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京太郎「好きです!俺と付き合ってください!!」 理沙「……!?」カァァ 京太郎(ど、どうだ?)チラ ドクン ドクン 理沙「……っ」 理沙「……「ありがとうございました。足元気をつけてお降りくださいませ」 京太郎「oh……」 理沙「お、降りよ」アセアセ 京太郎「…………」 理沙「…………」 京太郎(タイミング悪すぎだろ……降りる直前でもいいから不具合で止まってくれたら良かったのに……) 京太郎(ていうか告白やっぱ早かったかなー……でもずるずる先延ばしにしたらいつ出来るかわかんねーし) 京太郎(雰囲気に流された感じはあるけど間違ってなかったはず!) 京太郎「理沙さn「京太郎」……はい」 理沙「……」ジー 京太郎「」ドキ 理沙「き、京太郎のこと…………好き」 京太郎「!」パァァァァ 理沙「でも付き合えない」 京太郎「な……なんでですか?」 理沙「…………」 京太郎「教えてください!」 理沙「……高校生だから」 京太郎(つまり……大人だったらいいのか?どういうこと?) 京太郎(んー……好きってのは男としてだよな?そうじゃないと理沙さんは好きとは言わない……と思う) 京太郎(俺が大人じゃないと駄目なのか?……そうだ!)ピコン 京太郎「……わかりました」 理沙「」コクリ 理沙「それじゃ」ダッ 京太郎「ちょ、待ってください!」ガシ 理沙「離して!」 京太郎「まだ言いたいことがあるんですって!」 理沙「終わった!京太郎のことフった!」 理沙「もう……終わった……」ポロポロ 京太郎「……終わってないですよ。だから最後まで聞いてください。ね?」フキフキ 理沙「……」 理沙「……わかった」 京太郎「えっと……理沙さんは俺のこと、す、すす、好きなんですよね?お、男として」 理沙「…………」コクリ 京太郎「でも高校生だから付き合えない。つまり大人だったら付き合えるんですよね?」 理沙「……」コクリ 京太郎「俺は馬鹿だから理由なんてわかんないですけど、ようは恋人関係が駄目なだけですよね?」 理沙「」コクリ 京太郎「じゃあ付き合うこと前提で友達付き合いしましょう。結婚前提のお付き合い……みたいな?」 理沙「…………」 京太郎「駄目……ですか?」 理沙「……ばか」 理沙「ばかっ」ギュウウ 京太郎「……ばかですみません」ギュ 京太郎「……帰りましょうか」 理沙「」コクリ 理沙「……」ギュ 京太郎(……デートの時も繋いでたし。恋人じゃなくても繋ぐし。俺がドキドキする以外問題無いし)ドキドキ 理沙「……楽しかった」 理沙「ありがと」 京太郎「……俺も楽しかったです」 京太郎「理沙さんといるからいつも以上に」 理沙「……っ」ギュ 京太郎(照れてる。可愛いなぁ) 京太郎(にしても……なんかめっちゃ周りから見られてる……なんでだろ?) 京太郎「もう暗いですね」 理沙「八時!」 京太郎(もう八時だったのか。正直お腹減ったかわかんねー。食い始めたら食べられるだろうが) 京太郎(それより……) 理沙「どこか……」ケンサクチュウ 京太郎(バスってこんなに体触れちゃうんだな。俺の図体がでかいからかわからんけど肩とかあたってるし……) 京太郎(恋人……になる予定なんだよな……ヤバイ興奮してきた!) ツンツン 京太郎「おわっ!?なんですかホッペなんかつついて!」 理沙「……なんとなく?」 京太郎「むむむ、おりゃ」ツンツン 理沙「むぐ、お返し!」ツンツンツン 京太郎「なんのー!」ツンツンツン 京太郎「…………あー……その、あれですね。うん」(冷静になって恥ずかしくなった) 理沙「…………」(京太郎が可愛くて、やめられなくて恥ずかしくなった) 京太郎「ほ、ほら、もう着きますよ」アセアセ 理沙「」コクリ 京太郎「……なんかこのバス降りなかったらずっとこの時間が続くんじゃないか……なんて」 京太郎「……」 理沙「……」 理沙「これから」 京太郎「?」 理沙「……もっと楽しい……から」ニコ 京太郎「……ええ、そうですね。ほんとそうですよね!」ニコッ 理沙「ひとまずご飯!」 京太郎「はい!」 京太郎「……へへへ」 京太郎「理沙さんと恋人みたいな状態なのかぁ……」 京太郎「やべぇ、おちつかねぇ」 京太郎「こんな気持ちで学校行っても勉強に身入らねぇよ」 ピンポーン 京太郎「ん?誰だろ?」 ガチャ 理沙「……」 京太郎「り、理沙さん!?」 京太郎「どうしたんですか?こんな早くに」 理沙「……っ!」 理沙「」バッ! 京太郎「これは……!?もしかしてお弁当ですか!!」 理沙「……作り過ぎた」ボソ 京太郎(これはいつも作ってるお弁当を俺の為にも拵えてくれたてことでいいんだよな!いいんだよな!!) 理沙「……それじゃ!」プンスコ タッタッタッ 京太郎「あ、行っちゃった……」 京太郎「……すげーやる気出てきた」 ───────── ────── ─── 京太郎「ありがとうございましたー!」 マスター「何か良い事でもありましたか?」 京太郎「ええ!それじゃテーブル片付けてきます!」 タッ マスター「……良い笑顔です」 カランカラン 京太郎「いらっしゃいませー」 咏「やっ」 京太郎「三尋木プロ!お久しぶりです!」 京太郎「好きな席へどうぞ」 京太郎「何にしましょうか?」 咏「そうだねぃ……オススメのコーヒーとあんたの小話で」 京太郎「へ?俺の?」 咏「そうそう。例えば……ノヨリさんとの関係とか」 京太郎「ふぁ!?」 咏「いやぁ、なんか今日ノヨリさんの調子も機嫌も良かったから少年と何かあったと思ったんだけどねぃ……当たり、だろ?」 京太郎「えーっと……まぁ、、、」ゴニョゴニョ 咏「あっはっはっ!可愛いもんだ」ケラケラ 京太郎「むぅ……」 咏「で?何があったんだい?」 京太郎「興味津々ですね」 咏「そりゃぁ私だって乙女だからねぃ。そーいう話は大好物さ」 京太郎「どっちかって言うと井戸端会議のおばさんみたいな聞き方ですけどね」 咏「少年からみりゃ私なんかはおばさんだろうさ」 京太郎「そんな年齢離れてます?」カシゲ 咏「まぁ十近く違うとねぃ」 京太郎「え、まじですか?」 咏「まじまじ」 京太郎「そうなんだ……20ぐらいだと思ってました」 咏「嬉しいのやら悲しいのやら」ヤレヤレ 京太郎「それで……まぁなんといいますか……」 咏「話しづらい?」 京太郎「少し」 咏「……付き合い始めたか」 京太郎「……」 咏「当たりみたいだねぃ。でもそれのどこが言い辛いのさ」 京太郎「まぁ付き合い始めたっていうのは少し間違いと言いますか」 咏「ほぅ」 京太郎「えっとですね……―――――」 京太郎「ということなんです」 咏「あー……」 京太郎「理沙さんが高校生と付き合えないって言った理由を自分なりに考えたんですけど、理沙さんが有名だからなのかなって思って」 咏「わっかんねー。わっかんねーけど間違ってないと思うけどねぃ」 咏「多分仲の良い人らはからかいながらも祝福してくれるだろうさ」 咏「けど世間の目は違う。プロ雀士が子供に手を出した、そう言う。二人が合意の上だろうがね」 咏「……時々中学生や高校生に手をだして捕まってるやつがいるだろ。なんでだと思う?」 京太郎「わかんないです」 咏「周りがリークするからさ。例え二人が合意だったとしても周りが認めなかったらそれは犯罪なんだよ。まぁ中学生以下は普通に犯罪だけど」 咏「で、ならどうすればいいのか?ラブホテルに入ったりとか付き合ってるよーとか言いふらさなきゃいいのさ」 咏「仲良いだけだから問題無いってね」ケラケラ 京太郎「」カァァ 咏「だから今の関係でいいんじゃね?知らんけど」 咏「さて、そろそろ帰ろうかねぃ。ノヨリさんが来る前に」 京太郎「え?なんで来るってわかるんですか?」 咏「少年とノヨリさんの様子を見てたら誰でもわかるんじゃね?知らんけど」 京太郎「……三尋木プロ、ありがとうございました」 咏「私は冷やかしに来ただけさ。そこに合いの手を打っただけ」 咏「そうそう、私のことは名前で呼びな。三尋木プロなんて呼び方はそんなに仲良くないやつらでお腹いっぱいだ」 京太郎「……わかりました。じゃあ咏さんって呼びます。俺のことも下の名前でよんでください。少年は流石にむず痒いです」 咏「わかった。それじゃねぃ、京太郎」 カランカラン 京太郎「……良い人だ」 カランカラン 理沙「……来た」 京太郎「いらっしゃいませ理沙さん!とりあえず座ってください!」 京太郎「何か飲みますか?オススメはですね、この「京太郎君」 ? なんですか?」 マスター「今日はもう上がっていいですよ」 京太郎「まだ片付け終わってませんけど……」 マスター「帰っていいという状況で女性が待っている。なら行動すべきは一つだと思いますが?」 京太郎「……ありがとうございます!理沙さん、ちょっと待っててください!」 ダッ マスター「……彼はこれから如何様にもなる素晴らしい才能の持ち主だ」 理沙「?」 マスター「でも、きっと京太郎君はあなたに影響されるでしょう。それが幸せなのか否か」 理沙「……」 京太郎「ふぃぃ、バイト終わりって一息つきたくなるんですよね。そんなに疲れてないんですけどね」 理沙「そういうもの」 京太郎「そんなもんですかー。麻雀の時もそうですか?」 理沙「」フルフル 理沙「いつも足りない」 京太郎(好きなんだなぁ……俺はそこまで麻雀に打ち込んでいるだろうか?) 京太郎(きっとまだ遊び感覚だろうな) 理沙「京太郎」 京太郎「なんですか?」 理沙「寄っていって」 京太郎「わかりました」 理沙「座って」 京太郎「はい」ストン 理沙「…………」 京太郎「?」 ストン 京太郎(!? 何故に理沙さんは俺の脚の間にすっぽりと収まっているのでしょうか!?) 京太郎「り、理沙さん」 理沙「京太郎」クル 京太郎「な、なんでしょうか」ドキドキ 理沙「……っ!」 理沙「私、は……好きなことする」 理沙「京太郎も」 京太郎(今……てわけじゃなさそうだ。真剣な顔してる……) 京太郎(好きなようにやれって?どういうことだろう?) 京太郎(まぁいいか。後で考えよう。今は理沙さんの温もり感じてたい) 京太郎「抱きしめていいですか?」 理沙「……ぃぃ」ボソ 京太郎「……」ギュ 京太郎「もう大分暖かくなってきましたけど夜は寒くなることも多いですね」 京太郎「こうやってると、すごく温かいです」 理沙「……心地良い」 京太郎「これからどうなるんでしょうね」 理沙「……」 京太郎「ずっとこうしていられたら、きっと幸せですね」 理沙「……そうする」 理沙「だから側にいて」ギュ 京太郎「……もちろんです」 理沙「…………」 京太郎「…………」 チュ 京太郎「そろそろご飯作りますか?」 理沙「」コクリ 京太郎「そういえばお弁当すっごく美味しかったです。やっぱ料理上手ですね」ニコ 理沙「そ、そんなことない」カァァ 理沙「……また作る!」プンスコ 京太郎「大変じゃないですか?」 理沙「大丈夫!」 京太郎「それじゃあお願いしちゃってもいいですか?」 理沙「お願いされた!」 京太郎「でもそれだと俺が受け取ってばかりですね」 京太郎「何か出来ることありませんか?」 理沙「いらない!」 京太郎「で、でも……」 理沙「……」 スリスリ 京太郎「あの、理沙さん?」 理沙「これで十分」 理沙「あったかい」 京太郎「……~~~」ポリポリ ―――次の日――― 京太郎「よし、完璧。そろそろ学校行きますか」 ピンポーン 京太郎「はいはーい」 ガチャ 理沙「……お弁当」スッ 京太郎「え?でも昨日も……」 理沙「作った!」 京太郎「……わかりました。いただきます。でもちょっと……えっと、少しだけ中に入ってもらえますか?」 理沙「わかった」 バタン 京太郎「えっと……」ギュ 理沙「!?」 京太郎「抱きしめられるの好きだったみたいなので、その、お弁当のお礼にですね」 京太郎「すみません、こんなもので」 理沙「……ありがとう」ギュ 京太郎「……理沙さんはもう仕事ですか?」 理沙「もうちょっと後」 京太郎(そっか、まだなのに俺の学校に行く時間を見計らって来てくれたんだな) 京太郎「それじゃ、行ってきます」 理沙「……いってら」チュ 京太郎「明日バイト休みかぁ」 京太郎(そういえば理沙さんも予定無いって言ってたっけ?) 京太郎(デート……デートに行きてぇなぁ……) 京太郎(でもやっぱ駄目なんだろうか、デート) 京太郎(咏さんの話からすると周りに見つかったら駄目なんだもんな) 京太郎(でもこないだ遊園地デートしたし。あん時は付き合ってなかったけどさ) 京太郎(いや、今も付き合ってるわけじゃないけど、意識しちまうよなぁ。正直建前だし) 京太郎(それに知らない人が見たらどう思うかって言ったら、付き合ってるんじゃないの?ってなるだろうし) 京太郎(そう話題になった時点でアウトだろ。もどかしい……) 京太郎(あぁ、理沙さんとどっか行きてぇな……) 京太郎(あれ?思えば理沙さんと同じ時間を過ごせればいいのにどっかに行きたいってほうが表に出てきてんな) 京太郎(理沙さんと過ごせるなら部屋でもいいわけだし) 京太郎(でも、理沙さんはどっか行きたいかもしんないし……) 京太郎(そもそも理沙さんは俺に休日の時間を使ってくれるのか?) 京太郎(もしかしたら一人で過ごしたいって思ってるかも) 京太郎(うわー、どうなんだろ?誰も彼もが休みは好きな人とずっと一緒にいたいって思ってるわけじゃないしな……) 京太郎(……聞いてみるか) 京太郎 >明日って 京太郎(ちょっと待て。こんな風に聞いたら理沙さんは優しいからOKって言うし一緒にいたいって言うに決まってるじゃないか) 京太郎(駄目だ。その優しさに甘えてつけこむようじゃ) 理沙 >明日 部屋に来て 理沙 >京太郎と過ごしたい 京太郎(……明日って書いてしまったから気を遣わせたのかな?) 京太郎(でも折角会いたいって言ってくれてるんだ。……俺も会いたいし) 京太郎 >はい、行きます! 京太郎(俺ってずるいのかな……) ―――次の日――― ピンポーン ガチャ 京太郎「おまたせしました。着替えてきたから少し遅くなっちゃいました」ハハハ 理沙「大丈夫」 理沙「あがって」 京太郎「はい、お邪魔します」 京太郎「あ、これ返しておきます。今日もお弁当美味しかったです」ニコ 理沙「ん」テレッ 理沙「なにそれ?」 京太郎「ん?このかばんの中身ですか?」 理沙「」コクコク 京太郎「実は最近コーヒーの淹れ方を教えてもらいまして……」ゴソゴソ 京太郎「それの為のポットと挽いてある豆です」バーン 京太郎「ドリッパーはありましたよね?」 理沙「ある」 京太郎「んじゃ借りますね」 京太郎「よし、お湯も沸いたしこっちに入れて……っと」 京太郎「んじゃ注いでいきますよー。まずは真ん中に……」トポトポ 理沙「ん、いい香り」 京太郎「クリスタルマウンテンっていう銘柄らしいです。煎り方の違うものを色々試したそうで、その余りをもらったんですよ」ノノジ… 京太郎「いやーラッキーですよね」 理沙「役得!」 京太郎「ですです」 京太郎「さて……いい感じかな?」 理沙「?」 京太郎「全体的にお湯が行き渡ってたらいいみたいです」 京太郎「偏ってたりしたら、お湯が足りてない部分の旨味が出きってない分味が落ちるそうです」 理沙「詳しい!」 京太郎「受け売りですけど」 京太郎「よしOKかな」 理沙「少ない!」 京太郎「あぁ、これでいいんですよ。こうやって……」 トポトポ 京太郎「後から入れるんです」 理沙「なんで?」 京太郎「さっき入れた分でコーヒーの旨味成分っていうのは出きっているそうです」 京太郎「さらに注いでしまったら、出るのは苦味や渋味みたいですね」 京太郎「なのでこうして後からお湯だけ入れるんです」 京太郎「ふわぁ……」 理沙「寝不足?」 京太郎「ちょっと遅くまで遊びすぎたみたいです」ハハハ… 京太郎(ほんとは色々考えてたせいだけど……言えるわけない) 理沙「……っ!」 理沙「きょ、京太郎!」 京太郎「なんですか?」 理沙「」ポンポン 京太郎(ふとももを叩いてる……?……もしかして膝枕か!?)ゴクリ 理沙「早く!」プンスコ 京太郎「は、はい」 京太郎「し、失礼しまーす……」ポフ 京太郎(こ、これが膝枕なのか。思った以上に気持ちいい……) 理沙「……」ナデナデ 京太郎(理沙さんに撫でられるの心地いい……ハマりそうだ……) 理沙「」ペタペタ 京太郎「ちょ、くすぐったいですって、あははははっ、首は駄目ですって」 理沙「かわいい」クス 京太郎「もう、何するんd、むぐっ」 理沙「――――ぷはぁ。キスも……気持ちいい?」 京太郎「……ふぁい。気持ちよかったです」 理沙「よかった」ナデナデ 京太郎(弄ばれてんなー……悪くないけど) 京太郎「……理沙さん」 理沙「?」 京太郎「俺ってかなり子供なんです。理沙さんとこんな関係になって余計に自覚しました」 京太郎「弱い、弱い自分がここにいるんです」 京太郎「外でデートしたいです。でもそれは難しいですよね。俺達が意識してしまってるから」 理沙「……」 京太郎「理沙さんと少しでも長く一緒にいたいです。でも理沙さんも一人の時間欲しいですよね」 京太郎「でも自分は我がままですから。昨日もLINEに『明日』まで書いて止めました。そんなん気になるって話です」 京太郎「ずるくて、そんな自分が……ヒック……嫌で……」 京太郎「……すみません、今日はもうk、いたっ」 理沙「……」 京太郎「あの、そんなとこ抑えられたら起き上がれないんですけど……」 理沙「……京太郎は子供」 京太郎「……知ってます」 理沙「甘えるのは当然」 理沙「受け止める」 京太郎「でも……あいたっ!おでこ叩かないでください!」 理沙「そのうち返してもらう」 理沙「ずっと一緒」 京太郎「…………」ギュ 理沙「…………京太郎」ギュ ――――――好き 京太郎「……突然泣いてすみませんでした」 理沙「かわいかった」 京太郎「ええ!?可愛いってなんですか!」 理沙「……小動物?」 京太郎「そんな小さくないですよ!」 理沙「……!ゴールデンレトリバー!」 京太郎「犬ですか!!」 理沙「おいで」チョイチョイ 京太郎「行きませんよ!」 京太郎「……」チラ 理沙「」オイデオイデ 京太郎「…………ちょっとだけなら」 理沙「……気持ちいい?」ナデナデ 京太郎「……はい」 理沙「かわいい」 京太郎「はっ!?」
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特別編 ふたりの日記、由暉子ver ※本編とは完全に別のものです。別の世界線とかそういうのです side京太郎 4月×日 麻雀部に入部した 男子が少ないこの学校でどうしようかと悩んでいたが、 『そこゆく1年男子。そう、そのスケベそうな君。どーよ?ちょっと麻雀打ってみない?今ならアイドル目指すいい子いるよ?』 という謎の勧誘を受けた。何この人、と思ったが、隣に同じクラスのロリ巨乳がいたので試しに、ということでやってみた 麻雀自体も中々面白かったし、他によさげな部もない 何よりロリ巨乳とお近づきのチャンス、ということで入部した あのおもちのために、やってやるぜ!! side由暉子 4月×日 正式に麻雀部に入部しました まぁ、今まで通っていたので何が変わるという訳ではないでしょうけど 早速新しい衣装を着て『よし!部員勧誘だ!形だけでもやっとかなきゃな!!』という爽さんに連れられ廊下へ たまたま男子が通りがかり、声を掛けてみると本当に入部したのはビックリでしたね よく胸を見てますが、話やすい人ですし、先輩達も男子がいると色々助かるということで結構みんな抵抗なく受け入れてました いきなり雑用とかなの確定ですかとも思いましたが、男子本人も特に気にしてないみたいです なんにせよ、これから楽しみです side京太郎 5月○日 麻雀のルールや役は大体覚えたが……勝てねぇ 成香さん、誓子部長、揺杏さんはともかく、由暉子とか勝てる気がしないし、爽さんなんか意味わからん。 なんだアレ別の生き物か やるなら勝ちたいんだけどなー しかし最近、大会に向けて、とか言って由暉子の新しい衣装が増えてる あのちっこさであの立派すぎるおもち……そりゃ大胆で可愛い衣装なら人気出るわ 畜生、打ってる最中にどーよ?とか聞いてきやがってありがとうございます side由暉子 5月○日 最近は京太郎くんもルールや役を覚えたようでよく打ってます でも私や爽さんには全く勝ててません。特に私と打つ時、胸ばっかり見てるから負けるんです 見るのはいいんですが、ちゃんと麻雀に集中しないと それでも大半の雑用や力仕事を引き受けてくれるのはありがたいです これから忙しくなってきますし、何かお礼をするべきですよね そう先輩達に言ったら、新しい衣装を着て見せればいいと言われました その通りにやったら確かに喜んでましたけど、こんなのでいいんでしょうか? side京太郎 6月△日 麻雀部がまさかの団体戦優勝、そして全国へ 軽い感じかと思ってたけど、全国でってのはマジだったのか…… 俺なんて全然だったのにな これからはもっと頑張ろう それと、最近由暉子が呼び出されることが多くなった 大会で活躍して目立つようになってからか、つまらん男が寄ってくる、と爽さんと揺杏さんが言っていた 由暉子もさすがに変な男についてったりしないだろうけど、大丈夫か? side由暉子 6月△日 かなりきつかったけど、団体戦は勝てました これから全国、先輩達は全国デビューだ!って言ってました 全国……私達がどこまで行けるかはわかりません でも、やれるだけのことはやりたいです それと、最近男子に呼び出されることが多くなりました 告白されたり、連絡先聞かれたりとちょっと困るので先輩達に相談すると、京太郎くんが彼氏ということにすればいいと言ってくれました 実際そう言うとすぐに終わりますし、これはいい解決法です side京太郎 7月□日 最近クラスでよく男子に無意味に叩かれたり、女子に由暉子と二人きりにされたりする なんだ?何かやったのか? 男子はリア充爆発しろ!とか言ってくるし 麻雀部にいるからか?確かに女子ばっかりだが、2人くらい小学生男子みたいなのがいるけど 成香さんは小動物みたいだし、由暉子は抵抗しない、誓子部長は保護者? よく分からん、何もやってないはずなのに ま、由暉子や部に迷惑かかってないならいいか side由暉子 7月□日 学校ではすっかり私と京太郎くんが付き合ってる、ということになってました 2,3回くらいしか言ってませんけど、噂ってすごいですね おかげで呼び出されたりもなくなりました ただ、他の女子から色々聞かれるのがちょっと大変です 付き合ってないのにどこまでいった、どうやって落とした?とか聞かれても困ります 適当に返せばいい、と爽さん達が言うので、『ご想像にお任せします』と返すようにしました 何か余計に騒がれてる気もしますが、大丈夫でしょう。悪い気もしませんし side京太郎 8月●日 ま、まさかの全国制覇だああああああ!! マジで?マジなのか!? 本当に全国制覇するなんてすげーよ!! みんな泣いてたわ、感動で 俺も、もっと頑張ってみるかな…… side由暉子 8月●日 ほ、本当に全国制覇しちゃいました!! 流石の爽さんも最後は茫然としてましたし、揺杏さんも、成香さんも誓子さんも泣いてました 去年は麻雀なんてほとんどやってなかったのに、いいんでしょうか まさかのことにあんまり現実味がありません でも、それでもすっごく嬉しいです!! side京太郎 9月◇日 最近やたらと由暉子に取材やらなんやらが増えた アイドル路線、とか言ってたけどマジでアイドルになりそうな勢いだ 1回、マジで瑞原プロが来てて、次期牌のお姉さんにとかって話があったとか 由暉子には他校からまで野郎から告白とかが増えたとかだし 大変そうだなー しかし、クラスの女子がいいのか?とか聞いてくるのはなんだ? 俺がなんだというんだろうか? side由暉子 9月◇日 最近は色んな人がくるようになりました 雑誌等の取材からグラビアまで本当にやるとは思いませんでした 特に瑞原プロが本当に来たのは驚きました 次期牌のお姉さん……面白そうではありますが、まだ高校1年生ですから決められません それと、そういうのを抜きに卒業後プロに興味ないかとも聞かれました 他校の男子からも色々増えましたし、アイドルって実際は大変なんですね 少し部に顔を出す時間が減ったのが、少し寂しいです side京太郎 10月▽日 今日は由暉子の誕生日だったので、みんなでお祝いをした 俺は手編みのマフラーと手袋をプレゼントした 衣装とかじゃなく、普段使えるようなデザインにしたものだったが、由暉子は喜んでくれた 秋の大会も近く、最近忙しいのに俺の指導だってしてくれてるし、これくらい当然だ 最近は由暉子や爽さんと打っても前みたいにすぐ飛ばされたり焼き鳥だったりも減ってきたし 次の大会は俺だってやってやるぜ! side由暉子 10月▽日 今日は私の誕生日で、みんながお祝いしてくれました すっかり忘れていて、サプライズのような形で驚きましたが、とても嬉しかったです みんなからプレゼントを貰いました。でも爽さんがくれたプレゼント、派手な下着はなんでしょうね? 京太郎くんからは手編みのマフラーと手袋を貰いました 普段使えるものを、ということでしたのでさっそく明日から使います 最近は練習も頑張ってるのに。ありがとうございます、京太郎くん side京太郎 11月■日 今日はとんでもない話を聞いた 俺が由暉子と付き合っている、という話だった 6月に由暉子自身がそう言った、と告白して玉砕した男子から聞いた すぐに部室で聞くと、『……やっべ、忘れてた』と爽さんが言った アンタが元凶か! 一応由暉子の負担を減らすため、という理由があったからいいが、せめて一言言えよ 由暉子にも確認を取り、今後はそういうことは無い、ということで話が付いた side由暉子 11月■日 今日、部室で京太郎くんがいきなりとんでもないことを言ってきました 『俺と由暉子が付き合ってるって、どういうことですか!?』 成香さんは驚くし、揺杏さんはお茶を吹くし、それが誓子さんが勉強しているノートにかかるしで大変でした 『……やっべ、忘れてた』と爽さんが言い、京太郎くんに噂の件を伝えることを忘れていた、ということでした 京太郎くんもちゃんと分かってくれたみたいで良かったです でも、なんでしょうね 『そういうことは無い、ってことでな』と京太郎くんに言われた時、少し胸が痛かったです side京太郎 12月◎日 今日はクリスマス、なので麻雀部でクリスマスパーティーをした 正直、有珠山でこういうことやっていいのか疑問でもあるが 『楽しければいいじゃん?』という爽さんの一言で解決した プレゼント交換では、由暉子のブロマイドが当たった 部屋に飾るか、と冗談半分で言うと、じゃあ撮り直そう!ということで由暉子とのツーショット写真を撮ることになった 由暉子も言われるがままに、俺の腕に抱き着くような形になり、俺は腕の柔らかい感触のせいで何も言えなかった 後日、ツーショット写真は焼き増しするとか。俺としてはみんなで撮るのもいいんだが、ま、いいか side由暉子 12月◎日 今日はクリスマス、なのでみんなでクリスマスパーティーをしました 多少やっていいものかの疑問はありますが、爽さんが言うように、楽しいからいい、です プレゼント交換では、京太郎くんの用意した可愛らしいマグカップとテディベアでした 結構良いものですし、大事にします それと、京太郎くんに私の写真が当たってしまい、それから流れで京太郎くんと2人で写真を撮ることになりました もっと寄って、等と言われたので、思い切って腕に抱き着いちゃいました 京太郎くんの腕、思ったより逞しかったです。写真を早めに送ってもらえるよう頼みましょう side京太郎 1月☆日 新年あけましておめっとさん 今日はみんなで初詣に出掛けた 由暉子は着物を着ていて、なんと今回は揺杏さんが用意したものじゃないらしい 自分で着てみたかったからレンタルしてみたとか。似合ってていいと思う。綺麗だ それからお参りを済ませ、おみくじを引いた。結果は吉。ま、いっか 爽さんや揺杏さんが大凶引くまでやるとか小学生みたいなこと言ったりしてた。気持ちは分かるけど女子高生のやることじゃなねーよ 何故か由暉子は見せてくれなかった。あんまりいいこと書いてなかったか? side由暉子 1月☆日 新年あけましておめでとうございます 今日はみんなで初詣に出掛けました せっかくだからと着物をレンタルしてみました。みんな、京太郎くんからも綺麗だ、似合うと言われて嬉しかったです お参りを済ませた後、おみくじを引きました 爽さん達は何か騒いでいましたが……正直、仏教とか神道?のことなのにいいんでしょうかね 結果は小吉……恋愛、自分でも気付かない想い、はやく自覚するべし……なんでしょうか 恋愛なんて、相手はおろか男子だって京太郎くんしかいないのに…… side京太郎 2月▲日 今日はバレンタイン、という訳でチョコを貰って、そしてあげた。逆チョコって奴だ 普段のお礼も兼ねて、いいだろう でも爽さんと揺杏さんのジョークグッズみたいなチョコは許さん。無駄に高い技術でチョコとわさびを組み合わせるな 他のみんなもくれたが、由暉子がやけに凝ったチョコをくれた アイドルがそういうことしていいのか?と聞くと少し機嫌を損ねたようにそっぽ向かれた 後で何か埋め合わせでもするべきか? ホワイトデーに何かやるかな side由暉子 2月▲日 今日はバレンタイン、なので普段のお礼も兼ねてチョコを作りましたが、京太郎くんからももらってしまいました しかも誰よりも美味しかった……料理、勉強し直すべきでしょうか 京太郎くんに渡す時、頑張って手作りしたのに、『アイドルがそういうことしていいのか?』って言われました 別にいいじゃないですか。ちょっとムッっときたのでしばらく話してあげません でも、アイドルだからって。私だって1人の女の子で……アレ? 女の子として……なんでしょう。私、何を考えて? 分かりません、京太郎くんのことを考えると、変な考えばかり浮かぶのも、分からないことだらけです side京太郎 3月◆日 今日はホワイトデー、バレンタインの時のお返しも兼ねて、由暉子と2人で出かけることに 正直、爽さんや誓子さんが卒業して少し落ち込んでいるかとも思ったが、そんなことはなかった むしろ、今まで以上に頑張ろうという感じだった お互いにお返しのものを選ぼうと色々な店を回ったが、中々これというものがなかった 昼を適当なところで済ませた後、無理に今選ばずいいものがあれば、ということになり、そのまま午後は遊ぼうという話になった 映画やゲーセンなど、色々なところを回っていると、すぐに日も暮れてしまった 最後にいい景色が見れる場所があると由暉子に案内され、向かった場所は人気のない公園だった しかしそこは、夕日が綺麗に見えるいい場所でもあった しばらく2人で静かに夕日を見ていると、不意に由暉子から袖を引っ張られた なんだと思いながら由暉子の方を向くと、不意打ちでキスされた 唇はすぐに離れ、正直状況が全く理解できなかった が、それは何故か由暉子も同じようで、キスしてきた由暉子の方もかなり困惑した様子だった そのまま由暉子は走ってどこかへ行ってしまった そうしてしばらく経ち、今に至る まさかとは思うけど、由暉子の奴…… side由暉子 3月◆日 今日はホワイトデー、なのにとんでもないことをしてしまいました…… お互いにバレンタインのお返しをするため、京太郎くんと出かけました 初めは色々な店を回っていたのですが、あまり良いものがなく、午後は遊ぶことに そのまま色々遊んだ後、前に先輩から聞いた綺麗な夕日が見える公園に行きました 話に聞いてはいましたが、そこで見る夕日はそれ以上に綺麗でした しばらく見ていてふと隣を見ると、京太郎くんの横顔が見え、そこからは正直無意識でした 京太郎くんの服の袖を掴み、こっちを向かせて……私からキス、しました 京太郎くんも驚いていたと思いますが、私の方がもっと驚きました どうして、なんで……そんなことばかり考え、気付けばそこから走っていました そのまま家に帰っても、顔が熱いのもやけに鼓動が早いのも、いくら経っても収まりません だって、私から……でも……嫌じゃ、なかった? じゃあ……私は……京太郎くんのことが…… 京太郎「あー、この日のことは忘れられねーわ」 由暉子「私もです。ずっと前からだったとはいえ、自覚する前から無意識にキスなんて……」 京太郎「お前部室で翌日会うなり即行キスしてきただろ」 由暉子「確認したかったんです。本当に好きなのか、勢いじゃなかったのか」 京太郎「で、確認できたから?」 由暉子「押し倒しちゃいました」テヘ 京太郎「テヘ、じゃねーよ。真顔でやんな」 京太郎「ったく、後から来た成香さんは真っ赤になるし、揺杏さんはノリノリで根掘り葉掘り聞いてくるし」 由暉子「ガッツリ見せつけるかのごとく語ったからいいじゃないですか」 京太郎「揺杏さんが『私が悪かった、だからもういい。マジで砂糖吐く。げっろ』って言っても止めなかっただろ」 由暉子「愛が抑えられなくて……そういう京太郎も今、抑えてないですよ?」 京太郎「……ま、同意できるしな」 由暉子「結局こうなりますね。私からでも、最後はされるがままになりますし」 京太郎「嫌か?」 由暉子「むしろ、もっとお願いします」 カンッ!!
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第四章【国麻】・【離散】開始 ベンチに座って本を読んでいた 父さんと妹は遊びに、母さんは仕事で出かけていた 今は一人 一人で本を読む……大人っぽい! 子どもながらにそんなことを考えていた やっぱり、少し寂しい 一緒に遊びに行く友だちなんていないから 静かにページをめくる、髪が風でなびく そろそろ帰ろうかな、と思っていたとき 「お、俺と遊ぼうぜ!」 私の目の前に、彼が現れた 「あ、いや……遊んでください」 不思議な子だな それが第一印象だった 【8月第4週 平日】 京太郎「…………」 京太郎「どうしてまた、あいつは」 京太郎「引っ越しは今週末だそうだ」 京太郎「……何しよ」 朝 京太郎「こんなときは麻雀だよな」 京太郎「気を取り直そう」 京太郎「お邪魔しまーす」 郁乃「いらっしゃ~い」 照「あ、京だ」トテトテ 京太郎「照、来てたのか」 照「うん」 郁乃「もう打ち始めてるで~」 京太郎(ちょっと心配してたけど) 京太郎(なんだかいつも通りみたいだな) 照「京、一緒に打とう」 京太郎「おう、いいぞ」 京太郎「決勝のとき、さ」 照「……なに?」パリパリ 京太郎「懐かしい感じがしたんだよな、なんつーか」 京太郎「照たちと昔打ってたときみたいな?」 京太郎「そんな感じがした」 照「…………」ポリポリ 照「そう」ゴックン 照「懐かしい、か」 京太郎「うん、あとパソコンの前でお菓子食べるのやめような」 照「無理な相談」モグモグ 京太郎「もうすぐ昼か、何しよう」 昼 京太郎「久しぶりにバイトでもするか」 京太郎「でもこの時間からあそこに行ってもあんまり働けないからな……」 京太郎「もう一つ新しいのを探してみよう」 京太郎「探偵……か」 京太郎「面白そうだな、行ってみるか!」 平次「お前さんが須賀京太郎やな」 京太郎「はい!今日はよろしくお願いします!」 平次「オレは服部平次言うんや、西の名探偵とはオレのことやで!」 京太郎「それで、今日の仕事は?」 平次「迷い猫探しや」 京太郎「猫?」 平次「せや」 京太郎「……」 平次「今つまらん思うたやろ」 京太郎「正直に言うと、はい」 平次「そうポンポン殺人事件が起こってたまるかいな」 平次「ほな行くで」 京太郎「オスの三毛猫とかどんだけレアなんだよ」 京太郎「どっかにいねえかな」 京太郎「あ」 猫「ニャッ」ナニッ 京太郎「待てごらあああ!」 猫「ニャアアアアアア」ドタタタタ 怜「今日の健診も大丈夫やったな」 猫「ウニャアアアア」ドタタタタ 怜「ね、猫?トリプルや!」キィィィン! 怜(直進して事故と見せかけて私を襲うんか……そうはさせへん!) 怜「うにゃっ!今や!」 猫「ニャッ!?」 怜「はい、捕まえた」 猫「ウニャッ!」ジタバタ 京太郎「あ、怜さん」 怜「ああ、京くん、この猫京くんのやったんか?」 京太郎「いえ、依頼されてまして」 怜「ふ~ん、ま、ええわ、はい」 京太郎「ありがとうございます」 怜「せや、今度どこか遊び行かへん?」 京太郎「遊び、ってか急ですね」 怜「思い立ったが吉日や」 京太郎「そうですね、日が空いたら連絡しますよ」 怜「待っとるで」 京太郎「はい、それではまた」 平次「もう捕まえたんか」 京太郎「ぜぇー、はい、はぁー、まあ」 平次「お手柄やったな、バイト代は振り込んどくで」 キャアアア ヒ、ヒトガ! 平次「なんやと!?」 京太郎「何かあったんでしょうか?」 平次「須賀はもう帰っとれ!こっからは危ないんや!」 京太郎「は……はぁ」 イマイクデ! ク、クルナ!クルンジャナイ! ダマットレドアホ! クルナァァァァ! ドヒュウン 京太郎「今銃声がしたような……まあいっか」 京太郎「帰ろう」 京太郎「服部さん、なんか禍々しいものを感じた」 京太郎「死の危険、的な」 夕 京太郎「特訓しよう」 京太郎「今は誰がいるかなー」 郁乃「照ちゃんとエイちゃんはもう帰ったで~」 郁乃「今は憩ちゃんと咏ちゃん、私と霞ちゃんだけやで」 京太郎「そうですか……どうしよ」 咏「お、京太郎じゃん」 京太郎「よっ」 咏「どうしたんだい?」 京太郎「いや、少し気が向いたからな」 京太郎「俺と打たないか?」 咏「お、いいねぃ、んじゃ行こっか」 咏「やっぱり、前よりもずっと上手くなってんね」 京太郎「そうか?」 咏「そーそー」 京太郎「……そうか、上手くなれてるのか」グッ 咏「んで、今は何考えてんだ?」 京太郎「えっ?」 咏「何か悩んでることでもあんだろ?顔に書いてあるぜ」 京太郎「あー…………」 京太郎「決勝のときにさ」 咏「つまりあの変な感覚を取り戻したいって?」 京太郎「そういうこと……なのか?」 咏「んまあ、そういうことなら実際に打ってみるのが一番なんじゃねえの?知らんけど」 京太郎「実戦か」 咏「私はこうして二人でやってる方が好きなんだけどねぃ」 京太郎「秋は夜長、夜更かしの季節だな」 夜1 京太郎「せっかく木刀買ってきたんだし、素振りでもするか」 京太郎「えいっ!えいっ!」ブンブン 京太郎「これ、結構くるな」 京太郎「まだまだ!」 京太郎「えいっ!」 京太郎「えいっ!」ブン ガシャッ 京太郎「あ、そうだ室内だったな」 京太郎「外でやらないと……」 京太郎「さすがに夜になると寒いよな」 京太郎「あっためるためにあと1000回!」 京太郎「これを一か月続けたら筋肉モリモリになれるのかな!」 京太郎「今日は疲れたからもう終わりだけど」 夜2 京太郎「散歩に行ってくるか」 京太郎「照のことも考えないとな」 京太郎「いってきまーす」 照(ポッキーなう)ポリポリ 京太郎「うまいか?」 照「京……うん」 照「どうしてこんな……」 京太郎「こんな時間にってか?」 照「うん」コクッ 京太郎「ちょっと考え事をな」 照「……それって……いや、なんでもない」 京太郎「照のことだよ」 照「えっ」 京太郎「どうしてお前は出ていくのかなって」 京太郎「また、俺の前からいなくなるのかなって」 照「…………」 照「京は気にしなくていい」 照「私が決めたことだから」 照「大丈夫だから」 照「また会えるんだろうし、国麻、楽しみにしてるから」 照「それじゃあ、ね」 京太郎「……照」 京太郎(このままでいいのか?) 京太郎(このまま、また照がいなくなっても) 京太郎(ようやく俺のそばに戻ってきてくれたんだ) 京太郎(……最近悩んでばっかだな) 京太郎「照!」 照「まだ、何か?」 京太郎「俺のそばから離れないでくれ」 照「……え?」 京太郎「照がいなくなって三年、でも今年、四月に久しぶりに照と会えたときすごく嬉しかった」 京太郎「この半年照と一緒にいてすごく楽しかった」 京太郎「まあ実際は五か月くらいだけど、さ」 京太郎「一緒に学校行ったり、運動会で頑張ったり、祭りに行ったり」 照「…………っ」 京太郎「この前みたいに海に行ったりしてすっごく楽しかった」 京太郎「でもよ、それなのに、理由もわからずにまた離ればなれになるなんて嫌だ」 照「理由……」 京太郎「理由だけでも教えてくれないか?」 京太郎「俺が悪かったんなら謝る、だから教えてくれよ」 照「……京には言えない」 照「私には、言えない」 京太郎「またそうしていなくなるのかよ」 照「違う!」 京太郎「違わないだろ、前も照は俺たちの前からいなくなった」 京太郎「俺は照と一緒の方が楽しい、だから離れないでくれ」 照「楽しい……か」 照「それは、違うんじゃないかな」 京太郎「なに……?」 照「京にはもう憩が、エイスリンが、咏も霞も郁乃さんもいる」 照「京は、ただそばに誰かがいてほしかっただけじゃないの?」 照「私なんていらないんでしょ、咲やモモ達といたときみたいに」 照「見送りなんてしなくていいから」 照「霞たちにもそう言っておいた」 照「今度会うのは国麻のとき」 照「じゃあね」 照「短い間だったけど、ありがとう」 【8月第4週 平日】終 【8月第4週 休日】 京太郎「照は今日にはもういなくなっちゃうのか」 京太郎「俺にとっての照って何だったんだ?」 京太郎「楽しいって思ってたのは俺だけだったのかな……」 京太郎「どんな言葉を使えば、照に届くんだろう」 朝 「今日は楽しかったぜ!ありがとな!」 「こちらこそ」 「モモがいないからひまだーっておもってたんだけどお前がいてくれてよかったぜ!」 「……照」 「宮永照だから、照って言って」 「テル、か俺は京太郎だ!」 「……長いから京でいいかな」 「おう、大かんげーだ!」 「ただいま」 「おかえり」 「咲は?」 「モモちゃんや京太郎くんたちと遊びに行くってさ」 「……そう、母さんは?」 「今日も帰ってこないってさ、咲に任せっぱなしってのはダメだから今日は出前だぞ」 「それで、どの店に頼む?」 「どこでもいい」 「そっか、わかった」 「私、上に行ってるから」 「ああ」 照母「照、起きなさい」 照「ん……母さん、来てたんだ」 照母「また遅くまで起きてたのね、もう行くわよ」 照「わかった」 照母「それで、荷物は?」 照「……忘れてた」 照母「もう、ちゃんとしなさいよ」 照「うん」 ガチャ バタム 照母「さーてと、ぱぱっと帰るわよ」 照母「大家のおばさんにもあいさつしてきたし」 照「あの人まだ成人してないよ」 照母「まーたまたー……マジ?」 照「うん」 照母「あちゃー……って、ねえ照、あの子って確か」 照「……京太郎」 京太郎「照」 照「今度は何?」 京太郎「ありがとう」 京太郎「また遊んでくれるか?」 照「うん、これ私のねとま?のハンドルネーム」 京太郎「『ワムゥ』?」 照「今度はそこで打とう」 照「待っ照」 京太郎「……それ、ダジャレか?」 照「うん、じゃあね」 京太郎「おう」 京太郎「毎時間メール送るから」 照「それは迷惑」 京太郎「じゃあ毎日?」 照「それもちょっと」 京太郎「じゃあ毎月」 照「間隔空きすぎ」 京太郎「じゃあ気が向いたらでいいな」 照「……わかった」 毎週平日の夜にメールを送れるようになりました 照母「照、アンタ挨拶してなかったんでしょ」 照「京にはした」 照母「まあ、ここに帰ってきたくなったらいいなさいよ」 照「……なんで?」 照母「照のしたいようにさせてあげる、ただそれだけよ」 照「……そう」 照母「それに、あの……京太郎くん?のこと放っておけないんでしょ?」 照「ちっ、違う!」 照母「咲やモモには負けないようにしなさいよ」 照「だから違う、って」 京太郎「行っちゃったか」 京太郎「まだ、チャンスはあるはずだ」 昼 京太郎「久々に実家に帰るか」 【実家】 京太郎「ただいまー」 京父「よっ、京太郎」 京太郎「と、父さん帰ってきてたのか」 京父「暑かったぞーインドはー」 京太郎「エジプトに行った時も同じようなこと言ってなかったか?」 京父「今度はニュージーランドに行ってくるんだ、羨ましいだろー」 京太郎「へいへい、そうですね」 京父「なんだ、我が子は連れないなー」 京父「さすがはタラシチャンピオンといったところか」 京太郎「ちょっと待て今何て言った」 京父「読んだぞ新聞!男子個人戦チャンピオン須賀京太郎、夜のチャンピオン?だってよ!」 京父「将来が楽しみだ!」 京太郎「マジかよ……」 京太郎「じゃあ散歩してくるな」 京父「そうやって女の子を引っかけてくるのか……ふむ」 京太郎「だから違うっての!」 ピンポーン 桃子「京太郎ー遊ぼーっす!」 京太郎「なんで俺が来てるってことわかってるの!」 京父「俺が連絡しておいた」ドヤァ 京父「ほれほれ、女の子を待たせるなんて罪なことするなよ」 京太郎「ドヤ顔するな!わーったよ、行ってくる」 京父「避妊はしっかりなー」 京太郎「余計なお世話だ!」 桃子「おじさんと何話してたんっすか?」 京太郎「なんでもないよ」 桃子「そうっすか、じゃあ今日も私とどっか行くっす!」 京太郎「拒否権は……ないんだろうな」 桃子「モチのロンっす!」 桃子「到着ーっす」 桃子「覚えてるっすか?この公園!」 京太郎「ああ、よく遊びに来たな」 京太郎(照と出会ったのも、ここだったんだよな) 京太郎(たしか、あのベンチに……) 桃子「今日はここで遊ぶっすよ!……ん?どうかしたっすか?」 京太郎「いや、あそこにあったベンチなんだけど」 桃子「あれなら新しい遊具を置くからって廃棄されたっすよ、それがどうかしたっすか?」 京太郎「……そうだったのか」 咲「京ちゃん?やっぱり京ちゃんだ!」 京太郎「久しぶりだな」 咲「うん!」 桃子「私が呼んでおいたっす!」フフン 京太郎(相変わらず大きい……前より大きくなってないか?) 咲「京ちゃん……」ジトッ 京太郎「な、なんだー咲ー?」アセアセ 咲「知らない!」プイッ 京太郎「さ、咲さん?おーい」 桃子「それじゃ、何するっすか?」 京太郎「キャッチボールでもするか」 桃子「それじゃあボールとグローブ持ってくるっす!」 咲「行ってらっしゃい」 桃子「行ってくるっすー」 京太郎「モモは元気だな」 咲「京ちゃんが帰ってきたからじゃないの?」 京太郎「じゃあいつも通りの咲は俺に帰ってきてほしくなかった、と」 咲「違うよ、これでも嬉しいんだよ、でもえっちなのはダメだよ」 京太郎「俺はせんべいよりもおもち派だからな」 咲「……何言ってるの?」 京太郎「要するに、大きいは正義!」 咲「京ちゃんの場合は正の字が違うと思う」 桃子「持ってきたっすよー」 京太郎「モモー投げるぞー」ビュン 桃子「ばっちこーいっす!」バシッ 桃子「咲ー行くっすよー」ビュン ポヨン 京太郎「おお……」 咲「むむっ!」ビュン 京太郎「がはっ!ちょっ、咲!みぞおち!」 咲「あははーごっめーん、手が滑っちゃったー」 桃子「思いっきり棒読みっすね」 京太郎「堪能堪能、満足満足」 咲「京ちゃん、五体不満足って言葉、知ってる?」 京太郎「ひぃっ」 桃子「さーてと、次はどこに行くっすか?」 京太郎「roof-top?」 咲「麻雀喫茶だよ」 京太郎「麻雀喫茶?」 桃子「麻雀ができる喫茶店っす」 京太郎「あーなるほど」 咲「染谷さん、まだいるよね?」 桃子「来週までいるらしいっすよ」 京太郎「誰だ、それ?」 桃子「広島に住んでる娘さんっす、今は友達のちゃちゃのんさんとこっちに遊びに来てるっす」 京太郎「へー」 咲「あ、着いたよ」 マホ「いらっしゃいませー」 いちご「いらっしゃいませー」 京太郎「メイド!?」 咲「あれ、マホちゃん?」 桃子「どうしてここで働いてるっすか?」 マホ「社会勉強です!」ムフー まこ「夏休みの宿題なんじゃと」 咲「どうも、こんにちは」 桃子「またきたっすよ」 まこ「はい、いらっしゃい、そこの男子は……誰じゃ?」 咲「京ちゃん、私たちの幼馴染です」 いちご「ほぉ?どこかで見たような……?」 マホ「マホ知ってます!この人男の子のチャンピオンさんです!」 いちご「あぁ~なるほどー」 京太郎「俺の知名度ってこの程度だったのか……」 まこ「君が須賀京太郎くんじゃったか……打ってくか?」 京太郎「うむ……どうしましょう?」 京太郎「いや、やめておきます」 いちご「なーんじゃ、つまらんのう」 咲「じゃあ私が打ちましょうか?」 いちご「そ、それは遠慮しとく……」 まこ「んで、注文は?」 マホ「まはまほから揚げがオススメですよ!マホが食べさせてあげます!」 京太郎「それはなんつーか、背徳的すぎるな」 メニュー 1.まはまほから揚げ 2.ちゃちゃのんショートケーキ 3.まこのワカメスープ 4.カツ丼 5.タコス 6.お好み焼き 7.桃パフェ 京太郎「皆さんのオススメは?」 いちご「ショートケーキならちゃちゃのんが食べさせるけぇ、選んどき!」 まこ「ワカメスープもオススメじゃよ」 桃子「私は桃パフェっすね」 咲「私はお好み焼きだよ」 京太郎「んーじゃあ……」 京太郎「から揚げで」 咲「えっ」 まこ「えっ」 桃子「京太郎……」 いちご「ロリコンじゃったなんて、そんなん考慮しとらんよ……」 京太郎「いや、でも」 マホ「やたっ!マホのから揚げが頼まれましたよ!」 京太郎「あんなに喜んでるんですし」 咲「苦しい言い訳だね」ジトッ マホ「須賀先輩、あーん」 京太郎「あーん」 マホ「おいしいですか?」 京太郎「うん、とっても」ニコッ 「「「「うわぁ……」」」」 京太郎「次はどこ行くんだ?」 桃子「近寄るなっす!」 咲「そうだよ変態!」 久「やっほーって、優希だけ?」 優希「のどちゃんは今日も来ないって言ってたじぇ」 久「あらそう……じゃあ咲とモモが来たら起こしてー」 優希「はーい」 咲「遅くなりましたー」 久「ん……はーい」 桃子「優希、寝ちゃってるっすね」 優希「タコス、タコスが……ぐぅ」 京太郎「えい、えい」プニップニッ 優希「今度はタコさんだじぇ……」 久「須賀君も来てたの?」 京太郎「はい、お邪魔します」 久「そんなに固くならなくていいわよ」 咲「私お茶入れてきますね」 桃子「さて、何するっすか?」 京太郎「俺が4人の邪魔するのもあれなんで、パソコン貸してもらえますか?」 久「いいわよ、あとネト麻するならその横の機械も使ってみて」 京太郎「何ですか、このヘッドギア」 久「ナーブギアとか言うらしいわ、リアリティを追求するために開発されたんですって」 京太郎「へー」 京:すっげーリアルだな、なんだここ 京:えーっと、ここの掲示板で対局申込みをすればいいのか……じゃあまずは東南で しばらくお待ちください 京:よし、いよいよ楽しみだな びっぐすたー:よろしくー のどっち:よろしくお願いします NoName:どうしてのどっちさんがここに! 京:よろしくおねがいします 東1局 親 NoName 25000 びっぐすたー 25000 のどっち 25000 京 25000 京:ロン! 京:リーチ、赤1! びっぐすたー:なんだ、その程度かぁ 京:裏3 びっぐすたー:え…… 東2局 NoName 25000 親 びっぐすたー 17000 のどっち 25000 京 33000 京:ロン 京:混一色、役牌白、役牌中、小三元、チャンタ、混老頭、対々和 京:24000 びっぐすたー:もーなんなのさっきからー! びっぐすたー:いいもん!こっからが本気! のどっち:本気も何もないと思いますが…… 【圏外射撃】発動! 東3局 NoName 1000 びっぐすたー 17000 親 のどっち 25000 京 57000 びっぐすたー:いっちゃえ! びっぐすたー:リーチ! 京:ダブリー…… NoName:こ、こんなの、どうすれば…… びっぐすたー:ロン!ダブリー一発赤2ドラ2! びっぐすたー:裏3! 終局 NoName -15000 びっぐすたー 33000 のどっち 25000 京 57000 びっぐすたー:うむむ、とどかなかったかー 京:はっはっは、勝負ならいつでも受けて立つぞ のどっち:……ありがとうございました NoName:のどっちさん、どんまいです びっぐすたー:ネット最強ののどっちを倒したんだから、真のネット最強はこのびっぐすたーってことだね! 京:いやいや、それなら俺だろ びっぐすたー:あんたのは偶然、私のは必然だもん! 京:……なんだそりゃ 久「あら、終わったの?」 京太郎「はい、飛ばしましたよ!」 咲「すごいね、私なんてまだパソコンあんまり使えないし……」 京太郎「そういえば、ネット最強っていうのどっちって人と打ちましたよ」 優希「のどちゃん……!」 桃子「和がどうかしたっすか?」 久「和、今日も来れないんだってさ」 咲「転校、本当にしちゃうのかな」 京太郎「転校?」 久「ああ、こっちの話だから気にしないでいいわよ」 京太郎「そうですか……」 桃子「ああっと!もうこんな時間ですし、そろそろ帰らないとっすね!」 久「うん、そうね、今日はこれで解散よ!」 桃子「さて、次はどこに行くっすか?」 京太郎「逆に、モモと咲は何がしたいんだ?」 桃子「私はみんなで遊びに行きたいっすね」 咲「うーん、私は……」 咲「みんなでウチくる!?」 京太郎「は?」 桃子「ひ?」 久「ふ?」 優希「じょ?」 咲「え、えーっとぉ、せっかく京ちゃんも帰ってきたんだし、みんなでウチで遊びたいなあ、って」 桃子「ははぁーん、そうやって京太郎をなんやかんやして泊まらせて襲うつもりっすねー」 咲「ち、違うよ!」 京太郎「咲さえよければ俺はいつでも」 咲「ほんとっ?」 京太郎「んなわけあるかい」ペシッ 咲「あうっ、純粋な乙女心をもてあそぶなんてひどいよ京ちゃん……」 優希「それで、どうするんだじぇ?」 京太郎「うーん、そうだな」 京太郎「じゃあモモの意見をくみ取って外食に行こう、みんなで!」 京太郎「……って、どうですかね?」 久「私はいいわよ」 優希「タコス!タコス!」 桃子「私も大丈夫っすよ」 咲「別にいいけどさ……」プクー 京太郎「また今度な」ナデナデ 咲「撫でればすむと思ってるでしょ?」 京太郎「……違ったか?」 咲「ううん、正解だよっ」 京太郎「そうかそうか、んで、どこ行きます?」 京太郎「まあ大勢で来るならファミレスでしょう」 優希「うがー!タコスが無いんだじぇ!」 優希「須賀!いや京太郎!いや犬!いや……バカ犬!」 京太郎「どんだけ落ちてんの俺!」 優希「いいからタコスを買ってくるんだじぇ!」ゲシッ 京太郎「蹴られた!?俺の身分どんだけ低いの!」 咲「私はえびフライ定食にしようかな」 桃子「私はハンバーグセットっすね」 久「じゃあ私はカルボナーラにでもしようかしら」 衣「咲!咲じゃないか!」 透華「衣、何をしてるんですの?ってあなた方は……」 久「あら、奇遇ね」 智紀「清澄」 桃子「お久しぶりっすね、眼鏡おっぱいさん」 京太郎「えーっと、あなたがたは?」 透華「よくぞ聞いてくれましたわ!私たちは!」 純「龍門渕高校麻雀部だ。……確かお前、インターハイに出てたよな?」 京太郎「ええ、まあ」 透華「ムキー!話を邪魔しないでくださいまし!」 一「ホントだ、この人1位だよ個人戦の」 衣「強いのか!」 智紀「通称”炎の須賀”、高火力が特徴」 京太郎「あれ、昼とは違って俺有名?」 優希「ただの偶然だじぇ」 メニュー 山菜丼 秋の果実盛り合わせ タコゆでパスタ パンダ定食 えびフライ定食 サルミアッキ定食 川魚定食 冷やしうどん あなたの心に手錠をかけるよ!定食 久「あら、可愛いもの食べてるのね」 京太郎「パンダ定食ですか?」 久「そうよ、小っちゃいハンバーグが目、ライスが顔かしら?」 咲「京ちゃんは女の子ものが好きですからね」 優希「ハンバーグと白飯って男っぽいほうな気がするけど……」ウーン 咲「街のレディースランチを食べまわるのにつき合わされてたんですよ」 京太郎「おいしいものはしょうがない」 桃子「京太郎……咲とそんなことしてたっすか」ジトッ 京太郎「モモは誘ってもやれラーメン屋行きたいだのやれお好み焼きを食べに行くだの言ってたからなー」 久「須賀くんも隅に置けないわね~」ヒョイパクッ 京太郎「あ!せっかくとっておいたハンバーグが!」 久「……うん、おいしいわね!」グッ 京太郎「グッ!じゃないですよ!返してくださいよ!」 久「流石に人前はちょっと……ね?」 京太郎「返してとは言いましたけど戻してとは言ってませんから!」 一「うわっ、ご飯中にそんなこと言うのやめてよ」 智紀「不潔」 京太郎「言ったのは竹井さんですよ!」 久「あら、私は何も言ってないけど?ねえ?」 純「あー、確かにそうだったな」 京太郎「ぐぬぬ」 京太郎「ふー食った食った」 咲「京ちゃん、オヤジくさいよ」 桃子「で、次はどこに行くっすか?」 衣「衣も一緒に遊ぶぞ!」 久「いいの?」 透華「今は暇ですから大丈夫ですわ」 桃子「ゲーセンに来たっすよ」 衣「咲!これはどうやって遊ぶんだ?」ワクワク 咲「えーっと、これはね…………」 咲「…………」ムムッ 衣「咲?」 咲「わからないや、あはは」 純「やっぱり強いなッ!」ガシュンガシュッ 智紀「そっちこそ」ピコピコ 智紀「えいっ」 純「ぬおっ!」 透華「むきーっ!何なんですの!全く取れませんわ!」 一「と、透華……そんな無理しなくていいから」 透華「いえ!このままじゃ気がすみませんわ!」 桃子「本当にいいんすね?あそこのメロンパンは高いんすよ?」 優希「タコスのためとあらば手加減はしないじぇ」 久「どっからでもかかってきなさい!」 桃子「エアホッケースタートっす!」 京太郎「さて、どこに行こうかな」 透華「どうしてカードが使えないんですの!」 透華「かくなるうえは…………!」 一「透華、もういいから、ね?」 京太郎「お二人とも何をしてるんですか?」 一「えっと、これなんだけど」 一「ボクが欲しいって言ったら透華が張り切っちゃって」 透華「絶対に取ってさしあげますわ!」 一「ほらね?」 京太郎「なるほど……」 京太郎(さて、どうしよう) 京太郎「あのー、龍門渕さん?」 透華「何ですの?」キッ 京太郎「い、いや、アドバイスでもしましょうか?」 一「それいいね、透華はどう?」 透華「結構ですわ!もう一回!」 ウィーン 透華「そこですわ!」 キュッ 京太郎「あ、持ち上がった」 ポトッ 透華「むきーっ!もう!何なんですの!」ガタッガタッ 一「透華、揺らしちゃだめだよ」 透華「もう一回!もう一回ですの!」ポチッ 透華「この辺り……」 京太郎「いや、もう少し先に行っちゃいましょう」テヲノセル 透華「な、何をしてますの!後ろに行きすぎですわ!」 京太郎「大丈夫ですよ、見ていてください」 一(うわぁ、須賀君大胆だなぁ、距離近いよ) 一(二人とも集中してるから気づいてないみたいだけど) ウィーンウィーン ポロッ ガコン! 透華「お、落ちましたわ!」 一「それにしても、取れなかったのにどうして?」 京太郎「結構穴の近くにあったので押してみようかなー、と」 京太郎「おめでとうございます、龍門渕さん」 透華「ええ、そうで、す、わ……ね…………」ガバッ 一(あ、気づいた) 透華「なっ、何をしてるんですの!?」 京太郎「えっ、何って……あ」 透華「は、破廉恥ですわ!不潔ですわ!」ゲシッゲシッ 京太郎「ちょっ、脛はやめてくださいよ」 透華「うるさいですわ!」 京太郎「いたた、国広さんが宥めてくれたからいいけど……」 京太郎「さて、次はどうしようかな」 京太郎「せっかくみんなと遊んでるんだから写真とか撮りたいよな」 京太郎「プリクラに誘ってみよう」 久「プリクラ?いいんじゃない?」 優希「特別に許可してやろう、ふっふっふ」 桃子「もちろん私が京太郎の隣っすからね!」 衣「咲、プリクラ、とはなんだ?」 咲「えっ、う、うーん……」 咲「プリン食べられて暗くなっちゃった?」 京太郎「どういう状況だよ」 智紀「別に構わない」ピコピコ 純「うおっ!ちょっと待て!ぬわっ!」 「YOU LOSE」 純「くそぉ……」 智紀「これで十連勝」フフン 一「プリクラ?わかった、透華に話しておくね」 透華「がるるるるー!」 京太郎「モモと天江さんが隣か」 透華「ち、近寄らないでくださいまし!」 京太郎「すみません……」 衣「とーかときょうたろーは仲が悪いのか?」 透華「そ、そんなことありませんわ!ごらんなさい」ギュッ 京太郎「後ろからっ!?」 京太郎(でも、無いんだよなぁ……) 衣「そうか!なら衣も!」ギュッ 桃子「わ、私も!っす!」ギュッ 京太郎(ああ……右腕の感触がぁ……) 咲「京ちゃん…………」 優希「ニヤケすぎだじぇ」 衣「きょうたろーは衣とプリクラとやらを撮って楽しかったのだな!」 透華「……破廉恥ですわ」ジトッ 京太郎「そろそろ帰らなきゃだけど、もうちょい遊んで行こう」 京太郎「咲は何やってるんだ?」 咲「えーっと、これ、なんだけど」 京太郎「太鼓○達人か」 衣「どうやって遊べばよいのだ?」 京太郎「実際にやってみた方が速いから……」 京太郎「じゃあ俺が天江さんに教えるから咲は見ててくれ」 咲「うん、わかったよ」 衣「よろしく頼む!」 京太郎「まずは200円を投入します」 衣「うむ!」 京太郎「次に、ここのバチを取ります」 衣「おお、これはこの遊戯のために拵えられたのか!」 京太郎「しっかり握っててくださいね」 衣「きょうたろーの手は温かいなー」 京太郎「そんでもって、曲を選んで演奏開始です」 衣「楽しかったぞ!」 京太郎「それはよかったです」 京太郎「咲もわかったか?」 咲「…………ふんっ」プイッ 京太郎「咲?どうしたんだ?」 咲「べっつにー」 咲「京ちゃんはえっちだな、って」 京太郎「いやいやいや、何もやってないだろ」 咲「十分えっちだよ!衣ちゃんの手握って、抱き着いてるみたいだったよ」 京太郎「いや、だからと言ってなぁ」 咲「ふんっ」 京太郎「じゃあ俺もう帰りますね」 久「また来なさいね、今度こそ打ちましょう」 優希「次に会ったときが年貢の納め時だじぇ!」 桃子「また遊びに行くっす!」 咲「ふんっ、だ」 京太郎「いい加減機嫌直してくれよ……」 純「じゃあな、いつか打とうぜ」 智紀「……いつか打とうぜ」 純「俺の真似するんじゃねえよ、ちゃんと言え」 智紀「……じゃあな」 純「また俺の真似じゃねえか!」 衣「きょうたろー、今日は楽しかったぞ!」 衣「満月の夜に会うのを待っているぞ!」 京太郎「ええ、また会いましょう」 衣「うむ!」 京太郎「そろそろ帰るか」 一「あっ、須賀君、ちょっといいかな?」 京太郎「はい、何でしょうか」 一「ほら透華、渡しなよ」 透華「わ、わかってますわ!」 一「ほーらーはーやーく」 透華「これは……感謝の印として受け取ってくださいまし」 京太郎「このぬいぐるみ、さっきのやつですよね?」 一「あの後、透華が頑張って取ってさ、須賀君にお礼しようとしてたんだよ」 透華「はっ一!」 京太郎「そうだったんですか」 透華「違いますわ!」 一「もう、素直になりなよ」 透華「嫌ですわ!こんな破廉恥な殿方に何を!」 透華「…………ありがとうございました」ボソッ 一「気変わり速っ」 京太郎「いえ、こちらこそ、素敵なものをありがとうございました」 一「うん、じゃあね」 京太郎「はい」 京太郎「さて、と帰ってきたぞ」 京太郎「何をするかな……っと」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「ん、何だ?」 一『国広です、ボクたちの連絡先送っておくね』 一『衣とかにメールとかしてあげてね』 龍門渕五人の連絡先を手に入れた! 夜2 京太郎「照にメールするか、約束もしたしな」 京太郎「何て送ろう」 京太郎「雀士なら打って語ろう!」 京太郎『打たないか?』 京太郎「送信っと」 京太郎「照なら応えてくれるだろう」 京太郎「なんで帰ったのかも気になるしな」 照「…………」 照「打たないか、か」 照「私じゃなくても憩たちと打てるのに」 照「なんで、だろう」 照「…………わからない」 京太郎「返信来ないなー」 京太郎「寝てるんだろう、うん」 京太郎「次は誰とメールしようかな」 京太郎「辻垣内さんに送ってみるか」 京太郎「近寄りがたい雰囲気だけど、大丈夫だよな」 京太郎『麻雀打ちませんか?』 京太郎「大丈夫……だよな」 京太郎「そういえば辻垣内さんって目つき怖かったよな……」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「!」ビクッ 京太郎「ささささ流石にだだだ大丈夫だろう」 智葉『了解した、ルームナンバーは3398だ』 京太郎「よかったぁ……『ドタマぶち抜くぞ』とか言われなくてよかったぁ」 【MAOの世界へようこそ】 京:相変わらずリアルだな 京:鳥のさえずりまで聞こえてくるし、対局も牌の感触とかリアルだし 京:何よりもリアルの雰囲気がある 京:おっと、ここか player3108:来たか 京:辻垣内さんですか? player3108:ああ、今夜はよろしく、楽しみだ 束縛希望:縛られたか デビル人:同じく 東一局 親 デビル人 25000 リザベーション2翻 束縛希望 25000 player3108 25000 京 25000 智葉(須賀、高火力と速攻) 智葉(清澄の先鋒と似ているが) 智葉(こちらの方が楽そうだ) 【抉る眼光】発動! player3108:カン 京太郎(うっわ、片方潰されちゃった) 京太郎(でも、まだまだだ!) 京:ロン 京:24000 智葉(……ふむ) 東二局 デビル人 25000 親 束縛希望 25000 リザベーション3翻 player3108 1000 京 49000 智葉(どうやら見くびっていたようだ) 智葉(さて、と) 智葉(借りは返してもらうぞ) 智葉(張りつつ、やつを止める!) 【抉る眼光】発動! 智葉(安い……) 智葉(しかしまた須賀が危険だからな) 智葉(わずかでも取り返す) player3108:ロン player3108:1300 東三局 デビル人 25000 リザベーション3翻 束縛希望 25000 親 player3108 2300 京 47700 智葉(そろそろ疲れてきた……) 智葉(だが、まだいける) 智葉(私だって今年は準決で宮永といい試合をした) 智葉(だから、負けない) 【抉る眼光】発動! player3108:カン player3108:カン 京太郎(二萬も五萬も暗槓!?) 京太郎(三色が封じられた……か) 京太郎(捨てた方がいいよな) player3108:カン 京:なっ! player3108:嶺上ツモ、責任払いで18000 player3108:連荘 東三局一本場 デビル人 25000 束縛希望 25000 リザベーション3翻 親 player3108 20300 京 29700 智葉(そろそろ疲れてきた……) 智葉(須賀の一人聴牌) 智葉(ここは……オリておくか) 智葉(オーラスでまくる、ただそれだけだ) 京太郎(うむむ……辻垣内さん強いな) 京太郎(もういっちょ) 京:ロン 京:12300 オーラス デビル人 12700 束縛希望 25000 player3108 20300 親 京 42000 京:ツモ 京:12000オール デビル人 700 束縛希望 13000 player3108 8300 京 78000 智葉(一方的、流石は男子チャンピオンと言ったところか) player3108:おつかれ、先に失礼する 束縛希望:あっ、ああああっ! デビル人:部長、いい顔ですっ 京:何だったんだあの二人は 京:俺ももう寝るか 【8月第4週 休日】終
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ギャランティーク和恵をお気に入りに追加 ギャランティーク和恵のリンク #bf Amazon.co.jp ウィジェット ギャランティーク和恵の報道 過去と未来を結ぶタイムカプセル…『昭和45年女・1970年女』vol.4が11月30日(火) 発売! わたせせいぞうさんの表紙で “私たちの時代” =80年代大特集をお届けします。 - PR TIMES 星屑スキャットツアーで披露された楽曲を待望のリリース!10月13日配信リリース「la distanza」 - PR TIMES 王国中の歌自慢が一挙集結!コラボも続々飛び出した「ヤノフェス 歌う王国」(音楽ナタリー) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ギャランティーク和恵ONLINE LIVE 2021「冬籠AfterParty」を開催! - PR TIMES ギャランティーク和恵、都合のいい女の葛藤を歌うニューシングル「赤橙」リリース - 全日本歌謡情報センター 星屑スキャット、約1年振りとなる新曲「クリスマス寒波」のリリースが決定! - OKMusic ギャランティーク和恵、ミッツ・マングローブ書下ろしのアダルト歌謡『涙、雨、アデュー』をリリース 中島みゆきカバーも - うたびと ギャランティーク和恵、ミッツ・マングローブ書下ろしの新曲をリリース - PR TIMES 新型コロナ 垣根なしオンライン酒場 癒やし求め、常連も初心者も 席は無限、休業前より売り上げアップ - 毎日新聞 リリー・フランキーの「スナック ラジオ」開店!星屑スキャットと“新宿サタデー・ナイト“をプレイバック! (2020年4月10日) - エキサイトニュース 「夜の街」はもう本当に終わりなのか――自粛下の新宿ゴールデン街で生まれた新しい試み - GetNavi web カバー曲の醍醐味とは――ギャランティーク和恵が語る平山みき「昭和歌謡を唄う」の魅力 - GetNavi web “星屑スキャットを見初めた男”リリー・フランキープロデュース&作詞による新曲2曲に加え、初プロデュース作品である名曲「新宿シャンソン」を収録した「新宿EP」を11月20日にリリース! - PR TIMES 星屑スキャット、新シングルを発売。リリー・フランキープロデュース&作詞による新曲2曲が収録 - OKMusic 星屑スキャット、初の全国ツアーで「鍛えられた感じがしますね、特に喉仏が」 - BARKS 東大からドラァグクイーンに 「星屑スキャット」でミッツ・マングローブらとメジャーデビューも 那覇出身メイリー・ムーが抱く沖縄への思い - 琉球新報 ギャランティーク和恵、『オリジナルコレクション』『カバーコレクション』同時発売 - CDJournal ニュース - CDJournal.com 元祖・清純派アイドル「天地真理」の“愛”と”苦悩”――ギャランティーク和恵が6枚組ボックス「私は歌手」を聴く - GetNavi web 【ギャラン堂】少女から大人へ……「70年代の岩崎宏美」の軌跡を知る10枚をギャランティーク和恵が聴く - GetNavi web リリー・フランキーがプロデュース&白石和彌監督&蒼井優主演、星屑スキャットの10分超MV - BARKS ゴールデン街のスナック『夜間飛行』に学ぶ、常連客の作り方。歌手のママ「空間を守ることが大切」 - Foodist Media ミッツ・マングローブ、浜崎あゆみのLGBTイベント出演に感謝「とても感慨深い」 - ORICON NEWS 星屑スキャット「意地と執念」13年目の1stアルバム発売、ミュージックフィルムに蒼井優 - BARKS LGBTイベント参加のあゆにミッツがエール「どんどん進んでもらいたい」 - 東スポWeb 星屑スキャット、1stアルバム『化粧室』にリリー・フランキー作詞曲を収録 - OKMusic 星屑スキャット - 音楽ナタリー - ナタリー 星屑スキャット、満を持しての1stアルバム「化粧室」にリリー作詞のバラードも(動画あり) - ナタリー 【ギャランティーク和恵セレクト】歌謡曲の多様性を知る“グループ楽曲”10曲 - GetNavi web やっぱりアナログレコードって楽しい! 歌謡曲をこよなく愛する4人のアーティストが“レコード愛”を語り尽くす - GetNavi web この夏聴きたい10曲をギャランティーク和恵が選ぶ「マンスリー歌謡プレイリスト」 - GetNavi web しばたはつみ「ステージ・ドア」が描く“舞台と私生活を切り離す装置”としての楽屋 - GetNavi web 尾崎紀世彦「風のグラフィティー」で思い出す“こども”でい続ける大人たちのパーティー - GetNavi web ミッツ・マングローブ率いる「星屑スキャット」、視聴率を上げた驚くべき実力 (2017年4月26日) - エキサイトニュース 太田裕美「煉瓦荘」のように学生アパートに今でも眠っている青春の思い出 - GetNavi web あべ静江「コーヒーショップで」のマスターのように定点観測で見えてくる“人の移ろい” - GetNavi web 小柳ルミ子「来夢来人」に代表されるスナック店名の当て字ブームの謎 - GetNavi web 和田アキ子「卒業させてよ」が心の叫びとなったドロップアウト人生のスタートライン - GetNavi web 内山田洋とクール・ファイブ「この愛に生きて」に重ね合わせて耐え忍ぶ禁断の恋 - GetNavi web 黛ジュン「風の大地の子守り唄」でクリーニングされて再び挑んだヒット歌手への道 - GetNavi web 藤 圭子「東京迷路」にも及んだ80年代のアーバン・フィーリング - GetNavi web キャンディーズ「インスピレーション・ゲーム」で到達したコーラスグループとしての完成形 - GetNavi web 朱里エイコ「窓あかり」にみる女の純情 - GetNavi web ちあきなおみ「夜間飛行」が導いた新宿の夜 - GetNavi web いま再び“歌”が求められている――歌謡曲ブームの背景を昭和歌謡の伝道師・ギャランティーク和恵が語る - GetNavi web ミッツ・マングローブ率いる「星屑スキャット」の新曲PVが面白いよ! 働く女性に扮したメンバーの姿がじわじわ度MAX!! - Pouch[ポーチ] 【イベントレポ】星屑スキャット、原点の地・新宿でご乱心!? - BARKS ミッツ・マングローブらによる星屑スキャット、新作発売記念イベントを開催! - CDJournal ニュース - CDJournal.com 女装ユニット星屑スキャット、新作で中塚武と再タッグ - ナタリー ギャランティーク和恵とは ギャランティーク和恵の52%は成功の鍵で出来ています。ギャランティーク和恵の30%は下心で出来ています。ギャランティーク和恵の16%はカテキンで出来ています。ギャランティーク和恵の2%は希望で出来ています。 ギャランティーク和恵@ウィキペディア ギャランティーク和恵 Amazon.co.jp ウィジェット 掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る ページ先頭へ ギャランティーク和恵 このページについて このページはギャランティーク和恵のインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新されるギャランティーク和恵に関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
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ホモ太郎イメージ図
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恋愛観測(楽) 曲名 アーティスト フォルダ 難易度 BPM NOTES/FA(SA) その他 恋愛観測 NU-KO A 楽7 188 245 / 3 EXTRA SAVIOR STREAM VOLTAGE AIR FREEZE CHAOS 42 31 21 13 0 楽譜面(7) / 踊譜面(10) / 激譜面(12) / 鬼譜面(16) 属性 渡り、同時踏み 譜面 https //livedoor.blogimg.jp/yanmar195/imgs/8/d/8de68bae.png プレイ動画 http //www.nicovideo.jp/watch/sm34141719 https //www.nicovideo.jp/watch/sm34141719 (x1.0, VIVID, REVERSE ※2 45~) 解説 2Pサイドスタート。今作楽譜面の例に漏れず4分のみで、渡りも開幕以外↓から↓へのみ。若干同時が絡むが逆詐称気味 -- 名無しさん (2017-01-26 23 54 15) 名前 コメント コメント(私的なことや感想はこちら) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2246.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363548712/ 【3人の初デート】 京太郎「結局色々わからないままこの日を迎えてしまった」 京太郎「ったく、都合よく泊まりが親がいない日になるなんてそんなの考慮できますかってんだ……」 京太郎「つーか泊まりに来る話だけだったのに、なんで俺達朝から待ち合わせして電車に揺られてんの?」 優希「さっきからブツブツうるさいじょ、京太郎」 咲「そうだよ京ちゃん、せっかくなんだから楽しまないと!」 京太郎「何が起こるかわからないのに楽しめるか! いや、もうどうしようもないのはわかってるけどさ」 優希「言わなかったか? 今日は京太郎の家に行く前に3人でデートなんだじぇ!」 咲「私、遊園地なんて久しぶりだから楽しみ!」 京太郎「マジっすか……」 京太郎(くそ、本当に2人が何を考えてるかが読めない! なんで初デートがこんな胃が痛みそうな状況なんだよぉ!) 優希「京太郎はせいぜい両手に花の状況を楽しめ! 大丈夫、取って食べたりはしない……たぶん」 京太郎「おいなんだ、今のたぶんって!」 咲「あっ、優希ちゃん、タコス作ってきたけど食べる?」 優希「おお、咲ちゃんのタコスは久々だじぇ! 食べる食べる!」 京太郎「なんなんだよ、このアウェイ感……」 【楽しむ事が一番いい】 優希「着いたー!」 咲「まずはどれに乗ろうか?」 優希「そうだな、まずはやっぱり……」 京太郎「楽しそうだなあいつら……」 京太郎(確かに気にしてたってしょうがないっちゃしょうがないんだよな……) 京太郎(優希と咲の2人が俺に何かやらかす気ならなんとなくわかるだろうし、少し頭を切り換えるか) 京太郎「……2人共、どこ行くか決まったか?」 優希「おう、ジェットコースターに行くぞ京太郎!」 京太郎「お前乗れんの? 身長制限的な意味で」 優希「失礼な奴だな京太郎は! 私だってこれくらい余裕だじぇ!」 咲「ええっと、優希ちゃん……本当にジェットコースター乗るの?」 優希「なんだ、怖じ気づいたのか咲ちゃん」 咲「そ、そういうわけじゃ……」 京太郎「無理しなくていいんだぜ? 咲が耐えられるとは思えないしなー」 咲「むっ……わかった、乗るよ。 行こう優希ちゃん!」スタタッ 優希「それでこそ咲ちゃん!」トテテッ 京太郎「意地になったな、ありゃ……大丈夫なのかね」 咲「や、やっぱりやめとけばよかったかも……」カタカタ 優希「今さら何を言うんだ咲ちゃん、もう後戻りは出来ないじぇ!」 京太郎「そろそろてっぺんだぞー」 咲「えっ、ちょっと待って、まだ心の準備が……」 ガタンッ 咲「きゃあああああああ!!?」 優希「わああああ!」 京太郎「うおおおお!」 ――…… 咲「はへ、ほへ……」フラフラ 京太郎「だから無理すんなって言ったのに……」 優希「咲ちゃん大丈夫かー?」 咲「だ、大丈夫だよ~……ちょっと地面が揺れてるだけだから~……」 京太郎「ちょっと休憩させた方がいいな、これは」 優希「同感だじぇ」 咲「うう、ごめんねぇ……」 【それはトラウマなんです】 咲「ご迷惑をおかけしました」ペッコリン 京太郎「気にすんなって。 じゃあ次は……定番のお化け屋敷でも行くか!」 咲「え゛っ」 優希「じょ!?」 京太郎「えっ、なに咲だけじゃなくて優希もダメなのか?」 優希「そ、そんなわけないだろ!」 咲「わ、私だって苦手なわけじゃないもん! だいたいお化けなんて、SOAだよSOA!」 京太郎「SOAってなんだよ?」 咲「そんなオカルトありえません!」 優希「全くだ! そんなオカルトありえないじょ!」 京太郎「麻雀ではオカルトの塊みてえな奴らがよくもまあ言えたもんだな……じゃあ問題ないだろ、作り物しかないなら余計に」 咲「優希ちゃん……も、もしかして墓穴を掘ったって言うのかな、これ」カタカタ 優希「だ、大丈夫だよ咲ちゃん……京太郎の言う通り作り物しかないなら臆する事はないじぇ」カタカタ 咲「そ、そうだよね!」 京太郎「あっ、そういえば言い忘れてたけどお化け屋敷は今期間限定でなんかコラボしてるらしいぜ」 咲「そ、そうなんだ」 優希「い、いったい何とコラボしてるんだ?」 京太郎「ええっと確か……【ミスミソウ】だったかな」 咲「」 優希「」 【悲劇は繰り返される】 優希「ごめんなさいごめんなさい……」カタカタ 咲「あうあうあう……」カタカタ 京太郎「歩きにくい……お前らもうちょっと離れて……」 ガタンッ! 優希「じぇぇぇ!?」ギュッ 咲「うひゃう!?」ギュッ 京太郎「……ダメだこりゃ」 ――…… 京太郎「もうすぐ出口か。 なんか怖いというより虚しさとかがあって、あっさりな感じだったな」 優希「ふ、ふふん! 大したことなかったじぇ!」ウルウル 咲「ほ、本当だよ! やっぱり作り物は作り物だよね!」ウルウル 京太郎「散々泣いておきながらどの口が言うか……ん?」 優希「ど、どうした京太郎?」 京太郎「今なんか聞こえなかったか?」 咲「ふえっ!? き、京ちゃん冗談はやめてよ……」 京太郎「いや本当なんだって、ちょっと耳澄ましてみろ」 優希「……」 咲「……」 ……パーイ、…コス…カー… 優希「ひいいっ!?」 咲「ほ、本当になにか聞こえるよぉ!?」 京太郎「だよなあ……まさか最後の最後にこんなのがあるとは油断してたぜ」 ……キセン……イ…… 優希「な、なあ京太郎、なんかこの声近づいてきてないか?」 京太郎「あー、そういえばさっきより声が大きくなってる気が……」 咲「や、やだあ……」 アッ、チョウドイイトコロニ!オーイ! 優希「あ、足音が……」 咲「だんだん近づいてきて……」 京太郎「背後に……」 モモ「リンシャンさん、タコスさん、ちょうどいいところにいたっす! 加治木先輩を……」ポンッ 優希「ぎにゃああああああっ!!」 咲「いやああああああっ!!」 京太郎「うわっ、引っ張るな! 痛い痛い、ぶつかってるから、おいこら落ち着けえええ!」 モモ「……」ポツーン ゆみ「な、なんだ、今のこの世のものとは思えない叫び声は!?」 モモ「……先輩」 ゆみ「モモ!? まさかお前鶴賀祭みたいに誰かを……モモ?」 モモ「わ、わたわた、私……金髪の幽霊を見たっす……!」カタカタ 【回る回る】 京太郎「いてて……」 咲「ご、ごめんね京ちゃん。 さっきは本当に怖かったから……」 京太郎「別に気にしてないから安心してくれ」 優希「いやあ、あのお化け屋敷はなかなかのなかなかだったな!」 京太郎「お前は少し反省しような!?」 咲「あはは、ねぇねぇ、お昼食べたら次はどうしよう?」 京太郎「なるべく疲れないので頼む。 そっちも走り回って少し疲れてんだろ?」 優希「ふむふむ、じゃあこれにするか!」 ――…… 優希「……」 京太郎「……」 優希「……」バッ! 京太郎「させるか!」ガシッ! 優希「ちいっ、やるな京太郎!」 京太郎「お前にだけは触らせねえ、今の平穏を守るためには絶対にな!」 優希「ぐぎぎ……!」 咲「ほ、本当に私が回す役でいいの?」 京太郎「もちろんだ咲! このタコス娘にそれを触らせたら最後、俺達は昼飯をリバースする事になるぞ!」 優希「お前は何もわかっていない京太郎! コーヒーカップに乗ったのなら最大速度で回すのは礼儀であり、義務なんだじぇ!」ギリギリ… 京太郎「そんな義務があってたまるか……!」ギリギリ…… 咲「えっとこんな感じでいいのかな?」グルグル 京太郎「うぐぐ、なんでこんな時だけ力が強いんだよお前……!」 優希「ふふふ、麻雀部員である以上この程度の力は最低ラインだじぇ……!」 京太郎「それ、絶対おかしいだろうが……!」 優希「何とでも言え、最後に勝つのはこの優希ちゃんだじょ……!」 咲「うーん、加減がわからないよ」グルグルグルグル 京太郎「……おい、なんか周りの景色がすっげえスピードで回ってないか?」 優希「そういえば……おおう、目が回るじぇー!」 咲「なんだか楽しくなってきたかも!」グルグルグルグルグルグル!! 京太郎「お前もか、お前も触らせちゃいけない人種だったのか咲ぃ!?」 優希「うっ、もうダメ……」ガクッ 京太郎「優希っ!?」 咲「コーヒーカップって楽しいよね!」グルグルグルグルグルグルグルグル!! 京太郎「やめろぉぉぉぉぉぉ!!」 【楽しい時は早く過ぎ去る】 京太郎「ううう……」 優希「気持ち、悪いじぇ……」 咲「ごめんなさいごめんなさい!」 京太郎「さすがにもうあの手のは無理だ、うぐっ」 優希「同感だじぇ、うぷっ」 咲「本当にごめんなさーい!」 ――…… 京太郎「はあ……なんだか今日の三分の一は休憩に費やしてた気がするぞ」 優希「情けない奴だ」 京太郎「誰のせいだ、誰の!」 咲「……」 京太郎「……咲!」 咲「えっ……あっ、なに?」 京太郎「いや、今優希とも話してたんだけどそろそろ帰ろうと思うんだよ」 咲「……そうか、もうそんな時間なんだ」 優希「おーい京太郎! どうせなら最後にアレに乗ろうじぇ!」 京太郎「観覧車か……確かに締めには相応しいかもな。 行こうぜ、咲」 咲「うん……」 ――…… 優希「おぉ、見ろ京太郎、咲ちゃん! まさに絶景だじょ!」 京太郎「ゴンドラが揺れるから落ち着けっつーの」 咲「……」ボー 京太郎「咲? どうした、気分でも悪いのか?」 咲「ううん、大丈夫……ただ」 京太郎「ただ?」 咲「楽しい時間は本当にあっという間なんだなって……」 京太郎「……まだ1日は終わりじゃないぞ」 咲「そうなんだけどね……京ちゃん、今日なんで私と優希ちゃんが京ちゃんの家に行くのか気になってるよね?」 京太郎「まあな……結構唐突だったし、気になってなかったってのは嘘になるな」 優希「……」 咲「その理由を今話すよ、それで1つの区切りにしたいから……」 京太郎「区切り?」 咲「うん……京ちゃん、その前に大前提になるお話をするね」 京太郎「お、おう、って優希?」 優希「……」ギュッ 咲「――私、京ちゃんが好きなの」 【彼女の中の1つのけじめ】 京太郎「は……?」 咲「言っておくけど友達としてとかじゃないよ?」 京太郎「いや、まあ、それは、わかるけどよ……」 優希「……」ギュウッ 咲「京ちゃん、人って手が届かなくなった時に初めてその存在の大きさに気付くんだ」 咲「お母さんやお姉ちゃんと離れて暮らす事になった時も、東京に行ってお姉ちゃんに拒絶された時も」 咲「私は後になってなくしたものの大きさに気付いたよ」 京太郎「……」 咲「それと同じ感覚を久しぶりに感じた。 そう、あの日……京ちゃんに告白しに行く優希ちゃんの背中を押したあの日に」 京太郎「なっ……」 優希「咲ちゃんは、その時わかったんだよな?」 咲「そう、私は京ちゃんが好き。 意地悪だけど優しくて」 咲「中学の時に塞ぎ込んでた私の友達になって引っ張ってくれた、私にまた麻雀を始めるきっかけをくれた京ちゃんが、大好き」 京太郎「咲……」 咲「後からこんな事言うなんておかしいよね? でも抑えられなかった……」 咲「信じられないかもしれないけど、私にとって京ちゃんは結構大きな存在なんだよ」 京太郎「……」 咲「だから優希ちゃんにお願いしたの。 1日だけでいいから優希ちゃんと一緒に京ちゃんと過ごさせてほしいって」 京太郎「なんで、優希も一緒に?」 咲「見たかったんだ、京ちゃんと優希ちゃんがどんな会話をして、どんな風に遊ぶのか」 咲「ごめんね、優希ちゃん……デートの邪魔しちゃって」 優希「一歩違ったら、たぶん咲ちゃんの立場は私だった……だから気にしないでほしいじょ」 咲「ありがとう……京ちゃん」 京太郎「……」 咲「京ちゃんの答えはわかりきってる。 そういうところも私が好きになった京ちゃんのいいところだから」 京太郎「それでも、お前は言えたんだ……強いな、咲」 咲「違うよ、強くないから耐えられなくてこんな事してるの……私は、はっきり言われなきゃわからないんだよ、きっと」 京太郎「そう、か」 咲「京ちゃん……だからお願いします。 答え、聞かせて?」 京太郎「……」ギュウッ 優希「あっ……」 京太郎「――咲の気持ちを俺は受け入れられない」 咲「あ……」 京太郎「俺は、こいつが、優希が好きだから。 わがままも言うし、子供っぽいところもあるけど優希じゃなきゃ俺はダメなんだ」 優希「京太郎……」 京太郎「だから、ごめんな」 咲「……ありがとう、京ちゃん」 【まだ1日は終わらない】 咲「ふう……ちょっと悲しいけど、なんだかそれ以上に清々しい気分だよ」 京太郎「そうか」 咲「でも京ちゃんも酷いよねー」 京太郎「えっ、なにがだよ」 咲「ただ断ればいいのにわざわざ優希ちゃんとの惚気をサービスしてくれちゃうんだもん」 京太郎「んなっ!?」 優希「あうっ!?」 咲「今だってしっかり手つないでるし……あーあ、独り身には目の毒だなあ」 京太郎「お、お前なあ! さっきまでのしおらしさはどこ行った!?」 咲「残念でした、あれは好きな人にだけ見せる乙女型咲ちゃんなんだよ! 私をフッた京ちゃんは二度と見られないんだからね!」 京太郎「へぇへぇ、そうですか……じゃあ今のずいぶん頼もしそうな咲さんはもう迷子にならないだろうから、助ける必要ないよな?」 咲「そ、それとこれとは話が別だよ!」 京太郎「聞こえない聞こえない」 咲「き、京ちゃんのバカ! 優希ちゃんも何か言ってあげてよ!」 優希「……///」 咲「……優希ちゃん?」 京太郎「あ、これフリーズしてるわ」 優希「///」 咲「……かわいいね」 京太郎「やらんぞ」 咲「いや、奪わないよ……」 ――…… 優希「うーん、帰ってきたじょ!」 京太郎「そろそろ七時か……って咲どこ行くんだ?」 咲「えっ、帰るんだよ?」 京太郎「帰るってお前……」 咲「だってもう私のけじめはついたし、泊まる必要はないよね?」 咲ふふっ、京ちゃんは優希ちゃんだけを泊めてあげなよ。 彼氏なんだからさ」 京太郎「お前、部長に似てきてないか……」 咲「あっ、酷い! まあ、とにかく……もうお泊まりはいいから帰……え?」ギュッ 優希「……ダメだじぇ、咲ちゃん。 まだ1日は終わってないんだ、ここまで来たら付き合ってもらうじょ」 咲「えっ……で、でも優希ちゃんはいいの?」 優希「構わん! 片岡優希、交わした約束は最後まで守るのだ!」ニコッ 京太郎「……だ、そうだが?」 咲「……京ちゃんはどう思う?」 京太郎「俺、客2人分のもてなす用意しちゃってるんだよ、だから来てくれないと困るんだよなー」 咲「……」 京太郎「来いよ咲、友達が泊まっちゃいけない道理はないぜ?」 優希「行こう、咲ちゃん!」 咲「……うん、お邪魔します!」 【三人寄れば騒がしい】 京太郎「いらっしゃい」 咲「お邪魔しまーす」 優希「邪魔するじぇ!」 カピ「キュー」トコトコ 京太郎「ただいま、カピ」ナデナデ 優希「おぉ、あれが京太郎のペットのカピバラか」 咲「京ちゃん、あの子の事すごいお気に入りなんだよね。 毎日帰ってきたら一緒に遊んでたんだって」 京太郎「さてと、カピに新しく餌やったら俺達も夕飯にするか」 咲「あっ、手伝うよ」 優希「私も私も!」 京太郎「咲はともかく優希は料理できるのか?」 優希「タコスなら作れるじぇ」 咲「……優希ちゃんは私と一緒にやろうか」 京太郎「そうしてくれ……俺は別口でやっとくわ」 優希「なんか馬鹿にされてる気がするじょ!」 ――…… 京太郎「今日はタコライスでも作るか……材料はタコスに似てるからいけるだろ」 咲「優希ちゃん、私達は……」 優希「タコス以外作れない私なんて……」ブツブツ 咲「と、とりあえず簡単なのをいくつか作ろう、ね!」 優希「うん……」 京太郎「ふんふん……」 ――…… 咲(とりあえず出来る限り優希ちゃんの様子を見ながら肉じゃがとか作ったけど……どうしても) 咲(優希ちゃんの作った玉子焼きだけこの場から浮いてる……!) 京太郎「と、とりあえずいただくとするか……いただきます」 咲「そ、そうだね、いただきます」 優希「う、うむ! いただきます!」 京太郎(さて、あの浮いてる玉子焼き……やっぱり俺がいくべきだよな……よし) 京太郎「ま、まずはこれからいくか……」ヒョイッ、パクッ 京太郎「……」ジャリッ、ガリッ、モゴッ、ブチュッ 咲(なんか音がおかしいよ!?) 優希「き、京太郎、どうだ?」 京太郎「……」ニコッ 優希「あ……」 京太郎「」ドサッ 咲「京ちゃん!?」 優希「京太郎!?」 京太郎「甘辛苦酸っぱしょっぱい……」カタカタ 咲「京ちゃん、しっかりして!」 優希「京太郎ー!」 【命の洗濯】 優希「京太郎、大丈夫かな……」 咲「京ちゃん、青白い顔してたもんね……」 京太郎『ちょっと横になってれば治るから、お前達はお風呂にでも入っといてくれ……』 優希「ううっ、さすがに落ち込むじょ。 私才能ないのかなあ……」 咲「だ、大丈夫だよ! 私だって最初は失敗ばっかりだったし!」 優希「そうなのか……?」 咲「うん。 そうだね、一番酷かった失敗はお父さんもお母さんもいなくって」 咲「お姉ちゃんと2人でお留守番してた時に作った、間違えて卵の殻が半分以上入っちゃった卵焼きかな」 照『お、おいしいよ咲、歯ごたえがあって……』ガリッ、ガリッ 咲「あの時はお姉ちゃんに悪い事したなあ……お姉ちゃんはレンジでゆで卵やろうとして爆発させてたけど」トオイメ 優希「あはは、咲ちゃんでもそんな失敗するんだな!」 咲「それはそうだよ、私だって麻雀もお料理も初心者で失敗した事はたくさんある」 咲「京ちゃんだって昔はタコスなんてまともに作れなかったでしょ?」 優希「そういえば……」 咲「だから優希ちゃんも練習すればきっと美味しいお料理が作れるようになるよ」 優希「……そうだな、私諦めないじょ! タコスが作れて他のが作れないなんて事ないもんな!」 咲「その意気だよ優希ちゃん、頑張って!」 優希「うん!」 ――…… 優希「そういえば咲ちゃん」 咲「どうしたの優希ちゃ……ひゃわあ!?」 優希「やっぱり……咲ちゃんの胸が少し大きくなってる!」ムニュムニュ 咲「ちょっと優希ちゃ……だめだよぉ!」 優希「むむむ、悔しいじぇ……私と同じ小さい胸同盟の一員でありながら成長するなど!」ムニュムニュ 咲「そ、そんなの知らないよぉ……いいから離して……」 優希「おおっと、ごめんごめん。 危うくダークサイドに堕ちるところだったじょ」パッ 咲「はあはあ……もう酷いよ優希ちゃん……」 優希「うぐぐ、それにしてもなぜだ、なぜ私は大きくならないのだ?」 咲「私に聞かれても……」 優希「今まで散々調べて試してきたけどどれもこれもダメだった。 こうなったら最終手段に打って出るしかないか……!」ザバァ 咲「さ、最終手段? えっ、優希ちゃんどこ行くの!?」 【普通は逆】 京太郎「あー、やっと腹が落ち着いてきた……しかしこれは急いで改善させないと俺の命に関わるな」 優希「京太郎!」 京太郎「お、出たのか? ちょうどこっちも話が……」クルッ 優希「私の胸を揉め!」 京太郎「ぶっ!? いきなり何を言い出してんだ! つーかパジャマを着ろ、バスタオル一枚でうろうろするな!」 優希「この方が揉みやすいだろ、さあ遠慮するな!」 京太郎「バカやめろ、その格好で俺に近付くな、ちょっと咲、助けてくれ!」 咲「ゆ、優希ちゃんダメだってば!」 京太郎「本当に来たか……ってお前もパジャマ着ろやあ!」 咲「あっ、わっ、きゃああああ!」 京太郎「悲鳴をあげたいのはこっちだ、さっさと戻って服着てから出直してこーい!」 ――…… 京太郎「はい、それじゃあちょっとそこに正座しろ」 優希「……」 咲「……」 京太郎「お前らさあ、俺をいじめて楽しいか?」 京太郎「 普段和と関わってるせいで自分達じゃわかってないかもしれないけど、お前らは十分美少女の部類に入るんだよ」 咲「そんな美少女だなんて……///」 優希「照れちゃうじぇ……///」 京太郎「モジモジしてる場合か!」 京太郎「そんな奴らにバスタオル一枚でうろうろされる思春期男子の苦痛を少しは鑑みてくれよ! 本気で襲うぞ、こら!」 優希「私は別にいつだって構わないと言ったはずだ!」キリッ 京太郎「咲がいるって事を考えろ! つーか普通そういうの嫌がるのはそっちだろうが!」 咲「だ、大丈夫! なるべく見ないようにするよ!」 京太郎「そういう問題じゃない! フッた子が見てる中でやるとか何の拷問だ、恥ずかしさで死ねるわ!」 優希「やるなんて、京太郎ってばエッチだじょ……」 京太郎「そこを恥ずかしがるならさっきの行動を見直してくれよ、頼むから!」 咲「き、京ちゃん、とりあえず落ち着こう? あんまり大声出すと近所迷惑だし……」 京太郎「誰のせいだと思ってるんだよ、ああん?」 咲「京ちゃん怖い……」カタカタ 【わざととしか思えない】 京太郎「はあ……そんな怯えるなよ。 まるで俺が悪者みたいじゃねえか」 優希「か弱い女の子にこんな拷問を強いてるんだからあながち間違ってないじぇ」 京太郎「ちょっと正座させたくらいで大げさすぎるだろ! ああ、もういい……よけい疲れるし俺はシャワー浴びてもう寝る」 優希「じゃあ私達も一緒に寝るか、咲ちゃん」 咲「いいのかな……?」 京太郎「ああー、別にいいんじゃね?」 優希「ほら、京太郎もこう言ってるし行こう!」 咲「あっ、優希ちゃん引っ張らないで……」 京太郎「元気なもんだ……さて、2人は一緒に寝るみたいだし俺は1人でゆっくりするか」 京太郎「」 優希「遅いじぇ、京太郎!」 咲「お、お邪魔してます……」 京太郎「絶対わざとだろ、お前ら……」 ――…… 京太郎「なんでこんな事になった……」 京太郎(女の子に挟まれて眠る……それは男の夢の到達点の1つだ、俺だって夢想した事がないわけじゃない) 咲「な、なんか緊張するね」 優希「安心しろ、咲ちゃん。 ここは京太郎の隣で眠った先輩の私が色々教えて……」 京太郎「優希だってまだ二回目だろ」 優希「うっ」 京太郎(だけどそれがまさか優希と咲相手に現実になるとか……人生ってわからんもんだ) 優希「京太郎、狭い」 京太郎「3人一つのベッドに入ってりゃそうなるに決まってるだろ、我慢しろよ」 優希「いいや、我慢できん! だから……」ゴソゴソ、ピトッ 京太郎「……おい」 優希「んふふ、京太郎あったかいじぇ」スリスリ 京太郎(こいつ、本当にわざとじゃないのか……それにしてもなんかいい匂いするな、家にあるシャンプーこんないい匂いしたっけ?) 咲「いいなあ……ねぇねぇ京ちゃん、私もちょっとだけ寄るね」モソモソ、ピトッ 京太郎「は?」 咲「えへへー……」 京太郎(咲までおかしくなった……これ、眠れるのか俺……) 【彼は知らない秘密の話】 京太郎「くかー……」 優希「京太郎の奴、あっさり寝ちゃったじぇ」 咲「本当に早かったね……そんなに疲れてたのかな」 優希「だとしてもこんな美少女達に囲まれてこの反応は失礼にも程があるじょ」 咲「あはは、そうかもね」 優希「全くだ」 咲「……優希ちゃん」 優希「咲ちゃん?」 咲「今日は本当にありがとうね。 おかげで楽しい思い出ができたよ」 優希「それは約束したし、気にしないでって言ったはずだじぇ」 咲「だけど本当は優希ちゃんがこんな提案受ける必要なかったんだよ?今日は結局私のわがままにただつき合わせてただけで……」 優希「それは違うじょ、咲ちゃん。 私だって今日は楽しかった、この3人で出かけた事なんてなかったしな」 咲「そういえば、そうだね」 優希「咲ちゃんは色々気にしすぎなんだじょ。 もっとドーンと来てもいいんだじぇ」 咲「そう言われてもなあ……」 優希「簡単に揺らぐほど私達は甘くないぞ?」 咲「優希ちゃんはすごいね」 優希「何が?」 咲「私だったら不安でそこまで言えないよ……ねぇ、どうしてそこまで言えるの?」 優希「うーん、私も京太郎と一緒になる前はスッゴくやきもち妬いてたんだけど……今はあんまりそういうの感じないんだじょ」 咲「なんで?」 優希「こんな好みと正反対でも私を選んでくれた京太郎を信じてるのが半分で……」 優希「――咲ちゃんならそんな事はしないってわかるのが半分だじぇ」 咲「えっ」 優希「咲ちゃんだってなんでわざわざ私に約束を取り付けたんだ?」 優希「その気になれば私には内緒で京太郎と2人きりのデートができたかもしれないのに」 咲「そ、そんなの無理だよ!」 優希「咲ちゃん、京太郎が起きちゃうじぇ。 なんでできないんだ?」 咲「……だって、京ちゃんは確かに好きだけど、優希ちゃんだって私にとって大切な……」 優希「そこ、そういうところが、私が咲ちゃんを信じられる根拠」 咲「あっ……」 優希「私、これでも人を見る目はあるんだじぇ。 尊敬する先輩は麻雀で捨て駒にされてもそれを全うするいい人だし」 優希「後輩達は素直ないい子ばかり、のどちゃんだって厳しいのは思ってくれてるからだってわかってるし――」 優希「私が恋した人はちょっとスケベだけど、すごく優しい人だから」 咲「優希、ちゃん……」 優希「だから、私は咲ちゃんもいい子だって信じられるんだ」ニコッ 【少女達の絆の話】 咲「あは、ははは……優希ちゃんこそ、いい子すぎるよ……」ポロポロ 優希「咲ちゃん、また泣いて……泣き虫すぎるじぇ」 咲「だって、だってぇ……」 優希「京太郎の服使っていいからまずは泣き止んでほしいじょ」 咲「う、うん……」 優希「落ち着いた?」 咲「……うん、もう大丈夫」 優希「よかった、咲ちゃんを泣かせたら京太郎にも怒られちゃうじぇ」 咲「あはは、ごめんね。 最近の私、どうも涙腺が弱くて」 優希「迷子とかになったらすぐ泣くって京太郎は言ってたじょ」 咲「……ひ、ひどい。 京ちゃんってばそんな事まで話してたの?」 優希「他にも咲ちゃんがカピバラをおっきいハムスターだって言って抱きついてあまりの毛の堅さに泣いちゃった話とか色々聞いた」 優希「京太郎って咲ちゃんの話も結構するんだじぇ……それはもう羨ましいって思えるくらいに」 咲「そ、そうなんだ……///」 優希「咲ちゃん、喜んでるのが丸わかりだじょ」 咲「あう、ごめん」 優希「別にいいじぇ、そこにやきもち妬くほど私は狭量じゃない!」 京太郎「んっ……」 咲「ゆ、優希ちゃん、京ちゃんが起きちゃうよ!」 優希「あわわ! 枕で口を押さえれば……」 咲「死んじゃうからダメだよぉ!」 京太郎「すう……」 優希「なんとか寝たじぇ」 咲「危なかったね」 優希「そろそろ私達も寝た方がいいかもな」 咲「そうだね……優希ちゃん。 私、京ちゃんが好き」 優希「うん」 咲「だけどね、優希ちゃんも大好き……だから、私とこれからもお友達でいてくれる……?」 優希「えっ、ええっ?」 咲「ダ、ダメ……?」ウルウル 優希「……はあ、京太郎やのどちゃんが咲ちゃんをほっとけない理由がよーくわかったじぇ」 咲「へっ?」 優希「そんな事言われなくても、私はこれからもずっと咲ちゃんと親友でいたいんだけど……」 咲「あ……よかったあ」 優希「咲ちゃんは天然すぎるじぇ。 私がもう咲ちゃんは友達じゃないとか言うと思ったか?」 咲「ご、ごめん……えへへ、でも今日は本当に最高の1日だったよ!」 優希「それは違うぞ、咲ちゃん。 私達が親友でいる限りもっと最高の日が来るに決まってる! そうでしょ?」ニコッ 咲「優希ちゃん……うん!」ニコッ 京太郎(全く、騒がしくて寝れやしない。 けどまあ、いいか……よかったな、2人共) 【ガーネット】 咲「んっ、ふぁぁ……もう、朝?」 優希「むにゃむにゃ……」 咲「優希ちゃん、まだ寝てる……あれ、京ちゃんは……?」 ――…… 京太郎「……」ズズッ 咲「京ちゃん」 京太郎「起きたのか、咲」 咲「うん、京ちゃんも早いね?」 京太郎「なんでか早く起きちまったんだよ……コーヒー飲むか?」 咲「う、うん」 京太郎「砂糖とミルクは多めに入れとくからな」 咲「……」 京太郎「……」カチャカチャ 咲「ねぇ、京ちゃん。 私達が初めて会った時の事覚えてる?」 京太郎「唐突だな……もちろん覚えてるぜ」 咲「私ね、その時から京ちゃんがちょっと怖かったんだ」 京太郎「金髪だから不良に見えたってか? その手の話は聞き飽きたぞ」 咲「違うの、最初はそれもあったけど私が怖かったのはもっと別の事」 京太郎「なんだよ?」 咲「――私が何よりも怖かったのは、京ちゃんが私の中から麻雀を消しちゃうんじゃないかって事だった」 京太郎「……」 咲「京ちゃんが優しいのはすぐわかったし、過ごした日々はわざわざ思い出す必要がないくらい胸に焼き付いてる」 咲「だから怖かったんだ……京ちゃんと一緒にいた私に麻雀は必要なかったから」 咲「お姉ちゃんとの最後の絆を、私は自分から手放しちゃうんじゃないかって」 咲(たぶん……だから私は京ちゃんへの恋心を見て見ないふりをしたんだ) 咲(もし恋人になったらきっと私は京ちゃんを優先して二度と麻雀に関わろうとしなかったから) 京太郎「……なるほどね」 咲「だけどそんな心配いらなかった」 咲「麻雀を楽しむようになったのは色々な人達のおかげで、その最初の一歩は京ちゃんがいたから踏み出せた」 京太郎「今から考えたら身の程知らずもいいとこだったけどな」 咲「それはしょうがないよ……だから京ちゃんはね、私の恩人でもあるんだよ」 京太郎「恩人か……そんな大層なもんじゃなくてもいいだろ」 咲「えっ」 京太郎「俺達は親友だ、男女とか関係なくな。 ただそれだけじゃダメなのか?」 咲「……京ちゃんはやっぱり優しいね」 京太郎「なんだそりゃ」 咲(私がもし、他の誰かに好きになったとしても……京ちゃんはきっと特別で大切な……) 咲「京ちゃん!」 京太郎「なんだ、咲」 咲(やっと私も……前に進めるよ。 ありがとう京ちゃん、優希ちゃん……) 咲「私達、ずっと親友だからね!」 【麻雀がメジャーになった世の中で雑用が得意な普通の少年須賀京太郎を待っていたのは……】 咲「京ちゃん!」 優希「京太郎!」 咲・優希「私とつきあってください!」 京太郎「……どうしてこうなった」 なんと2人の少女からの告白だった! 咲「京ちゃん、お弁当作ってきたよ!」 優希「京太郎、タコスを作ってきたぞ!」 京太郎「……俺、弁当あるんだけど」 様々な手練手管でアピールしてくる2人にたじたじな京太郎 そして2人のアピールはどんどんエスカレートしていき…… 京太郎「お前ら、人の家でなにしてんの?」 咲「京ちゃん、私達……」 優希「今日からここに住む事になったじぇ!」 京太郎「はあああ!?」 対決の舞台はとうとう須賀家に移行、わざとなのかそうじゃないのかわからない ハプニングも連続し京太郎の胃はボロボロになっていくばかり しかし一緒に住むにつれ京太郎は2人の真剣な気持ちに向き合っていく事になる 咲「京ちゃんは私にとってかけがえのない人だから」 優希「年月とか関係ない、私は京太郎が好きなんだ!」 京太郎「……」 まるで対称的な2人の違う魅力にそれぞれ惹かれ始める京太郎……しかし1人しか選べないというジレンマが彼の足を鈍らせる 悩む京太郎に無理強いは出来ないと咲と優希が途方に暮れていたそんな時、ある人の言葉が閃きを生み出した 久「いっそ2人共恋人になっちゃえば? なーんて冗d」 咲・優希「それだ!!」 久「えっ」 倫理や常識などゴッ倒すと言わんばかりに2人揃ってのアピールを始めた咲と優希 少女達は止まらない、ひたすら想い人に好かれるために加速していく 京太郎「ちょっと待て、それはおかしいだろ!」 咲「京ちゃん、大切なのは当人同士の気持ちだよ!」 優希「そうだそうだ! 両手に花のなにが不満なんだ、諦めてお縄につけい!」 京太郎「むちゃくちゃ言うなー!」 はたして京太郎は2人の思惑通り両手に花になってしまうのか? それともあくまで1人だけを貫くのか? これは1人の少年と2人の少女達のある意味熱い戦いの記録である! 咲「京ちゃん!」 優希「京太郎!」 京太郎「もう勘弁してくれ!」 【時々出てくる風潮被害・3人の場合】 咲「私達、ずっと親友だからね!」 京太郎「……」 咲「京ちゃん?」 京太郎「うーん……なあ、咲?」 咲「なあに?」 京太郎「もしお前がいいなら、優希に隠れてつきあうか?」 咲「……えっ?」 京太郎「いや、なんか今のお前見てたらよ」 京太郎「すっげえフッたのが惜しく思えてさ……なあ、優希にはバレないように立ち回るから俺とつきあわない?」 咲「き、京ちゃん!? 自分がなに言ってるかわかって……」 京太郎「わかってるよ、なあダメか咲?」 咲「そ、そんなのダメに決まって……」 京太郎「優希に遠慮してんのか? いいじゃないか、バレなきゃあいつが泣く事なんてないんだ……」 京太郎「俺達がうまくやれば俺もお前もあいつも幸せなままだ」ギュッ 咲「あ……ダメ、ダメだよ京ちゃん……」 京太郎「――好きだぜ、咲」 咲「――!!」 京太郎「答えは?」 咲「……バレなきゃ、みんな幸せ?」 京太郎「そうだ」 咲「……うん、いいよ」ギュッ 京太郎「そうか、ありがとうよ咲……」ニヤァ 咲(バレなきゃいいんだ……そうすればみんな幸せになれるんだ……) ――…… 優希「京太郎! これからデートしようじぇ!」 京太郎「あ、悪い優希……今日は親に早く帰ってこいって言われてるんだ」 優希「あ、そうなのか……」 京太郎「悪い、埋め合わせは必ずするから!」 優希「家の用事ならしょうがないから謝るな! それじゃあ今度のデートできっちり埋め合わせしてもらうじぇ!」 ――…… 咲「家の用事だなんて京ちゃんもずいぶん平気で嘘をつくようになったよね……」 京太郎「はっ、あいつがあんな単純な嘘でも信じるから悪いんだよ」 咲「……本当に、これでいいのかな?」 京太郎「今さらそりゃないぜ咲……お前だって今の状況を受け入れたんだからここにいるんだろ?」 咲「……」 京太郎「まあ、せいぜい楽しもうぜこれからも」 咲「……うん」 ――…… 照「もしこんな事になってたら許さない」ギュルルルル 咲「なるわけないでしょ! 変な妄想しないでよ、お姉ちゃんの馬鹿!」 風潮【須賀京太郎が恋愛において屑化する】 風潮【須賀京太郎と片岡優希がつきあってる時、宮永咲が浮気相手として存在する】 風潮【片岡優希は須賀京太郎をNTRされる】 【雑用サポート魂は麻雀にも影響するか?】 優希「あっはっはっはー! 圧倒的一位のまま逃げ切るじぇー!」タンッ 京太郎「ぐぎぎ……まずい、トぶ、トんでしまう……!」タンッ 和「2人共、少し落ち着いてください」タンッ 和(まずいですね……須賀君はゆーきからの直撃で点棒がほとんど残っていない……) 和(ゆーきから逆転するには須賀君に影響しない安いツモでは意味がない……ここはゆーきを直撃狙いでいきます) 咲「き、京ちゃん、しっかりして!」タンッ 咲(京ちゃんの口からなんか白いのが出てきてる……) 咲(南場だから優希ちゃんは落ち着いたけど、ここは差し込んで京ちゃんを一回浮上させないとマズいかも) 優希「むむむ、調子が悪い……やっぱり南場は得意じゃないじぇ」タンッ 京太郎(ふ、ふふふ……優希のやつめ、俺が死に体だからって油断してやがるな……だけど舐めるなよ!) ・京太郎手牌 一一一m 222p ⑧⑧⑧s 北北 中 白 ツモ牌北 京太郎「くふっ、ふふ……!」 京太郎(張った張った張った! 四暗刻、張らせてもらったあ! まだまだ逆転劇のチャンスは残ってるぜ!) 優希(京太郎、高いの来たな) 和(バレバレです……) 咲(これ、差し込んだら私がトんじゃうかも……どうしよう) 京太郎「さあ、ここから逆転といきますか!」タンッ 打牌・白 優希「京太郎、それポン!」 京太郎「なにっ!?」 京太郎(いや待て、下家の優希が鳴いたおかげですぐにまた俺のツモ番が来た! 和了る可能性はむしろ増えたはず!) 京太郎「っ、違う!」タンッ 優希「それもポン!」 京太郎「んなっ!?」 京太郎(う、嘘だろ……二回連続で優希に鳴かせちまった……いや、だけどまさか) 京太郎「……」タンッ 優希「それもポンだ!」 京太郎「」 和(まずい、須賀君とゆーきにしか番が!) 咲(な、なにも出来ない……) 京太郎(ありえない、ありえない! いくら普段が無茶苦茶だからってこんな、こんな……!) 京太郎「そんなの……!」タンッ 優希「……京太郎、それもだ、ポン」 京太郎「あ……」 京太郎(そんな、アホな……) 京太郎「……」タンッ 優希「ロン、7700。 京太郎のトビ、だじょ」 京太郎「は、ははは……なんだ、これ」ガクッ 久「……あれも才能なのかしら?」 まこ「さすがにあれが京太郎の才能だったらあんまりすぎるわ」 【ただの惚気】 京太郎「」チーン 優希「京太郎ー!」 咲「京ちゃんが真っ白になっちゃったよ……」 和「さすがにあれはショックだったでしょうからね……役満を崩してでも回避なんて考えられなかったでしょうし」 久「それにしてもさっきのはすごかったわねー……さしずめ相手の有効牌を必ずひく能力ってやつかしら」 まこ「なんじゃそのイジメみたいな能力は……いや、場合によっては相手の当たり牌を握り潰すからアリか?」 京太郎「……はっ!?」 優希「京太郎、目を覚ましたか!」 京太郎「俺は……ああ、そうか。 役満張ってイケると思ったら粉砕されたんだっけか」 優希「あ、謝りはしないじぇ……」 京太郎「謝罪なんかこっちもいらねえよ、勝負事なんだしな。いや、あれはむしろ優希がすごかったって褒め称える場面だな」ナデナデ 優希「京太郎ー……」フニャア 久「さすが私が鍛えただけの事はあるわね須賀君、人によってはトラウマを植え付けられそうな中なかなかタフじゃない」 まこ「それは褒めるところじゃないじゃろ……」 京太郎「よっし、もう一回やるか!」 咲「だ、大丈夫なの京ちゃん?」 京太郎「はっ、トビで一々落ち込んでたらお前らの相手なんかできるかよ! 優希、今度こそリベンジしてやるぜ!」 優希「ふん、またトバしてやるじぇ!」 京太郎「そうはいくかっつーの!」 和「心配は杞憂だったようですね?」 咲「そうだね……」 ――…… 京太郎「よっし、カン! 嶺上……なわけはないよなっと」タンッ 優希「ツモ! ドラ乗って倍満、8000オール!」 京太郎「ぐあっ、カンが裏目に出た!」 久(今の、須賀君が鳴いてずらさなきゃ優希ツモれなかったんじゃないの?) 京太郎「通らばリーチ!」 優希「通らん! ロン、1600!」 京太郎「だああ!?」 咲(親番流されちゃったよぉ……) 京太郎「それっ」タンッ 優希「ポン!」 京太郎「げっ!?」 和(有効牌が……) 久「で、まるで須賀君が優希のサポートしてるようにしか見えなかった今の半荘から出た結論は?」 咲「さっきのあれも含めてこれは明確な惚気です」 和「遠回しな惚気にしか見えませんね」 まこ「これは惚気じゃろうなあ」 京太郎・優希「何が!?」 【世の中には知らなくていい事がある】 咲「じゃあ私達こっちだから」 和「また明日です、2人共」 京太郎「おーう、また明日なー」 優希「咲ちゃん、のどちゃんバイバーイだじょ!」 京太郎「うああ、今日も勝てなかったなー」スタスタ 優希「今日も京太郎のサポートのおかげでバカ勝ちだったじぇ! ご苦労様だったな!」トテテ、トテトテ 京太郎「やめて、別にしたくてしてるわけじゃないんだからそれ言うのやめて」スタスタ 優希「まあまあ、もしかしたらコンビ打ちで最強になれるかもしれないぞ?」トテテ、トテトテ 京太郎「だったら俺にも和了らせてくれ……ん?」ピタッ 優希「どした?」 京太郎「いやなんでもない、行こうぜ」トテトテ 優希「そうか」トテトテ 京太郎「あーあ、いつになったら背中くらい見えるようになるんだか」 優希「ははっ、寝言は寝て言え」 京太郎「ひでえ」 優希「そんな事より京太郎」 京太郎「そんな事って……なんだよ」 優希「私、1つ気になってた事があるんだけど」 京太郎「気になる事?」 優希「私とのどちゃんは高遠原時代からの同級生だじぇ」 京太郎「そうだな、まるで俺と咲みたいだ」 優希「そう、京太郎と咲ちゃんも中学の同級生だったわけだ」 京太郎「それが?」 優希「普通に考えたら私とのどちゃん、咲ちゃんと京太郎の家の方が近いはずなのに」 優希「なんで一緒に帰る時咲ちゃんとのどちゃん、私と京太郎って組み合わせに分かれるんだ?」 京太郎「優希……」 優希「おぉ、わかるのか?」 京太郎「世の中には知らなくていい事があるんだよ」 優希「えっ」 京太郎「大人の都合とか色々あるんだよ……深くつっこまないのが皆のためなんだ」 優希「そ、そうなのか……」 京太郎「そうなんだ……こんな話よりもっと楽しい話をしようぜ」 優希「わ、わかった!」 優希(私は危うく開けてはいけない扉を開けるところだったのか……危なかったじぇ) 京太郎(うーん、ちょっと脅かしすぎたか? 別に深く考えた事なんてないけどちょっとからかってみただけなんだが……) 【もしも立場が違ったら】 京太郎「ほれ、今日のタコス」 優希「ご苦労様だじぇ!」 咲「京ちゃんもすっかり優希ちゃんのお世話が板についたよね」 京太郎「そうか? ああ、優希口元にソースついてるぞ」フキフキ 和「ええ。 ゆーきとの付き合いは私の方が長いのに、まるで須賀君の方が昔からの付き合いみたいに感じる時もありますし」 優希「ふむふむ、つまり私と京太郎、咲ちゃんとのどちゃんが同じ中学だったらという話だな!」 京太郎「いや、違うから。 つーか優希と俺がねぇ……」 ――…… 優希「おい京太郎! ちょっと私に付き合え!」 京太郎「なんだよ優希、付き合うってまたタコス屋か?」 優希「違う違う、今日はこれから麻雀部に行くから一緒に入部してほしいんだじょ」 京太郎「いや、なんで俺が」 優希「私いるところに京太郎ありってやつだ!」 京太郎「意味分からんわ……麻雀なんて俺やった事もないのに」 優希「だったら優希ちゃん専属マネージャーとして……」 京太郎「今と変わらないじゃねえか!」 優希「なあなあ、ダメかー? 私が1から教えるから一緒に入ろうじぇー」 京太郎「……はあ、しょうがねえな」 京太郎「ぐあ、また焼き鳥……初心者に容赦なさすぎだろお前!」 優希「ふははは! これで京太郎が私に作るタコスは3つになったな!」 ――…… 優希「あっ、京太郎……」 京太郎「おつかれさん。 残念だったな、インターミドル」 優希「あの人、強すぎるじぇ……悔しいじょ」 京太郎「原村だっけか? 確かにお前が東場で手も足も出ないのは初めて見たな……まあ高校でリベンジ、だな」 優希「うん……」 ――…… 京太郎「優希は高校どこ行くんだ?」 優希「清澄に行こうと思う」 京太郎「清澄? 麻雀なら風越か去年インターハイ出場の龍門渕の方がよくないか?」 優希「だって清澄にはタコスがあるんだじぇ! それに、清澄以外だと京太郎と一緒に通えないし……」 京太郎「あー……そう、か」 ――…… 京太郎「うーん、咲の時以上に苦労しそうだ」 優希「なんでだ!?」 咲「私達は関わってるかどうかもわかんないね」 和「私も清澄に来ていたかどうか……」 京太郎「まっ、結論から言うならやっぱり今が一番って事だな」 優希「質問に答えろー!」 【清澄麻雀部の黄金世代】 優希「タコスうまー」 京太郎「優希からの評判もいいし俺のタコス作りも上達したな……これも師匠のおかげだぜ」 咲「文化祭でクラスでタコス喫茶やらないかって意見もあるよね」 優希「なぬっ!? タコス喫茶だって!?」 京太郎「それ俺ばっかり働かされるフラグじゃね? 後優希、食ってる途中で叫ぶなよ、牌につくだろ」フキフキ 優希「京太郎! もしタコス喫茶を実現させたら私は終わりまでいるからな!」 京太郎「店としては助かるのか迷惑なのか悩ましいところだな」 優希「なんだとー!」 咲「あはは……そういえば部長、麻雀部では何もやらないんですか?」 久「うーん、なんせ私が議会長としての役目に追われそうだから、何かやるにしてもあんまり見られないのよね」 まこ「別にわしが責任者をしてもええんじゃが……」 久「ちなみに皆はなんかやりたい事ってある?」 和「実際の対局を含めた初心者用の麻雀教室とかどうですか?」 京太郎「麻雀やめるかトラウマになる奴が増えるな」 和「そんなオカルト……ありえるのが問題ですね」 咲「ここの本を使って読書会とか」 優希「やめてください、しんでしまいます」 咲「そうだね、ごめん……」 京太郎「メイド喫茶とか」 咲「ええー、またあの格好するの恥ずかしいよ」 和「……私はそれもありかと」 咲「ええ!?」 優希「ここはやっぱりタコス喫茶を!」 和「ゆーきが食べてしまってお客様に出す分がなくなる光景が容易に想像出来ますね」 優希「のどちゃん、それを言ったらおしまいだじぇ……」 京太郎「いや、我慢する努力しろよ」 久「うーん、やっぱりすぐには決まらないか。 だけど何かしらしたいわよね……この6人でいられるのは今年だけなんだし」 まこ「またらしくない事を……悪いもんでも食ったのか?」 久「私だってたまにはセンチになるわよ……夢が叶った後だと余計にね」 京太郎「よし、咲の中学時代の自作小説を印刷して配るか」 咲「なにを言い出すの!? ダメだよ、絶対やめて!」 優希「ここは来た人にタコスを作らせて私が審査を……」 和「ゆーきはまずタコスから離れましょうか」 優希「そんなご無体な!」 久「――本当、最後の年がこんな楽しい麻雀部になってよかった」 【言葉が無粋な時もある】 京太郎「今日は皆来ないのか……俺はネトマしてるけど優希はどうするよ?」 優希「とりあえず京太郎の対局を見てるとするじぇ」 京太郎「そっか、わかった」 ――…… 京太郎「よっしゃ、また一位!」 優希(さすがに半荘何回も見てるのも飽きたし暇だじぇ……)ジー 京太郎「今日は調子がいいなー……よしもう一度」 優希(タコスうまー……京太郎、楽しそうだじぇ。 声とかかけづらいな)モグモグ 京太郎「リーチっと……よし、一発ついた!」 優希(早く終わらないかな……京太郎、ネトマばっかりだ)クルクル 京太郎「うがっ、捲られた!? 油断しちまったなあ……」 優希(ベッドは気持ちいいじぇ……寝ちゃおうかな)パタパタ 京太郎「よしっ、対局終了っと」 優希(あっ、終わった?)ガバッ 京太郎「次はもうちょっと上でやってみるか」 優希(なーんだ、まだやるのか……)ポスンッ 京太郎「うわ、やっぱり上は強い……げえっ、【のどっち】って和が相手かよ!?」 優希(京太郎、京太郎ー、かーまーえー)コロコロ 京太郎「くそっ、やってやる!」 優希「……むう」 京太郎「あっ、無理だ、勝てないこれ」 優希「……」トテトテ 京太郎「ううっ、すごすご逃げる羽目になるなんてついてない……次はここ辺りでやるか」 優希「……」ギュッ 京太郎「えっ、優希? どうかしたか?」 優希「……」 京太郎「黙ってちゃわからないんだけど……あっ、部屋しめきっちまった」 優希「……」スリスリ 京太郎「……はあ」 優希「……」ビクッ 京太郎「……」ナデナデ 優希「あ」 京太郎「……」ナデナデ 優希「……///」モジモジ 京太郎「……」ナデナデ 優希「京太郎……」フニャフニャ 京太郎「……」ギュッ 優希「……えへへ///」ニコニコ 京太郎「……ったく///」 【片岡優希専用充電器須賀京太郎】 優希「京太郎ー」パタパタ 京太郎「どうした?」 優希「ちょっとベッドに座るんだじぇ」 京太郎「えっ、なんで」 優希「いいから座れ!」 京太郎「なんなんだよ……これでいいか?」 優希「うむ、そのままじっとしてろよ」ギシッ 京太郎「はいはい……って」 優希「おぉ、これはなかなか……」 京太郎「……あの優希さん、いきなり人の膝に座ってきましたけどこれはどういう事でしょうか?」 優希「充電だじょ!」 京太郎「充電って、何を?」 優希「……何をだろう?」 京太郎「わかんねえのかよ!」 優希「だって見たのを真似してるだけだし……」 京太郎「こんな事してたのが実際にいるのかよ……」 ――…… 白望「くしゅんっ……」 胡桃「くちゅん!」 塞「あらら、2人共風邪?」 白望「だからダルいのか……」 胡桃「それいつもでしょ!」 ――…… 京太郎「で、何を充電してるかもわからないのにこんな事してて何か意味があるのか?」 優希「何かがわからなくても充電してるのは間違いないから問題ないじぇ!」 京太郎「ふーん……そんなもんか」 優希「そんなもんだ! というわけでちょっと腕借りるじぇ」 京太郎「ああ、もう好きにしてください」 優希「京太郎の腕を私のお腹に回して……これでよし! 充電なんだからしっかり固定しないとな! 」 優希「さあ存分に充電頼むじぇ、充電器京太郎!」 京太郎「俺はお前の充電器なのか……本当いったい何が出てるんだろうな」 優希「うーん、それは……」ポクポクポクポク…… 京太郎「……」 優希「そうか!」チーン! 京太郎「わかったのか?」 優希「わかったじぇ! 充電器京太郎から充電されるのはこの優希ちゃんへの愛情……」 京太郎「恥ずかしい事を……優希?」 優希「ううっ……///」 京太郎「……恥ずかしくなるくらいなら言わなきゃいいじゃねえか」 優希「う、うるさいうるさいうるさい!///」 【京太郎の中の人は麻雀が上手い】 京太郎「ふははは!」 優希「京太郎、気をしっかり持つんだ京太郎!」 咲「京ちゃん落ち着いて!」 和「この高笑い、どこかで聞いたような……」 久「……えーっと、これは何事?」 まこ「いや、いつも通り一年達に打たせてたんじゃが……京太郎がトビになってからあんな風に」 久「とうとう壊れてしまった、と……耐えきれなかったのね須賀君」 京太郎「……もう一回だ。 今度は負けはしない」 和「休んだ方がいい気もしますけど……部長、どうしますか?」 久「うーん、とりあえずやらせてみたら?」 ――…… 京太郎「……」タンッ 咲「ロン、2400だよ」 京太郎「やはりゲームと同じようにはいかないな……」 和(なんででしょう、今の須賀君に妙な既視感が……) 京太郎「条件はクリアされた、リーチ……ツモ、跳満3000、6000」 咲「今日の……ううん、今の京ちゃん、何か変……」 京太郎「うはははははっ!! やれるじゃないか! やれる、やれるぞ」 和(聞けば聞くほど何かが頭にちらつきますね……なんなんでしょうか?) 優希「ずいぶん好き勝手やってくれたな京太郎……だけどそれもここまでだ!」 京太郎「ふん、戦術的勝利などいくらでもくれてやる」 優希「むかっ……だったら全力で潰すまでだ! ツモ! 6000、12000!」 咲「今の京ちゃんはいつもの京ちゃんじゃない……だから私が、私達が止めるよ! カン! 嶺上開花、4000、8000!」 京太郎「ほわあっ!?」 和(思い出せないというのはなかなか辛いですね……あっ) 京太郎「制圧された? こんなに簡単に……ゲームにすらなっていないぞ!」 咲「京ちゃん、もう終わらせるよ!」 優希「目を覚まさせてやるじぇ!」 和「須賀君」 京太郎「くっ、ここから逆転するには……んっ?」 和「ロン、大三元、48000です」 ――…… 京太郎「……条件が同じならば負けはしなかった」 優希「負け惜しみはやめろ!」スパーン! 京太郎「痛っ! あれ、俺は……」 咲「き、京ちゃん、元に戻ったんだね!」 京太郎「な、何の話だ!?」 久「……これならいけるかも」 まこ「おい久、なんか変な事考えとりゃせんか?」 和「あの既視感は何だったんでしょう……」 【つく嘘にも限度がある】 優希「京太郎……」 京太郎「なんだよ優希、元気ないじゃないか」 優希「私、京太郎に言わなきゃいけない事があるんだじぇ」 京太郎「まじめな話っぽいな……改まってどうした?」 優希「実は……デキちゃった」 京太郎「……は?」 優希「もう3ヶ月だってこの前病院で……」 京太郎「な、なに言ってんだよ」 優希「……ごめん」 優希(慌ててる、慌ててる♪ 京太郎、エイプリルフールの嘘だって全然わかってないみたいだじぇ!) 京太郎「ふ、ふざけてるんだろ? だって、そんな、ありえない! 俺達、まだそんな事してないじゃないか!」 優希(あ、そうだった……) 京太郎「なんなんだよ、たちの悪い冗談はやめてくれよ……」 優希「……ひっく、ううっ」 優希(くそう、なんて初歩的ミスを……情けなくて涙が出てくるじぇ) 京太郎「!?」 京太郎(な、なんで泣くんだよ……冗談じゃ、ないって言うのかよ……) 京太郎「ま、まさか……嘘、だろ?」 京太郎(この反応、とんでもない事があったとしか思えない……だけど、もし優希が今頭に浮かぶそんな目にあったんだったら……!) 優希「うっ、ううっ……」 優希(ああ、嘘ってバレちゃった……ダメダメだじぇ……) 京太郎「無理やり……」 京太郎(馬鹿か俺は!? 優希が本当にそういう目にあったのなら口に出すべきじゃないだろ!!) 優希「京太郎の、言う通りだじぇ……」 優希(今年は上手くいかずか。 確かに京太郎の言う通り無理やりで現実味のない嘘だったな……もっと練っとくんだったじょ) 京太郎「そう、か……」 京太郎(優希……くそっ、俺は何をやってんだよ! 優希を守ってやれなかった) 京太郎(今も泣かせちまった、思い出すだけで辛いだろうにそれを口に出させちまった!!) 優希「もう帰ろう、京太郎」 優希(来年はもっと凄い嘘をついてやるから覚悟しとくじぇ!) 京太郎「……わかった」 京太郎(……許さねえ、優希をそんな目にあわせた奴を俺は絶対に許さねえ……!) ――数日後…… 京太郎「……」ギュウッ 優希「京太郎、もう許して……」 京太郎「うるせえ、あんなふざけた嘘で俺の寿命は縮んだんだ、黙って抱きしめられてろ」 優希「ううっ///」 優希(まさかそんな勘違いしてたなんて思わなかった……) 京太郎(嘘でよかった……本当に、よかった……!) 【しっぺ返しは痛いもの】 京太郎「よぉ、優希。 急に学校に呼び出してどうしたんだよ」 優希「京太郎……」 京太郎「んっ?」 優希「今まで黙ってたんだけど実は私、タコスがあんまり好きじゃないんだじょ……」 京太郎「はっ?」 優希「むしろ毎日食べてたから見るのも嫌いなんだ……だから作ってくる京太郎もあんまり快く思ってないんだじぇ」 京太郎「な、なんだよそれ……」 優希「だから、私達もう終わりにしよう……」 京太郎「ま、待てよ優希! そんな急に言われても……」 優希「さようなら京太郎……」スタタッ 京太郎「優希!」 ――五分後…… 優希「……驚いたか京太郎!」 京太郎「優希……」 優希「今日はエイプリルフールだじぇ、京太郎! だからさっきのも全部嘘だったのだ! 」 優希「私がタコスを嫌いになるなんてありえないし、京太郎と別れるなんてもっとありえないじぇ!」 京太郎「……」 優希「あれ、どうした? 」 京太郎「優希、いい事教えてやるよ」 京太郎「――エイプリルフールってな、午前中までなんだよ」 優希「えっ」 京太郎「あの時計見てみろ……逆算してお前がさっき別れを切り出したのが12時5分過ぎになる計算……」 京太郎「つまりアレをエイプリルフールの嘘だって事には出来ないんだよ」 優希「そ、そんな、嘘だよな!?」 京太郎「だいたいさ、こんな酷い嘘つく奴をこれから先も好きでいられると思うか?」 優希「あ、いや、それは……」 京太郎「お前には失望したよ、優希……じゃあな」 優希「ど、どこ行くんだ!」 京太郎「どこだっていいだろ、俺達はもう赤の他人なんだからな」 優希「あ……」 京太郎「……」スタスタ 優希「そんな、こんなのってないじぇ……でも、自業自得、なのか……うっ、ううっ」 京太郎「えっ!?」 優希「うっ、京太郎っ……やだ、やだやだやだあ……別れるなんていやあ……!」 京太郎「!」スタタッ 優希「京太郎……?」 京太郎「すまん、やりすぎた! お前も半分わかっててノってたもんだと……!」 優希「どういう、事だじぇ」 京太郎「いや、お前が何かすると思ってあらかじめあの時計の時間を進めてたから まだ12時にはなってないんだよ。 すっかりわかってるもんだとばかり……」 優希「……」プルプル 京太郎「優希、さん?」 優希「こんの、バカバカバカアアアア!」 【清澄高校麻雀部の弱点】 京太郎「うおお、また負けたあ!」ガクッ 久「うーん、上達はしてるはずなんだけど」 まこ「さすがに相手が悪すぎるんじゃないか? ネト麻なら安定した成績を出せているんじゃし」 久「だけど一番時間を割いてる部内で勝ててない現状で須賀君は自分の成長を実感できてるのかしら……」 まこ「難しい、ところじゃな」 久「どうしよう…来年になれば初心者もそれなりに来るだろうし、今の内にみんなの指導スキルもアップさせておきたかったんだけど……」 京太郎「うおおお! ツモ来いツモ来い……ちくしょう、来ねえー!」 和「須賀君、ちょっとうるさいです」 京太郎「あ、はい、すいません」 久「本当にまいったわね……全国を制覇した私達清澄高校麻雀部にこんな弱点があったなんて」 まこ「圧倒的なまでの指導力不足か……」 久「指導に向いていない咲と優希はもちろん、和も麻雀に関しては堅物だから萎縮する恐れがあるのよね」 久「能力持ちなんか指導させたら……考えただけで酷い事になりそう」 まこ「わしも部長職があるけぇ、付きっきりではできんし……」 京太郎「ツモ! 2600オール!」 優希「むっ、京太郎に和了られたか!」 京太郎「いよっしゃあ! ここからの連荘で逆転してやるぜ!」 咲「あっ、京ちゃんそれロン。 12000の一本付けで12300」 京太郎「」 久「となると、一番初心者に指導できそうなのが須賀君なのよねぇ……だけど」 まこ「今年の夏は雑用ばかりやらせてきた京太郎に来年も自分の精進より初心者指導に時間を割け、というのはさすがにな……」 京太郎「ふいー、なんとか三位か」 優希「ぐぎぎ、親被りで最下位なんて……!」 京太郎「悪いなあ優希」ニヤニヤ 優希「むきー! そのにやけ面腹立たしいじぇ!」 咲「ど、どうどう優希ちゃん……」 和「須賀君もあまりゆーきをからかわないでください」 京太郎「悪い悪い、えーっとこれで今日は半荘4回やって最下位2回、三位2回か」 京太郎「 トバなかっただけマシだな、途中優希にぶち当ててトップに立ったし」 優希「その後咲ちゃんに責任払いさせられて一気に最下位になったくせに」 京太郎「それを言うなよ!」 咲「あはは……」 久「……それにしても、本当によく折れないわね須賀君」 まこ「不思議なもんじゃな」 【彼が折れない理由】 京太郎「今日も打った打った」 優希「相変わらず負けてばっかだけどな!」 京太郎「うっせー、人が余韻に浸ってんだから水差すなっつうの」 優希「負けて余韻に浸るなんて聞いたことないじょ」 京太郎「だからそういうのをやめろって言ってんだよー」グリグリ 優希「いたた……でも京太郎はよく投げ出さないな」 京太郎「何が?」 優希「普通これだけやって一位が全然取れなかったら嫌になって辞めても不思議じゃないじょ」 優希「私だって勝てないとやっぱりつまんないし」 京太郎「うーん、そんなもんか? 」 京太郎「正直入った時からみんなとのレベルに差がありすぎて、負けた悔しさよりこいつらすげえって思う方が強いんだよなあ」 優希「確かに京太郎は完全に初心者だったからな。 少しでもやってた方がキツいのかもしれないじぇ」 京太郎「それに一時期はほとんど牌に触ってなかったしな。 その時に比べたら対局できるだけありがたい話だ」 優希「ふむふむ」 京太郎「それにさ、全国優勝のお前ら相手に和了ったり一時的にでもトップに立てたりするだけですっげえ嬉しいんだよ俺」 京太郎「だからなんつうかあれだ……実力差で勝てないのは当たり前なんだから、勝つ以前にまずは和了る事だけ考えとくかって感じ」 優希「一位への欲とかないのか?」 京太郎「そりゃもちろんあるさ、やるからには一位狙いに決まってる」 京太郎「だけどそんなの今の俺にはまだまだ高望みなんだって理解もしてるんだよ。 京太郎「だから今一番意識してるのは和了る事と振り込まない事の2つくらいだな」 優希「むう、やっぱりそうなる思考回路がよくわからないじょ」 京太郎「ははっ、お前はそれでいいんだよ」 優希「うーん……」 京太郎「そんな事で悩んでるとあっという間に俺がお前を追い越しちまうぞ?」 優希「ふっ、馬鹿も休み休み言え! 清澄高校エースのこの私が京太郎に抜かされるなんてそんなオカルトありえないじぇ!」 京太郎「はいはい、せめて咲と和に勝ち越してからエースを名乗ろうな」 優希「馬鹿にするなよ! 見てろ、京太郎が惚れ直すくらい鮮やかに勝ってやるからな!」 京太郎「期待しない程度に楽しみにしとく」 優希「やっぱり馬鹿にしてるだろ、京太郎ー!」 京太郎(まっ、もし俺が簡単に折れないのに理由があるんだとしたら……) 京太郎(それはきっと、負け続けてもいたいくらい麻雀部の日常が楽しいから、なんだろうな) 【いったい何がしたいのか】 優希「暇だじぇ」 京太郎「暇だな、皆は打ってるしパソコンはメンテで使えないし」 優希「正直対局見ててもあまり参考にならないし……もう2人でイチャイチャする?」 京太郎「アホ、皆が真面目に麻雀してるのにそんな事出来るか。 時と場合を考えなさい」 優希「むう、じゃあしりとりでもするじょ」 京太郎「まあ、小声でやるなら構わないぜ」 優希「じゃあ私からだな……タコス」 京太郎「スイカ」 優希「カマキリ」 京太郎「リンゴ」 優希「ゴーカート」 京太郎「トナカイ」 優希「インターネット」 京太郎「またトか……トイレ」 優希「レンタカー」 京太郎「カピバラ」 優希「ライオ……じゃなくてラーメ……でもなくてラジオ!」 京太郎「おっぱ……いや待て、変えるからそんな目で睨むな……オランダ」 優希「だし巻き卵」 京太郎「ゴルフ」 優希「風紀委員……会!」 京太郎「上手く避けたな……インテリア」 優希「アーモンド」 京太郎「ドーナツ」 優希「ツバメ」 京太郎「めかじき」 優希「……京太郎」 京太郎「どうした、お前の番だぞ?」 優希「今言った。 次は【う】だじょ」 京太郎「……おい、人名はさすがに」 優希「早くしろ」 京太郎「……ウーロン茶」 優希「チャイム」 京太郎「昔馴染み」 優希「味噌汁」 京太郎「ルーキー」 優希「京太郎」 京太郎「おい」 優希「早く」 京太郎「……牛」 優希「醤油」 京太郎「……優希」 優希「!」 京太郎「……早くしろよ」 優希「京太郎」 京太郎「牛」 優希「醤油」 京太郎「優希」 優希「京太郎!」 京太郎「優希!」ギュッ 優希「京太郎!」ギュウッ 咲・和・久・まこ「うるさいそこ!」 【風潮被害……?】 優希「今日は京太郎とデートだじぇ♪」 優希「準備に手間取ってたらもうこんな時間だじょ……早く行かないと!」 ガチャガチャ 優希「あれ、扉が開かない……なんでだ?」 ガチャガチャガチャガチャ 優希「鍵は確かに開いてるのにどうなってるんだ……あれ、ドアになんか時計とボタンと紙が……」 優希は扉を コンマ01~50…開けられない コンマ51~98…開けられる ぞろ目…京太郎から来ました 優希「」 優希「……えっ、なんだこれ」 優希「コンマ……つまりストップウォッチみたいにこのスイッチを押してコンマ51以上で止めればいいのか?」 優希「ふん、誰だか知らないけどやってやるじぇ!」タンッ 優希「……そこだ!」 コンマ21……開けられない 優希「んなっ!? ええい、もう一度!」タンッ コンマ24、コンマ13、コンマ04…… 優希「なんで、なんで上手くいかないんだ! もうこれで10回以上試してるのに!」 優希「このままじゃ間に合わない……京太郎にメールしないと……えっ」 優希が送ったメールは コンマ01~50…通信障害で届かない コンマ51~98…無事に届く ぞろ目…おや、誰か来たようだ 優希「携帯にまで変な文章が……っ、やるしかないのか!」タンッ コンマ26…通信障害で届かない 優希「なんでだあ!? この、この、このー!」 コンマ03、コンマ42、コンマ15、コンマ10…… 優希「もう、やだあ……待ち合わせ時間も過ぎちゃったじぇ……」 ヴーヴー! 優希「あっ、京太郎から電話……」 優希が電話に出ると コンマ01~10…そこには怒り狂った京太郎が! コンマ12~50…京太郎は呆れながらも苦笑いしている コンマ51~98…京太郎は心配しているようだ ぞろ目…京太郎が迎えに来ている途中らしい 優希「……まあ、わかってたじぇ」 優希「でもこれならいくらなんでも上手くいくはず……」タンッ コンマ01…そこには怒り狂った京太郎が! 優希「」 ――…… 優希「はっ!?」 優希「ゆ、ゆめ……?」 優希「ううっ……コンマなんか、コンマなんか大っきらいだー!」 風潮というか事実【片岡優希はコンマの神に愛されていない】 【たまには静かにゆったりと】 優希「うわーうわー! 遅刻遅刻遅刻ー! すっかり寝坊だじぇ!」 優希「ただでさえテスト赤点でいい印象もたれてないのに! 急がないと留年の危機だじょー!」 ――…… 優希「はあ、はあ、はあ……ま、間に合った~……」 京太郎「なんだ、今日はやけに遅かったな」 優希「ね、寝坊しちゃった」 京太郎「まあそれは見りゃわかるけどな……もしかして朝飯も食ってないのか?」 優希「それどころじゃなかったからな!」ドヤッ 京太郎「なんで偉そうなんだよ……昼の分は減るけど一個食うか?」 優希「いただくじぇ」 京太郎「ちなみに今日は一時間目自習だからここまで急ぐ必要もなかったんだぜ?」 優希「なにぃ!? 走ってきて損したじぇ……」ガクッ 京太郎「ははっ、髪もクシャクシャでやんの」 優希「笑うな笑うな! くそう、いくら美少女たる優希ちゃんでもこんな身だしなみでは魅力が半減だじぇ」 京太郎「自分でそういう事を言うなって……櫛持ってるし髪くらいなら直してやろうか?」 優希「なんだ、京太郎櫛なんか持ってたのか?」 京太郎「ハギヨシさんから教えてもらったんだよ。 男たるものいざという時のためにハンカチと櫛は最低限持ち歩けってな」 優希「へぇ……それならお願いするじぇ!」 京太郎「それじゃあ椅子にお座りくださいお姫様?」 優希「へっ、変な事言うな!」 京太郎「悪い悪い、髪留め外すぞ?」 優希「おー」ファサッ…… 京太郎「……」 優希「んっ、どうしたんだ?」 京太郎「あっ、いや、なんでもない……始めるからな」 京太郎(髪留め外して髪おろしただけでちょっとドキッとしたなんて言えるかよ……) 優希「ふぁ……んっ……」 京太郎「結構サラサラしてんな……なんか特別な事やってんの?」 優希「いや、特にはやってないじょ。 あふっ、くすぐったいけど気持ちいいじぇ……」 京太郎「それはようござんした」 優希「……」ウトウト 京太郎「眠いのか? じゃあ寝ていいぞ。 髪は整えとくから」 優希「……だったらお言葉に甘えて、少し寝るじぇ……」 京太郎「おやすみ、優希」 優希「おやすみだじょ……」 京太郎「……」 優希「すー……」 京太郎「いいもんだな、こういうのも」 咲「教室なのを忘れてなければね……」 京太郎「……あ」 【その温もりは特別なもの】 京太郎「むにゃむにゃ」 優希「部活に来てみたら京太郎がベッドで寝てたじぇ」 京太郎「Zzz……」 優希「前にもこんな事あったな。 その時には確か顔に落書きしたんだっけ」 京太郎「んんっ……」 優希「きっとこれはまたタコスの神様が悪戯をしなさいと言っているんだじぇ!」 優希「でも今度はどうしようかな……同じ事は芸がないから別の事をしてやりたいじょ」ポクポクポクポクポクポク…… 優希「そうだ!」チーン! ――…… 咲「こんにちはー」 咲「あれ、まだ誰も来てないのかな……京ちゃんと優希ちゃんが先に来てると思ったんだけど」 京太郎「くかー……」 咲「あ、京ちゃん寝てるの?」ヒョイッ 京太郎「んう……」 優希「すうすう……」 咲「」 咲(えっ、ええええええっ!? なんで京ちゃんと優希ちゃんが一緒にベッドで寝てるの!?) 京太郎「Zzz」 咲(いや、京ちゃんと優希ちゃんの関係を考えれば一緒に寝てるのは不思議じゃないんだけど! ) 咲(でも、でも部室でそういうのはおかしいというか、そもそもまだ早いんじゃないかなって私は思うよ!) 優希「Zzz」 咲(と、とにかく起こした方がいいよね……他のみんなが来たら騒ぎになっちゃう) 咲「き、京ちゃん、優希ちゃん起きて……」ユサユサ 京太郎「Zzz……んあ?」 咲「お、おはよう京ちゃん」 京太郎「あー……おはよ、咲……」 咲「京ちゃん、2人が恋人なのは理解してるけど、私こういう事はあんまり感心はできないよ?」 京太郎「はぁ? なに言って……」 優希「Zzz……京太郎……」 京太郎「どわああああああっ!?」ドスンッ! 咲「き、京ちゃん大丈夫!?」 京太郎「いたた……な、なんで優希が一緒に寝てるんだよ!」 咲「京ちゃんが連れ込んだんじゃないの?」 京太郎「んなわけねえだろ! こちとらキスだってまだ……」 咲「えっ」 京太郎「やべっ、今のは忘れてくれ!」 咲「京ちゃん……」 京太郎「やめろ、そんな情けない奴を見る目で俺を見るなぁ!」 優希「えへへ、京太郎暖かいじぇ……Zzz」 【だから何がしたいのか】 京太郎「また暇だな、今日は皆が来てないってだけだけど」 優希「暇だじぇ……パソコンはいつになったら直るんだ?」 京太郎「俺に聞くなよ……壊したのはネト麻しながらタコス食ってソース機械の内側に入れたお前と変な操作した咲だろ」 優希「うっ、か、過去の事をチクチクつついてたら大物にはなれないじょ」 京太郎「お前は過去を振り返らなさすぎなの」 優希「ああ言えばこう言う……それで今日はどうする?」 京太郎「なんかしりとり禁止されたからな……」 優希「暇つぶしになるゲームとかちょっと調べてみるじぇ」カチカチ 京太郎「おー、頼む」 優希「……おっ、これとかどうだ!」 ――…… 咲「今日もいっぱい打とうね和ちゃん!」 和「そうですね、先に誰か来てたら早速始めましょうか……あら?」 久・まこ「……」 咲「何してるんですか、部長と染谷先輩。 部室の扉に耳を着けて……」 久「あっ、2人共、ちょっと静かにして。 中に気付かれちゃうから」 和「須賀君とゆーきですか……今度は何をしてるんですかあの2人は」 まこ「聞いてみればわかる……ちょっと耳を澄ましてみい」 京太郎『優希、愛してる』 優希『あうっ///』 京太郎『なんだ、照れてんのか?』 優希『て、照れてなんかいないじぇ! 私も愛してる京太郎……』 京太郎『うっ……』 優希『京太郎こそ、照れてるんじゃないのか?』 京太郎『そんなわけ、ないだろ……愛してるぞ優希』 久「この調子で何回も愛してるって言い合ってるのよ、あの2人」 まこ「仲がいいのは構わないんじゃが……」 和「な、な……」 久「あっ、和何を……!」 和「何をしてるんですかあなた達は!」バーン! 京太郎「おわっ!?」 優希「のどちゃん!?」 和「別にするななんて言いませんし、仲がいいのは喜ばしいですけど、ここは皆が来る部室なわけで……」 京太郎「落ち着け和! 何を勘違いしてるか知らんけど俺達はゲームをしてただけだぞ!」 優希「そ、そうだじぇ! 2人で愛してるって言い合って照れた方が負けってゲームを……」 和「……あなた達はそうやって紛らわしいまねをして! ちょっとお話があるのでそこに座りなさい!」 京太郎・優希「えっ、なんで怒って……ひいいっ!?」 咲「三麻しましょう」 久「そうね」 まこ「じゃな」 【エースの座はまだまだ遠い】 京太郎「ロン、8000!」 優希「捲られたー! ううっ、南場はやっぱり苦手だじぇ!」 和「須賀君に直撃を受けるようではまだまだ南場のゆーきには課題が多そうですね」 京太郎「さりげなくバカにされてる気がする」 咲「そ、そんな事ないよ京ちゃん」 優希「京太郎が下家なら連続ポンから和了れるのに……京太郎、早く私の右側に座れ!」 京太郎「ざけんな! 俺にまた思わず上家と下家( 352)を間違えるような目にあえっていうのか!」 優希「うー!」 久「こんな時南場の不調を補う力があればいいんだけどねぇ。 龍門渕の井上さんの麻雀も少しは参考に出来はしたけど……」 和「だから能力とかそんなオカルトありえません!」 京太郎(俺からしたら和も十分オカルトなんだが……) まこ「そうじゃのう……いっそ東場で決着がつくような能力が優希にあったらいいんじゃが」 和「だからそんなオカルト……」 咲「ま、まあまあ和ちゃん、話が進まないから落ち着こう?」 和「むう……」 京太郎「東場で決着が着く……阿知賀の先鋒の人とかみたいにですか?」 優希「ドラのお姉さんか! 確かにあのお姉さんにはいっぱいドラが集まるからな」 久「優希の東場速攻とドラが集まる能力か……」 京太郎「数え役満連発されて相手のトラウマになる未来しか見えません」 久「そうね……咲のお姉さんにボロボロにされてたせいで」 久「ドラが使えない事からの点数低下ばかり注目されるけど、あの子本当に恐ろしい能力持ちよ」 和「玄さんのアレは別にそんなオカルトじゃないんですが……」 優希「ほほう、つまりあのお姉さんから能力を頂けば私は名実共に最強というわけか!」 まこ「能力を頂戴なんて出来んじゃろう、さすがに……」 咲「マホちゃんなら平気でやっちゃいそうですけどね……」 京太郎「ん、マホって誰だ?」 優希「私の後輩だじぇ! 将来は私達清澄の名を受け継ぐものになるだろう逸材だ!」 和「人の打ちまねより、未だにチョンボしてしまうのを何とかした方がいいと思うんですけどね」 久「まあ、言ってはみたけど結局ないものねだりでしかないし、とにかく優希の集中力を伸ばすしかないのよね……」 久「このままじゃ優希、須賀君に負けちゃうわよ?」 優希「ううっ、それは嫌だ!」 京太郎「やっぱりバカにされてるよな、これ」 咲「き、気のせいだよ……」 【そこは彼女の特等席】 京太郎「うーん……」ペラッ 優希「京太郎、何してるんだ?」 京太郎「見ればわかるだろー……和から渡された麻雀テストやってんだよ。和曰わくそろそろ次のステップに進んでもいいだろうって」 優希「なるほど、それでやってみたはいいけど全然わからくて唸ってたわけだな!」 京太郎「だってこれ難しすぎるんだもんよ……本当にちんぷんかんぷんだ」 優希「困ってるなら手伝ってもいいじぇ」 京太郎「ああ、そりゃありがたい。 少しこの暗号文解読を手伝ってくれよ」 優希「その代わりに今度のテスト勉強を手伝ってもらうじぇ!」 京太郎「俺に出来る範囲なら別にいいぞ」 優希「じゃあ早速手伝ってやろう!」 京太郎「……おい」 優希「んっ?」 京太郎「なんで人の膝に座ってんだよ。 また充電とでも言うつもりか?」 優希「これが一番やりやすいだろ?」 京太郎「いや、隣でいいじゃねえか」 優希「私はこれがやりやすいんだじょ! ほら、さっさとわからないところを言うじぇ!」 京太郎「わかったよ、ったく」 京太郎(俺が集中出来ないんだけどわかってんのか、優希の奴……) 優希「これはだな……」モゾモゾ 京太郎(ええい、モゾモゾ体を動かすな! 色々危ないだろうが!) 優希「それでここはー……」 京太郎(くそっ、優希の体が密着して話が耳に入ってこない! こいつが誘ってるとかじゃないのがわかる分余計にキツい!) 優希「……京太郎?」 京太郎「……えっ、どうした?」 優希「手が止まってたけど、もしかして私の話わかりにくかったか?」 京太郎「い、いやそんな事ないぞ?」 優希「それならよかったじぇ。 ほれほれ、続きだ続き」 京太郎(いかんいかん、見返りありとはいえ優希は本当に親切で教えてくれてるんだ……まじめに聞いてやらないと申し訳ないだろ) 優希「ここは……うーん」 京太郎(……だけど、まあこれくらいは許されるだろ)ポンッ 優希「じょ?」 京太郎「それで続きは?」ナデナデ 優希「うっ、えっと、たぶんこう……///」 京太郎「たぶんって大丈夫なのかー? 頼りにしてるんだから頼むぜ優希先生?」ナデナデ 優希「ま、まかせろ!///」 【アンバランスで似たもの同士な2人】 優希「うー、手が届かない、じぇ!」ピョンピョン! 咲「どうしよう……」 京太郎「何してんだ優希、咲」 優希「あの棚の、上の、箱が取りたいんだ、じょ!」ピョンピョン! 咲「脚立持ってこなきゃいけないね……私ちょっと取りに行ってくるよ」 京太郎「いや、普通に取れるだろ……よっと」ヒョイッ 咲「あっ、最初から京ちゃんに頼めばよかったんだね……」 京太郎「お前、やっぱりどこか抜けてるよな……」 優希「むぐぐ……私は京太郎みたいに無駄にでかくないんだ!」 京太郎「別に無駄じゃねえし!」 ――…… 京太郎「優希、待て! よくも俺の弁当を食ってくれたな!」 優希「あんな風に出されてたら食べてくださいと言ってるようなものだじぇ!」 京太郎「その食い意地を矯正してやる! 待てや、こらー!」 優希「お断りだじぇ!」 京太郎「くっ、狭い路地に逃げられた……体格差があって俺じゃ通れないし回り込むしかないか」 優希「はっはっはー! ざまあみろだじぇ、京太郎!」 和「ゆーき、何してるんですか?」 優希「」 京太郎「あっ、和! そいつ捕まえといてくれ、俺の弁当食いやがったんだ!」 和「……ゆーき、そういうのはやめなさいとあれほど……」 優希「じょぉぉぉ!?」 ――…… 優希「ふえー、今日も麻雀漬けで疲れたじぇ」グデー 京太郎「雑用もしてる俺に比べたらマシじゃんかよー」グデー 優希「最近は買い出しなんてほとんどしてないだろ」グデー 京太郎「まあなー」グデー まこ「あんたら、部室のベッドでグダグダするくらいなら家に帰らんかい!」 ――…… 京太郎「うーん、やっぱり上級者卓となるとネト麻でもなかなか勝てないな……」 優希「京太郎は脇が甘いんだじぇ。 例えばこことか……」 京太郎「あー、確かにこれは凡ミスだったな……」 咲「優希ちゃん、なんの躊躇いもなく京ちゃんの膝の上に座ってるね」 和「もう一々注意するのも疲れました……」 まこ「仲がいいのはいい事じゃ、いい事なんじゃ……」 久「体格とかは凸凹コンビなのにああいうところは似たもの同士よね、あの2人って」 京太郎「やった、上級者卓初一位だ!」 優希「よくやったじぇ、京太郎!」 【信頼できるからするんです】 京太郎「疲れた……さすがに1日ぶっ続けでネト麻はキツいわ」グデー 優希「おぉ、京太郎よ、死んでしまうとは情けない」 京太郎「疲れた原因のほとんどが今膝に乗ってる誰かさんに振り回されたからなんだが、そこんとこどう思います優希さんや」 優希「全く京太郎をここまでボロボロにするなんて不届き千万だじぇ!」 京太郎「お前の事だよ、こんにゃろめ」 優希「なんと!? 衝撃的すぎて言葉が出ないじょ!」 京太郎「むしろなんでお前はそんなに元気なんだよ……」 優希「京太郎と一緒だからな!」ニッコリ 京太郎「……」 優希「ん?」ニコニコ 京太郎「なんでもない……」ギュッ 優希「おわっ、急に抱きしめたらビックリするだろー!」 京太郎「知らん知らん」ポテッ 優希「頭にあご乗せたらおーもーいーじぇー!」 京太郎「ああ、こりゃ楽だわー」グリグリ 優希「あごでグリグリするなー!」 京太郎「いいだろー、マッサージだマッサージ」グリグリ 優希「そんなマッサージはいらな……んにゃー!」 京太郎「そういえば部長から聞いたんだけどなー……こうしてあごを乗せるのはそれだけ相手を信頼してるからなんだってよー」 優希「……」 京太郎「いつの間にかそこまで深みにはまってたんだな、俺って……ふぁぁ、眠い……」 優希「……京太郎」 京太郎「んー?」ウツラウツラ 優希「し、しょうがないから私の頭を少しだけ貸してやるじぇ。 あごを乗せるのも好きにしていいじょ」 京太郎「……どういう風の吹き回しだ?」ウツラウツラ 優希「べ、別にちょっとした気まぐれだ! 京太郎のあごが頭にあるくらいで私は困らないってだけだじょ!」 京太郎「ふうん……だったら好きにさせてもらうわ……つーかちょっと寝るかも」 優希「えっ、ちょっと待っ……」 京太郎「……ぐう」 優希「本当に寝ちゃった……ま、全く卑怯にもほどがあるじぇ、あんな事言われたら邪険になんかできるわけないじょ」 京太郎「……Zzz」 優希「寝息がくすぐったいじぇ……あっ、こら、私の髪の毛は食べ物じゃない!」 京太郎「カピ、逃げるなよー……」 優希「私はカピじゃないじぇ! ええい、だから髪の毛を食べようとするなー!」 【相手だけ見たら主人公レベル】 京太郎「牌譜牌譜っと……あった、これだ」 京太郎「優希のやつ、こんなところにしまいっぱなしにして……」 京太郎「勉強のために全国大会の牌譜貸してくれんのは嬉しいけどちゃんと整理しとけよ」 京太郎「それにしてもやっぱりあいつの牌譜は東場と南場で全然違う様相だな……」 京太郎「えーっと全国で清澄が打ったのが永水、宮守、姫松、有珠山、臨海、阿知賀、白糸台……」 京太郎「それで優希の相手が……」 京太郎「……」 京太郎「よくよく見たらなんだ、このムリゲー」 京太郎「二回戦の相手は確か神を降ろすとか言われてる神代さん」 京太郎「準決勝は去年全国三位の辻垣内さん」 京太郎「で、決勝は咲の姉ちゃんでチャンピオンの宮永照さん……」 京太郎「全国はすごいとか先鋒にエースが多いって言っても限度があるだろ……他の高校も決して弱くはなかったし」 京太郎「だけど優希も+はほとんどないけどなんだかんだで酷い」 京太郎「大量失点もしてない……むしろ最初はハイペースで和了りまくってる」 京太郎「思い返せばあいつが東場で全く和了れなかったのって県大会決勝くらいなんだよな……」 京太郎「うーん……」 優希「京太郎、牌譜見つかったか?」 京太郎「優希、お前実はすごい奴だったんだな」 優希「い、いきなりなんだ!?」 【勘違いは往々にしてあるもの】 京太郎「いくぞ、優希」 優希「う、うん……痛いのは嫌だからな?」 京太郎「わかってるって……んっ」 優希「ひゃうっ!」 京太郎「大丈夫か?」 優希「だ、大丈夫だじぇ……続けていいじょ」 京太郎「じゃあちょっと奥まで行っても大丈夫かな……」 優希「はぁ……ふっ……」 京太郎「どうだ、気持ちいいか?」 優希「あっ、うっ……そこ、擦れて気持ちいいじょ……」 京太郎「そうかそうか、それはよかった」 優希「京太郎……そこ、そこもっと……!」 京太郎「ここか?」 優希「ひゃあんっ! うん、そこ……そこが一番っ……」 京太郎「確かにここが一番アレみたいだな……ちょっと強くいくぞ」 優希「はぁ、ぁ……んんっ!」 京太郎「もう少しで終わるからな、ちょっとだけ我慢してくれよ」 優希「あっ、っ……つうっ……!」 京太郎「ふうっ……終わったぞ優希」 優希「はぁ……はぁ……」 京太郎「おいおい、まだ終わってないのにそんなにクタクタになってどうすんだよ」 優希「だって、京太郎上手すぎるじぇ……」 京太郎「そうなのか? そんなに経験ないからわかんないんだけど……」 優希「間違いないじぇ! 店を開いてもいいレベルだじょ!」 京太郎「はいはい、わかったから続きやるぞ。 逃げてたらいつまでも終わんないからなー」 京太郎「自分でやると痛いからって人に耳掃除させたのお前なんだから。 言ったからには最後までおとなしくやられろよな」 優希「そんなの言われなくてもわかってるじぇ……」 ドタンッ、バタンッ! 京太郎「んっ?」 優希「なんだ?」 久「あいたたた……」 まこ「メガネが飛んでってしもうた……」 和「きゅう……」 咲「……和ちゃん、胸が、胸が顔に当たって息が……」ジタバタ 京太郎「何してるんだ、みんな……」 優希「なんだか楽しそうだじぇ!」 京太郎「1人死にそうだけどな……微妙に羨ましい」 優希「むっ、今のは聞き捨てならないじょ!」 咲「誰か助け……むぐうっ!」 【染められる心】 京太郎「今日は随分雨が降るな」 優希「警報も出てるみたいだじぇ」 京太郎「マジか。 こりゃ外は危ないな……」 京太郎「優希、家には連絡しとくからお前今日は泊まってけ。 さすがに警報まで出てる中で帰らせるわけにはいかない」 優希「じょ? でも着替えとか持ってきてないじぇ」 京太郎「俺のジャージ貸すからそれ着てくれ。 大きいだろうけど我慢してくれな?」 優希「しょうがないな……じゃあおじゃまするじぇ」 京太郎「それじゃあ俺は電話してくるからそこのタンスからジャージ取り出しておいてくれ、確か下から二番目の棚に入ってるはずだ」 優希「わかった」 ガチャッ、バタンッ 優希「えーっと下から二番目、二番目……あった! ちょっと試着してみるか」ゴソゴソ 優希「うーん、やっぱり大きいじぇ……袖はブカブカだし、これなら下を履く必要もないな」 優希「そういえばこれ、京太郎が着てるやつなんだよな……」 優希「……」クンカクンカ 優希「……はっ!? わ、私は何をしてるんだじょ! 匂いを嗅ぐなんてまるで変態だじぇ!」 優希「こ、こういうのは京太郎の専売特許で……」 優希(でも、なんだかこの匂いを嗅いでると落ち着く気がする……) 優希「……」キョロキョロ 優希「京太郎はまだ帰ってこない、誰も見てないんだ……なら、我慢なんて意味ないじょ」 優希「……」クンカクンカ 優希(京太郎の匂い……前に一緒に寝た時を思い出すじぇ。 まるで抱きしめられてるみたいで落ち着くじょ……) 優希「……でも、物足りないじぇ」 優希「あ、あー、そういえば、少し眠くなってきたかもしれないじぇ……だからベッドに入ってもそれはしょうがないよな!」 優希「お、おじゃまするじぇ……」モソモソ 優希「あうっ……これは予想以上に、強烈だじょ……」 優希(全身が京太郎に包まれてる……胸がドキドキして、おかしくなっちゃいそう……) 優希「ううっ、なんだか身体が切ないじょ……」モジモジ 優希「……」ドキドキ 優希「す、少しだけなら……いい、よね?」ソー… 京太郎「戻ったぞー」 優希「わひゃあ!?」 京太郎「あれ、どうした? ベッドに入って具合でも悪いのか?」 優希「べ、別にそんなんじゃないじぇ!」 優希(わ、私何しようとして……ううっ、恥ずかしくて京太郎の顔が見られないじょ……) 京太郎「?」 【知らず知らずに深みに堕ちていく】 優希「……」 優希(どうしよう……京太郎のジャージ持って帰ってきちゃったじぇ。 せっかくだから洗濯して返すってほとんど無理やりだったけど……) 優希(これを着たら、昨日みたいにおかしくなっちゃうのか……?) 優希「……」ゴクッ 優希(怖いのに、身体がそれ以上に期待してる……こんなの、おかしいじょ) 優希「ダメだダメだ! あんなの私じゃない、私じゃない……!」 優希(タンスの奥にしまっておこう……そうすればもう誘惑に負ける事はないんだじぇ……!)ゴソゴソ 優希「はあ……」ボスッ 優希(これでいいんだ、これで私と京太郎は元通り馬鹿やってじゃれあういつもの日常に戻れ、る……) 優希「あれ……?」 優希「そういえば私達、つきあってるのに、何かそれらしい事したっけ……?」 優希(京太郎は前以上に私に構ってくれるし、デートだってしてるけど……似たような事は前からしてた) 優希「ほとんど昔と変わってないんだ……私達の間には決定的な何かが足りないんだじょ……」 優希「なんだじぇ、何をしてないんだ……? 私と京太郎がつきあってからしてない事……」 優希「――あ」 優希「そうだ、私達まだ……キス、してない」 優希「もう何ヶ月も経つのに一回もキスをしてないんだじぇ!」 優希「くうっ、ラブラブなカップルを自称していたのに基本すらこなしていなかったなんて、私はまだまだだった!」 優希「よし、決めた! 私は近い内に京太郎と絶対にキスしてやるじぇ!」 優希「待ってろよ京太郎! 私は必ずやお前の唇を奪って今以上にメロメロにしてやるからな!」 優希(それで、そうしたら私は京太郎と……)ゾクッ 京太郎「はっくしゅんっ!」 京太郎「なんだ、なんか寒気がするぞ……」 京太郎「何もなきゃいいんだがなあ……」 【優希空回り最前線】 優希「よし、行くじぇ!」 京太郎「ふぁぁ……結局寒気が気になって眠れなかったな」 優希「京太郎ー!」 京太郎「んっ? よぉ、優希おはよう」 優希「おはようだじぇ! ところで京太郎、ちょっと話があるんだけどいいか?」 京太郎「話?」 優希「うん、あのな……私と、その……」 京太郎「優希と?」 優希「……な、なんでもないじぇ!!」スタタッ!! 京太郎「えっ、おい優希!?」 優希(言えるか言えるか言えるか! 私とキスしろーなんて言えるわけないじょ!) 優希「うわああああああ……」 京太郎「な、なんだったんだいったい……」 ――…… 優希「ムシャムシャ!」 和「ゆ、ゆーき、そんな食べ方をしたら危ないですよ?」 優希「そっとしておいてくれ和ちゃん! 私は今情けない自分に喝を入れてるんだじぇ!」ガツガツ! 咲「京ちゃん、何かしたの?」 京太郎「俺にもわかんないんだよ……優希、どうしちまったんだ?」 優希「タコスおかわり! もういっこおかわり! さらにもう一つおか……」 和「もう! いい加減にしなさいゆーき!」 ――…… 優希「ロン、12000!」 京太郎「ぐえっ!?」 優希「ロン、24000!」 京太郎「ぎゃあ!?」 優希「ロン、48000ー!」 京太郎「ぐわああああ……!」 まこ「おお、なんとえげつない……」 和「どうやら今日のゆーきは須賀君を徹底的に狙い打ちするみたいですね」 久「喧嘩でもしたのかしら?」 咲「そういうわけじゃないみたいですけど……」 優希「ロン、1500! ロン、1500の一本付けで1800! ロン、1500の二本付けで……」 京太郎「点数が低い分余計なぶられてる気分になる、うおおおおおお!?」 優希(そもそも私がこんなに悩む事になったのも全ては京太郎がヘタレなせいだじぇ! 」 優希「この根性なしめ、ボコボコにして鍛えてやるじょー!) 京太郎「もうトんでる、トんでるからやめ……」 優希「うるっさい! ロン、ロン、ローーン!」 京太郎「誰か優希を止めてくれー!」 【背中を押されて向き合って】 京太郎「」プスプス 優希「ガルルルルル」 咲「京ちゃんが焼き鳥状態になっちゃったよ……」 和「ゆーき、もう須賀君は戦えません! これ以上いたぶるような真似はよしなさい!」 優希「フー、フー……」 優希(ああ、何やってるんだ私は……こんなの自分の思い通りにいかない鬱憤を京太郎に八つ当たりして発散してるだけだじぇ……) 京太郎「くっ……」 久「須賀君、生きてるー?」 京太郎「大丈夫ですよ、部長。 これくらいの惨殺は今までの部活で何度も味わいましたから」 まこ「それは笑顔で言う事じゃないんじゃないかのう……」 京太郎「ははは、まあ今回は優希の気迫もすごかったし、正直ちょっとビビりましたけど……」 優希「……」 京太郎「――彼女がこんなに強いなんて、彼氏冥利につきますよ」 優希「……あ」 京太郎「だけど今度はこうはいかねえからな! 覚悟しとけよ優希」ワシャワシャ 優希「……ひっく」 京太郎「えっ」 優希「うっ、うわあああああん……!」 京太郎「」 咲「あー、京ちゃんが優希ちゃんを泣かせた!」 和「須賀君……ゆーきを悲しませたらどうなるか忠告しましたよね?」 まこ「すまんが味方はできんのう、許せ京太郎」 久「これは色々聞かなきゃいけないわねー?」 京太郎「」 ――…… 久「つまり、須賀君がキスしてくれないから不安になっちゃったのね?」 まこ「それで色々やろうとしたが空回りして、結果さっきのアレになったと」 優希「そうだじぇ……」 和「咲さん、どう思います?」 咲「京ちゃんが悪いね、まさかまだしてないなんて思わなかったよ」 京太郎「うぐうっ!?」 京太郎(なんでだ、なんでいつの間にか俺が裁判の被告みたいになってるんだ!? ) 京太郎(いや、確かにちょっとスローペースかなと思わないでもなかったけどまさかこんなに思い詰めてるとか思うか、普通!) 久「須賀君ってガツガツしてそうに見えて意外に純情だったのね?」 まこ「大切にしたいといったところじゃろうが、それで不安にさせては世話ないぞ?」 和「ゆーきも今回はやりすぎでしたし、思うところがあるなら私からは何も言いません」 咲「京ちゃん、不幸になるなんて私は許さないよ?」 京太郎「……もう、わかった、わかりました!」 京太郎「そんなに言うなら、この場でキスしますよ!」 優希「えっ」 【レモン味とはほど遠いけれど】 久「えーっと、それ本気で言ってるの?」 京太郎「えぇ、もちろんです!」 咲「京ちゃん、自棄になってるんじゃ……」 京太郎「自棄になってなんかいねえよ! ここまで不安にさせたならちゃんとした方がいいだろ!」 和「だ、だからといってここでやる必要は……」 京太郎「今さらするななんて言わせねえぞ! こうなったら見せつける勢いでやってやる!」 まこ「落ち着かんかい、京太郎! 優希だってみんなに見られながらなんて望まんはずじゃろう!」 京太郎「そうなのか優希」 優希「えっ、えっと……」 京太郎「否定しないって事はOKなんだな。 じゃあするぞ」 優希「き、京太郎……」 久「ダメだわ、まるで聞く耳持ってない……このままだと優希のファーストキスが衆人環視の羞恥プレイになってしまう」 まこ「どうするんじゃ、久!」 久「しょうがない……ここは優希のためにも退くしかないわね。 外に出ましょう、みんな」 和「そうですね……優希だって今の状況は好ましいはずがありません」 まこ「部室を変な事には使うなよ2人共!」 咲「……京ちゃん、上手くいったね」 バタンッ 京太郎「……やっぱり咲にはバレてたか」 優希「京太郎? それどういう……」 京太郎「あのな、いくらなんでもみんなが見てる中でキスなんか出来るわけないだろ……」 京太郎「ああ言えば気つかって出てってくれると思ったんだよ」 優希「な、なんだそうだったのか……ホッとしたじぇ」 京太郎「……でだ、とにかくこうして2人っきりになったわけだけど」ギュッ 優希「う、うん……」 京太郎「ごめんな優希。 まさかあそこまで不安がってたなんて、思ってもなくてさ。 こんな形じゃムードもクソもないけどよ……いいか?」 優希「いちいち、聞かないでほしいじぇ……///」 京太郎「……それもそうだな」スッ 優希「あっ、京太郎……」 京太郎「優希……」 「んっ……」 京太郎「……ぷはあっ!」 優希「……///」 京太郎「息止めちまった……やっぱり上手く出来ないもんなんだな……」 優希「顔が熱いじぇ……///」 京太郎「俺も心臓バクバク言ってる……」 優希「……///」 京太郎「……///」 優希「か、帰ろうじぇ! 京太郎!」 京太郎「そ、そうだな! 今日はもう帰るか優希!」 【思春期には刺激が強い】 京太郎「……」ポケー 京太郎「キス、したんだよなあ……」 京太郎「はあ……」ポケー カピ「キュー」トコトコ 京太郎「おぉ、カピー、ちょっと聞いてくれよ」ダキッ カピ「キュー?」 京太郎「俺な、今日優希とキスしちゃったんだよ」 京太郎「ほら、最近家にもよく来るようになった俺の彼女、お前もタコス食わされかけたあいつ」 カピ「キュー」コクコク 京太郎「それでな……そのせいかなんだか知らないけどあいつの顔が今まで以上に頭の中ちらつくんだ」 カピ「キュー」フンフム 京太郎「心臓はうるさいし顔も熱いまんま、母さん達にも心配されちゃって正直困ってるんだよ……なんとなく電話もかけづらいし」 カピ「キュー」 京太郎「俺って確かにあいつが初めての彼女だけど、ここまでになるとはさすがに思ってなかった……」 京太郎「恋は盲目ってこういう事を言うのかもな」 カピ「キュー」 京太郎「でも本当、どうしたらいいんだろうなー……明日どんな顔してあいつに会えばいいんだか」ナデナデ カピ「キュー」 ――…… 優希「……」 優希「……うう」 優希「うわあああああああ!」ゴロゴロ! ユウキ、シズカニシナサーイ! 優希「あっ、ご、ごめんなさーい」 優希「ふうっ……」 優希「とはいっても落ち着くなんて無理だじょ……」 優希「長期戦覚悟の戦いが1日で終わるなんてさすがの私も予想してなかったじぇ」 優希「まさか京太郎とこんな早く、キス……」 優希「あうっ、また顔が熱いじぇ……///」 優希「うー、あー……なんだかソワソワして落ち着かないー!」ゴロゴロ 優希「京太郎に電話しようかな……でも今声を聞いたら頭真っ白になっちゃう気もするし……」 優希「ううっ、私はどうしたらいいんだー!」 ユウキ!イイカゲンニシナイトオコルワヨ! 優希「ま、またやっちゃったじぇ! ごめんなさーい!」 優希「……もう寝るか」 優希「動揺してるのバレるのも嫌だし、明日なんて声をかけようか考えとくじぇ……」 【京太郎、風邪をひく】 京太郎「う、あ……朝か……」 京太郎「なんだ、身体ダルい……起き上がれねえ……」 京太郎「母さーん、ちょっと来てくれー……」 ――…… 咲「えっ、京ちゃんが風邪?」 優希「そうだじぇ、熱も結構高いらしくて電話でもうんうん唸ってた」 咲「あんな事があった次の日に風邪って京ちゃんらしいと言えばらしいね……」 優希「あんな事……うっ///」 咲「あっ、変な事言ってごめんね」 優希「べ、別に構わないじぇ! それより咲ちゃん、今日私部活休むからよろしく頼む!」 咲「えっ、なんで……って聞くのは野暮かな。 うん、いいよ」 咲「部長が来てくれるから練習はなんとかなるし、みんなには私から伝えておくよ。 京ちゃんによろしくね」 優希「ありがとう、咲ちゃん!」 ――…… 京太郎「38度5分……まだまだ引きそうにない、か。 最近ネト麻やってそのまま机で寝ちゃう事も多かったからな……」 京太郎「それにしても、一昨日からの寒気とか昨日顔がずっと熱かったのは熱があったからだったのかよ……」 京太郎「よりによって昨日じゃなくてもいいだろうに……変に悩んだ俺が馬鹿みたいじゃないか」 京太郎「ダルいなあ……どうせ何も出来ないんだし寝るとするか」 京太郎(優希のやつ、どうしてるんだろうな……) ――…… ピンポーン 京太郎「Zzz……」 ピンポーン 京太郎「Zzz……」 ……ガチャッ 京太郎「……んうっ?」 パタパタ 京太郎「母さんか?」 ガチャッ、ギィィ…… 京太郎「母さん、どうかした……あ」 優希「えっと、お、お見舞いに来たじぇ」 京太郎「優希、来てくれたのか……あれ、まだ部活やってる時間じゃないか?」 優希「京太郎が心細いと思って休んできた! どうだ、誰もいなかったし愛しの優希ちゃんが来て嬉しいだろう!」 京太郎「……ああ、嬉しいな」 優希「えっ!?///」 京太郎「なんだよ、その反応」 優希「い、いや、まさか素直に答えられるとは思わなくて……」 京太郎「病気の時くらい素直になるさ……照れ隠しする余裕もないからな。 そういえば誰もいないってお前どうやって入ったんだ?」 優希「京太郎のお母さんから緊急用の鍵の隠し場所を教えてもらってるからな!」ドヤァ 京太郎「なにそれ、俺知らない」 【ただ遊びたかっただけ】 優希「京太郎、頭なんか抱えてどうしたんだじぇ。 もしかして頭が痛いのか?」 京太郎「いや……確かに頭の痛い問題は発覚したけど、本当に頭が痛いわけじゃないから心配するな」 優希「本当に? どこか痛むとかそういうのはないのか?」 京太郎「大丈夫だって。 まあ熱はまだあるし身体もダルいけどさ……あっ、体温計取ってくれないか?」 優希「これか?」 京太郎「サンキュー」 優希「そういえば京太郎、ご飯とかはどうしたんだ?」 京太郎「さっきまで寝てたから何も食べてない。 食欲もあんまりないしな」 優希「それはよくないじぇ! こういう時はちゃんと食べなきゃダメだってのどちゃんも言ってたじょ!」 京太郎「わかってはいるけどさ……んっ、38度ちょうどか」 優希「まだ高いな……よし、わかった。 ここはこの私が京太郎のご飯を作ってやろう!」 京太郎「え゛っ」 優希「遠慮はいらないぞ、これでも少しは練習したからな! 京太郎はせいぜいお腹を空かせて待ってるんだじぇ!」 京太郎「いや、待て、待ってくれ……!」 バタンッ、パタパタ…… 京太郎「マズい…今の弱ってる体で前に食べたようなの食わされたら、俺死ぬかもしれない。そ、それだけはなんとか回避しないと…!」 カピ『キュー』 優希『あっ、カピじゃないか! どうしたんだ、スカートくわえられたら先に進めないからはなしてほしいじぇ』 カピ『キュー……』 京太郎「カピ!? そうか、カピのやつ俺を助けるために優希を止めようとしてくれてるんだな」 京太郎「恩に着るぜカピ、元気になったらいつもよりいっぱい餌をあげるからな……!」 カピ『キュー、キュー!』グイグイッ 優希『うわわわっ!? そ、そんなに引っ張っちゃダメだじぇ、カピ!』 カピ『キュー!』 京太郎「よし、いいぞ。 そのまま優希を引き止めるんだ……母さんさえ帰ってくれば優希が料理をする必要もなくなる!」 優希『まるで私を行かせたくないみたいだじぇ……だけど諦めるほど私はヤワじゃない!』 カピ『キュー!?』 優希『ははは、乗っちゃえばこっちのものだじぇ! おっ、なんだカピ、私をキッチンに連れて行ってくれるのか!』 カピ『キュー♪』 優希『じゃあ出発進行ー!』 カピ『キュー!』 京太郎「……」 京太郎「ははっ、カピはただ遊びたかっただけだったのか……」 【たがはとうに外れてる】 京太郎「どうする、どうすればいい……このままだと俺が腹をこわすのは確定だ」カタカタ 京太郎「布団にくるまってるせいで部屋の外で何が起きているのかわからないのがさらに怖さを引き立たせるぜ……」 優希「京太郎ー、おかゆ持ってきたじぇ!」 京太郎「ああ……」 京太郎(もう覚悟を決めるしかないのか……あれ?) 京太郎「見た目は、美味そうだなこれ……」 優希「むっ、今のはどういう意味だじぇ! 言っただろ練習したって、私は日々成長しているのだ!」 京太郎「確かに見た感じは成長したな……だけどやっぱり食べてみない事には」 優希「なら食べてビックリすればいいじぇ!」 京太郎「わかったわかった……んっ、レンゲがないぞ?」 優希「レンゲならここにあるじぇ」 京太郎「ああ、じゃあそれをこっちに……」 優希「あーん」 京太郎「」 優希「ほれ、早く口を開ける」 京太郎「別に自分で食え……」 優希「いいや、ダメだ! さっき布団に潜ってたしキツいんだろ? こんな時くらい私に甘えるんだじぇ!」 京太郎(こりゃお前の料理にビビってたとか言えないな……) 京太郎(かといって他に上手いいいわけも思いつかない……というかわざわざ拒否する意味もないか……) 京太郎「じゃあ、あーん……」 優希「あーん」 京太郎「んっ……あむっ」モグモグ 優希「ど、どうだ?」 京太郎「……美味い」 優希「本当か!?」 京太郎「嘘ついたってしょうがないだろ……美味しいぞ優希」ナデナデ 優希「え、えへへ……///」 京太郎「……で、これは本当にお前だけで作ったのか?」 優希「……」 京太郎「……」 優希「……帰ってきた京太郎のお母さんに手伝ってもらったじぇ」ガクッ 京太郎「……どうせさっきまで覗いてた母さんに自分が全部作った事にでもしろって言われたんだろ」 優希「えっ、京太郎のお母さんいたのか?」 京太郎「扉の陰にな……いつの間にか帰ってきてたと思ったら何してんだ、そんなに人の彼女に興味津々なのかよ」 優希「み、見られてたのか……なんか急に恥ずかしくなってきたじぇ」 京太郎「別に来たら見せつけてやればいいだろ……それより水くれないか?」 優希「見せつける……わかった水だな、ちょっと待って」ングッ 京太郎「えっ」 優希「……」スッ 京太郎「優希、お前何を――」 チュッ 【ある意味熱が上がる看病】 京太郎「んぐっ!?」 優希「んっ……」 京太郎「……!」ゴクッゴクッ 優希「はぁ……」 京太郎「お、お、おおまおまお前何して……!」 優希「み、水を飲ませただけだじぇ///」 京太郎「だけってなあ!」 優希「騒ぐと治る病気も治らないじょ」 京太郎「誰のせいで……はあ、もう風邪移っても知らねえぞ」 優希「大丈夫だ、私は風邪をひかないと親に太鼓判を押されてるくらいだからな!」 京太郎(それって健康体だって褒めてるのか、それともなんとかは風邪をひかない理論でバカにされてるのか……後者だな) 優希「むっ、今バカにされた気がするじぇ」 京太郎「気のせいだ」 優希「……」ジー 京太郎「そ、それよりご飯の続きをくれないか?」 優希「こっちも口移しにするか?」 京太郎「頼むからやめろ、熱が余計上がって死ぬ」 優希「はーい、じゃあ口を開け京太郎!」 京太郎「あーん……」 ――…… 京太郎「ごちそうさま……えっと水」 優希「水か! 今準備するからちょっと待って……」 京太郎「またやる気か!? そのままペットボトルで俺によこせばいいだろ!」 優希「えー、だって間接キスになっちゃうじぇ……」モジモジ 京太郎「自分がさっきやった事思い出せや!」 優希「あれは看病のためだからしょうがないんだ! さあ、覚悟を決めろ!」ングッ 京太郎「いや、だから俺にだって心の準備が――」 ――只今色々アレな事になっているので見せられません―― 優希「んちゅ……はぁ」 京太郎「お、おい優希……もう、水とか関係なくなってないか? それに冗談抜きで風邪移るぞ……」 優希「……」ポフッ 京太郎「優希……?」 優希「……別に移ったっていいじぇ」 京太郎「へっ?」 優希「京太郎のいない学校で食べるタコス、美味しくないんだじぇ」 優希「前だったらまだ耐えられたけど一歩進んだ矢先にこれなんてあんまりじゃないか……」 京太郎「……」 優希「だから、早く京太郎に元気になってほしいじょ……移して治るなら、それでも私は――」 京太郎「優希」 優希「えっ……」 チュッ 【その気持ちが特効薬】 優希「あ、えっ……///」 京太郎「……今は、それで我慢しとけ。 後そんな事言うなよ」 優希「京太郎……」 京太郎「なるべく早く治すようにするから。 万が一お前が風邪ひいたら、俺もなんか気が抜けるしそれに……」 優希「寂しいのか?」 京太郎「お前なあ……」 優希「違うの?」ウルウル 京太郎「……悪いのかよ、寂しいのが」 優希「そんなわけないじぇ! むしろ京太郎が私にメロメロだってわかって大満足だ!」 京太郎「っ、調子に乗るなっての!」グリグリ 優希「じぇぇ! 頭をグリグリするのはやめろー!」 京太郎「ああ、もうお前今日は帰れ! これ以上いたら本気で風邪移すぞ!」 優希「それはいけないじぇ! 私が風邪で休んだら京太郎が寂しくて泣いちゃうもんな!」 京太郎「このやろ、言わせておけば言いたい放題言いやがって……お前治ったら覚悟しとけよ」 優希「期待しないで待ってるじぇ! じゃあ私は帰る、また明日な!」 京太郎「……おう。 今日はありがとうな」 優希「いいってことだじぇ!」 パタンッ、パタパタ…… 京太郎「全く、これはさっさと治さないとな……」 優希『あっ、京太郎のお母さん! 今日はもう帰りますじぇ!』 優希『えっ、京太郎の事……も、もちろん! 私は京太郎の彼女だから!』 優希『明日? 京太郎が来ないならまた……えっ、京太郎が家で私の事を?』 優希『明日来たら教えてもらえる……了解しましたじぇ!』 京太郎「おい、待て、優希の奴母さんと何を――」 優希『京太郎の秘密本の隠し場所? それは気になる、いや、気になりますじぇ!』 京太郎「おい……!」 優希『そ、そんなところに隠してたのか……京太郎』 京太郎「教えたのか、おい、マジで教えたのか? というか母さん気付いてたのかよ!?」 優希『えっ、これがその中の1つ……?』 京太郎「!?」 優希『あ、うっ……節度さえ守れば別にいいって……』 京太郎「何吹き込んでんだあの親はあああ……」 優希『わ、わかった、じゃなくてわかりましたじぇ! これ読んで勉強して京太郎と……』 京太郎「なんて、事だ……!」 優希『さようならー!』 ガチャッ、バタンッ…… 京太郎「絶対治す、今日中に、治す……!」 【血は争えない】 優希「た、ただいまだじぇ……」 優希「誰もいない……今の内に部屋に戻ろう」パタパタ 優希「……京太郎のお母さんからもらったこれ、どうしよう」 優希「どうせ京太郎の事だからおっきいおっぱいの女の子がいっぱい載ってる本なんだろうな……」 優希「なんかムカつくな……このまま捨ててやろうか。 でもそんな事したらきっと京太郎怒るじぇ……」 優希「……敵を知ればなんとやら、ちょっとだけ、見てみようか?」 優希「こ、これはっ!?」 京太郎「くそっ、どれだ、どれを持ってかれた!? ある、ある、ある……あれ?」 京太郎「俺のコレクション一冊も減ってない……どうなってるんだ?」 優希「ち、小さな女の子ばっかりだじぇこの本……!」 優希「うわ、うわ、うわわわ……///」 ペラッ、ペラッ…… 優希「こ、こんな事して大丈夫なのか!?」 ペラッ、ペラッ…… 優希「~~~~!?」←声にならない パタンッ 優希「あうう、全部読んじゃったじぇ……///」 優希「き、京太郎がなんでこんな本を……あいつ巨乳好きに見せかけたロリコンだったのか……?」 優希「いいや、そんなはずない! そうだったら私のアピールは早い内に実を結んでたはずだじぇ!」 優希「でもこれ、実際京太郎の家にあった本らしいし……も、もしかして京太郎、私とこういう事したいのか……?」 優希「そ、そんなの無理だじぇぇぇ……///」プシュー ――…… 京太郎「……母さん」 須賀母「京太郎、起きてきて大丈夫なの?」 京太郎「汗かいたせいかだいぶよくなった気がする……それより聞きたい事があるんだけど」 須賀母「なあに?」 京太郎「母さん、優希が帰る時本渡してたよな?」 須賀母「あらら、気付いちゃった? ふふ、京太郎のコレクションの中でも一番喜びそうなのを渡しておいたから安心しなさい」 京太郎「いや、何を渡したんだ? 俺のコレクションは一冊たりともなくなってなかったけど」 須賀母「えっ……じゃあ、あのコミックLOって本は……」 京太郎「……たぶん、父さんが俺の部屋に隠したやつだろ。 ほら、父さん……母さんみたいな小さい子好きだし」 須賀母「」←135cm 京太郎(父さんがあんなだから俺は巨乳好きになったはずなんだけどな……血は争えないのか?) 【執念と誤解】 京太郎「……んー、よし! 熱も下がった、身体も支障が出るほどダルくない!」 京太郎「須賀京太郎、完全復活だ!」 京太郎「おはよー」 須賀母「おはよう」 須賀父「」チーン 京太郎「……母さん、父さん魂抜けてるけど」 須賀母「知りません!」プクー 須賀父「俺の秘蔵品がぁ……なんでちゃんと隠してくれなかったんだ京太郎!」 京太郎「知らねえし! つうか息子の部屋に自分の趣味のエロ本隠すなよ!」 須賀父「別にいいじゃないか、京太郎だってこっちに目覚めたんだろう?」 京太郎「違う、俺は小さい子がどうとかじゃなくて優希が好きなだけだよ!」 須賀母「京太郎、よく言ったわ! 父さんみたいに小さい子なら誰でもいいような人にはなっちゃだめだからね?」 須賀父「ゴフッ!?」 京太郎「自業自得だし俺は助けねえからな……じゃあ俺部活あるし早めに出るから!」 須賀母「行ってらっしゃーい」 カピ「キュー」 須賀父「……」ヘンジハナイ、タダノシカバネノヨウダ ――…… 京太郎「さて、急いで優希と合流しねえと……あいつの事だからとんでもない勘違いしてる気がする」 優希「あ」 京太郎「おっ、優希! おはようさん」 優希「あ、う、お、おは……///」 京太郎(あっ、これ完全に勘違いしてるわ) 京太郎「あ、あのな優希、昨日母さんに本渡されたと思うんだけど」 優希「じょ!?」 京太郎「あれはその、なんて言うか……」 京太郎(い、言えねえ……あれは俺の父親の趣味とかそんな事言えるわけないだろ……!) 優希「京太郎……?///」ドキドキ 優希(京太郎、言いにくそうだじぇ……やっぱり京太郎、私とあの本に描いてあったみたいに……) 京太郎「え、えっとだからつまりだな!」ガシッ 優希「ひゅいっ!?」ビクッ! 京太郎「ゆ、優希……あ、あれは!」グイッ 優希「あ、あわわわ……ダメーー!」ドンッ! 京太郎「おわあっ!?」 優希「わ、私あんなの無理だじぇ、無理! だからその」 京太郎「ま、まて優希、話を……」 優希「~~~~!!///」ダッ! 京太郎「あっ、待て優希! 頼むから話だけでも聞いてくれよー!」ダッ! 咲「……相変わらず2人共仲いいなあ」 【2人の歩みはまだまだ続く】 京太郎「な、なんとか誤解が解けた……」 優希「わ、私は京太郎を信じてたじぇ!」 京太郎「どの口が言うんだよ……まあ、そんなわけだから家に来ても父さんには絶対近づくなよ?」 優希「わかったじょ……後これ」 京太郎「ああ、この本はきっちりこっちで処分しとくから」 優希「助かった……正直どうすればいいのか途方に暮れてたじぇ」 京太郎「本当に悪いな、父さんは母さんにしっかり締めてもら……いや、母さんもある意味同罪だから俺から2人にはしっかり言っとく」 優希「うん……と、ところで京太郎?」 京太郎「なんだよ」 優希「京太郎は、私とそういう事したいのか?」 京太郎「はあ?」 優希「い、いや、さっきは逃げちゃったし今だって出来る気はしないけど……も、もし京太郎がしたいなら」 京太郎「ばかやろ」ピンッ 優希「あうっ!? い、いきなりデコピンなんて酷いじぇ!」 京太郎「そりゃしたいかしたくないかって聞かれたらしたいに決まってるけどな」 京太郎「別にお前に無理させて今すぐどうこうしたいとは思わねえよ」 優希「そうなのか……?」 京太郎「まあ、時間はまだまだあるんだし俺達のペースで進めばいいんじゃないか?」チュッ 優希「んっ……」 京太郎「……少なくとも俺は、今はこうしてるだけで満足だぞ?」 優希「……京太郎、顔真っ赤だじぇ///」 京太郎「うっせ、お前に言われたくねえよ///」 和「……」ピクピクッ 咲「の、和ちゃん、落ち着いてね?」 和「わかっています、今何を言ったところで無駄なのは……」 和「だけど誰が来るかわからない屋上であんな事をされたら注意の1つくらいしたくもなります……!」 優希「京太郎」 京太郎「ん?」 優希「やっぱり京太郎は私の婿だじぇ!」 京太郎「は? なに言ってんだお前」 優希「えっ……」 京太郎「お前が俺の嫁になるんだろ、優希?」 優希「じぇ!?///」 京太郎「いやか?」 優希「……いや、じゃないじぇ///」 京太郎「そうかそうか」ニヤニヤ 和「もう誰かあの2人を止めてください……」シクシク 咲「もうあれは言っても治らないと思うなあ……」トオイメ 京太郎「いいか優希、お前は俺の嫁だからな!」 優希「も、もちろんだじぇ、京太郎!」 【ちょっとした未来のお話】 実況『さあ、第1回ペア麻雀大会もとうとう決勝! はたして栄冠を掴むのはどちらのペアなのか!』 咲「はあ……」 照「どうしたの咲?」 咲「私決勝棄権したい……」 照「どうして?」 咲「だって……このペア麻雀大会で勝てる気が全くしないんだもん」 実況『さあ、既に卓についている宮永姉妹に少し遅れて現れたのは今回全試合をトビ終了させた優勝候補!』 ?「緊張、するな」 ?「ここで勝てば初めてのタイトル獲得だから?」 ?「それもあるけど、相手が咲とそのお姉さんだからな……俺達のやり方が通用するかどうか」 ?「……大丈夫」ギュッ ?「えっ?」 ?「私達が負けるわけがない。 私達はこの大会を皮切りにペア麻雀無敗神話を築くんだからな!」 ?「……そうだな」 ?「頼むじぇ、あなた!」 ?「おっ、その舌っ足らずな喋り方も学生時代以来で懐かしいな……任せとけ奥さん」 実況『その麻雀はペアでこそ真価を発揮する! 』 実況【個人ではタイトルこそ取れないものの、初心者への指導力から今やテレビで見かける事も多い【牌のお兄さん】!』 実況『差し込み率はプロ内トップ! 麻雀界屈指の名サポーター! 須賀京太郎!』 京太郎「嬉しくねえ紹介だなおい!」 実況『そのパートナーは今年オリンピック東風戦部門を大会記録を大幅に塗り替えて優勝した期待のルーキー!』 実況『今回のペア麻雀大会も須賀京太郎プロのサポートで全ての対戦相手を東場でトバしてみせたその姿はまさに【東風の女神】!』 実況『この大会で夫婦そろってタイトルホルダーとなれるか! 須賀優希!』 優希「今日はいつも以上に暴れてやるじぇ!」 咲「久しぶりだね、京ちゃん、優希ちゃん」 京太郎「おう、オリンピック以来だったか? 相変わらずのほほんとしてるな咲」 咲「むっ、それどういう意味!」 優希「……こうして戦うのはインターハイ以来だな、チャンピオン!」 照「そうだね」 優希「あの時の雪辱今こそはらす! 今度は負けないから覚悟するんだな、宮永照!」 照「今度も、負ける気はない……」ギュルルルル 京太郎「積もる話は後にしとくか……やるぞ優希!」 優希「おう、サポートは任せた京太郎!」 京太郎・優希「それと言わせてもらう……」 京太郎・優希「この試合、南場は来ない!」 【えげつないプロ雀士】 実況『さあ、今回の対局もいよいよ南3局! 一位はモブAプロ! 』 実況『次いで須賀プロと続き、モブCプロ、モブBプロが大差をつけられてラスという形になっています!』 京太郎(さて、と……そろそろやるか) 京太郎「カン」 実況『おっと、ここで須賀プロがカンをしました! しかし、これはむしろモブBプロの手牌のドラを増やしてしまっていますが……』 京太郎(モブAプロの当たり牌はたぶんこれだから握り潰して……次にやる事はと……) 京太郎「ポン」 実況『須賀プロ、鳴いてモブAプロのツモ番を飛ばしました! しかしこれで須賀プロはますます和了りにくく……』 モブBプロ「あっ……ツ、ツモ! 三倍満、6000の12000!」 実況『なんとここでモブBプロが三倍満をツモ和了りで二位に浮上! 』 実況『親被りでモブAプロは三位転落、須賀プロが棚ぼたで一位に浮上しました!』 モブAプロ(くそっ、須賀プロがカンしなけりゃここまでの痛手にはならなかったのに……!) 京太郎「……」 モブCプロ(というか、須賀プロがさっき鳴かなかったらモブBプロはツモれなかった……やばくねこれ) モブBプロ(やった、二位浮上! このまま須賀プロをまくってやる!) 京太郎「ん、ツモ。 300、500」 モブBプロ「んなあっ!?」 モブAプロ「おう……」 モブCプロ「やられた……」 実況『し、試合終了! なんと棚ぼた一位だった須賀プロが最後にゴミ手を和了ってそのまま逃げきりましたー!』 京太郎「お疲れ様でした!」 モブプロ「……お疲れ様でした」 京太郎(ふう……やっぱり東場でメチャクチャにひっかき回されたり) 京太郎(デジタルの極致で早和了りされたり、嶺上開花で責任払いさせられまくる事がない卓は楽でいいわ) 京太郎「弱い奴は弱いなりの戦いをさせてもらいますってな……おっとそろそろ麻雀教室の時間だ、急がないと!」 【こっちもえげつない】 優希「ダブルリーチ!」 実況『プロ大会東風戦部門はまさに波乱の展開となっております! 』 実況『ただいま東一局四本場、ここまで和了っているのは片岡……失礼しました』 実況『須賀優希プロただ1人! 他の面子はただひたすらに須賀プロに点棒を支払わされ続けています!』 優希「ツモ! 跳満6000オールの四本付けで、6400オール!」 実況『またもや須賀プロが和了りました! いくら宮永プロなどが参加していないとはいえこれはまさに圧倒的な戦いとなっております!』 優希「ポン、ポン!」 実況『須賀プロ、連続で中と白をポン! これは来るのか、来てしまうのかー!』 優希「ツモ、大三元。 16000オールの五本付け、16500オール!」 実況『決まったー! 須賀プロ、役満を和了って他三家をトバし、見事勝利を勝ち取りました!』 優希「ありがとうございました!」 モブプロ「」チーン 優希(やっぱり京太郎がいないと速さがちょっと落ちちゃうな……) 優希「私は、私達は咲ちゃん達みたいな魔物になれないならこうやって地道に頑張るしかない……今日も京太郎と特訓しよう」 優希「あっ、京太郎の麻雀教室が始まっちゃう! 急がないと!」 ――そして、時は経ち 京太郎「いよいよ今日か……長野県予選の解説とか緊張するなー、優希も一緒とかよけいに緊張するよ」 優希「でも一番緊張してるのは……」 京太郎「やっぱりあいつらかな?」 優希「私達、この前つい本気出しちゃったし……」 京太郎「あいつらときたら人のコンビ打ちを真似するんだもんなー、あれに焦ってつい昔みたいな事しちまった」 優希「……あの子達勝てるかな?」 京太郎「勝つさ、だけどまあ……解説する時は贔屓目なしでな?」 優希「もちろん! むしろ下手な打ち方したらお説教!」 京太郎「怖い怖い……それじゃ行くか」 優希「うん!」 実況『さあインターハイ長野県予選がいよいよ始まります!』 実況『前大会は名門風越がインターハイ過去5連覇の清澄をくだし全国へのキップを手にしたが、落ち目の清澄はどうなるのか!?』 京太郎「好き勝手言うよ……清澄は元々5連覇を始めたあの時代がすごすぎたんだ。 その後も正直あの時代には到底及ばなかった」 優希「でも今年はきっと違う。 だって今年の清澄には」 京太郎「身内びいきなしでも強い俺達の子供達がいるんだからな」 カン!
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朝 京太郎「照と打ちたい」 京太郎「憩さんと咏と打ったときみたいに」 京太郎「何が変わるのかわかんねえけど」 京太郎「昨日は何とか辻垣内さんから逃げ切れたけど、照の場合は和了することが怪しいし」 京太郎「まずは特訓するか」 京太郎「おはようございまーす」 憩「お、京太郎くんか」 京太郎「憩さん、早いですね」 憩「まあね、どや?一緒に打たへん?」 京太郎「別に構いませんけど、他の面子はどうするんですか?」 憩「もう集まってるからはやくはやく」 京太郎「はいはい」 憩「連れてきましたよーぅ」 郁乃「お、来た来た~」 エイスリン「キョウタロー!ナマケ!」 京太郎「何を言っているんですか」 郁乃「京太郎くんには強くなってもらうで~」 結果 一位 憩 二位 エイスリン 三位 京太郎 四位 郁乃 京太郎「うむむ……」 郁乃「ラスってもうたか~あはは」 エイスリン「ケイ、ツヨイ!」 憩「たまたまやで、結構危なかったし」 京太郎「エイスリンさんと憩さんに和了られっぱなしでしたよ」 郁乃「みんな強いな~」 憩「いや、あんたはワザと振り込んでたやろ」 郁乃「あれ~?そう見えた~?」 エイスリン「キョウタロー!ゲンキダシテ!」 京太郎「はい、ありがとうございます」 エイスリン「ヨカッタ!」ニコッ 京太郎(いっつも元気だなぁ) 昼 京太郎「バイトでもするか」 京太郎「今日はどんなバイトがあるのかなー」 京太郎「遊園地スタッフ、か」 京太郎「結構近いところにあったんだな」 京太郎「規模はあまり大きくないみたいだけど」 京太郎「よし、行ってみるか」 「ハハッようこそダイスニーランドへ」 「DISNEYLANDと書いてダイスニーランドだよ」 京太郎「スペル同じですよね、東の夢の国パクってますよね」 「ハハッそんなわけないじゃないか、大体あそこだって騙してるじゃないか、何が東京だよ千葉じゃないか」 京太郎「そりゃあそうですけど!いくらなんでもダメだと思うんですよ」 京太郎「あそこのマスコットの黒の部分を赤で塗りつぶしただけのマスコットは」 「とにかく、うーん、まずは園内の掃除をしてもらおうかな」 「ゴタゴタ言ってねえでさっさと行けよ」 京太郎「いきなり口調変わりすぎでしょ!」 「おう、帰ったか」 京太郎「もうキャラ壊れてますよね、それ素ですよね」 「るっせーな、キャラなんてそんなもんだよ」 「常時笑ってるネズミもウヒョウヒョ言ってる犬もよくわかんねえ言葉しゃべってるアヒルも全部猫被ってんだよ」 「ま、実際被ってんのは着ぐるみだけどな、ハハッ」 京太郎「笑い方はそれが素だったんですか」 郁乃「ただいま帰ったで~」 「おう、荷物ならそこに置いとけ」 郁乃「あれ?今日来るバイトって京太郎くんやったん?」 京太郎「そう言う郁乃さんこそ」 「なんだ?二人とも知り合いなのか?」 「イチャイチャしやがって」 京太郎「知り合いですけど、イチャイチャはしてないですよね」 「男女が喋ってたらイチャイチャ、そうとしか言えねえ」 「そろそろ終業だから帰っていいぞ」 京太郎「えっまだ16時ですよ?」 郁乃「この人が趣味で開いた遊園地やからな~」 「そういうことだ、とっとと帰れ」 郁乃「遊園地ん中綺麗やな~って思っとったけど、京太郎くんやったんやな」 京太郎「まあ掃除とかは得意な方なんで」 郁乃「どうせなら京太郎くんと一緒に働きたかったな~」 郁乃「あ、今日は買い物行くからここまでや」 郁乃「ほなまた~」 京太郎「お疲れ様でしたー」 夕 京太郎「雀荘に行くか」 京太郎「この前みたいな賭けは見つかると困るからな」 京太郎「いつも通りノーレートで行こう」 憩「あ、京太郎くーん」 京太郎「憩さんも来てたんですか?」 憩「まあね」 おっさま「おっ、須賀ちゃん、どうや久しぶりに打とうやないか」 おっさん「げっげっげっ、けちょんけちょんにしたるわ」 京太郎「は、はあ、よろしくお願いします」 一位 京太郎 二位 憩 三位 おっさま 四位 おっさん おっさん「飛ばされてもうた……」 憩「今回は調子よかったみたいやね」 京太郎「流石に二回も負けるわけにはいかないので」 おっさま「やっぱり須賀ちゃんも荒川ちゃんも強うなったわ、また打とな」 京太郎「はい、負けませんからね」 おっさま「おお怖い怖い」 憩「ほな帰ろか」 京太郎「はい、それではまた!」 おっさん「楽しみにしてるでー」 おっさま「バイトにも来てなー」 京太郎「五か月前と同じ面子でしたね」 憩「せやったな」 京太郎「今朝のことでもわかりましたよね?憩さんは強いです」 憩「この前はほんま、おおきに」 京太郎「別にいいですよ、それじゃあスーパーかどっかに寄って帰りましょうか」 憩「せやね、行こか」 夜 京太郎「最近は月が綺麗だな、流石は秋」 京太郎「今年も月見団子作ろうかな、みんなを呼んでみるのもいいかも」 京太郎「散歩でもしてくるか」 京太郎「今日はあんまり寒くないな」 京太郎「人もぽちぽち見かけるし」 京太郎「ここに来てもう五か月、か」 京太郎「学校まで歩いてみるか」 ウーウーウー 京太郎「救急車か、近くの病院っていうと……荒川病院」 京太郎「憩さんの病院か、やっぱり何回見ても大きいよな」 京太郎「憩さんは親元を離れて生活したいからこっちに住んでるんだっけか」 京太郎「風邪になったら来てみるか」 憩「あれ?京太郎くん?」 京太郎「憩さん、どうしてここに?」 憩「んーちょっとな、京太郎くんは散歩?」 京太郎「はい、一緒に帰りましょうか?」 憩「あーうん、そうしよか」 憩「もう秋やなー」 京太郎「秋ですねー」 京太郎「月が綺麗ですよ」 憩「……はぇっ!?」 京太郎「どうかしましたか?」 憩「うっううん!何でもないで!」 憩「気にせんといてや!」 京太郎「は、はあ……」 夜 京太郎「憩さんを送り届けてきたぞ」 京太郎「今度は駅の方にでも行ってみるかな」 京太郎「夜の街、やっぱり長野とも東京とも違うな」 京太郎「そういえば、戒能さんは今どこにいるんだろうか」 京太郎「学校でまだ働いてんのかな」 竜華「~♪」 京太郎「あ、竜華さーん」 竜華「あ、京くん、何しとるん?」 京太郎「それはこっちの台詞ですよ、何してるんですか?」 竜華「怜の家に泊まっとるんや、来る?」 京太郎「行きませんよ、お家の人に迷惑じゃないですか」 竜華「あはは、それもそうやな」 京太郎「それでその買い出しのため、と」 竜華「せやで!」 京太郎「買い出しはいいですけど、気を付けてくださいね」 京太郎「ここいら辺不審者が出るらしいので」 竜華「大丈夫大丈夫」 京太郎「……だといいんですけどね」 京太郎「それじゃあまた」 竜華「じゃあねー!」 【9月第1週 平日】終 【9月第1週 休日】 京太郎「今日で夏休みも最後か」 京太郎「宿題は……まあ、大丈夫だろ」 京太郎「今日も楽しもう!」 京太郎「…………大丈夫だよな?」 京太郎「朝の散歩とでも行くか」 京太郎「今日はどこに行こうかなー」 ガチャ バタム 京太郎「んーっ!」ノビー 京太郎「いい天気だなー!」 バタム エイスリン「キョウタロー?」 京太郎「エイスリンさん、おはようございます」 エイスリン「オハヨッ!」 京太郎「エイスリンさんも散歩ですか?」 エイスリン「コレ!」バッ 京太郎「何も描かれてないですけど……?」 エイスリン「コレカラ!」 京太郎「ああ、これから描きに行くってことですか」 エイスリン「」コクッコクッ エイスリン「イコッ!」 京太郎「いいですね、行きましょうか」 京太郎(なんやかんやで絵のモデルになることになった) エイスリン「ウゴカナイデ!」 京太郎「すみません!」 エイスリン「」ジーッ 京太郎(でも、一生懸命描いてるな……) エイスリン「」カキカキ 京太郎(完成が楽しみだ) エイスリンの好感度が上がった! 昼 京太郎「誰かの部屋に遊びに行くか」 ピンポーン 京太郎「うーたーちゃん、あっそびーましょ」 ピンポーン 京太郎「あっそびーましょ!」 シーン 京太郎「咏ー?」 シーン 京太郎「…………」 シーン 京太郎「別のことをしよう」 京太郎「勉強するか」 京太郎「誰か呼んでこようかな」 憩「京太郎くんおるー?」 京太郎「はーい、何ですか?」 憩「一緒に勉強せえへん?」 京太郎「今俺から呼ぼうかと思ってたんですよ」 憩「そうなん?ま、ええわ、まずは何からやろか?」 京太郎「じゃあ最初は国語から、でいいですか?」 憩「ええでーほな始めよか」 京太郎「そういえばあと3週間後に中間試験なんですよね」 憩「中間試験はきっついでー、ウチの高校の試験やる度に難しくなっていくんや」 京太郎「え、そうなんですか?」 憩「せやから頑張らんとな」 京太郎「ですねー……」 憩「ま、ウチがおるから任せといてや!これでも学年一位なんやから!」 京太郎「そうだったんですか!?」 憩「あれ、知らんかったん?」 京太郎「ええ、でもすごいですね」 京太郎「麻雀できて、勉強もできて、それに可愛いんですから」 憩「かっ、かわええ?」 京太郎「憩さんは十分可愛い人だと思いますよ?」 京太郎「笑顔は特に可愛いと思いますよ?」 憩「ぁぅ……お、おおきに…っ…」カァァ 憩「う、ウチ用事思い出した!」 京太郎「??」 ガチャ バタム! 京太郎「なんだったんだ?」 京太郎「……あーあ、また一人、か」 京太郎「頑張ろ」 夕 ピンポーン 霞「京太郎くん、いいかしら?」 京太郎「どうぞー」 ガチャ バタム 霞「京太郎くんの担任の先生から連絡があって、夏休みの宿題が増えてたそうよ」 京太郎「えっ」 霞「社会の宿題が増えちゃったらしくってね」 京太郎「それをどうして夏休み明け前日に言うんですか」 霞「忘れちゃってた、てへっ☆」 京太郎「…………」 霞「…………」 京太郎「に、似合ってました、よ?」メソラシ 霞「…………ごめんなさい」 霞「ここは……こうね」 京太郎「なるほど、流石は霞さんですね!」 霞「まあ、これでも一教師だから」 京太郎「じゃあここはわかります?」 霞「そこは……えーっと……」 霞(わ、わからない……どうしましょう) 霞(京太郎くん期待してるし……あーもう、かすみんまいっちんぐ!」 京太郎「えっ」 霞「えっ」 京太郎「………えーっと」 霞「声に出てた?」 京太郎「」コクッ 霞「」ブワッ 霞「私なんて!私なんて!」 霞「うええええん!」 京太郎「か、霞さん!?」 霞「もう嫌あああ!」 霞(京太郎くんにも年増って思われたし、絶対) 霞(何でもう京太郎くんには知られたくないことばかり!) 霞(前だって……!) 霞(前だっていきなり私にキス………した…り)カァァ 京太郎「泣き止んだ……か?」 霞「も、もう嫌!」 京太郎「えええっ!?」 ガチャ バタム! 京太郎「な、何だったんだ……」 京太郎「今日はどっかに食いに行くか」 京太郎「バイト代もあることだし」 京太郎「そういえばそろそろ国麻の選考会とかあるんだっけか」 京太郎「高校生男子の部はなぜか無いらしい」 京太郎「……なんでだろう」 華菜「なーにさっきからぶつぶつ言ってんだ?」 京太郎「…………いや、まあ少し」 華菜「ま、私には関係ないことだし」 華菜「ところで、一緒に食わないか?」 京太郎「は、はあ……」 京太郎(この人……誰?) メニュー のんびり定食 ゆっくり定食 さっさと定食 いそがば定食 はやめに定食 京太郎「速っ!頼んで5分も経ってないぞ」 華菜「ここの定食は名前によって出てくる速さが違うんだ」 華菜「のんびりは出てくるまでに約30分、ゆっくりは1時間」 華菜「さっさとは7分、いそがばは5分、はやめには1分」 京太郎「1分て、人間業じゃないでしょう」 京太郎「あれ?あなたさっきゆっくり定食頼んでませんでした?」 華菜「そうだけど?」 京太郎「はふっはふっはふっ!」 京太郎「ごちそうさまでした」 華菜「お、おい?」 京太郎「さすがに1時間も待ってられないので、すみません」 華菜「おーい、須賀ー?」 京太郎(……結局誰だったんだ?)ウーン 京太郎(確か……池?)ウーン 京太郎(そうだ、小池さんだ!)ピコン 京太郎(解決解決)ウンウン 夜 京太郎「暇だし、することないし」 京太郎「咏にメールでもするか」 京太郎『咏ってどうやってあんな火力を出せるようになったんだ?』 京太郎「アイツは郁乃さん並にわかんないことが多いからな」 京太郎「送信」ピッ ヴーッ ヴーッ 咏『火力?あー私にもわっかんねーんだよな』 咏『気づいたらできるようになってたっつーか、まあとにかくわっかんねー』 京太郎「適当すぎるだろ、っていうかこっちもわかんねえよ」 京太郎『でも俺に教えられたくらいなんだから何かあるんじゃないのか?』 咏『あーあれなんとなく』 咏『こんな感じかなーって教えたら京太郎が簡単にできるようになっておっどろいたよ』 京太郎「?余計わからなくなってきたぞ?」 京太郎『つまりあれは適当だった、と』 咏『そゆこと』 咏『あの打ち方でインターハイ優勝してくれて誇らしかったぜ、知らんけど』 咏『それになんか嬉しかった』 咏『何言ってんだろうな、もう寝るわ』 京太郎「……嬉しかった、か」 京太郎『寝る子は育つって迷信だったんだな』 京太郎「よし」ピッ 京太郎「本当にどこまでもわからないやつだ」 咏の好感度が上がった! 京太郎「もう一人くらいメールしてみよう」 京太郎「戒能さんに送ってみるか」 京太郎「これが初メールだな」 京太郎「ってかそもそもあまりメールをしてない気がする」 京太郎『須賀京太郎です、初メールですね』 京太郎「最初はこのくらいで」 十分後 ヴーッ ヴーッ 京太郎「お、やっと来たか」 良子『ありがとう!』 京太郎「それだけ!?」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「もう一通来たな」 良子『すまない(笑)、先走って(笑)出してしまった(笑)』 良子『嬉しかったものでつい(笑)』 良子『あと、私はもう松山に帰ったから学校では会えないと思う(笑)』 良子『国麻(笑)の選考会(笑)にはまたそっちに行くから(笑)会えたらいいな(笑)』 京太郎「笑いすぎだろ!」 京太郎「必要なの最後だけでいいじゃん!国麻(笑)って馬鹿にしてるみたいじゃん!」 京太郎「まああまり慣れてなかったんだろう、こっちから話題でも……」 京太郎「戒能さんと言えば……あのおもち、だよな」ゴクリ 京太郎『おもちについてどうおもいますか?』 京太郎「よし」ピッ 京太郎「よし、じゃねえだろ!」 京太郎「うわぁ、送っちゃったよ、どうしようもう取り返しつかないよ」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「やっと返ってきた」 良子『おもち、ricecakeはやはり磯辺焼きがfavoriteだ』 良子『きなこはどうしても口の中がパサついてしまってな』 良子『そっちはどうなんだ?』 京太郎「今度は笑わなくなってる」 京太郎「おもちなんて使ってるのあの部屋と俺くらいだからな、そりゃそうか」 京太郎「でも戒能さんの口の中、か……」ゴクリ 京太郎『俺も磯辺焼き派ですね』 京太郎『納豆とかもいいですよ』 ヴーッ ヴーッ 京太郎「お、今度は早いな」 良子『納豆はあまり、な』 良子『入れた後口の周りがネトネトするし、なんだか好きになれないんだ』 良子『茨城にもあまりいいfeelingが持てないんだ』 京太郎『小鍛治プロですか?』 良子『いつも私ばかり狙ってくるんだ』 良子『困ったものだよ』 良子『もうすぐmeetingだから、good night』 京太郎『お疲れ様です』 京太郎「送信」ピッ 京太郎「納豆の件さぁ……」 京太郎「無意識?無意識なのか?」 京太郎「さて、次は何をしよう」 夜1 京太郎「」モゾモゾ 京太郎「いやいやいかんいかん」 京太郎「戒能さんは友だちなんだ、ダメだダメだ」 京太郎「煩悩を払おう」 京太郎「えいっ!えいっ!」ブンッブンッ 華菜「うるさいぞー須賀ー」 京太郎「えいっ!えいっ!」 華菜「須賀ー?何やってんだー?」 京太郎「あ、小池さんじゃないですか」 華菜「小池じゃないし!池田だし!」 京太郎「少し特訓をしてましてね」 華菜「特訓?」 京太郎「ええ、小池さんは何を?」 華菜「池田華菜だ、お前がうるさいから注意をな」 京太郎「そうですか、すみませんでした」 華菜「どうってことないし!それじゃあまた明日な」 京太郎「はい、おやすみなさい」 【9月第1週 休日】終了 【9月第2週 平日】開始 京太郎「あー今日から学校か……」 京太郎「行くしかないよな」 朝 京太郎「……だるい」 郁乃「同じく~」 京太郎「ああ、郁乃さん」 郁乃「この道も懐かしいな~」 郁乃「はぁ」 京太郎「はぁ」 郁乃「そういえば前~」 京太郎「何ですか?」 郁乃「京太郎くんとデートしに行くとか~」 郁乃「行かないとか~」 京太郎「ああ、そんな約束してましたね」 郁乃「忘れとったん~?」プクーッ 京太郎「いつ言い出そうかと思ってただけですよ」 京太郎(実は忘れてたなんて言えない) 京太郎(どうにかして話題を変えないと……) 京太郎「飯、ちゃんと食ってるか?友達は出来た?たまには実家に顔だせよ。仕送りは足りてるか?」 郁乃「え?え?え?」 京太郎「飯、ちゃんと食ってるか?友達は出来た?たまには実家に顔だせよ。仕送りは足りてるか?」 郁乃「二回も言わんでええから!」 郁乃「ご飯は霞ちゃんと当番制にしてあるし、友だちは善野ちゃんがおるし」 郁乃「仕送り、というか私、親もおらへんから~」 京太郎「そう……ですか、なんかすみません」 郁乃「ええってええって~ほな早く行こ~」 京太郎「はいはい」 京太郎(なんとか逸らせたな) 京太郎「やっと昼か……」 京太郎「どこで食べようかな」 京太郎「毎度毎度おなじみ!屋上!」 京太郎「案外人いないんだよな」 京太郎「さーて、誰かいないかなー」 京太郎「お、あそこに郁乃さんがいるぞ」 京太郎「おーい郁乃さん!」タッタッ ビチョ 京太郎「……どうして犬の糞があるんだ……」 京太郎「メゲるわ……」 キーンコーンカーンコーン 京太郎「さて、放課後はどうするかな」 京太郎「よし、公園にでも行くか」 京太郎「部活は、まあ女子の大会が近いから邪魔をしないようにする」 京太郎「誰かいないかなーっと」ブチョ 京太郎「…………」 犬の糞「」ワタシダ 京太郎「…………」 京太郎「おかしいだろ!」 京太郎「なんで一日に二回も犬の糞踏むの!?」 京太郎「…………帰ろ」 夕 京太郎「街に行くか」 京太郎「朝以来誰とも会えてない気がする……」 京太郎「図書館に来てみたぞ」 京太郎「勉強勉強っと」 淡「あ!京太郎だー!」 京太郎「淡!?」 「図書館ではお静かにお願いいたします」 京太郎「はい、すみません」 京太郎「で、どうしてここにいるんだ」ヒソヒソ 淡「それは女のヒミツというヤツだよ」ヒソヒソ 淡「京太郎はここで何してるの」ヒソヒソ 京太郎「それは男のヒミツというヤツだ」ヒソヒソ 淡「わかった!お宝本だね!」 京太郎「違うわ!全く以て違うわ!」 「静かにしろと言いませんでしたか?」 京太郎「はい、すみません」 淡「京太郎じゃあねー」 京太郎「またなー」 京太郎(結局何しに来たんだよあいつ……) 京太郎「照にでもメールすっかな」 京太郎「今日は何て送ろう……」 京太郎『学校が始まったんだけどさあ……』 京太郎「送信っと」ピッ ヴーッ ヴーッ 照『始まったんだけど、何?』 京太郎『犬の糞二回踏んじまったんだよ……』 京太郎『どうしよ』ピッ ヴーッ ヴーッ 照『知るか』 京太郎『俺の幼馴染は冷たいなー』 京太郎『冷たすぎて投資しちゃうなー』ピッ ヴーッ ヴーッ 照『投資してどうする気?』 京太郎『……逃避?』ピッ ヴーッ ヴーッ 照『さて、どうしてくれようか』 京太郎『許してくださいごめんなさい』 ヴーッ ヴーッ 照『許してほしくばプリンをおくれよ』 京太郎『口調変わりすぎだろ、焼きプリンでいいか?』ピッ ヴーッ ヴーッ 照『口調じゃない、これはメールだからメール調』 照『牛乳プリンで』 京太郎『誰もおごるとは言ってねえよ』ピッ 京太郎「あれ、来なくなったか?」 ヴーッ ヴーッ 照『ばか』 照『おやすみ』 京太郎『今度会ったらおごってやるよ』ピッ 京太郎「あたりさわりのないメールだったな」 京太郎「俺も寝るかー」 照母「照ー風呂空いたわよー」 照「わかった」 照母「メール、終わったの?京太郎くん」 照「なっ、なんで」 照母「だってずっとにやけてるんだもん」 ヴーッ ヴーッ 照「……京」ニヘラ 照母「ほらまたー、好きなんだったら早く告っちゃえばいいのに」 照「京はそういうのじゃない……っていうか……その……」 照母「じれったいわねー、思ったことはぱぱっと言っちゃえばいいのよ」 照「それで喧嘩して別居までしてるくせに」 照母「あーあー聞こえなーい、それじゃあ私仕事行ってくるわね」 照「勝手だなぁ」 照母「おやすみってきまーす」 ガチャ バタム 照「行ってらっしゃい」 照「咲とモモ……」 照「にやけてる?」 ヴーッ ヴーッ 照「京」ニヘラ 照「……またにやけてた?」 照「どうしたんだろ……」 照母『好きなんだったら―――』 照「」ブンブンブン 照「どうせ京は私なんて……」 照「でも……」 照「好き、なのかな」 照「……わからない」 照「ばか」 ――――――――――― 「ごめん、遅れた」 「もう三人で始めちゃったからちょっと待っててなー」 「それ、ロンっす」 「うげっ」 「お姉ちゃんは本でも読んでて、借りてきておいたから」 「わかった」 コンコン 「宮永さん、ああ上級生の方よ」 「ちょっと来てくれるかしら?」 「……わかりました」 「なんで他の人のぶんまで……」 「あれ?」 『先に帰ってるね』 「……はぁ」 ――――――――――― 照「私は、必要なのかな」 【9月第2週 平日】終了 【9月第2週 休日】 京太郎「やっと一週間が終わった~」 京太郎「久しぶりの学校となると結構きついな」 京太郎「今朝は何をしようかな」 朝 京太郎「ここに来るのも久しぶりだな」 京太郎「まずはどこから行こうか!」 京太郎「水族館に来てみたぞ」 京太郎「どこから見ようかなー」 恭子「ん?君はたしか……」 京太郎「あ、えーっと、末原先輩でしたっけ?」 恭子「君は……須賀くん、やったか」 恭子「まあなんでもええ、ちょっとええか?」 京太郎「はい」 絃「すぅ……すぅ……」 恭子「さっきこの人とぶつかってもうて、気ぃ失ったみたいなんや」 京太郎「は、はぁ……」 京太郎「なんで霜崎さんがここに……」 恭子「なんや、知り合いなんか?」 京太郎「ええ、まあ」 恭子「とりあえず、運んでくれるか?」 京太郎「よっこらせっ、と」 京太郎「さ、行きますか」 恭子「んで、須賀くんとその……」 京太郎「霜崎さんです」 恭子「霜崎さんはどういう関係なんや?」 京太郎「関係……ですか」 京太郎「そうですね……」 京太郎「ただの友人ですよ」 京太郎「確かひっかけ橋で会って、東京の浅草で買い物をしたりしましたね」 恭子「ふーん」ジトッ 京太郎「な、なんですかその目は」 恭子「由子も主将も……ふーん」ジトッ 恭子「あ、ここやで」トントン 絃「う、ぅーん」パチッ 絃「あれ、須賀さん、に……さっきぶつかった人?」 恭子「お、目ぇ覚めましたか?」 絃「こ、この度は迷惑をおかけして申し訳ありません!」 絃「誠に申し訳ありません!」 恭子「いや、ぶつかったんこっちですし」 絃「いえいえ、何もかも私が悪いのです、すみませんすみません」 恭子「え、えっと……」アセアセ 恭子「ど、どうすればええんや?」ボソボソ 京太郎「じゃあ…………」 京太郎「後は俺が引き受けます」 恭子「頼むで」 絃「っひっく、ひっく」シクシク 京太郎「霜崎さん、末原先輩が困ってるので、もう泣き止みましょう」 絃「ですが、私のせいで……」シクシク 絃「うわぁあぁああん!」 京太郎「ど、どうしましょう」ボソボソ 恭子「私にわかるか!」ボソボソ 京太郎「電気街に来てみたぞ」 京太郎「大阪にはいろんなところがあるんだなー」 京太郎「あ、あの人……」 もこ「…………」ブツブツ 京太郎「対木さん、だったっけ?」 もこ「!」ビクッ もこ「貴様はゴールデンフレ「違う」」 もこ「如何にして我の居場所を突き止めた……?」 京太郎「は、はあ……」 京太郎「で、何をしてるんだ?」 もこ「…………我暗黒に囚われし者、故に道無からずとも……」グスッ 京太郎「迷子になったんだな」 もこ「」コクッ 洋榎「お、京太郎やん!」 もこ「!」ビクッ 京太郎「ど、どうも」 洋榎「こんな所でなにしとるんや?」 洋榎「あ……デ、デート中やったか?」 もこ「否、断じて否!」クワッ 京太郎「そこまで強調する!?」 京太郎「この人、対木さんが迷子になってしまったんですよ」 洋榎「そ、そうなんか……」メソラシー 洋榎「それで、どうするつもりなんや?」 京太郎「……そうだ!」 京太郎「洋榎さんと絹恵さんに手伝ってもらおう」 洋榎「き、絹か?」 京太郎「あれ、そういえば絹恵さんはいないんですか?」 洋榎「え、えーっと、その、なんというかー」 洋榎「うーん、せやなー」 京太郎「はぐれたんですか?」 洋榎「ぎくっ」 京太郎「携帯電話の充電もなくなって連絡ができない、と」 洋榎「ぎくぎくっ」 京太郎「はぁ……対木さんの目的地はどこなんだ?」 もこ「古を打ち破りし白き鬼の交錯する地」 もこ「希望が響き、白き光ある場所」 京太郎「新大阪駅な、洋榎さんは?」 洋榎「ま、まずは対木ちゃんを連れていこ、な?」 京太郎「洋榎さんは?」 洋榎「あ、その……新大阪です」 京太郎「じゃあ俺が絹恵さんに連絡しとくので一緒に行きましょう」 洋榎「でなーそれでなー」 もこ「」コクッコクッ 京太郎(二人とも仲良くなったみたいだ) ワイワイガヤガヤ 京太郎(ん、人が多くなってきたな) 京太郎(はぐれたら困る……どうしよ) 京太郎「対木さん」ニギッ もこ「!?」ビクビクッ 京太郎「はぐれると危ないから、な?」 もこ「」コクッ 洋榎「なんや、ウチははぐれてもええんか」プクーッ 洋榎「可愛くてかよわい乙女にようやるわ」 京太郎「どこがかよわいんでしょうかね……」 洋榎「ふんっ」プイッ もこ「」カァァ 絹恵「あ!お姉ちゃーん!」 洋榎「絹ー!」 絹恵「よかったぁ、あえたぁ……」 洋榎「ごめんな、絹」 絹恵「京太郎くん、おおきに!」 京太郎「いえ、どういたしまして」 もこ「」コクッコクッ 絹恵「あれ、その子……彼女さん?」 もこ「」ブンブン! 京太郎「ああいや、違うんですよ」 絹恵「でも、手ぇ繋いどるし」 もこ「」パッ 京太郎「この人も迷子だったんですよ」 絹恵「あ、なんや、そんなんなんか」 洋榎「よっしゃ!絹!新世界いくで!」 絹恵「今度ははぐれんようにね」 洋榎「またなー」 絹恵「おおきにー」 京太郎「さよならー!」 京太郎「さてと、ここまででいいか?」 もこ「」コクッ 京太郎「じゃあまたな、もう迷うなよ」 もこ「」コクッ もこ「……ありがとう」 京太郎「おう、んじゃなー」 もこ「」ブンブン! 夕 京太郎「帰ってきたことだし、散歩でも行くか」 京太郎「今日はどこに行こうかなー」 京太郎「ま、適当に回るか」 「お、アンタあれやろ!」 「インターハイチャンピオンやないか!」 「すごいな!」 「握手握手!」 「サインしてください!」 「ちょーうれしいよー」 京太郎「地元ともなるとやっぱり知名度が段違いだな、感動感動」 夜1 京太郎「……」 京太郎「インターハイから竜華さんと同じ部屋、洋榎さんと同じ部屋」 京太郎「……そろそろ出すか」 京太郎「お、咲からメールだ」 京太郎「なになに」 咲『ふぇぇ、京ちゃんが男の人と寝てる夢見ちゃった、どうしよう』 京太郎「俺はホモじゃねえっての!」 京太郎「……男といえば、龍門渕の井上さんってかっこいいよな」 京太郎「でもあの人も脱いだら女の人なんだよな……」モゾモゾ 京太郎「ダメだ……やっぱりおもちがないと」 京太郎「そういえば戒能さん……」 京太郎「……よし」モゾモゾ 夜2 京太郎「ふぅ……」 京太郎「少し散歩に行ってくるか」 京太郎「~♪」 竜華「京くーん!」 京太郎「あ、竜華さん、こんばんは」 竜華「京くんはまた散歩?」 京太郎「はい、最近は専らですね」 竜華「そっかー、今日はセーラの家に泊まってるんや、ちょっと急いどるからまたな」 京太郎「さよーならー」 京太郎「さーてと、もう帰るかなー」 「なァ、そこの兄ちャんよ」 「これ、キレイか?」バサッ 京太郎「」 「くくく、いいねェその顔」 「いいもん見させてもらッたぜ、じャあな」 【9月第3週 平日】 京太郎「なんだったんだよアレ」 京太郎「でもああいう趣味だから竜華さんとかには行かないんだよな」 京太郎「そう考えれば……まだ」 京太郎「……はぁ」 エイスリン「ドウシタノ?」 京太郎「ああ、エイスリンさんですか」 エイスリン「……」カキカキ バッ |ガリガリの人の絵| 京太郎「元気がないように見えます?」 エイスリン「」コクッ 京太郎「少し、嫌なことがあったので」 エイスリン「……ソッカ」 京太郎(嫌な雰囲気だな……) 京太郎(話題を変えないと) 京太郎(そういえば美術の宿題があったような……) 京太郎「エイスリンさんの絵って上手ですよね」 エイスリン「ソ、ソウカナ?」 京太郎「はい!エイスリンさんの絵は大好きです!」 エイスリン「ダ、イスキ……」カァァ 京太郎「もしよければ、絵の描き方教えてくれませんか?」 エイスリン「……ウン、イイヨ」 京太郎「いいんですか!ありがとうございます!」 エイスリン「……エヘヘ」ニヨニヨ 京太郎「あれ、エイスリンさん?」 エイスリン「ダイスキ……」ニヨニヨ 京太郎「エイスリンさん?おーい」 エイスリン「エヘヘ……」ニヨニヨ 京太郎「んーっ、昼だー!」 京太郎「今週から試験勉強か」 京太郎「前みたいに誰かにご褒美とかねだってみようかな……」 京太郎「そんなことより昼飯昼飯」 京太郎「屋上に来てみたぞ」 京太郎「今日は誰もいないみたいだな」 京太郎「……ほんとに誰も来ないな」 京太郎「そういえば、今日で試験二週間前か」 京太郎「今日から部活動制限じゃねえか……」 京太郎「雀荘に行くかー」 京太郎「勉強なんて前と同じ要領でやればいいんだから楽勝楽勝!」 京太郎「あれ?竜華さんに……戒能さん!?」 京太郎「週末までこっちには来ないんじゃ?」 良子「少しワークを済ませてきたんだ」 良子「この子は須賀くんの知り合いなのか?」 京太郎「ええ、まあ」 竜華「し、清水谷りゅりゅかと言いまひゅっ!」カチカチ 京太郎「ちょ、緊張しすぎじゃないですか!?」 良子「ぁ、戒能……でしゅ」 京太郎「あーもう人見知り!噛むのはやってるんですか!?」 京太郎(そんなわけでいざ打ち始めてみました) 良子「チー」カクッ 良子(プロフェッサー熊倉の紹介で打ったミス赤土の阿知賀ールズたちの打ち筋) 良子(そして以前の合宿で盗み取ったシューターの打ち筋) 良子(試させてもらう!) 京太郎(にしてもドラが集まらない……) 京太郎(高いのが作れねえし……) 京太郎(戒能さんなんて赤ドラ混じりの三副露) 京太郎(ここ、なら)トン 良子(君ではない) おっさま「~♪」トン 良子「それだ」 良子「ロン」 良子「三色ドラ4」 良子「12000」 京太郎「うげっ、和了られた……」 良子「流石に高校生二人に負けるわけにもいかないので」 良子「連荘」 竜華(なんで京くんは戒能プロとあんなに自然に話してるんやろか?) 東一局一本場 親 良子 37000 竜華 25000 おっさま 13000 京太郎 25000 同コンマのため、流局 良子(今度は鳴き一通) 良子(……どうだ?) 竜華(戒能プロはもう聴牌か……) 竜華(確か今年の大阪選抜のコーチは戒能プロやった) 竜華(ウチがどこまで通用するか!) 竜華(気張ってくで!) 京太郎(とりあえず振り込まないようにしないと) 東一局二本場 親 良子 37000 竜華 25000 おっさま 13000 京太郎 25000 竜華(きたでー!) 竜華(最高状態やないけど、ノッてるノッてる!) 竜華(これは何て言えばええんやろ)ウーン 竜華(準最高状態?) 竜華(怜みたいに言うと……99年生状態か?) 竜華(なんか米寿みたいやな……) 京太郎(うへぇ、聴牌できね)トン 竜華「ロン!16600や!」 東二局 良子 37000 親 竜華 41600 おっさま 13000 京太郎 8400 京太郎(えぇ……) 京太郎(よりによって倍満……) 京太郎(取り返さないと、低くても!)ギィン 京太郎「ロン!8000!」 良子(ふむ……まだパーフェクトでは使えないようですね) 東三局 良子 37000 竜華 41600 親 おっさま 5000 京太郎 16400 良子(今回も狙ってみましょうか……) 竜華(負けられへん!) 京太郎(こっから一気にまくってやるぜ!) 良子(…………ポテンシャル) 良子(可能性を見せてもらいましょう) 良子(ん、来ましたか) 良子「ツモ、2000・4000」 オーラス 良子 45000 竜華 39600 おっさま 1000 親 京太郎 14400 同コンマのため、流局 良子(テンパイ……しかしこの巡目で、ですか) 良子(この打ち筋もまだまだですね) 良子(あと一つは制約無しだと異様に扱いやすいですね) 良子(データも取れましたし、あとは) 竜華(テンパイきたで!)グッ 京太郎(ようやくテンパイ!)グッ 良子(この二人を見るだけです) 良子(それにしても……) 良子「テンパイ」 竜華「テンパイや……」ヘナァ おっさま「テンパイ」 京太郎「テンパイ……」ヘナァ 良子(なんでこんなに仕草が似てるんでしょうか……) 良子(フレンドリーだからでしょうか?) 良子(ちょっぴりジェラシーです)プクーッ オーラス一本場 良子 45000 竜華 39600 おっさま 1000 親 京太郎 14400 良子(倍満テンパイ) 良子(客人と京太郎を狙えば飛んでしまう) 良子(可能ならばそんなことはアンウォンテッド、ならば)カクッ 良子(あなたを狙わせてもらいましょう)ギィン 竜華(!)ゾクッ 竜華(なんやこの感じ……ウチが狙われとる?) 竜華(関係あらへん!) 竜華(前に進むで!)トッ… 竜華(あれ、そういえば泉が言うとったな) 竜華(それに、戒能プロの打ち方は確か……)…ッン 良子「ロン」 良子「16000」 良子(二回で気づきましたか、十分パッシングマークです) 良子(楽しませてもらいました) 終局 良子 61300 竜華 23300 京太郎 14400 おっさま 1000
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京太郎「洋榎さん、帰ってます?」 洋榎「んー、おるでー」 京太郎「そっちはどうでした?」 洋榎「快調快調!飛ばしたったで」 京太郎「やっぱりすごいっすね」 洋榎「せやろーさすがやろー」 京太郎「凄い凄い」ナデナデ 洋榎「えへへ~」ニヘラ 洋榎「って、なにしれっと頭撫でとんねん!」 京太郎「えー、気持ちよさそうだったじゃないっすかー」ブー 洋榎「まあ確かに気持ちよかったけど……ってちゃうわ!ちゃうちゃう!」 京太郎(何が違うんだろう……) 京太郎「今日はものまね合戦でもしましょうか」 洋榎「ものまね?」 京太郎「例えば俺だったら……コホン」 京太郎「闇の炎に抱かれて消えろォ!」 京太郎「……とか?」 洋榎「」キュン 京太郎「どうでした?」 洋榎「もう一回!もう一回!」 京太郎「闇の炎に抱かれて消えろォ!」 洋榎「」キュン 洋榎(何やろ……この声) 洋榎(……かっこええ) 洋榎(いつもの京太郎とちゃうからかごっつかっこよく見える……) 洋榎「きゅぅ……」バタン 京太郎「洋榎さん!?」 コンコン 霞「失礼するわよー、ってあら」 霞「京太郎くん、まだ行ってなかったの?」 京太郎「あ……」 霞「まあそうだろうとは思ったわよ、途中まで送っていくわね」 京太郎「すみません、お願いします」 霞「お願いされました」ポンポン 洋榎「……むへへぇ……」 京太郎「今度は444号室か……なんか不吉じゃないか?」 「あーおーい、つきーあかーり」 京太郎「誰かいるのか?」コンコン 「!」ビクッ もこ「…………」ガチャ 京太郎「あっ対木さん!」 もこ「…………」カァァ もこ「///」ササッ バタム 京太郎「えっちょっ!」 京太郎「対木さん!開けて!」ゴンゴン もこ「……」ガチャ もこ「……聞いてた?」 京太郎「聞いてた……さっきの歌?」 もこ「…………」 もこ「///」ササッ バタム! 京太郎「……はぁ」 もこと同室になりました 京太郎「というわけで今日からよろしく!」 もこ「…………」 京太郎「あのー、対木さん?」 もこ「…………」ブツブツ 京太郎「とりあえず何かして遊ぶ?」 もこ「……許可する」 京太郎「じゃあ何しよっか」 もこ「我ら模擬となり演劇に興じる」 京太郎「?」 京太郎「じゃあごっこ遊びにするか」 もこ「」コクッ 京太郎「よし、それじゃあ始めだ!」 もこ「うっ……」 京太郎「どうした?」 もこ「左腕が……疼く」 京太郎「痛いのか?」 もこ「再び聖法具を巻かなければ、左腕に封印されたオルトロスが……うっ!」 京太郎(何を言ってんのかさっぱりわかんねえ……) 京太郎「ならお医者さんごっこでもするか」 もこ「」コクッ 京太郎「はい、左腕出してー」 もこ「……」 京太郎「包帯巻いていきますねー」 もこ「……よろしゅう」 京太郎(腕綺麗だな……細いし、白いし) もこ「如何した?」 京太郎「いや、なんでもない」シュッシュッ 京太郎「はい、終わり」 もこ「有難う、疼きが収束した」 京太郎「対木さんって綺麗な腕してるんだな」 もこ「……そう?」 京太郎「ホントホント」 もこ「…………」 もこ「有難う」 もこ「初めて言われた」 京太郎「誰でも言いそうなことだけどな」 もこ「……同志など存在しないから」 京太郎「……ああ、なるほど」 【六日目】終了 【七日目】 京太郎「ふぁぁ……」 京太郎「アパートで慣れてるからか畳ってのが気持ちいいな」 京太郎「昨日までは洋榎さんと同じベッドで少し緊張したけど、対木さんならまだ気が楽だ」 京太郎「……とは言うものの」 もこ「すぅ……ん……」 京太郎「なんで布団がくっつけてあるんだ……」 もこ「お早う……」ネムネム 京太郎「おう、朝ごはんもうあるからな。ルームサービスだけど」 もこ「大地の慈悲なる恵みに感謝を」 京太郎「宗教染みてるな……」 もこ「これは宗教などという聖なる文化ではない、闇との契約を更新するための黒儀式」 京太郎「はいはい、さっさと食べろ。30分後に取りに来るってさ」 もこ「ひょひ(御意)」ハムハム 京太郎「対木さんはこの後何か用事とかある?」 もこ「……特筆すべきものは何も」 京太郎(特筆って言うのか?) 京太郎「そっか、じゃあ俺と遊ばねえか?」 もこ「遊戯?」 京太郎「まあ、そうだな」 もこ「何するの?」 京太郎「んー……じゃあ 65で」 もこ「ポーカー……」 京太郎「やったことあるか?」 もこ「私を誰だと思っている?」ニヤリ 京太郎「対木さん」 もこ「…………」 もこ「そういえばそうだった」 京太郎(対木さん、よくわかんねえ人だな) 京太郎(咏あたりだったらぱぱっと友だちになっちゃいそうだけど) 京太郎(とりあえずはツーペアか……) もこ「……」ジーッ 京太郎(フルハウスシャボ待ちだな)スッ もこ「……」スッ 京太郎(四枚捨て!?) 京太郎(余程手札が悪かったのか?) 京太郎(まあいい、これで勝負だ!)スッ 京太郎「うっ……」 京太郎(やっぱりそう簡単に来るわけねえよな……対木さんの方は……) もこ「」ニコニコ 京太郎(めっちゃ笑ってる!?) 京太郎(いや待て、四枚捨てでいい手になるなんてそうそうないはず) 京太郎(ここは押す!) 京太郎「勝負!」 もこ「ふっ」 もこ「括目せよ、これこそが私の能力≪チカラ≫」 京太郎「こっ、これは……!」 ロイヤルストレートフラッシュ もこ「王 門 ☆ 閃 光!」 京太郎「嘘……だろ」 もこ「えへへっ、私の勝ちっ!」 京太郎「素に戻ってるぞ」 もこ「えっ……わわっ!」 もこ「これが私の暗黒魔術だ、恐怖を身に焼くが良い。くっくっく」 京太郎(やっぱりよくわかんねえ) もこ「」グッ 京太郎(でもガッツポーズしてるあたり嬉しかったんだろうな) もこ「須賀……楽しかった」ニコッ 京太郎「……ん、そりゃ良かった」 京太郎(ここまでいい笑顔できるんだな、この子) 京太郎「よろしくお願いします!」 菫「よろしく」 塞「こちらこそよろしくお願いします」 胡桃「お願いします!」 胡桃「いやー、でもまさか大阪でシロと打ってた人がチャンピオンだったなんてね」 塞「トヨネも自慢げに話してたもんね。今日はよろしく、須賀君」 京太郎「ええ、こちらこそ」 菫(なんだこの蚊帳の外の感じは……) 菫(だが別に構わん) 菫(私はただ、射抜くだけだ) 東一局 親 胡桃 25000 菫 25000 京太郎 25000 塞 25000 塞(弘世さんはわざと待ちを寄せて狙い撃ちをする) 塞(須賀君は……よくわかんないけど) 塞(まずは胡桃から和了ろうっと!) 京太郎(テンパイまではこぎつけたけど……)スチャ 京太郎(カスりもしねえな……)トン 菫(ぐぬ……まだ一向聴か) 菫(ここはオリるか)トン 胡桃(サエがテンパってそうだけど……これなら通るかな?)トン 塞「ロン、2000」 塞「胡桃もまだまだだね~」 胡桃「う、うるさいそこ!たまたまなんだからね!」 塞「好きに言ってな~」 東二局 胡桃 23000 親 菫 25000 京太郎 25000 塞 27000 菫(…………) 菫(ここは須賀を狙っておきたい……だが今はトップに立つのが先決だろう) 菫(故に狙うのは……)キュッ 塞(!)ビクッ 塞(今の殺気は……?) 塞(まあいいや、これでテンパイ)トン 菫「……ロン」 菫「12000」 東二局一本場 胡桃 23000 親 菫 37000 京太郎 25000 無関係点数移動:14000 塞 15000 京太郎(少しモモを意識して影薄めにしてきたけど……) 京太郎(このまんまだとやばそうだからな) 京太郎(低かろうと和了りにいく!) 京太郎「ロン、1300は1600!」 塞「うぁっ……」 京太郎(とりあえずこれで連荘回避) 京太郎(次の親番で勝負だ!) 東三局 胡桃 23000 菫 37000 親 京太郎 26600 無関係点数移動:14000 塞 13400 京太郎(よし、良い手だ) 京太郎(まずはこのまま波に乗る!) 京太郎「カン!」 京太郎「嶺上……なわけないか」トン 塞(宮永さんの試合見てたからなんか心臓に悪い) 胡桃(ホントホント!) 塞(こいつ、直接脳内に……!) 京太郎「あっ、ツモ、4000オールです」 菫「なにっ!?」 京太郎「逆転っすね」 東三局一本場 胡桃 19000 菫 33000 親 京太郎 38600 無関係点数移動:14000 塞 9400 塞(うっわ、やばいやばい) 塞(もう一万点切っちゃったよ、まだ親番あるからいいけどさ) 塞(うぬぬ……どうしよう)チラッ 京太郎「……」 塞(やや真剣な面持ち……こりゃ振り込んだら大変かも) 塞(いいや、これで当たって砕けろ!)スッ 塞(って、いやいや砕けちゃダメでしょ)トン 京太郎「ロン、7700は8000」 塞「はっ、8000……って」 胡桃(確かに須賀君強いけど、サエが抉られすぎてる……!) 胡桃(どうしよう、何か言った方がいいのかな……) 東三局二本場 胡桃 19000 菫 33000 親 京太郎 46600 無関係点数移動:14000 塞 1400 菫(13600点差か) 菫(覆せないこともない点差……) 菫(ここは、射抜く!)キュッ 菫「…………」トン 菫(須賀、お前には負けない!) 京太郎(なんかさっきから凄い視線を感じる……) 京太郎(ここまで来ればある程度は大丈夫だろ)トン 菫「ロン、2000は2600」 京太郎「くっ……」 菫(どこまでも追いつめてやる!) オーラス 胡桃 19000 菫 35600 京太郎 44000 無関係点数移動:14000 親 塞 1400 塞(いいねいいね!萬子の清一色!) 塞(このまま押してこっと)スチャ 塞(……およ?) 塞(んー……でもここは確実に行きたいよね) 塞(ダマでいこっか) 胡桃(サエが張った?) 菫(見え見えの染め手か、とりあえず振り込まないように……)トン 塞(う……リーチかけておけばよかったかも……) 塞「ツモ!6000オーッル!」 オーラス一本場 胡桃 13000 菫 29600 京太郎 38000 親 塞 27400 京太郎(臼沢さんの逆転の一歩の派手な和了り、助かったぜ) 京太郎(これで……ようやく……) 京太郎(…………消えられる) スゥ [ステルスモード]に移行しました 塞(これで私は二位、次に和了れば一位確定で勝ち抜け) 京太郎「リーチ」 塞(なるべく振り込まないように、かつ早く和了るように……) 菫(このまま逃げ切れば勝ち抜け) 菫(流局まで逃げると臼沢に捲られる可能性が高い) 菫(ここは、攻めるしかないだろう) 胡桃(すっかり置いてけぼり……) 胡桃(いやいや!まだ負けたとは決まってないよ私!) 胡桃(確実じゃないけど、でっかいのを和了る!)トン 胡桃(…………) 胡桃(あれ?なんで卓に三人しかいないんだっけ) 胡桃(誰か、だれか忘れてるような……) 京太郎「ロン、12000は12300」 胡桃「ッ!」 菫「リーチだと!?」 塞「待って、いつリーチなんてかけたの」 京太郎「いつ、って一巡前ですけど?」 胡桃「えっ……?」 終局 京太郎 50300 菫 29600 塞 27400 胡桃 700 京太郎「お疲れ様でした!」 塞「どこに隠れてたの、おかしいでしょ」 胡桃「ズルしないそこ!」 京太郎「どんだけ卑怯に見えてんですか!」 塞「なーんてね、私は楽しかったから満足だよ」 胡桃「焼き鳥で敗退なんてなんか釈然としない……」 胡桃「今度は赤子の手をひねるように負かすから覚悟してて!」 京太郎「鹿倉さんの方が赤ちゃんみたいな気がしますけど……」 胡桃「うるさいそこ!」 塞「うん、立場逆転しちゃうね」 胡桃「うるさいそこ!」 菫「ん?なんで幼稚園児がここにいるんだ?」 胡桃「乗らないくていいから!」 菫「……いい思い出になった、ありがとう」 京太郎「お礼を言われるようなことは何もしてませんって」 菫「いや、お前だからこそだったんだ」 菫「照と打ってくれ、今度は観戦していたい」 京太郎「はい、勝ってみせますよ!」 菫「ふふっ、楽しみだな」 塞「ねねっ、須賀君須賀君!」 京太郎「何すか?」 塞「これ私と胡桃のメルアドだから、暇なときに送ってきて!」 塞「こっちも不幸のメールとか送るから!」 京太郎「嫌ですよ何ですかその嫌な交換条件」 塞「あははっ!冗談冗談!そんじゃねー」 胡桃「次会うときはトヨネよりおっきくなってるから!」 塞「寝言は寝て言いましょうねー」 胡桃「引っ張らないそこ!」 ワーギャー バタム 菫「それでは私も行くよ、じゃあな京太郎」 京太郎「はい、またどこかで!」 ガチャ バタム 京太郎「俺も次の対戦相手見に行かないとな」 京太郎「……京太郎?」 京太郎「えっと、次は……末原先輩に上重さん、安河内さん……は九州の人か」 京太郎「まっ、次も勝てるだろ」 京太郎「一旦宿舎に帰るか」 京太郎「他の人の部屋に行ってみるか」 京太郎「つっても知らない人のところに行っても気まずいだけだよな……」 京太郎「ここって確か中部選抜とかの人たちが泊まってんだよな」 京太郎「じゃあモモとか咲とかもいるのか?」 桃子「呼んだっすか?」スゥ 京太郎「モモ!?」ビクッ 桃子「うっ……何もそんなに驚かなくてもいいじゃないっすか……」 京太郎「いきなり後ろから囁かれたらこえーっての」 桃子「そんなもんなんすか?」 京太郎「特にお前はな、咲だったら……」 咲『あ、京ちゃ』コケッ 京太郎「とか言ってこけそうだし」 桃子「……それもそうっすね」 京太郎「そうだ、モモの部屋に遊びに行ってもいいか?」 桃子「私の部屋っすか?」 京太郎「ちょっと暇なんでな」 桃子「まあ別にいいっすよ、こっちっす」 桃子「ただいま帰って来たっすよー」 京太郎「お邪魔しまーす」 智美「ワハハー、モモ、その男子は誰だー?」 京太郎「モモが見えてる!?」 桃子「私の幼馴染っすよ、今日は一緒に遊ぶっす!」 智美「そうか、じゃあ私も遊んでもいいか?」 桃子「京太郎、いいっすよね?」 京太郎「いいっていうか、むしろお願いします」 智美「私は蒲原智美だ、よろしくなーワハハ」 京太郎「俺は須賀京太郎です、よろしくお願いします」 桃子「それじゃあ始めるっすけど、何するんすか?」 京太郎「そうだな……」 桃子「花札……?」 京太郎「モモは知らなかったっけか?」 桃子「聞いたことはあるっすけど……そもそもできるんすか?」 智美「花札なら持ってるぞー」 桃子「そもそもルールがわからないっす」 京太郎「説明は……めんどくさいからちょっと見ててくれ」 京太郎「猪鹿蝶で俺の勝ちですね」 智美「やられてしまったなー、ワハハ」 京太郎「とまあこんな感じなんだが」 桃子「少し麻雀に似てるっすね」 京太郎「麻雀ほどメジャーじゃないんだよな、これが」 京太郎「それじゃあ三人でやってみよう」 智美「ワハハー雨四光だー」 京太郎「早くないっすか?」 智美「これも運だからなー、モモはわかったか?」 桃子「ん……まだよくわかんないっす」 智美「まあゆっくり覚えていけばいいぞー」 京太郎「…………」 京太郎「ちょっと、いや凄く気になったんですけど、どうして蒲原さんはモモが見えるんですか?」 智美「なんでだろうなー、モモは良い匂いがするんだ」 京太郎「匂いって……」クンクン 桃子「なに嗅いでるっすか!」 京太郎「確かに良い匂いだ……そうか、それは盲点だったな」 智美「そうだろーすごいだろーワハハ」 京太郎「モモをちゃんと見える人なんて久しぶりですよ!」 智美「そ、そうなのか?」 京太郎「モモは結構寂しがり屋なんで、適度に見つけてやってくださいね!」 桃子「私はペットじゃないっすよ!」 京太郎「いやーなんか気が晴れましたよ」 智美「ワハハ、須賀は心配性なんだな」 京太郎「大事な幼馴染ですからね」 智美「なんだかお兄さんって感じがするけどなー」 京太郎「そうですかね?」 智美「そうとしか見えないぞ」 桃子(うぅ……二人だけの雰囲気になってるっす) 桃子(なんかもやもやするっす……) 夜 京太郎「夜も遅いし他の人だと迷惑だろうから対木さんと遊ぼう!」 もこ「クックック、宵の王と戯れようなどとは良い意気だな」 京太郎(心なしかテンション上がってるな……) もこ「今宵は何を以て過ごすのかや?」 京太郎(口調安定しないな……) ~MOCO Sキッチン~ もこ「今宵の馳走は何ぞや?」 京太郎「口調おかしいだろ、今日の夕飯はこれだ!」 【ビーフストロガノフ】ババーン もこ「かっこいい……」 京太郎「よし、じゃあぱぱっと作るぞ!」 京太郎「切って、煮込んで」 京太郎「よし、完成だ!」 もこ「美味しそう」 京太郎「だがこれだけじゃないぜ!」 京太郎「来たれよ我が従者!」つオリーブオイル もこ「……え?」 京太郎「これで真の完成だあああああ!」ドバドバドバドバ もこ「あ、あああぁぁ……」 京太郎「これがロシアの豪商ストロガノフ一族の味だ!」 もこ「…………」モグモグ 京太郎「どうだ?おいしいか?」 もこ「ストロガノフ……緑油……豪商……」モグモグ もこ「……かっこいい」モグモグ 京太郎「そっかそっか、もっと食べてくれよ!」 もこ「…………」 京太郎「んー、口に合わなかったか?」 もこ「……」コクッ 京太郎「やっぱり朝の番組の真似なんてするんじゃなかったな」 京太郎「後は俺が食うよ」 もこ「…………構わない」 京太郎「いいのか?」 もこ「食すに値しないこともない味、故に」 京太郎「そっか、ありがとな」ナデナデ もこ「……うん」 もこ(少し、安らぐ) 【七日目】終了 【八日目 準々決勝】 もこ「ん…………」 京太郎「いつも通り早起きだぜ!」 京太郎「って騒いじゃ起きちゃうよな」 京太郎「とりあえずルームサービスを頼もう」 もこ「……んぅ…………」 京太郎「対木さんも洋榎さんも幸せそうに寝てるよな」 京太郎「……無防備だよな」 京太郎「久々にやるか」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part13】デデーン! 京太郎「おはようございまーす」ヒソヒソ 京太郎「今日は愛知県出身の対木もこさんに、ドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「それでは準備を始めまーす」ヒソヒソ 京太郎(まずは布団に潜って)ススッ 京太郎(後ろから抱きしめる)ギュッ もこ「っ……」 京太郎(モモとは違うけどいい匂いだな) 京太郎(って違うわ!今はドッキリに集中集中!) もこ「ん……ぅ……」 京太郎「もこ、聞こえてるか?」ボソボソ 京太郎「……好きだよ」ボソボソ もこ「……ん」 もこ「……そ……か」 京太郎(起きたか……?) もこ「魔城門が……遂に……」 京太郎(なんだこの寝言) 京太郎(まあ続行だよな) 京太郎(対木さんの髪綺麗だな……) 京太郎(少し緑っぽい金髪なんて俺とは大違いだ) 京太郎(それに柔らかいしいい匂いもするし)サスサス 京太郎(ってやべっ!) もこ「……ぅ……」 京太郎(起きたか……?) もこ「……須賀君?」 京太郎「お、おはよう」サスサス←布団の中でもこを後ろから抱きしめつつ髪を梳いている もこ「……」 京太郎(凄く凄い気がする、この状況は……嫌な予感しかしない!) 京太郎(話題は……逸らすしかない!) 京太郎「えっと、いつから起きてた?」 京太郎(逸らせてなかったぁぁぁああ!) もこ「……須賀君が頭髪に触れたその瞬間から」 京太郎「わかりやすい表現で助かる」 もこ「…………須賀君」 京太郎「……俺が悪かった」 もこ「違う、そうではなく……そう、か……」 京太郎「?」 もこ「そ……その」 京太郎「何だ?」 もこ「もっと、愛撫、して……」カァァ 京太郎(その言い方はおかしい) 京太郎(この体勢でその言い方はおかしい) 京太郎(耳まで赤くなってるのが見えるよ……) もこ「ねぇ、早く」 京太郎「わかったよ、やればいいんだろやれば」サスサス もこ「…………京太郎」ボソッ 京太郎「何か言ったか?」サスサス もこ「無用!」 京太郎(顔が見えないのが残念だな)サスサス もこ「…………」カァァ 京太郎(いよいよ準々決勝か、こっからが勝負だな) 恭子「三日ぶりやな」 京太郎「あ、もう来てたんですか」 恭子「漫ちゃんもおるで」 漫「がるるるる!」 京太郎(そういえば前に豆撒いたんだっけか) 美子「よろしゅうお願いします」 京太郎「はい、こちらこそお願いします」 漫(須賀京太郎……絶対に飛ばしたる!) 東一局 親 恭子 25000 美子 25000 漫 25000 京太郎 25000 同コンマのため、流局 美子(三人ともテンパイ……) 美子(ここはオリて殴り合ってもらうとすっかね) 恭子「テンパイ」 美子「ノーテン」 漫「テンパイ」 京太郎「……テンパイ」 京太郎(様子見は……終わった)ゴッ 【照魔鏡】発動! 京太郎(上重さんは圧倒的な爆発力) 京太郎(安河内さんと末原先輩は……よくわかんねえ) 京太郎(安河内さんは早和了りを目指してるのか?) 京太郎(とにかく、これでピースは揃った) 東一局一本場 親 恭子 26000 美子 22000 漫 26000 京太郎 26000 同コンマのため、流局 恭子「テンパイ」 美子「ノーテン」 漫「ノーテン」 京太郎「テンパイ」 漫(……アカン) 漫(高めをぶち当てようなんて考えん方が良かったか……) 漫(結局二向聴のまま進んどらんし) 漫(このままやったら何もできんまま終わる……) 東一局二本場 親 恭子 27500 美子 20500 漫 24500 京太郎 27500 同コンマのため、流局 恭子「テンパイ」 美子「ノーテン」 漫「ノーテン」 京太郎「テンパイ」 京太郎(なんでこんな作業で一万点も勝ってんだろ……) 東一局三本場 親 恭子 29000 美子 19000 漫 23000 京太郎 29000 漫(ツモで7700) 漫(積み棒含めば逆転もできるけど……末原先輩に親っ被りやん)スチャ 漫(……あ、ツモってもうた) 漫(せやけどここで須賀京太郎に和了られるのも嫌やし……) 漫(……もう和了ってまえ!) 漫「ツモ!2300・4200!」 東二局 恭子 24800 親 美子 16700 漫 31800 京太郎 26700 漫「カン!」 恭子「ひぃっ!」 漫「ツモ!1500・2900!」 漫(圧倒的!圧倒的やん私!) 漫(このまま勝つ!) 漫(勝てる……勝てるんや!) 京太郎「……っ」 京太郎(俺は、負けるわけにはいかない) 京太郎(まだ負けない) 京太郎(勝つんだ、必ず) 東三局 恭子 23300 美子 13800 親 漫 37700 京太郎 24200 美子(まずは速攻で流れ作って、次に賭けんと) 美子(やけん軽か手で……) 京太郎(……どうすればいいんだ) 京太郎(上重さんに届くまでの手が作れねえ) 京太郎(このままだと……負ける?) 京太郎(いや、まだ諦めねえ) 京太郎(今は前へ進むだけだ!)トン 美子「ロン、1300です」 京太郎「うっ……」 京太郎(……親番) 京太郎(勝たないとダメなんだ!) オーラス 恭子 23300 美子 15100 漫 37700 親 京太郎 22900 京太郎(俺は……勝つ!)ゴッ 美子「!」 恭子(……須賀?) 恭子(須賀にこないに迫力あったか?) 恭子(どうしたんや一体……) 京太郎(集まれ、集まれ!) 京太郎(この一手で勝つ!)スチャ 京太郎(…………) 京太郎「ツモ」 京太郎(どうやら俺は、最高にツイてるみたいだ) 京太郎「4000オール!」 漫「んなっ!」 京太郎「終わりです!」 終局 京太郎 34900 漫 33700 恭子 19300 美子 11100 京太郎「お疲れ様でした!」 美子「お疲れ様でした」 恭子「ありがとうございました」 漫「お疲れさんでした……はぁ」 漫「勝てると思うたんやけどなぁ……」 京太郎「はっはっは!俺を甘く見すぎたんですよ!」 京太郎「いやでもホントこの前はすんませんでした」 漫「ああ、別に気にしてへんよ。もうすっきりしたし」 京太郎「そうですか、すみません」 漫「ふふっ、なんでまた謝るんや」 京太郎「なんででしょうかね?あははっ」 美子「焼き鳥やった……」 恭子「私もですよ、ホンマ世知辛いですわ」 美子「世知辛いの使い方間違っちるような……」 美子(あいが部長の言うてたん人か……) 美子(私も勝てなかったな……) 恭子「あ、せや須賀君」 京太郎「何ですか?」 恭子「せっかくやし連絡先交換しとかへん?」 京太郎「はい、いいですよ」 漫「せやったら私も!」 美子「わ、私も……」 京太郎(何かすっげえモテてる気がする) 京太郎「順調に電話帳が埋まっていくな」 京太郎「さてと、次の対戦表を見に行くか」 京太郎「次の相手は……っと」 京太郎「咲んとこの竹井さんと阿知賀の新子さんと鷺森さんか」 京太郎「見事なまでに全員知り合いだな」 京太郎「もう帰ろっと」 京太郎「またどっか他の人の部屋で遊ぼうかな」 京太郎「ホテルの中ぶらついてたら誰かしらいるだろ」 京太郎「さーて、誰かいないかなーっと」キョロキョロ ゆみ「ん?須賀君じゃないか」 京太郎「あ、加治木さん!」 ゆみ「私たちの宿舎で何をしているんだ?」 京太郎「俺もここに泊まってるんですけど暇で暇で、だから他の人と遊ぼうかなーって」 ゆみ「ふむ、そうか……」 ゆみ「なら私たちの部屋はどうだ?」 京太郎「良いんでしたらいきますけど」 ゆみ「よし、ついてこい」 ゆみ「ただいま帰った」 久「もーゆみ遅いわよー」グデー ゆみ「来客なんだからしゃんとしろ」 久「来客?」 京太郎「あ……ども」 ゆみ「ここで遊んでも構わないだろう?」 久「んー別にいいけど……まさか明日の相手と会っちゃうとはね」 京太郎「明日はよろしくお願いします」 久「こちらこそ」 ゆみ「それで、何をして遊ぶんだ?」 京太郎「じゃあリアルおままごとでもしましょうか」 ゆみ「リアル?」 久「いいじゃないそれ!採用!」 ゆみ「なあ久、リアルおままごととは何なんだ?」 久「まあやってみればわかるわよ」 京太郎「結構楽しいですよ」 ゆみ「そうか……わかった、やってみよう」 京太郎「ゆみ、次はいつ会える?」 ゆみ「いつでもいいよ、明日でも来週でも、三時間後でも」 京太郎「いつも嬉しいことを言ってくれるなぁゆみは!」ワシャワシャ ゆみ「か、髪を撫でるな!」 京太郎「んーやっぱやり足りないからもう一回戦やるか?」 ゆみ(一回戦?) ゆみ「……ああ、いいぞ」 京太郎「じゃあまた頑張ってくれよ」 ゆみ「う……ん」 久「きょう……たろう……」 久「ゆみ……?」 久「二人とも、何してるの?」 京太郎「ひ、久!違う!これは違うんだ!」 ※設定上全裸 ゆみ「そっ、そうだ!京太郎は怪我をした私を運んできてくれただけなんだ!」 ※設定上全裸 久「…………」 久「……あー、そっか、そうだったんだ」 久「ごめんね、私てっきり勘違いしちゃってた、うん、そうだよね……」 久「ちょっと買い物行ってくるから、ゆみはゆっくりしてってね」 タッタッ ガチャ バタム 久「あ、あははっ」 久「そっか、そうだよね」 久「京太郎は私よりゆみの方が好きなんだ」 久「何結婚したからって喜んでたんだろ私、ふふっ」ポロポロ 久「あれ、なんでだろ、なんで、なんで」ポロポロ 久「なんでこんなにおかしいのに……泣いてんだろ私」ポロポロ 久「とまあこんなもんかしらね」ケロッ 京太郎(全部演技だったのかよ……) ゆみ(よくわからんやつだ……) 久(妻役の気持ち考えたら、なんか……)チラッ 京太郎「じゃあ次行きましょうか」 ゆみ「疲れるからもうやめてくれ」 久(ちょっと気になっちゃったかも?) 夜 京太郎「竹井さんの演技力おかしすぎるだろ……」 京太郎「ただいまー」 もこ「プログラムアドバンス!ドリームソード!」 京太郎「またやってるのか」 もこ「…………」 もこ「よく帰ったな、000」 京太郎「おう、ただいま、晩飯はもう食べたか?」 もこ「」フルフル 京太郎「じゃあ一緒に食べるか」 もこ「」コクッコクッ 京太郎(妹ができたらこんな感じなのかな) 京太郎「じゃあまたポーカーでもするか」 もこ「今宵も勝利は私の手にある」ドヤッ 京太郎「はいはい、んじゃ始めるぞ」 京太郎(そういえば一対一だったらインディアンポーカーとかもあるんだよな……) 京太郎(まあ俺あんま強くないしいっか) 京太郎(うわ、ワンペアかよ……) もこ「クックック」スッ 京太郎(また四枚捨てとか正気かよ、じゃあ俺も) 京太郎(勝負の三枚捨てだ!)スッ 京太郎「……ワンペア」 もこ「ストレートフラッシュ」 京太郎「いやいやおかしいだろ絶対!こんなの!」 もこ「卑怯だと?」 京太郎「一体何やったんだー?」ムニムニ もこ「ひゃへへー(やめてー)」 京太郎「ほっぺやわらかいな……」ムニムニ もこ「ひょうはほーひゃへへー(京太郎やめてー)」 京太郎「憂さ晴らしだ!えいっえいっ!」ムニムニ もこ「うぅ……」 京太郎「その、なんだ、すまなかった」 もこ「京太郎の……バカ」プイッ 京太郎(あ、なんか可愛い) 【八日目】終了 【九日目 準決勝】 京太郎「ふぁぁ……」 京太郎「結局十戦十敗ってどうなってんだよ、もう」 もこ「ぇへへ……」 京太郎「……」プニプニ もこ「すぅ……ぅ……」 京太郎(……何しよ)プニプニ 京太郎「適当に散歩でもしてくるか」 京太郎「書置きして……っと」 京太郎「よし行くか」ガシッ 京太郎「?」 もこ「きょ……行かない……で……すぅ」 京太郎「つってもすることがないから、ごめんな」ナデナデ もこ「すぅ……」 京太郎「東京みたいな古書街とかって大阪にはあんまないらしいんだよな」 京太郎「とりあえずぶらぶら見て回るか」 京太郎「良さそうなところがあったら入ってみよ」 【高天原古書店】 京太郎「入ってみたはいいけど、別に咲みたいに本に興味があるってわけじゃないしなー」 京太郎「どうしよ……!?」 衣「こまきー!こっちだぞー!」ピョンピョン 小蒔「天江ちゃん、待ってくださいー」ゼェハァ 淡「テルー、いい本あったー?」 照「はい」つ【ぐりとぐら】 淡「そこまで子どもじゃないよ!」 恭子(何や……何なんやこれぇ……)カタカタ 京太郎(なんでただの古書店にこんなに知り合いがいるんだよ……) 淡「あ!京太郎だー!」 照「えっ、どこどこ」 京太郎「うげっ」 小蒔「お久しぶりです、須賀さん!」 衣「久方ぶりだな、きょうたろー!」 京太郎「本屋なんですからもっと静かにしましょう」 小蒔「すみません……」ショボン 衣「すまない……」ショボン 淡「京太郎はここで何してるのー?」 京太郎「ちょっと散歩をな」 恭子(ホンマに何なんやこれ、魔物だらけやないか……) 衣「そうだ!きょうたろーも一緒に来ないか?」 淡「あ!そだね、この後みんなで打ちに行くんだけど、来る?」 京太郎「別にいいけど……あ!末原先輩もどうですか?」 恭子「!」ギクッ 恭子(なんでこっちに話振るんや!) 京太郎「みんなでやれば楽しいですよ!」ニコッ 恭子(アカン、悪魔の笑顔にしか見えへん) 照「六人……誰か二人抜けないと」 京太郎「じゃあ俺が抜けますよ」 衣「いいのか?」 京太郎「俺が邪魔するのもあれですし」 淡「だったら最後の一人はくじで決めよう!」 小蒔「割りばしで作ってみました!」 恭子(なんでこないに楽しそうなんやろ……) 淡「よし、せーのっ!で引くよ!」 五人「「「「「せーのっ!」」」」」 恭子(アカン……) 衣「衣の親からだな!リーチ!」 淡「リーチ!」 小蒔「…………リーチ」ゴゴゴゴゴ 恭子(ダブリー三連とかおかしすぎるやろ) 照「……京」 京太郎「なんだ?」 照「絶対に負けないでね」 京太郎「それはこっちの台詞だっての」ナデナデ 照「むぅ……」 京太郎「今まで俺がお前との約束を破ったか?」 照「…………」 京太郎「俺を信じろ、絶対にまたお前の前に立つ」 照「……わかった」 照「頑張ろう」 京太郎「よし、っともう終わったみたいだな」 小蒔「ロン、32000」 淡「三家和ありだよね!ロン!32000!」 衣「ロン!48000!」 恭子「」 久「やっほー、昨日ぶりね」 京太郎「今日は負けませんよ」 久「そうね、楽しみにしてるわ」 久「あ!新子さん!」 憧「うわっ、清澄……」 灼「久しぶり」 京太郎「お久しぶりです、今日はよろしくお願いします」 灼「うん、よろしく」 憧「清澄にチャンピオンって色んな意味で最悪……」 久「まーまーそう言わずにー」 京太郎「もっと仲良くしようぜー」 憧「ちょっあんま近寄んないでよ!」ボコッ 京太郎「ぶへっ」 東一局 親 京太郎 25000 憧 25000 灼 25000 久 25000 憧「ポン」 灼(憧、相変わらずはや……) 久(二萬に二筒……三色か) 久(だとしたらこの二索危ないかも……) 久(いえ、これは通る!)トン 憧「ロン!12000!」 久「あ……はい」 東一局 親 京太郎 25000 憧 37000 灼 25000 久 13000 京太郎(親流されて跳満リードとかきついって!) 京太郎(まずは新子さんの親を流す!) 京太郎「チー!」 久(やっばい、どうしよう) 久(須賀君はまだ安そうだけど……) 久(やっぱここは和了りにいく!)トン 京太郎「ロン!1300!」 東三局 京太郎 26300 憧 37000 親 灼 25000 久 11700 憧「ロン、2000」 京太郎「はい」チャラッ 憧「どうも」ピトッ←指先が触れ合う 京太郎「あ」 憧「……~~っ!」カァァ 憧「は、はやく!次!」 久「初々しいわね~」ニヤニヤ 憧「う、うるさい!」 東四局 京太郎 24300 憧 39000 灼 25000 親 久 11700 同コンマのため、流局 久「テンパイ」 京太郎「テンパイ」 憧「テンパイ」 灼「ノーテン」 京太郎(半荘で良かった……) 京太郎(今はどうやって逆転するかを考えないとな)チラッ 憧「」ビクッ 憧「……///」 京太郎「?」 東四局一本場 京太郎 25300 憧 40000 灼 22000 親 久 12700 灼(…………) 灼(憧と18000点差、ここからならまだ勝てる) 灼(直撃で点差を縮めない、と) 京太郎(テンパイできねぇ……) 京太郎(不要牌ばっかじゃねえかよ、早く新子さんに追いつかねえといけねえのに!) 久(今日はツイてないわねー) 久(……まだ四局以上あるんだから巻き返せるわよね) 久(次は和了らないとね!) 憧(面前一通、これなら和了れる!) 憧(まだ一向聴なんだけどね……)トン 灼「ロン、6700」 灼(まず一歩) 南一局 親 京太郎 25300 憧 33300 灼 28700 久 12700 京太郎(親番なんだし、攻めていかねえと!) 憧「リーチ」 京太郎(この状況でリーチかよ!) 京太郎(どうする、何切ればいいんだよ!) 京太郎(テンパイはとっておきたい、でも嫌な予感が……) 京太郎(くそっ、行っちまえ!)トン 憧「ロン」 京太郎「うっ」 憧「24000」 京太郎「な……っ!」 南二局 京太郎 1300 親 憧 57300 灼 28700 久 12700 京太郎(何……やってんだ俺) 京太郎(こんなところで終わってたまるかよ……) 京太郎(こんな点差つけられて、全然和了れなくて) 京太郎(負けねえよ、負けたくねえよ) 京太郎(勝つんだよ!) 京太郎(……どうするこの状況) 京太郎(リーチでツモれば倍満、もう少し待てば三倍満だって見えてくる、あわよくば数えだって……) 京太郎(素直にツモるか、悪あがきをするか) 京太郎(どうすればいい……) 京太郎(照や咲だったら、どうするんだ) 京太郎(……ツモったか) 京太郎(平和清一色の三門張……) 手牌:一二三三四五六七七八八八九 ツモ:八萬 京太郎(ここは一盃口か一通を待つ、だから!) 京太郎(遠回りでも可能性を残して、勝ちに行く!)トン 八萬 憧(張ってそうな感じね……でも染め手っぽいし……) 灼(振り込まないように……) 久(ここもオリようかしら……) 京太郎(よし、来た!) 京太郎(あれこれさっき三萬捨てといたほうが良かったんじゃ……) 手牌:一二三三四五六七七八八八九 ツモ:九 京太郎(まあいい、三面張を捨てて三・六萬待ち) 京太郎(これって平和も入るんだっけか?) 京太郎(まあいい、これでリーチ清一色一通一盃口) 京太郎(ツモか一発で三倍満、裏も乗れば数えだって行ける!) 京太郎「リーチ!」トン 八萬 憧(何、この気迫!) 灼(……危な) 久(へぇ、諦めないんだ) 京太郎(これで決まればいいんだけどな……っ!) 京太郎(来てくれ!)スチャ 京太郎(よし!) 京太郎「……ツモ!」 京太郎「リーチ一発清一色一盃口一通、裏裏!」 京太郎「8000・16000!」 南三局 京太郎 33300 憧 41300 親 灼 20700 久 4700 京太郎(よし!三色混じりの満貫手!) 京太郎(これで追いついてやる!) 京太郎「リーチ!」 灼(またリーチ……) 久(流れ持ってかれちゃったかな……) 憧(須賀……なんで諦めないんだろ) 憧(ここまで私が勝ってるのに……) 灼(まだ私も、諦めない) 灼「リーチ」 京太郎「ロン!8000!」 京太郎「これで同点だ!」 オーラス 京太郎 41300 憧 41300 灼 12700 親 久 4700 久(ラス親でテンパイ、か) 久(悪い待ち……はしなくていいかしらね) 久(和了れなさそうだし……) 京太郎(これで……この手で……!) 久(私が和了っても困るだろうし、ね) 京太郎「リーチ!」 憧(負けそうなのに、追いつかれてるのに) 憧(悔しいのに……) 憧(もう、あそこまで必死だったら応援するしかないじゃない) 憧(須賀、か……) 灼(和了られてばかり……) 灼(須賀君、会場で会った時とは全然違う) 灼(少し……昔のハルちゃんみたいだった) 京太郎(これで止めだ!) 京太郎「ツモ!3000・6000!」 終局 京太郎 53300 憧 38300 灼 9700 久 -1300 京太郎「おっ、お疲れ様でしたぁ!」 灼「お疲れ」 久「お疲れ、あー飛ばされちゃったかー」 京太郎「なんか、すんません」 久「いいわよ、決勝頑張ってね」 京太郎「はい!」 灼「憧、行こ」 憧「ちょ、ちょっと待って!」 灼「?」 憧「す、須賀!」 京太郎「なんだ?」 憧「え、えっと、その……お、お疲れ!」カァァ 京太郎「おう、また今度打とうな」 憧「あ、あと!」カキカキ 憧「これ、これ!」 京太郎「……メアド?」 憧「わ、私ってほら、男が苦手でさ、だからたまに話し相手になったりしてくれると、その、助かるなって」 灼「じゃあ私も」 久「じゃあ私もー」 京太郎「竹井さんはむしろ扱いが上手そうですけどね」 久「えーひどくない?」 京太郎「身の回りの男をこき使ってそうなイメージです」 久「なんか失礼ね」プクー 灼「それじゃ、また」 京太郎「はい、お元気で!」 京太郎「……また、あいつらと打てるのか」 京太郎「勝って、あいつらの隣に立つんだ」ギュッ 夕 京太郎「ただいまー」 もこ「京太郎!京太郎!」 京太郎「どうした?」 もこ「黒と朱と赤の卓、不屈の京太郎!」 京太郎「?さっきの試合?」 もこ「すごかったぁ!」ニコッ 京太郎「そっか、ありがとな」ナデナデ もこ「京太郎、夕刻は如何にして過ごす?」 京太郎「んー、疲れたし部屋出たくないし……遊ぶか」 もこ「御意!」 京太郎「それ敬語じゃなかったか?」 京太郎「じゃあ今日はインディアンポーカーでもするか」 もこ「胤禰闇峰袈厭?」 京太郎「そそ、インディアンポーカー」 京太郎「まずお互い一枚ずつカードを取っておでこにつける」 京太郎「それで勝負するかしないかを選ぶ、簡単に言うとこんな感じだな、わかったか?」 もこ「」コクッ 京太郎「よし、じゃあ一ゲーム目だ」 京太郎「……」ジーッ←正座 もこ「……」ジーッ←正座 京太郎(対木さんは7か……微妙だな) 京太郎(確率的には負けやすい……ここはオリか?)ジーッ もこ「……」ジーッ 京太郎(あ、目が合った) もこ「……」メソラシ もこ「……」チラッ 京太郎「またこっち見た」 もこ「…………」カァァ もこ「み、見ないで」テレテレ 京太郎「勝負なんだからしょうがないだろ」 もこ「ぅぅ……」カァァ 京太郎(何だこの小動物的な可愛さ……) もこ「……厠」 京太郎「江戸時代!?」 もこ「……ん」スクッ ビリッ もこ「あっ」コケッ 京太郎「危ねっ!」ガシッ ポスン 京太郎「い、つっつ、正座なんかするんじゃなかったな……!?」 もこ「痛い……」 京太郎(あれ、何これ、俺押し倒されてんの?) 京太郎(目の前に対木さんの顔あるし……って顔小っちゃくねえか?) 京太郎(またいい匂いがするし……) 京太郎「つっ対木さん?とりあえず離れてくんないかな?」 もこ「あ……ぅ」 京太郎「対木さん?」 もこ「…………もこ」 京太郎「え?」 もこ「初名で呼称しなければ退かない」 京太郎「初名?……ファーストネームのことか?」 もこ「」コクッ 京太郎「じゃあ、もこ、退いてくれないか?」 もこ「……もう一度」 京太郎「もこ?」 もこ「……」カァァ もこ「……もう一度」 京太郎「いい加減にしなさい」ペシッ もこ「あぅ……」 【一時間後】 京太郎「もこ、そろそろ離してくれないか?」 もこ「……あと十度」ギュゥ 京太郎「はぁ……」 夜 京太郎「もこ、離さないと遊ばないぞ」 もこ「それは嫌」 京太郎「じゃあ離れろ」 もこ「……御意」 もこ「次は反転し合う白黒≪モノクロ≫の盤上」 京太郎「オセロな、今から借りてくるから、シャワーとか浴びとけ」 もこ「うん」 京太郎「持ってきたぞ」 もこ「ありがとう」ホクホク 京太郎「もこはどっちの色がいい?」 もこ「灰」 京太郎「黒か白だ」 もこ「黒」 京太郎「じゃあ俺が白だな」 京太郎「角三つ取ったのに負けたかー」 もこ「ふぁ……ん」 京太郎「眠いのか?」 もこ「」コクッ 京太郎「ならさっさと片付けないとな、手伝ってくれるか?」 もこ「」コクッ 京太郎「よし、もうちょい頑張れ」 もこ「……」ペラッ ペラッ 京太郎「そういや、今夜でここで寝るのも最後なんだよな」 もこ「……」ポロッ 京太郎「落としたぞ?」 もこ「……京太郎」 京太郎「ん?」 もこ「帰郷しても、友だち、だよね?」 京太郎「おう、もちろんじゃねえか」 もこ「!」パァァ もこ「ありがとう!」ニコッ 京太郎「当然だろ、普通だよ」ナデナデ もこ「えへへ……」 【九日目】終了
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【合宿二日目】 京太郎「眠い……限界まで出し切ったんだからしょうがないよな……」 京太郎「朝だしなんかするかな」 京太郎「まだ時間あるし寝よ」 京太郎「……押し入れって狭いな」 良子「京太郎、好きだ!」 憩「いえ、ウチの方が好きですーぅ!」 良子「いや!私の方が好きだ!ラブだ!」 憩「京太郎くん!」 良子「京太郎!」 憩良「「どっちを選ぶ!」」※二人とも裸です 京太郎「うわああああああ!」 真佑子「あっ、須賀さん、おはようございます」 京太郎「おはようございます!」キリッ 京太郎(何だ今の夢……) 京太郎(いい夢だったな……)ポーッ 朝 京太郎「あ、良子さーん!」 良子「きょ、京太郎?」 良子(よくよく考えたら何やってたんだ私!) 良子(京太郎と混浴なんて……) 京太郎「どうしたんですか?」 良子「どうもしてないどうもしてないノープロブレムだよ、今日も特訓?」 京太郎「はい!よろしくお願いします!」 良子「ここは……こう……」 京太郎「……なるほど、でこう、と」 良子「そうそう、そんな感じだ」 良子(京太郎、いつも真面目だな……) 良子(今日の夢にも……///) 京太郎「次はどうするんですか?」 良子「」ドキッ 良子(真剣で、色々と私のことを考えてくれていて……) 京太郎「良子さん?顔真っ赤ですよ?」 良子「そ、そうか?すまなかった」 良子(……理屈じゃないのかもな) 良子「次は――――」 京太郎「ふぅ~むなるほどなるほどなるほど~」 京太郎(夢のことを考えたら全然わからないんだぜ!) 昼 照「ロン、48900」ギィン 照「……ふぅ」 京太郎「よっ、対局終わったのか?」 照「うん」 京太郎「じゃあ暇つぶしに何かしゃべるか」 照「いいの?」 京太郎「いいって何がだ?」 照「京、戒能さんとばっかり話してるから」 京太郎「ああ……特訓してるだけだよ、うん」 照「そうなんだ、よかったぁ」ホッ 京太郎「?何がいいんだ?」 照「ううん、なんでもない」 京太郎「次、俺と打たないか?」 照「えっ?」 京太郎「この前言っただろ?私に勝てたらって」 照「あ……うん」 京太郎「じゃあ勝ってやるよ、今この場所で」 京太郎「五か月前みたいに!」ゴッ 照「…………」 照「わかった、受けて立つよ」 照「全力で捻る、前とは違う」 開局 憩「よろしくお願いしますーぅ!」 菫「よろしく」 京太郎「よろしくお願いします」 照「……よろしく」 照(憩と菫……か) 京太郎(良子さんから教わったコピー術……) 京太郎(他人の打ち筋を真似するものだけど、良子さんは「降ろす」とか言ってたんだよな) 京太郎(よくわかんねえけど、今回は……怜さんを意識してみよう) 同コンマのため、流局 京太郎(照相手には東一局が鍵、まずは温存しつつ和了りにいく!) 菫(……よくわからないが、個人戦上位者と戦えるんだ、存分に射抜く!)ギィン 京太郎「ノーテン」 憩「ノーテン」 菫「テンパイだ」 照「ノーテン」 京菫(全然ダメだった……) 照「…………」ゴッ 【照魔鏡】発動! 照(菫……憩も変わらない) 照(……京) 照(また見えなくなってきてる……?) 東二局 京太郎 24000 親 憩 24000 菫 28000 照 24000 同コンマのため、流局 照「…………」 京太郎(……!)スチャ 京太郎(なんだ、この感じ……照に和了られる?) 京太郎(これは出さないでおくか……)トン 憩「ノーテン」 菫「テンパイ」 照「テンパイ」 京太郎「ノーテン」 京太郎(二連続流局って幸先悪くねえか?) 東三局流れ二本場 京太郎 22500 憩 22500 親 菫 29500 照 25500 照(憩が使うのは極端な支配) 照(その後の自分の流れを悪くする代わりにその局に和了りにいく) 照(そしてその流れを徐々に回復する) 照(それともう一つ、厄介なのがある……) 照「ロン、1900」 照(和了した人の流れを悪くする) 憩「…………」 照(でも、もう何回と視てきた) 照(その支配も菫の射抜きも、私には通じない) 東四局 京太郎 22500 憩 20600 菫 29500 親 照 27400 憩(照ちゃんに和了られてもうたか……) 憩(そういえば、照ちゃんと京太郎くんと打つのっていつぶりやったっけ……) 憩(……まあええ) 憩(今は京太郎くんの手伝いや!) 憩「リーッチ!」ピキィィィン! 照「っ……」 菫「……」 京太郎(やばい、何もできてねえ……) 憩「ツモ、リーチ一発三暗刻」 憩「裏2で3000・6000や!」 南一局 親 京太郎 19500 憩 32600 菫 26500 照 21400 京太郎(……!)ビクッ 京太郎(憩さんが……振り込む?) 憩「……」トン 照「ロン、1000」 憩「はいはーい」 京太郎(何だったんだ……今の) 京太郎(ってかそんなことより……) 京太郎(テンパイできてるのに……どうして和了れないんだ……) 南二局 京太郎 19500 親 憩 31600 菫 26500 照 22400 同コンマのため、流局 憩「テンパイ」 菫「テンパイ」 照「テンパイ」 京太郎「……ノーテン」 南二局一本場 京太郎 16500 親 憩 32600 菫 27500 照 23400 照「ツモ、400・600」 京太郎(照……連続で和了れてないな) 京太郎(ってことはアレも出しにくいはず……) 京太郎(……あれ?アレって何だっけ?) 京太郎(何かが……引っかかってる……?) 南三局 京太郎 16100 憩 32000 親 菫 27100 照 24800 照「カン」 照「カン」スチャ 照「……」トン 菫(暗槓二つ……少なくとも70符か) 菫(……ここか?) 照「ロン、2600」 菫「……はぁ」 オーラス 京太郎 16100 憩 32000 菫 24500 親 照 27400 憩(オーラス……) 憩(ここで和了れば、ウチは勝てる) 憩(照ちゃんに……京太郎くんにも!) 憩(……絶対に和了る!) 【孔穿つ閃光】発動! 憩「……カン!」 憩「リーチ!」 京太郎(…………) 京太郎(オーラス、それももう終盤なのに、なんでテンパイできないんだ……) 京太郎(体にまとわりついてた変な感じもなくなったし) 京太郎(このまんまで照に勝てるのかな……) 照(憩がリーチしたときは注意が必要) 照(それも特に役無しテンパイ) 照(だから多分今回も……) 照「…………」スチャ… 照(……今回は私の負け、か) 照「……」トン 憩「ロン」 憩「リーチ一発河底、裏6」 憩「16000や!」 結果 憩 46500 菫 24000 京太郎 18600 照 10900 京太郎「」チーン 照「」チーン 菫「」チーン 菫(焼き鳥二位、っておかしくないか) 菫(男女のチャンピオンに勝ったとは言えど……) 京太郎(焼き鳥でこの順位で照に勝ったって……) 京太郎(ちっとも嬉しくねえ……) 京太郎「照!」 照「何?」 京太郎「次だ!次こそお前に勝ってやる!」 照「……わかった」 京太郎「首を洗って待ってろよな!」 京太郎「何もしてないのに疲れた……」 京太郎「昼飯食いに行くか」 京太郎「……勝ちたいなぁ」 京太郎「遊んでるだけじゃダメなのかな……」 良子「京太郎、どうかした?」 京太郎「あ、お疲れ様です」 良子「そっちこそ。さっきの対局見てたよ」 京太郎「そうなんすか……恥ずかしいです」 良子「……ドントマインド」 良子「私だって高校生に負けることはあるし、それこそ小鍛治プロ以外のプロは誰だってそう」 京太郎「小鍛治プロって何なんですか一体……」 良子「誰だって負けるし焼き鳥にだってなる、それで落ち込んだら――――」 良子「ハムッ、ハフハフ、ハフッ!」 良子「こうやって食べたり、笑い飛ばしたりすればいいんだよ」ニコッ 京太郎「……そうっすね、ありがとうございます」 良子「ふふっ、どうってことないよ」 恒子「あ!須賀くんこんなとこにいた!」 恒子「さーさー!お姉さんたちのところに来ようか!」ズルズル 京太郎「えっ、ちょっ、何なんですかもう!」ズルズル ガララ ピシャッ 良子「…………」 良子「……今日も一人か、ふふっ」 昼 京太郎「まさか……」 恒子『量が多すぎて食べられないから代わりに食べて!』 京太郎「なんて用事だったとは……」 京太郎「あー腹いっぱい、この後どうしよ」 臨海監督(以後臨)「また暇なのか?」 京太郎「お察しの通りですよー」 臨「ふむ、じゃあ私が稽古をつけよう」 臨「須賀も勝ちたいだろ?」 臨「まずはこの手牌……何を切る?」 京太郎「そうですね……これでしょうか」 臨「む……正解だ」 臨「ではこれは?」 京太郎「これですね」 臨「これは?」 京太郎「これです」 臨「……これは?」 京太郎「これですね、考えるまでもありませんよ」 臨「……正解だ……」ズーン 京太郎(あれ?監督さんがなぜか落ち込んじゃったぞ?) 臨(せっかく集めてきた問題なのに……)シクシク 夕 臨「リベンジだ!」 京太郎「何ですかいきなり」 臨「このまま負けるわけにはいかない!さあ特訓だ!」 京太郎「えぇ……休ませてくださいよ」 臨「No fight, no life!」 臨「休む暇など与えないぞ!」 京太郎「嫌だー!」 臨「一問目!」デデン! 京太郎「はい」トン 臨「さて点数は!」 テテッ テレテレッ テレレレッ! 京太郎「おおっ!高得点!」 ヒューゥン… 京太郎「ダメだった……」 京太郎「ってなんで仮装大賞風なんですか!」 臨「余計なオプションを付けることで気を逸らす!」 京太郎「気を逸らさせたら特訓の意味ないですよ!」 臨「うぐっ……た、確かに」 京太郎「それじゃあ二問目お願いします」デデン 臨「……はい」 臨(なんか立場逆転してる……) 京太郎「ただいま帰りましたー」 郁乃「お帰り~」 真佑子「お帰りなさい」 京太郎「二人とももう帰ってきてたんですね、何してたんっすか?」 郁乃「ん~京太郎くんの呼び方についてな~」 京太郎「呼び方?」 真佑子「ゴミ虫とかフンコロガシがお似合いですねって話してたんですよ」ニコッ 京太郎(さらっとなんつーこと言ってんのこの人) 夜 郁乃「まあ今のは冗談やから~」 京太郎「冗談なんですか……」 真佑子「まさかそんな(冗談な)わけないじゃないですか」 京太郎「ですよね、そう(冗談)ですよね!」 真佑子「はい、勿論です」 真佑子「あ、私お風呂行ってきますね」 郁乃「行ってらっしゃ~い」 京太郎「行ってらっしゃーい」 ガチャ バタム 京太郎「さて、二人になったわけなので何かしましょうか」 郁乃「ええな~何しよか?」 郁乃「京太郎くん、イメチェンとかせえへん?」 京太郎「イメチェン……ですか」 郁乃「せやで~」 京太郎「……」ハッ! 京太郎「女装はしませんからね!」 郁乃「女装か~それもええけど~」 , '"  ̄` 、 / ヘ ./ ヽ、 ヘ ′ i !ハ ∧ i| | ! ヤ ∧ |i | / リ从 ∧ | /´レ勹´ _`_キ ∧ | !' ,r=‐ i。i | \____ | 爪 ´,, ″| ヽ、 `ヽ | ゝ .,ノ 从 `ヽ、 | 心 _/.)^._ イ´ ∧\ } 郁乃「だいじっこ!」..,ィ|i /./ | i \ } ソ{ ./ | ,'‐^ュ `k | i \"´ji { 广 ̄丁 j’ ´ ‐''ノ从 |-ミ } ji ル / 人__,,斗宀'" i \|ノ; /i | 彳"/ /' │ !"¨ ./ |ゝ-弋./ /__ __ _/i / |!/| | / / `´ |/ | i| | / / | | i| 京太郎(片目がやたらキラキラしてる!?) 郁乃「ふふっ、驚いたやろ~」 京太郎「これを俺にしろ……と」 郁乃「せやで~」 郁乃「あ、その前に……今のどうやった?」 京太郎「今の……ですか」 京太郎「好きです」 郁乃「せやろ~」 郁乃「……」 郁乃「へっ?」カァァ 郁乃「す、好き……?」 京太郎「なーんてね、ウソですよー」 郁乃「京太郎くんが私のことを好き……いやでも私はこんな体やし、それに照ちゃんや憩ちゃんやって……」ブツブツ 京太郎「聞いてないや」 京太郎「でもイメチェンか……やってみよっかな」 京太郎「目をキラキラさせて……」 真佑子「ただいま帰りましたー」 京太郎「試してみよう!」 ,.. / ヽ ´⌒> 、 / \ / | }! \⌒. / / ! | | ヽ \ /ィ | \∧ | /| |! トー― | _|VT示r ∨j/示rx/ V( 京太郎「だいじっこ!」 レ1( 弋,り 弋り {ソ V __ |/V{ ___ 从|>ー―――r―――/ / ___/ 、 V / イ7 / /――-、 \ ___/ | | ー 77 / / / ー― ノ ( | | / / / / / \| | | / / /´ ̄ ̄ ̄ / ! ∨∨ / /( _/\ /|/ ∨ / / / ⌒ヽ ー / \ / 人 〈 / / | し′  ̄ , >==≠ | /⌒ ト{_ | | |/ |/| | }! | \| {___/ /| | / 真佑子「……」 京太郎「だいじっこ!」 真佑子「……」 真佑子「部屋間違えましたー」 京太郎「ちょっと待ってー!」 京太郎「時間になったし風呂に行くか」 京太郎「昨日みたいなことは……ないだろうな」 カポーン 京太郎「ふぅ……」 京太郎「いいお湯だなー」 京太郎「月も綺麗だし、さいっこーだなー」 京太郎「……はぁ」 京太郎「誰か来ないかな……」 ガララ 京太郎「!」ビクッ えり「はぁ……」 えり「福与アナは全くいつもいつも……」イライラ えり「お風呂に入ってリラックスしましょう」 えり「というかなんでお風呂リポートまでしなくちゃいけないんですか、翌朝……」 ガララ えり「あぁ……月がきれ……い……」 京太郎「……えっ」 えり「」 京太郎「」 恒子『そーそー、23時以降は須賀君がいるから入っちゃダメらしいよー』 えり「……」 えり「はわわわわ!」 京太郎「見てません!何も見てませんから!」フリッ えり「し、失礼しました!」ダダッ 京太郎「あ、足元!石鹸!」 えり「えっ?」ツルッ 京太郎(やばい!風呂場で転んで頭打ったらシャレにならない!) 京太郎「間に合え!」 京太郎「ッ!」ダキッ ドンガラガッシャーン えり「……ん……ぅ」 京太郎「大丈夫ですか?」 えり「は……い」 京太郎「ふぅー良かった良かった、頭打って仕事ができなくなったりしたら大変ですからね」 えり「すみません……」 京太郎「いいっすよ、立てますか?」 えり「あ……」 京太郎「あのー?」←えりの下敷きになっている えり「あっ!すみません!」ガバッ 京太郎「だから大丈夫っすよ、いつつ……」 えり「あ、足が……」 京太郎「壁にぶつけちゃっただけなんで大丈夫ですよ」 京太郎「それじゃあ俺上がるんで、針生アナはゆっくりしていてください」ニコッ ガララ ピシャ えり「………… 」 えり「須賀くんはケガをしてまで私を……」 えり「…………」 えり「ありがとう、って言ってませんでしたね……」 えり「今度お礼をしないと……でもどうすれば?」 えり「男の人はどんなものがいいのでしょうか……」 えり「…………」ウーン えり「…………」コクッ えり「…………ふぁ」 えり「寝てはいけません!しっかり考えないと……」コクッ えり「…………」コクッ えり「何も思いつかないです……」 【二日目】終 【合宿三日目】開始 京太郎「んーまだちょっと痛いな……」 京太郎「天気もいいし、朝もまだ早いし、何しようかな」 真佑子「むにゅ……」 京太郎「多治比さん……幸せそうに寝てるな……」 京太郎「親睦を深めるために、久しぶりにやるか!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part12】デデーン! 京太郎「おはようございまーす」ヒソヒソ 京太郎「今回はですね、この、多治比真佑子さんにですね」 京太郎「寝起きドッキリをしかけたいと思いまーす」 京太郎「まずは多治比さんのですね、ほっぺたをつまんでみたいと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「失礼しますねー」ムニッ 真佑子「うみゅ……すぅ……」 京太郎「まだ起きないみたいなのでもうちょっと強めに……」クニクニ 真佑子「むにゃ~~~~」 京太郎(あ、なんか可愛い) 真佑子「……」ガシッ 京太郎「あっ」 真佑子「……須賀……さん?」 真佑子「えっと……何を?」 真佑子「私の上に馬乗りになって、顔をのぞきこんで……///」カァァ 京太郎「あ……」 真佑子「…………」 真佑子「女性の寝込みを襲おうとするとか、さいってーですね」ジトッ 京太郎「す、すみませんっしたー!」 真佑子「とりあえず黙ってくださいこのカス虫外道が」 京太郎「はい……」 真佑子「なるほど、寝起きドッキリですか」 京太郎「……すみません」 真佑子「いえ、私も勘違いして汚い言葉を言ってしまったので……おあいこ、ということで」ニコッ 京太郎「あ、ありがとうございます!」 真佑子「だからうっせーつってんだろ」 真佑子(頭を上げてください) 京太郎「えっ……」 雅枝「合宿最終日は何をしてもええ」 雅枝「部屋で休むのもええし、誰かと打つのもええ」 雅枝「ゆっくりと羽を伸ばすことやな」 雅枝「ほな今日も頑張っていこか」 「「はい!」」 京太郎「何でもしていいって言われてもな……」 京太郎「何しよう……」 照「京、また暇なの?」 京太郎「またって何だよまたって」 照「じゃあ……何か話さない?」 京太郎「話?そうだな、するか」 京太郎「じゃあ、今回の合宿、どうだった?」 照「……楽しかったよ」 京太郎「ってかよく考えたら照だけ一回合宿行ってないんだよな」 照「白糸台合宿のこと?」 京太郎「うん、またみんなで合宿とか旅行とかしたいよなー」 照「……そう」 照「…………」 照「京は、この合宿どうだった?」 京太郎「俺か?楽しかったぞ」 京太郎「まあまだ終わってねえけど、特訓したり喋ったりそれに風呂だって……」 照「お風呂?」 京太郎「いや!何でもないぞ!」 照「?」 照「私も……楽しい」 京太郎「この合宿が?ってさっきも言ってたじゃん」 照「……ううん」 照「私も、京と喋ったりするのが楽しい」ニコッ 京太郎「!……そ、そうか俺もだぞ」 照「ふふっ、良かった」 京太郎(照が笑ったとこなんて最近見てなかったよな……) 京太郎(なんで照なんかにときめいてんだ俺……) 昼1 京太郎「適当に卓を回ってみるかな……」 淡「ふっふー容赦しないよー」 咏「へへっ、お前は私にゃ勝てねえよ!」 泉「私を嘗めてもろたら困りますね」 恭子(何やこの卓……) 京太郎(面白そうだな、見てみるか) 【東一局】 咏「ロン!32000!」 恭子「メゲるわ……」 咏「私の勝ちだねぃ~」 淡「ぶー!開幕数えなんてずっこいずっこい!」 咏「実力なんだからしょうがねえだろー」 恭子「うっ」グサッ 淡「次面子変えてやろー」 恭子「あうっ」グサグサッ 泉「末原先輩……」 恭子「ええんや……私は所詮凡人……ふふ、あはは……」トボトボ 京太郎「末原さん、どっか行っちゃったな」 京太郎「追いかけてみよう!」 恭子「……はぁ」 京太郎「末原さん、暇ですか?」 恭子「えーっと、須賀くんやったっけ……」 京太郎「はい、俺今暇なんで何か話しませんか?」 恭子「……うん、ええよ」 京太郎「とりあえずお茶でも」 恭子「ミルクティーか、嫌いやないで」 京太郎「それならよかったです」 恭子「それで、何話そか」 京太郎「そうですね……「魔物」について、とか」 恭子「魔物……宮永姉妹とかみたいな人種か」 京太郎(やっぱりあの二人は相当なんだな……) 京太郎「全然勝てないですよね、あいつら」 恭子「……そっか、須賀くんはあの二人と幼馴染やったっけ」 京太郎「ええ、一応」 恭子「せやったら須賀くんも相当の打ち手なんやろ?男子個人戦チャンピオンやし」 京太郎「いや全然ですよ、照と咲に勝てたのなんて両手で数えられるくらいですし」 恭子「……須賀くんは、どう思うんや?」 恭子「宮永姉妹に荒川憩、神代小蒔に天江衣、大星淡とか三尋木咏、高鴨穏乃……あの次元を」 京太郎「んー……凄いとは思いますけど、勝てない相手ではないですよ」 京太郎「大体、勝てないって最初から思ってたら何もできませんよ」 恭子「……やっぱり、せやな」 京太郎「だから諦めないでもう一回挑戦すればいいんですよ!」 恭子「……うん」 恭子「よし、もう一回やったるわ!」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 照「ロン、1000」 照「ロン、2900」 照「ロン、6100」 照「ロン、8400」 照「ロン、12900」 照「トビですね」 恭子「メゲるわ……」 恭子の好感度がぐぐぐーんと上がった! 京太郎「末原さん頑張ってるといいな」←京太郎は上の結果を知りません 京太郎「よっと、食堂到着」 京太郎「今日は何食べよっかな」 淡「あ!京太郎だ!」 京太郎「ん?ラーメンが宙に浮いてるぞ?」 淡「もーなにそれー!」 京太郎「ラーメンが喋った!?」 淡「いい加減にしないと怒るよ」ゴゴゴゴ 京太郎「あいよ、お前も今から飯か?」 淡「そだよー」 京太郎「淡は何食べるんだ?」 淡「んー今日はちょっと暑いからそばにしようかなー」 淡「京太郎は?」 京太郎「俺はカツカレーだな」 淡「へー」 淡「おいしー!」ズルズル 京太郎「食べながら喋るんじゃありません」 淡「京太郎はつまんないなー」 京太郎「ちゃんとしないお前が悪い、そんなんじゃ誰も嫁にもらってくれないぞ」 淡「いいもん!私がお婿さんになるから!」ズルズル 京太郎「何言ってんだこいつ」 淡「それにどうせ京太郎が貰ってくれるし……」チラチラ 京太郎「はぁ……」 京太郎(なんか期待した目で見てるけど、なんて返せばいいんだ?) 京太郎「そういえばiPS細胞というので同性の間でも子供ができるらしいです」 淡「へっ?」 京太郎「淡が嫁にもらうんだったら渋谷さんとか大人しい人の方がいいんじゃねえの?」 淡「……京太郎のバカ」 淡「ごちそうさまでした!」 京太郎「えっおい淡!」 ガララ ピシャッ 京太郎「……どうしたんだあいつ?」 京太郎「飯を食べ終わったら眠くなってきたぞ……」 臨「須賀!須賀!手伝ってくれ!」 京太郎「なんですか?」 臨「ちょっと昼飯を作ろうと思っていたんだ、その缶詰を開けてくれるか?」つ缶切り 京太郎「別にいいですけど」 臨「じゃあ頑張ってくれ」ササッ 京太郎「なんで屋外?なんでそんなに離れるんだ?とりあえず開けてみるか」カチッ 缶詰「どもーシュールストレミングでーす」モワッ 京太郎「くさっ!なんだこれ!」 臨「よくやったぞ須賀!」 京太郎「滅茶苦茶くせえ……」 臨「まあまあ、これあげるから」 京太郎「サルミアッキ?」 臨「なかなかいい味だよ」 京太郎「それじゃあ……」パクッ 京太郎「まずっ!なにこれ!おえっ!」 臨「そうか?おいしいんだけどな」モグモグ 京太郎(味覚と嗅覚大丈夫なのかこの人!?) 臨「昼飯も食べ終わったことだし、特訓しようか」 京太郎「この状態でですか……」 臨「準備はいいな?」 京太郎「はい……」プーン 臨「今回の課題は私から和了ること!一度でも振り込んだらその時点で失格だ!」 京太郎「めんどくさそーですね……」 臨「それでは始めよう」 京太郎「ロン」 京太郎「ツモ」 京太郎「ロン」 京太郎「ロン」 京太郎「ロン」 臨「」チーン 京太郎「課題クリアですね!」 臨「……ああ、そうだな」ガクーン 京太郎「もう夕方か……あとは都会に戻って打ち上げして終わりだな」 京太郎「最後、何をしよう」 咏「遠き山に~♪」 京太郎「おっ、何やってんだ?」 咏「ちょっとネト麻をねぃ、やってみる?」 京太郎「まだ途中じゃねえの?」 咏「いや……」 『ロン、16000』 咏「これで終わり」 京太郎「こえーよお前……」 咏「んじゃ、やってみそ」 京太郎「よっと」ポチッ 咏「はぁ?何切ってんの?」 京太郎「こっちの方がはやく和了れね?」 咏「いや今のはそっち切るべきだろ、ほらさっきの有効牌」 京太郎「げっ、マジだ……ツモ切りっと」 咏「あっバカ!」 京太郎「えっ?」 『ロン、24000』 京太郎「と、とんだ……」 咏「言わんこっちゃない、次私の番な」 京太郎「おう……」ショボーン 【叙○苑】 京太郎「ただの合宿の打ち上げになんつーとこ来てんすか……」 良子「費用は府と都が持ってくれるからね、それにガールばっかりだし」 京太郎「だからってこれはもう……おかしすぎるでしょう」 照「京」 京太郎「んっ、照か」 照「とりあえずこっち来て」グイッ 淡「サンチュだけ食べまくる!」 菫「ちゃんと冷麺とかも食え」 照「カルビ頂戴」 京太郎「はいよ、ピートロは?」 照「……いい」 菫「照もクッパとかしっかり食べろ」 照「焼肉は楽しまねば焼肉に非ず、カルビはやく」 菫「もう肉は頼まないぞ」 照「あうっ」 淡「京太郎!ハラミ頼んで!」 京太郎「はいはい」 菫「須賀……お前からも言ってやってくれないか」 京太郎「えー……だって肉を焼かないと意味ないじゃないですかー」 菫「……むぅ」 淡「スミレは太るのが怖いんだよ」ヒソヒソ 京太郎「そういう淡はどうなんだ?」ヒソヒソ 淡「私は食べても太らないタイプだからね!」ババーン 照「同じく」 菫「くっ……須賀ァ!ただちに供給を停止させろォ!」 京太郎「えぇ……」 京太郎「とりあえずこれでも食べててください」<ピートロ 菫「むぐっ」 淡「京太郎ってば大胆!」 京太郎「何がだ」 照「でも菫はピートロが一番好きだったはず」 菫「…………」 菫「須賀!どんどん焼くんだ!」 淡「あ!ハラミとカルビとピートロくださーい!」 照「満足満足」ホッコリ 「お待たせしましたー」 京太郎「よーしじゃんじゃん焼くぞ!」 京太郎「まずはナスからだ!」ジュージュー 照「えっ」 淡「え」 菫「は?」 京太郎「な、ナスくらいいいじゃないか……」 照「……まあいっか」 淡「だね!」 菫「言いだしっぺは私だしな」 京太郎「よし焼けたな、みんな取ってけー」 照「……おいしい」モグモグ 淡「この火加減、京太郎はわかってるなー」モグモグ 菫「うむ、おいしいな」モキュモキュ 淡「やっぱり京太郎は私のお嫁さんになるべきだね」 照菫京「「「ぶふぉっ!」」」 京太郎「何て事言い出すんだよいきなり!」 菫「けほっ、二人はそういう関係なのか?」 照「あり得ない……うん」 淡「なにそれ酷いよ!」 京太郎「とりあえず黙って食べなさい」ペシッ 淡「いったーいぃ……」 京太郎「ようやく解放された……」トボトボ えり「あ……」 京太郎「は、針生アナ!?」 えり「こん、ばんは……」 京太郎「その、昨日はほんとにすみませんでした!」 えり「そんなことはないです、須賀くんに助けられたんですから」 京太郎「でも……ちらっと見てしまいましたし……」 えり「見……///」カァァ えり「忘れてください!///」 京太郎「すみません!」 えり「……とりあえずあっちの部屋に行きましょう」 京太郎「……はい」 えり「顔を上げてください、ね?」 京太郎「……」 えり「須賀くん、悪いのは私の方だったんですから」 えり「お詫びと言ってはなんですが……その……」 えり「一つだけ、なんでも言うことを聞きます」 京太郎「……えぇぇぇぇ」 京太郎(どうしよう……針生アナに命令ができるって結構夢みたいだけど……うむむ……) えり「……挿れますね」 京太郎「お願いします……んっ」 えり「ここが膜……でしょうか」コツン 京太郎「はい、おそらくは……いたっ!」 えり「ごめんなさい!……初めて、ですから」 えり「もう……動いていいですよね」 えり「いっぱい……出ましたね」 京太郎「なんかすみません……針生アナ気持ち良すぎですよ」 えり「ありがとうございます、あとお互い初めてなんですからいいですよ」 京太郎「そろそろ動きますね」ゴロッ えり「あー……こっちもたくさん溜まってますね」 えり「頑張って出しましょうね」 京太郎「……お願いします」 恒子(いやー針生アナと須賀くんがここにいるっていうから来てみたけど……) 恒子(ナニしてるんだあの二人!) 京太郎「あーすっきりしたー」 京太郎「針生アナの膝枕も堪能できたし実に満足だ!」 臨「須賀じゃないか」 京太郎「つかぬ事をお伺いしますけど……トイレで一体何を?」 臨「日課のレーションとプロテインをな」 京太郎「マナーだけはしっかり守るんですね」 臨「そろそろ戻るか、須賀も来ないか?」 京太郎「はい、よろこんで!」 京太郎「一人だったんですね」 臨「サトハたちが他の場所に行ってしまったみたいでな……はぁ」 京太郎「俺で良ければお付き合いしますよ」 臨「センキュー、でもあらかた食べたからそろそろデザートにしようかな……」 京太郎「じゃあ何か持ってきますよ」 臨「よろしく頼むよ」 京太郎「うーん……今並んでるのがないな……」 「お客様、アイスでしたら個室までお運びいたしますが?」 京太郎「そんなサービスが!」 「はい、ご利用なさいますか?」 京太郎「ぜひお願いします!」 臨「それで来たのがこれ……と」 京太郎「迂闊でした……」 臨「スプーン1本か……まあいい」 臨「須賀、食べさせてくれ」 京太郎「食べさせてくれって……はぁ」 京太郎「はい、あーん」 臨「あ、あーん」カァァ 臨「っ」モグッ 京太郎「おいしいですか?」 臨「うむ、なかなかだな」 臨「次はお前の番だ、あーん」 京太郎「い、いや!俺はいいっすよ!」 臨「私だって恥ずかしかったんだ!お前も同じ目に遭うべきだ!」 京太郎「でもこれじゃあ間接キスになっちゃいますよ!」 臨「あ……ぅ……///」 臨「うるさい!とにかく食べろ!」 京太郎「ちょっ」モグッ 京太郎「あ、おいしい」 臨「よし、次は私の番だな」 京太郎「……はぁ」 京太郎「あれ?そもそもスプーンもう一本頼めばよかったんじゃ……」 臨「あっ……」 雅枝「これで近畿・関東合同合宿は終わりや」 雅枝「次会うときは国麻の卓や、それまでに各々精進するように」 雅枝「それでは……解散!」 「「お疲れ様でしたー」」 臨「須賀」 京太郎「何すか?」 臨「これが私のメールアドレス、大阪に戻ったら連絡してくれ」 京太郎「はい、お疲れ様でした」 臨「うむ、お疲れ」 真佑子「あ、須賀さん」 真佑子「これ、私の連絡先です。よければメールくださいね」ニコッ 京太郎「それはどうも」 真佑子「それではまた!」 京太郎「さようならー」 【清々荘】 京太郎「部屋に帰って来たぞ」 京太郎「寝る前に何かするかな」 京太郎「監督さんにメールしてみよっかな」 京太郎「あんまり当たり障りのない感じで……」 京太郎『こんばんは』 京太郎『早速メールしてみました』ピッ ヴーッ ヴーッ 臨『おお!学校関係とか仕事関係以外で初めてメールを出した!』 臨『ありがとう須賀!』 京太郎「なんだろうすっごい既視感」 京太郎「つまりプライベートではメールしたことがない……」 京太郎「恋人とかもいなかったのか?」 京太郎『突然ですが、以前に恋人がいたことはあるんですか?』ピッ ヴーッ ヴーッ 臨『……まさか』 臨『恥ずかしながら、彼氏いない歴=年齢の生き遅れだよ』 臨『自分で言ってて傷つくな……』 京太郎「やり手のキャリアウーマンって感じなのに意外だな」 京太郎『きっといい人が見つかりますよ』ピッ ヴーッ ヴーッ 臨『そうだな』 臨『須賀とも出会えたことだし』 臨『そのときはよろしく』 京太郎「えっ、よろしくって何!?」 京太郎「まあ確かに監督さんスッゲー綺麗だけど……」 京太郎「……こんな会話淡としなかったか?」 京太郎「時間もあるし他の人にもメールしてみるか」 京太郎「そうだな……」 京太郎「針生アナに送ってみようかな」 京太郎「そういえば耳掃除と膝枕……よかったなぁ」ホッコリ 京太郎「さて何て送ろう」 京太郎『こんばんは』 京太郎『初めてのメールですね』 京太郎『針生アナは国麻にも来るんですか?』ピッ ヴーッ ヴーッ えり『こんばんは』 えり『一応最終戦の実況を任されているのですが、私にできるのかどうか不安で』 ヴーッ ヴーッ えり『すみません、こんな情けないメール送ってしまって』 京太郎『そんなことないですよ』 京太郎『針生アナなら大丈夫です』 京太郎『頑張ってくださいね』ピッ ヴーッ ヴーッ えり『ありがとうございます』 えり『私も須賀君のこと応援していますから』 えり『そちらこそ頑張ってくださいね\(^o^)/』 京太郎「何故か俺が終わってる……」 京太郎「顔文字とか使い慣れてないのかな?」 京太郎「そう思うとなんか既視感が……まあいっか」 京太郎『それではまた今週末、ですね』 京太郎『おやすみなさい』ピッ 京太郎「さて寝るかー」 【10月第3週 休日】終