約 19,734 件
https://w.atwiki.jp/imaska/pages/341.html
■ギリシア沖海戦(続・天海提督の決断)背景 侵攻戦力 損害 戦闘経過 エピソード 参考文献 ■ギリシア沖海戦(続・天海提督の決断) 背景 スエズ攻略後、その地の制海権を確固たる物にするため、帝國海軍は東地中海に侵攻する方針を固める。 大幅な艦載機の更新を行い、航空戦力を大幅に向上させた帝國海軍地中海方面艦隊は10月29日、東地中海に侵攻を開始した。 侵攻戦力 +日本軍 第1機動艦隊(艦隊旗艦戦艦『播磨』 艦隊司令星井美希中将) 空母4(正規空母『瑞鶴』『翔鶴』『飛龍』『蒼龍』) 戦艦4(戦艦『播磨』『越後』『大和』『武蔵』) 巡洋艦4(重巡『十勝』『石狩』『双海』『天海』) 駆逐艦4 航空隊314機 第2機動艦隊(艦隊旗艦戦艦『比叡』 艦隊司令如月千早中将) 空母4(正規空母『蒼鳥』『弥生鳥』『雲龍』『翠龍』) 戦艦4(戦艦『金剛』『比叡』『霧島』『榛名』) 巡洋艦4(重巡『最上』『三隈』『鈴谷』『熊野』) 駆逐艦4 航空隊270機 第4水雷艦隊(艦隊旗艦重巡『青葉』 艦隊司令菊池真少将) 巡洋艦4(重巡『青葉』『衣笠』『加古』『古鷹』) 駆逐艦12 損害 +... 第1機動艦隊 不明 第2機動艦隊 大破 空母1(正規空母『雲龍』) 中破 空母1(正規空母『蒼鳥』) その他不明 第5水雷艦隊 不明 戦闘経過 いち早く独国機動部隊を発見した第4水雷艦隊は突撃を開始、距離四〇(4000m)以下と言う異常とも言える至近距離で雷撃を叩き込むと、即座に離脱する。 その後、夜明けまで一撃離脱を繰り返した事により独国機動艦隊、水雷艦隊は壊滅。 第1第2各機動艦隊も飛行場撃滅に成功した事により東地中海の制海権は帝國海軍が握る事となった。 エピソード この海戦終了後、行方不明となっていた音無小鳥予備役中将をギリシアで発見。その場で召集を発令し、地中海方面で新規編成される予定の支援艦隊司令に据えた。 参考文献 天海提督の決断 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/imaska/pages/319.html
■マレー沖海戦(天海提督の決断)背景 交戦戦力(日本軍の沈没艦は駆逐艦を含めた戦闘艦艇全てを、それ以外の日本軍艦艇は巡洋艦以上を表示) 損害 戦闘経過 エピソード 参考文献 ■マレー沖海戦(天海提督の決断) 背景 開戦と同時に帝國陸軍が香港を攻略、それに呼応する形で帝國海軍は12月9日、新規編成なった第1第2両機動艦隊、そして第5水雷艦隊をマニラ攻略に宛て、その後第5水雷艦隊をトラック防衛強化に、両機動艦隊を南方攻略に宛てる方針を固め、上記3個艦隊を出撃させる。 12月16日にマニラ攻略を完了した帝國海軍は蘭印方面制圧作戦を発動させ、そのまま第5水雷艦隊をトラック防衛強化に、第2機動艦隊はフィリピン各地に残存する米軍拠点を制圧した後スラバヤに、菊池少将指揮の第9水雷艦隊を第1機動艦隊の支援の下ブルネイ攻略に宛てる。 一方、英国東洋艦隊はブルネイを攻略されるまでシンガポールから動かなかったが、ブルネイを攻略され、第1機動艦隊がマーシャル方面に移動するとの情報を掴むと戦艦『プリンス・オブ・ウェールズ』、巡洋戦艦『レパルス』を中心とするZ部隊を出撃させ、残る第9水雷艦隊の撃滅を図った。 しかし、12月23日第1機動艦隊所属の偵察機がZ部隊を発見、第1機動艦隊司令長官如月千早中将は直ちに直衛機を残して攻撃機を全力出撃させ、これの撃滅を図った。 この時、第1機動艦隊は戦艦5隻(『金剛』『榛名』『比叡』『霧島』の金剛級戦艦4隻、錬度が決して高くは無かったとは言え、当時最強の戦艦であった『大和』)を有していたが、如月中将は航空隊を差し向けただけで艦隊決戦を挑もうとはせず、そのままトラックに向かう決断を下している。 これは、司令長官である如月中将、5航戦司令の小澤中将が航空主兵論者であった事から、航空機だけで戦艦を撃沈出来ると言う証明のためにこのような行動を取った可能性が高い。 もちろん、もしも撃ち漏らした場合も確実に損傷は与えられ、そうなれば第9水雷艦隊で十分に撃滅が可能であるとの計算も含まれている。 交戦戦力(日本軍の沈没艦は駆逐艦を含めた戦闘艦艇全てを、それ以外の日本軍艦艇は巡洋艦以上を表示) +日本軍 第1機動艦隊(艦隊旗艦軽空母『瑞鳳』 艦隊司令如月千早中将) 航空隊計308機 +英国軍 東洋艦隊(艦隊司令トマス・フィリップス大将) 戦艦2 巡洋艦3 駆逐艦3 輸送船6 損害 +日本軍 航空機1機 +英国軍 沈没 戦艦2 巡洋艦3 駆逐艦3 輸送船6 戦闘経過 第1機動艦隊攻撃隊308機の飽和攻撃により英国東洋艦隊の全艦が沈没、司令長官のトマス・フィリップス大将は艦隊旗艦『プリンス・オブ・ウェールズ』と共に海底へと消えた。 エピソード 僅か1機の損害で戦艦2隻を含む艦隊を殲滅した事により、航空機の時代が来たと言う事を全世界に知らしめた。 この僅か1週間足らず後に起こる第1次トラック沖海戦と並んで、これから先の帝國海軍の戦法を決定付ける海戦であった。 参考文献 Wikipedia マレー沖海戦 天海提督の決断 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/saikyousyujinnkou3/pages/3558.html
【作品名】 艦隊これくしょん‐艦これ‐ コミックアラカルト 舞鶴鎮守府編 六 収録 後詰の海神 以下テンプレの内容は同アンソロジーコミックの設定・描写と 作者の同一世界観・ストーリーによって描かれた同人誌「大艦巨娘主義」(当話収録済み)の設定等を参考して記す。 【ジャンル】コミックアンソロジー+同人漫画 【名前】 戦艦娘「伊勢」with「提督」 乗員 【属性】 戦艦娘 【大きさ】 身長216m 【攻撃力】 高さ10mを超える津波に対し、居合の一撃で起こした波によって対消滅を起こせる。 また、同格の戦艦娘「日向」を格闘戦のみで圧倒できる。 兵装:四一式45口径36糎連装砲4基:射程は実艦のものからおよそ30kmその他性能もおおよそ実際の兵器と同じ。 川崎五番斬艦刀:刀身長140m以上の長さの軍刀。刀身に超高速で流れている装甲分解液によって装甲を分解可能。 刀身を超高速で流れる装甲分解液が大気との摩擦で白炎を上げるので炎攻撃。 『白無垢』状態ならば以上の武装はどちらも身長4500m以上の深海棲艦 (人外、属性は戦艦娘。装甲厚40mの半生体複合装甲を有する)に致命傷を与えることが出来る。 【防御力】 大きさ相当の伊勢型戦艦式の装甲を施された少女並み。ただし同時代の魚雷や60㎝砲以上の砲撃に耐えるものとする。また、四肢欠損・頭部消失などを受けても生存・行動可能。 (参考として、頭部70%胴体の左半、右腰と右脚、左足の脛から先が吹き飛ばされると死亡する) 痛みは人間に比して非常に少なくなり、例えば四肢欠損で数十分の一の刺激に成るのみ。 頭部に脳が無い(骨盤の中にある)。頭部が完全に失われても行動可能(ただし、感覚器官などの多くが失われるため認識能力は下がる) 【素早さ】 反応速度・移動速度・戦闘速度=大きさ相当の達人並み。また、艤装によって通常よりも高速での移動・行動が可能。 素が大きさ相応の軍人~達人並なので艤装での強化状態ならば人間の限界以上で動けるだろう。 短距離移動・戦闘速度は秒速10mの大きさ相応倍として1.4km/s戦闘速度。同型の日向を鼻先4m程の距離から組み伏せて制圧できるので反応は約330m/s程度。 同じ経緯で開発された人造人間であり、伊勢型と至近距離で戦闘・共闘可能な他の艦娘(特に伊勢型以降の長門型戦艦娘など)らも同程度の速度性能を持つと考えられる。 以下『白無垢』状態について、 戦艦棲姫は自身の腕(2200~300m程か)の届かない程度の距離から戦艦娘であり、長門らよりも巨大・高性能な南方棲姫を捕縛できるため、2300mから330m/s反応で反応できない戦闘速度。 戦艦棲姫はそのまま自身の速度に対応してそれ以下の距離から南方棲姫を取り込んでいるため、1mからの330m/s反応。 『白無垢』状態ならば戦艦棲姫が5kmほど先から反応不能な速度で飛行可能。(=330×5で1650km/s) また、伊勢の身長程離れた位置から砲塔を飛行状態から戻す→照準→射撃・命中まで戦艦棲姫が反応不可能な速度で行える。 よって、戦闘速度や砲弾の弾速は330×200で66km/s以上。その戦闘速度で140m程離れた敵と戦闘可能。よって反応速度は1mからの471.4m/s反応。 【特殊能力】 海上でも行動可能。 4基の主砲から下方に何かを噴射することで数キロメートル以上の上空まで飛行可能。 本艦と提督の2人が同時に指輪型の接合機を装着することで攻防速全性能が強化される『白無垢』状態となる。 (表記性能より強化される。攻撃力・素早さについては各欄参照) 戦闘時は基本的に乗員による補助を得ているが、自立して行動することも可能。 索敵:通常のレーダーやソナーを無効化する特殊装甲を持つ深海棲艦を独自の索敵で察知することが出来る。 瑞雲:第二次世界大戦期の水上機を発艦させることが出来る。能力はおおよそ実際の期待と同様。 【長所】 戦闘描写が持ってこられる。強い、でかい。運営公認の実物大艦娘。 【短所】 主人公じゃないから先端速度マッハ5、地球上に断てぬものは存在しない戦艦長門『白無垢』のビッグ貫手が使えなかった事。 【戦法】 距離を取りながら砲撃しつつ接合機を装着、その後は砲撃範囲を維持しつつ砲撃戦を続行し近づかれたら軍刀で迎撃する。 【一言】 よく見たらアンソロでもいいし設定資料はWEBや同人誌でもいいって書いてあったから 目についた中で一番強そう+同人 アンソロの総集編持ってるやつをもってきた。 参戦 vol.118 305 修正 vol.119 vol.121 562 格無しさん 2018/08/12(日) 07 05 01.58 556 557 考察乙。 戦艦娘「伊勢」with「提督」再考察。 前考察時と比べて反応及び速度が大きく上昇した他、近接攻撃に炎攻撃が複合された。 音速反応、一手使った後は4キロメートル破壊の砲撃と同威力の炎の剣を持ち高速化可能、戦艦主砲や要塞砲、魚雷に耐える上半壊しても戦闘続行可能な214mの人外。 攻撃力と速度が高いがその割に防御は大きさ並とさほど変わらない。一応前考察の位置から。 〇ウルトラマン(楳図かずお版) 先制砲撃勝ち △武藤遊戯(表遊戯) 物理無効と速度差分け △Q太郎 霊体分け ×仮面ライダーブレイド・キングフォーム スカラベタイム負け 〇ゴルゴ13withヘリコプター 砲撃勝ち 〇魔人勇二 砲撃勝ち 〇ハヤタ・マン 『白無垢』砲撃勝ち ×来栖蒼真 確か世界型時間停止って今はTKO扱いになってたっけ?ゼファル時止め負け △ケンシロウ 無想転生分け 〇クロノア 砲撃勝ち 〇リボー・ブレンディッド 超瞬力切れて砲撃勝ち 〇ジェネシス3 砲撃勝ち 〇ウルトラホーク1号 砲撃勝ち △vガンダム 幽体分け 〇ウルトラマンタロウ(闘魂伝説) 『白無垢』砲撃勝ち ×男鹿辰己withベル坊 連鎖大爆発ギリギリ届いて負けか? 〇墨村良守 内部破壊で殺すにはそこそこ時間が掛かりそう。『白無垢』砲撃勝ち 〇鵺野鳴介 『白無垢』砲撃勝ち ‐ペンギン 再考察済み 〇スヌーピー 砲撃勝ち。 △神野メイ 雷体と大きさ分け 〇蒼月潮 『白無垢』砲撃勝ち 〇ラチェット 『白無垢』砲撃勝ち 〇アクアエルwith一角獣 湖 『白無垢』砲撃勝ち 〇さっぷくん 『白無垢』砲撃勝ち。このページにもあるけど巨大生物の壁上下位のでかいだけ集団、どう考えても空中戦の壁と機動兵器の壁上勝ち越せないよなぁ 〇龍装劉備ガンダムwith天玉鎧 『白無垢』砲撃勝ち 〇エミリア 砲撃勝ち ターマwithフラグスレイヤー 再考察待ち 〇仮面ライダーV3(疾風伝説) 『白無垢』砲撃勝ち 〇ナツ・ドラグニル 射程的に『白無垢』砲撃勝ち 〇南雲秋人 エネルギー棒は大きさから効かないだろう。『白無垢』砲撃勝ち 563 格無しさん 2018/08/12(日) 07 05 32.09 △ジャンパーソン 反応と大きさ・速度分け 〇マイケル・チャンwithダブルオー 大きさ的に反応はマッハ1.5ってところだろうか?砲撃勝ち 〇アルス 射程的に『白無垢』砲撃勝ち 〇カグツチ 射程的に同上 〇ヴァン 『白無垢』砲撃勝ち △轟ジュンペーwithキカイオー オリハルコン合金はどうなんだこれ。一応無効として考察も600km/s反応相手では流石に勝てまい。メガトンボム負け 〇エステル・ブライト なんやかんやあって斬艦刀巻き込み勝ち △ロックマン 当てられない倒されない 腹黒主水之介助兵衛 指摘入ってるようなので飛ばす 〇ジョアンナ・ダーク 光学迷彩は探知できる。斬艦刀巻き込み勝ち (巨大生物の壁)正直な所今すぐにでも壁直上勢再考察したいけど面倒だし人任せor後回しで 〇サンダーマスク 砲撃勝ち 〇ユグドラ 『白無垢』砲撃勝ち 〇BOY 砲撃勝ち 〇アメリカ版アニメゴジラ テンプレ制作者でないページ作成者が一々註付けてるの、流石に鬱陶しいな・・・それとミュータントキノコの防御力が解らない上にゴジラの反応が書かれてないけど動物並みで良いだろうか?砲撃勝ち クッパ 再考察待ち 〇ウルトラマン(必殺18大戦法) 考察手順によると数百m山破壊 原爆 都市・数km破壊のようなので『白無垢』砲撃勝ち 〇ドラゴン 砲撃勝ち 〇ゴメラ 『白無垢』砲撃勝ち 〇アーサー・カムラン 『白無垢』砲撃勝ち 〇夜泣き男 幽霊だが前考察見るに物理無効も無く、あちらからも物理攻撃可能なのだろうか。『白無垢』砲撃勝ち 〇吹雪 『白無垢』砲撃勝ち。今更だがはたして空母娘加賀の飛行甲板は空母加賀のそれと同じ大きさであると言って良いのだろうか・・・?通ってるから問題ないんだろうけど 〇満潮永澄 『白無垢』砲撃勝ち。これ、ただの巨大化ならoldの反応や攻撃力の大きさ相応倍に変更した方がよくないか? 〇ジャイアント芹澤博士 『白無垢』砲撃勝ち 〇陸戦兵 『白無垢』砲撃勝ち 〇桃太郎withももたろ城 『白無垢』砲撃勝ち 〇羽流内匠頭助兵衛with白基地丸 反応は普通のパイロットで良いのか?『白無垢』砲撃勝ち 〇ウルトラマン(一峰大二版) 『白無垢』砲撃勝ち。大きさは別にヤマトンとの対比で出しても良かった気もするが律儀な事である 疲れたので一旦ここまで。巨大生物の壁からというのはアレだが、機動兵器の壁上くらいからスタートすればよかったと思わないでもない 572 格無しさん 2018/08/12(日) 21 39 53.09 562 563 4kmの身長の怪物に致命傷与えられるから4km破壊って理屈おかしいと思うのだが 人間を殺すには対象の大きさ分を消し飛ばす攻撃しなきゃ致命傷与えられないって言ってるの同じなんだが、それ疑問に思わない? 9mmサイズの弾丸が人間に当たっても重要臓器尊称して死ぬ事もあるっていうのに 深海棲艦 には急所とか存在しない設定なの? テンプレのは全体を吹き飛ばす攻撃で倒したから4km破壊って書いてあるようには見えないんだが 考察中にそこら辺どう思ったの? 579 格無しさん 2018/08/12(日) 22 25 20.02 572 言われてみれば自明だったわ。じゃあ砲撃威力は4.5km戦艦死亡威力としても、破壊規模は深海棲艦の頭+上半身のある程度を吹っ飛ばし腰まで貫通する程度って所か。 2km×400m貫通、直径400m+数百m爆破かな。(頭200m、肩幅400mとして描写から) 刀は炎を纏ってはいるものの4.5km戦艦に有効打を与えるも具体的な破壊規模描写も無いし、大きさ相応だろうか。 とはいえまあこの威力なら山破壊以上の威力にはなると思うし考察結果は変わらなかろう。 vol.122 185格無しさん2018/09/03(月) 01 11 13.87ID mcnCIkWb 伊勢再考察続き。一手使った後2km×400m貫通及び400m×2爆破の砲撃と音速反応と高速の214mの戦艦娘 ○駆動電次 距離とかが書いてなかったりして速度が具体的に分かりにくいな。例に挙げられている一連の戦闘が3秒間に 計13行動とすると、白の戦闘速度は13/3×(3m×6階)≒78m/s、駆動は頭上30㎝とコンクリパンチの射程距離の 合計からそれを回避してるから距離は大体1mくらいはあるだろう。反応はこれで良いとして戦闘速度は駆動と 組み合って戦闘可能な白が反応できない速度で数m移動だから倍の156m/sか?取りあえず『白無垢』砲撃勝ち 〇巨大Zちゃん 『白無垢』砲撃勝ち 〇暴れん坊天狗 砲撃勝ち △クロ 10mからの光速反応?ミサイル連射負け・・・と思ったけど開始距離やミサイルの速さ的に当たらない当てられない分けか △むろみさん 防御高杉。分け 〇スプレンディド 『白無垢』砲撃勝ち 〇エレ・ラグ 『白無垢』砲撃勝ち 〇主人公withマイタンク 『白無垢』砲撃勝ち 一気に攻城兵器の壁に飛んでみる ○ヒカルwithレイアース 『白無垢』砲撃勝ち 〇主人公(スレイヤーズ) 『白無垢』砲撃勝ち 〇殿(御城プロジェクト:RE) このくらいならなんとかなるか。『白無垢』砲撃勝ち 〇ハヤタ 『白無垢』砲撃勝ち 〇クラリスwithクラリスカー 『白無垢』砲撃勝ち 〇柳生零 『白無垢』砲撃勝ち ×メルティナ 『白無垢』化直後に100m範囲で街破壊威力の光の奔流負けか 186 格無しさん 2018/09/03(月) 01 11 32.74 〇キオ・アスノ 『白無垢』砲撃勝ち 〇ギャレット・ウォリアーズwithレッド 『白無垢』砲撃勝ち 〇チャー研 『白無垢』砲撃勝ち 〇倉間ユウキ 『白無垢』砲撃勝ち 〇マリーダ・クルスwithクシャトリヤ 『白無垢』砲撃勝ち ×ウーターマン カルシウム光線負け △キラ・ヤマトwithフリーダムガンダム 速さとフェイズシフト装甲分け 〇コレジャナイロボ 『白無垢』砲撃勝ち △ハーフゼータ 当てられない効かない分け 〇香車 『白無垢』砲撃勝ち 〇シレン 『白無垢』砲撃勝ち 〇ウルトラマン(SFC) 『白無垢』砲撃勝ち 〇戦闘ヘリ(FC) 『白無垢』砲撃勝ち ×真モモタロウ究極覚醒 大型ミサイル負け ×改造時次郎 Gギガトン負け 〇伊勢エビ 『白無垢』砲撃連打で勝てる大きさか △ペンギン ここら辺になると防御力が高いか。戦法分け 〇吉川春生 『白無垢』砲撃勝ち。それはそうと宇宙生存明記されてないから書き足してほしい 〇漫画版Brack 『白無垢』砲撃勝ち 〇リナ・インバース 『白無垢』砲撃勝ち 〇時坂了 『白無垢』砲撃勝ち 〇ガンダムキラー 山破壊クラスだし水爆無傷耐久を抜けるか (超火力の壁) 〇外薗改 『白無垢』砲撃勝ち 〇人間女 『白無垢』砲撃勝ち 〇アロイス 『白無垢』砲撃勝ち △死神くん ログ見るに人外は管轄外。不可視・物理透過と人外分け 〇エスパーマン 『白無垢』砲撃勝ち ×冒険者 攻防が大きすぎる。爆剣負け △リペア 攻防が大きすぎる。範囲・規模は剣並なので大きさ分けか 〇or△漫画版マジンガー 5km爆破耐久はボロボロになるので砲撃し続ければいつかは削り勝てるだろうかと思ったけど岩山破壊無傷もあるので分けか? ×トルネコ 不可視からのザラキーマ負け △闘馬筋夫 ゴールドエクスペリエントは人外には効かないだろう。不可視からの時間無視化と大きさ分け? △遠山万寿夫 ほぼ同上 △アルカード 霧化とアルカードシールドでの物理透過と大きさ分け 〇テリーボガード 『白無垢』砲撃勝ち。 〇時空の塔with10万ボルト 『白無垢』砲撃勝ち ×アルベルト ファイアーウォール連打負け 〇モスラ 『白無垢』砲撃勝ち ×竜崎一矢withダイモス フリーザーストーム負け 〇テッカマンwithぺガス 『白無垢』砲撃勝ち ×桃太郎 鬼の棺桶負け ×孤門一輝 ミサイル連打負けか ×早乙女由宇 パンチ負け もう勝ち越せないだろう。位置はどうなるんだろうかこれ vol.124 140 格無しさん 2019/03/08 21 26 08 戦艦娘「伊勢」with「提督」 乗員再考察というより位置だけ書いていなかったので、前の考察の時にいなかったキャラとの考察も入れて位置決め。 兜甲児withマジンガーZ(漫画)から上がる。 〇兜甲児withマジンガーZ(漫画)『白無垢』砲撃勝ち ×トルネコ 不可視からのザラキーマ負け ×日向仁withライジンオー 相手の方が速い。 △闘馬筋夫 ゴールドエクスペリエントは人外には効かないだろう。不可視からの時間無視化と大きさ分け? △遠山万寿夫 ほぼ同上 〇テリーボガード 『白無垢』砲撃勝ち。 〇モスラ 『白無垢』砲撃勝ち 〇時空の塔withサトシ&ピカチュウ 『白無垢』砲撃勝ち 〇朱紗with帆船with瓜生with雪代『白無垢』砲撃勝ち ×竜崎一矢withダイモス フリーザーストーム負け ×桃太郎 鬼の棺桶負け ×孤門一輝 ミサイル連打負けか ×早乙女由宇 パンチ負け 竜崎一矢withダイモス>戦艦娘「伊勢」with「提督」 乗員>朱紗with帆船with瓜生with雪代 550 格無しさん 2018/03/26(月) 20 47 36.93 伊勢、ジャンルが抜けてないかい? それと艦コレ本編の艦娘は等身大ってことが判明してるけど、設定が違うなら大きさの根拠を書いた方がいい 551 格無しさん 2018/03/26(月) 22 03 37.82 550 横からですまないが艦これは、ゲーム本編だと等身大は確定して無いよ? 作品スレだと実艦サイズで参戦しているし このスレでも家具から「提督は軍艦サイズの軍人」で通るらしいという話題も出た (まとめサイトの水本正 のページにちょっとだけ書いてある) この伊勢はアンソロと同人から参戦しているキャラで、人間との対比から サイズだしているんだと思う 553 格無しさん 2018/03/26(月) 22 31 33.79 550 551 大鑑巨娘主義シリーズは名の通り巨大艦娘が登場する作品で、その身長は設定上実艦全長と同じサイズとされている。無論時期などで船の実際の大きさは変化するんだけど、伊勢に関しては作者が設定で直々に214mと発言してる。 戦艦棲姫に関しては体長不明のため、足元の長門(約250mほど)との比較から出した。 ジャンルはコミックアンソロジー+同人漫画 かな (省略)
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4348.html
前ページ次ページゼロな提督 『ようこそタルブへ 道に迷った人は、オイゲン・サヴァリッシュをお尋ね下さい』 タルブの村の前、立て札にはそう書いてある。 内容は、オイゲン・サヴァリッシュという人が道案内をします、というだけ。タルブ村 の案内役の広告に見える。 ただ、問題はいくつかある。 ここが、どうやっても道に迷いそうにない村だということ。もう一つは、『ようこそタル ブへ』部分はハルケギニア語で書かれてるが、『道に迷った人は、オイゲン・サヴァリッシ ュをお尋ね下さい』という部分は銀河帝国の公用語で書かれている事。 これが示す事実、それはこの村にヤンやヨハネスの如く異世界から来た人がいるという こと。そして、その人は同じ世界から来た人に何らかのメッセージを送ろうとしているこ と。 そして、ヤンが知る限り、ヤン以外にハルケギニアへ来た異世界の存在は二つ。 一つは30年前、ヨハネスが乗車していた装甲車。ほとんどの乗員はエルフとの戦闘で 死亡。生き残ったヨハネスもオスマンの前で死去。 そしてもう一つは60年前、聖地から西へ飛び去った飛行物体。 ならば、この村にいる人物とは・・・。 第十八話 タルブ ヤンさーんっ!みなさーんっ! 遠くからヤン達を呼ぶ声がする。 村の方を見ると、草色の木綿のシャツに茶色のスカート、それに木の靴を履いたシエス タが手を振りながら笑顔で駆けてきていた。 「はぁっはぁ…お久しぶりです!ずっと待ってましたよ」 シエスタは、ヤン達の姿を見ると、笑顔がだんだんと真顔に変わっていった。 村の入り口の立て札と、顔を強張らせるルイズ達の間で視線を往復させる。何より、シ エスタを凝視するヤンを。 ヤンの半開きな口から、呻くように声が漏れる。 「・・・オイゲン・サヴァリッシュ・・・」 瞬間、シエスタの表情が変わった。 ヤン達が予想したのは驚きの表情。 だが、シエスタが実際に示した表情は、満面の笑顔。 「はいっ!曾祖父の名です!」 シエスタではなくヤンの顔が驚愕へと変化した。 「まさか…君は、最初から、全部知っていたのか!?」 「いえ、そんな事はないですよ。でも、曾祖父と近い国から来た、という事は気が付いて ました」 あんぐりと口を開けたヤン達に、シエスタは微笑みながら話し続ける。 「覚えてますか?ヤンさんが召喚された時、血で汚れて穴が開いた服を着てましたよね? 洗濯して穴を繕ったのは私達メイドですよ。その時、あなたの服に書き込まれていた文字 は、曾祖父が教えてくれた文字と沢山の共通点がありました。だけど、読めはしませんで した。 その時に気が付いたんです。ヤンさんは曾祖父の故郷と近い場所から来たんだって」 ヤンもルイズもロングビルも、二の句が継げなかった。 「お、おでれ~たぁ~」 デルフリンガーだけが継ぐ事が出来た。 「ただ、サヴァリッシュの掟で、その事実を部外者に語る事は許されませんでした。だか ら、その時点ではヤンさんにも話す事は出来なかったんです。 でも、その立て札を読めたなら話は別です。曾祖父の遺言ですから」 ヤンは、始祖ブリミルを呪う事にしていた。もし会ったらブラスターで穴だらけにして やると誓っていた。だが、もうそんな気すら失せてきた。 怒りを通り越して、呆れた。 一体、始祖ブリミルというのは偉人なのかバカなのか、意地悪なのか親切なのか。 ここまでご丁寧に、学院へ虚無の手掛かりを集めた上に、ヤンと同じ被召喚者の関係者 まで呼び寄せているとは。こんなもの、偶然なハズがない。明らかに故意だ。始祖の強大 な魔力によって仕組まれた運命の糸に、全てが引き寄せられたのだ。恐らくルイズは本当 に『虚無』の系統なのだ。 理由は薄々、予想が付く。強大な『虚無』の使い手に施された安全装置を、しかるべき 時期に「指輪と王家の秘宝」と接触させて解除しなければならないからだ。 これがティファニアのように王家の者であれば問題はない。自然と指輪にも秘宝にも触 れるだろう。だが、ルイズは王家に生まれなかった。このままでは指輪にも秘宝にも触れ る機会がない。 だから学院に全てを呼び寄せたのだ。明らかに物理法則を無視した『錬金』『召喚』すら も可能とする魔法。その起源たる始祖の力なら、この程度の網を数千年前から組む事すら 不思議ではないと認めるべきだ。 だが、だったらなんでこんな回りくどいやり方をするんだ!?おかげでどれ程の人がと んでもない迷惑をこうむっていると思うんだ!? と、ヤンは力の限りに文句を付けずにはいられない。 そんなヤンの煮えくりかえり過ぎて焦げ付いたはらわたに気付かぬように、シエスタは 話を続けた。 「その立て札を見て分かる通り、曾祖父は『自分と同じ国から来た人がいれば助けたい』 と話していたそうです。立て札の下の文は、『同じ国』から来たかどうかを見分けるための ものなのですよ。 そして、曾祖父の言葉は村の掟そのものです。この村に、曾祖父の言葉に逆らう者はい ません」 その言葉に、ようやくヤンは再び声を絞り出す事が出来た。 「それじゃ…まさか、君が、僕に、お茶の入れ方とか、洗濯の仕方とか、色んな事を教え て、くれたのは…」 「エヘヘ…サヴァリッシュの掟、というか教えなんです。ヤンさんのような異邦人には親 切にしてあげなさいっていう。おまけに曾祖父と近い国から来た人でしたから、多分曾祖 父と同じような苦労をしてるだろうなぁ、て」 ちょっと恥ずかしげに俯きペロッと小さな舌を出すシエスタ。 だがヤンには、そんな仕草を可愛いと思うような余裕はなかった。 「それじゃ!この、道に迷ったら尋ねてきなさいって!?僕に、何を伝えようと!!」 彼らしくない剣幕で詰め寄るヤンに、シエスタは笑顔を少し引きつらせてあとずさって しまう。 「あ、あの、その辺は村に言ってからしませんか?実は、ヤンさんの事は、恐らく村全体 にとって重要な話になると思うんです」 「分かったよ。すぐ行くよ!」 ヤンとシエスタは足早に村へと向かう。 取り残されたロングビルとルイズは、慌てて二人を追いかける。「こらー!俺を忘れてく なー!」というデルフリンガーの叫びを残して。 タルブの村は、見た目はごく普通の村だ。 ワインが特産というだけあって、山の斜面にはブドウ畑が延々と広がっている。その山 に囲まれた平地には緑の海のような草原が広がる。山の上にはちらほらと、オレンジ色の 屋根と白い壁の民家が見える。その麓には醸造所らしき、尖った屋根を持つ大きめの建物 も建っている。 ただ、それぞれの家は少し大きく、立派そうに見える。村の柵や道も整備が行き届いて る。なかなかに裕福らしい。 ヤン達がシエスタに案内された村の中心、広場では村長らしき初老の男が待っていた。 そして周囲の民家の間、窓から顔を出す人、家の前に並べた椅子に座る老婆が一行をみつ めている。彼等の視線は、明らかにヤンへ集中している。それは好奇心、疑惑、そして敬 意。だが表だって動こうとはしない。 村長が緊張した面持ちで一行の前に立った。 「初めまして、私はワイズと申します。このタルブ村の村長をしております」 村長は、貴族であるルイズやロングビルへ礼をする。だが、その視線だけは明らかにヤ ンへ向かっている。 そしてルイズにもロングビルにも、村長の貴族に対する非礼を気にしなかった。二人も ヤンへ視線を向けていたからだ。 彼は、村長の前に進む。 「初めまして、ヤン・ウェンリーです。こちらのミス・ヴァリエールの…執事見習い、を しています」 使い魔、と言わなかったのは彼のこだわりであり、人としてのプライド。 そのわりに「見習い」と言うのは気にしない。 「失礼ですが、村長の名は、本当はワイズ・サヴァリッシュですか?」 ヤンの問に、白髪混じりの村長は首を振った。 「平民ですので、家名はありません。この村の恩人たる父、オイゲン・サヴァリッシュも 生涯オイゲンとのみ名乗りました。この村で平凡な平民として暮らすため、父は家名を捨 てたのです」 「で、では、オイゲンという人は、一体どういう人物なのですか!?ここで何をしたので すかっ!?」 詰め寄るヤンを、ワイズはまぁまぁとなだめる。 「それについては長い話になると思います。ですので、まずは宿を決め荷物を運んでくる としましょう。では、シエスタよ」 「はい。ジュリアンに荷物を運ぶよう伝えて来ます。皆さんは、私の家でお泊まり下さい な。大したおもてなしは出来ませんけど、精一杯歓迎しますね!」 そう言ってシエスタは広場の隅で遠巻きに眺めていた子供達を呼び寄せ、その中の年長 らしい男の子に荷物を運んでくるよう言いつけた。彼がジュリアンなのだろう。兄弟らし き子供達は村の入り口へと飛んでいった。 そして一行はシエスタの家へと案内された。 ただの民家、というには少々大きく立派な家だった。シエスタを長女とする八人兄弟を 含め、サヴァリッシュ一族が十分に暮らせる広さを持っている。ルイズとロングビルに一 部屋、そしてヤンが泊まる部屋と、二部屋の余裕があるくらいだ。家に並んで立つ倉庫ら しき建物は恐らく、ワインの樽が並び、ワインの瓶を収める瓶架台と木箱が詰まっている 事だろう。 屋根も壁も綺麗で、ベッドも白く清潔なシーツをひいてある。使用人がいても不思議な い、というくらいだ。でもそういう人物は見えない。シエスタが学院でメイドをしている のだから、そこまでの富農ではないのだろう。 家のキッチン、というか食堂では家族がズラリと待っていた。 主人とおぼしき男が礼をする。 「ようこそいらっしゃいました。まさか、祖父が待ち続けた『迷い人』が、本当に来ると は…娘から聞かされた時には、全く驚かされました」 今度は明らかに無視された貴族二人は、やっぱり非礼を咎める気が湧かなかった。 ヤンも深々と礼をして、ルイズとロングビルを紹介する。ここでようやく主人は「おっ と、これは失礼しました」と二人に礼をする。 ハルケギニアの支配者階級であり、魔力を持たぬ平民の村人にとっては畏怖の対象であ るメイジすら失念させるサヴァリッシュと『迷い人』。その存在について、皆一様に疑念と 期待と好奇心を隠しきれない。 荷物を運び込んでもらった一行は、特にヤンは即座に部屋を飛び出した。置いて行かれ た事にブツブツと不満を呟くデルフリンガーを背負って。 家の前に立つ一行を見て、シエスタはちょっと困った顔をする。 「あの、この話はヤンさんにのみ、したいのですが…」 ルイズが肩をいからせて抗議する。 「何言ってンのよ!ヤンは私の執事であり、使い魔よ。主と使い魔は一心同体、ヤンの秘 密は私の秘密!」 ロングビルも鋭い視線でシエスタを睨み付ける。 「あたしらはもう、ヤンについて色々と知りすぎたのさ。今さら無関係と言われても通じ ないよ」 だが、ヤンはデルフリンガーを背から降ろし、ロングビルへ差し出した。 「ちょっちょっと待てよ!俺にも聞かせろよ!!」 だがヤンは、怒りと悲しみと不満で塗りつぶされた二人と一本に、強く言い聞かせる。 「これは、僕だけじゃなく村の秘密でもあるんだ。話が終わるまで、待ってて欲しい。話 せる事は後で僕から話すよ」 思いっきりふくれっ面なルイズ達を残し、シエスタとヤンは村を後にした。 山の斜面を埋め尽くすブドウ畑の中を、二人は歩いていた。 先を歩くシエスタが遠く見つめる先には、山の裾野から広がる草原がある。 「この草原、綺麗でしょう?ひいおじいさんは、この草原の彼方から、ふらりとやってき たんです」 そして視線を山並みへと移す。延々と続く、規則正しく並んだブドウの木が並ぶ斜面へ と。 「ひいおじいさんは、本当に変な人だったそうです。 文字をスラスラと読める学があるのに、厠の使い方が分からなかったり。 酔った荒くれ者を片手で投げ飛ばす腕っ節の元兵士なのに、馬に乗れなかったり。 町の商人が出来ない程の複雑なお金の計算を、あっという間にする方法を知っていて、 火を扱う方法を知らなかったり。 何より、メイジや魔法に関して、全くの無知でした。 つまりヤンさんと同じです」 ブドウ畑の間を歩きながら聞かされるオイゲンの話、全て自分にも当てはまる事だとヤ ンは納得した。 帝国だろうが同盟だろうが、トイレは水洗。汲み取り式便所なんて、古代を舞台にした 時代劇にしか出てこない。馬に乗る機会も無いから、馬の乗り方なんか知るはずない。学 校で連立方程式や三角関数は習っても、かまどの使い方は習わない。何より、魔法使いな んかいない。 シエスタは、両手を広げた。 「でも、沢山の知識を村に授けてくれました。その中の一つが、タルブの名産であるワイ ンなんです」 両手を広げたままクルリと回るシエスタ。ふわりと広がるスカートの周囲には、ブドウ 畑が彼方まで続いている。 彼女の細い、しかし田舎暮らしらしく華奢ではない指がブドウの葉を手に取る。 「ひいおじいさんは、遙か東から来たワイナリーだと言ってました。家を出て軍人になっ たけど、戦争中に道に迷い、放浪の末にここへたどり着いた。もう帰れなくなったので、 ここで雇って欲しいと。 そしてそのまま村で暮らし、家族を持ち、骨を埋めました」 「彼が来たのは、いつのことかな?」 うーん、と人差し指を顎に当てて考える。 「大体、60年くらい前の事だと思います」 シエスタの手の上のブドウの葉を見つめながら、ヤンは考える。 恐らくオイゲン・サヴァリッシュの家は帝国のワイナリーだったのだろう。ワイナリー というのは、ブドウ農家と醸造家を兼ねる職業。帝国と同盟の恒常的戦争状態が続く中、 彼は家業を継がず軍人になった。軍では当然ながら徒手格闘技術もナイフ術も学ぶのだか ら、酔っぱらいの素人では相手にならない。 そして60年前、運良く大気圏内での飛行が可能な機体に乗ったまま、聖地の『門』に 突っ込んだ。ビダーシャルの話とも一致する。問題は、その機体が今どうなっているかだ が。 シエスタは、手に取ったブドウの葉をヤンに示した。 「サヴァリッシュの教えは、あっと、ひいおじいさんの教えてくれた事を村の人はサヴァ リッシュの教えと呼んでいるんですけどね。それは本当に、もの凄く役に立つ知識ばかり でした。 例えばこの葉っぱです。ブドウ果への日照量をコントロールするために、葉っぱを間引 くんです。これによってカビの発生を防ぎ、着色が進むんですが、一房に何枚の葉が必要 なのか、すら細かく教えてくれました」 ヤンはブドウ農家でも醸造家でもないので、そこまでの知識はない。というか、かつて 酒と人類の歴史について論文を書こうとして、すぐに投げ出した記憶が有るような無いよ うな。酒好だけど、醸造家でもブドウ農家でもない。 と考えたところで、ヤンはある事を思い出して「あっ!」と声を上げた。 「そうだ!10日前くらいに、君が持ってきてくれたタルブのワインを飲んで、何か懐か しいと思ったんだ! そうか、あれはハルケギニアじゃなくて、僕らの世界の技術で作られたワインだったか らなのか…」 シエスタも頷く。 「恐らくそうだと思います。何しろ、サヴァリッシュの教えによって、この村のワインは 全く変わってしまったんですから」 そう言うと彼女は再びブドウ畑を見渡す。 「ブドウ畑は傾斜している方が日当たりが良い、土地が痩せている方が根を深くはりワイ ン用に向いたブドウが収穫できる、一年を通じての温度や雨の量、剪定の仕方に赤ワイン の色や味の変え方。スパークリングワインやロゼワインの作り方…。 これらサヴァリッシュの教えは、村の秘伝です。だから、ミス・ヴァリエールやミス・ ロングビルのような部外者には教えられないのです」 ヤンは納得しそうになって、ふと首を傾げた。 確かにワイナリーにとっては秘伝の技だろう。だが、それはワイン農家や醸造家として の教えだ。『道に迷った人は、オイゲン・サヴァリッシュをお尋ね下さい』という帝国公用 語でのメッセージが、まさか「一緒にワインを作りませんか?」という意味だというのだ ろうか。 その質問をぶつけると、黒髪を揺らいてシエスタはクスクス笑った。 「もちろんそんなワケありませんよ!ワイナリーとしての知識なんて、ひいおじいさんが もたらした物の、ごく一部にすぎないんです。 読み書き計算は言うに及ばず、債権債務の管理方法、水の魔法を使わない医療知識、そ のほか、本当に沢山の事を村にもたらしました。おかげで、町の商人に法外な利息の借金 で縛られた農奴の村は、見ての通りの繁栄を手にしたのです」 そう言ってシエスタが広げる腕の先、山の麓に村がある。大きく立派な家が並んだ、村 というより町に近いかも知れないタルブを 銀河帝国の教育水準は、貴族社会とはいえ平民でも最低限の水準は満たしている。ワイ ンの売買を通じ、信用買いや銀行からの融資とかも経験しただろう。まして士官学校出身 なら、戦場で必須となる救急医療術も学ぶ。ハルケギニアの医療を担う水系魔法は、科学 を超える効果を示すが、あまりにも高価で平民には縁がない。おまけに水魔法に頼ってし まうため医学が発展しない。 ならば、借金漬けの農村では水メイジに頼らない医学は重宝された事だろう。 再びクルリと振り向いた少女は、更に話を続ける。 「実は、曾祖父はワインの事業で成功してからは、書物を書き記したんです。それも、部 屋一杯の書棚を埋め尽くす程に。それらは村の秘伝として、なにより皆の安全のために秘 匿されました」 「安全?」 「ええ。農奴をすら富農に変える知識の山ですから、狙う者は数知れないでしょう。流れ 者の平民である曾祖父に後ろ盾はありません。書物の存在を村以外の者に知られたら、村 も終わりです。 曾祖父はサヴァリッシュの名を捨て、ただの平民を演じました。その知識はタルブの秘 伝です。記した書物は全て曾祖父の国の言語で書かれています。読み方は村長である祖父 や父、そして私達兄弟など、サヴァリッシュ直系にしか伝えてありません」 この地を治めるのはアストン伯。異教に目を光らす教会。徐々に富と力を付けるタルブ に嫉妬と警戒心を募らせる周辺の村々、ライバルのワイナリー達…。 ヤンにはルイズという強力な後ろ盾がいる。今なら枢機卿の保護を得る事も出来るだろ う。だがサヴァリッシュには無かった。 異邦人がここで生きる方法は少ない。有力者の後ろ盾を得るか、ただの平民としてひっ そりと生きるか。ヤンは召喚された時点で前者の立場にあった。サヴァリッシュは後者を 選んだ。 その平凡な平民の生活を持てる知識と能力で最大限改善した結果が、今のタルブ。そし てヤン達が村に来た時、村長以外誰も寄ってこなかった理由だ。再びサヴァリッシュと同 じ存在が来たとなれば、無視も派手な歓迎も出来ない。表向き、ただの平民として扱わね ばならない。 シエスタは村の民家へと指さした。それは、先ほど案内されたシエスタの生家だ。山の 上から見ると、村の大きくて立派な家々の中でも特に大きな建物が幾つも並んでいるのが わかる。 「私の家にサヴァリッシュの書が隠してあります。その中には、『迷い人が来たら読ませよ』 と言われた一冊の書があります。それは最後に記した書であり、サヴァリッシュから『迷 い人』へのメッセージです」 「君は、その書を読んだ事は?」 先に見える生家を見下ろしながらの問に、少女もそのまま頷く。 「あります。だからこそ私達は曾祖父と同じく『迷い人』を待ち続けました。本当に来る かどうかも分からない異邦人を。私達に書の内容を教えてくれる人を」 「内容を、教える?」 意味が分からず、ヤンはシエスタへ視線を向ける。サヴァリッシュは直系子孫に銀河帝 国公用語を教えたはず。なら全て読めるはずだ。 対するシエスタの説明は極めて単純明快。 「はい。なにしろ私達は、サヴァリッシュの書を読めるんですが、内容がわかんないんで す…難しすぎて」 てへっ、と恥ずかしそうに肩をすくめるソバカスの少女。言われたヤンはカクッと首が 斜めになった。 だけど、理解出来ないのは当然の事だろう。 例えばブドウ畑。最高品質のブドウを育てようと思えば、日照量・気温・降雨量・緯度 や経度まで正確に調べ、分析し、最良の世話をしなければならない。でも気象観測手段が ない、温度計がない、どの年にどのくらい雨が降ったかなんて正確には分からない。 これが医学になれば、さらに難しい問題だ。細菌やウィルスの知識がない人に、感染防 御は理解出来ない。免疫と炎症反応について記しても、白血球やT細胞と言われたって何 のことだか。 これらは口で教えても理解出来るものではない。顕微鏡が無い、気象衛星が無い、電池 もエンジンも何もない。これでは教えられるのは、基本的な知識だけ。サヴァリッシュの 教えを実現させるべき基礎科学が存在しないのだから、理解出来ないのは当前。そして既 にサヴァリッシュは死去し、彼の書に記された知識を紐解ける人物がいなくなった。 シエスタは胸の前に手を組み、正面から真っ直ぐヤンの目を見つめた。 「お願いします。サヴァリッシュ最後の書を読んで下さい」 少女は、深々と頭を下げた。 前ページ次ページゼロな提督
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/6335.html
651: 194 :2020/08/26(水) 22 45 31 HOST ai126162148238.56.access-internet.ne.jp 短編ネタ 現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件その8 かの国は如何にして考えるのを止めて、手の込んだ自殺をするに至ったのか 第二次日本海海戦その4 独島奪回艦隊- 竹島上空で発生した韓国空軍の悲劇。その模様は、艦隊の方でもレーダー反応の消失という形で齎されていた。 レーダー主「ゆ、友軍機の反応ロスト。反応、有りません・・・」 艦長「・・・間違い、無いか?」 レーダー主「レーダーは正常に作動中。故障では有りません・・・」 提督「これが・・・生まれ変わった、日本の本気だという事か」 少佐「・・・・・」プルプル 艦長「少佐・・・?」 少佐「お、おのれチョッパリィィィィィ!!卑怯な手を使いやがってぇぇぇ!?!?!?!?」 少佐「宣戦布告も無いまま一方的な虐殺を行うとは・・・、何と言う許しがたい連中だ!!!」 CIC内部は、「お前は何を言ってるんだ?」な状態となっていたが、そんな事すら少佐は気付かないでいた。 提督「いずれにせよ、制空権の確保は絶望的。作戦の前提条件の一つが、早くも崩れてしまったな・・・」 少佐「提督、何を弱気な事をおっしゃるのです?まだ、負けた訳では有りません。聖戦はこれからですぞ!!」 艦長「分かっているのかね?少佐。敵は空から我々を易々と叩く事が出来る。更に戦艦複数を含んだ水上艦隊まで押し寄せて来るのだぞ!制空権の無い状態、かつ独島がいまだ見えない状態で作戦を遂行できると思っているのかね?」 少佐「艦長こそ、敢闘精神が足らないみたいですな。断固たる決意を持ち、高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に戦えば、軟弱なるチョッパリ達は立ち所に壊走するに決まっております!!」 具体策を示さず精神論に終始する少佐の言い分に、CIC内の人間達は皆頭痛がするのを覚えた。 提督「・・・精神論を言うだけなら誰でも出来る。反論するなら、せめて具体策も言いたまえ!!」 提督の言い分に、流石の少佐も考え込む。そして、とんでもない事を口にした。 少佐「ならばこうしましょう。旗艦であるこの世宗大王を除いた全艦艇で、チョッパリの艦隊に突撃。彼等が足止めしている間に、独島を奪還。独島に不法滞在するチョッパリ共を盾に撤退を飲ませるのです!!」 艦長「少佐!!何を馬鹿な事を言っているのだ!!」 少佐「現状では最も成功率の高い作戦だと、私は判断しますが?」 艦長「味方を囮にするとは、馬鹿げている!しかも、民間人を人質にする気か!!」 少佐「人質とは人聞きの悪い。連中は人間では無い自然物です。ならば此方の体制を立て直す盾にした所で、何処からも非難は来ますまい。それに、愚かなチョッパリ共は、盾となる連中の命を気にして反撃出来なくなるでしょう」 艦長「貴様は我が軍を、ゴロツキの集団にするつもりか!!」 少佐「そこまでおっしゃるなら、対案を出していただけますかな?提督もそうおっしゃっている事ですし。反論するだけなら、馬鹿でも出来ますからねぇ」 馬鹿にし切った表情をする少佐を、真っ赤な顔をして睨む艦長。 そんな様子を見ながら、提督は心の中で嘆く。 提督(保身をしつつ果実だけを得る気か・・・。だが、他にいい手段が無いのも事実。だが・・・・・) 652: 194 :2020/08/26(水) 22 46 01 HOST ai126162148238.56.access-internet.ne.jp 外道な作戦は断固拒否したい一方、現状他に作戦を成功させる手段が無い。 葛藤する提督。時間にして僅か十分程だっただろう。だが、その時緊急の知らせが。 通信士「艦長、大邱から緊急電!」 艦長「どうした!?」 通信士「『ワレ、推進器故障!!艦隊ヘノ随伴ハ不可能ナリ!!』以上です」 艦長「機関部故障だと!?こんな時に・・・」 提督「・・・元々推進器に問題を抱えていた艦だったからな。やむを得ん。艦長に艦の保全に努めつつ本国に退避せよと伝えよ」 常識的な指示を出す提督。だが・・・この艦には非常識極まりない男がいた。 少佐「退避?何を馬鹿な事を言っているのです。そのまま随行させ、味方を守る囮としましょう」 艦長「少佐!?味方を囮にするだと!?」 少佐「作戦を遂行する為ですよ。聖戦遂行の為ならば、戦力分断の愚を犯すべきでは有りませんな」 艦長「馬鹿な!?まともに動けない味方をみすみす犠牲にするのか!!」 少佐「コラテラルダメージという奴ですよ。彼等も祖国の栄光の為ならば、喜んでその命を捧げるに違いありません!!」 提督「いい加減にしないか!少佐!!」 少佐の暴論に、堪らず怒鳴り声を挙げる提督。 その直後、恐れていた事態が発生した。 レーダー主「!レーダーに反応!敵の対艦ミサイルです!!」 艦長「・・・!!数は!?」 レーダー主「150以上!それ以上は数え切れません!!」 提督「クッ、まずは身を守る事が先決か。対空戦闘!敵ミサイルを撃ち落とせ!!」 653: 194 :2020/08/26(水) 22 46 31 HOST ai126162148238.56.access-internet.ne.jp その少し前・・・。 やまとに乗り込んでいる古賀提督の下に、小沢提督からの指令が届いていた。 艦長「古賀提督、小沢提督からの指令です」 古賀「読め」 艦長「ハッ。『これより敵艦隊に航空攻撃を仕掛ける。古賀提督は神崎島の艦隊と合同で、航空攻撃を生き残った敵残存艦隊を殲滅せよ』との事です」 古賀「了解したと伝えろ」 艦長「ハッ。それと追伸。『遠慮はいらない。敵を日本海の藻屑にしてやれ』との事です」 古賀「フッ、ちゃんと獲物は残しておく、か。よし、艦長。各艦前進、韓国艦隊へと向かう」 艦長「了解。・・・しかし、この艦の初めての獲物にしては、少々物足りない物ですな」 古賀と同じ転生者で、古賀同様に「萌えよりも燃えを!巨大戦艦万歳!!」なやまと艦長は、些かの不満を述べる。 古賀「なに、いきなりの大物食いは腹を壊しかねないしな。奴等はこのやまとにとってはオードブルに過ぎんよ。最も、質量共に物足りないのは、同意だがね」 艦長「オードブルですか。成程、確かに」 古賀「しかし、相手は腐ってもイージス艦だ。くれぐれも油断するなよ?」 艦長「古賀提督。この艦の性能をお疑いですか?」 古賀「まさか。万に一つも沈められる事は無いさ。では、行こう」 艦長「ハッ!!」 古賀(韓国海軍よ。貴様達に恨みは無いが、この世界を一心不乱の大艦巨砲主義世界とする為の生贄となって思う。悪く思うなよ?) 古賀「そう言えば、神崎島の艦隊は?」 艦長「あちらも既に、突撃を開始しております」 654: 194 :2020/08/26(水) 22 47 01 HOST ai126162148238.56.access-internet.ne.jp その頃、菊水艦隊では・・・。 有賀「大和さん、いよいよですな」 大和「ええ、この世界に来て初めての戦闘。今度こそ・・・守り抜いてみせる!」 有賀「・・・お気持ちは分かりますが、余り気負わないで下さい。あの時と違い、日本やティ連の援護が有ります。必ずや、任務を全うする事が出来ますよ」 大和「・・・そうね。有難う、有賀艦長」 有賀「いえ」 大和「・・・それはそうと、出撃前日に無理矢理乗り込んで来た日本海軍の将校さんは?」 有賀「確か・・・。今は瑞雲の発艦を支援すべく、水上機格納庫に居るみたいですが・・・」 大和「・・・相変わらずみたいですね、松田提督は」 有賀「あの方も、全然変わって無い様で・・・」 彼等もよく知る人物の事を想像して、思わず苦笑いする二人。 一方、格納庫では・・・・・。 松田「ハックション!!」 妖精A「司令、どうされました?」 松田「うーん、誰かが噂でもしているのかな?・・・まぁいい。『作業』を続けるぞ」 出撃前日に、ありとあらゆるコネを使って無理やり大和に乗艦した松田は、瑞雲の法被を着用して踊りながら、妖精さん達と共同で瑞雲の出撃準備をしていた。 松田(フッフッフ。この世界の者達よ。我等が瑞雲の偉大さを、とくと刮目せよ!!) 不気味に笑いながら妖精さんと作業を続ける松田の姿に、彼の事を知らない妖精さん達はドン引きしている。 妖精B(な、なぁ。あの松田って人、凄い不気味なんだが) 妖精C(ああ、お前等は知らないのか。あの人、前世の頃からあんな感じだぞ?寧ろ変わって無くて、安心した位だ) 妖精B(・・・・・そんなんで良いのか?) 妖精C(しょうがないじゃん、松田司令だし) その後まもなく、発艦準備は完了。カタパルトで撃ち出されると同時に、ティ連性の光学迷彩・探知偽装装置を作動させ、姿を消す。 瑞雲はそのまま韓国艦隊の上空に進出し、大和の砲撃の支援を行う事となった。 655: 194 :2020/08/26(水) 22 47 31 HOST ai126162148238.56.access-internet.ne.jp 再び時は戻る・・・・・。 F-3C・F-35C・F-2各機。そして艦隊から放たれた各種対艦ミサイルは一発も脱落する事無く、時間差を置いて韓国艦隊に襲い掛かろうとしていた。 勿論韓国艦隊も座して攻撃を受ける事も無く、迎撃を行う。 特にイージスシステムを搭載した世宗大王級や、同じく高い防空能力を誇る忠武公李舜臣級はその本領を発揮。かなりの数の対艦ミサイルの迎撃に成功している。 しかしそれでも、なお多数のミサイルによる飽和攻撃の前に、被弾する艦艇が続出。徐々にその数を減らしつつあった。 通信士「仁川・京畿・文武大王、被弾!!速力、低下します!!」 通信士「更に姜邯賛・崔瑩に対艦ミサイル二発直撃。戦闘能力を喪失した模様!!」 通信士「犬鷲型ミサイル艇、十二隻中十隻が沈没。残り二隻も激しく炎上している模様!!」 通信士「更に西厓柳成龍が被弾。速力及び防空能力、70%に低下」 通信士「輸送艦隊にも被害が出ております。高峻峰級二隻、天王峰級が一隻沈没。護衛の艦にも被害が続出しています!!」 少佐「おのれ、チョッパリィィ!!提督、ここは一刻も早く上陸部隊に突撃を。我が艦を除いた残存戦力も、急いで独島に突撃させるべきです」 次々と齎される被害報告を前に正気を失った少佐は、叩き付ける様に提督に進言する。 狂気を帯びた少佐の目を見た提督は、遂に覚悟を決める。 提督(最早此処までか・・・。かくなる上は、輸送艦隊だけでも逃がさなければ) そう覚悟を決めた提督が命令を下そうとした矢先、とんでもない事が起こった。 前方から、光の様な何かが飛来。信じられない高速で飛来したそれは、被弾して速度が落ちていた西厓柳成龍の艦橋基部に直撃。 なんと艦橋基部から後部ヘリ甲板までの長さの区画を滅茶苦茶に破壊しつつ、遂には貫通。「ちくわ」な状態にしたのだ。 提督「な、何だこれは!?」 艦長「ソ、西厓柳成龍が・・・・・」 大穴を開けて停止した同艦は次の瞬間、何かに引火したのか柘榴が弾ける様に大爆発を起こし轟沈。生存者皆無という衝撃の末路を迎えた。 そして、西厓柳成龍の最後に驚く間も無く、今度は栗谷李珥に多数の水柱と明らかに爆発と分かる爆炎が発生。 そのまま同艦は艦中央部で真っ二つとなり、俗に言うジャックナイフの状態で轟沈。こちらも生存者は皆無だった。 僚艦の相次ぐ最後に呆然とするCIC内の人員達。と同時に、水平線の先に日本艦隊が姿を現した。 両イージス艦を一撃で轟沈せしめた攻撃。それは、二隻の大和が齎した主砲による攻撃だったのだ。 西厓柳成龍を襲ったのは、やまとの51㎝複合砲による人類史上初の、レールガンによる対艦攻撃だった。プラズマ化した砲弾は、装甲の無い西厓柳成龍の艦橋基部を段ボールの様に 軽々と貫くと、艦内を滅茶苦茶に破壊しながら砲弾は貫通。同艦を「ちくわ」状態にして轟沈させた。 栗谷李珥に直撃したのは大和の砲弾。瑞雲からの観測データ、電探及び15m測距儀等で観測されたデータを元に放たれた砲弾は、熟練者のみがなし得る神業的精度を持って着弾。 八発中二発が直撃して、此方も轟沈させたのだ。 戦艦の持つ常識外れの破壊力に暫し呆然とした後、一転してパニック状態となった。 無理も無い。自国最強の艦艇が玩具の様に呆気無く沈み、なおかつ生存者がいないのだから、平静を保つのが無理だろう。 少佐も完全に放心状態であり、喚く事すらしなくなっている。 そんな中、艦隊から分離した二水戦は、混乱した韓国艦隊を叩くべく、突撃を開始した。 656: 194 :2020/08/26(水) 22 48 01 HOST ai126162148238.56.access-internet.ne.jp 以上です。か、海戦の描写難し過ぎぃ!!(滝汗) 本当は最後まで描写したかったけれど、あまりに長くなるので分割する事に。二水戦とそれを支援するヤルバーンの活躍は、次回に持ち越しです。 楽しみにしていた方達、本当に申し訳有りません。 レールガンの描写が些か大袈裟な気がしますが、これ程の大口径弾が電磁力で加速されれば、こうなっても別段おかしくはないかなと。 イメージとしては、MSイグルー第一話のヨルムンガンドの攻撃を受けたマゼラン級戦艦みたいな感じです。 次回、戦闘の決着が完全につきます。少しでもいい物がお届け出来る様、頑張ります。 wiki掲載は、自由です。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4349.html
前ページ次ページゼロな提督 既に夕陽が草原の彼方、ブドウ畑が広がる山向こうへ沈もうとしている。 山の斜面を覆い尽くすブドウ畑から降りてきたシエスタとヤンは、不安で潰されそうに なっているルイズとロングビルが立つシエスタの生家へ戻ってきた。ロングビルが手にす る長剣も、今は何も話さない。 何を聞かされたか尋ねたい二人に対し、先に口を開いたのはヤン。 「ねえ、ルイズ。僕らはここに、何日くらい滞在出来るかな?」 「え?えーっと…」 いきなり全然関係ない話をされて、驚きつつも考え込む。 「ニューイの月、一日が姫の結婚式予定日でしょ?で、姫さまのパレード出発が、その三 日前だから、タルブからトリスタニアまで三日くらいとして…。あと、五日か六日くらい かしらね」 「分かったよ。それじゃ、しばらくここに滞在させて欲しい」 ヤンは、ちょっと!何なのよ?というロングビルやルイズやデルフリンガーを無視し、 シエスタの後をついていった。 シエスタの家の一番奥にある部屋。そこは、村長一族の住む家とはいえ、少々豪華に思 えた。立派なデスクに壁の棚を埋め尽くす書物。花瓶だの絵画だのといった飾りっ気がな いので貴族の執務室、という程ではないが。 シエスタはヤンを部屋の中へと招き入れる。 「ここはひいおじいさんの部屋でした。ひいおじいさんは書き物はここで行い、この部屋 には誰も許可無く入ってはいけないと、皆にきつく言い聞かせていました。 死後、この部屋はそのままにしてあります。あ、もちろん掃除とか手入れはちゃんとし てありますよ」 ヤンは書棚の本を見て回る。それらは全てハルケギニア語で記された本ばかりだ。村の 秘伝とされる自著は別の場所に隠されているのだろう。 扉がコンコンとノックされた。シエスタが開けると、一冊の本を手にしたジュリアンが 立っていた。 「ねーちゃん!持ってきたよ」 「ありがとうね。貴族のお二人をしっかりお持てなししてね」 はーい!という元気な声と共に、少年の駆け足は遠ざかっていった。 シエスタは、本をヤンに手渡す。それは、便箋を束ねたような簡単な冊子のようなもの だ。ただ、その紙の中に、明らかに材質が違う物がある。まるで印刷用紙のような紙が混 じっている。 「これがサヴァリッシュ最後の書です。『迷い人が来たら読ませよ』、それが遺言です。ど うか、読んで下さい。そして、どうか…」 シエスタは言葉を濁して視線を逸らす。本当なら、村のために知恵を授けて欲しい、と 言いたいのだろう。だがヤンはルイズに雇われている立場だ。軽々しく頼むわけにはいか ない。 ちょっと逡巡するシエスタに、ヤンは微笑んだ。 「とにかく、読んでみるよ。その後どうするかは、それから決めよう」 デスクに腰掛けたヤンを残し、シエスタは部屋を後にした。 夕食前まで、ヤンは執務室に籠もっていた。 食堂で待つルイズもロングビルも気が気でない。ホスト役である村長はじめシエスタと サヴァリッシュ家の人々も、精一杯に貴族二人をもてなすものの、落ち着かないのは彼等 も同じ。テーブルの上のデルフリンガーが場の空気を変えようとあれこれ話を振るもが、 どれも空振りに終わってしまう。 キッチンから良い香りが漂い始めた頃、やっと食堂へヤンが冊子を片手に姿を現した。 即座にルイズとロングビルが駆け寄る。 「ヤン!一体どーだったのよ!何が書かれていたの!?」 「そうだよ!今さらあたい達にまで隠し事だなんて、水くさいじゃないか!」 詰め寄ってくる美女と美少女に微笑んだ。 「大丈夫、今から話すよ」 そして、シエスタとサヴァリッシュ家の人々に頭を下げた。 「サヴァリッシュ最後の書については、この二人も大体知っている内容でした。なので、 今さら彼等に秘密とする必要は無いと考えます。無論、この村に都合の悪い事実について は口外するつもりはありませんので、どうか彼等に教える事をお許し下さい」 困惑し、躊躇いながら顔を見合わせる。一族の視線が村長に集中したとき、村長も迷っ た末に「うむ、承知しました」と答えた。 席についたルイズとロングビル、そしてデルフリンガーを前にして、ヤンは語った。 オ イゲン・サヴァリッシュの半生を。 オイゲン・サヴァリッシュ中尉。 ブドウ農家の次男。経営者である父は趣味で自然志向の伝統ワインも醸造していた。別 に売るために作っていたわけではないが、なかなか評判が良かった。彼も興味を持ち、色 々と自分で勉強していた。 ブドウ農家は長男が継ぐため、彼は士官学校へ入学。卒業後、紆余曲折を経て銀河帝国 クロイツ艦隊所属空母『シュヴァルツシルト』にワルキューレのパイロットとして配属さ れた。同時期に家族全員が事故で死亡。相続したブドウ畑に思い入れはあったが、軍務が 忙しく経営出来ないので売却した。 しばらくの後、同艦隊はイゼルローン回廊へ配置された。回廊周辺宙域にて小規模の戦 闘中、サヴァリッシュ中尉の乗る単座式戦闘艇ワルキューレは空母を発進しようとしてい た。が、空母から発進しようと加速したとき、機体の前に鏡のようなものが現れた。回避 は間に合わず、そのまま鏡に突っ込んでしまった。 次の瞬間、なぜか彼は大気圏内を急上昇していた。 わけが分からず慌てて速度を落とし、機体を水平に保って旋回を続けた。 「それって、ビダーシャルが言ってた60年前に飛び去ったという飛行物体のことね」 顎に手を当てるルイズの予想に、ロングビルも頷いた。ただし渋い顔で。 「でも、わかんない単語がゾロゾロ出てくるねぇ…」 食器を運んできたシエスタも、苦笑いしながら皿を並べていく。 「あたしたちも、書物を読むと何のことだか分からない単語が多くて困ってるんです。ひ いおじいさんは子供たちにも分かりやすいよう、なるべく簡単な言葉を使って書を書いて くれたと言うんですけどね。 なんとか父達は話を理解しようと頑張ったんですけど、やっぱりダメで…狂人扱いされ たこともしばしばだったそうです」 ヤンは改めて冊子の文章を見直してみる。これは『迷い人』用の書なので、別に簡単な 言葉を使っていないだろう。だが、あんまり簡単に書きすぎたら、今度は実践面で問題が 出るから、それなりの専門用語も使っていることだろう。 話がずれたな、と思い、改めてヤンは手元の冊子に視線を落とす。 生きて門を越えたサヴァリッシュだが、彼には自らの幸運を喜ぶことはできなかった。 宇宙空間にいたはずが、大気圏内にいた。見知らぬ惑星上を飛んでいた。通信回線を開 いても雑音しか入ってこない。マップを開いてどこの星かと調べようとしたら現在地点を ロストしている。 彼は混乱の極みにあった。 空を見上げれば見知らぬ星空で、衛星が二つ。そのわりに高度を上げて地上を撮影して みると、どうも記憶に引っかかる地形がたくさん撮れた。自分はどこから大気圏突入した のかと記録された座標を調べれば、なぜか地上の半径10kmはあるクレーターど真ん中に突 然現れたことになっている。 撮影された地表の海岸線が歴史で学んだ地球の地図とソックリだと思い出したとき、彼 もヤンと同様にパラレルワールドへ迷い込んだことに気がついた。ただし、聖地の門から の召喚とは知らないので、自然発生したワームホールに偶然巻き込まれた、と考えた。そ して高度から撮影されたクレーターは、幾重も大小の同心円を描いていたことから、大小 様々な物体が定期的にワームホールから飛び出しては大爆発を起こしていることも予想が ついた。 ともかく、混乱する思考の中で、彼はこう考えた。自分がこの世界に飛び出してこれた なら、他にも同じくワームホールを通過した者がいるのではないか?と。とりあえず高度 を下げて地表を偵察することにした。行き先は、なんとなくおとぎ話によく聞くヨーロッ パっぽいからとハルケギニアを選んだ。 そして、彼は狭いコクピットの中で頭を抱えた。 地上に見えるのは古代地球、まさにおとぎ話の世界。火山周囲を飛び回る竜、なぜか空 中に浮いている巨大大陸、石と木で出来た原始的家屋、空気抵抗を無視した形状のまま飛 び回っている木造の船、歩き回る人々の服装まで、まさに中世ファンタジー世界。他の遭 難者がどうとか言う以前に、科学に従った世界ではないと思い知らされた。どうみても科 学世界と接触があるように見えない。 だが、いつまでも飛び回ってはいられない。燃料弾薬満タンで発進した直後とはいえ、 いつかは燃料切れになってしまう。なので、とりあえず人里から少し離れた山中に着陸。 銃や携帯情報端末、サバイバルキットなど、持てる装備品をあらかた背負って地上探検に 出発した。 上空から見えた、懐かしいブドウ畑を目指して。 「…そして訪れたのが、ここタルブの村だったわけだよ」 湯気ととも鼻腔をくすぐる美味しそうな香りをまとう鍋料理を前に、ヤンは長い話に一 区切りを付けた。 ワインの瓶を手にした村長が、話を聞く貴族達のグラスに注いでまわりながら話を補足 する。 「父の話は、何度も聞かされましたよ。本当に苦労したそうです。 その頃のタルブは細々と農耕をする片田舎の寒村で、ブドウ畑も今ほど広大で立派では ありませんでした。もちろん、奇妙な格好をした流れ者ですから、最初は奇異な目でみら れたそうですよ。おまけに、農作業はもとより、クワや鎌の振り方すら分からないのです から。 それでも村はブドウの収穫時期だったので、働き手が欲しかったから、とりあえず仕事 を手伝わせてもらえたそうです。しばらくは野宿暮らしでただ働きしながら、色々と教え てもらったそうです」 テーブルの上に置かれていたデルフリンガーが、食器を並べる邪魔になるのでと横に置 かれながら鍔を慌ただしくカチカチ鳴らす。 「おう、ほんでよほんでよ!それからどーなったってんだよ!?」 続きが聞きたくてしょうがない長剣が早口でまくし立てる。 ワインで喉を潤したヤンは再び語り始める。 サヴァリッシュは、ほどなくして村に受け入れられた。ブドウ農家、というよりワイナ リーとしての知識を認められたのだ。それに、実家で勉強していたブドウ栽培とワイン醸 造の知識は、全て彼の携帯情報端末に入ったままで忘れられていた。それを何年かぶりで 引っ張り出した。 他にも学校や士官学校時代に習った各種技術。ワルキューレの軍用コンピューターや携 帯情報端末にインストールされていた蘇生術、家庭の医学、辞書、計算、各種百科事典ソ フト。それら全てが村の助けになったのだ。 サヴァリッシュは稼いだ金で貴族に、山の中に隠していたワルキューレへ固定化の魔法 をかけてもらった。それも、何度も念入りに。出来る限り強力に。 何年かして彼は村に家庭を持った。村も町の商人からの借金を返済出来るくらい発展し た。故郷だった銀河帝国に彼を待つ家族はいない。ブドウ畑も売却した。もはや未練はな かった。 彼は、タルブを故郷とする事にした。 だが、そのためには幾つか必要な事があった。 彼が持つ知識をトリステインの貴族や教会に知られるわけにはいかない。魔法を使えな い平民など、人間扱いされないのだから。むしろ異教徒だの異端だのとして教会に異端審 問にかけられかねない。 領主アストン伯に彼の技術を売り込む事も考えたが、しなかった。彼が山中に隠すワル キューレの存在を公にする事だけは、絶対に出来なかった。固定化の魔法をかけてもらう 時も、ワルキューレが一体何なのか教えなかった。その後の定期的な掛け直しの時も信用 出来るメイジを慎重に選んだ。 彼は目立つ事を避けた。村に提供する知識は、決して自分が教えた事を口外しないよう 約束させた。突然村が裕福になったり出所不明の技術を手にするのは不自然の極みだし、 周辺の町や村に要らぬ嫉妬や疑念を抱かせる。ゆっくりと、少しずつ、村を変えていった のだ。 山菜やキノコが入ったシチューを口にするロングビルが、話の区切りを待って口を挟ん だ。 「さっきから言ってる、ワルキューレってさ…一体どういう物なんだい?空は飛ぶし、色 んな知識が詰まった書物のような言い方されるし」 頬張ってるパンをワインで胃に流し込んだルイズも尋ねてくる。 「そうよねぇ、変よね。それに、そこまで貴族や教会を恐れるなんて…いくらなんでも、 異常よね」 空になったルイズのグラスにワインを注ぎに来たジュリアンが、自慢げに答えた。 「あのですね!ひいおじいちゃんはね、戦うのが怖かったんですよ!」 戦うのが怖い、と答えを聞いたルイズとロングビルは首を傾げる。いくら魔法が脅威と いっても、歴とした兵士が戦うのをここまで極端に恐れるなんて、と。 だがジュリアンは、胸を張って二人に答えの続きを教えた。 「だって、もし教会がひいおじいちゃんを異端審問にかけようとしたり、どこかの貴族が 村を直接支配しようと攻め入ってきたら、ワルキューレを使って戦わなきゃいけないかも しれないからです。 ひいおじいちゃんは、こう言ってたそうです。『もしこれを使ったら、ハルケギニアが滅 ぶ』と」 答えを聞かされた二人は、思いっきり呆れた。いくらなんでも、おおぼらにも程がある と。そして白い目でヤンを見る。 もしゃもしゃと夕食を口に放り込んでいたグータラ執事はワルキューレについて説明し た。 ワルキューレ 同盟のスパルタニアンとほぼ同じ単座式高機動戦闘艇。だが一つ大きな違いがある。そ れは「大気圏内の飛行が可能」という点。これは帝国においては治安上の理由、つまり反 乱を起こした星を制圧する必要があるため。帝国の艦船も同じく大気圏内の運用が可能。 おかげでサヴァリッシュは大気圏内を飛行することができた。ちなみに同盟は、帝国から の侵略を迎撃するという前提に艦船等の兵器類は設計されているので、宇宙空間でしか使 用できない。 その武装は、ウラン弾を弾丸とする機銃や、レーザー水爆ミサイルや、中性子弾頭ミサ イル。 以上、ワルキューレのスペックについて、なるべく分かりやすいように簡単な言葉で説 明した。 だがヤンの説明は、目の前の美女と美少女の耳を素通りしたようだ。想像も付かない事 なのだから、しょうがない。ヤンの横に立てかけられた長剣はツッコミどころすら分から ず困ってる。 オホン、と咳払いして、結論だけを簡単に言う事にした。 「分かりやすく言うと、物知りなガーゴイルが操縦する軍艦みたいなものだよ。そして、 その武器は『破壊の壷』と同じく、いやそれ以上に凄まじいよ。 積み込まれた爆弾は多分、トリスタニアを一瞬で消し飛ばし、100年にわたって草一 本生えないほどの毒の灰を国中にまき散らす。 機銃、というか大砲と言おうかな?その弾一発でトリステインの戦艦『メルカトール』 を撃沈出来る。しかも、そんな弾丸を一瞬で100発以上撃ちまくれるよ。もちろん毒を まき散らしながら、ね」 女性二人は、さらに呆れ果てた。そんな兵器があり得るのか、どこでどうやって使うの か…と。 「おでれーた、つか…あのよぉ、ヤンよ。そんな爆弾使ったら、撃った本人まで死なねー か?それに、毒で土地を汚しちゃったら、占領できねーじゃねーか」 デルフリンガーの当然な疑問に、緑とピンクの髪もウンウンと上下に揺れた。 対するヤンは、困って頭をボリボリかいてしまう。 「だって、本来、宇宙で使う武器なんだよ…地上では使えないよ。危なくて」 とにもかくにも、ワルキューレの話は置いといて。 ヤンは晩年のサヴァリッシュについて話を続けた。 生活が安定した頃。ワルキューレの扱いに頭を悩ませた。 この兵器を知られてはならない。固定化をかけてはいるが、いつ故障したり壊れたりし て放射能漏れを起こすか不安だ。エネルギーが残っているうちに、どうにか処分方法を考 えなければならない。だがどこへ持って行っても放射能漏れの危険が付きまとう。 幸いタルブへ着陸して以来、コンピューターを動かし携帯情報端末に充電とダウンロー ドする以外にエネルギーを使用していない。いつでも飛翔出来るエネルギーが残ってる。 まずは、役に立ちそうなデータを全て書物に記す事にした。ただし誰かに悪用されない よう、全て帝国公用語で書き記し、その読み方は彼の子供達にしか教えなかった。その上 で、ワイン倉庫の地下室に全て隠した。 その上で、必要な情報と、生活の役に立ちそうな荷物を全て降ろしたワルキューレに、 自動操縦である場所に行くよう入力した。放射能漏れを起こしても絶対に誰の迷惑にもな らない場所へ飛んでいくように、と。 食後のワインを飲んでたロングビルは、思い出したように質問した。 「そうそう、その書物の事なんだけど、どれくらいヤバい物なの?」 聞かれたヤンは、ふと考えてから、手に持っていたサヴァリッシュの冊子を開く。そし て間に差し込まれていた、ハルケギニアの紙とは明らかに違う印刷用紙の束を机の上に並 べていった。 それを見ていた周囲のサヴァリッシュ家の人々が一瞬顔色を青くしたのに、二人は気が 付いた。ヤンの「大丈夫です。我々は聖地の真実を既に知ってます」という説明に、一様 に胸をなで下ろす。 一体何が記されているのかと、ルイズとロングビルは広げられた紙を見つめる。 ロングビルは並べられたうちの一枚を見て、絶句しそうになった。 「な…何これ!?これって、アルビオンの地図じゃない!しかも、まるで竜や船の上から 見てるみたいな、なんて緻密で正確な…」 ルイズも驚きに言葉が詰まる。 「し、信じ、られない…トリステインも、ガリアも、ゲルマニアも…それだけじゃないわ! これ、ハルケギニア含めた、世界全ての地図よ!それも、恐るべき正確さの!」 テーブルの上に広げられた物は、ワルキューレで高々度から撮影された地上の写真。聖 地からトリステインまで飛び回った間に撮影した写真をつなげたのだ。それは、ハルケギ ニアと聖地はもとより、地球で言うなら北アフリカ・中東・ロシアの一部も含めた航空写 真。 ヤンは、その写真の東方、即ちエルフの支配地域を指し示した。 そこには、茶色の大地に波紋が広がるような同心円を描く図形が描かれている。 「これが何か、分かるかい?」 ルイズは、恐る恐る答えた。 「聖地の、門よね」 ロングビルも一筋の汗を流しながら答える。 「ビダーシャルが言ってた、大地をえぐる嵐の跡…なのかい?」 ヤンは、ゆっくりと頷いた。 「その通りだよ。これは聖地が人を寄せ付けぬ呪われた地であり、始祖ブリミルの虚無が 世界を滅ぼすという証拠なんだ。こんな事が知られれば、教会は全ての地位と富を失う。 聖堂騎士隊が大急ぎでこの本を焼きに来るよ。…村ごと、ね」 二人の背中に冷たい物が流れていく。 黙ってしまった二人に代わってデルフリンガーが質問を続けた。 「んじゃよ!んじゃよ、サヴァリッシュってやつは、ヤンに何を教えようとしていたんだ よ!まさかワインの作り方じゃねーよな?」 傍らの長剣からの問に、写真を片付けながら口を動かす。何か、ガッカリしたような、 だが吹っ切れたような口調で。 「彼はね、他の『迷い人』が心配だったんだよ。このハルケギニアで苦労しているだろう な~、て。それに、単純に同郷の人に会いたかったんだ。 だから、彼は『迷い人』を待ち続けた。このハルケギニアで生きる方法を教えるために。 この世界も決して悪いもんじゃないから、この地で新しい人生を歩みなさいってね」 その言葉を聞いたサヴァリッシュ家の人々は皆、ニッコリとヤンに微笑みかけた。 彼等を代表するかのように、シエスタが口を開く。 「そういうわけなんです。そして、ヤンさんなら私達は大歓迎です!タルブの村をあげ、 ヤンさんを歓迎致しますわ!」 3人を囲む人々は、ヤンへ深々と礼をした。 頭を下げられた彼は恐縮して赤くなり、顔を上げて欲しいと逆にお願いしてしまった。 食器が片付けられ、ルイズ達もそろそろ部屋に帰ろうかと言う時、ルイズがある事を思 い出した。 「ねぇ、ヤン。結局ワルキューレとか言う船は、どこへ飛んでいったの?」 聞かれた彼は、ちょっと下手なウィンクをする。 「ああ、絶対に安全な場所だよ。誰の手にも触れず、どれほど毒をまき散らしても全く迷 惑がかからない場所」 「それって、どこなの?」 大きな瞳で見つめてくるルイズに、ヤンはゆっくりと右手で指し示した。 彼の指は、上を指した。 ロングビルが天井を見上げる。 「天井裏…なわけないわよね。空の彼方?」 ヤンは、天を仰いで目を閉じた。 代わりに、口が少しだけ開く。 「月、さ」 「月!?」 ルイズが素っ頓狂な声を上げる。 「サヴァリッシュは、ワルキューレに命じたのさ。青き月まで飛んでいけ、とね」 既に夜。 今夜も青と赤の双月は星空の中に輝いていた。 第十八話 タルブ END 前ページ次ページゼロな提督
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/163.html
「夕雲型駆逐艦、巻雲といいます。司令官様、巻雲、お役に立ちますよぉ?」 「…」 新しくウチの鎮守府に加わった駆逐艦娘、名前は巻雲。 「? 司令官様?」 「あ…ああ、ようこそ我が鎮守府へ、巻雲。歓迎するよ」 「はいっ!よろしくお願いしまぁす!」 駆逐艦らしく幼気な見た目、ピンク色の髪、大きめのメガネと服、少し舌足らずで朗らかな喋り方。 ここまで言えば俺の言いたいことはわかるだろう。ドストライク、一目惚れだった。 「ようこそ巻雲さん。駆逐艦の仲間が増えて嬉しいのです」 「ん…巻雲、こいつは電だ」 「電です」 「電さん!巻雲の大先輩です!ここでも先輩ですね、一緒に戦えてうれしいです!」 「そ、そうらしいですね…『前』は面識はありませんでしたけど」 「こう見えてもウチの最古参でな。電、巻雲に隊舎や各施設を案内してやりなさい」 「わかりました。さあどうぞ巻雲さん、ついてきて下さい」 「はいぃ!」 「まずは食堂から案内するのです。間宮さんの料理はいつも美味しくて…」 和気藹々と会話しながら執務室を出て行くふたり。彼女らを見送って、未だ平静に戻らない己の心臓を自覚しながら椅子に座り込む。 常日頃から「一目惚れなど自分に限っては無い」と考えていたが、認識を改めねばならない。 まあ…白状すると、小さい娘は好きだ。気がついたらそういう艦娘ばかりの艦隊になっており、 自らの性癖に絶望しながらも受け入れ、それでも「変態たるもの紳士たれ」の精神に従って艦娘たちには提督として接してきた。 しかし…さすがに今回は、かなり厳しい戦いを強いられることになりそうである… *********************************************************************************** 我が鎮守府には、新しく入った艦娘は一定期間旗艦として優先的に鍛錬を受けるという慣習がある。 新人を戦力として数えられるレベルに引き上げるための措置なのだが、それはつまり… 「司令官様、何でも申し付けてくださいね!」 「あ、ああ…」 そう、その間はずっと秘書艦も務めるということである。必然、彼女と接する時間は長くなる。 「あぁそうだ司令官様、この間頼まれた資料作りができたので、見てもらえますか?」 「ん、うちの艦娘たちの各能力のリストアップか。大変だっただろ」 「はいぃ、でも皆さんが協力してくれたので。お話して仲良くなれましたし」 「そうか…ん、この欄の横の数字は?」 「はい、皆さんが「まだ伸びシロあるなぁ」と感じていらっしゃる項目も一緒に書き込んでみました。どうでしょう、余計でした?」 「イヤ…今まで近代化改修の時はいちいち尋ねていたからな。助かるよ」 「えへへー」 嬉しそうに笑う巻雲。そう、こう見えて秘書艦としても割と有能なのである。 一目惚れしたとはいえ、彼女の性格を掴むまでは判断を保留しようと思っていたのだが、戦闘もまじめにこなす優秀ないい娘であり 彼女への感情はより強くなる一方であった。 そんなこんなで気がつけば巻雲の姿を目で追ってしまうのだが、彼女は何故か仕事以外の時はいつもこちらを見つめているらしいのである。 その意図は不明だが、そのため彼女を見遣る度に目線がばっちり合ってしまうので、その都度俺はごまかしに苦慮することになった。 しかも嬉…困ったことに、「そちら」の方向の知識には疎いようで 一度あられもない中破状態(これが非常に際どい、というか見えていた)で報告しに来たときは正視できなかった。 「どうですか司令官様!巻雲、まだ何かお役に立て…あれぇー?」 「?…うわっ!」 いかん。そんなことを思い出していたらいつの間にか息子が反応していたようだ。 目ざとく見つけた巻雲が近寄ってくる。 「司令官様ぁ、なんか膨らんでますよ?それに…なんだか苦しそう?」 「い、いや!何でもないんだ、ただちょっと最近―」 溜まっていたんだ、とは言えない…ど、どうする。 「ちょっと疲れが溜まってて…」 「あーダメですよ司令官様。ちゃんと休まないと!ほらほら、あそこのベッドで少しの間でも横になって下さい。 巻雲に、何かできることありますか?」 「あ…いや…まぁ…」 俺の中で何かと何かが壮絶な戦いを繰り広げている。やがて― 「…じゃあ、ちょっとさすってもらおうか、な…」 済まない、顔も知らぬ全国の同志諸君。俺は、悪い変態になります… *********************************************************************************** 「…巻雲、こっちに来て」 「はい!」 ベッドに腰掛けた俺の正面に回る巻雲。 「男はな…疲れるとここが膨らんでしまうんだ。巻雲がさすってくれれば良くなると思うんだが」 「ほほー…巻雲、男の人のここ、見たことありません。どうやればよろしいですか?」 「まずズボンのチャックを開けて、取り出してだな…」 「はい…わわっ!」 窮屈な俺のズボンから俺のモノが飛び出す。ありえないこの状況に、既に十分大きくなっていた。 「わー…すっごい腫れてますね。痛いのですか?」 「痛くはないが少し苦しくてな、両手で優しく握って…」 「はい、こうですか?」 袖に包まれた細っこい指が俺の肉棒を包む。 「っ…、そ、そうだ…そのまま、上下にしごいて…」 「こう…ですか…?」 ゆっくりと手を上下に動かす巻雲。 それがどういう行為かも知らずに、言われるがまま男の淫棒を扱きたてる。 「ふあ…硬くて…なんかビクビクしてます…」 「う…もうちょっと…強く握って…いいぞ…」 「あ、なんか、お汁が出てきましたよ?」 「大丈夫だ…巻雲が上手く出来ている証拠だ…」 「そうなんですか…?それならいいのですが…」 健気に俺の愚息に奉仕する巻雲を見て、更に欲望がこみ上げてくる。 「巻雲…その…」 「なんでしょう?」 「しごきながら…っ、さきっぽを、舐めてみてくれないか…?」 「舐める…のですか?」 「ああ…そうすると、もっと気持ちいいと思う…」 「はい、分かりました…ぺろっ」 「っ!」 何の躊躇もなく亀頭を舐める巻雲。その熱くてヌルっとした感触に思わず反応してしまう。 「わっ…びくってしましたけど、大丈夫ですか…?」 「あ、ああ…少し驚いただけだ…続けて…」 「はい…ちゅ、ぺろ、はぁ、ちゅっ、ちゅっ…れろぉっ…」 「はぁ、いい、ぞ、巻雲…先っぽだけじゃなく、全体を舐めまわすように…っ」 「ふぁい…んー…れろぉーっ、はあ、えろーっ、ぴちゃっ、ちゅっ…こんな感じですか…?」 「ああ…」 あの巻雲が、何も知らずに俺のモノを舐めまわしている… 俺の醜い欲望に利用されているとは思ってもいないだろうその献身的な姿に言い知れぬ罪悪感が沸き起こるが、 今の俺にとってはそれも興奮を煽るスパイスでしか無かった。 「れろぉっ…はあっ、ちゅ、ぺろ、ちゅっ、ちゅっ、じゅうう、んくっ…はあ…」 俺の我慢汁と巻雲の唾液でてらてらと光る肉棒を巻雲が舐め上げていく。 その淫靡な光景に、俺の怒張は更に張り詰めていく。 「巻雲…っ、そのまま先っぽを…咥えて、舌動かして…」 「…ぱく、はむ…んく、ちゅっ、ちゅぅ…れろれろぉ…」 亀頭が巻雲の温かな口内に包まれ、ざらついた舌が鈴口を撫でまわる。 その肉感的な刺激もさることながら、拙いながらも俺の指示通りに奉仕しようとする思惟が嬉しくて、限界が近づいてくる。 「…ぅあ…っ、まき、ぐも…全体を、咥えて…っ、吸って…」 「くぷぅ…ちゅぴっ…んん、ちゅっ…ちゅううううっ…」 「…っっ…!」 どぷっ!びゅぷっ、びゅくっ…びくっ… 「わぷっ!こほこほっ、な、なんですかぁ!?」 欲望が巻雲の口内で暴発し、思わず口を離した彼女の顔面と眼鏡を雄汁で汚していく。 その嗜虐的光景に、俺の性欲は萎えるどころかますます昂ってゆく。 「はぁ、はぁ…スマンな。これは気持ち良くなると出てしまうものなんだ」 「ふぇ…?これがですかぁ?」 「ああ…巻雲のおかげで、とても気持ちよかったぞ」 顔についた精液を拭ってまじまじと見つめる巻雲。 「よくわからないけど…巻雲、司令官様のお役に立てたのなら嬉しいです」 「っ…巻雲…」 こんな下衆い事をさせているのに、その健気なセリフに罪の意識で押し潰されそうになる。 同時に愛しさがこみ上げてきて、俺は思わず巻雲を抱きしめていた。 「…し、司令官様?わむっ ん、んん…」 そのまま俺に奉仕していた可愛らしい桜色の唇に吸い付く。 「ありがとう巻雲…お礼をしなくちゃいけないな」 「え…? ふやっ! 司令官様ぁ、そこは…っ」 巻雲を抱き上げて膝に座らせ、ストッキングに包まれた太ももに手を這わす。 「わわっ…し、司令官様、そこさわっちゃだめですようっ…」 「どうして?」 「だ、だって、夕雲姉さんが触っちゃいけないって…」 「触ってたことがあるのかい?いけない娘だな、巻雲は」 「そ、そんなぁ…ひ、ひんっ、やあ…」 ストッキング越しに太ももの内側を撫でる度、俺の腕の中でピクピクと震えながら甘い声を漏らす。 俺への奉仕で自覚なしに発情していたのだろうか?自慰経験もあるようだし、見かけによらずエロっ娘だったようだ。 「ここを触るとどうなるんだ?」 「な、なんかぁ…ふわっとなって…ぼーっとなります…」 「俺がするのは嫌?」 「わ、わかんないです…」 「痛い?」 小さく首を振る巻雲。 「じゃあ気持よくしてくれたお礼に、俺が巻雲のここを撫でて気持よくしてあげよう」 「…っ」 ストッキングと下着越しでも、そこはもう熱く蒸れていることが分かる。 肉芽の場所にあたりをつけて強めになぞると、巻雲の身体がビクビクと痙攣する。 「…っあ、し、司令官様っ…はぁ、はぁっ…はあっ…そこ、びりってきちゃいますっ…」 「ここか…?」 「! ひゃん…そこ、あんまり弄らないでくださいぃ…」 「痛い?」 「痛くはないですけど、きゅんってきて、わ、わかんなくなっちゃいますっ…」 「いいよ…我慢せずにイッてもいいんだぞ」 「い、イくって…? っは、んん、やっ、司令官様、やあっ、やあっ、は、あああ~…っ」 ブルブルと身体を震わせたあと、荒い息を吐きながらくたりと俺に寄りかかる巻雲。どうやら達したようだ。 「気持よかったか?」 「わ、わかんないけど…すごかったです…あの、司令官様…」 「何だ?」 「か、身体、力入らなくて…」 「そうか…部屋に連れて行ってあげるから、今日はもう休みなさい」 「はいぃ…」 「それから…今後も『疲れた』ら、今日のをまたしてくれると助かるんだが」 「…はい…あの、巻雲にも、その…」 「…ああ。してあげるよ」 「んふー…♪ 約束ですよ…巻雲、司令官の…お役に立ちます…」 満足気な顔でまぶたを閉じる巻雲。どうやら眠ってしまったようだ。 今後の鎮守府生活に大きな罪悪感と期待が渦巻く中、俺は巻雲を抱きかかえて部屋に連れて行ったのだった。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4797.html
前ページ次ページゼロな提督 予想通り、トリステイン城は混乱を極めていた。 うららかな陽光とは対照的に、城内は叫び走る人々の喧騒で満ちている。 遠くから、誰かの叫びが響いてくる。 「報告を聞いた枢機卿が、胸を押さえて!お、お倒れになられました!水メイジを呼んで 下さい!」 走り回る侍女や小姓は、婚礼のため着飾った服に足を取られ、転んだりぶつかったりし ながら必死で走り回る。一張羅が破れてしまった者も多い。 ゼッサールの大声が飛んでくる。 「大臣を呼ぶのだ!陛下の、謁見の間に集めよ!緊急に御前会議を開く!!」 魔法衛士隊が右往左往している。パレードに参加していた官僚や大臣、有力貴族が多数 いたため、会議の構成員の所在が掴めず、走り回って探しているようだ。特にグリフォン 隊の隊員は隊長がいなくなり、指揮系統が混乱して行動不能に陥っている。 大荷物を抱えた従者を引き連れて走る貴族もいる。 「リッシュモン様!馬車を用意致しました。お早くこちらへ!」 「ええい!くそ、あの小娘め!ワルドも!この私を差し置いて、何て事を!この私が、切 り捨てられるとは!おのれ、幼少の頃より、あれほど目をかけてやったというに!裏切り 者めぇ!!」 そう言ってリッシュモンと呼ばれた貴族は侍従達を引き連れて城の正門へ走っていっ た。どうやら国を捨てて逃げるようだ。 正門には多くの馬車が主の出てくるのを待ち、出て行こうとする馬車とつっかえて、そ こかしこで怒鳴りあいや衝突を起こしている。 廊下は、幾つもの花瓶が倒れて破片を床にまき散らしている。壁に掛けられた絵も斜め になったり、破れたりしている。 そこかしこで、金銀の装飾が剥げている。城に仕える平民達が逃走資金にと奪ったのだ ろう。そして貴族達も金貨の詰まった袋や宝石箱を抱えて走っていく姿があちこちに見え る。 アンリエッタ姫が亡命してから、まださほどの時も経っていない。 にも関わらず、既に人々はトリステインが最後の時を迎えようとしている事、もはや貴 族の名誉など構っている場合ではない事は周知の事実となっていた。 第27話 挟撃 逃走しようとする馬車でごった返し渋滞を起こしていた城門の前に、一人の貴婦人が舞 い降りた。 その女性は、杖を城門へと向ける。 ゴォオオオオオオオオオッ! その瞬間、巨大な竜巻が現れ、逃げだそうとしていた先頭の馬車を宙へ巻き上げた。竜 巻に巻き上げられた馬車は馬と馬車を繋ぐハーネスが吹き飛ぶ。巨人の手に掴まれたかの ように空中で翻弄された。 馬車の中の人を、恐らくは名のある貴族を、シェイカーに入れられたカクテルのように かき回すした後、婦人は馬車に『レビテーション』をかけ、地上にふわりと着地させた。 「な!何事だぁ!?」「まさか、敵襲か!!」「そんな…既に城にまでアルビオンの手の者 が来て・・・え?」「あれ、あれは…ヴァリエール公爵夫人?」「か、カリーヌ・デジレ様 ではありませんか!」 突然の事態に馬車で逃げようとしていた人々は動揺し、クモの子を散らすかのように馬 車を捨てて逃げようとした。だが、襲撃者の姿を見た瞬間、その動きが止まった。 公爵夫人が杖を構え、城から逃げ出そうとしていた馬車の列の前に立ち塞がっていたの だ。 ビシュッ!と風を切る音と共に、杖を馬車の列へ向けた。 「どこへ行く!!」 杖を向けられた馬車の周囲にいたメイジ、恐らくは大臣を警護するメイジ達が青ざめた 顔で慌てて答える。 「こ、こう、公爵夫人とてご存じでしょう!?アンリエッタ姫が、アルビオンへ走ったの です!」 「レコン・キスタのみならず、怒り狂ったゲルマニアまでが攻めてくるのです!ガリアは 沈黙を守ったまま動かず、我らは孤立無援!」 「もはや、もはやこの国は終わりです!終わりなのです!!」 「さぁ!公爵夫人、お退き下さい!あなたも、お早くお逃げ下さい!!」 口々に絶望的状況を語り、城に背を向けて走り去らんとする貴族達。 だが、彼等への返答は、峻烈を極める眼光と、整った唇から吐き出される炎のごとき激 情をまとう言葉だった 「なるほど…逃げると申すか。 国を捨て、民を捨て、己一人の保身を図って逃げると申すか! 沈む船から我先にと逃げだす、薄汚いネズミの如く!!」 その言葉に、メイジ達は一瞬逆上した。 あまりに急な事態の変化に対応しきれず、判断力と自制心を低下させていた人々は、顔 を紅潮させながら言葉に詰まった。 幾人かが、杖を引き抜く。 いずれも名のある貴族であろうメイジ達に杖を向けられても、なお公爵夫人の眼光に些 かの陰りも見えない。いや、むしろ目前の逃走者達を焼き尽くさんばかりに熱を増してす らいる。 「私を殺してでも、逃げたいか。 ならばよい、私に杖を向けるが良い。前マンティコア隊隊長、『烈風』カリンが相手を しよう!レコン・キスタなど待つまでもなく、我が風に切り裂かれるがいいっ!!」 言うが早いか、カリンの持つ杖は魔力を帯びる。目の前に立つ公爵夫人から放たれる強 大な魔力に、並み居るメイジ達が気圧される。 だが彼女の魔力以前に、前マンティコア隊隊長、『烈風』カリンと聞いた時点で、逆上 していた彼等の頭から血の気が引いていた。 「まさか!?ヴァリエール公爵夫人が、前マンティコア隊隊長だと!?」 「い、いや、その通りだ。男装の麗人という噂は真実だ。公爵との結婚を機に引退された のだ」 「なんと!あの伝説の!?エスターシュ殿の反乱をカルダン橋にて、たった一人で鎮圧し たという…」 「一人で火竜山脈のドラゴンを群れごと屠ったという、嵐の化身か!?」 「オーク鬼に襲われた都市を救ったとか、カリン殿出陣の報を聞いただけでゲルマニア軍 が退却したとかいう、あの先代殿か!!」 アルビオンとゲルマニアに怯えた人々は、既に心が挫けていた。伝説のメイジを前に、 進む事も戻る事も出来なくなり、見苦しく虚しく立ち尽くす。 ただでさえ乏しかった戦意を完全に失った貴族達を前に、カリンは張りのある声を響か せた。その細い体のどこから湧き出すのかというほどの声量だった。 「各々方、聞けぇっ! 逃げるというが、どこへ逃げるというのか!? もはやトリステインに安寧の地はない!ゲルマニアは我らの亡命を受け入れはせぬ!ガ リアは我らの呼びかけを黙殺したままだ!ロマリアに至っては、ガリアの遙か彼方の地だ ぞ! ならばレコン・キスタか!?それこそあり得ぬ!奴等は我らから全てを奪って王家共々 粛正するのみ!よしんば降伏を受け入れても、やつらはハルケギニアを火の海に沈める! そして、あのエルフ共と戦端を開く気だ! 皆、思い出せっ!我らは今こそ団結せねばならん!レコン・キスタの伸張こそ防がねば ならんのだっ!!」 馬車や馬に乗った貴族達に、更なる動揺が広がる。 彼等も今さらに気付かされた。いや、最初から分かっていた事だ。 どこへ逃げるというのか。逃げたからどうなるというのか。一体、ハルケギニアのどこ なら安全だというのか。レコン・キスタがハルケギニア統一を掲げている以上、どこにい ようと戦火は追ってくる。 同時に彼等は不安と絶望に押し潰される。 だが、ならばどうせよと言うのか?トリステインという小国だけで勝てるというのか? 東のゲルマニアと西のアルビオン。両大国からの同時侵攻を凌ぎきれるというのか? そんな事が出来るはずがない。 「出来るっ!」 カリンは、高らかに宣言した。あまりにも自信に満ちた宣言だった。 人々は半信半疑で顔を見合わせ、怪訝そうにカリンの顔を覗き込む。公爵夫人は話を続 ける。 「策はある!トリステインを、ハルケギニアを戦火から守る手はある!卿等も、トリステ イン国民も、ハルケギニア全てが助かるのだ! だがそれには、卿らの力が必要だ!トリステイン貴族全てが等しく杖を揃えねばならん のだ!この地に生きる全ての命を救うために、卿らの力が欠かせぬのだ!!」 公爵夫人が語る策、ハルケギニアを救う手段。 逃げようとしていた人々の顔には、困惑を残しつつも希望の光が差す。 伝説の英雄が堂々と策があると語るのだ、ならば信じてもよいのではないか。どうせ逃 げても助かる保証はない。異国の片隅で失意の余生を送るか、流浪の民となって野垂れ死 ぬか、亡命先で疎んじられ捨て駒にされ戦場で果てるか。 一縷の望みであっても希望があるなら、賭けてみてもよいのではないか…。 早々に城を逃げ出す打算に長けた人は、その計算高さ故にカリンの語る策へ興味と希望 を持った。臆病者は臆病者であるが故に、戦火から逃れる手段にすがりつきたかった。 そんな人々の顔を、カリンはひとしきり見渡す。 「ご理解頂けたご様子!ならば、城に戻られよ!既に城を去った者達にも戻るよう伝える のだ! 皆、急ぎ城のホールへ向かえ!陛下の御前に集うべし!」 カリンの言葉に、馬に乗った人々は城内へ戻っていく。 馬車に乗った人々は渋滞で動けないので、渋々馬車から降りて城へ戻っていった。 城の一室、マザリーニの寝室では、立派なベッドの上に部屋の主が横たわっていた。 ベッド周囲には枢機卿付きの小姓達と侍女達、そして第二竜騎士大隊隊長ギンヌメール 伯爵始め、数名の騎士がいる。不安に押し潰されそうな体を必死に支えながら、水メイジ 達の治療を受ける主を囲んでいた。 その姿は、まさに鳥の骨というに相応しかった。ただでさえ痩せ細っていたマザリーニ は憔悴しきって、もともと少ない肉が更にそげ落ちたかのようだ。目は虚ろで息も絶え絶 えだ。ベッド横に控える水メイジ達の魔法が無ければ、既に始祖の御許へと旅立っていた 事だろう。 もっとも本人としては、それを望んでいたろうが。 それでもトリステインの国政を一手に握っていた男は、小姓達の手を借りつつも体を起 こした。か細い声で、一番近くにいた小姓の耳元に口を寄せる。 「皆…部屋を出よ」 事ここにいたって、人払いを命じる。その意味が分からぬ者は室内にはいなかった。骨 張った枢機卿の手が弱々しく自分の杖を握りしめる。 ギンヌメール伯爵が声を張り上げた。 「な!なりません!このような国難の時に、猊下を失えば!もはやトリステインは!」 他の者達も口々にマザリーニの手を取り、励まそうとする。 だが、この数刻でさらに老け込んでしまった男は、弱々しく首を横に振った。 「もはや…トリステインは終わった。どうにもならぬ。姫の教育が至らなかった、私の不 始末だ。その責、この命を持って償うしかあるまい…」 トリステインの真の支配者だの、王家を影から操る奸臣だのと陰口を叩かれた男。 だが、彼を囲む人々は知っている。彼が私心無くトリステインに仕えていた事を。あえ て自らが嫌われ役を演じる事で、王家の権威を守り高めていた事を。 故に、その忠義が水泡に帰した今、彼が己の責を自ら償う事が、彼の名誉を守る最後の 手段だと言う事を。 皆、沈痛な顔を見合わせ、ある者は涙をこらえ、またある者は嗚咽と共に流れる涙を隠 しつつ、ベッドを離れようとする。 ドンッ! だが、退室しようとしていた彼等の目の前に、ドアを吹き飛ばさんばかりの勢いで数名 の男女が駆け込んできた。 それは、息せき切って駆けてきたヴァリエール公爵達だった。その後ろから祈祷書を手 にしたルイズが、デルフリンガーを左手に持つヤンが、ブラスターを右手に持つシエスタ が、大きな杖を手にしたタバサが、そしてロングビルも。 公爵婦人以外の全員が飛び込んできた。 「枢機卿!枢機卿はご健在か!?」 力の限りに呼ばれたマザリーニは、力なく視線を向ける。 だが二人の間にギンヌメールが立ち塞がった。 「公爵殿!…何も言わず、退室して頂きたい」 「そうはゆかぬ!この事態を収めるために枢機卿を」 「およし下さい…どうか、どうかお察し下さい!猊下は自らの責を重々承知しておるので す! 猊下の貴族としての名誉を守るため、どうかここは退室して頂きたい」 「ほう、自害なされるか!?悪いが、そうは行かぬ!いや、むしろ話が早い!わしと共に ハルケギニアの平和を守る礎となってもらうぞ!」 室内の人々にまとわりつく不可視の沈殿物がかき回される。 公爵は枢機卿に、自分と共に命を差し出せと言っている。平和のために。 何故この重鎮二名が、誰に命を差し出すのか。そんな事で平和を守れるのか。 細く力ない息の合間から、か細い声が漏れる。 「まだ、この私に出来る事が、戦を回避する手がある・・・そう言われるか?」 「そうだ!そのために、我らの力と命が必要だ!」 公爵の力に満ちた声が室内に響き渡る。だが、マザリーニは頭を垂れた。 「すまんが、もう遅い。私やお主の首でどうにかなる事態ではないのだよ。 アルビオンの望みは地上侵攻拠点であり、トリステインの完全支配。アルブレヒト三世 はの望みは、この不始末の償いだけでなく、ゲルマニア国内での対レコン・キスタ戦回避 と国内の戦力が整うまでの時間稼ぎだ。そのためにもトリステイン領土への侵攻が必要な のだ。 もはや陛下のお命でも収まらぬ。ましてや、私やお主の首なぞ誰も欲してはおらんのだ よ」 「そんな事は言われずとも分かっている!いや、この段階だからこそお主が必要なのだ! 分かるか!?ハルケギニアを地獄へと堕とさぬために、我らは全てを捨てて一致団結せね ばならんのだ! そう、文字通りに、全てを捨てて平和を守るのだ!レコン・キスタの暴挙を今ここで食 い止めるのだ!!」 室内に溜まった陰鬱な沈殿物が、さらにかき回される。 公爵の力と意思に満ちた言葉に、室内の人々の顔にも生気が増す。枢機卿の声にも、僅 かだが力が増した。 「手が、あると言うのか…?」 その言葉に、公爵は明確に頷いた。 「もはや、最後の手段だ。これしか残されてはいまい。我らが命を賭けたとしても上手く 行く保証はない。 だが、このままでも破滅を免れん。ならば、例え僅かでも可能性に賭けるべきだ。同じ 死なら、為しうる全てを為してからでも遅くはあるまい。自害はいつでもできるのだから な」 これらの言葉を語る時、公爵が悲壮な決意に満ちている事がありありと見て取れた。そ してそれゆえに、公爵の秘める策には全てを賭けるだけの価値あるものだと人々は理解し た。 「ならば、教えてもらおうか…お主の策を」 枢機卿の言葉に、公爵は語り出した。ヤンが授けた策を。 ルイズは皆の後ろで、食い入るように祈祷書のページをめくり読み続ける。 策を聞き終えた室内の人々は、今度は驚愕と憤怒を露わにした。 「まさか・・・そのような策に乗れとおっしゃるか!?」 「猊下に、我らに忠義を!名誉を捨てろと言われるのか!?」 「よもや乱心なされたか!命惜しさに貴族の誇りを捨てようとは!そもそも、そのような 暴挙を陛下がお認めになるものか!」 枢機卿は、何も言わず話を聞き続けている。だがギンヌメールはじめ騎士達が公爵に詰 め寄る。公爵の背後ではヤン達が何も言わず控えている。 公爵はなおもマザリーニへの説得を続ける。 「枢機卿よ、もはやトリステイン一国の問題ではなくなったのだ!ハルケギニア全ての平 和がかかっているのだ! 私心をもたず、鳥の骨と呼ばれてなおトリステインに尽くしたお主の無念は分かる。だ が国を憂い民を想う気持ちが未だにあるならば、わしと共に来てくれ!例え売国奴だ裏切 り者だと呼ばれようと、我らは民草を守らねばならん!トリステイン全ての貴族の力を束 ねばならんのだ! 頼む、立ち上がってくれ!わしらと共に皆を、なにより陛下を説得してくれ!」 マザリーニは、何も答えない。 だが、ゆっくりと顔を上げた。落ちくぼんだ目が公爵の目を見つめ返す。 乾ききった唇がゆっくりと開く。 「・・・マリアンヌ様を、守れるか?」 公爵もゆっくりと口を開く。 「・・・我ら次第。少なくとも、不名誉な死を免れる可能性はある」 この言葉にマザリーニは強く頷いた。 小姓を呼び寄せ、手を借りてベッドから足を降ろす。 その姿にギンヌメールが慌てて駆け寄った。 「およし下さい!このような策に乗るなど、始祖への信仰も王家の権威も投げ捨てるよう なものです!トリステイン王家への忠誠を忘れたのですか!?」 だが枢機卿は震える手で部下を制した。 「王家の権威は、アンリエッタ姫によって地に堕とされた。 始祖への信仰は、レコン・キスタが戦乱を起こす大義名分として穢された。 だが、私はマリアンヌ様への忠誠を忘れてはおらん。なんとしても、マリアンヌ様のお 命だけは救わねばならん。そしてこの国を、民を想えば私一人の命や名誉など、捨てるべ きなのだ。 軍事同盟のためアンリエッタ姫に政略結婚を勧め、そして失敗した私が、己の命や名誉 を惜しむわけにはいかんのだ」 事実上の宰相たる男は小姓に羊皮紙を持ってこさせ、震える手で数枚の手紙を書き上げ る。そして厳重に封をする。 ギンヌメールへ手招きをして間近に呼び寄せた。 「お主の言いたい事も分かる。だがいずれにせよ、アルビオンの侵攻は食い止めねばなら ん。そこに異論はあるまい」 竜騎兵を束ねる伯爵は悲痛な顔で、それでもどうにか頷く。 「ならば風竜にて急ぎ手紙を届けよ。もはや一刻の猶予もない。ゲルマニア大使が艦隊と 共にラ・ロシェールにいるのは、せめてもの幸運だった。 竜騎士隊全てを臨戦態勢にて集結させよ。魔法衛士隊は、まだ城に来ていない貴族を全 て呼び寄せるのだ。城のホールに集めよ。 陛下は私が説得する。恐らくは、陛下は分かって下さる。先王に先立たれて以来、喪に 服し続け戴冠の事実も拒んだマリアンヌ様なら、な」 幾つもの命令を下しながら、その手は休まず命令書や親書を書き記し続ける。竜騎士隊 員達は封をされた紙の束を抱え、部屋を飛び出していった。 その様を見る公爵は、枢機卿の前に片膝をついた。 「すまぬ、マザリーニ殿…感謝する」 だがマザリーニは感傷に浸ろうとはしない。全ての手紙を書き終えると、侍女や小姓の 手を借りて弱々しく立ち上がった。 「礼はまだ早い。我らが共に生き延びる事が出来た後、改めて私がお主に礼を言わせてく れ」 痩せ細った足での歩みは覚束無い。それでも枢機卿はお付きの者に支えられて扉へと向 かった。 部屋を出ようとする時、ふと公爵の後ろに控えていたヤンと目があった。 「お主、ヤン…もしや、これはお前の考えた策か?」 「私の策だ!他の者は関わりない。全ての責は私が負う」 ヤンが口を開くより早く公爵が叫ぶ。 その言葉に枢機卿とヤンが交える視線に些かの困惑が混じった。 「ふむ、そうだな。では、私は陛下を説得してくるとしよう。お主達は他の貴族達を」 「承知した。陛下も後ほど城のホールへお連れ下され」 トリステインの実質的宰相は、その役目を果たすべくマリアンヌの下へ向かった。 そして公爵達も、既に多くの貴族でごった返しているであろうホールへと駆け出した。 走っている間、ルイズがヤンの服の裾を引っ張った。 「見つけたわ。多分、これは使えると思う」 そう言ってルイズは祈祷書のページを示す。 走りながらルイズは皆へ説明した。 公爵達が城のホールに駆けつけた時、既に怒号と悲鳴が飛び交っていた。 決して自暴自棄になった人々が杖や剣を抜いたわけではない。だが、そうなるのも時間 の問題かのように思えた。 ホールを見下ろす階段の踊り場には公爵夫人がいる。彼女はヤンの策を皆に説明したの だ。ゆえに人々は激昂し、絶望し、呆れ果てた。伝説のメイジが乱心したかとすら思えて いた。 踊り場でパニック寸前の貴族達を見下ろすカリンに、エレオノールが詰め寄っている。 「母さま…正気、なのですか?」 母は毅然とした態度で娘に答えた。 「正気です。もはやゲルマニアに対しては、この手しかありません」 何の躊躇いもない言葉にエレオノールは絶句してしまう。 言葉を失った娘へ、そして怒号と罵声で渦巻くホールへ向けて、公爵夫人は再び語りか ける。だがその声調は、どちらかというと叱責に近いと思える厳しさだった。 「帝政ゲルマニア皇帝アルブレヒト三世への禅譲! 皆、心せよ!これ以外にアルブレヒト三世の怒りを収め、ゲルマニアの侵攻を食い止め る手はないと知れっ!! われらは今すぐにでもゲルマニアとの軍事同盟が必要なのだっ!」 だが、ホールは更に混乱を増す。杖を引き抜き公爵夫人へ突きつけんばかりの様相だ。 カリンとて、この策の困難さは理解していた。理解した上で実行のために全力を尽くすと 言った。それでも目前の騒乱寸前なホールを見ると、改めて現状がいかに絶望的な危地あ るか思い知らされてしまう。 知らぬ間に唇の間から歯ぎしりの音が漏れていた。 前ページ次ページゼロな提督
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/726.html
2月3日は節分の日だ。 恵方巻を恵方に向かって願いを込めながら無言で食べると 今年一年幸せに暮らせるという。 今年の恵方は南々東だ。 「…………(もぐもぐ)」 「…………(もぐもぐもぐ)」 「…………(もぐ…もぐ…)」 というわけで鎮守府でもみんなで恵方巻を食べていた。 今日は礼号作戦開始の一週間前でもある。 だからみんなも礼号作戦成功を願って食べているだろう。 「…………(ごくん)」 鹿島が一番先に食べ終えた事を横目で確認した。続けて俺も食べ終わった。 そして他の艦娘達も次々と食べ終わり、 ビスマルクとリットリオが食べ終わったのを確認した後に俺は口を開いた。 「はあぁ……」 正直鼻だけでの呼吸はきつかった。 しかし口を開けば声を出してしまうと思い、 みんなに気を遣い口を開けないでいた。 「みなさん、お疲れ様」 「ふぅー……セッツブーン……日本には変わった…はぁ……風習があるのね…ふぅ……」 「パスタなら…はぁ…同じ太さでも…はぁ…苦しくはなかったでしょうけど……」 海外艦娘の二人にはこんな事は初めてだったのか、他の艦娘よりも息をついていた。 「それにしても鹿島ったら、あんな太いものを食べたのにすごく涼しい顔をしているわね」 「あっ、もしかして司令官の太巻きをいつも食べて……」 「如月ちゃん!」 如月の際どい言葉に鹿島は恥ずかしそうに反応した。 「あら~?どうしてそんなに反応しちゃうのかしら?まさか…」 「如月ちゃん……豆まきの鬼役はあなたにやってもらうわ」 「鹿島さん、ひょっとして…」 「きさらぎ星人という、鬼に似た宇宙人がいますから、 同じ名前の如月ちゃんにちょうどいいと思いました」 「……は~い……」 わからない人にはさっぱりわからない事を言われながら、 わかる人ですらわからないような理屈だったが、 如月は鹿島の言葉の裏に秘められた怒りを感じ取ってか渋々受け入れ、 他の艦娘もただならぬものを感じたのか深く詮索はしなかった。 「…ところで司令官さん…少し顔色が悪いですよ……疲れてるんですか?」 ただならぬ空気を変えたのは電の一言だった。 「どうしたんだ急に…」 「一週間前と比べて少し…」 「え………んー…確かに言われてみると……」 「やっぱり鹿島さんが原因なのかしら……」 鹿島が原因……案外そうかもしれない。俺は少しまどろみながら今までの事を思い返していた…… ――――話は一週間前に遡る。 「提督さん、お疲れ様。はい、珈琲です」 「ありがとう鹿島」 全ての仕事を終えた俺を秘書艦の鹿島が労ってくれた。 彼女は俺のパートナーとしてよく頑張ってくれている。 「ん………今日の味は少し濃いな……」 いつもは仕事終わりの珈琲は就寝の事を考えて薄めである。 もし俺がロボットだったら難癖つけていただろう。 「今日は…その…」 「大淀遠征艦隊、ただ今戻りました」 何か言おうとしていた鹿島を遮るかのように遠征艦隊旗艦の大淀の報告が聞こえた。 弥生や漣、電も一緒だった。 「あっ、大淀さんに弥生ちゃん、漣ちゃんに電ちゃん、お疲れ様です」 「提督、本日の遠征の成果です」 「ふむ…………ご苦労だったな」 俺は大淀の報告書を読んだ。この鎮守府の最重要人物の一人であると同時に 軽巡洋艦娘である彼女は駆逐艦娘と共に遠征においてもその力を発揮していた。 「提督、業務にもだいぶ慣れてきたみたいですね。 少し前は報告書を読むのに時間がかかっていましたし」 「ああ。明日から一週間、大淀と鹿島が遠洋練習航海に出かけるからな。 24時間ごとに帰ってくるとはいえ、鎮守府の業務をする余裕はない。 大淀に至っては二週間後の礼号作戦に参加する事が決まっている以上 約一ヶ月はこの鎮守府の業務に携われまい。 そう考えたら俺だって他の艦娘や職員のサポートを受けて 鎮守府の業務をちゃんとできるようになるさ……」 そうは言ったがやはり不安はあった。 俺は提督としての経験が浅い。なんせ着任してまだ一ヶ月しか経っていない。 普通なら新任提督は新しい泊地など規模の小さな所や 内地にある練習用の施設等で経験を積んでいくものだが、 俺の場合は新任の身でありながら規模の大きな鎮守府を任されていた。 本来なら国外に新しく出来た泊地につい最近佐官に昇進した俺が行く事が内定していたが、 そこが突如として強力な深海棲艦の脅威にさらされてしまった為、 急遽この鎮守府で指揮をしていた前提督が赴く事となり、 残った士官達の中で俺が一番階級が高かった為に 佐官となったばかりでありながら鎮守府の最高司令官となったのだった。 幸いにも今のこの鎮守府の仕事は戦闘ではなく警備や護衛が主である為、 大淀の存在もあって鎮守府の機能に不具合が出る事はなかったが、 引き換えに大淀が艦娘としての使命を全うできていないのであった。 「……提督、焦ってはいけませんよ」 大淀は俺の心中を見透かしているかのようだった。 「だが私が早く業務を覚えなければ大淀達の戦力を眠らせてしまう事になってしまう」 「でも焦っても中々上手くいきませんよ。 焦りが取り返しのつかない事態を起こしてしまうでしょうし」 「そう……でも大丈夫…焦らずゆっくりで…弥生たちは急かさないよ…」 「だが悠長にしていたらいつまでも覚わらない気がして…」 「あーんもう、思い詰めてばかりいたらぶっ飛ばしますよ」 「すまない」 「提督は蠍座によく見られる思い込みの激しい所があるから 心配ごとばかりしないでください。私たちにも悪影響がでちゃいますよ」 漣は曙ほどではないが口が少し悪い… というかどっちかというとずげずげとものを言う。 ご主人と呼んでいたなら流せるが、ちゃんと弁えてか そういった事は独身男性提督に対してしか言わない。 提督と言われている分、提督としての俺が咎められているように感じられた。 だけどここでへこたれていたらまた責められて悪循環になりかねない。 ここは何としても踏ん張らないと…… 「でも良い方に思っているときはとことん良いから…… 鹿島さん、司令官が暗くならないようにお願いします…」 「ちゃんと毎日司令官さんと顔を合わせてあげてくださいね」 「ええ。お姉ちゃんに、任せなさーい!」 鹿島が自信満々でガッツポーズをしながら弥生と電にこたえた。 ちなみにこれはとあるアニメキャラのモノマネで、 新年会の時に余興で行ったモノマネ大会で審査員の夕張や秋雲が満点を出したものだ。 気をよくしたのかそれ以来幼い駆逐艦娘達に対して物事を引き受ける時によく言っている。 ちなみに鹿島自身実際に姉という存在である。 鎮守府だと香取の『妹』という事で忘れがちだけど、 もし香取型三番艦香椎の艦娘が現れたなら 鹿島にもお姉ちゃん的なイメージを持たれるようになるだろう。 「たしか遠洋練習航海は編成が鹿島を旗艦に 大淀、足柄、霞、清霜、朝霜の艦隊で 明日1月28日午前7時から2月3日までに計6回。 かかる時間は一回につき約24時間。 航海帰還後鎮守府にて約1時間半の休憩を経て再び航海……」 「鹿島さん、司令官さんとのんびりと会っていられる時間がほとんどありませんね」 「一週間大淀さんと鹿島さんと足柄さんと霞がいない以上、私たちががんばらないとね」 「厳しいけどやるしかないな。だが一週間を乗り切れば楽しい節分だ」 「ええ、楽しみですね」 「小さな艦娘達のためにこういった行事を行ってあげることも大切… 提督さんも、前の提督が心掛けていたことを引き継いでくれたようですね」 「そういうのは俺は好きだからな」 本当はもし駄目だったら礼号作戦の成功を祈願しての行事という名目で行うつもりだった。 まあ礼号作戦の成功もちゃんと祈願するけどさ。 「確かにこういったことを行うのは大切なことだと思います。 駆逐艦娘に限らず、他の艦娘みんなのためにも。 でも……アニメ映画のTV放送観賞にまで付き合わせるなんて普通はしませんよ」 「そりゃあそんな事言う提督は世界ひろしといえども俺くらいなものだろう。 だけど別に強制はしてないぞ。あくまでも一緒に見ないかって誘っただけだ」 「特に予定もないのに提督の誘いを断ったら後で何されるか…」 「そんなくらいで癇癪起こすような人間に思われていたのはちょっとショックだなあ……」 誰も一緒に見ないんなら一人で見るって。 さすがに俺一人の都合に艦隊を巻き込むわけにはいかないからな。 「あー…冗談ですよ、冗談。さすがにそんなことで怒るような 大人げない人とは思ってませんよ」 「どちらにしても、司令官さんの意外な一面も見られてよかったと思っています」 「意外な一面?」 「『見ろ、人がゴミのようだ!』とか、 『3分間待ってやる』とか、『目が…目がぁぁあ…!』とか、 すっごくノリノリでTV画面の大佐とハモっていましたよ」 「エンディングテーマだって歌詞を見ずに完璧に歌えていましたもの。 フタサンフタサンに突如着物を脱いだ天城さんもびっくりしていたくらいです」 「司令官の顔…とても楽しそうで…イキイキとしていて…羨ましかった……」 意外って程でもないと思うが、 そういや俺はあまり人前ではしゃいだりする事ってなかったな。 そもそも食事以外のプライベートな時間を艦娘達と過ごす事もなかったし。 「余程機嫌がよかったのか、翌日からしばらくは 私の手助けも必要ないくらい仕事が捗っていましたね」 「提督さんったら、相変わらず現金過ぎですね、うふふっ」 「笑うなって…」 「でも悩んだりして暗くなっているよりは明るくしている方がいいですよ。 あなたが暗いと、私や他のみんなも暗くなっちゃいますよ」 「それに司令官さんが楽しそうにしている姿を見ると 日本や、世界のみんなも楽しそうにしているんだろうなって思います」 「それが私達艦娘の頑張りのおかげだと思えば、私たちはもっとがんばれます」 「人々が笑顔でいられるのなら、私たちも笑顔でいられると思うから……」 「そうだな……守ってきた人々が幸せでなくちゃ張り合いないからな」 「あ、いけない。話し込んじゃいました。明日も早いのに…」 「大淀さんと鹿島さん、司令官さんはもうお休みになってください」 「任せていいのか?」 「残りの仕事なら、私たちだって!」 「…わかった。電、弥生、漣。後は君達に任せる」 「了解。それじゃ、おやすみなさい」 「おやすみ」 明日が早い俺と鹿島と大淀は、電達に後を任せて休む事にした。 「節分まであと一週間ですね」 「恵方巻も豆も既に手配しておいたし、 出撃や遠征の予定も節分の夜には何もないようにしておいた。 後は一週間頑張るだけだ。鹿島も遠洋練習航海頑張ってくれ」 「わかりました」 鹿島が元気よく答えた。彼女は俺の提督業を支えてくれる秘書艦だが、 俺の人生を一生に歩んでくれる伴侶でもあった。 「だけど一週間ほとんど会えないのは寂しいな」 「仕方ないさ。礼号作戦を失敗するわけにはいかない。 香取がいない今練習巡洋艦は君だけなんだ」 「私の力が必要ならそりゃあ頑張りますよ。 でも……遠洋練習航海に行く前に夜戦しましょ」 「そうだな」 夜戦……今この状況でこの言葉を使う理由は察しの通り男女の営みという意味である。 寝ようとしていた俺達だったが、夜戦をするとなり服を脱ぎはじめた。 「さて、始め………どうした?」 彼女は全て脱いだ後、正座をしていた。 「ふふ…今日は私の口を…ずぼずぼ…って、してもいいんですよ…」 「つまりそれは俺が君の頭を掴んで突き入れて腰を振ると…」 「……」 彼女は少し恥ずかしそうに無言で頷いた。 要するにイラマチオをしてもいい、と言っているわけだ。 だけど俺はそういうのには乗り気ではない。 やったら気持ち良さそうと思う反面、 やられる方にとっては苦しいだけなんじゃないかと思ったからだ。 そもそもおしっこが出る所から出てくる液体を飲ませるのがとても抵抗があった。 「来週は節分で恵方巻を食べますから、 恵方巻を食べる練習も兼ねて普段はやらないプレイをしてみようと思いました」 ……ナニを言っているんだろう? 『こいつ何言ってんだ?』的な台詞が得意な俺ですらそう思った。 …もしかして俺に影響されたのか…? 「こういう時しかする機会もないでしょうし。さあ、どうぞ」 彼女の顔付きは少し期待と不安の交じった感じだった。 こっちがしたいって言ったわけじゃなくて、 むしろあまりやりたくないというのに……… ええい儘よ! 「…じゃあ行くぞ…」 「……」 彼女は頷き、息を吸い込んだ。 俺は硬くなっていたちんちんの鈴口を彼女の唇にキスさせた。 彼女が少し口を開けた瞬間、俺は彼女の口の中にちんちんを根元まで突き入れた。 「!?」 彼女は一瞬驚いたが、声は出さなかった。 どうやら本当に恵方巻を食べる練習も兼ねているようだ。 ジュボジュボジュボジュボ! 俺は彼女の頭を掴んで腰を激しく前後させた。 下手に気遣えば長引いてしまう。あえて全力でいった。 まあ気持ち良すぎて結局加減なんてしようと思わなくなってしまったが… そろそろ射精しそうな感覚になってきた。ここでラストスパート… 「んんっ!」 彼女が声を出して俺の下半身を叩いた。 その痛みで思わず手を離してしまい、 彼女が俺のちんちんを咥えていた頭を離した瞬間 「はぁー…はぁー……」 びゅるん 粘り気のある少し黄ばんだ白濁の温かな液体が彼女の顔にかかった。 さっき微かに声を出した時にちんちんに強い締め付けを感じ、 それが射精のきっかけとなってしまった。 俺はとっさに亀頭を掴みながら抑えた。 射精は自分の意思では完全にコントロールする事が出来ないからだ。 623 :応用で練習になるもの―立春編―:2016/02/03(水) 17 46 01 ID s6n996tI びゅるん、びゅるん…… 精液は俺の手の中に激しくぶつかりながら吐き出されていた。 生暖かなぬるぬるした感触が手の中で広がる。 俺は念の為にもう片方の手を下に受けたが、 危惧した通り片方の手では受け切れずに僅かに零れてしまった。 「はぁ…はぁ…」 射精が終わって俺は息をついた。先程顔射された彼女は俺を見ていた。 射精が終わった事に気付いた彼女は 「あ、ティッシュ!」 と言いながらティッシュを何枚か持ってきて俺に手渡した。 「すまない…」 俺は受けた方の手の指で受け取り、受けた手に零れたものを拭き、 それからもう片方の手についた精液を拭き取った。 「うわぁ……こんなに……」 彼女は顔を自分の分のティッシュで拭きながら驚いていた。 今まで膣内や口内で射精されてはいたが、 いずれも何回か射精したものだったりそのまま飲み込んだりしていた為、 一回の射精で出る量を見たのはこれが初めてだろう。 「あ…さっきはごめんなさい。息が出来なくて思わず…」 彼女がさっきああしたのは息苦しかったからか。 多分、俺がよかれと思ってやった事が逆にアダになって 鼻で息をつくタイミングを作らせなかったのだろう。 考え過ぎたり、逆に考えなさ過ぎたりするのは俺の癖だが、 この場合はもう少し考えていたらよかったかもしれない…… 「とりあえず明日は早いですから、次は明後日にしましょう」 「明後日?」 「嫌ですか?んもう……どれだけしたいんですか……」 彼女がまんざらでもない感を出しながらも困り顔で言った。 いや、そういう意味ではなくてな…… 「明日は準備に小忙しいですから無理ですよ」 「明後日ってどういう意味だ?」 「明後日?ええ、遠洋練習航海から帰ってきた休憩時間に一回しようと思って」 彼女はこんな事をまたするつもりらしい。 「それこそ小忙しいんじゃないのか」 「大丈夫です。艦娘の休憩時間ですから十分にあります。 艤装のメンテナンスは明石さん達が完璧にしてくれますし」 「そうか………」 練習熱心なのか、彼女もそういうのが好きなのか…… それから一週間遠洋練習航海の合間の時間に俺達はこのような『練習』をした。 ロールケーキでやった方がいいんじゃないかと思ったのは節分の当日の事だった―――― 「……さん……提督さん!」 「っ…何だ?」 一週間の事を思い返していた俺の心を鹿島の声が呼び戻した。 「大丈夫ですか?聞いていないようでしたけど…寝てました?」 「うー……どうやら少し寝ていたようだ」 「本当に大丈夫なの?疲れていない? 私たちがいないあいだ大丈夫でしょうね?」 「本当に大丈夫だって」 鹿島に原因の一端があるかもしれないとは言えなかった。 俺は誤魔化すように話題を変えた。 「心配なら早く豆まきをやろう。邪気払いすりゃ何とかなる」 「あんたねえ、もうちょっと自分の体を労りなさいよ」 「明日も早いのに俺一人の都合で中止にするわけにいかんだろう」 「だったら休めばいいじゃないか」 「確かに早く切り上げるべきだろうが、節分で豆まきをしないわけにはいかないだろう」 「どうして自分がいなければ成り立たないという前提なんですか」 確かにそうだ。体がえらいなら休めばいい。俺抜きだって成り立つ事だ。 礼号作戦参加組ならともかく俺は最重要というわけでもない。 だがいざとなれば鹿島に全てを委ねればいいという考えもあった。 「はぁ……提督は一度言い出したら聞かないところもあるし、 下手に休ませたら豆まきできなかったことに逆に落ち込みそうよ…」 「すまないな」 「もし提督さんに何かがあったら、私がフォローしますから」 「ふふ……よし、豆まきを始める前にもう少し鬼役を決めよう。 さすがに如月一人には押し付けられない」 「そうですね。でもどうやって決めますか?」 「鬼は……まず金剛だろ。で、夜叉と呼ばれた比叡、 羅刹と呼ばれた霧島、 阿修羅と呼ばれた夕立、 ついでに不知火……こんなところか」 「なぜ不知火が鬼役に…何か落ち度でも?」 「この人選は俺か昔プレイしたゲームの敵キャラの…」 「ああそうですかわかりました」 不知火は俺の意図を完全に理解してないだろうとはいえ、 大まかにではあるだろうが呆れながら理解したようだ。 「私が鬼だなんて…」 「阿修羅だからと全裸、もしくは青いタイツでマフラーを羽衣みたいにさせながら 薔薇を咥えさせられたり持たされたりするよりはマシでしょう」 「まあ……そりゃそうだけど……提督、あなたも鬼をやってよ」 「わかった」 「本当?」 俺は夕立に即答した。正直鬼役が俺一人の可能性も高かった為、備えてはいた。 「じゃあセッツブーンを始めましょう。それーっ!」 「うおおっ、いきなりかよ!?」 豆まきを節分と呼ぶのはこの際仕方ない。 だが鬼を決めている時に既に豆をスタンバイしていたのか、 こちらの準備も出来ていないのに投げつけてきた。 「いやだぁ、髪が傷んじゃう……」 「これが……セッツブーン……楽しい……」 「楽しいのは投げてる方だけでしょ…痛っ!」 「えいっ、えいっ!」 「痛い痛い!もう許しませーん!リベンジするヨー!」 「ちょっとぉ!?鬼が投げ返すなんて!?」 「お姉様に続きます!」 金剛が豆を投げ返し、比叡達も続いた。 落ちた豆だけを集めて投げるあたり弁えているみたいだ。 パラッ、パラッ! 大淀達が投げてきた豆だけではなく、投げ返した金剛の豆も俺に当たった。 「おい、金剛!?やめろ!俺も…」 「バーニングゥ…セッツブゥゥン、ラァァァヴ!」 ……ひょっとして鬼に選ばれた事、怒ってる? 俺も巻き添えにしているあたりそうなんだろうな…… 運悪く豆まき役と鬼役達の真ん中にいた俺は 両者から豆の集中砲火を受け続けたのだった………… 「あいつら…やたらめったら投げやがって……」 豆だからダメージは少ないと思ったが、 さすがに全力で四方八方から投げられまくれば馬鹿に出来ない。 「変な決め方するからですよ。じゃんけんで決めたならまだよかったんでしょうけど…」 「まあ前もって決めておくべきだったな。 最初はじゃんけんで決めようと思ったけど、 途中で気が変わってああ決めてしまったよ。 そんなテキトーなやり方じゃこんな目にあっても仕方ないな…」 「まだ痛みますか?」 「まあそんなに酷くはないけど、さっき少し寝てしまったのもあって 今日は眠れないだろうな」 「んー、じゃああなたがぶつけられたように、 私のナカにたくさんぶつけていいですよ」 そう言いながら彼女は南々東を向きながらテーブルに腰掛け、 パンツの股の部分をずらし、指で秘部を開いた。 どうやら受け入れ態勢ばっちりで夜戦準備OKみたいだ。 「…だったらその言葉に甘えさせてもらうよ」 「ふふっ」 俺は立ち上がり、彼女が指で開いたところに『恵方巻』を当て、一気に食させた。 じゅるっ 彼女は『恵方巻』を全て咥えこんだ。だがこの『恵方巻』はここからが本番だ。 じゅぶっ、じゅぶっ! 俺は激しく腰を動かした。今日は『練習』はやっていない。 だから早々に終わらせられるはず!今回は俺の考えは間違いないはずだ。 「…………」 「…………」 互いに無言でいた。恵方巻を食べる時は無言でなければいけない。 だから食べさせている俺が無言でいる必要はないが、対抗心か、つい釣られてか…… だが体を動かす事に集中できたからか、すぐに出そうになった。 俺は持てる力の全てを振り絞って腰を打ちつけた。 びゅるーっ、びゅるーっ 俺の『恵方巻』から粘り気のある液体が飛び出した。 『恵方巻』を本来食す部分に入れていたからか、 『練習』の時以上に気持ちよく解き放たれた気がした。 ズルッ…… 俺は『恵方巻』を引き抜いた。それはもう太巻きではなかった。 「ふぅ…………」 「はぁ~……はぁ……」 行為が完全に終わったあと二人とも大きく息をついていた。 「うふふっ、どれだけしたかったんですか? 私のナカですごく強く叩きつけられる感じがしました。 でも『恵方巻』……ちゃんと喋らずに食べきりましたよ…… これで今年一年、無事でいられますね…」 俺は縁起を担ぐタイプだが、 こういう事していてバチは当たらないかとかほとんど思った事はない。 日本人は祭りに関しては割と節操がないから こういう事も大人の世界では普通だろう、きっと。 そもそもこういう事は子孫繁栄に必要な事そのものと考えたら むしろバチは当たらないかもしれない。 「ふわぁ~……私、なんだか眠くなっちゃいました……」 「ん……君はこの一週間遠洋練習航海で随分働いた。 疲れがたまっていても不思議ではないさ」 「でもあなたより先に寝てしまうのは…」 「俺は今日は起きてるよ」 「えぇ…」 「どうせ寝ようとしても眠れそうにない。明日の朝から午前中は俺が一人でやるよ。 君は長い練習航海の疲れをゆっくりと取って、午後から頑張ってくれ、鹿島」 「でも…」 「大丈夫だ。この一週間他の艦娘達もしっかりと成長した。 私がいなくても君をサポートしてくれるはずだ」 「そうですか…安心しまし…………」 言葉を言い終わらないうちに彼女は眠りについた。 俺は彼女の体を拭いてベッドに運んだ後、 提督服に着替えて珈琲を飲んでから仕事を始めた。 とはいっても基本的にこの時間にはもうほとんど仕事はなく、 突発的なものでもない限り午前五時にするべき仕事がいっぺんに出てくる。 この時間はとりあえず資料や情報を読み返した。 どうやら次の作戦で新たなる秋月型駆逐艦の艦娘が着任するらしい。 秋月型は俺の鎮守府所属ではない為、ここに来る事はないだろう。 だが秋月と照月が他所の鎮守府に共に所属している以上、 新たなる秋月型もそこに行く事は間違いないだろう。 さて……他にどんな艦娘が来るか。それは俺にはまだわからない。 練習巡洋艦鹿島の妹艦の香椎がはたしていつ現れるのかはわからない。 もしかしたら艦娘香椎が現れる事がない可能性もありうる。 だが進水する事のなかった橿原とは違い、進水し、竣工した香椎はいつか来るはずだ。 だがいつ来るかわからないものを待っているよりも 今、目の前にある問題に向き合うべきだ。 俺は新たなる艦娘との邂逅を楽しみにしながら、一週間後の礼号作戦成功の為に 明日の朝に大淀、足柄、霞、朝霜、清霜…… その五人を見送る準備に取り掛かった。 《終》 + 後書き 630 :名無しの紳士提督:2016/02/03(水) 17 55 37 ID s6n996tI 以上です。艦これ世界だと割と真面目に節分を作戦成功の為にやっているかもしれません まあ作戦の最中にバレンタインもあったりしますけど…… 何はともあれ節分を初めバレンタインとホワイトデー、間の雛祭りとイベント盛りだくさんで 色々と話を作りやすい季節です 多分次はバレンタインでしょう。はたして創作意欲が沸く新たなる艦娘が現れるか否か…… それではまた 631 :名無しの紳士提督:2016/02/03(水) 20 23 17 ID oh6oWbO. GJ! 男根を直接「恵方巻」と表現したセンスに脱帽の一作だった。 632 :名無しの紳士提督:2016/02/03(水) 22 19 22 ID Luh4XqJk サラダ巻きな恵方巻からマヨネーズが顔に これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/448.html
一目惚れした龍鳳ちゃんと結婚して暖かい家庭を築いて幸せになりたい、そんな想いも込めました でも色々詰め込みすぎてグダグダになっちゃったかも…… 注意としては 龍鳳の過去に独自設定あり イベントでコラボした蒼き鋼のアルペジオに関する話題も多少あり 文章がクドかったり、割と趣味に走った所もあり というか長い。エロくないのにとにかく長い といった所です。 NGは「君がいるから」で ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 「提督、今日のお昼もとろろ飯と納豆ごはんにうな重を少々ずつ、おかずににんにくを少々入れたカキフライです。さぁ、召し上がれ」 「これはいつもながらヘビーだな…ご飯は量が二口三口ずつとはいえな…」 「大丈夫です。デザートに料理漫画を見て試してみた反跳甲魚湯(バウンドスッポンスープ)があります」 少女はまだあどけなさの残る顔に自信満々に笑みを浮かべながら言った。 彼女の名は龍鳳。かつて日本に存在した空母龍鳳の力を扱える少女である。 かつては大鯨という潜水母艦の力を持っていた。 いや、今でも料理の上手さという形で持っているというか、それともそれは天性のものなのか。 とにかく彼女は料理がとても上手だった。いや、料理だけではなく掃除洗濯などありとあらゆる家事に精通していた。 パクパク…モグモグ…… 「ふう……やっぱり龍鳳の作る料理は美味しいな。いつもありがとう」 「ありがとうございます」 「今日は特にいい天気だし、こうやって屋上でランチというのも中々いいな」 「でしょう。誘ってよかったぁ…………でも、静かですね」 「そりゃあ、ほとんどの艦娘が今この鎮守府にいないからな。 単に外食に行ったとかそんなんだけじゃなくて、みんな世界中に散らばっているからな」 今艦娘達が鎮守府にいないのは時間の関係だけではない。 たしかに先程まで鎮守府にいた艦娘達は揃って外食に出かけていった。だがそれ以外の艦娘は世界中に散らばっていったのだ。 というのも少し前から深海棲艦による攻撃が大人しくなっていたのだ。 ちなみに数多くの提督や司令官達も予備役にまわったが、俺は上層部の要請により、正式に提督として任命された。 正式な提督となったことで仕事も増えたが、無職になるよりはどう考えてもマシだろう。 それに龍鳳が秘書艦として、いや俺専属の世話役としてついてくれた為に苦しい仕事も頑張れる。 「でも、今でも少しですけれど深海棲艦の脅威はあるのでしょう?いくらここが安全になったからってその内いつか…」 「ああ。だからみんな今の内に世界各国に協力を仰ぎに行ったんだ。新たなる戦いに備えてな。 他の国では艦娘という存在は確認されていない。 艦娘と深海棲艦との戦いが始まって一年近く経った頃にようやくドイツで三つの艦娘が確認されたくらいだ」 「今まで艦娘は日本が拠点でしたからね。世界各国の深海棲艦に対抗するために新たなる艦娘の存在は欠かせませんね」 「確かにな。だが今いる艦娘達も今のままではこれから激しくなるであろう戦いについていけるかわからない」 「戦艦レ級という存在がありますからね。だから兵器の新開発や強化も行われているのでしょう」 「ああ。けどな…脅威はそれだけじゃない。深海棲艦より遥かに強い霧の艦……はたして今の俺達でもまともに戦えるかどうか……」 「霧の…艦…………?」 「え…………ああ、そうか。龍鳳はあの時はまだここにいなかったんだな……」 「提督……私がいなかった時のこと、詳しく聞かせてもらえないでしょうか……霧の艦についても興味があります」 「……霧の艦はその強さでほとんどの者達が口にもしたくない程の恐怖を植え付けた。 君に聞かせていたずらに怯えさせてしまわないかどうか……」 「大丈夫です。だから聞かせてください」 【霧の艦】……それは龍鳳が大鯨としてここにくる半年前、世間がクリスマスムードに包まれていた中、突如現れた。 彼女達は艦娘と同じく、旧日本海軍の艦船の力を持った存在 (厳密には日本近海で主に大きな戦いがあった為に旧日本海軍の艦船しか明確に確認されず、 ドイツやイギリスなどではその国の艦船が現れるとの情報が未確認情報ではあるが存在する)である。 だが、生身の人間が科学的・霊的な力を込められた装備を扱う艦娘とは違い、 彼女達はかつての大戦で使われていた艦が何かしらの超科学的な力をもってパワーアップして現代に蘇った存在である。 彼女達、と先程から言っているが、霧の艦は原則的に重巡洋艦以上にメンタルモデルという、女性の姿を模した意識体が存在する。 何故女性の姿なのかというと、人類が艦船関係の公的な表記を残す場合、全て女性系の定冠詞を使用するからだとか。 おそらく我々が旧日本海軍の力を持った兵器を扱えるのが女性しかいないのもきっとそういった理由なのかもしれない。 とにかくそんな超科学的な存在は一般的な軍隊はもとより艦娘の手にすら余る存在であった。 もし霧の艦の協力者達の【蒼き鋼】や、霧の艦隊からの離反者がいなければ恐らく勝てなかっただろう。 霧の艦は攻撃力も高いが、それ以上に、彼女達の厄介さは耐久力にある。調査によると 『クラインフィールドは外部から加えられたエネルギーを別の次元に溜める。 ミサイルにせよ砲撃にせよ最終的にエネルギー、つまり熱になるので、 それを超科学的な手段で別の次元に逃している』 との発表があった。 エネルギーの許容量は一定らしいので攻撃を続ければいずれはダメージを与えられるようになるらしいが、正直そこまでダメージを与えるのは至難である。 実際俺以外の提督達は世界中の軍隊の協力もあってクラインフィールドをなんとか撃ち破り霧の艦を破壊したりもしたが、 そこに至るまでに多くの犠牲と消耗もあった。しかも撃破したのはせいぜい量産された軽巡洋艦くらいであり、 それも潜水部隊を囮にし、超重力砲という強力な兵器を使わせず潜水艦に攻撃を集中させたからであり、 重巡洋艦以上の存在は潜水艦には目もくれず(というよりもおそらく攻撃ができず)主力の海上艦隊を超重力砲で破壊し尽くした。 一方、俺達は蒼き鋼にナノマテリアルという物質で武器にちょっとした改造を施してもらえた為、艦娘達が霧の艦にどうにかダメージを与えられるようになったが、 彼女達がいなくなった今、ナノマテリアルも研究用に僅かに残されているだけである。 幸い霧の艦隊は蒼き鋼がいなくなると同時に現れなくなった。 年末年始の二週間という期間だけで、しかも旅客機が通らない一定の海域に深海棲艦と共に現れた為、世間にはあまり知られなかったみたいだ。 しかし霧の艦がまたいつか再び現れるかもしれないし、その時に蒼き鋼達が再び共に戦ってくれるのかわからない。 その上、俺達が撃退したコンゴウも別に総大将というわけではなく、もっと上の存在もいるらしい。 更に恐ろしいことに俺達が戦ってきた霧の艦も本来の性能ではなかったと聞いた。 だから俺達は霧の艦や、本来の敵である深海棲艦との戦いに備え、比較的平和な今こそ、開発と研究を進めていた。 「………私がここに来るまでにそんな壮絶な戦いがあったのですね……」 「ああ……資材だって底を尽きかけた程の激しい戦いだった。あの時は本当にギリギリだった。 協力してくれた霧の艦の伊401のイオナや重巡洋艦タカオ、高速戦艦ハルナ達に激戦の最中傷付いた体を治してやれなくて、 治せたのも戦いが終わってからだったことをすまなかったと思っている。 彼女達がいたからこそブルネイ勤務だった、当時就任一ヶ月の新米提督の俺が霧の艦隊を撃退し、 捕われていた伊401―コードネーム【しおい】―を救出することができて、 その時の采配ぶりとしおいを助け出した功績が認められて日本に帰って来れてその後正式に提督に任命されたわけだ。 繰り返すが彼女達には本当に感謝してもしきれないよ…… ……っと、すまない。つい俺だけが長々と話してしまって…」 「いえ、いいんです。提督は私の知らないことをいつもたくさん教えてくれますし、提督の苦労や過去も少しは知れて嬉しいです」 赤い瞳を爛々と輝かせる龍鳳。過去か……そういえば俺は龍鳳の過去はほとんど知らないな。 他の艦娘達の過去も詳しくは知らないながらも漠然とは知っているのに、 龍鳳とは最近ずっと一緒なのに彼女の過去を知らない。まあ無理に詮索する理由もないけどさ。 「それにしてもそんなに恐ろしい敵がいたなんて……私ももっと強くならなきゃ…… 今のままじゃ、低速の私が文字通りみんなの足を引っ張ってしまいます……」 空母龍鳳は様々なトラブルによって本来想定されていた速度を出せなかった。それが艦娘龍鳳にも再現されている。 だが艦娘は実際の艦船とは違い、本来計画されていたものの実際は行われなかった強化プランが実行された例もある。 重雷装巡洋艦となった木曽、航空戦艦となった扶桑・山城という例がある。 だから龍鳳も改二が来れば本来想定されていた速度を持った高速艦になると信じたい。 このままでは書類上瑞鳳型として分類された瑞鳳、祥鳳、千歳、千代田とは違って一人だけ低速なままで可哀相な気もするからだ。 だが千歳と千代田が史実通り水上機母艦から始まった千歳型の高速艦船であり 瑞鳳と祥鳳が最初から祥鳳型の高速な空母だったことを考えたら わざわざ大鯨型・龍鳳型と分けられた彼女が高速空母となることもなさそうかもしれない…… カツ…カツ…… 「ん……もう全部食べきってしまったか……知らない内に食べてしまったんだな。 まあそれだけ自然に箸が進むくらい龍鳳の手料理は美味しいってわけだ。 もし将来結婚したらきっとその家族はきっと幸せだろうな」 「あ……ありがとう、ございます…………」 顔を紅く染めて照れる龍鳳。これがまたとってもかわいいんだよな。龍鳳のこんな顔が見たいから俺は頑張れるんだ。 まあそんなこんなで楽しくランチタイムを終えた俺達は、午後の仕事に取り掛かりはじめた。 「ふぅ~、今日も一日頑張ったなぁ~」 一仕事終えた俺は誰に言うでもなくそんなことを口にしながら風呂場に向かった。 仕事の疲れは風呂に入って落とすに限る。俺は脱衣所で服を脱ぎ、浴室に入った。 「提督…お背中流しましょうか?」 「いや、別に…………!?」 自然に流しそうになったが、浴室では龍鳳がスタンバっていた。その顔は少し赤かった。 完全に無防備だった俺は前を全く隠していなかった。すぐに隠したがまず間違いなく見られていただろう。 別に見られるくらいなら構わない。小さくて包茎ではあるがそんなことはあまり気にしていない。 だが嫁入り前の無垢な少女に見せていいものではない。 「なんでいるんだよ…」 「提督がお疲れのようですので、私がお背中を流したりして、スッキリさせてあげようと思って…」 胸を強調するような姿でスッキリとか言われたら邪なことを考えてしまう。俺は理性を振り絞ってお断りをした。 「そんな…提督の役に立ちたいと思って…」 「龍鳳だって秘書艦としての仕事の他に家事等もたくさんあって疲れているはずだ。俺のことは気にしないでいいさ」 「……心配をかけてごめんなさい……では…………」 よかれと思って準備して待っていたであろう龍鳳は少し悲しそうな顔をして浴室から出ていった。 龍鳳は低速の艦娘であるが、彼女が低速なのはあくまでも戦いの中での話であり、 日常での彼女はむしろ細やかな気遣いが出来ていて、むしろ速いくらいである。 あまりにも行動が細やかな為に必要以上に疲れさせてしまわないか心配になったりもしている。 俺は龍鳳に頼りすぎないよう、自分で出来ることは自分でやるということを改めて心掛けた。 俺は珍しく長風呂をした。無精髭を剃ったり、鼻毛を切ったり、鼻パックしたり、歯を磨いたり、全身をボディソープで洗ったり…… 色々とやっている内に日付が変わっていた。いくら風呂に入った時間が遅かったとはいえこれはマズい。 明日も仕事がある為、早く寝ようと俺は寝室に向かった。 その途中、艦娘候補生の大淀に会った。彼女は色々なお知らせをしてくれる存在である。 「あ…提督……これを…」 「これは……」 大淀が息も絶え絶えに俺に一枚の紙を見せた。 《明後日鎮守府解体につき全員退去を願う。身寄りのない者は住宅用意》 「すいません…急に決まった事なので……」 「確かに文字が殴り書きに近いな」 「これ書いたの昨日ですからね…もう少し詳しく言いますけど、この鎮守府を解体する理由は新たなる戦いに備えて更に頑強な鎮守府を建設する為です。 それと、近隣の住人達が避難できるようなシェルターも兼ねる予定です。 あと、防衛強化の為にここに新築する予定の鎮守府と同じ機能を持った建物を日本各地に建設……」 昨日書いたということは解体開始は明日…………急いで荷物を纏めなきゃ! 俺は大淀の話を最後まで聞かず、急いでこのことを伝えに龍鳳の寝室に走った。 寝室には龍鳳の姿はなかった。トイレか何かかなと一瞬思ったが、先程の風呂場での行動を考えたらもしかしたら……そう思った俺は自分の寝室に向かった。 そして寝室では予想通り龍鳳……いや、一人の少女が一糸纏わぬ、正真正銘生まれたままの姿で俺を待っていた。 艦娘は基本的に装備を完全解除はしない。武器はどこかに置いたとしても着ているものを脱ぐことはほとんどない。 防具となる服は、武器とは違い特別な力はなさそうな感じではある。 だが武器と同じく、これもかつての艦船の力が秘められたものである。 力だけではなく、それに乗っていた乗組員達の想いも宿っている。 命に代えても、守るべきものを守ろうとした者達の熱い血潮と想いが宿った聖なる衣…… 彼女達が纏いし衣はただの衣などではない。艦娘がその聖なる衣を脱ぐ、それは艦娘ではなく、一人の少女となることを意味していた。 「その格好は…」 「背水の陣です。どうしてもあなたに振り向いてもらいたいのです。 あなたに振り向いてもらうには、こうして限界まで己をさらけ出す覚悟を… いえ、限界を超えてさらけ出すしかなかったんです! 今この時を…逃すわけにはいかないのです!」 彼女の悲壮な決意が、鈍感な俺にも伝わってくる。 今この時……ということは彼女もあの話を誰かから聞いたのだろうか。 「どうして…どうして俺なんかに……」 「私は……心から、あなたのことが大好きなんです!」 「…………」 「私は……私は物心がついた時から親がいなくて、舞鶴鎮守府の中将に見出だされてここへ連れられて来る前はあまり幸せではありませんでした。 別に、日々の食べるものに困っていたとか、そういうわけじゃありません。むしろ衣食住は恵まれているといえるほどでした。 ただ…私を引き取ってくれたお屋敷……そこで私は家事を一手に任され、いつも自分の時間なんて持てませんでした。 仕事は苦しくはなかったし、他の事をやらされる事もありませんでした…… でも、誰も私が仕事をすることを当たり前の事だと思い、 必要としてくれてはいても感謝してくれる人は誰もいませんでした。 誰にも感謝されず、ただ機械のように家事をするだけでしかなかった私の心は少しずつ閉ざされていきました。 ある時、お屋敷を訪れた中将に料理の腕を認められて、ここに来るに至ったわけです」 彼女が鎮守府に来るほんの少し前、それまでこの鎮守府の台所を一手に引き受けていた鳳翔が産休を取った。 その時は戦力的な痛手は少なかったものの、食事の質の低下にあえぐことになるのは火を見るより明らかだった。 そして鳳翔の穴埋めとして彼女が中将に連れられてこの鎮守府にやって来た。 『不束者ですが、よろしくお願い致します』 その言葉と共に笑顔を見せていた彼女に俺は一目惚れをしていた。 垂れ目でおっとりとした雰囲気を醸し出す少女で、割烹着を来たその姿は新妻・幼妻ということばがとてもよく似合う。 だがその笑顔もどこかぎこちないものを感じた。心からのものではない、まるで他者からの悪意の干渉から己を守るかのような感じ…… 方向性は違うが、まるで時雨を思い出させるような、どこか儚い笑顔…… 「でも…この部隊に来て、私の暗かった心は明るくなれました。 私が作った料理を、いつもあなたや、艦娘のみんなが楽しみにしてくれて、褒めてくれる……こんなに嬉しいことはありませんでした。 それに、仕事浸けで女の子らしい趣味さえ持てなかった私に、みんなが色々教えてくれて…… 何も知らなかった私にとって、ここでの生活は毎日新鮮で、とてもとても楽しかったです……」 彼女がこれほどまでに苦労してきたとは驚きだった。ろくな苦労もしてこなくてのうのうと生きてきた自分が情けない。 でも俺も艦隊の司令官となって人の命を背負う重さから責任感が生まれ、しっかり成長出来たと思っている。 今なら彼女を迎え入れることだってできるかもしれない。 「だから…私……あなたとずっと一緒にいたいんです!大切な事を教えてくれた、あなたと……ずっと…………」 覚悟に満ちた彼女の眼差しは天地を揺るがす黄金の龍のようであり、その瞳の色は、天の蠍の心の臓、アンタレスの輝きの如く燃えていた。 好きな女性をここまで思い詰めさせて、本気にさせておいてその気持ちに応えなくて何が男だ!彼女にはもう、つらい思いなんてさせたくない! 「……ありがとな」 「……え……」 「本当は俺の方から伝えるべきだったんだ。君のことが大好きだって…… 最初に出会った時から君に惹かれていた。君と一緒に過ごしている内にもっと君に惹かれていった。 だけど…本当の気持ちを伝えて、もし関係が壊れてしったらと思ったら…何も言えなかった…… もし俺がちゃんと気持ちを伝えていれば君にこんなことさせなかったはず…… だから……今こそ伝えるよ……俺の本当の気持ちを………… 俺は君とずっと一緒にいたい。君と一緒にいた時間、それはとても楽しかった。 そして、君がいたからこそ俺は苦しいことだって頑張ってこれたんだ。 だから…ずっと俺と一緒にいてくれ…………これが俺の…答えだ……」 ふにゅっ 二つの唇が触れ合う。それは恋人同士が交わす深い口づけではなく、 小さな子供がするような唇同士を触れ合わせるだけの幼いキスだった。 だが俺にはそれだけでとてもドキドキした。女の子の唇ってこんなに暖かくて柔らかいんだ……それだけでとても嬉しかった。 永遠にも思えた時間のあと、唇と唇が離れた。 「なんて暖かかったのかしら……」 彼女はそう呟いた。そしてしばらくして、彼女の瞳が涙を流しながらいつものような優しい眼差しに戻る。 「……やっと言ってくれたんですね……あなたの気持ちはちゃんとわかっていました。 でも、私も女の子ですからこういうことは男の人から言ってほしかったですね」 「すまない……」 「でもそういう怖がりで恥ずかしがり屋で、すごく考えがわかりやすい、 裏表のない人だったからこそ私もみんなもあなたを慕っていたのかもしれませんね。 私も最初に会った時は、ちょっと怖そうだって思いましたけど、でも実はとっても感情豊かで面白い人……」 そう言われてもそのような態度はあまり軍人らしくないと思えて素直には喜べないが、 自分達ははみ出し部隊なんだって思った方が気が楽になるだろう。 けじめをつけるところはきちんとけじめをつける事を心掛ければそれでいいはずだ。 艦娘は調査によって素質を持つと判明した女性が徴兵され、力を手に入れた存在だが、生身の人間ということになんら変わりはない。 特に年端も行かぬ少女達にはいくら命を背負う宿命を持たされているからといっても、厳しさが先に出るような態度では精神的に参ってしまうだろう。 俺の艦隊の艦娘達の年齢層を考えれば過度な締め付けは萎縮させてしまうだけだろう。 和気藹々としていた方がむしろいざという時に活躍でき、実際にほとんどの局面で結果を残してきた。 関わった人達の心を溶かせるくらいアットホームで、かつ締め付けないくらいにしっかりとするというのが俺の艦隊の強さなのかもしれない。 「それに……ここも……とっても正直みたいで……」 ふと彼女の視線の先を見ると、俺の股間が膨らんでいた。軍服ではなくパジャマだった為にそれが顕著である。 「とても辛そうです…………だから……私で……」 「い、いいのかいきなり!?」 「背水の陣で来たと言いました。私はあなたと…愛しいあなたと一つになりたいのです……」 「……好きな娘にそこまで想われたんだったらもう断る理由なんてないな。いいよ。俺と一つになろう……いや、なってくれ!」 「…………はい……」 求めて応じられたからではなく、求められた事がよほど嬉しかったのか。彼女は笑顔で涙を零した………… 互いに何も着ないまま向かい合う。 「不束者ですが、よろしくお願い致します」 彼女は三つ指をつきながら、この鎮守府に来て初めて言った言葉を再び言った。だが今言われたその言葉の意味は、その時とは違う意味だ………… 「ああ。それにしても……綺麗だ……」 満月の明かりに照らされた彼女の体は本当に綺麗だった。 豊かで、それでいて乳首も乳輪も品位を貶めない程度な大きさの胸、 くびれて引き締まった腰に大きく形の良い、安産型な尻…… さっきは裸だったという事態に驚いた為に、詳しく見なかったが、改めて冷静になって見てみると本当に綺麗だ。 「そんな……そんなに褒められる程のものなんかじゃ…」 「俺は褒めるときはとことん褒めるタイプだからな」 「もう…いじわるなんですから……」 少し不満がちに、だが本心から不満ではないようなかわいい態度が心に来る。 「あなたのおちんちん……さっき見たときはあんなに小さかったのに……こんなに……」 さっきちゃんと見てたのか。小さかったと言われてもあまり頭に来ない俺だが、 言ったなこのっ、と言わんばかりに彼女の豊かな胸を揉んだ。 「…ふぁああっ……そんな……いきなり……」 「あ…嫌だったか?」 「いえ……少し驚いただけです……続けてください……」 「ああ」 俺は再び揉んだ。彼女の胸はマシュマロのように柔らかく、とても暖かい。 形だってよく、揉んでも少ししたらすぐ元の形に戻る。その胸を揉む度に甘く切ない嬌声が響く。 胸を揉むばかりでもいけないだろう。俺は乳首にお乳を求める赤ちゃんのように吸い付いた。 「ひゃんっ!?あっ!あぁああーーっ!!」 彼女の嬌声が益々大きくなる。俺は構わず吸い続けた。もう片方の、吸われていない左胸も右手で重点的に攻めた。 左手は体中の色んな場所を攻める。 髪の毛――彼女の髪は青系統の色が混じったような、綺麗な黒髪である。 しっとりとした雰囲気でありながら、触ると意外とべたつかず、さらりとしている。髪の臭いもよさそうだが、生憎と俺は今おっぱいに夢中だ。 次に背中――産毛一つなく、まるで上質な絹のようである。尻――軽く叩いてみると、小気味良い音と共にぽよんとする。 二の腕――弓矢を使っているからなのか、意外と筋肉質である。意外と、だから女性的なイメージを損なうほどのものではない。 俺は体を隅々まで愛撫している内にあることに気が付いた。彼女の体には傷一つ無い。 もちろん細かい、一見して目立たない、日常でつくような傷は多少なりともあるが、戦場に出ている身でありながら、戦闘で負ったような傷が一つもない。 小破どころか中破・大破までしたこともあったのに傷一つ無い。 艦娘は肉体は普通の人間と変わらないゆえに、武器防具のように治せるものではない。これは多分きっと………… ――ありがとう、【龍鳳】……今まで彼女を護ってくれて……―― 俺は心の中で、かつての英雄達と艦に礼を言った。 「ん………ここばかりじゃなくて………こっちも………」 彼女は視線を自身の下腹部にやり、指をそこに指した。 俺はそこにある小さな穴に試しに小指を入れてみた。入口はきつい。結構濡れている… …と思ったものの、女性経験0の俺はこれでもまだ不十分じゃないかと思った。 彼女も間違いなく男性経験ないと思われるため、もっと濡らそうと俺はそこに顔をやった。 「きゃあっ!?そんな…口で……」 そこは汚いですよと言わんばかりに止めようとする彼女だが俺は止まらない。 単調にならないような舐め方をしたり、唇をカバーにして彼女のクリトリスを甘噛みしたりと様々に攻める。 「や……やめて……くださ……これ以上……私……」 彼女の絶頂が近いのだろう。俺はラストスパートをかけ、乳首も攻めた。 「あっ、そんな、そんなこ…あぁあーーーーーっ!!!!」 思いっきり絶叫する彼女。同時に俺の顔に液体が勢いよくかかる。 これが……潮吹き……か……? 俺は少ない知識を搾り出して答えを導き出した。だとしたら俺は彼女を絶頂させられた…… 大きな鯨みたいに潮吹きさせることができた……? 彼女の方を見てみると放心状態だった。 少し時間が経ち、正気に戻った彼女は…… 「……ああっ!?ご、ごめんなさい、こんなはしたないことを……」 「いや、いいんだよ。こうなったってことは君が気持ちよかったって証だと思うからさ…」 俺は彼女を責めなかった。彼女も安心したのか、俺を受け入れようとする。 「あ……あの……わたしの……ここに……あなたの……おちんちん……入れてください…… 私が今までずっと守りつづけてきた処女……あなたのものに……してください……」 恥ずかしそうに、だが振り絞るように俺に懇願する。 俺は無言で頷き、これまでになく固くなったちんちんを彼女の秘部に先端を当てた。 皮はちゃんと剥いてあるし、綺麗に洗ってある。そして俺はゆっくりと貫こうとする。 「ん……くっ……」 だが中々入らない。処女膜が最強の盾となって俺のちんちんの侵入を防いでいた。一旦止める俺。 「これから君に痛い思いをさせてしまうかもしれない」 「わかっています……あなたと一つになる為に大切なことならば、耐えてみせます……」 遠慮しないで、と言うような感じで俺に答えた。ならばもう、躊躇うことはない…… 俺は目を閉じて、一点に全ての力を集中させた。そして、目を開き、覚悟を決めた力強い眼差しで、腰を軽く引き、一気に貫いた。 ぶちっ!!! そんな音と感触がした。俺のちんちんは一気に彼女の膣内へと入っていき、先端に何かが当たると同時に根元まで飲み込まれていった。 「きゃああぁぁぁぁーーーーーーー!!!!あっ……あっ…………!」 まるで真紅の衝撃に貫かれたかのように、今までにないくらいに彼女は叫び声をあげた。 もし防音が完全でなければみんなが叫びを聞いてここへやってきただろう。 結合部を見てみると明らかに色の違う、少しだけドロリとした感じの液体が流れていた。 月明かりだからわかりにくいけど、間違いなくこれは彼女の血…… 今まで穢れを知らぬ清らかで無垢な少女であったという証であり、 俺はその最後の時を知る男であるという証であった………… 彼女の膣内は物凄くきつく俺のちんちんを締め付けてきた。 それはまるで百匹の…いや、千匹の龍に絡み付かれているような…… いや、そんなことを考えようとする余裕なんてもうなかった。もう射精は止められそうになかった…… 「ごめん…もう…」 「……いいです…中に…思う存分出して…ください……あなたの想い……受け止めさせて、ください」 そういって彼女は脚で俺の腰を締め付けてきた。俺だって我慢はしない。 俺は唇を彼女の唇に押し付け、鈴口を子宮口に押し付けた。 びゅるっ……! 精液がドロリと尿道を駆け抜けた。腰が抜けそうなくらい気持ちがいいだがそれでも鈴口を子宮口から離そうとはしなかった。 びゅるん…びゅるるん…びゅるっ…… 彼女の胎内に俺の溜まりに溜まった純白な想いが解き放たれる。 どくんっ…どくん…どくっ…… まだ出てる。今までにないほど出てる。結合部から勢いよく溢れ出しているのがわかるくらい出てる。 はっきりいって尋常じゃないくらいである…………もしかしたら昼食に食べた精のつくものが効いているのか…… 色々と考えている内に射精は止まった。俺は射精の余韻に浸っていた。 「…………すっ、すまない!入れてすぐに勝手に出してしまって…… 君が痛がっているのに一人だけ気持ち良くなって、本当にごめん……!」 正気に戻った俺は自分のしたことの重大さに気付き、彼女に詫びた。 「……いいんです……さっきとっても気持ち良くしてもらいましたから………… それに……私の処女をあなたにあげられて本当によかった……私のここに… あなたの想いと…赤ちゃんの素を受け止めさせてもらえて……本当に……よかった…………」 彼女は痛かったであろうに、それでも健気にいる様に、俺の目から涙が零れた。 「どうしたの……ですか……泣いているなんて……?」 「だってよ……嬉しいんだよ……初めての相手が君で……君の初めての人になれて…… それでこんなに気持ち良くてさ……ああっ、もう何言ってるんだか……」 「……やっぱりあなたにあげることができて本当によかったです……素直に喜んでくれているのですから…… ……どうやらあなたのおちんちん、まだ固いみたいですね……いいですよ、動いてください。大丈夫です、少し慣れてきましたから……」 彼女がそう言うならと俺は腰を動かした。 ずちゅっ……ぬちゃっ…… ちんちんを出し入れする度に響く淫らな音。 先程の射精によって胎内に吐き出された精液が膣内から零れようとしているのだろう。それが潤滑油となって互いを滑らかに擦り合わせる。 「一度出したのに、また……」 彼女の締め付けはきつくて暖かくて溶けてしまいそうなくらい気持ちがいい。 「ん……私も……そろそろ…………ふぁああぁぁっ!!」 彼女は絶頂に達したのか、彼女が俺を一段ときつく締め付けた。 ビュルルルルルッ!! 先程とはうって変わって、粘度の低い感触が駆け抜けた。粘度が低い為に勢いが強く、それが先程とはまた違った快感をもたらす。 ちんちんが脈動し、彼女も俺から搾り出さんと律動し、膨らみと締め付けのタイミングが一致した時、その時がとても気持ちよかった。 彼女の胎内は先程吐き出された精液で既に満たされていた為に、今出した精液はほとんどが結合部から溢れ出していた。精が付きすぎである。 射精が一段落すると俺は余韻に浸ることなく腰をまた動かした。彼女もそれに応えるかのように俺を受け入れ続けた。 気が付けばもう空は明るくなっていた。俺達は一晩中愛し合ったのだ。これはちょっとマズイな…という顔をする俺。 どうしたの?と、彼女は疑問を俺に投げかけた。俺は思い出したかのように新鎮守府建築の為に現鎮守府の解体作業が明日から始まるということを告げた。 「そんなことがあるなんて……急ですね」 「え?知らなかったのか?じゃあ背水の陣と言ったのは……」 「……あれはあなたが私以外の人とケッコンカッコカリとかいうことをするんじゃないかって思って…… 私は皆さんとは違ってあまり強くありませんから、私がこれ以上強くなることなんてないと思って…… だって最近は近海で敵が出てきても私を全然出撃させてくれませんし…力がないから必要とされていないんじゃないかって…」 彼女の言う通り最近彼女を演習以外で戦わせていない。それは彼女が弱いからではなく、傷付けたくないからという思いである。 思えば彼女が初めてここに来た時も艦娘としてではなく、一人の少女としてやってきた。 中将は彼女を戦わせたくなくて、彼女の暗い心を明るくさせる為にここに連れて来たのかもしれない。 鎮守府で生活をしている内に彼女は明るくなっていった。 だが彼女がみんなと打ち解ければ打ち解けるほど、他の艦娘達が傷付いているのに自分だけが安全な所にいることに我慢ができなかったのかもしれない。 ある日彼女は決心した。艦娘になろうとしたのだ。 中将は快く思わなかったものの、彼女に適性のある艦が新しく存在が確認された潜水母艦大鯨と判明した時、 仕方ないと思いながらも艦娘になることを認めた。 しかし、大鯨は史実だと空母へ作り替えられる予定があったにも関わらず、艦娘大鯨は艦娘龍鳳に改造する余地はなかった。 艦娘大鯨の開発には中将も関わっていたらしい。 艦娘大鯨の外観が割烹着を意匠としたものだったのも、龍鳳への改造が不可能なのも、 彼女を激しい戦いの中に送り出したくなかったからなのかもしれない。 彼女より幼い艦娘だってたくさんいる。だがそういった者達はほとんどが深海棲艦によって親兄弟を奪われた、言わば戦災孤児であり、 深海棲艦への復讐心だけが生きていく糧であったが為に、誰も止めることが出来なかった。 しかし彼女は元々深海棲艦とは何の関係もない少女である。だから艦娘にしようと適性検査をさせなかったのだろう。 しかし大鯨はみんなが傷付いて帰ってくることに心を痛めていた。 自分が強くなればみんなを守れる。そう思った大鯨は俺に空母龍鳳に改造してもらえるよう頼んできた。 俺は中将に彼女の思いを伝えた。中々応じない中将に対して俺は勲章を四つ集めることを条件に大鯨を龍鳳に改造できるようにしてくださいと頼んだ。 中将はどうせ無理だろうと思ったのか、やっと了承を出した。 俺は全力で頑張った。勲章を得る為に深海棲艦打倒に力を入れた。 みんなも大鯨の心配する顔を見たくなかったのか、頑張ってくれた。 こうして勲章が四つ集まった。中将は驚きを隠せなかったみたいだが、口約束とはいえ仕方ないと、大鯨を龍鳳に改造する設計図を作成してくれた。 こうして大鯨は龍鳳に改造されたが、速度が他の瑞鳳型とは違い低速という、史実通りとはいえ重大な弱点があった。 龍鳳は更に改造されることにより空母龍鳳の本来の速度を持った高速空母へとなれると信じ戦いつづけた。 しかし改造されて龍鳳改になっても速度が高速になることはなった。 戦力として不安が残ってしまうが、もしかしたらこれも戦いに出したく内が為だったのかもしれない。 俺も一目惚れをした女性である彼女に更に惹かれていく度に戦いに出して傷付けたくないと思うようになった。 だがそれは、彼女の心を傷付けただけなのかもしれない…… ……それでも俺は彼女を傷付けさせまいと、強くなくても俺は君の側から離れないと説得をしようとした。 「……でも、あなたと結ばれて、何だかふっ切れちゃいました。 別にケッコンカッコカリくらいだったら広い心で見てもいいかな……って。 だってケッコンカッコカリと結婚は違うものでしょう」 「そうだな。ケッコンカッコカリはともかく、俺個人として結婚したいと思うのは君一人だけだ」 どうやら彼女は完全に立ち直ったようだ。俺が心配する必要はなかったようだ。 「……っと、いけない!明日から解体作業が始まるんだった。急いで片付けをしないと!」 「では私は朝食の準備をしますね」 「ああ。ただあんまり精のつくものはいらないからな。結構大変になりそうだし……」 俺は布団に目をやった。布団は大量の白濁で汚れ、血も点々としていた。 「はい。では、いつものようにお味噌汁と卵焼き、鮭の切り身で」 「緑茶はとびっきり渋いのを頼むな」 「さぁ、召し上がれ!」 いつも通りの朝のメニュー。何の代わり映えもしないメニューだが、それこそが大切なものかもしれない。 朝食を美味しそうに食べている俺を、彼女ははにかんだ笑顔で見つめていた。 ふと、俺は彼女の左手薬指に何かが光っているのを見た。 「その左手薬指のは……」 「これですか?これは前にあなたから貰った指輪です」 彼女が付けていたのは、エメラルドグリーンのリングにクリスタルが付いていた指輪であった。 とあるアニメで、龍鳳と読みの音が一緒な少年キャラクターが付けていたものをモチーフにしたもの、言わばキャラクターアイテムだった。 キャラクターアイテムみたいなものといっても値段はそれなりだったが。 「今度改めて新しい指輪を…」 「別にいいですよ。私はこの指輪も結構気に入っていますから。それにこれを見ているといつも思い出すんですよ。 あなたがとても怖がりで恥ずかしがり屋さんでとってもかわいい人だって」 「でも何だか自分の気持ちを隠した感じがして…」 「言葉には出てなくても態度で丸分かりでしたよ。いつものあなたは他の子に名前に絡んだネタとかをやっても、わざわざこういうことはしませんでしたし。 いつもは他人に自分のお金をあまり使わないあなたが私の為にお金を使うのは、 私に特別な好意を抱いているからだろうってみんな言ってましたよ」 まあみんなには他の日常生活も含めてほとんどが態度でバレバレっていう自覚はありました。 それが正直と捉えてくれたのはまあ嬉しい話だ。とにかくこれからはあまりケチケチしないようにします。 「……まあ心の中で思うのは勝手だけどあんまり言わないでくれよ。素直なのも場合によっては考え物だろうし……」 「では私のお願いを聞いてもらえますか?」 「何だ?」 「私をあなたの家に連れていってください」 「え…」 「大丈夫です。提督の護衛という名目なら、きっと許してもらえるかもしれませんし」 「でも俺の家って汚いからなあ……片付けだって出来てないだろうし…幻滅されたくないからなあ……」 「では私も掃除を手伝わせてもらいますね」 「あ…ああ…………もし許可が下りたら俺と一緒に来てくれ。父さんと母さんに紹介したい」 「はい」 それから数ヶ月が経った。 「ん…………この子、ちゃんと飲めたみたいですね」 赤ん坊にお乳をあげている彼女の顔は少し緊張があった。 トントン。ゲップ 「よかった……ちゃんと最後までできたみたい……」 「すみません、手間をかけさせてしまって…」 「いえ、いいんです。お困りでしたでしょうからお役に立てて嬉しいです」 「本当にありがとうございます……」 彼女を連れて実家に帰っていた俺は近くの寺へ紅葉のライトアップを見に行っていた。 紅葉とイチョウのコントラストに見とれていた時、子連れの母親が切羽詰まった顔で俺達にミルクありませんかと尋ねてきた。 すると彼女は自身が授乳しようと申し出た。お乳は別に出産しなければ出ないものではない。妊娠中にも出ることはあるらしい。 そう……彼女のおなかの中にはあの時結ばれて実った俺達の愛の結晶が宿っていた。 「ちゃんと飲めて…この子はえらいですね。はい」 彼女は赤ん坊を母親に返そうとした。だが返そうとした途端赤ん坊は泣き出した。 その場にいたみんなは困り果てた。しばらくして彼女は 「はい、いい子ですからねー。わがまま言わないでお母さんの所へ帰りましょうねー」 彼女に優しく諭すように語りかけられた赤ん坊は大人しくなり、母親のもとに戻ってもグズらなかった。 「うふふ、いい子ですねー」 彼女は赤ん坊の頭を撫でて褒めた。赤ん坊は嬉しそうに笑った。 「本当に手間ばかりかけてごめんなさい……それでは…………」 母親は一礼をして去っていった。その一幕を見て俺はある話を思い出した。潜水母艦大鯨は居住性がとても良かったということを。 大鯨の艦娘であった彼女には大鯨のような居心地の良さがあったのだろう。 天性のものなのか、後天的に身についたものなのか。 なんにしろあの赤ん坊も居心地の良さを本能的に受け止めていたのだろう。 俺だって彼女に包み込まれていると気持ちが高ぶりながらもとても安らぐ。 「ふぅ……紅葉のライトアップって綺麗ですね。夜は艦載機が飛ばせないからあまり好きじゃありませんでしたけど… でもこの木々や、春の夜桜に夏の花火とか見てたら好きになっちゃいそうです…… あ、艦載機で思い出しましたけど最近あまり鍛練していませんでしたから腕が落ちているかも…… このままでは、戦いについていけなくなりそうですし……」 彼女は最近鍛練をしていない。それは身重になったからだけではなく俺の家の家事なども行ってくれていた。 「……俺は何も敵と戦うということだけが戦いとは思わないな」 「はい?」 「戦いってのは、その人それぞれで違うと思うんだ。例えば俺個人としては代々続いてきた家と土地を守り、次の時代へと受け継ぐこと…… まあ土地の管理とかは提督の仕事があるから中々出来ないけど、提督としていっぱい稼いでいるから他人に任せられるけどね。 俺は軍人だけど俺自身が深海棲艦と戦えるわけじゃない。けどみんなに指示を出すことによって深海棲艦と戦える。 今の戦いはこの近くに出来る予定の新鎮守府の食料や、兵器の整備の為の部品の確保の為に協力を仰ぐ…… 早い話が営業みたいなものだ。営業なんて俺には絶対無理だって思っていたけど、 君達を養っていく為に…と思っていたら自然と頑張れるようになったよ。君がいるから、俺もみんなも頑張れるんだ」 彼女か家に来てから、色々なことが変わった。家には事前に連絡していたとはいえ、それほど片付いていなかった。 それを見た彼女の表情は固まったが、すぐに 『早速掃除用具を買いに参りましょう!大掃除の準備です!』 と俺に無理矢理運転させて掃除用具を買いに行った。 あれほど彼女が怒ったのは俺は見たことがない。だが怒ったといえるのはそれくらいであり、以降は穏やかなままだった。 俺は彼女にストレスを与えまいと頑張り、いつもは言われて嫌々やることが多い母さんも自分から進んで掃除をするようになった。 その為父さんもイライラすることもなくなり、家庭は穏やかになっていった。全ては彼女が来てくれたおかげである。 「私がいるから……あの、褒めてくださってありが……っくしゅん!」 「風邪か!?寒くなってきたから早く帰らないと」 「ええ…早く帰らないと義父様と義母様も心配なされるでしょうし…っきゃあっ!」 「しっかりしろ!」 俺は立とうとしてよろけた彼女を何とか支えた。 「大丈夫か!?」 「ええ。この子も……でも足をくじいたみたいで……ごめんなさい……」 空母龍鳳はかつての戦いを生き延びた。だが無事にというわけではなく、空襲により航行能力を失っていた。 彼女も空母龍鳳のように……そんな不安が一瞬過ぎったが、すぐに思考を切り替えた。 「心配するな。君の足は絶対に守ってみせる。もし守れなくても、その時は俺が足になる!」 「…………本当に……本当にありがとうございます……」 彼女は申し訳なさそうに、だが嬉しそうに涙を浮かべた。 それから更に月日が流れた………… 「ん……これでいいわね……」 「ええ、とても似合っていますよ。はい」 「ありがとう、鳳翔さん」 今日は新しくできた鎮守府で新しい部隊の結成式がある。 でも、メンバーはみんな見知った顔。久々にみんなに会えます。 「それにしてもよく似合ってるわね。まるで武家のお姫様みたい……」 「でも赤ちゃんを背負っているって、あんまり……」 この子は本当は連れてくるつもりはなかったけど…… 普段はとてもいい子なのに今日に限って私から離れようとしない。 もしかしたら、きっとお父さんとお母さんの格好良い姿が見たいのかもね。 「何言ってるんですか。母は強し、という感じがしますよ」 艦娘龍鳳となった私は、とても凛々しいってあの人に言われたことがあります。 可憐さの中に凛々しさがある……潜水母艦大鯨も初々しい幼妻や新妻みたいでかわいいって言われたこともありました。 「あ……龍鳳……久しぶり……」 「時雨……久しぶりですね……」 「この子が龍鳳と提督の愛の結晶なんだね……この子も僕が守るよ」 「時雨……沈まないでくださいね。あなたが沈んだら、みんな悲しみます」 「あっ、龍鳳、この子が龍鳳の子供なんだね。かわいいねえ」 「ふふっ、そうね。それにこっちもかわいい子かもね……」 時雨との再会、そしてロシアから戻ってきた皐月と如月。本当に久しぶりです。 如月がこっちって言ったけど、実は私のおなかの中には二人目がいるのです。 初めての子供を産んでしばらく経ったあと、私達は求め合うことができなかった分求め合いました。 その結果、また新しい命を授かったのです。 「それにしてもここに新しい鎮守府を建てるなんてね。いくら提督の故郷に近いからって……」 「テートクの故郷とか、そこは関係ありまセーン!」 「ここは中京工業地帯に近い場所ですからね。産業を守るためには当然のことでしょう」 「なんでもいいんじゃないですか。提督と龍鳳がいるところが、私達の鎮守府なのですから」 台湾から戻ってきた愛宕、金剛、高雄、榛名。相変わらずね。 「龍鳳さんがいてくれて嬉しいのです。みんな龍鳳さんのお料理がまた食べられることを楽しみにしていたのですから」 「そうよ。でも龍鳳さん、一人で無理しちゃダメよ。私達に頼っていいんだからね」 雷電姉妹と呼ばれる少女達が私の姿を見て喜ぶ。 『戦いってのは、人それぞれで違うと思う』 ……あなたの言葉の意味、今こそ身を以て悟りました…… みんなが帰ってくる所を守ること、帰ってきたみんなが安らげる場所を守ること…… それは艦娘の命を守ること。これが私にとっての闘いだと…… 「【龍鳳】……私に……力を……!!」 たとえ血が流れ、肉体は消えても、その想いは残る。 そしてその想いの力はとても強く、尊く、そして、永遠である―――― あの人はそういうことを信じるような純粋な人。だけど、今なら私もそれを信じられる。 私は誰にも聞こえないような小さな声で【龍鳳】に祈った。 「おっ、龍鳳。それにみんなも」 「あ、あな……提督!」 「提督!!」 龍鳳や、集まったみんなが一斉に叫ぶ。 「深海棲艦もパワーアップして攻めてきたみたいだけど、こっちだってパワーアップしたんだからネ!」 「それは頼もしいな。おっと、そろそろ時間だな」 「それじゃ、先に行くね」 艦娘達は俺と龍鳳を残して走っていった。 「また賑やかな日々が始まりますね」 「ああ。深海棲艦は強くなった。だけど俺達も強くなった。負けるはずなんてないさ」 「そうね……私達もそろそろ行きましょう」 「ああ」 正直言って、これからの戦いは激しいものだろう。 だが俺は負ける気なんてしない。今までずっと女神が傍らにいてくれたからだ。 彼女がいたからこそ、今までどんな苦難も頑張って超えることができた。 だからこれからもどんな困難だって乗り越えていけるだろう。そう………… 「君がいるから――――」 ―完― これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/