続けていた。 …………が、やがて。 「なんか、あったか?」 不意にその手を止め、私の顔を覗き込んでくる。 「え?」 「言ったろ。お前さんは分かりやすい顔をしてるって。 疲れてるの、もーバレバレだぞ?」 周防さんが優しく笑いながら、私の頭をまた撫でてくる。 今度はゆっくりと……優しく。 「何か悩んでるんなら、お兄さんでよければ相談に乗ってやるぜ? ……ま、話すも話さないもお前さんしだいだけどな」 言いながら、「どうする?」とばかりに僅かに首を傾ける周防さん。 私は…… 1.話す 2.話さない 3.曖昧に誤魔化して話す 286 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 08 14 16 ID ??? 1.話す 「組織って、何かなっておもって…」 するりと口から出た言葉に自分でも驚く。 「組織?」 周防さんはひょいと眉を上げた。 「私をねらってるんでしょ?隆には自覚はないみたいだけれど、隆の中の武くんは組織の人みたいだし…」 組織に武くんの存在がしられていないから、今は組織の人とは違うのかもしれないけど、少なくとも組織の人だった。 力のある人のクローンを作っているというのは、武君が教えてくれた。 「まあ、ヤツは昔から手段を選ばないやつだったよなぁ…」 「え?」 苦々しげに苦笑する周防さんを思わず見つめてしまう。 「周防さん組織のこと知ってるんですか?」 「うん、知ってるよ。というか、組織を作ったヤツを知ってる」 ①組織の目的を聞く。 ②組織を作った人のことを聞く。 ③周防さんが何故知っているのか聞く。 287 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 14 19 20 ID ??? ②組織を作った人のことを聞く。 「どんな人なんですか?その人」 「んー………………」 問いかけると、周防さんは微かに唸りながら考え込む。 しばらくして出てきた答えはこうだった。 「一言で説明するのが難しいヤツだな。 簡潔にまとめるのがまず無理。…これは今、気がついたんだけどな」 うんうんと神妙に頷きながら、周防さんは言葉を続ける。 「手っ取り早く会えば分かるんだろうが…そりゃお前さんの望むところじゃないだろ?」 今度は私は頷く。 「じゃ、今は気にしないほうがいいと俺は思うぞ。 わからんことで無駄に悩んでもストレスたまるだけだから。なっ?」 「は、はぁ…まあ、そうですね」 周防さんは苦笑いしながら小さくため息をついた。 「にしても、お前がそこまで悩んでたとはな。 そーんな疲れた顔になるまで考えこんで…ホントに大丈夫か? 胃潰瘍になってないか?頭ハゲたりしてないか?」 そして、私の頭をポンポンと軽く叩きながら聞いてくる。 「大丈夫ですよっ。た、たぶん…(周防さん、その心配は微妙です)」 されるがままになりながらも、なんとなく微妙な心境になる私。 「それに、その…それもあるんですけど。 他にもいろいろとあってですね…はぁー」 「ふむ……なるほどな」 ごにょごにょと呟きながらため息をつく私を見て、周防さんはひとつ頷く。 「じゃあ、お兄さんから提案だ。 …どうだ、ここいらで一度ゆっくり休憩してみるってのは」 「休憩?」 休憩って、どういうことだろう? 普通に考えれば休むってこと…だよね? 「そうそう。明日一日だけは、考えるのも悩むのも全部にしてだな。 で、パーッと遊ぶんだよ!」 満面の笑みで周防さんが言う。 ①「そりゃ、そうできたらいいんでしょうけど…」 ②「みんなが大変なのに、そんな無責任なことできませんよ」 ③「どういうことですか?急にそんなこと言い出すなんて」 288 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 15 05 42 ID ??? ③「どういうことですか?急にそんなこと言い出すなんて」 「だから、お前さんは疲れてる。考えすぎてるんだ」 ぽんぽんと私の頭をたたきながら、周防さんが優しく言う。 「お前さんの性格じゃ無理かもしれんが、お前は悩みすぎちゃいけない」 言い聞かせるような言葉がすんなりと心に染み渡る。 「悪いことばかり考えていると、いいことはないぞ。気分転換して明るく前向きに先をみるんだ」 「でも……」 周防さんの言うこともわかる。悪いことばかり考えちゃいけない。 でも、ファントムが私の都合を考えてくれるとも思えない。 「安心しな。お兄さんにまかせなさい。明日は何も起こらない。お兄さんが一肌脱いであげよう」 そういって周防さんは私の左手を取る。 「一日だけ契約だ。明日だけ俺が君に害をなすものを近づかせない。……さあ、返事を」 契約…なんて答えよう…? 1.「お願いします」 2.「どうしてそこまでしてくれるんですか?」 3.「周防さんは味方なんですか?」 289 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 16 21 22 ID ??? 3.「周防さんは味方なんですか?」 「味方……か」 周防さんはゆっくり呟く。 その質問をまるでかみ締めるかのように。 「その答えはイエスであり、ノーでもある」 やがて、静かにそう答えた。 「どの視点から物を見るのか、そしてお前がどのように動くのか。 ……それによっても俺のスタンスは変わってくる」 周防さんの、諦めたような……寂しそうな笑い。 (どうして、そんな表情……) なぜか強く胸を締め付けられる。 「正直に言っていい。……俺が信用できないか?」 私をまっすぐ見つめて、周防さんが問いかけてくる。 「……」 何もいえないでいると、周防さんはゆっくりと手を離した。 「ごめんな?」 「あ……」 離れていく感覚がなんだか悲しくて。 私は俯くようにして、周防さんの手をじっと見つめていた。 「なら、冬馬でも構わないぜ?」 不意にかけられたその言葉に顔を上げる。 ……それとほぼ同時に、頭の上に置かれた大きな優しい手。 「大事なのは、お前の意思だ。 俺はお前に、今はゆっくり休んでほしいと思ってるんだよ。 それだけは……絶対に嘘じゃないって言える」 周防さんは、暖かい……優しい表情を浮かべていた。 「だから、俺のこと信用できないならできないで構わないさ」 そして……最後にはいつもの子供のような笑顔を浮かべたまま、そんな悲しいセリフを言った。 私は…… ①「信じます、周防さんのこと」 ②「……御門君なら絶対に安全なんですか?」 ③「周防さんを信じたいから……まずは3人で行きましょう」 290 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 17 00 47 ID ??? ①「信じます、周防さんのこと」 一呼吸おいて言った私に、周防さんは少し目を細めた。 「少なくとも今は…。私にもこれからのことはわからないし、どうなるかわからないけど」 ずるい言い方かもしれないと思ったけれど、今いえる精一杯のこと。 「今は、周防さんを信じます」 私の言葉に周防さんはうれしそうな、あきらめたような微妙な顔をして笑った。 「…かわらないな。相変わらず…。お前さんらしい答えだよ。でもまあ、いい答えだ」 周防さんはもう一度私の左手をとった。 「それじゃ、契約だ。明日一日お前さんを守ろう」 「…お願いします」 私の言葉に周防さんが私の左手に唇を寄せる。 周防さんが離れた後、左の手の甲に星型の小さな痣。 (今度は爪じゃないんだ…) ぼんやりとどうでもいいことを思っていると、周防さんがどこか遠くを見るような目をしていった。 「そろそろ目覚める時間みたいだな。ちゃんと明日はゆっくり休むんだぞ」 周防さんの声がだんだん遠くなっていく…… コンコン ノックの音に目が覚めた。 「姉さん、晩御飯の準備できたけど起きてる?」 「うん、今行く」 ぼんやりする頭を振って、部屋を出る。 リビングへ寄ると隆も起きていた。 「あ、隆。どう?疲れは取れた?」 「ああ、悪かったな。気ぃつかわせたみたいで」 そういいながら、毛布を持ち上げる。 「きにしなくていいよ。そうだ、一緒に晩御飯食べていかない?」 「よければどうぞ。実はそう思って多めにつくったので」 リビング顔をのぞかせた春樹も隆を誘う。 「あ~、どうしようかな………」 悩むように言った隆の視線が、私の左手に吸い寄せられる。 「…愛菜、その痣……さっきまでなかったよな?」 「え?」 言われて左手を見る。そこには確かに少し前まではなかった星型の痣。 フラッシュバック。 夢での出来事を思い出す。 1.なんでもない 2.夢でのことを言う。 3.ごまかす 291 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 18 14 44 ID ??? 1.なんでもない 「なんでもないよ」 私はとっさに手を隠す。 周防さんを信じることにしたけれど、春樹や隆が信じてくれるとは限らない。 「ふぅん……」 隆は隠した左手から視線を外そうとはしない。 じっと、見つめ続けている。 (なんとか、話題を逸らさないと……) 「ね、ねぇ、隆。さっき、春樹が持ってきたアルバムを一緒に見ましょうよ。 小さい頃の隆もたくさん写ってるんだから」 「え? ……俺はいいよ」 「どうして? いいじゃない」 「それより、愛菜のアザ……」 「晩御飯ができるまで、姉さんと見ていたらどうですか?」 再び顔を覗かせた春樹が加勢する。 (ナイスフォロー、春樹) 「だめって言っても、勝手に見ればいいのよね。えーっと……」 私はアルバムをパラパラとめくる。 「あっ、これは私の六歳の誕生会の写真だよ。隆、ちっちゃくて可愛い」 吹き消したケーキの前で何人かの子供たちが笑っている写真を指差す。 「愛菜だって、小さいだろ……」 隆はようやく左手から視線を外して、写真に見入った。 「この時に隆からもらったプレゼントの小さなテディベア。私、未だに大切にしてるんだから」 「六歳の頃にもらったのを大事にするほど、愛菜って物持ちよかったか?」 『ホントか?』という疑いの眼差しを向けられて、思わずムッとする。 「嘘なんか言わないわよ。失礼ね」 「じゃあ、その証拠の品を見せてみろよ」 ①テディベアを部屋から持ってくる ②私の部屋に行って証拠を見せる ③別の写真の話に移る 292 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 19 00 31 ID ??? ①テディベアを部屋から持ってくる 「わかったわよ、まってて持ってくるから!」 私は立ち上がり部屋に戻る。 チェストの上においてあったテディベアを持って、リビングにもどる。 「ほらっ」 両手でテディベアの脇を持ち隆の前に突き出す。 写真のなかよりは、少し色あせているが間違いなく同じものだ。 「マジかよ…」 隆は驚いたようにテディベアと写真を見比べる。 「ほんっっっっとに、失礼なヤツねっ」 私はテディベアを引き寄せると、そっと頭をなでる。 「これだけは、特別なんだから…」 「………」 隆にもこの言葉でわかったようだ。 私のお母さんが居なくなる直前の誕生日。 もしかしたら、この時にはすでにお母さんは私たちから離れることを決めていたのかもしれない。 甘えん坊で、まだ時々お母さんの布団にもぐりこんでいた私に『これから、この子がいるから独りで寝られるわね』といって微笑んだ。 そして、私はそのとき頷いて…。 「ま、大事にされてるんだから、こいつも本望だろ」 しんみりした雰囲気を飛ばすように隆がアルバムをめくっていく。 「あ…」 隆が手を止めた所を見て思わず声が漏れる。 その写真は… 1.春樹と隆が喧嘩した後の写真 2.春樹と隆が初めて会ったときの写真 3.中学の入学式の時の写真 293 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 20 06 11 ID ??? 2.春樹と隆が初めて会ったときの写真 「これ……。隆と春樹が初めて会ったときのだよ」 新しい弟ができる事を隆に紹介した日の写真だった。 「あの時、俺に対して春樹のヤツ……凄い敵意剥き出しだったんだよな」 「私に対しても一緒だったよ」 「ずっと睨みつけられて何だコイツ? って思ったな」 『お前らなんか必要ない!』って、春樹に言われたのはあの日の夜だった。 そして、私はショックで泣いてしまって…… 「あの頃に比べると、春樹は優しくなったよな」 「うん。あの後に誤解が解けて『ずっと守る』って約束してくれたんだ」 「そっか……」 隆は諦めたように目を伏せ、再び顔を上げる。 その顔には、もう諦めの色は無かった。 「しゃーねけど。まぁ、春樹になら任せられよなぁ」 冗談を言うような軽い口調で隆は言った。 私は隆に掛ける言葉を失って、思わず俯いてしまう。 「しんみりすんなって。よっし! 気分転換に俺のとっておきの手品みせてやるよ」 隆はそう言うと、ひょいと私の手元にあるテディベアを奪い取る。 「ちょっと、何する気?」 「いいから、いいから……」 隆はテディベアを握り、もう片方の手を添えると深呼吸をする。 すると、隆の手の中でテディベアがピクリと動いた。 「もういいかな。そら、歩け」 机の上でテディベアがふらふらと歩き出す。 私は…… ①「かわいい!」 ②「やめて!」 ③「ミストの力?」 294 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 20 43 14 ID ??? ③「ミストの力?」 隆の周りのミストに特に何の変化も見えなくて、不思議に思ってたずねる。 「いや、違うよ」 隆はあっさりと否定する。 「言ってなかったっけ……?あー、言ってなかったかも」 隆は記憶を探るように首をかしげ、にへらっと笑う。 「俺のもう一つの力さ」 「もう一つの?」 武の言葉がよみがえる。 「なんていうかな~、ほら昔から言うだろ?すべての物には神様がついてるってさ」 「…そう、なの?」 「八百万の神ですね。精霊とか、妖精とかそんな類の…」 「あ、春樹…」 春樹がお盆にスパゲッティを3つ載せて戻ってきた。 「お、うまそうだな。じゃ、遠慮なく」 「はい、どうぞ」 「ありがとう、で…その神様がどうしたの?」 「その物に宿ってる神様にさ、ちょっとお願いしする力さ」 「ミストと違うの…?」 「ちがうなぁ。ミストは生き物に対して使う。こっちはそうだな、物に対しての力か?ミストは生気をすって強くなる。けど、当然物に生気なんてないからな」 「まぁ…そうよね」 「もちろんミストを使って動かすこともできるけど、ミストを操るよりはもともと入ってる神様にお願いして動いてもらったほうが断然楽なんだ」 話しているうちにテディベアは私の目の前までやってきてポンと私の膝に飛び乗った。 「おまえそいつのこと本当に大事にしてたんだな。好かれてやがる」 「お願いということは、特に何か力を必要とするとか、ないんですか?」 「う~ん?どうだろう…こっちの力は事故の前からあったしな。まぁ、使えない力だからほとんど使うこともなかったが…」 「え…?」 「こっちの力は、その物に宿ってる神様の気分、機嫌しだいだからな。自由に何でもできるわけじゃない」 「そうなんだ…」 隆のもう一つの力が意外な形で明らかになって驚くほかない。 「こういう風に、大事にしている物の中に居る神様はさ、その持ち主を好きだからこうやって少しお願いすれば動いてくれる。こいつみたいに」 テディベアは、私の膝の上に来ると、ちょこんとそこに座った。 1「この子、ずっと動けるの?」 2「いつその力が使えるってわかったの?」 3「ちなみに、今はなんてお願いしたの?」 295 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 22 48 36 ID ??? 3「ちなみに、今はなんてお願いしたの?」 「い、今?」 私の質問に、隆が急に慌てだす。 ……どうしたんだろう? 「なに、何なの?教えてよ」 問い詰めようと隆に近づく。 同じ分だけ後ろに下がられた。 「ねえ、隆ってば」 「そ、そ…………そんなこと言えるかバカっ」 追求から逃れるように、スパゲティを勢いよく食べ始める隆。 「何それ………しかもバカって」 私はちょっとムッとしながら、同じくスパゲティを食べ始めた。 「じゃあ、もういいもん。隆のけーち」 「ケチで結構だっ」 食事をしながらも子供のような言い争いは続く。 「…二人とも、もうちょっと行儀よく食べてよ」 言い争う私たちをよそに、春樹が大きなため息をついた。 そんな感じで私たちは終始和やか(?)な食事の時間をすごしたのだった。 夕食後。 隆を出入り口まで見送って、そのまま部屋まで帰ってきた。 ベッドに腰掛けて、窓の外を見てみる。 …今夜も月が綺麗だった。 「明日は、休日かぁ」 夕方の周防さんの言葉を思い出す。 彼の言葉をそのまま信じるなら、明日は特に何かを気にせずに出かけられると言うことだ。 「ふふふ」 なんだか嬉しくなる。 少し前までは当たり前だったことなのに、今は何故かとても懐かしくて尊いものに感じる。 (でも、何しようか?) あれこれと考えては見るものの、改めてみると『これ!』といったものがない。 だからと言って部屋でのんびりしていると、また一人で考え込んでしまいそうだ。 (それをしないための休日だもんね。 なら…せっかくだから、誰か誘ってみようかな?) 不意にそんなことを思いつく。 (うん、いいかも。一人でいると、どこにいても考えちゃいそうだし。 ……………でも、問題は誰を誘うかだよね) 一人悩む。 (一番妥当なのは香織かな? あ、でも、今日の電話で無理しないように言われちゃったしなぁ……) 香織は事情を知らないから、逆に余計な心配をかけてしまうかもしれない。 (だとすると……うーん) 次に考え付いた可能性。 それは、 ①隆か春樹かな? ②一郎君か修二君はどうだろう? ③御門君か周防さん?なーんて。 296 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 23 07 51 ID ??? ②一郎君か修二君はどうだろう? つんつんとテディベアをつつきながら考える。 テディベアはまだ動いていて、つつく私の指を捕まえようと手をパタパタと動かしている。 (かわいいなぁ) 思わず微笑んで、思考を元に戻す。 今日の昼の様子を見ると、春樹も隆も疲れているみたいだからつき合わせるのは悪い。 かといって、御門くんか周防さんはどうやって連絡を取ればいいのかわからない。 夢でならあえるかもしれないけれどそのためにわざわざ夢に呼ぶのも悪い気がする。 となると、ある程度事情を知っている、一郎君か修二君…。 誘って了承してもらえるかはわからないけれど。 一郎君となら落ち着いた感じでゆったり、のんびりすごせるだろう。 修二君なら一日明るく楽しく暗いことなんか吹き飛ばせるだろう。 携帯電話を手に悩む。 さて、どうしよう? 1一郎君を誘う 2修二君を誘う 3二人とも誘う 297 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/11(日) 00 41 19 ID ??? 1一郎君を誘う 修二君は二人揃うと見えすぎる、というようなことを言っていた。 なにかが見えるということは何かしらの力を使っている訳で、 それはつまり大なり小なり疲労が伴うのではないだろうか。 ふと夕べの隆の様子を思い出す。 (顔色すごく悪かったし、辛そうだったよね…) 一郎君も修二君も色々と気にかけてくれてありがたいとは思っている。 だからこそ私の息抜きに二人を引っ張り出して、故意ではないにしろ 負担を強いるというのはあまりに申し訳なさすぎる。 そうなるとどちらか一人を選ぶのが無難なのだろうが。 (修二君、予定あるんじゃないのかな。 それに二人でいるところを他の女の子に見られたら大変なことになるんじゃ…) 華のある修二君はただ立っているだけでも人目をひくひとだ。 思いを寄せるたくさんの女の子達のうちの誰かの目に止まったとしても不思議はない。 そこまで思いついて身震いが出た。 「やっぱりここは一郎君にお願いしてみようかな」 自らを奮い立たせるように声に出して、電話をかける。 プルルル、プルルル… 無機質なコール音が延々と続く。 (一郎君、いないのかな…) 1、もうしばらくそのまま待つ 2、しばらくしてからかけ直す 3、別の人にかける 298 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/11(日) 04 57 53 ID ??? 3、別の人にかける しばらくそのまま待ってみたけれど、一郎君が電話に出ることは無かった。 (はぁ…) なんだかがっかりした気分で電話を切る。 (でも、出ないんじゃ仕方ないよね。誘いようもないし) だけど、このままだと一人で過ごしてしまうことになる。 それはあまりよろしくないかもしれない。 …何と言うか、いろいろな意味で。精神的に。 (一郎君には悪いけど、他の誰かを誘ったほうがいいかな。…ごめんね、一郎君) とはいえ、むやみやたらと誘うのも問題だ。 そろそろ決めたほうがいいのかもしれない。 (次でダメならあきらめよう。そうしたら一人でお出かけすればいいんだし…) さて、どうしよう? 1.ダメもとで修二君にかけてみる 2.春樹か隆にお願いしてみるって言うのは… 3.御門君とか事情を知ってる周防さんのほうがいいかな? 299 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/11(日) 06 29 31 ID ??? 3.御門君とか事情を知ってる周防さんのほうがいいかな? なんだかんだで御門くんには結構助けられているし、 周防さんは今回の休日の提供者でもあるわけだし……。 この辺りでお礼とか……何かできればいいんだけど。 それに、この二人のどちらかなら話が通じやすい可能性が高い。 周防さんはお休みのことを知っているし、御門くんは周防さんの知り合いみたいだった。 ……なら周防さんの名前を出して説明すれば納得してくれるかもしれない。 二人のことを考える。 かたや、休日の姿がまったくと言っていいほどつかない年下。 かたや、現実では一度も顔を合わせたことのない所在地不明の年上。 (改めて考えると、本当に謎だな……) そんなことを考えているうちに、徐々に意識が深くに落ちていくのを感じる。 彼らに一番会える確率が高い方法……夢の中で会うためだ。 (お願いだから、夢の中に出てきて!) 意識が途切れる直前、私が心に思い浮かべたのは――― ①御門君 ②周防さん ③二人とも 300 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/11(日) 08 02 28 ID ??? ③二人とも よく知らない人と二人きりででかけるのはちょっと不安だ。 3人だと安心というわけでもないけれど…。 気がつくといつものとおり学校の前。 目の前に御門君が立っていた。 (あれ…周防さんは?) おもったとたん目の前が真っ暗になる 「だーれだっ」 「……周防さん」 「あったりー」 「もう、なにしてるんですか」 振り返ると楽しそうに笑った周防さん。 「目隠し」 悪びれることなく答えた周防さんに思わず笑ってしまう。 「ところで、今回はどうしたの?」 笑う私の顔を覗き込むように身をかがめて、周防さんが言う。 「あ、そうだ!明日…もしかしたら、もう今日?暇ですか?」 「うん?……まぁ、特に予定はないよ」 「御門くんは?」 振り返るとかすかに御門君が頷く。 「それじゃあ、明日一緒にでかけませんか?」 「それって、デートのお誘い?」 「えっ、デート…?」 深く考えなかったけれど、これってやっぱりデートなのかな? 「あ、えーっと、ほら明日、一人で居ると色々かんがえちゃって、せっかくの休みなのに休めなさそうだし…」 「照れちゃってかわいーなー」 周防さんが私の頭をくしゃくしゃとなでる。 「まあ、そういうことならお付き合いしますよお姫様。冬馬もいいよな」 御門君の言葉に、少しの間をおいて御門くんが頷いた。 「よっし、決まり。で、どこ行くの?」 あ、そういえばどこ行くかとか、決めてなかった…。 1ショッピングモール 2遊園地 3二人に行きたいところを聞く 301 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/11(日) 10 43 02 ID ??? 1ショッピングモール 「ショッピングモール…とか?」 とっさに思いついて口に出す。 「うんうん、ショッピングモールね。たしかに色々あるし、一日中いても飽きないかな?」 周防さんはちょっと首をかしげてショッピングモールを思い出しているようだ。 「たしかあそこは色々施設も充実してるし…」 たしかにショッピングモール内には、映画館があり、隣接して小さな公園、そしてイベントホールではいつでもなにかしらやっている。 「デートには最適だな!」 「だから、デートじゃ…」 「照れない照れない。それじゃ、10時に駅前でまってるからさ」 くしゃくしゃと頭をなでられる。 「冬馬、お前も遅れるなよー」 同じように御門くんに手を伸ばし、くしゃくしゃと頭をなでる。 「………」 されるがままになって、御門君は頷いた。 「それじゃ、楽しみにしてるよ。そろそろ朝だ。それじゃ、お兄さん張り切って準備しちゃうよ」 周防さんの言葉と同時に、夢の輪郭が崩れていく。 ふわふわと顔に何かが当たる感触に目が覚めた。 うっすらと明るい室内。 目を開けると目の前にテディベアがいて、ふわふわとした手で私の顔をつついている。 (まだ動けるんだ…) 「おはよう」 布団から手を出してその頭をなでる。 時計を見るとまだ7時になったばかりだ。 「早く起きすぎちゃったかな?」 大きく伸びをして、部屋の扉を開けると、ふわりといいにおいがキッチンからする。 「あれ?春樹もうおきてるのかな?」 そういえば、春樹に今日出かけることを伝えないといけない。 1、今すぐに伝える 2、後にする 3、こっそりいく 302 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/12(月) 09 44 08 ID ??? 1、今すぐに伝える キッチンをのぞくと春樹がホットケーキを作っている最中だった。 「おはよう春樹」 「あ、姉さんおはよう。早いね」 「うん、目が覚めちゃった」 「姉さんも食べる?丁度焼けたけど」 「たべる~。ありがと」 春樹が焼いてくれたホットケーキを受け取りテーブルに座る。 「そうそう春樹、今日私でかけてくるね」 「どこに?」 「ショッピングモール」 「買い物?俺もついていこうか?」 「大丈夫よ。春樹も疲れてるみたいだし、ゆっくり休んで」 「俺のことは気にしなくて良いのに…。でも、気をつけて行って来てよ?何があるか分からないんだから」 「うん」 春樹には伝えたし、後は準備して出かけるだけかな。 まだ早いけど… (あれ?) 携帯電話を見ると、メールが来ていた。 見ると一郎君からだ。時間は夜中、私が寝た後にきたみたいだ。 『電話に出られなくてすまない。なにかあったのか?』 一郎君らしい簡潔なメール。 私からの着信をみて、わざわざくれたみたいだ。 どうしよう…? 1メールで返信する 2電話をかける 3返事をしない 303 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/12(月) 12 16 04 ID ??? 勢いで書いた 本当にあったら怖い話第1話(なんて) 客女「今年も同じメンツか~」 女友「あたりまえでしょwクラス替えないんだから」 客女「そりゃそうなんだけどさ~、こう、新しい出会いとか…」 女友「うはwwwwアンタからそんなセリフが聞けるとはおもわんかったwwwwやっと二次元卒業?wwwww」 客女「いや~、二次元ちっくに進んだらおもしry」 女友「ないないないwww」 ??「ほらほら、始業ベルはなってるぞ席につけー」 女友「あ、先生きたよ」 客女「え?……くぁwせdrftgyふじこlp;@:」 女友「なに、どうしたの?」 客女「て、て、てんちょーーー!?」 店長「なにをいっている。先生だ。早く席につけ」 客女「は?先生?(な、なに?どうなってんの!?)」 店長「先生がカッコいいからって、驚くのは当然だが」 客女「いや、そうじゃなく」 店長「照れなくても良いぞ。なんなら惚れてくれてかまわない」 客女「いや、だから…」 店長「さて、とりあえず、今日の予定を……」 ・ ・ ・ 304 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/12(月) 12 17 28 ID ??? (昼休み) 客女「(なんかへんっ、絶対変!!!!)」 店員「なんだ?人の顔みてそんなに驚くなよ…」 客女「なんでっ、あんたがここにいるのよ店員っ!」 店員「なんでって、俺ここの生徒だし…、てか先輩に対してその態度はどうよ?」 客女「は!?先輩?(だれがっ!?)」 新人「あ、客女さーん」 客女「えええ!?新人君まで、なんでっ!?」 新人「客女さんがこの学校だって聞いたので、前の学校から転校してきました^^」 客女「はぁ!?(てか新人くんなら本当にやりそうだけど…)」 新人「これから同じ学校です、よろしくおねがいしますね^^」 店員「そうだ、お前昼飯まだだな?一緒に食べる奴いないんだろ?俺が一緒に食ってやるよ」 新人「先輩心配には及びません。僕が一緒に食べますから^^」 店員「……っ…orz」 眼鏡「ここにいたか…」 客女「あ、眼鏡!(よかった、眼鏡は眼鏡だ…)」 眼鏡「探したぞ、今日の昼休みは生徒会の集まりがあるから来るように言っておいただろう?」 客女「へ?生徒会?」 眼鏡「そうだ。副会長が来なくてどうする」 客女「………副会長?だれが……?」 眼鏡「そこまで忘れたのか?君は生徒会副会長だろう。ちなみに僕が会長だ」 客女「はぁ!????」 眼鏡「良いから早く来い」 ・ ・ ・ 305 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/12(月) 12 18 25 ID ??? (生徒会室) 客女「(いや、うん、ここまできたら予想はしてたけど…)」 従兄「おそいぞー、早くしないと昼休み終わっちゃうジャマイカ」 客女「で……あんたは何なの?」 従兄「なんなのって、ひどいわっ、生徒会の顧問でしょー」 客女「顧問……ってことは、先生なわけっ!?てか、くっつくなっ」 従兄「何当たり前のこといってるのよーこの子はっ」 眼鏡「先生、教育委員会に訴えますよ。邪魔するなら出て行ってください」 従兄「 工エエェェ(´д`)ェェエエ工工せっかく客女と一緒にいたいから、裏から手を回して、副会長にしたのにぃぃぃ」 眼鏡「…………警察のほうがいいか」 従兄「ちょwなにその電話wwwww」 眼鏡「強制わいせつの現行犯です至急きてください」 従兄「mjk」 警察「逮捕します」 客女「はやっ」 従兄「誤解ですぅぅぅぅぅぅ」 眼鏡「………やっと二人きりになったな」 客女「へ?(な、なに?このふいんき(なぜか変換できry)」 眼鏡「君は知っているだろうか?」 客女「な、なにを…?」 眼鏡「僕がどんなに君のことを………」 新人「させませんっ!!!」 店員「……あぶなかった、おい無事か」 客女「無事って…せっかくの告白タイ……ム」 店員「…お前は、俺よりこの眼鏡のほうがいいのか?」 客女「え?(な、なに?そんな目でみないでぇぇぇぇ)」 店員「俺はっ、ずっと……お前だk……ぐふっ」 客女「ちょ……眼鏡、新人くん?」 新人「本当に油断も隙もあったもんじゃありませんね^^」 眼鏡「まったくだ」 306 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/12(月) 12 18 58 ID ??? 店長「おい、どうした?騒がしいが…」 客女「店長……」 店長「店長じゃない、先生だ。ところでそこに転がってる奴は大丈夫なのか?」 新人「大丈夫ですよ^^」 店員「大丈夫なわけあるかぁ!モロ入ったぞっ!」 眼鏡「そういう割には、すぐ復活したな。ゴキブリ並みか…」 店員「ご、ごき……」 客女「ちょ、だからなにがどうなって……」 店長「なにって…?何もおかしくないだろう?」 新人「そうですよ。何がおかしいんです?^^」 眼鏡「どこか変か?」 客女「どこって、なにもかも…」 店員「どこがおかしい?おかしくないだろう?」 新人「おかしくないですよ。僕たちは客女さんを愛しています」 眼鏡「そうだ。どこもおかしくない」 店長「普通だろう?」 客女「……いや、その、いろいろおかしすぎると…」 店員「……そうだな、おかしいかもしれない」 新人「そうですね、いまのままではおかしいです」 眼鏡「そろそろはっきりしてもらわないとな」 店長「それもそうだな……」 店員・新人・眼鏡・店長「「「「で、誰を選ぶんだ?」」」」 ・ ・ ・ 客女「はっ!(ゆ、夢か……)」 女友「どうしたの客女?」 客女「いや、一瞬寝てたみたいwwww」 女友「まーた、朝方までゲームしてたんでしょwwww」 客女「(雲行きあやしすぎw話をそらそう)それにしても、今年も同じメンツか~」 女友「あたりまえでしょwクラス替えないんだから」 客女「そりゃそうなんだけどさ~、こう、新しい出会いとか…(あれ?)」 女友「うはwwwwアンタからそんなセリフが聞けるとはおもわんかったwwwwやっと二次元卒業?wwwww」 客女「いや~、二次元ちっくに進んだらおもしry(どっかで、この流れ…)」 女友「ないないないwww」 ??「ほらほら、始業ベルはなってるぞ席につけー」 客女「………(これ、は………)」 …最初に戻る 307 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/12(月) 12 22 28 ID ??? ぎゃー、スレまちがったorz 全部投下するまで気づかなかったなんて、激しくスルーしてください;; 308 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/12(月) 13 56 09 ID ??? 307 (。・ω・)ノ゙ (ノд‐。) 1メールで返信する 日曜日だし、まだ寝ているかもしれない。 メールで返信することにする。 ”わざわざごめんなさい。 用件は済んだので、大丈夫です” 何のために電話したのか書こうかなやんだけどやめて、簡単にすませる。 返信もすんで部屋にもどって戸を開けると、何かにぶつかる音。 (あれ?) あけてみるとテディベアが転がっていくところだった。 「きゃー、ごめんごめん…」 私が出て行った後をついてこようとしたんだろう。 テディベアはとまると、また私のほうへヨタヨタと歩いてきた。 足元までやってきたテディベアを抱き上げる。 「ごめんね」 謝って頭をなでる。 (そうだ、この子に名前をつけようかな?) ①名前を考える ②やっぱりやめる ③”くまちゃん”でいいか 309 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/13(火) 06 41 47 ID ??? ①名前を考える (うん、やっぱり考えてあげよう!) ずっとくまちゃんって呼んでた人形をじっとみる。 「誕生日にもららったんだから…って、男の子かな?女の子かな?」 神様にだって性別はあるとおもうし…。 (青いリボンをつけてるから、男の子…?) 首に巻かれたリボンをなでる。 (春に私と会ったんだからやっぱり春にちなんだ名前がいいかな?) リボンをなでている私の手をふわふわした手で捕まえようとする仕草が愛らしい。 (そういえば結構風の強い日だったなぁ) 春だから、風が強い日が多いのは当たり前だけれど、あの日は特に強かった。 庭においていた鉢植えが、誕生日会の最中に倒れてしまったことを思い出す。 (でも、熊だし、男の子っぽい、強い名前がいいのかなあ?) ぱぱぱっと、歴史上の人物の名前が頭をよぎる。 どうしよう? 1.チハル 2.フウタ 3.タカモリ 310 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/13(火) 13 28 21 ID ??? 1.チハル 「よし、今日からお前はチハル。チハルって名前ね?」 青いリボンをつけているからといって、男の子とは限らない。 どちらでも通用する名前にする。 そんな、私の言葉にチハルはくるくるとその場で回った。 (喜んでるのかな?) いまいちよく分からないが、嫌がってはいないみたいだ。 (さてと、出かける準備しなくちゃ…) 時間はまだ8時を過ぎたばかり。 けれど、着ていく服もぜんぜん決めていない。 (何を着ていこうかな…?) クローゼットとたんすを開け、悩む。 ①普段どおりのジーンズ ②かわいいワンピース ③スポーティなホットパンツ 311 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/13(火) 14 15 18 ID ??? ①普段どおりのジーンズ 昨日の周防さんの言葉を意識する訳ではないけれど、特別めかしこむのもなんとなく気恥ずかしい気がする。 普段どおりのジーンズにレイヤード風のカットソーをあわせて床にひろげてみる。 (とりあえず、こんなかんじで良いかな。…それとももうちょっと気合入れるべき?) 広げた服を前に考えているとヨチヨチと歩き回るチハルが目に入った。 気休めとは思いつつ抱き上げて話しかける。 「ねえチハル。今日着ていく服、こういうのはどう?」 顔を覗き込むと、私を見上げてまるで「何のこと?」と問い掛けるように首をかしげた。 「これじゃ地味すぎるかな?」 重ねてきくと数秒間をおいた後、チハルはまるで子猫がするように頬擦りをした。 (…ってチハルにきいても仕方ないか) 苦笑いをしつつ、ご機嫌な様子であちこち動き回るチハルをベッドの上に座らせる。 「今日はちょっと出かけてくるから、いい子でお留守番しててね」 小さな子供に言い聞かせるようにチハルにそう言って広げた服を手にとった。 チャーラーラーチャラーラーラー 「電話?」 鳴り響く携帯電話を取り上げるとディスプレイには見知らぬ番号が映し出されている。 (知らない番号だ…普段だったら出ないんだけど) 一瞬昨日の周防さんと御門くんの事が頭の隅をかすめる。彼らは私の番号は知らないはずだけれど、もしかしたら何か急な連絡事項でもあって電話をしてきたのかもしれない。 電話に出るべきか否か躊躇していると、下げたままの腕に柔らかい感触がした。 見ればチハルがしがみついている。 「どうしたの?」 チハルは真っ黒いまん丸な目で私をみつめたまま動かない。 どうしたんだろう。 1、電話は後回し、チハルが気になる 2、チハルは後回し、電話に出る 3、どちらも気にせずに支度を続ける 312 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/13(火) 14 55 52 ID ??? 1、電話は後回し、チハルが気になる 「チハル?」 じっと私を見つめる目が何かを訴えているようだ。 腕にしがみつくその様子は、絶対に離れないぞ、という意思を感じる。 「もしかして、置いていかれたくないの?」 さっきも私を追いかけて、戸の前まで来ていたことを思い出す。 私の言葉に反応するように、チハルが私の腕をよじ登ってきた。 携帯電話の呼び出し音が止まり、伝言モードに切り替わった。 (知らない電話番号だけど、大事な用事なら伝言入れるわよね…間違い電話かもしれないし) 私はチハルを抱き上げて、目線の高さまで持ち上げる。 「一緒には行けないのよ?」 私の言葉に、イヤイヤというように、手足をじたばたさせるチハル。 そのかわいさに、ついほだされそうになる。 (どうしよう…) ①つれていく ②言い聞かせておいて行く ③隆に相談する 313 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/14(水) 06 39 46 ID ??? ①つれていく つぶらな瞳に見つめられて…落ちた。 (かわいいよもぅぅぅぅ!) 「わかったわかった、つれていってあげるから。でも、絶対に動いちゃ駄目だからね?」 チハルはわかったのか動きを止めた。 「ふふ、まだうごいててもいいよ?外にでたらうごかないようにしてね?」 大き目のバックなら、チハルを入れてもって歩いても大丈夫だろう。 そういえば、あのバックはどこにしまったっけ? 室内を見回してとりあえず置いておいた携帯電話に視線がとまる。 (あ、そういえばさっきの電話…) 見ると、伝言は入っていない。 かけなおしたほうがいいだろうか? さて、どうしよう…? 1.まずバックを探す 2.とりあえず折り返し電話をかけてみる 3.先に着替えをする 314 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/14(水) 14 07 01 ID ??? 1.まずバックを探す 着替えは一応用意してあるので着替えに時間はかからない。 電話はメッセージも入っていないので大事な用件ではないと判断する。 (クローゼットだったかな…) 大きめだから、形が崩れないようにクローゼットの奥にしまったような気がする。 「確か、この辺……あ、あった」 青い縞のトートバッグを見つけ引っ張り出す。 外側に大きなポケットがついているので、そこにチハルを入れるとかわいいかもしれない。 「あれ?」 バッグを取り出すときに、奥のほうから一緒に引きずられて出てきたらしい箱が床に転がっている。 「なんだっけ?これ…」 手のひらより少し大きめの平たい箱。 あけてみると、かわいらしいネックレス。 「かわいい……でも、こんなの持ってたっけ?」 記憶を探るが、引っかかるものがない。 (もしかして、お母さんの?) 子供の頃からずっと使っている部屋だ。 家具などは時々配置を変えたりしているが、家具そのものはずっとそのまま使っている。 私に覚えがないとすると、お母さんが置いていったものとしか思えない。 (あ、今日着て行こうと思ってた服に合うかも…) 普段どおりの服装だと少し地味だけれど、これをつけると少しは華やぐ。 ①つけていく ②つけていかない ③もう少し考える 315 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/14(水) 15 40 28 ID ??? ①つけていく (少しくらいならおしゃれしたっていいよね?) 結局、私はそのネックレスをつけていくことにした。 「さてと…そうと決まったら早く準備しないとね」 呟きながら時計を見る。 今から支度すればちょうどいいくらいに家を出ることができそうだ。 (遅刻だけはしないようにしないと…) そんなことを考えながら、着替えに手を伸ばそうとすると。 チャーラーラーチャラーラーラー 「わっ」 まるではかったかのようなタイミングで流れ出すメロディ。 ……携帯だ。 (えっと、このメロディは…) 1.電話の着信メロディ 2.メールの受信メロディ 3.アラームで設定していたメロディ 316 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/14(水) 17 11 51 ID ??? 1.電話の着信メロディ 「電話だ…」 さっきは知らない電話番号だったけど…今度は? 「あれ、一郎君?」 一応メールを返信しておいたけれど、気になって電話してくれたのかもしれない。 「はい、もしもし?」 「…大堂か?」 「うん、昨日はごめんね?わざわざメールまでもらっちゃって…」 「いや、かまわない。返信は読んだからな」 (返信を読んでも電話をくれたってことは、何か別の用事なのかな?) 「それとは別件なのだが、今日これから時間はあいているだろうか?」 私の思考をよんだかのように、一郎君が言葉を続ける。 「え?今日これから…?」 「ああ、何か予定がはいっているのか?」 なんて答えよう…? ①「うん、ちょっと出かけるの」 ②「知り合いと買いものに…」 ③「…一郎君の用事はなに?」 317 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/15(木) 06 34 28 ID ??? ①「うん、ちょっと出かけるの」 「…それは、キャンセルできないのか?」 どうしたんだろう…一郎君の用事はそんなに大事なものなのかな? でも、周防さんたちとの約束が先だし、キャンセルしようにも、連絡先がわからない。 「えっと、ごめんね。約束で…でかけるから」 「そうか、約束なら仕方がないな」 「ほんとごめんね」 「いや、急だったからな。それじゃ」 「あ…」 「…ん?どうした?」 つい、呼び止めちゃった… 1「なんでもない」 2「夜なら時間あるけど?」 3「どんな用事だったの?」 318 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/15(木) 17 02 43 ID ??? 1「なんでもない」 「そうか、では、また明日学校で」 「うん、明日ね」 一郎君の用事はきっと、力に関することだろう。 (今日一日はゆっくり休むって決めたんだから…) 気になるけれども、今日だけはゆっくりしたい。 心の中で、何度も一郎君に謝って急いで着替えをする。 時計を見ると、家を出るのに丁度いい時間になっていた。 「チハル、おいで」 ネックレスをつけながらチハルを呼ぶ。 足元までやってきたチハルを抱き上げて、トートバックのポケットに顔が出るように入れてあげる。 モゾモゾとチハルが体勢を変える。 両腕をポケットの外に出して、落ち着いたのか私を見上げてくる。 「動いちゃだめだからね?」 一応念をおして、サイフと携帯電話、小物類がきちんと入ってるかチェックして、部屋を出た。 「春樹、それじゃいってくるね」 リビングに顔を出して、テレビを見ている春樹に声をかける。 「うん、気をつけて」 振り返った春樹に手を振って、玄関へ急ぐ。 スニーカーをはいて玄関をでた。 駅の前まで来ると、15分前。 (丁度いいかな?) 周防さんと御門くんはまだきていないみたいだ。 どうしよう? 1.このまま待つ 2.いったん駅に入る 3.少し探してみる 319 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/16(金) 06 37 04 ID ??? 1.このまま待つ (もう少しで時間だし、変に動いてすれ違ったら大変よね?) おとなしくよく待ち合わせに使われる、駅名の入った石の前で待つことにする。 (御門君は時間通りにきそうよね) 見るからに真面目そうな御門くんなら、時間ぴったりに到着しそうだ。 (周防さんはどうかしら…?) 10分前には到着して待っているような気もするし、遅刻してきそうな気もする。 ぼんやりと、考えながら待っている時間が、私は結構好きだ。 ぼんやりしすぎていて、待っている人が来ているのに気づかないこともしばしばあったりして…。 とんとん (あっ、いけない、また…) 肩をたたかれて、慌てて振り返る。 そこに立っていたのは… 1御門くん 2周防さん 3修二くん 320 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/16(金) 09 38 27 ID ??? 2周防さん 「よっ、おはようさん」 片手を軽くあげながら、いつものように挨拶してくるその人物。 「…………周防さん?」 「おう、そうだぞ。周防おにーさんだ」 思わず聞き返してしまう私に、周防さんは満面の笑みで答える。 「こっちでは初めましてだもんな。 ……でも、別段変わりないだろ?」 「は、はい」 その言葉に、私は一応頷いてみせる。 (でも、やっぱり夢と現実じゃなんだか違う感じがするよね) 夢は少しぼやけていて、感覚とか存在感とかも同様にぼやけている感じがするのだ。 だから、今こうして改めて目の当たりにすると…… (周防さんって、こんな感じの人だったんだ) そんな風に思う。 「ところで、冬馬はまだか?」 「ええ。みたいですね」 少なくとも私とはまだ合流していない。 私の答えに、苦笑いを浮かべながら周防さんが呟く。 「ったく。しょうがねーな、あいつも」 そして、そのまま空へと視線を向ける。 つられて私も空を見上げた。 ……今日もいい天気だ。 「…………あー。ところでさ、愛菜ちゃん?」 そのまま空を見上げていると、珍しく歯切れの悪い口調で周防さんが切り出してくる。 そちらを向くと、周防さんの少し困ったような表情。 「その……今日のことなんだが。ちょっとばかし、お願いがあるんだよ」 「お願い?」 ちょっと様子の変な周防さんに首を傾げつつも私は先を促す。 「ああ。……あのな、冬馬のことなんだけどさ」 周防さんはそう前置きをして話を続ける。 「今日……もしかしたら突飛な行動とか、常識的にちょっと変なこととかやっちまうかもしれないんだけど。 引かないで、見守ってほしいって言うか逃げないでほしいって言うか……あー、なんていったらいいんだろ」 周防さん自身もなんと言っていいか迷っているようだ。 ……要は、「御門君が変な行動を取るかもしれないけど引いたりしないで」ってことでいいんだろうか。 どういうこと? それに、どうして周防さんがそれをお願いするんだろう? ①「どうしてですか?」 ②「例えば?」 ③「周防さんは何か知ってるんですか?」 321 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/16(金) 11 03 02 ID ??? ②「例えば?」 と、聞いてからふと以前病院であったときのことを思い出す。 (あの時は急に服を脱ぎだして…) 「そういえば、以前…」 困ったようにうなる周防さんが口を開く前に、以前会ったときのことを話す。 「あいつ、また……」 がっくりと脱力した周防さんは、すぐに顔を上げてあきらめたような顔で言う。 「そうそう、そういうこと…」 「わかりました」 御門君って何をするか分からないところが確かにある。 ある意味、それは想定内といえば、想定内かもしれない。 「お、きたきた。冬馬!こっちだ」 時計を見ると時間ぴったりだ。 「おはよう、御門くん…」 「………」 御門くんは相変わらず無言で、こちらを見ている。 服装はといえば… 「なんで制服なんだ…?」 あきれたように言う周防さん。 私は制服以外を着ている御門くんを想像できなかったので、なんとなく納得してしまう。 (でも、日曜日にまで制服なんて…) 1.「なんで制服なの?」 2.「せっかくだから御門くんの服を選んであげるって言うのは?」 3.とくに何も言わない 322 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/17(土) 00 53 36 ID ??? 2.「せっかくだから御門くんの服を選んであげるって言うのは?」 「……だな。それはいい考えだ」 周防さんがうんうんと頷いて賛同してくれた。 「よっし、いっちょ冬馬改造計画と行きますか! よろしくな、愛菜ちゃん」 その言葉に私は力強く頷き返した。 「はい、頑張りましょう!」 勢いのまま、私たちは固い握手を交わす。 (なんか、ちょっと楽しくなってきたかも……) そんな私たちのやり取りを前に、当の御門くんはというと。 「…………」 相変わらずの無表情のままわずかに首を傾げただけだった。 「そうと決まれば早速……っと、その前に」 不意に周防さんが何かを思い出したように声を上げる。 「今日を楽しい一日にするために、俺からひとつ意見を出したいと思いまーす」 軽く挙手しつつ、「はーい注目ー」とおどけた口調で続ける。 私たちの視線が自分に向けられたのを確認したのか、周防さんは話を始めた。 「今日はさ、”アレ”に関する話題は一切禁止にしないか?」 ”アレ”……周防さんはぼかして表現したが、おそらくは力のことだろう。 「ちなみに、言ったやつはペナルティってことで。 …そうだな…他の二人のお願いを一つずつ聞くってのはどうだ?」 周防さんからの意見。 それに対して、私は…… 1、「私はいいと思います」 2、「御門くんはどう?」 3、「うーん……異議あり、かも」 323 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/17(土) 07 46 45 ID ??? 1、「私はいいと思います」 今日は周防さんが私がゆっくり休めるようにしてくれた日だ。 それに否を唱えるつもりはない。 御門くんをみると、相変わらずの無表情で立っている。 (御門君は自分から話すことはなさそうよね…) 「よっし、それじゃ二人とも気をつけるように」 ぽんぽんと私たち二人の頭を順番にたたいて、周防さんは上機嫌で言った。 「それじゃ、いくとしますか!」 そういって、私たちを促して歩き出した周防さんを追いかける。 ショッピングモールにつくと、日曜日ということもあってか、比較的人が多かった。 「さて、と…どこから回ろうか?」 「そうですねぇ?」 3階建てのモール内を思い出す。 1.小物、靴、雑貨のお店が多い1階 2.服の多い2階 3.本屋、CDショップ、レストランなどがある3階 324 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/18(日) 12 19 49 ID ??? 3.本屋、CDショップ、レストランなどがある3階 「そうですねえ、まず3階の本屋さんで、ファッション誌を見て研究とか? 私、男性の流行なんて知りませんし…」 私の言葉に、周防さんも頷く。 「そうだな、どういう系統の服がいいか参考に見に行ってみるか」 「………」 私たちが相談している間も、御門君は無言で聞いているだけだ。 本屋で早速ファッション誌をチェックする。 「やっぱり一番多いのはジーンズだな」 「そうですね、次はこれかしら?イージーパンツ?」 「そうだな…、あとこれなんかもよくみないか?」 「そうですねえ…」 どんなのがいいかな? ①ジーンズ ②イージーパンツ ③チノパンツ 325 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/19(月) 06 38 21 ID ??? ①ジーンズ 「やっぱり定番が一番じゃないですか?」 「そうだなあ。色々合わせやすいしな」 「そうですよね」 パラパラと雑誌をめくって、ジーンズにしようということで落ち着く。 「後は店を見ながらでもいいな」 「そうですね。雑誌に載ってるのがあるとは限らないし…」 「それじゃ、見に行ってみるか」 「はいっ」 「………」 今度は2階のジーンズショップに移動する。 「うーん。どれがいいかな」 「う~ん…」 ジーンズといっても種類は色々ある。 色はやはり、定番の青がいいかな? でも、御門くんには黒のほうが似合う気がする。 せっかくだから、全然イメージの違う白なんかもいいかもしれない。 どうしよう… 1青 2黒 3白 326 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/19(月) 14 31 07 ID ??? 2黒 「黒のストレートが無難?」 後に立ったままの御門くんを振り返り、ジーンズをはいたところを想像する。 「そうだなあ。冬馬は黒のイメージだよな」 うんうんと、頷いて周防さんは手近なブラックジーンズを手に取った。 「サイズはこのくらいかぁ?おい、冬馬ちょっと試着してみろ」 「………」 受け取ったズボンを御門くんはしばらく無言で見ていたが、おもむろにベルトを外した。 「え!?」 「ちょっ、こら、まて!あっちだ、試着室!!」 あわてて周防さんが御門くんを制止して、試着室へ引きずっていく。 周防さんは御門くんを試着室に押し込み、ため息をついた。 「びっくりしました…」 「…はは、そうだなこうなることは、予想できたな」 「そ、そうですよね」 二人で乾いた笑いを交わしつつ、シャツのコーナーを見る。 ジーンズショップにおいてあるだけあり、どれもジーンズに合わせやすいものばかりだ。 「上はどんなのがいい?」 周防さんに尋ねられ、考える。 上も黒系にしてしまおうか? それとも、白系? 答えは期待できないけれど、御門くんに好みの色を聞いてみるのも良いかもしれない。 ①黒系 ②白系 ③御門くんに好みの色を聞いてみある。 327 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/23(金) 10 47 01 ID ??? ③御門くんに好みの色を聞いてみる。 (一応本人にも聞いておいたほうがいいかな?) いろいろな色のシャツを見ながら、私はそんなことを思った。 「私、ちょっと御門君に聞いてきますね」 「おう」 周防さんに見送られながら、私は試着室の前へと歩いてくる。 「御門君?ちょっといいかな?」 ノックをしながら呼びかける。 「はい」 中からはすぐに御門君の返事が聞こえてきた。 そして、ほぼ同時に試着室のドアノブが内側から回される。 それを見て、ふと脳裏に浮かんだのはさっきの光景。 何故か嫌な予感が頭をよぎる。 「あ、いいの!いいから、開けないで!そのまま聞いてっ」 慌てて言うと、ピタリとドアノブの動きが止まった。 ……どうやらすんでのところで止まってくれたらしい。 (ま、間に合った……) 内心ほっと胸をなでおろしつつ、本題に入る。 「あのね?御門君って、何色が好きなのかな?」 「…………色?」 聞き返された言葉に私は頷いた。 「うん」 反応はすぐには返ってこなかった。 ほんの少しだけ沈黙が訪れる。 (だ、大丈夫かな……?) 心配になりつつも、私は御門君の答えを根気強く待つ。 やがて、内側から聞こえてくる御門君の声。 けれどそれは質問の答えではなくて。 「………………あなたは?」 「え?私?」 「はい」 私が御門君に質問しているはずなのに、質問をそのまま返されてしまった。 御門君なりに考えて、迷っているのだろうか? ……それとも、そういうのもよく分からなかったりするのだろうか? 疑問に思いつつも私は考える。 (私の、好きな色……) うーん、どれかと言えば…… 1.暖色系の色が好き 2.寒色系の色が好き 3.モノトーン系の色が好き 328 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/23(金) 17 21 23 ID ??? 2.寒色系の色が好き 「赤とか黄色とかよりは、青とか緑のほうが好き、かな?」 ちょっと考えて答える。 そういえば、チハルの首に結んであるのも青いリボンだ。 私の好みを知っている隆が選んだのだから当たり前だけど…。 (そういえば、チハルのリボンもだいぶ色あせちゃったな…) 鞄のポケットに入っているチハルを見て、後でリボンを見に行ってみようかと思いつく。 「…………青と緑」 長い沈黙の後、御門君の思案するような声。 「御門君は?」 「………緑」 最初の問を返すと、御門君の答えが返ってきた。 「分かった緑ね?ちょっと待ってて」 御門君の答えを聞いて、周防さんのところへ戻る。 「御門くん緑色が好きみたいです」 「へぇ?そうなんだ……にしても、よく冬馬から答えを引き出せたなあ」 「そうですか?……あ、これとかどうでしょう」 「それもいいが、こっちはどうだ?」 「あー、そっちもいいですね…」 私が手に取ったのは、淡い緑色のシャツ 周防さんが手に取ったのは、深緑色のシャツ さて、どうしよう… ①淡い緑色を持っていく ②深緑色を持っていく ③両方持っていく 329 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/23(金) 20 35 43 ID ??? ③両方持っていく ―――両方試着してもらって、それから考えてもいいよね? 「じゃあ、両方持っていきましょうか?」 「そうだな」 私の言葉に頷くと、周防さんは私の手から淡い緑色のシャツをそっと取った。 「んじゃ、俺が持ってくよ」 そして、私に背を向けて試着室のほうへと歩いていく。 何気なく、そのまま様子を見守ることにする。 さっきの私と同じように、試着室のドアをノックする周防さん。 やがて、中から御門君が出てきた。 「………」 周防さんはふたつのシャツを御門君に見せながら笑顔で何かを話している。 御門君は特に頷いたりすることもなく、ただ差し出されたシャツをじっと見つめていた。 そんな二人を見ながら私は、 ①御門君のことが気になっていた。 ②周防さんのことが気になっていた。 ③二人のことが気になっていた。 330 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/24(土) 08 59 00 ID ??? ①御門君のことが気になっていた。 ほとんど無表情で、何を考えているのかさっぱりわからない。 無口だけれど、言葉は普通に話せる。 真面目そうだけど、夜中に家の前にいたりする。 なぜか微妙に常識がずれていて、行動が読みにくい。 (ほんと、不思議な人だよね御門くん…) 「愛菜ちゃん」 ぼーっとしていると、周防さんがにこにこと私を手招きしている。 「はいっ」 周防さんの隣に立つと、御門君が淡い緑のシャツを着て立っていた。 「愛菜ちゃんが選んだほうが良いっていうから、こっちにきめちゃったよ」 「え?あ、はい」 「…………」 「このまま着ていけるようにしてもらうよ。愛菜ちゃん、ごめん。これ返しておいて。冬馬ほら、レジいくぞ」 「いってらっしゃい」 私は、周防さんから深緑色のシャツを受け取ると元の場所へ戻した。 レジのほうを見るとまだ並んでいるところだった。 (レジにいっちゃうと他のお客さんの邪魔かしら…?) 1.二人に合流する 2.店の中を見て回る 3.店の外で待つ 331 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/25(日) 22 55 04 ID ??? 3.店の外で待つ 私は店の外に出て、二人が会計を済ませるのを待っていた。 (よかった。御門君の服、とっても似合っているな) 買ったジーンズの裾を切らずに済んだのは、御門君の足が長い証拠だ。 制服では気付かなかったけれど、長い手足と均整の取れた体つきは日本人離れしている。 レジで並ぶ周防さんと御門君は、いい意味でとても目立っていた。 (もしかして、二人ともかなりかっこいいんじゃないのかな……) そう考えると、夢の中で『デート』と言った周防さんの言葉が頭をかすめた。 思わず気恥ずかしくなって、うつむいてしまう。 (これはデートじゃなくて、気晴らしだよ、気晴らし) 「愛菜ちゃんお待たせ……って、あれ? 顔が赤いみたいだけど大丈夫?」 周防さんはクスッと笑いながら、私に尋ねる。 「いえ、なんでもないです」 「そう? 意外と俺たちがイケてるかも…なんて思ってたんじゃないの?」 身をかがめ、周防さんは楽しそうに私を覗き込む。 「………!」 「初々しいねぇ。だけど、男に対してもう少し耐性をつけた方がいいかもしれないな」 「本当になんでもないです」 「そんな嘘つきにはお仕置きだぞ~」 そう言って、周防さんは私の頭をくしゃくしゃと撫でた。 「か、髪がぐちゃぐちゃになるからやめてくださいっっ」 髪をおさえて、私はほぼ無意味な抵抗を試みる。 「ほれほれー」 周防さんは笑いながら、しばらくそのまま撫で続けていた。 少しの間、私をいじめて(?)いた周防さんがようやく手を止めた。 「おっと。冬馬が妬いてるし、このくらいにしておくかな……」 「…………」 御門君はあいかわらず無表情に私を見つめている。 私は ①御門君に話しかける ②周防さんに話しかける ③二人の様子をみる 332 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/26(月) 07 00 41 ID ??? ①御門君に話しかける 「嫉妬って…、なんで御門くんが嫉妬するのよ、ねぇ?」 「…………」 御門くんに同意を求めるが、案の定無言で見つめられるだけ。 「………」 「え?」 スッと御門くんが近づいてきたかと思うと、さっき周防さんがしたように私の頭をなで始める。 周防さんと違うのは、ぐしゃぐしゃになった髪を整えるような丁寧なものだということ。 「……っぷ、は、あはは、な、だから……ははっ、言ったろ?……っぷぷ」 びっくりする私と、頭をなでつつける御門くんを見ながら、周防さんが爆笑する。 予想外のことに、私は呆然とされるがままになっている私。 「み、御門くん、髪大丈夫だから……」 「………」 我に返った私の言葉に、御門くんは頭をなでるのをやめた。 (び、びっくりした…) 「さてと、次はどうする?」 ほてった顔に手を当てていると、周防さんがたずねてきた。 時間を見ると、もう少しでお昼。 チハルの新しいリボンもみたい。 周防さん達は何か他にほしいものはないのだろうか? 1.早めに昼食にする 2.チハルのリボンを見に行く 3.周防さんたちにどこか行きたいところはないか聞く。 333 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/27(火) 15 16 23 ID ??? 1.早めに昼食にする 「少し早いけど、先にご飯にしませんか?日曜日で混みそうだし」 「うん、それがいいかもしれない」 周防さんも時計を確認して頷いた。 「それじゃ、移動しようか?」 「はーい」 「…………」 「ところで愛菜ちゃんは朝なにたべてきたの?」 「えっと、ホットケーキです。周防さんと御門くんは?」 「俺?俺は普通にご飯に味噌汁だったなぁ~」 「………」 「……御門くんは?」 「………」 無言のままじっと見つめてくる御門くん。 「冬馬は、どうせ食べてきてないだろ?」 「………」 周防さんの言葉に、かすかに頷く御門くん。 「そうなんだ?」 「冬馬はいつものことだよな。愛菜ちゃんは何が食べたい?」 私はこういうところに来ると大体ファーストフードで済ませちゃうけど…。 御門くん朝食べてないならちゃんと食べられるようなところが良いかも。 でも、和食は周防さんが朝食べてきたって言ったし…。 ①ファーストフード ②ファミレス ③名物カレー専門店 334 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/27(火) 23 39 42 ID ??? ③名物カレー専門店 「フードコートに名物カレー専門店があるんです。そこにしませんか?」 「俺はいいけど。冬馬、お前は?」 周防さんは御門君に尋ねる。 「……………おととい」 「オトトイ?」 御門君の言葉の意味がわからず、私は思わず聞き返した。 「一昨日、あなたの夕食はカレーでした」 (……おとといは確かにカレーだったけど、なぜ御門君が知っているんだろう) 「どうして御門君が私のおとといの夕食を知っているの?」 「…………」 御門君はじっと私を見つめている。 答えが返ってくるのを私は辛抱強く待った。 「……つながってるから……わかります」 御門君には仮契約で守ってもらっているんだった。 だけど、食べたものまで御門君にわかってしまうなんて……。 もしかして私がトイレに入ったりしても御門君に筒抜けなのかな。 (そ、それは困るよ!) 「ストップ! それ以上話すとペナルティだけどいいのかな、お二人さん?」 周防さんが私たちの会話に割って入る。 私は…… ①周防さんに言うことをきく ②御門君にさらに尋ねる ③とにかくカレーが食べたい 335 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/28(水) 06 57 01 ID ??? ①周防さんに言うことをきく (そ、そうよねっ、今日はこういう話はなしだもん、後で御門君に聞こう…) 「………」 「はい、いい子いい子」 口をつぐんだ私たちの頭を、周防さんが子供にするようになでる。 「で、愛菜ちゃんはおとといカレーだったみたいだけど、いいの?カレーで」 「家で食べるカレーと専門店のカレーは別物ですから」 「確かに、ちがうよなぁ~、やっぱりスパイスとかかね?っと、冬馬カレーでいいか?」 「………」 無言で頷く御門君を確認して、周防さんは頷いた。 「それじゃカレーにすっか。混む前にレッツゴー」 「はいっ」 「………」 歩き出した周防さんについて歩きながらふと、疑問が浮かぶ。 「周防さん、ここに良くくるんですか?」 「ん?いや?できた頃に一回だけかな?どうして?」 「足取りに迷いがないので…よく来るのかなと……」 「あ~、ほら入り口にモールの全体図と店の案内があったのみたから」 「確かに…ありましたね」 でも、立ち止まってまで見ていない。 (一瞬見ただけで全部覚えちゃった…とか?まさかね、大まかに覚えてるだけよね) 「さて到着~、とりあえず入ろう」 「はーい」 店内に入るとお客さんはまだまばらで、好きな席に座ることができた。 メニューを開きながら、周防さんがたずねてくる。 「何食べる?」 「う~ん……」 私が好きなのは、このへんだけど…今日はどうしようかな? ①ベジタブルカレー ②チキンカレー ③激辛カレー 336 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/28(水) 19 18 27 ID ??? ①ベジタブルカレー 「愛菜ちゃん、決まった?」 周防さんはメニュー表を見ながら尋ねてきた。 「私はベジタブルカレーにします」 「了解。冬馬は?」 その時、ウェイトレスが注文をとりにやって来た。 「俺はビーフカレー、この子はベジタブルカレー。お前はどうするよ?」 周防さんに促され、御門君はメニュー表をゆっくり指差す。 「激辛カレーでよろしいでしょうか?」 ウェイトレスの質問に御門君は無言で頷いた。 オーダーの確認を済ませると、ウェイトレスは去っていった。 目の前には、周防さんと御門君が座っている。 (よく考えたら、この二人の事を何も知らないのよね……) まずは…すぐに答えてくれそうな周防さんに何か質問をしてみようかな。 ①年齢をきく ②職業をきく ③御門君との関係をきく 337 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/28(水) 19 51 11 ID ??? ①年齢をきく 「そういえば周防さんって、何歳なんですか?」 職業とか御門君との関係をきくと、ペナルティになる答えになりそうなので当たり障りのない所を聞いてみる。 「うん?何歳だと思う?」 周防さんは楽しそうに逆に聞き返してきた。 「えーっと、にじゅう……に、か、さんっ」 「おしいっ!」 「え…じゃあ、21!」 「ちがーう。はい、時間切れ正解は24でした」 「むーー」 「失礼します、ナンをお持ちしました」 「ありがとさん」 ウェイトレスがナンの入ったカゴをおいていく。 焼きたてのナンのいい香りがする。 ここのナンは絶品で、私はだいすきだ。 「ここのナンは食べ放題なんですよ」 「へぇ、そうなんだ?」 「すごくおいしいんです。ナンは家じゃつくれませんから、つい食べすぎちゃって」 「食いだめって?」 「ですです」 周防さんと談笑していたら、視線を感じた。 顔を向けると、じっと御門くんが相変わらずの無表情で私を見ていた。 (……も、もしかして…すねてる?) さっきも全然そうは見えなかったけど、周防さん曰く嫉妬していたって言うし…。 御門くんにも、なんか質問してみようかな…。 1.クラスを聞く。 2.辛いものがすきなのか聞く 3.どこに住んでいるのか聞く 338 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/28(水) 23 49 27 ID ??? 3.どこに住んでいるのか聞く 「ええと、あの、御門君? 御門君に聞きたいことがあるんだけど……」 私が呼びかけると、御門君は私に視線を合わせる。 ……なんだかちょっと恥ずかしくなりつつも、言葉を続けた。 「その……御門君ってどこに住んでるのかな?なんて……」 私の質問に御門君が黙り込む。 (そ、そんなに難しい質問したつもりじゃなかったんだけど……) 内心困惑しながらも、ひたすら御門君の答えを待つ。 やがて、彼から返ってきた答えといえば。 「……マンションです」 その一言だけだった。 再び、場が静かになる。 御門君の答えに、どう反応していいかわからなかった。 (ちゃ、ちゃんと答えてはくれたんだよね……うん。なんかズレてるけど) 「あ、えー、えーと、そうなんだ」 結局私はそう言った。乾いた笑いを顔に浮かべながら。 正直な話、どう切り替えしたらいいかちょっと分からなかったからだ。 「冬馬、お前なー……」 その様子を見ていた周防さんが大きくため息をつく。 「おバカ」 それから、小さく呟きながら軽く冬馬君の頭を叩いた。 衝撃のせいなのか冬馬君の頭がほんの少しだけ動く。 「あ、あの、周防さん?冬馬君にも悪気があったんじゃないでしょうし…… 私は気にしてませんから、ね?」 私が苦笑いをしながら止めに入ると、二人の動きが止まった。 「「…………」」 冬馬君は相変わらず無表情のまま、周防さんは驚いたような表情で。 それぞれに私を見ている。 (え?何?何なのこの反応?) ①自分の発言を思い返してみる ②妙な反応の理由を二人に聞いてみる ③とりあえず謝る 339 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/29(木) 06 50 09 ID ??? ③とりあえず謝る 「えっと、言いにくいこと聞いてごめんね、御門くん」 よく考えれば、私を守ってくれているとはいえ、プライベートにほいほい踏み込むほど親しいわけではない。 「………」 「愛菜ちゃんが謝ることないって。ずれてるのはこいつなんだから」 冬馬君は相変わらず無表情で私をみていたけれど、周防さんが苦笑する。 「おまたせしました」 そのとき丁度カレーが運ばれてくる。 それぞれのカレーをおいてウェイトレスが離れていった。 「………御門くんのカレー」 思わず見つめてしまう。 私と周防さんのカレーに比べて明らかに色が違う。 見ているだけで辛そうな黒っぽい色。 「…………」 御門くんは特に気にした様子もなく、ナンを手にとるとカレーを食べはじめた。 「俺達も食べよう、いただきまーす」 「あ、はい。いただきます」 でも、御門くんのカレーが気になってしまってつい見てしまう。 激辛のはずなのに、御門くんは表情も変えずにもくもくと食べている。 「冬馬、ちょっと分けてくれ」 周防さんも気になっていたのか、御門君のカレーをちょっと掬うとぱくっと食べた。 「………~~~~~!!!!!」 とたん、慌てて水を飲む。 「お、おまえ、良くこんなのそんな平然と……」 よっぽど辛かったのか、なみだ目で御門君を見ている。 (そんなに辛いんだ…) 1.御門くんに一口もらう 2.周防さんにどのくらい辛かったか聞いてみる 3.さっきの反応の理由を聞いてみる 340 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/29(木) 23 30 27 ID ??? 1.御門くんに一口もらう 「御門くん。私も一口もらっていい?」 「いいのかぁ? 見た目以上に強烈だぞ、コレ」 「大丈夫ですよ、辛いものは平気ですから。御門くん、いい?」 御門くんは無表情のまま、首を縦に振った。 激辛カレーはこの店の人気メニューだったけれど、食べきれる自信が無くて諦めていた。 香織ちゃんは辛いものが苦手だから、この店に来る機会もあまりなかったのだ。 (一度、食べてみたかったのよね……) そんな事を考えていると、黒い液体がすぐ目の前まで近づいていた。 「……………」 御門くんは黙ったまま、スプーンを更に近づけてくる。 (食べろってことだろうけど……ち、近い) スパイスの効いた香りに、少し目がしみる。 「あ、ありがとう……いただきます」 差し出されたスプーンをパクリと口の中に入れた。 その瞬間、口の中に痛みが広がる。 「……~~~~~!!!!!」 体中がブワッと焼けるように熱くなる。 「ほらっ、愛菜ちゃん。水、水っ」 周防さんがすかさずコップを差し出してくれる。 私はあおるように、その水を一気に飲み干した。 「し、死ぬかと思った……」 「ほらなぁ。せっかくお兄さんが忠告したのに無視するからだぞ」 周防さんは呆れるようにしながらも、コップに水を注いでくれた。 「…………もう、へいき?」 御門くんは少しだけ、首を傾げるようにして私に尋ねてきた。 ①「大丈夫。心配してくれてありがとう」 ②「御門くんは辛くないの?」 ③「周防さんの忠告を聞いておけばよかったです」 341 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/30(金) 00 10 51 ID ??? ②「御門くんは辛くないの?」 「よく、わかりません」 私の問いに、表情一つ変えないまま御門君が答える。 しかしその答えはどこか曖昧なものだった。 (よくわからないって……辛すぎてよくわからないってことなのかな……?) 私が考えている間にも、御門君は無表情に黙々と食べ続けている。 (そういえば、周防さん、急に静かに……) ふと、周防さんのほうに視線だけを向ける。 「……」 周防さんは何ともいえない複雑そうな表情で御門くんを見ていた。 「……周防さん?」 その表情が気になって声をかける。 周防さんは私の声で我に返ったようだった。 「悪い悪い。ちとボーっとしてた。……さ、早く食べようぜ?」 そしていつもの子供っぽい笑顔を私に向けて、自分のカレーを食べ始める。 「わ、は、はい」 周防さんに促されるまま、私も自分のカレーを食べることにした。 ……んだけど、味がよく分からない気がする。 なんでだろう? ①さっきの激辛カレーのせい? ②御門くんの反応のせい? ③周防さんの表情のせい? 342 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/30(金) 06 45 00 ID ??? ①さっきの激辛カレーのせい? 口の中がぴりぴりして、全身が熱い。 汗を拭こうとバッグの中からハンカチを探していると、視線を感じた。 顔を上げると、御門君がバッグを見ている。 その視線の先にはチハル。 チハルはおとなしく入ったままの状態。 でも、御門くんをじっと見ているみたいだった。 (な、なんだろう…、チハルが動けるってばれてる…?) 感情の読めない二つの視線がぶつかっている……気がする。 (あ…、でもなんか御門くんとチハルって似てるかも…?) チハルは人形だから当たり前だけれど、感情が読めないところとか… 時々良くわからない行動をしているところとか… 「ん?冬馬どうした?」 急に食べるのをやめた御門くんに顔を向け、その視線を追って周防さんもチハルを見る。 周防さんの表情からは、ヌイグルミがどうかしたのか?というような疑問が伺える。 えっと…… 1「この子がどうかした?」 2「小さいときに誕生日にもらった子なんです」 3「今日新しいリボンを買ってあげようと思って…」 343 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/30(金) 09 29 03 ID ??? 3「今日新しいリボンを買ってあげようと思って…」 「思わずつれてきちゃいました、あ、あはは……」 苦笑いしながら、チハルを机の上に置く。 「そーか。じゃあ、後で小物屋かどっかに行かないとな?」 チハルの頭をなでながら周防さんが二カッと笑う。 「……」 対して、御門くんは無言のまま、じっとチハルのことを見ていた。 (な、何か気になることでもあるのかな……? もしかして、ただのぬいぐるみじゃないって察してるとか?) その視線に、なんとなく私が落ち着かなくなってしまう。 「あ、あの……そろそろしまってもいいかな?」 私の言葉に、御門くんは小さく頷く。 …が、完全にしまわれるまで御門くんの視線はずっとチハルに注がれたままだった。 「と、ところで二人は、今日は他に行きたいところは?」 少しでも気をそらそうと、私はすぐに新しい話題をふる。 「んー…」 私の質問に、考える様子を見せる周防さん。 少し辺りを見回し―――やがて、その視線がある一点で止まる。 「あ、アレなんか楽しそうじゃないか?」 おもむろに窓の外を指差した。 その指先を追って私たちはそちらに視線を向ける。 そこには一枚のチラシ。 「縁日?」 どうやら今のイベントホールでのイベント内容の告知のチラシのようだ。 今は夕方から夜限定での縁日をやっているらしい。 「おう。何かさ、楽しそうじゃないか?」 嬉しそうに周防さんが言った。 「……縁日……?」 御門くんはチラシをじっと凝視しながら小さく呟く。 1、「御門くん、縁日に興味があるの?」 2、「周防さんはお祭りが好きなんですか?」 3、「縁日かぁ……行ってみませんか?」 344 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/30(金) 11 34 37 ID ??? 1、「御門くん、縁日に興味があるの?」 いつもあまり反応を見せない御門君が呟いたので、おや?とおもって聞いてみる。 「……神仏に縁のある日なんですか」 「…へ?」 「あ~~~~~~、冬馬」 御門くんの言葉の意味が分からず首を傾げる私と、脱力したようにパタパタと手をふる周防さん。 「お前が思ってる縁日と違うから」 「…………?」 「こういうところでいう縁日ってのは出店、屋台のことなんだよ、OK?」 「………」 分かったのか分からないのか、チラシから視線を外した御門君は食事に戻った。 「?」 「ああ、気にしなくて良いよ。コイツがまたズレたこと考えてただけだから」 苦笑しながら、周防さんも食事を再開する。 周防さんの様子から、たぶん私が聞いても良く分からないことなんだろうな…。 「でも、これ夕方からですから、まだ時間ありますね」 「うん、そうだな~。それじゃ、先に愛菜ちゃんの買い物しちゃおうか」 「あ、はい」 「その子のリボンのほかに、買いたいものとかないの?」 えーっと… 1「リボン以外は特にないです…」 2「ちょっと服を見に行きたいです」 3「文具を見に行きたいです」 345 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/31(土) 06 48 37 ID ??? 1「リボン以外は特にないです…」 もともと何かが買いたくてショッピングモールに来たわけではない。 リボンのこともさっき思いついただけだし…。 「そっか。それじゃ、食べ終わったらとりあえず、雑貨屋にいこうか」 「はい」 「…………」 周防さんに頷く私と、無言の周防君。 なんか、こうしていると一気に兄弟が増えたみたいだ。 優しいお兄ちゃんの周防さん。 お兄ちゃんに甘える妹の私と、ちょっと反抗期な弟の御門くん。 「うん?どうしたの愛菜ちゃん?急ににやにやして」 「に、にやにやってなんですかっ、せめてニコニコと言ってくださいっ」 「はははっ、で、なんでニコニコしてるの?」 そ、それは… 1.兄弟が増えたみたいで楽しい。 2.周防さんって、お兄ちゃんみたい 3.ないしょ 346 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/31(土) 18 56 01 ID ??? 3.ないしょ 「ないしょです」 (兄弟が増えたみたいで楽しいなんて言ったら、また周防さんに子供扱いされちゃう) 「ふぅん。俺たちに隠し事するんだ?」 「そうですよ、私だって女の子ですもん。秘密にしたい事くらいありますっ」 私は胸を張って答える。 「へぇ~。だけど、愛菜ちゃんの顔にバッチリ書いてあるんだよなぁ」 周防さんはイタズラをする子供のような笑みを浮かべて言った。 「……何が書いてあるんですか?」 「兄弟が増えたみたいで楽しいってさ。かわいいよなぁ、よしよし」 そう言いながら、周防さんは私の頭をポンッと手をのせた。 (うぅ~~~、周防さんには敵わないよ) 「………………」 黙っていた御門くんの視線が私の頭に注がれた。 ジーっと無表情のまま、私の頭上だけを凝視する。 そして、御門の手がスッと私に伸びたかと思うと、ポンッと頭の上に置かれた。 私の頭に二人の手がのっている。 私は…… ①周防さんを見る ②御門くんを見る ③二人の手を振り払う 347 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/31(土) 20 00 14 ID ??? ②御門くんを見る 御門君までこんな行動を取るとはおもわなかった。 びっくりして、御門君を見つめてしまう。 御門君は相変わらず無表情で何を考えているのかわからない。 「冬馬も、そう思うか。うんうん。やっぱりかわいいよなー」 頭に手を載せたまま、周防さんがうんうんと、頷いている。 「………」 「そっかそっか、冬馬も妹ができたみたいでうれしいかー」 御門くんは何も言っていないが、周防さんは一人でニコニコと笑っている。 (…って、あれ?) 周防さんの言葉に、引っ掛かりを覚えて、周防さんの言葉を反芻する。 そして、その引っ掛かりがなんなのか気づいて、思わず… 1.御門くんって1年生なんじゃ? 2.姉の間違いじゃないですか? 3.御門君を凝視する。 348 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/03/31(土) 23 33 09 ID ??? 2.姉の間違いじゃないですか? 私がそういうと周防さんは悪戯っぽく笑う。 「さて、それはどうだろうなー?」 そして、私の頭の上に乗せた手をぽんぽんと軽く動かした。 「もうっ。それって、さっきの仕返しですか?」 されるがままになりながらも問いかける。 ……すると、周防さんは私から離れた。 「僕だって男の子だものっ。隠し事くらいしたいのっ」 そして胸を張ってそう返してくる。 セリフといい、微妙な裏声といい、コレはさっきの私のモノマネなんだろうか。 「あ、あはは……」 反応に困る私。 「……周防、気色悪い」 それとは対照的に、めずらしくきっぱりと発言する御門くん。 びっくりして、思わず御門君のほうを見る。 だけど相変わらず無表情のままだった。 「み、御門くん……」 ①「私には敬語なのに周防さんには普通なんだね」 ②「そこまで言ったら周防さんが可哀想だよ」 ③「今の御門くん、なんかちょっと珍しい感じかも」 349 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/04/01(日) 09 25 14 ID ??? ①「私には敬語なのに周防さんには普通なんだね」 言いたいこととは微妙に違う言葉。 (でも、まさか直接珍しいっていうのも……失礼だよね) まだ会って間もないし、言葉が少ないのは人見知りしてるからっていう可能性もある。 だんだん私にもなれて、口数が多くなってきたのかもしれない。 (無表情は元からみたいだけど…) 「……周防は」 しばらくの間のあと、御門くんがつぶやいた。 「……そうしろと言った」 「あ~、そういや、そんな事もあったかな?」 「そういえば、私とはじめてあったときも、苗字で呼んだら、名前で呼んでっていってましたね」」 「堅苦しいのはいやなんだよ」 肩をすくめて、周防さんが苦笑する。 「確かに…、きっちっとした周防さんって想像できないかも」 「こらこら、それはどういう意味かな~?愛菜ちゃん?」 「あははは……」 とりあえず、笑ってごまかす。 でも、それなら御門君に言えば… 1普通に話してくれるようになるのかな? 2笑ってっていったら、わらうのかな? 3隠し事はなしっていったら、さっきの答えが返ってくるかな? 350 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/04/01(日) 20 13 49 ID ??? 2笑ってっていったら、わらうのかな? ふと、そんな疑問が浮かんだ。 一度だけ契約の時に微かに笑ったように見えた事があったけど、あれは夢の中だった。 周防さんの頼みを聞いてくれたのなら、私のお願いも聞いてくれるかも知れない。 「あのね、御門君。お願いがあるんだけど、いい?」 「……………」 御門君は私を見た後、コクリと頷いた。 (やった!) 「私に向かって笑いかけてみて。どうしても見てみたいんだ」 「…………」 御門君はしっかりと私に向き直ってくれる。 どうやら、やる気になってくれているみたいだ。 (どうしよう、なんだかドキドキしてきた) 『笑う』なんて些細なことなのに、御門君がすると思うとつい緊張していまう。 御門君はしばらく目を伏せ、ゆっくり目を開ける。 そして、私をしっかりと見つめ――― (あれ……?今、口の端が少し動いた?) 片方の口の端がほんのわずか動いた。 だけど、それはとても笑っているというものではなかった。 (やっぱり、無理に笑ってもらうのはダメだったのかな……) 「おい、冬馬。それは悪事をたくらむ越後屋の顔だっての」 周防さんは困ったような笑みを浮かべ、御門君に突っ込みを入れる。 私は…… ①「そんな事無いよ。ありがとう、御門君」 ②「無理を言ってごめんね、御門君」 ③「そんな言い方は駄目ですよ、周防さん」
https://w.atwiki.jp/wakan-momomikan/pages/4603.html
栗の精│和│果部│ http //wakanmomomikan.yu-nagi.com/momomi3/maki-4469.htm
https://w.atwiki.jp/animeamemo/pages/61.html
アニメ:夏目友人帳(なつめゆうじんちょう) OP 歌手名:喜多修平(きたしゅうへい) 曲名:一斉の声(いっせいのせい) 曲はこちらから
https://w.atwiki.jp/mbmr/pages/363.html
彼女たちのせいでしかないあの夏のフォーティワン ◆John.ZZqWo 朝日に白くぼけた道の上を渋谷凛は自身の長い影を追いながら歩いていた。 その足取りは重い。 まるで靴の中に気だるさが溜まり形を持ってしまったのかと、そんなことを思うほどに足は重かった。 なにかを考えなくてはいけないと思う。なにかを。 例えば、島村卯月の行方。 ここまで来て、まだ見かけたという話すらひとつもない彼女。一体、どこに姿を消してしまったんだろう? 大石泉に連絡をお願いされた病院に陣取っていたはずのアイドルたち。 記憶を辿れば、そう。 向井拓海と小早川紗枝。それと――、それと――…………。それ、? 足が重い。足が痛い。 目の前の坂道を見上げる。来る時にこんな坂道はあっただろうか? いいや、あった。 来る時は下り坂だったから気にならなかっただけ。来る時は、じ――……? そう、だ。 いつの間に自転車を降りて歩いているのだろう? いつから自転車に乗らず歩いているのだろう? 自転車はどこにあるのだろう? 諸星きらりから譲ってもらった自転車。彼女は、自転車は今どこに? 記憶を手繰る。 それがひどく億劫なのはどうしてだろう。それをしてはいけないと思うのはどうしてなんだろう? “自転車は病院にあるよ” そうか。忘れてきたんだ。病院の前に止めて、そして――そのまま、置いたまま出てきてしまったんだ。 “取りに戻らなくちゃいけないんじゃないかな” そう。あれがないと困る。この島は広い。歩いてたらどれだけ時間があっても足りない。 “だから病院に戻ろうよ” うん、病院に戻るよ。忘れ物を取りに帰るよ。 振り返る。 病院は目の前にあった。私は一歩もそこから進んではいなかった。 @ 「ふぇわあぁあぁあああ……っ!?」 なに、この声? 「…………は、…………っ? …………私」 ここは、“どこ”? わからない。混乱する。急に時間が飛んだような。記憶が飛んだような。まったく別の世界に連れ去られたような。 怖い。わからないのは怖い。多分、それは、もしなにかがおかしくなったのだとしたら、それは私以外にありえないから。 ついに気が狂った……とは、でも、まだ思いたくない。 冷静に。冷静に、周りを、観察しよう。大丈夫。殺し合いが始まった時でもできたんだから。 ここはどこ? 明るい部屋。広い。テーブルがいくつも並んで、壁にはメニュー、新しいハンバーガーの宣伝ポスター。 そう、ここはただのハンバーガショップ。なにも怖くないところ。 「…………あ」 手の中に食べかけのハンバーガー。まだ少しだけあたたかくて。 トレーの上にはぱさぱさのフライドポテト。そして、手付かずの“アップルパイ”。 「そか……」 なんのことはなかった。 ここは通り道に見つけたハンバーガーショップ。なにか食べようと中に入り、見よう見まねでハンバーガーを用意して。 食べている途中にうとうととして、多分、“落ちた”。 時計を見れば「5時45分」。この店に入ったのが確か20分くらいだったはずだから、意識を失ったのは一瞬だ。 「はぁ……」 大きな溜息を。そしてたくさん氷を入れてキンキンにしたコーラを飲む。 食べかけのハンバーガーはトレイの上に。もう食べたいとは思わなかった。それよりも気持ち悪かった。 フライドポテトももう食べたくない。アップルパイも、多分一生食べられない。 「…………最悪」 なにが最悪? 多分、なにもかもが最悪。こうやって最悪だって思う心が一番最悪。 “だから病院に戻ろうよ” あれは自分の声だった。渋谷凛の声。私の声。本当の声。私の本音。本当の私がしたいこと。 “私”は言った。「奈緒のところに戻ろうよ」――と。 奈緒は死んでいない。けど、別れるということは奈緒を殺すということ。どうしてそんな選択をしなくちゃいけないの? 戻ればいい。奈緒の手を引いてあの病院から連れ出せばいい。そうして奈緒といっしょに行けばいい。 私 は 奈 緒 を 助 け て も い い 。 みんなで帰るって言ったよね。だったら、どうして? なんでなにかひとつだけしか選んじゃいけないの? 奈緒を連れ戻しに病院に戻ろう。加奈ちゃんの遺体だって、ちゃんと埋葬してあげよう。 岡崎さんや喜多さんだって今から戻ればできることがあるはず。未央だってあのままじゃかわいそうすぎる。 今から全部できることをしにいこう。これ以上、後悔しないように。これ以上、悲しくならないように。 そう、“私”は言っていた。 @ 自転車のサドルを撫でる。きらりから預かった自転車は“記憶どおり”に店の前に立てかけてあった。 放送までは間もなく。 座って待っていてもよかったかもしれない。けど、座っているとそれだけで不安になって、だから立っていることにした。 「…………」 “私”は言った。戻ろうと。後悔をしないためにできるだけのことをして、それから進もうと。 それは私の本心だ。私はきっと後悔する。後悔なんて言葉じゃきっと全然足りないくらいに後悔する。 時計の針が6時に近づく。きっと、“名前”が呼ばれる。その時、気が狂うかもしれない。発狂するかもしれない。 それくらいに私は臆病な人間だ。今頃になって、この島に来て、追い詰められて、だんだんそれがわかってきた。 もう一人の“私”が頭の中で言う。戻っちゃいけない。後ろを振り返っちゃいけないと。 それが私の本心だ。もし一歩でも後ろに下がれば、一回でも足を止めれば、私は酷く後悔するに違いない。 多分、死ぬと思う。比喩でなく、その時死ぬと思う。もし、“名前”が呼ばれたら私はここで死ぬだろう。 卯月は言ったよね。諦めないのが私のいいところだって。 違うよ。私はあの時、初めて卯月と出会って、未央と3人でアイドル候補生になる追試を受けた時。 怖くて怖くてしかたなかったんだ。 一瞬浴びた光が消え失せ、ただの自分に戻ること。 なにもなかった、手違いだったと親や友達になんてない顔をして報告しなくちゃいけないこと。 自分の見た未来(ゆめ)が嘘だったんだって、それを認めちゃうことが怖かった。 諦められなかっただけなんだ。ただ、諦めるほうが怖かったって、それだけだったんだ。 あの時、卯月に助けられなかったら、渋谷凛という存在は壊れていた。 きっとただのなんでもないひとりの人間になって、もう二度と渋谷凛には戻らなかったに違いない。 そしてそれは今も変わらない――。 “私”は島村卯月を失いたくない。それは、私の世界の否定だから。 だから、私は卯月以外の全部を諦めることができる。どれだけ残酷で、どれだけ後悔しようとも。 卯月と手を取って、もう一度彼女に「笑顔、笑顔」って言ってもらえればまたそこから歩き出せるんだ。 どんな後悔があっても、どんな心残りがあっても、それもいっしょに、卯月とならステージの上に持って行ける。 そう信じてる。そう信じたい。だから、きっと、これはただ最初からそうだったってだけの話で、だから―― 「私はニュージェネレーションを諦めない」 そう言ってきたんだ。 @ お店の壁掛け時計を見て、情報端末の時計を見て、どちらも何度も見比べて、それでなにが変わるわけでもないのに。 後10分足らず、なにもできない時間がもどかしくて私はこの後のことを考える。 しなくちゃいけないことは決まっている。 卯月を見つけ、病院にいたはずの人らを見つけ、警察署に戻り、みんなで帰る。 けど、卯月は本当にどこにいるのだろう? まだ山の周りにいるんだろうか。それともどこかで入れ違いになったのか。 誰も卯月の姿を見た人はいないという。だったら、卯月は山頂でひとりぼっちで私を待っているのかもしれない。 「キャンプ場……遊園地……」 山の傍にあって立ち寄ってないのはそのふたつだけ。 キャンプ場はいまいちぴんとこない。 遊園地は動物園でもあるらしいけど、卯月がそこに隠れてるというのはなんだか想像するとありえる気もしてきた。 「向井拓海と小早川紗枝、それと、白坂小梅と松永涼……」 そして、それが病院にいたはずの人間の名前。きらりから託された名前。でも……、私はすでに“見ている”。 加蓮と奈緒に出会ったあの場所。和久井さんと対決したあの場所にあった二人の死体。 あれは松永涼と白坂小梅に見えた。 車椅子の死体には片足がなかったし、黒こげの死体は子供みたいに小さかった。だから間違いないと思う。 残りの二人も死んでいるような気がする。奈緒は名前を出さなかったけど、病院の中でもっと殺しているという風だった。 もしそうなら、それはもうすぐに判明することだけど……少し楽になるかな、なんて。 「ほんと、最低……」 でも、それなら卯月だけを探せる。 もう奈緒と加蓮とも別れてしまったんだ。他のめんどうなことは全部見捨ててもいい。 卯月だけでいいんだ。最初っからそうだったんだから。 この島から抜け出すなんてこともなんだか些細なことに思える。卯月と私、二人だけなら簡単になんとかなるんじゃないかな? 「そんなわけ、ない……」 ああ、もう本当に気が狂いそう。これって寝不足のせい? “私”はもうどこかで死んでもいいって思い始めてる。生き残ることが正しいのかわかんなくなってる。 “私”は今にも奈緒が病院からここへと駆けつけて、やっぱりいっしょに行くと言ってくれるかもと期待している。 “私”は卯月のためなら誰かを殺してもいいって思ってる。奈緒や加蓮もそうしたんだから。 “私”はもうなにもかも投げ打って、ずっとここで泣いて、疲れたら寝て、助けてくれる人を待ち続けたいと思ってる。 “私”は目の前の自転車を持ち上げてウィンドウにぶつけて粉々したくてたまらなくなってる。 渋谷凛は、奈緒と加蓮の遺志を、これまでの全部を無駄にしようないよう前に進み続けなくちゃいけないんだって思ってる。 時計の針が上ってゆく。カチコチと。何の容赦もなく私を追い立てる。 お願い。卯月。私をもう一度助けて。 【B-4/ファーストフード店/二日目 早朝(放送直前)】 【渋谷凛】 【装備:マグナム-Xバトン、レインコート、折り畳み自転車、若林智香の首輪】 【所持品:基本支給品一式】 【状態:疲労、軽度の打ち身】 【思考・行動】 基本方針:『アイドル』であり続ける。/ニュージェネレーションを諦めない。 1:卯月を探す。/卯月を探す。 2:警察署へ戻る。/卯月を連れて戻る。 3:渋谷凛として前へ進む。/お願い、卯月。もう一度手を握って。 4:みんなで帰る。 /卯月といっしょにステージに立つんだ。 前:継/繕 投下順に読む 次:彼女たちが導き出す答えはいつだってフォーティトゥー 前:継/繕 時系列順に読む 次:彼女たちが導き出す答えはいつだってフォーティトゥー 前:THE 愛 渋谷凛 次: ▲上へ戻る