約 1,924,183 件
https://w.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/1200.html
297 幸せな2人の話 8 sage 2010/10/08(金) 21 39 32 ID OGZSO7HA みんみんと蝉がどこかで甲高く鳴いている。 太陽に蒸し返された草の匂いが充満する。 そんな原っぱしかない坂をだらだらとどこかへ延びる小道を二人の子供が歩いていた。 黒い髪の少年がはぁはぁ、と息を切らしながら歩く。 その少し後ろを白い少女が静かに後をついて歩く。 「はぁはぁ、シルフ~、疲れてないか~」 「うん、大丈夫」 少女が静かに答える。 少年は、俺も元気だぞ~、と息も絶え絶えに少女に言って足を高く挙げながら歩く。 一休みしたかったのだが、妹の手前で情けない所は見せられないと強がる。 そんな少年の様子を少女はいつもの様に無表情なまま見ていた。 でも、別につまらなかった訳じゃ無かった。 こうやって少年と一緒に居る事が少女にとっては何よりも嬉しい事だった。 少年はいつも、少女を楽しませてくれたし、ほっとする気持ちにさせてくれた。 でも、それでもいつも無表情だった、泣きも笑いもしない。 少女は知っていた、そうしている事が正解なんだと。 昔、笑えば何様のつもりなんだと怒られたから。 昔、泣けば邪魔なだけなのに煩い奴だと怒られたから。 黙ってても白くて陰気臭い子供だと影口を言われるけど、その方がましだった。 298 幸せな2人の話 8 sage 2010/10/08(金) 21 39 55 ID OGZSO7HA 道が途切れていた。 その先には、白いドーム状の建物がある。 少女の腕を握って少年が元気良く駆け出した。 重厚な扉を小さな腕に力を入れて開く。 ドームの中は小さな劇場の跡地だった。 もう椅子はないけど、ドームの真ん中には丸い舞台。 舞台の周りには、小道具だっただろう物や布が規則正しく置かれている。 天井はもうなくなっていて、そこから舞台の上へ光が差し込む。 そこから上を見上げれば、青い空と入道雲が覗いている。 建物の中はまるで別世界のような不思議な場所に見えた。 「きれい……」 「だろ、夜になるとたくさん星だって見られるんだぞ。 ここは、俺と雪風だけしか知らない秘密の場所なんだ」 少年が得意げに胸を張る。 「でも、私に教えちゃったよ?」 少女には分からなかった、どうして大事な事なら自分なんかに教えるのか。 自分みたいに要らない子供なんかに。 「良いんだよ、シルフは俺の妹なんだから。 大事な人には大事な秘密を教えて良いんだ!!」 「大事……」 その言葉に少女の胸が温かくなった。 「だから、これからは俺と雪風と、シルフだけの三人だからな。 絶対に誰にも言うなよ」 そう言って少年が人差し指を立てて、しー、というジェスチャーをする。 「うん、私と姉さんと、それからお兄ちゃんの三人だけの秘密」 少女も人差し指を立てて少年の真似をした、笑いながら。 299 幸せな2人の話 8 sage 2010/10/08(金) 21 40 16 ID OGZSO7HA ******************************************* 手を握ったまま私達は歩き続けた。 町を抜けて坂を上る、そして道路の横に伸びる小道を抜ける。 私にはお兄ちゃんが何処に行きたいのかもう分かっていた。 だって、その先にあるのはあそこしかないのだから。 そこは未だに人に知られていないのだろう、白い劇場はあの頃と何も変わっていなかった。 「ここに来るのも10年ぶりか。 ここで遊んでいるのがばれて叱られてからずっと来ていなかったからな」 懐かしそうにお兄ちゃんが言い、扉に開き、私たちは中に入る。 「うん」 ここは私にとって複雑な場所だ。 お兄ちゃんと一緒に初めて笑えた場所。 お兄ちゃんにきっと捨てられると思って泣いた場所。 お兄ちゃんの側に居ても良いって泣いた場所。 「どうして、ここに来たの?」 でも、お兄ちゃんはその質問には答えてくれなかった。 手を握ったままお兄ちゃんが私のほうを振り向く。 「シルフは可愛いな」 「え! あ、あ、うあ、あの、か、可愛くなんかないよ、白くて暗くて気持ち悪くて、 幽霊みたいだって、皆きっと思ってる、私、可愛くなんか、無い」 「そういうことを言うやつは見る目が無いか、妬んでるかだ。 白い髪も肌もお前の名前通りまるで妖精みたいで、 さっきの笑っているところなんかは「お兄ちゃん!!」 「どうしてなの、今日のお兄ちゃんはやっぱり変だよ!?」 その質問にもお兄ちゃんは答えてくれない。 その代わり私に質問をする。 「今日は、楽しかったか?」 さっきここに来る前にされた質問をお兄ちゃんがもう一度繰り返す。 私にはその理由が分からなかった。 「え、う、うん、凄く楽しかったよ」 「そうか……」 お兄ちゃんは何か難しそうな顔をしていた。 300 幸せな2人の話 8 sage 2010/10/08(金) 21 40 48 ID OGZSO7HA 「……シルフは俺が変だって言ってただろ? ずっとお前の事を見てたんだ。 ほら、いつものシルフってあんまり笑わないからさ。 今日みたいに笑うのが凄く珍しかったんだ。 いや違うな、懐かしかった、なのかな?」 「私、笑ってたの?」 「ああ、とても楽しそうに笑ってたよ、凄く綺麗だった。 俺が最後に見たのがいつだったか思い出せないくらいにね」 その言葉が私に不安を呼び覚ます。 忘れてた、お兄ちゃんは明るい子の方が好きだったんだ。 「やっぱり、……いつも笑っている方が良いの?」 「そんな事はないよ、シルフはシルフのままで良い」 ぽんぽんと私の頭にお兄ちゃんの手が優しく触れる。 でもな、と言ってお兄ちゃんが乾いた声で笑う。 「お前もちゃんと今日みたいに笑ってくれるんだって思ったら、 今まで俺は何をしていたのかなって考えちゃってさ」 気恥ずかしそうに視線を逸らした。 ぽつりと、お兄ちゃんが言葉をこぼすように尋ねる。 「シルフは、恋人として、男性として俺なんかの事が好きだっていう事で良いのか?」 心臓にずきりとした痛み。 それは一番お兄ちゃんに聞かれたくないとても怖い質問だった。 「うん」 それでも、勇気を振り絞って答える。 ここで言わないときっと取り返しがつかなくなるから。 お兄ちゃんは私の言葉を聞いて、真剣な面持ちになった。 「実は、俺はお前の気持ちにずっと前から気付いていたんだ。 でも、お前がそういうことを俺に伝えないなら、今のままで良いんだろうって思っていた。 それでシルフの事をちゃんと大事にしている事になるんだって、自分に言訳をしてな。 だから、俺は今までずっとシルフのお兄ちゃんとしての距離を保ち続けていた」 「そうだったの……」 後悔した。 やっぱりお兄ちゃんに言わなくちゃいけなかったんだ、私の気持ちを。 姉さんの言う事は正しかったんだ。 301 幸せな2人の話 8 sage 2010/10/08(金) 21 41 13 ID OGZSO7HA 「けど、この前雪風に言われたんだ。 それは俺がただ自分に都合の良いように振舞っているだけだって。 初めは否定したよ、でも考えていくうちに分からなくなってしまったよ。 雪風と俺のどっちの考えが正しいのかをな。 でも、今日のシルフを見てはっきりと分かったよ。 間違っていたのは、俺だ」 「お兄ちゃん?」 「それに俺自身の事も良く分かった。 俺はシルフのお兄ちゃんとして寂しそうなお前に接するよりも、 幸せそうな顔や今日みたいな嬉しそうな顔を見ているほうがずっと心地良い。 そうだな、俺も幸せな気持ちになれたよ。 俺はきっとシルフが、、、」 そこから先を言おうとしたお兄ちゃんは慌てて口を閉じた。 その代わりに、どうして今更、と小さく呟いたんだと思う。 ははは、と乾いた声で寂しそうにまたお兄ちゃんが笑顔で笑う。 でも、それは私の好きなお兄ちゃんの笑顔なんかじゃない。 それから、その曖昧な笑みのままお兄ちゃんが溜息を漏らした。 「ったく、結局あんな変な気の回し方は俺もシルフも望む事じゃなかったんだな。 こんなのが本当の幸せの訳がないって、そりゃそうだよ。 そうだな、俺はずっと前から間違っていた、本当に雪風の言うとおりだったんだ」 「そんな事、ないよ」 そう、お兄ちゃんは間違ってなんていない、私に勇気が足りなかっただけ。 そんなのはお兄ちゃんが背負わなければいけないような事じゃない。 「シルフはいつも俺の言う事に賛成してくれるよな。 でも、それはお前の本心じゃないだろ?」 「全部、私の本当の気持ちだよ」 「シルフ、本当の事を話すんだ」 お兄ちゃんの命令調の言葉に体が凍りつく、怖くて嘘がつけなくなる。 「……ごめんなさい、本当はお兄ちゃんと違う事を考えていた時もあると思う。 でも怖かったから、嘘をついていたの。 その、そういう訳じゃないけど、お兄ちゃんと違う事を言ったら、 お兄ちゃんが、私の事を、要らなくなるかもって。 そしたら、お兄ちゃんの側に居られなくなるかもって思っちゃって、 私は、お兄ちゃんと居たかったから、だから」 声が震えて、その続きが出てこない。 続きを言おうと苦悶していると、お兄ちゃんが頭を優しく撫でてくれた。 とても悲しそうな顔をしていた。 302 幸せな2人の話 8 sage 2010/10/08(金) 21 41 42 ID OGZSO7HA 「泣くくらいに辛かったんだよな?」 「……うん」 「ごめんな、シルフ。 今までお前をずっと苦しめた、そして傷つけた。 そういう風に怯えてるお前の事なんて振り返らなかったんだ。 まあ呆れただろ。 無神経で、いい加減で、自分勝手。 お前の好きだったお兄ちゃんはそんなもんだ。 だから、もうシルフは俺に付き合わなくていい」 「それは、どういう事?」 「ここに来たのはそういうことだよ。 悪いが、俺じゃシルフの良いお兄ちゃんにも大事な恋人にもなれないって事さ。 だからもう、あの時の優しいお兄ちゃんの背中なんて追いかけるのは止めよう。 そんなのは何処にも居なかったんだ。 それで、シルフが自由になってしまうのが一番良い。 こんな恋人ごっこもこれでおしまいだ、俺にはシルフの恋人である資格なんて無いよ。 ま、お兄ちゃんでいる資格も今更無いだろうけどな」 さ、帰ろう、とお兄ちゃんが私にだって分かるくらい無理に明るい作り笑いをしながら手を伸ばす。 その手を握って、お兄ちゃんと私はただの形だけの兄妹になってしまおう。 そういう意味の握手をお兄ちゃんはきっと私に今望んでいる。 でも、そこには私の望む居場所なんて無い、そんなのは嫌だ。 私はそんなお兄ちゃんのお願いなんて、絶対に聞かない。 だから、その手を取らずに叩いた。 叩かれたお兄ちゃんは驚いて固まっていた。 「……私はそんなの嫌だよ。 お兄ちゃんはさっきまで何を聞いてたの?」 お兄ちゃんを叩くなんてこれが初めてだった、手じゃなくて胸がすごく痛い。 「だってさ、シルフも迷惑だろ、俺みたいなのがいたら?」 その言葉が頭に来た。 やっぱりお兄ちゃんは鈍い、信じられないくらいに鈍感だよ!!! 303 幸せな2人の話 8 sage 2010/10/08(金) 21 43 49 ID OGZSO7HA 「勝手に私の気持ちを決め付けないでよ!! 私はお兄ちゃんの側に居たいの!! お兄ちゃんが居ないのに、どうしたら笑えるの!? お兄ちゃんが、無神経、いい加減、自分勝手、そんなの全部知ってる!! 私はあの日から、ずっとお兄ちゃんの妹だったんだよ!? それで良いの!! お兄ちゃんに完璧である事なんて私は全然望んでない!! 私は、無神経で、自分勝手で、いい加減だけど、それでも優しい今のお兄ちゃんと居たい!! お兄ちゃんはお兄ちゃんで良い!!」 今までずっと言えなかった気持ちが胸から溢れ出してきて、それが苦しすぎて、私は叫んだ。 「お兄ちゃんはお兄ちゃんのままでいい!! 私がいるから、お兄ちゃんを否定する人なんて私が皆否定するから!!」 だからずっと私と居てよ、そう叫んだ。 「お兄ちゃんが居なくなっちゃうなんて、そんなの嫌だよ」 お兄ちゃんはただ茫然としていた。 それから、ふっと目が覚めたようにお兄ちゃんの目に色が戻ってきた。 「俺も、シルフの側に居て良いんだな?」 「だから良い悪いじゃない、私は兄さんに側に居て欲しいって言ってるの!! それに姉さんだっているんだよ、なのに、どうしてそうやって一人で悩もうとするの!?」 「そうだよな、シルフも、そして雪風も俺にいるんだ。 俺は一人で悩む必要なんてないんだよな」 「うん!!」 「本当は、雪風に言われてからずっと怖かったんだ。 俺は間違っているって、頭では分かっちまってたから。 それでもシルフは許してくれるんだな? 俺も、俺のままで本当に良いんだよな? ありがとう、それから今までごめんな、シルフ。 ごめんなさい、あんなに事を酷い事をして、本当にごめんなさい」 お兄ちゃんが自分の手を顔に当てる、嗚咽が聞こえる。 私はお兄ちゃんの頭をそっと私の胸で抱きとめた。 私の中で泣くお兄ちゃんの体はいつもよりずっと小さく感じた。 お兄ちゃんが私の両手で抱きとめられるほど小さい、それがとても嬉しかった。 304 幸せな2人の話 8 sage 2010/10/08(金) 21 44 30 ID OGZSO7HA ***************************************** いつまでも、私はお兄ちゃんを抱き締め続けている。 このまま、ずっとこの時間だけが続けば良いのに。 丸い空を見上げるとたくさんの星が煌々と燃えていて、綺麗だった。 「もう大丈夫だよ」 お兄ちゃんが顔を上げる。 「ありがとう、シルフ、やっと楽になれたよ」 「ううん、お兄ちゃんの事が分かって、私も嬉しかった」 「それから、もう一つ、頼む」 「うん、何でも言って、お兄ちゃん」 「……俺にはお前の本当の気持ちで答えて欲しい事がもう一つある」 私から体を離して、お兄ちゃんが私に向き合う。 その顔には不安と緊張が入り乱れていた。 そんなお兄ちゃんなんて見た事が無かった。 「シルフ」 「は、はい」 お兄ちゃんがゆっくりと噛み砕くように言葉を発する。 「俺と結婚して下さい。 馬鹿だけど、やっと俺は分かりました。 シルフの事がずっと好きでした、これからもずっと愛し続けます。 そして、ずっと一緒に居たい、俺にはシルフが必要なんです。 だから、俺と結婚して下さい」 お兄ちゃんのあまりに真剣過ぎる姿に思わず笑ってしまいそうになった。 だって、余りにもその言葉のせいで私は幸せになりすぎたのだから。 だって、それは私がいつも願うだけしか出来なかった、都合の良い夢そのものだから。 だって、いままでも、これからも私の気持ちは一つだけなんだから。 だって、私はずっとお兄ちゃんの側に居るのだから。 だって、お兄ちゃんが例え望まなくてもずっとそうするのだから。 私は、私の本当の気持ちをお兄ちゃんに答えた。 答える私は笑っていた、きっと今まで笑えなかった分も一緒に。 でもおかしいよね、涙も一緒に流れているんだよ? おもしろいよね? 私、泣きながら笑っているんだ!! 私は泣きながらお兄ちゃんと抱き合う。 お兄ちゃんも私を力強く抱き締めてくれる。 そして、何度も何度も私の名前を呼ぶ、愛してるって私に言ってくれる。 あれ、お兄ちゃんも泣きながら笑ってるの? そうなんだ、私と一緒なんだね。 お兄ちゃんがこんなに泣き虫なんだって、知らなかったよ。 305 幸せな2人の話 8 sage 2010/10/08(金) 21 45 02 ID OGZSO7HA 私は幸せだ。 本当は幸せなんかじゃない、そんな言葉では表せないもっと大きすぎる何かだ。 でも私にはそんなのを何て言えば良いのかなんて全然分からない!! だから、私は幸せなんだ!! 戻る 目次 次へ
https://w.atwiki.jp/viprenraku/pages/403.html
シナリオ 岸岡ルート 7月28日(木曜日)・その3 旅館到着 結局ぼくは眠れないまま、新幹線は駅についた。 寝過ごしたらいけないと思ったのが半分。 残りの半分は人の目が気になったというか何というか…… 芽衣子「真緒様」 真緒「ん?」 芽衣子「す、すいません。本当にぐっすり寝てしまいました。 真緒様が起こしてくれなければずっとあのままでした」 真緒「謝らなくてもいいよ。でも、ほんと気持ち良さそうに寝てた」 芽衣子「はい……」 芽衣子「あれ? ということは、真緒様は寝ておられないのですか?」 真緒「あ、うん、寝れなくてね」 芽衣子「私だけが寝るなんて……なんて恐れ多いことを私は」 真緒「何も気にする事ないって。 それよりさ、綺麗な所で良かったね」 芽衣子「え、は、はい」 真緒「んー新鮮だ」 初めて訪れる土地は胸が躍る。 何もかもが新鮮に見えて楽しい。 これが仕事じゃなきゃもっと楽しいだろうな。 ……いや、半分旅行みたいなものか。 真緒「それじゃ旅館に行こうか。 すぐにぼくは研修受けないといけないから、そこで夕方まで待ってて」 芽衣子「はい」 真緒「ここか」 辿り着いた旅館は、 こんな新米教師が泊まっても良いのだろうかと思う程りっぱな旅館だった。 芽衣子「真緒様?」 真緒「あ……いや、凄い旅館だよね」 芽衣子「はぁ、たしかに凄いですが」 真緒(あれ? ぼくだけ?) 真緒「ま、中に入ろう」 芽衣子「はい」 ※部屋 ※部屋の画像で部屋の情景描写書きマシ ※露天風呂つき部屋 ※~~~~背景による 真緒「凄いな……風呂ついてる」 芽衣子「は、はい……」 真緒(こ、これは色々とまずい気が……) 芽衣子「今晩は……ここで二人」 真緒「………」 真緒「ま、まぁ、行ってくるよ」 芽衣子「はい」 真緒「何かあったら電話してきて。それじゃ」 芽衣子「いってらっしゃいまし」 芽衣子「……良い部屋」 芽衣子「でも」 楽しい気分も、真緒様が出て行くと色あせてしまう。 早く帰ってきてほしい。 研修何かより、私の側にいてほしい…… 真緒様が出て行った扉を見る。 完全に締め切れていないほんのわずかなすき間が怖かった。 もし、もう帰ってこなかったら…… そんな暗い気持ちでいっぱいになる。 連れてきてくれて嬉しいしとても幸せ。 だから、それが壊れる事が怖い。 芽衣子「……寂しい」 真緒様は決してそんなことをしない。 ここに連れてきてくれたのは、私を特別に想ってくれているから。 だから、絶対に、真緒様だけは…… Back ↑ Next
https://w.atwiki.jp/sstabiji/pages/98.html
シリウス・フィーナ 私達は翔と合流してから色々な事を話した。私達がどこから来て、何をする目的で旅をしているのか。取るに足らない他愛もないこと、別の道を歩んでいる仲間達のこと……生まれてきてから家族以外の人間はルーラの存在しかなかった。けれど、私は今こんなに多くの仲間と一緒に行動することになっている。……人生、何があるかわからないわね。本当に。 その世界は広かった。自分が狭い田舎の村でがむしゃらに四肢をばたつかせていても世界では小鳥のさえずりにもならない。 私がこの人生を歩んできたという証明が偶然と言ってしまうのならば……この出会いもまた偶然なのだろうか。……否、運命なんて信じない。これは必然。まぎれもない、必然。だから私はその証明を紡ぎ続けるために歩むしかないのだ。自分の力では開ききれない道に突き当たるまで。 ……諦めは、死だ。私が私らしくないというのは、死と同意義だ。最初から、決められたルートばかりじゃつまらない。例え辛い道であったとしても、私は進むしかない。だから、私はそれを知るためにも実感するためにも旅をする。 ……理由なんて、それでいいでしょう? 「……それにしても、湿気が高いなこの洞窟は」 「……あんたがそんな格好してるから湿気がモロに来るだけでしょ」 「アンタこそ、そのロングブーツ暑くないの?この季節だよ。さっきも転んでたじゃない」 ……翔は、私の地雷を踏んだ。確実に。 「なんですってぇ……?その口キンッキンに冷やしてあげましょうか?」 「そういうアンタの口も塞いであげたいね」 そう言うと翔はずいっと、私の顔に顔近づけてくる。その顔は、真顔だ。 「……ッ!!!」 私は、全身が熱くなるのを感じた。それは、怒りの熱さではなかった。 「なーんてな」 私をバカにするような顔をしてニッと翔が笑う。 その熱さは、すっと怒りの熱さに変わってしまった。 ふるふると、肩が震える。 「……あんたってやつはぁ……!!!!」 その時、私の立っている大地の振動がわかった。でもそれは、私の生み出したものではない。何者かによって動されたものだ。 「……お、おいまさか」 「私じゃないわよ」 「シリウスちゃん、これは」 「……ええ」 するとその揺れは、次第におさまっていった。 さらに洞窟の奥のほうから、けたたましい音が響き渡る。 「……これ」 「……うん、多分僕らのルートのほうが正解だったのかも」 「おい、勝手にお前らで話しすすめんなよ。俺がついていけねぇだろ」 翔はキョロキョロと私たちの顔を見合わせるように先程のことについての答えを乞う。 その姿に私は勝ち誇ったようにフッと笑う。 「……あら、さっきの会話で解らなかったの?」 「解るわけないだろうが」 翔は少し投げやりになってそう答える。 「こんなに奥に響くようなけたたましい音がする、ということはこの先に空洞があるってことだよ。音は空気の振動で……だから空気がないと……」 プラチナが待ってましたといわんばかりにブツブツとマシンガンの如く先程の状況について説明をする。 ……正直、物理的なことは私もあまり得意でないからわからないけど確かに感じたことは一つあった。 「だーーっ!わかったわかった、頭痛くなるからやめろ!」 翔は慌ててプラチナの呪文のような語句を止めようと口を塞ぐ。 そして、プラチナは止められたことにより少し不満そうになりながらその手を剥ぐ。 「ねえ……この洞窟、術者はわからないけどマナに溢れすぎていると思うの……。マナが作られていると考えるのが自然。……それは、1人で使うには十分過ぎるほどよ」 私は先程感じたことを素直に言う。 本来、洞窟のマナとは何かを封印していたり錬金術に使われる薬草などが群生している場合多くなったり状況によって変動する。 魔力を嫌ったものの隠れ洞として使われている場合は、そのマナや魔力を吸収してしまう魔石などが多く置かれている。 しかし、この洞窟はきっと前者のほうだ。“何か”がこの奥に確かに存在するのだ。 「……あんたの言ってた、“白夜樹”……あながち、間違いではないかもしれないわね」 私がそう言うと、翔は目を輝かせた。 「ホントか!?」 「……うん、ボクもシリウスちゃんと同意見だよ。この洞窟はマナが作り出されている環境に最適すぎる。適度な湿気、これは奥に水路があると考えても良い」 「……なるほど」 翔はやっと納得したようで、その説明にうんうんと頷く。 進んでゆくと、たしかにその川のようなせせらぎが聞こえる。上から落ちてくる水滴と相まって、その音は何か音楽を演奏しているようにも聞こえる気にさせてくれる。 「……水音が近いわ」 さらに進む。靴が、次第になめらかになってゆく泥を蹴るようにして前に進んでゆく。 ……この洞窟を抜けたら後で、洗いたい。 そう思わせるくらいに。 「……水路だ」 プラチナは目の前を指で指す。 その先には、先程の物音の原因だと思われる分厚い岩がスライドしたように左側にある。そして、ゆく道をふさぐように水が流れている。……けど、確かにその水路の先には道があった。 「……行くわよ」 私は、おもむろにロングブーツを脱ぐ。私の脚が露わになって、プラチナと翔は目を覆う。 「……何よ?」 その行動を不審に思った私が二人に問う。 「……だ、だってそんな」 「それはダメだろ……さすがに」 プラチナと翔は口々に言う。 「……だから、何がよ?ブーツが濡れるのが嫌だから脱いだだけよ」 と言うと、プラチナと翔が安心したようにほっと胸をなで下ろす。 その仕草に私は理解できなかったけど、気にしないことにする。 「……で、ブーツなんて脱いでどうするの?」 プラチナは不思議そうに私のブーツを見つめる。 「どうするのって……先に進むのよ?」 「嘘だろ?」 翔はびっくりした様子で私を見る。私は、あんたなら同じことしてこの先を進むと思ってたけど、意外と潔癖みたい。 「……あんたたち、目の前に水があるだけで諦めるつもりなの?」 「……普通は、進まないよね」 プラチナは翔と顔を合わせて、うんうんと頷く仕草をする。 「はぁ、ルーラでも喜んで行くわよ。これだから街の人間は情けないわね……洞窟の水は、ただの川と違って身体に良いのよ?よくルーラと村の鍾乳洞で遊んだわ」 私は先に進む。冷ややかな水が、私の足を襲う。だけど、そんなことは慣れっこだった。私の姿におずおずと靴を脱ぎ出す二人。 「わ、冷たいっ」 ぴちぴちと跳ねる魚のように、プラチナはばしゃばしゃと足で水を掻き分ける。 翔も恐る恐る水に足を入れる。その冷たさに身を震わせていたが、やがて先に進んで行った。 【NEXT】水路での戦い 【BACK】脳筋少女と知的少年
https://w.atwiki.jp/mustnotsearch/pages/755.html
登録タグ グロ 二次元 危険度3 電波 「0. 0. 0. 0.」としか書かれていないサイト。 「0. 0. 0. 0.」をクリックすると、意味のわからない文章が書かれているページに飛ぶ。オレンジの文章をクリックすると、いろいろなページに飛ぶ。 どうやら煩先生というライトポエマーが作ったサイトらしい。 分類:電波、グロ 危険度:3 コメント クリックしていったらキモイ二次元イラストサイトがでた -- みつあみ (2010-12-15 17 24 01) ↑キモいて… 文章かっこよかった。なんか。でもこのサイトなんで作ったんだ? -- 名無しさん (2011-01-25 22 49 35) 作者のブクマらしき物には野崎コンビーフもありましたね。 やっぱりこういう雰囲気を模倣する人が増えているんでしょうねぇ‥‥。 -- スッガー (2011-01-26 07 33 28) ↑×2 す...すみません。言い方が悪かったです...;今になって分かったのですが、例の二次元グロ画像サイトだったのですよぉぉぉ -- みつあみ (2011-01-26 17 33 11) 飛びまくりだぁ -- じんぐるべる (2011-01-26 19 43 45) ↑×2グロだったのぉぉぉぉ まだ全部回ってなかったのでわかりませんでした。よく気づいてなくてすみません…… -- 名無しさん (2011-01-26 20 14 07) ↑いえいえ、とんでもない!それにしても面白いサイトですよね。来るごとに飛ぶところはコロコロ変わるようなので、グロに飛ぶかはあなた次第ですよ. -- みつあみ (2011-01-30 21 19 06) ↑訂正。コロコロ変わらないようです...グロはaaaaをクリックして出る文字列の何処かです。 -- みつあみ (2011-01-30 21 23 36) そうなんですか… このサイト主の趣味ってなんなんでしょうね? -- 名無しさん (2011-01-30 21 26 26) 0.0.0.0.をクリックした先の文は、助詞や句読点にまで括弧で辞書以上に詳細に注釈を加えている。字数がかなり増えた上にむしろわかりづらい。 -- 名無しさん (2011-03-01 22 51 22) 詩のコーナーがいいね -- 河童太郎 (2011-03-22 19 20 44) ↑確かに。 けっこういい詩多いですよね -- ギリジン (2011-03-22 21 12 42) 怖くはなかった。野崎コンビーフが絡んでるとかなんとか・・・ -- 名無しさん (2011-04-06 16 06 12) そのサイトって無料 -- 名無しさん (2011-06-14 20 36 14) なんて可愛い僕。 に飛んでしまった -- 名無しさん (2011-06-14 20 42 56) これはほぼ意味不明なサイトですが、「識でした。僕の感情が全 てでした。人は誰 しも自己し」のリンクは要注意。エ○かと思いきや、とんでもないグロ画像が集まっています。東方、アニメなどがあるので、ご注意ください。 -- w (2011-06-15 09 36 35) 2回目でグロだった -- 名無しさん (2011-06-30 15 38 25) リンクに林檎型肺胞があった気が… -- うれしくて (2011-09-04 13 32 15) なるほど、趣味で変な感じのサイトを作り、それを極めた感じだな、趣味全開だわ -- 名無しさん (2011-09-14 22 57 33) ぴろぴと氏の部ログのリンクがあったり、二次元グロサイトのリンクとかあったり、とにかく色々あるな・・・。 -- 名無しさん (2011-09-24 18 21 26) ヤンデレ系かと思った・・・ -- 名無しさん (2011-09-25 13 15 08) 適当にクリックしてたらなぜかパソコンのメールソフト持ち上がったんだが -- t (2011-09-25 15 00 02) ↑×2うちも思ったwwwwwwww -- 名無しさん (2011-09-25 15 51 13) 何気に絵が上手い・・ -- 名無しさん (2011-10-04 00 33 51) 管理人は煩先生 らしいです -- ローディー (2012-02-11 12 29 19) 絵はいろんなとこから持ってきてるっぽいなみたことあるわ -- カル (2012-02-12 03 28 37) 怖い(´Д` ) -- 迷路 (2012-02-12 03 37 42) ↑×2 膣外射精、あういえお。とかだそうです -- ローディー (2012-02-25 19 24 09) キモイって言うかこういうの好きな人達って何考えてんだろ・・・ -- 名無しさん (2012-02-25 20 18 10) 目が痛いp^ -- ありんこ (2012-02-25 20 45 04) ↑×3俺は、ピクシブでみた、R18だけど -- カル (2012-02-26 00 45 04) メール送ってみた -- ああああああああああ (2012-03-12 23 31 50) ブラクラかと思った -- 名無しさん (2012-03-13 08 31 48) 今分かったんだけどなんて可愛い僕と同じ製作者です -- 秋雨 (2012-07-25 15 33 21) マジキチ -- 名無しさん (2012-08-05 19 03 04) 「紅イ廃墟ト少女ノ嬌声」ってサイトに辿り着いた 面白いなw -- 名無名無 (2012-08-05 20 44 20) 独特すぎるけど好きだ -- 名無しさん (2012-08-24 13 18 14) カッコ良かったと不覚に思った -- 甘みかん (2012-11-11 18 39 59) こういう人もいたほうが面白いと思う -- りんご (2012-12-12 17 06 26) 訳わかめ -- 名無しさん (2012-12-13 14 40 27) 優しい方でしたよ、どうやら男性みたいですね。 -- うさうざ (2012-12-16 22 37 22) 忍者いっぱいでてきたー -- ぷー (2013-01-01 21 16 33) 背景が白い所の詩で不気味な内容かと思ったらロマンチックだったw -- ロギア (2013-03-19 08 28 19) 題名、怖い -- 有魔 (2013-04-10 17 28 34) あと、このサイト一瞬のグロいテキストサイトって思った方がいいかもしれません -- うさうざ (2013-04-10 21 29 51) ↑すみません…一瞬じゃなくて、一種です -- うさうざ (2013-04-11 19 40 58) お前ら、よく聞け ウ ク ラ イ ナ 2 1 に 繋 が っ た -- てれぱしー (2013-07-16 19 58 15) この人詩集出してるらしい!すげぇな -- ギリジン (2013-07-31 17 31 55) 詩がけっこう良かった!! -- PaLRu (2013-07-31 18 51 04) よくわからない -- チルノ⑨ (2013-08-17 20 52 41) すごい好きだな~ -- まち (2013-11-13 18 14 55) 詩篇若しくはtextによる創 作作品(意味を媒体とした表現) 戯言若しくは自己回 帰するべき意味の無い記号(病魔にかかった僕の愚かな繰 り返し繰り返し繰り返し) 何もかも語りはしないimgによ る黙祷(異常趣好、偏執的、醜い僕を公表す) 0. 0. 0. 0. win○mac△ -- KEITA (2013-11-13 23 00 47) ちょっと過激すぎる・・・ -- GOKOU (2014-03-15 16 41 11) これ検索してはいけないのなんて可愛いがでてくるね -- 774 (2014-12-28 11 10 33) 2016年現在0.0.0.0押すと普通にトップページにはいるだけ。URL見ると普通にコンテンツが分けてあるのがわかる。普通のサイトとほぼ同じです。 -- 名無しさん (2016-02-21 03 02 41) ちなみにトップページ(indexの場所で)0.0.0.0の上をドラッグで反転すると「 この門をくぐる者は一切の倫理的観念を捨てよ」の文字が読めます。 -- 名無しさん (2016-02-21 03 06 44) 煩先生に限らず、検索してはいけない言葉になってるサイトの管理人って独特のものがあるよね -- 名無しさん (2017-10-06 16 09 38) そこまでグロくないのでセーフ -- 鉄味噌 (2018-04-25 23 18 58) 感動で -- イキスギ太郎 (2019-03-03 21 43 35) 嬉しくないんだよなぁ(辛辣) -- 名無しさん (2019-03-03 21 51 55) 何のために作るられたんだ? -- 名無しさん (2019-07-29 12 09 34) グロのページがまた新しくなってる -- 名無しさん (2020-03-11 13 37 55) おわあたあ -- 名無し (2020-07-23 18 47 26) ウ ク ラ イ ナ 2 1 に 繋 が っ た ん だ け ど -- RUM (2020-09-06 08 22 41) めっさぐろい! -- ケダモノ (2021-05-03 21 08 44) 最初のページを暗転したらこんなテキストが現れた⇒ この門をくぐる者は一切の倫理的観念を捨てよ -- 名無しさん (2021-10-12 16 55 14) 何とも言えない 色が… -- もちもち (2021-10-31 18 05 13) ウクライナ21につながるって本当なのかな? -- ゲーム太郎 (2021-12-27 16 51 31) 世界観が不思議 -- ナイル (2022-03-20 22 06 52) ウクライナ21に繋がっただと!?Σ(*゚д゚ノ)ノ -- ねろ (2022-07-23 21 12 31) 「グロ エロ」だったな、想像と違った! -- 華 (2022-08-03 09 44 22) ヘルメスの劇場っていうのがあったから入ったけど、アニメキャラのリョナイラストだらけだった… -- みい (2022-12-02 20 31 09) ひじょうによい -- まえの (2022-12-05 22 48 39) 学校のタブREットでも見れる -- zstt (2023-07-06 15 29 18) この人の詩意外と好きだゾ -- 名有りさん (2023-07-19 08 23 23) え、グロさが分かんない、0.0.0.0って書いてあるの押して変な文章出てきただけなんだけど -- 暗架 (2023-08-30 17 01 42) エロく -- エロ (2023-09-16 15 37 44) な、なんか、、グロいだけしか表せない、٩(๑`^´๑)۶ -- みみ (2024-02-14 21 07 00) ウクライナ21に繋がったって言ってるけどどこから繋がったか教えて欲しい -- 名無しさん (2024-05-04 17 01 38) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/363.html
【異分子】/恵千果◆EeRc0idolE 「せつなちゃーん、ちょっと洗濯もの取り込んでくれないかしら」 「はーい、お母さん」 そう答えながら、私は読みかけの本を置いて立ち上がり、自室を出て階下へと降りる。 私がラブの家にお世話になり始めてから、ずいぶんたった。ラブはいそいそと私のことを構ってくれるし、お母さんやお父さんは娘の様に優しく接してくれている。相変わらずの日々。 でも、こんなにも穏やかな日常のなかで、ふとした拍子に浮かび上がる感情がある。波のない凪いだ海が急に時化た時のような…これが不安というものなのだろうか。 「せつなぁ」 名前を呼ばれて、洗濯ものをたたんでいた手が止まる。 笑顔のラブがリビングに入って来て、横に座る。たたむのを手伝いながら、こう切り出した。 「せつな、どうかした?」 「…かなわないわね、ラブには。隠したっていつもお見通しなんだから」 ラブはまっすぐに私を見つめている。 「何考えてたの?」 ラブに不安を吐き出すのは心苦しいけれど、ラブだからこそ、言えるのかもしれない。 「私ね、今とっても幸せなの。でも、幸せ過ぎて時々不安になるみたい。 時々ね、まだ全然この世界に馴染めてないって感じる瞬間があって、すごく怖くなるの…。 この世界から受け入れられていないんじゃないかって。ねぇラブ、私、本当にここにいていいの?」 「当たり前じゃない!」ラブは声を荒げた。 「せつな、アタシの家族や美希タンやブッキーはちゃんとせつなを受け入れてる。それに…」 ラブの両腕が伸ばされ、強く抱きしめられた。ラブの温もりが私を包む。 「例えこの世界がせつなを受け入れなくても、アタシがせつなの居場所になるから」 「ラブ…ありがと」 嬉しかった。さっきまでの漠然とした不安を、ラブの言葉が消し去ってくれたみたい。 「やだなぁー泣かないでよ、せつな。アタシ、せつなの笑った顔が大好きなんだから」 「私もなりたい、私もラブの居場所になりたい」 「…もうなってるよ」 ラブは照れながら、そっとキスをくれた。
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/55438.html
【検索用 がらくたのめもりー 登録タグ UTAU か デスおはぎ 曲 重音テト】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:デスおはぎ 作曲:デスおはぎ 編曲:デスおはぎ 唄:重音テト 曲紹介 「ねえ 君の願い事は めくるめく日々に埋もれてても」 曲名:『がらくたのメモリー』 UTAUコンピレーションアルバム『TWELVE』収録曲。 歌詞 玩具のDNAが 能動も感情も許してくれないけれど この想い出(メモリー)が あの人に届きますように 小さい両手のわりになんて乱暴! それが第一印象 そのくせ寝る時さえも手放さなくて すぐに汚れてしまった なくなって ずっと泣きついて 探してもらったあの日 嫌いじゃないって思えたんだ 何かに気付いたから 玩具のDNAが 進化して 言葉さえ 伝えられる日が来たら 贈るつもりさ 「ありがとう 愛しています」 ちやほやされる期間は決して長くはないと覚悟していた ところが背が伸びるたび大事に扱ってくれた 飾ってくれた 新しいシリーズが出て何一つ勝てやしない なのにあなたは目もくれずに「宝物」と言った 玩具のDNAから 抜け出して いきものに 生まれ変われるとしたら どうかお願い もう一度、あなたの元へ 玩具のDNAに 刻まれたエンディング 「がらくた」だったとしても幸せでした この日々は忘れない 見慣れたあなたの部屋で 穏やかに幾つもの 季節を過ごしたかった だけど、さようなら いつかまた、、、 いつかまた夢で会いましょう コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/utauuuta/pages/3766.html
がらくたのめもりー【登録タグ か デスおはぎ 曲 重音テト】 作詞:デスおはぎ 作曲:デスおはぎ 編曲:デスおはぎ 唄:重音テト 曲紹介 「ねえ 君の願い事は めくるめく日々に埋もれてても」 UTAUコンピレーションアルバム『TWELVE』収録曲。 歌詞 玩具のDNAが 能動も感情も許してくれないけれど この想い出(メモリー)が あの人に届きますように 小さい両手のわりになんて乱暴! それが第一印象 そのくせ寝る時さえも手放さなくて すぐに汚れてしまった なくなって ずっと泣きついて 探してもらったあの日 嫌いじゃないって思えたんだ 何かに気付いたから 玩具のDNAが 進化して 言葉さえ 伝えられる日が来たら 贈るつもりさ 「ありがとう 愛しています」 ちやほやされる期間は決して長くはないと覚悟していた ところが背が伸びるたび大事に扱ってくれた 飾ってくれた 新しいシリーズが出て何一つ勝てやしない なのにあなたは目もくれずに「宝物」と言った 玩具のDNAから 抜け出して いきものに 生まれ変われるとしたら どうかお願い もう一度、あなたの元へ 玩具のDNAに 刻まれたエンディング 「がらくた」だったとしても幸せでした この日々は忘れない 見慣れたあなたの部屋で 穏やかに幾つもの 季節を過ごしたかった だけど、さようなら いつかまた、、、 いつかまた夢で会いましょう コメント おおッ!!ついかするのお待ちしてました!! -- 名無しさん (2016-10-31 23 07 29) 良い曲。、。 -- 283 (2017-02-26 21 57 50) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/lucifuge/pages/48.html
状況は、 相手との対話の一部 でしょう。 中学校レベル You don t have to go to school today, do you? It is Sunday. 模範解答 You haven t go to school today, have you? It is Sunday. うむ、これは無理。
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/484.html
「ねぇ、せつな」 「なぁに、ラブ?」 「アタシ達、ずっとずっと、一緒だよね」 「もちろん」 そして少女達は夜空の下で、小指を絡めた。 Moon Child せつな、って言葉を辞書で引いてみた。 極めて短い時間。一瞬のこと。 そう、書いてあった。 知った時、不安になった。知らなきゃ良かったって、思った。 その言葉を名前に抱く、女の子を知っていたから。 ねぇ、せつな。 いつからかな。せつな、よく笑うようになったね。 皆と一緒にいて。お母さんお父さんと一緒にいて。 アタシといて。 昔の、イースだった頃とは大違い!! なんて言ったら怒るかな? それとも悲しむ? でもそう言っても、笑ってくれそうなぐらい、せつなはよく、笑うようになった。 アタシ、せつなの笑顔が好きだよ。 見てて、とっても幸せになる。 もっと見たくて、バカなことをしちゃうぐらいに。 今日も、いっぱい笑ってたね。 アタシがテレビに出てた芸人さんの顔真似をして見せたら、転げまわって笑ってた。 嬉しくって、何度も何度も繰り返しちゃった!! って、今思うと、ちょっと女の子捨ててたかも・・・・・・タハハー。 ホント、嘘みたい。 ほんの少し前まで、人前で笑うのは苦手だ、なんて言ってたことが。 今はダンスのレッスンでも、きっと一番、綺麗な笑顔をしてるよ。 でもね。 でも。 せつな、笑ってるのに。 なんだかとても、泣きそうな顔に見える時があるんだよ? どうしてかな。どうしてそう思うのかな。 せつなはいつもみたいに笑ってるのに、どうしてそんな風に見えるのかな。 そんな時、せつながとても――――遠い人に、思える。 ねぇ、せつな。 笑って? もっと、もっと笑って? アタシの不安を吹き飛ばすぐらいに、思いっきりの笑顔を見せて? そんなアタシの思いに、せつなは、やっぱり笑ってくれる。 心からの、笑顔だと思うよ。嘘は感じない。いつだって、どこだって。 弾けるような笑顔。幸せを呼ぶ笑顔。 なのに。 アタシの心は、寂しがってる。 時々、夜のベランダに出て、夜空を見上げてるよね。 遠い星を、眺めてるよね。 月の光を浴びてるよね。 その時のせつなは、とっても綺麗。 同じ女の子のアタシが、ドキッてしてしまうぐらいに、綺麗。 けどそれは、どこか儚い――――儚いって言葉、こう書くんだよね? 人に夢と書いて、儚い。 月を見ている時のせつなは、やっぱり笑顔。 けれどそんなせつなを見ていると、胸がキュンって苦しくなる。 子供の頃に読んだ絵本を思い出してしまうから。 かぐや姫。 いつか月に帰る、お姫様の物語。 せつなは。 どこにも行かないよね。 せつなの家は、ここだよ。 この家が、この部屋が、せつなの帰ってくる場所だよ。 たとえいつか、どこか遠くに旅立ってしまうのだとしても、せつなの帰ってくる場所は、ここにある。 ねぇ、せつな。 アタシ、変なのかな? ずっとずっと、せつなと一緒にいたいって思うなんて、変なのかな? そういえば、中学に上がる時に、美希タンやブッキーと違う学校になっちゃって、すごく寂しかったんだ。 でも、今でも仲良し!! いつも一緒じゃないけれど、いつでも会える。 けどね、せつな。 せつなとは、離れたら、もう会えないような気がして。 そんなこと、あるはずないのにね。 大人になって、二人とも、この家を出ていくのかもしれない。 それでも、きっとアタシ達は友達で、家族で。 戻ってくる場所が一緒だから、また会える筈なんだよね。 もしもその時、まだせつながアカルンを持っていたなら、ホントに、どれだけ離れてたとしても、すぐに会えるしね!! ――――わかってる。 それが、子供じみた考えだってことを。 そう。アタシはまだ、子供だ。中学二年になっても、半分も大人になりきれてない。 アタシ達はいつか、離れていく。 それぞれの道を、歩いていく。 毎日のように電話をして、メールをして、会ったとしても。 たとえ、同じ家に住んでいたとしても。 アタシ達の道は、離れていく。 ホントはね。 ずっと一緒の道を歩いていたいんだ。 いつまでもいつまでも、二人で笑っていたいんだ。 けれどきっと、それはダメなこと。 アタシ達は、やっぱり違う人間だから。 桃園ラブが一人しかいないように、東せつなも一人しかいない。 そして皆、人生は一度きり。 だから、それぞれの道を、歩いていかないと。 でも。でもね、せつな。 もしも、せつなと同じ道を歩けるなら。 アタシは、おじいちゃんにつけてもらったこの名前の意味を捨ててもいいかもしれない。 世界中の人にじゃなく。 せつなの為だけの、ラブになる。 ラブ。ねぇ、ラブ。 面と向かって言うことが出来ないから、心の中でこっそりと言うわね。 私に幸せをくれて、ありがとう。 私に、笑顔をくれてありがとう。 ダメね。やっぱり、恥ずかしい。 口に出してもいないのに、ね? Sun Child 私がこの家に来てから、どれぐらいの月日が流れたんだろう。 相変わらず、ラブは明るくて、輝いてる。 まるで、太陽みたい。 私の自慢の親友よ。 イースだった頃の私は、太陽を知らなかった。 こんなにも明るくて、優しくて、あったかいものだったなんて。 時々、暑っ苦しかったり、うんざりした気分になることもあるけどね。 あ、これはラブのことじゃないわよ? 私ね。本当に、感謝してるの。 東せつなとして生まれ変われたのも、こうしてお父さんお母さんと一緒に暮らしているのも、ラブと毎日一緒に学校に行くのも。 何もかもが楽しくて、仕方ないの。 ラブは私の一番の友達。家族。時々、手のかかる妹。時々、頼りになるお姉さん。 最後のは、本当に時々だけどね? 私ね、ラブと出会って、何が一番素敵だったかって、笑えるようになったことだと思うの。 生まれ変わってから、私はたくさん笑った。それまでの、ラビリンスで過ごしていた頃とは比べ物にならない程、いっぱい笑ってる。 お父さんのつまらない冗談に。お母さんのお茶目に。ラブのおっちょこちょいに。 箸が転んでもおかしい年頃、という言葉があるらしいけれど、私にはそれがピッタリ!! 本当に、毎日毎日が楽しくて仕方ないの。 そう!! 私、幸せよ!! 今なら、わかる。 私が、幸せのプリキュア、キュアパッションに選ばれたのも。 だって私、こんなにも幸せなんですもの!! 幸せの嵐を吹き荒れさせることなんて、お茶の子さいさいよ!! そしてこの幸せをくれたのは、ラブ、あなたよ。 本当に、本当にありがとう。 幸せをありがとう。 優しさをありがとう。 側にいてくれて、ありがとう。 だから、ね。ラブ。 いつか。 いつか、私は。 ラブとお別れしなきゃいけないと思うの。 幸せになっちゃいけない気がする。そんなことは、もう言わない。 だって、私は幸せになったから。 私の幸せが、ラブやお父さん、お母さんを幸せにしているのを見ていたから。 皆の幸せの為に、私も幸せになる。そう、決めてる。 でもね。 だからこそ、ラブ。 ラブには私だけを見ていて欲しくないの。 私は十分に幸せになったわ。もう両手に抱えきれないぐらい!! 一生分、幸せになったかな。 まだまだ足りない、なんていったら、バチがあたっちゃうかしら? けど、もっともっと幸せになりたいわ。 でもその幸せは、自分で見つける。 ラブには、もっとたくさんの人を幸せにして欲しい。きっとその力が、ラブにはあるから。 いつか、ラブから聞いたわよね。 ラブって名前は、おじいちゃんがつけてくれた名前だって。 世界中に愛を届ける、そんな人になるようにって。 そのことを話してくれた時のラブ、とっても輝いてたわ。 だからね、ラブ。 私を――――イースという敵だった私をも幸せにしてくれた貴方なら。 もっともっとたくさんの人に、幸せをわけてあげられると思うの。 それこそ、世界中の人に!! ブッキーみたいにいうなら。 私、信じてる。 ――――もちろん、本当は寂しい。 ラブと、ずっと一緒にいたい。 ラブと、いつまでも暮らしていたい。 でもきっとそれは、よくないこと。 私が幸せのプリキュアなら、ラブは愛を司るプリキュア。 たくさんの人に愛を届ける。その邪魔をしたくない。 貴方がその背中に翼を持っているのに、私が重すぎて飛び立てないなんて。 そんなことには、なりたくない。 ねぇ、ラブ。 私の心は、宙にふわふわ浮いていたの。 それを捕まえてくれたのが、ラブ。 ギュウって抱きしめて、地面に足を付けさせてくれたこと、忘れない。 嬉しかったの。 風に流されるままだった私が、歩けるようになって。 自分の足で。自分の足で。どこへでも行けるんですもの――――!! ラブ。 私、ラブのこと好きよ? だからラブ。 私、見ていたいの。 ラブが周りの人たちを幸せにしながら歩いていくのを。 私、見ていて欲しいの。 東せつなはもう、自分の足で歩けるってことを。 やぁね。 せっかくカッコつけてたつもりなのに。涙が出てきちゃった。 今日、明日ってわけじゃないのにね。 いつか、って言葉だけ。 でもそれはきっと、必ず来る日、なのよね。 ねぇ、ラブ。何度も言うけど。 私、とっても幸せよ。 もちろん、ホントはね。 ずっとラブと一緒にいれることが、一番の幸せ。 でもそうしたら、私、笑えなくなるかもしれない。 ラブを引き止めた自分のことが、嫌いになっちゃうかもしれない。 ああ。ホントに。 私、どうしたらいいのかしらね? ただ一つ、わかるのは。 やっぱり私は、ラブのことが好きってことだけ。 輝いている、太陽の子供のような、その笑顔が。 好き。 「ねぇ、せつな」 「なぁに、ラブ?」 「アタシ達、ずっとずっと、一緒だよね」 「もちろん」 そして少女達は夜空の下で、小指を絡めた。 天に月は無く、星も無く。 道しるべのない想いは、風に乗って。 空に、溶けていった。
https://w.atwiki.jp/seigeki/pages/1181.html
【喧嘩の絶えない二人でした】 一緒にいても幸せを作れない相手と分かっていました 気遣いに欠けると、粗暴だと、散々文句も言ってきました 生まれて初めて分かりあえない相手でした 喧嘩の絶えない二人でした でも これまで幾度となく恋愛はしましたが、あなたが一番大好きでした どんなに傷つけられても、あなたに向かって走っていました 傷つける事が怖くて仕方ないのに、あなただけは何度も傷つけました 好きなところを聞かれるのが怖くなるほど、あなたのどこが好きなのか分かっていませんでした それでも好きでした 先ほど、そんな大切な鯉の息の根を止めてきました いちばん大好きで大切な鯉に、さようなら ありがとう あいしてた