約 24,179 件
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/265.html
総括所見:インドネシア(第3~4回・2014年) 予備的所見(1993年)/第1回(1994年)/第2回(2004年) CRC総括所見日本語訳(国別)/CRC総括所見日本語訳(会期順) CRC/C/IDN/CO/3-4(2014年7月10日) 原文:英語(平野裕二仮訳) 原文は国連人権高等弁務官事務所のサイト(国別情報のページまたはCRC会期一覧ページ)を参照。 1.委員会は、2014年6月5日に開かれた第1890回および1891回会合(CRC/C/SR.1890 and 1891参照)においてインドネシアの第3回・第4回統合定期報告書(CRC/C/IDN/3-4)を検討し、2014年6月13日に開かれた第1901回会合において以下の総括所見を採択した。 I.序 2.委員会は、インドネシアの第3回・第4回統合定期報告書(CRC/C/IDN/3-4)および事前質問事項に対する文書回答(CRC/C/IDN/Q/3-4/Add.1)の提出を歓迎する。これにより、締約国における子どもの権利の状況についての理解を向上させることが可能となった。委員会は、締約国のハイレベルな多部門型代表団との間に持たれた建設的対話について評価の意を表する。 II.締約国によりとられたフォローアップ措置および達成された進展 3.委員会は、以下の立法措置がとられたことを歓迎する。 (a) 社会保障庁に関する2011年法律第24号。 (b) 少年司法制度に関する2012年法律第11号。 (c) 人種差別および民族差別の撤廃に関する2008年法律第28号。 (d) 義務教育に関する2008年政府規則第47号。 (e) 「長期国家開発計画2005」(2005年)に関する2007年法律第17号。 (f) 2006年法律第23号を改正する、人口管理に関する2013年法律第24号。 (g) インドネシア市民権に関する2006年法律第12条。 (h) 国家社会保障制度に関する2004年法律第40号。 (i) 憲法裁判所決定第46/PUU-VIII/2010号による、「婚外」子の法的地位を拡大した婚姻法(法律第1/1974号)第43条(1)の改正(2012年2月17日)。 4.委員会はまた、以下の点について評価の意とともに留意する。 (a) 武力紛争への子どもの関与に関する子どもの権利条約の選択議定書の批准(2012年9月)。 (b) 子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書の批准(2012年9月)。 (c) すべての移住労働者およびその家族構成員の保護に関する国際条約の批准(2012年5月)。 (d) 障害のある人の権利に関する条約の批准(2011年11月)。 (e) 経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約への加入(2006年2月)。 5.委員会はまた、多数の制度上および政策上の措置がとられたことも歓迎する。 6.委員会は、締約国が、条約第1条、第14条、第17条、第21条、第22条および第29条に関する宣言を2005年に撤回したことも歓迎するものである。 III.主要な懸念領域および勧告 A.一般的実施措置(条約第4条、第42条および第44条(6)) 委員会の前回の勧告 7.第2回定期報告書に関する委員会の総括所見(2004年、CRC/C/15/Add.223)をフォローアップするために締約国が行なった努力は歓迎しながらも、委員会は、そこに掲げられた勧告の一部について十分な対応がとられていないことに、遺憾の意とともに留意する。 8.委員会は、締約国に対し、条約に基づく第2回定期報告書に関する総括所見に掲げられた勧告のうち未実施のものまたは部分的にしか実施されていないものに対応するため、あらゆる必要な措置をとるよう促す。委員会はとくに、締約国が以下の措置をとるべきである旨の勧告(CRC/C/15/Add.223、パラ23、25、44、52および72(a))をあらためて繰り返すものである。 (a) 条約のすべての分野を網羅する目的でデータ収集システムを引き続き改良し、すべてのデータおよび指標が、条約の効果的実施を目的とした政策、プログラムおよびプロジェクトの立案、監視および評価のために活用されることを確保し、これらの統計および情報を広く配布し、かつ、この点に関してとくに国際連合児童基金(ユニセフ)との連携を継続すること。 (b) 条約の普及および関連のすべての専門家を対象とした条約に関する研修についての措置を強化し、かつ当該措置を継続的かつ体系的に実施するとともに、条約をすべての子ども(とくに民族的マイノリティに属する子ども)に対して利用可能としかつ周知するために具体的措置をとること。 (c) 体罰その他の残虐なまたは品位を傷つける形態の罰から保護される子どもの権利についての委員会の一般的意見8号(2006年)ならびに条約のとくに第19条、第29条第2項および第37条に照らし、家庭、学校および子どものケアの現場を含むすべての場所で体罰を禁止するために現行法を改正すること。また、子どもの不当な取扱いの悪影響に関する公衆教育キャンペーンを実施するとともに、体罰に代わる手段としての積極的かつ非暴力的な形態の規律およびしつけを促進すること。 (d) 養子縁組に関する現行法が条約第2条および第3条に一致することを確保するためにその改正を行ない、子どもの最善の利益の原則にしたがって子どもの養子縁組制度を効果的に監視しかつ監督するために必要な措置をとり、かつ、国際養子縁組における子どもの保護および協力に関するハーグ条約に加入すること。 (e) 紛争の影響を受けた子どもに対し、そのプライバシーも確保しつつ心理社会的支援および援助を提供する包括的システムを、NGOおよび国際機関と連携しながら発展させること。 B.子どもの定義 〔訳者注/本来はパラ19の前に置かれるべき内容だが、原文ママ〕 9.委員会は、委員会の前回の勧告(CRC/C/15/Add.223、パラ27)にもかかわらず、女子の法定婚姻年齢がいまなお16歳であり、かつ、締約国の法律上、既婚の子どもは成人とみなされることに、懸念とともに留意する。 10.委員会は、締約国が、国内法を改正して女子の婚姻年齢を18歳に引き上げるとともに、さまざまな法律で定められた年齢制限についても、これらの制限が条約の原則および規定に一致し、かつ、いかなる状況においても18歳未満の子どもが成人とみなされることにつながらないようにすることを確保する目的で見直すよう、勧告する。 〔訳者注/以下、一般的実施措置の続き〕 立法 11.委員会は、条約の規定が締約国の国内法に全面的に編入されているわけではないことに、懸念とともに留意する。さらに委員会は、公共サービスの提供についてそれぞれが責任を有する新たな州および地区の編成をもたらした地方分権化プロセスに加え、州または地区のレベルで採択されたいくつかの条例が条約の規定および原則に一致していないことを懸念するものである。 12.委員会は、締約国に対し、以下のことのためにあらゆる必要な措置をとるよう促す。 (a) 条約の規定が国内法に全面的に編入されることを確保すること。 (b) 子どもに関わる地方および州の法令の起草および採択を緊密に監視する特別政府機関を設置する等の手段により、州および地区のすべての法律が条約の規定と一致することを確保すること。 調整 13.委員会は、条約および「子どものための国家行動計画」の調整および実施を担当する女性エンパワーメント・子ども保護省が、あらゆるレベルで条約の実施を適正に調整するために必要な州および地区の政府機構に対する権限を有していないことに、懸念とともに留意する。 14.委員会は、締約国に対し、条約の実施に関連するあらゆる活動をあらゆるレベルで調整しかつ評価するための十分な権限を女性エンパワーメント・子ども保護省に与えるよう促す。さらに委員会は、締約国が、条約の監視および実施における国、州および自治体の公的機関の協力を確保するためにあらゆる必要な措置をとるよう、勧告するものである。 資源配分 15.委員会は、締約国の保健支出総額が国内総生産の2.7%に過ぎないこと(2011年)を懸念するとともに、この割合は低いと考える。さらに、年間教育予算が相当に増額されたことは歓迎しながらも、委員会は、当該予算が締約国のすべての子どもに教育を確保するのに十分ではないことを遺憾に思うものである。 16.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 保健に対する予算配分を相当に増額し、十分な水準に達せしめること。 (b) 条約の実施に割り当てられる資源の配分の十分さ、有効性および公平性を監視しかつ評価するための機構を設置すること。 独立の監視 17.子どもの保護委員会に苦情を受理する資格があることには留意しながらも、委員会は、同委員会が限られた委任権限しか有しておらず、かつ苦情についての調査を行なう明示的権限を持たないことを遺憾に思う。 18.独立した人権機関の役割に関する一般的意見2号(2002年)に照らし、委員会は、締約国が、子どもによる苦情を子どもに配慮したやり方で調査しかつこれに対応し、被害者のプライバシーおよび保護を確保し、かつ事案のモニタリングおよびフォローアップを行なう資格を子どもの保護委員会に与えることによってその権限を強化するため、あらゆる必要な措置をとるよう勧告する。さらに委員会は、締約国が、パリ原則との全面的一致を確保するため、同委員会の独立性(資金、権限および免責特権に関する独立性を含む)を確保するよう勧告するものである。このような趣旨にのっとり、委員会は、締約国が、該当する場合にはとくに国際連合人権高等弁務官事務所(OHCHR)、ユニセフおよび国際連合開発計画(UNDP)の技術的援助を求めるよう勧告する。 C.一般原則(第2条、第3条、第6条および第12条) 差別の禁止 19.締約国のジェンダー主流化プログラムは歓迎しながらも、委員会は、以下の点を含め、国内法にいまなお差別的規定が残っていることおよび事実上の差別が蔓延していることを深く懸念する。 (a) 相続権に関して女子が差別されており、かつ、多数の女子がいまなおさまざまな差別的規制および日常的差別の対象とされていること。 (b) 保健ケアおよび教育へのアクセスについて障害のある子どもに特段の差別が行なわれていること。 (c) 特定の宗教的マイノリティに属する子どもに対する深刻な差別が継続しており、かつ締約国が攻撃を阻止できていないこと。 (d) 教育および保健ケアへのアクセスが不十分であることなど、先住民族コミュニティに属する子どもに対してさまざまな形態の差別が行なわれていること。 20.委員会は、締約国に対し、あらゆる形態の法律上および事実上の差別に精力的に対処し、かつ以下の措置をとるよう促す。 (a) とくに相続との関連で女子を差別するあらゆる法律を、これ以上遅滞することなく廃止すること。また、達成目標を明確に定めた包括的な戦略を策定し、かつ適切な監視機構を設置すること、ならびに、社会的および文化的変革を促進しかつ平等の推進に資する環境づくりを促進する目的で当該戦略の調整に広範な関係者(女子および社会のあらゆる部門を含む)が関与することを確保することにより、女子に関わる否定的な態度、慣行および深く根づいたステレオタイプを撤廃すること。 (b) 障害のある子どもがすべての公共サービス(とくに保健ケアおよび教育)に平等にアクセスできることを確保するため、あらゆる必要な措置をとること。 (c) 子どもに対してその宗教に基づいて行なわれる差別を撤廃し、かつ特定の宗教的マイノリティに対するあらゆる形態の暴力に終止符を打つため、あらゆる必要な措置をとること。 (d) 先住民族コミュニティに属する子どもが公共サービスに平等にアクセスできるようにするため、あらゆる必要な措置(とくに関連のインフラを改善すること)をとること。 子どもの最善の利益 21.委員会は、前回の勧告(CRC/C/15/Add.223、パラ33および34)にもかかわらず、子どもの最善の利益の原則が締約国のほとんどの子ども関連法に統合されていないことを遺憾に思う。委員会はまた、養子縁組および監護権に関わる決定が子どもの最善の利益ではなく子どもの宗教に基づいて行なわれることが多く、かつ、イスラム教徒に適用されるシャリーア法にしたがい、離婚手続において子どもの監護権に関わる決定が子どもの年齢に基づいて行なわれること(CRC/C/15/Add.223、パラ45)にも、懸念とともに留意するものである。 22.自己の最善の利益を第一次的に考慮される子どもの権利についての一般的意見14号(2013年)に照らし、委員会は、締約国が、自己の最善の利益を第一次的に考慮される子どもの権利が、締約国の国内法で明示的に定められ、かつすべての立法上、行政上および司法上の手続ならびに子どもに関連し、かつ子どもに影響を及ぼすすべての政策、プログラムおよびプロジェクトにおいて一貫して適用されることを確保するための努力を強化するよう、勧告する。これとの関連で、委員会は、締約国に対し、すべての分野で子どもの最善の利益について判断することおよび子どもの最善の利益を第一次的考慮事項として正当に重視することについての指針を、権限を有する立場にあるあらゆる関係者に対して示すための手続および基準を策定するよう、奨励されるところである。委員会はまた、このような手続および指針を、公立および私立の社会福祉施設、裁判所、行政機関、立法機関ならびに宗教的指導者を含む公衆一般に対して普及することも勧告する。 生命、生存および発達に対する権利 23.委員会は、十分な補償または代替住居を提供しないまま、子どもを含む家族の強制立退きが行なわれていることを懸念する。さらに委員会は、締約国の法律上、強制立退きはそれがホームレス化につながる場合でさえ行なえることを深く遺憾に思うものである。 24.委員会は、締約国に対し、強制立退きが常に十分な代替住居の提供を条件として最後の手段としてのみ行なわれること、および、いかなる状況下でも立退きがホームレス化につながらないことを確保するため、あらゆる必要な措置をとるよう促す。 子どもの意見の尊重 25.「全国子ども参加フォーラム」「ティーン議会」「インドネシア子ども会議」「子ども評議会」「ヤング・リーダー選挙」および「全国子ども協議」の設置は歓迎しながらも、委員会は以下のことを懸念する。 (a) これらのフォーラムが完全にインクルーシブなものとなっているわけではないこと。 (b) これらのフォーラムで表明された子どもの意見が意思決定プロセスにおいて十分に考慮されていないこと。 (c) 意見を聴かれる子どもの権利を定めた法律第23/2002号においてこの権利が「道徳性および品位」にしたがって適用されなければならないとされていることにより、効果的かつ透明な実施が阻害されていること。 26.意見を聴かれる子どもの権利についての一般的意見12号(2009年)に照らし、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) さまざまな子どもフォーラムにおいて、被害を受けやすい状況に置かれた子ども(とくに障害のある子どもおよび宗教的または民族的マイノリティに属する子ども)の参加を確保すること。 (b) これらのフォーラムで子どもが表明した意見を子どもに関わるすべての意思決定プロセスにおいて考慮するための明示的手段を整備すること。 (c) 意見を聴かれまたは自己の意見を表明する子どもの権利に対するいかなる制限も回避するために法改正を行なうこと。 (d) 子どもが意見を表明できる種々のフォーラムに対してあらゆる必要な資源が常に提供されることを確保すること、ならびに、家庭、コミュニティおよび学校において、すべての子どもの、意味のある、かつエンパワーメントに基づく参加を促進するためのプログラムおよび意識啓発活動を実施することによってこの権利を実施するために、あらゆる適切な措置をとること。 D.市民的権利および自由(第7条、第8条および第13~17条) 出生登録、名前および国籍 27.民事行政に関する2014年法律第24号、および、インドネシア人である母とインドネシア国民ではない父との子にインドネシア市民権の取得資格を与えた法改正は歓迎しながらも、委員会は、法律の実施をあらゆるレベルで監督する機構が存在しないことを懸念する。委員会はまた、子どもの宗教をその身分証明証に記載しなければならないことが差別につながる可能性があることにも、懸念とともに留意するものである。さらに、国内法に基づく無償の出生登録は歓迎しながらも、委員会は以下のことを懸念する。 (a) 新法にもかかわらず地方政府が出生登録料を請求することのないようにするために中欧レベルで行なわれる監督について不確実さがあること。 (b) 両親とも外国人であり、かつ自国の法律を理由として子どもに自己の市民権を継承させられない場合に、子どもが無国籍となるおそれがあること。 28.委員会は、インドネシアで生まれたすべての子どもがその国籍、宗教および出生時の地位にかかわらず登録されかつ出生証明書を発行されること、ならびに、出生登録がすべての場所でかつあらゆる状況下で促進されかつ無償とされることを、締約国が確保するよう勧告する。委員会はまた、締約国が、身分証明証における宗教的所属の記載を削除し、かつ、一部の子どもが無国籍のままとなることにつながる可能性のある法律上の欠陥を是正することも勧告するものである。委員会はさらに、締約国が、無国籍者の地位に関する1954年の条約および無国籍の削減に関する1961年の条約に加入するよう勧告する。 思想、良心および宗教の自由 29.委員会は、1965年法律第1号に掲げられていない宗教的マイノリティに属する子どもの宗教の自由に対して政府がとっている抑圧的措置、とくに以下のものを深く懸念する。 (a) 1965年法律第1号に掲げられた6つの宗教のいずれかに関して学校で行なわれる宗教授業に出席する義務があること。 (b) 1965年法律第1号に掲げられていない宗教的マイノリティに属する者(その子どもを含む)を訴追する目的で涜神および改宗の働きかけを禁ずる規則が利用されていること、および、「宗教的調和」に関する法案に差別を強化するおそれがあること。 (c) イスラム教徒でない者に対し、シャリーア法にしたがうことがアチェにおいてあからさまに要求されていること、または、締約国が明らかにするように、イスラム教徒でない学生に対し、学校でイスラム教徒の服装をするよう社会的圧力がかけられていること。 30.委員会は、締約国に対し、思想、良心および宗教の自由に対するすべての信仰の子どもの権利を効果的に保障する目的で法律を改正するとともに、宗教またはその他の信条を理由とする不寛容と闘い、社会における宗教的対話を促進し、宗教教育においてあらゆる共同体出身の子どもおよびあらゆる宗教的または非宗教的背景の子どもの間の寛容および理解が促進されることを確保し、かつ、自らが属していない宗教の規則を遵守するよう子どもに要求するあらゆる種類の社会的圧力と闘うために、意識啓発および公衆教育のためのキャンペーンを含むあらゆる必要な措置をとるよう、促す。さらに委員会は、締約国に対し、イスラム教徒でない者がもっぱら世俗法によって規律されることを確保するためにあらゆる必要な措置をとるよう促すものである。 E.子どもに対する暴力(第19条、第24条(3)、第28条(2)、第34条、第37条(a)および第39条) 性的搾取および性的虐待 31.委員会は、子どもの被害者のための防止措置、回復措置および再統合措置が十分に効果的でないこと、および、これらの子どもが司法へのアクセスに関していくつかの障壁に直面していることを遺憾に思う。さらに委員会は、性的搾取の被害を受ける子どもの人数が増えており、かつ、性的虐待の被害を受けた子どもが被害者ではなく犯罪者として扱われる可能性もあるという報告について深く懸念するものである。 32.委員会は、締約国が、性的虐待および性的搾取からの子どもの保護および防止のための努力を強化するとともに、以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 性的搾取および性的虐待の被害を受けた子どもの特別なニーズに対応し、かつこれらの子どもがシェルター、保健サービス、法律サービスおよび心理サービスにアクセスできることを確保するための戦略を策定するとともに、これらのサービスで働く専門家に対して十分な研修を行ない、アクセスしやすく、秘密が守られ、かつ子どもにやさしい通報経路を確保し、かつ、被害を受けた子どもが司法にアクセスするための便宜を図ること。 (b) いずれかの形態の性的搾取の被害を受けたすべての子どもが常に被害者として扱われ、刑事制裁の対象とされないことを確保する目的で法律を改正すること。 有害慣行 33.委員会は、2014年の保健省規則第6号によって女性割礼に関する2010年の規則第1636号を廃止する旨の締約国の決定に留意する。しかしながら委員会は、いわゆる女性割礼の慣行を含む女性性器切除(FGM)が明示的に禁じられていないことに留意するものである。委員会は、女性性器切除(FGM)の被害を受けた女子が多数にのぼることについて重大な懸念を覚える。 34.委員会は、締約国に対し、あらゆる形態のFGMを全面的に禁止する法律を採択するとともに、以下の措置をとるよう勧告する。 (a) FGMの被害者に対して身体的および心理的回復のためのプログラムを提供するとともに、当該慣行の被害を受けた女子または被害を受けるのではないかと恐れている女子がアクセス可能な通報および苦情申立ての機構を設置すること。 (b) 市民社会ならびにFGMの被害者である女性および女子の全面的参加を得ながら、FGMが女子の身体的および心理的健康に及ぼす有害な影響についての意識啓発キャンペーンおよび教育プログラムを立ち上げるとともに、当該キャンペーンおよびプログラムが制度的にかつ一貫して主流化され、かつ、社会のあらゆる層(女性および男性の双方)、政府職員、家族ならびにすべての宗教的指導者およびコミュニティの指導者が対象とされることを確保すること。 (c) 当該慣行を全面的に犯罪化し、かつ当該慣行が犯罪であることについて施術者が認識することを確保するとともに、当該慣行の放棄を促進するための努力に施術者を関与させ、これに代わる所得および生計手段の源を見出すことについて施術者を援助し、かつ、必要なときは施術者の再訓練を行なうこと。 35.委員会は、締約国で早期婚および強制婚が多数行なわれていることを深く遺憾に思う。 36.委員会は、締約国に対し、早期婚または強制婚の慣行を防止しかつこれと闘うための効果的措置(必要なすべての立法措置、ならびに、早期婚から生じる弊害および危険についての意識啓発キャンペーンおよび広報キャンペーンを含む)を追求するよう促す。 あらゆる形態の暴力からの子どもの自由 37.ドメスティックバイオレンスに関する2004年法律第23号および「子どもに対する暴力の防止および根絶に関する国家行動計画(2010~2014年」は歓迎しながらも、委員会は以下のことを深く懸念する。 (a) 拘禁中および裁判のあらゆる段階において子どもに対する暴力事件が多数発生していること。 (b) 女子が頻繁に暴力を受けており、かつ司法へのアクセスを含む保護を得るうえで相当の困難に直面していること。委員会は、これとの関連で、正規の司法制度は利用が妨げられるほどの費用負担のためにしばしばアクセス不能であり、かつ、女性および女子が、女性および女子を差別しかつ意思決定プロセスから排除することの多い代替的紛争解決機構(とくに宗教裁判所)の利用を促されていることに留意するものである。 38.あらゆる形態の暴力からの自由に対する子どもの権利に関する委員会の一般的意見13号(2011年)を想起しつつ、委員会は、締約国に対し、以下の目的のためにあらゆる必要な措置をとるよう促す。 (a) 法律に抵触した子どもに対する暴力を効果的に解消するための十分な監視機構を設置すること。 (b) 女子が、あらゆる形態の暴力から十分に保護され、かつ、正規の司法制度に全面的にアクセスできるようにするための金銭的および法的援助を提供するプログラムによって支援されることを確保すること。 ヘルプライン 39.締約国が国内NGOおよび国際NGOと協力して子どもヘルプラインを設置したことは歓迎しながらも、委員会は、すべての州が網羅されていないこと、ヘルプラインについて公衆一般が知らないことおよび十分な相談員が存在しないことを懸念する。 40.委員会は、すべての州の子どもがヘルプラインのことを知り、かつヘルプラインに24時間アクセスできることおよびこれらの子どもに対して十分なフォローアップが行なわれることを確保するために、締約国が、ヘルプラインのための人的資源、技術的資源および財源を増加させるよう勧告する。さらに委員会は、相談員に対して十分な研修を行なうよう勧告するものである。 F.家庭環境および代替的養護(第5条、第9~11条、第18条(1および2)、第20条、第25条および第27条(4)) 家庭環境 41.委員会は、複婚がいまなお認められていることを深く懸念する。この状況は、そのような婚姻関係を持つ女性および女子の尊厳に逆行し、かつ、そのような婚姻から生まれた子どもの福祉に悪影響を与えるものである。 42.委員会は、締約国に対し、女性を差別し、ひいてはその子どもに悪影響を及ぼす法律上のすべての規定(複婚を認める規定など)が廃止されることを確保するよう促す。 家庭環境を奪われた子ども 43.委員会は、貧困削減を目的とするいくつかのプログラムの導入を通じて子どもの養育における家族の役割が強化されていること、および、とくに家族支援システム〔および〕家庭基盤型の代替的養護を促進し、かつ施設養護の基準を定めた「子どもの養護に関する国家基準」が2011年に採択されたことを歓迎する。しかしながら、委員会は以下のことを懸念するものである。 (a) その子どもの基本的ニーズをいまなお満たせない場合があり、かつ子どもの養育の放棄を余儀なくされている貧困家庭があること。 (b) 家庭基盤型の子どもの措置件数が少なく、かつ施設措置が引き続き広く活用されていること。 (c) 代替的養護施設の運営に関する許可取得要件がきわめて限定的であること。 (d) 「子どもの養護に関する国家基準」で導入された基準をほとんどの施設が遵守しておらず、遵守状況の監視が行なわれておらず、施設内でしばしば暴力事件が発生しており、かつ、施設で生活している子どもがその家族と会えないこと。 (e) 施設で生活している子どもについて細分化されたデータを収集する十分なシステムが存在しないこと。 44.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 生みの家族への支援をさらに強化するとともに、家族に対し、コミュニティを基盤とする子育て援助(訓練を受けたソーシャルワーカーによるものも含む)を提供すること。 (b) 子どもの施設措置を削減する目的で、家族のもとに留まることのできない子どもに対し、可能なときは常に家庭的養護を提供すること。 (c) 代替的養護施設の運営に関する許可取得要件を強化すること。 (d) 子どもの施設措置の定期的再審査を確保するとともに、子どもの不当な取扱いを監視しかつ是正するためのアクセスしやすい経路を設ける等の手段によって施設における養護の質を監視し、かつ、子どもがその家族と会えることを確保すること。 (e) 施設で生活している子どもについて、年齢別、男女別および経済的背景別に細分化されたデータを収集するための中央集権化されたシステムを設置すること。 G.障害、基礎保健および福祉(第6条、第18条(3)、第23条、第24条、第26条、第27条(1~3)および第33条) 障害のある子ども 45.「障害に関する国家行動計画(2013~2022年)」は歓迎しながらも、委員会は、障害のある子どもの状況、とくに以下のことについて深刻に懸念する。 (a) 障害のある子ども(とくに女子)が、教育および保健ケアに対する権利を含む権利の行使に際して複合的形態の差別に直面していること。 (b) 社会的スティグマまたは養育にかかる経済的負担を理由として、障害のある多くの子どもが隠されまたは施設に措置されていること。 (c) 障害のある子どものうち通学している者ならびに保健ケア、特別サービスおよびリハビリテーションセンターにアクセスできている者が少数であること。 (d) 障害のある子どもに関する体系的なデータ収集が行なわれていないこと。 46.障害のある子どもの権利に関する一般的意見9号(2006年)に照らし、委員会は、締約国が「障害に関する国家行動計画(2013~2022年)」を実施するためにあらゆる努力を行なうよう勧告するとともに、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a) 障害を理由とする差別が明示的に禁じられることを確保し、かつ障害のある人の事実上の差別を生じさせているすべての規定が廃止されることを確保するため、法律を改正すること。 (b) 障害のある子どもに対するあらゆる種類の事実上の差別(とくに態度上および環境上の障壁)を解消するための意識啓発キャンペーンおよび教育キャンペーンを実施し、障害のある子どもの権利および特別なニーズに関する公衆への情報提供および感受性強化を進め、かつ、障害のある子どもが十分な金銭的支援を提供されることならびに社会サービスおよび保健サービスに全面的にアクセスできることを確保すること。 (c) 障害のある子どもが教育に対する自己の権利を全面的に行使できることを確保するとともに、普通学校制度において障害のある子どものインクルージョンを図るためにあらゆる必要な措置をとること。 (d) 政策およびプログラムを障害児のニーズに適合させるため、障害のある子どもに関する具体的なかつ細分化されたデータを収集すること。 健康および保健サービス 47.委員会は、「ヘルシー・ビレッジ」開発政策、コミュニティ保健センターの数の増加、「出産準備および合併症対応体制」プログラム、疾病および栄養不良を削減するための努力ならびに1990年以降の乳児死亡率および5歳未満児死亡率の低下を歓迎する。しかしながら委員会は以下のことを非常に懸念するものである。 (a) とくに下痢および肺炎を原因とする新生児、乳児および5歳未満児の死亡率がいまなお高く、かつ、発育阻害および低体重に苦しむ5歳未満児が多数にのぼること。 (b) 妊産婦死亡率が依然としてとりわけ高いこと。 (c) 州によって妊産婦死亡率および乳児死亡率に格差があること。 (d) 予防接種等の予防保健問題に関する具体的な公衆衛生規則が定められておらず、かつ予防接種プログラムが満足のいく形で実施されていないこと。 (e) 保健ケア施設のためのインフラおよび支援が不足し続けていること、ならびに、ヘルスワーカーのスキル水準が低くかつ就業が不規則であること。 48.到達可能な最高水準の健康を享受する子どもの権利についての一般的意見15号(2013年)に照らし、委員会は、締約国に対し、保健予算を増加させ、かつすべての州全域でプライマリーヘルスケア・サービスへのアクセスを拡大するよう促す。締約国は、これらのサービスが、都市部および農村部双方の住民にとって、その経済的背景とは独立にアクセス可能でありかつ負担可能であることを確保するとともに、以下の措置をとるよう求められる。 (a) プライマリーヘルスケア・サービスが、産前ケア、安全な分娩のためのケア、緊急産科ケアおよび産後ケアへのアクセスを含めてすべての妊婦に対して、かつ予防可能な疾病その他の疾病、とくに下痢、急性呼吸器感染症および低栄養を削減するための介入に焦点を当てながら子どもに対して提供されることを確保するとともに、乳幼児への栄養の与え方に関する望ましい実践を促進すること。 (b) すべての妊婦および子ども(とくに乳児および5歳未満児)を対象とする予防保健ケアおよび治療サービス(すべての子どもを対象とする予防接種サービス、経口補水療法および急性呼吸器感染症の治療を含む)を強化し、かつこれらのサービスへのアクセスを拡大すること。 (c) 遠隔地および農村部も含め、出産前および出産時に専門家による十分な援助を無償で提供するとともに、妊産婦死亡率の削減のためにあらゆる必要な努力(緊急産科介入を含む)を行なうこと。 (d) さらに多くの保健ケア提供者を募集し、訓練しかつ監視し、保健ケアのインフラを向上させ、かつ、保健ケアサービスに衛生設備および清潔な飲料水へのアクセスが含まれることを確保すること。 思春期の健康 49.リプロダクティブヘルス・プログラムの一環としての「10代のリプロダクティブヘルスおよび青少年にやさしい保健サービスに関する国家行動計画」は歓迎しながらも、委員会は、人口家族開発法および保健法に基づき、セクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスに関するサービスへのアクセスを認められるのが法律上の婚姻をしている夫婦に限られていて青少年の大多数が排除されていることから、青少年がリプロダクティブヘルスに関するケアおよび教育へのアクセスに際して困難に遭遇していることを懸念する。委員会はまた、人口家族開発法および保健法においてリプロダクティブヘルス・サービスに関する規定が置かれているにもかかわらず、婚姻していない女性および女子にはこれらの保健上の利益を享受する資格がないことも懸念するものである。委員会はさらに以下のことを懸念する。 (a) リプロダクティブヘルスに関連する一部のサービスで親または夫の同意が要件とされていること。とくに、婚姻していない思春期の女子が、政府が運営している保健施設から一定のタイプの避妊サービスを受けるために夫の許可を求めなければならないこと。 (b) 婚姻していない思春期の女子(強姦被害者を含む)が、資格があることを知らないためにまたはスティグマを恐れるためにリプロダクティブヘルス・サービスにアクセスできない場合があり、そのために、とくに性感染症、思春期の高い妊娠率、安全性を欠いた中絶の危険、若年での強制婚および学校中退が生じていること。 50.子どもの権利条約の文脈における思春期の健康と発達についての一般的意見4号(2003年)に照らし、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 思春期の子ども(とくに女子)が、親または夫の同意を必要とすることなく、セクシュアルヘルスおよびリプロダクティブヘルスならびに避妊についての情報およびサービスに完全かつ無条件にアクセスできることを確保する目的で法律を改正するとともに、その要請が秘密の守られる形で扱われることを確保すること。 (b) 妊娠した10代、思春期の母親およびその子どもの権利を保護し、かつこれらの者に対する差別と闘うことを目的とした政策を策定しかつ実施すること。 HIV/AIDS 51.委員会は、2000年から2009年にかけてHIV/AIDSの有病率が増え続けており、かつ、この全国的流行に効果的に対処するために締約国がとった措置が不十分であることを、深く懸念する。委員会は、全体としてはパプアにおけるHIV/AIDS罹患者数の増加が、かつとくにHIV/AIDSに罹患した女性の人数の増加が子どものHIV感染の増加につながってきたことに、懸念とともに留意するものである。 52.HIV/AIDSと子どもの権利についての一般的意見3号(2003年)に照らし、委員会は、締約国に対し、HIV/AIDSの蔓延を予防することならびにHIV/AIDSに感染しまたはその影響を受けている子どもにケアおよび支援を提供することを目的とした政策およびプログラムを策定しかつ強化するよう、促す。さらに委員会は、締約国に対し、HIV/AIDSの母子感染予防のためにとられている措置を維持し、カウンセリングの体制を整え、かつ、早期の診断および治療開始を確保する目的でHIV/AIDSに感染した母親およびその乳児のフォローアップ治療を向上させるよう、促すものである。 薬物および有害物質の濫用 53.委員会は、近年、若者による薬物の消費が相当に増加していることに、懸念とともに留意する。 54.委員会は、締約国が、とくに有害物質濫用(タバコおよびアルコールを含む)の回避および防止を目的とした正確かつ客観的な情報を子どもおよび青少年に提供することによって子どもおよび青少年による薬物の使用に対処するためにあらゆる必要な人的資源、技術的資源および財源を配分するとともに、アクセスしやすく、かつ若者にやさしい薬物依存治療およびハーム・リダクションのサービスならびにライフスキル教育を発展させるよう、勧告する。 母乳育児 55.委員会は、締約国における母乳育児率が低いことを懸念するとともに、とくに、インドネシアの子どもの42%しか生後6か月間の完全母乳育児の対象とされていないことに留意する。 56.委員会は、締約国が、母乳育児の利点を広報し、かつすべての母親がその乳児に対して生後6か月間の完全母乳育児を行なえるようにするためのプログラムを設ける等の手段により、母乳育児の促進を強化するよう勧告する。委員会はさらに、締約国が、世界保健機関(WHO)「母乳代替品の販売促進に関する国際基準」を採択するよう勧告するものである。 生活水準 57.委員会は、貧困根絶および社会扶助に関して締約国がとった措置、とくに地域間格差の削減を目的とした全国コミュニティ・エンパワーメント・プログラム(PNPM)および村落に関する2014年法律第6号を歓迎する。しかしながら委員会は、以下のことについて深く懸念するものである。 (a) 推定で1億3800万人の子どもが国の定めた貧困線以下の生活を送っており、かつ8400万人の子どもが極度の貧困下で生活していること。 (b) 地方分権化のプロセスによって多くの新たな州および地区が形成され、かつ、そのために公共サービス(出生登録、基礎教育および清潔な飲料水等)へのアクセスに関して地域間格差が生じてきたこと。 (c) 貧困に関して都市部・農村部の格差、民族的格差およびジェンダーの格差が存在しており、かつパプアの子どもがとりわけ不利な立場に置かれていること。 (d) 教育に関する社会扶助プログラムが、学校に行っていないために社会保護制度にアクセスできない最貧層の子どもを対象に含められていないこと。 (e) 農村部および先住民族の女性が特段の貧困に直面しており、そのためこのような女性の子どもが十分な成果を享受できていないこと。 58.委員会は、締約国が、ホリスティックな貧困大綱戦略を策定するとともに、子どもの貧困の根本的原因の理解およびこれへの対処ならびに子どもの貧困の解消のためにあらゆる必要な措置をとるよう勧告する。委員会はまた、締約国が以下の措置をとることも勧告するものである。 (a) 農村部および遠隔地に特段の注意を払いながら、あらゆる段階で貧困削減のための戦略およびプログラムを確立するとともに、基礎的サービス(とくに十分な栄養、住居、水および衛生設備ならびに教育サービス、社会サービスおよび保健サービス)への公平なアクセスを確保し、かつ、経済的に不利な立場に置かれた家族に物的援助を提供すること。 (b) 教育に関する社会扶助プログラムを、学校に行っていない子どもがアクセスできるようにする目的で修正すること。 (c) 農村部および先住民族女性およびその子どもが貧困に陥らないことを持続可能なやり方で確保する目的で、これらの女性の状況を向上させるための十分な支援プログラムを確立すること。 (d) 危険な状況にある家族および子どもを特定する能力がある、十分な訓練を受けたソーシャルワーカーを十分な人数で確保するための体制を整備するとともに、社会的援助のための諸制度を効果的に運用し、かつその実施のフォローアップを行なうこと。 H.教育、余暇および文化的活動(条約第28~31条) 教育(職業訓練および職業指導を含む) 59.18歳までを対象とする普遍的教育プログラムは歓迎しながらも、委員会は、とくにジャワにおいて学校に行っていない義務教育学校年齢の子どもの多さ、ならびに、教育へのアクセスを妨げる障壁の存在および教育の質について非常に懸念する。委員会は、とくに以下のことを懸念するものである。 (a) 教育にアクセスできるのが市民に限られており、出生証明書を持っていない子ども、子どもの難民および移住労働者の子どもが排除されていること。 (b) 相当数の子ども、とくに貧困家庭の子どもが、高額な教育費用またはその他の負担(教科書および制服等)のために学校に行かなくなっていること。 (c) 思春期の女子が妊娠した場合に中退することを防止するための措置がとられておらず、妊娠した女子が退学させられ、または妊娠中の教育の継続を思いとどまるように言われており、かつ、婚姻した子どもがしばしば教育の継続を断念していること。 (d) 学校において高い水準で暴力(教職員によるものを含む)が生じており、政府によって要求されている最低限の資格を有していない教員が多く、かつ、教員がしばしば仕事に行っていないこと。 60.前回の勧告(CRC/C/15/Add.223、パラ63)を踏まえ、委員会は、締約国に対し、締約国のすべての子どもが質の高い教育にアクセスできることを確保するために速やかな措置をとるよう促す。委員会はさらに、締約国に対し、以下の措置をとるよう促すものである。 (a) すべての子どもの庇護希望者および難民、移住労働者の子どもならびに出生証明書を有していない子どもに対して教育を利用可能とすること。 (b) 再貧困下および最遠隔地で暮らしている家族にとくに焦点を当てながら教育資金を増額するとともに、学校教育を終了できない原因に効果的に対処するための具体的行動をとること。 (c) 婚姻した青少年、10代の妊婦および思春期の母親が、普通学校における教育の継続について支援および援助を提供され、かつ子育てと教育の修了を両立できることを確保すること。 (d) 教員を増員し、教員に対して十分な研修を提供し、かつ、教員が仕事に行くことを確保すること。 (e) 体罰および学校におけるその他の形態の暴力(いじめを含む)に終止符を打つため、学校別の行動計画の策定および定期的な学校査察を含むあらゆる必要な措置をとること。 乳幼児期の発達 61.委員会は、就学前教育プログラムへの出席に関して経済的格差および都市部・農村部間の格差が存在すること、乳幼児期のケアおよび教育に対する予算配分が不十分であること、制度的基盤が十分でないこと、ならびに、遠隔地で乳幼児期のケアおよび教育を担当する十分な要員が存在しないことを懸念する。 62.委員会は、締約国が、乳幼児期のケアおよび教育が無償とされること、ならびに、諸施設がアクセス可能であり(遠隔地に住んでいる子どもにとってのアクセスを含む)、十分な職員および設備を備えており、かつ、ホリスティックなやり方(全般的な子どもの発達および親の能力の強化との関連を含む)で乳幼児期のケアおよび教育を提供できることを確保するよう、勧告する。 休息、余暇、レクリエーションならびに文化的および芸術的活動 63.子どもの保護に関する2002年法律第23号第11条において休暇、レクリエーションならびに文化的および芸術的活動に対する子どもの権利が定められていることには留意しながらも、委員会は、この権利に十分な注意が向けられておらず、かつその実施のために十分な努力が行なわれていないことを懸念する。 64.休息、余暇、遊び、レクリエーション活動、文化的生活および芸術に対する子どもの権利についての一般的意見17号(2013年)に照らし、委員会は、締約国が、子どもの身体的および心理的発達を考慮に入れながら子どものための余暇および文化的活動を計画することに十分な注意を払うとともに、親、教員およびコミュニティの指導者の間でこれらの権利を促進するよう、勧告する。委員会はまた、締約国が、この点に関して国際連合教育科学文化機関(UNESCO)およびユニセフの援助を求めるようにも勧告するものである。 I.特別な保護措置(第22条、第30条、第32条、第33条、第35条、第36条、第37条(b)~(d)、第38~40条) 子どもの庇護希望者および難民 65.委員会は、子どもの庇護希望者および難民の保護が不十分であることについて、とくに保護者のいない子どもが後見を受けないままに放置され、かつ無償の弁護士代理人もつけられていないことを著しく懸念する。さらに委員会は、子どもが、数か月または数年の間、むさ苦しく暴力的な環境のもと、司法審査を受けることなく、入管収容施設に収容されることを深く懸念するものである。委員会はとくに以下のことを懸念する。 (a) 入管職員および看守による重度の陵虐事案を子どもが経験しかつ/または目撃していること。 (b) 過密状態、不十分な衛生設備および不十分かつ質の悪い食事を含め、収容施設の環境が著しく劣悪であること。 (c) 保護者のいない子どもがしばしば親族ではない成人とともに収容されており、かつ家族と連絡をとる可能性を否定されていること。 (d) 教育にアクセスすることができず、かつレクリエーションおよび保健ケアへのアクセスが限られていること。 66.出身国外にあって保護者のいない子どもおよび養育者から分離された子どもの取扱いについての一般的意見6号に照らし、委員会は、締約国に対し、出入国管理および庇護に関する法制を子どもの権利条約その他の国際基準に全面的に一致させるよう促す。委員会はさらに、締約国に対し、子どもの庇護希望者が置かれた状況に十分に対処するためにあらゆる必要な措置をとるとともに、とくに以下の措置をとるよう促すものである。 (a) 出入国管理および庇護に関するすべての手続において子どもの最善の利益が常に第一次的に考慮されること、ならびに、保護者のいない子どもの庇護希望者に対して十分な後見および弁護士による無償の代理が提供されることを確保すること。 (b) 子どもの庇護希望者および難民を収容する行政慣行をやめること。 (c) 収容施設の看守および職員を対象とする厳格な行動規則を定めるとともに、これらの施設が独立の監視機関によって定期的に評価の対象とされることを確保すること。 (d) あらゆる状況下で、子どもが親族ではない成人から分離され、かつ、十分な食事、清潔な飲料水および衛生設備ならびに保健ケア、教育およびレクリエーションにアクセスできることを確保すること。 (e) 難民の地位に関する1951年条約および同条約の1967年の議定書に加入すること。 マイノリティまたは先住民族集団に属する子ども 67.委員会は、宗教的マイノリティが直面している困難、とくに以下のことについて深く懸念する。 (a) 宗教的マイノリティに属する者(子どもを含む)への暴力的攻撃からの保護および当該攻撃の捜査が不十分であること。 (b) 被害者への援助が不十分であること。これらの被害者の多くは攻撃の際に家を失い、清潔な飲料水および衛生設備、食料または保健ケアに十分にアクセスできない状態で、数年間に渡って一時的シェルターに滞在することを余儀なくされてきた。 (c) 1965年法律第1号の一覧に掲げられていない宗教的マイノリティに属する子どもが、身分証明書、婚姻証明書または出生証明書のような法的文書の発給およびさまざまな公共サービスへのアクセスをしばしば否定されていること。 68.委員会は、締約国に対し、宗教的マイノリティに属する者へのあらゆる形態の暴力と闘いかつこれを解消し、必要なあらゆる効果的保護および賠償を被害者に提供し、かつ、加害者を裁判にかけるためにあらゆる必要な措置をとるよう促す。委員会はさらに、締約国に対し、法律を改正して、1965年法律第1号の一覧に掲げられていない宗教的マイノリティに属するすべての子どもが、これまで否定されてきたすべての公共サービスおよび法的文書にアクセスできることを確保するよう促すものである。 69.委員会はさらに、貧困、軍事化および土地の天然資源の採収の対象とされ、かつ教育および保健ケアへのアクセスも劣悪である先住民族コミュニティに属する子ども、とくにパプア人の子どもの状況について懸念する。 70.先住民族の子どもとその条約上の権利についての一般的意見11号(2009年)に照らし、委員会は、締約国に対し、先住民族コミュニティの貧困を解消するためにあらゆる必要な措置をとり、かつこの点に関わる進展を監視するとともに、先住民族コミュニティがあらゆる公共サービスに平等にアクセスできるようにすること、脱軍事化の努力を追求すること、および、先住民族の伝統的領域における天然資源の利用については、先住民族の、十分な情報に基づく事前の同意を確保することを促す。 経済的搾取(児童労働を含む) 71.委員会は、「最悪の形態の児童労働撤廃のための国家行動計画」および「児童労働削減プログラム」を歓迎する。しかしながら委員会は、締約国で児童労働が広く蔓延しており、蔓延率は都市部よりも農村部のほうが相当に高いことを深く懸念するものである。委員会は以下のことをとくに懸念する。 (a) 多数の子どもが採鉱場、沖合漁業、建設現場および採石場でならびに家事労働者またはセックスワーカーとして働き、危険な条件または最悪の形態の児童労働にさらされていること。 (b) 強制労働に関する規定および16~18歳の子どもの労働を規制する法律が定められていないこと。 (c) 子どもの家事労働者(そのなかにはわずか11歳の子どももいる)が多数存在していること、これらの子どもが学校を早期に中退し、かつ暴力および搾取(身体的、心理的および性的虐待、子どもの人身取引および強制労働を含む)の被害を受けやすい状態に置かれていること、ならびに、これらの子どもが基本的労働権を付与する人的資源法の適用から除外されていること。 (d) 「最悪の形態の児童労働撤廃のための国家行動計画」の実施が、労働は教育プロセスの一環であり、成人としての生活に向けて子どもを準備させるものであり、かつ親に対する奉仕であるという一般的見方、子どもは「家庭の資産」であるという見方、および、地方自治の導入後の調整上の困難によって妨げられていること。 72.委員会は、締約国に対し、働く子どもが国際基準にのっとって働くことを確保するためにあらゆる努力を行なうよう促す。とくに委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促すものである。 (a) いかなる子どもも、いかなる危険な条件または最悪の形態の児童労働にもさらされないこと、および、労働への子どもの従事が、真正かつ自由な選択に基づき、国際基準にのっとって、合理的な時間制限に服することを条件として行なわれ、かつその子どもの教育をいかなる形でも阻害しないことを確保すること。 (b) 強制労働を犯罪化し、かつ16~18歳の子どもの労働を規制するために法改正を行ない、最低年齢に関するすべての基準の執行を厳格に追求するとともに、十分な人数の労働査察官を任命し、かつ、これらの査察官に、労働基準の実施をあらゆる段階で、国のあらゆる地域でおよびあらゆる種類のインフォーマル労働について監視するために必要なすべての資源(児童労働に関する専門知識を含む)を提供すること。 (c) 法律を改正することにより、家事労働者が、現行のすべての労働権を享受でき、かつ、これらの労働者が服させられている特定の条件および危険(セクシュアルハラスメント等)との関連で特別な保護(無償の法的援助を含む)を受けられることを確保すること。 (d) 労働法に違反した者の徹底的捜査および断固たる訴追が行なわれ、かつ、十分な有効性および抑制効果を有する制裁が実際に科されることを確保すること。 (e) 労働に関連する子どもの条約上の権利についての情報を国、広域行政圏および地方のレベルで積極的に普及するとともに、その際、関係者および指導者層の積極的参加ならびにメディアの関与を確保すること。 (f) 労働に従事する子どもについての第三者的検証が可能なデータを取得するため、中央集権化されたデータ収集システムを設置すること。これらのデータは、労働種別、年齢、性別、地域、民族および社会経済的背景ごとに細分化されるべきである。 (g) 家事労働者の適正な労働に関する国際労働機関(ILO)第189号条約を批准しかつ実施すること。 (h) この点に関してILO・児童労働根絶国際計画の技術的援助を求めること。 路上の状況にある子ども 73.防止および回復に関する締約国のプログラムは歓迎しながらも、委員会は、路上で働きかつ生活している子どもが相当数にのぼっており、かつ、このような子どもが、蔓延しているさまざまなリスク(薬物の使用、性的虐待および経済的搾取を含む)の影響を受けやすい状況に置かれていることを懸念する。委員会はまた、地方条例において、路上の状況にある子どもを被害者としてではなく犯罪者として扱う法的アプローチの唱道が支配的となっていること、および、このような子どもが、とくに麻薬の一斉摘発の際に法執行官による重度の暴力を受けていることも、深く懸念するものである。 74.委員会は、締約国が、路上の状況にある子どもへの対応について子どもの保護を基盤とするアプローチを包括的に適用するためにあらゆる必要な人的資源、技術的資源および財源を配分するとともに、とくに以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 根本的原因および規模を正確に把握する目的で、路上の状況にある子どもの状況に関する体系的評価を行なうこと。 (b) 路上の状況にある子どもを犯罪者として扱うすべての法律を改正するとともに、これらの子どもを暴力、とくに法執行にともなう暴力から保護するためにあらゆる必要な措置をとること。 (c) この現象の防止および削減を目的としてその根本的原因に対処する包括的政策を、これらの子どもたち自身の積極的関与を得ながら策定しかつ実施すること。 (d) 非政府組織(NGO)との調整のもと、路上の状況にある子どもに対して必要な保護を提供すること。このような保護には、栄養およびシェルターへのアクセス、家庭環境、十分な保健ケアサービス、通学できるようになることならびにその他の社会サービスへのアクセスが含まれる。 (e) 家族再統合プログラムを、それが子どもの最善の利益にのっとったものであるときは支援すること。 売買、取引および誘拐 75.委員会は、締約国が子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書を最近批准したことを歓迎する。しかしながら委員会は、締約国において人身取引が多数発生していること、および、未成年の多数の子どもがセックスワークに従事していることを非常に懸念するものである。人身取引根絶に関する2007年の法律第21号は歓迎しながらも、委員会は、同法が子どもの人身取引に関する包括的定義を定めていないため、子どもの人身取引の多くの事案が法律上はそのようにみなされない危険性があることを懸念する。さらに委員会は、政府によって設置された人身取引対策特別委員会が十分に効果的なものとなっておらず、かつ多くの地区がまだ同特別委員会の活動対象とされていないことに、懸念とともに留意するものである。 76.委員会は、締約国に対し、人身取引対策特別委員会の改善および拡大を図って国のすべての地域を対象とするとともに、子どもの人身取引を効果的に解消するために精力的措置をとるよう、促す。とくに委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促すものである。 (a) あらゆる形態の子どもの人身取引が包括的に定義されかつ犯罪化されることを確保するために法律を改正し、人身取引を防止するために対象の明確な政策およびプログラムを策定し、かつ、子どもの売買、取引および誘拐の加害者を裁判にかけるために十分な法執行措置がとられることを確保すること。 (b) 子どもの人身取引を解消する目的でその根本的原因に関する調査研究を実施し、人身取引の対象とされるおそれおよび(または)子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書上の犯罪の被害を受けるおそれがある子どもを特定し、かつ、被害を受けた子どものために、再統合およびリハビリテーションのための質・量ともに十分なサービスを整備すること。 少年司法の運営 77.委員会は、刑事責任に関する最低年齢を引き上げ、かつ修復的司法の活用を優先するものとした、少年司法制度に関する2012年法律第11号の採択を歓迎する。しかしながら委員会は、刑事責任に関する最低年齢がいまなお12歳という非常に低い年齢に留まっていることに、懸念とともに留意するものである。さらに委員会は、たとえ軽微な犯罪を理由とするものであっても多数の子どもが収監刑を言い渡されており、かつ、これらの子どもがしばしば成人とともに劣悪な環境下で拘禁されていることを懸念する。委員会はまた、法律に抵触した子どものための社会的再統合措置が存在しないことも懸念するものである。 78.少年司法における子どもの権利についての一般的意見10号(2007年)に照らし、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 刑事責任に関する最低年齢の、最低でも14歳への引き上げを検討すること。 (b) 少年司法法の実施を担当するすべての専門家が同法について必要な研修を受けることを確保すること。 (c) 法律を効果的に実施できるよう、あらゆる適切な人的資源、技術的資源および財源が配分されることを確保すること。 (d) 自由の剥奪が最後の手段としてかつもっとも短い期間でのみ用いられること、子どもが成人とともに収容されないこと、および、拘禁環境が国際基準に一致したものとなること(栄養、清潔な水および衛生設備、教育ならびに保健サービスへのアクセスとの関連を含む)を確保すること。 (e) ダイバージョン、調停、カウンセリングまたは地域奉仕活動のような拘禁に代わる措置をさらに促進し、かつ、更生および再統合のための十分なプログラムにアクセスできるようにすること。 J.国際人権文書の批准 79.委員会は、締約国が、子どもの権利の充足をさらに強化する目的で、まだ当事国となっていない中核的人権文書、とくに通報手続に関する子どもの権利条約の選択議定書、強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約、経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約の選択議定書、市民的および政治的権利に関する国際規約の選択議定書、死刑の廃止を目指す市民的および政治的権利に関する国際規約の第2選択議定書、女性に対するあらゆる差別の撤廃に関する条約の選択議定書、拷問および他の残虐な、非人道的なまたは品位を傷つける取り扱いまたは刑罰に関する条約の選択議定書、および、障害のある人の権利に関する条約の選択議定書を批准するよう勧告する。 K.地域機関および国際機関との協力 80.委員会は、締約国が、とくに東南アジア諸国連合(ASEAN)・女性および子どもの権利の促進および保護に関する委員会と協力するよう勧告する。 L.フォローアップおよび普及 81.委員会は、締約国が、とくにこの総括所見に掲げられた勧告を国家元首、議会、関連省庁、最高裁判所および地方当局に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。 82.委員会はさらに、第3回・第4回統合定期報告書、締約国の文書回答および関連の勧告(総括所見)を、インターネット等を通じ(ただしこれにかぎるものではない)、公衆一般、市民社会組織、メディア、若者グループ、専門家グループおよび子どもが同国の言語で広く入手できるようにすることを勧告する。 M.次回報告書 83.委員会は、締約国に対し、統合された第5回・第6回定期報告書を2019年10月7日までに提出し、かつ、この総括所見のフォローアップに関する情報を当該報告書に記載するよう慫慂する。報告書は、2010年10月1日に採択された委員会の条約別調和化報告ガイドライン(CRC/C/58/Rev.2 and Corr.1)にしたがうべきであり、かつ21,200語を超えるべきではない(総会決議68/268、パラ16参照)。定められた語数制限を超えた報告書が提出された場合、締約国は、前掲決議にしたがって報告書を短くするよう求められることになる。締約国が報告書を見直しかつ再提出することができないときは、条約機関による検討を目的とした報告書の翻訳は保障できない。 84.委員会はまた、締約国に対し、2006年6月の第5回人権条約機関委員会間会合で承認された統一報告ガイドライン(HRI/GEN/2/Rev.6, chap. I)の共通コアドキュメントに関する要件にしたがい、最新のコアドキュメントを提出することも慫慂する。共通コアドキュメントの語数制限は、総会が決議68/268(パラ16)で定めたとおり、42,400語である。 更新履歴:ページ作成(2015年10月21日)。
https://w.atwiki.jp/bangbangkids/pages/20.html
意見が多かったと思われるものを載せています。 人によって意見が異なる部分もあると思いますので判断は自己責任でお願いします。 また、編集する際はむやみに意見を消さないようお願いします。 長所 Wi-Fiだとなんだかんだで盛り上がる。ただ人数が揃って何ぼな感じ。 リモコンによる視点移動が動きやすい。 グロ系、ホラー系、サバゲー系がだめな人でも楽しめる。 800円の価値は普通にあるとは思う。 短所 モード毎のマッチングなので、人が分散してしまうひどいマッチングシステム。 募集画面では、一人でも参加者がいると退出できない謎仕様。 観戦モード中は退出できない→決着がつくまで延々待たされる。 水補給で足止め食らうより武器回収した方が手っ取り早い 一部のアイテム(かっぱ、ハンマー)がゲームバランスを崩壊させている。テクニックよりもアイテムの比重が重くなっている。しかもアイテムの出現位置が固定。 緊急回避が暴発することがある。 FPSの独特な視点により、人によっては酔うかも。 不明 世界で対戦する時のラグが懸念されるラグはほとんど気にならない程度。 死亡判定までのラグが少し気になる。 過疎が懸念される。世界のバトルロイヤルなら集まりやすい。その他は集まりにくい。 国内は? 誰かが試合途中で抜けると武器が一定時間拾えなくなる なかなか始まらない時がある。誰かが入って来たか、切断して抜けたか
https://w.atwiki.jp/sig-suer220/pages/128.html
Q1: 機動爆雷の敷設についての相談となります。 設定国民から早く敷設をとの声が上がっており、FVBでも宇宙怪獣への対抗手段として早急な敷設を行うべきだと考えています。 しかし、一方でテラに来航したネーバルウィッチの艦隊やFVB以外の他帝国・共和国の藩国に対して機動爆雷の敷設が威圧感を与え、最悪の場合同士討ちが起こらないか懸念してます。 こちらの懸念は妥当でしょうか? Q2: 現在FVBでは、Q1で前述したFVBでは臨時士官の船乗りたちにはしばらく編成訓練を行わせ、機動爆雷の敷設はネーバルウィッチとの連携が確立した後に行いたいと考えています。 このような意図から以下の政策を提出させていただいていますが、こちらに対して設定国民の反応はどうでしょうか? (政策URL) Q3: 宇宙で行われると見込まれている戦闘に際して、現在来ているネーバルウィッチの艦隊と連携を確立させておくのが必要ではないかと考えています。 その為のまず端緒として、ネーバルに対して一言挨拶のような通信をFVBから送らせていただきたいと考えていますが、これに外交上の観点などからみて問題はないでしょうか? Q4: また、ネーバルとの連携に対して帝國では現在対応などは検討されていますか? Q5: 現在FVBの宇宙部で、政情不安や動乱、直接的な被害などは見られますか?
https://w.atwiki.jp/rebelinc/pages/42.html
難易度 ★★★★★★★★★ 概要 9番目に開放されるマップで4番目に開放されるスペシャルマップ 主な懸念 水道 電気通信 セキュリティ 特徴 4つオイルデリィグは主な収入源になるので早めに確保しておこう。 本部は川の上に2つオイルデリィグがある場合はここがおすすめ 反乱軍はオイルデリィグが近くいる場合は全力で攻撃してくる。 オイルデリィグが乗っ取られると反乱軍の能力が上がってしまい大変なことになる。 兵士を定住されると反乱軍はあまり攻撃してこなくなるので、なるべく定住させよう。 攻略 本部はなるべくオイルデリィグの近くに建てよう。 水道は懸念になりやすいので最序盤の取得がおすすめ。 反乱軍の攻撃は激しいので道路戦略と駐屯地は必須。 遠隔地や農村部に反乱軍がいてもなるべく都市部やオイルデリィグを守ろう。 オイルデリィグに兵士を定住されると反乱軍はあまり攻撃してこなくなるので、なるべく近くに定住させよう。 石油利益の減少イベントが発生した場合はオイルデリィグに兵士を向かわせて調査するか、何もしない方がよい。 (何もしないと、一つのオイルデリィグが年間1ドル減るだけであんまり影響はない。) 特殊戦略 地域の雇用推進 おすすめ度 ★☆☆☆☆ オイルデリックのある区域での支援レベルが大幅に増加。 石油ロビイスト おすすめ度 ★☆☆☆☆ オイルデリックのある区域に連合軍がいる場合、連合軍の配備時間が増える。 動画
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/1526.html
720 :371@銀剣物語 ◆snlkrGmRkg:2008/04/30(水) 23 14 06 「……やはり、ヴェルデにはそれらしい店名はないな」 「そっか……」 俺は今、氷室と二人でヴェルデの入り口に立っている。 皆と相談した結果、俺は氷室と二人で行動することになった。 蒔寺と雛苺は、三枝さんが面倒を見てもらっている。 三枝さんには申し訳ないが、探索のネックになる二人を分散させるのは得策じゃない。 蒔寺と雛苺を一人に任せて、その分をもう片方のチーム……この場合は俺と氷室が探索に力を入れる、という作戦だ。 もちろん、俺たちのチームが、三枝さんの分を補うくらいの働きをするのが前提だ。 「俺もここには何度かきたけど、人形店なんて珍しいもん、一回も……」 「……見た記憶は無いな」 俺の言葉を引き継いで、氷室もため息と共に頷いた。 俺だけじゃなくて氷室も見たことが無いとなると、こりゃあ可能性は低そうだな。 入ってきたばかりの自動ドアを再びくぐり、俺と氷室はヴェルデの外に出た。 「こうなると、ヴェルデの周りを足で探すしかないよなぁ……」 百貨店であるヴェルデの周囲には、大通りと、そこに面した店舗が連なっている。 その中には、ヴェルデではカバーしきれないような商品を扱う店も数多く存在する。 もしかしたら、アンティークドールを扱う店もあるかもしれない。 「……」 「……」 氷室と二人、隣り合って歩く。 言葉にしてみればそれだけなのだが、今の俺はとても複雑な心境にあった。 なにしろ……氷室と二人、隣り合って歩いているのだから。 ――衛宮。私は、君のことが―― 氷室が、あの夕焼けの中で言ってくれたことを、覚えている。 「…………」 ……俺は、氷室の告白に対して、まだなんの答えも返していない。 何故? 水銀燈を探すことを優先したから? ……違う。 水銀燈を探す、という大義名分をかさにして、俺は答えることから逃げたのだ。 そうであるならば、それは……。 「なんて、卑怯」 「……衛宮? 何か言ったか?」 「いや、なんでもない」 氷室は、そうか、と言って、再び視線を戻した。 今、隣で歩いている氷室は、何を考えているんだろう。 今、氷室はどんな気持ちで、俺の隣を歩いているんだろう。 あの時。 氷室は、答えは次に会った時でいい、と言った。 ならば……今が、そのときなんじゃないか? 俺がそう考えていると、氷室が、おもむろに口を開いた。 「……何か、あったのか?」 「え?」 自分の口から、意識せずに間抜けな声がこぼれた。 氷室の口調は静かで、まるで水のようにサラリと流れてしまいそうで。 それでも、脳を一瞬で停止させてしまうほどの力を秘めていた。 「なっ……なんでさ?」 「いや……まだ先日の懸念に、決着が付いていないのか、と思ってな。 今、こうして行っていることも、その懸念の延長上にあるんじゃないか……そう、思ったのだ」 先日の、懸念。 氷室も……やっぱり、氷室もあのときのことを思い出していたのだ。 そして、あのとき……俺が、水銀燈のことを考えていたことも。 確かに、水銀燈を探した結果、怪我をした水銀燈を見つけたわけで……こうして服を探していることも、その延長線上にあると言える。 そして……水銀燈を元通りに治すまで、この問題は終わらないだろう。 「前にも言っただろう。 衛宮は二つのことを同時に考えられる人間じゃない。 だから……」 とても利己的な考えなのだが、と前置きしておいてから、氷室は、 α:「早く懸念に決着をつけて、その次に……私のことを考えてほしいな、と、思ってしまった」 β:「こうして腕を組んだりして、強引にでも気を引くしかないんだろうな」 γ:「だから……もういいんだ。今なら、まだ、諦められそう、だから」 投票結果 α:2 β:6 γ:1
https://w.atwiki.jp/pipopipo555jp/pages/3278.html
昨日 - 今日 - ふくしま集団疎開裁判・仙台高裁2013-04-24決定 2013年4月24日仙台高裁決定についての声明/ふくしま集団疎開裁判弁護団 (小見出しは転載者による) 2013年4月24日仙台高裁決定についての声明/ふくしま集団疎開裁判弁護団1(仙台高裁第2民事部は…) 2(高裁のいい分、決定理由は…)(1)(由々しい事態の進行が懸念される) (2)(もっとも…) (3)(郡山市内の教育活動を指し止めてみても…) (4)(郡山市に避難先での学校教育を求めることはできず…) (5)(…保全の必要性がない) 3(弁護団の評価、健康影響は差し迫った問題であり「中長期的」は誤認) 4(弁護団の評価、肩透かし判決、手をこまねいて人権侵害を見逃す司法) 5(行政を動かそう) 2013 年4 月24 日仙台高裁決定についての声明 2013.4.26 ふくしま集団疎開裁判弁護団 1(仙台高裁第2民事部は…) 1 平成25年(2013年)4月24日,仙台高裁第2民事部は,福島県郡山市立小,中学生14人が,郡山市に対し,年1ミリシーベルトを超える環境下の学校施設で教育活動を実施することの差止め,及び,年1ミリシーベルト以下の環境下の学校施設で教育活動を実施することを求めた民事仮処分事件(いわゆる「ふくしま集団疎開裁判」)の抗告審(なお,抗告した子どもの数は10名)において,その申立てを却下する旨の決定をした。 2(高裁のいい分、決定理由は…) 2 決定理由の骨子は次のとおりである(分かりやすさのために,趣旨を変えない限度で言葉を足している)。 (1)(由々しい事態の進行が懸念される) (1) チェルノブイリ原発事故によって生じた健康被害,福島県県民健康管理調査結果,現在の郡山市における空間線量率等によれば,子どもたちは,低線量の放射線に間断なく晒されており,これによる,その生命・身体・健康に対する被害の発生が危惧され,由々しい事態の進行が懸念される。この被ばくの危険は,これまでの除染作業の効果等に鑑みても,郡山市から転居しない限り容易に解放されない状態にある。 (2)(もっとも…) (2) もっとも,中長期的には懸念が残るものの,現在直ちに不可逆的な悪影響を及ぼす恐れがあるとまでは証拠上認め難い。 (3)(郡山市内の教育活動を指し止めてみても…) (3) 子どもたちは,学校生活以外の日常生活において既に年1ミリシーベルトを超える被ばくをしており,引き続き郡山市に居住する限り,郡山市内の学校施設における教育活動を差し止めてみても,被ばく量を年1ミリシーベルト以下に抑えるという目的を達することができないから,子どもたちにこれを差し止める権利が発生する余地はない。 (4)(郡山市に避難先での学校教育を求めることはできず…) (4) 子どもたちに対して郡山市の学校施設で教育活動を継続することは,直ちにその生徒の生命身体の安全を侵害するほどの危険があるとまで認め得る証拠もないから,直ちに不当ではない。子どもたちの避難先での教育は地元の教育機関により行われるのが原則であり,避難元の公的教育機関がわざわざ地元の教育機関を差し置いてまで別の学校施設を開設する必要はない。子どもたちが自主避難した場合は,子どもたちは避難先の公的教育機関で教育を受けることで被ばく被害を回避する目的は達成される。言い換えれば,子どもたちは郡山市に対し避難先での学校教育を求めることはできず,また,郡山市は避難先で教育活動を実施すべき義務を負うものでない。 (5)(…保全の必要性がない) (5) 子どもたちに自主避難が困難とすべき事情は認められず,保全の必要性がない。 3(弁護団の評価、健康影響は差し迫った問題であり「中長期的」は誤認) 3 本決定は,低線量被ばくが子どもたちの生命,身体,健康に与える影響について上記2の(1)において正しい認識を示しながら,同(2)においては,「中長期的には懸念が残るものの,現在直ちに不可逆的な悪影響を及ぼす恐れがあるとまでは証拠上認め難い」と述べた。しかし,本決定が引用する福島県健康管理調査によれば,これまで100万人に1人と言われていた小児甲状腺がんが,僅か3万8000人の余りの検査で既に3名確定診断され,7名が強く疑われている。もはや,危険は中長期的なものではなく,今現在,健康被害について不可逆的な悪影響を及ぼす恐れがある可能性が高いのである。その意味でこの部分は重大な事実の誤認であり,撤回すべきである。 4(弁護団の評価、肩透かし判決、手をこまねいて人権侵害を見逃す司法) 4 私たちは,子どもたちに対して教育を実施する憲法上の義務を負う郡山市は,子どもたちに対し,安全な環境下で教育を実施する義務がある,すなわち,子どもたちを避難させる義務を負うと主張していた。小中学校の設置場所については,「その区域内に設けるのが原則であるが,やむをえない理由がある場合は区域外に設けることもできる」(昭和34年4月23日文科省通達)のである。また,私たちは,経済的問題,子どもの気持ちの問題,行政による放射能安全宣伝の浸透等から,今の福島で自主避難を決断することがいかに困難であるかを力説してきた。しかし,本件決定は,子どもたちが自主避難すれば,郡山市としてやるべきことはなく,郡山に住み続けるのなら,郡山市が子どもの被ばくを1ミリシーベルト以下に押さえるすべはないという特異な理屈で,本件申立てを退け,私たちの上記主張には,全く答えることがなく,いわば「肩透かし」をした。 結局,裁判所は,チェルノブイリ報告書や福島県民健康管理調査の結果等から,子どもたちの生命身体への被害発生の危険性を正当に評価し,「由々しい事態の進行が懸念される」と強い調子で断定し,集団疎開は,「被ばく被害を回避する一つの抜本的方策として教育行政上考慮すべき選択肢である」とまで述べながら,子どもたちが郡山市に対して避難を求める権利を有することを認めず,匙を行政に投げ, 司法としては,この現在進行中の深刻な人権侵害を手を拱いて見ているしかないと言ったのである。これは,「人権の最後の砦」としての司法が担うべき最も重要な職責を放棄するものにほかならず,強く抗議する。 5(行政を動かそう) 5 郡山市を含む市町村,福島県,国は,せめて司法の上記2の(1)の認識,憂慮を深刻に受け止め,速やかに子どもたちの被ばく回避のための抜本的な措置をとるべきである。 最後に,今後行政を動かしていくために,全国の,全世界の心ある市民の皆様に更なる支援をお願いしたい。弁護団としては,新たな提訴も選択肢の一つとして,一日も早い子どもたちの集団疎開の実現に向け,力を尽くす所存である。 以上 ふくしま集団疎開裁判・仙台高裁2013-04-24決定
https://w.atwiki.jp/sinraf/pages/1482.html
添付ファイルの名前を適当に付けたまんまUPしてしまった……申し訳ない - 名無しさん 2012-10-16 08 49 10 画像ありがたいですー自分でも早くあてたいお・・・ - 名無しさん 2012-10-16 09 27 39 変身願望を叶えてくれる奇跡の魔王さんw - 名無しさん 2012-10-16 13 50 54 Hと比べるとステが防御寄り。アス時代は属性が魔故、防御の低いHはドーンでの事故死が懸念されていたが、今の所力でドーン出来る奴は居ないので好きな方を使えそうだ。 - 名無しさん 2012-10-16 16 27 05 間違えて送信しちゃった、デウス時代は属性が魔故、防御の低いHはドーンでの事故死が懸念されていたが、今の所力でドーン出来る奴は居ないので好きな方を使えそうだ。もっぱらタイガがいるから前線に出すのはお勧めしない。 - 名無しさん 2012-10-16 16 28 16 兄弟で使うとするか( ̄∀ ̄)アスモちゃんが付与+スロットでカチカチにo(`▽´)o - 名無しさん 2012-10-16 22 46 37 攻撃力が低すぎてつらい、速度もハンゾウと比べるとなあ・・・ - 名無しさん 2012-10-21 08 38 04 Hがガー不つきの劣化ハンゾウに対してこちらは防御よりなので頑健でガチガチに固めれば技壁としては優秀 - 名無しさん 2012-10-26 18 36 10
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/267.html
総括所見:スイス(第2~4回・2015年) 第1回(2002年)OPAC(2006年)/OPSC(2015年) CRC総括所見日本語訳(国別)/CRC総括所見日本語訳(会期順) CRC/C/CHE/CO/2-4(2015年2月26日) 原文:英語(平野裕二仮訳) 原文は国連人権高等弁務官事務所のサイト(国別情報のページまたはCRC会期一覧ページ)を参照。 I.序 1.委員会は、2015年1月21日および22日に開かれた第1959回および第1961回会合(CRC/C/SR.1959 and 1961参照)においてスイスの第2回~第4回統合定期報告書(CRC/C/CHE/2-4)を検討し、2015年1月30日に開かれた第1983回会合において以下の総括所見を採択した。 2.委員会は、締約国における子どもの権利の状況についての理解を向上させてくれた、締約国の第2回~第4回統合定期報告書(CRC/C/CHE/2-4)および事前質問事項に対する文書回答(CRC/C/CHE/Q/2.4/Add.1)の提出を歓迎する。ただし委員会は、報告書の提出が相当に遅延したことを遺憾に思うものである。委員会は、締約国の多部門型代表団との間に持たれた建設的対話に評価の意を表する。 II.締約国によりとられたフォローアップ措置および達成された進展 3.委員会は、とくに以下の条約について批准または加入が行なわれたことに、評価の意とともに留意する。 子供の売買、児童買春および児童ポルノに関する子供の権利条約の選択議定書(2006年9月) 障害のある人の権利に関する条約(2014年4月) 拷問および他の残虐な、非人道的なまたは品位を傷つける取扱いまたは刑罰に関する条約の選択議定書(2009年9月) 女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の選択議定書(2008年9月) 1952年の母性保護条約(改正)の改正に関する国際労働機関第183号条約(2000年)(2014年6月) 性的搾取および性的虐待からの子どもの保護に関する欧州評議会条約(2014年3月) 4.委員会は、とくに以下の立法措置が施行されたことを歓迎する。 民法改正(2014年7月1日(親の権威)および2013年1月1日(成人保護法、人事法および子ども法)) 庇護法改正(2014年7月1日) 刑法改正(2014年7月1日) 里子の措置に関するオルドナンス(2013年1月1日) 連邦子ども・若者振興法(2013年1月1日) スイス刑事訴訟法(2011年1月1日) 少年刑事訴訟法(2011年1月1日) 改正連邦外国人法(2011年1月1日) 国際的な子の奪取と子どもおよび成人の保護に関する諸ハーグ条約に関する連邦法(2009年7月1日) 改正連邦被害者支援法(2009年1月1日) 子どもおよび若者のための保護措置ならびに子どもの権利の強化に関するオルドナンス(2010年8月1日) 少年刑法(2007年1月1日) 改正連邦職業専門教育訓練法(2004年1月1日) 連邦障害者差別解消法(2004年1月1日) 5.委員会はまた、とくに以下の制度上および政策上の措置も歓迎する。 武力紛争において軍隊または武装集団と関係している子どもを保護するための連邦外務省行動計画(2014~2016年) 人身取引と闘う国家行動計画(2012~2014年) HIVおよびその他の性感染症に関する国家計画(2011~2017年) 包括的スイス反貧困戦略(2010年採択)ならびに貧困防止および貧困との闘いに関する国家計画(2014~2018年、2013年採択) スイス人権専門センター(2010年設置) スイス子ども・若者政策戦略(2008年採択) 連邦障害者平等局(2004年設置) III.主要な懸念領域および勧告 A.実施に関する一般的措置(条約第4条、第42条および第44条第6項) 留保 6.締約国が条約第5条、第7条および第40条(b)(v)(vi)に付した留保を撤回したことは歓迎しながらも、委員会は、締約国が、第10条第1項、第37条(c)および第40条第2項(b)(ii)~(iii)に付した留保をいまなお維持していることを遺憾に思う。 7.委員会は、前回の勧告(CRC/C/15/Add.182、パラ7)をあらためて繰り返すとともに、1993年6月25日にウィーンの世界人権会議で採択されたウィーン宣言および行動計画に照らして、締約国に対し、条約に付した留保でいまなお残っているものの撤回を検討するよう促す。 立法 8.条約と国内法とのさらなる一致を確保するために連邦およびカントンのレベルで子どもに関連するさまざまな立法措置がとられたことは歓迎しながらも、委員会は、これらの努力が条約のすべての分野を網羅しているわけではないことを懸念する。 9.委員会は、締約国が、連邦法およびカントン法を条約と包括的に調和させるための努力を継続しかつ強化するよう勧告する。 包括的な政策および戦略 10.委員会は、締約国が2008年に「スイス子ども・若者政策戦略」を発表し、それが連邦子ども・若者振興法の採択(2011年)につながったこと、および、締約国が最近、子ども・若者政策の状況に関する報告書をまとめたことに留意する。にもかかわらず、委員会は、同戦略が条約のすべての分野を網羅しているわけではないことを依然として懸念する。 11.委員会は、締約国が、条約の原則および規定の全般的実現のための国家的政策および戦略を、子どもおよび市民社会と協議しながら策定しかつ実施し、もってカントンの計画および戦略の枠組みを示すよう勧告する。委員会はまた、締約国が、その包括的な政策および戦略ならびにカントンのレベルにおける関連の計画または戦略の実施、監視および評価のために十分な人的資源、技術的資源および財源を配分することも勧告するものである。 調整 12.委員会は、締約国の連邦制度によって生じる課題に留意するとともに、全般的な調整が行なわれていないことにより、締約国の諸カントン全体を通じて条約の実施に相当の格差が生じていることを懸念する。 13.委員会は、締約国が、自国の領域全体で平等な保護水準が達成されるようにする目的で、諸部門全体でならびに連邦、カントンおよびコミューンの各レベルで子どものための行動を効果的に調整する全面的な能力および権限ならびに人的資源、技術的資源および財源を与えられた、条約ならびに包括的な政策および戦略を実施するための調整機関を設置するよう勧告する。委員会はまた、市民社会および子どもに対して当該調整機関の一翼を担うよう呼びかけることも勧告するものである。 資源配分 14.締約国が世界でもっとも経済的に豊かな国のひとつであり、かつ相当多くの資源を子ども関連プログラムに投資していることを念頭に置きつつ、委員会は、締約国が、連邦予算およびカントン予算における予算の計画および配分について子どもに特化したアプローチを活用していないことから、子どもに対する投資の効果および条約の全般的適用状況を予算の観点から明らかにし、監視し、報告しかつ評価することが事実上できなくなっていることに留意する。 15.委員会は、締約国が、連邦およびカントンのレベルにおける子どものニーズを十分に考慮に入れ、かつ、関連の部門および機関に対する子ども向けの明確な配分額、具体的指標および追跡システムを備えた予算策定手続を確立するよう、勧告する。加えて、委員会は、締約国が、条約の実施に配分される資源の分配の有効性、十分性および公平性が効果的に監視および評価されることを確保するよう勧告するものである。 データ収集 16.さまざまなデータ収集システムが存在することには留意しながらも、委員会は、締約国に包括的なデータ収集システムが存在せず、かつ、条約の十分な分野、とくに被害を受けやすい状況および周縁化された状況に置かれた子どもの集団に関する分野に関して信頼できる細分化されたデータが入手できないことを、遺憾に思う。 17.子どもの権利条約の実施に関する一般的措置についての委員会の一般的意見5号(2003年)に照らし、かつ前回の勧告(CRC/C/15/Add.182、パラ18)にしたがい、委員会は、締約国が、自国のデータ収集システムを迅速に改善するよう強く勧告する。データは、条約のすべての分野を対象とするべきであり、かつ、すべての子ども、とりわけ被害を受けやすい状況に置かれた子どもの状況の分析を容易にするため、とくに年齢、性別、障害、地理的所在、民族的および国民的出身ならびに社会経済的地位ごとに細分化されるべきである。さらに委員会は、当該データおよび指標が、条約の効果的実施を目的とする政策、プログラムおよびプロジェクトの立案、監視および評価のために活用されるべきことを勧告する。 独立の監視 18.スイス人権専門センターが設置されたことには留意しながらも、委員会は、あらゆるレベルで条約の実施を監視する、子どもの権利侵害の苦情を受理しかつこれに対応する権限を与えられた中央独立機関が引き続き存在していないことを依然として懸念する。 19.子どもの権利の促進および保護における独立した国内人権機関の役割についての一般的意見2号(2002年)に照らし、かつ前回の勧告(CRC/C/15/Add.182、パラ16)にしたがい、委員会は、締約国に対し、人権一般を監視するための独立の機構および子どもの権利を監視するための具体的機構(子どもによる苦情を子どもにやさしいやり方で受理し、調査しかつこれに対応すること、被害者のプライバシーおよび保護を確保することならびに被害者のためのモニタリングおよびフォローアップ活動を行なうことのできるもの)を迅速に設置するための措置をとるよう、勧告する。さらに委員会は、締約国が、パリ原則との全面的一致を確保すべく、そのような監視機構の独立性(財政、権限および免責特権に関するものを含む)を確保するよう勧告するものである。 普及、意識啓発および研修 20.ロマンシュ語への条約の翻訳および「財団21:持続可能な開発のための教育」の設置など、情報の普及および研修の実施のために締約国が行なっているさまざまな努力には留意しながらも、委員会は、子ども、親および公衆一般の間で条約があまり周知されていないことを懸念する。委員会はまた、子どもとともにまたは子どものために働く専門家を対象とした子どもの権利に関する研修活動が体系的でも包括的でもないことも懸念するものである。 21.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 子どもにやさしい方法による条約についての意識啓発にメディアがいっそう関与するよう奨励すること、公衆向けの積極的広報活動への子どもの積極的関与を促進することおよび親をとくに対象とした措置を確保すること等の手段により、意識啓発プログラムを引き続き強化すること。 (b) 裁判官、弁護士、法執行官、公務員、教員、保健要員(心理学者を含む)およびソーシャルワーカーなど、子どもとともにおよび子どものために働くすべての専門家を対象とした、子どもの権利に関する体系的かつ継続的な研修プログラムを発展させること。 子どもの権利と企業セクター 22.委員会は、多国籍企業の活動を規制するためにとられた措置および構想されている措置(スイス・ラギー戦略の策定を含む)について締約国から提供された情報に留意する。しかしながら委員会は、締約国が、任意の自主規制に頼るばかりであり、締約国の管轄または管理の下で行動する企業の、締約国の領域の外で展開される活動において子どもの権利を尊重する義務を明示的に定めた規制の枠組みを用意していないことを懸念するものである。 23.企業セクターが子どもの権利に与える影響に関わる国の義務についての委員会の一般的意見16号(2013年)に照らし、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) スイス・ラギー戦略を速やかに採択すること等を通じ、締約国で操業する産業を対象とした、その活動が人権に悪影響を及ぼしまたは環境基準、労働基準その他の基準(とくに子どもの権利に関わるもの)を脅かさないことを確保するための明確な規制枠組みを確立するとともに、その効果的実施を確保すること。 (b) 締約国の領域で操業しまたは締約国の領域から経営されている企業およびその子会社が、子どもの権利および人権一般のいかなる侵害についても法的に責任を問われることを確保すること。 B.一般原則(条約第2条、第3条、第6条および第12条) 差別の禁止 24.締約国がとった差別禁止措置、とくに移住者の統合の促進を目的とした措置は歓迎しながらも、委員会は、周縁化された状況および不利な立場に置かれた状況にある子ども(子どもの移住者、難民および庇護希望者、障害のある子どもならびに在留資格のない子どもを含む)に対する差別が引き続き蔓延していることを依然として懸念する。さらに委員会は、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーおよびインターセックスの人々に対するヘイトスピーチの発生およびそれがこれらの集団に属する子どもに及ぼす影響、ならびに、これらの人々が人種差別に関する刑法第261条bisの保護を享受していない事実について、懸念を覚えるものである。 25.委員会は、締約国が、周縁化された状況および不利な立場に置かれた状況にある子ども(とくに子どもの移住者、難民および庇護希望者、障害のある子どもならびに在留資格のない子ども)に対する差別を解消するための努力を強化するよう、勧告する。委員会はまた、締約国が、寛容および相互尊重の文化を醸成するための努力を強化するとともに、性的指向およびジェンダーアイデンティティを理由とする差別を禁止する包括的な法律を採択し、かつ刑法第261条bisにこれらの自由を含めることも、勧告するものである。 子どもの最善の利益 26.子どもの「ウェルビーイング」が締約国の法体系における指導原理のひとつであることには留意しながらも、委員会は、子どもの「ウェルビーイング」という語はその意味および適用において条約に掲げられた子どもの最善の利益とは異なるという見解に立つ。したがって委員会は、子どもの最善の利益(l'interet superieur de l'enfant)が連邦およびカントンのすべての関連法に明示的に編入されておらず、かつ、子どもに関連するすべての行政手続および司法手続または政策プログラムにおいて体系的に適用されているわけでもないことを懸念するものである。 27.自己の最善の利益を第一次的に考慮される子どもの権利についての委員会の一般的意見14号(2013年)に照らし、委員会は、この権利が、すべての立法上、行政上および司法上の手続および決定、ならびに、子どもに関連し、かつ子どもに影響を与えるすべての政策、プログラムおよびプロジェクトに適切に統合されかつ一貫して適用されることを締約国が確保するよう、勧告する。これとの関連で、締約国は、すべての分野で子どもの最善の利益について判断することおよび子どもの最善の利益を第一次的考慮事項として正当に重視することについての指針を、権限を有する立場にあるあらゆる関係者に対して示すための手続および基準を策定するよう、奨励されるところである。このような手続および指針は、裁判所に対して、かつ行政機関、立法機関、公立および私立の社会福祉施設ならびに公衆一般に対して、普及されるべきである。 子どもの意見の尊重 28.委員会は、家事手続、保護事件、少年司法その他の分野で子どもの意見の尊重を確保し、かつ、自治体レベルの政治的計画策定および意思決定手続に子どもの関与を得るために締約国が行なっている継続的努力に留意する。しかしながら委員会は、実際には子どもに影響を与えるすべての事柄について子どもの意見の尊重が制度的に確保されかつ実施されているわけではないこと、および、実施についてカントン間の格差が存在することを懸念するものである。委員会はまた、子どもとともにおよび子どものために働く専門家を対象としたこの点に関する研修が不十分であることも懸念する。 29.意見を聴かれる子どもの権利についての委員会の一般的意見12号(2009年)に照らし、委員会は、締約国が、委員会は、締約国が、条約第12条にしたがってこの権利を強化するための措置をとるよう勧告する。この目的のため、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告するものである。 (a) 意見を聴かれる子どもの権利が、子どもに影響を与えるすべての司法手続および行政手続において適用され、かつその意見が正当に重視されることを確保するための努力を強化すること。 (b) 周縁化された状況および不利な立場に置かれた状況にある子どもに特段の注意を払いながら、子どもが、自己に影響を与えるすべての事柄について自由に意見を表明し、かつ、学校その他の教育施設および家庭ならびに政治的計画策定および意思決定手続においてこれらの意見を正当に重視される権利を有することを確保するための努力を強化すること。 (c) 司法、福祉その他の部門において子どもに対応する専門家が、子どもの意味のある参加を確保する方法についての適切な研修を体系的に受けることを確保すること。 C.市民的権利および自由(条約第7条、第8条および第13~17条) 出生登録/名前および国籍 30.すべての子どもが登録されることを確保するために締約国がとったさまざまな法律上および政策上の措置は歓迎しながらも、委員会は、外国籍の子どもの登録に遅延があるという報告について懸念を覚える。さらに委員会は、締約国で出生した子どもであって国籍が付与されなければ無国籍となる者がスイス国籍を取得する権利を保障されていないことを懸念するものである。 31.委員会は、締約国が、子どもの親の法的地位および(または)出身にかかわらず、すべての子どもが可能なかぎり早期に出生登録を利用できることを確保するよう勧告する。委員会はまた、締約国が、自国の領域で出生したすべての子どもについて、国籍が付与されなければ無国籍となる場合にその親の法的地位にかかわらずスイス国籍を取得することを確保するとともに、無国籍の削減に関する1961年の条約、国籍に関する1997年の欧州条約および国家承継に関連する無国籍の回避に関する2009年の欧州評議会条約を批准するよう、勧告する。 親を知り、かつ親によって養育される権利 32.委員会は、養子縁組に関するスイス民法第268条(c)および連邦生殖補助医療法第27条によれば、子どもに対してその生物学的親の身元について告知を行なえるのは当該子どもが「正当な利益」を有している場合に限られていることに留意する。委員会は、「正当な利益」の概念が子どもの最善の利益と常に一致するかどうか、依然として懸念するものである。 33.委員会は、締約国が、養子または生殖補助医療によって生まれた子どもが自己の出自を知る権利の尊重を可能なかぎり確保するための努力を強化するよう、勧告する。委員会はとくに、締約国が、自己の生物学的出自に関する情報を求める子どもの権利の前提条件としての正当な利益への言及の削除を検討するよう勧告するものである。 アイデンティティに対する権利 34.委員会は、締約国において、匿名による子どもの遺棄を認める赤ちゃんボックスが規制されておらず、かつその数が増えていること(これはとくに条約第6~9条および第19条の違反である)を深く懸念する。 35.委員会は、締約国に対し、赤ちゃんボックスの使用を禁止し、すでに存在する代替手段を強化しかつ促進し、かつ、最後の手段として病院における秘密出産の可能性を導入することを検討するよう、促す。 適切な情報へのアクセス 36.委員会は、デジタルメディアおよび情報通信技術(ICT)が子どもの安全に及ぼすリスクに対応するために締約国が行なっている努力(若者のエンパワーメントおよび電子メディア関連のリスクからの若者の保護を目的とする5か年プログラムを含む)に留意する。しかしながら委員会は、これらのリスクからの子どもの保護にいまなお空白があることを懸念するものである。 37.委員会は、締約国が、「若者と暴力:家庭、学校、社会空間およびメディアにおける効果的防止」に関する連邦審議会報告書で勧告されている措置をフォローアップするとともに、とくに以下の措置をとるよう勧告する。 (a) すべての子どもがデジタルメディアおよびICTにアクセスでき、かつオンライン環境において条約およびその選択議定書の全面的保護を享受することを確保するため、人権を基盤とする法律および政策を採択しかつ実施すること。 (b) ICTその他の関連産業との協力を引き続き奨励するとともに、任意の、自主規制に基づく、専門家としての倫理的な行動指針および行動基準ならびにその他の取り組み(オンラインの安全を促進する、子どもがアクセスできる技術的解決策など)の発展を促進すること。 (c) デジタルメディアおよびICTの利用に関わる機会およびリスクについての公衆一般ならびにとくに親および子どもの感受性を強化するための意識啓発、広報および教育プログラムを引き続き強化すること。 D.子どもに対する暴力(条約第19条、第24条第3項、第28条第2項、第34条、第37条(a)および第39条) 体罰 38.暴行からの子どもの保護を強化する刑法および民法の改正があったことには留意しながらも、委員会は、体罰が、社会によって一般的に受け入れられている水準を超えない場合にはいまなお身体的暴力とみなされず、かつあらゆる場面で明示的に禁止されているわけではないことを遺憾に思う。 39.委員会は、体罰その他の残虐なまたは品位を傷つける形態の罰から保護される子どもの権利に関する委員会の一般的意見8号(2006年)に対して締約国の注意を喚起するとともに、締約国に対し、あらゆる場面におけるあらゆる体罰の実行を明示的に禁止し、かつ、積極的な、非暴力的なかつ参加型の形態の子育てならびにしつけおよび規律の維持を促進するための努力を強化するよう、促す。 あらゆる形態の暴力からの子どもの自由 40.委員会は、子どもに対する暴力に対応するために締約国が進めているさまざまな取り組み(子どもおよび若者のための保護措置ならびに子どもの権利の強化に関するオルドナンスの採択、ならびに、成人保護法、人事法および子ども法に関連する民法改正を含む)を歓迎する。しかしながら委員会は、不当な取扱い、虐待およびネグレクト、性暴力ならびに家族間暴力に関する包括的なデータおよび研究が存在せず、国家的な子ども保護戦略が策定されておらず、かつ、カントンで実施されているさまざまなプログラム間の調整が存在しないことを依然として懸念するものである。 41.委員会は、締約国が、あらゆる形態の暴力からの自由に対する子どもの権利に関する委員会の一般的意見13号(2011年)を考慮し、かつ、とくに以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 子どもに対する暴力のあらゆる事案(不当な取扱い、子ども虐待およびネグレクトならびに家族間暴力を含む)に関する全国的データベースを設置すること。 (b) 子どもに対する暴力の蔓延度および性質を評価するための研究をさらに実施するとともに、子どもの不当な取扱い、虐待およびネグレクトならびに子どもに対する家族間暴力の事案を防止しかつこれに介入するための包括的戦略(被害者の回復および社会的再統合のためのサービスの提供を含む)を策定すること。 (c) 子どもに対する暴力に対処するために現在設けられている制度の活動を評価するとともに、その結果およびとられた措置について次回の定期報告書で報告すること。 (d) 子どもに対するあらゆる形態の暴力に対応するための全国的調整を強化すること。 (e) 子どもに対する暴力のジェンダーの側面に特段の注意を払い、かつこれに対処すること。 有害慣行 42.性器切除を禁止する新たな刑法規定が採択されたことは歓迎しながらも、委員会は、以下のことを深く懸念する。 (a) 性器切除の影響または脅威を受けている女子が締約国に相当数住んでいること。 (b) インターセックスの子どもに対し、十分な情報に基づく本人の同意を得ることなく、医学的に不必要な外科的その他の処置(これにはしばしば不可逆的な結果がともない、かつ深刻な身体的および心理的苦痛が引き起こされる可能性もある)が行なわれており、かつ、このような事案について救済および賠償が行なわれていないこと。 43.委員会は、有害慣行に関する合同勧告/一般的意見(女性差別撤廃委員会31号および子どもの権利員会18号)に対して締約国の注意を喚起するともに、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a) 女性性器切除の問題に対応するための防止措置および保護措置(関連の専門家の研修、意識啓発プログラムおよびこれらの行為の加害者の訴追を含む)を継続しかつ強化すること。 (b) インターセックスに関する倫理的問題について国家生体医療倫理諮問委員会が行なった勧告にしたがって、いかなる者も乳幼児期に不必要な医療処置または外科的処置の対象とされないことを確保し、当該の子どもに身体的不可侵性、自律性および自己決定を保障し、かつ、インターセックスの子どもがいる家族に対して十分なカウンセリングおよび支援を提供すること。 E.家庭環境および代替的養護(条約第5条、第9~11条、第18条第1~2項、第20条、第21条、第25条および第27条第4項) 家庭環境 44.連邦家庭外保育財政援助法の採択など、親としての義務の履行に関して親を支援するために締約国がとった措置は歓迎しながらも、委員会は、さまざまな形態の家族支援(保育サービスを含む)が不十分な形でしか利用できないことを依然として懸念する。 45.委員会は、締約国が、領域全体で子どものための質の高いケアが十分に利用できることを確保する等の手段により、家族を支援するための措置を強化するよう勧告する。 46.委員会は、締約国の法律において代理母が禁止されており、かつ国外における代理母出産の手配を抑制することが目指されていることに留意する。にもかかわらず、委員会は、養子縁組の可能性を評価するための1年間の期間中の子どもの法的地位が不安定であることを懸念するものである。 47.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 評価手続を迅速化するとともに、子どもが、締約国への到着時から正式な養子縁組までの待機期間中に無国籍とならないことまたは差別されないことを確保すること。 (b) 養子縁組に関する決定において子どもの最善の利益が思考の考慮事項とされることを確保すること。 家庭環境を奪われた子ども 48.里子の措置に関するオルドナンスの改正は歓迎しながらも、委員会は以下のことを懸念する。 (a) 里親養護または施設養護に措置された子どもの状況に関する信頼できるデータおよび情報が存在しないこと。 (b) 子どもの措置の選択、期間および再審査に関する基準ならびに種々の形態の代替的養護の質(里親家族の支援、研修および監視ならびに養護基準の実施を含む)について、カントン間で大きな格差が存在すること。 (c) カントンによっては里親家族の数が不十分であること。 (d) 3歳未満の子どもについては施設養護しか利用可能とされていないこと。 (e) 里親家族または施設に措置された子どもが家庭に復帰する際、生物学上の親に対する支援が限られていること。 49.子どもの代替的養護に関する指針(総会決議64/142付属文書)に対して締約国の注意を喚起しつつ、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) あらゆる代替的養護環境にある子どもについての情報および細分化されたデータを収集しかつ体系的に分析するための機構を設置すること。 (b) 生物学上の家族と接触する子どもの権利を引き続き尊重しつつ、必要であれば他のカントンの里親家族に子どもを措置することを可能とするため、カントン間の協力を確保すること。 (c) 子どもが代替的養護に措置されるべきか否か判断するための、子どもの最善の利益に基づいた十分な保障措置および明確な基準が自国の領域全体で適用されることを確保すること。 (d) 代替的養護施設および関連の子ども保護サービスに十分な人的資源、技術的資源および財源が配分され、かつ、里親家族に対して子育てについての体系的な研修および支援が実施されることを確保する等の手段により、締約国全域で代替的養護環境における質の高い基準を定め、かつ効果的に執行すること。 (e) 里親養護および施設への子どもの措置が定期的に再審査されることを確保するとともに、子どもの不当な取扱いについての通報、監視および救済のためのアクセスしやすい回路を設ける等の手段により、措置先における養護の質を監視すること。 (f) 里親家族の奨励および募集を強化すること。 (g) 幼い子ども(とくに3歳未満の子ども)の代替的養護が家族を基盤とする環境で行なわれることを確保すること。 (h) 代替的養護環境に措置された子どもが家庭に復帰する際の親に対する支援を強化すること。 養子縁組 50.養子縁組法の改正は歓迎しながらも、委員会は、国際的な養子縁組に関する子の保護および協力に関する1993年のハーグ条約の締約国ではない出身国が関与する国際養子縁組が相当数にのぼること、および、これらの国からの養子縁組に関するデータがないことを懸念する。委員会はまた、ハーグ条約の締約国ではない国出身の子どもに関わる養子縁組手続(養親となろうとする者の評価および養子縁組についての決定を含む)において子どもの最善の利益の至高性が常に確保されているわけではないことも、懸念するものである。委員会はさらに、養子縁組手続が終結するまでの1年間、スイス人の両親によって国外から養子とされた子どもの法的地位が不確実であることを懸念する。 51.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 国内養子縁組および国際養子縁組に関する統計データ(年齢、性別および国民的出身ごとに細分化されたもの)および関連の情報を体系的かつ継続的に収集すること。 (b) 国際養子縁組において子どもの最善の利益の至高性が厳格に遵守されること、および、たとえ相手国が国際的な養子縁組に関する子の保護および協力に関する1993年のハーグ条約の締約国ではない場合であっても同条約に定められたすべての保障が満たされることを確保すること。 (c) 評価手続を迅速化するとともに、国外から養子とされる子どもが、締約国への到着時から正式な養子縁組までの待機期間中に無国籍とならないことまたは差別されないことを確保すること。 親が収監されている子ども 52.収監された母親とその子どもが一緒に収容される棟がチューリッヒ州に設置されたことは歓迎しながらも、委員会は、親が収監されている子どもの人数および状況に関するデータ、または、子どもと収監されている親との継続的関係が十分に支援されているか否かについての情報がないことを懸念する。 53.親が収監されている子どもの権利に関する一般的討議(2011年)の際の委員会の勧告を参照しつつ、委員会は、締約国が、条約第9条にしたがい、定期的な面会ならびに十分なサービスおよび適切な支援の提供等を通じて子どもと親が個人的関係を保てることを確保する目的で、締約国において親が刑務所にいる子どもの状況に関するデータ収集および研究を行なうとともに、行なわれるすべての決定において子どもの最善の利益が第一次的に考慮されるべきことを、勧告する。 F.障害、基礎保健および福祉(条約第6条、第18条第3項、第23条、第24条、第26条、第27条第1~3項および第33条) 障害のある子ども 54.委員会は、連邦障害者差別解消法が施行されたことおよび特別学校分野におけるカントン間協力協定が採択されたことを歓迎する。しかしながら委員会は、以下のことを懸念するものである。 (a) 障害のある子ども(自閉症スペクトラム障害のある子どもを含む)についての包括的データが存在しないこと。 (b) すべての州において、普通教育へのこれらの子どものインクルージョンが不十分であり、かつ、インクルーシブ教育制度が実際に十分機能することを確保するために配分される人的資源および財源が不十分であること。 (c) 障害のある子どもにとって乳幼児期の十分な教育およびケアならびにインクルーシブな職業訓練の機会が存在しないこと。 (d) とくにジュネーブ州において、自閉症スペクトラム障害のある子どもについて、その社会生活の多くの側面で差別および分離が行なわれていること。これには、乳幼児期における自閉症スペクトラムの発見が不十分であること、集中的早期発達プログラムが存在しないこと、とくに普通学校でこれらの子どもに専門的支援を提供する有資格の専門家が存在しないために普通教育にアクセスできないこと、および、自閉症スペクトラム障害のある子どもに対応する専門家の訓練が不十分であることが含まれる。 (e) とくにジュネーブ州において、自閉症スペクトラム障害のある子どもが、不当な取扱いに相当する「パッキング」法(子どもを濡れた冷たいシーツでくるむもの)のような不適切な取扱いの対象にされているという報告があること。 (f) 障害のある子どもが精神病棟に措置されることを防止し、かつ、これらの子どもが親の面会を受ける権利を恣意的に奪われないことを確保するための措置に関する情報がないこと。 55.障害のある子どもの権利に関する委員会の一般的意見9号(2006年)に照らし、委員会は、締約国に対し、障害に対する人権基盤アプローチをとるとともに、具体的には以下の措置をとるよう促す。 (a) 障害のあるすべての子どもの状況について、とくに年齢、性別、障害の態様、民族的および国民的出身、地理的所在ならびに社会経済的背景ごとに細分化されたデータの収集および分析を行なうこと。 (b) 必要な資源を配分すること、専門家の十分な訓練を行なうこと、および、いまなお分離アプローチをとっているカントンに明確な指針を示すこと等の手段により、全国規模のインクルーシブ教育を差別なく確保するための努力を強化すること。 (c) 統合ではなくインクルージョンを促進すること。 (d) 障害のある子どもが、すべてのカントンで乳幼児期の教育およびケア、早期発達プログラムならびにインクルーシブな職業訓練の機会にアクセスできることを確保すること。 (e) すべてのカントンにおいて自閉症スペクトラム障害のある子どもの特有のニーズに対応するとともに、これらの子どもが社会生活のすべての分野(レクリエーション活動および文化的活動を含む)に全面的に統合されることを確保し、これらの子どものニーズに合わせたインクルーシブ教育が特別な学校教育および保育よりも優先されることを確保し、早期発見のための機構を設置し、専門家を対象として十分な研修を実施し、かつ、これらの子どもが、科学的知識に基づいた早期発達プログラムから利益を得られることを確保すること。 (f) 子どもの「パッキング」を法律で禁止するとともに、自閉症スペクトラム障害のある子どもが尊厳および敬意をもって扱われ、かつ効果的な保護から利益を得られることを確保するために必要な措置をとること。 (g) 障害のある子どもが精神病棟に措置されることを防止し、かつ、これらの子どもが親の面会を受ける権利を恣意的に奪われないことを確保するためにあらゆる必要な措置をとること。 健康および保健サービス 56.低所得または中所得の家庭について子どもの健康保険料が少なくとも50%減額されたことは歓迎しながらも、委員会は以下のことを懸念する。 (a) 小児ケアの集中化が進んでいること、および、小児科医の人数が、増えているとはいえ、十分ではないこと。 (b) 太り過ぎの子どもおよび子どもの肥満の問題が増大しており、かつ、脂肪分、糖分および塩分の多い食品のテレビ広告が過度に流されていること。 57.委員会は、到達可能な最高水準の健康を享受する子どもの権利についての委員会の一般的意見15号(2013年)に対して締約国の注意を喚起するとともに、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 子どもが領域全体で質の高い小児科病棟治療および家庭小児科医にアクセスできることを確保すること。 (b) 太り過ぎの子どもおよび肥満に対応するための措置を強化し、青少年の間で健康的なライフスタイル(運動を含む)を促進し、かつ、脂肪分、糖分および塩分の多い食品との関連で子どもに対する食品広告の圧力を低減させるために必要な措置をとること。 母乳育児 58.委員会は、締約国の赤ちゃんの大多数が生後数か月間は母乳で育てられていること、および、授乳休憩時の報酬に関する新たな規定が採択されたことに、積極的措置として留意する。しかしながら委員会は以下のことを懸念するものである。 (a) 生後6か月までの赤ちゃんの完全母乳育児率が低いこと。 (b) 完全母乳育児に関する保健専門家を対象とした研修が不十分であること。 (c) 締約国の病院の55%しか赤ちゃんにやさしい病院ではないこと。 (d) 乳幼児への栄養補給または母乳育児に関する国家的戦略が定められていないこと。 (e) 「母乳代替品の販売促進に関する国際基準」の規定にうち国内法で全面的に実施されているものがわずかに過ぎず、かつ、母乳代替品の販売促進がもっぱら自主的行動規範に基づいて行なわれていること。 (f) 母乳育児に関する国の勧告が世界保健機関(WHO)による関連の勧告を反映していないこと。 59.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 母乳育児の重要性および人工栄養のリスクに関する資料にアクセスできるようにすることおよび意識啓発を行なうことにより、完全かつ継続的な母乳育児を促進するための努力を強化すること。 (b) 完全母乳育児の重要性に関する保健専門家を対象とした研修を再検討し、かつ強化すること。 (c) 赤ちゃんにやさしいと認証された病院の数をさらに増やすこと。 (d) 乳幼児への栄養補給慣行に関する包括的な国家的戦略を策定すること。 (e) 「母乳代替品の販売促進に関する国際基準」が厳格に執行されることを確保すること。 (f) 母乳育児に関する国の勧告がWHOによる勧告に一致することを確保すること。 (g) 出産休暇を少なくとも6か月まで延長することを検討すること。 精神保健 60.委員会は、注意欠陥・多動性障害(ADHD)または注意欠陥障害(ADD)という診断が過度に行なわれており、かつ、それにともなって、子どもへの精神刺激薬(とくにメチルフェニデート)の処方が、これらの薬の有害な作用に関する証拠が増えているにもかかわらず増加していること、および、親が精神刺激薬による子どもの治療を受け入れない場合には子どもを退学させるという脅かしが行なわれている旨の報告があることを、懸念する。 61.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) ADHDおよびADDの診断および治療に対する非薬物療法アプローチについての調査研究を実施すること。 (b) 関連の保健機関が、教室における注意欠如の根本的原因について判断し、かつ子どもの精神保健問題の診断を改善することを確保すること。 (c) 家族への支援(心理カウンセリングおよび情緒面での支援にアクセスできるようにすることを含む)を強化するとともに、子ども、親ならびに教員ならびに子どもとともにおよび子どものために働くその他の専門家に対し、ADHDおよびADDに関する十分な情報が提供されることを確保すること。 (d) 精神刺激薬による治療を受け入れるべきであるといういかなる圧力も子どもおよび親に対してかけられないようにするために必要な措置をとること。 自殺 62.委員会は、青少年の自殺が多いことを依然として懸念する。 63.子どもの権利条約の文脈における思春期の健康と発達についての委員会の一般的意見4号(2003年)に照らし、委員会は、締約国が、自殺の防止に関する国家的行動計画(そこでは子どもおよび青少年の特有のニーズが考慮されるべきである)の採択を速やかに進め、かつその効果的実施を確保するよう勧告する。 生活水準 64.連邦家族手当法が2009年に施行されたことおよび貧困に対応するためのその他の措置(包括的スイス反貧困戦略ならびに貧困防止および貧困との闘いに関する国家計画(2014~2018年)を含む)がとられていることは歓迎しながらも、委員会は、家族を対象とする補足給付(社会扶助を含む)が一部のカントンで低額のままであることを懸念する。 65.委員会は、すべての子ども(親が難民、庇護希望者および移住者である子どもを含む)が自国の領域全体で十分な生活水準を享受できるようにする目的で、締約国が、家族手当給付制度をさらに強化するよう勧告する。 G.教育、余暇および文化的活動(第28~31条) 人権教育 66.委員会は、学校における子どもを対象とした人権教育がすべてのカントンで制度的に実施されているわけではないことを懸念する。 67.委員会は、締約国が、諸言語地域を対象とする統一学校カリキュラムに、条約および人権一般に関する義務的単位が含まれることを確保するよう勧告する。 H.特別な保護措置(条約第22条、第30条、第32条、第33条、第35条、第36条、第37条(b)~(d)、第38~40条) 庇護希望者および難民である子どもならびに在留資格のない子ども 68.保護者のいない子どもによる庇護申請の優先的取扱いを求めた庇護法改正が2014年に施行されたことは歓迎しながらも、委員会は、保護者のいない子どもを対象とする庇護手続において当該子どもの最善の利益が常に指針とされているわけではないこと、および、条約第10条に付された留保との関係で、仮入国許可を与えられた者の家族再統合に対する権利があまりにも制限されていることを懸念する。さらに委員会は以下のことを懸念するものである。 (a) 子どもの庇護希望者および難民を対象とする受入れ環境、統合支援および福祉についてカントン観に相当の格差が存在し、たとえば子どもが掩蔽壕または核兵器防護施設に収容されていること。 (b) 保護者のいない子どもの庇護希望者のための「被信託人」が、子どものケアまたは子どもの権利に関する問題についての経験を要求されていないこと。 (c) 子どもの庇護希望者が中等教育へのアクセスについて困難に直面していること、および、これらの子どもが職業訓練を受けることの認可について調和のとれた実務が行なわれていないこと。 (d) 空港でも行なわれる迅速庇護手続が子どもにも適用できるとされていること。 (e) 法的な在留資格のない(サンパピエ)子どもが締約国に相当数暮らしており、かつこのような子どもがとくに保健ケア、教育(とりわけ中等教育)および職業訓練へのアクセスについて多くの困難に直面していること、および、これらの問題に対応する方法についての戦略が定められていないこと。 69.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 庇護手続において、子どもの特別なニーズおよび要求が全面的に尊重され、かつ当該子どもの最善の利益が常に指針とされることを確保すること。 (b) とくに仮入国許可を与えられた者について家族再統合制度を再検討すること。 (c) 庇護希望者および難民、とくに子どもを対象とする受入れ環境、統合支援および福祉についての最低基準を領域全体で適用するとともに、子どもの庇護希望者および難民を受け入れかつケアするすべての施設が子どもにやさしいものであり、かつ適用される国際連合の基準に一致することを確保すること。 (d) 「被信託人」が、保護者のいない子どもの庇護希望者を支援するための適正な訓練を受けていることを確保すること。 (e) 子どもの庇護希望者が教育および職業訓練に効果的にかつ差別されることなくアクセスできることを確保すること。 (f) 保護者のいない子どもの庇護希望者を迅速庇護手続の適用対象から除外するとともに、自己の最善の利益を第一次的に考慮される子どもの権利が常に尊重されることを確保するための保障措置を確立すること。 (g) 在留資格のない子どもの社会的排除およびこれらの子どもに対する差別を防止するための政策およびプログラムを発展させるとともに、教育、保健ケアおよび福祉サービスへのアクセスを実際に確保する等の手段により、これらの子どもがその権利を全面的に享受できるようにすること。 武力紛争への子どもの関与に関する選択議定書についての委員会の前回の所見および勧告のフォローアップ 70.軍刑法の改正によって戦争犯罪の訴追に関する限定的普遍主義が確立されたことおよび「武力紛争において軍隊または武装集団と関係している子どもを保護するための連邦外務省行動計画(2014~2016年)」が採択されたことは歓迎しながらも、委員会は、国以外の武装集団による子どもの徴募が明示的に犯罪化されておらず、かつ、国外で武力紛争に関与させられた可能性がある子どもの庇護希望者、難民および移住者についての統計データが存在しないことを、依然として懸念する。 71.委員会は、締約国が、国以外の武装集団による子どもの徴募を明示的に犯罪化し、かつ、この点に関わるデータ収集システムを改善するよう勧告する。 少年司法の運営 72.委員会は、新たな少年刑法(2007年)および少年刑事訴訟法(2011年)が施行されたことにより、とくに、刑事責任に関する最低年齢が7歳から10歳に引き上げられ、かつ審判前拘禁および週間の際に子どもを成人から分離する旨の定めが置かれたことに留意する。しかしながら委員会は以下のことを懸念するものである。 (a) 刑事責任に関する最低年齢がいまなお国際的に受け入れられている水準よりも低いままであること。 (b) 子どもを対象とする無償の法的援助が常に確保されているわけではないこと。 (c) 少年刑法および少年刑事手続を専門とする被告人弁護士がいまなお数人しか存在しないこと。 (d) 子どもが拘禁施設においていまなお成人から分離されていないこと。 73.少年司法における子どもの権利についての委員会の一般的意見10号(2007年)に照らし、委員会は、締約国に対し、少年司法制度を条約および他の関連の基準に全面的に一致させるよう促す。とくに委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促すものである。 (a) 刑事責任に関する最低年齢を国際的に受け入れられている水準まで引き上げること。 (b) 子どもが無償の法的援助その他の適切な援助にアクセスできることを確保すること。 (c) 少年司法の運営に関与するすべての者(被告人弁護士を含む)が適切な研修を受けることを確保すること。 (d) 子どもが成人と一緒に拘禁されないことを確保するため、十分な拘禁施設を設置するプロセスを加速すること。 I.通報手続に関する選択議定書の批准 74.委員会は、締約国が、子どもの権利の充足をさらに強化する目的で、通報手続に関する子どもの権利条約の選択議定書を批准するよう勧告する。 J.国際人権文書の批准 75.委員会は、締約国が、子どもの権利の充足をさらに強化する目的で、すべての移住労働者およびその家族構成員の権利の保護に関する国際条約を批准するよう勧告する。 K.地域機関との協力 76.委員会は、締約国が、締約国および他の欧州評議会加盟国の双方における子どもの権利条約その他の人権文書の実施に関して欧州評議会と協力するよう勧告する。 IV.実施および報告 A.フォローアップおよび普及 77.委員会は、締約国が、この総括所見に掲げられた勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。委員会はまた、第2~4回統合定期報告書、締約国の文書回答およびこの総括所見を同国の言語で広く入手できるようにすることも勧告するものである。 B.次回報告書 78.委員会は、締約国に対し、第5回・第6回統合定期報告書を2020年9月25日までに提出し、かつ、この総括所見のフォローアップに関する情報を当該報告書に記載するよう慫慂する。報告書は、2010年10月1日に採択された委員会の条約別調和化報告ガイドライン(CRC/C/58/Rev.2 and Corr.1)にしたがうべきであり、かつ21,200語を超えるべきではない(総会決議68/268、パラ16参照)。定められた語数制限を超えた報告書が提出された場合、締約国は、前掲ガイドラインにしたがって報告書を短縮するよう求められることになる。締約国が報告書を見直しかつ再提出する立場にないときは、条約機関による審査のための報告書の翻訳は保障できない。 79.委員会はまた、締約国に対し、2006年6月の第5回人権条約機関委員会間会合で承認された統一報告ガイドライン(HRI/GEN/2/Rev.6, chap. I)に掲げられた共通コアドキュメントについての要件にしたがい、最新のコアドキュメントを提出することも慫慂する。総会が決議68/268のパラ16で定めた共通コアドキュメントの語数制限は42,400語である。 更新履歴:ページ作成(2016年1月24日)。
https://w.atwiki.jp/memol/pages/11.html
イラク連邦制、凍結で合意 治安悪化懸念し先送り
https://w.atwiki.jp/monosepia/pages/1352.html
2ちゃんねる / 2ch:医療・医学・健康 / 2ch:新・放り込みスレ