約 19,733 件
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3166.html
659 :影響を受ける人:2015/06/21(日) 22 40 09 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第六十六話 ―黒雲来たりてⅪ― 激怒する“オニグモ”の攻撃により、向かって右側の大砲二門は瞬く間に破壊された。 退避時間を稼ぐために一斉射だけ攻撃した対空防御陣地諸共に。 一閃しただけで破壊したというのに“オニグモ”は執拗に攻撃をする。 「大砲が!」 北郷章香の左後ろから、佐伯頼子(さいき よりこ)の悲鳴が上がった。 切り札とされていた兵器がなすすべもなく破壊され、陣地諸共燃え上がるのを見て部隊全員の士気が落ちていくのがわかる。 内心で舌打ちをしつつも章香はまだ攻撃を受けていない左側を見る。 「旋回していない・・・か。」 大砲は明後日の方を向いたまま動いていなかった。 確かに今“オニグモ”は攻撃の為に動いていないからチャンスであると見えるだろう。 しかし実際は味方がまだ退避途中であり、外れた砲弾が味方に当たってしまう。 それに・・・ 「今、旋回しても間に合いませんよ。」 「そう、だな・・・」 旋回は戦車の補助がないと出来ない欠陥品。急造品故の問題が足をひぱっている。 地上攻撃に夢中な御蔭で追いつけたが、結局右側の砲台防衛には間に合う事が出来ず、破壊されてしまった。 「畜生・・・」 学兵達も追い付く事が出来たものの、再び前進を開始した“オニグモ” に攻撃を掛けることは出来なかった。 徹子の悔しい呟きが皆の耳に入る。 「みんな無事なようだな。」 「はい。皆さん無事ですわ。」 少しだけ速力をおとして合流してくれた隊長陣に、飯島凛が代表して報告する。 凛の説明を聞いた章香は、とりあえず墳進砲を学兵達に預けて、自分達が囮となる事を考えた。 切り札でダメージを与える事には成功したが、殲滅には至っていない。 こうなっては あの作戦 でいくしかない。 「皆、聞いてくれ。 切り札である大型砲が破壊された今、奴が街を破壊する事は止められん。 通常の航空戦力、ウィッチの戦力をもってしても倒すのは容易ではない。 この先にはまだ避難しきれていない民衆がいる。 もう、例の作戦しかない。」 「ですが、勝算はあるのですか?」 作戦内容を知っているが故に疑問が上がる。が、すぐに回答が来た。 「わからん。」 あんまりなその一言に、全員が黙る。 「だが、賭けるしかない。 いざとなれば、私も【海割り】を使用する」 苦渋を顔に浮かべつつ章香は言う。 他の隊員や隊長陣も同じ顔だ。 だが、聞きなれない言葉を聞いた大久保小毬は、隣を飛行する竹井醇子に小声で聞いてみた。 660 :影響を受ける人:2015/06/21(日) 22 40 52 「・・・【海割り】ってなんですか?」 「えっと、確か「北郷章香総隊長の大技ですわ。」・・・ぁぅ。」 「ふぇ?」 前方を飛んでいて聞こえていないはずの凛が割り込んできた事に、小毬は目を白黒させていると、呆れ顔の徹子が耳をつんつんと指す。 通信機から普通に聞こえていたようだ。 思わず顔を赤くして俯く。 「こほん・・・ 【海割り】とは、いわゆる魔力撃ですわ。 魔力を溜めこみ、限界まで充填した刀で放つ一撃。 その一撃は海を割る・・・ そう聞いていますわね。」 「それって、威力はどれぐらいなのでしょう?」 「戦艦なら、輪切りにできるって聞いているけどな。」 「あくまでも最大充填で、だそうですわね。むろん弱点もありますわ。 一つ目は魔力の充填に時間がかかる事。 二つ目はその間、攻撃と防御が出来ない事。 三つ目は一度中断してしまうと、充填分損失してしまう事。 四つ目は接近しなければならない事。 五つ目は・・・反動が大きすぎる事ですわ。」 「反動が大きい、ですか?」 小毬が疑問に首をかしげると、徹子が代わりに答える。 「簡単に言うとな、墳進弾と一緒だ。 弾頭が魔力撃で、弾体が刀・・・でいいのかな? 燃焼する部分が反動を抑える噴射魔力になる。 で、問題はその噴射魔力になるんだが。これが弱いと、魔力撃に籠めた魔力だけ反発力に負けて吹き飛ばされる。」 「吹き飛んじゃう、のですか?」 「吹き飛ぶ。 実際、導術士学校は軍事要素が強いからなぁ。体験させられたよ・・・」 うんうんと頷く坂本美緒と醇子。凛も知識と知っているので難しい顔だ。 「吹き飛ぶと威力が拡散しちまうから、それに負けないだけの出力が必要なんだ。」 「そうなると・・・【海割り】の威力分だけ大変なことに!?」 「なるな・・・」 顔を蒼褪めさせながら小毬は総隊長を見る。 ここからでは背中しか見えない。しかし当の章香はもう覚悟を決めていた。 「たとえ仕留めそこなっても、奴は大きな被害を受ける。 奴が一瞬でも止れば、渾身の一撃を喰らわせられるはずだ。 私以外の全員は、奴の注意を引け。 チャンスは一度きり。いいな!」 「「「『『『了解!』』』」」」 「「「「「・・・・・・了解。」」」」」 学兵の返答は小さかった。 彼女達の話し声はこちらにも聞こえていたし、賛同しかねるのもわかる。 しかしそれでもやらねばならないのだ。 章香は通信機を司令部に繋げた。 ――――― 「目標、市街地に侵入しました。」 「現在、残存の大型砲は旋回中です。完了まであと10分との事。」 「目標、予定地点まで後五分で到着予定。」 司令部の通信が騒がしくなり、人の動きが活発化している。 それを横目で見つつ東条は司令と参謀と共に、テーブルに置かれている大きくした市街地の地図を見詰めていた。 「上空の味方ウィッチより通信『我、誘導をする。指示を求む。』です。」 「そうか。座標を伝えておくように。 あと、準備完了までの時間と、開始のタイミングを伝え忘れるな。 「了解しました。」 東条が受け答えをしている横で、参謀は部下を呼んで状況を確認している。 661 :影響を受ける人:2015/06/21(日) 22 41 36 「まだかかっているのか?」 「魔力布の注連縄配備はギリギリまで待て、という事でしたので・・・」 「そうか、そうだったな・・・ 結界士達の様子はどうだ?」 「そちらは大丈夫なようです。 ただ、これほど大規模な結界の展開はやった事が無い為、不備が生じる可能性があるとの事です。」 「それは仕方があるまい。 昔はあったそうだが、現代では必要になった事などないのだからな。 ましてや、今回は変則的だからな。」 溜息を吐く参謀を見て部下も苦笑する。 なにしろこの作戦は、過去の文献を見て急遽取り入れられたもの。 理論上可能だという返答があったのは今日になって・・・ 一応作戦は伝えておいたので問題は無い。 回答がギリギリになったのは計算外だったが・・・ 「上空の味方、誘導および足止めの攻撃を開始しました。」 「大型砲に陸戦ウィッチが合流したと、旋回の補助に回っているようです。」 「目標、攻撃予測地点に到達・・・いえ、止りません!」 その報に全員が息を飲んだ。 もしや、敵は他の大砲に気が付いたのか?と・・・ 「進路は・・・東側の大型砲陣地です!?」 ――――― “オニグモ”は市街地に入った後、多くの金属反応がする方に方向転換していた。 流石に喰らった損傷が大きく、装甲密度を薄くしなければならなかった。 破壊した大型砲を喰らえば良かったのだろうが、うっとうしい奴らが来たので一度距離を離れざる負えなかった。 もっとも、嫌な攻撃をしてきたので行き足が鈍ってしまったが・・・ しかしこちらに向かってよかった。なぜなら先程の下手人と同じような反応があったのだ。 先に潰しておかないと、安心できない。 こちらを向こうと、必死に頑張るのがわかる。 それをあざ笑いながら、鬱陶しい小蠅を払いつつ前進し・・・周辺一帯から不可思議な現象が沸きがった。 ―なんだ?!― 驚きつつも嫌な予感に従い、大急ぎでこの場を去ろうとした。 しかし・・・時すでに遅く、人類側の罠に彼は掛かってしまう。 ―う、動けん!?― 街中が蒼い魔力光を発行させ、巨大な魔方陣を“オニグモ”を中心に形成させていた。 大陸方面司令部が急遽手配した最後の、切り札。 街を丸ごと使った魔方陣による【捕縛結界】。 それが発動した瞬間だった。 以上です。 仕留めきれんかったァァァァァァ!!!
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/5860.html
19: 194 :2019/08/13(火) 15 25 32 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp 銀河連合日本×神崎島支援?ネタ番外編 ~絶対に笑ってはいけない鎮守府24時~ その二 をご覧ください(手抜き) 銀河連合日本×神崎島支援?ネタ番外編Ⅲ ~絶対に笑ってはいけない神崎市警察署24時~ その26 ※本編中に銀連キャラは出てきません。辛うじて、本編後に極稀に書かれるおまけのみに出る程度です 0 00 再び研修室へと戻ってきたメンバー達。 特にする事も無い為か、再び雑談にふける。 大和「そういやこゆきちゃんをそのまま連れ帰って来ましたけど、どうするんです?」 長門「ああ。収録終わったら、そのまま引き取ろうかなと」 扶桑「何でです?」 長門「何て言うか・・・もう他人とは思えなく感じてな。こういう縁だったというか?」 金剛「・・・マァ、来るべきXーDAY(出産&育児)の予習用と考えるナラ、有りかもデスネー」 コンコン 日向「はい」 利根「皆、ご苦労様じゃ。そろそろ寝る準備に入るぞ」 日向「やっとかー!」 金剛「漸くデスネー」 扶桑「もう、ボチボチ眠くなってきましたしね・・・」 利根「今から準備してくるから、今の内にジャージに着替えておいてくれ。以後はこの部屋には戻ってこないから、忘れ物の無い様にな」 大和「分かりました」 利根「あ、その娘を置きっぱなしにする訳にはいかぬな。吾輩が、安全な所に移しておこう」 長門「ああ、よろしく頼む。くれぐれも、丁寧にな」 利根「了解じゃ。それでは、また後での」※こゆきを抱える こゆき<キャハハハハハハ 長門「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」 大和「え?・・・何で利根さんで?」 金剛「ハ?もしかして、こゆきの母親って・・・」 日向「あ、いや・・・たまたま反応しただけなんじゃ?」 扶桑「多分そうじゃないかと・・・長門さん?」 長門「・・・・・・・・」※艤装を展開している 大和「何で艤装を・・・・・って、何処に行く気ですか!?」 長門「放せ、大和!放してくれ!!」 大和「もしかして、利根さんを〆る気ですか!?駄目ですよ、そんな事!!」※羽交い絞めしている 金剛「落ち着くネー!長門!!」 日向「気持ちは分かるが、やってはいかん事だぞ!!」 長門「放してくれ!!殿中で御座る!殿中で御座る~~!!」 大和「それはどちらかというと、羽交い絞めしている私のセリフですよ!!」 日向「馬鹿な真似は止めて、頭を冷やせ!長門!」 扶桑「そもそも利根さんを〆た所で、ビンタされた事実は消えないんですよ!!」 暴れる長門を必死で取り押さえるメンバー達。 結局、長門が落ち着くまで十分程かかってしまった。 20: 194 :2019/08/13(火) 15 26 03 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp 利根「準備出来たぞ。・・・って、何じゃ長門。何故吾輩を睨む?」 長門「・・・・・」 大和「まぁ、色々あって・・・。着替えますので、五分程待って頂けますか?」 利根「それは構わぬが。出来るだけ早く着替えるのじゃぞ」 扶桑「分かりました」 きっかり五分後に着替え終えたメンバー達。利根の案内で、今夜の寝室に到着する。 利根「ここが、今宵の寝室じゃ」 大和「あれ?今回はベッドなんですね?」 金剛「去年までは、お布団デシタヨネー?」 扶桑「まぁ、気にしても仕方ないですし、さっさと寝てしまいましょう」 長門「・・・そうだな」 それぞれ宛がわれたベッドに潜り込むメンバー達。程無く眠り始める。 しかし、このまま何事も無く朝を迎えるという展開はもちろん無い(無慈悲) 今宵、ある実験が執り行われる事となる。 01 00 ??「・・・まとさん。・・・大和さん。起きて下さい」 大和「・・・・・?」 体を揺すられ、目を覚ます大和。そこには、口の前に人差し指を立て、静かにする様に促すバニ淀が。 バニ淀「・・・お疲れ様です。物音を立てない様に、起きてもらえますか?」※小声 大和「・・・・・一体何ですか?」※眠たそうにしている バニ淀「・・・実は、ある場所に来て欲しいんです。付いて来て下さい」※小声 大和「・・・・・?」 怪訝に思いながらも、起きる大和。ふと、周りを見渡すと扶桑以外のメンバーの姿が無い。 大和「・・・他の皆さんは?」※小声 バニ淀「既に他の場所に移動してもらってます。詳しい話は、移動した先で」※小声 21: 194 :2019/08/13(火) 15 26 33 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp バニ淀に連れられ、移動する大和。案内されたのは、モニタールーム。中に入ると・・・。 そこには、長門・金剛・日向の三人に利根。そして、神崎提督が居た。 神崎「お疲れさん。これで、扶桑以外は揃った訳だな」 大和「提督!?何故ここに?」 神崎「実はだ。これからとある実験を行う事になった。皆には、その様子を見届けてもらう」 4人「「「「?」」」」 神崎「皆は扶桑が一度寝たら、ちょっとやそっとじゃ起きないのは知っているな?」 長門「・・・そりゃ、まぁ」 金剛「あの寝つきの良さは、異常デスヨネー」 日向「・・・で、それがどうかしたのか?」 神崎「正直私も、扶桑がどれ位寝つきが良いのかは知らない。なので、本当に天変地異とかが発生しないと起きないのか。確かめる事にした訳だ」 大和「はぁ・・・」 神崎「これから行う検証で、それを確かめるという訳だ。・・・ポーラ、聞こえるか?」 画面の一つを見ると、寝室内で待機するポーラの姿が。 ポーラ「・・・は~い。聞こえてますよ~」※小声 神崎「今からポーラが様々な検証を行い、どの位で起きるかを調べる。あ、お前達は見てるだけでいいが、笑ったらちゃんと罰ゲームが有るから、注意する様にな」 長門「・・・ええ~」 大和「結局、素直に寝させてくれない訳ですね・・・」 金剛「偶には、マトモに寝させてクダサーイ・・・」 日向「今も、頭が少しボーっとするんだが・・・」 神崎「では、最初の検証だ。ポーラ、準備してくれ」 ポーラ「は~い」※小声 22: 194 :2019/08/13(火) 15 27 03 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp 早速行動を開始するポーラ。扶桑の首に、パッドみたいなのを取り付けている。 長門「・・・なんだアレ?」 神崎「あれは電気パッドだ。今から電気パッドを動かして、起きるか否かを確かめるぞ」 金剛「・・・普通は、起きると思いマスガー」 日向「・・・あの扶桑だからな」 神崎「それでは、実験開始!」 神崎提督のゴーサインと同時に、電気パッドのスイッチをオンにするポーラ。 最初は低電圧で動かすも、全然起きない。低電圧では効果が無いと判断、電圧を最大に上げる。 ガッガッガッガッガッ 扶桑「スー・・・スー・・・」 長門「・・・何で起きないんだ」 大和「気付きそうな物なんですけどね・・・」 神崎「起きないみたいだな。・・・・・よし、パッドの数を増やそう。ポーラ、腕や足にもパッドを付けてくれ」 ポーラ「了解~」※小声 今度は両腕・両足にも取り付け、その上で最大パワーで作動させる事に。 ガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッ 扶桑「スー・・・スー・・・」 4人「「「「www」」」」 \デデーン/ 長門、大和、金剛、日向、アウトー! 長門「めっちゃビクビクしてるwww」スパーン 大和「これだけしているのに、何で起きないんですかwww」スパーン 金剛「酷過ぎる絵面ネーwww」スパーン 日向「何かの病気じゃないだろうなwww」スパーン すると扶桑。喉を掻き毟りながら寝返りを打った際に、ベッドから転落。 しかし・・・。 扶桑「・・・・・」フラフラ 完全に寝ぼけているからか、ポーラの存在や手足に付いているパッドに気づかない扶桑。 そのままベッドに寝転がろうとして・・・・・ 扶桑「・・・・・」ドテーン またベッドから落ちた。 4人「「「「・・・ww」」」」 \デデーン/ 長門、大和、金剛、日向、アウトー! 長門「扶桑ww」スパーン 大和「何してるんですかww」スパーン 金剛「寝ぼけ過ぎデショウww」スパーン 日向「気付かな過ぎだろww」スパーン 23: 194 :2019/08/13(火) 15 27 34 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp 神崎「・・・どうやら、電気パッドでは起きないみたいだな」 ※検証結果その1・電気パッドでは起きない 神崎「・・・仕方ない。別のプランで行こう」 長門「・・・まだやるのか?」 神崎「まぁ、検証は色々やってなんぼだしな。では、準備はいいか?ポーラ」 ポーラ「準備OKで~す」※小声 日向「次は何をするんだ?」 神崎「パチパチキャンディを細かく砕いた物を、扶桑の口の中に入れる。それで起きるかどうかの検証だ。ではポーラ、始めてくれ」 ポーラ「は~い」※小声 大匙一杯分程の量のキャンディの欠片を、扶桑の口の中に入れてみる。 パチパチパチパチ 扶桑「・・・・・ん~~~~」 長門「おっ、もしかして起きるか?」 しかし・・・。 ガリガリガリ※寝ながら飴を噛み砕いている 4人「「「「!?」」」」 扶桑「・・・ゴクン。・・・・・スー・・・スー・・・」 長門・日向「・・・ww」 \デデーン/ 長門、日向、アウトー! 長門「・・・まさか、寝ながら噛み砕くとはww」スパーン 日向「・・・まさか、狸寝入りしてる訳じゃ無いよな?ww」スパーン 大和「・・・これでも起きないなんて」 金剛「どんだけ寝付きがいいんデスカー・・・」 神崎「・・・この程度では駄目か。よし、量を増やしてみよう。ポーラ、やってくれ」 ポーラ「は~い」※小声 今度は、先程の十倍。大匙十杯分の飴の欠片を口に入れる。 パチパチパチパチパチパチパチパチ 日向「・・・めっちゃパチパチ音がしてるな」 金剛「・・・口に入れられた時点で、起きそうな物デスケド」 と。 扶桑「ゴホォッ!!」※口から飴の欠片が噴き出す 4人「「「「!?」」」」 扶桑「・・・・・スー・・・スー・・・」 4人「「「「・・・www」」」」 \デデーン/ 長門、大和、金剛、日向、アウトー! 長門「だから、何故起きないwww」スパーン 大和「汚いですよwww」スパーン 金剛「酷過ぎデショウwww」スパーン 日向「なぁ、本当に寝てるんだよな?扶桑www」スパーン 24: 194 :2019/08/13(火) 15 28 04 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp 神崎「・・・これでも駄目なみたいだな」 長門「・・・まぁ、此処までとはなぁ」 金剛「・・・一度、明石に診てもらった方が良いんじゃないデスカー?」 ※検証結果その2・パチパチキャンディでは起きない バニ淀「・・・予想以上に手強いですね」 利根「・・・ある意味凄いの、扶桑は」 神崎「・・・よし、ならば最終手段で行こう」 大和「最終手段?」 日向「何をする気なんだ?」 神崎「ズバリ、あるBGMを流して起きるかどうかの検証だ」 長門「BGM?」 金剛「そんナノデ、起きるデスカー?」 神崎「流石にこれは起きるはずだ。というかこれで起きなければ、もう天変地異とかでないと起きないだろうな」 日向「で、何のBGMなんだ?」 神崎「それは聞けばわかる。では、ミュージック・スタート!」 バニ淀「はい」ポチッ テーマ曲:艦隊これくしょん『敵超弩級戦艦を叩け!』 扶桑「ビクッ!?・・・・・?・・・・・?」※寝ぼけ眼な状態でキョロキョロしている 長門「起きたww」 大和「一発ですねww」 霧島「マイクチェック!!」 扶桑「ヒィィィィィィ!?!?」 4人「「「「wwwww」」」」 \デデーン/ 長門、大和、金剛、日向、アウトー! 長門「完全に起きたなwwwww」スパーン 大和「効果てきめんでしたねwwwww」スパーン 金剛「最早条件反射ネーwwwww」スパーン 日向「提督の言う通りだったなwwwww」スパーン 25: 194 :2019/08/13(火) 15 28 35 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp 神崎「流石に、起きたみたいだな」 長門「まぁ、無理はないわな・・・」 大和「扶桑さん的には、トラウマでしょうからね。この曲・・・」 一方、寝室では・・・。 霧島「扶桑さん、貴女何やってるんですか!」 扶桑「・・・は、はい?何で霧島さんが・・・?」 霧島「ポーラさんが貴女を起こそうとしていたのに、何故起きないんですか!!」 扶桑「へ?・・・ポーラさん?」 漸く、部屋に居たポーラの存在に気付く扶桑。と同時に、他のメンバー達が居ないのにも気付く。 扶桑「・・・あれ?他の皆さんは?」 霧島「別室で待機してます。というか、扶桑さん。色々やってたのに、何故起きないんですか!!」 扶桑「へ!?・・・な、何かしてたんですか?・・・全然気づかなかったですけど・・・」 霧島「・・・こっち来なさい!」 扶桑「ヒ、ヒィィィィ!?!?」 再び視点を、モニタールームに戻す。 神崎「よし。起きたのを確認したし、霧島を止めに行こう」 日向「寝室に戻るのか」 神崎「流石に、ビンタは今回の趣旨では無いしな。では、行こう」 そして、視点はまた寝室へ。 霧島「貴女、災害とかが有った時にそんなだったら、避難が遅れるでしょう。どうするんですか!!」 扶桑「い、いや流石に災害とかなら飛び起きますし!?」 霧島「口答えする気か!!ビンタするから、歯を食いしばれ!!」 扶桑「ヒィィィィィィ!?!?!?!?」 26: 194 :2019/08/13(火) 15 29 05 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp あわやビンタかと思われたその時、神崎提督達が寝室に入って来た。 神崎「あー、そこまでだ。霧島」 霧島「提督!?」 神崎「今回は、あくまで実験だ。ビンタをするのが目的じゃない」 霧島「ですが、提督。流石にこの様は酷過ぎでしょう。だから、制裁を加えないと・・・」 神崎「病気か何かかもしれないだろう。決めつけでビンタするな。だから、今回は堪えてくれ」 霧島「・・・・・分かりました。扶桑さん。神崎提督に感謝しなさい!」 扶桑「は、はぃぃ・・・」※半泣き 長門「危ない所だったな」 扶桑「な、長門さん。・・・というか、皆何処に行ってたんです?」 大和「実は、かくかくしかじか」 扶桑「・・・・・人を使って、何をしてるんですか。皆さんは・・・。何か口の中が甘ったるいと思ったら・・・」 長門「・・・それはそうだが、お前起き無さ過ぎだぞ」 大和「そうですよ。一度、明石さんに診てもらった方が良いですよ」 扶桑「・・・そうさせてもらいます」 日向「全くだな。・・・もうこれで終わりか?提督」 神崎「ああ。皆、遅い所ご苦労だった。ゆっくり休んでくれ」 金剛「ハァ~~。ソレジャア、さっさと寝まショウ・・・・・」 ベッドにて再び眠りにつくメンバー達。幸い、去年と違い真夜中の襲撃は無かった。 かくして、収録は大詰め。二日目の朝を迎える事となる。 27: 194 :2019/08/13(火) 15 29 35 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp ~おまけ 視聴中の銀連メンバー+αの反応~ 257:名無しの提督さん 256の言う通りだ!自重汁! フゥ 258:名無しの提督さん そうだぞ、少しは自重しろ! フゥ 259:名無しの提督さん 257-258 だからwww 260:名無しの御召艦さん 姉さま・・・おいたわしや・・・。 フゥ 261:名無しの大丈夫ですさん 流石にはるn・・・私でも大丈夫じゃ無いです。 フゥ 262:名無しのマイクチェック!!さん この私でも、あの痛さは計算出来そうに無いですね。 フゥ 263:名無しの提督さん 260-262 こらwwwww そこの姉妹艦共wwwwwww 264:名無しの提督さん 何書き込んでいるwwwww そして、何をしているwwwwwww ※三角ネタ時の某掲示板の反応の続き。神崎島関係者らしき書き込みが見えるが、おそらく気のせいである(大本営発表) フェル「メ、滅茶苦茶デショウwwwww」 柏木「もう、瑞鶴さんは出ない方が良いんじゃ・・・?」 ※神崎ポリスストーリーの撮影(二回目)を見た、柏木夫妻の反応。 シエ「コ、股間カラびーむwwwww」 ※変態仮面ネタでの、シエさんの反応。 28: 194 :2019/08/13(火) 15 30 05 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp 柏木「・・・あのさ、フェル。何を協力してるの?」 フェル「く、詳しくハ聞いて無かったノデス。こんなのを作るナンて・・・・・」 ※ティ式ウルトラチン〇マシーン登場シーンにて。フェルさんはヤル研が番組に協力しているのは知っていたが、こういう代物を 作っていた事は知らなかった模様。 ティ連技術士A「これがヤルマルティアで使用サレテいるという、ばらえてぃ用ノ機械か」 ティ連技術士B「何でも男性への罰げーむとシテ、股間を強打するというこんせぷとの機械だソウダ」 ティ連技術士C「その為だけに、この様ナ機械を!?う~む、流石発達過程文明。実ニ興味深イ・・・」 ※チン〇マシーンの実物を見た、ティ連側の技術者達の会話。これも、発達過程文明の調査的に極めて重大な物である!(大本営発表) その後、ヤル研の技術者達と共に様々な技術をつぎ込み、『ティ式ウルトラチン〇マシーン』を完成させた。 大淀「提督。番組内で使用したチン〇マシーンを、痴漢の犯人への刑罰用に貸与して欲しいとの要請が」 神崎「え!?」 ※放送後の、神崎島での一幕。なお、(当たり前ながら)危険過ぎるという理由で貸し出しはされなかった。 ニーラ「モ、モウ止メテwwwwwモウ止メテwwwwwwww」※腹を抱えて笑い転げている ※空気漏れを起こしながら、泣き言を言うマインを見たニーラ教授の様子。 フェル「ワ、私達イゼイラ人的に悲劇そのものナしーんの筈ナノニwwwww」 柏木「・・・・・扶桑さんの言う通り、違う意味で目から汗が(涙)」 ※ビンタネタにて、こゆきを無理矢理取り上げられたシーンにて。その歴史的に、イゼイラ人にとっては悲劇的なシーンの筈なのだが・・・。 29: 194 :2019/08/13(火) 15 30 35 HOST ai126151066222.55.access-internet.ne.jp 以上です。今回は、前回と趣を変えてみましたが如何だったでしょうか? なかなか筆が乗らず、形にするまでが大変でした(汗)。難産でしたが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。 あと、書くのが遅れたお詫びもかねて、おまけシーンも追加。色々と好き勝手してますが、気にしてはいけない(ヲイ) 残す所あと数話まで来ましたが、何とか最後まで書き上げれる様に頑張ります。前スレで言ったリメイクの方も、順次書き上げて投稿しますので、 お楽しみに。 wiki掲載は、自由です。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3157.html
451 :影響を受ける人:2015/04/19(日) 22 30 39 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第五十七話 ―黒雲来たりてⅡ― “オニグモ”の前線突破は早かった。 抵抗なく、防御に専念していた事が「敵に戦力無し」と判断させたのかもしれない。 陣地を穴ぼこだらけにし、そのまま護衛を引き連れて進撃を再開する。 後からついてきた地上型ネウロイが戦線を突破しようと殺到するが、隠蔽していた戦力が猛烈な反撃を加える。 駆逐戦車・重砲等々の火力が向けられ、事態を察知した少数の“スズメバチ”“ウシアブ”“アホウドリ”が“オニグモ”の護衛を離れ、慌てて引き返していく。 「はっ! 今更戻ろうってか!!」 「各機につぐ。食い尽くせ!!」 そこに上空から猛禽の荒鷲が襲いかかっていく。 攻撃態勢に入る前の敵は文字通りカモに過ぎない。 ダイブして銃撃を放つと、そこかしこで砕け散るネウロイが続出する。 前線で戦闘を行っていたネウロイ達も援護に回ろうとするが、交代でやってきた戦闘機隊に食い付かれて落とされていく。 「雪辱を晴らせ!」 「大物は彼女達がやってくれる! 小型を近づけさせるな!!」 果敢に挑みかかる“スズメバチ”“ウシアブ”であるが、猛烈な闘志を持った戦闘機隊の攻勢に引け腰にも見える。 そこに“アホウドリ”が割り込んできたのだが・・・ 「ぎぃあァァァァァァハハハハハははははは!!!!!」 真嶋志麻を先頭に、ウィッチ部隊が覆いかぶさるようにして突進してきた。 “アホウドリ”は二体寄り添って猛烈な迎撃を開始、だが護衛(ではないのだが・・・)の鮫島トミが背中を守っているおかげで志麻が無茶をして突撃していく。 「いやぁぁぁぁぁぁ! けえしてんくんろォォォォ!!」 トミの泣け叫びながらも追従する姿を横目で見つつ、二人を率いる隊長は勇敢なんだか、臆病なのだろうかと悩む。 急降下突撃している志麻は両腕・疑似椀部二本に墳進砲を持っていた。 射程圏に入るや否や、志麻は四門の墳進砲の砲口を“アホウドリ”に向けてトリガーを引く。 墳進砲の轟音が時間差をつけて放たれ、目標に向かって飛翔した。 “アホウドリ”はすぐにそれが驚異であるのを察知し、旋回に入って一発はかわす。 しかし残り三発は胴体に二発、左翼に一発命中しバランスを少し崩す。 そこに使えなくなった憤進砲を放りすて、トミから新たな憤進砲二門を補給し、愛用の鉞を手に持った志麻が襲いかかった。 「げっはっはっはぁぁぁぁぁああっぁぁぁ!!!」 獣のごとき咆哮を上げながら爆砕した箇所に、更に憤進弾を叩きこんで傷口を広げる。 “アホウドリ”は金切り声を上げつつも猛烈な反撃に打って出るが、続けざまに喰らったダメージのせいでろくに当たらない。 もう一体の“アホウドリ”が志麻に攻撃を加えようとするも、同部隊の隊員達が群がってそれを阻害する。 志麻はそのまま獲物に張り付くと、激烈な勢いで鉞を縦横無尽に叩きつけはじめた。 魔力刃が付いている鉞は深々と相手の身を叩き割り、傷口を大きく広げていく。 “アホウドリ”もただ黙っているはずもなく、左右に身を振り回して抵抗する。 しかし疑似椀部と言う能力持ちの志麻は腕が六本あるようなモノ。がっちり掴んで離さない。 それでも曲芸紛いの動きで振り払おうとする。 出鱈目に暴れ始めたのをみた志麻の隊長が、慌てて通信を繋げて怒鳴った。 452 :影響を受ける人:2015/04/19(日) 22 31 12 『真嶋! さっさと仕留めろ!!』 「あいよぉぉぉぉ!」 『これ以上戦場を引っ掻き回すな!!』 「問題ねぇェェ! 今見つけたぜぇぇぇ!」 鉞で叩き割りながら採掘し続け、“核”を見つけ出してそのまま一気に振り下ろして叩き割る。 弱点を叩き割られた“アホウドリ”はひときわ大きく金切り声をあげると、そのまま白い結晶体に砕け散った。 志麻は爆散の勢いと共に空中に躍り出て、獣じみた唸り声で次なる獲物を探す。 『真嶋・・・』 「なんですかぃ、隊長ぉぉ。」 『しばらくお前は“スズメバチ”と“ウシアブ”を相手にしていろ。』 「ええぇぇぇぇ!」 『すぐに落としたのは評価できるが、あの大暴れで戦場が出鱈目だ! もう一体は別の隊に任せる! いいな!!』 「ぐうぅぅぅ・・・ ワカリやしたぁぁぁ・・・」 怒鳴られてしまってションボリしてしまう。 だが何時までもそうするわけにもいかないので、相棒を探すが居ない。 トミは先程まで志麻専用に武装を持っていた。 しかしそれを使い切ったので地上に降り立って、あらかじめ置いてあった通常の弾薬箱と交換しにいている。 つまり、志麻はしばらくの間は鉞のみで戦わないといけない。 「ぐぁぁぁぁ・・・ まじか・・・」 自業自得である。 ――――― 戦線を突破した“オニグモ”は、周りの護衛の気も知らずに悠々と進撃する。 その様子を地上の監視網が随時連絡いれる。 進撃ルートを司令室の地図に書き記しながら見ていた司令は、唸る様にその道筋を見ていた。 「むぅ。 ・・・このままだと、甲と乙。どちらに来るかわからんな。」 「ちょうど双方、どちらにでも行けるみたいですね。」 東条もその進撃ルートを見ているが、“オニグモ”は北側ルートの甲、北東側ルートの乙の中間あたりを進んでいた。 やや北東ぎみなので乙ルートともいえる。 「このまま進撃するとなると・・・北東の4門で迎撃できそうですが?」 「そうですね。理想的な十字砲火とはいかなそうですが・・・」 「それは贅沢と言うモノでしょう。 相手の思考はわかりません。 できうる限りの準備をし、臨機応変に対処するしかないでしょう。」 参謀の愚痴に東条は苦笑気味に答える。 後にネウロイ側から接触がある事が解ってはいるが今言う事で無い。 少しだけ席を外す断りを入れ、最前線の様子を見る。 「ふむ。陣地の防衛は上手くいっているようだな。」 「はい。隠蔽壕がうまく働いてくれたようで、“オニグモ”の攻撃をしのぎ切りました。」 “オニグモ”が最初に到来して攻撃を加えると予想された最前線の防御陣地は、夢幻会の入れ知恵で強化して置いた。 その御蔭で大部分の戦力がそのまま残される形となっている。 もっとも、全てを隠せなかったし耐久力無くなり、潰される壕もあった。 攻撃をさらされている間に殺到する地上型ネウロイを足止めしてくれた各陣地の支援も馬鹿にならない。 この日の為に張り巡らせた連絡網は、その機能をいかんなく発揮。 全力で進行を食い止め、“オニグモ”が去った後制空権を奪取して爆弾の雨を降らせて大打撃を与えた。 前線を突破できた敵戦力は、 “オニグモ”×1 “アホウドリ” ×4 “ウシアブ” ×12 “スズメバチ” ×56 453 :影響を受ける人:2015/04/19(日) 22 31 47 であるため、対処が十分可能だ。 無論強行突破してくることも考えてはいる。 「報告、第五迎撃部隊が敵の誘因に成功。」 「第六迎撃部隊が到着。護衛の“スズメバチ”が“ウシアブ”を連れて離れます。」 「前線から爆撃支援の要請あり。」 「239・221基地に連絡しろ。襲撃機だが、まだ残っていた筈だ。」 「最前線に張り付いていた種村隊と字伏隊が後退。雪女(ゆきめ)隊と日暮隊が前に出ます。」 司令部の戦いはここからが本番と言える。 ――――― 何時もなら決まった時間帯に出撃をしていた江藤・北郷率いるウィッチ部隊であったが今回は違った。 下田隊A・B両隊・狐火隊・狸釜隊・水蛇隊・淵猿隊。 夜戦部隊の旗本隊を覗いた全ての部隊が、一点に集中投入する事が決まっていた。 その一点とはもちろん“オニグモ”。 一人減った特務隊の任務遂行を見届けた後、足止めをするためにエースが数多くいるこの部隊が奮闘する予定だ。 坂本美緒は静かに手甲の着け具合を確認し、上着を着て銃器を手に取る。 いろんな角度から見つつレバーを引いて動作を見て頷く。 銃を置いて一息つくと、目の前に御盆に乗った御茶と羊羹が出てきた。 驚いて見上げると、竹井醇子が笑顔で立っている。 「美緒ちゃん。調子はどう?」 「大丈夫。目も痛くないし、いい感じだ。」 礼を言って御茶と羊羹を受け取り、醇子はそのまま隣に座る。 御盆に乗ったままの羊羹を一切れ食べると笑顔がこぼれる。 それを見た醇子は、あの時よりも回復していることに少しだけ安心した。 「醇子。」 「な、何かな。美緒ちゃん!」 「心配かけてごめん。」 唐突に話しかけられて飛び上がって驚いた。 美緒はそれを見て少しだけ笑いつつ穏やかに言う。 「まだ、どうこう言えないんだけど・・・ これが終わったら、気持ちを切り替えるから。待っていてくれないかな?」 「・・・うん。まっているよ。徹子ちゃんもきっと待っているよ。」 彼女の穏やかな雰囲気に、醇子も自然と笑顔になる事が出来た。 出撃は近い。 以上です。 久々に坂本美緒を出した。 そしてなかなか話が出てこない!!?? 微妙にスランプ気味だ(汗
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/589.html
前回の話 「如月ちゃんと二人で踊ったのって久しぶりですね」 「やっぱりダンスは戦闘とはまた別のいい運動になるしストレス発散にもなるわよねえ、大鯨ちゃん」 「でもカラオケもストレス発散にはよかったですよ。 如月ちゃんも一人じゃなくて二人で歌ったら楽しいでしょ」 私は大鯨。旧日本海軍の潜水母艦大鯨の力と魂を受け継いだ艦娘です。 大鯨って女の子らしくない名前ですって?違います。大鯨という名前は艦娘としての名前です。 私の本当の名前ですか?それはひ・み・つ。秘密です。 ちなみに彼女は如月。睦月型駆逐艦二番艦如月の艦娘です。 如月ちゃんは艦娘としても、一人の少女としての名前も如月なんです。 艦娘といっても中身は普通の女の子とほとんど変わりありません。ただほんの少しだけ他の人と違うのです。 兵器ではなく人間ですから戦ってばかりではまいっちゃいます。だから休むことも心と体のために必要です。 今日は私達は揃ってお休みなので、二人で街に出かけました。ダンスしたりカラオケしたりと楽しかったです。 「でも大鯨ちゃんは司令官と一緒ならもっと楽しいんじゃない?」 「え…はい…でも提督は私達以上に忙しくて機会が中々……」 「でもそんなあの人と結婚するんでしょ?羨ましいわね。 あの人と結婚なんて将来性から考えても玉の輿も同ぜ…」 「如月ちゃん!」 「もぅ…冗談よ…あなたはそんな事で考えるような人じゃないってわかっているわ」 「そうですよ、冗談言わないでください。 私はただ、あの人が素直に喜ぶ顔が見たくて、 それを見て私も素直に喜べて……………………」 161 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 10 52 ID zXX5I0tk 私があの人と出会い、好きになり、結婚しようと思った事に彼が提督だったからという事の否定はしません。 だけど、それはあくまでも彼が提督だったからこそ私達が出会えたという意味であり、 提督という立場だから好きになったわけじゃありません。 私が提督と初めて出会った時に提督は私に親切にしてくれましたけど、如月ちゃん曰く 『あそこまで親切な司令官は見たことない。もしかしたら大鯨に気があるんじゃない?』 との事でしたのでもしかして…とは思いました。 その時は会ったばかりで提督の人となりがあまりわかりませんでしたけど、 提督が少し具合が悪そうに見えた時になんだか心配になってしまって… その時はただの空腹みたいでしたけど、 でもその時に私の中で何かが生まれたのかもしれません。 そんなモヤモヤした気持ちが少しずつ広がっていく中で提督の食生活が酷いものだと知り、 たまたま提督の部屋にお邪魔して本当に酷い食生活とわかった時、 戦闘能力に乏しい私だからこういう時にこそ提督の役に立たなきゃと思い 上層部に掛け合ってその後提督と一緒に生活を始めました。 最初の頃はどちらかといえば『提督』の役に立ちたいという気持ちでしたけど 提督が私の作った料理をいつも褒めてくれて、 それでもっと喜んでもらいたいと思って創意工夫を凝らして…… ……気がついたらあの人の事が好きになっていました。 あの人が私の事を世話役とかそういったものとして好きというわけではなく、 最初から人として好きだったっていうのがわかったのは互いの気持ちが通じ合った時でしょうか。 162 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 11 34 ID zXX5I0tk ある日の事です。私がシャワーを浴びていたらあの人に見られてしまって……ドキドキしちゃいました。 私が勝手にシャワーを浴びていたのが悪いのですし、 あの人は私がお風呂掃除をしていると思ったから入ってきたわけですから仕方ありません。 でも私のドキドキは止まりませんでした。 その夜、私はあの人のお布団の中に忍び込みました。 あの人が私のあられもない姿に興奮していて、 それを思い出して我慢出来ずに私を求めちゃうだろうと思って…… 今思ったら恥ずかしいです。本当は私からあの人に手を出そうかと思っていました。 だけどもし私の思い違いだったらと思うと、はしたない女の子に思われるのはともかく 今の関係が壊れてしまって未来まで失ってしまうのが怖かったんです。 だから私は言い訳がきくよう隣でただ目を閉じていただけです。 覚悟はしていました。あの人に私の初めての口づけを……初めての………… …………覚悟というよりも期待という方が正しいのかもしれません。 でも…あの人は何もせず、私を起こそうとせず私の布団に運んだんです。 ショックでした。あの人が私の事を好きだと思っていたのは私の思い違いだと思ってしまって、私は枕を涙で濡らしました。 でもそんなところを見たからなのか、その後私に告白してきたのです。 あの人は情に絆されやすいところもありますが、 それでも自分がこれだけは駄目だと思えば断固拒否する人でしたから、告白された時は心から嬉しかったです。 ただ、あの人もあの人で少しだけ勘違いしていたみたいでしたからちゃんと私の気持ちも伝えました。 まあ何はともあれ結果オーライでよかったです。 ……こういう考え方って、あの人に少し影響されちゃったかな? 163 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 12 10 ID zXX5I0tk 「…………ちゃん……大鯨ちゃん…………」 「………………あ、はい!」 「もう…何ボーっとしてるのよ」 「ごめんなさい、少し考え事とか、昔の事を思い出したりとか……」 「それはまあいいけど…あれ、見て…」 「え………!?」 言われて見てみるとあの人が見知らぬ金髪の女性と食事をしていました。 「司令官が綺麗な女の人と一緒に食事してるみたい。 何か言い争っていて…あ、女の人が水のおかわりに行ったみたい」 「……きっと大丈夫とは思うけど……確かめてきます……」 「ちょっと!?」 私はあの人を信じているけど、 だけどどうしても確認したいと思って席を立ってあの人の所に向かいました………… 164 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 13 03 ID zXX5I0tk 「あの子も結構強い個性を持っていそうだし、これも艦娘の運命か……」 俺はそう小さな声で独り言を呟きながらこれからどうするかを考えた。 「て・い・と・く」 「っ!?」 「提督っ」 不意に声をかけられ驚いた。振り返ればそこには大鯨… いや、今日は休養日だから大鯨というべきではないか…… 「提督、ここで何をしていらっしゃるのですか?」 「新しい艦娘が新鎮守府に来るから駅まで迎えに行っていたんだ。 こんな時間だから新鎮守府に帰る途中で昼食を取ろうと思ってな」 俺は堂々と事実を言い切った。やましい事なんて何一つしてないからな。 もしやましいことがあるなら繕うような言い方をするはずである。 「あら?貴女誰?」 「あなたこそ誰ですか?」 「ドイツの誇るビスマルク級超弩級戦艦のネームシップ、それが私よ」 「え…………ビスマルクって…………あの…………?」 「そう。ドイツらしい重厚かつ美しいデザインでしょう。 この国でも縦横無尽に活躍するわ。期待しなさい!」 その雰囲気と佇まいに圧倒される大鯨。 「あの…ビスマルクさん…さっきは何を怒っていたのかしら……?」 如月が何か会計を済ませたのか財布を仕舞いながら尋ねる。 「提督に日本料理をご馳走するよう言ったのにタイワンラーメンとかいう辛いのを頼んだのよ」 「台湾ラーメンはれっきとした日本食だ。高雄も愛宕も金剛も榛名も台湾にはこんなのなかったとか言うが、 これはある料理屋の店長が故郷の坦々麺を思い出してまかないで作り、 それを辛党だった店長が辛く味付けして作ったんだ。 だから創ったのは日本人じゃないとはいえ、れっきとした日本料理だ」 「……とにかく口直しを要求するわ」 俺はソフトクリームを頼んだ。他の二人は既に食べたからいらないみたいだ。 165 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 14 32 ID zXX5I0tk 俺はソフトクリームを頼んだ。他の二人は既に食べたからいらないみたいだ。 「ふふっ、中々おいしいじゃない。いいのよ、もっとくれたって」 『さぁ、豪華なランチを奢ってもいいのよ?』 俺の頭にある少女の言葉が響いた。 ああそうか、この子もこんな感じか。俺は何か糸口が見えたような気がした。 「でもここってラーメン屋なのに甘味も充実していますね」 「そもそもここは甘味処から始まったのだからな」 「ねえ、もっとソフトクリームないの?」 「買いたいのはやまやまだがそろそろ新鎮守府に行かないと時間がない。 心配するな。新鎮守府には外郎とか名古屋銘菓を沢山買い込んであるからな」 「何だか食べたら『お前の体は私のものだ』って乗っ取られないかしら」 この時俺は確信した。そんな知識があるのならこの子とみんなとでやっていけるだろうと。 166 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 16 52 ID zXX5I0tk 東海地方含め多くの地域に新しい鎮守府が作られた理由。それを語るには夏頃まで話を遡らなければならない。 夏のAL/MI作戦において自分の担当の出撃任務を終えた俺は故郷に帰省していた。大鯨も護衛として一緒だった。 さすがに家族や親戚に会わせる勇気はないから近くでウインドウショッピングをしてもらった。 そして鎮守府に帰る前に富田の鯨船行事という祭りを楽しもうとした矢先、 四日市港や名古屋港が深海棲艦の襲撃を受けていると緊急連絡が来た。 この場には大鯨しかいなかったものの、襲来した敵の強さが大したことなかった事と 大鯨の練度が高かったこともあり比較的楽に殲滅できた。 後で聞いた話だが、日本の重要港湾クラス以上の港が深海棲艦による襲撃を受けていたらしく、 幸いにも伊勢湾地域に襲来した敵は伊良湖沖で大半は殲滅されていたとか。 とにかく艦娘達のほとんどがAL/MI作戦に出撃している最中だった為に日本には艦娘があまりいない状態だった。 そこをついた奇襲という形だった感じだがあまりにもタイミング良すぎて………… とにかく事態を重く見た上層部は艦娘の活動拠点の増設と艦隊再編を行った。 横須賀鎮守府に主戦力を集中しつつ、それ以外の重要港湾以上の港湾所在地域に新しい鎮守府 (旧来の鎮守府と区別して新鎮守府と呼ばれる)を置いた。 新鎮守府は主力艦隊の拠点となる横須賀とは違い、輸送船団の護衛や地域防衛等が主な仕事である。 俺の新しい勤務先の東海地方の新鎮守府はそれ以外にも艦娘の教育機関がある。 艦娘は軍人のようなものではあるが、本来ならば義務教育下にある艦娘も数多い。 今までも教育自体は各鎮守府でされていたが、地域による教育格差や講師の分散等問題もあった。 その為東海に作られた新鎮守府はそういった艦娘達の為の教育機関も兼ねているのである。 主力であるはずのビスマルクが再編でここに来たのはドイツ語の教師として来たという面が大きいだろう。 俺は東海の新鎮守府で勤務することになったものの 今までの部下達は大半が義務教育下にある駆逐艦娘が大半だった為 長門や陸奥、赤城などの主力艦娘が横須賀に残留したくらいで俺の艦隊の顔触れに変化はほぼなかった。 装備も強力な装備は横須賀に運ばれたが、戦力はなるべく集中させた方が良い為との判断でもある。 また、新兵器の開発についてもまた別の新鎮守府に集中するとのことだ。 色々あったものの、故郷に近い地域に勤務する事になった為、俺のやる気は潰える事はなく、むしろ増大していった。 やはり俺には東海三県の空気が合うのだろう。 年頃の沢山の艦娘達を導いていく不安をそれで打ち消していきたかった。 167 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 18 09 ID zXX5I0tk 10月31日、今日はハロウィンだ。子供達がお菓子くれなきゃいたずらするぞで有名な日だ。 実際はもっと別の理由があるが、こう変化しちゃうのも日本人らしい。 だからなのか朝から騒々しいなあ…… 「しれ…提督、潜水母艦大鯨よ。トリックオアトリート」 「ん…どうしたんだ暁?」 「お菓子くれなきゃいたずらしちゃうわよ」 もう悪戯してるも同然だろう。暁は大鯨の服を着ていたのだから。 物凄い遠目から何気なく見たら一瞬は騙されたかもしれないだろう。てか大鯨はどうした? 「暁ちゃ~ん、私の服を返してくださ~い!」 振り向くと大鯨は暁の服を着て走ってきていた。胸や腰周りがぱつんぱつんで色っぽ……苦しそう。 つーか何故着たし。他に服はなかったのか。 「見てみて、この輝く肌、ねえもっと近くで見てあげてよ」 続いて如月がやって来てそう言った。自分ではなく大鯨の事を指しているのだろう。 何となくだが首謀者がわかった気がする。 「暁ちゃん、お菓子あげるから服を返してくださいよ……」 物凄く恥ずかしそうに涙目で赤面する大鯨の顔はドキドキするくらい可愛かったが、 さすがにこれ以上大鯨を悲しませるのは心が痛む。 「ふふっ、サイズの大きい服を着て大人びる子供…パーフェクト!」 何故か那智が割り込んできた。那智がパーフェクトと言うとか、こいつもそういう方面の知識はあったのか。 そんな事を考えたのは俺と、いれば漣くらいだろう。 「お子様言うなー!」 「じゃあなんでこんな真似したんだよ」 「本当は一人前のレディーがこんなことする必要はないんだけど、 学年行事としてやらなきゃいけないから仕方なくやっただけよ」 「眠たかったからせっかく来てくれたのにお菓子をあげられなくてごめんなさい。でも服は…」 「如月ちゃんから何をやったらいいのか聞いてみたのよ。だから大鯨さんの服を着ちゃったの」 「で、何故大鯨は暁の服を着たのだ?」 「如月ちゃんからやり返すなら同じ事をって……え?」 話が繋がった。二人の衣装チェンジはやはりこいつが原因か。 168 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 19 03 ID zXX5I0tk 「こうして見ると二人とも結構似ているわね」 強引な話題転換である。 「大鯨ちゃんも暁ちゃんと似ているし、暁ちゃんも大鯨ちゃんと似ているし…… 司令官と一緒にいたらまるで本当の家族みたいね」 「そうだな……お前達の子供の顔が早く見たいものだ」 如月の言葉に俺達は赤くなって驚き、 その後の那智さんの言葉にはまるで今までの成長を見てきた年長者的な雰囲気さえあった気がした。 真面目なのか残念なのか判断に困る。二人とも真面目なんだろうけど。 「ところで司令官、今度の祝日は司令官のお誕生日でしょう。 どうしてその日に結婚式をしようとしなかったのかしら?」 「確かに。司令官が結婚式を行おうとしている11月15日は渾作戦の真っ最中なのよ。 だから余裕がある時にしておいた方が…」 「今回の渾作戦は横須賀鎮守府の艦隊が中心だ。横須賀鎮守府は戦闘能力に長けた艦娘が集結しているからな。 俺達の役割は本土の防衛だ。この前のような事があったらかなわんからな」 ちなみに次の作戦名は渾作戦だと漣にメールで送ったら大量の大根を買ってきた。まあ予想通りである。 「作戦期間中とはいえ作戦初期だし、 することはいつもやっている事の延長線上にある事だからある程度の余裕はある。 それに結婚する事と結婚式の日程を報告したら快く承諾してもらったし、 作戦発表後に上層部に伺ったら結婚式を行う事を咎められる事はなかったしな。 まあ作戦期間中は休み無しになり終了後の後始末もやらなきゃいけなくなるが 俺の勝手な都合で結婚式をするんだから仕方ない」 「…まあ上層部がそう判断したんだったら私達から何も言う事はないわ。 私達が出来る事が後方支援だっていうのなら、それを全力でやるのよ」 暁の言葉と共に俺達はこれからへの決意を新たにした。 169 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 19 46 ID zXX5I0tk そこへ空気を読まないかの如くドアが激しく開く音がした。 「トリックオアトリート!お菓子くれなきゃ私の歌を聴けーっ!」 ビスマルクがとある歌姫の扮装をしながら乱入してきた。 何か間違っている気がしたがハロウィンを彼女なりに楽しんでいるみたいだ。 彼女も完全にここに馴染んでいるようだった。 「なんでみんなお菓子をくれないのかしらね」 「それだけビスマルクさんの歌が上手だからですよ」 「本当!?ありがとう。いいのよ、もっと褒めても。 でもここでは変わった事をするのね」 ビスマルクの方がハロウィンとは微妙に違った事をしている気がしたが何も言わなかった。 俺のいる新鎮守府ではハロウィンに合わせて盛大なイベントが開かれていた。 他の鎮守府でも小さいながらイベントが行われていたが、この新鎮守府では一段と大きなイベントが行われていた。 というのもこの新鎮守府は小中学生の年代の艦娘が大半を占める為、 思春期の不安定な心を戦闘行為だけを行う事により壊してしまうという事がないよう 情操教育の点から近隣住人達とのふれあいにより人間らしい心を失わないようにとの考えである。 また、地域の人達からの信頼を得て様々な支援を受けやすくするという狙いもある。 「でも楽しかったわ。これからももっと楽しいことがしたいわ」 彼女の存在はドイツ語講師や戦力を抜きにしてもここに必要不可欠だった。 彼女は現状雷撃できる唯一の戦艦故に渾作戦期間中は横須賀鎮守府の主力艦隊に配属されることになっていた。 激戦地に赴く彼女や、他の艦娘達が無事に帰ってくること。それが俺達の願いだった。 170 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 20 28 ID zXX5I0tk そして11月15日。俺達は結婚した。神の前で俺達は永遠の愛を誓い合った。 何故作戦が始まったばかりのこんな時に結婚式を行ったのか。 それは俺の父親と母親が30年前に結婚したその日だったからである。 俺を今まで育ててくれた両親。その両親に今まで散々苦労をかけてきたのだ。 俺の事を心から愛してくれた人達を俺は何回も悲しませ、落胆させ、失望させてきた。 それでも俺を信じてくれた両親。俺は両親に自分が立派になった姿を見せたかった。 そして、その姿を両親の30回目の結婚記念日のプレゼントにしようと思ったのだ。 正直言ってきちんとできたのか、それとも駄目だったのか、緊張していたためかあまり覚えていない。 でもどちらにしろ親からすれば子供はいつまでも子供なのだと思う。 子供だと思っていたら思った以上に大人になっていた、あるいは未だに子供地味ているか…… どちらにしたって最終的には子供という目で見てしまうものかもしれない。 それに失敗したとしても後に『あの時はああだったなあ』とみんなで笑いながら話せるのならそれはそれでいい。 それよりも俺にとってはある意味結婚式以上に大事な事が控えていた。 日が変わって11月16日。81年前、潜水母艦大鯨が進水した日である。 俺達もまた、新たなる所へ進もうとしていた。 171 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 21 23 ID zXX5I0tk 「不束者ですが、よろしくお願い致します」 俺と初めて出会った時、そして俺と彼女の心が一つに結び付いた時。 その時と同じ、しかしそのどちらとも意味合いが少し違う言葉だった。 「………とうとう…私達……」 生まれたままの姿で照れながら、しかし笑みを浮かべる彼女はとてもかわいかった。 結婚式の時の彼女はこの世で一番綺麗な存在と思えるほどだったが、 こうして見ると彼女の童顔が更に際立つ。 もちろんどちらも彼女の魅力の一端という事に変わりはないのだが。 「ん…………」 俺は彼女の唇に自分の唇を重ねた。ただ唇と唇を触れ合わせるだけのキス。 でも、それだけでも凄くドキドキした。はたから見たら童貞と一目でばれるだろう。 キスの最中、俺は彼女の体を抱きしめ愛撫していた。 しっとりとしていて、それでいて重くない髪はいつまでも触っていたかった。 そして髪の毛から肩、背中、腰。尻へと右手を下に下ろしながら触っていく。 彼女の体は肉付きがよく、とても暖かかった。 お尻もとても大きくて柔らかい。きっと元気な子供をたくさん生んでくれるだろう。 一方左手は豊かな胸に行っていた。程よい弾力と柔らかさ、暖かさが心地よい。 その大きな果実とも形容できるものの先には鮮やかな色をした小さな果実があった。 その果実は硬かった。しかしただ硬いというだけでなく程よい弾力があった。 「……はあ…………んんっ!?」 俺は彼女に唇から己の唇を離すとそのグミのような果実に口づけ、吸った。 「あ……ん……そんなに吸ったって…出ませ…んっ!!」 彼女は潜水母艦大鯨の艦娘である。潜水母艦は潜水艦を支える艦、つまり母親のような存在だった。 胸が大きいのは彼女が潜水母艦の艦娘だからなのか、それとも胸が大きいから艦娘になれたのか。 そんなことはわからないが彼女はまだ母親になっていないため母乳は出ない。 出るとすればホルモンバランスがおかしくなっているのだろう。 いつまでも彼女の乳房を堪能したかったがそうはいられない。俺は彼女の一番大事な所を右手で触れた。 とてもぬるぬると濡れていた。俺は指で探した。 すると少しへこんだ所があったので俺は中指に少し力を入れた。 にゅるん、と入っていった。入口はきつかったが中はとても滑りがよく暖かかった。 指を動かし感触を楽しむ俺は一刻も早く己のいきり立ったものを入れたかった。 172 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 22 03 ID zXX5I0tk 「ん……い……入れてください……あなたの……おちんちん……」 「いいのか……」 「ええ……もう我慢…できないの…あなたも…でしょ……」 彼女の言葉通り俺も限界だった。というか最初にキスする前から既にしたかった。 俺は己の全てを込めるものに手を添え、先ほどのへこんだ所に押し付けた。 「そこ……です…………ッ……!!」 俺は彼女の中に入っていった。先端から今までに感じたことのないような気持ちよさが伝わる。 気を抜けばあっさりと達してしまうだろう。それだけは避けたかった。 彼女を気遣って一気に突っ込むことはしなかったが、何かに阻まれた時、力を入れた。 プツリッ! 何かを破いたような気がした。そして思わず一気に最奥まで貫いてしまった。 結合部の根元を見ると赤いものが見えていた。 そうか、俺は彼女にとって初めての男になったのか…… 彼女は俺を拒むのではなく受け入れたということか。 「ッ…………」 「…くっ…すまない…もう……」 俺の言葉は彼女を気遣うつもりが苦しめてしまった事を謝ったのか、 それとも彼女が達する前に自分だけ達してしまいそうな事への事なのか。 どちらも正しいだろう。不意に気が抜け、襲ってきた射精感に俺はもう我慢できなかった。 俺の先端からびゅるりという感触が延々と続いた。 俺は彼女が達する前に勝手に達していたのだった。 173 :ド・キ・ド・キ 幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 23 21 ID zXX5I0tk 「ん…………」 「はあ…はあ………」 俺は彼女の一番奥で全てを吐き出していた。 彼女に包まれ、暖かさを感じていた俺はそれに甘えていた。 しばらくして射精が収まったあと、俺は少しの後悔に襲われていた。 なぜ勝手に達してしまったのか、もう少し優しくできなかったのか。 そんな考えを見透かしたのか、彼女の言葉は優しかった。 「……私で気持ちよくなってくれて…ありがとうございます……」 痛くて苦しいだろうに、彼女が俺にかけた言葉は感謝の言葉だった。 「……こっちこそ……ありがとう……」 俺は涙を流しながらそう答えた。確かに罪悪感や済まなささはある。 だけど初めての人が彼女で、彼女の初めての男になれた喜びの涙でもあった。 「…こんな私を、愛してくれて、本当にありがとうございます… 私は……私はとても幸せです。そして、いつまでも、あなたと一緒に…………」 それは彼女の偽らざる本心なのだろう。 俺は彼女を苦しめただけかもしれない。だけど、それでも彼女は俺を愛してくれた。 だからこそ俺は彼女を気持ちよくさせられなかったであろうことを後悔していた。 出来るなら少しでも早く彼女を気持ちよくさせたい。だけど俺は提督だ。 俺の行動一つで艦娘達やこの地上に生きる全ての人達の命運が決まってしまう可能性もある。 それに平和の為に戦わなきゃ彼女を愛する事もできなくなる。 俺は全ての幸せの為に戦う事を改めて決意した。 何一つ思い悩むことはなく彼女と愛し合えるようになるには、まだ時間がかかるのかもしれない………… ―続く― + 後書き 174 :幼妻大鯨ちゃん:2014/11/16(日) 13 27 06 ID zXX5I0tk そんなわけで『お・し・か・け』の続きです エロ薄めな上に関係ないところで独自設定やネタ多数 俺は地元に近いところで愛する人と生きて行きたかったんです…… 長編で明確に続けると宣言して投下したのは初めてです 続きも現実の時間軸に合わせて書いて投下するつもりです それではまた これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3147.html
689 :影響を受ける人:2015/02/01(日) 22 30 16 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 残虐な、流血の表現があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第四十七話 ―墜ちる空Ⅸ― 戦闘開始から五日目経った時、大陸総合本部よりある通達が行われた。 それは大規模撤退作戦である。 作戦名だけ聞けば「何時もの通りでは?」と思われるかもしれない。 しかしながら今回の作戦発動は全く違う。 今までは防御して、民間人を退去させる時間を作り出すのが目的だった。 しかし、継続戦闘により資材が枯渇状態に陥り始めた事が、事態を深刻化させた。 このままでは戦線が崩壊し、ネウロイが民間人を襲う事になる。 それを危惧した作戦本部は、いままで穏便に進めていた退去を強引に進めることにしたのだ。 動かせるトラックなどの機材をフル活用し、一気に人員移動をする。 それに伴い、前線も大きく下げて戦力の集中化も図るという、何とも豪快な作戦だ。 実は決断を下したのは四日目。 データー分析による天気予報と、占星術による天候予想、能力者による未来視。 これらの予想にもとづき、近日中に雨が降り注ぐようになることも後押しの一つと言える。 雨風が吹けば、通常戦闘機の飛行は著しく難しくなってしまう。 ただでさえ夜間戦闘でベテランを引き抜かれているというのに、これ以上の戦力低下は見過ごせないものとなった。 民間人の退去は一応事前通告して手荷物だけにさせている。 半ば強引に残ろうとしても、強制的にでも退去させる覚悟だ。 問題は前線の戦力をうまく撤退させられるか。 地上戦力の主力である戦車・重砲は、牽引車などが必要。 通常戦闘機隊も風雨が降る前に移動しなければならない。 その間隙を埋められる戦力・・・ウィッチに負担がのしかかる事となる。 幼き少女達に頼らねばならない。 胸中に渡来する思いを胸に秘めながら、作戦は開始される事なった。 ――――― 「ぜぇいやぁぁぁぁ!!」 陸戦ストライカーを履き、左肩に先祖伝来の鎧の一部を付けたウィッチが、大型ネウロイの脚部を斬馬刀で切り裂いて転倒させる。 斬った勢いを利用して振り返り、上段に構え直して振り下げる。 「ふんぬぅぅ!!」 切り裂いた断面から敵の核が見えたが、それを一顧だにせずに次に向かう。 再生を開始するネウロイであったが、 『もらったぜ!』 駆逐戦車の砲撃を受けて爆散する。 通信から援護を受けている戦車隊の歓声が聞こえてきた。 「いちいち叫ばないでよ! 耳が痛い!!」 『おお、すまん。だがその調子でジャンジャン行動不能にしてくれ。』 「わかってる、わ!」 陸戦ストライカーのキャタピラが、轟音をあげて大地を削る様に突き進ませる。 中型の群れがいたので、すれ違い様に足を切り裂いて転倒させておく。 重砲隊に聞こえる様に敵がいたポイントをいうと、しばらくして榴弾の雨が降り注いで敵を殲滅した。 「隊長!」 690 :影響を受ける人:2015/02/01(日) 22 30 56 斬馬刀のウィッチが駆け込んだ先では、槍を携えたウィッチが丁度大型ネウロイを串刺しにして爆散させた直後だった。 槍使いのウィッチが一息つきつつも、斬馬刀のウィッチに並走するために近づく。 「さっすがぁ! 隊長ですね~♪」 「石動、気を緩めるな。」 「承知していますよ。」 彼女等は陸軍の精鋭ウィッチ部隊【新撰組】だ。 銃器をほとんど使わず。接近戦で敵を葬り続けている。 銃器を使わないから継戦戦闘力もずば抜けて高いが、決め手に欠ける時があるために通常戦闘部隊との連携も考慮している。 隊長の槍使い…黒田剛己(くろだこうき)…は、主武装の【扶桑号】を肩に担いで次の獲物を探す・・・必要も無く、進路上の敵を串刺しにしていく。 その横では舞踊るように斬馬刀のウィッチが追従する。 しばらく二人で殲滅し続け、途中で斧使いと弓矢使いとも合流していく。 突き、薙ぎ払い、切り倒し、穿つ。 その光景を遠くから見ている兵士達は、戦女神の舞踏を特等席で見れることに感動する。 手を休めると上官に怒鳴られてしまうけど。 『隊長、例の空戦ウィッチを発見確保しました。』 そんな中で探索任務を帯びていた仲間からの通信が入った。 すぐに場所を問いつつ、前線に張っている司令部に断りを入れ、すぐに向かう。 こうした任務も彼女等の役割だ。 「おっと。」 彼女等の敵は地上にだけいるわけではない。 “ウシアブ”が急降下してきてレーザーで薙ぎ払ってきたが、危なげなく散開してかわす。 そのまま上昇する“ウシアブ”だが、弓使いの追撃により横合いから翼ごと胴体を穿れて地面に激突して爆散する。 「長瀬、あとどのくらいある?」 「矢は、にじゅう・・・二十五本あります。」 「そうか。大事に使え。」 「承知。」 短くもはっきりとした返答を受けて、黒田は三人を率いて進む。 途中小型ネウロイの集団と出会ったが、一分もしないで全滅させておく。 こういう小型一番厄介だ。小さいので当てづらいというのが一番の理由。 そうこうするうちに前方から残りのメンバーが走ってくるのが見えた。 「おーい!」 斧使いが手を振ると相手も振り返してきた。 円月輪を二つ持つのウィッチ。 刀を二振り持ちつつ、背中と腰にもまだ刀を持つウィッチ。 青竜刀を持つウィッチ そして・・・巨大なサイのようなモノ。 黒田達はそのまま旋回するようにして合流し、元の陣地近くに戻る道を進む。 巨大なサイは轟音を立てながら走っているが、その背中には何か乗っている。 異様な物体に近づき、並走をしつつサイモドキに通信を繋げた 「可楽、背中に乗るぞ。」 『ァィ…』 可楽と呼ばれたサイモドキの中から、ものすごく小さい声が聞こえてきた。 了承を貰ったのでタイミングを見計らい、その背中に飛び乗る。 シールドを使っての跳躍だが、手慣れたもの。 すんなり背中に着地をして背中のモノを確認する。 背中には、一人の少女が縛り付けられており・・・“分かれた下半身” と“共に縛られて”固定されていた。 「遺体が帰るだけでも、まだ運が良い・・・か。」 そのまま憐みの目を向けつつ少しだけ拝む。この少女の魂が安らかに眠る様に。 そして屈んで懐を確認する。目的の物を確認するまでは報告できない。 目的の物は直ぐに見つかった。 それはドッグタッグと呼ばれるもので、【千景えりか(ちかげえりか)】と名前が掘られていた。 691 :影響を受ける人:2015/02/01(日) 22 31 34 ――――― 千景エリカの戦死報告を受けた美緒は茫然とし、そのまま食事もせずにフラフラと自室に戻っていった。 信じられない、そんな顔で。 「しばらく、一人にしておけ。」 とミチルに言われ、反論したかったが何も言い返せなった。 徹子は胸中に怒りを抱えながらそのまま食事を終えると、自室に肩を怒らせながら戻る。 その後ろを凛が付いてきたが、何も言わずにベッドに飛び込んだ徹子を尻目に椅子に座って本を読み始める。 今この部屋には美緒はいない。 特殊任務の都合上、ミチル達と同じ部屋に変更されたからだ。 「なぁ・・・委員長。」 「なんですの?」 「どうすればいいんだろうな。」 「何がですの?」 「何がって・・・美緒の事だよ。」 「こればかりは、美緒さんの心次第ですわ。」 身も蓋もない言い方に切れた徹子はベッドから出ると、そのまま凛の胸倉をつかんで持ち上げた。 「お前は心配じゃないのかよ!!」 「ぅく・・・心配で、すわ。」 「だったら何でそんな言い方すんだ!!」 「先ほどもぉ・・・言った、通り。美緒さんが、超え・・・るべき、壁ですの・・・よぉ!」 余りの興奮状態に力が発現し、剛腕でもって凛をそのまま持ち上げていく。 髪が長く伸び始め、爪は鋭利に、犬歯も少し鋭利になる。何よりも凛と合わせている目が獣の様なものになってくのが見えた。 その変貌に驚くが、凛はそれを内心に留めつつ言い放つ。 「親しきぃ、人が居なくなる・・・という事は、覚悟ぉ・・・して、いた筈ですわ。」 「グルゥゥゥゥゥゥッッ・・・!!」 徹子の漏れ聞こえる声すら獣になりつつある。 これが彼女の隠していた能力かと、頭の中で冷静に分析して苦笑する。 彼女はもはや言葉をなさず、そのまま獣の怒りに任せて凛を殺そうとし・・・首飾りが淡く光り輝く。 その光を確認できた者はいない。しかし徹子には劇的な影響を与えた。 急激に冷静な判断が出来る様になり、次第に状況を把握していく。 目の前で苦しんでいるのは誰だ? 首を絞めているのは誰だ? 殺そうなんて・・・なぜ思ったんだ? 何故自分は・・・ 「あ・・・ああ!!」 恐怖が胸中に巻き起こり始めた徹子は、そのまま手から力を抜く。 力を抜いたことで凛はそのまま床に滑り落ちて尻もちをつき、咳き込みながら息を整える。 涙目で見上げてくる凛を、恐怖に歪んだ顔を隠すように後退していく。 「ち、違う・・・ 違うんだ・・・ こ、殺そうだなんて・・・・・・っっぁぁあああ!!」 「ま、待って徹子さん!」 恐怖に叫び声を上げ、そのまま部屋から出ていく。 凛は追い駆けたかったが、まだ息が整っていない為に追いかけられなかった。 この後、戻ってきた里子がうずくまる凛を見つけて大慌てで介抱する。 美緒に会おうとしたものの面会謝絶されて戻ってきた醇子と小毬も、里子の説明に驚いて徹子に事情を聴こうとした。 しかしこの日、徹子は翌日の出撃まで戻らなかった。 以上です。 オリジなる陸戦ウィッチ書いたら長くなってしまった・・・ 1人退場させる予定だったのに・・・ もういいや、次回に回そう。 陸軍の精鋭ウィッチ部隊【新撰組】 部隊隊長:黒田剛己(くろだこうき) 使い魔:柴犬 主武装【扶桑号】 黒田家の長女。九曜の歴史改変により生まれ出た、本来なら生まれないはずのウィッチ。 黒田家としては空戦を目指して欲しかったが、本人の希望と、当主の祖父の槍武術を継承したくて陸軍に入る。 その後、接近戦を主体とするハグレウィッチをまとめ上げて【新撰組】を立ち上げた。 当初は色物部隊と言う扱いであったが、演習を何度もこなしてどの部隊よりも好成績を収める。 大陸に移動してから更に名声が上がり、『陸軍の撫子』と言われて大人気に。 しかしながら接近戦をこなせる人材が全くおらず、部隊員増員のめどは立っていないのが悩み。 空戦に進んだ真嶋志麻を事有る毎にスカウトしているのだが、芳しくない。 ちなみにハグレウィッチ達は陸の“痛い子中隊”だったりする。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3826.html
508 :影響を受ける人:2016/09/04(日) 21 55 40 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第九十六話 ―作戦開始― ―哨戒部隊 報告― 目標 ヤマ 渡海 距離 本土 ヨリ 規定 地点 到達 確認 護衛 オニグモ 二 アホウドリ 十四 他 多数 確認 測定 不能 進撃 速度 衰エ 無シ ―台風牽引隊 報告― 本土 ニ 接近 予定 日程 全 工程 順調 ニ 消化 セリ 接敵 想定 時刻 誤差 三十分 以内 ト 予測 ―本土 大本営 発令― 報告 受領 大本営 ハ 作戦 開始 ヲ 発令 セリ 全部隊 ハ 行動 ヲ 開始 セヨ ―第一打撃艦隊 返答― 了解 全艦 抜錨 開始 ―第二打撃艦隊 返答― 了解 全艦 抜錨 開始 ―第三打撃艦隊 返答― 了解 全艦 抜錨 開始 ―第一機動艦隊 返答― 了解 全艦 抜錨 開始 ―第二機動艦隊 返答― 了解 全艦 抜錨 開始 ……… ――戦艦【紀伊】艦橋―― 作戦開始。 この号令は扶桑皇国全ての軍事施設を動かした。 人によっては待ちに待った決戦。もしくは来てしまった運命の日。 しかし扶桑皇国にとって、海軍の総戦力も動かした本作戦は、歴史に史上に残る大作戦となる。 「水雷戦隊、全て外洋に出ました。続いて本艦も出撃します。」 「よし。」 古賀峯一が力強く頷き、同じ転生者の副官に声をかける。 「再び転生し、もう一度戦艦に乗れるというのは僥倖だったな。」 「そうですね。しかもストパン世界の改加賀型ともいうべき紀伊型戦艦です。」 「それはちょっと違うぞ。こいつは外見こそ類似しているが、様々な面で性能は向上している。 一番わかりやすい速力は、加賀型とは全く違う。」 「失言でした。申し訳ありません。」 「ああ、かまわんよ。」 上機嫌で、覇気を隠さない古賀に、副官はやれやれと内心で溜息を吐く。 こんなメタい会話をしているが、環境にいるのは全員転生者のみ。 艦長もそうだし、砲雷長もそう。というか前世で戦艦屋として夢幻会に知られたメンバーばかりだ。 故に気軽に話せる。 「少々不謹慎だが、この世界に生まれて幸せだ。」 「同意します。ネウロイと言う外敵が存在し、大型相手には巨砲必須である以上、戦艦の需要は無くなりません。」 「そうだ。だからこそ、原作における紀伊型戦艦の主砲問題を、早期解決させたのだからな! だが・・・ 予想に反し、戦艦建造速度は上がらんかったな。」 「仕方がないですよ。前世とは違い協力者が少なく、加減が把握できなかったのもあります。」 「前世での弊害と言うべきか・・・ あの頃は、割と自由にやっていたんだな。」 「自由と言うか・・・バックの存在が大き過ぎた事にもあるのではないかと。」 「まあ愚痴愚痴言っていても仕方がない。今は今作戦に全力を振るうぞ!」 「はっ! 空駆ける少女達のために!!」 「「「「「空駆ける少女達ために!!」」」」」 (大丈夫か・・・?) ヲタク共の号令を聞きながら、比較的真面目な艦長は不安を少しだけ覚えた。 509 :影響を受ける人:2016/09/04(日) 21 56 12 ――空母【天城】艦橋―― 作戦開始が発令された。 扶桑海を守る為、大陸の防衛の為に、何度も航空隊を見送ってきた艦長は今作戦においても、育ててきた荒鷲達の活躍を疑わない。 もっとも夢幻会介入による航空母艦の航空隊体制の変更は、納得し辛い所が有ったものの、一応は理解している。 速い話、今ままで基地航空部隊と航空母艦飛行部隊は分けられていたが、自由に兵力を抽出するという面では少々不便。 なので前世同様に、航空母艦から発艦できる乗員枠を増やし、容易に戦力回復できるようにした。 お陰で大陸に戦力を置いて行っても、本土に戻れば元通り。 【天城】【赤城】のペアーと、【飛龍】【蒼龍】のペアーで、交代で任務に就いていたが、いい感じに実戦を経験できたのは僥倖だと思っている。 少なくない犠牲を払ってはいるが、やはり実践は訓練には無い緊張感などが学べる。命を対価にしていることを覗けば。 もっとも【祥鳳】【瑞鳳】は事情が違う為に、同じようには出来なかったが、一応実戦の経験は積んでいる。 というか【瑞鳳】飛行隊長の天龍空姫が嬉々として暴れていたと、飛行副隊長の須藤つばめが嘆いたという噂を聞いた事がある。 少し脱線した思考を戻し、本作戦の概要を思い出す。 まずは機動艦隊の通常飛行部隊が護衛を吊りあげる。 その次も吊り上げるわけだが、こちらは陸軍基地航空隊の通常戦闘機が相手だ。 少々不安だが、海軍の試作高速偵察機が先導するというから、問題はないはず。 続いてウィッチが迎撃に出るわけだが・・・主な戦場は、通常戦闘機が帰還するルート上となる。 と言うのも、ネウロイ側も偵察するということ覚えたので、必然的に通常戦闘機が引き返せば見つかる可能性が高くなる。 かと言って迂回行動をとらせるとなると、機位を見失っては貴重な搭乗員を失うことになる。 ならばそのルート上に防衛する部隊を設置すればいい。 高速で、突破力もある“アホウドリ”が必ず来るはずだ。それを潰す。 たとえ抜けられても、今度は上等な餌を目の前に出して引き付け、けして機動部隊を危険には晒させない。 上等な餌となるのは戦艦。 金属の塊で、強力な火砲を持つ彼等はネウロイにとっては極上の餌であり、強大な脅威になる。 恐らく戦艦を認識すれば、今度は“オニグモ”が出てくるだろう。 それを迎撃し、殲滅が完了次第戦艦部隊は次の段階へ移行するわけだが・・・ 「しかし・・・台風を利用するとはな。」 「ええ。乗員の中でも、いまだに信じていないモノが多数おります。」 「だろうな。私もだ。」 艦長の答えに副艦長も頷く。 確かに古来より、御祭りなどで雨を乞う儀式が有るというのは知られている。 しかし実際に起こせるとは思っていなかった。 天候とはまさに自然の産物であり、けして人の手が届かない、管理不能の現象なのだ。 「お天道様を人間の良いように操るか・・・ 下手な揺り返しが無いといいのだが。」 「今後の天気予知予報が難しくなるという話ですから、もはやどうにもならないのではないかと。」 「すでに作戦の為に台風は操作され、勢力を強めている。 確かに、どうにもならんな・・・」 もはや後戻りなどできはしない。 今はもう。前に進んでいくしかないのだ。 しいて言うならば。開発中の引き込み足を持つという戦闘機開発が間に合って欲しかったと言うべきか・・・ 「いつの世でも。あれこれ準備していても、不足気味だと思うものだろうな。」 僅かな不安を糧にして、不測の事態に備えるべく、頭の片隅に必要になるであろう指示を書き留めておくことに下。 ――軽空母【瑞鳳】―― 「お前ら! 気合入っているかぁ!」 「「「「「おっす!」」」」」 少し話題になっていた軽空母【瑞鳳】のウィッチを率いている天竜空姫は、飛行甲板にて訓辞をしていた。 傍らには苦労人・・・もとい、副隊長の須藤つばめもいる。 「とうとう作戦が開始された。今度の作戦は海上戦だ! 敵さんも空を我が物顔で飛んでいるわけだが、そいつらを潰すのが俺らだ!」 「隊長。それはいつもと変わらないのでは?」 「そうだ。かわりはない。 だが、だからこそわかりやすい。 俺らはとにかく敵を殲滅して、味方の艦隊に近づかせなけりゃいい! 主な獲物は“アホウドリ”と“オニグモ”だ!」 「“オニグモ”は流石に無理じゃないですか?」 「一々突っ込んでくるなスドウ!」 「だから、ス ト ウです!」 二人の何時もの漫才に一同は苦笑したり、呆れたりしているが、いい感じに緊張感がほぐれるので特に問題はない。 副隊長の悩みを別にして。 510 :影響を受ける人:2016/09/04(日) 21 57 06 「“オニグモ”の殲滅は戦艦部隊がおこなう事になっているが、誘導はこちらで行うからな。 出来るならば、こちらで倒しておきたいぜ。」 「無茶ぶりを指示する隊長をこき下ろしたい。」 「あほか。戦艦が使えない。列車砲みたいな大口径砲が使えない場面の方が多いに決まっている。 それを想定して動くんだよ!」 「ただ単に。後輩の北郷章香が“オニグモ”討伐に貢献したから、羨ましいだけなんでしょ?」 「おう。」 身も蓋もない返答に頭を抱える。 まあこれが【瑞鳳】ウィッチ飛行部隊のノリなのだから仕方がない。 だからと言って賛成は出来ないのだが。 「・・・わかったよ。取りあえず作戦通りに動く。」 「お願いします。主に私の胃を心配してほしい。」 ジト目で見つめ続けてようやく折れてくれた。 溜息を吐いて安堵する副隊長から視線を逸らし、ある方向をみやる。 そちらからは本作戦の大目玉、台風がやってくるはずだ。 「璃子。上手くやってくれよ。」 小さな呟きは誰にも聞かれなかった。 ――海軍 秋月隊―― 宛がわれている隊長室で隊長の秋月璃子と、副隊長の木更津千早最後の打ち合わせをしていた。 「では北側は隊長にお任せします。」 「ええ、南側をよろしくね。」 「それについてなのですが・・・」 「何か問題がある?」 しれっと言う隊長に、千早は思いっきりしかめっ面にして尊敬する上官を睨む。 「天宮春香。彼女をどうして私のほうに回したのですか?」 「だって、あなた。彼女を制御できるじゃない。」 「あれは制御しているのではなく、躾けているのです。」 「同じことよ。それともなに?」 書類をチェックしていた璃子の視線が、千早の顔をようやく見た。 「自分より才能のある子がいると、実力を発揮できない?」 「そうじゃありません! あの子、何時まで経っても変な所でドジるんですよ! まだ隊長といた方がフォローできます! そもそも、本作戦はミスなんてできません!! 本当なら後方待機にしたかった!」 千早の言う事ももっともだ。が、彼女にはもっと苦労して自分の後釜になってもらわないといけない。 まだ自分は若い分類だが、任せられる隊長各となると呪歌を扱う部隊だけに難しい。 歌が上手いだけではなく、周りを見ないといけないし、調律と言う名の同調補正も必要だ。 木更津千早と天宮春香。 この二人は自分が見てもそうはいない才能を秘めている。 (水瀬大佐じゃないけど。人材をあそばせる余裕なんてないしね。) まだ怒り冷めやらぬ副隊長をなだめる為。璃子は丸め込むために口開くのだった。 以上です。 なんか、すんごい作戦開始の文章が浮かばなかった・・・ う、浮気したからか?!
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/5538.html
604: 635 :2019/01/08(火) 20 48 08 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 銀河連合日本×神崎島 あの御方がヤルバーンへ行くようです 「比叡。」 「なんでしょう?」 「朕はヤルバーンに行ってみたい。」 「ひえー!?」 さる御方、ヤルバーン行きを所望 「いいんじゃないか?」 「テイトクー!?」 前世での御方の銀ブラ事件を知る提督あっさり許可 「まじっすか!?」 「(失神)」 「マジだ。」 柏木夫妻、提督より御方のヤルバーン行きの手配を任される 「おいおいおい。」 「お腹の調子が。」 柏木から話を聞いた総理体調を崩す、副総理いつになくあわてる 「先代の皇帝陛下がヤルバーンにいらっしゃるデスト!?」 「ハイ!マサトサンは彼の方はニホンにおいて創造主ナヨクァラグヤにも等しい方だと言ってイマシタ。」 「(絶句)」 フェルさんの話を聞き絶句するヴェルデオ司令 「先代のエルバイラがヤルバーンに来るらしいぞ!」 「ああ、なんでもニホンではナヨクァラグヤ様の様に尊敬を集めているとか。」 「その方がいなかったらニホンは外国の領土になっていたそうだ。」 ヤルバーンで飛び交う御方の噂 「総員捧げ銃!」 そして当日ヤルバーンはどうなってしまうのか? 605: 635 :2019/01/08(火) 20 49 04 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 以上です。 ちょっと思いついたネタなのでちゃんと書くか未定ですw 転載はご自由にどうぞ。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3173.html
882 :影響を受ける人:2015/08/16(日) 22 31 14 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第七十二話 ―呪歌使い― 「風間をアンタの所に編入する。 あ、聞いてない? 当たり前だ。今決めたからね。 書類はこっちでどうにかするよ。アンタが心配する事じゃない。 納得いかない顔だね・・・ さっき起こした騒動で、こっちも頭痛いんだよ! さっさとその馬鹿を引き取って、基地に帰りな!! 一応能力は高いんだ。こき使っていりゃ問題ないだろうさ。 さぁ・・・ さっさといきな!!! ――――― 水瀬大佐の怒鳴り声と共に大慌てで帰ってきた北郷章香は、かなり要約した内容で隊員全員に伝えた。 そして隊員達は総隊長に引っ付く女性を見る。 「ああん隊長♪ そんな冷たい目で見つめないでくださいまし♪ 感じてしまいますわん♪」 実に楽しそうに喋る風間ランに対し、疲れ切った表情の章香。 その差に冷や汗が流れる。 「自己紹介してください。頼むから・・・」 「つれないわね・・・ でも、そこが良いの♪」 一応年上なので丁寧に言うけれど、本音は早々に離れて欲しい章香。 ランはそれを察し、腕組みを解いてそのまま優雅に一礼。 顔を上げると同時に、終始笑顔で「キャルン」と言う擬音が聞こえてきそうな感じで一回転。 「風間ラン、階級は中尉♪ 使い魔は子供時から、雛から育てた烏よ♪ 元北郷隊隊員で、困惑・愚鈍の効果が主な呪歌のレパートリーね♪ 一応、戦意向上、沈静歌も歌えるけど、自分の世界に入っちゃうから歌わないわ♪ 解散した時に後輩を育てていたんだけど、派遣部隊員に入れられちゃったのよね♪ 後輩に手を出したのがいけなかったのかしら? けど先日、大急ぎで戻ってきたのよん♪」 ハイテンションな彼女のペースに誰もついていけない。 取りあえず気になった事があるのか、一人の隊員が手を上げた。 「あの・・・ 失礼ですが、年齢は?」 「それは秘密よ「・・・28歳。」n・・・・・・ え、永遠の17s「・・・三十路前」・・・ 旗本さん。そこは黙っていてほしかったなぁ♯」 元北郷隊隊員だった旗本は、涙目で睨むランを無視した。 問題児を纏め上げた手腕は伊達ではない。 未だに振り回される章香も、もう少し成長して欲しいものだと思う。 ランは大きく溜息を吐いた後、後ろに控える学兵達を見据える。 視線が一気に捕食者のそれに代わると、学兵達は急激に変わるランの気配にビビって後ずさる。 「へええ・・・ あれが学徒兵なんだ♪ ウフ♪ 良い肌艶・・・ 髪の質・・・ いいわぁ・・・♪ グヘヘヘヘヘ♪」 「「「「「ヒイィィィィィ!!」」」」」 変態はゆっくりとその歩を進めようとする。だが、その前に壁が立ちふさがった。 旗本サエは相変わらずの無表情であるが、二人並ぶと二つ年下のサエが老けて見える。 「むぅ・・・ どいて下さいよ♪」 「・・・出来ん。」 笑顔でありつつも冷たい雰囲気になったラン。寡黙ながらも熱い雰囲気のサエ。 一触即発の事態になった事に陸軍を筆頭に全員が混乱した。 しばし沈黙が流れたが、それを破ったのは我等が総隊長。 「あー、すまないが旗本大尉。これ以上の騒動はよろしくない。 風間中尉「大尉になりました♪」・・・風間大尉も引き下がる様に。」 サエは視線で牽制しながらも一歩下がる。同時にランも下がって待機態勢に。 溜息を吐きつつも、章香は編成変更を伝えることにした。 883 :影響を受ける人:2015/08/16(日) 22 32 01 ――――― 編成替えは特務隊の解体が目的であった。 三人しかおらず、現在襲撃頻度が少なくなっているので、必要なしとの判断だ。 確かに襲撃する編隊に“アホウドリ”も含まれることもあるが、暴力的な火力を叩きつけることにより解決している。 運が良ければ、高射砲陣地の集中火力で撃ち落とす事も。 そう言うわけで解散という事になったのだ。 「がんばってね。」(チラリ) 「無茶はしない様に。」(チラリ) 「はい。今までありがとうございました。」(ビクビク) 御世話になった二人に挨拶をする坂本美緒の後ろから、変態が形容しがたい視線で恍惚と見つめている。 どうして怯えているのかと言うと、ランの護衛として学兵達が当てられたからだ。 ラン自身は歌いながら戦えるという稀有な才能の持ち主であるが、集中して歌ってもらえる方が有り難いのでこうなった。 しかし変態の言動を見た兵士達は猛反発。 「こんな変態に近付けたら可笑しくなるだろうが!」 章香としてもその意見に激しく同意したい。しかし余裕が無いのでは仕方が無かった。 出来ればサエに制御してほしかったのだが、夜間戦闘可能なウィッチは少ない。 その指揮官である彼女を引っ張ることは出来なかった。 怪しい雰囲気のランを、遠目から見る学兵達には不安しかない。 「あれが元北郷隊の一人ねえ・・・」 「想像していたのとは全く違い過ぎて、頭が痛いですわ。」 若本徹子と頭を押さえている飯島凛は「グヒヒヒ。」っと、女性らしかぬ声で嗤う。 それをみて子犬枠の竹井純子と大久保小毬が、お互いの手を握りしめてふるえる。 その二人の傍に小走りで美緒が戻ってきて、視界に変態を入れないようにした。 「うう・・・」 「美緒ちゃん。大丈夫?」 「正直言って、嫌な感じだ。」 視線の主たるランは怯える三人を十分嘗め回すように見た後、その場をゆっくり後にする。 完全に姿が見えなくなるのを見て、ホッとする学兵組。 これから一緒に出撃すると考えると頭が痛く、何も考えたくなかった。 ――――― しかしいかに嫌がっても来る時は来る。下田A・B隊と共に出撃し、戦場に向かう事になった。 敵戦力は、 “アホウドリ”×2 “ウシアブ”×3 “スズメバチ”×4 と言う物。すでにある程度漸減されているので、“アホウドリ”さえ殲滅すればどうとでもなるのだが・・・ 今回更に新種が出現したという。 思わず愚痴りたくなった徹子だが、新種の進撃速度はかなり遅いらしく、それを知っているからか最前線の手前にも来ないらしい。 取りあえず下田A隊が“アホウドリ”殲滅に向かい、新種の確認に下田B隊とランが向かう事になった。 「それにしても、また新種かよ。」 「敵も学習している。そう総隊長もおっしゃられているではありませんの。」 未だに愚痴る徹子に凛が忠告する。 その後ろからインカムを通じて醇子達も加わった。 「でも、多すぎるの問題だよね。」 「これから多種多様化するとなると、大変です・・・」 「小毬の言うとおりだね。情報によれば中型と小型みたいだけど?」 「どうも新種は、鈍足の中型を守る様に小型が護衛しているようね♪ 進撃速度が遅いし、近づくと追い払うために攻撃してくるみたいだけど、それ以外はしていない♪ どうにも思考が読めないわね♪」 美緒が言うと、更に後方に位置するランも話に加わった。 話し方もあるのだが、ランはいつも嬉しそうに話すので何とも言えない。 「あの・・・大丈夫ですよね?」 「大丈夫、大丈夫♪ 仕事はちゃんとにするから♪」 陽気に言うが、たびたび肉体的接触を図ろうと迫って着たり。 逃げられない状況で、なめかわしい視線と得物前にした猛獣の様に壁際追い込まれることもしばしば。 その度に他の隊員に見つかってはしばかれていたので、事なきはえている。 だから学兵達の心境は一つ。 (*1)))) そんな心境のまま飛行していると、目標がいる空域に到達した。 目標の中型はコウイカのような姿をしていて、“オニグモ”の親戚の様にも見受けられる。 そして護衛の小型は・・・ 884 :影響を受ける人:2015/08/16(日) 22 32 38 「なんか八つ橋みたいだな。」 「徹子ちゃん、お腹すいたの?」 違うと叫ぶ尻目に美緒の前では下田B隊の隊員達が、小型を相手にし始めていた。 小型は確かに京都名物にているが・・・より詳しく言うと、正三角形の真ん中が楕円上に膨らんでいて、翼端近くに尾翼のようなモノがあるという形。 火力はたいした事が無いのか、反撃でドンドン傷つき、落とされていく。 「こりゃ、俺達の出番ないか?」 「それはそれでいいけど・・・」 徹子に同意するが、新種の小型は圧倒的な数を持っていた。 幾ら撃っても減らないかのように、後からどんどん出来る。 『くっ! これではらちが明かない。済まないが手伝ってくれ!!』 「あ、それ却下です♪」 応援要請が来たので、すぐに答えようとしたがランが先に答えた。 なんでと思い振り返ると、彼女は相変わらず楽しそうに笑っていた。 「そいつら、中型の傍によるつと回復力が上がるみたいですね♪ そのせいでいくらやってもキリがないのですよ♪」 『な、なんだと!?』 言われて気が付いた。慌てて視線を巡らせてみる。 丁度一体の傷ついた小型が中型の傍まで撤退していくのが見えた。そして中型に十分近寄ると同時に回復速度が跳ね上がるのも。 「それじゃ♪ お仕事ですね~♪」 私達が確認するのの待っていたのか、ランは大きく静かに深呼吸をする。 そして、歌い始めた。 歌声が戦場に響き渡り始めると、小型の動きが目に見えて悪くなった。 “スズメバチ”よりも高い機動力を見せつけていた小型はギクシャクして速度が鈍り、旋回が大きくなる。 中型は飛行速度に変化は見られないが、小型種が何とか傍に寄ってきても回復速度が速くならない。 そもそも呪歌使いの歌は対人間の歌ではない。対怪異に対しての歌だった。 それは呼称がネウロイに変わっても効果が有るのは当たり前。 しかしその声音とリズムから“歌”として扱われているのだ。 小型が何体か美緒達に向かってきたが、動きの鈍い相手などできではない。 小型の掃討はあっと言う間に終わりを告げた。 中型の耐久力はあまりなく、機関砲で充分倒せるほどの装甲しかなかった。 それでも念のために墳進砲を叩き込んだが・・・ 真二つになって砕け散った。 呪歌使いの腕前は効力と、効果範囲に比例する。 それなりに離れた位置から効力を及ぼした腕前に、美緒達は認識を改めたが・・・ 「これでお姉さんの評価もうなぎのぼりね♪」 の一言で台無しとなった。 以上です。 もう少しランの活躍を描きたかった・・・
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3100.html
136 :影響を受ける人:2014/08/03(日) 22 20 07 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。今回はちょっと卑猥な表現があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第二十二話 ―乙女の休日Ⅴ― 旅館に到着し、素早く着替えた北郷章香はたまたまいた女将に用事と用件を伝えて外に出る。 普段から戦闘用の服装をしているので、長ズボンに違和感があった。 まぁしかたがないとして諦める。 それはともかく、旅館を出た章香は大通りに出て、人力車を運よく捕まえた。 「すまない、ここに行ってくれ。」 「へぃ!」 人力車で移動する際中、トラックの助手席から見ていて景色と同じような景色を見る。 今この場所は平和だ。 とても最前線のような、殺伐とした雰囲気などない。 しかし、どことなく緊張感があるというのは、最近停泊し始めた第二打撃艦隊 ―通称:長門艦隊― のせいだろうか? 戦艦と言うどっしりとした、力強い姿は頼もしさと安心感を与えてくれる。 「それは悪い事ではないが・・・」 章香は海軍の内情をそれなりに把握している。 何せこの歳で少佐だ。贔屓にしていただいている大佐からの情報。 本土にいる戦えなくなった同僚からの手紙。 堀井大将一派の事は良く知っている。 戦場にいる以上関係ないかもしれないが、将来は中央に行く可能性があるために無視できない。 その姿があまりに魅力的に見え、通行人が見とれている事に気が付いていなかった。 章香自身美人であるし、凛々しい表情が良く似合っている。 軍服を着た姿も、宝塚歌劇団の男装の麗人様に人目を引くのは必然であった。 そんな事はつゆ知らず、少しだけ考えに耽っていると人力車は目的地に到着した。 お金を払うと、なぜかサインをねだられた。 首をひねりつつ、そのまま料亭に入る。 そこは本土にあるような海軍が良く使う料亭で、秘密が守られる場所だった・・・ 「すまない。ここに水瀬ササリ大佐が来ているはずなのだが・・・」 「ええ、きております。奥でお待ちしておりますよ。」 玄関で女将に聞くと、もう到着していたらしい。 そのまま上がって奥のままで案内してもらった。 ここに来るのは実は初めてで、少しだけ視線を周りに向ける。 純和風の庭、鯉が泳ぐ池、小さな竹林が大陸にいる事を忘れさせられそうだ。 部屋の前に到着すると、女将が訪ねた。 「御待ちの方がお見えになられました。」 『ああ、中に入れとくれ。』 了承を受け、障子が開くとそこには女性が一人座っていた。 第二種の軍服を着ていて階級章は大佐。 短くザンバラに切りそろえた髪が、凄みを出している。 「章香、久しぶりだね。」 「大佐もお元気そうで。」 顔を合わせて軽く挨拶をする。 目の前にいる人物こそ、今回呼び出した張本人 ―扶桑国海軍大佐:水瀬ササリ― である。 ササリの向かいに座った章香は、大佐の手に握られたものを見て呆れた。 「・・・大佐。昼間から御酒ですか?」 「なに、徳利一本だけさね。このくらいじゃ、酔いもしないよ。」 137 :影響を受ける人:2014/08/03(日) 22 20 41 カラカラ笑う上司に内心で溜息をつく。 まぁ確かにこの人は蟒蛇だ。男共と勝負して10人酔い潰して、なお余裕があるというのだから・・・ 「いやぁ、おもいだすねえ。 最初の頃、アンタが自信たっぷりでアタシに突っかかってきたのはいつだったか。」 「訓練校時代の話です・・・」 「そうだっけね? 部隊配属の時泣いて、配属先にアタシがいたら、また泣いたよね。」 「・・・(やっと鬼教官から離れられたと思ったのに、またいたら誰でも泣く・・・)」 ササリは章香の面倒を終始し見ていた上司だった。 平時ではウィッチの階級は上がりにくい。それでも大佐になったというのは実力があるという事だ。 章香が少佐になったときも、御世話になったモノである。 御世話になりすぎて、弱みをいろいろ握られているのはご愛嬌だ。 二人は昔話に花を咲かせつつ、運ばれてきた昼食を食べた。 章香も一杯だけお酒を頂き、ちょっと嬉しい。 しばらくは和やかな雰囲気であったが、御酒が無くなってまた注文し終わったとき雰囲気が変わった。 「させと・・・本題に入ろうか。」 「本土でなにか問題でも?」 「いや、問題は起きていないよ。堀井の馬鹿が余計な事をしている以外はね。」 「そうですか・・・では?」 「上の連中・・・と言っても一部なんだけどね。 どうも、大陸からの全面撤退を考えているらしいんだよ。」 「全面撤退、でありますか?」 「ああ。」 腕を組むササリに、章香も自然と姿勢を正す。 「防衛戦の構築は順調ですが?」 「・・・アンタらしくもない。気付いているんだろ? 連中の攻勢があまりにも弱すぎだという事に、さ。」 それは同居している江藤敏子中佐以下、隊長陣も危惧している事だ。 嵐の前の静けさではないだろうか? 前線に身を射ているが故に危惧している事だ。最近では危機感が日増しに上がっている。 「全面撤退にはアタシも同意している。 もともと大陸の防衛は難しい。陸軍には悪いけど、地上戦まで考えるとなると・・・ 扶桑海を挟んで、通常戦闘機隊と組んで防衛した方がいい。 救助体制さえ整えておけば、いくらでも戦ってやるさ。」 「同意します。」 この辺の考えも、同じように基地で話し合って結論付けている。 「だがね・・・それを主導しているのは、妙な連中なのさ。」 「妙な連中ですか? 最近出てきたというウィッチ不要論者のような?」 「そいつらは少数だ。気にしなくていい。 最近・・・と言うわけじゃないけど、かなり広い範囲にわたって協力がある連中だよ。 今使っているストライカー製造を、一手に引き受けている倉崎重工なんかがそうだね。 海軍・陸軍には言うに及ばず、政府にまでいるらしい。」 「ずいぶん、大きいですね。」 初めて聞く話に身を乗り出す。 ササリは溜息を吐くと、お茶を飲む。 「まったく、嫌になるよ。こんなことなら昇進するんじゃなかった。」 「は、はは・・・」 心の底からの愚痴に、苦笑するしかない。 「今の所、思惑は一致しているから妨害する気はない。 だから、取りあえずは協力する方向で動いているよ。 そんでなんだけど、アンタ。昇進してもらうよ。大佐まで。」 「・・・はい?」 話が分からん。 困惑する章香をよそに、話を続ける。 138 :影響を受ける人:2014/08/03(日) 22 21 06 「海軍所属ウィッチの総隊長として、アンタを推薦しておいた。」 「いやいやいや! 意味が解りかねますが!!」 「欧州義勇軍の総隊長が大佐だというのは知っているね? それにつり合うようにしているだけさね。」 「し、しかし自分はまだ少佐でありまして・・・」 「来月あたりには中佐になるよ。 ついでに陸軍の方は、江藤のお嬢ちゃんが大佐に昇進する予定だ。 田中の後押しでね。」 もはや絶句するしかない。 「もう・・・そこまで話が進んでいるのですか?」 「とりあえずはね。」 御茶の残りをグビリと飲み干すと、障子があいた。 酒を受け取り、もう一度動かない章香の御猪口に注ぐ。 「大陸は放棄する。これはほぼ決定事項だよ。覚悟しておきな。」 ――――― 章香は徒歩で皆がいる旅館を目指して歩いていた。 あの会談で、いろんな情報が舞い込んで頭がパンクしそうになった。 大佐は彼女の疑問に丁寧に答え、何とか整理はできた。 しかし不確定な情報もあり、漠然としないモノも有ったりする。 大佐と別れを告げると大急ぎで、その足で大陸の総本部に向かった。 情報の正否と、同僚に会いたかったのだ。 幸いにして本部勤めの同僚に会う事が出来、大佐の言った事が大体あっていることが判明した。 その同僚からは「昇進おめでとう。」と言う言葉がかけられたが、心有らずであった為に返事が御座なりになった感じがする。 その後、頭を冷やすために少々散歩しながら歩いていたのだ。 旅館に戻るとすぐに女将がやってきたので、とりあえず考えるのをやめて風呂に入る事にした。 「皆様方は、夕食の前にお風呂に入っております。」 「そうなのか? なら私も入るか・・・」 「お食事はいかがいたしましょう?」 「大部屋の方に頼む。」 「わかりました。」 女将に頼んで一度部屋に戻って浴衣をとる。(予めサエが用意してあった。) そしてそのまま旅館自慢の露天風呂を目指す。 脱衣所に入ると、制服を乱雑に脱いでいく。 籠に放り込まれる制服と下着。そして垢擦りとタオルを持って風呂場に向かう。 すると何やら楽しげな声が聞こえてきた。 「ん? 話し声が聞こえるな・・・」 推測で学兵達が話を楽しんでいるのだろうと思い、扉を開けた。 「皆、楽しんでいるか?!」 「あ、先生。」「お帰りなさい!」「隊長、帰って来たんだ!」 「隊長、お帰りなさいませ。」「お土産ないスッか?」「さ、里子さん・・・それないと・・・」 美緒等は章香の姿を見つけるや否や、それぞれ押し合い圧し合いのように声をかける。 その奥の方でのんびりしていたサエは、軽く手を上げるだけで済ました。 章香も軽く手を上げて返答すると、その隣に見慣れた巨体を見つけて顔をひきつらせた。 「ぎぁはははははは!!! 本当に来たぜぇぇ!!」 「あぐっ! 真嶋・・・なんでお前がここにいる!!」 「ここが露天風呂だからだぁぁぁ!!」 「声を小さくしろ!」 耳をつんざく嗤い声に、一同頭を抱えた。(ちゃっかりサエは防御済み。) 大佐に続いて苦手な奴に会って、ちょっとブルーになった章香だった。 以上です。 苦手だとは言ったが、嫌いと入っていない(キリッ! そして、描写で表現したぞ。 喜べよ。 次回は真嶋志麻との絡みを書くぞ!
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3084.html
884 :影響を受ける人:2014/05/25(日) 21 59 17 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第十一話 ―真実・現実 五― 救援を受けて北郷隊は最低限の武装をし、狐火隊は最大限の準備をしてむかった。 昔はろくでもない通信機だったそれは、今では鮮明に言葉を伝えてくれる。 便利ではあるが、時には聞きたくない言葉も伝える。 『こちら〇〇陣地! 新型ネウロイの爆撃を受け、陣地は滅茶苦茶だ! 救援を乞う!!』 『くそ! 撃て、ウテェェェェェ!!』 『ギャァァァァ!』 『痛い・・・痛いよぉ・・・』 『あはははははは。腕、腕が取れ・・・あはははは』 『負傷者を下げろ! 学兵急いで逃げろ!』 『弾薬が足りない。急いで持ってきて!』 「っく・・・!」 「こりゃ、本格的に不味いわね。」 幸い、地獄の叫びを聞いていたのは隊長と副隊長のみ。 チラリと後ろを見るが、誰もが真剣な眼差しで飛行している。 視線に気が付いたサエは、速度を上げて章香の横に並ぶ。 「・・・学兵は下げるか?」 「いや。連れて行く。」 苦虫を潰した顔で答え、智子は溜息をつく。 「今から戦場の厳しさ・・・というか、“よくある光景”を見せるの?」 「ああ、早いか遅いかの違いでしかない。」 章香はきつく唇をかみしめ・・・ 「これは、ある意味通過儀礼だ。」 と言った。 その決意を見た二人は内心で「無理しちゃって」などと考えつつも否定はしなかった。 すると基地から緊急連絡を受けた圭子が声を上げる。 「爆撃隊が出撃したって! 海軍陸軍合同で、地上をはう敵を叩くらしい!」 「なら、私たちの任務は残っている航空型の排除ね。」 「頼むぞ。穴吹隊長。」 「任してよ。」 自身に満ち溢れていても油断をしていないその様子に、昔も今も頼もしく感じる。 順調に飛行していくと、頭上を通常の戦闘機隊が進撃していった。 恐らく彼等も緊急出撃したのだろう。 通常戦闘機は防御できないから、ネウロイの攻撃でたやすく落とされることもある。 だが、ウィッチが持てない大口径機銃を詰めるし、大量に弾丸をばらまけるのである意味羨ましい。 軽く手を振ると、バンクしてくれた。 そして彼等と、彼女等の向かう先に黒煙が吹き上がる戦場が見えてきた。 北郷隊は高度を下げ地上に向かう。 狐火隊は上空から落ちてきた敵をタコ殴りにする。 徹子や凛、美緒も何か言いたかったが、訓練で隊長木の言う事は聞く事をよく言い聞かせられているので、何も言わずについていく。 そして到着すると、ホバリングしながら後退する兵士たちの手伝いを開始した。 「ひどい・・・」 「これは・・・・・・」 初めて目にしたそこは、血だらけの兵士と、鉄の棺桶と化した戦車が燃え盛る台地だった。 醇子は思わず口を手で覆い、美緒は絶句する。 話には聞いていた。 新聞も見ていた。 だから知っていた・・・つもりになっていた。 886 :影響を受ける人:2014/05/25(日) 21 59 49 自分の目で見た目の前の光景は、自分の想像を絶していた。 思わず燃える戦車の中を見て、後ずさった。 「ひっ!」 「美緒、どうした?!」 「ひ、ひとが・・・」 いつの間にか震えはじめていた手で、ユックリと燃える戦車を指差し・・・ 「人が燃えてる・・・」 「え・・・」 徹子は指差した先を見た。 穿たがれた場所から燃え盛る黒いモノが見える。 それは五つの曲がった突起があって・・・ 「ぅっ・・・!!」 目を背けて口を押える。 燃えているのものがわかってしまった。 さっきから硝煙の匂いに混じっているモノの正体がわかった。 急いでその場所を離れ、負傷者を運ぶのを手伝にむかう。 「頑張って下さい!」 「ぅぅ・・・」 別の場所では醇子が、里子共に重症の陸戦ウィッチを運んでいた。 頭から血を流し、腹部の血が止まらない。 ストライカーは脱げているのにやたら重く感じる。 「すぐ、後方に下がって治療が受けられますから!」 「きばるっす! 生きるんっすよ!」 「ぁ・・・ぅ、うん・・・」 息も絶え絶えのウイッチは、何を思ったのか手を上げて呟く。 「・・・、・・・・・」 か細い声は戦場の音で消され、何も聞こえない。 しかし醇子は聞いた。聞いてしまった。 最後の力を振り絞ってあげた手は、力を失ってだらりと下がる。 「もう少し・・・もう少しなのに・・・」 目の前には衛生兵が詰める半地下の救護施設が見えていた。 しかし負傷していたウィッチには耐えられず。そのまま死亡した。 涙があふれ、何度拭っても流れ落ちる。 章香から「決して安心させるな。一度でも気を緩めさせると・・・死ぬ。」と聞いていた。 だから安心はさせなかった。 けれども間に合わずに死んでしまう兵士もいる。 醇子と里子は二人目の死亡を確認していた。 それでも運び、指定された場所に遺体を置いて手を組ませる。 死者に対してこれしか彼女等にはできない。 悲しみに暮れる二人の頭上を、弾薬を急いで運ぶ凛と小毬が通り過ぎた。 「弾薬まだか!」 倉崎製陸戦ストライカーを履いたウィッチが吠えるように叫ぶ。 「今持ってきましたわ!」 「こ、これでいいですか?」 重機関砲弾をばら撒いて敵を粉砕しているその横に、限界まで積載した二人が到着する。 「機関銃ちょうだい!」 「弾倉が足りない。十寄越して!」 「対戦車ライフルは無いのか?」 「倉庫が吹き飛んでしまって、ありませんわ。」 「ちっ・・・円盤型手榴弾があるか。これでいく。」 「携帯飲料水もありますけど・・・」 「「「「全部くれ!!」」」」 887 :影響を受ける人:2014/05/25(日) 22 00 27 集合した陸戦ウィッチは群がって、欲しい物をあらかた奪い去る様に持って行ってしまった。 その勢いに呆然とした二人だが、大急ぎで戻る。 弾薬を欲しがるのはここだけではない。 近くの弾薬庫は破壊された。だから遠くから持ってこないといけない。 その輸送に遅れが出てはいけないのだ。 前線では章香とサエが、低空飛行で見事な回避をしつつ敵を削っているが。 それでも弱くなっているこの陣地を抜こうと、敵は殺到してきていている。 撃っても、撃っても、減る気配がない。 彼女等が基地に帰れたのは、他の応援の部隊が到着し、稼働可能な機体全部をつぎ込んだ爆撃機群の爆弾の雨を降らせ始めた時だった。 ――――――――― 宿舎の一室。 空いていた部屋に海軍所属の学兵達は、詰め込まれて暮らしている。 「・・・」 「・・・はぁ・・・」 彼女等は戦場の無慈悲さ、惨劇を知った。 そして本当の過酷さも知った。 簡単に消えていく命。無慈悲な敵。 空とは違う緊迫した空気・・・ 肉体的な疲れと、精神的な疲労が蓄積し、誰もが無言だった。 静かな部屋に美緒はいない。 惨状を思い出して吐き気を催して外に出て行ったからだ。 胃の内容物を全て吐いてもなお吐き続け、頭から水をかぶって何とか気持ちを落ち着けた。 しかし部屋に戻る気も起きずに、宿舎の壁にもたれかかる。 「・・・」 ぼ~っと少しだけ暗くなり始めた空を見上げる。 「どうした。」 「・・・ぁ」 声をかけられて顔を向けると、ミチルが立っていた。 「戦場はどうだった。」 「・・・酷い所でした。」 本当は“酷い”という言葉だけでは言い表せられなかった。 もっと言いたい。叫びたい。でも言葉にできない・・・ 「そうか・・・」 一言つぶやいてミチルは去っていった。 訓練をしていた時・・・ 『ここは子供の遊び場ではない。 ここは最前線だ。即戦力だけが必要とされている。死にたくなければ・・・帰れ!』 と、言われた。 今ならわかる。自分はまだ子供だった。 まだ子供だと言い訳していたのかもしれない。 ならば除隊するか? その誘惑に、美緒の心には少しだけ迷いが生まれた。 近くの林まであるいてきて、、懐から出したのは・・・タバコ。 そこから一本取り出すと火をつけ、不機嫌そうな顔で受けつつ空を見上げる。 思い浮かべるのは前の部隊・・・泣く時も、笑う時も一緒だった仲間達、厳しくも頼りになった隊長陣。 彼女等は、もういない・・・ ミチルの顔は不機嫌そうな様子は無く、寂しくて、悲しくて、今にも泣きそうな顔だった。 888 :影響を受ける人:2014/05/25(日) 22 01 09 以上となります。 今回書きたいこと書いたら長くなってしまった・・・ そしてようやくタバコが出せたぜ! 戦場の様子が出せているかな?もうちょい グロイ ほうがよかったか? そうすると読む人選ぶし・・・だめか。 【倉崎製陸戦ストライカー】 倉崎重工初の陸戦ストライカー。モデルはエステバリスの脚部。 陸戦ストライカーは足首を後ろにまげて、キャタピラを引き出して走行するのだが、これは踵にキャタピラを集約させたタイプ。 変形させないから頑強性が売り・・・なのだが、重量があるため小回りが利かず、重量級に指定されている。 しかし出力は今出ている陸戦ストライカーでも最大級。 装備できる砲も最大級で、大戦初期の中型サイズなら一撃で仕留められる性能を誇る。 シールドも強固なので陣地に籠って、移動するトーチカ代わりに活躍している。 さらに改良・・・重量増加・出力向上して重戦ストライカーの制作を狙っている。 【円盤型手榴弾】 フリスビーの様に投げる手榴弾。 何を血迷ったのか、開発部が作った珍品。 ウィッチの向上させた馬鹿力で投げることが前提で、ピンを抜くという手榴弾らしいところもある。 自分でばら撒く地雷の様な使い方しかなく、不評で終わった。 ツワモノは全部繋げて、チェーンマインの様にして使用していたとか。