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櫻子さんの足下には死体が埋まっている - 編集タグアニメ公式/Wikipedia/Twitter 目次 基本情報 音楽情報 各話使用音楽一覧Q 基本情報 監督 加藤 誠 音響監督 菅原輝明 音楽プロデューサー 吉江輝成、佐藤純之介(アイウィル) 音楽制作 ランティス 話数 全12話 放送時期 2015年10月~2015年12月 原作区分 小説 関連作品 音楽情報 区分 楽曲情報 発売情報 発売日 劇伴音楽 TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND A『TVアニメ『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』オリジナルサウンドトラック「music beneath the cherry blossom」』TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND 2015年12月23日 OPテーマ 「Dear answer」TRUE(第1話~第7話、第9話~第12話) 作詞:唐沢美帆 作曲・編曲:中山真斗 ※第1話、第12話ではEDテーマとして使用。(「オープニングテーマ」表記) S『Dear answer』TRUE 2015年10月14日 EDテーマ 「打ち寄せられた忘却の残響に」TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.大竹佑季(第2話~第11話) 作詞・作曲・編曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND ※第6話では挿入歌~EDテーマとして使用。(「エンディングテーマ」表記のみ) S『打ち寄せられた忘却の残響に』TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND 2015年11月04日 挿入歌 「DOKURO~恍骨礼讃歌 第1章~」聖鬼Mk-II(第1話、第8話、第10話) 作詞・作曲・編曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND A『TVアニメ『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』オリジナルサウンドトラック「music beneath the cherry blossom」』TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND 2015年12月23日 topに戻る 各話使用音楽一覧 各話で使用された音楽の一覧。 ・ここでのOP・EDの定義はクレジット上の表記ではなく、OP・EDクレジットのテロップが表示されている場面(多くはOP・ED映像と共に流れる)で流れていた楽曲。 ・基本曲名のみで表記。歌手などが違う場合その都度表記。 ・初使用の楽曲は太字で表記。 話数 サブタイトル OP ED 挿入歌他 第1話 骨愛ずる姫君 なし 「Dear answer」 ※「オープニングテーマ」表記。 ※OPテーマ。 「DOKURO~恍骨礼讃歌 第1章~」 第2話 あなたのおうちはどこですか 「Dear answer」 「打ち寄せられた忘却の残響に」 なし 第3話 夏に眠る骨 「Dear answer」 「打ち寄せられた忘却の残響に」 なし 第4話 呪われた男 前編 「Dear answer」 「打ち寄せられた忘却の残響に」 なし 第5話 呪われた男 後編 「Dear answer」 「打ち寄せられた忘却の残響に」 なし 第6話 アサヒ・ブリッジイレギュラーズ 「Dear answer」 「打ち寄せられた忘却の残響に」 ※挿入歌~EDテーマとして使用。 なし 第7話 託された骨(前編) 「Dear answer」 「打ち寄せられた忘却の残響に」 なし 第8話 託された骨(後編) なし 「打ち寄せられた忘却の残響に」 「DOKURO~恍骨礼讃歌 第1章~」 第9話 お祖母ちゃんのプリン 「Dear answer」 「打ち寄せられた忘却の残響に」 なし 第10話 蝶は十一月に消えた(前編) 「Dear answer」 「打ち寄せられた忘却の残響に」 「DOKURO~恍骨礼讃歌 第1章~」 第11話 蝶は十一月に消えた 後編 「Dear answer」 「打ち寄せられた忘却の残響に」 なし 第12話 櫻子さんの足下には・・・ なし 「Dear answer」 ※「オープニングテーマ」表記。 ※OPテーマ。 なし topに戻る
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れいむとカレー 書いた人 超伝導ありす このSSは以下の要素を含みます。苦手な方は読むのをお控えください。 かなり愛でてます 罪のないゆっくりがひどい目に遭います 死なないゆっくりが居ます ぬるいじめ 一部、食事中に読むには不向きなシーンがあります とあるお兄さんの家に、一匹のゆっくりれいむが飼われていた。 れいむは子供の頃のお兄さんに引き取られ、大切に育てられて比較的素直なゆっくりになっていた。 しかし、そんなれいむも完璧ではない。 このれいむには唯一困った癖があったのだ。 「じゃ、いただきます」 「ゆっくりいただくよ!」 休日のお昼。 お兄さんは昼食のカレーを食べ始める。 それに続いて、れいむもゆっくりフードを食べ始めた。 れいむには、飼い主が食事を始めてから自分の分を食べ始めるように躾けてある。 これはゆっくりに限った事ではないが、ペットに上下関係を理解させる一番の方法だ。 れいむに与えられているのは、小粒のドライフードではない。 カ○リーメイトのような、ブロック状の専用食である。 れいむは生まれつき細かい餌を食べるのが苦手だった。 普通のゆっくりは手足や首が無くても、体を伸ばしたり捻ったりして、器用に餌を食べるものだ。 調べた限りでは、何世代も飼われ続けたゆっくりの子供には、そういう個体が生まれる可能性が増えるという。 危険に晒される事がないので、生存能力が失われていくのだろうか。 私生活にまで支障が出るほど平和ボケしてしまうのだから、困ったものである。 その代わり、れいむは自分の舌を駆使して、象の鼻のように扱う術を身につけていた。 生きるために身につけた技だけに、これがなかななの器用ぶり。 れいむはいつものように、ブロックに舌を巻きつけ口に運んだ。 「おいしいよ!おにいさん!」 「そうかそうか。もっと食え」 お兄さんもいつもの通りの生返事。 こっちはこっちで自分のカレーが最優先だった。 「ゆっくりごちそうさまだよ!」 しばらくすると、れいむは先に食事を終えてしまった。 皿に盛られたのがブロック五つだけなのだから当然だ。 見た目は少なそうに見えるのだが、ぎゅっと固まっているので量は足りている。 足りてはいるのだが…。 れいむはお皿をぺろりと綺麗に舐め取ると、おもむろに動き出した。 行き先は、台所の隣にある洗面所のさらに奥、浴室だ。 れいむはそこで反転すると、浴室の扉から体の右半分だけを出し、お兄さんの食事風景を見つめはじめた。 (またか…) お兄さんは気にしないようにしてカレーを食べ続ける。 れいむの困った癖。 それは、飼い主の食事風景を物欲しそうな目つきで眺めることだった。 しかも、必ず何かの影から顔半分だけを出しての観察である。 見られる方は気になってしょうがない。 これが、足元で上目遣いをするくらいであれば、愛嬌があるだろうが…。 「おい、れいむ」 「ゆゆ!れいむはみてないよ!おにーさんのかれーなんてみてないよ!」 聞いてもいないのに答える辺りが餡子脳か。 しかも浴室の扉はすりガラス。 なので、本人は隠れているつもりでも隠れていないのが滑稽だ。 これと同じことを、客人にもやるのだからたまらない。 お兄さんは何度もれいむに注意したが、これだけは直らなかった。 たった一度だけ、人間と同じ食事をさせた結果がこれとは。 基本的には『あまあま』が一番の大好物のようだが、人間の食事は憧れなのかもしれない。 「ふうむ」 そこでお兄さんは思った。 今回、このカレーを与えてみるのはどうだろうか。 ゆっくりは犬猫と違い、人間と同じ食事を与えても毒にはならない。 ただし、辛味だけはダメだ。 犬にチョコレートを与えるのと同様に、中身が甘味のゆっくりにとって辛味は毒である。 しかし、お兄さんは辛いものが苦手。 だけどもカレーは好きだという性分。 いわゆる給食カレー党である。 今食べているカレーも、それほど辛くないから、そう大事にはならないだろう。 それにコレに懲りて悪癖が治るなら…。 お兄さんは、この時は気軽に考えていた。 「そんなにほしいのか?だったら、少し食べさせてやるぞ」 「ゆゆっ!?」 れいむはびっくりして、しかしすぐにお兄さんの足元へと駆け込んできた。 感情よりも食欲が勝った、ゆっくりにとっては一般的な行動だ。 「ただし、さっきみたいな事を、もうしないこと」 「ゆっくりりかいしたよ!だからはやくちょうだいね!」 お兄さんはれいむのお皿に、カレーをスプーン一杯分盛ってやる。 「おいしそうだよおお!!」 れいむは、慌ててそれに舌を伸ばした。 「おいしいよおおお!!しゅっごくおいしいよおお!!」 唾液を飲みきれない不明瞭な声で、れいむは感動を口にした。 (ん…?なんだか反応が…) 「もっとちょうだいね!もっとちょうだいね!」 お兄さんは、足元でぴょんぴょんと跳ねるれいむの姿をじっと眺めていた。 しかし、待てど暮らせど、期待したリアクションが返ってこない。 「おい、れいむ。辛くないのか?」 「すこしぴりぴりするけど、おいしいよ!」 てっきり「からいいい!!」と叫び転がりまわる姿を想像していたお兄さんは拍子抜け。 いくらバーモ○ドカレー(甘口)とだからといって、毒には違いないはずなのだ。 「今日はこれでおしまいだ」 「ゆゆ!もっとほしいよ!くれないとあばれちゃうよ!」 そう言って、れいむは床を転がり始めた。 もちろん本気で暴れようというのではない。 他のペット同様、飼い主の気を引こうとする「ごっこ」遊びである。 それに、ゆっくりは転がり回るのが大好きだ。 本来であれば、ころがり遊びは幼いうちだけの遊び方だ。 成体になると『おとな』の自覚が芽生えるのか、次第に忘れていく。 だが、れいむはまだまだお転婆だった。 これも生存本能が薄れた結果だろうか? れいむは今までに一度も子供が欲しいと口にしたことがない。 未だに子供気分でいるのかもしれない。 「ゆううん。ゆううん。ゆっくりはさみしいとしんじゃうんだよ!」 お兄さんが構ってくれないので、今度は足にまとわりついてくる。 「いいこにしてたら、またあげるよ」 「ゆっくりりかいしたよ!やくそくだよ!かれーだよ!ぜったいだよ!」 れいむは、ゆっくりにしては素直に引き下がった。 それは、信頼の証でもある。 その日以来、れいむは癖を我慢した。 「まいったね」 こうしてお兄さんは、れいむに人間の食べ物を食べさせてあげなくてはならなくなったのだ。 それから一週間。 お兄さんは台所でカレーを調理していた。 いつもはお昼の分と夜の分だけだが、今回はれいむの分も入っている。 (そろそろ約束守らないとキレる頃だよな…) お兄さんは経験から、そう予測していた。 もっとも、カレーの匂いを嗅ぎ付けて、れいむはお兄さんの足元で嬉々として跳ね回っている。 「はやくたべたいよ!ゆんゆん!」 「あ~。今回はたっぷり食べさせてやるから、おとなしく待ってろな~」 皿を二つ用意して、ご飯を盛り、カレールーを上から掛ける。 「よっと」 お兄さんは自分の分をテーブルの上に、れいむの分をいつもの床の上に置く。 「ゆうううう!はやくたべたいよおおお!」 まるで、幼い頃に戻ったかのよう。 禁じられた涎をだらだらと流して、目に穴が空くほどの勢いでカレーを見つめている。 最低限、飼い主より先に口を付けないルールは守っているようだが、それも時間の問題だ。 「じゃ、いただきます」 「ゆっくりしないでたべるよ!!」 れいむの反応は早かった。 まずはカレールーに顔をそのまま突っ込んだ。 そのまま舌が届く範囲のカレーを口の中に掻きこむと、顔を上げて咀嚼する。 顔についたカレールーをベロリと舐めて、ご満悦の表情だった。 (こいつ、本当はゆっくりじゃないんじゃないか…?) 一瞬、本気で信じてしまいそうな光景だった。 最後は皿の端に口を付け、舌をスプーンのように使い、奥から手前へと何度も往復させた。 (うーむ、あれなら、最初から小粒のドライフードも食べれられたんじゃないのか?) ブロック状の餌は、需要が低いのか小粒のドライフードよりも割高だ。 今までの苦労はいったい何だったのだろうと、お兄さんは少しだけうなだれる。 「ゆっくりしなかったけど、ごちそうさまだよ!」 れいむはそう言い切って、お兄さんの足下へとやってくる。 顔はカレー色に染まっていた。 ご存じの通り、カレー汚れは非常に落ちにくい。 どうやら、れいむの皮に色素が移ってしまったようだ。 「おにいさん、おいしかったよ!ありがとう!」 「そーかそーか」 顔の掃除をどうするか…とお兄さんが考えていると、れいむは次に信じられないことを言った。 「きょうはぴりぴりしなかったよ!つぎはもっとぴりぴりしたのをちょうだいね!」 「はあ?」 お兄さんは、どう反応していいか分からなかった。 「ゆっ?どうしたの、おにいさん?」 (れいむは突然変異種。れいむは俺の嫁。よし問題ない) お兄さんは、半ば錯乱状態で心を落ち着かせた。 「じゃあ、もっといいこにしてたら、辛くしてやるぞ」 「ゆっくりりかいしたよ!れいむはいいこになるよ!おてつだいもするよ!だからちょうだいね!」 その日以来、れいむはお手伝いをするようになった。 「くさむしりをするよ!」 「とった草は、ここにあつめろよ~」 「わかったよ!ごっくん!」 「なにしてんの、オマエ?」 「カレーのおかげで、おなかのちょうしがいいよ!」 (どういう理屈だか…) こうしてお兄さんは、れいむにもっと辛いカレーを作らねばならなくなったのだ。 それから半年が経った。 「いや~、れいむちゃん、りっぱになったねぇ」 ここは、お兄さん行き着けの食堂。 感嘆の声を上げたのは、顔なじみの食堂の店主だ。 「いや…。まったく困ったもんだよ」 お兄さんも苦笑い。 「ゆゆっ!れいむはおにいさんじまんのれいむだよ!」 その隣で、巨大な饅頭…もとい、れいむが誇らしげに答える。 れいむの背丈は、ゆうに1mを超えていた。 野生のゆっくりであれば、ありえない大きさである。 時刻は夜の9時。 食堂はとっくに閉まっている時間だ。 最近お兄さんは、れいむのカレーをここで作ってもらっていた。 れいむが食べるカレーの辛さが、見るだけでもお兄さんが耐えられないレベルに達したからである。 『ご自宅のゆっくりに挑戦させてみませんか?』 ふと、テレビのCMが目に入る。 どうやらゆっくりの大食い選手権を企画しているようだ。 優勝したゆっくりの飼い主には、百万円が贈呈されるという。 「れいむちゃん、あれに出てみたらどうだい?」 「ゆゆっ!そうだね!でてみたいよ!」 店主が冗談で言うと、れいむは即答した。 その反応に、驚くお兄さん。 「おいおい、なにいってるんだ?れいむ」 「れいむは、おにーさんにおんがえしがしたいよ!ひゃくまんえんって、いいものだよね!?」 「あ、ああ。そりゃま、いいもんだけどさあ」 お兄さんは顔を伏せて肩を振るわせた。 まさか、ゆっくりに恩返しなんて言葉を言われるとは思ってもみなかった。 うれし涙と腹底をゆさぶる笑い声が同時に押し寄せてきて、お兄さんは必死に耐えていた。 で、選手権当日。 「どうしてこんなことになったのか…」 お兄さんは会場でぼやいていた。 「よし、れいむちゃん、頑張ってこい!」 「れいむ、頑張るよ!」 お兄さんの後ろには、店主その知り合い、そしてお兄さんの友人が結成した応援団が構えている。 冗談交じりに友人に話し、あれよあれよと御輿に担がれた結果がこれだよ。 「ま、来たからには頑張ってくれよ、れいむ」 「れいむがんばるよ!!」 れいむは顔を引き締めて答えた。 「それでは、参加するゆっくりちゃんはこちらに並んでください!飼い主さんも一緒に!」 テレビ局のスタッフが、参加ゆっくりたちを呼び集めた。 しかし、その光景を実際見ると、お兄さんも圧倒されるばかりだ。 うちのれいむが異常なのだと思っていたが、この会場には同じ体格のゆっくりが何匹もいる。 いや、もはや『何体』と呼んだ方が適正かもしれない。 巨大ありす、巨大ちぇん、巨大みょん。 某かぼちゃ祭りの重量コンテストの会場に間違えてやってきたのではないかと思わせるほどだ。 一番見ていて危なっかしいのは、巨大れみりゃ。 しかも胴付きときている。 体もそれなりに太ってはいるが、なにぶん顔が大きすぎる。 今にも首が折れて顔が転がりそうな勢いで、よたよたと歩いてるのだ。 「いよいよですわ!おじょうさま!」 そのれみりゃの傍らには、通常サイズのさくやが跳ねている。 「だんなさまのきたいをうらぎってはいけませんわ!」 恐らくその隣に居る飼い主が『だんなさま』だろう。 見た目、何の変哲もないお兄さんだが、どのような愛があんな結果を生み出したのか。 「うあうあ~。いっぱいたべるんだどお~♪」 れみりゃが騒ぐたびに、首がぐらりぐらりと揺れる。 そのたびに、会場の人間たちが心臓を押さえた。 一方、その光景をクールに見つめているゆっくりの姿もあった。 他の参加ゆっくりと同じく、1メートル級のゆっくりまりさ。 だが、このまりさは一般のまりさではない。 最近のゆっくりブームに乗じてデビューした、初めての芸能ゆっくり、『ふーてんのまりさん』である。 (ゆへへへ、でぶどもがあつまってきたんだぜ) マネージャーには、よほどのヘマをしない限り、優勝は約束されていると聞かされていた。 つまりはある種の出来レースであると。 (おまえたちはまりささまの、ひきたてやくなんだぜ) ラストでお涙頂戴の演技をすれば、もっと人気が出るはずだ。 まりさは帽子の鍔で表情を隠し、不敵な笑みを浮かべている。 そんな企画であるとはつゆ知らず、参加ゆっくりたちは本番が始まるのを待っていた。 参加するゆっくりは、六体。 企画段階では予選が予定されていたが、数が少ないのでいきなりの本番となった。 一回戦。 最初のお題はお汁粉である。 『おいしいね!』 それは、もはやゆっくりの食事風景ではなかった。 巨大なゆっくりたちが、次々とお椀の塔を作っていく。 食べるというよりは、流し込んでいると言った方が正しい。 大好物中の大好物の登場に、参加ゆっくりたちは大はしゃぎだった。 これだけでも、出場した甲斐があったというものだ。 しかし、これはあからさまな罠であった。 緒戦でお腹を満たし、まりさのライバルになるであろうゆっくりを疲弊させようとするテレビ局の作戦である。 その証拠に、まりさはほとんど食べていない。 最初に言い聞かされている通り、この戦いで脱落するゆっくりよりも食べればそれでいいのだ。 一番ペースが遅いのは、ちぇんのお椀。 言わずもがな、ちぇんは猫舌である。 「わからないよおおおお!!」 このおかげで、まりさはお汁粉を大して食べることもなく、一回戦を勝ち抜いた。 (かんたんだったんだぜ。でも、いっぴきゆだんできないやつがいるんだぜ) まりさは、帽子の影かられいむを横目で眺める。 れいむはまりさ同様、ほとんど食べていなかった。 もっとも、こちらは大好物がカレーなので、お汁粉には大して興味が無かっただけだった。 (れいむはかつことだけをかんがえるよ!あわてないでたべるよ!) 『恩返し』という言葉もあるのだろう。 頭の悪いれいむ種にしては、中々に考えていた。 もっとも、餡子脳の処理能力は餡子の量に比例する。 今のれいむは、野生のどのれいむよりも頭がいいはずだ。 「ふーてんのまりさん、おしるこはどうでしたか?」 「とってもおいしかったよ!ほんとうはもっとたべたかったよ!」 マイクを向けられると、まりさは営業スマイルでカメラに笑顔を納めていた。 二回戦。 次の課題は、野菜サラダである。 野生のゆっくりであれば、これも『ごちそう』として食べたであろう。 しかし、甘いゆっくりフードに慣れた飼いゆっくりにとって、野菜は魅力のないものだった。 お汁粉で満足した直後に出された野菜の前に、次々と戦意を喪失してゆく、ゆっくりたち。 まりさとれいむは、この戦いでも様子を見ながらの展開だ。 れいむはしばらく雑草を食べていたので、やさいの味に不満はなかった。 まりさも野菜の味には飽き飽きしていたが、明日の栄光のために我慢して食べた。 (おにいさんとのとっくんをおもいだすんだぜ!まりささまはこんなところではまけないんだぜ!) 一方、野菜そのものに根を上げてしまったゆっくりもいた。 「おやさいはいらないどお!こんなのぽいするの!ぽいっ!」 先ほどのれみりゃである。 「だめですわ、おじょうさま!だんなさまにしかられてしまいますわ!」 お付きのさくやが喚き立てるが、一度へそを曲げたれみりゃは応じない。 それどころか、木製のおわんを放り投げてしまう始末。 ゆっくりのすることだから、とリタイヤ扱いにはならず、れみりゃは醜態を晒し続けた。 二回戦終了後、ここで一旦の休憩が入る。 「ちょっとトイレ行ってくるわ」 「ゆっくりいってきてね!」 応援団にれいむを任せ、お兄さんは席を立つ。 先ほどのトイレを済ませたばかりだというのに、緊張のせいだろうか。 「このクソれみりゃがあああ!!」 お兄さんが、そんな声を聞いたのは、トイレの帰り。 特設会場の隅の、さらに奥の方から、罵声と悲鳴が聞こえてきた。 「やべるんだどおお!れみりゃはおじょうさまなんだどお!!」 「お嬢様だあ?野菜も食えない奴はこうだ!」 「いだいんだどお!!れみりゃのぷりちーなおててが!おててがああ!」 「恥を晒しやがって、貴様は豚だ!丸焼きにしてやるわ!」 「だんなさま、おじょうさまははんせいしておりますわ!」 「んぎゃおおおお!!」 「どうか、おじひを!おじひをおおお!」 お兄さんは一部始終を聞き届けると、その場を後にした。 愛の形は人それぞれである。 れいむはその後も、適当な食べっぷりで勝ち続けた。 最初に多くを食べなかったことで、後半次々と失速したライバルたちを制したのだ。 そして、迎えるは最終戦。 れいむとまりさ、二体による頂上決戦である。 お題は、カレーだった。 ご存じの通り、一般的にはカレーのような辛い物は、ゆっくりにとって毒である。 辛さは極限まで抑えられているとはいえ、ぴりぴりと痛みを感じるはずの辛さだった。 「では、最終戦、スタート!」 司会者の一声と同時に、二体は同時に皿に口を付けた。 実際にテレビで放映する時とは違い、音楽もナレーターの解説もない。 応援者たちが固唾をのんで見守る中、静かな時間が流れ続ける。 まりさは涙しながら食べていた。 意外にもれいむが健闘した結果、まりさはペースを乱していた。 演技で泣くつもりが、本気で泣く羽目になったのだ。 れいむも同じように涙して食べていた。 それは、カレーが不味かったからである。 辛い物に慣れきったれいむには、『ゆっくり用のカレー』はあまりにもぬるかった。 直径50センチもありそうな皿が、ほぼ同時に積み上げられる。 双方とも、二皿目を食べきった辺りだ。 れいむは自慢の舌技で丁寧に食べ、まりさは芸で身につけた舌技で荒っぽく食べている。 さすがにまりさも限界が来ていた。 収録が始まる前は、適度な下膨れがあったまりさ。 ところが今では、ガスを一杯に入れた風船のように丸くなっている。 (ゆぶう、これいじょうあいつがたべつづけたらやばいんだぜ) まりさの真っ青な顔を見て、番組の責任者が厨房に指示を出す。 「おい、次にれいむに出すカレーを少し辛くしろ」 「え?大丈夫っすか?ゆっくりに辛さは…」 「ほんの少しだ。何かあってももみ消す。いいな?」 「わかりましたぁ」 調理スタッフは、ガラムマサラの粉末が入った小瓶を取り出し、れいむ用の鍋の上で軽く振る。 すると、緩んでいたのか粗悪品だったのか、小瓶の蓋が取れてしまった。 ばさばさばさ。 「!!!」 スタッフの目の前で、大量のガラムマサラが鍋に消えていく。 「どうかしたか?」 「いえ、なんでもありませんよ!」 スタッフは蓋だけ拾い、慌てて鍋をかき混ぜた。 (火を通せば、少しは辛さが飛ぶか…?) スタッフがコンロに火を付ける。 そうこうしているうちに、次の皿のオーダーが入った。 皿にご飯とカレールーが盛られ、会場へ運ばれていく。 れいむとまりさ、運ばれたタイミングは、ほぼ同時だった。 (かならず、おにいさんにひゃくまんえんをあげるよ…!ゆぐう!?) (こんなはずじゃないんだぜえ。からくてしにそうなんだぜえ…。ゆげえ!?) 味に変化を感じ取るれいむ。 それはれいむにとって天の助けとも呼べる転機だった。 運ばれてきたカレーは、信じられないほど辛く、おいしいものだったのだ! 「おおおお、おいひいよおお!!」 れいむは、突如としてペースアップする。 それを見たまりさは、悲鳴を上げた。 「まけないんだぜ!うぎぎぎ、からいんだぜえ!」 まりさのカレーは変わっていない。 しかし、すでにまりさの体は、これ以上は耐えられない、という限界ギリギリになっている。 地のしゃべり方になってもなお追いすがろうとするが、すでに勝負は決まっていた。 「もうだめなんだぜえええ…」 まりさは、四皿目の半ばで、舌をだらしなく垂らし戦意を喪失した。 「おいしいよおお!おいしいよおおお!」 れいむは四皿目を完食した。 ここに、大食い王者が決定したのである。 「おかしいんだぜえ…こんなはずじゃないんだぜぇ…」 それは、リポーターがれいむにインタビューをしようとした時だった。 まりさは泣いていた。 こんなはずはないと、歯ぎしりをしていた。 (あのとっくんはなんだったんだぜ…?) それだけではない。 失敗したとなれば、お仕置きがまっている。 赤子の頃からお兄さんに厳しく躾けられていたまりさは、それだけで恐怖におののいた。 いてもたってもいられず、まりさは隣の台へと飛び乗ると。 「れいむはずるをしたんだぜ!カレーがおいしいはずがないんだぜ!れいむのぶんだけからくなかったんだぜ!」 「やめてね!ぼうりょくはよくないよ!」 「まりささまがまけるわけないんだぜええ!!」 すべてをかなぐり捨てて、暴挙に出るまりさ。 まりさには、芸人ゆん生を失うことよりも、お兄さんにお仕置きされる方が怖かった。 ここで大人しく引き下がっても、お仕置きはされる。 もはや、まりさは正常な思考を残していなかった。 まりさは、舌先で、れいむのカレー皿の、少しだけ残っていたルーを、舐め取った。 「ゆんぎあげおおおおお!?」 まりさの脳髄に、比喩ではなく電撃が走る。 ただでさえ普通のゆっくりにとっては即死級の辛さだというのに、まりさの体はすでに限界状態だった。 気持ち悪い、などという生半可な感覚は通り越して、まりさの体は本能的に防衛手段を取る。 「えろ、げれおろろろろろおおおおおお!!!」 それは餡子の濁流だった。 巨大なまりさの口から、餡子と今まで食べたモノが流出していく。 まりさには、もはや意識がない。 白目を剥いたまま、餡子を吐き続ける。 餡子には、中途半端に餡子に変換された原形をとどめていない『何か』も多数混ざっている。 「ゆ…び…」 そして。 まりさは頬が痩けるほど餡子を吐き出すと、ゆらりと体のバランスを崩し。 ドシャ。 具の多い餡子の海に沈むのだった。 一瞬だけ、静寂が響き。 「おい、担架だ担架!」 「それどころじゃない、救急車を呼べ!」 会場は騒然となるのだった。 結局、その企画は、電波に乗ることなくお流れになった。 賞金もうやむやのまま、お兄さんの手に百万円が渡ることもなかった。 あれから一年。 今となっては、いい思い出だったとね、と笑えるようになった頃。 れいむにもその時が近づいていた。 「なあ、れいむ」 「ゆ…。なあに?おにいさん」 れいむはお兄さんの横、巨大座布団の上でゆっくりしていた。 最近は動き回ることはほとんどない。 心なしか、目尻や口元にシワが出来て、皮もたるんでいる。 生きている以上は避けられないもの。 れいむにも、寿命が近づいていたのだった。 「おまえがいて、本当に楽しかったよ」 「れいむも、たのしかったよ」 力なく、それでもれいむはにっこりと笑う。 ゆっくりの寿命は、野生で2~3年、飼いゆっくりでも4~5年と言われている。 れいむは例外としても、体の大きさからすれば、相応の寿命だ。 だが、れいむはまだ3年しか生きていなかった。 普通のゆっくりの、数十万倍の致死量のカレーを食べたせいか、あるいは体が大きく成りすぎた反動か。 とはいえ、お兄さんと笑ったり、怒られたり、すりすりしたり、一緒に寝たり。 それなりにいい、ゆん生だったのではないかと、お兄さんとれいむは思っていた。 「ゆ…ぅ…」 れいむは死期を悟っていた。 もう自分は長くない。 こうして、最期を看取ろうとしているお兄さんに、れいむは涙を浮かべる。 (ありがとう…。おにいさんは、さいこうのおにいさんだったよ…) そして。 「おにいさん、れいむのさいごのおねがい、きいてくれるかな?」 「ああ。なんでもきいてやるぞ…」 お兄さんは俯いている。 お兄さんも、その時を悟りつつあったのだ。 「れいむがしんだら、れいむのからだをたべてね」 「ああ…」 「ゆふぅ」 れいむは安堵のため息を漏らす。 「…それをきいてあんしんしたよ。だいすきなおにいさんにたべてもらえるなんて、れいむはさいごまでしあわせだよ」 「ああ…」 それ以上、何かを言うことはなかった。 お兄さんは背をれいむに預け、れいむは頬に温もりを感じた。 どれだけ時間がたったのだろう。 そう、お兄さんが思った頃。 「それじゃあ…れいむはそろそろいくよ…」 「ああ…」 「うまれかわったら、またおにいさんの…」 何かを言い続けようとして、れいむは止めた。 もう、時間が残されてはいないと感じたのだ。 それよりも、最期にこれだけは言わなくてはならない。 ゆっくりが、愛する人だけに伝えられる言葉。 それは…。 「さあ、おた……!!」 「おた、なんだ?」 れいむは、それきり動かなくなっっていた。 「お食べなさい」と言い切る前に、事切れてしまったのだろう。 れいむの体はまっぷたつになることはなかった。 「あはは、れいむのやつ…」 お兄さんは顔を上げ、涙を拭う。 今回は、うれし涙ではない。 だが、腹底をゆさぶる笑いは同時に押し寄せてきた。 「最期の最期で失敗するとはな…。れいむらしい…」 お兄さんは、笑い転げた。 そして、同時に泣いた。 カレーが大好きな、おかしなれいむの生涯は、ここで閉じたのである。 だが、お兄さんにはまだやるべきことがあった。 れいむとの遺言を果たさねばならない。 そう、れいむを食べてやらなくてはならないのだ。 翌日、お兄さんはれいむの巨体の前で悩んでいた。 いくら中身が餡子と知ってはいても、3年間一緒に暮らした同居人を口にするのは、いささか抵抗があるというもの。 しかも相手は巨大饅頭。 到底、食べきれるものではない。 「すまん、れいむ、一部だけで我慢してくれ」 巨大になってから、家で跳ねることがなかったれいむ。 飛び跳ねると、重さで床が抜けてしまう危険性があったからだが、それだけの重量を食べきるのも無理だろう。 お兄さんは、包丁を持ってきて、一部を切り取り皿に移した。 そして、いつものようにテーブルの上に置き、椅子に座る。 「じゃ、いただきます」 お兄さんは、饅頭を頬張った。 味はそこそこ甘かったが、餡子はやはりパサパサしている。 「そういや、大人のゆっくりは餡子核が一番うまいんだっけ…」 その時だった。 立ち上がろうとしたお兄さんの口の中に異変が起こったのは。 それは、言葉では表しきれないほどの、猛烈な辛さだった。 辛いモノが苦手なお兄さんにとっては、致命的な味である。 辛さが味覚を乱暴にノックし、刺激が神経を伝わって脳に衝撃を与えた。 それだけでは間に合わず、バックファイアのように刺激が全身を硬直させる。 しばらくして、お兄さんは。 「かれええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」 ご町内に響き渡るほどの声で、叫んだのだった。 あとがき 実はこのお話、かつて愛でスレに投下しようかと思っていたネタでした。 やたらと愛で表現が多いのは、そのためです。 愛でスレが昔のままだったら、私も両刀作者になっていたかもしれませんね。 もしよろしければ、感想をお願いします。 Q&A(というか頂いたツッコミ) ガラムマサラって辛くないよ。 突っ込まれてから調べたら確かにそうでした。 私も辛い物がダメな方なので、香辛料=辛いという脳内図式でして、しかも指摘されるまで、 なんでガラムマサラにしたのか覚えていないという有様です。 たまたま思いついたのがガラムマサラだったんだと思います。 まあ、まったく辛くないわけでもなさそうなので、ビン一本分入れたら… いや、苦しいかな。それより香りがきつくてむせ返るほうが早いかもw ご指摘ありがとうございました。 おまけ (ハッピーエンドが好きな人は読まないほうがいいかもしれません) 「ゆうう…おにいさんにはわるいことしちゃったよ…」 れいむは空へとゆっくり昇りながら、激しく後悔していた。 まさか、決めセリフを言い終わる前に死んでしまうとは。 ちなみに、れいむの頭の上には、天使のわっかがついている。 ゆっくりであるのと、未練があるゆえに、ゆっくりと昇っていく途中だった。 周囲には、名の知れない人間さんや他の動物たちの魂がゆっくりしないで天に昇っていくのが見て取れる。 「みんなゆっくりしてないね…ゆゆっ!?」 きょろきょろと眺めていると、れいむはそこに信じられないものを見た。 ずっと下の方から、自分の飼い主だったお兄さんの姿が昇ってくるという、不思議な光景。 しかし、それはすぐに喜びに変わった。 「ゆゆゆ!!おにいさん!ついてきてくれたんだね!てんごくでもいっしょなんだね!れいむうれしいよ!…ゆゆ?」 しかし、お兄さんの魂は、他の人間同様ゆっくりしてはいない。 しかもその顔は、まるで苦しみ抜いて死んだかのように歪んでいたのだ。 「ぱとらっしゅ…僕はもうつかれたよ…」 そう言って、れいむを抜かして昇っていくお兄さん。 「おにいさん!どこいくの!?れいむはここなんだよおおおおお!?」 多少の未練があったとはいえ、総じて幸せだったれいむの心に、陰が差し込んだ。 今度は、置いて行かれる側になってしまうのだ。 「いやだよおお!ゆっぐり!ゆっぐりしでいっでねえええええ!!」 泣きわめくれいむ。 だが、お兄さんは止まらない。 れいむは最期の最期に、ゆん生最大の不幸に見舞われたのだった。 ちゃんちゃん。
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スレ57まとめへ戻る 43 :本当にあった怖い名無し:2009/01/25(日) 20 09 36 ID RtU/4l8L0 霊はいる。ただ、いるのは外の空間にではなく、 私たちの脳の中のデータとして存在しているのではないか。 家族や知人を思い浮かべてみよう。 そこにいるわけではないのに、姿やしぐさ、癖などが思い浮かんだのではないだろうか? このように、人の脳の中には、擬似的に人格をエミュレートできる仕組みがある。 もし、この人格が不随意にエミュレートされたとしたら? たとえば、AがBを殺したとする。 その情報量はともかく、もともとAの中にはBについての情報(どんな人間か)が蓄えられていて、 そこに、「これこれこういう理由、方法でBを殺してやった」と言う情報が入ってきた場合、 記憶の中のBが「よくも俺を殺したな」と、Aにあらゆる方法(感覚器の誤作動、無意識の領域への働きかけ)で 復讐を始めるのではなかろうか。 これがいわゆる祟りであり、Bに「取り憑かれた」状態なのではないだろうか。 逆に、好意的な人格の記憶は、物事を良い方向に導こうとする、いわゆる「守護霊」という形で 働きかけているのではないかと考えてみる。 44 :本当にあった怖い名無し:2009/01/25(日) 20 13 49 ID H260GSfM0 VIPからきましたけど 43どこのコピペ? 45 :本当にあった怖い名無し:2009/01/25(日) 20 24 31 ID qR+XgIlz0 記憶の中のBがAに復讐を始めるのは、「Aの、Bに対する良心の呵責」に過ぎないのでは? 「Aの中のB」が自分の方から能動的に何かをするわけではなく。 46 :本当にあった怖い名無し:2009/01/25(日) 20 29 57 ID RtU/4l8L0 45 だから普通に考えればそうだけど、 記憶の中のBが実際にある程度の自我を持っていると仮定したらどうよ? 61 :本当にあった怖い名無し:2009/01/25(日) 23 51 14 ID qR+XgIlz0 46 人間の脳内にある「人物データ」には、確かに顔と名前と同時に、相手の人格も入っている。 でもそれは、あくまで「Aから見たB」なのである。 Aの中のBとは、実際のBをAが見て、「Bはこういう人間だ」という認識が作り上げたものなのだ。 「記憶の中のB」が何かしでかしたとしても、 それはAが「Bならこういう行動に出るに違いない」と思うことによって起こることである。
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SS17 唯と私は付き合っている。いわゆる恋人同士ってやつだ。 部屋でごろごろしている唯にそれとなく好きだと伝えたら、なんと唯も私のことを好きだと言ってくれたのだ。 あの時は天にも昇る気持ちだったけれど、今にして思えば。もうちょっと告白のシチュエーションというものを考えるべきだった。雰囲気とか。 そうすれば――そうすれば?一体、何が変わっていたというのだろう? 穏やかな放課後。柔らかな夕日が教室をオレンジ色に染め上げて、窓際には二人の女の子。 囁きにも似た密やかな笑い声が、椅子に腰掛けた私の元まで届けられる。 「ムギちゃんの髪の毛ってふわふわだよねぇ。一体どんなおシャンプー使ったらこんな風になれるんですかい?」 「おシャンプーって、ふふ、唯ちゃんたら。普通のシャンプーだし普通のリンスよ。そんなこと言ったら、唯ちゃんだって……」 「えー、ムギちゃんのふわふわに比べたら私のなんてぼっさぼさの毬藻みたいなものだよぅ」 「そんな事ないわ。唯ちゃんの髪、なんだか猫ちゃんみたいで可愛いもの」 「えへへ、ムギちゃんくすぐったい~」 なんじゃそら。 先程から繰り広げられている二人―唯とムギ―の会話に耳を傾けていた私は、がくりと肩を落とした。 手を取り合って微笑み合い、お互いの髪を撫で合って、これをいちゃいちゃと言わずして何と言う。 近頃ずっと考えている事がある。 私って、唯と付き合ってるんだよな? 何かが劇的に変わると思っていた訳ではないけれど、両想いとなった私達の関係は、あまりにも今まで通りだった。 私がふざけて、唯がおどけて、二人で笑い合って、騒ぎに寄せられた仲間が集う。 二人きりの時ですら、げらげら笑っているばかりで時間があっという間に経ってしまう。 別にそれが嫌って訳じゃないんだ。でも、だけど。 ちらりと唯に視線を戻す。相変わらず仲良くムギと談笑していた。 唯は私と一緒にいる時よりも、ずっと落ち着いた様子で。 夕日のせいかその頬はほんの少し染まって見えて――まるで恋人同志みたいだった。 「律」 「……」 「律ってば」 「……え?あ、ああ何?」 「何ボーっとしてるんだよ。さっきからずっと手が止まってるぞ」 我に返って顔を上げると、向かい合った机の先に澪の呆れ顔が視界に入る。 「何が?」 「何がじゃないだろ!お前が課題で分からないとこがあるって言うから練習しないでこうして部活にもいかないで……」 「ああ…、うん。そうだな、すまん」 「?どうしたんだ、最初の問題が分からないのか?」 「やーなんだか頭が働かなくてな」 教科書に張り付いたままだったシャープペンシルを手に取り、固まった思考を解すように指で眉間を揉み込んだ。 そんな私を、怪訝な表情で窺っていた澪がちらりと窓の方を見やって、合点がいったという風に頷く。 「……なんだよ澪」 「なあ、律ってさ、唯の事好きだろ」 「……」 驚きはなかった。 唯との事を誰にも話した事もないけれど、遅かれ早かれ澪にはバレるだろうと思っていたからだ。 「言いたくないのか?」 「澪がそう思うなら、きっとそうなんだろ」 図らずもぶっきらぼうな言い方になってしまって、内心少し焦る。 けれど澪は特に気にする様子もなく話を続けた。 「そっか。うまくいくといいな」 「……やっぱりそうか」 「ん?」 第三者の立場からみると、やはり私達が付き合っているようには見えないらしい。 当人ですら怪しいと思っているのだから、当然と言えば当然か。 「一応もう付き合ってるんだけどな」 「うそ?いつから?!」 まばらに残っていたクラスメイト達の視線が、一斉に向けられる。 その中には唯とムギのものも混じっていて、私は慌てて身を乗り出し澪に顔を寄せた。 「ばかっ、ちょっと声抑えろよ」 「ご、ごめん。びっくりしちゃって……で、いつからなんだ?」 興味津々に目を輝かせる澪が小声で質問を重ねた。こいつ歌詞ネタにするつもりじゃないだろうな。 皆の意識が離れていくのを確認してから、すとんと椅子に腰を下ろす。 「さあな」 「さあってなんだよ、自分の事だろ」 「……だってわかんねーんだもん。唯に聞いてくれよ」 もやもやした気持ちと頭を抱えて、机に伏せる。告白した日の事は、今でも鮮明に覚えている。 色気も何もあったもんじゃない告白だったけれど、それでも私にとって人生の一大イベントだったのだ。 いつから付き合っているのか分からないなんて、そんな筈はないのに。 「律」 「なんだよ」 「なに拗ねてるんだよ、お前」 「……別に拗ねてなんか、ない」 「……ふーん」 頭を軽くこつりと叩かれて、緩慢な動作で顔を上げる。 「今日はもう帰ろうか?ごはん食べたら家に来いよ。課題教えてやるから」 「……ありがとうな、澪」 いつものように仕方ないなという表情を浮かべて、澪は笑った。 「りっちゃんおーっす」 「おっす、唯」 「あれ、まだりっちゃんしか来てないの?」 「おう、ムギと梓はちょっと遅れるって今メールが入ったよ」 翌日の放課後。久しぶりの二人きり。妙に緊張しているのは、恐らく私だけなんだろうと思って、また少し落ち込む。 「澪ちゃんは?」 「昨日あいつの家に泊まり込みで勉強教えてもらってさ、寝不足だから今日は帰って寝るって」 「りっちゃん澪ちゃん家に泊まったの?」 「うん」 「えー、澪ちゃんいいなあ」 何の気なしの日常会話に、唯の好意がぽろりと投げ込まれて、私は一瞬ドキリとする。 「いいなって、何がだよ」 「私に内緒でお泊まりなんて……りっちゃんが浮気した~」 何気ない唯の様子に心が震えて、拳を握り締める。なんで唯は、平気で私の心をかき乱すんだろう。 ふざけてるときも、嫉妬するときも、愛を吐くときも、いつだって何も変わらないよって顔をして。 唯がどれ程の本気で物を言っているのか量れない私は、いつだってそれを持て余す。 「ムギちゃんまだかな~今日のおやつなんだろうねりっちゃん」 いつものように次の瞬間には私から興味を移した唯を見て、平静でいようとした私の苦労は叶わなかった。 「っじゃあお前はどうなんだよ!」 突然響き渡る大声に、きょとんと首を傾げる唯。 普段ならば可愛らしいと思う筈のその仕草は、余計に私をいらつかせた。 「お前の方こそ、ほんとはムギの方が好きなんじゃないか」 「なんでそう思ったの?」 間髪入れずに返される言葉。心底不思議そうに目を丸くする唯。 膨れ上がった怒りが音を立てて急速に萎んでいくような気がした。 「しらねーよ、もうなんかよくわかんないんだ……」 「私とムギちゃんが仲良くするの、嫌?」 「嫌じゃないよ、別に……いつもの事だし、なんか……ごめんな。私ちょっと変だな」 「りっちゃん」 鞄を持ってくるりと背を向ける私の腕を、素早く唯が掴む。 振り解けない程の強さではなかったけれど、もうそんな気力も残っていなかった。 「りっちゃん。ちゃんと話してくれないとわかんないよ、どうして怒ってるの?」 「……」 「……」 落ちる沈黙。背後に受ける唯の気配は一歩も引く様子はない。 私は観念して振り返り力なく笑って見せたけれど、唯はくすりともしなかった。 「ほんとに怒ってないんだ。唯とムギが楽しそうにしてるの見たら、そりゃちょっとはムッとするけど、でも嫌って訳じゃない」 「うん」 「だけど……唯が、唯も私も、付き合う前と何にも変わってないなって、そう思って……」 言葉尻が濁る。情けなくてもう泣いてしまいそうだ。こんな風に弱音を吐いたりするなんて、私らしくない。 唯が好きだって言ってくれた田井中律ではないような気がして、きつく目を瞑った。 「うん」 ふと、握った右の拳を優しい温度が包み込む。 涙で滲んだ眼をそっと開けると、唯が至近距離で私の手を握っていた。 真剣な顔で、りっちゃん頑張れって目で訴えている。 ばかやろう、お前のことでこの私が駄目になってるんだからな。 「私といるより、ムギとかと一緒にいる唯の方が、よっぽど付き合ってるって感じで、なんか不安なんだ」 「りっちゃん」 「唯とはしゃいでる時間はほんとに楽しいし好きだけど、でもそれだけじゃ前と変わらないような気がして」 「りっちゃん、私りっちゃんが好きだよ。目が合って、キスしたいなとか、唇舐めたいなぁって思うのりっちゃんだけだもん」 「……なめたい?」 「あずにゃん見てたら可愛いし抱きつきたいって思うし、ムギちゃんとお喋りしたらあったかい気持ちになって 澪ちゃんと一緒にいたら凄く楽しいけど、でも、朝起きる時もボーっとしてる時も夜眠る時も、頭にずっと浮かんでるのは、りっちゃんだけだよ」 「……」 なんだか聞き捨てならないようなものが散りばめられていたけれど、唯の言葉は私の心にするりと入り込む。 「きっとりっちゃんが思ってるよりも、もっといっぱいいっぱいりっちゃんが好きだよ」 「唯」 「だけど私馬鹿だから、りっちゃんと楽しくしてたらそれが一番になっちゃうみたい。りっちゃんがそんな風に思ってることも分からなかった」 「なんかかっこ悪くてさ……」 「りっちゃんはいつもかっこ良いし可愛いよ!」 無駄に胸を張る唯を見て、愛おしい気持ちが足元から頭のてっぺんまで駆け巡る。 さっきまでのモヤモヤは、嘘みたいに何処かへ飛んで行ったみたいだった。 ――変わらない二人の関係が嫌だった訳じゃない。 「だからりっちゃんの気持ち、全部知りたい」 心臓が早鐘のように胸を打つ。長距離を全力で走りきったって、こんな風にはならない筈だった。 私の言葉を不安気に待つ唯へ、ありったけの気持ちを吐きだして。 「私、唯が好きだ。キスしたいって、多分いっつも考えてる。お前が思ってる程、明るくて優しいだけのりっちゃんじゃないんだよ」 「それじゃ、私と一緒だね」 唯は見たこともないくらい綺麗な顔でにこりと微笑んで、ゆっくりと瞼を閉じた。 ただ、私は唯とキスがしたかったんだ。 「でもやっぱ、私の前でムギといちゃいちゃすんのはむかつくからやめろ」 「おおう、確かにこれは優しいだけのりっちゃんじゃないよ!」 おわり。
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作品名:魔法少女育成計画シリーズ 使用者:スノーホワイト(= 姫河 小雪(ひめかわ こゆき)) 魔法少女育成計画に登場する能力。 周囲で困っている人の思考を声というかたちで感知する魔法。 成長後には相手の無意識・深層心理・反射レベルの弱点を読み取る魔法となる。 成長前の能力について困窮感知 欠点(成長前) 成長後の能力について弱点感知 思考感知 欠点(成長後) 関連項目 関連タグ リンク 成長前の能力について 困窮感知 特定の思考内容を感知困窮している者の心の声を無差別に聞き取る。声という性質上、相手の位置を逆探知できる。 読み取る内容が限定されているため、広範囲感知でも脳が処理し切れる。 状況や使用者のコンディションで可聴範囲は変動する。 恐らくは彼女の魔法「困っている人の心の声が聞こえる」を基にして動いているのだろ う。目の前の相手に使う魔法だと思っていたが、想像より遥かに心の声を拾える範囲が広 い。読心系の魔法でここまで広範囲をカバーできるものはないのではないだろうか。 特定の心の声を的確に拾い上げ、それをきちんと処理している。デビューしたばかりの 魔法少女で、ここまでやれる者はそうそういない。読み通せる内容に限定性があるため、 広範囲を対象とした使用にも耐えられるのかもしれないかった。 欠点(成長前) 隠そうと思えば隠せる「心を読まれたら困る」の一点張りで集中すればその詳細までは読まれない。 成長後の能力について 弱点感知 戦闘中に相手の弱点がわかる常に戦闘を有利にできる情報を獲得できる。 そう、相手のされたくないことがわかる。魔法に纏わる知識がなくとも、その場その場 でクラムベリーに近い立ち位置で戦える。四つのアイテムを使いこなし、状況に応じて最 善を選ぶことができる。 思考感知 反射的・無意識的な声も聞くことができる質問を投げかけるだけでパスワードやID等の秘密情報を獲得できる。 「昔は『困っている人の心の声が聞こえる魔法』だった。今もその本質は変わらないけど、 深層心理や反射、本人は『考えた』という自覚を持たない声まで全部聞こえてくる」 人外でも心の声が聞こえる蜥蜴などの知能が低い生物の心の声も聞くことができる。 (前略)辺りを注意深く見回すと、よ うやく声の主が見つかった。白い魔法少女は、泥の中でもがいているトカゲの尻尾を引っ 張り、外に出してやった。 欠点(成長後) 身体能力が高すぎる相手についていけない力押しで防がれてしまう。 スノーホワイトの魔法を反射神経とデタラメな動 きの素早さだけで凌ぎ切っている。 相性の悪い相手、というよりも戦闘能力が高過ぎる。 関連項目 ルーラ 使用者が使う武装。この魔法と組み合わせて最適な攻撃・防御を行う。 四次元袋 手頃な道具を入れておける袋。 魔法から得た情報から相手の不利な道具を取り出せる。 関連タグ 探知 能力 言語拡張 読心 魔法少女育成計画 リンク
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のらねこがかってにうちにはいってきた【登録タグ の もけけ 曲 鏡音レン】 作詞:もけけ 作曲:もけけ 編曲:もけけ 唄:鏡音レンAppend 曲紹介 換気のために家の玄関を開けていることがあるんですが、 ごくまれに猫が入ってくることがあります。 まあすぐ逃げちゃうんですけどね。(作者コメより転載) もけけ氏の20曲目。 歌詞 (動画より書き起こし) トイレに行こうと部屋の外に出たら 廊下に近所の野良猫がいるよ 玄関のドアを開けてたから 勝手に入ってきちゃったよ おなかすいたから餌もらいに来たんだな 自分で取れない軟弱なネコめ! 野良猫が勝手にうちに入ってきたよ 我が物顔で廊下をうろついているよ 自分からうちに入って来たんだから もふもふしちゃっても怒られないかな 僕に気づくなりピタリと動きがとまって 顔をじろじろとながめてきたよ 捕獲しようと手を伸ばしてみたら あっさり逃げられちゃったよ 勝手にあがりこんでおいて何も言わず逃げるなんて 野良猫のくせに生意気だぞ! ※ 野良猫が勝手にうちに入ってきたよ 捕まえようとしたら逃げられちゃったよ とりあえずもふもふできなかったから 今すぐに追いかけて捕まえてこようかな (間奏) ※くりかえし コメント 名前 コメント
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登録日:2011/06/27 Mon 23 52 43 更新日:2023/01/20 Fri 21 43 09NEW! 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 SEX_MACHINEGUNSでもない さらばホクロ みんなのうた りんごのうた シングル 中村七之助 劣化しない林檎 富田靖子 悪魔の果実 椎名林檎 楽曲 歴代楽曲オンパレード 終戦後に流行った歌ではない 赤い林檎に〜♪ ←ではないってば 集大成 音楽 麻生久美子 曲 名:りんごのうた 発売日:2003/11/25 収録曲:1.りんごのうた 2.la salle de bain 3.リンゴカタログ〜黒子時代再編纂〜 りんごのうたは椎名林檎の8枚目のシングル。林檎の誕生日当日に発売された。 初回限定版はジャケットにホクロがつけられた仕様。 東京事変結成前に作られた最後の曲で、発売当初はラストシングル扱いされた(後に『ありあまる富』が発売された為に前述の条件には当てはまっていない)。 NHK『みんなのうた』でも放送されたが、使われた紙人形は正直かなり気持ち悪い… 【PV】 幸福論→ ここでキスして。→ 歌舞伎町の女王→ 本能→ ギブス→ 積み木遊び→ やっつけ仕事→ 真夜中は純潔→ 茎-STEM- と、歴代のPVを2003年当時の林檎本人が再現している。 最後にホクロの取れた林檎が出てくるが、肩から上だけしか姿を見せない為に一瞬裸に見えなくもない。 別バージョンとして、歴代の衣装を着た林檎が立ったまま歌うバージョンもある。此方はじっくり衣装が観れて良い。 どの衣装を着ていても全く劣化していないどころか、むしろより一層可愛くなっているという不思議… 『la salle de bain』もPVがあるが、此方はディズニー映画を思わせる幻想的な作品。 【バージョン違い】 〇林檎の唄 東京事変一作目のアルバム『教育』に収録された曲。 ひらがなで書かれた歌詞が全て漢字に直され、ハードロック調にアレンジされている。 〇Electric Mole版 初の武道館ライブを収録したDVDで、最後を飾る曲。 演出の都合でAメロまでしか収録されていないので注意。 〇浴室 『le salle de bain』の日本語バージョン。発表されたのは此方が先。 斉藤ネコ氏とのコラボレーションアルバム『平成風俗』には別バージョンが収録されている。 【カップリング曲『リンゴカタログ』について】 シングル化・アルバム化されている歴代の林檎の曲の歌詞と音楽を繋ぎ合わせて作り上げた物。歌詞だけでも あおぞら→ すべりだい→ 時が暴走する→ 眩暈→ リモートコントローラー→ le salle de bain→ メロウ→ はいはい→ 膨らんできちゃった→ 不幸自慢→ 輪廻ハイライト→ 茎〜STEM〜→ Σ→ SO COLD→ 17→ 愛妻家の朝食→ 映日紅の花→ ギャンブル→ 光合成 と実に多くの曲が使われている。 宣伝ポスターでは富田靖子、麻生久美子、中村七之助がそれぞれ『本能』『ギブス』『茎〜STEM〜』の服装をし各曲を再現している。 追記・修正は全ての曲を知ってる方がよろしくお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 名前 コメント
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第百三話 俺を誰だと思っている! 投稿者:兄貴 投稿日:09/11/25-21 41 No.4217 誰もが最早彼に見切りをつけていた。 『ダメだよ・・・俺は・・・アニキにはなれない・・・・』 ネギたちですら知らず、見たこともないシモンの表情。 どこまでも虚ろで、身動きせずに目の焦点も定まっていないまま、シモンは部屋に閉じこもっていた。 ずっと一緒に居たブータにすらもはや心を開かない。 『あいつは、もうダメだろ』 時折周りから、シモンに対してあきらめた声が聞こえてくる。だが、シモンはその言葉にくらいつくこともしない。そんな気力もない。 『自分の面倒を見れない奴に居場所なんかないのよ』 ヨーコがきびしい口調で、そして彼女の言葉の中にもあきらめが含まれていた。 彼女自身も自分自身の問題から立ち直ったとは言えない。だからこそ、シモンに対しても深く干渉することが出来なかった。 そんなシモンの部屋の扉が開く。 誰もが立ち寄ろうとしない薄暗く、泥でカミナの人形を無心で掘っている、見るに耐えないシモンの部屋にだ。 だが、シモンはふり返らない。 誰が来ても興味がなかったからだ。 だが、入ってきた人物は直ぐに踵を返して部屋の外に出るかと思いきや、ゆっくりとシモンに近づき、腰を下ろしてきた。 その時、部屋の中で土塗れになっているシモンに、とてもやさしく心地よい香がした。 『この人がアニキなんですね?』 腰を下ろしたニアがシモンに尋ねると、シモンはゴーグルを掛けたまま、ドリルを回す手は止めずに、ニアに関心を示さず短く頷いた。 人から見たら変な・・・いや、異常な光景だろう。 男が土や石を薄暗い部屋で削って死んだ男の人形を作っているのだ。 変だ。 気持ち悪い。 そんな評価は当たり前のはず。 シモンだって自分をそう思っているし、今更構うことはない。・・・・・・しかし・・・・ 『すごく上手・・・・』 ニアはお世辞でも何でもない、本心の言葉を、人形を手に取りながら告げた。これがシモンのアニキなんだと、ニヤリと笑うカミナの人形に微笑み返した。 ニアはシモンを軽蔑していない。 むしろシモンの大好きなものを形に残してくれて、自分でもカミナの事を知ることが出来ることにとてもうれしそうに、そして間近で見ればドリル一つでここまで見事な造形を作る、シモンの職人技にも目を輝かせ・・・・ 『もう、少しここで見ていていい?』 同情でもなく、シモンの傍に居るのだった。 ニアは知識が豊富ではない。 世間知らずなお嬢様として、そして人間と関わりのない生活をしてきたのだ。 螺旋王がどうしてニアをそういうふうに育てたかは知らないが、だからこそニアはウソを決してつかず、思ったことをハッキリと言う。 だからこそヨーコをイラつかせる時などあった、しかしそれが彼女の他人を寄付ける魅力でもあった。 僅か一日で、彼女は螺旋王の娘でありながら、大グレン団の仲間として迎えられていた。 そんな彼女のシモンへの微笑みは安い同情などは混じっていない。だからシモンも少しだけ心地よく、ドリルを部屋で回していた。 痛々しく見るに耐えない光景が、切なさは変わらないが自然と温かい光景へと変わった。 気づけば皆もシモンとニアの並んだ光景を見ていた。 そう、ニアの凄さは場の空気を一瞬で変えてしまうことなのかもしれない。それが天然で出来るからこそ、彼女は凄いのかもしれない。 只の可愛くて世間知らずのお姫様というイメージが、ネギたちの中でも少し変わっていった。 何とも心の温かい人なんだと認識を改めていた。 だが、その温かい光景も直ぐに一変する。 『!?』 それは突然のことだった。 ずっと部屋に篭っていたシモンとニアには直ぐに異変に気づくことは出来なかった。 『動くなっ!!』 突如、シモンの部屋の扉が乱暴に蹴破られ、武装した獣人が侵入してきた。 咄嗟に立ち上がったシモンだが、獣人は容赦なく武器を乱射させ、シモンとニアは伏せて交わすことが出来たが、これまで作った石の人形が全て粉々にされた。 『あっ・・・うわ・・・あああ・・・・』 それだけで完全にシモンは腰を抜かしてしまった。 完全に相手の威嚇に恐怖し、怯えてしまった。 そんな中、獣人がシモンではなくニアを見る。どうやら敵の目的はニアのようだ。 敵は武器で威嚇しながらニアについてくるように命令する。 するとニアはなんと言った? 『分かりました。だからこの人には手を出さないで』 一切の怯えを表情に出さずに、シモンを庇ったのだ。 その時、シモンが勇気を振り絞って立ち上がろうとするが、相手の武器に押さえられ身動きが出来ない。 するとニアは敵に連れられて部屋から出て行くとき、ふり返ってシモンに微笑んだ。 『シモン・・・・シモンはアニキじゃない。シモンはシモンでいいと思います』 シモンは必死でニアに手を伸ばすが届かない。その瞬間、シモンは獣人に無理やり捕まれ、抵抗も出来ないまま連行される。 連行された場所は地下深く巨大で頑丈そうな扉で固く閉められている。 そこには、既に手錠を嵌められているヨーコや仲間たちが捕らえられていた。 自由を求めて地上へ飛び出した大グレン団が、再び地下深くへと戻された瞬間である。 だが、牢獄の中でも彼らは必死に抗おうとする。 『地下育ちの俺たちをナメんじゃねえ!!』 キタンを中心に、多くの大グレン団のメンバーが、閉じ込められた広い牢獄の中を手当たり次第に殴り、蹴り、掘り、ぶつかっては、噛み付き、そこから脱出しようと試みた。 だが、牢獄の壁は大グレン団の予想を遥かに超えるほど頑強である。 それでも彼らはあきらめず、大グレン団総勢、素手で壁に穴を空けようと挑戦し続ける。 しかし・・・ 『な、なんて硬い岩盤なの!?』 怪我人が増えるだけで何も意味を成さなかった。 あきらめずに壁にぶつかっていった大グレン団たちは、壁に僅かな穴すら開けられずに、僅か数分で体の節々を襲う痛みに叫んでいた。 もはや打つ手は無しだ。 誰もが壁に穴を空けようとするのを止め、顔を俯かせている。 これで自分たちは終わりなのかと、その表情に希望はない。 ヨーコも悔しそうに壁を殴って俯いた。 そう、彼女ももうどうしようもないのだと、半分諦めていたのだ。 だが・・・・ 誰もが意気消沈してやがて沈黙が訪れようかという時に・・・ 何かが削れる音が・・・何かを掘る音が聞こえた。 『えっ?』 ヨーコは不思議そうに音のするほうへ視線を向ける。 するとそこには、壁に向って座り、汚れたその手にコアドリルを握り、壁を掘り続けるシモンの背中がそこにあった。 黙々と・・・ 無言で掘り続けるシモンの真下の床には徐々に小さな砂粒の破片が溜まっていく。 目を凝らすと、シモンの掘り続ける壁は窪みになり、あれだけヨーコたちが殴っても傷一つつかなかった壁に穴が出来ていた。 「・・・・・・・・シモンさん?」 ただ見つめた。 「シモンさん・・・・・」 「・・・・シモン・・・・・・」 「アイツ・・・・・・・・・」 その後姿を、皆は呆けるように見つめた。 彼らだけではない、大グレン団たちもシモンに注目している。 『そうゆうことか・・・・・・』 シモンの後姿に、ヨーコはポツリと呟いた。 『前にカミナが言っていた・・・・・いつも俺を救ってくれるのはあいつだ。最後まであきらめないのは、あいつなんだって・・・・』 その言葉を誰もが信じられなかった。 『カミナがッ!?』 シモンが? カミナを救う? そんなことがあるのかと、皆が疑問を浮かべる。 「シモンさんが・・・・・・カミナさんを・・・・」 「いつだって?」 しかしそれは・・・・事実だった。 ヨーコもそのことを正に今知った瞬間だった。 『アイツがシモンと一緒に村から飛び出そうとした時、穴を掘っている途中に地震で閉じ込められた時があったの・・・』 それは・・・どこかで聞いたことがあった。 「あれ?」 「ねっ、ねえ・・・それって・・・・」 そうだ、シモンがニアとヨーコに話したカミナとの思い出だ。 あきらめそうになった時、最後まであきらめなかったカミナが居たからこそ自分たちは助かったのだとシモンは言っていた。 しかし・・・ 『あいつ・・・自信はなかったって・・・間違った方向に来てると思って焦ったんだって・・・・前へ進めって皆に言ったけど・・・正直強がりだったんだって・・・・』 それは・・・シモンの知らないカミナの本当の気持ちだった。 『みんな弱音をはいて穴を掘るのをやめたんだって・・・でも、シモンは黙々と掘りつづけた。アイツの強がりを支えてくれた。最後には大岩を砕いて村に帰れたそうよ。そう・・・・運がよかったのよ・・・二人とも・・・でも・・・』 ヨーコは短く切って、もう一度、黙々と穴を掘るシモンの背中を見る。 カミナが見て、信じて、そして救った男の背中だ。 『カミナはその運と、それを導きだしてくれたシモンを信じた。・・・弱気になりそうになったとき・・・自信が無くなりそうになった時・・・コツコツと穴を掘るシモンの背中を思い出す・・・あの背中に笑われない男になる・・・・カミナは・・・そう思っていたそうよ?』 ヨーコの言葉を聞いて、誰もが今のシモンの背中を見る。 ヨーコの話を信じるのなら・・・・今のシモンの背中・・・・それがカミナを救ったシモンの背中だ。 今、自分たちがもっとも見なければならない背中だ。 気づけばシモンの足元には先ほどの何倍もの砂粒が山を作り、穴は比べ物にならないほど大きくなっていく。 その小さな背中が・・・誰もがあきらめていた壁に徐々に穴を空けていく。絶望に風穴開けていく。 その時、シモンはようやく自分が誰なのかを思い出していく。 『お前が信じる・・・お前を信じろ!』 穴の中で力強く言うシモン。 その時、シモンの持っているコアドリルが光り輝き、そのドリルはとんでもないものを掘り当てたのだ。 「うぐっ・・・・ぐ・・・・・」 チコ☆タンは腕を伸ばして苦痛に喘ぐシモンを睨みつける。 「見やがれこの光景! クソミソ共が挙って押しつぶされる光景をよォ! テメエの仲間も妹も、全員ブチ殺して空から捨ててやる!! その後でようやくオスティアを打ち落とす! 分かるか? テメエには何にも救えねえ!」 絶望を見ろ。 チコ☆タンはそう叫んでいた。 しかしそれでもシモンはようやく僅かに腕を動かして、自分の胸倉を掴むチコ☆タンの腕を掴んだ。 強がりでもない。まだ、あきらめていない。 「俺の・・・い、・・・もうと・・・・返し・・・やが・・・れ」 その言葉にチコ☆タンの頭に血管が浮かび上がった。 「アアッ!! テメエの直ぐ後に落としてやるよォ!! あの世で再会しやがれ!!!」 「ふっ・・・ざ・・・けっ・・・・」 力が入らない。 強がりでも何でもいい。 何をやっている。 こんなところで死んでいる場合ではない! シモンは何度も頭の中で叫ぶが、その声は届かない。 「アバヨ!! このクソッタレ野郎がアア!!」 そして想いは届かず・・・・・ チコ☆タンはシモンを掴んだ手を離し・・・・ チコ☆タンはどこまでも広がる雲海へ、・・・地上へ・・・・天の上からシモンを落とした。 「―――あっ」 「「アアッ!!??」」 もう・・・・その声は・・・・ 「「あ・・・・・兄貴ィーーーーーー!!??」」 届くことはない。 彼の家族は只・・・・無常に投げ捨てられた兄へ向って、涙を流しながら叫んだ。 「ガァッハッハッハッハ! どうだ! テメエらのクソ兄貴とやらをぶっ殺してやったぜッ!!」 魔人が笑う。 その瞬間、シモンの・・・・ いや、新生大グレン団の敗北が・・・・・ 決まった・・・・・・・ わけではなかった!! 「くそ・・・くそ・・・・待ってるんだ・・・あいつらが・・・・あいつらが俺を・・・待ってるんだ! なのに・・・俺は・・・俺は・・・何を!」 投げ捨てられ、地上へと真っ逆さまに落ちる中、シモンは叫んだ。 体を宙で必死にバタつかせながら、自分は一体何をやっているんだと叫んだ。 「待っているんだ!! ・・・なのに・・・俺は・・・・・」 まるでスローモーションだ。 自分が落ちるのをゆっくり感じた。 その間にシモンは己の不甲斐なさに叫ぶことしか出来ない。 (俺は・・・・・一体何なんだ・・・・・誰も・・・・また、助けられないのか!?) 涙も直ぐに飛んでしまう速度で、空からシモンが落下していく。 (また・・・また俺は助けられないのかッ!?) しかし・・・その時・・・・ (・・・・・また?・・・・) 不意に何かを思い出した。 (また? ・・・・いつだ? ・・・・・俺は・・・・・いつ助けられなかった? ・・・・誰を?) 何かが急に頭の中を包んだ。 高速で落ちるシモンだが、体感速度は非常にゆっくりに感じる。 そうだ・・・何かが頭の中で靄が掛かっている。 それがこの絶体絶命のシモンに変化を与えた。 (そうだ・・・俺はいつも助けられた・・・・だから俺は・・・なれないんだ・・・アニキに・・・・・・・・・・アニキ?) そう、それはシモンにとっては大切な・・・ (えっ? ・・・・アニキになれないって・・・・何言ってるんだ? えっ? だって俺は・・・・アニキじゃなくて・・・・・) その時、風になびかされた胸元のコアドリルと、指輪がシモンの視界に入った。 その瞬間、何か、大切な言葉を思い出した。 ―――シモンはアニキじゃない。シモンはシモンでいいと思います そうだ・・・自分は・・・・ (俺はシモン・・・・・・・・じゃあ・・・・俺は・・・・・誰だ? ここに居る俺は一体誰なんだ?) シモンはシモンだ。 それは変わらない。 しかし分からない。 思い出せない。 シモンとは一体誰なのかを。 「ッ!?」 その時、ようやくシモンは正気に戻った。 艦橋から落とされた自分の体が、落下し、甲板の横を通り過ぎようとする。 シモンは必死に手を伸ばす。 ここで掴まなければ、死んでしまうからだ。 だが、シモンの手は無情にもケルベロスの機体には届かず、シモンは落下する・・・・・・ かと思ったら! 「何やってやがる、クソ野郎!!!!」 力強く、自分の伸ばした手を掴んでくれた人物が居た。 その男はシモンが伸ばした手をギリギリで掴みとって、シモンを助けた。 その人物は・・・・ 「テメエが始めた戦いで、テメエが先に脱落してんじゃねえよ!!」 シモンは自分を掴んで叫ぶ男を見上げる。 その男はトサカだ。 ケルベロスの甲板から身を乗り出して、あと一瞬遅れていたらシモンは落ちていたという、正に間一髪のところでシモンを掴んだ。 「トサカッ!?」 「うるせええ!!」 トサカは掴んだシモンの腕を力づくで引き上げて、シモンを勢いよく甲板へと投げる。その時、シモンは背中を強く打ち付けた。 今の体にはこれもツライ。 礼を言う間もなく背中の痛みで顔を歪めるシモンに、トサカは間髪いれずに胸倉を掴んだ。 「何をやってんのかって、聞いてんだよ! テメエは何だ? こんなアッサリ死ぬ普通の役が、今更許されると思ってのかア!?」 「ト、・・・・トサ・・・・」 問答無用で怒鳴りつけ、シモンの頭を揺らしながら、とうとうトサカはその拳を握り締め、大きく振りかぶった。 その時・・・・・ 「えっ?」 その姿が誰かと重なった。 ―――シモォォン!! 「クソッタレ野郎がアア!!」 何時の日か・・・弱い自分をこうやって殴ってきた人が・・・・・ ―――歯ァ・・・ 「歯ァ・・・・」 自分を・・・・・ 「食いしばれええええ!!」 奮い立たせてくれた!! 「ッ!?」 トサカの拳は痛かった・・・・ 拳闘士でもあるトサカの拳の威力はシモンの予想を遥かに超え、自身の体を二転三転させた。 トサカの熱く握り締められた拳はシモンの芯まで響き・・・・・ その痛みは、一瞬でシモンを意識の海へ投げ飛ばし・・・・・ 「あっ・・・・あっ・・・・」 そして一瞬で・・・ ―――いいかシモン・・・・忘れるな・・・・ 「・・・・あっ・・・・・」 ―――お前を信じろ! 俺が信じるお前でもない、お前が信じる俺でもない、お前が信じる――― 「・・・俺が信じる・・・・・・俺を・・・・」 ―――シモンがアニキさんを信じたように、私もシモンを信じます! 「!?」 ――シモンを信じる力がシモンの力になるのなら、私はあなたを信じます! 全力であなたを信じます! 「俺は・・・・・」 ――そうだな、それがグレン団のやり方だぜ、リーダー! 「そうだ・・・俺は・・・・」 ――俺・・・どこまで行けた? ――シモン・・・絶対に・・・ニアを! ――シモン、待っている女を泣かせるんじゃないぞ! ――貸しだ貸しだーー! ――そうだ貸しだー! すぐ返せ! ――かあちゃんの船に手を出させるものか! 「・・・・・・みんな・・・・・・」 ――シモオオオオン!! 受け取れええ!! 「・・・お・・・俺は・・・・・」 ――そう。人間にだって、もっともっと大きな奴が居たわ! その人のためにも私たちは前に進む! ――人の心の大きさは無限。その大きさに私は賭けた! 「俺は・・・・・俺は!?」 ―――シモンさんッ!! 「俺はッ!」 ―――私は、あなたを・・・グレン団を誇りに思います ―――兄貴、いってらっしゃい! ―――アニキ・・・・ ―――楽しかったです!! また会いましょう!! ―――必ず帰って来い! お前の世界を破壊されたくなければな? ―――ウチ・・・シモンさんのこと本気で好きや! ―――好きです! ―――ありがとうございます。・・・受け取りました、十倍返し。・・・また明日から・・・気合を入れ直してがんばります ―――シモンさん! 私は逃げずに明日に立ち向かうヨ! でも、私もサヨナラは言わないヨ! いつの日か・・・いつかまた・・・ 「そうだ・・・・俺はッ!!」 ―――三度目は次に持ち越しだ・・・それじゃあシモン、また会おう 今までたまりに溜まったものが溢れ出す。 ―――行って来い、ハダカザル!! 正直頭が痛い。 ―――行けよ、兄弟!! だが・・・・悪い気はしなかった。 ―――愛してるわ、シモン この痛み・・・このくらい・・・・いくらでも受け入れるつもりである。 「何ボケッとしてやがるんだよ! さっさと目ェ覚ましやがれッ!」 呆けるシモンにトサカが胸倉を掴んで無理やり起こす。 「俺のムカつくテメエは・・・・ムカつくことに、こんな状況をひっくり返す野郎なんだろうが! だったら最後までムカつくところを見せやがれェ!!」 「・・・トサカ・・・俺は・・・」 「根性見せろ! 気合入れろ! 俺にはできねえことをやるのが、テメエなんだろうがッ!!」 そう、その通りだ。 ―――お前が信じる・・・ 「・・・お前を信じろ!」 そういうことだ。もう、十分だった。 迷子になるのはこれで十分だった。 するとどうだ? この絶対的ピンチで、とことん追い込まれているこの状況でどうだ? 湧き上がってくる・・・ 後からどんどん湧き上がる想いを抑えきれず、シモンは殴られた頬の痛みに懐かしさを感じながら笑った。 「トサカ・・・効いたぜ・・・目ェ覚めた・・・これ以上ないぐらいハッキリと・・・・」 「あっ・・・ああ~? テメエ、頭打ったのか? 何笑ってやがる?」 「ああ、打った!! ・・・・全てを思い出せるほどにな!!」 「?」 トサカは怪訝な顔をするが、彼は分かっていない。 今、自分がどれほどすごいことをやってのけたのかを理解していない。 「大分・・・状況が悪くなってきたな・・・・」 シモンが甲板を見渡して、追い込まれていく仲間たちを見渡す。 「逃げ場も無い・・・全滅寸前・・・・正直絶体絶命だな・・・・」 「お、おい・・・テメエ何を・・・「でもっ!」 ・・・・あん?」 シモンはニヤッと笑って・・・ 「でも・・・こうゆう絶対的なピンチを何とかするのが、俺たちグレン団だ!!」 その言葉は、トサカにはいつものシモンのメチャクチャな言葉に聞こえなかった。 まるで自信と経験に裏打ちされた力強い言葉に聞こえた。 そしてシモンは歩き出す。 「お、おいテメエ・・・怪我が・・・・」 そしてシモンは艦橋を見上げてニヤリと笑う。 胸元の指輪とコアドリルを指で弾いて、みるみると漲ってきた。高ぶってきた。 「問題ない・・・・それに・・・・あの化物に教えてやらないとな」 「・・・何をだ?」 何を? 決まっている。 「ここに誰がいるかをな!!」 傷だらけのシモンに気合が戻った。怪我も疲労もお構い無しに螺旋力が漲っている。 当たり前だ。この状況で漲らなければどうするというのだ。 シモンの手には、力強く輝くドリルが出現した。 そしてシモンは走り出す。 大切なものを取り戻した今、大事なものを奪い返すために。 「トサカ、ありがとなァ!!」 「うるせえ! さっさと行きやがれェ!」
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やよいメール「カレーライス」 取得条件:高テンション時に取得 やよいです。 こないだ、とってもうれしいことがありました。 いつもは家のことでバタバタしてばかりですが、そんな私を見かねて、 弟や妹たちが、お休みの日を決めてくれたんですっ! 掃除もせんたくも、食事も、妹と弟たちががんばりましたー。 お手製のカレーライスも作ってくれたんですよ! お母さんも大喜びでしたっ。 私もうれしくって、ちょっとだけ泣いちゃいましたーーー!! えへへ```。 野菜は丸ごと。生煮えで、カレールーも固まってデロデロしてたけど、 でも、世界一おいしいって思ったんです!! 妹と弟たちも、しっかり大きくなったなぁって思いました! えへへ、思い出しただけでもウルウルしちゃいます!! やよいメール一覧に戻る トップページに戻る