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伝説覚醒セイカイザー オリジナルエルドランシリーズ第5弾「伝説覚醒セイカイザー」のまとめページです。バレ画をネタとして、オリジナル設定を妄想しようという試みです。バレ画やバレ画の流出、または偽バレ画で騒ぐのを不快に思う方はご遠慮くださいませ。 (c)サンライズ キャラクター・メカ原案:けん キャラクターデザイン:パープルセイントジュン メニュー セイカイザー基本設定 登場メカ設定紹介 エルドランのロボット(カイザーナイツ) 幻魔大帝国(敵・戦力) 登場キャラクター設定紹介 鈴風学園1年B組=カイザーナイツ 学校関係と他の人物 幻魔大帝国 その他 アイテム リンク ふたばちゃんねる kkkスタジアム
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要点 覚醒レベルは同キャラ重ねによる限界突破 経験値制。獲得経験値は素材のレアリティに依存するので、最大まで進化した方が効率が良い 基本的に最大が☆5や☆6までのキャラは、素材(同キャラ)を最終進化させて10体合成させれば完凸 つまり、完凸に必要なのはベース込みで11体 最大が☆4以下のキャラ(主にドロップするモンスター系)のような例外もある 同キャラの凸と同様の価値を持つ夢豚(ユメピギット系)も存在(汎用凸キャラ) 夢豚は『☆5夢豚*1+☆4夢豚*1=☆6の1凸分』『☆1夢豚*9=☆5夢豚*1』 同キャラ合成の場合、覚醒経験値は引継ぎ可能(詳しくは下の資料参照) 資料 【素材のレアリティと獲得経験値】 素材のレアリティ 獲得できる覚醒経験値 備考 ☆1 30 夢豚あり ☆2 45 ☆3 90 ☆4 135 夢豚あり ☆5 270 夢豚あり ☆6 405 【覚醒レベルと必要経験値】 備考の凸は最終進化済みを利用で計算 覚醒レベル 必要累計経験値(前レベル比) 備考 1 0 初期値 2 15 (+15) 3 30 (+15) 4 53 (+23) 5 83 (+30) 6 120 (+37) 7 158 (+38) 8 233 (+75) ☆5の1凸 9 330 (+97) ☆6の1凸 10 450 (+120) ☆5の2凸 11 593 (+143) 12 758 (+165) ☆6の2凸、☆5の3凸 13 945 (+187) ☆5の4凸 14 1155 (+210) ☆6の3凸、☆5の5凸 15 1388 (+233) ☆6の4凸、☆5の6凸 16 1643 (+255) ☆5の7凸 17 1898 (+255) ☆6の5凸 18 2153 (+255) ☆5の8凸 19 2408 (+255) ☆6の6凸、☆5の9凸 20 2663 (+255) ☆6の7凸,☆5の10凸 21 2918 (+255) 22 3173 (+255) ☆6の8凸 23 3428 (+255) ☆6の9凸 24 3683 (+255) 25 3938 (+255) ☆6の10凸 【覚醒経験値の引継ぎ】
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多数いる武将の中に一部覚醒する武将が居て、その武将を精鋭部隊に入れていると、バトル中に一定確率で覚醒する事があります。 覚醒するとステータスが上昇するなど、大戦を有利にする効果があります。
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このページはこちらに移転しました 覚醒 作詞/ミヤコ 寝てないって危険だな ロレツ回らなくなるんだせぃ! 仮眠ぐらいは取っても 眼球パッサパサなんだぜぃ! しかし 覚醒した俺の集中力 指先なんか震えなかった 今ならきっと空も飛べると思った 覚醒した俺の潜在力 周りなんか見えなかった 今ならきっと寝たまま仕事ができそうだ
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覚醒(3) ◆ 目の前に迫る黒い闇に、ウカワームは何度目かの戦慄を抱く。 傍から見ても満身創痍で傷だらけの身体を引きずり、しかし戦意だけは一切萎えることなく戦い続ける今のクウガは、まさしく生物兵器の呼び名に相応しい。 持ち前の回復力さえ満足に扱えずその身からは絶えず赤い血が流れ出ているが、彼は気にする様子もない。 地面にその血を巻き散らかしながら、ウカへと迫りまた拳を振るう。 これだけの傷を負いながら未だに超常の域にあるその豪腕は、今もなお彼女の手に有り余るほどの威力を伴って衝撃を伝導する。 歯を食いしばり、足を地面にめり込ませながら必死の思いでようやくそれを受け流したウカは、そのまま返す刀で鋏を振るう。 だが、彼女自身の体力もクウガと同じように限界を迎えつつある事が、災いしたか。 今までのそれとは違い少しばかり狙いがずれて放たれた角度の浅いそれは、幾ら今のクウガと言えど捌ききるのは容易かった。 思い切り鋏を腕で撥ね除けて、そのままウカに向けて思い切りストレートキックを放つ。 蹴りとは思えない風を切る音と、ウカの甲殻に足がめり込む鈍い音が響いて、まるで冗談のようなスピードでウカが彼方へと吹き飛んでいく。 彼女を受け止める壁もなく、数秒の滞空を経てウカワームは地面を抉ることで無理矢理その勢いを殺す。 傷つき疲れ果て、遂に間宮麗奈の姿を現した彼女に対して、クウガはゆっくりとその歩みを向けた。 超自然発火能力ですぐに燃やし尽くさないのは、それだけの力すらもう残っていないのか、或いはアマダムの自壊によって無意識下のユウスケの思いが僅かに今のクウガにも作用しているのか。 どちらにせよ、もう数秒も経てばクウガは問題なく麗奈へその拳を突き立てることは間違いない。 だが果たして、この虚しい戦いが誰の望みも果たさない最悪の結末で終わろうという、まさにその瞬間。 クウガは背後から凄まじい勢いで迫る何らかの圧縮されたエネルギーを感じ取った。 勢いよく振り返り、その腕の突起で以て飛来した何らかの物質を受け止める。 自身への攻撃を試みたその存在を、クウガは新たな標的として認める。 果たしてその瞳に映る奇襲を試みた狙撃手の正体は、彼と同じく黒を基調とした身体に、赤い心臓を思わせるハートの意匠が刻まれた一人の仮面ライダーであった。 「……フン」 一方で、クウガの意識が麗奈から自分に移ったのを受けて、黒い仮面ライダー……カリスは狙い通りだと不敵に笑う。 彼の首には既に、忌まわしき銀の首輪はない。 まさしくウカワームの命が失われようというその瞬間に、変身制限から解き放たれこうして危機一髪の状況に馳せ参じたのである。 さて、とカリスは身構える。 ひとまず変身制限を克服して彼女を救い、クウガが望まない殺戮を止めるという第一目標は達成できたが、、クウガの注意を惹くことなど今までもやろうと思えば出来たことで、本題はあくまでここから先、自分が変身制限まで彼の相手をし続ける事にある。 最もそれが可能であると確信した為に、この混乱極める戦場で自分の首輪が解除された訳ではあるのだが。 自身に向けて走り抜けるクウガは、まさに心を失った獣だ。 そんな姿に在りし日の自分を重ね合わせ、カリスは思わず吐き気を覚える。 あんな風に暴れ回ることしか知らない化け物など、醜い以外にかける言葉が見つからないほど醜悪で蔑むべきものだ。 だがしかし、今自分は再びそんな獣の姿に身を変えようとしている。 あのクウガのように、或いは病院でのように見境なく暴れ回るためではなく、寧ろその逆の目的のため。 忌むべきあの力を乗りこなし、人の心で以てクウガを巣くう獣を鎮めんとする為に。 力でしか力を制することが出来ないというのなら、ジョーカーという運命さえ越えて自分がクウガに彼自身が望む姿を思い出させてやろうではないか。 かつて剣崎にそうしたように、或いは記憶の中の剣崎が、先ほど自分を再び仮面ライダーにしてくれたように。 仮面ライダーは自分自身にだって、打ち勝ってみせる力を持っているはずだから。 「――ウオオオオォォォォォォ!!!」 大きく高く、そして強く、カリスは天に向け叫ぶ。 まるで肺を突き破り喉を引き裂かんとするようなその絶叫は、まさしくこの身体の奥底から湧き出る本能の体現だ。 心臓が不自然なリズムを奏で、全身から汗が噴き出し瞳孔が拡散する。 まさしく人の身ではない存在であることを示すようなその変化を、しかしカリスは……否、始は受け入れる。 かつてその身を自由自在に変化させられるアンデッドを相手に、ジョーカーの姿を囮に使ったのと同じく、上級アンデッドのカードと強い意思があれば、この死神の姿とて乗りこなせないものではない。 少なくとも剣崎達との絆を深め、自分が人間だと信じる今の始にとって、あの姿はもうかつて怯えていたほどの脅威には感じられなかった。 咆哮する始の意思に従って、その身が緑と黒のカミキリムシのような姿に変わる。 死札ではなく、切り札として立ったその瞳に宿るのは、確かな人の温かい情。 その心には未だ相川始の思いが根付き、力に支配されることのない変わらない思いが、クウガを鋭く睨み付ける。 それは、死神と恐れられたジョーカーアンデッドが世界崩壊の運命を覆すため、凶行を繰り返す究極の闇を前にして立ちはだかる姿であった。 新たな強敵の登場に、低くうなり声を上げたクウガを真っ向から迎え撃ったジョーカーは、彼とほぼ同時にその顔目がけパンチを放つ。 クロスカウンターの形で互いの頬を抉ったそれは、それぞれに赤と緑の血を吐かせ、その距離を無理矢理引き剥がす。 相手の拳の威力に、思わずふらつきつつ直ぐさま放たれた蹴りもしかしまた、両者ほぼ同時。 交差した右足に痺れるような感覚を覚えながら、二人の胸にそれぞれ相手の足が到達する。 呻き、またも距離を離した両者の距離がまた0になるまで、そう長い時間はかからなかった。 ――もしも今のクウガに思考能力がまだ残っていれば、この数度のぶつかり合いだけできっと気付いたことだろう。 この相手は、自分と同じ手合いの者だと。 エネルギー源の話ではない。その有り余る攻撃力と回復力に任せ戦闘を行うその戦闘スタイルそのものが、凄まじき戦士となったクウガによく似ているのだ。 だからこそ互いに、相手の攻撃を躱したり防御したりという小細工を弄することもない。 優れたその戦闘続行能力を存分に使ったスタイルで以て、ただひたすらに相手より早く多く拳を振るう。 そんな乱暴な戦い方が、二人の間で今互角の勢いを伴って繰り広げられていた。 この場の誰も知り得ぬことだが、皮肉にも両者はその戦い方だけではなく万全の上での実力もまた、ほぼ互角だった。 かつてクウガと互角に戦った、13体のアンデッドと融合を果たした仮面ライダーブレイドキングフォーム。 それが行き着く先、或いはそうまでして得た力でようやく互角の文字通り規格外がこのジョーカーアンデッドなのだ。 今は互いに大きく消耗しその力をすり減らしているために、かつてのキングフォームとアルティメットフォームの戦いの時のような惨状にはなり得ないが、しかしそれでも本来であればあれと同じだけの被害を周囲に齎すことも出来ただろう。 つまりはそう、橘朔也がそう予想したように、ジョーカーはまさしく凄まじき戦士となったクウガにも敵いうる数少ない存在の一人だったのである。 或いは、キングフォームとアルティメットフォームの戦いがあくまでこの場での様々な恩恵と制限によって互角に保たれたものだと言うならば。 超自然発火能力をも無為にし、純粋な体力と攻撃力でクウガと互角に渡り合えるジョーカーこそ、彼にぶつけるには最高の好敵手と呼ぶに相応しいのかも知れなかった。 「ガアァッ!」 クウガが吠え、ジョーカーを再び殴りつける。 それによって血がまた傷口から吹き出して、ジョーカーの中に眠る闘争本能を強く刺激する。 戦いが苛烈を極める度どうしようもなく高鳴るそれを受けて、思わず彼は歯噛みした。 自分がこの姿でジョーカーを制御できるのは、あくまで短い時間だけだ。 それも、こんな最上の相手と鎬を削るような激闘を繰り広げていれば、その内手綱を握りきれなくなったとしても何も不思議はない。 この場で戦い続けて自分までも暴れるという事態を招いては本末転倒かと、ジョーカーはクウガの振るう腕を脇で挟み込む。 そのまま、思わぬ拘束に身を悶えさせるクウガを抱いて、彼は橋から川に向けて勢いよく飛び込んだ。 高さ数十メートルはあろうかという高さを一切怯むことなく落ちる二人は、そのまま全身を水面へ打ち付ける。 一定の速さでぶつかればコンクリートよりも硬くなるとさえ言われるそれに100kgを越える体躯を衝突させたダメージは、今の彼らには凄まじい衝撃だ。 呻くように少し悶えるが、しかしそれもほんの一瞬だけ。 瞬く間にに怯むことなく立ち上がり、彼らは川の流れさえも無視してひたすら相手に自分の拳を突き立てる為だけに、互いの顔へ目がけてまたその拳を放っていた。 ◆ 「大丈夫かい?間宮麗奈」 「あぁ……私は問題ない」 ジョーカーがクウガを連れて川へ飛び込んだ後、取りあえずの安全を確保したフィリップは、麗奈の元へ歩み寄っていた。 その表情には未だどうしても麗奈を信じて良いのかという疑念が浮かんでいたが、それでも尚こうして生身で近寄ってきてしまう程度には、彼はお人好しなのだろう。 それが分かっただけでも麗奈には十分だったし、城戸真司が目覚めれば必然的に彼の懸念も解けるだろうと、大した心配をすることもなかった。 起き上がり、服に付いた砂埃を払った麗奈は、そのままフィリップと共にGトレーラーへ向かおうとして、しかしその視線の先にもう一つの戦いがあることを認めその足を止めた。 そこにいたのはデルタと同規格らしい仮面ライダーに、この戦いの発端となった圧倒的な実力を持つオルフェノクの二人。 赤い仮面ライダーは信じがたいことに、その戦闘スタイルから見るにあの三原修二が変身しているのようだが、あのオルフェノクの疲労もあってか、今のところは互角にやり合えているらしい。 だがそれでも彼の戦い方は稚拙極まりなく、オルフェノクに対して消耗が明らかに激しい。 どうやらあの形態そのものが彼にとって無理のあるものらしく、デルタに変身している時に比べてもなお彼の動きはどこか覚束ないものだ。 少なくとも、あのオルフェノクを相手にして誤魔化しが効かなくなるのは時間の問題だろうと、麗奈は見切りを付ける。 自分が、行かなくては。 使命感にも似た思いを抱いてGトレーラーとは逆方向へ歩き出した彼女を見て、フィリップは思わずその肩を引き留めていた。 「待て、間宮麗奈。今の君が行ったところで、死にに行くような物だろう」 「そうかも知れん。だが私は――」 「――行かせてやれよ、フィリップ」 突如その場に響いた声に彼らが振り向けば、そこにはさも最初から居たかのような立ち振る舞いで欄干に寄りかかる乃木の姿があった。 恐らくは今までのウカワームとクウガの戦いも遠くから悠々と観戦していたのだろう。 麗奈が死にかけただとか、クウガが暴走して生身の参加者に襲いかかるかも知れないだとか、そんな事は彼にとってどうでもいいことなのだ。 いよいよ彼が仲間として自分の前で取っていた行動は自分の利益の嘘に塗り固められたものだったのだと確信し、フィリップは堪えがたい憤りを覚える。 だがそんな彼の怒り肩に大した感慨を抱く様子もなく、乃木はそのままゆっくりと彼らの前へ歩を進めた。 「おや、だんまりか?まぁいい、それよりも……決着を付けようか?間宮麗奈」 フィリップには興味をなくし、麗奈へ翻った乃木の表情は、余裕に溢れている。 当然だろう、見るからに満身創痍である彼女には、それだけでなく変身手段すらもう残されていないのだから。 だがそれでも毅然とした態度で乃木を睨み付け続ける麗奈に退屈したのか、痺れを切らしたように彼は懐から一本のベルトを投げ渡す。 「――使えよ。それがあればまた、俺と戦えるだろう?」 危なげなく麗奈が受け止めた見覚えのあるベルトに、フィリップは目を見開く。 彼女が今手にするそれは、草加雅人が使用していたカイザギアの一式だ。 恐らくはその辺りで村上が落としたものを偶然拾ってきたのだろうが、入手経緯は大した問題ではない。 今彼が危惧しているのは、カイザを使用した際に装着者に襲いかかる余りに重い代償についてだった。 適合した者が変身しない限り、このベルトは装着者を灰化させその命を奪い取る。 フィリップは勿論、乃木も麗奈も同様に知っているだろうそれを百も承知で、乃木は今彼女に問うているのだ。 死を約束された鎧を纏ってでも、自分と戦う気はあるか、と。 きっとそれは乃木にとって、単なるお遊びに過ぎないのだろう。 先にフリーズを誇示した事で、カイザに変身しようとしまいとお前に待ち受けている運命は同じだと、そう暗に示しているのかも知れない。 だがそんな彼の狙いなど考える必要もないと、麗奈はカイザドライバーをその腰に装着する。 そのままカイザフォンを開き変身コードを入力しようとした彼女に対し、フィリップは思わず彼女の身体ごとその両肩を強く揺さぶった。 「正気か!?それで変身したら、君は死ぬんだぞ!そうでなくても、今の君じゃ戦う事なんて無理だ!」 「いや、どちらにせよ奴にこの状況で私を見逃す気はないだろう。ならば、最後に私はやるべき事をやる」 揺るがぬ意思でカイザフォンを構え、鋭い瞳で自身を睨み付ける麗奈の毅然とした姿に、乃木はしかし小さく嘲笑を漏らした。 「見上げた根性だな、そうまでして俺と戦いたいか?」 「勘違いするな……貴様などの相手をしている暇はない」 「何……?」 麗奈の言葉に、乃木は思わず困惑を露わにする。 あれほど自分との因縁に固執していた彼女が、いきなりそれを切り捨てるとは思いもしなかったのだ。 理解が及ばない様子の乃木に対し、麗奈はゆっくりとその視線を果てない空を見上げるように泳がせた。 「私は間違っていたのだ。掟に縛られず、あの雲のように自由に生きると決めたはずなのに、いつまでも貴様の存在に囚われていた。そのせいで……ようやく手に入れた一番大事な物まで、見失うところだった」 「一番大事な物だと?」 「あぁ、それは私にあってお前にないもの。つまり……仲間だ」 思わず問うた乃木に向き直った麗奈の瞳には、もう迷いなど何もない。 人間としての心をも抱いて生きてみせると宣言したあの時、それを支えてくれた翔一や真司、リュウタロスと言った数多くの仲間がいてくれた有り難さを、自分は忘れていた。 だから昔の因縁に拘って結果として彼らを危険に晒し、龍騎のデッキをも身勝手な戦いで破壊してしまった。 何と自分は愚かだったのだろうと自嘲の念も勿論沸くが、しかしもうあんな事は繰り返さないと麗奈は誓う。 人間の“私”がワームの“私”に託してくれた彼らという存在を、もう取りこぼすことはしない。 その心赴くままに自由に生きる今の彼女にとって、かつての掟などもうどうでも良かった。 「あの間宮麗奈が仲間……人は変わるものだと言うが、まさかワームも同じとは」 「御託は良い、そこを通して貰うぞ」 「間宮麗奈……」 興味をなくしたように道を譲った乃木には目もくれず進む麗奈に、フィリップは思わず声を掛ける。 カイザに変身すると言うことは即ち、避けられぬ死を運命付けられると言うこと。 そんな覚悟を以てまで仲間の為に戦おうとしている彼女の姿は、紛れもなくフィリップの知る仮面ライダーのそれだった。 だが麗奈は、それ以上フィリップに何を言うこともしない。 ただ一つだけあまりにも優しい笑みだけを残して、それからカイザフォンに今度こそコードを入力する。 ――9・1・3・ENTER ――STANDING BY 「変身……!」 ――COMPLETE まさしく最後の変身を紡いだ麗奈の身体に、黄のフォトンストリームが走る。 それは一瞬のうちに防護スーツを形成し、彼女の身体を頑強な鎧に包み込んだ。 呪われたベルトと呼ばれたカイザへの変身を遂げた麗奈に、しかし感慨に耽る時間は残されていない。 今も戦い続ける仲間を救うため、もう宿敵たる乃木に目もくれることもせず、彼女は一目散に戦場へ向けて駆け出した。 「……ハッ」 その背中を冷ややかな目で見つめながら、乃木は何度目とも知れぬ嘲笑を漏らす。 最初にカイザを投げ渡した時は悪い冗談のつもりで、まさか本当に使うなどとは思いもしなかった。 最も、フィリップが何らかの代替案を提示したり、麗奈自身が別の変身手段を使用するようならフリーズで直ぐさま殺そうと考えていたので、漏れた殺気が見抜かれていたのかも知れない。 だが仮にそうだとしても、どうせこの場で自分に殺されて死ぬくらいなら、仲間を救って死ぬ方がマシだとでも言うのだろうか。 それならば本当に彼女も甘い仮面ライダー共に影響されて変わった物だと、称賛の意を送りたいところである。 最も、数多の裏切り者を粛正してきた彼女が今更自由に生きられる道理もないだろうと、嘲笑してやりたい気持ちの方が相変わらず強いのだが。 「乃木怜治……!」 らしくなく思考に沈んでいた彼の背中を、痛いほどに真っ直ぐな瞳が射貫く。 十中八九フィリップだろう。どうやら恨み言の一つでも言いたいらしい。 だが、わざわざそんな泣き言のようなことを聞いてやる必要もない。 勿論、大ショッカー打倒に有能な人材である彼をここで殺すつもりも、一切ないのだが。 ともかく、取り合うだけ得もないと、乃木は彼に振り返ることもなくフリーズを使用してその場を後にする。 そして一人残され、やり場のない苦悶を抱えたフィリップには、もうカイザの戦いを見届ける以外出来ることは残されていなかった。 ◆ 「だああああぁぁぁぁぁ!!!」 ファイズの赤い拳が、アークへ深く突き刺さる。 その威力に呻き僅かに怯んだ王はしかし、次の瞬間には腕を横凪に振り払い、ファイズの顔を殴りつける。 防御の姿勢も取れず吹き飛んだファイズは、得物も持たない素手の戦いでは不利かとばかりに、置き去りにしていたトランクへ駆け寄った。 あれを操作されるのは不味いと本能で分かるのか、アークが妨害の意を込めて触手を伸ばすが、それより早くファイズは反撃の狼煙を上げていた。 ――BLADE MODE コードを受け大剣へと変形した得物で、彼は触手を切り払う。 先ほどまでの勢いが嘘のように一刀の元に触手群が両断されていくのは気持ちの良い光景だったが、これは勿論ファイズとアークの相性によるものだった。 幾らアークオルフェノクが王とさえ呼ばれる強力無比な力を持つとは言え、所詮彼はオルフェノクの範疇から脱してはいない。 王を守り、反抗する者を討伐する為作られたライダーズギアに用いられるフォトンブラッドという元素は、アークにとっても問題なく効果的に作用する。 故にこそアークの攻撃はファイズに余り届かず、逆にファイズの攻撃は全て実際の威力以上の力でアークに襲いかかっているのだ。 無論、それだけの相性による優劣があったところで、オーガギアのオーバーヒートがなければ、その相性差を補ってアークの勝利は揺るぎなかっただろうが。 ともあれ、触手ではファイズには対抗出来ないと判断したアークは、今度は掌から光弾を放つ。 通常の三本のベルトで変身した仮面ライダー程度なら一撃で戦闘不能に追いやれるだけの威力を持つそれを前に、流石にファイズも真正面から無策で受け止める愚は犯さない。 ――FAIZ BLASTER TAKE OFF 急ぎコードを入力し、背部に取り付けられたフォトン・フィールド・フローターユニットが急激に熱せられその身体を宙に押し上げる。 地上で爆発した光弾の勢いさえ利用して急上昇したファイズは、そのまま一気にアークへ向け急降下を開始した。 ――EXCEED CHARGE 入力された指示に従い、ファイズブラスターに光の大剣が構成される。 一撃必殺、フォトンブレイカーの名を持つそれを携えてバーニアを吹かし接近するファイズを追い払うように、アークは次々に光弾を放つ。 だがそれも、エネルギーが充填した巨大な光刃の敵ではない。 光弾を切り伏せ、或いは数発を左右に躱して、ファイズは妨害を意に介することもなくアークとの距離を0にする。 「はああああぁぁぁぁぁ!!!」 遂に、フォトンブレイカーの一撃がアークの元へ到達する。 無論アークとて愚かではない。その直撃の寸前に腕を交差させ、身を焼き切らんとする大剣を拒む。 刹那、拮抗した両者の動きはまんじりともせずその場で停滞する。 バーニアを燃やし剣を切り抜かんとするファイズを相手に、アークはその超常を逸した怪力で以て一歩も退かず応じる。 つまり言うなればそれは、究極の力比べだった。 『555の世界』最強のライダーと最強のオルフェノク、その意地と威信をかけた、文字通り頂上決戦。 互いに咆哮を上げ、全身全霊で以てこれで終わらせると意気込んだこの局面を制したのは、しかしやはりというべきか、より体力を残していたアークだった。 その腕の筋を高出力のフォトンブラッドで焼かれながら、しかしそれでもなお種を統べる王としての威厳で以てフォトンブレイカーを撥ね除けて見せたのである。 敗北し、ファイズブラスターをも手放してバーニアの制御も出来なくなったファイズは、無防備に地面に打ち付けられる 辛うじて未だブラスターフォームの変身は解除されていないが、それでももう今のように俊敏な動きでアークを追い詰められるだけの体力は、彼には残されていなかった。 倒れ伏すファイズとは違い未だ二の足で立ち続けるアークが、その掌を翳す。 今またあの光弾を放たれれば、もうファイズに避ける術は残されていない。 これで万事休すか、と彼が諦めその瞳を閉じかけた、しかしその瞬間。 聞き覚えのある電子音声が、その耳に届いた。 ――EXCEED CHARGE 突如アークの身体が、黄色いエネルギーネットに拘束される。 当然光弾の発射さえも取りやめてそれから脱しようと藻掻くアークにしかし、終焉の時は待つこともせず訪れようとする。 「イイイヤアアアァァァァ!!!」 ファイズの後ろから駆け抜け、一発の弾丸と化して迫るカイザの声に、ファイズは聞き覚えがあった。 というより、最早聞き間違えるはずがないのだ、この場に残る女性は、もう間宮麗奈一人しか残されていないのだから。 光条と化し、アークを貫かんと迫るカイザを思わず拳を握って応援するファイズ。 だが、敵もまたその程度の攻撃で倒れるほど甘くはない。 ブレイガンから放たれたワイヤーネットを物ともせず引きちぎって、アークは今まさにその身体に突貫しようとしたカイザをその豪腕で力任せに振り払った。 ただの一撃が掠っただけでまるで風に揺られる紙切れのように容易く宙へ投げ出されたカイザは、受け身も取れず地面に直撃する。 辛うじて変身は保っているが、しかしそれすら精一杯と言った様子の彼女を見て、ファイズの身体は考えるよりも早くアークの動きを止めるため動いていた。 ――FAIZ BLASTER DISCHARGE 背中のマルチユニットを変形させ、その両肩にブラッディキャノンと呼ばれる二門のエネルギー砲を携えたファイズは、そのままアークに目がけ圧縮エネルギー弾を乱射する。 大凡フォンブラスターの300倍とも言われるその威力を前に、さしものアークすら怯むが、しかしそれも一瞬の話だ。 すぐにその弾丸の雨を物ともせずに立ち尽くし、自身の頑強さを周囲に誇示する。 いよいよ以てブラッディキャノンを全身に浴びながらゆっくりと歩き始めたアークに対し、ファイズの手札も尽きたかに思われたその瞬間、しかし王の進行は突如停止する。 どういうことかと光弾を止め見やったファイズの目に映ったものは、アークを後ろから羽交い締めに拘束するカイザの姿だった。 もう彼女には必殺技を使用するだけの体力も残されていなかったのだろう。 それでもなお自分たちの勝利を掴むために、最後の力を振り絞って再び立ち上がって見せたのだ。 「間宮さん!?」 ファイズの叫んだ困惑に、アークを押さえるカイザがゆっくりと頷く。 言葉もなく、しかしその仮面の下にある麗奈の表情すら読み取れるような万感の意を込めたそれを見て、ファイズにはもう動揺するだけの時間も残されていなかった。 ――FAIZ POINTER EXCEED CHARGE 「うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 絶叫を放ち、ファイズは駆け抜ける。 これでこの戦いの全てを、終わらせる為に。 背に装着するバーニアの勢いさえ利用して高く跳び上がったファイズは、その急降下の勢いのまま、宿敵へ向けてその右足を真っ直ぐに伸ばした。 「――だああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 必死そのものとしか形容しようのない叫びが、周囲に木霊する。 彼の中に残る全ての余力を込めたその蹴りは刹那、凄まじい光量で辺りを包み込む。 誰もが目を開けていられないような閃光の中、それでもファイズは、高く高く叫び続けていた。 ――光が晴れたとき、その場に立っていたのはファイズだけだった。 今すぐにも倒れてしまいたいほどの疲労を押さえ、それでも自分に為さねばならないことをしようとしたファイズだが、瞬間その身から急速に力が失せる。 ――ERROR ファイズブラスターが承認を否定するような電子音声を放つと同時、修二の身からファイズの鎧が引き剥がされる。 システムに無理矢理弾かれたようなその強引な変身の解除に、修二は思わず今まで流星塾生がカイザを使用して灰となって死んだという話を思い出す。 自分がこうしてブラスターフォームに変身出来たこと自体が奇跡のようなもので、自分にもその運命が来てしまったのだろうかと。 だが幸運にも、この変身の代償を受けて灰化するのは、彼ではなかった。 「え……?」 彼が困惑を漏らすのも、無理はない。 今彼の目の前で一瞬の内に灰へと帰したのは他でもない、エラーを吐き出したファイズギアとファイズブラスターそのものであったのだから。 ――修二は知るよしもないが、彼がいるのとは違う『555の世界』においても、似たような事例はあった。 変身一発と呼ばれる発明品により、オルフェノクどころかその因子すら持たないただの人間が、カイザへの副作用のない変身を可能とした時のこと。 カイザギアは問題なく作用しその鎧を人間に齎したが、その代償としてベルトを灰化させたのである。 無論、それが変身一発による効能の一種だと考えることも出来るだろうが、しかしそれをベルトそのものの防衛機能と考えることも出来るのではないだろうか。 そもそも三本のベルトは、オルフェノクによって彼らの王を守る為に作られたベルトだ。 様々な要因が巡り巡ってオルフェノク同士で戦う際に用いられるのはともかく、敵にしかなり得ない人間にただで使わせる意味はない。 もし仮にセーフティとして設けられているオルフェノクか否かを判断する機能を人間が何らかの手段で突破した場合、ベルト自体が自壊するよう作られていたとしても何も不思議はないのだ。 まぁ、大ショッカーがこうした状況を見越した上で首輪にそういったセーフティを設けていたのかは、実際の所はっきりとはしないのだが。 或いはこの現象は、オルフェノクの記号を持つ修二と首輪の機能が噛み合ったために生まれた一種の奇跡だったのかもしれないが、ともかく。 今大事なのは修二がブラスターフォームへの変身を果たした上でもなおこうして五体満足で生還できたという、その事実であった。 ――ERROR どうあれ、今自分が考えても事情が分かるはずもないと思考を切り上げた修二の耳に、先ほど自分も聞いた電子音声が届く。 翻り見れば、ベルトそのものへのダメージでカイザギアが火花を散らし、麗奈の身体からカイザの鎧を消失させるその瞬間であった。 苦悶に喘ぐ彼女に急ぎ駆け寄って上半身ごと抱き起こせば、麗奈はどこか満足げに修二の顔を見上げた。 「三原修二、強く……なったな……」 「間宮さん……」 何とか、彼女も自分と同じように現世に踏み止まってくれるのではないか。 そんな希望を抱いた修二を嘲笑うように、麗奈の皮膚は徐々に灰色に染まっていく。 もう長くないことを知らしめるようなその変化に顔を強張らせる修二の一方で、麗奈はまるで全てを受け入れているかのように儚げに笑った。 「これで……死ぬのは三度目か」 奇妙な人生もあったものだと、麗奈は微笑む。 一度目は人間として、二度目はワームとして、そして三度目はそのどちらでもない“私”として。 それぞれが何から何まで異なる人生だったが、麗奈にとっては、この三度目は今までと比べ特別異なるもののように感じられた。 人間とワーム、それぞれの種族に殉じた今までと違い、今回はそのどちらでもない“私”として生きたのだ。 種としての誇りや記憶など関係無く、自分自身がしたいことを行ったこの人生は、まさに自由だった。 志し半ばで倒れた一度目や今まで抱いたことのない心地を初めて覚えた途端死んだ二度目と違い、三度目である今回は自分がやりたいことをやりきったとそう言い切れる。 勿論、元の世界に戻り“彼”に会うという目的は果たせなかったが、それでも麗奈の心に悔いはなかった。 自分に自由な生き方を教えてくれた仲間たちを守る為この力を尽くし、そしてこうして一人の掛け替えのない存在を守ることが出来たのだから。 満足感に満ちあふれた表情で空を見上げた麗奈は、その青の中を泳ぐ雲へと、その手を伸ばす。 風に流され、気の向くままに行き先を決める雲たちの動きは緩慢で、まるで本当にあの男のように自由で、そして何より優しかった。 かつて、今の三原修二のように自分を抱きかかえ看取ってくれた“彼”を思い出し、麗奈は先ほどまでとはまた違う笑みを浮かべる。 人間としての私が抱いていた感情が、この私にも伝染したか?それとも或いは、私たちは最初からどちらも……? 取り留めのないそんな思考を、彼女は意図して切り上げる。 これ以上そんな事を考える必要もない。 精々あの男が愛する雲となって、その行く末を天から見届けてやるとしよう。 「大介……」 思い人の名を呼んだのは、果たしてどちらの彼女だったのか。 それを知る術は、もうない。 伸ばしていた手も、そこから先を紡ぐはずだった口も、次の瞬間には灰と化して溶けてしまったのだから。 手に抱いていたはずの麗奈が消え失せてしまったことに、修二はやりきれない思いで拳を握る。 リュウタロスの次は、麗奈だ。 彼ら彼女らを守りたいと思って戦ったはずなのに、結局自分はどちらにも助けて貰ってばかりで守ることなど出来なかった。 だけれども、そんな自分の無力感に打ちひしがれて修二が戦意を失うことは、もうない。 彼らの願いだけでなく、真理や草加の思いをも抱いて戦うと決めた彼に、ここで立ち止まることなど許されないのだ。 涙を拭い、麗奈だった灰の山から彼女の首輪を持ち上げた修二はそのまま立ち上がろうとして、刹那身体に襲いかかる凄まじいストレスによって意識を刈り取られた。 灰化こそしなかったとはいえ、ブラスターフォームに変身したことにより生じた凄まじい力の反動は、そのまま彼の身に襲いかかっていたのである。 クリムゾンクロスと呼ばれる部分から伝わる余剰エネルギーが、容赦なく修二の身体から体力をこそぎ取る。 だが暴力的なまでの疲労感に呑まれ意識を手放そうとも、修二は眠る直前その顔に確かに無念ではなく達成感から来る笑みを浮かべていた。 ――麗奈が大好きだったこの空と雲。 その眩しいまでの青さの中から、突如として一陣の風が吹いた。 それは修二の頬を撫で、そのまま彼のすぐ側に鎮座する灰を舞い上げて彼方へ運んでいく。 飛ばされたそれは何時しかリュウタロスの成れの果てである砂と混じり、何処かへそれらを乗せていく。 じゃれ合うようにもみ合い同化する砂と灰が自由気ままに風に踊り、空へ溶けていく。 それはまるで、リュウタロスが最後に大好きな麗奈を友に会わせるために、待っていたかのようですらあった。 そうして目的を果たした風は、最後に修二の新たな旅立ちを祝福するようにして一際強く吹いた。 感謝と称賛と、そしてこれから先の彼の行く先への激励を訴えるようなそれに、しかし終ぞ修二は気付くこともなく。 次の瞬間にはもう、風は止んでいた。 ◆ 「あぁ、王よ……!」 ブラスタークリムゾンスマッシュの衝撃に弾き飛ばされたアークを抱きかかえて、ローズは半ば懇願するような声音でその身体を抱き寄せる。 王は最強のオルフェノクなのだ、こんなところで死ぬはずなどある訳がない。 ピクリとも動かないその肢体はまるで死人のようだったが、それでもなおローズは王の復活を信じ疑わない。 「貴方は、こんなところで死んではならない。さぁこの身を食らいまた再び――!」 焦りと興奮に加熱したローズの言葉は、しかしそれから先を紡ぐことはなかった。 彼がその復活を乞い続けたその王自身が、その身から青い炎を出して崩壊し始めたのだから。 それは、オルフェノク全てに共通する逃れ得ぬ死の現象。 全ての力を使い終えたオルフェノクが自分自身の身体をその炎で焼き尽くし灰と帰する、村上も寸分違わず知っているそれだった。 ――元の世界ではブラスタークリムゾンスマッシュを食らっても死ぬことのなかったアークが今灰と化したとしても、可笑しいことは何もない。 三本のベルトで変身出来るライダーの容姿には王をモチーフとして取り入れているという逸話から、王がかつて現れたのは周知の事実。 そもそも王を守るベルトの制作経緯からして、復活のため同族を糧とする王を忌まわしく思うオルフェノクが、彼を何度も討ち取っているのは分かりきっている。 史実において幾度となく繰り返された王の死という歴史がここでまた繰り返されたという、ただそれだけの事。 付け加えれば、このアークは仮死状態にあったものを無理矢理入手し財団Xが蘇らせた、言わば急ごしらえの復活を果たした状態である。 無論、その強さに瑕疵こそないが、それでも数年単位をかけその依り代に相応しい存在を見出す本来の復活に比べれば、些か無理も出ようという物。 故に、王は今その身を無慈悲にも崩壊させようとしている。 自身を抱く忠臣が、その光景をどんな気持ちで見ているのかなど、知るよしもなく。 「あぁぁっ……ああああああああああああああああああああああああ!!!!!」 深く、そして絶望に溢れた慟哭が、天を貫くように高く響いた。 ローズの喉から放たれたはずのそれは、しかし本人にさえそう知覚できないほど悲しみに満ちあふれ、橋の彼方にまで轟くような声量だった。 だが、悲観に暮れる彼の元へ駆けつけてくれる仲間は、もういない。 仮初とは言えこの場で得られたはずのそれを裏切り種としての使命に殉じたのは他ならぬ彼自身の決断だったのだから。 その雄叫びは、どこまでも遠くへ、しかし誰に届くこともなく、ただ虚しく響いていた。 149:覚醒(2) 投下順 149 覚醒(4) 時系列順 城戸真司 三原修二 アークオルフェノク 間宮麗奈 乃木怜治(角なし) 小野寺ユウスケ 村上峡児 相川始 フィリップ
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覚醒(2) ◆ ファイズの銀の拳が、宙へ赤い軌跡を描いて敵へと迫る。 必死の形相で放たれたそれは、しかし黄のラインを走らせたカイザの腕に容易くいなされ、躱される。 思わず体勢を崩し、前のめりに倒れかけたファイズを半ば強引に押し上げるようにして、カイザショットの一撃が彼の中腹へと突き刺さった。 腹から空気が吐き出されるような嗚咽を漏らし、ファイズはアッパーカットの直撃に耐えられず宙に殴り飛ばされる。 突然訪れた不可解な滞空時間に彼が困惑を漏らすより早く、その身体は橋へと叩きつけられ、その勢いのまま数度転がった。 腹と背中に走る凄まじい痛みに荒く呼吸をして、それでも何とか立ち上がったファイズは、やはりというべきか目前の敵と自分の実力差を痛感する。 容易に想像出来たことではあるが、所詮ただの人間に過ぎない今の自分と、オルフェノクを統べる企業の長たる村上の実力は、簡単に埋められないほど開いている。 如何に自分が仮面ライダーとして戦う覚悟を決めたとは言え、結局は意識が少し変わっただけだ。 元より揺るぎない戦いの意思を固めていた村上と同じ土俵に立ったところで、素人に過ぎない自分がまともにやりあって勝てるはずもない。 分かっていたはずではあるがやはり現実は厳しいと、ファイズは改めて痛感する。 だが、だからといって彼の中に逃走を選ぶ自分がいるかと言われれば、その答えは否であった。 無論、ベルトを渡して命乞いをしろと叫ぶ声も逃げてしまえと喚く声も、変わらず自分の中には今も存在している。 だがその声に従ってカイザに背を向けるのは、リュウタロスの思いを継ぎ、かつて憧れたヒーロー、園田真理のように誰かを守ってみせると決めた今の自分には、到底出来なかった。 しかしそうして意地を張ると決めたところで、現実問題としてカイザに対抗するための小細工や戦う術は残されているだろうかと、ファイズは辺りを見渡す。 しかし、藁にも縋る思いでの咄嗟の行動でしかなかったそれは、意外にも彼に確かな光明を示した。 ――あれがあれば、もしかすると上手くいくかも知れない。 視線の先に映った見覚えのあるデイパックの中身にファイズが希望を見出すのと、彼が駆け出すのは、ほぼ同時のことだった。 「むっ……?」 怪訝な表情で、カイザは一目散に何かに向けて走るファイズを見やる。 彼が向かう先にデイパックがあるのを認め、それを破壊しようかとも一瞬思うが、しかし自分の思うとおりのものがそこにあるのであれば、寧ろ好都合かとカイザは彼を見守ることにした。 彼にはどうせあれを使うことも出来ないのだし……そもそも、使うだけの度胸もないだろうから。 果たしてそんなカイザの余裕によって難なくデイパックへ辿り着いたファイズは、その勝手知ったるデイパックの中から一つのトランク型強化アタッチメントを取り出した。 ファイズブラスターの名を持つそれは、仮面ライダーファイズをその最強形態たるブラスターフォームへ進化させる機能を持つ。 無論、彼がその所在と能力を知っていたのは、偶然ではない。 何せこのデイパックは、先ほど彼が看取った無垢な魔人、リュウタロスのもの。 彼と共に支給品を確認しその説明も読んでいた彼にとって、ファイズを纏う今それはまさしく危機打開の為の切り札に違いなかった。 だが勢いに任せブラスターへ起動コードを打ち込もうとしたファイズに対し、響いたのはカイザが彼に制止を呼びかける声だった。 「――無駄ですよ、貴方ではそれを使うことは出来ない」 思わずカイザへ向き直ってしまったのは、それを告げた彼の声が焦りや恐怖とはほど遠い余裕が滲むものだったからだ。 恐らく、彼は本心から確信しているのだ。 自分ではこのブラスターを使うことも出来ず、もし仮に使用しても灰化して死ぬだけだと。 そしてそれは、ファイズとて今までの様々な要因から、既に理解している。 そもそも、本来であればオルフェノクしか使用出来ないはずのこのライダーズギアなど、自分には元より過ぎた力なのだ。 名護からの情報で知ったが、やはり自分の想像通りにオルフェノクだったらしい乾巧なら、問題なくこの強化アタッチメントも使用出来たのだろう。 だが人間である自分では、カイザに変身した他の流星塾生のように変身を解除した瞬間に灰化してしまうばかりか、恐らくこれを利用した変身すら叶うまい。 もしそれでも変身を断行すれば、この身に走るフォトンブラッドが鎧や力の源としてではなく、過ぎた力として牙を剥きこの身を一瞬で滅ぼすのだ。 思わず抱いてしまった未来の有り得る形に身震いし、トランクへと伸びていたファイズの手が迷いに垂れる光景を前に、カイザは予想通りだとばかりに一つ笑った。 「……安心してください。先ほどはああ言いましたが、それがあるなら話は別だ。ファイズギアと共にそれを渡してくれるなら、貴方の事は見逃しましょう」 ファイズブラスターを指さしながら、カイザはまるで宥めるように言う。 猫撫で声とも形容出来るだろうそれは、恐らくファイズがその提案を拒否するはずがないという確信に満ちている。 そして事実それは間違いなく、この状況ではこれ以上ないほど魅力的な話だった。 世界存亡をかけたこの殺し合いにおいて、村上は敵ではない。 ここでファイズブラスターを渡すことで、村上という強力な仲間の戦力増強が出来ると考えれば、この手にそんな力があるより余程意味があるのは違いない。 そう考えれば違いないが……それは、あくまで大ショッカーが開いたこの殺し合いのルールに従う上での話だ。 自分にとって、少なくとも今の村上を野放しに出来る道理はない。 間接的とはいえリュウタロスを殺し、これからもあの王とやらと組んで無差別に誰かを襲うのだろう彼にこの力を渡すなど、まっぴら御免だ。 そもそも、このファイズを始めとしたライダーズギアは父である花形から自分たち流星塾生に送られた物なのだから、それを他者に渡すこと自体が今となっては違和感を覚える。 様々な理由を逡巡し、やはり戦う以外に道はないと断じたファイズは、再びその手に持つトランクを胸の高さまで持ち上げる。 今度こそ驚きに僅かばかりその足を退いたカイザを前に、彼は精一杯強がって笑って見せた。 「俺には使えないって?そんな答えは、聞いてないんだよ……!」 それは、今は亡き魔人の――彼の友達の決め台詞。 どんな道理だかは知らないが、自分にこれを使えないとかどうだとか、そんな話はもうウンザリだ。 出来ないとかやれないとか、そんなつまらない答えなど聞いていないのだ。 もしそれが唯一無二の逃れ得ぬ答えなら、そんな運命変えてみせる。 そうだ、リュウタロスも言っていたではないか、『戦いというのはノリと勢いだ』と。 なれば今この戦いにおいて、明らかにノっているのは自分の方に違いない。 強いとか弱いとか関係なしに、“勝たねばならない”勢いを持っているのは、間違いなく自分の方に違いないのだから。 ――5・5・5・ENTER ――STANDING BY 起動コードを承認したファイズブラスターが、人工衛星へと要請を送信し変身シークエンスを開始する。 指示に従い、ドライバーからファイズフォンを引き抜いたファイズは、しかし刹那カイザの嘲笑を耳にした。 呆れているのだろう。自暴自棄になって、拾える命を捨てた愚か者だ、と。 だが、ファイズは投げやりになった訳でもなければ、分の悪い賭けに無策で挑んでいるつもりもなかった。 戦いで死ぬつもりもなければ、勿論カイザに変身した他の流星塾生のように灰になって死ぬつもりもない。 これは、生き残るための戦いだ。 父の真意は未だ分からないが、それでも彼が自分たちを信じて託してくれたというのなら。 修二にとってそれは、心の奥底に眠る勇気を振り絞るのに、十分な理由だった。 ――AWAKENING トランク型アタッチメントにファイズフォンが装着されたのを受け、人工衛星がファイズに向けて強化スーツのデータを転送する。 赤い輝きに飲み込まれて、ファイズは思わずその身を焼くような熱量に身を悶えさせる。 全身を迸る赤いフォトンストリームが彼の全身を満たすように出力を上昇させ、フォトンブラッドの力がスーツを装着する修二にも襲いかかったのだ。 乾巧のそれとは違い一向に強化形態への変身を完了しないファイズに向けて、カイザは哀れみをも秘めた視線を向ける。 帝王のベルトにすら及ぼうという力を誇るあの赤いファイズを、唯の人間如きが使える道理などないのだ。 ともかく、この男が灰となった後にファイズギアとファイズブラスターを無事に回収できれば、それでこの場は良しとしよう。 そんな風に油断したカイザが、しかし瞬間その瞳に映した物は。 決して耐えられぬはずの熱量にファイズが順応を始め、徐々にその姿勢を真っ直ぐ正そうとする、その信じがたい光景だった。 「馬鹿な……」 思わず、驚愕に声が漏れる。 因子を埋め込まれた人間は愚か、並のオルフェノク程度では一瞬で身を滅ぼすはずのそれを、今彼は纏おうとしている。 それは自身で帝王のベルトを纏い、その力を身に染みて実感したカイザにとって、最も受け入れがたい光景だった。 言葉を失い傍観するカイザを前にして、ファイズは大きく吠えてその身体を天に向けて真っ直ぐに伸ばした。 それで以てスーツを転送出来るだけの準備が整ったと判断したか、降り注ぐレーザー光線はより一層の輝きを伴って彼の姿をいよいよ覆い尽くし、世界を光で包み込む。 刹那、離れた場所で事の顛末を見守っていたカイザですら直視できないほどの光量が、ファイズドライバーへ収束していく。 そして光が収まるその瞬間、彼の視線の先に立つのは最早通常のファイズではなかった。 全身に赤いフォトンブラッドを漲らせ、不要となったフォトンストリームは全身に自壊制御装置となって黒いラインを走らせる。 背中には巨大なバックパックを背負い、より重厚な印象を抱かせるその全身が、灰化することもせず直立していた。 ――仮面ライダーファイズブラスターフォーム。 ファイズの最強形態にして、三本のベルトでありながら帝王のベルトすら凌駕する強度を誇る『555の世界』最強のライダーが、今そこに君臨していた。 「有り得ない……こんな事など……!」 しかし、その雄々しい姿に苦悩と苛立ちを覚える者が、ここに一人。 労せず手に入るとばかり思い込んでいたファイズ究極の力を、他ならぬただの人間風情が纏ったことに、カイザは憤りを隠しきれない。 こんな事は間違っていると示すために、彼はその激情のまま自身のベルトへと手を伸ばした。 ――EXCEED CHARGE カイザショットへとエネルギーが充填されるのを待たず、カイザは駆け抜ける。 今のファイズは奇跡にも近い偶然で無理矢理成り立っている張りぼてに過ぎず、自分が力を加えればすぐに崩壊する儚い幻想なのだと、そう証明する為に。 だが悲しいかな、我を失い直進するカイザは、ファイズにとって格好の的でしかなかった。 ――1・0・3・ENTER ――BLASTER MODE ――EXCEED CHARGE 流れるような手つきでトランクへコードを打ち込んで、ファイズは大砲のような形へと変形したそれを両手で構える。 次いで再びENTERキーを指で押し込めば、銃口へ充ち満ちるは今までに感じたことのないような高密度のエネルギー。 手に持つ力に恐れを抱くこともせず、彼がトリガーを引き絞れば、放たれたのは一発の弾丸……否、砲弾。 フォトンバスターの名を持つその一撃へ向け、カイザは思い切り拳を振るう。 まるで自分の方が種としても個体としても優れているのだとそう叫ぶように伸びた拳は、しかしカイザの意を汲むことはなく。 ほんの一瞬の拮抗も許すことなく、彼の拳を打ち破りカイザの全身を蹂躙した。 「ぐわあああぁぁぁぁぁぁ!!!」 許容の範囲を大きく超えたダメージに、ベルトが悲鳴を上げ吹き飛んでいく。 それを受けオルフェノクの姿を晒してもなお、フォトンブラスターの勢いは衰えることを知らない。 橋の中腹を削り、ローズの身体を引きずりながら、彼が偶然にもその背を向けていた欄干にぶち当たり無理矢理に制止するまで、赤い輝きは一切の減衰を見せることはなかった。 あと少しで川にローズを放り出せたという局面で砲弾がかき消えたのは、或いはローズの決死の抵抗が齎した産物だったのか。 だがそうまでしてこの戦場に止まろうと意地を張った彼はしかし、今の一瞬で力を使い果たしその意識を手放していた。 未だ硝煙を上げる銃口を見やり、改めて凄い力だとファイズは思う。 身震いするように一つ息を吐いて、ローズに止めを刺すべきかと思案したその赤い躰に向けて、瞬間死角から光弾が迫っていることをファイズは察知する。 ほぼ反射的にそれを躱し、後方で生じる爆炎には目もくれぬままファイズは光弾を放った異形に再び向き直る。 そこにあったのは、今の今まで静観を決め込んでいたオルフェノクの王たるアークが、堂々と立ち尽くし自分へ向けて敵意を剥き出しにする姿。 恐らくは村上の敗北を受け、万全な体調ではないながらもここでファイズを倒さなければ不味いと判断したのだろう。 或いは、元の世界で一度自身を打ち倒したその姿に、彼自身思うところがあったのかもしれない。 ともかく、戦闘態勢に入ったアークへ向けて、ファイズは今一度震える足で無理矢理立ち上がり、雄叫びと共に橋の上を駆け抜けていった。 ◆ ――三原修二程度の人間がファイズの最強形態であるブラスターフォームに変身を遂げたことに、違和感を覚える者もいるだろう。 或いは、通常の仮面ライダーファイズへの変身そのものに不可解を感じる者もいるかもしれない。 無論、元の世界において修二はファイズに変身したことはない。 もしかすれば彼が持つ因子程度では園田真理と同じようにファイズに変身出来ない可能性すらあるし、もし仮にそれが可能なほど因子が適合していたとしても、ブラスターへの変身はまず不可能だろう。 恐らくは当初彼が支給品の中からファイズブラスターを見つけた時考えたのと同じように、或いは先ほど村上がそう断定したように、彼がブラスターフォームに変身するなど、夢のまた夢の話ですらあったはずだ。 だがそれらはあくまで、彼が単身で変身を試みた場合の話だ。 思い出して欲しい。何故ン・ダグバ・ゼバが、剣崎一真と同じように13体のアンデッドと融合したキングフォームに変身出来たのか。 本来であればカテゴリーキング一体との融合が関の山であったはずの彼が、低い融合係数でありながらそれを可能にしたのは、大ショッカーによって細工が加えられていたためだ。 ブレイバックルに、ではない。この会場に、でもない。 彼らが付けているこの首輪こそが、ダグバのキングフォームや修二のブラスターフォームを実現させた要因だった。 彼らが身につける首輪に、変身制限を齎すなどの大きなデメリットがあるのは既に何度も述べられた通り。 だが一方で、首輪を付けていることでBOARDの変身システムを誰もが副作用なく使用出来るようになるというようなメリットもまた、確かに備わっていた。 そのどちらもが突き詰めてしまえば、参加者間の不平等を可能な限り小さくすると言うバランス調整の目的から設けられた機能なのだが、それが上に上げた二例では特に顕著に表れたということだ。 剣崎一真にしか変身出来ないキングフォームが、他の参加者にも扱えるように制限されたというなら、乾巧他一部のオルフェノクにしか扱えないブラスターフォームを、因子を持つだけの修二が纏ったところで可笑しいことは何もない。 他にも、桜井侑斗しか纏えないゼロノスを誰でも纏えたことや、オリジナルですらない海堂直也が帝王のベルトたるサイガを使用出来たことなど、他にも近似例は事欠かないが、それはひとまず置いておくとしよう。 結局の所、今最も重要なのはただ一つ。 三原修二がブラスターフォームへと変身出来たのはこの場限り、それも大ショッカーが彼に与えた首輪を付けている時のみの話であり。 そんな偶然の積み重ねが、ここに奇跡の結晶として再び仮面ライダーファイズの最終形態を顕現させたという、そのただ一つの事実だけだ。 だが、そんな自分の身に起きている理論に基づいた結論など、当の本人は知るよしもない。 だから、彼が今自分に起きている出来事を、どうにか理解しようとするならば。 ブラスターフォームへの変身を問題なく完遂出来るほど、自分のノリが良かった、というそんな身も蓋もない話になるだろう。 だがそれで起きる問題は、詰まるところ一つもない。 彼が今ブラスターフォームへ変身出来ているのは紛れもない事実であり――そして同時、彼の友達たる魔人すら文句なしに認めるほど、今の彼はノっているのだから。 二人の友情が齎した勇気とその末に遂げた奇跡の変身に、異を唱えられる者など一人もいなかった。 ◆ 「やめるんだ!小野寺ユウスケ!」 フィリップの悲痛な声が、戦場に虚しく響く。 究極の闇に染まったクウガ本来の優しさを呼び起こそうと放たれたそれは、しかし彼には届かない。 何の感慨も見せず戦いを続けようとする凄まじき戦士の姿を前に、しかしそれでもフィリップは懇願することをやめられなかった。 されど、必死の思い虚しくまたもクウガに殴り飛ばされるウカワームを前にして、彼は遂に無力感に膝をつく。 小野寺ユウスケを助けたいなどと身の丈に合わない願いを抱いたばかりに、自分を庇ってくれた麗奈が今、彼に痛めつけられている。 そして、助けてくれた仲間が実際に傷ついているのと同じくらいに、ユウスケに望まぬ暴力を振るわせてしまったという事実は、強く彼の胸を締め付けていた。 しかし、後悔に暮れ絶望している時間は、もう彼には残されていない。 少なくとも今Gトレーラーをも捨てて逃走の為の経路を取れば、真司と始の命だけは保証されるだろう。 これ以上仲間を失う訳にはいかないと後ろ髪引かれる思いを抱きながら振り返ったフィリップは、しかしすぐ目前に現れた影に足を止めた。 「相川始、退いてくれ。僕の判断ミスだった。今すぐここを離れよう」 始に逃走の意思を伝えるフィリップの顔は、しかし苦しげだ。 やむを得ない選択だったのだろうそれを受けて、しかし始の表情はまだ諦観には染まっていなかった。 「いや、まだ手はある」 告げて始は、暴れ続けるクウガへ真っ直ぐその視線を向ける。 自分勝手な理由で使い潰し、その死を招いてしまったもう一人のクウガへの罪悪感が、彼を安易な逃走から遠ざけているのかもしれない。 或いは、先ほど思考を巡らせる中で、彼へ一瞥をくれてしまっていたこととその意味に、目敏く気付いているのかも知れない。 いずれにせよ、彼という男がわざわざ呼び止めてまでクウガと麗奈を助けようとしている事実は、理由はともあれフィリップの足を引き留めるのに十分なものだった。 果たして様々な思考を抱いて次なる始の言葉を待ち訪れた沈黙へ、彼は一石を投じるように突如それを打ち破る。 「フィリップ……俺の首輪を解除しろ」 放たれたその言葉は、しかしフィリップからすれば意外でもないものだった。 何故ならそれは、先ほど逃走以外に有効的な解決策を模索していた中で、最後の二択に残るほど有力な候補であったのだから。 かつて橘朔也の首輪を外した時と同じように、首輪を解除して変身制限から解放されれば、始の真の力を用いてクウガを抑えることが出来る……それは確かに有効な手だ。 もし仮に始が自我を保ったままジョーカーへと変身し、クウガの変身制限が来るまで戦ってくれるなら。 確かにそれが最も平和的にこの場を収められる術であることは、恐らく疑いようがないだろう。 だが、始の協力を得るのが難しいだろうと飲み込んだその提案を本人から投げかけられてなお――フィリップの表情は、暗く思案に沈むものだった。 とはいえその反応も、始には予想通りだったのだろう。 大した間を置くこともせず、彼は表情一つ変えずに一歩足を進めた。 「……お前の気持ちも分かる。だが、俺があの力を使わない限り、今のクウガは止まらない。……違うか?」 かつて病院大戦で五代を操り敵として立ちはだかった自分が首輪を外す、つまり変身制限を克服することに多大な葛藤があるのは、始とて理解している。 されど、この場で制限を抜きにして考えれば、クウガと互角に戦いうる力を持つのは自分を置いて他にはおるまい。 故に確たる意思で以てフィリップを揺さぶるように問いを投げれば、フィリップは気まずさに言葉を選びながらゆっくりと始へと向き直った。 「相川始、君の言うことは正しい。……だが、今の君の首輪を外す事は、僕には出来ない」 「……俺が、殺し合いに乗っていたからか?」 「正直それも、理由の一つではある。だけど……」 変わらず苦悩するその顔に、フィリップが自身の首輪解除を渋るのは彼の個人的な感情のみによるものではないらしい、とようやく始は思い至る。 もしや、首輪の解除が出来ないのか?いや或いは、彼の表情はまるで――。 一つの可能性に思い至り、まさかと目を見開いた始に対し、フィリップはさも彼の心中を見通したように重いその口を開いた。 「相川始、君の首輪を外すべきかどうか……正直僕はまだ迷っている。だけど、僕は小野寺ユウスケを救いたいし、出来れば犠牲も出したくない。だから、今からする話を聞いた上で……君に、その結論を委ねたい」 フィリップの眉間には、深い皺が寄っている。 きっとその脳裏には、始が敵に回った為に死んでしまった多くの仲間たちへの無念と、それでもなお彼を信じようとした剣崎一真や葦原涼の示した正義が交差しているのだろう。 だからこそ、彼は始を許すべきか否かという判断の最終材料を、これから始本人が下す決断に求めようとしているのだ。 例えその結果として、自分たちにとって強大な敵として始が立ちはだかっても、構わないという覚悟さえ抱いて。 並々ならぬ思いで自分と対峙したフィリップを前に、始は承諾の意を込めて強く頷いた。 それを受け、始自身も中途半端な気持ちで言い出したわけではないらしいことを理解したか、フィリップは戸惑いを飲み込むように始の目を真っ直ぐに見つめた。 「相川始、結論から言おう。君の首輪を外せば……恐らく君たちの世界は崩壊する」 「なに……?」 告げられた言葉は、あまりに予想だにしない衝撃的なものだった。 思わず困惑を漏らした始を前に、フィリップはそれも当然かという様に次々と矢継ぎ早に自身が持っている根拠を提示する。 「説明しよう。まずこの首輪は、大ショッカーが殺し合いの参加者を制限するほかに、その生死を判別するためにつけられている。恐らくは、放送で間違った情報を伝えないためにね」 我が物顔で説明するフィリップへ、何を分かり切ったことを、と怪訝な顔で始は頷く。 だが、これはフィリップにとってもあくまで前提条件の確認のつもりだったのだろう。 特に始の反応を見ることもせず、そのまま次の内容へと移る。 「次に、この首輪は生きている参加者に装着されている間だけ、その効力を発揮する。禁止エリアに置き去りにされた死体の首輪が爆破しないことからも、それは明らかだ」 それは、未だ始が知らない情報だった。 とはいえそれも想像の範疇ではあった為に、彼は大した思考の整理も必要とせずその情報を飲み込む。 「そしてこれは、さっきの放送で名前を呼ばれたのにダグバが生きていたことから分かったことだけど……恐らく大ショッカーは、僕たちが首輪を外すのも一つの戦術として認めているらしい」 今度は、流石に始と言えど飲み込むのに時間が必要だった。 わざわざ変身制限を設ける為この首輪を着けたというのに、首輪の解除を大ショッカーが認めているとは、どういうことか。 その困惑はフィリップとて分かっているのか、彼はなるべく伝わりやすいように言葉を選ぶ。 「まず、この会場には首輪を解析するための装置が幾つも設置されていた。最初は誰か第三者の存在を疑いもしたけど……違う。さっきダグバを放送で呼んだのは決して間違いなんかじゃなく、きちんと確認した上で大ショッカーが呼んだものだったんだ」 「確認だと……?だが奴はあの通り生きていたぞ」 「あぁその通り。だからこそ……戦術の一つ、という訳さ」 大ショッカーがダグバを呼んだのは確かにその死を確認したからだと宣うフィリップに、始は流石に疑問を投げる。 だがそれさえもお見通しとばかりに頷いた彼は、仕上げとばかりに勢いよくそのパーカーの裾を翻した。 「首輪を外した参加者は、死亡したと見なされる。例えダグバのように、爆発に耐えて生き残ったとしても、それは変わらない。つまりこの殺し合いの上では、クウガの世界の参加者は残り一人だけということになる」 「『クウガの世界』の参加者が残り一人だと?――まさか」 「そのまさか、だろうね」 至った一つの可能性に、始は思わず呻く。 首輪をどういった経緯であれ外した参加者は、首輪の機能が停止し死亡したと見なされる。 そして、この殺し合いで死亡するという事の意味は、何も放送でその名前を呼ばれるというだけではない。 つまり――。 「――俺が首輪を外せば、その時点で参加者が全滅したと見なされて『剣の世界』は滅びる……ということか」 最初に述べられた結論へ辿り着いた始に対し、フィリップは強く頷いた。 成程それこそ彼がこうまで自分の首輪の解除を渋った理由であり、同時にその結論を自分に委ねた理由なのだろう。 世界保守を理由に殺し合いに乗っていた自分に、目の前の惨劇を食い止めるためにその道を断つ覚悟はあるのかと、そう問うているのだ。 彼の意図を察した始は、深く思案に沈んだ。 自分の意思さえ失って望まぬ暴力を翳し続けるクウガを止めたいという思いは、嘘ではない。 だが一方で、正直この状況を利用して首輪を解除すれば、後々仮面ライダーたちを全員相手取ることになっても有利に事を進められるという考えが自分の中に存在していたのもまた、確かな事実だった。 だがしかし、この首輪を解除することがそのまま、大ショッカーの言葉が真であった際には愛すべき存在全ての消滅を意味するのならば。 様々な要因によってその言葉の真偽が怪しくなってきた今となっても、始にその選択肢を選ぶことは、不可能に近かった。 そもそも、この会場に来てこの方、自分にとって絶対の目的は自身の世界を守りあの親子や剣崎の守ろうとしたものを守ることなのだから、こんな危ない橋を渡る必要もない。 大ショッカーの打倒を目指しつつ、奴らの言葉が正しいと分かれば仮面ライダーらを裏切り優勝を目指す。 そんな誰からも罵られるような汚い戦い方こそが、自分が誰に何と言われようと世界を守るために選んだ道ではなかったか。 そうして、彼の心の中に潜む冷たい死神が、首輪を外すことなくこの場から迅速に逃走するという自身の答えをフィリップへ告げようとした、その瞬間だった。 ――『始!』 ――『始さん!』 彼の脳裏へ、温かい声が響く。 それは、既に亡き友がいつしか自分へ向けた笑顔と、命を懸けてでも守りたいと感じたか弱き少女の、無垢な笑み。 まるで自身の真意を試すように突如思い出されたそれに、思わず始は動きを止める。 まさしく、彼が人間として生きる中で空虚な死神の中に温かい人の心が宿ったときと、同じように。 冷たい結論を述べようとしていた始の口が、どうしようもなく躊躇に歪む。 冷静な思考ではここで首輪を外すなど性急すぎるとそう分かっているはずなのに、どうしてもそれを言葉にしたくない自分がいる。 ここでフィリップの提案を拒んでしまえば、恐らく何があったとして自分はもう二度と彼ら彼女らに対して顔向けできないと、そう思っているからか。 既に死んだ剣崎は勿論、世界が滅んでしまえばそもそも栗原親子にも、もう生きて会うことは出来ないというのに。 あまりに非合理的な自分自身の思考に混乱を隠し切れず、始は視線を彼方へ彷徨わせる。 ふと見れば、そこには先ほどと変わらずほぼ一方的にウカワームを痛めつけるクウガの姿があった。 先ほどまでのカッシスとの戦いによって負った傷が治り切らない為か、ウカでも防戦一方であれば耐えられる程度にはその迫力は失せているが、それでも脅威であることには変わりない。 対峙するウカ自身かなりの疲労を溜めていることもあって、クウガの変身が解除されるより早く彼女の命が刈り取られることは、まず間違いないだろう。 そう、自分が行かなければ、一人の大ショッカーに反しようとする存在が死に、そしてあのクウガもまた望まぬ殺戮にその手を赤く染めることとなる。 つまりは、誰かの笑顔の為に戦う……そう自分に向け真っ直ぐ言い切って見せた彼の意思をも、踏みにじる事となるのだ。 そうしてまた再び物思いに耽り思考を巡らせた始は、そもそも何故あのクウガにそこまで自分が拘っているのかを考え……そしてすぐに結論に辿り着く。 要するに、自分は重ねていたのだ。 今のクウガと、キングフォームの力に溺れて我を忘れて暴走した剣崎の姿を。 仮面ライダーとして気高い意志を持ち、その力で誰かを守って見せるといったはずなのに、強すぎる力に振り回されるその様は、まるであの時の剣崎の生き写しのようですらあった。 そこまで考えて、始は自分自身に呆れたように、小さく鼻で笑った。 自分は結局、殺し合いでその手を血に染めた今もずっと信じているのだ。 あの時の剣崎のように、仮面ライダーならば暴走する自分自身を抑え込み立ち上がれるはずだと。 力に呑まれ、青臭くも崇高な理想を捨て去る運命など覆せる者にこそその名を名乗る資格があるのだと、そう純に信じているのである。 (運命……か) 思わず過ったその単語に、始はまた思考を深めていく。 運命。つまるところ今のクウガに迫りつつある問題と、自分が選択を迫られている問題は、その言葉で繋がっている。 本来の使命を忘れ無慈悲な暴力を翳す運命を強いられたクウガと、大ショッカーが叫ぶ殺し合いによる世界崩壊の運命を受け容れようとしている自分。 果たしてそれらは、本当にどうしようもない絶対の結末なのだろうか。 いや、違うはずだと始は頭を振る。 そんな絶望を、仮面ライダーは享受しないはずだ。 もし仮に大ショッカーの言葉が正しかったとして、かつて剣崎が高く叫んだようにその運命さえ覆し望む未来を勝ち取って見せるのが、仮面ライダーのあるべき姿だろう。 それこそ剣崎と同じように自分を前にそう宣言して見せた、ジョーカーを名乗る異世界の男のように。 だというのに、彼らのような正義の体現者が変え得る運命を信じつつある自分は、それを何時までも傍観する立場に甘んじている。 世界崩壊という絶望の運命だろうと仮面ライダーが全てを救済する希望の運命だろうと、ただそれに流され甘んじようとしている。 だがそんな風に誰かに与えられた安寧を待つ受け身な姿勢では、きっと何の運命も変えることは出来ない。 ジョーカーの衝動にさえ抗い戦って見せ、ジョーカーが最後の一体になっても世界は滅びないはずだと信じた剣崎のようには、きっとなれないだろう。 ――『始!』 再度脳裏を過る、友の声。 自分は彼に救われ、教えられたはずだ、運命を変える方法を。 それは、運命を変えることは出来ると信じ続けること、そして……運命と、真正面から戦い続けること。 長い思考を終え、始は目を見開く。 無限にも感じられたその時間は、実のところそこまで長くはなかったらしい。 神妙な顔で自身を見つめるフィリップへ向け、始は確かな意思と共に深く息を吸い込んだ。 「フィリップ……俺の首輪を、解除してくれ」 「――その言葉の意味は、分かっているよね?相川始」 「あぁ、だが……仮面ライダーは変えて見せるんだろう?世界が滅びる運命など」 問うた始の表情はまるで、憑き物が取れたように穏やかでさえあった。 彼は決めたのだ。自分もまた一人の仮面ライダーとして、運命を変える為戦う覚悟を。 もし大ショッカーの言葉が正しかったとしても、受け入れがたい絶望の運命は命を懸けてでも変えてみせる、そんなどこの世界にでもいる仮面ライダーの一人として。 彼の揺ぎ無い決意を受け止めて、フィリップはその懐から数枚のカードを取り出す。 それは橘朔也から彼が受け継いだカードの内、クラブスートのJ、Q、Kの上級アンデッドが封印された三枚のラウズカードだった。 突然の譲渡へ怪訝な表情を向けた始へ対し、しかしフィリップはカードを持つ手を引っ込めようとはしない。 「橘朔也が言っていた、多くのラウズカードを持っていれば、君はそれだけジョーカーとしての本能を抑え込めると。だから……君の決断への僕なりの敬意の形として、これを渡したい」 言われて始は、改めて三枚のカードを見やる。 最も自分が欲しているハートスートのものではないが、上級アンデッドが封印されているそれらはジョーカーになった時自分の意思を保つ上で、かなりの効果を持つだろう。 特に、睦月をスパイダーアンデッドの呪縛から解き放ったQとKの二枚は、きっと自分が相川始として戦う手助けもしてくれるはずだ。 「……礼を言う」 短く感謝の念を伝え、始はそのカードを受け取る。 何のこともない譲渡だったが、それは少なくともフィリップにとっての始の存在が、何度他者に裏切られた上でもなお信じるに値する人間だと判断されたことを示していた。 言葉少なくも確かな信頼を交わし合った彼らは、しかしそれからすぐ表情を引き締める。 ウカワームは今もなおクウガの暴力に晒されている。 決死の思いで首輪を解除したというのに全てが終わった後だった、では洒落にならない。 急かすように指示を飛ばしたフィリップに従ってGトレーラーへ戻り、始は椅子へ腰掛ける。 「それじゃあ……始めるよ」 確認するように声を掛け、フィリップは彼の首元へと次々に様々な工具を宛がう。 首輪には様々な種類があると聞いていたが、それに関する懸念は漏らさなかったのは、既に金居のものを解析してアンデッドの首輪の内部構造を知り尽くしていたからだ。 実際に首輪を解除するのは二度目のはずだというのに持ち前の才能で以て手際よく作業を進めていくフィリップの進捗を、始は耳で聞くことしか出来ない。 だがしかし、それでもなおそう長くない後、この忌まわしき銀の輪から自身の首が解き放たれることだけは、彼にも確信出来ていた。 149:覚醒(1) 投下順 149 覚醒(3) 時系列順 城戸真司 三原修二 アークオルフェノク 間宮麗奈 乃木怜治(角なし) 小野寺ユウスケ 村上峡児 相川始 フィリップ
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覚醒術士インテレス ベリーレア 自然 6マナ 5000 ディメンジョン・ウィザード ■このクリーチャーが相手プレイヤーを攻撃してブロックされなかった時、相手の超次元ゾーンからカードを1枚選び、コストの低い方を表向きにして自分のバトルゾーンに出す。そのカードが場を離れる時、相手の超次元ゾーンに置く。 ■このクリーチャーが相手プレイヤーを攻撃してブロックされた時、自分の場のサイキック・クリーチャーを1体選び、裏返してよい。 作者:MorG 覚醒絡めたディメンジョン・ウィザードを1枚作ってみたかったのです。 評価欄に掲示板を設置するのはなかなかいい試みですね。ということで真似させていただきました。すみません。 評価 重いですが能力がシナジーしていていいですね。最近コントロール奪取が流行りのよう? ところで、かなり前に各ページへのコメント欄設置は提案して、管理人様にやんわり却下された記憶が…(^-^; それで実はびくついてましたが、そこまで気にすることはなかったようで。 -- shinofu (2010-10-08 20 42 45) あ、あれ、そんな事・・・言ったかもですね。 えっと、wiki全体として、全ページにつけるのはかなりの労力がかかるかな、と思って却下した気がしますw 勝手につけていく分にはいいと思います。 オリカの評価不足の問題もある程度解消されそうですし。 評価ありがとうございましたー。 -- MorG (2010-10-08 22 03 09) ビート向けの効果なのに重いのが以外と使いづらいかもしれません。高速環境ということも向かい風です…が、効果自体はものすごく強力なのでいかにしてだすか、いかにして場にとどめるか、ですねー -- APOLLO (2010-10-08 22 35 47) ですねー。あまり使いやすくしてもアレなんで、使ってみたくなるぐらいのスペックを目指しました。 -- MorG (2010-10-09 18 33 58) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/pawapuro12/pages/1130.html
・「.hack//Roots」より『亡國覚醒カタルシス』 あああ てちあ ぐなあ むほな ぎうね あほや いらぎ ぐとも こぜし めふれ ざくだ びふむ なるく じびけ かゆほ ふぞぞ りがり ひのさ しむお ずんつ とくけ ぜいす けわぞ ろもと ととば あゆお んちげ てねで ぞずく ぼでか おゆぞ かかき るやひ うずつ べどあ あゆお てぐわ むもす よわば すざへ かふぼ けこや でよむ たけの くまざ はのた まつ
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「お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん……」 ぐるぐると鍋の中の兄達だったものをおたまで回す。 ぐつぐつと煮立つ鍋を焦げないようにするためだ。 かれこれ数時間ほどこのような行為を続けている。 そして、シチューが完成した。 所謂、ジャイアンシチューである。 「お兄ちゃん達……いただきます!」 鍋の両端を掴み、一気食いした。 ……というより、一気に飲み干した。 「お兄ちゃん達を感じる……」 「ヤンデレか!」 ぐちゃッ! という鈍い音が鳴った。 腕がありえない方向に曲がっていた――――トシの腕が、だ。 「なに、これ……?」 次の瞬間、ジャイ子は目を疑った。 死んだはずの兄たちがそこにいて、自分を守ってくれていた。 ついでにブタゴリラとジャイアント馬場とスネ夫もいた。 『いともたやすく行われるえげつない行為(ジャイアンズアタック)』 そして、四人のジャイアンとブタゴリラとジャイアント馬場とスネ夫の同時攻撃が決まったのである。 【三浦敏和@タカアンドトシ 死亡】 ジャイ子は数秒ほどぽかーんとなった。 そして、自分の身に起こった変化にやっと理解した。 「まさか、これが……私のスタンド……?」 『そうだよ、ジャイ子』 『お前は俺らの分も頑張れ』 これがジャイアンシチューの効果である。 『ジャイ子、この殺し合いを止め……いや、そんな大義を背負う必要はないさ』 『せめて、精一杯生きろ』 「お兄ちゃん達………」 兄たちの言葉をジャイ子は涙を流しながら噛み締める。 『悪いな、ジャイ子ちゃん、僕じゃ力になれそうにないや』 『なんで俺まで……俺はただジャイアンポジションに……』 『アッポー!』 「あんたらはいらないや、帰れ」 こうして、ジャイ子はスタンド使いになったのであった。 【一日目・12時00分/日本・熊岡県】 【剛田ジャイ子@ドラえもん】 【状態】覚醒 【装備】スタンド『ジャイアン×4&ブタゴリラ&ジャイアント馬場withスネ夫』 【道具】支給品一式 【思考】 基本:家族を殺した奴を殺す 1:お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱい お兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達がいっぱいお兄ちゃん達……でも、ブタゴリラさんと馬場さんとスネ夫さんはいらないや
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覚醒・未来神クロノス レジェンドレア 必要魔力 30 遠距離 攻撃 防御 TOTAL 親愛度MAX 12580 9928 22508 12000 誕生日 7月8日 身長 妹よりは大きいわ 体重 妹よりは軽いわ 3サイズ スキル 刻越連撃効果 敵の反撃と回避を無効にして、4回連続で極めて大きなダメージを与える 親愛度 コメント 低 にょほほ〜力がみなぎってきおるわ!未来神として完全に覚醒した妾の力…存分に見せてやろうではないか!しかし…急に力を解放したことによる副作用なのか…なんだか、眠くなって…き…て…ムニャムニャ… 中 にょほほ〜未来神として覚醒した以上、未来は全て妾の手の中にあるのじゃ!むむっ…どうやら明日、妾は寝坊をするらしい…よし、この未来を書き換えて…うーん、いっぱい寝たいから書き換えなくてもよいかの…? 高 にょほほ〜見えた、見えたぞ…お主のお嫁さんとなる者の姿が妾には見えたのじゃ!フッフッフ…妾の睡眠時間も今の倍以上にしてくれれば教えてやらんでもないが…え?別に知りたくない?な、なぜじゃ〜っ!? 嫁 にょほほほ〜あくまで未来は自分の手で掴み取りたいというワケじゃな…なるほどのう、惚れ惚れするほどに良い答えじゃ!というか惚れたのじゃ!惚れた男に一生ついていく…どうやら、それが妾の望む未来のようじゃ♪ 親愛度 セリフ 低 中 高 嫁 二人の将来?それはもちろん…今後のお楽しみなのじゃ♪ 見える…二人で幸せな家庭を築く未来が見えるのじゃ! ほほう、今夜は…スンゴイことになりそうじゃの♪ 未来永劫、妾はお主と共に在る!これは約束された未来じゃ! スキンシップ後 朝 朝起きるという未来を書き換えたのじゃ…く〜…ムニャムニャ… 夜 にょほほ〜時空が歪むほどによいチューであったぞ! なでなで 時間をループさせれば毎日このなでなでを味わえるのじゃ♪ その他 誕生日 名前 コメント