約 1,297,194 件
https://w.atwiki.jp/nicomad_srs_event/pages/1264.html
http //www.nicovideo.jp/watch/sm22538461 作品名:緑のきしめん+α 作者名:SHO 作者コメント:ピッコロさんを詰め込みました。昔zoomeで活動していた時のものの再うpです。ピッコロさん好きな方に楽しんで頂けると幸いです。 この作品のタグ:第7回ニコニコ紅白MAD合戦「紅組」 レビュー欄 ピッコロ愛に溢れています。自分はプレイしたくありませんが…ww -- エッチルガム2号 (2013-12-27 21 58 52) 完成度高いです。けちをつけようのないパロの出来です。 その上に面白さのツボを抑えられているように感じ、たっぷりとにやけさせていただきましたw 0 15、思わず吹いてしまいましたwそりゃそうなんですけどwww 0 26~0 44にやりとしっぱなしでしたwパロは楽しいのが一番ですねえw 1 19吹いてしまいましたwそのうまさとのギャップにウケルというw -- ku (2013-12-29 06 32 49) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/suiginto/pages/61.html
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 01 35 04.29 ID ZuvhborM0 「1580円になります」 レジ袋にカップアイスを詰めながら店員が言った。 「あっ、はい」 100円のカップアイス10個で1050円と考え、お金を用意していたのだが 考え違いをしていたようで、急いで足りない分をマネートレイに置いた。 「ありがとうございました」 自動ドアが開き、外の生ぬるい風と挟み撃ちになる形で定員の言葉が聞こえてきた。 それにしても、150円だったとは気づかなかったな、まあ嫌いなアイスではないし、いいか。 彼は家路の途中でそう考えた。手にはカップアイスが10個入ったビニル袋をぶら下げている、 袋の中で5ずつに分けられ重ねられたアイスが螺旋のように絡み付いていた。 ついでに言うと、彼が買ったアイスの商品名はゆずレモンだ。 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 01 44 15.13 ID ZuvhborM0 彼は坂道を下り、少し寂れた2階建てのアパートの前に出た。二階の真ん中の部屋の窓には 「空き部屋あります」の看板がさがっている。 彼は塗装が禿かかった階段を上り、一番奥の部屋に入った。 買ってきたアイスを手早く玄関口の冷凍庫に突っ込み、袋は丸めて紙袋のなかに突っ込んだ。 「暑い」彼は上着とズボンを脱ぎ、パンツ一枚になってパソコンを起動させた。 ピーカリカリカリとHDDの引っかく音が狭い部屋に響く。起動までの時間に自分の体を姿見鏡に映し、 細い体に浮かび上がる筋肉を満足気に眺めたりしていた。 彼は自分で「うん、インナーマッスルって奴かな!」と思い自分がガリガリだと言う事を 認めようとしないのだが、体重計に乗ると心なしか背中を丸めていた。 そんな事をしている内にパソコンが起動した。彼なしでも世界は巡る証拠の内の一つだ。 彼はパソコンの前に座り、ニュース系のサイトを斜め読みしmixiでコメントに頭を悩ませ、 大型掲示板の前でどんなクソスレを立てるか心躍らせていた。 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 02 03 09.51 ID ZuvhborM0 「ぶふっ」 ディスプレイに飛び散った唾を首にかけていたタオルで拭く。彼のディスプレイは未だにCRTだった。 「これは酷い」彼は一人呟きながらキーボードを手馴れた様子で叩き始めた。 それから2時間ほど、画面の前で一人格闘し、飽きたのか畳の上に倒れこんだ。 「つまんねぇなァ」 青い時代もあったであろう畳の上で背伸びをし声を絞り出した。 何かを思いついたのか「ん」と彼は鼻を鳴らし、キーボードの前に向き直った。 <タイトル:俺がまくから家にこい> 彼は本分入力欄を選択し、これまた手早くキーを叩く <○まきますか まきませんか> 「よし、いいクソスレだ」 内容を見直し、一人頷き書き込みボタンを押した。 彼はいわゆるオタクであった、ついでに言うと今流行のニートでもあり、 彼の愛は2次元のキャラクター、水銀燈に向けられていた。 これだけそろえば駄目の3ポイントシュートだけで試合を終了させてしまう事も出来るが、 彼は引篭もりなのでNBAから彼がスカウトされる事は永遠になかった。 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 02 19 07.38 ID ZuvhborM0 他人が立てたクソスレに適当なレスをしつつ、自分が立てたクソスレのチェックも怠らない。 どんな煽り文句が着ていたとしても、引篭もりで、人との交流が少ない彼にとっては結構嬉しい物であった。 <ご職業はなんですか> こんなレスがつけられていた。 彼は両手を腰に当て、斜め上を見て何かを考え、再びキーボードに手を戻した。 <現在ニートですが、水銀燈への愛は誰にも負けないつもりです☆ミ> 最後の記号は彼なりのユーモアスだ、面白いかどうかは別として・・・・・・。 「まっ、こんなもんだろ」 彼は書き込みを終わらせ、首を捻った。 変な姿勢で長時間パソコンの前に座るため、肩と腰とが悲鳴を上げているのだ。 適当に筋を伸ばし、自分のスレを更新する。 「なんだよ、俺とコイツしかいねーじゃん」 スレッドには<おめでとうございます! PS 働いた方がいいですよ>と書き込まれていた。 巨大なお世話だろ。そもそも、PSって手紙とかに使う言葉じゃないの?あれか、新しいコピペか何かか。 彼はそう考えながら<昔、PS型のミクロマンの基地がありましたよね>と書き込んだが、それから相手が何かを書き込むことはなかった。 彼はパソコンの前から立ち上がり、晩飯の用意の為に台所へと消えた。 次にそのスレを見た時には連投の手によって、700の壁を越えようとしている所だった。 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 02 31 58.29 ID ZuvhborM0 寝苦しい夜だった。 夜の闇をバターナイフで切り取り、僕の顔に塗りたくってくるような、そんな夜だった。 ふと目が覚めた。扇風機のタイマーは止まっており、モデムの光りの点滅だけが部屋を照らしていた。 僕は顔ぬ塗りたくられたバターを洗い落とすついでに、冷蔵庫で水を飲もうと寝床から起き上がり 慣れた自分の部屋を電気も点けづに洗面所まで歩いた。 「いてっ!」 小指を何かにぶつけた、多分ちゃぶ台だ。妖怪逆さま枕が暇つぶしに部屋の模様替えをしたのかもしれない。 が、今はそんな事はどうでもいいぐらい小指が痛かった。 しゃがみ込み「痛かった、今のは痛かったぞ!」と心の中で3度呟き立ち上がる。俺、完全復活。 洗面所で顔を洗い、台所で冷えた水を2杯飲み、すり足で寝床に辿りつき夢の旅行プランの続きを楽しんだ。 何故か冬のドイツの町並みをさ迷い歩く夢を見てしまった。 水銀燈ときゃっきゃウフフの旅行プランが受理されるのはいつ頃なんだろうか? 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 02 42 55.16 ID ZuvhborM0 断続的な振動で彼は夢の波打ち際まで引き上げられた。 もう、昼なのか。寝起きの鈍い頭でそんな事を考えているとコメカミに電撃が走った。 完璧に目が覚めると同時に、鈍い痛みが脳に信号を送り出した。 朝一の冴え渡る脳みそには電気信号の交通渋滞がないらしい。 上半身だけ起こしコメカミを押さえ、このままじゃ小指とコメカミに挟まれた場所が 痛みの電気信号にひっくり返っちゃうよ。などと考えながら自分を痛みの’ベル’で起してくれた物は何かと 横を見ると、水銀燈が腕組みをしこちらを睨みつけていた。 まだ痛むコメカミを摩りながら水銀燈を見つめた。 彼女の姿はディスプレイやコミックの中で見るより美しかった。 均整の取れた顔、流れる銀髪、細部にまで拘りがあるドレス。 そして、僕を睨みつける赤の瞳。 どうやら、夢の続きを見ているらしい、夢と分れば怖い物はない。 痛みはあるんだ、感覚もあるに違いないと僕は水銀燈に手を伸ばし、彼女の肩に手を置き 頬を親指で押し込んだり、ぐにぐにと回し感覚を楽しむ。 和菓子の繊細な柔らかさときめ細かな肌とが合わさり、とても触り心地がいい。 どれ両手でと彼女の頬を両側から同じように触る、極楽極楽。 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 02 56 27.93 ID ZuvhborM0 「ねえ」 水銀燈が口を開いた。 「何してるの?」 「ほっぺを触ってるんだよ」 「ふーん」と水銀燈は鼻で答え、組んでいた腕をほどいた。 押さえつけられていた二つの膨らみが、手の枷から開放されたゆんとはずむ。 次は胸を触らないと、僕がそう思った次の瞬間、僕の右頬に稲妻が走る。 思わず頬を押さえ身を縮めた。 「どう?目が覚めたかしらぁ」 殴った手をぱたぱたと振りながら、水銀燈はそう言った。 「痛──、これっ、夢?」 右頬を押さえ、水銀燈に顔を向け聞いた。 「もう一発」 そして、左頬にも同じように稲妻が走り、完全に目が覚める。 時計の短針は8を指していた。 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 03 03 00.87 ID ZuvhborM0 カラカラ、カランと箸が小さなちゃぶ台を転がり、食器にぶつかり止った。 水銀燈は落とした箸を拾い上げ、目玉焼きを掴もうとし箸先がクロスし床に落ちた。 僕はそんな彼女の奮闘を眺めていた、僕の方はとっくに食べ終わり、お茶を飲んでいた。 水銀燈は床に落ちた箸を拾い上げようともせず、両手を握りちゃぶ台の上に置いている。 へそを曲げたのか、いや、アニメ版だと腹ないよな、どうなんだろ。 「ねえ」 僕の春風のような柔らかい思考を水銀燈の声がさえぎった。 「お箸が落ちたんだけど」 「そうだね」 水銀燈は僕を睨みつける。フォークとナイフを用意しろとでも言うのか? まあ、ないこともないし、別にかまわないんだがと腰を上げようとした時、再び水銀燈の口が開かれた。 「なんで、拾わないのかしらぁ?」 心なしか声が苛立っていた。 「え?」 「拾いに来るボーイが居ないんだから、あなたが拾うのが筋でしょう?」 どこの高級フランス料理店だよ・・・・・・。 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 03 11 41.50 ID ZuvhborM0 「あのさ、」 「早くっ!」 水銀燈の鋭い声が僕の声を千切る。 僕は一度肩をすくめ、向かいに座っていた水銀燈の方に体を伸ばし、落ちた箸を拾い上げた。 「どうぞ」 水銀燈は形のいい眉をピクリと動かし、僕から箸を受け取ると自分でティシュを一枚取り、箸を拭いた。 ああ、気遣いが足りなかったのね。 再び水銀燈が目玉焼きに挑み始めた。 「フォークとナイフ、持ってこようか?」 また怒鳴られるかもと思いながら、僕は口を開いた。 「いらないわぁ」 予想と裏腹に落ち着いた声が返ってきた。 「私は誇り高きローゼンメイデン第一ドール水銀燈、異国の食器ごときに負けるわけには、いかないのよぉ」 「はあ」 僕はあいまに返事を返した。 「それと」 水銀燈は少し口を紡ぎ 「・・・・・・気遣いありがと、マサユキ」 小さくお礼を言い、再び目玉焼きに挑み始めたのだが、すぐまたポトリと箸が落ちた、 僕は何も言わず箸を拾い上げ、テイッシュで汚れを拭き、水銀燈に手渡した。 水銀燈は軽く頷き朝食に向き直る、朝食はまだ始まったばかりだ。僕は二杯目のお茶をコップに注いぐ。 そして、ズイと水銀燈がコップを僕の方に差し出し、僕は何も言わずにお茶を注いだ。 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 03 22 16.43 ID ZuvhborM0 それにしても、あの水銀燈はいったい何なんだ。 1週間前の朝いきなり現れ、それから僕の部屋に住み込み(居付き) 朝、昼、晩の食事を要求し、いつも僕のベットの上でゴロゴロと本を読み、 深夜は鏡を使いどこかに出かけ、日付がかわる前に帰ってくる生活を繰り返していた。 これじゃまるでニートだ、違う、ニートは俺だ。しかし今はそんな事はどうでもいい、 駄目さを感じるのは貯金通帳だけでいい。 僕は仮説をいくつか立ててみた ①僕が2次元の世界に迷い込んでしまった ②水銀燈は僕の幻覚 とりあえず、①から検証してみようと水銀燈に「真紅のマスターって眼鏡の少年?」と聞いてみた。 水銀燈はうつ伏せになり、肘を立て読んでいた本から目をはなし、僕を見た。 「真紅のマスタァ?おっさんよ、おっさん」水銀燈はめんどくさそうに答える。 どうやら、ローゼンメイデンの世界ではないらしい。 「真紅の事が気になるのぉ?」 「いや何となくだよ」 「それより、何で真紅の事知ってるのよぉ・・・・・私ぃ、一度も話したことないわよぉ?」 「前、本で読んだんだ」と軽く受け流した。 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 03 33 26.83 ID ZuvhborM0 それじゃあ、次は②の検証か 「ヤクルト好き?」 この水銀燈が仮定どおりなら、僕のイメージが具現化したような物だろう。 だから幻覚の水銀燈なら「好きだ」と答える・・・・・・はず。 「あら、よく知ってるわねぇ。買ってきたのぉ?」 「いや、聞いてみただけ」 「使えないガキねぇ・・・・・・」 水銀燈が小さく吐き捨てた。 なんだ、やっぱり幻覚か。自分の幻覚、まぼろしに1週間もヘコヘコしてきたのかと思うと馬鹿らしくなってきた。 そういえば名前教えてないのに僕の名前を呼んだこともあったしなと、 僕はベットの上に寝転んでいる水銀燈の隣に横になった。 「ちょっとぉ、邪魔よぉ」 水銀燈が僕をお尻でベットからおいやろうと突いてきた。 「久しぶりに昼寝がしたいんだよ、もっと詰めてくれ」 水銀燈のわき腹を手のひらで押した。 「まったく、急に生意気に」ブツブツと文句を言いながらスペースを開けてくれた。 自分の幻覚にまで下に見られるとは思わなかったな。 「もう、詰めすぎよ!半分だけになさぁい!」 僕は片足を蜜のような睡眠に足を突っ込みながら、水銀燈の言葉を聞いた。 久しぶりに、ベットで昼寝をするな、いつぶりだっけ・・・・・・あっ、1週間ぶりか。 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 03 46 45.95 ID ZuvhborM0 次に目が覚めたのは夕方だった水銀燈は相変わらず隣で本を読んでいた。 僕は水を飲むためベットから起き上がり、水銀燈は僕をチラリと見ただけで再び本に目を落とした。 「きゃっ!」 水銀燈が肩をすくめて悲鳴を上げた。 「ちょっと、何すんのよ!」 「アイス、食べる?」 「はぁ?」 水銀燈は顔をしかめ、不満を声にして僕に伝えてきた。 「ヤクルトは今手元にないし、甘そうなのはこれしかなかったから」 僕は水銀燈にカップアイス『ゆずレモン』を手渡した。 「あ、ありが・・・・・と」 水銀燈は両手でカップアイスを包み込むように膝の上で持ち、左下の方を見ていた。 僕と水銀燈はベットで並んで座り、一緒にアイスを食べた。 まったく、僕は自分の幻覚に何で気を使ってるんだろうな・・・・・・馬鹿だからか。 一人でそう結論付けていると横から「あら、以外にいけるわねぇ」との声が聞こえてきた。 幻覚でも、こういう反応を見せてくれるとむしょうに嬉しくなった。 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 03 59 01.98 ID ZuvhborM0 青い空には白い鱗が並んでいた。 夏の間うるさいほど鳴いていた蝉は、赤道辺りにでもバカンスに行ってるのかもしれない。 そんな事を考えさせる日だった。 「ねえ、何読んでるの?」 僕は隣に寝転び本を読んでいた水銀燈に聞いた。 水銀燈は僕に本の表紙を見せた。 「ねえねえ、何読んでるの?」 ホッペをプニプニしながら水銀燈に僕は再び聞いた。 今度は本の表紙を僕の目の前に突き出し、3秒ほど溜めたあと 「おわかりぃ?」と言った。いや、最初から分ってたんだけどね。 「それ面白い?」 「ええ」 素っ気無く答える水銀燈。 「どんな内容?」 水銀燈は僕をじいと半目で見つめ 「あなた、私の邪魔をしたいの?」と言った。 「そんな事ないよ」 邪魔をしたいんじゃない、構って欲しいのだ。 水銀燈は僕を同じように半目で見つめ、諦めたように溜息をつき本を閉じた。 「はぁ、じゃあ今日は何をするぅ?」 「何しようか」 「あなたが誘ったんだから、決めときなさいよぉ」 「じゃあ、一緒になにするか考えようよ」 「いつもと同じじゃない」と水銀燈が小さく呟いたが、不快感をその言の葉からは感じ取れなかった。 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 04 11 55.90 ID ZuvhborM0 僕は、そんな水銀燈とのささいな言葉のやり取りがとても楽しかった。 昔、ちょとした出来事がきっかけで、僕は友達を作る事が出来なくなってしまっていた。 人と話す事は出来るのだが、それもごく僅かな時間だけだった。 つまり、一人ぼっちになるしかなかったのだ。 そして、灰色の学生生活を終え、今は細々と一人で暮している。 アパートが古い事、大家と知り合いだったと言う事、元々小食だったと言う事、 金遣いも荒くなかった事、これらが重なり合い、少ない生活費でも生活する事が出来ていた。 しかし、僕は飢えていた。人とのコミュニケーションに飢えていたのだ。 インターネットのディスプレイ越しに人と会話は出来るが、これとは違う、もっと別の何か、生の温もりのようなものだ。 そんな温もりを、水銀燈は僕に与えてくれた。 触れば暖かく、話しかければ言葉を返し、機嫌が悪い時にはそれが表れる。 そんな生の温もりを、水銀燈は僕に与えてくれた。 僕はとても嬉しかった、たとえそれが、まやかしだとしても。 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 04 21 28.21 ID ZuvhborM0 しかし、まやかしである水銀燈だからこそ、僕は彼女とこんな風に接する事が出来るのだろう。 これが同じ2次元キャラクターでも、人間のキャラだったらこうはならなかったと思う。 そもそも、僕が水銀燈に惹かれたのは、人間ではなく人形だったからだ。 人の都合で作られた、人より劣った人形だからだ。 前に「友達が作れなくなってしまった」と言っていたと思うが、本当はそうじゃない 人間が怖かったのだ、いつ裏切るとも知らない人間が怖かったのだ。 皮膚一枚剥けば欲望がドロドロと滲み出る人間が、怖かったのだ。 しかし、僕も人間だ、人は人なしには生きていけない。 僕は僕をすり減らしながら生きていた、昔、人から感じた暖かさを思い出しながら。 そんな磨り減った僕が、水銀燈の幻覚を見始めた。 人の温かさを懐かしみながらも、人より劣った、人の都合で生れ落ちた人形の少女。 僕はそんな、まやかしの人形の少女の温もりによって、救われていたのだ。 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 04 33 29.66 ID ZuvhborM0 僕は水銀燈の髪を櫛で梳いていた。 正直な所。全ては僕の脳内で起こっている出来事なのだから 彼女の髪の毛を櫛でとかす必要などないし、僕のイメージ力次第でサラサラヘアを維持できるはずなのだ。 はずなのだが、彼女が首を動かすたびに凪いでいる海面を一陣の風が撫でるように揺れ、 その銀色の髪をすくい上げると、砂のように僕の指の間を流れゆく。 まるで、本物の水銀燈が僕の目の前に居て、その髪の毛を本当に僕が触ってるような そんな錯覚にすら陥る。しかし、これは幻覚なのだ、だが、もしかすると・・・・・・。 「ねぇ、さっきから腕が止まってるんですけどぉ」 僕の考えを水銀燈が遮り口を開いた。 「あ、ごめん」 再び水銀燈の銀色の髪に櫛を入れ、下に梳く。 櫛は何の抵抗もなく下に流れるのだが、指で彼女の髪を透くと「何となく痛んでいる」 そんな風に感じるのだ。何か、暖かさが足りないような、そんな曖昧であやふやな、そんな感じを、だ。 今までは、こんな感じを受ける事なんてなかった。 きっと、僕は昔に。まだ人の温かさを素直に感じ取れていた、そんな時代に戻っているんだろう。 「綺麗な髪だね」 「当然じゃなぁい、毎日の手入れしてるんだからぁ」 褒められ、彼女もまんざらじゃなさそうであった。 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 04 42 52.76 ID ZuvhborM0 「ねぇ」と水銀燈が言う。 「なんだい」 「マサユキには友達は居ないの?」 「えっ?」 髪を梳く手が止まる。 「他に人間と話している所を見た事がないわぁ」 くいと、とっくの昔に解約していた携帯電話を顎で指した。 「あ、ほら、僕は水銀燈と一緒にいたいから」 言葉がつまる。 「ねえ」 やめてくれ 「あなたは」 その先を言わないでくれ。 せっかく、水銀燈を見始め忘れ始めていたと言うのに! 「一人ぼっちなのぉ?」 「あっ、そ、いや」 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 04 43 21.38 ID ZuvhborM0 そうだ、そうなんだ、僕は一人ぼっちなんだ。 今は、水銀燈と一緒に居るが、この子は’まぼろし’、僕が見ている幻覚だ。 僕はあの日から、ずっと一人ぼっちのまま・・・・・・。 臭い物に蓋をし、弱くなった心に一気に今までの事が突き抜けていく。 「まあ、そんな貴方だけど、私が一緒に居たげるから感謝なさぁ」 ふふん。と水銀燈は得意気に鼻で笑った。 そんな彼女の言葉は彼の鼓膜を揺らしただけで、言葉として捕らえられる事はなかった。 「・・・・・・なんとか、いいなさいよぉ」 少しばつが悪そうに水銀燈が言う。ほんのりと頬が朱に染まっていた。 彼の手から櫛が床にコトリと落ちた。 「あれ、どうしたのぉ?」 水銀燈も彼の異変を察したのか声色を戻し言う。 「いや、ごめん。ちょと疲れたから、寝るね」 「あ、ちょと。まだ途中じゃ──あっ」 彼女の言葉は彼が頭から引っかぶった布団に遮られた。 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 04 49 13.54 ID ZuvhborM0 「もうっ、なんなのよっ!」 一人残された水銀燈が忌々しげに吐き捨てた。 暫く苛立たしそうに辺りを歩き回ったり、椅子に座りギコギコと動かしたり、ぶつぶつと怒りの言葉を呟いたりと、 怒りを散らしていたが、ベットの方から何か聞こえてくる。 何かと耳を澄ませると、押し殺したような嗚咽のような、鼻を啜るような、そんな音が聞こえてくるのだ。 よく見れば布団もかすかに震えていた。 彼女は口を紡ぎ、何か考え込み、彼のベットの直ぐ脇に腰を下ろした。 次第に彼の嗚咽の声が小さくなり、呼吸が穏やかになる。深い眠りに落ちたのだ。 だが水銀燈は彼が眠り、水銀燈を認識しなくなっても、彼のベットの脇から消えず、彼が起きるのをじっと待っていた。 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 04 58 14.88 ID ZuvhborM0 次に僕が目が覚めたのは、真っ赤に燃えた空が印象的な次の日の夕方だった。 僕はベットの上で首だけ動かし空を見た。 胃の辺りがムカムカとしてきた。 そういえば、昨日の昼から何も食べてない。どれ、と鉛のような体を起した。 上半身だけ起すと何かが胸の辺りから腰まで滑り落ちた。 水銀燈だ。 彼女は目をパチパチとさせながら辺りを見、猫のように目を擦りながら 「おはよぉ・・・・・・それにしても、酷い顔ねぇ」と微笑んだ。 どうやら、僕の胸の上でウトウトとまどろんでいたようだ。 酷い顔なのは鏡を見なくても分る、あれだけ泣いたんだ、目なんてパンパンだろう。 それにしても、久しぶりに泣いた。いつからだったかな、泣かなくなったのは・・・・・。 「お腹へったから何か用意しなさいよぉ」 「でも、その前に顔を洗った方がいいわねぇ」と優しく微笑んできた。 水銀燈が、この、僕が作り上げた’まぼろし’が。僕が押さえ込んでいた物の呼び水になってしまった。 僕は水銀燈の言葉に答えずに足早に洗面所へと向かった。 後ろから「ふふ、少しは身だしなみに注意しようとしてるのねぇ、成長成長」と一人細く微笑む水銀燈の声が聞こえてきた。 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 08 59.38 ID ZuvhborM0 ちゃぶ台をはさみ、僕と水銀燈はビックカップラーメンニンニク抜きを食べていた。 直ぐ何かを食べたかったのもあるし、何かを作る気力が失せていたのだ。 まるで水銀燈を見始める前の食事みたいだと一人思う。 対する水銀燈は何か不満そうだった。人形の、まぼろしの癖にインスタント食品を嫌うなんてね。 変にリアリティを追求するまぼろしに、僕は笑う気すら失せてしまっていた。 「晩──じゃなくてぇ、明日の朝はお味噌汁作りなさいよぉ」 自分の顔がスッポリはいるようなカップから汁を啜る合間に水銀燈が言う。 「ああ」 僕は水銀燈のまぼろしに返事をした。 まぼろしなんだ、本物の水銀燈なんかじゃない。全部、僕が作り出した物なんだ。 あのまぼろしは僕に優しくするふりをして、結局は僕の心をかき乱すのが目的だったんだ。 思い出せよ、忘れてた頃に、完璧に気が緩んだタイミングを見計らって、あいつは昔の事を思い出させてくれたろ? そんなアイツにまだ僕は縋ろうって言うのか? 僕はそんなに弱かったのか? 僕はいままでずっと、一人だったじゃないか。ずっと、一人で・・・・・・。 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 19 02.84 ID ZuvhborM0 「はい」 僕の前にアイスが置かれていた。 「デザートにどうぞぉ」 「あ、ああ」 あの顔で微笑まれ、あの優しい声で話しかけられると、僕の軽石のような心に黒く、暖かいタールが染みこんで行く様な そんな気すらする。暖かい、暖かい物が胸の奥へ、奥へと染みこんで行くのだ。 「これおいしいわよねぇ」 と、プラスチックの小さなスプーンでシャキシャキとゆずレモンの身を削る。 氷の削れる音は僕の心に染みこんで行くタールをこそぎ落としているような気がした。 「ねえ」 「んー?」 僕は最後に、本当にこれで最後にしようと、彼女に質問を投げかけた。 「昨日、何処で寝てたの?」 まあ、僕が寝てしまい、僕が彼女を認識しなくなれば彼女は存在出来なくなるのだから、こんな質問は意味が無いか。 僕が寝たら彼女は消え、僕が起きたら彼女が現れ、それの繰り返しだ。 だから彼女は「鞄で寝た」と、答えるはずだ、僕が僕を騙すために、日々に整合性を持たせるために。 だけど、もし、それ以外の答えが出たら、もう、僕は彼女から───。 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 23 39.01 ID ZuvhborM0 「隣よ」 一言、水銀燈がそう言った。 「え?」 「だァかぁらぁ、あなたの隣で寝てたの 分ったぁ?」 「鞄で、寝るんじゃ」 「そりゃ、まあケースバイケースよ」 言い終わった後自分の駄洒落に気づいたのかふふんと笑った。 どうやら、彼女のまぼろしは、いや、もう何でもいい・・・・・・彼女は、水銀燈はどうやっても僕を逃さないつもりだ。 結局、初めて彼女を見た時から、こうなる事は分っていたんだ。 彼女に出会うちょと前か、それよりずっと前か、僕の心は既にボロボロだったんだ。 そんな僕が、あんなに優しくされたら。 「ちょ、ちょと、何泣いてるのよぉ!」 彼女がちゃぶ台に手を突き立ち上がった。 「来るなっ!」 僕は叫んだ、嗚咽にまみれた声だったから、正確に彼女には届かなかったかもしれない。 だけど、僕の叫びを聞いて、彼女はその場で動きを止めてくれた。 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 28 49.19 ID ZuvhborM0 「こないで、くれ。もし、もう一度君に微笑みかけられたら もし、もう一度君に話しかけられたら、もし、もう一度君に触れられたら」 ここでいったん止め、息を吸った。 「君なしでは、いられなくなってしまう」 この時、僕は自分の細い腕で自分の体を、頭を抱きしめていた。 まるで小さい子供が強い衝撃から身を守るため、自然に体を丸くしたような、そんな風に、丸く、小さくなっていた。 秋の空気が僕の肉に、骨に染みていった。 それから、どのくらいの時間が経っただろうか。僕の体は抱きしめられ、頭には小さく、 柔らかく、そしてとても暖かいものが添えられ、肩をポンポンと一定のリズムで叩かれていた。 「いいじゃない、一緒に、生きて行きましょうよ」 彼女の言葉が春の木漏れ日のように、僕に染みこんで行く。 「もっと、私に甘えて、私なしじゃ生きられないようになっちゃいなさいよぉ」 彼女の言葉はまるで高純度の麻薬のように、僕の心を捉えて放さなかった。 僕は彼女に抱きしめられたまま、大きな声で泣き始めた。 もう、水銀燈でも何でも、縋る事が出来、僕に優しくしてくれるものなら、なんでもよかったのかもしれない。 だけど、水銀燈だから、そう思えたと、僕は信じたい。 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 33 17.22 ID ZuvhborM0 僕と水銀燈はベットの上で、一緒に布団に包まっていた。 あれから色々な事を一緒に話した。 互いの秘密に、過去に触れ合った。 それは肉体的なまぐわりではなく、心の、精神的なまぐわいのようなものだった。 何か、自分の中ではとても大きな物だと思っていた物が、話してみたら あっけなく口から出てしまったりと、意外な一面もあったが 僕は完全に心を開いていた、水銀燈が居ないとこの先、生きていけないほどに。 「ねえ」 水銀燈が僕の顔の直ぐ横で口を開いた。 「私達、まだ契約してなかったわよねぇ」 そう言えばそうだ、普通一番最初にする物じゃないか。 「今からでも、間に合うかな」 「どうかしらぁ、私が契約を持ってくる側なら、今までほったらかしにされてて、凄く怒ってるかもぉ」 「じゃあ、早くしないと」 僕と水銀燈は布団に包まったまま起き上がり、ベットの上で面と向かい合った。 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 35 51.78 ID ZuvhborM0 「誓いなさぁい、この薔薇の指輪に」 水銀燈が布団の間から手を差し出し、僕の薬指に指輪をはめた。 普通は男がする物なんだろうが、この際気にしない事にした。 そして、僕は彼女の左手をうやうやしく受け取ると、薬指の輝く薔薇の指輪にキスをした。 すると同時に、僕の左薬指が燃えるように熱くなり、指に吸い付くように形が変った。 「これからも、よろしくねぇ」 「ああ、よろしく」 二人の秘め事はこれで終わりのはずなのに、二人とも動こうとはしない。 「なんかさ、結婚式みたいだね」 おずおずと、僕は彼女の顔を見ながらこう言った。 「・・・・・・うん」 水銀燈は顎を引き、小さく頷く。 僕は彼女の頭に引っかかっていた布団を両手で後ろにやり、彼女の肩を掴んだ。 そして、彼女の赤い瞳を覗き込む。 すう、と瞳が閉じられ赤い瞳が長いマツゲと象牙のように白い皮膚に隠された。 そして僕は、彼女を優しく胸の中に引き寄せた。 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 45 18.85 ID ZuvhborM0 早朝、空が青らみ秋虫の鳴声より二人の息遣いの方が大きく聞こえる距離で、 僕はお願い事を一つ、水銀燈の耳元で囁いた。 水銀燈は、僕のお願いを聞いた瞬間、肘を立て起き上がり、僕の顔を覗き込んだ。 「それ、本気で言っているのぉ?」 僕は何も言わず、青みががかった空のような微笑みを返した。 水銀燈は目を閉じ、僕の胸の中に顔を鎮め、僕は水銀燈を抱きしめた。 長い銀髪が僕の顎裏を擽っていた。 しばらく、そうしていただろうか、僕が口を開いた。 「ねえ、ヤクルトは何で好きになったの?」 「んっ・・・・・・ヤクルトなんて、飲んだ事ないわぁ」 「そっか」 「あなたに、話を合わせたかったからぁ、ああ言ったのよぉ」 何となく、気づいていた。 この質問自体には意味が無かったのかもしれない、だけど、僕は何か水銀燈と喋りたかったのだ。 「でも、機会があったら、飲んでみるわねぇ」 「ああ、きっと好きになると思うよ」 それっきり、僕たちの間から言葉は消えた。 辺りは、カーテンを通し差し込む青い光りと、秋虫の鳴声だけが支配していた。 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 47 39.61 ID ZuvhborM0 太陽が東の空に高く上がり、陽の白い光りが彼らが寝ていたベットを照らし出した。 ぽつんぽつんと台所の蛇口からシンクに二つ重ね、置きっぱなしにされた ビックカップラーメンカップにのポトポトと水が滴り落ちていた。 彼らが短い間であったが、一緒に生活した小さなボロアパートの一室には、 水の音だけが寂しく空間を震わせていた。 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 48 30.66 ID ZuvhborM0 暗く、常に雪が降り続ける寂れた町並みの一角に水銀灯が 歯を剥いてオレンジ色の光りを放っている場所があった。 ここは水銀燈のフィールドの水銀燈の部屋。 彼女は暖炉の前の年季が入ったが、綻びなどがなくドッシリと構えたソファに 一体の人形と腰を並べて座っていた。 暖炉には火が入っていないはずなのに、部屋の中はオレンジの明りに暖かく 照らされていた。オレンジの明りは水銀燈の顔から生の色合いを全て奪い去り、 まるで死んでるかのようにノッペリと照らし出していた。 暖炉の上の上に置いてある時計の長針がⅩⅠを指していた。 あと、五分足らずでミーディアムを失った私は、また、永い眠りに入るだろう。 思えば変な出会いだった、メイメイが変な手紙で見つけた男の所に行って、 色々あったけどミーディアムにして、それから───。 水銀燈は隣においてあった人形の方を向いて、指先でうりうりと人形の頭を撫でた。 ガチン。歯車が噛合い時計の長針が動く、あと一回動いたら、全て終わる。 水銀燈は暖炉の前のソファーから人形を抱き上げ立ち上がり、奥の部屋にあるベットルームに足を運んだ。 皺一つ無いベットの横に、鞄が一つ置かれていた。 水銀燈はベットの枕に頭が乗るように人形を置き、顔を近づけた。 10秒ほど、そのままだったろうか、それから顔をあげ 「もう、私にはミーディアムは必要ないわぁ。さようなら、まさゆき」 ポタリと何かが人形の上に落ちた。 それに構わず、水銀燈は自分の鞄の中に入り、鐘が鳴り響く前に自ら鞄の蓋を閉じた。 同時に、ごおん、ごおんと外から鐘を打ち鳴らす音が、 窓ガラスを震わせ、部屋に伝わってきた。 その響きは強く、とても大きく、まぼろしなどかき消していまうかのように。 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 48 46.17 ID ZuvhborM0 水銀燈とまぼろし 88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 49 01.63 ID ZuvhborM0 終わりです、おつかれさまでした 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 56 36.98 ID 4NKFL9ySO 過疎ってるな 久々のまーくんスレなのに 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 05 57 09.01 ID ZuvhborM0 まあ、この時間だししゃーないさ 109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 08 35 51.92 ID ZuvhborM0 水銀燈のミーディアムデビュー 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 08 37 00.82 ID ZuvhborM0 場所は桜田家のリビング、薔薇姉妹達が一堂に集まり茶会を開いていた。 水銀燈はソファーの端に座り、真紅を中心に行われている会話を、 輪の外から見ていた。「ひとり仲間の輪から外れて私カッコイイ」的風潮に浸りたいのではなく、 自宅で自分のミーディアムにネチネチと絡まれ、中々家を出る事が出来ず 彼女が到着した時には既に茶会が始まっており、 座れる場所がソファーの端しかなく、既に会話グループも形成されていた、ただそれだけの事であった。 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 08 42 04.50 ID ZuvhborM0 机の上には所狭しとお菓子が並べてあった。これらは各自、家から最低一品持ってくる約束だったのだが 水銀燈は手ぶらで来てしまい、目の前に並べられたお菓子に、中々手を出せずにいた。 ミーディアムに絡まれ、文字通りその手の内から抜け出した時 には茶会の開始時刻を過ぎており、慌てて用意してもらったお菓子を忘れ 家を飛び出してきてしまったのである。つくづくついていない、彼女の最凶の名は伊達じゃない。 真紅は「気にする事はないわ、沢山あるのだから」と言ってくれたが、 長女の威厳というか、プライドが邪魔をしていた。 ヤクルト味のゼリー食べたいわぁと思いながら、出発前に絡んできた ミーディアムを頭の中で叱りつけたり、家に帰ってからこのお菓子を買ってもらう為の シナリオを原稿用紙に下書きをしたりしていた。 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 08 54 25.29 ID ZuvhborM0 「───わ」 「えっ?」 真紅が私に何か語りかけていた。 「ご、ごめんねぇ、聞いてなかったわぁ」 水銀燈は思い出したかのように、自分の紅茶に砂糖を入れ始めた。 紅茶のカップを片手に僅かに眉を上げたが、気にせず続けた。 「水銀燈、あなたのミーディアムはどのような人物なのだわ」 真紅が紅茶カップを受け皿に戻した。 「そういやそうです、翠星石も一度も見た事がないです」 「ヒナも知らないのよ」 翠星石と雛苺が食いついてきた。釣堀の魚より反応がいい。 蒼星石は話しに入らず紅茶を飲んでいたが耳に神経を集中させている。 他の姉妹達も話を止め、水銀燈の方を見た。 116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 09 07 55.26 ID ZuvhborM0 みなの視線に負けず、極力普段の彼を思い出さないようにして 「そりゃ、私のミーディアムに相応しい、立派な人間に決まってるじゃなぁい」 姉妹の中で一番大きいであろう胸を張り言い、 砂糖のサジを瓶に戻し、次にミルクを紅茶に注ぐ。 「それなら、一度家に連れて来なさい」 真紅が眼を閉じ、自分の紅茶カップに口をつけんながらそう言った。 想定の範囲外だ。 「えっ。いや、あなたのミーディアムにも、迷惑がかかると思うしぃ・・・・・・」 張った胸そのままに目を泳がせながら言う。 ミルクがカップから溢れ、受け皿にあふれ出す。 「気にしないのだわ」 首を回し、おさげを宙に泳がせながらそう言った。 「で、でもぉ」 水銀燈はカラッポになったミルク瓶を注ぐ姿勢のそのままに構えていた。 受け皿の表面張力でテーブルの純潔は守られていたが、少しでも振動を加えたらドカンであろう。 「姉妹として確認しておく必要があるのだわ」 カップから口を放し、水銀燈をその蒼い目で見つめ 「それとも何か、人前に出せないような、何らかの事情があれば仕方がないのだけれど」 止めを刺した。 蒼星石が二杯目の紅茶の為にミルクに手を伸ばそうとして溜息をついた。 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 09 13 47.70 ID uinZJ9fPO これはまた別の話? 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/16(日) 09 18 06.19 ID ZuvhborM0 はい、違う話しです。 一つの話しが終わったら適当にタイミングを見計らって、違う話を書き込んだりしますよ、 次へ
https://w.atwiki.jp/byoujaku/pages/26.html
「失礼します」 ノックの後に一言加え、孝之は優希の病室に足を踏み入れた。 優希の病室はさして広くない個室なものの、大きな窓から差し込む光で明るかった。部屋の広さの割りに圧迫感は感じられず、病室という薄暗い勝手な想像を払拭するほど快適そうな印象を受ける。 しかし、長期入院している割には私物……というか、物自体が余り置かれていない事が気にかかった。 ある物といえば、ベッドと小さなテーブル、椅子、そして小さなテレビが1つ。積み上げられた文庫本や雑誌、ゲーム機などは無く、強いて言うならば先日大切そうにしていた携帯と充電器が置いてあるくらいだ。 そのベッドに優希は居た。 「え、あ、桐沢さん!?」 ベッドで半身起こす体勢で窓を眺めて居た優希は、突然の孝之の来訪に気付くと悲鳴に似た声を上げた。 「あ、え、なんで? 何で桐沢さんが?」 孝之が手を上げて挨拶をすると、優希は顔を紅くしてシーツを抱き寄せるように体を隠す。 「何でって……お見舞い。迷惑だった?」 「いえ、その、あの、ちょ、ちょっと外で待っててください!」 優希の悲痛な叫び声に、孝之は廊下へと押し戻された。 頭をかきながら、孝之は小さく溜息を付く。 一見した限りでは優希の姿は他の入院患者同様の寝間着姿のように思えたし、以前会った時も同じ格好だった。何も恥ずかしがる事はないのではないか。 いやしかし、流石に女の子相手に全くのアポ無しは迷惑だったか? サプライズのつもりが、それを迷惑に思われては本末転倒か。 そんな事を考えつつ、しばらくそのまま待つこと数分。扉越しに「どうぞ……」と優希の弱々しい声が聞こえた。 その言葉に従って孝之は再び病室の戸を開ける。寝間着を着替え、髪を整えて車椅子に腰掛けた優希が顔を真っ赤にして孝之を迎えた。 「そ、その、どうも」 「え、あ、どうも」 恥かしそうに頭を下げる優希に孝之もつられて頭を下げた。 そのまましばらく、何処か気まずい空気のまま無言の時が過ぎる。孝之は俯いたままの優希をそろりと覗き見た。 乱れた髪を梳かす時間が無かった為か、優希は背中まである長髪を後ろで大きく二つに纏めていた。先日会った時同様の寝間着姿は、そのまま外出ができそうなややカジュアルなデザインのモノに着替えられている。 まるで病人と向かい合っているとは思えない明るい印象を受け、服装や髪型でこうも印象は変わるものかと孝之は驚いた。 少しだけ観察するつもりが、ついまじまじと見詰めてしまったらしい。孝之の視線に気付いた優希と目が合い、孝之は咳払いをして誤魔化した。 「そうそう。はい、コレ」 自分の目的を思い出し、孝之は後ろ手に持っていた紙箱を差し出した。箱を受け取った優希は目を丸くする。 両手の掌に乗る程度の大きさの白い紙箱はひんやりとして、ラベルには要冷蔵・生菓子と書いてある。 孝之が優希を来訪した大きな理由の一つが、このケーキの詰め合わせであった。 「この前の電話で、甘い物が好きだけど中々食べられないって話をしてたから……」 「そ、そんな。ワザワザ買って来てくれたんですか?」 優希は感激に目を輝かせながら孝之を見る。 先日、孝之にお礼の電話をした際にその様な話題が挙がったのだ。何気ない会話のやり取りだったというのに、孝之はソレを覚えていてくれた。その事実だけで、優希は飛び跳ねたい気持ちに包まれていた。 「駅前に新しく出来たケーキ屋でね。俺はケーキに詳しくないから、見た感じで美味しそうなのを適当に詰めてもらった」 「あ、ありがとうございます!」 孝之に促されて箱を開けて見て、途端に優希は感嘆の溜息を漏らした。 ショートケーキ、ミルフィーユ、チーズケーキ、モンブラン、タルト、ロールケーキ。箱の中にぎっしりと並ぶケーキの群れは、優希に取っては宝の山だ。 まるで誕生日プレゼントを貰った子供のような優希の純真な笑顔に孝之は嬉しそうに頷いた。 「うん、突き返されなくて良かった」 「そんな! そんな事しませんよ!」 「実はソレを買った後に、もしかしたら糖分の摂取を制限されているんじゃないかって気付いちゃって、内心ハラハラしていたんだ」 「大丈夫です! 私、食事制限はされてませんから、何でも食べる事が出来ます!」 優希は頬を高潮させながら力説する。ともすれば、全てのケーキを食べると言い出しかねない勢いだ。 「それじゃあ食べようか? 小皿とフォーク、あるかな?」 「果物を食べるとき用の小さな物でよければ」 優希が取り出した皿に、それぞれが選んだケーキを孝之が移す。あらかじめ自販機で買っておいた暖かい紅茶をカップに注ぎ、即席ながらも見事なケーキのセットが出来上がる。 いただきます。テーブルを挟んで向かい合い、二人で手を合わせた。 優希はショートケーキの先端をサックリとフォークで切ると、ゆっくりと口に運んだ。味わうように租借し、幸せそうに顔を綻ばせて感嘆の溜息を吐く。 その様子は優希の幼い容姿に余りにも似合っており、可愛らしい一枚の絵画のようであった。 「こんな事聞くのは失礼かもしれないけど」 「はい」 「優希ちゃんは、どういった理由で入院しているんだい?」 二人でケーキを食べながら雑談をしていた、その話の切れ目を狙って、孝之は極基本的な優希にしてみた。 出会った頃には二度と会うことも無いであろうと思えていたのに、今はこうして向かい合って話をしながらケーキを食べている。コレも何かの縁だと思うので、折角だからこの縁を大切にしたい。孝之はそう考えていた。 そうなると最低限、知り合いとして付き合う上でのマナーというか、暗黙の了解というか。優希が患者だという事からも、触れてはいけない点は少なからずあるだろう。 例えば、優希の病状は車椅子を使っているという事から足に関する事なのだろうとは考え付くのだが、その程度が分からない。 手術なり、治療なりを続ければ治るのかもしれないし、もしかしたら一生治らないのかも知れない。もし後者だとしたら、迂闊な励ましは聞かされる方からすれば苦痛でしかないかもしれない。 そういった点をあらかじめ知っておかないと、無責任な自分の発言で、無意識の内に相手の心を傷つけてしまうかもしれない。 その問いに優希は一瞬戸惑った表情を浮かべたが、孝之の視線に気付き、その意図を汲んだらしく直ぐに笑顔を取り戻した。 「桐沢さんって、優しいですね」 「え……」 自分の心を読まれたような気がして、孝之は一瞬動揺した。 「私の事を、必要以上に気遣ってくれてます」 「そんなことないよ」 嬉しそうな優希の笑顔を直視できず、孝之は顔を背けた。 少女の純真な笑顔を前に物凄く気恥ずかしくなり、同時に自分が幼い容姿の少女を前に本気で照れているという状況に気付き、気恥ずかしさに更に拍車がかかる。 優希はフォークを咥えたまま「んー」と小さく唸った。 「私の病気……ですか。なんて言ったらいいんだろう」 「その、言い難い事なら言わなくてもいいよ」 「言いにくいって訳じゃないんですけど……。ただ、少し複雑で」 「……複雑?」 怪訝そうに眉をしかめる孝之に対し、優希は苦笑を浮かべた。 「なんと言うか、病気の原因が分からないんです。新種の病気らしくて、症状がコロコロ変わっちゃうんです」 「し、新種?」 新種の病気という言葉に目を丸くする孝之を見て、優希は慌てて首を振った。 「あ! 感染力は皆無といっていいほど低いので安心してください! そういった点は、真っ先に調べられましたから!」 「ああ……。それは、気にしてないけど……」 優希が無菌室でない病室にいる事や、中庭まで出歩いていたりした事から、孝之は初めからその様な心配はしていない。 ただ、新種という言葉からとんでもなく重い病気ではないのかと勝手に想像して戸惑ってしまっただけだ。 優希もそんな反応に慣れているのか、自分の足を撫でて見せながら説明をする。 「車椅子を使っているから誤解を与えてると思いますが、私の病気は足が動かない訳じゃないんです。まぁ、現状は下半身が動かない状態だから、あながち間違いじゃないですけどね。 ええと、説明が難しいんですけど……私の体、無数のスイッチがあるんです」 「スイッチ?」 「はい。足とか、手とか。今は足を初めとした下半身のスイッチが切れちゃってる状態です。去年の秋は手のスイッチが、その前は右手と左足のスイッチが……。 そんな感じで、不定期ですけど……目安としては季節が切り替わるくらいのタイミングで、スイッチが滅茶苦茶に切り替わるんです」 想像以上の病状に、孝之は唖然として何も言えなかった。 医学知識が皆無の孝之に病状が鮮明に伝わったという点では、スイッチという例えはある意味正しいのかもしれない。 神経や筋肉、それらが壊れ、駄目になる訳ではない。周期的に何処かの機能がオフになり、時が経てばまたオンになる。そのどれもが壊れているわけではないので、治療しようにも治しようが無いのだ。 「脳の病気なのかもしれないんですけど、全然異常が見つからないんです。体も同様で、何処にも異常は見つからないんです。 でも、体が動かない事は事実で、季節の変わり目頃にスイッチが切り替わっちゃって……」 優希の笑顔は憂いを帯びていた。 孝之は自分の質問こそが優希の触れてはいけない点であったことに気付き、後悔した。 沈む孝之の表情に気付き、優希は苦笑する。困らせるつもりではないんです。彼女の目はそう物語っていた。 「ごめんなさい、この話をすると、皆……そんな顔をするのを忘れてました。ごめんなさい。 ソレはそうですよね。足が悪いなら、足が悪いなりの生活が出来る。手が悪いなら、手が悪いなりの生活が出来る。皆、そう考えます。 でもまさか、いつ手が、足が、そして頭が。動くようになったり、動かなくなるかが分からない状態……。ましてや、もしかしたらそのまま全身動かなくなって目が覚めなくなるかもだなんて……誰も想像しませんよ」 「頭……?」 「初めてこの症状が現れたのが頭でした。意識が無くなって、2ヶ月の間眠り続けました。寝たきり生活で立ち上がれないくらいまで体は弱くなっちゃったけど、リハビリで筋力を取り戻したらまた元の生活が送れるはずだったんです」 ああ、駄目だ。不味い。孝之は直感する。 優希の口調が感情的になってきている。このまま彼女に喋らせてはいけない、このまま自身を否定するような事を言わせてはいけない。このままでは彼女の笑顔は見られなくなってしまう。 そう考えるも、孝之は目の前の少女に対して何の行動も取れなかった。 優希の病状を聞き、彼女の恐怖を漠然とだが理解した上で、まだ知り合って日の浅い彼女に自分は何と言えばよいのだろう。 自分は優希の事を何も知らない。知らな過ぎた。彼女の気持ちを理解せずに、無責任な発言は出来ない。しない。あの時、そう心に誓った。 だから、孝之は何も言う事が出来なかった。 歯痒さと、後悔と……。様々な感情がない交ぜになった瞳で、優希を見詰める事しか出来ない。 「眠くなっても、眠るのがとても怖いんです。また前みたいに眠って、起きた時には窓の外の景色が変わっているかもしれない。体を動かせないくらい、全身が衰弱しているかもしれない。 何ヶ月も時間が経過していて、友達が進学していて、また私だけあの頃の時間に取り残されるかもしれない。手や足が動かないだけならまだいい。でも、眠り続けるのは、怖いんです……」 優希はフォークを置き、いつの間にか流していた涙を拭った。 大きく溜息をつき、自分が想像以上に感情的になっている事に気付く。孝之とて、こんな話を一方的にされても困るだろう。そう思い、自分の暴走を恥かしく感じる。 ゴメンなさい。と、優希は小さく舌を出して明るく謝ってみせた。 「アハハ、つい感情的になってしまいました」 「……いや、うん」 「ちょっと、溜め込んでいた物を吐き出しちゃったみたいで……。私の感情なんかぶつけられても、迷惑ですよね」 「そんなことは、ない、よ」 孝之は硬い表情のまま首を振った。 頭の中を後悔の念が渦巻いている。自分の、優希に対する行動の軽率さに吐き気がする。ドロドロとした思考の中、孝之は歯噛みをした。 何が見舞いだ。何が差し入れだ。そんなの、健康な自分が優希に対して哀れみの気持ちでしていただけではないのか。あの時と同じではないのか。 孝之はゆっくりと立ち上がり、何も言わずに踵を返した。 「桐沢……さん?」 「ごめん、ちょっと、用事を思い出した」 声が震えそうになるのを必死で堪え、孝之は歩き出す。 思い出したくない、古い感情が胸のすぐそこまで湧き上がっている。気を抜けば、胃の中の物を全て吐き出してしまいそうだった。 「桐沢さん、あの……」 優希が戸惑う様子が背中越しに分かる。しかし、孝之は振り返らない。 今、自分が浮かべている表情もまた、同情や哀れみの様に少なからず優希を見下して浮かべているのではないかと思うと、とてもではないが優希に見せられなかった。 「ご、ごめんなさい! 急にこんな話されても困りますよね、何も言えませんよね」 (そうじゃない、そうじゃないんだ) 否定したい。でも、声にならない。 孝之は吐き気と眩暈を必死に堪えつつ重い足取りで病室のドアを開け、僅かに振り返る。 「本当に、ゴメン」 最期に何とか搾り出した言葉は、孝之自身も驚くほどに弱々しい物だった。 何も答えぬ優希を部屋に残し、ゆっくりと病室を後にして、孝之は深く溜息を付く。底なし沼から命辛々這い出したかのように、貪る様に何度も肺に空気を送り込んだ。 一頻り呼吸を繰り返し、落ち着きを取り戻してゆく事に、ぞわぞわとした不快感が体中を這い回り始める。 「くそ、くそ、クソ!」 言いようの無い悔しさに苛まれながら、全身を包む不快感を振り払うかのように、行く当ても無いまま孝之は走り出した。
https://w.atwiki.jp/martini/pages/23.html
+一覧 シアワセウサギ 世界中の誰よりきっと 三年目の浮気 シアワセウサギ 歌手:あまね+ビートまりお あなたの紅い瞳が 私を捕らえて放さないのは内緒よ どうして どうして 不思議 (素直に自分を見つめて) 初めてこんなに胸が苦しくなるなんて 遊びに誘っても生返事 今日も上の空なのどうして 不安な気持ちを吐き出せばいい 大丈夫さ(私を)一人にさせないで(ぜ?) いたずらにはいつも愛をこめて この目をずっと見ていてほしいから ね? あなたをシアワセにしたい でもでも あなたを怒らせちゃうよ なぜなぜ キライキライ より好きは (素直に自分を見つめて) 言わない 言葉にしないけど わかって あなたが困ると知っているけど 意地悪したくなるのは なんでだろ どうして どうして 不思議 (このまま 気ままに 遠くへ) 初めてこんなに胸が苦しくなるなんて わたしたちの 長生きのポイントは 食う寝る遊ぶ 頑張らない 働かなーい 勉強もしなーい 地球来て千年 何もしてません やっとの思いで脱出したら 毎日師匠の実験台 座薬って痛い でも 無問題 ばんざーーーーい (平凡な幻想郷じゃつまりませ~ん) なにか話そうとはするけれど あなたの姿を見て隠れる 素直な気持ちをぶつければいい 大丈夫さ(元通り) 仲直りできるから この気持ちを分かってもらいたいと 思うだけなら 悪くはないよね 誰かをシアワセにしてあげるよ あなたにシアワセいっぱい あげるよ うれしい 楽しい 大好き 全部 全部 こんなに胸がすっきり しあわせ あなたが困ると知っていたけど 意地悪したくなるから しちゃおう わがまま 気ままな そんな (素直な二人は 明日も) 私と これからも仲良くしてくれるよね (素直に 素直に dancing shaking your heart 素直に 素直に 素直に・・・) 世界中の誰よりきっと 歌手:中山美穂+WANDS まぶしい季節が 黄金(キン)色に街を染めて 君の横顔 そっと包んでた まためぐり逢えたのも きっと偶然じゃないよ 心のどこかで 待ってた 世界中の誰よりきっと 熱い夢見てたから 目覚めてはじめて気づく つのる想いに Oh- 世界中の誰よりきっと 果てしないその笑顔 ずっと抱きしめていたい 季節を越えていつでも 言葉の終わりを いつまでも探している 君の眼差し 遠く見つめてた そう本気の数だけ 涙見せたけど 許してあげたい 輝きを 世界中の誰よりきっと 熱い夢見てたから 目覚めてはじめて気づく つのる想いに Oh- 世界中の誰よりきっと 果てしないその笑顔 ずっと抱きしめていたい 季節を越えていつでも 世界中の誰よりきっと 優しい気持ちになる 目覚めてはじめて気づく はかない愛(ヒカリ)に Oh- 世界中の誰よりきっと 胸に響く鼓動を ずっと抱きしめていたい 季節を越えていつでも ずっと抱きしめていたい 季節を越えていつでも 三年目の浮気 歌手:ヒロシ&キーボー (男)馬鹿いってんじゃないよ お前と俺は (男)ケンカもしたけどひとつ屋根の下暮らして来たんだぜ (男)馬鹿いってんじゃないよ お前の事だけは (男)一日たりとも 忘れた事など無かった俺だぜ (女)よくいうわ いつもだましてばかりで (女)私が何にも知らないとでも思っているのね (男)よくいうよ 惚れたお前の負けだよ (男)もてない男が好きなら 俺も考えなおすぜ (女)馬鹿いってんじゃないわ (男)馬鹿いってんじゃないよ (女)あそばれてるのわからないなんてかわいそうだわ (男)3年目の浮気ぐらい大目にみろよ (女)ひらきなおるその態度が気にいらないのよ (男)3年目の浮気ぐらい大目にみてよ (女)両手をついてあやまったって 許してあげない (男)馬鹿やってんじゃないよ 本気でそんな (男)荷物をまとめて 涙もみせずに旅だてるのかよ (男)馬鹿やってんじゃないよ 男はそれなりに (男)浮気もするけど 本気になれない可愛いもんだぜ (女)よくいうわ そんな勝手なことばが (女)あなたの口から出てくるなんて 心うたがうわ (男)よくいうよ いつもあまえてばかりで (男)やきもちやいても可愛くないぜ 大人になりなよ (女)馬鹿やってんじゃないわ (男)馬鹿やってんじゃないよ (女)私にだってその気になれば 相手はいるのよ ※(男)3年目の浮気ぐらい大目にみろよ (女)ひらきなおるその態度が気にいらないのよ (男)3年目の浮気ぐらい大目にみてよ (女)両手をついてあやまったって 許してあげない※ (※くり返し)
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/3874.html
ダブルキャスト 【だぶるきゃすと】 ジャンル やるドラ(アドベンチャー) 対応機種 プレイステーション 発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント 開発元 シュガーアンドロケッツ 発売日 1998年6月25日 定価 5,040円 廉価版 PlayStation the Best2001年8月16日/2,940円 判定 良作 やるドラシリーズダブルキャスト / 季節を抱きしめて / サンパギータ雪割りの花 / スキャンダル / BLOOD THE LAST VAMPIRE やるドラ ポータブル ダブルキャスト 【やるどら ぽーたぶる だぶるきゃすと】 対応機種 プレイステーション・ポータブル 開発元 ウィル 発売日 2005年7月28日 定価 3,990円 配信 2009年9月24日2,800円(UMD Passport 1,000円) 判定 良作 概要 あらすじ 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 その後の展開 PSP版について 余談 概要 当時ソニー・コンピュータエンタテインメントが「見るドラマからやるドラマへ」をキャッチフレーズに展開していた「やるドラ」シリーズ4部作の第1作。本作は春夏秋冬の「夏」をテーマにしている。 「やる=プレイするドラマ」というコンセプト通り、ビジュアル・サウンド面のドラマ要素と、選択肢によって展開が変化するゲーム部分の両立が目指されている。 あらすじ 大学生である主人公は所属する映画研究会の飲み会で泥酔し、繁華街の道端で意識を失っていたところを赤坂美月という少女に介抱される。 自分の名前以外の記憶が無いという美月は、記憶が蘇るまでの間主人公と同居することに。 やがて、映研では自主制作映画を撮影することになり、そのヒロインとして美月が起用されることになる。だが、それをきっかけに美月の周辺では様々な異変が起こり始め…。 特徴 本作のグラフィックは一般的なテキストアドベンチャーのように「立ち絵+会話ウィンドウ」ではなく、すべて固有のアニメーションで描かれる。 キャラデザインが「機動戦艦ナデシコ」で有名な後藤圭二氏であることも売りの一つ。 台詞はフルボイスで、字幕の有無を切替可能。 主人公の台詞のみボイスが無く、映像でも顔が一切映らない。 選択肢によって展開が変化するオーソドックスなノベルゲーム方式。 エンディング後に、前回のプレイを自動再生でなぞる機能もある。 周回プレイの際には一度見たシーンのスキップや、特定ポイントからの開始が可能。 評価点 アニメとゲームの融合 全編アニメーション+フルボイスで進行するため、まるでアニメを鑑賞するようにプレイ可能。 アニメも良く動きクオリティが高い。ムービーに強いCD-ROMハードならではといえる。 選択肢によって展開やエンディングが大きく変わるため、一般的なADVゲーム相応のボリュームはしっかりある。 シナリオも秀逸 序盤は比較的明るい青春ラブコメ的な雰囲気なのだが、中盤からは徐々に不穏な要素や謎が登場し、シリアスなサイコサスペンスへとシフトしていく。 謎の提示や開示、伏線も各所に仕込まれており飽きさせない作り。さらに終盤にはホラー・バイオレンス要素を含むかなり刺激的な展開やシーンも存在し、「かわいい女の子との同居生活」をイメージして購入したプレイヤー達に強い印象を残すことに。 一部の伏線は本筋では明かされないが、サブキャラのルートで明かされたりと、ルート分岐の多彩さに役立っている。 細かい描写や伏線も多いため、綿密な考察を行って物語の背景を深読みするファンも多い。 + 終盤や一部ルートの展開についてネタバレあり 序盤は朗らかで可愛いヒロインだが、終盤の展開次第では想像もつかないような豹変っぷりを見せる。 また二周目以降で進める一部のルートは、(直接的な描写はないものの)大量の血しぶきが飛び散る残虐シーンの連続であり、衝撃の展開に驚いたプレイヤーも多い。 そのルートで一瞬表示される狂気に満ちたヒロインの表情はトラウマ要素と名高い。 この画像は一応ネタバレ要素ではあるのだが、本作で画像検索すると真っ先に出てきてしまう。 ヒロインや絵柄のアニメーションとの相性の良さ ヒロイン・美月は元気な「ボクッ娘」であり、コロコロ変わる表情も含め全編アニメーションである本作との相性が良く、その魅力が存分に発揮されている。 キャラデザが当時ナデシコで人気の後藤圭二だったのも大きい。 声優陣もベテラン揃い ヒロイン役の平松晶子氏をはじめ、水谷優子氏、森久保祥太郎氏、白鳥由里氏、置鮎龍太郎氏、折笠愛氏、立木文彦氏、松本保典氏という豪華な面々が、ギャグもシリアスも演じ切っている。 梶浦由記氏が作曲を担当したBGMや、EDテーマの「door」など音楽面も好評。 賛否両論点 メインヒロインが「ボクッ娘」である事 若干ニッチなキャラ付けであり、メインヒロインとしては少々人を選ぶ。 ただしこの一人称すら、実は物語上の伏線の一つとして活かされていたりする。 ノーマルエンドが全て番外編のみ 本作にはグッドエンド・ノーマルエンド・バッドエンドの3種類がそれぞれ複数存在する。 しかし字面的にノーマルエンドが普通のEDと思いきや、本作のノーマルエンドは全て本筋から完全に外れたオマケである「番外編」のエンディングのみとなっている。 さらに、そのうち3つはやるドラ他3作品のヒロインがゲスト出演しそのままPVが流れるだけという、実質的にただのCMであるため水増しと言われることも。 この仕様は本作のみで、次作以降ではノーマルエンドがきちんと本編に組み込まれたものになっている。 問題点 グッドエンドの条件が少々難しい 必要なフラグ(好感度、協力者選び、下準備など)がそこそこある為、1周目ではどれかが欠けてバッドエンドに行ってしまう事が多い。 特にクライマックスシーンのバッドエンドはフラグの組み合わせによってかなり種類が多く、自力でグッドエンドに辿り着くのは困難である。 ただしバッドエンドを2回迎えると、選択肢にグッドエンドまで自動で導いてくれる印が付くヒント機能が登場する(指定を外れたルートに行くと消滅するが、グッドエンドを見るまでは次周で復活する)。 グッドと言えないグッドエンドがある 本作のグッドエンドは4種類あるが、今回の事件を「ひとまず解決できた」ものは全てグッドエンドとされているため、すっきりしない結末も存在する。 前述のように本作ではノーマルエンドが本編に全く関係しないという分類のため、本編の事件を解決したものが全てグッドエンドに押し込められているのが原因。 もちろん全てが万事解決するベストなエンディングもあるのだが、こちらは条件が最も厳しくなっている。 上記のバッドエンド2回を迎えた後のヒント機能で見られるグッドエンドは2番目のもので一応すっきりした大団円を迎えられるが、それより良いベストエンドは自力で見るしかない。 さらに、全ての真相を踏まえた上で考察すると、ベストエンディング以外は問題解決を先延ばしにしているだけとも取れる内容となっている。 バッドエンドを迎えた際のヒントが曖昧で役に立たない 主人公の先輩2人(筋肉コンビ)がヒントを担当するのだが、片方は「その通り」と同意するだけ。実質的に一言メッセージとなっている上、種類も少ない。 内容がかなり大雑把。「彼女は寂しがっている」や「信頼できる者の協力が不可欠」はマシな方であり、中には「世の中そんなに甘くない」という意味不明なものすらある。 ヒントの内容がエンディング毎に固定されているため、ルートによっては問題なかったはずの部分を指摘されるという的外れなヒントになる事もある。 場合によってはヒントを頼りにしようとすると却って混乱するケースもあるため、最初からヒントは無いものと考えたほうがマシな場合もある。 本作はグッドエンドに必要なフラグ数が多い為、キャラ付けや尺の都合を優先した可能性もある…が、それを踏まえても情報が少なすぎる。 分岐条件の厳しいバッドエンドが二つある どちらも「夜道を追いかけてきた美月にそこそこ冷たくあたる」必要がある。しかし冷たさの加減(選択肢の組み合わせ)が分かりづらい上、やりすぎるとジェノサイドルートの方に行ってしまうため、適度に加減しなければならない。しかも、これらの仕様はノーヒントである。 夜道のイベントが発生するのは序盤の終わり頃。これに対し、ジェノサイドルートへの分岐が中盤、専用バッドエンド2種への分岐が終盤と、フラグの影響する箇所が大きく離れているため、自力での関連付けが難しい。 分岐条件だけでも厄介だが、周回プレイでシナリオ中盤から始めた場合、夜道のイベント自体がスキップされてしまう。これらの仕様により、達成率100%の鬼門となっている。 CGモード・回想モード・サウンドテストがない いずれも大抵のノベルゲームに実装されている。ただし、CGモード・回想モードに関しては、本作が膨大な数のアニメーションを使用している都合上、やむを得ないとする見方もある。 Best版にBGM再生機能が実装されている。 PSP版はギャラリーモードでBGMを聴く事が可能。 スキップ機能が不便 速度がやや遅い、未読部分を飛ばせない、△ボタンを押し続ける必要がある(*1)等、使い勝手はあまり良くない。 ただし未読部分を飛ばせない仕様については、スキップ中に新展開が来た場合に突然元の速度に戻るため新たなルートに入ったことが分かりやすいというメリットがある。 チャプターが少ない 本編の途中から始める場合、開始地点が最大4箇所しか存在しない。 内訳は「美月との出会い編」「美月との共同生活編」「番外編(本編開始よりさらに前、番外編シナリオへ分岐可能)」「撮影旅行編」。 さらに、これらは解禁条件が設定されているため、ある程度やり込んでからでないと利用できない。特に中盤から始められる「撮影旅行編」は最も出現条件が厳しい。 途中から開始した場合は一部のフラグがスキップされた状態になるため、上記に述べたように一部のバッドエンドにたどり着けないという問題もある。 いわゆる「システムデータ」がない ED達成状況やルート達成率を増やすためには、毎度何かしらのEDを迎えてセーブし、また最初から始めなければならない。この仕様により、たった+0.数%の差分を埋めた場合でもいちいちEDを迎える必要がある。 選んだ事のある選択肢を色分けする機能がなく、自分で暗記するかメモを取る必要がある。 達成率100%について 先述した「スキップ機能の不便さ」「チャプターの少なさ」「システムデータの不在」が原因で、かなりの作業を要求される。 CGモードが存在しない都合上、達成率100%の特典CGはその一度きりしか見ることができず、再度見るには最初からやり直すか、達成直前のセーブデータをバックアップするしかない。 総評 フルボイス・フルアニメーションというありそうでなかったADVゲーム。 人気のキャラデザインを起用し、アニメーションの出来もよく、さらにシナリオの評価も高いと、やるドラシリーズでも特に人気の高い作品になっている。 サイコサスペンス的なストーリーはやや人を選ぶが、そういった作風のADVが好きなら楽しめるだろう。 その後の展開 本作に続き、当初の予定通りの4部作が発売された。 「春」がテーマの第2作『季節を抱きしめて』は主人公とヒロインを含む三角関係といった恋愛要素とファンタジー色が強いシナリオ。 「秋」の第3作『サンパギータ』はクライムサスペンス&バイオレンス的な作風。 「冬」の第4作『雪割りの花』は独特の絵柄で、内容も年上のヒロインとの沈鬱な交流を描いたもの。 この4作品は全てヒロインが記憶喪失という共通点がある。これは元々、初期4部作は「記憶喪失」をテーマにした4編のオムニバスからなる1本のソフトの予定だった為。 また春夏秋冬の「春」にあたる作品よりも「夏」にあたる本作品が先に出たのは、「春」がコア向きの内容だったためとのことである……が本作が「万人向け」かと言われると疑問も残るが。 なお、本作の番外編にあたるオマケエンディングとして、後3作のヒロインがゲスト出演している。 本作を含めた4部作は後に廉価版が発売され、PSPにも移植された。 さらに初期4部作の後もハードをPS2へ移し、『スキャンダル』『BLOOD THE LAST VAMPIRE』が発売された。 PSP版について UMD1枚にまとめられており、ディスク交換の手間がなくなった。 画面表示をフルスクリーン/オリジナルサイズの二種類から選べる。 画質自体は上がっておらず、フルスクリーンで引き延ばすと粗く見える。 テキストの解像度が上がっており、ウィンドウの透過・表示位置の変更が可能。 タイトル画面やUI(効果音含む)が異なる。 自動スキップ(ON/OFF切替式)が追加。 セーブポイントが大幅追加(セーブスロットは5つ)。 各エンディングのリプレイデータが自動保存される。 ギャラリーモードが追加。 エンディング収集の特典として、各キャラの設定画が解禁されていく。また、作中のBGMを聴く事もできる。 PS版から劣化した部分は以下のとおり。 映像・音声のつなぎがPS版より遅く、やや間延びした印象を受ける。 一部のシーンにおいて、直前に表示したフレームがちらつく事がある。 達成率を画面左上に表示する隠しコマンドが廃止。ただし、数値自体はセーブ/ロード画面で確認可能。 気になる点は幾つかあるものの、携帯機向けに遊びやすくした良移植と言えるだろう。 余談 プレステはセガサターンに比べてお色気描写の規制が厳しく、移植版でもパンチラは徹底的に修正されていたが、本作はパンチラどころか堂々と美月のパンツが見えるシーンがあり、「ソニー自体の発売だったらパンツ出してもいいのか」と話題となった。
https://w.atwiki.jp/kuizu/pages/3108.html
棊子麺 自作 JASの基準では幅4.5mm以上、厚さ2mm以上という基準が設けられており、 「ひらめん」「ひもかわ」「平打ちうどん」とも呼ばれる幅の広い麺類で、名古屋名物として知られるのは何? (2013年10月18日 死にかけの蜩みたいな発情期 ) タグ:生活 Quizwiki 索引 あ~こ true my heart ナーサリィ・ライム
https://w.atwiki.jp/83452/pages/11908.html
・・・ 澪「ってな感じで結構種類も豊富でよかったぞ」 梓「へぇ・・・今度行ってみますね」 澪「少しすれば人ごみもなくなるだろうしな」 梓「じゃあ・・・も、もし時間があったら・・・その・・・」 澪「ん?」 梓「あの・・・一緒に行きませんか」 澪「あぁいいぞ?他にも買い物したかったし」 梓「ホントですか!?」 澪「律じゃ洋服とかあんまり興味持ってくれないからな」 梓(律先輩gjです!) 澪「たまには息抜きも必要だしな!」 梓「そうですね!じゃあ今度の休みにでもどうでしょう?」 澪「そうするか。それにしても皆遅いな」 梓「掃除当番ってのも定番ですけどね」 ・・・ 梓「また練習しなかったですね・・・」 律「まぁまぁ!来週はみっちりとやろうじゃないか!」 梓「はいはい」 律「中野ォォォォォォ!」ダッ 梓「きゃー!」 唯「あずにゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!」ダッ 梓「なんでー!?」 紬「あらあら」 澪「まったく、仲いいな」 ―――― 唯「じゃあ私こっちだから~」 澪「あぁ、また月曜にな」 紬「私も駅いくね」 律「おぉ、後でメールするよ!」 紬「待ってるね♪」ノシ 梓「皆さんお疲れ様でした」クタッ 澪「私もあとで連絡するよ」 梓「はいっ!」 律「おやおやぁ?怪しいですなぁ・・・」 澪「なっ、なにがだよっ」 律「唯一の後輩と二人でいけない関係n」ゴッ 澪「馬鹿言ってるんじゃない!」 律「ふぃー久しぶりに頭がぁ・・・」ヒリヒリ 澪「律がいけないんだからなっ」 律「でも梓となんかあんのか?」 澪「あぁ今度買い物に行く約束をしたんだ」 律「えぇ~私は~」 澪「一緒に行くか?律洋服とか乗り気じゃないから・・・」 律「だって・・・あんなメルヘンな世界・・・」 澪「たまには可愛い服着てもいいんじゃないか?」 律「私は動きやすいほうのが楽なんだも~ん」 澪「そっか・・・確かに可愛くなった律って・・・」プッ 律「澪が話振ったんだぞ!?」 澪「悪い悪い」フー 律「まったく!」 澪「じゃあ私も行くよ」 律「お、気をつけてな~」ノシ …… 律「ただいまー」 聡「おかえり姉ちゃん」 律「またゲームか」 聡「テレビゲームは中学生の義務だろ」キリッ 律「・・・案外間違ってない」 聡「姉ちゃんも一緒にやるか?」 律「いや私はいいや。聡じゃ相手にならん」 聡「でたよゲームクイーンが」 律「まだまだ幼い弟をいじめるなんて・・・慈悲深い私には・・・」ガクッ 聡「はやく部屋行けよ」 ・・・ 律「あー続きが気になる終わり方だなぁ・・・」ポイッ 律「これは続編に期待ってことか・・・」ンー 律「・・・さて、風呂入る前にムギに連絡しとくか」 『私だよん☆ムギは土曜と日曜どっちがいい?』 律「さて、風呂にでも・・・」ブブブ 律「・・・早ぇえよ!」 『私はどっちでもいいよ(はぁと)楽しみで今日寝れないかもっ!』 律「ほう・・・」 『じゃあ両方遊ぶか!澪には勉強!って怒られそうだけどww』 『ホント!?じゃあそうしよっか!えへへ~りっちゃんとデートー♪』 律「ははっ、可愛いやつめ・・・」 『じゃあ明日13時に駅でいいかー?』 『うん!大丈夫!楽しみにしてるね(キラキラ)』 律「じゃあ又明日なー・・・っと」 律「何だかんだ風呂入りそびれてた・・・入るか」 ・・・ 律「ふぅ・・・」カポーン 律「なんだかんだ明日楽しみだなー」 律「ふふっ♪」 ・・・ 律「ふぁー・・・っと案外早く起きたな・・・」ノビー 律「寝たの遅かった筈なんだけど・・・」 律「これじゃムギのことなんだかんだ言えないな」タッタッ 聡「あれ姉ちゃん早いじゃん」 律「またゲームか」 聡「まだゲームだ」 律「お前・・・」 聡「母さん出かけたから飯作って」 律「はぁ・・・憂ちゃん欲しい・・・」 ・・・ 律「ほらっ出来たぞー」 聡「おっ、なんだかんだ姉ちゃん料理出来るんだよな~」 律「母さんたまに出かけてて居ないからな」 聡「なのに何故彼氏とか出来ないんだろ」 律「女子高なめんな!」 聡「女子高を理由にするのは甘え」 律「お前飯抜きな」 聡「姉ちゃんこんなに可愛いのに男って見る目ないよなー」 律「まったくだ」 律「でも今日私デートしてくるから」 聡「」 律「どうした?大好きな姉ちゃんが取られそうで悲しいか?」ニヤニヤ 聡「そんな馬鹿な。それに俺は男のが好きだ」 律「」 聡「いや、突っ込んでよ」 律「突っ込み辛いわ」 聡「この年でホモってどんな中学生だよ」 律「ありえない事も無いかなーって」 聡「泣くよ・・・?」 … 律「ふう・・・食った食ったー」 聡「ご馳走様ー、そういえば今日デートする人ってどこの人?」 律「ん?あぁムギだよムギ」 聡「麦?100%なのか?」 律「なにを意味の分からないことを・・・前に来たことあるんだけどなぁ」 聡「覚えてないなぁ・・・」 律「優しくて可愛くて胸はでかい」 聡「ちょっと結婚してくる」 律「ゲームでもしてろっ!」 ・・・ 律「さて結構いい時間だな・・・」 律「準備して向かうかー」 律「じゃあ行ってくるわー」 律「・・・」 律「流石に寝てるか・・・」ガチャッ 律「・・・いってきまーす」 ・・・ 律「何だかんだ行っても休日は込んでるなー・・・」 律「ムギ・・・どこかな・・・」 紬「わっ!!」トンッ 律「ギャーッ!!」 紬「えへへ~」 律「ム、ムギかぁ・・・腕を上げたな・・・」 紬「えっへん!」フンスッ 律「あ・・・」 紬「りっちゃんどうしたの?」 律「いや、今日のムギ可愛いなーって」 紬「えへへ~りっちゃんとのデートだから頑張っちゃった♪」 律「私いつも通りでなんか悪いな・・・」 紬「りっちゃんっぽくて良いと思うけど?」 律「まぁ私だしなっ!」 紬「えぇ♪」 律「あっムギ飯食った?」 紬「お昼はまだ・・・」 律「じゃあとりあえず軽く食べに行くか!」 紬「お昼は任せてっ!」 律「おっ?良いとこ知ってそうだなー」 紬「この前行ったところのランチが美味しかったの!」 律「なんか高そうな気がしなくも無いが・・・」 紬「大丈夫♪レストランみたいなところだから!」 律「ほう・・・じゃあムギ一押しの店に行ってみるか!」 紬「がってんです!」フンスッ 律「ピザ・・・屋?」 紬「りっちゃんピザ苦手?」オロオロ 律「いや好きなんだけど・・・こんな店知らなかったなぁ・・・って」 紬「ふふっ良かった♪父の友人がやってるらしくて一回来たの~」 律「琴吹ネットワークって凄いな・・・」 紬「穴場らしくて結構人気もあるらしいの!」 律「おぉ!じゃあ期待できるな!」 紬「えぇ、じゃあ行こっか!」 律「ピザとか久しぶりだな~」ルンルン イラッシャイマセー 紬「どれにする?」 律「ん~流石に一人一枚は辛いもんな~」 紬「私はどれでも良いけど・・・」 律「いや!ムギに任せよう!私じゃ決めきれん!」 紬「ふふっ、じゃあ店長にお任せしてみよっか!」 律「ほぅ・・・そう来ましたか!いいじゃん!」 紬「すいませーん・・・」 店長「あれっ、紬ちゃんじゃないか!」 紬「今日は友人とご一緒させていただきました♪」 律「ど、どうもっ」 店長「ははっ、硬くならなくて大丈夫だよっ」 律「こういう雰囲気のあるお店って慣れてなくて」/// 店長「気楽に食べていってな!あ、注文は決まってる?」 紬「あ、店長にお任せしてもいいですか?」 店長「ほぉ粋な注文するねぇ!よし待っててな!」 紬「お願いします♪」 律「・・・ふぅ、なんか店長良い人っぽそうだな」 紬「えぇ、気の利く良い方よ」ニコニコ 律「あとは料理だな!」 紬「気に入ってくれれば嬉しいんだけど」 律「めっちゃ期待してるぞっ」 紬「ふふっ私も」 店長「はいおまたせっ!」 律「おぉ・・・めっちゃ美味そう・・・」 店長「じゃあごゆっくり!」 紬「有難うございますっ♪」 律「なんかめっちゃ豪華な・・・」 紬「店長さん優しいからサービスしてくれたのかしら♪」 律「ラッキーだな!じゃあ早速食うか!」 紬「えぇ、じゃあ取り分けるね」 律「なんか慣れててカッコいいな」ニシシ 紬「えっへん!」 ・・・ 律「ご馳走様でしたー!」 紬「また友人とお邪魔しますねっ♪」 店長「あぁ待ってるよ!じゃあ気をつけてね!」 紬「有難うございま~す♪」 律「いや~美味かった!ムギお手柄だなっ!」 紬「気に入ってもらえて良かったわ」ホッ 律「今度は皆で行くか!」 紬「えぇ!唯ちゃんとか喜んでくれそうね」ニコニコ 律「ははっ、めっちゃ食いそうだな唯・・・」 ・・・ 律「さて、この後はどうしようか?」 紬「明日もあるからいっぱい遊べるね!」 律「そうだなー・・・ムギなんかしたい事ある?」 紬「そうねぇ・・・りっちゃんに任せよっかな!」 律「じゃあたまにはカラオケとか行ってみるか!」 紬「カラオケ!」 律「ムギ苦手か?」 紬「行ったことないの!是非行ってみたいわ!」 律「じゃあ丁度いいな!」 3
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/1658.html
季節の移り変わり。 それは普段意識する事はないけど特に立春の前日の事。 私達は豆を撒いたり食べたりする習慣がある。 季節を分かつ慣わし 穏やかな日差しが春の近づきを感じさせる、そんなある日曜日の午後。 「遊びに来たよー」 我家の玄関に聞き慣れた友人の声と客人の訪問を告げるチャイムの音が響いた。 「ほーい」 居間でくつろいでいた私はこなたがやってきた事を知って、読んでいた本を閉じて返事をした。すぐに立ち上がり出迎えに行くと、私の背中を追いかけるようにつかさも神棚が設置された部屋を抜ける。 「いらっしゃい」 ドアを開け目の前に現れた、ファーが付いた狐色のコートに身を包んだこなたに歓迎の言葉を掛ける。 「お邪魔しまーす」 そう言うこなたは既に家の中。もうお邪魔してるんじゃないかとかくだらない事を一瞬考えて、即行で消し去る。 「いやー、外は寒いねぇ」 白い息を吐きながらしみじみと語るこなた。吐息の色や手をすり合わせる仕草から、実際にはその寒さを体験してはいないのだが、屋外は相当寒いと言う事を私は感じ取った。 「そうでしょうね。暖房効いてるわよ」 早く温まりたいとはこなただけでなく私の願望でもあったので、先程まで姉妹揃って温もっていたこの家で一番間取りの広い部屋にこなたを通す。 通路から居間に舞い戻ると、再び訪れた温もりに私達は至福の表情を浮かべた。扉を一枚隔てただけでこんなに気温が違うとは、人間の発明品とは実に素晴らしいと実感する。 特にこなたは玄関付近の室内より更に冷える外で寒風に吹き曝されていたから、室内を天国のように思っているのではないだろうか。 鼻の頭を赤く染めている小さな来訪者に向き直ると、目を極限まで細めてとても幸せそうな笑みを浮かべていた。私の思っている通りで間違いなさそうだ。 「何か温かい飲み物持ってくるね」 つかさが此処と隣接している台所の方を指差して言った。 「おー、ありがとー」 「悪いわね」 私達の返事を確認して優しく微笑み、つかさは歩みを進め始めた。 隣の部屋に入っていく妹の後姿が見えなくなった頃、再度呼び鈴が鳴らされた。 恐らく本日召集を掛けたもう一人の人物が到着したのだろう。 「みゆきさんかな?」 こなたも同意見らしく、私が脳内に思い浮かべた人物の名前を口にした。 「多分そうね。つかさー、みゆきの分もお願い」 前半はこなたに、後半は呼んだ名と同様に少し離れて位置しているつかさに向けて言う。 少々のタイムラグを生じて返ってきた、了解の意を示した少し大きめのつかさの声。それを聞きとった後、私はこの場所から身を移す事を憂鬱に思いながらも、二人目の訪問者を家に上がらせるべくゆっくりと歩き出した。 「そう言えばこなた、あんた何か用があるって言ってたでしょ」 四人揃ったところでこなたに話題を振る。 「おお、そうだったそうだった」 こなたは私の言葉でようやく当初の目的を思い出したようで、持参してきた荷物の中を探り始めた。 「皆、今日が何の日か勿論知ってるよね?」 「カリスマアパレル系ショップの店員というネタをされている芸人さんの誕生日ですね」 そうだったのか。『かしこまり~』とか言っているちょっと太った女の人が私の頭に浮かぶ。 あの人幼児期から赤ちゃんモデルやってたらしいわね。生まれた時の体重は四千四百近くあったそうな。 「違うよゆきちゃん。今日はバルトロメウ・ディアスが喜望峰に到達した日だよ」 マジか。っていうかつかさ何でそんな事知ってるんだ。 私もこの流れに乗って、今日はのり巻きの日よと発言しようとしたが、こなたがしょんぼり顔になっているのを見て慌てて口を閉じる。 「今日は節分でしょ」 私のもっともな回答に、こなたの顔が見る見る内に明るくなっていく。それに比例して私の理性が削られていく。何という理性デストロイヤー。 ちなみにのり巻きの日とは、節分の夜に恵方に向かって太巻きを食べると幸福になると言い伝えから、約二十年前に全国海苔貝類漁業協同組合連合会によって制定されたらしい。 「そうだよかがみん。それで私はこんなものを用意したのだよ」 目を爛々と輝かせたこなたがちらりと見せた、黄色の地に黒の横縞をあしらった布地。 「鬼の衣装ね」 私はその模様でこなたの準備したものとその後の展開を理解した。 「皆で豆撒きパーチーだ!みゆきさん、例のもの持ってきてくれた?」 「ええ、ここに」 そう答えてハンドバッグから大量の炒られた豆を取り出すみゆき。ご丁寧な事に複数の升の中に均等に分けられていた。 明らかに許容量を超えるその多さに、何処か異空間にでも繋がっているのではないだろうかと本気で考えた。しかし答えを聞くのが怖くて私は押し黙る。 「食用の分も残してあるので遠慮なく使ってください」 「んで、問題は誰が鬼をやるかなんだけど……」 こなたが私の方を見た。瞳を潤ませて哀願するような目線で私を射抜く。 こっち見……てください。 「嫌よ。こなたがやりなさいよ」 こなたに鬼の役割を譲渡した理由は主に二つ。私がやりたくなかったのと、こなたの鬼の姿を見てみたかったから。 配分がどちらかに偏ってるけど気にしない。 「では公平にじゃんけんで勝った人がかがみさんに鬼をやって貰うよう頼みましょう」 待てこら。それではこなたが着るケースがないじゃないか。 結局一人五指を収束させたみゆきは、手の平を開いた私達に負けて鬼の役をやる事になった。じゃんけんって大概言い出しっぺが負けるのよね。 「かがみさん、常識的に考えて紙が石を上回るなんてあり得ませんよね?」 言い訳がましく抗議するみゆきは放っておく。 「結論から申し上げると、サイズが合いませんでした」 こなたから渡された衣装を手に一人脱衣所に入っていったみゆきだったが、数十秒後元の服装のまま出てきた。 「非常に残念です」 残念じゃなさそうにみゆきが呟く。 「こなた、あんたサイズ調べてきたの?」 振り返ってたった今問題となった衣服を調達した本人に確認を取る。 「そう言えば私に合わせたかも」 ちょろっと舌を出すこなた。他に人がいなければ床をのたうち回っているところだ。 「結局自分が着る気だったんじゃないの」 にやけが止まらない私は、少し前に悔いた事がこんなにも早く現実になるこの流れに、多大なる感謝の気持ちを寄せた。 「うーん、私しか着れないだろうし……よし!私が着てしんぜよう!」 「では泉さん、どうぞ」 みゆきから縞模様の布地を受け取って、こなたは扉を開けた。閉められるのを目の当たりにすると、自然と舌打ちが漏れた。 「みゆきの眼鏡って透視出来るみたいな特殊能力ついてないの?」 無茶振りも良いところだと自分でも思う。 「ついてますよ」 今すぐその眼鏡をこっちに寄越せ。 「本当に?」 「浮かび上がった光の色で宝箱の中身がアイテムかゴールドかエネミーか判断出来ます」 使う機会あるのかそれ。 ドアを前に佇む三人。沈黙が流れる。 「かがみさん、つかささん、これをご覧になってください」 みゆきが私達に提示するように突き出したのは、何の変哲もないみゆきの腕だった。 何か見せてくれるのではなかったのかとしげしげと眺めていると、みゆきの指が変に折り畳まれているのに気づいた。人差し指と中指は前側に、その他の指は手の平に向かっている。 「じゃんけんの第四勢力のピョーです」 何言ってるんだこいつは。 「パーには勝てますがグーとチョキには勝てません」 どうやら先程パーに負けたのが余程悔しかったらしい。心中でそう読み取ると、丁度扉が開かれる音がした。着替え終わったようだ。 「じゃじゃーん!どう?」 それを合図に視線を向ければ、目に飛び込んでくるのは鬼の衣装に身を包んだこなた。 その服装は所謂ツーピース。みゆきの特殊能力になんか頼らなくても、今だけはこなたの腰の括れや小さなおへそも丸見えだ。 上半身は肩紐のない黄色と黒色を基調とした布だけに巻かれるように覆われていて、こなたがもっと見てと言うように動けば連動するように同色系統のフレアスカートも揺れる。 「ねぇかがみ、どう?似合ってる?」 こなたが私の前に歩み出れば、鬼をモチーフとした衣装はひらりと翻る。ミニスカートが、着用している人物の動作に遅れて元に戻る。 これは核兵器並の破壊力だ。威力が鬼ヤバい。皆に危害が及ぶ前に実態を調査せよ柊かがみ。 「お……」 「お?」 「鬼は内いいいいいいいいいぃぃぃぃぃ!!!」 「にゃあああああ!!」 私はこなたを担いで自室へと駆け出した。核実験の為だ。 もう一度敢えて言う。核実験の為だ。 「ちょ!かがみっ!普通鬼は外だよ!?つかさ、みゆきさん、そうだよねっ!?」 「こなちゃん、鬼を祭神や神の使いと扱う神社は鬼も内で良いんだよ」 「他にも姓に鬼のつく家庭でも鬼は内で良いんですよ。鬼塚とか鬼丸とかオニオンとか」 「ええっ!?そうなのっ!?」 「そうなのっ!」 「いやかがみ!?絶対知らなかったよね!?今確実に話合わせたよね!?ほら!早く皆で健全に豆撒きしようよ!二人だけでかがみの部屋直行なんて―――誰かー!」 こなたは仰向けで私の部屋にあるベッドの上。そして私はこなたの上。 「もぅ……強引なんだから」 私を見上げて頬を染めながら囁くこなたに私は自我と記憶と魂を失いかけたが、何とか現世に踏み止まる。 「こなたぁ……良いよね?」 私が顔を近づけながら猫なで声で聞くと、こなたはより一層顔面に浮き出た朱色の部分の面積を広くした。 「どうせダメって言ってもやるんでしょ?」 こなたの声には諦めと期待が入り混じっていた。自然と顔が綻ぶ。 「良く分かってるじゃない……」 私はそう呟いて、こなたの唇を奪った。反射的にこなたが目を瞑る。 両手を繊細なものを扱うかのように優しくこなたの頬に添え、自分の唇をこなたの柔らかい部分に押し当てていく。 「ん……」 存分に堪能した後、私は更なる繋がりを求めて舌端を伸ばした。こなたの熱い口内をうねりながら進む私の舌は、すぐに同じ形状の物体に出会う。 粘膜に覆われたそれらはお互いを必要とするかのように絡み合い、存在を確かめ合う。 私達だけの世界に響く淫猥な水音。刺激に反応して時たま漏れる嬌声。一種の心地良さを感じさせるこなたの香り。 どれも私しか知らないこなたの淫らな様子。気分を高揚させるには十分すぎるほどだった。 更なる興奮を手に入れようと、私は激しく舌を動かす。 「んむぅ……んふっ……」 唇から歯茎まで余す事なく隅々まで舐め回す。縦横無尽に快感を弄る私の舌は暴れるような動きで、もしかしたら私の心理状態を表していたのかもしれない。現に私の脳は、唾液にまみれた部分同士の接触によって起こる淫靡な感触にショート寸前だった。 それでもこなたはまだ満足していないのか本能のままの行動なのか、積極的に巻きついてきた。こなたを私が欲情させているという事実に私は嬉しくなって、もっと強くこなたの唇を吸った。 濃厚な口づけをたっぷりと味わって、私は名残惜しさを感じながらも接合部を離した。大分密着していたはずなのに、まだ足りないと不満を示す私の心は貪欲なのだろうか。 混ざり合った私達の唾液は細く長い糸を引いていて、もっと深い連繋を欲する私の心情を表しているようだった。 それが千切れてシーツに染みが出来た時、私の中の何かも切れた気がした。 「かが……ふあっ!」 突然訪れた快感にこなたの発言は中断を余儀なくされたのだろう。原因を生み出した張本人なのに、私は随分と冷静な視点から観察していた。 こなたの水色の縞々パンツは既に下着の役割を果たせない状態になっていた。布を隔てていても伝わるこなたの秘所の湿り具合に、私は今一度こなたを高ぶらせた事を実感する。 この模様も今日の衣装と合わせて選んだのだろうか。もしかしたらこういう状況を予想して私の為にはいてきてくれたのだろうか。 「か、かがみ?こういう事はさ、また今度にしない?」 こなたの上目遣い攻撃が開始された。私のハートに天使が放った矢が突き刺さる光景が浮かぶ。急所に当たり効果は抜群、こなたの属性とも一致していてその威力は実に通常の六倍である。 「ほら、つかさやみゆきさんもいるわけだし……」 気合の何とやらで何とか瀕死だけは防いだ私に追加攻撃が襲い掛かる。第二防衛ラインも突破されそうな勢いだ。 「今日は節分なんだから、節分っぽい事しようよっ」 一気に勝負を決めるつもりなのかこなたは力強く提案した。しかしここで諦める私ではない。 何とか節分からに関する事で私の望む結果にありつける言葉はないだろうか。凄まじい速さで脳内に様々な知識を巡らせる。 節分……鬼……鰯……太巻き……豆…… ―――豆? 閃いた。 「ねぇこなた。節分って歳の数だけ豆を食べるわよね?」 答えは分かってはいるのだが、そう聞きつつ私はこなたのスカートを脱がせる。 「そうだけど……」 堂々とショーツを覗く私に歯切れ悪く答えるこなた。 咎められないという事は、こなたもこの後の展開を受け入れる準備をしているのだと良いように解釈して、私は下着に手を掛ける。 「じゃあ節分らしく豆でも頂こうかしら」 私は上機嫌にこなたの秘所を露出させた。何度見ても飽く事のない、魅力的な光景が繰り広げられる。 透明な液体が僅かに光り輝くこなたの陰唇は、ひくひくと微かな反応を見せる割れ目を襞が囲っていた。 「な、何をするつもりなのかな?」 じっくりとそれを視認する私に上擦った声でこなたが尋ねる。 「だから節分に因んで豆を食べるのよ」 私は強引にこじつけた行為続行の理由を伝えた。 「こなたの豆を……歳の数だけね」 言い足して、私は頭部の全面を露わとなったこなたの大切な場所に寄せる。 「ひゃっ!」 甘酸っぱい匂いが鼻腔をくすぐる。軽い目眩が起こりそうな感覚に人格のコントロール権を奪われそうになったが、私は何とか見えない力の強奪のもくろみを失敗に終わらせる。 愛液滴る秘裂に、私はそっと舌を差し入れた。 「ひゃうっ!」 自分の意志ではないだろうが、恥部に無断で入り込んできた異物を拒絶するかのように膣口をすぼませるこなた。 私はこなたの両脚を半ば無理矢理開かせ、侵入者扱いされた自分の口中の突出した器官を押し付けるように顔をなお一層接近させる。 「んっ……」 陰部を妖艶に煌かせる愛液はまるで媚薬、私の性的欲求を急速に催させた。 酸味のあるこなたの味を知覚しながら、包皮に包まれた肉芽を舐め上げる。 「んあっ」 途端にこなたの足先が伸びて、筋肉の収縮を行動で表した。 真珠のように小さく優美な突起を、唾液を乗せた舌先でつついたり転がしたりするだけで、秘裂の奥から粘り気のある液体が滲み出る。 全てを舐り取るようにこなたの中を掻き回す。 「ひあっ……」 こなたの下半身の猥りがわしい有様を当人に示すように音を立てる。 私は内部をなぶるような動かし方を止め、引き抜いては両度差し込むといった愛撫の方法に変更した。直後、身体を反らしてスプリングを軋ませるこなた。 突き入れる時は強烈な圧迫感、抜き出す時はざらつく吸引力がまるで誘っているかのように私の火照りを増させる。 「大分濡れてきたわね。そろそろ限界なんじゃないの?」 いやらしい効果音を立てるのを止めて、こなたに問い掛ける。 「そ、そんな事ないもん」 本人は強がっているようだったが、私には恥らっているように見えた。 羞恥の色に染められた顔、無意識によじられる身体。大部分は欲求に正直で、与えられる感覚に抗う術を持ち合わせていなかった。 こなたの大事な箇所を包む皮に再び舌を這わせる。 密接させてから少しの間は擦るように動かした。甘さを含んだ声が自然と出てしまう度に、新たに愛液が溢れ出してくる。 「んんっ……」 次いで掻き分けるように進める。一際敏感な局部に突き当たり、私はそこを拠点とし辺りをなぶり始める。 「はぁん!」 甲高い声が上がる。それはこなたがもうすぐ達するという事を私に伝えてくれるようだった。 こなたに気持ち良くなって貰いたい一心が私を加速させる。 「んっ……くぅん……!」 慎ましやかに鎮座する突起に口唇を丸めて吸いついた。 焼痕が残りそうなほどの高熱に覆われる感覚に、何も考えられなくなる。 私の頭が真っ白になった瞬間――― 「ああっ!ああぅ……!あっ!うああぁっ!!」 こなたの全身が硬直し、痙攣する。止め処なく湧き出す絶頂に達した証は、私の鼻の頭を、紅潮したこなたの身に降り掛かっていった。 「数分後に第二ラウンド開始ね」 「ど、どんだけぇ……」 私の宣言に眉をひそめるこなたはしかし、嫌がっているようには見えなかった。 「いやー、すっかり遅くなっちゃったわね」 一階へと続く階段を下りながら、私は満悦の笑顔を浮かべる。 「全く、本当に十八回やるとは思わなかったよ……」 こなたはそのまま自分の心情を表現するかのように複雑な表情で返す。 結局私達はつかさとみゆきを完全にほったらかしてしまっていた。気がついたらもう太陽は沈み掛けて、世界が紅一色に染まる美しき夕方の風景が見えていた。 「時間って忘れるもんねー。今日は泊まっていきなよ」 これから帰宅するのも大変だろうと思い、こなたに言う。 「んー、じゃあそうしようかな……」 こなたは思案顔で答えを出すと、扉を開けた。 つかさとみゆきがほぼ同時に振り返る。二人は向かい合うように座って、何かを話し合っていた。 「何してたの?」 「じゃんけんの第三十七勢力について討論していたんですよ」 お前ら私達がニュークリアーテストしてる間中ずっと議論を交し合っていたのか。どこまで根に持ってるんだ。 「みゆきさん、それ本気で使うつもりなの?」 「当然です」 「誰も分からないしみゆきしか使えないじゃない」 「私ルールです」 もはや螺子が数本外れているどころの騒ぎではない。狂っている。私が凶ちゃんならみゆきは狂ちゃんだ。 「では第五勢力から紹介しましょう。これがペーで……」 様々な形に手を変形させながら熱く語るみゆきの話を、私達はそれぞれ思い思いの事をしながら流していた。 「つかさ、私泊まる事になったから」 「あ、そうなんだ。じゃあご飯は二人分追加だね」 こなたとつかさのやり取りを聞いて、私は疑問に思った事を口に出す。 「みゆきも泊まるの?」 「これがポーで第十八勢力に当たります」 聞いちゃいねぇ。私達も聞いてないけど。 「私と一緒に今日中に五十は作るって張り切ってたよ」 つかさが代わりに回答してくれたところで、私のお腹が空腹を訴えてきた。 「今お母さんが夕ご飯作ってるよ。もうちょっと掛かりそうだけど」 「私もお腹空いたなぁ」 両手で腹部を押さえてしょげるこなた。気持ちアホ毛も項垂れている。これだけでご飯十杯はいける。太ったらその分こなたとの室内運動で消化すれば良い。こなたが原因なんだから手伝わせる権利が私にはある。 「ではその間大豆を食べませんか?」 全て説明し終えたのか途中で誰も聞いていない事に気づいたのか。いつの間にかみゆきのオンステージは終焉を告げていた。 「そ、そうだね。折角持ってきてくれたんだし」 賛同するこなたの声は少し裏返っていた。理由を知っているのは私だけ。 私達はみゆきが取り出した大豆を自分の年齢と同じ数だけ手に取った。私はさっき食したけどまぁ良いや。一つずつ口へと運んでいく。 全部食べ終えてから、こなたの方を見た。小さなその手にはまだ豆が握られている。 豆になりたいなぁ。でも禁忌を犯して腕と足を失うのはごめんだわ。 「何で豆って歳の数だけしか食べちゃいけないんだろうねぇ」 今のこなたの台詞が『もっとかがみに私のを食べて欲しかったのに!』と幻聴で補足された私は病気だろうか。 「イエス高須クリニック!」 叫ぶみゆき。通じる人が多いか少ないか微妙なラインだ。というか私の心の中と普通に会話しないでくれ。 「でも歳の数より一つ多く食べると身体が丈夫になるって言い伝えもあるみたいだよ」 「っ!」 みゆきの発言ををまるでなかったかのようにして、こなたの疑問に答えるつかさの何故か豊富な知識に反応した人間がこの場に二人。言うまでもなく私とこなた。 「いやっ!かがみっ!私もう限界……」 ここから先の私の記憶は自室で全裸のこなたに寄り添っている場面から始まっている。 コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-09-26 07 45 33) なんすか、このカオスは・・・(特にみゆきさん) -- 名無しさん (2009-02-04 23 15 21) もう何度でも言わせてもらうし異論は勿論認めない。 あ な た が 神 だ 。 -- 名無しさん (2009-02-04 22 25 47) あれからはや1年…… 今年は19+1でついに20回の大台に乗せてしまったんですね、わかりますw -- 名無しさん (2009-02-04 15 45 02) エロと笑いの両方が取れるってすげえwww -- 名無しさん (2008-10-12 13 41 14) ピョーwwwwwwwwポーwwwwwwwwペーwwwwwwwwwww -- 名無しさん (2008-08-07 12 51 44) かがみの記憶がまた飛んでるよ! 続編に期待大!! -- 名無しさん (2008-06-12 23 14 03) 高須クリニックwwwwwww そんなにマイナーネタですかね? とりあえず、かがみんとみゆきさんの頭の壊れ具合がGJw -- 名無しさん (2008-06-01 20 45 16) みゆきさんのキャラがいいww かがみも十分こなた中毒だし ワロエロGJ! -- 名無しさん (2008-02-25 22 51 35) みゆきさん何やってんだよwwwwwwwwww -- 名無しさん (2008-02-20 05 25 29) また記憶すっとんでるwww -- 名無しさん (2008-02-06 09 08 39) クオリティがヤバい -- 名無しさん (2008-02-03 22 32 31)
https://w.atwiki.jp/lordofthedragons/pages/976.html
慕情抱きし追憶の一対 Level 攻撃力 防御力 1 150 5527 6011 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/keroro00innovator/pages/3963.html
ケロテレビ上半期BD/DVDランキング2018 上半期 | 総合シングル | CDシングル | DLシングル | アルバム + 【ランキング動画を見る】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm33360151 http //www.nicovideo.jp/watch/sm33360151 上半期BD/DVD特典CDランキング 順位 CD名 アーティスト タイアップ 収録 発売日 上半期売上 1 One More Sunshine Story 高海千歌(伊波杏樹) ラブライブ! サンシャイン!! キャラソン 1 17/12/22 61498 2 おやすみなさん! 国木田花丸(高槻かなこ) ラブライブ! サンシャイン!! キャラソン 2 1/26 49806 3 in this unstable world/Pianoforte Monologue 津島善子(小林愛香)/桜内梨子(逢田梨香子) ラブライブ! サンシャイン!! キャラソン 3 2/23 42370 4 Beginner's Sailing 渡辺曜(斉藤朱夏) ラブライブ! サンシャイン!! キャラソン 4 3/23 38389 5 NAKED STAR/ささやかな願い アンジェリーナ(日笠陽子)ほか 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女 キャラソン 映画 1/24 36629 6 RED GEM WINK/WHITE FIRST LOVE 黒澤ルビィ(降幡愛)/黒澤ダイヤ(小宮有紗) ラブライブ! サンシャイン!! キャラソン 5 4/24 36431 7 New winding road/さかなかなんだか? 小原鞠莉(鈴木愛奈)/松浦果南(諏訪ななか) ラブライブ! サンシャイン!! キャラソン 6 5/25 33618 8 dark cherry mystery 忍野扇(水橋かおり) 終物語 OP 8 17/12/27 19558 9 315 St@rry Collaboration 01 DRAMATIC STARS&Beit THE IDOLM@STER SideM キャラソン 1 17/12/27 19349 10 315 St@rry Collaboration 03 S.E.M&Jupiter THE IDOLM@STER SideM キャラソン 3 2/28 18941 11 Dear My Sister - ご注文はうさぎですか?? キャラソン 映画 5/30 18795 12 315 St@rry Collaboration 02 High×Joker&W THE IDOLM@STER SideM キャラソン 2 1/24 17118 13 TODAY IS IDOLiSH7 アイドリッシュセブン ED 4 5/25 15262 14 嗚呼、情熱に星は輝く プロデューサー(石川界人)&山村賢(河西健吾) THE IDOLM@STER SideM キャラソン 5 4/25 11994 15 死灯 -エイヴィヒカイト- サンジェルマン(寿美菜子)ほか 戦姫絶唱シンフォギアAXZ 劇中歌 6 2/28 11327 16 風月ノ疾双/必愛デュオシャウト 風鳴翼(水樹奈々)ほか 戦姫絶唱シンフォギアAXZ 劇中歌 5 1/31 11095 17 ギザギザギラリ☆フルスロットル/Change the Future 月読調(南條愛乃)ほか 戦姫絶唱シンフォギアAXZ 劇中歌 4 17/12/27 10777 18 ここから、ここから ソロver. 玉木マリ(水瀬いのり)ほか 宇宙よりも遠い場所 キャラソン 1 3/28 10295 19 活撃特典音楽集 陸 和泉守兼定(.木村良平)&堀川国広(榎木淳弥) 活撃 刀剣乱舞 キャラソン 6 17/12/27 8368 20 季節を抱きしめて 加藤恵(安野希世乃) 冴えない彼女の育てかた♭ キャラソン 6 1/31 7916 21 前へススメ! ソロver. Poppin Party BanG Dream! キャラソン 7 17/11/22 4706 22 貴女にDolce ディーノ(前野智昭)&秋月紅葉(鈴木達央) ブレンド・S キャラソン 6 5/30 4130 23 ポジティブレボリューション 桜ノ宮苺香(和氣あず未) ブレンド・S キャラソン 1 17/12/27 3885 24 インスタントマーメイド 日向夏帆(鬼頭明里) ブレンド・S キャラソン 2 1/24 3668 25 NEW GAME!! キャラクターソングCD Rank.6 涼風青葉×八神コウ 涼風青葉(高田憂希)×八神コウ(日笠陽子) NEW GAME!! キャラソン 6 2/23 3583 上半期音楽BD/DVDランキング 順位 CD名 アーティスト タイアップ 発売日 上半期売上 1 Aqours 2nd LoveLive! HAPPY PARTY TRAIN TOUR Memorial BOX Aqours ラブライブ! サンシャイン!! 4/25 28393 2 THE IDOLM@STER SideM GREETING TOUR 2017 ~BEYOND THE DREAM~ - THE IDOLM@STER SideM 4/25 24438 3 A3! FIRST Blooming FESTIVAL - A3! 4/25 23616 4 MAMORU MIYANO LIVE TOUR 2017 ~LOVING!~ 宮野真守 - 3/21 14557 5 THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR Serendipity Parade!!! @MIYAGI - THE IDOLM@STER シンデレラガールズ 5/30 12254 6 林原めぐみ 1st LIVE -あなたに会いに来て- 林原めぐみ - 17/12/13 12099 7 Inori Minase 1st LIVE Ready Steady Go! 水瀬いのり - 4/4 11174 8 THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 4thLIVE TH@NK YOU for SMILE! - THE IDOLM@STER ミリオンライブ! 1/17 10835 9 Animelo Summer Live 2017-THE CARD- 8.27 - アニサマ 3/28 10814 10 Animelo Summer Live 2017-THE CARD- 8.25 - アニサマ 3/28 10300 11 ユーリ!!! on CONCERT - ユーリ!!! on ICE 4/27 9979 12 Animelo Summer Live 2017-THE CARD- 8.26 - アニサマ 3/28 8412 13 S.Q.P -SQ PARTY 2017 SUMMER- - ツキプロ ライブ 17/12/22 7217 14 田村ゆかり Love Live *Crescendo Carol* 田村ゆかり - 5/23 7150 15 Poppin'Party 2015-2017 LIVE BEST Poppin Party BanG Dream! 5/30 6942 16 君の名は。 オーケストラコンサート RADWIMPS 君の名は。 4/18 4669 17 THE IDOLM@STER SideM 1st STAGE ~ST@RTING!~ - THE IDOLM@STER SideM 16/7/13 4192 18 Mimori Suzuko Live 2017 Tropical Paradise 三森すずこ - 17/12/20 4028 19 A.L.P -ALIVE PARTY 2017 SUMMER- - - 1/26 3840 20 KING OF PRISM SUPER LIVE MUSIC READY SPARKING! - KING OF PRISM ライブ 3/30 3793 21 ガールズ&パンツァー 劇場版 シネマティック・コンサート - ガールズ&パンツァー 17/12/22 3621 22 東山奈央 1st LIVE Rainbow 東山奈央 - 5/30 3573 23 ワルキューレ LIVE2017 ワルキューレがとまらない ワルキューレ マクロスΔ 17/5/31 3409 24 Aqours 2nd LoveLive! HAPPY PARTY TRAIN TOUR Day2 Aqours ラブライブ! サンシャイン!! 4/25 3137 25 Sphere live tour 2017 “We are SPHERE!!!!” スフィア - 3/21 2546 上半期 | 総合シングル | CDシングル | DLシングル | アルバム