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ちゃば日記 6日目『世界で一番優しい猫』 雨上がりの日曜日。涼しい風が吹き、何となく穏やかな気分になる午後。 「......久しぶりだな、此処に来るのも。」 今日は父の日。私は、ちゃばと一緒にお父さんのお墓がある霊園にやってきた。 「みゃぁぅ....?」 「此処はお墓だよ。亡くなった人達が眠る場所。」 とは言っても、お父さんはある事情のせいで此処には居ない。けど、せめて形だけでもと思い墓石は作って貰ったとお母さんは言っていた。 「.....此処だ。」 しばらくして、私達はある墓石の前で足を止めた。”Yuzuru Otowa“.......お父さんの名前が刻まれた墓石。科学者だった私のお父さんは、3年前に事故で亡くなった。それ以来、私は毎年父の日になると、こうして此処まで会いに行っている。優しくて大好きだった、たった一人のお父さんだから。 「......お父さん、久しぶり。今日はお母さんがお仕事で来れなかったけど......代わりにちゃばが来てくれたよ。初めまして....かな?」 ちゃばは不思議そうにお墓を見つめている。人が亡くなるとか、そういう難しいことはちゃばにはよく分からないんだろう。 「ちゃば、これをお父さんの前に置いてあげて?」 私は花束をちゃばに手渡した。ちゃばは目を丸くしたまま、しばらくそれを見つめ.....そして、ゆっくりとお墓の前に置いた。 「うん、ありがとう。きっとお父さんも喜んでくれてるよ。」 ちゃばの頭を撫でながら、私はそう言って笑って見せた。正直、私は今でもお父さんが亡くなったことを受け止めきれずにいる。だけど、此処で悲しい顔をしたらちゃばに心配をかけてしまう.....だから、敢えて明るく振る舞わなきゃいけないと、今日の為に心の準備をしてきた。 「みぃ.....」 「ん?どうしたのちゃば、何でもないよ?」 「んぅ........」 少し不安げな表情を浮かべるちゃば。おかしいな、私の笑顔、取り繕えてなかったかな。 「.....そろそろ帰ろうか、お墓は管理人さんが綺麗にしてくれたみたいだし。またね、お父さん。いつも見守っててくれて....ありがとう。」 私はお墓に向かってそう言うと、再びちゃばの手を引いて元来た道を歩き出した。これ以上此処に居たら余計にちゃばの不安を煽る、そう思ったから。 「.....ん?」 霊園を出ようとすると、ちょうど別の家族とすれ違った。皆喪服を着ていて、少し年老いた女の人が遺影を手にしている。ほんの一瞬しか見えなかったけど、そこには確かに犬が写っていた。 「.......ああ、飼ってた犬が亡くなったんだ....」 その人達には聞こえない小さな声で、私はそう呟いた。ペットも大切な家族だ、ああして手厚く天国まで見送ってあげるつもりなんだろう。 「....うう......シロ.....シロぉ.......」 小さな女の子が、泣きながら愛犬の名前を何度も呼んでいた。きっとあの子にとっても、大切な存在だったんだろう。 「...........」 「....みゃ」 「あっ、ちゃば!」 突然、ちゃばが私の手を離してその女の子の方に向かっていった。女の子も、涙を浮かべたまま驚いてちゃばを見つめている。 「...みぃ、みぃ.......」 「....?なに......?」 「ちゃば、駄目だよ邪魔しちゃ.........」 慌ててちゃばを連れ戻そうとした、その時。 「....あり、がとう」 「........え?」 「し、ろ......ありがと、って.....いってる.......」 しろ......シロ。女の子がさっき呼んでいた、亡くなった犬の名前だ。まさか、ちゃばにはシロが見えているのか.....? 「しろ......し、ろ、ここ....に」 ちゃばはそう言いながら、何もないところを指差していた。私には何も見えないけど、ちゃばの目には見えているのかもしれない。亡くなって、魂だけになったシロの姿が。 「......ふふ、あははっ..........」 すると、女の子は泣き笑いの表情を浮かべて、その方向に向かっていった。 「こんなところにいたんだ.....シロ..........私の方こそ、ありがとう.......♪いつまでもずーっと、大好きだからね............♪」 「.....ゆ、優花ちゃん?そこに何か居るの?」 「ううん、何でもない。行こ、お母さん。」 女の子にも、きっとシロの姿は見えていなかったと思う。だけど、ちゃばの言葉を信じたから、姿が見えなくてもそこに居ると分かったんだろう。 「あっ。.......あなた、ありがとう。最後にシロと話せて、嬉しかった。」 「みゃぅ....みぃ......」 「えへへ♪じゃあね!」 すっかり元気になった女の子は、ちゃばに手を振りながら家族の人と一緒に霊園へ入っていった。 .................. ................................ 「.....ちゃばは猫だから、人間には見えない何かが見えたのかな。」 後日、私は霊に詳しい久乱さんにその時のことを話した。 「その可能性は十分ありますね.....たとえ姿そのものは見えていなくても、同じ動物同士だからこそ感じ取れる何かがそこにあったのでしょう。」 「そうなんだ.....犬の言葉が分かったのも、ちゃばが猫だから......」 「ただ、真相は本人にしか分からないでしょうけどね。ちゃばさん....猫の言葉までは、私にも理解出来ないので。」 「そうだね。またそのうち、それとなく聞いてみるよ。」 私も、まだちゃばの全てを理解しているわけじゃない。だけど、この経験から一つ分かったことがある。 「ちゃば、ただいま。」 「にゃ〜」 ちゃばが、とても心優しい猫だということだ。お父さんのお墓参りに行った時も、きっとちゃばは私の本当の心境に気づいていたんだと思う。女の子が泣いていた時も、少しでも元気になってほしくてあんな行動を取ったんだろう。 ちゃばは人の心を読み取り、元気付けてあげようとしてくれる、世界で一番心の優しい猫だ。今までの行動は全て、ちゃばだからこそ出来る思いやりの現れなんだなと私は嬉しくなった。 「みぃ?」 「ちゃば。今日はちゃばの好きな遊び、何でもしてあげるよ♪」 「みゃぁ、みゃぁっ!」 私が笑顔を向けると、今度はちゃばも嬉しそうな顔を見せてくれた。私も、ちゃばには笑顔で居てほしい。だから、せめてちゃばの前では、もう暗い顔は見せないようにしよう。
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ザッ。 ワシらは、再び都の入り口へとやって来ていた。 しかし、何かがおかしい。 ワシらが撤退したつい数時間前まで、 都の中は大騒ぎになっていた。 それはそのはず、都を治めていたお代官が 化け物だったとあれば皆逃げ出そうとするじゃろう。 しかし今はまるで人がいなくなってしまったかのように、 都は静寂に包まれていた。 まさか、大仁田の奴……この都の住民たちを、 全て喰らい尽くしてしもうたのか? いや、全員を食うには流石に時間が足りんはず。 では、これは一体どうした事じゃ……? 「どうする、猫。いきなり予想とは違う事態だが……」 「行くしかなかろう。ここまで来て、退く訳には行かん。 何かあるにしても突っ込んで強行突破する。 なに、ワシらならすぐに死ぬ事はないじゃろ」 「また力技でござるな……。 しかし、策を練り直している暇もなさそうでござるな。 今回は、そこの脳筋の案に乗ったでござる」 「おい、誰が脳筋じゃ誰が。 ワシは単純かつ明快な突破方法をしっかり考えてじゃな」 「ぐだぐだ言い争ってねぇで行くぞ!!こうしてる間にも 誰かが食われてるかも知れねぇんだろ!!」 「お、おいおい、待つでござるよ彼岸花!! 拙者も行くでござる!!」 ダッ、と彼岸花が一人で駆け出し、 それを追いかけてござる鼬も走り出す。 まずいの。このままでは皆散り散りになってしまう。 各個撃破されてしまうのだけは避けねば……!! 「はーい、皆さん落ち着いて下さいね。 勝手に一人でどこかへ行かない。団体行動の基本ですよ〜」 シャンッ、と後ろから音が鳴ったと思うと、 『何か』がワシらの身体を通り抜けて行くのを感じた。 目を凝らして見ると半球状の薄い膜のような物が ワシらの周りを覆っている。 お構いなしに走って行こうとする彼岸花とござる鼬は、 『それ』に正面からぶつかって尻餅をついた。 「いでぇッ!?なんだこれ!?」 「ぬっ……これは……! 陰陽師!其方の仕業でござるか!」 「いかにも。これはわたくしの術のひとつ、 『絶対不可侵領域』。わたくしが許可した者以外、 この空間から出る事も入る事もできません。 皆さん、足並みを揃えて行きましょう。 調子を乱されてしまえば相手の思う壺。 心を落ち着かせ、心頭滅却すれば鬼も神も 赤子同然。さぁ、参りますよ」 うーむ……この娘、想像以上に強かじゃの。 何より、妖に囲まれて神と戦いに行くという 非常事態にありながら泰然自若としておる。 まだ若いのに、心の強さはまるで歴戦の勇士のようじゃな。 それにしても、『絶対不可侵領域』か。 こんな強力な結界を軽々と扱えるとは、 暁星家……侮れん力を持っておるの。 錫杖をシャンシャンと鳴らしながら、光を筆頭に ワシら即席の軍団は少しずつ人気のない都を進んでいく。 そして、都の中心部───先程までワシらが戦っていた、 彼岸花の処刑台にやって来た。 そこには……。 「遅かったですねぇ。皆さんお揃いで。 いよいよ覚悟は決まったという訳ですか?」 鬼ではなく、人間の姿に戻った大仁田が 煙管をふかしながら優雅に腰掛けていた。 しかしワシらの目に入って来たのは、 余裕を見せる大仁田の姿ではなく……。 「……やってくれたのぉ。 住民たちがいないのはおかしいと思うたが」 処刑台の周囲に、まるで廃人のように蠢く かつての住人達の姿があった。 狐が消えた今、人々の心は妖術で操り放題。 これまでのような生易しい洗脳ではなく、 完全に己の奴隷にしてしまったと言う訳か。 こやつ……ここまで下衆であったとはな。 いや、今更か。 子供の命など何とも思わぬような奴じゃからな。 「元・神様が聞いて呆れるのぉ、大仁田よ。 人間なぞ、己のための道具でしかないと言う事かの?」 「……知っていましたか。はっ、妖風情が 随分と人間に肩入れするのですねぇ。 我々人外にとってヒトなどエサでしかない。 そこらの獣と何ら変わりはないでしょう。 人間だけを優遇するのはむしろ差別に当たります。 全ての命を平等に扱ってこそ、神の所業と言うものですよ」 「抜かせ。オヌシのやり方は明らかに人間への 憎しみに満ちておる。 オヌシがなぜ神から鬼へと堕したのかは知らんが、 人間に何かされたのじゃろう?個人的な恨みで 動いとるくせに、な〜にが『神の所業』じゃ」 「……………………」 大仁田の顔から余裕の笑みが消えた。 煙管を捨ててスッと立ち上がる。 カカカ、今の挑発は効いたようじゃの。 今のこやつは再び『人々からの信仰』を手に入れた、 神に近い存在。 覚悟して挑まねば……。 「オオオオオオオオオオ………!!!」 メキッ、ビキ、バキッ……!!! 擬態である人の姿は消え去り、 奴の真の姿……巨大な鬼が姿を見せる。 しかし、その風貌は明らかにこれまでとは異なっていた。 筋肉はさらに盛り上がり、あちこちに棘が生え、 黒くうねった髪は背中まで伸び、 鋭い角は天を衝かんばかりに長く太くなっている。 これが「ただの鬼」じゃと? そんな生易しいものではないぞ……!! 「ははははは!! 力が漲る、かつての私に迫る勢いだ……!! 貴様ら小蝿など一捻りしてくれよう!!!」 大仁田はいきなり全開と言わんばかりに、 "夜"の妖術を詠唱し始める。 先程よりも明らかに速度が上がっている。 妖力が強くなっているからか……!! じゃが、今回はこちらにも対抗策がある! 「全くうるさい鬼さんですねぇ。 せっかくお天道様が照らして下さっていると言うのに、 夜にしようなんて不届きです。 ─── 『晴天 天照』!!!」 カッ!!!!!! 大仁田が"夜"を展開した、直後。 光の術がそれを切り裂いた。 眩い陽の光が辺りを暖かく照らし、 ワシらの身体に力が満ちていく。 この術は……ただ闇を打ち払うだけでなく、 味方に妖力を分け与える効果まであるのか! 「な、なんだこれは……!! 小娘、貴様何をした!?」 「見ての通りです。闇を祓い、 光をもたらすわたくしの術、『晴天 天照』。 ……あぁ、自己紹介がまだでしたね。 わたくしは暁星光。以後、お見知り置きを」 ぺこり、と丁寧に頭を下げる光。 うぅむ、戦いの中でも自己紹介を忘れぬ余裕。 将来さらなる大物になりそうじゃ。 「おのれ……人間如きが私の闇を消し去るなど…… そんな事があってはならない!! 私の前から消えろッ!!!」 巨大な拳が光を襲う。 しかし光は動じる様子もなくするりとそれを躱す。 狐と同じく、力任せの相手をあしらうのは 得意なようじゃな。しかし、油断は禁物。 油断した狐はあやつの奥の手の前に敗れた。 まだこやつがさらなる手を隠している可能性は 捨てきれんからの。 「ほれほれ、小娘だけに構っておって良いのか? ワシらもおる事を忘れるなよ」 光に執心する大仁田の隙を狙い、 襟巻きを変形させた剣で腕や足を斬りつける。 流石の硬度じゃが、全く傷付かないわけでもなさそうじゃ。 これなら攻撃を続けていればいずれは……。 「鬱陶しいと言っている。 貴様らはこいつらの相手でもしていろ!!」 ズォッ、と大仁田の身体から再び闇が出現する。 しかし今度は空間を飲み込むのではなく 地面に広がっていき…そこから『何か』が顔を出した。 これは……小さな、鬼?! 「私に部下が1人もいないとでも思ったか? 小さくても鬼は鬼、舐めてかかると痛い目を見るぞ」 「キイィッ!!」 言葉を持たないらしい小鬼は、 牙を剥き出しにして襲いかかって来た! 「ふっ!!」 咄嗟に爪で喉笛を切り裂いた。ドバッと青い血が溢れ出す。 しかし……効いてはいるものの、即死はしておらん。 さらに、死なない限りは殺意剥き出しで 攻撃し続けてくるようじゃの。 これは見た目以上に厄介じゃぞ……! 小鬼は無数に闇から湧いて来ている。 「この……放すでござるよ!!」 ござる鼬もまた小鬼に苦戦していた。 苦無で次々に小鬼の身体を切り裂いているが、 奴ら再生能力まで持っておるのか、 全く怯む事なく次々にござるの身体に掴みかかって行く。 「卑怯者め!! 部下など使わず正々堂々と戦ったらどうだ!!」 「ふん。私と戦うのに五人も六人もぞろぞろと仲間を 連れて来た貴様らに、そんな事を言われたくはないな」 うむ。ごもっとも。
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それいけ!お天気娘ズ タグ一覧 エピソード 新たなる装備 「……はぁ、ちったあ手応えのあるガキが見つかったっていうから遊びに来たのにこんなもんなのね。」 そう悪態をつきながらコツコツとヒールの音を立ててバブル時代を思わせるような服装の女が言った。 「ぐぎぎ…力、使いすぎちゃったかな…?」 旭は悔しそうに零す。 「見たとこアンタが一番パワーがあるみたいね。だがそれに見合うガッツが足りないわね。少しはこの渇望のアンジュ様を見習うことね?」 偉そうなことを言いつつも旭を足で小突いている。 「やめろぉ!!」 「ライジングちゃんに何すんのっ!」 セツカと五月も死力を振り絞って旭のために立ち向かった。 「いいわねぇ、女の子同士の友情って。その友情を壊すことの次くらいには。」 2人の攻撃を軽く受け止めそのままの勢いで放り投げた。 「アンタたちの女児符号、もったいないからアタシたちマーベラスマッドネスがいただいちゃうわね。」 「女児符号をいただく…?そんなことができるんですの?」 嵐華が疑問を投げかける。 「あぁ…それはね…」 「っ!!何かが近づいてくるよ!!」 アンジュの答えを遮るように兎羽が叫んだ。 視線の先には猛スピードで突っ込んでくる一台の車だ。 「俺の娘に何してくれとんじゃ!!!!」 「……お父さん!!?」 そう、研究所帰りの旭の父、暁星明斗である。 「キミが明斗ちゃんの娘さんだね!?これをいますぐ使ってくれたまえ!」 同乗していた理花が咄嗟にベルトを投げた。 「まずはそれを着けて女児符号を使ってみるといい、あとはキミなら分かるはずだ!」 「ふん、そのガキなら今は燃料切れ。何の役にもたたな……!?」 何やら分からぬベルトをつけたところでと高を括っていたがアンジュの目論見ははずれた。 「お父さんの前で!かっこいいところを見せたいっっ!!」 ベルトを装着した旭は女児符号『暁天』を発動させた。するとその力を検知したのかベルトも輝き出した。 『女児符号を検知しました。』 「うおっ!?ベルトが喋った!?」 『私は永栄理花によって開発された女児符号を元にその符号保持者に適した装備を生み出すデバイスです。』 「ってことは何かいいもん出てくんの!」 『マスター認証……マスター名「暁星旭」を認証。これよりマスターにふさわしい武具を精製いたします。』 ベルトから更なる光が溢れ出てそれが腕にガントレット、脚にはブーツとして形作られていった。 黄金に若干オレンジかかったその装備には旭のトレードマークである太陽のシンボルも刻まれている。 『武装名「アウローラ」準備完了です。』 「なんだかすごい力が漲る、これなら負けないっ!!」 負けかけていたアサヒの闘志が再び燃え上がる。 「ふんっ、たかがブリキを身に纏った程度で何が変わるもんかっ!」 変わらずアンジュも攻めるがそのスピード、パワーは先ほどのものとは計り知れないものとなった。 「一気に決めるっ!暁天烈弾・極光-ライジングブラスト・アウローラ-!!」 「ぐっ…このままでは数で不利な上ゴリ押しで負ける…ここは一旦退却だよ!」 旭の攻撃が当たる直前でアンジュは大量のお札を目眩しにしてこの場から消え去った。 「渇望のアンジュ…あんなへなちょこマーベラスマッドネスにあんな強いのがいるなんて」 「まあライジングちゃんとこのベルトがあればなんとかなるか、がはは!」 「それはライジングちゃんだけの力ではありませんわ!」 「そーだよ、ライジングちゃん私たちもいるでしょうが!!」 「ま、旭がぜーんぶ相手してくれるんならワタシも楽できるけどな!」 「それなら楽々だー、わはは。」 お天気娘ズたちは怒りつつも呆れつつも旭に対してツッコミをいれている。 「がははは…ぐぇ!!?か、身体がしんどひ…」 「旭ちゃん、これはキミの女児符号をより酷使するものだからそりゃ身体もいつもの3倍くらい疲れちゃうんじゃないかな?」 「いでででで、そういうことは早く言って…ってか助けてもらったけどあなただあれ…?ギャフン」 大きな力には大きなダメージが伴うそう思いながら旭はその場で倒れこみ眠りについたのであった。 ………… ……… …… 「あのガキ土壇場になって強くなりやがって…あそこでお金をロスするなんてキーッ!!もったいないことしたわ!!」 アンジュは裏路地を歩きながらキレ散らかしていた。 「まったく、あなたはその傲慢な性格を治さないとまた同じ過ちをしますよ?憐れ憐れ。」 「っるさいわね、マリア。アンタは黙って見ててなさい。」 「はいはい、直接的な戦闘はあなたにお任せしますわ?私は私の好みのやり方であのお天気娘ズたちを絡め取って差し上げますもの…。」 新たなるマーベラスマッドネスの幹部マリアも虎視眈々と狙っている。果たして彼らの目的とはいったい…戦えお天気娘ズ、負けるなお天気娘ズ!
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「私は青陽 美桜です!」 「心を燃やして…いきます!」 プロフィール ✿︎概要✿︎ ✿女児符号✿「心燃え尽きるほど(Heart Heat)」 加速符号「戦火の鼓動(Blazing Beat)」 究極符号「私のこの手が真っ赤に燃える(Over Heat Heart)」 究極符号奥義「煉獄砲(Ultimate Breark Heartful Howling)」 ✿︎経歴✿ プロフィール 本名 セリシール 種族 天使 年齢 見た目11歳ほど 身長 147cm 誕生日 11/28 一人称 私 二人称 あなた 好きな物 イチゴ チョコレート グラタン 突撃 熱血 嫌いな物 撤退 冷酷 ピーマン 趣味 お菓子作り ✿︎概要✿︎ 燃える心の赤ずきん天使。 数千年前、一人の魔法使いの願いによって誕生した。 身近で人間の幸せを手助けするため、普段は狼の獣人に化けて「お菓子工房あおひ」を経営する青陽万里愛の義理の妹、「青陽 美桜」として暮らしている。いちごが大好き。 曲がったことが嫌いで非常に熱い性格。そしてめちゃくちゃうるさい。 符号で物理的にも熱くなる。 お菓子作りの腕前はプロレベル。 ✿女児符号✿ 「心燃え尽きるほど(Heart Heat)」 セリシールの体から湧き出る炎。彼女の感情の昂りによって火力の最大値が増大する。 幸い今のところエイリアンも暴走する機械もいないので専らお菓子作りに便利に使われる程度。 加速符号「戦火の鼓動(Blazing Beat)」 加速符号。炎として湧き出るべきモノを体内で巡らせることで身体能力を爆発的に上昇させる。 人間の状態では使用不可能なので、この力の使用は彼女にとって正体を明かすことを意味する。 究極符号「私のこの手が真っ赤に燃える(Over Heat Heart)」 「戦火の鼓動」のエネルギーを右手に一点集中することでさらに破壊力を高める大技。 マトモに当たれば誰でも無事ではいられない。 究極符号奥義「煉獄砲(Ultimate Breark Heartful Howling)」 両腕を重ねてありったけを込めて放つオオカミ型キャノン砲。 直線上のあらゆるものが気化する。 本人も力を出し切るので眠ってしまう。 ✿︎経歴✿ 生まれてまもなく自らを生み出した魔法使いに言いつけられた「皆を幸せにすること」に関して、彼女は幸せの定義を見つけられず、しばらく悩んでいた。 そして色々な世界を巡り歩くことで、「幸せの定義は人によって違う」と理解し、人間に紛れて彼ら個人個人が幸せになる手伝いをすると決めた。 義姉の万里愛とはお菓子工房を立ち上げるのを手伝って以来の仲。セリシールの正体が人間ではないことを知っている人間は万里愛と彼女の両親、祖父母のみ。
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成城 竜吾 概要プロフィール 人物像 容貌・服装 趣味 錬金術 各作品での活躍登場作品名 関連人物家族 関連イラスト 名前の元ネタ 「ようこそ。ご注文は何に致しますか」 「こまり、怒りっぽいのは治した方がいいですよ」 概要 プロフィール 本名 成城 竜吾 年齢 35 誕生日 5月5日 身長 172cm 体重 65km 一人称 僕 二人称 貴方 好きなもの 料理 嫌いなもの 無謀 趣味 ガーデニング 人物像 料理も錬金術もかなりの腕を持つ成城家のお父さん。紳士的な性格で、こまりの丁寧語で話す癖は彼から伝染したもの。 容貌・服装 かなり目が悪いので度のついたメガネを常にかけている 食堂に出ている時はエプロン姿で、それ以外の時はワイシャツなどを好んで着る。 趣味 ガーデニング。 家であるライブラリの他、食堂の入口にも色とりどりの花が植えてあるがそれらは全て彼が手塩にかけて育てたもの。 錬金術 植物を使った医療系が得意で、成城家は薬に困ることは殆ど無い。 各作品での活躍 登場作品名 関連人物 家族 成城 こまり 成城 弓子 関連イラスト
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アカツキ-明石 月那- プロフィール 愛称 アカツキちゃん、ツキナちゃん 本名 明石 月那 年齢 誕生日 8月15日 身長 151cm 体重 聞くな 一人称 あたし 二人称 君、あんた、○○ちゃん 好きなもの 綺麗なもの、猫、甘いもの、機械、音楽、舞台 嫌いなもの 汚いもの、虫、 趣味 音楽鑑賞、読書、機械弄り 人物像 物静かで、あまり喋らないが基本は竹を割ったような性格 周りの人への協調性が強い 容貌・服装 金髪に少し緑髪が混ざった、緩くウェーブのかかった髪を後ろで一括りにしている トレードマークでもあるメガネ、服装は基本ボーイッシュだが、たまに女児らしい格好もする 女児符号 女児符号 『鏡光打撃』 自分に対するあらゆる影響を反射し、他の何かしらに移し替える、または無効にする能力。 ただし、体力の消耗が激しくなるため連続使用は15分から30分が限界で、それを超えると気絶する。 自分自身に降り注ぐ光を一点に収束させる、というような使い方も出来る。 例)自分に向かって投げられたボールに対して能力を使用すると、そのボールは当たらない、もしくは近くにいた誰かしらに当たる事になる 各作品での活躍 登場作品名 関連人物 家族 明石 悠那 月那の母、青空総合病院に勤務している 明石 風雅 月那の父、××××所属の軍人(一応)兵器開発担当 アナザー アナザーアカツキ 月那の容姿にそっくり、だが髪の色は銀色、瞳の色は赤になっている ただのアナザーでは無いようだが......? 関連イラスト 各作品での活躍 関連イラスト
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「仮定、符号……。御滴ちゃんや純乃ちゃんの符号はすごく強力だなと思ってはいたけど……」 「そう言うこった。自分で言うこっちゃネェが、現実の世界にこんな符号が存在したら、世界のバランスを崩しかねないからナ」 「……雑談はそこまでだ。機人が来ている。 えるは私が守るが、装置を破壊されては マズイ。お前たち、ここの防衛を頼む」 プログラム書き換えには、まだ時間がかかりそうだ。 オレ達のやる事はとにかく機人を装置に近づけない。 それだけだ! 「お前ら気合い入れろよ!行くぜ!!」 ──────────── 私には、何もない。 だから……何かひとつ、この世界に 『何か』を残したかったのかも知れない。 私にとって大切な『何か』は、たった一つ。 幼い頃の、はもはもちゃんとの思い出だけ。 それなら、その思い出を美しいまま、永遠に残したいと思うのは、ごく自然な考えのはずだ。 だけど、世界が。 子供たちが。 ───はもはもちゃんが、それを否定する。 どうして? どうして、私の気持ちは、 誰にも理解してもらえないのだろう。 どうして。 どうして。 どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして …………あぁ、そうか。 私が、それを望んだんだ。 私は、ずっと……………… 誰にも理解されたくなんてない、と。 思いながら生きてきたじゃないか。 だから、誰にも理解されないまま、 最期を迎えるんだ。 この世界は、願いが形になる。 そういう風にできている。 ……だから、この状況は、 きっと、私の望みなんだろう。 ──────────── 「……やった!切り替えができたよっ! これで純乃さんの符号のサポートができるはず!」 「流石だ。ありがとう、える。 後はコイツを起動するだけだが……」 「……あぁ。肝心のヤツが残ってる。 Dr.マッドを放ったまま、オレ達が別世界に 逃げちまったら元の木阿弥だ。 ヤツの禁忌符号で、現実世界は滅んじまう」 いよいよ、この時だ。 Dr.マッドと、最後の決着を付ける! …………………… ……………………………… ………………………………………… 「はぁ、はぁ、はぁ…………」 「はっ、はっ、はっ……どうしたのよ猫。 あんたが息を切らすなんて、雹でも降るん じゃないの?」 「…………そうじゃの。我ながら、随分とまぁ弱くなったものよ。世界線を移動するのに力を使いすぎて、肝心なところでまともに動けんとはな」 「……やっぱり、飛ばされた先から戻ってくるのに相当の無茶をしたのね。平気な顔してたけど、今にも消えそうな状態なんじゃないの?」 「#@@@@@人外のくせに、$大した事はないな°°°°世界を統べる力の前には あらゆるものが無意味になる= \ \ 」 「……あらゆる物だと? それなら、試してみようぜDr.。オレとお前、どっちの力が強いかをよ」 ザッ!! 地上では、のじゃ猫と神楽坂さんが満身創痍の様子で膝をついていた。 一方のDr.マッドは、相変わらず黒い霧に包まれたままだ。見たところ、ほとんどダメージを受けているようには見えない。 化け物クラスの力を持つあの2人を相手に、 1人でここまで圧倒するなんてな……!! 「アナザーはもはもちゃん……!! そっちの準備は、完了したのね!?」 「あぁ。あんた達が時間を稼いでくれた おかげだ。 ───後は、オレに任せな!!」 「|||||お前は、はもはもちゃんじゃない。 アナザー風情が、°°##= はもはもちゃんの名を騙るな」 「……そうさ。オレはオレだ。 はもはもとは違う。 だが……今は、今だけは。アイツの力も、 オレの力に乗せて戦う!!!」 手を、身体の前に掲げる。 拳に力を込める。 そして、アイツがいつもやっていたように。 全力で、叫ぶんだ。 ──────────── 「……ねぇアもちゃん!アもちゃんってば! わたしの話、ちゃんと聞いてる?」 「あー、聞いてる聞いてる。 ……んで、何の話だったっけ」 「んもぉー!!聞いてないじゃない!! だからね、『ヒーローとは一体どういう存在なのか』って話!」 「ヒーローなんざ興味ないって言っただろ。 他人なんかのために命を懸けて戦うなんて、 バカげてら」 「えー、違うよー! ヒーローってのはね……」 「どんな時も絶対に諦めない、みんなに 勇気と希望を与える存在なんだよっ!!」 ──────────── そうだよな。 お前にとってのヒーローは、 そういう存在だ。 なら、オレが。 今こそ、なってやろうじゃねぇか。 「変身!!!!!!」 ゴォッ!!!! 風が渦巻く。 力が、身体の底から溢れてくる。 まるで本当に、その言葉が きっかけになったかのように。 勇気が溢れてくる。 希望が満ちていく。 みんなに、勇気と希望を与える存在。 お前が、そうなれなかったと嘆くなら。 お前が、オレになってくれと願うなら。 今の、オレは!! 「あれ、は……アもちゃんの、あの姿は……」 「ひ、ひ、ひ…………」 「「「ヒーローだぁーっ!!!」」」 ……後ろから、何人かの歓声が聞こえる。 普段なら、ふざけんなと 突っぱねていただろう。 でも今は、不思議と悪くない。 今のオレは、強固なアーマーを 身に纏った姿になっていた。 はもはもがよく使っていた加速符号の1つ、 『天に響け、我が鳴動』。 その能力で出現するスーツに、 よく似ている。 ……そりゃそうだ。 アイツとオレの力が合わさって 生まれた力なんだから。 2人の力が1つになった、継承符号。 名前を付けるとしたら。 「『もう、二度と失わせない、全てを』 (ナッシング・バット・オール) 」 「ア、あ…………その、姿、は…………!」 Dr.マッドがオレの変身した姿を見て、明らかに動揺している。 「あんたは、この姿に見覚えあるよな。 はもはもが一番気に入ってた能力だ。 あいつはずっとヒーローになりたがってた。 みんなに、勇気と希望を与えるんだって」 「°# 勇気と……希望+×^,||\…… はも、はも) "(() ちゃん…………。 あ、アアア…………あああああぁっ!!!」 バチッ!!バチバチバチッ!! 再び、黒い稲妻がDr.マッドを包む。 これで、全て終わらせる。 全てに、決着を付ける!! 「私は…………+××私は…………%°°#!!! アア"あ |^,,-#アアああア"あ!!」 Dr.を包んでいた黒いオーラが人の形になり、 こちらめがけて襲って来る。 「まずいぞアもちゃん!そいつに触れてはならん!!」 「オラァッ!!」 ボゥッ!!! 手からエネルギーを放ち、オーラ人形を消し去る。 「こんなものが必殺技か? 傀儡に戦わせてないで、てめぇ自身で来やがれ!! ケリを付けるぞ!! Dr.マッドおおおおぉ!!!!」 「うぅぅ…………ああああああああああああああああああああああああああああッッッ!!!!!!!」 「おおおおおおおおおおおおおおおおあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」 ほぼ同時に、相手に向かって突撃する。 オレの持てる全ての力をこの瞬間に込める。 だからお前も、力を分けてくれ!! 有葉…………!! (ありがとう、アもちゃん) 声が、 聞こえた気がした ドォッッッ!!!!!! 「ぬぅっ……ぐ……!! なんという力と力のぶつかり合いじゃ……! どうなっておるのか、全く見えん!!」 「……アナザーはもはもちゃん……ッ!!」 「アもちゃん!!」 「アもちゃ───ん!!!」 「………………Dr.…………!」 何も、見えない。 何も、聞こえない。 まるで、無の世界に放り出されて しまったような感覚。 身体が常に浮いているような、 奇妙な浮遊感があった。 (…………オレは………………死んだのか……?) (そう。死んだんだよ) ふと前を見ると、そこにいたのは───。 (はもはもっ!?お前、どうして……って、 …………そうか。やっぱここは、天国なのか) (ふふ。まさかこんなに早く再会できちゃうなんてね。 アもちゃんが戦ってるとこ、 見てたよ。わたしの分まで頑張ってくれて、 ありがとう) (……なんだよ、そんな事言われたら………… せっかく、泣かねぇように我慢してたってのに………… こらえきれなくなっちまうじゃねぇか…………!!) ぼろぼろと、涙がとめどなく溢れて来る。 泣く事なんて、いつ以来だろうか。 誰かに涙を見せるのは、弱みを見せる事だ。 そう信じて、ずっと虚勢を張ってきた。 でも。 今くらいは、泣いても良いんじゃないか。 そう思えた。 Dr.マッドは倒せなかったけど、 オレは精一杯やった。 それなら、少しくらい気が抜けたって、 良いじゃないか。 (んー?アもちゃん、何か勘違いしてない?) (…………あん?なんだよ) (アもちゃんはね、 Dr.マッドに……勝ったんだよ!) (は?でもさっきオレは死んだって……) (うぅん。ホントは違うの。あくまで一時的に魂が身体から抜け出ただけ。仮死状態?ってやつ? ……だから、アもちゃんはみんなのところに早く戻らなきゃ。みんな待ってるよ!) 急に、身体が……いや、魂がぐいっと引き戻される感覚があった。これは……魂が、身体に戻ろうとしてるのか? (待てよ!!オレはまだ、お前に言いたい事が山のようにあるんだよ……!はもはも!!) (だいじょうぶ。きっとすぐにまた会えるよ。 ……アもちゃん、頼みがあるの。 純乃ちゃんと御滴ちゃんに、お礼を言っておいて。 わたしの代わりに) (え……何で、あの2人なんだ? 他にも言いたい奴はいるだろ?) (うん、でもね……あの子達にだけは、 きっと直接お礼が言えないんだ。 だから、お願い) 第10章(前編)へ
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厨房にパンプキンパイの甘い香りが漂います。 ここは喫茶店オウマがトキ---------人外女児の拠り所。 この喫茶店の調理を担当しているアンコが、腕によりをかけてパンプキンパイを作っていました。 「あっつ!」 突然アンコが大きな声を上げました。焼きたてのパイをオーブンから取り出した時に火傷してしまったようです。 「あ~」 でもアンコは気にも止めませんでした。料理をしていれば、これくらいの事故はいつでも起こります。 急いで冷水で患部を冷やしましたが、まだ指先がジンジン痛むようです。 アンコは痛む左薬指を刺激しないようにラッピングする袋とリボンを掴みました。 「今日は魔法の夜だから、オカシな世界にいこ~ 街にイタズラしかけて、とてもワクワクするの♪」 アンコは歌を口ずさみながら翼を羽ばたかせました。 夜の風達がアンコを歓迎し、虫達の合唱がアンコを出迎えています。 ここは夜の青空町---------アンコは沢山のパンプキンパイが入った袋を抱え、それぞれの家に向かおうとしているのでした。 始めにやって来たのは皆からライジングちゃんと呼ばれている女の子の家でした。 どうやらライジングちゃんは友達を呼んで、自宅でハロウィンパーティをしているようです。 窓の外から人数を確認し、その分だけ袋から取り出して玄関に置きます。 チャイムを鳴らして物陰に隠れると、直ぐに玄関が開きました。 「どちら様~?ってあれ?」 ライジングちゃんは玄関に置いてある袋を不思議そうに見つめました。 「どうしたの?」 青色のポニーテールの女の子が後ろから呼び掛けました。 「あ、五月!なんか置いてあって……あ、これパンプキンパイだ!」 ライジングちゃんは袋を開けると、匂いを嗅いで嬉しそうな顔をしました。 「わぁ、美味しい!これ、かき氷味だ!」 「って兎羽!危ないよ!毒入ってるかもしれないよ?!」 兎羽と呼ばれた子は五月という子の言うことを聞かず、パンプキンパイをもう一口齧りました。 「毒なんて入ってないよ!美味しいんだもん!」 アンコはその声に満足したのか、ふわりと浮き上がりました。 ふと、窓の奥にいた少女二人と目が合いました。 灰色の髪をした暗めの少女と、8歳くらいの幼い女の子です。 幼い子が手を降ってきました。アンコはにこりと笑い、手を振りかえしてから空を飛んでいきました。 次にアンコが降り立ったのは、友達にきゅーばんちゃんと呼ばれている女の子の家でした。 きゅーばんちゃんの部屋の窓からこっそり覗くと、二人の女の子がおもちゃを片手にカメラを構えていました。 窓越しに見るその二人は、とても良く似ていました。 カメラで一枚写真を撮り、少しだけおもちゃを動かす、コマ撮りという物です。 アンコは袋から二つプレゼントを取り出し、ベランダにそっと置いて離れました。 と、緑色の髪の女の子が直ぐに窓を開けて出てきました。 「ろくばんちゃん!どうしたの?」 「いや、なんか妙な気配がして」 紫色の髪の毛の女の子---------きゅーばんちゃんがプレゼントに気づきました。 「わぁ!なにこれ!サンタさん?」 「ちがう、サンタさんはクリスマス……」 「あはは、そうだよね!」 きゅーばんちゃんが包み紙を開き、グラスの形をしたパンプキンパイを取り出して見せます。 「でも素敵なサンタさんだよ、季節外れなね」 明日、琲雪ちゃんやイブキちゃん、お姉ちゃんに自慢しよう!と言うきゅーばんちゃんの言葉を聞きながら、アンコは次の家に飛んでいくのでした。 今度は海の近くにある家です。中を覗くと、銀髪をポニーテールにした女の子がいました。 早速プレゼントを置こうとすると…… 「そこにいるのは誰?」 いきなり声をかけられ、アンコはビックリして飛び上がりました。 「あれ、なんかいた気がするんだけどな……おかしいな、まあいっか、むらサメちゃ~ん」 声の主は後にアナザーむらサメちゃんと呼ばれる事になる御柱キオンちゃんです。 キオンちゃんはアンコが落としたプレゼントに気付かず、むらサメちゃんの家に入っていきました。蟹の形をしたパンプキンパイは、こうしてむらサメちゃんに届くことはありませんでした……(次の日、起こしにきてくれた友人の四ツ橋ちゃんが見つけてくれたので、無事にむらサメちゃんの手には届きました) アンコはまだドキドキしながら次の家に向かいました。 「音楽に揺れる白いコたち♪ ロウソクとハートを灯す~ 今宵イタズラしかけて、街をカラフルにする♪」 歌を歌いながら、今度は駄菓子屋の前に降り立ちました。 中には友達から天号ちゃんと呼ばれている子がいます。 アンコはこんこんとドアを叩き、プレゼントを置いて隠れました。 「おやおや、こんな時間に誰かね……」 出てきたのは腰の曲がったおばあちゃんでした。 「おや可愛らしい贈り物、送り主は……ふふ『あそこ』からか。号姫や~らみ子や~」 プレゼントが無事に子供達の元へ届けられるのを見届けると、アンコは四つの翼を広げて飛び立ちました。袋の中は順調に軽くなっていきます。 気持ちの良い風に吹かれながら、次の家に向かいます。今度は冬実さんという名前の家の子、雪乃ちゃんの家です。 「あれ?」 窓の外に、籠が引っ掛かっていました。 その中には美味しそうなチョコレートクッキーが。雪乃ちゃんが作ったのでしょうか? 『お化けさんへ、どうぞ持っていってください』 籠の上にそんな置き手紙がくくりつけられてありました。 「ふふ、ありがとうございます」 アンコはクッキーを一つ摘まむと、梟型のパンプキンパイが入ったプレゼントを籠の中に置いて飛び立って行きました。 次にアンコは、音羽初という名前の子の家に行きました。 窓が空いていて、何やら話し声が聞こえてきます。 「へえ、ドアを開けたらプレゼントが、そんな事があったの」 部屋の主は、誰かと電話をしているようでした。 アンコはこれ幸いと、パンプキンパイを二つ置いて飛び立とうとしました。 「にゃあ~!とり!」 アンコはビクッとしました。猫耳と尻尾を生やした少女が、こちらを見ているのです。 「ちゃば、どうしたの?」 少女がこちらに振り返ります。 「あれ、君は……」 アンコは思わず飛び出してしまいました。 「あ、行っちゃった。でも謎のパンプキンパイの秘密は分かったかも」 初はそう呟き、電話の相手---------ぐれあというあだ名の少女との話しに戻りました。 次にアンコは、薄紫色の髪を一つに纏めた、紫水龍香と言う名前の子の家に向かおうとしていました。 「ん、あれ…?」 ふと下を見ると、その女の子が歩いていたのです。 「珍しい、こんな時間に一人でいるなんて」 アンコはそう呟き、高度を下げました。 「さっきのシードゥス、しぶとかったね」 「ああ、そうだな」 龍香ちゃんはそんな事を言っていました。一人言でしょうか?いえ、その場には彼女以外にも言葉を発する存在がいました。 「ど、どうしよう。見ては行けないものを見てしまった気分……」 アンコは他の人外の存在に、少し戸惑いを見せました。 「いたッ!」 木の影に隠れたアンコは、つい袋を強く握りすぎて、さっき火傷した指を刺激してしまいました。 「誰?!」 少女の鋭い眼光に、アンコは面食らいます。 少女が来る前に、急いでプレゼントを投げ渡す位しか出来ませんでした。 「あれ、これは……」 龍香ちゃんの意外そうな声を耳にしながら、アンコはバサバサと羽音を立てて飛び去って行きました。 次の家に降り立ち、アンコは深呼吸しました。 美味しそうなご飯の香りが鼻を刺激します。そこは定食屋さんの離れでした。家の表札には『嵯峨』の文字が。 アンコは玄関をノックし、プレゼントを置くと、直ぐにそこから離れます。 「姉ちゃん!」 素早く開けられた扉、鳶色の髪を持った少年が飛び出てきました。 「……そんなわけないか」 辺りを見渡して、誰もいない事が分かると、少年はしょんぼりしてしまいます。 「お?」 少年が地面に置いてある二つの袋を見つけます。 「なんだこれ」 アンコはその様子をこっそり伺っていました。あの包み紙には、双子の兄弟の分のパンプキンパイが入っているのです。 「一悟、どうしたの」 唯一の兄弟の声が聞こえ、少年はしばし暗闇を見つめ、プレゼントを置いて家の中に入っていきました。 「別になんでもないよ」 扉を施錠する音が虚しくアンコの胸に響きます。 アンコは悲しくなりながら空を飛び立って行きました。 次で最後の家でした。アンコはベランダに降り立つと、そっと中を確認します。 紺色の髪の女の子が、ピンク色のベッドの上で眠っています。 「あなたで最後」 アンコはそう囁き、それをベランダの隅にそっと置いておきました。 他の人よりも少し大きなパンプキンパイです。 「さよなら、大石愛歩さん」 アンコはそっと空に舞い上がりました。 ~~~~~~~~~~~~~~~~ 「ふぅ、疲れたぁ」 こうして空飛ぶ宅急便は終わりを告げました。 普段あまり運動しないアンコは、肩を回しながら職場に戻ります。 喫茶オウマがトキでは、メローネさんが待っていました。 全身エメラルド色の少女、彼女がアンコに仕事を頼んだ張本人です。 「お疲れ様、ありがとうね~♪」 「いえいえ、これくらい!」 にこやかに笑うメローネさんに、アンコもつられて笑います。 「あ、そうだわ~♪これからお茶会にしましょう。私、お茶いれるわ♪」 「あ、お茶なら私が……」 パティシェの血が疼いて、アンコはそう申し出ました。 「何言ってるの~♪今日の功労者はアンコちゃんなんだから、座って待っててくれればいいのよ♪」 「あ、はい!喜んで!」 「あら?」 紅茶とお茶菓子を持ってきたメローネさんの驚いた声に、アンコはニヤリとしました。 「えへへ、ご注文のパンプキンパイのついでに作っちゃいました♪」 テーブルの上には砂糖菓子で作った緑色の花飾りを堂々とつけた、可愛らしいメロンパイが一切れ置かれていました。 「まあ、とっても嬉しいわ♪」 メローネさんが顔を綻ばせ、アンコはまたにっこりしました。 「皆さんの分もあるんですよ!なんだか作りたくなっちゃって」 ギィィと音を立てて寝室のドアが開きます。中には七つに並べられたベッドに、六人の少女が身を寄せあって眠っていました。 アンコはまるでサンタさんのように、それぞれのベッドの近くにプレゼントを置いていきます。 フロートさんにはブルーベリーで飾り付けた甘さ控えめのミントパイ。 アイベリーさんにはブラックペーパーの刺激を加えて髪飾りのハートをモチーフにしたチョコの 飾りをつけたピリッとしたストロベリーパイ。 シトロンさんには中にトロッとしたカスタードが入った花の形のチョコを乗せたレモンパイ。 マーマレードさんにはスナック菓子のようにサクサクとした食感の、シトロンさんと色違いの花の形のチョコを飾り付けたレモンパイ。 プラムさんにはとびっきり甘い砂糖菓子をつけたとびっきり甘いピーチパイ。 ピオーネさんには星と月の砂糖菓子が乗った甘い甘いグレープパイ。 「うん、これでよし」 全員の枕元にパイを置き終わると、アンコはにっこりしました。 「後は明日来るバイトさんと本屋の二人ね」 アンコはキッチンに戻り、四つパイを置いておきます。 赤と黒の包み紙に入っているのがのじゃロリ猫先輩のパンプキンパイ。猫の形のパイの上に、ウイスキーボンボンが乗っています。 ビビットピンクと濃い紫の包み紙にはくゆりさんの為のパンプキンパイ。蜘蛛の形をしています。 濃淡な青の包み紙に黒白のリボンをつけたのがジュジィさんへのパンプキンパイ。仮面の形をしたパイは、ホワイトチョコとビターチョコの二層になっていて、二人でも楽しめる筈です。 淡い緑の包み紙に薄ピンクのリボンをつけた物は淡雪さんへのプレゼントです。枕の形をしていて、中にマシュマロが入っているので、ふわふわの食感が楽しめます。 「さあ、後は本屋!」 アンコはそう呟き、プレゼントを二つ持って本屋に向かいました。 「あらアンコちゃんじゃない、まだ起きてたの?」 本屋に行くと、まだ起きていたマリネッタが、アンコをからかってきました。 「ええ、そちらこそ今日は随分遅いんですね、お昼に良く眠れたのですか?」 昼寝の件を皮肉ったアンコに、マリネッタは遠くを見るような目をしました。 「明日は満月なのよ」 「ああ…そう……」 思いがけない言葉に、アンコは少したじろぎました。 「で、こんな時間まで何してたの?」 「あ、これ」 アンコはプレゼントを手渡しました。 「もうすぐハロウィンだから、お店の宣伝にパンプキンパイを配って来てくれない?ってメローネさんに言われて」 本当は別の意味もありそうだけど…とアンコは思いましたが、それは黙っておきました。 「私にもくれるの?」 マリネッタの意外そうな声に、アンコは答えました。 「他の皆に作って、貴女だけ作らないわけにはいかないじゃないですか」 「ふーん」 マリネッタは嬉しそうな感じで包み紙を開きました。 それは三日月型のパンプキンパイでした。 マリネッタは口に放り込み、咀嚼して飲み込みます。 「美味しいじゃない。好きよこれ」 「ありがとうございます」 満月の前夜だからか、お互い少し素直に話すことが出来ました。 「それじゃあ、私先輩にも渡して来ますので」 「先生ならまだ起きてるわよ」 「そうですか、……マリネッタさん」 アンコはマリネッタの目を見て言いました。 「明日、もし貴女が狼になったら、温かいココアを淹れにきますね」 先輩は相変わらず本の山に埋もれていました。 「先輩、大丈夫ですか?」 「大丈夫……ちょっと読書しながら微睡んでたら本棚にぶつかっただけだから……」 本の山の底から、先輩の白い腕が見えます。 その白い腕が天井を指差し、くるりと回ると、本棚が元通りになり、床に落ちていた本が本棚に吸い込まれるように戻っていきました。 「…アンコ、悪いけど窓を開けてくれない?今日は一回も外の空気を吸ってないから」 本の山が消えて現れたのは、床につきそうな程長い緑髪を二つに結わえた女性---------この本屋の主です。 主はあくびをし、伸びをしながら言いました。 アンコはそんな先輩に呆れつつ、いつものようにあの言葉を呟きました。 「はい喜んで!」
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佐倉未菜 概要プロフィール 人物像 容貌・服装 趣味 各作品での活躍登場作品名 関連人物 関連イラスト Twitterアカウント 概要 プロフィール imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (キャライラスト) 本名 イルヘルミナ・なんとか 種族 魔女 年齢 ??? 誕生日 4/11(多分) 身長 153cm 一人称 私 二人称 君 好きなもの 幸せ 美味しいもの 嫌いなもの 不幸 趣味 魔法 人物像 保健の先生をする傍ら給食の献立に口を出してくるお姉さん。少なくとも数百年は見た目が変わっていないマジの魔女。 兼任不可だと思われる業務をこなす為、一日が72時間ある、数人に分身している等の噂がある。 健康で美味しい食事を食べられることが人類共通の幸せだと考えている。 容貌・服装 後ろで一つに纏められた銀色のロング、緑の目 カッターシャツに黒のベスト 寒い時にはケープを羽織る 趣味 魔法。趣味というよりこっちが本業。 植物(植物の魔物も含む)を生む魔法と傷を癒す魔法が得意。 各作品での活躍 登場作品名 関連人物 セリシール 関連イラスト 。