約 322,563 件
https://w.atwiki.jp/kurosuru-ka/pages/150.html
1月1日 新年戦争初め編「卑劣!お年玉に仕込まれた罠!」 1月2日 新年祈願初詣編「大人な子供と子供な大人と」 1月3日 お年玉泥棒を捕まえろ!編「おにxプリじゃなくプリxおにかもしれない」 1月4日 正月仕様戦争編「バイバイ・お年玉」 1月5日 普通に宇宙戦争編「年始名物新展開」 1月6日 DAT軍全滅!円盤は生物だった!編「進化の鍵ははいてない」 1月7日 光速の1番槍と敵大佐編「敵大佐ゲットだぜ!」 1月8日 RPGバトル怪獣大進撃編「セーネとカレーの煮込み、自白剤仕立て」 1月9日 レムリア奪還部隊撃退編「恐怖の二日目カレー、味噌汁もつけて」 1月10日 ログのアップロード待ち 1月11日 戦国玉弾き絵巻編「合言葉は寄らば斬ります!」 1月12日 バナナワニ園で捕まえて編「う○こを浄化する2連核」 1月13日 VS大佐不在の敵部隊編「王女流の純情な感情」 1月14日 ムーンオッパニア編「「」達の夜明け」 1月15日 普通に補給部隊強襲編「長男妹疑惑」 1月16日 ひねりなし戦車部隊編「無念の逆ハーレム計画」 1月17日 やっぱり敵狙撃兵は優秀編「さよならをつたえたくて」 1月18日 普通の敵と制圧戦編「ショタとロリの等価変換」 1月19日 本格格闘アクションRPG編「幼女DEガッツ!」 1月20日 大戦車大戦編「セーネ改造計画(人体改造的ニュアンス)」 1月21日 オイルショックRPG編「女食いの女の子って新しくね? そうでもない」 1月22日 妖怪大戦争RPG編「スライス出版の影」 1月23日 艦隊戦with魔の何とか海域編「そして歴史は繰り返す」 1月24日 UFOとの対話は肉体言語で(武器可)編「しかし言葉は尻から出る」 1月25日 血のウェディング編「基本不幸の未来予想図」 1月26日 家に帰るまでが作戦、防衛システム突破編「アトミックぬか漬け」 1月27日 悲しい対寄生生物編「たまにはのんびり夕凪のRPG部隊」 1月28日 反政府組織鎮圧任務編「ヅダは普通に欠陥機」 1月29日 小型モンスター撃退編「みんなねむい日」 1月30日 反政府組織鎮圧ダムの巻「ある意味ではこれも夢オチ」 1月31日 ログのアップロード待ち
https://w.atwiki.jp/kikujani/pages/38.html
07.06.09 読めオタ∞ 倉「読めオタえいと!」 丸「やったねぇ~読んじゃえよ!」 倉「はい、読んじゃうよ!」 (最近和んだことはありますか?というお便り) 倉「和んだね~」 丸「いいないいなそういうの!」 倉「和むと言えば?」 丸「あるよ最近俺も」 倉「あるんですか?」 丸「あるよあるよ、めっちゃめちゃあるよ!」 倉「何に和んでるんですか?」 丸「あの~最近俺も家に帰ると弟と妹がいる訳ですよ」 倉「えぇ」 丸「弟がね?「おしっこしたいけど出ぇへん!」って。」 倉「うん」 丸「「ほんならお母さんがつつつ~って行って、「お○んちん出し」~あ、とと・・・(※失言に困惑)」 倉「ふふふ」 丸「「ほら、用意してみ?」って言うて。発射よーい!ってなった訳ですよ」 倉「うん」 丸「でも出ぇへんねんけど!って言うたんですけど、 「ちぃーこっこここ、ちぃーこっこここ」ってしたら出るらしいねぇ!」 倉「え、そうなん?」 丸「出るねん!」 倉「え、マジで?」 丸「ちぃーこっこここって言うてたらぁ、出るねん!」 倉「それ、出たん?」 丸「出た!」 倉「え?っていうかさぁ~」 丸「「うわ、出たぁ~!」って」 倉「弟何歳?」 丸「弟?9歳。」 倉「何年生?」 丸「確かもう4年とか言うてた。」 倉「アホやろ?」 丸「あ~はっははは!」 倉「ふふふふふ」 倉「おとうと、アホちゃうか?」 丸「えー」 丸「認めたくないけどアホですね」 倉「んふふっ(手をたたく)」 丸「でもなんていうんでしょうか?陽気なアホや。」 倉「マルに似てるよな?」 丸「どこがぁ?」 倉「雰囲気とかもそうやし、ちょっとおちゃらっぽいやろ?」 丸「そやなぁ、普通に大人しく出来ひんもん。」 倉「で、ぼうず?」 丸「ぼうず!」 倉「なんか初めて会った時のマルとかとちょっと被るねんなぁ~」 丸「はっははは・・・」 丸「俺も小中学校と坊主やったからな」 倉「うん」 丸「そういう意味では似てるかもしれへんな」 倉「そやなぁ」 倉「家族は和むなぁ~」 丸「和むなごむ!」
https://w.atwiki.jp/p_ss/pages/1612.html
家に帰ると、玄関には ゆかちゃんがちょこんと座って あたしの帰りを待っていた。 そして、あたしの顔を見ると すくっと立ち上がり ぎゅっ と抱きついてきた。 「どこ行ってたの?」 「バイトだよ。言ってなかったっけ?」 「…うん。」 「ごめんね。今度からは、ちゃんと言うね。」 これが毎日の日課。 ゆかちゃんは、あたしの帰りを玄関で待つ。 何十分でも、何時間でも。 その後は、抱きついてきて どこ行ってたの?と聞いてくる。 付き合い始めは、こんなんじゃなかった。 ゆかちゃんも家にはこもってなかったし あたしだって自由に出かけることが出来た。 おかしくなったのは、あの頃からだ。 あたしが友達と遊んでるところを 偶然、ゆかちゃんが見た。 友達と言っても女の子だし、やましいことも何もない。 だけど、ゆかちゃんにとっちゃ あたしが他の誰かと笑って話してるのが許せなかったみたいだ。 その日のゆかちゃんは、荒れに荒れた。 家の中の物を投げ、そこら中にガラスの破片が飛び散る。 ゆかちゃんは、今までに見たことのない顔で泣き叫んでいた。 そして、その日から ゆかちゃんはあたしの行動を監視するようになった。 だけど、こんなゆかちゃんさえ愛しいと思えてしまう あたしの方がおかしかったのかもしれない。 あたしもゆかちゃんも、イかれてるのかも… でも、恋ってそういうもんでしょ? 誰だっておかしくなる。 冷静なんかじゃいられなくなる。 だから、あたし達は何も間違ってはいない。 玄関での確認が終わると、ゆかちゃんはキスをねだってくる。 上目遣いで。 目をうるうるさせて。 だから、あたしはキスをする。 はじめは啄むような優しいのを。 その後は、深く激しいのを。 そして、ゆかちゃんは言う。 「あ〜ちゃん…抱いて…?」 あたしは返事の変わりに おでこに チュ っとキスをおとす。 そして、ゆかちゃんをお姫さま抱っこで 寝室まで連れて行く。 ゆかちゃんは、あたしを独占したがる。 けど 本当はわかっていた。 友達といたところを見られた時から。 いや、もっと前から。 独り占めしたかったのは ゆかちゃんではなく… あたしの方だった。 その証拠に、ゆかちゃんを抱いている今だって… 明日は、どんな方法であたしに溺れさせてあげようか考えてる。 そうだ… 明日は、友達を家に呼ぼう。 どんな反応を返してくれるだろう。 どんな顔して、あたしを欲しがるだろう。 考えただけで物凄く興奮する…。 「ゆかちゃん…愛してるよ。」 疲れ果て眠ってしまった彼女に囁く。 明日は楽しみにしててね…
https://w.atwiki.jp/chisato_ojosama/pages/60.html
前へ 車で家に帰る途中、いつもみたいにお姉ちゃんのわき腹をつっついてみた。 ク゛フク゛フ笑いながら反撃してくると思ったけれど、「きゃんっ」ってリップみたいな声を出してのけぞった。 バカじゃないの。バカじゃないの。バカじゃないの。 心配したのに。ふざけつづけるお姉ちゃんに私は自分の気持ちを馬鹿にされてしまったみたいで、悔しかった。 「明日菜ったら、どうしたの?」 甘ったるい舌たらずな喋り方がむかつく。思わず髪に触れた手を振り払ってしまった。 「もう、その寒いキャラやめないと口きいてあげないから。絶交だよ。」 姉妹で絶交って。でもお姉ちゃんには効果があったみたいで、泣きそうな顔してオロオロしている。 「明日菜。何か気に障ることをしたのならごめんなさい。でも、私思い当たることがなくて・・・・」 「何っゞ∫Σ&#!!!!!」 今度こそ掴みかかろうとしたら、またママが止めに入った。 「明日菜、お姉ちゃん疲れてるの。あんまりちょっかい出さないで。」 ああもう、本当嫌だ。疲れてるとか関係ない。お姉ちゃんがイタズラ好きなのは知ってるけど、今そんな空気じゃないって言ってるだけなのに。 「明日菜」 「もう話しかけないで。」 私はお姉ちゃんに背中を向けて、フテ寝することにした。 “家に帰ったら、数学の予習をしないと” “ええ、お母様のおっしゃる通りね” “うふふ” 断片的に耳に入ってくる言葉が勘に触る。ママもママだと思う。いつもお姉ちゃんばかり甘やかすんだから。ずるい。 そもそも私達姉妹がハロプロのお仕事を始めたのだって、私が大好きなモーニング娘。になりたいと言ったのが始まりだったはずだ。 なのにママは、キッズオーディションを受けるのに年齢が足りてなかった私には我慢しなさいと言って、お姉ちゃんだけ受けさせた。 私のことを待って、また別のオーディションを一緒に受けるんでもよかったはずなのに。 あの時はお姉ちゃんが「千聖どうしてもこれ受けたい!なんでも言うこと聞くからお願い!」 とママに食い下がったんだっけ。 お姉ちゃんは基本的に優しいけれど、どうしてもやると決めたことに関しては絶対に譲ってくれない。 私の一番の夢を私より先に掴んで、お姉ちゃんはキッズになってしまった。 結局私もその後エッグになれたから、もうそのことは恨んでないし今更うじうじ言うつもりはない。 でも今日みたいなことがあると、やっぱり自分ばかり損しているような気持ちになる。 ケガがたいしたことなくて、ふざけているんだったら早く怒ればいいのに。 こんなキャラで家に帰ったら、弟だって心配してしまうだろう。 「お帰りー!ちさと姉ちゃんケガ大丈夫?」 家に着いたら、よっぽど心配していたのか弟が玄関の前に立っていた。 「ありがとう。たいしたことなかったのよ。ずっと待っててくれたのね。」 お姉ちゃんはとても優しい顔で微笑んで、弟をやんわりと抱きしめた。 「え」 普段はやんちゃな弟が、お姉ちゃんの腕の中で目をパチクリさせておとなしくしている。 パパもママも、「千聖は優しいお姉ちゃんだね」とか言っている。 私はこのとき初めて、怒りではなく恐怖を覚えた。 ・・・・・もしかして、私がおかしいの?もともとお姉ちゃんはこういうキャラで、私が今日突然そのことがわからなくなってしまった? 「遅くなってしまったわね。お布団しいて、寝ましょう。」 お姉ちゃんの手が私の背中に添えられる。拒めない。 妙にあたたかくて、優しい手がとても重く感じた。 次へ TOP
https://w.atwiki.jp/stairs-okai/pages/31.html
車で家に帰る途中、いつもみたいにお姉ちゃんのわき腹をつっついてみた。 ク゛フク゛フ笑いながら反撃してくると思ったけれど、「きゃんっ」ってリップみたいな声を出してのけぞった。 バカじゃないの。バカじゃないの。バカじゃないの。 心配したのに。ふざけつづけるお姉ちゃんに私は自分の気持ちを馬鹿にされてしまったみたいで、悔しかった。 「明日菜ったら、どうしたの?」 甘ったるい舌たらずな喋り方がむかつく。思わず髪に触れた手を振り払ってしまった。 「もう、その寒いキャラやめないと口きいてあげないから。絶交だよ。」 姉妹で絶交って。でもお姉ちゃんには効果があったみたいで、泣きそうな顔してオロオロしている。 「明日菜。何か気に障ることをしたのならごめんなさい。でも、私思い当たることがなくて・・・・」 「何っゞ∫Σ&#!!!!!」 今度こそ掴みかかろうとしたら、またママが止めに入った。 「明日菜、お姉ちゃん疲れてるの。あんまりちょっかい出さないで。」 ああもう、本当嫌だ。疲れてるとか関係ない。お姉ちゃんがイタズラ好きなのは知ってるけど、今そんな空気じゃないって言ってるだけなのに。 「明日菜」 「もう話しかけないで。」 私はお姉ちゃんに背中を向けて、フテ寝することにした。 “家に帰ったら、数学の予習をしないと” “ええ、お母様のおっしゃる通りね” “うふふ” 断片的に耳に入ってくる言葉が勘に触る。ママもママだと思う。いつもお姉ちゃんばかり甘やかすんだから。ずるい。 そもそも私達姉妹がハロプロのお仕事を始めたのだって、私が大好きなモーニング娘。になりたいと言ったのが始まりだったはずだ。 なのにママは、キッズオーディションを受けるのに年齢が足りてなかった私には我慢しなさいと言って、お姉ちゃんだけ受けさせた。 私のことを待って、また別のオーディションを一緒に受けるんでもよかったはずなのに。 あの時はお姉ちゃんが「千聖どうしてもこれ受けたい!なんでも言うこと聞くからお願い!」 とママに食い下がったんだっけ。 お姉ちゃんは基本的に優しいけれど、どうしてもやると決めたことに関しては絶対に譲ってくれない。 私の一番の夢を私より先に掴んで、お姉ちゃんはキッズになってしまった。 結局私もその後エッグになれたから、もうそのことは恨んでないし今更うじうじ言うつもりはない。 でも今日みたいなことがあると、やっぱり自分ばかり損しているような気持ちになる。 ケガがたいしたことなくて、ふざけているんだったら早く怒ればいいのに。 こんなキャラで家に帰ったら、弟だって心配してしまうだろう。 「お帰りー!ちさと姉ちゃんケガ大丈夫?」 家に着いたら、よっぽど心配していたのか弟が玄関の前に立っていた。 「ありがとう。たいしたことなかったのよ。ずっと待っててくれたのね。」 お姉ちゃんはとても優しい顔で微笑んで、弟をやんわりと抱きしめた。 「え」 普段はやんちゃな弟が、お姉ちゃんの腕の中で目をパチクリさせておとなしくしている。 パパもママも、「千聖は優しいお姉ちゃんだね」とか言っている。 私はこのとき初めて、怒りではなく恐怖を覚えた。 もしかして、私がおかしいの?もともとお姉ちゃんはこういうキャラで、私が今日突然そのことがわからなくなってしまった? 「遅くなってしまったわね。お布団しいて、寝ましょう。」 お姉ちゃんの手が私の背中に添えられる。拒めない。 妙にあたたかくて、優しい手がとても重く感じた。 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
https://w.atwiki.jp/legends/pages/4484.html
あー、ええっと どうもこんにちは 私は、この町―学校町に住む高校1年生の清水 涼っていいます 女の子です。 趣味は釣りと喫煙です あ、大丈夫、心の中ではもう大人なので、吸っても平気です。お母さんが言ってました。 で、今日も学校帰りに、河原でボーッと糸を垂らしていました。 調子が悪いのか、さっき後ろを通っていったバイクの音に魚がビビったのか、河童でもいるのか知りませんが 全く釣れません、ボウズです。 ふと、横に人影が見えたので、あーいつものおっちゃんかなーとか思いつつ目をやるとそこには河童がいました。 そこには、河童がいました。 勘弁してほしいです、なんか襲いかかってくるし。 腹がたったんで、煙草の煙を吹きかけてやりました。 すると、河童は急に倒れこみ、腕をバタバタとさせてます。 あ、これが、私の「メンソールを吸うとインポになる」の都市伝説の力です 私の吸った煙草の煙を吸いこむと、暫く下半身がマヒするらしいです。 ついでに、男性の場合は、1週間くらいインポってゆうのにになるそうです。 ところで、インポってなんですかね、この間お父さんに聞いたら「女の子がそういう事を言っちゃいかんよ、ちなみに私の息子は未だ現役だ」 って、いってました。よくわかりません。はぐらかされて腹が立ったので、煙を吹きかけてやりました 暫くの間「俺は未だ現役なんだ,,,,,,,,,,,,,,そんなはずはない,,,,,,,,,,,,,息子よ,,,,,,,,,目を覚ましてくれ,,,,,,,,,,,,,」とかブツブツ言ってました、気持ち悪い。 とりあえず、河童は川にけり落としました、バタバタもがく様子は、正に河童の川流れってやつでした、ざまみろ。 結局、その後も一匹も釣れずじまいでした。 家に帰ると、お父さんに「なんだ、釣れなかったのか,,,,,,だからあれほど私の下の釣竿を使えと言ったのに,,,,,,,,」 と言われたので、股間を思い切りけり上げました。 お父さんが、わけのわからない事を言ったら、こうしろって、兄貴が言ってました、お母さんもやってました。 そんなこんなで、今日も一日が終わりました。 fin- 「単発もの」に戻る ページ最上部へ
https://w.atwiki.jp/ferrettrpg/pages/19.html
覚醒 01 ㅤ帰ってきた答案の最後には100%の文字が入力されていた。退屈なテストだ、調べて、書いて、そして終われば忘れる。彼女たちが覚えておく必要は無い、情報は全てウェブにあり、そこにはいつでもアクセス出来る。必要なのは、情報が正しいのかどうかを検証する力だけ。それもやっぱり調べ物だ。退屈だ、コッペリオンに検索ワードを打ち込むだけなんて。 「今日も上位者を発表するぞ。いつもの事だが、クラス唯一の100点満点は来ヶ谷だ」 ㅤ拍手の中で、来ヶ谷小夜子は空白だった。退屈だ、こんなことで賞賛を得られてしまう世間が退屈だ。出来ることをやるだけの生活なんて、もううんざりだ。誰もやってないことがやりたい、このクラス全員がやろうとも思わないこと。 ㅤ放課後は真っ直ぐ家に帰る。友達なんて居ない。ウェブ上になら数人いるが、下心と下世話さが見え透いた胡散臭い奴らだ、そのうち縁も切れるだろう。人を騙すして奪い取るしか脳のない、しかもその脳すら小夜子に見透かされてしまう、これまた退屈な奴らだ。 ㅤ帰っても誰もいない。両親は共働きで、二人とも千早のサラリマンだ。千早に務めていることを誇らしげにあの二人は言うが、千早のサラリマンなんて、それこそごまんといる、そんなに珍しいことでもない。たしかに割合的には低いが、彼らが彼らの親の元に生まれたからには全然有り得る話だ。 ㅤ小夜子も、彼らの元に生まれ。 ㅤ新星帝都に入学し。 ㅤいずれ卒業し。 ㅤ適当な有名企業に就職して。 ㅤ同じような境遇の男と結婚して。 ㅤ子供を産んで、その子供も同じような。 「あーあ」 ㅤ退屈だ。同じことの繰り返し。 ㅤこの境遇の女の子が絶対にしないようなことがしたい。ここはN◎VAだ、何かあるはずだ。それだけが原動力で、小夜子は、勉強を強要する両親の居ぬ間に少しだけスリリングなウェブサーフィンをする。検索ログを残さないようにするのは容易い。 ㅤ今日この日、小夜子はとある掲示板に行き着いた。そこは、なんともまあウェブ特有のヘイト、憎悪の掃き溜めみたいな場所だった。匿名システムなのをいいことに、日々の恨みつらみを相手の名前は実名で出してぶちまけている人達ばかりだった。なんだったら掲示板上で互いに罵りあっているのもいる。民度の低い奴らだ、退屈だ。 ㅤその中で気になるスレを見つけた。なぜ気になったかといえば、長文だったからだ。およそ1万文字に渡る、憎悪の呪詛の塊だった。半分は恨みの相手の個人情報で、もう半分は彼が行ってきた悪事について。最後の文章が嫌に目に焼き付いた。 『誰かあいつのこと、ボランティアで殺してくれないかな』 ㅤ殺されろとまで言われる相手がどんな人間なのか気になって、調べてみることにした。大量の個人情報が提供されているとはいえ個人を特定するのは難しい。難しいと言っても、それは既存のツールを使う場合のは話である。小夜子はその場で、個人情報から個人のIANUSを特定するツールを作り上げた。さすがに少し時間がかかってしまったし、まだ足が着きやすいだろうな、とりあえず試験的に使ってみるかと、件の人間を追跡してみた。イワサキに務めている女性だった。部署内で幅をきかせていて、悪質ないじめをしているようだった。恨まれても仕方ないような言動をしているが、社外に出ると打って変わって普通の人になってしまう。家に帰ると幼い息子がいて、いじめをしている時の陰湿な笑みとは違う、慈愛に満ちた心で彼を愛する母となる。息子も、夫も、彼女が会社でそのようなことをしているとは知る由もないようだ。人は見かけによらないものだと、小夜子は心底驚いた。そしてこの猫を被っている女に、小夜子自身も苛立ちを覚えた。くだらない奴だ、こんな奴が有名企業就職の数パーセントの内容なのだから笑えない話だ。もしかしたら、小夜子自信が、このまま成長していって彼女のようになるのではないかと考えてしまっていたのかもしれない。ありえない話ではないし、それは自己嫌悪でもあった。 ㅤああ、苛立つなぁ、この女をギャフンと言わせる方法はないだろうかと、小夜子はツールをいじっていた。ここをいじるとどこまで行けるだろう、IANUSは使う人によって構造ががらっと変わる、奥が深い所ではない、深層意識のようなものが存在するのだ。ここまでは行ける、こっちにも行ける、そうして出来ることをやっていくうちに、小夜子はふと気づいた。 ㅤここをいじれば、脳に数千ボルトの過剰な生体電流を流せる。 ㅤ流せばどうなる? ㅤ死ぬ。 ㅤ間違いなく、人間に耐えられるわけが無い、死ぬ。 ㅤあれっと拍子抜けで、一体それがどういうことなのか、小夜子は理解するのに時間がかかった。そしてじわ、じわと実感が湧いてきて、悪いことをしているという自責にたどり着いた。否、自責ではなく、ただの罪の意識だ。捕まる、逮捕される、という反射的恐怖だった。 ㅤ慌ててツールを閉じようとしたが、そのうえでまだ気づいたことがあった。対象の彼女が、気づいていないのだ。自分のIANUSの中に、小夜子がいることに。そりゃ気づかれないように、ログに残らないように細心の注意を払ってはいたが、自分のハッキング力がIANUSのセキュリティを上回っているとは露ほどにも思っていなかったのだ。 ㅤ彼女は気づいていない。たとえ、万が一、もしも、今ここでエンターキーを押して、彼女が死んだとしても、ログには残らない、なんならIANUS自身も破壊される。ブラックハウンドだって気づかない。誰にも、気づかれない。 ㅤ今、誰も知らない中で、知らない誰かの命が、手のひらの中にある。 ㅤその実感を覚えた瞬間に、両親が帰ってきた。小夜子はどうするか迷った挙句、今の掌握状態を維持したまま ツールを閉じて、タップをスリープモードにした。 次
https://w.atwiki.jp/wrtb/pages/27.html
ピノキオ 原題:Pinocchio 公開:1940年2月7日 時間:88分 監督:ベン・シャープスティーン、ハミルトン・ラスク 原作:カルロ・コロッディ* 1995 2003(SP) 2009(SP) 2009(Pt) 目次 ピノキオストーリー 概要歴史 キャスティング アニメーション キャスト スタッフ 用語集ロケーション 楽曲 ストーリー 旅するコオロギ、ジミニー・クリケットは、時計職人ゼペットの家に辿り着き、一晩過ごすことにする。その家には木でできた操り人形ピノキオがいた。その晩、ゼペットが夜空の星に「ピノキオを本当の人間の子供にしてください」と願をかけると、真夜中に青い妖精ブルー・フェアリーがやってくる。ブルー・フェアリーはピノキオに生命を与え、「善悪を判断し、善い行いをすれば人間にしてあげましょう」と言う。成り行きから、ジミニーが勲章を褒美に、ピノキオの良心を務めることになる。ゼペットは生命を持ち、自由に動いて話をするピノキオを見て、大喜び。 翌朝、ピノキオはジミニーと学校へ通い始める。登校初日、ずるぎつねのJ・ワシントン・ファウルフェローとネコのギデオンのコンビに目をつけられてしまう。2匹は糸なしで動く操り人形のピノキオを人形座に売り飛ばし、儲けようと企んでいた。「スターの暮らし」を説くファウルフェローの誘惑に乗ってしまったピノキオは、親方のストロンボリに気に入られ、人形劇のスターとなる。 しかし、ストロンボリはピノキオを金の成る木としか考えていなかったため、鳥かごに閉じ込められてしまう。そこへ、ブルー・フェアリーが現れるが、学校をサボったことを隠そうと嘘をつくとピノキオの鼻が伸び始めた。ブルー・フェアリーはピノキオに「嘘はその嘘を隠すためにどんどん大きくなる」と教える。ジミニーの説得もあり、ブルー・フェアリーからチャンスをもらったピノキオは脱出し、家に帰る。 家に帰る途中、再びファウルフェローとギデオンに呼び止められ、遊びの島プレジャー・アイランドへ行こうと誘われる。またも誘惑に乗ってしまったピノキオは馬車に乗り、島へ向かう。悪童のランプウィックと親しくなったピノキオはジミニーの忠告に聞く耳を持たなくなってしまう。諦めたジミニーだったが、この島にいる子供はロバになってしまい、町に売り飛ばされることを突き止め、ピノキオの救出に向かう。 ランプウィックはすでにロバになっており、ピノキオにもロバの耳としっぽが生えてしまった。ジミニーはピノキオを連れて島を脱出し、家へと帰る。家に帰ると、ピノキオを心配して探しに行ったゼペットが、クジラの王様モンストロに飲み込まれてしまったことを知る。 概要 心を持つ木彫りの人形ピノキオが、本当の人間になるために、誘惑に負けず、正直や勇敢であることの大切さを学んでゆく物語。ディズニーの長編アニメーション映画第2作として公開された。 AFIアメリカ映画100年*シリーズでのランクイン歴がある。 映画主題歌ベスト100 (2004年):7位 感動の映画ベスト100 (2006年):38位(アニメではトップ) アニメ映画ベスト10 (2008年):2位(ディズニーが、『シュレック』(ドリームワークス)を除く9枠を独占した) 2000年、実写リメイクとなるテレビ映画『ピノキオとゼペット』が放送された。 2022年、アニメ版をベースとした実写リメイク映画『ピノキオ』がDisney+で配信された。 歴史 1937年9月、『白雪姫』の制作中に、ウォルト・ディズニーはノーム・ファーガソンが持っていた『ピノッキオの冒険』に興味を持つ。本を読んだウォルトは熱狂し、『バンビ』に続くスタジオの第3作の題材として選んだ。『バンビ』は動物のリアリティを追求するあまり制作期間が延び、『ピノキオ』が2作目に繰り上げられることとなった。 前作『白雪姫』は短い物語を想像力で長編へ膨らませていったが、『ピノキオ』の原作は長編小説だったためストーリーの手直しを行った。原作小説でのピノキオは冷たく生意気で観客の共感を得にくいキャラクターであったことから、キャラクターの創造にも時間を要した。当初のピノキオのデザインはエドガー・バーゲンの辛辣な腹話術人形チャーリー・マッカーシー*をモデルにしたものだった。 オリー・ジョンストンとフランク・トーマスが初期に手がけたデザインは木製の人形らしさが強調されており、フレッド・ムーア*のリデザインによって魅力的なものとなった。ハミルトン・ラスクは若手アニメーターのミルト・カールに水中のシーンをデザインするように薦めた。カールはピノキオに子供らしいチロル帽子をかぶせ、四本指の可愛らしい男の子として表現した。ウォルトはこれを気に入り、彼の性格も見た目に即した純粋で内気なものに変更することとなった。 1938年夏、ピノキオが頼りないキャラクターであることに目をつけたウォルトは、原作では物言うコーロギという口うるさいだけの地味なキャラクター(終盤、ピノキオに誤って殺されてしまう)をピノキオの良心役にあてることにした。ウォルトは『白雪姫』で担当した「ミュージック・イン・ユア・スープ」のシーンを削除されて退社を決意していたウォード・キンボールにコオロギのスーパーバイザーを任せ、名脇役ジミニー・クリケットが誕生した。キンボールはコオロギであると同時に、「耳のない小さな人間」をモチーフにしたという。ジミニーは本作以降も『ミッキーのクリスマスキャロル』(1983年)などでも活躍している。 キャスティング 『白雪姫』の成功により、ウォルトは有名な役者をキャラクターの声優に起用したがっていた。ジミニー役はウクレレ・アイクとして知られるビルボードのクリフ・エドワーズを起用。ピノキオは子役を起用するというウォルトの希望で、『スミス都へ行く』(1939年)に出演した11歳のディッキー・ジョーンズが選ばれた。ウォルトはゼペット役の声優が気に入らず、制作を中断して適任者を見つけ出した。新しく選ばれたクリスチャン・ラブはゼペットのデザインにも影響を与えた。 ウォルトは『白雪姫』に登場するしゃべらないこびとのおとぼけを気に入っており、本作にも同じ要素を求めていた。その役目を担当したのはネコのギデオン。ギデオンはピノキオを誘惑するコンビで、J・ワシントン・ファウルフェローの相方である。ディズニーのライバルとも言えるワーナー・ブラザーズで一人でほぼ全役を担当していたメル・ブランクがギデオンの声を担当したが、こうした経緯の中ですべてカットされた。しかし、本作に登場するギデオンのくしゃみやしゃっくりはブランクによるものである。 アニメーション 1938年9月、アニメーション作業が開始。ジョー・グラント率いるキャラクターモデル部門がマケットと呼ばれる3次元の模型を制作し、からくり時計や揺れる幌馬車の動きをアニメーターに研究させた。キャラクターの動きは『白雪姫』同様、実写のモデルの動きを参考に描かれた。 『ピノキオ』は特殊効果技術を大幅に向上させた。アニメーターがキャラクターの演技に集中し、特殊効果スタッフは雨、雷、煙、霧、影、水といった自然表現を実現した。同時進行の『ファンタジア』(1940年)の制作チームから抽象的演出のアニメーターのオスカー・フィッシンガー*がブルー・フェアリーの杖の演出に貢献した。特殊効果アニメーターのサンディ・スローザー*は水中のシーンの水しぶきや泡、波などの再現に苦労した。海は手前の物体を細かく描き遠くの物体をぼやかせることで深さを表現した。また、波のアニメーションをセルにトレースした後、アニメーターはさらに青と黒の鉛筆でトレースを繰り返して彫刻のような波を作り上げた。こうした工夫によって『ピノキオ』は芸術性の高い作品として認められるようになった。 キャスト 初公開版 旧録版 再公開版(ソフト版) ピノキオ ディッキー・ジョーンズ 佐々木清和 / 宮下匡司(歌) 後藤真寿美 初沢亜利(辻治樹) ジミニー・クリケット クリフ・エドワーズ 坊屋三郎 / 宮本正(歌) 江原正士 / ?(歌) 肝付兼太 / ?(歌) ゼペット クリスチャン・ラブ 三津田健 内田稔 熊倉一雄 J・ワシントン・ファウルフェロー ウォルター・キャトレット 三升家小勝 関時男 / ?(歌) 山田康雄 ブルー・フェアリー イヴリン・ベナブル 松田トシ 小沢寿美恵 一城みゆ希 ストロンボリ チャールズ・ジュデルス 中村哲 遠藤征慈 大塚周夫 コーチマン チャールズ・ジュデルス 古今亭今輔 金尾哲夫 辻村真人 ランプウィック フランク・ダロ 畑爽 牛山茂 新井昌和(内田崇吉) ギデオン メル・ブランク - - - フィガロ メル・ブランク - - - クレオ メル・ブランク - - - モンストロ メル・ブランク - - - 兵士(マリオネット) メル・ブランク - - - アレキサンダー ディッキー・ジョーンズ 下川久美子 宮川陽介 オランダ人形 和田京子 フランス人形 富沢志満 ロシア人形 依田みどり プレジャー・アイランドのスタッフ ジョン・マクリーシュ 野坂昭如 岡田吉弘金尾哲夫牛山茂 峰恵研沢りつお山崎哲也 ※ジミニーの歌声は旧・新録版ともに同じ俳優が担当している。また、ファウルフェローの歌声も旧録版では別の俳優が担当しているが、新録版では山田康雄が担当している。 初公開版:1958年12月15日公開。 再公開版:1983年7月23日公開。1993年8月20日『金曜ロードショー』。その他:梶哲也、村上雅俊、秋原充、黒田将人、小山友成 翻訳:金田文夫*、演出:ブレイク・トッド* 旧録版:1986年4月25日発売。※旧VHSに収録(販売元:ポニー、バンダイ) ソフト版:1995年3月17日、再公開版に一部追録してビデオ発売。※Blu-ray・DVD・新VHS収録 スペシャル・エディション新録キャスト(2003年)ピノキオ(声:常盤祐貴) ブルー・フェアリー(声:一城みゆ希) ロビー・ベンソン(声:山寺宏一) スタッフ 情報集計中… 用語集 ロケーション イタリア*村 ゼペットの家 ストロンボリのキャラバン ザ・レッド・ロブスター・イン プレジャー・アイランド 海* 楽曲 歌:星に願いを リトル・ウッドゥン・ヘッド クロック・シークエンス 子猫のテーマ ブルー・フェアリーのテーマ 歌:困ったときには口笛を ゼペットじいさん ピノキオ 学校へ行く 歌:ハイ・ディドゥル・ディー・ディー ソー・ソーリー 歌:もう糸はいらない 恐ろしいストロンボリー 悲しい再会 嘘をつくレッスン ターン・オン・ジ・オールド・ミュージック・ボックス 楽しい遊園地の島(プレジャー・アイランド)への馬車 怒ったジミニー・クリケット 変身 ブルー・フェアリーからの手紙 救出 大波 悲しみのテーマ 目覚めたモンストロ 鯨のレース
https://w.atwiki.jp/konatsuka/pages/172.html
☆こなゆき☆『とりかえっこ☆(4話)』 ☆こなゆき☆『とりかえっこ☆(3話)』の続きです とりかえっこ☆4話 とても長い授業時間はようやく終わりを告げた。窓の外には夕日が見え、教室の雰囲気にも開放感が見え隠れしている。 みゆきも例外ではなかったが、今朝思っていたよりは疲労は少ないと感じていた。昼休憩以降、こなたは『高良みゆき』をしっかりとこなしていたからだ。 午後の授業は2人とも指されることが無かったのは幸運というほか無い。 「やあっと終わりましたね~」 「そ、そうだね」 こなた(体はみゆき)は手を組み、思い切り体を伸ばした。口調はまだみゆきを演じている。みゆきもまたこなたの口調で言葉を返した。 「本当にお疲れ様。すみません、私の我侭で無理強いさせちゃって……」 「いやいや大丈夫ですよ」 ここまでになるとお互いの口調が既に自然に出てくるようになっていた。でもまだ若干おかしい。みゆきはそれが少しおかしかった。 「ゆきちゃん、こなちゃん!」 「2人とも、大丈夫?」 つかさとかがみが2人に近寄ってきた。みゆきが返事をせずとも、かがみは状況はよく読めたようだ。 「なんとか乗り切ったみたいね」 「ねえ、えっと………どうやって呼んだ方がいいかな?」 こなたは軽くあたりを見回す。もうかなりの生徒が下校したようだがまだわずかに残っている。 「まあ、とりあえず外見の方で呼んでください」 「じゃあ…ゆきちゃん。これからどうするの?」 「……どうしましょうかね」 こなたは少し宙を眺めた後、意見を求めるようにみゆきに視線を当ててきた。 これからというのは、もちろん下校のこと…ですよね。本当にどうするべきなのでしょう。 元の方の家に帰る…そんなことしたらお母さんも、泉さんのお父様も心配しますよね。 「じゃ、先に私の意見いいですか?」 「え?」 「とにかくこんな状況になったんだから…今、お互いに帰るべき所は決まっている。そう思いません?」 「それは……」 でも、確かにそうかもしれませんね。全ての答えがそこにあるのかもしれません。 「うん、分かった。それでは私は『自分の』家に帰るよ」 「交渉成立、ですね♪」 乗り気なこなたとは対照的に、隣のかがみは心配そうな面持ちでみゆきの顔を覗き込んだ。 「大丈夫?今日だって辛かったでしょうに。いっそ親御さんだけにでも本当のこと話したら?」 かがみの心遣いがみゆきは嬉しかった。が、みゆきの心は既に決まっていた。 「大丈夫、今日一日で大分慣れたので。………それに」 「ん?」 「少し楽しくなってきた…でしょう?」 今度はこなたが間に入る。図星をつかれ、みゆきは少し苦笑いになった。 「…ねえお姉ちゃん」 「どうしたの?」 「…誰がどうなってて、これからどうするのぉ…?」 「あー……」 目を回し、頭からぷすぷす煙をあげているつかさが居た。 ―――――――――――――――――――――――――― 【泉こなた】―中身はみゆき―泉家に帰宅する 【高良みゆき】―中身はこなた―高良家に帰宅する 事情を知っているのは柊姉妹のみ。 ―――――――――――――――――――――――――― みゆき、つかさ、かがみの3人は電車の中にて体を休めていた。高良家は都内にあるため、こなたとは駅で別れたのだ。 「そういえばゆきちゃんと一緒に帰るなんて今までなかったよねえ」 「考えてみたらそうだね。こうやって話をするというのは不思議な感じがするよ」 これまで何度も乗ったことはあるものの、みゆきの心は新鮮さに躍っていた。 そんなみゆきにかがみも興味津々の様子である。 「ねえみゆき、こなたの体ってどんな感じ?」 咄嗟に問われ、みゆきは宙を眺めた。そして無意識に出た一言。 「体が軽くて動きやすいこと…かな?」 ……泉さんが居たら怒られそうですね。でも実際問題すごく身軽なんですよね。…どこがとはいいませんが。 「それにしてもゆきちゃん、こなちゃんの喋り方上手くなったね」 「そうかな…?まだ少し不自然な気もするけど」 そういえば泉さんの方はどうなってるでしょうか。遅刻しながらも学校には来ていましたから迷うようなことはないと思いますけど。 「本当にどうしたら元に戻るんだろうね、2人とも」 「漫画とかドラマの域よね」 2人で派手に転ぶ、頭を打つ、不思議な箱に2人っきりで入る。御2人の話を聞いていると、そういった創作は良くあるみたいです。私自身もかつてそんな本を読んだことがあります。 ただ実際に起こったことを考えるとそれらとは全く関係ありません。朝起きたら突然…です。 先に挙げた話の中では、入れ替わる原因となった事と同じ状況になると元に戻る、という結末が殆んどですが、私たちのケースではどうしたらいいものか。 「じゃあさ、全部試してみるとかは?何回か2人で頭突きしてみるとか」 「…つかささん、もう他人事だね…」 「まあまあ…それにしてもみゆき、そこそこ吹っ切れたみたいね。昼食の時なんて見てられなかったけど」 「それは…でも不安が無いわけではないよ。泉さんがああ言ってくれなければ、こうも考えられなかっただろうし」 あの時みゆきの目に写った自分の体は、みゆきにとって自分の母を思い起こさせるものだった。 嫌な事、辛い事、悲しい事…どんな苦しい時だって笑顔で全て受け入れてくれた、みゆきが一番尊敬する人が他ならぬ母だ。 みゆきは昼休憩の時、かすかではあるがこなたに母親の面影を見た。今でも、自分の中で『泉こなた』という存在が大きくなっていくのを感じているのだ。 冷静に思い返してみれば、これまで泉さんの事をそんな風に見えたことが結構あったような気がします。 そうですね、まず思いつくのは私たちの間で『ドリル勝負』が流行った時などでしょうか。 勝ち負けにこだわらずみんなで楽しめばいい。そう言って励ましてくださいましたね。 甘えん坊でいたずら好き、でもいざという時には誰よりも頼りになる人。 みゆきは電車の窓に写った自分の顔を見て、その人の名前を静かに呟いた。 一方のこなた。 朝の寝坊、午後は珍しく集中していたが為の疲労によって、こなたは完全に睡魔に飲まれてしまっていた。 「くー…、くー…」 「!、みゆきさんもこの電車だったんですね」 「すー…、すー……んあっ………あ、みなみちゃ…さん」 「隣、いいですか?」 「構いませんよ」 眠い目を擦りつつ、こなたはみなみを招いた。 「…みゆきさん、もう大丈夫みたいですね」 「うん?何がですか?」 「その…朝、変にアグレッシブだったじゃないですか」 むう、そんなに変だったのかその時の私は。ここまで来るとちょっと見てみたいね、今日の自分を。 そういえばみなみちゃんと2人っきりって珍しいかも。みゆきさんと幼馴染だって話だし、ちょっとみゆきさんことでも聞いてみようかねえ。 「えっと、そういえばみなみさん、いつもこの時間…でしたっけ?」 「いえ今日はちょっと遅くなったんですけど。偶然ですよ今日は」 うーん。適当なことを聞いてみたけど、いざこんな機会がくると何聞いて良いやら? まずみゆきさんは私だし、自分の事を聞くのはおかしいね。 「みゆきさん、実は相談したいことがあるんですが」 「は、はい!?」 みなみちゃんの方から話しかけてくるとは……。 うあ、結構真面目な顔だ…参ったなあ、みゆきさんの体で下手な事言えないよ。 みなみちゃんの悩みってなんだろう?勉強で分からないとこ――とかだったら一環の終わりだ…。 「な、何ですか?」 「実は……わ、笑わないで欲しいのですが……」 唾を飲み込み、みなみの言葉を待つ。 みなみは顔を俯かせている。耳が紅くなっている様に見えた。 そしてついにみなみは言葉を発した。 「さ、最近…成長していない気がするんです…」 「お?」 なんとなくオチ読めたね。 「ゆ、ゆたかや田村さんは少しずつ大きくなってるんですよ!ただ私はどうも…変化が無いような…」 必死なんだねえみなみちゃん。気持ちは良く分かるんだけどね。 つかそんなの私の方が聞きたいっつうの!この胸の重みが限りなく空しい… …む、そういえば今この体ということは… (みゆきさんに触り放題……!?トイレやお風呂の時も遠慮なくみゆきさんの裸を拝めるっ…!) い、いや自重。自重しよう私。そう、大体一緒に温泉行ったことあんじゃん今更裸なんて…… ………あーでもやっぱりっ…ちょっとだけっ!あの時に見えていなかったところも今なら! 「あの…みゆきさん…?」 こなたの苦悩は続く つづく ☆こなゆき☆『とりかえっこ☆(5話)』へ ■☆こなゆき☆スレ別保管庫(2スレ目)に戻る コメントフォーム 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/streetpoint/pages/243.html
An angel's drop その場にいる事がとても辛くてどうしようもなかった晶は、真っ直ぐに家に帰る事なくショッピングモールをぐるぐると散策していた。 家に帰れば、きっと余計な事ばかりを考えてしまうのではないかと感じ、わざと家とは逆方向を歩き、遠回りして家に帰るつもりだった。 ショッピングモールはただ歩いているだけで周りが賑やかで、滅入った気分も少しは晴れていくような気がする。 しばらく歩いているとコスメショップのショーウインドーの前で録画された今流行の天使のリップのCMが放送されていた。 良恵も人気でかなり売れているのだと晶に自分のリップを自慢するかのように貸してあげると言っていた。 それもそのはずだった。 この流行のリップはなんと5リッチもするのだ。 晶が親に貰ってる小遣いの半分がリップ一本分の値段というわけなのだ。 「カワイイなぁ。でも高いなぁ」 今の声は晶ではなく、晶の隣で目を輝かせながらリップのCMを見ていた、晶と同じくらいの年齢の女の子の声だ。 茶色い髪色のボブカットの真っ直ぐな髪に、くりっとした瞳、柔らかそうな唇。 そして何より背が高くスタイルも抜群。 同性の晶でも思わず見入ってしまうようなそんな可愛らしい女の子だ。 「あなたもそう思わない? カワイイけど高過ぎるよね」 「え? あ、はい」 初対面で彼女に話し掛けたが、馴々しいとか不思議と嫌らしいような気持ちにはならなかった。 きっと彼女がとても人懐っこそうで、初対面の人にも優しく微笑むからだと晶はそう思う。 「テルたんにお願いしようかなぁ」 とても物欲しそうに見ているので、思わず晶が代わりに買ってあげたくなるようなそんな可愛らしい仕草をする。 自分も天地の前でこんな可愛らしい女の子になれればいいのにと思ってしまう。 「こらっ! どこに行ってたんだよ、お前は」 「イタッ」 急に彼氏らしき人が現れ、女の子にいきなりチョップしていた。 本当に急だったので晶は呆然として二人を眺めていた。 「何かあったんじゃないかってめちゃめちゃ探したんだぞ。勝手にどっかに行ったりするなよ、心配するじゃん」 「だってテルたんがいつまでもトイレから戻らないから退屈だったんだもん」 「退屈って言っても、ものの1~2分だろ。少しは我慢しろよ。ていうか恋するリップなんてのジーッと見つめて、まさかコレを買う気じゃないだろうな?」 「うーん、実は迷ってるの」 「いらねえだろ、金の無駄だ。こんなの」 「だって恋するリップだよ!? リップなのに恋しちゃうんだよ?」 「意味分かんないこと言うな」 「乙女心が分かんないなあ、テルたんはっ!」 「やかましい、人前でその呼び方やめろ! 恥ずかしいんだよ!」 二人の漫才のような会話を聞いていて、晶は思わずクスクスと笑ってしまった。 今この瞬間だけでも、天地の事を考えずに済んだ事に二人に感謝した。 「佐野先輩! 佐伯先輩!」 声のする方向に振り向くと、なんとそこにいるはずのない天地がにこにこしながら駆け寄ってきた。 晶は思わず凍り付いてしまい、天地を見れなかった。 今までそばにいた漫才カップルは天地の知り合いだった。 というよりも、この人達はもしかしなくても例のあの二人じゃないかとピンときた。 元はね学プリンスの佐伯瑛と天地が仲良かった先輩という人ではないかとそう感じた。 晶の事も気にするかようにちらりと天地は目線をずらしてこちらを見たが、すぐにまた二人に視線を戻した。 「奇遇ですね。お二人でデートですか?」 「俺達付き合ってんだし、当然だろ」 「ちょっとテルたん、絡まないのっ」 佐野は佐伯に茶化さないように注意するが、そんな事はお互いに聞く耳持たない様子だった。 どうやら二人は犬猿の仲のようだ。 わざわざ説明を入れなくても、二人の間には充分過ぎる程の異様な空気をバシバシ感じていた。 「そうですよね。わぁ、この赤色のリップ、佐野先輩に似合いそうですね」 「さすが翔太! 翔太は昔から流行に敏感よね。好み分かってるぅ」 「いや、佐野先輩に似合いそうだなって直感でそう思っただけですよ」 「香奈はどっちの味方なんだよ」 「えへへ、今は翔太」 「彼氏なんですから、佐野先輩にプレゼントしてあげたらどうですか? 僕なら絶対そうしてますよ」 「そうだ、そうだー。彼氏ならプレゼントしてよー。テルたんの前でだけオシャレにしていたいって思ってるのにさぁ」 すると佐伯は少し顔を赤らめるようにして、ごまかすように咳払いをした。 どうやら佐野の言葉に反応を示したようだ。 「香奈には赤よりピンクの方が似合うんだよ。だからこっちなら買ってやる」 「やったー」 「晶ちゃんは持ってるの? 天使のリップ。晶ちゃんにもピンクが似合うんじゃないかな?」 急にこちらに話題を振られ、晶は何も答えられなかった。 こんなに仲の良さそうに話をしている天地達を見ていると、なぜだか気を使ってしまうのだ。 「翔太の彼女、あきらちゃんっていうんだね。カーワイイ。二人並んでるととってもお似合いだよ」 「あの、私は…」 晶が二人の誤解を解こうとすると、急に天地がハハハ! と大声で笑い飛ばした。 「そうですかぁ? そんな風に言われると照れますね。ねぇ晶ちゃん?」 「えっ? あ、えっ?」 晶はわけが分からなくなり頭が混乱していた。 だけど天地は晶に話を合わすように促すような目で見ている。 「………」 下手に何かを言えば嘘だとバレてしまうような気がしたので、晶はあえて何も話さずに黙秘を続けた。 それ以前に、晶の胸の内はなんだかもやもやしていて、佐野と天地が仲良くしているとそのもやもやがより一層強くなる様子だった。 「晶ちゃん?」 「翔太がいきなり変な話題をふるからだよ」 佐野が天地の事を『翔太』とそう呼ぶだけでなんだかだんだんともやもやがイライラへと変わろうとするのだ。 「天地先輩! 帰りましょう! お先に失礼します!」 晶は天地の思惑を聞く事もなく、三人から背を向けて歩き出した。 「ちょ、ちょっと晶ちゃん!? 急にどうしたの!? 晶ちゃん!」 天地は晶の名前を叫びながら急ぐように逃げる晶を追い掛けて行った。 続く… (えりさんが全面的に書いてくださった所は修正は加えていません) 次へ → An angel〜.5 お帰りの際は、窓を閉じてくださいv ときメモGS2に戻る