約 664,578 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2605.html
前ページ / 豆粒ほどの小さな使い魔 / 次ページ ルイズが今から先生に、魔法について聞きに行く。 昨日のあれ、適当に言ったわけじゃないけど、魔法について何も知らない私の思いつき。 本当は止めた方がいいんじゃないかと、そうも思った。 だけど、真剣なルイズを見てたら、止めるなんてできなくて。 もしも私の間違いだったら、それでルイズが泣くことになったら、許してくれるまで何度でも謝ろう…… * * 「ミスタ・コルベール、お時間を頂いてもよろしいでしょうか?」 「おお、ミス・ヴァリエール、どうしましたか? もしや使い魔のことで何か?」 誰に聞きに行くか、頭に浮かんだのはコルベール先生だった。 ギトー先生は問題外だし、シュヴルーズ先生は、昨日の今日で爆発について尋ねるのは気が引けたから。 「いえ、ハヤテのことではなくて」 感情的になりすぎないように、授業中にノートに纏めたことを思い返す。 「魔法の、失敗についてお聞きしたいんです」 「ミス・ヴァリエール、それは……貴女が努力を重ねていることは、私たちはちゃんと分かっています。ですから諦めずに――」 「違うんです。そういうことじゃなくて、私は、自分がどういう原理で魔法を失敗させているのかをはっきりさせたいんです」 む、と先生が押し黙る。 「私だけでなく、他の生徒たちだって、魔法を失敗することはあります。新しい魔法を習ったときや高度な魔法に挑戦するときは、誰だってそうです。ですが、私の知る限り、誰一人として、私のように爆発を伴うことはないんです」 一息にそこまで言ってから、先生の顔色を確かめる。 私の言ってることが的外れの、ただの現実逃避なのか、それとも考慮に値することなのか。 まだ分からない。コルベール先生にしては、珍しく無表情。 けれど止める気もないみたい。少なくとも、話を聞いてくれている。 だったら続けよう。 「それで、長年教職にあった先生方にお聞きしようと思ったんです。今までの在校生の中に、私のように失敗魔法で爆発を起こす生徒がいたのかどうか。そしてもしいたとすれば、彼はどうやって魔法を会得したのか」 これは、前振りのようなもの。 最初から期待していない。だってもしそんな前例があったなら、先生たちだって教えてくれただろうし、指導法だってちゃんとあったってことなんだもの。 ただ、余計な可能性……先生たちが心底私に関ることを疎ましがっている……を、潰したかった。 「確かに……君の言うとおり、失敗魔法を爆発させる生徒は、当学院では君が初めてだ」 はぁ 溜め息が震える。一歩進んだけれど、それは奈落への一歩かもしれない。 「では、もう一つお聞きします」 これが本命。 「ミスタ・コルベールは、私の失敗魔法を再現できますか?」 教師を馬鹿にするなと怒鳴られるだろうか。そんなつまらないことを考えるくらいなら、まともな魔法が使えるようになるまで杖を振れと追い出されるだろうか。 だけど、コルベール先生が爆発魔法を再現してくれたら、そこから先生が理論立てて逆算してくれたなら、私は大きく前進できる。 何も今すぐ成功したいなんて言わない。どんなに難しくても、ただ手がかりが欲しい! 握った手に、どうしても力が篭る。 「……私には、できません」 え? ちょっと待ってください。先生は火のメイジでしょう? 爆発なら専門じゃないですか。それに、私は生徒ですよ。ドットですらない。それが先生に再現できなくてどうするんですか。 頭の中が、一瞬ぐちゃってなって、言葉にならない。 「あ……の、それは、どういうことでしょうか?」 落ち着け。落ち着け。 「先生、は、今までに何度も、何十回も、私の失敗魔法を見てきましたよね」 一番最近だと、そうだ、ハヤテを召喚した時。あの時先生は私の後ろにいた。 「どうして私が失敗しているのか、私の魔法がどういう原理で爆発しているのか、検証されたことは……?」 返事がない。 考えてもいなかったの? ただ、私が失敗しているのを、見ていただけ? 一番親身になってくれていると思ったコルベール先生も、無関心故の優しさだった? ふざけるな、この部屋今すぐ吹き飛ばしてや―― ことりの、さえずり 『るいず』と呼んでくれる、小さなハヤテの。 真っ赤になってた視界に、少しだけ色が戻る。 胸ポケットの小さな温もり。コルベール先生に顔を合わせたくないからって隠れてるハヤテが心配してくれてる。 私にはちゃんと味方がいる。 コルベール先生は、強張った顔で杖に手を掛けてた。 「……ミス・ヴァリエール?」 「すいません、ミスタ・コルベール。改めてお願いしたいのですが、私の失敗魔法、どういう原理で爆発しているのか、検証して欲しいんです」 泣き喚いて逃げ出さなかったのは、本当に最後の矜持だった。 「今日はちょっと……無理みたいですから、後日改めてお願いします」 勢いよく頭を下げて、コルベール先生の研究室を飛び出した。 走って、向かうのは練習場。 練習にならないのは自分でも分かってる。だけど、このぐちゃぐちゃをぶつけたかった。涙も全部吹き飛ばしたくて、杖を殆ど叩きつけるみたいに振り下ろした。 「……あー……」 喉が痛い。頭もずきずきする。 完全に、風邪引いちゃったみたい。 昨日は、我ながら凄かったなぁ。 泣いてるんだか笑ってるんだか、自分でも分からなくなってたし。 コルベール先生にも悪いことしちゃった。 先生にだって、ちゃんと言い分はあるだろうし、それなのに話聞かないで一方的に決め付けちゃだめよね。 はふと溜め息をついたら、枕元で笛を吹いてくれてたハヤテが、心配そうに覗き込んでくれた。 「るいず、ウルサカッタ? ジャマナラ」 「ううん、そんなことないわ。もっと聞かせて」 「ウン」 ハヤテが草の茎で作った笛で、静かな曲を吹いてくれるのを、目を瞑って聴く。 コロボックルって、器用なんだな。 本当は、ショックを受けてる私を慰めようとして、作ってくれたんだよね。 風邪引いて弱気になってるときに、そんなに優しくされたら、泣きそうになっちゃうじゃないの、ばか。 もうどのくらいの時間吹いてるのか、ハヤテだって疲れるのに。 でも甘えちゃう。ちい姉様とは違うけど、ハヤテも同じくらい優しいね。 ふと、ドアをノックする音で目が覚めた。控えめな音。 「ミス・ヴァリエール、お目覚めですか?」 この声って、シエスタ? ああもう、アンロックが使えたらいいのに。しょうがないから、ベッドからのたのたと這い降りてドアに向かう。 「お休みのようですね、では――」 そんな小声じゃ中の人は気がつかないわよ。 がちゃりとドアを開けたら、やっぱり。 「あっ お、起こしてしまって申し訳ありませんっ」 「ううん、ちょっとうとうとしてただけなの。それは?」 シエスタが両手で持ってるトレイには、小さな蓋つきの鍋。ほのかにいい匂いがする。 「ハヤテさんから、ミス・ヴァリエールが風邪を引いて寝込まれていると窺いまして、それで軽い物をお持ちしたんです」 「ハヤテが?」 いつの間にか肩に乗ってたハヤテが、私とシエスタの両方に見られてどきまきしてた。 「少シ、食ベタ方ガイイト、思ッタノ」 「おかゆに卵を落としてあります。具合が悪いときには、食べやすくていいんですよ」 ベッドに戻って、膝の上にトレイを置いて、蓋を開けたら、立ち上る匂いに思わず頬が緩んだ。 くすって小さく笑ったシエスタに恥ずかしかったけど、わざわざここまでおかゆを届けてくれた彼女には感謝したい。 「ありがとう、頂くわ――おいしい」 薄い塩味だけ、だけど、それが腫れた喉にはよかった。 ほんのり渋めの緑色の、シエスタの故郷のお茶も美味しかった。 「そうだ、お礼に、ハヤテの笛を聴いて行かない?」 にこにこしていたハヤテが、驚いたみたいにぴょんって飛び上がる。 「ルッ、ルルルルッ」 なに言ってるか分からないもんね。ハヤテには感謝してるけど、こんな照れくさいことしてくれた御礼しなきゃ。 「え? ハヤテさんって笛も吹けるんですか?」 シエスタにそう言われたら、流石に断れないのか、ちょっと赤くなったハヤテは、さっきまでとは違う、明るい曲を吹いてくれた。 私が食べ終わると、仕事があるからと名残惜しそうにシエスタは空になった食器を下げて行ってくれた。 朝よりも、かなり楽になった気がする。 私は、ハヤテの吹いてくれる子守唄を聞きながら、目を閉じた。 前ページ / 豆粒ほどの小さな使い魔 / 次ページ
https://w.atwiki.jp/teletext/pages/880.html
南の島の小さな飛行機 バーディー 色 出演者 備考 黄色 バーディー(声:くまいもとこ→神崎ちろ) 水色 アニー(声:豊口めぐみ) 緑色 -
https://w.atwiki.jp/legends/pages/3827.html
● 突然の柱の崩落。それを見せつけられた由実は、続けてウィリアムの声を聞く。 「さあ、≪杞憂≫が、天を支える柱の崩壊が始まった! どうする? このまま天の崩壊に巻き込まれるかね? 逃げても構わないよ? 見た限りではこの県から脱出できれば≪杞憂≫から逃れる事は可能だ」 言う間に柱が一本、また一本と砕けていく。半透明の柱は砕けてしまえば空気に溶け込むように消えてしまう。こんなにも脆く、実体の怪しいものに天が支えられているという事実に寒気がする。 ――助けないと! そう思い、由実の気持ちは焦る。しかし具体的にはどうすればいいのだろうか? モニカはウィリアムの手によって人質にとられ、あの状態のモニカ自身に戒めから脱する事を期待するのは酷というものだ。 無理に助けに行こうにも、恐ろしい力を持っている筈のユーグや弘蔵、都市伝説の群れが控えているのだ。モニカに近付く事が出来たとしても、その後彼等の攻撃から身を守りきれる可能性は限りなく低い。 その難しさを理解しているからこそ、Tさんも先程から場の様子を窺うようにして機を狙ったまま、動けずにいるのだ。しかも自分達のような戦闘能力の低い者が近くにいるせいで余計にTさんの自由行動は妨げられている。 その事情を理解して、由実は不甲斐なさに身を焦がすかのような怒りを感じる。なんとかしなくては。そう思うが、 由実から見て、やはりとんでもない力を持っているTさんがこの場で行動を起こすことが出来ないのに、どうして自分のような人間がモニカを助けられるだろう。 「この場から去るのならば追わないから行ってしまうといい。それとも何かね? マイやユミ、君達のようなチトセやTのような力を持たない者がこのような場に残って何かの役に立つと思っているのかね?」 ウィリアムが言う通りだ。彼等のような力を持たない由実達がこの逼迫した場で一体なにが出来るというのだろうか。 結局私はあんなに苦しんでいる妹分を前にしても何もしてあげられない、無力な姉なのね……。 由実は諦観じみた虚無感を抱き―― 「リカちゃん。なんとか移動、できねえかな?」 「うん、がんばってみるの」 未だ希望は潰えていない事を知った。 ● Tさんとケウが自分達を庇うように数歩前に出てウィリアム達と会話をしている為に、自分達は敵からは見えづらい位置関係に居る事を由実は確認する。 舞とリカちゃんの間の小声の会話はウィリアムの所に奇襲をかけてモニカを奪取しようというものだ。 「どうよ? Tさん」 小声で確認の声をとばす舞にTさんが小さく頷いた。やってみろ、という事なのだろう。 やってやるわよ……っ。 そう胸に決意を秘め、由実は舞にじりじりと近付き、小声で話しかけた。 「舞ちゃん、その作戦、私も乗るわ。一緒にお願いできるかしら?」 「お、おう。リカちゃん?」 「だいじょうぶなの。でも……」 不安気な声色のリカちゃんに由実と舞は頷きかける。 「危険なのは分かってる、でもモニカを助けたいの。リカちゃんごめんね、私のわがままを聞いてくれる?」 「頼むぜ、リカちゃん。せっかくここまで来てウィリアムにモニカをいいようにされたまんまってのは悔しいじゃねえか」 「うん、分かったの……でも気をつけてね? お姉ちゃん達」 「リカちゃんもな」 笑みで頭のリカちゃんを撫でた舞が由実へと目を向ける。懐からマナーモードにした携帯電話を取り出した。 ウィリアムも、都市伝説群も、ユーグと弘蔵も、舞の行動に気付いてはいない。 着信が入り、舞の頭上と掌の上で、柱の崩壊とモニカの悲鳴に紛れたリカちゃんの声がする。 「もしもし、わたしリカちゃん。今――」 『モニカお姉ちゃんの後ろに居るの』 言葉通りの位置にリカちゃんは由実と舞共々転移した。短距離ならば起こすアクションの数が少ない分リカちゃんの方が≪フィラデルフィア計画≫よりも迅速だ。 転移が完了すると同時に、この部屋内にいる生物数百が一斉に色めき立つ気配が起こった。 その気配を無視して、由実達は為すべき事を為すために全力で動く。 「その人形、そのような事もできるのかね……っ」 驚いた様子のウィリアムに向けて由実は意識を集中させる。 何か妨害行動を起こされる前に――! 由実の意思に従って≪フィラデルフィア計画≫の鉄箱が出現した。ウィリアムの間近に現れたそれでウィリアムを発光体の中に取り込もうとするが、ウィリアムは箱の出現を見た途端に箱から距離を取って効果範囲から外れてしまった。 自分の戦闘方法は知られてしまっている。そしてそうなった場合回避されやすいのも分かっている。 ――だけど! 由実は咄嗟に鉄箱を避けたせいで体勢を崩したウィリアムへと、ここまでの道中で確保した拾い物の拳銃を向けた。 引き金を引く。 軽い破裂音と共に撃ち倒されたのは都市伝説群の中の一匹、≪ヨーウィー≫だった。 ウィリアム自身は盾になって絶命した≪ヨーウィー≫に何の関心も示さず、由実の銃口から隠れるように≪フランケンシュタイン≫の巨体の後ろに移動する。由実はその≪フランケンシュタイン≫に銃口を向け、背後に言葉をかける。 「舞ちゃん! モニカの拘束を!」 「おう、リカちゃん、力技でいけそうか?」 「だ、だいじょうぶ!」 モニカの様子に気後れしたようなリカちゃんの返事の数秒後に、モニカを寝台に拘束していたベルトが破壊される音がモニカの悲鳴に紛れて聞こえてきた。 「フィラちゃん! 全部外したぜ!」 「ええ!」 答えながら由実は周囲を見渡す。 ユーグと弘蔵がこちらの動きを観察して次の動作を考えているようであり、Tさんも敵の懐深くに飛び込んだ由実達を応援するように目礼した。 由実は銃口をそのままに、数歩下がって寝台の上のモニカに触れる。 先程から舞とリカちゃんが声をかけているが、いっかな応答がない。 モニカはその形で固まってしまったかのように頭を逸らして天を見上げたまま悲鳴を上げ続けている。 「どうしよう、フィラちゃん?」 途方に暮れたように舞が言う。由実は大丈夫、と言った本人が感心してしまう程にしっかりと答えて銃を手放し、モニカの身体を抱き締めた。 小さな身体は発し続けられる悲鳴に壊されていくかのようにひきつけじみた危うい痙攣を起こしている。 これがモニカの抱え込んだ憂いなのね……。 ≪杞憂≫を暴走させているのはモニカの内側から溢れる憂いだという。 これほどのものを抱え込んでいた事に今まで気付けなかったなんて……。 ≪首塚≫で保護した当初から、ろくに我侭も言わない子供だと思っていた。 そうじゃない、全部内側に収めていただけ……。 モニカに触れて分かる。そんな事も今まで察する事が出来なかった自分が保護者面をしていた事に腹が立つ。 けど、 それでも私はあなたの姉でいたいから――、 由実は抱き締めていたモニカの顔を正面に置いて、平手を構える。 不出来な姉で、子供の心を忖度できない駄目な保護者だけど。と心の中で詫びて―― 「――っ!」 モニカの頬を張った。 ● 掌にモニカの白い肌を打った衝撃が返ると共に、鋭い打音が辺りに響く。 周囲の全ての者が一瞬己の気にしているものに対する優先順位を放棄して由実へと目を向けた。 舞とリカちゃんは、手を軽く差し出した状態でどうしたものかと動きを止めている。 由実はそんな周囲を無視してモニカのみを見た。 「しっかりしなさいモニカ! あなたを迎えに来たわよ!」 胸に小さな頭を抱き、言い聞かせるように声をかける。 「今までずっと大変だったでしょう? もう隠さなくてもいいのよ。私はあなたの姉なの。あなたの両親には敵わないかもしれないけど、あなたを大事な人間だって、そう思ってるの」 モニカの両親について徹心に話を聞いた時の由実の印象は決して良い物ではなかった。実の娘を実験に供そうとは一体どういう両親なのだろうかと強く憤ったのを覚えている。しかし、ウィリアムは元々モニカの両親は実験に賛同していなかったと言った。発信機の件についてもそうだ。モニカに与えられる実験にはまずその身を賭していたとも聞いた。そして、≪神智学協会≫を娘と共に抜けだした彼等はモニカを託して息絶えた。 ただの実験体にここまではしないだろう。これがモニカの親が娘へと注いだ愛情だ。 こんなにも愛されていながら、それを確信できていないのはなんて不幸な事だろうと由実は思う。 由実は、モニカの両親は自分達が娘に持つ愛情を素直に伝える事が出来ていなかったのではないかと思う。 ≪神智学協会≫に携わっていた二人はモニカに対して研究者という立場で何らかの処置を下す事もあったのだろう。それを実行した手で娘に愛情を伝える事に抵抗があったのではないか。 モニカは賢い娘だ。親の愛情を全く感じていなかった、という事はないだろう。彼女の口から両親に対する悪口が出た事はついぞなかった。しかし確信が持てず、ウィリアムの言葉に惑わされる事になってしまった。 ならば、 「モニカ。あなたを愛しているわ」 はっきりと言い聞かせるように、小さな身体に沁みわたるように、由実は言葉をかける。 腕の中の小さな温もりを、いつの間にか傷を溜めこんでいた幼子を包む。保護者として、姉として、そして―― 舞がそれに気付き、声をひそめて言う。 「悲鳴が……止んだ?」 由実の胸に抱かれたモニカは、その慟哭の声を終息させていた。 前ページ次ページ連載 - Tさん、エピローグに至るまで
https://w.atwiki.jp/legends/pages/3977.html
(ルート ・・・んーぅ・・・っあぁ、良く寝たぁ ぐっと伸びをして、木の枝から飛び降りるルート 学校町を離れ、日本を離れ、早数日・・・とはいえ、実は大して時間は経っていない 旅をしているルートは、大きな木のある草原で休息を取っていたのだった 荷物を確認し、キョロキョロと辺りを見渡す (ルート ・・・? エーヴィヒぃ? 白いふさふさの毛並みのネコ――エーヴィヒの姿が、見当たらない 一緒に寝ていた筈なのに、何処へ・・・? (ルート ったくぅ、世話の焼けるネコねぇ・・・仕方ないわぁ ハァ、と溜息を吐いて、まず彼女は木の上を見た 自分が寝ていた枝よりも、もっともっと空に近い枝を・・・ しかし、それらしき姿は見当たらない だがこの木にいないとなると、探すのは困難だ ここは広い草原、辺りを見渡して見つからないなら、 探しものは遥か遠くに行かなければ発見できないかも知れないのだ (ルート ・・・本ッ当に厄介ねぇ、もぉ・・・! とにかく、エーヴィヒを探さなければ 彼女が一歩踏み出した時だった 「・・・ルート?」 声変わりを迎えていない、高めの少年の声 はっとして、ルートはすぐさま振り向いた 木の陰に、黒いスーツを来た中性的な少年が立っている (ルート 日、天・・・さん? どう、して・・・ (日天 やっぱり、ルートなのか・・・ルート! 駆け出した少年――栄 日天の腕に、ルートの小さな身体が包まれる ぽんっ、と顔を赤く染め、慌てて彼女はその腕から逃れた (ルート え、あ、うぅ、リ、日天、さん、なんで、ここにぃ・・・? (日天 決まってるだろ・・・お前を探しに来たんだ (ルート アタシを? (日天 お前を、「組織」に迎えたい・・・頼む、帰ってきてくれ ローゼさんも、蓮華さんも皆、お前の帰りを待ってる 微笑みながら、彼はルートに手を伸ばした (ルート ・・・あ・・・あぁ・・・・ 愛しの人が、自分に手を差し伸べてくれている それでも彼女は、その手に触れることができなかった (日天 どう、した? (ルート アタシ・・・やっぱり、無理だよぉ・・・まだ、帰れない (日天 ッ!・・・まだ、自分の罪を・・・ (ルート アタシは、色んな人の幸せをぶち壊しちゃったからぁ・・・ そんなアタシが、自分だけ幸せになって良い訳、ないもん・・・ だから、まだ、トップの姉貴にも、堅物の姉貴にも会えない そして・・・日天さんの手も、受け取れないよぉ・・・ 振り返り、彼女は相棒の元へと向かう 日天が一歩近づいたのを感じ取り、「来ないでぇ!」と怒鳴った (ルート ・・・わざわざ、探しに来てくれてありがとぉ・・・でも、もう良いからぁ・・・さよなら 涙を堪え、彼女は俯き振り返らずに走り出した 今振り返ると、ついて行ってしまいそうな気がしたから 強い決心を胸に秘め、ルートはいなくなったエーヴィヒの元へ――― (日天 それが君の正直な気持ちかい? 「へ?」と素っ頓狂な声をあげ、思わず振り返ってしまった そこにいたのは確かに日天だったが、何やら様子がおかしい と、その直後、彼の身体がゆらり、と煙のように揺らめいて、 その煙の中から、白いネコが現れた (ルート ・・・エーヴィヒ? (エーヴィヒ 悪いね、日本時間だと、今日は4月1日、エイプリルフールらしいから 君の信念を聞いておこうと思ったついでに、ね 何処までも爽やかな声で、彼は平然とルートに歩み寄った (エーヴィヒ さて、そろそろ行こうか 今日はどっちへ―――――――む? しかし、彼は知らなかった 乙女の純情ハートの恐ろしさを (ルート ・・・エェェェェェェェェヴィヒィィィィィィィィィ!!!!! その日その草原にて、物凄い速さで豹を追いかける少女が目撃されたそうな ...setzen Sie fort 前ページ次ページ連載 - 仄暗い魂
https://w.atwiki.jp/sakura-color/pages/94.html
※恋をしたと、はじめて知った。と少しリンクしています。 バタンと部屋のベッドに横たわる。 …あぁ…いるぞ。 その言葉だけが頭の中で響いている。 失恋した。 好きな人はいますか?なんて聞かなければ良かった。 どうして聞いたのだろう… あんな笑顔を見たの初めてだ… 見惚れてしまったのが悔しい。 「もぅ…嫌だ…」 好きで好きで堪らなく好きでどうしようもないほど… きっとそこら辺の部長のファンより熱心だと思う。 けど告白しないんじゃ結局ファンと同じ。 でもしなくて良かった。 だって、男の俺が男の部長に告白して、 気味悪がられて、 話できなくなるよりマシ… 「好き…好きだよ、部長…」 でもサヨウナラ。この気持ちは封印しておく。 絶対知られちゃいけない。 明日は土曜日…休んでしまおうか… 何より心の整理をしたい。 そう計画して今日は寝た。 目が覚めたら13時だった。 家族は出かけたらしく家には居ない。カルピンと俺だけ。 「静か…」 ソファに横になりながら呟いた。 いつもなら部活に出ているから解らなかった。 カルピンは日向で寝ている。 それを見ていると眠たくなってくる… また、うとうととし始めたときチャイムが鳴った。 「…誰ですか?…」 そう言いながら戸を開ける。 「テニス部部長の……越前か?」 部長が俺の目の前に居る。 「な…んで?」 なんでここに居るの?そう言いたいのに言葉が出てこない… 「越前…なぜ部活を無断で休んだりなんかしたんだ?」 あぁ…なんだそんな事聞きにきたのか。 そりゃそうだよね。部長だもん… 「越前?…具合でも悪いのか?」 「そんなことないっス…すみませんでした」 どうか…お願いだから気づかないで。 泣いているなんて気づかないで… 「越前?やっぱりどこか具合が悪いのじゃないか?」 そんなことないって!と意味を込めてブンブンと頭を横に振る。 「……では、何故泣いているんだ?」 「っ!」 なんで?なんで気づいたの? 「何があったんだ?」 そっと肩を持たれて抱き寄せられた。 「な、に…してんすか…」 優しくしないでよ。勘違いするまえに離してよ。 「お前が泣いているから」 「こう、いうのは好きな人に…するもんだよ」 好きでもないやつに簡単にしちゃいけない。 「好きだ。越前。」 え? いま何て言ったの? 「え?…どぅいう、こと?」 「聞こえなかったか?…越前。好きだ。」 思考が追いつかない… 部長は、俺が好きなの? 「返事を、聞かせてくれないか?」 俺は… 「俺も…部長が…好き。好きで好きで堪らない…」 抱き締めてくれている部長を精一杯の力で抱き返す。 「そうか…有り難う」 そう言って部長は微笑んだ。 また見惚れてしまった。 【小さな夢。大きな幸せ。】 (好き。どんなになっても離れない。) 手塚→←越前な話。 2009.12.07.志花久遠. novelへ戻る
https://w.atwiki.jp/h_session/pages/3099.html
【名 前】 シェイド=ダイアル 【召喚主】 [[ルーナ=ダイアル]] 【属 性】 魔 【性 格】 騎士道精神 【性 別】 男 【種 族】 魔法生物/ホムンクルス 【難易度】 C 【サイズ】 SS 【クラス】 ホムンクルスLV1 1:■■■■■■■■■ 2:□□□■■■■■■ 3:□□□□■■■■■ 4:□□□□□□■■■ 5:□□□□□□□■■ 6:□□□□□□□□□ BPメイン【1】 【 値 】【ボーナス】【基本値】【 補正 】【 成長 】【段階】 【 ST 】【 9 】【 】【 9 】【 】【 】【 】 【 DX 】【12】【 2 】【 12 】【 】【 】【 】 【 IQ 】【13】【 3 】【 12 】【 】【 1 】【 1 】 【 HT 】【 9 】【 】【 9 】【 】【 】【 】 【 HP 】【14】【 】【150】【 %】【 %】【 】 【 攻撃力 】【 1 ST= 9 】【 】【 】【 】 【 防御力 】【 1 HT= 9 】【 】【 】【 】 【 射撃力 】【 0 DX= 12 】【 】【 】【 】 【呪文魔法】【 3 IQ= 12 】【 】【 1 】【 1 】 【魔法抵抗】【 1 IQ= 12 】【 】【 】【 】 【スペル枠】【 **魔 】【 】【 】【 】 【特殊能力】 【 名称 】【Lv/BP】【 効果 】 【 小さな身体 】【1/0】【 】 【 魔属性呪文 】【3/ 】【 】 【 人造人間 】【1/0】【 】 【 魔力の結晶 】【1/0】【常動型・呪文魔法に行為修正+「魔力の結晶」LVされる 】 【 魔力の喪失 】【10/0】【常動型・呪文魔法の使用条件にHP「魔力の喪失」LV点が追加】 【 】【 / 】【 】 【一般技能】 【 名称 】【LV】【能力値】【 E 】【 D 】【 C 】【 B 】【 A 】【 S 】 【 気配消し 】【0】【 12 】【 ~12】【11~ 8 】【 7 ~ 6 】【 5 ~ 】【 】【 】 【 記憶術 】【0】【 13 】【 ~13】【12~ 9 】【 8 ~ 7 】【 6 ~ 】【 】【 】 【 鋭敏感覚 】【0】【 13 】【 ~13】【12~ 9 】【 8 ~ 7 】【 6 ~ 】【 】【 】 【 共通語 】【3】【 13 】【 ~16】【15~14】【13~11】【10~ 8 】【 7 】【 6 ~ 】 【 古代語 】【3】【 13 】【 ~16】【15~14】【13~11】【10~ 8 】【 7 】【 6 ~ 】 【 博学 】【1】【 13 】【 ~14】【 13 】【12~ 8 】【 7 】【 6 ~ 】【 】 【 魔力感知 】【2】【 13 】【 ~16】【15~14】【13~ 9 】【 8 】【 7 ~ 】【 】 【モンスター知識】【1】【 13 】【 ~14】【 13 】【12~ 8 】【 7 】【 6 ~ 】【 】 【 】【 】【 】【 】【 】【 】【 】【 】【 】 【近接武器】追加ダメージ【-1】 【 武器名 】【 E 】【 D 】【 C 】【 B 】【 A 】【 S 】 【 成功度 】【 ~11】【 10 】【 9 ~ 5 】【 4 】【 3 ~ 】【 】 【 パンチ 】【 失敗 】【 0 】【1d6-3】【2d6-3】【3d6-3】【4d6-3】 【 】【 】【 】【 】【 】【 】【 】 【遠距離武器】追加ダメージ【2】 【 武器名 】【 E 】【 D 】【 C 】【 B 】【 A 】【 S 】 【 成功度 】【 ~12】【11~ 8 】【 7 ~ 6 】【 5 ~ 】【 】【 】 【 】【 】【 】【 】【 】【 】【 】 【魔法】 【 E 】【 D 】【 C 】【 B 】【 A 】【 S 】 【呪文魔法3LV】【 ~16】【15~14】【13~11】【10~ 8 】【 7 】【 6 ~ 】 【魔法抵抗1LV】【 ~14】【 13 】【12~ 8 】【 7 】【 6 ~ 】【 】 【防御用武器・防具】基本防護点:【0】 【 武器・防具名 】【防護点】【 E 】【 D 】【 C 】【 B 】【 A 】【 S 】 【 成功度 】【■■■】【 ~11】【 10 】【 9 ~ 5 】【 4 】【 3 ~ 】【 】 【 皮膚 】【 】【 失敗 】【 0 】【1d6-2】【2d6-2】【3d6-2】【4d6-2】 【 】【 】【 】【 】【 】【 】【 】【 】 【装備】 【キャラクタープロフィール】 【経歴】 第一枠:IQ+1、魔属性呪文+1 第二枠:呪文魔法+1、魔属性呪文+1
https://w.atwiki.jp/kmpnote/pages/75.html
「小さな家」の気づき 塚本由晴著 1,800 出版:王国社 サイズ:四六判 / 189p 2003.6 アトリエワン・塚本由晴さんの著作。それぞれは時折雑誌で目にしていたものの、こうやってまとめて読んでみると、とても明快な語りようと誠実なまでの「建築家魂」に脱帽である。例えば分かりやすい言葉で、戦略的に語りつくすという記述態度は、東浩紀にもつながる読後感なのだが、それは建築家の文章からはあまり得られなかったように思う。分析的な態度に独りよがりな情念がないところがとても気分よく読めた。(ただそのように作品と言説が明快につながってしまうことが容易な解釈を生み、かえって物足りなさを指摘されていることもある。) 世の中の複雑さはコンテクストと言う概念をかつてのように成立させなくしている。むしろ現にある状況に対して盲目的な「思いこみ」によって依然として都市や建築は語られてもいる。あたかも住宅メーカーのCMのように(お父さんと仲のよい娘が一緒に出勤・通学することをほほえましく見送る妻の姿を生む家という思いこみ)。 一方で、塚本さんのように観察と定着というフィードバックのループによって建築を再構築する動きもある。それはあまり語ることのない妹島さんが、現状から見える発見を通してモノを徹底的に突き詰める姿勢とも通じる。 著者の指摘するように、建築の社会性をとなえつつも、認識の度合いに差が大きいのは、見方そのものを疑わないためであろう。どこをもってして社会性を捕らえるのか。常に考える先は変化している。 小ささの中にも同様に複雑な解決を挑む。小建て住宅一戸でランドスケープを問題とする姿勢。実は建てるのはあくまでも住宅であって、その効果や関係として作られる姿へあらかじめ目を向けること。タイポロジーに対する批評性。あとから来た建物が、既に存在している周辺の住宅を包囲してしまう。それは理念ではく解釈として評価されるのだろうか。 確かに設計の仕事に求められるのは、特定の社会性を充足するものを作ることだ。本質的な想像力を欠いてでも体裁さえたてば成立してしまう。しかしでは何が本質で、何が単なる体裁かを認識していない設計者ばかりかと言えば、そんなことはないと思う。さらに言えば、本質を決めるのも体裁をなすのも、クライアントとの関係であって、設計者の個人的探求心ばかりではない。 「建ち方」の重大さを語るとき、それを倫理的な姿勢として訴えている。現状の間に合わせのやり方を批判し、住宅の設計によって制御しうる都市像を唱える。すべて関係性のデザインととらえる執着的なまでの一貫性を著者は維持しうるまれな建築家ではないか。実作以上に理念の大きさは果てしない。 東京を捕らえる視点はまったく現状をうまく表している。それゆえに都市を身の丈にあうように分割する「カスタマイズ」という方法は、既に都市生活者が無意識に行っている術ではないだろうか。多様な都市生活をサポートする空間としての住居。実は機械的な機能ではなく、潤いや心地よさこそがサポート機能であることも十分に定着していると思う。 家族論もライフスタイルも技術信仰でもなく、都市の問題として住宅を解く。それが批評を生む視点なのだ。 施主の要望が20あったら、僕らもここの場所に住むんだったらという建築の条件を20個くらいつくる。(中略)それをぶつけあっているうちにプライオリティーが決まってくるわけです。 建築の空間とうものをいくつかのキャラクターの重ね合わせとして捉え、そのキャラクターを建築の構成の水準まで整理するところまでは、あのプロジェクトでやっていた。 ありきたりなところから設計をはじめて、単なる凡庸に陥ることなく面白さを引き出すことに関心があった。 些細なことだって世界の一部である。逆に言うならば、些細なことごともまた世界であり、その中に現れている社会や環境があるはずである。 建築の社会性というのが、特定の社会関係を建物が受け止め、それに伴って何らかの規範を内面化することを指すならば、それは垂直に序列化されるものではなく、むしろ水平方向に並列されるべきものだろう。 建築家は社会性というファクターを通して自らの作品存在を語る。一方で街中にあふれる建物を語るべき対象から巧みに除外もしてく。そこには語られるべき理念が存在しないからだと言わんばかりに。建物をつくりあげるまでの過程には、理念があろうとなかろうと同様にたどる道のりがある。それなのに、建築界には歴然としたヒエラルキーの違いを認める姿勢があるのだ。 「建築的でない」、その一言でばっさりと除外される大多数の「建物」は、実際の街並みから都市景観までを構成しているのだ。それらを見ないで自作を語ることは、社会性と反している態度でもあるだろう。しかし建築家は学生に向かって、「あなたのデザインした建築が、社会に対してどのような影響を与えるのか」を問う。美意識は内面化された個人的なものである。されど表現は社会性をファクターとしなければならない。建築家を巡る矛盾はここからはじまっている。 ただしこれは矛盾ではなく、価値判断の異なる次元を一緒くたに語る混乱なのだろう。それゆえに建築を批判するのは容易いのだ。一方で好みに合った美意識を礼賛し、その一方で好みでない形態を社会性のなさで非難出来るのだから。 建築家は社会性獲得の為に理論武装し、造形の動機づけを語る。しかし理念から直ちに「建築的である」カタチを生み出すことは出来ない。自己矛盾の葛藤へと堂々巡りだ。そしてその時こそ、建築家であるかどうかの分かれ道が見えてくる。彼はその先のカタチへと辿り着いたとき、理念と具体の融合、美意識と社会性の了解へと達する。あたかもどちらが先に生まれたのか分からないほど、両者の結びつきが密接な時をむかえる。幸福な創造が見えてくるのである。 この創造を形式と言い、抽象化と称して自らのキャラクター・商品価値を一つ高めるのである。これらの「生き方」こそ「誠実」であり、「倫理的」な建築家像ではないだろうか?・・・。そこから学ぶことは多い。2003-07-17/k.m カテゴリー-建築
https://w.atwiki.jp/jcbr/pages/330.html
0202:小さな成果と次なる努力 太公望と別れて数時間。 公主とダイは予定通りダムに到着し、ダムを管理する場所と思われる施設の中で食事を摂った。 その後、公主は施設の中で呪文習得を試み、ダイは山の頂上で四国を見張ることにした。 (もっとも、ダイは公主の身を案じて30分ごとに様子を見に来ていたが) 事務所と思われる部屋の中で、公主はアバンの書を前に精神を集中する。 「ゲホッゲホッ………ハァ、ハァ」 吐血。 しかし、すぐに血を拭うと精神集中に戻る。 「……キアリー」 公主のその言葉と共に手元が光り、わずかだが体が楽になった気がした。 体内の酸素が、公主にとっての毒である下界の空気が浄化されたためだ。 「ふぅ……ようやく一つ、習得できたな」 最初にこの呪文を選んだのには理由がある。 下界の空気という『毒』にある程度慣れているため、そして自らの宝貝で空気をある程度浄化できるため、 『解毒』というイメージが作りやすかったからというのが理由の一つ。 もう一つは、太公望の期待に応えるため、少しでも長く生き延びなければならないからだ。 あるかどうか分からない香を黙って待つよりは、自分の力で少しでも延命する努力をした方がよい。 (これで少しは生き永らえることもできよう…さて、次はもっと実用的な呪文を覚えねばな) 公主は再びアバンの書に向かう。 …昼の放送でも、14人の命が失われた。 自分の直接の知り合いは一人も死んでいないが、痛ましいことに間接的な知り合いの名前はいくつか読み上げられた。 確実に、主催者の思惑通りにゲームは進行してしまっている。 こんなゲームは早く止めなければならない。 先の短い命だということは公主自身理解している。 だからこそ皆の役に立たなければならない、公主はそう思っていた。 様子を見に来たダイに、公主が呪文を一つ習得したことを知らせると、ダイは喜びながらも公主の身を案じた。 「すごいや公主さん、さすが仙人だね!…でも、無理しないでね。もうすぐターちゃんたちがお香を持ってくると思うし…」 「うむ…大丈夫じゃ。自分の身は自分がいちばん知っておる…さぁ、見張りに戻るがよい」 「うん…」 ダイを見送ると、公主は再びアバンの書に目を落とす。 公主は思う。自分の系統は防御系の呪文だと。 水を使う攻撃呪文があれば使えるかもしれないが(ヒャド系は近いかもしれない)、それよりも仲間を守る呪文を優先したい。 (それに、霧露乾坤網で常に張っていた水のバリア…あのイメージで連想する呪文は…) 『フバーハ』…炎や吹雪から身を守るバリアを張る呪文。 『マホカンタ』…相手の呪文を反射する呪文。 この二つが呪文のイメージを作りやすい。 だがこの二つはどちらも高等な呪文なので、純潔の仙女と呼ばれる程の高等仙人である公主でも習得は難しいかもしれない。 また、制限さえなければ宙に浮くこともできる公主としては、一度行った場所へ移動する呪文『ルーラ』や、 空を自在に飛ぶ呪文『トベルーラ』の二つもまた、ある程度は覚えやすいと言えるだろう。 (だが、私が飛べぬということは、空を飛ぶ呪文も制限されておるやもしれぬ…やはりフバーハかマホカンタを優先するべきじゃな) 襲撃者が何かしらの術を使ってきた場合、それから身を守る術があったほうがよい。 それに…仮に主催者と戦うことになった場合にも、この二つの呪文ならばきっと役に立つはず。 公主は考えをまとめると、ペットボトルから水を一口飲んだ。 そして、再び呪文の習得に向けて精神を集中し始めた。 一方、山頂で見張りを続けるダイは、山を登ってくる人影に気がついた。 「あれは…ターちゃんだ!」 見間違えるはずもない、腰ミノ一丁の姿。 ほんのわずかの間だが一緒に過ごした仲間の無事な姿に、ダイはほっと胸をなでおろした。 「おーい!お香を持ってきたのだー!」 「じゃあ、太公望は富樫さんと合流できたんだね!?」 「あぁ、香川県ではお香が見つからなかったから隣の徳島県まで行ったのだが、そこで太公望が追いついてきたよ。 お香もその近くの村でほんの少しだが見つけることができたのだ」 「本当にありがとう…私のために、わざわざすまぬ」 「お礼を言われるほどのことじゃないのだ」 公主はさっそく、3畳ほどの小さな部屋で香を焚き始めた。 これでしばらくは咳き込むこともなく、体力の消耗を防げるだろう。 「それで、太公望と富樫さんは?」 「うん、対岸に…和歌山県に渡ると言っていたよ。できれば小舟か何かを探すそうだ」 「四国に来たときみたいに泳ぐのは大変だもんね。でも…無事でいてくれればいいね」 「きっと大丈夫。彼らなら、信頼できる仲間を見つけて戻ってきてくれるのだ」 そう言って空を見上げるターちゃんだったが、そのお腹が大きく鳴った。 「あはは、そう言えばずっと何も食べていなかったのだ」 「はは、少しここで休んでてよ。あとで話すことがあるんだ」 ダイはそう言うと、四国を見張るためにまた山頂へと戻って行った。 ターちゃんはそれを見送ると、再び空を見上げる。 その瞳はどこか悲しげで、昔を懐かしむようで… 「…ヂェーン、ペドロ、アナベベ………どうか、彼らを見守ってあげてくれ…」 【香川県のダム/1日目・日中】 【ダイ@ダイの大冒険】 [状態]:健康、MP微消費 [装備]:出刃包丁 [道具]:荷物一式(一食消費)、トランシーバー、ペガサスの聖衣@聖闘士星矢 [思考]:1.四国を死守 2.ターちゃんに脱出の可能性があることを伝える 3.公主を守る 4.ポップ・マァムを探す 【竜吉公主@封神演義】 [状態]:疲労進行中、お香焚きこめ中 [装備]:青雲剣@封神演義 [道具]:荷物一式(一食消費)、アバンの書@ダイの大冒険、お香(残り9回) [思考]:1.四国を死守 2.呪文の習得(『フバーハ』か『マホカンタ』が候補) [備考]:キアリーを習得 【ターちゃん@ジャングルの王者ターちゃん】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:荷物一式、恥ずかしい染みのついた本@ジャングルの王者ターちゃん [思考]:1.ひとまず食事しながら休憩 2.太公望からの頼みごとの実行のため、四国に留まる [備考]:全国の動物達に伝わるのは少々時間がかかります。 時系列順で読む Back 月下美人 Next 慟哭そして…… 投下順で読む Back 月下美人 Next 慟哭そして…… 161 動き出す計画 ダイ 275 ある中学生男子の考察 161 動き出す計画 竜吉公主 310 出発 161 動き出す計画 ターちゃん 310 出発
https://w.atwiki.jp/seireianatei/pages/146.html
小さな巫女/ラティーファ 「えへへ…お兄ちゃんに会える日をずっと待っていたよ!」 【固有スキル (LvMAX時効果) 】 祈祷 敵1体に395%+71500のダメージを与える 神楽 6回連続攻撃し、毎回ランダムな敵1体に135%+25740のダメージを与え、敵の攻撃力−30%。効果2ターン。 厄除け ランダムな敵3体に395%+71500のダメージを与える。敵が【神授】状態にかかった場合、残りの効果分を一気に与え、【神授】状態がなくなる。 神事 敵全体の治療効果と治療を受ける効果−40%。単体攻撃時、敵に1つ【神授】状態に与える ターン毎に自身の攻撃力8%のダメージを敵に与える。5ターン継続。【神授】状態は最大10つまで重複可能。 2022年1月6日 限定衣装追加 会心率2.5% 会心ダメージ5% キャラ説明 英傑の泉解放後に召喚可能な初期LRの1人。 神事による継続ダメージを追加する単体攻撃に、神楽による6連撃と、厄除けで強力な範囲攻撃と多彩な攻撃方法を持つ強力なアタッカー。 単純にSSSRの上位アタッカーの延長上で使えるので使いやすいという点と、獣属性LRスキル【転換】が組み合わさり、序盤からPvP、PvE問わず欠かせないキャラとなる。 神楽は、敵の攻撃力をダウンする6連撃。 攻撃回数が多い分幅広く状態異常をばらまくことが狙え、ドリュアスとの相性も良い。 目眩等と組み合わせれば、攻撃力ダウンと合わせて味方の安全を確保しやすくなる。 6連撃持ちという点では、同盟/報酬ボスにおいての必須キャラの一人と言える。 ただ、6連撃の宿命として、タンクキャラには弱いという点がある。 レベルが上がってくるとPvPでは攻撃係数不足が響いてきて、相手に同レベルくらいでスキルを整えた盾キャラがいると、満足にダメージを与える事が出来ない…という事態になる。 上記の目眩と組み合わせて援護を封じることや会心率を上げる事が重要。 厄除けは、敵が神授状態ならばダメージが増す範囲攻撃。 神楽により神授をばらまいた後の攻撃であるため、大抵の場合は通常時より高いダメージが期待できる。 連撃や連続技により攻撃回数が増えていれば、威力はさらに増す。 ただし、鍛錬の塔においては「ダメージが増す代わりに神授状態がなくなる」効果が邪魔になることもある。 これにより敵の状態異常を1つ解除することになるため、暴走時の同士討ちが狙いにくくなってしまう。 転換や混乱による同士討ちで突破することが基本となる騎士や聖職者の場合は、特に影響が大きくなる。 とはいえ、前述の通りドリュアスとの相性が良く、転換による同士討ちが狙えるこのキャラを鍛錬の塔で使用しないなど、まず考えられない。 神事は、敵全体の治療効果ダウン、単体攻撃の度に神授を付与する2種類の効果。 【神授】はイマイチ分かりづらいが、各ターンの終わりにダメージが入る。 多重付与するとその分だけターン終わりにダメージが入るが、ダメージ発生後は【神授】追加されない限りは継続ダメージは生まれない。(4重付与なら、【小さな巫女】の攻撃力32%ダメージを与え、以後は5重以上になるまでは継続ダメージは発生しないとなる) 状態異常の1つにはなるので、5ターン目の攻撃で解除されず暴走時にかかっている方が望ましい状況になる。 出来るだけ幅広い相手に付与が狙えるよう、結晶スキルの連続技は必須。 盾キャラが多く居る面で起用して上げれば、援護で勝手に目眩と継続ダメの状態異常を付与可能。 治療効果ダウンの効果は、残念ながら有用とは言い難い。 PvPではヒーラーの回復力が大きく、この効果が適用されても結局1度の回復でフル回復されることがほとんどのため、役立つ場面が少ない。 PvEでは敵のHPの高さに対して回復量が少ないためあまり影響がなく、暴走後は治療効果を下げようが結局1回で全回復されることとなりこちらもあまり役に立たない。 限定衣装【初恋の香り】の解禁カードの説明文では、「小さいな巫女」と書かれている。 「巫女」とは、起源は不明だが、占術・神楽舞・祈祷・神託を他の者に口伝えるシャーマニズムを行う職の女性を指す。 明治時代以降の日本では、主に神職として、神社内で神事を執り行うのが通例となっている。 おすすめスキル 書 上級攻撃系 中級会心 中級火力 結晶 連続技 連撃 復活 無敵の力 目眩 必殺 熱気 死神 反発耐性 反撃耐性 結晶スキル構成実例 スキル厳選しているかどうかで別格の強さになる。 1ターン目に火力を出せるかどうか実用度に大きく変わるので古のスキル前提のスキル構成例を紹介する とにかく火力に振ることが大事。騎士向けに反撃耐性や反発耐性を入れてもよい。連撃持ちの宿命でもある スキルの詳細は仲間図鑑/スキル一覧 古の結晶1 古の結晶2 連続技→蓄積圧倒 破甲 連撃→連撃転換 熱気 速度 目眩 必殺→斬撃決闘 復活→勇猛復活 反撃耐性 死神
https://w.atwiki.jp/cvssyourimessage/pages/918.html
パピー 《出典作:サムライスピリッツ天下一剣客伝》 VS. &. &アンディ・ボガード【餓狼伝説シリーズ:SNK】 「ワォン!ワンワンワンッ!」 『う…!いやここは犬嫌いを克服するまたとない好機と捉えねば…』 ※投稿・harumond &アントノフ【KOFシリーズ:SNK】 「ウゥ~~!ワォォォンッ!!」 『小さな身体で健気に敵に立ち向かう姿……おい専務、俺の顔を見るな!』 ※投稿・harumond &一文字伐【ジャスティス学園シリーズ:CAPCOM】 「クゥ~ン、ワンワン!」 『わかったわかった、よくやった!だからあんまくっつくなって!?』 ※投稿・harumond &ガイル【ストシリーズ:CAPCOM】 「クゥン……ワンッ!」 『アベルが見たらどんな反応をするだろう…』 ※投稿・harumond &黒河内夢路【サムスピシリーズ:SNK】 「ワンッ!ワンワン!ワォン!」 『さほど強敵ではなかった…と犬殿はおっしゃっております』 ※投稿・harumond &コーリン【ストⅤ:CAPCOM】 「ワォォン!ワンッ!!」 『犬に遊ばれるなんて情けない。貴方達、少しは己を恥じなさい』 ※投稿・harumond &ジャン・ピエール・ポルナレフ【JOJOシリーズ:CAPCOM】 「クゥ~ン……ワォンッ」 『イギーもこんくらいお行儀良けりゃなぁ…』 ※投稿・harumond &大道寺きら【アルカナハートシリーズ】 「ワォォォ~~ン!!」 『こんな犬にも勝てんのかグズ共め!勝ったのに何とも腹立たしい…!』 ※投稿・harumond &チン・シンザン【餓狼伝説シリーズ:SNK】 「ワン!ワォォンッ!!」 『警察犬にでもなったらどうでしゅか?ホンフゥしゃんの数倍優秀そうでしゅしね』 ※投稿・harumond &ドーマムゥ【マヴカプシリーズ:CAPCOM】 「クゥン……?」 『骨が欲しいのなら、私があのゴミ虫共を焼き尽くしてあげるよ?』 ※投稿・harumond &ナコルル【サムスピシリーズ:SNK】 「ワワン!ワォン!!」 『あら?今回はガルフォードさんはご一緒じゃなかったんですか?』 ※投稿・harumond &NEO-DIO【ワーヒーパーフェクト:SNK(ADK)】 「ガルルル……!」 『フン…賢明だな。寄ろうものなら蹴り上げていた』 ※投稿・harumond &ハイン【KOFⅩⅣ:SNK】 「ワン!ワン!ワォォン!ワン!」 『同じ「犬」でも先輩とは大違い…おっと、私としたことが失言を…』 ※投稿・harumond &風魔小太郎【ワーヒーシリーズ:SNK(ADK)】 「グルル……!?」 『さしずめ犬猿の仲って事かい…って俺は猿じゃねぇ!』 ※投稿・harumond &フォルテ【ロックマンシリーズ:CAPCOM】 「ワン、ワン、ワォン!」 『ただの犬にしてはやる…だが所詮ゴスペルには及ばん!』 ※投稿・harumond &ポチ【新豪血寺一族 闘婚:SNK】 「グルルル……ワンッ!!」 『(組む以上は姐さんに愛想尽かされないよう必死に頑張るっす!!)』 ※投稿・harumond &ミサイル【ゴーストトリック:CAPCOM】 「ワォワァオオォンッ!!」 『(ボクもいつかあんな風に強く……なれませんとも……)』 ※投稿・harumond &レラ【サムスピシリーズ:SNK】 「ワオオォォンッ!ワォ~ン!!」 『一匹で戦わせるなんて…あの飼い主は何を考えてるのかしら?』 ※投稿・harumond &ロケットラクーン【マヴカプシリーズ:CAPCOM】 「ワン、ワォン!?」 『邪魔者もいなくなったことだし、早速俺とデートしようぜ嬢ちゃん!』 ※投稿・harumond