約 24,181 件
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/185.html
総括所見:タイ(第3~4回・2012年) 第1回(1998年)/第2回(2006年)OPAC(2012年)/OPSC(2012年) CRC総括所見日本語訳(国別)/CRC総括所見日本語訳(会期順) CRC/C/THA/CO/3-4 and CRC/C/THA/CO/3-4/Corr.1(2012年2月17日) 原文:英語(平野裕二仮訳) ※日本語訳には正誤表による訂正を反映させた。 原文は国連人権高等弁務官事務所のサイト(国別情報のページまたはCRC会期一覧ページ)を参照。 1.委員会は、2012年1月24日および25日に開かれた第1682回および第1683回会合(CRC/C/SR.1682 and 1683)においてタイの第3回・第4回定期報告書(CRC/C/KOR/3-4)を検討し、2012年2月3日に開かれた第1697回会合(CRC/C/SR.1697参照)において以下の総括所見を採択した。 序 2.委員会は、締約国の第3回・第4回定期報告書および事前質問事項に対する文書回答の提出を歓迎するとともに、これらの文書が率直なものであったことにより、締約国における子どもの状況に関する理解を向上させられたことを称賛する。委員会は、ハイレベルなかつ多部門型の代表団との間に持たれた、開かれた、率直な、かつ実りのある対話を評価するものである。 3.委員会は、締約国に対し、この総括所見は、子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する選択議定書(CRC/C/OPSC/THA/CO/1)および武力紛争への子どもの関与に関する選択議定書(CRC/C/OPAC/THA/CO/1)に基づく締約国の第1回報告書に関して採択された総括所見とあわせて読まれるべきであることを想起するよう求める。 I.締約国によりとられたフォローアップ措置および達成された進展 4.委員会は、報告対象期間中に見られた多くの積極的進展を歓迎する。これには、以下のもののような、条約を実施するためにとられた立法上の措置の採択も含まれる。 (a) 子どもの養子縁組法(第3号((2010年)。 (b) 少年家庭裁判所およびその手続法(2010年)。 (c) 人身取引禁止法(2008年)。 (d) 住民登録法(2008年)。 (e) ドメスティックバイオレンス被害者保護法(2007年)。 (f) 障害者の生活の質促進法(2007年)。 (g) 国家的な子どもおよび若者の発達促進法(2007年)。 5.委員会は、以下の人権文書について批准または加入が行なわれたことに、評価の意とともに留意する。 (a) 武力紛争への子どもの関与に関する子どもの権利条約の選択議定書(2006年2月27日)。 (b) 子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書(2006年1月11日)。 (c) 障害のある人の権利に関する条約(2008年7月29日)。 (d) 拷問および他の残虐な、非人道的なまたは品位を傷つける取扱いまたは刑罰に関する条約(2007年10月2日)。 6.委員会はまた、以下のものを含む、子どもの権利およびウェルビーイングを促進する政策およびプログラムの採択も歓迎しかつ称賛する。 (a) 「子どもおよび女性の国内的・国際的人身取引の防止、抑止およびこれとの闘いに関する国家的計画および政策(2012~2016年)」。 (b) 「子どもおよび青少年のための国家的課題」(2008年)。 (c) 「国家子ども・若者育成計画(2007~2016年)」。 II.主要な懸念領域および勧告 A.実施に関する一般的措置(条約第4条、第42条および第44条6項) 委員会の前回の勧告 7.委員会は、締約国の第2回定期報告書に関する総括所見(CRC/C/THA/CO/2)を実施するために締約国が行なった努力は歓迎しながらも、そこに掲げられた多くの勧告について十分なフォローアップが行なわれていないことに、遺憾の意とともに留意する。 8.委員会は、締約国に対し、第2回定期報告書に関する総括所見に掲げられた勧告のうち未実施のものまたは十分に実施されていないもの(データ収集、差別の禁止、国籍、プライバシーの保護、家庭における体罰、代替的養護、母親とともに刑務所にいる子ども、思春期の健康、子どもの難民および庇護希望者、移住労働者の子ども、児童労働ならびに少年司法のような問題に関するものを含む)に対応するため、あらゆる必要な措置をとるよう促す。委員会はまた、締約国に対し、この総括所見に掲げられた勧告を十分にフォローアップすることも促すものである。 留保 9.委員会は、締約国が、条約第7条に関する留保を2010年12月に撤回したことを歓迎する。しかしながら委員会は、締約国が第22条に関する留保を撤回していないことを遺憾に思うものである。 10.委員会は、締約国が、条約第22条に関する留保を撤回するとともに、国内のすべての子どもの庇護希望者および難民の権利を保護し、かつこれらの子どもを援助するためにあらゆる必要な措置をとるよう勧告する。 立法 11.委員会は、条約の原則および規定との国内法の調和化に貢献する、子どもの権利の分野におけるいくつかの法律(この文書のパラ4で挙げたもの)が採択されたことを歓迎する。委員会はまた、現行法が憲法および条約と一致するようにさらにその改正を図る目的で、国家子ども・若者委員会のもとに小委員会が設置されたことも歓迎するものである。にもかかわらず、委員会は、実際の執行および実施が弱くかつ不十分であることを深く懸念する。委員会はとくに、2003年の子ども保護法がそれ以降見直されておらず、かつ、実施も、中央から地方のレベルに至るさまざまな機関の役割および責任についての指針も欠いていることを懸念するものである。 12.委員会は、締約国が、現行法が条約の原則および規定と一致するようにその見直しを継続するための措置をとるよう、勧告する。委員会はさらに、締約国に対し、あらゆるレベルで国内法が全面的かつ効果的に実施されることを確保するための適切な措置をとるとともに、子どもの権利の保護を向上させる目的で2003年の子ども保護法を見直し、かつその実施に関する明確な指針を定めるよう、促すものである。 調整 13.委員会は、社会開発・人間安全保障省(MSDHS)が条約の実施の調整およびフォローアップを担当する主務機関であることに留意する。しかしながら委員会は、子どもの権利に関する政策およびその実際の実施が、MSDHS内の諸機関および種々の法律に基づいて設置された多数の委員会に割り当てられていることから、政策レベルにおける断片化、および、中央から地方のレベルに至る過程における実施上の障害が生じていることを、遺憾に思うものである。委員会はさらに、プログラムおよびプロジェクトの策定ならびにその監視および評価のための制度の指針となる、子どもの権利に関する包括的政策が定められていないことを懸念する。 14.委員会は、締約国が、子どもの権利政策の策定および実施に取り組んでいるさまざまな機関および委員会(社会開発・人間安全保障省内のものを含む)の間でよりよい調整が行なわれることを確保するよう、勧告する。委員会はさらに、締約国が、子どもの権利に関する活動の実施の監視および評価について、部門別省庁を横断し、かつ中央政府から地方政府のレベルに至るまで指導力を発揮しかつ有効な一般的監督を行なうことのできる単一の部局を指定するよう、勧告するものである。これとの関連で、委員会は、締約国が、プログラムおよびプロジェクトの策定の指針を提供し、かつそれらの監視および評価のための制度を確立する目的で、子どもの権利に関する包括的政策を策定するよう、勧告する。 国家的行動計画 15.「国家子ども・若者育成計画(2012~2016年)」および「子どもおよび青少年のための国家的課題」(2008年)が採択されたことには留意しながらも、委員会は、これまでの「子どもの発達のための国家政策および戦略計画(2007~2016年)」の中間評価に関する情報がないことを遺憾に思う。委員会はまた、新規計画が子どもおよび25歳までの若者の両方を対象としており、条約に掲げられた子どもの権利を実現するための十分なかつ焦点の明確な枠組みを提供していないことも、懸念するものである。 16.委員会は、締約国が、「子どもの発達のための国家政策および戦略計画(2007~2016年)」のレビューおよび評価の結果を提供するとともに、新規計画に、条約に掲げられた子どものすべての権利の実現について十分な内容が盛りこまれることを確保するよう、勧告する。委員会はまた、この行動計画において、18歳未満の子どもに具体的に焦点が当てられ、かつ部門別の諸行動計画および第11次経済社会開発計画との調整が図られるべきことも勧告するものである。 独立の監視 17.国家人権委員会が活動しており、かつ子どもおよび一般公衆によるアクセスが可能である旨の締約国の情報には留意しながらも、委員会は、子どものためのアクセス方法および子どもが苦情申立てを行なう機会が限られていること、ならびに、十分な人数の専門家および訓練を受けた職員を擁する子どものための特別部局が存在しないことを、懸念する。委員会はまた、同委員会に地域事務所がないことも懸念するものである。 18.委員会は、締約国が、同委員会に関する公衆(とくに子ども)の意識啓発を向上させ、かつ同委員会の活動に関する知識を高めるための措置をとるよう、勧告する。委員会は、締約国に対し、アクセスしやすい子どものための特別部局を設置するとともに、秘密を適切に保持しながら苦情を受理し、かつ子どもの権利の侵害によりよい形で対応できるようにするために必要な人的資源、技術的資源および財源を当該部局に提供するよう、促すものである。委員会は、同委員会の活動を領域全体で強化するため、締約国が地域事務所を設置するよう勧告する。 資源配分 19.委員会は、さまざまな費目によるMSDHSへの予算配分額および基礎教育への予算配分額(2010/2011年度)に関する締約国の情報に留意する。しかしながら委員会は、あらゆる範囲の子どもの権利を実施するために他の部門および分野に配分されている予算額についてのさらなる詳細が欠けていることを、遺憾に思うものである。委員会は、MSDHSに配分される国家予算の割合が低い(0.5%)状態が数年間変わっておらず、子どもの権利に関する調整機関がその職務を効果的に遂行できるようにするための対応がとられていないことを懸念する。 20.委員会は、締約国が、今後の予算策定において、「子どもの権利のための資源配分――国の責任」に関する2007年の一般的討議に基づく委員会の勧告を考慮するとともに、具体的に以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 条約第4条にしたがい、利用可能な資源を可能なかぎり最大限に用いながら、子どもの権利の実施のために十分な予算資源を配分するとともに、とくに社会部門に配分される予算を増額すること。 (b) 国家予算の策定において子どもの権利アプローチを活用する能力、および、あらゆる関連の部門および地方レベルのあらゆる機関が予算全体を通じて子どものための資源をどのように配分しかつ使用しているかを追跡し、監視しかつ評価するためのシステムを実施し、もって子どもに対する投資を目に見えるものとするための能力の構築を図ること。委員会はまた、締約国に対し、いずれかの部門または地方レベルにおける投資が子どもの最善の利益にどのように貢献しているかに関する影響評価のためにこの追跡システムを活用することも促すものである。その際、当該投資が女子および男子に与える異なる影響が測定されることを確保することも求められる。 (c) 予算上のニーズに関する包括的アセスメントを実施し、かつ、諸指標(ジェンダー、障害、保健、教育、生活水準および子どもの権利に関わる地理的所在など)における不平等および格差に漸進的に対応する分野への明確な配分額を確立すること。 (d) 一般的な戦略的予算科目、ならびに、一時的な社会的措置(積極的差別是正措置を含む)を必要とする可能性がある不利な状況または脆弱な状況に置かれた子どもを対象とした部門別および地方政府別の配分額を定めるとともに、これらの予算科目および配分額が、たとえ経済危機、自然災害その他の緊急事態の状況下にあっても保護されることを確保すること。 汚職 21.汚職と闘うために締約国が行なっている努力には積極的対応として留意しながらも、委員会は、とくに自治体および地方政府の職員ならびに法執行官の間で汚職が依然として蔓延しており、そのため子どもの権利を実施するための政府の政策およびプログラムの有効性を増進させうる資源が流用されていることを示す報告について懸念を覚える。 22.委員会は、締約国に対し、強力な反汚職政策を策定しかつ実施すること、反汚職キャンペーンを行なうこと、ならびに、汚職事件を効果的に摘発し、捜査しかつ訴追する制度的能力を強化すること等の手段により、あらゆるレベルおよび部門において汚職と闘うための努力を強化するよう、促す。 データ収集 23.委員会は、国家情報センターおよび国家統計局が設置され、子どもの権利の一部分野におけるデータおよび障害のある子どもに関するデータベースが維持されていることに留意する。しかしながら委員会は、条約に基づいた子どものための法律、政策、計画およびプログラムの事前評価、分析および事後評価を可能とする、条約のすべての分野を網羅した効果的なデータ収集システムが存在しないことを懸念するものである。 24.委員会は、締約国に対し、子どもの権利の実現に関して達成された進展に関するデータの分析および評価、ならびに、条約を実施するための政策およびプログラムを立案するための基盤の提供に関する能力構築を図り、かつそのような能力を備えた包括的なデータ収集システムを設置するよう、促す。データは、すべての子どもの年齢、性別、地理的所在、民族および社会経済的背景ごとに細分化されるべきである。 普及および意識啓発 25.委員会は、子どもおよびその家族を含む公衆一般の意識啓発を継続的に図るための、子どもの権利に関するキャンペーンを含む体系的かつ持続的な公衆教育プログラムが存在しないことを懸念する。 26.委員会は、締約国が、条約の原則および規定に関する公衆(子どもを含む)の意識を強化する目的で、キャンペーンを含む適切な広報プログラムおよび伝達プログラムを実施するために必要な措置をとるよう、勧告する。委員会は、締約国に対し、さまざまな社会経済的および社会文化的コミュニティの子ども向けにとくに適合された適当な資料等も通じて親、より広範な公衆および子どもに対して、かつ、条約の原則および規定が立法上および司法上の手続において適用されることを確保する目的で立法者および裁判官に対して、条約を普及するための努力を強化するよう奨励するものである。これとの関連で、委員会はさらに、締約国に対し、とくに国連児童基金(ユニセフ)、国連人権高等弁務官事務所(UNHCR)および国際議員連盟の技術的援助を求めるよう、奨励する。 研修 27.締約国が、法執行官、地方政府および司法機関を対象とした、人権およびとくに子どもの権利に関する数度の研修を組織していることには留意しながらも、委員会は、このような研修が体系的なものではなく、かつ正規の専門家養成プログラムの中核カリキュラムに含まれていないことを、依然として懸念する。 28.委員会は、子どもとともにおよび子どものために働くすべての専門家集団(とくに裁判官、弁護士、警察および軍隊の要員、国、県および地方のレベルにおける保健、教育および福祉ならびにあらゆる形態の代替的養護の関係者)が、子どもの権利に関して十分かつ体系的な研修を受けるよう勧告する。 子どもの権利と企業セクター 29.委員会は、経済界および産業界が社会福祉(子どもの保健ケアおよび教育を含む)に対して資源面および便益面で貢献している旨の締約国の情報を歓迎する。しかしながら委員会は、経済界ならびに急成長している重工業、製造業、繊維業および輸出農業が子どもに与えている影響について十全な評価が行なわれていないことを懸念するものである。委員会はとくに、観光業が同国の経済で大きな位置を占めている一方で、観光客の活動および観光客向けの便益から生ずる児童セックスツーリズム、児童買春、児童ポルノおよび児童ポルノで生じているもののような権利侵害から子どもを保護するための包括的措置がまだとられていないことを、懸念する。委員会はまた、子どものウェルビーイングを阻害する可能性がある、健康および栄養、経済的および性的搾取、汚染ならびに環境悪化の問題に対して効果的対応が行なわれることを確保する目的で、タイで事業を展開する企業および国外で活動するタイの企業の活動を規制するための、法的な制度的枠組みが設けられていないことも遺憾に思うものである。 30.「保護・尊重・救済」枠組み報告書を採択した2008年の人権理事会決議8/7および新たな作業部会に対してこの問題のフォローアップを要請した2011年6月11日の同決議14/7(いずれの決議も、ビジネスと人権との関係を模索する際に子どもの権利が含められるべきことに留意している)に照らし、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) タイに本社を置く企業に対して、国内外におけるその活動から生じる人権への悪影響を防止しかつ緩和するための措置をとるよう、とくに観光業界に注意を払いながら求める立法上の枠組み(行動規範を含む)を定めること。 (b) 子どもの権利に関わる指標および変数を報告に含めることを促進し、かつ事業および産業が子どもの権利に及ぼす影響についての具体的アセスメントを提供すること。 (c) 自国の企業が領域内においても国外で事業を行なう際にも子どもの権利を尊重し、かつ、権利侵害の際に賠償を含む適切な救済措置が追求されることを確保するための措置をとること。 (d) 自由貿易協定の交渉および締結に先立ち、子どもの権利を含む人権についての評価が実施され、かつ人権侵害を防止するための措置がとられることを確保すること。 B.子どもの定義(条約第1条) 31.婚姻に関する法定最低年齢が男女とも17歳であることは歓迎しながらも、委員会は、子どもが性的に虐待され、かつその後に加害者と婚姻する可能性がある場合にはこの年齢制限を13歳まで引き下げることができ、そのため加害者は当該犯罪に関するいかなる刑事訴追も回避する結果になることに、懸念を表明する。 32.委員会は、締約国が、最低婚姻年齢を18歳に引き上げることを検討するとともに、あらゆる状況下で、とくに子どもが性的に虐待された事案において当該年齢を維持するよう、勧告する。委員会は、締約国が、子どもに対する性的虐待の加害者をいかなる例外もなく訴追しかつ処罰するよう、勧告するものである。 C.一般原則(条約第2条、第3条、第6条および第12条) 差別の禁止 33.委員会は、教育および保健へのアクセスに関する格差を一定程度解消するためにとられた措置、および、不利な立場に置かれた東北部および南部の子どもに関してとられた特別措置に留意する。にもかかわらず、委員会は、とくに女子、障害のある子ども、先住民族コミュニティ、宗教的または民族的マイノリティのコミュニティの子ども、難民および庇護希望者の子ども、移住労働者の子ども、路上の状況にある子ども、農村部に住んでいる子どもならびに貧困下で暮らしている子どもとの関連で、子どもに対する直接間接の差別を根絶するための努力が不十分であることに懸念を表明するものである。委員会は、とくに東北部および南部における、子どものための社会サービス、保健サービスおよび教育サービスへのアクセスに関わる地域格差について、依然として深い懸念を覚える。 34.委員会は、前回の勧告(CRC/C/THA/CO/2、パラ25-26)をあらためて繰り返すとともに、締約国に対し、以下の目的のためにいっそう効果的な措置をとるよう促す。 (a) 差別の禁止の原則を保障した現行法を効果的に実施することにより、自国の管轄内にあるすべての子どもが、差別の禁止を基礎として、条約に掲げられたすべての権利を享受することを確保すること。 (b) 社会サービスを優先させ、かつこれに対して十分な資源を配分するとともに、パラ33に挙げたもっとも脆弱な立場に置かれた集団の子どもたちを対象とした、保健および教育その他のサービスに対する平等な機会の提供をいっそう迅速に進めること。 (c) あらゆる形態の差別を防止しかつこれと闘うための包括的な公衆教育キャンペーンを実施すること。 (d) 事実上の差別の効果的監視を可能とし、かつ是正措置のための基礎とすることを目的として、適切な形で細分化されたデータを収集すること。 子どもの最善の利益 35.子どもに影響を与えるさまざまな法律に子どもの最善の利益の原則が編入されている旨の締約国の情報には留意しながらも、委員会は、司法上および行政上の手続および決定ならびに代替的養護の措置および管理に関わる決定においてこの原則が全面的には適用されていないことを、懸念する。 36.委員会は、条約第3条1項にしたがい、すべての法規定、ならびに、子どもに影響を与える司法上および行政上の決定、政策ならびにプログラム、プロジェクトおよびサービスにおいて子どもの最善の利益の原則が全面的に適用されることを確保するため、締約国があらゆる必要な措置をとるよう勧告する。司法上および行政上のあらゆる判決および決定の法的理由も、この原則に基づくものであるべきである。 生命、生存および発達に対する権利 37.委員会は、子どもおよび乳児の死亡率を出生1000件あたり34(1990年)から14(2010年)に削減するうえで締約国が達成した相当の成果を歓迎する。しかしながら委員会は、子どもの主要な死因として報告されている事故およびケガ(溺死および交通事故を含む)について懸念を覚えるものである。 38.委員会は、締約国が、とくに子どものケアに関する政策を強化し、かつ家庭、養育者間、学校および一般公衆の間で子どもの安全確保措置に関する意識啓発を図ることにより、ケガおよび事故を防止するためにあらゆる必要な措置をとるよう勧告する。 子どもの意見の尊重 39.国、地方および地区のレベルで子ども・若者評議会が設けられている旨の締約国の情報には留意しながらも、委員会は、伝統的な態度があることも理由として、すべての子どもが、家庭、コミュニティならびに行政上および司法上の手続で行なわれる自己に影響を与える決定に関して自由に自己の意見を表明しかつ参加する機会を得ているわけではないことを、懸念する。委員会はまた、子ども・若者評議会が、活動を組織するための資源および人員に関する支援を得ていないことも懸念するものである。 40.条約第12条および意見を聴かれる子どもの権利に関する委員会の一般的意見12号(2009年)に照らし、委員会は、締約国が、家庭、学校およびコミュニティで行なわれる自己に影響を与える決定に、18歳に至るまでのすべての子どもが積極的に参加しかつ関与することを確保するための努力を強化するよう、勧告する。委員会はまた、締約国が、子どもの意見がどの程度考慮されており、かつそれが政策立案、裁判所の決定およびプログラム実施にどの程度提供を与えているかについて定期的検討を行なうことも、勧告するものである。さらに委員会は、締約国が、子ども・若者評議会に対する支援を総経するための措置をとるよう勧告する。 D.市民的権利および自由(条約第7条、第8条、第13~17条、第19条および第37条(a)) 名前および国籍/アイデンティティの保全 41.委員会は、1972年に国籍を無効にされた者(その子どもも含む)のための救済措置および特定のカテゴリーに属する者(里親養護を受けている子どもおよび養子となった子どもならびに1992年以前にタイで出生した不法移民の子どもを含む)の帰化について定めた2008年国籍法を歓迎する。近隣諸国と二国間協定を締結するために締約国が行なっている努力には留意しながらも、委員会は、子ども(とくに先住民族集団およびマイノリティ集団の子どもならびに移住労働者、難民および保護希望者)を含む相当数の者が現にまたは潜在的に無国籍のままであることを、依然として懸念するものである。 42.委員会は、締約国に対し、無国籍となるおそれがあるすべての子ども(パラ41で挙げた、不利な立場に置かれた集団に属する子どもを含む)がタイ国籍へのアクセスを提供されることを確保するため、法律をさらに見直しかつ制定するよう促す。委員会は、締約国が、無国籍者の地位に関する1954年の条約および1967年の同議定書〔ママ〕ならびに無国籍の削減に関する1961年の条約の批准を検討するよう、勧告するものである。 出生登録 43.委員会は、期限後の登録および多数の規則(高地民族集団および遺棄された乳児への登録証の発行に関するものを含む)について定めた2008年住民登録法を歓迎する。しかしながら委員会は、相当数の子ども、とくに貧困下で暮らしている子ども、先住民族集団および移民の子どもが未登録のままであることを懸念するものである。委員会はまた、締約国が期限後の子どもの登録に対する罰金を維持していることも、たとえ低額とはいえ、依然として懸念する。 44.委員会は、締約国が、自国の領域で生まれたすべての子ども、とくに親の経済的地位、民族および出入国管理上の地位を理由として登録されていない子どもの出生登録を確保するための措置をとるよう、勧告する。委員会はまた、締約国が、公衆教育プログラム(締約国の領域ですでに生まれたものの未登録のままである子どもについて出生登録を行なうためのキャンペーンを含む)を実施するとともに、期限後の登録に対するいかなる金銭的処罰も廃止し、かつ時宜を得た新生児の登録を確保するための代替的措置をとることも、勧告するものである。 プライバシーの保護 45.メディアにおける子どもの権利についての意識を高めるために締約国が行なっている努力には留意しながらも、委員会は、メディアが報道において子どものプライバシー権を全面的に尊重しているわけではないこと、および、とくに子どもの虐待および搾取ならびに少年司法制度に関わる配慮の必要な事案において、メディアが提供する関連情報(姓、住所および写真など)を通じて子どもの素性がしばしば確認可能とされることを、懸念する。 46.委員会は、締約国が、子どものプライバシー権がとくにマスメディアにおいて常に尊重されることを確保するための措置をとるよう、勧告する。委員会は、締約国が、あらゆる形態のメディアにおける報道から子どもの素性を保護するための法律を制定し、かつ、遵守を確保するための効果的な監視機構を設置するよう、勧告するものである。委員会はまた、締約国が、マスメディアに従事する専門家の子どもの権利に関する感受性を引き続き強化するとともに、子ども向け番組に関する決定およびその制作への子どもの関与を促進することも、勧告する。 子どもに対する暴力(体罰を含む) 47.委員会は、家庭における体罰が依然として合法であることを懸念する。さらに、民商法第1567条では、子どもに対して親としての権威を有する者はしつけのために「合理的な」処罰を行なう権利を有すると述べられている。 48.委員会は、前回の懸念および総括所見(CRC/C/THA/CO/2、パラ40および41)をあらためて繰り返すとともに、締約国に対し、子どもに対するあらゆる形態の暴力と闘うための措置を採択するに際し、あらゆる形態の暴力からの自由に対する子どもの権利に関する委員会の一般的意見13号(2011年)および体罰その他の残虐なまたは品位を傷つける形態の罰から保護される子どもの権利に関する一般的意見8号(2006年)を考慮するよう、奨励する。 委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告するものである。 (a) 家庭および代替的養護の現場における子どもの体罰(しつけのためのものを含む)を法律で明示的に禁止すること。 (b) 態度を変革し、かつ体罰に代わる積極的かつ非暴力的な形態の子育ておよびしつけを促進する目的で、体罰の有害な影響に関する公衆教育および意識啓発ならびに社会的動員のための持続的プログラムを、子ども、家族およびコミュニティの関与を得ながら導入すること。 (c) 子どもに対するあらゆる形態の暴力の撤廃に優先的に取り組むとともに、子どもに対する暴力に関する国連事務総長研究(A/61/299)の勧告の効果的実施を確保すること。 (d) 前掲研究の勧告、とくに子どもに対する暴力に関する事務総長特別代表が強調した以下の勧告を締約国がどのように実施しているかに関する情報を、次回の定期報告書で提供すること。(i) 子どもに対するあらゆる形態の暴力および不当な取扱いを防止しかつこれに対処するための国家的な包括的戦略を、ジェンダーにとくに注意を払いながら、各国で策定すること。 (ii) あらゆる場面における、子どもに対するあらゆる形態の暴力の明示的な法的禁止を、国レベルで導入すること。 (iii) データを収集し、分析しかつ普及するための全国的システムおよび子どもに対する暴力に関する調査研究事項を強化すること。 E.家庭環境および代替的養護(条約第5条、第18条(1~2項)、第9~11条、第19~21条、第25条、第27条(4項)および第39条) 家庭環境 49.委員会は、国内移住の増加にともなって家族の結びつきが弱まり、かつ多くの子どもが祖父母とともに農村部に残されていて、祖父母が十分な支援またはサービスを受けることもなくこのような子どもの主たる養育者となっていることに、懸念とともに留意する。 50.委員会は、締約国に対し、親の責任に関する法改正のための努力を引き続き行なうとともに、家族の解体の防止および家族の強化のための措置を発展させるよう、促す。委員会は、締約国が、親および養育者の支援のために設けられている便益を再検討するとともに、条約第18条および第27条にしたがい、そのような便益を強化するために適当な措置をとるよう、勧告するものである。委員会はさらに、締約国が、関連のハーグ条約、とくに親責任および子の保護措置についての管轄権、準拠法、承認、執行および協力に関する第34号条約の批准を検討するよう、勧告する。 家庭環境を奪われた子ども 51.委員会は、締約国が年間3000世帯の里親家庭を支援するための予算を配分しており、かつ「家庭を基盤とする一時的養護に関する国家戦略」を起草中である旨の締約国の情報に、評価の意とともに留意する。にもかかわらず、委員会は、家庭環境を奪われた子どもについて施設養護への過剰な依存(29施設に7000名の子どもが在籍)が報告されており、かつこのような施設の監視および監督が行なわれていないことを、懸念するものである。委員会はさらに、施設および里親養護制度(親族養護を含む)を規律する規則が定められていないこと、および、代替的養護の環境に置かれた子どものためのパーマネンシー・プランニングが行なわれていないことを、懸念する。 52.委員会は、締約国が以下の措置をとるべきである旨の前回の勧告をあらためて繰り返す。 (a) 施設に措置された子どもの状況(その生活条件、養護計画および提供されているサービスも含む)を評価するための包括的研究を実施すること。 (b) 既存の施設および里親養護制度についての明確な基準(条約第9条にしたがって意思決定プロセスに子どもおよびその親の関与を得るための規則を含む)を定めるとともに、条約第25条に照らし、子どもの措置の定期的再審査が行なわれることを確保すること。これとの関連で、委員会は、締約国に対し、「家庭を基盤とする一時的養護に関する国家戦略」を、子どもの最善の利益を確保しながら完成させかつその運用を開始するよう、奨励する。 (c) 子どもの権利の保護を確保する目的で、すべての代替的養護施設およびプログラムが十分に監視されること(独立した苦情申立て機構および非政府組織による監視を含む)を確保するとともに、子どもがこれらの苦情申立て機構に容易にアクセスできるようにすること。 (d) 施設に措置された子どもが可能なときは常に家族に復帰できるようにし、かつ施設への子どもの措置を最後の手段として用いるようにするため、あらゆる必要な措置を追求すること。 (e) 子どもの広範な施設措置を防止する目的で家族を強化しかつ維持するための積極的措置をとること。 委員会は、締約国が子どもの代替的養護に関する指針(2009年11月20日の総会決議64/142付属文書)を考慮するよう、勧告するものである。 養子縁組 53.委員会は、2010年子どもの養子縁組法を歓迎するとともに、締約国が国際養子縁組よりも国内養子縁組を優先させ、かつ国際養子縁組に関する規則を定めたことに、積極的対応として留意する。脆弱な状況に置かれた子ども(とくに障害のある子ども、貧困下で暮らしている子ども、路上の状況にある子どもおよび無国籍の子ども)が締約国に多数存在し、かつ人身取引の発生件数も多いことに鑑み、委員会は、締約国が養子縁組手続の効果的監視システムを確保するよう、勧告するものである。 虐待およびネグレクト 54.委員会は、締約国が2011年に開始した、子どもに対する暴力の状況に関する大規模な研究を歓迎する。しかしながら委員会は、都市部への親の移住またはAIDS関連の死亡を理由として相当数の子どもがネグレクトの状態にあることを、依然として懸念するものである。 55.委員会は、締約国が、移住のために別離した家族が再統合するための条件づくりを目的とした必要な措置(親が子どもを都市部に同伴できるようにすることも含む)をとるよう、勧告する。委員会はまた、締約国が、両親を失った子どもに対して特段の注意を払うとともに、このような子どもが時宜を得た形で里親家庭を得られることを確保することも、勧告するものである。 F.障害、基礎保健および福祉(条約第6条、第18条(3項)、第23条、第24条、第26条および第27条(1~3項)) 障害のある子ども 56.委員会は、「障害者の生活の質の発展に関する国家計画(2007~2011年)」および障害者教育法(2008年)の採択によって障害のある人の生活の質を向上させるために締約国が行なっている努力を歓迎する。委員会はまた、障害のある子どもを対象としたインクルーシブ教育を行なう学校の数が増えていることも歓迎するものである。にもかかわらず、委員会は、就学していない障害児が多数存在すること、および、青少年政策において障害児が特別な対象集団として位置づけられていないことを、深刻に懸念する。委員会はまた、就学前段階以上の教育を受ける障害児の割合が限られていることも懸念するものである。 57.委員会は、締約国が、教育へのアクセスの観点から障害児の状況を再検討するとともに、特別施設への子どもの措置よりもインクルーシブ教育の発展を実効的に優先させるよう、勧告する。委員会はまた、締約国が、障害のある子どもの権利に関する委員会の一般的意見9号(2006年)を考慮しながら、青少年政策において障害のある子どもを適切な形で対象とすることも勧告するものである。 保健ケアおよび保健サービス 58.委員会は、子どもを含むタイ国民全員に対してほとんどの疾病についての無償の治療を確保する「保健ケア完全保障計画」の実施および全般的な子どもの栄養状態の向上に関して締約国が達成した成果を歓迎する。しかしながら委員会は、家族の経済的状態、母親の教育歴、言語的背景および地理的所在によって子どもの栄養状態に重大な格差があることを、依然として深刻に懸念するものである。委員会はまた、若干の改善にも関わらず、ヨウ素欠乏症が依然として広く存在することも懸念する。 59.委員会は、締約国に対し、家族の経済的状態、母親の教育歴、言語的背景(タイ語またはそれ以外)および地理的所在(都市部、農村部または遠隔地)に関わらず、すべての子どもの栄養状態を向上させるための措置をいっそう速やかに進めるよう、促す。これとの関連で、委員会は、締約国に対し、不利な立場に置かれた社会的集団の子どもの低栄養の原因および規模についての分析を行なうよう、奨励するものである。加えて委員会は、締約国が、とくにヨウ素欠乏症を統制すること(そのための手段として、とくにヨウ素添加塩の完全普及(USI)を達成するための法律および政策を導入することが求められる)を通じて子どもの栄養状態を向上させ、かつ、法律の遵守およびヨウ素添加塩の普遍的消費を確保するよう、勧告する。 母乳育児 60.委員会は、生後6か月の時点における母乳育児率が著しく低い(5%)一方で、早期の母乳育児開始率も50%と低いことを懸念する。委員会はさらに、自主的措置がとられているとはいえ、母乳代替品の攻撃的な販売促進および宣伝が法的に規制されていないことを懸念するものである。 61.委員会は、締約国が、母乳育児の重要性および人工栄養のリスクについて公衆(とくに母親)の意識啓発および教育を図ることにより、早期の母乳育児開始および生後6か月間の継続的完全母乳育児を促進するための努力を強化しかつ拡大するよう、勧告する。委員会は、締約国に対し、「母乳代替品の販売促進に関する国際基準」にしたがって母乳代替品の販売促進活動に関する法的規制を採択し、かつ実効的な遵守および効果的な監視を確保するよう、促すものである。加えて委員会は、締約国に対し、すべての妊産婦施設を、母乳育児を支援する赤ちゃんにやさしい病院に転換し、かつ、妊産婦のための活動に従事する保健ケア専門家が母乳育児に関する研修を受けることを確保するための措置をとるよう、促す。 思春期の健康 62.委員会は、抗レトロウィルス薬の使用により、HIV/AIDSで死亡する人の数が減少していることを歓迎する。ただし、とくに脆弱な状況にある移民、難民および庇護希望者のようなタイ国民以外の住民には、抗レトロウィルス薬の使用が十分に広がっていない。委員会はとくに、HIV/AIDSの感染を予防する主要な方法のすべてを知らない女性が多く、かつ、HIV/AIDSとともに生きているまたはその影響を受けている人々(両親を失った子どもを含む)に対するスティグマおよび差別が継続していることを、とくに懸念する。さらに委員会は、10代の妊娠の問題が増加しており、それが違法な妊娠中絶件数の増加にもつながっていることを、深刻に懸念するものである。 63.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) HIV/AIDSその他の性感染症についてさまざまなコミュニティの子ども、青少年およびその家族を教育するためにあらゆる必要な措置をとること。 (b) 必要不可欠な保健サービスおよび社会サービスをもっとも周縁化された子どもおよび家族に対して拡大するとともに、いかなる形態のスティグマおよび差別とも精力的に闘うこと。 (c) 早期の妊娠および妊娠中絶の悪影響に関する意識啓発の努力を強化すること。 (d) ライフスキル教育を含む青少年向けリプロダクティブヘルス・プログラムを強化すること。 (e) 妊娠した女子を対象とする包括的な保健サービス、秘密が守られるカウンセリングおよび支援を確保するとともに、リプロダクティブヘルス法案の採択を迅速に進めること。 薬物および有害物質の濫用 64.委員会は、20歳未満の者に対するアルコール飲料の販売を禁じた2008年アルコール飲料統制法を歓迎する。しかしながら委員会は、とられた措置にも関わらず、アルコールおよび薬物を濫用する子どもが依然として相当数にのぼることに、深刻な懸念とともに留意するものである。 65.委員会は、締約国に対し、とくに青少年を対象としたタバコ、アルコールおよび薬物の悪影響に関する意識啓発キャンペーンを含む、あらゆる適当な措置をとるよう促す。これには、予防介入に関するピア・エデュケーションおよびライフスキル訓練が含まれるべきである。委員会はまた、締約国が、薬物およびアルコールに依存している子どもおよび青少年に対し、治療およびリハビリテーションのためのプログラムを引き続き提供することも勧告する。 生活水準 66.委員会は、報告されているところでは都市部の家族の10%がスラムに住んでいること、および、所得の不平等が増大しており、かつ、栄養、衣服、住居、水および衛生のような基礎的サービスへのアクセスに関して問題を有する家族の割合が高いことを、懸念する。委員会はまた、地域ごとの所得水準、とくに北部および東北部ならびに南部における所得水準の格差の大きさが依然として問題になっていることについての前回の懸念も、あらためて表明するものである。 67.委員会は、締約国が、とくに北部、東北部および南部における効果的な貧困削減措置のために引き続き資源を配分するべきである旨の前回の勧告を、あらためて繰り返す。委員会はさらに、締約国が以下の措置をとるよう勧告するものである。 (a) とくに、十分な栄養、衣服、住居、水および衛生ならびに社会サービス、保健サービスおよび教育への公平なアクセスを確保しながら、地方およびコミュニティのレベルで貧困削減戦略を策定しかつ監視するための能力増進の努力を強化すること。 (b) 不利な立場に置かれた住民の生活水準を向上させるための、暫定的な特別措置および積極的差別是正措置(貧困の影響を不相応に受けている子どもおよび家族を支援するための、使途をとくに指定した資金および具体的援助の提供を含む)をとること。 (c) 格差を是正し、かつ人生において良好なスタートを切る平等な機会を一人ひとりの子どもに与えるために、普遍的な子ども手当制度の導入の実現可能性を研究しかつ検討すること。 G.教育、余暇および文化的活動(条約第28条、第29条および第31条) 教育(職業訓練および職業指導を含む) 68.委員会は、すでに教育に関するMDG〔ミレニアム開発目標〕を達成したこと、万人のための無償義務教育(15年間)プログラムを採択したこと、および、乳幼児期の発達を増進させるための政策および措置を開始したことについて、締約国を称賛する。しかしながら委員会は、以下のことを遺憾に思うものである。 (a) 就学前教育を受けている3~5歳の子ども(とくにタイ語以外の言語を用いる世帯または貧困世帯の子ども)の人数が少なく、かつ重大な地域格差が根強く残っている(たとえば、北部では乳幼児の78%が就学前教育施設に通っているのに対し、南部では58%となっている)こと。 (b) 初等学校相当年齢(6~11歳)の子ども60万人以上が学校に通っていないこと(2010年)。 (c) すべての段階で継続的在学率および進学率が低い状態が続いており、相当数の子どもが中等教育を受けていない(純就学率(NER)は72.2%に留まる)こと。 (d) とくに南部国境県において、より多くの男子が中等学校を中退していること。 (e) 学校制度における、低学年からの民族言語およびマイノリティ言語の使用が著しく不十分であること。 (f) とくに、とりわけ遠隔地および危険地帯で教員、教育用資料および便益が不足していることを理由として、教育の全般的質が依然として貧弱であること。 (g) 2009年の生徒の学習到達度調査(PISA)で明らかにされたように教育成果が小さく(タイの15歳の子どものうち読解力および科学について合格点をとったのはわずか43%であり、数学では53%に過ぎなかった)、かつ都市部と農村部との間に相当の格差があること。 69.教育の目的に関する一般的意見1号(2001年)および乳幼児期における子どもの権利の実施に関する同7号(2005年)に照らし、委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a) 出生時から就学年齢に至るまでのすべての子どもが、その全面的発達を確保することを目的とした必須の保健サービス、栄養サービス、教育サービスおよび保護サービスの効果的支援をともなうホリスティックな乳幼児育成(ECD)にアクセスできることを確保するため、効果的な政策およびその他の措置を採択すること。 (b) ECDを担当する地方政府によって適用される、良質なかつ国際的に受け入れられるECDの基準を策定すること。 (c) タイ語以外の言語を用いる世帯および貧困世帯の子ども、とくに北東部および南部の子どもが乳幼児育成プログラムに通うことを奨励し、かつそのためのインセンティブを設けること。 (d) 現在学校に行っていない多数の初等学校相当年齢の子ども(6~11歳)に教育機会を提供するため、緊急の措置をとること。 (e) 教育制度における中退の多さおよび継続的在学率の低さの原因および規模に関する包括的研究を実施するとともに、ジェンダーに関わる諸側面、格差および防止措置にとくに注意を払いながら、この問題を解決するための、明確な期限を定めた行動計画を策定すること。 (f) 子ども、とくに南部国境県の男子に対し、中等学校で教育を続けるよう奨励すること。 (g) 条約第30条にしたがい、とくにタイ語以外の言語を話す子どもを対象とした、早期からの効果的な二言語教育を確保するため、国家言語教育政策(2010年)を実施すること。 (h) 教育の質を大幅に改善し、かつあらゆる段階における教育成果を向上させるための明確かつ具体的な措置をとること。そのための手段としては、教育および学習のための資料および便益の提供、教員の養成および研修ならびに監督の増進、資格のある教員(とくに女性ならびにマイノリティ集団および先住専属集団の出身者)の採用増、教育省における能力構築の増進、ならびに、子どもの学習のモニタリングシステムの改善が挙げられる。 (i) ユネスコ・教育差別禁止条約の批准を検討すること。 H.特別な保護措置(条約第22条、第30条、第38条、第39条、第40条、第37条(b)~(d)および第32~36条) 子どもの庇護希望者および難民 70.若干の福祉サービスの提供に関する締約国の情報には留意しながらも、委員会は、一時的難民(いわゆる「国外避難民」)がいるキャンプの環境が不十分であると報告されていること、および、キャンプ外および都市部にいる難民および庇護希望者は不法と見なされ、かつ不法入国および(または)不法滞在を理由として逮捕、拘禁および(または)退去強制の対象とされていることを、懸念する。さらに委員会は、締約国の代表団が述べたように、締約国が2009年以降新たに到着した庇護希望者の登録を行なっていないことを懸念するものである。 71.委員会は、締約国に対し、一時的難民に対して十分な基礎的必需品を提供することによって一時的難民のためのキャンプの環境を向上させるため、あらゆる必要な措置をとるよう促す。委員会はまた、締約国が、新たに到着した庇護希望者が有している可能性があるニーズを記録する目的で、これらの庇護希望者の登録を復活させることも勧告するものである。さらに委員会は、締約国が、庇護希望者および難民をその地位にしたがって取り扱い、拘禁またはその生命が危険にさらされる可能性がある国への退去強制の対象としないよう、勧告する。これとの関連で、委員会は、締約国に対し、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の技術的援助を求めるよう奨励するものである。委員会はまた、締約国が、難民の地位に関する1951年の条約および1967年の同選択議定書を批准するとともに、難民の保護のための国家的な法律上および制度上の枠組みを確立することも、勧告する。 移住の状況にある子ども 72.委員会は、移民が合法的に就労し、かつ社会福祉にアクセスすること(保健および教育へのアクセスを含む)を可能にした労働保護法改正(2008年)を歓迎する。しかしながら委員会は、多くの移住労働者が非正規な状況に置かれており、かつ、その子どもが、送還が安全であるかどうかに関するいかなるリスク評価も行なわれることなく逮捕および退去強制に直面させられていることを、懸念するものである。加えて、移住労働者の子どもは劣悪な環境で暮らしていることが多く、危険な条件下で長時間労働をさせられている子どもも多い。 73.委員会は、締約国が、移民およびその子どもを出身国に送還することが安全であるかどうかについてのリスク評価研究を実施するよう、勧告する。さらに委員会は、締約国が、さまざまな移住の状況にある子どもを搾取および危険な労働条件から保護するために必要な立法上および政策上の措置をとるよう、勧告するものである。 経済的搾取(児童労働を含む) 74.委員会は、15歳以上の子どもの雇用条件、最低賃金および安全な労働環境の保護について定めた家内労働者保護法(2011年採択)、および、「最悪の形態の児童労働を根絶するための国家政策および計画(2009~2014年)」に留意する。しかしながら委員会は、15歳未満の子ども(とくに外国人の子どもおよび路上の状況にある子ども)がもっぱら従事している農業、観光業、物乞いおよび家事労働で働くインフォーマルな労働者に対し、締約国の法律が保護を提供していないことを依然として懸念するものである。 75.委員会は、締約国が、農業、観光業、物乞いおよび家事労働のようなインフォーマル部門における子どもの就労について研究し、かつ次回の定期報告書でこの点に関する情報を提供するとともに、これらの部門で働く子どもを監視しかつ発見する目的で労働監察制度を強化するための措置をとるよう、勧告する。委員会は、締約国に対し、外国人の子どもおよび路上の状況にある子どものような脆弱な立場に置かれた集団の子どもにとくに注意を払いながら、子どもがインフォーマル部門に従事することを禁止するための法改正を行なうよう、促すものである。委員会は、締約国が、家事労働者のためのディーセント・ワークに関する条約ILO第189号条約(2011年)の批准を検討するよう勧告する。 性的搾取および虐待 76.委員会は、被害者の年齢を理由とする強姦罪についての刑罰を定めた2007年の刑法改正(第19号および20号)を歓迎する。しかしながら委員会は、締約国において、男女を問わず子どもの性的搾取および虐待が広く行なわれていることを深刻に懸念するものである。委員会はさらに、とくに家庭において、被害を受ける子どもが加害者から保護されていないことを懸念する。この懸念は、性的虐待に関する刑事事件で捜査および手続に時間がかかることによっていっそう強まるところである。委員会はまた、近隣諸国から性的搾取目的でタイに連れてこられる外国人の子どもの人身取引が増えており、同国における大規模な児童セックスツーリズム産業を助長している一方で、タイの子どもが性的目的の人身取引によりしばしば外国へ連れ出されていることも、懸念する。さらに委員会は、子ども、とくに貧困家庭、資格外滞在移民および民族的マイノリティの子どもが国内で人身取引の対象とされていることに、懸念を表明するものである。 77.一般的意見13号(2011年)に照らし、委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a) 公衆の意識を高め、かつ早期発見および防止のための機構を強化する努力を引き続き行なうとともに、性的搾取および虐待(家庭の内外におけるものを含む)の被害を受けたすべての子どもの全面的保護を確保すること。 (b) 子どもの性的虐待に関する刑事事件の捜査および手続の期間を短縮するために必要な措置をとり、かつ、被害を受ける子どもが加害者から適切に保護されることを確保すること。 (c) タイ人の子どもおよび締約国にいる外国人の子どもの双方を関与させる形で行なわれている、あらゆる場面における男女の子どもの性的搾取および虐待の根本的原因、性質および規模に関する包括的調査を実施するとともに、この点に関して行なわれた申立て、捜査および訴追の件数に関するデータを提供すること。 (d) 委員会は、その際、締約国が、子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する選択議定書についての委員会の勧告(CRC/C/OPSC/THA/CO/1)、および、とくに女性および子どもの人身取引に関する特別報告者が締約国の訪問(2011年8月)後に行なった勧告を実施するよう、勧告する。委員会はまた、締約国が、それぞれストックホルム、横浜およびリオデジャネイロで開催された1996年、2001年および2008年の「子どもの〔商業的〕性的搾取に反対する世界会議」で採択された成果文書を考慮することも、勧告するものである。 ヘルプライン 78.委員会は、社会サービス局および国家子ども評議会が、子どもを援助するための2つのヘルプラインを運営していることに留意する。委員会は、締約国が、効率性を高めるため、これらのヘルプラインを単一の全国的ヘルプラインに統合することを検討するよう、勧告する。当該ヘルプラインは、国全体を網羅し、24時間アクセスでき、覚えやすい3~4ケタの番号を有し、かつ、十分な財源および技術的資源、ならびに、子どもに対応し、かつ適切な行動のために通話を分析する訓練を受けた要員を備えたものであるべきである。委員会はさらに、締約国が、この点に関してとくにユニセフおよびチャイルド・ヘルプライン・インターナショナルの技術的援助を求めるよう、勧告する。 少年司法の運営 79.委員会は、全国に少年裁判所および家庭裁判所を設置し、かつ修復的司法を可能とする少年家庭裁判所およびその手続法(2010年)を歓迎する。しかしながら委員会は、7歳から10歳に引き上げられた刑事責任に関する年齢がいまなお国際的に受け入れられる水準よりも下のままであることを、依然として懸念するものである。委員会はまた、裁判官および司法関係者を対象とした子どもの権利に関する研修が十分でない可能性があること、および、場合によって子どもが成人とともに拘禁される可能性があることも、懸念する。 80.委員会は、締約国が、少年司法における子どもの権利に関する委員会の一般的意見10号(2007年)を考慮に入れながら、少年司法に関する基準、とくに条約第37条、第39条および第40条、ならびに、少年司法の運営に関する国連最低基準規則(北京規則)、少年非行の防止に関する国連指針(リャド・ガイドライン)および自由を奪われた少年の保護に関する国連規則(ハバナ規則)ようなこの分野における他の関連の国際基準の全面的実施を確保するための努力を継続しかつ強化するよう、勧告する。委員会は、締約国が以下の措置をとるべきであることをあらためて指摘するものである。 (a) 刑事責任に関する最低年齢を国際的に受け入れられる水準まで引き上げ、いかなる状況下でも12歳未満には定めないこと。 (b) 自由を奪われるすべての子どもが最後の手段としてかつ可能なかぎり短い期間でのみ拘禁され、かつ、その拘禁が法律を遵守して行なわれることを確保すること。 (c) 普遍的定期審査に基づく作業部会が勧告したとおり子どもが成人とは別に拘禁されること、そのような子どもに対して安全な、子どもに配慮した環境が与えられること、および、そのような子どもが家族との定期的接触を維持することを確保すること。 (d) 可能なときは常に、ダイバージョン、保護観察、カウンセリング、地域奉仕活動または刑の執行猶予のような、拘禁に代わる措置を促進すること。 (e) 条約および選択議定書の原則および規定に関する、裁判官および司法関係者の研修を強化すること。 (f) 法律に抵触した子どものための社会的再統合プログラムを発展させること。 (g) 国連・少年司法に関する機関横断パネルおよびその構成組織(国連薬物犯罪事務所、ユニセフ、OHCHRおよびNGOを含む)が開発した技術的援助ツールを利用するとともに、同パネルの構成組織に対し、少年司法の分野における技術的助言および援助を求めること。 犯罪の被害者および証人である子ども 81.委員会は、締約国が、十分な法律上の規定および規則を通じ、国および国以外の主体によって行なわれたものも含む犯罪の被害を受けた子どもおよび(または)そのような犯罪の証人であるすべての子ども(たとえば、虐待、ドメスティック・バイオレンス、性的および経済的搾取、誘拐ならびに人身取引の被害を受けた子どもならびにこのような犯罪の証人)が条約で求められている保護を提供されることを確保し、かつ、子どもの犯罪被害者および証人が関わる事案における司法についての国連指針(経済社会理事会決議2005/20付属文書)を全面的に考慮するよう、勧告する。 マイノリティ集団または先住民族集団に属する子ども 82.委員会は、先住民族、部族民およびマイノリティのコミュニティに属する子どもが、その特徴的な生活習慣および言語のためにしばしばスティグマおよび差別の両方の対象とされていることを懸念する。委員会はさらに、先住民族およびマイノリティの間で貧困が広がっていること、および、同国の山岳民族に関する人口動態データが存在しないことを懸念するものである。 83.委員会は、締約国が、以下の目的のために必要な措置をとるよう勧告する。 (a) マイノリティおよび先住民族の文化に関するタイ国民の意識を高め、かつその生活習慣およびライフスタイルに関する寛容を醸成すること。 (b) マイノリティおよび先住民族のコミュニティに対していっそうの経済的機会を提供し、かつ基礎的社会サービスに対するこれらのコミュニティのアクセスを確保すること。 (c) 山岳民族に関する細分化されたデータを体系的に収集すること。 (d) 先住民族の子どもとその条約上の権利に関する委員会の一般的意見11号(2009年)を考慮すること。 タイ南部国境県の子ども 84.委員会は、締約国が南部国境県の子どもおよび若者の保護および発達に関する行動計画を起草中であることに留意するとともに、中等教育および高等教育のための奨学金等を通じた教育支援のためにとられた措置を歓迎する。しかしながら委員会は、現在進行中の武装暴力を背景として以下のような問題が生じていることを懸念するものである。 (a) 子どもが、国以外の武装集団による、および、ときとしてタイ治安部隊による、爆破、不法な殺害その他の暴力的攻撃の被害を受けていること。 (b) 国以外の武装集団が政府立学校および教員を攻撃目標とし、かつ学校近辺に政府軍および準軍事部隊が駐留することにより、教育へのアクセスが途絶されていること。 (c) 親の一方または朗報を失った子ども、暴力により負傷した子ども、事件を直接に目撃した子どもまたはとくにメディアで事件についての情報を得た子ども、ならびに、事件により生活に影響を受けている子どもおよび家族を含む多数の子どもが、心理的または間接的な影響を受けていること。 85.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 南部国境県の状況が子どもに直接間接の悪影響を及ぼさないことを確保するための即時的措置をとること。委員会は、その際、締約国が、武力紛争への子どもの関与に関する選択議定書に基づく委員会の勧告(CRC/C/OPAC/THA/CO/1)を遅滞なく実施するよう、勧告する。 (b) 学校が、国の軍隊および準軍事部隊によってその運営を妨げられず、かつ国以外の武装集団による攻撃から保護されることを確保すること。 (c) 武装暴力の影響を受けている子どもに対し、優先的課題として心理社会的支援およびサービスを提供すること。 (d) 「南部国境県の子どもおよび若者の保護および発達に関する行動計画」を速やかに採択すること。 I.国際人権文書の批准 86.委員会は、締約国に対し、通報手続に関する子どもの権利条約の選択議定書を批准するよう促す。委員会はまた、締約国が、まだ加盟国となっていない国連の中核的人権文書を批准することも勧告するものである。これらの文書とは、とくに、経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約の選択議定書、市民的および政治的権利に関する国際規約の第1および第2選択議定書、拷問および他の残虐な、非人道的なまたは品位を傷つける取り扱いまたは刑罰に関する条約の選択議定書、障害のある人の権利に関する条約の選択議定書、すべての移住労働者およびその家族構成員の権利の保護に関する国際条約、強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約などである。 J.地域機関および国際機関との協力 87.委員会は、締約国が、とくにASEAN〔東南アジア諸国連合〕女性および子どもの権利の促進・保護委員会と協力するよう勧告する。 K.フォローアップおよび普及 88.委員会は、締約国が、とくにこれらの勧告を国家元首、最高裁判所、議会、関連省庁および地方当局に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。 89.委員会はさらに、条約、その実施および監視に関する議論および意識を喚起する目的で、締約国が提出した第3回・第4回統合定期報告書および文書回答ならびに関連の勧告(総括所見)を、インターネット等を通じ(ただしこれにかぎるものではない)、公衆一般、市民社会組織、若者グループ、専門家グループおよび子どもが同国の言語で広く入手できるようにすることを勧告する。 L.次回報告書 90.委員会は、締約国に対し、第5回・第6回統合定期報告書を2017年10月25日までに提出するよう慫慂する。委員会は、2010年10月1日に採択された委員会の条約別調和化報告ガイドライン(CRC/C/58/Rev.2 and Corr.1)に対して注意を喚起するとともに、締約国が、今後の報告書は当該ガイドラインにしたがうべきであり、かつ60ページを超えるべきではないことを想起するよう求めるものである。委員会は、締約国に対し、報告ガイドラインにしたがって報告書を提出するよう促す。ページの制限を超えた報告書が提出された場合、締約国は、前掲ガイドラインにしたがって報告書を見直し、かつその後再提出するよう求められることになる。委員会は、締約国に対し、報告書を見直しかつ再提出することができないときは、条約機関による審査のための報告書の翻訳は保障できないことを想起するよう、求めるものである。 更新履歴:ページ作成(2012年4月10日)。/前編・後編を統合(10月20日)。
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/262.html
総括所見:英国(OPSC・2014年) 条約:第1回(1995年)/第2回(2002年)/第3回・第4回(2008年)/第5回(2016年)OPAC(2008年) 英領香港(当時、1996年)/英領マン島(2000年)/イギリス海外領土(2000年) CRC総括所見日本語訳(国別)/CRC総括所見日本語訳(会期順) CRC/C/OPSC/GBR/CO/1(2014年7月8日/技術的理由により2014年7月11日に再発行) 原文:英語(平野裕二仮訳) 原文は国連人権高等弁務官事務所のサイト(国別情報のページまたはCRC会期一覧ページ)を参照。 1.委員会は、2014年5月30日に開かれた第1882回および第1883回会合(CRC/C/SR.1882 and 1883参照)において大ブリテンおよび北アイルランド連合王国の第1回報告書(CRC/C/OPSC/GBR/1)を検討し、2014年6月13日に開かれた第1901回会合において以下の総括所見を採択した。 I.序 2.委員会は、締約国の第1回報告書および事前質問事項に対する文書回答(CRC/C/OPSC/GBR/Q/1/Add.1)の提出を歓迎する。委員会は、締約国代表団との建設的対話を評価する一方で、代表団に北アイルランドおよびスコットランドの代表が含まれていなかったこと、ならびに、最近になって選択議定書の適用が拡張されたジャージー代官管轄区についてまったく情報が提供されなかったことを、遺憾に思うものである。 3.委員会は、締約国に対し、この総括所見は、2008年10月に採択された、子どもの権利条約に基づく締約国の第3回・第4回統合定期報告書に関する総括所見(CRC/C/GBR/CO/4)および武力紛争への子どもの関与に関する選択議定書に基づく第1回報告書についての総括所見(CRC/C/OPAC/GBR/CO/1)とあわせて読まれるべきであることを想起するよう求める。 4.締約国が選択議定書の批准をジャージー代官管轄区に拡張したこと(2014年4月)には留意しながらも、委員会は、選択議定書の適用がまだ英国の他のすべての海外領土および王室属領に拡張されていないことを懸念する。委員会は、締約国が、選択議定書の適用をこれらの領域に拡張するためにあらゆる措置をとるとともに、条約に基づく次回の定期報告書に、これらの領域における選択議定書の実施についての情報を記載するよう、勧告する。 II.一般的所見 積極的側面 5.委員会は、選択議定書の実施に関連する分野で締約国がとった、以下のものを含むさまざまな措置を歓迎する。 (a) 「子どもおよび若者の権利(ウェールズ)の評価尺度」(2011年1月)および「子どもの権利事業計画」(2014年4月)の採択。これにより、ウェールズ政府のすべての大臣は、いかなる職務を行なう際にも、子どもの権利条約およびその選択議定書に掲げられた権利および義務を正当に考慮する法的義務を負う。 (b) 人身取引に関連する多くの問題を具体的に扱っている刑事司法(北アイルランド)法(2013年)の採択。 (c) 改正により、臓器提供への同意表明に関して代理人を任命する選択権を子どもに認めた、移植(ウェールズ)法(2013年7月)の採択。 6.委員会は、締約国による以下の条約の批准に、評価の意とともに留意する。 (a) 障害のある人の権利に関する条約(2009年6月)。 (b) 障害のある人の権利に関する条約の選択議定書(2009年2月)。 7.委員会は、選択議定書の実施を促進する、以下のものを含む制度の創設ならびに国家的な計画およびプログラムの採択に関して達成された進展を歓迎する。 (a) 内務省による「子どもおよび弱者への性的暴力に関する国家グループ」の設置(同グループは、2014年の秋に新たな国家的行動計画の発表を予定している)。 (b) イングランド・ウェールズ担当国家警察主管が公刊した、子どもに対する性犯罪の捜査に関する手引き。 8.委員会はさらに、締約国が、国際連合の諸特別手続による調査をいつでも受け入れる姿勢を公式に明らかにしたこと(2001年3月)に、評価の意とともに留意する。 III.データ データ収集 9.委員会は、締約国が、選択議定書で対象とされているすべての犯罪の特定、記録、付託およびフォローアップを国および地方のレベルで行なえるようにし、かつ選択議定書の実施における進展の分析および評価を行なうための包括的なデータ収集システムを設置していないことを、深刻に懸念する。「全国付託機構」(National Referral Mechanism)の存在には留意しながらも、委員会は、当該機構により収集されるデータが地域別に細分化されておらず、かつ子どもの人身取引事案に限定されていること、および、選択議定書で対象とされている他の犯罪の特定、記録またはフォローアップが行なわれていないことを懸念するものである。 10.委員会は、締約国が、選択議定書で対象とされているすべての分野について、北アイルランドおよびスコットランドを含む締約国の管轄地域全域でデータの収集、分析、監視および影響評価を行なうための、包括的かつ体系的な機構を発展させかつ実施するよう勧告する。データは、もっとも被害を受けやすい状況に置かれた子どもに特段の注意を払いつつ、とくに男女別、年齢別、国民的および民族的出身別、地理的所在別ならびに社会経済的背景別に細分化されるべきである。被害を受けた子どものうち回復のための援助を提供された子どもの人数ならびに訴追および有罪判決の件数についてのデータ(犯罪の性質別に細分化されたもの)も収集することが求められる。委員会はまた、締約国が、管轄地域全域でデータ収集の調整を図り、かつ、さまざまな地域に関するデータを収集する際の共通指標システムを確立することも勧告するものである。 IV.一般的実施措置 子どもの権利条約の一般原則(条約第2条、第3条、第6条および第12条) 立法 11.とくにイングランドおよびウェールズで選択議定書関連の法律が多数採択されたことには留意しながらも、委員会は、このような取り組みにおいてもっぱら人身取引に焦点が当てられていること、および、子どもの売買など選択議定書で対象とされているすべての犯罪に対応する包括的法律がないことを懸念する。委員会はまた、締約国の権限委譲行政のもと、現行法の策定が断片化されたアプローチによって個別に進められてきたために、締約国の管轄全域を通じた選択議定書上の義務の適用に矛盾が生じていることも懸念するものである。委員会はさらに、イングランドおよびウェールズを対象とする2003年性犯罪法および2008年性犯罪(北アイルランド)令において、13歳または16歳未満の子どもしか保護の対象とされておらず、一方で16~18歳の子どもはこれらの法律の埒外に置かれていることを懸念する。 12.委員会は、締約国が、選択議定書で対象とされているすべての態様の犯罪(子どもの売買、子どもの人身取引、児童買春および児童ポルノを含む)が包括的な法律に基づいて対象とされることを確保するとともに、自国の管轄全域(北アイルランドおよびスコットランドを含む)を通じて選択議定書上のすべての義務の一貫した適用を確保するよう、強く勧告する。委員会は、次のことを具体的に勧告するものである。 (a) 選択議定書に掲げられた子どもの売買に関する規定を十分に実施する目的で、イングランド、ウェールズ、スコットランドおよび北アイルランドのすべての国内法で子どもの売買の定義(人身取引の定義に似ているものの同一ではない)を修正すること。 (b) 18歳未満のすべての子どもが選択議定書で対象とされているすべての態様の犯罪から保護されることを確保するため、現行法、とくに2003年性犯罪法、2008年性犯罪(北アイルランド)令およびイングランドおよびウェールズを対象として提案されている現代的奴隷制法案を改正しかつその調和を図ること。 国家的行動計画 13.選択議定書に関連するさまざまな行動計画、とくに「子どもおよび弱者への性的暴力に関する国家グループ」の活動に関する行動計画、人身取引戦略および提案されている現代的奴隷制行動計画の存在は歓迎しながらも、委員会は、選択議定書で対象とされているすべての問題に対応するための包括的な計画および統合された国家的戦略が存在しないことを懸念する。 14.委員会は、締約国が、自国の管轄全域で選択議定書を実施するための統合された、包括的かつ全般的な国家的行動計画および戦略を策定しかつ採択するとともに、当該国家的行動計画に対し、その実施のための十分な人的資源、技術的資源および財源が提供されるべきことを勧告する。この目的のため、締約国は、ストックホルム(1996年)、横浜(日本、2001年)およびリオデジャネイロ(ブラジル、2008年)で開催された第1回、第2回および第3回子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議で採択された宣言および行動アジェンダならびにグローバル・コミットメントを考慮に入れながら、選択議定書のすべての規定の実施に特段の注意を払うべきである。 調整および評価 15.委員会は、子どもの売買、児童買春および児童ポルノへの対応について、締約国全域のさまざまな政府、制度およびその他の機関間の調整が行なわれていないことを懸念する。これとの関連で、委員会は、選択議定書に基づく活動の実施および評価の全般的調整のための国家的機構が締約国で設けられていないことを懸念するものである。委員会はまた、イングランドおよびウェールズにおいて選択議定書の実施に関する責任および調整の系統が複雑であるために(反人身取引については内務省が統括しており、人身取引の対象とされた子どもを含む子どもの被害者のケアおよび支援については教育省および地方政府が責任を負っている)、子どもの売買、児童買春および児童ポルノの事案の取扱いにおいて焦点およびアプローチの違いが生じていることに、懸念とともに留意する。 16.委員会は、締約国が、選択議定書に基づく活動の監視および評価について、各部門の省庁を横断し、かつ中央政府から地方レベルの政府に至るまで指導力を発揮しかつ効果的な一般的監督を行なう能力を備えた、上級レベルの権威を有する部局を指定するとともに、当該部局に対し、効果的にその職務を果たすための十分な人的資源、技術的資源および財源を提供するよう、勧告する。委員会はまた、締約国が、アプローチの一貫性を確保する目的で、選択議定書の実施のための法律および政策の策定および実施を進めながら4つの法域全体で諸政府間の調整の改善を確保することも勧告するものである。 独立の監視 17.委員会は、現代奴隷制法案で行なわれている反奴隷制コミッショナー設置の提案に留意する。にもかかわらず、委員会は、同コミッショナーに対し、その役割を効果的に遂行するための十分な資源、確固たる権限または制定法上の独立が与えられない可能性があることを懸念するものである。 18.委員会は、締約国が、提案されている反奴隷制コミッショナーに対し、その役割を効果的に履行し、かつ選択議定書に基づく子どもの権利を確保するために十分な資源および確固たる権限ならびに完全な独立が与えられることを確保するよう、勧告する。委員会はさらに、締約国が、現代奴隷制法案に、反奴隷制コミッショナーが関連の議会に直接報告できるようにするための規定を含めるよう勧告するものである。 普及および意識啓発 19.委員会は、締約国の諸政府が、子どもの性的搾取および人身取引についての広報情報を作成しかつ普及するためにさまざまなグループと連携してきたことに留意する。委員会はまた、締約国が、子どもが虐待の被害者および加害者にならないようにすることを目的とする「これが虐待だ」等の公的意識啓発キャンペーンを開始したことにも留意するものである。にもかかわらず、委員会は、このような取り組みにおいて、選択議定書で対象とされているすべての犯罪および問題(臓器移植もしくは強制労働に従事させることを背景とするまたは養子縁組を目的とする子どもの売買等)に焦点が当てられているわけではないことを懸念する。委員会はまた、締約国が選択議定書の普及に対して体系的かつ包括的アプローチをとっていないために、政府機関、警察、司法機関、公衆、子どもたち自身および子どもとともに働く専門家の間で選択議定書についての理解および意識が低水準に留まることが助長されてきたことも懸念するものである。 20.委員会は、締約国が、選択議定書の規定を、子ども(子どもにやさしい方法による)、その家族およびコミュニティを含む公衆一般に広く知らせるための努力を倍加させるよう勧告する。委員会はまた、締約国に対し、以下の措置をとるよう促すものである。 (a) 選択議定書に関連する問題を初等中等学校のカリキュラムに体系的に編入すること。 (b) 市民社会組織、メディア、民間セクター、コミュニティおよび子どもたちと緊密に効力しながら、選択議定書で対象とされている問題についてのキャンペーンを含む意識啓発プログラムを発展させること。当該プログラムは、締約国のすべての法域において、また子どもがアクセスしやすい形式で利用可能とされるべきである。 研修 21.委員会は、子どもとともに働く専門家を対象として行なわれている、子どもの性的搾取および子どもの人身取引に関わるさまざまな研修活動(「子どもの搾取とオンライン保護センター」を通じて提供されているものを含む)を評価する。委員会はまた、スコットランドにおいて、子ども保護委員会が、子どもの保護に従事するすべての職員の研修上のニーズが満たされることを確保している点にも留意するものである。しかしながら委員会は、子どもとともにおよび子どものために働く専門家を対象として学際的研修を実施するための努力が体系的でも十分でもないこと、および、このような研修が、選択議定書で対象とされているすべての分野には及んでおらず、かつ子どもとともに働く最前線の専門家(とくに保健ケア専門家および地方警察官)までは対象として実施されていないことを懸念する。委員会はまた、選択議定書で対象とされている問題についての研修の費用をまかなうための資源が締約国で十分でないことも懸念するものである。 22.委員会は、締約国に対し、とくに締約国のあらゆる行政段階における警察の構成員、保健専門家、裁判官、検察官およびソーシャルワーカーを対象とした、選択議定書に関する学際的研修を強化するよう促す。委員会はさらに、締約国に対し、そのような研修を実施し、かつその効果の体系的な計画および評価を行なうために必要な資源を使途指定方式で配分するよう促すものである。 資源配分 23.委員会は、とくに犯罪の防止および被害を受けた子どもに対する援助の提供に関わって、選択議定書を実施するためのものとされる活動に割り当てられた予算配分額が明確に特定可能となっていないことを遺憾に思う。 24.委員会は、締約国が、とくに、防止ならびに被害を受けた子どもの保護、身体的および心理的回復ならびに社会復帰ならびに選択議定書で対象とされている犯罪の捜査および訴追を目的としたプログラムを開発しかつ実施するために必要な人的資源、技術的資源および財源を提供することにより、選択議定書で対象とされているすべての分野の実施のための十分な資源が締約国全域で公平に配分されることを確保する目的で、あらゆる可能な措置をとるよう勧告する。委員会はまた、締約国が、条約に基づく次回の報告書で、この分野でとられた措置についての情報を提供することも勧告するものである。 V.子どもの売買、児童買春および児童ポルノの防止(第9条(第1項~2項)) 選択議定書で禁じられた犯罪を防止するためにとられた措置 25.委員会は、子どもコミッショナー事務所による「暴力集団およびグループにおける子どもの性的搾取に関する調査」以降、イングランドおよびウェールズで暴力集団およびギャングにおける子どもの性的搾取を防止するために締約国が行なってきた多くの改正に、積極的側面として留意する。委員会はまた、子どもにとっての主要なリスクを特定し、かつ子どもが性的搾取の被害者となることを防止するための一助として、国家犯罪対策庁(NCA)および具体的にはNCAの下に設置された「子どもの搾取とオンライン保護センター」(CEOP)が行なっている活動にも留意するものである。しかしながら委員会は、立法への合意に関する動議が承認されていないために、権限が委譲されている分野についてはNCAが北アイルランドで権限を有しておらず、したがってNCAの一部であるCEOPが北アイルランドで全面的に活動を行なえる状況になっていないことを、強く懸念する。委員会はさらに以下のことを懸念するものである。 (a) 締約国が76か所の「シュアスタート」子どもセンターを閉鎖したこと。同センターは、被害を受けやすい状況に置かれた子どもおよびその家族に実際的支援を提供し、かつ子どもの売買、児童買春および児童ポルノの根本的原因(貧困等)に対象する一助となるものである。 (b) 子どもを虐待する可能性がある者に対応するための措置が不十分であること。 (c) 選択議定書上の犯罪を行なった者の起訴および有罪判決の件数が少ないこと。 (d) 行方不明と報告されている子ども、人身取引によって締約国に強制的に連れてこられた子どもまたはとくに北アイルランドの施設の子どもなど、これらの犯罪の被害者となるリスクがとくに高い子どもを特定しかつ対応をとるための、明確な省庁横断的システムが設けられていないこと。 (e) 搾取の対象とされやすい、保護者のいない子どもの移住者、子どもの庇護希望者または人身取引の対象とされた子どもにとって「ベッド・アンド・ブレックファスト」タイプの宿泊施設はふさわしくないと定めた制定法上の指針にもかかわらず、これらの子どもが引き続きこのような宿泊施設に収容されていること。 26.委員会は、締約国に対し、被害を受けやすい状況におかれた子どもをあらゆる形態の搾取から効果的に保護するための努力を継続するとともに、イングランドおよびウェールズで開始された改革プログラムを実施するための効果的な地域的連携、戦略的計画立案および研修を確保するよう、促す。委員会はまた、締約国に対し、締約国の管轄全域を通じて選択議定書の全面的実施を確保する目的で、権限委譲によって異なる地域に住む子どもの権利の享受に差別が生じないようにすること、および、「子どもの搾取とオンライン保護センター」のような機構が北アイルランドにも拡張されることを確保するための保障措置を確立するようにも促すものである。委員会は、具体的に、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) これ以上の「シュアスタート」子どもセンターのいかなる閉鎖も直ちに中止するとともに、これらのセンターにおける、アクセスしやすくかつ質の高いサービスのための予算の増額および十分な資源の提供を進める目的であらゆる必要な措置をとること。 (b) 子どもを虐待する可能性がある者に適合した措置を整備すること。 (c) 選択議定書で対象とされている犯罪についての訴追率および有罪判決率を向上させるため、法執行機関に対し、捜査に関するより多くの資源および体系的な研修を提供すること。 (d) 路上の状況にある子ども、暴力集団またはグループとの接触または関係を有している(とくにイングランドの)子ども、子どもの非正規移住者および入所施設で暮らしている子どものような、もっとも被害を受けやすい状況に置かれた子どもを対象とする防止プログラムを発展させること。これらの子どもが身体的および性的虐待の被害者とならないようにすることに、特段の注意が向けられるべきである。 (e) 保護者のいない子どもの庇護希望者、子どもの非正規移住者および人身取引の被害者である子どもが、十分な保護および保護を受ける権利を認められ、かつ安全かつ十分な居住設備を提供されることを確保すること。締約国はまた、子どもの身体的および心理社会的健康ならびに暴力または搾取からの保護を確保するため、このような子どものために行なわれるケアの取決めが資格のある者によって定期的に監督されかつ評価されることも確保するべきである。 VI.子どもの売買、児童ポルノおよび児童買春の禁止ならびに関連の事項(第3条、第4条第2項および3項、第5条、第6条ならびに第7条) 現行刑事法令 27.委員会は、イングランドおよびウェールズで適用される2003年性犯罪法および2008年性犯罪(北アイルランド)令において、被告人が、13~16歳の子どもの性的搾取に関わる一部の重大犯罪(性的目的での勧誘後に子どもと会うこと、子どもと性的活動を行なうことまたは子どもを対象とする性犯罪の便宜を図ることなど)について、被害者が16歳以上であると信じた旨の主張を行なえることを懸念する。委員会はまた、そのような主張が行なわれた場合、被告人がこれを「信じたのは合理的でなかった」ことの立証責任が検察側に課されることにより、被害を受けた子どもに対してさらなる反対尋問が行なわれ、かつその結果として再被害が生じるおそれがあることも懸念するものである。 28.委員会は、人身取引に関連する現行法の規定を統合するためにイングランドおよびウェールズで現代奴隷制法案を導入し、かつスコットランドで人身取引と闘うための別個の法律を策定する目的で締約国が現在行なっている努力に積極側面として留意しながらも、これらの努力においてはほぼ完全に人身取引にだけ焦点が当てられており、選択議定書で対象とされているすべての犯罪が対象とされているわけではないことを深刻に懸念する。委員会は、以下のことをとりわけ懸念するものである。 (a) 現代奴隷制法案(法案)において子どもに立法上の焦点が当てられておらず、かつ、一部の態様の犯罪(強制労働または利得を目的とした子どもの臓器移植など)が選択議定書第2条および第3条にしたがって子どもの売買と定義されていないこと。 (b) 当該法案が、現状、被害を受けた子どもの特有の脆弱性またはニーズを考慮しておらずまたはこれに対応していないこと。 29.委員会は、締約国に対し、選択議定書上、「子ども」の文言は18歳未満のすべての者に適用されることを想起するよう求めるとともに、したがって18歳に達するまでのすべての子どもが選択議定書で対象とされているあらゆる態様の犯罪から保護されることを確保するために法律を改正するよう促す。さらに委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促すものである。 (a) 2003年性犯罪法の反証を許す推定条項に、子どもの被害者については立証責任が転換される旨の規定が含まれることを確保すること。 (b) 現代奴隷制法案を徹底的に再検討し、選択議定書第2条および第3条で定義されているすべての態様の犯罪(強制労働、利得を目的とした子どもの臓器移植、利得を目的とした子どもの養子縁組および子どもの売買など)が含まれること、および、被害を受けた子どもの特有の脆弱性およびニーズへの対応が行なわれることを確保すること。 子どもの人身取引 30.委員会は、締約国において数千人の子どもたちがとくに性的搾取および労働を目的として取引され続けていることを強く懸念するとともに、数百人の子どもがアフリカの家庭から誘拐され、人身取引によって残忍な宗教儀式(いわゆるブードゥーまたはジュジュの儀式)目的で締約国に連れてこられているという報告があることについて最大限の懸念を表明する。委員会は、以下のことをとりわけ懸念するものである。 (a) 人身取引および選択議定書で対象とされているその他の犯罪の加害者の訴追件数および有罪判決件数が締約国全域で著しく少ないために、加害者の不処罰が生じていること。また、検察官が、有罪判決を確実にする目的で、他の罪名(強姦または誘拐など)による人身取引加害者の告発をしばしば選択していること。 (b) 2012年自由保護法に基づき、締約国の法域外で子どもの人身取引の手配を行なった外国人はイングランドおよびウェールズで犯罪を行なったとされるものの、同法の適用範囲が北アイルランドには及んでいないこと。 31.委員会は、締約国に対し、労働搾取、性的搾取およびその他の形態の搾取を目的とした子どもの人身取引(宗教的儀式目的のものを含む)を摘発しかつ訴追する法執行機関および司法機関の能力を強化するよう促す。委員会はさらに、締約国が、選択議定書および人(とくに女性および子ども)の取引を防止し、抑止しおよび処罰するための議定書(パレルモ議定書)にしたがって子どもの人身取引に関する具体的法律を制定するとともに、子どもの人身取引罪が締約国全域で一貫した定義および訴追の対象とされることを確保するよう、勧告するものである。 児童セックス・ツーリズム 32.委員会は、締約国の市民(有罪判決を受けた性犯罪者であって他国で孤児院および慈善団体を設立した一部の者を含む)が国外に渡航して子どもを性的に虐待していることを深く懸念する。さらに委員会は、警察長協会の委託によって最近実施された2003年性犯罪法の検討(デイビーズ報告書)において、締約国の法律および域外捜査協定では、英国の性犯罪者が国外渡航することにも、これらの者が国外で犯罪を行なった際に訴追することにも成功しておらず、そのため子どもが英国の渡航者による搾取および虐待の危険にさらされているという認定が行なわれていることを懸念するものである。 33.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a) 英国の性犯罪者が国外で行なう子どもの性的搾取を防止するため、デイビーズ報告書の勧告の実施および国内法(2003年性犯罪法を含む)の見直しを緊急に進めること。 (b) 子どもに対する域外性犯罪行為を捜査するため、これらの犯罪を担当する単一の専門警察部局を設置するとともに、これらの犯罪を捜査しかつ訴追するための十分な研修および資源を用意すること。 (c) 国外で子どもの性的搾取に関与した締約国国民の特定、捜査および訴追を強化するためにあらゆる必要な法律上および制度上の措置をとるとともに、渡航禁止の厳格化等の手段により、子どもの性的虐待を行なったとして有罪判決を受けた者またはそのような容疑をかけられている者の移動を制限しかつ/または出国を防止するためにあらゆる必要な措置をとること。 (d) 児童セックス・ツーリズムの有害な影響について観光業界に働きかけを行ない、旅行代理店および観光業者の間で国連世界観光機関の世界観光倫理規範を広く普及するとともに、これらの代理店および業者に対し、旅行・観光業における性的搾取から子どもを保護するための行動規範への署名および児童セックス・ツーリズムを防止するために行なっている取り組みについての公的報告を奨励すること。 域外裁判権 34.委員会は、イングランドおよびウェールズにおける締約国の国内法で、選択議定書第4条第2項に掲げられたすべての犯罪についての域外裁判権が設定されていないことを懸念する。委員会はまた、締約国における域外裁判権の適用が双方可罰性要件を条件としていることも懸念するものである。 35.委員会は、締約国が、締約国全域(権限委譲行政区を含む)の国内法において、選択議定書で対象とされているすべての犯罪についての域外裁判権を、双方可罰性を要件とすることなく設定しかつ行使できることを確保するための措置をとるよう、勧告する。 犯罪人引渡し 36.委員会は、犯罪引渡しのための他の条約上の根拠がない場合、2003年犯罪人引渡し法第193条によって、英国が、自国も加盟している国際条約の加盟国と犯罪引渡し関係を持つための枠組みが提供されていることに、積極的側面として留意する。しかしながら委員会は、双方可罰性の原則が満たされなければ犯罪人引渡しを検討できないとされていることを懸念するものである。委員会はまた、スコットランドにおいて、被害者が英国の国民であるものの犯罪実行地がスコットランド外である場合の犯罪人引渡しに関する法的規定が2009年性犯罪(スコットランド)法第55条および2010年刑事司法・許認可(スコットランド)法第46条にないことにも、懸念とともに留意する。 37.委員会は、締約国が、選択議定書で対象とされているすべての犯罪に関する犯罪人引渡しについて双方可罰性要件を撤回するよう勧告する。委員会はまた、締約国が、たとえ二国間協定が締結されていない場合でも、犯罪人引渡し(スコットランドで行なわれるものを含む)の法的根拠として選択議定書を援用するようにも勧告するものである。 VII.被害を受けた子どもの権利の保護(第8条ならびに第9条第3項および4項) 選択議定書で禁じられた犯罪の被害を受けた子どもの権利および利益を保護するためにとられた措置 38.委員会は、締約国から提供された、被害を受けた子どもの特定および支援のプロセス(とくに全国付託機構)を見直している旨の情報および人身取引の被害を受けた子どものための専任代弁者制度を最近試験的に設置した旨の情報に、積極的側面として留意する。委員会はまた、締約国が、現代奴隷制法案について被害者中心のアプローチをとっており、かつ同法案に基づく被害者の免訴を可能とする制定法上の抗弁を導入したことにも留意するものである。しかしながら、委員会は以下のことを懸念する。 (a) 選択議定書で対象とされている犯罪の被害を受けた子どもの、締約国の刑事司法制度における取扱いについて。また、被害を受けた子ども、とくに人身取引の被害を受けた子どもがさまざまな罪名(利得を目的とする売春の実行または教唆/管理、売春宿の経営、窃盗および大麻草の栽培を含む)で逮捕されかつ告発されていること。 (b) 危険な状況ある子どもまたは選択議定書で対象とされている犯罪の被害を受けた子ども(とくに、被害を受けた子どもの特定について十分な訓練を受けていない出入国管理官と接触するのが一般的である、港に到着した子ども)の特定に対する、全国的なかつ機関横断型のアプローチが定められていないこと。 (c) 被害を受けた子どもに対し、資格のある弁護士代理人に無償でアクセスする権利が認められておらず、かつ、締約国が、選択議定書で対象とされている犯罪の被害を受けたすべての子ども(人身取引被害者を含む)に対して独立した後見人を任命していないこと。 (d) 入国許可発給手続(家族再統合事案における手続を含む)に子どもの最善の利益の評価が含まれていないこと、および、年齢鑑別に関する法定指針が定められていないために実務担当者が判例および鑑定意見に依拠しなければならず、年齢鑑別のために用いられている手法の質のばらつきおよびこれらの手法における一貫性の欠如が生じていること。 (e) 被害を受けた子ども(人身取引の対象とされた子どもを含む)が、それぞれの法域で被害賠償を受けることとの関連でさまざまな実際上および法律上の障壁に直面していること。 39.選択議定書第9条第3項に照らし、委員会は、締約国が、選択議定書で禁じられた犯罪の被害を受けた子どもに対し、十分なかつ無償の法律扶助ならびに心理的、医療的および社会的支援を提供するよう勧告する。委員会は、具体的には、締約国が以下の措置をとるよう勧告するものである。 (a) 選択議定書で対象とされている犯罪の被害を受けた子どもの権利を保護するための機構および手続を設置する(刑事司法制度における訴追を行なわない明確な義務を定めることも含む)とともに、これらの子どもが法執行機関および司法機関によって犯罪者ではなく被害者として扱われることを確保すること。 (b) ジェンダーおよび年齢に配慮した事情聴取手法についての訓練を受けた有資格の専門家が友好的かつ安全な雰囲気のもとで行なう、被害を受けた子どもの身元の明確かつ包括的な評価(締約国が計画しているように人身取引の被害を受けた子どもを対象とするものおよび主要な港湾で実施されるものを含む)を確保するための全国的制度を確立すること。 (c) 刑事司法手続において子どもの最善の利益を保護するため、資格のある法定後見人を可能なかぎり迅速に任命することを優先させるとともに、被害を受けた子どもが、後見人の任命まで庇護申請手続その他の手続に付託されないことおよび有資格の弁護士代理人に無償でアクセスする権利を認められることを確保すること。 (d) 被害を受けた子どもの権利および利益を保護する目的で、人身取引の被害を受けた子どもを対象とする入国許可発給手続(家族再統合事案における手続を含む)に子どもの最善の利益の評価が含まれることを確保するとともに、年齢鑑別手法の一貫性を確保するために年齢鑑別についての法定指針が採択され、かつ当該鑑別が科学的な、安全な、子どもおよびジェンダーに配慮した公正なやり方で実施されることを確保すること。 (e) 北アイルランドおよびスコットランドを含むすべての法域で、被害賠償を受ける権利についての体系的情報を提供すること等も通じ、被害を受けた子どもが権利侵害についての被害賠償にアクセスすることが促進されかつ保障されることを確保すること。 VIII.被害者の回復および再統合 40.委員会は、スコットランドにおいて、子ども(スコットランド)法第22条に基づき、地方当局がその地域の子どもの福祉を保護しかつ促進する義務を有していることに、積極的側面として留意する。委員会はまた、締約国がイングランドおよびウェールズで虐待の被害を受けた子どものための制度横断的治療を試験的に実施していること、および、犯罪被害者実務規範(2006年、「被害者規範」)に基づき、犯罪被害者に最低水準の支援を受ける法的権利が認められていることにも、積極的側面として留意するものである。しかしながら委員会は、被害者規範において、子どもの被害者に対する保健面の支援、社会的支援および心理的支援との関連で権利がほとんど保障されていないこと、ならびに、子どもの被害者を対象とする既存の心理的支援サービスは不十分であり、かつ締約国全体で異なっていることを懸念する。委員会はまた、被害を受けやすい状況に置かれた子どもを対象とするサービス提供を強化するための追加的措置が掲げられている当該実務規範および2008年子ども青年法が北アイルランドには適用されないことも懸念するものである。 41.委員会は、締約国に対し、その管轄地域全体で、選択議定書で対象とされているすべての犯罪の被害を受けた子どもの回復および再統合(このような被害者の全面的な社会的再統合ならびに身体的、心理的および心理社会的回復を含む)のための包括的措置を採択するよう促す。委員会はとくに、締約国が以下の措置をとるよう勧告するものである。 (a) 選択議定書で対象とされている犯罪の被害を受けた子どもを対象とする子ども中心のサービスへのアクセスを増強するために十分な人的資源、財源および技術的資源を配分するとともに、必要なときは締約国の管轄地域全体で児童精神保健専門家および心理社会的支援サービスにアクセスできるようにすること等の手段により、医療ケア、心理社会的ケアおよび心理的ケアのためのサービスを引き続き発展させること。 (b) 人身取引、買春およびポルノグラフィーの被害を受けた子どもの救出、送還、リハビリテーションおよび再統合の指針となる明確な措置(被害を受けた外国籍の子どものための特別な援助ならびに「最善の利益認定」に基づく送還およびフォローアップに関する明確な手続を含む)をとること。 (c) これらの勧告に実施に際して国際連合難民高等弁務官事務所の技術的援助を求めること。 IX.国際的な援助および協力(第10条) 多国間、二国間および地域間の取り決め 42.選択議定書第10条第1項に照らし、委員会は、締約国に対し、選択議定書が対象とするいかなる犯罪についてもその防止、摘発、捜査ならびに当該犯罪に責任を負う者の訴追および処罰を向上させる目的で、とくに近隣諸国との多国間、地域間および二国間の取り決めを通じ、引き続き国際協力を強化する(当該取り決めの実施を調整するための手続および機構を強化することによるものも含む)よう、奨励する。 X.通報手続きに関する選択議定書の批准 43.委員会は、締約国が、子どもの権利の充足をさらに強化する目的で、通報手続に関する子どもの権利条約の選択議定書を批准するよう勧告する。 XI.フォローアップおよび普及 フォローアップ 44.委員会は、締約国が、とくにこれらの勧告を関連の政府省庁、議会ならびに国および地方の公的機関に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、この総括所見に掲げられた勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。 総括所見の普及 45.委員会は、選択議定書、その実施および監視に関する議論および意識を喚起する目的で、締約国が提出した報告書および文書回答ならびに委員会が採択した関連の勧告(総括所見)を、インターネット等も通じ(ただしこれに限るものではない)、公衆一般、市民社会組織、若者グループ、専門家グループおよび子どもが広く入手できるようにすることを勧告する。 XII.次回報告書 46.選択議定書第12条第2項にしたがい、委員会は、締約国が、議定書の実施に関するさらなる情報を、子どもの権利条約条約第44条にしたがって提出される、条約に基づく次回の定期報告書に記載するよう要請する。 更新履歴:ページ作成(2015年6月14日)。
https://w.atwiki.jp/rebelinc/pages/41.html
難易度 ★★★★★★★★★★ 概要 8番目に開放されるマップで3番目に開放されるスペシャルマップ 主な懸念 仕事 学校 電気通信 発狂するほど非常に難しいマップ。 本部はさまざまなおすすめな場所があるが今回はここ 反乱軍は非常に強く、仕事が懸念になりやすく、遠隔が多く安定化が遅い。 遠隔地が多くアクセスが遅い。 その上マップのいたるとこでケシ畑が生成される。 ケシ畑は時間が経つとゲージがたまっていき、(遠隔地だと10倍かかる) ケシ畑を破壊しないと支援レベルが下がったり、汚職が広がり、評価が下がったり、反乱軍が強化される。 麻薬対策を出資して兵士にケシ畑を破壊しよう。 ただし、区域に敵対者が増える。 攻略 反乱軍の湧く位置によってはほぼ負け確なので即座にリスタートをおすすめする。 ケシ畑を破壊するときは麻薬対策と雇用支援プログラムとセットで出資しよう。 ?マークがあったら大体ケシ畑なので細かく見ておこう。 反乱軍と戦ったり、ケシ畑を破壊するため兵士数を増やしておくこと 反乱軍の数によっては負けることがあるので2部隊で反乱軍を撃退しよう。 仕事の懸念がすごいので早めに出資しておこう。 未改革の道路が多く兵士を動かすのに時間がかかるため注意。 南東の都市部はとても安定化が早い。(本部におすすめ) 特殊戦略 麻薬対策 おすすめ度★★★★★ 兵士達がケシ畑を破壊ことができる。 ただし、区域に敵対者が増える。 雇用支援プログラム おすすめ度★★★★★ 兵士達がケシ畑を破壊しても敵対者が増えなくなる。 畑ごとに費用がかかる。 時間が経つにつれてコストが多くなる。 アヘンの取り締まり おすすめ度★☆☆☆☆ アヘンの生産量が一時的に減少。 評価を1獲得。 汚職が増えるためいらない。 強化された監視 おすすめ度★☆☆☆☆ 一度に複数の区域をスキャンできるようになる 汚職が増えるためかなり微妙。 動画
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/242.html
総括所見:カナダ(OPSC・2012年) 第1回(1995年)/第2回(2003年)/第3回・第4回(2012年)OPAC(2008年) CRC総括所見日本語訳(国別)/CRC総括所見日本語訳(会期順) CRC/C/OPSC/CAN/CO/1 and Corr.1(20012年12月7日/2013年1月7日)) 原文:英語(平野裕二仮訳) ※日本語訳には正誤表による訂正を反映させた。 原文は国連人権高等弁務官事務所のサイト(国別情報のページまたはCRC会期一覧ページ)を参照。 1.委員会は、〔2012年〕9月27日に開かれた第1743回会合においてカナダの第1回報告書を検討し、2012年10月5日に開かれた第1754回会合において以下の総括所見を採択した。 序 2.委員会は、第1回報告書および事前質問事項に対する文書回答(CRC/C/OPSC/CAN/Q/1/Add.1)の提出を歓迎する。委員会は、多部門から構成される締約国代表団との間に持たれた建設的対話を評価するものである。 3.委員会は、締約国に対し、この総括所見は、子どもの権利条約に基づく締約国の第3回・第4回統合定期報告書に関して採択された総括所見(CRC/C/CAN/CO/3-4)および武力紛争への子どもの関与に関する選択議定書に基づく第1回報告書に関して採択された総括所見(CRC/C/OPAC/CAN/CO/1)とあわせて読まれるべきであることを想起するよう求める。委員会は、締約国報告書の作成が報告ガイドラインにしたがって行なわれなかったことを遺憾に思うものである。 I.一般的所見 積極的側面 4.委員会は、以下の立法措置が取り組まれたことに積極的対応として留意する。 (a) 人身取引にとくに対応する起訴罪名を創設した、刑法改正法(人身取引)である法案C-49号(2005年11月25日)。 (b) 児童セックス・ツーリズムについての締約国の域外裁判権を強化した法案C-15A号(2002年6月4日)。 5.委員会はまた、以下の制度上および政策上の措置も歓迎する。 (a) 人身取引と闘うための国家行動計画(2012年6月)。 (b) ホームレス対応パートナー戦略(HPS、2007年4月)。 (c) インターネット上の性的搾取から子どもを保護するための国家戦略(2004年5月)。 (d) カナダ子ども保護センターを通じての、インターネット上で起きた子どもの性的搾取に関する全国的通報センター(Cybertip.ca)の設置(2004年5月)。 II.データ 6.インターネットを基盤とする搾取について収集された詳細なデータには積極的側面として留意しながらも、委員会は、選択議定書上の他の犯罪に関するデータが存在しないこと、および、データが自治体の警察記録を通じて収集されていて連邦レベルでは収集されていないことを懸念する。委員会は、締約国が十分な情報に基づいて政策を決定することならびに選択議定書の実施における進展を分析しおよび評価することを可能にする、選択議定書上のすべての犯罪を網羅する包括的なデータ収集システムが存在しないことを懸念するものである。 7. 委員会は、締約国が、選択議定書のすべての分野を網羅したデータを連邦レベルで収集し、分析し、監視しかつその影響評価を実施するための、包括的かつ体系的な機構を設置するよう勧告する。データは、もっとも被害を受けやすい状況または周縁化された状況に置かれた集団の子どもにとりわけ注意を払いながら、とくに性別、年齢、国民的および民族的出身、地理的所在、先住民族としての地位ならびに社会経済的地位によって細分化されるべきである。犯罪の性質別に細分化された、訴追および有罪判決の件数に関するデータも収集することが求められる。委員会はまた、締約国が、さまざまな州および準州を対象とした、データを収集する際の共通指標システムを確立することも勧告する。 III.実施に関する一般的措置 立法 8.2008年に施行され、かつ児童ポルノ事件における子どもの保護を強化した法案C-2号など、選択議定書との関連で多数の法律が採択されたことについて締約国を称賛しながらも、委員会は、このような努力の焦点が人身取引にほぼ限定されていることを懸念する。委員会はさらに、現行法で、子どもの売買(締約国では犯罪化されていない)など、選択議定書で対象とされているすべての犯罪について明示的に対応されているわけではないことを懸念するものである。委員会はまた、選択議定書のすべての規定を包括的にかつ曖昧さを残すことなく実施する連邦実施法が定められていないため、結果的にそれぞれの州および準州で選択議定書について異なる解釈が行なわれており、そのため矛盾が生じていることにも、特段の懸念をもって留意する。 9.委員会は、締約国に対し、選択議定書が締約国の国内法体系に全面的に編入されることを確保するため、あらゆる必要な措置をとるよう要請する。委員会は、締約国が、選択議定書に掲げられた売買に関する規定を十分に実施する目的で国内法における子どもの売買の定義(人身取引の定義に似ているものの同一ではない)が修正されること、および、選択議定書上のすべての義務がすべての州および準州で一貫して適用されるよう選択議定書のすべての要素が連邦法で網羅されることを確保するよう、勧告するものである。 国家的行動計画 10.選択議定書に関連するさまざまな行動計画、とくに「子どもにふさわしいカナダ」(2004年)、インターネット上の性的搾取から子どもを保護するための国家戦略(2004年)および人身取引と闘うための国家行動計画(2012年)が存在することは歓迎しながらも、委員会は、にもかかわらず、選択議定書でとくに対象とされているすべての問題に対応する包括的な計画が存在しないことを懸念する。 11.委員会は、締約国が、子どものための国家的行動計画である「子どもにふさわしいカナダ」に、選択議定書で取り上げられているすべての問題をとくに対象とする包括的な行動計画が含まれること、および、その実施のために十分な人的資源、技術的資源および財源が提供されることを確保するよう、勧告する。この目的のため、締約国は、ストックホルム(1996年)、横浜(2001年)およびリオデジャネイロ(2008年)で開催された第1回・第2回・第3回子どもの〔商業的〕性的搾取に反対する世界会議で採択された宣言および行動綱領ならびにグローバル・コミットメントを考慮に入れながら、選択議定書のすべての規定の実施に注意を払うべきである。 調整および評価 12.委員会は、締約国が、選択議定書に関連するさまざまな国家的行動計画を実施するためのタスクフォースおよびセンター(子どもの権利に関する省庁間作業部会、人身取引に関する省庁間作業部会および子どもの搾取に関する全国調整センター等)を設置したことに、積極的対応として留意する。しかしながら委員会は、締約国における子どもの売買、児童買春および児童ポルノの事件への介入について、国ならびに州および準州のレベルでさまざまなタスクフォースおよびセンター間の調整が行なわれていないことを懸念するものである。さらに委員会は、締約国に、選択議定書に基づく活動の実施および評価を全般的に調整するための連邦レベルの機構が存在しないことに留意する。 13.条約に基づく総括所見のパラ14および15を参照しつつ、委員会は、締約国が、子どもの権利に関する政策の策定および実施に取り組んでいるさまざまな機関および委員会の調整を図るとともに、条約およびその選択議定書に基づく子どもの権利についての活動の監視および評価に関して、すべての州および準州の間でリーダシップを発揮しかつ効果的な全般的調整を図ることに責任を負う連邦レベルの機構を指定するよう、勧告する。 普及および意識啓発 14.委員会は、さまざまな州および準州の政府が、条約およびその選択議定書の原則および規定についてさまざまなグループを教育する目的で、市民社会組織と提携し、かつこれらの組織に資金を提供していることに、積極的対応として留意する。にもかかわらず、委員会は、このアプローチが広範囲にわたるものではないことを懸念するとともに、締約国が選択議定書の普及に対する体系的かつ包括的なアプローチを欠いていることにより、公衆、子どもたち自身および子どもとともに働く専門家の間における、選択議定書に関する理解および意識の水準の低さが助長されていることを懸念するものである。 15.委員会は、締約国が、選択議定書の規定を公衆一般に対して広く知らせる(子どもに対して子どもにやさしい方法で、かつその家族およびコミュニティに対しても知らせることを含む)ための努力を強化するよう勧告する。委員会はまた、締約国に対し、以下の措置をとることも促すものである。 (a) 選択議定書に関わる問題を初等中等学校のカリキュラムに体系的に編入すること。 (b) 市民社会組織、メディア、民間セクター、コミュニティおよび子どもたちと緊密に協力しながら、選択議定書で対象とされている問題に関するキャンペーンを含む意識啓発プログラムを発展させること。これらのプログラムは、締約国のすべての言語で、かつ子どもにとってアクセスしやすい形式で利用可能とされるべきである。 (c) 適当なときは、一般住民および子どもたち(とくに、被害を受けやすい状況に置かれた子どもたち)の間で選択議定書の規定に関する中心的なメッセージを普及するためのキャンペーンおよびマスメディアの活用を含む意識啓発プログラムを促進しかつ組織すること。 研修 16.委員会は、締約国が法執行官および司法機関を対象として実施している、人身取引に関する多数の研修活動を評価する。しかしながら委員会は、子どもとともにおよび子どものために働いている専門家を対象として研修を行なう努力が体系的ではなく、かつ選択議定書が対象とするすべての分野を含んでいるわけではないことを懸念するものである。 17.委員会は、締約国に対し、とくにあらゆる行政段階の警察官、裁判官、検察官およびソーシャルワーカーを対象とした、選択議定書に関する学際的研修を強化するよう促す。委員会はさらに、締約国に対し、このような研修を実施するために必要な資源を使途指定方式で配分するよう促すものである。 資源配分 18.委員会は、とくに犯罪の防止および被害を受けた子どもに対する援助の提供に関わって、選択議定書を実施するためのものとされる活動に割り当てられた予算配分額が明確に特定可能となっていないことを遺憾に思う。 19.委員会は、締約国が、とくに、防止、保護、被害を受けた子どもの身体的および心理的回復ならびに社会復帰ならびに選択議定書が対象とする犯罪の捜査および訴追を目的としたプログラムを開発しかつ実施するために必要な人的資源、技術的資源および財源を提供することにより、選択議定書が対象とするすべての分野の実施のための十分な資源が国全体で公平に配分されることを確保する目的で、あらゆる可能な措置をとるよう勧告する。 IV.子どもの売買、児童買春および児童ポルノの防止(第9条第1項および第2項) 選択議定書で禁じられた犯罪を防止するためにとられた措置 20.委員会は、オンラインの子どもの性的搾取に関する意識啓発および教育のためにとられた措置ならびに再犯防止を目的とした犯罪者追跡機構の設置など、選択議定書に基づく犯罪を防止するために締約国が行なっている取り組みに留意する。しかしながら委員会は、以下の点との関連も含め、議定書上の犯罪を防止するための措置が不十分であることを懸念するものである。 (a) 選択議定書上の犯罪に関して現行法が強力に執行されていないこと。このことは、訴追および有罪判決の件数が少ないこと、ならびに、選択議定書上の犯罪について有罪判決を受けた者に対する刑が不十分であることに明らかである。 (b) とくに、不利な立場に置かれた集団および周縁化の状況にある子どもを対象とするコミュニティ・サービスおよび社会保護サービスのための資金拠出が不十分であること。 (c) 保護者のいない子どもの庇護希望者および子どもの非正規移民の保護が不十分であること。 (d) 法定年齢未満の強制婚を目的として子どもが国外に、またはブリティッシュコロンビア州バウンティフルの一夫多妻制コミュニティなど締約国内の他の宗教的コミュニティに送られること(これは子どもの売買に相当する)を防止するための措置が不十分であること。 21.委員会は、締約国に対し、選択議定書上の犯罪の根本的原因に対処し、かつもっとも被害を受けやすい状況に置かれた子どもに焦点を定めた、包括的かつ重点対象型のアプローチを採用するよう促す。委員会はさらに、締約国に対し、以下の措置をとるよう促すものである。 (a) 選択議定書上の犯罪についての訴追率および有罪判決率を向上させるため、法執行機関に対してより多くの資源を提供すること。委員会はまた、締約国に対し、選択議定書上の犯罪について有罪判決を受けた者がその犯罪にふさわしい制裁をもって処罰されることを確保するようにも促す。 (b) すべてのコミュニティ(とくに、不利な立場に置かれた集団および周縁化の状況にある子ども)を対象とするコミュニティ・サービスおよび社会保護サービスに対して資金が公平に拠出されることを確保すること。 (c) 保護者のいない子どもの庇護希望者および子どもの非正規移民を対象として十分な保護措置(このような子どもに福祉サービスおよびコミュニティ社会サービスを提供する等の手段によるものも含む)がとられることを確保すること。 (d) 法律に基づく一夫多妻の禁止を執行し、かつ加害者を訴追するためにあらゆる必要な措置をとるとともに、早期婚を強制された子どもに保護を提供すること。 児童セックス・ツーリズム 22.委員会は、国外で児童セックス・ツーリズムに関与した締約国の市民についてたとえ犯罪遂行地国が訴追を要請しなかった場合でも訴追できるようにした法案C-15A号の成立など、児童セックス・ツーリズムと闘うために締約国が行なっている新たな取り組みを歓迎する。委員会はさらに、児童セックス・ツーリズムの法的帰結に関して締約国が実施している意識啓発教育キャンペーンにも、積極的対応として留意するものである。にもかかわらず、委員会は、児童セックス・ツーリズムが締約国にとって依然として深刻な問題であり、かつ、法律の定めにもかかわらず訴追が強力に進められていないことを懸念する。 23.委員会は、締約国が、すべての加害者の摘発、捜査、訴追および処罰を向上させることを通じ、児童セックス・ツーリズムに関する法律の執行を強化するための措置をとるよう勧告する。委員会はさらに、締約国に対し、児童セックス・ツーリズムの有害な影響について観光業界に働きかけを行ない、旅行代理店および観光業者の間で国連世界観光機関(UNWTO)の世界観光倫理規範を広く普及し、かつ、これらの代理店および業者に対し、旅行・観光業における性的搾取から子どもを保護するための行動規範への署名を奨励するよう、促すものである。 V.子どもの売買、児童ポルノおよび児童買春の禁止ならびに関連の事項(第3条、第4条(第2項および第3項)ならびに第5~7条) 現行刑事法令 24.委員会は、児童ポルノおよびインターネット上の子どもの性的搾取の多くの側面が犯罪化されていることを歓迎する。しかしながら委員会は、選択議定書の規定の一部が国内法に編入されているにもかかわらず、国内法がまだすべての規定に全面的に一致していないことに、懸念とともに留意するものである。とくに、委員会は以下のことに懸念とともに留意する。 (a) 刑法で選択議定書上のすべての犯罪が網羅されていないこと。 (b) 選択議定書第2条および第3条で定義されているあらゆる形態の子どもの売買が犯罪化されているわけではないこと。 25.委員会は、締約国が、刑法を改正して選択議定書第2条および第3条に全面的に一致させ、かつ刑法が実際に執行されることを確保するよう促す。とくに、締約国は、以下の行為を含む選択議定書上のすべての犯罪が犯罪化されることを確保するべきである。 (a) 性的搾取、営利目的の子どもの臓器移植もしくは強制労働に子どもを従事させることを目的として、いかなる手段によるかは問わず、子どもを提供し、引き渡しまたは受け取ること、または、養子縁組に関する適用可能な法的文書に違反し、仲介者として不適切な形で子どもの養子縁組への同意を引き出すことによる、子どもの売買。 (b) これらのいずれかの行為を奨励する資料の製造および配布。 訴追 26.インターネット上の子どもの性的搾取および児童ポルノの加害者の責任を問うために行なわれている法執行の取り組みは満足感とともに留意しながらも、委員会は、選択議定書上の犯罪に関する捜査、訴追および有罪判決の件数が少ないことを深く懸念する。委員会はまた、選択議定書上の犯罪について有罪判決を受けた者に対する量刑が、もっとも悪質な犯罪についてさえ、法定刑の上限にはるかに及んでいないことも懸念するものである。委員会はさらに、一部の州および準州で、資源が不足しているために法執行が強力に行なわれていないことを懸念する。さらに委員会は、アボリジナルの女子(性売買に関与し、行方不明となり、または殺害された可能性がある女子を含む)が関わる事件について十全な捜査が行なわれず、加害者が処罰されないままとなっていることを深く懸念するものである。 27.委員会は、締約国が、次回の定期報告書で、選択議定書上の犯罪の加害者の捜査、訴追および処罰に関する具体的情報を提供するよう勧告する。委員会はまた、締約国に対し、以下のことも促すものである。 (a) 刑罰が犯罪にふさわしいものであることを確保するため、選択議定書上の犯罪について有罪判決を受けた者に十分な刑を科すこと。 (b) 官憲が選択議定書に関連する刑法の条項を全面的に執行できるよう十分な資金を配分し、かつ、これらの官憲が適切な研修を受けることを確保すること。 (c) とくにアボリジナル・コミュニティにおける児童買春事件についての法執行の実務を調整しおよび強化し、ならびに、女子が行方不明となっているすべての事件が法律の及ぶかぎり最大限に捜査されかつ訴追されることを精力的に確保するための行動計画を確立すること。 法人の責任 28.委員会は、締約国の法律において、児童セックス・ツーリズムに関与した企業の、選択議定書で定められた犯罪についての責任が明確に確立されていないことを遺憾に思う。委員会はまた、現行法において、インターネット・サービス・プロバイダ(IPS)に対し、児童ポルノおよび関連のコンテンツを配布する者についての情報を法執行機関に提供することが義務づけられていないことも懸念するものである。 29.選択議定書第3条第4項に照らし、委員会は、締約国が、選択議定書上の犯罪に関する法人(児童セックス・ツーリズムに関与した企業およびツアープロモーターを含む)の責任を確立するよう勧告する。委員会はまた、締約国が、法律を改正することにより、児童ポルノおよび関連のコンテンツを配布する者についての情報を法執行機関に提供することをインターネット・サービス・プロバイダ(IPS)に要求するようにも勧告するものである。 域外裁判権 30.委員会は、児童セックス・ツーリズムについての締約国の域外裁判権を強化する法案C-15A号の制定を歓迎する。しかしながら委員会は、選択議定書上のすべての犯罪が域外裁判権の対象となっているわけではないことを懸念するものである。 31.委員会は、締約国が、選択議定書上のすべての犯罪が域外裁判権の対象とされることを確保するよう勧告する。 VI.被害を受けた子どもの権利の保護(第8条ならびに第9条第3項および第4項) 被害を受けた子どもの権利および利益を保護するためにとられた措置 32.委員会は、人身取引の被害を受けた子どもの特定について官憲(入国港職員を含む)を訓練するために締約国が行なっている取り組みに、積極的対応として留意する。委員会はまた、締約国が、更新可能な一時在留許可を認めることにより人身取引被害者の保護を向上させてきたことにも、積極的対応として留意するものである。しかしながら、委員会は以下のことを懸念する。 (a) 一部の州および準州が、人身取引の被害を受けた子どもを不法移民として収容および退去強制の対象とし、または売春容疑で刑事告発することによって、このような子どもに再被害を与えていること。 (b) 選択議定書上の犯罪の被害を受けた子どもがそれぞれの法域で補償を求められるようにする法律を、すべての州および準州が制定しているわけではないこと。 (c) 一部の州および準州において、被害を受けた子どもが無償で弁護人にアクセスできないこと。 33.委員会は、締約国が、選択議定書上のすべての犯罪の被害を受けた子どもの権利および利益をすべての州および準州で保護するための措置を強化し、かつ、とくに以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 人身取引の被害を受けた子どもの権利を保護するための機構および手続を設置するとともに、これらの子どもが、退去強制まで長期間待機させられず、かつ法執行機関および司法機関によって犯罪者ではなく被害者として扱われることを確保すること。 (b) すべての州および準州において、被害を受けた子どもが権利侵害に対する救済措置(補償を含む)を利用できるようにする法律が制定されることを確保すること。 (c) 選択議定書で禁じられた犯罪の被害を受けた子どもに対し、十分なかつ無償の法律扶助ならびに心理的、医療的および社会的支援を提供すること。 被害者の回復および再統合 34.委員会は、短期の一時在留許可を得ている人身取引被害者が連邦保健プログラムに基づく保健ケア給付(トラウマ・カウンセリングを含む)の受給資格を有することに、積極的対応として留意する。しかしながら委員会は、締約国が、選択議定書上のすべての犯罪の被害者についてその回復および再統合のための措置をとっているわけではないことを懸念するものである。とくに委員会は、選択議定書上の犯罪の被害を受けた子ども(国外で行なわれたセックス・ツーリズムの被害を受けた子どもであって加害者がカナダ市民である場合を含む)をとくに対象とするリハビリテーション・プログラムが存在しないことを懸念する。 35.委員会は、締約国に対し、選択議定書上のすべての犯罪の被害者に対して適切な援助(このような被害者の全面的な社会的再統合ならびに身体的、心理的および心理社会的回復を含む)を提供するための措置をさらに強化するよう、促す。委員会はとくに、締約国が以下の措置をとるよう勧告するものである。 (a) 選択議定書上の犯罪の被害を受けたすべての子ども(国外で行なわれた犯罪の被害者である子どもを含む)がふたたび被害者とならず、かつ再統合のために人生の機会を向上させられることを確保する目的で、これらの子どもにリハビリテーション・サービスおよびカウンセリング・サービスを提供するための、資金的裏付けのあるプログラムを発展させること。 (b) 締約国の領域全体で児童精神保健の専門家にアクセスできるようにする等の手段によるものを含め、被害を受けた子どものための専門的な心理社会的・心理的ケアサービスを引き続き発展させること。 (c) 選択議定書上のいずれかの犯罪の被害者にとくになりやすいアボリジナルの子どもについて、被害を受けた子どもの再統合のための具体的措置をとること。 (d) これらの勧告の実施についてユニセフおよび国際移住機関(IOM)の技術的援助を求めること。 VII.国際的な援助および協力 36.第10条第1項に照らし、委員会は、締約国に対し、選択議定書が対象とするいずれかの犯罪の防止、摘発、捜査ならびに当該犯罪に責任を負う者の訴追および処罰を向上させる目的で、とくに近隣諸国との多国間、地域間および二国間の取り決めを通じ、引き続き国際協力を強化する(当該取り決めの実施を調整するための手続および機構を強化することによるものも含む)よう、奨励する。 VIII.フォローアップおよび普及 37.委員会は、締約国が、とくにこれらの勧告を国家元首、議会、関連省庁、最高裁判所ならびに州および準州の公的機関の長に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。 総括所見の普及 38.委員会は、選択議定書、その実施および監視に関する議論および意識を喚起する目的で、締約国が提出した第1回報告書および文書回答ならびに採択された関連の勧告(総括所見)を、インターネット等を通じ(ただしこれにかぎるものではない)、公衆一般、市民社会組織、若者グループ、専門家グループ、コミュニティおよび子どもが広く入手できるようにすることを勧告する。 IX.次回報告書 39.第12条第2項にしたがい、委員会は、締約国に対し、選択議定書およびこの総括所見の実施に関するさらなる情報を、子どもの権利条約条約第44条にしたがって提出される、条約に基づく次回の定期報告書に記載するよう要請する。 更新履歴:ページ作成(2014年4月3日)。
https://w.atwiki.jp/shinkokuseki/pages/51.html
ニュースまとめサイト 新聞記事画像:jpg データが消えたニュースソース ニュースまとめサイト ニュースまとめサイト 「Not too late !」 ↑新聞等マスコミ・政党発信ニュース・議員等ブログ・関連記事 があります クリックしてください 新聞記事画像:jpg 新聞の内容を見るには、画像か日付をクリック! 産経新聞 11/22 朝刊記事 「内容把握されぬまま国籍法は成立へ:改正案参院も審議入り」 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 産経新聞 11/21 朝刊記事 「国籍法改正:不正排除へもっと議論を」 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 産経新聞 11/21 朝刊記事 5面】 「国籍法改正案 閣僚も議員も内容把握せず 参院も審議入り」 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 産経新聞 11/20 朝刊記事 「衆院通過「稚速」の声:偽装認知懸念、採決前退席も」 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 産経新聞11/19 朝刊記事 3面 「国籍法改正案 参院通過 偽装認知 誘発の懸念 与野党から慎重論相次ぐ」 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 産経新聞 11/15 朝刊記事 「国籍法改正案審議入り:不正認知横行の懸念も」 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 ※その他のニュースソースはこちら→ニュースまとめサイト「Not too late !」 データが消えたニュースソース 読売新聞 11/08「国籍法案正案、今国会で成立へ・・・民主が賛成方針」 記事の当時のURL:http //www.yomiuri.co.jp/politics/news/20081107-OYT1T00941.htm オリジナル記事ページのコピー(魚拓) imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。
https://w.atwiki.jp/wiki-story/pages/71.html
名は態を表さない盗賊である。 概要 人権救済法に代わる人権擁護法案のもとにできる組織で、人権侵害された被害者の通報で被害者に代わって討伐するらしいが以下の文章でそうでもなくなる。 本来の目的は名の通り人権を擁護することであるが、 被害者となるものが通報すると、それが些細なことでも加害者を討伐したりするが 冤罪を生むと言う問題がある。 また、政府によってメンバーが選出されることから国家権力とう戦力があり、このメンバーを人権擁護員という。汚ねぇもので加害者とされたものが拒否すると加害者に科料30万円要求したり、家の中を家宅捜索というブッショクを行い、証拠として持ち帰るという奪取をしたり、出頭しないと30万円要求したりする悪党連中である。 つまり、人権擁護法という悪法が成立すると多くの人に迷惑がかかる。 問題点 国民が知らない実態を見る限り、外国人の人権を保護もするもんらしいが、 就職したい外人を断ったり、居酒屋マスターが外国人と日本人な喧嘩を仲裁し、「あんたが来ると店が潰れる」と外人が「差別だ」などと解釈するだけで人権侵害になってしまう懸念。 このためか 「人権侵害にあった(と思った)ら人権擁護委員会に通報すればいい」と覚えてしまい、それを悪用して外国人を甘やかしやりたい放題にしてしまう懸念がされている。 なんせ、ちょっと不機嫌になっただけで人権侵害一発叫べば成立するんだもの。言論統制が懸念される。そんな悪法あってたまるか! ストーリー・もし襲撃が来たら・・・ 『人権擁護員が出たぞ!』 「こちらに人権侵害があったっていうんでね」 「家宅捜索させていただきます。拒否したら科料30万円」 『こっち来たぞ!撃てぇ!』 ダダダダダダダダダダーッ ←ライフル発射 「ぎゃあああああああああああーっ!!!」 「こ、こんなことしてぎゃああああああああーっ!!!」 「か、科料30万・・・」『黙れ!キチガイ!!!』 ドスッ 「うあぁぁぁぁぁぁぁーっ!!!!」 ドサッ ・・・・・・・ 『終わったな・・・』 『ああ、掃除は気持ちいぃなぁ・・・』 こうして日本は平和になったのだ。
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/167.html
総括所見:シンガポール(第2~3回・2011年) 第1回(2003年)OPAC(2014年) CRC総括所見日本語訳(国別)/CRC総括所見日本語訳(会期順) CRC/C/SGP/CO/2-3(2011年5月2日) 原文:英語(平野裕二仮訳) 原文は国連人権高等弁務官事務所のサイト(国別情報のページまたはCRC会期一覧ページ)を参照。 1.委員会は、2011年1月20日に開かれた第1590回および第1591回会合(CRC/C/SR.1590 and 1591参照)においてシンガポールの第2回・第3回統合定期報告書(CRC/C/SGP/2-3)を検討し、2011年2月4日に開かれた第1612回会合において以下の総括所見を採択した。 I.序 2.委員会は、締約国の第2回・第3回統合報告書および事前質問事項(CRC/C/SGP/Q/2-3)に対する文書回答の提出を歓迎する。委員会はさらに、締約国の状況に関する理解の向上を可能にしてくれた、ハイレベルなかつ多部門から構成された代表団との前向きな対話も評価するものである。 II.締約国によるフォローアップ措置および達成された進展 3.委員会は、2003年に締約国の第1回報告書を検討して以来の、多くの前向きな発展を歓迎する。これには、以下のもののような、立法上その他の措置の採択も含まれる。 (a) シンガポールおよび他国における子どもの性的搾取を犯罪化した、2007年10月の刑法改正。 (b) 子どもがシンガポール籍の母を通じて市民権を取得することを可能にした、憲法第122条の改正(2004年4月)。 (c) 中央青少年指導庁(CYGO)および公的後見人庁の設置(2010年)。 (d) 国家家族評議会(NFC)の設置(2008年5月)。 (e) 地域裁判所(2006年6月)および子ども養護裁判所(2008年5月)の設置。 (f) 専門の裁判手続であるCHILD(子どもの最善の利益/対審構造緩和)の導入(2008年7月)。 (g) 就業が認められるための最低年齢に関するILO条約(第138号)の批准(2005年)。 III.主要な懸念領域および勧告 A.実施に関する一般的措置(条約第4条、第42条および第44条6項) 委員会の前回の勧告 4.締約国の第1回報告書に関する委員会の総括所見(CRC/C/15/Add.220、2003年)を実施しようとする締約国の努力には留意しながらも、委員会は、そこに掲げられた多くの勧告について十分なフォローアップが行なわれていないことに懸念を表明する。 5.委員会は、締約国に対し、締約国の第1回報告書に関する総括所見に掲げられた勧告のうち未実施のものまたは実施が不十分なもの(独立の監視、子どもの定義、差別の禁止、子どもの意見の尊重、親の責任、障害のある子どもおよび少年司法等の問題に関するものを含む)に対応するため、あらゆる必要な措置をとるよう促す。これとの関連で、委員会は、子どもの権利条約の実施に関する一般的措置についての委員会の一般的意見5号(2003年、CRC/GC/2003/5)に対して締約国の注意を喚起するものである。 宣言および留保 6.委員会は、前回の総括所見における勧告(CRC/C/15/Add.220、パラ7)にも関わらず、締約国が、条約第12条、第13条、第14条、第15条、第16条、第17条、第19条および第37条に関する多数の宣言ならびに第7条、第9条、第10条、第22条、第28条および第32条に対する留保をいまなお維持していることを、深く遺憾に思う。委員会は、条約のこれほど多くの条項(子どもの意見の尊重の原則も含む)に関する宣言および留保が継続していることについて重大な懸念を表明するものである。これらの宣言および留保は、条約に基づく締約国の義務の全面的および効果的実施を妨げる障壁となるからである。 7.1993年世界人権会議のウィーン宣言および行動計画に照らし、かつ締約国によってすでに相当の措置がとられていることに鑑み、委員会は、締約国に対し、条約に関する宣言および留保をこれ以上の遅滞なく撤回するためにあらゆる必要な措置をとるよう、促す。 立法 8.委員会は、子どもの生活条件および発達の向上に貢献する、子どもの権利の分野におけるいくつかの法律(刑法および子ども・若者法を含む))の改正が行なわれたことを歓迎する。しかしながら委員会は、最近の立法上の進展にも関わらず、条約が国内法に全面的には編入されておらず、かつ締約国において直接適用可能とされていないことに、懸念とともに留意するものである。 9.委員会は、締約国に対し、条約のすべての原則および規定が国内法体系に全面的に編入されることを確保するよう、促す。 調整 10.委員会は、締約国による条約の実施の調整および監視において子どもの権利条約に関する省庁間委員会(IMC-CRC)が果たしている積極的役割に留意する。しかしながら委員会は、省庁間委員会の所掌事項に、子どものためのすべての政策およびプログラムの調整がいまなお含まれていないことを懸念するものである。 11.委員会は、締約国が、条約に関する省庁間委員会の所掌事項、職務および能力を拡大して子どものためのすべての政策およびプログラムの調整を含めるよう、勧告する。委員会はまた、省庁間委員会が条約の実施の監視および評価について定期的に報告を行なうこと、および、その報告書が社会のあらゆるレベル(子どもを含む)で広く普及されるべきことも、勧告するものである。 国家的行動計画 12.委員会は、子どもに関わるさまざまな部門別戦略が策定されてきたことについて、積極的な対応として留意する。しかしながら委員会は、これらの戦略にともない、実施のための具体的な行動計画が策定されることはほとんどないことを懸念するものである。委員会は、締約国が条約実施のための包括的な国家的行動計画(NPA)を策定していないことを、依然として懸念する。 13.委員会は、締約国が、子どもおよび家族に関するさまざまな戦略を、条約の全面的実施を確保することを目的とした子どものための包括的な国家的行動計画に基づいて調和させるよう、勧告する。国家的行動計画は、権利を基盤とし、かつ条約のすべての原則および規定を網羅したものであるべきである。NPAは、国レベルの開発計画、戦略および予算と連携し、かつ、すべての子どもによるすべての権利の享受に関わる進展を効果的に測定するための、具体的な、期限の定められたかつ測定可能な目標を掲げることが求められる。 独立の監視 14.子どもが権限のある部門別機関に苦情を申し立てられることには留意しながらも、委員会は、締約国が、条約上の子どもの権利の充足を恒常的に監視すること、ならびに、子どもの権利の侵害に関する苦情を受理しおよび独立の立場から調査することを目的とした独立機構を設置していないことを、依然として懸念する。 15.委員会は、前回の総括所見に掲げられた勧告(パラ13)をあらためて繰り返し、締約国に対し、子どもの権利の促進および保護における独立した国内人権機関の役割に関する委員会の一般的意見2号(2002年、CRC/GC/2002/2)を全面的に考慮に入れながら、パリ原則(総会決議48/134)にしたがった独立機構を設置するよう、促す。このような機関に対しては、条約が対象とするすべての分野について、子どもからまたは子どもに代わって申し立てられる苦情を受理しかつ調査する明確な権限が与えられるべきである。このような機関に対しては、すべての子どもがアクセスでき、かつ、職務を十分に果たすために必要な人的資源、財源および技術的資源を提供されることが求められる。 データ収集 16.委員会は、締約国の報告書および事前質問事項に対する回答で提供された詳細な統計データに留意する。しかしながら委員会は、とくに子どもに対する暴力、人身取引の被害を受けた子どもおよび子どもの性的搾取に関するデータが不十分であることを懸念するものである。 17.子どもの権利条約の実施に関する一般的措置についての一般的意見5号(2003年)を想起し、委員会は、条約が対象とするすべての分野、とりわけ暴力、人身取引および子どもの性的搾取について、とくに年齢(18歳未満の者)、性別、民族的および社会経済的背景ならびに特別な保護を必要とする子どもの集団別に細分化されたデータが収集されることを確保する目的で、締約国が、子どもに関する国レベルの中央データベースを設置し、かつ条約に一致した指標を開発することによってデータ収集機構を強化するよう、勧告する。 普及および意識啓発 18.委員会は、条約に関する子どもおよび公衆一般の意識を高めるために締約国が行なっているさまざまな取り組みを歓迎する。しかしながら委員会は、子どもおよび公衆一般を対象とする教育および意識啓発には継続的に注意を向けることが必要であると考えるものである。したがって委員会は、締約国に対し、子ども、その親およびより幅広い公衆に対して条約(子どもを対象としてとくに立案した適切な資料を含む)を引き続き普及するよう、奨励する。 研修 19.子どもとともにおよび子どものために働く専門家を対象として条約の原則および規定に関する研修を行なおうとする締約国の努力には評価の意とともに留意しながらも、委員会は、子どもの権利に関する専門家集団の研修活動が依然として不十分であることを懸念する。 20.委員会は、社会福祉の現場ならびに法律上および行政上の手続において条約の原則および規定が広く適用されることを確保する目的で、締約国が、専門家に対して研修を行なう努力を強化するよう勧告する。 市民社会との協力 21.ボランティア福祉団体を含む市民社会との協働に対する「たくさんの支援の手」アプローチには留意しながらも、委員会は、役割について明瞭さが欠けていること、および、政策決定レベルまたは報告プロセスにおける市民社会との協力が限られていることを、懸念する。 22.委員会は、締約国が、条約の実施のあらゆる段階(政策立案も含む)および今後の定期報告書の作成において、いっそう制度的なかつ調整のとれたやり方で非政府組織(NGO)の関与を得るよう、勧告する。委員会はまた、締約国が、「サービス提供者としての民間セクターおよび子どもの権利の実施におけるその役割」に関する一般的討議(2002年)の勧告を考慮し、かつ、サービスを提供している民間団体の監督を、当該サービスが権利を基盤としたものであることを確保する目的で改善することも、勧告するものである。 国際協力 23.条約第4条に関して、委員会は、国際協力の取り組み、とくに国連平和維持活動ならびに二国間および多国間の人道上の行動に対して締約国が行なっている貢献に留意する。にもかかわらず、委員会は、締約国の経済が相対的に安定しているにも関わらず、国際的に合意された目標、とくに子どもを特別に重視したミレニアム開発目標に向けられた政府開発援助(ODA)についての情報が存在しないことに、留意するものである。 24.委員会は、締約国に対し、ODAに関する情報を透明化するとともに、対国内総生産比0.7%というODAについての国際合意目標を達成し、かつ可能であればこれを超えるよう奨励する。委員会はまた、締約国に対し、開発途上国との間で締結する国際協力の取り決めおよび二国間協力において子どもの権利の実現が優先課題となることを確保することも奨励するものである。これとの関連で、委員会は、締約国が、締約国の提携国に関して委員会が採択した総括所見および勧告に特段の注意を払うよう、促す。委員会は、締約国に対し、「子どもの権利のための資源配分――国の責任」に関する一般的討議(2007年)の勧告を考慮するよう、慫慂するものである。 子どもの権利と企業セクター 25.委員会は、締約国が、その管轄下にある国内企業および多国籍企業を対象とし、かつ、人権理事会が2008年に採択した国連・ビジネスと人権枠組みにしたがった、子どもの権利に関わる企業の社会的責任(CSR)指標を採択していないことを懸念する。国連・ビジネスと人権枠組みは、人権を保護する国の義務、人権を尊重する企業の責任、および、人権侵害が生じた際の、効果的救済措置に対する被害者のアクセスという3つの原則から構成されるものである。 26.委員会は、締約国が、シンガポール企業(シンガポールに本社を置く多国籍企業も含む)が子どもの権利について報告するための枠組みを定めるよう勧告する。その際、委員会は、締約国が条約の関連規定を適用するよう勧告するものである。委員会はさらに、締約国に対し、とくに国連・ビジネスと人権枠組みをとりわけ子どもの権利との関連で民間企業および公共企業体の活動に適用することについての世界中の経験を、正当に考慮するよう奨励する。 B.子どもの定義(条約第1条) 27.委員会は、イスラム法運用法(AMLA)の改正により、イスラム教徒の女子の最低婚姻年齢が16歳から18歳に引き上げられたことを歓迎する。しかしながら委員会は、前回の総括所見における勧告(パラ22)にも関わらず、子ども・若者法(2010年の法律第15号による改正法)がいまなお16~18歳の子どもを対象としていないことを遺憾に思うものである。 28.委員会は、締約国が、国内法における子どもの定義を条約にしたがって調和させるためにあらゆる必要な措置をとるよう勧告する。委員会はさらに、締約国が子ども・若者法の適用を拡大し、18歳未満のすべての者を対象とするよう勧告するものである。 C.一般原則(条約第2条、第3条、第6条および第12条) 差別の禁止 29.委員会は、差別の禁止の原則が市民に限定されており、条約第2条で定められているように、親の地位に関わりなく締約国の管轄内にあるすべての子どもに対して適用されていない旨の、前回の総括所見(パラ24)で指摘した懸念をあらためて表明する。さらに委員会は、女子、障害のある子どもおよび定住者以外の者に対する差別がいまなお根強く残っている旨の報告について懸念を覚えるものである。 30.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a) 自国の管轄内にあるすべての子ども、とくに女子、障害のある子どもおよび外国系の子どもに対し、条約に定められた権利をいかなる種類の差別もなく尊重しかつ確保するため、法律を改正すること。 (b) あらゆる形態の差別(被害を受けやすい状況に置かれたあらゆる集団の子どもに対する複合的形態の差別を含む)に対応し、かつ差別的な社会的態度と闘う包括的な戦略を採択しかつ実施すること。 (c) 広範な関係者との調整を図り、かつ社会のあらゆる部門の関与を得ながら、社会的および文化的変革、ならびに、子どもの平等の支えとなる、誰もがその可能性を発揮できる環境づくりを促進するような努力を行なうこと。 (d) 事実上の差別の効果的監視を可能とするため、ジェンダー、人種、民族的出身または社会的背景および障害の別に細分化されたデータを収集すること。 (e) そのような努力を監視し、かつ設定目標の達成に向けた進展を定期的に評価するとともに、2001年の「人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に反対する世界会議」で採択されたダーバン宣言および行動計画ならびに2009年のダーバン・レビュー会議で採択された成果文書をフォローアップするために締約国が実施した措置およびプログラムのうち子どもの権利条約に関わるものについての具体的情報を、次回の定期報告書に記載すること。 子どもの最善の利益 31.委員会は、子ども・若者法(2010年の法律第15号による改正法)に指導的原則としての子どもの最善の利益が含まれていること、ならびに、子どもの最善の利益の原則を促進するための各種プログラム、とくにCHILD(子どもの最善の利益/対審構造緩和)およびIMPACTプログラムが設けられていることに、評価の意とともに留意する。しかしながら委員会は、子どもに関わる法律のほとんど、ならびに、司法上および行政上の決定ならびに子どもに関わる政策およびプログラムにおいて子どもの最善の利益の原則への言及が見られないことを、懸念するものである。 32.委員会は、子どもの最善の利益の原則が、条約第3条にしたがって第一次的に考慮され、かつ、自国の法律、司法上および行政上の決定ならびに子どもに影響を及ぼす政策、プログラムおよびサービスに全面的に統合されることを確保するため、締約国があらゆる適当な措置をとるよう勧告する。 子どもの意見の尊重 33.委員会は、子どもに対する社会の伝統的態度により、家庭、学校、施設、司法制度および社会一般において自己に影響を与える広範な問題についての子どもの意見表明が制限され、かつしばしば妨げられていることを依然として懸念する。委員会はまた、自己に影響を与える司法上および行政上の手続において子どもに意見を表明するよう制度的に促す正式な手続が設けられていないことも、遺憾に思うものである。 34.条約第12条および意見を聴かれる子どもの権利に関する委員会の一般的意見12号(2009年)に照らし、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 家庭その他の場面において意見を聴かれる子どもの権利を積極的に促進するとともに、あらゆる文脈(学校その他の子ども施設、裁判所および行政機関ならびに政策立案プロセスにおけるものも含む)において、自己に影響を与えるすべての事柄について子どもが意見を表明できるようにする正式な手続を設けること。 (b) 子ども・若者法を含む法律を改正し、自己に関わるすべての事柄について自由に意見を表明する子どもの権利を含めること。 (c) 条約第12条に関する宣言の撤回を検討すること。 D.市民的権利および自由(条約第7条、第8条、第13~17条および第37条(a)) 名前および国籍 35.子どもが母からの継承によって市民権を取得することを可能にした2004年4月の憲法改正は歓迎しながらも、委員会は、この改正法が適用されるのは2004年5月15日移行に生まれた子どものみであることに、懸念とともに留意する。委員会は、締約国にいまなお多数の無国籍児が存在すること、および、特定の状況において、子どもが憲法第129条2項(a)に基づき市民権を剥奪される可能性があることを、懸念するものである。 36.委員会は、締約国に対し、子どもが市民権を剥奪されることを防止する目的で国籍法を改正するとともに、シンガポール国籍の母の子であって2004年前に生まれた子ども全員に市民権を付与することを検討するよう、勧告する。 表現、結社および平和的集会の自由 37.子どもがいくつかの場で意見を表明するよう奨励されていることには留意しながらも、委員会は、これらの場がきわめて限られており、かつ、表現の自由(公に苦情を申し立てる権利および情報を受ける権利を含む)ならびに結社および平和的集会の自由に対する子どもの権利が実際には全面的に保障されているわけではないことを、懸念する。委員会は、表現ならびに平和的集会および結社の自由に対する権利が憲法で保障されているにも関わらず、これらの権利が実際には厳しく制約されており、かつ、自己の意見を公に表明する自由が引き続き制限されていることを、懸念するものである。 38.委員会は、締約国が、表現、結社および平和的集会に対する子どもの権利が全面的にかつ実際に実施されることを確保するための努力を強化するよう、勧告する。委員会はまた、締約国に対し、条約第12条、第13条および第15条に関する宣言を、撤廃の方向で見直すことも奨励するものである。 拷問または他の残虐な、非人道的なもしくは品位を傷つける取扱いもしくは処罰 39.体罰の使用の制限および抑制を図る教育プログラムおよび指針には留意しながらも、委員会は、笞打ちを含む体罰がいまなお家庭、学校および施設における合法的な形態のしつけおよび規律と見なされていることについての深い懸念を、あらためて表明する。 40.体罰その他の残虐なまたは品位を傷つける形態の罰から保護される子どもの権利についての委員会の一般的意見8号(2006年)に照らし、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) あらゆる場面におけるあらゆる形態の体罰(笞打ちを含む)を、これ以上のいかなる遅滞もなく、法律で明確に禁止すること。 (b) 体罰に代わる手段としての積極的かつ非暴力的な形態の規律について、引き続き、教員ならびに施設および少年拘禁所で働く職員を対象とした体系的研修を行うこと。 (c) 体罰に対する一般的態度を変革する目的で、この慣行の有害な影響についての、親、保護者ならびに子どもとともにおよび子どものために働く専門家の感受性強化および教育を引き続き進めるとともに、体罰の代わる手段としての、積極的な、非暴力的なかつ参加型の形態の子育ておよびしつけを促進すること。 子どもに対する暴力に関する国連研究のフォローアップ 41.委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう奨励する。 (a) 子どもに対する暴力に関する国連研究の勧告の実施を確保する等の手段により、ジェンダーにとくに注意を払いながら、子どもに対するあらゆる形態の暴力の撤廃に優先的に取り組むこと。 (b) 同研究の勧告、とくに、子どもに対する暴力に関する事務総長独立専門家〔ママ〕が強調した、期限の定められた以下の優先課題を締約国がどのように実施しているかに関する情報を、次回の定期報告書で提供すること。(i) 子どもに対するあらゆる形態の暴力を防止しかつこれに対処するための国家的な包括的戦略を各国で策定すること。 (ii) あらゆる場面における、子どもに対するあらゆる形態の暴力の明示的な法的禁止を、国レベルで導入すること。 (iii) データを収集し、分析しかつ普及するための全国的システムおよび子どもに対する暴力に関する調査研究事項を強化すること。 (c) 子どもに対する暴力に関する事務総長独立専門家〔ママ〕と協力するとともに、とくに国連児童基金(ユニセフ)、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)、世界保健機関(WHO)、国際労働機関(ILO)、国連教育科学文化機関(ユネスコ)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連薬物犯罪事務所(UNODC)およびNGOパートナーの技術的援助を求めること。 E.家庭環境および代替的養護(条約第5条、第18条(1~2項)、第9~11条、第19~21条、第25条、第27条(4項)および第39条) 家庭環境 42.委員会は、家族に対して親教育および金銭的援助を提供するために締約国が努力していること、および、高度のニーズを有する家族への支援を向上させる目的で機能不全家族に関する省庁間委員会が設置されたこと(2007年)に、評価の意とともに留意する。しかしながら委員会は、このような家族が、子どもの養育責任に見合った十分な支援を受けていない可能性があることを懸念するものである。委員会はまた、保育所保育扶助(CFAC)制度の資格要件が厳格であるため、低所得家庭およびひとり親家庭が負担可能な保育にアクセスできないことも懸念する。 43.委員会は、子どもの養育責任を担う親および法定保護者の能力を高める目的で、締約国が、カウンセリング、親教育および安定した家庭環境を支えることにつながるその他の意識啓発プログラム等も通じ、親および法定保護者に対する支援およびサービスを強化するよう、勧告する。委員会はまた、締約国が、保育所保育扶助(CFAC)制度の資格要件(母親の就労要件を含む)を見直し、かつ、低所得家庭およびひとり親家庭が負担可能な保育にアクセスできることを保障することも、勧告するものである。 44.委員会は、外国人人材雇用法の適用により、一部の子どもが親から分離される結果が生じていることを懸念する。これは、「Sパス」および「雇用パス」カテゴリー以下の労働許可しか得ていない移住労働者は、労働許可証管理官の事前の承認がなければシンガポールの市民または永住者と婚姻することが許されておらず、かつ、妊娠を理由として就労許可が取り消され、その結果、退去強制が行なわれる場合もあることを踏まえての懸念である。 45.委員会は、締約国に対し、親からの子どもの分離を回避する目的で出入国管理に関わる法律および政策(とくに出入国管理法および外国人人材雇用法)を見直すとともに、条約第9条および第10条に付した留保の撤回をあらためて検討するよう、促す。 家庭環境を奪われた子ども 46.委員会は、親が子ども養護裁判所に対して正式な苦情を申し立てることができ、かつ8~16歳の子どもが施設(ときには非行少年と同じ施設)に措置される可能性がある「親の手に負えない子ども」制度の、締約国による扱いについて深い懸念を表明する。委員会は、この制度が子どもにスティグマを付与し、かつ、可能性を発揮させるのではなく懲罰的な措置としてとらえられる可能性があることを遺憾に思うものである。委員会はまた、「親の手に負えない子ども」制度が、子どもまたは若者の親または保護者に対し、子どもまたは若者の養育および福祉について主たる責任を負うよう奨励する2010年の子ども・若者(改正)法案に一致しないことにも留意する。 47.委員会は、締約国が、2009年の総会決議64/142に掲げられた子どもの代替的養護に関する指針を考慮し、かつ以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 子どもの施設措置が最後の手段として、かつ適切な司法的監督のもとでのみ用いられることを確保する目的で、「親の手に負えない子ども」に関する政策を再検討すること。 (b) 子どもおよび家族の問題の根本的原因、現行制度の有効性およびそれが子どもに与える影響についての、ジェンダーに配慮した研究を行なうこと。 (c) 子どもおよび家族に対し、カウンセリング、子育てスキル訓練、必要な場合には適切な治療、および他のあらゆる保護措置を最優先で提供すること。 (d) 配慮に満ちた安全な環境で成長する子どもの情緒的ニーズに関する、親、専門家および公衆を対象とした意識啓発プログラム(キャンペーンを含む)を行なうこと。 養子縁組 48.委員会は、子どもの養子縁組法に、国際基準にしたがった子どもの権利の保護措置の多くが欠けていることを懸念する。委員会はまた、十分な保護の保障(司法機関による許可および中欧監督機関を含む)なくして養子縁組が行なわれている事案があること、および、養子縁組目的で子どもの売買が行なわれているという報告があることも、懸念するものである。 49.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 養子とされたすべての子どもの登録情報を保管すること。 (b) 養子縁組手続の対象とされた子どもの権利の保護を確保するための中央機関を設置すること。 (c) 子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書、および、国際的な養子縁組に関する子の保護および協力に関する1993年のハーグ条約を遅滞なく批准すること。 虐待およびネグレクト 50.委員会は、子どもの虐待およびネグレクトの問題に対処するために締約国が行なっている努力に、評価の意とともに留意する。しかしながら委員会は、子どもに対して行なわれる虐待を発見し、記録しかつ分析するための包括的制度が設けられていないことを懸念するものである。委員会は、子どもとともにまたは子どものために働く専門家に対し、子どもの虐待の通報義務が課されていないことを遺憾に思う。 51.委員会は、締約国が、防止措置をとり、虐待およびネグレクトの悪影響に関する公衆教育プログラムを実施し、かつ虐待の被害を受けた子どもに対して保護および回復のための十分なサービスを提供することにより、児童虐待の問題に対応するための努力を強化するよう勧告する。委員会はまた、締約国に対し、子どもとともに働く専門家を対象とした、子どもの虐待およびネグレクトが疑われる事案について通報を行ないかつ適切な行動をとる義務的要件を設けるとともに、この点に関する研修が行なわれることを確保することも奨励するものである。 F.基礎保健および福祉(条約第6条、第18条(3項)、第23条、第24条、第26条、第27条(1~3項)) 障害のある子ども 52.障害のある子どものための「特別教育」学校に対して公的機関が資金および訓練を提供していることには留意しながらも、委員会は、「特別教育」学校がボランティア福祉団体によって運営されており、かつ公的機関の管轄下にないことを懸念する。委員会は、障害のある子どもがいまなお教育制度に全面的には統合されておらず、かつ、障害のある子どもおよびそのニーズに関する量的および質的データがいまだに存在しないことを、依然として深く懸念するものである。 53.委員会は、締約国が、条約第23条にしたがって以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 義務教育法(2003年)の適用を拡大し、障害のあるすべての子どもを対象に含めること。 (b) 特別なニーズを有する子どもに対し、インクルーシブ教育を提供すること。 (c) 障害のある子どもおよびその具体的ニーズに関する量的および質的データを収集しかつ分析するとともに、このような子どもを対象とする適切なプログラムおよび政策の策定のためにこれらのデータを活用すること。 (d) 教員、ソーシャルワーカー、(準)医療従事者および関連の職員のような、障害のある子どもとともに働く専門職員を対象として、子どもの権利の視点からの研修を行なうこと。 (e) 障害のある子どもが、早期介入サービスおよび普通学校への統合に時宜を得た形でアクセスできることを確保するため、さらに多くの資源を配分すること。 (f) 障害のある子どもがいる家族への支援を強化すること。 (g) 障害のある人の権利に関する条約およびその選択議定書の批准を検討すること。 (h) 障害者の機会均等化に関する国連基準規則(総会決議48/96)および障害のある子どもの権利に関する委員会の一般的意見9号(2006年)を考慮すること。 思春期の健康 54.委員会は、保健指標が非常に優れた水準のまま維持されており、かつ締約国において質の高い保健ケア・サービスが広く利用可能とされていることに、評価の意とともに留意する。しかしながら委員会は、思春期保健サービスが不十分であること、性感染症に罹患する青少年の人数が増えていること、および、青少年の自殺が多数発生していることを懸念するものである。 55.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 思春期の健康的なライフスタイルを促進するためのプログラムを強化すること。 (b) リプロダクティブヘルスを含む思春期の健康についての包括的政策を採択すること。 (c) 性感染症、とくに感染経路および有害な影響に関して青少年を教育すること。 (d) 青少年の自殺リスク要因に関する調査研究を行ない、かつ防止措置を実施すること。 (e) 子どもの権利条約の文脈における思春期の健康と発達に関する委員会の一般的意見4号(2003年)を考慮すること。 母乳育児 56.母乳育児を奨励するために締約国が行なった努力(母性保護関連法の改善を含む)には留意しながらも、委員会は、完全母乳育児の実践率が低いことについての懸念をあらためて表明する。委員会はまた、赤ちゃんにやさしい病院として認証された病院がゼロであること、シンガポール乳児用食品販売倫理委会(SIFECS)の国内基準に国際基準に一致しない要素が一部含まれていること、および、母性保護関連法で授乳休憩が保障されていないことも、懸念するものである。 57.委員会は、締約国が、子どもを生後6か月まで母乳のみで育てることの重要性に関する意識啓発の努力を強化するよう、勧告する。委員会はまた、締約国に対し、主要な産科病院が「赤ちゃんにやさしい病院」イニシアティブ(BFHI)に基づく基準を満たしかつ認証を受けることを確保すること、SIFECSの国内基準を見直し、強化しおよび執行しならびに「母乳代替品の販売促進に関する国際基準」を採択しおよび実施すること、母性保護関連法に授乳休憩を含めること、ならびに、職場における母性保護に関するILO第183号条約(2000年)の批准を検討することも、求めるものである。 G.教育、余暇および文化的活動(条約第28条、第29条および第31条) 教育(職業訓練および職業指導を含む) 58.委員会は、締約国の学校制度によって達成されている、学業面における高度な優秀性を認識しかつ称賛する。しかしながら委員会は、以下のことを懸念するものである。 (a) 前回の総括所見の勧告(パラ43)にも関わらず、締約国の管轄内にあるすべての子ども(とくに市民でない者)が義務教育法の対象とされ、かつ無償の初等学校にアクセスできているわけではないこと。 (b) 教育制度の高度に競争主義的な性質によって過度なストレスが生じ、かつ子どもが最大限可能なまで発達することが阻害される可能性があること。 (c) マイノリティ、とくにマレー系の生徒が教育指標面で立ち遅れていること。 (d) 学校カリキュラムに人権教育を含めるために十分な努力が行なわれてこなかったこと。 59.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 義務教育法の適用を拡大し、締約国の管轄内にあるすべての子ども(市民でない者も含む)を対象に含めるとともに、この目的のため、条約第28条に付した留保を見直すこと。 (b) すべての子どもが無償の初等教育にアクセスできることを確保するためにあらゆる必要な措置をとること。 (c) 学校関連のストレスおよび学校制度の高度な競争主義を軽減するために学校制度を見直すとともに、学校における文化的生活および芸術ならびに遊びおよびレクリエーション活動を促進すること等も通じ、子どもの人格、才能および能力が最大限可能なまで発達することを促進するための努力をさらに強化すること。 (d) たとえば、すでに存在する遅れを取り戻すための特別かつ一時的な積極的差別是正措置プログラムを通じ、学業面での発達についてマイノリティ(とくにマレー系)の生徒を支援するための努力を強化しかつ加速すること。 (e) 教育の目的に関する一般的意見1号(2001年)を考慮しながら、あらゆる教育段階の公式カリキュラムに人権教育を含めるための努力を強化し、かつ子どもの教育における人権の促進について教員の研修を行なうこと。 H.特別な保護措置(条約第22条、第30条、第38条、第39条、第40条、第37条(b)~(d)、第38~40条) 子どもの庇護希望者および難民 60.委員会は、締約国が難民の処遇に関するいかなる条約にも加盟していないことを懸念する。委員会はまた、難民の処遇を規律する法律が締約国にまったく存在しないこと、および、個別事案ごとの処遇は恣意的取扱いにつながる可能性があることも懸念するものである。 61.委員会は、締約国に対し、国際基準にしたがって子どもの庇護希望者および難民(とくに保護者のいない子ども)の保護のための法的枠組みを策定するとともに、難民の地位に関する1951年条約およびその1967年議定書、無国籍者の地位に関する1954年条約ならびに無国籍の削減に関する1961年条約の批准を検討するよう、促す。委員会はまた、締約国に対し、出身国外にあって保護者のいない子どもおよび養育者から分離された子どもの取扱いに関する一般的意見6号(2005年)を考慮するようにも勧告するものである。 経済的搾取(児童労働を含む) 62.締約国が2004年に雇用法を改正して最低就労年齢を12歳から13歳に引き上げたことには留意しながらも、委員会は、最低就労年齢が義務的就学〔修了〕年齢よりも低いことを懸念する。委員会はまた、児童労働〔者〕の労働条件および生活条件の監視に関する情報が締約国報告書にまったく記載されていないことにも留意するものである。 63.委員会は、締約国が、自国の管轄内にあるすべての子どもの経済的搾取を防止するための努力を強化するとともに、とくに、最低就労年齢を引き上げて義務教育法で定められた義務的就学〔修了〕年齢(15歳)と調和させるよう、勧告する。委員会はまた、締約国が、児童労働〔者〕の労働条件および生活条件を調査しかつ監視するとともに、次回の報告書にその情報を記載することも勧告するものである。 性的搾取および虐待 64.委員会は、締約国の管轄下にある者が行なう商業的性的搾取からの子どもの保護を増進させた刑法改正(第224条)を歓迎する。しかしながら委員会は、以下の点について重大な懸念を表明するものである。 (a) 関連の国内法において、最悪の形態の児童労働に関するILO第182号条約第3条(b)に掲げられた一連の禁止規定(とくにポルノの製造またはポルノ的な演技のために子どもを使用し、斡旋しまたは提供することの禁止)が全面的に網羅されていないこと。 (b) 子どもの性的搾取および虐待(子どもセックスツーリズムを含む)と闘うために締約国がとった行動が限られていること、および、そのような虐待の加害者が処罰されないままでいること。 (c) 締約国から提供された統計情報が示しているように、そのような事案が過少報告されている可能性があること。 (d) 性的搾取の被害を受けた子どもがしばしば売春犯と見なされ、かつそのように扱われていること。 (e) 締約国の管轄下にある者が行なった子どもの性的搾取について域外裁判権があるにも関わらず、締約国が、国民または永住者に対し、子どもセックスツーリズムを理由とする捜査、訴追または有罪判決の言い渡しをほとんど行なっていないこと。 65.委員会は、締約国に対し、条約第34条に基づく義務を履行するとともに、性的虐待および搾取の通報に対する組織的対応を優先課題として発展させるよう、促す。とくに委員会は、締約国に対し、以下の目的のために効果的措置をとるよう促すものである。 (a) 最悪の形態の児童労働に関するILO第182号条約第3条(b)に法律を一致させること。 (b) 子どもに対する性犯罪の加害者がしかるべく裁判にかけられ、かつ適切な刑罰による制裁を受けることを確保する目的で、性的搾取および虐待の行為を犯罪化した法律を実施するための努力を強化すること。 (c) 性的虐待および搾取の被害を受けた子どものために、子どもがリハビリテーション、回復および社会的再統合のためのサービスを提供されるシェルターを設置すること。 (d) 被害者の人数および推移を確認するためのデータを収集する目的で、効果的かつ体系的な監視機構を設置すること。 (e) 観光における性的搾取からの子どもの保護に関する行動規範を策定するとともに、観光業界およびメディアのいっそう積極的な関与を推進すること。 売買、取引および誘拐 66.委員会は、国内法で子どもの売買、取引および誘拐が犯罪化されていることを歓迎するとともに、人身取引および買春の被害者のための便益およびプログラム、とくにホットライン、カウンセリング、翻訳および入所サービスの提供に関して締約国が行なっている努力に留意する。しかしながら委員会は、法的枠組みおよび行なわれている努力にも関わらず、締約国が人身取引の対象とされた子どもの目的地国となっており、かつ、それでも締約国報告書に記載された関連のデータでは著しく少ない事件数しか報告されていないことを、懸念するものである。さらに委員会は、締約国が、通報された人身取引事件のすべてを捜査し、または適切な刑罰によって加害者を処罰しているわけではないこと、および、一部の事案では、人身取引の被害を受けた子どもが出入国管理法違反を理由に犯罪者として扱われ、かつ逮捕されていることを、懸念する。 67.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 子どもが関係するすべての人身取引事件、とくに商業的性的搾取を目的とする人身取引事件が迅速かつ徹底的に捜査されること、ならびに、加害者が訴追されおよび適切な刑罰によって処罰されることを確保すること。 (b) 人身取引の被害者である子どもが犯罪者として扱われることを防止するため、あらゆる必要な立法上の措置をとること。その際、とくに、このような子どもが拘禁されないこと、リハビリテーションのための適切なケアを提供されること、家族と再結合できるようにされること、および、人身取引加害者に対する司法手続に主体的に参加するのに十分な期間、締約国の領域への在留を許可されることを確保すること。 (c) 締約国における子どもの売買、取引および誘拐の性質および規模に関する研究を、市民社会の関与を得ながら実施すること。 (d) 締約国の領域内で人身取引がどの程度問題になっているか、および、子どもの人身取引が被害者にどのような有害な影響を与えるかについて公衆の意識啓発を図ること。 (e) 子どもの人身取引を防止する目的で、出身国、通過国および目的地国との、二国間および多国間の協定および協力プログラムを強化しかつ拡大すること。 (f) 国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する、人(とくに女性および子ども)の取引を防止し、抑止しおよび処罰するための議定書(2000年)を批准すること。 (g) とくにILO/IPEC、国際移住機関および非政府組織との協力を強化すること。 少年司法の運営 68.締約国に独立した少年司法制度が存在することには評価の意とともに留意しながらも、委員会は、前回の総括所見(パラ45)にも関わらず以下の問題があることを深く懸念する。 (a) 刑事責任に関する最低年齢が依然としてきわめて低い(7歳)こと。 (b) 罪を犯した少年に対する規律措置として、体罰および独居拘禁がいまなお用いられていること。 (c) 7~16歳の男子が、刑法その他の法律上の多くの犯罪について笞打ちその他の形態の刑罰の対象とされていること。 (d) 18歳に満たないときに行なった犯罪について有罪判決を受けた者に対し、終身刑が言い渡される可能性があること。 (e) 16~18歳の子どもが子ども・若者法(CYPA)に基づく保護の適用対象外とされており、少年裁判所における告発の対象とされない場合があるとともに、その氏名が成人犯罪者の登録簿に記載されること。また、知的障害がある16~18歳の子どもが引き続き成人裁判所における審理の対象とされていること。 69.委員会は、締約国が、少年司法における子どもの権利に関する委員会の一般的意見10号(2007年)を考慮に入れながら、少年司法に関する基準、とくに条約第37条、第39条および第40条、ならびに、少年司法の運営に関する国連最低基準規則(北京規則)、少年非行の防止に関する国連指針(リャド・ガイドライン)および自由を奪われた少年の保護に関する国連規則(ハバナ規則)のような他の関連の国際基準の全面的実施を確保するための努力を引き続き強化するよう、勧告する。委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告するものである。 (a) 刑事責任に関する最低年齢を、国際的に受け入れられる水準まで緊急に引き上げること。 (b) 法律を改正し、罪を犯した少年を対象とするすべての拘禁施設で、体罰および独居拘禁の使用を禁止すること。 (c) 刑の言い渡しおよび拘禁において子どもの最善の利益が考慮されること、ならびに、自由の剥奪が最後の手段としてかつ可能なもっとも短い期間で適用され、および、撤回の方向で定期的に再審査されることを確保すること。 (d) 18歳未満の子どもの終身刑を廃止するとともに、当面、現在終身刑を言い渡されている子どもが、その釈放、再統合、および、社会で建設的な役割を果たすための能力の獲得のための教育、処遇およびケアを受けることを確保すること。 (e) 子ども・若者法に定められた特別な保護を16~18歳の子どもにも拡大するとともに、刑事司法制度において、知的障害のある若年犯罪者に対して適切な考慮が行なわれることを確保すること。 (f) 国連・少年司法に関する機関横断パネルおよびその構成組織(UNODC〔国連薬物犯罪事務所〕、ユニセフ、OHCHRおよびNGOを含む)が開発した技術的援助ツールを利用するとともに、同パネルの構成組織に対し、必要に応じて少年司法の分野における技術的な助言および援助を求めること。 犯罪の被害者および証人である子ども 70.委員会は、締約国が、子どもの犯罪被害者および証人が関わる事案における司法についての国連指針(経済社会理事会決議2005/20付属文書)を全面的に考慮に入れながら、十分な法律上の規定、手続および規則を通じ、犯罪の被害を受けたおよび犯罪の証人であるすべての子ども(虐待、ドメスティックバイオレンス、性的および経済的搾取、誘拐ならびに人身取引の被害を受けた子どもならびにこのような犯罪の証人など)が司法に効果的にアクセスでき、かつ条約に定められている保護を提供されることを確保するよう、勧告する。 マイノリティまたは先住民族の集団に属する子ども 71.委員会は、民族的、宗教的または言語的マイノリティに属する子どもおよび先住民族の子どもの、自己の文化を享受しかつ自己の宗教および言語を実践する権利の執行に向けて締約国が行なっている努力を歓迎する。しかしながら委員会は、マレー人を含む一部の民族的マイノリティ集団を周縁化させているいくつかの政策に関する、現代的形態の人種主義、人種差別、外国人嫌悪および関連の不寛容に関する特別報告者の懸念を共有するものである。 72.委員会は、締約国が、人種間の調和を確保し、かつ同時にマイノリティの子どもが平等な機会を有することを確保するための努力を強化するよう、勧告する。委員会はまた、民族的マイノリティ集団、とくにマレー人が、自己の文化を享受し、かつあらゆる生活領域で自己の宗教および言語を実践する権利を保障されることを確保するため、締約国があらゆる必要な措置をとることも勧告するものである。 地域機関および国際機関との協力 73.委員会は、締約国が、締約国および他の東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の双方における条約の実施を目的として、ASEAN女性・子ども委員会と協力するよう勧告する。 I.国際人権文書の批准 74.委員会は、子どもの権利に関連し、かつとくに子どもの権利の充足を増進させる国連の中核的人権文書のうち締約国がまだ加盟していないものを批准するため、締約国が緊急の措置をとるよう勧告する。これらの文書とは、子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約、経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約およびその選択議定書、拷問および他の残虐な、非人道的なまたは品位を傷つける取り扱いまたは刑罰に関する条約およびその選択議定書、すべての移住労働者およびその家族構成員の権利の保護に関する国際条約、障害のある人の権利に関する条約およびその選択議定書、強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約、ならびに、女性に対する差別の撤廃に関する条約の選択議定書である。 75.委員会は、締約国に対し、武力紛争への子どもの関与に関する選択議定書に基づく報告義務を履行するよう求める。 J.フォローアップおよび普及 フォローアップ 76.委員会は、締約国が、とくにこれらの勧告を国家元首、最高裁判所、議会、関連省庁および地方当局に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。 普及 77.委員会はさらに、条約、その実施および監視に関する議論および意識を喚起する目的で、締約国が提出した第2回・第3回統合定期報告書および文書回答ならびに採択された関連の勧告(総括所見)を、インターネット等を通じ(ただしこれにかぎるものではない)、公衆一般、市民社会組織、若者グループ、専門家グループ、子どもおよびメディアが同国の言語で広く入手できるようにすることを勧告する。 K.次回報告書 78.委員会は、締約国に対し、第4回・第5回統合定期報告書を2017年11月3日までに提出するとともに、この総括所見の実施に関する情報を記載するよう慫慂する。委員会は、2010年10月1日に採択された条約別調和化報告ガイドライン(CRC/C/58/Rev.2)に対して注意を喚起するとともに、締約国に対し、今後の報告書は当該ガイドラインにしたがうべきであり、かつ60ページを超えるべきではないことを想起するよう求めるものである。委員会は、締約国に対し、報告ガイドラインにしたがった報告書を提出するよう促す。ページの制限を超えた報告書が提出された場合、締約国は、前掲ガイドラインにしたがって報告書を見直し、かつ再提出するよう求められることになる。委員会は、締約国に対し、報告書を見直しかつ再提出することができないときは、条約機関による審査のための報告書の翻訳は保障できないことを想起するよう、求めるものである。 79.委員会はまた、締約国に対し、2006年6月の第5回人権条約機関委員会間会合で承認された統一報告ガイドライン(HRI/MC/2006/3)に掲げられた共通コア・ドキュメントについての要件にしたがい、最新のコア・ドキュメントを提出するよう求める。条約別報告書および共通コア・ドキュメントは、一体となって、子どもの権利条約に基づく調和化された報告義務を構成するものである。 更新履歴:ページ作成(2012年3月)。/前編・後編を統合(10月20日)。
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/186.html
総括所見:タイ(OPAC・2012年) 第1回(1998年)/第2回(2006年)/第3回・第4回(2012年)OPSC(2012年) CRC総括所見日本語訳(国別)/CRC総括所見日本語訳(会期順) CRC/C/OPAC/THA/CO/1(2012年2月21日) 原文:英語(平野裕二仮訳) 原文は国連人権高等弁務官事務所のサイト(国別情報のページまたはCRC会期一覧ページ)を参照。 1.委員会は、2012年1月25日に開かれた第1683回会合(CRC/C/SR.1683参照)においてタイの第1回報告書(CRC/C/OPAC/THA/1)を検討し、2012年2月3日に開かれた第1698回会合(CRC/C/SR.1698参照)において以下の総括所見を採択した。 I.序 2.委員会は、選択議定書に基づく締約国の第1回報告書および事前質問事項に対する文書回答(CRC/C/OPAC/THA/Q/Add.1)の提出を歓迎するとともに、ハイレベルなかつ多部門型の代表団との間に持たれた、開かれた、率直かつ建設的な対話を評価する。 3.委員会は、締約国に対し、この総括所見は、子どもの権利条約に基づく締約国の第3回・第4回定期報告書に関して採択された総括所見(CRC/C/THA/CO/3-4)および子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する選択議定書に基づく第1回報告書に関して採択された総括所見(CRC/C/OPSC/THA/CO/1)とあわせて読まれるべきであることを想起するよう求める。 II.一般的所見 積極的側面 4.委員会は、軍役法(1954年)および国防省規則(2000年)に基づき、現役および非現役の軍隊要員の登録年齢が18歳と定められていることに、評価の意とともに留意する。 III.実施に関する一般的措置 立法 5.委員会は、とくに18歳未満の子どもを軍隊に徴募することの犯罪化との関連で、選択議定書の規定が国内法に全面的には編入されていないことを懸念する。 6.選択議定書第6条に照らし、委員会は、締約国に対し、選択議定書の規定を国内法に全面的に編入し、かつ18歳未満の子どもを軍隊に徴募することを明示的に犯罪化するための措置をとるよう、促す。 調整 7.委員会は、国家子ども・若者発達促進委員会が選択議定書の実施を調整するための機構である旨の締約国の情報に留意する。しかしながら委員会は、条約に基づく総括所見(CRC/C/THA/CO/3-4)を参照しつつ、子どもの権利に関する政策およびその実際の実施が社会開発・人間安全保障省内の諸機関その他の機関に割り当てられており、かつ、条約および選択議定書に基づく、国および国以外のあらゆる関連の主体の活動の調整を担当する全般的な調整機構が存在しないことを、懸念するものである。 8.委員会は、条約に基づく総括所見を参照しつつ、締約国が、子どもの権利政策の策定および実施に取り組んでいるさまざまな機関および委員会(社会開発・人間安全保障省内のものを含む)の間でよりよい調整が行なわれることを確保するとともに、条約およびその選択議定書に基づく子どもの権利についての活動の実施の監視および評価に関して、部門別省庁を横断し、かつ中央政府から地方政府のレベルに至るまで指導力を発揮しかつ有効な一般的監督を行なうことのできる単一の部局を指定するよう、勧告する。 普及および意識啓発 9.委員会は、選択議定書がタイ語に翻訳され、かつ政府機関および非政府機関を含むさまざまな機関に対して普及されていることを歓迎する。にもかかわらず、委員会は、締約国において、公衆、子どもならびに子どもとともにおよび子どものために働く専門家の間で体系的かつ包括的な普及および意識啓発活動が行なわれていないことを懸念するものである。 10.選択議定書第6条2項に照らし、委員会は、締約国が、広報および教育のための体系的プログラムを発展させることにより、選択議定書の原則および規定が一般公衆、子どもならびに関連の中央当局および地方当局の間で広く普及されることを確保するよう、勧告する。 データ 11.委員会は、選択議定書で対象とされている多くの分野についてのデータおよび統計、とくに軍事学校に就学した18歳未満の者、ならびに、広く行なわれている武装暴力に関与したまたはその可能性がある子どもの難民および庇護希望者の人数が存在しないことを、遺憾に思う。 12.委員会は、条約に基づく総括所見を参照しつつ、締約国が、条約および選択議定書の実施に関連するすべての分野についての包括的なデータ収集システムを設置するとともに、広く行なわれている武装暴力の影響を受けている子どもおよびこれに関与している子どもの保護に関わる包括的な政策およびプログラムを立案する際の基礎として、収集された情報および統計を活用するよう、勧告する。委員会は、締約国が、この点に関して国連児童基金(ユニセフ)の援助を求めるよう勧告するものである。 IV.防止 志願入隊 13.18歳未満の者が村落防衛訓練に参加することを禁じた省規則第2号(仏歴2554年)(2011年4月)は歓迎しながらも、委員会は、南部国境県の村落自警団(チョー・ロー・ボー、Chor Ror Bor)が行なう一連の活動に子どもが非公式な形でつながりを持ち、正規の構成員と同一または同様の任務を遂行しているという報告があることを懸念する。委員会はさらに、適用される規則が明確ではなく、かつ規則について主要な官公吏が認識していないこと、現行の政策および手続が実施されていないこと、ならびに、効果的な監督および説明責任の履行が行なわれていないことから、子どもがチョー・ロー・ボーと公式かつ非公式につながりを持ちやすくなる状況が生じてきたことを、懸念するものである。 14.委員会は、締約国に対し、子どもがチョー・ロー・ボーに非公式に関与することを防止しかつ禁止するために必要な措置をとるよう、促す。委員会はさらに、締約国が、主要な官公吏を対象とした、村落自警団への子どもの公式および非公式な関与に関する監視および説明責任の履行のための効果的な機構を設置するとともに、そのような徴募を禁じた法律に関する主要な官公吏の意識を高めるよう、勧告するものである。 軍学校 15.委員会は、出席のための最低年齢が16歳以上である学部段階において、カリキュラムに兵器の取扱い、陸海空の兵站、軍事規律および国際法のような軍事科目が含まれていることを懸念する。 16.委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 軍学校による選択議定書の規定の遵守を確保する目的で、自国の管轄下にあるすべての軍学校の包括的再審査を行なうこと。 (b) 軍学校に入学するすべての生徒について、性別、年齢、社会経済的背景および地理的所在ごとに細分化されたデータを収集する、中央集権化され、かつ定期的監視の対象とされる包括的な登録システムを設置すること。 (c) 軍学校が選択議定書の規定を遵守することを確保するため、教育省、国防省および子ども保護委員会による当該学校の定期的合同監視を行なうことを検討すること。 (d) 軍学校において、18歳未満の子どもに火器の使用訓練を行なわせることが明確に禁じられることを確保すること。 V.禁止および関連の事項 現行刑事法令 17.委員会は、1956年刑法および子ども保護法(2003年)を含む締約国の法律において、軍隊、村落自警団または国以外の武装集団による18歳未満の者の徴募および(または)使用が明示的に犯罪とされていないことを、懸念する。 18.軍隊または武装集団による子どもの徴募および敵対行為における子どもの使用を防止するための国内的および国際的措置をさらに強化するため、委員会は、締約国が、軍隊、村落自警団または国以外の武装集団への子どもの徴募および関与を法律で明示的に犯罪とするよう、勧告する。 裁判権 19.委員会は、締約国の法律において、子どもの不法な徴募および敵対行為における子どもの使用の犯罪についての普遍的裁判権が設定されていないことを懸念する。委員会は、選択議定書上の犯罪についての裁判権を行使するためには双方可罰性が必要であること、および、犯罪人引渡しの条件として締約国と要請国間に条約が締結されていなければならないことを、遺憾に思うものである。 20.委員会は、締約国が、選択議定書で禁じられている行為(子どもを軍隊または武装集団に徴収しもしくは入隊させることまたは子どもを使用して敵対行為に積極的に参加させることを含む)に関する、当該犯罪がタイ国民または締約国と他の密接なつながりを有する者によってまたはこれらの者に対して行なわれた場合の裁判権について、刑法または他の法律において明示的に定めるよう勧告する。委員会はまた、締約国が国際刑事裁判所ローマ規程を批准することも勧告するものである。 VI.保護、回復および再統合 被害を受けた子どもの権利を保護するためにとられた措置 21.委員会は、タイの公式なおよび非公式なキャンプで生活している、元子ども兵士を含む子どもの庇護希望者および難民(いわゆる「国外避難民」)が保護されておらず、かつ、難民/庇護希望者のなかから元子ども兵士を特定するための機構も存在しないことを、懸念する。委員会はまた、特定および保護のための十分な措置がとられていないため、ミャンマーに強制送還される人々のなかにミャンマーを脱出した子ども兵士も含まれている可能性があり、このような子どもがミャンマーで再度の徴募および(または)脱走罪を理由とする拘禁に直面するおそれがあることも、懸念するものである。委員会はとくに、キャンプの子どもが、ミャンマーからやってきてタイ国境内で活動する、国以外の武装集団による徴募および再徴募の危険にさらされていることを懸念する。 22.選択議定書第7条に基づく締約国の義務に照らし、委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。 (a) 自国の管轄下にある子どもの庇護希望者および難民全員に関する、全国的なデータ収集・登録システムを設けること。 (b) 国外で武力紛争に関与したまたはその可能性がある子ども(子どもの庇護希望者および難民を含む)を特定するための機構を設置するとともに、当該特定を担当する要員が子どもの権利、子どもの保護および事情聴取技法について訓練されることを確保すること。 (c) 武力紛争に関与したまたはその可能性がある子どもに対し、その身体的および心理的回復ならびに社会的再統合のための適切な支援を提供すること。 (d) 選択議定書上の犯罪の被害を受けた可能性がある子どもまたはそのような被害を受けるおそれがある子どもの、出身国へのいかなる強制送還も直ちにとりやめること。 (e) ミャンマーからやってきてタイ国境内のキャンプで活動する、国以外の武装集団による子どもの徴募および再徴募を防止すること。 (f) この点に関して国連難民高等弁務官(UNHCR)およびユニセフの技術的援助を求めること。 非常事態立法に基づく子どもの逮捕および拘禁 23.委員会は、南部国境県において子どもが戒厳令および非常事態令に基づく逮捕および拘禁の対象とされている旨の報告があることを懸念する。委員会はとくに、これらの治安維持関係法上、子どもの行政拘禁が禁じられておらず、かつ30日まで継続することができるとされており、その際、子どもが不当な取扱いおよび隔離拘禁または成人の被拘禁者と同じ房での拘禁の対象とされていることを、懸念するものである。 24.委員会は、締約国に対し、18歳未満の子どもに対する刑事上または行政上の手続を禁じ、かつ軍事拘禁センターへの子どもの拘禁を禁止する目的で、治安維持関係法を見直すよう求める。委員会は、18歳未満のすべての子どもが、あらゆる状況下で少年司法制度による扱いの対象とされるべきことを勧告するものである。 VIII.国際的な援助および協力 国際協力 25.委員会は、締約国が、赤十字国際委員会および子どもと武力紛争に関する事務総長特別代表との協力を継続しかつ強化するとともに、選択議定書の実施におけるユニセフその他の国連機関との協力の増進を模索するよう、勧告する。 VIII.フォローアップおよび普及 26.委員会は、締約国が、とくにこれらの勧告を国家元首、議会、関連省庁および地方当局ならびにそれぞれ中央および県に設置されている子ども保護委員会および同小委員会に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。 27.委員会はさらに、選択議定書、その実施および監視に関する議論および意識を喚起する目的で、締約国が提出した第1回報告書および文書回答ならびに関連の勧告(総括所見)を、インターネット等を通じ(ただしこれにかぎるものではない)、公衆一般、市民社会組織、若者グループ、専門家グループおよび子どもが広く入手できるようにすることを勧告する。 IX.次回報告書 28.第8条2項にしたがい、委員会は、締約国に対し、選択議定書およびこの総括所見の実施に関するさらなる情報を、子どもの権利条約条約第44条にしたがって提出される、条約に基づく次回の定期報告書に記載するよう要請する。 更新履歴:ページ作成(2012年4月10日)。
https://w.atwiki.jp/childrights/pages/73.html
総括所見:中国(OPSC・2005年、マカオ特別行政区を含む) 第1回(1996年)/第2回(2005年)/第3回・第4回(2013年)OPAC(2013年) CRC総括所見日本語訳(国別)/CRC総括所見日本語訳(会期順) CRC/C/OPSC/CHN/CO/1(2005年11月24日) 原文:英語(平野裕二仮訳) 原文は国連人権高等弁務官事務所のサイト(国別情報のページまたはCRC会期一覧ページ)を参照。 1.委員会は、2005年9月19日および20日に開かれた第1062回~第1065回会合(CRC/C/SR.1062-1065参照)において、2005年5月11日に提出された中国(マカオ特別行政区を含む)の第1回報告書(CRC/C/OPSA/CHN/1 and Part II)を検討し、2005年9月30日に開かれた第1080回会合(CRC/C/SR.1080)において以下の総括所見を採択した。 A.序 2.委員会は、本土およびマカオ特別行政区(SAR)における選択議定書の実施状況を取り上げた締約国の第1回報告書の提出を歓迎する。委員会は、代表団との間に持たれた率直かつ開かれた対話を評価するものである。 B.積極的側面 3.委員会は、第1回報告書を、〔条約に関する〕第2回定期報告書とあわせて検討できるように時宜を得た形で提出するために締約国が行なった努力に、評価の意とともに留意する。しかしながら委員会は、選択議定書の適用が香港SARに拡大されていないことを遺憾に思うものである。 C.主要な懸念領域および勧告 1.実施に関する一般的措置 選択議定書の実施の調整および評価 4.委員会は、中国本土において人身取引および性的搾取と闘うために締約国がますます努力を行なっていること、および、代表団から提供された情報によれば、とくに被害者とその家族の再統合に関して本土と諸SARの間の調整がますます行なわれるようになっていることを、歓迎する。にもかかわらず、委員会は、本土における問題への対応は主として公安部によって行なわれていて他の省庁とは限られた調整しか図られていないこと、および、人身取引の社会経済的側面に十分な注意が払われていないことを懸念するものである。 5.委員会は、締約国が、関連省庁、影響を受けている子どもおよび若者ならびに非政府組織(とくに人身取引および性的搾取の社会経済的側面に対処できる組織)を含む中央調整機関を中国本土で設置することを検討するよう、勧告する。委員会はまた、締約国に対し、被害者に対する援助ならびに犯罪の防止および訴追に関する活動を本土と諸SARの間でさらに調整するよう促すものである。 国家的行動計画 6.締約国が、2004年10月、メコン圏における人身取引対策に関する了解覚書に調印したことには評価の意とともに留意しながらも、委員会は、本土またはマカオSARのいずれについても、人身取引および性的搾取と闘うための適用可能な行動計画が存在しないことを懸念する。 7.委員会は、締約国が、ストックホルム〔宣言〕および行動綱領、横浜グローバル・コミットメントおよび選択議定書の規定に基づき、本土およびマカオSARにそれぞれ適用される行動計画を策定しかつ実施するよう勧告する。 データ収集 8.委員会は、中国本土およびマカオSARのいずれについても、締約国報告書に、性的搾取および国境を越えた人身取引に関する限られたデータしか記載されていないことを遺憾に思う。委員会はさらに、データに表れているのはほぼ例外なく、誘拐された女性および子どもではなく救出された女性および子どもの人数であること、および、データでしばしば異なる期間が扱われていることを懸念するものである。このことは、子ども売買、児童買春および児童ポルノに関する状況の正確な評価および監視を阻害することにつながる。 9.委員会は、締約国が、SAR、本土、本土の省および地域ならびに適用可能な場合には近隣諸国の別に分類された、人身取引、子どもの売買、児童買春および児童ポルノの被害者に関する細分化されたデータ(影響を受けている男女の子どもの人数に関するデータも含む)を収集する努力を強化するよう勧告する。 2.子どもの売買、児童ポルノおよび児童買春の禁止 現行刑事法令 10.本土において子どもの取引および売買が1997年刑法により犯罪化されていることには留意しながらも、委員会は、同刑法で、選択議定書第3条1項に掲げられたあらゆる目的によるおよびあらゆる形態の子どもの売買が対象とされていないことを懸念する。 11.委員会は、締約国が1997年刑法を改正し、養子縁組目的の売買および取引にとくに注意を払いながら、選択議定書第3条1項に列挙されたあらゆる目的による子どもの取引および売買を禁止するよう勧告する。 3.刑事手続 犯罪人引渡し 12.委員会は、国外で行なわれたとされる犯罪に関わる犯罪人引渡しについても国内訴追についても双方可罰性が要件とされているため、選択議定書第1条、第2条および第3条に掲げられた犯罪の訴追が妨げられることを懸念する。 13.委員会は、締約国が、国外で行なわれた犯罪に関わる犯罪人引渡しおよび(または)本土における訴追についての双方可罰性要件を廃止する目的で法改正を行なうよう勧告する。 4.被害を受けた子どもの権利の保護 被害を受けた子どもの権利および利益を保護するためにとられた措置 14.委員会は、再統合および回復に関わって被害を受けた子どもを援助するための本土におけるサービスについて提供された情報が限られていることを懸念する。委員会はまた、マカオSARにおいて、人身取引および性的搾取の被害を受けた子どものためにとくに立案された援助プログラムが存在しないことも懸念するものである。 15.委員会は、締約国が、人身取引および性的搾取の被害を受けた子どもに対してその回復および再統合を援助するために本土およびマカオSARで提供されるサービスを拡大するとともに、当該サービスがこのような被害者のニーズに対応することをとくに目的として立案されることを確保するよう、勧告する。 5.子どもの売買、児童買春および児童ポルノの防止 選択議定書に掲げられた犯罪を防止するためにとられた措置 16.子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関わる犯罪を処罰するために中国本土でとられた措置には留意しながらも、委員会は、これらの犯罪の防止に対して十分な注意が払われていないことを懸念する。委員会はまた、領域内における遊技活動の拡大にともなって防止の努力も強化されつつあるという、マカオSAR代表から提供された情報にも留意するものである。 17.委員会は、締約国が、とくに社会経済的原因に対応するための措置、公衆意識啓発キャンペーン、ならびに、人身取引および性的搾取の防止およびそのリスクの削減に関する親および子ども向けの教育を通じて子どもの売買、児童買春および児童ポルノを防止することに、いっそうの注意を払うよう勧告する。委員会はまた、締約国に対し、マカオSARにおける防止関連の努力をさらに増進させ、かつ、次回定期報告書でこれらの努力に関する追加情報を提供するよう促すものである。 6.国際的な援助および協力 18.委員会は、締約国とベトナム等の近隣諸国との間でいっそうの地域的協力が行なわれていることに、評価の意とともに留意する。しかしながら委員会は、性的搾取および買春が目的であると思われる、国境を越えた女子の人身取引(締約国からのおよび締約国への取引の双方)が増えているという報告に懸念を覚えるものである。 19.委員会は、本土において締約国が以下の措置をとるよう勧告する。 (a) 国際機関または地域機関および近隣諸国と連携しながら、子どもの売買、児童買春、児童ポルノおよびセックス・ツーリズムを目的とする、国境を越えた人身取引の規模および性質についてのさらなる調査研究を実施すること。 (b) 子どもの売買、児童買春、児童ポルノおよびセックス・ツーリズムをともなう行為の防止、摘発および捜査ならびに責任者の訴追および処罰を目的としたさらなる二国間、地域間および多国間協定を通じ、国際協力を拡大すること。 7.フォローアップおよび普及 フォローアップ 20.委員会は、締約国が、とくにこれらの勧告を本土の国務院および全国人民代表大会ならびにマカオSARの行政会議および立法会の構成員ならびに適用可能なときは省および地方の当局に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。 普及 21.委員会は、条約〔ママ〕、その実施および監視に関する議論および意識を喚起する目的で、締約国が提出した第1回報告書および文書回答ならびに委員会が採択した関連の勧告(総括所見)を、インターネット等を通じ(ただしこれにかぎるものではない)、公衆一般、市民社会組織、若者グループ、専門家グループおよび子どもが広く入手できるようにすることを勧告する。 8.次回報告書 22.選択議定書第12条2項にしたがい、委員会は、締約国に対し、選択議定書の実施に関するさらなる情報を、子どもの権利条約第44条にしたがって2009年3月31日が提出期限とされている、条約に基づく次回(第3回・第4回統合)定期報告書に記載するよう要請する。 更新履歴:ページ作成(2011年9月13日)。
https://w.atwiki.jp/monosepia/pages/4775.html
沈黙の兵器 「沈黙の兵器」を言葉で検索 ■ クチコミ検索 #bf ■ ブログ2 #blogsearch2 ■ ニュース1 ロシアの軍用VIP機が北朝鮮に到着、兵器取引への懸念強まる - ブルームバーグ 【銃後の画家たち①】沈黙 ある美術教師の不運 焼失した栄光の画歴 - 西日本新聞 太陽フレアより怖い電磁パルス攻撃。米イージス艦を沈黙させた?新兵器とは=浜田和幸 - MONEY VOICE 注目映画紹介:「名探偵コナン 沈黙の15分」 新兵器が大活躍 手に汗握るアクション作 - MANTANWEB ■ ニュース2 ロシアの軍用VIP機が北朝鮮に到着、兵器取引への懸念強まる - ブルームバーグ 【銃後の画家たち①】沈黙 ある美術教師の不運 焼失した栄光の画歴 - 西日本新聞 太陽フレアより怖い電磁パルス攻撃。米イージス艦を沈黙させた?新兵器とは=浜田和幸 - MONEY VOICE 注目映画紹介:「名探偵コナン 沈黙の15分」 新兵器が大活躍 手に汗握るアクション作 - MANTANWEB ■ テクノラティ検索 #technorati .